(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-23
(54)【発明の名称】エネルギー伝達特性を制御する口腔挿入用装置
(51)【国際特許分類】
A61H 23/02 20060101AFI20240416BHJP
【FI】
A61H23/02 341
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565449
(86)(22)【出願日】2022-03-04
(85)【翻訳文提出日】2023-12-15
(86)【国際出願番号】 KR2022003114
(87)【国際公開番号】W WO2022225176
(87)【国際公開日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】10-2021-0052574
(32)【優先日】2021-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0066256
(32)【優先日】2021-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0142866
(32)【優先日】2021-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523401043
【氏名又は名称】ラ、コン-チャン
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラ、コン-チャン
【テーマコード(参考)】
4C074
【Fターム(参考)】
4C074AA05
4C074BB01
4C074CC01
4C074DD05
(57)【要約】
第11流体膨張部と、第12流体膨張部と、流体袋であって、前記第11流体膨張部及び前記第12流体膨張部の内部に形成されている前記流体袋と、前記流体袋に流体を注入するために形成される流体注入口と、を含む口腔風船を公開する。
【選択図】
図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を注入し得る流体袋と、
前記流体袋に流体を注入するために形成される流体注入口と、
を含む、
口腔風船。
【請求項2】
第11流体膨張部と、
第12流体膨張部と、
前記第11流体膨張部と第12流体膨張部を互いに連結するブリッジ部と、
を更に含み、
前記流体袋は前記第11流体膨張部及び第12流体膨張部によって形成されている、
請求項1に記載の口腔風船。
【請求項3】
前記流体袋は、前記第11流体膨張部、前記第12流体膨張部、及び前記ブリッジ部にわたって一体型に形成されており、
前記流体注入口は前記ブリッジ部に形成されている、
請求項2に記載の口腔風船。
【請求項4】
流体袋分離キャップを更に含み、
前記流体袋に流体が詰められた際、前記流体袋の形態は前記流体袋分離キャップによって制限される、
請求項1に記載の口腔風船。
【請求項5】
前記流体袋を形成する流体膨張部に連結されている挿入ガイド部を更に含むが、
前記挿入ガイド部には、前記口腔風船を口腔内に挿入するための補綴が形成されており、
前記補綴は前記口腔風船を口腔内に挿入する際に実質的にその形状が維持されることを特徴とする、
請求項1に記載の口腔風船。
【請求項6】
前記第11流体膨張部と前記第12流体膨張部には前記口腔風船の中心部に向かって入口が形成されているポケットが形成されている、
請求項2に記載の口腔風船。
【請求項7】
前記流体に進入した超音波エネルギーまたはRF波動エネルギーの大きさが、前記流体を通過して前記流体から抜け出す超音波エネルギーまたはRF波動エネルギーの大きさより大きいことを特徴とする、
請求項1に記載の口腔風船。
【請求項8】
請求項1に記載の口腔風船を患者の顔面と口腔との間の空間に設置する方法であって、
前記流体袋を患者の口の中に配置するステップと、
前記配置するステップの後、前記流体注入口を介して流体を注入して前記流体袋を膨張させるステップと、
を含む、
口腔風船の設置方法。
【請求項9】
請求項1に記載の口腔風船を患者の顔面と口腔との間の空間に設置する方法であって、
前記流体注入口を介して流体を注入して前記流体袋を膨張させるステップと、
前記膨張させるステップの後、前記流体袋を患者の口の中に配置するステップと、
を含む、
口腔風船の設置方法。
【請求項10】
流体を注入し得る第2室(220)と、
前記第2室の一部縁を囲むように配置されている第1室(210)と、
流体が詰められている第3室(230)と、
前記第3室から前記流体を供給されて前記第2室に前記流体を提供する流体移動通路(240)と、
を含み、
前記第1室には流体が密封されており、
前記第3室に圧力が加えられると前記第3室に含まれている前記流体が前記流体移動通路を介して前記第2室に供給されて前記第2室が膨張する、
口腔風船。
【請求項11】
前記第1室と前記第2室は互いに分離されており、
前記第1室と前記第3室は互いに分離されており、
前記第1室と前記第3室との間に流体移動通路と前記第2室が配置されている、
請求項10に記載の口腔風船。
【請求項12】
前記第2室を構成する第1面の第1地点(251)と前記第2室を構成する第2面の第2地点(252)は互いに接合されており、
前記第2室が膨張する際に形成される前記第2室の立体的形状は前記第1地点と前記第2地点の接合によって決定されることを特徴とする、
請求項10に記載の口腔風船。
【請求項13】
前記流体移動通路の一端部は前記第2室の縁のうち前記第1室によって囲まれていない縁の一部分に連結されており、
前記流体移動通路の他端部は前記第3室の縁の一地点に連結されている、
請求項10に記載の口腔風船。
【請求項14】
請求項10に記載の口腔風船を製造する方法であって、
第1シート(410)と第2シート(420)を重ねて配置するステップと、
前記第1室及び前記第3室に流体を入れる流体注入部を除いて前記第1室、前記第2室、前記第3室、及び前記流体移動通路が形成されるように熱接合するステップと、
前記第1室と前記第3室にそれぞれ形成される前記流体注入部を介して流体を注入するステップと、
前記第1室の流体注入部と前記第3室の流体注入部を熱接合して遮断するステップと、
を含む、
口腔風船の製造方法。
【請求項15】
前記熱接合するステップは、前記第2室を構成する前記第1シートの第1地点と前記第2室を構成する前記第2シートの第2地点を互いに熱接合するステップを含む、請求項14に記載の口腔風船の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は口腔挿入用装置、つまり、口腔内に挿入可能なエネルギー伝達特性制御チューブに関する。本発明は、より詳しくは、皮膚の表皮内部層に超音波またはRFを利用して刺激を加える超音波またはRF施術療法などを施術するに当たって、超音波の振動または熱蓄積などによって所望しない位置の皮膚及び骨組織に痛みが加えられることを防止するための口腔内に備えられるエネルギー伝達特性制御チューブに関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚に弾力を加えるか以前持っていた皮膚の弾力の程度に弾力を引き上げるために、ウルセラなど多様な超音波施術療法などが施術されている。
【0003】
このような超音波を利用して皮膚の弾力性を復元または増加させる施術療法は、弾力性を復元または増加させようとする部位の皮膚の表皮の内部層に超音波刺激を加え、新しい性質を有する細胞の再生を誘導することで、皮膚の弾力を引き上げることである。
【0004】
このような施術に使用される超音波はソナー(SONAR)に利用されるものと同じ超音波が使用されることが一般的である。各施術療法及び施術者の施術形態によって、使用される超音波が有する固有振動数などのため一定な状況で患者の施術部位に振動が加えられ得る。この際、患者が皮膚または骨組織に伝達される前記振動などによって痛みを感じるという施術の問題が存在している。
【0005】
よって、該当超音波を利用して皮膚の弾力性を復元または増加させる施術(主に顔面部位)をするに当たって、施術中の患者の痛み及び苦しみを低減するための、衛生的で患者の身体に簡単に設置可能な装置などが求められている。
【0006】
超音波以外にもRF(Radiofrequency)波動を利用して治療する他の施術過程でも熱エネルギーの伝達による患者の痛みを防止する装置、つまり、所望の位置に熱エネルギーが蓄積しないようにする装置が求められている。RF波動を利用して治療する他の施術として、サーマクールと呼ばれる方法がある。
【0007】
関連する先行技術としては特許文献1がある。この従来技術によると、マイクロニードルが皮膚の表皮層に挿入されて意図的な傷を誘発するようになる。前記マイクロノズルを介して高周波の出力及び超音波の振動が行われながら、真皮層には高いエネルギーが伝達されて、部分的(約9%)怪死による皮膚再生誘導効果が発生する。このような従来技術は皮膚の怪死を誘導した後、再生過程で弾力を有するようにすることを特徴とするが、施術過程中に超音波の振動または発熱をそのまま受ける施術対象者(患者)の状態に対する改善対策については前記従来技術に記載されていないことを確認し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国登録特許公報10-1401133号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が提示する手段または具体的な内容に基づいて、上述したような従来の超音波またはRFを利用して皮膚の弾力性を復元または増加させる施術(主に顔面部位)をするに当たって、施術中に患者が痛み及び苦しみを感じるという問題点を克服するための装置を提供し得る。
【0010】
詳しくは、施術対象者(患者)の口腔内に備えられるエネルギー伝達特性制御チューブを備えることで、患者の皮膚などに伝達される超音波振動が歯茎または頬骨などの骨組織に伝達されることを防止し、そしてRF波動によって所望しない部位に熱エネルギーが蓄積されることを防止し得る。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一観点による口腔風船は、流体を注入し得る流体袋と、前記流体袋に流体を注入するために形成される流体注入口と、を含み得る。
【0012】
この際、前記口腔風船は、第11流体膨張部と、第12流体膨張部と、前記第11流体膨張部と第12流体膨張部を互いに連結するブリッジ部と、を更に含み、前記流体袋は前記第11流体膨張部及び第12流体膨張部によって形成され得る。
【0013】
この際、前記流体袋は、前記第11流体膨張部、前記第12流体膨張部、及び前記ブリッジ部にわたって一体型に形成され得る。
この際、前記流体注入口は前記ブリッジ部に形成され得る。
この際、前記口腔風船は流体袋分離キャップを更に含み、前記流体袋に流体が詰められた際、前記流体袋の形態は前記流体袋分離キャップによって制限され得る。
【0014】
この際、前記流体袋分離キャップは合成樹脂からなり得る。
【0015】
この際、前記口腔風船は前記流体袋を形成する流体膨張部に連結されている挿入ガイド部を更に含むが、前記挿入ガイド部には前記口腔風船を口腔内に挿入するための補綴が形成され得る。
【0016】
この際、前記補綴は前記口腔風船を口腔内に挿入する際に実質的にその形状が維持され得る。
【0017】
この際、前記補綴は流体、合成樹脂、及び金属のうち一つ以上を含み得る。
【0018】
この際、前記第11流体膨張部と前記第12流体膨張部には前記口腔風船の中心部に向かって入口が形成されているポケットが形成され得る。ここで、前記口腔風船の中心部は前記口腔風船の重心を意味し得る。
【0019】
本発明の一観点によって上述した口腔風船を患者の顔面と口腔との間の空間に設置する方法は、前記流体袋を患者の口の中に配置するステップと、前記配置するステップの後、前記流体注入口を介して流体を注入して前記流体袋を膨張させるステップと、を含み得る。
【0020】
または、本発明の他の観点によって上述した口腔風船を患者の顔面と口腔との間の空間に設置する方法は、前記流体注入口を介して流体を注入して前記流体袋を膨張させるステップと、前記膨張させるステップの後、前記流体袋を患者の口の中に配置するステップと、を含み得る。
【0021】
本発明の他の観点による口腔風船200は、流体の注入が可能な第2室220と、前記第2室の一部縁を囲むように配置されている第1室210と、第3室から流体を供給されて前記第2室に流体を提供する流体移動通路240と、流体が詰められている第3室230と、を含み得る。この際、前記第1室には流体が詰められており、ユーザが前記第3室に圧力を加えると、前記第3室の流体が前記流体移動通路を介して前記第2室に供給されて前記第2室が膨張し得る。
【0022】
この際、前記第1室と前記第2室は分離されており、前記第1室と前記第3室も分離されており、前記第1室と前記第3室は前記流体移動通路と前記第2室を介して連結され得る。
【0023】
この際、前記第2室を構成する第1面の第1地点251と前記第2室を構成する第2面の第2地点252は互いに接合されており、前記第1地点と前記第2地点の接合によって前記第2室が膨張する際に前記第2室の立体的形状が決定され得る。
【0024】
この際、前記流体移動通路の一端部は前記第2室の縁のうち前記第1室によって囲まれていない縁の一部分に連結されており、前記流体移動通路の他端部は前記第3室の縁の一地点に連結され得る。
【0025】
本発明の一観点によって上述した口腔風船を製造するステップは、第1シートと第2シートを重ねて配置するステップと、前記第1室及び前記第3室に流体を入れる流体注入部を除いて前記第1室、前記第2室、前記第3室、及び前記流体移動通路が形成されるように熱接合するステップと、前記第1室と前記第3室にそれぞれ形成される前記流体注入部を介して流体を注入するステップと、前記第1室の流体注入部と前記第3室の流体注入部を熱接合して遮断するステップと、を含み得る。
【0026】
この際、前記熱接合するステップは、前記第2室を構成する前記第1シートの第1地点と前記第2室を構成する前記第2シートの第2地点を互いに熱接合するステップを含み得る。
【0027】
この際、前記第1シート及び前記第2シートは合成樹脂からなり得る。
【0028】
本発明の他の観点による口腔風船は、第1流体膨張部11と、第2流体膨張部12と、第3流体膨張部21と、第4流体膨張部22と、流体袋13であって、前記第1流体膨張部、前記第2流体膨張部、前記第3流体膨張部、及び前記第4流体膨張部の内部に形成されている前記流体袋と、前記流体袋に流体を注入するために形成される流体注入口14と、を含み得る。
【0029】
この際、前記口腔風船は、前記第1流体膨張部、前記第2流体膨張部、前記第3流体膨張部、及び前記第4流体膨張部を互いに連結するブリッジ部19を更に含み、前記流体袋は、前記第1流体膨張部、前記第2流体膨張部、前記第3流体膨張部、前記第4流体膨張部、及び前記ブリッジ部にわたって一体型に形成され得る。
【0030】
この際、前記流体注入口は前記ブリッジ部に形成され得る。
【0031】
この際、前記第1流体膨張部は患者の顔面と口腔との間の空間のうち右側上端に配置されるようになっており、前記第2流体膨張部は患者の顔面と口腔との間の空間のうち右側下端に配置されるようになっており、前記第3流体膨張部は患者の顔面と口腔との間の空間のうち左側上端に配置されるようになっており、そして前記第4流体膨張部は患者の顔面と口腔との間の空間のうち左側下端に配置されるようになり得る。
【0032】
この際、前記口腔風船は、前記第1流体膨張部と前記第2流体膨張部との間に形成される第1流体袋分離ギャップと、前記第3流体膨張部と前記第4流体膨張部との間に形成される第2流体袋分離ギャップと、を更に含み得る。
【0033】
この際、前記第1流体袋分離ギャップは第1流体膨張部と前記第2流体膨張部を連結する膜からなっており、前記第2流体袋分離ギャップは第3流体膨張部と前記第4流体膨張部を連結する膜からなり得る。
【0034】
この際、前記口腔風船は、一端部が前記ブリッジ部に連結されており、他端部が前記第1流体膨張部の外側端部及び前記第2流体膨張部の外側端部に連結される第1挿入ガイド部41と、一端部が前記ブリッジ部に連結されており、他端部が前記第3流体膨張部の外側端部及び前記第4流体膨張部の外側端部に連結される第2挿入ガイド部42と、を含み得る。
【0035】
この際、前記第1挿入ガイド部及び前記第2挿入ガイド部には、流体または可撓性材質からなる材料が充填されて形成される第1補綴物15を収容するための空間が形成され得る。
【0036】
この際、前記第1補綴物を収容するための空間に流体を注入するための第2流体注入口16が更に形成され得る。
【0037】
この際、前記第1流体膨張部及び前記第2流体膨張部のうち少なくとも一つ、そして前記第3流体膨張部及び前記第4流体膨張部のうち少なくとも一つには、前記口腔風船の中心部に向かって入口が形成されているポケットが形成され得る。
【0038】
この際、前記流体注入口は両端部を有する管状になっており、前記両端部のうち前記流体袋に連結されている第1端部から前記流体袋に連結されていない第2端部に行くほどその断面が広くなることを特徴とし得る。
【0039】
この際、前記流体注入口は管状になっており、前記流体注入口の開放端部は前記流体注入口の延長方向に対して斜めに切断されていることを特徴とし得る。
【0040】
この際、前記流体を通過する超音波エネルギーまたはRF波動エネルギーが前記流体を通過する間に前記超音波エネルギーまたは前記RF波動エネルギーが減少するようになっていることを特徴とし得る。
【0041】
本発明の他の観点によって前記口腔風船を患者の顔面と口腔との間の空間に設置する方法を提供し得る。前記口腔風船の設置方法は、前記第1流体膨張部を前記患者の口を介して前記空間のうち右側上端に配置し、前記第2流体膨張部は前記口を介して前記空間のうち右側下端に配置し、前記第3流体膨張部は前記口を介して前記空間のうち左側上端に配置し、前記4流体膨張部は前記口を介して前記空間のうち左側下端に配置するステップと、前記流体注入口に流体を注入して前記流体袋を膨張させるステップと、前記流体袋から前記流体が外に抜け出さないように前記流体注入口の一部分を曲げるステップと、を含み得る。
【0042】
本発明の他の観点によって前記口腔風船を患者の顔面と口腔との間の空間に設置する方法を提供し得る。前記口腔風船の設置方法は、前記第1挿入ガイド部を前記患者の口を介して前記空間の右側に挿入し、前記第2挿入ガイド部を前記口を介して前記空間の左側に挿入するステップと、前記流体注入口に流体を注入して前記流体袋を膨張させるステップと、を含み得る。
【0043】
本発明の他の観点によって前記口腔風船を患者の顔面と口腔との間の空間に設置する方法を提供し得る。前記口腔風船の設置方法は、前記第1挿入ガイド部を前記患者の口を介して前記空間の右側に挿入し、前記第2挿入ガイド部を前記口を介して前記空間の左側に挿入するステップと、前記第2流体注入口に流体を注入して前記第1補綴物を収容するための空間を膨張させるステップと、前記流体注入口に流体を注入して前記流体袋を膨張させるステップと、を含み得る。
【0044】
本発明の他の観点によって前記口腔風船を患者の顔面と口腔との間の空間に設置する方法を提供し得る。前記口腔風船の設置方法は、前記流体注入口に流体を注入して前記流体袋を膨張させるステップと、前記第1流体膨張部を前記患者の口を介して前記空間のうち右側上端に配置し、前記第2流体膨張部は前記口を介して前記空間のうち右側下端に配置し、前記第3流体膨張部は前記口を介して前記空間のうち左側上端に配置し、前記4流体膨張部は前記口を介して前記空間のうち左側下端に配置するステップと、前記流体袋から前記流体が外に抜け出さないように前記流体注入口の一部分を曲げるステップと、を含み得る。
【0045】
本発明の他の観点による口腔風船は、第11流体膨張部111と、第12流体膨張部112と、流体袋であって、前記第11流体膨張部及び前記第12流体膨張部の内部に形成されている前記流体袋113と、前記流体袋に流体を注入するために形成される流体注入口14と、を含み得る。
【0046】
この際、前記口腔風船は前記第11流体膨張部と前記第12流体膨張部を互いに連結するブリッジ部19を更に含み得る。この際、前記流体袋は前記第11流体膨張部、前記第12流体膨張部、及び前記ブリッジ部にわたって一体型に形成されており、前記流体注入口は前記ブリッジ部に形成され得る。
【0047】
この際、前記第11流体膨張部と前記第12流体膨張部には前記口腔風船の中心部に向かって入口が形成されているポケットが形成され得る。
【0048】
本発明の他の観点によって前記口腔風船を患者の顔面と口腔との間の空間に設置する方法を提供し得る。前記口腔風船の設置方法は、前記第11流体膨張部を前記患者の口を介して前記空間のうち右側に配置し、前記第12流体膨張部は前記口を介して前記空間のうち左側に配置するステップと、前記流体注入口に流体を注入して前記流体袋を膨張させるステップと、前記流体袋から前記流体が外に抜け出さないように流体注入口の一部分を曲げるステップと、を含み得る。
【0049】
本発明の他の観点によって前記口腔風船を患者の顔面と口腔との間の空間に設置する方法を提供し得る。前記口腔風船の設置方法は、前記流体注入口に流体を注入して前記流体袋を膨張させるステップと、前記第11流体膨張部を前記患者の口を介して前記空間のうち右側に配置し、前記第12流体膨張部は前記口を介して前記空間のうち左側に配置するステップと、前記流体袋から前記流体が外に抜け出さないように前記流体注入口の一部分を曲げるステップと、を含み得る。
【発明の効果】
【0050】
上述したような構成上の特徴によって、本発明は施術対象者(患者)の口腔内に備えられる超音波及びRF波動のエネルギーの伝達特性制御チューブを備えることで、患者の皮膚などに伝達される超音波及びRF波動のエネルギーが歯、歯茎、または頬骨などの骨組織に伝達されることを防止する効果が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1】本発明の一実施例を示すエネルギー伝達制御装置の平面図である。
【
図2】
図1に示したエネルギー伝達制御装置を口腔内に挿入する際、患者の顔とエネルギー伝達制御装置の相対的な位置を示す図である。
【
図3a】互いに異なる実施例によるエネルギー伝達制御装置の全体的な構成及び流体袋分離ギャップの導入目的を説明するための図である。
【
図3b】互いに異なる実施例によるエネルギー伝達制御装置の全体的な構成及び流体袋分離ギャップの導入目的を説明するための図である。
【
図3c】互いに異なる実施例によるエネルギー伝達制御装置の全体的な構成及び流体袋分離ギャップの導入目的を説明するための図である。
【
図3d】互いに異なる実施例によるエネルギー伝達制御装置の全体的な構成及び流体袋分離ギャップの導入目的を説明するための図である。
【
図4】本発明の変形された一実施例によるエネルギー伝達制御装置の構造を示す図である。
【
図5】本発明の変形された他の実施例によるエネルギー伝達制御装置の構造を示す図である。
【
図6】本発明を完成するために着案した多様なアイディアによる結果物を示す図である。
【
図7】本発明を完成するために着案した多様なアイディアによる結果物を示す図である。
【
図8】本発明を完成するために着案した多様なアイディアによる結果物を示す図である。
【
図9】本発明を完成するために着案した多様なアイディアによる結果物を示す図である。
【
図10】本発明の一実施例によってポケットが形成されているエネルギー伝達制御装置を示す図である。
【
図11】本発明の一実施例によって提供されるエネルギー伝達制御装置の形状を図案化した画像である。
【
図12】本発明の一実施例によるエネルギー伝達制御装置を示す図である。
【
図13】
図12のエネルギー伝達制御装置1においてH-Hを切断した断面図である。
【
図14】本発明の一実施例による流体注入口14の開放端部の最適な形態を説明するための図である。
【
図15】本発明の他の実施例による口腔風船の正面図である。
【
図16】本発明の一実施例による口腔風船の製造方法を説明するための順序図である。
【
図17】本発明の一実施例によって口腔風船を構成する第1シート及び第2シートを示す図である。
【
図18a】本発明の一実施例によって第2室に流体が詰められていない状態の口腔風船の正面図である。
【
図18b】本発明の一実施例によって第2室に流体が詰められている状態の口腔風船の正面図である。
【
図19】本発明の一実施例によって第2室に流体が詰められている状態の口腔風船の第1室と第2室を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下、本発明の一部の実施例を例示的な図面を介して詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付けるに当たって、同じ構成要素に対してはたとえ他の図面上に示されていても、できるだけ同じ符号を付けるようにしていることに留意してほしい。また、本発明の実施例を説明するに当たって、関連する公知構成または機能に関する具体的な説明が本発明の実施例に関する理解を妨げると判断されれば、その詳細な説明は省略し得る。
また、本発明の実施例の構成要素を説明するに当たって、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することがある。このような用語はその構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語によって該当構成要素の本質や順番などは限られない。ある構成要素が他の構成要素に「接続」、「連結」、「結合」、または「接続」すると記載されている場合、その構成要素はその他の構成要素に直接連結されるか接続され得るが、各構成要素の間に他の構成要素が「連結」、「結合」または「接続」され得るとも理解すべきである。
【0053】
図1は、本発明の一実施例を示すエネルギー伝達制御装置の平面図である。
【0054】
図2は、
図1に示したエネルギー伝達制御装置を口腔内に挿入する際、患者の顔とエネルギー伝達制御装置の相対的な位置を示す図である。
図2は、
図1に示したエネルギー伝達制御装置1が患者の歯の外側の面と唇との間、そして、患者の歯の外側の面と頬(cheek)の内表面との間に挿入されている状態の理解を助けるための図である。
【0055】
エネルギー伝達制御装置1は衝撃波伝達特性制御チューブ1または口腔風船1とも称され得る。
【0056】
【0057】
エネルギー伝達制御装置1は、4つの流体膨張部11、12、21、22と、流体袋13と、ブリッジ部19と、流体注入口14とを含む装置であって、合成樹脂を含んでなり得る。
【0058】
流体袋13は流体膨張部にわたって延長され得る。
【0059】
理解を助けるための一実施例を説明すると、エネルギー伝達制御装置1は薄い2枚の合成樹脂(例えば、ビニル)を2枚重ねてその縁を互いに接合して製造され得るが、前記2枚の合成樹脂のうち互いに対して取り付いていない面の間の空間が前記流体袋13を形成し得る。
図1に提示された点線は流体袋13の外郭境界部を示す。本発明はこのような例示に限定されない。
【0060】
第1流体膨張部11は患者の頬/顎の皮膚組織の内側表面と歯茎との間の空間のうち、特に右上側部分に挿入されるようになり得る。前記右上側部分は患者の立場から記述したものであり、施術者の立場では左上側部分である。
【0061】
第2流体膨張部12は患者の頬/顎の皮膚組織の内側表面と歯茎との間の空間のうち、特に右下側部分に挿入されるようになり得る。第3流体膨張部21は患者の頬/顎の皮膚組織の内側表面と歯茎との間の空間のうち、特に左上側部分に挿入されるようになり得る。第4流体膨張部22は患者の頬/顎の皮膚組織の内側表面と歯茎との間の空間のうち、特に左下側部分に挿入されるようになり得る。
【0062】
流体袋13はそれぞれの流体膨張部11、12、21、22にわたって連結される形状に提供され得る。
【0063】
エネルギー伝達制御装置1を口腔に挿入する前の状態では、流体袋13には流体が注入されていない状態であり得る。
【0064】
図2に示したように、エネルギー伝達制御装置1を口腔に挿入した後、流体注入口14を介して流体、例えば、空気または液体を流体袋13に注入し得る。例えば、注射器2を流体注入口14に差し込んで流体を注入し得る。流体が流体注入口14に注入されたら、流体膨張部11、12、21、22は膨張し得る。
【0065】
または、エネルギー伝達制御装置1の流体注入口14に流体を注入して流体袋13を膨張させた後、エネルギー伝達制御装置1を口腔に挿入してもよい。この際、
図2のように、第1流体膨張部11を前記患者の口を介して口腔の間の空間のうち右側上端に配置し、第2流体膨張部12は前記口を介して前記空間のうち右側下端に配置し、第3流体膨張部21は前記口を介して前記空間のうち左側上端に配置し、そして、第4流体膨張部22を前記口を介して前記空間のうち左側下端に配置し得る。この際、流体袋13から前記流体が外に抜け出さないように流体注入口14の一部分を曲げ得る。
【0066】
好ましい一実施例において、膨張された流体膨張部11、12、21、22は、図示していない別途の医療用装置を利用した超音波施術またはRF波動施術が加えられる顔の皮膚領域にわたって配置される形状を有し得る。
【0067】
超音波施術中、流体膨張部11、12、21、22に注入されている流体に到達した超音波は前記流体にそのエネルギーを伝達するようになるため、エネルギー伝達制御装置1の内側に存在する患者の歯茎及び骨組織などに到達する超音波エネルギーは減少するようになる。
【0068】
この場合、例えば、前記流体は前記超音波エネルギーによって加熱されてもよい。流体は、例えば、空気または液体であり得る。
【0069】
ブリッジ部19は流体注入口14を介して注入された流体が最初に到達する部分であって、ブリッジ部19にも流体袋13の一部分が提供されている。ブリッジ部19は第1流体膨張部11、第2流体膨張部12、第3流体膨張部21、及び第4流体膨張部22を互いに連結する機能を提供し得る。
【0070】
ブリッジ部19は有意味な体積を有してもよいが、実質的に体積がほとんどなくてもよい。つまり、一実施例において、ブリッジ部19は第1流体膨張部11、第2流体膨張部12、第3流体膨張部21、及び第4流体膨張部22が互いに連結される地点であって、第1流体膨張部11、第2流体膨張部12、第3流体膨張部21、及び第4流体膨張部22と互いに区分するために提示した概念的な構成要素に過ぎないのであり得る。
【0071】
しかし、後述する流体注入口14がブリッジ部19に形成される場合、ブリッジ部19は前記流体注入口14を形成するための最小限の体積を有してもよい。
【0072】
流体注入口14はブリッジ部19の一地点に形成され得る。流体注入口14は、例えば、与えられた長さを有する可撓性の管状に提供され得る。流体注入口14の終端部には流体を挿入するための機構、例えば、注射器2の針が取り付けられるようになり得る。流体の注入が完了された後、流体注入口14を簡単に縛るかまたは曲げることで、注入された流体が更に外に抜け出さないようにし得る。
【0073】
他の実施例において、流体注入口14はブリッジ部19ではない部分、例えば、第1流体膨張部11、第2流体膨張部12、第3流体膨張部21、及び第4流体膨張部22のうちいずれか一つに形成されていてもよい。
【0074】
エネルギー伝達制御装置1を口腔に挿入した後、患者が唇をつぐむと流体注入口14のみが唇の外に露出されてもよい。
【0075】
図2で確認できるように、ブリッジ部19は患者の唇の内側面と前歯の外側面との間に配置され得る。前記超音波施術を唇ではなく頬/顎、及びその周囲の顔の皮膚に行い、唇には行わない場合において、超音波が到達しない唇の内側に存在する流体袋13の部分が過度に膨張されれば患者の唇部分に不必要な不便を引き起こすようになる。よって、ブリッジ部19に存在する流体袋13の体積はできるだけ小さく設計され得る。
【0076】
図3a乃至
図3dは、互いに異なる実施例によるエネルギー伝達制御装置の全体的な構成及び流体袋分離ギャップ31の導入目的を説明するための図である。
【0077】
図3aは、本発明の他の実施例によって、
図1とは異なって患者の右側の頬/顎の口腔内側に挿入される流体膨張部、及び患者の左側の頬/顎の口腔内側に挿入される流体膨張部がそれぞれ上下2つに分離されずに一つに一体型になっている形態を示す図である。
【0078】
図3aの(a)は流体袋13に流体が注入された状態の平面図であり、
図3aの(b)は
図3aの(a)においてC-Cを切断した断面図である。
【0079】
エネルギー伝達制御装置1’は、第11流体膨張部111と、第12流体膨張部112と、流体袋113と、流体注入口14と、ブリッジ部19とを含み得る。
【0080】
流体袋113は第11流体膨張部111、第12流体膨張部112の内部に形成され得る。
【0081】
流体注入口14は流体袋113に流体を注入するために形成され得る。
【0082】
ブリッジ部19は第11流体膨張部111と第12流体膨張部112を互いに連結し得る。
【0083】
流体袋113は第11流体膨張部111、第12流体膨張部112、及びブリッジ部19にわたって一体型に形成され得る。
【0084】
この際、流体注入口14はブリッジ部19が形成され得る。
【0085】
図2で上述した通り、
図3の(a)のエネルギー伝達制御装置1’を患者の顔面と口腔との間の空間に設置する方法は以下のような順に行われ得る。
【0086】
まず、第11流体膨張部111を前記患者の口を介して前記空間のうち右側に配置し、第12流体膨張部112は前記口を介して前記空間のうち左側に配置し得る。次に、流体注入口14に流体を注入して流体袋113を膨張させ得る。最後に、流体袋113から前記流体が外に抜け出さないように流体注入口14の一部分を曲げ得る。
【0087】
または、
図3の(a)のエネルギー伝達制御装置1’を患者の顔面と口腔との間の空間に設置する方法は以下のような順に行われ得る。
【0088】
まず、流体注入口14に流体を注入して流体袋113を膨張させ得る。次に、第11流体膨張部111を前記患者の口を介して前記空間のうち右側に配置し、第12流体膨張部112は前記口を介して前記空間のうち左側に配置し得る。最後に、流体袋113から前記流体が外に抜け出さないように流体注入口14の一部分を曲げ得る。
【0089】
図3bは、
図1のように患者の右側頬/顎の口腔内側に挿入される流体膨張部が流体袋分離ギャップ31によって上下2つに分離された形態、及び患者の左側頬/顎の口腔内側に挿入される流体膨張部が流体袋分離ギャップ32によって上下2つに分離された形態を示す図である。
【0090】
図3bの(a)は流体袋13に流体が注入された状態の平面図であり、
図3bの(b)は
図3bの(a)においてA-Aを切断した断面図である。
【0091】
図3aのエネルギー伝達制御装置1’とは異なって、
図3bのエネルギー伝達制御装置1には空き空間で形成される流体袋分離ギャップ31の構成が存在する。
図3aのように流体袋分離ギャップなしに流体袋13が形成されても患者の口腔内痛みを防止するのに役に立つが、
図3bのように流体袋分離ギャップが構成が追加されればその効果が更に増大され得る。
【0092】
それではこのような流体袋分離ギャップ31がより効果的な理由及びその導入目的を
図3a及び
図3bを共に参照して説明する。
【0093】
上下中心ラインL1を基準に眺める際、
図3aに示したエネルギー伝達制御装置1’の場合は流体が注入された状態で上下中心ラインL1における流体袋の厚さD2が大きくなるが、この際、上下中心ラインL1の部分が患者の施術部位を押圧するようになり、押圧を不便に感じる患者が存在し得る。
【0094】
それに対し、上下中心ラインL1を基準に眺める際、
図3bに示したエネルギー伝達制御装置1の場合は流体が注入された状態で上下中心ラインL1における流体袋の厚さD1事実上非常に薄いため、上下中心ラインL1の部分が患者の施術部位を押圧するという問題が解決される。また、流体袋分離ギャップ31を導入することで第1流体膨張部11、第2流体膨張部12、第3流体膨張部21、及び第4流体膨張部22それぞれの最大の厚さが自然に小さくなり、口腔内にエネルギー伝達制御装置1が挿入されて流体袋が膨張しても患者の不便が減るという効果がある。
【0095】
図1及び
図3cを調べると、第1流体膨張部11と第2流体膨張部12との間には流体袋分離ギャップ31が提供されている。また、第3流体膨張部21と第4流体膨張部22との間にも流体袋分離ギャップ31が提供されている。
図1の例では前記流体袋分離ギャップ31が第1流体膨張部11と第2流体膨張部12との間の空間を意味する。
図3cの例において、前記流体袋分離ギャップ31が第1流体膨張部11と第2流体膨張部12との間に形成される薄い膜(membrane)を意味し得る。前記膜も同じく合成樹脂からなり得る。
【0096】
上述したように、
図1及び
図3cに提示した流体袋分離ギャップ31を導入することで所定の技術的効果を達成し得るという点を理解し得る。
【0097】
更に
図3cを調べると、流体袋分離ギャップ31によって第1流体膨張部11と第2流体膨張部12が互いに分離されている上下幅はW1と提示されている。前記上下幅W1には流体が提供されないため、流体袋分離ギャップ31部分の皮膚に超音波施術をする場合、超音波エネルギーが患者の歯茎及び骨組織にそのまま到達し得る。よって、上下幅W1を最小化することが好ましいのであり得る。
【0098】
一方、
図3cを参照すると、第1流体膨張部11と第2流体膨張に形成される流体袋31の縁に沿って湾曲線X-Yが定義され得る。湾曲線X-Yはエネルギー伝達制御装置1の左側縁から中心部に向かって窪んだ形状に提供される。前記湾曲線X-Yは
図3a及び
図3bを介して説明した発明の改善された効果を達成するために提供される構成的特徴である。
【0099】
図3dに示したように湾曲線X-Yの曲率及び形態は多様に設計され得るが、いかなる形態を有するにもかかわらず、このような構成によって上述した流体袋分離ギャップ31に対応する構成が提供され、そして、流体袋分離ギャップ31に対応する構成によって流体膨張部の過度な膨張幅を防止する効果があるのであれば本発明の範囲に属するとみなせる。
【0100】
また、
図1に提示した実施例によると、前記ブリッジ部19を中心に左側には2つの互いに区分される第1流体膨張部11及び第2流体膨張21が提供されているが、前記左側に追加の異なる第3の流体膨張部が更に提供されてもよい。この際、前記第3の流体膨張部と第1流体膨張部11または第2流体膨張12との間には、上述した流体袋分離ギャップ31に対応する分離ギャップ構造が更に提供され得る。つまり、ブリッジ部19を中心に左側または右側に上下方向に互いに区分される2つまたは3つ以上の流体膨張部が存在する構成はいずれも本発明の概念に含まれる。
【0101】
一実施例において、第3流体膨張部21及び第4流体膨張部22は第1流体膨張部11及び第2流体膨張部12にそれぞれ対称な形態であり得る。よって、第3流体膨張部21と第4流体膨張部22との間の分離ギャップ31の構造は、第1流体膨張部11及び第2流体膨張部12を基準に上述した湾曲線X-Yを含む分離ギャップ31の構造と同じく適用されることを理解し得る。
【0102】
図1において、前記ブリッジ部19の左右幅が0ではないと示したが、本発明はこれに限らない。前記ブリッジ部19は流体注入口14が形成されている部分または連結される部分であって、実質的な体積を有するため、それを表現するために導入された用語である。
【0103】
前記流体注入口14は
図1では長い管と表現したが、実質的に前記管の長さが0に近い実施例も本発明の概念に含まれる。管の長さが0である場合、前記流体注入口14は単純に開口部として存在し得る。
【0104】
また、前記流体注入口14が
図1ではエネルギー伝達制御装置1の中心部に一つ形成されるとなっているが、実施例によっては流体注入口14に流体を注入し得る位置であればいかなる位置にも形成されてもよく、2つ以上の流体注入口14が形成されてもよい。このような変形例はいずれも本発明に含まれる。
【0105】
本発明の変形された実施例において、第1流体膨張部11、第2流体膨張部12、第3流体膨張部21、第4流体膨張部22が一つの流体袋13によって互いに連結されていなくてもよい。つまり、例えば、第1流体膨張部11及び第2流体膨張部12は一つの第1流体袋13_1によって互いに空き空間が連結されており、第3流体膨張部21及び第4流体膨張部22は一つの第2流体袋13_2によって互いに空き空間が連結されていてもよい。この際、前記第1流体袋13_1と第2流体袋13_2は互いに隔離されてい得る。この際、流体注入口14は前記第1流体袋13_1と第2流体袋13_2にそれぞれ別個に設置されてもよい。
【0106】
図4は、本発明の変形された一実施例によるエネルギー伝達装置1の構造を示す図である。
【0107】
図4に示したエネルギー伝達制御装置1は基本的に
図1に示したエネルギー伝達制御装置1の構造を含み、ここに追加の構成要素が付加されたものである。以下、
図4を説明するに当たって、
図1と重複する内容の説明は省略し得る。
【0108】
エネルギー伝達制御装置1は流体を注入する前は基本的に非常にぐずぐずな状態であるため、それを患者の口腔内に挿入した後、流体膨張部11、12、21、22が必要な位置に位置づけられるようにするためには非常に大きな努力が必要である。つまり、施術者がぐずぐずな状態の流体膨張部を取って患者の口の中をかき回さなければならないため時間と手間がかかり、患者に非常に大きな不快感を与える恐れがある。
図4はこのような問題を解決するための本発明の一実施例による追加構成を示す図である。
【0109】
図4の(a)はエネルギー伝達制御装置1のブリッジ部19にのみ流体注入口14が提供される場合を示し、
図4の(b)はエネルギー伝達制御装置1の第1挿入ガイド部41及び第2挿入ガイド部42にもそれぞれ第2流体注入口16が提供される場合を示している。
【0110】
【0111】
エネルギー伝達制御装置1は第1挿入ガイド部41と第2挿入ガイド部42とを更に含み得る。第1挿入ガイド部41及び第2挿入ガイド部42はそれぞれ上述した流体袋分離ギャップ31の位置に追加に配置されたものであり得る。
【0112】
第1挿入ガイド部41の一端部はブリッジ部19に連結されており、第1挿入ガイド部41の他端部は第1流体膨張部11及び第2流体膨張部12の右側端部(患者の立場から眺めた際)に連結されている。
【0113】
第1挿入ガイド部41と第1流体膨張部11との間には第2流体袋分離ギャップ32が形成されており、第1挿入ガイド部41と第2流体膨張部12との間には第3流体袋分離ギャップ33が形成され得る。第2流体袋分離ギャップ32は空き空間であるか、または第1流体膨張部11及び第1挿入ガイド部41に連結される薄い膜であり得る。第3流体袋分離ギャップ33は空き空間であるか、または第2流体膨張部12及び第1挿入ガイド部41に連結される薄い膜であり得る。
【0114】
前記第2流体袋分離ギャップ32及び前記第3流体袋分離ギャップ33は、前記流体袋分離ギャップ31が前記第1挿入ガイド部41によって分離されていることを指す用語であり得る。よって、前記第2流体袋分離ギャップ32及び前記第3流体袋分離ギャップ33を通称して前記流体袋分離ギャップ31と称してもよい。
【0115】
第1挿入ガイド部41にはエネルギー伝達制御装置1を口腔内に容易に挿入するための第1補綴15が形成され得る。
【0116】
第1補綴15は流体である。この際、前記流体は第1挿入ガイド部41をその内部から外側方向にきりきりと膨らませるようにすることで、外部から第1挿入ガイド部41に加えられる力にも関わらず、第1挿入ガイド部41がその形状を維持するようにし得る。前記流体はエネルギー伝達制御装置1の生産過程で予め挿入されているものであってもよい。または、
図4の(b)に説明するように、施術過程で挿入されるものであってもよい。
【0117】
または、前記第1補綴15は流体ではなく、その形状維持が可能でありながらも弾性を有する合成樹脂または金属と結合された合成樹脂であってもよい。
【0118】
第1補綴15が流体である場合において、第1補綴15が占める空間は流体袋13と互いに連結されておらずに分離されている。
【0119】
第2挿入ガイド部42も第1挿入ガイド部41と同じ構成を有しているため、それに関する詳細な説明は省略する。
【0120】
図4の(b)は
図4の(a)から変形された実施例である。
【0121】
前記第1補綴15が流体である場合、第1補綴15はエネルギー伝達制御装置1の生産過程で挿入されずに、使用過程で施術者によって形成されてもよい。そのために、第1挿入ガイド部41及び第2挿入ガイド部42にもそれぞれ第2流体注入口16が提供され得る。
【0122】
第2流体注入口16は第1補綴15、つまり、流体が注入されるべき空間(つまり、第1挿入ガイド部41及び第2挿入ガイド部42)と連結される。前記空間は上述した流体袋13とは分離された空間である。
【0123】
施術者がエネルギー伝達制御装置1を患者の口腔内に挿入する前に、まず、第2流体注入口16を介して流体を注入し得る。
【0124】
次に、施術者がエネルギー伝達制御装置1を患者の口腔内に挿入するために第1挿入ガイド部41を患者の右側口腔部に押し込み、第2挿入ガイド部42を患者の左側口腔部に押し込み得る。この際、ぐずぐずな状態の流体膨張部11、12は第1挿入ガイド部41についていき、ぐずぐずな状態の流体膨張部21、22は第2挿入ガイド部42について行き得る。
【0125】
次に、施術者は流体注入口14を介して流体袋13に流体を注入することで流体膨張部11、12、21、22を膨張させ得る。
【0126】
図5は、本発明の変形された他の実施例によるエネルギー伝達装置1の構造を示す図である。
【0127】
図5に示したエネルギー伝達制御装置1は基本的に
図1に示したエネルギー伝達制御装置1の構造を含み、ここに追加の構成要素が付加されたものである。以下、
図5を説明するに当たって、
図1と重複する内容の説明は省略し得る。
【0128】
図5の(a)は流体膨張部にポケットが形成されているエネルギー伝達制御装置1を示す図である。
【0129】
図5の(a)に示したように、エネルギー伝達制御装置1は流体膨張部11、12、21、22を含み得る。各流体膨張部11、12、21、22にはポケット71、72、73、74が形成されてい得る。前記ポケットはまるでパンツのポケットのような形状であって、エネルギー伝達制御装置1の中心部に向かってポケットの挿入孔が形成されている。
【0130】
図5の(b)は前記ポケット71、72、73、74に差し込まれ得るへら部81、82、83、84を有するトング8を示す図である。
【0131】
トング8は左側へら部91と、右側へラブ93と、ハンドル92とを含み得る。
【0132】
左側へラ部91は第1左側へラ部81と第2左側へら部82とを含み得る。右側へラ部93は第1右側へラ部83と第2右側へら部84とを含み得る。
【0133】
各へら部81、82、83、84は各ポケット71、72、73、74に差し込まれ得るようになっている。つまり、第1左側へら部81は第1ポケット71に差し込まれ得るようになっており、第2左側へら部82は第2ポケット72に差し込まれ得るようになっており、第1右側へら部83は第3ポケット73に差し込まれ得るようになっており、第2右側へら部84は第4ポケット74に差し込まれ得るようになり得る。
【0134】
トング8は挿入器具8と称されてもよい。
【0135】
図5の(C)は
図5の(b)に示したトング8の斜視図である。
【0136】
ハンドル92の左右長さVD(つまり、左側へら部91の開始地点であって同時にハンドル92の終了地点である第1地点と右側へら部93の開始地点であって同時にハンドル92の終了地点である第2地点との間の長さ)は、施術者の手で握られる力によって調節され得る。
【0137】
以下、施術者がエネルギー伝達制御装置1を患者の口腔内に挿入し、エネルギー伝達制御装置1を使用するための準備過程について説明する。
【0138】
まず、施術者がエネルギー伝達制御装置1を患者の口腔内に挿入する前に、へら部81、82、83、84を各ポケット71、72、73、74に差し込み得る。
【0139】
次に、施術者がエネルギー伝達制御装置1が結合されたトング8の前記左右長さVDが減少するように力を加えて、エネルギー伝達制御装置1を患者の口腔に挿入し得る。次に、施術者がエネルギー伝達制御装置1が結合されたトング8に加えていた力を抜いて前記左右長さVDが自然に増加するようにし得る。エネルギー伝達制御装置1が患者の口腔で広げられたと判断されれば、施術者はトング8の前記左右長さVDを更に減少させるように力を加えて、トング8の模様を変形しながらトング8を口腔から除去し得る。
【0140】
次に、施術者は流体注入口14を介して流体袋13に流体を注入することで流体膨張部11、12、21、22を膨張させ得る。
【0141】
図6乃至
図9は、本発明を完成するために着案した多様なアイディアによる結果物を示す図である。
【0142】
図6は、本発明の一実施例によってエネルギー伝達制御装置1にポケットが形成されている場合と形成されていない場合の前後の様子を示す図である。
【0143】
図6の(a)はポケット70が形成されているエネルギー伝達制御装置1の平面図であり、
図6の(b)はポケット70が形成されているエネルギー伝達制御装置1の背面図であり、
図6の(c)はポケット70が形成されていないエネルギー伝達制御装置1の平面図であり、
図6の(d)はポケット70が形成されていないエネルギー伝達制御装置1の背面図である。
【0144】
図7は、本発明の一実施例によって、エネルギー伝達制御装置にポケットが形成されている場合と形成されていない場合それぞれにおいて、エネルギー伝達制御装置が膨らむ前の様子及び膨らんだ後の様子を示す図である。
【0145】
図7の(a)はポケット70が形成されているエネルギー伝達制御装置1が膨らむ前を示す図であり、
図7の(b)はポケット70が形成されているエネルギー伝達制御装置1が膨らんだ後を示す図であり、
図7の(c)はポケット70が形成されていないエネルギー伝達制御装置1が膨らむ前を示す図であり、
図7の(d)はポケット70が形成されていないエネルギー伝達制御装置1が膨らんだ後を示す図である。
【0146】
図8は、本発明の一実施例によるトングの様子を示す図である。
【0147】
図8の(a)はトング8’の正面図であり、
図8の(b)はトング8’の側面図であり、
図8の(c)はトング8’の斜視図である。
【0148】
図5ではトング8のへら部が4つの実施例で説明したが、これとは異なって、
図8ではトング8’のへら部が2つの場合も可能であることが分かる。
【0149】
図9は、本発明の一実施例によって多様な角度から眺めたエネルギー伝達制御装置にトングが挿入されている様子を示す図である。
【0150】
図6、
図7、及び
図9におけるエネルギー伝達制御装置1には左側の流体膨張部と右側の流体膨張部にそれぞれ複数個の流体袋分離ギャップ31が提供されている。
【0151】
図6乃至
図9に示した互いに異なる形態のエネルギー伝達制御装置である各結果物はそれぞれの機能による長所と短所を有し得る。
【0152】
図10は、本発明の一実施例によってポケット70が形成されているエネルギー伝達制御装置1’を示す図である。
【0153】
エネルギー伝達制御装置1’の第11流体膨張部111と第12流体膨張部112には前記エネルギー伝達制御装置1’の中心部に向かって入口が形成されているポケット70が形成され得る。
【0154】
図11は、本発明の一実施例によって提供されるエネルギー伝達制御装置1の形状を図案化した画像である。
【0155】
図11のように、エネルギー伝達制御装置の流体膨張部の形状及び流体注入口の形状は多様であり得る。
【0156】
図12は、本発明の一実施例によるエネルギー伝達装置1を示す図である。
【0157】
上述したように、流体注入口14を介して注入された流体はブリッジ部19に到達する。ブリッジ部19にも流体袋13の一部分が提供されており、ブリッジ部19を通過した流体は流体膨張部11、12、21、22に移動する。
【0158】
図13は、
図12のエネルギー伝達制御装置1においてH-Hを切断した断面図である。
【0159】
図13の(a)は本発明の一実施例による流体注入口14を示す図であり、
図13の(b)は本発明の他の実施例による流体注入口14を示す図である。
【0160】
図13の(a)と
図13の(b)は流体注入口14を介して流体が注入された後、流体が更に流体注入口14の外に漏れないように曲げる際、曲げやすく形成された流体注入口14を説明するための図である。
【0161】
以下、
図12及び
図13を共に参照して流体注入口14の断面の形状について説明する。
【0162】
流体注入口14は両端部を有する管状になり得る。この際、
図13の(a)のように、流体注入口14の前記両端部のうちブリッジ部19の流体袋13に連結された第1端部141から流体袋13に連結されていない第2端部142に行くほどその断面が広くなり得る。この際、ブリッジ部19の流体袋13に連結された第1端部141はその断面が狭いため、流体が流体注入口14を介して注入された後、第1端部141の方向の流体注入口14が容易に曲げられ得る。
【0163】
または、
図13の(b)のように、流体注入口14は第1注入部143と第2注入部144に区分され得る。
【0164】
第1注入部143の一端部はブリッジ部19の流体袋13に連結されており、他端部は第2注入部144の一端部に連結され得る。この際、第2注入部144の他端部に流体が先に注入され得る。
【0165】
第1注入部143の直径R1は第2注入部144の直径R2より小さく形成され得る。つまり、第1注入部143と第2注入部144との間には段差が形成され得る。それによって、第1注入部143は曲げられやすい状態になるため、流体が流体注入口14を介して注入された後、第1注入部143の一部分を曲げることで流体が流体注入口14から漏れないようにし得る。
【0166】
図14は、本発明の一実施例による流体注入口14の開放端部の最適な形態を説明するための図である。
【0167】
図14の(a)は流体注入口14の開放端部142がブリッジ部19と平行するように切断されたことを示す図であり、
図14の(b)は流体注入口14の開放端部142が流体注入口14の延長方向に対して斜めに切断されたことを示す図である。
【0168】
図14の(a)よりは
図14の(b)のように、流体注入口14の開放端部142が斜めに切断された際、例えば、注射器のような流体注入道具を前記開放端部142に挿入しやすいということを理解し得る。
【0169】
この際、
図12乃至
図14において、流体注入口14の長さは説明の便宜上短く示されているが、流体を注入してから流体注入口14を曲げる際、流体注入口14自体の重さのため流体注入口14の通路が自動的に塞がれるように流体注入口14の長さを長く形成し得る。
【0170】
図15は、本発明の他の実施例による口腔風船の正面図である。
【0171】
口腔風船200は、第1室210と、第2室220と、第3室230と、流体移動通路240とを含み得る。本明細書において、「室」は「ルーム」または「空間」に称されてもよい。よって、第1室、第2室、及び第3室はそれぞれ第1ルーム、第2ルーム、及び第3ルームと称され得る。または、前記第1室、第2室、及び第3室はそれぞれ第1空間、第2空間、及び第3空間と称され得る。
【0172】
第1室210及び第2室220は人の唇(及ぼ頬)の内壁と歯との間の空間に挿入され得る。
【0173】
第1室210及び第2室220は一つの組であって、人の両頬に各一組が配置されるようになってい得る。例えば、第1室211及び第2室221を含む一組は人の左側頬の内壁と左側歯との間の空間に配置され、第1室212及び第2室222を含む他の一組は人の右側頬の内壁と右側歯との間の空間に配置され得る。
【0174】
この際、第2室220は本明細書において流体袋13と称されてもよい。そして、例えば、左側の第2室221は第11流体膨張部111と称され、右側の第2室222は第12流体膨張部112と称され得る。つまり、第2室220は前記第11流体膨張部及び前記第12流体膨張部によって形成され得る。
【0175】
第1室210は第2室220の一部縁を囲むように配置され得る。この際、第1室210と第2室220は完全に分離され得る。
【0176】
この際、第1室210には流体が詰められ得る。前記流体は本明細書において補綴と称され得る。前記補綴は口腔風船200を口腔内に挿入する際に実質的にその形状が維持されるものであり得る。この際、前記補綴は流体、合成樹脂、及び金属のうち一つ以上を含み得る。
【0177】
第1室210に詰めされている流体は第1室210が第2室220と分離されているため、第2室220に移動しないのであり得る。この際、第2室220には流体が詰められてないのであり得る。
【0178】
口腔風船200は第1室210に流体が予め詰められた状態で製造されるが、これは口腔風船200を口腔内に容易に挿入するのに役に立つようにするためである。第1室210は本発明において「挿入ガイド部」と称され得る。
【0179】
第2室220の縁のうち前記第1室210に囲まれない部分には、第3室230から流体を供給されるための流体移動通路240が形成され得る。
以下、流体移動通路240を説明する前に、まず第3室230について説明する。
第1室210と第3室230は完全に分離され得る。
【0180】
この際、第3室230には第1室210と同じく流体が詰められ得る。つまり、口腔風船200を製造する際、第3室230は流体が詰められた状態で製造され得る。
【0181】
第2室220と第3室230は上述したように流体移動通路240を介して互いに連結され得る。
【0182】
よって、第1室210と第3室230は流体移動通路240及び第2室220を介してのみ連結され得る。
【0183】
流体移動通路240は、左側の第2室221側に連結される第1流体移動通路241と、右側の第2室222側に連結される第2流体移動通路242と、第3室230側に連結される第3流体移動通路243とを含み得る。
【0184】
本明細書において、第1流体移動通路241及び第2流体移動通路242は通称して「ブリッジ部」と称され得る。そして、第1流体移動通路241、第2流体移動通路242、及び第3流体移動通路243は正面から眺めた様子が「Y」の字状の形態を有し得る。前記ブリッジ部は左側の第2室221である第11流体膨張部と右側の第2室222である第12流体膨張部を互いに連結し得る。
【0185】
流体移動通路240の第1流体移動通路241、第2流体移動通路242、及び第3流体移動通路243は実質的に第2室220と第3室230を連結する一体型に形成され得る。そして、第1流体移動通路241、第2流体移動通路242,及び第3流体移動通路243、つまり、各通路の内部幅Aは第2室220及び第3室230の入口側通路の幅Bより小さいのであり得る。これは第3室230に圧力を加えると流体が流体移動通路240を介して第2室220に移動して第2室220が膨張するようになるが、この際、第2室220に移動した流体が更に第3室230に容易に移動しないようにするためである。
この際、第3室230を基準に第3室230の入口側通路の幅Bが流体移動通路240全体の幅であり得、前記入口側通路から前記内部通路に行くほどその幅は次第に小さくなり得る(つまり、B>A)。
【0186】
この際、第3流体移動通路243は実質的に第2室220に流体を注入するために前記ブリッジ部241、242に連結される共通通路であって、本明細書では「流体注入口」と称され得る。つまり、前記流体注入口は前記ブリッジ部に形成されてい得る。
以下、第2室について詳細に説明する。
【0187】
第2室220を構成する第1面(例えば、正面)の第1地点251と第2面(例えば、背面)の第2地点252は互いに接合され得る。第1地点251及び第2地点252の接合によって第2室220に流体を注入する際に第2室220の立体的形状が決定(制限)され得る。このような効果は上述した
図3a及び
図3bを介して説明した通りである。
【0188】
前記互いに結合された領域250は一つ以上形成され得る。
【0189】
前記互いに接合された領域250は、本明細書において「流体袋分離ギャップ」と称されてもよい。前記領域250は口腔風船200を形成する面を接合したものであるため、口腔風船200と同じ材質からなり得る。例えば、領域250は合成樹脂からなり得る。
【0190】
この際、第2領域220には口腔風船200の中心部(つまり、流体移動通路)に向かって入口が形成されているポケットが形成され得る。例えば、前記ポケットが形成された様子は
図5の(a)と類似し得る。
【0191】
以下、口腔風船200の流体注入部について説明する。
【0192】
口腔風船200は口腔風船200に流体を注入するための流体注入部310、330を含み得る。
【0193】
詳しくは、第1室211、212に流体を注入するために第1室211、212の一縁の一地点に流体注入部311、312が形成され得る。そして、第3室230に流体を注入するために第3室230の一縁の一地点に流体注入部330が形成され得る。
【0194】
流体注入部311、312、330は製造する際に流体が注入された後、熱接合によって封じられ得る。
【0195】
図15に示したように、第1室210は一対が存在するのであれば、そのうち左側にある第1室を左側の第1室と称し、右側にある第1室を右側の第1室と称してもよい。また、第2室220は2つが存在するのであれば、そのうち左側にある第2室を左側の第2室と称し、右側にある第2室を右側の第2室と称してもよい。
【0196】
流体移動通路240は3つの通路が一点に会する構造を有している。つまり、第1通路の一端部、第2通路の一端部、及び第3通路の一端部が一点に会して互いに連結されている。そして、前記第1通路の他端部は左側の第2室に連結され、第2通路の他端部は右側第2室に連結され、前記第3通路の他端部は第3室に連結され得る。
【0197】
第1室210は第2室220の外側縁を英文字の「C」の字状または日本語の「コ」の字状に囲み得る。第2室220の外側縁のうち第1室210によって囲まれていない部分は流体移動通路240に連結され得る。例えば、前記左側の第2室の外側縁のうち、前記左側の第1室によって囲まれていない部分は前記第1通路の他端部に連結され得る。そして、前記右測の第2室の外側縁のうち、前記右側の第1室によって囲まれていない部分は前記第2通路の他端部に連結され得る。
【0198】
図16は、本発明の一実施例による口腔風船の製造方法を説明するための順序図である。
【0199】
図17は、本発明の一実施例によって口腔風船を構成する第1シート及び第2シートを示す図である。
【0200】
【0201】
ステップS10において、第1シート410と第2シート420を重ねて配置し得る。この際、第1シート410と第2シート420は合成樹脂であり得る。例えば、第2シート420の上に第1シート410が重なって配置され得る。
【0202】
ステップS20において、第1室210及び前記第3室230に、流体を入れる流体注入部310を除いて第1室210、第2室220、第3室230、及び流体移動通路240が形成されるように熱接合し得る。この際、熱接合される部分は
図17において第1シート410と第2シート420の太い実線と色塗りの部分である。この際、ステップS20において、第2室220を構成する第1シート410と第1地点251と第2室220と構成する第2シート420の第2地点252も互いに熱接合され得る。この際、
図17のように、流体移動通路240のうち第1流体移動通路241、第2流体移動通路242、及び第3流体移動通路243を除いた残りの縁部分(色塗りの部分)は広く熱接合され得る。または、他の実施例において、
図15の流体移動通路240のうち第1流体移動通路241、第2流体移動通路242、及び第3流体移動通路243を形成する2本の点線部分の内部のみ熱接合されてもよい。
【0203】
ステップS30において、第1室210と第3室230にそれぞれ形成される流体注入部311、312、330を介して流体を注入し得る。この際、
図17のように、流体注入部311、312、330は薄い実線になり得る。つまり、流体注入部310、330は流体を注入する前までは熱接合されていないことが分かる。
【0204】
ステップS40において、第1室210の流体注入部310と第3室230の流体注入部330を熱接合して遮断し得る。この際、口腔風船の熱接合が完了された状態は
図18aのようであり得る。
【0205】
図18aは本発明の一実施例によって第2室に流体が詰められていない状態の口腔風船の正面図であり、
図18bは本発明の一実施例によって第2室に流体が詰められている状態の口腔風船の正面図である。
【0206】
【0207】
図18aは、
図16で上述したステップによって製造された直後の口腔風船の様子であり得る。よって、第1室210の流体注入部310と第3室230の流体注入部33は熱接合によって遮断された状態であり得る。
【0208】
この際、ユーザが
図18aの第3室230に圧力を加えると、第3室230の流体が流体移動通路240を介して第2室220に供給されて第2室220が膨張し得る。その結果、膨張された第2室220は
図18bのような様子であり得る。この際、第3室230の流体の一部が移動したため第3室230の膨張度は減り得る。
【0209】
図19は、本発明の一実施例によって第2室に流体が詰められている状態の口腔風船の第1室と第2室を示す正面図である。
【0210】
第2室220は膨張された状態であって、第2室220には接合領域が例えば4つ形成され得る。上述したように接合領域が形成されることで、
図3a及び
図3bで上述した結果が得られる。
【0211】
図19とは異なって、第2室220の接合領域は一つ、または複数個形成され得る。
【0212】
以下、上述した口腔風船を患者の顔面と口腔との間の空間に設置する方法を説明する。
【0213】
まず、第1室210及び第2室220(つまり、流体袋)の組を患者の口の中に配置し得る。例えば、第1室及び第2室の一組を患者の口の中の左側に配置し、他の一組を口の中の右側に配置し得る。
【0214】
配置した後、第3室230に圧力を加えて流体移動通路240(つまり、流体注入口及びブリッジ部)を介して流体を注入して第2室220を膨張させ得る。
【0215】
または、他の実施例において、第3室230に圧力を加えて流体移動通路240(つまり、流体注入口及びブリッジ部)を介して流体を注入して第2室220を膨張させ得る。
次に、第1室210及び第2室220の組を患者の口の中に配置し得る。例えば、第1室及び第2室の一組を患者の口の中の左側に配置し、他の一組を口の中の右側に配置し得る。
【0216】
これまでの説明は本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲内で多様な修正及び変形が可能なはずである。よって、本発明の開示された実施例は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであって、本発明の技術思想の範囲はこのような実施例によって限定されない。本発明の保護範囲は下記特許請求の範囲によって解析されるべきであり、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は本発明の権利範囲に含まれると解析すべきである。
【符号の説明】
【0217】
1:エネルギー伝達制御装置
11、12、21、22、111、112:流体膨張部
13、113:流体袋 14:流体注入口
15:第1補綴物 16:第2流体注入口
19:ブリッジ部 41:第1挿入ガイド部
42:第2挿入ガイド部
【国際調査報告】