(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-23
(54)【発明の名称】組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 36/9068 20060101AFI20240416BHJP
A61P 3/02 20060101ALI20240416BHJP
A61P 1/00 20060101ALI20240416BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20240416BHJP
A61P 15/00 20060101ALI20240416BHJP
A61P 7/04 20060101ALI20240416BHJP
A61P 3/00 20060101ALI20240416BHJP
A61P 25/20 20060101ALI20240416BHJP
A61P 25/18 20060101ALI20240416BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20240416BHJP
A61P 25/16 20060101ALI20240416BHJP
A61P 25/22 20060101ALI20240416BHJP
A61P 25/24 20060101ALI20240416BHJP
A61K 31/12 20060101ALI20240416BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20240416BHJP
A61K 47/46 20060101ALI20240416BHJP
A61K 9/16 20060101ALI20240416BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20240416BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20240416BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20240416BHJP
A61K 47/04 20060101ALI20240416BHJP
A23L 33/105 20160101ALI20240416BHJP
A23L 33/125 20160101ALI20240416BHJP
A23L 2/52 20060101ALI20240416BHJP
A23L 29/25 20160101ALI20240416BHJP
A23L 29/238 20160101ALI20240416BHJP
A23L 29/269 20160101ALI20240416BHJP
A23K 10/30 20160101ALI20240416BHJP
A23K 20/168 20160101ALI20240416BHJP
A61K 8/9794 20170101ALN20240416BHJP
A61K 8/35 20060101ALN20240416BHJP
A61K 8/73 20060101ALN20240416BHJP
A61K 8/63 20060101ALN20240416BHJP
A61K 125/00 20060101ALN20240416BHJP
【FI】
A61K36/9068
A61P3/02
A61P1/00
A61P1/04
A61P15/00
A61P7/04
A61P3/00
A61P25/20
A61P25/18
A61P25/28
A61P25/16
A61P25/22
A61P25/24
A61K31/12
A61K47/36
A61K47/46
A61K9/16
A61K9/14
A61K47/26
A61K47/02
A61K47/04
A23L33/105
A23L33/125
A23L2/52
A23L29/25
A23L29/238
A23L29/269
A23K10/30
A23K20/168
A61K8/9794
A61K8/35
A61K8/73
A61K8/63
A61K125:00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023566798
(86)(22)【出願日】2022-04-28
(85)【翻訳文提出日】2023-12-27
(86)【国際出願番号】 EP2022061342
(87)【国際公開番号】W WO2022229320
(87)【国際公開日】2022-11-03
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】501105842
【氏名又は名称】ジボダン エス エー
(74)【代理人】
【識別番号】110003971
【氏名又は名称】弁理士法人葛和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファンカーベルトン、パスカーレ エリザベス レネー
(72)【発明者】
【氏名】カラファト,ステファニー
(72)【発明者】
【氏名】ランジーニ,クリスティーナ マリア
(72)【発明者】
【氏名】アントン,ガエタン
(72)【発明者】
【氏名】レコザネット,ロマン
(72)【発明者】
【氏名】ナヴーロ,ローサ
(72)【発明者】
【氏名】ヘバート,ヨアン
【テーマコード(参考)】
2B150
4B018
4B041
4B117
4C076
4C083
4C088
4C206
【Fターム(参考)】
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4C206ZA18
4C206ZA53
4C206ZA66
4C206ZA81
4C206ZC21
(57)【要約】
本発明は、ジンゲロイドまたはショウガオレオレジンを含む組成物;特に、高度に水溶性であり、かつ増加したバイオアベイラビリティを有するジンゲロイドまたはショウガオレオレジンを含む組成物に関する。本発明はまた、このような組成物を提供するプロセスおよびこのような組成物の使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)ジンゲロイド;
(ii)アラビアガム;および
(iii)少なくとも1種のサポニン
を含む組成物。
【請求項2】
(i)ジンゲロイド;
(ii)アラビアガム;および
(iii)少なくとも1種のサポニン
を含む徐放性組成物。
【請求項3】
(i)ジンゲロイド;
(ii)アラビアガム、グアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、トラガントガムまたはこれらの混合物;および
(iii)少なくとも1種のサポニン
を含む組成物。
【請求項4】
ジンゲロイドが、6-ジンゲロール、8-ジンゲロール、10-ジンゲロール、6-ショウガオール、8-ショウガオール、10-ショウガオールまたはこれらの混合物を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
構成成分(i)が、場合によりCO2抽出を介して得られる、ショウガオレオレジンである、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
ショウガオレオレジンが少なくとも約10%のジンゲロールを含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
ジンゲロイドがZingiber officinaleから得られる、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
組成物が、組成物の少なくとも約7.5重量%、または少なくとも約10重量%または少なくとも約20重量%のジンゲロイドなどの、少なくとも約5重量%のジンゲロイドを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
サポニンが、キラヤサポニン、ユッカサポニン、チャサポニン、カンゾウサポニン、チョウセンニンジンサポニンまたはこれらの混合物から選択され、場合により固体の形態である、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
サポニンが、場合により50% w/w超のサポニンを含む、キラヤから得られるまたは入手可能である抽出物である、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
ガム(アラビアガムなど)が、組成物の約50重量%~約70重量%または組成物の約68重量%などの、組成物の約20重量%~約80重量%の量で本発明の組成物中に存在する、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
少なくとも1種のサポニンが、組成物の1.3~約1.5重量%などの、約0.5重量%~約3重量%または約2重量%などの、組成物の約0.1重量%~約5重量%(w/w)の量で存在する、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
組成物が乾燥形態であり、粒子が、150~250ミクロンなどの、140~250ミクロンなどの、100~250ミクロンなどの、100~300ミクロンなどの、200~500ミクロンなどの、900~800ミクロン、500~600ミクロン、100~500ミクロンなどの、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、400、450、500、600、700、800、900ミクロン~約800、700、600、550、500、450、400、350、300、250、200、150、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10ミクロンなどの、約5ミクロン~約1000ミクロンの平均直径を有する、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
炭酸カルシウム、シリカ、ステアリン酸マグネシウム、アルミニウムおよび/もしくはマグネシウムのケイ酸塩、マルトデキストリン、難消化性マルトデキストリン、デンプンおよび他の可溶性繊維またはこれらの混合物から選択される担体をさらに含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
栄養医薬品配合物、ヒトまたは動物用の食餌または食品製品(機能性食品配合物、すなわち、食品、飲料、飼料もしくはペットフードまたは食品、飲料、飼料もしくはペットフードのサプリメントなど)、栄養補助食品、芳香剤または香味剤、医薬製剤または獣医学製剤、ワイン学配合物または化粧品配合物としての、請求項1から14のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項16】
栄養医薬品配合物、ヒトまたは動物用の食餌または食品製品(機能性食品配合物、すなわち、食品、飲料、飼料もしくはペットフードまたは食品、飲料、飼料もしくはペットフードのサプリメントなど)、栄養補助食品、芳香剤または香味剤、医薬製剤または獣医学製剤、ワイン学配合物または化粧品配合物の調製における、請求項1から14のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項17】
栄養医薬品配合物、ヒトまたは動物用の食餌または食品製品(機能性食品配合物、すなわち、食品、飲料、飼料もしくはペットフードまたは食品、飲料、飼料もしくはペットフードのサプリメントなど)、栄養補助食品、芳香剤または香味剤、医薬製剤または獣医学製剤、ワイン学配合物または化粧品配合物が、必要に応じて、賦形剤または担体または(機能性)食品許容成分およびこれらの混合物などの医薬/獣医学成分をさらに含む、請求項15または16に記載の使用。
【請求項18】
請求項1から14のいずれか一項に定義される組成物からなる、から本質的になる、または、を含む栄養医薬品配合物、ヒトまたは動物用の食餌または食品製品(機能性食品配合物、すなわち、食品、飲料、飼料もしくはペットフードまたは食品、飲料、飼料もしくはペットフードのサプリメントなど)、栄養補助食品、芳香剤または香味剤、医薬製剤または獣医学製剤、ワイン学配合物または化粧品配合物。
【請求項19】
必要に応じて、賦形剤または担体または(機能性)食品許容成分およびこれらの混合物などの医薬/獣医学成分をさらに含む、請求項18に記載の栄養医薬品配合物、ヒトまたは動物用の食餌または食品製品(機能性食品配合物、すなわち、食品、飲料、飼料もしくはペットフードまたは食品、飲料、飼料もしくはペットフードのサプリメントなど)、栄養補助食品、芳香剤または香味剤、医薬製剤または獣医学製剤、ワイン学配合物または化粧品配合物。
【請求項20】
請求項1から14のいずれか一項に定義される組成物を調製するプロセスであって、プロセスは、
(i)ジンゲロイド(ショウガオレオレジンなど)の水溶液を調製するステップ;
(ii)(i)からの水溶液をガム(アラビアガムなど)水溶液および少なくとも1種のサポニン(キラヤから得られるまたは入手可能である抽出物など)および場合により植物および/または植物性油と混合して、エマルジョンを得るステップ;および場合により
(iii)(ii)の生成物を乾燥させて組成物を得るステップ
を含む、プロセス。
【請求項21】
請求項1から14のいずれか一項に定義される組成物または請求項18もしくは19に記載の栄養医薬品配合物、ヒトもしくは動物用の食餌もしくは食品製品、栄養補助食品、医薬製剤もしくは獣医学製剤の形態の該ジンゲロイドの投与を含む、哺乳動物におけるジンゲロイドのバイオアクセシビリティ、バイオアベイラビリティ、生物有効性および/または生理活性を改善する方法。
【請求項22】
哺乳動物におけるジンゲロイドのバイオアクセシビリティ、バイオアベイラビリティ、生物有効性および/または生理活性を改善するための、請求項1から14のいずれか一項に定義される組成物の使用または請求項18もしくは19に記載の栄養医薬品配合物、ヒトもしくは動物用の食餌もしくは食品製品、栄養補助食品、医薬製剤もしくは獣医学製剤の使用。
【請求項23】
請求項1から14のいずれか一項に定義される組成物または請求項19もしくは20に記載の栄養医薬品配合物、ヒトもしくは動物用の食餌もしくは食品製品、栄養補助食品、医薬製剤もしくは獣医学製剤の形態の該ジンゲロイドの投与を含む、哺乳動物の腸でジンゲロイドの徐放を提供する方法。
【請求項24】
哺乳動物の腸でジンゲロイドの徐放を提供するための、請求項1から14のいずれか一項に定義される組成物または請求項18もしくは19に記載の栄養医薬品配合物、ヒトもしくは動物用の食餌もしくは食品製品、栄養補助食品、医薬製剤もしくは獣医学製剤の使用。
【請求項25】
胃腸障害、原発性月経困難症、重度の月経出血、代謝障害、睡眠障害(不眠症など)、精神神経障害(うつ病および不安など)、神経変性疾患(統合失調症、アルツハイマー病、パーキンソン病など)、ならびに/または加齢性認知低下注意、覚醒および/もしくは気分を予防または治療するのに使用するための、請求項1から14のいずれか一項に記載の組成物または請求項18もしくは19に記載の栄養医薬品配合物、ヒトもしくは動物用の食餌もしくは食品製品、栄養補助食品、医薬製剤もしくは獣医学製剤。
【請求項26】
胃腸障害、原発性月経困難症、重度の月経出血、代謝障害、睡眠障害(不眠症など)、精神神経障害(うつ病および不安など)、神経変性疾患(統合失調症、アルツハイマー病、パーキンソン病など)、ならびに/または加齢性認知低下注意、覚醒および/もしくは気分を予防または治療する方法であって、方法は、請求項1から14のいずれか一項に記載の組成物または請求項18もしくは19に記載の栄養医薬品配合物、ヒトもしくは動物用の食餌もしくは食品製品、栄養補助食品、医薬製剤もしくは獣医学製剤のそれを必要とするペイシェントへの投与を含む、前記方法。
【請求項27】
胃腸障害、原発性月経困難症、重度の月経出血、代謝障害、睡眠障害(不眠症など)、精神神経障害(うつ病および不安など)、神経変性疾患(統合失調症、アルツハイマー病、パーキンソン病など)、ならびに/または加齢性認知低下注意、覚醒および/もしくは気分を治療するための医薬の製造における、請求項1から14のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項28】
ジンゲロイドが、6-ジンゲロール、8-ジンゲロール、10-ジンゲロール、6-ショウガオール、8-ショウガオール、10-ショウガオールまたはこれらの混合物を含む、請求項21から27のいずれか一項に記載の方法または使用。
【請求項29】
哺乳動物がヒトである、請求項21から28のいずれか一項に記載の方法または使用。
【請求項30】
ジンゲロイドが、体重1kg当たり1.5mgのジンゲロイド、体重1kg当たり1.6mgのジンゲロイド、体重1kg当たり0.2mgのジンゲロイド、体重1kg当たり0.5mgのジンゲロイド、体重1kg当たり1mgのジンゲロイド、体重1kg当たり2mgのジンゲロイド、体重1kg当たり3mgのジンゲロイド、体重1kg当たり3.4mgのジンゲロイドまたは体重1kg当たり5mgのジンゲロイドなどの、体重1kg当たり約0.08mgのジンゲロイド~体重当たり約6.5mgのジンゲロイドの量で提供される、請求項21から29のいずれか一項に記載の方法または使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野
本発明は、ショウガまたは;特に、高度に水不溶性であるショウガオレオレジンを含む組成物に関する。ジンゲロイド(gingeroid)は、それだけに限らないが、6-ジンゲロール、8-ジンゲロールおよび10-ジンゲロールを含むジンゲロール、ならびにそれだけに限らないが、6-ショウガオール、8-ショウガオールおよび10-ショウガオールを含むショウガオールの合計として定義される。本発明はまた、このような組成物を提供するプロセスおよびこのような組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景
本明細書における、明確に以前に公開された文書のリストまたは議論は、その文書が最新技術の一部であるか、または共通の一般知識であるという承認として必ずしも解釈されるべきではない。
【0003】
Zingiber officinaleの根茎であるショウガは、長年にわたって香辛料として使用されてきたZingberaceae科のメンバーである。ショウガは、植物が栽培されている場所ならびに植物を収穫および加工するために使用される方法に応じて、様々な濃度で多種多様な揮発性化合物および不揮発性化合物を含有する。ショウガの主構成物は、炭水化物、脂質、テルペンおよびフェノール化合物を含む。フェノール化合物は、ジンゲロール、パラドールおよびショウガオールを包含する。
【0004】
根茎は、風邪、発熱、咽頭痛、感染性疾患、関節炎、リウマチ、捻挫、筋肉痛、疼痛、痙攣、高血圧、認知症、片頭痛、神経疾患、歯肉炎、歯痛、喘息、脳卒中、および糖尿病を治療するための様々な伝統的な医学システムにおいて古代から使用されており、便秘、下痢、消化不良、げっぷ、腹部膨満、胃炎、上腹部不快感、胃潰瘍、消化障害、悪心、および嘔吐のような様々な胃病の治療において家庭薬としても使用されている(Giacosa,A.,et al.(2015).Eur Rev Med Pharmacol Sci,19(7),1291-6.;Haniadka,R.,et al.(2013).Food&function,4(6),845-855.;Lete,I.,&Allue,J.(2016).The Effectiveness Of Ginger In The Prevention Of Nausea And Vomiting During Pregnancy And Chemotherapy(jurnal).Spain:Clinical Management Unit of Obstetrics and Gynecology,Hospital Universitario Araba,Vitoria,Spain.Plant Physiology Laboratory,Faculty of Biosciences,Universitat Autonoma de Barcelona,Bellatera,Spain)。
【0005】
ヒトにおけるショウガの医学的使用のこの長く確立された歴史は、自然療法への関心の高まりと相まって、いくつかの疾患、とりわけ胃腸病における補助療法として、または補完および代替医療としてのショウガの有効性を科学的に評価するための臨床試験を刺激した(Lete,I.,&Allue,J.(2016).The Effectiveness of Ginger In The Prevention of Nausea And Vomiting During Pregnancy And Chemotherapy(jurnal).Spain:Clinical Management Unit of Obstetrics and Gynecology,Hospital Universitario Araba,Vitoria,Spain.Plant Physiology Laboratory,Faculty of Biosciences,Universitat Autonoma de Barcelona,Bellatera,Spain.Lete&Allue,2016)。
【0006】
しかしながら、ショウガは多数のヒト障害に対して有効性を示しているが、吸収不良、急速な代謝、および急速な全身排出のために限られたバイオアベイラビリティを有することも知られている。オレオレジンなどのジンゲロイドに極めて富むショウガ抽出物は、難水溶性であることが分かった。
【0007】
急速な代謝、難水溶性、および組織による低い取り込みが、胃腸障害などの状態の治療におけるジンゲロイド(ジンゲロールとショウガオールの両方、特に6、8および10ジンゲロールならびに6、8および10ショウガオールを指すために本明細書で使用される)の潜在的な使用を含む、ショウガの潜在的な有用性を劇的に制限する。
【0008】
本発明は、ショウガの難水溶性に関連する上述の課題に対処し、生理学的pHで高度に水溶性かつ安定であるショウガ/ジンゲロイドを含む組成物を提供しようとするものである。
【発明の概要】
【0009】
本発明の開示
本発明者らは、驚くべきことに、ショウガオレオレジンまたはジンゲロイド、ガム(アラビアガムなど)および少なくとも1種のサポニン(キラヤから得られるまたは入手可能である抽出物など)を含む組成物が、ジンゲロイドの徐放を提供し、生理学的pHで高度に水溶性かつ安定であり、ならびに該ジンゲロイドの増加したバイオアクセシビリティ、バイオアベイラビリティ、生物有効性および/または生理活性を有することを見出した。
【0010】
本発明によると、
(i)ジンゲロイド;
(ii)アラビアガム、グアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、トラガントガムまたはこれらの混合物;および
(iii)少なくとも1種のサポニン
を含む組成物が提供される。
【0011】
また、本発明によると、
(i)ジンゲロイド;
(ii)アラビアガム、グアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、トラガントガムまたはこれらの混合物;および
(iii)少なくとも1種のサポニン
を含む徐放性組成物が提供される。
【0012】
このような組成物は、以下、「本発明の組成物」と呼ばれ得る。
【0013】
本発明によると、「徐放」という用語は、遅延放出および延長放出を意味する。これは、有効成分(ジンゲロイド)が少なくとも30分後に、および次いで少なくとも1時間、4時間または少なくとも8時間の長期間にわたって放出されることを意味する。
【0014】
本発明の発明者らは、本発明の組成物において、活性物質(ジンゲロイド)が対照ショウガ抽出物よりもはるかに遅く放出されることを示した。徐放効果は表11および表13に示されており、製剤間で同様のTmaxにおける血液中の同様の最大ジンゲロイド濃度が見られるが、本発明の組成物は、あらゆる時点:30分、1時間、2時間、4時間および8時間で、ショウガ粉末とショウガ5%の両方と比較して、血中ジンゲロイド濃度のより遅い低下を提供する。これは、ショウガ粉末に対する本発明の組成物の2,84倍の半減期増加およびショウガ5%に対する本発明の組成物の1,8倍の半減期増加をもたらす。
【0015】
本発明の組成物に使用されるジンゲロイドは、あらゆる供給源から得られ得る。しかしながら、ジンゲロイドが天然源から得られる、すなわち、ジンゲロイドが合成ではなく、植物ベースであることが好ましい。
【0016】
ジンゲロイドは、それだけに限らないが、6-ジンゲロール、8-ジンゲロールおよび10-ジンゲロールを含むジンゲロール、ならびにそれだけに限らないが、6-ショウガオール、8-ショウガオールおよび10-ショウガオールを含むショウガオールの合計として本発明で定義される。12-ジンゲロールなどの他のジンゲロールおよびショウガオールが本発明の組成物中に存在し得る。
【0017】
組成物は、組成物の少なくとも約7.5重量%、または少なくとも約10重量%または少なくとも約20重量%のジンゲロイドなどの、少なくとも約5重量%のジンゲロイドを含み得る。
【0018】
例えば、ジンゲロイドは、組成物の約7.5重量%~約50重量%、または約10重量%~約40重量%などの、約5重量%~約60重量%の量で存在し得る。
【0019】
ジンゲロイドは、ショウガ(Zingiber officinale)の根(根茎)から得られ得る、または入手可能であり得る。ジンゲロイドは、ショウガ(Zingiber officinale)の根(根茎)からの抽出および場合により精製によって提供され得る。本発明におけるこれらのショウガ抽出物は、限定されないが、ショウガオレオレジン、脱脂ショウガオレオレジンおよびこれらの混合物を含む。したがって、ジンゲロイドは、ショウガ(Zingiber officinale)の根(根茎)の抽出物または精製抽出物(ショウガオレオレジン、脱脂ショウガオレオレジンおよびこれらの混合物など)の形態であり得、抽出物は、抽出物の約10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%または90重量%~約95重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%、55重量%、50重量%または45重量%のジンゲロイドなどの、約10重量%~約100重量%のジンゲロイドを含む。
【0020】
ジンゲロイドがショウガ(Zingiber officinale)の根(根茎)の抽出物(ショウガオレオレジン、脱脂ショウガオレオレジンおよびこれらの混合物など)として提供される場合、ショウガ(Zingiber officinale)の根(根茎)、ショウガオレオレジン、脱脂ショウガオレオレジンおよびこれらの混合物は、有機溶媒もしくは非有機溶媒またはこれらの混合物を使用して抽出され得る。
【0021】
例えば、ショウガ(Zingiber officinale)の根(根茎)は、使用される溶媒に応じて、0~150℃の範囲の1つまたは複数の温度で、有機溶媒による抽出に供され得る。有機溶媒抽出物は、当技術分野で公知のあらゆる方法によって、残りのショウガの根(根茎)粉末から分離され得る。有機抽出物は、場合により、当技術分野で公知のあらゆる適切な方法を使用して濃縮され得る。
【0022】
適切な有機溶媒の例は、それだけに限らないが、共融混合物を含む、場合により水を含むペンタン、石油エーテル、ヘキサン、ヘプタンまたはシクロヘキサンなどの炭化水素;メタノール、2-メトキシエタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、ブチルアルコールの全異性体、ベンジルアルコール、1,2,6-トリヒドロキシヘキサン、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、2-ブトキシエタノール、1,3-ブチレングリコール、グリセロールなどのアルコール;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸2-ブトキシエチル、グリセリルジアセタート、グリセリルトリアセタート、グリセリルトリブチラートなどのグリセロールエステルなどのエステル;ジエチルエーテル、2-エトキシエタノールなどのエーテル;アセトン、2-ブタノンなどのケトン;ベタイン、トルエン、ジクロロメタンなどの塩素化またはフッ素化炭化水素;およびこれらの混合物を包含する。好ましい実施形態では、有機溶媒が酢酸エチルである。
【0023】
例えば、ショウガ(Zingiber officinale)の根(根茎)は、使用される溶媒に応じて、0~150℃の範囲の1つまたは複数の温度で、アルコール溶媒または水アルコール溶媒による抽出に供され得る。例えば、アルコールベースの抽出溶媒は、水/メタノール(すなわち、水とメタノールとの混合物)または水/エタノール(すなわち、水とエタノールとの混合物)またはメタノールまたはエタノールであり得る。有機溶媒抽出物は、当技術分野で公知のあらゆる方法によって、残りのショウガの根(根茎)粉末から分離され得る。アルコールまたは水アルコール抽出物は、場合により、当技術分野で公知のあらゆる適切な方法を使用して濃縮され得る。
【0024】
抽出溶媒が水/アルコール混合物を含む場合、水とアルコールの比は、約20:80~約5:95または約10:90などの、約25:75~約1:99であり得る。例えば、抽出溶媒は、約20:80~約5:95または約10:90などの、約25:75~約1:99の比の水/エタノールであり得る。
【0025】
あるいは、ショウガ(Zingiber officinale)の根(根茎)は、CO2抽出を使用して抽出され得る。
【0026】
次いで、抽出物(有機抽出物またはCO2抽出物など)は、さらに精製されて、抽出物の約10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%または90重量%~約95重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%、55重量%、50重量%または45重量%のジンゲロイドなどの、約10重量%~約100重量%のジンゲロイを含むジンゲロイドの精製抽出物を提供し得る。
【0027】
抽出物の精製は、当技術分野で公知のこのような技術を使用して実施され得る。典型的には、抽出物が、100%メタノールまたは100%エタノールなどのアルコール系溶媒を使用して精製される。
【0028】
抽出物は、場合により過剰な溶媒を除去するために乾燥させられ得る。
【0029】
ジンゲロイドは、粉末などの、液体または粉末として提供され得る。例えば、粉末化されたショウガ抽出物。好ましい実施形態では、ジンゲロイドがオレオレジンとして提供される。
【0030】
上記のように、本明細書で使用される場合、「ジンゲロイド」という用語は、それだけに限らないが、6、8および10ジンゲロールならびに6、8および10ショウガオールを包含する。
【0031】
ジンゲロイドが先に定義されるショウガ(Zingiber officinale)の根(根茎)からの抽出物(ショウガオレオレジン、脱脂ショウガオレオレジンおよびこれらの混合物など)の形態で提供される場合、組成物は、組成物の少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、または少なくとも40重量%、または少なくとも50重量%などの、組成物の少なくとも10重量%の量の抽出物を含み得る。
【0032】
例えば、組成物は、組成物の約15重量%~約30重量%などの、組成物の約10重量%~約40重量%の量の先に定義されるショウガ(Zingiber officinale)の根(根茎)からの抽出物(ショウガオレオレジン、脱脂ショウガオレオレジンおよびこれらの混合物など)を含み得る。
【0033】
例えば、組成物は、組成物の約25重量%(すなわち、30重量%)~約35重量%のショウガ(Zingiber officinale)の根(根茎)からの抽出物(ショウガオレオレジン、脱脂ショウガオレオレジンおよびこれらの混合物など)を含み得、ショウガ(Zingiber officinale)の根(根茎)からの抽出物(ショウガオレオレジン、脱脂ショウガオレオレジンおよびこれらの混合物など)は、ショウガ(Zingiber officinale)の根(根茎)からの抽出物(ショウガオレオレジン、脱脂ショウガオレオレジンおよびこれらの混合物など)の11重量%などの、約10重量%~20重量%などの、約5重量%、10重量%、20重量%、30重量%、40重量%~約50重量%、60重量%、70重量%、80重量%または99重量%のジンゲロイドを含み、組成物の約5重量%~30重量%のジンゲロイドを含む組成物を提供する。
【0034】
ジンゲロイドがショウガオレオレジンの形態で提供されることが好まれ得る。
【0035】
したがって、本発明はまた、
(i)ショウガオレオレジン;
(ii)アラビアガム、グアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、トラガントガムまたはこれらの混合物;および
(iii)少なくとも1種のサポニン
を含む組成物を提供する。好ましい実施形態では、ガムがアラビアガムである。
【0036】
ショウガオレオレジンは、ショウガの根の超臨界CO2抽出を介して得られ得る。
【0037】
組成物がショウガオレオレジンを含むある特定の実施形態では、ショウガオレオレジンが、組成物の少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、または少なくとも40重量%、または少なくとも50重量%などの、組成物の少なくとも10重量%の量で組成物中に存在し得る。例えば、組成物は、組成物の約15重量%~約30重量%などの、組成物の約10重量%~約40重量%のショウガオレオレジンを含み得る。
【0038】
ある特定の実施形態では、最終組成物が、組成物の少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、または少なくとも40重量%、または少なくとも50重量%のジンゲロイドなどの、組成物の少なくとも5重量%のジンゲロイドを含む。
【0039】
例えば、組成物は、組成物の約25重量%(すなわち、30重量%)~約35重量%のショウガオレオレジンを含み得、ショウガオレオレジンは、ショウガオレオレジンの約11重量%のジンゲロイドを含み、組成物の約5重量%~約30重量%のジンゲロイドを含む組成物を提供する。
【0040】
実際に商品化されているショウガオレオレジンは、脂質および脂肪酸の高い含有量を有する液体製品である。ショウガからのジンゲロイドの抽出中、およびジンゲロイドの化学的特性のために、ジンゲロイドに富む抽出物は脂質にも富む。クルクミノイドに富むウコンからのクルクミン抽出物のような他の天然構成成分は、少量または極めて少量の脂肪を有する粉末の形態である。これらのクルクミノイドは、通常、結晶の形態で存在する。
【0041】
ある特定の実施形態では、ショウガオレオレジン、脱脂オレオレジンおよびこれらの混合物が、少なくとも70%などの、少なくとも50%などの、少なくとも40%の脂質含有量を有する。
【0042】
ある特定の実施形態では、ショウガオレオレジンが、少なくとも70%などの、少なくとも50%などの、少なくとも40%の脂質含有量を有する。
【0043】
ある特定の実施形態では、ジンゲロイドが、オレオレジンなどの抽出物の形態で提供され、結晶を形成しない。
【0044】
したがって、本発明はまた、
(i)ショウガオレオレジン;
(ii)アラビアガム、グアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、トラガントガムまたはこれらの混合物、好ましくはアラビアガム;および
(iii)少なくとも1種のサポニン
を含む組成物であって、ショウガオレオレジンは、少なくとも30%のジンゲロイドおよび少なくとも70%の脂質などの、少なくとも50%の脂質を含む、組成物を提供する。
【0045】
したがって、本発明はまた、
(i)ショウガオレオレジン;
(ii)アラビアガム、グアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、トラガントガムまたはこれらの混合物、好ましくはアラビアガム;および
(iii)少なくとも1種のサポニン
を含む組成物であって、ショウガオレオレジンは、少なくとも30%のジンゲロイドおよび少なくとも70%の脂質などの、少なくとも50%の脂質を含み、かつ場合により、組成物は、150~300の平均直径および280~500のD90を有する粒子を含む乾燥組成物である、組成物を提供する。
【0046】
したがって、本発明はまた、
(i)ショウガオレオレジン;
(ii)アラビアガム、グアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、トラガントガムまたはこれらの混合物、好ましくはアラビアガム;および
(iii)少なくとも1種のサポニン
を含む組成物であって、最終組成物は、組成物の少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、または少なくとも40重量%、または少なくとも50重量%のジンゲロイドなどの、組成物の少なくとも5重量%のジンゲロイドを含み、かつ場合により、組成物は、150~300の平均直径および280~500のD90を有する粒子を含む乾燥組成物である、組成物を提供する。
【0047】
アラビアガム、グアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、トラガントガムまたはこれらの混合物などのガムは、組成物の約50重量%~約70重量%または組成物の約68重量%などの、組成物の約20重量%~約80重量%の量で本発明の組成物中に存在し得る。ある特定の好ましい実施形態では、ガム(アラビアガムなど)が、組成物の約50重量%~約70重量%または組成物の約68重量%などの、組成物の約20重量%~約80重量%の量で本発明の組成物中に存在し得る。
【0048】
先に定義される天然ガムは、通常市販されており、かつ高度に精製されている。ある特定の実施形態では、ガム(アラビアガム、グアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、トラガントガムまたはこれらの混合物など)が食品グレードである。
【0049】
好ましい実施形態では、ガムがアラビアガムである。
【0050】
本発明によると、
(i)ジンゲロイド;
(ii)アラビアガム、グアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、トラガントガムまたはこれらの混合物;および
(iii)少なくとも1種のサポニン
を含む組成物であって、組成物は、組成物の少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、または少なくとも40重量%、または少なくとも50重量%のジンゲロイドなどの、組成物の少なくとも5重量%のジンゲロイドを含み、
ガム(アラビアガムなど)は、組成物の約50重量%~約70重量%または組成物の約68重量%などの、組成物の約20重量%~約80重量%の量で存在し、
かつ場合により、組成物は、150~300の平均直径および280~500のD90を有する粒子を含む乾燥組成物である、組成物が提供される。
【0051】
したがって、本発明はまた、
(i)ジンゲロイドを含むショウガオレオレジン;
(ii)アラビアガム、グアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、トラガントガムまたはこれらの混合物、好ましくはアラビアガム;および
(iii)少なくとも1種のサポニン
を含む組成物であって、
組成物は、組成物の少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、または少なくとも40重量%、または少なくとも50重量%のジンゲロイドなどの、組成物の少なくとも5重量%のジンゲロイドを含み、
ガム(アラビアガムなど)は、組成物の約50重量%~約70重量%または組成物の約68重量%などの、組成物の約20重量%~約80重量%の量で存在し、
かつ場合により、組成物は、150~300の平均直径および280~500のD90を有する粒子を含む乾燥組成物である、組成物を提供する。
【0052】
サポニンは、主に植物界に見られる、天然に存在するグリコシドの群である。これらは、糖鎖単位に連結した非炭水化物アグリコンを含む。サポニンは、ステロイドサポニンとトリテルペンサポニンの2つの群に分けられる。これまでに100を超えるステロイドサポニンおよびさらに多数のトリテルペンサポニンが特定されている。(K.Hostettmann,&A.Marston,Saponins(Cambridge University Press 1995)。本発明のサポニンは、天然起源または合成起源のものであることができる。これは、同じまたは異なる起源由来の1種または複数のサポニンであり得る。
【0053】
例えば、サポニンは、ダイズ、マメ、エンドウ、エンバク、Solanum種およびAllium種、トマト、アスパラガス、チャ、ラッカセイ、ホウレンソウ、サトウダイコン、ヤムイモ、ブラックベリー、カンゾウの根、プリムラの根、セネガの根、チャ、カンゾウ、チョウセンニンジン、キラヤ(Quillaja saponariaなど)、ユッカ(Yucca shidigeraなど)、および/またはカスミソウなどの植物から得ることができるまたは入手可能であることができる。一実施形態では、サポニンがキラヤサポニンである。1つの好ましい実施形態では、サポニンがショウガサポニンではない。
【0054】
本発明で使用される1種または複数のサポニンは、高度に精製することができる、または天然抽出物であり得る。
【0055】
本明細書で使用される場合、「キラヤサポニン」、「ユッカサポニン」、「エンバクサポニン」等の用語は、キラヤファミリー、もしくはユッカファミリーのメンバーのいずれか、または前記のものなどのサポニンを含有する植物のいずれかから得ることができるまたは入手可能であることができる1種または複数のサポニンを意味する。キラヤサポニンまたはキラヤサポニンの混合物(またはユッカサポニンまたはユッカサポニンの混合物)は、合成起源または天然起源のものであることができる。
【0056】
当業者によって認識されるように、本明細書で使用される場合、「から入手可能である」という用語は、サポニンが植物から得られ得る、または植物から単離され得る、または代替供給源から、例えば化学合成もしくは酵素産生によって得られ得ることを意味する。一方、本明細書で使用される「得られる」という用語は、サポニンが植物に直接由来することを意味する。例えば、一実施形態では、サポニンが「サポニンを含む天然抽出物」であることができる。
【0057】
少なくとも1種のサポニンは、天然起源または合成起源のものであり得る。
【0058】
「精製サポニン」は、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、少なくとも約99.9%の濃度の1種または複数の前記のサポニン(キラヤサポニンおよび/またはユッカサポニンなど)を有する天然起源または合成起源の1種または複数のサポニンを意味する。
【0059】
「サポニンを含む抽出物」は、例えば、それだけに限らないが、ダイズ、マメ、エンドウ、エンバク、Solanum種およびAllium種、トマト、アスパラガス、チャ、ラッカセイ、ホウレンソウ、サトウダイコン、ヤムイモ、ブラックベリー、カンゾウの根、プリムラの根、セネガの根、キラヤ(Quillaja saponariaなど)、ユッカ(Yucca shidigeraなど)、および/またはカスミソウに由来し得る、少なくとも1種類の前記のサポニンを含むあらゆる天然抽出物を意味する。
【0060】
本発明によると、少なくとも1種のサポニンは、単一供給源または複数の供給源に由来し得る。
【0061】
本発明によると、少なくとも1種のサポニンを含む抽出物は、単一供給源または複数の供給源に由来し得る。
【0062】
ユッカの例は、それだけに限らないが、Yucca aloifolia、Yucca angustissima、Yucca arkansana、Yucca baccata、Yucca baileyi、Yucca brevifolia、Yucca campestris、Yucca capensis、Yucca carnerosana、Yucca cernua、Yucca coahuilensis、Yucca constricta、Yucca decipiens、Yucca declinata、Yucca desmetiana、Yucca data、Yucca endlichiana、Yucca faxoniana、Yucca filamentosa、Yucca filifera、Yucca flaccida、Yucca gigantean、Yucca glauca、Yucca gloriosa、Yucca grandiflora、Yucca harrimaniae、Yucca intermedia、Yucca jaliscensis、Yucca lacandonica、Yucca linearifolia、Yucca luminosa、Yucca madrensis、Yucca mixtecana、Yucca necopina、Yucca neomexicana、Yucca pallida、Yucca periculosa、Yucca potosina、Yucca queretaroensis、Yucca reverchonii、Yucca rostrata、Yucca rupicola、Yucca schidigera、Yucca schottii、Yucca sterilis、Yucca tenuistyla、Yucca thompsoniana、Yucca treculeana、Yucca utahensis、またはYucca validaを含む。ある特定の好ましい実施形態では、ユッカがYucca schidigeraである。
【0063】
最も豊富なY.schidigera茎/樹皮サポニンはステロイドサポニンである。それらは、そのアグリコンの構造が異なり、それによると、それらはスピロスタン型誘導体またはフロスタン型誘導体に分類される。主要なサポニンは、サポゲニンの3種のC-25エピマー対:サルサポゲニンとスミラゲニン、マルコゲニンとサモゲニン、ギトゲニンとネオゴトゲニン(neogotogenin)のグリコシドである。スピロスタン誘導体とフロスタン誘導体の両方において、C-3炭水化物鎖は、典型的にはペンタピラノシル単位および/またはヘキソピラノシル単位を有する分岐オリゴ糖である。フロスタンビデスモシドに関する限り、C-26結合炭水化物は通常、ヘキソピラノースに対応する。他のサポゲニンの誘導体は、Y.schidigera茎/樹皮内の微量化合物として存在することに留意されるべきである。
【0064】
キラヤの例は、それだけに限らないが、Quillaja brasiliensis、Quillaja lanceolata、Quillaja lancifolia、Quillaja molinae、Quillaja petiolaris、Quillaja poeppigii、Quillaja saponaria、Quillaja sellowiana、またはQuillaja smegmadermosを含む。ある特定の好ましい実施形態では、キラヤがQuillaja saponariaである。
【0065】
ステロイドサポニンの測定において現在使用されている古典的な方法は、分光光度測定、泡高さ測定または重量測定法を含む。HPLC/ELSD技術は、適切な繰り返し性および再現性の結果をもたらす正確でかつ信頼性の高い方法である。
【0066】
当業者は、本明細書で使用される場合、植物名が、全体としての植物、あるいは根、茎もしくは幹、樹皮、葉、花、花茎もしくは種子またはこれらの組み合わせなどの植物のあらゆる部分を指し得ることを認識するであろう。これらの植物部分は、取りたてで使用され得る、または乾燥され得る、および全体であり得る、微粉砕され得る、つぶされ得る、細かく砕かれ得る、またはすりつぶされ得る。植物のあらゆる1つまたは複数の部分からの抽出物も企図される。
【0067】
サポニン抽出物は、ショウガ抽出物について前に記載されるのと同様の抽出方法を使用して得ることができる。好ましい実施形態では、溶媒がメタノール/水(例えば、70:30 v/v)であり、インキュベーション時間が周囲温度で24時間である。別の抽出溶媒は水のみであることができる。特定の実施形態では、キラヤ含有材料が、50~100℃(50~60℃または100℃など)の温度で水と共にインキュベートされる。抽出は、ソックスレー抽出器を使用して、または浸漬および濾過によって実施され得る。インキュベーション時間は、数時間(10時間のように)~24時間以上であり得る。
【0068】
サポニンを含む抽出物は、天然に存在する糖構成成分(glicocomponent)、ポリフェノール、塩および糖などのサポニンではない他の化合物を包含し得る。
【0069】
ある特定の実施形態では、精製サポニンまたは「サポニンを含む天然抽出物」が、Yucca schidigeraおよび/またはQuillaja saponaria由来である。さらに、少なくとも1種のサポニンまたはサポニンを含む抽出物は、ステロイドサポニンおよびトリテルペンサポニン、ならびにこれらの混合物から選択することができる。
【0070】
好ましい実施形態では、少なくとも1種のサポニン(精製サポニンまたはサポニン抽出物など)が、キラヤ(Q.saponariaなど)から得られる、または入手可能である。
【0071】
好ましい実施形態では、少なくとも1種のサポニン(精製サポニンまたはサポニン抽出物など)が、ユッカ(Yucca schidigeraなど)から得られる、または入手可能である。
【0072】
別の好ましい実施形態では、少なくとも1種のサポニン(精製サポニンまたはサポニン抽出物など)が、キラヤ(Q.saponariaなど)およびユッカ(Yucca schidigeraなど)から得られる、または入手可能である。
【0073】
本出願は、ユッカまたはキラヤ属の抽出物、汁、またはサポニン、より正確にはあらゆるユッカもしくはキラヤサポニン構造に対応するサポニンを含むあらゆる他の生成物に関する。転化糖または当技術分野で周知のあらゆる他の乾燥支持体の存在下でのY.schidigeraまたはQ.Saponariaの抽出物または噴霧乾燥抽出物が本出願で使用され得る。
【0074】
本発明のある特定の実施形態では、少なくとも1種のサポニンが、少なくとも5% w/w、または少なくとも10% w/w、または少なくとも15% w/w、または少なくとも20% w/w、または少なくとも25% w/w、または少なくとも30% w/w、または少なくとも35% w/w、または少なくとも40% w/w、または少なくとも50% w/w、または少なくとも60% w/w、または少なくとも70% w/w、または少なくとも80% w/w、または少なくとも95% w/wのサポニンを含む(またはから本質的になる/からなる)キラヤ抽出物、チャ抽出物、カンゾウ抽出物、ビートの根抽出物、サトウダイコン抽出物、チョウセンニンジン抽出物、エンバク抽出物、ユッカ抽出物またはこれらの混合物などの天然抽出物である。一実施形態では、サポニン構成成分が、少なくとも80% w/wの、前に定義されるサポニン(トリテルペンサポニンおよびステロイドサポニンなど)などの、少なくとも60%のサポニンを含むキラヤ抽出物であり得る。
【0075】
少なくとも1種のサポニン(キラヤサポニンなど)は、組成物の1.3~約1.5重量%などの、約0.5重量%~約3重量%または約2重量%などの、組成物の約0.1重量%~約5重量%(w/w)の量で本発明の組成物中に存在し得る。
【0076】
当業者によって認識されるように、本明細書で使用される場合、「から入手可能である」という用語は、抽出物(例えば、キラヤ抽出物)がキラヤ属の植物(Quillaja Saponaria Molinaなど)から得られ得る、またはキラヤ属の植物から単離され得る、または代替供給源から、例えば化学合成もしくは酵素産生によって得られ得ることを意味する。一方、本明細書で使用される「得られる」という用語は、抽出物が植物、例えばキラヤ属の植物に直接由来することを意味する。
【0077】
一実施形態では、サポニンが、組成物中のキラヤから得られるまたは入手可能である抽出物であり、キラヤ抽出物の少なくとも60重量%のサポニンまたは少なくとも65重量%のサポニンなどの、少なくとも50重量%のサポニンを含み得る。例えば、組成物に使用されるキラヤは、キラヤ抽出物の約50重量%~約80重量%または約60重量%~約75重量%のサポニンを含み得る。
【0078】
本発明のプロセスで使用されるサポニン(キラヤから得られるまたは入手可能である抽出物など)は、液体または固体などのあらゆる形態であり得る。例えば、サポニン(キラヤ抽出物など)は、粉末などの固体の形態で使用され得る。
【0079】
組成物中に存在する場合、水および/またはアルコールなどの他の溶媒が固体または液体キラヤに添加され得る。例えば、キラヤは、水溶液として組成物中に存在し得る。
【0080】
本発明によると、
(i)ジンゲロイド;
(ii)アラビアガム、グアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、トラガントガムまたはこれらの混合物;および
(iii)少なくとも1種のサポニン
を含む組成物であって、最終組成物は、組成物の少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、または少なくとも40重量%、または少なくとも50重量%のジンゲロイドなどの、組成物の少なくとも5重量%のジンゲロイドを含み、
サポニン(キラヤサポニンなど)は、組成物の1.3~約1.5重量%などの、約0.5重量%~約3重量%または約2重量%などの、組成物の約0.1重量%~約5重量%(w/w)の量で組成物中に存在し、
かつ場合により、組成物は、150~300の平均直径および280~500のD90を有する粒子を含む乾燥組成物である、組成物が提供される。
【0081】
したがって、本発明はまた、
(i)ジンゲロイドを含むショウガオレオレジン;
(ii)アラビアガム、グアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、トラガントガムまたはこれらの混合物、好ましくはアラビアガム;および
(iii)少なくとも1種のサポニン
を含む組成物であって、
最終組成物は、組成物の少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、または少なくとも40重量%、または少なくとも50重量%のジンゲロイドなどの、組成物の少なくとも5重量%のジンゲロイドを含み、
サポニン(キラヤサポニンなど)は、組成物の1.3~約1.5重量%などの、約0.5重量%~約3重量%または約2重量%などの、組成物の約0.1重量%~約5重量%(w/w)の量で組成物中に存在し、
かつ場合により、組成物は、150~300の平均直径および280~500のD90を有する粒子を含む乾燥組成物である、組成物を提供する。
【0082】
したがって、本発明はまた、
(i)ジンゲロイドを含むショウガオレオレジン;
(ii)アラビアガム、グアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、トラガントガムまたはこれらの混合物、好ましくはアラビアガム;および
(iii)少なくとも1種のサポニン
を含む組成物であって、
最終組成物は、組成物の少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、または少なくとも40重量%、または少なくとも50重量%のジンゲロイドなどの、組成物の少なくとも5重量%のジンゲロイドを含み、
ガム(アラビアガムなど)は、組成物の約50重量%~約70重量%または組成物の約68重量%などの、組成物の約20重量%~約80重量%の量で存在し、
サポニン(キラヤサポニンなど)は、組成物の1.3~約1.5重量%などの、約0.5重量%~約3重量%または約2重量%などの、組成物の約0.1重量%~約5重量%(w/w)の量で存在し、かつ場合により、組成物は、150~300の平均直径および280~500のD90を有する粒子を含む乾燥組成物である、組成物を提供する。
【0083】
組成物は、場合により、炭酸カルシウムなどの、食品として許容されるアルカリ金属炭酸塩またはアルカリ土類金属炭酸塩を含み得る。アルカリ金属炭酸塩またはアルカリ土類金属炭酸塩は、組成物の約2.5重量%~約10重量%または約5重量%などの、約重量%~約20重量%のアルカリ金属炭酸塩またはアルカリ土類金属炭酸塩の量で組成物中に存在し得る。
【0084】
本明細書で特に明記しない限り、列挙される重量百分率は、得られる(乾燥/液体)組成物の総重量(w/w)に基づく。
【0085】
本発明はまた、先に定義される組成物を調製するプロセスまたは方法(または本発明の調製のプロセスもしくは調製の方法)であって、プロセスは、
(i)ガム(アラビアガムなど)および少なくとも1種のサポニンの水溶液を調製するステップ;
(ii)(i)からの水溶液をジンゲノイド、および場合により炭酸カルシウムと混合して、エマルジョンを得るステップ
を含む、プロセスまたは方法を提供する。好ましい実施形態では、ジンゲロイドがショウガオレオレジンとして提供される。なおより好ましい実施形態では、ショウガオレオレジンが、少なくとも70%などの、少なくとも50%などの、少なくとも40%の脂質含有量を有する。
【0086】
ある特定の実施形態では、天然ガムが前記のように使用され得る(アラビアガム、グアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、トラガントガムまたはこれらの混合物)。したがって、ある特定の実施形態では、本発明は、先に定義される組成物を調製するプロセスであって、プロセスは、
(i)アラビアガム、グアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、トラガントガムまたはこれらの混合物および少なくとも1種のサポニンの水溶液を調製するステップ;
(ii)(i)からの水溶液をジンゲノイド、および場合により炭酸カルシウムと混合して、エマルジョンを得るステップ
を含む、プロセスを提供する。
【0087】
好ましい実施形態では、ジンゲロイドが、液体の形態であるショウガオレオレジンとして提供される。なおより好ましい実施形態では、ショウガオレオレジンが、少なくとも70%などの、少なくとも50%などの、少なくとも40%の脂質含有量を有する。
【0088】
好ましい実施形態では、混合物が均質化される。
【0089】
本発明の方法を使用して得られるエマルジョンは、0.9~10ミクロンなどの、20~30、0.5~30ミクロンなどの、20~50などの、10~50などの、10~70などの、10~80などの、0.9~10などの、0.1~0.2、0.1~0.3、0.1~0.4、0.1~0.5、0.1~0.7、0.1~0.9、0.2~0.6、0.2~0.5、0.2~0.8、0.2~0.9、0.3~0.9、0.3~1などの、0.1~10、0.1~9、0.1~8、0.1~6、0.1~5、0.1~3、0.1~2、0.1~1などの、0.05~10、0.05~9、0.05~8、0.05~6、0.05~5、0.05~3、0.05~2などの、0.1~10などの、0.1~90、0.1~50などの、0.1~100などの、0.05~100ミクロンの平均直径を有する液滴を有し得る。
【0090】
ある特定の実施形態では、液滴が、約0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40または45ミクロンの平均直径を有し得る。
【0091】
エマルジョン形態ステップ(ii)の液滴サイズは、D90としても表され得る。D90は、分布の90パーセントがより小さい液滴サイズを有し、10パーセントがより大きい液滴サイズを有する直径を記載する。
【0092】
本発明の方法を使用して得られるエマルジョンは、0.9~10ミクロンなどの、20~30、0.5~30ミクロンなどの、20~50などの、10~50などの、10~70などの、10~80などの、0.9~10などの、0.5~1などの、0.1~0.2、0.1~0.3、0.1~0.4、0.1~0.5、0.1~0.7、0.1~0.9、0.2~0.6、0.2~0.8、0.2~0.9、0.3~0.9、0.3~1などの、0.1~10、0.1~9、0.1~8、0.1~6、0.1~5、0.1~3、0.1~2、0.1~1などの、0.05~10、0.05~9、0.05~8、0.05~6、0.05~5、0.05~3、0.05~2などの、0.1~10などの、0.1~90、0.1~50などの、0.1~100などの、0.05~500ミクロンのD90を有する粒径を有する液滴を有し得る。
【0093】
ある特定の実施形態では、D90が、約0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40または45ミクロンである。
【0094】
プロセスは、場合により、(ii)の生成物を乾燥させて、200~450ミクロンなどの、100~500ミクロンなどの、約5ミクロン~約1000ミクロンの平均直径を有する粒子を含む組成物を得るステップを含み得る。
【0095】
生成物の乾燥は、噴霧乾燥などの当業者によって知られている標準的な技術を使用して行われ得る。
【0096】
ある特定の実施形態では、乾燥生成物がナノ粒子を含まない、または乾燥生成物が10%未満(数ベース)の500nm未満の少なくとも1つの寸法を有する粒子を含有する。
【0097】
ある特定の実施形態では、乾燥生成物の粒子が、150~250ミクロンなどの、140~250ミクロンなどの、100~250ミクロンなどの、100~300ミクロンなどの、200~500ミクロンなどの、900~800ミクロン、500~600ミクロン、100~500ミクロンなどの、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、400、450、500、600、700、800、900ミクロン~約800、700、600、550、500、450、400、350、300、250、200、150、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10ミクロン(この言い回しは、増加する数の各々から減少する数のいずれか1つまでの全ての組み合わせを包含する)などの、約5ミクロン~約1000ミクロンの平均直径を有し得る。
【0098】
粒径はD90とも表され得る。ある特定の実施形態では、乾燥生成物の粒子が、280~500ミクロンなどの、250~450ミクロンなどの、250~500ミクロンなどの、200~500ミクロンなどの、900~800ミクロン、500~600ミクロン、100~500ミクロンなどの、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、400、450、500、600、700、800、900ミクロン~約800、700、600、550、500、450、400、350、300、250、200、150、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10ミクロン(この言い回しは、増加する数の各々から減少する数のいずれか1つまでの全ての組み合わせを包含する)などの、約5ミクロン~約1000ミクロンのD90を有し得る。
【0099】
本発明のプロセスの好ましい実施形態では、ジンゲロイドがショウガオレオレジンとして提供される。なおより好ましい実施形態では、ショウガオレオレジンが、少なくとも70%などの、少なくとも50%などの、少なくとも40%の脂質含有量、および少なくとも30% w/wのジンゲロイドなどの、少なくとも17%などの、少なくとも10%のジンゲロイド含有量を有する。
【0100】
例えば、本発明は、先に定義される組成物を調製するプロセスであって、プロセスは、
(i)アラビアガムおよび少なくとも1種のサポニンの水溶液を調製するステップ;
(ii)(i)からの水溶液をジンゲロイド(ショウガオレオレジンなど)、および場合により炭酸カルシウムと混合して、エマルジョンを得るステップ;および
(iii)(ii)の生成物を乾燥させて、150~300の平均直径および280~500のD90を有する粒子を含む組成物を得るステップ
を含む、プロセスを提供し得る。
【0101】
乾燥(噴霧乾燥など)後、粒子はブレンド、粉砕、製粉および/または圧縮されて、より均一なサイズを提供し得る。
【0102】
典型的には、本発明のプロセスでは、ジンゲロイドが、ジンゲロイド源の約5重量%~約100重量%の純度を有し得る、すなわち、ショウガ抽出物が、抽出物の総重量の百分率に基づいて、約5% w/w、10% w/w、20%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%または90%~約95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%または45% w/wのジンゲロイドなどの、約5%~約100%のジンゲロイドを含み得る。好ましい実施形態では、ジンゲロイドが、約30% w/wなどの、20%~40%の純度を有し得る。ある特定の実施形態では、ショウガ抽出物が、少なくとも30% w/wのジンゲロイドなどの、少なくとも20%などの、少なくとも10%などの、少なくとも5% w/wのジンゲロイドを有し得る。
【0103】
典型的には、本発明のプロセスでは、水溶液中のジンゲロイドまたはショウガオレオレジンの重量濃度が、約5%~約80%または約7%~約40% w/wなどの、約1%~約95%であり得る。
【0104】
本発明のプロセスでは、ガム水溶液(アラビアガム溶液など)が、ガム(アラビアガムなど)を水と混合することによって調製され得る。
【0105】
ガム(アラビアガムなど)水溶液は、約40%~約60% w/wなどの、約20%~約80%のガム(アラビアガムなど)の重量濃度を有し得る。
【0106】
典型的には、ジンゲロイドまたはショウガオレオレジン水溶液およびアラビアガム水溶液が、撹拌を使用して混合される。
【0107】
本発明のプロセスでは、サポニン(キラヤから得られるまたは入手可能である抽出物など)が、組成物に関して先に定義される通りであり得る。
【0108】
本発明のプロセスで使用されるサポニン(キラヤから得られるまたは入手可能である抽出物など)は、液体または固体などのあらゆる形態であり得る。例えば、サポニン(キラヤから得られるまたは入手可能である抽出物など)は、粉末などの固体の形態で使用され得る。
【0109】
典型的には、本発明のプロセスでは、少なくとも1種のサポニン(キラヤサポニンなど)が、組成物の1.3~約1.5重量%などの、約0.5重量%~約3重量%または約2重量%などの、組成物の約0.1重量%~約5重量%の量で本発明の最終組成物中に存在し得る。
【0110】
本発明のプロセスでは、サポニン(キラヤ抽出物として提供され得る)が撹拌を使用して混合され得る。
【0111】
上に定義されるジンゲロイド(ショウガオレオレジンなど)と混合されたアラビアガムおよびサポニン(キラヤなど)を含む水溶液の混合がエマルジョンを提供する。
【0112】
本発明のプロセスは、場合により、実質的に乾燥した生成物、すなわち存在する水の少なくとも95%または99%などの、少なくとも90%が除去された生成物を提供するために、必要に応じて追加の溶媒を除去するステップを含み得る。さらに、低温殺菌ステップが実施され得る。
【0113】
前述のように、本発明の組成物はエマルジョンの形態であり得る、または組成物は固体の形態、例えば粉末の形態であり得る。
【0114】
本明細書で使用される場合、「エマルジョン」という用語は、通常混合しない2種の液体を組み合わせることによって形成される種類の脂質分散体を指す。典型的には、液体の一方が、他方の液体の分散体を含有する。
【0115】
「コロイド」および「エマルジョン」という用語は互換的に使用されることがあるが、本明細書で使用される場合、エマルジョンという用語は、混合物の両方の相が液体である場合に適用される(第1の液体としてのショウガオレオレジンならびに第2の液体としてのサポニンおよびガムの水溶液)。
【0116】
コロイド溶液は、コロイド懸濁液として特定されることもあるが、固体粒子が流体中に規則的に懸濁している混合物である。好ましい実施形態では、ステップ(ii)の生成物がコロイド溶液ではなくエマルジョンである。
【0117】
組成物がエマルジョンの形態である、本発明の組成物のある特定の実施形態では、液滴が、0.9~10ミクロンなどの、20~30、0.5~30ミクロンなどの、20~50などの、10~50などの、10~70などの、10~80などの、0.9~10などの、0.1~0.2、0.1~0.3、0.1~0.4、0.1~0.5、0.1~0.7、0.1~0.9、0.2~0.6、0.2~0.5、0.2~0.8、0.2~0.9、0.3~0.9、0.3~1などの、0.1~10、0.1~9、0.1~8、0.1~6、0.1~5、0.1~3、0.1~2、0.1~1などの、0.05~10、0.05~9、0.05~8、0.05~6、0.05~5、0.05~3、0.05~2などの、0.1~10などの、0.1~90、0.1~50などの、0.1~100などの、0.05~100ミクロンの平均直径を有し得る。
【0118】
ある特定の実施形態では、液滴が、約0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40または45ミクロンの平均直径を有し得る。
【0119】
エマルジョンは、0.9~10ミクロンなどの、20~30、0.5~30ミクロンなどの、20~50などの、10~50などの、10~70などの、10~80などの、0.9~10などの、0.5~1などの、0.1~0.2、0.1~0.3、0.1~0.4、0.1~0.5、0.1~0.7、0.1~0.9、0.2~0.6、0.2~0.8、0.2~0.9、0.3~0.9、0.3~1などの、0.1~10、0.1~9、0.1~8、0.1~6、0.1~5、0.1~3、0.1~2、0.1~1などの、0.05~10、0.05~9、0.05~8、0.05~6、0.05~5、0.05~3、0.05~2などの、0.1~10などの、0.1~90、0.1~50などの、0.1~100などの、0.05~500ミクロンのD90を有する液滴を有し得る。
【0120】
ある特定の実施形態では、D90が、約0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40または45ミクロンである。
【0121】
前述のように、エマルジョンは、固体を得るためにその後乾燥され得る。
【0122】
組成物が粉末などの固体の形態である場合、組成物は、例えば、150~250ミクロンなどの、140~250ミクロンなどの、100~250ミクロンなどの、100~300ミクロンなどの、200~500ミクロンなどの、900~800ミクロン、500~600ミクロン、100~500ミクロンなどの、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、400、450、500、600、700、800、900ミクロン~約800、700、600、550、500、450、400、350、300、250、200、150、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10ミクロン(この言い回しは、増加する数の各々から減少する数のいずれか1つまでの全ての組み合わせを包含する)などの、約5ミクロン~約1000ミクロンの平均直径を有する粒子を含み得る。
【0123】
粒径はD90とも表され得る。ある特定の実施形態では、乾燥生成物の粒子が、280~500ミクロンなどの、250~450ミクロンなどの、250~500ミクロンなどの、200~500ミクロンなどの、900~800ミクロン、500~600ミクロン、100~500ミクロンなどの、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、400、450、500、600、700、800、900ミクロン~約800、700、600、550、500、450、400、350、300、250、200、150、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10ミクロン(この言い回しは、増加する数の各々から減少する数のいずれか1つまでの全ての組み合わせを包含する)などの、約5ミクロン~約1000ミクロンのD90を有し得る。
【0124】
組成物中の粒子はミセルの形態であり得る。
【0125】
粒子の形成後(例えば、噴霧乾燥などの乾燥後)、粒子が粉砕および/または製粉(ボールミリングなど)されて、より均一なサイズを提供し得る。
【0126】
粒子のサイズは、方法CQ-MO-304(Mastersizer Malvern機器を使用)によって測定され得る。液滴サイズはMastersizerを使用して測定され得る。
【0127】
組成物は、固体または液体形態、好ましくは粉末などの固体形態で提供され得る。固体形態には、化合物が非晶質固体として、または結晶性もしくは部分結晶性固体として提供され得ることが包含される。
【0128】
組成物は、典型的には、約4~約7のpHなどの、4以上のpH、で、高度に水溶性および/または安定である。
【0129】
水溶性という用語は、組成物の少なくとも約60%、70%、80%、90%または95%などの、少なくとも約50%が、室温、すなわち約25℃の温度で水に溶解することを意味する。
【0130】
誤解を避けるために、本発明の所与の態様、特徴またはパラメータについて示される選好、選択肢、特定の特徴などは、文脈が他を指し示さない限り、本発明の同じまたは他の態様、特徴およびパラメータについて示されるありとあらゆる他の選好、選択肢、特定の特徴などと組み合わせて開示されていると見なされるべきである。
【0131】
本明細書で使用される「約」という用語は、例えば測定可能な値(反応混合物中の特定の構成成分の量または重量など)を指す場合、指定された量に対する±20%、±10%、±5%、±1%、±0.5%、または特に±0.1%の変動を指す。例えば、組成物中の構成成分の百分率に関する±0.5%の変動は、与えられる百分率に対する0.5%の変動を意味する、すなわち10%の±0.5%は9.5%~10.5%の変動を意味する。
【0132】
本発明によると、組成物は、栄養医薬品配合物、ヒトもしくは動物用の食餌もしくは食品製品(機能性食品配合物、すなわち、食品、飲料、飼料もしくはペットフードまたは食品、飲料、飼料もしくはペットフードのサプリメントなど)、除草剤、栄養補助食品、芳香剤もしくは香味剤、医薬製剤もしくは獣医学製剤、ワイン学配合物もしくは化粧品配合物の形態で提供され得る、または栄養医薬品配合物、ヒトもしくは動物用の食餌もしくは食品製品(機能性食品配合物、すなわち、食品、飲料、飼料もしくはペットフードまたは食品、飲料、飼料もしくはペットフードのサプリメントなど)、栄養補助食品、芳香剤もしくは香味剤、医薬製剤もしくは獣医学製剤、ワイン学配合物もしくは化粧品配合物の一部を形成し得る。
【0133】
したがって、本発明はまた、先に定義される本発明の組成物を含む栄養医薬品配合物、ヒトまたは動物用の食餌または食品製品(機能性食品配合物、すなわち、食品、飲料、飼料もしくはペットフードまたは食品、飲料、飼料もしくはペットフードのサプリメントなど)、栄養補助食品、芳香剤または香味剤、医薬製剤または獣医学製剤、ワイン学配合物または化粧品配合物に言及する。
【0134】
例えば、本発明は、本発明の組成物を含む、からなる、またはから本質的になる(すなわち、少なくとも95%、または99%または99.5%が本発明の組成物であるなど、栄養医薬品配合物、ヒトまたは動物用の食餌または食品製品、栄養補助食品、芳香剤または香味剤、医薬製剤または獣医学製剤、ワイン学配合物または化粧品配合物の少なくとも90% w/wが組成物である)栄養医薬品配合物、ヒトまたは動物用の食餌または食品製品(機能性食品配合物、すなわち、食品、飲料、飼料もしくはペットフードまたは食品、飲料、飼料もしくはペットフードのサプリメントなど)、栄養補助食品、芳香剤または香味剤、医薬製剤または獣医学製剤、ワイン学配合物または化粧品配合物を提供する。
【0135】
本発明はまた、栄養医薬品配合物、ヒトまたは動物用の食餌または食品製品(機能性食品配合物、すなわち、食品、飲料、飼料もしくはペットフードまたは食品、飲料、飼料もしくはペットフードのサプリメントなど)、栄養補助食品、芳香剤または香味剤、医薬製剤または獣医学製剤、ワイン学配合物または化粧品配合物における本発明の組成物の使用を提供する。
【0136】
組成物が、栄養医薬品配合物、ヒトもしくは動物用の食餌もしくは食品製品(機能性食品配合物、すなわち、食品、飲料、飼料もしくはペットフードまたは食品、飲料、飼料もしくはペットフードのサプリメントなど)、栄養補助食品、芳香剤もしくは香味剤、医薬製剤もしくは獣医学製剤、ワイン学配合物もしくは化粧品配合物の形態である、または栄養医薬品配合物、ヒトもしくは動物用の食餌もしくは食品製品(機能性食品配合物、すなわち、食品、飲料、飼料もしくはペットフードまたは食品、飲料、飼料もしくはペットフードのサプリメントなど)、栄養補助食品、芳香剤もしくは香味剤、医薬製剤もしくは獣医学製剤、ワイン学配合物もしくは化粧品配合物の一部を形成し得る場合、栄養医薬品配合物、ヒトまたは動物用の食餌または食品製品(機能性食品配合物、すなわち、食品、飲料、飼料もしくはペットフードまたは食品、飲料、飼料もしくはペットフードのサプリメントなど)、栄養補助食品、芳香剤または香味剤、医薬製剤または獣医学製剤、ワイン学配合物または化粧品配合物は、場合により、必要に応じて、賦形剤または担体または(機能性)食品許容成分およびこれらの混合物などの医薬/獣医学成分をさらに含み得る。
【0137】
本明細書で使用される場合、薬学的に許容される賦形剤への言及は、当業者に公知の薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤および/または担体を指し得る。
【0138】
食品許容成分は、当技術分野で公知のもの(本明細書で薬学的に許容される賦形剤とも呼ばれるものを含む)を含み、天然または非天然であることができる、すなわちそれらの構造が天然に存在してもしなくてもよい。ある特定の例では、食品許容成分が天然化合物に起源をもち、後に修飾することができる(例えばマルトデキストリン)。
【0139】
「薬学的/栄養医薬的に許容される」とは、組成物の追加の構成成分が無菌であり、かつパイロジェンフリーであることを意味する。このような構成成分はまた、組成物と適合性であり、そのレシピエントに有害ではないという意味で「許容され」なければならない。したがって、「薬学的に許容される」は、単に賦形剤として作用することが意図されている、すなわちそれ自体が生物学的活性を有することが意図されていない、製剤の一部を形成するのに使用されるあらゆる化合物を含む。したがって、薬学的に許容される賦形剤は、一般に安全であり、非毒性であり、かつ生物学的にも他の点でも望ましくないものではない。
【0140】
組成物が、栄養医薬品配合物、ヒトまたは動物用の食餌または食品製品(機能性食品配合物、すなわち、食品、飲料、飼料もしくはペットフードまたは食品、飲料、飼料もしくはペットフードのサプリメントなど)、栄養補助食品、芳香剤または香味剤、医薬製剤または獣医学製剤、ワイン学配合物または化粧品配合物の一部を形成する場合、組成物は、栄養医薬品配合物、ヒトまたは動物用の食餌または食品製品、栄養補助食品、芳香剤または香味剤、医薬製剤または獣医学製剤、ワイン学配合物または化粧品配合物の約0.01重量%、0.1重量%、1重量%、5重量%、10重量%、20重量%、30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%または90重量%~約90重量%、80重量%、70重量%、60重量%、50重量%、40重量%、30重量%または20重量%などの、栄養医薬品配合物、ヒトまたは動物用の食餌または食品製品、栄養補助食品、芳香剤または香味剤、医薬製剤または獣医学製剤、ワイン学配合物または化粧品配合物の約1~約99重量%の量で栄養医薬品配合物、ヒトまたは動物用の食餌または食品製品、栄養補助食品、芳香剤または香味剤、医薬製剤または獣医学製剤、ワイン学配合物または化粧品配合物中に存在し得る。
【0141】
当業者は、組成物が栄養医薬品配合物、ヒトもしくは動物用の食餌もしくは食品製品(機能性食品配合物、すなわち、食品、飲料、飼料もしくはペットフードまたは食品、飲料、飼料もしくはペットフードのサプリメントなど)、栄養補助食品、芳香剤もしくは香味剤、医薬製剤もしくは獣医学製剤、ワイン学配合物もしくは化粧品配合物の形態である、または栄養医薬品配合物、ヒトもしくは動物用の食餌もしくは食品製品(機能性食品配合物、すなわち、食品、飲料、飼料もしくはペットフードまたは食品、飲料、飼料もしくはペットフードのサプリメントなど)、栄養補助食品、芳香剤もしくは香味剤、医薬製剤もしくは獣医学製剤、ワイン学配合物もしくは化粧品配合物が組成物を含むいずれの場合であっても、栄養医薬品配合物、ヒトまたは動物用の食餌または食品製品(機能性食品配合物、すなわち、食品、飲料、飼料もしくはペットフードまたは食品、飲料、飼料もしくはペットフードのサプリメントなど)、栄養補助食品、芳香剤または香味剤、医薬製剤または獣医学製剤、ワイン学配合物または化粧品配合物が、経口、直腸、経鼻、肺、頬側、舌下、経皮、槽内、腹腔内、および非経口(皮下、筋肉内、髄腔内、静脈内および皮内を含む)経路などのあらゆる適切な経路によって、ペイシェントまたは対象(例えば、ヒトまたは動物のペイシェントまたは対象)に投与され得ることを理解するだろう。
【0142】
特に、本発明の組成物、および組成物を含む栄養医薬品配合物、ヒトまたは動物用の食餌または食品製品(機能性食品配合物、すなわち、食品、飲料、飼料もしくはペットフードまたは食品、飲料、飼料もしくはペットフードのサプリメントなど)、栄養補助食品、芳香剤または香味剤、医薬製剤または獣医学製剤、ワイン学配合物または化粧品配合物は経口投与され得る。このような場合、本発明による医薬組成物は、経口経路による投与のために具体的に製剤化され得る。
【0143】
経口投与のための医薬製剤または栄養医薬品配合物は、硬カプセルまたは軟カプセル、錠剤、トローチ、糖衣錠、丸剤、ロゼンジ、散剤および顆粒剤などの固体剤形を包含する。適切な場合、これらは腸溶コーティングなどのコーティングを用いて調製することができる、またはこれらは、当技術分野で周知の方法に従って、持続放出もしくは長期放出などの活性成分の制御放出を提供するように製剤化することができる。
【0144】
経口投与のための液体剤形は、溶液、エマルジョン、水性または油性/油系懸濁液、シロップおよびエリキシルを包含する。
【0145】
経口投与を意図したものなどの、本明細書に記載される栄養医薬品配合物、ヒトまたは動物用の食餌または食品製品(機能性食品配合物、すなわち、食品、飲料、飼料もしくはペットフードまたは食品、飲料、飼料もしくはペットフードのサプリメントなど)、栄養補助食品、芳香剤または香味剤、医薬製剤または獣医学製剤、ワイン学配合物または化粧品配合物は、組成物の構成成分を混和物にするなどの、当業者に公知の方法に従って調製され得る。
【0146】
本明細書に記載されるこのような栄養医薬品配合物、ヒトまたは動物用の食餌または食品製品(機能性食品配合物、すなわち、食品、飲料、飼料もしくはペットフードまたは食品、飲料、飼料もしくはペットフードのサプリメントなど)、栄養補助食品、芳香剤または香味剤、医薬製剤または獣医学製剤、ワイン学配合物または化粧品配合物は、甘味剤、香味剤、着色剤および保存剤などの食品成分からなる群から選択される1種または複数の追加の構成成分を含有し得る。錠剤は、錠剤の製造に適した非毒性の薬学的に許容される賦形剤(または成分)と混和した1種または複数の活性成分を含有し得る。これらの賦形剤(または成分)は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤;造粒剤および崩壊剤、例えば、コーンスターチ、マルトデキストリンまたはアルギン酸;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチンまたはアカシア;ならびに潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクであり得る。錠剤は非コーティングであり得る、または常在は胃腸管での崩壊および吸収を遅延させ、それによって、より長期間にわたる持続作用を提供するために公知の技術によってコーティングされ得る。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延材料が採用され得る。
【0147】
適切な医薬担体は、不活性固体希釈剤または充填剤、滅菌水溶液および様々な有機溶媒を包含する。固体担体の例は、ラクトース、白土、スクロース、シクロデキストリン、マルトデキストリン、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アカシア、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、アラビアガム、加工デンプンおよびセルロースの低級アルキルエーテルである。液体担体の例は、シロップ、落花生油、オリーブ油、リン脂質、脂肪酸、脂肪酸アミン、ポリオキシエチレンおよび水である。さらに、担体または希釈剤は、単独でまたはワックスと混合された、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの、当技術分野で公知のあらゆる持続放出材料を包含し得る。
【0148】
障害、および治療されるペイシェント、ならびに投与経路に応じて、本発明の組成物は、様々な用量(すなわち、それを必要とするペイシェントに投与される、治療有効用量)で投与され得る。これに関して、当業者は、本発明に関連して哺乳動物、特にヒトに投与される用量が、合理的な時間枠にわたって哺乳動物において治療応答をもたらすのに十分であるべきであることを認識するだろう。当業者は、正確な用量および製剤ならびに最も適切な送達レジメンの選択が、とりわけ製剤の薬理学的特性、治療される状態の性質および重症度、ならびにレシピエントの身体状態および知的鋭敏さ、ならびに具体的な化合物の効力、治療されるペイシェントの年齢、状態、体重、性別および応答、ならびに疾患の病期/重症度によっても影響されることを認識するだろう。
【0149】
典型的には、先に定義される組成物または栄養医薬品配合物、ヒトもしくは動物用の食餌もしくは食品製品(機能性食品配合物、すなわち、食品、飲料、飼料もしくはペットフードまたは食品、飲料、飼料もしくはペットフードのサプリメントなど)、栄養補助食品、芳香剤もしくは香味剤、医薬製剤もしくは獣医学製剤、ワイン学配合物もしくは化粧品配合物は、約10mgのジンゲロイド、約15mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約70mg、約100mg、約200mg、約300mgのジンゲロイドの量でジンゲロイドを提供するために投与される。一実施形態では、先に定義される組成物または栄養医薬品配合物、ヒトもしくは動物用の食餌もしくは食品製品(機能性食品配合物、すなわち、食品、飲料、飼料もしくはペットフードまたは食品、飲料、飼料もしくはペットフードのサプリメントなど)、栄養補助食品、芳香剤もしくは香味剤、医薬製剤もしくは獣医学製剤、ワイン学配合物もしくは化粧品配合物が、約5mg/日のジンゲロイド、約10mg/日のジンゲロイド、約15mg/日、約20mg/日、約30mg/日、約40mg/日、約50mg/日、約70mg/日、約100mg/日、約200mg/日または約300mg/日のジンゲロイドなどの、約5mg/日のジンゲロイド~約400mg/日のジンゲロイドの量でジンゲロイドを提供するために投与される。
【0150】
例えば、組成物または栄養医薬品配合物、ヒトもしくは動物用の食餌もしくは食品製品(機能性食品配合物、すなわち、食品、飲料、飼料もしくはペットフードまたは食品、飲料、飼料もしくはペットフードのサプリメントなど)、栄養補助食品、芳香剤もしくは香味剤、医薬製剤もしくは獣医学製剤、ワイン学配合物もしくは化粧品配合物は、体重1kg当たり1.5mgのジンゲロイド、体重1kg当たり0.2mgのジンゲロイド、体重1kg当たり0.5mgのジンゲロイド、体重1kg当たり1mgのジンゲロイド、体重1kg当たり2mgのジンゲロイド、体重1kg当たり3mgのジンゲロイドまたは体重1kg当たり5mgのジンゲロイドなどの、体重1kg当たり約0.08mgのジンゲロイド~体重当たり約6.5mgのジンゲロイドの量でジンゲロイドを提供し得る。ある特定の実施形態では、組成物が、体重1kg当たり1.6mgのジンゲロイド~体重1kg当たり3.4mgのジンゲロイドの量でジンゲロイドを提供し得る。
【0151】
ある特定の実施形態では、体重1kg当たりのジンゲロイドが一日量ベースである。
【0152】
いずれの場合でも、医師または他の当業者は、個々のペイシェントに最も適した実際の投与量を日常的に決定することができるだろう。上述の投与量は、平均的な場合の例であり;当然、より高いまたはより低い投与量範囲が有益である個々の例が存在することができ、それは本発明の範囲内である。
【0153】
組成物の高い水溶性および安定性は、組成物が、哺乳動物におけるジンゲロイドまたはショウガオレオレジンのバイオアクセシビリティ、バイオアベイラビリティ、生物有効性および/または生理活性を改善するために使用することができることを意味する。
【0154】
ジンゲロイドまたはショウガオレオレジンの改善されたバイオアクセシビリティ、バイオアベイラビリティ、生物有効性および/または生理活性は、組成物が、過去にはジンゲロイドまたはショウガオレオレジンの不十分な水溶性および安定性が問題となっていた、疾患を予防および/または治療するために使用されることを可能にする。
【0155】
したがって、本発明は、哺乳動物におけるジンゲロイドまたはショウガオレオレジンのバイオアクセシビリティ、バイオアベイラビリティ、生物有効性および/または生理活性を改善する方法であって、先に定義される組成物の形態の該ジンゲロイドまたはショウガオレオレジンの投与を含む方法を提供する。
【0156】
方法は、以下、「本発明の方法」と呼ばれ得る。
【0157】
本発明はまた、哺乳動物におけるジンゲロイドまたはショウガオレオレジンのバイオアクセシビリティ、バイオアベイラビリティ、生物有効性および/または生理活性を改善するための、先に定義される組成物の使用を提供する。
【0158】
使用は、以下、「本発明の使用」と呼ばれ得る。
【0159】
本明細書に記載される方法または使用では、哺乳動物におけるジンゲロイドまたはショウガオレオレジンのバイオアクセシビリティ、バイオアベイラビリティ、生物有効性および/または生理活性の改善が、ジンゲロイドもしくはショウガオレオレジンの改善された胃腸耐性および/または腸細胞によるジンゲロイドもしくはショウガオレオレジンの改善された吸収および/または改善された血液循環を提供する組成物によるものであり得る。
【0160】
本明細書に記載される方法または使用では、哺乳動物におけるジンゲロイドまたはショウガオレオレジンのバイオアクセシビリティ、バイオアベイラビリティ、生物有効性および/または生理活性の改善が、約4~約7のpHで改善された水溶性および/または改善された安定性を提供する組成物によるものであり得る。
【0161】
したがって、本発明は、ジンゲロイドまたはショウガオレオレジンの水溶性および/またはpH安定性を改善する方法であって、方法は、先に定義される組成物の形態の該ジンゲロイドまたはショウガオレオレジンの投与を含む、方法を提供する。
【0162】
本発明はまた、ジンゲロイドまたはショウガオレオレジンの水溶性および/またはpH安定性を改善するための、先に定義される組成物の使用を提供する。
【0163】
本発明はまた、本発明の組成物または本発明の組成物を含む栄養医薬品配合物、ヒトもしくは動物用の食餌もしくは食品製品、栄養補助食品、医薬製剤もしくは獣医学製剤の形態の該ジンゲロイドまたはショウガオレオレジンの投与を含む、哺乳動物の腸でジンゲロイドの徐放を提供する方法を提供する。
【0164】
本発明はまた、哺乳動物の腸でジンゲロイドの徐放を提供するための、本発明の組成物または本発明による栄養医薬品配合物、ヒトもしくは動物用の食餌もしくは食品製品、栄養補助食品、医薬製剤もしくは獣医学製剤の使用を提供する。
【0165】
本明細書に記載される方法または使用では、ジンゲロイドが、6-ジンゲロール、8-ジンゲロール、10-ジンゲロール、6-ショウガオール、8-ショウガオール、10-ショウガオールまたはこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0166】
上記のように、ジンゲロイドまたはショウガオレオレジンの徐放ならびに改善されたバイオアクセシビリティ、バイオアベイラビリティ、生物有効性および/または生理活性は、組成物が、過去にはジンゲロイドまたはショウガオレオレジンの不十分な水溶性および安定性が問題となっていた、疾患を予防および/または治療するために使用されることを可能にする。
【0167】
ショウガ抽出物およびオレオレジンを使用して予防または治療することができる全ての異なる罹患および疾患(Nguyen Hoang Anh et al.Nutrients 2020,12,157)は、本発明の組成物を使用して治療または予防され得る。疾患および罹患の一部の例は、いかなる種類の制限もなく本明細書に列挙される。
【0168】
したがって、本発明は、胃腸障害、代謝障害原発性月経困難症、重度の月経出血、代謝障害、睡眠障害(不眠症など)、精神神経障害(うつ病および不安など)、神経変性疾患(統合失調症、アルツハイマー病、パーキンソン病など)、ならびに/または加齢性認知低下注意、覚醒および/もしくは気分を予防または治療するのに使用するための、先に定義される組成物または先に定義される栄養医薬品配合物、ヒトもしくは動物用の食餌もしくは食品製品、栄養補助食品、芳香剤もしくは香味剤、医薬製剤もしくは獣医学製剤、ワイン学配合物もしくは化粧品配合物を提供する。
【0169】
本発明はまた、胃腸障害、原発性月経困難症、重度の月経出血、代謝障害、睡眠障害(不眠症など)、精神神経障害(うつ病および不安など)、神経変性疾患(統合失調症、アルツハイマー病、パーキンソン病など)、ならびに/または加齢性認知低下注意、覚醒および/もしくは気分を予防または治療する方法であって、方法は、先に定義される組成物または先に定義される栄養医薬品配合物、ヒトもしくは動物用の食餌もしくは食品製品、栄養補助食品、芳香剤もしくは香味剤、医薬製剤もしくは獣医学製剤、ワイン学配合物もしくは化粧品配合物のそれを必要とするペイシェントへの投与を含む、方法を提供する。
【0170】
本発明はまた、胃腸障害、原発性月経困難症、重度の月経出血、代謝障害、睡眠障害(不眠症など)、精神神経障害(うつ病および不安など)、神経変性疾患(統合失調症、アルツハイマー病、パーキンソン病など)、ならびに/または加齢性認知低下注意、覚醒および/もしくは気分を治療または予防するための医薬の製造における、先に定義される組成物の使用を提供する。
【0171】
本発明はまた、それを必要とするヒトまたは動物における胃腸の健康を支援する方法であって、方法は、有効量の先に定義される組成物または先に定義される栄養医薬品配合物、ヒトもしくは動物用の食餌もしくは食品製品、栄養補助食品、芳香剤もしくは香味剤、医薬製剤もしくは獣医学製剤、ワイン学配合物もしくは化粧品配合物をヒトまたは動物に投与することを含む、方法を提供する。
【0172】
本発明は、胃腸の健康を支援するのに使用するための、先に定義される組成物、先に定義される栄養医薬品配合物、ヒトまたは動物用の食餌または食品製品、栄養補助食品、芳香剤または香味剤、医薬製剤または獣医学製剤、ワイン学配合物または化粧品配合物を提供する。
【0173】
胃腸障害は、限定されないが、消化不良ならびに胃内容排出および律動異常に関連する他の問題、過敏性腸症候群(IBS)、便秘、痔核、肛門裂傷、肛門周囲膿瘍、痔瘻、肛門周囲感染症、憩室性疾患、大腸炎、結腸ポリープ、下痢、結腸直腸がん、がんペイシェントのCINV、悪心または嘔吐(化学療法によって誘発される悪心および嘔吐、妊娠による悪心および嘔吐、術後悪心および嘔吐、妊娠悪阻または乗り物酔いなど)を含む。
【0174】
そこに記載される使用および方法の好ましい実施形態では、胃腸疾患が、消化不良、過敏性腸症候群(IBS)、結腸直腸がん、悪心または嘔吐(化学療法によって誘発される悪心および嘔吐、妊娠による悪心および嘔吐、術後悪心および嘔吐、妊娠悪阻または乗り物酔いなど)から選択される。
【0175】
他の疾患および罹患は、ショウガを使用して治療することができる。
【0176】
したがって、本発明は、筋肉の健康を支援する(運動または筋肉損傷によって誘発される筋肉痛、炎症、および機能障害、遅発性筋痛を軽減するなど)のに使用するための、先に定義される組成物、先に定義される栄養医薬品配合物、ヒトまたは動物用の食餌または食品製品、栄養補助食品、芳香剤または香味剤、医薬製剤または獣医学製剤、ワイン学配合物または化粧品配合物を提供する。
【0177】
したがって、本発明は、運動または筋肉損傷によって誘発される筋肉痛、炎症、および機能障害、遅発性筋痛を予防または治療するのに使用するための、先に定義される組成物または先に定義される栄養医薬品配合物、ヒトもしくは動物用の食餌もしくは食品製品、栄養補助食品、芳香剤もしくは香味剤、医薬製剤もしくは獣医学製剤、ワイン学配合物もしくは化粧品配合物を提供する。
【0178】
本発明はまた、運動または筋肉損傷によって誘発される筋肉痛、炎症、および機能障害、遅発性筋痛を予防または治療する方法であって、方法は、先に定義される組成物または先に定義される栄養医薬品配合物、ヒトもしくは動物用の食餌もしくは食品製品、栄養補助食品、芳香剤もしくは香味剤、医薬製剤もしくは獣医学製剤、ワイン学配合物もしくは化粧品配合物のそれを必要とするペイシェントへの投与を含む、方法を提供する。
【0179】
本発明はまた、運動または筋肉損傷によって誘発される筋肉痛、炎症、および機能障害、遅発性筋痛を予防または治療するための医薬の製造における、先に定義される組成物の使用を提供する。
【0180】
本発明はまた、それを必要とするヒトまたは動物における筋肉の健康を支援する方法であって、方法は、有効量の先に定義される組成物または先に定義される栄養医薬品配合物、ヒトもしくは動物用の食餌もしくは食品製品、栄養補助食品、芳香剤もしくは香味剤、医薬製剤もしくは獣医学製剤、ワイン学配合物もしくは化粧品配合物をヒトまたは動物に投与することを含む、方法を提供する。
【0181】
本明細書に記載される方法および使用では、哺乳動物がヒトであり得る。
【0182】
本明細書で使用される場合、「バイオアベイラビリティ」という用語は、正常な生理学的機能での利用のために作用部位で利用可能な摂取構成成分の割合として定義することができ、in vivoアッセイを通して決定される(Guerra A,Etienne-Mesmin L,Livrelli V et al(2012)Relevance and challenges in modeling human gastric and small intestinal digestion.Trends Biotechnol 30:591-600)。バイオアベイラビリティは、胃腸管での要素の消化率および溶解度;腸細胞による要素の吸収および循環への輸送;ならびに循環から機能的実体または標的への取り込みの3つの主なステップの結果である(Wienk KJH,Marx JJM,Beynen AC(1999)The concept of iron bioavailability and its assessment.Eur J Nutr 38:51-75;Etcheverry P,Grusak MA,Fleige LE(2012)Application of in vitro bioaccessibility and bioavailability methods for calcium,carotenoids,folate,iron,magnesium,polyphenols,zinc,and vitamins B6,B12,D,and E.Front Physiol 3:1-21)。
【0183】
本明細書で使用される場合、「バイオアクセシビリティ」という用語は、胃腸管内でその食物マトリックスから放出され、したがって、腸吸収に利用可能になる(典型的にはin vitro手順から確立される)化合物の画分として定義することができる。これは、潜在的に生体到達可能な材料への変換のために食物消化中に起こる一連の事象を包含するが、上皮組織および前全身代謝(腸と肝臓の両方)を通した吸収/同化を除外する(Alegria A.,Garcia-Llatas G.,Cilla A.(2015)Static Digestion Models:General Introduction.In:Verhoeckx K.et al.(eds)The Impact of Food Bioactives on Health.Springer,Cham)。
【0184】
本明細書で使用される場合、「生理活性」という用語は、どのように栄養素または生理活性化合物が輸送されて標的組織に到達するか、どのようにそれが生体分子と相互作用するか、それが経験し得る代謝または生体内変換、ならびにバイオマーカーの生成および誘導される生理学的応答として定義することができる(Alegria A.,Garcia-Llatas G.,Cilla A.(2015)Static Digestion Models:General Introduction.In:Verhoeckx K.et al.(eds)The Impact of Food Bioactives on Health.Springer,Cham)。
【0185】
胃腸障害は、限定されないが、消化不良ならびに胃内容排出および律動異常に関連する他の問題、過敏性腸症候群(IBS)、結腸直腸がん、がんペイシェントのCINV、悪心または嘔吐(化学療法によって誘発される悪心および嘔吐、妊娠による悪心および嘔吐、術後悪心および嘔吐、妊娠悪阻または乗り物酔いなど)を含む。
【0186】
本発明の組成物で治療することができる代謝障害は、限定されないが、グルコース制御、インスリン感受性、2型糖尿病、インスリン抵抗性、肥満関連代謝障害の軽減(糖尿病など)等を包含する。
【0187】
誤解を避けるために、本明細書では、「含む(comprising)」または「含む(comprises)」という用語を使用する場合、記載されている抽出物または組成物が列挙された成分を含有しなければならないが、場合により追加の成分を含有し得ることを意味する。「から本質的になる(consisting essentially of)」または「から本質的になる(consists essentially of)」という用語を使用する場合、記載されている抽出物または組成物が列挙された成分を含有しなければならず、あらゆる追加の成分が抽出物または組成物の本質的な特性に影響を及ぼさない限り、少量(例えば、最大5重量%、または最大1重量%もしくは0.1重量%)の他の成分も含有し得ることを意味する。「からなる(consisting of)」または「からなる(consists of)」という用語を使用する場合、記載されている抽出物または組成物が列挙された成分のみを含有しなければならないことを意味する。
【0188】
「含む(comprise)」または「含む(comprises)」または「含む(comprising)」という用語が、必要に応じて、本出願全体を通して「からなる(consist)」または「からなる(consisting)」または「から本質的になる(consisting essentially of)」で置き換えられ得ることも意図されている。
【0189】
「a」および「an」という用語は、特に明記されない限り、または本明細書の他の言語によって制約されない限り、1つまたは複数として定義される。「a」または「an」の後に続く要素または特徴は、1つの列挙された要素もしくは特徴、または2つ以上の要素もしくは特徴として解釈され得る。例えば、ガムは、1種類のガムとして、または複数種のガム(例えば、アラビアガムおよびグアーガム)として解釈され得る。
【0190】
「約(about)」、「およそ(approximately)」、「本質的に(essentially)」、「実質的に(substantially)」という用語、そのあらゆる他のバージョン、またはあらゆる他の類似の相対的な用語、または類似の近似の用語は、当業者によって理解されるものに近いものとして定義される。非限定的な例示的な実施形態として、これらの用語は、列挙された値の20%以内であると定義される、または列挙された値の10%以内であると定義される、または列挙された値の5%以内であると定義される、または列挙された値の4%以内であると定義される、または列挙された値の3%以内であると定義される、または列挙された値の2%以内であると定義される、または列挙された値の1%以内であると定義される、または列挙された値の0.5%以内であると定義される、または列挙された値の0.25%以内であると定義される、または列挙された値の0.1%以内であると定義される。
【0191】
重量パーセントでの量が本開示に記載されている場合、終点を含む範囲内のありとあらゆる量が明示的に開示されていると見なされるべきであることが理解されるべきである。例えば、「約1~約10の範囲」の開示は、約1~約10の間の連続体に沿ったありとあらゆる可能な数を示すものとして読まれるべきである。本発明者らが範囲内のありとあらゆるデータ点が指定されたと見なされるべきであることを認識および理解していること、ならびに本発明者らが範囲全体および範囲内の全ての点を所有していることが理解されるべきである。
【0192】
誤解を避けるために、本発明の所与の態様、特徴またはパラメータについて示される選好、選択肢、特定の特徴などは、文脈が他を指し示さない限り、本発明の同じまたは他の態様、特徴およびパラメータについて示されるありとあらゆる他の選好、選択肢、特定の特徴などと組み合わせて開示されていると見なされるべきである。
【0193】
以下の本文は、本開示の多数の異なる実施形態の広範な説明を示すものである。説明は単なる例示として解釈されるべきであり、全ての可能な実施形態を説明することは不可能ではないにしても非現実的であるため、全ての可能な実施形態を説明するものではない。本明細書に記載されるあらゆる特徴、特性、構成成分、組成、成分、生成物、ステップまたは方法論は、全体または一部として、削除される、本明細書に記載されるあらゆる他の特徴、特性、構成成分、組成、成分、生成物、ステップもしくは方法論と組み合わされる、またはこれらに置換されることができることが理解されるだろう。現在の技術または本特許の出願日後に開発された技術のいずれかを使用して、多数の代替実施形態を実行することができ、これらは依然として特許請求の範囲内に含まれよう。
【0194】
ここで、本発明の好ましいおよび/または任意選択の特徴が示されるだろう。本発明のあらゆる態様は、文脈上別段の要求がない限り、本発明のあらゆる他の態様と組み合わされ得る。あらゆる態様の好ましいまたは任意選択の特徴のいずれも、文脈上別段の要求がない限り、単独でまたは組み合わせて、本発明のあらゆる態様、ならびにあらゆる他の好ましいまたは任意選択の特徴と組み合わされ得る。
【図面の簡単な説明】
【0195】
【
図3】
図3は、胃腸管におけるプロバイオティクスの生存を試験するために使用される適合SHIMEシステムの一般的スキームである。このシステムは、共に絶食または摂食条件下で、最初に胃、次いで小腸環境をシミュレートするために使用される1つの反応器で構成される。この実験では、システムがCaco-2輸送アッセイと連結される。
【
図4】
図4は、上部胃腸管(GIT)を通過した後の総ジンゲロイドのバイオアクセシビリティである。バイオアクセシビリティ%は、開始時の頂端区画中20または10μgジンゲロイド/mLの理論的最終濃度に基づいて計算された(すなわち、([AP 0時間]/20または10)
*100)。バーは平均±SEMを表す(n=3)。
【
図5】
図5は、輸送%が([BL 4時間]/20または10)
*100として定義され、20または10μg/mLは、0時間の時点での頂端区画への総ジンゲロイドの理論的に添加された濃度である、輸送%×バイオアクセシビリティ%として計算されるジンゲロイドバイオアベイラビリティである。
【
図6】
図6は、吸収%が([BL 4時間]+[細胞 4時間]/20または10)
*100として定義され、20または10μg/mLは、0時間の時点での頂端区画への総ジンゲロイドの理論的に添加された濃度である、吸収%×バイオアクセシビリティ%として計算されるジンゲロイドバイオアベイラビリティである。
【発明を実施するための形態】
【0196】
実施例
本発明は、以下の非限定的な実施例を参照することによってさらに説明される。
【0197】
実施例1-本発明の組成物の調製
組成物Aは、以下のように調製される:
まず、アラビアガムおよびキラヤ抽出物(65%超のサポニンを有する)の水溶液が調製された。
【0198】
次いで、アラビアガムおよびキラヤの該水溶液がショウガオレオレジン(総ジンゲロイド30%超および脂質含有量70% w/w超)と混合された。各構成成分の%w/wが表1に提示される。
【0199】
成分が、エマルジョンを作成するために混合され、次いで、噴霧乾燥装置を使用して乾燥される(組成物A)。
【0200】
実施例2.本発明の組成物の特性評価
【表1】
【表2】
【0201】
乾燥生成物粒子は、Keyence VHX-700デジタル顕微鏡を用いて測定された。Mastersizer装置は、レーザー回折(レーザー光散乱)によって粒径および粒径分布を測定する(CQ-MO-304法)。
【0202】
図7において、組成物A粒子が、乾燥エマルジョンから得られる小さな球状構造を示すことが分かる。
【0203】
2.1.材料および方法
【表3】
投与量の推奨:飲料60mL中ジンゲロイド10および20mg。
プロセスステップ:
全ての成分をガラスバケットに秤量し、水で満たし、完全に均質化するまで撹拌する。
【表4】
【表5】
特性評価:写真(目による概観、沈降観察)、pH制御(製剤中の抽出物の影響)、ΔLab
*(色+沈降修正を評価するため)、濁度測定(曇りを評価するため)
【0204】
1週間後、参照試料ボトルの上部に黄色の輪が観察された(ショウガ5%)。参照ボトル中の懸濁液中に多くの粒子(粉末)を見ることができる(
図1)。2週間にわたって、本発明者らは、目視で言えば、参照(ショウガ5%)を除いて、組成物A製剤を含むあらゆる試料についていかなる有意な色の変化も観察しない。この現象は、同等のジンゲロイド用量の組成物A製剤では現れない(
図1参照)。
【0205】
2週間後、参照試料(ショウガ5%)は10を超えるΔEを有するが、組成物Aは3未満のΔEを有する。本発明者らは、本発明の製剤(組成物A)において1~2週間の間にいかなるLab
*発展も見ていない(
図2)。
【0206】
実施例3-ヒト腸内微生物生態系のシミュレーター(SHIME(登録商標))
この試験の目的は、絶食条件下で、ヒト上部GITを通過した後の組成物Aについて、同じレベルのジンゲロイド20mgおよび10mgでの4種の試験製剤からのジンゲロイドの吸収を評価することであった。この目的のために、ヒト腸内微生物生態系のシミュレーター(SHIME(登録商標))がCaco-2輸送アッセイと連結して使用された(
図3)。
【0207】
3.1材料および方法
反応器の設定は、Mollyら(1993)1に記載されるように、成人の胃腸管(GIT)を表すSHIMEから適合された。SHIMEは、ヒト胃腸管の異なる部分をシミュレートする一連の5つの反応器からなる。最初の2つの反応器は、規定量のSHIME供給液ならびに膵液および胆汁液をそれぞれ胃および小腸区画に添加し、指定された間隔の後にそれぞれの反応器を空にする蠕動ポンプを用いて、食物摂取および消化の異なるステップをシミュレートするためのフィル・アンド・ドロー原理のものである。最後の3つの区画(一定の体積およびpH制御を有する連続的に撹拌される反応器)は、上行結腸、横行結腸および下行結腸をシミュレートする。胃腸管の異なる部分におけるin vivo条件に類似するように、異なる容器の保持時間およびpHが選択される。
【0208】
3.2上部GIT実験
活性物質のバイオアクセシビリティを評価するためにProDigestによって行われる典型的な実験は、経時的に同じ反応器内で胃および小腸の生理学的条件を表す適合SHIME(登録商標)システムを利用する(
図3)。摂食条件または絶食条件を模倣するために、特定の胃懸濁液が反応器に添加される。この後、小腸条件をシミュレートするために、標準化酵素および胆汁液が添加される。絶食条件または摂食条件について胃腸管の異なる領域におけるin vivo条件に類似するように、インキュベーション条件(pHプロファイル、インキュベーション時間)が最適化される。
【0209】
絶食条件および摂食条件下での成人上部GITのシミュレーションが最も代表的な条件下で実施されることを確実にするために、ProDigestは最近、最近のin vivoデータと共にInfoGestコンセンサス方法に基づいてその社内開発プロトコルを更新した。
【0210】
COST Action InfoGest内で、最近(2015年)、研究チーム間の消化実験の比較を強化する目的で、コンセンサス消化方法(摂食状態を事実上シミュレートする)が開発された2。
【0211】
しかしながら、更新されたProDigestプロトコルは、in vivo条件をより厳密に模倣するので、このような動的pHプロファイルを含有する。適用された条件は以下に要約される:
胃相(絶食状態)
・撹拌を介して混合しながら、37℃で45分間インキュベーション、pH=2.0。
・4倍低いペプシンおよびホスファチジルコリンレベルの添加4。
・バックグラウンド培地として、塩およびムチンのみが供給される。
【0212】
3.3.小腸相(絶食状態)
絶食条件および摂食条件におけるヒト十二指腸液の違いに関する最近の刊行物は、ヒト上部GIT条件をシミュレートするための社内開発プロトコルの更新をさらに必要とした。Riethorstら(2015)に基づいて、供給プロトコルと比較して以下のパラメータが適合された:
・撹拌を介して混合しながら、pHは最初に5分以内に2.0から5.5に自動的に上昇し、その後、37℃で3時間のインキュベーション中に5.5から7.0に徐々に上昇するpHが、ソフトウェア(標準プロトコル)によって自動的に制御される。
・膵酵素に関しては、全ての関連する酵素を特定の割合で含有する生動物膵抽出物(パンクレアチン)が使用される。
・胆汁酸塩に関しては、3mMのウシ胆汁抽出物が一般に補充される(ウシ胆汁は、タウロコール酸塩およびグリココール酸塩に関してブタよりもヒトに近い)。
・Caco-2輸送アッセイと連結するためのt=3時間(SI終了)でのサンプリング。
【0213】
3.4.Caco-2細胞における輸送アッセイ
Caco-2細胞(HTB-37;アメリカ合衆国培養細胞系統保存機関)が、ラット尾由来のコラーゲン(I型)でコーティングされた12ウェル半透膜(孔径0.4μm)上に播種され、完全培地(20%熱不活性化ウシ胎児血清、10mM HEPESおよび1×抗生物質-抗真菌剤を補充されたダルベッコ改変イーグル培地(DMEM))中で21日間、3回の培地交換/週で増殖された。21日後、バリア完全性を評価するために、経上皮電気抵抗(TEER)が測定された(=0時間の時点)。次いで、単層が洗浄され、輸送培地(HBSS+10mM HEPES)中で予備平衡化された。細胞が、輸送培地中20%の濃度で上部GIT培地で頂端で処理された。4時間後、TEERが再度測定され(=4時間の時点)、ジンゲロイドバイオアベイラビリティを決定するために、頂端画分および基底画分が回収された。さらに、細胞が、20% EtOHおよび0.1% Tween-20を含むPBS中で溶解された。バイオアベイラビリティを決定するために、0時間の時点での頂端画分も含められた。最後に、LDHアッセイに使用するために、4時間のインキュベーション時の100μLの頂端培地が回収された。
【0214】
3.5.試験製品
プロジェクトのこの段階で調査された試験製剤およびそれらの試験用量が表1に示される。胃相の開始時に製剤が添加された。全ての実験は、生物学的変動性を説明するために生物学的三連で実施された。
【表6】
【表7】
【0215】
3.6.統計
全ての統計試験は、Graphpad Prismソフトウェアバージョン8.3.0(米国サンディエゴ)を用いて実施された。処置間の統計学的有意差が絶食条件内で示される。
【0216】
組成物Aのジンゲロイド濃度間の統計学的有意差が絶食条件内で示される。処置は、ダネットの多重比較検定を用いた通常の一元配置ANOVAを使用して、組成物A(20mg)(*)または組成物A(10mg)($)と比較される。(*)または($)=p<0.05;(**)または($$)=p<0.01;(***)または($$$)=p<0.001および(****)または($$$$)=p<0.0001。
【0217】
3.7.結果概要.
ショウガ粉末およびショウガオレオレジンと比較して、ショウガ5%および組成物Aからの腸内分解後に利用可能なジンゲロイドとして定義されるバイオアクセシビリティが最も高かった(
図4)。あらゆる他の製剤と比較して組成物Aからの総ジンゲロイドの輸送および吸収を考慮に入れた場合のバイオアクセシビリティとして定義されるバイオアベイラビリティが最も高かった(
図5および
図6)。
【0218】
3.7.1結果1:バイオアクセシビリティ
上部GITを通過した後の製品のバイオアクセシビリティが、0時間の時点での頂端区画中の測定濃度および総ジンゲロイドの理論的に添加された濃度に基づいて計算された(すなわち、([AP 0時間]/20または10)
*100)(
図4)。
【0219】
このことから、他の製剤と比較して組成物Aからの総ジンゲロイドのバイオアクセシビリティが最も高いと結論付けることができた(
図4)。さらに、20mgの用量の組成物Aからの総ジンゲロイドのバイオアクセシビリティが全ての製剤と比較して有意に高かった。対照的に、10mgのより低い用量の組成物Aからのバイオアクセシビリティは、20mgのオレオレジンおよびショウガ粉末製剤と有意には異ならなかった。組成物A 10mgは、ショウガ5% 20mgと比較して有意に低かったが、組成物A 20mgと比較してあまり有意ではなかった。
【0220】
図4は、上部胃腸管(GIT)を通過した後の総ジンゲロイドのバイオアクセシビリティを示す。0時間の時点で頂端試料に存在する総ジンゲロイド濃度が測定された。製品が、20mgまたは10mgのいずれかのジンゲロイドの有効用量に対応する濃度で絶食上部胃腸管(GIT)条件下でインキュベートされた。開始時の頂端区画中20または10μgジンゲロイド/mLの理論的最終濃度に基づいて、バイオアクセシビリティ%が計算された(すなわち、([AP 0時間]/20または10)
*100)。バーは平均±SEMを表す(n=3)。(
*)は、組成物A 20mgと他の処置との間の統計学的有意差を表す。($)は、組成物A 10mgと他の処置との間の統計学的有意差を表す。($)=p<0.05;(
**)または($$)=p<0.01;(
***)=p<0.001。
【0221】
3.7.2.結果2aおよびb:バイオアベイラビリティ
次いで、Caco-2輸送アッセイにおける総ジンゲロイドのバイオアベイラビリティが、2つの異なる方法でバイオアクセシビリティを考慮して計算された:
結果2a、最初に、ジンゲロイドバイオアベイラビリティが輸送%×バイオアクセシビリティ%として計算された。輸送%は([BL 4時間]/20または10)
*100として定義され、20または10μg/mLは、0時間の時点での頂端区画への総ジンゲロイドの理論的に添加された濃度であり、20mgの用量の組成物Aからの総ジンゲロイドのバイオアベイラビリティは、組成物A 10mgのジンゲロイドを包含する他の製剤と比較して有意に高かった(
図5)。一方、10mgの低用量の組成物Aは、開始時に2倍低い量のジンゲロイド濃度を有する他の3種の製剤に対して同様の百分率のバイオアベイラビリティを示すいずれの製剤に対しても統計学的に有意ではなかった。
【0222】
図5は、GITと連結されたCaco-2輸送アッセイにおける総ジンゲロイドのバイオアベイラビリティを示す。バイオアベイラビリティは、4時間のインキュベーション時の基底区画への総ジンゲロイドの輸送%×バイオアクセシビリティ%として表される(すなわち、輸送%=([BL 4時間]/[20または10])
*100およびバイオアベイラビリティ%([AP 0時間]/20または10)
*100)。製品が、20mgまたは10mgのいずれかのジンゲロイドの有効用量に対応する濃度で絶食上部胃腸管(GIT)条件下でインキュベートされた。バーは平均±SEMを表す(n=3)。(
*)は、組成物A 20mgと他の処置との間の統計学的有意差を表す。($)は、組成物A 10mgと他の処置との間の統計学的有意差を表す。(
*)または($)=p<0.05;(
**)=p<0.01。
【0223】
結果2b、第2に、ジンゲロイドバイオアベイラビリティが吸収%×バイオアクセシビリティ%として計算された。吸収%は([BL 4時間]+[細胞 4時間]/20または10)
*100として定義され、20または10μg/mLは、0時間の時点で頂端区画への総ジンゲロイドの理論的に添加された濃度である。20mgの用量の組成物Aからの総ジンゲロイドのバイオアベイラビリティは、組成物A 10mgのジンゲロイドを包含する他の製剤と比較して有意に高かった(
図6)。一方、10mgの低用量の組成物Aは、開始時に2倍低い量のジンゲロイド濃度を有する他の3種の製剤に対して同様の百分率のバイオアベイラビリティを示すいずれの製剤に対しても統計学的に有意ではなかった。
【0224】
図6は、GITと連結されたCaco-2輸送アッセイにおける総ジンゲロイドのバイオアベイラビリティを示す。バイオアベイラビリティは、4時間のインキュベーション時の基底区画および細胞への総ジンゲロイドの吸収%×バイオアクセシビリティ%として表される(すなわち、吸収%=([BL 4時間]+[細胞 4時間]/[20または10])
*100およびバイオアベイラビリティ%([AP 0時間]/20または10)
*100)。製品が、20mgまたは10mgのいずれかのジンゲロイドの有効用量に対応する濃度で絶食上部胃腸管(GIT)条件下でインキュベートされた。バーは平均±SEMを表す(n=3)。(
*)は、組成物A 20mgと他の処置との間の統計学的有意差を表す。($)は、組成物A 10mgと他の処置との間の統計学的有意差を表す。(
*)または($)=p<0.05;(
**)=p<0.01。
【0225】
結論として、同様のレベルのジンゲロイド濃度で、総ジンゲロイドのバイオアクセシビリティおよびバイオアベイラビリティが、ショウガ5%、ショウガ粉末およびオレオレジンと比較して組成物A製剤について最も高かった。さらに、10mgのより低い投与量で使用された組成物Aは、20mgの他の製剤と比較して、バイオアクセシビリティの差もバイオアベイラビリティの差もなかった。この結果は、組成物Aの投与量を2倍低下させることによって、バイオアベイラビリティおよびバイオアクセシビリティが、ショウガ5%、ショウガ粉末およびショウガオレオレジン内のジンゲロイドの2倍高い濃度と同等であることを実証している。
【0226】
実施例4.in vivo試験.
この試験の目的は、3種の製剤:乾燥ショウガ粉末、ショウガ5%および組成物A(以下の表の製剤)からの、遊離の6、8、10ジンゲロールおよび6、8、10ショウガオールの遊離グルクロニドおよび硫酸塩代謝産物を包含するジンゲロイド代謝産物の吸収を評価することであった。
【表8】
【0227】
4.1.材料および方法
ショウガ試料が、マウスへの経口投与を伴うインビボモデルを使用した薬物動態試験に供された。全ての動物は、動物ケアプロトコル番号E-005-20の下でCell for Cell Laboratory Animal Centerによって提供された。薬物動態試験は、22℃で12時間の明暗サイクルを考慮した制御された環境下に維持された3つの群(n=5)に無作為に分けられた雄BALB/c(7~9週齢、体重20~25g)において実施された。実験前に、食物および水が自由に提供され、全てのマウスが試験前に1週間順応させられた。試験の前に、マウスは1.5時間絶食させられ、尾に印を付けられた。強制栄養溶液中2.5mg/mLの濃度を得るために、ショウガ粉末が水に懸濁された。マウスは、単回投与で6.3mg/kg体重の剛性投与カニューレを使用する胃内投与によって実施され、投与中の苦痛を避けるために、トラマドール(20mg/Kgの0.5mg/mLのトラマドール塩酸塩-Drag Pharma)が皮下注射された。強制栄養後の異なる固定時間(0.25、0.5、1、2、4、8時間)で血液試料が回収された。毎回、ケタミン/キシラジン麻酔が安楽死の手順として使用され、次いで、血液試料が腹腔動脈から採取された。全血がEDTAを含有するチューブに回収され、4℃で15分間、7500rpmでの遠心分離によって血漿が得られた。次いで、試料がアリコートで保存され、分析まで-80℃で凍結された。
【0228】
4.2.試料調製:
保持時間の安定性を制御し、システムの偏差を補正するために、内部標準として25ng/mLのPAV(ペラルゴン酸バニリルアミド、ドイツダルムシュタット所在のMerck)を添加して、各6種のジンゲロイド(ドイツフェステンベルクスグロイト所在のPhytolab)について2~2500ng/mLの範囲で検量線が作成された。各ストック標準溶液の希釈剤としてメタノールが使用された。遊離ジンゲロイドの決定のために、正確に200μLの内部標準溶液(メタノール中31.25ng/mL)がCaptiva ND 96ウェルプレート(Agilent番号A5969002)中の50μLの血漿試料にロードされた。混合(30秒)および濾過(真空下)後、溶離液はLC/MSシステムに注入する準備が整う。総共役ジンゲロイド代謝産物(グルクロニドおよび硫酸塩代謝産物)の決定のために、40μLの血漿試料が40μLの酵素溶液(グルクロニダーゼ1000単位/mL、Sigma番号G7017;またはスルファターゼ、Sigma番号S9626、100単位/mL、共に酢酸緩衝液pH5.0中)と37℃で1時間混合された。この加水分解ステップ後、50μLの溶液がCaptiva ND 96ウェルプレート中200μLのメタノール(内部標準を含有する)と同様に混合される。混合(30秒)および濾過(真空下)後、溶離液はLC/MSシステムに注入する準備が整う。
【0229】
4.3.LC/MS条件:
使用された液体クロマトグラフィーシステムは、エレクトロスプレーイオン化モードのAgilent 6420トリプル四重極質量分析計と連結されたAgilent Infinity 1290システムであった。オートサンプラーは15℃に保たれた。代謝産物がPoroshell 120 EC-C 8カラム(50×3mm、1.9μm;Agilent)から25℃で、水中0.1%ギ酸LC-MSグレード(溶媒A)およびアセトニトリル中0.1%ギ酸LC-MSグレード(溶媒B)からなる移動相を用いて0.8mL/分の流量で溶出された。溶出は以下の通りであった:0~1分、45~45%B;1~2分、50% B;2~4分、55% B;4~8分、90% B。注入量は、標準および試料について5μLであった。各化合物について、前駆体対生成物イオンの関連する転移が決定された。MRMトランジションは、直接注入およびOptimizer B.08.00ワークステーションソフトウェアソリューション(米国カリフォルニア州サンタクララ所在のAgilent technologies)を使用して最適化された。検出されたピークの特異性を検証するために2つの修飾子が選択された(表1参照)。質量分析計のパラメータが以下のように設定された:ポジティブモードのESI源;乾燥ガス(N2)流量、10L/min;ガス温度、300℃;ネブライザー、40psi;およびキャピラリー、4.0kV。MSシステムは、製造業者のガイドラインに従って実行する前に完全に較正された。データ分析は、Agilent MassHunter Quantitative/Qualitative analysis B.07.00(米国カリフォルニア州サンタクララ所在のAgilent technologies)で後処理された。
【表9】
【0230】
4.5.注射前の血漿処理のためのCaptiva NDプロトコル.
a)Capitiva NDに50μlの血漿*を添加する
b)内部標準を含む200μlのメタノールを添加する
c)混合する
d)完全に溶出するために、全ての体積がカートリッジを通るまで真空引きする
【0231】
4.6.付録
標準および試薬
6-ジンゲロールアッセイ(HPLC)≧95%(Phytolab、参照89201)、
8-ジンゲロールアッセイ(HPLC)≧95%(Phytolab、参照89202)、
10-ジンゲロールアッセイ(HPLC)≧95%(Phytolab、参照89203)、
6-ショウガオールアッセイ(HPLC)≧90%(Phytolab、参照89792)、
8-ショウガオールアッセイ(HPLC)≧90%(Phytolab、参照83910)、
10-ショウガオールアッセイ(HPLC)≧90%(Phytolab、参照83911)、
ペラルゴン酸バニリルアミドPAV(内部標準)(Sigma、参照V 9130)
Helix pomatia由来のβ-グルクロニダーゼHP-2型(Sigma、参照G7017)
Helix pomatia由来のスルファターゼH-1型(Sigma、参照S9626)
材料:
Captiva ND 96ウェルフィルタプレート、孔径0.2μm、ポリプロピレンフィルタ(Agilent A5969002)
【0232】
4.7.結果
表10および表12に報告されるように、データは、組成物Aが、ショウガ粉末またはショウガ5%と比較して、有意に高い曲線下面積(AUC)を有することを実証した。増加したAUCは、それぞれ+53,08%および+26,26%である。
【0233】
徐放と組み合わせたより高いバイオアベイラビリティが、表14の相対バイオアベイラビリティデータによって確認され、組成物Aの1つのジンゲロイドは、ショウガ粉末の1つのジンゲロイドよりも1.96高く生体利用可能であり、ショウガ5%の1つのジンゲロイドよりも1,38高く生体利用可能である。
【0234】
さらに、Cmax(表10および表12)は群間で統計学的に異ならない(表11および表12、30分でのデータ、p>0,05)。この結果は、いずれの群についても最高ジンゲロイドレベル血中濃度の統計学的有意差がないことを示している。
【0235】
一方、組成物Aは、半減期の統計学的に有意なシフト(表9および表11に報告されるt 1/2(時間))を誘導し、ショウガ粉末と比較して2,84倍増加し、ショウガ5%と比較して1,80倍増加する。このシフトは、ショウガ粉末の摂取と比較した組成物Aの摂取後30分、1時間、4時間および8時間ならびにショウガ5%の摂取と比較した30分および1時間での統計学的に有意に高いジンゲロイド血漿レベルによるものである(表10および表11は、太字でp<0,05の値を報告)。
【0236】
これらの結果は、最大8時間持続する30分からのより高いジンゲロイド血中レベルによって実証される組成物Aの徐放効果を強調しており、時間的により長期のジンゲロイド放出を示し、換言すれば、組成物Aは、摂取後最大8時間までのより長い半減期および長期放出を特徴とするジンゲロイド徐放効果を提供する。
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【0237】
5.ヒト薬物動態試験例
実施例5:比較薬物動態試験を通した、健康なボランティアにおけるジンゲロイドのバイオアベイラビリティを強化するための組成物Aの効果の試験
この試験の目的は、ヒトにおいて、標準ショウガ根粉末および標準ショウガ抽出物5%に対して組成物Aの有効性を比較することである。この試験の仮説は、組成物Aが、同量の活性物質(ジンゲロイド)を提供するショウガ根粉末と比較して、用量正規化曲線下面積(AUC)によって測定される血漿中のバイオアベイラビリティに関して優れているということである。
【0238】
この試験の主な目的は、同じ量のジンゲロイドを送達するショウガ根粉末の単回投与と比較して、100mg(ヒト60kgと仮定して16.7mg/kg体重)の組成物Aの単回投与の消費後8時間の期間での総ジンゲロイド(6-、8-、10-ジンゲロールおよび6-、8-、10ショウガオールならびにそれらのグルクロニドおよび硫酸塩代謝産物)の血漿濃度プロファイルを評価することである。
【0239】
この試験の副次的目的は、各試験製品の単回投与の消費後に、以下のパラメータの血漿濃度プロファイルを評価することである。
-総ジンゲロイド;
-親化合物:6-、8-、10-ジンゲロールおよび6-、8-、10ショウガオール;
-代謝産物:6-、8-、または10-ジンゲロールグルクロニド、6-、8-、または10-ジンゲロール硫酸塩、6-、8-、または10-ショウガオールグルクロニド、6-、8-、または10-ショウガオール硫酸塩。
【0240】
この試験の副次的目的は、組成物Aと標準ショウガ抽出物との比較の評価を包含する。
【0241】
薬物動態試験は、単施設、無作為化、クロスオーバー、パイロットおよびオープン臨床試験である。スクリーニング/組み入れ来院(V0)、引き続いて3つの実験セッション(V1~V3)があり、その間、試験製品が対象によって消費される(各無作為化対象について各セッションで1つの異なる製品)。V1来院はV0から最大3週間後に行われ、無作為化化来院を構成することもできる。各実験セッション(V1~V3)は、最小1週間および最大2週間によって分けられる。各実験セッションの間、対象は8時間にわたって血液試料動態を受ける。最後の動態血液試料は、各実験セッション後、動態の開始の8時間後に実現される。尿回収もバイオバンキングのためにこれらの来院中に実施される。対象は、各実験来院の午前中に最初の排尿(この最初の排尿全体)、およびオンサイトで動態中の0~8時間の尿を回収しなければならない。試験の終了は、最後の実験セッションV3の翌日であることができる。
【0242】
この試験のために、健康な男性および女性(例えば18~35歳)がこの試験に参加するために募集される。参加者は、全ての組み入れ基準を満たし、除外基準のいずれも提示しない場合に、試験に登録される。倫理委員会から倫理的承認が得られる。
【0243】
参加者は、以下の場合、試験に組み入れられる:
-健康な男性および女性である、
-年齢が18歳~45歳の間(限界値を含む)である、
-BMIが19~25kg/m2の間(限界値を含む)である、
-過去3か月間で±3kg以内で体重が安定している、
-正常範囲内の日常的な血液化学値を有する、
-女性の場合:非閉経期であり、試験開始前の少なくとも3周期から同じ信頼性のある避妊をしており、試験の全期間中それを維持することに同意している(殺精子ゲルを含むコンドームおよびエストロゲン/プロゲスチン併用避妊が認められている)、またはホルモン補充療法によらないもしくはホルモン補充療法による閉経期である(3か月未満から開始されたエストロゲン補充療法は除外される)、
-非喫煙者である、またはタバコ消費量が5本/日以下であり、かつ全ての実験セッション(V1~V3)の間、喫煙しないことに同意している、
-試験の前の1週間および試験全体を通して、ショウガ、ショウガ粉末またはショウガ抽出物を含有する食品、飲料および調味料を摂取しないことに同意する。
【0244】
この試験はクロスオーバーで実施され、各対象は各実験セッション(V1~V3)中に無作為な順序で3種の試験製品を消費する。無作為化後、対象(30人の参加者)は、各実験セッション(V1~V3)において、1杯の水(厳密には240ml)と共に各試験製品を一度に消費する。試験製品は、動態のT0時点で消費される。試験製品は、製品属性配列の無作為リストに従って、実験セッション(V1~V3)中に対象に直接投与される。
【0245】
カプセルの形状の食餌補助食品である3種の製品が、この試験の一部として試験される。
-最小10%のジンゲロイドがカプセルとして消費される、組成物A 100mg(1カプセル;1カプセル当たり100mg)、
-同じ量のジンゲロイドを送達し、カプセルとして消費される、標準的なショウガ根粉末700~800mg(2カプセル;1カプセル当たり350~400mg)、
-最小5%のジンゲロイドがカプセルとして消費される、標準的なショウガ根抽出物200mg(1カプセル;1カプセル当たり200mg)。
-対象の健康状態を保証し、適格基準をチェックするために、対照記録分析および非閉経女性のための妊娠試験(βhCG投与)のためにV0来院中に血液試料が実現される。対象は、12時間絶食状態で臨床調査センターに来なければならない。身体検査の実現および適格基準の検証後、採血が実現される。ただ1回の穿刺が必要であり、最大10mLが回収されるだろう。パラメータが血清および血漿で分析され、したがって、EDTA管、蛍光管および乾燥管が使用される。血圧の測定は各来院時に実施される。これは、電子血圧計を用いて身体検査中に実施される。心拍数(HR、bpm)、収縮期血圧(SBP、mmHg)および拡張期血圧(DBP、mmHg)が評価される。対象は、12時間絶食状態で臨床調査施設に来るように求められる。
-動態はオンサイトで8時間続くことができる。対象は、全ての動態の間、臨床調査センターに滞在する。十(10)回の採血が以下のスケジュールに従って実現される:
-T-5(ベースライン)、
-T15>T30>T45>T60>T75>T90>T105>T120>T150>T180>T240>T300>T360>T480、
-T15については±30秒、T30およびT45については±1分、T60、T75、T90、T105については±2分、T120~T480については±5分のマージンが認められる。
【0246】
T0時点は、試験製品の消費に対応する。ボランティアは、試験製品消費の約4時間後(T240時点の直後)に自分の標準的なランチ、および試験製品消費の約8時間後に標準的なおやつを消費することが許される。昼食は、最大30分で消費されなければならないだろう。水は、製品投与の1時間前および1時間後は許容されない。
【0247】
これらのサンプリングで評価された生物学的パラメータが血漿において分析されるので、EDTA管のみが使用される(1サンプリング当たり5mL)。
【0248】
6-、8-、10-ジンゲロールおよび6-、8-、10-ショウガオールならびにこれらの代謝産物が、実施例4に記載されるようにLC/MS法を使用して分析される。
【0249】
ショウガ製品の消費後0~8時間の総ジンゲロイド(6-、8-、10-ジンゲロールおよび6-、8-、10-ショウガオールならびにこれらの代謝産物の合計)血漿濃度の用量正規化曲線下面積(AUC)(AUC 0~8時間/用量)(ng.時間/mL/mgで表される)が計算される。用量正規化AUCは、観察されたAUCを各投与の対応するジンゲロイド投与量で割ることによって、ジンゲロイド摂取量に従って正規化されたAUCである。以下の時点が考慮される:T15、T30、T45、T60、T75、T90、T105、T120、T150、T180、T240、T300、T360およびT480。T-5はAUC計算のためのベースライン値(T0)と見なすことができる。主な比較は、組成物A 100mg対標準ショウガ根粉末700~800mgである。
【0250】
この研究における異なる製剤の消費後の副次的エンドポイントが評価される:
-0~8時間の総ジンゲロイド血漿濃度のAUC(AUC 0~8時間)(ng.時間/mLで表される);
-0~8時間の個別のジンゲロイド(6-、8-、10-ジンゲロールおよび6-、8-、10-ショウガオール)およびそれらの代謝産物血漿濃度のAUC(AUC 0~8時間)(ng.時間/mLで表される);
-ジンゲロイド摂取量に従って正規化された0~無限大の総ジンゲロイド血漿濃度のAUC(AUC 0~∞/用量)(ng.時間/mL/mgで表される);
-0~無限大の総ジンゲロイド血漿濃度のAUC(AUC 0~∞)(ng.時間/mLで表される);
-0~無限大の個別のジンゲロイドおよびそれらの代謝産物血漿濃度のAUC(AUC 0~∞)(ng.時間/mLで表される);
-ジンゲロイド摂取量に従って正規化された総ジンゲロイド血漿濃度のピーク(Cmax/用量)(ng/mL/mgで表される);
-総ジンゲロイド血漿濃度のピーク(Cmax)(ng/mLで表される);
-個別のジンゲロイドおよびそれらの代謝産物血漿濃度のピーク(Cmax)(ng/mLで表される);
-総ジンゲロイド血漿濃度の半減期(t1/2、分で表される);
-個別のジンゲロイドおよびそれらの代謝産物の半減期(t1/2、分で表される);
-血漿中の総ジンゲロイドの消失速度定数(λz);
-血漿中の個別のジンゲロイドおよびそれらの代謝産物の消失速度定数(λz);
-総ジンゲロイド血漿濃度のピークまでの時間(Tmax、分で表される);
-個別のジンゲロイドおよびそれらの代謝産物のピークまでの時間(Tmax、分で表される);
-異なる試験製剤についての総ジンゲロイドの用量正規化AUC 0~8時間の参照製品(標準ショウガ根粉末)について得られた用量正規化AUC 0~8時間に対する比として定義される相対バイオアベイラビリティ。
【0251】
AUCの場合、以下の時点が考慮される:T0、T15、T30、T45、T60、T90、T120、T240、T360、T480およびT24時間。T-5はAUC計算のためのベースライン値(T0)と見なすことができる。
【0252】
ジンゲロイドは、6-、8-、10-ギンゲロールおよび6-、8-、10-ショウガオールとして定義され、代謝産物は、6-ジンゲロールグルクロニド、6-ジンゲロール硫酸塩、8-ジンゲロールグルクロニド、8-ジンゲロール硫酸塩、10-ジンゲロールグルクロニド、10-ジンゲロール硫酸塩、6-ショウガオールグルクロニド、6-ショウガオール硫酸塩、8-ショウガオールグルクロニド、8-ショウガオール硫酸塩、10-ショウガオールグルクロニド、10-ショウガオール硫酸塩として定義される。総ジンゲロイドは、血漿中の6-、8-、10-ジンゲロールおよび6-、8-、10-ショウガオールならびにそれらの代謝産物の合計に対応することができる。
【0253】
統計分析は、治療意図(ITT)集団とプロトコル遵守(PP)集団の両方で実施される。
【0254】
バイオアベイラビリティの主な分析は、0~8時間の間の用量正規化AUCである。これは、反復測定のための混合モデルを用いて分析される(SAS(登録商標)PROC MIXED、統計モデル番号1):
Y=製品+来院+ベースライン+対象無作為
(式中、
-Y:分析物血漿濃度の0~8時間の間の用量正規化AUC
-製品:標準ショウガ根粉末または標準ショウガ根抽出物5%または組成物A 100mg、
-来院:来院V1~V3
-ベースライン:T-5時点でのパラメータの値(AUC計算のためのT0);
-対象無作為:ランダム要因)。
【0255】
バイオアベイラビリティ評価の全ての副次的エンドポイントを評価するために、同じ統計モデルが使用される。
【0256】
結果は、標準ショウガ根粉末と比較して、組成物Aの形態で消費された場合のジンゲロイドのバイオアベイラビリティの増加を示す。
【0257】
結果は、標準ショウガ根抽出物5%と比較して、組成物Aの形態で消費された場合のジンゲロイドのバイオアベイラビリティの増加を示す。
【国際調査報告】