(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-23
(54)【発明の名称】生体信号の測定量を取得及び処理するための手法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/374 20210101AFI20240416BHJP
A61B 5/256 20210101ALI20240416BHJP
【FI】
A61B5/374
A61B5/256 110
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023566903
(86)(22)【出願日】2021-04-28
(85)【翻訳文提出日】2023-12-01
(86)【国際出願番号】 EP2021061155
(87)【国際公開番号】W WO2022228668
(87)【国際公開日】2022-11-03
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523408525
【氏名又は名称】キュムラス ニューロサイエンス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100109896
【氏名又は名称】森 友宏
(72)【発明者】
【氏名】マーフィー,ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】トランブレー,ヤニック
(72)【発明者】
【氏名】ノーラン,ヒュー
(72)【発明者】
【氏名】ショー,マッシュー
【テーマコード(参考)】
4C127
【Fターム(参考)】
4C127AA03
4C127BB03
4C127DD01
4C127DD02
4C127GG11
4C127LL08
4C127LL13
(57)【要約】
ユーザの生体信号の測定量を取得するためのヘッドウェアラブルセンサ構成が提供される。また、本開示は、刺激を与えるワイヤレス携帯デバイス及び計算機システムに関するものである。ヘッドウェアラブルセンサ構成は、測定量の表示を含む、タイムスタンプが押された医療データを、この構成と時間的に同期されたワイヤレス携帯デバイスに送信し得る。ワイヤレス携帯デバイスは、タイムスタンプが押された医療データを計算機システムに送信し得る。計算機システムは、タイムスタンプが押された医療データを処理してユーザの健康、幸福又は能力の指標を決定し得る。この処理は、測定量を分解し、分解された測定量に対して自己回帰モデル又はロバスト集約方法の残差を用いることを含み得る。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
計算機システムにより行われる、生体信号の初期測定量から前記生体信号の処理済み測定量を取得するための医療データ処理方法であって、
第1の領域において生体信号の少なくとも1つの初期測定量を表す医療データを取得し(500)、
前記少なくとも1つの初期測定量を結合周波数領域に分解して(502)前記第1の領域及び前記周波数領域の両方において前記少なくとも1つの初期測定量を表す変換済みデータを取得し、
前記変換済みデータに少なくとも1つの自己回帰モデルを当てはめ(504)、
前記少なくとも1つの当てはめられた自己回帰モデルと前記変換済みデータとの間の少なくとも1つの偏差を決定し(506)、
前記少なくとも1つの偏差に基づいて前記生体信号の処理済み測定量を取得する(508)
ことを含む、方法。
【請求項2】
前記処理済み測定量を取得することは、前記少なくとも1つの偏差を前記処理済み測定量として使用すること又は前記少なくとも1つの偏差に基づいて前記処理済み測定量を決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記処理済み測定量を決定することは、前記少なくとも1つの偏差を前記第1の領域に再合成することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの初期測定量は、可逆変換を適用することにより前記結合周波数領域に分解され、前記少なくとも1つの偏差は、前記可逆変換の逆変換を適用することにより前記第1の領域に再合成される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの偏差は、前記少なくとも1つの当てはめられた自己回帰モデルの1以上の残差を含む又は前記少なくとも1つの当てはめられた自己回帰モデルの1以上の残差から構成される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの初期測定量は、複数の周波数又は周波数帯域のそれぞれについて前記少なくとも1つの初期測定量のそれぞれについての別個の分解シーケンスを決定するために、前記結合周波数領域に分解され、前記変換済みデータは、前記決定された分解シーケンスを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの自己回帰モデルは、前記分解シーケンスのうちの1つの少なくとも1つのセグメントに当てはめられる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの自己回帰モデルは、同一の周波数又は周波数帯域についての2つ以上の異なる分解シーケンスの少なくとも1つのセグメントに当てはめられる、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの初期測定量中で、あるいは前記1つ又は2つ以上の分解シーケンス中で前記少なくとも1つのセグメントを特定することをさらに含む、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つのセグメントは、前記第1の領域内の第1の点であって、前記生体信号を生じさせる又は前記生体信号に影響を与える刺激に関連付けられる第1の点を、前記少なくとも1つの初期測定量あるいは前記1つ又は2つ以上の分解シーケンス中の第2の点に整合し、前記第2の点に対して前記少なくとも1つのセグメントを規定することにより特定される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの初期測定量の前記少なくとも1つの特定されたセグメントのそれぞれは、前記結合周波数領域に個別に分解されて、前記1つ又は2つ以上の分解シーケンスの前記少なくとも1つのセグメントが取得される、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つのセグメントは、前記第1の領域における間隔として規定される、請求項7から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つのセグメントは、前記生体信号の単一のエポックに対応する、請求項7から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つの初期測定量は、前記第1の領域の第1の部分における前記生体信号の第1の初期測定量と、前記第1の領域の前記第1の部分における前記生体信号の第2の初期測定量とを含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの初期測定量は、前記第1の領域において解像度が変化する変換を適用することにより、前記結合周波数領域に分解される、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの初期測定量は、ウェーブレット変換を適用することにより、前記結合周波数領域に分解される、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記ウェーブレット変換は、離散ウェーブレット変換DWTである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
a)前記第1の領域は時間領域であり、前記結合周波数領域は時間周波数領域であり、前記少なくとも1つの初期測定量は、任意的に、時間可変の測定振幅であるか、あるいは
b)前記第1の領域は空間領域であり、前記結合周波数領域は空間周波数領域であり、前記少なくとも1つの初期測定量は、任意的に、空間可変の測定振幅である、
請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記生体信号は、生体電気信号、任意的に脳波信号である、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも1つのメモリ及び少なくとも1つのプロセッサを備える計算機システムであって、前記少なくとも1つのメモリは、前記少なくとも1つのプロセッサ上で実行された際に、前記少なくとも1つのプロセッサに請求項1から19のいずれか一項に係る方法を実行させる指令を格納する、計算機システム。
【請求項21】
少なくとも1つのプロセッサ上で実行された際に、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法を実施するためのプログラムコード部分を含むコンピュータプログラム製品。
【請求項22】
1以上のコンピュータ読取可能記録媒体上に格納された、請求項21に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項23】
計算機システムにより行われる、生体信号の初期測定量から前記生体信号の処理済み測定量を取得するための医療データ処理方法であって、
第1の領域において生体信号の少なくとも1つの初期測定量を表す医療データを取得し(600)、
前記少なくとも1つの初期測定量を結合周波数領域に分解して(602)複数の周波数又は周波数帯域のそれぞれについて前記少なくとも1つの初期測定量のそれぞれについて、前記第1の領域における別個の分解シーケンスを決定し、
同一の周波数又は周波数帯域について前記分解シーケンスのうち1つ以上における複数の対応点にロバスト集約方法を適用することにより少なくとも1つの推定点を決定し(604)、
前記少なくとも1つの推定点を前記第1の領域に再合成して(606)前記生体信号の処理済み測定量を取得する
ことを含む、方法。
【請求項24】
前記ロバスト集約方法は、次の基準、
(i)頑健であり、鈍感であり、さらに/あるいは抵抗力のある統計的方法である、
(ii)有界影響関数を有する、
(iii)0.5の破局点を有する
のうち少なくとも1つを満足する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記ロバスト集約方法を適用することは、前記複数の対応点の中央値、トリム平均又はM推定のうち少なくとも1つを決定することを含む、請求項23又は24に記載の方法。
【請求項26】
前記複数の対応点のそれぞれは、前記対応点を含む前記分解シーケンスのセグメント内で同一の位置を有する、請求項23から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記同一の位置は第1の領域位置である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記少なくとも1つの推定点は、前記同一の周波数又は周波数帯域に対する前記1以上の異なる分解シーケンスのそれぞれの前記セグメント内ですべての対応点を集約することにより決定された一連の推定点を含む、請求項26又は27に記載の方法。
【請求項29】
前記少なくとも1つの初期測定量中で、あるいは前記対応点を含む前記分解シーケンス中で前記セグメントを特定することをさらに含む、請求項26から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記セグメントは、前記第1の領域内の第1の点であって、前記生体信号を生じさせる又は前記生体信号に影響を与える刺激に関連付けられる第1の点を、前記少なくとも1つの初期測定量あるいは前記対応点を含む前記分解シーケンス中の第2の点に整合し、前記第2の点に対して前記セグメントを規定することにより特定される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記少なくとも1つの初期測定量のそれぞれの特定されたセグメントは、前記結合周波数領域に個別に分解されて、前記対応点を含む前記分解シーケンスの前記セグメントが取得される、請求項29又は請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記セグメントは、前記第1の領域における間隔として規定される、請求項26から31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記セグメントは、前記生体信号の単一のエポックに対応する、請求項26から32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記少なくとも1つの初期測定量は、前記第1の領域の第1の部分における前記生体信号の第1の初期測定量と、前記第1の領域の前記第1の部分における前記生体信号の第2の初期測定量とを含む、請求項23から33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記少なくとも1つの初期測定量は、前記第1の領域において解像度が変化する変換を適用することにより、前記結合周波数領域に分解される、請求項23から34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記少なくとも1つの初期測定量は、ウェーブレット変換を適用することにより、前記結合周波数領域に分解される、請求項23から35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記ウェーブレット変換は、離散ウェーブレット変換DWTである、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
a)前記第1の領域は時間領域であり、前記結合周波数領域は時間周波数領域であり、前記少なくとも1つの初期測定量は、任意的に、時間可変の測定振幅であるか、あるいは
b)前記第1の領域は空間領域であり、前記結合周波数領域は空間周波数領域であり、前記少なくとも1つの初期測定量は、任意的に、空間可変の測定振幅である、
請求項23から37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記生体信号は、生体電気信号、任意的に脳波信号である、請求項23から38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
少なくとも1つのメモリ及び少なくとも1つのプロセッサを備える計算機システムであって、前記少なくとも1つのメモリは、前記少なくとも1つのプロセッサ上で実行された際に、前記少なくとも1つのプロセッサに請求項23から39のいずれか一項に係る方法を実行させる指令を格納する、計算機システム。
【請求項41】
少なくとも1つのプロセッサ上で実行された際に、請求項23から39のいずれか一項に記載の方法を実施するためのプログラムコード部分を含むコンピュータプログラム製品。
【請求項42】
1以上のコンピュータ読取可能記録媒体上に格納された、請求項41に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項43】
医療データをワイヤレス携帯デバイス(200)に送信するためのワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成(100)であって、
前記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成(100)を着用しているユーザの生体信号の少なくとも1つの測定量を生成するように構成される少なくとも1つのセンサ(102)と、
第1のワイヤレスインタフェイス(104)と、
第1のクロック(106)と、
第1のプロセッサ(108)であって、
前記第1のクロック(106)をワイヤレス携帯デバイス(200)の第2のクロック(206)に同期させるか、あるいはワイヤレスデバイス(200)の第2のクロック(206)に対する前記第1のクロック(106)との同期を指示する時間同期手順を実施し、
前記時間同期手順を実施した後に、前記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成(100)を着用している前記ユーザの前記生体信号の前記少なくとも1つの測定量を前記少なくとも1つのセンサ(102)から取得し、少なくとも1つのタイムスタンプを前記取得された少なくとも1つの測定量に割り当て、前記少なくとも1つの測定量を表したものと前記少なくとも1つの測定量に割り当てられた前記少なくとも1つのタイムスタンプとを含む医療データを前記第1のワイヤレスインタフェイス(104)を介して前記ワイヤレス携帯デバイス(200)に送信する
ように構成される第1のプロセッサ(108)と
を備える、ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成(100)。
【請求項44】
前記第1のプロセッサは、
前記時間情報要求メッセージの送信時刻の第1のタイムスタンプを含む時間情報要求メッセージを前記第1のワイヤレスインタフェイスを介して前記ワイヤレス携帯デバイスに送信し、
同期情報を含む時間情報応答メッセージを前記ワイヤレス携帯デバイスから前記第1のワイヤレスインタフェイスを介して受信する
ことにより、前記時間同期手順を実施するように構成される、請求項43に記載の構成。
【請求項45】
前記第1のプロセッサは、前記同期情報に少なくとも基づいて前記第1のクロックを調整することにより、前記第1のクロックを同期するように構成される、請求項44に記載の構成。
【請求項46】
前記第1のプロセッサは、前記第1のクロックを調整した後に、コンフィギュレーションメッセージを前記第1のワイヤレスインタフェイスを介して前記ワイヤレス携帯デバイスに送信するように構成され、前記コンフィギュレーションメッセージは、前記コンフィギュレーションメッセージの送信時刻の第2のタイムスタンプ及び第1のクロックの調整量の表示のうちの少なくとも一方を含む、請求項45に記載の構成。
【請求項47】
前記第1のプロセッサは、前記同期情報に基づいて前記第2のクロックに対する調整量指令を決定し、前記ワイヤレス携帯デバイスにコンフィギュレーションメッセージを送信するように構成され、前記コンフィギュレーションメッセージは、前記第2のクロックに対する前記調整量指令と、任意的に、前記コンフィギュレーションメッセージの送信時刻の第2のタイムスタンプとを含む、請求項44に記載のデバイス。
【請求項48】
前記第1のプロセッサは、
前記ワイヤレス携帯デバイスから前記第1のワイヤレスインタフェイスを介して時間情報要求メッセージを受信し、前記時間情報要求メッセージは、前記時間情報要求メッセージの送信時刻の第1のタイムスタンプを含み、
前記時間情報要求メッセージに含まれる情報に少なくとも基づいて同期情報を決定し、
前記同期情報を含む時間情報応答メッセージを前記第1のワイヤレスインタフェイスを介して前記ワイヤレス携帯デバイスに送信する
ことにより前記時間同期手順を実施するように構成される、請求項43に記載の構成。
【請求項49】
前記第1のプロセッサは、前記時間情報応答メッセージを送信した後に、前記ワイヤレス携帯デバイスから前記第1のワイヤレスインタフェイスを介してコンフィギュレーションメッセージを受信し、前記コンフィギュレーションメッセージに含まれる情報に基づいて前記第1のクロックを調整するように構成される、請求項48に記載の構成。
【請求項50】
前記コンフィギュレーションメッセージに含まれる前記情報は、前記コンフィギュレーションメッセージの送信時刻の第2のタイムスタンプ及び前記第1のクロックに対する調整量指令のうち少なくとも一方を含み、前記第1のクロックに対する前記調整量指令は、前記同期情報に基づいている、請求項49に記載の構成。
【請求項51】
前記第1のプロセッサは、前記時間情報応答メッセージを送信した後に、前記ワイヤレス携帯デバイスから前記第1のワイヤレスインタフェイスを介してコンフィギュレーションメッセージを受信するように構成され、前記コンフィギュレーションメッセージは、前記第2のクロックの調整量の表示と、任意的に、前記コンフィギュレーションメッセージの送信時刻の第2のタイムスタンプとを含む、請求項48に記載のデバイス。
【請求項52】
前記同期情報は、少なくとも前記第1のタイムスタンプに依存する、請求項44から51のいずれかに記載の構成。
【請求項53】
前記同期情報は、前記第1のタイムスタンプにより示される、前記時間情報要求メッセージの送信時刻と前記時間情報要求メッセージの受信時刻との間の第1の時間差の表示を含む、請求項52に記載の構成。
【請求項54】
前記同期情報は、前記時間情報応答メッセージの送信時刻の第3のタイムスタンプを含む、請求項53に記載の構成。
【請求項55】
前記第1のプロセッサは、前記第1の時間差と、前記第3のタイムスタンプにより示される、前記時間情報応答メッセージの送信時刻と前記時間情報応答メッセージの受信時刻との間の第2の時間差とに基づいて、前記第1のクロックと前記第2のクロックとの間の同期偏差を決定するように構成される、請求項44から47のいずれか一項に従属する、請求項54に記載の構成。
【請求項56】
前記第1のプロセッサは、前記第1の時間差及び前記第2の時間差に基づいて往復待ち時間を決定し、前記往復待ち時間にさらに基づいて前記同期偏差を決定するように構成される、請求項55に記載の構成。
【請求項57】
前記第1のプロセッサは、前記決定された同期偏差が補償されるように前記第1のクロックを調整することにより前記第1のクロックを同期するように構成される、請求項45又は46に従属する、請求項55又は56に記載の構成。
【請求項58】
前記第1のプロセッサは、前記時間情報要求メッセージの送信と前記時間情報応答メッセージの受信のサイクルを複数回行い、時間情報要求メッセージと時間情報応答メッセージのそれぞれの組に対して前記同期偏差を決定し、前記決定された同期偏差のうち最小のものが補償されるか、あるいは、前記決定された同期偏差の平均が補償されるように前記第1のクロックを調整するように構成される、請求項57に記載の構成。
【請求項59】
前記第1のプロセッサは、前記決定された同期偏差が補償されるように前記ワイヤレス携帯デバイスに前記第2のクロックを調整するよう指令する、前記第2のクロックに対する前記調整量指令を決定するように構成される、請求項47に従属する、請求項55又は56に記載の構成。
【請求項60】
前記第1のプロセッサは、前記時間情報要求メッセージの送信と前記時間情報応答メッセージの受信のサイクルを複数回行い、時間情報要求メッセージと時間情報応答メッセージのそれぞれの組に対して前記同期偏差を決定し、前記決定された同期偏差のうち最小のものが補償されるか、あるいは、前記決定された同期偏差の平均が補償されるように前記ワイヤレス携帯デバイスに前記第2のクロックを調整するよう指令する、前記第2のクロックに対する前記調整量指令を決定するように構成される、請求項59に記載の構成。
【請求項61】
前記第1のプロセッサは、前記ワイヤレス携帯デバイスから前記第1のワイヤレスインタフェイスを介して時間同期要求メッセージを受信し、前記時間同期要求メッセージの受信に応答して前記時間同期手順を実施することを始めるように構成される、請求項43から60のいずれか一項に記載の構成。
【請求項62】
前記時間同期要求メッセージは、前記時間同期要求メッセージの送信時刻の第4のタイムスタンプを含み、前記第1のプロセッサは、前記時間同期手順を実施する前に、前記第4のタイムスタンプにより示される前記時間同期要求メッセージの送信時刻に基づいて前記第1のクロックを事前に調整するように構成される、請求項61に記載の構成。
【請求項63】
前記第1のプロセッサは、前記第4のタイムスタンプにより示される時刻が、前記時間同期要求メッセージの受信時刻から所定量を超えてずれていた場合に、前記第1のクロックを事前に調整するように構成される、請求項62に記載の構成。
【請求項64】
前記第1のプロセッサは、時間同期要求メッセージを前記第1のワイヤレスインタフェイスを介して前記ワイヤレス携帯デバイスに送信して、時間同期手順を実施することを開始するように前記ワイヤレス携帯デバイスをトリガするように構成される、請求項43から60のいずれか一項に記載の構成。
【請求項65】
前記時間同期要求メッセージは、前記時間同期要求メッセージの送信時刻の第4のタイムスタンプを含み、前記時間同期手順を実施する前に、前記第4のタイムスタンプにより示される前記時間同期要求メッセージの送信時刻に基づいて前記第2のクロックを事前に調整するよう前記ワイヤレス携帯デバイスに指令する、請求項64に記載の構成。
【請求項66】
前記時間同期要求メッセージは、前記第4のタイムスタンプにより示される時刻が、前記時間同期要求メッセージの受信時刻から所定量を超えてずれていた場合に、前記第2のクロックを事前に調整するよう前記ワイヤレス携帯デバイスに指令する、請求項65に記載の構成。
【請求項67】
前記第1のワイヤレスインタフェイスは、WiFiインタフェイス又はBluetoothインタフェイス又は他の無線インタフェイスである、請求項43から64のいずれかに記載の構成。
【請求項68】
前記少なくとも1つの測定量は、前記ユーザの前記生体信号の電気、磁気、光又は音響測定量のうちの1つである、請求項43から67のいずれかに記載の構成。
【請求項69】
前記生体信号は、生体電気信号、任意的に脳波信号である、請求項43から68のいずれかに記載の構成。
【請求項70】
ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成(100)から医療データを受信するためのワイヤレス携帯デバイス(200)であって、
第2のワイヤレスインタフェイス(204)と、
第2のクロック(206)と、
第2のプロセッサ(208)であって、
前記第2のクロック(206)をワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成(100)の第1のクロック(106)に同期させるか、あるいはワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成(100)の第1のクロック(106)に対する前記第2のクロック(206)との同期を指示する時間同期手順を実施し、
前記時間同期手順を実施した後に、前記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成(100)を着用しているユーザの生体信号の少なくとも1つの測定量を表したものと前記少なくとも1つの測定量に割り当てられた少なくとも1つのタイムスタンプとを含む医療データを前記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成(100)から前記第2のワイヤレスインタフェイス(204)を介して受信し、前記医療データを計算機システム(300)に送信する
ように構成される第2のプロセッサ(208)と
を備える、ワイヤレス携帯デバイス(200)。
【請求項71】
前記第2のプロセッサは、
前記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成から前記第2のワイヤレスインタフェイスを介して時間情報要求メッセージを受信し、前記時間情報要求メッセージは、前記時間情報要求メッセージの送信時刻の第1のタイムスタンプを含み、
前記時間情報要求メッセージに含まれる情報に少なくとも基づいて同期情報を決定し、
前記同期情報を含む時間情報応答メッセージを前記第2のワイヤレスインタフェイスを介して前記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成に送信する
ように構成される、請求項70に記載のデバイス。
【請求項72】
前記第2のプロセッサは、前記時間情報応答メッセージを送信した後に、前記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成から前記第2のワイヤレスインタフェイスを介してコンフィギュレーションメッセージを受信するように構成され、前記コンフィギュレーションメッセージは、前記第1のクロックの調整量の指令と、任意的に、前記コンフィギュレーションメッセージの送信時刻の第2のタイムスタンプとを含む、請求項71に記載のデバイス。
【請求項73】
前記第2のプロセッサは、前記時間情報応答メッセージを送信した後に、前記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成から前記第2のワイヤレスインタフェイスを介してコンフィギュレーションメッセージを受信し、前記コンフィギュレーションメッセージに含まれる情報に基づいて前記第2のクロックを調整するように構成される、請求項71に記載のデバイス。
【請求項74】
前記コンフィギュレーションメッセージに含まれる前記情報は、前記コンフィギュレーションメッセージの送信時刻の第2のタイムスタンプ及び前記第2のクロックに対する調整量指令のうち少なくとも一方を含み、前記第2のクロックに対する前記調整量指令は、前記同期情報に基づいている、請求項73に記載のデバイス。
【請求項75】
前記第2のプロセッサは、
時間情報要求メッセージを前記第2のワイヤレスインタフェイスを介して前記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成に送信し、前記時間情報要求メッセージは、前記時間情報要求メッセージの送信時刻の第1のタイムスタンプを含み、
同期情報を含む時間情報応答メッセージを前記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成から前記第2のワイヤレスインタフェイスを介して受信する
ように構成される、請求項70に記載のデバイス。
【請求項76】
前記第2のプロセッサは、前記同期情報に基づいて前記第1のクロックに対する調整量指令を決定し、前記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成にコンフィギュレーションメッセージを送信するように構成され、前記コンフィギュレーションメッセージは、前記第1のクロックに対する前記調整量指令と、任意的に、前記コンフィギュレーションメッセージの送信時刻の第2のタイムスタンプとを含む、請求項75に記載のデバイス。
【請求項77】
前記第2のプロセッサは、前記同期情報に少なくとも基づいて前記第2のクロックを調整することにより、前記第2のクロックを同期するように構成される、請求項75に記載のデバイス。
【請求項78】
前記第2のプロセッサは、前記第2のクロックを調整した後に、コンフィギュレーションメッセージを前記第2のワイヤレスインタフェイスを介して前記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成に送信するように構成され、前記コンフィギュレーションメッセージは、前記コンフィギュレーションメッセージの送信時刻の第2のタイムスタンプ及び第2のクロックの調整量の表示のうちの少なくとも一方を含む、請求項77に記載のデバイス。
【請求項79】
前記同期情報は、少なくとも前記第1のタイムスタンプに依存する、請求項70から78のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項80】
前記同期情報は、前記第1のタイムスタンプにより示される、前記時間情報要求メッセージの送信時刻と前記時間情報要求メッセージの受信時刻との間の第1の時間差の表示を含む、請求項79に記載のデバイス。
【請求項81】
前記同期情報は、前記時間情報応答メッセージの送信時刻の第3のタイムスタンプを含む、請求項80に記載のデバイス。
【請求項82】
前記第2のプロセッサは、前記第1の時間差と、前記第3のタイムスタンプにより示される、前記時間情報応答メッセージの送信時刻と前記時間情報応答メッセージの受信時刻との間の第2の時間差とに基づいて、前記第1のクロックと前記第2のクロックとの間の同期偏差を決定するように構成される、請求項81に記載のデバイス。
【請求項83】
前記第2のプロセッサは、前記第1の時間差及び前記第2の時間差に基づいて往復待ち時間を決定し、前記往復待ち時間にさらに基づいて前記同期偏差を決定するように構成される、請求項82に記載のデバイス。
【請求項84】
前記第2のプロセッサは、前記決定された同期偏差が補償されるように前記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成に前記第1のクロックを調整するよう指令する、前記第1のクロックに対する前記調整量指令を決定するように構成される、請求項76に従属する、請求項82又は83に記載のデバイス。
【請求項85】
前記第2のプロセッサは、前記時間情報要求メッセージの送信と前記時間情報応答メッセージの受信のサイクルを複数回行い、時間情報要求メッセージと時間情報応答メッセージのそれぞれの組に対して前記同期偏差を決定し、前記決定された同期偏差のうち最小のものが補償されるか、あるいは、前記決定された同期偏差の平均が補償されるように前記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成に前記第1のクロックを調整するよう指令する、前記第1のクロックに対する前記調整量指令を決定するように構成される、請求項84に記載のデバイス。
【請求項86】
前記第2のプロセッサは、前記決定された同期偏差が補償されるように前記第2のクロックを調整することにより前記第2のクロックを同期するように構成される、請求項77又は78に従属する、請求項82又は83に記載のデバイス。
【請求項87】
前記第2のプロセッサは、前記時間情報要求メッセージの送信と前記時間情報応答メッセージの受信のサイクルを複数回行い、時間情報要求メッセージと時間情報応答メッセージのそれぞれの組に対して前記同期偏差を決定し、前記決定された同期偏差のうち最小のものが補償されるか、あるいは、前記決定された同期偏差の平均が補償されるように前記第2のクロックを調整するように構成される、請求項86に記載のデバイス。
【請求項88】
前記第2のプロセッサは、前記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成から前記第2のワイヤレスインタフェイスを介して時間同期要求メッセージを受信し、前記時間同期要求メッセージの受信に応答して前記時間同期手順を実施することを始めるように構成される、請求項70から87のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項89】
前記時間同期要求メッセージは、前記時間同期要求メッセージの送信時刻の第4のタイムスタンプを含み、前記第2のプロセッサは、前記時間同期手順を実施する前に、前記第4のタイムスタンプにより示される前記時間同期要求メッセージの送信時刻に基づいて前記第2のクロックを事前に調整するように構成される、請求項88に記載のデバイス。
【請求項90】
前記第2のプロセッサは、前記第4のタイムスタンプにより示される時刻が、前記時間同期要求メッセージの受信時刻から所定量を超えてずれていた場合に、前記第2のクロックを事前に調整するように構成される、請求項89に記載のデバイス。
【請求項91】
前記第2のプロセッサは、時間同期要求メッセージを前記第2のワイヤレスインタフェイスを介して前記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成に送信して、時間同期手順を実施することを開始するように前記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成をトリガするように構成される、請求項70から87のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項92】
前記時間同期要求メッセージは、前記時間同期要求メッセージの送信時刻の第4のタイムスタンプを含み、前記時間同期手順を実施する前に、前記第4のタイムスタンプにより示される前記時間同期要求メッセージの送信時刻に基づいて前記第1のクロックを事前に調整するよう前記ヘッドウェアラブルセンサ構成に指令する、請求項91に記載のデバイス。
【請求項93】
前記時間同期要求メッセージは、前記第4のタイムスタンプにより示される時刻が、前記時間同期要求メッセージの受信時刻から所定量を超えてずれていた場合に、前記第1のクロックを事前に調整するよう前記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成に指令する、請求項92に記載のデバイス。
【請求項94】
前記第2のプロセッサは、前記医療データの送信時刻の第5のタイムスタンプを前記計算機システムに送信するように構成される、請求項70から93のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項95】
前記第2のプロセッサは、前記調整量の表示又は前記調整量指令を前記計算機システムに送信するように構成される、請求項72、74、76、78、84又は85のいずれか一項、あるいは請求項72、74、76、78、84又は85のいずれか一項に従属する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項96】
前記第2のプロセッサは、前記調整量又は前記調整量指令と前記少なくとも1つの測定量との間の時間的連係の表示を前記計算機システムに送信するように構成される、請求項95に記載のデバイス。
【請求項97】
前記ワイヤレス携帯デバイスのユーザに少なくとも1つの刺激を与えるように構成される刺激インタフェイスをさらに備え、前記第2のプロセッサは、任意的には前記時間同期手順が実施されていない1以上の刺激時点において、前記ユーザに前記少なくとも1つの刺激を与えるように前記刺激インタフェイスを制御するように構成される、請求項70から96のいずれかに記載のデバイス。
【請求項98】
前記第2のプロセッサは、前記1以上の刺激時点とは異なる時点で前記時間同期要求メッセージを前記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成に送信するように構成される、請求項91から93のいずれか一項に従属する、請求項97に記載のデバイス。
【請求項99】
前記第2のプロセッサは、前記1以上の刺激時点の表示を前記計算機システムに送信するように構成される、請求項97又は98に記載のデバイス。
【請求項100】
前記1以上の刺激時点の表示は、前記1以上の刺激時点と前記少なくとも1つの測定量との間の時間的連係を含む、請求項99に記載のデバイス。
【請求項101】
前記少なくとも1つの刺激は、前記生体信号における反応を呼び起こす、請求項97から100のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項102】
ユーザ入力を受信するように構成されるユーザインタフェイスをさらに備え、前記第2のプロセッサは、前記ユーザ入力を表したユーザデータを前記計算機システムに送信するようにさらに構成される、請求項70から101のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項103】
前記ユーザデータは、1以上のユーザ入力の受信時点と前記少なくとも1つの測定量との間の時間的連係を含む、請求項102に記載のデバイス。
【請求項104】
前記第2のプロセッサは、前記デバイス又は前記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成の種類の表示を前記計算機システムに送信するように構成される、請求項70から103のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項105】
前記第2のワイヤレスインタフェイスは、WiFiインタフェイス又はBluetoothインタフェイス又は他の無線インタフェイスである、請求項70から104のいずれかに記載のデバイス。
【請求項106】
前記少なくとも1つの測定量は、前記ユーザの前記生体信号の電気、磁気、光又は音響測定量のうちの1つである、請求項70から105のいずれかに記載のデバイス。
【請求項107】
前記生体信号は、生体電気信号、任意的に脳波信号である、請求項70から106のいずれかに記載のデバイス。
【請求項108】
ワイヤレス携帯デバイス(200)から医療データを受信するための計算機システム(300)であって、
1以上のプロセッサであって、
ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成(100)を着用しているユーザの生体信号の少なくとも1つの測定量を表したものと前記少なくとも1つの測定量に割り当てられた少なくとも1つのタイムスタンプとを含む医療データをワイヤレス携帯デバイス(200)から受信し、
前記少なくとも1つの測定量を表したものと前記少なくとも1つの測定量に割り当てられた前記少なくとも1つのタイムスタンプとに基づいて、前記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成の前記ユーザの健康、幸福又は能力の指標を決定する
ように構成される1以上のプロセッサを備える、
計算機システム。
【請求項109】
前記少なくとも1つのタイムスタンプは、前記ワイヤレス携帯デバイスの第2のクロックと同期して動作する前記第1のクロックを用いて前記少なくとも1つの測定量に割り当てられる、請求項108に記載のシステム。
【請求項110】
前記1以上のプロセッサは、前記医療データの送信時刻の第5のタイムスタンプを前記ワイヤレス携帯デバイスから受信し、前記第5のタイムスタンプにさらに基づいて前記ユーザの前記健康、幸福又は能力の指標を決定するように構成される、請求項108又は109に記載のシステム。
【請求項111】
前記1以上のプロセッサは、前記ワイヤレス携帯デバイスから、
前記第1のクロック又は前記第2のクロックを同期するために使用される前記第1のクロック又は前記第2のクロックのいずれかの調整量の表示、又は
前記第1のクロック又は前記第2のクロックを同期するために使用される調整量指令
を受信するように構成され、
前記1以上のプロセッサは、前記調整量の前記指示又は前記調整量指令にさらに基づいて前記ユーザの前記健康、幸福又は能力の指標を決定するように構成される、
請求項108から110のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項112】
前記1以上のプロセッサは、前記調整量と前記少なくとも1つの測定量との間、又は前記調整量指令と前記少なくとも1つの測定量との間の時間的連係を前記ワイヤレス携帯デバイスから受信するように構成され、
前記1以上のプロセッサは、前記時間的連係にさらに基づいて前記ユーザの前記健康、幸福又は能力の指標を決定するように構成される、
請求項111に記載のシステム。
【請求項113】
前記1以上のプロセッサは、
前記ユーザに少なくとも1つの刺激が与えられる1以上の刺激時点の表示を前記ワイヤレス携帯デバイスから受信する
ように構成され、
前記1以上のプロセッサは、前記1以上の刺激時点にさらに基づいて前記ユーザの前記健康、幸福又は能力の指標を決定するように構成される、
請求項108から112のいずれかに記載のシステム。
【請求項114】
前記1以上の刺激時点の前記表示は、前記1以上の刺激時点と前記少なくとも1つの測定量との間の時間的連係を含む、請求項113に記載のシステム。
【請求項115】
前記1以上のプロセッサは、前記ワイヤレス携帯デバイスのユーザインタフェイスを介して受信したユーザ入力を表すユーザデータを前記ワイヤレス携帯デバイスから受信するように構成され、前記1以上のプロセッサは、前記ユーザデータにさらに基づいて前記ユーザの前記健康、幸福又は能力の指標を決定するように構成される、請求項108か114のいずれかに記載のシステムデバイス。
【請求項116】
前記ユーザデータは、1以上のユーザ入力の受信時点と前記少なくとも1つの測定量との間の時間的連係を含む、請求項115に記載のシステム。
【請求項117】
前記ユーザデータは、前記1以上のユーザ入力の受信時点と前記1以上の刺激時点との間の時間的連係を含む、請求項113又は114に従属する、請求項115又は116に記載のシステム。
【請求項118】
前記1以上のプロセッサは、
前記ワイヤレス携帯デバイス又は前記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成の種類の表示を前記ワイヤレス携帯デバイスから受信し、
前記ワイヤレス携帯デバイス又は前記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成の前記種類に関連付けられた時間遅延に関して予め決められた情報を取得し、
前記時間遅延にさらに基づいて前記ユーザの前記健康、幸福又は能力の指標を決定する
ように構成される、請求項108から117のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項119】
前記1以上のプロセッサは、前記ワイヤレス携帯デバイスから受信した前記情報の少なくとも一部に基づいて前記少なくとも1つの測定量の前記表示の少なくとも一部を時間的に調整することにより少なくとも1つの時間調整済みの測定量を決定し、前記少なくとも1つの時間調整済みの測定量に基づいて前記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成の前記ユーザの前記健康、幸福又は能力の指標を決定するように構成される、請求項108から118のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項120】
前記1以上のプロセッサは、前記ワイヤレス携帯デバイスから受信した前記情報の少なくとも一部に基づいて前記少なくとも1つの測定量に割り当てられた前記少なくとも1つのタイムスタンプを時間的に調整することにより少なくとも1つの時間調整済みのタイムスタンプを決定し、前記少なくとも1つの時間調整済みのタイムスタンプにさらに基づいて前記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成の前記ユーザの前記健康、幸福又は能力の指標を決定するように構成される、請求項108から119のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項121】
前記1以上のプロセッサは、前記ワイヤレス携帯デバイスから受信した前記情報の少なくとも一部に基づいて前記1以上の刺激時点と前記少なくとも1つの測定量との間の前記時間的連係を調整することにより時間調整済みの刺激データを決定し、前記時間調整済みの刺激データにさらに基づいて前記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成の前記ユーザの前記健康、幸福又は能力の指標を決定するように構成される、請求項114に記載の、又は請求項114に従属する、請求項115から120の一項に記載のシステム。
【請求項122】
前記1以上のプロセッサは、前記ワイヤレス携帯デバイスから受信した前記情報の少なくとも一部に基づいて前記1以上のユーザ入力の受信時点と前記少なくとも1つの測定量との間の前記時間的連係を調整することにより時間調整済みのユーザデータを決定し、前記時間調整済みのユーザデータにさらに基づいて前記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成の前記ユーザの前記健康、幸福又は能力の指標を決定するように構成される、請求項116又は117に記載の、又は請求項116又は117に従属する、請求項118から121のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項123】
前記1以上のプロセッサは、前記ワイヤレス携帯デバイスから受信した前記情報の少なくとも一部に基づいて、前記少なくとも1つの測定量及び/又は前記少なくとも1つの時間補正済みの測定量において、前記ユーザの脳の健康状態を示す少なくとも1つの特徴を特定し、前記特定された少なくとも1つの特徴に基づいて前記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成の前記ユーザの前記健康、幸福又は能力の指標を決定するように構成される、請求項108から122のいずれかに記載のシステム。
【請求項124】
前記1以上のプロセッサは、機械学習分類器を用いて前記ユーザの脳の健康状態を示す前記少なくとも1つの特徴を特定し、さらに/あるいは機械学習分類器を用いて前記特定された少なくとも1つの特徴に基づいて前記ユーザの前記健康、幸福又は能力の指標を決定するように構成される、請求項123に記載のシステム。
【請求項125】
前記1以上のプロセッサは、周波数解析及び接続性解析のうち少なくとも一方を用いて前記ユーザの脳の健康状態を示す前記少なくとも1つの特徴を特定するように構成される、請求項123又は124に記載のシステム。
【請求項126】
前記少なくとも1つの測定量は、前記ユーザの前記生体信号の電気、磁気、光又は音響測定量のうちの1つである、請求項108から125のいずれかに記載のシステム。
【請求項127】
前記生体信号は、生体電気信号、任意的に脳波信号である、請求項108から126のいずれかに記載のシステム。
【請求項128】
前記ユーザの脳の健康状態を示す前記少なくとも1つの特徴は、誘発電位、EP、及び事象関連電位、ERPのうち少なくとも1つを含む、請求項127及び請求項123から125のうち一項に記載のシステム。
【請求項129】
前記1以上のプロセッサは、前記ユーザの前記健康、幸福又は能力の指標の視覚的表示を決定し、前記視覚的表示をディスプレイに出力するように構成される、請求項108から128のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項130】
ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成、
ワイヤレス携帯デバイス、及び
計算機システム
のうち少なくとも2つを含み、
前記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成は、請求項43から69のいずれか一項に係る構成であり、前記ワイヤレス携帯デバイスは、請求項70から107のいずれか一項に係るデバイスであり、さらに/あるいは、前記計算機システムは、請求項108から129のいずれかに係るシステムである、
医療データ処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本開示は、概して、ユーザの生体信号の少なくとも1つの測定量を表す医療データを送信及び処理することに関するものである。ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成、ワイヤレス携帯デバイス及び計算機システムが提供される。また、増強測定量を取得するための方法及びコンピュータプログラム製品が提供される。
【背景技術】
【0002】
背景
身体の生体信号、例えば電気心拍信号又は脳波信号は、人間又は動物の健康状態、幸福状態又は能力を判断又はモニタリングすることにとって重要である。
【0003】
多くの場合において、生体信号の測定量は、低い信号-雑音比を有し得る。これは、その測定量をさらに処理することに対して不利になり得る。例えば、(例えば、10~50Hzの周波数帯域の)低周波雑音を含む生体信号の測定量内に(例えば5~20msの範囲の)比較的短い特徴を特定することが望ましい場合がある。この場合には、測定量にハイパスフィルタを適用して、信号-雑音比が改善された増強測定量を取得し得る。場合によっては、そのようなフィルタリングでは不十分な場合がある。例えば、測定量が、注目する特徴に関係しない(例えば、5~20msの範囲の)比較的短い人為結果を含んでいることがある。これらの場合には、より確実に特徴を特定することができ、人為結果の振幅が低減され、さらに/あるいは人為結果の数が減少した、増大測定量を判断することが望ましい場合がある。
【0004】
他の信号(例えば、ユーザ入力信号、刺激信号など)が生体信号に関連して使用される場合には、特徴を特定し、さらに/あるいは健康状態、幸福状態又は能力を判断するために、そのような他の信号と生体信号との間の時間的連係を把握することが有利である場合がある。あるシナリオにおいては、時間的連係を信頼性高く予め決めておくことができない。例えば、生体信号の測定量を取得するために第1のワイヤレスデバイスを使用し、他の信号を取得するために別の第2のワイヤレスデバイスを使用する場合には、時間的連係を設定又は取得することが望ましいことがある。場合によっては、時間的連係が設定されると、第1のワイヤレスデバイスと第2のワイヤレスデバイスとの間の相対クロックドリフトによって時間的連係が変化し得る。
【0005】
上記に加え、ユーザの生体信号を異なる環境でモニタリングするときには難問が生じる。例えば、EEG信号のモニタリングは、通常、特定の試験条件を有する臨床環境を必要とする。そのような条件は、ユーザにとって厄介で不快なものとなり得る。他方で、ユーザの自宅のような臨床条件のない環境でそのような測定を行うと、高い信号雑音、周囲からの人為結果、ユーザが作業プロトコルを注意深く厳守することをしなくなるなど、他の難問が生じ得る。1つの目的は、生体信号の測定量を増強し、自宅のような雑音の多い環境であっても、より良い信号をモニタリングすることを可能にすることにある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
概要
上述した問題又は他の問題のうち1つ以上を解決する手法に対する需要が存在している。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様によれば、生体信号の初期測定量から上記生体信号の処理済み測定量を取得するための医療データ処理方法が提供される。この方法は、計算機システムにより行われ、第1の領域(first domain)において生体信号の少なくとも1つの初期測定量を表す医療データを取得し、上記少なくとも1つの初期測定量を結合周波数領域(joint frequency domain)に分解して上記第1の領域及び上記周波数領域の両方において上記少なくとも1つの初期測定量を表す変換済みデータを取得し、上記変換済みデータに少なくとも1つの自己回帰モデルを当てはめ、上記少なくとも1つの当てはめられた自己回帰モデルと上記変換済みデータとの間の少なくとも1つの偏差を決定し、上記少なくとも1つの偏差に基づいて上記生体信号の処理済み測定量を取得することを含んでいる。
【0008】
第2の態様によれば、計算機システムが提供される。この計算機システムは、少なくとも1つのメモリ及び少なくとも1つのプロセッサを備え、上記少なくとも1つのメモリは、上記少なくとも1つのプロセッサ上で実行された際に、上記少なくとも1つのプロセッサに上記第1の態様に係る方法を実行させる指令を格納する。
【0009】
第3の態様によれば、少なくとも1つのプロセッサ上で実行された際に、上記第1の態様に記載の方法を実施するためのプログラムコード部分を含むコンピュータプログラム製品が提供される。このコンピュータプログラム製品は、1以上のコンピュータ読取可能記録媒体上に格納され得る。
【0010】
第4の態様によれば、生体信号の初期測定量から上記生体信号の処理済み測定量を取得するための医療データ処理方法が提供される。この方法は、計算機システムにより行われ、第1の領域において生体信号の少なくとも1つの初期測定量を表す医療データを取得し、上記少なくとも1つの初期測定量を結合周波数領域に分解して、複数の周波数又は周波数帯域のそれぞれについて上記少なくとも1つの初期測定量のそれぞれについて、上記第1の領域における別個の分解シーケンスを決定することを含んでいる。本方法は、同一の周波数又は周波数帯域について上記分解シーケンスのうち1つ以上における複数の対応点にロバスト集約方法を適用することにより少なくとも1つの推定点を決定し、上記少なくとも1つの推定点を上記第1の領域に再合成して上記生体信号の処理済み測定量を取得することをさらに含んでいる。
【0011】
第5の態様によれば、計算機システムが提供される。この計算機システムは、少なくとも1つのメモリ及び少なくとも1つのプロセッサを備え、上記少なくとも1つのメモリは、上記少なくとも1つのプロセッサ上で実行された際に、上記少なくとも1つのプロセッサに上記第4の態様に係る方法を実行させる指令を格納する。この計算機システムは、上記第2の態様の上記計算機システムであってもよい。
【0012】
第6の態様によれば、少なくとも1つのプロセッサ上で実行された際に、上記第4の態様に記載の方法を実施するためのプログラムコード部分を含むコンピュータプログラム製品が提供される。このコンピュータプログラム製品は、1以上のコンピュータ読取可能記録媒体上に格納され得る。
【0013】
第7の態様によれば、医療データをワイヤレス携帯デバイスに送信するためのワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成が提供される。上記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成は、上記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成を着用しているユーザの生体信号の少なくとも1つの測定量を生成するように構成される少なくとも1つのセンサと、第1のワイヤレスインタフェイスと、第1のクロックと、第1のプロセッサとを備えている。上記第1のプロセッサは、上記第1のクロックをワイヤレス携帯デバイスの第2のクロックに同期させるか、あるいはワイヤレス携帯デバイスの第2のクロックに対する上記第1のクロックとの同期を指示する時間同期手順を実施するように構成される。上記第1のプロセッサは、上記時間同期手順を実施した後に、上記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成を着用している上記ユーザの上記生体信号の上記少なくとも1つの測定量を上記少なくとも1つのセンサから取得し、上記第1のクロックを用いて少なくとも1つのタイムスタンプを上記取得された少なくとも1つの測定量に割り当て、上記少なくとも1つの測定量を表したものと上記少なくとも1つの測定量に割り当てられた上記少なくとも1つのタイムスタンプとを含む医療データを上記第1のワイヤレスインタフェイスを介して上記ワイヤレス携帯デバイスに送信するように構成される。
【0014】
第8の態様によれば、ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成から医療データを受信するためのワイヤレス携帯デバイスが提供される。上記ワイヤレス携帯デバイスは、第2のワイヤレスインタフェイスと、第2のクロックと、第2のプロセッサとを備える。上記第2のプロセッサは、上記第2のクロックをワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成の第1のクロックに同期させるか、あるいはワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成の第1のクロックに対する上記第2のクロックとの同期を指示する時間同期手順を実施するように構成される。上記第2のプロセッサは、上記時間同期手順を実施した後に、上記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成を着用しているユーザの生体信号の少なくとも1つの測定量を表したものと上記少なくとも1つの測定量に第1のクロックを用いて割り当てられた少なくとも1つのタイムスタンプとを含む医療データを上記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成から上記第2のワイヤレスインタフェイスを介して受信し、上記医療データを計算機システムに送信するように構成される。
【0015】
第9の態様によれば、ワイヤレス携帯デバイスから医療データを受信するための計算機システムが提供される。上記計算機システムは、ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成を着用しているユーザの生体信号の少なくとも1つの測定量を表したものと上記少なくとも1つの測定量に割り当てられた少なくとも1つのタイムスタンプとを含む医療データを上記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成の第1のクロックを用いてワイヤレス携帯デバイスから受信するように構成される1以上のプロセッサを備える。上記1以上のプロセッサは、上記少なくとも1つの測定量を表したものと上記少なくとも1つの測定量に割り当てられた上記少なくとも1つのタイムスタンプとに基づいて、上記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成の上記ユーザの健康、幸福又は能力の指標を決定するように構成される。上記1以上のプロセッサは、上記第1の態様及び上記第4の態様のうち少なくとも一方による方法を実施するように構成され得る。
【0016】
第10の態様によれば、医療データ処理システムが提供される。上記医療データ処理システムは、ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成、ワイヤレス携帯デバイス、及び計算機システムのうち少なくとも2つを含み、上記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成は、上記第7の態様による構成であり、上記ワイヤレス携帯デバイスは、上記第8の態様によるデバイスであり、さらに/あるいは、上記計算機システムは、上記第9の態様によるシステムである。
【0017】
本開示によれば、上記少なくとも1つの(例えば初期)測定量は、上記ユーザの上記生体信号の電気、磁気、光又は音響(例えば超音波)測定量のうちの1つであり得る。上記少なくとも1つの(例えば初期)測定量は、上記生体信号の第1の領域(例えば時間領域)表示及び/又は周波数領域表示を含み得る。上記生体信号は、上記ユーザの身体により生成された信号であり得る。上記生体信号は、上記ユーザの認知状態を表す信号であり得る。上記生体信号は、神経機能信号であり得る。上記認知状態は、上記ユーザの感情、上記ユーザに与えられた刺激に対する応答、上記ユーザの記憶能力及び上記ユーザの認知能力のうち1つ以上を含み得る。上記生体信号は、生体電気信号、例えば脳波(EEG)信号であり得る。上記生体信号は、音響信号、例えば音響心拍動信号であり得る。上記生体信号は、上記ユーザの身体の運動信号(例えば、電気的筋肉運動信号、又は例えば加速度計で検出可能な肉体運動信号)であり得る。医療データという用語は、臨床的な意味で使用されるデータに限定されるわけではない。上記ユーザは、(例えば、健康な又は健康ではない)人間又は動物であり得る。上記ユーザが非臨床環境、例えば自宅にいるときに、上記少なくとも1つの測定量が生成及び/又は取得され得る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図面の簡単な説明
本開示のさらなる詳細、利点及び態様は、図面を考慮した以下の実施形態から明らかになるであろう。
【0019】
【
図1】
図1は、本開示によるワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成の実施形態を示している。
【
図2】
図2は、本開示によるワイヤレス携帯デバイスの実施形態を示している。
【
図3】
図3は、本開示による計算機システムの実施形態を示している。
【
図4】
図4は、本開示による医療データ処理システムの実施形態を示している。
【
図5】
図5は、本開示による第1の方法の実施形態を示している。
【
図6】
図6は、本開示による第1の方法の実施形態を示している。
【
図7】
図7は、本開示による4つの例示的な時間同期手順を示している。
【
図8】
図8は、EEG信号の測定量の複数のセグメントを示している。
【
図9】
図9は、
図9のセグメントのうちの1つを拡大図で示している。
【
図11】
図11は、
図10の分解シーケンスのそれぞれに当てはめられた自己回帰モデルを示している。
【
図14】
図14は、EEG信号及び再合成された残差を示しており、それぞれ
図8に示される複数のセグメントにわたって平均されている。また、分解された残差に適用されたM推定の再合成結果も示されている。
【発明を実施するための形態】
【0020】
詳細な説明
以下の説明では、ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成の例示的な実施形態が図面を参照して説明される。同一又は類似の構造的特徴を示すのに同一の参照数字が使用される。
【0021】
ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成
図1は、本開示による
ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成100の第1の実施形態を示している。ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成100は、医療データをワイヤレス携帯デバイスに送信するために構成されている。ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成100は、ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成100を着用しているユーザの生体信号の少なくとも1つの測定量を生成(例えば記録)するように構成される少なくとも1つのセンサ102と、第1のワイヤレスインタフェイス104と、第1のクロック106と、第1のプロセッサ108とを備えている。ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成100は、第1のプロセッサ108により実行された際に、第1のプロセッサ108を本明細書で述べるように構成する指令を含むメモリ110をさらに備えていてもよい。ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成100は、例えばヘッドセット、ヘッドバンド又はヘルメットであり得る。
【0022】
第1のプロセッサ108は、(例えば、第1のワイヤレスインタフェイス104を介してワイヤレス携帯デバイスから受信した時間情報に基づいて)第1のクロック106をワイヤレス携帯デバイスの第2のクロックと同期させ、あるいは、(例えば、第1のワイヤレスインタフェイス104を介してワイヤレス携帯デバイスに時間情報を送信することにより)ワイヤレス携帯デバイスの第2のクロックに対して第1のクロック106との同期を指示する(例えばトリガする、開始する又は作動可能にする)時間同期手順を実施するように構成されている。第1のプロセッサ108は、時間同期手順を実施した後、ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成を着用しているユーザの生体信号の少なくとも1つの測定量を少なくとも1つのセンサ102から取得し、取得した少なくとも1つの測定量に(例えば第1のクロック106を用いて)少なくとも1つのタイムスタンプを割り当て、第1のワイヤレスインタフェイス104を介して医療データをワイヤレス携帯デバイスに送信するように構成されている。上記医療データは、少なくとも1つの測定量を表したものと、この少なくとも1つの測定量に割り当てられた少なくとも1つのタイムスタンプとを含んでいる。
【0023】
第1のプロセッサ108は、メモリ110内に、あるいは例えば医療データが第1のワイヤレスインタフェイス103を介してワイヤレス携帯デバイスに送信できない場合(ただし、これに限られるわけではない)には物理的に取り外し可能なメモリ(例えば、ストレージカード、USBスティックなど)内に医療データを格納するように構成され得る。
【0024】
少なくとも1つのセンサ102は、電極(例えば乾燥電極)であるか、これを含み得るものであり、生体電気信号の測定量を生成するように構成され得る。生体信号は、音響信号、例えば音響心拍動信号であり得る。少なくとも1つのセンサは、マイクロフォンであるか、これを含み得るものであり、音響信号の測定量を生成するように構成され得る。
【0025】
第1のワイヤレスインタフェイス104は、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)インタフェイス、(例えばIEEE規格802.11に準拠した)WiFiインタフェイス、Bluetoothインタフェイス又は他の無線インタフェイス(例えば4Gインタフェイス又は5Gインタフェイス)であり得る。第1のワイヤレスインタフェイス104は、WLANインタフェイス、WiFiインタフェイス及びBluetoothインタフェイスのうちの少なくとも1つを含み得る。第1のプロセッサ108は、複数の処理装置を含み得る。例えば、第1のプロセッサ108は、マルチコアプロセッサとして、あるいは分散型プロセッサとして実現され得る。構成100は、第1のクロック106として構成される、リアルタイムクロックRTC、チップ及び発振回路のうち少なくとも1つを含み得る。第1のクロック106は、第1のプロセッサ108に現在時刻を提供するように構成され得る。第1のプロセッサ108は、第1のクロック106により提供される時刻を用いて現在時刻のタイムスタンプを生成するように構成され得る。第1のクロック106及び第1のプロセッサ108は、同一の集積回路又はコンピュータチップの一部であってもよい。
【0026】
第1のプロセッサ108又は少なくとも1つのセンサ102は、少なくとも1つの測定量に基づいて少なくとも1つの測定量の表現を決定するように構成されていてもよい。少なくとも1つの測定量の表現は、少なくとも1つの測定量に対応するか、そのようなものから構成されるか、あるいはそのようなものを含み得る。少なくとも1つの測定量の表現は、少なくとも1つの測定量のデジタル化した変換値又は数字による変換値、あるいは、少なくとも1つの測定量を(例えば周波数、振幅及び/又は雑音で)フィルタしたものを含むか、そのようなものから構成され得る。
【0027】
時間同期手順
第1のプロセッサ108は、(例えば、少なくとも1つの測定量の生成開始時又は取得時において少なくとも)第1のクロック106が第2のクロックと同期して動作するように時間同期手順を実施するように構成され得る。第1のプロセッサ108は、(例えば、少なくとも1つの測定量の生成開始時又は取得時において少なくとも)第1のクロック106及び第2のクロックが互いに同期するように時間同期手順を実施するように構成され得る。第1のクロック106を第2のクロックに同期させることは、例えば、以下のA)又はC)で述べられるように、第1のクロック106を第2のクロックに調整することを含み得る。第1のクロックを第2のクロックに同期させることは、同一の時点で第1のクロック106により提供される時刻と第2のクロックにより提供される時刻との間の差が、補償され、なくなり、最小になり(例えば、1ms、5ms又は10msのような所定の許容値レベルを下回る)、あるいは実質的にゼロとなる(例えば、1ms、2ms又は3msのような所定の許容値レベルを下回る)ように第1のクロック106を調整することを含み得る。
【0028】
本明細書で使用される「同期して動作する」という用語は、同一の時点で第1のクロック106により提供される時刻と第2のクロックにより提供される時刻との間の時間ずれ又は差が、1ms、5ms又は10msのような所定の許容値レベルを下回るか、実質的にゼロである(例えば、0.1ms、0.5ms又は1msのような所定の許容値レベルを下回る)ことを意味する。第2のクロックを第1のクロック106に同期させることを指令することは、例えば、以下のB)又はD)で述べられるように、第2のクロックを第1のクロック106に調整するようワイヤレス携帯デバイス(の例えば第2のプロセッサ)に指令することを含み得る。第2のクロックを第1のクロック106に同期させることを指令することは、同一の時点で第2のクロックにより提供される時刻と第1のクロック106により提供される時刻との間の差が、補償され、なくなり、最小になり(例えば、1ms、5ms又は10msのような所定の許容値レベルを下回る)、あるいは実質的にゼロとなる(例えば、1ms、2ms又は3msのような所定の許容値レベルを下回る)ように第2のクロックを調整するようワイヤレス携帯デバイス(の例えば第2のプロセッサ)に指令することを含み得る。
【0029】
タイムスタンプ
少なくとも1つのタイムスタンプは、例えば第1のクロック106により提供される時刻に基づいて、第1のクロック106を用いて生成されるか、生成されたものであり得る。取得された少なくとも1つの測定量に割り当てられた少なくとも1つのタイムスタンプは、少なくとも1つのセンサ102による少なくとも1つの測定量の生成の開始時刻及び/又は第1のプロセッサ108による少なくとも1つの測定量の取得の開始時刻を表し得る。これに代えて、あるいはこれに加えて、取得された少なくとも1つの測定量に割り当てられた少なくとも1つのタイムスタンプは、少なくとも1つのセンサ102による少なくとも1つの測定量の生成の終了時刻及び/又は第1のプロセッサ108による少なくとも1つの測定量の取得の終了時刻を表し得る。少なくとも1つのタイムスタンプは、第1のクロック106を用いて一定間隔で第1のプロセッサ108により生成され得る。少なくとも1つの測定量に少なくとも1つのタイムスタンプでタイムスタンプを押すことにより、少なくとも1つの測定量に少なくとも1つのタイムスタンプを含めることにより、さらに/あるいは少なくとも1つの測定量と少なくとも1つのタイムスタンプとの間の時間的連係を決定することにより、少なくとも1つのタイムスタンプが少なくとも1つの測定量に割り当てられ得る。
【0030】
パケット番号
第1のプロセッサ108は、医療データを複数のデータパケットに分け、それぞれのデータパケットに対してパケット番号を割り当ててもよい。パケット番号は、医療データ又は少なくとも1つの測定量内におけるそのパケットの相対位置を示し得る。それぞれのデータパケットは、少なくとも1つの測定量の一部を含み得るものであり、パケット番号は、少なくとも1つの測定量のどの部分がそのパケットに含まれているかを示し得る。データパケットは、ワイヤレス携帯デバイスに別個に送信され得る。データパケットは、後で、例えばワイヤレス携帯デバイスにより受信された後で、(例えば、ワイヤレス携帯デバイスの第2のプロセッサによって)パケット番号に基づいて再び並び替えられてもよい。
【0031】
時間情報
第1のプロセッサ108によってワイヤレス携帯デバイスに送信される時間情報は、第1のクロック106の時間情報、例えば第1のクロック106を用いて生成されたタイムスタンプを含み得る。第1のプロセッサ108によってワイヤレス携帯デバイスから受信される時間情報は、第2のクロックの時間情報、例えば第2のクロックを用いて生成されたタイムスタンプを含み得る。第1のプロセッサ108によってワイヤレス携帯デバイスから受信されるか、ワイヤレス携帯デバイスに送信される時間情報は、例えば以下で例A)からD)を参照して述べられるように、時間同期要求メッセージ、時間情報要求メッセージ、時間情報応答メッセージ、コンフィギュレーションメッセージ、又はそこに含まれる情報のうち少なくとも1つを含み得る。
【0032】
開始メッセージ
第1のプロセッサ108は、ワイヤレス携帯デバイスから(例えば第1のワイヤレスインタフェイス104を介して)開始メッセージを受信し、開始メッセージの受信に応答して少なくとも1つのセンサに少なくとも1つの測定量を生成するよう指令するように構成され得る。第1のプロセッサ108は、ワイヤレス携帯デバイスから(例えば第1のワイヤレスインタフェイス104を介して)開始メッセージを受信し、開始メッセージの受信に応答して、あるいは、開始メッセージにおいて特定された時刻に基づいて、少なくとも1つの測定量の取得を開始するように構成され得る。第1のプロセッサ108は、ワイヤレス携帯デバイスへの開始メッセージの送信に応答して、あるいは、ワイヤレス携帯デバイスからの開始メッセージの受信に応答して、少なくとも1つの測定量の取得を開始するように構成され得る。開始メッセージは、本明細書で述べられるコンフィギュレーションメッセージに対応し得る。
【0033】
時間同期手順の繰り返し
第1のプロセッサ108は、所定の時点で、定期的に、さらに/あるいは少なくとも1つの測定量を取得した後に、時間同期手順を繰り返すように構成され得る。第1のプロセッサ108は、第1のクロック106の調整量の表示をワイヤレスデバイスに送信するように構成され得る。この調整量は、(例えば最初の又は繰り返される)時間同期手順中に第1のプロセッサ108により調整される第1のクロック106の時間量であり得る。
【0034】
時間同期手順の例A)、B)、C)及びD)
ここで、時間同期手順が第1のプロセッサ108によってどのように実施され得るかについての4つの例A)、B)、C)及びD)を説明する。第1のプロセッサ108は、例A)からD)のうち1つの例による時間同期を行い、時間同期を繰り返す際に、例A)からD)のうち同一の例又は別の例による時間同期を行うように構成され得る。以下で述べる例A)による構成100は、
図2を参照して以下で述べられる例a)によるデバイスを用いて時間同期手順を実施するように構成され得ることに留意されたい。以下で述べる例B)による構成100は、
図2を参照して以下で述べられる例b)によるデバイスを用いて時間同期手順を実施するように構成され得る。同じことが本明細書で述べられる例C)及び例c)と例D)及びd)に当てはまる。
【0035】
第1の態様の例A)及び例B)によれば、第1のプロセッサ108は、時間情報要求メッセージを第1のワイヤレスインタフェイス104を介してワイヤレス携帯デバイスに送信し、時間情報応答メッセージを第1のワイヤレスインタフェイス104を介してワイヤレス携帯デバイスから受信することにより、時間同期手順を実施するように構成され得る。時間情報要求メッセージは、時間情報要求メッセージの送信時刻の(例えば、第1のクロック106を用いて生成された)第1のタイムスタンプを含んでおり、時間情報応答メッセージは、同期情報を含んでいる。
【0036】
例A)によれば、第1のプロセッサ108は、少なくとも同期情報に基づいて第1のクロック106を調整することにより、第1のクロック106を同期するように構成され得る。第1のプロセッサ108は、第1のクロック106を調整した後に、コンフィギュレーションメッセージ(例えば開始メッセージ)を第1のワイヤレスインタフェイス104を介してワイヤレス携帯デバイスに送信するように構成され得る。コンフィギュレーションメッセージは、コンフィギュレーションメッセージの送信時刻の(例えば、第1のクロック106を用いて生成された)第2のタイムスタンプ及び第1のクロック106の調整量の表示のうちの少なくとも一方を含んでいる。
【0037】
例B)によれば、第1のプロセッサ108は、同期情報に基づいて第2のクロックに対する調整量指令を決定し、コンフィギュレーションメッセージを(例えば第1のワイヤレスインタフェイス104を介して)ワイヤレス携帯デバイスに送信するように構成され得る。コンフィギュレーションメッセージは、第2のクロックに対する調整量指令と、任意的に、コンフィギュレーションメッセージの送信時刻の第2のタイムスタンプとを含んでいる。第2のクロックに対する調整量指令は、調整量指令により規定される時間量で第2のクロックを調整するようワイヤレス携帯デバイスに指令し得る。
【0038】
第1の態様の例C)及び例D)によれば、第1のプロセッサ108は、時間情報要求メッセージを第1のワイヤレスインタフェイス104を介してワイヤレス携帯デバイスから受信し、少なくとも時間情報要求メッセージに含まれる情報に基づいて同期情報を決定し、時間情報応答メッセージを第1のワイヤレスインタフェイス104を介してワイヤレス携帯デバイスに送信することにより、時間同期手順を実施するように構成され得る。時間情報要求メッセージは、時間情報要求メッセージの送信時刻の(例えば第2のクロックを用いて生成された)第1のタイムスタンプを含んでおり、時間情報応答メッセージは、同期情報を含んでいる。
【0039】
例C)によれば、第1のプロセッサ108は、時間情報応答メッセージを送信した後に、コンフィギュレーションメッセージ(例えば開始メッセージ)を第1のワイヤレスインタフェイス104を介してワイヤレス携帯デバイスから受信し、コンフィギュレーションメッセージに含まれる情報に基づいて第1のクロック106を調整するように構成され得る。コンフィギュレーションメッセージに含まれる情報は、コンフィギュレーションメッセージの送信時刻の(例えば第2のクロックを用いて生成された)第2のタイムスタンプ及び第1のクロック106に対する調整量指令のうちの少なくとも一方を含み得る。第1のクロック106に対する調整量指令は、同期情報に基づいたものであり得る。第1のクロック106に対する調整量指令は、調整量指令により規定される時間量で第1のクロック106を調整するよう第1のプロセッサ108に指令し得る。
【0040】
例D)によれば、第1のプロセッサ108は、時間情報応答メッセージを送信した後に、コンフィギュレーションメッセージを第1のワイヤレスインタフェイス104を介してワイヤレス携帯デバイスから受信するように構成される。コンフィギュレーションメッセージは、第2のクロックの調整量の表示と、任意的に、コンフィギュレーションメッセージの送信時刻の(例えば第2のクロックを用いて生成された)第2のタイムスタンプとを含んでいる。
【0041】
同期情報
例A)、B)、C)又はD)のうちいずれか1つにおいて、同期情報は、少なくとも第1のタイムスタンプに依存し得るものである。同期情報は、第1のタイムスタンプにより示される時間情報要求メッセージの送信時刻と時間情報要求メッセージの受信時刻との間の第1の時間差の表示を含み得る。同期情報は、第1の時間差の表示を含むことにより少なくとも第1のタイムスタンプに依存し得る。同期情報は、時間情報応答メッセージの送信時刻の第3のタイムスタンプを含み得る。第1の時間差の表示は、第1のタイムスタンプと第3のタイムスタンプから構成されていてもよく、あるいは第1のタイムスタンプにより示される時刻と第3のタイムスタンプにより示される時刻との間の時間差の表示であってもよい。
【0042】
同期偏差
例A)又はB)によれば、第1のプロセッサ108は、第1の時間差と、第3のタイムスタンプにより示される時間情報応答メッセージの送信時刻と時間情報応答メッセージの受信時刻との間の第2の時間差とに基づいて、第1のクロック106と第2のクロックとの間の同期偏差を決定するように構成され得る。第1のプロセッサ108は、第1の時間差及び第2の時間差に基づいて往復待ち時間を決定し、往復待ち時間にさらに基づいて同期偏差を決定するように構成され得る。同期偏差は、(例えば、特定の時点での、あるいは所定の時間間隔中での)第1のクロック106により提供される時刻と第2のクロックにより提供される時刻との間の(例えば瞬間的な)差であり得る。往復待ち時間は、本構成からワイヤレスデバイスへの(例えば戻る)メッセージの伝搬時間を示すものであり得る。
【0043】
同期偏差に基づくクロック調整
例A)によれば、第1のプロセッサ108は、決定された同期偏差がなくなるか、最小になる(例えば、1ms、5ms又は10msのような所定の許容値レベルを下回る)か、あるいは補償されるように第1のクロック106を調整することにより、第1のクロック106を同期するように構成され得る。第1のプロセッサ108は、時間情報要求メッセージの送信と時間情報応答メッセージの受信のサイクルを複数回行い、時間情報要求メッセージと時間情報応答メッセージのそれぞれの組に対して同期偏差を決定し、決定された同期偏差のうち最小のものがなくなるか、最小になるか、あるいは補償されるように、あるいは、決定された同期偏差の平均がなくなるか、最小になるか、あるいは補償されるように第1のクロック106を調整するように構成され得る。
【0044】
例B)によれば、第1のプロセッサ108は、決定された同期偏差がなくなるか、最小になる(例えば、1ms、5ms又は10msのような所定の許容値レベルを下回る)か、あるいは補償されるようにワイヤレス携帯デバイスに第2のクロックを調整するよう指令する、第2のクロックに対する調整量指令を決定するように構成され得る。第1のプロセッサ108は、時間情報要求メッセージの送信と時間情報応答メッセージの受信のサイクルを複数回行い、時間情報要求メッセージと時間情報応答メッセージのそれぞれの組に対して同期偏差を決定し、決定された同期偏差のうち最小のものがなくなるか、最小になるか、あるいは補償されるように、あるいは、決定された同期偏差の平均がなくなるか、最小になるか、あるいは補償されるように第2のクロックを調整するようワイヤレス携帯デバイスに指令する、第2のクロックに対する調整量指令を決定するように構成され得る。
【0045】
同期開始についての第1の変形例
(例えば、例A)からD)のいずれか1つの)第1の変形例においては、第1のプロセッサ108は、ワイヤレス携帯デバイスから第1のワイヤレスインタフェイス104を介して時間同期要求メッセージを受信し、時間同期要求メッセージの受信に応答して(例えば、受信に反応して、あるいは受信によりトリガされて)時間同期手順を実施することを始めるように構成され得る。時間同期要求メッセージは、時間同期要求メッセージの送信時刻の(例えば第2のクロックを用いて生成された)第4のタイムスタンプを含み得る。第1のプロセッサ108は、時間同期手順を実施する前に、第4のタイムスタンプにより示される時間同期要求メッセージの送信時刻に基づいて第1のクロック106を事前に調整するように構成され得る。第1のプロセッサ108は、その時刻が第4のタイムスタンプにより示される時刻に対応するように第1のクロック106を事前に調整するように構成され得る。第1のプロセッサ108は、第4のタイムスタンプにより示される時刻が、(例えば、第1のクロック106を用いて決定された)時間同期要求メッセージの受信時刻から所定量(例えば1秒、5秒又は10秒)を超えてずれていた場合に、第1のクロック106を事前に調整するように構成され得る。
【0046】
同期開始についての第2の変形例
(例えば、例A)からD)のいずれか1つの)第2の変形例においては、第1のプロセッサ108は、時間同期要求メッセージを第1のワイヤレスインタフェイス104を介してワイヤレス携帯デバイスに送信して、時間同期手順を実施することを開始するようにワイヤレス携帯デバイスをトリガする(例えば指令又は開始する)ように構成され得る。時間同期要求メッセージは、時間同期要求メッセージの送信時刻の(例えば、第1のクロック106を用いて生成された)第4のタイムスタンプを含み、時間同期手順を実施する前に、第4のタイムスタンプにより示される時間同期要求メッセージの送信時刻に基づいて第2のクロックを事前に調整するようワイヤレス携帯デバイスに指令し得る。時間同期要求メッセージは、その時刻が第4のタイムスタンプにより示される時刻に対応するように第1のクロック106を事前に調整するようワイヤレス携帯デバイスに指令し得る。時間同期要求メッセージは、第4のタイムスタンプにより示される時刻が、(例えば第2のクロックを用いて決定された)時間同期要求メッセージの受信時刻から所定量(例えば1秒、5秒又は10秒)を超えてずれていた場合に、第2のクロックを事前に調整するようワイヤレス携帯デバイスに指令し得る。
【0047】
ワイヤレス携帯デバイス
図2は、本開示による
ワイヤレス携帯デバイス200の第1の実施形態を示している。ワイヤレス携帯デバイス200は、第2のワイヤレスインタフェイス204と、第2のクロック206と、第2のプロセッサ208とを備えている。ワイヤレス携帯デバイス200は、
図1の上記説明で言及されていたワイヤレス携帯デバイスであり得る。ワイヤレス携帯デバイス200は、第2のプロセッサ208により実行された際に、本明細書で述べるように第2のプロセッサ208を構成する指令を含むメモリ209をさらに備えていてもよい。ワイヤレス携帯デバイス200は、例えばタブレット、ラップトップ又はスマートフォンであり得る。
【0048】
第2のプロセッサ208は、第2のクロック206をワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成(例えば構成100)の第1のクロック(例えば第1のクロック106)と同期させ、あるいは、(例えば、第2のワイヤレスインタフェイスを介してワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成に時間情報を送信することにより)ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成(例えば構成100)の第1のクロック(例えば第1のクロック106)に対して第2のクロックとの同期を指示する(例えばトリガする、開始する又は作動可能にする)時間同期手順を実施するように構成されている。第2のプロセッサ208は、時間同期手順を実施した後、第2のワイヤレスインタフェイス204を介してワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成から医療データを受信し、この医療データを計算機システムに送信するように構成されている。医療データは、ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成を着用しているユーザの生体信号の少なくとも1つの測定量を表したものと、この少なくとも1つの測定量に割り当てられた少なくとも1つのタイムスタンプとを含んでいる。第2のプロセッサ208は、第2のワイヤレスインタフェイスを介してワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成から受信した時間情報に基づいて第2のクロック206を第1のクロックと同期させる時間同期手順を実施するように構成され得る。
【0049】
第2のワイヤレスインタフェイス204は、ワイヤレスローカルエリアネットワークWLANインタフェイス、(例えばIEEE規格802.11に準拠した)WiFiインタフェイス、Bluetoothインタフェイス又は他の無線インタフェイス(例えば4Gインタフェイス又は5Gインタフェイス)であり得る。第2のワイヤレスインタフェイス204は、WLANインタフェイス、WiFiインタフェイス及びBluetoothインタフェイスのうちの少なくとも1つを含み得る。第2のプロセッサ208は、複数の処理装置を含み得る。例えば、第2のプロセッサ208は、マルチコアプロセッサとして、あるいは分散型プロセッサとして実現され得る。デバイス200は、第2のクロック206として構成される、リアルタイムクロックRTC、チップ及び発振回路のうち少なくとも1つを含み得る。第2のクロック206は、第2のプロセッサ208に現在時刻を提供するように構成され得る。第2のプロセッサ208は、第2のクロック206により提供される時刻を用いて現在時刻のタイムスタンプを生成するように構成され得る。第2のクロック206及び第2のプロセッサ208は、同一の集積回路又はコンピュータチップの一部であってもよい。
【0050】
図1を参照して述べたように、少なくとも1つの測定量の表現は、少なくとも1つの測定量に対応するか、そのようなものから構成されるか、あるいはそのようなものを含み得る。少なくとも1つの測定量の表現は、少なくとも1つの測定量のデジタル化した変換値又は数字による変換値、あるいは、少なくとも1つの測定量を(例えば周波数、振幅及び/又は雑音で)フィルタしたものを含むか、そのようなものから構成され得る。
【0051】
第2のプロセッサ208は、(例えば、少なくとも1つの測定量が生成される時において少なくとも)第2のクロック206が第1のクロックと同期して動作するように時間同期手順を実施するように構成され得る。第2のプロセッサ208は、(例えば、少なくとも1つの測定量の生成開始時において少なくとも)第2のクロック206及び第1のクロックが互いに同期するように時間同期手順を実施するように構成され得る。第2のクロック206を第1のクロックに同期させることは、例えば、以下のB)又はD)で述べられるように、第2のクロック206を第1のクロックに調整することを含み得る。第2のクロック206を第1のクロックに同期させることは、同一の時点で第2のクロック206により提供される時刻と第1のクロックにより提供される時刻との間の差が、補償され、なくなり、最小になり(例えば、1ms、5ms又は10msのような所定の許容値レベルを下回る)、あるいは実質的にゼロとなる(例えば、1ms、2ms又は3msのような所定の許容値レベルを下回る)ように第2のクロック206を調整することを含み得る。上述したように、本明細書で使用される「同期して動作する」という用語は、同一の時点で第1のクロックにより提供される時刻と第2のクロック206により提供される時刻との間の時間ずれ又は差が、1ms、5ms又は10msのような所定の許容値レベルを下回るか、実質的にゼロである(例えば、0.1ms、0.5ms又は1msのような所定の許容値レベルを下回る)ことを意味する。第1のクロックを第2のクロック206に同期させることを指令することは、例えば、以下のA)又はC)で述べられるように、第1のクロックを第2のクロック206に調整するようワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成(の例えば第1のプロセッサ)に指令することを含み得る。第1のクロックを第2のクロック206に同期させることを指令することは、同一の時点で第1のクロックにより提供される時刻と第2のクロック206により提供される時刻との間の差が、補償され、なくなり、最小になり(例えば、1ms、5ms又は10msのような所定の許容値レベルを下回る)、あるいは実質的にゼロとなる(例えば、1ms、2ms又は3msのような所定の許容値レベルを下回る)ように第1のクロックを調整するようワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成(の例えば第1のプロセッサ)に指令することを含み得る。
【0052】
タイムスタンプ
少なくとも1つのタイムスタンプは、例えば第1のクロックにより提供される時刻に基づいて、第1のクロックを用いて生成されるか、生成されたものであり得る。取得された少なくとも1つの測定量に割り当てられた少なくとも1つのタイムスタンプは、ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成に含まれる少なくとも1つのセンサ(例えば少なくとも1つのセンサ102)による少なくとも1つの測定量の生成の開始時刻及び/又はワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成の第1のプロセッサ(例えば第1のプロセッサ108)による少なくとも1つのセンサからの少なくとも1つの測定量の取得の開始時刻を表し得る。これに代えて、あるいはこれに加えて、取得された少なくとも1つの測定量に割り当てられた少なくとも1つのタイムスタンプは、少なくとも1つの測定量の生成の終了時刻及び/又は少なくとも1つの測定量の取得の終了時刻を表し得る。少なくとも1つのタイムスタンプは、第1のクロックを用いて一定間隔で生成され得る。少なくとも1つの測定量に少なくとも1つのタイムスタンプでタイムスタンプを押すことにより、少なくとも1つの測定量に少なくとも1つのタイムスタンプを含めることにより、さらに/あるいは少なくとも1つの測定量と少なくとも1つのタイムスタンプとの間の時間的連係を決定することにより、少なくとも1つのタイムスタンプが少なくとも1つの測定量に割り当てられ得る。
【0053】
パケット番号
受信された医療データは、(例えばワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成により)複数のデータパケットに分割され得、それぞれのデータパケットに対してパケット番号が割り当てられ得る。パケット番号は、医療データ又は少なくとも1つの測定量内におけるそのパケットの相対位置を示し得る。それぞれのデータパケットは、少なくとも1つの測定量の一部を含み得るものであり、パケット番号は、少なくとも1つの測定量のどの部分がそのパケットに含まれているかを示し得る。データパケットは、ワイヤレス携帯デバイス200により別個に受信され得る。データパケットは、ワイヤレス携帯デバイス200により受信された後で、正しい形態で医療データを取得するために(例えば、ワイヤレス携帯デバイスの第2のプロセッサ208によって)パケット番号に基づいて再び並び替えられてもよい。すなわち、第2のプロセッサ208は、順序がパケット番号に従うように受信したデータパケットを再び並べ替えてもよい。これにより、パケット内に含まれる少なくとも1つの測定量の部分が正しい順序で結合されることが確実になり得る。
【0054】
第2のプロセッサ208は、医療データを1以上のパケットの形態で計算機システムに送信し得る。パケットは(例えば一意な又は昇順の)パケット番号を有しており、それぞれのパケットは少なくとも1つの測定量の一部を含んでいる。ワイヤレスデバイス208により受信されるデータパケットは、計算機システムに送信されるデータパケットと同一であってもよい。あるいは、第2のプロセッサ208は、医療データを異なる複数のパケットに分割するように構成されていてもよい。
【0055】
時間情報
第2のプロセッサ208によってワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成に送信される時間情報は、第2のクロック206の時間情報、例えば第2のクロック206を用いて生成されたタイムスタンプを含み得る。第2のプロセッサ208によってワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成から受信される時間情報は、第1のクロックの時間情報、例えば第1のクロックを用いて生成されたタイムスタンプを含み得る。第2のプロセッサ208によってワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成から受信されるか、ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成に送信される時間情報は、例えば以下で例a)からd)を参照して述べられるように、時間同期要求メッセージ、時間情報要求メッセージ、時間情報応答メッセージ、コンフィギュレーションメッセージ、又はそこに含まれる情報のうち少なくとも1つを含み得る。
【0056】
開始メッセージ
第2のプロセッサ208は、少なくとも1つの測定量の生成又は取得を開始するようワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成に指令する開始メッセージを(例えば第2のワイヤレスインタフェイス204を介して)ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成に送信するように構成され得る。開始メッセージは、本明細書で述べられるコンフィギュレーションメッセージに対応し得る。
【0057】
時間同期手順の例a)、b)、c)及びd)
ここで、時間同期手順が第2のプロセッサ208によってどのように実施され得るのかについての4つの例a)、b)、c)及びd)を説明する。第2のプロセッサ208は、例a)からd)のうち1つの例による時間同期を行い、時間同期を繰り返す際に、例a)からd)のうち同一の例又は別の例による時間同期を行うように構成され得る。以下で述べる例a)によるデバイス200は、
図1を参照して上記で述べられた例A)による構成を用いて時間同期手順を実施するように構成され得ることに留意されたい。以下で述べる例B)によるデバイス200は、
図1を参照して上記で述べられた例B)による構成を用いて時間同期手順を実施するように構成され得る。同じことが本明細書で述べられる例c)及び例C)と例d)及びD)に当てはまる。
【0058】
例a)及び例b)におぃては、第2のプロセッサ208は、時間情報要求メッセージを第2のワイヤレスインタフェイスを介してワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成から受信し、時間情報要求メッセージに含まれる情報に少なくとも基づいて同期情報を決定し、時間情報応答メッセージを第2のワイヤレスインタフェイスを介してワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成に送信するように構成される。時間情報要求メッセージは、時間情報要求メッセージの送信時刻の(例えば第1のクロックを用いて生成された)第1のタイムスタンプを含んでおり、時間情報応答メッセージは、同期情報を含んでいる。
【0059】
例a)においては、第2のプロセッサ208は、時間情報応答メッセージを送信した後に、コンフィギュレーションメッセージ(例えば開始メッセージ)を第2のワイヤレスインタフェイス204を介してワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成から受信するように構成され得る。コンフィギュレーションメッセージは、第1のクロックの調整量の表示と、任意的に、コンフィギュレーションメッセージの送信時刻の(例えば第1のクロックを用いて生成された)第2のタイムスタンプを含んでいる。
【0060】
例b)においては、第2のプロセッサ208は、時間情報応答メッセージを送信した後に、コンフィギュレーションメッセージを第2のワイヤレスインタフェイスを介してワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成から受信し、コンフィギュレーションメッセージに含まれる情報に基づいて第2のクロックを調整するように構成され得る。コンフィギュレーションメッセージに含まれる情報は、コンフィギュレーションメッセージの送信時刻の(例えば第1のクロックを用いて生成された)第2のタイムスタンプ及び第2のクロックに対する調整量指令のうちの少なくとも一方を含み得る。第2のクロックに対する調整量指令は、同期情報に基づいたものであり得る。この調整量指令は、調整量指令により規定される調整量で第2のクロック206を調整するよう第2のプロセッサ208に指令し得る。
【0061】
第2の態様の例c)及び例d)においては、第2のプロセッサ208は、時間情報要求メッセージを第2のワイヤレスインタフェイスを介してワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成に送信し、時間情報応答メッセージを第2のワイヤレスインタフェイスを介してワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成から受信するように構成され得る。この時間情報要求メッセージは、時間情報要求メッセージの送信時刻の(例えば第2のクロック206を用いて生成された)第1のタイムスタンプを含んでおり、時間情報応答メッセージは、同期情報を含んでいる。
【0062】
例c)においては、第2のプロセッサ208は、同期情報に基づいて第1のクロックに対する調整量指令を決定し、コンフィギュレーションメッセージをワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成に送信するように構成され得る。コンフィギュレーションメッセージは、第1のクロックに対する調整量指令と、任意的に、コンフィギュレーションメッセージの送信時刻の第2のタイムスタンプとを含んでいる。第1のクロックに対する調整量指令は、調整量指令により規定される時間量で第1のクロックを調整するようワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成に指令し得る。
【0063】
例d)においては、第2のプロセッサ208は、少なくとも同期情報に基づいて第2のクロックを調整することにより、第2のクロックを同期するように構成され得る。第2のプロセッサ208は、第2のクロックを調整した後に、コンフィギュレーションメッセージを第2のワイヤレスインタフェイスを介してワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成に送信するように構成され得る。コンフィギュレーションメッセージは、コンフィギュレーションメッセージの送信時刻の第2のタイムスタンプ及び第2のクロックの調整量の表示のうちの少なくとも一方を含んでいる。
【0064】
例a)、b)、c)又はd)のうちいずれか1つにおいて、同期情報は、少なくとも第1のタイムスタンプに依存し得るものである。同期情報は、第1のタイムスタンプにより示される時間情報要求メッセージの送信時刻と時間情報要求メッセージの受信時刻との間の第1の時間差の表示を含み得る。同期情報は、第1の時間差の表示を含むことにより少なくとも第1のタイムスタンプに依存し得る。同期情報は、時間情報応答メッセージの送信時刻の第3のタイムスタンプを含み得る。第1の時間差の表示は、第1のタイムスタンプと第3のタイムスタンプから構成されていてもよく、あるいは第1のタイムスタンプにより示される時刻と第3のタイムスタンプにより示される時刻との間の時間差の表示であってもよい。
【0065】
同期偏差
例c)又は例d)においては、第2のプロセッサ208は、第1の時間差と、第3のタイムスタンプにより示される時間情報応答メッセージの送信時刻と時間情報応答メッセージの受信時刻との間の第2の時間差とに基づいて、第1のクロックと第2のクロックとの間の同期偏差を決定するように構成され得る。第2のプロセッサ208は、第1の時間差及び第2の時間差に基づいて往復待ち時間を決定し、往復待ち時間にさらに基づいて同期偏差を決定するように構成され得る。同期偏差は、(例えば、特定の時点での、あるいは所定の時間間隔中での)第1のクロックにより提供される時刻と第2のクロックにより提供される時刻との間の(例えば瞬間的な)差であり得る。往復待ち時間は、本構成からワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成への(例えば戻る)メッセージの伝搬時間を示すものであり得る。
【0066】
同期偏差に基づくクロック調整
例c)においては、第2のプロセッサ208は、決定された同期偏差がなくなるか、最小になる(例えば、1ms、5ms又は10msのような所定の許容値レベルを下回る)か、あるいは補償されるようにワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成に第1のクロックを調整するよう指令する、第1のクロックに対する調整量指令を決定するように構成され得る。第2のプロセッサ208は、時間情報要求メッセージの送信と時間情報応答メッセージの受信のサイクルを複数回行い、時間情報要求メッセージと時間情報応答メッセージのそれぞれの組に対して同期偏差を決定し、決定された同期偏差のうち最小のものがなくなるか、最小になるか、あるいは補償されるように、あるいは、決定された同期偏差の平均がなくなるか、最小になるか、あるいは補償されるように第1のクロックを調整するようワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成に指令する、第1のクロックに対する調整量指令を決定するように構成され得る。
【0067】
例d)においては、第2のプロセッサ208は、決定された同期偏差がなくなるか、最小になる(例えば、1ms、5ms又は10msのような所定の許容値レベルを下回る)か、あるいは補償されるように第2のクロックを調整することにより、第2のクロックを同期するように構成され得る。第2のプロセッサ208は、時間情報要求メッセージの送信と時間情報応答メッセージの受信のサイクルを複数回行い、時間情報要求メッセージと時間情報応答メッセージのそれぞれの組に対して同期偏差を決定し、決定された同期偏差のうち最小のものがなくなるか、最小になるか、あるいは補償されるように、あるいは、決定された同期偏差の平均がなくなるか、最小になるか、あるいは補償されるように第2のクロックを調整するように構成され得る。
【0068】
時間同期手順の開始の第1の変形例
(例えば、例a)、b)、c)及びd)のいずれか1つの)第1の変形例においては、第2のプロセッサ208は、ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成から第2のワイヤレスインタフェイスを介して時間同期要求メッセージを受信し、時間同期要求メッセージの受信に応答して(例えば、受信に反応して、あるいは受信によりトリガされて)時間同期手順を実施することを始めるように構成され得る。時間同期要求メッセージは、時間同期要求メッセージの送信時刻の(例えば第1のクロックを用いて生成された)第4のタイムスタンプを含み得る。第2のプロセッサ208は、時間同期手順を実施する前に、第4のタイムスタンプにより示される時間同期要求メッセージの送信時刻に基づいて第2のクロックを事前に調整するように構成され得る。第2のプロセッサ208は、第4のタイムスタンプにより示される時刻が、(例えば、第2のクロック206を用いて決定された)時間同期要求メッセージの受信時刻から所定量(例えば1秒、5秒又は10秒)を超えてずれていた場合に、第2のクロックを事前に調整するように構成され得る。
【0069】
時間同期手順の開始の第2の変形例
(例えば、例a)、b)、c)及びd)のいずれか1つの)第2の変形例においては、第2のプロセッサ208は、時間同期要求メッセージを第2のワイヤレスインタフェイスを介してワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成に送信して、時間同期手順を実施することを開始するようにワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成をトリガする(例えば指令又は開始する)ように構成され得る。時間同期要求メッセージは、時間同期要求メッセージの送信時刻の(例えば、第2のクロック206を用いて生成された)第4のタイムスタンプを含み、時間同期手順を実施する前に、第4のタイムスタンプにより示される時間同期要求メッセージの送信時刻に基づいて第1のクロックを事前に調整するようヘッドウェアラブルセンサ構成に指令し得る。時間同期要求メッセージは、第4のタイムスタンプにより示される時刻が、(例えば第1のクロックを用いて決定された)時間同期要求メッセージの受信時刻から所定量(例えば1秒、5秒又は10秒)を超えてずれていた場合に、第1のクロックを事前に調整するようワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成に指令し得る。
【0070】
計算機システムへのデータの送信
第2のプロセッサ208は、医療データの送信時刻の(例えば第2のクロック206により生成された)第5のタイムスタンプを計算機システムに送信するように構成され得る。第2のプロセッサ208は、第1のクロックの調整量の表示、第2のクロック206の調整量の表示、第1のクロックに対する調整量指令及び第2のクロックに対する調整量指令のうち少なくとも1つを計算機システムに送信するように構成され得る。換言すれば、第2のプロセッサ208は、時間同期手順において補償された第1のクロックと第2のクロックとの間の時間のずれを計算機システムに通知するように構成され得る。
【0071】
時間同期手順の繰り返し
第2のプロセッサ208は、(例えば、1以上の所定の時点で、定期的に、少なくとも1つの測定量が生成又は取得された後、さらに/あるいは第2のプロセッサ208がワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成から医療データを受信した後に)時間同期手順を繰り返すように構成され得る。第2のプロセッサ208は、繰り返される(例えば2回目又はその後の)時間同期手順中に第1のクロックが調整される時間量の表示、繰り返される時間同期手順中に使用される第1のクロックに対する調整量指令、繰り返される時間同期手順中に第2のクロック206が調整される時間量の表示及び繰り返される時間同期手順中に使用される第2のクロック206に対する調整量指令のうち少なくとも1つを計算機システムに送信するように構成され得る。第2のプロセッサ208は、繰り返される時間同期手順中に第1のクロックが調整される時間量の表示又は繰り返される時間同期手順中に第2のクロック206が調整される時間量の表示を計算機システムに送信するように構成され得る。換言すれば、第2のプロセッサ208は、繰り返される時間同期手順において補償された第1のクロックと第2のクロックとの間の時間のずれについて(例えば、計算機システムに情報を送信することにより)計算機システムに通知するように構成され得る。
【0072】
第2のプロセッサ208は、調整量又は調整量指令と少なくとも1つの測定量との間の時間的連係の表示を計算機システムに送信するように構成され得る。すなわち、第2のプロセッサ208は、第1又は第2のクロックを調整するために当該調整量が使用された時刻と少なくとも1つの測定量(の例えば開始又は終了)との間の時間的連係の表示を計算機システムに送信し、あるいは、第1又は第2のクロックを調整するために当該調整量指令が使用された時刻と少なくとも1つの測定量(の例えば開始又は終了)との間の時間的連係の表示を計算機システムに送信するように構成され得る。
【0073】
刺激
デバイス200は、ワイヤレス携帯デバイスのユーザに少なくとも1つの刺激を与えるように構成される刺激インタフェイス210(例えばディスプレイ又はスピーカ)をさらに備え得る。第2のプロセッサ208は、任意的には、時間同期手順が実施されていない1以上の刺激時点において、ユーザに少なくとも1つの刺激を与えるように刺激インタフェイス210を制御するように構成され得る。(例えば、例a)、b)、c)及びd)のいずれか1つの)第2の変形例においては、第2のプロセッサ208は、1以上の刺激時点とは異なる時点で時間同期要求メッセージをワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成に送信するように構成され得る。
【0074】
刺激インタフェイス210は、(例えばタッチ)ディスプレイ、スピーカ、スピーカに接続可能な音声出力インタフェイス、触感振動インタフェイス、電気刺激電極及び臭気放出ユニットのうち少なくとも1つを含むか、あるいはこれらのうちの少なくとも1つであり得る。
【0075】
測定の開始時の時間ずれ
第2のプロセッサ208は、少なくとも1つの測定量の生成が開始される(例えばそのように指示される)時刻の(例えば第2のクロック206を用いて生成された)第6のタイムスタンプを計算機システムに送信するように構成され得る。少なくとも1つの測定量に割り当てられた少なくとも1つのタイムスタンプは、少なくとも1つの測定量の生成が開始された、第1のクロックにより提供される時刻を示したものであり得る。第6のタイムスタンプは、少なくとも1つの測定量の生成が開始された、第2のクロックにより提供される時刻を示したものであり得る。すなわち、少なくとも1つのタイムスタンプにより示される時刻と第6のタイムスタンプとの間の偏差は、少なくとも1つの測定量の生成が開始された時刻における第1のクロックと第2のクロックとの間の時間ずれを表したものであり得る。第2のプロセッサ208は、この時間ずれの表示を計算機システムに送信するように構成され得る。
【0076】
測定中の時間ずれ
第2のプロセッサ208は、少なくとも1つの測定量の生成が進行中である(例えば予め決められた)時点の(例えば第2のクロック206を用いて生成された)第9のタイムスタンプを計算機システムに送信するように構成され得る。少なくとも1つの測定量に割り当てられた少なくとも1つのタイムスタンプは、少なくとも1つの測定量の生成が進行中である、第1のクロックにより提供される時刻を示したものであり得る。第9のタイムスタンプは、少なくとも1つの測定量の生成が進行中である、第2のクロックにより提供される時刻を示したものであり得る。すなわち、少なくとも1つのタイムスタンプにより示される時刻と第9のタイムスタンプとの間の偏差は、少なくとも1つの測定量の生成が進行中である時刻における第1のクロックと第2のクロックとの間の時間ずれを表したものであり得る。第2のプロセッサ208は、この時間ずれの表示を計算機システムに送信するように構成され得る。
【0077】
測定の終了時の時間ずれ
少なくとも1つの測定量に割り当てられた少なくとも1つのタイムスタンプは、少なくとも1つの測定量の生成が完了した、第1のクロックにより提供される時刻を示したものであり得る。第2のプロセッサ208は、医療データがデバイス200により受信された(例えば第2のクロック206を用いて生成された)第7のタイムスタンプを計算機システムに送信するように構成され得る。第7のタイムスタンプは、医療データが上記構成によりデバイスに送信された、第2のクロックにより提供された理論上の時刻を取得するために、(例えば往復待ち時間に基づいて)第2のプロセッサ208により補正され得る。第2のプロセッサ208は、第7のタイムスタンプ及び/又はこの論理上の時刻を示す第8のタイムスタンプを計算機システムに送信するように構成され得る。すなわち、少なくとも1つのタイムスタンプにより示される時刻と第7又は第8のタイムスタンプとの間の偏差は、少なくとも1つの測定量の生成が完了した時刻における第1のクロックと第2のクロックとの間の時間ずれを表したものであり得る。第2のプロセッサ208は、この時間ずれの表示を計算機システムに送信するように構成され得る。
【0078】
刺激及び開始メッセージ
第2のプロセッサ208は、開始メッセージの受信に応答して、あるいは開始メッセージにより特定される時刻に、少なくとも1つの測定量の生成を開始するようワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成に指示する開始メッセージをワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成に送信するように構成され得る。第2のプロセッサ208は、開始メッセージにより特定される時刻を決定するか、さらに/あるいは少なくとも1以上の刺激時点の間の少なくとも1つの測定量が生成される時点で開始メッセージを送信するように構成され得る。
【0079】
あるいは、第2のプロセッサ208は、ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成からの開始メッセージの受信に応答して少なくとも1つの刺激を与え始めるように構成され得る。
【0080】
開始メッセージは、上記コンフィギュレーションメッセージに対応し得る。
【0081】
第2のプロセッサ208は、1以上の刺激時点の表示を計算機システムに送信するように構成され得る。1以上の刺激時点の表示は、1以上の刺激時点と少なくとも1つの測定量との間の時間的連係を含み得る。
【0082】
少なくとも1つの刺激は、視覚刺激、聴覚刺激、触覚刺激及び嗅覚刺激のうち1つ以上であり得る。少なくとも1つの刺激は、生体信号における反応を呼び起こし得る。少なくとも1つの刺激は、生体信号内で観測できる又は表れるユーザの身体反応をトリガし得る。少なくとも1つの刺激は、生体信号が少なくとも1つの刺激に関連付けられた少なくとも1つの(例えば特性を示す)特徴を表すようにユーザに影響を与え得る。
【0083】
ユーザインタフェイス
デバイス200は、ユーザ入力を受けるように構成されるユーザインタフェイス212をさらに含み得る。第2のプロセッサ208は、ユーザ入力を表したユーザデータを計算機システムに送信するようにさらに構成され得る。ユーザデータは、受信されたユーザ入力及び少なくとも1つの測定量の1以上の時点間の時間的連係を含み得る。ユーザインタフェイス212は、(例えば刺激インタフェイス210としても使用される)タッチスクリーン、コンピュータマウス、ジョイスティック及びマイクロフォンのうち少なくとも1つを含み得る。
【0084】
計算機システムに送信されるワイヤレスデバイス及び構成の種類
第2の態様のデバイスの第2のプロセッサ208は、デバイス200又はワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成の種類(例えば、デバイス名、製造者名、モデル番号及びバージョン番号のうち少なくとも1つ)の表示を計算機システムに送信するように構成され得る。本明細書で
図2を参照して述べられる計算機システムは、
図3を参照して以下で述べられる計算機システムであり得る。
【0085】
計算機システム
図3は、本開示による
計算機システム300の第1の実施形態を示している。計算機システム300は、1以上のプロセッサ302を含み、1以上のメモリ304を含み得る。1以上のメモリ304は、1以上のプロセッサ302により実施された際に、このプロセッサを本明細書で述べられているように構成する指令を含み得る。計算機システム300は、データを受信及び送信するためのインタフェイス306を含み得る。
【0086】
1以上のプロセッサ302は、ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成を着用しているユーザの生体信号の少なくとも1つの測定量を表したものと少なくとも1つの測定量に割り当てられる(例えば割り当てられた)少なくとも1つのタイムスタンプとを含む医療データをワイヤレス携帯デバイスから受信するように構成されている。少なくとも1つのタイムスタンプは、例えばワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成の第1のクロックを用いてワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成により少なくとも1つの測定量に割り当てられていてもよい。1以上のプロセッサは、少なくとも1つの測定量及び少なくとも1つの測定量に割り当てられた少なくとも1つのタイムスタンプに基づいて、ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成のユーザの健康、幸福又は能力の指標を決定するように構成され得る。ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成は、構成100であり得る。ワイヤレス携帯デバイスは、デバイス200であり得る。1以上のプロセッサ302により受信される医療データは、
図2を参照して述べられたようなデバイス200により送信される医療データであり得る。
【0087】
計算機システム300は、クラウドベースの処理システムであってもよい。1以上のプロセッサ302は、異なるラック又は地理的位置を横断して分散されていてもよい。1以上のプロセッサ302は、仮想マシン(VM)の仮想リソース(VR)として実現され得る。計算機システム300は、インターネットのようなネットワークを介してワイヤレス携帯デバイスから医療データを受信するように構成され得る。
【0088】
少なくとも1つの測定量の表現は、少なくとも1つの測定量に対応するか、そのようなものから構成されるか、あるいはそのようなものを含み得る。少なくとも1つの測定量の表現は、少なくとも1つの測定量のデジタル化した変換値又は数字による変換値、あるいは、少なくとも1つの測定量を(例えば周波数、振幅及び/又は雑音で)フィルタしたものを含むか、そのようなものから構成され得る。
【0089】
少なくとも1つのタイムスタンプは、(例えば、ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成に含まれる少なくとも1つのセンサ(例えば少なくとも1つのセンサ102)による少なくとも1つの測定量の取得開始時において少なくとも)ワイヤレス携帯デバイスの第2のクロック(例えば第2のクロック206)と同期して動作する第1のクロック(例えば第1のクロック106)を用いて(例えば、ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成により)少なくとも1つの測定量に割り当てられたものであり得る。上述したように、本明細書で使用される「同期して動作する」という用語は、同一の時点で第1のクロックにより提供される時刻と第2のクロックにより提供される時刻との間の時間ずれ又は差が、1ms、5ms又は10msのような所定の許容値レベルを下回るか、実質的にゼロである(例えば、0.1ms、0.5ms又は1msのような所定の許容値レベルを下回る)ことを意味する。
【0090】
パケット番号
受信された医療データは、(例えばワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成又はワイヤレス携帯デバイスにより)複数のデータパケットに分割され得、それぞれのデータパケットに対してパケット番号が割り当てられ得る。パケット番号は、医療データ又は少なくとも1つの測定量内におけるそのパケットの相対位置を示し得る。それぞれのデータパケットは、少なくとも1つの測定量の一部を含み得るものであり、パケット番号は、少なくとも1つの測定量のどの部分がそのパケットに含まれているかを示し得る。データパケットは、ワイヤレス携帯デバイス200から計算機システム300により別個に受信され得る。データパケットは、計算機システム300により受信された後で、正しい形態で医療データを取得するために1以上のプロセッサ302によってパケット番号に基づいて再び並び替えられてもよい。すなわち、1以上のプロセッサ302は、順序がパケット番号に従うように受信したデータパケットを再び並べ替えてもよい。これにより、パケット内に含まれる少なくとも1つの測定量の部分が正しい順序で結合されることが確実になり得る。
【0091】
測定の開始時の時間ずれ
1以上のプロセッサ302は、ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成の少なくとも1つのセンサによる少なくとも1つの測定量の生成が開始される(例えばそのように指示される)時刻の(例えば第2のクロックを用いて生成された)第6のタイムスタンプをワイヤレス携帯デバイスから計算機システムに受信するように構成され得る。少なくとも1つの測定量に割り当てられた少なくとも1つのタイムスタンプは、少なくとも1つの測定量の生成が開始された、第1のクロックにより提供される時刻を示したものであり得る。第6のタイムスタンプは、少なくとも1つの測定量の生成が開始された、第2のクロックにより提供される時刻を示したものであり得る。すなわち、少なくとも1つのタイムスタンプにより示される時刻と第6のタイムスタンプとの間の偏差は、少なくとも1つの測定量の生成が開始された時刻における第1のクロックと第2のクロックとの間の時間ずれを表したものであり得る。1以上のプロセッサ302は、この時間ずれの表示をワイヤレス携帯デバイスから受信するように構成され得る。
【0092】
測定中の時間ずれ
1以上のプロセッサ302は、少なくとも1つの測定量の生成が進行中である(例えば予め決められた)時点の(例えば第2のクロック206を用いて生成された)第9のタイムスタンプをワイヤレス携帯デバイスから受信するように構成され得る。少なくとも1つの測定量に割り当てられた少なくとも1つのタイムスタンプは、少なくとも1つの測定量の生成が進行中である、第1のクロックにより提供される時刻を示したものであり得る。第9のタイムスタンプは、少なくとも1つの測定量の生成が進行中である、第2のクロックにより提供される(例えば対応する)時刻を示したものであり得る。すなわち、少なくとも1つのタイムスタンプにより示される時刻と第9のタイムスタンプとの間の偏差は、少なくとも1つの測定量の生成が進行中である(例えば予め決められた)時刻における第1のクロックと第2のクロックとの間の時間ずれを表したものであり得る。1以上のプロセッサ302は、この時間ずれの表示をワイヤレス携帯デバイスから受信するように構成され得る。
【0093】
測定の終了時の時間ずれ
少なくとも1つの測定量に割り当てられた少なくとも1つのタイムスタンプは、少なくとも1つの測定量の生成が完了した、第1のクロックにより提供される時刻を示したものであり得る。1以上のプロセッサ302は、医療データがワイヤレス携帯デバイスにより受信された(例えば第2のクロック206を用いて生成された)第7のタイムスタンプをワイヤレス携帯デバイスから受信するように構成され得る。第7のタイムスタンプは、医療データがワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成によりワイヤレス携帯デバイスに送信された、第2のクロックにより提供された理論上の時刻を取得するために、(例えば往復待ち時間に基づいて)ワイヤレス携帯デバイスにより補正され得る。1以上のプロセッサ302は、第7のタイムスタンプ及び/又はこの論理上の時刻を示す第8のタイムスタンプをワイヤレス携帯デバイスから受信するように構成され得る。すなわち、少なくとも1つのタイムスタンプにより示される時刻と第7又は第8のタイムスタンプとの間の偏差は、少なくとも1つの測定量の生成が完了した時刻における第1のクロックと第2のクロックとの間の時間ずれを表したものであり得る。1以上のプロセッサ302は、この時間ずれの表示をワイヤレス携帯デバイスから受信するように構成され得る。
【0094】
指標の決定
少なくとも1つの測定量及び少なくとも1つの測定量に割り当てられた少なくとも1つのタイムスタンプの表示に基づいて、ユーザの健康、幸福又は能力の指標が決定され得る。1以上のプロセッサ302は、少なくとも1つの測定量の表示の時間的特性(例えば、特性パターンの頻度、時間領域における表示の形状など)を特定するために少なくとも1つのタイムスタンプを使用するように構成され得る。時間的特性は、ユーザの健康、幸福又は能力の予め規定された指標セットの1つに関連付けられる特徴であり得る。1以上のプロセッサ302は、時間的特性に基づいて指標セットの1つを選択するように構成され得る。
【0095】
1以上のプロセッサは、医療データの送信時刻の(例えば第1のクロックにより生成された)第5のタイムスタンプをワイヤレス携帯デバイスから受信し、さらに第5のタイムスタンプに基づいてユーザの健康、幸福又は能力の指標を決定するように構成され得る。
【0096】
調整量についての表示の使用
1以上のプロセッサ302は、第1のクロック又は第2のクロックを同期させるために(例えば少なくとも1つの測定量が取得される前又は後に、例えばワイヤレスデバイス及び/又はワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成により)使用される第1のクロック又は第2のクロックのいずれかの調整量の表示をワイヤレス携帯デバイス(例えばワイヤレス携帯デバイス200)から受信するように構成され得る。調整量は、
図1及び
図2を参照して上記で述べられた(例えば初期の又は最初の)時間同期手順又は繰り返される(例えば2回目の又はその後の)時間同期手順においてワイヤレス携帯デバイス200により決定又は受信されたものであってもよい。これに代えて、あるいはこれに加えて、1以上のプロセッサ302は、第1のクロック又は第2のクロックを同期させるために(例えば少なくとも1つの測定量が取得される前又は後に、例えばワイヤレスデバイス及び/又はワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成により)使用される調整量指令をワイヤレス携帯デバイスから受信するように構成され得る。調整量指令は、
図1及び
図2を参照して上記で述べられた(例えば初期の又は最初の)時間同期手順又は繰り返される(例えば2回目の又はその後の)時間同期手順においてワイヤレス携帯デバイス200により決定又は受信されたものであってもよい。1以上のプロセッサ302は、調整量の表示又は調整量指令にさらに基づいてユーザの健康、幸福又は能力の指標を決定するように構成され得る。
【0097】
調整量と測定との間の時間的連係の使用
1以上のプロセッサ302は、調整量と少なくとも1つの測定量との間又は調整量指令と少なくとも1つの測定量との間の時間的連係をワイヤレス携帯デバイスから受信するように構成され得る。1以上のプロセッサ302は、時間的連係にさらに基づいてユーザの健康、幸福又は能力の指標を決定するように構成され得る。この時間的連係は、少なくとも1つのタイムスタンプと第1のクロック又は第2のクロックを同期させるために調整量が使用された時点との間の時間的連係、あるいは少なくとも1つのタイムスタンプと第1のクロック又は第2のクロックを同期させるために調整量指令が使用された時点との間の時間的連係であり得る。
【0098】
クロックドリフト
1以上のプロセッサ302は、調整量に基づいて、また少なくとも1つのタイムスタンプと(例えば、上述した繰り返される時間同期手順において)第1のクロック又は第2のクロックを同期させるために調整量が使用された時点との間の時間的連係に基づいて、第1のクロックと第2のクロックとの間のクロックドリフトを決定するように構成され得る。1以上のプロセッサ302は、受信した調整量指令に基づいて、また少なくとも1つのタイムスタンプと(例えば、上述した繰り返される時間同期手順において)第1のクロック又は第2のクロックを同期させるために調整量指令が使用された時点との間の時間的連係に基づいて、第1のクロックと第2のクロックとの間のクロックドリフトを決定するように構成され得る。
【0099】
例えば、少なくとも1つのタイムスタンプは、ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成が少なくとも1つの測定量の生成を開始し、少なくとも1つの測定量が生成された後又は少なくとも1つの測定量が生成されている間の上述した繰り返される時間同期手順において第1のクロック又は第2のクロックがある調整量で調整された時刻を示し得る。この例では、クロックドリフト(例えば、第1のクロックと第2のクロックとにより提供される時刻の差の時間的変化)は、期間当たりのある調整量として決定され得る。この期間は、少なくとも1つのタイムスタンプにより示される時刻と第1のクロック又は第2のクロックが当該ある調整量で調整された時刻との間の時間的連係(例えば相対時間差)に対応する。1以上のプロセッサ302は、クロックドリフトにさらに基づいてユーザの健康、幸福又は能力の指標を決定するように構成され得る。
【0100】
刺激時点の使用
1以上のプロセッサ302は、ユーザに少なくとも1つの刺激が与えられる1以上の刺激時点の表示をワイヤレス携帯デバイスから受信し、1以上の刺激時点の表示にさらに基づいてユーザの健康、幸福又は能力の指標を決定するように構成され得る。
【0101】
1以上の刺激時点の表示は、1以上の刺激時点と少なくとも1つの測定量及び/又は少なくとも1つのタイムスタンプとの間の時間的連係を含み得る。1以上の刺激時点の表示は、少なくとも1つの測定量(例えばその表示)を複数のセグメントに分割するために使用され得る。セグメントのそれぞれは、生体信号のエポックに対応し得る。それぞれのセグメントは、刺激時点のうち1つ以上を参照して予め決められたタイムスロットとして特定され得る。例えば、それぞれのセグメントは、刺激時点の50ms前に開始し、刺激時点の450ms後に終了するタイムスロットであり得る。1以上のプロセッサ302は、複数のセグメントを分析して所定の個数のセグメント、ほとんどのセグメント又はすべてのセグメント中に存在する特徴を特定するように構成され得る。ユーザの健康、幸福又は能力の指標は、この特定された特徴に基づいて決定され得る。
【0102】
ユーザデータの使用
1以上のプロセッサ302は、ワイヤレス携帯デバイスのユーザインタフェイスを介して受信されるユーザ入力を表すユーザデータをワイヤレス携帯デバイスから受信するように構成され得る。1以上のプロセッサ302は、このユーザデータにさらに基づいてユーザの健康、幸福又は能力の指標を決定するように構成され得る。
【0103】
ユーザデータは、受信したユーザ入力の1以上の時点と少なくとも1つの測定量との間の時間的連係を含み得る。ユーザデータは、受信したユーザ入力の1以上の時点と1以上の刺激時点との間の時間的連係を含み得る。ユーザデータは、例えばユーザインタフェイス又は刺激インタフェイスを介してユーザに提供される、代替物の所定のセットの選択を含み得る。1以上のプロセッサは、特定された特徴及びユーザデータに基づいてユーザの健康、幸福又は能力の指標を決定するように構成され得る。例えば、1以上のプロセッサ302により特定される(例えば当該)特徴の種類又は特性が、1以上のプロセッサ302によりユーザデータに基づいて種類又は特性の所定のセットから選択され得る。
【0104】
ワイヤレスデバイス又は構成の種類の表示の使用
1以上のプロセッサ302は、ワイヤレス携帯デバイス又はワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成の種類の表示をワイヤレス携帯デバイスから受信し、ワイヤレス携帯デバイス又はワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成の種類に関連付けられた時間遅延に関して予め決められた情報を取得し、時間遅延にさらに基づいてユーザの健康、幸福又は能力の指標を決定するように構成され得る。
【0105】
時間遅延に関して予め決められた情報は、ワイヤレス携帯デバイスのプロセッサにより提供される刺激時点と刺激が出力される実際の時点との間の時間遅延に関する情報であり得る。1以上のプロセッサ302は、時間遅延に関して予め決められた情報に基づいて、受信した1以上の刺激時点の表示により規定される1以上の刺激時点を調整するように構成され得る。例えば、ワイヤレスデバイスの種類の表示は、そのワイヤレスデバイスがサムソン(登録商標)のような会社により製造されていることを特定し得る。時間遅延に関して予め決められた情報は、表示中のサムソン(登録商標)のワイヤレスデバイスにより提供される1以上の刺激時点が、刺激インタフェイスを介して刺激(例えば、ディスプレイ上に出力される視覚的刺激、スピーカ又は音声出力インタフェイスを介して出力される聴覚的刺激、又は触感振動インタフェイスを介して出力される触覚的刺激)が出力される実際の時点よりも実際には30ms早いことを特定し得る。このように、1以上のプロセッサ302は、受信された1以上の刺激時点に関しての表示において規定されるように(例えば、サムソン(登録商標)のワイヤレスデバイスの上記例においては、1以上の刺激時点のそれぞれに30msを追加することにより)1以上の刺激時点を時間調整し得る。
【0106】
1以上の刺激時点と少なくとも1つの測定量との間の時間的連係は、時間遅延に関して予め決められた情報に基づいて変化し得る。そのときは、1以上のプロセッサ302は、(例えば未調整の)1以上の刺激時点について上述したような時間調整した1以上の刺激時点を使用し得る。
【0107】
異なる種類のワイヤレス携帯デバイスは、ユーザの応答とユーザインタフェイスを介してワイヤレス携帯デバイスにより登録されている応答(例えば、マイクロフォン、タッチスクリーン、又は加速度計などを介して受信したユーザ入力)との間に異なる遅延を導入し得る。1以上のプロセッサ302は、時間遅延に関する予め決められた情報に基づいて、受信されたユーザ入力の1以上の時点及び/又は受信されたユーザ入力の1以上の時点と少なくとも1つの測定量との間の時間的連係を調整するように構成され得る。
【0108】
測定量の調整
1以上のプロセッサ302は、ワイヤレス携帯デバイスから受信した情報の少なくとも一部に基づいて少なくとも1つの測定量の表示の少なくとも一部を時間的に調整することにより少なくとも1つの時間調整済みの測定量を決定し、少なくとも1つの時間調整済みの測定量に基づいて、ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成のユーザの健康、幸福又は能力の指標を決定する。換言すれば、この表示は、ワイヤレス携帯デバイスから受信した情報の少なくとも一部に基づいて、例えば1以上の刺激時点に関する表示、調整量又は調整量指令に関する表示に基づいて、(例えば時間領域で)伸長、圧縮又は拡大縮小され得る。少なくとも1つの測定量の少なくとも一部は、少なくとも1つのタイムスタンプが1以上の刺激時点に対応する又は適合するように、拡大縮小することにより時間的に調整され得る。少なくとも1つの測定量の少なくとも一部は、上述したように決定された第1のクロックと第2のクロックとの間のクロックドリフトを補償するように時間的に調整(例えば線形的に拡大縮小)され得る。この意味では、補償されるクロックドリフトは一定であると仮定され得るもので、1以上の刺激時点は第2のクロックを用いて規定され得るもので、少なくとも1つの測定量には、第1のクロックを用いて規定された少なくとも1つのタイムスタンプでタイムスタンプが押されていてもよいことに留意されたい。
【0109】
タイムスタンプの調整
1以上のプロセッサ302は、ワイヤレス携帯デバイスから受信した情報(例えばそのすべて又は少なくとも一部)に基づいて(例えば、調整量、調整量指令、時間ずれ、少なくとも1つのタイムスタンプ、第6のタイムスタンプ、第7のタイムスタンプ、第8のタイムスタンプ及び第9のタイムスタンプのうち1つ以上に基づいて)少なくとも1つの測定量に割り当てられた少なくとも1つのタイムスタンプを時間的に調整することにより少なくとも1つの時間調整済みタイムスタンプを決定し、少なくとも1つの時間調整済みタイムスタンプにさらに基づいてワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成のユーザの健康、幸福又は能力の指標を決定するように構成され得る。少なくとも1つのタイムスタンプは、上述した時間遅延に関して予め決められた情報に基づいて調整され得る。少なくとも1つのタイムスタンプは、刺激時点のうち1つ以上に関して予め決められた相対時間的位置を有するように調整され得る。少なくとも1つのタイムスタンプを調整することにより、少なくとも1つのタイムスタンプに関連付けられた少なくとも1つの測定量の表示の部分が拡大縮小され得る。
【0110】
刺激時点の時間的連係の調整
1以上のプロセッサ302は、ワイヤレス携帯デバイスから受信した情報の少なくとも一部(例えば、時間ずれ、調整量、調整量指令、調整量と少なくとも1つの測定量との間、又は調整量指令と少なくとも1つの測定量との間の時間的連係のうち1つ以上)に基づいて1以上の刺激時点と少なくとも1つの測定量(例えば、これに割り当てられた少なくとも1つのタイムスタンプ)との間の時間的連係を調整することにより時間調整済みの刺激データを決定し、時間調整済みの刺激データにさらに基づいてワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成のユーザの健康、幸福又は能力の指標を決定するように構成され得る。1以上の刺激時点と少なくとも1つの測定量との間の時間的連係は、上述のように決定された、第1のクロックと第2のクロックとの間の(例えば一定の)クロックドリフトを補償するように(例えば線形的に)調整され得る。
【0111】
ユーザ入力時点の時間的連係の調整
1以上のプロセッサ302は、ワイヤレス携帯デバイスから受信した情報の少なくとも一部(例えば、時間ずれ、調整量、調整量指令、調整量と少なくとも1つの測定量との間又は調整量指令と少なくとも1つの測定量との間の時間的連係のうち1つ以上)に基づいて1以上のユーザ入力の受信時点と少なくとも1つの測定量との間の時間的連係を調整することにより時間調整済みのユーザデータを決定し、時間調整済みのユーザデータにさらに基づいてワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成のユーザの健康、幸福又は能力の指標を決定するように構成され得る。1以上のユーザ入力の受信時点と少なくとも1つの測定量との間の時間的連係は、上述のように決定された、第1のクロックと第2のクロックとの間の(例えば一定の)クロックドリフトを補償するように調整され得る。この意味では、1以上のユーザ入力の受信時点は第2のクロックを用いて規定され得るもので、少なくとも1つの測定量には、第1のクロックを用いて規定された少なくとも1つのタイムスタンプでタイムスタンプが押されていてもよいことに留意されたい。
【0112】
特徴の特定
1以上のプロセッサ302は、ワイヤレス携帯デバイスから受信された情報の少なくとも一部(例えば、医療データ、時間ずれ、調整量についての表示、調整量指令、ワイヤレスデバイス又はワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成の種類に関する表示、1以上の刺激時点に関する表示及び/又はユーザデータ)に基づいて、少なくとも1つの測定量及び/又は少なくとも1つの時間補正済みの(例えば時間調整済み又は拡大縮小済みの)測定量中のユーザの脳の健康状態を示す少なくとも1つの特徴を特定し、特定された少なくとも1つの特徴に基づいてワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成のユーザの健康、幸福又は能力の指標を決定するように構成され得る。
【0113】
ユーザの脳の健康状態を示す少なくとも1つの特徴は、予め決められた(例えば空間的、時間的及び/又は周波数)特性を有する上述した特徴であり得る。
【0114】
1以上のプロセッサ302は、機械学習分類器を用いてユーザの脳の健康状態を示す少なくとも1つの特徴を特定し、さらに/あるいは機械学習分類器を用いて特定された少なくとも1つの特徴に基づいてユーザの健康、幸福又は能力の指標を決定するように構成され得る。そのような機械学習分類器の例としては、ロジスティック回帰、ランダムフォレスト及び他の決定木を利用した方法、サポートベクタマシン、(ディープ)ニューラルネットワーク及びこれらの変形例が挙げられる。
【0115】
1以上のプロセッサ302は、パワースペクトル密度推定のような周波数解析及び接続性解析、事象関連時間周波数スペクトルの変化、グレンジャー因果性、試行間位相コヒーレンス、位相同期度、低解像度電気トモグラフィ又はその変形例、ビーム整形、脳電位ソース解析などのうち少なくとも1つを用いて少なくとも1つの特徴を特定するように構成され得る。
【0116】
生体信号がEEG信号である場合には、少なくとも1つの特徴は、誘発電位、EP、及び事象関連電位、ERP、事象関連時間周波数スペクトルの変化としてのスペクトル測度、パワースペクトル密度、接続性の測度、及び複雑性及びエントロピーの測度のうち少なくとも1つを含み得る。
【0117】
処理結果の視覚的出力
1以上のプロセッサ302は、ユーザの健康、幸福又は能力の指標の視覚的表示を決定し、その視覚的表示をディスプレイに(例えば、計算機システム300に接続されたユーザ端末のディスプレイに、ワイヤレスデバイス200の刺激インタフェイスに又はワイヤレスデバイス200のユーザ入力インタフェイスに)出力するように構成され得る。
【0118】
処理システム
図4は、本開示による
医療データ処理システム1000の実施形態を示している。医療データ処理システム1000は、ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成100、ワイヤレス携帯デバイス200、及び計算機システム300を含み得る。ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成100の第1のワイヤレスインタフェイス104は、ワイヤレス携帯デバイス200の第2のワイヤレスインタフェイス204と通信可能に連結され得る。ワイヤレス携帯デバイス200は、例えば有線又は無線接続を介して(例えば第2のワイヤレスインタフェイス204を介して)計算機システム300と通信可能に連結され得る。
【0119】
第1の医療データ処理方法
図5は、本開示による
第1の医療データ処理方法の実施形態を示している。
【0120】
本方法は、生体信号の初期測定量から生体信号の処理済み測定量を取得するための医療データ処理方法である。本方法は、計算機システム(例えば計算機システム300)により行われる。本方法は、第1の領域において生体信号の少なくとも1つの初期測定量(例えば上述した少なくとも1つの測定量)を表した医療データを取得するステップ500を含んでいる。本方法は、少なくとも1つの初期測定量を結合周波数領域に分解して、第1の領域と周波数領域の両方で少なくとも1つの初期測定量を表す変換済みデータを取得するステップ502を含んでいる。本方法は、少なくとも1つの自己回帰モデルを変換済みデータに当てはめるステップ504を含んでいる。本方法は、少なくとも1つの当てはめられた自己回帰モデルと変換済みデータとの間の少なくとも1つの偏差を決定するステップ506を含んでいる。本方法は、少なくとも1つの偏差に基づいて生体信号の処理済み測定量を取得するステップ508を含んでいる。
【0121】
処理済みデータ
処理済み測定量は、少なくとも1つの初期測定量に基づいて計算機システムにより決定され、計算機システムにより初期測定量を処理した結果であると考えることができるので「処理済み」と呼ばれる。処理済み測定量は増大測定量であり得る。処理済み測定量は、初期測定量に対して改善された信号-雑音比を有し得る。生体信号は、複数のエポックを有し得る。生体信号の処理済み測定量は、初期測定量と比較すると、エポックにわたってより低い標準偏差を有し得る。
【0122】
処理済み測定量は、(例えば機械学習分類器を用いて)その中の特徴をより信頼性高く特定できるように、その中で人工産物の振幅が低減されるように、さらに/あるいはその中で人工産物の数が少なくなるように増大され得る。特徴は、生体信号を与える身体を有する人間又は動物の健康、幸福又は能力を示し得る。
【0123】
医療データ
医療データは、本明細書で述べられるようなワイヤレス携帯デバイス(例えばワイヤレス携帯デバイス200)から取得され得る。医療データは、少なくとも1つの初期測定量を含むことにより、少なくとも1つの初期測定量の(例えば数値又はデジタル)表示を含むことにより、又は少なくとも1つの初期測定量を(例えばハイパス、バンドパス又はローパス)フィルタしたものを含むことにより、少なくとも1つの初期測定量を表し得る。
【0124】
変換済みデータ
「変換済みデータ」という用語は、データが少なくとも1つの初期測定量を「変換した」(例えば分解した)ものを表しているという事実に関連し得る。変換済みデータは、少なくとも1つの初期測定量を分解したものを含むかそのようなものから構成され得る。少なくとも1つの初期測定量を分解したものは、結合領域(joint domain)における少なくとも1つの測定量を表し得る。変換済みデータは、結合領域における少なくとも1つの初期測定量の表示を含み得る。変換済みデータは、結合領域における少なくとも1つの初期測定量の表示を含み得る。変換済みデータは、第1の領域及び周波数領域の双方における少なくとも1つの初期測定量の表示を含み得る。
【0125】
自己回帰モデル
少なくとも1つ(例えば2以上)の自己回帰モデルは、pは1以上であり得るとして、オーダーpの自己回帰モデルAR(p)であり得る。他の例では、pは2又は3であり得る。少なくとも1つの自己回帰モデルは、少なくとも1つの自己回帰モデルと変換済みデータとの間の誤差測定量、例えば最大偏差、代表値偏差(average deviation)又は平均偏差(mean deviation)が最小になるように、変換済みデータ(例えば、第1の領域及び周波数領域の双方における少なくとも1つの初期測定量の表示)に当てはめられ得る。少なくとも1つの自己回帰モデルは、少なくとも1つの自己回帰モデルの1以上のパラメータを推定又は適応することにより変換済みデータに当てはめられ得る。1以上のパラメータは、ユールウォーカーの方程式に基づく最小二乗法又はモーメント法に基づいて推定され得る。ARモデルをデータに当てはめる他の可能性が当業者に知られている場合があり、それらはここに適用される。変換済みデータに含まれるセグメントに自己回帰モデルを当てはめる1つの方法が以下でさらに説明される。
【0126】
処理済み測定量を取得することは、少なくとも1つの偏差を処理済み測定量として用いること又は少なくとも1つの偏差に基づいて処理済み測定量を決定することを含み得る。少なくとも1つの偏差は結合領域において決定され得る。
【0127】
再合成及び可逆変換
処理済み測定量を決定することは、少なくとも1つの偏差を第1の領域に再合成することを含み得る。少なくとも1つの偏差を再合成することは、少なくとも1つの偏差を結合領域から第1の領域に変換し得る。
【0128】
少なくとも1つの初期測定量は、可逆変換、例えば全単射関数を適用することにより結合周波数領域に分解され得る。少なくとも1つの偏差は、可逆変換の逆変換を適用することにより第1の領域に再合成され得る。補間関数又は近似関数が少なくとも1つの偏差に第1の領域にわたって当てはめられ得る。当てはめられた関数は(例えば元の、分解前の又は1つだけの)第1の領域に再合成されて処理済み測定量が取得され得る。
【0129】
残差
少なくとも1つの偏差は、少なくとも1つの当てはめられた自己回帰モデルの1以上の残差を含むかそのようなものから構成され得る。少なくとも1つの偏差は、少なくとも1つの当てはめられた自己回帰モデルのすべての残差を含み得る。自己回帰モデルの分野において一貫して使用されている「残差」という用語の一般的に知られている定義が適用される。これに代えて、あるいはこれに加えて、残差が、当てはめられた自己回帰モデルと当てはめられるデータとの間の偏差であってもよい。
【0130】
分解シーケンス
(例えば、上述した少なくとも1つの測定量に対応する)少なくとも1つの初期測定量は、結合周波数領域に分解され、複数の周波数又は周波数帯域のそれぞれについて少なくとも1つの初期測定量のそれぞれについての別個の分解シーケンスを決定し得る。変換済みデータは、決定された分解シーケンスを含んでいる。それぞれの分解シーケンスは、予め決められた周波数又は周波数帯域における少なくとも1つの初期測定量の一部を規定し得る。少なくとも1つの初期測定量は、それぞれ異なる周波数又は周波数帯域に関連付けられた複数の分解シーケンスに分解され得る。それぞれの分解シーケンスは、第1の領域において少なくとも1つの初期測定量の(例えば周波数)分解された部分を表し得る。それぞれの分解シーケンスは、少なくとも1つの初期測定量の分解のために使用された変換により得られる係数の大きさに対応する振幅を有し得る。
【0131】
自己回帰モデルのセグメントへの当てはめ
少なくとも1つの自己回帰モデルは、第1の領域にわたって又は第1の領域内で変換済みデータに当てはめられ得る。少なくとも1つの自己回帰モデルは、(例えば、少なくとも1つのセグメントの第1の領域にわたって)分解シーケンスのうちの1つの少なくとも1つのセグメントに当てはめられ得る。
【0132】
少なくとも1つの自己回帰モデルは、ベクトル自己回帰モデルVARであってもよく、分解シーケンスのうち1つ以上(例えばその複数のセグメント)に当てはめられるものであってもよい。VARモデルは、第1の領域内で予め決められた点又は第1の領域内で予め決められた点に隣接する点を含むすべてのセグメントに当てはめられ得る。予め決められた点は、生体信号(例えばその中の反応)を生じさせる刺激が人間又は動物に与えられる第1の領域内の点(例えば時点又は位置)であり得る。当てはめられたVARモデルは、そのパラメータを適応することにより、当てはめられたVARモデルが注目する信号タイプに当てはめられるように、信号タイプに適応可能なパラメータを含み得る。異なる信号タイプは、異なる特徴を表す(例えば、脳の健康状態を表す)ものであり得る。パラメータは、刺激についての付加的な情報、例えば刺激の種類、刺激強度、又は刺激の時点又は空間を示す外因であり得る。この場合には、ARモデルは、自己回帰線形混合効果モデルであり得る。
【0133】
少なくとも1つの自己回帰モデルは、同一の周波数又は周波数帯域に対する2以上の異なる分解シーケンスの少なくとも1つのセグメントに当てはめられ得る。
【0134】
少なくとも1つのセグメントは、第1の領域における間隔として規定され得る。この間隔は、予め決められた長さを有し得る。この予め決められた長さは、処理済み測定量において特定される注目の特徴の長さよりも長くてもよい。
【0135】
少なくとも1つのセグメントは、生体信号の単一のエポックに対応し得る。エポックは、(例えば、与えられた刺激、指令、又は生体信号に影響を与え、正確に時間的にロックされた他の出来事により)生体信号内に記録された注目の特徴に対応する又はこれを含むことが予想されるデータのセグメントであり得る。エポックは、少なくとも1つの注目の特徴を含む生体信号の一部であり得る。エポックは、トライアルとも呼ばれることがある。エポックは、予め決められた長さを有する時間ウィンドウであり得る。この予め決められた長さは、処理済み測定量において特定される注目の特徴の長さよりも長くてもよい。
【0136】
セグメントの特定
本方法は、少なくとも1つの初期測定量中で、あるいは1つ又は2つ以上の分解シーケンス中で少なくとも1つのセグメントを特定する(例えば規定する)ことをさらに含み得る。
【0137】
少なくとも1つのセグメントは、第1の領域内の第1の点(例えば刺激点)に対して規定され得る。この第1の点は、生体信号を生じさせる又は生体信号に影響を与える刺激に関連付けられるものである。第1の点は、本明細書で刺激時点と呼ばれる時点であり得る。
【0138】
あるいは、少なくとも1つのセグメントは、第1の領域内の第1の点(例えば刺激点)を少なくとも1つの初期測定量中、あるいは1つ又は2つ以上の分解シーケンス中の(例えば第1の領域内の)第2の点に整合することにより特定され得る。この第1の点は、生体信号を生じさせる又は生体信号に影響を与える刺激に関連付けられるものである。この整合は、第1の点と少なくとも1つの初期測定量との間の第1の領域の連係に基づくか、あるいは第1の点と1つ又は2つ以上の分解シーケンスとの間の第1の領域の連係に基づいていてもよい。第1の点は、第1の領域内の第2の点に対応し得る。少なくとも1つのセグメントは、第2の点に対して規定され得る。
【0139】
本方法は、例えばワイヤレス携帯デバイス200のようなワイヤレス携帯デバイスから第1の点の表示を取得することを含み得る。
【0140】
本方法は、1以上の刺激時点と少なくとも1つの初期測定量との間の時間的連係を含む1以上の刺激時点の表示を取得することを含み得る。1以上の刺激時点と少なくとも1つの初期測定量との間の時間的連係に基づいて、少なくとも1つの初期測定量に対する刺激時点の相対位置が決定され得る。この相対位置は、少なくとも1つの初期測定量(例えばその表示)をセグメントに分割するために使用され得る。それぞれのセグメントは、刺激時点のうち1つ以上を参照して予め決められたタイムスロットとして特定され得る。例えば、それぞれのセグメントは、刺激時点の第1の所定時間量(例えば50ms)前に開始し、刺激時点の第2の所定時間量(例えば450ms)後に終了するタイムスロットであり得る。
【0141】
刺激は、生体信号を与える身体を有する人間又は動物に与えられる聴覚刺激、視覚刺激、触覚刺激又は嗅覚刺激のうち1つ以上であり得る。
【0142】
セグメント分解
少なくとも1つの初期測定量の少なくとも1つの特定されたセグメントのそれぞれは、結合周波数領域に個別に分解されて、1つ又は2つ以上の分解シーケンスの少なくとも1つのセグメントが取得され得る。
【0143】
重複する初期測定量
少なくとも1つの初期測定量は、第1の領域の第1の部分における生体信号の第1の初期測定量と、第1の領域の第1の部分における生体信号の第2の初期測定量とを含み得る。第1の初期測定量は、第1の領域において第2の初期測定量と重なり得る。例えば、複数の測定が同時になされることで、時間領域において生体信号の第1の初期測定量と第2の初期測定量とが生じ得る。
【0144】
(ウェーブレット)変換
少なくとも1つの初期測定量は、第1の領域において解像度が変化する変換(例えば変化する第1の領域解像度)を適用することにより、結合周波数領域に分解され得る。変化する解像度は、周波数にわたって変化し得る。少なくとも1つの初期測定量は、ウェーブレット変換を適用することにより、結合周波数領域に分解され得る。ウェーブレット変換は、離散ウェーブレット変換DWTであり得る。ウェーブレット変換は、Debauchies-4、Symlet-5又はCoiflet-2マザーウェーブレットファミリからのウェーブレットを使用し得る。さらに、ウェーブレット形態は、ウェーブレット変換の分野に従事する当業者にとっては明らかであるか、明らかになり得るものである。分解シーケンスのそれぞれは、DWTにより取得された近似又は詳細係数の大きさに対応する振幅を有し得る。
【0145】
第1の領域及び結合周波数領域
結合周波数領域は、第1の領域と周波数領域との結合(例えば組み合わせた)領域であり得る。第1の変形例においては、第1の領域が時間領域で、結合周波数領域が時間周波数領域であってもよく、少なくとも1つの初期測定量が、任意的に、時間可変の測定振幅であってもよい。第2の変形例においては、第1の領域が空間領域で、結合周波数領域が空間周波数領域であってもよく、少なくとも1つの初期測定量が、任意的に、空間可変の測定振幅であってもよい。
【0146】
第1の医療データ処理方法のための計算機システム及びコンピュータプログラム製品
本開示は、少なくとも1つのメモリ及び少なくとも1つのプロセッサを備え、上記少なくとも1つのメモリは、上記少なくとも1つのプロセッサ上で実行された際に、上記少なくとも1つのプロセッサに第5の態様による方法を実行させる指令を格納した、計算機システムも提供する。この計算機システムは、本明細書で述べたシステム300であってもよい。上記少なくとも1つのプロセッサは1以上のプロセッサ302に対応し、上記少なくとも1つのメモリは1以上のメモリ304に対応する。
【0147】
本開示は、少なくとも1つのプロセッサ(例えば1以上のプロセッサ302)上で実行された際に、第1の医療データ処理方法を行うためのプログラムコード部分を含むコンピュータプログラム製品も提供する。コンピュータプログラム製品は、1以上のコンピュータ読取可能記録媒体(例えば1以上のメモリ304)上に格納され得る。
【0148】
第2の医療データ処理方法
図6は、本開示による
第2の医療データ処理方法の実施形態を示している。
【0149】
第2の医療データ処理方法は、生体信号の初期測定量から生体信号の処理済み測定量を取得するための医療データ処理方法である。本方法は、計算機システム(例えば計算機システム300)により行われる。本方法は、第1の領域において生体信号の少なくとも1つの初期測定量(例えば上述した少なくとも1つの測定量)を表した医療データを取得するステップ600を含んでいる。本方法は、少なくとも1つの初期測定量を結合周波数領域に分解して、複数の周波数又は周波数帯域のそれぞれについて少なくとも1つの初期測定量のそれぞれについて第1の領域内で別個の分解シーケンスを決定するステップ602を含んでいる。本方法は、同一の周波数又は周波数帯域について分解シーケンスのうちの1つ以上において複数の対応点にロバスト集約(robust aggregation)法を適用することにより少なくとも1つの推定点を決定するステップ604を含んでいる。本方法は、少なくとも1つの推定点を第1の領域に再合成して生体信号の処理済み測定量を取得するステップ606を含んでいる。
【0150】
処理済みデータ
処理済み測定量は、少なくとも1つの初期測定量に基づいて計算機システムにより決定され、計算機システムにより初期測定量を処理した結果であると考えることができるので「処理済み」と呼ばれる。処理済み測定量は増大測定量であり得る。処理済み測定量は、初期測定量に対して改善された信号-雑音比を有し得る。生体信号は、複数のエポックを有し得る。生体信号の処理済み測定量は、初期測定量と比較すると、エポックにわたってより低い標準偏差を有し得る。処理済み測定量は、(例えば機械学習分類器を用いて)その中の特徴をより信頼性高く特定できるように、その中で人工産物の振幅が低減されるように、さらに/あるいはその中で人工産物の数が少なくなるように増大され得る。特徴は、生体信号を与える身体を有する人間又は動物の健康、幸福又は能力を示し得る。
【0151】
医療データ
医療データは、本明細書で述べられるようなワイヤレス携帯デバイス(例えばワイヤレス携帯デバイス200)から取得され得る。医療データは、少なくとも1つの初期測定量を含むことにより、少なくとも1つの初期測定量の(例えば数値又はデジタル)表示を含むことにより、又は少なくとも1つの初期測定量を(例えばハイパス、バンドパス又はローパス)フィルタしたものを含むことにより、少なくとも1つの初期測定量を表し得る。
【0152】
分解シーケンス
それぞれの分解シーケンスは、予め決められた周波数又は周波数帯域における少なくとも1つの初期測定量の一部を規定し得る。少なくとも1つの初期測定量は、それぞれ異なる周波数又は周波数帯域に関連付けられた複数の分解シーケンスに分解され得る。それぞれの分解シーケンスは、第1の領域において少なくとも1つの初期測定量の(例えば周波数)分解された部分を表し得る。それぞれの分解シーケンスは、少なくとも1つの初期測定量の分解のために使用された変換により得られる係数の大きさに対応する振幅を有し得る。
【0153】
推定点
少なくとも1つの推定点は、ロバスト集約方法の出力又は結果であり得る。少なくとも1つの推定点は、結合領域において決定され得る。少なくとも1つの推定点は、結合領域から元の又は分解前の領域に再合成され得る。少なくとも1つの推定点に第1の領域にわたって補完又は近似関数が当てはめられ得る。当てはめられた関数は(例えば、元の、分解前の又は1つだけの)第1の領域に再合成されて再合成された少なくとも1つの推定点が取得され得る。少なくとも1つの推定点は、対応点での分解された測定量の振幅からロバスト集約方法により決定された値を有し得る。少なくとも1つの推定点は、第1の領域において(予め)決められた位置を有し得るので、推定「点」と呼ばれる。
【0154】
ロバスト集約方法の適用
ロバスト集約方法を複数の対応点に適用することは、結合領域において表現される複数の対応点の振幅値にロバスト集約方法を適用することを含み得る。ロバスト集約方法を適用することは、複数の対応点の振幅値を集約することを含み得る。ロバスト集約方法を適用することは、複数の対応点(例えばその振幅値)の仮想(例えば予め決められた)基礎分布(正規分布又はガンマ分布)又は分布族(例えば、対称分布、二モード分布又は裾の重い分布)のパラメータを表す統計的測定量又は値を決定することから構成されるか、そのようなものを含み得る。
【0155】
ロバスト集約方法
ロバスト集約方法は、複数の対応点(例えばその振幅値)の仮想基礎分布の測定量を取得するための頑健な統計的方法であり得る。仮想基礎分布のそのような測定量は、位置、広がり、又は歪度のような仮想基礎分布のパラメータの値を含み得る。ロバスト集約方法は、仮想基礎分布に適合しないデータについての(例えば、そのようなデータについてさえ又はそのようなデータについてのみ)測定量を提供し得る。ロバスト集約方法は、分布の異常値及び/又は誤った想定に対して抵抗力を有し得る。ロバスト集約方法は、以下の基準のうち少なくとも1つを満足し得る。
(i)頑健であり、鈍感であり、さらに/あるいは抵抗力のある統計的方法である。
(ii)有界影響関数を有する。
(iii)0.5の破局点又は0.4から0.5の間の破局点を有する。
【0156】
ロバスト集約方法を適用することは、複数の対応点に適用された重みを用いて仮想基礎分布のパラメータの値を推定することを含むか、あるいはそのようなことから構成される。重み付けは、(例えばデータのサブセットを作成するための)ゼロ重み付けを含み得る。ロバスト集約方法を適用することは、複数の対応点の中央値、トリム平均又はM推定のうち少なくとも1つを決定することを含むか、そのようなものから構成され得る。トリム平均は、切れた平均(truncated mean)とも呼ばれることがある。トリム平均は、四分位間平均(interquartile mean)であり得る。少なくとも1つの推定点は、対応点の中央値、トリム平均又はM推定のような仮想基礎分布のパラメータに対応する(例えば振幅)値を有し得る。
【0157】
仮想基礎分布は、生体信号の種類に基づいて、さらに/あるいは生体信号内の注目する特徴に基づいて、1組の分布から予め決められるか選択され得る。
【0158】
対応点及びセグメント
対応点のそれぞれは、推定点の位置に類似する(例えば「対応する」)(例えば第1の領域)位置を有し得る。複数の対応点のそれぞれは、対応点を含む分解シーケンスのセグメント内で同一又は類似の位置を有し得る。同一の位置は、第1の領域位置(first-domain position)であり得る。決定された分解シーケンスのそれぞれのセグメントは、対応点を1つだけ含み得る。
【0159】
セグメントは、第1の領域における間隔として規定され得る。この間隔は、予め決められた長さを有し得る。この予め決められた長さは、処理済み測定量において特定される注目の特徴の長さよりも長くてもよい。
【0160】
少なくとも1つのセグメントは、生体信号の1つのエポックに対応し得る。エポックは、(例えば、与えられた刺激、指令、又は生体信号に影響を与え、正確に時間的にロックされた他の出来事により)生体信号内に記録された注目の特徴に対応する又はこれを含むことが予想されるデータのセグメントであり得る。エポックは、少なくとも1つの注目の特徴を含む生体信号の一部であり得る。エポックは、トライアルとも呼ばれることがある。エポックは、予め決められた長さを有する時間ウィンドウであり得る。この予め決められた長さは、処理済み測定量において特定される注目の特徴の長さよりも長くてもよい。
【0161】
推定点の配列
少なくとも1つの推定点は、同一の周波数又は周波数帯域に対する1以上の異なる分解シーケンスのそれぞれのセグメント内ですべての対応点を集約する(例えばこれらにロバスト集約方法を適用する)ことにより決定される一連の推定点を含み得る。
【0162】
セグメントの特定
本方法は、少なくとも1つの初期測定量中で、あるいは1つ又は2つ以上の分解シーケンス中で少なくとも1つのセグメントを特定する(例えば規定する)ことをさらに含み得る。
【0163】
少なくとも1つのセグメントは、第1の領域内の第1の点(例えば刺激点)に対して規定され得る。この第1の点は、生体信号を生じさせる又は生体信号に影響を与える刺激に関連付けられるものである。第1の点は、本明細書で刺激時点と呼ばれる時点であり得る。
【0164】
あるいは、少なくとも1つのセグメントは、第1の領域内の第1の点(例えば刺激点)を少なくとも1つの初期測定量中、あるいは1つ又は2つ以上の分解シーケンス中の(例えば第1の領域内の)第2の点に整合することにより特定され得る。この第1の点は、生体信号を生じさせる又は生体信号に影響を与える刺激に関連付けられるものである。この整合は、第1の点と少なくとも1つの初期測定量との間の第1の領域の連係に基づくか、あるいは第1の点と1つ又は2つ以上の分解シーケンスとの間の第1の領域の連係に基づいていてもよい。第1の点は、第1の領域内の第2の点に対応し得る。少なくとも1つのセグメントは、第2の点に対して規定され得る。
【0165】
本方法は、例えばワイヤレス携帯デバイス200のようなワイヤレス携帯デバイスから第1の点の表示を取得することを含み得る。
【0166】
本方法は、1以上の刺激時点と少なくとも1つの初期測定量との間の時間的連係を含む1以上の刺激時点の表示を取得することを含み得る。1以上の刺激時点と少なくとも1つの初期測定量との間の時間的連係に基づいて、少なくとも1つの初期測定量に対する刺激時点の相対位置が決定され得る。この相対位置は、少なくとも1つの初期測定量(例えばその表示)をセグメントに分割するために使用され得る。それぞれのセグメントは、刺激時点のうち1つ以上を参照して予め決められたタイムスロットとして特定され得る。例えば、それぞれのセグメントは、刺激時点の第1の所定時間量(例えば50ms)前に開始し、刺激時点の第2の所定時間量(例えば450ms)後に終了するタイムスロットであり得る。
【0167】
刺激は、生体信号を与える身体を有する人間又は動物に与えられる聴覚刺激、視覚刺激、触覚刺激又は嗅覚刺激のうち1つ以上であり得る。
【0168】
セグメントの分解
少なくとも1つの初期測定量の特定されたセグメントのそれぞれは、結合周波数領域に個別に分解されて、対応点を含む分解シーケンスのセグメントが取得され得る。
【0169】
重複する測定量
少なくとも1つの初期測定量は、第1の領域の第1の部分における生体信号の第1の初期測定量と、第1の領域の第1の部分における生体信号の第2の初期測定量とを含み得る。第1の初期測定量は、第1の領域において第2の初期測定量と重なり得る。
【0170】
(ウェーブレット)変換
少なくとも1つの初期測定量は、第1の領域において解像度が変化する変換(例えば変化する第1の領域解像度)を適用することにより、結合周波数領域に分解され得る。変化する解像度は、周波数にわたって変化し得る。少なくとも1つの初期測定量は、ウェーブレット変換を適用することにより、結合周波数領域に分解され得る。ウェーブレット変換は、離散ウェーブレット変換DWTであり得る。ウェーブレット変換は、Debauchies-4、Symlet-5又はCoiflet-2マザーウェーブレットファミリからのウェーブレットを使用し得る。分解シーケンスのそれぞれは、DWTにより取得された近似又は詳細係数の大きさに対応する振幅を有し得る。
【0171】
結合領域
第1の変形例においては、第1の領域が時間領域で、結合周波数領域が時間周波数領域であってもよく、少なくとも1つの初期測定量が、任意的に、時間可変の測定振幅であってもよい。第2の変形例においては、第1の領域が空間領域で、結合周波数領域が空間周波数領域であってもよく、少なくとも1つの初期測定量が、任意的に、空間可変の測定振幅であってもよい。
【0172】
第1及び第2の医療データ処理方法の組み合わせ
第4の態様の方法は、第1の態様の方法と組み合わせることができ、その逆も可能である。例えば、第1の態様の方法により取得された少なくとも1つの偏差は、第2の態様の方法における対応点として使用され得る。ロバスト集約方法が少なくとも1つの偏差に適用され、少なくとも1つの推定点が決定され得る。あるいは、少なくとも1つの推定点、当てはめられた関数又は一連の推定点に少なくとも1つの自己回帰モデルを当てはめてもよい。
【0173】
特徴特定のための第1又は第2の医療データ処理方法の処理済み測定量の使用
第1の医療データ処理方法の処理済み測定量又は第2の医療データ処理方法の処理済み測定量は、(例えば、
図3を参照して上記で述べられたように)ユーザの脳の健康状態を示す少なくとも1つの特徴を特定するために使用され得る。第1の医療データ処理方法及び/又は第2の医療データ処理方法は、処理済み測定量中で、ユーザの脳の健康状態を示す少なくとも1つの特徴を特定することをさらに含み得る。
【0174】
第1の医療データ処理方法及び/又は第2の医療データ処理方法は、特定された少なくとも1つの特徴に基づいて、人間又は動物の健康、幸福又は能力の指標を決定することをさらに含み得る。人間又は動物は、生体信号を生成する身体を有している。人間又は動物は、少なくとも1つの初期測定量を生成するための少なくとも1つのセンサ(例えばセンサ102)を含むワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成(例えば構成100)のユーザであり得る。ユーザの脳の健康状態を示す少なくとも1つの特徴は、
図3を参照して上記で述べられた特徴であり得る。ユーザの脳の健康状態を示す少なくとも1つの特徴は、予め決められた(例えば空間的、時間的及び/又は周波数)特性を有し得る。
【0175】
ユーザの脳の健康状態を示す少なくとも1つの特徴は、機械学習分類器を用いて(例えば1以上のプロセッサ302により)特定され得る。ユーザの健康、幸福又は能力の指標は、機械学習分類器を用いて特定された少なくとも1つの特徴に基づいて決定され得る。
【0176】
第1の医療データ処理方法及び/又は第2の医療データ処理方法の時間補正との組み合わせ
第1の医療データ処理方法及び/又は第2の医療データ処理方法は、
図3を参照して上記で述べられた1以上のプロセッサ302により行われる1以上のステップを含み得る。第1の医療データ処理方法及び/又は第2の医療データ処理方法は、少なくとも1つの測定量、少なくとも1つの測定量に割り当てられた少なくとも1つのタイムスタンプ、及び1以上の刺激時点に関する表示を取得することを含み得るし、セグメントを特定又は決定する前に、1以上の刺激時点と少なくとも1つのタイムスタンプとの間又は1以上の刺激時点と少なくとも1つの測定量との間の時間的連係を調整することをさらに含み得る。これに代えて、あるいはこれに加えて、時間補正された測定量に基づいてセグメントが決定される前に、(例えば、
図3を参照して上記で述べられたように)処理済み測定量が時間補正され得る。
【0177】
第1の医療データ処理方法及び/又は第2の医療データ処理方法の処理済み測定量は、
図3を参照して上記で述べられたような健康、幸福又は能力の指標を決定するためにしようされる「少なくとも1つの測定量」に対応し得る。換言すれば、1以上のプロセッサ302は、第1の医療データ処理方法及び/又は第2の医療データ処理方法により処理済み測定量を決定し、(例えば、処理済み測定量中のユーザの脳の健康を示す少なくとも1つの特徴を特定することにより)処理済み測定量に基づいて健康、幸福又は能力の指標を決定するように構成され得る。第1の医療データ処理方法及び/又は第2の医療データ処理方法の初期測定量は、
図3を参照して上記で述べられたように、分解前に時間補正され得る。この場合において、初期測定量は、
図3の説明において言及された「少なくとも1つの測定量」に対応し得る。
【0178】
第1の医療データ処理方法及び/又は第2の医療データ処理方法の処理済み測定量は、その中に含まれるすべてのセグメントにわたって平均され得る。得られた平均データは、その後少なくとも1つの特徴を特定するために使用され得る。
【0179】
時間同期例のフローチャート
図7は、ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成(例えば構成100)とワイヤレス携帯デバイス(例えばデバイス200)との間で時間同期手順が実施され得る方法の4つの例の図解を示している。左上の図は、
図1及び
図2を参照して上記で述べられた例A)とa)の実施形態を表している。左下の図は、
図1及び
図2を参照して上記で述べられた例B)とb)の実施形態を表している。右上の図は、
図1及び
図2を参照して上記で述べられた例C)とc)の実施形態を表している。右下の図は、
図1及び
図2を参照して上記で述べられた例D)とd)の実施形態を表している。理解できるように、時間情報要求メッセージ「時間情報要求」が、ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサデバイスからワイヤレス携帯デバイスに又はその逆に送信される。したがって、
図7の以下の説明は、
図1及び
図2の説明において使用されたのと同じ用語を用いる。
【0180】
図7の例における時間情報要求メッセージは、第1のタイムスタンプ「TS1」を含んでいる。時間情報応答メッセージ「時間情報応答」が時間情報要求メッセージとは反対方向に送信され、
図7の例においては、第3のタイムスタンプ「TS3」と第1の差「Diff1」(例えばその表示)とを含んでいる。理解できるように、コンフィギュレーションメッセージが、その前に時間情報要求メッセージを送信したのと同じデバイスから送信される。
図7の例では、コンフィギュレーションメッセージは、第2のタイムスタンプ「TS2」と調整量の表示又は調整(量)指令のいずれかとを含んでいる。
【0181】
測定量のセグメント、測定量の第1のセグメントの分解シーケンス及び処理済み測定量の例
図8は、ユーザのEEG信号の例示的な測定量を示している。例えば
図3、
図5又は
図6を参照して上記で述べたように、測定量は合計30セグメント又は30「トライアル」に分割されている。横軸は時間を表し、縦軸は測定電圧又は電位を表している。理解できるように、それぞれのセグメント又はトライアルは、
図8にセグメントのそれぞれにおいて縦の点線として示されている所定の時点を参照する、予め決められたタイムスロットとして特定又は規定されている。この例での所定の時点は、本明細書で述べられているような刺激時点であり得る。
【0182】
図9は、
図8のセグメントの1つの拡大図を示している。再び、所定の時点が縦の点線として示されている。セグメントは、所定の時点の第1の予め決められた時間の前に開始し、所定の時点のより長い第2の予め決められた時間の後に終了することが理解できる。示されている例においては、第1の予め決められた時間は100msであり、第2の予め決められた時間は500msである。
【0183】
図10は、
図9のセグメントの複数の分解シーケンスを示している。分解シーケンスは、
図9のセグメントを例えばステップ502又はステップ602において時間周波数領域に分解することにより取得されたものである。
図10に示される分解シーケンスのそれぞれは、分解に使用された変換により取得される係数の大きさに対応する振幅を有している。示されている例における分解シーケンスは、
図9のセグメントを離散ウェーブレット変換DWTを用いて分解することにより取得されたものである。このため、
図10に示される分解シーケンスのそれぞれは、DWTにより取得される係数の大きさに対応する振幅を有している。知られているように、DWTを適用して信号を第1の領域から結合周波数領域に分解すると、DWTの異なる層に対して1組の詳細係数(detail coefficients)及び近似係数(approximation coefficients)が得られる。
図10の左上の図は第5層の近似係数の大きさを示しており、中央上の図は第5層の詳細係数の大きさを示しており、右上の図は第4層の詳細係数の大きさを示している。左下の図は第3層の詳細係数の大きさを示しており、中央下の図は第2層の詳細係数の大きさを示しており、右下の図は第1層の詳細係数の大きさを示している。これらの図のそれぞれは、別個の分解シーケンスを表している。DWTの解像度は、第2層、第3層、第4層又は第5層のようなより高い層に比べて第1層の方が高い。
【0184】
図11は、
図10に示される分解シーケンスのそれぞれに自己回帰モデルを個別に当てはめた結果を示している。左上の図は、
図10の左上の図に示される分解シーケンスに当てはめられたARモデルを示しており、中央上の図は、
図10の中央上の図に示される分解シーケンスに当てはめられたARモデルを示しているといった具合である。
図11の例においては、当てはめられたARモデルは、AR(2)モデルである。分解シーケンスへのARモデルの当てはめは、ステップ504の一部として行われ得る。以下でさらに述べるように、1次又は2次ARモデルが最良の結果を生み出すことが実証されている。
【0185】
図12は、当てはめられた自己回帰モデルの残差を示している。残差は、ステップ506における少なくとも1つの偏差として決定され得る。左上の図は、
図11の左上の図の当てはめられたARモデルの残差を示しており、中央上の図は、
図11の中央上の図のARモデルの残差を示しているといった具合である。残差は、当てはめられるARモデルとこのARモデルが当てはめられる分解シーケンスとの間の差であり得る。そして、残差は、本明細書で述べられている処理済み測定量として使用され得る。あるいは、ここで
図13を参照して述べられるように残差は再合成され得る。
【0186】
図13は、時間領域に再合成された後の
図12に示される残差の比較を示している。また、
図9を参照して上記で既に述べられているように、再合成された残差を取得するために使用されたセグメントの元のEEG信号も示されている。
図13の図は、再合成された残差が点線として加えられているという点においてのみ
図9と異なっている。
図13に示される残差は、その前に
図9のセグメントを
図10の分解シーケンスに分解するために使用されたDWTの逆変換を適用することにより、
図12に示される時間周波数領域から時間領域に再合成されたものである。すなわち、残差を結合領域から第1の領域に戻すように再合成するためにこの変換の逆変換が使用された。再合成された残差は、本明細書で述べられている処理済み測定量として使用され得る。
【0187】
図8から
図13を参照して述べられた手順は、
図8に示されるEEG測定量のセグメントのすべてに対して実施され得る。結果として、再合成された残差がそれぞれのセグメントに対して取得される。これらの再合成された残差は、その後、セグメント間(例えばセグメントにわたって)平均され得る。この平均値は、本明細書で述べられる処理済み測定量としてその後に用いられ得る。
【0188】
図14は、上述した処理の結果を明確にするための3つのグラフを示している。上側の図においては、
図8に示されるすべてのセグメントの信号の平均が実線として描かれている。破線は、すべてのセグメントにわたって平均された、再合成された残差を表している。再合成された残の平均が、セグメントのEEG信号の平均の主流に従っていることがわかる。しかしながら、再合成された残差の平均は、ピークの一部、例えば100ms及び200msのピークで異なる振幅を示している。
【0189】
また、本明細書で述べられた第1の医療データ処理方法及び第2の医療データ処理方法を組み合わせた結果が
図14に示されている。この場合において、M推定(HuberのT推定)集約が、
図12に示される、当てはめられたAR(2)モデルの残差に適用され、逆DWTを適用することにより集約された結果が第1の領域に再合成された。これがすべてのセグメントに対して行われた。すべての再合成されたM推定結果の平均が
図14の上側の図に点線として示されている。この場合においても、再合成されたM推定結果の平均の振幅は、ピークの一部において平均されたEEG信号とは異なっている。
【0190】
図9~
図13を参照して述べられた処理の効果は、
図14の中央の図を参照するとさらにより明確になる。この図は、セグメントの信号の平均の標準偏差を実線で、残差の平均の標準偏差を破線で、再合成されたM推定結果の平均の標準偏差を点線で示している。
【0191】
信号の平均の標準偏差は、再合成された残差の平均の標準偏差又は再合成されたM推定結果の平均の標準偏差よりもずっと大きいことは明らかである。他の用語で言えば、再合成された残差及び再合成されたM推定結果は、それぞれ異なるセグメントにわたって元のEEG信号よりも一貫性を持ち得る。
【0192】
図14の下の図は、信号の平均、再合成された残差の平均、及び再合成されたM推定結果の平均の効果の大きさを示している。この場合の効果の大きさは、標準化平均(すなわち、平均を標準偏差で割ったもの)として計算されている。すなわち、
図14の下の図に示されている曲線は、上の図の曲線の値を中央の図の曲線の値で割った結果に対応している。
【0193】
統計的比較は、変化に対する振幅の比率を一般的に使用する。この比率は、本明細書で述べられている第1及び/又は第2の医療データ処理方法を実施すると改善され得る。特に、
図14の下の図において、再合成された残差及び再合成されたM推定結果の平均の効果の大きさをEEG信号の平均と比べ、また、
図14の上の図を考えると、
図8から
図13について上記で述べた処理により、100ms、150ms及び250msの時点の近傍で効果が大きくピークになることは明らかである。これらの時点のそれぞれでの処理済み測定量の値は注目する特徴であり得る。この例では、初期測定量と比較して処理済み測定量の統計的効率が改善されたと言えるかもしれない。
【0194】
総説
第1の医療データ処理方法による処理、第2の医療データ処理方法による処理又はこれらを組み合わせたものによって、処理済み測定量が異なるセグメントにわたってより一貫性のあるものとなり得る。一般的に言うと、測定量の異なるセグメントにわたって測定量の一貫性が高くなればなるほど、測定量における特徴の検出がより信頼性の高いものとなる。したがって、本明細書で述べられている手法は、測定量において注目する特徴(例えば生じた電位)をより信頼性高く検出することを可能にし得る。
【0195】
少なくとも1つの特徴は、少なくとも1つのタイムスタンプに関するその特徴の時間的特性に基づいて(例えばシステム300により)特定され得る。少なくとも1つの特徴は、少なくとも1つのタイムスタンプに対して予め決められた関係を有するタイムスロットにおいて特定され得る。少なくとも1つのタイムスタンプは、刺激時点の時刻を示すか、それに対して予め決められた時間的な差を有し得る。本明細書で述べられているセグメントは、刺激時点に基づいて規定又は特定され得る。セグメントのそれぞれは、少なくとも1つの特徴を含み得る。本明細書で開示される手法及び方法を用いることは、少なくとも1つの特徴が同一の第1の領域位置でセグメントのそれぞれにおいて生じることを確実にし得る。これは、少なくとも1つの特徴の特定の信頼性を改善し、処理の苦労を低減し得る。
【0196】
本明細書で開示されている手法及び方法は、刺激を与えるワイヤレス携帯デバイス(例えばデバイス200)の第2のクロックと測定量を生成するセンサ構成(例えば構成100)の第1のクロックとの間の時間ずれの補償を提供し得る。これは、少なくとも1つの測定量に割り当てられた少なくとも1つのタイムスタンプが第1及び第2のクロックの両方に従うことを保証し得る。これにより、少なくとも1つのタイムスタンプに基づいて規定されたセグメントのそれぞれにおいて同一の第1の領域位置で少なくとも1つの特徴が生じることをさらに保証することができる。
【0197】
また、本明細書で開示されている手法及び方法は、第1のクロックと第2のクロックとの間のクロックドリフトの補償を提供し得る。これは、1以上の刺激時点が、少なくとも1つの(例えば最初の)測定量において既知の位置を有することを保証し得る。これは、刺激時点に対して信頼性の高い方法でセグメントを決定することを可能にし得る。したがって、セグメントのそれぞれにおいて同一の第1の領域位置で少なくとも1つの特徴が生じることが保証され得る。
【0198】
上記で示したように、第1の医療データ処理方法を第2の医療データ処理方法と組み合わせてもよい。本方法は、計算機システム300、デバイス200又は構成100により実施される1以上の付加的なステップを含み得る。同様に、計算機システム300は、
図3を参照して上記で述べた手順に追加して、第1の医療データ処理方法及び/又は第2の医療データ処理方法を実施するように構成され得る。本開示の範囲を逸脱することなく他の変形例も考えることができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療データをワイヤレス携帯デバイス(200)に送信するためのワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成(100)であって、
前記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成(100)を着用しているユーザの生体信号の少なくとも1つの測定量を生成するように構成される少なくとも1つのセンサ(102)と、
第1のワイヤレスインタフェイス(104)と、
第1のクロック(106)と、
第1のプロセッサ(108)であって、
前記第1のクロック(106)をワイヤレス携帯デバイス(200)の第2のクロック(206)に同期させるか、あるいはワイヤレスデバイス(200)の第2のクロック(206)に対する前記第1のクロック(106)との同期を指示する時間同期手順を実施し、
前記時間同期手順を実施した後に、前記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成(100)を着用している前記ユーザの前記生体信号の前記少なくとも1つの測定量を前記少なくとも1つのセンサ(102)から取得し、少なくとも1つのタイムスタンプを前記取得された少なくとも1つの測定量に割り当て、前記少なくとも1つの測定量を表したものと前記少なくとも1つの測定量に割り当てられた前記少なくとも1つのタイムスタンプとを含む医療データを前記第1のワイヤレスインタフェイス(104)を介して前記ワイヤレス携帯デバイス(200)に送信する
ように構成される第1のプロセッサ(108)と
を備える、ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成(100)。
【請求項2】
前記第1のプロセッサは、
前記時間情報要求メッセージの送信時刻の第1のタイムスタンプを含む時間情報要求メッセージを前記第1のワイヤレスインタフェイスを介して前記ワイヤレス携帯デバイスに送信し、
同期情報を含む時間情報応答メッセージを前記ワイヤレス携帯デバイスから前記第1のワイヤレスインタフェイスを介して受信する
ことにより、前記時間同期手順を実施するように構成され
、
前記第1のプロセッサは、前記同期情報に少なくとも基づいて前記第1のクロックを調整することにより、前記第1のクロックを同期するように構成される、請求項
1に記載の構成。
【請求項3】
前記第1のプロセッサは、前記第1のクロックを調整した後に、コンフィギュレーションメッセージを前記第1のワイヤレスインタフェイスを介して前記ワイヤレス携帯デバイスに送信するように構成され、前記コンフィギュレーションメッセージは、前記コンフィギュレーションメッセージの送信時刻の第2のタイムスタンプ及び第1のクロックの調整量の表示のうちの少なくとも一方を含む、請求項
2に記載の構成。
【請求項4】
前記同期情報は、少なくとも前記第1のタイムスタンプに依存
し、
前記同期情報は、前記第1のタイムスタンプにより示される、前記時間情報要求メッセージの送信時刻と前記時間情報要求メッセージの受信時刻との間の第1の時間差の表示を含む、請求項
2に記載の構成。
【請求項5】
前記同期情報は、前記時間情報応答メッセージの送信時刻の第3のタイムスタンプを含
み、
前記第1のプロセッサは、前記第1の時間差と、前記第3のタイムスタンプにより示される、前記時間情報応答メッセージの送信時刻と前記時間情報応答メッセージの受信時刻との間の第2の時間差とに基づいて、前記第1のクロックと前記第2のクロックとの間の同期偏差を決定するように構成される、請求項
4に記載の構成。
【請求項6】
前記第1のプロセッサは、前記第1の時間差及び前記第2の時間差に基づいて往復待ち時間を決定し、前記往復待ち時間にさらに基づいて前記同期偏差を決定するように構成される、請求項
5に記載の構成。
【請求項7】
前記第1のプロセッサは、前記決定された同期偏差が補償されるように前記第1のクロックを調整することにより前記第1のクロックを同期するように構成され
、
オプションとして、前記第1のプロセッサは、前記時間情報要求メッセージの送信と前記時間情報応答メッセージの受信のサイクルを複数回行い、時間情報要求メッセージと時間情報応答メッセージのそれぞれの組に対して前記同期偏差を決定し、前記決定された同期偏差のうち最小のものが補償されるか、あるいは、前記決定された同期偏差の平均が補償されるように前記第1のクロックを調整するように構成される、請求項
5に記載の構成。
【請求項8】
前記第1のプロセッサは、前記決定された同期偏差が補償されるように前記ワイヤレス携帯デバイスに前記第2のクロックを調整するよう指令する、前記第2のクロックに対する前記調整量指令を決定するように構成される、請求項47に従属する、請求項55又は56に記載の構成。
オプションとして、前記第1のプロセッサは、前記時間情報要求メッセージの送信と前記時間情報応答メッセージの受信のサイクルを複数回行い、時間情報要求メッセージと時間情報応答メッセージのそれぞれの組に対して前記同期偏差を決定し、前記決定された同期偏差のうち最小のものが補償されるか、あるいは、前記決定された同期偏差の平均が補償されるように前記ワイヤレス携帯デバイスに前記第2のクロックを調整するよう指令する、前記第2のクロックに対する前記調整量指令を決定するように構成される、請求項
5に記載の構成。
【請求項9】
ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成(100)から医療データを受信するためのワイヤレス携帯デバイス(200)であって、
第2のワイヤレスインタフェイス(204)と、
第2のクロック(206)と、
第2のプロセッサ(208)であって、
前記第2のクロック(206)をワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成(100)の第1のクロック(106)に同期させるか、あるいはワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成(100)の第1のクロック(106)に対する前記第2のクロック(206)との同期を指示する時間同期手順を実施し、
前記時間同期手順を実施した後に、前記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成(100)を着用しているユーザの生体信号の少なくとも1つの測定量を表したものと前記少なくとも1つの測定量に割り当てられた少なくとも1つのタイムスタンプとを含む医療データを前記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成(100)から前記第2のワイヤレスインタフェイス(204)を介して受信し、前記医療データを計算機システム(300)に送信する
ように構成される第2のプロセッサ(208)と
を備える、ワイヤレス携帯デバイス(200)。
【請求項10】
前記第2のプロセッサは、
前記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成から前記第2のワイヤレスインタフェイスを介して時間情報要求メッセージを受信し、前記時間情報要求メッセージは、前記時間情報要求メッセージの送信時刻の第1のタイムスタンプを含み、
前記時間情報要求メッセージに含まれる情報に少なくとも基づいて同期情報を決定し、
前記同期情報を含む時間情報応答メッセージを前記第2のワイヤレスインタフェイスを介して前記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成に送信する
ように構成され
、
前記第2のプロセッサは、前記時間情報応答メッセージを送信した後に、前記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成から前記第2のワイヤレスインタフェイスを介してコンフィギュレーションメッセージを受信するように構成され、前記コンフィギュレーションメッセージは、前記第1のクロックの調整量の指令と、任意的に、前記コンフィギュレーションメッセージの送信時刻の第2のタイムスタンプとを含む、請求項
9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記同期情報は、少なくとも前記第1のタイムスタンプに依存
し、
前記同期情報は、前記第1のタイムスタンプにより示される、前記時間情報要求メッセージの送信時刻と前記時間情報要求メッセージの受信時刻との間の第1の時間差の表示を含む、請求項
9又は10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記同期情報は、前記時間情報応答メッセージの送信時刻の第3のタイムスタンプを含
み、
オプションとして、前記第2のプロセッサは、前記第1の時間差と、前記第3のタイムスタンプにより示される、前記時間情報応答メッセージの送信時刻と前記時間情報応答メッセージの受信時刻との間の第2の時間差とに基づいて、前記第1のクロックと前記第2のクロックとの間の同期偏差を決定するように構成される、請求項
11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記第2のプロセッサは、前記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成から前記第2のワイヤレスインタフェイスを介して時間同期要求メッセージを受信し、前記時間同期要求メッセージの受信に応答して前記時間同期手順を実施することを始めるように構成され
、
前記時間同期要求メッセージは、前記時間同期要求メッセージの送信時刻の第4のタイムスタンプを含み、前記第2のプロセッサは、前記時間同期手順を実施する前に、前記第4のタイムスタンプにより示される前記時間同期要求メッセージの送信時刻に基づいて前記第2のクロックを事前に調整するように構成され
、
オプションとして、前記第2のプロセッサは、前記第4のタイムスタンプにより示される時刻が、前記時間同期要求メッセージの受信時刻から所定量を超えてずれていた場合に、前記第2のクロックを事前に調整するように構成される、請求項
9から12のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項14】
前記第2のプロセッサは、時間同期要求メッセージを前記第2のワイヤレスインタフェイスを介して前記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成に送信して、時間同期手順を実施することを開始するように前記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成をトリガするように構成され
、
前記時間同期要求メッセージは、前記時間同期要求メッセージの送信時刻の第4のタイムスタンプを含み、前記時間同期手順を実施する前に、前記第4のタイムスタンプにより示される前記時間同期要求メッセージの送信時刻に基づいて前記第1のクロックを事前に調整するよう前記ヘッドウェアラブルセンサ構成に指令
し、
オプションとして、前記時間同期要求メッセージは、前記第4のタイムスタンプにより示される時刻が、前記時間同期要求メッセージの受信時刻から所定量を超えてずれていた場合に、前記第1のクロックを事前に調整するよう前記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成に指令する、請求項
9に記載のデバイス。
【請求項15】
ワイヤレス携帯デバイス(200)から医療データを受信するための計算機システム(300)であって、
1以上のプロセッサであって、
ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成(100)を着用しているユーザの生体信号の少なくとも1つの測定量を表したものと前記少なくとも1つの測定量に割り当てられた少なくとも1つのタイムスタンプとを含む医療データをワイヤレス携帯デバイス(200)から受信し、
前記少なくとも1つの測定量を表したものと前記少なくとも1つの測定量に割り当てられた前記少なくとも1つのタイムスタンプとに基づいて、前記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成の前記ユーザの健康、幸福又は能力の指標を決定する
ように構成される1以上のプロセッサを備える、
計算機システム。
【請求項16】
前記1以上のプロセッサは、前記ワイヤレス携帯デバイスから、
前記第1のクロック又は前記第2のクロックを同期するために使用される前記第1のクロック又は前記第2のクロックのいずれかの調整量の表示、又は
前記第1のクロック又は前記第2のクロックを同期するために使用される調整量指令
を受信するように構成され、
前記1以上のプロセッサは、前記調整量の前記指示又は前記調整量指令にさらに基づいて前記ユーザの前記健康、幸福又は能力の指標を決定するように構成される、
請求項
15に記載のシステム。
【請求項17】
前記1以上のプロセッサは、前記調整量と前記少なくとも1つの測定量との間、又は前記調整量指令と前記少なくとも1つの測定量との間の時間的連係を前記ワイヤレス携帯デバイスから受信するように構成され、
前記1以上のプロセッサは、前記時間的連係にさらに基づいて前記ユーザの前記健康、幸福又は能力の指標を決定するように構成される、
請求項
16に記載のシステム。
【請求項18】
前記1以上のプロセッサは、
前記ユーザに少なくとも1つの刺激が与えられる1以上の刺激時点の表示を前記ワイヤレス携帯デバイスから受信する
ように構成され、
前記1以上のプロセッサは、前記1以上の刺激時点にさらに基づいて前記ユーザの前記健康、幸福又は能力の指標を決定するように構成され
、
オプションとして、前記1以上の刺激時点の前記表示は、前記1以上の刺激時点と前記少なくとも1つの測定量との間の時間的連係を含む、請求項
15から17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記1以上のプロセッサは、前記ワイヤレス携帯デバイスのユーザインタフェイスを介して受信したユーザ入力を表すユーザデータを前記ワイヤレス携帯デバイスから受信するように構成され、前記1以上のプロセッサは、前記ユーザデータにさらに基づいて前記ユーザの前記健康、幸福又は能力の指標を決定するように構成され
、
前記ユーザデータは、1以上のユーザ入力の受信時点と前記少なくとも1つの測定量との間の時間的連係を含む、請求項
15から18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
前記1以上のプロセッサは、前記ワイヤレス携帯デバイスから受信した前記情報の少なくとも一部に基づいて前記少なくとも1つの測定量の前記表示の少なくとも一部を時間的に調整することにより少なくとも1つの時間調整済みの測定量を決定し、前記少なくとも1つの時間調整済みの測定量に基づいて前記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成の前記ユーザの前記健康、幸福又は能力の指標を決定するように構成され
、
前記1以上のプロセッサは、前記ワイヤレス携帯デバイスから受信した前記情報の少なくとも一部に基づいて前記少なくとも1つの測定量に割り当てられた前記少なくとも1つのタイムスタンプを時間的に調整することにより少なくとも1つの時間調整済みのタイムスタンプを決定し、前記少なくとも1つの時間調整済みのタイムスタンプにさらに基づいて前記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成の前記ユーザの前記健康、幸福又は能力の指標を決定するように構成される、請求項
15から
19のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項21】
ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成、
ワイヤレス携帯デバイス、及び
計算機システム
のうち少なくとも2つを含み、
前記ワイヤレスヘッドウェアラブルセンサ構成は、請求項
14に係る構成であり、前記ワイヤレス携帯デバイスは、請求項
9に係るデバイスであり、さらに/あるいは、前記計算機システムは、請求項
15に係るシステムである、
医療データ処理システム。
【国際調査報告】