(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-23
(54)【発明の名称】電気自動車の充電リッド制御方法、機器及び電気自動車
(51)【国際特許分類】
B60L 53/14 20190101AFI20240416BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240416BHJP
B62D 25/10 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
B60L53/14
H02J7/00 P
H02J7/00 301B
B62D25/10 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565594
(86)(22)【出願日】2021-12-15
(85)【翻訳文提出日】2023-10-25
(86)【国際出願番号】 CN2021138189
(87)【国際公開番号】W WO2022227600
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】202110452772.9
(32)【優先日】2021-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522388383
【氏名又は名称】長春捷翼汽車科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Changchun JETTY Automotive Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No. 957, Shunda Road, High-tech Development Zone, Chaoyang District Changchun City, Jilin Province, 130000, China
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】王 超
【テーマコード(参考)】
3D004
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
3D004AA13
3D004BA01
3D004DA14
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA03
5G503GD03
5G503GD06
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125BC22
5H125CD02
5H125DD02
5H125EE61
(57)【要約】
本発明は、電気自動車の充電リッド制御方法、機器及び電気自動車を開示し、生体信号を検出することにより、充電リッドの近傍にユーザの接近があるか否かを判定することができ、生体信号が検出された後、充電リッドの前方の画像を採集し、採集された画像を予め記憶された所定のジェスチャの画像と照合し、ジェスチャの照合に成功した場合、ユーザが現在充電リッドを制御する特定のジェスチャ動作を実行したことを示し、この時、充電リッドの開閉を自動的に制御することが可能であり、ユーザが充電リッドを手動で操作するなどの煩雑なステップを必要とせず、充電の利便性を向上させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車の充電リッド制御方法であって、
充電リッドの近傍の生体信号を検出することと、
生体信号が検出された場合、充電リッドの前方の画像を採集することと、
採集された画像を予め記憶された所定のジェスチャの画像と照合することと、
採集された画像と予め記憶された所定のジェスチャの画像との照合に成功した場合、開き状態と閉じ状態とを含む充電リッドの状態を切り替えることと、を含むことを特徴とする充電リッド制御方法。
【請求項2】
採集された画像と予め記憶された所定のジェスチャの画像との照合に成功した後、充電リッドの状態を切り替える前に、
充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離を検出することと、
充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離が予め定められた安全距離以上であるか否かを判定することと、
充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離が前記安全距離以上である場合、現在充電ドックに、充電機器が接続されているか否かを判定することと、をさらに含み、
前記の充電リッドの状態を切り替えることは、
現在充電ドックに、充電機器が接続されていない場合、前記充電リッドの状態を切り替えることを含むことを特徴とする請求項1に記載の充電リッド制御方法。
【請求項3】
前記の、充電リッドの状態を切り替えることは、
現在の充電リッドの状態を判定することと、
現在充電リッドが開き状態である場合、充電リッドを閉じ状態に切り替えることと、
現在充電リッドが閉じ状態である場合、充電リッドを開き状態に切り替えることと、を含むことを特徴とする請求項2に記載の充電リッド制御方法。
【請求項4】
充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離が前記安全距離より小さい場合、充電リッドの現在の状態を維持することをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の充電リッド制御方法。
【請求項5】
前記の、充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離が前記安全距離より小さい場合、充電リッドの現在の状態を維持することは、
充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離が前記安全距離より小さい場合、充電リッドの現在の状態を維持し、充電リッドの近傍に物体の遮蔽があることを表すための第1の提示メッセージを発信することを含むことを特徴とする請求項4に記載の充電リッド制御方法。
【請求項6】
現在充電ドックに、充電機器が接続されている場合、充電リッドの現在の状態を維持することをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の充電リッド制御方法。
【請求項7】
前記の、現在充電ドックに、充電機器が接続されている場合、充電リッドの現在の状態を維持することは、
現在充電ドックに、充電機器が接続されている場合、充電リッドの現在の状態を維持し、充電ドックに充電機器が接続されたことを表すための第2の提示メッセージを発信することを含むことを特徴とする請求項6に記載の充電リッド制御方法。
【請求項8】
前記の、充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離を検出することは、
充電リッドの近傍に所定の波長の光線を出射することと、
充電リッドの近傍の物体で反射された前記所定の波長の光線を受光することと、
前記所定の波長の光線を出射してから前記所定の波長の光線を受光するまでにかかる時間及び光速に基づいて、充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離を判定することと、
を含むことを特徴とする請求項2から7のいずれか一項に記載の充電リッド制御方法。
【請求項9】
前記の、充電ドックの接続状態を検出することは、
充電ドックにおける第1の接続確認点の電圧信号を検出することと、
前記第1の接続確認点の電圧信号が0である場合、充電ドックに、充電機器が接続されていないと判定することと、
前記第1の接続確認点の電圧信号が0でない場合、充電ドックに、充電機器が接続されていると判定することと、
を含むことを特徴とする請求項2から7のいずれか一項に記載の充電リッド制御方法。
【請求項10】
前記予め記憶された所定のジェスチャの画像は、複数の所定のジェスチャの画像を含み、
前記の、採集された画像を予め記憶された所定のジェスチャの画像と照合することは、
採集された画像をそれぞれ各所定のジェスチャの画像と照合することと、
採集された画像と少なくとも1つの所定のジェスチャの画像との類似度が予め設定された閾値以上である場合、ジェスチャの照合に成功したと判定することと、
採集された画像と各所定のジェスチャの画像との類似度がいずれも予め設定された閾値より小さい場合、ジェスチャの照合に失敗したと判定することと、
を含むことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の充電リッド制御方法。
【請求項11】
前記生体信号は赤外線信号を含むことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の充電リッド制御方法。
【請求項12】
電気自動車の充電リッド制御機器であって、
生体信号検出モジュールと、画像採集モジュールと、電気自動車の充電リッドモータに接続される制御モジュールとを含み、
前記生体信号検出モジュールは、前記制御モジュールに接続され、充電リッドの近傍の生体信号を検出するためのものであり、
前記画像採集モジュールは、前記制御モジュールに接続され、充電ドックの前方の画像を採集するためのものであり、
前記制御モジュールは、生体信号が検出された場合、充電リッドの前方の画像を採集し、採集された画像を予め記憶された所定のジェスチャの画像と照合し、採集された画像と予め記憶された所定のジェスチャの画像との照合に成功した場合、開き状態と閉じ状態とを含む充電リッドの状態を切り替えるためのものであることを特徴とする充電リッド制御機器。
【請求項13】
光学測距モジュールと充電ドック検出モジュールとをさらに含み、
前記光学測距モジュールは、前記制御モジュールに接続され、充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離を検出するためのものであり、
充電ドック検出モジュールは、前記制御モジュールに接続され、充電ドックの接続状態を検出するためのものであり、
前記制御モジュールは、採集された画像と予め記憶された所定のジェスチャの画像との照合に成功した場合、充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離が予め定められた安全距離以上であるか否かを判定し、充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離が前記安全距離以上である場合、現在充電ドックに、充電機器が接続されているか否かを判定し、現在充電ドックに、充電機器が接続されていない場合、充電リッドの状態を切り替えるように充電リッドモータを駆動するためのものであることを特徴とする請求項12に記載の充電リッド制御機器。
【請求項14】
前記制御モジュールに接続され、充電リッドの状態を検出するための充電リッド状態検出モジュールをさらに含み、
前記制御モジュールは、現在の充電リッドの状態を判定し、現在充電リッドが開き状態である場合、充電リッドを閉じ状態に切替え、現在充電リッドが閉じ状態である場合、充電リッドを開き状態に切り替えるためのものであることを特徴とする請求項13に記載の充電リッド制御機器。
【請求項15】
前記制御モジュールは、さらに、充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離が前記安全距離より小さい場合、充電リッドの現在の状態を維持するように充電リッドモータを駆動するためのものであることを特徴とする請求項13に記載の充電リッド制御機器。
【請求項16】
前記制御モジュールは、さらに、現在充電ドックに、充電機器が接続されている場合、充電リッドの現在の状態を維持するように充電リッドモータを駆動するためのものであることを特徴とする請求項13に記載の充電リッド制御機器。
【請求項17】
前記制御モジュールに接続されるメッセージ提示モジュールをさらに含み、
前記制御モジュールは、さらに、充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離が前記安全距離より小さい場合、充電リッドの近傍に物体の遮蔽があることを表すための第1の提示メッセージを前記メッセージ提示モジュールに送信するためのものであり、
前記メッセージ提示モジュールは、前記第1の提示メッセージに基づいて、充電リッドの近傍に物体の遮蔽があることをユーザに提示するためのものであり、
前記制御モジュールは、さらに、現在充電ドックに、充電機器が接続されている場合、充電ドックに充電機器が接続されたことを表すための第2の提示メッセージを前記メッセージ提示モジュールに送信するためのものであり、
前記メッセージ提示モジュールは、前記第2の提示メッセージに基づいて、充電ドックに充電機器が接続されたことをユーザに提示するためのものであることを特徴とする請求項15又は16に記載の充電リッド制御機器。
【請求項18】
前記メッセージ提示モジュールは、音声プレーヤー、指示灯又は表示パネルであることを特徴とする請求項17に記載の充電リッド制御機器。
【請求項19】
前記光学測距モジュールは、充電リッドの近傍に所定の波長の光線を出射し、充電リッドの近傍の物体で反射された前記所定の波長の光線を受光し、前記所定の波長の光線を出射してから前記所定の波長の光線を受光するまでにかかる時間及び光速に基づいて、充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離を決定するためのものであることを特徴とする請求項13から16のいずれか一項に記載の充電リッド制御機器。
【請求項20】
前記充電ドック検出モジュールは、前記充電ドックにおける第1の接続確認点の電圧信号を検出するためのものであり、
前記制御モジュールは、前記第1の接続確認点の電圧信号が0である場合、充電ドックに、充電機器が接続されていないと判定し、前記第1の接続確認点の電圧信号が0でない場合、充電ドックに、充電機器が接続されていると判定するためのものであることを特徴とする請求項13から16のいずれか一項に記載の充電リッド制御機器。
【請求項21】
前記充電リッド状態検出モジュールは、充電リッドの所定の位置における接続点の電圧信号を検出するためのものであり、
前記制御モジュールは、前記電圧信号に基づいて充電リッドの状態を判定するためのものであることを特徴とする請求項14に記載の充電リッド制御機器。
【請求項22】
前記制御モジュールに複数の所定のジェスチャの画像が予め記憶され、
前記制御モジュールは、採集された画像をそれぞれ各所定のジェスチャの画像と照合し、採集された画像と少なくとも1つの所定のジェスチャの画像との類似度が予め設定された閾値以上である場合、ジェスチャの照合に成功したと判定し、採集された画像と各所定のジェスチャの画像との類似度がいずれも予め設定された閾値より小さい場合、ジェスチャの照合に失敗したと判定するためのものであることを特徴とする請求項12から16のいずれか一項に記載の充電リッド制御機器。
【請求項23】
前記生体信号は赤外線信号を含むことを特徴とする請求項12から16のいずれか一項に記載の充電リッド制御機器。
【請求項24】
電気自動車であって、
充電リッドモータに接続される、請求項12から23のいずれか一項に記載の充電リッド制御機器を含むことを特徴とする電気自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年04月26日に提出された出願番号が202110452772.9であり、発明の名称が「電気自動車の充電リッド制御方法、機器及び電気自動車」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は参照により本出願に援用される。
【0002】
本発明は、電気自動車の技術分野に関し、特に電気自動車の充電リッド制御方法、機器及び電気自動車に関する。
【背景技術】
【0003】
電気自動車の急速な発展に伴い、自動車分野における電気自動車の市場シェアはますます大きくなっている。電気自動車は、汚染がなく、ノイズが低く、エネルギー効率が高いなどの特徴を有し、中国の戦略的新興産業の1つである。
【0004】
電気自動車は、通常、車載電源を動力として用い、燃料機関の代わりにモータで自動車を走行駆動させる。現在、電気自動車の電源に最も広く用いられるのは蓄電池であり、蓄電池の充電口には、通常、充電リッドを設けて保護している。電気自動車を充電する前に、運転者が内部ボタンを押して充電リッドが開けられるように制御する必要があり、充電が完了した後に、充電リッドを手動で閉じる必要がある。上記操作は複雑であり、且つ、運転者が降車する前に充電リッドを開けることを忘れると、再び車内に戻ってボタンを押す必要があり、利便性に対する需要を満たしていない。
【発明の概要】
【0005】
本発明の実施例は、電気自動車の充電リッドの開閉を自動的に制御するための電気自動車の充電リッド制御方法、機器及び電気自動車を提供する。
【0006】
第1の態様では、本発明の実施例は、電気自動車の充電リッド制御方法であって、
充電リッドの近傍の生体信号を検出することと、
生体信号が検出された場合、充電リッドの前方の画像を採集することと、
採集された画像を予め記憶された所定のジェスチャの画像と照合することと、
採集された画像と予め記憶された所定のジェスチャの画像との照合に成功した場合、開き状態と閉じ状態とを含む充電リッドの状態を切り替えることと、を含む充電リッド制御方法を提供する。
【0007】
本発明の実施例による上記充電リッド制御方法は、生体信号を検出することにより、充電リッドの近傍にユーザの接近があるか否かを判定することができ、生体信号が検出された後、充電リッドの前方の画像を採集し、ユーザが実行したジェスチャ動作の画像を採集する。そして、採集された画像を予め記憶された所定のジェスチャの画像と照合し、照合に成功した場合、ユーザの充電リッドの前方で実行したジェスチャ動作が予め記憶された特定のジェスチャ動作であることを示し、ジェスチャの照合に成功した後、充電リッドの状態を自動的に切り替える。これにより、ユーザは、充電リッドの前方で特定のジェスチャ動作を実行することによって充電リッドの開閉を自動的に制御することが可能であり、ユーザが充電リッドを手動で操作するなどの煩雑なステップを必要とせず、充電の利便性を向上させる。
【0008】
本発明のいくつかの実施例において、上記生体信号は赤外線信号を含み、充電リッドの近傍の赤外線信号を検出することにより、充電リッドの近傍に生体の近接があるか否かを判定することができる。
【0009】
本発明のいくつかの実施例において、予め記憶された所定のジェスチャの画像は複数の所定のジェスチャの画像を含み、
採集された画像を予め記憶された所定のジェスチャの画像と照合することは、
採集された画像をそれぞれ各所定のジェスチャの画像と照合することと、
採集された画像と少なくとも1つの所定のジェスチャの画像との類似度が予め設定された閾値以上である場合、ジェスチャの照合に成功したと判定することと、
採集された画像と各所定のジェスチャの画像との類似度がいずれも予め設定された閾値より小さい場合、ジェスチャの照合に失敗したと判定することと、を含む。
【0010】
複数の所定のジェスチャの画像が予め記憶され、これらの所定のジェスチャの画像は異なっても類似してもよく、この場合、ユーザのジェスチャの画像が採集された後、採集された画像を複数の所定のジェスチャの画像と順次照合することができ、採集された画像と少なくとも1つの所定のジェスチャの画像との類似度が予め設定された閾値以上であれば、ジェスチャの照合に成功したことを示し、この時、充電リッドの状態の切り替えを自動的に制御することが可能である。
【0011】
複数の異なる所定のジェスチャの画像を用いてジェスチャの照合を行うことにより、充電リッドの状態を切り替える制御ジェスチャを多様化させることができ、この場合、ユーザは、そのうちの1つの特定のジェスチャ動作を実行するだけで、充電リッドの状態の切り替えを制御することが可能である。ユーザが一種のジェスチャ動作で制御に失敗した場合、他のジェスチャで試みることもでき、ジェスチャによる制御の有効性及び柔軟性を向上させる。複数の類似するジェスチャの画像を用いてジェスチャの照合を行うことにより、ユーザのジェスチャ動作を効率的に照合することができ、ユーザは極めて標準的なジェスチャ動作をする必要がなく、ジェスチャ動作の照合に成功できることにより、ジェスチャの照合の成功率を向上させる。
【0012】
本発明のいくつかの実施例において、採集された画像と予め記憶された所定のジェスチャの画像との照合に成功した後、充電リッドの状態を切り替える前に、
充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離を検出することと、充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離が予め定められた安全距離以上であるか否かを判定することと、充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離が安全距離以上である場合、現在充電ドックに、充電機器が接続されているか否かを判定することと、現在充電ドックに、充電機器が接続されていない場合、充電リッドの状態を切り替えることと、をさらに含む。充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離が安全距離より小さい場合、又は、現在充電ドックに、充電機器が接続されている場合、充電リッドの現在の状態を維持する。
【0013】
充電リッドの近傍の物体が安全距離内の領域に位置する場合、充電リッドの近傍に物体の遮蔽があるとみなされることができ、この時充電リッドの状態を切り替えると、ユーザを傷つけたり、充電リッドを損傷したりする可能性があり、充電ドックに充電機器が接続されている場合に充電リッドの状態を切り替えると、充電リッドと充電機器との間に衝突を発生させるため、充電リッドの状態を切り替える前に、充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離が安全距離以上であることを判定する必要があり、且つ、現在充電ドックに、充電機器の接続がない場合、充電リッドの状態を切り替えることができ、そうでなければ、充電リッドの現在の状態をそのまま維持する必要がある。
【0014】
本発明のいくつかの実施例において、充電リッドの状態を切り替えることは、具体的に、
現在の充電リッドの状態を判定することと、現在充電リッドが開き状態である場合、充電リッドを閉じ状態に切り替えることと、現在充電リッドが閉じ状態である場合、充電リッドを開き状態に切り替えることと、を含む。
【0015】
充電リッドの機械的接続位置における電圧信号を検出することにより、充電リッドの現在の状態が開き状態であるか、それとも閉じ状態であるかを判定し、現在充電リッドが開き状態である場合、ユーザが実行した特定の動作は充電リッドを閉じるためのものであり、この時、充電リッドを閉じ状態に切り替え、現在充電リッドが閉じ状態である場合、ユーザが実行した特定の動作は充電リッドを開けるためのものであり、この時、充電リッドを開き状態に切り替える。
【0016】
本発明のいくつかの実施例において、充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離が安全距離より小さいと判定した場合、さらに、充電リッドの近傍に物体の遮蔽があることを表すための第1の提示メッセージを発信してもよく、当該第1の提示メッセージによって現在充電リッドの状態を切り替えることができない原因をユーザに提示し、問題を解除した後、ユーザは、特定の動作を再度実行して、充電リッドの状態の切り替えをトリガーすることができる。
【0017】
本発明のいくつかの実施例において、現在充電ドックに、充電機器が接続されていると判定した場合、充電ドックに充電機器が接続されたことを表すための第2の提示メッセージを発信してもよく、当該第2の提示メッセージによって現在充電リッドの状態を切り替えることができない原因をユーザに提示し、充電機器を引き抜いた後、ユーザは、特定の動作を再度実行して、充電リッドの状態の切り替えをトリガーすることができる。
【0018】
本発明のいくつかの実施例において、光学測距装置を用いて、充電リッドの近傍に所定の波長の光線を出射し、当該光線は、充電リッドの近傍の物体に入射された後、物体で反射されて戻り、この場合、光学測距装置が所定の波長の光線を出射してから所定の波長の反射光線を受光するまでにかかる時間と光速との積の半分から、物体と充電リッドとの間の距離を得ることができる。当該距離に基づいて、充電リッドの近傍の物体が充電リッドの安全距離内に位置するか否かを判定することで、後続の操作をトリガーするか否かを決定することができる。
【0019】
本発明のいくつかの実施例において、充電ドック口の位置に第1の接続確認点(CC1)が設けられ、CC1の電圧信号を検出することにより、充電ドックに、充電機器が接続されているか否かを判定することができる。CC1の電圧信号が検出された場合、充電機器(例えば、充電ガン)が充電ドックに接続されていることを示し、CC1の電圧信号が検出されなかった場合、充電ドックに、充電機器が接続されていないことを示す。
【0020】
第2の態様では、本発明の実施例は、電気自動車の充電リッドモータに接続される制御モジュールと、生体信号検出モジュールと、画像採集モジュールとを含む充電リッド制御機器を提供し、ここで、制御モジュールは、制御指令を充電リッドの電極に発信し、充電リッドモータを駆動することによって充電リッドの開閉を制御することが可能である。
【0021】
生体信号検出モジュールは、制御モジュールに接続され、充電リッドの近傍の生体信号を検出するためのものであり、
画像採集モジュールは、制御モジュールに接続され、充電リッドの前方の画像を採集するためのものである。
【0022】
制御モジュールは、生体信号が検出された場合、充電リッドの前方の画像を採集し、採集された画像を予め記憶された所定のジェスチャの画像と照合し、採集された画像と予め記憶された所定のジェスチャの画像との照合に成功した場合、開き状態と閉じ状態とを含む充電リッドの状態を切り替えるためのものである。
【0023】
制御モジュールは、充電リッドの近傍の生体信号を検出するように生体信号検出モジュールを駆動してもよく、生体信号を検出することにより、充電リッドの近傍にユーザの接近があるか否かを判定することができ、生体信号が検出された後、制御モジュールは、充電リッドの前方の画像を採集するように画像採集モジュールを駆動する。画像採集モジュールは、採集された画像を制御モジュールに送信し、制御モジュールは、採集された画像を予め記憶された所定のジェスチャの画像と照合し、照合に成功した場合、ユーザの充電リッドの前方で実行したジェスチャ動作が予め記憶された特定のジェスチャ動作であることを示し、ジェスチャの照合に成功した後、充電リッドの状態を自動的に切り替える。これにより、ユーザは、充電リッドの前方で特定のジェスチャ動作を実行することによって充電リッドの開閉を自動的に制御することが可能であり、ユーザが充電リッドを手動で操作するなどの煩雑なステップを必要とせず、充電の利便性を向上させる。
【0024】
本発明のいくつかの実施例において、上記生体信号は赤外線信号を含み、充電リッドの近傍の赤外線信号を検出することにより、充電リッドの近傍に生体の近接があるか否かを判定することができる。
【0025】
本発明のいくつかの実施例において、生体信号検出モジュールによって充電リッドの近傍に生体信号があることが検出された場合にのみ、充電リッドの前方の画像を採集するように画像採集モジュールを駆動し、こうすれば、充電リッドの前方の画像に対する継続的な採集に起因して大量の画像データを画像照合する操作を回避できることで、過剰な無効データの生成を回避させて、ジェスチャの照合の有効性を向上できる。
【0026】
本発明のいくつかの実施例において、制御モジュールに複数の所定のジェスチャの画像が予め記憶されてもよく、これらの所定のジェスチャの画像は異なっても類似してもよく、この場合、ユーザのジェスチャの画像が採集された後、採集された画像を複数の所定のジェスチャの画像と順次照合することができ、採集された画像と少なくとも1つの所定のジェスチャの画像との類似度が予め設定された閾値以上であれば、ジェスチャの照合に成功したことを示し、この時、充電リッドの状態の切り替えを自動的に制御することが可能である。
【0027】
複数の異なる所定のジェスチャの画像を用いてジェスチャの照合を行うことにより、充電リッドの状態を切り替えるための制御ジェスチャを多様化させることができ、この場合、ユーザは、そのうちの1つの特定のジェスチャ動作を実行するだけで、充電リッドの状態の切り替えを制御することが可能である。ユーザが一種のジェスチャ動作で制御に失敗した場合、他のジェスチャで試みることもでき、ジェスチャによる制御の有効性及び柔軟性を向上させる。複数の類似するジェスチャの画像を用いてジェスチャの照合を行うことにより、ユーザのジェスチャ動作を効率的に照合することができ、ユーザは極めて標準的なジェスチャ動作をする必要がなく、ジェスチャ動作の照合に成功できることにより、ジェスチャの照合の成功率を向上させる。
【0028】
本発明のいくつかの実施例において、充電リッド制御機器は、光学測距モジュールと充電ドック検出モジュールとをさらに含み、
光学測距モジュールは、制御モジュールに接続され、充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離を検出するためのものであり、
充電ドック検出モジュールは、制御モジュールに接続され、充電ドックの接続状態を検出するためのものであり、
制御モジュールは、採集された画像と予め記憶された所定のジェスチャの画像との照合に成功した場合、検出された充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離及び現在の充電ドックの接続状態に基づいて、開き状態と閉じ状態とを含む充電リッドの状態を切り替えるか否かを判定するためのものである。
【0029】
採集された画像と予め記憶された所定のジェスチャの画像との照合に成功した場合、ユーザが現在実行しているジェスチャの照合に成功したことを示し、この時、光学測距モジュールを用いて、さらに充電リッドの近傍に物体の遮蔽があるか否かを検出し、充電ドック検出モジュールは、さらに充電ドックの現在の接続状況を検出する必要があり、光学測距モジュール及び充電ドック検出モジュールは、検出結果を制御モジュールに送信し、制御モジュールは、上記検出結果に基づいて充電リッドの状態を切り替えるか否かを判定することができる。これにより、ユーザは、充電リッドの前方で特定の動作を実行することによって、かつ、充電リッドが安全な状態にある時に、充電リッドの開閉を自動的に制御することが可能であり、ユーザが充電リッドを手動で操作するなどの煩雑なステップを必要とせず、充電の利便性を向上させる。
【0030】
本発明のいくつかの実施例において、制御モジュールは、具体的に、充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離が予め定められた安全距離以上であるか否かを判定し、充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離が安全距離以上である場合、現在充電ドックに、充電機器が接続されているか否かを判定し、現在充電ドックに、充電機器が接続されていない場合、充電リッドの状態を切り替えるように充電リッドモータを駆動し、充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離が安全距離より小さい場合、又は、現在充電ドックに、充電機器が接続されている場合、充電リッドの現在の状態を維持するように充電リッドモータを駆動するためのものである。
【0031】
充電リッドの近傍の物体が安全距離内の領域に位置する場合、充電リッドの近傍に物体の遮蔽があるとみなされることができ、この時充電リッドの状態を切り替えることは、ユーザを傷つけたり、充電リッドを損傷したりする可能性がある。充電ドックに充電機器が接続されている場合に充電リッドの状態を切り替えることは、充電リッドと充電機器との間に衝突を発生させるため、充電リッドの状態を切り替える前に、充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離が安全距離以上であることを判定する必要がある。また、現在充電ドックに、充電機器が接続されていない場合、充電リッドの状態を切り替えることができ、そうでなければ、充電リッドの現在の状態をそのまま維持する必要がある。
【0032】
本発明のいくつかの実施例において、制御モジュールは、検出制御指令を光学測距モジュールに送信し、光学測距モジュールは、検出制御指令に基づいて、充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離の検出を開始する。光学測距モジュールは、従来技術における周知の光学測距装置が用いられてもよく、充電リッドの近傍に所定の波長の光線を出射することにより、当該光線は、充電リッドの近傍の物体に入射された後、物体で反射されて戻り、この場合、光学測距装置が所定の波長の光線を出射してから所定の波長の反射光線を受光するまでにかかる時間と光速との積の半分から、物体と充電リッドとの間の距離を得ることができる。光学測距モジュールは、検出された距離を制御モジュールに送信し、制御モジュールは、当該距離に基づいて、充電リッドの近傍の物体が充電リッドの安全距離内に位置するか否かを判定することができ、充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離が安全距離より小さい場合、制御モジュールは、充電リッドの現在の状態をそのまま維持するように充電リッドモータを駆動する。充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離が安全距離以上である場合、さらに充電ドックの接続状態を判定する。
【0033】
本発明のいくつかの実施例において、制御モジュールは、検出制御指令を充電ドック検出モジュールに送信する。充電ドック検出モジュールは、検出制御指令に基づいてCC1の電圧信号を検出し、検出された電圧信号を制御モジュールに送信する。制御モジュールは、検出されたCC1の電圧信号が0である場合、充電ドックに、充電機器が接続されていないと判定することができ、この時、制御モジュールは、充電リッドの状態を切り替えるように充電リッドモータを駆動し、検出されたCC1の電圧信号が0でない場合、充電ドックに、充電機器が接続されていると判定することができ、この時、制御モジュールは、充電リッドの現在の状態をそのまま維持するように充電リッドモータを駆動する。
【0034】
本発明のいくつかの実施例において、充電リッド制御機器は、制御モジュールに接続され、充電リッドの状態を検出するための充電リッド状態検出モジュールをさらに含む。
【0035】
制御モジュールは、検出制御指令を充電リッド状態検出モジュールに送信し、充電リッド状態検出モジュールは、検出制御指令に基づいて充電リッドの機械的接続位置の電圧信号を検出し、検出された電圧信号を制御モジュールに送信する。制御モジュールは、検出された電圧信号に基づいて現在の充電リッドの状態を判定し、現在充電リッドが開き状態である場合、充電リッドを閉じるように充電リッドモータを駆動し、現在充電リッドが閉じ状態である場合、充電リッドを開けるように充電リッドモータを駆動する。これにより、充電リッドの状態の切り替えが実現される。
【0036】
本発明のいくつかの実施例において、充電リッド制御機器は、制御モジュールに接続されるメッセージ提示モジュールをさらに含み、当該メッセージ提示モジュールは、音声プレーヤー、指示灯、表示パネルなどであってもよい。
【0037】
本発明のいくつかの実施例において、制御モジュールは、充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離が安全距離よりも小さいと判定した場合、充電リッドの近傍に物体の遮蔽があることを表すための第1の提示メッセージをメッセージ提示モジュールに送信し、メッセージ提示モジュールは、第1の提示メッセージに基づいて、充電リッドの近傍に物体の遮蔽があることをユーザに提示し、問題を解除した後、ユーザは、特定の動作を再度実行して、充電リッドの状態の切り替えをトリガーすることができる。
【0038】
本発明のいくつかの実施例において、制御モジュールは、現在充電ドックに、充電機器が接続されていると判定した場合、充電ドックに充電機器が接続されたことを表すための第2の提示メッセージをメッセージ提示モジュールに送信し、メッセージ提示モジュールは、第2の提示メッセージに基づいて、充電ドックに充電機器が接続されたことをユーザに提示する。充電機器を引き抜いた後、ユーザは、特定の動作を再度実行して、充電リッドの状態の切り替えをトリガーすることができる。
【0039】
第3の態様では、本発明の実施例は、充電リッドモータに接続される上記いずれかの充電リッド制御機器を含む電気自動車を提供する。当該電気自動車は、ユーザが充電リッドの前方で特定のジェスチャ動作を実行した時に充電リッドの開閉を自動的に制御することが可能である。
【0040】
本発明の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下では、本発明の実施例に必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下に紹介される図面は本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労働なしに、これらの図面から他の図面を得ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】本発明の実施例による充電リッド制御方法のフローチャートその一
【
図2】本発明の実施例による充電リッド制御方法のフローチャートその二
【
図3】本発明の実施例による充電リッド制御方法のフローチャートその三
【
図4】本発明の実施例による充電リッド制御機器の構造模式図その一
【
図5】本発明の実施例による充電リッド制御機器の構造模式図その二
【符号の説明】
【0042】
11…制御モジュール、12…生体信号検出モジュール、13…画像採集モジュール、14…光学測距モジュール、15…充電ドック検出モジュール、16…充電リッド状態検出モジュール、17…メッセージ提示モジュール。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明の上記目的、特徴及び利点をより明確で容易に理解するために、以下では、図面及び実施例を参照しながら本発明をさらに説明する。しかしながら、例示的な実施形態は、様々な形式で実施されることができ、本明細書に述べられた実施形態に限定されると理解されるべきではなく、逆に、これらの実施形態を提供することにより、本発明はより全面的かつ完全になり、例示的な実施形態の構想を当業者に全面的に伝達する。図面における同一符号は、同一又は類似する構造を表し、従ってそれらに対する重複記述は省略する。本発明に記述された位置や方向を表現する単語は、いずれも図面を例として説明したものであるが、必要に応じて変更してもよく、変更されたものはいずれも本発明の保護範囲に含まれる。本発明の図面は、相対的な位置関係を模式するためのものに過ぎず、実際の割合を表すものではない。
【0044】
電気自動車は、バッテリパックを動力源として用い、モータで電気エネルギーを機械的エネルギーに変換することで車両を走行駆動させる。電気自動車の電力駆動及び制御システムは、電気自動車の中核であり、内燃機関自動車との最大の差異点でもある。その他の装置は、基本的に内燃機関自動車と同じである。電力駆動及び制御システムは、駆動モータ、電源及びモータの速度調節制御装置等からなる。
【0045】
電気自動車は、通常、本体又は車頭の箇所に1つの充電ドックが設けられ、当該充電ドックは、車両内のバッテリに接続され、充電スタンドにおける充電ガンヘッドを充電ガンホルダに挿入した後、車両を充電することができる。充電ドックを保護するために、通常、充電ドックの上に充電リッドを設け、車両を充電する時に、運転者が内部ボタンを押して充電リッドが開けられるように制御する必要があり、充電が完了した後に、充電リッドを手動で閉じる必要がある。上記操作は複雑であり、且つ、運転者が降車する前に充電リッドを開けることを忘れると、再び車内に戻ってボタンを押す必要があり、利便性に対する需要を満たしていない。
【0046】
これに鑑みて、本発明の実施例は、人のジェスチャ動作を検出することにより充電リッドの開閉を自動的に制御することが可能な充電リッド制御方法を提供する。
【0047】
図1は、本発明の実施例による充電リッド制御方法のフローチャートその一である。
【0048】
図1に示されるように、充電リッド制御方法は、
S10:充電リッドの近傍の生体信号を検出することと、
S20:生体信号が検出された場合、充電リッドの前方の画像を採集することと、
S30:採集された画像を予め記憶された所定のジェスチャの画像と照合することと、
S40:採集された画像と予め記憶された所定のジェスチャの画像との照合に成功した場合、充電リッドの状態を切り替えることと、を含む。
【0049】
ここで、充電リッドの状態は、開き状態と閉じ状態とを含む。生体信号の検出方式は、リアルタイム検出又は周期的検出が採用されてもよく、ここでは限定しない。
【0050】
本発明の実施例による上記充電リッド制御方法は、生体信号を検出することにより、充電リッドの近傍に、ユーザの接近があるか否かを判定することができ、生体信号が検出された後、充電リッドの前方の画像を採集し、ユーザが実行したジェスチャ動作の画像を採集する。そして、採集された画像を予め記憶された所定のジェスチャの画像と照合し、照合に成功した場合、ユーザの充電リッドの前方で実行したジェスチャ動作が予め記憶された特定のジェスチャ動作であることを示し、ジェスチャの照合に成功した後、充電リッドの状態を自動的に切り替える。ここで、充電リッドの状態の切り替えとは、充電リッドが開き状態にある場合、充電リッドを閉じ状態に切り替え、充電リッドが閉じ状態にある場合、充電リッドを開き状態に切り替えることをいう。ユーザが実行する特定のジェスチャ動作は、充電リッドが上記のいずれかの状態にある場合に、別の状態に切り替えることができる。
【0051】
これにより、ユーザは、充電リッドの前方で特定のジェスチャ動作を実行することによって充電リッドの開閉を制御することが可能であり、ユーザが充電リッドを手動で操作するなどの煩雑なステップを必要とせず、充電の利便性を向上させる。
【0052】
具体的な実施の際に、上記生体信号は赤外線信号を含んでもよく、赤外線信号は、生体から発信された、他の物体と区別される一種の信号であり、赤外線信号の波長は可視光の波長より大きいため、ユーザの目に見える他の物の判断を干渉することがない。その他に、生体信号は、人体と他の物体とを区別できる他の信号が用いられてもよく、ここでは限定しない。
【0053】
本発明の実施例は、充電リッドの近傍に生体信号があることが検出された場合にのみ、充電リッドの前方の画像を採集し、こうすれば、充電リッドの前方の画像に対する継続的な採集に起因して大量の画像データを画像照合する操作を回避できることで、過剰な無効データの生成を回避させて、ジェスチャの照合の有効性を向上できる。
【0054】
本発明の実施例において、複数の所定のジェスチャの画像が予め記憶されてもよく、これらの所定のジェスチャの画像は異なっても類似してもよく、この場合、ユーザのジェスチャの画像が採集された後、採集された画像を複数の所定のジェスチャの画像と順次照合することができ、採集された画像と少なくとも1つの所定のジェスチャの画像との類似度が予め設定された閾値以上であれば、ジェスチャの照合に成功したことを示し、この時、充電リッドの状態の切り替えを自動的に制御することが可能である。
【0055】
複数の異なる所定のジェスチャの画像を用いてジェスチャの照合を行うことにより、充電リッドの状態を切り替える制御ジェスチャを多様化させることができ、この場合、ユーザは、そのうちの1つの特定のジェスチャ動作を実行するだけで、充電リッドの状態の切り替えを制御することが可能である。ユーザが一種のジェスチャ動作で制御に失敗した場合、他のジェスチャで試みることもでき、ジェスチャによる制御の有効性及び柔軟性を向上させる。
【0056】
複数の類似するジェスチャの画像を用いてジェスチャの照合を行うことにより、ユーザのジェスチャ動作を効率的に照合することができ、ユーザは極めて標準的なジェスチャ動作をする必要がなく、ジェスチャ動作の照合に成功できることにより、ジェスチャの照合の成功率を向上させる。
【0057】
本発明の実施例において、ジェスチャの照合に成功した後、さらに充電リッドの近傍に物体の遮蔽があるか否かを検出し、さらに充電ドックの現在の接続状況を検出する必要があり、これによって初めて充電リッドの状態を切り替えるか否かを判定することができる。
【0058】
図2は、本発明の実施例による充電リッド制御方法のフローチャートその二である。
【0059】
図2に示されるように、具体的に、上記のステップS40において、採集された画像と予め記憶された所定のジェスチャの画像との照合に成功した後でかつ充電リッドの状態を切り替える前に、さらに、
S401:充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離を検出するステップと、
S402:充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離が予め定められた安全距離以上であるか否かを判定し、充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離が安全距離以上である場合、ステップS403を実行し、充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離が安全距離より小さい場合、ステップS405を実行するステップと、
S403:現在充電ドックに、充電機器が接続されているか否かを判定し、現在充電ドックに、充電機器が接続されていない場合、ステップS404を実行し、現在充電ドックに、充電機器が接続されている場合、ステップS405を実行するステップと、
S404:充電リッドの状態を切り替えるステップと、
S405:充電リッドの現在の状態を維持するステップと、を含む。
【0060】
採集された画像と所定のジェスチャの画像との照合に成功した場合、ユーザが現在実行しているジェスチャの照合に成功したことを示し、この時、さらに充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離が予め定められた安全距離以上であるか否かを判定する必要があり、当該安全距離は、充電リッドが閉じ状態から開き状態に切替されることを考慮する時に必要な空間的距離であり、充電リッドの近傍の物体が安全距離以外の領域に位置する場合、充電リッドの近傍に物体の遮蔽がないとみなされることができ、充電リッドの近傍の物体が上記安全距離内に位置する場合、充電リッドの近傍に物体の遮蔽があるとみなされることができる。充電リッドの近傍に物体の遮蔽がある場合、当該物体は、ユーザの手部である可能性があるし、充電リッドの前方の他の物体である可能性もある。ユーザの手部が充電リッドに近すぎると、充電リッドの状態を切り替える時にユーザを傷つける可能性があり、充電リッドの前方に他の物体があると、充電リッドの状態を切り替える時に充電リッドを損傷する可能性もある。そのため、本発明の実施例は、充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離が安全距離以上であるか否かを判定する必要がある。
【0061】
充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離が安全距離以上であると判定した場合、さらに充電ドックに、充電機器が接続されているか否かを判定する。現在充電ドックに、充電機器が接続されている場合、充電ドックが充電しているか、又は充電機器がまだ引き抜かれていない可能性があり、この時、充電リッドを閉じられるように切り替えると、充電リッドと充電機器との間の衝突を引き起こす。この問題を回避するために、現在の充電ドックの接続状態を判定する必要がある。
【0062】
充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離が安全距離以上であり、且つ現在充電ドックに、充電機器が接続されていないと判定した場合、充電リッドの状態を切り替えることができ、上記のいずれか1つ又は2つの条件がいずれも満たされない場合、充電リッドの現在の状態をそのまま維持する必要がある。
【0063】
図3は、本発明の実施例による充電リッド制御方法のフローチャートその三である。
【0064】
図3に示されるように、具体的に、上記ステップS404は、具体的に、
S4041:現在の充電リッドの状態を判定し、現在充電リッドが開き状態である場合、ステップS4042を実行し、現在充電リッドが閉じ状態である場合、ステップS4043を実行するステップと、
S4042:充電リッドを閉じ状態に切り替えるステップと、
S4043:充電リッドを開き状態に切り替えるステップと、を含む。
【0065】
具体的な実施の際に、充電リッドの機械的接続位置における電圧信号を検出することにより、充電リッドの現在の状態が開き状態であるか、それとも閉じ状態であるかを判定することができ、現在充電リッドが開き状態である場合、ユーザが実行した特定の動作は充電リッドを閉じるためのものであり、この時、充電リッドを閉じ状態に切替させ、現在充電リッドが閉じ状態である場合、ユーザが実行した特定の動作は充電リッドを開けるためのものであり、この時、充電リッドを開き状態に切り替える。
【0066】
さらに、充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離が安全距離よりも小さいと判定した場合、さらに、充電リッドの近傍に物体の遮蔽があることを表すための第1の提示メッセージを発信してもよく、当該第1の提示メッセージによって現在充電リッドの状態を切替できない原因をユーザに提示し、問題を解除した後、ユーザは、特定の動作を再度実行して、充電リッドの状態の切り替えをトリガーすることができる。
【0067】
同様に、現在充電ドックに、充電機器が接続されていると判定した場合、充電ドックに充電機器が接続されたことを表すための第2の提示メッセージを発信してもよく、当該第2の提示メッセージによって現在充電リッドの状態を切り替えることができない原因をユーザに提示し、充電機器を引き抜いた後、ユーザは、特定の動作を再度実行して、充電リッドの状態の切り替えをトリガーすることができる。
【0068】
具体的な実施の際に、充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離の検出は、
充電リッドの近傍に所定の波長の光線を出射することと、
充電リッドの近傍の物体で反射された所定の波長の光線を受光することと、
所定の波長の光線を出射してから所定の波長の光線を受光するまでにかかる時間及び光速に基づいて、充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離を判定することとを含む方法で施されてもよい。
【0069】
光学測距装置を用いて、充電リッドの近傍に所定の波長の光線を出射し、当該光線は、充電リッドの近傍の物体に入射された後、物体で反射されて戻り、この場合、光学測距装置が所定の波長の光線を出射してから所定の波長の反射光線を受光するまでにかかる時間と光速との積の半分から、物体と充電リッドとの間の距離を得ることができる。当該距離に基づいて、充電リッドの近傍の物体が充電リッドの安全距離内に位置するか否かを判定することで、後続の操作をトリガーするか否かを決定することができる。
【0070】
充電ドックの接続状態は、
充電ドックにおける第1の接続確認点の電圧信号を検出することと、
第1の接続確認点の電圧信号が0である場合、充電ドックに、充電機器が接続されていないと判定することと、
第1の接続確認点の電圧信号が0でない場合、充電ドックに、充電機器が接続されていると判定することとを含む方法で検出されてもよい。
【0071】
充電ドック口の位置に第1の接続確認点(CC1)が設けられ、CC1の電圧信号を検出することにより、充電ドックに、充電機器が接続されているか否かを判定することができる。CC1の電圧信号が検出された場合、充電機器(例えば、充電ガン)が充電ドックに接続されていることを示し、CC1の電圧信号が検出されなかった場合、充電ドックに、充電機器が接続されていないことを示す。
【0072】
一方、本発明の実施例は、充電リッド制御機器を提供する。
図4は、本発明の実施例による充電リッド制御機器の構造模式図その一である。
【0073】
図4に示されるように、充電リッド制御機器は、電気自動車の充電リッドモータに接続される制御モジュール11と、生体信号検出モジュール12と、画像採集モジュール13とを含み、ここで、制御モジュール11は、制御指令を充電リッドの電極に発信し、充電リッドモータを駆動することによって充電リッドの開閉を制御することが可能である。
【0074】
生体信号検出モジュール12は、制御モジュール11に接続され、充電リッドの近傍の生体信号を検出するためのものであり、
画像採集モジュール13は、制御モジュール11に接続され、充電リッドの前方の画像を採集するためのものである。
【0075】
制御モジュール11は、生体信号が検出された場合、充電リッドの前方の画像を採集し、採集された画像を予め記憶された所定のジェスチャの画像と照合し、採集された画像と予め記憶された所定のジェスチャの画像との照合に成功した場合、開き状態と閉じ状態とを含む充電リッドの状態を切り替えるためのものである。
【0076】
制御モジュール11は、充電リッドの近傍の生体信号を検出するように生体信号検出モジュール12を駆動してもよく、生体信号を検出することにより、充電リッドの近傍にユーザの接近があるか否かを判定することができ、生体信号が検出された後、制御モジュール11は、充電リッドの前方の画像を採集するように画像収集モジュール13を駆動する。画像採集モジュール13は、採集された画像を制御モジュール11に送信し、制御モジュール11は、採集された画像を予め記憶された所定のジェスチャの画像と照合し、照合に成功した場合、ユーザの充電リッドの前方で実行したジェスチャ動作が予め記憶された特定のジェスチャ動作であることを示し、ジェスチャの照合に成功した後、充電リッドの状態を自動的に切り替える。これにより、ユーザは、充電リッドの前方で特定のジェスチャ動作を実行することによって充電リッドの開閉を自動的に制御することが可能であり、ユーザが充電リッドを手動で操作するなどの煩雑なステップを必要とせず、充電の利便性を向上させる。
【0077】
具体的な実施の際、上記生体信号は赤外線信号を含んでもよく、上記生体信号検出モジュール12は、赤外線検出機器が用いられてもよい。その他に、上記生体信号は、人体と他の物体とを区別できる信号が用いられてもよく、ここでは限定しない。それに応じて、生体信号検出モジュール12は、対応する信号を検出できる検出機器が用いられればよい。
【0078】
本発明の実施例は、生体信号検出モジュール12によって充電リッドの近傍に生体信号があることが検出された場合にのみ、充電リッドの前方の画像を採集するように画像採集モジュール13を駆動し、こうすれば、充電リッドの前方の画像に対する継続的な採集に起因して大量の画像データを画像照合する操作を回避できることで、過剰な無効データの生成を回避させて、ジェスチャの照合の有効性を向上できる。
【0079】
本発明の実施例において、制御モジュール11に複数の所定のジェスチャの画像が予め記憶されてもよく、これらの所定のジェスチャの画像は異なっても類似してもよく、この場合、ユーザのジェスチャの画像が採集された後、採集された画像を複数の所定のジェスチャの画像と順次照合することができ、採集された画像と少なくとも1つの所定のジェスチャの画像との類似度が予め設定された閾値以上であれば、ジェスチャの照合に成功したことを示し、この時、充電リッドの状態の切り替えを自動的に制御することが可能である。
【0080】
複数の異なる所定のジェスチャの画像を用いてジェスチャの照合を行うことにより、充電リッドの状態を切り替えるための制御ジェスチャを多様化させることができ、この場合、ユーザは、そのうちの1つの特定のジェスチャの動作を実行するだけで、充電リッドの状態の切り替えを制御することが可能である。ユーザが一種のジェスチャ動作で制御に失敗した場合、他のジェスチャで試みることもでき、ジェスチャによる制御の有効性及び柔軟性を向上させる。
【0081】
複数の類似するジェスチャの画像を用いてジェスチャの照合を行うことにより、ユーザのジェスチャ動作を効率的に照合することができ、ユーザは極めて標準的なジェスチャ動作をする必要がなく、ジェスチャ動作の照合に成功できることにより、ジェスチャの照合の成功率を向上させる。
【0082】
本発明の実施例において、ジェスチャの照合に成功した後、さらに充電リッドの近傍に物体の遮蔽があるか否かを検出し、さらに充電ドックの現在の接続状況を検出する必要があり、これによって初めて充電リッドの状態を切り替えるか否かを判定することができる。
【0083】
図5は、本発明の実施例による充電リッド制御機器の構造模式図その二である。
【0084】
図5に示されるように、充電リッド制御機器は、光学測距モジュール14と充電ドック検出モジュール15とをさらに含む。
【0085】
光学測距モジュール14は、制御モジュール11に接続され、充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離を検出するためのものであり、
充電ドック検出モジュール15は、制御モジュール11に接続され、充電ドックの接続状態を検出するためのものである。
【0086】
具体的に、制御モジュール11は、採集された画像と予め記憶された所定のジェスチャの画像との照合に成功した場合、充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離が予め定められた安全距離以上であるか否かを判定し、充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離が安全距離以上である場合、現在充電ドックに、充電機器が接続されているか否かを判定し、現在充電ドックに、充電機器が接続されていない場合、充電リッドの状態を切り替えるように充電リッドモータを駆動し、充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離が安全距離より小さい場合、又は、現在充電ドックに、充電機器が接続されている場合、充電リッドの現在の状態を維持するように充電リッドモータを駆動するためのものである。
【0087】
制御モジュール11が画像採集モジュール13によって採集された画像と予め記憶された所定のジェスチャの画像との照合に成功した場合、ユーザが現在実行しているジェスチャの照合に成功したことを示し、この時、さらに充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離が予め定められた安全距離以上であるか否かを判定する必要があり、当該安全距離は、充電リッドが閉じ状態から開き状態に切替されることを考慮する時に必要な空間的距離であり、充電リッドの近傍の物体が安全距離以外の領域に位置する場合、充電リッドの近傍に物体の遮蔽がないとみなされることができ、充電リッドの近傍の物体が上記安全距離内に位置する場合、充電リッドの近傍に物体の遮蔽があるとみなされることができる。充電リッドの近傍に物体の遮蔽がある場合、当該物体は、ユーザの手部である可能性があるし、充電リッドの前方の他の物体である可能性もある。ユーザの手部が充電リッドに近すぎると、充電リッドの状態を切り替える時にユーザを傷つける可能性があり、充電リッドの前方に他の物体があると、充電リッドの状態を切り替える時に充電リッドを損傷する可能性もある。そのため、本発明の実施例は、充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離が安全距離以上であるか否かを判定する必要がある。
【0088】
具体的な実施の際に、制御モジュール11は、検出制御指令を光学測距モジュール14に送信し、光学測距モジュール14は、検出制御指令に基づいて、充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離の検出を開始してもよい。光学測距モジュール14は、従来技術における周知の光学測距装置が用いられてもよく、充電リッドの近傍に所定の波長の光線を出射することにより、当該光線は、充電リッドの近傍の物体に入射された後、物体で反射されて戻り、この場合、光学測距装置が所定の波長の光線を出射してから所定の波長の反射光線を受光するまでにかかる時間と光速との積の半分から、物体と充電リッドとの間の距離を得ることができる。光学測距モジュール14は、検出された距離を制御モジュール11に送信し、制御モジュール11は、当該距離に基づいて、充電リッドの近傍の物体が充電リッドの安全距離内に位置するか否かを判定することができ、充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離が安全距離より小さい場合、制御モジュール11は、充電リッドの現在の状態をそのまま維持するように充電リッドモータを駆動する。充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離が安全距離以上である場合、制御モジュール11は、検出制御指令を充電ドック検出モジュール15に送信する。充電ドック検出モジュール15は、検出制御指令に基づいて充電ドックの現在の接続状態を検出する。
【0089】
具体的な実施の際に、充電ドック口の位置に第1の接続確認点(CC1)が設けられ、CC1の位置に電圧検出回路が設けられ、CC1の電圧信号を検出することにより、充電ドックに、充電機器が接続されているか否かを判定することができる。充電ドック検出モジュール15の具体的な配置形態は、上記電圧検出回路であってもよく、充電ドック検出モジュール15は、CC1の電圧信号を検出した後、検出された電圧信号を制御モジュール11に送信する。
【0090】
制御モジュール11は、検出されたCC1の電圧信号が0である場合、充電ドックに、充電機器が接続されていないと判定することができ、この時、制御モジュール11は、充電リッドの状態を切り替えるように充電リッドモータを駆動し、検出されたCC1の電圧信号が0でない場合、充電ドックに、充電機器が接続されていると判定することができ、この時、制御モジュール11は、充電リッドの現在の状態をそのまま維持するように充電リッドモータを駆動する。
【0091】
充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離が安全距離以上であり、且つ現在充電ドックに、充電機器が接続されていないと判定した場合、充電リッドの状態を切り替えることができ、上記のいずれか1つ又は2つの条件がいずれも満たされない場合、充電リッドの現在の状態をそのまま維持する必要があるため、安全問題の発生を回避させる。
【0092】
図5に示されるように、充電リッド制御機器は、制御モジュール11に接続され、充電リッドの状態を検出するための充電リッド状態検出モジュール16をさらに含む。
【0093】
充電リッドの機械的接続位置に電圧検出回路が設けられ、充電リッド状態検出モジュール16は、具体的に上記電圧検出回路であってもよく、機械的接続位置の電圧信号を検出することにより、充電リッドの現在の状態を判定することができる。
【0094】
具体的な実施の際に、制御モジュール11は、検出制御指令を充電リッド状態検出モジュール16に送信し、充電リッド状態検出モジュール16は、検出制御指令に基づいて充電リッドの機械的接続位置の電圧信号を検出し、検出された電圧信号を制御モジュール11に送信する。
【0095】
制御モジュール11は、検出された電圧信号に基づいて現在の充電リッドの状態を判定し、現在充電リッドが開き状態である場合、充電リッドを閉じるように充電リッドモータを駆動し、現在充電リッドが閉じ状態である場合、充電リッドを開けるように充電リッドモータを駆動する。これにより、充電リッドの状態の切り替えが実現される。
【0096】
図5に示されるように、充電リッド制御機器は、制御モジュール11に接続されるメッセージ提示モジュール17をさらに含み、当該メッセージ提示モジュール17は、音声プレーヤー、指示灯、表示パネルなどであってもよく、ここでは限定しない。
【0097】
制御モジュール11は、充電リッドの近傍の物体と充電リッドとの間の距離が安全距離より小さいと判定した場合、充電リッドの近傍に物体の遮蔽があることを表すための第1の提示メッセージをメッセージ提示モジュール17に送信し、メッセージ提示モジュール17は、第1の提示メッセージに基づいて、充電リッドの近傍に物体の遮蔽があることをユーザに提示する。
【0098】
具体的に、メッセージ提示モジュール17が音声プレーヤーである場合、上記第1の提示メッセージを受信した時に、音声プレーヤーは、充電リッドの近傍に物体の遮蔽があるというアラート音を自動的に再生し、メッセージ提示モジュール17が指示灯である場合、上記第1の提示メッセージを受信した時に、予め設定された回数で点滅してもよく、又は特定の色の指示灯を点灯させてもよく、メッセージ提示モジュール17が表示パネルである場合、上記第1の提示メッセージを受信した時に、充電リッドの近傍に物体の遮蔽があるという文字を表示パネルに表示させてもよく、これにより、現在充電リッドの状態を切替できない原因をユーザに提示する。問題を解除した後、ユーザは、特定の動作を再度実行して、充電リッドの状態の切り替えをトリガーすることができる。
【0099】
制御モジュール11は、現在充電ドックに、充電機器が接続されていると判定した場合、充電ドックに充電機器が接続されたことを表すための第2の提示メッセージをメッセージ提示モジュール17に送信し、メッセージ提示モジュール17は、第2の提示メッセージに基づいて、充電ドックに充電機器が接続されたことをユーザに提示する。
【0100】
具体的に、メッセージ提示モジュール17が音声プレーヤーである場合、上記第2の提示メッセージを受信した時に、音声プレーヤーは、充電ドックに充電機器が接続されたというアラート音を自動的に再生し、メッセージ提示モジュール17が指示灯である場合、上記第2の提示メッセージを受信した時に、予め設定された回数で点滅してもよく、又は特定の色の指示灯を点灯させてもよく、メッセージ提示モジュール17が表示パネルである場合、上記第2の提示メッセージを受信した時に、充電ドックに充電機器が接続されたという文字を表示パネルに表示させてもよく、これにより、現在充電リッドの状態を切替できない原因をユーザに提示する。充電機器を引き抜いた後、ユーザは、特定の動作を再度実行して、充電リッドの状態の切り替えをトリガーすることができる。
【0101】
なお、メッセージ提示モジュール17は、指示灯が用いられる場合、「充電リッドの近傍に物体の遮蔽がある」と「充電ドックに充電機器が接続された」ことをユーザに提示するための点滅回数又は指示灯の色が異なることにより、異なる原因を区別でき、ユーザの判断を便利にする。
【0102】
これにより、充電リッド制御機器を充電リッドモータに接続して、ユーザが充電リッドの前方で特定の動作を実行した時に、充電リッドの開閉を自動的に制御することが可能である。
【0103】
同一の発明思想に基づき、本発明の実施例は、充電リッドモータに接続される上記いずれかの充電リッド制御機器を含む電気自動車をさらに提供する。
【0104】
本発明の実施例による充電リッド制御方法、機器及び電気自動車は、生体信号を検出することにより、充電リッドの近傍にユーザの接近があるか否かを判定することができ、生体信号が検出された後、充電リッドの前方の画像を採集し、採集された画像を予め記憶された所定のジェスチャの画像と照合し、ジェスチャの照合に成功した場合、ユーザが現在充電リッドを制御する特定のジェスチャ動作を実行したことを示し、この時、充電リッドの開閉を自動的に制御することが可能であり、ユーザが充電リッドを手動で操作するなどの煩雑なステップを必要とせず、充電の利便性を向上させる。
【0105】
本発明の好ましい実施例を説明したが、当業者であれば、基本的な創造的概念を習得すると、これらの実施例に対してさらなる変更及び修正を行うことができる。従って、添付される請求項は、好ましい実施例、並びに本発明の範囲に入る全ての変更及び修正を含むものとして解釈されるべきである。
【0106】
当業者であれば、本発明の主旨及び範囲を逸脱することなく、本発明に対する様々な改善及び変形を行うことができることは明らかである。従って、本発明のこれらの修正及び変形が本発明の請求項及びその同等技術の範囲内に属すると、本発明はこれらの改善及び変形を含むことを意図しようとする。
【国際調査報告】