(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-23
(54)【発明の名称】リチウムイオン系二次電池における使用のためのナノ構造化ケイ素材料及び製造方法
(51)【国際特許分類】
C01B 33/02 20060101AFI20240416BHJP
C01B 32/956 20170101ALI20240416BHJP
C30B 11/00 20060101ALI20240416BHJP
C30B 29/06 20060101ALI20240416BHJP
H01M 4/38 20060101ALI20240416BHJP
H01M 4/134 20100101ALI20240416BHJP
H01M 4/1395 20100101ALI20240416BHJP
H01M 10/052 20100101ALI20240416BHJP
【FI】
C01B33/02 Z
C01B32/956
C30B11/00 Z
C30B29/06 Z
H01M4/38 Z
H01M4/134
H01M4/1395
H01M10/052
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023563270
(86)(22)【出願日】2022-04-14
(85)【翻訳文提出日】2023-12-07
(86)【国際出願番号】 NL2022050210
(87)【国際公開番号】W WO2022220685
(87)【国際公開日】2022-10-20
(32)【優先日】2021-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523389028
【氏名又は名称】イー-マジー ビー.ブイ.
【氏名又は名称原語表記】E-MAGY B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】シェーネッカー, アクセル ゲオルク
(72)【発明者】
【氏名】スプレフィコ, マルコ アルベルト
(72)【発明者】
【氏名】ピション, ピエール‐イヴ
(72)【発明者】
【氏名】ベルネロン, ピエール アイメリック フェルナン
(72)【発明者】
【氏名】フルーンラント, アドリアヌス マリア
(72)【発明者】
【氏名】クライフェルト, ベルナルト ヤン
【テーマコード(参考)】
4G072
4G077
4G146
5H029
5H050
【Fターム(参考)】
4G072AA01
4G072BB05
4G072DD03
4G072DD04
4G072GG01
4G072GG03
4G072HH01
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4G072JJ18
4G072RR12
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4G072UU30
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4G077MB26
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4G146NA01
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4G146NA21
4G146NA24
4G146NB06
5H029AJ05
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5H029AK03
5H029AL12
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5H050GA05
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5H050GA22
5H050HA04
5H050HA05
5H050HA19
5H050HA20
(57)【要約】
本発明は、少なくともケイ素粒子からなるケイ素系材料であって、ケイ素粒子が、ナノ構造化されており、且つミクロンサイズであり、粒子のナノ多孔質構造が、ケイ素粒子を完全に貫通して粒子の2つの対向する表面を接続する配向チャネルを含む、ケイ素系材料に関し、また、上記のような少なくともケイ素粒子からなるケイ素系材料を製造するための方法であって、共晶金属ケイ素溶融物の制御された方向性凝固プロセスによって金属ケイ化物相及びケイ素相からなる凝固した共晶金属ケイ化物ケイ素構造を作製するステップと、凝固した共晶金属ケイ化物ケイ素構造の金属ケイ化物相を化学エッチングプロセスによって溶解させることによってナノ多孔質構造化ケイ素を形成するステップとを含む、方法を含む。
【選択図】
図6A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケイ素系粒子を製造するための方法であって、
構成成分としての金属及びケイ素から共晶金属ケイ素溶融物を作製するステップと、
前記共晶金属ケイ素溶融物を過冷却された基板と接触させ、その一方で、前記基板が前記溶融物と接触している時間を制御して、前記共晶金属ケイ素溶融物の制御された方向性凝固プロセスによって金属ケイ化物相及びケイ素相からなる凝固した共晶金属ケイ化物ケイ素プレート又はフレークを作製するステップであり、前記基板に垂直な方向で互いに平行な前記ケイ素相の薄層又は棒及び前記金属ケイ化物相の薄層又は棒の、薄層状又は棒状共晶鋳造構造が形成される、ステップと、
前記凝固した共晶金属ケイ化物ケイ素プレート又はフレークを粉砕ステップ及びエッチングステップに曝露することによって、ナノ構造化されたミクロンサイズのケイ素系粒子を作製するステップと
を含み、
前記エッチングステップが、方向性凝固した薄層状又は棒状共晶鋳造構造における前記金属ケイ化物相の前記薄層又は棒を溶解させるように且つ前記ケイ素相において前記金属ケイ化物相の溶解した薄層又は棒の位置に平行配向チャネルを形成するように構成された選択的化学エッチングプロセスに曝露することを含み、それにより、
前記ケイ素系粒子が、前記金属ケイ化物相のそれぞれ溶解した薄層又は棒の位置に、前記ケイ素系粒子を完全に貫通して前記ケイ素系粒子の少なくとも2つの表面を接続するチャネルを有するようにそれぞれ構成されている、方法。
【請求項2】
前記ケイ素系粒子が、前記少なくとも2つの表面間で互いに平行に配向された複数のチャネルを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記凝固した共晶金属ケイ化物ケイ素プレート又はフレークを粉砕する前記ステップを、前記エッチングステップの後に行う、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記凝固した共晶金属ケイ化物ケイ素プレート又はフレークを粉砕する前記ステップを、前記エッチングステップの前に行う、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記粉砕プロセスが、ボール粉砕、ドラム粉砕、ジェット粉砕を含む群から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記粉砕ステップを前記エッチングステップの後に行う場合に、
前記粉砕プロセス中に、カーボンブラック、グラファイト、ハードカーボン、カーボンナノチューブ、グラフェン、アセチレンブラック、及び炭素繊維を含む群から選択される少なくとも1種を含む炭素含有材料を添加することによって、前記ケイ素系粒子の外面に炭素系凝集体の化学結合を形成するステップをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記ケイ素系粒子の外面に炭素系凝集体又は炭素系粒子を作製するステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ケイ素系粒子の前記外面と前記炭素系凝集体又は炭素系粒子との間に配置される炭化ケイ素層を作製するステップを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記金属ケイ素溶融物の金属がクロムであり、前記制御された方向性凝固中の前記共晶金属ケイ化物ケイ素構造の結晶化速度が0.1mm/秒以上である、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記ケイ素系粒子の前記平行配向チャネルが、100nm~1000nmの間の直径を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記ケイ素系粒子の2つの平行配向チャネル間の壁が、100nm~1000nmの間の最小厚さを有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の方法によって製造されたケイ素系粒子の少なくともナノ構造化されたミクロンサイズの粉末から二次電池用アノードを作製するための方法。
【請求項13】
請求項1~11のいずれか一項に記載の方法によって製造されたケイ素系粒子の粉末。
【請求項14】
前記ケイ素系粒子が、ミクロンサイズであり、それぞれ、前記ケイ素系粒子を完全に貫通して前記ケイ素系粒子の少なくとも2つの表面を接続する少なくとも1つのチャネルを含むナノ多孔質構造を有する、請求項13に記載の粉末。
【請求項15】
前記ケイ素系粒子が、ミクロンサイズであり、それぞれ、前記ケイ素系粒子を完全に貫通して前記ケイ素系粒子の少なくとも2つの表面間に互いに平行に配向された複数のチャネルを含むナノ多孔質構造を有する、請求項13に記載の粉末。
【請求項16】
前記平行配向チャネルが、100nm~1000nmの間の直径を有する、請求項15に記載の粉末。
【請求項17】
前記平行配向チャネル間の壁が、100nm~1000nmの間の最小厚さを有する、請求項13~16のいずれか一項に記載の粉末。
【請求項18】
炭素系凝集体又は炭素系粒子が、前記ケイ素系粒子の外面に存在する、請求項13~17のいずれか一項に記載の粉末。
【請求項19】
前記ケイ素系粒子が、前記ケイ素系粒子の前記外面と前記炭素系凝集体又は炭素系粒子との間に配置されている炭化ケイ素層を含む、請求項18に記載の粉末。
【請求項20】
少なくともケイ素系粒子からなるケイ素系材料を含む二次電池用アノードであって、前記ケイ素系粒子が、ミクロンサイズであり、前記ケイ素系粒子を完全に貫通して前記粒子の2つの対向する表面を接続する平行配向チャネルを含むナノ多孔質構造を有し、前記ケイ素系粒子が、請求項1~11のいずれか一項によって製造される、二次電池用アノード。
【請求項21】
カソード層と組み合わせた、請求項20に記載のアノードを有するリチウム系二次電池であって、前記アノードが最大容量に充電されると、ケイ素系粒子が非晶質Li
3.4Si相に部分的にのみ合金化され、かつ、それぞれのケイ素系粒子の残りが、前記非晶質Li
3.4Si相に隣接する結晶性ケイ素相からなるように前記カソードの容量が選択される、リチウム系二次電池。
【請求項22】
前記非晶質Li
3.4Si相が、前記ケイ素系粒子の前記平行配向チャネルの前記壁に層として形成されており、形成された非晶質Li
3.4Si相が、前記結晶性ケイ素相によって前記ケイ素系粒子に封入されている、請求項21に記載のリチウム系二次電池。
【請求項23】
前記アノードが2500mAh/gケイ素未満の容量に充電されるように前記カソードの容量が選択される、請求項21又は22に記載のリチウム系二次電池。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、ケイ素系粒子を製造するための方法に関する。また、本発明は、粒子がナノ多孔質構造を有する粒子に関する。
【0002】
さらに、本発明は、ケイ素材料を含むリチウム系電池のアノード、及びそのようなアノードを有するリチウム系電池に関する。
【0003】
[背景]
ケイ素は、非常に高い容量のリチウムホスト材料である。ケイ素は、グラファイトと比較して10倍のリチウムイオン貯蔵能力を有する。結果的に、ケイ素は、高エネルギー密度のリチウムイオン系二次電池におけるアノード材料として有用である。しかしながら、ケイ素の適用についての主な障害は、リチウム-ケイ素合金化プロセスに伴う大きな体積変化である。この体積変化は、ケイ素含有アノードにおいて、粒子の破壊又はアノード若しくは金属電極の他の材料からのケイ素粒子の分離などの機械的破損を引き起こす。そのような破損を克服するためには、アノードの組成及びそのようなアノードのケイ素の構造の両方を良好に設計する必要がある。
【0004】
約0.5μm超の粒子サイズを有するケイ素粉末は、これらが電池サイクリング下でリチウムケイ素合金に変換されるときに破壊及び亀裂が生じることが知られている。ナノサイズのケイ素構造がサイクリング中の亀裂形成を防止することができることも知られている。結果的に、ナノサイズのケイ素粉末は、その粒子サイズが安定限界である約150nm~200nm未満になったら、安定した手法でサイクル処理することができる。しかしながら、ナノサイズのケイ素粉末は、工業プロセスで取り扱うことが非常に難しく、大きな工業規模で生産するのに費用がかかる。
【0005】
二次電池におけるナノサイズのケイ素粉末の取り扱いの困難を克服するためのアプローチは、ナノサイズのケイ素粒子をミクロンサイズの炭素粒子(足場粒子、ザクロ粒子(pomegranate particle))内に凝集させることである。そのようなアプローチの欠点は、このアプローチが、追加の複雑な費用のかかる材料処理ステップを必要とし、結果的に高コストの材料をもたらすことである。
【0006】
リチウムイオン系二次電池にケイ素を適用する別の戦略は、破損の問題を克服するために、内部ナノ構造を有するマイクロメートルサイズの粉末としてケイ素を製造することである。このアプローチは、リチウム化中の亀裂形成及びアノードマトリックスのケイ素の分離などの機械的問題を解決することができる。ミクロンサイズの粒子の形態において、そのようなケイ素材料は、既存のアノード製造プロセスと非常に良好に適合している。
【0007】
リチウムイオン電池アノードのそのようなサブミクロン構造化多孔質ケイ素の例は、
米国特許出願公開第2018069234号Nexeon;Electroactive materials for metal-ion batteries;
米国特許出願公開第2015072240号LG Chem;Porous silicon-basd particles,method of preparing the same,and lithium secondary battery including the porous silicon-based particlesに記載されている。
【0008】
これらの参考文献には、ミクロンサイズのケイ素粒子に適用される金属(Ag、Cu)支援エッチング(米国特許出願公開第2018069234号及び米国特許出願公開第2015072240号)に基づく方法が開示されている。そのようなプロセスは、そのようなケイ素材料をナノ構造化粒子に部分的に変換することができる。エッチングプロセスの性質に基づいて、構造化ケイ素粒子は、ケイ素のエッチングされた構造化部分の崩壊を防止するために必要な「非構造化ケイ素」コアからなる。
【0009】
そのようなケイ素粒子を含有するアノードの製造における次のステップは、スラリーの形成であり、次いで、このスラリーは、ドクターブレード又はスロットダイコーティングプロセスなどを使用して金属箔にコーティングされる。
【0010】
より詳細には、アノードコーティングプロセスは、ナノサイズの構造化ケイ素材料とバインダー材料(例えば、ポリアクリル酸)及び伝導性炭素(例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、又は炭素繊維)とを溶媒(例えば、水)において混合することを含む。このアノードコーティングプロセスは、合成又は天然グラファイト粉末の添加も含み得る。材料を溶媒と混合して液体スラリーを得て、液体スラリーを金属電極(例えば、銅箔)にコーティングすることができる。乾燥プロセス後に、そのようなコーティングされた金属箔を、特定のサイズに成形し、二次電池におけるセパレータ層及びカソードなどの他の構成要素と組み合わせることができる。
【0011】
これらのプロセスは、周知であり、例えば、Junying Zhang et al.High-Columbic-Efficiency Lithium Battery Based on Silicon Particle Materials,Nanoscale research letters,Issue:1,Volume: 10,Pages:395-395.Oct 8,2015にも記載されている。
【0012】
そのようなプロセスは、適度に機能するアノードをもたらし、その一方で、ケイ素粒子と伝導性炭素との間の電気抵抗は、高いことが多い。そのようなアノードの性能を改善するために、追加のケイ素表面コーティングステップを適用することができる。アルゴン下での高温炭化プロセスで生成される非晶質炭素コーティングの例は、例えば、
米国特許第9559355号、Hydro-Quebec,Particulate Anode Materials And Methods For Their Preparation
に記載されている。
【0013】
ケイ素がコーティングされているアノードは、電池寿命及び充電速度に関して優れた性能を示す。欠点は、多くの場合に高温である追加のコーティングステップがそのようなアノードの製造コストを増加させることである。
【0014】
本発明の目的は、従来技術からの欠点のうちの1つ以上を克服又は軽減することである。
【0015】
[発明の概要]
この目的は、請求項1に記載のケイ素系粒子を製造するための方法によって達成される。本発明には、粒子のそれぞれがナノ構造を有するミクロンサイズの粒子からなるケイ素材料、及びそのようなケイ素粒子を製造する方法が開示されている。従来技術とは対照的に、この製造方法は、粒子を完全に構造化することを可能にし、それによって、粒子内の非構造化体積の制限が克服され、崩壊が防止される。そのような粒子のナノ構造は、粒子を通って延在しており、且つ粒子の2つの表面を接続している、貫通ホール又はチャネルの形態を有する。任意選択で、チャネルが粒子内で分岐している場合、チャネルは、2つ以上の表面を接続することができる。これらのチャネルは、一方の表面に単一の開口部を有するホールが開示されている従来技術と比較して、液体電解質をケイ素に輸送するのにより効果的である。粒子の完全な構造化と組み合わさった改善された電解質輸送特性は、従来技術と比較して、より良好な電池性能、より高い容量、並びに改善された充電及び放電速度をもたらす。
【0016】
この製造方法には、追加のプロセスステップを必要とすることなくケイ素に適用される炭素コーティングも開示されている。従来技術では、炭素コーティングは、高温炭化、又は化学蒸着プロセスなどのコーティングステップを使用して適用される。そのような追加の処理ステップは、開示されている方法によって不要になる。
【0017】
さらに、本発明は、請求項13に記載の、ケイ素系粒子の粉末に関する。また、本発明は、二次電池用アノード及びリチウム系二次電池に関する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の例示的な実施形態が示されている図面を参照して、本発明を以下でより詳細に説明する。図面は、もっぱら例示目的を意図したものであり、本発明の概念を制限するものとして意図されてはいない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲に提示されている定義によってのみ限定される。
【
図1】異なる構成要素を有するリチウムイオン系二次電池の層状構造を示す図である。
【
図2】金属電極の構造化ケイ素、伝導性炭素、及びバインダーからなるアノードの組成物を示す図である。
【
図3】そのような構造化ケイ素材料を含むアノードの断面の表面走査型電子顕微鏡写真である。
【
図4】サブミクロン構造のケイ素粉末粒子の表面走査型電子顕微鏡写真である。
【
図5】7.9μmの中央値(D50)粒子サイズを有するミクロンサイズのナノ多孔質ケイ素粒子試料の粒子サイズ分布測定の例を示すグラフである。
【
図6A】二次電池の第1の充電中の相変化形状を実証するサブミクロン構造化ケイ素粒子の概略図である。
【
図6B】二次電池の第1の充電中の相変化形状を実証するサブミクロン構造化ケイ素粒子の概略図である。
【
図7A】充電状態にあるサブミクロン構造化ケイ素粒子の概略図である。
【
図7B】放電状態にあるサブミクロン構造化ケイ素粒子の概略図である。
【
図8】炭素C1sピークに近いエネルギーでのそのようなミクロンサイズのケイ素粉末のX線光子放出分光スペクトルを示す図である。
【
図9】非構造化ケイ素材料アノードと比較した、ナノサイズの構造化ケイ素材料アノードの充電-放電効率-クーロン効率を示すグラフである。
【0019】
[詳細な技術説明]
図1は、異なる構成要素を有するリチウムイオン系二次電池の層状構造を示す。
【0020】
リチウムイオン系二次電池は、
図1に概略的に示されているように、アノード、セパレータ、及びカソードを含む層状スタックで製作されている。1002は、電池1000のアノードであり、このアノードは、本発明の場合、機械的安定性を改善するためのバインダー材料及び電気伝導性を改善するための伝導性添加剤と組み合わされたナノサイズの構造化ケイ素材料を主に含む。1003は、セパレータ層であり、このセパレータ層は、電解液の浸透を可能にする電気絶縁材料(例えば、多孔質ポリプロピレン箔、又はガラス繊維布)で製作されている。セパレータ層1003は、二次電池の壊滅的な破損をもたらし得るアノード1002とカソード1004との間の短絡を防止する。1004は、電気伝導性を改善するための伝導性添加剤及び機械的安定性のためのバインダーを有するリチウム含有金属酸化物又は金属リン化物を含む活性カソード層を示す。二次電池スタックには、リチウムイオン含有電解質1005が充填されている。
【0021】
電池1000の充電中に、リチウムイオンは、カソード1004から抽出され、アノード1002に輸送及び貯蔵される。電池1000の放電中に、アノード1002は、貯蔵されたリチウムイオンを放出し、このリチウムイオンは、カソード1004に輸送されて戻される。スタックされたアノード層及びカソード層1004、1002を有する電池1000の全体エネルギー密度は、アノード及びカソードの材料の比リチウム貯蔵容量、並びにLi/Li+遷移に関するアノード及びカソードの化学ポテンシャルによって主に与えられることが明らかである。したがって、リチウムイオンについての高い比容量及び大きな電位差を有するカソード材料及びアノード材料を使用することが好ましい。
【0022】
高度なアノード材料の例は、グラファイトと比較して約10倍増加した比容量を有するケイ素である。ケイ素材料は、3590mAh/gの比容量を有するLi3.75Si合金に変換させることができる。
【0023】
しかしながら、ケイ素をLi3.75Siに変換するプロセス又はその逆のプロセスは、それぞれの電池サイクル中にケイ素材料の大きな体積膨張及び収縮を引き起こす。体積変化は、ケイ素材料自体及び周囲のアノード構造に機械的応力を引き起こし、結果的に、電池の急速な容量低下をもたらす。
【0024】
そのような破損を克服するためには、ケイ素材料、及びアノードの他の構成要素との相互作用の両方を、ケイ素材料の体積膨張をサイクリング中に軽減することができるように設計する必要がある。この措置には、アノード、したがって電池が安定化されるという結果が伴うであろう。
【0025】
本発明の第1の実施形態には、ケイ素の有利な炭素表面コーティング及び高エネルギー密度のリチウムイオン二次電池システムにおけるこの炭素表面コーティングの適用を含む、ケイ素材料を製造する方法が記載されている。
【0026】
以下に詳細に記載されている方法は、3つの処理ステップからなる:
ステップ1:金属-ケイ素系の共晶比の溶融組成にあるか又はこれに近い金属-ケイ素溶融物を、金属ケイ化物相及びケイ素相からなる固体二相材料に急速方向性凝固させる、
ステップ2:湿式化学エッチングステップを使用して、凝固した材料から金属ケイ化物相を溶解させる、続いて、
ステップ3:エッチングされた凝固した材料を炭素含有材料と接触させながらの材料粉砕。
【0027】
これら3つのステップの詳細は、以下の通りに記載されている:
ケイ素材料の製造方法における第1のステップは、液体ケイ素-金属含有溶融物の急速方向性凝固ステップを含む。実施形態の一例として、このプロセスは、液体ケイ素-クロム溶融物の形態で記載されているが、例えばチタン又はバナジウムなどのような他の金属と組み合わせたケイ素を代替として使用してもよい。
【0028】
クロム及びケイ素の共晶比にあるか又はこれに近い組成を有する液体溶融物が急速に凝固されると、相分離が起こり、二ケイ化クロム相及びケイ素相の薄層構造の形態で二相構造が凝固される。結晶化速度に依存して構造幾何学を説明するモデルは、Jackson及びHuntによって発表された(Jackson K.A.,Hunt J.D.,Lamellar and rod eutectic growth[J].Trans Met Soc AIME,1966,236:1129-1142.)。
【0029】
薄層(lamellar)状又は棒(lod)状に形成されたケイ化物及びケイ素相は、結晶化フロント移動の方向に延在しており、結晶化速度に依存する典型的な寸法(二ケイ化クロム相と連続的なケイ素相との間の距離として定義される)を有する。したがって、ほぼ一定の結晶化速度を可能にする十分に制御された結晶化プロセスを、そのような均一に離間された二ケイ化クロム-ケイ素材料を製造する方法として使用することができる。
【0030】
この方法についての好ましい結晶化プロセスは、例えば、半導体箔に関する独国特許出願公開第3419137号に記載されており、ここでは、過冷却された基板が、共晶組成溶融物で充填された鋳造フレームの下において輸送される。結晶化プロセスは、過冷却された基板が鋳造フレームの溶融物と接触すると始まり、溶融物と接触している基板の輸送時間中継続する。結晶化方向が基板表面の平面に対して垂直であるため、薄層状又は棒状の構造も基板表面に対して垂直に配向されている。このプロセスは、高い十分に制御された結晶成長速度を可能にするため、共晶クロム-ケイ素溶融物は、明確に定義された配向共晶二相構造を伴って結晶化する。クロム-ケイ素共晶溶融物と組み合わせた鋳造プロセスの制御可能な結晶化速度は、基板との熱接触及び基板と溶融物との間の温度差を変化させることによって構造寸法(すなわち、一対の平行なケイ素薄層間の特徴的距離)を100nm~1500nmの間の技術的に関連のある範囲で調整することができる、構造化された二相材料をもたらす。
【0031】
この方法の第2のステップは、金属ケイ化物の選択的エッチング(及び除去)を含む。大部分の金属ケイ化物は、希フッ化水素溶液でエッチングすることができる。フッ化水素は、ケイ素と反応しないため、選択的エッチングプロセスが確立される。そのようなプロセスの結果として、金属ケイ化物相が除去され、且つナノ多孔質ケイ素構造が得られた、材料シートが得られる。
【0032】
エッチングプロセスは、室温で実施することができるが、化学的反応性を増加させるためには、比較的高い温度が有用であり得る。フッ化水素溶液の濃度を調整して、プロセスの収率を改善し、処理時間を短縮し、プロセスでのエッチャントの使用を最適化することができる。反応成分の大部分は、金属酸化物、酸化ケイ素、及びフッ化水素の形態で再循環させることができることも知られている。結果的に、エッチングプロセスは、副生成物の無駄を最小限に抑えて循環プロセスでナノ多孔質構造化ケイ素材料を生成するのに非常に良好に適している。
【0033】
エッチングプロセスの最後のステップとして、エッチングされたケイ素材料は、エッチャントから除去され、水で濯がれる。
【0034】
最後のステップは、エッチングされたナノ構造化ケイ素材料を粉砕して、ミクロンサイズのケイ素粉末を得るステップを含む。ボール粉砕又はドラム粉砕は、意図される生産量に応じてこのプロセスに適用することができる方法であるが、より大きな規模の生産の場合、ジェット粉砕などの選択的粒子サイズフィルタリングを伴う連続粉砕プロセスが好ましいことがある。
【0035】
粉砕は、所望のナノ構造多孔性を有するミクロンサイズのケイ素粉末材料を生成し、その一方で、粉砕は、粉砕されたケイ素材料がアノードコーティングに含まれている場合、最適な電気伝導性をもたらさない。
【0036】
図4は、ミクロンサイズのケイ素粉末のサブミクロン構造のケイ素粉末粒子の表面走査型電子顕微鏡写真を示す。典型的な平均粒子サイズは、1μm~20μmの間である。粒子のナノサイズ構造は、粒子を通って延在しており、且つこの例では100nm~500nmの間の典型的なチャネル寸法を有する粒子の2つの表面を接続している、配向されたチャネルを示す。チャネルの配向は、写真の粒子の配向に応じて、表面4001のホール、又は表面4002のチャネルの形態で見ることができる。
【0037】
図5は、そのようなミクロンサイズのケイ素粉末の粒子サイズ分布の一例を示す。この例では、平均粒子サイズ(D50)は、7.9μmであり、その一方で、D10=2.7μm、D90=17.5μmである。粒子サイズ分布を粉砕プロセスにおいて調整することができると理解される。電池製造プロセスにおける実践的な理由から、平均粒子サイズは、1μm~20μmの間であることが好ましい。
【0038】
本発明の実施形態によると、ケイ素材料の粉砕は、炭素含有材料と接触したまま実行される。そのような炭素含有材料は、カーボンブラック、グラファイト、ハードカーボン、カーボンナノチューブ、グラフェン、アセチレンブラック、炭素繊維のうちの少なくとも1種を含み得るが、これらに限定されることはない。
【0039】
粉砕プロセスでは、ケイ素シート材料が継続的に破壊され、反応性のダングリングボンドを有するケイ素表面が作製される。ダングリングボンドは、粉砕プロセスに含まれる炭素含有材料、又は炭素含有粉砕装置構成要素と反応して、炭素含有凝集体又は粒子との炭化ケイ素結合を形成し得る。したがって、炭素含有凝集体又は粒子は、ケイ素粒子の表面に化学的に結合した炭素含有材料からなる。場合によって、炭素含有凝集体又は粒子は、ケイ素粒子の外面を部分的又は完全に覆うコーティング層を形成する。
【0040】
一例として、粉砕ステップ中の1重量%~10重量%のカーボンブラックの添加は、ケイ素粒子とアノード構造との間の伝導性の改善、及びそのようなアノードで生産された電池のサイクル寿命の増加を示す。
【0041】
新たに破壊されたケイ素におけるダングリングボンドと炭素含有材料との間の接触を可能にするために、乾式粉砕プロセスで粉砕ステップを行うことが好ましい。湿式粉砕プロセスでは、ケイ素表面のダングリングボンドが湿潤環境と反応する可能性が高くなり、その一方で、乾式粉砕プロセスでは、伝導性炭素粒子への化学結合が起こり易くなる。
【0042】
別の改善点は、保護ガス雰囲気下で、例えば、アルゴンなどのガス下で、粉砕ステップを実行することである。保護ガス雰囲気は、ケイ素のダングリングボンドと大気の酸素との競合反応を妨げる。
【0043】
図8は、本発明によって生成され、カーボンブラック粉末と接触したまま粉砕された、サブミクロン構造化ケイ素粉末の炭素C1sピーク7001に近いエネルギーでのX線光子発光分光スペクトルを示す。スペクトル7002におけるより高いエネルギーセクションは、C-O結合の存在を示し、より低いエネルギーセクション7003は、Si-C結合の存在を示す。この例では、カーボンブラック粒子は、炭素コーティングの形態でケイ素表面に化学的に結合している。
【0044】
ケイ素材料の粉砕と炭素材料への曝露との組み合わせは、ナノ構造化されたミクロンサイズの炭素コーティングされたケイ素材料をもたらし、このケイ素材料は、リチウムイオン二次電池のアノードの他の構成要素と組み合わされると、改善された性能を示す。アノードのケイ素材料の伝導性が大幅に改善されると、アノードの性能が向上し、その一方で、ケイ素のナノ構造は、安定した電気サイクリングを可能にし、以下の適用例で示されているように、亀裂形成又はアノード剥離を防止する。
【0045】
別の実施形態では、エッチング及び粉砕ステップの順序が逆になっている。まず、凝固した二相材料に対して粉砕ステップを実施して、金属ケイ化物-ケイ素の二相構造を有する粒子からなる粉末を生成することが可能である。先の実施形態における説明と同様の手法で、炭素-ケイ素結合を達成することができる。粉砕ステップ後に、粉末は、上記のようなプロセスで選択的にエッチングされる。このエッチングによって、金属ケイ化物相が溶解し、本発明によるナノ多孔質構造のケイ素材料が生成される。
【0046】
一実施形態によると、凝固した材料の鋳造物から金属ケイ化物-ケイ素片を生成するために、追加の機械的破砕ステップが凝固ステップ後に追加されている。この追加のステップは、後続の化学処理においてより効率的に取り扱うことができる材料片を用意するのに有利であり得る。
【0047】
一実施形態によると、ナノ構造化ケイ素粒子を生成するために、粉砕ステップ中の炭素含有材料との反応を省略することができる。この場合、ナノ構造化ケイ素粒子は、典型的には、天然酸化ケイ素表面を形成する。天然酸化ケイ素表面を有するナノ構造化ケイ素粒子は、例えば、有機分子と反応する酸化ケイ素表面の存在に基づくコーティングプロセスと組み合わせると有用であり得る。
【0048】
[実施例]
(
図3)
そのようなケイ素材料を含有するアノードの例は、
図3に示されている。銅箔3001に構造化ケイ素材料3002、カーボンブラック3003、及びバインダーを含むアノードの表面走査型電子顕微鏡断面図が示されている。
【0049】
この例におけるアノードの組成物は、5重量%のカーボンブラックと接触したまま粉砕された80重量%のナノ多孔質構造化ケイ素を含有する。ポリアクリル酸溶液におけるスラリー調製中に、5重量%のグラファイト粉末を添加した。最終的なアノード組成物は、80重量%のケイ素、5重量%のカーボンブラック、5重量%のグラファイト、及び10重量%のポリアクリル酸からなる。
【0050】
この組成のケイ素含有アノードが、例えばリチウムニッケルマンガンコバルト酸化物カソード(NMC)と組み合わされる場合、3590mAh/gのケイ素の最大容量を十分に下回る1000mAh/g~2000mAh/gの間の比容量にケイ素含有アノードが充電されるように、アノード及びカソードの容量を一致させることが好ましい。
【0051】
したがって、そのような一致は、この例のケイ素含有アノードを3mAh/cm2の面積容量のリチウムニッケルマンガンコバルト酸化物カソード(NMC)と組み合わせることであろう。ケイ素の面積負荷が、例えば1.5mg/cm2又は3mg/cm2に調整される場合、ケイ素材料は、2000mAh/g(1.5mg/cm2の負荷)又は1000mAh/g(3mg/cm2の負荷)の比容量で動作する。ケイ素材料含有アノードのこの適用には、サイクル寿命及び安定した電池性能に関して大きな利点がある。
【0052】
ケイ素がリチウムと合金化される場合、ケイ素が2つの相変化を受けることが観察される。ケイ素は、これが結晶性Li3.75Siに変換される前に、まず非晶質Li3.4Si相に変換する。リチウム化がLi3.4Si比(約3200mAh/g)を十分に下回るように制限されている場合、ケイ素材料の一部がLi3.4Siに変換されており、その一方で、ケイ素の別の部分がその結晶状態のままである、二相材料が存在する。
【0053】
ケイ素のこの使用(すなわち、容量制限負荷(上述のような制限されたリチウム化))の利点は、残りの結晶性ケイ素相が、ケイ素粒子を機械的に安定化させ、ケイ素の膨張を粒子の内部多孔性に押し込むことである。この効果は、アノード組成物に対する機械的負荷を大幅に低減させ、電池のサイクリング安定性を向上させる。この効果は、ケイ素支配アノードを適用する際の主要な障害のうちの1つであるケイ素アノード含有電池の外部膨張も防止する。
【0054】
容量制限負荷の効果は、
図6A、6B及び7A、7Bを参照してより詳細に説明されている。
図6A、6Bは、第1の充電中のサブミクロン構造化ケイ素粒子の概略図を示す。初期状態のケイ素粒子5000(
図6A)は、純粋な結晶性ケイ素相5001からなる。第1の充電サイクル中に、結晶性ケイ素は、非晶質Li
3.4Si相5002に変換される。第1の充電中に、結晶性ケイ素(ケイ素相)5001及び非晶質Li
3.4Si相5002の両方が一緒に共存している(
図6B)。リチウム化の量に応じて、材料は、非晶質Li
3.4Si相に完全に変換され得る。さらにより高いリチウム化では、組成Li
3.75Siを有するケイ素合金が生じる。Li
3.4Si相への完全な変換の容量を十分に下回る容量制限サイクリングの場合、材料の2つの相は、共存し続ける。
【0055】
図7A、7Bは、容量制限された電池サイクル下での連続的な充電(
図7A)及び放電(
図7B)状態中のサブミクロン構造化ケイ素粒子6000の概略図を示す。リチウム含有(充電)ケイ素粒子は、結晶性ケイ素6001及び非晶質Li
3.4Si6006の2つの相からなる。放電後に、非晶質Li
3.4Si相は、非晶質ケイ素6003に変換される。同じであるか又はより低い容量での連続的な電池サイクル中に、非晶質ケイ素-Li
3.4Si体積のみが活性化している。残りの結晶性ケイ素6001は、著しくは変化せず、(多孔質)粒子を機械的に安定化させる。
【0056】
図9は、ケイ素材料アノードの充電-放電効率-クーロン効率を示す。参照番号8001は、本発明によるナノ構造化ケイ素材料を含有する2つの試料についてのクーロン効率対サイクルを示す。参照番号8002は、ミクロンサイズの非構造化ケイ素のクーロン効率対サイクルの展開を示す。どちらの材料も、同一の粒子サイズ分布及びアノード組成を有していた。アノードは、80重量%のケイ素を10重量%の伝導性炭素及び10重量%のバインダーとしてのポリアクリル酸と一緒に使用して調製した。サイクリングは、1000mAh/gケイ素の容量制限を有するリチウム金属ディスクに対して行った。2時間の充電時間及び2時間の放電時間を伴う試験サイクルをすべての試料について使用した。
【0057】
この例は、本発明の一実施形態による方法で生成されるナノ構造のミクロンサイズの炭素コーティングされた粒子の適用を実証する。
【0058】
本発明を、好ましい実施形態を参照して説明してきた。前述の詳細な説明を読み、理解すれば、明らかな修正及び変更が他の者に思い浮かぶであろう。本発明は、そのような修正及び変更をすべて、これらが添付の特許請求の範囲に該当する限り含むものとして解釈されることが意図されている。
【国際調査報告】