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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-23
(54)【発明の名称】量子計算
(51)【国際特許分類】
   G06N 10/40 20220101AFI20240416BHJP
   G02F 3/00 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
G06N10/40
G02F3/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023566016
(86)(22)【出願日】2022-04-27
(85)【翻訳文提出日】2023-12-25
(86)【国際出願番号】 IB2022000564
(87)【国際公開番号】W WO2022263933
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】63/320,454
(32)【優先日】2022-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】282705
(32)【優先日】2021-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523404376
【氏名又は名称】クアンタム ソース ラブス リミティド
(71)【出願人】
【識別番号】504252525
【氏名又は名称】エダ リサーチ アンド ディベロップメント カンパニー リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ギル セーモ
(72)【発明者】
【氏名】ジブ アクア
(72)【発明者】
【氏名】オデッド メラメド
(72)【発明者】
【氏名】ダン チャラシュ
(72)【発明者】
【氏名】サージ ローゼンブラム
(72)【発明者】
【氏名】バラク ダヤン
【テーマコード(参考)】
2K102
【Fターム(参考)】
2K102AA37
2K102BA31
2K102BB04
2K102BB10
2K102BC01
2K102BC09
2K102DA13
2K102DB02
2K102DC07
2K102DC08
2K102EB16
(57)【要約】
量子計算システムは、複数の光子キャビティと、量子エミッタ位置決めについての複数の結合位置であって、各結合位置は、複数の光子キャビティのうちの異なる光子キャビティに関連付けられ、各結合位置に関連付けられる量子エミッタは、連続した入射光量子ビット間の相互作用を仲介してグラフ状態を生成するように構成されている、複数の結合位置と、光子を複数の光子キャビティに供給するように構成された光子生成器であって、光子キャビティは、光量子ビットを量子エミッタに結合するように構成されている、光子生成器と、グラフ状態を出力する、複数のキャビティの下流にある複数の光子出力チャネルと、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
量子計算システムであって、
複数の光子キャビティと、
量子エミッタ位置決めについての複数の結合位置であって、各結合位置は、前記複数の光子キャビティのうちの異なる光子キャビティに関連付けられ、各結合位置に関連付けられる量子エミッタは、連続した入射光量子ビット間の相互作用を仲介してグラフ状態を生成するように構成されている、複数の結合位置と、
光子を前記複数の光子キャビティに供給するように構成された光子生成器であって、前記光子キャビティは、光量子ビットを前記量子エミッタに結合するように構成されている、光子生成器と、
前記グラフ状態を出力する、前記複数のキャビティの下流にある複数の光子出力チャネルと、
を備える、量子計算システム。
【請求項2】
前記量子エミッタは、光子と相互作用することができる静止量子ビットを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記量子エミッタは、超伝導量子ビットを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記量子エミッタは、量子ドットを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記量子エミッタは、原子を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記原子は、中性である、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記原子は、イオンである、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記量子エミッタは、ルビジウム原子を含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項9】
前記量子エミッタは、セシウム原子を含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項10】
前記量子エミッタは、ストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、又はマグネシウム原子のうちの少なくとも1つを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項11】
前記光子生成器は、少なくとも1つの追加の光子キャビティを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記光子生成器は、少なくとも1つの追加の量子エミッタ、及び量子エミッタ位置決めについての少なくとも1つの追加の結合位置を含み、各々の追加の結合位置は、前記少なくとも1つの追加の光子キャビティのうちの異なる光子キャビティに関連付けられる、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの追加の量子エミッタは、光子と相互作用することができる静止量子ビットを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記少なくとも1つの追加の量子エミッタは、超伝導量子ビットを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記少なくとも1つの追加の量子エミッタは、量子ドットを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記少なくとも1つの追加の量子エミッタは、原子を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
前記少なくとも1つの追加の量子エミッタは、ルビジウム原子を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記少なくとも1つの追加の量子エミッタは、ストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、又はマグネシウム原子のうちの少なくとも1つを含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
グラフ状態を生成する量子計算方法であって、前記方法は、
複数の結合位置の各々で量子エミッタを結合することであって、その結果、複数の量子エミッタの各々は、異なる結合位置に関連付けられ、各結合位置は、複数の光子キャビティのうちの異なる光子キャビティに関連付けられ、各結合位置に関連付けられる量子エミッタは、連続した入射光量子ビット間の相互作用を仲介してグラフ状態を生成するように構成されている、ということと、
光子を前記複数の光子キャビティに供給することであって、前記光子キャビティは、光量子ビットを前記量子エミッタに結合するように構成されている、ということと、
前記複数のキャビティの下流にある複数の光子出力チャネルを介して前記グラフ状態を出力することと、
を含む、量子計算方法。
【請求項20】
命令を含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに量子計算方法を実行させ、前記量子計算方法は、
複数の結合位置の各々で量子エミッタを結合することであって、その結果、複数の量子エミッタの各々は、異なる結合位置に関連付けられ、各結合位置は、複数の光子キャビティのうちの異なる光子キャビティに関連付けられ、各結合位置に関連付けられる量子エミッタは、連続した入射光量子ビット間の相互作用を仲介してグラフ状態を生成するように構成されている、ということと、
光子を前記複数の光子キャビティに供給することであって、前記光子キャビティは、光量子ビットを前記量子エミッタに結合するように構成されている、ということと、
前記複数のキャビティの下流にある複数の光子出力チャネルを介して前記グラフ状態を出力することと、
を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項21】
光子グラフ状態を生成する量子計算方法であって、前記方法は、
複数のキャビティに関連付けられる複数の結合場所に複数の量子エミッタを位置決めすることと、
前記複数の量子エミッタの各々に関連付けられる量子エミッタ量子ビットの状態を初期化することと、
前記量子エミッタ量子ビット及び光量子ビットをもつれさせるように前記光量子ビットと前記量子エミッタ量子ビットとの間にもつれゲートを生成するために、少なくとも1つの第1の事例の伝達において前記複数の前記量子エミッタに向けて光量子ビットを伝達することと、
前記少なくとも1つの第1の事例の伝達の後に、光量子ビットと前記量子エミッタ量子ビットとの間にSWAPゲートを生成するために、少なくとも1つの第2の事例の伝達において光量子ビットを前記複数の量子エミッタに向けて伝達して、前記量子エミッタ量子ビットを光量子ビットにマッピングすることと、
を含む、量子計算方法。
【請求項22】
前記第1の事例の伝達は、複数の光子-量子エミッタもつれをもたらすために、連続した複数の光量子ビットを含み、前記第2の事例の伝達は、光子グラフ状態を出力するために前記第1の事例の伝達に続く、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
初期化は、SWAPゲートを使用することを伴う、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
初期化は、マイクロ波を印加することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
初期化は、光ビームを印加することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記複数の量子エミッタは原子を含み、位置決めは、キャビティの近傍で前記原子をトラップすることを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記複数の量子エミッタは量子ドットを含み、位置決めは、キャビティの近傍に前記量子ドットをリソグラフィで設置すること、又は自己組織化量子ドットの近傍に前記キャビティをリソグラフィで設置することのうちの少なくとも一方を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記光量子ビットは、キャビティに結合される量子エミッタを使用して生成される、請求項21に記載の方法。
【請求項29】
前記量子エミッタは、光子と相互作用することができる静止量子ビットを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項30】
前記量子エミッタは、超伝導量子ビットを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項31】
前記量子エミッタは、量子ドットを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項32】
前記量子エミッタは、原子を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項33】
前記原子は、中性である、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記原子は、イオンである、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記量子エミッタは、ルビジウム原子又はセシウム原子のうちの少なくとも1つを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
前記量子エミッタは、ストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、又はマグネシウム原子のうちの少なくとも1つを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項37】
前記もつれゲートは、制御Zゲート(CZゲート)、制御NOTゲート(CNOTゲート)、SWAPゲートの平方根、又は仮想SWAPゲート(iSWAPゲート)のうちの1つである、請求項21に記載の方法。
【請求項38】
前記もつれゲートは、制御Zゲート(CZゲート)である、請求項21に記載の方法。
【請求項39】
命令を含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに、光子グラフ状態を生成する量子計算方法を実行させ、前記量子計算方法は、
複数のキャビティに関連付けられる複数の結合場所に複数の量子エミッタを位置決めすることと、
前記複数の量子エミッタの各々に関連付けられる量子エミッタ量子ビットの状態を初期化することと、
前記量子エミッタ量子ビット及び光量子ビットをもつれさせるように前記光量子ビットと前記量子エミッタ量子ビットとの間にもつれゲートを生成するために、少なくとも1つの第1の事例の伝達において前記複数の前記量子エミッタに向けて光量子ビットを伝達することと、
前記少なくとも1つの第1の事例の伝達の後に、光量子ビットと前記量子エミッタ量子ビットとの間にSWAPゲートを生成するために、少なくとも1つの第2の事例の伝達において光量子ビットを前記複数の量子エミッタに向けて伝達して、前記量子エミッタ量子ビットを光量子ビットにマッピングすることと、
を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項40】
光子グラフ状態を生成する量子計算システムであって、前記システムは、
複数のキャビティと、
複数の量子エミッタを複数の結合場所に位置決めする複数の結合場所であって、各結合場所は、前記複数のキャビティのうちの異なるキャビティに関連付けられる、複数の結合場所と、
少なくとも1つのプロセッサと、
を備え、前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記複数の量子エミッタの各々に関連付けられる量子エミッタ量子ビットの状態を初期化し、
前記量子エミッタ量子ビット及び光量子ビットをもつれさせるように前記光量子ビットと前記量子エミッタ量子ビットとの間にもつれゲートを生成するために、少なくとも1つの第1の事例の伝達において前記複数の量子エミッタに向けて光量子ビットを伝達し、且つ
前記少なくとも1つの第1の事例の伝達の後に、光量子ビットと前記量子エミッタ量子ビットとの間にSWAPゲートを生成するために、少なくとも1つの第2の事例の伝達において光量子ビットを前記複数の量子エミッタに向けて伝達して、前記量子エミッタ量子ビットを光量子ビットにマッピングするように構成されている、量子計算システム。
【請求項41】
量子計算のために光子グラフ状態を生成する方法であって、前記方法は、
量子エミッタをキャビティに結合することと、
第1の時間プロファイルを有する第1のダーティ光子を生成することと、
前記第1のダーティ光子を使用して第1の光量子ビットを形成することと、
第2の時間プロファイルを有する第2のダーティ光子を生成することと、
前記第2のダーティ光子を使用して第2の光量子ビットを形成することと、
前記キャビティに結合される前記量子エミッタを使用し、前記第1の光量子ビットを前記第2の光量子ビットともつれさせて、もつれ光量子ビットのペアを形成することと、
量子計算のためにもつれ光量子ビットの前記ペアを使用することと、
を含む、方法。
【請求項42】
前記方法は、前記量子エミッタに結合される前記キャビティを使用して、複数の追加の光子をもつれさせて光子グラフを生成することを更に含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記追加の光子のうちの少なくとも一部はダーティである、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記第1及び第2の時間プロファイルと異なる第3の時間プロファイルを有する第3のダーティ光子を生成することと、
前記第3のダーティ光子を使用して第3の光量子ビットを形成することと、
前記キャビティに結合される前記量子エミッタを使用し、前記第3の光量子ビットを前記第1又は第2の光量子ビットともつれさせて、3つのもつれ光量子ビットを形成することと、
を更に含み、
量子計算のためのもつれ光量子ビットの前記ペアの前記使用は、量子計算のために前記3つのもつれ光量子ビットを使用することを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項45】
前記第1のダーティ光子及び前記第2のダーティ光子は、キャビティに結合される量子エミッタを使用して干渉レーザパルスから抽出することによって生成される、請求項41に記載の方法。
【請求項46】
前記第1のダーティ光子及び前記第2のダーティ光子は、グラフの各部分であって、前記グラフは、量子エミッタ量子ビットを欠いた光量子ビット、又は光量子ビット及び量子エミッタ量子ビットを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項47】
前記第1のダーティ光子及び前記第2のダーティ光子のうちの少なくとも一方は、光遅延線から取得される、請求項41に記載の方法。
【請求項48】
前記第1のダーティ光子及び前記第2のダーティ光子のスペクトルは、前記キャビティに結合される前記量子エミッタの相互作用帯域幅の範囲内である、請求項41に記載の方法。
【請求項49】
前記第1のダーティ光子及び前記第2のダーティ光子のうちの少なくとも一方は、変動量子エミッタから生成される、請求項41に記載の方法。
【請求項50】
前記量子エミッタは、光子と相互作用することができる静止量子ビットを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項51】
前記量子エミッタは、超伝導量子ビットを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項52】
前記量子エミッタは、量子ドットを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項53】
前記量子エミッタは、原子又はイオンのうちの少なくとも一方を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項54】
前記原子又は前記イオンは、ルビジウムから確保される、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記原子又は前記イオンは、セシウムから確保される、請求項53に記載の方法。
【請求項56】
前記量子エミッタは、ストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、又はマグネシウム原子のうちの少なくとも1つを含む、請求項53に記載の方法。
【請求項57】
前記第2の時間プロファイルは、前記第1の時間プロファイルと異なっている、請求項41に記載の方法。
【請求項58】
前記第2の時間プロファイルは、前記第1の時間プロファイルと同じである、請求項41に記載の方法。
【請求項59】
量子計算のために光子グラフ状態を生成するシステムであって、前記システムは、
キャビティと、
前記キャビティに結合可能な量子エミッタと、
ダーティ光子を生成するように構成された光子生成器と、
回路と、
を備え、前記回路は、
前記量子エミッタを前記キャビティに結合し、
第1の時間プロファイルを有する第1のダーティ光子を生成するように、前記光子生成器を制御し、
前記第1のダーティ光子を使用して第1の光量子ビット形成し、
第2の時間プロファイルを有する第2のダーティ光子を生成するように、前記光子生成器を制御し、
前記第2のダーティ光子を使用して第2の光量子ビット形成し、
前記キャビティに結合される前記量子エミッタを使用し、前記第1の光量子ビットを前記第2の光量子ビットともつれさせて、もつれ光量子ビットのペアを形成し、且つ
量子計算のためにもつれ光量子ビットの前記ペアを使用するように構成されている、システム。
【請求項60】
命令を含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに、量子計算のために光子グラフ状態を生成する方法を実行させ、前記方法は、
量子エミッタをキャビティに結合することと、
第1の時間プロファイルを有する第1のダーティ光子を生成することと、
前記第1のダーティ光子を使用して第1の光量子ビットを形成することと、
第2の時間プロファイルを有する第2のダーティ光子を生成することと、
前記第2のダーティ光子を使用して第2の光量子ビットを形成することと、
前記キャビティに結合される前記量子エミッタを使用し、前記第1の光量子ビットを前記第2の光量子ビットともつれさせて、もつれ光量子ビットのペアを形成することと、
量子計算のためにもつれ光量子ビットの前記ペアを使用することと、
を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項61】
量子計算方法であって、
共振器結合量子エミッタの状態を初期化することと、
少なくとも2つの光子グラフ状態を受け取ることであって、前記少なくとも2つの光子グラフ状態の各々は、少なくとも2つの光子を含む、ということと、
各グラフ状態から少なくとも1つの光子を選択することと、
前記共振器結合量子エミッタを介してもつれゲートを通じて、前記選択された光子を供給することと、
前記選択された光子から前記共振器結合量子エミッタのもつれを解くことと、
を含み、もつれを解くことは、前記共振器結合量子エミッタの前記状態を検出すること、又は前記共振器結合量子エミッタの前記状態を追加の光子の状態にマッピングすることのうちの少なくとも一方を含む、量子計算方法。
【請求項62】
前記もつれゲートは、制御Zゲート(CZゲート)、制御NOTゲート(CNOTゲート)、SWAPゲートの平方根、又は仮想SWAPゲート(iSWAPゲート)のうちの1つである、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
もつれゲートを通じて、前記選択された光子を供給することは、連続的に生じる、請求項61に記載の方法。
【請求項64】
前記マッピングは、前記量子エミッタ及び追加の光子に対してSWAPゲートを適用することによって達成される、請求項61に記載の方法。
【請求項65】
前記共振器結合量子エミッタの前記初期化された状態は、2つの基底状態の等しい重ね合わせである、請求項61に記載の方法。
【請求項66】
前記量子エミッタは、光子と相互作用することができる静止量子ビットを含む、請求項61に記載の方法。
【請求項67】
前記量子エミッタは、超伝導量子ビットを含む、請求項61に記載の方法。
【請求項68】
前記量子エミッタは、量子ドットを含む、請求項61に記載の方法。
【請求項69】
前記量子エミッタは、中性である原子を含む、請求項61に記載の方法。
【請求項70】
前記量子エミッタは、イオンである原子を含む、請求項61に記載の方法。
【請求項71】
前記量子エミッタは、ルビジウム原子又はセシウム原子を含む、請求項61に記載の方法。
【請求項72】
前記量子エミッタは、ストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、又はマグネシウム原子のうちの少なくとも1つを含む、請求項61に記載の方法。
【請求項73】
量子計算システムであって、
共振器結合量子エミッタと、
複数のスイッチと、
少なくとも1つのプロセッサと、
を備え、前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記共振器結合量子エミッタの状態を初期化すること、
少なくとも2つの光子グラフ状態を受け取ることであって、前記少なくとも2つの光子グラフ状態の各々は、少なくとも2つの光子を含む、ということ、
各グラフ状態から少なくとも1つの光子を選択すること、
前記共振器結合量子エミッタを介してもつれゲートを通じて、前記選択された光子を供給すること、及び
前記選択された光子から前記共振器結合量子エミッタのもつれを解くことを行うように、前記複数のスイッチを制御するように構成されており、もつれを解くことは、前記共振器結合量子エミッタの前記状態を検出すること、又は前記共振器結合量子エミッタの前記状態を追加の光子の状態にマッピングすることのうちの少なくとも一方を含む、量子計算システム。
【請求項74】
前記もつれゲートは、制御Zゲート(CZゲート)、制御NOTゲート(CNOTゲート)、SWAPゲートの平方根、又は仮想SWAPゲート(iSWAPゲート)のうちの1つである、請求項73に記載のシステム。
【請求項75】
もつれゲートを通じて、前記選択された光子を供給することは、連続的に生じる、請求項73に記載のシステム。
【請求項76】
前記マッピングは、前記量子エミッタ及び追加の光子に対してSWAPゲートを適用することによって達成される、請求項73に記載のシステム。
【請求項77】
前記共振器結合量子エミッタの前記初期化された状態は、2つの基底状態の等しい重ね合わせである、請求項73に記載のシステム。
【請求項78】
前記量子エミッタは、光子と相互作用することができる静止量子ビットを含む、請求項73に記載のシステム。
【請求項79】
前記量子エミッタは、超伝導量子ビット、量子ドット、又は原子のうちの1つを含む、請求項73に記載のシステム。
【請求項80】
命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに量子計算方法を実行させ、前記量子計算方法は、
共振器結合量子エミッタの状態を初期化することと、
少なくとも2つの光子グラフ状態を受け取ることであって、前記少なくとも2つの光子グラフ状態の各々は、少なくとも2つの光子を含む、ということと、
各グラフ状態から少なくとも1つの光子を選択することと、
前記共振器結合量子エミッタを介してもつれゲートを通じて、前記選択された光子を供給することと、
前記選択された光子から前記共振器結合量子エミッタのもつれを解くことと、
を含み、もつれを解くことは、前記共振器結合量子エミッタの前記状態を検出すること、又は前記共振器結合量子エミッタの前記状態を追加の光子の状態にマッピングすることのうちの少なくとも一方を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項81】
量子計算方法であって、
N構成で配置された少なくとも4つの準位を有する共振器結合量子エミッタの状態を初期化することであって、前記N構成は、第1の基底状態、第2の基底状態、第1の励起状態、及び第2の励起状態を有する、ということと、
前記第1の基底状態と前記第1の励起状態との間の第1の遷移に関する周波数を調整することと、
前記第2の基底状態と前記第2の励起状態との間の第2の遷移に関する周波数を調整することと、
前記第2の基底状態と前記第1の励起状態との間の第3の遷移に関する周波数を調整することと、
前記第2の遷移に関する前記周波数に対応する周波数で複数の光子を供給し、それによって、前記複数の光子を前記共振器結合量子エミッタにもつれさせることと、
前記第1の遷移又は前記第3の遷移のうちの少なくとも一方に関する前記周波数に対応する周波数で光子を供給し、それによって、前記共振器結合量子エミッタの状態を光子に対してマッピングすることと、
を含む、量子計算方法。
【請求項82】
共振器結合量子エミッタの前記状態は、電子状態、核状態、又はそれらの組合せである、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
前記第1の遷移、前記第2の遷移、及び前記第3の遷移に関する前記周波数の前記調整は、前記初期化の前に生じる、請求項81に記載の方法。
【請求項84】
前記遷移に関する前記周波数のうちの1つ以上の前記調整は、レーザを使用した光シフトによって生じる、請求項81に記載の方法。
【請求項85】
前記遷移に関する前記周波数のうちの1つ以上の前記調整は、磁場の印加によるゼーマンシフトによって生じる、請求項81に記載の方法。
【請求項86】
前記第1の遷移又は前記第3の遷移のうちの少なくとも一方に関する前記周波数に対応する周波数で光子を供給することで、更に、前記第1の基底状態又は前記第2の基底状態のうちの少なくとも一方に対応するように前記共振器結合量子エミッタを初期化する、請求項81に記載の方法。
【請求項87】
複数の光子を供給することは、複数の単一光子を連続的に供給することを含む、請求項81に記載の方法。
【請求項88】
前記共振器結合量子エミッタの前記状態の前記初期化は、前記第1の基底状態及び前記第2の基底状態の重ね合わせ状態で前記共振器結合量子エミッタを準備することを含む、請求項81に記載の方法。
【請求項89】
前記重ね合わせ状態は、前記第1の基底状態及び前記第2の基底状態の等しい重ね合わせである、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記共振器結合量子エミッタは、単一の量子エミッタに結合される2つの共振器を含む、請求項81に記載の方法。
【請求項91】
前記量子エミッタは、光子と相互作用することができる静止量子ビットを含む、請求項81に記載の方法。
【請求項92】
前記量子エミッタは、超伝導量子ビット又は量子ドットのうちの1つを含む、請求項81に記載の方法。
【請求項93】
前記量子エミッタは、中性原子を含む、請求項81に記載の方法。
【請求項94】
前記量子エミッタは、イオンを含む、請求項81に記載の方法。
【請求項95】
前記量子エミッタは、ルビジウム原子又はセシウム原子のうちの少なくとも1つを含む、請求項81に記載の方法。
【請求項96】
前記量子エミッタは、ストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、又はマグネシウム原子のうちの少なくとも1つを含む、請求項81に記載の方法。
【請求項97】
量子計算システムであって、
N構成で配置された少なくとも4つの準位を有する共振器結合量子エミッタであって、前記N構成は、第1の基底状態、第2の基底状態、第1の励起状態、及び第2の励起状態を有する、共振器結合量子エミッタと、
回路と、
を備え、前記回路は、
前記共振器結合量子エミッタの状態を初期化し、
前記第1の基底状態と前記第1の励起状態との間の第1の遷移に関する周波数を調整し、
前記第2の基底状態と前記第2の励起状態との間の第2の遷移に関する周波数を調整し、
前記第2の基底状態と前記第1の励起状態との間の第3の遷移に関する周波数を調整し、
前記第2の遷移に関する前記周波数に対応する周波数で複数の光子を供給し、それによって、前記複数の光子を前記共振器結合量子エミッタにもつれさせ、且つ
前記第1の遷移又は前記第3の遷移のうちの少なくとも一方に関する周波数に対応する周波数で光子を供給し、それによって、前記共振器結合量子エミッタの状態を光子に対してマッピングするように構成されている、量子計算システム。
【請求項98】
光シフトさせ、それによって、前記遷移に関する前記周波数のうちの少なくとも1つを調整するレーザ、又は
磁場を提供し、前記遷移に関する前記周波数のうちの少なくとも1つを調整する前記磁場の印加を提供する磁場生成器のうちの少なくとも一方を更に備える、請求項97に記載のシステム。
【請求項99】
前記共振器結合量子エミッタは、単一の量子エミッタに結合される2つの共振器を含む、請求項97に記載のシステム。
【請求項100】
命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに量子計算方法を実行させ、前記量子計算方法は、
N構成で配置された少なくとも4つの準位を有する共振器結合量子エミッタの状態を初期化することであって、前記N構成は、第1の基底状態、第2の基底状態、第1の励起状態、及び第2の励起状態を有する、ということと、
前記第1の基底状態と前記第1の励起状態との間の第1の遷移に関する周波数を調整することと、
前記第2の基底状態と前記第2の励起状態との間の第2の遷移に関する周波数を調整することと、
前記第2の基底状態と前記第1の励起状態との間の第3の遷移に関する周波数を調整することと、
前記第2の遷移に関する前記周波数に対応する周波数で複数の光子を供給し、それによって、前記複数の光子を前記共振器結合量子エミッタにもつれさせることと、
前記第1の遷移又は前記第3の遷移のうちの少なくとも一方に関する前記周波数に対応する周波数で光子を供給し、それによって、前記共振器結合量子エミッタの状態を光子に対してマッピングすることと、
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項101】
量子計算システムであって、
複数の光処理段階であって、各光処理段階は、光スイッチ、ビームスプリッタ、導波路、又は光子生成器のうちの少なくとも2つを含む、複数の光処理段階と、
複数の伝令無しの接続であって、各接続は、隣接の光処理段階間に位置している、複数の伝令無しの接続と、
段階設定又は隣接の段階間の流れに関する決定において前の段階からの入力が無いように、隣接の段階間での光子の流れを調節するように構成された回路と、
を備える、量子計算システム。
【請求項102】
前記光処理段階は、時間領域において分離される、請求項101に記載のシステム。
【請求項103】
前記光処理段階は、空間領域において分離される、請求項101に記載のシステム。
【請求項104】
段階設定に関する決定は、前記光スイッチの設定を含む、請求項101に記載のシステム。
【請求項105】
前記光スイッチは、位相シフタを含む、請求項101に記載のシステム。
【請求項106】
段階設定に関する前記決定は、前記位相シフタの設定を含む、請求項105に記載のシステム。
【請求項107】
前記光子生成器は、共振器に結合される量子エミッタを含む、請求項101に記載のシステム。
【請求項108】
前記光処理段階のうちの少なくとも一部は、量子エミッタを含む、請求項101に記載のシステム。
【請求項109】
前記量子エミッタは、共振器に結合される、請求項108に記載のシステム。
【請求項110】
前記量子エミッタは、
光量子ビットが前記量子エミッタに向けて伝達されるときに、量子エミッタ量子ビットを光量子ビットにもつれさせるか、
前記光量子ビットが前記量子エミッタに向けて伝達されるときに、光量子ビットに対して前記量子エミッタ量子ビットをマッピングするか、又は
連続した入射光量子ビット間の相互作用を仲介してグラフ状態を生成するように構成されている、請求項109に記載のシステム。
【請求項111】
前記量子エミッタは、光子と相互作用することができる静止量子ビットを含む、請求項108に記載のシステム。
【請求項112】
前記量子エミッタは、超伝導量子ビットを含む、請求項108に記載のシステム。
【請求項113】
前記量子エミッタは、量子ドットを含む、請求項108に記載のシステム。
【請求項114】
前記量子エミッタは、中性原子又はイオンのうちの少なくとも一方を含む、請求項108に記載のシステム。
【請求項115】
前記原子は、ルビジウム原子であるか、又は前記イオンは、ルビジウムイオンである、請求項114に記載のシステム。
【請求項116】
前記原子は、セシウム原子であるか、又は前記イオンは、セシウムイオンである、請求項114に記載のシステム。
【請求項117】
前記量子エミッタは、ストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、又はマグネシウム原子のうちの少なくとも1つを含む、請求項108に記載のシステム。
【請求項118】
量子計算方法であって、
複数の伝令無しの接続を介して複数の光子を伝達するか又は受け取ることであって、各接続は、隣接の光処理段階間に位置しており、各光処理段階は、光スイッチ、ビームスプリッタ、導波路、又は光子生成器のうちの少なくとも2つを含む、ということと、
段階設定又は隣接の段階間の流れに関する決定において前の段階からの入力が無いように、隣接の段階間での光子の流れを調節することと、
を含む、量子計算方法。
【請求項119】
前記光処理段階のうちの少なくとも一部は、共振器に結合される量子エミッタを含み、前記方法は、
光量子ビットが前記量子エミッタに向けて伝達されるときに、量子エミッタ量子ビットを光量子ビットにもつれさせること、
前記光量子ビットが前記量子エミッタに向けて伝達されるときに、光量子ビットに対して量子エミッタ量子ビットをマッピングすること、又は
連続した入射光量子ビット間の相互作用を仲介してグラフ状態を生成することを更に含む、請求項118に記載の方法。
【請求項120】
命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに量子計算方法を実行させ、前記量子計算方法は、
複数の伝令無しの接続を介して複数の光子を伝達するか又は受け取ることであって、各接続は、隣接の光処理段階間に位置しており、各光処理段階は、光スイッチ、ビームスプリッタ、導波路、又は光子生成器のうちの少なくとも2つを含む、ということと、
段階設定又は隣接の段階間の流れに関する決定において前の段階からの入力が無いように、隣接の段階間での光子の流れを調節することと、
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2022年3月16日に出願された米国仮出願第63/320,454号及び2021年4月27日に出願されたイスラエル特許出願第282705号を基礎とする優先権を主張し、その両方の内容全体を参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示は概して、キャビティ量子電気力学(キャビティQED)を使用した量子計算、並びに関連の装置、システム、コンピュータ可読媒体、及び方法に関する。一部の実施形態は、光子グラフ状態の生成を伴う。
【背景技術】
【0003】
商業的に有用な量子コンピュータ(QC)を構築することは、多くの理由、例えば、より多くの量子ビットが追加されると複雑性、ノイズ、及びクロストークが増加することから生じる拡張性の問題により、困難であり得る。また、量子計算アルゴリズムは、もつれ状態を活用することができ、一部の量子計算アーキテクチャは、当該もつれ状態を得るために(リソース状態生成器とも称される)もつれ状態のソースを使用し得る。本開示は、もつれ状態の当該ソース用のメカニズム又は当該ソースで使用するメカニズムに関する。現在、量子計算は、単に、量子計算が原理的に実現可能であることを実証するのに充分である比較的少数の量子ビットを用いた概念実証段階に制限されたままである。現実世界の問題を処理するように量子計算を実用的なものとするために、現在のデバイスは、誤り訂正についての量子ビットを含む10を超える多数の量子ビットを処理するように拡大される必要がある。
【0004】
量子計算のための量子ビットは多くの場合、3つの物理的なプラットフォーム(又は領域)、すなわち、超伝導体(超伝導状態)、原子(イオン状態)、及び光子(光子状態)のうちの1つで編成される。
【0005】
光プラットフォームは、他のプラットフォームよりも、数多くの非常に実用的な利点を提供する。光子は、比較的容易に生成され、極低温環境又は超高真空環境を必要とせず、超小型化された信頼性の高い光デバイス及びその通信インフラストラクチャの構造は、容易に利用可能な製造技術を利用して達成される。したがって、光プラットフォームは現在、実用的な量子計算デバイスに必要な高レベルのスケール変更を達成する主な候補である。
【0006】
しかしながら、主として、光量子計算において、もつれリソースとして使用するもつれ光子状態を生成することが現在、非常に非効率であるため、光プラットフォームの最大限の可能性は現在実現されていない。従来の機構は、単一光子を生成するために結晶の非線形効果に依存している。光子グラフ状態を生成するために、線形光学素子を使用して確率論的に当該光子をもつれさせる。このために、生成光子は、区別不可能であって、完璧なタイミングで同一形状のパルスに従って生成されるべきである。残念ながら、当該要件は、生成効率を犠牲にすることになる。更に、特定数の量子ビットの光子グラフ状態になるように、確率論的もつれプロセスは、はるかに多い数の最初の単一光子、したがって、より多くの数の素子を必要とする。非効率性に関するこれらのポイントは累積されて、光プラットフォームを意義のある数の量子ビットにスケール変更する取り組みを著しく制限する。
【0007】
したがって、確率論的プロセス及び当該確率論的プロセスに固有の非効率性を低減又は排除し、代わりに、量子ビットとして使用するために最大の効率又は改善された効率で光子グラフ状態を決定論的に生成する、光子グラフ状態を生成する装置及び方法を有することが非常に望ましい。当該目的は、本開示の実施形態によって満たされるか又は促進される。
【発明の概要】
【0008】
量子計算アーキテクチャにおいて使用するもつれ状態のソースは、物質ベースのメカニズム又は光ベースのメカニズムを使用し得る。物質ベースの量子計算メカニズム、例えば、トラップイオン、超伝導量子ビット、又は量子ドットを使用したものは、光ベースのものよりも、もつれ状態をより効率的に達成すると考えられることもある。光ベースの量子計算メカニズム、例えば、シリコンフォトニクスは、より一層拡張可能であってモジュール化されると考えられる。このため、光ベースのメカニズムは、上記の拡張性の問題に対処するのに有用であり得る。
【0009】
本開示と整合する実施形態を使用すると、多数の量子ビットを使用した量子計算で使用するもつれ状態のソースは、例えば、光量子計算に関して可能であり得る。当該アーキテクチャは、標準的なシリコン製造実験室において製造され得る拡張可能なアーキテクチャも提供し得る。本開示と整合する実施形態において使用するキャビティ量子電気力学(キャビティQED)ベースのメカニズムは、光の特性及び物質の特性の両方を活用することができ、したがって、当該アーキテクチャにおいて、もつれ状態のソースとして機能することができ、場合により妥当なコストで、標準的なシリコン製造実験室でさえ、拡張可能なアーキテクチャを製造できることにつながる。
【0010】
例えば、本開示と整合する一部の実施形態は、新規のもつれ光子クラスタ状態生成装置を含む。より具体的には、本開示は、キャビティQEDシステムのチップ実装態様の説明を含む。もつれ光子は、量子コンピュータ用の基本構成ブロックとして使用され得る。
【0011】
光子ベースの量子計算は、量子計算についてのいくつかのアプローチのうちの1つである。光量子コンピュータにおいて、量子データは、光子の量子状態で記憶され得る。光量子コンピュータの構成ブロックは、もつれ光子を含み得る。したがって、もつれ光子を効率的に生成する必要がある。
【0012】
本開示の実施形態は、量子計算において使用可能な単一光子、多光子、及び光子グラフ状態を生成する決定論的装置及び方法、並びにそれらのもつれを提供することができるか、又は当該提供を可能にする。確率論的プロセスを回避することによって、本開示は、高効率を達成することができ、高度な生成光子を量子ビットにおいて使用可能とすることができる。
【0013】
本開示の態様によれば、本明細書に記載されるシステム、方法、デバイス、集積回路デバイス、回路、集積回路デバイスのレイアウト、コンピュータ可読記憶媒体、非一時的コンピュータ可読記憶媒体、及び信号が提供される。本開示の実施形態の他の特徴は、以下に続く、従属請求項、節、添付図面、及び添付図面を参照した好ましい実施形態の説明から明らかになるであろう。
【0014】
一部の本開示の実施形態は、複数の結合位置の各々で量子エミッタを結合することであって、その結果、複数の量子エミッタの各々は、異なる結合位置に関連付けられ、各結合位置は、複数の光子キャビティのうちの異なる光子キャビティに関連付けられ、各結合位置に関連付けられる量子エミッタは、連続した入射光量子ビット間の相互作用を仲介してグラフ状態を生成するように構成されている、ということと、光子を複数の光子キャビティに供給することであって、光子キャビティは、光量子ビットを量子エミッタに結合するように構成されている、ということと、複数のキャビティの下流にある複数の光子出力チャネルを介してグラフ状態を出力することと、を伴う。
【0015】
一部の本開示の実施形態は、複数のキャビティに関連付けられる複数の結合場所に複数の量子エミッタを位置決めすることと、複数の量子エミッタの各々に関連付けられる量子エミッタ量子ビットの状態を初期化することと、量子エミッタ量子ビット及び光量子ビットをもつれさせるように光量子ビットと量子エミッタ量子ビットとの間にもつれゲートを生成するために、少なくとも1つの第1の事例の伝達において複数の量子エミッタに向けて光量子ビットを伝達することと、第1の事例の伝達のうちの少なくとも1つの後に、光量子ビットと量子エミッタ量子ビットとの間にSWAPゲートを生成するために、少なくとも1つの第2の事例の伝達において光量子ビットを複数の量子エミッタに向けて伝達して、量子エミッタ量子ビットを光量子ビットにマッピングすることと、を伴う。
【0016】
一部の本開示の実施形態は、量子エミッタをキャビティに結合することと、第1の時間プロファイルを有する第1のダーティ(dirty)光子を生成することと、第1のダーティ光子を使用して第1の光量子ビットを形成することと、第2の時間プロファイルを有する第2のダーティ光子を生成することと、第2のダーティ光子を使用して第2の光量子ビットを形成することと、キャビティに結合される量子エミッタを使用し、第1の光量子ビットを第2の光量子ビットともつれさせて、もつれ光量子ビットのペアを形成することと、量子計算を行うためにもつれ光量子ビットのペアを使用することと、を伴う。
【0017】
本開示の態様によれば、量子計算システム、方法、及びコンピュータ可読媒体(又は非一時的コンピュータ可読媒体)が提供され、共振器結合量子エミッタの状態を初期化することと、少なくとも2つの光子グラフ状態を受け取ることであって、少なくとも2つの光子グラフ状態の各々は、少なくとも2つの光子を含む、ということと、各グラフ状態から少なくとも1つの光子を選択することと、共振器結合量子エミッタを介してもつれゲートを通じて、選択された光子を供給することと、選択された光子から共振器結合量子エミッタのもつれを解くことと、を伴い、もつれを解くことは、共振器結合量子エミッタの状態を検出すること、又は共振器結合量子エミッタの状態を追加の光子の状態にマッピングすることのうちの少なくとも一方を含む。
【0018】
本開示の態様によれば、量子計算システム、方法、及びコンピュータ可読媒体(又は非一時的コンピュータ可読媒体)が提供され、N構成で配置された少なくとも4つの準位を有する共振器結合量子エミッタの状態を初期化することであって、N構成は、第1の基底状態、第2の基底状態、第1の励起状態、及び第2の励起状態を有する、ということと、第1の基底状態と第1の励起状態との間の第1の遷移に関する周波数を調整することと、第2の基底状態と第2の励起状態との間の第2の遷移に関する周波数を調整することと、第2の基底状態と第1の励起状態との間の第3の遷移に関する周波数を調整することと、第2の遷移に関する周波数に対応する周波数で複数の光子を供給し、それによって、複数の光子を共振器結合量子エミッタにもつれさせることと、第1の遷移又は第3の遷移のうちの少なくとも一方に関する周波数に対応する周波数で光子を供給し、それによって、共振器結合量子エミッタの状態を光子に対してマッピングすることと、を伴う。
【0019】
一部の本開示の実施形態は、複数の光処理段階であって、各光処理段階は、光スイッチ、ビームスプリッタ、導波路、又は光子生成器のうちの少なくとも2つを含む、複数の光処理段階と、複数の伝令無しの接続であって、各接続は、隣接の光処理段階間に位置している、複数の伝令無しの接続と、段階設定又は隣接の段階間の流れに関する決定において前の段階からの入力が無いように、隣接の段階間での光子の流れを調節するように構成された回路と、を伴う。
【0020】
本開示の主題の態様によれば、決定論的光子グラフ状態生成器及びそれに関する方法が提供される。決定論的単一光子生成は、時間的に連続したもつれ光子を生成するために決定論的キャビティ増強光子-原子もつれと組み合わされ、関連の実施形態では、生成及びもつれユニットは、1つの時間次元、及び1つ又は2つの空間次元などの1つ又は2つの追加の次元を有するもつれ光子の多次元クラスタ状態を放出する統合アレイ内に組み込まれる。
【0021】
単一光子生成、原子-光子もつれ、及び光子-光子もつれは、光キャビティ内の4状態原子システムによって達成され得、その遷移は、入射光子のエネルギー及び極性に従って独立して扱うことができる。動作のタイプには、単一光子確保、原子-光子もつれ、複数の光子もつれ、並びに原子量子ビットの準備及び測定が含まれる。
【0022】
一態様によれば、量子もつれ光子のグラフ状態を確保する方法が提供され、(光子ソースユニットは、光子生成器とも称され得る)当該方法は、
単一光子を確保する光子ソースユニットを提供することであって、光子ソースユニットは、ソース光キャビティの内部キャビティ場内に配置されるソースユニット原子を備える、ということと、
光子状態の量子もつれについての光子もつれユニットを提供することであって、光子もつれユニット原子は、もつれ光キャビティの内部キャビティ場内に配置される、ということと、
光子パルスを光子もつれユニットに送信して、もつれユニット原子を原子量子重ね合わせ状態
【数1】
に設定することと、
光子パルスを光子ソースユニットに送信して、ソースユニット原子を量子状態|1>に初期化することと、
第1の光モードでの光子の光子パルスを光子ソースユニット内に送信して、第2の光モードでの単一光子をソースユニット原子に出力させることであって、第1の光モードは、ソースユニット原子の第1の遷移に結合し、第2の光モードは、ソースユニット原子の第2の遷移に結合する、ということと、
第3の光モード及び第4の光モードの重ね合わせに対して第2の光モードでの単一光子を光子もつれユニットに経路設定することであって、
第3の光モードは、もつれユニット原子の第3の遷移に結合し、
第4の光モードは、ソースユニット原子のどの遷移にも結合せず、
第4の光モードは、もつれ光キャビティに結合せず、
第3の光モード及び第4の光モードの重ね合わせにおける光子は、もつれユニット原子との量子もつれ状態である、ということと、
少なくとも1回経路設定を繰り返して、もつれユニット原子との量子もつれにおいて第3の光モード及び第4の光モードの重ね合わせで、第2の光モードでの少なくとも1つの追加の単一光子を光子もつれユニットに経路設定することと、
もつれユニット原子に対して測定を行い、それによって、第3の光モード及び第4の光モードの重ね合わせ状態での光子から、そのもつれを解くことであって、
第3の光モード及び第4の光モードの重ね合わせ状態での少なくとも2つの光子は、量子もつれ状態である、ということと、
時間的に連続した相互にもつれた光子として、第3の光モード及び第4の光モードの重ね合わせ状態での少なくとも2つの光子を出力することと、
を含む。
【0023】
もつれユニット原子に対して測定を行うことは、ブロッホ球のx-y平面内で測定を行うことを含み得る。
【0024】
別の態様によれば、量子もつれ光子のグラフ状態を確保するデバイスが提供され、デバイスは、
複数の単一光子ソースユニットと、
第1の段階の線形光学素子と、
第1の複数のもつれユニットと、
を備え、
複数の単一光子ソースユニット、第1の段階の線形光学素子、及び第1の複数のもつれユニットは相応じて、所定の空間軸線に沿ってずらされており、
複数の光子ソースユニットの各単一光子ソースユニットは、単一光子を第1の段階の線形光学素子に出力し、そこから、第1の複数のもつれユニットのそれぞれのもつれユニット内に出力し、
第1の複数のもつれユニットは、時間次元で連続してもつれ光子の1次元空間アレイを出力する。
【0025】
単一光子ソースユニット及び/又はもつれユニットは各々、第1の基底状態、第1の励起状態、第2の基底状態、第2の励起状態、又はそれらの重ね合わせにある原子を備え得、原子は、
第1の基底状態と第1の励起状態との間の第1の遷移、
第1の励起状態と第2の基底状態との間の第2の遷移、及び
第2の基底状態と第2の励起状態との間の第3の遷移を選択的に経るように更に構成されており、
デバイスは、内部に原子を配置する内部キャビティ場を定めた光キャビティと、光キャビティに結合される光導波路と、原子において磁場を生成するように構成された磁石と、干渉状態で光子のパルスを生成するように構成されたレーザソースと、を備え、デバイスは、遷移の各々が光キャビティの共鳴の範囲内であるように構成されている。
【0026】
第1及び第2の遷移は、互いに対して直交偏波であるように選択され得る。
【0027】
第1及び第2の励起状態は、同じエネルギー準位であり得る。
【0028】
第1及び第2の基底状態は、互いに異なるエネルギー準位であり得る。
【0029】
レーザソースは、
第1の励起状態を介した第1の基底状態から第2の基底状態への第1及び第2の遷移を原子に経させることによって原子を初期化するように構成された光子を初期化するパルス、並びに
第1の励起状態を介した第2の基底状態から第1の基底状態への第2及び第1の遷移を原子に経させることによって原子から単一光子を確保するように構成された光子を確保するパルスを選択的に生成するように構成され得る。
【0030】
レーザソースは、原子の状態を量子重ね合わせ状態に設定するように構成された準備光子を選択的に生成するように構成され得、準備光子は、第1及び第2の準備モードの重ね合わせの状態であって、原子との準備光子の相互作用の結果、その第1及び第2の基底状態は、第1及び第2の準備モードの重ね合わせの状態に対応する重ね合わせの状態である、すなわち、相互作用の結果、原子の第1及び第2の基底状態は、入射準備光子の第1及び第2の準備モードの確率振幅と等しい確率振幅を有する重ね合わせである。
【0031】
原子は、ルビジウム原子であり得る。
【0032】
磁石は、ソレノイドであり得る。
【0033】
第1の段階の線形光学素子は、位相制御を含み得る。
【0034】
デバイスは、
第2の段階の線形光学素子と、
第2の複数のもつれユニットと、
を更に備え得、
第2の段階の線形光学素子及び第2の複数のもつれユニットは相応じて、複数の単一光子ソースユニット、第1の段階の線形光学素子、及び第1の複数のもつれユニットに対して所定の空間軸線に沿ってずらされており、
第1の複数のもつれユニットの各もつれユニットからそれぞれ出力されるもつれ状態での単一光子は、第2の段階の線形光学素子に入力され、そこから、第2の複数のもつれユニットのそれぞれのもつれユニット内に入力される。
【0035】
第2の複数のもつれユニットは、時間次元で連続してもつれ光子の2次元空間アレイを出力するように構成され得る。
【0036】
デバイスは、量子コンピュータで使用するもつれ量子ビットを生成するように構成され得る。
【0037】
デバイスは、本開示の主題の態様のうちのいずれかの方法を実行するように構成され得る。
【0038】
前述の概要は、本開示についての特色を提供するように本開示の実施形態の特定の例を提供しており、本開示の実施形態に関する全ての態様をまとめること意図したものではない。本開示の実施形態に関する追加の特徴及び利点は、部分的に以下の説明で記載され、部分的に当該説明から明らかになるか、又は本開示の実施形態の慣例によって理解され得る。本開示の実施形態に関する特徴及び利点は、添付の特許請求の範囲において具体的に示される要素及び組合せによって実現及び達成される。
【0039】
前述の概略的な説明及び以下の詳細な説明の両方は、単なる例及び説明であって、特許請求される本開示の実施形態を制限するものではないことを理解されたい。添付図面は、本明細書の一部を構成している。図面は、本開示のいくつかの実施形態を示しており、説明と共に、添付の特許請求の範囲に記載されるような本開示の実施形態の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0040】
開示される主題は、以下の詳細な説明を参照して添付図面と共に読むと最もよく理解され得る。
図1図1は、本開示の実施形態に係る量子計算において使用するデバイスを概略的に示す。
図2A図2Aは、図1に示されるデバイスのプロセスについての状態図である。
図2B図2Bは、図1に示されるデバイスの別のプロセスについての状態図である。
図2C図2Cは、図1に示されるデバイスの相互作用無し状態を示す状態図である。
図2D図2Dは、図1に示されるデバイスの別の相互作用無し状態を示す状態図である。
図2E図2Eは、本開示の実施形態に係る、図1に示されるデバイスの原子における測定の実施を概略的に示す。
図3図3は、図1に示されるデバイスを使用した光子との原子のもつれを概略的に示す。
図4A図4Aは、本開示の実施形態に係る単一光子ソースユニットを概略的に示す。
図4B図4Bは、図4Aの光子ソースユニットからの連続した一連の単一光子の生成を概略的に示す。
図5A図5Aは、本開示の実施形態に係る、原子状態との光子状態の量子もつれについてのもつれユニットを概略的に示す。
図5B図5Bは、本開示の実施形態に係る、原子状態との連続した一連の光子状態の量子もつれを概略的に示す。
図6図6は、本開示の実施形態に係る光子グラフ状態を確保する方法のフローチャートである。
図7図7は、本開示の実施形態に係る、量子もつれ光子状態の多次元クラスタ状態を確保する装置を概略的に示す。
図8図8は、本開示の一部の実施形態と整合するキャビティに結合される原子を概略的に示す。
図9A図9Aは、本開示の一部の実施形態に係るキャビティに結合される原子に使用可能な導波路を概略的に示す。
図9B図9Bは、本開示の一部の実施形態に係る光子生成を概略的に示す。
図9C図9Cは、本開示の一部の実施形態に係るもつれゲートを概略的に示す。
図10図10は、本開示の一部の実施形態に係る原子及び光チップに使用可能な真空チャンバを含むシステムを概略的に示す。
図11A図11Aは、光子グラフをもつれさせることに関する一部の実施形態に係る量子計算方法を概略的に示す。
図11B図11Bは、光子グラフをもつれさせることに関する一部の実施形態に係る量子計算方法を概略的に示す。
図11C図11Cは、光子グラフをもつれさせることに関する一部の実施形態に係る量子計算システムを概略的に示す。
図11D図11Dは、一部の本開示の実施形態に従って光子グラフをもつれさせてクラスタを形成することに関する一部の実施形態に係る量子計算システムを概略的に示す。
図12A図12Aは、一部の本開示の実施形態と整合するグラフ状態を生成する複数のキャビティを提供することに関する量子計算システムについての好ましい実装態様を概略的に示す。
図12B図12Bは、一部の本開示の実施形態と整合する複数のキャビティを提供する光子生成器を概略的に示す。
図12C図12Cは、一部の本開示の実施形態に係る、グラフ状態を生成する複数のキャビティを提供することに関する例示的なプロセスのブロック図である。
図12D図12Dは、一部の本開示の実施形態に係る、グラフ状態を生成する複数のキャビティを提供することに関する量子計算システムについての好ましい実装態様を概略的に示す。
図13A図13Aは、光子グラフ状態を生成することに関する一部の実施形態に係るシステムの好ましい実装態様を概略的に示す。
図13B図13Bは、光子グラフ状態を生成することに関する一部の実施形態に係るシステムの好ましい実装態様を概略的に示す。
図13C図13Cは、光子グラフ状態を生成することに関する一部の実施形態に係るシステムの好ましい実装態様を概略的に示す。
図13D図13Dは、光子グラフ状態を生成することに関する一部の実施形態に係る例示的なプロセスのブロック図である。
図14A図14Aは、量子計算のために光子グラフ状態を生成することに関する一部の実施形態に係るシステム又はデバイスの好ましい実装態様を概略的に示す。
図14B図14Bは、量子計算のために光子グラフ状態を生成することに関する一部の実施形態に係る例示的なプロセスのフローチャートである。
図15A図15Aは、本開示の一部の実施形態に係る、共振器(又はキャビティ)に結合される量子エミッタを使用した単一光子ラマン相互作用(SPRINT)メカニズムを概略的に示す。
図15B図15Bは、本開示の一部の実施形態に係る、共振器(又はキャビティ)に結合される量子エミッタを使用した単一光子ラマン相互作用(SPRINT)メカニズムを概略的に示す。
図15C図15Cは、本開示の一部の実施形態に係る、共振器(又はキャビティ)に結合される量子エミッタを使用した単一光子ラマン相互作用(SPRINT)メカニズムを概略的に示す。
図16A図16Aは、N構成の共振器結合量子エミッタに関する一部の実施形態に係る量子計算方法のフロー図である。
図16B図16Bは、N構成の共振器結合量子エミッタに関する一部の実施形態に係る量子計算システムを概略的に示す。
図16C図16Cは、N構成の共振器結合量子エミッタに関する一部の実施形態に係る量子計算システムを概略的に示す。
図16D図16Dは、N構成の共振器結合量子エミッタに関する一部の実施形態に係る量子計算システムを概略的に示す。
図17A図17Aは、伝令(heralding)無しの接続の使用に関する一部の実施形態に係るシステム又はデバイスの好ましい実装態様を概略的に示す。
図17B図17Bは、伝令無しの接続の使用に関する一部の実施形態に係る光処理段階の好ましい実装態様を概略的に示す。
図17C図17Cは、伝令無しの接続の使用に関する一部の実施形態に係る光処理段階の好ましい実装態様を概略的に示す。
図17D図17Dは、伝令無しの接続の使用に関する一部の実施形態に係る例示的なプロセスのフローチャートである。
【0041】
図示の簡略化及び明確化のために、図に示される要素は、必ずしも縮尺通りに描かれているわけではなく、一部の要素の寸法は、他の要素に対して誇張され得る。加えて、参照番号は、対応する要素又は類似の要素を示すために図の間で繰り返され得る。
【0042】
以下の説明において、様々な動作例は、例示的な目的のために提供される。しかしながら、本開示は、これらの詳細な説明のうちの1つ以上を伴うことなく実施され得ることを理解されたい。ここで、本開示の非限定的な例を詳細に参照し、その例を添付図面に示す。当該例は、図面を参照することによって以下に記載され、当該図面において、同様の参照番号は、同様の要素を指す。同様の参照番号が示されている場合、対応する説明は繰り返し行わず、読者が関心をもつ場合、同様の要素の説明について前で説明した図を参照されたい。
【0043】
様々な実施形態は、システム、方法、デバイス、又はコンピュータ可読媒体を参照して本明細書に記載される。あるものについての開示は、全てについての開示であることが意図される。例えば、本明細書に記載されるコンピュータ可読媒体の開示は、コンピュータ可読媒体によって実装される方法、並びに例えば、少なくとも1つのプロセッサ又は回路を介して当該方法を実施するシステム及びデバイスの開示も構成することを理解されたい。本開示形態は、説明を容易にするためだけのものであって、本明細書における一実施形態の1つ以上の態様は、本開示の意図した範囲内で、本明細書における他の実施形態の1つ以上の態様と組み合わされ得ることを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0044】
好ましい実施形態は、添付図面を参照して記載される。図は、必ずしも縮尺通りに描かれているわけではない。本開示の原理の例及び特徴が本明細書に記載されるが、修正、改変、及び他の実装態様は、本開示の実施形態の趣旨及び範囲から逸脱することなく可能である。また、「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(containing)」、及び「含む(including)」という語、並びに他の同様の形態は、同等の意味であることを意図したものであって、これらの語のうちのいずれか1つに続く項目又は複数の項目が、当該項目若しくは複数の項目の網羅的な列挙を意味するものではなく、又は列挙された項目若しくは複数の項目のみに限定されることを意味するものではないという点で、オープンエンドのものであることを意図したものである。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される単数形態「a」、「an」、及び「the」は、文脈で特に明確に定められていない限り複数の言及を含むことにも留意されたい。更に、「第1」及び「第2」などの本明細書における関係性の用語は、あるエンティティ又は動作を別のエンティティ又は動作と区別するためだけに使用され、これらのエンティティ又は動作間の実際のいかなる関係又は順序も要求又は暗示するものではない。
【0045】
特に具体的に述べられていない限り、本明細書において使用される「又は」という用語は、実行不可能な場合を除き、可能な全ての組合せを包含する。例えば、ある構成要素がA又はBを含み得ることが述べられている場合、特に具体的に述べられていない限り、又は実行不可能でない限り、当該構成要素は、Aか、Bか、又はA及びBを含み得る。第2の例として、ある構成要素がA、B、又はCを含み得ることが述べられている場合、特に具体的に述べられていない限り、又は実行不可能でない限り、当該構成要素は、Aか、Bか、Cか、A及びBか、A及びCか、B及びCか、又はA、B、及びCを含み得る。
【0046】
本明細書に記載される実施形態は、命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体又はコンピュータ可読媒体を指す場合があって、当該命令は、少なくとも1つのプロセッサ(又はシステムか、回路か、若しくはデバイス)によって実行されると、少なくとも1つのプロセッサ(又はシステムか、回路か、若しくはデバイス)に本開示の実施形態に係る方法を行わせる。非一時的コンピュータ可読媒体(又はコンピュータ可読媒体)は、メモリに記憶された方法又は任意の他の命令を実行するためにプロセッサを有する任意の計算デバイス(又は任意のシステム)によって読み取られ得るように、任意のメモリにデータを記憶することができる任意の媒体であり得る。非一時的コンピュータ可読媒体(又はコンピュータ可読媒体)は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの任意の組合せとして実装され得る。更に、ソフトウェアは好ましくは、要素又は特定のデバイス及び/若しくはデバイスの組合せで構成されたプログラム記憶ユニット又はコンピュータ可読媒体上で有体的に具現化されるアプリケーションプログラムとして実装され得る。アプリケーションプログラムは、任意の好適なアーキテクチャ(又は回路)を備える機械にアップロードされて当該機械によって実行され得る。好ましくは、機械は、1つ以上の中央処理装置(「CPU」)、メモリ、及び入力/出力インターフェースなどのハードウェア(又は回路)を有するコンピュータプラットフォーム上で実装され得る。コンピュータプラットフォームは、オペレーティングシステム及びマイクロ命令コードも含み得る。本開示に記載される様々なプロセス及び機能は、マイクロ命令コードの一部若しくはアプリケーションプログラムの一部、又はそれらの任意の組合せであってもよく、当該コンピュータ又はプロセッサが明示的に示されているかどうかに関わらずCPUによって実行され得る。加えて、様々な他の周辺ユニットは、追加のデータ記憶ユニットなどのコンピュータプラットフォーム及び真空チャンバに接続され得る。更に、非一時的コンピュータ可読媒体は、一時的な伝播信号を除く任意のコンピュータ可読媒体であり得る。
【0047】
メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、ハードディスク、光ディスク、磁気媒体、ソリッドステート記憶デバイス、フラッシュメモリ、他の永続メモリ、固定メモリ、揮発性メモリ、若しくは不揮発性メモリ、又は命令を記憶することができる任意の他の機構を含み得る。メモリは、データ構造、命令、又は任意の他のデータを記憶することができる、並んで位置するか又は分配される1つ以上の別々の記憶デバイスを含み得る。メモリは、プロセッサが実行する命令を含むメモリ部を更に含み得る。メモリはまた、プロセッサ用の動作スクラッチパッドとして、又は一時的なストレージとして使用され得る。
【0048】
一部の実施形態は、少なくとも1つのプロセッサを伴う。「少なくとも1つのプロセッサ」は、入力又は複数の入力に対して論理演算を行う電気回路を有する任意の物理デバイス又はデバイスのグループを含み得る。例えば、少なくとも1つのプロセッサは、特定用途向け集積回路(ASIC)を含む1つ以上の集積回路(IC)、マイクロチップ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、中央処理装置(CPU)の全て若しくは一部、画像処理装置(GPU)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、サーバ、仮想サーバ、又は命令を実行するか若しくは論理演算を行うのに好適な他の回路を含み得る。少なくとも1つのプロセッサによって実行される命令は、例えば、コントローラに統合されるか若しくは組み込まれるメモリに予めロードされ得るか、又は別々のメモリに記憶され得る。メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、ハードディスク、光ディスク、磁気媒体、ソリッドステート記憶デバイス、フラッシュメモリ、他の永続メモリ、固定メモリ、若しくは揮発性メモリ、又は命令を記憶することができる任意の他の機構を含み得る。一部の実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、複数のプロセッサを含み得る。各プロセッサは、同様の構造を有し得るか、又はプロセッサは、互いに電気的に接続又は分離された異なる構造であり得る。例えば、プロセッサは、別々の回路であり得るか、又は単一の回路に統合され得る。複数のプロセッサが使用される場合、プロセッサは、独立的に又は協働的に動作するように構成されてもよく、並んで位置し得るか又は互いに離れて位置し得る。プロセッサは、電気的に、磁気的に、光学的に、音響的に、機械的に、又はプロセッサが相互作用することを可能にする他の手段によって接続され得る。
【0049】
代替的に又は追加的に、一部の実施形態は、回路(又は集積回路若しくは集積回路デバイスのレイアウト)を伴う。回路(又は集積回路若しくは集積回路デバイスのレイアウト)は、1つ以上の機能ユニット(又は1つ以上のレイアウト部分)を含んでもよく、各機能ユニット(又は各レイアウト部分)は、1つ以上のプロセスステップを行うように構成されている。1つ以上の機能ユニット(又は1つ以上のレイアウト部分)は、回路(又は集積回路若しくは集積回路デバイスのレイアウト)が方法又はプロセスの一部又は全てのステップを行うことができるように配置され得る(例えば、互いに、又は別の機能ユニット若しくは別のレイアウト部分に対して位置決め及び接続され得る)。例えば、回路(又は集積回路若しくは集積回路デバイスのレイアウト)は、一部の本開示の実施形態に係る方法又はプロセスの一部又は全てのステップを行い得る。
【0050】
本明細書に記載される例又は実施形態では、システム、デバイス、装置、集積回路デバイス、又は回路、例えば、光チップ又は光集積回路(PIC)の特徴のうちの少なくとも一部は、例えば、シリコンベースの基板上に当該特徴を形成するためにシリコンベースの基板においてリソグラフィ処理を使用したリソグラフィなどの製造方法を使用して形成される。他のタイプの基板が、その上に当該特徴を形成するためにリソグラフィプロセスを用いて使用され得ることも理解される。リソグラフィの代替的な又はリソグラフィに追加の他の技術(例えば、エッチング、ドーピング、拡散、スパッタリング、若しくは蒸着、又は自己組織化技術などの他の半導体デバイス製造技術)が、基板上に当該特徴を形成するために使用されてもよく、当該他の技術は、本明細書に記載される当該特徴の機能を供給できる構造を有する当該特徴の製造を可能にすることも理解される。
【0051】
以下の段落は、本開示において採用される用語の定義、及び当該用語に関連付けられた例を提供する。ある特徴が当該用語を使用して機能的に記載されている場合、その特徴は、同等の機能を共有する別の特徴と交換され得ることを理解されたい。本明細書に記載される実施形態及び例は、以下のことを指し得る。
【0052】
一部の実施形態は、グラフ状態を伴う。グラフは、グラフ状態を指す。グラフ状態は、量子ビットのグループ間の関係を表し、量子ビットは、量子情報の基本単位である。量子ビットのグループは、例えば、もつれ得る。量子ビットのグループ間の関係は、もつれ関係であり得る。例えば、量子ビットは、光子、原子、及び量子エミッタなどの2状態量子力学システムに記憶され得る(又は属し得る)。例えば、グラフ状態は、複合量子システムの表現を含み得る。複合量子システムは、多量子サブシステムを含み得る。各々の当該サブシステムは、グラフのノード又は頂点によって表され得、サブシステムのペア間のもつれ又は相互作用は、対応する頂点のペアを接続するエッジによって表され得る。グラフ状態の例には、光子グラフ状態、グラフが、接続されたサブセットのd次元格子であるクラスタ状態、又はグラフが、中央の頂点に排他的に接続された多数の頂点であるグリーンバーガ・ホーン・ツァイリンガ状態(GHZ状態)が含まれる。
【0053】
非限定的な例として、図6及び図7は、光子グラフ状態(例えば、ステップ609においてn個の光子が示されている)を確保する方法及び装置を示す。
【0054】
一部の実施形態は、光子状態を伴う。光子状態は、1つ以上の光子の状態又は構成を指す。例えば、光子状態は、1つ以上の光子の自由度に関連付けられた量子状態を含み得る。光子状態の例には、単一光子状態が含まれ、当該状態は、指定されたモード内にちょうど1つの光子が存在することに対応する。非限定的な例として、図4B及び図5Bは、時間的に連続した一連(412)の単一光子状態を示す。
【0055】
一部の実施形態は、光子グラフ状態を伴う。光子グラフ状態は、光子に適用される前述のようなグラフ状態を指す。例えば、光子グラフ状態は、頂点が光子状態を表す光子状態を含む。光子グラフ状態の例には、各頂点が単一光子量子ビットに対応し、量子ビットが単一光子の経路、単一光子の偏波、単一光子のタイムビン、若しくは単一光子の周波数を記述するグラフ状態、又は各頂点が連続量変数の量子ビットに対応し、量子ビットが光子数状態の直交重ね合わせ状態のペアを表すグラフ状態が含まれる。
【0056】
前述のような図6及び図7のグラフ状態は、光子グラフ状態の非限定的な一例である。
【0057】
一部の実施形態は、光量子ビットを伴う。光量子ビットは、1つ以上の光子又は電磁場に記憶される(又は属する)量子情報の基本単位を指す。例えば、光量子ビットは、電磁場の伝播又は静止モードに関連付けられた自由度で符号化された量子ビットを含む。光量子ビットの例には、偏波、光子数、位相、タイムビン、周波数、又は電磁場の位置で符号化された量子ビットが含まれる。電磁場は、真空中の光導波路内の伝播モード、又は電磁共振器に閉じ込められるモードであり得る。
【0058】
一部の実施形態は、量子エミッタを伴う。量子エミッタは、電磁モードに結合するように構成された構成要素を指す。例えば、量子エミッタは、電磁モードに結合するように構成された、非調和スペクトルを有する静止量子システムを含む。換言すれば、量子エミッタは、光子と相互作用することができる静止量子ビットであり得る。静止量子ビットは、量子情報を記憶及び処理する際に使用可能な材料量子システムを指し得る。例えば、静止量子ビットは、(i)ナノ秒以上の時間スケールで確実に量子情報を記憶し、(ii)情報を飛行量子ビット(例えば、非静止量子ビット若しくは光子)に移動させ得るか若しくは変換し得る演算を含む計算及び/若しくは演算を確実に行い、(iii)確実に測定されるか若しくは読み出され、並びに/又は(iv)高度にもつれるように動作可能な(又はそれらの条件を満たす)量子ビットを指し得る。静止量子ビットの例には、量子エミッタに記憶されるか又は属する量子ビットが含まれ得る。例えば、ルビジウム又はセシウム原子に記憶されるか又は属する量子ビットは、静止量子ビットのソースとして機能し得る。例えば、リュードベリ原子も、静止量子ビットのソースとして機能し得る。リュードベリ原子の使用は、量子計算用途に有利な特性、例えば、(i)電磁場に対する強い応答、(ii)長い減衰期間、及び(iii)大きい電気双極子モーメントをもたらし得る。リュードベリ原子は、大きい主量子数nを有する1つ以上の電子を伴う励起原子を指し得る。量子エミッタの例には、イオン若しくは中性原子の電子若しくは核構成、材料基板における欠陥若しくは量子ドットの電子若しくは核構成、又は1つ以上のジョセフソン接合を含む超伝導回路の構成のうちの1つ以上を有する量子システムが含まれる。量子エミッタは、超伝導量子ビット、量子ドット、原子、中性原子、イオン、ルビジウム原子、セシウム原子、ストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、又はマグネシウム原子であり得る。原子又はイオンは、リュードベリ原子から確保され得る。超伝導量子ビットは、アルミニウム又はニオブ-チタン合金などの超伝導材料から確保される固体状態の量子ビットを指し得る。超伝導量子ビットは、少なくとも1つのジョセフソン接合を含み得るか又は少なくとも1つのジョセフソン接合に結合され得る。超伝導量子ビットの例には、電荷量子ビット、磁束量子ビット、位相量子ビット、及び/又はそれらのハイブリッド(例えば、トランズモン)が含まれ得る。量子ドットは、前述のように量子力学原理を示す光学特性及び/又は電子特性を有する、基板(例えば、半導体粒子などの固体状態の基板)を有する量子エミッタを指し得る。例えば、量子ドットは、そのバルク成分と異なる光学特性及び電子特性を有するナノ粒子であり得る。高いエネルギー光子(例えば、UV光)の存在下で、量子ドット内の電子は、高いエネルギー状態に励起され、基底状態に移行するときに1つ以上の光子を放出し得る。例えば、量子ドットは、硫化鉛、セレン化鉛、セレン化カドミウム、硫化カドミウム、テルル化カドミウム、ヒ化インジウム、又はリン化インジウムなどの1つ以上の二元化合物から製造され得る。例えば、量子ドットは、ヒ化ガリウム基板内のヒ化インジウムから自己組織化され得る。例えば、量子ドットは、ダイヤモンド内の窒素空孔中心などの固体状態の基板における原子欠陥を指し得る。図1及び図3に示される原子102、図4A及び図4Bにおける原子402、図5A及び図5Bにおける原子502、図8から図9Cまでにおけるルビジウム(87Rb)原子820、並びに図10における1つ以上の原子1020は、量子エミッタの非限定的な例である。
【0059】
一部の実施形態は、変動量子エミッタを伴う。変動エミッタは、物理的な状態又は特性が経時的に(少なくとも一時的に)変動する量子エミッタを指す。例えば、量子エミッタは、その共振周波数が浮遊磁場又は浮遊電場により経時的に変化するため、変動し得る。例えば、変動エミッタは、遷移周波数が環境ノイズにより時間で(一時的に)変動し得る量子エミッタを含む。変動量子エミッタの例には、遷移周波数が時間変動の磁場、電場、若しくは光トラップ場により変動する原子、又は遷移周波数が周囲の固体状態の格子における確率的電荷若しくはスピンにより変動する量子ドットが含まれる。
【0060】
一部の実施形態は、量子エミッタ量子ビットの状態を伴う。量子エミッタ量子ビットの状態は、量子エミッタの状態又は構成を指す。例えば、量子エミッタの状態は、量子エミッタを記述するハミルトニアンの固有状態の重ね合わせに対応する量子エミッタの構成を含む。量子エミッタ量子ビットの状態の例には、最低エネルギー固有状態に対応する量子エミッタの基底状態が含まれる。
【0061】
一部の実施形態は、キャビティ又は共振器を伴う。キャビティは、共振器として機能してもよく、共振器は、振動及び/又は通常モードを確立又はサポートする構成要素を指す。振動は、例えば、関連付けられた離散セットの共振周波数における離散セットの通常モードの共振振動であり得る。例えば、共振器は、特定の振動周波数を有する電磁モードにおける電磁場を閉じ込めることが可能であり得る。例えば、キャビティ又は共振器は、空間及び時間で電磁場を閉じ込めるように構成された電磁共振器を含む。キャビティ又は共振器は、離散セットの電磁モードをサポートしてもよく、各々は、閉じ込められた場における特定の共振周波数及び寿命に関連付けられる。キャビティ又は共振器の例には、光子キャビティ、光キャビティ、ウィスパリングギャラリーモードキャビティ、ファブリ-ペローキャビティ、又はリングキャビティが含まれる。典型的なキャビティは、光キャビティ又はマイクロ波キャビティであり得る。図1及び図3における光キャビティ103、並びに図8から図9Cまでにおけるキャビティ818は、共振器の非限定的な例である。
【0062】
一部の実施形態は、共振器に結合される量子エミッタ(又は共振器結合量子エミッタ)を伴う。共振器に結合される量子エミッタ(又は共振器結合量子エミッタ)は、共振器と相互作用することが可能な量子エミッタを指す。例えば、共振器に結合される量子エミッタ(又は共振器結合量子エミッタ)は、共振器によって閉じ込められた電磁場と相互作用するように配置された量子エミッタを含んでもよく、これは、空間及び時間で電磁場を閉じ込めるように構成された構成要素又は構成要素のグループであり得る。構成要素又は構成要素のグループは、離散セットの電磁モードをサポートしてもよく、各々は、閉じ込められた場における特定の共振周波数及び寿命に関連付けられる。共振器に結合される当該量子エミッタ(又は共振器結合量子エミッタ)はまた、キャビティに結合される量子エミッタ、光子キャビティに結合される量子エミッタ、又は光キャビティに結合される量子エミッタと称されてもよく、これらに応じて、構成要素は、共振器として機能する。このため、共振器に結合される量子エミッタ(又は共振器結合量子エミッタ)は、双極子場が共振器(例えば、キャビティ、光子キャビティ、又は光キャビティ)の電磁モードと重複する量子エミッタを含み得る。
【0063】
例えば、キャビティ(又は光子キャビティか、共振器か、若しくは光キャビティ)の内部共振器場内に配置された量子エミッタ(又は原子)は、キャビティに結合される量子エミッタ(又は光子キャビティに結合される量子エミッタか、共振器に結合される量子エミッタか、若しくは光キャビティに結合される量子エミッタ)である。図1における光キャビティ103内に閉じ込められる原子102、図8における構成810内のキャビティ818に結合されるルビジウム(87Rb)原子820、及び図9Aから図9Cまでにおけるキャビティ818に結合されるルビジウム(87Rb)原子820は、共振器に結合される量子エミッタ(又は共振器結合量子エミッタ)の非限定的な例である。
【0064】
一部の実施形態は、結合位置又は結合場所を伴う。結合位置又は結合場所は、量子エミッタと共振器(又はキャビティか、光子キャビティか、若しくは光キャビティ)との間の結合を可能にするように構成されたエリア(例えば、容積又は領域)を含む。例えば、結合位置又は結合場所は、共振器(若しくはキャビティか、光子キャビティか、若しくは光キャビティ)の内部キャビティ場内に量子エミッタを位置決めするエリア、又は量子エミッタの双極子場が共振器(若しくはキャビティか、光子キャビティか、若しくは光キャビティ)の電磁モードと重複することを可能にするエリアを含み得る。
【0065】
一部の実施形態は、量子エミッタ位置決めを伴う。量子エミッタ位置決めは、量子エミッタと共振器(又はキャビティか、光子キャビティか、若しくは光キャビティ)との間の相互作用を可能にするように量子エミッタを配置又は設置することを指す。当該量子エミッタ位置決めの例には、結合位置若しくは結合場所に位置するように量子エミッタを配置すること(例えば、結合位置若しくは結合場所に量子エミッタを位置決め若しくは設置すること)、量子エミッタを共振器(若しくはキャビティか、光子キャビティか、若しくは光キャビティ)に結合すること、共振器(若しくはキャビティか、光子キャビティか、若しくは光キャビティ)の内部キャビティ場内に量子エミッタを配置すること、共振器(若しくはキャビティか、光子キャビティか、若しくは光キャビティ)の近傍で量子エミッタをトラップすること、共振器(若しくはキャビティか、光子キャビティか、若しくは光キャビティ)の近傍に量子ドットをリソグラフィで設置すること、又は自己組織化量子ドットの近傍に共振器(若しくはキャビティか、光子キャビティか、若しくは光キャビティ)をリソグラフィで設置することのうちの1つ以上が含まれる。
【0066】
一部の実施形態は、量子エミッタ(例えば、原子又はアルカリ原子)をトラップすることを伴う。量子エミッタをトラップすることは、量子エミッタを結合位置内に維持するトラップを生成することを指す。例えば、量子エミッタをトラップすることは、電磁場の構成を使用して量子エミッタ(又は原子若しくはアルカリ原子)の空間自由度を制限することを伴い得る。量子エミッタ(又は原子若しくはアルカリ原子)をトラップすることの例には、電場及び無線周波数(若しくはマイクロ波)場を使用してイオンをトラップすること、磁気光学トラップ(MOT)構成を使用して原子をトラップすること、又は非共振レーザビーム(原子ピンセット)を使用して原子をトラップすることが含まれる。非限定的な例として、図9Aは、トラップを生成するパルス又は場を搬送するユーティリティ導波路910を示し、図10は、1つ以上の原子1020をトラップする磁気光学トラップ(MOT)を示す。図9Aにおけるパルス又は場は、結合位置、例えば、キャビティ818(又は図における共振器若しくはリング形状)の隣でRb原子820をトラップするように構成されている。当該パルス又は場は、導波路910の周囲でエバネッセント場を生成し及び/又は含むように構成されてもよく、その結果、エバネッセント場トラップは、結合位置に又は結合位置内にRb原子820を維持するように使用され得る。図10における磁気光学トラップは、結合位置に又は結合位置内に1つ以上の原子1020をトラップするように構成されている。
【0067】
一部の実施形態は、光子キャビティ(又はキャビティか、共振器か、若しくは光キャビティ)の近傍にあることを伴う。光子キャビティ(又はキャビティか、共振器か、若しくは光キャビティ)の近傍にあることは、光子キャビティ(又はキャビティか、共振器か、若しくは光キャビティ)の電磁モード内にあることを指す。光子キャビティ(又はキャビティか、共振器か、若しくは光キャビティ)の近傍にあることの例には、ファブリ-ペローキャビティの2つの反射面間にあること、前述のような結合位置若しくは結合場所内に、若しくは当該結合位置若しくは当該結合場所にあること、前述のような共振器(若しくはキャビティか、光子キャビティか、若しくは光キャビティ)の内部キャビティ場内にあること、量子エミッタの双極子場が前述のような共振器(若しくはキャビティか、光子キャビティか、若しくは光キャビティ)の電磁モードと重複することを可能にする結合位置若しくは結合場所内に、若しくは当該結合位置若しくは当該結合場所にあること、及び/又は前述のようなウィスパリングギャラリーキャビティのエバネッセント場内にあることが含まれる。
【0068】
一部の実施形態は、光量子ビットを量子エミッタに結合すること、又は量子ビットを原子量子ビットに結合することを伴う。(光)量子ビットを量子エミッタ(原子量子ビット)に結合することは、量子ビット(1つ以上の光子の量子ビット)と量子エミッタの量子ビット(原子量子ビット、すなわち、原子が量子エミッタとして機能している場合の原子の量子ビット)との間の相互作用を可能にすることを指す。例えば、(光)量子ビットを量子エミッタ(原子量子ビット)に結合することは、前述のように量子エミッタ(又は原子)の双極子場と量子ビット(又は光量子ビット)の電磁場との間の重複を生成することによって、量子ビット(又は光量子ビット)と量子エミッタ(又は原子量子ビット)との間の相互作用を可能にすることを含み得る。
【0069】
一部の実施形態は、超伝導量子ビットを伴う。超伝導量子ビットは、超伝導電子回路(例えば、超伝導体を使用した電気素子の回路網)に記憶されるか又は属する量子ビットを指す。例えば、超伝導量子ビットは、1つ以上のジョセフソン接合を含むか又は1つ以上のジョセフソン接合に結合される超伝導材料からの電気回路を含み得る。超伝導量子ビットの例には、超伝導トランズモン量子ビット、超伝導フラクソニウム量子ビット、又は超伝導ボソニック量子ビットが含まれる。
【0070】
一部の実施形態は、量子ドットを含む量子エミッタを伴う。量子ドットを含む量子エミッタは、量子力学原理を示す光学特性及び/又は電子特性を有する、基板(例えば、半導体粒子などの固体状態の基板)を有する量子エミッタを指し得る。例えば、量子ドットは、電子又は電子ホールをしっかりと閉じ込めるように配置されたナノスケールの半導体材料から形成され得る。例えば、量子ドットを含む量子エミッタは、電磁的な自由度で結合するように構成された、非調和スペクトルを有する静止量子システムを含んでもよく、量子システムは、固体状態の基板内の空間的に定められた領域を、全ての3つの次元でその基板内に電荷キャリアを閉じ込めるために含む。量子ドットを含む量子エミッタの例には、空間領域が電極によって制御される電場によって定められるゲート定義の量子ドット、又は空間領域が周囲の領域よりも小さいバンドギャップを有する材料で構成された自己組織化量子ドットが含まれる。例えば、量子ドットは、ヒ化ガリウム基板内のヒ化インジウムから自己組織化され得る。量子ドットは、例えば、ダイヤモンド内の窒素空孔中心などの固体状態の基板における原子欠陥を指し得る。
【0071】
一部の実施形態は、光子-量子エミッタもつれを伴う。光子-量子エミッタもつれは、1つ以上の光子の状態が1つ以上の量子エミッタの状態に関連付けられた状態を指す。例えば、1つ以上の光子の状態は、1つ以上の量子エミッタの状態に関連していてもよく、それらの状態を互いに独立して記述することができない。当該もつれは、例えば、1つ以上の光子の状態の測定値を1つ以上の量子エミッタの状態の測定値に相関させて、それらの状態の測定値間の相関関係を生成し、それによって、相互の情報が当該相関関係を使用して記憶又は処理され得る。例えば、光子-量子エミッタもつれは、少なくとも1つの光子及び少なくとも1つの量子エミッタで構成された複合量子システムの分離していない(分離可能でない)状態を含んでもよく、少なくとも1つの量子エミッタは、光子状態(例えば、少なくとも1つの光子の光子状態)ともつれる。非限定的な例として、図3は、原子102と光子302との間のもつれを二重線310で示す。
【0072】
一部の実施形態は、もつれゲートを伴う。本明細書で使用される「もつれゲート」という用語は、量子素子(例えば、任意の量子粒子、量子粒子のグループ、又は量子ビット)間の任意の度合いのもつれをもたらす任意の構成要素、構成要素のグループ、制御シーケンス、又は動作(可逆若しくは不可逆)を指す。例えば、もつれゲートは、量子ビットをもつれさせるように構成された量子回路を含み得る。例えば、前述の共振器(又はキャビティ、光子キャビティ、若しくは光キャビティ)に結合される量子エミッタは、もつれゲートとして機能することが可能であり得る。もつれゲート又は動作は、単一光子を、ビームスプリッタを通じて2つの共振器結合量子エミッタに送ることを伴い得る。更に、光量子ビットへの2つの量子エミッタ量子ビットのマッピングは、3光子もつれ状態(すなわち、グリーンバーガ・ホーン・ツァイリンガ状態)を生成し得る。もつれゲートの例には、制御Zもつれゲート(CZゲート)、制御NOTもつれゲート(CNOTゲート)、SWAPもつれゲートの平方根、又は仮想SWAPもつれゲート(iSWAPゲート)が含まれる。
【0073】
非限定的な例として、図8及び図9Cは、図8における構成810内のキャビティ818に結合されるルビジウム(87Rb)原子820、及び図9Cにおけるキャビティ818に結合されるルビジウム(87Rb)原子820を示し、もつれ(CZ)ゲートとして実装され、図5Aから図5Bまでは、もつれゲートとして実装された(もつれユニット原子502を含む)もつれユニット501を示す。
【0074】
制御Zゲート(CZゲート)は、2つの量子ビットにおいて動作可能な量子ゲートを指して、それらの結合量子状態は、条件付き位相シフト(例えば、パイの位相シフト)を得る。例えば、2つの量子ビットの結合量子状態は、両方の量子ビットが論理1に関連付けられた状態である場合にパイの位相シフトを得てもよく、そうでない場合には位相シフトは得られない。非限定的な例として、図3は、制御Zゲート実装態様を示し、図8及び図9Cは、もつれ(CZ)ゲートとして実装された構成810内のキャビティ818に結合されるルビジウム(87Rb)原子820を示す。
【0075】
SWAPゲートは、2つの量子ビットにおいて動作可能な量子ゲートを指して、第1の量子ビットの量子状態は、第2の量子ビットに移され、第2の量子ビットの量子状態は、第1の量子ビットに移される。例えば、2つの量子ビットが量子システムA及びBによって表される場合、Aの量子状態はBに移され、Bの量子状態はAに移される。非限定的な例として、図2Eは、原子102に対して量子ビットの「読み出し」及び「書き込み」動作を行うSWAPゲート201を示す。
【0076】
一部の実施形態は、量子エミッタ量子ビットを光量子ビットにマッピングすることを伴う。量子エミッタ量子ビットを光量子ビットにマッピングすることは、量子エミッタ量子ビットを光量子ビットに移すことを指す。例えば、当該マッピングは、量子エミッタの量子ビットに記憶された量子情報を1つ以上の光子の量子ビットに移すことを含み得る。一例では、量子エミッタ量子ビットを光量子ビットにマッピングすることは、前述のように量子エミッタ量子ビット及び光量子ビットに対してSWAPゲート動作を行った結果であり得る。例えば、共振器結合量子エミッタの特定の遷移に関する周波数に対応する周波数で光子を供給することで、共振器結合量子エミッタの状態が光子に対してマッピングされ得る。非限定的な例として、図2Eは、SWAPゲート201を使用したマッピングを示し、確率振幅γ及びδを有する第1及び第2の基底状態111、113の(量子エミッタの非限定的な例である)原子102の最初の重ね合わせ状態は、出射光子204に移され(モード1及び2のその重ね合わせ状態が確率振幅δ及びγを有するように示されている)、確率振幅α及びβを有する光モード1及び2の入射光子202の重ね合わせは、原子102に移される(第1及び第2の基底状態111、113の重ね合わせ状態で残されている原子102が確率振幅β及びαを有するように示されている)。
【0077】
一部の実施形態は、光チップを伴う。光チップは、可視波長又は赤外波長で動作する素子又は構成要素を統合したデバイスを指す。例えば、当該デバイスは微細加工され得る。微細加工プロセスは、前述のようなリソグラフィを伴い得る。光チップの例には、以下のもの、すなわち、集積レーザと、レーザ、光子のパルス、及び/又は1つ以上の単一光子を搬送するチャネル又は導波路と、導波路と、スイッチと、位相変調器と、共振器と、干渉計と、ビームスプリッタと、光増幅器と、非線形導波路と、非線形共振器と、振幅変調器と、ソレノイドなどの集積磁場生成器と、検出器と、チップの上記素子又は構成要素のうちのいずれか1つ以上からの出力を制御又は受信するように構成された1つ以上のコントローラ(又は回路)と、のうちの1つ以上を組み込んだチップが含まれる。
【0078】
一部の実施形態は、原子ディスペンサを伴う。原子ディスペンサは、1つ以上の原子を提供するように配置された構成要素又は構成要素のグループを指す。原子ディスペンサは、1つ以上の量子エミッタを分配(又は提供)するように配置された量子エミッタディスペンサの非限定的な例である。例えば、原子ディスペンサは、チャンバ内で原子蒸気を生成する原子のソースを含み得る。チャンバは典型的には、真空チャンバを含み得る。原子ディスペンサの例には、原子を分配又は提供するために抵抗加熱されるように構成されたソースが含まれる。例えば、分配される原子は、特に、セシウム、カリウム、ナトリウム、ルビジウム、及びリチウムのうちの1つ以上であり得る。
【0079】
一部の実施形態は、原子のジェットを伴う。原子のジェットは、原子蒸気の流れ又はビームを指す。原子蒸気の流れ又はビームは、前述の原子ディスペンサによって提供され得るか又は分配され得る。例えば、原子のジェットは、原子ディスペンサから出て来る高温原子蒸気を含む指向性ビームを含み得る。
【0080】
一部の実施形態は、原子のジェットの冷却を伴う。原子のジェットの冷却は、ジェットにおける原子の運動及び/又は運動速度の冷却(又は低減)を指す。例えば、原子のジェットの冷却は、ジェットにおける原子の運動自由度の冷却を含み得る。
【0081】
一部の実施形態は、窒化ケイ素層内で形成されるキャビティ(又は共振器)を伴う。例えば、窒化ケイ素層内で形成される前述のようなキャビティ(又は共振器)は、窒化ケイ素を含む接続領域を組み込んだ平面層を伴い得る。接続領域は、屈折率が窒化ケイ素のものよりも低い異なる材料で組み込まれ得る。窒化ケイ素層内で形成されるキャビティ(又は共振器)は、シリカによって囲まれた窒化ケイ素領域内で形成され得、窒化ケイ素領域は、直線若しくは曲線を含み得るか、又は窒化ケイ素領域は、リングを含み得る。非限定的な例として、図1及び図3における光キャビティ103、並びに図8から図9Cまでにおけるキャビティ818は、窒化ケイ素領域内で形成され得る。
【0082】
一部の実施形態は、ダーティ光子を伴う。ダーティ光子は、例えば、量子計算を行うときに別の光子と区別可能な光子を指す。ダーティ光子は、例えば、複数の空間-時間モード、例えば、複数の時間プロファイルに関する混合状態の伝播(伝搬)光子を含み得る。(例えば、前述の共振器に結合される量子エミッタ又は共振器結合量子エミッタを使用して)キャビティ増強原子-光子相互作用を通じて光子をもつれさせることにより、量子計算演算において当該ダーティ光子を使用することが可能になる。これは、(例えば、前述の共振器に結合される量子エミッタ又は共振器結合量子エミッタを使用して)キャビティ増強原子-光子相互作用を通じて光子をもつれさせることは、区別不可能な光子(クリーン光子)の使用を必要としないためであって、そうでない場合、線形光学を用いた確率論的もつれの場合となる。例えば、これは、入力光子パルス(例えば、図4Aにおけるパルス404)が正確なタイミング及び形状である必要がないことを意味する。一部の本開示の実施形態に従って生成される単一光子は、光子を容易に区別可能にする不規則性を光子が示す場合でも、前述の共振器に結合される量子エミッタ又は共振器結合量子エミッタを使用した量子ビットもつれについて完全に好適なものである。
【0083】
一部の実施形態は、時間プロファイルを伴う。時間プロファイルは、伝播光子場の時間包絡線を指す。時間プロファイルの例には、特定の減衰時間及び初期時間を有する指数関数的に減少若しくは増加するプロファイル、特定の初期時間及び最終時間を有する一定のプロファイル、又は特定の平均時間及び時間変化を有するガウスプロファイルが含まれる。
【0084】
一部の実施形態は、光子遅延線を伴う。光子遅延線は、1つ以上の光子のパルス又は光ビームについて時間遅延を導入するように配置された構成要素又は構成要素のグループを指す。例えば、光子遅延線は、光導波路に入らないパルスに対して、入射パルスの到着時間を遅延させるように機能する光導波路を組み込んだ光構成を含み得る。電磁スペクトルの可視部分を利用し得る光遅延線は、光子遅延線の例である。光遅延線は、固定の遅延又は調整可能な遅延を有し得る。(光子又は光)遅延線は、光パルスが遅延線を通過するかどうかを決定する(光)スイッチによって制御され得る。例えば、(光子又は光)遅延線は、自由空間、ファイバ、又はオンチップ導波路において実装され得る。
【0085】
一部の実施形態は、アルカリ原子を操作すること(又は量子エミッタを操作すること)を伴う。アルカリ原子を操作すること(又は量子エミッタを操作すること)は、アルカリ原子(又は量子エミッタ)の外部又は内部状態(例えば、状態又は構成)を制御することを指す。例えば、内部状態は、電子構成、核構成、又はそれらの組合せに対応し得る。外部状態は、例えば、結合位置におけるアルカリ原子の運動に対応し得る。
【0086】
一部の実施形態は、アルカリ原子の冷却(又は量子エミッタの冷却)を伴う。本文脈における冷却は、アルカリ原子(又は量子エミッタ)の運動及び/又は速度の低減を指す。例えば、アルカリ原子の冷却(又は量子エミッタの冷却)は、アルカリ原子(又は量子エミッタ)の運動自由度に影響を与え得る。
【0087】
一部の実施形態は、伝令無しの接続を伴う。伝令無しの接続は、伝令(又はフィードフォワード)を使用しない接続又はリンクを指す。例えば、伝令(又はフィードフォワード)は、強相関状態で生成される単一光子のペアから一方の光子を検出して、ペアからの他方の光子を「伝令」するように光子又は光遅延線を使用することによって達成されてもよく、それによって、他方の光子の状態は、その検出前に既知である(フィードフォワード)。したがって、伝令無しの接続は、当該伝令(又はフィードフォワード)を必要とせず当該伝令(又はフィードフォワード)を伴わない接続又はリンクを指す。
【0088】
本明細書に記載される実施形態、節、特許請求の範囲、又は例は、量子計算において使用する量子エミッタ(例えば、イオン、原子、又は量子ドット)と結合される1つ以上のキャビティ(例えば、本明細書に記載される共振器)の使用、及びそれらの関連のシステム、デバイス、装置、方法、(非一時的)コンピュータ可読媒体、又はコンピュータ可読媒体に関する。当該使用は、本明細書に記載される別の実施形態と互換性があり得る。
【0089】
非限定的な例として、本明細書に記載の結合されるキャビティ及び量子エミッタ(又はキャビティ結合量子エミッタ)は、本明細書に記載される決定論的光子グラフ状態生成器についてのデバイスで使用される原子及び光キャビティ(又はキャビティQED)の例示的な構成のうちの1つにおいて使用されてもよく、光キャビティ(又は共振器)及び原子(又は量子エミッタ)は、その間の結合が例示的な構成の原子トラップ又は他の粒子トラップ(結合位置若しくは結合場所、又はソース光キャビティ若しくはもつれ光キャビティの内部キャビティ場が存在する位置(場所)とも称される)において生じるように配置される。本開示の決定論的光子グラフ状態生成器における構成の例では、キャビティは、光キャビティ103に対応し、量子エミッタは、図1及び図3に示される原子102、図4A及び図4Bにおける原子402、図5A及び図5Bにおける原子502に対応する。他の非限定的な例では、キャビティは、図8から図9Cまでにおけるキャビティ818に対応し、量子エミッタは、図8から図9Cまでにおけるルビジウム(87Rb)原子820、又は図10における1つ以上の原子1020に対応する。
【0090】
例えば、本明細書に記載の結合されるキャビティ及び量子エミッタ(又はキャビティ結合量子エミッタ)は、光子キャビティ結合量子エミッタの例示的な構成のうちの1つ、例えば、グラフ状態を生成する複数のキャビティ、又は図12Aから図12Dまでに示されるもの(例えば、図12A図12B、及び図12Dに示される例示的な光キャビティ1112_1、1112_n、1138_1、1138_n及び例示的な量子エミッタ1114_1、1114_n、1140_1、1140_n)を提供することに関する実施形態において使用され得る。
【0091】
例えば、本明細書に記載の結合されるキャビティ及び量子エミッタ(又はキャビティ結合量子エミッタ)は、キャビティ結合量子エミッタの例示的な構成のうちの1つ、例えば、光子グラフ状態、又は図13Aから図13Dまでに示されるもの(例えば、図13A図13B、及び図13Cに示される例示的なキャビティ1202_1、1202_n及び例示的な量子エミッタ1206_1、1206_n)を生成することに関する実施形態において使用され得る。
【0092】
例えば、本明細書に記載の結合されるキャビティ及び量子エミッタ(又はキャビティ結合量子エミッタ)は、キャビティ結合量子エミッタの例示的な構成のうちの1つ、例えば、量子計算のための光子グラフ状態、又は図14A図15A図15Cに示されるもの(例えば、図14Aに示される例示的なキャビティ1404及び例示的な量子エミッタ1402、又は図15A図15Cに示される例示的な共振器1434及び例示的な量子エミッタ1432)を生成することに関する実施形態において使用され得る。
【0093】
例えば、本明細書に記載の結合されるキャビティ及び量子エミッタ(又はキャビティ結合量子エミッタ)は、共振器結合量子エミッタの例示的な構成のうちの1つ、例えば、光子グラフ、又は図11Aから図11Dまでに示されるもの(例えば、図11C又は図11Dに示される例示的な共振器1733及び例示的な量子エミッタ1731)をもつれさせることに関する実施形態において使用され得る。
【0094】
例えば、本明細書に記載の結合されるキャビティ及び量子エミッタ(又はキャビティ結合量子エミッタ)は、共振器結合量子エミッタの例示的な構成のうちの1つ、例えば、N構成の共振器結合量子エミッタ、又は図16Aから図16Dまでに示されるもの(例えば、図16Bから図16Dまでに示される例示的な共振器1833、1863及び例示的な量子エミッタ1831)に関する実施形態において使用され得る。
【0095】
例えば、本明細書に記載の結合されるキャビティ及び量子エミッタ(又はキャビティ結合量子エミッタ)は、共振器結合量子エミッタの例示的な構成のうちの1つ、例えば、伝令無しの接続、又は図17Aから図17Dまでに示されるもの(例えば、図17B及び図17Cに示される例示的な共振器1904、1944及び例示的な量子エミッタ1902、1942)の使用に関する実施形態において使用され得る。
【0096】
これらの非限定的な例のうちの少なくとも一部におけるミクロンスケールの光キャビティの使用は、単一光子(又は代替的に、2つ以上の光子)を単一原子に結合させることを可能にし、それによって、その光キャビティ結合原子は、図8図9Bに示されるような光子生成器として、又は入力光子が図8図9A、及び図9Cに示されるようなもつれ状態を確立し得る原子として使用され得る。
【0097】
例えば、図8に示されるキャビティ810に結合されるルビジウム(87Rb)原子は、光子を生成するように(「単一光子ソース」812若しくは「光子生成器」)、又は(「もつれゲート」814、例えば、制御Zゲート(CZゲート))を通過する光子をもつれさせるように、(例えば、ファイバ816か、ナノファイバか、又はオンチップ導波路を使用して形成される)導波路と共に使用され得る。
【0098】
図9Aに示す例によって示されるように、導波路は、結合位置において、例えば、キャビティ818(又は、図における共振器若しくはリング形状)の隣でRb原子820をトラップするトラップを生成するパルスを搬送するユーティリティ導波路910を含み得る。パルスは、導波路910の周囲でエバネッセント場を生成するように構成されてもよく、その結果、エバネッセント場トラップは、結合位置にRb原子820をトラップするように使用され得る。エバネッセント場を生成するパルスのパラメータは、Rb原子820(若しくはその場所で使用される任意の他の量子エミッタ)、キャビティ818、結合位置、及び/又は導波路816、910、930の特定の機構に基づいて決定され得る。パルスは、光ナノファイバ(導波路816)の近傍で冷たい原子(Rb原子820又は量子エミッタ)をパルスがトラップすることができるように構成され得る。非限定的な例として、約400nmの直径を有する光ナノファイバで、ファイバガイド光の大部分は、周囲の真空におけるエバネッセント場で伝播する。そして、光双極子トラップは、2つの波長を有するパルスがナノファイバのガイドモードで注入されると、当該エバネッセント場で生成され得る。第1のパルスは、赤方離調されて、原子をナノファイバに向けて引っ張るように構成され得、そのエバネッセント場はより強力である。第2のパルスは、青方離調されて、原子がナノファイバの面上に衝突することを防止する(又は妨げる)反発ポテンシャルを提供するように構成され得る。2つの寄与の組合せは、例えば、ナノファイバの面から約200nm離れて位置する結合位置において最小のポテンシャルをもたらし得る。一実施形態では、赤方離調されたパルスは、850nm(又は、例えば、980nm)の波長を有し得、青方離調されたパルスは、690nm(又は、例えば、720nm)の波長を有し得る。検出器951は、トラップを生成するパルスを搬送するユーティリティ導波路910の端に位置していてもよく、その結果、パルスは、検出器951において検出され得、パルスの適切な制御は、検出器951からの測定値に基づいて行われ得る。
【0099】
図9Aに示す例によって示されるように、導波路は、光子を出力する量子導波路930も含み得る。当該出力光子は、(キャビティQEDが光子ソース812として使用される場合)Rb原子820によって生成される光子であり得るか、又は(キャビティQEDがもつれ(CZ)ゲート814として使用され、光子が量子導波路930を通じて入力され量子導波路930によって搬送される場合)Rb原子820とのもつれ状態であるもつれ光子であり得る。これは、単一光子生成、CZゲート又は原子状態読み出しを容易にする。スイッチ/ルータ970は、量子導波路930の出力チャネル側に位置決めされてもよく、その結果、出力光子の測定(又は検出)が必要とされる場合、出力光子は、量子導波路930から分岐する量子導波路930の分岐に位置する検出器952に向けられる。
【0100】
図9Bに示すキャビティ818構成例に結合される原子820によって示されるように、構成が光子生成812に使用される場合、ユーティリティ導波路910は、ポンプレーザ入力に接続されて、導波路910とキャビティ818(共振器)との間の結合位置で原子820をトラップする青色及び赤色レーザを搬送し得る。別の導波路(例えば、量子導波路930)は、生成光子が他の導波路によって搬送され得るようにキャビティ818(共振器)の相互作用距離の範囲内に提供され得る。
【0101】
図9Cに示すキャビティ818構成例に結合される原子820によって示されるように、構成がもつれ(CZ)ゲート814に使用される場合、ユーティリティ導波路910は、導波路910とキャビティ818(共振器)との間の結合位置で原子820をトラップする青色及び赤色レーザを搬送し得る。別の導波路(例えば、量子導波路930)は、その内部で1つ以上の単一光子が搬送され、キャビティ818(共振器)を介して、搬送される光子とトラップされる原子820との間の相互作用を容易にし得るようにキャビティ818(共振器)の相互作用距離の範囲内に提供されてもよく、それによって、相互作用は、搬送される光子が原子820ともつれた状態になることをもたらし、そして、もつれ光子として出力される。
【0102】
本開示の実施形態によれば、穿孔真空チャンバ1013は、図10に示される例示的な機構1011において使用され得、例示的な機構1011は、冷たい原子ソース1017ベースのリソース状態生成器(RSG)との1つ以上の光チップ1015の組合せを含み、当該組合せは、ハイブリッドシステム1011の一部を形成しており、1つ以上のレーザ1033及びコントローラ(又は制御システム1031)は、その動作を制御する光チップ1015、又は1つ以上の原子1020を冷たい原子ソース1017からトラップする磁気光学トラップ(MOT)に入力を提供し、光チップ1015に接続された光子検出器1035は、光チップ1015において又は光チップ1015から光子を検出し、その結果、光チップ1015は、光子状態のクラスタ状態1041を出力するように制御され得る。例えば、コントローラ(若しくは制御システム1031)又は/及び光チップ1015のいずれか又は両方は、回路並びに/又は少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのメモリを含んでもよく、回路及び/又は少なくとも1つのプロセッサは、一部の本開示の実施形態に係る本明細書に記載の量子計算方法の一部又は全てのステップを実行するように構成されている。
【0103】
一部の実施形態は、複数の光子キャビティを伴い、各光子キャビティは、結合位置及び量子エミッタに関連付けられている。キャビティは、前述のように、振動を確立又はサポートする構成要素である共振器として機能し得る構造、筐体、又は容器を指す。したがって、光子キャビティは、光子に関連付けられる電磁モードを確立又はサポートする共振器(又は構成要素)を指し得る。例えば、光子キャビティは、キャビティQED構成のキャビティ、光キャビティ、ウィスパリングギャラリーモードキャビティ、又はファブリ-ペローキャビティに対応し得る。結合位置は、量子エミッタと光子キャビティとの間の結合を可能にするように構成されたエリア(例えば、容積又は領域)を含む。例えば、結合位置は、前述のように、光子キャビティの内部キャビティ場内に量子エミッタを位置決めするエリア、又は量子エミッタの双極子場が光子キャビティの電磁モードと重複することを可能にするエリアを含み得る。例えば、量子エミッタが結合位置にある場合、これにより、量子エミッタは、光子キャビティと結合することができ、それによって、量子エミッタは、確立又はサポートされる光子キャビティの電磁モードと相互作用する。量子エミッタは、前述のように、電磁モードに結合するように構成された構成要素を指す。例えば、量子エミッタは、電磁モードに結合するように構成された、非調和スペクトルを有する静止量子システムを含む。換言すれば、量子エミッタは、光子と相互作用することができる静止量子ビットであり得る。
【0104】
量子エミッタが、(光子キャビティ結合量子エミッタとも称される)光子キャビティに対して、関連付けられたその結合位置において結合される場合、量子エミッタは、光子キャビティの電磁モードに結合される。したがって、量子エミッタは、光子キャビティの電磁モードと重複する量子エミッタの双極子場を有し、光子キャビティ結合量子エミッタは、励起されると光子を解放若しくは放出する(例えば、光子生成器として機能する)か、又は光子キャビティを通過する光子と相互作用する(例えば、光子をもつれさせるもつれゲートとして機能する)ように構成され得る。したがって、各光子キャビティが結合位置及び量子エミッタに関連付けられた複数の光子キャビティを提供するか又は有することによって、複数の光子を解放若しくは放出するか、複数の光子と相互作用するか、又は光子と複数回相互作用することが可能である。
【0105】
例えば、複数の光子キャビティ結合量子エミッタは、複数の光子生成器として使用され得る。これらの光子生成器は、複数の単一光子を同時に(例えば、並列で)提供し得る。複数の光子キャビティ結合量子エミッタは、複数のもつれゲートとして使用され得る。これらのもつれゲートは、複数の光子を同時に(例えば、並列で)もつれさせるように動作し得る。又は、複数の光子キャビティ結合量子エミッタは、光子を生成し、そしてそれと相互作用するように、光子生成器及びもつれゲートの組合せとして(例えば、少なくとも1つの光子生成器及び少なくとも1つのもつれゲートを備える構成要素のグループとして)使用され得る。前述のように、光子生成器は、個々の光子のソースを指し、もつれゲートは、量子ビット、この場合、光子又は光量子ビットに属する量子ビットをもつれさせるように構成された構成要素若しくは構成要素のグループ又は制御シーケンスを指す。例えば、もつれゲートは、光量子ビットをもつれさせるように構成された量子回路を含み得る。
【0106】
非限定的な例として、図4A及び図4Bは、光子生成器として実装された(量子エミッタとしてのソースユニット原子402を含む)ソースユニット401を示し、図8図9Bは、光子生成器として機能するようにキャビティ818に結合される量子エミッタとしてのルビジウム(87Rb)原子820を示し、図5A及び図5Bは、もつれゲートとして実装された(量子エミッタとしてのもつれユニット原子502を含む)もつれユニット501を示し、図8及び図9Cは、もつれゲートとして機能するようにキャビティ818に結合される量子エミッタとしてのルビジウム(87Rb)原子820を示す。
【0107】
もつれゲートに使用される場合、(例えば、結合位置及び光子キャビティのうちの1つに関連付けられる)各量子エミッタは、連続した入射光量子ビット間の相互作用を仲介して、例えば、出力としてグラフ状態(又は複数のグラフ状態)を生成し得る。前述のように、グラフ状態は、量子ビットのグループ間の関係を表し、量子ビットは、量子情報の基本単位である。したがって、連続した入射光量子ビットから生成されるグラフ状態(又は複数のグラフ状態)は、出力光子に記憶される(又は属する)量子ビット間の関係を表す。光子生成器は、複数の光子キャビティの各々に向けて光子を供給するように、例えば、量子エミッタを介して連続した入射光量子ビット間の相互作用を可能にするように提供され得る。一部の本開示の実施形態では、光子生成器は、光子を提供するように構成された1つ以上の光子キャビティ結合量子エミッタを含み得る。複数の光子キャビティの各々は、光量子ビットと、関連付けられた量子エミッタとの間の相互作用を容易にし得る。複数の出力チャネルはまた、光量子ビットと、関連付けられた量子エミッタとの間の相互作用の後にグラフ状態を出力するように、複数の光子キャビティの下流に位置決めされ得る。例えば、各光子キャビティは、グラフ状態を出力する、関連付けられた出力チャネルを有し得る。代替的に、複数の光子キャビティの一部又は全ては、グラフ状態を出力する出力チャネルを共有し得る。
【0108】
非限定的な例として、図12Aは、グラフ状態を生成する複数のキャビティを提供することに関する量子計算システム1100についての好ましい実装態様を示す。図12Aにおける量子計算システム1100は単に、量子計算システムについての1つの好ましい実装態様の概念化を容易にすることを意図したものであって、本開示を任意の特定の実装態様に限定するものではない。出力されるグラフ状態又は複数の状態は、例えば、1つ以上の時間的に連続した一連のもつれ光子であり得、そして、当該もつれ光子は、量子ビットとして量子計算用途に使用され得る。システム1100は、複数のもつれゲート1102_1~1102_nを含んでもよく、各々は、前述のように光量子ビットをもつれさせるのに好適な構成を含み、nは、1よりも大きい任意の整数である。もつれゲート1102_1~1102_nは各々、光子生成器1104から一連の入力光子1106_1~1106_nをそれぞれ受け取り得る。もつれゲート1102_1~1102_nの各々は、時間的に連続した一連のもつれ光子1108_1~1108_nをそれぞれ出力して、光子グラフ状態1110_1~1110_n又は1122を形成し得る。図12Aは、間にコネクタがない別々の光子としての入力光子1106_1~1106_nを描写して、もつれゲート1102_1~1102_nに入力される前の入力光子1106_1~1106_nの状態を示す。入力光子1106_1~1106_nがもつれゲート1102_1~1102_nに入力される前、入力光子1106_1~1106_nの当該状態は独立している、換言すれば、入力光子1106_1~1106_nはもつれておらず(もつれが解かれており)、入力光子1106_1~1106_n間に相関関係はない。対称的に、時間的に連続した一連の出力光子1108_1~1108_nは、それらのもつれを示すように二重線1108aを介して接続されている。光子間のもつれは、2つ以上の光子の状態が互いの状態に関連付けられた状態を指す。例えば、2つ以上の光子の状態は、互いに関連していてもよく、それらの状態を互いに独立して記述することができない。当該もつれは、例えば、それらの状態の測定値間の相関関係を生成し、それによって、相互の情報が当該相関関係を使用して記憶又は処理され得る。
【0109】
図12Aにおけるもつれゲート1102_1は、第1の導波路1118_1と、光子キャビティ1112_1と、量子エミッタ1114_1と、第2の導波路1120_1と、光子キャビティ1112_1と第2の導波路1120_1との間に位置する結合位置1116_1と、を含む。同様に、図12Aにおけるもつれゲート1102_nは、第1の導波路1118_nと、光子キャビティ1112_nと、量子エミッタ1114_nと、第2の導波路1120_nと、光子キャビティ1112_nと第2の導波路1120_nとの間に位置する結合位置1116_nと、を含む。以下の説明において、もつれゲート1102_1に提供される詳細は、もつれゲート1102_nにも同様にあてはまり得る。
【0110】
一部の実施形態は、量子計算を伴う。量子計算は、重ね合わせ、もつれ、及び干渉などの1つ以上の量子状態特性の利用又は適用を通じて行われる計算を指し得る。一部の実施形態は、量子計算システムを伴い、したがって、量子計算システムは、量子計算を介した計算又は演算の実行を容易にするように構成された構成要素又は構成要素のグループを含み得る。例えば、量子計算システムは、量子計算において量子ビットとして使用する複数の時間的に連続した一連のもつれ光子を含み得るグラフ状態を生成し得る。
【0111】
非限定的な例として、図12Aは、一部の本開示の実施形態と整合する量子計算システム1100の好ましい実装態様を示す。図12Aにおける量子計算システム1100は、複数のもつれゲート1102_1~1102_nを含む。もつれゲート1102_1~1102_nは各々、一連の連続した入力光子1106_1~1106_nを光子生成器1104から受け取り得る。もつれゲート1102_1~1102_nは一体的に、時間的に連続した一連のもつれ光子1108_1~1108_nに関連付けられるグラフ状態1110_1~1110_n及び/又は1122のうちのいずれかを入力光子1106_1~1106_nから生成され得る。
【0112】
一部の実施形態は、複数の光子キャビティを伴う。キャビティは、前述のように、離散セットの共振周波数における共振振動を確立又はサポートする構成要素である共振器として機能し得る構造、筐体、又は容器を指す。したがって、光子キャビティは、光子に関連付けられる電磁モードを確立又はサポートする共振器(又は構成要素)を指し得る。
【0113】
非限定的な例として、図12A及び図12Bは、グラフ状態を生成する複数のキャビティを提供することに関する一部の実施形態に係る複数の光子キャビティ1112_1~1112_n及び1138_1~1138_nの好ましい実装態様を示す。光子キャビティ1112_1~1112_nは、もつれゲート1102_1~1102_nにそれぞれ含まれ得、時間的に連続した一連のもつれ光子1108_1~1108_nに関連付けられるグラフ状態1110_1~1110_n又は1122のうちのいずれかを生成することを容易にし得る。光子キャビティ1138_1~1138_nは、光子生成ユニット1132_1~1132_nにそれぞれ含まれ得、1つ以上の光子を生成することを容易にし得る。
【0114】
一部の実施形態は、量子エミッタ位置決めについての複数の結合位置を伴う。結合位置は、前述のように量子エミッタと光子キャビティとの間の結合を可能にするように構成されたエリアを含む。例えば、量子エミッタを結合位置に位置決めすることにより、量子エミッタは、光子キャビティと結合することができ、それによって、量子エミッタは、確立又はサポートされる光子キャビティの電磁モードと相互作用する。量子エミッタは、前述のように、電磁モードに結合するように構成された構成要素を指す。量子エミッタ位置決めは、前述のように、量子エミッタと光子キャビティとの間の相互作用を可能にするように量子エミッタを配置又は設置することを指す。したがって、量子計算システムは、複数の量子エミッタを位置決めする複数の結合位置を含み、それによって、量子エミッタ及び光子キャビティの複数の結合ペアを形成し得る。これは、例えば、複数の量子エミッタと複数の光子キャビティとの間の複数の同時の(例えば、並列の)相互作用を可能にする。
【0115】
非限定的な例として、図12A及び図12Bは、一部の本開示の実施形態に係る、量子エミッタ位置決めについての複数の結合位置の好ましい実装態様を示す。もつれゲート(1102_1~1102_n)及び光子生成ユニット(1132_1~1132_n)は各々、結合位置(1116_1~1116_n及び1142_1~1142_n)をそれぞれ含む。結合位置(1116_1~1116_n及び1142_1~1142_n)は、光子キャビティ(1112_1~1112_n及び1138_1~1138_n)とそれぞれの対応する導波路(1120_1~1120_n及び1134_1~1134_n)との間に位置している。量子エミッタ(1114_1~1114_n及び1140_1~1140_n)をそれぞれの結合位置(1116_1~1116_n及び1142_1~1142_n)、例えば、対応する導波路(1120_1~1120_n及び1134_1~1134_n)と、対応する光子キャビティ(1112_1~1112_n及び1138_1~1138_n)との間に位置決めすること(例えば、閉じ込め又はトラップ)は、量子エミッタ(1114_1~1114_n及び1140_1~1140_n)と、対応する光子キャビティ(1112_1~1112_n及び1138_1~1138_n)との間の相互作用を可能にする。
【0116】
一部の実施形態では、各結合位置は、複数の光子キャビティのうちの異なる光子キャビティに関連付けられる。当該関連付けは、関連させること又は対応させることを指す。したがって、各結合位置は、各光子キャビティがその関連又は対応する結合位置(例えば、その対応する結合位置のみ)に位置決めされる1つ以上の量子エミッタと結合できるように、異なる光子キャビティに関連又は対応し得る。
【0117】
非限定的な例として、図12Aは、複数の光子キャビティのうちの異なる光子キャビティに関連付けられた各結合位置の好ましい実装態様を示す。結合位置1116_1は、光子キャビティ1112_1に関連付けられ、結合位置1116_nは、光子キャビティ1112_nに関連付けられ、光子キャビティ1112_1及び1112_nの各々は、異なる、例えば、別々の光子キャビティである。図12Bも、複数の光子キャビティのうちの異なる光子キャビティに関連付けられた各結合位置の好ましい実装態様を示し、結合位置1142_1は、光子キャビティ1138_1に関連付けられ、結合位置1142_nは、光子キャビティ1138_nに関連付けられ、光子キャビティ1138_1及び1138_nの各々は、異なる、例えば、別々の光子キャビティである。
【0118】
一部の本開示の実施形態では、各結合位置に関連付けられる量子エミッタは、連続した入射光量子ビット間の相互作用を仲介してグラフ状態を生成するように構成されている。仲介は、相互作用を容易にすること、可能にすること、又は他の場合には促進することを指す。相互作用は、入射光量子ビット間の相関関係を移し、伝達し、関連付け、及び/又は確立し得る。例えば、量子エミッタは、入射光子間のもつれ(例えば、相互作用)を容易にしてもよく、量子エミッタは、入射光子間の当該相互作用を達成する手段である。連続は、続いているか又は連続している、例えば、時間的に連続して次々に来ることを指す。光量子ビットは、前述のように1つ以上の光子又は電磁場に記憶される(又は属する)量子情報の基本単位を指す。例えば、光量子ビットは、電磁場の伝播又は静止モードに関連付けられた自由度で符号化された量子ビットを含む。光量子ビットは、量子力学システムに特有の特性、例えば、(例えば、垂直及び水平偏波状態の一方若しくは両方の)自由度に関する重ね合わせ及び/又は(例えば、複数の光量子ビット間の若しくは量子エミッタ量子ビットとの)もつれを示し得る。したがって、各結合位置は、対応する(例えば、関連付けられた)量子エミッタによる、連続した入射光量子ビット間の相互作用(例えば、もつれ)を容易にしてグラフ状態を生成するようにそこに位置決めされた対応する(例えば、関連付けられた)量子エミッタを有し得る。例えば、各量子エミッタは、複数の光量子ビットのもつれを容易にし得る。
【0119】
非限定的な例として、図12Aは、一部の本開示の実施形態と整合する、各結合位置に関連付けられ、且つ連続した入射光量子ビット間の相互作用を仲介してグラフ状態を生成するように構成された量子エミッタの好ましい実装態様を示す。もつれゲート1102_1は、結合位置1116_1に関連付けられる量子エミッタ1114_1を含む。光子生成器1104は、例えば、連続した個々の入力光子1106_1としての複数の単一光子をもつれゲート1102_1に導波路1118_1を介して提供する。入力光子1106_1は、その間に、接続二重線が無いことによって示されるように、互いにもつれていない(又はもつれが解かれた状態である)。もつれゲート1102_1は、入力光子1106_1の各光子が光子キャビティ1112_1を介して量子エミッタ1114_1と相互作用し、それによって、入力光子1106_1の光子の光量子ビットが量子エミッタ1114_1の量子ビットともつれた状態になるように構成されている。入力光子1106_01からの複数の光子が、量子エミッタ1114_1との当該相互作用を経ると、当該複数の光子は、互いにもつれる。この結果、連続した入射光量子ビットは、もつれ状態になってもつれ出力光子1108_1として出力される。換言すれば、量子エミッタ1114_1は、連続した入射光量子ビット間の相互作用を仲介する。当該相互作用の結果、出力光子1108_1は、相互に接続する二重線1108aによって示されるように互いにもつれる。同様に、もつれゲート1102_nは、結合位置1116_nに関連付けられる量子エミッタ1114_nを含む。もつれゲート1102_nは同様に、入力光子1106_nを受け取り、その間の相互作用を仲介して、相互に接続する線1108aによって示されるようにもつれた出力光子1108_nを生成し得る。
【0120】
一部の本開示の実施形態によれば、量子エミッタは、光子と相互作用することができる静止量子ビットであり得る。二者が配置されている場合、静止量子ビットは、プロトンと相互作用することが可能であり得る。非限定的な例として、量子エミッタは、電磁モードに結合するように構成された、非調和スペクトルを有する静止量子システムであり得る。例えば、量子エミッタは、イオン若しくは中性原子の電子若しくは核構成、材料基板における欠陥若しくは量子ドットの電子若しくは核構成、又は1つ以上のジョセフソン接合を含む超伝導回路の構成のうちの1つ以上を有する量子システムを含み得る。図12Aは、グラフ状態を生成する複数のキャビティを提供することに関する一部の実施形態に係る当該量子エミッタの非限定的な例を示す。量子エミッタ1114_1は、光子キャビティ1112_1と導波路1120_1との間で浮遊し(例えば、トラップされ)、光子キャビティ1112_1を介して、結合位置1116_1内の量子エミッタ1114_1が、導波路1118_1によって搬送される光子(例えば、入射光量子ビット)と相互作用することを可能にし得る。
【0121】
例えば、量子エミッタは、超伝導量子ビットを含み得る。超伝導量子ビットは、前述のように、超伝導電子回路(例えば、超伝導体を使用した電気素子の回路網)に記憶されるか又は属する量子ビットを指す。図12A又は図12Bを参照して、量子エミッタ1114_1~1114_n又は1140_1~1140_nのうちの1つ以上は、超伝導電子回路又は超伝導量子ビットを含み得る。
【0122】
量子エミッタは、例えば、量子ドットを含み得る。量子ドットを含む量子エミッタは、前述のように、量子力学原理を示す光学特性及び/又は電子特性を有する、固体状態の基板(例えば、半導体粒子)を有する量子エミッタを指し得る。図12A又は図12Bを参照して、量子エミッタ1114_1~1114_n又は1140_1~1140_nのうちの1つ以上は、量子ドットを含み得る。
【0123】
量子エミッタは、例えば、原子を含み得る。図12A又は図12Bを参照して、量子エミッタ1114_1~1114_n又は1140_1~1140_nのうちの1つ以上は、図1の原子102などの原子を含み得る。一部の本開示の実施形態によれば、原子は中性である。中性は、原子内のプロトンの数が電子の数と等しい場合などの、全体で電荷が無い原子を指す。一部の本開示の実施形態によれば、原子はイオンである。イオンは、プロトン及び電子の数が等しくない原子などの、全体で電荷を有する粒子又は原子を指す。一部の本開示の実施形態によれば、量子エミッタは、前述のようにルビジウム原子を含む。ルビジウム原子は、中性又はイオンであり得る。一部の本開示の実施形態によれば、量子エミッタは、前述のようにセシウム原子を含む。一部の本開示の実施形態によれば、量子エミッタは、前述のように、ストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、又はマグネシウム原子のうちの少なくとも1つを含む。
【0124】
一部の実施形態によれば、光子生成器は、光子を複数の光子キャビティに供給するように構成されている。そして、供給される当該光子は、入射光量子ビットが属するか又は関連する入射光子として機能し得る。光子生成器は、1つ以上の光子を提供するように構成された構成要素又は構成要素のグループを指す。
【0125】
例えば、光子生成器は、図8図9Bに関して前述したような個々の光子のソースを指し得る。別の例として、光子生成器は、図4Aの光子ソースユニット401に対応し得る。したがって、光子生成器は、1つ以上の光子を供給し、例えば、複数の連続した個々の光子を複数の光子キャビティの各々に供給し得る。非限定的な例として、図12A図12B、及び図12Dは、グラフ状態を生成する複数のキャビティを提供することに関する一部の実施形態に係る、光子を提供又は生成するように構成された光子生成器の好ましい実装態様を示す。そして、当該光子は、複数の光子キャビティに供給されて、一部の本開示の実施形態と整合する入射光量子ビットを供給し得る。光子生成器1104及び1130は、入力光子1106_1(又は図12Dにおける光子1146_1)を光子キャビティ1112_1に導波路1118_1を介して供給し得る。光子生成器1104及び1130はまた、入力光子1106_n(又は図12Dにおける光子1146_1)を光子キャビティ1112_nに導波路1118_nを介して供給し得る。複数の光子生成器が存在し、各光子生成器は、入力光子を1つ以上の光子キャビティに供給し得ることが理解される。
【0126】
一部の本開示の実施形態では、光子キャビティは、光量子ビットを量子エミッタに結合するように構成されている。光量子ビットを量子エミッタに結合することは、光量子ビットと量子エミッタとの間の相互作用を容易にすることを指す。例えば、当該相互作用は、光量子ビットと量子エミッタとの間の物理的接触が無い場合に容易にされ得る。光子キャビティは、例えば、光量子ビットと量子エミッタとの間の当該相互作用を可能にする手段として機能し得る。当該相互作用は、例えば、光量子ビットの物理的挙動と量子エミッタの物理的挙動との間の統計的な相関関係又は対応関係をもたらし得る。したがって、光量子ビットを量子エミッタに結合することによって、光子キャビティは、光量子ビットの物理的挙動と量子エミッタの物理的挙動との間の統計的な相関関係をもたらし得る。例えば、光量子ビットの状態の変化は、それに結合される量子エミッタ量子ビットの状態の対応する変化と同時に生じ得る。光子キャビティは、例えば、光量子ビットが量子エミッタ量子ビットともつれた状態になることを可能にする手段として機能してもよく、これは、光量子ビットと量子エミッタとの間の当該結合により達成可能である。例えば、結合される光量子ビットは、光子生成器から受け取る入力光子(若しくは入射光子)に対応し得るか又は関連付けられ得る。
【0127】
非限定的な例として、図12A及び図12Dは、グラフ状態を生成する複数のキャビティを提供することに関する一部の実施形態に係る、光量子ビットを量子エミッタに結合するように構成された光子キャビティの好ましい実装態様を示す。光子キャビティ1112_1~1112_nの各々は、(例えば、図12Aにおける入力光子1106_1~1106_n又は図12Dにおける光子1146_1に関連付けられる)光量子ビットが量子エミッタ1114_1~1114_nと結合した状態になることを可能にし得る。そして、当該結合は、例えば、図12Aにおける入力光子1106_1~1106_n又は図12Dにおける光子1146_1と量子エミッタ1114_1~1114_nとの間のもつれを可能にする。
【0128】
一部の本開示の実施形態は、グラフ状態を出力する、複数のキャビティの下流にある複数の光子出力チャネルを伴う。下流は、続いて起こること、後のこと、又は続くことを指す。例えば、下流は、時間的若しくは空間的な流れ又は進展の方向に続くように位置決めされることを指し得る。上流のキャビティは、前述の複数の光子キャビティであり得る。複数の光子出力チャネルは、例えば、入力光子の空間的な流れの方向に続いて位置し得る。例えば、複数の光子出力チャネルは、複数のキャビティと出力グラフ状態との間に位置し得る。光子出力チャネルは、(例えば、光子キャビティ結合量子エミッタを使用してもつれた)時間的に連続した一連のもつれ光子を出力に搬送又は輸送して、当該もつれ光子から形成されるグラフ状態を出力し得る。
【0129】
非限定的な例として、図12Aは、グラフ状態を生成する複数のキャビティを提供することに関する一部の実施形態に係る、グラフ状態を出力する、複数のキャビティの下流にある複数の光子出力チャネルの好ましい実装態様を示す。各々が一連のもつれ光子1108_1~1108_nを搬送又は輸送する複数の光子出力チャネルは、光子キャビティ1112_1~1112_nにそれぞれ続いて(例えば、後に又は下流に)位置している。もつれ光子1108_1~1108_nは、図12Aにおいて、量子計算システム1100の出力である1つ以上のグラフ状態を形成し得る。当該出力グラフ状態の例には、もつれ光子1108_1に対応するグラフ状態1110_1、もつれ光子1108_nに対応するグラフ状態1110_n、及びもつれ光子1108_1~1108_nの組合せから形成されるグラフ状態1112(クラスタ状態とも称される場合があって、そのグラフは、接続されたサブセットのd次元格子である)が含まれる。グラフ状態1110_1~1110_n及びクラスタ状態1122は単に、好ましい概念的な図示を意図したものであって、本開示を特定のグラフ状態又は特定のクラスタに限定するものではないことに留意されたい。
【0130】
一部の実施形態は、少なくとも1つの追加の光子キャビティを含む光子生成器を伴う。光子をもつれさせるもつれゲートを含む実施形態では、追加の光子キャビティは、光子をもつれゲートに供給するために提供され得る。光子生成器を含む実施形態では、追加のキャビティは、追加の光子生成器として機能するように提供され得る。前述のように、光子キャビティに関して、追加の光子キャビティは、同様に量子エミッタに結合されてもよく、量子エミッタは、追加の光子キャビティの確立又はサポートされる電磁モードと相互作用して、追加の光子キャビティ結合量子エミッタが励起時に1つ以上の光子を解放又は生成することを可能にし得る。励起は、例えば、図9Bに示されるような近くの導波路910内で搬送されるレーザを使用して生じ得る。これにより、追加の光子キャビティ及び量子エミッタは、光子生成器として機能することができる。例えば、グラフ状態を生成する複数のキャビティを提供することに関する一部の実施形態は、図12Aの光子生成器1104として機能する当該光子生成器を伴い得る。
【0131】
一部の本開示の実施形態では、光子生成器はまた、少なくとも1つの追加の量子エミッタ、及び量子エミッタ位置決めについての少なくとも1つの追加の結合位置を含み、各々の追加の結合位置は、少なくとも1つの追加の光子キャビティのうちの異なる光子キャビティに関連付けられる。追加の量子エミッタは、もつれ又は光子生成器において既に提供された量子エミッタに対する追加であり得る。量子エミッタは、前述の構成と同様の構成を有し得る。追加の光子キャビティが前述のように採用される場合、追加の結合位置が提供され得る。前述の構成と同様の構成を有し得る追加の結合位置により、追加の量子エミッタは、追加の光子キャビティに結合して、それによって、光子生成器として機能することが可能になり得る。
【0132】
本明細書に記載される単一光子を確保する光子ソースユニットは、当該光子生成器の非限定的な例である。例えば、図8図9Bは、キャビティ818に結合される量子エミッタとしてのルビジウム(87Rb)原子820が光子生成器として機能し得ることを示す。別の例として、図4A及び図4Bは、少なくとも1つの追加の光子キャビティを含む光子生成器(例えば、ソースユニット401)の1つの好ましい実装態様を示す。ソースユニット401は、図1の光キャビティ103などの光キャビティと、原子402(例えば、量子エミッタ)と、を含む。初期化パルス403が、原子402の状態を状態111(図1)となるように初期化した後、生成パルス404は、図2Aの遷移121A及び遷移122Aをもたらし、その結果、原子402は、光子406を放出し得る。当該プロセスを繰り返すことにより、図4Bにおける時間的に連続した一連の出力光子412が生成される。そして、当該出力光子は、もつれゲート1102_1~1102_nのうちのいずれか1つに提供されて、もつれゲートがグラフ状態1110_1~1110_nを生成することを可能にし得る。
【0133】
非限定的な例として、図12Bは、複数のキャビティを提供することに関する一部の実施形態に係る光子生成器1130を示す。光子生成器1130は、好ましい光子生成器の概念化を容易にすることを意図したものであって、本開示を特定の実装態様の詳細に限定するものではない。追加の構成、変更、及び実装態様が、一部の本開示の実施形態で使用する光子生成器として機能してもよいことが理解され得る。図12Bにおける光子生成器1130は、少なくとも1つの光子生成ユニット1132_1~1132_nにおいて少なくとも1つの追加の光子キャビティ(例えば、光子キャビティ1138_1~1138_n)を含む。光子生成器1130が量子計算システム1100において光子生成器1104として使用される場合、少なくとも1つの追加の光子キャビティは、図12Aにおける量子計算システム1100の光子キャビティ1112_1~1112_nに対する追加である。光子生成器1130が、複数の光子キャビティ1138_1~1138_n及び複数の光子生成ユニット1132_1~1132_nを有するものとして示されているが、これは単に、例示を意図したものであって、光子生成器1130は、単一の追加の光子キャビティ及び単一の光子生成ユニットで実装されてもよい。
【0134】
以下の説明は、複数の光子生成ユニット1132_1~1132_nを指しているが、これは、単なる好ましい実装態様であって、光子生成器1130は、単一の光子生成ユニットを使用して実装されてもよい。図12Bにおける光子生成ユニット1132_1~1132_nは、図12Aにおけるもつれゲート1102_1~1102_nと同様に配置されている。各光子生成ユニット1132_1~1132_nは、第1の導波路1134_1~1134_nと、第2の導波路1136_1~1136_nと、光子キャビティ1138_1~1138_nと、量子エミッタ1140_1~1140_nと、を有する。量子エミッタ1140_1~1140_nは、関連付けられたその光子キャビティ1138_1~1138_nと第1の導波路1134_1~1134_nとの間に位置する、関連付けられたその結合位置1142_1~1142_nに位置決めされ得る(例えば、浮遊し得るか又はトラップされ得る)。例えば、図9Bの単一光子ソース812に関して上述したように、第1の導波路1134_1~1134_nは、量子エミッタ1140_1~1140_nをその結合位置1142_1~1142_nに位置決め又はトラップするレーザ(例えば、光子1144_1~1144_nのパルス)を搬送し得、更に、第1の導波路1134_1~1134_nは、量子エミッタ1140_1~1140_nを励起させて、第2の導波路1136_1~1136_nを介して出力される出力光子1146_1~1146_nを生成させ得るレーザ(例えば、光子1144_1~1144_nのパルス)を搬送し得る。
【0135】
例えば、光子1144_1~1144_nのパルスは、図4A及び図4Bに関して上述したように初期化光子(例えば、光子403)と生成光子(例えば、光子404)とで交互になり得る。
【0136】
光子キャビティ1138_1~1138_nは、対応する量子エミッタ1140_1~1140_nに結合されて、(追加の)光子キャビティ結合量子エミッタ1140_1~1140_nが励起時に1つ以上の光子1146_1~1146_nを解放又は生成することを可能にする。
【0137】
解放又は生成された光子1146_1~1146_nは、図12Dに示されるように入力光子1106_1~1106_nとして図12Aのもつれゲート1102_1~1102_nに提供され得る。換言すれば、グラフ状態を生成する複数のキャビティを提供することに関する一部の実施形態では、図12Bにおける連続した出力光子1146_1~1146_nは、図12Aの入力光子1106_1~1106_nに対応していてもよく、したがって、図12Dに示されるように導波路1118_1~1118_nを介してもつれゲート1102_1~1102_nに提供されてもよい。
【0138】
したがって、非限定的な例として、図12Dは、グラフ状態を生成する複数のキャビティを示し、(光子キャビティ1138_1を有する)光子生成ユニット1132_1は、もつれ出力光子1108_1と関連付けられるグラフ状態1110_1を生成するために光子1146_1を(光子キャビティ1112_1を有する)もつれゲート1102_1に供給する光子生成器1130及び1104として使用される。グラフ状態を生成する複数のキャビティを提供することに関する一部の本開示の実施形態では、量子計算システムは、光子生成ユニット1132_1及びもつれゲート1102_1の当該組合せを複数含み、各組合せは、グラフ状態を生成するように構成されている。グラフ状態を生成する複数のキャビティを提供することに関する一部の本開示の実施形態では、複数の光子生成ユニットは、光子を1つのもつれゲートに供給し得る。グラフ状態を生成する複数のキャビティを提供することに関する一部の他の本開示の実施形態では、1つの光子生成ユニットは、光子を複数のもつれゲートに供給し得る。グラフ状態を生成する複数のキャビティを提供することに関するこれらの本開示の実施形態では、コントローラは、光子生成ユニットともつれゲートとの間の入力光子及び出力光子の流れを制御する(例えば、向けるか又は異なる導波路間で切り換える)ように提供され得る。例えば、当該コントローラは、1つ以上のプロセッサを含み得る。メモリ、回路構成要素、又は回路も、制御を行うために提供され得る。
【0139】
第2の導波路1136_1~1136_nは、光子キャビティ1138_1~1138_nの特定の電磁モード又は複数のモードに結合して出力光子1146_1~1146_nを生成する場を搬送し得る。
【0140】
前述のように、一部の本開示の実施形態は、少なくとも1つの追加の量子エミッタを含む光子生成器を伴う。グラフ状態を生成する複数のキャビティを提供することに関する一部の実施形態における上述の量子エミッタの例は、光子生成器の少なくとも1つの追加の量子エミッタにも適用可能である。例えば、少なくとも1つの追加の量子エミッタは、光子と相互作用することができる静止量子ビットを含み得る。図12A及び図12Bを参照して、量子エミッタ1114_1~1114_nの各々は、対応する光子キャビティ1112_1~1112_nを介して光子1106_1~1106_nと相互作用する静止量子ビットに関連付けられ得、量子エミッタ1140_1~1140_nの各々は、入力光子1144_1~1144_nと相互作用し得る静止量子ビットに関連付けられ得る。例えば、少なくとも1つの追加の量子エミッタは、超伝導量子ビットを含んでもよく、別の例では、少なくとも1つの追加の量子エミッタは、量子ドットを含んでもよい。少なくとも1つの追加の量子エミッタは、例えば、図4Aにおける原子402又は図9Bにおける原子820などの原子を含み得る。別の例では、少なくとも1つの追加の量子エミッタは、前述のようにルビジウム原子を含み得る。更に別の例では、少なくとも1つの追加の量子エミッタは、前述のように、ストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、又はマグネシウム原子のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0141】
非限定的な例として、図12Cは、グラフ状態を生成する複数のキャビティを提供することに関する一部の実施形態に係る、グラフ状態を生成する例示的なプロセス1150を示す。当該例示的なプロセス1150は、グラフ状態を生成する量子計算方法の一部であり得る。図12Cにおけるブロック図が、他の図に提示される特定の実装態様の実施形態と関連して以下に記載され得るが、当該実装態様は単に、例示的な目的で提供されるものであって、ブロック図に対する限定として機能することを意図したものではない。プロセスのステップの例が本開示全体を通して記載されるため、前述の当該例は、繰り返し述べないか、又は図12Cと関連して簡単にまとめられる。一部の本開示の実施形態では、例示的なプロセス1150は、本明細書に記載される動作又は機能を行うように、少なくとも1つのプロセッサ又は回路によって、例えば、図10の制御システム1031及び/又は光チップ1015において行われ得る。一部の本開示の実施形態では、プロセス1150の一部の態様は、少なくとも1つのプロセッサが提供されるメモリ、又は非一時的コンピュータ可読媒体若しくはコンピュータ可読媒体に記憶されたソフトウェア(例えば、プログラムコード又は命令)として実装され得る。一部の実施形態では、プロセス1150の一部の態様は、ハードウェア(例えば、専用回路)として実装され得る。一部の実施形態では、プロセス1150は、ハードウェアとして、又はソフトウェア及びハードウェアの組合せとして実装され得る。
【0142】
図12Cは、プロセスステップ(又は方法ステップ)1152~1156を含む。ステップ1152で、プロセス又は方法は、複数の結合位置の各々で量子エミッタを結合することを伴い、その結果、複数の量子エミッタの各々は、異なる結合位置に関連付けられ、各結合位置は、複数の光子キャビティのうちの異なる光子キャビティに関連付けられ、各結合位置に関連付けられる量子エミッタは、連続した入射光量子ビット間の相互作用を仲介してグラフ状態を生成するように構成されている。例えば、図12Aは、各量子エミッタが、異なる結合位置に関連付けられる(例えば、量子エミッタ1114_1が、結合位置1116_1に関連付けられ、量子エミッタ1114_nが、結合位置1116_nに関連付けられる)ように、複数の結合位置(例えば、結合位置1116_1~1116_n)で結合される複数の量子エミッタ(例えば、量子エミッタ1114_1~1114_n)の好ましい実装態様を示す。更に、各結合位置は、光子キャビティのうちの異なる光子キャビティに関連付けられる(例えば、結合位置1116_1は、光子キャビティ1112_1に関連付けられ、結合位置1116_nは、光子キャビティ1112_nに関連付けられる)。対応する結合位置1116_1~1116_nに関連付けられる量子エミッタ1114_1~1114_nの各々は、(例えば、入力光子1106_1~1106_nに関連付けられる)連続した入射光量子ビット間の相互作用を仲介してグラフ状態(例えば、グラフ状態1110_1~1110_n及び1122のうちのいずれかを生成するように構成されている。
【0143】
ステップ1154で、プロセスは、光子を複数の光子キャビティに供給することを伴い、光子キャビティは、光量子ビットを量子エミッタに結合するように構成されている。例えば、図12Aは、光量子ビットを量子エミッタに結合するように構成された複数の光子キャビティに光子を供給する好ましい実装態様を示す。光子生成器1104は、導波路1118_1~1118_nを介して入力光子1106_1~1106_nを光子キャビティ1112_1~1112_nに向けて供給するように構成されている。同様に、図12Bの光子生成器1130又は光子生成ユニット1132_1は、図12Dに示されるように、もつれゲート1102_1~1102_nの導波路1118_1~1118_nを介して入力光子1106_1~1106_nとしての出力光子1146_1~1146_nを光子キャビティ1112_1~1112_nに向けて供給し得る。光子キャビティ1112_1~1112_nは、そして、(例えば、入力光子に関連付けられる)光量子ビットを量子エミッタ1114_1~1114_nに結合し得る。換言すれば、光子キャビティ1112_1~1112_nは、そして、(例えば、入力光子に関連付けられる)光量子ビットと量子エミッタ1114_1~1114_nとの間の相互作用を容易にし得る。
【0144】
ステップ1156で、プロセスは、一部の本開示の実施形態と整合して、複数のキャビティの下流にある複数の光子出力チャネルを介してグラフ状態を出力することを伴う。例えば、図12Aは、複数のキャビティの下流にある複数の光子出力チャネルを介してグラフ状態を出力する好ましい実装態様を示す。各もつれゲート1102_1~1102_nは、もつれ光子1108_1~1108_nのグラフ状態1110_1~1110_nを出力する。加えて、もつれゲート1102_1~1102_nの組合せは、集合的にクラスタ状態1122を出力し得る。
【0145】
一部の本開示の実施形態は、命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体(又はコンピュータ可読媒体若しくはコンピュータプログラム)を伴い、当該命令は、少なくとも1つのプロセッサ(又は装置)によって実行されると、一部の本開示の実施形態に係る方法又はプロセスを少なくとも1つのプロセッサ(又は装置)に実行させる。
【0146】
例えば、非一時的コンピュータ可読媒体(又はコンピュータ可読媒体若しくはコンピュータプログラム)は、命令を含み得、当該命令は、少なくとも1つのプロセッサ(又は装置)によって実行されると、本明細書に記載される量子計算方法を少なくとも1つのプロセッサ(又は装置)に実行させる。グラフ状態を生成する複数のキャビティを提供することに関する実施形態によれば、命令は、量子計算方法又は図12Cに示されるプロセス1150を少なくとも1つのプロセッサ(又は装置)に実行させ得る。
【0147】
グラフ状態を生成する複数のキャビティを提供することに関する実施形態の各システム特徴についての前述の同じ例は、この非一時的コンピュータ可読媒体(又はコンピュータ可読媒体若しくはコンピュータプログラム)の実施形態の対応する特徴にも適用可能である。
【0148】
グラフ状態を生成する複数のキャビティを提供することに関する他の実施形態によれば、量子計算方法又は図12Cに示されるプロセス1150を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサ(及びメモリ)を含む、装置、デバイス、システム、集積回路デバイス、又は回路が存在する。グラフ状態を生成する複数のキャビティを提供することに関する実施形態の各システム特徴についての前述の同じ例は、これらの実施形態の対応する特徴にも適用可能である。
【0149】
グラフ状態を生成する複数のキャビティを提供することに関する更に別の実施形態によれば、レイアウト部分を備える集積回路デバイス又は回路のレイアウトが存在し、各レイアウト部分は、図12Aにおける量子計算システム1100か、図12Bにおける光子生成器1130か、又は図12Dにおける光子生成器1130及びもつれゲート1102_1の特徴の組合せから各特徴をパターン化するように定められている。例えば、複数のキャビティをパターン化するように定められた光子キャビティレイアウト部分と、量子エミッタ位置決めについての複数の結合位置をパターン化するように定められた結合位置レイアウト部分であって、各結合位置が、複数の光子キャビティのうちの異なる光子キャビティに関連付けられた、結合位置レイアウト部分と、光子生成器、又は光子生成器によって複数の光子キャビティに供給される光子を搬送するチャネルをパターン化するように定められた光子生成器レイアウト部分と、複数のキャビティの下流にある複数の光子出力チャネルをパターン化するように定められた出力チャネルレイアウト部分と、を含む、集積回路デバイス又は回路のレイアウトが存在する。一部の本開示の実施形態では、光子生成器レイアウト部分は、少なくとも1つの追加の光子キャビティをパターン化するように定められ得る。それらの本開示の実施形態では、光子生成器レイアウト部分はまた、量子エミッタ位置決めについての少なくとも1つの追加の結合位置をパターン化するように定められてもよく、各々の追加の結合位置は、少なくとも1つの追加の光子キャビティのうちの異なる光子キャビティに関連付けられる。一部の本開示の実施形態では、集積回路デバイス又は回路のレイアウトは、光子生成器及び複数の光子キャビティ並びに複数の光子出力チャネル間の入力光子及び出力光子の流れを制御する(例えば、向けるか又は異なる導波路間で切り換える)コントローラをパターン化するように定められたコントローラレイアウト部分を更に備え、コントローラは、制御を行う1つ以上のプロセッサ、及びメモリ、回路構成要素、又は回路を備え得る。
【0150】
リソグラフィで設置され得る量子エミッタ(例えば、量子ドット)が使用される場合、結合位置レイアウト部分は、量子エミッタもパターン化するように定められ得ることが理解される。グラフ状態を生成する複数のキャビティを提供することに関する実施形態の各システム特徴についての前述の同じ例は、本実施形態の対応する特徴にも適用可能である。
【0151】
一部の本開示の実施形態は、量子エミッタとの光量子ビットの1つ以上の相互作用を使用して光子グラフ状態を生成することを伴い、各量子エミッタは、キャビティに結合される。当該実施形態は、光子グラフ状態を生成する量子計算方法を伴い得る。光子グラフ状態を生成する当該量子計算方法では、複数の量子エミッタは、複数の異なるキャビティ(例えば、光子キャビティ若しくは光キャビティ、ウィスパリングギャラリーモードキャビティ、ファブリ-ペローキャビティ、又はリング形状のキャビティなどの共振器として機能するキャビティ)に関連付けられる複数の結合位置に位置決めされ得る。複数の量子エミッタの各々に関連付けられる量子エミッタ量子ビットの状態は初期化されてもよく、その結果、量子エミッタは、光子グラフ状態を生成するときに特定の機能を行うように構成される。当該初期化は、キャビティに結合される量子エミッタ(キャビティ結合量子エミッタとも称される)についてベースライン状態を設定することを指す。例えば、初期化は、キャビティ結合量子エミッタについて、開始調整状態システムを確立することを含み得る。開始調整状態のシステムは、例えば、キャビティ結合量子エミッタが、状態のうちの特定の状態又は重ね合わせ状態であることを指し得る。例えば、当該初期化は、量子エミッタに対してレーザを使用するか又は磁場をかけることを伴い得る。そして、光量子ビットは、光量子ビットと量子エミッタ量子ビットとの間にもつれゲート(例えば、制御Z量子ゲート又はCZゲート)を生成するために、少なくとも第1の事例において複数の量子エミッタに向けて伝達され得る。非限定的な例として、もつれゲートは、図3図5A図5B、及び図9Cに関して本明細書に記載される技術に従って実装され得る。第1の事例の伝達のうちの少なくとも1つの後に、光量子ビットは、光量子ビットと量子エミッタ量子ビットとの間にSWAPゲートを生成するために、少なくとも1つの第2の事例の伝達において複数の量子エミッタに向けて伝達され得、当該SWAPゲートは、量子エミッタ量子ビットを光量子ビットにマッピングするのに役立ち得る。非限定的な例として、SWAPゲートは、図2Eに関して本明細書に記載される技術に従って実装され得る。例えば、図3のもつれゲートは、複数回(例えば、図6を参照して記載されるように、n個の光量子ビットを量子エミッタ量子ビットにもつれさせるためにn回)行われてもよく、その後に、(例えば、もつれ光量子ビットから量子エミッタ量子ビットのもつれを解くために)図2EのSWAPゲートが続いて、(例えば、もつれ光量子ビットの)光子グラフ状態を生成する(量子エミッタ量子ビットはもはや、当該もつれ光量子ビットともつれていない)。
【0152】
例えば、複数の構成が提供されて、各々、結合場所でキャビティに結合される少なくとも量子エミッタを含み得る。各構成は、使用する複数の動作モード、例えば、1つ以上の光量子ビットが、量子エミッタに関連付けられる量子エミッタ量子ビットともつれ得るもつれモードと、量子エミッタ量子ビットの状態が光量子ビットの状態と交換され、それによって、もつれ光量子ビットから量子エミッタ量子ビットのもつれを解くSWAPモードと、のうちの1つにおいて動作するように初期化され得る。例では、SWAPモードは、量子ビット状態の交換を伴うため、(特定の所望の状態を有する)1つ以上の光子の初期化パルスは、キャビティ結合量子エミッタを初期化するように、SWAPモードで動作するキャビティ結合量子エミッタにおいて使用され得る。異なる動作モードのこれらの構成を特定の順序に組み合わせることによって、量子計算方法は、光子グラフ状態を出力として生成することができる。例えば、キャビティ結合量子エミッタは、SWAPモードでキャビティ結合量子エミッタを動作させて、キャビティ結合量子エミッタを初期化パルスと相互作用させることによって初期化され得る。そして、複数の光子は、光子をキャビティ結合量子エミッタともつれさせるようにもつれモードで動作する、初期化されたキャビティ結合量子エミッタと相互作用するように導入され得る。そして、当該キャビティ結合量子エミッタは再び、SWAPモードで動作し得、別のパルスからの光子は、その状態をキャビティ結合量子エミッタと交換し、それによって、もつれ光子からキャビティ結合量子エミッタのもつれを解く。そして、この結果、もつれ光子の光子グラフ状態になる。非限定的な例として、図6は、当該プロセスを示す。
【0153】
別の非限定的な例として、図13A図13Cは、一部の本開示の実施形態と整合する、光子グラフ状態を生成する量子計算システム1200の好ましい実装態様を示す。量子計算システム1200は単に、光子グラフ状態を生成する量子計算システムについての1つの好ましい実装態様の概念化を容易にすることを意図したものであって、本開示を任意の特定の実装態様に限定するものではない。量子計算システム1200は、複数の構成(1214_1~1214_n)を含み得、各構成は、電磁モードを確立又はサポートすることができる共振器として機能するキャビティ(例えば、キャビティ1202_1~1202_n)、及び結合場所(例えば、結合場所1204_1~1204_n)に位置決めされる量子エミッタ(例えば、量子エミッタ1206_1~1206_n)をそれぞれ含み、nは、1よりも大きい任意の整数である。結合場所1204_1~1204_nの各結合場所は、キャビティ(1202_1~1202_n)のうちの異なるキャビティ及び量子エミッタ(1206_1~1206_n)のうちの異なる量子エミッタに関連付けられ得、例えば、量子エミッタ1206_1は、キャビティ1202_1に関連する結合場所1204_1に位置決めされ得、量子エミッタ1206_nは、キャビティ1202_nに関連する結合場所1204_nに位置決めされ得る。
【0154】
量子計算システム1200は、コントローラ1208と、導波路(1210_1~1210_n及び1212_1~1212_n)と、少なくとも1つの光子生成器1230と、を更に含み得る。導波路(1210_1~1210_n)は、例えば、その面の周囲で結合場所において又は結合場所の周囲においてエバネッセント場を確立することによって、結合場所(1204_1~1204_n)での量子エミッタ(1206_1~1206_n)の位置決め(例えば、トラップ)を容易にするように構成され得る。
【0155】
コントローラ1208は、構成(1214_1~1214_n)の動作を制御するための回路又は少なくとも1つのプロセッサを含み得る。例えば、コントローラ1208は、異なるモードで動作する動作段階又は構成(1214_1~1214_n)間で交互にするためのスイッチを含み得る。例えば、所与の時間に、各構成(1214_1~1214_n)は、以下でより詳細に本明細書に記載される、初期化段階(例えば、図13A)、もつれ段階(例えば、図13B)、又はSWAP段階(例えば、図13C)であり得る。コントローラ1208は、例えば、構成(1214_1~1214_n)の動作に影響を与え得る、導波路によって搬送されるパルス又はレーザのタイミング、位相、周波数、強度、振幅、極性、及び任意の他の特性を制御することによって、導波路(1210_1~1210_n及び1212_1~1212_n)のうちのいずれかについての動作態様を制御し得る。例えば、コントローラ1208は、図9A図9Cにおける非限定的な例によって示されるように、導波路1210_1~1210_n内で搬送され得る、結合場所に量子エミッタをトラップ又は位置決めするトラップレーザ(例えば、青色及び赤色レーザ)の特性を制御し得る。コントローラ1208は、例えば、1つ以上の量子エミッタ(1206_1~1206_n)において所望の状態をもたらすように初期化している間に使用され得る磁場又はレーザの特性を制御し得る。コントローラ1208はまた、結合場所(1204_1~1204_n)における量子エミッタ(1206_1~1206_n)とキャビティ(1202_1~1202_n)との間の結合(例えば、閉じ込め)をそれぞれ制御し得る。
【0156】
コントローラ1208は、以下でより詳細に本明細書に記載される光子生成器1230の動作態様を制御し得る。コントローラ1208は、構成(1214_1~1214_n)の動作の同期及びタイミングの態様を制御し得る。例えば、コントローラ1208は、別の構成1214_nをもつれゲート又はSWAPゲートとして動作させるのと同時に構成1214_1を初期化し得る。代替的に、コントローラ1208は、構成1214_nからの出力をチャネル内で搬送させ、構成1214_1に対する入力として機能させ得る。1つの非限定的な例として、コントローラ1208は、構成(1214_1~1214_n)の各々について初期化段階、もつれ段階、及びSWAP段階を通じた1つ以上のサイクルを自動的に(例えば、繰り返し)制御するためのスイッチを含み得る。別の非限定的な例として、コントローラ1208は、構成(1214_1~1214_n)のうちの異なる構成間の動作、任意選択的に、追加の構成要素及び/又は回路との動作を同期させるためのクロックを含み得る。別の非限定的な例として、コントローラ1208は、構成(1214_1~1214_n)の動作を制御するための、例えば、構成(1214_1~1214_n)のうちの異なる構成の動作を同期させるか又は他の場合には監視若しくは管理するための少なくとも1つのプロセッサを含み得る。
【0157】
構成生成器1230は、光子を構成(1214_1~1214_n)に提供するように導波路(1210_1~1210_n及び1212_1~1212_n)に光学的に結合され得る。コントローラ1208は、構成(1214_1~1214_n)の異なる動作段階に従って光子を提供するように光子生成器1230の動作を制御し得る。例えば、コントローラ1208は、光子生成器1230に対して、初期化段階の間に量子エミッタ(1206_1~1206_n)を初期化するように光子を提供すること、もつれ段階の間にもつれゲート(1216_1~1216_n)に光子(1226_1~1226_n)を提供すること、及びSWAP段階の間にSWAPゲート(1218_1~1218_n)に光子(1228_1~1228_n)を提供することをそれぞれ行わせ得る。
【0158】
非限定的な例として、(例えば、コントローラ1208によって制御される)少なくとも1つの光子生成器1230は、図4A図4B、及び/又は図9Bに関して本明細書に記載されるものと同様の方法で動作し得る。一部の非限定的な例によれば、光子生成器1230は、少なくとも3つの光子生成器を含み得る(例えば、各々、単一光子ソースユニット401又は単一光子ソース812と同様に動作する)。第1の光子生成器は、(例えば、量子エミッタ1206_1~1206_nを初期化する)初期化段階について光子を提供し、第2の光子生成器は、(例えば、関連付けられる構成をもつれゲート1216_1~1216_nとして生成するか又は動作させる)もつれ段階について光子(1226_1~1226_n)を提供し、第3の光子生成器は、(例えば、関連付けられる構成をSWAPゲート1218_1~1218_nとして生成するか又は動作させる)SWAP段階について光子(1228_1~1228_n)を提供する。代替的に、コントローラ1208は、初期化段階についての光子1224_1~1224_n、もつれ段階についての光子1226_1~1226_n、及びSWAP段階についての光子1228_1~1228_nのうちのいずれか1つ以上を放出するように、光子生成器1230(例えば、単一光子生成器)の動作態様を制御し得る。述べられているように、コントローラ1230は、異なる段階を循環し、その間の動作を同期させるように、光子生成器1230及び構成(1214_1~1214_n)の動作を制御し得る。
【0159】
コントローラ1208は、量子計算システム1200の動作態様のうちのいずれかを制御することを容易にし得る。例えば、コントローラ1208は、例えば、導波路内で搬送されるパルス又はレーザの波長、位相、振幅、極性、及びモダリティに関する導波路(1210_1~1210_n)の1つ以上の動作特性を制御することによって、結合場所(1204_1~1204_n)における量子エミッタ(1206_1~1206_n)の位置決めを容易にするように、量子計算システム1200の構成要素又は構成要素のグループを制御し得る。コントローラ1208は、量子エミッタ量子ビットについての状態の初期化を容易にし得、各状態及び量子エミッタ量子ビットは、図13Aにおける量子エミッタ1206_1~1206_nの各々に関連付けられる。コントローラ1208は更に、図13Bにおけるもつれゲート1216_1~1216_nについての光子(1226_1~1226_n)に関連付けられる光量子ビットの伝達を容易にし得る。コントローラ1208は更に、図13CにおけるSWAPゲート1218_1~1218_nについての光子(1228_1~1228_n)に関連付けられる光量子ビットのそれぞれの伝達を容易にし得、その結果、光子グラフ状態1220_1~1220_n及び/又はクラスタ状態1222などの光子グラフ状態は、以下でより詳細に本明細書に記載されるように生成され得る。もつれゲート1216_1~1216_n及びSWAPゲート1218_1~1218_nは各々、適切な初期化プロセスの後に、図13Aにおける構成1214_1~1214_nからそれぞれ生成され得ることに留意されたい。例えば、コントローラ1208によって制御される動作のモードに応じて、構成(1214_1~1214_n)は代替的に、もつれ段階についてのもつれモード、及びSWAP段階についてのSWAPモードで動作し得る。
【0160】
一部の実施形態は、光子グラフ状態を生成する量子計算方法を伴う。光子グラフ状態は、1つ以上の光子の状態又は構成を指し、光子状態は、前述のように、1つ以上の光子の自由度に関連付けられる量子状態を含み得る。例えば、光子グラフ状態は、光量子ビットのグループ間の関係を表し、各光量子ビットは、量子情報の基本単位を表し得る。例えば、光子グラフ状態は、頂点が光子状態を表し得る状態を含んでもよく、光子状態は、1つ以上の光子の状態を指し、エッジは、光子状態間のもつれを表し得る。光子グラフ状態は、例えば、複数のもつれ光子又はその状態を指し得る。
【0161】
非限定的な例として、図13A図13Cは一体的に、一部の本開示の実施形態と整合する、光子グラフ状態(1220_1~1220_n及び1222)を生成する量子計算システム1200の好ましい実装態様を示す。量子計算システム1200は、それぞれの導波路(1210_1~1210_n)とキャビティ(1202_1~1202_n)との間の結合場所(1204_1~1204_n)に位置決めされる量子エミッタ(1206_1~1206_n)を含む。
【0162】
図13Aを参照して、コントローラ1208は、連続した光子(1224_1~1224_n)(例えば、初期化光子)を導波路(1212_1~1212_n)に提供して、構成(1214_1~1214_n)の量子エミッタ(1206_1~1206_n)をそれぞれ初期化するように、光子生成器1230の動作を制御し得る。図13Bを参照して、コントローラ1208は、もつれゲート(1216_1~1216_n)についての光量子ビットのソースとして複数の光子(1226_1~1226_n)を導波路(1212_1~1212_n)にそれぞれ提供するように光子生成器1230の動作を制御し得、それによって、2つの光量子ビットともつれる量子エミッタ量子ビット(1234_1~1234_n)によって示されるように、光量子ビットと量子エミッタ量子ビットとの間のもつれゲートが生成される。図13Cを参照して、コントローラ1208は、SWAPゲート(1218_1~1218_n)についての1つ以上の光子(1228_1~1228_n)を導波路(1212_1~1212_n)に提供するように、光子生成器1230の動作を制御し得、それによって、SWAPゲート(1218_1~1218_n)が生成され、(例えば、量子エミッタ1206_1~1206_nに関連付けられる)量子エミッタ量子ビットは、反射出力光子1236_1~1236_nに関連付けられる光量子ビットにマッピングされる。これにより、もつれ光子1231_1~1232_nが残り、もつれ光子1231_1~1232_nは、もつれゲートの入力及び出力がどのように接続されているかに応じて光子グラフ状態1220_1~1220_n及び/又はクラスタ1222を形成し得る。
【0163】
例では、光子生成器1230は、複数の光子生成器を含み得、ある光子生成器は、構成(1214_1~1214_n)についての光子(1224_1~1224_n)をそれぞれ生成するように構成されており、別の光子生成器は、もつれゲート(1216_1~1216_n)についての光子(1226_1~1226_n)をそれぞれ生成するように構成されており、別の光子生成器は、SWAPゲート(1218_1~1218_n)についての光子(1228_1~1228_n)をそれぞれ生成する。コントローラ1208は、グラフ状態(1220_1~1220_n及び1222)を生成するように必要に応じて光子生成器を切り換え得る。代替的に、コントローラ1208は、初期化段階、もつれ段階、及びSWAP段階についての光子(1224_1~1224_n)、光子(1226_1~1226_n)(例えば、第1の伝達の事例)、光子(1228_1~1228_n)(例えば、第2の伝達の事例)をそれぞれ生成するように、(例えば、単一光子生成器としての)光子生成器1230の動作を制御し得る。
【0164】
一部の実施形態は、複数のキャビティに関連付けられる複数の結合場所に複数の量子エミッタを位置決めすることを伴う。量子エミッタは、前述のように、電磁モードに結合するように構成された構成要素を指す。結合場所は、前述のように、量子エミッタと(共振器の例である)キャビティとの間の結合を可能にするように構成されたエリア又は領域を含む。キャビティは、前述のように、振動又は通常モードを確立又はサポートする共振器として機能する構造、筐体、又は容器を指す。光子キャビティは、光子に関連付けられる電磁モードを確立又はサポートすることができるキャビティの例である。
【0165】
複数の結合場所に複数の量子エミッタを位置決めすることは、前述のように、量子エミッタと、各量子エミッタに関連付けられる1つ以上のキャビティとの間の相互作用を可能にするように量子エミッタを配置又は設置することを指す。当該量子エミッタ位置決めの例には、結合場所に位置するように量子エミッタを配置すること(例えば、結合場所に量子エミッタを位置決め若しくは設置すること)、量子エミッタをキャビティに結合すること、キャビティの内部キャビティ場内に量子エミッタを配置すること、キャビティの近傍で量子エミッタをトラップすること、キャビティの近傍に量子ドットをリソグラフィで設置すること、又は自己組織化量子ドットの近傍にキャビティをリソグラフィで設置することのうちの1つ以上が含まれる。例えば、複数の結合場所に量子エミッタsを位置決めする。量子エミッタをトラップすることは、前述のように、量子エミッタを結合場所内に維持するトラップを生成することを指す。非限定的な例として、図9Aは、トラップを生成するパルス又は場を搬送するユーティリティ導波路910を示し、図10は、1つ以上の原子1020をトラップする磁気光学トラップ(MOT)を示す。図9Aにおけるパルス又は場は、結合場所、例えば、キャビティ818(又は図における共振器若しくはリング形状)の隣でRb原子820(例示的な量子エミッタ)をトラップするように構成されている。当該パルス又は場は、導波路910の周囲でエバネッセント場を生成し及び/又は含むように構成されてもよく、その結果、エバネッセント場トラップは、結合場所に又は結合場所内にRb原子820を維持するように使用され得る。図10における磁気光学トラップは、結合場所に又は結合場所内に1つ以上の原子1020をトラップするように構成されている。
【0166】
したがって、量子計算システムは、複数の量子エミッタを位置決めする複数の結合場所を含み、それによって、量子エミッタ及びキャビティ(例えば、光子キャビティ)の複数の結合ペアを形成し得る。これは、例えば、複数のキャビティを介した複数の量子エミッタと複数の光子との間の複数の同時の(例えば、並列の)相互作用を可能にし得る。複数の量子エミッタは、1つのキャビティに結合されてもよく、又は複数のキャビティは、1つの量子エミッタに結合されて同時に(例えば、並列で)同様の方法で機能してもよく、各量子エミッタと各キャビティとの間で提供される相互作用は、当該結合から可能にされ得ることが理解される。
【0167】
非限定的な例として、図13A図13Cは、光子グラフ状態を生成することに関する一部の実施形態に係る、複数のキャビティに関連付けられる複数の結合場所に位置決めされる複数の量子エミッタを示す。構成(1214_1~1214_n)、もつれゲート(1216_1~1216_n)、及びSWAPゲート(1218_1~1218_n)は各々、キャビティ(1202_1~1202_n)に関連付けられる結合場所(1204_1~1204_n)を含む。各結合場所(1204_1~1204_n)は、当該各結合場所に関連付けられたキャビティ(1202_1~1202_n)と当該各結合場所に関連付けられた導波路(1210_1~1210_n)との間に位置している。そして、図9A図9Cを参照して前述したように、結合場所に量子エミッタをトラップする青色及び赤色レーザは、導波路(1210_1~1210_n)によって搬送され得る。当該青色及び赤色レーザは、導波路(1210_1~1210_n)の周囲でエバネッセント場を生成し、当該エバネッセント場は、例えば、関連付けられた量子エミッタ(1206_1~1206_n)を、当該量子エミッタに関連付けられた結合場所(1204_1~1204_n)に又は当該結合場所内にトラップ又は維持するように使用される。コントローラ1208は、結合場所に量子エミッタを位置決めするための回路又は光学素子を制御し得る。例えば、コントローラ1208は、結合場所に量子エミッタをトラップするために使用されるレーザを制御し得る。コントローラ1208は、トラップするために使用される当該青色及び赤色レーザの特性を制御し得る。例えば、対応する導波路(1210_1~1210_n)とキャビティ(1202_1~1202_n)との間のそれぞれの結合場所(1204_1~1204_n)に量子エミッタ(1206_1~1206_n)を位置決めすること(例えば、閉じ込め又はトラップ)は、量子エミッタ(1206_1~1206_n)と当該量子エミッタに関連付けられたキャビティ(1202_1~1202_n)との間の相互作用を可能にし、このことは、例えば、各量子エミッタの双極子場が、関連付けられたキャビティの電磁モードと重複することを可能にし、それによって、量子エミッタが当該キャビティに結合されることによって可能となる。例えば、光子生成器1230は、複数の光子生成器を含み得、ある光子生成器は、構成(1214_1~1214_n)についての光子(1224_1~1224_n)をそれぞれ生成するように構成されており、別の光子生成器は、もつれゲート(1216_1~1216_n)についての光子(1226_1~1226_n)をそれぞれ生成するように構成されており、別の光子生成器は、SWAPゲート(1218_1~1218_n)についての光子(1228_1~1228_n)をそれぞれ生成する。コントローラ1208は、グラフ状態(1220_1~1220_n及び1222)を生成するように必要に応じて光子生成器を切り換え得る。代替的に、コントローラ1208は、初期化段階、もつれ段階、及びSWAP段階についての光子(1224_1~1224_n)、光子(1226_1~1226_n)(例えば、第1の伝達の事例)、光子(1228_1~1228_n)(例えば、第2の伝達の事例)をそれぞれ生成するように、(例えば、単一光子生成器としての)光子生成器1230の動作を制御し得る。
【0168】
一部の実施形態は、複数の量子エミッタの各々に関連付けられる量子エミッタ量子ビットの状態を初期化することを伴う。量子エミッタ量子ビットは、前述のように、量子エミッタに記憶されるか又は属する量子情報の基本単位を指す。複数の量子エミッタの各々に関連付けられる量子エミッタ量子ビットを初期化することは、量子エミッタについてベースライン状態を設定することを伴い得る。例えば、初期化は、量子エミッタについて、開始調整状態システムを確立することを含み得る。非限定的な例として、図1は、光キャビティ103内に含まれる原子102(例示的な量子エミッタ)の4状態システム101を示す。これは、第1及び第2の基底状態の重ね合わせで量子エミッタを準備することを伴い得る。初期化は、例えば、量子エミッタをレーザに曝し、及び/又は磁場を量子エミッタにかけることによって、ある状態から別の状態への1つ以上の遷移を量子エミッタに経させることを伴い得る。
【0169】
一部の本開示の実施形態では、初期化は、量子エミッタ量子ビットの状態を量子エミッタの2つの基底状態の等しい重ね合わせに対応させ得る。基底状態は、最低のエネルギーの静止状態であり得、基底状態のエネルギーは、励起状態よりも低い、例えば、零点エネルギーであり得る。重ね合わせは、例えば、測定が行われるまで、同時に複数の状態であることを指し得る。重ね合わせは、例えば、2つ以上の量子状態の合計(又は重ね合わせ)を指し得、等しい重ね合わせは、等しい確率を有する当該2つ以上の量子状態を有することを指し得る。例えば、図1は、光キャビティ103に結合される原子102(例示的な量子エミッタ)の4状態システム101を示し、原子102は、第1及び第2の基底状態111及び113の重ね合わせでそれぞれ初期化され得る。図2E及び図3は、キャビティに結合される量子エミッタの当該初期化された状態の例を示し、原子102(例示的な量子エミッタ)は、初期化プロセスの後の第1及び第2の基底状態111、113の初期の重ね合わせ状態である。ある状態から別の状態への1つ以上の遷移に関する周波数はまた、レーザを使用した光シフトによって、又は磁場の印加によるゼーマンシフトによって調整され得る。
【0170】
1つの非限定的な例として、(例えば、量子エミッタに関連付けられる)量子エミッタ量子ビットのうちの1つ以上は、例えば、パルス403及び503をそれぞれ使用して、図4A及び図5Aに関して記載されるように所望の状態に初期化され得る。別の非限定的な例として、量子エミッタは、状態のうちのいずれか、又は図1に示される状態の任意の重ね合わせに初期化され得る。
【0171】
例では、コントローラ(例えば、コントローラ1208)は、複数の量子エミッタの各々に関連付けられる量子エミッタ量子ビットを初期化するように、構成要素、構成要素(例えば、光学素子)のグループ、又は回路を制御し得る。コントローラは、例えば、(量子エミッタ量子ビットが記憶されるか、若しくは量子エミッタ量子ビットが属する)量子エミッタをレーザに曝し、及び/又は磁場を量子エミッタにかけるように、光子パルス生成器及び/又は磁場生成器を制御し得る。コントローラは、例えば、図1における光子パルス生成器151及び/又は磁石141を制御し得る。そして、これは、次の段階についての所望の状態に達するまで、ある状態から別の状態への1つ以上の遷移を量子エミッタに経させ得る。例えば、次の段階は、もつれ段階であってもよく、量子エミッタの所望の状態は、量子エミッタがもつれゲート(1216_1~1216_n)として機能することを可能にする。次の段階は、SWAP段階であってもよく、量子エミッタの所望の状態は、量子エミッタがSWAPゲート(1218_1~1218_n)として機能することを可能にする。非限定的な例として、図3は、もつれ段階についての所望の状態の例を示し、図2Eは、初期化プロセスの後の第1及び第2の基底状態111、113の初期の重ね合わせ状態である、SWAP段階についての所望の状態の例を示す。
【0172】
一部の実施形態は、量子エミッタ量子ビット及び光量子ビットをもつれさせるように光量子ビットと量子エミッタ量子ビットとの間にもつれゲートを生成するために、少なくとも1つの第1の事例の伝達において複数の量子エミッタに向けて光量子ビットを伝達することを伴う。光量子ビットは、前述のように、1つ以上の光子又は電磁場に記憶される(又は属する)量子情報の基本単位を指す。もつれゲートは、上述のように、量子素子(例えば、任意の量子粒子、量子粒子のグループ、又は量子ビット)間の任意の度合いのもつれをもたらす任意の構成要素、構成要素のグループ、制御シーケンス、又は動作(可逆若しくは不可逆)を指す。例えば、制御Zもつれゲート(CZゲート)は、あるタイプのもつれゲートに関するものである。もつれゲートの非限定的な例として、図3は、制御Zもつれゲート実装態様を示し、図8及び図9Cは、構成810内のキャビティ818に結合されるルビジウム(87Rb)原子820を示し、制御Zもつれゲートで実装される。別の例として、図5A及び図5Bにおける光子もつれユニット501は、あるタイプのもつれゲートである。伝達は、例えば、チャネル又は導波路を介して輸送又は搬送することを指す。したがって、例えば、光量子ビットと量子エミッタ量子ビットとの間にもつれゲートを生成するために、少なくとも1つの第1の事例の伝達において複数の量子エミッタに向けて光量子ビットを伝達することは、最初に、(例えば、図6におけるキャプション602~609を参照して記載されるように)光量子ビットと量子エミッタ量子ビットとの間にもつれをもたらすように、例えば、チャネル又は導波路を介して(光量子ビットが属する)光子を量子エミッタに向けて搬送することを指す。
【0173】
例では、コントローラ(例えば、コントローラ1208)は、第1の事例において光量子ビットを複数の量子エミッタに向けて伝達するように、構成要素、構成要素(例えば、光学素子)のグループ、又は回路を制御してもよく、それによって、光量子ビットと量子エミッタ量子ビットとの間のもつれゲートが生成され、量子エミッタ量子ビット及び光量子ビットはもつれる。コントローラは、例えば、光量子ビットが属する光子を提供するように、光子生成器又は光子ソースユニットを制御し得る。コントローラはまた、光量子ビットと量子エミッタ量子ビットとの間のもつれをもたらすために、もつれゲートについての所望の状態になるように初期化された量子エミッタに提供光子を向けて搬送するように、スイッチ、ビームスプリッタ、及び導波路のうちの1つ以上を制御し得る。
【0174】
非限定的な例として、図13Bは、光子グラフ状態を生成することに関する一部の実施形態に係る、導波路(1212_1~1212_n)を含む量子計算システム1200を示し、当該導波路は、量子エミッタ量子ビット及び光量子ビットをもつれさせるように光量子ビットと量子エミッタ量子ビットとの間にもつれゲートを生成するために光量子ビットを複数の量子エミッタに向けて伝達する。例えば、コントローラ1208は、例えば、量子計算システム1200のもつれゲート(1216_1~1216_n)のもつれ段階の間に光子1226_1~1226_nを導波路(1212_1~1212_n)に提供するように、光子生成器1230の動作を制御し得る。コントローラ1208は更に、例えば、(例えば、導波路1212_1~1212_nを介して輸送される)光子1226_1~1226_nを量子エミッタ(1206_1~1206_n)と、当該量子エミッタに関連付けられたキャビティ1202_1~1202_nを介して相互作用させるように、キャビティ(1202_1~1202_n)に入力される光パルスに関する周波数及び/又は他の特性を制御することによって、どのようにキャビティ(1202_1~1202_n)が機能するか又は量子エミッタ(1206_1~1206_n)と相互作用するかを制御してもよく、関連付けは、当該量子エミッタ及び当該キャビティが、それらの間の相互作用を可能にするように結合されることである。そして、これは、(例えば、光子1226_1~1226_nに関連付けられる)光量子ビットを(例えば、関連の量子エミッタ1206_1~1206_nに関連付けられる)量子エミッタ量子ビットともつれた状態にする。したがって、コントローラ1208は、キャビティ(1202_1~1202_n)、導波路(1210_1~1210_n及び1212_1~1212_n)、並びに結合場所(1204_1~1204_n)に位置決めされる量子エミッタ(1206_1~1206_n)が全体的に、もつれゲート(1216_1~1216_n)として動作して、量子エミッタ量子ビット(1234_1~1234_n)ともつれる光量子ビットを出力するように、システム1200の動作態様を制御し得る。
【0175】
一部の実施形態は、第1の事例の伝達のうちの少なくとも1つの後に、光量子ビットと量子エミッタ量子ビットとの間にSWAPゲートを生成するために、少なくとも1つの第2の事例の伝達において光量子ビットを複数の量子エミッタに向けて伝達して、量子エミッタ量子ビットを光量子ビットにマッピングすることを伴う。SWAPゲートは、上述のように、2つの量子ビットにおいて動作可能な量子ゲートを指して、第1の量子ビットの量子状態は、第2の量子ビットに移され、第2の量子ビットの量子状態は、第1の量子ビットに移される。例えば、図2EのSWAPゲート201は、SWAPゲートの好ましい実装態様であり得る。
【0176】
したがって、例では、(例えば、第1の事例の伝達において伝達される光子に関連付けられる)光量子ビットを(例えば、もつれゲートとして動作する、キャビティ及び結合場所に位置決めされる量子エミッタからの)量子エミッタ量子ビットともつれさせる光子の第1の事例の伝達の後、コントローラ(例えば、コントローラ1208)は、(例えば、別の連続した光子の)第2の事例の伝達をもたらすように、構成要素、構成要素(例えば、光学素子)のグループ、又は回路を制御し得る。コントローラは、(第1の事例の後)第2の時間に光量子ビットを複数の量子エミッタに向けて伝達するように、構成要素、構成要素(例えば、光学素子)のグループ、又は回路を制御してもよく、それによって、量子エミッタと相互作用する第1の光子の光量子ビットと量子エミッタ量子ビットとの間のSWAPゲートが生成され、量子エミッタ量子ビットは、その光量子ビットにマッピングされる。コントローラは、例えば、1つ以上の光量子ビットが属する1つ以上の光子を提供するように、光子生成器又は光子ソースユニットを制御し得る。コントローラはまた、SWAPゲートについての所望の状態になるように初期化された量子エミッタに1つ以上の提供光子を向けて搬送して、量子エミッタ量子ビットを1つ以上の光量子ビットにマッピングさせるように、スイッチ、ビームスプリッタ、及び導波路のうちの1つ以上を制御し得る。量子エミッタからの量子エミッタ量子ビットの状態を光子の光量子ビットにマッピングするか又は移すことにより、マッピングするか又は移す前の光量子ビットの状態を有する量子エミッタが残る。これは実質的に、前に量子エミッタ量子ビットがもつれゲートとして相互作用したもつれ光量子ビットから量子エミッタ量子ビットのもつれを解く。これは、量子エミッタ量子ビットが現在、当該光量子ビットともつれなかった最後の光量子ビットの状態を有しているためである。そして、これにより、互いにもつれている、前に相互作用した当該光量子ビットのみが残り、これは、(例えば、図6におけるキャプション611を参照して記載されるように)光子グラフ状態又はクラスタ状態を形成する。当該マッピングはまた、再びもつれゲートについての所望の状態に初期化されるように量子エミッタを解放して、その量子エミッタ量子ビットを他の入射光子の光量子ビットともつれさせ得る。
【0177】
当該SWAPゲート動作は、Bechler O.らの「受動的な光子-原子量子ビット交換動作(A passive photon-atom qubit swap operation)」、Nature Physics14、996-1000(2018)、Rosenblum S.らの「光パルスからの単一光子の抽出(Extraction of a single photon from an optical pulse)」、Nature Photonics10、19-22(2016)、及びShomroni,I.らの「単一光子によって制御される1原子スイッチによる単一光子の全ての光ルーティング(All-optical routing of single photons by a one-atom switch controlled by a single photon)」、Science345.6199、903-906(2014)に記載される単一光子ラマン相互作用(SPRINT)メカニズムに基づき得、その全体の内容並びに単一光子抽出及びSPRINTメカニズム関連の内容を参照により本明細書に援用される。例えば、量子エミッタは、結合場所においてキャビティに結合される。多準位量子エミッタ(例えば、少なくとも2つの基底状態及び少なくとも1つの励起状態を有するRb原子などの単一原子)における2つの遷移は、キャビティ(例えば、マイクロ共振器)を介して導波路の異なる方向に結合される。(例えば、量子エミッタ1206_1~1206_n、キャビティ1202_1~1202_n、及び導波路1212_1~1212_nを有する図13Cに示されるような)量子エミッタ、キャビティ、及び導波路の機構は、導波路内で搬送される光又は光子が導波路の傍のキャビティにエバネッセント結合されるような機構である。ここで、エバネッセント結合は、導波路の周囲のエバネッセント場により相互作用するか又は移ることが可能なことを指す。複数の光子(例えば、図13Cにおける光子1228_1~1228_n)を含むパルスが導波路(例えば、図13Cにおける1212_1~1212_n)内に導入される場合、ある方向から生じる導波路内のパルスの第1の光子は、量子エミッタ(例えば、量子エミッタ1206_1~1206_n)と、当該量子エミッタに結合されるキャビティ(例えば、キャビティ1202_1~1202_n)を介して当該キャビティのエバネッセント結合により相互作用する。当該相互作用は、伝達における弱め合う干渉により、当該方向から生じるパルスの第1の光子を、図13Cに示される反射光子1236_1~1236_nによって示されるように決定論的に反射させる。第1の光子と量子エミッタとの間の当該相互作用は、図2EからのSWAPゲート201又は図13CにおけるSWAPゲート1218_1~1218_nを参照して前述したように量子エミッタ量子ビットを光量子ビットにマッピングすることに類似する。当該相互作用はまた、ある基底状態から別の基底状態への量子エミッタ(例えば、量子エミッタ1206_1~1206_n)のラマン移動をもたらし、量子エミッタは、当該方向からの次の光子(例えば、図13Cにおける光子1228_1~1228_nなどの光子の当該パルスからの次の第2の光子)に対して透過する状態になる。これは、当該次の光子が導波路の他端に伝達されるだけであることを意味する。したがって、当該SPRINTメカニズムからのマッピング光子は、初めてキャビティ結合量子エミッタと相互作用し、したがって、当該マッピング光子が最初に来た方向に出力されるように反射した入力パルスの第1の光子である。図15A図15Cは、後でより詳細に記載される当該SPRINTメカニズムを示す。
【0178】
非限定的な例として、図13Cは、光子グラフ状態を生成することに関する一部の本開示の実施形態に係るシステム1200を示し、システム1200は、第1の事例の伝達の後に、量子エミッタ量子ビットを光量子ビットにマッピングするように光量子ビットと量子エミッタ量子ビットとの間にSWAPゲートを生成するために、第2の事例において光量子ビットを複数の量子エミッタに向けて伝達する。例えば、コントローラ1208は、例えば、システム1200のSWAP段階において光子(1228_1~1228_n)を導波路(1212_1~1212_n)にそれぞれ提供するように、光子生成器1230の動作を制御し得る。コントローラ1208は更に、第2の事例の伝達の(例えば、光子1228_1~1228_nに関連付けられる)光量子ビットを量子エミッタ(1206_1~1206_n)に向けるように、スイッチ及び導波路などの光学素子又は回路を制御し得る。キャビティ(1202_1~1202_n)を介した(例えば、光子1228_1~1228_nに関連付けられる)第2の事例の伝達からの光量子ビットと、量子エミッタ(1206_1~1206_n)との間の相互作用は、SWAPゲート(1218_1~1218_n)として機能して、例えば、図2Eに関して記載されるように、キャビティ(1202_1~1202_n)及び結合場所(1204_1~1204_n)に位置決めされる量子エミッタ(1206_1~1206_n)をそれぞれSWAPゲートとして動作させる。その結果、量子エミッタ(1206_1~1206_n)の状態は、(例えば、第2の事例の伝達の光子1228_1~1228_nに関連付けられる)光量子ビットの状態にそれぞれ移され(例えば、交換され)得るか、又はマッピングされ得る。したがって、第2の事例の伝達は、例えば、量子エミッタ(1206_1~1206_n)に関連付けられる量子エミッタ量子ビットと、(例えば、もつれ段階の間に第1の事例の伝達によって生成された)既にもつれた光量子ビットとの間のもつれをもたらし得る。SWAPゲート(1218_1~1218_n)の各々は、光子グラフ状態1220_1~1220_nにそれぞれ対応する、接続二重線によってもつれとして描写される相互にもつれた光子(1232_1~1232_n)、又はクラスタ状態1222を、SWAPゲートが使用される前のもつれゲートの機構に応じて出力し得る。
【0179】
一部の実施形態によれば、第1の事例における伝達は、複数の光子-量子エミッタもつれをもたらすために、連続して複数の光量子ビットを伝達することを含み、第2の事例における伝達は、光子グラフ状態を出力するために第1の事例に続く。連続する順序は、特定の順序、特定の連続物として配置される進展、又は次々に来るという意味の連続を指し得る。したがって、(例えば、もつれ段階の間に複数の光子が提供される)第1の伝達の事例に関する複数の光量子ビットは連続的な方法で、例えば、光量子ビットが次々に、又は光子が次々に(例えば、図6におけるキャプション602~609を参照して記載されるように)伝達され得る。そして、これにより、量子エミッタは、次々に光子と相互作用することができ、その量子エミッタ量子ビットは、各光量子ビットと次々にもつれ状態となって、その結果、複数の光子-量子エミッタもつれとなる。この結果、複数の光量子ビットは、量子エミッタ量子ビットともつれる。もつれ状態の量子ビットのうちの1つの量子エミッタ量子ビットを有しない光子グラフ状態を出力するために、量子エミッタ量子ビットは、その複数の光量子ビットからもつれが解けた状態になる必要がある。したがって、光子の光量子ビットに対する、量子エミッタからの量子エミッタ量子ビットの状態のマッピングをもたらし、したがって、他のもつれ光量子ビットからの量子エミッタ量子ビットのもつれを解く第2の事例における伝達は、第1の事例に続いて、(例えば、図6におけるキャプション610~612を参照して記載されるように)互いにもつれた光量子ビットのみを残し、出力される光子グラフ状態を形成する。
【0180】
非限定的な例として、図13CにおけるSWAPゲートが後に続く図13Bにおけるもつれゲートの組合せ又は順序は、連続して第1の事例の光量子ビットを伝達して複数の光子-量子エミッタもつれをもたらし、第1の事例に続いて、第2の事例の光量子ビットを伝達して光子グラフ状態を出力する場合に使用され得る。例えば、1つ以上の光子生成器、1つ以上のもつれゲート、及び/又は1つ以上のSWAPゲートは、図7に示されるアレイ708で配置されてもよく、コントローラは、異なる段階を接続する線形光学及び位相制御素子702、705を制御し、各段階は、光子生成器、もつれゲート、及び/又はSWAPゲートのうちの少なくとも1つを含む。どのように当該アレイが動作して光子グラフ状態又はクラスタ状態を生成し得るかに関する更なる詳細は、図7を参照して以下に提供される。
【0181】
例えば、第1の事例の伝達及びもつれゲートを参照して前述したように、コントローラ(例えば、コントローラ1208)はまず、第1の事例において光量子ビットを複数の量子エミッタに向けて伝達するように、構成要素、構成要素(例えば、光学素子)のグループ、又は回路を制御してもよく、それによって、量子エミッタ量子ビット及び光量子ビットはもつれる。コントローラは、例えば、第1の事例の伝達で、光量子ビットが属する光子を提供するように、光子生成器又は光子ソースユニットを制御し得る。コントローラはまた、光量子ビットと量子エミッタ量子ビットとの間のもつれをもたらすために、もつれゲートについての所望の状態になるように(例えば、量子エミッタ量子ビットの状態の初期化を参照して前述したようなコントローラの制御下で)初期化された量子エミッタに提供光子を向けて搬送するように、スイッチ、ビームスプリッタ、及び導波路のうちの1つ以上を制御し得る。
【0182】
第2の事例の伝達及びSWAPゲートを参照して前述したように、コントローラ(コントローラ1208)は、(例えば、別の連続した光子の)第2の事例の伝達をもたらすように、構成要素、構成要素(例えば、光学素子)のグループ、又は回路を制御し得る。コントローラは、(第1の事例の後)第2の時間に光量子ビットを複数の量子エミッタに向けて伝達するように、構成要素、構成要素(例えば、光学素子)のグループ、又は回路を制御してもよく、それによって、量子エミッタ量子ビットはもはや、第1の事例の伝達からの光子に関連付けられる光量子ビットともつれていない。これにより実質的に、もつれ光量子ビットからの量子エミッタ量子ビットのもつれが解け、互いにもつれている、前に相互作用した当該光量子ビットのみが残り、これは、(例えば、図6におけるキャプション611を参照して記載されるように)出力される光子グラフ状態又はクラスタ状態を形成する。コントローラは、例えば、1つ以上の光量子ビットが属する1つ以上の光子を提供するように、光子生成器又は光子ソースユニットを制御し得る。コントローラはまた、SWAPゲートについての所望の状態になるように(例えば、量子エミッタ量子ビットの状態の初期化を参照して前述したようなコントローラの制御下で)初期化された量子エミッタに1つ以上の提供光子を向けて搬送するように、スイッチ、ビームスプリッタ、及び導波路のうちの1つ以上を制御し得る。
【0183】
一部の実施形態によれば、初期化は、SWAPゲートを使用することを伴う。前述のように、SWAPゲートは、2つの量子ビットにおいて動作可能な量子ゲートを指して、第1の量子ビットの量子状態は、第2の量子ビットに移され、第2の量子ビットの量子状態は、第1の量子ビットに移される。当該交換は、SWAPゲートが光量子ビットと量子エミッタ量子ビットとの間に使用されると、量子エミッタ量子ビットの状態が、光量子ビットにマッピングされる一方、光量子ビットの状態が量子エミッタ量子ビットにマッピングされることを意味する。したがって、(導波路1212_1~1212_nに入力されて、光子の状態を量子エミッタ量子ビットと交換する)光子1228_1~1228_nの特性を制御して、それらが所望の状態に対応することによって、量子エミッタ量子ビットと当該光子1228_1~1228_nの光量子ビットとの間にSWAPゲートを使用して、初期化ステップの一部として、所望の状態を量子エミッタ量子ビット上にマッピングすることが可能である。所望の状態は、例えば、もつれゲートに関するものであり得る。例えば、コントローラ(又はコントローラ1208)は、光子1228_1~1228_nの特性を制御又は設定するように、構成要素、光学素子などの構成要素のグループ、又は回路を制御し得る。例えば、初期化光子は、量子エミッタと初期化光子に関連付けられる光量子ビットとの間の量子状態の取替え(例えば、交換)をもたらすように量子エミッタと相互作用するために、キャビティに提供され得るか又はキャビティに向けて伝達され得る。
【0184】
非限定的な例として、図2Eと共に扱われる図13Cは、SWAPゲートを使用した量子エミッタ(1206_1~1206_n)の初期化の好ましい実装態様を示す。コントローラ1208は、導波路(1212_1~1212_n)を介して光子(1228_1~1228_n)を構成(1218_1~1218_n)にそれぞれ提供するように、光子生成器1230の動作を制御し得る。例えば、初期化された量子エミッタについての所望の状態が、確率振幅β及びαを有する基底状態111、113の重ね合わせであるが、量子エミッタ(1206_1~1206_n)が状態(例えば、確率振幅γ及びδをそれぞれ有する図1の第1及び第2の基底状態111、113)の重ね合わせである場合、コントローラ1208は、光モード(例えば、確率振幅α及びβをそれぞれ有する図1のモード1及び2)の重ね合わせで光子1228_1~1228_nを提供するように制御し得る。光子1228_1~1228_nが量子エミッタ1206_1~1206_nと相互作用すると、図2Eに関してより詳細に記載されるように、それらの状態が交換されて、モード(例えば、確率振幅δ及びγをそれぞれ有するモード1及び2)の重ね合わせで反射光子1236_1~1236_neを出力して、確率振幅β及びαをそれぞれ有する)基底状態111、113の重ね合わせで量子エミッタ(1206_1~1206_n)を残し得る。
【0185】
一部の実施形態によれば、初期化は、マイクロ波を印加することを含む。マイクロ波は、約1メートルから約1ミリメートルまでの範囲であって、約300MHzと300GHzとの間の周波数にそれぞれ対応する波長を有する電磁放射を指し得る。
【0186】
一部の実施形態によれば、初期化は、光ビームを印加することを含む。光ビームは、自由伝播時に平均軸線の周囲に集束したままである電磁波、又は導波路などの構造によってガイドされる電磁波を指し得る。図13Aを参照して、コントローラ1208は、導波路(1210_1~1210_n及び1212_1~1212_n)のうちのいずれかを介して光ビームを構成(1214_1~1214_n)にそれぞれ印加するように、光子生成器1230の動作態様を制御し得る。
【0187】
一部の実施形態によれば、複数の量子エミッタは原子を含み、位置決めは、キャビティの近傍で原子をトラップすることを含む。前述のように、当該トラップは、結合場所に量子エミッタをトラップする青色及び赤色レーザを使用することを伴い得る。図13A図13Cを参照して、量子エミッタ(1206_1~1206_n)のうちの1つ以上は、図1の原子102などの原子を含み得る。原子は、キャビティ(1202_1~1202_n)の近傍で原子をトラップすることによって、結合場所(1204_1~1204_n)に位置決めされ得る。
【0188】
一部の実施形態によれば、複数の量子エミッタは量子ドットを含み、位置決めは、キャビティの近傍に量子ドットをリソグラフィで設置すること、又は自己組織化量子ドットの近傍にキャビティをリソグラフィで設置することのうちの少なくとも一方を含む。量子ドットを含む量子エミッタは、前述のように、量子力学原理を示す光学特性及び/又は電子特性を有する、基板(例えば、固体状態の基板又は半導体粒子)を有する量子エミッタを指し得る。自己組織化量子ドットは、3つの方向に電荷キャリアを閉じ込める半導体ヘテロ構造を指し得る。図13A図13Cを参照して、量子エミッタ(1206_1~1206_n)のうちの1つ以上は、量子ドットを含み得る。量子ドットは、リソグラフィ技術を使用して、例えば、キャビティ(1202_1~1202_n)の近傍に量子ドットをリソグラフィで位置決めすることによって、又は自己組織化量子ドットの近傍にキャビティ(1202_1~1202_n)をリソグラフィで位置決めすることによって、結合場所1204_1~1204_nに位置決めされ得る。
【0189】
一部の実施形態によれば、光量子ビットは、キャビティに結合される量子エミッタを使用して生成される。例えば、キャビティに結合される量子エミッタは、1つ以上の光子を生成又は解放するように構成され得る。非限定的な例として、図4A及び図4Bにおけるソースユニット401並びに図8及び図9Bにおける光子生成器812は、キャビティに結合される量子エミッタの当該使用の例である。キャビティに結合される当該量子エミッタは、例えば、図13A図13Cの光子生成器1230において提供され得る。
【0190】
一部の本開示の実施形態によれば、量子エミッタは、電磁モードに結合するように構成された、非調和スペクトルを有する静止量子システムであり得る。換言すれば、前述のように、量子エミッタは、光子と相互作用することができる静止量子ビットを含み得る。例えば、量子エミッタは、イオン若しくは中性原子の電子若しくは核構成、又は材料基板における欠陥若しくは量子ドットの電子若しくは核構成のうちの1つ以上を有する量子システムを含み得る。
【0191】
一部の実施形態によれば、量子エミッタは、超伝導量子ビットを含む。超伝導量子ビットは、前述のように、1つ以上のジョセフソン接合を含む超伝導電子回路(例えば、超伝導体を使用した電気素子の回路網)に記憶されるか又は属する量子ビットを指す。
【0192】
一部の実施形態によれば、量子エミッタは、量子ドットを含む。量子ドットを含む量子エミッタは、前述のように、量子力学原理を示す光学特性及び/又は電子特性を有する、基板(例えば、固体状態の基板又は半導体粒子)を有する量子エミッタを指し得る。
【0193】
一部の実施形態によれば、量子エミッタは、原子を含む。一部の実施形態によれば、原子は中性である。中性は、原子内のプロトンの数が電子の数と等しい場合などの、全体で電荷が無い原子を指す。一部の代替的な実施形態によれば、原子はイオンである。イオンは、プロトン及び電子の数が等しくない原子などの、全体で電荷を有する粒子又は原子を指す。一部の実施形態によれば、量子エミッタは、前述のように、ルビジウム原子又はセシウム原子のうちの少なくとも1つを含む。ルビジウム又はセシウム原子は、中性又はイオンであり得る。一部の実施形態によれば、量子エミッタは、前述のように、ストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、又はマグネシウム原子のうちの少なくとも1つを含む。
【0194】
一部の実施形態によれば、もつれゲートは、制御Zゲート(CZゲート)、制御NOTゲート(CNOTゲート)、SWAPゲートの平方根、又は仮想SWAPゲート(iSWAPゲート)のうちの1つである。制御Zゲート(CZゲート)は、2つの量子ビットにおいて動作可能な量子ゲートを指して、それらの結合量子状態は、条件付き位相シフト(例えば、上述のようなパイの位相シフト)を得る。例えば、もつれゲート1216_1~1216_nのうちの1つ以上は、CZゲート、CNOTゲート、SWAPゲートの平方根、又はiSWAPゲートのうちのいずれか1つとして機能し得る。例えば、もつれゲート1216_1は、制御Zゲート(CZ)ゲートであり得る。
【0195】
非限定的な例として、図13Dは、一部の本開示の実施形態と整合する、光子グラフ状態を生成する例示的なプロセス1260(又はその例示的な方法)を示す。図13Dにおけるブロック図が、他の図に提示される特定の実装態様の実施形態と関連して以下に記載され得るが、当該実装態様は単に、例示的な目的で提供されるものであって、限定として機能することを意図したものではない。プロセスのステップの例が本開示全体を通して記載され、例示的なプロセス1260にも適用可能であるため、当該態様は、繰り返し述べないか、又は図13Dと関連して簡単にまとめられる。一部の本開示の実施形態では、プロセス1260は、本明細書に記載される動作又は機能を行うように構成された、少なくとも1つのプロセッサ又は回路、例えば、コントローラ1208によって行われ得る。一部の実施形態では、プロセス1260の一部の態様は、少なくとも1つのプロセッサが提供されるメモリ、非一時的コンピュータ可読媒体、又はコンピュータ可読媒体に記憶されたソフトウェア(例えば、プログラムコード又は命令)として実装され得る。一部の実施形態では、プロセス1260の一部の態様は、ハードウェア(例えば、専用回路)として実装され得る。一部の実施形態では、プロセス1260は、ソフトウェア及びハードウェアの組合せとして実装され得る。
【0196】
図13Dは、プロセスステップ1262~1268を含む。ステップ1262で、プロセスは、複数のキャビティに関連付けられる複数の結合場所に複数の量子エミッタを位置決めすることを伴う。例えば、図13Aを参照して、量子エミッタ(1206_1~1206_n)は、キャビティ(1202_1~1202_n)に関連付けられる結合場所(1204_1~1204_n)にそれぞれ位置決めされ得る。
【0197】
ステップ1264で、プロセスは、複数の量子エミッタの各々に関連付けられる量子エミッタ量子ビットの状態を初期化することを伴う。初期化は、例えば、SWAPゲートを使用すること及び/又はマイクロ波を印加することを伴い得る。例えば、初期化は、複数の量子エミッタの各々に関連付けられる量子エミッタ量子ビットを初期化するように、構成要素、構成要素(例えば、光学素子)のグループ、又は回路を制御することを伴い得る。制御は、(量子エミッタ量子ビットが記憶されるか、若しくは量子エミッタ量子ビットが属する)量子エミッタをレーザに曝し、及び/又は磁場を量子エミッタにかけるように、光子パルス生成器及び/又は磁場生成器を制御することを含み得る。例えば、図1における光子パルス生成器151及び/又は磁石141は、このように制御され得る。
【0198】
ステップ1266で、プロセスは、量子エミッタ量子ビット及び光量子ビットをもつれさせるように光量子ビットと量子エミッタ量子ビットとの間にもつれゲートを生成するために、少なくとも1つの第1の事例の伝達において複数の量子エミッタに向けて光量子ビットを伝達することを伴う。例えば、少なくとも1つの第1の事例の伝達における伝達は、第1の事例において光量子ビットを複数の量子エミッタに向けて伝達するように、構成要素、構成要素(例えば、光学素子)のグループ、又は回路を制御することを伴い得る。例えば、当該制御は、光量子ビットが属する光子を提供するように、光子生成器又は光子ソースユニットを制御することと、光量子ビットと量子エミッタ量子ビットとの間のもつれをもたらすために、もつれゲートについての所望の状態になるように初期化された量子エミッタに提供光子を向けて搬送するように、スイッチ、ビームスプリッタ、及び導波路のうちの1つ以上を制御することと、のうちの1つ以上を含み得る。
【0199】
ステップ1268で、プロセスは、第1の事例の伝達のうちの少なくとも1つの後に、光量子ビットと量子エミッタ量子ビットとの間にSWAPゲートを生成するために、少なくとも1つの第2の事例の伝達において光量子ビットを複数の量子エミッタに向けて伝達して、量子エミッタ量子ビットを光量子ビットにマッピングすることを伴う。例えば、少なくとも1つの第2の事例の伝達における伝達は、(第1の事例の後)第2の時間に光量子ビットを複数の量子エミッタに向けて伝達するように、構成要素、構成要素(例えば、光学素子)のグループ、又は回路を制御することを伴い得る。制御は、例えば、1つ以上の光量子ビットが属する1つ以上の光子を提供するように、光子生成器又は光子ソースユニットを制御することと、量子エミッタに1つ以上の提供光子を向けて搬送するように、スイッチ、ビームスプリッタ、及び導波路のうちの1つ以上を制御することと、のうちの1つ以上を含み得る。
【0200】
例えば、第1の事例における伝達は、複数の光子-量子エミッタもつれをもたらすために、連続して複数の光量子ビットを伝達することを含んでもよく、第2の事例における伝達は、光子グラフ状態を出力するために第1の事例に続いてもよい。例では、非一時的コンピュータ可読媒体(又はコンピュータ可読媒体若しくはコンピュータプログラム)は、命令を含み得、当該命令は、少なくとも1つのプロセッサ(又は装置)によって実行されると、本明細書に記載されるプロセス又は量子計算方法を少なくとも1つのプロセッサ(又は装置)に実行させる。光子グラフ状態を生成することに関する一部の実施形態によれば、命令は、量子計算方法又は図13Dに示されるプロセス1260を少なくとも1つのプロセッサ(又は装置)に実行させ得る。
【0201】
光子グラフ状態を生成することに関する実施形態の各プロセス又はシステム特徴についての前述の同じ例は、この非一時的コンピュータ可読媒体(又はコンピュータ可読媒体若しくはコンピュータプログラム)の実施形態の対応する特徴にも適用可能である。
【0202】
光子グラフ状態を生成することに関する他の実施形態によれば、量子計算方法又は図13Dに示されるプロセス1260を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサ(及びメモリ)を含む、装置、デバイス、システム、集積回路デバイス、又は回路が提供される。光子グラフ状態を生成することに関する実施形態の各プロセス又はシステム特徴についての前述の同じ例は、これらの実施形態の対応する特徴にも適用可能である。
【0203】
光子グラフ状態を生成することに関する更に別の実施形態によれば、レイアウト部分を備える集積回路デバイス又は回路のレイアウトが提供され、各レイアウト部分は、光子グラフ状態を生成することに関する一部の実施形態に従って、図13A図13Cにおけるシステム1200、図13Bにおけるもつれゲート1216_01~1216_n又は図13CにおけるSWAPゲート1218_1~1218_nの特徴の組合せから各特徴をパターン化するように定められている。例として、集積回路デバイス又は回路のレイアウトは、複数のキャビティをパターン化するように定められたキャビティレイアウト部分と、複数の量子エミッタを位置決めする複数の結合場所をパターン化するように定められた結合場所レイアウト部分と、回路又は少なくとも1つのプロセッサをパターン化するように定められたコントローラレイアウト部分と、を含む。
【0204】
一部の本開示の実施形態では、集積回路デバイス又は回路のレイアウトは、光子生成器、又は光子生成器によってキャビティ又は量子エミッタに向けて供給される光子を搬送するチャネルをパターン化するように定められた光子生成器レイアウト部分を更に含む。一部の本開示の実施形態では、光子生成器レイアウト部分は、別のキャビティ、及び別の量子エミッタを当該別のキャビティに位置決めする別の結合場所をパターン化するように定められ得る。一部の本開示の実施形態では、回路レイアウト部分は、1つ以上の光子又はレーザを搬送する導波路と、1つ以上の光子を向けるか若しくは輸送し、1つ以上の光子の流れを制御し、1つ以上の光子の状態を操作し、及び/又は量子計算を行うことに関係する様々な機能を行う1つ以上の線形光学素子と、のうちの1つ以上をパターン化するように定められ得る。
【0205】
一部の本開示の実施形態では、コントローラレイアウト部分は、光子生成器ともつれゲート又はSWAPゲートとの間の入力光子及び出力光子の流れを制御する(例えば、向けるか又は異なる導波路間で切り換える)コントローラをパターン化するように定められており、コントローラは、制御を行う1つ以上のプロセッサ、及びメモリ、回路構成要素、又は回路を備え得る。
【0206】
リソグラフィで設置され得る量子エミッタ(例えば、量子ドット)が使用される場合、結合位置レイアウト部分は、量子エミッタもパターン化するように定められ得ることが理解される。光子グラフ状態を生成することに関する実施形態の各プロセス又はシステム特徴についての前述の同じ例は、本実施形態の対応する特徴にも適用可能である。
【0207】
一部の実施形態は、量子計算のために光子グラフ状態を生成することを伴う。量子計算は、重ね合わせ、もつれ、及び干渉などの1つ以上の量子状態特性の利用又は適用を通じて行われる計算を指し得る。前述のように、グラフ状態は、量子ビットのグループ間の関係を表し、量子ビットは、量子情報の基本単位である。光子グラフ状態は、光量子ビットのグループ間の関係を表すグラフ状態を指す。前述のように、光量子ビットは、1つ以上の光子又は電磁場に記憶される(又は属する)量子情報の基本単位を指す。例えば、連続した入射光量子ビットから生成されるグラフ状態(又は複数のグラフ状態)は、出力光子に記憶される(又は属する)量子ビット間の関係を表し得る。
【0208】
量子計算のために光子グラフ状態を生成することは、1つ以上の量子状態特性の利用又は適用を通じて行われる計算において使用可能な複数の光子を生成及び/又は提供することを指す。複数の光子は、関連付けられた光量子ビットのグループを有し得、関連付けられた光量子ビットの当該グループ間の関係は、グラフ状態を使用して表され得る。例えば、量子計算のために光子グラフ状態を生成することは、光子グラフ状態を生成する動作パラメータ及び命令を決定することを含み得る。量子計算のために光子グラフ状態を生成することに関する一部の実施形態と整合して、以下に記載されるように、光子グラフ状態は、例えば、連続して1つ以上の光量子ビットをもつれさせることによって生成され得る。当該例では、光子グラフ状態は、グラフによって表され得る、あるタイプの複数の量子ビット状態であり得、各光量子ビットは、グラフの頂点によって表され得、光量子ビットのペア間のエッジは、ペア間の相互作用、例えば、もつれを表し得る。
【0209】
一部の実施形態は、量子エミッタをキャビティに結合することを伴う。キャビティは、前述のように、電磁モードを確立又はサポートする構成要素である共振器として機能し得る構造、筐体、又は容器を指す。例えば、キャビティは、キャビティQED構成のキャビティ、光キャビティ、ウィスパリングギャラリーモードキャビティ、又はファブリ-ペローキャビティに対応し得る。量子エミッタは、前述のように、電磁モードに結合するように構成された構成要素を指す。例えば、量子エミッタは、電磁モードに結合するように構成された、非調和スペクトルを有する静止量子システムを含み得る。量子エミッタをキャビティに結合することは、量子エミッタとキャビティとの間の相互作用を可能にすることを指す。例えば、量子エミッタの双極子場がキャビティの電磁モードと重複することを可能にすることによって、量子エミッタの量子ビットとキャビティとの間の相互作用を可能にする。量子エミッタが、(キャビティ結合量子エミッタとも称される)キャビティに対して、関連付けられたその結合位置において結合される場合、量子エミッタは、キャビティの電磁モードに結合される。したがって、キャビティ結合量子エミッタは、励起されると光子を解放若しくは放出する(例えば、光子生成器として機能する)か、又はキャビティを通過する光子と相互作用する(例えば、光子をもつれさせるもつれゲートとして機能する)ように構成され得る。
【0210】
非限定的な例として、図4A及び図4Bは、光子生成器として実装された(量子エミッタとしてのソースユニット原子402を含む)ソースユニット401を示し、図8図9Bは、光子生成器として機能するようにキャビティ818に結合される量子エミッタとしてのルビジウム(87Rb)原子820を示し、図5A及び図5Bは、もつれゲートとして実装された(量子エミッタとしてのもつれユニット原子502を含む)もつれユニット501を示し、図8及び図9Cは、もつれゲートとして機能するようにキャビティ818に結合される量子エミッタとしてのルビジウム(87Rb)原子820を示す。
【0211】
一部の実施形態では、当該結合は、キャビティの内部キャビティ場内に量子エミッタを位置決めすることを伴い得る。前述のように、量子エミッタを位置決めすることは、量子エミッタとキャビティとの間の相互作用を可能にするように量子エミッタを配置又は設置することを指す。例えば、量子エミッタとキャビティとの間の結合を可能にするように構成されたエリア内に量子エミッタを位置決めし、エリアは、結合位置又は結合場所とも称され得る。前述のように、量子エミッタ位置決めは、例えば、結合位置若しくは結合場所に位置するように量子エミッタを配置すること(例えば、結合位置若しくは結合場所に量子エミッタを位置決め若しくは設置すること)、キャビティの内部キャビティ場内に量子エミッタを配置すること、キャビティの近傍で量子エミッタをトラップすること、キャビティの近傍に量子ドットをリソグラフィで設置すること、又は自己組織化量子ドットの近傍にキャビティをリソグラフィで設置することのうちの1つ以上を含み得る。キャビティの近傍で量子エミッタをトラップすることは、前述のように、キャビティに関連付けられる結合位置内に量子エミッタを維持するトラップを生成することを指す。例えば、電場、無線周波数(若しくはマイクロ波)場、磁気光学トラップ(MOT)構成、及び/又は非共振レーザビーム(原子ピンセット)などの電磁場の構成は、結合位置内に量子エミッタを維持するために使用され得る。図14Aは、結合位置1420の非限定的な例を示す。
【0212】
一部の実施形態によれば、量子エミッタは、光子と相互作用することができる静止量子ビットである。静止量子ビットは、量子情報を記憶及び処理する際に使用可能な材料量子システムを指し得る。例えば、静止量子ビットは、(i)ナノ秒以上の時間スケールで確実に量子情報を記憶し、(ii)情報を飛行量子ビット(例えば、非静止量子ビット若しくは光子)に移動させ得るか若しくは変換し得る演算を含む計算及び/若しくは演算を確実に行い、(iii)確実に測定されるか若しくは読み出され、並びに/又は(iv)高度にもつれるように動作可能な(又はそれらの条件を満たす)量子ビットを指し得る。静止量子ビットの例には、量子エミッタに記憶されるか又は属する量子ビットが含まれ得る。例えば、ルビジウム又はセシウム原子に記憶されるか又は属する量子ビットは、静止量子ビットのソースとして機能し得る。例えば、リュードベリ原子も、静止量子ビットのソースとして機能し得る。リュードベリ原子の使用は、量子計算用途に有利な特性、例えば、(i)電磁場に対する強い応答、(ii)長い減衰期間、及び(iii)大きい電気双極子モーメントをもたらし得る。リュードベリ原子は、大きい主量子数nを有する1つ以上の電子を伴う励起原子を指し得る。
【0213】
例えば、量子エミッタは、超伝導量子ビットを含み得る。前述のように、超伝導量子ビットは、超伝導電子回路(例えば、超伝導体を使用した電気素子の回路網)に記憶されるか又は属する量子ビットを指す。例えば、超伝導量子ビットは、アルミニウム又はニオブ-チタン合金などの超伝導材料から確保される固体状態の量子ビットを指し得る。超伝導量子ビットは、少なくとも1つのジョセフソン接合を含み得るか又は少なくとも1つのジョセフソン接合に結合され得る。超伝導量子ビットの例には、電荷量子ビット、磁束量子ビット、位相量子ビット、及び/又はそれらのハイブリッド(例えば、トランズモン)が含まれ得る。
【0214】
例では、量子エミッタは、量子ドットを含み得る。量子ドットを含む量子エミッタは、前述のように、量子力学原理を示す光学特性及び/又は電子特性を有する、基板(例えば、半導体粒子などの固体状態の基板)を有する量子エミッタを指し得る。例えば、量子ドットは、そのバルク成分と異なる光学特性及び電子特性を有するナノ粒子であり得る。高いエネルギー光子(例えば、UV光)の存在下で、量子ドット内の電子は、高いエネルギー状態に励起され、基底状態に移行するときに1つ以上の光子を放出し得る。例えば、量子ドットは、硫化鉛、セレン化鉛、セレン化カドミウム、硫化カドミウム、テルル化カドミウム、ヒ化インジウム、又はリン化インジウムなどの1つ以上の二元化合物から製造され得る。例えば、量子ドットは、ヒ化ガリウム基板内のヒ化インジウムから自己組織化され得る。例えば、量子ドットは、ダイヤモンド内の窒素空孔中心などの固体状態の基板における原子欠陥を指し得る。
【0215】
例では、量子エミッタは、原子又はイオンのうちの少なくとも一方を含み得る。原子は、中性であり得る。中性は、プロトン及び電子の数が等しい原子である場合などの、全体で電荷が無い原子を指す。イオンは、光子及び電子の数が等しくない原子などの、全体で電荷を有する粒子又は原子を指す。原子又はイオンは、ルビジウムから確保され得る。及び/又は原子若しくはイオンは、セシウムから確保され得る。例では、原子又はイオンは、リュードベリ原子から確保され得る。例では、量子エミッタは、ストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、又はマグネシウム原子のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0216】
一部の実施形態は、第1の時間プロファイルを有する第1のダーティ光子を生成することを伴う。前述のように、ダーティ光子は、例えば、量子計算を行うときに別の光子と区別可能な光子を指す。ダーティ光子は、例えば、複数の空間-時間モード、例えば、複数の時間プロファイルに関する混合状態の伝播(伝搬)光子を含み得る。例えば、ダーティ光子は、(例えば、その時間プロファイルにおいて)(例えば、その時間プロファイルの不規則性に基づいて)それを別の光子と容易に区別可能にする不規則性を示す。時間プロファイルは、前で扱ったように伝播光子場の包絡線を指し得る。時間プロファイルの例には、特定の減衰時間及び初期時間を有する指数関数的に減少若しくは増加するプロファイル、特定の初期時間及び最終時間を有する一定のプロファイル、特定の初期時間及び最終時間並びに変調周波数及び位相を有する周波数及び位相変調プロファイル、又は特定の平均時間及び時間変化を有するガウスプロファイルが含まれる。
【0217】
前述のように、光量子ビットは、1つ以上の光子又は電磁場に記憶される(又は属する)量子情報の基本単位を指す。ダーティ光子を使用して光量子ビットを形成すること、又は第1のダーティ光子を使用して第1の光量子ビットを形成することは、光量子ビット又は第1の光量子ビットのソースとしてダーティ光子又は第1のダーティ光子を確立又は提供することを指す。そして、光量子ビット又は第1の光量子ビットは、ダーティ光子若しくは第1のダーティ光子、又はそれに関連付けられる電磁場に記憶されるか又は属する。例えば、ソースとしてダーティ光子又は第1のダーティ光子を確立又は提供することは、1つ以上の線形光学素子に、1つ以上の線形光学素子を通じて、又は1つ以上の線形光学素子から、ダーティ光子又は第1のダーティ光子を搬送すること伴い得る。例えば、線形光学素子は、チャネル(例えば、導波路)、リフレクタ(例えば、ミラー)、ビームスプリッタ、レンズ、位相シフタ、又は光子の特性若しくは運動を操作することができる別の線形光学機器のうちの1つ以上を含み得る。
【0218】
ダーティ光子を生成すること、又は第1のダーティ光子を生成することは、別の光子、例えば、提供、解放、若しくは放出がされたか又は予定されている光子と区別可能であり得る光子を提供、解放、若しくは放出することを表す。例えば、光子を提供、解放、又は放出するために使用される光子生成器が、前述のように、その入力パルスの時間及び/若しくは形状又は周波数の観点で正確に制御されなかったため、光子は、「ダーティ」であり得る。一部の本開示の実施形態に従って生成される単一光子は、光子を容易に区別可能にする不規則性を光子が(例えば、その時間プロファイルにおいて)示す場合でも、本明細書に記載されるキャビティに結合される量子エミッタを使用した光量子ビットもつれについて完全に好適なものである。
【0219】
本明細書に記載される単一光子を確保する光子ソースユニットは、場合によりダーティ光子を提供することができる当該光子生成器の非限定的な例である。非限定的な例として、図4A及び図4Bは、(量子エミッタとしてソースユニット原子402を含む)ソースユニット401によって生成される、ダーティ光子であり得る放出光子406及び時間的に連続した一連の出力光子412を示す。別の非限定的な例では、図8図9Bはまた、キャビティ818に結合されるルビジウム(87Rb)原子820によって生成及び出力される、ダーティ光子であり得る単一光子を示す。図4A及び図4Bにおけるソースユニット401を参照して、ソースユニット401は、図1の光キャビティ103などのキャビティと、原子402(例えば、量子エミッタ)と、を含む。初期化パルス403が、原子402の状態を状態111(図1)となるように初期化した後、生成パルス404は、図2Aの遷移121A及び遷移122Aをもたらし、その結果、原子402は、光子406を放出し得る。当該プロセスを繰り返すことにより、図4Bにおける時間的に連続した一連の出力光子412が生成される。量子計算のために光子グラフ状態を生成することに関する一部の実施形態によれば、生成パルス404は、例えば、そのパルス時間及び/又は形状の観点で正確に制御される必要はなく、したがって、出力光子は場合によりダーティであり得る。出力光子は、不規則性を示し、したがって、場合により区別可能であり得る時間プロファイルを有する。
【0220】
光量子計算は、1つ以上の光子の1つ以上の量子状態特性の利用又は適用を通じて行われる計算を指す。線形光学素子を使用して光子グラフ状態を生成する従来の光量子計算は、(クリーン光子とも称される)区別不可能な光子を使用することに依存する。これは、当該区別不可能な光子が(例えば、その時間プロファイルにおいて)いかなる不規則性も示さないためである。これは、当該従来の光量子計算に関係する演算の一部が、複数の光子間の弱め合う干渉の使用を必要とし、当該弱め合う干渉が、互いに区別不可能な複数の光子に依存するためである。例えば、当該従来の光量子計算において使用される光子が区別可能である場合、これは、生成される光子グラフ状態の忠実度の低下及び計算誤差の増加をもたらし得る。
【0221】
対称的に、キャビティ増強量子エミッタ-光子相互作用を通じた光子のもつれを使用して(例えば、キャビティ結合量子エミッタとも称される、キャビティに結合される量子エミッタを使用して)光量子計算を行うことにより、量子計算演算において、当該ダーティ光子を使用することができる。これは、キャビティ増強量子エミッタ-光子相互作用を通じて光子をもつれさせることは、当該光子をもつれさせる仲介者としてキャビティ結合量子エミッタを使用するためである。キャビティ結合量子エミッタは、光子間の相互作用を仲介して光子グラフ状態を生成する。仲介は、相互作用を容易にすること、可能にすること、又は他の場合には促進することを指す。相互作用は、入射光量子ビット間の相関関係を移し、伝達し、関連付け、及び/又は確立し得る。例えば、キャビティ結合量子エミッタは、入射光子間のもつれ(例えば、相互作用)を容易にしてもよく、キャビティ結合量子エミッタは、入射光子間の当該相互作用を達成する手段である。したがって、本明細書に記載される量子計算のために光子グラフ状態を生成することに関する一部の実施形態を使用した光量子計算は、(クリーン光子とも称される)区別不可能な光子の使用を必要とせず、そうでない場合、線形光学を用いた確率論的もつれの場合となる。これは、例えば、量子計算において使用する光子を生成するときの入力光子パルス(例えば、図4Aにおける生成パルス404)が、正確なタイミング及び形状である必要はなく、結果として、前述のように、正確に制御又は調整されない時間プロファイルを有するダーティ光子を生成し得ることを意味する。しかしながら、1つ以上のキャビティ結合量子エミッタの使用は、当該生成光子が依然、量子計算演算において使用するのに好適であることを意味する。
【0222】
一部の実施形態は、第2の時間プロファイルを有する第2のダーティ光子を生成することを伴い、一部の実施形態は、第2のダーティ光子を使用して第2の光量子ビットを形成することを伴う。例えば、第2のダーティ光子は、前述の第1の光量子ビットを形成するために第1のダーティ光子を生成及び使用するのと同様の方法で第2の光量子ビットを形成するために生成及び使用され得る。第1のダーティ光子を生成及び使用して、第1の光量子ビットを形成することに関して前述した例は、第2のダーティ光子にも適用可能である。
【0223】
一部の実施形態は、キャビティに結合される量子エミッタを使用し、第1の光量子ビットを第2の光量子ビットともつれさせて、もつれ光量子ビットのペアを形成することを伴う。もつれ光量子ビットのペアは、前述のように、光量子ビットのペアの状態が関連付けられた状態を指す。例えば、光量子ビットのペアの状態は、互いに関連していてもよく、それらの状態を互いに独立して記述することができない。当該もつれは、例えば、ある光量子ビットの状態の測定値を他の光量子ビットの状態の測定値に相関させて、それらの状態の測定値間の相関関係を生成し、それによって、相互の情報が当該相関関係を使用して記憶又は処理され得る。キャビティに結合される量子エミッタ(又はキャビティ結合量子エミッタ)は、前述のように、もつれゲートとして機能するように使用され得る。必要なゲートは、量子ビットをもつれさせるように構成された構成要素若しくは構成要素のグループ又は制御シーケンスを指す。したがって、キャビティ結合量子エミッタは、例えば、連続的な方法で、第1の光量子ビット及び第2の光量子ビットと相互作用し得、その結果、第1の光量子ビット及び第2の光量子ビットは、キャビティ結合量子エミッタともつれ、したがって、互いにもつれる。
【0224】
非限定的な例として、図5A及び図5Bは、時間的に連続した一連のもつれ光子512を生成するようにもつれゲートとして実装された(量子エミッタとしてのもつれユニット原子502を含む)もつれユニット501を示し、図8及び図9Cは、もつれゲートとして機能するようにキャビティ818に結合される量子エミッタとしてのルビジウム(87Rb)原子820を示す。
【0225】
一部の実施形態は、量子計算のためにもつれ光量子ビットのペアを使用することを伴う。量子計算を行うことは、光量子ビットに対して演算を適用することを指し得、演算を適用することは、重ね合わせ、もつれ、及び干渉などの1つ以上の量子状態特性の利用又は適用に依存する。もつれ光量子ビットは、線形光学素子及び/若しくは量子エミッタを通じて搬送されるか、又は線形光学素子及び/若しくは量子エミッタによって向けられ、それによって、それで符号化される情報の輸送及び/又は操作を可能にし得る。
【0226】
一部の実施形態は、第1及び第2の時間プロファイルと異なる第3の時間プロファイルを有する第3のダーティ光子を生成することと、第3のダーティ光子を使用して第3の光量子ビットを形成することを伴う。例えば、第3のダーティ光子は、前述のように、第1又は第2の光量子ビットを形成するために第1又は第2のダーティ光子を生成及び使用するのと同様の方法で第3の光量子ビットを形成するために生成及び使用され得る。第1又は第2のダーティ光子を生成及び使用して、第1又は第2の光量子ビットを形成することに関して前述した例は、第3のダーティ光子にも適用可能である。時間プロファイルは、前述のように伝播光子場の時間包絡線を指す。時間プロファイルの例には、特定の減衰時間及び初期時間を有する指数関数的に減少若しくは増加するプロファイル、特定の初期時間及び最終時間を有する一定のプロファイル、又は特定の平均時間及び時間変化を有するガウスプロファイルが含まれる。したがって、第1及び第2のダーティ光子の第1及び第2の時間プロファイルと異なる第3のダーティ光子の第3の時間プロファイルは、経時的に第1及び第2のダーティ光子の場と異なるように機能するか又は変化するプロファイルを有する第3のダーティ光子の場を指す。
【0227】
一部の実施形態は、キャビティに結合される量子エミッタを使用し、第3の光量子ビットを第1又は第2の光量子ビットともつれさせて、3つのもつれ光量子ビットを形成することを伴う。例えば、前述のように、キャビティ結合量子エミッタは、例えば、連続的な方法で、第3の光量子ビット及び第1又は第2の光量子ビットと相互作用し得、その結果、第3の光量子ビット及び第1又は第2の光量子ビットは、キャビティ結合量子エミッタともつれ、したがって、互いにもつれる。第1の光量子ビットを第2の光量子ビットともつれさせることに関して前述した例は、第3のダーティ光子を第1又は第2の光量子ビットともつれさせることにも適用可能である。
【0228】
一部の実施形態は、量子計算のために3つのもつれ光量子ビットを使用することを伴う。例えば、量子計算のためにもつれ光量子ビットのペアを使用することを参照して前述したように、3つのもつれ光量子ビットは、線形光学素子及び/若しくは量子エミッタを通じて搬送されるか、又は線形光学素子及び/若しくは量子エミッタによって向けられ、それによって、それで符号化される情報の輸送及び/又は操作を可能にし得る。
【0229】
一部の実施形態は、量子エミッタに結合されるキャビティを使用して、複数の追加の光子をもつれさせて光子グラフを生成することを伴う。追加の光子は、前述の第1のダーティ光子、第2のダーティ光子、及び/又は第3のダーティ光子以外の光子を指す。例えば、追加の光子は、前述の第1の光量子ビット(又は第2若しくは第3の光量子ビット)を形成するために第1のダーティ光子(又は第2若しくは第3のダーティ光子)を生成及び使用するのと同様の方法で追加の光量子ビットを形成するために生成及び使用され得る。第1のダーティ光子(又は第2若しくは第3のダーティ光子を生成及び使用して、第1の光量子ビット(又は第2若しくは第3の光量子ビット)を形成することに関して前述した例は、追加の光子にも適用可能である。量子エミッタに結合されるキャビティを使用して複数の追加の光子をもつれさせることは、第2の光量子ビットと共に第1の光量子ビットを必要としてもつれ光量子ビットのペアを形成することに関して前述したように、キャビティに結合される量子エミッタ(又はキャビティ結合量子エミッタ)が、もつれゲートとして機能するように使用されることを指す。追加の光子が1つずつキャビティ結合量子エミッタともつれると、キャビティ結合量子エミッタは、追加の光子並びに第1及び第2のダーティ光子を含むもつれ光子の光子グラフを生成する。第3のダーティ光子もキャビティ結合量子エミッタを使用してもつれる場合、もつれ光子は第3の光子を含む。そして、もつれ光子の当該光子グラフは、例えば、量子計算に使用され得る。第2の光量子ビットと共に第1の光量子ビットを必要とするか、又は第3の光量子ビットを第1若しくは第2の光量子ビットともつれさせることに関して前述した例は、複数の追加の光子をもつれさせることにも適用可能である。
【0230】
非限定的な例として、図5A及び図5Bは、時間的に連続した一連のもつれ光子512を生成するようにもつれゲートとして実装された(量子エミッタとしてのもつれユニット原子502を含む)もつれユニット501を示し、図6は、一部の実施形態に係る、当該もつれユニット501を使用してもつれプロセスを繰り返すことを示す。ステップ603~606のループを繰り返すステップ602の結果、(原子502などの)もつれユニット原子は、複数の光子の状態ともつれ、そして、これにより、キャプション609、611に示されるように、n個のもつれ光子を有する光子グラフを生成することができる。
【0231】
一部の実施形態では、追加の光子のうちの少なくとも一部はダーティである。追加のダーティ光子は、第1のダーティ光子か、前述の第2のダーティ光子か、又は後述の第3のダーティ光子と同様であり得る。例えば、追加のダーティ光子は、追加の光量子ビットを形成するために第1又は第2のダーティ光子と同様の方法で生成及び使用され得る。そして、キャビティに結合される量子エミッタは、形成された追加の光量子ビットを第1及び/若しくは第2の光量子ビット又は任意の他の光量子ビットともつれさせて複数のもつれ光量子ビットを形成するために使用され得る。そして、当該複数のもつれ光量子ビットは、量子計算に使用され得る。第1、第2、又は第3のダーティ光子に関して本明細書に記載される例及び説明は、ダーティな追加の光子にも適用可能である。
【0232】
一部の実施形態では、第1のダーティ光子は、キャビティに結合される量子エミッタを使用して干渉レーザパルスから抽出することによって生成される。レーザパルスは、光パルス、例えば、特定の平均光子数を含む時間的に閉じ込められたパルスの形態のレーザ光を指す。干渉レーザパルスは、空間及び時間における位相であるレーザ光の波長を有するレーザパルスを指す。そして、キャビティに結合される量子エミッタ(キャビティ結合量子エミッタとも称される)は、干渉レーザパルスから光子を抽出するために使用され得る。当該抽出光子は、キャビティに結合される量子エミッタを使用して干渉レーザパルスから抽出することによって生成される第1のダーティ光子と見なされ得る。当該抽出に使用されるキャビティ結合量子エミッタは、第1の光量子ビットを第2の光量子ビットともつれさせるようにキャビティに結合される量子エミッタと異なるキャビティ結合量子エミッタであり得る。したがって、当該抽出キャビティ結合量子エミッタは、もつれに使用される量子エミッタに対する追加の量子エミッタであり得る。
【0233】
非限定的な例として、図15A図15Cは、キャビティに結合される量子エミッタに基づく干渉レーザパルスからの当該光子抽出において使用される単一光子ラマン相互作用(SPRINT)メカニズムを示す。当該光子抽出は、Bechler O.らの「受動的な光子-原子量子ビット交換動作(A passive photon-atom qubit swap operation)」、Nature Physics14、996-1000(2018)、Rosenblum S.らの「光パルスからの単一光子の抽出(Extraction of a single photon from an optical pulse)」、Nature Photon10、19-22(2016)、及びShomroni,I.らの「単一光子によって制御される1原子スイッチによる単一光子の全ての光ルーティング(All-optical routing of single photons by a one-atom switch controlled by a single photon)」、Science345.6199、903-906(2014)に記載される単一光子ラマン相互作用(SPRINT)メカニズムに基づき、その全体の内容並びに単一光子抽出及びSPRINTメカニズム関連の内容を参照により本明細書に援用される。例えば、量子エミッタ1432は、図15Aに示されるように結合位置1420でキャビティ1434に結合される。多準位量子エミッタ(量子エミッタ1432、又は例えば、少なくとも2つの基底状態及び少なくとも1つの励起状態を有するRb原子などの単一原子)における2つの遷移は、キャビティ1434(例えば、マイクロ共振器)を介して導波路1433aの異なる方向に結合される。量子エミッタ1432、キャビティ1434、及び導波路1433aの機構は、導波路1433a内で搬送される光又は光子が導波路1433aの傍のキャビティ1434にエバネッセント結合されるような機構である。ここで、エバネッセント結合は、導波路の周囲のエバネッセント場により相互作用するか又は移ることが可能なことを指す。
【0234】
図15Aに示されるように、複数の光子1436a、1436b、1436cを含む干渉レーザパルスは、導波路1443a内に導入される。そして、図15Bに示されるように、ある方向から生じる導波路1433a内の干渉レーザパルスの第1の光子1436aは、キャビティ1434を介してキャビティ1434のエバネッセント結合1435により量子エミッタ1432と相互作用する。当該相互作用は、伝達における弱め合う干渉により、当該方向から生じる干渉レーザパルスの第1の光子1436aを、図15Cに示される反射光子1439aによって示されるように決定論的に反射させる。第1の光子1436aと量子エミッタ1432との間の当該相互作用は、図2EからのSWAPゲート201を参照して前述したように量子エミッタ量子ビットを光量子ビットにマッピングすることに類似する。当該相互作用は、ある基底状態から別の基底状態への量子エミッタ1432のラマン移動をもたらし、量子エミッタ1432は、当該方向からの次の光子(例えば、干渉レーザパルスからの第2の光子1436b及び第3の光子1436c)に対して透過する状態になる。換言すれば、図15Cに示されるように、次の光子(例えば、干渉レーザパルスからの第2の光子1436b及び第3の光子1436c)は、導波路1433aの他端に伝達されるだけである。そして、反射光子1439aは、キャビティ1434に結合される量子エミッタ1432を使用して干渉レーザパルスから抽出することによって生成される第1のダーティ光子として機能し得る。したがって、SPRINTメカニズムベースのキャビティ結合量子エミッタは、干渉レーザパルスからダーティ光子を抽出するために使用され得る。当該SPRINTメカニズムからの抽出ダーティ光子は、最初にキャビティ結合量子エミッタと相互作用し、したがって、当該抽出ダーティ光子が最初に来た方向に出力されるように反射した干渉レーザパルスの第1の光子である。干渉レーザパルスの次の光子は伝達されるだけであるため、キャビティ結合量子エミッタと相互作用する干渉レーザパルスの第1の光子は、反射光子として抽出される一方、干渉レーザパルスの残りの光子は、影響を受けないように搬送される。
【0235】
一部の実施形態では、第2のダーティ光子は、キャビティに結合される量子エミッタを使用して干渉レーザパルスから抽出することによって生成される。例えば、第2のダーティ光子は、第1のダーティ光子が前述の干渉レーザパルスから抽出することによって生成される方法と同様の方法で干渉レーザパルスから抽出することによって生成され得る。第1のダーティ光子及び第2のダーティ光子は、例えば、キャビティに結合される量子エミッタを使用して干渉レーザパルスから抽出することによって生成され得る。第1のダーティ光子を生成することに関して前述した例は、第2のダーティ光子の生成にも適用可能である。同様に、一部の実施形態では、第3のダーティ光子及び/又は追加の光子は、キャビティに結合される量子エミッタを使用して干渉レーザパルスから抽出することによって生成され得る。
【0236】
一部の実施形態では、第1のダーティ光子は、変動量子エミッタから生成される。変動量子エミッタは、前述のように、物理的な状態又は特性が経時的に(少なくとも一時的に)変化する量子エミッタを指す。例えば、量子エミッタは、その共振周波数が浮遊磁場又は浮遊電場により経時的に変化するため、変動し得る。当該変動量子エミッタは、第1のダーティ光子を生成するために使用され得る。例えば、変動量子エミッタは、本明細書に記載される単一光子を確保する光子ソースユニット(例えば、図4Aにおけるソースユニット401)又は光子生成器(例えば、図9Bにおけるキャビティ共振器818と結合される量子エミッタ820)におけるキャビティに結合される量子エミッタとして使用され得、その結果、変動量子エミッタは、励起時に光子を提供し得る。
【0237】
一部の実施形態では、第2のダーティ光子は、変動量子エミッタから生成される。例えば、第1のダーティ光子及び第2のダーティ光子のうちの少なくとも一方は、変動量子エミッタから生成され得る。一部の実施形態では、第3のダーティ光子及び/又は追加の光子は、変動量子エミッタから生成される。変動量子エミッタから生成される第1のダーティ光子に関して前述した例は、当該実施形態にも適用可能である。
【0238】
一部の実施形態では、第1のダーティ光子及び第2のダーティ光子のスペクトルは、キャビティに結合される量子エミッタの相互作用帯域幅の範囲内である。スペクトルは、電磁放射の波長の範囲を指す。第1のダーティ光子及び第2のダーティ光子のスペクトルは、第1のダーティ光子及び第2のダーティ光子に関連付けられる電磁放射の波長の範囲を指す。キャビティに結合される量子エミッタの相互作用帯域幅は、キャビティに結合される量子エミッタとの相互作用が可能な周波数の範囲を指す。例えば、量子エミッタの相互作用帯域幅は、量子エミッタの吸収スペクトルであってもよく、電磁場は、相互作用帯域幅の範囲内に入る周波数で量子エミッタと相互作用しやすい。同様に、一部の実施形態では、第3のダーティ光子及び/又は追加の光子のスペクトルは、キャビティに結合される量子エミッタの相互作用帯域幅の範囲内であり得る。
【0239】
一部の実施形態では、第2の時間プロファイルは、第1の時間プロファイルと異なっている。時間プロファイルは、前述のように伝播光子場の包絡線を指す。時間プロファイルの例には、特定の減衰時間及び初期時間を有する指数関数的に減少若しくは増加するプロファイル、特定の初期時間及び最終時間を有する一定のプロファイル、又は特定の平均時間及び時間変化を有するガウスプロファイルが含まれる。したがって、第1のダーティ光子の第1の時間プロファイルと異なる第2のダーティ光子の第2の時間プロファイルは、経時的に異なるように機能するか又は変化するプロファイルを有する第2及び第1のダーティ光子の場を指す。同様に、一部の実施形態では、第3のダーティ光子及び/又は追加の光子の時間プロファイルは、第1の時間プロファイルと異なり得る。
【0240】
一部の他の実施形態では、第2の時間プロファイルは、第1の時間プロファイルと同じである。当該他の実施形態では、第2及び第1のダーティ光子の場は、経時的に同じ方法で機能するか又は変化するプロファイルを有する。同様に、一部の実施形態では、追加の光子の時間プロファイルは、第1の時間プロファイルと同じであり得る。
【0241】
一部の実施形態では、第1のダーティ光子及び第2のダーティ光子のうちの少なくとも一方は、光遅延線から取得される。前述のように、光遅延線は、1つ以上の光子のパルスについて時間遅延を導入するように配置された構成要素又は構成要素のグループを指す。光遅延線は、固定の遅延又は調整可能な遅延を有し得る。例えば、光遅延線は、光パルスが遅延線を通過するかどうかを決定する光スイッチによって制御され得る。光遅延線は、例えば、自由空間、ファイバ、及び/又はオンチップ導波路において実装され得る。例では、光遅延線は、第1及び第2のダーティ光子のうちの少なくとも一方を取得するタイミングを同期させるように構成され得る。例えば、光遅延線は、第1及び第2のダーティ光子のうちの少なくとも一方を搬送するように構成されてもよく、その結果、第1及び第2のダーティ光子は、連続的な方法で、キャビティに結合される量子エミッタに提供されて、第1及び第2のダーティ光子は、1つずつ、キャビティに結合される量子エミッタともつれる。また、光遅延線を選択的にもつれさせる光スイッチには、少なくとも1つのプロセッサ又は回路が提供され得る。当該プロセッサ又は回路は、第1及び第2のダーティ光子のうちの少なくとも一方の移動経路を長くするように、光スイッチを制御するように構成され得る。別の例では、1つ以上の光子が生成されると、光子は、2つの別々のパルスを生成するビームスプリッタを通じて送られ得、そして、一方又は両方のパルスは、光遅延線によって搬送される一方又は両方のパルスにおいて時間遅延を生成するように構成された光遅延線に向けられ得る。時間遅延は、光子の時間的コヒーレンスを変更して、異なる時間プロファイルを有するパルスをもたらし、したがって、結果として1つ以上のダーティ光子を出力し得る。
【0242】
一部の実施形態では、第1のダーティ光子及び第2のダーティ光子は、グラフの各部分であって、グラフは、量子エミッタ量子ビットを欠いた光量子ビットを含む。グラフは、量子ビットのグループ間のもつれ関係を表すグラフ状態を指し、量子ビットは、前述のように、量子情報の基本単位である。これは、グラフが光子グラフであって、第1のダーティ光子及び第2のダーティ光子が、量子エミッタからではなく、量子エミッタを伴わない別のソースから生じることを意味し得る。一部の実施形態では、第1のダーティ光子及び第2のダーティ光子は、グラフの各部分であって、グラフは、光量子ビット及び量子エミッタ量子ビットを含む。これは、第1のダーティ光子及び第2のダーティ光子のうちの少なくとも一方が、量子エミッタ、又は量子エミッタを使用して光子を生成する光子生成器から生じることを意味し得る。
【0243】
非限定的な例として、図14Aは、量子計算のために光子グラフ状態を生成することに関する一部の実施形態に係る好ましいシステム1400又は好ましいデバイスを示す。図14Aにおけるシステム1400は、キャビティ1404と、キャビティ1404に結合可能な量子エミッタ1402と、ダーティ光子を生成するように構成された光子生成器1416a、1416bと、本明細書に記載される量子計算のために光子グラフ状態を生成することに関する実施形態に係る量子計算方法を行うように構成された回路1418と、を含む。
【0244】
図14Aは、2つの別々の光子生成器1416a、1416bを示しているが、単一の光子生成器が、第1のダーティ光子1406a及び第2のダーティ光子1406bを生成し得ることが理解される。量子計算のために光子グラフ状態を生成することに関する一部の実施形態に係る一部の例では、光子生成器1416a、1416bは、キャビティに結合される量子エミッタ(例えば、図15A図15Cにおけるキャビティ1434に結合される量子エミッタ1432)を含み得、光子生成器1416a、1416bは、前述のように、キャビティに結合される量子エミッタ(例えば、図15A図15Cにおけるキャビティ1434に結合される量子エミッタ1432)を使用して干渉レーザパルスから抽出することによって第1のダーティ光子1406a及び/又は第2のダーティ光子1406bを生成するように構成され得る。一部の例では、前述のように、光子生成器1416a、1416bにおける量子エミッタは、原子又は変動量子エミッタであり得る。
【0245】
例では、回路1418は、第1の時間プロファイルを有する第1のダーティ光子1406a、及び第2の時間プロファイルを有する第2のダーティ光子1406bを生成するように、光子生成器1416a、1416bを制御するように構成されてもよく、回路1418は、第1のダーティ光子1406aを使用して第1の光量子ビットを形成し、第2のダーティ光子1406bを使用して第2の光量子ビットを形成するように構成されてもよい。
【0246】
図14Aにおけるシステム1400は、1つ以上の光子又はレーザを搬送するように構成された導波路1412a、1412bを含む。図14Aにおける導波路1412a、1412bは、例えば、図8図9Cにおける導波路816、910、930と同じ目的にかない得る。回路1418は、1つ以上の光子を向けるか若しくは輸送すること、1つ以上の光子の流れを制御すること、1つ以上の光子の状態を操作すること、及び/又は量子計算を行うことに関係する様々な機能を行うように構成された1つ以上の線形光学素子を含み得る。例えば、回路1418は、1つ以上の線形光学素子を使用して、量子エミッタ1402をキャビティ1404に結合し、キャビティ1404に結合される量子エミッタ1402を使用し、第1の光量子ビットを第2の光量子ビットともつれさせて、もつれ光量子ビットのペア1408を形成し、量子計算のためにもつれ光量子ビットのペア1408を使用するように構成され得る。量子計算のために光子グラフ状態を生成することに関する一部の本開示の実施形態では、コントローラ1414は、光子生成器ともつれゲートとの間の入力光子及び出力光子の流れを制御する(例えば、向けるか又は異なる導波路間で切り換える)ように提供され得る。例えば、当該コントローラ1414は、1つ以上のプロセッサを含み得る。メモリ、回路構成要素、又は回路も、制御を行うために提供され得る。
【0247】
回路1418は、例えば、光子生成器1416a、1416bから第1のダーティ光子1406a及び第2のダーティ光子1406bを受け取って、第1のダーティ光子1406a及び第2のダーティ光子1406bを出力し得、その結果、それらは、連続した光子として導波路1412a、1412b内で搬送され得る。例では、回路1418はまた、量子計算のために光子グラフ状態を生成することに関する一部の実施形態について前述したように、第1のダーティ光子1406a及び第2のダーティ光子1406bのうちの少なくとも一方を搬送するように構成された光遅延線を含み得る。そして、第1のダーティ光子1406a及び第2のダーティ光子1406bは、図15A図15Cを参照して前述したように、導波路1412aによって提供される、第1のダーティ光子1406a又は第2のダーティ光子1406bとキャビティ1404との間のエバネッセント結合1425によりキャビティ1404を介して量子エミッタ1402と相互作用し得る。そして、量子エミッタ1402と第1のダーティ光子1406a及び第2のダーティ光子1406bとの間の当該相互作用は、量子計算のために光子グラフ状態を生成することに関する一部の実施形態に関して前述したように、第2の光量子ビットとの第1の光量子ビットのもつれをもたらし得る。
【0248】
非限定的な例として、図14Bは、量子計算のために光子グラフ状態を生成することに関する一部の実施形態に係る例示的なプロセス1450を示す。プロセスのステップの例が本開示全体を通して記載されるため、前述の当該例は、繰り返し述べないか、又は図14Bと関連して簡単にまとめられる。一部の本開示の実施形態では、例示的なプロセス1450は、本明細書に記載される動作又は機能を行うように、少なくとも1つのプロセッサ又は回路によって、例えば、図10の制御システム1031及び/若しくは光チップ1015、又は図14Aの回路1418及び/若しくはコントローラ1414において行われる。一部の本開示の実施形態では、プロセス1450の一部の態様は、少なくとも1つのプロセッサが提供されるメモリ、又は非一時的コンピュータ可読媒体若しくはコンピュータ可読媒体に記憶されたソフトウェア(例えば、プログラムコード又は命令)として実装され得る。一部の実施形態では、プロセス1450の一部の態様は、ハードウェア(例えば、専用回路)として実装され得る。一部の実施形態では、プロセス1450は、ハードウェアとして、又はソフトウェア及びハードウェアの組合せとして実装され得る。
【0249】
図14Bは、プロセスステップ(又は方法ステップ)1452~1464を含む。様々な実装態様が可能であって、構成要素又はデバイスの任意の組合せが、例示的なプロセスを実装するために利用され得ることが容易に理解されるであろう。示されるプロセスは、ステップの順序を修正するか、ステップを削除するか、又は本明細書に記載される例若しくは実施形態を対象とするステップなどの追加のステップを更に含むように変更され得ることも容易に理解されるであろう。
【0250】
ステップ1452で、プロセスは、量子エミッタをキャビティに結合することを伴う。前述のように、図14A及び図15A図15Cは、キャビティ1404、1434に結合される量子エミッタ1402、1432の例を示す。
【0251】
ステップ1454で、プロセスは、第1の時間プロファイルを有する第1のダーティ光子を生成することを伴い、ステップ1456で、第1のダーティ光子を使用して第1の光量子ビットを形成することを伴う。ステップ1458で、プロセスは、第2の時間プロファイルを有する第2のダーティ光子を生成することを伴い、ステップ1460で、第2のダーティ光子を使用して第2の光量子ビットを形成することを伴う。前述のように、図14Aは、第1及び第2の光量子ビットを形成するために使用される第1のダーティ光子1406a及び第2のダーティ光子1406bの例を示す。
【0252】
ステップ1462で、プロセスは、キャビティに結合される量子エミッタを使用し、第1の光量子ビットを第2の光量子ビットともつれさせて、もつれ光量子ビットのペアを形成することを伴う。ステップ1464で、プロセスは、量子計算のためにもつれ光量子ビットのペアを使用することを伴う。図14Aは、前述のようにもつれ光量子ビットの例示的なペア1408を示す。
【0253】
前述のように、従来の量子計算は、グラフを生成するために線形光学に依存しており、そこで使用される光子が、弱め合う干渉を達成できるようにほぼ区別不可能(「クリーン」)であることを必要とする。当該従来の量子計算では、光子間の任意の区別可能性は、グラフの忠実度の低下又は誤差をもたらす。非線形要素を使用して、例えば、光子とキャビティに結合される量子エミッタとの間の相互作用を使用して、区別可能(「ダーティ」)光子を用いた量子計算が可能である。本明細書に記載される量子計算のために光子グラフ状態を生成することに関する実施形態は、「ダーティ」(区別可能)光子を使用することができる当該光量子計算の実例を提供する。
【0254】
例えば、非一時的コンピュータ可読媒体(又はコンピュータ可読媒体若しくはコンピュータプログラム)は、命令を含み得、当該命令は、少なくとも1つのプロセッサ(又は装置)によって実行されると、本明細書に記載されるプロセス又は量子計算方法を少なくとも1つのプロセッサ(又は装置)に実行させる。量子計算のために光子グラフ状態を生成することに関する実施形態によれば、命令は、量子計算方法又は図14Bに示されるプロセス1450を少なくとも1つのプロセッサ(又は装置)に実行させ得る。
【0255】
量子計算のために光子グラフ状態を生成することに関する実施形態の各プロセス又はシステム特徴についての前述の同じ例は、この非一時的コンピュータ可読媒体(又はコンピュータ可読媒体若しくはコンピュータプログラム)の実施形態の対応する特徴にも適用可能である。
【0256】
量子計算のために光子グラフ状態を生成することに関する他の実施形態によれば、量子計算方法又は図14Bに示されるプロセス1450を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサ(及びメモリ)を含む、装置、デバイス、システム、集積回路デバイス、又は回路が提供される。量子計算のために光子グラフ状態を生成することに関する実施形態の各プロセス又はシステム特徴についての前述の同じ例は、これらの実施形態の対応する特徴にも適用可能である。
【0257】
量子計算のために光子グラフ状態を生成することに関する更に別の実施形態によれば、レイアウト部分を備える集積回路デバイス又は回路のレイアウトが提供され、各レイアウト部分は、図14Aにおけるシステム1400、又は図15A図15Cにおける光子生成器1416aの特徴の組合せから各特徴をパターン化するように定められている。例として、修正回路デバイス又は回路のレイアウトは、キャビティをパターン化するように定められたキャビティレイアウト部分と、量子エミッタをキャビティに結合する結合位置をパターン化するように定められた結合位置レイアウト部分と、光子生成器、又は光子生成器によってキャビティに供給される光子を搬送するチャネルをパターン化するように定められた光子生成器レイアウト部分と、回路をパターン化するように定められた回路レイアウト部分と、を含む。一部の本開示の実施形態では、光子生成器レイアウト部分は、別のキャビティ、及び別の量子エミッタを当該別のキャビティに結合する別の結合位置をパターン化するように定められ得る。一部の本開示の実施形態では、回路レイアウト部分は、1つ以上の光子又はレーザを搬送する導波路と、1つ以上の光子を向けるか若しくは輸送し、1つ以上の光子の流れを制御し、1つ以上の光子の状態を操作し、及び/又は量子計算を行うことに関係する様々な機能を行う1つ以上の線形光学素子と、のうちの1つ以上をパターン化するように定められ得る。
【0258】
一部の本開示の実施形態では、集積回路デバイス又は回路のレイアウトは、光子生成器ともつれゲートとの間の入力光子及び出力光子の流れを制御する(例えば、向けるか又は異なる導波路間で切り換える)コントローラをパターン化するように定められたコントローラレイアウト部分を更に備え、コントローラは、制御を行う1つ以上のプロセッサ、及びメモリ、回路構成要素、又は回路を備え得る。
【0259】
リソグラフィで設置され得る量子エミッタ(例えば、量子ドット)が使用される場合、結合位置レイアウト部分は、量子エミッタもパターン化するように定められ得ることが理解される。量子計算のために光子グラフ状態を生成することに関する実施形態の各プロセス又はシステム特徴についての前述の同じ例は、本実施形態の対応する特徴にも適用可能である。
【0260】
一部の本開示の実施形態は、共振器結合量子エミッタの状態を初期化することを伴う。量子エミッタは、電磁モードに結合するように構成された任意の構成要素を含んでもよく、共振器は、電磁モードを確立する任意の構成要素を含んでもよく、共振器結合量子エミッタは、共振器と相互作用することが可能な量子エミッタを含んでもよい。例えば、共振器結合量子エミッタは、空間及び時間において電磁場を閉じ込める構成要素又は構成要素のグループを含み得る。構成要素又は構成要素のグループは、離散セットの電磁モードをサポートしてもよく、各々は、閉じ込められた場における特定の共振周波数及び寿命に関連付けられる。共振器結合量子エミッタの状態を初期化することは、共振器結合量子エミッタについてベースライン状態を設定することを伴い得る。例えば、初期化は、共振器結合量子エミッタについて、開始調整状態システムを確立することを含み得る。初期化された共振器結合量子エミッタは、複数の初期化された共振器結合量子エミッタのうちの1つであり得る。複数の共振器結合量子エミッタの初期化は、同時に又は連続的に生じ得る。
【0261】
非限定的な例として、図1は、光キャビティ103内に含まれる原子102の4状態システム101を示す。これは、第1及び第2の基底状態の重ね合わせで共振器結合量子エミッタを準備することを伴い得る。初期化は、ある状態から別の状態への1つ以上の遷移を共振器結合量子エミッタに経させることを伴い得る。
【0262】
一部の本開示の実施形態では、初期化は、共振器結合量子エミッタの状態を2つの基底状態の等しい重ね合わせとし得る。基底状態は、最低のエネルギーの静止状態であり得、基底状態のエネルギーは、零点エネルギーと称され得る。重ね合わせは、例えば、測定が行われるまで、同時に複数の状態であることを指し得る。重ね合わせは、例えば、2つ以上の量子状態の合計(又は重ね合わせ)を指し得、等しい重ね合わせは、等しい確率を有する当該2つ以上の量子状態を有することを指し得る。
【0263】
図2E及び図3は、共振器結合量子エミッタの当該初期化された状態の例を示し、原子102(例示的な量子エミッタ)は、初期化プロセスの後の第1及び第2の基底状態111、113の初期の重ね合わせ状態である。ある状態から別の状態への1つ以上の遷移に関する周波数はまた、レーザを使用した光シフトによって、又は磁場の印加により調整され得る。
【0264】
非限定的な例として、光子グラフ又は図11Aから図11Dまでにおいて示されるものをもつれさせることに関する実施形態は、共振器結合量子エミッタ(例えば、図11C又は図11Dに示される例示的な共振器1733及び例示的な量子エミッタ1731)の状態の当該初期化を伴う。
【0265】
例えば、共振器は、キャビティ、光子キャビティ、光キャビティ、ウィスパリングギャラリーモードキャビティ、ファブリ-ペローキャビティ、又はリング(形状の)キャビティを含み得る。前述のように、共振器結合量子エミッタは、双極子場が共振器の電磁モードと重複する量子エミッタ、例えば、共振器の内部キャビティ場内に配置される量子エミッタ又は原子を含み得る。非限定的な例として、図11Cは、例示的な共振器1733及び例示的な量子エミッタ1731を有する、共振器の内部キャビティ場内に配置される当該量子エミッタ又は原子の例を示す。
【0266】
非限定的な例として、量子エミッタは、電磁モードに結合するように構成された、非調和スペクトルを有する静止量子システムであり得る。換言すれば、前述のように、量子エミッタは、光子と相互作用することができる静止量子ビットであり得る。例えば、量子エミッタは、イオン若しくは中性原子の電子若しくは核構成、材料基板における欠陥若しくは量子ドットの電子若しくは核構成、又は1つ以上のジョセフソン接合を含む超伝導回路の構成のうちの1つ以上を有する量子システムを含み得る。例えば、量子エミッタは、超伝導量子ビット、量子ドット、原子、中性原子、イオン、ルビジウム原子、セシウム原子、ストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、又はマグネシウム原子(中性又はイオン形態のいずれか)のうちのいずれか1つ以上であり得る。例えば、量子エミッタは、超伝導量子ビットを含み得る。例えば、量子エミッタは、量子ドットを含み得る。例えば、量子エミッタは、原子を含み得る。原子(例えば、ルビジウム原子又はセシウム原子)は、中性であり得る。代替的に、当該原子は、イオンであり得る。同様に、ストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、又はマグネシウム原子が採用される場合、当該原子は、中性又はイオン形態であり得る。
【0267】
一部の本開示の実施形態は、少なくとも2つの光子グラフ状態を受け取ることであって、少なくとも2つの光子グラフ状態の各々は、少なくとも2つの光子を含む、ということと、各グラフ状態から少なくとも1つの光子を選択することと、を伴う。グラフ状態は、量子ビットのグループ間の関係を表し、量子ビットは、量子情報の基本単位であって、光子グラフ状態は、前述のように、光子に適用されるグラフ状態を指す。例えば、光子グラフ状態は、頂点が光子状態を表し得る光子状態を含んでもよく、光子状態は、1つ以上の光子の状態を指す。例えば、少なくとも2つの光子グラフ状態の各々は、複合量子システムを表す量子状態である前述の光子グラフ状態(例えば、1つ以上の光子の自由度に関連付けられる量子状態)であり得る。複合量子システムは、多量子サブシステムを含み得る。各サブシステムは、グラフのノード又は頂点によって表され得る。例えば、各光子グラフ状態は、光子状態を表す頂点を有してもよく、各頂点は、単一光子量子ビットに対応する。例えば、単一光子量子ビットは、単一光子の経路、単一光子の偏波、単一光子のタイムビン、又は単一光子の周波数を記述し得る。又は、各頂点は、連続量変数の光量子ビットに対応し得、量子ビットは、光子数状態の直交重ね合わせ状態のペアを表す。
【0268】
少なくとも2つの光子グラフ状態は、例えば、光子グラフ状態生成器、例えば、本明細書に記載される決定論的光子グラフ状態生成器、又は少なくとも2つの光子を含む光子グラフ状態を生成することができる任意の他のタイプの生成器によって提供され得る。各グラフ状態から少なくとも1つの光子を選択することは、チャネル(又は導波路)内で各グラフ状態の当該少なくとも2つの光子を搬送することと、(ビーム)スプリッタを使用して少なくとも2つの光子を個々の単一光子に分離することと、を伴い得、それによって、各グラフ状態からの少なくとも1つの光子が選択される。
【0269】
非限定的な例として、図11Dに示されるスイッチ1735、1737などのスイッチは、チャネル(若しくは導波路)において少なくとも2つの光子を向け、及び/又は少なくとも2つの光子を個々の単一光子に分離するために使用され得る。追加的に又は代替的に、単一光子生成器(例えば、本明細書に記載される光子ソースユニット)、本明細書に記載される光子を生成するように構成された共振器結合量子エミッタ、及び/又は図8図9Bに示されるように光子生成器として使用されるように構成された光キャビティ結合原子を使用して、少なくとも1つの光子を提供してもよく、又は選択において少なくとも1つの光子を利用可能としてもよい。
【0270】
そして、各光子グラフ状態からの少なくとも1つの光子は、以下に記載されるようにもつれゲートを通じた供給のために選択され、その結果、少なくとも2つの光子グラフ状態から選択された光子は、互いにもつれて、最終的に、少なくとも2つのグラフ状態をもつれさせ得る。例えば、もつれ光子状態は、もつれ光子のより大きいクラスタを形成又は生成する。もつれゲートを通じた供給は、例えば、連続的であり得る。
【0271】
非限定的な例として、1つの時間次元、及び1つ又は2つの空間次元などの1つ又は2つの追加の次元を有するもつれ光子の多次元クラスタが形成又は生成され得る。当該クラスタ状態は、接続されたサブセットのd次元格子であるグラフによって表され得る。当該クラスタの非限定的な例には、図10に示される光子状態のクラスタ1041、図11Dに示されるもつれ光子のクラスタ1748、図6におけるもつれ状態のn個の光子状態の時間的に連続したクラスタ状態、並びに図7に示される光子クラスタ及び/又はグラフ状態の時間的に連続したもつれ光子405が含まれる。
【0272】
非限定的な例として、光子グラフ又は図11Aから図11Dまでに示されるものをもつれさせることに関する実施形態は、少なくとも2つの光子グラフ状態をそのように受け取ることであって、少なくとも2つの光子グラフ状態の各々は、少なくとも2つの光子を含む、ということと、各グラフ状態から少なくとも1つの光子を選択することと、を伴う。
【0273】
一部の本開示の実施形態は、共振器結合量子エミッタを介してもつれゲートを通じて、選択された光子を供給することを伴う。例えば、共振器結合量子エミッタを介したもつれゲートを通じた当該供給は、導波路を通じて、選択された光子を連続的に、すなわち、1つずつ供給することを伴ってもよく、各々の選択された光子は、共振器を介して共振器結合量子エミッタと相互作用し、それによって、当該選択された光子の光子状態は、共振器結合量子エミッタの状態、したがって、互いの状態ともつれた状態になる。
【0274】
前述のように、もつれゲートは、量子ビットをもつれさせるように構成された構成要素又は構成要素のグループを指す。例えば、もつれゲートは、量子ビットをもつれさせるように構成された量子回路を含み得る。もつれゲートは、もつれゲートとして機能するように構成された前述の共振器結合量子エミッタを含み得る。例えば、もつれゲートは、制御Zゲート(CZゲート)、制御NOTゲート(CNOTゲート)、SWAPゲートの平方根、又は仮想SWAPゲート(iSWAPゲート)のうちの1つであり得る。共振器結合量子エミッタは、これらのゲートのうちのいずれか1つ以上として機能するように構成され得る。
【0275】
非限定的な例として、図11C又は図11Dは、もつれゲートとして実装された共振器結合量子エミッタ(例えば、例示的な共振器1733及び例示的な量子エミッタ1731)を示す。図3は、制御Zゲート実装態様を示す。図5A及び図5Bは、もつれゲートとして実装された(もつれユニット原子502を含む)もつれユニット501を示す。図8及び図9Cは、もつれゲートとして実装された構成810内のキャビティ818に結合されるルビジウム(87Rb)原子820を示す。
【0276】
導波路の非限定的な例には、図9Aから図9Cまでにおける量子導波路930又は図11Cから図11Dまでにおけるチャネル1736が含まれる。
【0277】
図11Dは、もつれゲートを通じた光子の連続的な供給を示す。この例では、2つのグラフ状態1742、1744からの光子1743、1745は、もつれ光子のクラスタ1748を形成又は生成するためにチャネル1736(例えば、導波路)に連続的に供給される。光子1743は、光子グラフ状態1742から選択され、光子1745は、光子グラフ状態1744から選択される。これらの選択された光子1743、1745は、もつれ光子状態のクラスタ(例えば、もつれ光子のクラスタ1748)を形成又は生成するためにもつれゲート(例えば、例示的な共振器1733及び例示的な量子エミッタ1731などの共振器結合量子エミッタ)を通じて連続的に供給される。そして、形成又は生成されたもつれ光子状態のクラスタは、量子計算の演算を行う際に使用され得る。
【0278】
図5B及び図6はまた、もつれ状態のn個の光子状態の時間的に連続したクラスタ状態の形態の例示的なクラスタを示し、図4Bにおける単一光子ソースユニット401によって生成される時間的に連続した一連の単一光子412は、時間的に連続した一連のもつれ光子512を生成するために、1つずつもつれユニット501を通じて供給される(例えば、ステップ602から606までが、ステップ608でn回繰り返される)。
【0279】
非限定的な例として、光子グラフ又は図11Aから図11Dまでにおいて示されるものをもつれさせることに関する実施形態は、共振器結合量子エミッタを介して(例えば、図11C又は図11Dに示される例示的な共振器1733に結合される例示的な量子エミッタ1731を介して)もつれゲートを通じて、選択された光子をそのように連続的に供給することを伴う。
【0280】
一部の本開示の実施形態は、1つ以上の選択された光子から共振器結合量子エミッタのもつれを解くことを伴う。もつれを解くことは、あるものをもつれから解放すること(例えば、もつれ状態を除去すること)を指す。1つ以上の選択された光子から共振器結合量子エミッタのもつれを解くことは、前述の光子-量子エミッタもつれから共振器結合量子エミッタを解放することを指し、量子エミッタの状態は、1つ以上の選択された光子の状態(光子状態)ともつれる。例えば、もつれを解くことは、共振器結合量子エミッタの状態を検出すること、又は共振器結合量子エミッタの状態を追加の光子の状態にマッピングすることのうちの少なくとも一方を含み得る。
【0281】
共振器結合量子エミッタの状態を検出し、共振器結合量子エミッタが相互作用した最後の光子とのもつれをなくし、当該光子、及び前に共振器結合量子エミッタが相互作用した任意の他の光子から共振器結合量子エミッタのもつれを解く。
【0282】
前述のように、共振器結合量子エミッタの状態を追加の光子の状態にマッピングすることは、共振器結合量子エミッタ量子ビットの状態を追加の光量子ビットに移すことを指す。例えば、共振器結合量子エミッタの状態を追加の光子の状態にマッピングすることは、量子エミッタ量子ビット及び追加の光量子ビットに対してSWAPゲート動作を行った結果であってもよく、SWAPゲート動作の結果、共振器結合量子エミッタの状態が追加の光子に移され、追加の光子の状態が共振器結合量子エミッタに移される。換言すれば、マッピングは、量子エミッタ及び追加の光子に対してSWAPゲートを適用することによって達成され得る。前述のように、共振器結合量子エミッタの特定の遷移に関する周波数に対応する周波数で追加の光子を供給することで、共振器結合量子エミッタの状態を追加の光子に対してマッピングし、同時に、選択された光子からもつれを解かれた共振器結合量子エミッタを残し得る。これは、共振器結合量子エミッタの状態が当該追加の光子の状態と交換されているためである。
【0283】
図6のステップ610は、もつれユニット原子に対して測定を行うこと、換言すれば、(原子502などの共振器結合量子エミッタの例である)もつれユニット原子の状態を検出することを伴うもつれの例を示す。例えば、当該測定は、図2Eにおいて概略的に示される測定200であり得る。測定200を実行し、量子が光子ともつれた状態からもつれユニット原子のもつれを解き、量子計算における量子ビットの使用のために出力される、もつれ状態のn個の光子状態の時間的に連続したクラスタ状態を残す。
【0284】
図2Eは、原子102の量子ビットに対して「読み出し」又は「書き込み」動作を行うために使用され得るSWAPゲート201を使用して原子から光子へマッピングすることを伴うもつれを解く例を示す。示された例では、入射光子の状態は、(原子502などの共振器結合量子エミッタの例である)原子の状態と交換される。
【0285】
非限定的な例として、光子グラフ又は図11Aから図11Dまでにおいて示されるものをもつれさせることに関する実施形態は、選択された光子から共振器結合量子エミッタ(例えば、例示的な共振器1733に結合される例示的な量子エミッタ1731)のもつれをそのように解くことを伴う。例えば、もつれを解くことは、前述のように、共振器結合量子エミッタの状態を検出すること、又は共振器結合量子エミッタの状態を追加の光子の状態にマッピングすることのうちの少なくとも一方を含み得る。
【0286】
非限定的な例として、図11Aは、光子グラフをもつれさせてもつれ光子のクラスタを形成又は生成することに関する実施形態に係る量子計算方法1710を示す。図11Aに示される量子計算方法1710は、共振器結合量子エミッタの状態を初期化するステップ1711と、少なくとも2つの光子グラフ状態を受け取るステップ1713であって、少なくとも2つの光子グラフ状態の各々は、少なくとも2つの光子を含むステップ1713と、各グラフ状態から少なくとも1つの光子を選択するステップ1715と、共振器結合量子エミッタを介してもつれゲートを通じて、選択された光子を供給するステップ1717と、選択された光子から共振器結合量子エミッタのもつれを解くステップ1719と、を含む。もつれゲートを通じた、選択された光子の供給は連続的であり得る。例えば、もつれを解くことは、図11Bに示されるように、共振器結合量子エミッタの状態を検出するステップ1721、及び/又は共振器結合量子エミッタの状態を追加の光子の状態にマッピングするステップ1722のうちの少なくとも一方を含む。
【0287】
光子グラフをもつれさせることに関する実施形態の各ステップについての前述の同じ例は、図11A及び図11Bに示される実施形態にも適用可能である。
【0288】
一部の本開示の実施形態は、共振器結合量子エミッタと、複数のスイッチと、複数のスイッチを制御するように構成された少なくとも1つのプロセッサ又は回路と、を備える量子計算システムを伴う。
【0289】
例えば、共振器結合量子エミッタは、前述のようなものであり得る。共振器は、リング形状のウィスパリングギャラリーモードキャビティであり得る。代替的に又は追加的に、共振器は、同じ効果を達成するように量子エミッタに結合可能な異なる形状及び/又は構成の共振器を含み得る。共振器は、導波路内で搬送される光子と量子エミッタとの間の相互作用を容易にするように量子エミッタと相互作用することが可能であり得る。例えば、共振器は、量子エミッタの双極子場と重複し、及び/又は量子エミッタが配置若しくは位置決めされ得る内部キャビティ場を有する、電磁モードを有し得る。
【0290】
スイッチは、回路内の接続を確立又は遮断するように構成された構成要素又は構成要素のグループを指す。複数のスイッチは、例えば、光子、1つ以上の光子のパルス、レーザ、又は任意の電磁ビームが搬送され得るチャネル(導波路)との接続を確立又は遮断することができる構成要素又は構成要素のグループであり得る。
【0291】
少なくとも1つのプロセッサは、入力又は複数の入力に対して論理演算を行う電気回路を有する任意の物理デバイス又はデバイスのグループを含み得る。量子計算システムはまた、少なくとも1つのプロセッサによって実行される命令を記憶するメモリを含み得る。
【0292】
回路は、1つ以上の機能ユニット(又は1つ以上のレイアウト部分)を含んでもよく、各機能ユニット(又は各レイアウト部分)は、1つ以上のプロセスステップを行うように構成されている。1つ以上の機能ユニット(又は1つ以上のレイアウト部分)は、回路が方法又はプロセスの一部又は全てのステップを行うことができるように配置され得る(例えば、互いに、又は別の機能ユニット若しくは別のレイアウト部分に対して位置決め及び接続され得る)。例えば、回路は、一部の本開示の実施形態に係る方法又はプロセスの一部又は全てのステップを行い得る。
【0293】
例えば、少なくとも1つのプロセッサ又は回路は、本明細書に記載される量子計算方法の1つ以上のステップを行うように、複数のスイッチを制御するように構成され得る。
【0294】
図11Cは、光子グラフをもつれさせてもつれ光子のクラスタを形成又は生成することに関する実施形態に係る量子計算システム1730の例を示す。量子計算システム1730は、図11A及び図11Bに示される量子計算方法1710に関するものであり得る。例えば、量子計算システム1730は、量子計算方法1710を行うように構成され得る。図11Cに示される量子計算システムは、共振器結合量子エミッタ(例えば、図11Cに示される例示的な共振器1733に結合される例示的な量子エミッタ1731)と、複数のスイッチ1735、1737と、共振器結合量子エミッタ1731の状態を初期化すること、少なくとも2つの光子グラフ状態を受け取ることであって、少なくとも2つの光子グラフ状態の各々は、少なくとも2つの光子を含む、ということ、各グラフ状態から少なくとも1つの光子を選択すること、共振器結合量子エミッタ1731を介してもつれゲートを通じて、選択された光子を供給すること、及び選択された光子から共振器結合量子エミッタ1731のもつれを解くことを行うように、複数のスイッチ1735、1737を制御するように構成された少なくとも1つのプロセッサ(又は図11Cに示されるコントローラ1739)と、を備える。もつれゲートを通じた、選択された光子の供給は連続的であり得る。もつれを解くことは、共振器結合量子エミッタ1731の状態を検出すること、又は共振器結合量子エミッタ1731の状態を追加の光子の状態にマッピングすることのうちの少なくとも一方を伴い得る。
【0295】
図11Cにおける量子計算システム1730はまた、レーザ(若しくはパルス)を搬送する複数のチャネル1736(例えば、導波路)、又は共振器結合量子エミッタ1731、少なくとも2つの光子、及び/若しくは追加の光子の状態を初期化する磁場印加器(例えば、磁場生成器若しくはソレノイド)を含み得る。量子エミッタ1731は、図11Cに示されるように、リング形状のウィスパリングギャラリーモードキャビティ1733であり得る共振器に結合され得る。異なる形状及び/又は構成の別の共振器は、当該別の共振器が前述のように量子エミッタと結合することができれば、同じ効果を達成するように量子エミッタ1731に結合され得ることが理解される。
【0296】
複数のスイッチは、図11Dに示されるスイッチ1735、1737などのスイッチを含み、当該スイッチは、チャネル(若しくは導波路)に少なくとも2つの光子を向け、及び/又は少なくとも2つの光子を個々の単一光子に分離する場合に少なくとも2つの光子を向けるために使用され得る。
【0297】
図11Dは、光子グラフをもつれさせることに関する実施形態の例を示し、図11Cに示される量子計算システム1730は、もつれ光子のクラスタ1748を形成又は生成するように光子グラフ1742、1744をもつれさせるために使用される。前述のように、(光子グラフ状態1742からの)選択された光子1743及び(光子グラフ状態1744からの)選択された光子1745は、チャネル1736(例えば、導波路)を介してもつれゲート(例えば、図11C又は図11Dに示される例示的な共振器1733及び例示的な量子エミッタ1731などの共振器結合量子エミッタ)を通じて連続的に供給され得、それによって、選択された光子1743、1745は、共振器結合量子エミッタ1733、1731と相互作用してもつれ状態になり、最終的に、光子グラフ状態1742、1744からの全ての光子がもつれゲートを通過した場合にもつれ光子のクラスタ1748を形成又は生成する。そして、もつれ光子のクラスタ1748は、量子計算の演算を行う際に使用され得る。
【0298】
光子グラフをもつれさせることに関する実施形態の各ステップについての前述の同じ例は、図11C及び図11Dに示される実施形態の対応するシステム特徴にも適用可能である。
【0299】
一部の本開示の実施形態は、命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体(又はコンピュータ可読媒体若しくはコンピュータプログラム)を伴い、当該命令は、少なくとも1つのプロセッサ(又は装置)によって実行されると、一部の本開示の実施形態に係る方法又はプロセスを少なくとも1つのプロセッサ(又は装置)に実行させる。
【0300】
例えば、非一時的コンピュータ可読媒体(又はコンピュータ可読媒体若しくはコンピュータプログラム)は、命令を含み得、当該命令は、少なくとも1つのプロセッサ(又は装置)によって実行されると、本明細書に記載される量子計算方法を少なくとも1つのプロセッサ(又は装置)に実行させる。光子グラフをもつれさせてもつれ光子のクラスタを形成又は生成することに関する実施形態によれば、命令は、図11A又は図11Bに示される量子計算方法1710を少なくとも1つのプロセッサ(又は装置)に実行させ得る。
【0301】
光子グラフをもつれさせることに関する実施形態の各ステップについての前述の同じ例は、この非一時的コンピュータ可読媒体(又はコンピュータ可読媒体若しくはコンピュータプログラム)の実施形態の対応する特徴にも適用可能である。
【0302】
光子グラフをもつれさせてもつれ光子のクラスタを形成又は生成することに関する他の実施形態によれば、図11A又は図11Bに示される量子計算方法1710を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサ(及びメモリ)を備える、装置、デバイス、システム、集積回路デバイス、又は回路が存在する。光子グラフをもつれさせることに関する実施形態の各ステップについての前述の同じ例は、これらの実施形態の対応する特徴にも適用可能である。
【0303】
光子グラフをもつれさせてもつれ光子のクラスタを形成又は生成することに関する更に別の実施形態によれば、レイアウト部分を備える集積回路デバイス又は回路のレイアウトが存在し、各レイアウト部分は、図11C又は図11Dに示される量子計算システム1730の特徴の組合せから各特徴をパターン化するように定められている。例えば、1つ以上の共振器、並びに共振器結合量子エミッタ(例えば、図11C又は図11Dにおける例示的な共振器1733及び例示的な量子エミッタ1731)を位置決めする少なくとも1つの結合位置をパターン化するように定められた共振器結合量子エミッタレイアウト部分と、複数のスイッチ1735、1737をパターン化するように定められたスイッチレイアウト部分と、共振器結合量子エミッタ1731の状態を初期化すること、少なくとも2つの光子グラフ状態を受け取ることであって、少なくとも2つの光子グラフ状態の各々は、少なくとも2つの光子を含む、ということ、各グラフ状態から少なくとも1つの光子を選択すること、共振器結合量子エミッタ1731を介してもつれゲートを通じて、選択された光子を供給すること、及び選択された光子から共振器結合量子エミッタ1731のもつれを解くことを行うように、複数のスイッチ1735、1737を制御するように構成された少なくとも1つのプロセッサ(又は図11C若しくは図11Dにおけるコントローラ1739)をパターン化するように定められたコントローラレイアウト部分と、を備える集積回路デバイス又は回路のレイアウトが存在する。もつれゲートを通じた、選択された光子の供給は連続的であり得る。もつれを解くことは、共振器結合量子エミッタ1731の状態を検出すること、又は共振器結合量子エミッタ1731の状態を追加の光子の状態にマッピングすることのうちの少なくとも一方を伴い得る。集積回路デバイス又は回路のレイアウトはまた、レーザ(若しくはパルス)を搬送する複数のチャネル1736(例えば、導波路)、又は共振器結合量子エミッタ1731、少なくとも2つの光子、及び/若しくは追加の光子の状態を初期化する磁場印加器(例えば、磁場生成器若しくはソレノイド)をパターン化するように定められたチャネルレイアウト部分を含み得る。
【0304】
リソグラフィで設置され得る量子エミッタ(例えば、量子ドット)が使用される場合、共振器結合量子エミッタレイアウト部分は、1つ以上の共振器及び共振器結合量子エミッタ(例えば、量子ドット)をパターン化するように定められ得ることが理解される。光子グラフをもつれさせることに関する実施形態の各ステップについての前述の同じ例は、本実施形態の対応する特徴にも適用可能である。
【0305】
光子グラフをもつれさせてもつれ光子のクラスタを形成又は生成することに関する更に別の実施形態によれば、図11Cに示される量子計算システム1730を制御又は初期化する方法が存在し、当該方法は、図11A又は図11Bに示される量子計算方法1710の対応する方法ステップを含む。光子グラフをもつれさせてもつれ光子のクラスタを形成又は生成することに関する更に他の実施形態によれば、図11C若しくは図11Dに示される量子計算システム1730又は図11A若しくは図11Bに示される量子計算方法1710を使用して生成されるクラスタ、グラフ状態、又は光量子ビットを搬送する信号又はデータキャリア信号が存在する。光子グラフをもつれさせることに関する実施形態の各ステップについての前述の同じ例は、これらの実施形態の対応する特徴にも適用可能である。
【0306】
本明細書に記載される光子グラフをもつれさせることに関する実施形態は、量子エミッタ-光子もつれゲートを使用して光子グラフをもつれさせることができる。例えば、図11C又は図11Dに示される量子計算システム1730又は図11A若しくは図11Bに示される量子計算方法1710は、光子状態のクラスタ(例えば、図11Dに示されるもつれ光子のクラスタ1748)を形成又は生成するために使用され得る。当該量子エミッタ-光子もつれゲート、例えば、原子-光子制御Z(CZ)ゲートは、もつれ光子状態のより大きいクラスタを形成するように光子グラフをもつれさせるために使用され得る。光子グラフをもつれさせる当該方法は、ダーティ(区別可能)光子のクラスタをもたらし得、ダーティ光子は、別の光子と区別可能である区別可能光子を指す。例えば、前述のように、ダーティ光子は、例えば、複数の空間-時間モード、例えば、複数の時間プロファイルに関する混合状態の伝播(伝搬)光子を含み得る。しかしながら、量子論理ゲート動作を行う場合の当該量子エミッタ-光子もつれゲート(例えば、共振器結合量子エミッタ)の使用は、光子を区別可能にする不規則性を当該光子が示す場合でも、量子計算演算がダーティ(区別可能)光子の当該クラスタを使用して行われ得ることを意味することが理解される。
【0307】
一部の本開示の実施形態は、N構成で配置された少なくとも4つの準位を有する共振器結合量子エミッタを伴い、N構成は、第1の基底状態、第2の基底状態、第1の励起状態、及び第2の励起状態を有する。励起状態及び基底状態は、励起状態が、基底状態よりも高いエネルギー準位を有するものであるという点で相対的な用語である。例えば、基底状態は、最低のエネルギーの静止状態を指し得、基底状態のエネルギーは、零点エネルギーと称され得る。励起状態は、基底状態よりも高いエネルギーを有する任意の量子状態を指す。励起は、選ばれた開始点よりも上のエネルギー準位の増加を指し、当該開始点は、通常は基底状態であるが、時には既に励起された状態でもあり得る。(光子又は音子などの)エネルギーの量子の自発的な放出又は誘発される放出は、システム(例えば、量子エミッタ又は原子)が励起状態に促され、より低いエネルギーを有する状態、例えば、より低い励起状態又は基底状態にシステムを戻した後すぐに生じ得る。N構成は、文字「N」の形状によって表され得る配置を指す。N構成で配置された少なくとも4つの準位は、「N」形状の端点又は頂点によって表される少なくとも4つの準位の各々、及び「N」形状のエッジによって表される、より低い準位をより高い準位に接続する遷移を指す。例えば、少なくとも4つの準位は、共振器結合量子エミッタの少なくとも4つのエネルギー準位を指し得、各エネルギー準位は、第1の基底状態、第2の基底状態、第1の励起状態、又は第2の励起状態のうちの1つに対応し、N構成の各エッジは、ある基底状態とある励起状態との間の遷移を表し得る。
【0308】
N構成の共振器結合量子エミッタ、例えば、図16Aから図16Dまでに示されるもの(例えば、図16Bから図16Dまでに示される例示的な共振器1833、1863及び例示的な量子エミッタ1831)の一部の実施形態によれば、共振器結合量子エミッタの第1の基底状態、第2の基底状態、第1の励起状態、第2の励起状態、及びそれらの状態のうちの2つの間の遷移に関する周波数を制御又は設定することによって、共振器結合量子エミッタは、様々なタイプの動作を行うように構成され得る。これにより、様々な動作を行うように共振器結合量子エミッタを制御することができる。例えば、同じ共振器結合量子エミッタは、SWAPゲート動作又は制御Z(CZ)ゲート動作を行うために使用され得るように制御され得る。特定の周波数及び振幅を有する制御された磁場は、例えば、それらの状態に関連付けられるエネルギー準位の制御又は操作を可能にし得、それによって、特定のタイプの光子が、共振器結合量子エミッタから生成、解放、又は放出され得る。
【0309】
前述のように、量子エミッタは、電磁モードに結合するように構成された任意の構成要素を含み、共振器は、電磁モードを確立する任意の構成要素を含み、共振器結合量子エミッタは、共振器と相互作用することが可能な量子エミッタを含み得る。例えば、共振器結合量子エミッタは、空間及び時間において電磁場を閉じ込める構成要素又は構成要素のグループを含み得る。構成要素又は構成要素のグループは、離散セットの電磁モードをサポートしてもよく、各々は、閉じ込められた場における特定の共振周波数及び寿命に関連付けられる。共振器は、例えば、キャビティ、光子キャビティ、光キャビティ、ウィスパリングギャラリーモードキャビティ、ファブリ-ペローキャビティ、又はリング(形状の)キャビティを含み得る。前述のように、共振器結合量子エミッタは、双極子場が共振器の電磁モードと重複する量子エミッタ、例えば、共振器の内部キャビティ場内に配置される量子エミッタ又は原子を含み得る。非限定的な例として、図16Bから図16Dまでは、例示的な共振器1833、1863及び例示的な量子エミッタ1831を有する、共振器の内部キャビティ場内に配置される当該量子エミッタの例を示す。
【0310】
量子エミッタは、例えば、共振器の電磁モードに結合するように構成された、非調和スペクトルを有する静止量子システムであり得る。前述のように、量子エミッタは、光子と相互作用することができる静止量子ビットであり得る。例えば、量子エミッタは、イオン若しくは中性原子の電子若しくは核構成、材料基板における欠陥若しくは量子ドットの電子若しくは核構成、又は1つ以上のジョセフソン接合を含む超伝導回路の構成のうちの1つ以上を有する量子システムを含み得る。例えば、量子エミッタは、超伝導量子ビット、量子ドット、原子、中性原子、イオン、ルビジウム原子、セシウム原子、ストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、又はマグネシウム原子(中性又はイオン形態のいずれか)のうちのいずれか1つ以上を含み得る。例えば、量子エミッタは、超伝導量子ビット又は量子ドットのうちの一方を含み得る。例えば、量子エミッタは、原子を含み得る。量子エミッタは、例えば、ルビジウム原子又はセシウム原子のうちの少なくとも一方を含み得る。原子(又はルビジウム原子若しくはセシウム原子)は、中性であり得る。代替的に、原子(又はルビジウム原子若しくはセシウム原子)は、イオンであり得る。別の例では、量子エミッタは、ストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、又はマグネシウム原子のうちの少なくとも1つを含み得、同様に、原子は、中性又はイオン形態であり得る。
【0311】
一部の本開示の実施形態では、共振器結合量子エミッタは、少なくとも1つの共振器に結合される量子エミッタを含む。例えば、共振器結合量子エミッタは、1つの共振器に結合される1つの量子エミッタであり得る。別の例では、共振器結合量子エミッタは、2つの共振器に結合される1つの量子エミッタであり得るか、又は共振器結合量子エミッタは、単一の量子エミッタに結合される2つの共振器を含み得る。更に別の例では、共振器結合量子エミッタは、単一の量子エミッタに結合される、2つよりも多い数の共振器を含み得る。
【0312】
非限定的な例として、図1は、第1の基底状態111、第1の励起状態112、第2の基底状態113、及び第2の励起状態114を有する、(共振器の例である)光キャビティ103内に含まれる(量子エミッタの例である)原子102の4状態システム101を示し、図16Bは、共振器1833に結合される量子エミッタ1831を示し、共振器結合量子エミッタ1831は、N構成1801で配置された、第1の基底状態1821、第2の基底状態1823、第1の励起状態1822、及び第2の励起状態1824を有し、図16Dは、単一の量子エミッタ1831に結合される2つの共振器1833、1863を示す。
【0313】
一部の本開示の実施形態は、共振器結合量子エミッタの状態を初期化することを伴う。共振器結合量子エミッタの状態は、前述のように、量子エミッタの状態又は構成を指す。例えば、共振器結合量子エミッタの状態は、電子状態、核状態、又はそれらの組合せであり得る。共振器結合量子エミッタの状態を初期化することは、共振器結合量子エミッタについてベースライン状態を設定することを指し得る。例えば、初期化は、共振器結合量子エミッタについて、開始調整状態システムを確立することを含み得る。開始調整状態システムは、例えば、共振器結合量子エミッタが、第1の基底状態、第2の基底状態、第1の励起状態、及び第2の励起状態のそのN構成からの状態のうちの特定の状態又は重ね合わせ状態であることを指し得る。
【0314】
一部の本開示の実施形態では、共振器結合量子エミッタの状態の初期化は、第1の基底状態及び第2の基底状態の重ね合わせ状態で共振器結合量子エミッタを準備することを含む。重ね合わせは、例えば、測定が行われるまで、同時に複数の状態であることを指し得る。重ね合わせは、例えば、2つ以上の量子状態の合計(又は重ね合わせ)を指し得る。例えば、共振器結合量子エミッタの状態を初期化すること、ベースライン状態を設定すること、開始調整状態システムを確立すること、及び/又は共振器結合量子エミッタを準備することは、共振器結合量子エミッタがパルスと相互作用する場合に、モードの適切な重ね合わせに関連付けられる所望の状態が共振器結合量子エミッタに対してマッピングされるように、モードの適切な重ね合わせを有するパルス(例えば、レーザパルス又は光子のグループ)を使用することを伴い得る。
【0315】
一部の例では、重ね合わせ状態は、第1の基底状態及び第2の基底状態の等しい重ね合わせである。等しい重ね合わせは、等しい確率を有する2つ以上の量子状態を有することを指し得る。
【0316】
非限定的な例として、図2E及び図3は、共振器結合量子エミッタの初期化された状態の例を示し、原子102(例示的な量子エミッタ)は、初期化プロセスの後の第1及び第2の基底状態111、113の初期の重ね合わせ状態であって、図1は、光キャビティ103内に含まれる原子102の4状態システム101を示す。当該4状態システムを初期化することは、第1及び第2の基底状態の重ね合わせで共振器結合量子エミッタを準備することを伴い得る。当該初期化は、ある状態から別の状態への1つ以上の遷移を共振器結合量子エミッタに経させることを伴い得る。例えば、原子102と同様に4状態システムを有するもつれユニット原子502が、本明細書に記載される図5A及び図5Bにおけるもつれユニット501において使用される場合、もつれユニット原子502を初期化することは、原子502を重ね合わせ状態
【数2】
に準備することを伴う。これは、所望の状態に交換するためにモード1及び2の適切な重ね合わせでパルス503を導入することによって行われる。
【0317】
一部の本開示の実施形態は、2つの状態間の遷移に関する周波数を調整することを伴う。遷移は、エネルギー準位の変化、例えば、ある状態から別の状態への変化を指す。遷移に関する周波数は、2つの状態のエネルギー準位の間のエネルギー差を指す。遷移周波数に対応する周波数を有する1つ以上の光子が共振器結合量子エミッタと相互作用すると、遷移が生じ得る。遷移に関する周波数の調整は、当該遷移について周波数を微調整、調整、及び/又は設定することを指す。例えば、2つの状態間の遷移に関する周波数の調整は、磁場及び/又はレーザを使用することのうちの1つ以上を伴い得る。例えば、遷移に関する周波数の調整は、レーザを使用した光シフトによって、及び/又は磁場を使用したゼーマンシフトにより生じ得る。
【0318】
一部の本開示の実施形態は、第1の基底状態と第1の励起状態との間の第1の遷移に関する周波数を調整することと、第2の基底状態と第2の励起状態との間の第2の遷移に関する周波数を調整することと、第2の基底状態と第1の励起状態との間の第3の遷移に関する周波数を調整することと、のうちの1つ以上を伴う。例では、第1の遷移、第2の遷移、及び第3の遷移に関する周波数の調整は、初期化の前に開始する。遷移に関する周波数のうちの1つ以上の調整は、レーザを使用した光シフトによって生じ得る。光シフトは、レーザ場の原子エネルギー準位をシフトさせる摂動効果であるacシュタルクシフトを指し得る。遷移に関する周波数のうちの1つ以上の調整は、磁場の印加により生じ得る。例えば、遷移に関する周波数のうちの1つ以上の調整は、磁場を使用したゼーマンシフトの適用により生じ得る。
【0319】
非限定的な例として、図1は、原子102(共振器に結合される量子エミッタの例)の状態を変更するパルスを提供するレーザソース151、遷移が光キャビティ103(共振器の例)の帯域幅の範囲内であることを保証し、及び/又は励起状態若しくは基底状態のエネルギー準位を設定するように構成された磁場を生成する磁石141、並びに図2A及び図2Bにも示されるような特定の相互作用光モード1、2、3に関連付けられた特定のエネルギーを有する遷移121、122、123を示す。
【0320】
非限定的な例として、図16Bは、遷移1841、1842、1843を示し、図16Cは、遷移に関する周波数の当該調整に使用可能なレーザ又は磁場を提供するように構成されたレーザソース1851及び磁場生成器1853を示す。
【0321】
一部の本開示の実施形態は、第2の遷移に関する周波数に対応する周波数で複数の光子を供給し、それによって、複数の光子を共振器結合量子エミッタにもつれさせることを伴う。例えば、複数の光子を供給することは、複数の単一光子を連続的に供給することを含む。当該連続的な供給は、各光子が共振器を介して共振器結合量子エミッタと相互作用するように、導波路を通じて1つずつ複数の光子を供給することを伴い得、それによって、複数の光子は、共振器結合量子エミッタと1つずつもつれる。第2の遷移は、第2の基底状態と第2の励起状態との間にある。例では、共振器結合量子エミッタは、第1の基底状態及び第2の基底状態の重ね合わせ状態で準備/初期化され得、第2の遷移に関する周波数に対応する周波数での光子が導波路に供給される場合、光子は、(導波路の周囲のエバネッセント場により)共振器を介して共振器結合量子エミッタと相互作用する。当該相互作用は、共振器結合量子エミッタの第2の基底状態からの第2の励起状態への第2の遷移を生じされる。そして、共振器結合量子エミッタは、第2の基底状態に戻るように遷移し、出力光子を解放又は放出する。事象の当該順序は、共振器結合量子エミッタが第2の基底状態であることを条件とした放出光子にパイ位相シフトをもたらす。したがって、放出光子は、共振器結合量子エミッタともつれ得る。
【0322】
非限定的な例として、図16Bは、量子エミッタ1831の第2の基底状態1823及び第2の励起状態1824間の第2の遷移1842を示す。非限定的な例として、図3は、モード3(第2の基底状態133と第2の励起状態114との間の遷移123に関連付けられる光モード3)における入射光子301を示し、これは、遷移123A、次いで遷移123Bを生じさせ、それによって、(共振器結合量子エミッタの例である)原子102ともつれた出射光子302が放出される。
【0323】
例えば、もつれは、もつれゲートとして機能するように共振器結合量子エミッタを使用することを伴い得る。前述のように、もつれゲートは、量子ビット、例えば、複数の光子の光量子ビットをもつれさせるように構成された構成要素若しくは構成要素のグループ又は制御シーケンスを指す。例えば、もつれゲートは、量子ビットをもつれさせるように構成された量子回路を含み得る。もつれゲートは、もつれゲートとして機能するように構成された前述の共振器結合量子エミッタを含み得る。もつれゲートは、例えば、制御Zゲート(CZゲート)、制御NOTゲート(CNOTゲート)、SWAPゲートの平方根、又は仮想SWAPゲート(iSWAPゲート)のうちの1つであり得る。共振器結合量子エミッタは、これらのゲートのうちのいずれか1つ以上として機能するように構成され得る。
【0324】
非限定的な例として、図3は、制御Zゲート実装態様を示し、図5A及び図5Bは、もつれゲートして実装された(もつれユニット原子502を含む)もつれユニット501を示し、図8及び図9Cは、もつれゲートとして実装された構成810内のキャビティ818に結合されるルビジウム(87Rb)原子820を示す。
【0325】
光子が供給され得る導波路の非限定的な例には、図9Aから図9Cまでにおける量子導波路930又は図16Bから図16Dまでにおける導波路1838、1868が含まれる。光子は、連続的に供給され得る。
【0326】
一部の本開示の実施形態は、第1の遷移又は第3の遷移のうちの少なくとも一方に関する周波数に対応する周波数で光子を供給し、それによって、共振器結合量子エミッタの状態を光子に対してマッピングすることを伴う。前述のように、共振器結合量子エミッタの状態を光子に対してマッピングすることは、共振器結合量子エミッタ量子ビットの状態を光子の量子ビットに移すことを指す。例えば、共振器結合量子エミッタの状態を光子に対してマッピングすることは、量子エミッタ量子ビット及び光子の量子ビットに対してSWAPゲート動作を行った結果であってもよく、SWAPゲート動作の結果、共振器結合量子エミッタの状態が光子に移され、光子の状態が共振器結合量子エミッタに移される。換言すれば、マッピングは、量子エミッタ及び光子に対してSWAPゲートを適用することによって達成され得る。
【0327】
前述のように、共振器結合量子エミッタの特定の遷移に関する周波数に対応する周波数で光子を供給することで、共振器結合量子エミッタの状態を光子に対してマッピングし、同時に、互いにもつれた以前に相互作用した光子からもつれを解かれた共振器結合量子エミッタを残し得る。これは、共振器結合量子エミッタの状態が、供給された光子の状態と交換されているためである。
【0328】
供給される光子の状態が共振器結合量子エミッタに移されるため、共振器結合量子エミッタの特定の遷移に関する周波数に対応する周波数で光子を供給することで、また、第1の基底状態又は第2の基底状態などの初期状態に共振器結合量子エミッタを初期化し得る。第1の遷移は、第1の基底状態と第1の励起状態との間にあって、第3の遷移は、第2の基底状態と第1の励起状態との間にある。したがって、例えば、第1の遷移又は第3の遷移のうちの少なくとも一方に関する周波数に対応する周波数で光子を供給することで、更に、第1の基底状態又は第2の基底状態のうちの少なくとも一方に対応するように共振器結合量子エミッタを初期化する。例では、共振器結合量子エミッタは、第1の基底状態及び第2の基底状態の重ね合わせ状態で準備/初期化され得、第1の遷移に関する周波数及び第3の遷移に関する周波数の重ね合わせに対応する周波数での光子が導波路に供給される場合、光子は、(導波路の周囲のエバネッセント場により)共振器を介して共振器結合量子エミッタと相互作用する。当該相互作用により、光子の重ね合わせ状態は、共振器結合量子エミッタの重ね合わせ状態と交換される。
【0329】
非限定的な例として、図16Bは、第1の基底状態1821と第1の励起状態1822との間の第1の遷移1841、及び第2の基底状態1823と第1の励起状態1822との間の第3の遷移1843を示す。非限定的な例として、図2Eは、SWAPゲート201を示し、光モード1及び2(遷移121及び122にそれぞれ関連付けられる光モード1及び2)の重ね合わせの入射光子202は、図2Aにおける遷移121A、次いで遷移122A、及び図2Bにおける遷移122B、次いで遷移121Bを生じさせる。そして、出射光子204は、原子102の状態を残され、原子102は、入射光子202の状態を残される。
【0330】
図16Aは、N構成の共振器結合量子エミッタに関する実施形態に係る量子計算方法1810を示す。図16Aに示される量子計算方法1810は、N構成で配置された少なくとも4つの準位を有する共振器結合量子エミッタの状態を初期化するステップ1811であって、N構成は、第1の基底状態、第2の基底状態、第1の励起状態、及び第2の励起状態を有するステップ1811と、第1の基底状態と第1の励起状態との間の第1の遷移に関する周波数を調整するステップ1813と、第2の基底状態と第2の励起状態との間の第2の遷移に関する周波数を調整するステップ1815と、第2の基底状態と第1の励起状態との間の第3の遷移に関する周波数を調整するステップ1817と、第2の遷移に関する周波数に対応する周波数で複数の光子を供給し、それによって、複数の光子を共振器結合量子エミッタにもつれさせるステップ1818と、第1の遷移又は第3の遷移のうちの少なくとも一方に関する周波数に対応する周波数で光子を供給し、それによって、共振器結合量子エミッタの状態を光子に対してマッピングするステップ1819と、を含む。例では、ステップ1818で、複数の光子は、連続的に供給され得る。
【0331】
N構成の共振器結合量子エミッタに関する実施形態の各ステップについての前述の同じ例は、図16Aに示される実施形態にも適用可能である。例えば、共振器結合量子エミッタの状態の初期化は、第1の基底状態及び第2の基底状態の重ね合わせ状態で共振器結合量子エミッタを準備することを含み得る。例では、第1の遷移、第2の遷移、及び第3の遷移に関する周波数の調整は、初期化の前に生じ得る。例では、遷移に関する周波数のうちの1つ以上の調整は、レーザを使用した光シフトによって、又は磁場の印加により生じる。例では、複数の光子を供給することは、複数の単一光子を連続的に供給することを含み得る。第1の遷移又は第3の遷移のうちの少なくとも一方に関する周波数に対応する周波数で光子を供給することで、更に、第1の基底状態又は第2の基底状態のうちの少なくとも一方に対応するように共振器結合量子エミッタを初期化し得る。
【0332】
一部の本開示の実施形態は、N構成で配置された少なくとも4つの準位を有する共振器結合量子エミッタであって、N構成は、第1の基底状態、第2の基底状態、第1の励起状態、及び第2の励起状態を有する、共振器結合量子エミッタと、少なくとも1つのプロセッサ又は回路と、を備える量子計算システムを伴う。例えば、共振器結合量子エミッタは、前述のように構成され得る。共振器は、リング形状のウィスパリングギャラリーモードキャビティであり得る。代替的に又は追加的に、共振器は、同じ効果を達成するように量子エミッタに結合可能な異なる形状及び/又は構成の共振器を含み得る。共振器は、導波路内で搬送される光子と量子エミッタとの間の相互作用を容易にするように量子エミッタと相互作用することが可能であり得る。例えば、共振器は、量子エミッタの双極子場と重複し、及び/又は量子エミッタが配置若しくは位置決めされ得る内部キャビティ場を有する、電磁モードを有し得る。
【0333】
少なくとも1つのプロセッサは、入力又は複数の入力に対して論理演算を行う電気回路を有する任意の物理デバイス又はデバイスのグループを含み得る。量子計算システムはまた、少なくとも1つのプロセッサによって実行される命令を記憶するメモリを含み得る。
【0334】
回路は、1つ以上の機能ユニット(又は1つ以上のレイアウト部分)を含んでもよく、各機能ユニット(又は各レイアウト部分)は、1つ以上のプロセスステップを行うように構成されている。1つ以上の機能ユニット(又は1つ以上のレイアウト部分)は、回路が方法又はプロセスの一部又は全てのステップを行うことができるように配置され得る(例えば、互いに、又は別の機能ユニット若しくは別のレイアウト部分に対して位置決め及び接続され得る)。例えば、回路は、N構成の共振器結合量子エミッタに関する一部の本開示の実施形態に係る方法又はプロセスの一部又は全てのステップを行い得る。
【0335】
例えば、図16Bは、N構成の共振器結合量子エミッタに関する一部の実施形態に係る量子計算システム1830を示す。量子計算システム1830は、図16Aに示される量子計算方法1810に関するものであり得る。例えば、量子計算システム1830は、量子計算方法1810を行うように構成され得る。図16Bに示される量子計算システムは、N構成1801で配置された少なくとも4つの準位を有する共振器結合量子エミッタ(例えば、図16Bから図16Dまでに示される例示的な共振器1833に結合される例示的な量子エミッタ1831)であって、N構成1801は、第1の基底状態1821、第2の基底状態1823、第1の励起状態1822、及び第2の励起状態1824を有する、共振器結合量子エミッタと、本明細書に記載される量子計算方法、例えば、量子計算方法1810を行うように構成された少なくとも1つのプロセッサ又は回路1839と、を含む。
【0336】
図16Bにおける量子計算システム1830はまた、レーザ(若しくはパルス)を搬送する複数のチャネル(例えば、導波路1836、1838)、又は共振器結合量子エミッタ1831の状態を初期化する磁場印加器(例えば、磁場生成器若しくはソレノイド)を含み得る。導波路1836は、図9Aから図9Cまでにおけるユーティリティ導波路910と同じ機能を果たし得、導波路1838は、図9Aから図9Cまでにおける量子導波路930と同じ機能を果たし得る。量子エミッタ1831は、図16Bから図16Dまでに示されるように、リング形状のウィスパリングギャラリーモードキャビティ1833であり得る共振器に結合され得る。量子エミッタ1831は、図16Dに示されるように2つの共振器1833、1863に結合され得る。異なる形状及び/又は構成の別の共振器は、当該別の共振器が前述のように量子エミッタと結合することができれば、同じ効果を達成するように量子エミッタ1831に結合され得ることが理解される。
【0337】
図16Cは、N構成の共振器結合量子エミッタに関する一部の実施形態に係る量子計算システム1850を示す。量子計算システム1830と比較すると、量子計算システム1850は、共振器結合量子エミッタの初期化及び/又は遷移に関する周波数の調整に使用可能なレーザ又は磁場を提供するように構成されたレーザソース1851又は磁場生成器1853のうちの少なくとも一方を更に含む。レーザソース1851は、光シフトさせ(例えば、acシュタルクシフト)、それによって、遷移に関する周波数のうちの少なくとも1つを調整するレーザを提供し得る。磁場生成器1853は、磁場を提供し、遷移に関する周波数のうちの少なくとも1つを調整する磁場の印加を提供し得る。
【0338】
図16Dは、N構成の共振器結合量子エミッタに関する一部の実施形態に係る量子計算システム1860を示す。量子計算システム1830又は量子計算システム1850と比較すると、量子計算システム1850は、追加の共振器1863と、追加の導波路1868と、を更に含む。量子計算システム1850において、2つの共振器1833、1863は、単一の量子エミッタ1831に結合され、各共振器1833、1863には、それ自体の導波路1838、1868が提供され、導波路1838、1868は、その内部で搬送される光子を、導波路1838、1868の周囲で確立されるエバネッセント場により、関連付けられた共振器1833、1863に結合する。また、複数の上の導波路1836が、各共振器がそれ自体のユーティリティ導波路を有するように提供され得ることが理解される。
【0339】
N構成の共振器結合量子エミッタに関する実施形態の各ステップ、又は量子計算方法1810の各ステップについての前述の同じ例は、図16Bから図16Dまでに示されるこれらの実施形態にも適用可能である。
【0340】
一部の本開示の実施形態は、命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体(又はコンピュータ可読媒体若しくはコンピュータプログラム)を伴い、当該命令は、少なくとも1つのプロセッサ(又は装置)によって実行されると、一部の本開示の実施形態に係る方法又はプロセスを少なくとも1つのプロセッサ(又は装置)に実行させる。
【0341】
例えば、非一時的コンピュータ可読媒体(又はコンピュータ可読媒体若しくはコンピュータプログラム)は、命令を含み得、当該命令は、少なくとも1つのプロセッサ(又は装置)によって実行されると、本明細書に記載される量子計算方法を少なくとも1つのプロセッサ(又は装置)に実行させる。N構成の共振器結合量子エミッタ又は図16Aから図16Dまでに示されるものに関する実施形態によれば、命令は、図16Aに示される量子計算方法1810を少なくとも1つのプロセッサ(又は装置)に実行させ得る。
【0342】
N構成の共振器結合量子エミッタ又は図16Aから図16Dまでに示されるものに関する実施形態の各ステップについての前述の同じ例は、この非一時的コンピュータ可読媒体(又はコンピュータ可読媒体若しくはコンピュータプログラム)の実施形態の対応する特徴にも適用可能である。
【0343】
N構成の共振器結合量子エミッタに関する他の実施形態は、図16Aに示される量子計算方法1810を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサ(及びメモリ)を備える、装置、デバイス、システム、集積回路デバイス、又は回路を含む。N構成の共振器結合量子エミッタに関する実施形態の各ステップについての前述の同じ例は、これらの実施形態の対応する特徴にも適用可能である。
【0344】
N構成の共振器結合量子エミッタに関する更に別の実施形態は、レイアウト部分を有する集積回路デバイス又は回路のレイアウトを含み、各レイアウト部分は、図16Bから図16Dまでに示される量子計算システム1830、1850、1860の特徴の組合せから各特徴をパターン化するように定められている。例えば、一部の実施形態は、1つ以上の共振器、並びに共振器結合量子エミッタ(例えば、図16B図16C、又は図16Dにおける例示的な共振器1833、1863及び例示的な量子エミッタ1831)を位置決めする少なくとも1つの結合位置をパターン化するように定められた共振器結合量子エミッタレイアウト部分と、本明細書に記載される量子計算方法、例えば、量子計算方法1810を行うように構成された回路(例えば、図16Bから図16Dまでにおける少なくとも1つのプロセッサ又は回路1839)をパターン化するように定められた回路レイアウト部分と、を有する集積回路デバイス又は回路のレイアウトを含み得る。
【0345】
共振器結合量子エミッタレイアウト部分は、1つの共振器結合量子エミッタを位置決めする1つの結合位置に関連付けられる2つ以上の共振器(例えば、図16Dにおける例示的な共振器1833、1863及び例示的な量子エミッタ1831)をパターン化するように定められ得る。リソグラフィで設置され得る量子エミッタ(例えば、量子ドット)が使用される場合、共振器結合量子エミッタレイアウト部分は、共振器結合量子エミッタ(例えば、量子ドット)をパターン化するように定められ得ることが理解される。N構成の共振器結合量子エミッタ又は図16Aから図16Dまでに示されるものに関する実施形態の各ステップについての前述の同じ例は、本実施形態の対応する特徴にも適用可能である。
【0346】
集積回路デバイス又は回路のレイアウトはまた、レーザ(若しくはパルス)を搬送する複数のチャネル(例えば、導波路1836、1838)、又は共振器結合量子エミッタ1831の状態を初期化する磁場印加器(例えば、磁場生成器若しくはソレノイド)をパターン化するように定められたチャネルレイアウト部分を含み得る。
【0347】
集積回路デバイス又は回路のレイアウトはまた、共振器結合量子エミッタの初期化及び/又は遷移に関する周波数の調整に使用可能なレーザ又は磁場を提供するように構成されたレーザソース1851又は磁場生成器1853のうちの少なくとも一方をパターン化するように定められたレーザ又は磁場レイアウト部分を含み得る。
【0348】
N構成の共振器結合量子エミッタに関する更に別の実施形態によれば、図16Bから図16Dまでに示される量子計算システム1830、1850、1860を制御する方法が提供され、当該方法は、図16Aに示される量子計算方法1810の対応する方法ステップを含む。N構成の共振器結合量子エミッタに関する更に他の実施形態によれば、図16Bから図16Dまでに示される共振器結合量子エミッタ1831に対してもつれる複数の光子を搬送する信号若しくはデータキャリア信号、又は図16Aに示される量子計算方法1810が提供され得る。N構成の共振器結合量子エミッタ又は図16Aから図16Dまでに示されるものに関する実施形態の各ステップについての前述の同じ例は、これらの実施形態の対応する特徴にも適用可能である。
【0349】
量子計算は、もつれ状態間のもつれを活用して特定の量子計算演算及び/又はアルゴリズムを行い得る。ほとんどの従来の光量子計算システムにおいて、リソース状態生成器(RSG)と称されることもあるもつれ状態のソースからの出力は、確率論的スキームを介して取得される。これは、このタイプの出力を用いた量子計算又は当該出力の生成を行うことが、予測不可能であるか又は整合性のない入力により、(伝令とも称される)フィードフォワード測定を考慮に入れることを伴うことを意味する。本明細書に記載される一部の実施形態は、決定論的方法でもつれ状態(例えば、光子グラフ状態又は複数のもつれ光子)を出力することができる、すなわち、決定論的スキームを介して予測可能であるか又は整合性のあるもつれ状態を出力することができる。そして、これにより、量子計算を行う場合、例えば、光子グラフを生成することを伴う計算を行う場合に、フィードフォワード(伝令)を考慮する必要がなくなる。例えば、一部の本開示の実施形態は、決定論的方法でもつれ状態(例えば、光子グラフ状態又は複数のもつれ光子)を生成又は出力することができる、伝令無しの接続及びリソース状態生成器の使用に関する。
【0350】
一部の実施形態は、量子計算システムを伴う。量子計算は、重ね合わせ、もつれ、及び干渉などの1つ以上の量子状態特性の利用又は適用を通じて行われる計算を指す。
【0351】
一部の実施形態は、複数の光処理段階を有する量子計算システムを伴う。光処理段階は、1つ以上の光子を入力として受け取り、1つ以上の光子を用いて又は1つ以上の光子に対して1つ以上の動作を行い、1つ以上の動作からの結果を出力するように構成された構成要素のグループを指す。例えば、1つ以上の動作は、1つ以上の光子を提供するパルスの放出、伝達、増幅、検出、及び/又は変調をもたらす空間的又は時間的動作を含み得る。一部の実施形態では、各光処理段階は、少なくとも2つの線形光学素子を含む。一部の実施形態では、各光処理段階は、光スイッチ、ビームスプリッタ、導波路、又は光子生成器のうちの少なくとも2つを含む。例では、光スイッチは、位相シフタを含み得る。当該例では、段階設定に関する決定は、位相シフタの設定に関する決定を含み得る。段階設定は、光処理段階の1つ以上の構成要素が使用するパラメータを指し得る。
【0352】
一部の実施形態では、光処理段階に含まれ得る光子生成器は、共振器に結合される量子エミッタを含み得る。換言すれば、光子生成器は、共振器に結合される量子エミッタを含む。
【0353】
本明細書に記載される光子を確保する光子生成器又は光子ソースユニットは、光子を提供することができる当該光子生成器の非限定的な例である。非限定的な例として、図4A及び図4Bは、(量子エミッタとしてソースユニット原子402を含む)ソースユニット401によって生成される、単一光子であり得る放出光子406及び時間的に連続した一連の出力光子412を示す。別の非限定的な例では、図8図9Bはまた、キャビティ818に結合されるルビジウム(87Rb)原子820によって生成及び出力される、単一光子であり得る光子を示す。図4A及び図4Bにおけるソースユニット401を参照して、ソースユニット401は、図1の光キャビティ103などのキャビティと、原子402(例えば、量子エミッタ)と、を含む。初期化パルス403が、原子402の状態を状態111(図1)となるように初期化した後、生成パルス404は、図2Aの遷移121A及び遷移122Aをもたらし、その結果、原子402は、光子406を放出し得る。当該プロセスを繰り返すことにより、図4Bにおける時間的に連続した一連の出力光子412が生成される。一部の実施形態によれば、生成パルス404は、例えば、そのパルス時間及び/又は形状の観点で正確に制御される必要はなく、したがって、出力光子は場合によりダーティであり得る。ダーティである出力光子は、不規則性を示し、したがって、場合により互いに区別可能であり得る時間プロファイルを有する出力光子を指す。例えば、当該実施形態が、伝令無しの接続の使用に関する一部の本開示の実施形態であってもよく、これは、量子計算における伝令無しの接続の使用が、量子計算に関係する演算を行う場合にダーティ光子を使用可能となり得るためである。
【0354】
各光処理段階はまた、追加の線形光学素子を含み得る。例えば、追加の線形光学素子は、チャネル(例えば、導波路)、リフレクタ(例えば、ミラー)、ビームスプリッタ、レンズ、位相シフタ、又は光子の特性若しくは運動に影響を与えることができるか若しくは操作することができる別の線形光学機器のうちの1つ以上を含み得る。
【0355】
一部の実施形態では、光処理段階は、時間領域において分離される。時間領域における分離は、光処理段階が、異なる時間で各光処理段階に機能を行わせるように制御されることを指す。機能は、例えば、入力を受信し、動作を行い、及び/又は出力を生成若しくは出力することであり得る。例では、コントローラは、各光処理段階を制御してもよく、その結果、各光処理段階の入力、動作、及び出力は、少なくとも入力及び出力が複数の光処理段階の間に制御されるように制御され、その結果、ある光処理段階の出力は、別の光処理段階の入力として供給され得る。非限定的な例として、図7において、複数の光処理段階702、704、706が、時間軸線405に沿って配置されている。
【0356】
一部の実施形態では、光処理段階は、空間領域において分離される。空間領域における分離は、各光処理段階が、空間の異なるエリア(容積又は領域)に位置していることを指す。これは、光処理段階間の機構及び接続に応じて(例えば、スイッチ、接続、及び/又は導波路などのチャネルを使用して)、複数の光処理段階が同時に、例えば、並列で機能することを可能にし得、並列で実行されているものからの出力は、当該出力のうちの少なくとも一部が別の光処理段階の入力として供給され得るように制御(例えば、同期)され得る。非限定的な例として、図7において、複数の光処理段階が、適切な空間軸線710に沿ってずらされた一連のパルスによって供給される同様の構成要素のアレイ708として空間軸線710に沿って配置されている。
【0357】
一部の実施形態は、共振器に結合される量子エミッタ(又は共振器結合量子エミッタ)を伴う。量子計算システム又はデバイスが複数の光処理段階を備える例では、光処理段階のうちの少なくとも一部は、量子エミッタを含み得る。量子エミッタは、共振器に結合され得る。例えば、光処理段階は、1つ以上の共振器結合量子エミッタを含み得る。量子エミッタは、前述のように、電磁モードに結合するように構成された構成要素を指す。例えば、量子エミッタは、電磁モードに結合するように構成された、非調和スペクトルを有する静止量子システムを含み得る。共振器(又はキャビティ)は、前述のように、振動及び/又は通常モードを確立又はサポートする構成要素である構造、筐体、又は容器を指す。振動は、例えば、離散セットの共振周波数における共振振動であり得る。例えば、共振器は、特定の振動周波数を有する電磁モードにおける電磁場を閉じ込めることが可能であり得る。例えば、共振器は、キャビティQED構成のキャビティ、光キャビティ、ウィスパリングギャラリーモードキャビティ、又はファブリ-ペローキャビティに対応し得る。共振器に結合される量子エミッタ(共振器結合量子エミッタとも称される)は、共振器と相互作用することが可能な量子エミッタを指す。例えば、共振器に結合される量子エミッタ(又は共振器結合量子エミッタ)は、共振器によって閉じ込められた電磁場と相互作用するように配置された量子エミッタを含み得る。したがって、共振器に結合される量子エミッタ(又は共振器結合量子エミッタ)は、双極子場が共振器の電磁モードと重複する量子エミッタを含み得る。量子エミッタが、当該量子エミッタに関連付けられた結合位置において共振器に結合される場合、量子エミッタは、共振器の電磁モードに結合され、したがって、共振器結合量子エミッタは、励起されると光子を解放若しくは放出する(例えば、光子生成器として機能する)か、又は共振器との当該量子エミッタの結合を介して、共振器の近くの導波路内で搬送される光子と相互作用する(例えば、前述のように、SWAPゲート若しくは光子をもつれさせるもつれゲートとして機能する)ように構成され得る。
【0358】
非限定的な例として、図4A及び図4Bは、光子生成器として実装された(量子エミッタとしてのソースユニット原子402を含む)ソースユニット401を示し、図8図9Bは、光子生成器として機能するように(共振器の例である)キャビティ818に結合される量子エミッタとしてのルビジウム(87Rb)原子820を示し、図5A及び図5Bは、もつれゲートとして実装された(量子エミッタとしてのもつれユニット原子502を含む)もつれユニット501を示し、図8及び図9Cは、もつれゲートとして機能するように(共振器の例である)キャビティ818に結合される量子エミッタとしてのルビジウム(87Rb)原子820を示し、図17B及び図17Cは、もつれゲートとして機能する共振器1904、1944に結合される量子エミッタ1902、1942を示す。
【0359】
例えば、量子エミッタは、光量子ビットが量子エミッタに向けて伝達されるときに、量子エミッタ量子ビットを光量子ビットにもつれさせるように構成され得る。前述のように、量子エミッタは、もつれゲートとして実装され得る。非限定的な例として、図3は、制御Zゲート(CZゲート)実装態様を示し、図8及び図9Cは、もつれゲート(例えば、CZゲート)として実装された構成810内のキャビティ818(例示的な共振器)に結合されるルビジウム(87Rb)原子820(例示的な量子エミッタ)を示す。
【0360】
一部の実施形態では、量子エミッタは、光量子ビットが量子エミッタに向けて伝達されるときに、量子エミッタ量子ビットを光量子ビットにマッピングするように構成され得る。量子エミッタ量子ビットを光量子ビットにマッピングすることは、前述のように、量子エミッタ量子ビットを光量子ビットに移すことを指す。例えば、当該マッピングは、SWAPゲートとして共振器結合量子エミッタを使用して、共振器結合量子エミッタの前の状態を保持しつつ光子が反射されるように共振器結合量子エミッタの状態を光子の状態と交換した結果であり得る。SWAPゲートは、前述のように、2つの量子ビットにおいて動作可能な量子ゲートを指して、第1の量子ビットの量子状態は、第2の量子ビットに移され、第2の量子ビットの量子状態は、第1の量子ビットに移される。非限定的な例として、図2Eは、当該SWAP動作を使用して、原子102に対して量子ビットの「読み出し」及び「書き込み」動作を行うSWAPゲート201を示す。
【0361】
非限定的な例として、図15A図15Cは、共振器に結合される量子エミッタを使用したSWAPゲートの背景のメカニズムを示す。当該メカニズムは、Bechler O.らの「受動的な光子-原子量子ビット交換動作(A passive photon-atom qubit swap operation)」、Nature Physics14、996-1000(2018)、Rosenblum S.らの「光パルスからの単一光子の抽出(Extraction of a single photon from an optical pulse)」、Nature Photon10、19-22(2016)、及びShomroni,I.らの「単一光子によって制御される1原子スイッチによる単一光子の全ての光ルーティング(All-optical routing of single photons by a one-atom switch controlled by a single photon)」、Science345.6199、903-906(2014)に記載される単一光子ラマン相互作用(SPRINT)メカニズムであって、その全体の内容並びに単一光子抽出及びSPRINTメカニズム関連の内容を参照により本明細書に援用される。例えば、量子エミッタ1432は、図15Aに示されるように結合位置1420で共振器1434に結合される。多準位量子エミッタ(量子エミッタ1432、又は例えば、少なくとも2つの基底状態及び少なくとも1つの励起状態を有するRb原子などの単一原子)における2つの遷移は、共振器1434(例えば、マイクロ共振器)を介して導波路1433aの異なる方向に結合される。量子エミッタ1432、共振器1434、及び導波路1433aの機構は、導波路1433a内で搬送される光又は光子が導波路1433aの傍の共振器1434にエバネッセント結合されるような機構である。ここで、エバネッセント結合は、導波路の周囲のエバネッセント場により相互作用するか又は移ることが可能なことを指す。
【0362】
図15Aに示されるように、複数の光子1436a、1436b、1436cは、導波路1433a内に導入される。そして、図15Bに示されるように、ある方向から生じる導波路1433a内の第1の光子1436aは、共振器1434を介して共振器1434のエバネッセント結合1435により量子エミッタ1432と相互作用する。当該相互作用は、伝達における弱め合う干渉により、当該方向から生じる第1の光子1436aを、図15Cに示される反射光子1439aによって示されるように決定論的に反射させる。第1の光子1436aと量子エミッタ1432との間の当該相互作用は、例えば、図2EからのSWAPゲート201を参照して前述したように量子エミッタ量子ビットを光量子ビットにマッピングすることに類似する。当該相互作用は、ある基底状態から別の基底状態への量子エミッタ1432のラマン移動をもたらし、量子エミッタ1432は、当該方向からの次の光子(例えば、第2の光子1436b及び第3の光子1436c)に対して透過する状態になる。図15Cに示されるように、これは、当該次の光子(例えば、第2の光子1436b及び第3の光子1436c)が、導波路1433aの他端に伝達されるだけであることを意味する。そして、反射光子1439aは、共振器1434に結合される量子エミッタ1432の量子エミッタ量子ビットの状態がマッピングされる光量子ビットとして機能し得る。したがって、SPRINTメカニズムベースの共振器結合量子エミッタは、SWAPゲートにおいて使用され得る。
【0363】
SPRINTメカニズムはまた、一部の本開示の実施形態に係る光子生成器において使用され得る。例えば、複数の光子1436a、14336b、1436cが、導波路1433a内に導入される干渉レーザパルスに含まれる場合、当該SPRINTメカニズムからのマッピング光子は、最初に共振器結合量子エミッタと相互作用し、したがって、当該マッピング光子が最初に来た方向に出力されるように反射した干渉レーザパルスの第1の光子1436aである。干渉レーザパルスの次の光子(例えば、第2の光子1436b及び第3の光子1436c)は、影響を受けないように搬送されて伝達されるだけであって、共振器結合量子エミッタと相互作用する干渉レーザパルスの第1の光子は、反射光子として抽出され、そして、単一光子として出力され得る。これにより、光子生成器は、単一光子を提供するように構成された単一光子ソースとして機能することができる。
【0364】
一部の実施形態では、量子エミッタは、連続した入射光量子ビット間の相互作用を仲介してグラフ状態を生成するように構成され得る。仲介は、相互作用を容易にすること、可能にすること、又は他の場合には促進することを指す。相互作用は、入射光量子ビット間の相関関係を移し、伝達し、関連付け、及び/又は確立し得る。例えば、共振器結合量子エミッタは、入射光子間のもつれ(例えば、相互作用)を容易にしてもよく、共振器結合量子エミッタは、入射光子間の当該相互作用を達成する手段である。連続は、続いているか又は連続している、例えば、時間的に連続して次々に来ることを指す。光量子ビットは、前述のように1つ以上の光子又は電磁場に記憶される(又は属する)量子情報の基本単位を指す。例えば、光量子ビットは、電磁場の伝播又は静止モードに関連付けられた自由度で符号化された量子ビットを含む。光量子ビットは、量子力学システムに特有の特性、例えば、(例えば、垂直及び水平偏波状態の一方若しくは両方の)自由度に関する重ね合わせ及び/又は(例えば、複数の光量子ビット間の若しくは量子エミッタ量子ビットとの)もつれを示し得る。したがって、共振器結合量子エミッタは、量子エミッタによる、連続した入射光量子ビット間の相互作用(例えば、もつれ)を容易にしてグラフ状態を生成する。例えば、各量子エミッタは、複数の光量子ビットのもつれを容易にし得る。
【0365】
前述のように、グラフ状態は、量子ビットのグループ間の関係を表し、量子ビットは、量子情報の基本単位である。当該関係は、例えば、互いにもつれていることを指し得る。光量子ビットは、1つ以上の光子又は電磁場に記憶される(又は属する)量子情報の基本単位を指す。例えば、連続した入射光量子ビットから生成されるグラフ状態(又は複数のグラフ状態)は、出力光子に記憶される(又は属する)量子ビット間の関係を表し得る。当該関係は、例えば、互いにもつれた当該光量子ビットを指し得る。
【0366】
一部の実施形態では、量子エミッタは、光子と相互作用することができる静止量子ビットを含む。静止量子ビットは、量子情報を記憶及び処理する際に使用可能な材料量子システムを指し得る。例えば、静止量子ビットは、(i)ナノ秒以上の時間スケールで確実に量子情報を記憶し、(ii)情報を飛行量子ビット(例えば、非静止量子ビット若しくは光子)に移動させ得るか若しくは変換し得る演算を含む計算及び/若しくは演算を確実に行い、(iii)確実に測定されるか若しくは読み出され、並びに/又は(iv)高度にもつれるように動作可能な(又はそれらの条件を満たす)量子ビットを指し得る。静止量子ビットの例には、量子エミッタに記憶されるか又は属する量子ビットが含まれ得る。例えば、ルビジウム又はセシウム原子に記憶されるか又は属する量子ビットは、静止量子ビットのソースとして機能し得る。例えば、リュードベリ原子も、静止量子ビットのソースとして機能し得る。リュードベリ原子の使用は、量子計算用途に有利な特性、例えば、(i)電磁場に対する強い応答、(ii)長い減衰期間、及び(iii)大きい電気双極子モーメントをもたらし得る。リュードベリ原子は、大きい主量子数nを有する1つ以上の電子を伴う励起原子を指し得る。
【0367】
一部の実施形態では、量子エミッタは、超伝導量子ビットを含む。前述のように、超伝導量子ビットは、超伝導電子回路(例えば、超伝導体を使用した電気素子の回路網)に記憶されるか又は属する量子ビットを指す。例えば、超伝導量子ビットは、アルミニウム又はニオブ-チタン合金などの超伝導材料から確保される固体状態の量子ビットを指し得る。超伝導量子ビットは、少なくとも1つのジョセフソン接合を含み得るか又は少なくとも1つのジョセフソン接合に結合され得る。超伝導量子ビットの例には、電荷量子ビット、磁束量子ビット、位相量子ビット、及び/又はそれらのハイブリッド(例えば、トランズモン)が含まれ得る。
【0368】
一部の実施形態では、量子エミッタは、量子ドットを含む。量子ドットを含む量子エミッタは、前述のように、量子力学原理を示す光学特性及び/又は電子特性を有する、基板(例えば、半導体粒子などの固体状態の基板)を有する量子エミッタを指し得る。例えば、量子ドットは、そのバルク成分と異なる光学特性及び電子特性を有するナノ粒子であり得る。高いエネルギー光子(例えば、UV光)の存在下で、量子ドット内の電子は、高いエネルギー状態に励起され、基底状態に移行するときに1つ以上の光子を放出し得る。例えば、量子ドットは、硫化鉛、セレン化鉛、セレン化カドミウム、硫化カドミウム、テルル化カドミウム、ヒ化インジウム、又はリン化インジウムなどの1つ以上の二元化合物から製造され得る。例えば、量子ドットは、ヒ化ガリウム基板内のヒ化インジウムから自己組織化され得る。例えば、量子ドットは、ダイヤモンド内の窒素空孔中心などの固体状態の基板における原子欠陥を指し得る。
【0369】
一部の実施形態では、量子エミッタは、中性原子又はイオンのうちの少なくとも一方を含む。中性は、プロトン及び電子の数が等しい原子である場合などの、全体で電荷が無い原子を指す。イオンは、光子及び電子の数が等しくない原子などの、全体で電荷を有する粒子又は原子を指す。原子若しくはイオンは、ルビジウムから確保されてもよく、及び/又は原子若しくはイオンは、セシウムから確保されてもよい。例では、原子又はイオンは、リュードベリ原子から確保され得る。例では、量子エミッタは、ストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、又はマグネシウム原子のうちの少なくとも1つを含み得る。ストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、又はマグネシウム原子のうちの少なくとも1つは、中性又はイオン形態であり得る。
【0370】
一部の実施形態は、複数の伝令無しの接続を伴う。伝令無しの接続は、前述のように、伝令(又はフィードフォワード)を使用しない接続又はリンクを指す。例えば、伝令(又はフィードフォワード)は、強相関状態で生成される単一光子のペアから一方の光子を検出して、ペアからの他方の光子を「伝令」するように光子又は光遅延線を使用することによって達成されてもよく、それによって、他方の光子の状態は、その検出前に既知である(フィードフォワード)。したがって、伝令無しの接続は、当該伝令(又はフィードフォワード)を必要とせず当該伝令(又はフィードフォワード)を伴わない接続又はリンクを指す。
【0371】
前述のように、従来の量子計算システムは、そこで使用されるもつれ状態のソースが確率論的であるため、伝令に依存している。対称的に、本開示の一部の実施形態は、生成光子が互いにもつれているかどうかが決定可能又は既知である(例えば、光子が決定論的に生成される)ように光子を生成し得る。したがって、伝達無しの接続の使用に関する実施形態などの本開示の一部の実施形態は、多くの場合複雑である伝令の機構を使用する必要がない。したがって、伝令を可能にするように配置された光遅延線及び様々な他の光学素子などの伝令接続は、必要でなくてもよい。その結果、本開示の一部の実施形態は、「伝令無し」(非伝令)である1つ以上の接続を利用し得る。一部の実施形態では、各々の伝令無しの接続は、隣接の光処理段階間に位置する。
【0372】
非限定的な例として、図17Aは、伝令無しの接続の使用に関する一部の実施形態に係る好ましいシステム1901又は好ましいデバイスを示す。複数の伝令無しの接続1913a、1913b、1913c、1913は、隣接の光処理段階間、例えば、第1の処理段階1900aと第4の処理段階1900dとの間、第2の処理段階1900bと第4の処理段階1900dとの間、及び第3の処理段階1900cと第4の処理段階1900dとの間に位置している。第1の処理段階1900a、第2の処理段階1900b、及び第3の処理段階1900cの各々は、もつれ光子1908a、1908b、1908cを生成しており、伝令無しの接続1913a、1913b、1913cは、前の異なる処理段階からの当該もつれ光子をもつれさせることによってクラスタ状態1908dを生成して伝令無しの接続1913を介してクラスタ状態1908dを出力する隣接の処理段階(第4の処理段階1900d)に当該もつれ光子を搬送するために使用される。
【0373】
一部の実施形態は、段階設定又は隣接の段階間の流れに関する決定において前の段階からの入力が無いように、隣接の段階間での光子の流れを調節するように構成された回路を伴う。回路は、機能を達成する電子機器を含み得る。例えば、回路は、1つ以上の機能ユニットを含んでもよく、各機能ユニットは、1つ以上のプロセスステップを行うように構成されている。1つ以上の機能ユニットは、回路が方法又はプロセスの一部又は全てのステップを行うことができるように配置され得る(例えば、互いに、又は別の機能ユニットに対して位置決め及び接続され得る)。例えば、回路は、一部の本開示の実施形態に係る方法又はプロセスの一部又は全てのステップを行い得る。回路は、例えば、機能を行うことができる1つ以上の光学素子又は構成要素を含み得る。一部の実施形態によれば、回路は、本開示のプロセスの1つ以上のステップを行うように構成されたプロセッサを指し得る。
【0374】
前述のように、光処理段階は、1つ以上の光子を入力として受け取り、1つ以上の光子を用いて又は1つ以上の光子に対して1つ以上の動作を行い、1つ以上の動作からの結果を出力するように構成された構成要素のグループを指す。段階間での光子の流れを調節することは、1つ以上の光子を入力として受け取り、1つ以上の光子を用いて又は1つ以上の光子に対して1つ以上の動作を行い、1つ以上の動作からの結果を出力するように構成された構成要素の2つのグループ間の1つ以上の光子の動きを管理又は制御することを指し得る。例えば、1つ以上の光子の動きを管理又は制御することは、ある段階から別の段階へ伝達される光子数若しくは光子のタイミングを設定すること、段階からの入力、動作、及び/若しくは出力を調整するか若しくは同期させること、1つ以上の光子を向け、切り換え、遮り、分離させ、及び/若しくは位相シフトさせることによって光子の流れを操作若しくは調整すること、並びに/又は光処理段階内の光学素子の設定に対する修正若しくは変更を行うことを伴い得る段階設定に関して決定するか若しくは決定を行うことのうちの1つ以上を伴い得る。
【0375】
「前の段階からの入力が無い」は、調節される光子の流れの上流(例えば、時間の意味で前に)光処理段階で生じたこと、生じていること、又は生じるであろうことが何であっても独立して調節することを指し得る。これは、前の段階で行われた決定に関する入力又は情報を用いることなく段階設定又は光子の流れに関して決定するか又は決定を行うことを指し得る。
【0376】
例えば、図17Aにおける好ましいシステム1901又は好ましいデバイスはまた、第4の処理段階1900dが伝令無しの接続1913を介してクラスタ状態1908dを出力することが可能であり得るように、第1の処理段階1900a、第2の処理段階1900b、第3の処理段階1900c、及び第4の処理段階1900d間の1つ以上の光子(例えば、伝令無しの接続1913a、1913b、1913cにおいて搬送されるもつれ光子1908a、1908b、1908c)の動きを管理又は制御するように構成された回路を含み得る。
【0377】
一部の実施形態では、段階設定に関する決定は、光スイッチの設定を含む。例えば、決定は、光スイッチを「オン」状態に設定するか又は「オフ」状態に設定するかを含み得る。例えば、決定は、光スイッチを、その入力を2つの出力のうちの第1に接続するように設定するか又は2つの出力のうちの第2に接続するように設定するかを含み得る。一部の実施形態では、段階設定に関する決定は、位相シフタの設定を含む。例えば、決定は、位相シフトするかどうか、及び/又は光子に対して与えられる位相シフトの量を変更することを含み得る。段階設定又は光子の流れに関する決定は、前の段階で行われた決定に関する入力又は情報を用いることなく行われ得る。例えば、光処理段階での光スイッチの設定は、前の段階での光学素子の設定を受信することなく若しくは知ることなく、及び/又は前の段階からの出力を受信することなく若しくは使用することなく設定され得る。
【0378】
非限定的な例として、図17Bは、伝令無しの接続の使用に関する一部の本開示の実施形態に係る好ましい光処理段階1900aを示す。当該好ましい光処理段階1900aは、図17Aにおけるシステム1901に含まれる光処理段階1900aの例である。図17Bにおける光処理段階1900aは、本明細書に記載される本開示の実施形態に従って、共振器1904と、共振器1904に結合可能な量子エミッタ1902と、伝令無しの接続1913aと、光子を生成するように構成された光子生成器1916a、1916bと、光子生成器1916a、1916bからの光子の動きを制御又は管理するように構成された第1及び第2の回路1918a、1918bと、を含む。
【0379】
図17Bは、2つの別々の光子生成器1916a、1916bを示しているが、単一の光子生成器が、第1の光子1906a及び第2の光子1906bを生成し得ることが理解される。一部の例では、光子生成器1916a、1916bは、共振器に結合される量子エミッタ(例えば、図15A図15Cにおける共振器1434に結合される量子エミッタ1432)を含み得、光子生成器1916a、1916bは、前述のように、共振器に結合される量子エミッタ(例えば、図15A図15Cにおける共振器1434に結合される量子エミッタ1432)を用いて単一光子ラマン相互作用(SPRINT)メカニズムを使用して、第1の光子1906a及び/又は第2の光子1906bを生成するように構成され得る。一部の例では、前述のように、光子生成器1916a、1916bにおける量子エミッタは、原子又は変動量子エミッタであり得る。
【0380】
例では、第1及び第2の回路1918a、1918bは、第1の時間プロファイルを有する第1の光子1906a、及び第2の時間プロファイルを有する第2の光子1906bを生成するように、光子生成器1916a、1916bを制御するように構成されてもよく、回路1918aは、第1の光子1906aを使用して第1の光量子ビットを形成し、第2の光子1906bを使用して第2の光量子ビットを形成するように構成されてもよい。
【0381】
図17Bにおける光処理段階1900aは、1つ以上の光子又はレーザを搬送するように構成された導波路1912a、1912bを含む。図17Bにおける導波路1912a、1912bは、例えば、図8図9Cにおける導波路816、910、930と同じ目的にかない得る。第1及び第2の回路1918a、1918bは、1つ以上の光子を向けるか若しくは輸送すること、1つ以上の光子の流れを制御すること、1つ以上の光子の状態を操作すること、及び/又は量子計算を行うことに関係する様々な機能を行うように構成された1つ以上の線形光学素子を含み得る。例えば、第1及び第2の回路1918a、1918bは、1つ以上の線形光学素子を使用して、量子エミッタ1902を共振器1904に結合し、共振器1904に結合される量子エミッタ1902を使用して(第1の光子1906aに関連付けられる)第1の光量子ビットを(第2の光子1906bに関連付けられる)第2の光量子ビットにもつれさせてもつれ光量子ビットのペア1908aを形成し、伝令無しの接続1913aを使用してもつれ光量子ビットのペア1908aを別の光処理段階に移すように構成され得る。伝令無しの接続の使用に関する一部の本開示の実施形態では、コントローラ1914は、光子生成器、共振器1904に結合される量子エミッタ1902を含むもつれゲート、及び伝令無しの接続1913a間の入力光子及び出力光子の流れを制御する(例えば、向けるか又は異なる導波路間で切り換える)ように提供され得る。例えば、当該コントローラ1914は、1つ以上のプロセッサを含み得る。メモリ、回路構成要素、又は回路も、制御を行うために提供され得る。
【0382】
第1及び第2の回路1918a及び/又は1918bは、例えば、光子生成器1916a、1916bから第1の光子1906a及び第2の光子1906bを受け取って、第1の光子1906a及び第2の光子1906bを出力し得、その結果、それらは、連続的な方法で、例えば、連続した光子として導波路1912a内で搬送され得る。例では、回路1918a、1918bはまた、量子計算のために光子グラフ状態を生成することに関する一部の本開示の実施形態について本明細書に記載されるように、第1の光子1906a及び第2の光子1906bのうちの少なくとも一方を搬送するように構成された光遅延線を含み得る。そして、第1の光子1906a及び第2の光子1906bは、図15A図15Cを参照して前述したように、導波路1912aによって提供される、第1の光子1906a又は第2の光子1906bと共振器1904との間のエバネッセント結合1925により共振器1904を介して量子エミッタ1902と相互作用し得る。そして、量子エミッタ1902と第1の光子1906a及び第2の光子1906bとの間の当該相互作用は、もつれゲートに関する一部の実施形態に関して本明細書に記載されるように、量子エミッタ1902と第1の光子1906aとの間、及び量子エミッタ1902と第1の光子1906bとの間のもつれをもたらし、第1の光子1906aと第2の光子1906bとの間のもつれをもたらし得る。複数の連続した光子とのこれらのペアごとのもつれを繰り返して、もつれ光子のグラフ状態(又は光子グラフ状態)を生成する。
【0383】
非限定的な例として、図17Cは、伝令無しの接続の使用に関する一部の本開示の実施形態に係る好ましい光処理段階1900dを示す。当該好ましい光処理段階1900dは、図17Aにおけるシステム1901に含まれる光処理段階1900dの例である。図17Cにおける光処理段階1900dは、本明細書に記載される本開示の実施形態に従って、共振器1944と、共振器1944に結合可能な量子エミッタ1942と、伝令無しの接続1913a、1913b、1913c、1913と、伝令無しの接続1913a、1913b、1913c、1913と導波路1912a、1912bとの間の光子の動きを制御又は管理するように構成された第1及び第2の回路1918a、1918bと、を含む。第1の回路1918aは、別の光処理段階1900a、1900b、1900cとのそれぞれの伝令無しの接続1913b、1913c、1913を介して、光量子ビットのもつれペア又はもつれ光量子ビットの光子グラフ状態であり得る)もつれ光子1908a、1908b、1908c(例えば、図17A及び図17B参照)を受け取って、それらの動きを、各もつれグループ(又は各光子グラフ状態)からの1つの光量子ビットが1つずつ導波路1912aに供給されるように制御し、それによって、共振器1944に結合される量子エミッタ1942は、自身と当該連続した光量子ビットを1つずつもつれさせ、その結果、異なる光子グラフ状態からの当該光子状態は、クラスタ状態1908dを生成するようにもつれる。そして、生成されたクラスタ状態1908dに関連付けられる当該もつれ光量子ビットの動き又は移動は、第2の回路によって制御又は管理され、それによって、図17Aのシステム1901は、クラスタ状態1908d又は光子グラフ状態を生成し得、第2の回路1918bは、伝令無しの接続1913を介して光量子ビットを出力する。所望のもつれ光量子ビット、クラスタ状態、又は光子グラフ状態が生成されると、光処理段階1900aでの量子エミッタ1902及び光処理段階1900dでの量子エミッタ1942は、量子エミッタ1902及び量子エミッタ1942を使用してSWAPゲートに関する一部の実施形態又は例に係る本明細書に記載されるようなSWAPゲートを実装することによって、もつれ光量子ビット、クラスタ状態、若しくは光子グラフ状態からもつれを解かれ得るか、又はそれらとの当該量子エミッタのもつれから解放され得る。
【0384】
一部の実施形態は、複数の伝令無しの接続を介して複数の光子を伝達するか又は受け取ることを伴い、各接続は、隣接の光処理段階間に位置しており、各光処理段階は、光スイッチ、ビームスプリッタ、導波路、又は光子生成器のうちの少なくとも2つを含む。前述のように、伝令無しの接続は、当該伝令(又はフィードフォワード)を必要とせず当該伝令(又はフィードフォワード)を伴わない接続又はリンクを指す。したがって、複数の伝令無しの接続を介して複数の光子を伝達するか又は受け取ることは、フィードフォワードを伴わない(例えば、フィードフォワードを提供するように光遅延線を使用しない)接続により複数の光子を伝達することを指す。
【0385】
一部の実施形態は、段階設定又は隣接の段階間の流れに関する決定において前の段階からの入力が無いように、隣接の段階間での光子の流れを調節することを伴う。前述のように、隣接の段階間での1つ以上の光子の流れを調節することは、構成要素の2つの隣接するグループ間での1つ以上の光子の動きを管理又は制御することを指し得る。前の段階からの入力が無いことは、前述のように、前の段階で行われた決定に関する入力又は情報を用いることなく段階設定又は光子の流れに関して決定するか又は決定を行うことを指し得る。
【0386】
一部の実施形態では、光処理段階のうちの少なくとも一部は、共振器に結合される量子エミッタを含む。当該実施形態の例は、光量子ビットが量子エミッタに向けて伝達されるときに、量子エミッタ量子ビットを光量子ビットにもつれさせることを更に含み得る。前述のように、量子エミッタは、この効果を達成するようにもつれゲートとして実装され得る。
【0387】
当該実施形態の例は、光量子ビットが量子エミッタに向けて伝達されるときに、光量子ビットに対して量子エミッタ量子ビットをマッピングすることを含み得る。前述のように、量子エミッタ量子ビットを光量子ビットにマッピングすることは、量子エミッタ量子ビットを光量子ビットに移すことを指す。例えば、当該移動は、SWAPゲートにおいて量子エミッタを使用した結果であり得る。
【0388】
当該実施形態の例は、連続した入射光量子ビット間の相互作用を仲介してグラフ状態を生成することを含み得る。前述のように、仲介は、相互作用を容易にすること、可能にすること、又は他の場合には促進することを指す。相互作用は、入射光量子ビット間の相関関係を移し、伝達し、関連付け、及び/又は確立し得る。前述のように、グラフ状態は、量子ビットのグループ間の関係を表し、量子ビットは、量子情報の基本単位である。当該関係は、例えば、互いにもつれていることを指し得る。
【0389】
非限定的な例として、図17Dは、伝令無しの接続の使用に関する一部の実施形態に係る例示的なプロセス1950を示す。例示的なプロセス1950は、量子計算において使用する量子計算方法の一部であり得る。プロセスのステップの例が本開示全体を通して記載されるため、前述の当該例は、繰り返し述べないか、又は図17Dと関連して簡単にまとめられる。一部の本開示の実施形態では、例示的なプロセス1950は、本明細書に記載される動作又は機能を行うように、少なくとも1つのプロセッサ又は回路によって、例えば、図10の制御システム1031及び/若しくは光チップ1015、又は図17B及び図17Cの第1及び第2の回路1918a、1918b及び/若しくはコントローラ1914において行われる。一部の本開示の実施形態では、プロセス1950の一部の態様は、少なくとも1つのプロセッサが提供されるメモリ、又は非一時的コンピュータ可読媒体若しくはコンピュータ可読媒体に記憶されたソフトウェア(例えば、プログラムコード又は命令)として実装され得る。一部の実施形態では、プロセス1950の一部の態様は、ハードウェア(例えば、専用回路)として実装され得る。一部の実施形態では、プロセス1950は、ハードウェアとして、又はソフトウェア及びハードウェアの組合せとして実装され得る。
【0390】
図17Dは、プロセスステップ(又は方法ステップ)1952及び1954を含む。様々な実装態様が可能であって、構成要素又はデバイスの任意の組合せが、例示的なプロセスを実装するために利用され得ることが容易に理解されるであろう。示されるプロセスは、ステップの順序を修正するか、ステップを削除するか、又は本明細書に記載される例若しくは実施形態を対象とするステップなどの追加のステップを更に含むように変更され得ることも容易に理解されるであろう。
【0391】
ステップ1952で、プロセスは、複数の伝令無しの接続を介して複数の光子を伝達するか又は受け取ることを伴う。図17A図17Cは、光子を伝達するか又は光子1908a、1908b、及び1908cを受け取る伝令無しの接続1913a、1913b、1913c、1913の例を示す。
【0392】
ステップ1954で、プロセスは、段階設定又は隣接の段階間の流れに関する決定において前の段階からの入力が無いように、隣接の段階間での光子の流れを調節することを伴う。図17Aは、隣接の光処理段階間、例えば、第1の処理段階1900aと第4の処理段階1900dとの間、第2の処理段階1900bと第4の処理段階1900dとの間、及び第3の処理段階1900cと第4の処理段階1900dとの間に伝達され受け取られる光子(例えば、もつれ光子1908a、1908b、1908c)の例を示し、各処理段階は、前の処理段階からの任意の入力又は情報から独立して動作する。
【0393】
従来の光量子計算は、グラフを生成するために線形光学に依存しており、これは、光子のペアのうちの一方の光子が、他方の光子の状態を決定するために「伝令」又は測定されることを必要とする。当該従来の光量子計算では、光遅延線などの伝令接続が利用される。本明細書に記載される伝令無しの接続の使用に関する実施形態は、伝令無しの接続を利用することができる例を示す。
【0394】
例えば、非一時的コンピュータ可読媒体(又はコンピュータ可読媒体若しくはコンピュータプログラム)は、命令を含み得、当該命令は、少なくとも1つのプロセッサ(又は装置)によって実行されると、本明細書に記載されるプロセス又は量子計算方法を少なくとも1つのプロセッサ(又は装置)に実行させる。伝令無しの接続の使用に関する実施形態によれば、命令は、量子計算方法又は図17Dに示されるプロセス1950を少なくとも1つのプロセッサ(又は装置)に実行させ得る。
【0395】
伝令無しの接続の使用に関する実施形態の各プロセス又はシステム特徴についての前述の同じ例は、この非一時的コンピュータ可読媒体(又はコンピュータ可読媒体若しくはコンピュータプログラム)の実施形態の対応する特徴にも適用可能である。
【0396】
量子計算のために光子グラフ状態を生成することに関する他の実施形態によれば、量子計算方法又は図17Dに示されるプロセス1950を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサ(及びメモリ)を含む、装置、デバイス、システム、集積回路デバイス、又は回路が存在する。伝令無しの接続の使用に関する実施形態の各プロセス又はシステム特徴についての前述の同じ例は、これらの実施形態の対応する特徴にも適用可能である。
【0397】
伝令無しの接続の使用に関する更に別の実施形態によれば、レイアウト部分を備える集積回路デバイス又は回路のレイアウトが提供され、各レイアウト部分は、伝令無しの接続の使用に関する一部の実施形態に従って、図17Aにおけるシステム1901、図17Bにおける光処理段階1900a、図17Cにおける光処理段階1900d、又は図15A図15Cにおけるメカニズムに基づく光子生成器の特徴の組合せから特徴をパターン化するように定められている。非限定的な例として、集積回路デバイス又は回路のレイアウトは、光スイッチ、ビームスプリッタ、導波路、又は光子生成器のうちの少なくとも2つをパターン化するように定められた光処理段階レイアウト部分と、複数の伝令無しの接続をパターン化するように定められた接続レイアウト部分であって、各接続は、隣接の光処理段階間に位置している、接続レイアウト部分と、隣接の段階間での光子の流れを調節するように構成された回路又は少なくとも1つのプロセッサをパターン化するように定められた回路レイアウト部分と、を含む。
【0398】
一部の本開示の実施形態では、光処理段階レイアウト部分は、光子生成器、又は光子生成器によって共振器又は量子エミッタに向けて供給される光子を搬送するチャネルをパターン化するように定められている。一部の本開示の実施形態では、光子生成器をパターン化することは、別の共振器、及び別の量子エミッタを当該別の共振器に結合する別の結合位置をパターン化することを含み得る。一部の本開示の実施形態では、回路レイアウト部分は、1つ以上の光子又はレーザを搬送する導波路と、1つ以上の光子を向けるか若しくは輸送し、1つ以上の光子の流れを制御し、1つ以上の光子の状態を操作し、及び/又は量子計算を行うことに関係する様々な機能を行う1つ以上の線形光学素子と、のうちの1つ以上をパターン化するように定められ得る。
【0399】
一部の本開示の実施形態では、回路レイアウト部分は、光子生成器ともつれゲート又はSWAPゲートとの間の入力光子及び出力光子の流れを制御する(例えば、向けるか又は異なる導波路間で切り換える)コントローラをパターン化するように定められており、コントローラは、制御を行う1つ以上のプロセッサ、及びメモリ、回路構成要素、又は回路を含み得る。
【0400】
図1は、本開示の実施形態に係る量子計算において使用するデバイス100を概略的に示す。例えば、デバイス100は、本開示の実施形態に係る決定論的光子グラフ状態生成器の一部であり得る。デバイス100は、入力/出力光子導波路104及び105を有する光キャビティ103内に含まれる原子102の4状態システム101を含む。例えば、4状態システム101において使用される原子102、光キャビティ103、及び導波路104、105の機構は、図9A図9Cに示されるキャビティ(若しくは共振器)に結合される原子及び導波路の機構、又は本明細書に記載されるキャビティ(若しくは共振器)に結合される量子エミッタ及び導波路の機構のうちのいずれか1つであり得る。レーザソース151は、原子102の状態を変更し、そこからの光子の放出を誘発するパルスを提供する。4状態システム101は、原子102の以下の状態、すなわち、第1の基底状態111、第1の励起状態112、第2の基底状態113、及び第2の励起状態114を含む。第1の基底状態111と第1の励起状態112との間の遷移121は、エネルギーEを有し、相互作用光モード1に関連付けられる。第1の励起状態112と第2の基底状態113との間の遷移122は、エネルギーEを有し、相互作用光モード2に関連付けられる。第2の基底状態113と第2の励起状態114との間の遷移123は、エネルギーEを有し、相互作用光モード3に関連付けられる。遷移122及び123は、互いに対して直交偏波であるように選択され得る。光子180は、光キャビティ103における原子102のどの遷移にも関連付けられていない非相互作用光モード4にある。光モード4における光子180は、光キャビティ103及び原子102に関連付けられる導波路を通過せず、したがって、それと相互作用しない。モードは、テキストでは下線太字でそれらのモード番号によって示されており、図面では正方形ボックス内で太字モード番号によって示されている。
【0401】
デバイス100は、磁場を生成する磁石141を更に備える。磁場は、遷移が光キャビティ103の帯域幅内にあることを保証するように構成され得る。それは更に、第1及び第2の励起状態112、114が同じエネルギー準位であること、すなわち、E及びEが等しいことを保証するように構成され得る。したがって、遷移122(光モード2)において放出される光子は、遷移123(光モード3)において放出されるものと同じエネルギーを有する。第1及び第2の基底状態111、113は、異なるエネルギー準位(すなわち、E≠E)で維持され、互いに独立して遷移121及び遷移123を扱いやすくしてもよい。
【0402】
本明細書における「モード」(又は「光モード」)という用語は、一部の境界条件下における電磁波方程式の解を示す。非限定的な例として、所与のモードは、780nmの波長を中心とし、(シングルモード)ファイバで左に伝播し垂直偏波を有する特定のパルス形状を有する光子のパルスに適用され得る。任意のパラメータ(方向、偏波、サイズ、発散など)の変化は、元々割り当てられているモードをもはや適用可能でないようにして、光子のモードを異なるモードに、場合により未定義のモードに変化させる。本開示の実施形態では、原子遷移は、入射/出射光子のモード1、モード2、又はモード3に結合される。しかしながら、図1に記載され示されるように、本実施形態の原子遷移とモード4の光子との間に結合は存在しない。
【0403】
第1の基底状態111と第2の基底状態113との間の直接的な遷移は存在しない。それらの間のエネルギー差Eは、光キャビティ103の直近に位置する磁石141の磁場による基底状態のエネルギー分裂のため生じる。本実施形態によれば、特に磁場による遷移のエネルギー差は、異なる遷移を個々に扱うことができるようにする1つの因子である。遷移を個々に扱う別の因子は、以下でより詳細に述べられるように、遷移を励起するために使用される光子の偏波を伴う。その結果、制御/選択能力152は、異なる遷移を個々に扱うことによって可能となる様々な機能の制御及び選択のために、遷移を個々に扱うことを用いる。
【0404】
関連の実施形態では、磁石141は、ソレノイド又は別のタイプの電磁石である。別の関連の実施形態では、原子102の領域内の磁場は、50ガウス以上である。更なる関連の実施形態では、レーザソース151は、デバイス101内又はデバイス101の外部に位置しており、更に別の関連の実施形態では、複数の専用のレーザソースが提供される。
【0405】
別の実施形態では、デバイス100は、専用の(省略符号161によって示される)追加の機能ユニットと共に小型化構成要素内に組み込まれる。
【0406】
別の関連の実施形態では、原子102は、同位体87Rbの原子などのルビジウム原子である。
【0407】
図2Aは、(点線で示される)状態|1>と示される最初に第1の基底状態111である、デバイス100(図1)の原子102の遷移に関する状態図である。導波路104(図1)を介した入射光子171は、第1の基底状態111から第1の励起状態112に原子102における遷移121Aを励起させる。第1の励起状態112から第2の基底状態113への遷移122Aが後に続く遷移121Aは、入射光子171の方向と反対の方向に導波路104を介して出射光子172の放出をもたらす遷移順序である。光子171は、σとして記載される方向極性を有する状態|0>であると示される。対称的に、光子172は、σとして記載される方向極性を有する状態|1>であると示される。遷移122Aの後、原子102は、状態|0>と示される。
【0408】
図2Aに示される上述の遷移は、以下に記載され示されるように、本開示の実施形態に係る単一光子ソースユニットにおいて使用される。本明細書における「確保する」という動詞及びその変化形態は、単一光子の提供、光子パルスの提供、及び単一光子のクラスタ状態の提供を含む、本開示の実施形態に係る光子の提供を示す。本明細書における「単一光子ソース」という用語は、一度に単一光子のみが確保される場合を示す。
【0409】
図2Bは、最初に第2の基底状態113、(点線で示される)状態|0>である、デバイス100(図1)の原子102の遷移に関する状態図である。導波路105(図1)を介した入射光子173は、第2の基底状態113から第1の励起状態112に原子102における遷移122Bを励起させる。第1の励起状態112から第1の基底状態111への遷移121Bが後に続く遷移122Bは、入射光子173の方向と反対の方向に導波路105を介して出射光子174の放出をもたらす遷移順序である。光子173は、方向極性σを有する状態|1>である。対称的に、光子174は、方向極性σを有する状態|0>である。遷移121Bの後、原子102は、状態|1>である。
【0410】
図2Bに示される上述の遷移も、以下に記載され示されるように、実施形態に係るソースユニットにおいて使用される。
【0411】
図2Cは、状態|0>の入射σ光子175について第2の基底状態113(状態|0>)における原子102の遷移が無いことを示す状態図である。入射σ光子175は、変化せずにそのまま続く。
【0412】
同様に、図2Dは、状態|1>の入射σ光子176について第1の基底状態111(状態|1>)における原子102の遷移が無いことを示す状態図である。入射σ光子176は、変化せずにそのまま続く。
【0413】
図2Eは、本開示の実施形態に係る、原子102に対して量子ビットの「読み出し」及び「書き込み」動作を行い、特に、デバイス100の原子の測定200を可能にするSWAPゲート201を示す。この図は、図2Aから図2Dまでに示された前述の遷移の結果を組み合わせている。図2Eでは、原子102は最初に、確率振幅γ及びδをそれぞれ有する第1及び第2の基底状態111、113の重ね合わせ状態である。入射光子202は、確率振幅α及びβをそれぞれ有する光モード1及び2の重ね合わせである(図2Eでは、光モードの重ね合わせの単一光子、例えば、202が2つの光子として示されているが、これは、2つの別々の光子の存在を示すことを意味するものではないことが理解されるであろう)。図2Aから図2Dまでに記載されるプロセスは干渉性であるため、入射光子の状態は、原子の状態と交換され、出射光子204は、確率振幅δ及びγをそれぞれ有するモード1及び2の重ね合わせ状態であって、原子102は、確率振幅β及びαをそれぞれ有する第1及び第2の基底状態111、113の重ね合わせ状態で残される。当該相互作用により、入射光子の状態を適切に選択して出射光子204の方向極性を測定することによって、単一のステップで原子102の状態を測定及び設定することができる。関連の実施形態では、これは、以下で述べられるように、もつれ方法において利用される。
【0414】
図3に示されるように、原子102は最初に、基底状態111及び113の重ね合わせであって、入射光子301は、モード3及び(非相互作用)モード4の重ね合わせであって、エネルギーEを有する。(モード1及び2の光子の上記説明と区別するために、モード3及び4の光子は、それぞれ、|1>p*及び|0>p*と示される。)原子102及び入射光子301が最初に、それらそれぞれの重ね合わせによって記述され得ると、原子及びもつれ光子302はもつれる。特に、原子102及び放出光子302は、サイズ2クラスタ状態であって、ここで、第1のモードは、原子102の第1の基底状態111である原子を有する出射光子302のモード3及び4の重ね合わせ
【数3】
に対応し、第2のモードは、原子102の第2の基底状態113である原子を有する出射光子302のモード3及び4の相補的な重ね合わせ
【数4】
に対応する。(当業者であれば、これがDuan-Kimbleプロトコルを有する制御Zゲートの一実装態様であることを認識するであろう。)様々な入力状態が以下のようにまとめられ得る。
・入射光子301は、モード4であって、原子102は、その第1の基底状態111であって、その間に相互作用は無い。
・入射光子301は、モード4であって、原子102は、その第2の基底状態113であって、その間に相互作用は無い。
・入射光子301は、モード3であって、原子102は、その第1の基底状態111であって、原子は影響を受けないが、光子の波形は、位相を反転される(すなわち、原子は、内部キャビティ場と非相互作用状態であって、光子が空のキャビティと相互作用することを示し、したがって、空のキャビティと共鳴する光子は、内部キャビティ場強化を誘発し、これは次いで、非相互作用モード4の光子に対して出射光子302の位相反転をもたらす)。
・入射光子301は、モード3であって、原子102は、その第2の基底状態113であって、原子は、第2の基底状態から第2の励起状態114へ遷移し(遷移123Aとして示される)、そして、第2の基底状態に戻るように遷移し(遷移123Bとして示される)、プロセスにおいて、エネルギーEも有する光子302を放出する(すなわち、原子は、内部キャビティ場と相互作用状態であって、遷移123がモード3の入射光子によって扱われることを示し、したがって、原子は、内部キャビティ場強化を無くし、出射光子302の位相反転は生じない)。
【0415】
量子もつれは、図面において、原子102を光子302と接続する二重線310によって図示される。二重線の図の慣習では、適用可能な場合、光子間の量子もつれも示す。
【0416】
図4Aは、本開示の実施形態に係る単一光子ソースユニット401を概略的に示す。ソースユニット401は、図1のデバイス100に対応するデバイスを含む。特に、ソースユニット原子402は、図1における原子102に対応するが、明確化のために、光キャビティ103などの、デバイス100のものに対応する他の要素は、図4Aから省略される。
【0417】
ソースユニット401を初期の|1>状態に初期化するために、状態|1>の複数のσ光子の初期化パルス403が導入される。原子402が既に第1の基底状態111(状態|1>)である場合、図2Dに示され上記に記載されるように、初期化パルス403は、原子402に対して影響を与えず、原子402は、状態|1>のままである。しかしながら、原子402が第2の基底状態113(状態|0>)である場合、ソースユニット401に入る初期化パルス403の第1の光子は、図2Bに示され上記に記載されるように、第1の基底状態111(状態|1>)に原子402を遷移させ、それによって、ソースユニット401を所望の初期状態に初期化する。
【0418】
図4Aに戻って、初期化パルス403を導入した後、状態|0>の複数のσ光子の生成パルス404がソースユニット401内に導入される。時間軸線405は、生成パルス404が後に続く初期化パルス403の順序を示す。まず、原子402が|1>状態であるようにソースユニット401を初期化すると、生成パルス404の状態|0>の第1のσ光子は、前述のように、図2Aの遷移をもたらし、状態|1>の単一σ光子406の出力をもたらす。光子406は、生成パルス404の光子と反対方向に出力され、したがって、破棄される生成パルス404の他の光子から容易に分離される。
【0419】
図4Bは、本開示の実施形態に従って単一光子ソースユニット401から時間的に連続した一連の特定数の単一光子412を生成することを概略的に示す。時間的に連続した一連の初期化パルス410-生成パルスペアは、ソースユニット401内に入力され、初期化パルス-生成パルス入力の各ペアについての単一光子出力を有する時間的に連続した一連のもの412をもたらす。出力光子は、個々に出力され、この動作の時点ではまだもつれていない。
【0420】
本開示の実施形態に係る単一光子ソースユニット401から出る単一光子は全て、本アーキテクチャにおいて使用可能であって、キャビティ増強原子-光子相互作用により光子をもつれさせることは、線形光学を用いた確率論的なもつれの場合のように区別不可能な光子の使用を必要としないことを強調する。特に、入力光子パルス(例えば、パルス404)は、正確なタイミング及び形状である必要はない。本開示の実施形態に従って生成される単一光子は、単一光子を容易に区別可能にする不規則性を単一光子が示す場合でも、量子ビットもつれについて完全に好適なものである。
【0421】
図5Aは、本開示の実施形態に係るもつれユニット原子502の原子状態との光子状態の量子もつれについてのもつれユニット501を概略的に示す。もつれユニット501は、図1のデバイス100に対応するデバイスを含む。特に、原子502は、図1における原子102に対応するが、明確化のために、デバイス100のものに対応する他の要素は、図5Aから省略される。
【0422】
もつれユニット501はまず、原子502を量子重ね合わせ状態
【数5】
に設定することによって準備される必要がある。これは、所望の状態に交換するためにモード1及び2の適切な重ね合わせでパルス503を導入することによって行われる。その後、原子502に関するもつれメカニズムは、図3に示され前述したプロセスに対応する。原子502の状態の測定200を行うことによって、原子502と、それと前にもつれた任意の光子との間のもつれが破壊される。本開示の実施形態に係る測定200は、前述のように図2Eに示される。したがって、図1を参照して上述した、図1に示されるようなデバイス100は、原子102との光子のもつれ及び(測定200を介した)もつれの破壊の両方が可能であることに留意されたい。
【0423】
図5Bは、本開示の実施形態に係る、準備された原子502の重ね合わせ状態との、時間的に連続した一連の単一光子状態412の量子もつれを概略的に示す。もつれ動作は、時間的に連続した一連のもつれ光子512をもたらす。測定200が行われた後、原子502自体はもはや、一連の光子512ともつれていないが、光子は、互いにもつれたままである。一連の光子512は、二重線によって単一原子に相互に接続されて表されており、それらが相互にもつれていることを示す。
【0424】
図6は、本開示の実施形態に係る光子グラフ状態を確保する方法のフローチャートである。関連の実施形態では、本方法は、図1で詳述されたような前述のデバイス100の制御/選択ユニット152によって行われる。準備ステップ601で、(もつれユニット501原子502などの)もつれユニット原子は、前述のように所望の状態に交換するためにモード1及び2の適切な重ね合わせでパルス503を利用することによって、状態
【数6】
に設定される。
【0425】
準備の後、ループはポイント602を開始し、ループ終了ポイント608を通ってn回繰り返すようにステップのループを始める。
【0426】
ループ602~608の内部で、ステップ603は、前で示され記載されたように、状態|1>のσ光子のパルス403を注入することによって、(ソースユニット401原子402などの)ソースユニット原子を状態|1>に初期化する。
【0427】
次に、ステップ604で、単一光子は、前で示され詳述されキャプション605において明らかにされるように、モード1光子の古典的なレーザソース404をソースユニット内に注入することによって生成される。
【0428】
続いて、ステップ606で、ステップ604からの単一モード2光子は、モード3及び4の重ね合わせで(原子502を有するもつれユニット501などの)もつれユニット内に経路設定される。
【数7】
これは、その後、もつれユニット原子と量子もつれ状態となる。
【0429】
キャプション607は、どのように光モード3がもつれユニット501原子502の周期的な遷移123(図1)と相互作用するか、一方、光モード4は相互作用しないことを詳述する。当該特定の構成は、制御Z量子ゲートを実装する。
【0430】
ループ終了608で、キャプション609において明らかにされるように、n回の繰り返しの後、(原子502などの)もつれユニット原子の状態は、n個の光子の状態ともつれる。
【0431】
ステップ610で、図2Eにおいて概略的に示されて前で詳述されたような測定200などの測定は、ブロッホ球のx-y平面内で(原子502などの)もつれユニット原子に対して行われる。測定200を実行し、量子が光子ともつれた状態からもつれユニット原子のもつれを解き、もつれ状態のn個の光子状態の時間的に連続したクラスタ状態を残す。本開示の実施形態によって提供されるようなデバイス100は、(もつれユニット501などの)もつれユニットとしての動作、及び追加の測定装置を必要とすることなく測定200を実行することの両方が可能であることに再び留意されたい。本ステップは、キャプション611において明らかにされる。
【0432】
そして、ステップ612で、n個のもつれ光子の時間的に連続したクラスタ状態が、量子計算における量子ビットの使用のために出力される。
【0433】
図7は、量子もつれ光子状態の多次元グラフ状態又はクラスタ状態を確保するデバイス100に基づく複数のデバイスの機構を採用した本開示の実施形態に係る装置を概略的に示す。本実施形態では、もつれ光子の時間次元順序と組み合わされる1次元空間アレイが出力され、関連の実施形態では、もつれ光子の時間次元順序と組み合わされる2次元空間アレイが出力される。これらの実施形態では、線形光学素子は、基本構成要素としてではなく、特定の付加的な機能を行う限定的な能力において適切に使用され、それによって、前述のような線形光学の問題点及び欠点を回避する。
【0434】
示される実施形態では、一連のパルス701は、単一光子ソースユニット702に供給され、その単一光子出力は、第1の段階の線形光学及び位相制御素子703を通って第1の段階のもつれユニット704に向かい、それから、第2の段階の線形光学及び位相制御素子705に向かい、第2の段階のもつれユニット706に向かい、そこから、光子クラスタ状態及び/又はグラフ状態の時間的に連続したもつれ光子405を出力する出力チャネル707に向かう。図7に示されるように、同様の一連のパルスによって供給される同様の構成要素のアレイ708が空間軸線710に沿って配置されている。関連の実施形態では、空間軸線710は、x軸線、y軸線、又はx-y平面内のそれらの組合せである。1次元空間アレイについて、第1の段階の線形光学、位相制御素子、及びもつれユニットのみが、時間次元順序におけるもつれ光子の1次元空間アレイの出力に必要とされ得る。2次元空間アレイのx軸線及びy軸線の両方に関して、第2の段階の線形光学、位相制御素子、及びもつれユニットも、時間次元順序におけるもつれ光子の2次元空間アレイの出力に使用される。全ての場合で、各単一光子ソース、線形光学及び位相制御素子、並びにそれぞれのもつれユニット(又は2段階動作の場合、それぞれのもつれユニット)は相応じて、適切な空間軸線710に沿ってずらされる。
【0435】
光学光子又は光学素子を使用した本明細書に記載される実施形態、節、特許請求の範囲、又は例はまた、マイクロ波及び赤外光子などの電磁スペクトルの他の周波数における光子を使用して実装可能であることを理解されたい。したがって、本明細書における光学光子に対する全ての言及は、一般的に開示されている光子とも見なされる。
【0436】
光子又は光チップを使用した本明細書に記載される実施形態、節、特許請求の範囲、又は例はまた、光子の代わりに又は光子に加えて、音子を使用して実装可能であることも理解されたい。したがって、当該光子ベースの実装態様は同等の音子ベースの機能をもたらし得るため、本明細書における光子に対する全ての言及は、開示されている音子とも見なされる。
【0437】
本開示は、オープンエンドの許容言語を採用しており、例えば、一部の実施形態又は定義が特定の特徴を採用し、伴い、又は含み「得る(may)」ことを示す。「得る(may)」という用語及び他のオープンエンドの用語の使用は、全ての実施形態が特定の開示特徴を採用し得るわけではないが、少なくとも1つの実施形態が特定の開示特徴を採用することを示すことを意図したものである。
【0438】
例示的な決定論的光子グラフ状態生成器に関する節
節1.量子もつれ光子のグラフ状態を確保する方法であって、当該方法は、
単一光子を確保する光子ソースユニットを提供することであって、上記光子ソースユニットは、ソース光キャビティの内部キャビティ場内に配置されるソースユニット原子を備える、ということと、
光子状態の量子もつれについての光子もつれユニットを提供することであって、上記光子もつれユニット原子は、もつれ光キャビティの内部キャビティ場内に配置される、ということと、
光子パルスを光子もつれユニットに送信して、もつれユニット原子を原子量子重ね合わせ状態
【数8】
に設定することと、
光子パルスを光子ソースユニットに送信して、ソースユニット原子を量子状態|1>に初期化することと、
第1の光モードでの光子の光子パルスを光子ソースユニット内に送信して、第2の光モードでの単一光子をソースユニット原子に出力させることであって、第1の光モードは、ソースユニット原子の第1の遷移に結合し、第2の光モードは、ソースユニット原子の第2の遷移に結合する、ということと、
第3の光モード及び第4の光モードの重ね合わせに対して第2の光モードでの単一光子を光子もつれユニットに経路設定することであって、
第3の光モードは、もつれユニット原子の第3の遷移に結合し、
第4の光モードは、ソースユニット原子のどの遷移にも結合せず、
第4の光モードは、もつれ光キャビティに結合せず、
第3の光モード及び第4の光モードの重ね合わせにおける出力光子は、もつれユニット原子との量子もつれ状態である、ということと、
少なくとも1回経路設定を繰り返して、もつれユニット原子との量子もつれにおいて第3の光モード及び第4の光モードの重ね合わせで、第2の光モードでの少なくとも1つの追加の単一光子を光子もつれユニットに経路設定することと、
もつれユニット原子に対して測定を行い、それによって、第3の光モード及び第4の光モードの重ね合わせ状態での光子から、そのもつれを解くことであって、
第3の光モード及び第4の光モードの重ね合わせ状態での少なくとも2つの光子は、量子もつれ状態である、ということと、
時間的に連続した相互にもつれた光子として、第3の光モード及び第4の光モードの重ね合わせ状態での少なくとも2つの光子を出力することと、
を含む、方法。
節2.もつれユニット原子に対して測定を行うことは、ブロッホ球のx-y平面内で測定を行うことを含む、節1に記載の方法。
節3.量子もつれ光子のグラフ状態を確保するデバイスであって、デバイスは、
複数の単一光子ソースユニットと、
第1の段階の線形光学素子と、
第1の複数のもつれユニットと、
を備え、
複数の単一光子ソースユニット、第1の段階の線形光学素子、及び第1の複数のもつれユニットは相応じて、所定の空間軸線に沿ってずらされており、
複数の光子ソースユニットの各単一光子ソースユニットは、単一光子を第1の段階の線形光学素子に出力し、そこから、第1の複数のもつれユニットのそれぞれのもつれユニット内に出力し、
第1の複数のもつれユニットは、時間次元で連続してもつれ光子の1次元空間アレイを出力する、デバイス。
節4.単一光子ソースユニット及び/又はもつれユニットは各々、
第1の基底状態、第1の励起状態、第2の基底状態、第2の励起状態、又はそれらの重ね合わせでの原子を備え、
原子は、
第1の基底状態と第1の励起状態との間の第1の遷移、
第1の励起状態と第2の基底状態との間の第2の遷移、及び
第2の基底状態と第2の励起状態との間の第3の遷移を選択的に経るように更に構成されており、
デバイスは、内部に原子を配置する内部キャビティ場を定めた光キャビティと、光キャビティに結合される光導波路と、原子において磁場を生成するように構成された磁石と、干渉状態で光子のパルスを生成するように構成されたレーザソースと、を備え、デバイスは、上記遷移の各々が光キャビティの共鳴の範囲内であるように構成されている、節3に記載のデバイス。
節5.第1及び第2の遷移は、互いに対して直交偏波であるように選択される、節4に記載のデバイス。
節6.第1及び第2の励起状態は、同じエネルギー準位である、節4及び5のいずれか1つに記載のデバイス。
節7.第1及び第2の基底状態は、互いに異なるエネルギー準位である、節4から6までのいずれか1つに記載のデバイス。
節8.上記レーザソースは、
第1の励起状態を介した第1の基底状態から第2の基底状態への第1及び第2の遷移を原子に経させることによって原子を初期化するように構成された光子を初期化するパルス、並びに
第1の励起状態を介した第2の基底状態から第1の基底状態への第2及び第1の遷移を原子に経させることによって原子から単一光子を確保するように構成された光子を確保するパルスを選択的に生成するように構成されている、節4から7までのいずれか1つに記載のデバイス。
節9.上記レーザソースは、原子の状態を量子重ね合わせ状態に設定するように構成された準備光子を選択的に生成するように構成されており、準備光子は、第1及び第2の準備モードの重ね合わせの状態であって、原子との準備光子の相互作用の結果、その第1及び第2の基底状態は、第1及び第2の準備モードの重ね合わせの状態に対応する重ね合わせの状態である、節4から8までのいずれか1つに記載のデバイス。
節10.原子は、ルビジウム原子である、節4から9までのいずれか1つに記載のデバイス。
節11.磁石は、ソレノイドである、節4から10までのいずれか1つに記載のデバイス。
節12.第1の段階の線形光学素子は、位相制御を含む、節3から11までのいずれか1つに記載のデバイス。
節13.第2の段階の線形光学素子と、
第2の複数のもつれユニットと、
を更に備え、
第2の段階の線形光学素子及び第2の複数のもつれユニットは相応じて、複数の単一光子ソースユニット、第1の段階の線形光学素子、及び第1の複数のもつれユニットに対して所定の空間軸線に沿ってずらされており、
第1の複数のもつれユニットの各もつれユニットからそれぞれ出力されるもつれ状態での単一光子は、第2の段階の線形光学素子に入力され、そこから、第2の複数のもつれユニットのそれぞれのもつれユニット内に入力される、節3から12までのいずれか1つに記載のデバイス。
節14.第2の複数のもつれユニットは、時間次元で連続してもつれ光子の2次元空間アレイを出力するように構成されている、節13に記載のデバイス。
節15.量子コンピュータで使用するもつれ量子ビットを生成するように構成された、節3から14までのいずれか1つに記載のデバイス。
節16.節1及び2のいずれか1つに記載の方法を実行するように構成された、節3から15までのいずれか1つに記載のデバイス。
【0439】
本開示の実施形態は、少なくとも1つのプロセッサ若しくは回路によってシステム及び/若しくは方法として実装され、並びに/又は非一時的コンピュータ可読媒体若しくはコンピュータ可読媒体において実行可能命令として記憶されるかどうかに関わらず、以下の箇条書き特徴のうちのいずれか1つを、単独で又は1つ以上の他の箇条書き特徴との組合せで含み得る。
・量子計算システム
・複数の光子キャビティ
・量子エミッタ位置決めについての複数の結合位置であって、各結合位置は、複数の光子キャビティのうちの異なる光子キャビティに関連付けられ、各結合位置に関連付けられる量子エミッタは、連続した入射光量子ビット間の相互作用を仲介してグラフ状態を生成するように構成されている、複数の結合位置
・光子を複数の光子キャビティに供給するように構成された光子生成器であって、光子キャビティは、光量子ビットを量子エミッタに結合するように構成されている、光子生成器
・グラフ状態を出力する、複数のキャビティの下流にある複数の光子出力チャネル
・光子と相互作用することができる静止量子ビット
・超伝導量子ビット
・量子ドット
・原子
・中性である原子
・イオンである原子
・ルビジウム原子を含む量子エミッタ
・セシウム原子を含む量子エミッタ
・ストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、又はマグネシウム原子のうちの少なくとも1つを含む量子エミッタ
・少なくとも1つの追加の光子キャビティを含む光子生成器
・少なくとも1つの追加の量子エミッタ、及び量子エミッタ位置決めについての少なくとも1つの追加の結合位置を含む光子生成器であって、各々の追加の結合位置は、少なくとも1つの追加の光子キャビティのうちの異なる光子キャビティに関連付けられる、光子生成器
・光子と相互作用することができる静止量子ビットを含む少なくとも1つの追加の量子エミッタ
・超伝導量子ビットを含む少なくとも1つの追加の量子エミッタ
・量子ドットを含む少なくとも1つの追加の量子エミッタ
・原子を含む少なくとも1つの追加の量子エミッタ
・ルビジウム原子を含む少なくとも1つの追加の量子エミッタ
・ストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、又はマグネシウム原子のうちの少なくとも1つを含む少なくとも1つの追加の量子エミッタ
・グラフ状態を生成する量子計算方法
・複数の結合位置の各々で量子エミッタを結合することであって、その結果、複数の量子エミッタの各々は、異なる結合位置に関連付けられ、各結合位置は、複数の光子キャビティのうちの異なる光子キャビティに関連付けられ、各結合位置に関連付けられる量子エミッタは、連続した入射光量子ビット間の相互作用を仲介してグラフ状態を生成するように構成されている、ということ
・光子を複数の光子キャビティに供給することであって、光子キャビティは、光量子ビットを量子エミッタに結合するように構成されている、ということ
・複数のキャビティの下流にある複数の光子出力チャネルを介してグラフ状態を出力すること
・命令を含む(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体であって、当該命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも1つのプロセッサに量子計算方法を実行させる、(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体
・複数の結合位置の各々で量子エミッタを結合することであって、その結果、複数の量子エミッタの各々は、異なる結合位置に関連付けられ、各結合位置は、複数の光子キャビティのうちの異なる光子キャビティに関連付けられ、各結合位置に関連付けられる量子エミッタは、連続した入射光量子ビット間の相互作用を仲介してグラフ状態を生成するように構成されている、ということ
・光子を複数の光子キャビティに供給することであって、光子キャビティは、光量子ビットを量子エミッタに結合するように構成されている、ということ
・複数のキャビティの下流にある複数の光子出力チャネルを介してグラフ状態を出力すること
・光子グラフ状態を生成する量子計算方法
・複数のキャビティに関連付けられる複数の結合場所に複数の量子エミッタを位置決めすること
・複数の量子エミッタの各々に関連付けられる量子エミッタ量子ビットの状態を初期化すること
・量子エミッタ量子ビット及び光量子ビットをもつれさせるように光量子ビットと量子エミッタ量子ビットとの間にもつれゲートを生成するために、少なくとも1つの第1の事例の伝達において複数の量子エミッタに向けて光量子ビットを伝達すること
・少なくとも1つの第1の事例の伝達の後に、光量子ビットと量子エミッタ量子ビットとの間にSWAPゲートを生成するために、少なくとも1つの第2の事例の伝達において光量子ビットを複数の量子エミッタに向けて伝達して、量子エミッタ量子ビットを光量子ビットにマッピングすること
・複数の光子-量子エミッタもつれをもたらすために、連続した複数の光量子ビットを含む第1の事例の伝達、及び光子グラフ状態を出力するために第1の事例の伝達に続く第2の事例の伝達
・SWAPゲートを使用することを含む初期化
・マイクロ波を印加することを含む初期化
・光ビームを印加することを含む初期化
・原子を含む複数の量子エミッタであって、位置決めは、キャビティの近傍で原子をトラップすることを含む、複数の量子エミッタ
・量子ドットを含む複数の量子エミッタであって、位置決めは、キャビティの近傍に量子ドットをリソグラフィで設置すること、又は自己組織化量子ドットの近傍にキャビティをリソグラフィで設置することのうちの少なくとも一方を含む、複数の量子エミッタ
・キャビティに結合される量子エミッタを使用して生成される光量子ビット
・光子と相互作用することができる静止量子ビットを含む量子エミッタ
・超伝導量子ビットを含む量子エミッタ
・量子ドットを含む量子エミッタ
・原子を含む量子エミッタ
・中性である原子
・イオンである原子
・ルビジウム原子又はセシウム原子のうちの少なくとも一方を含む量子エミッタ
・ストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、又はマグネシウム原子のうちの少なくとも1つを含む量子エミッタ
・制御Zゲート(CZゲート)、制御NOTゲート(CNOTゲート)、SWAPゲートの平方根、又は仮想SWAPゲート(iSWAPゲート)のうちの1つであるもつれゲート
・制御Zゲート(CZ)ゲートであるもつれゲート
・命令を含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、当該命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも1つのプロセッサに、光子グラフ状態を生成する量子計算方法を実行させる、非一時的コンピュータ可読記憶媒体
・複数のキャビティに関連付けられる複数の結合場所に複数の量子エミッタを位置決めすること
・複数の量子エミッタの各々に関連付けられる量子エミッタ量子ビットの状態を初期化すること
・量子エミッタ量子ビット及び光量子ビットをもつれさせるように光量子ビットと量子エミッタ量子ビットとの間にもつれゲートを生成するために、少なくとも1つの第1の事例の伝達において複数の量子エミッタに向けて光量子ビットを伝達すること
・少なくとも1つの第1の事例の伝達の後に、光量子ビットと量子エミッタ量子ビットとの間にSWAPゲートを生成するために、少なくとも1つの第2の事例の伝達において光量子ビットを複数の量子エミッタに向けて伝達して、量子エミッタ量子ビットを光量子ビットにマッピングすること
・光子グラフ状態を生成する量子計算システム
・複数のキャビティ
・複数の量子エミッタを複数の結合場所に位置決めする複数の結合場所であって、各結合場所は、複数のキャビティのうちの異なるキャビティに関連付けられる、複数の結合場所
・複数の量子エミッタの各々に関連付けられる量子エミッタ量子ビットの状態を初期化するように構成された少なくとも1つのプロセッサ
・量子エミッタ量子ビット及び光量子ビットをもつれさせるように光量子ビットと量子エミッタ量子ビットとの間にもつれゲートを生成するために、少なくとも1つの第1の事例の伝達において複数の量子エミッタに向けて光量子ビットを伝達するように構成された少なくとも1つのプロセッサ
・少なくとも1つの第1の事例の伝達の後に、光量子ビットと量子エミッタ量子ビットとの間にSWAPゲートを生成するために、少なくとも1つの第2の事例の伝達において光量子ビットを複数の量子エミッタに向けて伝達して、量子エミッタ量子ビットを光量子ビットにマッピングするように構成された少なくとも1つのプロセッサ
・量子計算のために光子グラフ状態を生成する方法
・量子エミッタをキャビティに結合すること
・第1の時間プロファイルを有する第1のダーティ光子を生成すること
・第1のダーティ光子を使用して第1の光量子ビットを形成すること
・第2の時間プロファイルを有する第2のダーティ光子を生成すること
・第2のダーティ光子を使用して第2の光量子ビットを形成すること
・キャビティに結合される量子エミッタを使用し、第1の光量子ビットを第2の光量子ビットともつれさせて、もつれ光量子ビットのペアを形成すること
・量子計算のためにもつれ光量子ビットのペアを使用すること
・量子エミッタに結合されるキャビティを使用して、複数の追加の光子をもつれさせて光子グラフを生成すること
・ダーティである少なくとも一部の追加の光子
・第1及び第2の時間プロファイルと異なる第3の時間プロファイルを有する第3のダーティ光子を生成すること
・第3のダーティ光子を使用して第3の光量子ビットを形成すること
・キャビティに結合される量子エミッタを使用し、第3の光量子ビットを第1又は第2の光量子ビットともつれさせて、3つのもつれ光量子ビットを形成すること
・量子計算のために3つのもつれ光量子ビットを使用することを含む、量子計算のためにもつれ光量子ビットのペアを使用すること
・キャビティに結合される量子エミッタを使用して干渉レーザパルスから抽出することによって生成される第1のダーティ光子及び第2のダーティ光子
・グラフの各部分である第1のダーティ光子及び第2のダーティ光子であって、グラフは、量子エミッタ量子ビットを欠いた光量子ビット、又は光量子ビット及び量子エミッタ量子ビットを含む、第1のダーティ光子及び第2のダーティ光子
・光遅延線から取得される第1のダーティ光子及び第2のダーティ光子のうちの少なくとも一方
・キャビティに結合される量子エミッタの相互作用帯域幅の範囲内の第1のダーティ光子及び第2のダーティ光子のスペクトル
・変動量子エミッタから生成される第1のダーティ光子及び第2のダーティ光子のうちの少なくとも一方
・光子と相互作用することができる静止量子ビットを含む量子エミッタ
・超伝導量子ビットを含む量子エミッタ
・量子ドットを含む量子エミッタ
・原子又はイオンのうちの少なくとも一方を含む量子エミッタ
・ルビジウムから確保される原子又はイオン
・セシウムから確保される原子又はイオン
・ストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、又はマグネシウム原子のうちの少なくとも1つを含む量子エミッタ
・第1の時間プロファイルと異なる第2の時間プロファイル
・第1の時間プロファイルと同じ第2の時間プロファイル
・量子計算のために光子グラフ状態を生成するシステム
・キャビティ
・キャビティに結合可能な量子エミッタ
・ダーティ光子を生成するように構成された光子生成器
・量子エミッタをキャビティに結合するように構成された回路
・第1の時間プロファイルを有する第1のダーティ光子を生成するように、光子生成器を制御するように構成された回路
・第1のダーティ光子を使用して第1の光量子ビットを形成するように構成された回路
・第2の時間プロファイルを有する第2のダーティ光子を生成するように、光子生成器を制御するように構成された回路
・第2のダーティ光子を使用して第2の光量子ビットを形成するように構成された回路
・キャビティに結合される量子エミッタを使用し、第1の光量子ビットを第2の光量子ビットともつれさせて、もつれ光量子ビットのペアを形成するように構成された回路
・量子計算のためにもつれ光量子ビットのペアを使用するように構成された回路
・命令を含む(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体であって、当該命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも1つのプロセッサに、量子計算のために光子グラフ状態を生成する方法を実行させる、(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体
・量子エミッタをキャビティに結合すること
・第1の時間プロファイルを有する第1のダーティ光子を生成すること
・第1のダーティ光子を使用して第1の光量子ビットを形成すること
・第2の時間プロファイルを有する第2のダーティ光子を生成すること
・第2のダーティ光子を使用して第2の光量子ビットを形成すること
・キャビティに結合される量子エミッタを使用し、第1の光量子ビットを第2の光量子ビットともつれさせて、もつれ光量子ビットのペアを形成すること
・量子計算のためにもつれ光量子ビットのペアを使用すること
・量子計算方法
・共振器結合量子エミッタの状態を初期化すること
・少なくとも2つの光子グラフ状態を受け取ることであって、少なくとも2つの光子グラフ状態の各々は、少なくとも2つの光子を含む、ということ
・各グラフ状態から少なくとも1つの光子を選択すること
・共振器結合量子エミッタを介してもつれゲートを通じて、選択された光子を供給すること
・選択された光子から共振器結合量子エミッタのもつれを解くことであって、もつれを解くことは、共振器結合量子エミッタの状態を検出すること、又は共振器結合量子エミッタの状態を追加の光子の状態にマッピングすることのうちの少なくとも一方を含む、ということ
・制御Zゲート(CZゲート)、制御NOTゲート(CNOTゲート)、SWAPゲートの平方根、又は仮想SWAPゲート(iSWAPゲート)のうちの1つであるもつれゲート
・もつれゲートを通じて、選択された光子を連続的に供給すること
・量子エミッタ及び追加の光子に対してSWAPゲートを適用することによって達成されるマッピング
・2つの基底状態の等しい重ね合わせである共振器結合量子エミッタの初期化された状態
・光子と相互作用することができる静止量子ビットを含む量子エミッタ
・超伝導量子ビットを含む量子エミッタ
・量子ドットを含む量子エミッタ
・中性である原子を含む量子エミッタ
・イオンである原子を含む量子エミッタ
・ルビジウム原子又はセシウム原子を含む量子エミッタ
・ストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、又はマグネシウム原子のうちの少なくとも1つを含む量子エミッタ
・量子計算システム
・共振器結合量子エミッタ
・複数のスイッチ
・共振器結合量子エミッタの状態を初期化するように、複数のスイッチを制御するように構成された少なくとも1つのプロセッサ
・少なくとも2つの光子グラフ状態を受け取るように、複数のスイッチを制御するように構成された少なくとも1つのプロセッサであって、少なくとも2つの光子グラフ状態の各々は、少なくとも2つの光子を含む、少なくとも1つのプロセッサ
・各グラフ状態から少なくとも1つの光子を選択するように、複数のスイッチを制御するように構成された少なくとも1つのプロセッサ
・共振器結合量子エミッタを介してもつれゲートを通じて、選択された光子を供給するように、複数のスイッチを制御するように構成された少なくとも1つのプロセッサ
・選択された光子から共振器結合量子エミッタのもつれを解くように、複数のスイッチを制御するように構成された少なくとも1つのプロセッサであって、もつれを解くことは、共振器結合量子エミッタの状態を検出すること、又は共振器結合量子エミッタの状態を追加の光子の状態にマッピングすることのうちの少なくとも一方を含む、少なくとも1つのプロセッサ
・制御Zゲート(CZゲート)、制御NOTゲート(CNOTゲート)、SWAPゲートの平方根、又は仮想SWAPゲート(iSWAPゲート)のうちの1つであるもつれゲート
・もつれを通じて、選択された光子を連続的に供給すること
・量子エミッタ及び追加の光子に対してSWAPゲートを適用することによってマッピングすること
・2つの基底状態の等しい重ね合わせである共振器結合量子エミッタの初期化された状態
・光子と相互作用することができる静止量子ビットを含む量子エミッタ
・超伝導量子ビット、量子ドット、又は原子のうちの1つを含む量子エミッタ
・命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、当該命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも1つのプロセッサに量子計算方法を実行させる、非一時的コンピュータ可読媒体
・共振器結合量子エミッタの状態を初期化すること
・少なくとも2つの光子グラフ状態を受け取ることであって、少なくとも2つの光子グラフ状態の各々は、少なくとも2つの光子を含む、ということ
・各グラフ状態から少なくとも1つの光子を選択すること
・共振器結合量子エミッタを介してもつれゲートを通じて、選択された光子を供給すること
・選択された光子から共振器結合量子エミッタのもつれを解くことであって、もつれを解くことは、共振器結合量子エミッタの状態を検出すること、又は共振器結合量子エミッタの状態を追加の光子の状態にマッピングすることのうちの少なくとも一方を含む、ということ
・量子計算方法
・N構成で配置された少なくとも4つの準位を有する共振器結合量子エミッタの状態を初期化することであって、N構成は、第1の基底状態、第2の基底状態、第1の励起状態、及び第2の励起状態を有する、ということ
・第1の基底状態と第1の励起状態との間の第1の遷移に関する周波数を調整すること
・第2の基底状態と第2の励起状態との間の第2の遷移に関する周波数を調整すること
・第2の基底状態と第1の励起状態との間の第3の遷移に関する周波数を調整すること
・第2の遷移に関する周波数に対応する周波数で複数の光子を供給し、それによって、複数の光子を共振器結合量子エミッタにもつれさせること
・第1の遷移又は第3の遷移のうちの少なくとも一方に関する周波数に対応する周波数で光子を供給し、それによって、共振器結合量子エミッタの状態を光子に対してマッピングすること
・電子状態、核状態、又はそれらの組合せである共振器結合量子エミッタの状態
・初期化の前に第1の遷移、第2の遷移、及び第3の遷移に関する周波数を調整すること
・レーザを使用した光シフトによって、遷移に関する周波数のうちの1つ以上を調整すること
・磁場の印加によるゼーマンシフトによって、遷移に関する周波数のうちの1つ以上を調整すること
・更に、第1の基底状態又は第2の基底状態のうちの少なくとも一方に対応するように共振器結合量子エミッタを初期化するために、第1の遷移又は第3の遷移のうちの少なくとも一方に関する周波数に対応する周波数で光子を供給すること
・複数の単一光子を連続的に供給することによって、複数の光子を供給すること
・第1の基底状態及び第2の基底状態の重ね合わせ状態で共振器結合量子エミッタを準備することによって、共振器結合量子エミッタの状態を初期化すること
・第1の基底状態及び第2の基底状態の等しい重ね合わせである重ね合わせ状態
・単一の量子エミッタに結合される2つの共振器を含む共振器結合量子エミッタ
・光子と相互作用することができる静止量子ビットを含む量子エミッタ
・超伝導量子ビット又は量子ドットのうちの一方を含む量子エミッタ
・中性原子を含む量子エミッタ
・イオンを含む量子エミッタ
・ルビジウム原子又はセシウム原子のうちの少なくとも一方を含む量子エミッタ
・ストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、又はマグネシウム原子のうちの少なくとも1つを含む量子エミッタ
・量子計算システム
・N構成で配置された少なくとも4つの準位を有する共振器結合量子エミッタであって、N構成は、第1の基底状態、第2の基底状態、第1の励起状態、及び第2の励起状態を有する、共振器結合量子エミッタ
・共振器結合量子エミッタの状態を初期化するように構成された回路
・第1の基底状態と第1の励起状態との間の第1の遷移に関する周波数を調整するように構成された回路
・第2の基底状態と第2の励起状態との間の第2の遷移に関する周波数を調整するように構成された回路
・第2の基底状態と第1の励起状態との間の第3の遷移に関する周波数を調整するように構成された回路
・第2の遷移に関する周波数に対応する周波数で複数の光子を供給し、それによって、複数の光子を共振器結合量子エミッタにもつれさせるように構成された回路
・第1の遷移又は第3の遷移のうちの少なくとも一方に関する周波数に対応する周波数で光子を供給し、それによって、共振器結合量子エミッタの状態を光子に対してマッピングするように構成された回路
・光シフトさせ、それによって、遷移に関する周波数のうちの少なくとも1つを調整するレーザ
・磁場を提供し、遷移に関する周波数のうちの少なくとも1つを調整する磁場の印加を提供する磁場生成器
・単一の量子エミッタに結合される2つの共振器を含む共振器結合量子エミッタ
・命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、当該命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも1つのプロセッサに量子計算方法を実行させる、非一時的コンピュータ可読媒体
・N構成で配置された少なくとも4つの準位を有する共振器結合量子エミッタの状態を初期化することであって、N構成は、第1の基底状態、第2の基底状態、第1の励起状態、及び第2の励起状態を有する、ということ
・第1の基底状態と第1の励起状態との間の第1の遷移に関する周波数を調整すること
・第2の基底状態と第2の励起状態との間の第2の遷移に関する周波数を調整すること
・第2の基底状態と第1の励起状態との間の第3の遷移に関する周波数を調整すること
・第2の遷移に関する周波数に対応する周波数で複数の光子を供給し、それによって、複数の光子を共振器結合量子エミッタにもつれさせること
・第1の遷移又は第3の遷移のうちの少なくとも一方に関する周波数に対応する周波数で光子を供給し、それによって、共振器結合量子エミッタの状態を光子に対してマッピングすること
・量子計算システム
・複数の光処理段階であって、各光処理段階は、光スイッチ、ビームスプリッタ、導波路、又は光子生成器のうちの少なくとも2つを含む、複数の光処理段階
・複数の伝令無しの接続であって、各接続は、隣接の光処理段階間に位置している、複数の伝令無しの接続
・段階設定又は隣接の段階間の流れに関する決定において前の段階からの入力が無いように、隣接の段階間での光子の流れを調節するように構成された回路
・時間領域において分離される光処理段階
・空間領域において分離される光処理段階
・光スイッチの設定を含む段階設定に関する決定
・位相シフタを含む光スイッチ
・位相シフタの設定を含む段階設定に関する決定
・共振器に結合される量子エミッタを含む光子生成器
・量子エミッタを含む光処理段階のうちの少なくとも一部
・共振器に結合される量子エミッタ
・光量子ビットが量子エミッタに向けて伝達されるときに、量子エミッタ量子ビットを光量子ビットにもつれさせるように構成された量子エミッタ
・光量子ビットが量子エミッタに向けて伝達されるときに、量子エミッタ量子ビットを光量子ビットにマッピングするように構成された量子エミッタ
・連続した入射光量子ビット間の相互作用を仲介してグラフ状態を生成するように構成された量子エミッタ
・光子と相互作用することができる静止量子ビットを含む量子エミッタ
・超伝導量子ビットを含む量子エミッタ
・量子ドットを含む量子エミッタ
・中性原子又はイオンのうちの少なくとも一方を含む量子エミッタ
・ルビジウム原子である原子又はルビジウムイオンであるイオン
・セシウム原子である原子又はセシウムイオンであるイオン
・ストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、又はマグネシウム原子のうちの少なくとも1つを含む量子エミッタ
・量子計算方法
・複数の伝令無しの接続を介して複数の光子を伝達するか又は受け取ることであって、各接続は、隣接の光処理段階間に位置しており、各光処理段階は、光スイッチ、ビームスプリッタ、導波路、又は光子生成器のうちの少なくとも2つを含む、ということ
・段階設定又は隣接の段階間の流れに関する決定において前の段階からの入力が無いように、隣接の段階間での光子の流れを調節すること
・共振器に結合される量子エミッタを含む少なくとも一部の光処理段階
・光量子ビットが量子エミッタに向けて伝達されるときに、量子エミッタ量子ビットを光量子ビットにもつれさせること
・光量子ビットが量子エミッタに向けて伝達されるときに、量子エミッタ量子ビットを光量子ビットにマッピングすること
・連続した入射光量子ビット間の相互作用を仲介してグラフ状態を生成すること
・命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、当該命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも1つのプロセッサに量子計算方法を実行させる、非一時的コンピュータ可読媒体
・複数の伝令無しの接続を介して複数の光子を伝達するか又は受け取ることであって、各接続は、隣接の光処理段階間に位置しており、各光処理段階は、光スイッチ、ビームスプリッタ、導波路、又は光子生成器のうちの少なくとも2つを含む、ということ
・段階設定又は隣接の段階間の流れに関する決定において前の段階からの入力が無いように、隣接の段階間での光子の流れを調節すること
【0440】
以下の節も本明細書に開示される。
【0441】
節セット1
【0442】
節1.量子計算システムであって、複数の光子キャビティと、量子エミッタ位置決めについての複数の結合位置であって、各結合位置は、複数の光子キャビティのうちの異なる光子キャビティに関連付けられ、各結合位置に関連付けられる量子エミッタは、連続した入射光量子ビット間の相互作用を仲介してグラフ状態を生成するように構成されている、複数の結合位置と、光子を複数の光子キャビティに供給するように構成された光子生成器であって、光子キャビティは、光量子ビットを量子エミッタに結合するように構成されている、光子生成器と、グラフ状態を出力する、複数のキャビティの下流にある複数の光子出力チャネルと、を備える、量子計算システム。
【0443】
節2.グラフ状態を生成する量子計算方法であって、当該方法は、複数の結合位置の各々で量子エミッタを結合することであって、その結果、複数の量子エミッタの各々は、異なる結合位置に関連付けられ、各結合位置は、複数の光子キャビティのうちの異なる光子キャビティに関連付けられ、各結合位置に関連付けられる量子エミッタは、連続した入射光量子ビット間の相互作用を仲介してグラフ状態を生成するように構成されている、ということと、光子を複数の光子キャビティに供給することであって、光子キャビティは、光量子ビットを量子エミッタに結合するように構成されている、ということと、複数のキャビティの下流にある複数の光子出力チャネルを介してグラフ状態を出力することと、を含む、量子計算方法。
【0444】
節3.命令を含む(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体であって、当該命令は、少なくとも1つのプロセッサ又は回路によって実行されると、少なくとも1つのプロセッサ又は回路に、節2に記載の方法を実行させる、(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体。
【0445】
節4.量子エミッタは、光子と相互作用することができる静止量子ビットを含む、節1に記載のシステム、節2に記載の方法、又は節3に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体。
【0446】
節5.量子エミッタは、超伝導量子ビットを含む、節1若しくは4に記載のシステム、節2若しくは4に記載の方法、又は節3若しくは4に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体。
【0447】
節6.量子エミッタは、量子ドットを含む、節1若しくは4~5に記載のシステム、節2若しくは4~5に記載の方法、又は節3若しくは4~5に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体。
【0448】
節7.量子エミッタは、原子を含む、節1若しくは4~6に記載のシステム、節2若しくは4~6に記載の方法、又は節3若しくは4~6に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体。
【0449】
節8.量子エミッタは、ルビジウム原子を含む、節1若しくは4~7に記載のシステム、節2若しくは4~7に記載の方法、又は節3若しくは4~7に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体。
【0450】
節9.量子エミッタは、セシウム原子を含む、節1若しくは4~8に記載のシステム、節2若しくは4~8に記載の方法、又は節3若しくは4~8に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体。
【0451】
節10.量子エミッタは、ストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、又はマグネシウム原子のうちの少なくとも1つを含む、節1若しくは4~9に記載のシステム、節2若しくは4~9に記載の方法、又は節3若しくは4~9に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体。
【0452】
節11.原子、ルビジウム原子、セシウム原子、又はストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、若しくはマグネシウム原子のうちの少なくとも1つは中性である、節7~10に記載のシステム、節7~10に記載の方法、又は節7~10に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体。
【0453】
節12.原子、ルビジウム原子、セシウム原子、又はストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、若しくはマグネシウム原子のうちの少なくとも1つはイオンである、節7~10に記載のシステム、節7~10に記載の方法、又は節7~10に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体。
【0454】
節13.光子生成器は、少なくとも1つの追加の光子キャビティを含む、請求項1又は4~12に記載のシステム。
【0455】
節14.光子生成器は、少なくとも1つの追加の量子エミッタ、及び量子エミッタ位置決めについての少なくとも1つの追加の結合位置を含み、各々の追加の結合位置は、少なくとも1つの追加の光子キャビティのうちの異なる光子キャビティに関連付けられる、節13に記載のシステム。
【0456】
節15.少なくとも1つの追加の量子エミッタは、光子と相互作用することができる静止量子ビットを含む、節14に記載のシステム。
【0457】
節16.少なくとも1つの追加の量子エミッタは、超伝導量子ビットを含む、節14又は15に記載のシステム。
【0458】
節17.少なくとも1つの追加の量子エミッタは、量子ドットを含む、節14~16に記載のシステム。
【0459】
節18.少なくとも1つの追加の量子エミッタは、原子を含む、節14~17に記載のシステム。
【0460】
節19.少なくとも1つの追加の量子エミッタは、ルビジウム原子を含む、節14~18に記載のシステム。
【0461】
節20.少なくとも1つの追加の量子エミッタは、セシウム原子を含む、節14~19に記載のシステム。
【0462】
節21.少なくとも1つの追加の量子エミッタは、ストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、又はマグネシウム原子のうちの少なくとも1つを含む、節14~20に記載のシステム。
【0463】
節22.原子、ルビジウム原子、セシウム原子、又はストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、若しくはマグネシウム原子のうちの少なくとも1つは中性である、請求項18~21に記載のシステム。
【0464】
節23.原子、ルビジウム原子、セシウム原子、又はストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、若しくはマグネシウム原子のうちの少なくとも1つはイオンである、節18~21に記載のシステム。
【0465】
節セット2
【0466】
節31.光子グラフ状態を生成する量子計算方法であって、当該方法は、複数のキャビティに関連付けられる複数の結合場所に複数の量子エミッタを位置決めすることと、複数の量子エミッタの各々に関連付けられる量子エミッタ量子ビットの状態を初期化することと、量子エミッタ量子ビット及び光量子ビットをもつれさせるように光量子ビットと量子エミッタ量子ビットとの間にもつれゲートを生成するために、少なくとも1つの第1の事例の伝達において複数の量子エミッタに向けて光量子ビットを伝達することと、少なくとも1つの第1の事例の伝達の後に、光量子ビットと量子エミッタ量子ビットとの間にSWAPゲートを生成するために、少なくとも1つの第2の事例の伝達において光量子ビットを複数の量子エミッタに向けて伝達して、量子エミッタ量子ビットを光量子ビットにマッピングすることと、を含む、量子計算方法。
【0467】
節32.命令を含む(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体であって、当該命令は、少なくとも1つのプロセッサ又は回路によって実行されると、少なくとも1つのプロセッサ又は回路に、節31に記載の方法を実行させる、(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体。
【0468】
節33.光子グラフ状態を生成する量子計算システムであって、システムは、複数のキャビティと、複数の量子エミッタを複数の結合場所に位置決めする複数の結合場所であって、各結合場所は、複数のキャビティのうちの異なるキャビティに関連付けられる、複数の結合場所と、少なくとも1つのプロセッサと、を備え、少なくとも1つのプロセッサは、複数の量子エミッタの各々に関連付けられる量子エミッタ量子ビットの状態を初期化し、量子エミッタ量子ビット及び光量子ビットをもつれさせるように光量子ビットと量子エミッタ量子ビットとの間にもつれゲートを生成するために、少なくとも1つの第1の事例の伝達において複数の量子エミッタに向けて光量子ビットを伝達し、且つ少なくとも1つの第1の事例の伝達の後に、光量子ビットと量子エミッタ量子ビットとの間にSWAPゲートを生成するために、少なくとも1つの第2の事例の伝達において光量子ビットを複数の量子エミッタに向けて伝達して、量子エミッタ量子ビットを光量子ビットにマッピングするように構成されている、量子計算システム。
【0469】
節34.第1の事例の伝達は、複数の光子-量子エミッタもつれをもたらすために、連続した複数の光量子ビットを含み、第2の事例の伝達は、光子グラフ状態を出力するために第1の事例の伝達に続く、節31に記載の方法、節32に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体、又は節33に記載のシステム。
【0470】
節35.初期化は、SWAPゲートを使用することを伴う、節31若しくは34に記載の方法、節32若しくは34に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体、又は節33若しくは34に記載のシステム。
【0471】
節36.初期化は、マイクロ波を印加することを含む、節31若しくは34~35に記載の方法、節32若しくは34~35に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体、又は節33若しくは34~35に記載のシステム。
【0472】
節37.初期化は、光ビームを印加することを含む、節31若しくは34~36に記載の方法、節32若しくは34~36に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体、又は節33若しくは34~36に記載のシステム。
【0473】
節38.複数の量子エミッタは原子を含み、位置決めは、キャビティの近傍で原子をトラップすることを含む、節31若しくは34~37に記載の方法、節32若しくは34~37に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体、又は節33若しくは34~37に記載のシステム。
【0474】
節39.複数の量子エミッタは量子ドットを含み、位置決めは、キャビティの近傍に量子ドットをリソグラフィで設置すること、又は自己組織化量子ドットの近傍にキャビティをリソグラフィで設置することのうちの少なくとも一方を含む、節31若しくは34~38に記載の方法、節32若しくは34~38に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体、又は節33若しくは34~38に記載のシステム。
【0475】
節40.光量子ビットは、キャビティに結合される量子エミッタを使用して生成される、節31若しくは34~39に記載の方法、節32若しくは34~39に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体、又は節33若しくは34~39に記載のシステム。
【0476】
節41.量子エミッタは、光子と相互作用することができる静止量子ビットを含む、節31若しくは34~40に記載の方法、節32若しくは34~40に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体、又は節33若しくは34~40に記載のシステム。
【0477】
節42.量子エミッタは、超伝導量子ビットを含む、節31若しくは34~41に記載の方法、節32若しくは34~41に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体、又は節33若しくは34~41に記載のシステム。
【0478】
節43.量子エミッタは、量子ドットを含む、節31若しくは34~42に記載の方法、節32若しくは34~42に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体、又は節33若しくは34~42に記載のシステム。
【0479】
節44.量子エミッタは、原子を含む、節31若しくは34~43に記載の方法、節32若しくは34~43に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体、又は節33若しくは34~43に記載のシステム。
【0480】
節45.量子エミッタは、ルビジウム原子を含む、節31若しくは34~44に記載の方法、節32若しくは34~44に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体、又は節33若しくは34~44に記載のシステム。
【0481】
節46.量子エミッタは、セシウム原子を含む、節31若しくは34~45に記載の方法、節32若しくは34~45に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体、又は節33若しくは34~45に記載のシステム。
【0482】
節47.量子エミッタは、ストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、又はマグネシウム原子のうちの少なくとも1つを含む、節31若しくは34~46に記載の方法、節32若しくは34~46に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体、又は節33若しくは34~46に記載のシステム。
【0483】
節48.原子、ルビジウム原子、セシウム原子、又はストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、若しくはマグネシウム原子のうちの少なくとも1つは中性である、節44~47に記載の方法、節44~47に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体、又は節44~47に記載のシステム。
【0484】
節49.原子、ルビジウム原子、セシウム原子、又はストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、若しくはマグネシウム原子のうちの少なくとも1つはイオンである、節44~47に記載の方法、節44~47に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体、又は節44~47に記載のシステム。
【0485】
節50.もつれゲートは、制御Zゲート(CZゲート)、制御NOTゲート(CNOTゲート)、SWAPゲートの平方根、又は仮想SWAPゲート(iSWAPゲート)のうちの1つである、節31若しくは34~49に記載の方法、節32若しくは34~49に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体、又は節33若しくは34~49に記載のシステム。
【0486】
節51.もつれゲートは、制御Zゲート(CZゲート)である、節31若しくは34~50に記載の方法、節32若しくは34~50に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体、又は節33若しくは34~50に記載のシステム。
【0487】
節セット3
【0488】
節61.量子計算のために光子グラフ状態を生成する方法であって、当該方法は、量子エミッタをキャビティに結合することと、第1の時間プロファイルを有する第1のダーティ光子を生成することと、第1のダーティ光子を使用して第1の光量子ビットを形成することと、第2の時間プロファイルを有する第2のダーティ光子を生成することと、第2のダーティ光子を使用して第2の光量子ビットを形成することと、キャビティに結合される量子エミッタを使用し、第1の光量子ビットを第2の光量子ビットともつれさせて、もつれ光量子ビットのペアを形成することと、量子計算のためにもつれ光量子ビットのペアを使用することと、を含む、方法。
【0489】
節62.命令を含む(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体であって、当該命令は、少なくとも1つのプロセッサ又は回路によって実行されると、少なくとも1つのプロセッサ又は回路に、節61に記載の方法を実行させる、(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体。
【0490】
節63.量子計算のために光子グラフ状態を生成するシステムであって、システムは、キャビティと、キャビティに結合可能な量子エミッタと、ダーティ光子を生成するように構成された光子生成器と、回路と、を備え、回路は、量子エミッタをキャビティに結合し、第1の時間プロファイルを有する第1のダーティ光子を生成するように、光子生成器を制御し、第1のダーティ光子を使用して第1の光量子ビット形成し、第2の時間プロファイルを有する第2のダーティ光子を生成するように、光子生成器を制御し、第2のダーティ光子を使用して第2の光量子ビット形成し、キャビティに結合される量子エミッタを使用し、第1の光量子ビットを第2の光量子ビットともつれさせて、もつれ光量子ビットのペアを形成し、且つ量子計算のためにもつれ光量子ビットのペアを使用するように構成されている、システム。
【0491】
節64.量子エミッタに結合されるキャビティを使用して、複数の追加の光子をもつれさせて光子グラフを生成することを更に含む、節61に記載の方法、節62に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体、又は節63に記載のシステム。
【0492】
節65.追加の光子のうちの少なくとも一部はダーティである、節64に記載の方法、節64に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体、又は節64に記載のシステム。
【0493】
節66.第1及び第2の時間プロファイルと異なる第3の時間プロファイルを有する第3のダーティ光子を生成することと、第3のダーティ光子を使用して第3の光量子ビットを形成することと、キャビティに結合される量子エミッタを使用し、第3の光量子ビットを第1又は第2の光量子ビットともつれさせて、3つのもつれ光量子ビットを形成することと、を更に含み、量子計算のためのもつれ光量子ビットのペアの使用は、量子計算のために3つのもつれ光量子ビットを使用することを含む、節61若しくは64~65に記載の方法、節62若しくは64~65に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体、又は節63若しくは64~65に記載のシステム。
【0494】
節67.第1のダーティ光子及び第2のダーティ光子は、キャビティに結合される量子エミッタを使用して干渉レーザパルスから抽出することによって生成される、節61若しくは64~66に記載の方法、節62若しくは64~66に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体、又は節63若しくは64~66に記載のシステム。
【0495】
節68.第1のダーティ光子及び第2のダーティ光子は、グラフの各部分であって、グラフは、量子エミッタ量子ビットを欠いた光量子ビット、又は光量子ビット及び量子エミッタ量子ビットを含む、節61若しくは64~67に記載の方法、節62若しくは64~67に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体、又は節63若しくは64~67に記載のシステム。
【0496】
節69.第1のダーティ光子及び第2のダーティ光子のうちの少なくとも一方は、光遅延線から取得される、節61若しくは64~68に記載の方法、節62若しくは64~68に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体、又は節63若しくは64~68に記載のシステム。
【0497】
節70.第1のダーティ光子及び第2のダーティ光子のスペクトルは、キャビティに結合される量子エミッタの相互作用帯域幅の範囲内である、節61若しくは64~69に記載の方法、節62若しくは64~69に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体、又は節63若しくは64~69に記載のシステム。
【0498】
節71.第1のダーティ光子及び第2のダーティ光子のうちの少なくとも一方は、変動量子エミッタから生成される、節61若しくは64~70に記載の方法、節62若しくは64~70に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体、又は節63若しくは64~70に記載のシステム。
【0499】
節72.量子エミッタは、光子と相互作用することができる静止量子ビットを含む、節61若しくは64~71に記載の方法、節62若しくは64~71に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体、又は節63若しくは64~71に記載のシステム。
【0500】
節73.第2の時間プロファイルは、第1の時間プロファイルと異なっている、節61若しくは64~72に記載の方法、節62若しくは64~72に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体、又は節63若しくは64~72に記載のシステム。
【0501】
節74.第2の時間プロファイルは、第1の時間プロファイルと同じである、節61若しくは64~72に記載の方法、節62若しくは64~72に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体、又は節63若しくは64~72に記載のシステム。
【0502】
節75.量子エミッタは、光子と相互作用することができる静止量子ビットを含む、節61若しくは64~74に記載の方法、節62若しくは64~74に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体、又は節63若しくは64~74に記載のシステム。
【0503】
節76.量子エミッタは、超伝導量子ビットを含む、節61若しくは64~75に記載の方法、節62若しくは64~75に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体、又は節63若しくは64~75に記載のシステム。
【0504】
節77.量子エミッタは、量子ドットを含む、節61若しくは64~76に記載の方法、節62若しくは64~76に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体、又は節63若しくは64~76に記載のシステム。
【0505】
節78.量子エミッタは、原子を含む、節61若しくは64~77に記載の方法、節62若しくは64~77に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体、又は節63若しくは64~77に記載のシステム。
【0506】
節79.量子エミッタは、ルビジウム原子を含む、節61若しくは64~78に記載の方法、節62若しくは64~78に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体、又は節63若しくは64~78に記載のシステム。
【0507】
節80.量子エミッタは、セシウム原子を含む、節61若しくは64~79に記載の方法、節62若しくは64~79に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体、又は節63若しくは64~79に記載のシステム。
【0508】
節81.量子エミッタは、ストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、又はマグネシウム原子のうちの少なくとも1つを含む、節61若しくは64~80に記載の方法、節62若しくは64~80に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体、又は節63若しくは64~80に記載のシステム。
【0509】
節82.原子、ルビジウム原子、セシウム原子、又はストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、若しくはマグネシウム原子のうちの少なくとも1つは中性である、節78~81に記載の方法、節78~81に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体、又は節78~81に記載のシステム。
【0510】
節83.原子、ルビジウム原子、セシウム原子、又はストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、若しくはマグネシウム原子のうちの少なくとも1つはイオンである、節78~81に記載の方法、節78~81に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体、又は節78~81に記載のシステム。
【0511】
節セット4
【0512】
節91.量子計算方法であって、共振器結合量子エミッタの状態を初期化することと、少なくとも2つの光子グラフ状態を受け取ることであって、少なくとも2つの光子グラフ状態の各々は、少なくとも2つの光子を含む、ということと、各グラフ状態から少なくとも1つの光子を選択することと、共振器結合量子エミッタを介してもつれゲートを通じて、選択された光子を供給することと、選択された光子から共振器結合量子エミッタのもつれを解くことと、を含み、もつれを解くことは、共振器結合量子エミッタの状態を検出すること、又は共振器結合量子エミッタの状態を追加の光子の状態にマッピングすることのうちの少なくとも一方を含む、方法。
【0513】
節92.量子計算システムであって、共振器結合量子エミッタと、複数のスイッチと、少なくとも1つのプロセッサ又は回路と、を備え、少なくとも1つのプロセッサ又は回路は、共振器結合量子エミッタの状態を初期化すること、少なくとも2つの光子グラフ状態を受け取ることであって、少なくとも2つの光子グラフ状態の各々は、少なくとも2つの光子を含む、ということ、各グラフ状態から少なくとも1つの光子を選択すること、共振器結合量子エミッタを介してもつれゲートを通じて、選択された光子を供給すること、及び選択された光子から共振器結合量子エミッタのもつれを解くことを行うように、複数のスイッチを制御するように構成されており、もつれを解くことは、共振器結合量子エミッタの状態を検出すること、又は共振器結合量子エミッタの状態を追加の光子の状態にマッピングすることのうちの少なくとも一方を含む、量子計算システム。
【0514】
節93.命令を含む(非一時的)コンピュータ可読媒体であって、当該命令は、少なくとも1つのプロセッサ又は回路によって実行されると、少なくとも1つのプロセッサ又は回路に、節91に記載の方法を実行させる、(非一時的)コンピュータ可読媒体。
【0515】
節94.もつれゲートは、制御Zゲート(CZゲート)、制御NOTゲート(CNOTゲート)、SWAPゲートの平方根、又は仮想SWAPゲート(iSWAPゲート)のうちの1つである、節91に記載の方法、節92に記載のシステム、又は節93に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体。
【0516】
節95.もつれゲートを通じて、選択された光子を供給することは、連続的に生じる、節91若しくは94に記載の方法、節92若しくは94に記載のシステム、又は節93若しくは94に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体。
【0517】
節96.マッピングは、量子エミッタ及び追加の光子に対してSWAPゲートを適用することによって達成される、節91若しくは94~95に記載の方法、節92若しくは94~95に記載のシステム、又は節93若しくは94~95に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体。
【0518】
節97.共振器結合量子エミッタの初期化された状態は、2つの基底状態の等しい重ね合わせである、節91若しくは94~96に記載の方法、節92若しくは94~96に記載のシステム、又は節93若しくは94~96に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体。
【0519】
節98.量子エミッタは、光子と相互作用することができる静止量子ビットを含む、節91若しくは94~97に記載の方法、節92若しくは94~97に記載のシステム、又は節93若しくは94~97に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体。
【0520】
節99.量子エミッタは、超伝導量子ビットを含む、節91若しくは94~98に記載の方法、節92若しくは94~98に記載のシステム、又は節93若しくは94~98に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体。
【0521】
節100.量子エミッタは、量子ドットを含む、節91若しくは94~99に記載の方法、節92若しくは94~99に記載のシステム、又は節93若しくは94~99に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体。
【0522】
節101.量子エミッタは、原子を含む、節91若しくは94~100に記載の方法、節92若しくは94~100に記載のシステム、又は節93若しくは94~100に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体。
【0523】
節102.量子エミッタは、ルビジウム原子を含む、節91若しくは94~101に記載の方法、節92若しくは94~101に記載のシステム、又は節93若しくは94~101に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体。
【0524】
節103.量子エミッタは、セシウム原子を含む、節91若しくは94~102に記載の方法、節92若しくは94~102に記載のシステム、又は節93若しくは94~102に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体。
【0525】
節104.量子エミッタは、ストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、又はマグネシウム原子のうちの少なくとも1つを含む、節91若しくは94~103に記載の方法、節92若しくは94~103に記載のシステム、又は節93若しくは94~103に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体。
【0526】
節105.原子、ルビジウム原子、セシウム原子、又はストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、若しくはマグネシウム原子のうちの少なくとも1つは中性である、節101~104に記載の方法、節101~104に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体、又は節101~104に記載のシステム。
【0527】
節106.原子、ルビジウム原子、セシウム原子、又はストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、若しくはマグネシウム原子のうちの少なくとも1つはイオンである、節101~104に記載の方法、節101~104に記載の(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体、又は節101~104に記載のシステム。
【0528】
節セット5
【0529】
節111.量子計算方法であって、N構成で配置された少なくとも4つの準位を有する共振器結合量子エミッタの状態を初期化することであって、N構成は、第1の基底状態、第2の基底状態、第1の励起状態、及び第2の励起状態を有する、ということと、第1の基底状態と第1の励起状態との間の第1の遷移に関する周波数を調整することと、第2の基底状態と第2の励起状態との間の第2の遷移に関する周波数を調整することと、第2の基底状態と第1の励起状態との間の第3の遷移に関する周波数を調整することと、第2の遷移に関する周波数に対応する周波数で複数の光子を供給し、それによって、複数の光子を共振器結合量子エミッタにもつれさせることと、第1の遷移又は第3の遷移のうちの少なくとも一方に関する周波数に対応する周波数で光子を供給し、それによって、共振器結合量子エミッタの状態を光子に対してマッピングすることと、を含む、量子計算方法。
【0530】
節112.量子計算システムであって、N構成で配置された少なくとも4つの準位を有する共振器結合量子エミッタであって、N構成は、第1の基底状態、第2の基底状態、第1の励起状態、及び第2の励起状態を有する、共振器結合量子エミッタと、回路と、を備え、回路は、共振器結合量子エミッタの状態を初期化し、第1の基底状態と第1の励起状態との間の第1の遷移に関する周波数を調整し、第2の基底状態と第2の励起状態との間の第2の遷移に関する周波数を調整し、第2の基底状態と第1の励起状態との間の第3の遷移に関する周波数を調整し、第2の遷移に関する周波数に対応する周波数で複数の光子を供給し、それによって、複数の光子を共振器結合量子エミッタにもつれさせ、且つ第1の遷移又は第3の遷移のうちの少なくとも一方に関する周波数に対応する周波数で光子を供給し、それによって、共振器結合量子エミッタの状態を光子に対してマッピングするように構成されている、量子計算システム。
【0531】
節113.光シフトさせ、それによって、遷移に関する周波数のうちの少なくとも1つを調整するレーザ、又は磁場を提供し、遷移に関する周波数のうちの少なくとも1つを調整する磁場の印加を提供する磁場生成器のうちの少なくとも一方を更に備える、節112に記載のシステム。
【0532】
節114.命令を含む(非一時的)コンピュータ可読媒体であって、当該命令は、少なくとも1つのプロセッサ又は回路によって実行されると、少なくとも1つのプロセッサ又は回路に、節111に記載の方法を実行させる、(非一時的)コンピュータ可読媒体。
【0533】
節115.共振器結合量子エミッタの状態は、電子状態、核状態、又はそれらの組合せである、節111に記載の方法、節112~113に記載のシステム、又は節114に記載の(非一時的)コンピュータ可読媒体。
【0534】
節116.第1の遷移、第2の遷移、及び第3の遷移に関する周波数の調整は、初期化の前に生じる、節111若しくは115に記載の方法、節112~113若しくは115に記載のシステム、又は節114若しくは115に記載の(非一時的)コンピュータ可読媒体。
【0535】
節117.遷移に関する周波数のうちの1つ以上の調整は、レーザを使用した光シフトによって生じる、節111若しくは115~116に記載の方法、節112~113若しくは115~116に記載のシステム、又は節114若しくは115~116に記載の(非一時的)コンピュータ可読媒体。
【0536】
節118.遷移に関する周波数のうちの1つ以上の調整は、磁場の印加によるゼーマンシフトによって生じる、節111若しくは115~117に記載の方法、節112~113若しくは115~117に記載のシステム、又は節114若しくは115~117に記載の(非一時的)コンピュータ可読媒体。
【0537】
節119.第1の遷移又は第3の遷移のうちの少なくとも一方に関する周波数に対応する周波数で光子を供給することで、更に、第1の基底状態又は第2の基底状態のうちの少なくとも一方に対応するように共振器結合量子エミッタを初期化する、節111若しくは115~118に記載の方法、節112~113若しくは115~118に記載のシステム、又は節114若しくは115~118に記載の(非一時的)コンピュータ可読媒体。
【0538】
節120.複数の光子を供給することは、複数の単一光子を連続的に供給することを含む、節111若しくは115~119に記載の方法、節112~113若しくは115~119に記載のシステム、又は節114若しくは115~119に記載の(非一時的)コンピュータ可読媒体。
【0539】
節121.共振器結合量子エミッタの状態の初期化は、第1の基底状態及び第2の基底状態の重ね合わせ状態で共振器結合量子エミッタを準備することを含む、節111若しくは115~120に記載の方法、節112~113若しくは115~120に記載のシステム、又は節114若しくは115~120に記載の(非一時的)コンピュータ可読媒体。
【0540】
節122.重ね合わせ状態は、第1の基底状態及び第2の基底状態の等しい重ね合わせである、節121に記載の方法、節121に記載のシステム、又は節121に記載の(非一時的)コンピュータ可読媒体。
【0541】
節123.共振器結合量子エミッタは、単一の量子エミッタに結合される2つの共振器を含む、節111若しくは115~122に記載の方法、節112~113若しくは115~122に記載のシステム、又は節114若しくは115~122に記載の(非一時的)コンピュータ可読媒体。
【0542】
節124.量子エミッタは、光子と相互作用することができる静止量子ビットを含む、節111若しくは115~123に記載の方法、節112~113若しくは115~123に記載のシステム、又は節114若しくは115~123に記載の(非一時的)コンピュータ可読媒体。
【0543】
節125.量子エミッタは、超伝導量子ビットを含む、節111若しくは115~124に記載の方法、節112~113若しくは115~124に記載のシステム、又は節114若しくは115~124に記載の(非一時的)コンピュータ可読媒体。
【0544】
節126.量子エミッタは、量子ドットを含む、節111若しくは115~125に記載の方法、節112~113若しくは115~125に記載のシステム、又は節114若しくは115~125に記載の(非一時的)コンピュータ可読媒体。
【0545】
節127.量子エミッタは、原子を含む、節111若しくは115~126に記載の方法、節112~113若しくは115~126に記載のシステム、又は節114若しくは115~126に記載の(非一時的)コンピュータ記憶媒体。
【0546】
節128.量子エミッタは、ルビジウム原子を含む、節111若しくは115~127に記載の方法、節112~113若しくは115~127に記載のシステム、又は節114若しくは115~127に記載の(非一時的)コンピュータ可読媒体。
【0547】
節129.量子エミッタは、セシウム原子を含む、節111若しくは115~128に記載の方法、節112~113若しくは115~128に記載のシステム、又は節114若しくは115~128に記載の(非一時的)コンピュータ可読媒体。
【0548】
節130.量子エミッタは、ストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、又はマグネシウム原子のうちの少なくとも1つを含む、節111若しくは115~129に記載の方法、節112~113若しくは115~129に記載のシステム、又は節114若しくは115~129に記載の(非一時的)コンピュータ可読媒体。
【0549】
節131.原子、ルビジウム原子、セシウム原子、又はストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、若しくはマグネシウム原子のうちの少なくとも1つは中性である、節127~130に記載の方法、節127~130に記載のシステム、又は節127~130に記載の(非一時的)コンピュータ可読媒体。
【0550】
節132.原子、ルビジウム原子、セシウム原子、又はストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、若しくはマグネシウム原子のうちの少なくとも1つはイオンである、節127~130に記載の方法、節127~130に記載のシステム、又は節127~130に記載の(非一時的)コンピュータ可読媒体。
【0551】
節セット6
【0552】
節141.量子計算システムであって、複数の光処理段階であって、各光処理段階は、光スイッチ、ビームスプリッタ、導波路、又は光子生成器のうちの少なくとも2つを含む、複数の光処理段階と、複数の伝令無しの接続であって、各接続は、隣接の光処理段階間に位置している、複数の伝令無しの接続と、段階設定又は隣接の段階間の流れに関する決定において前の段階からの入力が無いように、隣接の段階間での光子の流れを調節するように構成された回路と、を備える、量子計算システム。
【0553】
節142.量子計算方法であって、複数の伝令無しの接続を介して複数の光子を伝達するか又は受け取ることであって、各接続は、隣接の光処理段階間に位置しており、各光処理段階は、光スイッチ、ビームスプリッタ、導波路、又は光子生成器のうちの少なくとも2つを含む、ということと、段階設定又は隣接の段階間の流れに関する決定において前の段階からの入力が無いように、隣接の段階間での光子の流れを調節することと、を含む、量子計算方法。
【0554】
節143.光処理段階のうちの少なくとも一部は、共振器に結合される量子エミッタを含み、方法は、光量子ビットが量子エミッタに向けて伝達されるときに、量子エミッタ量子ビットを光量子ビットにもつれさせること、光量子ビットが量子エミッタに向けて伝達されるときに、光量子ビットに対して量子エミッタ量子ビットをマッピングすること、又は連続した入射光量子ビット間の相互作用を仲介してグラフ状態を生成することを更に含む、節142に記載の方法。
【0555】
節144.命令を含む(非一時的)コンピュータ可読媒体であって、当該命令は、少なくとも1つのプロセッサ又は回路によって実行されると、少なくとも1つのプロセッサ又は回路に、節142又は143に記載の方法を実行させる、(非一時的)コンピュータ可読媒体。
【0556】
節145.光処理段階の少なくとも一部は、時間領域において分離される、節141に記載のシステム、節142~143に記載の方法、又は節144に記載の(非一時的)コンピュータ可読媒体。
【0557】
節146.光処理段階の少なくとも一部は、空間領域において分離される、節141若しくは145に記載のシステム、節142~143若しくは145に記載の方法、又は節144若しくは145に記載の(非一時的)コンピュータ可読媒体。
【0558】
節147.段階設定に関する決定は、光スイッチの設定を含む、節141若しくは145~146に記載のシステム、節142~143若しくは145~146に記載の方法、又は節144若しくは145~146に記載の(非一時的)コンピュータ可読媒体。
【0559】
節148.光スイッチは、位相シフタを含む、節141若しくは145~147に記載のシステム、節142~143若しくは145~147に記載の方法、又は節144若しくは145~147に記載の(非一時的)コンピュータ可読媒体。
【0560】
節149.段階設定に関する決定は、位相シフタの設定を含む、節148に記載のシステム、節148に記載の方法、又は節148に記載の(非一時的)コンピュータ可読媒体。
【0561】
節150.光子生成器は、共振器に結合される量子エミッタを含む、節141若しくは145~149に記載のシステム、節142~143若しくは145~149に記載の方法、又は節144若しくは145~149に記載の(非一時的)コンピュータ可読媒体。
【0562】
節151.光処理段階の少なくとも一部は、量子エミッタを含む、節141若しくは145~150に記載のシステム、節142~143若しくは145~150に記載の方法、又は節144若しくは145~150に記載の(非一時的)コンピュータ可読媒体。
【0563】
節152.量子エミッタは、共振器に結合される、節151に記載のシステム、節151に記載の方法、又は節151に記載の(非一時的)コンピュータ可読媒体。
【0564】
節153.量子エミッタは、光量子ビットが量子エミッタに向けて伝達されるときに、量子エミッタ量子ビットを光量子ビットにもつれさせるか、光量子ビットが量子エミッタに向けて伝達されるときに、光量子ビットに対して量子エミッタ量子ビットをマッピングするか、又は連続した入射光量子ビット間の相互作用を仲介してグラフ状態を生成するように構成されている、節152に記載のシステム、節152に記載の方法、又は節152に記載の(非一時的)コンピュータ可読媒体。
【0565】
節154.量子エミッタは、光子と相互作用することができる静止量子ビットを含む、節150~153に記載のシステム、節150~153に記載の方法、又は節150~153に記載の(非一時的)コンピュータ可読媒体。
【0566】
節155.量子エミッタは、超伝導量子ビットを含む、節150~154に記載のシステム、節150~154に記載の方法、又は節150~154に記載の(非一時的)コンピュータ可読媒体。
【0567】
節156.量子エミッタは、量子ドットを含む、節150~155に記載のシステム、節150~155に記載の方法、又は節150~155に記載の(非一時的)コンピュータ可読媒体。
【0568】
節157.量子エミッタは、原子を含む、節150~156に記載のシステム、節150~156に記載の方法、又は節150~156に記載の(非一時的)コンピュータ可読媒体。
【0569】
節158.量子エミッタは、ルビジウム原子を含む、節150~157に記載のシステム、節150~157に記載の方法、又は節150~157に記載の(非一時的)コンピュータ可読媒体。
【0570】
節159.量子エミッタは、セシウム原子を含む、節150~158に記載のシステム、節150~158に記載の方法、又は節150~158に記載の(非一時的)コンピュータ可読媒体。
【0571】
節160.量子エミッタは、ストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、又はマグネシウム原子のうちの少なくとも1つを含む、節150~159に記載のシステム、節150~159に記載の方法、又は節150~159に記載の(非一時的)コンピュータ可読媒体。
【0572】
節161.原子、ルビジウム原子、セシウム原子、又はストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、若しくはマグネシウム原子のうちの少なくとも1つは中性である、節157~160に記載のシステム、節157~160に記載の方法、又は節157~160に記載の(非一時的)コンピュータ可読媒体。
【0573】
節162.原子、ルビジウム原子、セシウム原子、又はストロンチウム、エルビウム、イッテルビウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、若しくはマグネシウム原子のうちの少なくとも1つはイオンである、節157~160に記載のシステム、節157~160に記載の方法、又は節157~160に記載の(非一時的)コンピュータ可読媒体。
【0574】
本明細書に開示されるシステム及び方法は、従来のアプローチに対する異例の改善を伴う。本開示の実施形態に関する説明は、網羅的ではなく、開示される正確な形態又は実施形態に限定されない。実施形態の修正及び改変は、明細書及び本開示の実施形態の慣例を考慮すると明らかである。追加的に、本開示の実施形態は、本明細書に述べられる例に限定されない。
【0575】
前述の説明は、例示の目的で提示されている。それは、網羅的ではなく、開示される正確な形態又は実施形態に限定されない。実施形態の修正及び改変は、明細書及び本開示の実施形態の慣例を考慮すると明らかである。例えば、記載された実装態様は、ハードウェアとソフトウェアとを含むが、本開示と整合するシステム及び方法は、ハードウェア単独として実装され得る。
【0576】
本開示の特徴及び利点は、詳述された明細書から明らかになり、したがって、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の趣旨及び範囲内に入る全てのシステム及び方法を包含することが意図される。本明細書で使用される不定冠詞「a」及び「an」は、「1つ以上」を意味する。同様に、複数用語の使用は、所与の文脈内で明白でない限り、必ずしも複数を示しているわけではない。「及び」又は「又は」などの語は、特に具体的に指示されていない限り「及び/又は」を意味する。更に、多くの修正及び変更は、本開示を学ぶと容易に生じるため、示され記載される正確な構造及び動作に本開示を限定することは望ましくなく、したがって、全ての好適な修正及び均等物は、本開示の範囲内に入るように用いられ得る。
【0577】
本明細書に記載された説明及び方法に基づくコンピュータプログラムは、ソフトウェア開発者の技術の範囲内にある。様々な機能、スクリプト、プログラム、又はモジュールは、種々のプログラミング技術を使用して作成され得る。例えば、プログラム、スクリプト、機能、プログラムセクション、又はプログラムモジュールは、JAVASCRIPT(登録商標)、C、C++、JAVA(登録商標)、PHP、PYTHON(登録商標)、RUBY、PERL、BASH、又は他のプログラミング若しくはスクリプト言語を含む言語で又は当該言語によって設計され得る。当該ソフトウェアセクション又はモジュールのうちの1つ以上は、コンピュータシステム、非一時的コンピュータ可読媒体、又は既存の通信ソフトウェアに組み込まれ得る。プログラム、モジュール、又はコードはまた、ファームウェア又は回路ロジックとして実装又は複製され得る。
【0578】
更に、例示的な実施形態が本明細書に記載されているが、その範囲には、本開示に基づく同等の要素、修正、省略、(例えば、様々な実施形態にわたる態様の)組合せ、改変、又は変更を有する任意の実施形態及び全ての実施形態が含まれ得る。特許請求の範囲における要素は、特許請求の範囲において採用される言語に基づいて幅広く解釈されるべきであって、本明細書において又は出願の審査中に記載される例に限定されるべきではなく、当該例は、非排他的であると解釈されるべきである。更に、本開示の方法のステップは、ステップの並べ替え又はステップの挿入若しくは削除を含む任意の方法で修正され得る。したがって、明細書及び例は、単なる例示と見なされ、真の範囲及び趣旨は、以下の特許請求の範囲及びその全範囲の均等物によって示されることが意図される。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10
図11A
図11B
図11C
図11D
図12A
図12B
図12C
図12D
図13A
図13B
図13C
図13D
図14A
図14B
図15(A)】
図15(B)】
図15(C)】
図16A
図16B
図16C
図16D
図17A
図17B
図17C
図17D
【国際調査報告】