(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-23
(54)【発明の名称】周方向アブレーションデバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20240416BHJP
A61B 5/287 20210101ALI20240416BHJP
【FI】
A61B18/14
A61B5/287 200
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565174
(86)(22)【出願日】2022-03-18
(85)【翻訳文提出日】2023-10-23
(86)【国際出願番号】 US2022020887
(87)【国際公開番号】W WO2022231726
(87)【国際公開日】2022-11-03
(32)【優先日】2021-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518241986
【氏名又は名称】パルス バイオサイエンシズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Pulse Biosciences,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】トゥロフスキー,ローマン
(72)【発明者】
【氏名】ムーサヴィ,デヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】クイントス,ロデル
(72)【発明者】
【氏名】ダニッツ,デヴィッド,ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ブラッドウェイ,ライアン,シー.
(72)【発明者】
【氏名】デニソン,アンディ,イー.
(72)【発明者】
【氏名】モントゴメリー,ディラン,アール.
(72)【発明者】
【氏名】ダッカニー,ピーター,ジョン
【テーマコード(参考)】
4C127
4C160
【Fターム(参考)】
4C127AA02
4C127LL08
4C127LL15
4C127LL22
4C160KK47
4C160MM38
(57)【要約】
身体脈管にパルス電気治療(高電圧、サブマイクロ秒パルス電気エネルギーを含む)を提供するための方法及び装置が開示される。装置は、肺静脈の洞を含む遷移表面に適合する展開可能な電極を含み得る。
【選択図】
図4C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
解剖学的構造の壁にパルス電界を送達するための装置であって、前記装置が、
細長い本体と、
第1の電極であって、第1の1つ以上のループを備え、前記第1の1つ以上のループ上に形成された第1の活性領域を有し、前記第1の活性領域が、前記解剖学的構造の前記壁の第1の領域を囲むように構成されており、更に、前記第1の1つ以上のループが、前記細長い本体の遠位端領域に可撓的に結合されている、第1の電極と、
第2の電極であって、第2の1つ以上のループを備え、前記第2の1つ以上のループから形成された第2の活性領域を有し、前記第2の活性領域が、前記解剖学的構造の前記壁の第2の領域を囲むように構成されており、前記第2の1つ以上のループが、前記細長い本体の前記遠位端領域に可撓的に結合されている、第2の電極と、を備え、
更に、前記第1の電極が、前記第2の電極から径方向にオフセットされているか、横方向にオフセットされているか、又は径方向及び横方向の両方にオフセットされている、装置。
【請求項2】
前記第1の電極、前記第2の電極、又はその両方が、単一ループを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の電極及び前記第2の電極のうちの少なくとも1つが、前記細長い本体の前記遠位端領域を横断する、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の電極が、前記細長い本体の前記遠位端領域の周囲にペタルとして配置された第1の複数のループを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第2の電極が、前記細長い本体の前記遠位端領域の周囲にペタルとして配置された第2の複数のループを備える、請求項1又は4に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の活性領域が、前記第2の活性領域の直径よりも小さい直径を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記第1の電極及び前記第2の電極が、拡張可能フレーム上に配置されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の電極及び前記第2の電極が、拡張可能バルーン上に配置されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記第1の電極及び前記第2の電極が、各々、0.2mm未満の直径を有するワイヤから形成されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記第1及び第2の電極が、前記解剖学的構造の前記壁に可撓的に適合するように構成されている、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
外側送達カテーテルを更に備え、前記細長い本体が、前記外側送達カテーテル内に摺動可能に配設されており、前記第1の電極及び前記第2の電極が、前記外側送達カテーテル内に引き込まれると、折り畳まれるように構成されている、請求項1~10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記第1の電極が、前記細長い本体の前記遠位端領域に対して遠位に位置決めされており、前記第2の電極が、前記第1の電極の近位に位置決めされている、請求項1~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記第1及び第2の電極が、互いに対して軸方向において近位又は遠位に摺動するように構成されている、請求項1~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記第1の電極が、アノードを備え、前記第2の電極が、カソードを備え、前記装置が、前記第1の電極と前記第2の電極との間にパルスエネルギーを送達するように構成されている、請求項1~13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記第1の活性領域及び前記第2の活性領域が、各々、長さが5cmよりも長い、請求項1~14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記第1の活性領域及び前記第2の活性領域が、各々、0.2mm未満の直径を有する、請求項1~15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記第1の活性領域及び前記第2の活性領域のうちの少なくとも1つが、部分的、ほぼ完全、又は完全な円で前記解剖学的構造の前記壁を囲むように構成されている、請求項1~16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記第1及び/又は第2の電極の一部分上に、複数のマッピング及び/又は感知電極を更に備える、請求項1~17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
パルス電界を送達するための装置であって、
細長い本体と、
第1のワイヤループを備える第1の電極であって、前記第1のワイヤループが、前記細長い本体から可撓的に延在しており、前記第1の電極が、前記第1のワイヤループの長さに沿って延在する第1の活性領域を有する、第1の電極と、
第2のワイヤループを備える第2の電極であって、前記第2のワイヤループが、前記細長い本体から可撓性に延在しており、前記第2の電極が、前記第2のワイヤループの長さに沿って延在する第2の活性領域を有する、第2の電極と、を備え、
前記第1の電極が、前記第2の電極から径方向にオフセットされているか、横方向にオフセットされているか、又は径方向及び横方向の両方にオフセットされている、装置。
【請求項20】
前記第1の活性領域及び前記第2の活性領域が、前記細長い本体の長軸の方向に固定距離だけ互いに離隔されている、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記第1の電極及び前記第2の電極が、解剖学的構造の壁に可撓的に適合するように構成されている、請求項19又は20に記載の装置。
【請求項22】
前記第1の電極及び前記第2の電極は、中で前記細長い本体が軸方向に移動可能である外側送達カテーテル内に引き込まれると、折り畳まれるように構成されている、請求項19~21のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
前記第1のループが、前記第2のループよりも小さい、請求項19~22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
前記第1の電極若しくは前記第2の電極のいずれか、又はその両方が、単一ループを備える、請求項19~23のいずれか一項に記載の装置。
【請求項25】
前記第1の電極及び前記第2の電極のうちの少なくとも1つが、前記細長い本体の遠位端領域を横断する、請求項19~24のいずれか一項に記載の装置。
【請求項26】
前記第1の電極及び前記第2の電極のうちの少なくとも1つ又は両方が、前記細長い本体の遠位端領域の周囲にペタルとして配置された複数のワイヤループを備える、請求項19~25のいずれか一項に記載の装置。
【請求項27】
前記第1の活性領域が、前記第2の活性領域の直径よりも小さい直径を有する、請求項19~26のいずれか一項に記載の装置。
【請求項28】
前記第1の電極及び前記第2の電極が、拡張可能フレーム上に配置されている、請求項19~27のいずれか一項に記載の装置。
【請求項29】
前記第1の電極及び前記第2の電極が、各々、0.2mm未満の直径を有するワイヤから形成されている、請求項19~28のいずれか一項に記載の装置。
【請求項30】
外側カテーテルを更に備え、前記細長い本体が、前記外側カテーテル内に摺動可能に配設されており、前記第1の電極及び前記第2の電極が、前記外側カテーテル内に引き込まれると、折り畳まれるように構成されている、請求項19~29のいずれか一項に記載の装置。
【請求項31】
前記第1の電極が、前記細長い本体の端部領域に対して遠位に位置決めされており、前記第2の電極が、前記第1の電極の近位に位置決めされている、請求項19~30のいずれか一項に記載の装置。
【請求項32】
前記第1の電極が、前記第2の電極に対して軸方向において近位又は遠位に摺動するように構成されている、請求項19~31のいずれか一項に記載の装置。
【請求項33】
前記第1の活性領域の外側の前記第1の電極上及び/又は前記第2の活性領域の外側の前記第2の電極上に複数のマッピング及び/又は電極を更に備える、請求項19~32のいずれか一項に記載の装置。
【請求項34】
アプリケータを使用して対象の体内の解剖学的構造の壁にパルス電界を送達するための方法であって、前記方法が、
第1の1つ以上のループを備える前記アプリケータの第1の電極と、第2の1つ以上のループを備える前記アプリケータの第2の電極とを、前記第1の1つ以上のループの第1の活性領域が、前記解剖学的構造の前記壁の第1の領域と電気的に連通する第1の接触ループを形成し、かつ前記第2の1つ以上のループの前記第2の活性領域が、前記解剖学的構造の前記壁の第2の領域と電気的に連通する第2の接触ループであって、前記第2の接触ループが、前記解剖学的構造の前記壁の前記第1の領域から径方向及び/又は長手方向に分離されている、第2の接触ループを形成するように、前記対象の体内に位置決めすることと、
前記第1の活性領域と前記第2の活性領域との間にパルス電気治療を適用することと、を含む、方法。
【請求項35】
位置決めすることが、
前記第1の電極及び前記第2の電極のうちの少なくとも1つを送達構成から展開構成に拡張させるように、前記第1及び第2の電極に結合された細長い本体に対して送達カテーテルを移動させることによって、前記送達カテーテルから前記第1の電極及び前記第2の電極を展開することを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記第1の電極及び前記第2の電極を展開することが、前記第1の1つ以上のループの複数の電気的に連続したワイヤ長と前記壁とを接触させて、前記第1の接触ループを形成することを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記第1の電極及び前記第2の電極を展開することが、前記第2の1つ以上のループの複数の電気的に連続したワイヤ長と前記壁とを接触させて、前記第2の接触ループを形成することを含む、請求項35又は36に記載の方法。
【請求項38】
前記第1の電極及び前記第2の電極を展開することが、前記第2の電極よりも大きい直径を有するように、前記第1の電極を拡張することを含む、請求項35~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
展開することが、肺静脈の洞内に展開することを含む、請求項35~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記展開することは、前記第1の電極が前記第2の電極と同一平面上にあるように、前記第1の電極を展開することを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項41】
前記パルス電気治療を適用することが、前記第1の活性領域と前記第2の活性領域との間に電界を印加することを含む、請求項34~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記パルス電気治療を適用することが、ナノ秒の持続時間を有するパルスを印加することを含む、請求項34~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記アプリケータ上の1つ以上のマッピングセンサを使用して、前記解剖学的構造の前記壁に対する前記アプリケータの場所をマッピングすることを更に含む、請求項34~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記パルス電気治療を適用する前、及び/又は前記パルス電気治療のパルスの前記印加の間、及び/又は前記パルス電気治療を適用した後に、前記アプリケータ上の1つ以上のセンサを使用して、前記解剖学的構造の前記壁の1つ以上の電気特性を感知することを更に含む、請求項34~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
装置であって、
近位から遠位に延在する細長い本体であって、前記細長い本体が、身体脈管の中に挿入されるように構成されている、細長い本体と、
前記細長い本体の遠位端領域にあるアプリケータ領域であって、折り畳み構成から前記身体脈管内で外向きに拡張するように構成された複数の拡張可能リブを備える、アプリケータ領域と、を備え、
各リブが、非絶縁活性領域を備え、
更に、前記複数の拡張可能リブの第1のサブセットが、第1の極性を有するように構成されており、前記複数の拡張可能リブの第2のサブセットが、第2の極性を有するように構成されている、装置。
【請求項46】
前記複数のリブの各々の前記非絶縁活性領域が、実質的に直線状であり、かつ前記アプリケータ領域の一部分の長軸に対して平行であるように構成されている、請求項45に記載の装置。
【請求項47】
前記複数のリブの各々が、前記非絶縁活性領域の各側にヒンジ領域を備える、請求項45又は46に記載の装置。
【請求項48】
前記ヒンジ領域が、可撓性絶縁体によって覆われている、請求項47に記載の装置。
【請求項49】
前記細長い本体が、各リブの近位端に結合された第1の細長い部材と、各リブの遠位端に結合された第2の細長い部材と、を備え、前記第1の細長い部材及び前記第2の細長い部材が、前記折り畳み構成と、前記複数の拡張可能リブが外向きに拡張されている拡張構成との間で前記アプリケータ領域を変形させるように、互いに対して軸方向に摺動するように構成されている、請求項45~48のいずれか一項に記載の装置。
【請求項50】
前記拡張可能リブの各々が、外向きに拡張するように付勢されている、請求項45~49のいずれか一項に記載の装置。
【請求項51】
前記細長い本体が、可撓性の細長い本体である、請求項45~50のいずれか一項に記載の装置。
【請求項52】
前記複数の拡張可能リブが、実質的に平坦であり、各リブの実質的に平坦な活性部分が、前記複数の拡張可能リブの拡張のレベルにかかわらず、その長さを変化させない、請求項45~50のいずれか一項に記載の装置。
【請求項53】
前記アプリケータ領域内に膨張可能部材を更に備え、前記膨張可能部材が、外向きに拡張して、前記複数のリブの拡張を駆動するように構成されている、請求項49に記載の装置。
【請求項54】
前記アプリケータ領域が、前記アプリケータ領域の長軸に対して、より大きい断面積を有する形状に外向きに拡張するように構成されており、前記形状が、近位より遠位に、又は遠位より近位に大きくなるように付勢されている、請求項49に記載の装置。
【請求項55】
前記形状が、涙滴形状である、請求項54に記載の装置。
【請求項56】
各リブの前記非絶縁活性領域は、前記非絶縁活性領域が前記拡張構成において遠位に面するように、前記アプリケータ領域の遠位部分内にある、請求項54又は55に記載の装置。
【請求項57】
前記アプリケータ領域から遠位に延在するセンタリングガイドを更に備える、請求項45~56のいずれか一項に記載の装置。
【請求項58】
装置であって、
近位から遠位に延在する細長い本体と、
前記細長い本体の遠位端領域にあるアプリケータ領域と、を備え、前記アプリケータ領域が、
前記細長い本体から遠位に延在する第1のワイヤであって、前記第1のワイヤが、前記第1のワイヤの第1の絶縁領域に隣接する第1の活性領域を有する、第1のワイヤと、
前記細長い本体から遠位に延在する第2のワイヤであって、前記第2のワイヤが、前記第2のワイヤの第2の絶縁領域に隣接する第2の活性領域を有する、第2のワイヤと、を備え、
前記第1の活性領域が、前記第1の活性領域の長さに沿って実質的に一定である最小距離dだけ前記第2の活性領域から分離されており、かつ更に、前記第1の活性領域が、第1の極性を有するように構成されており、前記第2の活性領域が、第2の極性を有するように構成されている、装置。
【請求項59】
前記第1のワイヤが、第1のループを備え、前記第2のワイヤが、前記第1のループ内に同心円状に位置決めされている第2のループを備える、請求項58に記載の装置。
【請求項60】
前記第1のワイヤ及び前記第2のワイヤが、平面内で前記細長い本体から延在する、請求項58又は59に記載の装置。
【請求項61】
前記絶縁領域及び/又は前記細長い本体は、前記第1及び第2のワイヤが前記細長い本体の長軸に対してある角度で延在するように、屈曲部を備える、請求項58~60のいずれか一項に記載の装置。
【請求項62】
前記第1のワイヤ及び前記第2のワイヤが、0.38mm以下である厚さを有する、請求項58~61のいずれか一項に記載の装置。
【請求項63】
拡張可能部材を更に備え、前記拡張可能部材を拡張させることにより、前記第1のワイヤ及び前記第2のワイヤが前記細長い本体に対して径方向に拡張するように、前記第1のワイヤ及び前記第2のワイヤが前記拡張可能部材に結合されている、請求項58~62のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本特許出願は、2021年4月26日に出願された「CIRCUMFERENTIAL ABLATION CATHETER DEVICES AND METHODS」と題する米国特許仮出願第63/180,022号、及び2021年10月6日に出願された「CIRCUMFERENTIAL ABLATION CATHETER DEVICES AND METHODS」と題する米国特許仮出願第63/253,119号の優先権を主張するものであり、これらの各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(参照による組み込み)
本明細書に記載されている全ての公開物及び特許出願は、個々の公開物又は特許出願ごとに参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されている場合と同程度に、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
生物細胞の電子操作については、短くて高電界強度の電気パルスが説明されている。例えば、ヒトの細胞及び組織の治療において、電気パルスを使用することができる。細胞膜に誘導される電圧は、パルス長及びパルス振幅に依存する可能性がある。約1マイクロ秒よりも長いパルスは、外側細胞膜を帯電させることができ、毛穴の恒久的な開きをもたらすことができる。恒久的な開きは、瞬時又はほぼ瞬時の細胞死をもたらす場合がある。約1マイクロ秒より短いパルスは、外側細胞膜に悪影響を及ぼすことなく、又は永久的に影響を及ぼすことなく、細胞内部に影響を及ぼすことができ、無傷の細胞膜を用いて細胞死を遅らせることができる。例えば、10kV/cm~100kV/cmの範囲で変化する電界強度を有する、かかる短いパルスは、記載される電界強度及びパルス持続時間に曝露された細胞の一部又は全てにおいて、アポトーシス(すなわち、プログラムされた細胞死)を引き起こすことができる。これらのより高い電界強度及びより短い電気パルスは、核、小胞体、及びミトコンドリアなどの細胞内構造を操作する際に有用であり得る。例えば、かかるサブマイクロ秒(例えば、ナノ秒)高電圧パルス発生器が、生物学的及び医療用途のために提案されている。
【0004】
場合によっては、2つ以上の電極が、選択された治療面積に高電界強度電気パルスを含む電気パルスを送達するために使用されている。2つの電極は、双極動作のために構成することができる。電極は、治療を受ける面積内の組織と接触して留置される。場合によっては、治療面積は、変化する形状又は不規則な形状を有する可能性がある。例えば、治療面積は、第1の直径から第2の直径に遷移する場合がある。変化する直径及び/又は不規則な形状は、電極が一定かつ均一な収縮を維持することを困難にする可能性がある。
【0005】
したがって、変化し、かつ/又は不規則な形状の治療面積に適合し得る電極を提供することが有益であり得る。
【発明の概要】
【0006】
本明細書には、患者を治療するための医療手術を行うために使用され得る、医療装置(例えば、デバイス、システムなど)及び方法が記載されている。具体的には、本明細書に記載される装置及び方法を使用して、短い高電界電気パルスを送達して、アブレーション、例えば、血管及び他の管腔を含む身体脈管に対する周方向アブレーションを実施することができる。
【0007】
例えば、本明細書に記載されるのは、ナノ秒パルス電界、マイクロ秒パルス電界などを含む(が、それらに限定されない)パルス電界を使用して、身体通路、空洞、又は脈管(例えば、静脈、動脈、脈管、心臓、気管、咽頭、喉頭、気管支、尿管、尿道、ファロピウス管、子宮頸部、子宮、腸(大及び/又は小)、胆嚢、膵臓、直腸、肝臓、食道、胃、鼻腔、精嚢、精管など)などの解剖学的構造の壁を治療するための装置及び方法である。説明の便宜上、全てのかかる解剖学的構造、空洞、管、管腔、通路、又は血管は、本明細書では、身体脈管と称される。一部の例では、身体脈管は、肺静脈、洞、及び他の適切な管腔を含み得る。特に、本明細書に記載される方法及び装置は、変化し、遷移し、かつ/又は不規則な表面を伴う身体脈管を選択的に治療するように構成することができる。身体脈管に適合し得る電極は、第1の電極及び第2の電極を含むことができ、この電極は、カテーテルから展開し、例えば、身体脈管の壁の一部分に適合し、より深い非標的領域への損傷を制限又は防止する局所的な様式でサブマイクロ秒(例えば、ナノ秒)パルス電界を提供するように構成されている。
【0008】
本明細書に記載される方法及び装置は、血管形成術処置などの血管治療に限定されず、管腔狭小化が問題であり得る他の身体管腔を治療するために使用することができる。例えば、肺(気道)、胃腔、管などが、本明細書に記載されるように治療されてもよい。一部の例では、本明細書に記載される器具及び方法は、耳鼻咽喉科的使用のために、例えば、鼻甲介、扁桃、舌、軟口蓋、耳下腺、並びに咽喉(咽頭)を胃に接続する構造などの解剖学的構造を含む、耳、鼻、若しくは咽喉などの管腔又は他の耳鼻咽喉科的構造内にサブマイクロ秒(例えば、ナノ秒)パルス電界を印加することによる挿入及び治療のために構成される。これらの器具及びデバイスは、これらの構造の中への挿入のために構成されてもよく、例えば、細長いアプリケータツールとして構成されてもよく、この細長いアプリケータツールは、耳、鼻、喉内に嵌合するように、かつ/又は関連付けられた解剖学的構造(例えば、鼻甲介、扁桃、舌、軟口蓋、耳下腺など)を治療するように定寸及び成形されるカテーテル、管などを含む。例えば、本明細書に記載されるのは、食道を含むがこれに限定されない胃腸管の一部分、例えば、胃、小腸、大腸、十二指腸、結腸などへのサブマイクロ秒(例えば、ナノ秒)パルス電界の送達のために構成された方法及び装置である。また、本明細書に記載されるのは、気管、咽頭、喉頭、気管支、及び細気管支を含む、気道の一部分へのサブマイクロ秒(例えば、ナノ秒)パルス電界の送達のために構成された方法及び装置である。本明細書に記載される方法及び装置はまた、とりわけ、心房細動の治療を含むが、それに限定されない、心臓用途において特に有用である。
【0009】
本明細書に記載される装置は、血管(動脈、静脈など)、食道、耳、鼻、喉、気管、咽頭、喉頭、小腸、大腸、十二指腸、結腸などを含むが、それらに限定されない、身体脈管又は管腔の中に挿入され得る細長いアプリケータツール(例えば、カテーテル)を含み得る。これらのアプリケータツールは、近位から遠位方向に延在する細長い可撓性本体を含み得る。標的組織への電気パルス(例えば、ナノ秒パルス)の送達のために構成される1つ以上(例えば、複数)の電極が、可撓性本体の端部領域に存在し得る。
【0010】
アプリケータ(「アプリケータツール」)は、例えば、サブマイクロ秒(例えば、ナノ秒)パルスエネルギーを発生させるように構成されたパルス発生器に取り外し可能に結合するように構成されてもよく、かかる結合は、電極を含む遠位端領域の近位にあるハンドルを介して行うことができる。電極は、展開可能であってもよく、血管壁に接触するように拡張する拡張部材上にあってもよい。ハンドルにより、この展開を制御することができる。代替的に、場合によっては、アプリケータツール(本明細書では装置又はデバイスとも称される)は、ハンドルを必要とせずに、パルス発生器に直接結合するように構成することができる。一例によると、本明細書に記載される装置は、アプリケータツールを管腔の中に挿入する処置において使用するための医療デバイス及び器具を備える。これらの装置は、例えば、外側送達カテーテル又はガイドシースを通して血管内に導入することができる。
【0011】
本明細書に記載される装置のうちのいずれも、テーパ状又は漏斗形状を有する領域を含む、変化する(例えば、幅広から幅狭へ、又は幅狭から幅広へ)直径を有する本体の領域内で機能するように構成することができる。例えば、本明細書に記載される装置のうちの一部は、異なる直径を有する少なくとも2つのリング形状(楕円形、円形など)電極を含んでもよい。一部の例では、これらのリング状電極は、直径及び/又は互いに対する横方向位置が調整可能であり得る。
【0012】
一部の例では、アプリケータは、例えば、アプリケータツールが結合される近位ハンドルの動作によって、アプリケータの近位端から延在するように操作され得る、1つ以上の接触突起(例えば、リブ、ワイヤ、ばね、接触プレート、接触支柱、バルーンなど)を含んでもよい。接触突起は、典型的には、アプリケータツールが挿入される管腔の壁と接触し、電極に対する組織とのアクセス及び接触を向上させることができる。例えば、接触突起は、膨張可能要素(例えば、バルーン)又は機械的要素(例えば、一対のプレート又はアーム)であってもよい。一部の例では、複数の接触突起が、アプリケータの長さに沿って位置決めされてもよく、アプリケータ遠位端領域の長さに沿ってより近く又はより遠くに離れて移動させられてもよい。一部の例では、接触突起は、電極の側面に位置する。一部の例では、接触突起は、電極を含む。接触突起は、アプリケータツールの中に、又は単にアプリケータツールに対して後退可能/取り外し可能であり得る。
【0013】
一例では、アプリケータは、細長いカテーテル本体などの細長い本体と、1つ以上のループから形成され、細長いカテーテル本体に可撓的に結合された第1の直径を有する第1の電極と、細長いカテーテル本体に可撓的に結合された第2の直径を有する1つ以上の異なる可撓性ループから形成された第2の電極と、を含み得る。第1及び第2の電極は、身体脈管、特に、不規則な、変化する、又は遷移する表面を伴う身体脈管に接触し得る。
【0014】
一部の例では、第1及び第2の電極は、ローブに分割されてもよく、各ローブは、アームを用いて細長い本体(例えば、細長いカテーテル本体)に結合される。一部の例では、第1及び第2の電極は、2つ以上のローブを含み得る。
【0015】
一部の例では、第1及び第2の電極は、細長い本体(細長いカテーテル本体と称され得る)の遠位端領域に結合される。更なる例では、第1及び第2の電極は、細長いカテーテル本体内で移動可能であってもよく、細長いカテーテル本体から外に延在し、細長いカテーテル本体内に引き込まれると、折り畳まれるように構成され得る。一部の他の例では、第1の直径及び第2の直径のうちの一方は、他方より小さい。更に他の例では、第1の電極は、細長いカテーテル本体の端部(例えば、細長いカテーテル本体の遠位端)に対して遠位に位置決めされ、第2の電極は、第1の電極と細長いカテーテル本体の遠位端との間に配設される。
【0016】
一部の例では、第1の電極及び第2の電極は、肺静脈と関連付けられる洞に可撓的に接触するように構成される。一部の他の例では、第1の導体及び第2の導体は、パルス化電気治療を送達するように構成され、パルスエネルギーは、第1の導体と第2の導体との間で伝達される。別の例では、第1の導体及び第2の導体は、パルス電気治療を送達するように構成され、エネルギーは、第1の導体と第3の導体との間、又は第2の導体と第3の導体との間で伝達される。
【0017】
一部の例では、第1の導体及び第2の導体は、それらの間の距離を変化させるように構成される。
【0018】
別の例では、ナノ秒パルス電界を送達するための装置は、細長いカテーテル本体と、形状を形成するように構成される、細長いカテーテル本体に結合される形状支持部材と、形状支持部材を周方向に取り囲み、第1の電極を形成するように構成される、伝導性ブレードと、伝導性ブレード及び形状支持部材の一部分を周方向に取り囲み、第2の電極を形成するように構成される、1つ以上の伝導性バンドと、を含み得る。本装置は、形状支持体と伝導性ブレードとの間に配設された管状絶縁部材を更に備え得る。
【0019】
一部の例では、本装置は、伝導性ブレードと1つ以上の伝導性バンドとの間に配設され、1つ以上の伝導性バンドを伝導性ブレードから電気的に絶縁するように構成された1つ以上のバンド絶縁体を更に備え得る。更に、導電性バンドの位置は、電界の密度を少なくとも部分的に決定するように構成することができる。
【0020】
一部の他の例では、形状支持部材は、ニッケルチタン合金であり得る。更に、形状支持部材は、肺静脈の洞の形状に適合することができる。一部の例では、伝導性ブレード及び1つ以上の伝導性バンドは、双極ナノ秒パルス電気治療を送達するように構成され得る。別の例では、伝導性ブレード及び1つ以上の伝導性バンドは、単極ナノ秒パルス電気治療を送達するように構成され得る。
【0021】
サブマイクロ秒パルス電界を身体脈管に送達するための方法は、2つ以上の電極を含むアプリケータを特定された治療面積内に位置決めすることと、2つ以上の電極を特定された治療面積内の組織と接触させて留置することと、2つ以上の電極を介してパルス電気治療を適用することと、を含み得る。一部の例では、2つ以上の電極を組織と接触させて留置することは、細長いカテーテル本体から2つ以上の電極を展開することを含み得る。一部の他の例では、2つ以上の電極は、第1の成形された電極及び第2の成形された電極を含み得る。第1の成形された電極は、第1の直径を有してもよく、第2の成形された電極は、第2の直径を有してもよく、第1の直径は、第2の直径と異なる。
【0022】
一部の例では、第1の成形電極は、第2の成形電極とは異なる平面上に配設され得る。一部の他の例では、第1の成形電極は、第2の成形電極と同一平面上にあり得る。
【0023】
一部の例では、パルス電気治療は、2つ以上の電極間の電界を含み得る。別の例では、パルス電気治療は、2つ以上の電極のうちの少なくとも1つと第3の電極との間の電界を含み得る。
【0024】
本明細書に記載される装置は、概して、マイクロ秒、ナノ秒、ピコ秒などのパルスを安全かつ確実に送達するように構成され得、0.1ナノ秒(ns)~1000ナノ秒未満、又は1ピコ秒などのより短いパルス幅を有する電界を含み得、これは、サブマイクロ秒パルス電界と称されることがある。このパルスエネルギーは、1~5キロボルト/センチメートル(kV/cm)、10kV/cm、20kV/cm、100kV/cm以上などの、高いピーク電圧を有し得る。一部の用途では、パルスエネルギーは1kV/cm未満であり得る。生体細胞の治療は、0.1/秒(Hz)~100,000Hzの範囲の周波数で多数の周期的パルスを使用することができ、例えば、再狭窄を引き起こす内部成長組織においてアポトーシスを誘発することができる。高電圧、サブマイクロ秒パルスエネルギーを用いた血管壁の選択的治療は、その非熱的性質により、周囲組織中の正常細胞に実質的に影響を及ぼすことなく、再狭窄を引き起こしている細胞内にアポトーシスを誘導することができる。対象は、患者(ヒト、又は動物を含む非ヒト)であり得る。ユーザは、本明細書に記載の装置を対象上で動作させることができる。ユーザは、医師(医者、外科医など)、医療技術者、看護師、又は他の医療提供者であってもよい。
【0025】
したがって、高電圧、高速(例えば、マイクロ秒又はサブマイクロ秒)電気パルスの印加は、例えば、0.1ナノ秒(ns)~1000ナノ秒のパルス幅を有する電気パルスの列を印加することを含み得る。高電圧の高速電気パルスを印加することは、例えば、1キロボルト/センチメートル(kV/cm)~500kV/cmのピーク電圧を有するサブマイクロ秒の電気パルスの列を印加することを含み得る。高電圧の高速電気パルスを印加することは、例えば、0.1/秒(Hz)~100,000Hzの周波数でサブマイクロ秒の電気パルスの列を印加することを含み得る。
【0026】
これらの装置のいずれも、パルス発生器とともに使用することができる。例えば、本明細書に記載されるような細長いアプリケータ(例えば、アプリケータツール)と、コネクタ、例えば、細長いアプリケータツールをパルス発生器に結合するように適応される高電圧コネクタと、少なくとも0.1kVの振幅及び1000ナノ秒未満の持続時間を有する複数の電気パルスを発生させるように構成されたパルス発生器であって、高電圧コネクタに接続するように構成されたポートを備える、パルス発生器と、を含み得る、組織を治療するためのシステムが本明細書に記載される。一部の例では、アプリケータツールは、そこから1つ以上の電極が延在するように構成された遠位端領域を有する、細長い本体を含む。遠位端は、一部の例では、操向可能であり得る(例えば、関節運動し得る)。
【0027】
上述のように、これらの装置のいずれも、アプリケータツールの近位端が、例えば、電極のセットのコンピュータ制御作動のために、ロボット又は可動アームに結合されるように適応されるように構成され得る。代替的に、又は追加的に、アプリケータツールの近位端は、パルス発生器のハンドルに結合するように適応され得、これは、順に、ロボットアームへの接続のために適応され得る。
【0028】
一部の例では、上述したように、装置は、アプリケータの遠位端領域で治療を適用するための電極間の距離を調整するように構成され得る。一部の例では、アプリケータは、少なくとも2つの周方向に配置された電極を含み、各電極は、支持体の周囲に周方向に配置される。周方向に配置された電極の一方又は両方の長手方向位置は、周方向に配置された電極間の距離が増加又は減少され得るように調整可能であり得る。場合によっては、アプリケータは、周方向に配置された電極間の分離を、例えば、5mm~40mm(例えば、10mm~20mmなど)であるように調整するように調整可能であり得る。周方向に配置された電極は、電極リング(完全に周方向に周囲に、又は部分的に周方向に周囲に延在する)であってもよく、又はアプリケータの周囲に周方向に配置された複数の別個の電極であってもよい。電極間の間隔を調整することで、特に、血管の直径/サイズが長手方向位置に応じて変化する(急速に変化することを含む)ときに、ユーザが留置を調整及び/又は補正し、内壁若しくは洞内に嵌合することが可能になり得る。一方の電極リングは、一方の円周に適合してもよく、他方の電極リングは、より大きい又はより小さい円周に適合してもよく、それらの間の間隔は、一部の例では、調整され得る。
【0029】
使用時には、本明細書に記載の装置のいずれかを使用して、特にサブマイクロ秒(例えば、ナノ秒)パルス場を含むエネルギーを印加することができる。サブマイクロ秒のパルス電磁場は、細胞構造においてアポトーシスを誘導することができる。
【0030】
例えば、本明細書に記載されるのは、身体管腔内にパルス電界を送達するための装置(例えば、電極アプリケータを含むデバイス、システムなど)である。これらの装置は、細長い本体(細長い可撓性本体を有する)と、第1の電極であって、第1の1つ以上のループを備え、第1の1つ以上のループ上に形成された第1の活性領域を有し、第1の活性領域は、身体管腔を囲むように配置されており、更に、第1の1つ以上のループは、細長い本体の遠位端領域に可撓的に結合されている、第1の電極と、第2の電極であって、第2の1つ以上のループを備え、第2の1つ以上のループから形成された第2の活性領域を有し、第2の活性領域は、身体管腔を囲むように配置されており、第2の1つ以上のループは、細長い本体の遠位端領域に可撓的に結合されており、更に、第1の電極は、細長い本体の遠位端領域に沿って第2の電極から横方向にオフセットされている、第2の電極と、を含み得る。
【0031】
本明細書に記載される装置のうちのいずれにおいても、装置の各電極は、そこから電気エネルギーが印加される細長い活性領域を含み得る。例えば、活性領域は、電気エネルギーを放出するように構成された導電性材料(例えば、導電性ワイヤなど)の導電性(非絶縁)領域であってもよい。概して、本明細書に記載される装置は、第1の電極(又は、一部の例では、第2の)を形成する異なるループの複数の長さにわたって延在する第1の導電性領域を伴う第1の電極を含み得る。第1の電極のループの全て(したがって、活性領域を形成するループのサブ領域の全て)は、単一のアノード又は単一のカソードを形成するために一緒に電気的に結合されてもよく、第2の電極を形成するループの全て(したがって、ループのサブ領域の全て)は、単一のアノード又は単一のカソードとして一緒に電気的に結合される。
【0032】
一部の例では、第1の電極は、単一ループを含む。他の例では、第1の電極は、第1の電極を形成する複数のループを含み、これらのループは、電気的に連通している。同様に、第2の電極は、単一ループ又は複数の異なるループであり得る。
【0033】
これらの装置のうちのいずれにおいても、第1の電極かつ/若しくは第2の電極は、細長い本体の遠位端領域を横断してもよく、及び/又は第2の電極は、細長い本体の遠位端領域を横断してもよい。これらの装置のうちのいずれにおいても、第1の電極及び/又は第2の電極は、細長い本体の遠位端領域の周囲にペタルとして配置された第1の複数のループを含み得る。各ペタルの外側部分は、単一電極のための活性領域を形成することができる。この構成は、血管の円周の周りの同じより大きい領域をカバーするために電極対の複数の再位置決めステップを必要とすることなく、血管の全周の周りのよりロバストな治療を可能にし得る。
【0034】
概して、第1の電極の第1の活性領域は、第2の活性領域の直径よりも小さい直径を有し得る(例えば、第1の電極を形成するループの直径と第2の電極の第2の活性領域を形成するループの直径とは異なる直径を有し得る)。一部の例では、第1の電極及び第2の電極を形成するループの直径は、ほぼ同一であり得る。
【0035】
これらの装置のいずれも、拡張可能フレームを含み得る。拡張可能フレームは、バルーン、ストラットアセンブリ、メッシュ(例えば、拡張可能なワイヤメッシュ)などであり得る。概して、第1の電極及び第2の電極は、拡張可能部材の外周に結合され得、その結果、血管の周囲を少なくとも部分的に囲むことができる。拡張可能フレームは、第1の活性電極及び第2の活性電極を支持することができる。したがって、第1の電極及び第2の電極は、拡張可能フレーム上に配置され得る。例えば、第1の電極及び第2の電極は、拡張可能バルーン上に配置されてもよい。
【0036】
これらの例のいずれにおいても、第1の電極及び第2の電極は各々、ワイヤ、例えば、約0.2mm未満(約0.19mm未満、約0.18mm未満、約0.17mm未満、約0.16mm未満、約0.15mm未満など)の直径を有するワイヤから形成されてもよい。
【0037】
概して、第1及び第2の電極は、活性領域が管腔の周縁の周囲に周方向に延在し得るように、身体管腔に可撓的に適合するように構成される。本明細書で使用されるように、「身体管腔を囲むように配置又は構成される」は、身体管腔の円周の周囲に少なくとも部分的に延在する(例えば、360度未満、例えば、約270度以上、例えば、300度以上、320度以上、330度以上、340度以上、340度以上、約360度の弧で進行する)ことを指すことがある。したがって、身体管腔を囲むように配置された第1の活性領域は、管腔の円周の周囲に完全又はほぼ完全に延在する(管腔の円周の周囲に約270度以上、約300度以上、約320度以上、約330度以上、約340度以上、約340度以上、約360度など)活性領域を含み得る。一部の例では、第1の活性領域は、身体管腔をほぼ完全な円で囲むように構成される。
【0038】
これらの装置のうちのいずれも、外側カテーテル又はガイドシース(例えば、送達カテーテル)を含んでもよく、第1及び第2の電極を形成又は保持する細長い本体は、外側カテーテル内に摺動可能に配設され得る。第1の電極及び第2の電極は、外側カテーテルの中へ引き込まれるか、若しくは導入されると、折り畳まれるように構成され、かつ/又は送達(外側)カテーテルの遠位端から延在されると、径方向外向きに拡張するように構成される。
【0039】
第1の電極は、細長い本体の端部領域に対して遠位に位置決めされてもよく、第2の電極は、第1の電極の近位に位置決めされる。一部の例では、第1及び第2の電極の長手方向位置は、固定され得る。一部の例では、電極の長手方向の位置は調整可能であり得る(例えば、変動してもよい)。例えば、第1の電極は、第2の電極に対して軸方向において近位又は遠位に摺動するように構成されてもよい。
【0040】
一部の例では、第1の電極は、アノードを備えてもよく、第2の電極は、カソードを備えてもよい。装置は、第1の電極(アノード)と第2の電極(カソード)との間にパルスエネルギーを送達するように構成され得る。
【0041】
本明細書に記載される例のいずれにおいても、第1の活性領域及び第2の活性領域は各々、長さが5cmよりも長くてもよい。第1の活性領域及び第2の活性領域は各々、0.2mm未満の直径を有し得る。
【0042】
また、本明細書に記載されるのは、パルス電界を送達するための装置であって、この装置は、細長いカテーテル本体と、第1のワイヤループを備える第1の電極であって、第1のワイヤループは、細長いカテーテル本体から可撓性に延在し、更に、第1の電極は、第1のワイヤループの少なくとも一部分を含む第1の活性領域を有し、長さ5cmを上回って延在している、第1の電極と、第2のワイヤループを備える第2の電極であって、第2のワイヤループは、細長いカテーテル本体から可撓性に延在し、更に、第2の電極は、第2のワイヤループの少なくとも一部分を含む第2の活性領域を有し、長さ5cmを上回って延在している、第2の電極と、を備える。
【0043】
第1の活性領域及び第2の活性領域は、細長いカテーテル本体の長軸の方向に固定距離だけ離隔され得る。第1及び第2の電極は、身体脈管に可撓的に適合するように構成され得る。第1のループは、第2のループよりも小さくてもよい。代替的に、一部の例では、第1のループは第2のループと同じサイズである。
【0044】
第1の電極は、細長いカテーテル本体の遠位端に対して遠位に位置決めされてもよく、第2の電極は、第1の電極と細長いカテーテル本体の遠位端との間に位置決めされてもよい。
【0045】
概して、本明細書に記載される装置は、周全体(又はその大部分)を治療するための複数の再位置決めステップを要求することなく、体内の血管の周方向領域の周囲で第1の電極と第2の電極との間にエネルギーを有利に印加するように構成される。これは、ギャップを残す可能性がある複数の別個の活性領域に応答する、多くの他の電気送達システムの問題を解決するものである。本明細書に記載される装置は、ナノ秒パルスを印加するために特によく適しているが、かかる使用に限定されない。ナノ秒パルスエネルギーは、非熱的に細胞に入り、ミトコンドリア及び小胞体を含む内部細胞器官の機能を変化させることによって作用することができる。例えば、ナノ秒パルス電界は、細胞内破壊を引き起こし、制御された細胞死をもたらす。印加されるエネルギーがナノ秒(又はより速い)パルス電界である例では、各電極の活性領域は、例えば、ワイヤで形成されるなど、長くて薄い場合があり、印加される電界により印加される熱エネルギーが非常に少なくなり、非細胞組織への損傷を防ぐことができる。
【0046】
例えば、また、本明細書に記載されるのは、対象の体内の身体脈管の壁にパルス電界を送達するための方法であり、この方法は、第1の1つ以上のワイヤループを含む第1の電極と、第2の1つ以上のワイヤループを含む第2の電極とを、第1の1つ以上のワイヤループの第1の活性領域が壁の第1の円周と電気的に連通し、第2の1つ以上のワイヤループの第2の活性領域が壁の第1の円周から長手方向に分離された壁の第2の円周と電気的に連通するように、身体脈管内に位置決めすることと、第1の活性領域と第2の活性領域との間にパルス電気治療を適用することと、を含む。
【0047】
第1及び第2の電極を位置決めすることは、送達カテーテルを第1及び第2の電極に結合される細長い本体に対して移動させ、第1の電極及び第2の電極のうちの少なくとも1つを送達構成から展開構成に拡張させることによって、送達カテーテルから第1の電極及び第2の電極を展開することを含み得る。一部の例では、第1の電極を展開することは、壁を第1の1つ以上のワイヤループの複数の電気的に連続するワイヤ長と接触させることを含む。一部の例では、第2の電極を展開することは、壁を第2の1つ以上のワイヤループの複数の電気的に連続するワイヤ長と接触させることを含む。第1の電極を展開することは、第2の電極よりも大きい直径を有するように第1の電極を拡張することを含み得る。一部の例では、展開することは、肺静脈の洞内に展開することを含む。例えば、展開することは、第1の電極が第2の電極と同一平面上にあるように、第1の電極を展開することを含み得る。
【0048】
上述のように、パルス電気治療を適用することは、第1の活性領域と第2の活性領域との間に電界を印加することを含み得る。特に、パルス電気治療を適用することは、ナノ秒の持続時間(1000ns未満の持続時間)を有するパルスを印加することを含み得る。
【0049】
また、本明細書に記載されるのは、近位から遠位に延在する細長い本体であって、細長い本体は、身体脈管の中に挿入されるように構成される、細長い本体と、細長い本体の遠位端領域にあるアプリケータ領域であって、折り畳み構成から身体脈管内で外向きに拡張するように構成された複数の拡張可能リブを備える、アプリケータ領域と、を備え、各リブは、非絶縁活性領域を備え、更に、複数の拡張可能リブの第1のサブセットは、第1の極性を有するように構成され、複数の拡張可能リブの第2のサブセットは、第2の極性を有するように構成されている、装置である。
【0050】
例えば、複数のリブの各々の非絶縁活性領域は、実質的に直線状であり、アプリケータ領域の一部分の長軸に対して平行であるように構成され得る。一部の実装形態では、各リブの非絶縁活性平坦領域はまた、各リブがどれだけ拡張されているかにかかわらず、リブ拡張中に同じ長さのままであるように構成される。複数のリブの各々は、非絶縁活性領域の各側にfヒンジ領域を備え得る。ヒンジ領域は、可撓性絶縁体によって覆われ得る。
【0051】
一部の例では、細長い本体は、各リブの近位端に結合された第1の細長い部材と、各リブの遠位端に結合された第2の細長い部材と、を備えることができ、第1の細長い部材及び第2の細長い部材は、折り畳み構成と、複数の拡張可能リブが外向きに拡張される拡張構成との間でアプリケータ領域を変形させるように、互いに対して軸方向に摺動するように構成されている。
【0052】
これらの装置のいずれにおいても、拡張可能リブの各々は、外向きに拡張するように付勢され得る。これらの装置のいずれにおいても、細長い本体は、可撓性の細長い本体であり得る。複数の拡張可能リブは、実質的に平坦であってもよい。
【0053】
これらの装置のうちのいずれも、アプリケータ領域内に膨張可能部材を含んでもよく、複数のリブの拡張を駆動するように外向きに拡張するように構成される。
【0054】
一部の例では、アプリケータ領域は、アプリケータ領域の長軸に対して、より大きい断面積を有する形状に外向きに拡張するように構成され、例えば、近位より遠位に、又は一部の例では、遠位より近位に大きい。例えば、アプリケータ領域は、涙滴形状を含んでもよい。
【0055】
各リブの非絶縁活性領域は、非絶縁活性領域が拡張構成において遠位に面するように、アプリケータ領域の遠位部分内にあり得る。
【0056】
本開示のこれらの装置のいずれも、アプリケータ領域から遠位に延在するセンタリングガイドを含み得る。一部の例では、センタリングガイドは、電極の1つとして構成され、使用され得る。
【0057】
本明細書に記載される一部の例では、装置は、近位から遠位に延在する細長い本体であって、細長い本体は、身体脈管の中に挿入されるように構成される、細長い本体と、細長い本体から遠位に延在する第1のワイヤであって、第1のワイヤは、第1のワイヤの第1の絶縁領域に隣接する第1の活性領域を有する、第1のワイヤと、細長い本体から遠位に延在する第2のワイヤであって、第2のワイヤは、第2のワイヤの第2の絶縁領域に隣接する第2の活性領域を有する、第2のワイヤと、を備える、細長い本体の遠位端領域にあるアプリケータ領域と、を備えることができ、第1の活性領域は、第1の活性領域の長さに沿って実質的に一定である最小距離dだけ第2の活性領域から分離され、更に、第1の活性領域は、第1の極性を有するように構成され、第2の活性領域は、第2の極性を有するように構成されている。第1のワイヤは、第1のループを備えてもよく、第2のワイヤは、第1のループに対して同心円状に、又は第1のループ内に位置決めされた第2のループを備えてもよい。これらの装置のいずれにおいても、第1のワイヤ及び第2のワイヤは、平面内で細長い本体から延在することができる。一部の例では、絶縁領域及び/又は細長い本体は、第1及び第2のワイヤが細長い本体の長軸に対してある角度で延在するように、屈曲部を備え得る。
【0058】
また、本明細書に記載されるのは、パルスエネルギーをポイントバイポイント治療として、又はシングルショット治療として送達するための装置(例えば、デバイス、システムなど)である。ポイントバイポイント治療は、概して、2つのより小さな電気的活性領域の間の面積を適用することを含み、一方、シングルショット治療は、概して、複数の電気的に結合された活性領域を有するより大きい面積を治療する。例えば、本装置は、細長い本体と、第1の周方向位置において細長い本体から径方向外向きに延在する複数のループ又はリブであって、各ループ又はリブは、非絶縁電気的活性領域が細長い本体の第1の周方向位置を取り囲むように径方向外向きに面する非絶縁電気的活性領域を備える、複数のループ又はリブと、第1の極性でエネルギーを印加するために複数の非絶縁電気的活性領域が一緒に電気的に結合される第1の構成と非絶縁電気的活性領域が別々に活性化される第2の構成との間で切り替わるように構成された電気コネクタと、を含み得る。
【0059】
一部の例では、電気コネクタは、第1の構成において、複数のループ又はリブの非絶縁電気的活性領域ループ又はリブの全てを電気的に結合することができる。電気コネクタは、第1の構成では、コネクタは、非絶縁電気的活性領域の第1のサブセット、複数のループ又はリブのループ又はリブを電気的に結合し、第1の極性でエネルギーを印加し、第1の複数のループ又はリブのループ又はリブと交互になる第2の複数のループ又はリブは、第2の極性でエネルギーを印加するように構成され得る。
【0060】
一部の例では、パルスエネルギーをポイントバイポイントとして又はシングルショットのいずれかとして送達するための装置は、細長い本体と、第1の周方向位置において細長い本体から径方向外向きに延在する複数のループ又はリブであって、各ループ又はリブは、非絶縁電気的活性領域が細長い本体の第1の周方向位置を取り囲むように径方向外向きに面する非絶縁電気的活性領域を備える、複数のループ又はリブと、第1の周方向位置から周方向にオフセットされた第2の電気的活性領域と、非絶縁電気的活性領域の全てが一緒に電気的に結合される第1の構成と非絶縁電気的活性領域が別々に活性化される第2の構成との間で切り替わるように構成された電気コネクタと、を含み得る。第2の電気的活性領域は、第2の周方向位置において細長い本体から径方向外向きに延在する第2の複数のループ又はリブを備えてもよく、第2の複数のループ又はリブの各ループ又はリブは、非絶縁電気的活性領域が細長い本体の第2の周方向位置を取り囲むように径方向外向きに面する非絶縁電気的活性領域を備える。同じ電気コネクタ又は別個の電気コネクタは、第2の複数のループ又はリブの非絶縁電気的活性領域の全てが一緒に電気的に結合される第1の構成と、第2の複数のループ又はリブの非絶縁電気的活性領域が別個に活性化される第2の構成との間で切り替わるように構成され得る。一部の例では、第2の電気的活性領域は、細長い本体の遠位端から延在する遠位対向電極である。
【0061】
例えば、本明細書に記載されるのは、解剖学的構造の壁にパルス電界を送達するための装置であって、この装置は、細長い本体と、第1の電極であって、第1の1つ以上のループを備え、第1の1つ以上のループ上に形成された第1の活性領域を有し、第1の活性領域は、解剖学的構造の壁の第1の領域を囲むように構成されており、更に、第1の1つ以上のループは、細長い本体の遠位端領域に可撓的に結合されている、第1の電極と、第2の電極であって、第2の1つ以上のループを備え、第2の1つ以上のループから形成された第2の活性領域を有し、第2の活性領域は、解剖学的構造の壁の第2の領域を囲むように構成されており、第2の1つ以上のループは、細長い本体の遠位端領域に可撓的に結合されており、更に、第1の電極は、第2の電極から半径方向にオフセットされているか、横方向にオフセットされているか、又は径方向及び横方向の両方にオフセットされている、第2の電極と、を備える。
【0062】
本明細書に記載される装置のうちのいずれも、第1の活性領域及び第2の活性領域のうちの少なくとも1つは、部分的、ほぼ完全、又は完全な円で解剖学的構造の壁を囲むように構成されるように構成され得る。
【0063】
これらの装置のいずれも、第1及び/又は第2の電極の一部分上に、複数のマッピング及び/又は感知電極を含み得る。例えば、感知電極及び/又はマッピング電極は、第1の活性領域及び/又は第2の活性領域の径方向内側にあってもよい。感知電極及び/又はマッピング電極は、第1の電気的活性領域及び/又は第2の電気的活性領域のいずれかの電気的活性領域の表面積よりも小さい総表面積(例えば、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、5%以下など)を有し得る。感知電極及び/又はマッピング電極は、電気的活性領域から電気的に絶縁されてもよく、各々、1つ以上のライン(例えば、ワイヤ、トレースなど)を介して、マッピングシステム及び/又はサブシステムに接続されるか、又は接続可能であってもよい。
【0064】
また、本明細書に記載されるのは、パルス電界を送達するための装置であって、細長い本体と、第1のワイヤループを備える第1の電極であって、第1のワイヤループは、細長い本体から可撓的に延在し、第1の電極は、第1のワイヤループの長さに沿って延在する第1の活性領域を有する、第1の電極と、第2のワイヤループを備える第2の電極であって、第2のワイヤループは、細長い本体から可撓性に延在し、第2の電極は、第2のワイヤループの長さに沿って延在する第2の活性領域を有し、第1の電極は、第2の電極から径方向にオフセットされているか、横方向にオフセットされているか、又は径方向及び横方向の両方にオフセットされている、第2の電極と、を備える。上述したように、これらの装置のいずれも、第1の活性領域の外側の第1の電極上及び/又は第2の活性領域の外側の第2の電極上に複数のマッピング及び/又は電極を含み得る。
【0065】
また、本明細書に記載されるのは、アプリケータを使用して対象の体内の解剖学的構造の壁にパルス電界を送達する方法であり、この方法は、第1の1つ以上のループを備えるアプリケータの第1の電極と、第2の1つ以上のループを備えるアプリケータの第2の電極とを、第1の1つ以上のループの第1の活性領域が、解剖学的構造の壁の第1の領域と電気的に連通する第1の接触ループを形成し、かつ第2の1つ以上のループの第2の活性領域が、解剖学的構造の壁の第2の領域と電気的に連通する第2の接触ループであって、第2の接触ループが、解剖学的構造の壁の第1の領域から径方向及び/又は長手方向に分離されている、第2の接触ループを形成するように、対象の体内に位置決めすることと、第1の活性領域と第2の活性領域との間にパルス電気治療を適用することと、を含む。これらの方法のいずれも、アプリケータ上の1つ以上のマッピングセンサを使用して、解剖学的構造の壁に対するアプリケータの場所をマッピングすることを含み得る。これらの方法のいずれも、パルス電気治療を適用する前、及び/又はパルス電気治療のパルスの印加の間、及び/又はパルス電気治療を適用した後に、アプリケータ上の1つ以上のセンサを使用して、解剖学的構造の壁の1つ以上の電気特性を感知することを含み得る。
【0066】
これらの方法のいずれも、心臓組織をアブレーションすることを含む、心臓組織を治療する方法であり得る。例えば、本明細書に記載されるのは、アプリケータを使用して対象の体内の心臓の壁にパルス電界を送達するための方法であり、この方法は、第1の1つ以上のループを含むアプリケータの第1の電極と、第2の1つ以上のループを含むアプリケータの第2の電極とを、第1の1つ以上のループの第1の活性領域は、心臓の壁の第1の領域(例えば、肺静脈洞、肺静脈小孔、及び/又は他の心臓壁筋肉/組織)と電気的に連通する第1の接触ループを形成し、第2の1つ以上のループの第2の活性領域は、心臓の壁の第2の領域と電気的に連通する第2の接触ループを形成するように、対象の体内に位置決めすることであって、第2の接触ループは、心臓の壁の第1の領域から径方向及び/又は長手方向に分離される、位置決めすることと、第1の活性領域と第2の活性領域との間にパルス電気治療を適用することと、を含む。これらの方法のいずれも、アプリケータ上の1つ以上のマッピングセンサを使用して、心臓の壁に対するアプリケータの場所をマッピングすることを含み得る。一部の例では、方法は、パルス電気治療を適用する前、及び/又はパルス電気治療のパルスの印加の間、及び/又はパルス電気治療を適用した後に、アプリケータ上の1つ以上のセンサを使用して、心臓の壁の1つ以上の電気特性を感知することを含み得る。これらの方法のいずれも、本方法は、例えば、3D電気解剖学的マッピングを使用して、組織(例えば、心臓)をマッピングすることを含み得る。一部の例では、方法は、組織のマップ上にアプリケータをマッピングするか、又は別様に位置特定することを含み得る。
【0067】
また、本明細書に記載されるのは、近位から遠位に延在する細長い本体と、細長い本体の遠位端領域にあるアプリケータ領域と、を備え、アプリケータ領域は、細長い本体から遠位に延在する第1のワイヤであって、第1のワイヤは、第1のワイヤの第1の絶縁領域に隣接する第1の活性領域を有する、第1のワイヤと、細長い本体から遠位に延在する第2のワイヤであって、第2のワイヤは、第2のワイヤの第2の絶縁領域に隣接する第2の活性領域を有する、第2のワイヤと、を備え、第1の活性領域は、第1の活性領域の長さに沿って実質的に一定である最小距離dだけ第2の活性領域から分離され、更に、第1の活性領域は、第1の極性を有するように構成され、第2の活性領域は、第2の極性を有するように構成されている、装置である。
【0068】
装置は、近位から遠位に延在する細長い本体と、細長い本体の遠位端領域にあるアプリケータ領域と、を備えることができ、アプリケータ領域は、細長い本体に対して径方向に拡張するように構成される拡張可能部材と、拡張可能部材上の第1のワイヤであって、第1のワイヤは、第1のワイヤの第1の絶縁領域に隣接する第1の活性領域を有する、第1のワイヤと、拡張可能部材上の第2のワイヤであって、第2のワイヤは、第2のワイヤの第2の絶縁領域に隣接する第2の活性領域を有し、第1の活性領域は、第1の活性領域の長さに沿って実質的に一定である最小距離dだけ第2の活性領域から分離され、第1のワイヤ及び第2のワイヤは、0.38mm以下である厚さを有し、更に、第1の活性領域は、第1の極性を有するように構成され、第2の活性領域は、第2の極性を有するように構成される、第2のワイヤと、を備える。
【0069】
様々な例を参照して開示される様々な特徴の組み合わせを含む、本明細書で説明される方法及び装置の全ては、任意の組み合わせで、本明細書で企図され、本明細書で説明される利益を達成するために使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0070】
本明細書で説明される方法及び装置の特徴及び利点のより良い理解は、例示的な実施形態を記載する以下の詳細な説明、及び添付の図面を参照することによって得られるであろう。
【
図1】
図1は、電気エネルギーの高電圧、高速パルスを送達するためのシステムの一例を例解する。
【
図2】
図2は、身体脈管内にナノ秒パルスエネルギー治療などの電気治療を送達するように構成されたアプリケータの一例を例解する。
【
図3A】
図3Aは、周方向又はポイントバイポイントのいずれかで身体脈管内にエネルギー治療を送達するように構成されたアプリケータの一例を示す。
【
図3B】
図3Bは、身体脈管内にエネルギー治療を送達するように構成され、「正面対向型」及び「側面対向型」エネルギー印加のために構成されたアプリケータの一例を示す。
【
図4A】
図4Aは、身体脈管内にナノ秒パルスエネルギー治療を送達するように構成されたアプリケータの別の例を示す。
【
図4B】
図4Bは、身体脈管内にナノ秒パルスエネルギー治療を送達するように構成されたアプリケータの別の例を示す。
【
図4C】
図4Cは、身体脈管内にエネルギー(例えば、ナノ秒パルス電気エネルギー)をシングルショット又はポイントバイポイントのいずれかで送達するための装置の別の例である。
【
図4D】
図4Dは、身体脈管内にエネルギー(例えば、ナノ秒パルス電気エネルギー)をシングルショット又はポイントバイポイントのいずれかで送達するための装置の別の例である。
【
図4E】
図4Eは、身体脈管内にエネルギー(例えば、ナノ秒パルス電気エネルギー)を送達するための装置の別の例である。
【
図5】
図5は、肺静脈内に配設された
図4のアプリケータの図を示す。
【
図6A】
図6Aは、身体脈管内にナノ秒パルスエネルギー治療を送達するように構成された別のアプリケータを示す。
【
図6B】
図6Bは、
図6Aのアプリケータと同様のアプリケータを用いた治療の効果の一例を示す。
【
図7】
図7は、身体脈管内にナノ秒パルスエネルギー治療を送達するように構成された、
図4Aに示すアプリケータに類似する別のアプリケータを示す。
【
図8A】
図8Aは、身体脈管にナノ秒パルスエネルギー治療を送達するように構成された別のアプリケータを示す。
【
図8B】
図8Bは、身体脈管にナノ秒パルスエネルギー治療を送達するように構成された別のアプリケータを示す。
【
図8C】
図8Cは、電極間の間隔が調整可能であるアプリケータの別の例を示す。
【
図9】
図9は、身体脈管にナノ秒パルスエネルギー治療を送達するように構成された別のアプリケータを示す。
【
図10】
図10は、身体脈管にナノ秒パルスエネルギー治療を送達するように構成された別のアプリケータを示す。
【
図11】
図11は、身体脈管にナノ秒パルスエネルギー治療を送達するように構成された別のアプリケータを示す。
【
図12】
図12は、身体脈管にナノ秒パルスエネルギー治療を送達するように構成された別のアプリケータを示す。
【
図13】
図13は、身体脈管にナノ秒パルスエネルギー治療を送達するように構成された別のアプリケータを示す。
【
図14】
図14は、身体脈管にナノ秒パルスエネルギー治療を送達するように構成された別のアプリケータを示す。
【
図15】
図15は、身体脈管にナノ秒パルスエネルギー治療を送達するように構成された別のアプリケータを示す。
【
図16】
図16は、身体脈管にナノ秒パルスエネルギー治療を送達するように構成された別のアプリケータを示す。
【
図17A】
図17Aは、身体脈管にナノ秒パルスエネルギー治療を送達するように構成された別のアプリケータを示す。
【
図19】
図19は、身体脈管にナノ秒パルスエネルギー治療を送達するように構成された別のアプリケータを示す。
【
図20】
図20は、身体脈管にナノ秒パルスエネルギー治療を送達するように構成された別のアプリケータを示す。
【
図21】
図21は、身体脈管にナノ秒パルスエネルギー治療を送達するように構成された別のアプリケータを示す。
【
図22A】
図22Aは、管腔内にパルス電気エネルギーを送達するための装置の一例を例解する。
【
図22B】
図22Bは、管腔内にパルス電気エネルギーを送達するための装置の一例を例解する。
【
図22C】
図22Cは、管腔内にパルス電気エネルギーを送達するための装置の一例を例解する。
【
図23A】
図23Aは、管腔内にパルス電気エネルギーを送達するための装置の一例を例解する。
【
図23B】
図23Bは、管腔内にパルス電気エネルギーを送達するための装置の一例を例解する。
【
図23C】
図23Cは、管腔内にパルス電気エネルギーを送達するための装置の一例を例解する。
【
図23D】
図23Dは、管腔内にパルス電気エネルギーを送達するための装置の一例を例解する。
【
図23E】
図23Eは、管腔内にパルス電気エネルギーを送達するための装置の一例を例解する。
【
図23F】
図23Fは、管腔内にパルス電気エネルギーを送達するための装置の一例を例解する。
【
図25】
図25は、管腔内にパルス電気エネルギーを送達するための装置の一例である。
【
図26】
図26は、管腔内にパルス電気エネルギーを送達するための装置を示す。
【
図28A】
図28Aは、管腔内にパルス電気エネルギーを送達するための装置の一例を例解する。
【
図29B】
図29Bは、本明細書に記載されるようにヒンジ連結される、アプリケータ領域のリブの一例を示す。
【
図30A】
図30Aは、身体脈管(管腔)内にパルス電気エネルギーを送達するための装置を示す。
【
図31】
図31は、アプリケータ領域を拡張するためのバルーンを含む、管腔内にパルス電気エネルギーを送達するための装置を示す。
【
図32】
図32は、管腔内にパルス電気エネルギーを送達するための装置を示す。
【
図34A】
図34Aは、管腔内にパルス電気エネルギーを送達するためのパドル形状装置の一例を示す。
【
図34B】
図34Bは、管腔内にパルス電気エネルギーを送達するためのパドル形状装置の一例を示す。
【
図34C】
図34Cは、管腔内にパルス電気エネルギーを送達するためのパドル形状装置の一例を示す。
【
図35】
図35は、管腔内にパルス電気エネルギーを送達するための装置の一例である。
【
図36A】
図36Aは、管腔内にパルス電気エネルギーを送達するための装置の更なる例を例解する。
【
図36B】
図36Bは、管腔内にパルス電気エネルギーを送達するための装置の更なる例を例解する。
【
図36C】
図36Cは、管腔内にパルス電気エネルギーを送達するための装置の更なる例を例解する。
【
図36D】
図36Dは、管腔内にパルス電気エネルギーを送達するための装置の更なる例を例解する。
【
図37】
図37は、肺静脈を治療するために装置を位置決めする際の困難さを例解する。
【
図38A】
図38Aは、センタリングガイドを含む、管腔内にパルス電気エネルギーを送達するための装置を示す。
【
図38B】
図38Bは、センタリングガイドを含む、管腔内にパルス電気エネルギーを送達するための装置を示す。
【
図39】
図39は、センタリングガイドを含む、管腔内にパルス電気エネルギーを送達するための装置の一例である。
【
図40A】
図40Aは、センタリングガイドを使用して、管腔内にパルス電気エネルギーを送達するための装置を使用する方法を例解する。
【
図40B】
図40Bは、センタリングガイドを使用して、管腔内にパルス電気エネルギーを送達するための装置を使用する方法を例解する。
【
図40C】
図40Cは、センタリングガイドを使用して、管腔内にパルス電気エネルギーを送達するための装置を使用する方法を例解する。
【
図40D】
図40Dは、センタリングガイドを使用して、管腔内にパルス電気エネルギーを送達するための装置を使用する方法を例解する。
【
図41A】
図41Aは、センタリングガイドを使用して、管腔内にパルス電気エネルギーを送達するための装置を使用する方法を例解する。
【
図41B】
図41Bは、センタリングガイドを使用して、管腔内にパルス電気エネルギーを送達するための装置を使用する方法を例解する。
【
図41C】
図41Cは、センタリングガイドを使用して、管腔内にパルス電気エネルギーを送達するための装置を使用する方法を例解する。
【
図41D】
図41Dは、センタリングガイドを使用して、管腔内にパルス電気エネルギーを送達するための装置を使用する方法を例解する。
【
図42】
図42は、患者の選択された治療面積にパルス電気治療を送達するための1つの方法の一例を描示するフロー図である。
【
図44A】
図44Aは、本明細書に記載されるような小径ワイヤ電極を含む装置の一例を示す。
【
図44B】
図44Bは、本明細書に記載されるような小径ワイヤ電極を含む装置の一例を示す。
【
図44C】
図44Cは、本明細書に記載されるような小径ワイヤ電極を含む装置の一例を示す。
【
図44D】
図44Dは、本明細書に記載されるような小径ワイヤ電極を含む装置の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0071】
本明細書に記載されるのは、例えば、動脈、静脈、洞、及び上述したような体内の任意の他の血管などの身体脈管に挿入されるように適応された電極を使用して、身体脈管などの身体管腔を含む身体をパルス電界で治療するためのシステム及び方法である。概して、本明細書に記載される装置及び方法は、限定ではないが、管状身体部材又は脈管などの身体の管腔を含む、任意の身体チャンバの内側に、器官の任意の壁に対して、かつ/又は遷移面積(例えば、洞、小孔など)内に位置決めされ得る。
【0072】
場合によっては、身体脈管は、不規則又は可変形状を有し得る。例えば、肺静脈の洞は、比較的大きい面積又は直径から比較的小さい面積又は直径に遷移する場合がある。これらの身体脈管表面では、電極が、治療を提供するための効果的な接触を確立することが困難であり得る。本明細書に記載されるのは、不規則な及び/又は変化する形状に容易に適応及び適合し、身体脈管との確実な接触を提供し得る様々な電極である。
【0073】
パルス電気治療は、マイクロ秒パルス治療、又はナノ秒パルスを含むサブマイクロ秒パルス治療であり得る。例えば、ナノ秒パルス電界治療は、比較的高い電圧(場合によっては5kV以上)を比較的短い時間(場合によっては約1ナノ秒~999ns)印加することを指すことがある。これらの高電圧及び短い持続時間は、電圧が加えられる領域にパルス電界を生成する。場合によっては、ナノ秒パルスは、細胞の炎症反応を低減し得る細胞構造内のアポトーシスを誘導することができる。
【0074】
本明細書に記載される方法のうちのいずれかは、アブレーション方法であり得る。例えば、本明細書中に記載される方法は、心臓領域、血管など(例えば、洞であるが、これに限定されない)の治療のために特に有用であり得る。一部の例では、これらの方法及び装置は、心臓組織のアブレーションを含む、心房細動及び他の心臓状態の治療のために使用され得る。以下により詳細に説明されるように、これらの方法及び装置のうちのいずれも、テーパ状又は狭小外形を有する、肺静脈洞などの身体領域を治療するために使用され得る。したがって、一部の例では、本明細書に記載の装置及び方法は、それらが使用される身体管腔の形状が急激に変化する直径を有する場合に使用するように適応される。
【0075】
代替的に、又は追加的に、これらの装置及び方法は、必ずしもテーパ状ではない、又はわずかにのみテーパ状である血管若しくは他の管腔の壁を治療するために使用され得る。一部の例では、これらの方法及び装置を使用して、血管又は呼吸管腔の壁を治療することができる。例えば、これらの方法及び装置を使用して、ステント又は血管形成術処置との組み合わせを含む、動脈狭窄を治療することができる。したがって、場合によっては、これらの方法は、血管形成術及び/又はステント術後の最初の2~4日以内に実施することができる。内皮が除去された面積における管腔表面の未処理の平滑筋細胞(SMC:smooth muscle cell)は、低い速度で増殖し続ける可能性がある。本明細書に記載される方法及び装置は、これを防止又は低減することができる。
【0076】
図1は、電気エネルギーの高速パルスを送達するためのシステム100(本明細書では例としてサブマイクロ秒発生システムとも称される)の一例を例解する。かかるシステムは、細長いアプリケータツール102と、パルス発生器107と、フットスイッチ103と、ユーザインターフェース104と、を含み得る。フットスイッチ103は、ケーブル及びコネクタ106を通して、(電子部品を封入し得る)ハウジング105に接続されている。細長いアプリケータツール102は、電極を含んでもよく、ケーブル137及び高電圧コネクタ112を通して、ハウジング105及びその中の電子部品に接続されてもよい。システム100はまた、ハンドル110及び収納引き出し108を含み得る。システム100はまた、細長いアプリケータツール102を保持するように構成され得るホルダ(例えば、ホルスタ、キャリアなど)(図示せず)を含み得る。一部の例では、システムは、単極治療のために構成され得、任意選択で、分散電極133(例えば、リターン電極パッド)を含み得る。
【0077】
アプリケータツールは、本明細書に詳細に説明されるように、身体脈管内にパルス電界を送達するための装置のうちのいずれかであり得る。これらの装置は、概して、細長い可撓性本体(本明細書では、概して、細長い本体、カテーテル、又は細長いカテーテル本体と称される)を含んでもよく、その端部には、パルス電界を本体に印加し得る1つ以上のループを形成する電極を含む、1つ以上の電極がある。場合によっては、細長いアプリケータツール102は、細長いアプリケータツール102の遠位端に若しくはその近くに、1つ以上のカメラ及び/又は光ファイバなどの1つ以上の撮像センサを含む。カメラ(簡略化のために図示せず)は、前向き及び/又は横向きであり得る。システム100は、標的治療面積及び/又は領域を特定するために、細長いアプリケータツール102によって撮影された画像を(リアルタイムで、及び/又は記録して)表示するように構成され得る。
【0078】
人間のオペレータは、例えば、かかるパラメータをユーザインターフェース104の数字キーパッド又はタッチスクリーンに入力することによって、パルスの数、振幅、パルス持続時間、及び周波数情報を選択してもよい。一部の例では、パルス幅を変化させることができる。マイクロコントローラは、システム100内のパルス制御要素に信号を送信することができる。一部の例では、サブマイクロ秒パルス発生システム100、例えば、高電圧回路を有する金属キャビネット(例えば、ハウジング105)の内容物を外部から電気的に絶縁しながら、制御信号伝達を可能にする光ファイバケーブルが使用される。システムを更に電気的に絶縁するために、システム100は、壁のコンセントから給電する代わりに、電池式であってもよい。
【0079】
細長いアプリケータツール102は、(例えば、ユーザによって)手持ち式であってもよく、又はロボットシステムの可動アームに取り付けることができ、その動作は、コンピュータ制御動作を含めて、少なくとも部分的に自動化又は完全に自動化されてもよい。
【0080】
図2は、身体脈管内にナノ秒パルスエネルギー治療などの治療を送達するように構成されたアプリケータ200の一例を例解する。身体脈管は、肺静脈の洞又は肺静脈自体を含むが、それらに限定されない、任意の実現可能な脈管であり得る。この例では、アプリケータ200は、近位リング210と、遠位リング220と、細長いカテーテル本体230と、を含み得る。アプリケータ200は、2つのリング210及び220とともに示されているが、他の例では、アプリケータ200は、任意の実現可能な数のリングを含んでもよい。用語「遠位」は、概して、アプリケータの遠位端に最も近い(かつ治療組織/表面に最も近い)部分を指すことがあり、用語「近位」は、概して、アプリケータの遠位端及び治療組織/表面から比較的遠い部分を指すことがある。しかしながら、当業者は、他の用語が、アプリケータ200の特徴(近位リング210及び遠位リング220を含む)を特定及び区別するために使用され得ることを認識するであろう。例えば、近位リング210及び遠位リング220は、第1のリング及び第2のリングと称されてもよい。
【0081】
近位リング210及び遠位リング220は、任意の適合可能な材料から形成され得る。少なくとも1つの例では、近位リング210及び遠位リング220は、ニチノール(例えば、ニッケルチタン)から形成されてもよいが、ステンレス鋼などの任意の他の実現可能な材料が使用されてもよい。例示的なアプリケータ200に示すように、近位リング210は、遠位リング220よりも大きい直径を有し得る。他の例では、近位リング210は、遠位リング220よりも小さい直径を有し得る。
【0082】
近位リング210及び遠位リング220は、例えば、ナノ秒パルスエネルギーを選択された治療面積に送達するために、円形電極として使用されてもよい。この例では、リング220、210の各々の外周全体が(例えば、電気的に連続した)活性領域であってもよく、その結果、(絶縁され得る)内側アーム211、221ではなく、リングの外周が、電気エネルギーを印加するための活性領域を形成する。一部の例では、近位リング210及び遠位リング220は、カテーテル本体230の中に後退させることができる。次に、アプリケータ200を治療面積に位置決めすることができる。アプリケータ200の留置が確認された後、近位リング210及び遠位リング220は、カテーテル230から展開され得る。
【0083】
一部の例では、リング電極210及び220は、カテーテル本体230内から展開されないが、送達カテーテル内にカテーテル本体230とともに収納され得、本装置の遠位端(例えば、この例では、リング電極)は、いったん体内の標的治療場所又はその近傍に来ると、送達カテーテルから展開され得る。例えば、装置全体(カテーテル本体及び電極を含む)は、送達カテーテル(本明細書では、誘導シースとも称される)の近位端の中に挿入されてもよい。ガイドシースは、すでに患者の体内にあってもよく、シースの遠位端が標的領域の近傍(例えば、一部の例では、左心房に又はその近傍)に位置決めされる。細長いカテーテル本体及び電極(例えば、リング電極)は、導入器(例えば、プラスチック管)を使用して、誘導シースの近位弁の中に挿入されてもよく、装置は、シース内で遠位に摺動してもよい。一部の例では、遠位端(例えば、リング電極)を保持する送達カテーテルは、標的組織まで前進し、次いで、遠位端が送達カテーテルから駆動される間、定位置に保持され得る。
【0084】
近位リング210は、2つのローブを含み得る。すなわち、近位リング210は、アーム211に接合される2つの半円部分に分割され得る。一部の例では、アーム211は絶縁され得る。同様に、遠位リング220は、アーム221に接合される2つのローブを含み得る。他の例では、近位リング210及び遠位リング220は、任意の数のローブ及びアームを含み得る。場合によっては、ローブの数を増加させることで、近位リング210及び遠位リング220の可撓性を増加させ、身体脈管の異なる形状により容易に適合することを可能にし、リングの電極が標的組織と良好に並置されることを可能にすることができる。一部の例では、アーム211及び221は、ニチノール又は任意の他の実現可能な材料で形成され得る。アーム211及び221は、近位リング210及び遠位リング220を細長いカテーテル本体230に可撓的に結合することができる。本明細書に記載される装置のうちのいずれにおいても、装置全体が、「カテーテル」と称されることがあり、遠位端から延在する細長い、典型的には可撓性の本体部分が、カテーテル本体(例えば、カテーテル本体230)と称されることがあることに留意されたい。細長いカテーテル本体の遠位端から延在する電極は、細長いカテーテル本体の遠位端に対して移動可能であってもよく、又は遠位端に対して固定されてもよい。
【0085】
図2は、近位リング210と遠位リング220とを分離する距離240を示している。例えば、距離240は、近位リング210を概ね含む平面と遠位リング220を概ね含む平面との間の距離を表してもよい。距離240は、事前に決定されてもよく、又は可変であって、近位リング210及び遠位リング220が展開されるときにユーザによって決定されてもよい。一部の例では、近位リング210と遠位リング220との間の電位及び距離240により、アプリケータ200によって送達され得る電界密度を決定することができる。例えば、比較的小さい距離240は、比較的大きい距離240と比較して、より高い電界密度を提供することができる。
【0086】
一部の例では、アプリケータ200は、細長いカテーテル本体230及び近位ハンドル(
図1に示す細長いアプリケータツール102のハンドル部分など)によって、特定された治療面積に誘導され得る。一部の例では、アプリケータ200はまた、ガイドワイヤ(簡略化のために図示せず)及び/又は蛍光透視機器の使用によって誘導され得る。本明細書に記載される装置(例えば、アプリケータ200)は、ガイドワイヤの上での装置の動作を可能にし得る(例えば、細長いカテーテル本体を通る)中心管腔を含み得る。代替的に、迅速交換管腔が、アプリケータ遠位端の側面上に存在してもよい。
【0087】
装置の遠位端は、治療される組織の近似領域(標的組織領域)内に位置決めされ得、リング電極(例えば、近位リング210及び遠位リング220)は、
図3Aに示すように拡張され得る。近位リング210及び遠位リング220は、細長いカテーテル本体230に可撓的に結合され、そこから現れ、身体脈管と並置され得る。リング電極を含むアプリケータ200の正確な位置を検証することができ、かつ/又はエネルギーを印加する前に装置を再位置決めすることができる。
【0088】
次いで、身体脈管のナノ秒パルスエネルギー治療を開始することができる。一部の例では、システム100及びアプリケータ200は、例えば、近位リング210と遠位リング220との間の双極動作のために構成することができる。一部の例では、近位リング210はカソードと称されることがあり、遠位リング220はアノードと称されることがある(又はその逆も同様)。他の例では、近位リング210は、負の信号を有する信号と関連付けられてもよく、遠位リング220は、正の信号を有する信号と関連付けられてもよい。近位リング210及び遠位リング220は、ナノ秒パルスエネルギーを送達するための電極として機能することができる。反対極性の信号を搬送する電極は、パルス治療と関連する電界が電極間に生成されることを可能にし得る。一部の例では、システム100(アプリケータ200を含む)は、単極動作のために構成することができる。例えば、近位リング210及び遠位リング220は、互いに電気的に結合されてもよく、信号は、近位リング210及び遠位リング220と、患者と接触し得るリターン電極(例えば、細長いカテーテル本体230の一部分などの別の導体、又は導電性パッド若しくは電極)との間に印加されてもよい。
【0089】
ナノ秒パルスエネルギー治療の送達後、アプリケータ200は、身体脈管の別の面積に移動されるか、又は患者から除去され得る。
【0090】
本明細書に記載される装置のうちのいずれもまた、弾力的に弾力性であり、例えば、拡張期/収縮期、呼吸中などに拡張及び収縮し得る身体の領域において使用するために構成することができる。例えば、ここで説明されたように、電極は、カテーテル本体の遠位端領域に可撓的に結合され得るリング(又は部分的リング)として形成されてもよい。可撓性結合は、組織上の所定の位置に留まりながら、リングが組織の動きに合わせて屈曲することを可能にし得るワイヤ又は他の部材を介して行われてもよい。
【0091】
図3Aは、身体脈管内にナノ秒パルスエネルギー治療などの治療を送達するように構成されたアプリケータ300の別の例を示している。
図2のアプリケータ200と同様に、アプリケータ300は、近位リング210と、遠位リング220と、アーム211及び221と、細長いカテーテル本体230と、を含み得る。アプリケータ300はまた、ポイントバイポイントのアブレーション先端310を含み得る。ポイントバイポイントのアブレーション先端310は、遠位リング220に対して細長いカテーテル本体230上で遠位に配設され得る。一部の例では、ポイントバイポイントのアブレーション先端310は、近位リング210及び遠位リング220から独立して別個に標的治療を提供することができる。したがって、ポイントバイポイントのアブレーション先端310は、ナノ秒パルスエネルギーを送達するための1つ以上の電極を含み得る(簡略化のために図示せず)。代替的に、一部の例では、細長い本体(細長いカテーテル本体)230から外向きに延在するリング又はペタル電極のサブセットを使用することによって、ポイントバイポイントのアブレーションが達成されてもよい。これについては、
図7及び
図32~
図33を参照して以下でより詳細に説明する。
【0092】
図3Bは、以下に説明されるように、「正面対向型」又は「側面対向型」アプローチのいずれかを使用することによって、大きい面積にわたる周方向治療又はより小さい面積におけるポイントバイポイント治療のいずれかを適用するように構成される装置の別の例である。
図3Bに示す装置は、第1の極性(極性1)に保持され得る遠位リング314と第2の極性(極性2)に保持される中心電極310との間のいずれかに電界が印加され得る、三極アブレータ(装置)として構成される。デバイスの遠位端又は「正面」は、組織に「対向」することができる。代替的に、エネルギーは、遠位リング314(例えば、極性1)と極性2に設定され得る近位リング312との間に印加されることができる。デバイスの側面が、組織に対向していてもよい。したがって、装置(アプリケータ300’)を使用して、エネルギーのより小さい(ポイント)印加又はエネルギーのシングルショット(例えば、周方向)印加をより大きい面積に印加することができる。
【0093】
図3Bに示す装置はまた、より小さい治療領域を適用するために、遠位又は近位のいずれか(又は両方)のリングの一部分のみを使用することができる。例えば、
図3Bにおいて、遠位リング314は、一緒に電気的に結合されて、単一の電極を形成し得る、3つのサブ領域314’、314’’、及び314’’’から形成される。同様に、近位リング312も、単一の電極を形成するように一緒に結合されている3つのサブ領域312’、312’’、312’’’から形成される。本装置はまた、より小さい面積にわたってエネルギーを印加するために、遠位リングの1つ又は2つのサブ領域(又はサブ領域及び単一中心電極、又はサブ領域及び完全近位リング)のみの間にエネルギーを印加するように構成することができる。したがって、一部の構成では、サブ領域の各々は、個別に通電させることができる。一部の例では、同じリングの隣接するサブ領域を異なる極性で使用して、それらの間にエネルギーを印加することができる。
【0094】
図3A及び
図3Bのアプリケータ300、300’は、例えば、身体脈管320に対して展開モードで示されている。身体脈管320の一例は、洞325を含み得る肺静脈であり得る。洞325は、第1の直径から第2の直径にサイズが遷移していてもよい。したがって、近位リング210及び遠位リング220の異なる直径は、有利には、アプリケータ300が洞325の変化する形状に適合することを可能にし得る。一部の例では、近位及び遠位リングの直径は、異なる(例えば、近位リングは、遠位リングより大きい)。一部の例では、近位及び遠位リングの一方(又は両方)は、直径が調整可能であるように構成され、これは、装置が異なる形状及び直径を確認することを可能にし得る。
【0095】
本明細書に記載される装置のいずれにおいても、第1のリング及び第2のリングは、電極リング、又は単に「電極」と称されることがある。一部の例では、第1の電極(例えば、近位電極リング210)は、1つ以上のループ(2つのループが
図2に示され、一方で、以下で説明される
図4Aは、5つのループを示す)を有するように構成され、1つ以上のループ上に形成される電気的活性領域(「活性領域」)を含む。活性領域は、標的組織に接触するように構成され、その間にパルス電界が印加される導電性領域である。活性領域は、ループの他の領域と比較して、露出されてもよく(例えば、伝導性表面を含んでもよい)、絶縁されていなくてもよい。これらの導電性領域の全ては、電気的に接続され、例えば、単一の電極を形成する。したがって、活性領域は、典型的には、長くかつ狭く、例えば、1つ以上のループの一部分のワイヤから形成される。
【0096】
例示的なアプリケータ300では、アーム211及び221は、互いに対して約90度オフセットされて示されている。他の例では、アーム211及び221は、任意の実現可能な量だけオフセットすることができる。アプリケータ300は、心房細動、心室性頻拍、他の心臓関連アブレーションの治療などの様々な心臓用途に使用され得る。しかしながら、本発明は、心臓用途に限定されず、身体の他の部分に電気エネルギーを印加するために使用され得る。
【0097】
図4Aは、身体脈管内にナノ秒パルスエネルギー治療を送達するように構成されたアプリケータ400の別の例を示している。アプリケータ400は、近位リング410及び遠位リング420を含み得る。近位及び遠位リング410及び420は各々、5つのローブを含み得る。加えて、アプリケータ400は、近位及び遠位リング410及び420を細長いカテーテル本体(図示せず)に可撓的に結合するために、5つのアーム430を含み得る。上述したように、比較的より多くのローブを有する近位リング410及び遠位リング420は、より少ないローブを有する近位リング及び遠位リングよりも可撓性であり得る。
図4Bは、アプリケータ400の側面図を示している。近位及び遠位リング410及び420並びにアーム430は、細長いカテーテル本体440に結合されて示されている。
【0098】
図4C~
図4Eは、身体脈管内にナノ秒パルス電気エネルギー治療を送達するために使用され得るアプリケータの例を例解する。これらの例は、組織を治療するための双極エネルギーを印加するように選択的に作動され得る電極の複数のリングを含み得るという点で、
図2、
図3A~
図3B、及び
図4A~
図4Bに示したものと同様である。これらの装置はまた、身体内の組織にエネルギーを印加するために使用され得る適合可能リング装置とも称され得る。1つの非限定的な例では、
図4C~
図4Eに示す装置は、限定ではないが、洞、小孔、及び内側/外側壁(肺静脈の治療など)を含む、心筋組織上への電気エネルギーの双極印加のために使用することができる。
【0099】
図4A~
図4Bに関して上述したように、一部の例では、本明細書に記載の装置は、2つの電極リング、すなわち内側リング及び外側リングを含み、これらは、洞及び/又は洞口内の心筋組織を含む(が、それらに限定されない)組織の治療に使用することができる。一部の例では、追加のリングを使用することができる。例えば、
図4Cは、3つのリングを含む装置を示し、
図4Dは、4つのリングを有する例を示している。
図4Eは、中心電極を伴う2つのリングを有する一例を例解する。これらの構成は、患者の生体構造への適応性も可能にすることができ、シングルショット治療(例えば、アブレーションを含む、1回の治療での血管の周囲などの領域全体の治療)とポイントバイポイント治療(例えば、アブレーションを含む、身体脈管の小部分を1つずつ治療すること)との両方を達成するのを補助することができる。
【0100】
図4Cは、約30mmの直径を有する外側リング461を含む、電極の3つのリングを有するアプリケータ460装置の構成の一例を示している。外側電極は、第1の極性を適用するように一緒に電気的に結合され得る複数のサブ領域(例えば、ペタル又はループ)から形成され得る。一部の例では、個々のサブ領域は独立して活性化され得る。
図4Cはまた、第1のリングよりも小さく、第1のリングに対して同心円状に配置された第2のリング463を含む。
図4Cでは、第2のリングは、約23mmの直径を有し、第2の極性を提供するように電気的に結合され得る複数のサブ領域から形成され得る。複数のサブ領域はまた、一部の例では、別々に活性化され得る。同じ装置はまた、第2のリングに対して同心円状に配置され、第1の極性を提供するように電気的に結合され得る複数のサブ領域から同様に形成され得る第3のリング465を含み得る。
図4Cでは、第3のリングは、約16mmの直径を有する。外側及び中間リングは、より大きい洞及び/又は小孔を治療するために使用することができ、一方で、第2の構成は、より小さい洞及び/又は小孔において治療を適用するために第2の及び第3のリングを使用することができる。リングの直径及び/又は数のサイズを変動させることは、(限定ではないが)洞及び/又は小孔などの異なるサイズの組織領域を治療する際に、より優れた調整及び嵌合を提供するために、システムが、リングのどの対を(どの極性において)指定するかを選択することを可能にし得る。
【0101】
例えば、
図4Dにおいて、装置は、4つの同心円状に配置されたリングを含む。外側電極(リング481)は、第1の極性を適用するために一緒に電気的に結合され得る複数のサブ領域から形成することができる。一部の例では、個々のサブ領域は独立して活性化され得る。第2のリング483は、第1のリングに対して同心円状に配置され、第2の極性を提供するように電気的に結合され得るか、又は独立して起動(通電)され得る複数のサブ領域から形成することができる。より小さい円周の第3のリング485は、第2のリングに対して同心円状に配置され、同様に、第1の極性を提供するように電気的に結合され得る複数のサブ領域から形成することができる。最後に、更に小さい円周の第4の電極(リング487)が、第3のリングに対して同心円状に配置される。
【0102】
これらの装置のいずれも、
図4Eに示すように、中央の小さな(例えば、ポイント)電極を提供することができる。
図4Eは、同心円状に配置された2つの電極リングを有する点で、
図4A及び
図4Bと同様である。第1のリング電極491は、露出した電気的活性領域を有するワイヤから各々形成された複数のサブ領域電極から形成され得る。これらの例のいずれかと同様に、一部の構成では、各サブ領域は、個別に制御されてもよく、かつ/又はそれらは全て、単一の電極を形成するように一緒に電気的に結合されてもよい。第2のリング電極493は、第1のリング電極に対して同心円状に配置され、第1のリング電極と同様に、複数のサブ領域から形成され得る。最後に、
図4Eに示す例はまた、より大きい外側リング(又は外側リングのサブ領域)又は内側リング(又は内側リングのサブ領域)のいずれかに適用される極性とは反対の極性を適用するように構成することができる単一の中心電極495を含み得る。
【0103】
これらの装置のいずれも、細長い本体(カテーテルなど)の遠位部分として使用することができ、例えば、心房細動の治療において使用されてもよい。心房細動の治療は、肺静脈(PV:Pulmonary Vein)洞、PV小孔、及び心臓壁筋肉/組織を含むが、それらに限定されない、様々な標的部位を含み得る。本明細書に記載されるように、これらの装置は、大きい面積を治療するため(例えば、サブマイクロ秒パルスエネルギーのシングルショット印加)、例えば、種々のサイズの肺静脈洞/小孔を治療するため、かつ/又は心臓の生体構造全体を通してポイントバイポイントの組織治療(例えば、アブレーション)を提供するための能力に有用であり得る。これらの装置はまた、人体の他の部分にサブマイクロ秒治療を適用するために使用され得る。例えば、より大きい直径の外側リングは、洞及び小孔のシングルショット治療のために使用されることができる一方、より小さい内側リングは、標的組織のポイントバイポイントのアブレーションのために使用されることができる。これらの構成の適合性及び調整可能性に起因して、治療は、より効率的に達成することができ、一方、可変サイズの生体構造に調整/適合することが可能である。
【0104】
図5は、肺静脈の洞510内に配設された
図4のアプリケータ400の
図500を示している。近位リング410及び遠位リング420は、肺静脈の表面に適合することができる。
【0105】
図6Aは、身体脈管内にナノ秒パルスエネルギー治療などの治療を送達するように構成された別のアプリケータ600を示している。アプリケータ600は、第1のリング610と、第2のリング620と、細長いカテーテル本体630と、アーム640と、を含み得る。アーム640は、細長いカテーテル本体630を通して、第1のリング610及び第2のリング620をシステム100(図示せず)に電気的かつ可撓的に結合することができる。第1のリング610及び第2のリング620並びにアーム640は、ニチノール又は任意の他の実現可能な材料から形成され得る。加えて、第1のリング610は、第1の直径を有してもよく、第2のリング620は、第1の直径とは異なる第2の直径を有してもよい。異なる直径は、ナノ秒パルスエネルギー治療と関連する電界の密度を少なくとも部分的に決定することができる。2つのローブを有するように示されているが、第1のリング610及び第2のリング620は、任意の実現可能な数のローブを含み得る。第1のリング610及び第2のリング620は、折り畳まれ、送達カテーテル(図示せず)の中に、又は一部の実装形態では、細長いカテーテル本体630の中に引き込まれ、治療面積に対するアプリケータ600の留置を可能にし得る。
【0106】
アプリケータ200、300、及び400とは対照的に、アプリケータ600の第1のリング610及び第2のリング620は、ほぼ同一平面上にあり得る。この同一平面上の配置は、電極(例えば、第1のリング610及び第2のリング620)が、平面組織及び/又は肺静脈の洞と同様に成形された組織とのより良好な接触を提供することを可能にし得る。一部の例では、電極は、肺静脈の洞と反対の方向に面する「漏斗」を有する構成を有してもよい。
【0107】
アプリケータ600は、双極動作のために構成することができる。パルスエネルギーは、第1のリング610と第2のリング620との間で伝達され得る。したがって、第1のリング610は、第1の極性(例えば、正の信号)を有する信号と関連付けられ得、第2のリング620は、第2の極性(例えば、負の信号)を有する信号と関連付けられ得る。他の例では、第1のリング610は、負の信号を有する信号と関連付けられ得、第2のリング620は、正の信号を有する信号と関連付けられ得る。別の例では、アプリケータ600は、単極動作のために構成することができる。例えば、第1のリング610及び第2のリング620は、両方とも、一緒に電気的に結合されてもよく、リターン電極(例えば、細長いカテーテル本体630又は伝導性パッド上)が使用されてもよい。
【0108】
図6Bは、モデル組織651を治療するための、
図6Aに示すものと同様のアプリケータの使用を示す一例を示している。
図6Bでは、ナノ秒パルス治療が、
図6Aのアプリケータに類似するアプリケータを使用して、モデル組織(生理食塩水中に浸漬されたジャガイモ)に適用されており、2つの領域653、653’の治療(例えば、装置を2回適用)を示している。特に、アプリケータは、2つの標的領域に対してパルス電気治療を適用するために使用されている。2つの環状領域は、第1及び第2のループ電極の適用によって形成される。この例では、試験組織のより暗い領域は、標的組織モデルに対するナノ秒パルス電界の効果を示している。適用された2つの治療(この例では重なって示される)の各々について、約320度の処理が行われ、電極の活性領域がカバーしていない小さいギャップが357で示されている。
【0109】
図7は、身体脈管内にナノ秒パルスエネルギー治療を送達するように構成された別のアプリケータ700を示している。アプリケータ700は、第1のリング710と、第2のリング720と、細長いカテーテル本体730と、アーム740と、を含み得る。アーム740は、細長いカテーテル本体730を通して、第1のリング710及び第2の720をシステム100(図示せず)に電気的かつ可撓的に結合することができる。第1のリング710及び第2の720並びにアーム740は、ニチノール又は任意の他の実現可能な材料から形成され得る。加えて、第1のリング710は、第1の直径を有してもよく、第2のリング720は、第1の直径とは異なる第2の直径を有してもよい。異なる直径は、ナノ秒パルスエネルギー治療と関連する電界の密度を少なくとも部分的に決定することができる。
【0110】
図7のリングは、図示のように複数のサブセクション(「ペタル」)から形成され得る。例えば、
図7では、各リングは5つのサブセクションを含む。これらのサブセクションは、例えば、エネルギーをサブセクションの全てに一緒に印加することによって、単一リングとして作用するように構成されてもよく、又は1つ以上のサブセクション(ペタル)が、別個に活性化されてもよい。例えば、
図7において、隣接するサブセクションを活性化することなく、外側下部サブセクション733及び内側下部サブセクション734が活性化されてもよい。これらのリングのサブセクションの使用は、本明細書に記載されるように、デバイスがポイントバイポイント治療のために使用され、より小さい治療面積を提供することを可能にし得る。
【0111】
図6Aのアプリケータ600と同様に、第1のリング710及び第2のリング720は、ほぼ同一平面上にあり得る。したがって、アプリケータ700の機能及び使用は、アプリケータ600の機能及び使用と同様であり得る。アプリケータ700は、5つのローブを有して示されているが、他の例では、他の数のローブが可能である。上述したように、比較的多数のローブを備えたアプリケータは、比較的少数のローブを備えたアプリケータよりも可撓性が大きく、したがって、一部の身体脈管に容易に適合することができる。
【0112】
アプリケータ700は、双極動作のために構成することができる。第1のリング710と第2のリング720との間にパルスエネルギーを印加することができる。一部の例では、第1のリング710はアノードとして構成されてもよく、第2のリング720はカソードとして構成されてもよい(又はその逆も同様)。別の例では、アプリケータ700は、単極動作のために構成することができる。例えば、第1のリング710及び第2の720は、両方とも、一緒に結合されてもよく、リターン電極(細長いカテーテル本体730の別の部分又は導電性パッド若しくは電極上)が、患者と接触してもよい。
【0113】
図8A及び
図8Bは、身体脈管にナノ秒パルスエネルギー治療などのエネルギーを送達するように構成された別のアプリケータ800を示している。アプリケータ800は、近位リング810と、近位アーム811と、遠位リング820と、遠位アーム821と、細長いカテーテル本体830と、を含み得る。近位アーム811及び遠位アーム821は、近位リング810及び遠位リング820を、細長いカテーテル本体830を通してシステム100(図示せず)に電気的かつ可撓的に結合することができる。近位及び遠位リング810及び820並びに近位及び遠位アーム811及び821は、ニチノール又は任意の他の実現可能な材料から形成され得る。加えて、近位リング810は、第1の直径を有してもよく、遠位リング820は、第1の直径と異なる第2の直径を有してもよい。異なる直径は、ナノ秒パルスエネルギー治療と関連する電界の密度を少なくとも部分的に決定することができる。近位及び遠位リング810及び820は、折り畳まれ、細長いカテーテル本体830の中に引き込まれ、治療面積に対するアプリケータ800の留置を可能にし得る。
【0114】
近位及び遠位リング810及び820は、距離840だけ分離され得る。一部の例では、近位及び遠位リング810及び820は、細長いカテーテル本体830に対して、かつ/又は互いに対して伸縮してもよい。したがって、近位リング810及び遠位リング820のいずれか又は両方を伸縮させることによって、距離840を変化させることができる。一部の例では、細長いアプリケータツール102は、制御ワイヤ、プッシュロッド、テンドン、ケーブルなどを移動させて近位リング810及び又は遠位リング820を伸縮させる(位置決めする)ことによって距離840を制御することができる。
【0115】
アプリケータ800は、双極動作のために構成することができる。パルスエネルギーは、近位リング810と遠位リング820との間で伝達され得る。したがって、近位リング810は、アノードであってもよく、遠位リングは、カソードであってもよく、又はその逆であってもよい。他の例では、アプリケータ800は、単極動作のために構成することができる。
【0116】
一部の例では、近位リング810及び遠位リング820は、連続した円を形成しなくてもよい。遠位リング820の領域850は、詳細を示すために
図8Bにおいて拡大されている。遠位アーム821は、遠位リング820を形成するように屈曲されてもよい。例えば、遠位リング820は、領域850に示すように、右に向かって屈曲される。しかしながら、遠位リング820の先端は、遠位アーム821に接続又は取り付けられていない。遠位リング820の先端を接続されていないままにすることで、遠位リング820の可撓性を増加させることができる。図示されていないが、近位リング810及び近位アーム811の特徴は同様であり得る。
【0117】
図8Cは、
図8Aのアプリケータに類似するアプリケータ800の別の例及び図を示している。この図では、近位リング810と遠位リング820との間の距離840は、
図8Aのアプリケータ800の距離840に対して増加するように示されている。例えば、近位リング810及び/又は遠位リング820は、それぞれのリング間の距離840を増加させるように移動されてもよい。上述したように、距離840を変化させることは、ナノ秒パルスエネルギー治療と関連する電界の密度に影響を及ぼし得る。
【0118】
図9は、身体脈管にナノ秒パルスエネルギー治療を送達するように構成された別のアプリケータ900を示している。アプリケータ900は、近位リング910と、近位アーム911と、遠位リング920と、遠位アーム921と、細長いカテーテル本体930と、を含み得る。近位及び遠位リング910及び920並びに近位及び遠位アーム911及び921は、ニチノール又は任意の他の実現可能な材料から形成され得る。加えて、近位リング910は、第1の直径を有してもよく、遠位リング920は、第1の直径と異なる第2の直径を有してもよい。異なる直径は、ナノ秒パルスエネルギー治療と関連する電界の密度を少なくとも部分的に決定することができる。6つのローブを有するように示されているが、近位のリング910及び遠位のリング920は、任意の実現可能な数のローブを含み得る。
【0119】
アプリケータ900は、双極動作のために構成することができる。パルスエネルギーは、近位リング910と遠位リング920との間で伝達され得る。近位リング910はカソードであってもよく、遠位リング920はアノードであってもよい(又はその逆も同様)。別の例では、アプリケータ900は、単極動作のために構成することができる。
【0120】
図10は、サブマイクロ秒パルスエネルギー治療を身体脈管に送達するように構成された別のアプリケータ1000を示している。アプリケータ1000は、近位リング1010と、遠位リング1020と、拡張可能球体1025と、細長いカテーテル本体1030と、を含み得る。近位及び遠位リング1010及び1020は、導体(図示せず)及び細長いカテーテル本体1030を通して、システム100(図示せず)に結合され得る。近位リング1010及び遠位リング1020並びに拡張可能球体1025は、ニチノール又は任意の他の実現可能な材料から形成され得る。一部の例では、近位及び遠位リング1010及び1020は、拡張可能球体1025から電気的に絶縁され得る。
【0121】
近位及び遠位リング1010及び1020は、拡張可能球体1025上に配設され、かつ/又はそれに結合され得る。したがって、拡張可能球体1025並びに近位及び遠位リング1010及び1020は、折り畳まれ、送達カテーテル又はシースの中に引き込まれ、治療面積に対するアプリケータ1000の位置決めを可能にし得る。
【0122】
加えて、近位リング1010は、第1の直径を有してもよく、遠位リング1020は、第1の直径と異なる第2の直径を有してもよい。異なる直径は、ナノ秒パルスエネルギー治療と関連する電界の密度を少なくとも部分的に決定することができる。6つのローブを有するように示されているが、近位のリング1010及び遠位のリング1020は、任意の実現可能な数のローブを含み得る。
【0123】
アプリケータ1000は、双極動作のために構成することができる。近位リング1010は、アノードであってもよく、遠位リング1020は、カソードであってもよい(又はその逆も同様)。別の例では、アプリケータ1000は、単極動作のために構成することができる。
【0124】
図11は、身体脈管にナノ秒パルスエネルギー治療を送達するように構成された別のアプリケータ1100を示している。アプリケータ1100は、1つ以上のバンド電極1110と、伝導性ブレード1120と、細長いカテーテル本体1130と、形状支持部材1140と、管状絶縁部材1150と、1つ以上のバンド絶縁体1160と、を含み得る。1つ以上のバンド電極1110及び伝導性ブレード1120は、導体(また、図示せず)及び細長いカテーテル本体1130を通して、システム100(図示せず)に結合され得る。一部の例では、1つ以上のバンド電極1110は、互いに結合され得る。
【0125】
形状支持部材1140、伝導性ブレード1120、及び1つ以上のバンド電極1110は、ニチノール、又は任意の他の実現可能な材料から形成され得る。一部の例では、形状支持部材1140は、実質的に円形に形成され得る。場合によっては、形状支持部材1140の直径は、身体脈管の形状に実質的に合致するように選択され得る。管状絶縁部材1150は、形状支持部材1140の周囲に周方向に、かつそれに隣接して(例えば、接触して)配設され得る。伝導性ブレード1120は、管状絶縁部材1150の周囲に周方向に配設されてもよく、アプリケータ1100の第1の電極として機能してもよい。伝導性ブレード1120は、織られた又は編組の伝導性ワイヤ又は任意の他の実現可能な伝導性材料から形成され得る。1つ以上のバンド電極1110は、1つ以上のバンド絶縁体1160の上に配設されてもよく、次に、導電性ブレード1120の上に配設される。1つ以上のバンド電極1110及び1つ以上のバンド絶縁体1160は、伝導性ブレード1120上に分散され得る。
図11は6つのバンド電極1110を示しているが、他の例では、アプリケータ1100は、任意の実現可能な数のバンド電極を含み得る。
【0126】
アプリケータ1100は、双極動作のために構成することができる。パルスエネルギーは、1つ以上のバンド電極1110と伝導性ブレード1120との間で伝達され得る。バンド電極間の距離は変化させることができ、結果として、それらの間の編組電極セクションをより短く又はより長くして、同時に(アセンブリの直径が同じままであると仮定して)双極対の総数を変化させる。別の例では、アプリケータ1100は、単極動作のために構成することができる。1つ以上のバンド電極1110と導電性ブレード1120との間の間隔は、ナノ秒パルスエネルギー治療と関連する電界の密度を少なくとも部分的に決定することができる。
【0127】
図12は、身体脈管にナノ秒パルスエネルギー治療を送達するように構成された別のアプリケータ1200を示している。アプリケータ1200は、1つ以上の第1の電極1210と、1つ以上の第2の電極1220と、細長いカテーテル本体1230と、螺旋部材1240と、を含み得る。1つ以上の第1の電極1210及び1つ以上の第2の電極1220は、細長いカテーテル本体1230を通してシステム100(図示せず)に電気的に結合され得る。螺旋部材1240並びに1つ以上の第1の電極1210及び第2の電極1210は、ニチノール又は任意の他の実現可能な材料から形成され得る。加えて、螺旋部材1240は、細長いカテーテル本体1230から外向きに螺旋運動しながら、同時に、細長いカテーテル本体1230から離れて(例えば、そこから遠位に離れて)延在し、それによって、円錐形状を形成することができる。この円錐形状は、1つ以上の第1の電極1210及び第2の電極1220が、一部の組織表面に均一に接触することを可能にし得る。
【0128】
1つ以上の第1の電極1210及び第2の電極1220は、任意の実現可能な導電性材料から形成することができる。一部の例では、1つ以上の第1の電極1210及び第2の電極1220は、螺旋状部材1240の周囲に螺旋状に巻回され得る。他の例では、1つ以上の第1の電極1210及び第2の電極1220は、一緒に電気的に結合された個々のバンドであり得る。更に、特に螺旋状部材1240が導電性である場合、絶縁体(図示せず)が1つ以上の第1の電極1210と第2の電極1220との間に配設されてもよい。第1の電極1210及び第2の電極1220並びに螺旋部材1240は、送達カテーテル若しくはシース(図示せず)の中に、又は一部の実装形態では、細長いカテーテル本体1230の中に引き込まれ、治療面積に対するアプリケータ1200の留置を可能にし得る。
【0129】
アプリケータ1200は、双極動作のために構成することができる。パルスエネルギーは、1つ以上の第1の電極1210と1つ以上の第2の電極1220との間で伝達され得る。したがって、1つ以上の第1の電極1210は、単一のカソードとして構成されてもよく、1つ以上の第2の電極1220は、単一のアノードとして構成されてもよい(又はその逆も同様)。別の例では、アプリケータ1200は、単極動作のために構成することができる。例えば、1つ以上の第1の電極1210及び第2の電極1220は、両方が、一緒に電気的に結合されてもよく、リターン電極(例えば、患者と接触し得る伝導性パッド又は電極)が使用されてもよい。
【0130】
図13は、身体脈管にナノ秒パルスエネルギー治療を送達するように構成された別のアプリケータ1300を示している。アプリケータ1300は、1つ以上の第1の電極1310と、1つ以上の第2の電極1320と、細長いカテーテル本体1330と、螺旋部材1340と、を含み得る。1つ以上の第1の電極1310及び1つ以上の第2の電極1320は細長いカテーテル本体1330を通してシステム100(図示せず)に電気的に結合され得る。螺旋部材1340並びに1つ以上の第1の電極1310及び第2の電極1320は、ニチノール又は任意の他の実現可能な材料から形成され得る。加えて、螺旋部材1340は、外側円周から内側円周に向かって螺旋運動しながら、同時に、細長いカテーテル本体1330から離れて(例えば、遠位に離れて)延在し、それによって、(アプリケータ1200に対して)反転された円錐形状を形成することができる。この逆円錐形状は、1つ以上の第1の電極1310及び第2の電極1320が一部の組織表面に均一に接触することを可能にし得る。
【0131】
1つ以上の第1の電極1310及び第2の電極1320は、任意の実現可能な導電性材料から形成することができる。一部の例では、1つ以上の第1の電極1310及び第2の電極1320は、螺旋状部材1340の周囲に螺旋状に巻回され得る。他の例では、1つ以上の第1の電極1310及び第2の電極1320は、一緒に電気的に結合された個々のバンドであり得る。更に、特に螺旋部材1340が導電性である場合、絶縁体(図示せず)は、1つ以上の第1の電極1310及び第2の電極1320と螺旋部材1340との間に配設されてもよい。1つ以上の第1の電極1310及び第2の電極1320並びに螺旋部材1340は、折り畳まれ、送達シース(図示せず)の中に、又は一部の実装形態では、細長いカテーテル本体1330の中に引き込まれ、治療面積に対するアプリケータ1300の留置を可能にし得る。
【0132】
アプリケータ1300は、双極動作のために構成することができる。パルスエネルギーは、1つ以上の第1の電極1310と1つ以上の第2の電極1320との間で伝達され得る。したがって、1つ以上の第1の電極1310は、アノードとして構成されてもよく、1つ以上の第2の電極1320は、カソードとして構成されてもよい(又はその逆も同様)。別の例では、アプリケータ1300は、単極動作のために構成することができる。
【0133】
図14は、身体脈管にナノ秒パルスエネルギー治療を送達するように構成された別のアプリケータ1400を示している。アプリケータ1400は、複数の第1の電極1410と、複数の第2の電極1420と、細長いカテーテル本体1430と、螺旋部材1440と、を含み得る。複数の第1の電極1410及び第2の電極1420は、細長いカテーテル本体1430を通してシステム100(図示せず)に電気的に結合され得る。螺旋部材1440並びに複数の第1の電極1410及び第2の電極1420は、ニチノール又は任意の他の実現可能な材料から形成され得る。加えて、螺旋部材1440は、細長いカテーテル本体1430から外向きに螺旋運動しながら、同時に、細長いカテーテル本体1430から離れて(例えば、そこから遠位に離れて)延在し、それによって、円錐形状を形成することができる。この円錐形状は、複数の第1の電極1410及び第2の電極1420が、一部の組織表面に均一に接触することを可能にし得る。
【0134】
複数の第1の電極1410及び第2の電極1420は、螺旋部材1440上に交互に配設され得る。複数の第1の電極1410と複数の第2の電極1420との間の間隔を変更することは、ナノ秒パルスエネルギー治療と関連する電界の密度に影響を及ぼし得る。更に、特に螺旋部材1440が導電性を有する場合、絶縁体(図示せず)が、複数の第1の電極1410及び第2の電極1420と螺旋部材1440との間に配設されてもよい。
【0135】
アプリケータ1400は、双極動作のために構成することができる。パルスエネルギーは、複数の第1の電極1410と複数の第2の電極1420との間で伝達され得る。したがって、複数の第1の電極1410は、アノードとして構成されてもよく、複数の第2の電極1420は、カソードとして構成されてもよい。別の例では、アプリケータ1400は、単極動作のために構成することができる。
【0136】
図15は、身体脈管にナノ秒パルスエネルギー治療を送達するように構成された別のアプリケータ1500を示している。アプリケータ1500は、第1の電極1510と、第2の電極1520と、細長いカテーテル本体1530と、第3の電極1540と、第4の電極1550と、螺旋部材1560と、を含み得る。第1の電極1510、第2の電極1520、第3の電極1540、及び第4の電極1550は、細長いカテーテル本体1530を通してシステム100(図示せず)に電気的に結合され得る。螺旋部材1560並びに第1の電極1510、第2の電極1520、第3の電極1540、及び第4の電極1550は、ニチノール又は任意の他の実現可能な材料から形成され得る。加えて、螺旋部材1560は、細長いカテーテル本体1530から外向きに螺旋運動しながら、同時に、細長いカテーテル本体1530から離れて(例えば、そこから遠位に離れて)延在し、それによって、円錐形状を形成することができる。この円錐形状は、第1及び第2の電極が一部の組織表面に均一に接触することを可能にし得る。
【0137】
第1の電極1510、第2の電極1520、第3の電極1540、及び第4の電極1550は、任意の実現可能な導電性材料から形成することができる。一部の例では、第1の電極1510、第2の電極1520、第3の電極1540、及び第4の電極1550は、渦巻部材1560の周囲に螺旋状に巻回され得る。更に、特に螺旋部材1560が導電性を有する場合、絶縁体(図示せず)が、第1の電極1510、第2の電極1520、第3の電極1540及び第4の電極1550の間に配設されてもよい。一部の例では、第1の電極1510及び第3の電極1540は一緒に電気的に結合され得、第2の電極1520及び第4の電極1550は一緒に電気的に結合され得る。
【0138】
アプリケータ1500は、双極動作のために構成することができる。パルスエネルギーは、2つのセットの電極間で伝達され得る。例えば、第1の電極1510及び第3の電極1540は、単一のカソードとして構成されてもよく、第2の電極1520及び第4の電極1550は、単一のアノードとして構成されてもよい(又はその逆も同様)。別の例では、アプリケータ1500は、単極動作のために構成することができる。
【0139】
図16は、身体脈管にナノ秒パルスエネルギー治療を送達するように構成された別のアプリケータ1600を示している。アプリケータ1600は、第1の電極1610と、第2の電極1620と、細長いカテーテル本体1630と、第3の電極1640と、第4の電極1650と、支持部材1660と、接続部材1670と、を含み得る。第1の電極1610、第2の電極1620、第3の電極1640、及び第4の電極1650は、細長いカテーテル本体1630を通してシステム100(図示せず)に電気的に結合され得る。第1の電極1610、第2の電極1620、第3の電極1640、及び第4の電極1650は、細長いカテーテル本体1630から現れ得る支持部材1660上に配設され得る。一部の例では、特に支持部材1660が導電性であるとき、絶縁体(図示せず)が、第1の電極1610、第2の電極1620、第3の電極1640、及び第4の電極1650の間に配設されてもよい。接続部材1670は、支持部材1660の両端を結合することができる。4つの電極のみが示されているが、他の例では、アプリケータ1600は、任意の実現可能な数の電極を含み得る。
【0140】
第1の電極1610、第2の電極1620、第3の電極1640、及び第4の電極1650、支持部材1660、並びに接続部材1670は、ニチノール又は任意の他の実現可能な材料から形成され得る。接続部材1670は、支持部材1660及び第1の電極1610、第2の電極1620、第3の電極1640、及び第4の電極1650が、より容易に細長いカテーテル本体1630の中に引き込まれ、治療面積に対するアプリケータ1600の留置を可能にし得るように、支持部材1660より小さく、かつ/又はより可撓性であってもよい。
【0141】
アプリケータ1600は、双極動作のために構成することができる。パルスエネルギーは、2つのセットの電極間で伝達され得る。例えば、パルスエネルギーは、結合アノードを形成する第1の電極1610と第3の電極1640との間、及び結合カソードを形成する第2の電極1620と第4の電極1650との間、又はその逆に伝達されてもよい。別の例では、アプリケータ1600は、単極動作のために構成することができる。
【0142】
図17Aは、身体脈管に治療を送達するように構成された別のアプリケータ1700を示している。アプリケータ1700は、第1の絶縁導体1710と、第2の絶縁導体1720と、細長いカテーテル本体1730と、を含み得る。第1及び第2の絶縁導体1710及び1720、並びに細長いカテーテル本体1730は、ニチノール又は任意の他の実現可能な材料から形成され得る。更に、第1の絶縁導体1710及び第2の絶縁導体1720は、バスケットに織り込まれてもよい。一部の例では、第1の絶縁導体1710及び第2の絶縁導体1720は、バスケットの遠位セクション内で一緒に織り込まれてもよい(図示されるように、遠位セクションは、シャフト1730に周方向により近い)。バスケットの二重ブレード領域は、拡大領域1740に示されている。第1の絶縁導体1710及び第2の絶縁導体によって形成されるバスケットは、折り畳まれ、送達カテーテル(図示せず)の中に引き込まれ、治療面積に対するアプリケータ1700の留置を可能にし得る。
【0143】
図17Bは、
図17Aのアプリケータ1700の別の図を示している。第1の絶縁導体1710及び第2の絶縁導体1720の絶縁領域を選択的に除去して、関連するベア導体を露出させることができる。したがって、第1の絶縁導体1710から除去された絶縁体は、第1の電極1711を形成することができ、第2の絶縁導体1720から除去された絶縁体は、第2の電極1721を形成することができる。
【0144】
アプリケータ1700は、双極動作のために構成することができる。パルスエネルギーは、2つのセットの電極間で伝達され得る。例えば、パルスエネルギーは、第1の電極1711と第2の電極1721との間で伝達されてもよい。したがって、第1の電極1711は、アノードとして構成されてもよく、第2の電極1721は、カソードとして構成されてもよい(又はその逆も同様)。別の例では、アプリケータ1700は、単極動作のために構成することができる。
【0145】
図18は、
図17Aのアプリケータ1700を製造するための固定具1800の一例を示している。固定具1800は、シリンダ1810、第1のグループのピン1820、第2のグループのピン1830、及び第3のグループのピン1840を含み得る。アプリケータ1700を製造するために、第1の絶縁導体1710は、第1のグループのピン1820と第3のグループのピン1840との間に選択的に巻き付けられる。同様に、第2の絶縁導体1720は、第1のグループのピン1820と第2のグループのピン1830との間に選択的に巻き付けられる。第1の絶縁導体1710及び第2の絶縁導体1720をシリンダ1810の周囲に巻き付けた後、第1の絶縁導体1710及び第2の絶縁導体1720から絶縁体を選択的に除去して、第1の電極1711及び第2の電極1721を形成することができる。
【0146】
図19は、身体脈管にナノ秒パルスエネルギー治療を送達するように構成された別のアプリケータ1900を示している。アプリケータ1900は、第1の電極1910と、第2の電極1920と、ブレード部材1925と、細長いカテーテル本体1930と、を含み得る。第1の電極1910、第2の電極1920、及びブレード部材1925は、ニチノール又は任意の他の実現可能な材料から形成され得る。一部の例では、ブレード部材1925は、非導電性材料であってもよく、又はそれから作製されてもよい。ブレード部材1925は、第1の電極1910が遠位円形電極を形成し得、第2の電極1920が近位円形電極を形成し得るように、(図示のように)拡張し、第1の電極1910及び第2の電極1920を展開することができる。2つの電極のみが示されているが、他の例では、アプリケータ1900は、任意の実現可能な数の電極を含み得る。ブレード部材1925は、折り畳まれ、送達シースの中に引き込まれ、治療面積に対するアプリケータ1900の留置を可能にし得る。
【0147】
アプリケータ1900は、双極動作のために構成することができる。パルスエネルギーは、2つのセットの電極間で伝達され得る。例えば、パルスエネルギーは、第1の電極1910と第2の電極1920との間で伝達されてもよい。したがって、第1の電極1910は、カソードとして構成されてもよく、第2の電極1920は、アノードとして構成されてもよい(又はその逆も同様)。別の例では、アプリケータ1900は、単極動作のために構成することができる。
【0148】
図20は、
図19のアプリケータに類似し、身体脈管に治療を送達するように構成された別のアプリケータ2000を示している。アプリケータ2000は、第1の電極2010と、第2の電極2020と、ブレード部材2025と、細長いカテーテル本体2030と、を含み得る。第1の電極2010、第2の電極2020、及びブレード部材2025は、ニチノール又は任意の他の実現可能な材料から形成され得る。ブレード部材2025は、第1の電極2010が近位電極を形成し得、第2の電極2020が遠位電極を形成し得るように、(図示のように)拡張し、第1の電極2010及び第2の電極2020を展開することができる。2つの電極のみが示されているが、他の例では、アプリケータ2000は、任意の実現可能な数の電極を含み得る。第1及び第2の電極2010及び2020並びにブレード部材2025は、折り畳まれ、治療面積に対するアプリケータ2000の留置を可能し得る。
【0149】
アプリケータ2000は、双極動作のために構成することができる。パルスエネルギーは、2つのセットの電極間で伝達され得る。例えば、パルスエネルギーは、第1の電極2010と第2の電極2020との間で伝達されてもよい。したがって、第1の電極2010は、アノードとして構成されてもよく、第2の電極2020は、カソードとして構成されてもよい(又はその逆も同様)。別の例では、アプリケータ2000は、単極動作のために構成することができる。
【0150】
図21は、身体脈管にナノ秒パルスエネルギー治療を送達するように構成された別のアプリケータ2100を示している。アプリケータ2100は、第1のセットの電極2110と、第2のセットの電極2120と、細長いカテーテル本体2130と、拡張可能部材2140と、を含み得る。第1のセットの電極2110及び第2のセットの電極2120は、ニチノール又は任意の他の実現可能な材料から形成され得る。一部の例では、拡張可能部材2140は、第1のセットの電極2110及び第2のセットの電極2120を拡張及び展開するように膨張され得るバルーンであり得る。場合によっては、拡張可能部材2140並びに第1のセットの電極2110及び第2のセットの電極2120は、折り畳まれ、治療面積に対してアプリケータ2100の留置を可能にし得る。
【0151】
アプリケータ2100は、双極動作のために構成することができる。パルスエネルギーは、2つのセットの電極間で伝達され得る。例えば、パルスエネルギーは、第1の電極2110と第2の電極2120との間で伝達されてもよい。別の例では、アプリケータ2100は、単極動作のために構成することができる。
【0152】
また、本明細書に記載されるのは、電気エネルギー、特に、サブマイクロ秒(例えば、ナノ秒)のパルス電気エネルギーを、身体の管腔(身体脈管とも称される)などの管状構造内に双極印加するように構成される装置(例えば、アプリケータ、アプリケータデバイスなど)である。上述したように、概して、管状構造は、血管(静脈、動脈など)などの管腔、鼻腔、口腔、副鼻腔、喉頭、気管、気管支などの気道、心臓(心房、心室など)、肺、膀胱などの臓器であり得る。これらの装置のいずれも、管状構造への電気エネルギーの双極印加のために構成することができ、外向きに拡張するように構成される複数の長手方向に延在するリブを含む遠位端領域を有する細長い本体を含むことができる。これらの例のいずれかにおいて、細長い本体はカテーテルであり得る。細長い本体は、ガイドワイヤ管腔を含む、1つ以上のチャネルを含み得る。リブは、拡張/収縮フレームの一部であり得る。複数のこれらのリブは、装置の遠位端領域の周囲に径方向に配置され得る。リブの各々は、電極に対応することができる。一部の例では、装置は、リブの第1のサブセットが第1の極性を有し、リブの第2のサブセットが第2の極性を有する双極デバイスとして構成することができる。一部の例では、反対の極性のリブが交互になっていてもよい。
【0153】
リブは、近位端において、細長い本体を形成する第1の細長い部材に取り付けられ得る。一部の例では、リブは、遠位端において、第1の細長い部材内で軸方向に摺動可能である第2の細長い部材に取り付けられ得る。リブは、第1の細長い部材を第2の細長い部材に対して(又はその逆に)摺動させ、リブの遠位端と近位端との間の距離を短縮することによって、(例えば、装置を展開して)拡張されてもよい。同様に、リブは、第1の細長い部材を第2の細長い部材に対して(又はその逆に)摺動させて、リブの遠位端と近位端との間の距離を増加させることによって、(例えば、装置を収縮させて)後退されてもよい。一部の例では、リブは、リブを外向きに拡張させる傾向があるように付勢されてもよい(又は付勢と連通してもよい)。代替的に、一部の例では、リブは、リブを内向きに折り畳む傾向がある付勢されてもよい(又は、付勢と連通してもよい)。例えば、リブは、拡張構成又は代替的に、折り畳み構成になるように形状設定される、形状記憶合金(例えば、ニチノールなどのニッケルチタン合金)から形成されてもよい。一部の例では、リブは、板ばね、バルーンなどの付勢と連通してもよい。
【0154】
リブは、各リブの長さの一部分にわたって絶縁されていなくてもよく、そこからエネルギーが印加され得る。例えば、各リブは、長さF延在するリブの中間領域にわたって絶縁されなくてもよく、この長さFは、各リブの活性長又は活性領域と称されることがある。一部の例では、各リブの外向きの側のみが絶縁されていない。ポリマー絶縁体、特に生体適合性ポリマー絶縁体を含む、任意の適切な電気絶縁体を使用することができる。
【0155】
例えば、
図22Aは、管状構造内にサブマイクロ秒(例えば、ナノ秒)パルスエネルギーを送達するために構成された、本明細書に記載されるような装置の一例を例解する。
図22Aでは、装置2200は、近位から遠位に延在する細長い本体2203を含む。細長い本体は、身体管腔内に挿入されるように構成されている。一部の例では、細長い本体は可撓性であり得る。一部の例では、細長い本体は剛性である。細長い本体は、(例えば、1つ以上の腱を使用して)湾曲又は操向可能であり得る。装置はまた、細長い本体の遠位端領域にアプリケータ領域2201を含む。
図22A及び
図22Bでは、アプリケータ領域は、折り畳み(非拡張)構成で示されている。アプリケータ領域は、各々が、折り畳み構成から管腔内で外向きに拡張するように構成される、複数の拡張可能リブ2221を含み得る。例えば、
図22Bでは、折り畳まれたリブは、アプリケータ領域の断面直径が細長い本体の残りの部分とほぼ同じ直径を有するように折り畳まれて示されている。
【0156】
図22Cは、複数のリブが湾曲して径方向外向きに延在する拡張構成のアプリケータ領域2201を示している。この例では、8つのリブ2221が示されているが、任意の適切な数(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16など)を使用することができる。各リブは、非絶縁活性領域2225を含み、その中で導電性材料が露出される。リブは、例えば、ステンレス鋼、ニッケルチタン(例えば、ニチノール)などを含む、任意の適切な材料から形成されてもよい。
図22Cでは、各リブ2221は、絶縁領域2223、2223’によって両側に隣接される、中心に位置決めされた活性領域を含む。活性領域は、1mm~3cm(例えば、1mm~2cm、1mm~1.5cm、1mm~10mm、1mm~8mm、2mm~10mm、2mm~8mm、2mm~7mmなど)などの任意の適切な長さであり得る。
【0157】
概して、複数のリブは、各々が異なる極性を有する2つのサブセットを含み得る。一部の例では、活性領域内の複数のリブの第1のサブセットは、第1の極性を有するように構成され、リブの第2のサブセットは、第2の極性を有するように構成される。したがって、エネルギー(例えば、パルス状のサブマイクロ秒エネルギー)が、リブの2つのサブセットの間に印加され得る。この例では、活性領域の周囲に径方向に配置された1つおきのリブ(又はスプライン)は、異なる極性を有することができ、同じ極性のリブは、一緒に電気的に結合することができる。したがって、極性は活性領域の周囲で交互になる。
【0158】
図22A~
図22Cでは、拡張可能活性領域を形成する複数のリブは、一対の細長い部材に結合されており、この部材は、第1の細長い部材及び第2の細長い部材の相対的移動が活性領域の拡張又は収縮をもたらし得るように、近位から遠位に延在する細長い本体を形成する。例えば、複数のリブの各々の近位端は、第1の(例えば、一部の例では、外側)細長い部材2205に接続されてもよく、複数のリブの遠位端は、第2の(例えば、一部の例では、内側)細長い部材2207に接続されてもよい。第2の細長い部材は、第1の細長い部材に対して同軸上に位置決めされ、活性領域を拡張又は収縮させるために、第1の細長い部材内で近位から遠位に摺動されてもよい。
【0159】
装置はまた、装置に電力を印加するためにパルス発生器に結合する一対の電気コネクタを含む。例えば、
図22Aでは、第1の電気コネクタ2215が、第1の細長い部材に結合されて示され、リブの第1のサブセット(第1の極性を有する)に結合してもよい。第2の電気コネクタ2217は、第2の細長い部材に接続され、(第2の極性を有する)リブの第2のサブセットに結合することができる。
【0160】
代替的に、一部の例では、同じアプリケータが、リブの全てから単一極性を適用するために使用されてもよく、別個のリターンパッド(例えば、
図1に示すパッド133のような接地パッド)が使用されてもよい(図示せず)。
【0161】
図22A~
図22Cに示す例示的なデバイスは、各々、約0.015インチ×0.005インチ(例えば、0.38mm×0.13mm)である8つのステンレス鋼リブを含む。各リブは、アーク放電を防止し、エネルギー送達のために必要な長さのリブ(本明細書では、スプライン又は支柱とも称される)のみを露出させて電気絶縁を提供するように、ポリイミドなどのポリマー絶縁体によって絶縁される。
【0162】
図23A~
図23Fは、
図22A~
図22Cに示す装置と同様の装置の別の例を例解する。この例では、装置2301の遠位活性領域は、
図22Aにおけるような折り畳み構成で示されている。装置はまた、第1の細長い部材(外側の細長い部材2305)及び第2の(例えば、内側の)細長い部材2307を含む細長い本体2303を含む。第1の細長い部材は、活性領域の近位端に結合され、第2の細長い部材は、活性領域の遠位端に結合される。したがって、第2の細長い部材を近位に引動すること、及び/又は第1の細長い部材を遠位に押動することで、活性領域(例えば、リブ又はスプライン)の近位端と遠位端との間の距離を短縮させ、リブを外向きに拡張させることができる。
【0163】
図23Bは、折り畳み(非拡張)構成で示される、複数のリブ2321を含む活性領域2301の拡大図を示している。
図23C及び
図23Dは、上述の活性領域を形成するリブの拡大端面図を示し、
図23E及び
図23Fは、それぞれ、遠位端及び近位端の各々の端面図を例解する。
図23E及び
図23Fは、外周の周りで交互になっている同じ極性のリブ間の電気的接続の一例を例解する。活性領域の遠位端の端面図を示す
図23Eでは、1つおきのリブ又はスプラインが電気的に結合され(2335)、スプラインの第1のサブセットを形成する。
図23Fは、スプラインの第2のサブセットの電気接続2337を示す、活性領域の近位端の端面図を示している。
図23A~
図23Fの例では、各スプライン2321は、一対の絶縁領域2323、2323’が側面に位置する中央活性領域2325を含む。
図23A~
図23Fでは、電気的分布は、高電圧及びリターン電圧ワイヤを使用するように構成することができる。
図23Eは、第1のサブセットのスプラインを形成する4つの平らなワイヤの遠位端を示しており、これらのワイヤは、屈曲され、1つの極性のために一緒にはんだ付けされている。スプラインの第2のサブセットを形成する4つの平坦ワイヤの近位端は、
図23Fに示すように、屈曲され、一緒にはんだ付けされ、他の極性を形成することができる。
【0164】
前述したように、内側の第2の細長い部材は、第1の細長い部材に対して移動され(例えば、引動/押動され)、スプライン(したがって、活性領域の直径)を拡張及び収縮させることができる。例えば、選択された直径は、ユーザによって設定されてもよく(血管の管腔内で拡張する)、装置の拡張状態は、例えば、第1の細長い部材を第2の細長い部材に対して固定する係止又は掛止機構を使用して、定位置に係止されてもよい。所定の位置に配置されると、エネルギーを印加することができる。
【0165】
例えば、
図24A~
図24Eは、
図22A~
図22C及び23A~
図23Fに示す装置などの装置の一例を例解し、動作中、パルス化サブマイクロ秒エネルギーを組織の例に印加する。この例では、試料組織はジャガイモであり、その中に、装置の一例の挿入のために管腔が形成されている。
図24Aは、上述したように、装置2401が挿入され拡張されている試料組織を通る管腔2402の端面図を示している。この例では、8つのリブが、シミュレートされた管腔の壁にちょうど接触するまで拡張される。双極装置を上述のように構築し、管腔に挿入して拡張させた。
図24B及び
図24Dは、20mmの管腔直径を例解し、
図24C及び
図24Eは、14mmの管腔直径を示している。
【0166】
図24B~
図24Eに示すように、試験されたパラメータ及びデバイスの全ては、管腔の周囲の周方向治療2404をもたらした。これらの例の全ては、ナノ秒範囲(例えば、1~1000ns)のパルス及び約2,500Vの電圧を使用して試験された。
【0167】
図22A~
図22C及び
図23A~
図23Fに示す例では、本装置は、当該スプラインの中央に位置する各リブ(例えば、スプライン)の露出(活性)部分を含む。代替的に、一部の例では、露出された活性部分の場所は、電極アセンブリの遠位端又は近位端に向かって付勢され得る。リブ(スプライン)がニチノールなどの形状記憶材料から作製される場合、リブは、好ましい構成に形状設定することができる。
【0168】
例えば、
図25及び
図26は、アプリケータ領域を形成する拡張可能/折り畳み可能フレームのリブの露出活性領域が遠位端に向かって付勢されている、装置2500、2600の例を例解する。
図25において、アプリケータ領域は、長手方向断面においてほぼ涙滴形状を有する。したがって、アプリケータ領域は、アプリケータ領域の長軸に対して、近位より遠位で大きい、より大きい断面積を有する形状に外向きに拡張するように構成される。各リブ(スプライン)2521は、拡張構成では湾曲形状を有し、遠位対向領域の傾斜は、近位部分の傾斜よりも大きい(急勾配である)。上述のように、各リブは、絶縁領域2623、2623’が側面に位置する露出活性領域2525も含む。
図26は、
図25に示す例と同様であるが、各リブ2621の遠位端領域全体が露出され(非絶縁)(2625)、リブの近位端のみが絶縁される(2623)。
【0169】
図22A~
図22C、
図23A~
図23F、
図25、及び
図26に示す装置は、前述のように、アプリケータ領域の遠位端に結合される第2の細長い部材に対して軸方向に摺動可能である、第1の細長い部材に近位にアプリケータ領域を結合することによって拡張され得る。代替的に、又は追加的に、これらのデバイスのうちのいずれかは、アプリケータ領域が拡張する(例えば、自己拡張する)ように、カテーテル又はスリーブから遠位に押し出すことによって拡張されてもよく、アプリケータ領域のリブは、カテーテル/スリーブから遠位に駆動されるにつれて、径方向外向きに拡張するように付勢され得る。同様に、アプリケータ領域は、カテーテル/スリーブの中へ近位に引き戻すことによって折り畳まれ得る。
図25及び
図26に示す例は、このように、細長い本体が必ずしも拡張可能アプリケータ領域の中に延在しないように構成される。この例では、各リブ(スプライン)の活性領域は、近位端において電気的に結合されてもよく、活性領域の第1のサブセットを第1の極性に、活性領域の第2のサブセットを第2の極性に電気的に結合することを含み、一部の例では、第1の極性を有するリブは、第2の極性を有するリブと交互になってもよい。
【0170】
本明細書に記載される装置のうちのいずれも、管腔の側壁を治療するように構成されてもよく、かつ/又は組織の前方(遠位)対向領域を治療するように構成されてもよい。例えば、本明細書に記載される装置は、例えば、PV隔離(PVI:PV Isolation)を介して心房細動(AFIB:atrial fibrillation)を治療するために、心臓の左心房(LA:left atrium)内の肺静脈(PV:pulmonary vein)の洞の周囲の組織を治療するように構成されてもよい。
図26に示すような装置を使用するこの治療の例を
図27に例解する。
【0171】
例えば、心臓のLAへのアクセスを得るために、蛍光透視及び/又は超音波誘導下で針を使用して、大腿静脈の穿刺が行われてもよい。蛍光透視誘導下での穿刺後、ガイドワイヤ(例えば、0.032インチJ先端ガイドワイヤ)が前進させられてもよい。針は、除去されてもよく、次いで、シース導入器(例えば、8~12F導入器)が、静脈の中に挿入され、洗浄されてもよい。経中隔シース及び拡張器は、ガイドワイヤの上で上大静脈(SVC:superior vena cava)まで前進させられてもよい。シースが大静脈心房接合部の上方3~4cmに達したら、ワイヤを除去することができる。経中隔穿刺針は、シース先端に到達するまで、蛍光透視誘導下で前進させられてもよい。次いで、針は、先端から4cmに達するまで挿入されたスタイレットとともに前進させられてもよい。スタイレットは、針先端がシースの内側管腔をこすることを防止する。スタイレットは、次に、取り外すことができる。次いで、穿刺が行われてもよく、シースがLAの中へ前進させられてもよい。アプリケータ領域の一部として形成される電極を含む装置(例えば、
図26に示す装置2600を含むカテーテル)が、シースを通してLAの中に導入されてもよい。拡張又は部分的に拡張されたリブの活性領域(例えば、電極)は、
図27に示すように、肺静脈2719を取り囲むLA2718の壁に対して押動され得る。本明細書に記載される装置のうちのいずれにおいても、デバイスの遠位端は、偏向可能又は完全に関節運動可能であってもよい。例えば、細長い本体は、遠位端(アプリケータ領域)を関節運動させるための1つ以上のテンドンを含んでもよい。したがって、電極の位置決めは、ハンドル内の操向機構及び細長い本体のシャフト内に位置するプルワイヤ(テンドン)を介して制御される、カテーテルの偏向可能又は完全に関節運動された遠位端によって補助することができる。
【0172】
体内のカテーテルの位置は、X線透視及び/又は超音波検査(例えば、ICE)、並びにカテーテルの追加の電極及び/又は磁気センサによって可能になるインピーダンス及び/又は磁気的な位置特定を用いて検証することができる。装置の活性領域(例えば、電極)と組織(例えば、LA)壁との間の接触は、例えば、心臓組織によって生成される信号を取得することによって検証することができる。インピーダンスに基づく位置特定のためにカテーテル設計に組み込まれた電極も、この目的のために使用することができる。電極の所望の位置及び接触が確認された後、エネルギー(例えば、サブマイクロ秒パルシング、マイクロ秒パルシング、RFなど)が、一部の例では、標的組織の全て又は選択された部分の非熱アブレーションを含む、所望の治療効果を達成するように印加され得る。アブレーション前のインピーダンスに基づく位置特定及び/又は接触評価に使用される活性電極及び/又は電極は、アブレーション後の信号取得に使用することができる。一部の例では、組織接触電極は、インピーダンスに基づく位置特定及び接触評価のために使用することができる。例えば、心臓組織からの電気信号の不在は、アブレーションからの有効な急性効果を示す場合がある。装置は、1回以上再位置決めされてもよく、エネルギーの印加は、組織の追加の領域(例えば、他の肺静脈を取り囲むLA面積)にわたって繰り返されてもよい。例えば、LAにおいて治療する場合、完全なPVIが達成され得る。
【0173】
一部の例では、リブは、非絶縁領域が、複数のリブを通って延在する領域などの遠位端領域の長軸に対して実質的に平行(例えば、約+/-8度以内、約+/-5度以内、約+/-4度以内、約+/-3度以内、約+/-2度以内、約+/-1度以内など)である領域などの実質的に平坦な領域を形成するように構成され得る。例えば、各リブは、非絶縁領域が実質的に平坦であるように、リブが屈曲することを可能にする非絶縁(活性)領域の一端又は両端に隣接するヒンジ領域を含んでもよい。
【0174】
例えば、
図28A~
図28Cは、アプリケータ領域の拡張可能フレームを形成するリブが、実質的に「平坦」に見え、径方向外向きに拡張されたときに管腔の壁と整合し得るように、アプリケータ領域の正中線の長軸と実質的に平行であるように成形され得る例を例解する。
図28Aでは、装置2800は、中心正中線2855の周囲に径方向に配置された複数のリブ(スプライン)2821を含むという点で、
図22A~
図22C及び
図23A~
図23Fに示すものと同様である。各リブは、絶縁領域2823、2823’が側面に位置する活性(電極)領域2825を含む。この例では、8つのリブが正中線の周囲に径方向に配置されている。中心正中線は、リブの遠位端領域に結合され、遠位又は近位に摺動し、アプリケータ領域を拡張/収縮させ得る、内側の細長い部材から形成され得る。
【0175】
図28Aでは、リブの各々は、活性領域2825が、実質的に平坦に(屈曲せずに)延在し、アプリケータ領域(例えば、フレーム)の拡張の量にかかわらず、ほぼ同一サイズの活性領域(電極)を露出させるように成形される。例えば、
図28Bでは、管腔は、
図28Cに示す管腔よりも狭く、アプリケータ領域は、
図28Cよりも少なく拡張し、管腔の壁に接触してもよい。アプリケータ領域が外向きに拡張するにつれて、リブの活性領域は、
図28B及び
図28Cに示すように、中心正中線と実質的に平行なままであり、また、管腔2866の壁とも実質的に平行なままである。更に、組織と接触する活性領域の長さは、実質的に同様である。
【0176】
したがって、一部の例では、リブは、気管支、食道、血管などの器官を含む管腔のIDにかかわらず、各リブの露出された活性(電極)セクションと組織との間の接触の長さが有意に変化しないことを確実にするように、形状設定又は形成することができる。例えば、装置2800は、約20mmのIDを有する管腔(器官)の内側に導入されてもよい(例えば、
図28C)。同じ装置が、約10mmのIDを有する管腔内で使用されてもよい(例えば、
図28B)。
図28Aに示す装置では、リブは、形状記憶合金(ニチノールなど)から形成されてもよく、例えば、約10mmの長さの活性(露出電極)領域を有してもよい。概して、露出部分の長さは、用途に応じて変えることができる。
【0177】
これらの装置のいずれにおいても、リブは、
図28Aに示す構成と同様に、活性領域の両側での優先的な屈曲を可能にするために、より可撓性の領域を含むようにヒンジ連結することができる。ヒンジは、リビングヒンジであり得る。一部の例では、ヒンジは、リブの片側又は両側の狭窄又はカットアウト領域によって形成される。ヒンジは、リブの露出した非絶縁活性領域に沿って接触屈曲を可能にする応力集中部として作用することができる。
【0178】
図29Aは、1つ以上のヒンジを含まないリブの一例を例解する。この例では、リブ2921は、一対の絶縁領域2923、2923’が側面に位置する非絶縁活性領域(電極)2925を含む。リブは、円弧状に延在している。
図29Bは、ヒンジ領域2970が含まれる同様のリブを示している。この例におけるヒンジ領域は、ヒンジ領域において優先的な屈曲を提供する2つのカットアウト領域2971によって形成される。一部の例では、ヒンジ領域は、ヒンジ領域におけるリブの厚さの薄化、ヒンジ領域における穿孔、ヒンジ領域における形状設定屈曲、及び/又は活性領域より優先的に屈曲する領域などのヒンジ領域における1つ以上の異なる材料の使用によって形成することができる。第2のヒンジ領域は、活性領域2925の反対側に含まれ得る(図示せず)。これらの例のいずれにおいても、ヒンジ領域は、絶縁領域2923内、非絶縁領域2925内、又は2つの領域に及ぶことができる。
図29Bでは、ヒンジ領域は絶縁領域2923内にある。絶縁材料は、ヒンジ領域のための支持を提供し、ヒンジ領域におけるリブの破損を防止することができる。
【0179】
図30A及び
図30Bは、複数のリブ3021を備えるアプリケータ領域を含む装置の別の例を例解し、リブは各々が、任意の拡張構成において、実質的に平坦かつアプリケータ領域3055の中心縦軸と平行のままであるように構成された活性領域3025(電極)を有するように構成される。
図30Bは、
図30AのセクションBの拡大図を示しており、リブのうちの1つのヒンジ領域3070を示している。この例では、ヒンジ領域は、
図29Bに示すものと同様であり、絶縁領域3023の電気絶縁材料によって覆われている。
【0180】
上述したように、これらの装置のいずれも、アプリケータ領域を拡張させるのに役立つバルーンを追加的に又は代替的に含むことができる。例えば、バルーンは、
図31に示すように、アプリケータ領域によって形成される拡張可能フレーム内に位置決めされてもよい。この例では、装置3100は、8つのリブによって形成されるアプリケータ領域内で膨張されて示され、アプリケータ領域の拡張を駆動し得る(又は駆動を補助し得る)、バルーン3185を含む。バルーンは、生理食塩水などの流体を細長い本体3103を通してバルーンの中に注入することによって膨張させることができる。各リブは、この例では一対の絶縁領域3123、3123’が側面に配置された中央に位置する活性領域(電極)として示される活性領域3125を含む。一部の例では、アプリケータ領域は、折り畳まれるように形状設定されてもよく、それにより、バルーンの収縮は、リブが非拡張構成に戻るように自己的に折り畳まれることを可能にし得る。一部の例では、アプリケータ領域はまた、それをカテーテル又はスリーブの中へ近位に引き戻すことによって折り畳まれ得る。アプリケータ領域はまた、前述のように、バルーンに加えて、拡張/折り畳みを補助するための1つ以上の細長い部材を含み得る。
図31に示すものなどのバルーンはまた、絶縁体として作用し、異なる極性の電極間のアーク放電を防止することができる。例えば、バルーンは、電気絶縁材料で形成されてもよい。
図31に示す装置はまた、非外傷性遠位先端3186を含み、追加的に、又は代替的に、一部の例では、センタリングガイドとして使用することができる。
【0181】
ポイントバイポイント治療
本明細書に記載される装置は、上述のように、ポイントバイポイント治療に使用することができる。例えば、これらの装置のうちのいずれも、例えば、
図3A又は
図3B(中心電極を示す)を参照して、より小さい電極、又は
図3B及び
図7を参照して説明されるようなアプリケータ領域のサブセクションを含んでもよい。
図22A~
図22Cに示す装置などの一部の例では、異なる極性の単一対のリブが、組織のより小さい領域に治療を適用するために使用され得る。したがって、周方向電極のより大きいセットのサブセクション又はサブ領域が使用され得る。例えば、本明細書に記載される装置は、種々の問題、例えば、心房細動、心室性頻拍、心室壁の肥厚などに対処するための心臓アブレーション、並びに他の器官、例えば、食道(例えば、バレット食道)、気管支(例えば、慢性気管支炎、喘息など)などにおけるアブレーションを行うために使用されてもよい。同じ装置が、例えば、アプリケータ領域全体を使用して、治療のより大きい領域を適用するように構成されてもよく、アプリケータ領域のサブセクションを使用して、ポイントバイポイント治療に適切な小さい治療領域を適用してもよい。
【0182】
本明細書に記載される装置は、約5~15mmの治療領域(例えば、一部の例では、アブレーションの領域)を作成するように構成することができる。場合によっては、より大きい治療領域は必要ではないか、又は推奨されないことがある。例えば、心臓の左心房(LA)の近位壁又はルーフを過度にアブレーションすることは、心筋機能の喪失又は心臓の電気インパルスの伝播のための適切な経路の妨害につながる可能性がある。本明細書に記載される装置は、電極間の距離に応じて、アブレーションの「フットプリント」を、例えば、約5~15mmに限定することができ、経壁効果を達成するために十分に強い電界を生成することができる。
【0183】
図32及び
図33は、アプリケータ領域が、3つの独立してアドレス指定可能な電極3214’、3214’’、3214’’’を有する遠位リング3214と、3つの独立してアドレス指定可能な電極3212’、3212’’、3212’’’の近位リング3212と、を含む、アプリケータ装置の別の例を例解する。治療エネルギーは、例えば、管腔を周方向に治療する(例えば、アブレーションする)ために、遠位リング全体と近位リングとの間に印加されてもよく、又はエネルギーは、遠位リング電極のサブセットのみと近位リング電極との間(例えば、3214’と3212’との間のみ)に印加されてもよい。したがって、治療は、アプリケータ領域の側面が組織に面しているときにのみ適用され得る。
【0184】
図34A~
図34C、
図35、及び
図36A~
図36Dは、本明細書に記載されるように構成され得る、アプリケータの例を例解する。
図34A~
図34Cは、外側電極(ワイヤ電極)及び内側電極(ワイヤ電極)を含む、平坦「パドル」アプリケータの一例を示している。例えば、
図34Aは、外側(より遠位)活性領域電極3401と、内側(より近位)活性領域電極3403と、を含む、実質的に平坦なパドルアプリケータの一例を示している。外側電極及び内側電極は、外側ワイヤ電極と内側ワイヤ電極との間の最小距離dがそれらの長さに沿って実質的に同じであるように配置される。各電極は、近位で絶縁されている(3405)が、活性領域上では非絶縁ワイヤによって形成される。同様に、
図34Bのワイヤパドル形状装置はまた、外側(より遠位)活性領域電極3401’と、内側(より近位)活性領域電極3403’と、を含む。外側及び内側電極は、外側及び内側ワイヤ電極間の最小距離d’が、それらの長さに沿って実質的に同じであるように配置される。
図34Cは、外側(より遠位の)活性領域電極3401’’及び内側(より近位の)活性領域電極3403’’も含むワイヤパドル形状装置の別の例を例解する。外側電極及び内側電極は、外側ワイヤ電極と内側ワイヤ電極との間の最小距離dがそれらの長さに沿って実質的に同じであるように配置される。
図34Cでは、全体の形状は半円形である。
【0185】
図35は、長手方向に配置された2本の平行なワイヤによって形成されたパドル型アプリケータの別の例である。細長い本体及び/又は電極を形成するワイヤ3505の絶縁部分は、電極が、細長い本体を組織に接触させることなく、標的組織に対して平坦に留置され得るようにL字形とすることができる。
図35では、第1のワイヤ3503は、電極の活性(非絶縁)長さに沿って固定距離だけ第2のワイヤ3501から分離される。
【0186】
図36A~
図36Dは、前方(遠位)に面する電極を有するアプリケータの一例を示している。
図36Aは、各々が遠位対向電極3603を含む複数(例えば、この例では6つ)のリブを含む。活性領域(電極)は、この例では、各リブ(スプライン)の非絶縁部分から形成され、これらの活性領域の各々は、一緒に電気的に結合されて、単極性電極を形成することができる。中心電極3605は、電極の遠位端面上に位置決めされる。上記の
図22A~
図22C及び
図23A~
図23Fに示す装置におけるように、
図36Aに示す装置は、拡張可能かつ折り畳み可能であり得、これには、各リブの遠位端を、リブの近位端に対して摺動し得る軸方向に摺動可能な細長い部材に結合することが含まれる。
【0187】
図36Bは、その間にエネルギーを印加するように異なる極性で通電され得る一対のウィング3613、3615を含む、遠位に面したアプリケータとして構成される装置の一例を示している。
図36Cに示すアプリケータの例は、
図36Bに示すものと同様であり、一対のウィング3613’、3615’も含み、これらは異なる極性で通電されて、その間にエネルギーを印加することができる。この例における電極は、それらの長さにわたってそれらの間に一定の距離を維持しており、これは、均一なエネルギー密度を組織に印加する際に有益であり得る。
【0188】
図36Dは、遠位に面する円を形成する、径方向に分離された活性領域(電極)3661、3662、3663、3664を有する装置の一例を例解する。第2の活性領域3662及び第4の活性領域3664によって分離された第1の活性領域3661及び第3の活性領域3663は、第1の極性であり得(かつ互いに電気的に結合され得)、一方、第2の活性領域3662及び第4の活性領域3664は、第2の極性であり得、かつ互いに電気的に結合され得る。一部の例では、4つの電極のうちの2つのみが使用されてもよく、各電極は、反対の極性のエネルギー、例えば、第1及び第2の活性領域を印加する。
【0189】
これらの装置のいずれも、心房細動、心室性頻拍、又は他の心臓関連アブレーションの治療など(であるが、それらに限定されない)、身体の管腔内の治療のために使用され得る、細長い本体(例えば、カテーテル)を含む、デバイス又は装置の遠位部分として使用することができる。例えば、これらの装置を使用して、人体の実質的に任意の部分にナノ秒パルス電界を印加してもよい。例えば、一部の実装形態では、これらの装置を使用して、他のタイプのエネルギー、例えば、RF又はマイクロ秒パルスエネルギーを印加してもよい。これらのアプリケータは、低侵襲処置中に使用されるカテーテルの一部であってもよく、又は手術中、例えば心臓手術中に使用される装置の一部であってもよい。場合によっては、装置を使用する方法は、必要に応じて、付随する処置として行われてもよく、デバイスは、カテーテルベースでなくてもよい。
【0190】
これらの装置のいずれにおいても、電極間の距離は変化させることができ、これにより、全ての所与の電圧におけるパルス場の強度、したがって、治療領域のサイズを決定することができる。
【0191】
センタリング機構
本明細書に記載の装置のいずれもまた、組織内での装置の位置決めを補助するために、センタリングガイド(センタリング特徴)も含み得る。したがって、これらの装置のうちのいずれも、(例えば、シングルショット構成の)電極が組織に対して配向されるように、装置の位置決めを補助するためのセンタリングガイドを含み得る。一部の例では、装置は、肺静脈隔離(PVI:Pulmonary Vein Isolation)を達成しながら、適切な位置決め及びより効率的なアブレーションを可能にする、心臓の肺静脈などの様々な脈管の洞/小孔領域に対して装置の電極を位置決めするためのセンタリングガイドを含み得る。
【0192】
図37は、標的組織に対して、本明細書に記載されるアプリケータ装置などの装置3700を中心に置くことの困難さを例解する。この例では、標的組織は、肺静脈(PV)3708の左心房(LA)3706である。LAPVに対して装置を位置決めすることは、特に3D可視化が実施されない場合、困難であり得る。心房細動(AFIB)に対処するための処置を行う多くの施設は、3Dマッピング能力を有さず、それらのデバイスを留置するために蛍光透視撮像に依存している。したがって、PVに向かって装置をナビゲートすることは困難であり得る。特定の場合では、デバイスは、
図37に示すように、PVの洞の中心から外れて留置され、周方向アブレーションが達成されることを防止することができる。
【0193】
したがって、本明細書に記載される装置のうちのいずれも、PVの洞など(であるが、それらに限定されない)、治療が適用される管腔に対してセンタリングを可能にするために、装置の一部であり得るか、又は、装置と併せて使用することができる追加のデバイスであり得る、1つ以上の追加のセンタリングガイドを含み得る。概して、センタリングガイドは、装置の遠位端の遠位に延在し得る、拡張可能な非外傷性突起であり得る。
図38Aは、センタリングガイド3840を含む、本明細書に記載されるアプリケータ装置3800の一例を例解する。センタリングガイド特徴3840は、この例では、装置に統合され、第1の(外側)リング3814及び第2の(内側)リング3812の電極を越えて遠位に延在する。
【0194】
図38Bは、細長い本体3803から延在する活性領域(電極)を形成する第1のリング3814及び第2のリング3812の遠位に、装置3800’の遠位端から延在するセンタリングガイド3842の別の例を含む装置を示している。
図38Aでは、センタリングガイドは、拡張可能かつ折り畳み可能バルーンである一方、
図38Bでは、センタリングガイドは、拡張及び折り畳むことができる複数のスプラインによって形成される。センタリングガイドは、概して、最初に管腔内に位置決めされ、組織内での位置決めを外傷的に誘導するように拡張することができる。これらの装置のいずれも、装置を位置決めするためのガイドワイヤを、更に又は追加的に使用することができる。例えば、バルーン又はスプラインは、装置を導入するために使用され得る一体化されたガイドワイヤ又はガイドワイヤのための管腔を有し得る。例えば、バルーン又はスプライン(センタリングガイド)は、アブレーションデバイスに一体化され、ガイドワイヤ上に一緒に導入されてもよい。
図39は、一対のリング電極3912、3914と、センタリングガイド3942と、ガイドワイヤ3945と、を含む装置3900の一例を例解する。ガイドワイヤは、細長い本体3903内の管腔を通って延在する。
【0195】
一部の例では、センタリングガイドはまた、組織へのパルスエネルギーの印加用の電極として機能してもよく、又は電極を含んでもよい。例えば、
図39では、バスケット3942(スプライン/リブで形成される)は、リング電極3912、3914の一方又は両方が第2の極性で使用されるときに第1の極性で使用されて、リング電極とバスケットとの間にサブマイクロ秒(例えば、ナノ秒)パルスを印加することなどによって組織に治療を適用可能な電極を含み得る。
【0196】
例えば、
図40A~
図40Dは、装置の一部としての拡張可能なバルーンとして構成されたセンタリングガイドの使用を例解する。
図40Aでは、収縮したバルーン4040を含む装置4000が、LA4006の近くに導入され、位置決めされている。センタリングガイド(例えば、バルーン)4040は、
図40Bに示すように、PV4008のIDより小さいODを有するように部分的に膨張させられている。
図40Cでは、示されるように、リング電極が洞に接触するまで、センタリングガイド(バルーン)がPVの内側で移動させられる。最後に、
図40Dに示すように、バルーンを膨張させる。
【0197】
図41A~
図41Dは、センタリングガイドが、例えば
図38Bに示すようなスプライン(リブ)によって形成された拡張可能バスケットである場合の、同様の使用方法を例解する。
図41Aでは、折り畳まれたバスケット4140を含む装置4100が、LA4106の近くに導入され、位置決めされる。センタリングガイド(例えば、バスケット)4140は、
図41Bに示すように、PV4108のIDより小さいODを有するように部分的に拡張される。
図41Cでは、示されるように、リング電極が洞に接触するまで、センタリングガイド(バスケット)がPVの内側に移動させられる。最後に、
図41Dに示すように、バルーンを膨張させる。
【0198】
心臓アブレーションを治療する方法
概して、本明細書に記載の方法及び装置は、パルス電気エネルギー(例えば、マイクロ秒、サブマイクロ秒、ナノ秒などのパルス電気エネルギー)を使用して、心房細動、心室性頻拍、及び他の心臓関連アブレーションを治療することができる。本明細書に記載されるアプリケータは、低侵襲性処置の間、又は心臓手術中などの手術中に、パルス電気エネルギーを所望の治療面積に送達するために使用することができる。
【0199】
例えば、これらの方法及び装置を使用して、パルスエネルギーを冠動脈並びに末梢動脈及び静脈に送達することによって、心臓アブレーションを治療してもよい。例えば、本明細書に記載されるアプリケータのうちのいずれかを使用して、パルスエネルギーを肺静脈洞に送達してもよい。特に、アプリケータは、(アプリケータの遠位領域に対して)比較的より大きい領域から始まり、比較的より小さい領域に遷移する、洞の遷移領域に適合することができる。相対的により小さい直径を有する第1の又は遠位電極は、より小さい領域に接触することができ、一方、相対的により大きい直径を有する第2の又は近位電極は、より大きい領域に接触することができる。
【0200】
別の例では、第1の電極の直径が第2の電極の直径よりも相対的に大きくなるように、第1及び第2の電極の直径寸法を逆にすることができる。かかるアプリケータの使用は、比較的小さい領域から開始し、比較的大きい領域に遷移する、組織の領域を治療するために非常に好適であり得る。
【0201】
本明細書に記載されるアプリケータの1つの例示的な使用は、心房細動を治療するために、左心房内の肺静脈隔離のためのシングルショットアブレーションを送達することである。左心房へのアクセスを得るために、蛍光透視及び/又は超音波誘導下で針を使用して、大腿静脈の穿刺を行うことができる。穿刺後、蛍光透視誘導下で、0.032インチJ先端ガイドワイヤを前進させることができる。針は除去され得、シースイントロデューサ(通常、8~12Fのサイズ)が静脈中に挿入され、次に、フラッシュされ得る。経中隔シース(本明細書に記載されるアプリケータのうちのいずれかを担持してもよい)が、ガイドワイヤにわたって上大静脈(SVC)まで前進させられる。代替的に、本開示の装置は、一次穿刺が大腿静脈内で行われる場合、下大静脈(IVC:inferior vena cava)を通して前進させることができる。
【0202】
シースが大静脈心房接合部の上方3~4センチメートル(cm)以内に位置決めされると、ワイヤが除去される。経中隔穿刺針は、シース先端に到達するまで蛍光透視誘導下で前進させられる。スタイレットを挿入した状態で、針は、先端から4cmに達するまで前進させられる。スタイレットは、針先端がシースの内側管腔をこすることを防止する。スタイレットは、次に、取り外すことができる。穿刺を行い、シースを左心房内に前進させる。電極を有するカテーテルは、シースを通して左心房に導入することができる。
【0203】
電極は、特に肺静脈を取り囲む左心房の壁に押し付けられてもよい。電極の適切な位置決めは、細長いカテーテル本体の偏向可能又は完全に関節運動された遠位端によって補助されることができ、これは、細長いカテーテル本体のシャフト内に位置する細長いハンドル及びプルワイヤ内の機構を介して制御される。カテーテルの適切な場所は、X線透視及び/又は超音波検査(TEE及び/又はICE)、並びにカテーテルの追加の電極及び/又は磁気センサによって可能になるインピーダンス及び/又は磁気的な位置特定を使用して検証することができる。アプリケータの電極と左心房壁との間の適切な接触は、インピーダンス読み取り値を介して検証することができ、これは、例えば、低振幅非治療的電気「試験」信号を送信することによって可能になる。電極双極対の適切な位置及び接触が確認された後、エネルギー(ナノ秒パルス、マイクロ秒パルス、RF)を印加して、所望のアブレーション効果を達成することができる。その後、カテーテル及び遠位双極対を再位置決めし、他の肺静脈を取り囲む追加の左心房面積にわたってエネルギー印加を繰り返すことによって、完全な肺静脈隔離治療を達成することができる。
【0204】
パルス電気(例えば、ナノ秒パルス)治療は、20ns未満、約20ns、約25ns、約30ns、約40ns、約50ns、約60ns、約75ns、又は75ns超であり得るパルスの立ち上がり時間及び/又は立ち下がり時間を有するパルスプロファイルを含み得る。一部の例では、パルス電圧は、1kV未満、5kV未満、約5kV、約5kV~約10kV、約15kV、約20kV、約25kV、約30kV、5kV超、10kV超、15kV超、20kV超、30kV超などであってもよい。一部の例では、電流は、10A未満、約10A、約25A、約40A、約50A、約60A、約75A、約100A、約125A、約150A、約175A、約200A、又は200A超であってもよい。一部の例では、パルス持続時間は、10ns未満、約10ns、約15ns以下、約20ns以下、約25ns以下、約30ns以下、約40ns以下、約50ns以下、約60ns以下、約75ns以下、約100ns以下、約125ns以下、約150ns以下、約175ns以下、約200ns以下、約300ns以下、約400ns以下、約500ns以下、約750ns以下、約1ps以下、約2ps以下、約3ps以下、約4ps以下、約5ps以下、又は5ps超であってもよい。本明細書に記載の装置(例えば、システム)は、器具(例えば、細長いアプリケータツール)に加えて、例えば、サブマイクロ秒範囲内のパルスを放出するように構成された、
図1に概略的に示されるものなどのパルス発生器を含んでもよい。
【0205】
概して、本開示のシステムは、電源、及び/又は、細長いアプリケータツールデバイスを高電圧電源に安全に接続するための高電圧コネクタなどの追加の要素を備え得る。上述のように、これらのシステム及びデバイスは、高電圧のサブマイクロ秒パルス電気エネルギーを印加するように構成される。
【0206】
図42は、患者の選択された治療面積にパルス電気治療を送達するための1つの方法4200の一例を描示するフロー図である。一部の例は、追加の動作、より少ない動作、異なる順序での動作、並行した動作、及び一部の動作を異なって、本明細書で説明する動作を実施することができる。方法4200を使用して、心房細動、心室性頻拍、又は他の心臓アブレーションを治療することができる。方法4200は、心臓用途に限定されず、むしろ、様々な身体脈管を治療するために使用することができる。
【0207】
図42では、方法4200は、治療面積がブロック4202で特定されると開始することができる。ブロック4202は、
図42において破線で示されるように任意選択であってもよい。例えば、患者のための1つ以上の診断試験は、パルス電気治療を受ける静脈、動脈、又は他の身体脈管の領域を特定してもよい。他の例では、治療面積は、任意の技術的に実現可能な管腔、通路、又は構造であってもよい。診断検査は、放射線検査、血管検査、超音波検査、又は治療面積の特定を可能にする任意の他の実行可能な検査を含み得る。
【0208】
ブロック4204において、アプリケータが、特定された治療面積内に位置決めされる。例えば、
図1のシステム100は、特定された治療面積内にアプリケータ(限定されないが、
図2~
図41Dのアプリケータのうちのいずれかなど)を位置決めするために使用されてもよい。例えば、アプリケータは、間隔を置いて配置されたフィスト(fist)電極(例えば、1つ以上のループを有する第1のリング電極)及び第2の電極(例えば、1つ以上のループを有する第2のリング電極)を拡張することによって位置決めすることができる。
【0209】
ブロック4206では、アプリケータの電極は、特定された治療面積内の標的組織と接触して留置することができる。電極は、標的組織上で周方向に(完全又は部分的に)延在し得る、第1の電極上の活性領域が、同様に標的組織上で周方向に(完全又は部分的に)延在し得る、第2の電極上の活性領域から離隔されるように位置決めすることができる。第1の電極活性領域と第2の電極活性領域との間の領域が治療され得る。一部の例では、第1の電極の第1の活性領域及び第2の電極の第2の活性領域は、管腔(例えば、脈管壁)の周囲に周方向に留置され得、一部の例では、第1の電極の第1の活性領域及び第2の電極の第2の活性領域は、1つの非限定的な例では、肺静脈洞などの身体脈管の一部分の周囲に周方向に留置され得る。場合によっては、電極は、電極が組織と接触するように、取り付けられた細長いカテーテル本体を通して位置決めされ得る。一部の他の場合では、電極は、細長いカテーテル本体から現れ、電極が治療面積に進入することを可能にするように拡張してもよい。拡張後、アプリケータは、電極を組織と接触して留置するように移動され得る。
【0210】
電極を組織と接触させて留置すると、一部の例では、アプリケータ上の電極(例えば、電極のセット)間の間隔(例えば、長手方向の間隔)が調整され得る。例えば、特に
図2、
図3、
図8、及び
図9に関して説明されたアプリケータを参照すると、アプリケータ上の電極間の間隔は、パルス電界の密度を変化させるように、又は変化する組織の形状及びトポロジに対応するように調整することができる。
【0211】
任意選択のブロック4207では、組織との接触が、任意の適切な方法(例えば、インピーダンス試験、電位図、撮像など)によって確認され得る。この任意選択のステップでは、低レベル又は低振幅信号(例えば、電圧及び/又は電流)が、電極に提供され得る。システム100は、電極に提供され、電極から返される信号に基づいて、電極と関連付けられるインピーダンスを判定及び/又は測定することができる。組織との接触は、インピーダンスが期待値内にあるときに確認され得る。
【0212】
ブロック4208では、パルス電気治療が、アプリケータを通して、特定された治療面積に適用される。例えば、システム100は、アプリケータを通して(例えば、第1の電極の活性領域と第2の電極の活性領域との間に)エネルギーを送達してもよい。一部の例では、エネルギーは、0.1kVを上回る振幅及び1000ナノ秒未満の持続時間を有する電気パルスを提供するように構成されたパルス発生器によって提供することができる。
【0213】
追加の治療が行われてもよく、これには、第1及び第2の電極を通して組織へのエネルギーの印加を繰り返すことが含まれ、各パルス電気治療の効果を評価することができる。治療が十分である場合、(例えば、撮像、インピーダンス試験、電位図などによって判定されるように)更なる治療は必要ではない場合がある。一部の例では、ほぼ完全又は完全な周方向治療を得るために、装置を移動させる必要なく、本明細書に記載されるような周方向パターン(例えば、
図6B参照)でエネルギーを印加することが有利であり得る。
【0214】
ブロック4210では、アプリケータの電極が組織から引き出される。場合によっては、カテーテルは、更なる治療を提供するために、治療を受けた組織の表面に対して移動され得る。アプリケータは、別の治療面積に移動されてもよく、又は患者から除去されてもよい。
【0215】
心臓マッピングとの使用
上述したように、これらの装置及び方法のいずれも、心臓マッピングシステムとともに使用することができる。例えば、これらの装置及び方法のうちのいずれかは、限定ではないが、肺静脈(又は肺静脈と関連付けられる洞)などを含む、心臓領域の治療のためのアブレーション方法の一部であってもよく、また、アプリケータのエネルギー印加(例えば、サブマイクロ秒パルスエネルギー印加)電極の位置を、関連組織の3D電気解剖学的マッピング/マップなどのマッピングと調整することを含んでもよい。
【0216】
上述のように、装置は、電気センサ(例えば、感知電極)及び/又は撮像センサなどを含む1つ以上のセンサを含み得る。装置は、これらの1つ以上のセンサからのデータを治療される組織の1つ以上のマップと統合することができる。これらの電気解剖学的マップは、市販のマッピングシステムを含む別個のマッピングシステムによって生成されてもよく、又は本明細書に記載される装置は、装置に統合されたマッピングシステム又はサブシステムを含んでもよい。一部の例では、センサは、マッピング(例えば、3D電気解剖学的マッピング)システム又はサブシステムのためのセンサとして使用され得る電極として、かつ患者に適用され、マッピングシステム/サブシステムに接続され得る1つ以上のパッチと組み合わせて構成される。
【0217】
本明細書に記載されるアプリケータのうちのいずれかは、マッピングシステムと組み合わせて装置の可視化を可能にするための追加の電極を含み得る。
【0218】
例えば、
図43A~
図43Bは、治療電極4311、4321及びマッピング電極4350、4350’の両方を含む、
図4A~
図4E及び
図7に示すものと同様の装置の一例を例解し、
図43Aでは、10個の個々のマッピング電極1、2、3、4、5、6、7、8、9、10が、アプリケータの遠位の外向きの側に位置決めされている。マッピング電極は、感知電極とも称され得る。上述のように、アプリケータ4300は、ナノ秒パルスエネルギー治療を送達するように構成される。この例におけるアプリケータ4300は、内側の近位リング4320と外側の遠位リング4310と、を含む。内側リング4320及び外側リング4310は各々、治療電極4311、4321を形成するワイヤの長さによって形成された5つのローブを含む。加えて、アプリケータ4300は、内側リング及び外側リングを細長いカテーテル本体4340に可撓的に結合する5つのアーム4330を含む。前述のように、内側リング及び外側リングは、より多くのローブ(例えば、より多くの治療電極)を有していてもよく、かつ/又はより少ないローブを有していてもよい。
【0219】
感知電極又はマッピング電極は、典型的には、この例では、細長い長さのワイヤである治療電極より小さい。例えば、感知電極又はマッピング電極は、長さ及び/又は幅が5mm以下であってもよい(例えば、5mm以下、4.5mm以下、4mm以下、3.5mm以下、3mm以下、2.5mm以下、2mm以下、1.5mm以下、1mm以下などの最大寸法を有してもよい)。マッピング電極は、治療電極から電気的に絶縁されてもよい。
図43Aに示す例では、感知電極又はマッピング電極4350、4350’は、装置のアーム4330上の絶縁材料を覆って圧着又は別様に結合される導電性材料(例えば、金属)のバンド又はカフから形成される。絶縁材料又はコーティングの一部の例は、ポリイミド、PETなどを含む。各感知電極又はマッピング電極は、感知電極又はマッピング電極から、カテーテルを通って、感知又は読み取りサブアセンブリに結合するため、及び/あるいは別個のマッピングシステム又はサブシステムに結合するための結合部位(図示せず)まで延在する導線(例えば、ワイヤ)を含み得る。感知電極又はマッピング電極は、治療電極から電気的に分離及び絶縁されてもよい。
【0220】
動作時、感知電極及び/若しくはマッピング電極(例えば、感知/マッピング電極)を使用して、組織に対して、又は組織のマップに対してアプリケータの位置を隔離することができる。例えば、感知/マッピング電極1、3、5、7、及び9は、外側リングの輪郭を提供してもよく、一方、感知/マッピング電極2、4、6、8、及び10は、内側リングの輪郭を提供してもよい。感知/マッピング電極の組み合わせ(例えば、1-2、3-4、5-6、7-8、9-10、又は他の組み合わせ)もまた、若しくは代替的に、信号取得を改善するために使用されてもよく、かつ/又はより確実な組織接触のために使用されてもよい。一部の例では、感知/マッピング電極を使用して、組織接触を必要とせずに位置検出することができる。
【0221】
概して、感知/マッピング電極は、治療の進行を監視するために(治療電極の代わりに、又はそれに加えて)使用されてもよい。例えば、感知/マッピング電極を使用して、標的組織が1つ以上の電気特性及び/又は電気活動を変化させたかどうかを判定することができる。例えば、感知/マッピング電極は、治療電極からのパルス(例えば、ナノ秒パルス)エネルギーの印加の前及び/若しくは間に使用され、標的組織上又はそれに隣接する電気活動を判定若しくは監視してもよい。例えば、ナノ秒パルス電気エネルギーなどの非熱治療の適用による、本明細書に記載される方法を使用した組織のアブレーションは、下にある標的、例えば、心臓組織の電気的活性を低減させることが期待され得る。概して、本明細書に記載される方法は、例えば、0.1/秒(Hz)~100,000Hzのサブマイクロ秒(例えば、ナノ秒)パルスを印加することができる。より速い(例えば、kHz)周波数であっても、ナノ秒パルスは、エネルギーが組織に印加されていない比較的長い期間を提供することができ、その間、感知/マッピング電極は、組織上の電気活動を検出することができる。一部の例では、感知/マッピング電極を使用して、下層組織のインピーダンス及び/又は経時的なインピーダンスの変化を判定することができる。
【0222】
本明細書で説明される装置はまた、1つ以上の磁気センサ4342(例えば、磁気コイル、ロッドなど)を含み得る。この例では、磁気センサは、カテーテル本体4340の遠位セクションに取り付けられ、治療電極に対して中心に位置する。これにより、カテーテルの場所の精度を高めることができる。
【0223】
図43Bは、アプリケータ4300の側面図を示している。内側リング4320、外側リング4310、及びアーム4330は、細長い本体4340に結合されて示されている。この例では、1つ以上(例えば、2つの11、12)の追加の感知/マッピング電極が、細長い本体4340のシャフト上に位置決めされてもよく、上述の他の感知/マッピング電極のうちの1つ以上と組み合わせて使用されてもよい。
【0224】
これらの装置は、磁気感知又は電気特性(例えば、インピーダンスベースの)感知、あるいは両方のために構成され得る。例えば、
図43A~
図43Bに示す装置は、治療電極に加えて、マッピング電極4350、4350’及び磁気センサ4342の両方を含む。一部の例では、アプリケータは、例えば、感知/マッピング電極からマッピングシステムへの入力を直接的又は間接的に提供することによって、サードパーティのマッピングシステム(例えば、Carto(商標)システム、Navx(商標)システムなど)に結合することができる。本明細書に記載されるアプリケータは、別個のマッピングカテーテルと併せて使用することができる。例えば、組織は、特に、治療される標的領域を含む、心臓組織などの組織のマップ又はモデルを生成し得る、マッピングカテーテル及びシステムを使用してマッピングされてもよく、本明細書に記載されるアプリケータのいずれかが、導入されてもよく、電極を含む、1つ以上のセンサが、組織のマップ又はモデル上にアプリケータを位置特定するために使用されてもよい。本装置は、マップ又はモデルの画像を表示することができ、同時に、標的組織を治療する際に、ユーザ、例えば、医師、外科医などを誘導することに役立つように、マップ又はモデルの画像上にアプリケータの位置を示すことができる。代替的に、本明細書に記載されるアプリケータは、マッピング及びアブレーションの両方のために使用されてもよい。一部の例では、本明細書で説明する装置は、装置に統合されたマッピングシステム又はサブシステムを含み得る。
【0225】
例えば、
図43Cは、マッピング及び治療の両方を含む、本明細書に記載されるような装置の一例を概略的に例解する。この例の第1の実施形態では、装置は、複数の治療電極及び感知/マッピング電極の両方を含む、上記で説明されるものに類似するアプリケータ4394を含む。アプリケータは、上述したように(例えば、
図1に示すように)パルス発生器及びコントローラ(1つ以上のプロセッサを含む)を含み得るナノ秒パルスエネルギー治療システム4392に結合される。システム4392は、マッピングシステム4393及び/又は出力4395とは別個であり得、出力は、1つ以上のディスプレイを含んでもよく、アプリケータ上の1つ以上の感知/マッピング電極(又は他のマッピングセンサ)からの入力に基づいて、アプリケータの場所を含む、組織のマップを示してもよい。一部の例では、破線4390’’で示すように、装置は、ナノ秒パルスエネルギー治療システム4392及び出力4395を含むことができ、別個のマッピングシステム/サブシステム4393とともに使用することができる。代替的に、一部の例では、マッピングシステム/サブシステムは、破線のボックス4390’によって示されるように、装置の一部として含まれ得る。これらの装置のいずれにおいても、例解されるように、別個のマッピングカテーテル4396がマッピングシステム/サブシステム4393に結合され得る。
【0226】
ナノ秒パルスエネルギー印加のためのワイヤベースの双極電極
本明細書に記載される方法及び装置のうちのいずれも、細い(小外形)ワイヤを使用して形成される電極を使用する双極サブマイクロ秒(例えば、ナノ秒)パルス印加のためのものであり得る。これらの小外形ワイヤは、0.015インチ(例えば、0.38mm)又はそれ未満(例えば、0.35mm、0.30mm、0.25mm、0.20mm、0.15mm、0.13mm、0.12mm、0.10mmなど、又はそれ未満)の最大直径を有し得る。ワイヤは、任意の導電性材料で形成することができる。より小さい外形のワイヤは、本明細書に記載される電磁場を放出するために特に適切である。典型的には、かかる小外形ワイヤは、外形が薄いほどアブレーション領域が制限され、破損しやすい可能性があるため、熱エネルギーを発生させるシステムでの使用は回避されている。
【0227】
例えば、無線周波数(RF:Radio Frequency)装置などのほとんどのエネルギーベースの治療デバイスは、直径約2~3mm以上の電極を採用している。例えば、RF熱アブレーションは、2つのタイプの加熱、すなわち抵抗性加熱及び伝導性加熱に依存している。電極と直接接触する組織は、電極及び電極材料に印加される電圧、並びに電極と組織との間のインピーダンスに基づいて、抵抗性加熱を介して加熱される。電極から離れている組織は、電極から直接的に、又は組織のすでに「熱い」部分から「より冷たい」領域への熱の伝導によってのいずれかで、伝導性加熱の結果として加熱され得る。電極のサイズは、このシナリオにおいてきわめて重要であり、なぜなら、より大きい電極は、組織のより大きい面積をカバーするため、電極と組織との間の「直接」伝導性熱伝達を増加させるためである。加えて、複数の電極が使用される場合(例えば、双極RFシステム)、より大きい電極のサイズは、それらの間の距離を低減させるため、「間接」伝導性熱伝達によって加熱する必要がある組織の体積を減少させる。パルス信号(例えば、ミリ秒パルス、マイクロ秒パルス)を含む一部の用途であっても、最も高いエネルギー集中の場所は電極であり、典型的な2~3kV(例えば、ほぼ、ほとんどのマイクロ秒パルスデバイスによって使用される電圧)によって生成される電界は治療に十分なほど高くないため、より大きい電極が有利であると考えられている。その結果、ほとんどのマイクロ秒ベースの装置は、典型的には、隣接する治療ゾーンを生成するために電極の再位置決めを必要としている。
【0228】
例えば、RFアブレーションとともに使用される嵩張る管状電極とは対照的に、本開示のかかる小外形ワイヤの使用により、本明細書に記載される装置は、比較的により小さい交差プロファイルを有することが可能になる。これは、これらの装置のうちのいずれかを、例えば、気管支鏡/胃鏡の作業チャネル又は心臓用途のための送達シースの管腔の中に引き込むことを可能にし、これにより、特定の処置を簡略化及び/又は可能にすることができる。
【0229】
本明細書に記載される双極サブマイクロ秒(例えば、ナノ秒)パルスエネルギーは、電極が小径(例えば、0.005インチ~0.015インチ以下)ワイヤから構築されている場合でも、治療電界を生成するのに十分に高い電圧(例えば、12~15kV以上)で印加することができる。かかる小径ワイヤを使用する試験は、驚くべきことに、組織アブレーションに非常に効果的であることが見出されており、それらの間の組織をアブレーションするための再位置決めを要求しない。
【0230】
例えば、
図44A~
図44Dは、パルス電気エネルギーを送達するための装置のためのワイヤベースの設計の異なる構成の例を例解する。これらの全ての設計のワイヤ電極の直径は小さいため、これらの構成の能力が強化され、容易に折り畳み可能となり、送達デバイスの小さい管腔と適合させることができる。例えば、かかる装置は、心血管導入器シースなどの8.5Fr、9Fr、及び12Fr内径(ID:inner diameter)を伴う、治療用気管支鏡及び胃鏡の2.8mm又は3.7mm作業チャネル内により容易に嵌合することができる。かかる電極を担持するカテーテルは、偏向可能及び/又は操向可能であり得る。例えば、以下に説明される
図44Dでは、気管支鏡及び/又は胃鏡の作業チャネルを通して送達させることができ、気管支鏡若しくは胃鏡の遠位端を偏向させることによって、標的組織と接触させることができる。
【0231】
図44A~
図44Dに示す例は、ヒト又は動物生体構造の管状面積の治療のために利用されるカテーテルの遠位部分として使用することができる。かかる管状面積は、食道、気管支、肺静脈、静脈及び動脈系の他の部分などを含んでもよいが、それらに限定されない。これらの装置を使用して、人体の他の部分にサブマイクロ秒パルス場を印加することができる。例えば、これらの装置は、低侵襲処置中に使用されるカテーテルの一部として、又は手術中に利用されるデバイスの一部として使用することができる。
【0232】
例えば、
図44Aは、複数の小径ワイヤ(例えば、0.015インチ以下の直径を有するワイヤ)を含む、本明細書に記載されるような装置の第1の例を示している。
図44Aでは、ワイヤは、バルーン4485などの拡張可能部材上に配置される。横方向に離隔された第1の極性のワイヤ4463及び第2の極性のワイヤ4465の3つの対が示されている。バルーンは、カテーテルの細長い本体4460などの細長い本体の端部に位置決めされる。装置は、バルーンから遠位に延在する遠位先端領域4469を含み得る。バルーンは、装置(図示せず)の径方向外形を折り畳むように収縮されてもよく、径方向外形を拡張するように膨張されてもよく、
図44Aでは、装置は、デバイスが拡張された状態で示されている。横方向に離隔されたワイヤ(電極又はワイヤ電極)は、例えば、1mm以下(例えば、0.5mmなど)~10mmだけ離隔されてもよい。
【0233】
図44Bは、単一対の小径ワイヤ(例えば、0.015インチ以下の直径を有するワイヤ)を含む、拡張可能装置の別の例を示している。この例では、
図44Aと同様に、ワイヤ電極4463’、4465’は、例えば、カテーテル4460’に結合される拡張可能部材(例えば、バルーン4485)上に位置決めされ、装置は、拡張可能部材及び電極を越えて延在する遠位領域4469’を含む。
図44Bでは、ワイヤ電極の対は、第2の極性のワイヤ4465’から横方向に離隔されている第1の極性のワイヤ4463’を含む。
図44Aのように、電極は、周囲の約45~235度(例えば、90~135度など)にわたってなど、拡張可能部材の周囲に部分的に(又は一部の例では、完全に)径方向に延在する。
図44A及び
図44Bは、拡張可能部材の長軸に対して横方向に延在するワイヤ電極を示すが、一部の例では、電極は、拡張可能部材の長さに沿って長手方向に延在してもよく、
図44Cに示すように、別個の径方向位置に位置してもよい。
【0234】
図44Cでは、装置は、拡張可能部材4485(例えば、バルーンとして
図44Cに示す、バルーン、バスケットなど)を含み、その上に、異なる極性を有し得る複数のワイヤ電極が、異なる径方向位置から拡張可能部材の長さに沿って長手方向に延在して配置される。例えば、第1の極性のワイヤ電極4463’’の活性領域は、バルーン4485の長さの一部分又は全部に延在し、約40~60度(この例では、2~5mm)だけ第2のワイヤ電極4465’’の活性領域から径方向に分離される。デバイスは、細長いカテーテル本体4460’’及び遠位端領域4469’’を含む。各電極の活性領域は、典型的には、ワイヤ電極の露出領域を指し、非露出(例えば、絶縁)領域4467は、
図44Cに示すように、互いにより近接して位置決めされ得る。
図44A~
図44Bに示す例のように、
図44Cの拡張可能部材は、折り畳み構成(図示せず)と拡張構成(図示)との間で遷移されてもよい。したがって、ワイヤ電極間の間隔は、拡張可能部材の拡張を制御することによって制御することができる。
【0235】
代替的に、一部の例では、装置は、
図44Dに示すように、拡張可能部材を含まなくてもよい。この例では、装置は、一対のワイヤ電極4463’’’、4465’’’が延在する細長い本体4460’’’を含む。ワイヤ電極は、図示のように、絶縁領域4467’によって支持されてもよく、径方向(及び/又は場合によっては、長手方向)間隔距離だけ相互から分離されてもよい。ワイヤは、折り畳み構成(図示せず)から拡張構成(図示)に折り畳まれてもよく、又はその逆であってもよい。
【0236】
本開示の装置の使用方法
本明細書に記載される装置は、低侵襲処置中に使用されるカテーテルの一部、又は手術中に利用されるデバイスの一部を含むか、又はその一部として含まれることができる。前述のように、
図22A~
図22C、
図23A~
図23F、
図25、及び
図26に示すものを含む(が、それらに限定されない)、本明細書に記載される装置を使用して、パルスサブマイクロ秒(例えば、ナノ秒)エネルギーを印加することによって、身体管腔を治療することができる。例えば、これらの装置を使用して、動脈狭窄又は再狭窄を治療することができる。一部の例では、これらの装置を使用して、バレット食道を治療することができる。
【0237】
概して、本明細書に記載される方法及び装置を使用して、サブサブマイクロ秒(例えば、ナノ秒)パルスエネルギーを印加することができる。しかしながら、本明細書に記載される装置のうちのいずれもまた、他のタイプのエネルギー、例えば、RF又はマイクロパルスベースの電界エネルギーを印加するように構成することができる。
【0238】
一部の例では、本明細書に記載されるデバイスは、カテーテル若しくは他の送達デバイスを通して挿入されてもよく、かつ/又はそれとともに使用されてもよい。例えば、これらの装置のいずれも、気管支鏡又は胃内視鏡などの内視鏡の作業チャネルを通して挿入されてもよい。一部の例では、装置は、例えば、電極を含む拡張可能活性領域を伴うカテーテルを含むことができ、これは、拡張フレーム(例えば、支柱、リブなど)及び/又はバルーンと併用されてもよく、気管支系若しくは食道内で使用されてもよく、気管支鏡若しくは胃鏡の作業チャネルを通して導入されてもよい。内視鏡(例えば、気管支鏡又は胃鏡)は、治療部位に隣接して留置することができ、これは、気管支鏡視野(スコープに内蔵されたカメラ)などのスコープ又はカメラを介して可視化(撮像)されてもよい。次いで、装置は、スコープの作業チャネルを通して導入することができる。その後、装置(例えば、フレーム及び/又はバルーン)は、拡張することができ、したがって、拡張し、フレーム/バルーンの表面上の電極は、治療部位の組織と接触して留置される。次いで、エネルギーを電極に送達することができる。装置は、次いで、(例えば、バルーンを収縮させること、フレームを収縮させることなどによって)折り畳まれ、装置又はスコープ及びデバイスを一緒に移動させることによってのいずれかで、活性領域拡張及びエネルギー印加が繰り返され得る次の治療部位に再位置決めすることができる。
【0239】
例えば、本開示の装置は、例えば、身体脈管を通して本開示の装置を挿入し(カテーテル、又は適用可能な場合、腹腔鏡デバイスを使用して)、治療部位において(例えば、管腔内のがんにおいて、又はそれに隣接して)装置を拡張させ、エネルギー、具体的には、ナノ秒パルス電気エネルギーを印加し、組織を治療することによって、管腔内がんを治療するために使用されてもよい。一部の例では、本明細書に記載されるこれらの装置は、前立腺がん及び/又は良性前立腺肥大を治療するためなど、前立腺を治療するために使用されてもよい。例えば、本明細書に記載されるのは、本明細書に記載されるような装置を、尿道を通して挿入することによって(例えば、本明細書に記載される様々なカテーテルベースの設計を使用して)、前立腺を治療する方法である。一部の例では、装置は、経尿道的に挿入されてもよく、一方で、一部の例では、装置は、経皮的に挿入されてもよい。経尿道送達は、陰茎を通して、尿道を通して、エネルギー送達が適用され得る前立腺の中への管腔カテーテルの挿入を含んでもよい。
【0240】
治療され得る組織の他の例としては、肺(例えば、肺がんを治療する)、膵臓(例えば、膵臓がん)などが挙げられ得る。他の例示的な組織(身体脈管)及び治療方法が本明細書に記載される。
【0241】
前述の方法及び装置は、説明の便宜上、パルス電気治療を使用する動脈治療の例を説明している。しかしながら、他の治療も企図されている。
【0242】
上述したように、本明細書に記載の装置のいずれも、治療中に電極を位置決め及び/又は制御するために使用することができるロボットシステムに実装することができる。例えば、ロボットシステムは、細長いアプリケータツールが結合される、可動(ロボット)アームを含んでもよい。細長いアプリケータツールの動作先端部の複数の方向への微細な移動を可能にするために、様々なモータ及び他の移動デバイスを組み込むことができる。ロボットシステム及び/又は細長いアプリケータツールは、固定位置に装着されるか、又はロボットアーム若しくは他の制御可能な運動デバイスに(直接的又は間接的に)結合され得る、少なくとも1つの画像取得デバイス(かつ好ましくは、立体視用に2つ以上)を更に含み得る。一部の例では、画像取得デバイスは、細長いアプリケータツールに組み込まれてもよい。
【0243】
本開示の方法の例は、コンピュータソフトウェア、ファームウェア、又はハードウェアを使用して実装することができる。本開示を実装するために、様々なプログラミング言語及びオペレーティングシステムを使用することができる。本方法及びシステムを実行するプログラムは、所望の動作を実行するための命令のセットを含む別個のプログラムコードを含み得るか、又は動作のこのようなサブ動作を実行する複数のモジュールを含み得るか、又は動作を提供する、より大きいプログラムの単一モジュールの一部であり得る。モジュール構造により、内部のモジュール及び/又はモジュール内の特徴を追加、削除、更新、及び/又は修正することが容易になる。
【0244】
一部の例では、ユーザは、このアプリケーションの特定の方法又は例を選択することができ、プロセッサは、選択された方法と関連付けられたプログラム又はアルゴリズムを実行する。一部の例では、様々なタイプの位置センサを使用することができる。例えば、特定の例では、所望の角度、速度、又は力を達成するためにエンコーダ信号フィードバックの関数として電圧レベル若しくは極性を調整することができる非光学エンコーダを使用することができる。
【0245】
特定の例は、様々なコンピュータによる実装動作を実施するためのプログラム命令及び/若しくはデータ(データ構造を含む)を含む、機械可読媒体(例えば、コンピュータ可読媒体)又はコンピュータプログラム製品に関係してもよい。機械可読媒体を使用して、システムに本開示の方法を実行させるソフトウェア及びデータを格納することができる。上述の機械可読媒体は、処理デバイス、例えば、コンピュータによってアクセス可能な形態で、情報を格納及び送信することができる任意の好適な媒体を含み得る。機械可読媒体の一部の例には、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気テープなどの磁気ディスク記憶装置が挙げられるが、それらに限定されない。これはまた、フラッシュメモリデバイス、光記憶装置、ランダムアクセスメモリなどを含み得る。データ及びプログラム命令はまた、搬送波又は他の搬送媒体上に具現化され得る。プログラム命令の例には、コンパイラによって生成されるような機械語、及び解釈プログラムを使用して実施され得る高レベルのコードを含むファイルの両方が含まれる。
【0246】
本明細書に記載の方法(ユーザインターフェースを含む)のいずれも、ソフトウェア、ハードウェア、又はファームウェアとして実装されてもよく、プロセッサによって実施されたとき、プロセッサに、表示することと、ユーザと通信することと、分析することと、パラメータ(タイミング、周波数、強度などを含む)を変更することと、決定することと、警告することと、などを含むが、それらに限定されないステップのいずれかの実行を実行又は制御させる、プロセッサ(例えば、コンピュータ、タブレット、スマートフォンなど)によって実施することができる命令のセットを格納した非一時的なコンピュータ可読記憶媒体として記載されてもよい。一部の例示的な例では、ハードウェアをソフトウェア命令と組み合わせて使用して、本開示を実装することができる。
【0247】
特徴又は要素が、本明細書で別の特徴又は要素「上にある」と言及される場合、それは他の特徴又は要素上に直接存在することができ、あるいは介在する特徴及び/又は要素も存在し得る。対照的に、機能又は要素が、別の機能又は要素に「直接存在する」と言及される場合、介在する機能又は要素は存在しない。特徴又は要素が、別の特徴又は要素に「接続されている」、「取り付けられている」又は「結合されている」と言及される場合、それは他の特徴又は要素に直接接続、取り付け、又は結合され得、又は介在する機能又は要素が存在する場合があることも理解されたい。対照的に、機能又は要素が別の機能又は要素に「直接接続されている」、「直接取り付けられている」、又は「直接結合されている」と言及される場合、介在する機能又は要素は存在しない。一例に関して説明又は図示されているが、そのように説明又は図示されている特徴及び要素は、他の例に適用することができる。別の特徴に「隣接して」配設される構造若しくは特徴への言及は、隣接する特徴と重複するか、又はその下にある部分を有し得ることも当業者には理解されるであろう。
【0248】
本明細書で使用される用語は、特定の例を説明することのみを目的としており、本開示の発明を限定することを意図していない。例えば、本明細書で使用される場合、単数形の「ある(a)」、「ある(an)」及び「その(the)」は、文脈が明らかに他のことを示さない限り、複数形も含むことを意図している。「備える(comprises)」及び/又は「備える(comprising)」という用語は、本明細書で使用するとき、記載された特徴、ステップ、操作、要素、及び/又は構成要素の存在を指定するが、1つ以上の他の特徴、ステップ、操作、要素、構成要素、及び/又はそれらの群の存在若しくは追加を排除するものではないことが更に理解されよう。本明細書で使用される場合、「及び/又は」という用語は、関連するリストされたアイテムの1つ以上のありとあらゆる組み合わせを含み、「/」と省略され得る。
【0249】
「下(under)」、「下(below)」、「下方(lower)」、「上(over)」、「上方(upper)」などのような空間的に相対的な用語は、説明を容易にするために、図に例解されるように、ある要素又は特徴の、別の要素又は特徴との関係を説明するために、本明細書で使用され得る。空間的に相対的な用語は、図に描示されている方向に加えて、使用中又は動作中のデバイスの異なる方向を包含することを意図していることが理解されよう。例えば、図のデバイスが反転している場合、他の要素又は特徴の「下(under)」又は「下(beneath)」として記述されている要素は、他の要素又は特徴の「上(over)」に向けられる。したがって、「下(under)」という例示的な用語は、上と下の両方の方向を包含することができる。デバイスは、他の方法で方向付けられ(90度又は他の方向に回転され)てもよく、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子は、それに応じて解釈され得る。同様に、「上向き(upwardly)」、「下向き(downwardly)」、「垂直(vertical)」、「水平(horizontal)」などの用語は、特に明記されていない限り、説明の目的でのみ本明細書で使用される。
【0250】
「第1の」及び「第2の」という用語は、本明細書では様々な特徴/要素(ステップを含む)を説明するために使用され得るが、文脈が別段の指示をしない限り、これらの特徴/要素はこれらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、ある特徴/要素を別の特徴/要素から区別するために使用される場合がある。したがって、本発明の教示から逸脱することなく、以下で考察される第1の特徴/要素は、第2の特徴/要素と呼称され、同様に、以下で考察される第2の特徴/要素は、第1の特徴/要素と呼称され得る。
【0251】
本明細書及び以下の特許請求の範囲の全体を通じて、文脈上別段の定めがない限り、「備える(comprise)」という単語、及び「備える(comprises)」及び「備える(comprising)」などの変形は、様々な構成要素を、方法及び物品(例えば、デバイス及び方法を含む組成物及び装置)において共同で用いることができることを意味する。例えば、「備える(comprising)」という用語は、述べられた要素又はステップを含むことを意味するが、他の要素又はステップを除外することを意味しないと理解されるであろう。
【0252】
概して、本明細書に記載される装置及び方法のいずれも包括的であると理解されるべきであるが、構成要素及び/又はステップの全て若しくはサブセットは、様々な構成要素、ステップ、サブ構成要素又はサブステップ「からなる(consisting of)」か又は代替的に「本質的にからなる(consisting essentially of)」と表現される場合、代替的に排他的であってもよい。
【0253】
本明細書の明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、実施例で使用される場合を含み、特に明記されていない限り、全ての数は、その用語が明示的に表示されない場合でも、「約」又は「おおよそ」という単語が前に付いているかのように読むことができる。「約」又は「おおよそ」という言い回しは、大きさ及び/又は位置を説明するときに、説明される値及び/又は位置が、値及び/又は位置の合理的な予想範囲内にあることを示すために使用され得る。例えば、数値は、記述された値(又は値の範囲)の+/-0.1%、記述された値(又は値の範囲)の+/-1%、記述された値(又は値の範囲)の+/-2%、記述された値(又は値の範囲)の+/-5%、記述された値(又は値の範囲)の+/-10%などの値を有し得る。本明細書に与えられた任意の数値はまた、文脈が別段の指示をしない限り、その値の約又はおおよそを含むと理解されるべきである。例えば、値「10」が開示されている場合、「約10」も開示されている。本明細書に列挙されている任意の数値範囲は、そこに含まれる全てのサブ範囲を含むことを意図している。また、当業者が適切に理解するように、値が開示されているとき、値「以下」、「値以上」、及び値間の可能な範囲も開示されていることを理解されたい。例えば、値「X」が開示されている場合、「X以下」並びに「X以上」(例えば、式中、Xは数値である)も開示されている。また、本出願全体を通じて、データはいくつかの異なるフォーマットで提供され、このデータは、終了点及び開始点、並びにデータポイントの任意の組み合わせの範囲を表すことも理解されたい。例えば、特定のデータポイント「10」及び特定のデータポイント「15」が開示されている場合、10及び15の間と同じく、10及び15超、10及び15以上、10及び15未満、10及び15以下、及び10及び15に等しいことが開示されているとみなされると理解される。2つの特定のユニット間の各ユニットもまた開示されていることも理解される。例えば、10と15とが開示されている場合、11、12、13、及び14もまた開示されている。
【0254】
様々な例示的な例が上記で説明されているが、特許請求の範囲によって説明される本発明の範囲から逸脱することなく、任意の数の変更が様々な例に対して行われ得る。例えば、様々な説明された方法ステップが実施される順序は、代替的な例ではしばしば変更されてもよく、他の代替的な例では、1つ以上の方法ステップが完全にスキップされてもよい。様々なデバイス及びシステムの例の任意選択の特徴は、一部の例に含まれ、他の例には含まれないことがある。したがって、前述の説明は、主に例示的な目的で提供されており、特許請求の範囲に記載されているように、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0255】
本明細書に含まれる例及び例示は、限定ではなく例示として、本主題が実施され得る特定の実施形態を示している。前述のように、他の例及び変形形態を利用し、そこから導き出すことができ、その結果、構造的及び論理的な置換並びに変更を、本開示の範囲から逸脱することなく行うことができる。本発明の主題のかかる例は、実際、複数が開示されている場合、本出願の範囲を任意の単一の発明又は発明の概念に自発的に限定することを意図することなく、単に便宜のために「発明」という用語によって本明細書で個別に又は集合的に言及され得る。したがって、特定の例が本明細書で例解及び説明されてきたが、同じ目的を達成するように計算された任意の構成を、示された特定の実施例の代わりに用いることができる。本開示は、様々な例のありとあらゆる適応又は変形を網羅することを意図している。上記の例又は提供される例の一部の特徴の組み合わせ、及び本明細書に具体的に説明されない他の例は、上記の説明を検討すると当業者には明らかであろう。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルス電界を送達するための装置であって、
細長い本体と、
第1の電極であって、前記細長い本体から延在するように構成されており、かつ前記細長い本体の遠位端領域の周囲にペタルとして配置されている第1の2つ以上のループを備え、前記第1の2つ以上のループが、各々、前記第1の2つ以上のループの各ループの長さの少なくとも一部分に沿って延在する第1の活性領域を有する、第1の電極と、
前記細長い本体から延在するように構成された第2のループを備える第2の電極であって、前記第2の電極が、前記第2のループの長さの少なくとも一部分に沿って延在する第2の活性領域を有する、第2の電極と、を備え、
前記第1の電極が、前記第2の電極から径方向にオフセットされているか、横方向にオフセットされているか、又は径方向及び横方向の両方にオフセットされている、装置。
【請求項2】
前記第1の2つ以上のループのうちの前記ループが、個別に制御される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第2の電極が、前記第1の電極とは異なる極性を有するように構成されており、前記第2の電極が、前記第1の電極に対して同心円状に配置されている、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の電極及び前記第2の電極が、解剖学的構造の壁に可撓的に適合するように構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の2つ以上のループの前記第1の活性領域が、部分的な円、ほぼ部分的な円、又は完全な円で解剖学的構造の壁を囲むように構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の電極及び前記第2の電極は、中で前記細長い本体が軸方向に移動可能である外側送達カテーテル内に引き込まれると、折り畳まれるように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記第1の電極及び前記第2の電極が、異なるサイズの円周を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記第1及び第2の電極に対して同心円状に配置されており、前記第1及び第2の電極とは異なる円周を有する1つ以上の追加の電極を更に備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記第1、第2、及び前記1つ以上の追加の電極からの任意の2つの電極が、異なるサイズの組織領域を治療するための同時活性化のために選択されるように構成されている、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記第1の電極及び前記第2の電極のうちの少なくとも1つが、前記細長い本体の前記遠位端領域を横断する、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記第2の電極が、前記細長い本体の前記遠位端領域の周囲にペタルとして配置された第2の2つ以上のループを備え、前記第2の2つ以上のループが、各々、前記第2の2つ以上のループの各ループの長さの少なくとも一部分に沿って延在する前記第2の活性領域を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記第1の2つ以上のループの各第1の活性領域が、前記細長い本体の長軸の方向に固定距離だけ、前記第2の2つ以上のループの各それぞれの第2の活性領域から離隔されている、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第1の電極及び前記第2の電極が、拡張可能フレーム又は拡張可能バルーン上に配置されている、請求項1~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記第1の電極及び前記第2の電極が、各々、0.2mm未満の直径を有するワイヤから形成されている、請求項1~13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記第1の電極が、前記細長い本体の前記遠位端領域に対して遠位に位置決めされており、前記第2の電極が、前記第1の電極の近位に位置決めされている、請求項1~14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記第1の電極が、前記第2の電極に対して軸方向において近位又は遠位に摺動するように構成されている、請求項1~15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記第1及び/又は第2の電極の一部分上に、複数のマッピング及び/又は感知電極を更に備える、請求項1~16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記第1の2つ以上のループ及び/又は前記第2のループが、少なくとも3つのループを含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
前記第1の電極及び前記第2の電極が、同一平面上にある、請求項1~18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
前記装置が、双極又は単極印加のために構成されている、請求項1~19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
中心電極を更に備える、請求項1~20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
前記装置の遠位端から遠位に延在するセンタリングガイドを更に備える、請求項1~21のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
前記センタリングガイドが、追加の治療電極として機能するか、又は追加の治療電極を含む、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記装置が、心房細動、心室性頻拍、及び他の心臓関連状態の治療において使用するために構成されている、請求項1~23のいずれか一項に記載の装置。
【国際調査報告】