(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-23
(54)【発明の名称】細菌およびベータコロナウイルス感染症に対するワクチン接種
(51)【国際特許分類】
A61K 39/215 20060101AFI20240416BHJP
A61K 39/02 20060101ALI20240416BHJP
A61K 39/095 20060101ALI20240416BHJP
A61K 39/08 20060101ALI20240416BHJP
A61K 48/00 20060101ALI20240416BHJP
A61K 31/7105 20060101ALI20240416BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20240416BHJP
A61P 31/14 20060101ALI20240416BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240416BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20240416BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20240416BHJP
A61K 47/18 20170101ALI20240416BHJP
A61K 9/19 20060101ALI20240416BHJP
A61K 39/108 20060101ALI20240416BHJP
C12N 15/50 20060101ALI20240416BHJP
C12N 15/31 20060101ALI20240416BHJP
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C07K 14/22 20060101ALI20240416BHJP
C07K 14/33 20060101ALI20240416BHJP
C07K 14/245 20060101ALI20240416BHJP
C07K 19/00 20060101ALI20240416BHJP
C07K 14/165 20060101ALN20240416BHJP
【FI】
A61K39/215
A61K39/02
A61K39/095
A61K39/08
A61K48/00
A61K31/7105
A61P31/04
A61P31/14
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A61K47/26
A61K47/02
A61K47/18
A61K9/19
A61K39/108
C12N15/50 ZNA
C12N15/31
C07K14/195
C07K14/22
C07K14/33
C07K14/245
C07K19/00
C07K14/165
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023566969
(86)(22)【出願日】2022-04-28
(85)【翻訳文提出日】2023-12-01
(86)【国際出願番号】 IB2022053951
(87)【国際公開番号】W WO2022234405
(87)【国際公開日】2022-11-10
(32)【優先日】2021-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593141953
【氏名又は名称】ファイザー・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100133927
【氏名又は名称】四本 能尚
(74)【代理人】
【識別番号】100147186
【氏名又は名称】佐藤 眞紀
(74)【代理人】
【識別番号】100174447
【氏名又は名称】龍田 美幸
(74)【代理人】
【識別番号】100185960
【氏名又は名称】池田 理愛
(72)【発明者】
【氏名】アナリサ シビル アンダーソン
(72)【発明者】
【氏名】アレハンドロ デヴィッド ケイン
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム カール グルーバー
(72)【発明者】
【氏名】カトリン ウテ ジャンセン
(72)【発明者】
【氏名】ルイス パスカル ジョダー マルティン-モンタルヴォ
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン ポール ロックハート
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル アルフレッド スコット
(72)【発明者】
【氏名】ウェンディー ジョー ワトソン
(72)【発明者】
【氏名】カリ アン ヤチシン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C085
4C086
4H045
【Fターム(参考)】
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4H045FA74
(57)【要約】
本発明は、ヒト対象、特に高齢者への、細菌感染症およびCOVID-19感染症に対するワクチン接種であって、細菌感染症が、肺炎球菌によるものではない、ワクチン接種に関する。
【
図1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト対象における感染性疾患を引き起こす細菌およびベータコロナウイルスに対する免疫応答を引き出すための方法であって、ヒト対象に、細菌に由来する抗原を含む第1の免疫原性組成物と、ベータコロナウイルスに由来する抗原をコードするmRNAを含む免疫原性組成物とを、有効用量で同時投与するステップを含み、細菌が、肺炎球菌(S.pneumoniae)ではない、方法。
【請求項2】
第1の免疫原性組成物の用量とmRNAを含む免疫原性組成物の用量とを並行して投与する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1の免疫原性組成物の用量とmRNAを含む免疫原性組成物の用量を付随的に投与する、請求項1から2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
第1の免疫原性組成物の用量とmRNAを含む免疫原性組成物の用量とをそれぞれの各用量の24時間以内に投与する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
第1の免疫原性組成物の用量とmRNAを含む免疫原性組成物の用量とをそれぞれの各用量の48時間以内に投与する、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
第1の免疫原性組成物の1回目の用量と第1の免疫原性組成物の2回目の用量の間に約2週間~約12カ月の間隔をおく、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
mRNAを含む免疫原性組成物の1回目の用量とmRNAを含む免疫原性組成物の2回目の用量の間に約2週間~約12カ月の間隔をおく、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
ベータコロナウイルスが、SARS-CoV-2である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
細菌が、髄膜炎菌(N.meningitidis)である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
第1の組成物が、配列番号1に記載のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
ポリペプチドが、脂質付加されている、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
ポリペプチドが、脂質付加されていない、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
ポリペプチドが、免疫原性である、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
第1の組成物が、a)配列番号1に記載のアミノ酸配列を含む第1の脂質付加されたポリペプチドと、b)配列番号2に記載のアミノ酸配列を含む第2の脂質付加されたポリペプチドとを含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
第1の組成物が、ポリソルベート-80、アルミニウム、ヒスチジン、および塩化ナトリウムをさらに含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
第1の組成物が、TRUMENBA(登録商標)を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
第1の組成物が、髄膜炎菌(N.meningitidis)に由来する多糖を含む、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
第1の組成物が、a)(i)配列番号3に記載のアミノ酸配列を含む第1の脂質付加されたポリペプチド、および(ii)配列番号4に記載のアミノ酸配列を含む第2の脂質付加されたポリペプチドおよびアルミニウムを含む液体組成物と、b)i)破傷風トキソイド(TT)とカルボジイミド化学によってコンジュゲートされたアジピン酸ジヒドラジド(ADH)リンカーと、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロボレートによってコンジュゲートした髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群A(MenA)莢膜糖(MenAAH-TTコンジュゲート)、ii)破傷風トキソイド(TT)とカルボジイミド化学によってコンジュゲートしたADHリンカーと、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロボレートによってコンジュゲートした髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群C(MenC)莢膜糖(MenCAH-TTコンジュゲート)、iii)破傷風トキソイド(TT)と、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロボレートによってリンカーの非存在下で直接コンジュゲートした髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群W135(MenW)莢膜糖(MenW-TTコンジュゲート)、およびiv)破傷風トキソイド(TT)と、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロボレートによってリンカーの非存在下で直接コンジュゲートした髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群Y(MenY)莢膜糖(MenY-TTコンジュゲート)を含む凍結乾燥組成物とを含み、凍結乾燥組成物が、液体組成物を用いて復元される、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
細菌が、クロストリディオイデス・ディフィシル(C.difficile)である、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
第1の組成物が、トキソイドを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
第1の組成物が、融合ポリペプチドを含む、請求項19から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
第1の組成物が、凍結乾燥されたものである、請求項19から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
第1の組成物が、凍結保護物質を含む、請求項19から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
第1の組成物が、ショ糖を含む、請求項19から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
第1の組成物が、トレハロースを含む、請求項19から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
第1の組成物が、ホルムアルデヒドをさらに含むものではない、請求項19から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
第1の組成物が、野生型クロストリディオイデス・ディフィシル(C.difficile)毒素AのC末端ドメインを含むポリペプチドを含む、請求項19から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
第1の組成物が、野生型クロストリディオイデス・ディフィシル(C.difficile)毒素BのC末端ドメインを含むポリペプチドを含む、請求項19から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
第1の組成物を55歳以上のヒトに投与する、請求項19から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
細菌が、大腸菌(E.coli)である、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
mRNAを含む前記免疫原性組成物が、ヌクレオシド修飾mRNAを含む、請求項1から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
mRNAを含む前記免疫原性組成物が、BNT162b2(Comirnaty(登録商標))である、請求項1から31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
mRNAを含む前記免疫原性組成物が、配列番号1の残基1~102および配列番号1の残基103~4284を有する配列を含み、配列番号1のSARS-CoV-2抗原の配列が、バリアント株のSARS-CoV-2抗原で置き換えられている、請求項1から32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
mRNAを含む前記免疫原性組成物が、SARS-CoV-2抗原(例えば、Sタンパク質)をコードする連結ヌクレオシドの第1の領域、第1の領域の5’末端に位置する第1の隣接領域(例えば、5’UTR)、第1の領域の3’末端に位置する第2の隣接領域(例えば、3’UTR)、少なくとも1つの5’キャップ領域、および3’安定化領域を含むmRNAを含む、請求項1から33のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は、2021年5月3日出願の米国仮特許出願第63/183,254号、2021年5月3日出願の米国仮特許出願第63/183,630号、および2022年3月29日出願の米国仮特許出願第63/325,126号の利益を主張するものである。上述の出願の内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、ヒト対象、特に、高齢、青年期、および乳児期の対象に対する、細菌ワクチンとmRNAワクチンの組合せを用いたワクチン接種に関する。特に、本発明は、細菌およびCOVID-19感染症に対するワクチン接種であって、好ましくは細菌感染症が、肺炎球菌によるものではない、ワクチン接種に関する。
【背景技術】
【0003】
ワクチンは、レシピエントにおいて抗原に特異的な中和抗体および/または細胞媒介性免疫応答(cell-mediated immune response)が引き出されるように設計され、病原体由来のタンパク質および/または多糖抗原が長年使用されてきた。細胞媒介性免疫応答、特に、エフェクターT細胞(細胞傷害性T細胞を含む)の生成は、ポリペプチドおよび/または多糖構成成分を有するワクチンによって引き出される免疫応答の望ましい構成要素であり得る。抗体もまた、病原体、特に細菌およびインフルエンザウイルスなどのある特定のウイルスに対する防御免疫応答の望ましい構成要素であり得る。
【0004】
核酸に基づくワクチンは、細胞媒介性免疫(cell-mediated immunity)(例えば、エフェクターT細胞、例えば、インターフェロンγを分泌する抗原特異的T細胞および抗原特異的細胞傷害性T細胞などに関与する)を引き出すことができる。核酸構成成分によってコードされ、発現される抗原に対する抗体の生成もまた、核酸に基づくワクチンによって引き出される免疫応答の望ましい構成要素であり得る。
【0005】
ポリペプチドおよび/または多糖構成成分を有する第1の免疫原性組成物と核酸構成成分を有する第2の免疫原性組成物とを同時投与した場合に観察されるそれぞれの抗原に対する免疫応答が、免疫原性組成物を同時投与しない場合のそれぞれの抗原に対する免疫応答と比較して劣らないまたは好ましくは増強されるように、免疫化レジメンを改善する必要がある。例えば、第1の免疫原性組成物に、ポリペプチド、トキソイド、多糖、および/または多糖コンジュゲートを含めることができる。組成物は、例えば、肺炎球菌などの感染症因子による感染症の可能性を低下させるために、免疫応答を生じさせるために有用なものであり得る。
【0006】
肺炎球菌によって引き起こされる感染症は、世界中の罹患率および死亡率の主要な原因である。侵襲性肺炎球菌疾患の最も一般的な顕在化は肺炎、熱性菌血症および髄膜炎であるが、他方で、気道内に細菌が拡散することにより、中耳感染症、副鼻腔炎または再発性気管支炎が生じることもある。侵襲性疾患と比較して、非侵襲性顕在化は、通常は重症度は低いが、はるかによく見られる。
【0007】
欧州および米国では、肺炎球菌性肺炎が最も一般的な市中感染性細菌性肺炎であり、毎年成人100,000人当たりおよそ100人に影響を及ぼしているものと推定される。熱性菌血症および髄膜炎に対応する数字は、それぞれ100,000人当たり15~19人、および100,000人当たり1~2人である。これらの顕在化の1つまたは複数のリスクは、乳児および高齢者、ならびに年齢を問わず免疫が損なわれている人においてはるかに高い。経済的に発展した地域においてさえ、侵襲性肺炎球菌疾患による死亡率が高い。肺炎球菌性肺炎を有する成人の死亡率は平均10%~20%であるが、高リスク群では50%を超える場合がある。肺炎は、世界的に、現時点で最もよく見られる肺炎球菌による死亡の原因である。
【0008】
肺炎球菌コンジュゲートワクチン(PCV)は、肺炎球菌(肺炎球菌(S.pneumoniae))によって引き起こされる疾患からの保護のために使用される肺炎球菌ワクチンである。現在、世界市場で3種のPCVワクチン:PREVNAR(登録商標)(一部の国ではPREVENAR(登録商標))(7価ワクチン)、SYNFLORIX(登録商標)(10価ワクチン)およびPREVNAR13(登録商標)(一部の国ではPREVENAR13(登録商標))(13価ワクチン)が利用可能である。
【0009】
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)は、COVID-19パンデミックの原因となった呼吸器疾患であるCOVID-19(新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019))を引き起こすウイルスである。SARS-CoV-2は、ポジティブセンス一本鎖RNAウイルスである。このウイルスは、人の間で、濃厚接触によって、および咳またはくしゃみで生じる呼吸器飛沫によって主に伝播する。このウイルスは主としてアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)に結合することによってヒト細胞に侵入する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
患者を細菌(例えば、肺炎球菌)感染症および/または細菌(例えば、肺炎球菌)疾患ならびにコロナウイルス疾患の両方から有効に保護する必要がある。
【0011】
本発明の投与スケジュールの目的は、細菌(例えば、肺炎球菌(S.pneumoniae))およびCOVID-19からの適当な保護を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、概して、ヒト対象における感染性疾患を引き起こす細菌およびベータコロナウイルスに対する免疫応答を引き出すための方法および使用に関し、当該方法は、ヒト対象に、細菌に由来する抗原を含む第1の免疫原性組成物と、ベータコロナウイルスに由来する抗原をコードするmRNAを含む免疫原性組成物とを、有効用量で同時投与することを含む。例えば、RNA構成成分を含む第1の免疫原性組成物ならびにポリペプチドおよび/または多糖構成成分を含む第2の免疫原性組成物の投与が本明細書に開示される。第1のおよび第2の免疫原性組成物の投与により、それぞれの病原体に対する免疫応答を、RNAを単独で、またはポリペプチドおよび/もしくは多糖を単独で含む免疫原性組成物の投与と比較して増強することができる。一部の実施形態では、第1の免疫原性組成物および第2の免疫原性組成物により、同じエピトープに対する免疫応答が個別に引き出される。一部の実施形態では、第1の免疫原性組成物および第2の免疫原性組成物により、第1の組成物と第2の組成物とで同じではないエピトープに対する免疫応答が個別に引き出される。
【0013】
一態様では、本発明は、ヒト対象における感染性疾患を引き起こす細菌(例えば、肺炎球菌(S.pneumoniae)、髄膜炎菌(N.meningitidis)、クロストリディオイデス・ディフィシル(C.difficile)、および大腸菌(E.coli)の任意の1つから選択される)ならびにベータコロナウイルス(例えば、SARS-CoV-2)に対する免疫保護応答(immunoprotective response)を引き出すための方法であって、ヒト対象に、ポリペプチド、トキソイド、多糖、および多糖コンジュゲートの任意の1つから選択される抗原を含む第1の免疫原性組成物と、ベータコロナウイルスに対するmRNAを含む第2の免疫原性組成物とを、有効用量で同時投与するステップを含む方法に関する。ある態様では、細菌に対する前記第1の免疫原性組成物と、ベータコロナウイルスに対する前記第2の免疫原性組成物mRNAワクチンとを、並行してまたは付随的に投与する。好ましい実施形態では、ポリペプチド、トキソイド、多糖、および多糖コンジュゲートの任意の1つから選択される抗原は、感染性疾患を引き起こす細菌に由来する。
【0014】
ある態様では、本発明は、ヒト対象における肺炎球菌(S.pneumoniae)および重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に対する免疫保護応答を引き出すための方法であって、ヒト対象に、有効用量の肺炎球菌コンジュゲートワクチンと、有効用量のSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンとを同時投与するステップを含む方法を対象とする。ある態様では、前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンとSARS-CoV-2に対する前記mRNAワクチンとを並行してまたは付随的に投与する。
【0015】
本発明は、さらに、ヒト対象における肺炎球菌(S.pneumoniae)および重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に対する免疫保護応答を引き出すための方法における使用のための、肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンであって、前記方法が、ヒト対象に前記ワクチンを同時投与するステップを含む、肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンに関する。
【0016】
本発明の別の態様は、肺炎球菌コンジュゲートワクチンとSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの同時投与の、SARS-CoV-2に対する任意のmRNAワクチンのブースター用量としての使用に関する。
【0017】
本発明は、さらに、肺炎球菌コンジュゲートワクチンとSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの、SARS-CoV-2に対する任意のmRNAワクチンのブースター用量としての使用のための同時投与、および肺炎球菌コンジュゲートワクチンとSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの、SARS-CoV-2に対する任意のmRNAワクチンをブーストする方法における使用のための同時投与に関する。
【0018】
ある態様では、本発明は、ヒト対象における髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)およびベータコロナウイルス(例えば、SARS-CoV-2)に対する免疫保護応答を引き出すための方法であって、ヒト対象に、有効用量の髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)に由来する抗原を含む第1の免疫原性組成物と、有効用量の、ベータコロナウイルスに対するmRNAワクチンとを同時投与するステップを含む方法を対象とする。ある態様では、前記第1の免疫原性組成物および前記ベータコロナウイルスに対するmRNAワクチンを並行してまたは付随的に投与する。
【0019】
本発明は、さらに、ヒト対象における髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)およびベータコロナウイルスに対する免疫保護応答を引き出すための方法における使用のための、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)に由来する抗原を含む第1の免疫原性組成物およびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンであって、前記方法が、ヒト対象に前記組成物を同時投与するステップを含む、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)に由来する抗原を含む第1の免疫原性組成物およびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンに関する。
【0020】
本発明の別の態様は、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)に由来する抗原を含む第1の免疫原性組成物とベータコロナウイルスに対するmRNAワクチンの同時投与の、ベータコロナウイルスに対する任意のmRNAワクチンのブースター用量としての使用に関する。
【0021】
本発明は、さらに、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)に由来する抗原を含む第1の免疫原性組成物とベータコロナウイルスに対するmRNAワクチンの、ベータコロナウイルスに対する任意のmRNAワクチンのブースター用量としての同時投与、および髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)に由来する抗原を含む第1の免疫原性組成物とベータコロナウイルスに対するmRNAワクチンの、ベータコロナウイルスに対する任意のmRNAワクチンをブーストする方法における使用のための同時投与に関する。
【0022】
ある態様では、本発明は、ヒト対象におけるクロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)、現在はクロストリディオイデス・ディフィシル(Clostridioides difficile(C.difficile))およびベータコロナウイルス(例えば、SARS-CoV-2)に対する免疫保護応答を引き出すための方法であって、ヒト対象に、有効用量のクロストリディオイデス・ディフィシル(C.difficile)に由来する抗原を含む第1の免疫原性組成物と、有効用量の、ベータコロナウイルスに対するmRNAワクチンとを同時投与するステップを含む方法を対象とする。ある態様では、前記第1の免疫原性組成物および前記ベータコロナウイルスに対するmRNAワクチンを並行してまたは付随的に投与する。
【0023】
本発明は、さらに、ヒト対象におけるクロストリディオイデス・ディフィシル(C.difficile)およびベータコロナウイルスに対する免疫保護応答を引き出すための方法であって、ヒト対象に前記組成物を同時投与するステップを含む方法における使用のための、クロストリディオイデス・ディフィシル(C.difficile)に由来する抗原を含む第1の免疫原性組成物およびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンに関する。
【0024】
本発明の別の態様は、クロストリディオイデス・ディフィシル(C.difficile)に由来する抗原を含む第1の免疫原性組成物とベータコロナウイルスに対するmRNAワクチンの同時投与の、ベータコロナウイルスに対する任意のmRNAワクチンのブースター用量としての使用に関する。
【0025】
本発明は、さらに、クロストリディオイデス・ディフィシル(C.difficile)に由来する抗原を含む第1の免疫原性組成物とベータコロナウイルスに対するmRNAワクチンの、ベータコロナウイルスに対する任意のmRNAワクチンのブースター用量としての使用のための、同時投与、およびクロストリディオイデス・ディフィシル(C.difficile)に由来する抗原を含む第1の免疫原性組成物とベータコロナウイルスに対するmRNAワクチンの、ベータコロナウイルスに対する任意のmRNAワクチンをブーストする方法における使用のための、同時投与に関する。
【0026】
ある態様では、本発明は、ヒト対象における大腸菌(Escherichia coli(E.coli))およびベータコロナウイルス(例えば、SARS-CoV-2)に対する免疫保護応答を引き出すための方法であって、ヒト対象に、有効用量の、大腸菌(E.coli)に由来する抗原を含む第1の免疫原性組成物と、有効用量の、ベータコロナウイルスに対するmRNAワクチンを同時投与するステップを含む方法を対象とする。ある態様では、前記第1の免疫原性組成物と前記ベータコロナウイルスに対するmRNAワクチンを並行してまたは付随的に投与する。
【0027】
本発明は、さらに、ヒト対象における大腸菌(E.coli)およびベータコロナウイルスに対する免疫保護応答を引き出すための方法における使用のための、大腸菌(E.coli)に由来する抗原を含む第1の免疫原性組成物およびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンであって、前記方法が、ヒト対象に前記組成物を同時投与するステップを含む、大腸菌(E.coli)に由来する抗原を含む第1の免疫原性組成物およびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンに関する。
【0028】
本発明の別の態様は、大腸菌(E.coli)に由来する抗原を含む第1の免疫原性組成物とベータコロナウイルスに対するmRNAワクチンの同時投与の、ベータコロナウイルスに対する任意のmRNAワクチンのブースター用量としての使用に関する。
【0029】
本発明は、さらに、大腸菌(E.coli)に由来する抗原を含む第1の免疫原性組成物とベータコロナウイルスに対するmRNAワクチンの、ベータコロナウイルスに対する任意のmRNAワクチンのブースター用量としての使用のための、同時投与、および大腸菌(E.coli)に由来する抗原を含む第1の免疫原性組成物とベータコロナウイルスに対するmRNAワクチンの、ベータコロナウイルスに対する任意のmRNAワクチンをブーストする方法における使用のための、同時投与に関する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】65歳以上の成人に対する、SARS-CoV-2による感染症を予防するためのmRNAワクチン(BNT162b2)と、同じ来院時に同時投与した場合の、20価肺炎球菌コンジュゲートワクチン(20vPnC)の同時投与の安全性および免疫原性を、これらのワクチンをそれぞれ単独で与薬した場合と比較して記述するための試験の設計の略図である。
【
図2】ワクチンBNT162b2(Comirnaty(登録商標);INN:トジナメラン);説明:全長SARS-CoV-2スパイク糖タンパク質をコードするメッセンジャーRNAのヌクレオシド修飾mRNA(modRNA)配列に関する概略図および配列である。UTR=非翻訳領域、sig=S糖タンパク質の延長されたシグナル配列、Sタンパク質_mut=K986P変異およびV987P変異を含有するS糖タンパク質配列、ポリ(A)=ポリアデニル化シグナル尾部。
【
図3】ワクチンmRNA-1273の推定上の配列(配列番号2)
【
図4】群ごと、およびワクチン血清型ごとの、ワクチン接種の1カ月後のOPA GMT(両側95%CI);GMT=幾何平均力価;OPA=オプソニン化貪食活性;PCV20=20価肺炎球菌コンジュゲートワクチン。
【
図5】群ごとの、BNT162b2の前および1カ月後のSARS-CoV-2全長S結合性IgG GMC(両側95%CI);GMC=幾何平均濃度。
【
図6】PCV20の1カ月後の、モデルに基づくOPA GMR(95%CI)(評価可能な免疫原性集団)、BLQ=定量限界未満、BMI=肥満度指数、GMR=幾何平均比、LLOQ=定量下限、LS=最小二乗、OPA=オプソニン化貪食活性。この解析ではLLOQを下回るまたはBLQと示されるアッセイ結果を0.5×LLOQに設定した。PCV20の1カ月後とは、両群について、PCV20を用いたワクチン接種の1カ月後を指す。GMR(PCV20+生理食塩水に対するPCV20+BNT162b2)および両側CIを、ワクチン群、性別、喫煙状況、ワクチン接種時の年齢、ベースラインの対数変換したOPA力価、以前の肺炎球菌ワクチン接種状況、およびBMI群で調整した回帰モデルに基づいて、OPA力価のLS平均値の差異および対応するCIの指数をとることによって算出した。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明は、感染性疾患を引き起こす細菌に対する免疫原性組成物およびmRNAワクチンを用いたワクチン接種に関する。
【0032】
本発明では、PCVを用いたワクチン接種とmRNAワクチンを用いたワクチン接種とを組み合わせる。
【0033】
1.本発明のmRNAワクチン
本発明は、概して、mRNAワクチンに関する。本発明者らの知る限りでは、感染性疾患を引き起こす細菌に対する免疫原性組成物(例えば、PCV)とmRNAワクチンを組み合わせるのは本発明が最初である。
【0034】
多数のmRNAワクチンプラットフォームが先行技術で利用可能である。in vitroで転写された(IVT)mRNAの基本構造は、「成熟」真核生物mRNAとよく似ており、(i)タンパク質をコードするオープンリーディングフレーム(ORF)、それに隣接する(ii)5’および3’非翻訳領域(UTR)、ならびに末端側の(iii)7-メチルグアノシン5’キャップ構造および(iv)3’ポリ(A)尾部からなる。非コード構造特色は、mRNAの薬理作用に重要な役割を果たすものであり、それを個別に最適化して、mRNA安定性、翻訳効率(translation efficiency)、および免疫原性をモジュレートすることができる。
【0035】
修飾ヌクレオシドを組み入れることにより、「ヌクレオシド修飾mRNA」と称される、免疫賦活活性が低減したmRNA転写物を作製することができ、したがって、改善された安全性プロファイルを得ることができる。さらに、修飾ヌクレオシドは、IFN型によって誘導され、侵入するmRNAを分解するおよび阻害するようにプログラムされている直接抗ウイルス経路を回避することができるので、安定性および翻訳能が強力に増強されたmRNAワクチンを設計することが可能になる。例えば、IVT mRNAにおけるウリジンをシュードウリジンで置き換えることにより、RNase LによるmRNA切断を調節する2’-5’オリゴアデニル酸シンテターゼの活性が低下する。さらに、mRNA翻訳プロセスの阻害に関連する酵素プロテインキナーゼRの活性の低下が測定される。
【0036】
修飾ヌクレオチドの組み入れに加えて、他の手法でも、mRNAの翻訳能および安定性が増大することが検証されている。1つの例は、「配列が工学的に操作されたmRNA」の開発である。その場合、mRNAのORFおよびUTRの配列最適化を、例えば、GC含量を富化させることによってまたは天然の長寿命mRNA分子のUTRを選択することによって行うことにより、mRNA発現を強力に増大させることができる。別の手法は、「自己増幅性mRNA」構築物の設計である。これらは、大部分がアルファウイルスに由来するものであり、ウイルスレプリカーゼをコードする追加的なORFと共に目的の抗原によって置き換えられたORFを含有する。後者は、mRNAの細胞内増幅を駆動するものであり、したがって、抗原発現能を有意に増大させることができる。
【0037】
また、mRNAの末端構造におけるいくつかの修飾が行われている。アンチリバースキャップ(ARCA)修飾は、5’末端における正しいキャップ方向性を確実にすることができ、これにより、mRNAのほぼ全ての画分がリボソームに効率的に結合することができるようになる。他のキャップ修飾、例えば、ホスホロチオエートキャップアナログにより、真核生物翻訳開始因子4Eに対する親和性をさらに改善し、RNAキャップ除去複合体に対する抵抗性を増大させることができる。
【0038】
逆に、mRNAの構造を修飾することによって自然免疫応答を誘発するmRNAの効力をさらに改善することができるが、翻訳能を損ねることになる。ホスホロチオエート骨格を用いて、またはカチオン性タンパク質プロタミンを用いて沈降させることによってのいずれかでmRNAを安定化することにより、抗原発現は減弱される可能性があるが、より強力な免疫賦活能を得ることができる。
【0039】
本発明のmRNAワクチンは、感染性疾患を対象とするワクチン、好ましくはウイルス感染性疾患を対象とするワクチン、好ましくはコロナウイルス疾患を対象とするワクチン、好ましくはCovid-19疾患を対象とするワクチンであることが好ましい。
【0040】
一態様では、本発明は、ヒト対象における細菌およびベータコロナウイルスに対する免疫保護応答を引き出すための方法であって、ヒト対象に、ポリペプチド、トキソイド、多糖、および多糖コンジュゲートの任意の1つから選択される抗原を含む第1の免疫原性組成物と、ベータコロナウイルスに対するmRNAを含む第2の免疫原性組成物とを、有効用量で同時投与するステップを含む方法に関する。ある態様では、細菌に対する前記第1の免疫原性組成物とベータコロナウイルスに対するmRNAワクチンを含む前記第2の免疫原性組成物とを並行してまたは付随的に投与する。本発明の特に好ましい一実施形態では、本発明のPCVとmRNAワクチンBNT162b2(Comirnaty(登録商標))を組み合わせる。
【0041】
本発明の別の特に好ましい実施形態では、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)に由来する抗原を含む免疫原性組成物とmRNAワクチンBNT162b2(Comirnaty(登録商標))を組み合わせる。
【0042】
本発明の別の特に好ましい実施形態では、クロストリディオイデス・ディフィシル(C.difficile)に由来する抗原を含む免疫原性組成物とmRNAワクチンBNT162b2(Comirnaty(登録商標))を組み合わせる。
【0043】
本発明の別の特に好ましい実施形態では、大腸菌(E.coli)に由来する抗原を含む免疫原性組成物とmRNAワクチンBNT162b2(Comirnaty(登録商標))を組み合わせる。
【0044】
別の実施形態では、mRNAワクチンは、配列番号1の残基1~102(
図2参照)および配列番号1の残基103~4284を有する配列を含み、ここで、配列番号1のSARS-CoV-2抗原の配列はバリアント株のSARS-CoV-2抗原で置き換えられている。
【0045】
本発明の別の特に好ましい実施形態では、本発明のPCVとmRNAワクチン「mRNA-1273」を組み合わせる。
【0046】
現在臨床試験が行われているCovid-19疾患を対象とするさらなるmRNAワクチンとして、
1)MRT5500、SanofiおよびTranslate Bio、前臨床
2)HGC019、Gennova BiopharmaceuticalsおよびHDT Bio、第I/II相
3)ARCoV、Academy of Military Medical Sciences、Suzhou Abogen Biosciences、Walvax Biotechnology、第I相
4)ChulaCoV19、Chula Vaccine Research Centre、第I相
5)PTX-COVID19-B、Providence Therapeutics、第I相
6)ARCT-021(LUNAR-COV19)、Duke-NUS/Arcturus Therapeutics、第II相
7)CVnCoV CureVac、第III相
が挙げられる。
【0047】
本発明のmRNAワクチンは、mRNAおよび好ましくはヌクレオシド修飾mRNAを含む。
【0048】
本開示において有用なmRNAは、一般には、目的のポリペプチドをコードする、連結ヌクレオシドの第1の領域(例えば、コード領域)、第1の領域の5’末端に位置する第1の隣接領域(例えば、5-UTR)、第1の領域の3’末端に位置する第2の隣接領域(例えば、3-UTR)、少なくとも1つの5’キャップ領域、および3’安定化領域を含む。一部の実施形態では、本発明のmRNAは、ポリA領域またはコザック配列(例えば、5’UTR内)をさらに含む。一部の場合では、本発明のmRNAは、ポリヌクレオチドから削除することが可能な1つまたは複数のイントロンヌクレオチド配列を含有し得る。一部の実施形態では、本発明のmRNAは、5’キャップ構造、連鎖停止ヌクレオチド(chain terminating nucleotide)、ステムループ、ポリA配列、および/またはポリアデニル化シグナルを含み得る。核酸の領域の任意の1つは、1つまたは複数の代替構成成分(例えば、代替ヌクレオシド)を含み得る。例えば、3’安定化領域が、L-ヌクレオシド、逆向きチミジン、もしくは2’-0-メチルヌクレオシドなどの代替ヌクレオシドを含み得る、ならびに/またはコード領域、5’UTR、3’UTR、もしくはキャップ領域が、5置換ウリジン(例えば、5-メトキシウリジン)、1置換シュードウリジン(例えば、1-メチル-シュードウリジン)、および/もしくは5置換シチジン(例えば、5-メチル-シチジン)などの代替ヌクレオシドを含み得る。
【0049】
一部の実施形態では、LNPは、1つまたは複数のRNAを含んでよく、1つまたは複数のRNA、脂質、およびその量は、特定のN:P比がもたらされるように選択することができる。組成物のN:P比は、1つまたは複数の脂質の窒素原子とRNAのリン酸基の数のモル比を指す。一般に、低N:P比が好ましい。1つまたは複数のRNA、脂質、およびその量は、約2:1~約30:1、例えば、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、12:1、14:1、16:1、18:1、20:1、22:1、24:1、26:1、28:1、または30:1のN:P比がもたらされるように選択することができる。ある特定の実施形態では、N:P比は、約2:1から約8:1であり得る。他の実施形態では、N:P比は、約5:1から約8:1までである。例えば、N:P比は、約5.0:1、約5.5:1、約5.67:1、約6.0:1、約6.5:1、または約7.0:1であってよい。例えば、N:P比は、約5.67:1であり得る。
【0050】
本発明のmRNAは、標準ヌクレオチドA(アデノシン)、G(グアノシン)、C(シトシン)、U(ウリジン)、またはT(チミジン)のいずれかを含めた天然に存在する構成成分を1つまたは複数含み得る。一実施形態では、(a)5’UTR、(b)オープンリーディングフレーム(ORF)、(c)3’UTR、(d)ポリA尾部、および(上記のa、b、c、またはd)の任意の組合せを含むヌクレオチドの全てまたは実質的に全てが、天然に存在する標準ヌクレオチドA(アデノシン)、G(グアノシン)、C(シトシン)、U(ウリジン)、またはT(チミジン)を含む。
【0051】
本発明のmRNAは、安定性の増大、および/またはポリヌクレオチドが導入される細胞の自然免疫応答の実質的な誘導の欠如を含めた有用な特性を付与する本明細書に記載の代替構成成分を1つまたは複数含み得る。例えば、modRNAは、modRNAが導入される細胞において、対応する変更されていないmRNAと比べて分解の低減を示し得る。これらの代替種は、タンパク質産生の効率、ポリヌクレオチドの細胞内保持、および/または接触した細胞の生存率を増強し得る、ならびに低減した免疫原性を有し得る。
【0052】
本発明のmRNAは、修飾された(例えば、変更されたまたは代替)核酸塩基、ヌクレオシド、ヌクレオチド、またはこれらの組合せを1つまたは複数含み得る。LNPに有用なmRNAは、例えば、核酸塩基、糖、またはヌクレオシド間連結に対する(例えば、連結しているリン酸に対する/リン酸ジエステル連結に対する/リン酸ジエステル骨格に対する)任意の有用な修飾または変更を含み得る。ある特定の実施形態では、変更(例えば、1つまたは複数の変更)は、核酸塩基、糖、およびヌクレオシド間連結のそれぞれに存在する。本開示による変更は、リボ核酸(RNA)の変更、例えば、リボフラノシル環の2’-OHの2’-Hへの置換、トレオース核酸(TNA)、グリコール核酸(GNA)、ペプチド核酸(PNA)、ロックド核酸(LNA)、またはこれらのハイブリッドであってよい。追加的な変更が本明細書に記載されている。
【0053】
本発明のmRNAは、分子の全長に沿って均等に変更されていてもそうでなくてもよい。例えば、1つまたは複数または全ての型のヌクレオチド(例えば、プリンもしくはピリミジン、またはA、G、U、Cのいずれか1つもしくは複数もしくは全て)がmRNAにおいてまたはその所与の所定の配列領域において均等に変更されていてもそうでなくてもよい。一部の場合では、mRNA内(またはその所与の配列領域内)の全てのヌクレオチドXが変更されており、ここで、Xは、ヌクレオチドA、G、U、Cのいずれか1つであってよい、またはA+G、A+U、A+C、G+U、G+C、U+C、A+G+U、A+G+C、G+U+CまたはA+G+Cの組合せのいずれか1つであってよい。
【0054】
種々の糖の変更および/またはヌクレオシド間連結(例えば、骨格構造)がポリヌクレオチド内の種々の位置に存在し得る。ヌクレオチドアナログまたは他の変更(複数可)は、ポリヌクレオチドの機能が実質的に低下しないポリヌクレオチドの任意の位置(複数可)に位置してよいことが当業者には理解されよう。変更は、5’末端または3’末端における変更であってもよい。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、3’末端における変更を含む。ポリヌクレオチドは、約1%から約100%まで(全体的なヌクレオチド含有量との関連で、またはヌクレオチドの1つもしくは複数の型、すなわち、A、G、UもしくはCのいずれか1つもしくは複数との関連で)または間に入る任意のパーセンテージ(例えば、1%から20%まで、1%から25%まで、1%から50%まで、1%から60%まで、1%から70%まで、1%から80%まで、1%から90%まで、1%から95%まで、10%から20%まで、10%から25%まで、10%から50%まで、10%から60%まで、10%から70%まで、10%から80%まで、10%から90%まで、10%から95%まで、10%から100%まで、20%から25%まで、20%から50%まで、20%から60%まで、20%から70%まで、20%から80%まで、20%から90%まで、20%から95%まで、20%から100%まで、50%から60%まで、50%から70%まで、50%から80%まで、50%から90%まで、50%から95%まで、50%から100%まで、70%から80%まで、70%から90%まで、70%から95%まで、70%から100%まで、80%から90%まで、80%から95%まで、80%から100%まで、90%から95%まで、90%から100%まで、および95%から100%まで)の代替ヌクレオチドを含有し得る。標準ヌクレオチド(例えば、A、G、U、またはC)の存在が任意の残りのパーセンテージを占めることが理解されよう。
【0055】
ポリヌクレオチドは、最低でゼロ、最大で100%の代替ヌクレオチド、または間に入る任意のパーセンテージ、例えば、少なくとも5%の代替ヌクレオチド、少なくとも10%の代替ヌクレオチド、少なくとも25%の代替ヌクレオチド、少なくとも50%の代替ヌクレオチド、少なくとも80%の代替ヌクレオチド、または少なくとも90%の代替ヌクレオチドを含有し得る。例えば、ポリヌクレオチドは、代替ウラシルまたはシトシンなどの代替ピリミジンを含有し得る。一部の実施形態では、ポリヌクレオチド内のウラシルの少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも80%、少なくとも90%または100%が代替ウラシル(例えば、5置換ウラシル)で置き換えられている。代替ウラシルを単一の独特の構造を有する化合物で置き換えることができる、または異なる構造(例えば、2つ、3つ、4つもしくはそれよりも多くの独特の構造)を有する複数の化合物で置き換えることができる。一部の場合では、ポリヌクレオチド内のシトシンの少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも80%、少なくとも90%または100%が代替シトシン(例えば、5置換シトシン)で置き換えられている。代替シトシンを単一の独特の構造を有する化合物で置き換えることができる、または異なる構造(例えば、2つ、3つ、4つまたはそれよりも多くの独特の構造)を有する複数の化合物で置き換えることができる。
【0056】
一部の場合では、核酸は、ポリヌクレオチド(例えば、mRNA)が導入される細胞の自然免疫応答を実質的に誘導しないものである。誘導される自然免疫応答の特色としては、1)炎症促進性サイトカイン発現の増大、2)細胞内PRR(RIG-I、MDA5など)の活性化、および/または3)タンパク質翻訳の終止または低減が挙げられる。
【0057】
一部の実施形態では、mRNAは、1つまたは複数の代替ヌクレオシドまたはヌクレオチドを含む。代替ヌクレオシドおよびヌクレオチドは、代替核酸塩基を含み得る。核酸の核酸塩基は、プリンまたはピリミジンまたはその誘導体などの有機塩基である。核酸塩基は、標準塩基(例えば、アデニン、グアニン、ウラシル、チミン、およびシトシン)であってよい。これらの核酸塩基を変更するかまたは完全に置き換えて、特性が増強された、例えば、ヌクレアーゼに対する抵抗性などの安定性が増大したポリヌクレオチド分子をもたらすことができる。非標準または修飾塩基には、例えば、これだけに限定されないが、アルキル、アリール、ハロ、オキソ、ヒドロキシル、アルキルオキシ、および/もしくはチオ置換を含めた1つもしくは複数の置換もしくは修飾、1つもしくは複数の縮合環もしくは開環、酸化、ならびに/または還元が含まれ得る。
【0058】
一部の実施形態では、核酸塩基は代替ウラシルである。代替ウラシルを有する例示的な核酸塩基およびヌクレオシドとしては、シュードウリジン(ψ)、ピリジン-4-オンリボヌクレオシド、5-アザ-ウラシル、6-アザ-ウラシル、2-チオ-5-アザ-ウラシル、2-チオ-ウラシル(s2U)、4-チオ-ウラシル(s4U)、4-チオ-シュードウリジン、2-チオ-シュードウリジン、5-ヒドロキシ-ウラシル(ho5U)、5-アミノアリル-ウラシル、5-ハロ-ウラシル(例えば、5-ヨード-ウラシルまたは5-ブロモ-ウラシル)、3-メチル-ウラシル(mU)、5-メトキシ-ウラシル(mo5U)、ウラシル5-オキシ酢酸(cmo5U)、ウラシル5-オキシ酢酸メチルエステル(mcmo5U)、5-カルボキシメチル-ウラシル(cm5U)、1-カルボキシメチル-シュードウリジン、5-カルボキシヒドロキシメチル-ウラシル(chm5U)、5-カルボキシヒドロキシメチル-ウラシルメチルエステル(mchm5U)、5-メトキシカルボニルメチル-ウラシル(mcm5U)、5-メトキシカルボニルメチル-2-チオ-ウラシル(mcm5s2U)、5-アミノメチル-2-チオ-ウラシル(nmVu)、5-メチルアミノメチル-ウラシル(mnm5U)、5-メチルアミノメチル-2-チオ-ウラシル(mnmVu)、5-メチルアミノメチル-2-セレノ-ウラシル(mnm5se2U)、5-カルバモイルメチル-ウラシル(ncm5U)、5-カルボキシメチルアミノメチル-ウラシル(cmnm5U)、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオ-ウラシル(cmnmVu)、5-プロピニル-ウラシル、1-プロピニル-シュードウラシル、5-タウリノメチル-ウラシル(xm5U)、1-タウリノメチル-シュードウリジン、5-タウリノメチル-2-チオ-ウラシル(xm5s2U)、1-タウリノメチル-4-チオ-シュードウリジン、5-メチル-ウラシル(m5U、すなわち、核酸塩基デオキシチミンを有する)、1-メチル-シュードウリジン(mV)、5-メチル-2-チオ-ウラシル(m5s2U)、1-メチル-4-チオ-シュードウリジン(m xj/)、4-チオ-1-メチル-シュードウリジン、3-メチル-シュードウリジン(m \|/)、2-チオ-1-メチル-シュードウリジン、1-メチル-1-デアザ-シュードウリジン、2-チオ-l-メチル-1-デアザ-シュードウリジン、ジヒドロウラシル(D)、ジヒドロシュードウリジン、5,6-ジヒドロウラシル、5-メチル-ジヒドロウラシル(m5D)、2-チオ-ジヒドロウラシル、2-チオ-ジヒドロシュードウリジン、2-メトキシ-ウラシル、2-メトキシ-4-チオ-ウラシル、4-メトキシ-シュードウリジン、4-メトキシ-2-チオ-シュードウリジン、N1-メチル-シュードウリジン、3-(3-アミノ-3-カルボキシプロピル)ウラシル(acp U)、1-メチル-3-(3-アミノ-3-カルボキシプロピル)シュードウリジン(acp ψ)、5-(イソペンテニルアミノメチル)ウラシル(inm5U)、5-(イソペンテニルアミノメチル)-2-チオ-ウラシル(inm5s2U)、5,2’-0-ジメチル-ウリジン(m5Um)、2-チオ-2’-0_メチル-ウリジン(s2Um)、5-メトキシカルボニルメチル-2’-0-メチル-ウリジン(mem Um)、5-カルバモイルメチル-2’-0-メチル-ウリジン(ncm5Um)、5-カルボキシメチルアミノメチル-2’-0-メチル-ウリジン(cmnm5Um)、3,2’-0-ジメチル-ウリジン(m Um)、および5-(イソペンテニルアミノメチル)-2’-0-メチル-ウリジン(inm5Um)、1-チオ-ウラシル、デオキシチミジン、5-(2-カルボメトキシビニル)-ウラシル、5-(カルバモイルヒドロキシメチル)-ウラシル、5-カルバモイルメチル-2-チオ-ウラシル、5-カルボキシメチル-2-チオ-ウラシル、5-シアノメチル-ウラシル、5-メトキシ-2-チオ-ウラシル、および5-[3-(1-E-プロペニルアミノ)]ウラシルが挙げられる。
【0059】
一部の実施形態では、核酸塩基は、代替シトシンである。代替シトシンを有する例示的な核酸塩基およびヌクレオシドとしては、5-アザ-シトシン、6-アザ-シトシン、シュードイソシチジン、3-メチル-シトシン(m3C)、N4-アセチル-シトシン(ac4C)、5-ホルミル-シトシン(f5C)、N4-メチル-シトシン(m4C)、5-メチル-シトシン(m5C)、5-ハロ-シトシン(例えば、5-ヨード-シトシン)、5-ヒドロキシメチル-シトシン(hm5C)、1-メチル-シュードイソシチジン、ピロロ-シトシン、ピロロ-シュードイソシチジン、2-チオ-シトシン(s2C)、2-チオ-5-メチル-シトシン、4-チオ-シュードイソシチジン、4-チオ-1-メチル1-シュードイソシチジン、4-チオ-1-メチル-1-デアザ-シュードイソシチジン、1-メチル-1-デアザ-シュードイソシチジン、ゼブラリン、5-アザ-ゼブラリン、5-メチル1-ゼブラリン、5-アザ-2-チオ-ゼブラリン、2-チオ-ゼブラリン、2-メトキシ-シトシン、2-メトキシ-5-メチル-シトシン、4-メトキシ-シュードイソシチジン、4-メトキシ-1-メチル-シュードイソシチジン、リシジン(k2C)、5,2’-0-ジメチル-シチジン(m5Cm)、N4-アセチル-2’-0-メチル-シチジン(ac4Cm)、N4,2’-0-ジメチル-シチジン(m4Cm)、5-ホルミル-2’-0-メチル-シチジン(f5Cm)、N4,N4,2’-0-トリメチル-シチジン(m42Cm)、1-チオ-シトシン、5-ヒドロキシ-シトシン、5-(3-アジドプロピル)-シトシン、および5-(2-アジドエチル)-シトシンが挙げられる。
【0060】
一部の実施形態では、核酸塩基は代替アデニンである。代替アデニンを有する例示的な核酸塩基およびヌクレオシドとしては、2-アミノ-プリン、2,6-ジアミノプリン、2-アミノ-6-ハロ-プリン(例えば、2-アミノ-6-クロロ-プリン)、6-ハロ-プリン(例えば、6-クロロ-プリン)、2-アミノ-6-メチル-プリン、8-アジド-アデニン、7-デアザ-アデニン、7-デアザ-8-アザ-アデニン、7-デアザ-2-アミノ-プリン、7-デアザ-8-アザ-2-アミノ-プリン、7-デアザ-2,6-ジアミノプリン、7-デアザ-8-アザ-2,6-ジアミノプリン、1-メチル1-アデニン(m1A)、2-メチル-アデニン(m2A)、N6-メチル-アデニン(m6A)、2-メチルチオ-N6-メチル-アデニン(ms2m6A)、N6-イソペンテニル-アデニン(i6A)、2-メチルチオ-N6-イソペンテニル-アデニン(ms2i6A)、N6-(シス-ヒドロキシイソペンテニル)アデニン(io6A)、2-メチルチオ-N6-(シス-ヒドロキシイソペンテニル)アデニン(ms2io6A)、N6-グリシニルカルバモイル-アデニン(g6A)、N6-トレオニルカルバモイル-アデニン(t6A)、N6-メチル-N6-トレオニルカルバモイル-アデニン(m6t6A)、2-メチルチオ-N6-トレオニルカルバモイル-アデニン(ms2g6A)、N6,N6-ジメチル-アデニン(m62A)、N6-ヒドロキシノルバリルカルバモイル-アデニン(hn6A)、2-メチルチオ-N6-ヒドロキシノルバリルカルバモイル-アデニン(ms2hn6A)、N6-アセチル-アデニン(ac6A)、7-メチル-アデニン、2-メチルチオ-アデニン、2-メトキシ-アデニン、N6,2’-0-ジメチル-アデノシン(m6Am)、N6,N6,2’-0-トリメチル-アデノシン(m62Am)、1,2’-0-ジメチル-アデノシン(ml Am)、2-アミノ-N6-メチル-プリン、1-チオ-アデニン、8-アジド-アデニン、N6-(19-アミノ-ペンタオキサノナデシル)-アデニン、2,8-ジメチル-アデニン、N6-ホルミル-アデニン、およびN6-ヒドロキシメチル-アデニンが挙げられる。
【0061】
一部の実施形態では、核酸塩基は代替グアニンである。代替グアニンを有する例示的な核酸塩基およびヌクレオシドとしては、イノシン(I)、1-メチル-イノシン(mil)、ワイオシン(imG)、メチルワイオシン(mimG)、4-デメチル-ワイオシン(imG-14)、イソワイオシン(imG2)、ワイブトシン(yW)、ペルオキシワイブトシン(o2yW)、ヒドロキシワイブトシン(OHyW)、低修飾(undermodified)ヒドロキシワイブトシン(OHyW*)、7-デアザ-グアニン、キューオシン(Q)、エポキシキューオシン(oQ)、ガラクトシル-キューオシン(galQ)、マンノシル-キューオシン(manQ)、7-シアノ-7-デアザ-グアニン(preQO)、7-アミノメチル-7-デアザ-グアニン(preQl)、アルカエオシン(G+)、7-デアザ-8-アザ-グアニン、6-チオ-グアニン、6-チオ-7-デアザ-グアニン、6-チオ-7-デアザ-8-アザ-グアニン、7-メチル-グアニン(m7G)、6-チオ-7-メチル-グアニン、7-メチル-イノシン、6-メトキシ-グアニン、1-メチル-グアニン(mlG)、N2-メチル-グアニン(m2G)、N2,N2-ジメチル-グアニン(m22G)、N2,7-ジメチル-グアニン(m2,7G)、N2,N2,7-ジメチル-グアニン(m2,2,7G)、8-オキソ-グアニン、7-メチル-8-オキソ-グアニン、1-メチル-6-チオ-グアニン、N2-メチル-6-チオ-グアニン、N2,N2-ジメチル-6-チオ-グアニン、N2-メチル-2’-0-メチル-グアノシン(m2Gm)、N2,N2-ジメチル-2’-0-メチル-グアノシン(m22Gm)、1-メチル-2’-0-メチル-グアノシン(mlGm)、N2,7-ジメチル-2’-0-メチル-グアノシン(m2,7Gm)、2’-0-メチル-イノシン(Im)、1,2’-0-ジメチル-イノシン(mllm)、1-チオ-グアニン、およびO-6-メチル-グアニンが挙げられる。
【0062】
ヌクレオチドの代替核酸塩基は、独立に、プリン、ピリミジン、プリンまたはピリミジンアナログであってよい。例えば、核酸塩基は、アデニン、シトシン、グアニン、ウラシル、またはヒポキサンチンの代替物であってよい。別の実施形態では、核酸塩基には、例えば、ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン、5-メチルシトシン(5-me-C)、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、アデニンおよびグアニンの6-メチルおよび他のアルキル誘導体、アデニンおよびグアニンの2-プロピルおよび他のアルキル誘導体、2-チオウラシル、2-チオチミンおよび2-チオシトシン、5-プロピニルウラシルおよびシトシン、6-アゾウラシル、シトシンおよびチミン、5-ウラシル(シュードウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロ(例えば、8-ブロモ)、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、8-ヒドロキシおよび他の8置換アデニンおよびグアニン、5-ハロ、特に5-ブロモ、5-トリフルオロメチルおよび他の5置換ウラシルおよびシトシン、7-メチルグアニンおよび7-メチルアデニン、8-アザグアニンおよび8-アザアデニン、デアザグアニン、7-デアザグアニン、3-デアザグアニン、デアザアデニン、7-デアザアデニン、3-デアザアデニン、ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン、イミダゾ[1,5-a]1,3,5トリアジノン、9-デアザプリン、イミダゾ[4,5-d]ピラジン、チアゾロ[4,5-d]ピリミジン、ピラジン-2-オン、1,2,4-トリアジン、ピリダジン;または1,3,5トリアジンを含めた、塩基の天然に存在するおよび合成の誘導体も含めることができる。ヌクレオチドが省略形A、G、C、TまたはUを使用して示されている場合、各文字は、代表的な塩基および/またはその誘導体を指し、例えば、Aは、アデニンまたはアデニンアナログ、例えば、7-デアザアデニンを含む。
【0063】
mRNAに5’キャップ構造を含めることができる。ポリヌクレオチドの5’キャップ構造は、核外移行およびポリヌクレオチド安定性の増大に関与し、mRNAのキャップ結合性タンパク質(CBP)に結合し、それにより、CBPとポリA結合性タンパク質が会合して成熟環状mRNA種を形成することを通じて細胞におけるポリヌクレオチド安定性および翻訳コンピテンシーを担う。キャップは、さらに、mRNAスプライシングの間の5’近位イントロンの除去を補助する。
【0064】
内因性ポリヌクレオチド分子に、5’末端キャップ付加し、それにより、ポリヌクレオチドの末端グアノシンキャップ残基と5’末端の転写されたセンスヌクレオチドとの間に5’ppp-5’三リン酸連結を生成することができる。次いで、この5’グアニル酸キャップをメチル化して、N7-メチル-グアニル酸残基を生成することができる。ポリヌクレオチドの5’末端の末端および/または末端前(anteterminal)の転写されたヌクレオチドのリボース糖を2’-0-メチル化することもできる。グアニル酸キャップ構造の加水分解および切断によって5’キャップを除去することにより、mRNA分子などのポリヌクレオチド分子を分解の標的とすることができる。
【0065】
ポリヌクレオチドに対する変更により、キャップ除去を防止し、したがってポリヌクレオチド半減期を増大させる非加水分解性キャップ構造を生成することができる。キャップ構造の加水分解には5’-ppp-5’ホスホジエステル連結の切断が必要であるので、キャップ付加反応の間に代替ヌクレオチドを使用することができる。例えば、New England Biolabs(Ipswich、MA)のVaccinia Capping Enzymeを、a-チオ-グアノシンヌクレオチドと共に製造者の指示に従って使用して、5’-ppp-5’キャップにホスホロチオエート連結を創出することができる。
【0066】
α-メチル-ホスホネートおよびセレノ-ホスフェートヌクレオチドなどの追加的な代替グアノシンヌクレオチドを使用することができる。追加的な変更として、これだけに限定されないが、ポリヌクレオチド(上記の通り)の5’末端および/または5’末端前ヌクレオチドのリボース糖の、糖の2’-ヒドロキシ基における2’-0-メチル化が挙げられる。mRNA分子の5’キャップを生成するために複数の別個の5’キャップ構造を使用することができる。
【0067】
キャップアナログは、本明細書では合成キャップアナログ、化学的キャップ、化学的キャップアナログ、または構造もしくは機能的キャップアナログとも称され、天然の(すなわち、内因性、野生型、または生理的)5’キャップとは化学構造が異なるが、一方でキャップ機能は保持する。キャップアナログは、化学的に(すなわち、非酵素的に)または酵素的に合成する、および/ポリヌクレオチドに連結することができる。例えば、アンチリバースキャップアナログ(Anti-Reverse Cap Analog)(ARCA)キャップは、5’-5’-三リン酸基によって連結した2つのグアノシンを含有し、ここで、一方のグアノシンはN7-メチル基ならびに3’-0-メチル基を含有する(すなわち、N7、3’-0-ジメチル-グアノシン-5’-三リン酸-5’-グアノシン、m7G-3’mppp-G、これは3’0-Me-m7G(5’)ppp(5’)Gと同等に示され得る)。他方の変更されていないグアノシンの3’-0原子は、キャップ付加されたポリヌクレオチド(例えば、mRNA)の5’末端ヌクレオチドに連結するようになる。N7-および3’-0がメチル化されたグアノシンにより、キャップ付加されたポリヌクレオチド(例えば、mRNA)の末端部分がもたらされる。別の例示的なキャップはmCAPであり、これは、ARCAと同様であるが、グアノシンに2’-0-メチル基を有する(すなわち、N7,2’-0-ジメチル-グアノシン-5’三リン酸-5’グアノシン、m7Gm-ppp-G)。
【0068】
キャップは、ジヌクレオチドキャップアナログであってよい。非限定的な例として、ジヌクレオチドキャップアナログは、異なるリン酸位置においてボラノホスフェート基またはホスホロセレノエート基で修飾されたもの、例えば、そのキャップ構造が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,519,110号に記載されているジヌクレオチドキャップアナログなどであってよい。
【0069】
あるいは、キャップアナログは、当技術分野で公知のおよび/または本明細書に記載のN7-(4-クロロフェノキシエチル)置換されたジヌクレオチドキャップアナログであってよい。N7-(4-クロロフェノキシエチル)置換されたジヌクレオチドキャップアナログの非限定的な例としては、N7-(4-クロロフェノキシエチル)-G(5)ppp(5’)GおよびN7-(4-クロロフェノキシエチル)-m3’-OG(5)ppp(5’)Gキャップアナログが挙げられる(例えば、そのキャップ構造が参照により本明細書に組み込まれるKoreら、Bioorganic&Medicinal Chemistry 2013 21:4570~4574に記載されている種々のキャップアナログおよびキャップアナログの合成方法を参照されたい)。他の場合では、本開示のポリヌクレオチドに有用なキャップアナログは、4-クロロ/ブロモフェノキシエチルアナログである。
【0070】
キャップアナログにより、in vitro転写反応において同時にポリヌクレオチドにキャップ付加することが可能になるが、転写物の20%に至るまでがキャップ付加されないままになる。このこと、ならびにキャップアナログと内因性の細胞の転写機構によって産生されたポリヌクレオチドの内因性5’キャップ構造の構造的差異により、翻訳コンピテンシーの低下および細胞における安定性の低下が導かれる。
【0071】
より真正に近い5’キャップ構造を生成するために、代替ポリヌクレオチドに、転写後に酵素を使用してキャップ付加することもできる。本明細書で使用される場合、「より真正に近い」という句は、内因性または野生型特色を、構造的にまたは機能的にのいずれかで密接に反映するまたは模倣する特色を指す。すなわち、「より真正に近い」特色は、内因性、野生型、天然のもしくは生理的な細胞機能および/もしくは構造を、合成特色もしくは先行技術のアナログと比較してより良好に表す、または1つもしくは複数の観点で、対応する内因性、野生型、天然の、もしくは生理的な特色を凌ぐものである。本開示のポリヌクレオチドに有用なより真正に近い5’キャップ構造の非限定的な例は、とりわけ、当技術分野で公知の合成5’キャップ構造と比較して(または野生型、天然のもしくは生理的な5’キャップ構造と比較して)キャップ結合性タンパク質の結合性の増強、半減期の増大、5’エンドヌクレアーゼの影響の受けやすさの低減、および/または5’キャップ除去の低減を有するものである。例えば、組換えワクシニアウイルスキャッピング酵素および組換え2’-0-メチルトランスフェラーゼ酵素により、ポリヌクレオチドの5’末端ヌクレオチドとグアノシンキャップヌクレオチドの間に標準5’-5’-三リン酸連結を創出することができ、ここで、キャップグアノシンはN7-メチル化を含有し、ポリヌクレオチドの5’末端ヌクレオチドは2’-0-メチルを含有する。そのような構造はキャップ1構造と称される。このキャップにより、例えば、当技術分野で公知の他の5’キャップアナログ構造と比較して、高い翻訳コンピテンシー、細胞における安定性、および細胞における炎症促進性サイトカインの活性化の低下がもたらされる。他の例示的なキャップ構造としては、7mG(5’)ppp(5’)N,pN2p(キャップ0)、7mG(5’)ppp(5’)NlmpNp(キャップ1)、7mG(5’)-ppp(5’)NlmpN2mp(キャップ2)、およびm(7)Gpppm(3)(6,6,2’)Apm(2’)Apm(2’)Cpm(2)(3,2’)Up(キャップ4)が挙げられる。
【0072】
代替ポリヌクレオチドに転写後にキャップ付加することができ、このプロセスはより効率的であるので、mRNAのほぼ100%にキャップ付加することができる。これは、in vitro転写反応の過程中にキャップアナログをポリヌクレオチドに連結すると-80%になるのとは対照的である。5’末端キャップは、内因性キャップまたはキャップアナログを包含し得る。5’末端キャップは、グアノシンアナログを包含し得る。有用なグアノシンアナログとしては、イノシン、N1-メチル-グアノシン、2’-フルオロ-グアノシン、7-デアザ-グアノシン、8-オキソ-グアノシン、2-アミノ-グアノシン、LNA-グアノシン、および2-アジド-グアノシンが挙げられる。一部の場合では、ポリヌクレオチドは、修飾された5’キャップを含有する。5’キャップに対する修飾により、ポリヌクレオチドの安定性を増大させることができ、ポリヌクレオチドの半減期を増大させることができ、ポリヌクレオチド翻訳効率(translational efficiency)を上昇させることができる。修飾された5’キャップとしては、これだけに限定されないが、以下の修飾のうちの1つまたは複数を挙げることができる:キャップ付加されたグアノシン三リン酸(GTP)の2’および/または3’位における修飾、糖環酸素(炭素環式環を生じる)のメチレン部分(CH2)での置換え、キャップ構造の三リン酸橋部分における修飾、または核酸塩基(G)部分における修飾。
【0073】
5’UTRをmRNAに隣接領域として提供することができる。5’UTRは、ポリヌクレオチドに見いだされるコード領域と相同であっても異種であってもよい。複数の5’UTRを隣接領域に含めることができ、それらの配列は同じであっても異なってもよい。いずれの部分にも行わないことを含め、隣接領域の任意の部分をコドン最適化することができ、いずれの部分も、独立に、コドン最適化の前および/または後に1種または複数種の異なる構造的または化学的変質を含有してよい。
【0074】
mRNAの1つまたは複数の特性を変更するために、mRNAのコード領域に対して異種である5’UTRを工学的に作製することができる。次いで、mRNAを細胞、組織または生物体に投与することができ、タンパク質レベル、局在、および/または半減期などのアウトカムを測定して、異種5’UTRによりmRNAに対してもたらされた可能性がある有益な影響を評価することができる。A、T、CまたはGを含めた1つまたは複数のヌクレオチドが末端に対して付加または除去された5’UTRのバリアントを利用することができる。5’UTRも本明細書に記載の任意の様式でコドン最適化または変更することができる。
【0075】
mRNAは、例えば、これだけに限定されないが、ヒストンステムループなどのステムループを含み得る。ステムループは、約25または約26ヌクレオチドの長さのヌクレオチド配列であってよい。ヒストンステムループは、コード領域に対して3’側(例えば、コード領域の3’末端)に位置し得る。非限定的な例として、ステムループは、本明細書に記載のポリヌクレオチドの3’末端に位置し得る。一部の場合では、mRNAは、1つよりも多くのステムループ(例えば、2つのステムループ)を含む。ステムループは、ポリヌクレオチドの第2の末端領域に位置し得る。非限定的な例として、ステムループは、第2の末端領域の非翻訳領域(例えば、3’UTR)内に位置し得る。一部の場合では、ヒストンステムループを含むmRNAを、3’安定化領域(例えば、少なくとも1つの連鎖停止ヌクレオシド(chain terminating nucleoside)を含む3’安定化領域)を付加することによって安定化することができる。理論に制約されることを望むものではなく、少なくとも1つの連鎖停止ヌクレオシドの付加により、ポリヌクレオチドの分解を緩徐化することができ、したがって、ポリヌクレオチドの半減期を増大させることができる。他の場合では、ヒストンステムループを含むmRNAを、ポリヌクレオチドの3’領域に、オリゴ(U)の付加を防止および/または阻害することができる変更を加えることによって安定化することができる。さらに別の場合には、ヒストンステムループを含むmRNAを、3’-デオキシヌクレオシド、2’,3’-ジデオキシヌクレオシド、3’-0-メチルヌクレオシド、3-0-エチルヌクレオシド、3’-アラビノシド、および他の当技術分野で公知のおよび/または本明細書に記載の代替ヌクレオシドで終止するオリゴヌクレオチドを付加することによって安定化することができる。一部の場合では、本開示のmRNAは、ヒストンステムループ、ポリA領域、および/または5’キャップ構造を含み得る。ヒストンステムループは、ポリA領域の前および/または後にあってよい。ヒストンステムループおよびポリA領域配列を含むポリヌクレオチドは、本明細書に記載の連鎖終止ヌクレオシドを含み得る。他の場合では、本開示のポリヌクレオチドは、ヒストンステムループおよび5’キャップ構造を含み得る。5’キャップ構造としては、これだけに限定されないが、本明細書に記載のおよび/または当技術分野で公知のものを挙げることができる。一部の場合では、保存されたステムループ領域は、本明細書に記載のmiR配列を含み得る。非限定的な例として、ステムループ領域は、本明細書に記載のmiR配列のシード配列を含み得る。別の非限定的な例では、ステムループ領域は、miR-122シード配列を含み得る。
【0076】
mRNAは、少なくとも1つのヒストンステムループおよびポリA領域またはポリアデニル化シグナルを含み得る。ある特定の場合では、ヒストンステムループおよびポリA領域またはポリアデニル化シグナルをコードするポリヌクレオチドは、病原体抗原またはその断片をコードし得る。他の場合では、ヒストンステムループおよびポリA領域またはポリアデニル化シグナルをコードするポリヌクレオチドは、治療用タンパク質をコードし得る。一部の場合では、ヒストンステムループおよびポリA領域またはポリアデニル化シグナルをコードするポリヌクレオチドは、腫瘍抗原またはその断片をコードし得る。他の場合では、ヒストンステムループおよびポリA領域またはポリアデニル化シグナルをコードするポリヌクレオチドは、アレルゲン抗原または自己免疫性自己抗原をコードし得る。
【0077】
mRNAは、ポリA配列および/またはポリアデニル化シグナルを含み得る。ポリA配列は、アデニンヌクレオチドまたはそのアナログもしくは誘導体の全体または大部分から構成され得る。ポリA配列は、核酸の3’非翻訳領域の隣に位置する尾部であり得る。RNAプロセシングの間に、アデノシンヌクレオチド(ポリA領域)の長鎖が通常はメッセンジャーRNA(mRNA)分子に付加されて、分子の安定性が増大する。転写の直後に、転写物の3’末端が切断されて、3’-ヒドロキシが遊離する。次いで、ポリAポリメラーゼによってアデノシンヌクレオチドの鎖がRNAに付加される。ポリアデニル化と称されるこのプロセスでは、100から250残基長の間のポリA領域が付加される。独特のポリA領域の長さにより、本開示の代替ポリヌクレオチドにある特定の利点をもたらすことができる。一般に、本開示のポリA領域の長さは、少なくとも30ヌクレオチドの長さである。別の実施形態では、ポリA領域は、少なくとも35ヌクレオチドの長さである。別の実施形態では、長さは、少なくとも40ヌクレオチドである。別の実施形態では、長さは、少なくとも45ヌクレオチドである。別の実施形態では、長さは、少なくとも55ヌクレオチドである。別の実施形態では、長さは、少なくとも60ヌクレオチドである。別の実施形態では、長さは、少なくとも70ヌクレオチドである。別の実施形態では、長さは、少なくとも80ヌクレオチドである。別の実施形態では、長さは、少なくとも90ヌクレオチドである。別の実施形態では、長さは、少なくとも100ヌクレオチドである。別の実施形態では、長さは、少なくとも120ヌクレオチドである。別の実施形態では、長さは、少なくとも140ヌクレオチドである。別の実施形態では、長さは、少なくとも160ヌクレオチドである。別の実施形態では、長さは、少なくとも180ヌクレオチドである。別の実施形態では、長さは、少なくとも200ヌクレオチドである。別の実施形態では、長さは、少なくとも250ヌクレオチドである。別の実施形態では、長さは、少なくとも300ヌクレオチドである。別の実施形態では、長さは、少なくとも350ヌクレオチドである。別の実施形態では、長さは、少なくとも400ヌクレオチドである。別の実施形態では、長さは、少なくとも450ヌクレオチドである。別の実施形態では、長さは、少なくとも500ヌクレオチドである。別の実施形態では、長さは、少なくとも600ヌクレオチドである。別の実施形態では、長さは、少なくとも700ヌクレオチドである。別の実施形態では、長さは、少なくとも800ヌクレオチドである。別の実施形態では、長さは、少なくとも900ヌクレオチドである。別の実施形態では、長さは、少なくとも1000ヌクレオチドである。別の実施形態では、長さは、少なくとも1100ヌクレオチドである。別の実施形態では、長さは、少なくとも1200ヌクレオチドである。別の実施形態では、長さは、少なくとも1300ヌクレオチドである。別の実施形態では、長さは、少なくとも1400ヌクレオチドである。別の実施形態では、長さは、少なくとも1500ヌクレオチドである。別の実施形態では、長さは、少なくとも1600ヌクレオチドである。別の実施形態では、長さは、少なくとも1700ヌクレオチドである。別の実施形態では、長さは、少なくとも1800ヌクレオチドである。別の実施形態では、長さは、少なくとも1900ヌクレオチドである。別の実施形態では、長さは、少なくとも2000ヌクレオチドである。別の実施形態では、長さは、少なくとも2500ヌクレオチドである。別の実施形態では、長さは、少なくとも3000ヌクレオチドである。一部の場合では、ポリA領域は、本明細書に記載の代替ポリヌクレオチド分子上の80ヌクレオチド、120ヌクレオチド、160ヌクレオチドの長さであってよい。他の場合では、ポリA領域は、本明細書に記載の代替ポリヌクレオチド分子上の20、40、80、100、120、140または160ヌクレオチドの長さであってよい。一部の場合では、ポリA領域は、代替ポリヌクレオチド全体の長さと相対させて設計される。この設計は、代替ポリヌクレオチドのコード領域の長さ、代替ポリヌクレオチド(例えば、mRNAなど)の特定の特色もしくは領域の長さに基づき得る、または代替ポリヌクレオチドから発現される最終産物の長さに基づき得る。代替ポリヌクレオチドの任意の特色(例えば、ポリA領域を含むmRNA部分以外)と相対させる場合、ポリA領域は、追加的な特色よりも10、20、30、40、50、60、70、80、90または100%長くてよい。ポリA領域を、それが属する代替ポリヌクレオチドに対する分率として設計することもできる。これに関連して、ポリA領域は、構築物の総長または構築物の総長からポリA領域を差し引いた長さの10、20、30、40、50、60、70、80、または90%以上であり得る。
【0078】
ある特定の場合では、工学的に操作された結合性部位、および/またはポリA結合性タンパク質へのmRNAのコンジュゲーションを使用して、発現を増強することができる。工学的に操作された結合性部位は、mRNAの局所的な微小環境のリガンドの結合性部位として作動し得るセンサー配列であってよい。非限定的な例として、mRNAは、ポリA結合性タンパク質(PABP)およびそのアナログの結合親和性を変更するために少なくとも1つの工学的に操作された結合性部位を含み得る。少なくとも1つの工学的に操作された結合性部位を組み入れることにより、PABPおよびそのアナログの結合親和性を増大させることができる。
【0079】
さらに、ポリA領域の3’末端に代替ヌクレオチドを使用し、3’末端を通じて、複数の別個のmRNAをPABP(ポリA結合性タンパク質)に連結することができる。トランスフェクション実験を関連性のある細胞株において行うことができ、トランスフェクション後12時間、24時間、48時間、72時間、および7日目の時点でタンパク質産生をELISAによってアッセイすることができる。非限定的な例として、トランスフェクション実験を使用して、少なくとも1つの工学的に操作された結合性部位の付加の結果として、PABPまたはそのアナログの結合親和性に対する効果を評価することができる。ある特定の場合では、ポリA領域を使用して、翻訳開始をモジュレートすることができる。理論に制約されることを望むものではないが、ポリA領域によりPABPが動員され、それが今度は翻訳開始複合体と相互作用し得、したがって、ポリA領域はタンパク質合成のために必須であり得る。一部の場合では、本開示において、ポリA領域を3’-5’エキソヌクレアーゼ消化からの保護のために使用することもできる。一部の場合では、mRNAは、ポリA-G四重鎖を含み得る。G四重鎖は、4本のグアノシンヌクレオチドが環状水素結合したアレイであり、DNAおよびRNAの両方でGリッチ配列によって形成され得る。この実施形態では、G四重鎖をポリA領域の最後に組み入れる。得られたmRNAを、安定性、タンパク質産生、および半減期を含めた他のパラメータについて様々な時点でアッセイすることができる。ポリA-G四重鎖により、120ヌクレオチドのポリA領域を単独で使用した場合に見られるタンパク質産生の少なくとも75%と等価のタンパク質産生がもたらされることが発見されている。一部の場合では、mRNAにポリA領域を含めることができ、また、3’安定化領域を付加することによって安定化することができる。ポリA領域を有するmRNAは、5’キャップ構造をさらに含み得る。他の場合では、mRNAは、ポリA-G四重鎖を含み得る。ポリA-G四重鎖を有するmRNAは、5’キャップ構造をさらに含み得る。一部の場合では、mRNAを安定化するために使用することができる3’安定化領域として、ポリA領域またはポリA-G四重鎖が挙げられる。他の場合では、本開示で使用することができる3’安定化領域として、連鎖停止ヌクレオシド(chain termination nucleoside)、例えば、3’-デオキシアデノシン(コルジセピン)、3’-デオキシウリジン、3’-デオキシシトシン、3’-デオキシグアノシン、3’-デオキシチミン、2’,3’-ジデオキシヌクレオシド、例えば、2’,3’-ジデオキシアデノシン、2’,3’-ジデオキシウリジン、2’,3’-ジデオキシシトシン、2’、3’-ジデオキシグアノシン、2’,3’-ジデオキシチミンなど、2’-デオキシヌクレオシド、またはO-メチルヌクレオシドなどが挙げられる。他の場合では、ポリA領域またはポリA-G四重鎖を含むmRNAを、ポリヌクレオチドの3’領域に対する、オリゴ(U)の付加を防止および/または阻害することができる変更によって安定化することができる。さらに他の場合では、ポリA領域またはポリA-G四重鎖を含むmRNAを、3’-デオキシヌクレオシド、2’,3’-ジデオキシヌクレオシド
3-O-メチルヌクレオシド、3’-O-エチルヌクレオシド、3’-アラビノシド、および他の当技術分野で公知のおよび/または本明細書に記載の代替ヌクレオシドで終止するオリゴヌクレオチドを付加することによって安定化することができる。
【0080】
ある実施形態では、本発明のmRNAワクチンは、脂質を含む。脂質とmodRNAは、一緒になってナノ粒子を形成し得る。脂質にmRNAを封入して脂質ナノ粒子(LNP)の形態にし、RNA/脂質ナノ粒子の細胞への進入および安定性を補助することができる。
【0081】
脂質ナノ粒子は、脂質構成成分ならびに治療薬および/または予防薬などの1種または複数種の追加的な構成成分を含み得る。LNPを1つまたは複数の特定の適用または標的のために設計することができる。LNPの要素を、特定の適用もしくは標的に基づいて、および/または1つもしくは複数の要素の有効性、毒性、費用、使いやすさ、利用可能性、もしくは他の特色に基づいて選択することができる。同様に、特定の適用または標的のために、例えば、要素の特定の組合せの有効性および毒性に応じて、LNPの特定の製剤を選択することができる。LNP製剤の有効性および忍容性は、製剤の安定性の影響を受ける可能性がある。
【0082】
脂質ナノ粒子を1つまたは複数の特定の適用または標的のために設計することができる。例えば、LNPを、RNAなどの治療薬および/または予防薬を哺乳動物の体内の特定の細胞、組織、器官、または系またはこれらの群に送達されるように設計することができる。
【0083】
特定の体の標的に対する選択性を増大させるために、脂質ナノ粒子の生理化学的特性を変更することができる。例えば、粒子サイズを異なる器官の開窓サイズに基づいて調整することができる。LNPに含まれる治療薬および/または予防薬はまた、所望の送達標的(1つまたは複数)に基づいて選択することもできる。例えば、治療薬および/または予防薬を、特定の適応症、状態、疾患、もしくは障害のために、および/または特定の細胞、組織、器官、もしくは系もしくはこれらの群への送達(例えば、限局的または特異的送達)のために選択することができる。ある特定の実施形態では、LNPは、細胞内で翻訳されて目的のポリペプチドを産生することが可能な、目的のポリペプチドをコードするmRNAを含み得る。そのような組成物を、特定の器官に特異的に送達されるように設計することができる。一部の実施形態では、組成物を、哺乳動物の肝臓に特異的に送達されるように設計することができる。一部の実施形態では、組成物を、リンパ節に特異的に送達されるように設計することができる。一部の実施形態では、組成物を、哺乳動物の脾臓に特異的に送達されるように設計することができる。
【0084】
LNPは、本明細書に記載の1種または複数種の構成成分を含み得る。一部の実施形態では、本開示のLNP製剤は、少なくとも1種の脂質ナノ粒子構成成分を含む。脂質ナノ粒子は、脂質構成成分ならびに核酸などの治療薬および/または予防薬などの1種または複数種の追加的な構成成分を含み得る。LNPを1つまたは複数の特定の適用または標的のために設計することができる。LNPの要素を、特定の適用もしくは標的に基づいて、および/または1つもしくは複数の要素の有効性、毒性、費用、使いやすさ、利用可能性、もしくは他の特色に基づいて選択することができる。同様に、例えば、要素の特定の組合せの有効性および毒性に応じて、特定の適用または標的のために、LNPの特定の製剤を選択することができる。LNP製剤の有効性および忍容性は、製剤の安定性の影響を受ける可能性がある。
【0085】
一部の実施形態では、LNPの封入または部分的な封入のために、例えば、ポリマーを含めるおよび/または使用することができる。ポリマーは、生分解性かつ/または生体適合性のものであってよい。ポリマーは、これだけに限定されないが、ポリアミン、ポリエーテル、ポリアミド、ポリエステル、ポリカルバメート、ポリ尿素、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリイミド、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリアセチレン、ポリエチレン、ポリエチレンイミン、ポリイソシアネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリロニトリル、およびポリアリレートから選択することができる。例えば、ポリマーとして、ポリ(カプロラクトン)(PCL)、エチレン酢酸ビニルポリマー(EVA)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(L-乳酸)(PLLA)、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)(PLGA)、ポリ(L-乳酸-co-グリコール酸)(PLLGA)、ポリ(D,L-ラクチド)(PDLA)、ポリ(L-ラクチド)(PLLA)、ポリ(D,L-ラクチド-co-カプロラクトン)、ポリ(D,L-ラクチド-co-カプロラクトン-co-グリコリド)、ポリ(D,L-ラクチド-co-PEO-co-D,L-ラクチド)、ポリ(D,L-ラクチド-co-PPO-co-D,L-ラクチド)、ポリアルキルシアノアクリレート、ポリウレタン、ポリ-L-リシン(PLL)、ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、ポリエチレングリコール、ポリ-L-グルタミン酸、ポリ(ヒドロキシ酸)、ポリ酸無水物、ポリオルトエステル、ポリ(エステル
アミド)、ポリアミド、ポリ(エステルエーテル)、ポリカーボネート、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどのポリアルキレン、ポリ(エチレングリコール)(PEG)などのポリアルキレングリコール、ポリアルキレンオキシド(PEO)、ポリ(エチレンテレフタレート)などのポリアルキレンテレフタレート、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルエーテル、ポリ(酢酸ビニル)などのポリビニルエステル、ポリ(塩化ビニル)(PVC)などのポリハロゲン化ビニル、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリシロキサン、ポリスチレン、ポリウレタン、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、ニトロセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリ(メチル(メタ)アクリレート)(PMMA)、ポリ(エチル(メタ)アクリレート)、ポリ(ブチル(メタ)アクリレート)、ポリ(イソブチル(メタ)アクリレート)、ポリ(ヘキシル(メタ)アクリレート)、ポリ(イソデシル(メタ)アクリレート)、ポリ(ラウリル(メタ)アクリレート)、ポリ(フェニル(メタ)アクリレート)、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(イソプロピルアクリレート)、ポリ(イソブチルアクリレート)、ポリ(オクタデシルアクリレート)およびそれらの共重合体および混合物などのアクリル酸のポリマー、ポリジオキサノンおよびその共重合体、ポリヒドロキシアルカン酸、ポリプロピレンフマレート、ポリオキシメチレン、ポロキサマー、ポロキサミン、ポリ(オルト)エステル、ポリ(酪酸)、ポリ(吉草酸)、ポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)、炭酸トリメチレン、ポリ(N-アクリロイルモルホリン)(PAcM)、ポリ(2-メチル-2-オキサゾリン)(PMOX)、ポリ(2-エチル-2-オキサゾリン)(PEOZ)、およびポリグリセリンを挙げることができる。
【0086】
表面改質剤としては、これだけに限定されないが、アニオン性タンパク質(例えば、ウシ血清アルブミン)、界面活性物質(例えば、ジメチルジオクタデシル-臭化アンモニウムなどのカチオン性界面活性物質)、糖または糖誘導体(例えば、シクロデキストリン)、核酸、ポリマー(例えば、ヘパリン、ポリエチレングリコール、およびポロキサマー)、粘液溶解剤(例えば、アセチルシステイン、ヨモギ、ブロメライン、パパイン、クサギ属(clerodendrum)、ブロムヘキシン、カルボシステイン、エプラジノン、メスナ、アンブロキソール、ソブレロール、ドミオドール、レトステイン、ステプロニン、チオプロニン、ゲルゾリン、チモシンβ4、ドルナーゼアルファ、ネルテネキシン、およびエルドステイン)、ならびにDNA分解酵素(例えば、rhDNase)を挙げることができる。表面改質剤をナノ粒子内および/またはLNPの表面上(例えば、コーティング、吸着、共有結合性の連結、または他のプロセスによって)に配置することができる。
【0087】
LNPは、1つまたは複数の官能化された脂質を含んでもよい。例えば、脂質を、適当な反応条件下でアジドに曝露すると、環化付加反応を受け得るアルキン基で官能化することができる。特に、脂質二重層を、膜透過、細胞認識、またはイメージングを容易にすることに関して有用な1種または複数種の基を使用し、この様式で官能化することができる。LNPの表面に1種または複数種の有用な抗体をコンジュゲートすることもできる。標的化細胞送達、イメージング、および膜透過に有用な官能基およびコンジュゲートは当技術分野で周知である。
【0088】
これらの構成成分に加えて、脂質ナノ粒子は、医薬組成物に有用な任意の物質を含み得る。例えば、脂質ナノ粒子は、例えば、これだけに限定されないが、1種または複数種の溶媒、分散媒、希釈剤、分散助剤、懸濁助剤、表面活性剤、緩衝剤、保存剤、および他の種などの1種または複数種の薬学的に許容できる賦形剤または副成分を含み得る。
【0089】
表面活性剤および/または乳化剤としては、これだけに限定されないが、天然の乳化剤(例えば、アラビアゴム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、コレステロール、およびレシチン)、ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート[TWEEN(登録商標)20]、ポリオキシエチレンソルビタン[TWEEN(登録商標)60]、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート[TWEEN(登録商標)80]、ソルビタンモノパルミタート[SPAN(登録商標)40]、ソルビタンモノステアレート[SPAN(登録商標)60]、ソルビタントリステアレート[SPAN(登録商標)65]、グリセリルモノオレエート、ソルビタンモノオレエート[SPAN(登録商標)80])、ポリオキシエチレンエステル(例えば、ポリオキシエチレンモノステアレート[MYRJ(登録商標)45]、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエトキシル化ヒマシ油、ポリオキシメチレンステアレート、およびSOLUTOL(登録商標))、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例えば、CREMOPHOR(登録商標))、ポリオキシエチレンエーテル、(例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル[BRIJ(登録商標)30])、ポリ(ビニル-ピロリドン)、モノラウリン酸ジエチレングリコール、オレイン酸トリエタノールアミン、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸エチル、オレイン酸、ラウリン酸エチル、ラウリル硫酸ナトリウム、PLURONIC(登録商標)F68、POLOXAMER(登録商標)188、臭化セトリモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、ドキュセートナトリウム、および/またはこれらの組合せを挙げることができる。
【0090】
保存剤の例としては、これだけに限定されないが、抗酸化剤、キレート剤、遊離基スカベンジャー、抗菌性保存剤、抗真菌性保存剤、アルコール性保存剤、酸性保存剤、および/または他の保存剤を挙げることができる。抗酸化剤の例としては、これだけに限定されないが、アルファトコフェロール、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、モノチオグリセロール、メタ重亜硫酸カリウム、プロピオン酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、および/または亜硫酸ナトリウムが挙げられる。キレート剤の例としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、クエン酸一水和物、エデト酸二ナトリウム、エデト酸二カリウム、エデト酸、フマル酸、リンゴ酸、リン酸、エデト酸ナトリウム、酒石酸、および/またはエデト酸三ナトリウムが挙げられる。抗菌性保存剤の例としては、これだけに限定されないが、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブロノポール、セトリミド、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、クロロブタノール、クロロクレゾール、クロロキシレノール、クレゾール、エチルアルコール、グリセリン、ヘキセチジン、イミド尿素、フェノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀、プロピレングリコール、および/またはチメロサールが挙げられる。抗真菌性保存剤の例としては、これだけに限定されないが、ブチルパラベン、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、および/またはソルビン酸が挙げられる。アルコール性保存剤の例としては、これだけに限定されないが、エタノール、ポリエチレングリコール、ベンジルアルコール、フェノール、フェノール化合物、ビスフェノール、クロロブタノール、ヒドロキシ安息香酸、および/またはフェニルエチルアルコールが挙げられる。酸性保存剤の例としては、これだけに限定されないが、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ベータカロテン、クエン酸、酢酸、デヒドロアスコルビン酸、アスコルビン酸、ソルビン酸、および/またはフィチン酸が挙げられる。他の保存剤としては、これだけに限定されないが、トコフェロール、酢酸トコフェロール、デテロキシムメシレート、セトリミド、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、エチレンジアミン、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸カリウム、GLYDANT PLUS(登録商標)、PHENONIP(登録商標)、メチルパラベン、GERMALL(登録商標)115、GERMABEN(登録商標)II、NEOLONE(商標)、KATHON(商標)、および/またはEUXYL(登録商標)が挙げられる。例示的なフリーラジカルスカベンジャーとしては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHTもしくはブチルヒドロキシトルエン)またはデフェロキサミンが挙げられる。
【0091】
緩衝剤の例としては、これだけに限定されないが、クエン酸緩衝液、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、塩化アンモニウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、グルビオン酸カルシウム、グルセプト酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、d-グルコン酸、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、ラクトビオン酸カルシウム、プロパン酸、レブリン酸カルシウム、ペンタン酸、第二リン酸カルシウム、リン酸、第三リン酸カルシウム、リン酸水酸化カルシウム、酢酸カリウム、塩化カリウム、グルコン酸カリウム、カリウム混合物、リン酸二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸カリウムの混合物、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸ナトリウムの混合物、トロメタミン、アミノ-スルホン酸緩衝剤(例えば、HEPES)、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルギン酸、パイロジェンフリー水、等張性生理食塩水、リンゲル液、エチルアルコール、および/またはこれらの組合せが挙げられる。
【0092】
一部の実施形態では、LNPを含む製剤は、塩化物塩などの塩をさらに含み得る。一部の実施形態では、LNPを含む製剤は、二糖などの糖をさらに含み得る。一部の実施形態では、製剤は、糖をさらに含むが、塩化物塩などの塩は含まない。一部の実施形態では、LNPは、ビタミン(例えば、ビタミンAもしくはビタミンE)またはステロールなどの1種または複数種の小さな疎水性分子をさらに含み得る。炭水化物は、単糖(例えば、グルコース)ならびに多糖(例えば、グリコーゲンおよび誘導体およびそのアナログ)を含み得る。
【0093】
LNPの特徴は、その構成成分に依存し得る。例えば、構造脂質としてコレステロールを含むLNPは、異なる構造脂質を含むLNPとは異なる特徴を有し得る。本明細書で使用される場合、「構造脂質」という用語は、ステロールを指し、ステロール部分を含有する脂質も指す。本明細書で定義される「ステロール」は、ステロイドアルコールからなるステロイドのサブグループである。一部の実施形態では、構造脂質はステロイドである。一部の実施形態では、構造脂質はコレステロールである。一部の実施形態では、構造脂質はコレステロールのアナログである。一部の実施形態では、構造脂質はアルファトコフェロールである。
【0094】
一部の実施形態では、LNPの特徴は、その構成成分の絶対量または相対量に依存し得る。例えば、リン脂質を高モル濃度分率で含むLNPは、リン脂質を低モル濃度分率で含むLNPとは異なる特徴を有し得る。特性はまた、脂質ナノ粒子を調製する方法および条件に応じても変動し得る。一般に、リン脂質は、リン脂質部分および1つまたは複数の脂肪酸部分を含む。
【0095】
リン脂質部分は、例えば、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルセリン、ホスファチジン酸、2-リゾホスファチジルコリン、およびスフィンゴミエリンからなる非限定的な群から選択することができる。脂肪酸部分は、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、アルファ-リノレン酸、エルカ酸、フィタン酸、アラキジン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ベヘン酸、ドコサペンタエン酸、およびドコサヘキサエン酸からなる非限定的な群から選択することができる。特定のリン脂質により、膜との融合を容易にすることができる。一部の実施形態では、カチオン性リン脂質を膜(例えば、細胞膜または細胞内膜)の1つまたは複数の負に荷電したリン脂質と相互作用させることができる。リン脂質の膜との融合により、脂質含有組成物(例えば、LNP)の1つまたは複数の要素(例えば、治療剤)を膜透過によって通過させること、例えば、1つまたは複数の要素を標的組織に送達することが可能になる。分枝、酸化、環化、およびアルキンを含めた修飾および置換を有する天然の種を含めた非天然リン脂質種も意図されている。一部の実施形態では、リン脂質を、1種または複数種のアルキン(例えば、1つまたは複数の二重結合が三重結合で置き換えられたアルケニル基)で官能化するまたはそれと架橋させることができる。適当な反応条件下でアルキン基をアジドに曝露させると、銅により触媒される環化付加を受け得る。そのような反応は、膜透過もしくは細胞認識を容易にするためにナノ粒子組成物の脂質二重層を官能化することに関して、またはナノ粒子組成物を標的化もしくはイメージング部分(例えば、色素)などの有用な構成成分とコンジュゲートすることに関して有用であり得る。リン脂質としては、これだけに限定されないが、グリセロリン脂質、例えば、ホスファチジルコリン、ホスファチジル-エタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、およびホスファチジン酸などが挙げられる。リン脂質として、スフィンゴミエリンなどのスフィンゴリン脂質も挙げられる。一部の実施形態では、本発明において有用なまたは潜在的に有用なリン脂質は、DSPCのアナログまたはバリアントである。
【0096】
脂質ナノ粒子は、種々の方法によって特徴付けることができる。例えば、顕微鏡(例えば、透過型電子顕微鏡または走査電子顕微鏡)を使用して、LNPの形態およびサイズ分布を調査することができる。動的光散乱または電位差測定(例えば、電位差滴定)を使用してゼータ電位を測定することができる。動的光散乱を利用して粒子サイズを決定することもできる。複数のLNPの特徴、例えば、粒子サイズ、多分散指数、およびゼータ電位などを測定するためにZetasizer Nano ZS(Malvern Instruments Ltd、Malvern、Worcestershire、UK)などの機器を使用することもできる。
【0097】
LNPの平均サイズは、例えば、動的光散乱(DLS)によって測定して、数十nmから数百nmの間であり得る。例えば、平均サイズは、約40nmから約150nmまで、例えば、約40nm、45nm、50nm、55nm、60nm、65nm、70nm、75nm、80nm、85nm、90nm、95nm、100nm、105nm、110nm、115nm、120nm、125nm、130nm、135nm、140nm、145nm、または150nmであり得る。一部の実施形態では、LNPの平均サイズは、約50nmから約100nmまで、約50nmから約90nmまで、約50nmから約80nmまで、約50nmから約70nmまで、約50nmから約60nmまで、約60nmから約100nmまで、約60nmから約90nmまで、約60nmから約80nmまで、約60nmから約70nmまで、約70nmから約100nmまで、約70nmから約90nmまで、約70nmから約80nmまで、約80nmから約100nmまで、約80nmから約90nmまで、または約90nmから約100nmまでであり得る。ある特定の実施形態では、LNPの平均サイズは、約70nmから約100nmまでであり得る。特定の実施形態では、平均サイズは、約80nmであり得る。他の実施形態では、平均サイズは、約100nmであり得る。
【0098】
LNPは、比較的均一であり得る。多分散指数を使用して、LNPの均一性、例えば、脂質ナノ粒子の粒度分布を示すことができる。多分散指数が小さい(例えば、0.3未満である)ことにより、一般に、粒度分布が狭いことが示される。LNPの多分散指数は、約0から約0.25まで、例えば、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.10、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.20、0.21、0.22、0.23、0.24、または0.25などであり得る。一部の実施形態では、LNPの多分散指数は、約0.10から約0.20までであり得る。
【0099】
LNPのゼータ電位を使用して、組成物の界面動電位を示すことができる。例えば、ゼータ電位により、LNPの表面電荷を記述することができる。高度に荷電した種は体内の細胞、組織、および他の要素と望ましくなく相互作用する恐れがあるので、正または負の比較的低い電荷を有する脂質ナノ粒子が一般に望ましい。一部の実施形態では、LNPのゼータ電位は、約-10mVから約+20mVまで、約-10mVから約+15mVまで、約-10mVから約+10mVまで、約-10mVから約+5mVまで、約-10mVから約0mVまで、約-10mVから約-5mVまで、約-5mVから約+20mVまで、約-5mVから約+15mVまで、約-5mVから約+10mVまで、約-5mVから約+5mVまで、約-5mVから約0mVまで、約0mVから約+20mVまで、約0mVから約+15mVまで、約0mVから約+10mVまで、約0mVから約+5mVまで、約+5mVから約+20mVまで、約+5mVから約+15mVまで、または約+5mVから約+10mVまでであり得る。
【0100】
治療薬および/または予防薬の封入の効率により、調製後にLNPに封入されているまたは他のやり方で付随している治療薬および/または予防薬の量が記述される。封入効率は高い(例えば、100%に近い)ことが望ましい。封入効率は、例えば、脂質ナノ粒子を含有する溶液中の治療薬および/または予防薬の量を脂質ナノ粒子を1種または複数種の有機溶媒または界面活性剤を用いて崩壊させる前と崩壊させた後で比較することによって測定することができる。蛍光を使用して、溶液中の遊離の治療薬および/または予防薬(例えば、RNA)を量することができる。本明細書に記載の脂質ナノ粒子に関しては、治療薬および/または予防薬の封入効率は、少なくとも50%、例えば、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%であり得る。一部の実施形態では、封入効率は、少なくとも80%であり得る。ある特定の実施形態では、封入効率は、少なくとも90%であり得る。
【0101】
LNPは、任意選択により1つまたは複数のコーティングを含んでもよい。例えば、LNPを、コーティングを伴うカプセル剤、フィルム剤、または錠剤に製剤化することができる。本明細書に記載の組成物を含むカプセル剤、フィルム剤、または錠剤は、任意の有用なサイズ、引っ張り強さ、硬度、または密度を有してよい。
【0102】
両親媒性ポリマーおよび脂質ナノ粒子を含む製剤を全体的にまたは部分的に医薬組成物として製剤化することができる。医薬組成物は、1種または複数種の両親媒性ポリマーおよび1種または複数種の脂質ナノ粒子を含み得る。例えば、医薬組成物は、1種または複数種の両親媒性ポリマーならびに1種または複数種の異なる治療薬および/または予防薬を含む1種または複数種の脂質ナノ粒子を含み得る。医薬組成物は、本明細書に記載のものなどの1種または複数種の薬学的に許容できる賦形剤または副成分をさらに含み得る。医薬組成物および薬剤の製剤および製造のための一般的なガイドラインは、例えば、Remington’s The Science and Practice of Pharmacy、第21版、A.R.Gennaro;Lippincott、Williams & Wilkins、Baltimore、MD、2006において入手可能である。いずれかの従来の賦形剤または副成分が本開示の製剤中のLNPの1種もしくは複数種の構成成分または1種もしくは複数種の両親媒性ポリマーと適合しない可能性がある場合を除く限りでは、従来の賦形剤および副成分を任意の医薬組成物に使用することができる。賦形剤または副成分と製剤のLNPの構成成分または両親媒性ポリマーの組合せにより、何らかの望ましくない生物学的影響または他の有害作用がもたらされる恐れがある場合、その賦形剤または副成分は、製剤のLNPの構成成分または両親媒性ポリマーと適合しない可能性がある。
【0103】
一部の実施形態では、1種または複数種の賦形剤または副成分は、LNPを含む医薬組成物の総質量または体積の50%よりも多くを構成し得る。例えば、1種または複数種の賦形剤または副成分は、医薬組成物の50%、60%、70%、80%、90%、またはそれよりも多くを構成し得る。一部の実施形態では、薬学的に許容できる賦形剤は、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%純粋である。一部の実施形態では、賦形剤は、ヒトにおける使用および動物への使用について承認されたものである。一部の実施形態では、賦形剤は、米国食品医薬品局(Food and Drug Administration)によって承認されたものである。一部の実施形態では、賦形剤は、医薬品グレードのものである。一部の実施形態では、賦形剤は、米国薬局方(USP)、欧州薬局方(EP)、英国薬局方、および/または国際的薬局方の基準を満たすものである。本開示による医薬組成物中の1種または複数種の両親媒性ポリマー、1種または複数種の脂質ナノ粒子、1種または複数種の薬学的に許容できる賦形剤、および/または任意の追加的な成分の相対量は、治療を受ける対象の同一性、サイズ、および/または状態に応じて、また、組成物を投与する経路にさらに応じて、変動する。例として、医薬組成物は、0.1%から100%(wt wt)の間の1種または複数種の脂質ナノ粒子を含み得る。別の例として、医薬組成物は、0.1%から15%(wt/vol)の間の1種または複数種の両親媒性ポリマー(例えば、0.5%、1%、2.5%、5%、10%、または12.5%w/v)を含み得る。
【0104】
ある特定の実施形態では、本開示の脂質ナノ粒子および/または医薬組成物を貯蔵および/または輸送のために冷却または凍結させる(例えば、4℃以下の温度、例えば、約-150℃から約0℃の間の温度または約-80℃から約-20℃の間の温度(例えば、約-5℃、-10℃、-15℃、-20℃、-25℃、-30℃、-40℃、-50℃、-60℃、-70℃、-80℃、-90℃、-130℃または-150℃で貯蔵する)。例えば、1種または複数種の両親媒性ポリマーおよび1種または複数種の脂質ナノ粒子を含む医薬組成物は、貯蔵および/または輸送のために、例えば、約-20℃、-30℃、-40℃、-50℃、-60℃、-70℃、または-80℃に冷却される溶液または固体(例えば、凍結乾燥によるもの)である。ある特定の実施形態では、本開示は、有効量の両親媒性ポリマーを添加することによって、ならびに脂質ナノ粒子および/またはその医薬組成物を4℃以下の温度、例えば、約-150℃から約0℃の間の温度または約-80℃から約-20℃の間の温度、例えば、約-5℃、-10℃、-15℃、-20℃、-25℃、-30℃、-40℃、-50℃、-60℃、-70℃、-80℃、-90℃、-130℃または-150℃)で貯蔵することによって、脂質ナノ粒子の安定性を増大させる方法にも関する。
【0105】
本開示のLNP、LNP懸濁液、凍結乾燥LNP組成物、またはLNP製剤の化学的特性を種々の方法によって特徴付けることができる。一部の実施形態では、電気泳動(例えば、キャピラリー電気泳動)またはクロマトグラフィー(例えば、逆相液体クロマトグラフィー)を使用してmRNA完全性を調査することができる。
【0106】
一部の実施形態では、本開示のLNP、LNP懸濁液、凍結乾燥LNP組成物、またはLNP製剤のLNP完全性は、約20%以上、約25%以上、約30%以上、約35%以上、約40%以上、約45%以上、約50%以上、約55%以上、約60%以上、約65%以上、約70%以上、約75%以上、約80%以上、約85%以上、約90%以上、約95%以上、約96%以上、約97%以上、約98%以上、または約99%以上である。
【0107】
一部の実施形態では、本開示のLNP、LNP懸濁液、凍結乾燥LNP組成物、またはLNP製剤のLNP完全性は、同等の方法によって作製されたLNP、LNP懸濁液、凍結乾燥LNP組成物、またはLNP製剤のLNP完全性よりも、約5%以上、約10%以上、約15%以上、約20%以上、約30%以上、約40%以上、約50%以上、約60%以上、約70%以上、約80%以上、約90%以上、約1倍以上、約2倍以上、約3倍以上、約4倍以上、約5倍以上、約10倍以上、約20倍以上、約30倍以上、約40倍以上、約50倍以上、約100倍以上、約200倍以上、約300倍以上、約400倍以上、約500倍以上、約1000倍以上、約2000倍以上、約3000倍以上、約4000倍以上、約5000倍以上、または約10000倍以上高い。
【0108】
一部の実施形態では、本開示のLNP、LNP懸濁液、凍結乾燥LNP組成物、またはLNP製剤のTxo%は、約12カ月以上、約15カ月以上、約18カ月以上、約21カ月以上、約24カ月以上、約27カ月以上、約30カ月以上、約33カ月以上、約36カ月以上、約48カ月以上、約60カ月以上、約72カ月以上、約84カ月以上、約96カ月以上、約108カ月以上、約120カ月以上である。
【0109】
一部の実施形態では、本開示のLNP、LNP懸濁液、凍結乾燥LNP組成物、またはLNP製剤のTxo%は、同等の方法によって作製されたLNP、LNP懸濁液、凍結乾燥LNP組成物、またはLNP製剤のTxo%よりも、約5%以上、約10%以上、約15%以上、約20%以上、約30%以上、約40%以上、約50%以上、約60%以上、約70%以上、約80%以上、約90%以上、約1倍以上、約2倍以上、約3倍以上、約4倍以上、約5倍以上長い。
【0110】
一部の実施形態では、本開示のLNP、LNP懸濁液、凍結乾燥LNP組成物、またはLNP製剤のT1/2は、約12カ月以上、約15カ月以上、約18カ月以上、約21カ月以上、約24カ月以上、約27カ月以上、約30カ月以上、約33カ月以上、約36カ月以上、約48カ月以上、約60カ月以上、約72カ月以上、約84カ月以上、約96カ月以上、約108カ月以上、約120カ月以上である。
【0111】
一部の実施形態では、本開示のLNP、LNP懸濁液、凍結乾燥LNP組成物、またはLNP製剤のT1/2は、同等の方法によって作製されたLNP、LNP懸濁液、凍結乾燥LNP組成物、またはLNP製剤のT1/2よりも、約5%以上、約10%以上、約15%以上、約20%以上、約30%以上、約40%以上、約50%以上、約60%以上、約70%以上、約80%以上、約90%以上、約1倍以上、約2倍以上、約3倍以上、約4倍以上、約5倍以上長い。
【0112】
本明細書で使用される場合、「Tx」は、LNP、LNP懸濁液、凍結乾燥LNP組成物、またはLNP製剤の核酸完全性(例えば、mRNA完全性)がLNP、LNP懸濁液、凍結乾燥LNP組成物、またはLNP製剤の調製のために使用された核酸(例えば、mRNA)の最初の完全性の約Xまで低下するまでに続いた時間の量を指す。例えば、「T8o%」は、LNP、LNP懸濁液、凍結乾燥LNP組成物、またはLNP製剤の核酸完全性(例えば、mRNA完全性)がLNP、LNP懸濁液、凍結乾燥LNP組成物、またはLNP製剤の調製のために使用された核酸(例えば、mRNA)の最初の完全性の約80%に低下するまでに続いた時間の量を指す。別の例として、「T1/2」は、LNP、LNP懸濁液、凍結乾燥LNP組成物、またはLNP製剤の核酸完全性(例えば、mRNA完全性)がLNP、LNP懸濁液、凍結乾燥LNP組成物、またはLNP製剤の調製のために使用された核酸(例えば、mRNA)の最初の完全性の約1/2に低下するまでに続いた時間の量を指す。
【0113】
脂質ナノ粒子は、脂質構成成分ならびに核酸などの治療薬および/または予防薬などの1種または複数種の追加的な構成成分を含み得る。LNPを1つまたは複数の特定の適用または標的のために設計することができる。LNPの要素を、特定の適用もしくは標的に基づいて、および/または1つもしくは複数の要素の有効性、毒性、費用、使いやすさ、利用可能性、もしくは他の特色に基づいて選択することができる。同様に、例えば、要素の特定の組合せの有効性および毒性に応じて、特定の適用または標的のために、LNPの特定の製剤を選択することができる。LNP製剤の有効性および忍容性は、製剤の安定性の影響を受ける可能性がある。
【0114】
LNPの脂質構成成分は、例えば、カチオン性脂質、リン脂質(例えば、不飽和脂質、例えば、DOPEまたはDSPCなど)、PEG脂質、および構造脂質を含み得る。脂質構成成分の要素を特定の分率で提供することができる。
【0115】
一部の実施形態では、LNPは、リン脂質、PEG脂質、構造脂質、またはこれらの任意の組合せをさらに含む。本開示の方法に適したリン脂質、PEG脂質、および構造脂質は本明細書にさらに開示される。
【0116】
一部の実施形態では、LNPの脂質構成成分は、カチオン性脂質、リン脂質、PEG脂質、および構造脂質を含む。ある特定の実施形態では、脂質ナノ粒子の脂質構成成分は、mol%の総計が100%を超えないという条件で、約30mol%~約60mol%のカチオン性脂質、約0mol%~約30mol%のリン脂質、約18.5mol%~約48.5mol%の構造脂質、および約0mol%~約10mol%のPEG脂質を含む。一部の実施形態では、脂質ナノ粒子の脂質構成成分は、約35mol%~約55mol%のカチオン性脂質の化合物、約5mol%~約25mol%のリン脂質、約30mol%~約40mol%の構造脂質、および約0mol%~約10mol%のPEG脂質を含む。特定の実施形態では、脂質構成成分は、約50mol%の前記カチオン性脂質、約10mol%のリン脂質、約38.5mol%の構造脂質、および約1.5mol%のPEG脂質を含む。別の特定の実施形態では、脂質構成成分は、約40mol%の前記カチオン性脂質、約20mol%のリン脂質、約38.5mol%の構造脂質、および約1.5mol%のPEG脂質を含む。一部の実施形態では、リン脂質は、DOPEまたはDSPCであってよい。他の実施形態では、PEG脂質はPEG-DMGであってよく、かつ/または構造脂質はコレステロールであってよい。
【0117】
LNP中の治療薬および/または予防薬の量は、脂質ナノ粒子のサイズ、組成物、所望の標的および/もしくは適用、または他の特性、ならびに治療薬および/または予防薬の特性に依存し得る。例えば、LNPに有用なRNAの量は、RNAのサイズ、配列、および他の特徴に依存し得る。LNP中の治療薬および/または予防薬(すなわち、医薬物質)および他の要素(例えば、脂質)の相対量も変動し得る。一部の実施形態では、LNP中の脂質構成成分と治療薬および/または予防薬のwt/wt比は、約5:1から約60:1まで、例えば、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、25:1、30:1、35:1、40:1、45:1、50:1、および60:1であり得る。例えば、脂質構成成分と治療薬および/または予防薬のwt/wt比は、約10:1から約40:1までであり得る。ある特定の実施形態では、wt/wt比は、約20:1である。LNP中の治療薬および/または予防薬の量は、例えば、吸収分光分析(例えば、紫外線可視分光分析)を使用して測定することができる。
【0118】
一部の実施形態では、イオン化脂質は、式(IL-1)の化合物:
またはそれらのN-オキシド、またはその塩もしくは異性体であり、式中、
R1は、C5~30アルキル、C5~20アルケニル、-R*YR”、-YR”、および-R”M’R’からなる群から選択され、R2およびR3は、独立に、H、C1~14アルキル、C2~14アルケニル、-R*YR”、-YR”、および-R*OR”、またはR2およびR3からなる群から選択され、それらが付着している原子と一緒になって、複素環または炭素環式化合物を形成しており、R4は、水素、C3~6炭素環式化合物、-(CH2)nQ、-(CH2)nCHQR、-CHQR、-CQ(R)2、および非置換C1~6アルキルからなる群から選択され、ここで、Qは、炭素環式化合物、複素環、-OR、-0(CH2)nN(R)2、-C(0)0R、-0C(0)R、-CX3、-CX2H、-CXH2、-CN、-N(R)2、-C(0)N(R)2、-N(R)C(0)R、-N(R)S(0)2R、-N(R)C(0)N(R)2、-N(R)C(S)N(R)2、-N(R)Re、N(R)S(0)2R8、-0(CH2)nOR、-N(R)C(=NR9)N(R)2、-N(R)C(=CHR9)N(R)2、-0C(0)N(R)2J-N(R)C(0)0R、-N(0R)C(0)R、-N(0R)S(0)2R、-N(0R)C(0)0R、-N(0R)C(0)N(R)2、-N(OR)C(S)N(R)2、-N(OR)C(=NR9)N(R)2、-N(OR)C(=CHR9)N(R)2、-C(=NR9)N(R)2、-C(=NR9)R、-C(0)N(R)0R、および-C(R)N(R)2C(0)0Rから選択され、各nは、独立に、1、2、3、4、および5から選択され、各R5は、独立に、C1~3アルキル、C2~3アルケニル、およびHからなる群から選択され、各R6は、独立に、C1~3アルキル、C2~3アルケニル、およびHからなる群から選択され、MおよびM’は、独立に、-C(0)0-、-OC(O)-、-0C(0)-M”-C(0)0-、-C(0)N(R’)-、-N(R’)C(0)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(S)S-、-SC(S)-、-CH(OH)-、-P(0)(0R’)0-、-S(0)2-、-S-S-、アリール基、およびヘテロアリール基から選択され、ここで、M”は、結合、C1~13アルキルまたはC2~13アルケニルであり、R7は、C1~3アルキル、C2~3アルケニル、およびHからなる群から選択され、R8は、C3~6炭素環式化合物および複素環からなる群から選択され、R9は、H、CN、NO2、C1~6アルキル、-OR、-S(0)2R、-S(0)2N(R)2、C2~6アルケニル、C3~6炭素環式化合物および複素環からなる群から選択され、各Rは、独立に、C1~3アルキル、C2~3アルケニル、およびHからなる群から選択され、各R’は、独立に、C1~12アルキル、C2~12アルケニル、-R*YR”、-YR”、およびHからなる群から選択され、各R”は、独立に、C3~15アルキルおよびC3~15アルケニルからなる群から選択され、各R*は、独立に、C1~12アルキルおよびC2~12アルケニルからなる群から選択され、各Yは、独立に、C3~6炭素環式化合物;各Xは、独立に、F、Cl、Br、およびIからなる群から選択され、mは、5、6、7、8、9、10、11、12、および13から選択され、R4が-(CH2)nQ、-(CH2)nCHQR、-CHQR、または-CQ(R)2の場合、(i)nが1、2、3、4もしくは5の場合にはQは-N(R)2ではない、または(ii)nが1もしくは2の場合にはQは5、6、もしくは7員ヘテロシクロアルキルではない。
【0119】
脂質ナノ粒子組成物の脂質構成成分は、PEGまたはPEG修飾脂質などのポリエチレングリコールを含む1つまたは複数の分子を含み得る。そのような種は、その代わりに、PEG化脂質とも称され得る。PEG脂質は、ポリエチレングリコールで修飾された脂質である。PEG脂質は、PEG修飾ホスファチジルエタノールアミン、PEG修飾ホスファチジン酸、PEG修飾セラミド、PEG修飾ジアルキルアミン、PEG修飾ジアシルグリセロール、PEG修飾ジアルキルグリセロール、およびそれらの混合物を含む非限定的な群から選択することができる。一部の実施形態では、PEG脂質は、PEG-c-DOMG、PEG-DMG、PEG-DLPE、PEG-DMPE、PEG-DPPC、またはPEG-DSPE脂質であり得る。本明細書で使用される場合、「PEG脂質」という用語は、ポリエチレングリコール(PEG)修飾脂質を指す。PEG脂質の非限定的な例としては、PEG修飾ホスファチジルエタノールアミンおよびホスファチジン酸、PEG-セラミドコンジュゲート(例えば、PEG-CerC14またはPEG-CerC20)、PEG修飾ジアルキルアミンおよびPEG修飾1,2-ジアシルオキシプロパン-3-アミンが挙げられる。そのような脂質は、PEG化脂質とも称される。一部の実施形態では、PEG脂質は、PEG-c-DOMG、PEG-DMG、PEG-DLPE、PEG-DMPE、PEG-DPPC、またはPEG-DSPE脂質であり得る。一部の実施形態では、PEG修飾脂質は、PEG DMGの修飾形態である。一部の実施形態では、PEG修飾脂質は、式(IV):
【0120】
【化1】
(式中、R8およびR9は、それぞれ独立に、10個から30個までの炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和アルキル鎖であり、ここで、アルキル鎖は、1つまたは複数のエステル結合によって中断されていてもよく、wは、30から60までにわたる平均値を有する)
を有するPEG脂質である。
【0121】
ワクチンBNT162b2
BNT162b2(Comirnaty(登録商標);INN:トジナメラン)ワクチンに関するBioNTechの技術は、SARS-CoV-2ウイルスの表面に見いだされる全長スパイクタンパク質をコードするヌクレオシド修飾mRNA(modRNA)を使用し、それにより、当該ウイルスタンパク質による感染に対する免疫応答を誘発することに基づくものである(Vogel ABら、(2021年4月)。Nature.592(7853):283-289)。
図2の説明を参照されたい。
【0122】
【0123】
BioNTechによって開発された同様の技術を用いた3種の他のワクチンの中で、ワクチン候補BNT162b2が最も有望なものとして選択された(Mulligan MJら、(2020年10月)。Nature.586(7830):589~593、Vogel ABら(2021年4月)。Nature.592(7853):283~289)。BNT162b2を選択する前に、BioNTechおよびPfizerによりドイツおよび米国においてBNT162b1に関する第I相試験が実施され、同時にFosunにより中国における第I相試験が実施された。これらの第I相試験では、BNT162b2が他の3種のBioNTech候補よりも良好な安全性プロファイルを有することが示された(Gaebler C、Nussenzweig MC(2020年10月).Nature.586(7830):501~2)。
【0124】
BNT162b2の配列
当該ワクチンのmodRNA配列は、4,284ヌクレオチド長である(
図2参照)。当該配列は、5プライムキャップ;ヒトアルファグロビンの配列に由来する5プライム非翻訳領域;シグナルペプチド(塩基55~102)、およびスパイクが融合前の安定化されたコンフォメーションをとるようにし、それにより膜融合能を低下させ、中和抗体の発現および刺激を増大させる2つのプロリン置換(K986PおよびV987P、「2P」と示される)(Walsh EEら、(2020年10月)。The New England Journal of Medicine.383(25):2439;Pallesen Jら、(2017年8月).PNAS.114(35):E7348~E7357);SARS-CoV-2の全長スパイクタンパク質のコドン最適化された遺伝子(塩基103~3879);続いて、タンパク質発現およびmRNA安定性を増大させるために選択されたAESとmtRNR1とから組み合わされた3プライム非翻訳領域(塩基3880~4174)、ならびに30個のアデノシン残基、10ヌクレオチドのリンカー配列、およびさらに70個の他のアデノシン残基を含むポリ(A)尾部(塩基4175~4284)、からなる。当該配列は、ウリジン残基を含有しない。ウリジン残基は1-メチル-3’-シュードウリジリルによって置き換えられている。スパイクタンパク質における2Pプロリン置換は、元々はMERSワクチンのために、National Institute of Allergy and Infectious Diseases’ Vaccine Research Center、Scripps ResearchおよびJason McLellan’s team(University of Texas at Austin、previously at Dartmouth College)の研究者によって開発されたものである。
【0125】
BNT162b2の組成
当該ワクチンは、mRNA分子に加えて、以下の不活性成分(賦形剤)を含有する:
・ ALC-0315、((4-ヒドロキシブチル)アザンジイル)ビス(ヘキサン-6,1-ジイル)ビス(2-ヘキシルデカン酸エステル)
・ ALC-0159、2-[(ポリエチレングリコール)-2000]-N,N-ジテトラデシルアセトアミド
・ 1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DSPC)
・ コレステロール
・ リン酸水素ナトリウム二水和物
・ リン酸二水素カリウム
・ 塩化カリウム
・ 塩化ナトリウム
・ ショ糖
・ 注射用水
【0126】
これらのうちの最初の4つは脂質である。脂質は、mRNAを封入して脂質ナノ粒子の形態にして、RNA/脂質ナノ粒子の細胞への進入および安定性を補助することを意図したものである。
【0127】
ALC-0315は、当該薬剤製品の機能的なカチオン性脂質構成成分である。ALC-0315は、脂質ナノ粒子に組み入れた場合、RNAのエンドソーム放出の調節に役立つ。薬剤製品製造の間、特定のpHのALC-0315を含有するエタノール脂質混合物にRNA水溶液を導入することにより、負に荷電したRNA骨格と正に荷電したカチオン性脂質との間の静電相互作用が導かれる。この静電相互作用によりRNA原薬が封入され、その結果、粒子が形成される。
【0128】
PEG化脂質ALC-0159の主な機能は、貯蔵安定性に寄与し、タンパク質との非特異的結合を低減する、脂質ナノ粒子を立体的に安定化する親水性の保護層を形成することである。
【0129】
コレステロールは、脂質ナノ粒子の二重層構造を支持するため、および脂質ナノ粒子構造内の脂質構成成分の移動性をもたらすために、製剤に含められる。
【0130】
DSPCは、安定な二重層形成構造をもたらしてカチオン性脂質の非二重層傾向を埋め合わせることが意図されたリン脂質構成成分である。DSPCは、薬局方外賦形剤であり、十分な規格書が提示されている。
脂質とmodRNAが一緒になってナノ粒子を形成している。
【0131】
一部の実施形態では、BNT162b2組成物は、SARS-CoV-2の変異型ウイルススパイク(S)糖タンパク質をコードするヌクレオシド修飾メッセンジャーRNA30mcgを含む。各用量用のBNT162b2組成物は、modRNAおよび以下のものを含む:脂質((4-ヒドロキシブチル)アザンジイル)ビス(ヘキサン-6,1-ジイル)ビス(2-ヘキシルデカン酸エステル)0.43mg、2[(ポリエチレングリコール)-2000]-N,N-ジテトラデシルアセトアミド0.05mg、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン0.09mg、およびコレステロール0.2mg)、塩化カリウム0.01mg、リン酸二水素カリウム0.01mg、塩化ナトリウム0.36mg、リン酸水素ナトリウム二水和物0.07mg、およびショ糖6mg。希釈剤(0.9%塩化ナトリウム注射液)により用量当たりさらに2.16mgの塩化ナトリウムがもたらされる。BNT162b2ワクチンの用量レジメンは、それぞれ0.3mLの用量を2回、3週間の間隔をおいて行うことを含むものであり得る。BNT162b2ワクチンは、配列番号1に記載の配列を有するmRNAを含む(
図2参照)。
【0132】
当該ワクチンは、「筋肉内注射用の白色~微黄白色、滅菌、保存剤を含まない、凍結懸濁液」として複数回用量用バイアルに入った状態で供給される。当該ワクチンは、投与前に室温まで解凍し、通常の生理食塩水で希釈しなければならない。
【0133】
ワクチンmRNA-1273
mRNA-1273ワクチン組成物は、SARS-CoV-2の変異型ウイルススパイク(S)糖タンパク質をコードするヌクレオシド修飾メッセンジャーRNA100mcgを含む(
図3参照)。当該ワクチン組成物は、以下のものを含む:脂質(SM-102、1,2-ジミリストイル-rac-グリセロ-3-メトキシポリエチレングリコール-2000[PEG2000-DMG]、コレステロール、および1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン[DSPC])、トロメタミン、トロメタミン塩酸塩、酢酸、酢酸ナトリウム、ならびにショ糖。mRNA-1273ワクチンの用量レジメンは、それぞれ0.5mLの用量を2回、1カ月の間隔をおいて行うものであり得る。mRNA-1273ワクチンは、
図3に示されている配列(配列番号2)を有するmRNAを含む。別の実施形態では、当該mRNAワクチンは、
図3に示されている配列(配列番号2)を含み、ここで、「スパイクコード領域」がバリアント株のSARS-CoV-2 S抗原に置き換えられている。
【0134】
2.細菌に対する免疫原性組成物
2.1 本発明の肺炎球菌コンジュゲートワクチン(PCV)
本発明の肺炎球菌コンジュゲートワクチンは、一般には、コンジュゲートした莢膜糖(capsular saccharide)抗原(本明細書ではコンジュゲートまたは糖コンジュゲートとも名付けられる)を含み、ここで、糖は、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型に由来する。
【0135】
好ましい実施形態では、糖は、タンパク質担体の異なる分子と個々にコンジュゲートしている(タンパク質担体の各分子には1つの型の糖のみがコンジュゲートしている)。前記実施形態では、莢膜糖は、担体タンパク質に個別にコンジュゲートしていると言える。
【0136】
肺炎球菌(S.pneumoniae)莢膜糖の数は、13種の血清型(または「v」、価)から20種の異なる血清型(25v)までにわたり得ることが好ましい。一実施形態では、12種の異なる血清型が存在する。一実施形態では、13種の異なる血清型が存在する。一実施形態では、14種の異なる血清型が存在する。一実施形態では、15種の異なる血清型が存在する。一実施形態では、16種の異なる血清型が存在する。ある実施形態では、17種の異なる血清型が存在する。ある実施形態では、18種の異なる血清型が存在する。ある実施形態では、19種の異なる血清型が存在する。ある実施形態では、20種の異なる血清型が存在する。本明細書において下記の通り、莢膜糖を担体タンパク質とコンジュゲートして糖コンジュゲートを形成する。
【0137】
組成物中の2種またはそれよりも多くの糖に対するタンパク質担体が同じものである場合、糖はタンパク質担体の同じ分子とコンジュゲートしていてよい(担体分子に2種またはそれよりも多くの異なる糖がコンジュゲートしている)[例えば、WO2004/083251を参照されたい]。
【0138】
しかし、好ましい実施形態では、糖はタンパク質担体の異なる分子と個々にコンジュゲートしている(タンパク質担体の各分子には1つの型の糖のみがコンジュゲートしている)。前記実施形態では、莢膜糖は、担体タンパク質に個別にコンジュゲートしていると言える。
【0139】
本発明の目的に関して、「糖コンジュゲート」または「コンジュゲート」という用語は、担体タンパク質と共有結合により連結した莢膜糖を指す。一実施形態では、莢膜糖は、担体タンパク質と直接連結している。第2の実施形態では、細菌糖は、スペーサー/リンカーを通じてタンパク質と連結している。
【0140】
2.1.1 本発明の莢膜糖
「糖」という用語は、本明細書全体を通して、多糖またはオリゴ糖を示し得、どちらも包含する。高頻度の実施形態では、糖は、多糖、特に、肺炎球菌(S.pneumoniae)莢膜多糖(capsular polysaccharide)である。
【0141】
莢膜多糖は、当業者に公知の標準的な技法によって調製される。
【0142】
一般には、莢膜多糖は、各肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型を培地中(例えば、ダイズベースの培地中)で成長させることによって産生され、次いで、細菌培養物から多糖が調製される。本発明の糖コンジュゲートに使用されるそれぞれの多糖を作出するために使用される肺炎球菌(S.pneumoniae)の細菌株は、樹立された微生物株保存機関(例えば、Streptococcal Reference Laboratory(Centers for Disease Control and Prevention、Atlanta、GA))または臨床検体から入手することができる。
【0143】
生物体(各肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型)の集団は、多くの場合、播種バイアルから播種ボトルにスケールアップされ、生産規模の発酵体積に達するまで体積を増大させながら1つまたは複数の播種発酵槽で継代される。成長サイクルの最後に、細胞を溶解させ、次いで、溶解物ブロスを下流の(精製)処理のために回収する(例えば、WO2006/110381、WO2008/118752、および米国特許出願公開第2006/0228380号、同第2006/0228381号、同第2008/0102498号および同第2008/0286838号を参照されたい)。
【0144】
個々の多糖は、一般には、遠心分離、沈殿、限外濾過、および/またはカラムクロマトグラフィーによって精製される(例えば、WO2006/110352およびWO2008/118752を参照されたい)。
【0145】
精製された多糖を活性化(例えば、化学的に活性化)して、反応することが可能になるようにし(例えば、担体タンパク質と直接またはeTECスペーサーなどのリンカーを介してのいずれかで)、次いで、本明細書においてさらに記載されている通り、本発明の糖コンジュゲートに組み入れ得る。
【0146】
肺炎球菌(S.pneumoniae)莢膜多糖は、最大8つの糖残基を含有し得る反復オリゴ糖単位を含む。
【0147】
ある実施形態では、本発明の莢膜糖は、1オリゴ糖単位、または反復オリゴ糖単位のネイティブな長さの糖鎖よりも短いものであり得る。ある実施形態では、本発明の莢膜糖は、関連性のある血清型の1反復オリゴ糖単位である。
【0148】
ある実施形態では、本発明の莢膜糖は、オリゴ糖であってよい。オリゴ糖は、少数の反復単位(一般には5~15反復単位)を有し、一般には、合成によって、または多糖の加水分解によって導き出される。
【0149】
ある実施形態では、本発明の莢膜糖の全ておよび本発明の免疫原性組成物中の全てが多糖である。高分子量の莢膜多糖は、抗原性表面に存在するエピトープに起因して、ある特定の抗体免疫応答を誘導することができる。本発明のコンジュゲート、組成物および方法における使用のために、高分子量の莢膜多糖の単離および精製が意図されていることが好ましい。
【0150】
一部の実施形態では、コンジュゲーション前に精製された多糖の分子量は、5kDaから4,000kDaの間である。他のそのような実施形態では、多糖の分子量は、10kDaから4,000kDaの間;50kDaから4,000kDaの間;50kDaから3,000kDaの間;50kDaから2,000kDaの間;50kDaから1,500kDaの間;50kDaから1,000kDaの間;50kDaから750kDaの間;50kDaから500kDaの間;100kDaから4,000kDaの間;100kDaから3,000kDaの間;100kDaから2,000kDaの間;100kDaから1,500kDaの間;100kDaから1,000kDaの間;100kDaから750kDaの間;100kDaから500kDaの間;100kDaから400kDaの間;200kDaから4,000kDaの間;200kDaから3,000kDaの間;200kDaから2,000kDaの間;200kDaから1,500kDaの間;200kDaから1,000kDaの間である。ある実施形態では、莢膜多糖の分子量は、200kDaから500kDaの間である。別の実施形態では、莢膜多糖の分子量は、100kDaから500kDaの間である。
【0151】
さらなる実施形態では、莢膜多糖の分子量は、5kDaから100kDaの間;7kDaから100kDaの間;10kDaから100kDaの間;20kDaから100kDaの間;30kDaから100kDaの間;40kDaから100kDaの間;50kDaから100kDaの間;60kDaから100kDaの間;70kDaから100kDaの間;80kDaから100kDaの間;90kDaから100kDaの間;5kDaから90KDaの間;5kDaから80kDaの間;5kDaから70kDaの間;5kDaから60kDaの間;5kDaから50kDaの間;5kDaから40kDaの間;5kDaから30kDaの間;5kDaから20kDaの間または5kDaから10kDaの間である。上記の範囲のいずれかに入る任意の正の整数が本開示の実施形態として意図されている。
【0152】
多糖は、通常の精製手順の間にサイズがわずかに減少し得る。さらに、多糖をコンジュゲーション前にサイズ分類技法に供することができる。機械的または化学的サイズ分類を使用することができる。
【0153】
好ましい実施形態では、精製された多糖は、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型11、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23Fまたは33F由来の莢膜多糖であり、ここで、莢膜多糖の分子量は、本明細書において上記の分子量範囲のうちの1つに入る。
【0154】
本明細書で使用される場合、多糖または担体タンパク質-多糖コンジュゲートの「分子量」という用語は、重量平均分子量(Mw)を指し、これは、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)とマルチアングルレーザー光散乱検出器(MALLS)の組合せによって測定することができる。
【0155】
一部の実施形態では、本発明の血清型9V、18C、11A、15B、22Fおよび/または33F由来の肺炎球菌の糖をO-アセチル化する。一部の実施形態では、本発明の血清型9V、11A、15B、22Fおよび/または33F由来の肺炎球菌の糖をO-アセチル化する。好ましい実施形態では、本発明の血清型18Cの肺炎球菌の糖を脱O-アセチル化する。例えば、血清型18Cの糖を、酸性処理によって脱O-アセチル化することができる(例えば、WO2006/110381、37頁1~4行目を参照されたい)。
【0156】
多糖のO-アセチル化の程度は、当技術分野で公知の任意の方法によって、例えば、プロトンNMRによって決定することができる(例えば、Lemercinierら、(1996)Carbohydrate Research 296:83~96、Jonesら、(2002)J.Pharmaceutical and Biomedical Analysis 30:1233~1247、WO2005/033148およびWO00/56357を参照されたい)。別の一般に使用される方法は、Hestrin(1949)J.Biol.Chem.180:249~261に記載されている。O-アセチル基の存在をイオン-HPLC分析によって決定することが好ましい。
【0157】
本明細書に記載の精製された多糖を化学的に活性化し、これにより糖は、担体タンパク質と反応することが可能になる。下記の通り、これらの肺炎球菌コンジュゲートを別々のプロセスによって調製し、単一用量製剤に製剤化する。
【0158】
2.1.2 本発明の糖コンジュゲート
精製された糖を化学的に活性化し、これにより糖は、担体タンパク質と直接またはリンカーを介してのいずれかで反応することが可能になる(すなわち、活性化された糖)。活性化したら、各莢膜糖を担体タンパク質と別々にコンジュゲートして、糖コンジュゲートを形成する。一実施形態では、各莢膜糖を同じ担体タンパク質にコンジュゲートする。糖の化学的活性化およびその後の担体タンパク質とのコンジュゲーションを活性化およびコンジュゲーション方法によって実現することができる。
【0159】
肺炎球菌(S.pneumoniae)由来の莢膜多糖を上に開示されている通り調製することができる。
【0160】
好ましい実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)の血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33F由来の莢膜多糖の少なくとも1つを担体タンパク質と還元的アミノ化によってコンジュゲートする(例えば、米国特許出願公開第2006/0228380号、同第2007/184072号、同第2007/0231340号および同第2007/0184071号、WO2006/110381、WO2008/079653、およびWO2008/143709に記載されている)。
【0161】
本発明の好ましい実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型15B由来の糖コンジュゲートを還元的アミノ化によって調製する。
【0162】
本発明の好ましい実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型18C由来の糖コンジュゲートを還元的アミノ化によって調製する。本発明の好ましい実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型6A由来の糖コンジュゲートを還元的アミノ化によって調製する。本発明の好ましい実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型19A由来の糖コンジュゲートを還元的アミノ化によって調製する。本発明の好ましい実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)由来の糖コンジュゲート血清型3を還元的アミノ化によって調製する。本発明の好ましい実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型6Aおよび19A由来の糖コンジュゲートを還元的アミノ化によって調製する。本発明の好ましい実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型3、6Aおよび19A由来の糖コンジュゲートを還元的アミノ化によって調製する。本発明の好ましい実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型33F由来の糖コンジュゲートをeTECコンジュゲーションを使用して調製する。本発明の好ましい実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型12F由来の糖コンジュゲートをTEMPO/NCS-還元的アミノ化を使用して調製する。
【0163】
本発明のある実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23F由来の糖コンジュゲートを還元的アミノ化によって調製する。
【0164】
本発明のある実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型1、4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23F由来の糖コンジュゲートを還元的アミノ化によって調製する。本発明の好ましい実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、9V、14、18C、19Fおよび23F由来の糖コンジュゲートを還元的アミノ化によって調製する。本発明のある実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19Fおよび23F由来の糖コンジュゲートを還元的アミノ化によって調製する。本発明のある実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)1、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19Fおよび23F由来の糖コンジュゲート血清型を還元的アミノ化によって調製する。本発明のある実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)1、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23F由来の糖コンジュゲート血清型を還元的アミノ化によって調製する。本発明の好ましい実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23F由来の糖コンジュゲートを全て還元的アミノ化によって調製する。本発明の好ましい実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、9V、14および18C由来の糖コンジュゲートを水性溶媒中で還元的アミノ化によって調製し、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型6A、6B、7F、19A、19Fおよび23F由来の糖コンジュゲートを非プロトン性溶媒中で還元的アミノ化によって調製する。本発明の好ましい実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、9V、14および18C由来の糖コンジュゲートを水性溶媒中で還元的アミノ化によって調製し、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型6A、6B、7F、19A、19Fおよび23F由来の糖コンジュゲートをDMSO中で還元的アミノ化によって調製する。別の好ましい実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22Fおよび23F由来の糖コンジュゲートを全て還元的アミノ化によって調製する。
【0165】
別の実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23Fおよび33F由来の糖コンジュゲートを全て還元的アミノ化によって調製する。別の実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33F由来の糖コンジュゲートを全て還元的アミノ化によって調製する。好ましい実施形態では、ワクチンが15価ワクチンの場合、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、9V、14、22Fおよび33F由来の糖コンジュゲートを水性溶媒中で還元的アミノ化によって調製し、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型6A、6B、7F、18C、19A、19Fおよび23F由来の糖コンジュゲートを非プロトン性溶媒中で還元的アミノ化によって調製する。好ましい実施形態では、ワクチンが15価ワクチンの場合、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、9V、14、22Fおよび33F由来の糖コンジュゲートを水性溶媒中で還元的アミノ化によって調製し、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型6A、6B、7F、18C、19A、19Fおよび23F由来の糖コンジュゲートをDMSO中で還元的アミノ化によって調製する。
【0166】
別の実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、15B、18C、19A、19F、22Fおよび23F由来の糖コンジュゲートを全て還元的アミノ化によって調製する。
【0167】
別の好ましい実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F由来の糖コンジュゲートおよび23Fを全て還元的アミノ化によって調製する。
【0168】
別の実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6A、6B、7F、9V、12F、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33F由来の糖コンジュゲートを全て還元的アミノ化によって調製する。
【0169】
別の好ましい実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、14、15B、18C、19A、19F、22Fおよび23F由来の糖コンジュゲートを全て還元的アミノ化によって調製する。
【0170】
別の実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33F由来の糖コンジュゲートを全て還元的アミノ化によって調製する。
【0171】
本発明の好ましい実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、14、15B、18C、19A、19F、22Fおよび23F由来の糖コンジュゲートを還元的アミノ化によって調製し、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型33F由来の糖コンジュゲートをeTECコンジュゲーションを使用して調製し、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型12F由来の糖コンジュゲートをTEMPO/NCS-還元的アミノ化を使用して調製する。
【0172】
本発明の好ましい実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、9V、11A、14および18C由来の糖コンジュゲートを水性溶媒中で還元的アミノ化によって調製し、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型6A、6B、7F、8、10A、15B、19A、19F、22Fおよび23F由来の糖コンジュゲートを非プロトン性溶媒中で還元的アミノ化によって調製する、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型33F由来の糖コンジュゲートをeTECコンジュゲーションを使用して調製し、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型12F由来の糖コンジュゲートを水性溶媒中でTEMPO/NCS-還元的アミノ化を使用して調製する。
【0173】
本発明の好ましい実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、9V、11A、14および18C由来の糖コンジュゲートを水性溶媒中で還元的アミノ化によって調製し、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型6A、6B、7F、8、10A、15B、19A、19F、22Fおよび23F由来の糖コンジュゲートをDMSO中で還元的アミノ化によって調製し、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型33F由来の糖コンジュゲートをeTECコンジュゲーションを使用して調製し、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型12F由来の糖コンジュゲートを水性溶媒中でTEMPO/NCS-還元的アミノ化を使用して調製する。
【0174】
還元的アミノ化には、2つのステップ、(1)多糖を酸化するステップ、(2)活性化された多糖および担体タンパク質を還元してコンジュゲートを形成するステップが伴う。酸化を行う前に、多糖を加水分解してもよい。機械的または化学的加水分解を使用することができる。化学的加水分解は酢酸を使用して行うことができる。
【0175】
酸化ステップには、過ヨウ素酸(periodate)との反応が伴い得る。本発明の目的に関して、「過ヨウ素酸(periodate)」という用語は、過ヨウ素酸アニオン(periodate)および過ヨウ素酸(periodic acid)の両方を包含する。この用語はまた、メタ過ヨウ素酸アニオン(metaperiodate)(IO4
-)およびオルト過ヨウ素酸アニオン(orthoperiodate)(IO6
5-)の両方を包含し、過ヨウ素酸(periodate)の種々の塩(例えば、過ヨウ素酸ナトリウム(sodium periodate)および過ヨウ素酸カリウム(potassium periodate))を包含する。ある実施形態では、莢膜多糖をメタ過ヨウ素酸(metaperiodate)の存在下、好ましくは過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO4)の存在下で酸化する。別の実施形態では、莢膜多糖をオルト過ヨウ素酸(orthoperiodate)の存在下、好ましくは過ヨウ素酸(periodic acid)の存在下で酸化する。
【0176】
ある実施形態では、酸化剤は、一級ヒドロキシルを選択的に酸化するためのオキシダントの存在下での安定なニトロキシルまたはニトロキシドラジカル化合物、例えば、ピペリジン-N-オキシまたはピロリジン-N-オキシ化合物などである(WO2014/097099に記載されている通り)。前記反応では、実際のオキシダントは、触媒サイクル内のN-オキソアンモニウム塩である。ある態様では、前記安定なニトロキシルまたはニトロキシドラジカル化合物は、ピペリジン-N-オキシまたはピロリジン-N-オキシ化合物である。ある態様では、前記安定なニトロキシルまたはニトロキシドラジカル化合物は、TEMPO(2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ)またはPROXYL(2,2,5,5-テトラメチル-1-ピロリジニルオキシ)部分を有する。ある態様では、前記安定なニトロキシルラジカル化合物は、TEMPOまたはその誘導体である。ある態様では、前記オキシダントは、N-ハロ部分を有する分子である。ある態様では、前記オキシダントは、N-クロロスクシンイミド、N-ブロモスクシンイミド、N-ヨードスクシンイミド、ジクロロイソシアヌル酸、1,3,5-トリクロロ-1,3,5-トリアジナン-2,4,6-トリオン、ジブロモイソシアヌル酸、1,3,5-トリブロモ-1,3,5-トリアジナン-2,4,6-トリオン、ジヨードイソシアヌル酸および1,3,5-トリヨード-1,3,5-トリアジナン-2,4,6-トリオンからなる群から選択される。前記オキシダントはN-クロロスクシンイミドであることが好ましい。
【0177】
好ましい実施形態では、血清型12F肺炎球菌(S.pneumoniae)由来の莢膜多糖を担体タンパク質と還元的アミノ化によってコンジュゲートし、ここで、酸化剤は、2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ(TEMPO)フリーラジカル、および共酸化剤としてN-クロロスクシンイミド(NCS)である(WO2014/097099に記載されている通り)。
したがって、一態様では、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型12F由来の糖コンジュゲートは、a)12F糖を2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ(TEMPO)およびN-クロロスクシンイミド(NCS)と水性溶媒中で反応させて、活性化された糖を生じさせるステップと、b)活性化された糖を、1つまたは複数のアミン基を含む担体タンパク質と反応させるステップとを含む方法によって入手可能である(前記方法は「TEMPO/NCS-還元的アミノ化」と称される)。
【0178】
クエンチング剤を添加することによって酸化反応をクエンチしてもよい。クエンチング剤は、ビシナルジオール、1,2-アミノアルコール、アミノ酸、グルタチオン、亜硫酸塩、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩または亜リン酸(例えば、グリセロール、エチレングリコール、プロパン-1,2-ジオール、ブタン-1,2-ジオールまたはブタン-2,3-ジオール、アスコルビン酸など)から選択することができる。
【0179】
多糖の酸化ステップの後、多糖は活性化されたと言え、本明細書では、以下、「活性化された多糖」と称される。活性化された多糖と担体タンパク質を、独立して(別々に凍結乾燥)または共に(共凍結乾燥)のいずれかで凍結乾燥させる(フリーズドライする)ことができる。一実施形態では、活性化された多糖と担体タンパク質を共凍結乾燥させる。別の実施形態では、活性化された多糖と担体タンパク質を独立して凍結乾燥させる。
【0180】
一実施形態では、凍結乾燥を非還元糖の存在下で行い、可能性のある非還元糖として、ショ糖、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットが挙げられる。
【0181】
コンジュゲーションプロセスの第2のステップは、還元剤を使用して活性化された多糖および担体タンパク質を還元して、コンジュゲートを形成することである(いわゆる還元的アミノ化)。適切な還元剤としては、シアノ水素化ホウ素(例えば、ブレンステッドまたはルイス酸の存在下でのシアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化ホウ素ナトリウムもしくは水素化ホウ素亜鉛など)、アミンボラン、例えば、ピリジンボラン、2-ピコリンボラン、2,6-ジボラン-メタノール、ジメチルアミン-ボラン、t-BuMeiPrN-BH3、ベンジルアミン-BH3または5-エチル-2-メチルピリジンボラン(PEMB)または水素化ホウ素交換樹脂が挙げられる。一実施形態では、還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウムである。
【0182】
ある実施形態では、還元反応を水性溶媒(例えば、PBS、MES、HEPES、ビス-トリス、ADA、PIPES、MOPSO、BES、MOPS、DIPSO、MOBS、HEPPSO、POPSO、TEA、EPPS、ビシンまたはHEPB、pH6.0から8.5の間、7.0から8.0の間、または7.0から7.5の間、から選択される)中で行い、別の実施形態では、反応を非プロトン性溶媒中で行う。ある実施形態では、還元反応をDMSO(ジメチルスルホキシド)またはDMF(ジメチルホルムアミド)溶媒中で行う。DMSOまたはDMF溶媒を使用して、凍結乾燥された活性化された多糖および担体タンパク質を復元することができる。
【0183】
還元反応の最後に、未反応のアルデヒド基がコンジュゲート内に残っている場合があり、これらに、適切なキャップ付加剤を使用してキャップ付加することができる。一実施形態では、このキャップ付加剤は水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)である。コンジュゲーション(還元反応および場合によってキャップ付加)後、糖コンジュゲートを、当業者に公知の様々な技法によって精製する(多糖-タンパク質コンジュゲート量に関して富化する)ことができる。これらの技法としては、透析、濃縮/ダイアフィルトレーション操作、接線流濾過沈殿/溶出、カラムクロマトグラフィー(DEAEまたは疎水性相互作用クロマトグラフィー)、および深層濾過が挙げられる。ある実施形態では、糖コンジュゲートをダイアフィルトレーションまたはイオン交換クロマトグラフィーまたはサイズ排除クロマトグラフィーによって精製する。
【0184】
一実施形態では、糖コンジュゲートを滅菌濾過する。
【0185】
ある実施形態では、WO2014/027302に記載されているものなどのeTECコンジュゲーションを使用して本発明の糖コンジュゲートを調製する。前記糖コンジュゲートは、担体タンパク質と、1つまたは複数のeTECスペーサーを通じて共有結合によってコンジュゲートした糖を含み、ここで、糖はeTECスペーサーとカルバメート連結を通じて共有結合によってコンジュゲートしており、担体タンパク質はeTECスペーサーとアミド連結を通じて共有結合によってコンジュゲートしている。eTECに連結した本発明の糖コンジュゲートは、一般式(I):
【化2】
によって表すことができ、ここで、eTECスペーサーを含む原子が中央の枠内に含まれている。
【0186】
eTECスペーサーは、7個の原子を直鎖状に含み(すなわち、-C(O)NH(CH2)2SCH2C(O)-)、糖と担体タンパク質との間に安定なチオエーテルおよびアミド結合をもたらす。eTECに連結した糖コンジュゲートの合成は、糖の活性化されたヒドロキシル基とチオアルキルアミン試薬、例えば、シスタミンまたはシステインアミンまたはその塩のアミノ基を反応させ、それにより、糖にカルバメート連結を形成して、チオール化糖をもたらすことを伴う。1つまたは複数の遊離スルフヒドリル基の生成は、還元剤と反応させて、活性化されたチオール化糖をもたらすことによって実現される。活性化されたチオール化糖の遊離スルフヒドリル基と、アミン含有残基に1つまたは複数のα-ハロアセトアミド基を有する活性化された担体タンパク質の反応により、チオエーテル結合が生成して、担体タンパク質がeTECスペーサーにアミド結合を通じて付着したコンジュゲートが形成される。
【0187】
本発明の前記糖コンジュゲートにおいて、糖は、多糖またはオリゴ糖であってよい。担体タンパク質は、本明細書に記載のまたは当業者に公知の任意の適切な担体から選択することができる。高頻度の実施形態では、糖は多糖である。一部のそのような実施形態では、担体タンパク質はCRM197である。一部のそのような実施形態では、eTECにより連結した糖コンジュゲートは、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型33F莢膜多糖を含む。
【0188】
特に好ましい実施形態では、eTECに連結した糖コンジュゲートは、CRM197とeTECスペーサーを通じて共有結合によってコンジュゲートした肺炎球菌の血清型33F(Pn33F)莢膜多糖(血清型33FのeTECにより連結した糖コンジュゲート)を含む。
【0189】
一部の実施形態では、本発明の肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型1、7F、9Vおよび/または18C由来の糖コンジュゲートは、O-アセチル化されたものである。一部の実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)由来の糖コンジュゲート血清型1、7Fおよび9VはO-アセチル化されたものであり、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型18C由来の糖コンジュゲートは脱O-アセチルされたものである。
【0190】
一部の実施形態では、本発明の糖コンジュゲートは、分子量が5kDaから2,000kDaの間である糖を含む。他のそのような実施形態では、糖の分子量は、50kDaから1,000kDaの間である。他のそのような実施形態では、糖の分子量は、70kDaから900kDaの間である。他のそのような実施形態では、糖の分子量は、100kDaから800kDaの間である。他のそのような実施形態では、糖の分子量は、200kDaから600kDaの間である。他のそのような実施形態では、糖の分子量は、100kDaから500kDaの間である。他のそのような実施形態では、糖の分子量は、100kDaから400kDaの間である。他のそのような実施形態では、糖の分子量は、150kDaから300kDaの間である。さらなる実施形態では、糖の分子量は、5kDaから100kDaの間;10kDaから100kDaの間;20kDaから100kDaの間;30kDaから100kDaの間;40kDaから100kDaの間;50kDaから100kDaの間;60kDaから100kDaの間;70kDaから100kDaの間;80kDaから100kDaの間;90kDaから100kDaの間;5kDaから90KDaの間;5kDaから80kDaの間;5kDaから70kDaの間;5kDaから60kDaの間;5kDaから50kDaの間;5kDaから40kDaの間;5kDaから30kDaの間;5kDaから20kDaの間または5kDaから10kDaの間である。上記の範囲のいずれかの中に入る任意の正の整数が本開示の実施形態として意図されている。一部のそのような実施形態では、糖コンジュゲートを、還元的アミノ化を使用して調製する。
【0191】
一部の実施形態では、本発明の糖コンジュゲートの分子量は、100kDaから15,000kDaの間である。一部の実施形態では、本発明の糖コンジュゲートの分子量は、500kDaから10,000kDaの間である。一部の実施形態では、本発明の糖コンジュゲートの分子量は、2,000kDaから10,000kDaの間である。一部の実施形態では、本発明の糖コンジュゲートの分子量は、3,000kDaから8,000kDaの間である。一部の実施形態では、本発明の糖コンジュゲートの分子量は、3,000kDaから5,000kDaの間である。他の実施形態では、糖コンジュゲートの分子量は、500kDaから10,000kDaの間である。他の実施形態では、糖コンジュゲートの分子量は、1,000kDaから8,000kDaの間である。さらに他の実施形態では、糖コンジュゲートの分子量は、2,000kDaから8,000kDaの間または3,000kDaから7,000kDaの間である。
【0192】
糖コンジュゲートの分子量は、SEC-MALLSによって測定される。上記の範囲のいずれかの中に入る任意の正の整数が本開示の実施形態として意図されている。
【0193】
本発明の糖コンジュゲートを特徴付けるための別のやり方は、コンジュゲートするリシンの範囲(コンジュゲーションの程度)として特徴付けることができる、糖とコンジュゲートするようになる担体タンパク質(例えば、CRM197)内のリシン残基の数によるものである。多糖との共有結合による連結に起因する担体タンパク質のリシン修飾の証拠は、当業者に公知の常套的な方法を使用したアミノ酸分析によって得ることができる。コンジュゲーションの結果、回収されるリシン残基の数が、コンジュゲート材料を生成するために使用した担体タンパク質出発材料と比較して減少する。好ましい実施形態では、本発明の糖コンジュゲートのコンジュゲーションの程度は、2から15の間である。ある実施形態では、本発明の糖コンジュゲートのコンジュゲーションの程度は、2から13の間である。ある実施形態では、本発明の糖コンジュゲートのコンジュゲーションの程度は、2から10の間である。ある実施形態では、本発明の糖コンジュゲートのコンジュゲーションの程度は、2から8の間である。ある実施形態では、本発明の糖コンジュゲートのコンジュゲーションの程度は、2から6の間である。ある実施形態では、本発明の糖コンジュゲートのコンジュゲーションの程度は、3から10の間である。ある実施形態では、本発明の糖コンジュゲートのコンジュゲーションの程度は、3から6の間である。ある実施形態では、本発明の糖コンジュゲートのコンジュゲーションの程度は、5から10の間である。ある実施形態では、本発明の糖コンジュゲートのコンジュゲーションの程度は、8から12の間である。ある実施形態では、本発明の糖コンジュゲートのコンジュゲーションの程度は、約2である。ある実施形態では、本発明の糖コンジュゲートのコンジュゲーションの程度は、約3である。ある実施形態では、本発明の糖コンジュゲートのコンジュゲーションの程度は、約4である。ある実施形態では、本発明の糖コンジュゲートのコンジュゲーションの程度は、約5である。ある実施形態では、本発明の糖コンジュゲートのコンジュゲーションの程度は、約6である。ある実施形態では、本発明の糖コンジュゲートのコンジュゲーションの程度は、約8である。ある実施形態では、本発明の糖コンジュゲートのコンジュゲーションの程度は、約10である。ある実施形態では、本発明の糖コンジュゲートのコンジュゲーションの程度は、約12である。ある実施形態では、本発明の糖コンジュゲートのコンジュゲーションの程度は、約15である。好ましい実施形態では、本発明の糖コンジュゲートのコンジュゲーションの程度は、4から7の間である。一部のそのような実施形態では、担体タンパク質はCRM197である。
【0194】
本発明の糖コンジュゲートを糖の担体タンパク質に対する比(重量/重量)によって特徴付けることもできる。一部の実施形態では、糖コンジュゲート中の多糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.5から3の間である。一部の実施形態では、糖コンジュゲート中の多糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、約0.8である。一部の実施形態では、糖コンジュゲート中の多糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、約0.9である。一部の実施形態では、糖コンジュゲート中の多糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、約1.0である。一部の実施形態では、糖コンジュゲート中の多糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、約1.2である。一部の実施形態では、糖コンジュゲート中の多糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、約1.5である。一部の実施形態では、糖コンジュゲート中の多糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、約1.8である。一部の実施形態では、糖コンジュゲート中の多糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、約2.0である。一部の実施形態では、糖コンジュゲート中の多糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、約2.5である。一部の実施形態では、糖コンジュゲート中の多糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、約3.0である。他の実施形態では、糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.5から2.0の間である。他の実施形態では、糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.5から1.5の間である。さらなる実施形態では、糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.8から1.2の間である。好ましい実施形態では、コンジュゲート中の莢膜多糖の担体タンパク質に対する比は、0.9から1.1の間である。一部のそのような実施形態では、担体タンパク質はCRM197である。
【0195】
本発明の糖コンジュゲートおよび免疫原性組成物は、担体タンパク質と共有結合によってコンジュゲートしていないが、それにもかかわらず糖コンジュゲート組成物中に含まれる、遊離糖を含有してもよい。遊離糖は、糖コンジュゲートと非共有結合によって会合している(すなわち、糖コンジュゲートと非共有結合によって結合している、それに吸着している、またはその中にもしくはそれに付随して捕捉された)ものであり得る。
【0196】
好ましい実施形態では、糖コンジュゲートは、多糖の総量と比較して約50%未満、45%未満、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満または15%未満の遊離多糖を含む。好ましい実施形態では、糖コンジュゲートは、多糖の総量と比較して約25%未満の遊離多糖を含む。好ましい実施形態では、糖コンジュゲートは、多糖の総量と比較して約20%未満の遊離多糖を含む。好ましい実施形態では、糖コンジュゲートは、多糖の総量と比較して約15%未満の遊離多糖を含む。
【0197】
糖コンジュゲートをそれらの分子サイズ分布(Kd)によって特徴付けることができる。サイズ排除クロマトグラフィー媒体(CL-4B)を使用して、コンジュゲートの相対的な分子サイズ分布を決定することができる。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を重力送りカラムで使用して、コンジュゲートの分子サイズ分布をプロファイリングする。媒体中の細孔から排除される大きな分子は低分子よりも迅速に溶出される。画分収集装置を使用して、カラム溶出液を収集する。画分を糖アッセイによって比色定量で試験する。Kdを決定するために、カラムを較正して、分子が完全に排除される画分(V0)、(Kd=0)、および最大保持を表す画分(Vi)、(Kd=1)を確立する。特定の試料の特質に達した画分(Ve)を、式Kd=(Ve-V0)/(Vi-V0)によってKdと関連付ける。
【0198】
好ましい実施形態では、糖コンジュゲートの少なくとも30%が、CL-4Bカラムで0.3以下のKdを有する。好ましい実施形態では、糖コンジュゲートの少なくとも40%が、CL-4Bカラムで0.3以下のKdを有する。好ましい実施形態では、糖コンジュゲートの少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、または85%が、CL-4Bカラムで0.3以下のKdを有する。好ましい実施形態では、糖コンジュゲートの少なくとも60%が、CL-4Bカラムで0.3以下のKdを有する。好ましい実施形態では、糖コンジュゲートの50%から80%の間が、CL-4Bカラムで0.3以下のKdを有する。好ましい実施形態では、糖コンジュゲートの65%から80%の間が、CL-4Bカラムで0.3以下のKdを有する。
【0199】
本発明の糖コンジュゲートを特徴付けるための別のパラメータは、糖鎖の担体タンパク質のリシンへの付着の頻度である。例えば、一部の実施形態では、担体タンパク質と多糖の間の共有結合による連結が多糖の糖反復単位4個ごとに少なくとも1つ生じる。別の実施形態では、担体タンパク質と多糖の間の共有結合による連結が多糖の糖反復単位10個ごとに少なくとも1回生じる。別の実施形態では、担体タンパク質と多糖の間の共有結合による連結が多糖の糖反復単位15個ごとに少なくとも1回生じる。さらなる実施形態では、担体タンパク質と多糖の間の共有結合による連結が多糖の糖反復単位25個ごとに少なくとも1回生じる。
【0200】
高頻度の実施形態では、担体タンパク質はCRM197であり、CRM197と多糖の間のeTECスペーサーを介した共有結合による連結は、多糖の糖反復単位4個、10個、15個または25個ごとに少なくとも1回生じる。
【0201】
他の実施形態では、コンジュゲートは、担体タンパク質と糖の間の共有結合による連結を糖反復単位5~10個ごとに少なくとも1つ含む。他の実施形態では、コンジュゲートは、担体タンパク質と糖の間の共有結合による連結を糖反復単位2~7個ごとに少なくとも1つ含む。他の実施形態では、コンジュゲートは、担体タンパク質と糖の間の共有結合による連結を糖反復単位7~12個ごとに少なくとも1つ含む。他の実施形態では、コンジュゲートは、担体タンパク質と糖の間の共有結合による連結を糖反復単位10~15個ごとに少なくとも1つ含む。他の実施形態では、コンジュゲートは、担体タンパク質と糖の間の共有結合による連結を糖反復単位4~8個ごとに少なくとも1つ含む。他の実施形態では、コンジュゲートは、担体タンパク質と糖の間の共有結合による連結を糖反復単位10~20個ごとに少なくとも1つ含む。他の実施形態では、コンジュゲートは、担体タンパク質と糖の間の共有結合による連結を糖反復単位2~25個ごとに少なくとも1つ含む。高頻度の実施形態では、担体タンパク質はCRM197である。
【0202】
別の実施形態では、担体タンパク質と糖の間の連結が、多糖の糖反復単位2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個または25個ごとに少なくとも1つ生じる。ある実施形態では、担体タンパク質はCRM197である。上記の範囲のいずれかの中に入る任意の正の整数が本開示の実施形態として意図されている。
【0203】
2.1.3 本発明の担体タンパク質
本発明のコンジュゲートの1つの構成成分は、肺炎球菌の糖をコンジュゲートする担体タンパク質である。「タンパク質担体」または「担体タンパク質」または「担体」という用語は、本明細書では互換的に使用され得る。担体タンパク質は、標準的なコンジュゲーション手順が適用可能なものであるべきである。
【0204】
好ましい実施形態では、コンジュゲートの担体タンパク質は、DT(ジフテリア毒素)、TT(破傷風トキソイド)もしくはTTの断片C、CRM197(無毒性であるがジフテリア毒素と抗原性が同一のバリアント)、他のDT変異体(例えば、CRM176、CRM228、CRM45など(Uchidaら、(1973)J.Biol.Chem.218:3838~3844)、CRM9、CRM102、CRM103もしくはCRM107;ならびにNichollsおよびYouleによってGenetically Engineered Toxins編:Frankel、Maecel Dekker Inc.(1992)に記載されている他の変異;Glu-148の欠失もしくはAsp、GlnもしくはSerへの変異および/もしくはAla158の欠失もしくはGlyへの変異、ならびに米国特許第4,709,017号および同第4,950,740号に開示されている他の変異;Lys 516、Lys 526、Phe 530および/もしくはLys 534のうちの少なくとも1つもしくは複数の残基の変異、ならびに米国特許第5,917,017号および同第6,455,673号に開示されている他の変異;または米国特許第5,843,711号に開示されている断片、いくつかの様式で無毒化されたplyを含めた肺炎球菌ニューモリシン(ply)(Kuoら、(1995)Infect lmmun 63:2706~2713)、例えば、dPLY-GMBS(WO2004/081515、WO2006/032499)もしくはdPLY-formol、PhtA、PhtB、PhtD、PhtE(PhtA、PhtB、PhtDもしくはPhtEの配列はWO00/37105およびWO00/39299に開示されている)を含むPhtXおよびPhtタンパク質の融合物、例えば、PhtDE融合物、PhtBE融合物、Pht A~E(WO01/98334、WO03/054007、WO2009/000826)、通常は髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群Bから抽出されるOMPC(髄膜炎菌外膜タンパク質)(EP0372501)、PorB(髄膜炎菌(N.meningitidis)由来)、PD(インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)タンパク質D;例えば、EP0594610 Bを参照されたい)、もしくはこれらの免疫学的に機能的な等価物、合成ペプチド(EP0378881、EP0427347)、熱ショックタンパク質(WO93/17712、WO94/03208)、百日咳タンパク質(WO98/58668、EP0471177)、サイトカイン、リンフォカイン、増殖因子もしくはホルモン(WO91/01146)、種々の病原体由来抗原に由来する複数のヒトCD4+T細胞エピトープを含む人工タンパク質(Falugiら、(2001)Eur J Immunol 31:3816~3824)、例えばN19タンパク質など(Baraldoiら、(2004)Infect lmmun 72:4884~4887)、肺炎球菌表面タンパク質PspA(WO02/091998)、鉄取り込みタンパク質(WO01/72337)クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)の毒素AもしくはB(WO00/61761)、トランスフェリン結合性タンパク質、肺炎球菌接着タンパク質(PsaA)、組換え緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)外毒素A(特に、その無毒性変異体(例えば、グルタミン酸553の置換を有する外毒素Aなど(Douglasら、(1987)J.Bacteriol.169(11):4967~4971))からなる群の中で選択される。他のタンパク質、例えば、オボアルブミン、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)またはツベルクリン精製タンパク質誘導体(PPD)も担体タンパク質として使用することができる。他の適切な担体タンパク質としては、不活化された細菌毒素、例えば、コレラトキソイド(例えば、WO2004/083251に記載されている)、大腸菌(Escherichia coli)LT、大腸菌(E.coli)ST、および緑膿菌(P.aeruginosa)由来の外毒素Aが挙げられる。
【0205】
好ましい実施形態では、コンジュゲートの担体タンパク質は、独立に、TT、DT、DT変異体(例えば、CRM197など)、インフルエンザ菌(H.influenzae)タンパク質D、PhtX、PhtD、PhtDE融合物(特に、WO01/98334およびWO03/054007に記載されているもの)、無毒化ニューモリシン、PorB、N19タンパク質、PspA、OMPC、クロストリディオイデス・ディフィシル(C.difficile)の毒素AまたはB、およびPsaAからなる群から選択される。
【0206】
ある実施形態では、本発明のコンジュゲートの担体タンパク質は、DT(ジフテリアトキソイド)である。別の実施形態では、本発明のコンジュゲートの担体タンパク質は、TT(破傷風トキソイド)である。
【0207】
別の実施形態では、本発明のコンジュゲートの担体タンパク質は、PD(インフルエンザ菌(H.influenzae)タンパク質Dである。例えば、EP0594610 Bを参照されたい)。
【0208】
好ましい実施形態では、本発明の肺炎球菌莢膜糖をCRM197タンパク質とコンジュゲートする。CRM197タンパク質は、ジフテリア毒素の無毒性形態であるが、ジフテリア毒素と免疫学的には区別できない。CRM197は、毒素産生性コリネファージベータのニトロソグアニジン変異誘発によって創出された非毒素産生性ファージβ197tox-を感染させたジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae)によって産生される(Uchidaら、(1971)Nature New Biology 233:8~11)。CRM197タンパク質は、ジフテリア毒素と分子量は同じであるが、構造遺伝子の一塩基変化(グアニンからアデニンへの変化)によって異なる。この一塩基変化により、成熟タンパク質におけるアミノ酸置換(グルタミン酸によるグリシンの置換)が引き起こされ、ジフテリア毒素の毒性特性が排除される。CRM197タンパク質は、糖に対する安全かつ有効なT細胞依存性担体である。CRM197およびその産生に関するさらなる詳細は、例えば、米国特許第5,614,382号において見いだすことができる。好ましい実施形態では、本発明の肺炎球菌莢膜糖を全て個別にCRM197タンパク質とコンジュゲートする。
【0209】
ある実施形態では、本発明の肺炎球菌莢膜糖をCRM197タンパク質またはCRM197のA鎖とコンジュゲートする(CN103495161参照)。ある実施形態では、本発明の肺炎球菌莢膜糖を、遺伝子組み換え大腸菌(E.coli)による発現によって得たCRM197のA鎖とコンジュゲートする(CN103495161参照)。ある実施形態では、本発明の莢膜糖を全てCRM197とコンジュゲートする。ある実施形態では、本発明の莢膜糖を全てCRM197のA鎖とコンジュゲートする。
【0210】
したがって、高頻度の実施形態では、本発明の糖コンジュゲートは、担体タンパク質としてCRM197を含み、肺炎球菌莢膜多糖がCRM197と共有結合によって連結している。
【0211】
2.1.4 本発明の肺炎球菌コンジュゲートワクチン(PCV)
ある実施形態では、肺炎球菌コンジュゲートワクチンの異なる肺炎球菌(S.pneumoniae)莢膜糖血清型の数は、13種の血清型(または「v」、価)から20種の異なる血清型まで(13vから20vまで)にわたり得る。一実施形態では、本発明の肺炎球菌コンジュゲートワクチンは、13価肺炎球菌ワクチンである。一実施形態では、本発明の肺炎球菌コンジュゲートワクチンは、14価肺炎球菌ワクチンである。一実施形態では、本発明の肺炎球菌コンジュゲートワクチンは、15価肺炎球菌ワクチンである。一実施形態では、本発明の肺炎球菌コンジュゲートワクチンは、16価肺炎球菌ワクチンである。一実施形態では、本発明の肺炎球菌コンジュゲートワクチンは、17価肺炎球菌ワクチンである。一実施形態では、本発明の肺炎球菌コンジュゲートワクチンは、18価肺炎球菌ワクチンである。一実施形態では、本発明の肺炎球菌コンジュゲートワクチンは、19価肺炎球菌ワクチンである。一実施形態では、本発明の肺炎球菌コンジュゲートワクチンは、20価肺炎球菌ワクチンである。
【0212】
莢膜糖を担体タンパク質とコンジュゲートして、本明細書において上記の糖コンジュゲートを形成する。
【0213】
上記の肺炎球菌コンジュゲートワクチンの全ての糖コンジュゲートが個別に担体タンパク質とコンジュゲートしたものであることが好ましい。
【0214】
ある実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)由来の糖コンジュゲートは全て個別にCRM197とコンジュゲートしたものである。
【0215】
一実施形態では、本発明の肺炎球菌コンジュゲートワクチンは、血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、23F、22Fおよび33Fからなる群から選択される肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)血清型由来の13種の糖コンジュゲートを含む。前記糖コンジュゲートは、全て個別にCRM197とコンジュゲートしたものであることが好ましい。
【0216】
ある実施形態では、本発明の肺炎球菌コンジュゲートワクチンは、13価肺炎球菌コンジュゲートワクチンであり、前記13種のコンジュゲートは、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23F由来の糖コンジュゲートからなる。前記糖コンジュゲートは、全て個別にCRM197とコンジュゲートしたものであることが好ましい。
【0217】
ある実施形態では、本発明の肺炎球菌コンジュゲートワクチンは、14価肺炎球菌コンジュゲートワクチンであり、前記14種のコンジュゲートは、肺炎球菌(S.pneumoniae)由来の糖コンジュゲート血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23Fからなる。前記糖コンジュゲートは、全て個別にCRM197とコンジュゲートしたものであることが好ましい。
【0218】
ある実施形態では、本発明の肺炎球菌コンジュゲートワクチンは、14価肺炎球菌コンジュゲートワクチンであり、前記14種のコンジュゲートは、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23Fおよび33F由来の糖コンジュゲートからなる。前記糖コンジュゲートは、全て個別にCRM197とコンジュゲートしたものであることが好ましい。
【0219】
ある実施形態では、本発明の肺炎球菌コンジュゲートワクチンは、15価肺炎球菌コンジュゲートワクチンであり、前記15種のコンジュゲートは、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23F、22Fおよび33F由来の糖コンジュゲートからなる。前記糖コンジュゲートは、全て個別にCRM197とコンジュゲートしたものであることが好ましい。
【0220】
ある実施形態では、本発明の肺炎球菌コンジュゲートワクチンは、16価肺炎球菌コンジュゲートワクチンであり、前記16種のコンジュゲートは、肺炎球菌(S.pneumoniae)由来の糖コンジュゲート血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、15B、18C、19A、19F、23F、22Fおよび33Fからなる。前記糖コンジュゲートは、全て個別にCRM197とコンジュゲートしたものであることが好ましい。
【0221】
ある実施形態では、本発明の肺炎球菌コンジュゲートワクチンは、17価肺炎球菌コンジュゲートワクチンであり、前記17種のコンジュゲートは、肺炎球菌(S.pneumoniae)由来の糖コンジュゲート血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、11A、14、15B、18C、19A、19F、23F、22Fおよび33Fからなる。前記糖コンジュゲートは、全て個別にCRM197とコンジュゲートしたものであることが好ましい。
【0222】
ある実施形態では、本発明の肺炎球菌コンジュゲートワクチンは、18価肺炎球菌コンジュゲートワクチンであり、前記18種のコンジュゲートは、肺炎球菌(S.pneumoniae)由来の糖コンジュゲート血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、23F、22Fおよび33Fからなる。前記糖コンジュゲートは、全て個別にCRM197とコンジュゲートしたものであることが好ましい。
【0223】
ある実施形態では、本発明の肺炎球菌コンジュゲートワクチンは、19価肺炎球菌コンジュゲートワクチンであり、前記19種のコンジュゲートは、肺炎球菌(S.pneumoniae)由来の糖コンジュゲート血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、23F、22Fおよび33Fからなる。前記糖コンジュゲートは、全て個別にCRM197とコンジュゲートしたものであることが好ましい。
【0224】
好ましい実施形態では、本発明の肺炎球菌コンジュゲートワクチンは、20価肺炎球菌コンジュゲートワクチンであり、前記20種のコンジュゲートは、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、23F、22Fおよび33F由来の糖コンジュゲートからなる。前記糖コンジュゲートは、全て個別にCRM197とコンジュゲートしたものであることが好ましい。
【0225】
ある実施形態では、本発明の肺炎球菌コンジュゲートワクチンは、PREVNAR13(登録商標)(一部の国ではPREVENAR13(登録商標))である。PREVNAR13(登録商標)は、13価PCVであり、13種のコンジュゲートは、全て個別にCRM197とコンジュゲートしたものである、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23F由来の糖コンジュゲートからなる。糖コンジュゲートを還元的アミノ化によって調製する。
【0226】
ある実施形態では、本発明の肺炎球菌コンジュゲートワクチンは、Merckによって開発されたV114である。V114は、15価PCVであり、15種のコンジュゲートは、全て個別にCRM197とコンジュゲートしたものである、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33F由来の糖コンジュゲートからなる。肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、9V、14、22Fおよび33F由来の糖コンジュゲートを水性溶媒中で還元的アミノ化によって調製し、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型6A、6B、7F、18C、19A、19Fおよび23F由来の糖コンジュゲートをDMSO中で還元的アミノ化によって調製する。
【0227】
ある実施形態では、本発明の肺炎球菌コンジュゲートワクチンは、20vPnCである。20vPnCは、20価PCVであり、20種のコンジュゲートは、全て個別にCRM197とコンジュゲートしたものである、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33F由来の糖コンジュゲートからなる。
【0228】
2.2.髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)に由来する抗原を含む免疫原性組成物
髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)は、敗血症、髄膜炎、および死亡を引き起こす可能性がある、グラム陰性の、莢膜を有する細菌である。髄膜炎菌(N.meningitidis)は、化学的におよび抗原性に関して示差的な多糖莢膜に基づいて少なくとも12種の血清群(血清群A、B、C、29E、H、I、K、L、W-135(現在は主にWと称される)、X、YおよびZを含む)に分類することができる。血清群のうちの5種(A、B、C、Y、およびW135)を有する株が大多数の疾患の原因となる。
【0229】
髄膜炎菌性髄膜炎は、抗生物質が利用可能であるにもかかわらず、小児および若年成人を数時間のうちに死亡させる恐れがある破壊的な疾患である。髄膜炎菌血清群A、B、C、Y、およびW135ならびに/またはXに対する改善された免疫原性組成物が必要とされている。現在、広範囲のMnBおよび髄膜炎菌血清群A、C、Y、およびWならびに/またはX分離株に対して有効な交差防御ワクチンまたは組成物は未だ市販されていない。したがって、多様なMnBおよび髄膜炎菌血清群A、C、Y、およびWならびに/またはX分離株に対して有効な交差防御ワクチンまたは組成物が必要とされている。
【0230】
好ましい実施形態では、第1の免疫原性組成物は、配列番号3に記載のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。一部の実施形態では、ポリペプチドは、脂質付加されている。一部の実施形態では、ポリペプチドは、脂質付加されていない。一部の実施形態では、ポリペプチドは、免疫原性である。一部の実施形態では、ポリペプチドは、1位のシステインが欠失した、配列番号3に記載の配列を含む。一部の実施形態では、ポリペプチドは、質量分析によって測定して、対応する脂質付加されていないポリペプチドと比較して約+70Daの質量シフトを示さない。一部の実施形態では、第1の免疫原性組成物は、アジュバントをさらに含む。
【0231】
一部の実施形態では、第1の免疫原性組成物は、a)配列番号3に記載のアミノ酸配列を含む第1の脂質付加されたポリペプチド、およびb)配列番号4に記載のアミノ酸配列を含む第2の脂質付加されたポリペプチドを含む。一部の実施形態では、組成物は、ポリソルベート-80、アルミニウム、ヒスチジン、および塩化ナトリウム、またはこれらの組合せのうちのいずれか1つをさらに含む。
【0232】
一部の実施形態では、第1の免疫原性組成物は、a)第1の配列番号3に記載のアミノ酸配列を含むポリペプチド、(b)第2の配列番号4に記載のアミノ酸配列を含むポリペプチド、(c)破傷風トキソイドとカルボジイミド化学によってコンジュゲートしたアジピン酸ジヒドラジド(ADH)リンカーと、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロボレートによってコンジュゲートした髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群A莢膜糖、(d)髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)破傷風トキソイドとカルボジイミド化学によってコンジュゲートしたADHリンカーと、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロボレートによってコンジュゲートした血清群C莢膜糖と、(e)破傷風トキソイドと、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロボレートによってリンカーの非存在下で直接コンジュゲートした髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群W莢膜糖、および(f)破傷風トキソイドと、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロボレートによってリンカーの非存在下で直接コンジュゲートした髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群Y莢膜糖を含む。
【0233】
一部の実施形態では、第1の免疫原性組成物は、a)(i)配列番号3に記載のアミノ酸配列を含む第1の脂質付加されたポリペプチド、および(ii)配列番号4に記載のアミノ酸配列を含む第2の脂質付加されたポリペプチドおよびアルミニウムを含む液体組成物と、b)i)破傷風トキソイド(TT)とカルボジイミド化学によってコンジュゲートしたアジピン酸ジヒドラジド(ADH)リンカーと、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロボレートによってコンジュゲートした髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群A(MenA)莢膜糖(MenAAH-TTコンジュゲート)、ii)破傷風トキソイド(TT)とカルボジイミド化学によってコンジュゲートしたADHリンカーと、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロボレートによってコンジュゲートした髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群C(MenC)莢膜糖(MenCAH-TTコンジュゲート)、iii)髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)破傷風トキソイド(TT)と、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロボレートによってリンカーの非存在下で直接コンジュゲートした血清群W135(MenW)莢膜糖(MenW-TTコンジュゲート)、およびiv)破傷風トキソイド(TT)と、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロボレートによってリンカーの非存在下で直接コンジュゲートした髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群Y(MenY)莢膜糖(MenY-TTコンジュゲート)を含む凍結乾燥組成物とを含み、凍結乾燥組成物が液体組成物を用いて復元される。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、リン酸アルミニウムを含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、ポリソルベート-80をさらに含む。一部の実施形態では、凍結乾燥組成物は、アルミニウムを含有しない。一部の実施形態では、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドはアルミニウムに結合している。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、Tris-HCl、塩化ナトリウム、ショ糖、ヒスチジン、ポリソルベート80、およびリン酸アルミニウムのいずれか1つをさらに含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、Tris-HCl、塩化ナトリウム、ショ糖、ヒスチジン、ポリソルベート80、およびリン酸アルミニウムをさらに含む。
【0234】
2.3.クロストリディオイデス・ディフィシル(C.difficile)に由来する抗原を含む免疫原性組成物
クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)、現在はクロストリディオイデス・ディフィシル(Clostridioides difficile)(C.difficile)は、ヒトにおける胃腸疾患に関連するグラム陽性、嫌気性細菌である。クロストリディオイデス・ディフィシル(C.difficile)の定着は、通常、結腸において天然の腸内細菌叢が抗生物質を用いた治療によって減少した場合に生じる。感染により、クロストリディオイデス・ディフィシル(C.difficile)の主な病原性因子である、グルコシル化毒素である毒素Aおよび毒素B(それぞれ、およそ308kDaおよび270kDa)の分泌を通じて、抗生物質に関連する下痢および時には偽膜性大腸炎が導かれる恐れがある。
【0235】
過去10年で、病院、養護施設、および他の長期介護施設におけるクロストリディオイデス・ディフィシル(C.difficile)大流行の数および重症度が劇的に増大した。この増大の重要な因子として、強毒性の病原株の出現、抗生物質使用の増加、検出方法の改善、および健康管理施設における浮遊胞子への曝露の増加が挙げられる。
【0236】
一部の実施形態では、第1の免疫原性組成物は、配列番号5に記載のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含み、ここで、ポリペプチドのリシン残基の側鎖は、ベータアラニン部分と架橋結合している。一部の実施形態では、ポリペプチドは、ポリペプチドのアスパラギン酸残基の側鎖と、またはポリペプチドのグルタミン酸残基の側鎖と架橋結合したグリシン部分をさらに含む。一部の実施形態では、ポリペプチドは、ポリペプチドの第2のリシン残基とポリペプチドのアスパラギン酸残基の側鎖の間の架橋結合をさらに含む。一部の実施形態では、ポリペプチドは、ポリペプチドの第2のリシン残基とポリペプチドのグルタミン酸残基の側鎖の間の架橋結合をさらに含む。一部の実施形態では、ポリペプチドのEC50は、in vitro細胞傷害性アッセイによって測定して、少なくとも約100μg/mlである。一部の実施形態では、ポリペプチドのEC50は、in vitro細胞傷害性アッセイによって測定して、少なくとも約1000μg/mlである。一部の実施形態では、第1の免疫原性組成物は、配列番号6に記載のアミノ酸配列を有する第2のポリペプチドをさらに含み、ここで、第2のポリペプチドのリシン残基の側鎖は、ベータアラニン部分と架橋結合している。一部の実施形態では、第1のポリペプチドは、第1のポリペプチドの第2のリシン残基の側鎖とアスパラギン酸残基の側鎖の間の架橋結合をさらに含む。一部の実施形態では、第2のポリペプチドは、第2のポリペプチドの第2のリシン残基の側鎖とアスパラギン酸残基の側鎖の間の架橋結合をさらに含む。一部の実施形態では、第1のポリペプチドは、第1のポリペプチドの第2のリシン残基の側鎖とグルタミン酸残基の側鎖の間の架橋結合をさらに含む。一部の実施形態では、第2のポリペプチドは、第2のポリペプチドの第2のリシン残基の側鎖とグルタミン酸残基の側鎖の間の架橋結合をさらに含む。一部の実施形態では、第1のポリペプチドは、第1のポリペプチドのアスパラギン酸残基の側鎖とグリシン部分の間の架橋結合をさらに含む。一部の実施形態では、第2のポリペプチドは、第2のポリペプチドのアスパラギン酸残基の側鎖とグリシン部分の間の架橋結合をさらに含む。一部の実施形態では、第1のポリペプチドは、第1のポリペプチドのグルタミン酸残基の側鎖とグリシン部分の間の架橋結合をさらに含む。一部の実施形態では、第2のポリペプチドは、第2のポリペプチドのグルタミン酸残基の側鎖とグリシン部分の間の架橋結合を含む。一部の実施形態では、各ポリペプチドのEC50は、in vitro細胞傷害性アッセイによって測定して、少なくとも約1000μg/mlである。一部の実施形態では、第1の免疫原性組成物は、アジュバントをさらに含む。
【0237】
一部の実施形態では、第1の免疫原性組成物は、(a)配列番号5に記載のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、第1のポリペプチドのリシン残基の側鎖が、ベータアラニン部分と架橋結合しており、第1のポリペプチドのアスパラギン酸残基の側鎖とグリシン部分の間の架橋結合、および第1のポリペプチドのグルタミン酸残基の側鎖とグリシン部分の間の架橋結合をさらに含む、第1のポリペプチドと、(b)配列番号6に記載のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドであって、第2のポリペプチドのリシン残基の側鎖が、ベータアラニン部分と架橋結合しており、第2のポリペプチドのアスパラギン酸残基の側鎖とグリシン部分の間の架橋結合、および第2のポリペプチドのグルタミン酸残基の側鎖とグリシン部分の間の架橋結合をさらに含む、第2のポリペプチドとを含む。一部の実施形態では、第1の免疫原性組成物は、(a)配列番号5に記載のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、第1のポリペプチドの第1のリシン残基の側鎖が、ベータアラニン部分と架橋結合しており、第1のポリペプチドの第2のリシン残基が、第1のポリペプチドのアスパラギン酸残基とまたはグルタミン酸残基と架橋結合している、第1のポリペプチドと、(b)配列番号6に記載のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドであって、第2のポリペプチドのリシン残基の側鎖が、ベータアラニン部分と架橋結合しており、第2のポリペプチドの第2のリシン残基が、第2のポリペプチドのアスパラギン酸残基とまたはグルタミン酸残基と架橋結合している、第2のポリペプチドとを含む。
【0238】
一部の実施形態では、第2のポリペプチドは、デヒドロアラニン部分をさらに含む。一部の実施形態では、組成物は、凍結乾燥されたものである。一部の実施形態では、組成物は、水酸化アルミニウムをさらに含む。一部の実施形態では、組成物は、凍結乾燥されたものである。一部の実施形態では、組成物は、トレハロースをさらに含む。一部の実施形態では、組成物は、ポリソルベート-80をさらに含む。
【0239】
2.4.RSVに由来する抗原を含む免疫原性組成物
呼吸器合胞体ウイルス、またはRSVは、肺および呼吸路に感染する呼吸器ウイルスである。RSVは、世界的に乳幼児の重篤なウイルス性下気道疾患の主な原因であり、また、高齢者の呼吸器疾患の重要な原因である。
【0240】
RSVは、パラミクソウイルス(Paramyxoviridae)科のメンバーである。そのゲノムは、9種の構造タンパク質(3種の糖タンパク質および6種の内部タンパク質)ならびに2種の非構造タンパク質を含む11種のタンパク質をコードする、一本鎖、マイナス鎖RNA分子からなる。構造タンパク質には、3種の膜貫通表面糖タンパク質:付着タンパク質G、融合タンパク質F、および小さな疎水性SHタンパク質が含まれる。RSVには2つの亜型、AおよびBが存在する。これらは主にG糖タンパク質が異なり、一方、F糖タンパク質の配列は2つの亜型の間でより保存されている。
【0241】
成熟F糖タンパク質は、3つの一般的なドメイン:外部ドメイン(ED)、膜貫通ドメイン(TM)、および細胞質尾部(CT)を有する。CTは、単一のパルミトイル化システイン残基を含有する。
【0242】
ヒトRSVのF糖タンパク質は、最初に、N末端にシグナルペプチド配列(アミノ酸1~25)を含有する単一の574アミノ酸のポリペプチド前駆体(「F0」または「F0前駆体」と称される)としてmRNAから翻訳される。翻訳されると、シグナルペプチドが小胞体内のシグナルペプチダーゼによって除去される。F0前駆体の残りの部分(すなわち、残基26~574)は、2つの多塩基部位(アミノ酸109/110および136/137)において細胞内プロテアーゼ(特に、フューリン)によってさらに切断され得、それにより、pep27と称される、間に存在する27アミノ酸の配列(アミノ酸110~136)が除去され、F1(C末端部分;アミノ酸137~574)およびF2(N末端部分;アミノ酸26~109)と称される2つの連結した断片が生成される。F1は、N末端の疎水性融合ペプチド、および2つの7アミノ酸繰り返し領域(HRAおよびHRB)を含有する。HRAは融合ペプチドの付近にあり、HRBはTMドメインの付近にある。F1断片とF2断片は2つのジスルフィド結合によって連結している。シグナルペプチド配列を有さない切断されていないF0タンパク質、またはF1-F2ヘテロ二量体のいずれかがRSV Fプロトマーを形成し得る。そのようなプロトマー3つがアセンブルして、3つのプロトマーのホモ三量体である最終的なRSV Fタンパク質複合体を形成する。亜型AおよびBのFタンパク質は、アミノ酸配列が約90パーセント同一である。F0前駆体ポリペプチドの配列の例は、A亜型については配列番号7に提示され(A2株;GenBank GI:138251;Swiss Prot P03420)、B亜型については配列番号8に提示される(18537株;GenBank GI:138250;Swiss Prot P13843)。配列番号7および配列番号8はどちらも574アミノ酸配列である。Fタンパク質は、RSVサブユニットワクチンのために探究されている主な抗原のうちの1つである。RSV Fタンパク質三量体は、ビリオン膜と宿主細胞膜の融合を媒介し、また、合胞体の形成を促進する。RSVが細胞に侵入する間に、Fタンパク質が融合前状態(本明細書では、「F前」と称され得る)から、中間の広がった構造を経て、融合後状態(「F後」)に再構成される。ウイルスの侵入を防ぐためには、F特異的中和抗体は、おそらく、ウイルスエンベロープが細胞膜と融合する前に、ビリオン上のFの融合前コンフォメーションまたは潜在的に広がった中間体に結合しなければならない。したがって、融合前形態のFタンパク質が、所望のワクチン抗原として好ましいコンフォメーションであると考えられる。
【0243】
一部の実施形態では、第1の免疫原性組成物は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,950,058号、および米国特許第10,821,171号に記載されている野生型RSV Fタンパク質の変異体を含む。
【0244】
一部の実施形態では、第1の免疫原性組成物は、野生型RSV Fタンパク質の変異体を含み、ここで、変異体は、F1ポリペプチドおよびF2ポリペプチドを含み、変異体は、野生型RSV Fタンパク質アミノ酸配列と比べて少なくとも1つの導入されたアミノ酸変異を含み、導入されたアミノ酸変異は、(1)55Cと188C;(2)103Cと148C;と(3)142Cと371C;と(4)155Cと290Cからなる群から選択されるシステイン変異の対であり、アミノ酸位は、配列番号7に従って番号を付したものである。この実施形態の一態様では、変異体は、少なくとも1つの空洞充填変異(cavity filling mutation)、および少なくとも1つの静電変異をさらに含み、空洞充填変異は、
(1)62位、155位、190位、または290位のアミノ酸のI、Y、L、H、またはMによる置換、
(2)54位、58位、189位、219位、または397位のアミノ酸のI、Y、L、H、またはMによる置換、
(3)151位のアミノ酸のAまたはHによる置換、
(4)147位または298位のアミノ酸のI、L、H、またはMによる置換、および
(5)164位、187位、192位、207位、220位、296位、300位、または495位のアミノ酸のI、Y、またはHによる置換
からなる群から選択され、静電変異は、
(1)82位、92位、または487位のアミノ酸のD、F、Q、T、S、L、またはHによる置換;
(2)315位、394位、または399位のアミノ酸のF、M、R、S、L、I、Q、またはTによる置換;
(3)392位、486位、または489位のアミノ酸のH、S、N、T、またはPによる置換;および
(4)106位または339位のアミノ酸のF、Q、N、またはWによる置換
からなる群から選択される。
【0245】
この実施形態の別の態様では、F1ポリペプチドのC末端は三量体形成ドメインと連結している。この実施形態の別の態様では、F2ポリペプチドは、RSV Fアミノ酸26~109位を含み、F1ポリペプチドは、RSV Fアミノ酸137~513位を含む。この実施形態の別の態様では、野生型RSVは、亜型A、亜型B、A2株、オンタリオ株、またはブエノスアイレス株である。この実施形態の別の態様では、システイン変異の対は、(1)55Cと188C;および(2)103Cと148Cからなる群から選択される。この実施形態の別の態様では、空洞充填変異は、
(1)190位のアミノ酸のI、Y、またはMによる置換、
(2)54位のアミノ酸のIまたはHによる置換、および
(3)296位のアミノ酸のIによる置換
からなる群から選択される。
【0246】
この実施形態の別の態様では、静電変異は、
(1)487位のアミノ酸のD、Q、またはHによる置換、
(2)489位のアミノ酸のH、S、またはNによる置換、および
(3)486位のアミノ酸のH、S、またはTによる置換
からなる群から選択される。
【0247】
この実施形態の別の態様では、
(i)システイン変異の対は、(1)55Cと188Cおよび(2)103Cと148Cからなる群から選択され、
(ii)空洞充填変異は、
(1)190位のアミノ酸のI、Y、またはMによる置換、
(2)54位のアミノ酸のIまたはHによる置換、および
(3)296位のアミノ酸のIによる置換
からなる群から選択され、
(iii)静電変異は、
(1)487位のアミノ酸のD、Q、またはHによる置換、
(2)486位のアミノ酸のH、S、またはTによる置換、および
(3)489位のアミノ酸のH、S、またはNによる置換
からなる群から選択される。
【0248】
この実施形態の別の態様では、変異体は、
(1)103C、148C、190I、および486Sの組合せ、
(2)54H、55C、188C、および486Sの組合せ、
(3)54H、103C、148C、190I、296I、および486Sの組合せ、
(4)54H、55C、142C、188C、296I、および371Cの組合せ、
(5)55C、188C、および486Sの組合せ、
(6)54H、55C、188C、および190Iの組合せ、
(7)55C、188C、190I、および486Sの組合せ、ならびに
(8)54H、55C、188C、190I、および486Sの組合せ
からなる群から選択される導入されたアミノ酸変異の組合せを含む。
【0249】
この実施形態の別の態様では、変異体は、103位のシステイン(C)(103C)および148位のシステイン(C)(148C)、190位のイソロイシン(I)(190I)、ならびに486位のセリン(S)(486S)を含む。
【0250】
別の態様では、変異体は、54位のヒスチジン(H)、103位および148位のシステイン(C)、190位および296位のイソロイシン(I)、ならびに486位のセリン(S)を含む。
【0251】
別の態様では、変異体は、54位のヒスチジン(H)、55位および188位のシステイン(C)、ならびに486位のセリン(S)を含む。
【0252】
別の態様では、変異体のF1ポリペプチドのC末端は三量体形成ドメインと連結している。
【0253】
別の態様では、三量体形成ドメインはファージT4フォールドン(foldon)ドメインである。
【0254】
別の実施形態では、第1の免疫原性組成物は、RSV亜型AのFタンパク質由来の変異体のF2ポリペプチドおよびF1ポリペプチドが、それぞれ配列番号9のアミノ酸配列および配列番号10のアミノ酸配列を含み、RSV亜型BのFタンパク質由来の第2の変異体のF2ポリペプチドおよびF1ポリペプチドが、それぞれ配列番号11のアミノ酸配列および配列番号12のアミノ酸配列を含む、医薬組成物を含む。一態様では、変異体のF1ポリペプチドのC末端は三量体形成ドメインと連結している。別の態様では、三量体形成ドメインはファージT4フォールドンドメインである。
【0255】
配列番号7.ネイティブなRSV A2の全長F0のアミノ酸配列(GenBank GI:138251;Swiss Prot P03420)
<212>型:PRT
<213>生物体:ヒト呼吸器合胞体ウイルス
<223>他の情報:ヒトRSV亜型A2のFタンパク質
MELLILKANAITTILTAVTFCFASGQNITEEFYQSTCSAVSKGYLSALRTGWYTSVITIELSNIKENKCNGTDAKVKLIKQELDKYKNAVTELQLLMQSTPPTNNRARRELPRFMNYTLNNAKKTNVTLSKKRKRRFLGFLLGVGSAIASGVAVSKVLHLEGEVNKIKSALLSTNKAVVSLSNGVSVLTSKVLDLKNYIDKQLLPIVNKQSCSISNIETVIEFQQKNNRLLEITREFSVNAGVTTPVSTYMLTNSELLSLINDMPITNDQKKLMSNNVQIVRQQSYSIMSIIKEEVLAYVVQLPLYGVIDTPCWKLHTSPLCTTNTKEGSNICLTRTDRGWYCDNAGSVSFFPQAETCKVQSNRVFCDTMNSLTLPSEINLCNVDIFNPKYDCKIMTSKTDVSSSVITSLGAIVSCYGKTKCTASNKNRGIIKTFSNGCDYVSNKGMDTVSVGNTLYYVNKQEGKSLYVKGEPIINFYDPLVFPSDEFDASISQVNEKINQSLAFIRKSDELLHNVNAGKSTTNIMITTIIIVIIVILLSLIAVGLLLYCKARSTPVTLSKDQLSGINNIAFSN
【0256】
配列番号8.ネイティブなRSV Bの全長F0のアミノ酸配列(18537株;GenBank GI:138250;Swiss Prot P13843)
<212>型:PRT
<213>生物体:ヒト呼吸器合胞体ウイルス
<223>他の情報:ヒトRSV亜型BのFタンパク質
MELLIHRSSAIFLTLAVNALYLTSSQNITEEFYQSTCSAVSRGYFSALRTGWYTSVITIELSNIKETKCNGTDTKVKLIKQELDKYKNAVTELQLLMQNTPAANNRARREAPQYMNYTINTTKNLNVSISKKRKRRFLGFLLGVGSAIASGIAVSKVLHLEGEVNKIKNALLSTNKAVVSLSNGVSVLTSKVLDLKNYINNRLLPIVNQQSCRISNIETVIEFQQMNSRLLEITREFSVNAGVTTPLSTYMLTNSELLSLINDMPITNDQKKLMSSNVQIVRQQSYSIMSIIKEEVLAYVVQLPIYGVIDTPCWKLHTSPLCTTNIKEGSNICLTRTDRGWYCDNAGSVSFFPQADTCKVQSNRVFCDTMNSLTLPSEVSLCNTDIFNSKYDCKIMTSKTDISSSVITSLGAIVSCYGKTKCTASNKNRGIIKTFSNGCDYVSNKGVDTVSVGNTLYYVNKLEGKNLYVKGEPIINYYDPLVFPSDEFDASISQVNEKINQSLAFIRRSDELLHNVNTGKSTTNIMITTIIIVIIVVLLSLIAIGLLLYCKAKNTPVTLSKDQLSGINNIAFSK
【0257】
【0258】
【0259】
2.5.CMVに由来する抗原を含む免疫原性組成物
ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)は、β-ヘルペスウイルス科の二本鎖DNAウイルスである。HCMVは、妊娠中の女性における感染または潜伏ウイルスの再活動性化後の垂直ウイルス伝播に起因する先天性および新生児難聴の主な原因である。さらに、HCMVは、一般的な日和見病原体であり、実質臓器および幹細胞移植患者、AIDS患者などの免疫抑制されている患者に影響を及ぼす。
【0260】
HCMVゲノムは、いくつかのエンベロープ糖タンパク質をコードし、そのうちの1つが糖タンパク質B(gB)である。糖タンパク質Bは、細胞へのウイルスの侵入に必要であり、感染に対する中和抗体(nAb)応答の重要な標的である、フソゲンである。gBサブユニット抗原を組み入れたHCMVワクチンが開発中である。臨床試験により、gBサブユニットに基づくワクチン候補のいくつかが安全かつ免疫原性であることが示されているが、保護有効性および保護の耐久性が改善されることが望ましい。
【0261】
一部の実施形態では、第1の免疫原性組成物は、配列番号13と比較して以下の変異
【0262】
【0263】
【0264】
【0265】
【0266】
【表4-5】
のうちの任意の1つまたはこれらの組合せを含むポリペプチドを含む。
【0267】
3.肺炎球菌コンジュゲートワクチンの投薬量
3.1 多糖の量
各用量の糖コンジュゲートの量は、典型的なワクチン接種を受けた人において著しい有害な副作用を伴わずに免疫保護応答を誘導する量として選択される。そのような量は、使用される特定の免疫原、および免疫原がどのように提示されるかに応じて変動する。
【0268】
免疫原性組成物中の特定の糖コンジュゲートの量は、そのコンジュゲートについての多糖の総量(コンジュゲートしたものおよびコンジュゲートしていないもの)に基づいて算出することができる。例えば、20%の遊離多糖を有する糖コンジュゲートは、多糖用量100μg中、約80μgのコンジュゲートした多糖および約20μgのコンジュゲートしていない多糖を有することになる。糖コンジュゲートの量は、連鎖球菌の血清型に応じて変動し得る。糖濃度をウロン酸アッセイによって決定することができる。
【0269】
免疫原性組成物中の異なる多糖構成成分の「免疫原性量」は異なり得、それぞれが、任意の特定の多糖抗原を約1.0μg、約2.0μg、約3.0μg、約4.0μg、約5.0μg、約6.0μg、約7.0μg、約8.0μg、約9.0μg、約10.0μg、約15.0μg、約20.0μg、約30.0μg、約40.0μg、約50.0μg、約60.0μg、約70.0μg、約80.0μg、約90.0μg、または約100.0μg含み得る。
【0270】
一般に、各用量には、所与の血清型について多糖0.1μg~100μg、特に、0.5μg~20μg、特に、1μg~10μg、特に、2μg~5μgが含まれる。上記の範囲のいずれかの中に入る任意の正の整数が本開示の実施形態として意図されている。
【0271】
ある実施形態では、各用量には、所与の血清型について多糖1μg、2μg、3μg、4μg、5μg、6μg、7μg、8μg、9μg、10μg、15μgまたは20μgが含まれる。
【0272】
3.2 担体の量
一般に、各用量には、担体タンパク質5μg~150μg、特には、担体タンパク質10μg~100μ、より特には、担体タンパク質15μg~100μg、より特には、担体タンパク質25~75μg、より特には、担体タンパク質30μg~70μg、より特には、担体タンパク質30~60μg、より特には、担体タンパク質30μg~50μg、なおより特には、担体タンパク質40~60μgが含まれる。ある実施形態では、前記担体タンパク質はCRM197である。
【0273】
ある実施形態では、各用量には、担体タンパク質約25μg、約26μg、約27μg、約28μg、約29μg、約30μg、約31μg、約32μg、約33μg、約34μg、約35μg、約36μg、約37μg、約38μg、約39μg、約40μg、約41μg、約42μg、約43μg、約44μg、約45μg、約46μg、約47μg、約48μg、約49μg、約50μg、約51μg、約52μg、約53μg、約54μg、約55μg、約56μg、約57μg、約58μg、約59μg、約60μg、約61μg、約62μg、約63μg、約64μg、約65μg、約66μg、約67μg、68μg、約69μg、約70μg、約71μg、約72μg、約73μg、約74μgまたは約75μgが含まれる。ある実施形態では、前記担体タンパク質はCRM197である。
【0274】
4.肺炎球菌コンジュゲートワクチンのアジュバント(複数可)
一部の実施形態では、本明細書に開示される肺炎球菌コンジュゲートワクチンは、少なくとも1種、2種または3種のアジュバントをさらに含み得る。「アジュバント」という用語は、抗原に対する免疫応答を増強する化合物または混合物を指す。抗原は、主に送達系として作用し得る、主に免疫モジュレーターとして作用し得る、または両方の強力な特色を有する。適切なアジュバントには、ヒトを含めた哺乳動物に対する使用に適したものが含まれる。
【0275】
ヒトに対して使用することができる公知の適切な送達系型アジュバントの例としては、これだけに限定されないが、アラム(例えば、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウムまたは水酸化アルミニウム)、リン酸カルシウム、リポソーム、水中油エマルション、例えば、MF59(4.3%w/vスクアレン、0.5%w/vポリソルベート80(TWEEN(登録商標)80)、0.5%w/vソルビタントリオレエート(Span 85))など、油中水エマルション、例えばMONTANIDE(商標)など、およびポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)(PLG)微小粒子またはナノ粒子が挙げられる。
【0276】
ある実施形態では、本明細書に開示される肺炎球菌コンジュゲートワクチンは、アジュバントとしてアルミニウム塩(アラム)(例えば、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウムまたは水酸化アルミニウム)を含む。好ましい実施形態では、本明細書に開示される肺炎球菌コンジュゲートワクチンは、アジュバントとしてリン酸アルミニウムまたは水酸化アルミニウムを含む。ある実施形態では、本明細書に開示される肺炎球菌コンジュゲートワクチンは、0.1mg/mLから1mg/mLまで、または0.2mg/mLから0.3mg/mLまでのアルミニウム元素をリン酸アルミニウムの形態で含む。ある実施形態では、本明細書に開示される肺炎球菌コンジュゲートワクチンは、約0.25mg/mLのアルミニウム元素をリン酸アルミニウムの形態で含む。
【0277】
ある実施形態では、本発明の肺炎球菌コンジュゲートワクチンは、アルミニウム塩(アラム)(例えば、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウムまたは水酸化アルミニウム)を含む。ある実施形態では、本発明の肺炎球菌コンジュゲートワクチンは、アジュバントとしてリン酸アルミニウムまたは水酸化アルミニウムを含む。
【0278】
5.肺炎球菌コンジュゲートワクチンの製剤
本発明の肺炎球菌コンジュゲートワクチンを液体の形態(すなわち、溶液または懸濁液)に製剤化することもでき、凍結乾燥形態に製剤化することもできる。液体製剤は、有利に、包装された形態から直接投与することができ、したがって、本発明の凍結乾燥組成物では必要になる水性媒体中での復元を必要としない注射に理想的である。
【0279】
ある実施形態では、本発明の肺炎球菌コンジュゲートワクチンは、液体の形態、好ましくは水溶液の形態である。
【0280】
ある実施形態では、本発明の肺炎球菌コンジュゲートワクチンは、緩衝剤を含む。ある実施形態では、前記緩衝剤のpKaは約3.5~約7.5である。一部の実施形態では、緩衝剤は、リン酸塩、コハク酸塩、ヒスチジンまたはクエン酸塩である。ある特定の実施形態では、緩衝剤は、最終濃度1mM~10mMのコハク酸塩である。特定の一実施形態では、コハク酸緩衝塩剤の最終濃度は約5mMである。
【0281】
ある実施形態では、本発明の肺炎球菌コンジュゲートワクチンは、塩を含む。一部の実施形態では、塩は、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウムおよびこれらの組合せからなる群から選択される。特定の一実施形態では、塩は、塩化ナトリウムである。特定の一実施形態では、本発明の肺炎球菌コンジュゲートワクチンは、塩化ナトリウムを150mMで含む。
【0282】
ある実施形態では、本発明の肺炎球菌コンジュゲートワクチンは、界面活性物質を含む。ある実施形態では、界面活性物質は、ポリソルベート20(TWEEN(商標)20)、ポリソルベート40(TWEEN(商標)40)、ポリソルベート60(TWEEN(商標)60)、ポリソルベート65(TWEEN(商標)65)、ポリソルベート80(TWEEN(商標)80)、ポリソルベート85(TWEEN(商標)85)、TRITON(商標)N-1 01、TRITON(商標)X-100、オクトキシノール40、ノノキシノール-9、トリエタノールアミン、トリエタノールアミンポリペプチドオレエート、ポリオキシエチレン-660ヒドロキシステアレート(PEG-15、Solutol H 15)、ポリオキシエチレン-35-リシノレエート(CREMOPHOR(登録商標)EL)、ダイズレシチンおよびポロキサマーからなる群から選択される。特定の一実施形態では、界面活性物質は、ポリソルベート80である。一部の前記実施形態では、製剤中のポリソルベート80の最終濃度は、重量比(w/w)で少なくとも0.0001%~10%のポリソルベート80である。一部の前記実施形態では、製剤中のポリソルベート80の最終濃度は、重量比(w/w)で少なくとも0.001%~1%のポリソルベート80である。一部の前記実施形態では、製剤中のポリソルベート80の最終濃度は、重量比(w/w)で少なくとも0.01%~1%のポリソルベート80である。他の実施形態では、製剤中のポリソルベート80の最終濃度は、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%または0.1%のポリソルベート80(w/w)である。別の実施形態では、製剤中のポリソルベート80の最終濃度は、0.02%のポリソルベート80(w/w)である。別の実施形態では、製剤中のポリソルベート80の最終濃度は、0.01%のポリソルベート80(w/w)である。別の実施形態では、製剤中のポリソルベート80の最終濃度は、0.03%のポリソルベート80(w/w)である。別の実施形態では、製剤中のポリソルベート80の最終濃度は、0.04%のポリソルベート80(w/w)である。別の実施形態では、製剤中のポリソルベート80の最終濃度は、0.05%のポリソルベート80(w/w)である。別の実施形態では、製剤中のポリソルベート80の最終濃度は、1%のポリソルベート80(w/w)である。
【0283】
特定の一実施形態では、界面活性物質は、ポリソルベート20である。一部の前記実施形態では、製剤中のポリソルベート20の最終濃度は、重量比(w/w)で少なくとも0.0001%~10%のポリソルベート20である。一部の前記実施形態では、製剤中のポリソルベート20の最終濃度は、重量比(w/w)で少なくとも0.001%~1%のポリソルベート20である。一部の前記実施形態では、製剤中のポリソルベート20の最終濃度は、重量比(w/w)で少なくとも0.01%~1%のポリソルベート20である。他の実施形態では、製剤中のポリソルベート20の最終濃度は、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%または0.1%のポリソルベート20(w/w)である。別の実施形態では、製剤中のポリソルベート20の最終濃度は、0.02%のポリソルベート20(w/w)である。別の実施形態では、製剤中のポリソルベート20の最終濃度は、0.01%のポリソルベート20(w/w)である。別の実施形態では、製剤中のポリソルベート20の最終濃度は、0.03%のポリソルベート20(w/w)である。別の実施形態では、製剤中のポリソルベート20の最終濃度は、0.04%のポリソルベート80(w/w)である。別の実施形態では、製剤中のポリソルベート20の最終濃度は、0.05%のポリソルベート20(w/w)である。別の実施形態では、製剤中のポリソルベート20の最終濃度は、1%のポリソルベート20(w/w)である。
【0284】
ある特定の実施形態では、本発明の肺炎球菌コンジュゲートワクチンは、pH5.5~7.5、より好ましくはpH5.6~7.0、なおより好ましくはpH5.8~6.0である。
【0285】
注射用の本発明の肺炎球菌コンジュゲートワクチンの典型的な用量の体積は0.1mL~2mL、より好ましくは0.2mL~1mLであり、なおより好ましくは体積は約0.5mLである。
【0286】
6.免疫保護応答を引き出すための方法
ある実施形態では、本発明は、ヒトにおける感染性細菌抗原(例えば、肺炎球菌(S.pneumoniae)、髄膜炎菌(N.meningitidis)、クロストリディオイデス・ディフィシル(C.difficile)、および大腸菌(E.coli)の任意の1つから選択される)に対する、およびベータコロナウイルス(例えば、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2))に対する免疫保護応答を引き出すための方法であって、ヒトに、感染性疾患を引き起こす細菌に由来するポリペプチド、トキソイド、多糖、および多糖コンジュゲートの任意の1つから選択される抗原を含む第1の免疫原性組成物と、ベータコロナウイルスに対するmRNAワクチンとを有効用量で同時投与する(例えば、付随的にまたは並行して)ステップを含む方法に関する。ある実施形態では、感染性疾患を引き起こす細菌に対する前記第1の免疫原性組成物および前記ベータコロナウイルスに対するmRNAワクチンは、本明細書に開示される組成物のいずれかである。
【0287】
ある実施形態では、本発明は、ヒトにおける肺炎球菌(S.pneumoniae)および重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に対する免疫保護応答を引き出すための方法であって、ヒトに、肺炎球菌コンジュゲートワクチン(PCV)と、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンを有効用量で同時投与する(例えば、付随的にまたは並行して)ステップを含む方法に関する。ある実施形態では、前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対する前記mRNAワクチンは、本明細書に開示されるワクチンのいずれかである。
【0288】
好ましい実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)に対する免疫保護応答を、例えば、IgGレベル、ワクチン接種前からワクチン接種後までのIgGレベルの上昇倍率、OPA力価および/またはワクチン接種前からワクチン接種後までのOPA力価の上昇倍率(例えば、OPA力価の少なくとも4倍の上昇)など、当技術分野で公知の任意の方法によって測定することができる。
【0289】
肺炎球菌(S.pneumoniae)の各血清型について、肺炎球菌(S.pneumoniae)多糖に結合することが可能なIgG抗体のレベルを、ELISAアッセイによって決定することができる。
【0290】
ELISA(酵素結合免疫吸着検定法)法では、ワクチン接種を受けた対象の血清由来の抗体を、固体支持体に吸着させた多糖と一緒にインキュベートする。結合した抗体を、酵素とコンジュゲートした検出用二次抗体を使用して検出する。ある実施形態では、前記ELISAアッセイは、WHOによって「Training Manual For Enzyme Linked Immunosorbent Assay For The Quantitation Of Streptococcus Pneumoniae Serotype Specific IgG (Pn PS ELISA).(007sp Version)」(例えば、2021年5月3日にアクセスされているhttps://www.vaccine.uab.edu/uploads/mdocs/ELISAProtocol(007sp).pdfで入手可能)において定義されている標準化されたELISAアッセイである。
【0291】
ELISAにより、ヒト血清中に存在する型特異的IgG抗肺炎球菌(S.pneumoniae)莢膜多糖(PS)抗体を測定する。ヒト血清の希釈物を、型特異的莢膜PSをコーティングしたマイクロタイタープレートに添加すると、その莢膜PSに特異的な抗体がマイクロタイタープレートに結合する。プレートに結合した抗体を、アルカリホスファターゼ標識したヤギ抗ヒトIgG抗体、続いて、p-ニトロフェニルリン酸基質を使用して検出する。呈色した最終産物の光学濃度は血清中に存在する抗莢膜PS抗体の量に比例する。
【0292】
ある実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)に対する免疫保護応答を、ELISAアッセイ(例えば、WHOによって定義されている標準化されたELISAアッセイなど)によって決定されるIgGレベルによって測定することができ、対象は、所与の血清型についてのワクチン接種後の肺炎球菌IgGの濃度の予め規定されたレベルを実現する。ある実施形態では、前記レベルをワクチン接種の約1カ月後に測定する。ある実施形態では、ワクチン接種後のIgGの濃度の予め規定されたレベルは、以下の通りである:血清型1、3、4、6A、7F、9V、14、18C、19F、23F、8、10A、11A、12F、15B、22F、33Fについて:1ミリリットル当たり少なくとも0.35マイクログラム、血清型5について:1ミリリットル当たり少なくとも0.23マイクログラム、血清型6Bについて:1ミリリットル当たり少なくとも0.10マイクログラム、および血清型19Aについて:1ミリリットル当たり少なくとも0.12マイクログラム。
【0293】
好ましい実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)に対する免疫保護応答を、肺炎球菌OPA力価またはワクチン接種前からワクチン接種後(例えば、ワクチン接種の1カ月後)までのOPA力価の上昇倍率によって測定することができる。そのような実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)に対する免疫保護応答を、ワクチン接種前からワクチン接種後(例えば、ワクチン接種の1カ月後)までのOPA力価の少なくとも4倍の上昇によって測定することができる。
【0294】
肺炎球菌オプソニン化貪食アッセイ(OPA)は、機能性抗体および補体の存在下での貪食エフェクター細胞による肺炎球菌(S.pneumoniae)細胞の死滅を測定するものであり、肺炎球菌ワクチンの効果の評価の重要な代理になると考えられる。
【0295】
in vitroオプソニン化貪食アッセイ(OPA)を、肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)細胞、試験される熱失活ヒト血清、分化させたHL-60細胞(食細胞)および外因性補体供給源(例えば、子ウサギ補体)の混合物をインキュベートすることによって行うことができる。インキュベーション中にオプソニン化貪食が進行し、抗体および補体で覆われた細菌細胞がオプソニン化貪食されて死滅する。オプソニン化貪食から逃れた生存細菌コロニー形成単位(cfu)を、アッセイ混合物をプレーティングすることによって決定する。OPA力価は、試験血清を伴わない対照ウェルに対する細菌計数の50%減少がもたらされる希釈度の逆数と定義される。OPA力価を、この50%死滅カットオフを包含する2つの希釈度から内挿する。
【0296】
エンドポイント力価1:8以上を、これらの死滅型OPAに関する陽性結果とみなす。したがって、ある実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)に対する免疫保護応答血清型を肺炎球菌OPA力価によって測定することができ、結果は、エンドポイント力価1:8以上が測定された場合、陽性とみなされる。
【0297】
一部の実施形態では、ヒト対象は、肺炎球菌ワクチン接種前に、例えば、肺炎球菌(S.pneumoniae)への自然曝露(例えば、成体対象の場合)に起因して、血清型特異的OPA力価を有する可能性がある。したがって、本発明の肺炎球菌コンジュゲートワクチンを用いた免疫化前と免疫化後の血清のOPA活性の比較を、OPA力価の潜在的な増大を比較することによって行うことができる。
【0298】
ある実施形態では、肺炎球菌(S.pneumoniae)に対する免疫保護応答血清型を、ワクチン接種前からワクチン接種後(例えば、ワクチン接種の1カ月後)までのOPA力価の上昇倍率によって測定することができ、ワクチン接種前からワクチン接種後までのOPA力価の少なくとも4倍の上昇が陽性とみなされる。
【0299】
好ましい実施形態では、SARS-CoV-2に対する免疫保護応答を、S結合性IgGおよび/またはSARS-CoV-2中和力価のワクチン誘導性抗体応答濃度などの当技術分野で公知の任意の方法によって測定することができる。
【0300】
好ましい実施形態では、SARS-CoV-2に対する免疫保護応答を、全長S結合性IgGレベル(抗原特異的抗体)によって、および/または産生された中和抗体力価によって測定することができる。好ましい実施形態では、SARS-CoV-2に対する免疫保護応答を全長S結合性IgGレベルによって測定することができる。別の好ましい実施形態では、SARS-CoV-2に対する免疫保護応答を産生された中和抗体力価によって測定することができる。
【0301】
一部の実施形態では、中和抗体力価は、タンパク質ワクチンよりも大きい。他の実施形態では、本発明のmRNAワクチンによって産生される中和抗体力価は、アジュバント添加タンパク質ワクチンよりも大きい。さらに他の実施形態では、本発明のmRNAワクチンによって産生される中和抗体力価は、1,000~10,000、1,200~10,000、1,400~10,000、1,500~10,000、1,000~5,000、1,000~4,000、1,800~10,000、2000~10,000、2,000~5,000、2,000~3,000、2,000~4,000、3,000~5,000、3,000~4,000、または2,000~2,500である。中和力価は、一般には、プラーク数の50%減少を実現するために必要な最も高い血清希釈度として表される。例えば、N Engl J Med.2020 Dec 31;383(27):2603~2615に記載されている、2020年に行われた臨床試験では、BNT162b2、30μgにより、高齢成人および若年成人において50%中和をもたらす幾何平均力価が引き出され、ヒト回復期血清パネルに関して測定された幾何平均力価を超えた。
【0302】
例示的な実施形態では、抗体価(すなわち、対象において産生される抗原特異的抗体(S結合性)の量)を、依然として陽性結果がもたらされる最大希釈度(段階希釈で)の逆数として表す。例示的な実施形態では、抗体価を酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)によって決定または測定する。例示的な実施形態では、抗体価を中和アッセイによって、例えばマイクロ中和アッセイによって決定または測定する。ある特定の態様では、抗体価測定値を、例えば1:40、1:100など、比として表す。本発明の例示的な実施形態では、効果的なワクチンでは、1:40を超える、1:100を超える、1:400を超える、1:1000を超える、1:2000を超える、1:3000を超える、1:4000を超える、1:500を超える、1:6000を超える、1:7500を超える、1:10000を超える抗体価が生じる。
【0303】
本発明のある実施形態では、効果的なワクチンでは、1:40を超える抗体価が生じる。本発明のある実施形態では、効果的なワクチンでは、1:100を超える抗体価が生じる。本発明のある実施形態では、効果的なワクチンでは、1:400を超える抗体価が生じる。本発明のある実施形態では、効果的なワクチンでは、1:1000を超える抗体価が生じる。本発明のある実施形態では、効果的なワクチンでは、1:2000を超える抗体価が生じる。本発明のある実施形態では、効果的なワクチンでは、1:3000を超える抗体価が生じる。本発明のある実施形態では、効果的なワクチンでは、1:4000を超える抗体価が生じる。本発明のある実施形態では、効果的なワクチンでは、1:500を超える抗体価が生じる。本発明のある実施形態では、効果的なワクチンでは、1:6000を超える抗体価が生じる。本発明のある実施形態では、効果的なワクチンでは、1:7500を超える抗体価が生じる。本発明のある実施形態では、効果的なワクチンでは、1:10000を超える抗体価が生じる。例示的な実施形態では、ワクチン接種の10日後までに、ワクチン接種の20日後までに、ワクチン接種の30日後までに、ワクチン接種の40日後までに、またはワクチン接種の50日後またはそれ以後までに当該抗体価が生じるまたはそれに達する。本発明のある実施形態では、ワクチン接種の10日後までに当該抗体価が生じるまたはそれに達する。本発明のある実施形態では、ワクチン接種の20日後までに当該抗体価が生じるまたはそれに達する。本発明のある実施形態では、ワクチン接種の30日後までに当該抗体価が生じるまたはそれに達する。本発明のある実施形態では、ワクチン接種の40日後までに当該抗体価が生じるまたはそれに達する。本発明のある実施形態では、ワクチン接種の50日後またはそれ以後までに当該抗体価が生じるまたはそれに達する。本発明のある実施形態では、ワクチン接種の21~35日後までに当該抗体価が生じるまたはそれに達する。例示的な実施形態では、対象にワクチンの単回用量を投与後に当該力価が生じるまたはそれに達する。他の実施形態では、複数回用量後、例えば、1回目および2回目の用量(例えば、ブースター用量)後に当該力価が生じるまたはそれに達する。例示的な実施形態では、対象にワクチンの3回用量を投与後に当該力価が生じるまたはそれに達する。本発明の例示的な態様では、抗原特異的抗体をμg/mlの単位で測定する、またはIU/L(1リットル当たりの国際単位)もしくはmIU/ml(1ml当たりのミリ国際単位)の単位で測定する。本発明の例示的な実施形態では、効果的なワクチンでは、>0.05μg/ml、>0.1μg/ml、>0.2μg/ml、>0.35μg/ml、>0.5μg/ml、>1μg/ml、>2μg/ml、>5μg/mlまたは>10μg/mlが産生される。本発明の実施形態では、効果的なワクチンでは、>0.05μg/mlの抗原特異的抗体が産生される。本発明の実施形態では、効果的なワクチンでは、>0.1μg/mlの抗原特異的抗体が産生される。本発明の実施形態では、効果的なワクチンでは、>0.2μg/mlの抗原特異的抗体が産生される。本発明の実施形態では、効果的なワクチンでは、>0.35μg/mlの抗原特異的抗体が産生される。本発明の実施形態では、効果的なワクチンでは、>0.5μg/mlの抗原特異的抗体が産生される。本発明の実施形態では、効果的なワクチンでは、>1μg/mlの抗原特異的抗体が産生される。本発明の実施形態では、効果的なワクチンでは、>2μg/mlの抗原特異的抗体が産生される。本発明の実施形態では、効果的なワクチンでは、>5μg/mlの抗原特異的抗体が産生される。本発明の実施形態では、効果的なワクチンでは、>10μg/mlの抗原特異的抗体が産生される。
【0304】
本発明の例示的な実施形態では、効果的なワクチンでは、>10mIU/ml、>20mIU/ml、>50mIU/ml、>100mIU/ml、>200mIU/ml、>500mIU/mlまたは>1000mIU/mlが産生される。本発明の実施形態では、効果的なワクチンでは、>10mIU/mlが産生される。本発明の実施形態では、効果的なワクチンでは、>20mIU/mlが産生される。本発明の実施形態では、効果的なワクチンでは、>50mIU/mlが産生される。本発明の実施形態では、効果的なワクチンでは、>100mIU/mlが産生される。本発明の実施形態では、効果的なワクチンでは、>200mIU/mlが産生される。本発明の実施形態では、効果的なワクチンでは、>500mIU/mlまたは>1000mIU/mlが産生される。例示的な実施形態では、ワクチン接種の10日後までに、ワクチン接種の20日後までに、ワクチン接種の30日後までに、ワクチン接種の40日後までに、またはワクチン接種の50日後またはそれ以後までに当該抗体レベルまたは濃度が産生されるまたはそれに達する。本発明のある実施形態では、ワクチン接種の10日後までに当該抗体レベルまたは濃度が産生されるまたはそれに達する。本発明のある実施形態では、ワクチン接種の20日後までに当該抗体レベルまたは濃度が産生されるまたはそれに達する。本発明のある実施形態では、ワクチン接種の30日後までに当該抗体レベルまたは濃度が産生されるまたはそれに達する。本発明のある実施形態では、ワクチン接種の40日後までに当該抗体レベルまたは濃度が産生されるまたはそれに達する。本発明のある実施形態では、ワクチン接種の50日後までに当該抗体レベルまたは濃度が産生されるまたはそれに達する。本発明のある実施形態では、ワクチン接種の21~35日後までに当該抗体レベルまたは濃度が産生されるまたはそれに達する。例示的な実施形態では、対象にワクチンの単回用量を投与後に当該レベルまたは濃度が産生されるまたはそれに達する。他の実施形態では、複数回用量後、例えば、1回目の用量および2回目の用量(例えば、ブースター用量)後に当該レベルまたは濃度が産生されるまたはそれに達する。例示的な実施形態では、対象にワクチンの3回用量を投与後に当該力価が産生されるまたはそれに達する。例示的な実施形態では、抗体レベルまたは濃度を酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)によって決定または測定する。例示的な実施形態では、抗体レベルまたは濃度を中和アッセイによって、例えばマイクロ中和アッセイによって決定または測定する。
【0305】
別の実施形態では、SARS-CoV-2に対する免疫保護応答を、SARS-CoV-2 Sタンパク質およびそのエピトープに対するCD4+およびCD8+T細胞応答によって測定することができる。mRNA組成物によって誘導されたS特異的SARS-CoV-2 T細胞の機能性および分極化を、SARS-CoV-2 Sタンパク質全体の全長配列を表す重複するペプチドプールを用いて刺激した後に測定されるサイトカインIFNγ、IL-2、およびIL-4の細胞内蓄積によって評定することができる。
【0306】
例えば、2020年12月10日付けのFDA Briefing Document for the Vaccines and Related Biological Products Advisory Committee Meetingに記載されている2020年に行われた臨床試験では、両方の用量のBNT162b2を受けた参加者では大多数でSARS-CoV-2 Sタンパク質特異的CD4+(39/39、100%)およびCD8+(35/39、89.7%)T細胞応答の証拠が認められた。これらのT細胞応答は、RBDのエピトープを含めた、抗原の異なる部分に対するものであった。それにより、BNT162b2により多エピトープ応答が誘導されることが示される。S特異的BNT162b2誘導性SARS-CoV-2 T細胞の機能性および分極化を、SARS-CoV-2 Sタンパク質全体の全長配列を表す重複するペプチドプールを用いて刺激した後に測定されるサイトカインIFNγ、IL-2、およびIL-4の細胞内蓄積によって評定した。ベンチマーキングのために、ウイルス学的に確認されたCOVID-19を有する回復期患者15名からのPBMC画分を使用した。Tヘルパー応答のTh1分極化を、抗原特異的(SARS-CoV-2 Sタンパク質ペプチドプール)再刺激の際のIFNγおよびIL-2の産生、ならびにほんの軽微なIL-4の産生によって特徴付けた。SARS-CoV-2を中和する幾何平均力価(GMT)は、用量1(Dose1)後にベースラインを越えて増大し、用量2(Dose2)後にブースト効果が伴い、これは30μgの用量レベルで最も顕著であった。したがって、BNT162-01試験の免疫原性に関する結果から、18~55歳の健康な成人における抗体媒介性SARS-CoV-2中和および細胞媒介性細胞免疫応答(cell-mediated cellular immune response)におけるTh1分極化の証拠が示され、それにより、最終的な用量選択およびC4591001試験により多数の参加者を組み入れることの利益の見込みが支持される。
【0307】
好ましい実施形態では、本発明のmRNAワクチンを同時投与すること(例えば、付随的にまたは並行して)で、本発明のPCV単独での投与と比較して、本発明のPCVによって引き出される肺炎球菌(S.pneumoniae)に対する免疫保護応答は低減しない。
【0308】
したがって、驚いたことに、これらの実施形態では、mRNAワクチンがPCV、好ましくはPrevnar13(登録商標)、V114または20vPnC(Prevnar20(登録商標))ワクチンに対する患者の応答に免疫学的に干渉しないことが見いだされた。
【0309】
好ましい実施形態では、本発明のmRNAワクチンを同時投与すること(例えば、付随的にまたは並行して)で、本発明のPCV単独での投与と比較して、本発明のPCVによって引き出される肺炎球菌(S.pneumoniae)に対する免疫保護応答が増大する。
【0310】
したがって、驚いたことに、これらの実施形態では、mRNAワクチンにより、PCV、好ましくはPrevnar13(登録商標)、V114または20vPnC(Prevnar20(登録商標))ワクチンに対する患者の応答が免疫学的に増強されることが見いだされた。
【0311】
本発明の多価PCV中の少なくとも1種のコンジュゲートに対してそのような増大が観察されることが好ましい。本発明の多価PCV中の少なくとも2種、3種、4種、5種、6種、7種、8種、9種、10種、11種、12種または13種のコンジュゲートに対してそのような増大が観察されることが好ましい。一部のそのような実施形態では、本発明のPCVの少なくとも1種のコンジュゲートに対して免疫保護応答が増大する。一部の実施形態では、本発明のPCVの少なくとも2種のコンジュゲートに対して免疫保護応答が増大する。一部の実施形態では、本発明のPCVの少なくとも3種のコンジュゲートに対して免疫保護応答が増大する。一部の実施形態では、本発明のPCVの少なくとも4種のコンジュゲートに対して免疫保護応答が増大する。一部の実施形態では、本発明のPCVの少なくとも5種のコンジュゲートに対して免疫保護応答が増大する。一部の実施形態では、本発明のPCVの少なくとも6種のコンジュゲートに対して免疫保護応答が増大する。一部の実施形態では、本発明のPCVの少なくとも7種のコンジュゲートに対して免疫保護応答が増大する。一部の実施形態では、本発明のPCVの少なくとも8種のコンジュゲートに対して免疫保護応答が増大する。一部の実施形態では、本発明のPCVの少なくとも9種のコンジュゲートに対して免疫保護応答が増大する。一部の実施形態では、本発明のPCVの少なくとも10種のコンジュゲートに対して免疫保護応答が増大する。一部の実施形態では、本発明のPCVの少なくとも11種のコンジュゲートに対して免疫保護応答が増大する。一部の実施形態では、本発明のPCVの少なくとも3種のコンジュゲートに対して免疫保護応答が増大する。一部の実施形態では、本発明のPCVの少なくとも12種のコンジュゲートに対して免疫保護応答が増大する。一部の実施形態では、本発明のPCVの少なくとも13種のコンジュゲートに対して免疫保護応答が増大する。一部の実施形態では、本発明のPCVの少なくとも14種のコンジュゲートに対して免疫保護応答が増大する。一部の実施形態では、本発明のPCVの少なくとも15種のコンジュゲートに対して免疫保護応答が増大する。一部の実施形態では、本発明のPCVの少なくとも16種のコンジュゲートに対して免疫保護応答が増大する。一部の実施形態では、本発明のPCVの少なくとも17種のコンジュゲートに対して免疫保護応答が増大する。一部の実施形態では、本発明のPCVの少なくとも18種のコンジュゲートに対して免疫保護応答が増大する。一部の実施形態では、本発明のPCVの少なくとも19種のコンジュゲートに対して免疫保護応答が増大する。一部の実施形態では、本発明のPCVの20種のコンジュゲートに対して免疫保護応答が増大する。
【0312】
それぞれの多価PCVの全てのコンジュゲートに対してそのような増大が観察されることが好ましい。例えば、13価PCV(例えば、Prevnar13(登録商標)など)の場合、PCVの13種のコンジュゲートに対して免疫保護応答が増大する。
【0313】
例えば、15価PCV(例えば、V114など)の場合、PCVの15種のコンジュゲートに対して免疫保護応答が増大する。
【0314】
例えば、20価PCV(例えば、20vPnC(Prevnar20(登録商標))など)の場合、PCVの20種のコンジュゲートに対して免疫保護応答が増大する。
【0315】
そのような増大は、少なくとも1.2倍であることが好ましい。ある実施形態では、そのような増大は、少なくとも1.3倍である。ある実施形態では、そのような増大は、少なくとも1.4倍である。ある実施形態では、そのような増大は、少なくとも1.5倍である。ある実施形態では、そのような増大は、少なくとも1.6倍である。ある実施形態では、そのような増大は、少なくとも1.7倍である。ある実施形態では、そのような増大は、少なくとも1.8倍である。ある実施形態では、そのような増大は、少なくとも1.9倍である。ある実施形態では、そのような増大は、少なくとも2倍である。
【0316】
ある実施形態では、前記増大は、IgGレベルの上昇である。
【0317】
ある実施形態では、前記増大は、ワクチン接種前からワクチン接種後までのIgGレベルの上昇倍率の増大である。
【0318】
ある実施形態では、前記増大は、OPA力価の増大である。
【0319】
ある実施形態では、前記増大は、ワクチン接種前からワクチン接種後(ワクチン接種の1カ月後)までのOPA力価の上昇倍率の増大である。
【0320】
本発明のそのような増大は、0.05未満のp値で統計的に有意であることが好ましい。
【0321】
好ましい実施形態では、本発明のPCVワクチンを同時投与すること(例えば、付随的にまたは並行して)で、本発明のmRNAワクチンの単独での投与と比較して。本発明のmRNAワクチンによって引き出されるSARS-CoV-2に対する免疫保護応答は低減しない。
【0322】
したがって、驚いたことに、これらの実施形態では、PCVが、mRNAワクチン、好ましくはBNT162b2ワクチンに対する患者の応答に免疫学的に干渉しないことが見いだされた。
【0323】
好ましい実施形態では、本発明のPCVワクチンを同時投与すること(例えば、付随的にまたは並行して)で、本発明のmRNAワクチンの単独での投与と比較して、本発明のmRNAワクチンによって引き出されるSARS-CoV-2に対する免疫保護応答が増大する。
【0324】
したがって、驚いたことに、これらの実施形態では、PCVにより、mRNAワクチン、好ましくはBNT162b2ワクチンに対する患者の応答が免疫学的に増強されることが見いだされた。
【0325】
そのような増大は、中和抗体力価が少なくとも1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍、1.6倍、1.7倍、1.8倍、1.9倍または2倍になることが好ましい。ある実施形態では、そのような増大は、中和抗体力価が少なくとも1.2倍になることである。ある実施形態では、そのような増大は、中和抗体力価が少なくとも1.3倍になることである。ある実施形態では、そのような増大は、中和抗体力価が少なくとも1.4倍になることである。ある実施形態では、そのような増大は、中和抗体力価が少なくとも1.5倍になることである。ある実施形態では、そのような増大は、中和抗体力価が少なくとも1.6倍になることである。ある実施形態では、そのような増大は、中和抗体力価が少なくとも1.7倍になることである。ある実施形態では、そのような増大は、中和抗体力価が少なくとも1.8倍になることである。ある実施形態では、そのような増大は、中和抗体力価が少なくとも1.9倍になることである。ある実施形態では、そのような増大は、中和抗体力価が少なくとも2倍になることである。
【0326】
そのような増大は、抗原特異的(S結合性)抗体価が少なくとも1.2倍である、1.3倍、1.4倍、1.5倍、1.6倍、1.7倍、1.8倍、1.9倍または2倍になることであることが好ましい。ある実施形態では、そのような増大は、中和抗体力価が少なくとも1.2倍になることである。ある実施形態では、そのような増大は、抗原特異的(S結合性)抗体価が少なくとも1.3倍になることである。ある実施形態では、そのような増大は、抗原特異的(S結合性)抗体価が少なくとも1.4倍になることである。ある実施形態では、そのような増大は、抗原特異的(S結合性)抗体価が少なくとも1.5倍になることである。ある実施形態では、そのような増大は、抗原特異的(S結合性)抗体価が少なくとも1.6倍になることである。ある実施形態では、そのような増大は、抗原特異的(S結合性)抗体価が少なくとも1.7倍になることである。ある実施形態では、そのような増大は、抗原特異的(S結合性)抗体価が少なくとも1.8倍になることである。ある実施形態では、そのような増大は、抗原特異的(S結合性)抗体価が少なくとも1.9倍になることである。ある実施形態では、そのような増大は、抗原特異的(S結合性)抗体価が少なくとも2倍になることである。
【0327】
本発明のそのような増大は0.05未満のp値で統計的に有意であることが好ましい。
【0328】
ある実施形態では、前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンとSARS-CoV-2に対する前記mRNAワクチンを並行して投与する。
【0329】
ある実施形態では、前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンとSARS-CoV-2に対する前記mRNAワクチンを付随的に投与する。
【0330】
「並行投与」とは、治療有効用量の第1のおよび第2の免疫原性組成物を、同じ接種部位に、別々の単位剤形で、互いに短時間のうちに投与することを意味する。並行投与は、基本的に、2種の免疫原性組成物をほぼ同じ時間であるが別々の剤形で、同じ接種部位に投与するものである。第1のおよび第2の免疫原性組成物の並行投与は、多くの場合、同じ診察時に行われる。
【0331】
「付随的投与」とは、治療有効用量の第1のおよび第2の免疫原性組成物を、別々の単位剤形で、互いに短時間のうちに、異なる解剖学的部位に投与することを意味する。付随的投与は、基本的に、2種の免疫原性組成物をほぼ同じ時間であるが別々の剤形で、異なる解剖学的部位に投与するものである。第1のおよび第2の免疫原性組成物の付随的投与は、多くの場合、同じ診察時に行われる。
【0332】
一部の場合では、本発明によるワクチンのそれぞれの用量をわずか1回投与する。しかし、一部の場合では、2回目、3回目または4回目の用量を与えることができる、最初のワクチン接種後、対象は、十分な間隔をおいて1回または数回のブースター免疫化を受けることができる。
【0333】
本発明の方法のある実施形態では、少なくともSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの2回の用量を投与する。本発明の方法のある実施形態では、少なくともSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの3回の用量を投与する。本発明の方法のある実施形態では、少なくともSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの4回の用量を投与する。
【0334】
本発明の方法のある実施形態では、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの2回の用量を投与する。本発明の方法のある実施形態では、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの3回の用量を投与する。本発明の方法のある実施形態では、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの4回の用量を投与する。前記実施形態では、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの用量は、約2週間~約12カ月の間隔をおくことができる。
【0335】
本発明の方法のある実施形態では、肺炎球菌コンジュゲートワクチンの1回の用量を投与する。
【0336】
本発明の方法のある実施形態では、少なくとも肺炎球菌コンジュゲートワクチンの2回の用量を投与する。本発明の方法のある実施形態では、少なくとも肺炎球菌コンジュゲートワクチンの3回の用量を投与する。本発明の方法のある実施形態では、少なくとも肺炎球菌コンジュゲートワクチンの4回の用量を投与する。
【0337】
本発明の方法のある実施形態では、肺炎球菌コンジュゲートワクチンの2回の用量を投与する。本発明の方法のある実施形態では、肺炎球菌コンジュゲートワクチンの3回の用量を投与する。本発明の方法のある実施形態では、肺炎球菌コンジュゲートワクチンの4回の用量を投与する。前記実施形態では、肺炎球菌コンジュゲートワクチンの前記用量を、約2週間~約12カ月の間隔をおくことができる。
【0338】
本発明の方法のある実施形態では、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの2回の用量と肺炎球菌コンジュゲートワクチンの1回の用量とを投与する。前記実施形態では、前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの1回目の用量と同時投与することができる。別の実施形態では、前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの2回目の用量と同時投与することができる。別の実施形態では、前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの1回目の用量と付随的に投与することができる。さらに他の実施形態では、前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの2回目の用量と付随的に投与することができる。他の実施形態では、前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの1回目の用量と並行して投与することができる。さらに別の実施形態では、前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの2回目の用量と並行して投与することができる。
【0339】
本発明の方法のある実施形態では、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの3回の用量と肺炎球菌コンジュゲートワクチンの1回の用量とを投与する。前記実施形態では、前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの1回目の用量と同時投与することができる。他の実施形態では、前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの2回目の用量と同時投与することができる。さらに別の実施形態では、前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの3回目の用量と同時投与する。他の実施形態では、前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの1回目の用量と並行して投与することができる。他の実施形態では、前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの2回目の用量と並行して投与することができる。他の実施形態では、前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの3回目の用量と並行して投与することができる。他の実施形態では、前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの1回目の用量と付随的に投与することができる。他の実施形態では、前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの2回目の用量と付随的に投与することができる。他の実施形態では、前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの3回目の用量と付随的に投与することができる。
【0340】
本発明の方法のある実施形態では、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの4回の用量と肺炎球菌コンジュゲートワクチンの1回の用量とを投与する。前記実施形態では、前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの1回目の用量と同時投与することができる。他の実施形態では、前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの2回目の用量と同時投与することができる。他の実施形態では、前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの3回目の用量と同時投与することができる。他の実施形態では、前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの4回目の用量と同時投与することができる。他の実施形態では、前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの1回目の用量と並行して投与することができる。他の実施形態では、前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの2回目の用量と並行して投与することができる。他の実施形態では、前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの3回目の用量と並行して投与することができる。他の実施形態では、前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの4回目の用量と並行して投与することができる。他の実施形態では、前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの1回目の用量と付随的に投与することができる。他の実施形態では、前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの2回目の用量と付随的に投与することができる。他の実施形態では、前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの3回目の用量と付随的に投与することができる。他の実施形態では、前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの4回目の用量と付随的に投与することができる。
【0341】
本発明の方法のある実施形態では、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの2回の用量と肺炎球菌コンジュゲートワクチンの2回の用量とを投与する。
【0342】
本発明の方法のある実施形態では、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの3回の用量と肺炎球菌コンジュゲートワクチンの2回の用量とを投与する。
【0343】
本発明の方法のある実施形態では、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの4回の用量と肺炎球菌コンジュゲートワクチンの2回の用量とを投与する。
【0344】
本発明の方法のある実施形態では、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの用量を1回よりも多く投与する場合、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの最初の2回の用量を、約2週間~約6カ月の間隔をおいて行うことができる。
【0345】
本発明の方法のある実施形態では、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの用量を1回よりも多く投与する場合、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの最初の2回の用量を、約2週間~約2カ月の間隔をおくことができる。
【0346】
本発明の方法のある実施形態では、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの用量を1回よりも多く投与する場合、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの最初の2回の用量を、約2週間~約6週間の間隔をおくことができる。
【0347】
本発明の方法のある実施形態では、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの用量を1回よりも多く投与する場合、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの最初の2回の用量を、約2週間~約4カ月の間隔をおくことができる。
【0348】
本発明の方法のある実施形態では、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの用量を1回よりも多く投与する場合、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの最初の2回の用量を、約3週間の間隔をおくことができる。
【0349】
本発明の方法のある実施形態では、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの用量を3回投与する場合、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの最初の2回の用量を、約2週間~約6カ月の間隔をおくことができ、3回目の用量を、2回目の用量から少なくとも約6カ月の間隔をおくことができる。
【0350】
本発明の方法のある実施形態では、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの用量を3回投与する場合、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの最初の2回の用量を、約2週間~約2カ月の間隔をおくことができ、3回目の用量を、2回目の用量から少なくとも約6カ月の間隔をおくことができる。
【0351】
本発明の方法のある実施形態では、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの用量を3回投与する場合、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの最初の2回の用量を、約2週間~約6週間の間隔をおくことができ、3回目の用量を、2回目の用量から少なくとも約6カ月の間隔をおくことができる。
【0352】
本発明の方法のある実施形態では、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの用量を3回投与する場合、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの最初の2回の用量を、約2週間~約4カ月の間隔をおくことができ、3回目の用量を、2回目の用量から少なくとも約6カ月の間隔をおくことができる。
【0353】
本発明の方法のある実施形態では、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの用量を3回投与する場合、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの最初の2回の用量を、約3週間の間隔をおくことができ、3回目の用量を、2回目の用量から少なくとも約6カ月の間隔をおくことができる。
【0354】
本発明の方法のある実施形態では、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの用量を3回投与する場合、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの最初の2回の用量を、約2週間~約6カ月の間隔をおくことができ、3回目の用量を、2回目の用量から少なくとも約1年の間隔をおくことができる。
【0355】
本発明の方法のある実施形態では、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの用量を3回投与する場合、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの最初の2回の用量を、約2週間~約2カ月の間隔をおくことができ、3回目の用量を、2回目の用量から少なくとも約1年の間隔をおくことができる。
【0356】
本発明の方法のある実施形態では、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの用量を3回投与する場合、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの最初の2回の用量を、約2週間~約6週間の間隔をおくことができ、3回目の用量を、2回目の用量から少なくとも約1年の間隔をおくことができる。
【0357】
本発明の方法のある実施形態では、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの用量を3回投与する場合、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの最初の2回の用量を、約2週間~約4カ月の間隔をおくことができ、3回目の用量を、2回目の用量から少なくとも約1年の間隔をおくことができる。
【0358】
本発明の方法のある実施形態では、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの用量を3回投与する場合、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの最初の2回の用量を、約3週間の間隔をおくことができ、3回目の用量を、2回目の用量から少なくとも約1年の間隔をおくことができる。
【0359】
本発明の方法のある実施形態では、ヒト対象は、前記同時投与の前に、SARS-CoV-2に対する少なくとも1回のmRNAワクチン用量をすでに受けている。ある実施形態では、前記SARS-CoV-2に対する少なくとも1回のmRNAワクチン用量は、前記同時投与の少なくとも約3週間前に投与されている。ある実施形態では、前記SARS-CoV-2に対する少なくとも1回のmRNAワクチン用量は、前記同時投与の少なくとも約2カ月前に投与されている。ある実施形態では、前記SARS-CoV-2に対する少なくとも1回のmRNAワクチン用量は、前記同時投与の少なくとも約6カ月前に投与されている。ある実施形態では、前記SARS-CoV-2に対する少なくとも1回のmRNAワクチン用量は、前記同時投与の少なくとも約1年前に投与されている。ある実施形態では、前記SARS-CoV-2に対する少なくとも1回のmRNAワクチン用量は、前記同時投与の少なくとも約2年前に投与されている。
【0360】
本発明の方法のある実施形態では、ヒト対象は、前記同時投与の前に、SARS-CoV-2に対する1回のmRNAワクチン用量をすでに受けている。ある実施形態では、前記SARS-CoV-2に対する1回のmRNAワクチン用量は、前記同時投与の少なくとも約3週間前に投与されている。ある実施形態では、前記SARS-CoV-2に対する1回のmRNAワクチン用量は、前記同時投与の少なくとも約2カ月前に投与されている。ある実施形態では、前記SARS-CoV-2に対する1回のmRNAワクチン用量は、前記同時投与の少なくとも約6カ月前に投与されている。ある実施形態では、前記SARS-CoV-2に対する1回のmRNAワクチン用量は、前記同時投与の少なくとも約1年前に投与されている。ある実施形態では、前記SARS-CoV-2に対する1回のmRNAワクチン用量は、前記同時投与の少なくとも約2年前に投与されている。ある実施形態では、前記ヒト対象が、前記同時投与の前に、SARS-CoV-2に対する少なくとも2回のmRNAワクチン用量をすでに受けている。前記実施形態では、前記SARS-CoV-2に対する少なくとも2回のmRNAワクチン用量の最後の用量が、前記同時投与の少なくとも約3週間前に投与されている。ある実施形態では、前記ヒト対象が、前記同時投与の前に、SARS-CoV-2に対する少なくとも2回のmRNAワクチン用量をすでに受けており、前記SARS-CoV-2に対する少なくとも2回のmRNAワクチン用量の最後は、前記同時投与の少なくとも約2カ月前に投与されている。ある実施形態では、前記ヒト対象は、前記同時投与の前に、SARS-CoV-2に対する少なくとも2回のmRNAワクチン用量をすでに受けており、前記SARS-CoV-2に対する少なくとも2回のmRNAワクチン用量の最後は、前記同時投与の少なくとも約6カ月前に投与されている。ある実施形態では、前記ヒト対象は、前記同時投与の前に、SARS-CoV-2に対する少なくとも2回のmRNAワクチン用量をすでに受けており、前記SARS-CoV-2に対する少なくとも2回のmRNAワクチン用量の最後は、前記同時投与の少なくとも約1年前に投与されている。ある実施形態では、前記ヒト対象は、前記同時投与の前に、SARS-CoV-2に対する少なくとも2回のmRNAワクチン用量をすでに受けており、前記SARS-CoV-2に対する少なくとも2回のmRNAワクチン用量の最後は、前記同時投与の少なくとも約2年前に投与されている。
【0361】
本発明の方法のある実施形態では、ヒト対象は、前記同時投与の前に、SARS-CoV-2に対する2回のmRNAワクチン用量をすでに受けている。ある実施形態では、前記SARS-CoV-2に対する2回のmRNAワクチン用量の最後は、前記同時投与の少なくとも約3週間前に投与されている。本発明の方法のある実施形態では、ヒト対象は、前記同時投与の前に、SARS-CoV-2に対する2回のmRNAワクチン用量をすでに受けており、前記SARS-CoV-2に対する2回のmRNAワクチン用量の最後は、前記同時投与の少なくとも約2カ月前に投与されている。本発明の方法のある実施形態では、ヒト対象は、前記同時投与の前に、SARS-CoV-2に対する2回のmRNAワクチン用量をすでに受けており、前記SARS-CoV-2に対する2回のmRNAワクチン用量の最後は、前記同時投与の少なくとも約6カ月前に投与されている。本発明の方法のある実施形態では、ヒト対象は、前記同時投与の前に、SARS-CoV-2に対する2回のmRNAワクチン用量をすでに受けており、前記SARS-CoV-2に対する2回のmRNAワクチン用量の最後は、前記同時投与の少なくとも約1年前に投与されている。本発明の方法のある実施形態では、ヒト対象は、前記同時投与の前に、SARS-CoV-2に対する2回のmRNAワクチン用量をすでに受けており、前記SARS-CoV-2に対する2回のmRNAワクチン用量の最後は、前記同時投与の少なくとも約2年前に投与されている。
【0362】
本発明の方法のある実施形態では、前記同時投与は、SARS-CoV-2に対する前記mRNAワクチンのブースター用量である。
【0363】
ある実施形態では、本発明は、ヒト対象における肺炎球菌(S.pneumoniae)および重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に対する免疫保護応答を引き出すための方法における使用のための、肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンであって、前記方法が、ヒト対象に前記ワクチンを同時投与するステップを含む、肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンに関する。
【0364】
ある実施形態では、本発明は、ヒト対象における肺炎球菌(S.pneumoniae)および重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に対する免疫保護応答を引き出すための方法における使用のための、肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンであって、前記方法が、ヒト対象に前記ワクチンを同時投与するステップを含み、前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンとSARS-CoV-2に対する前記mRNAワクチンが、付随的に投与される、肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンに関する。
【0365】
ある実施形態では、本発明は、肺炎球菌コンジュゲートワクチンとSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの同時投与の、SARS-CoV-2に対する任意のmRNAワクチンのブースター用量としての使用に関する。
【0366】
ある実施形態では、本発明は、肺炎球菌コンジュゲートワクチンとSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの同時投与の、SARS-CoV-2に対する前記mRNAワクチンのブースター用量としての使用に関する。
【0367】
ある実施形態では、本発明は、肺炎球菌コンジュゲートワクチンとSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの同時投与の、SARS-CoV-2に対する任意のmRNAワクチンをブーストするための使用に関する。
【0368】
ある実施形態では、本発明は、肺炎球菌コンジュゲートワクチンとSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの同時投与の、SARS-CoV-2に対する前記mRNAワクチンをブーストするための使用に関する。
【0369】
ある実施形態では、本発明は、肺炎球菌コンジュゲートワクチンとSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの同時投与の、SARS-CoV-2に対する任意のmRNAワクチンのブースター用量として使用するための使用に関する。
【0370】
ある実施形態では、本発明は、肺炎球菌コンジュゲートワクチンとSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの同時投与の、SARS-CoV-2に対する前記mRNAワクチンのブースター用量として使用するための使用に関する。
【0371】
ある実施形態では、本発明は、肺炎球菌コンジュゲートワクチンとSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの同時投与の、SARS-CoV-2に対する任意のmRNAワクチンをブーストする方法における使用のための使用に関する。
【0372】
ある実施形態では、本発明は、肺炎球菌コンジュゲートワクチンとSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの同時投与の、SARS-CoV-2に対する前記mRNAワクチンをブーストする方法における使用のための使用に関する。
【0373】
前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対する前記mRNAワクチンは、本明細書に開示される通りであり得る。
【0374】
ある実施形態では、本明細書に開示されるワクチンを筋肉内注射または皮下注射によって投与する。ある実施形態では、本明細書に開示されるワクチンを筋肉内注射によって投与する。ある実施形態では、本明細書に開示されるワクチンを皮下注射によって投与する。
【0375】
ある実施形態では、ワクチンを大腿または腕への筋肉内注射によって投与する。ある実施形態では、注射部位は、前外側大腿筋または三角筋である。ある実施形態では、ワクチンを筋肉内注射によって腕の三角筋に投与する。
【0376】
ある実施形態では、ワクチンを大腿または腕への皮下注射によって投与する。ある実施形態では、注射部位は、前外側大腿筋を覆う脂肪組織または三頭筋を覆う脂肪組織である。
【0377】
付随的投与の場合、第1の注射を一方の大腿に行い、第2の注射を他方の大腿に(好ましくは前外側大腿筋に)行うことができる。あるいは、第1の注射を一方の腕に行い、第2の注射を他方の腕に(好ましくは三角筋に)行うことができる。第1の注射を大腿に行い、第2の注射を腕に行うこと、または第1の注射を腕に行い、第2の注射を大腿に行うこともできる。付随的投与の場合、ワクチンを筋肉内注射によって各腕の三角筋に投与することが好ましい。
【0378】
7.本発明の方法を用いた治療を受ける対象
本明細書に開示される通り、本明細書に記載のワクチンを、ヒトにおける肺炎球菌(S.pneumoniae)および重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に対する免疫保護応答を引き出すために使用することができる。
【0379】
本発明のある実施形態では、肺炎球菌コンジュゲートワクチンとSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの同時投与を受けるヒト対象は、50歳以上のヒト成人である。ヒト対象は、60歳以上のヒト成人であることがより好ましい。ヒト対象は、65歳以上のヒト成人であることがなおより好ましい。ある実施形態では、ヒト対象は、70歳以上、75歳以上または80歳以上である。
【0380】
ある実施形態では、肺炎球菌コンジュゲートワクチンとSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの同時投与を受けるヒト対象は、免疫無防備状態の個体である。免疫無防備状態の個体は、一般に、感染症因子による攻撃に対して正常な体液性または細胞性防御を開始する能力の衰えまたは低減を示す人と定義される。
【0381】
本発明のある実施形態では、肺炎球菌コンジュゲートワクチンとSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの同時投与を受ける免疫無防備状態のヒトは、免疫系が損なわれ、その結果、肺炎球菌疾患からの保護またはその治療のためには不十分な抗体応答がもたらされるところの疾患または状態に罹患している。
【0382】
ある実施形態では、前記疾患は、原発性免疫不全障害である。前記原発性免疫不全障害は、T細胞・B細胞複合免疫不全症、抗体欠乏症、明確に定義された症候群、免疫調節不全疾患、食細胞障害、自然免疫不全症、自己炎症性障害、および補体欠損症からなる群から選択されることが好ましい。ある実施形態では、前記原発性免疫不全障害は、WO2010/125480の24頁11行目~25頁19行目に開示されているものから選択される。
【0383】
本発明の特定の実施形態では、肺炎球菌コンジュゲートワクチンとSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの同時投与を受ける免疫無防備状態のヒト対象は、HIV感染症、後天性免疫不全症候群(AIDS)、がん、慢性心臓または肺障害、うっ血性心不全、糖尿病、慢性肝疾患、アルコール依存症、硬変症、脊髄液漏出、心筋症、慢性気管支炎、肺気腫、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、脾臓機能障害(例えば、鎌状赤血球症など)、脾臓機能の欠如(無脾症)、血液悪性腫瘍、白血病、多発性骨髄腫、ホジキン病、リンパ腫、腎不全、ネフローゼ症候群および喘息からなる群から選択される疾患に罹患している。
【0384】
本発明のある実施形態では、肺炎球菌コンジュゲートワクチンとSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの同時投与を受ける免疫無防備状態のヒト対象は、栄養失調症に罹患している。
【0385】
本発明の特定の実施形態では、肺炎球菌コンジュゲートワクチンとSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの同時投与を受ける免疫無防備状態のヒト対象は、感染症に対する体の抵抗性が低下する薬物または治療を摂取しているまたは受けている。ある実施形態では、前記薬物は、WO2010/125480の26頁33行目~26頁4行目に開示されているものから選択される。
【0386】
本発明の特定の実施形態では、肺炎球菌コンジュゲートワクチンとSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの同時投与を受ける免疫無防備状態のヒト対象は、喫煙者である。
【0387】
本発明の特定の実施形態では、肺炎球菌コンジュゲートワクチンとSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの同時投与を受ける免疫無防備状態のヒト対象の白血球数(white blood cell count)(白血球数(leukocyte count))は、1リットル当たり細胞5×109個未満、または1リットル当たり細胞4×109個未満、または1リットル当たり細胞3×109個未満、または1リットル当たり細胞2×109個未満、または1リットル当たり細胞1×109個未満、または1リットル当たり細胞0.5×109個未満、または1リットル当たり細胞0.3×109個未満、または1リットル当たり細胞0.1×109個未満である。
【0388】
白血球数(white blood cell count)(白血球数(leukocyte count)):血液中の白血球の数(WBC)。WBCは、通常、CBC(全血球計算)の一部として測定される。白血球は、血液中の、感染と闘う細胞であり、赤血球として公知の赤色の(酸素を運搬する)血液細胞とは別個のものである。白血球には、好中球(多形核白血球;PMN)、杆状核白血球(わずかに未成熟の好中球)、T型リンパ球(T細胞)、B型リンパ球(B細胞)、単球、好酸球、および好塩基球を含めた種々の型が存在する。白血球の型の全てが白血球数(white blood cell count)に反映される。白血球数(white blood cell count)の正常範囲は、通常、血液1立方ミリメートル当たり細胞4,300個から10,800個の間である。これは、白血球数(leukocyte count)と称されることもあり、国際単位で1リットル当たり細胞4.3~10.8×109個と表すことができる。
【0389】
本発明の特定の実施形態では、肺炎球菌コンジュゲートワクチンとSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの同時投与を受ける免疫無防備状態のヒト対象は、好中球減少症に罹患している。本発明の特定の実施形態では、肺炎球菌コンジュゲートワクチンとSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの同時投与を受ける免疫無防備状態のヒト対象の好中球数は、1リットル当たり細胞2×109個未満、または1リットル当たり細胞1×109個未満、または1リットル当たり細胞0.5×109個未満、または1リットル当たり細胞0.1×109個未満、または1リットル当たり細胞0.05×109個未満である。
【0390】
低白血球数(white blood cell count)、または「好中球減少症」は、循環血液中の好中球のレベルが異常に低いことを特徴とする状態である。好中球は、感染を予防することおよび感染と闘うことに役立つ特別な種類の白血球である。がん患者に好中球減少症が生じる最も一般的な理由は、化学療法の副作用である。化学療法誘発性好中球減少症により、患者の感染リスクが高まり、がん治療が妨害される。
【0391】
本発明の特定の実施形態では、ワクチン接種を受ける免疫無防備状態の対象は、500個/mm3未満のCD4+細胞数、または300個/mm3未満のCD4+細胞数、または200個/mm3未満のCD4+細胞数、100個/mm3未満のCD4+細胞数、75個/mm3未満のCD4+細胞数、または50個/mm3未満のCD4+細胞数を有する。
【0392】
CD4細胞試験は、通常、1mm3中の細胞の数として報告される。正常なCD4数は500個から1,600個の間であり、CD8数は375個から1,100個の間である。CD4数はHIVを有する人では劇的に減少する。
【0393】
本発明のある実施形態では、本明細書に開示される免疫無防備状態のヒト対象はいずれも、ヒト男性またはヒト女性である。
【0394】
本発明のある実施形態では、肺炎球菌コンジュゲートワクチンとSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの同時投与を受けるヒト対象は、前記同時投与の前に、SARS-CoV-2に対する少なくとも1回のmRNAワクチン用量をすでに受けている。前記SARS-CoV-2に対する少なくとも1回のmRNAワクチン用量は、BNT162b2の用量であることが好ましい。
【0395】
本発明のある実施形態では、肺炎球菌コンジュゲートワクチン(PCV)とSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの同時投与を受けるヒト対象は、前記同時投与の前に、SARS-CoV-2に対する少なくとも2回のmRNAワクチン用量をすでに受けている。前記SARS-CoV-2に対する少なくとも2回のmRNAワクチン用量は、それぞれ、BNT162b2の用量であることが好ましい。好ましい実施形態では、SARS-CoV-2に対する前記mRNAワクチンと同時投与される前記PCVは、Prevnar13(登録商標)、V114または20vPnC(Prevnar20(登録商標))ワクチンである。
【0396】
したがって、PCVの用量をSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンのブースター用量と同時投与することは本発明の好ましい実施形態である。好ましい実施形態では、前記ブースター用量と同時投与される前記PCVは、Prevnar13(登録商標)、V114または20vPnC(Prevnar20(登録商標))ワクチンである。
【0397】
配列
【0398】
【0399】
【0400】
【0401】
【実施例】
【0402】
(実施例1)
20価肺炎球菌コンジュゲートワクチン(20vPnC)の、SARS-CoV-2による感染症を予防するためのmRNAワクチン(BNT162b2)と同時投与した場合の安全性および免疫原性試験
COVID-19ワクチンを他のワクチンと同時投与した場合の安全性および免疫原性データが現在欠如していることから、現行のUS Advisory Committee on immunization Practices(ACIP)ガイダンスでは、COVID-19ワクチンは、任意の他のワクチンの投与前またはその後に最低14日間の間隔をおいて単独で投与すべきとされている。
【0403】
図1に示されている通り、65歳以上の成人に対する、20価肺炎球菌コンジュゲートワクチン(20vPnC)とBNT162b2(SARS-CoV-2による感染症を予防するためのmRNAワクチン)のブースター用量を同じ来院時に一緒に投与した場合の安全性および免疫原性を、これらのワクチンをそれぞれ単独で与薬した場合と比較して記述するための臨床試験が設計された。
【0404】
目的:
主要目的:
・ 20vPnCとBNT162b2のブースター用量の、同時投与した場合または単独で投与した場合の安全性プロファイルを記述すること。
【0405】
副次的目的:
・ BNT162b2のブースター用量と同時投与した場合または単独で投与した場合に20vPnCによって引き出される免疫応答を記述すること。
・ 20vPnCと同時投与した場合または単独で投与した場合にBNT162b2のブースター用量によって引き出される免疫応答を記述すること。
【0406】
評価項目:
主要(安全性):
・ 各注射部位において引き起こされた局所反応(注射部位の発赤、腫脹、および疼痛)
・ 引き起こされた全身事象(発熱、頭痛、悪寒、疲労、筋肉痛、および関節痛)
・ 有害事象
・ 重篤な有害事象
【0407】
副次:
・ 肺炎球菌免疫原性:ワクチン接種のおよそ1カ月(例えば、約21~35日)後の肺炎球菌OPA力価、OPA GMT
・ BNT162b2免疫原性:全長S結合性IgGレベル
【0408】
エスティマンド:
主要(安全性):
試験介入の用量を少なくとも1回受け、ワクチン接種後に安全性追跡調査がなされた参加者の中で、以下が報告された参加者のパーセンテージ;
・ ワクチン接種後最長10日間で各注射部位において引き起こされた局所反応
・ ワクチン接種後最長7日間で引き起こされた全身事象
・ 来院1からワクチン接種のおよそ1カ月後までの、ワクチン接種によるAE
・ 来院1からワクチン接種の6カ月後までの、ワクチン接種によるSAE
【0409】
副次:
・ 肺炎球菌免疫原性:試験実施計画書の重要な基準を満たした参加者(評価可能な参加者)の中で:ワクチン接種のおよそ1カ月後のOPA GMT(幾何平均力価)
・ BNT162b2免疫原性:評価可能な参加者の中で:ワクチン接種のおよそ1カ月後の全長S結合性IgGレベルのGMC(幾何平均濃度)、ワクチン接種前からワクチン接種のおよそ1カ月後までの全長S結合性IgGレベルのGMFR(幾何平均上昇倍率)
【0410】
三次/探索的:
・ 肺炎球菌免疫原性:評価可能な参加者の中で:ワクチン接種前からワクチン接種のおよそ1カ月後までのOPA力価のGMFR、ワクチン接種前からワクチン接種のおよそ1カ月後まででOPA力価の4倍以上の上昇、ワクチン接種前およびワクチン接種のおよそ1カ月後にLLOQ以上のOPA力価を有した参加者のパーセンテージ。
・ BNT162b2免疫原性:評価可能な参加者の中で:ワクチン接種のおよそ1カ月後のSARS-CoV-2参照株中和力価のGMT、ワクチン接種前からワクチン接種のおよそ1カ月後までのSARS-CoV-2参照株中和力価のGMFR
【0411】
全体的な設計
本試験は、米国内の試験施設において実施された第3相、多施設、無作為化、二重盲検試験である。本試験の目的は、
図1に示されている通り、65歳以上の成人に対する、20vPnCとBNT162b2のブースター用量とを同じ来院時に一緒に投与した場合の安全性および免疫原性を、これらのワクチンをそれぞれ単独で与薬した場合と比較して記述することである。
【0412】
米国からの、65歳以上であり、BNT162b2、30μgの用量を2回受けている参加者およそ600名を、事前の肺炎球菌ワクチンに関する状態(以前に肺炎球菌ワクチンを受けたことがない[無感作]または肺炎球菌ワクチンの用量を少なくとも1回受けたことがある[経験済])によって層別化し、3つのワクチン群のうちの1つに1:1:1の比で無作為割付けした。
【0413】
来院1(1日目)において、同時投与群(20vPnC+BNT162b2)は、20vPnCおよびBNT162b2のブースター用量を受け、20vPnC単独群(20vPnC+生理食塩水)は20vPnCおよび生理食塩水を受け、BNT162b2単独群(BNT162b2+生理食塩水)はBNT162b2のブースター用量および生理食塩水を受ける。
【0414】
全ての群の参加者が、来院1でワクチンを接種する前、およびワクチン接種のおよそ1カ月後の来院2で、以前のCOVID-19感染についての免疫原性の評定および血清学的検査のための採血を受ける。
【0415】
参加者の数
およそ600名の参加者(群当たり200名)を試験介入に無作為に割り当てる。
【0416】
介入群および持続時間
参加者を、3つのワクチン群のうちの1つに1:1:1の比で無作為割付けする。来院1(1日目)において、同時投与群は20vPnCおよびBNT162b2のブースター用量を受け、20vPnC単独群は20vPnCおよび生理食塩水を受け、BNT162b2単独群はBNT162b2のブースター用量および生理食塩水を受ける。試験介入は、非盲検化投与者により、各腕の三角筋上部に筋肉内注射によって投与される。
【0417】
各参加者について試験の持続時間はおよそ6カ月である。
【0418】
統計学的方法
安全性を、各ワクチン群についての各注射部位における局所反応、全身事象、AE、およびSAEに関する記述要約統計(参加者の計数およびパーセンテージおよび関連する両側95%CIを含む)によって評価する。
【0419】
肺炎球菌免疫原性を、20vPnCのおよそ1カ月後のOPA GMTによって記述的に評価する。同時投与群および20vPnC単独群からの評価可能な参加者に関して、それぞれ対応する95%CIを伴う、20vPnCの前からおよそ1カ月後までのOPA GMFR、20vPnCの前からおよそ1カ月後まででOPA力価が4倍以上増大した参加者のパーセンテージ、および20vPnCのおよそ1カ月後にOPA力価がLLOQ以上である参加者のパーセンテージを含めた免疫応答に関する他の評定も記述する。
【0420】
BNT162b2免疫原性を、同時投与群およびBNT162b2単独群からの評価可能な参加者に関して、それぞれ対応する両側95%CIを伴う、BNT162b2のおよそ1カ月後の全長S結合性IgGレベルのGMC、およびBNT162b2の前からおよそ1カ月後までのGMFRを使用して記述的に評価する。
【0421】
用量
20vPnC候補は、CRM197と個別にコンジュゲートした肺炎球菌の血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F、および33F由来の莢膜多糖を含有する。ワクチン製剤は、0.5mLの用量(筋肉内注射)当たり、各糖を2.2μg含有し、例外として6Bについては4.4μgを含有する。成人では、肺炎球菌コンジュゲートワクチンの用量を1回投与することにより、免疫応答が誘導される。
【0422】
modRNA BNT162b2ワクチン候補の投与は、0.3mLの用量(筋肉内注射)当たり30μgの用量で行う。これは、効果的であることが示され、条件付きまたは緊急使用が認められており、今後米国において認可されることが予測される用量である。
【0423】
これらの製品に関して、「用量」という用語は、ある1種のワクチンの1回の注射(an injection of a vaccine)を指す。
【0424】
試験集団
選択基準
参加者は、以下の基準の全てに当てはまる場合にのみ、本試験への組み入れに適格である:
年齢および性別:
1.同意時に65歳以上の男性または女性参加者。
参加者の型および疾患特性:
2.C4591001試験に参加中であるまたは参加していた参加者で、BNT162b2、30μgの用量を2回受けており、2回目の用量が本試験における1回目のワクチン接種の6カ月以上前に行われており、かつ、BNT162b2の3回目の用量を受けていない参加者。
3.全ての予定された来院、処置計画、臨床検査、生活様式に関する配慮、および他の試験手順に応じる意思があり、応じることが可能な参加者。
4.病歴、身体検査(必要に応じて)、および試験担当医師の臨床的判断によって本試験への組み入れに適格であると判定された参加者。
5.本試験の持続時間にわたって求めに応じられることが予測され、試験参加中に電話連絡が可能な参加者。
6.子どもをもうけることが可能であり、許容される避妊方法を使用する意思がある男性参加者;または出産可能性のない女性参加者;または子どもをもうけることができない男性参加者。
7.これまでに肺炎球菌ワクチンを受けた履歴がない(すなわち、肺炎球菌ワクチン無感作)、または認可された肺炎球菌ワクチン接種を本試験における1回目のワクチン接種の12カ月以上前に受けた成人。
【0425】
説明と同意:
8.同意書に署名することが可能な参加者。
除外基準
以下の基準のいずれかに当てはまる参加者を本試験から除外する:
医学的状態:
1.ワクチンに付随する重度の有害反応歴および/または試験介入もしくは任意の他のジフテリアトキソイド含有ワクチンのいずれかの構成成分に対する重度のアレルギー反応(例えば、アナフィラキシー)歴。
2.転移性悪性腫瘍、酸素補給を必要とする重症COPD、透析を伴うもしくは伴わない末期腎疾患、肝硬変、臨床的に不安定な心疾患、または試験担当医師の見解で、参加者が本試験への登録に不適切になる任意の他の障害を含めた重篤な慢性障害。
3.微生物学的に証明された、肺炎球菌(S pneumoniae)によって引き起こされる侵襲性疾患歴。
4.以前の臨床的または微生物学的なCOVID-19の診断。
5.分かっているまたはその疑いがある免疫不全(安定HIV以外)、またはこれだけに限定されないが、免疫グロブリンクラス/サブクラス欠乏症、全身悪性腫瘍、白血病、リンパ腫、もしくは臓器もしくは骨髄移植を含めた、免疫抑制に関連する他の状態。
6.試験担当医師の見解で、筋肉内注射が禁忌であると思われる出血性素因または持続的な出血に関連する状態。
7.先天性、機能性、または外科的無脾症。
8.現在の熱性疾病(体温が100.4°F以上[38.0℃以上]であること)または試験介入投与前48時間以内の他の急性疾病。
9.試験参加のリスクが増大し得るまたは試験担当医師の判断で参加者が本試験に不適切になる、最近(過去1年以内)のまたは継続中の自殺念慮/挙動または検査値異常を含めた他の医学的または精神医学的状態。
以前の/付随的治療:
10.任意の調査中の肺炎球菌ワクチンによるワクチン接種を以前に受けている、または試験参加中に任意の認可されたもしくは調査中の肺炎球菌ワクチンを受ける予定である。
11.C4591001試験において受けたもの以外の任意のコロナウイルスワクチンを用いたワクチン接種を以前に受けている。
12.細胞傷害性薬剤または全身性コルチコステロイドを含めた免疫抑制療法を用いた治療を現在受けている、試験介入の投与前28日以内に急性疾病治療のために短期(14日間未満)の全身性コルチコステロイドを受けている、または最後の採血(来院2)まで受ける予定である。吸入/噴霧、関節内、滑液包内、または局部(皮膚、眼、または耳)コルチコステロイドは許容される。
13.血液/血漿製品、免疫グロブリン、もしくはモノクローナル抗体を試験介入の投与の60日前から受けている、またはCOVID-19に特異的な任意の受動的抗体療法を試験介入の投与の90日前から受けている、または来院2まで受ける予定である。
14.任意の不活化もしくは他のやり方で非生ワクチンにしたワクチンを試験介入の投与前14日以内に受けている、または任意の生ワクチンを試験介入の投与前28日以内に受けている。
以前の/並行した臨床試験の経験:
15.試験登録前28日以内、および/または試験参加中の、C4591001試験以外の調査中の薬、調査中のワクチン、または調査中のデバイスを伴う他の試験への参加。純粋に観察に基づく試験への参加は許容される。
16.LNPを含有する試験介入を伴うC4591001以外の試験への以前の参加。
【0426】
投与
参加者は、来院1で試験介入を受ける。
【0427】
来院1で、参加者は、20vPnCまたは生理食塩水のいずれかの0.5mLの単回用量を右側三角筋への筋肉内注射で受け、BNT162b2または生理食塩水のいずれかの0.3mLの単回用量を左側三角筋への筋肉内注射で受ける。
【0428】
免疫原性の評定
全ての参加者から来院1および2で血液試料を収集する。
【0429】
肺炎球菌応答
同時投与群および20vPnC単独群から来院1および2で収集した血清中の20vPnC血清型についてのOPA力価を測定する。
【0430】
BNT162b2応答
同時投与群およびBNT162b2単独群から来院1および2で収集した血清中のIgGレベルをSARS-CoV-2全長S結合アッセイで測定する。
【0431】
同時投与群およびBNT162b2単独群から来院1および2で収集した血清のサブセット中のSARS-CoV-2参照株中和力価を測定することができる。
【0432】
来院1および2で取得した血液試料についてN結合性抗体の測定も行う。
【0433】
(実施例2)
65歳以上の成人に対する、BNT162b2 COVID-19ワクチンのブースター用量を20価肺炎球菌コンジュゲートワクチン(PCV20)と同時投与した場合の安全性、忍容性、および免疫原性
緒言。65歳以上の成人は、COVID-19および肺炎球菌疾患による罹患率および死亡率に関してリスクが高い。Covid-19の予防におけるBNT162b2 mRNA COVID-19ワクチン(コミナティ(Comirnaty))の2回用量(30μg/用量、21日の間隔をおいて投与)の有効性および安全性が、16歳以上の個体に対する、世界的な無作為化、プラセボ対照第2/3相試験(C4591001試験、NCT04368728)において確立され、65歳以上の個体に対する有効性は94.7%であった。20価肺炎球菌コンジュゲートワクチン(PCV20)は、米国および欧州において成人における侵襲性肺炎球菌疾患およびワクチン血清型に起因する肺炎に関して最近承認されたものであり、13価肺炎球菌コンジュゲートワクチン(PCV13)と、それに加えて、7種の追加的な血清型のコンジュゲートした多糖という構成成分とを含有する。PCV13は、65歳以上の成人に対する無作為化対照試験において、非菌血性肺炎を含めた肺炎球菌性肺炎に対する有効性および安全性が実証されている。現在、多くの国において成人に対してCOVID-19ワクチンのブースター用量が推奨されている。したがって、BNT162b2ワクチンとPCV20の標的集団は重複するので、BNT162b2ワクチンをPCV20と同じ集団に使用することができる。
【0434】
試験設計および参加者。
この第3相、多施設、無作為化、二重盲検試験(ClinicalTrials.govNCT04887948)は、米国において2021年5月20日から2021年12月8日まで実施された。
・ 参加者は、中心的な有効性試験(C4591001)においてBNT162b2、30μgの用量を2回受け、2回目の用量を本試験におけるワクチン接種の6カ月以上前に受けており、かつ、いかなるCOVID-19ワクチンのブースター用量も受けていない65歳以上の成人であった。
・ 参加者を、以下の通り、事前の肺炎球菌ワクチンに関する状態(無感作または経験済)によって層別化し、3つの群のうちの1つに1:1:1に無作為割付けした:同時投与群(同じ来院時に両方のワクチンを参加者の逆側の腕に投与する)、PCV20単独群、およびBNT162b2単独群。対照群に関しては、盲検化を維持するために、生理食塩水を参加者の逆側の腕に投与した。
【0435】
本試験では3回の来院を実施した。
- 来院1(1日目)において、参加者のスクリーニングおよび登録を行い、免疫原性試験用の血液を採取し、ワクチンを投与した。
- 来院2(来院1の21~35日後)において、免疫原性試験用の血液を採取し、安全性データを収集した。
- 来院3(来院1のおよそ6カ月後)において、安全性データを収集するために参加者に電話連絡した。
【0436】
安全性:
・ 各注射部位において引き起こされた局所反応(注射部位の発赤、腫脹、疼痛)および全身事象(発熱、疲労、頭痛、悪寒、筋肉痛、関節痛)を、e-ダイアリー(e-diary)を使用し、ワクチン接種の10日後および7日後にそれぞれ評定した。
・ 有害事象(AE)および重篤なAE(SAE)をワクチン接種の1カ月後および6カ月後にそれぞれ収集した。
【0437】
免疫原性:
・ PCV20を受けた2群に関して、PCV20血清型についての血清型特異的オプソニン化貪食活性(OPA)力価を、ワクチン接種前およびワクチン接種の1カ月後にPfizer OPAアッセイで測定した。
・ BNT162b2を受けた2群に関して、SARS-CoV-2全長S結合性IgGの濃度をワクチン接種前およびワクチン接種の1カ月後に測定した。
【0438】
統計解析:
・ 統計解析は記述的なものであり、仮説検定は伴わなかった。
・ 安全性に関する結果を安全性解析対象集団について記述的に要約した。安全性解析対象集団には任意の試験ワクチン接種を受け、安全性追跡調査がなされた全ての参加者が含まれた。
・ 免疫原性に関する結果を評価可能な免疫原性集団について記述的に要約した。評価可能な免疫原性集団には、無作為割付けでワクチン接種を受け、ワクチン接種の1カ月後に採取された血液試料から少なくとも1つのOPA力価またはSARS-CoV-2全長S結合性IgGの濃度が得られ、かつ、臨床医によって決定される主要な試験実施計画書逸脱が認められなかった参加者が含まれた。さらに、ワクチン接種からBNT162b2ワクチン接種の1カ月後の間にSARS-CoV-2感染が生じたことが臨床的に実証された参加者は、SARS-CoV2 IgG解析から除外した。
・ 血清型特異的OPA幾何平均力価(GMT)およびSARS-CoV-2全長S結合性IgG幾何平均濃度(GMC)ならびに対応する両側95%CIを、力価または濃度および対応する信頼区間(CI;スチューデントのt分布に基づく)の平均対数の指数をとることによって算出した。
・ ワクチン接種前からワクチン接種のおよそ1カ月後までの全長S結合性IgGレベルの幾何平均の上昇倍率(GMFR)(副次評価項目)を、対数変換したアッセイ結果の差異(接種後-接種前)の平均値として算出し、指数をとって元の単位に戻した。関連する両側95%CIを、自然対数目盛での平均差異についてスチューデントのt分布を使用してCIの指数をとることによってコンピュータ計算した。
・ 線形回帰モデルを使用した事後解析を実施して、同時投与群とPCV20単独群におけるワクチン接種の1カ月後の血清型特異的OPA力価を比較した。同様の事後解析により、同時投与群におけるワクチン接種の1カ月後の全長S結合性濃度をBNT162b2単独群と比較して評価した。
【0439】
試験集団:
・ 合計570名の参加者を無作為割付けした。
- 559名の参加者が、ワクチン接種を受け、安全性解析対象集団を構成した(同時投与、n=187;PCV20単独、n=187;BNT162b2単独、n=185)。
・ 人口統計特徴はワクチン群の間で同様であった(表1)。
・ BNT162b2の2回目の用量からの平均経過時間は8.1カ月であり、直近の肺炎球菌ワクチン接種からの平均経過時間は3.5年であった(表1)。
【0440】
【0441】
安全性。PCV20およびBNT162b2の注射部位のそれぞれにおいて10日以内に局所反応が報告された参加者のパーセンテージは、ワクチンが一緒にもたらされたか単独でもたらされたかにかかわらず同様であり、反応の重症度は概して軽度または中等度であった。全身事象の率は同時投与群およびBNT162b2単独群とで同様であり、概してPCV20単独群よりも高かった;事象の重症度は概して軽度から中等度であった。
【0442】
- 全てのワクチン群について最も頻繁に報告された全身事象は疲労であった。
【0443】
ワクチン接種後1カ月以内のAE、およびワクチン接種の6カ月後までの重篤なAE(SAE)の率は低く、全ての群にわたって同様であった。
【0444】
ワクチンに関連すると考えられるSAEはなく、また、試験中に1例の死亡が生じた(十二指腸穿孔、ワクチンに関連するとは考えられない)。
【0445】
PCV20により、20種の血清型全てに対して頑強な免疫応答が引き出され、その応答は、PCV20をBNT162b2と同時投与した場合と単独でもたらした場合で同様であった(
図4)。
【0446】
BNT162b2の3回目の用量によってもSARS-CoV-2全長S結合性タンパク質に対する頑強な免疫IgG応答が引き出され、その応答は、BNT162b2をPCV20と同時投与したか単独でもたらしたかにかかわらず同様であった(
図5)。
【0447】
- BNT162b2のブースター用量前からBNT162b2のブースター用量の1カ月後までで観察された全長S結合性IgGレベルのGMFRは、同時投与群とBNT162b2単独群とで同様であった(それぞれ35.5および39.0)。
【0448】
事後解析に基づいて、PCV20の1カ月後における同時投与群のPCV20単独群に対するOPA GMRは、0.77(血清型8、19F、および23F)から1.11(血清型19A;
図6)までにわたった。
【0449】
BNT162b2のブースター用量の1カ月後における同時投与群のBNT162b2単独群に対する全長S結合性IgG GMRは1.06(95%CI、0.91、1.23)であった。
【0450】
応答は、統計学的に非劣性であると思われ、PCV20単独に対して、同時投与での肺炎球菌OPA GMRの95%CIの下限は、各血清型について>0.5であり、BNT162b2単独に対して、同時投与でのSARS-CoV-2全長S結合性タンパク質に対するIgG GMRについては>0.67であった。0.5および0.67は、それぞれ、これらの評価項目についての標準的な2倍および1.5倍の非劣性基準に相当する。
【0451】
結論:
・ PCV20とBNT162b2の同時投与は、忍容性が良好であり、全体的な安全性プロファイルはBNT162b2単独で投与した場合と同様であった。
・ PCV20とBNT162b2とを付随的に投与したか別々に投与したかにかかわらず頑強な免疫応答が観察された。
【0452】
本明細書において言及されている全ての刊行物および特許出願は、本発明が関係する技術分野の当業者の水準を示すものである。全ての刊行物および特許出願は、これによって、個々の刊行物または特許出願が具体的にかつ個別に参照により組み込まれることが示された場合と同じ程度に参照により組み込まれる。
【0453】
前述の発明は、明瞭な理解のために図解および実施例により一部の詳細について記載されているが、ある特定の変化および改変を添付の特許請求の範囲の範囲内で行うことができる。
【0454】
実施形態
1.ヒト対象における肺炎球菌(S.pneumoniae)および重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に対する免疫保護応答を引き出すための方法であって、ヒト対象に、有効用量の肺炎球菌コンジュゲートワクチンと、有効用量のSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンとを同時投与するステップを含む方法。
【0455】
2.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンとSARS-CoV-2に対する前記mRNAワクチンを並行してまたは付随的に投与する、実施形態1の方法。
【0456】
3.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンとSARS-CoV-2に対する前記mRNAワクチンを並行して投与する、実施形態1の方法。
【0457】
4.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンとSARS-CoV-2に対する前記mRNAワクチンを付随的に投与する、実施形態1の方法。
【0458】
5.ワクチンそれぞれ1回の用量を投与する、実施形態1から4のいずれか1つの方法。
【0459】
6.SARS-CoV-2に対する前記mRNAワクチンの少なくとも2回の用量を投与する、実施形態1から4のいずれか1つの方法。
【0460】
7.SARS-CoV-2に対する前記mRNAワクチンの少なくとも3回の用量を投与する、実施形態1から4のいずれか1つの方法。
【0461】
8.SARS-CoV-2に対する前記mRNAワクチンの少なくとも4回の用量を投与する、実施形態1から4のいずれか1つの方法。
【0462】
9.SARS-CoV-2に対する前記mRNAワクチンの2回の用量を投与する、実施形態1から4のいずれか1つの方法。
【0463】
10.SARS-CoV-2に対する前記mRNAワクチンの3回の用量を投与する、実施形態1から4のいずれか1つの方法。
【0464】
11.SARS-CoV-2に対する前記mRNAワクチンの4回の用量を投与する、実施形態1から4のいずれか1つの方法。
【0465】
12.SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの前記用量が、約2週間~約12カ月の間隔で分けられている、実施形態6から11のいずれか1つの方法。
【0466】
13.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンの1回の用量を投与する、実施形態1から12のいずれか1つの方法。
【0467】
14.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンの少なくとも2回の用量を投与する、実施形態1から12のいずれか1つの方法。
【0468】
15.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンの少なくとも3回の用量を投与する、実施形態1から12のいずれか1つの方法。
【0469】
16.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンの少なくとも4回の用量を投与する、実施形態1から12のいずれか1つの方法。
【0470】
17.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンの2回の用量を投与する、実施形態1から12のいずれか1つの方法。
【0471】
18.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンの3回の用量を投与する、実施形態1から12のいずれか1つの方法。
【0472】
19.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンの4回の用量を投与する、実施形態1から12のいずれか1つの方法。
【0473】
20.肺炎球菌コンジュゲートワクチンの前記用量が、約2週間~約12カ月の間隔で分けられている、実施形態14から19のいずれか1つの方法。
【0474】
21.SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの2回の用量と肺炎球菌コンジュゲートワクチンの1回の用量を投与する、実施形態1から4のいずれか1つの方法。
【0475】
22.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの1回目の用量と同時投与する、実施形態21の方法。
【0476】
23.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの2回目の用量と同時投与する、実施形態21の方法。
【0477】
24.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの1回目の用量に付随的に投与する、実施形態21の方法。
【0478】
25.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの2回目の用量に付随的に投与する、実施形態21の方法。
【0479】
26.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの1回目の用量と並行して投与する、実施形態21の方法。
【0480】
27.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの2回目の用量と並行して投与する、実施形態21の方法。
【0481】
28.SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの3回の用量と肺炎球菌コンジュゲートワクチンの1回の用量を投与する、実施形態1から4のいずれか1つの方法。
【0482】
29.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの1回目の用量と同時投与する、実施形態28の方法。
【0483】
30.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの2回目の用量と同時投与する、実施形態28の方法。
【0484】
31.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの3回目の用量と同時投与する、実施形態28の方法。
【0485】
32.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの1回目の用量と並行して投与する、実施形態28の方法。
【0486】
33.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの2回目の用量と並行して投与する、実施形態28の方法。
【0487】
34.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの3回目の用量と並行して投与する、実施形態28の方法。
【0488】
35.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの1回目の用量に付随的に投与する、実施形態28の方法。
【0489】
36.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの2回目の用量に付随的に投与する、実施形態28の方法。
【0490】
37.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの3回目の用量に付随的に投与する、実施形態28の方法。
【0491】
38.SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの4回の用量と肺炎球菌コンジュゲートワクチンの1回の用量を投与する、実施形態1から4のいずれか1つの方法。
【0492】
39.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの1回目の用量と同時投与する、実施形態38の方法。
【0493】
40.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの2回目の用量と同時投与する、実施形態38の方法。
【0494】
41.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの3回目の用量と同時投与する、実施形態38の方法。
【0495】
42.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの4回目の用量と同時投与する、実施形態38の方法。
【0496】
43.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの1回目の用量と並行して投与する、実施形態38の方法。
【0497】
44.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの2回目の用量と並行して投与する、実施形態38の方法。
【0498】
45.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの3回目の用量と並行して投与する、実施形態38の方法。
【0499】
46.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの4回目の用量と並行して投与する、実施形態38の方法。
【0500】
47.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの1回目の用量に付随的に投与する、実施形態38の方法。
【0501】
48.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの2回目の用量に付随的に投与する、実施形態38の方法。
【0502】
49.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの3回目の用量に付随的に投与する、実施形態38の方法。
【0503】
50.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの4回目の用量に付随的に投与する、実施形態38の方法。
【0504】
51.SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの2回の用量と肺炎球菌コンジュゲートワクチンの2回の用量を投与する、実施形態1から4のいずれか1つの方法。
【0505】
52.SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの3回の用量と肺炎球菌コンジュゲートワクチンの2回の用量を投与する、実施形態1から4のいずれか1つの方法。
【0506】
53.SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの4回の用量と肺炎球菌コンジュゲートワクチンの2回の用量を投与する、実施形態1から4のいずれか1つの方法。
【0507】
54.SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの最初の2回の用量が、約2週間~約6カ月の間隔で分けられている、実施形態21から53のいずれか1つの方法。
【0508】
55.SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの最初の2回の用量が、約2週間~約2カ月の間隔で分けられている、実施形態21から53のいずれか1つの方法。
【0509】
56.SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの最初の2回の用量が、約2週間~約6週間の間隔で分けられている、実施形態21から53のいずれか1つの方法。
【0510】
57.SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの最初の2回の用量が、約2週間~約4カ月の間隔で分けられている、実施形態21から53のいずれか1つの方法。
【0511】
58.SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの最初の2回の用量が、約3週間の間隔で分けられている、実施形態21から53のいずれか1つの方法。
【0512】
59.SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの最初の2回の用量が、約2週間~約6カ月の間隔で分けられ、3回目の用量が、2回目の用量から少なくとも約6カ月の間隔で分けられている、実施形態28から53のいずれか1つの方法。
【0513】
60.SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの最初の2回の用量が、約2週間~約2カ月の間隔で分けられ、3回目の用量が、2回目の用量から少なくとも約6カ月の間隔で分けられている、実施形態28から53のいずれか1つの方法。
【0514】
61.SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの最初の2回の用量が、約2週間~約6週間の間隔で分けられ、3回目の用量が、2回目の用量から少なくとも約6カ月の間隔で分けられている、実施形態28から53のいずれか1つの方法。
【0515】
62.SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの最初の2回の用量が、約2週間~約4カ月の間隔で分けられ、3回目の用量が、2回目の用量から少なくとも約6カ月の間隔で分けられている、実施形態28から53のいずれか1つの方法。
【0516】
63.SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの最初の2回の用量が、約3週間の間隔で分けられ、3回目の用量が、2回目の用量から少なくとも約6カ月の間隔で分けられている、実施形態28から53のいずれか1つの方法。
【0517】
64.SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの最初の2回の用量が、約2週間~約6カ月の間隔で分けられ、3回目の用量が、2回目の用量から少なくとも約1年の間隔で分けられている、実施形態28から53のいずれか1つの方法。
【0518】
65.SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの最初の2回の用量が、約2週間~約2カ月の間隔で分けられ、3回目の用量が、2回目の用量から少なくとも約1年の間隔で分けられている、実施形態28から53のいずれか1つの方法。
【0519】
66.SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの最初の2回の用量が、約2週間~約6週間の間隔で分けられ、3回目の用量が、2回目の用量から少なくとも約1年の間隔で分けられている、実施形態28から53のいずれか1つの方法。
【0520】
67.SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの最初の2回の用量が、約2週間~約4カ月の間隔で分けられ、3回目の用量が、2回目の用量から少なくとも約1年の間隔で分けられている、実施形態28から53のいずれか1つの方法。
【0521】
68.SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの最初の2回の用量が、約3週間の間隔で分けられ、3回目の用量が、2回目の用量から少なくとも約1年の間隔で分けられている、実施形態28から53のいずれか1つの方法。
【0522】
69.前記ヒト対象が、前記同時投与の前に、SARS-CoV-2に対する少なくとも1回のmRNAワクチン用量をすでに受けている、実施形態1から4のいずれか1つの方法。
【0523】
70.前記SARS-CoV-2に対する少なくとも1回のmRNAワクチン用量が、前記同時投与の少なくとも約3週間前に投与されている、実施形態69の方法。
【0524】
71.前記SARS-CoV-2に対する少なくとも1回のmRNAワクチン用量が、前記同時投与の少なくとも約2カ月前に投与されている、実施形態69の方法。
【0525】
72.前記SARS-CoV-2に対する少なくとも1回のmRNAワクチン用量が、前記同時投与の少なくとも約6カ月前に投与されている、実施形態69の方法。
【0526】
73.前記SARS-CoV-2に対する少なくとも1回のmRNAワクチン用量が、前記同時投与の少なくとも約1年前に投与されている、実施形態69の方法。
【0527】
74.前記SARS-CoV-2に対する少なくとも1回のmRNAワクチン用量が、前記同時投与の少なくとも約2年前に投与されている、実施形態69の方法。
【0528】
75.前記ヒト対象が、前記同時投与の前に、SARS-CoV-2に対する1回のmRNAワクチン用量をすでに受けている、実施形態1から4のいずれか1つの方法。
【0529】
76.前記SARS-CoV-2に対する1回のmRNAワクチン用量が、前記同時投与の少なくとも約3週間前に投与されている、実施形態75の方法。
【0530】
77.前記SARS-CoV-2に対する1回のmRNAワクチン用量が、前記同時投与の少なくとも約2カ月前に投与されている、実施形態75の方法。
【0531】
78.前記SARS-CoV-2に対する1回のmRNAワクチン用量が、前記同時投与の少なくとも約6カ月前に投与されている、実施形態75の方法。
【0532】
79.前記SARS-CoV-2に対する1回のmRNAワクチン用量が、前記同時投与の少なくとも約1年前に投与されている、実施形態75の方法。
【0533】
80.前記SARS-CoV-2に対する1回のmRNAワクチン用量が、前記同時投与の少なくとも約2年前に投与されている、実施形態75の方法。
【0534】
81.前記ヒト対象が、前記同時投与の前に、SARS-CoV-2に対する少なくとも2回のmRNAワクチン用量をすでに受けている、実施形態1から4のいずれか1つの方法。
【0535】
82.前記SARS-CoV-2に対する少なくとも2回のmRNAワクチン用量の最後の用量が、前記同時投与の少なくとも約3週間前に投与されている、実施形態81の方法。
【0536】
83.前記SARS-CoV-2に対する少なくとも2回のmRNAワクチン用量の最後の用量が、前記同時投与の少なくとも約2カ月前に投与されている、実施形態81の方法。
【0537】
84.前記SARS-CoV-2に対する少なくとも2回のmRNAワクチン用量の最後の用量が、前記同時投与の少なくとも約6カ月前に投与されている、実施形態81の方法。
【0538】
85.前記SARS-CoV-2に対する少なくとも2回のmRNAワクチン用量の最後の用量が、前記同時投与の少なくとも約1年前に投与されている、実施形態81の方法。
【0539】
86.前記SARS-CoV-2に対する少なくとも2回のmRNAワクチン用量の最後の用量が、前記同時投与の少なくとも約2年前に投与されている、実施形態81の方法。
【0540】
87.前記ヒト対象が、前記同時投与の前に、SARS-CoV-2に対する2回のmRNAワクチン用量をすでに受けている、実施形態1から4のいずれか1つの方法。
【0541】
88.前記SARS-CoV-2に対する2回のmRNAワクチン用量の最後が、前記同時投与の少なくとも約3週間前に投与されている、実施形態87の方法。
【0542】
89.前記SARS-CoV-2に対する2回のmRNAワクチン用量の最後が、前記同時投与の少なくとも約2カ月前に投与されている、実施形態87の方法。
【0543】
90.前記SARS-CoV-2に対する2回のmRNAワクチン用量の最後が、前記同時投与の少なくとも約6カ月前に投与されている、実施形態87の方法。
【0544】
91.前記SARS-CoV-2に対する2回のmRNAワクチン用量の最後が、前記同時投与の少なくとも約1年前に投与されている、実施形態87の方法。
【0545】
92.前記SARS-CoV-2に対する2回のmRNAワクチン用量の最後が、前記同時投与の少なくとも約2年前に投与されている、実施形態87の方法。
【0546】
93.前記同時投与が、SARS-CoV-2に対する前記mRNAワクチンのブースター用量である、実施形態1から4のいずれか1つの方法。
【0547】
94.ヒト対象における肺炎球菌(S.pneumoniae)および重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に対する免疫保護応答を引き出すための方法における使用のための、肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンであって、前記方法が、ヒト対象に前記ワクチンを同時投与するステップを含む、肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0548】
95.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンとSARS-CoV-2に対する前記mRNAワクチンを並行してまたは付随的に投与する、実施形態94に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0549】
96.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンとSARS-CoV-2に対する前記mRNAワクチンとを並行して投与する、実施形態94に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0550】
97.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンとSARS-CoV-2に対する前記mRNAワクチンとを付随的に投与する、実施形態94に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0551】
98.ワクチンそれぞれ1回の用量を投与する、実施形態94から97のいずれか1つに記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0552】
99.SARS-CoV-2に対する前記mRNAワクチンの少なくとも2回の用量を投与する、実施形態94から97のいずれか1つに記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0553】
100.SARS-CoV-2に対する前記mRNAワクチンの少なくとも3回の用量を投与する、実施形態94から97のいずれか1つに記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0554】
101.SARS-CoV-2に対する前記mRNAワクチンの少なくとも4回の用量を投与する、実施形態94から97のいずれか1つに記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0555】
102.SARS-CoV-2に対する前記mRNAワクチンの2回の用量を投与する、実施形態94から97のいずれか1つに記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0556】
103.SARS-CoV-2に対する前記mRNAワクチンの3回の用量を投与する、実施形態94から97のいずれか1つに記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0557】
104.SARS-CoV-2に対する前記mRNAワクチンの4回の用量を投与する、実施形態94から97のいずれか1つに記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0558】
105.SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの前記用量を、約2週間~約12カ月の間隔をおいて行う、実施形態99から104のいずれか1つに記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0559】
106.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンの1回の用量を投与する、実施形態94から105のいずれか1つに記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0560】
107.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンの少なくとも2回の用量を投与する、実施形態94から105のいずれか1つに記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0561】
108.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンの少なくとも3回の用量を投与する、実施形態94から105のいずれか1つに記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0562】
109.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンの少なくとも4回の用量を投与する、実施形態94から105のいずれか1つに記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0563】
110.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンの2回の用量を投与する、実施形態94から105のいずれか1つに記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0564】
111.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンの3回の用量を投与する、実施形態94から105のいずれか1つに記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0565】
112.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンの4回の用量を投与する、実施形態94から105のいずれか1つに記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0566】
113.肺炎球菌コンジュゲートワクチンの前記用量を、約2週間~約12カ月の間隔をおいて行う、実施形態107から112のいずれか1つに記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0567】
114.SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの2回の用量と肺炎球菌コンジュゲートワクチンの1回の用量とを投与する、実施形態94から97のいずれか1つに記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0568】
115.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの1回目の用量と同時投与する、実施形態114に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0569】
116.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの2回目の用量と同時投与する、実施形態114に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0570】
117.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの1回目の用量に付随的に投与する、実施形態114に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0571】
118.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの2回目の用量に付随的に投与する、実施形態114に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0572】
119.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの1回目の用量と並行して投与する、実施形態114に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0573】
120.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの2回目の用量と並行して投与する、実施形態114に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0574】
121.SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの3回の用量と肺炎球菌コンジュゲートワクチンの1回の用量とを投与する、実施形態94から97のいずれか1つに記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0575】
122.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの1回目の用量と同時投与する、実施形態121に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0576】
123.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの2回目の用量と同時投与する、実施形態121に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0577】
124.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの3回目の用量と同時投与する、実施形態121に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0578】
125.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの1回目の用量と並行して投与する、実施形態121に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0579】
126.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの2回目の用量と並行して投与する、実施形態121に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0580】
127.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの3回目の用量と並行して投与する、実施形態121に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0581】
128.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの1回目の用量に付随的に投与する、実施形態121に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0582】
129.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの2回目の用量に付随的に投与する、実施形態121に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0583】
130.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの3回目の用量に付随的に投与する、実施形態121に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0584】
131.SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの4回の用量と肺炎球菌コンジュゲートワクチンの1回の用量とを投与する、実施形態94から97のいずれか1つに記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0585】
132.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの1回目の用量と同時投与する、実施形態131に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0586】
133.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの2回目の用量と同時投与する、実施形態131に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0587】
134.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの3回目の用量と同時投与する、実施形態131に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0588】
135.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの4回目の用量と同時投与する、実施形態131に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0589】
136.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの1回目の用量と並行して投与する、実施形態131に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0590】
137.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの2回目の用量と並行して投与する、実施形態131に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0591】
138.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの3回目の用量と並行して投与する、実施形態131に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0592】
139.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの4回目の用量と並行して投与する、実施形態131に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0593】
140.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの1回目の用量に付随的に投与する、実施形態131に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0594】
141.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの2回目の用量に付随的に投与する、実施形態131に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0595】
142.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの3回目の用量に付随的に投与する、実施形態131に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0596】
143.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンを、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの4回目の用量に付随的に投与する、実施形態131に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0597】
144.SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの2回の用量と肺炎球菌コンジュゲートワクチンの2回の用量とを投与する、実施形態94から97のいずれか1つに記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0598】
145.SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの3回の用量と肺炎球菌コンジュゲートワクチンの2回の用量とを投与する、実施形態94から97のいずれか1つに記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0599】
146.SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの4回の用量と肺炎球菌コンジュゲートワクチンの2回の用量とを投与する、実施形態94から97のいずれか1つに記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0600】
147.SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの最初の2回の用量が、約2週間~約6カ月の間隔で分けられている、実施形態114から146のいずれか1つに記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0601】
148.SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの最初の2回の用量が、約2週間~約2カ月の間隔で分けられている、実施形態114から146のいずれか1つに記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0602】
149.SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの最初の2回の用量が、約2週間~約6週間の間隔で分けられている、実施形態114から146のいずれか1つに記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0603】
150.SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの最初の2回の用量が、約2週間~約4カ月の間隔で分けられている、実施形態114から146のいずれか1つに記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0604】
151.SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの最初の2回の用量が、約3週間の間隔で分けられている、実施形態114から146のいずれか1つに記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0605】
152.SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの最初の2回の用量が、約2週間~約6カ月の間隔で分けられ、3回目の用量が、2回目の用量から少なくとも約6カ月の間隔で分けられている、実施形態121から146のいずれか1つに記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0606】
153.SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの最初の2回の用量が、約2週間~約2カ月の間隔で分けられ、3回目の用量が、2回目の用量から少なくとも約6カ月の間隔で分けられている、実施形態121から146のいずれか1つに記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0607】
154.SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの最初の2回の用量が、約2週間~約6週間の間隔で分けられ、3回目の用量が、2回目の用量から少なくとも約6カ月の間隔で分けられている、実施形態121から146のいずれか1つに記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0608】
155.SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの最初の2回の用量が、約2週間~約4カ月の間隔で分けられ、3回目の用量が、2回目の用量から少なくとも約6カ月の間隔で分けられている、実施形態121から146のいずれか1つに記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0609】
156.SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの最初の2回の用量が、約3週間の間隔で分けられ、3回目の用量が、2回目の用量から少なくとも約6カ月の間隔で分けられている、実施形態121から146のいずれか1つに記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0610】
157.SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの最初の2回の用量が、約2週間~約6カ月の間隔で分けられ、3回目の用量が、2回目の用量から少なくとも約1年の間隔で分けられている、実施形態121から146のいずれか1つに記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0611】
158.SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの最初の2回の用量が、約2週間~約2カ月の間隔で分けられ、3回目の用量が、2回目の用量から少なくとも約1年の間隔で分けられている、実施形態121から146のいずれか1つに記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0612】
159.SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの最初の2回の用量が、約2週間~約6週間の間隔で分けられ、3回目の用量が、2回目の用量から少なくとも約1年の間隔で分けられている、実施形態121から146のいずれか1つに記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0613】
160.SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの最初の2回の用量が、約2週間~約4カ月の間隔で分けられ、3回目の用量が、2回目の用量から少なくとも約1年の間隔で分けられている、実施形態121から146のいずれか1つに記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0614】
161.SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの最初の2回の用量が、約3週間の間隔で分けられ、3回目の用量が、2回目の用量から少なくとも約1年の間隔で分けられている、実施形態121から146のいずれか1つに記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0615】
162.前記ヒト対象が、前記同時投与の前に、SARS-CoV-2に対する少なくとも1回のmRNAワクチン用量をすでに受けている、実施形態94から97のいずれか1つに記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0616】
163.前記SARS-CoV-2に対する少なくとも1回のmRNAワクチン用量が、前記同時投与の少なくとも約3週間前に投与されている、実施形態162に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0617】
164.前記SARS-CoV-2に対する少なくとも1回のmRNAワクチン用量が、前記同時投与の少なくとも約2カ月前に投与されている、実施形態162に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0618】
165.前記SARS-CoV-2に対する少なくとも1回のmRNAワクチン用量が、前記同時投与の少なくとも約6カ月前に投与されている、実施形態162に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0619】
166.前記SARS-CoV-2に対する少なくとも1回のmRNAワクチン用量が、前記同時投与の少なくとも約1年前に投与されている、実施形態162に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0620】
167.前記SARS-CoV-2に対する少なくとも1回のmRNAワクチン用量が、前記同時投与の少なくとも約2年前に投与されている、実施形態162に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0621】
168.前記ヒト対象が、前記同時投与の前に、SARS-CoV-2に対する1回のmRNAワクチン用量をすでに受けている、実施形態94から97のいずれか1つに記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0622】
169.前記SARS-CoV-2に対する1回のmRNAワクチン用量が、前記同時投与の少なくとも約3週間前に投与されている、実施形態168に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0623】
170.前記SARS-CoV-2に対する1回のmRNAワクチン用量が、前記同時投与の少なくとも約2カ月前に投与されている、実施形態168に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0624】
171.前記SARS-CoV-2に対する1回のmRNAワクチン用量が、前記同時投与の少なくとも約6カ月前に投与されている、実施形態168に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0625】
172.前記SARS-CoV-2に対する1回のmRNAワクチン用量が、前記同時投与の少なくとも約1年前に投与されている、実施形態168に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0626】
173.前記SARS-CoV-2に対する1回のmRNAワクチン用量が、前記同時投与の少なくとも約2年前に投与されている、実施形態168に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0627】
174.前記ヒト対象が、前記同時投与の前に、SARS-CoV-2に対する少なくとも2回のmRNAワクチン用量をすでに受けている、実施形態94から97のいずれか1つに記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0628】
175.前記SARS-CoV-2に対する少なくとも2回のmRNAワクチン用量の最後の用量が、前記同時投与の少なくとも約3週間前に投与されている、実施形態174に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0629】
176.前記SARS-CoV-2に対する少なくとも2回のmRNAワクチン用量の最後の用量が、前記同時投与の少なくとも約2カ月前に投与されている、実施形態174に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0630】
177.前記SARS-CoV-2に対する少なくとも2回のmRNAワクチン用量の最後の用量が、前記同時投与の少なくとも約6カ月前に投与されている、実施形態174に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0631】
178.前記SARS-CoV-2に対する少なくとも2回のmRNAワクチン用量の最後の用量が、前記同時投与の少なくとも約1年前に投与されている、実施形態174に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0632】
179.前記SARS-CoV-2に対する少なくとも2回のmRNAワクチン用量の最後の用量が、前記同時投与の少なくとも約2年前に投与されている、実施形態174に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0633】
180.前記ヒト対象が、前記同時投与の前に、SARS-CoV-2に対する2回のmRNAワクチン用量をすでに受けている、実施形態94から97のいずれか1つに記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0634】
181.前記SARS-CoV-2に対する2回のmRNAワクチン用量の最後が、前記同時投与の少なくとも約3週間前に投与されている、実施形態180に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0635】
182.前記SARS-CoV-2に対する2回のmRNAワクチン用量の最後が、前記同時投与の少なくとも約2カ月前に投与されている、実施形態180に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0636】
183.前記SARS-CoV-2に対する2回のmRNAワクチン用量の最後が、前記同時投与の少なくとも約6カ月前に投与されている、実施形態180に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0637】
184.前記SARS-CoV-2に対する2回のmRNAワクチン用量の最後が、前記同時投与の少なくとも約1年前に投与されている、実施形態180に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0638】
185.前記SARS-CoV-2に対する2回のmRNAワクチン用量の最後が、前記同時投与の少なくとも約2年前に投与されている、実施形態180に記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0639】
186.前記同時投与が、SARS-CoV-2に対する前記mRNAワクチンのブースター用量である、実施形態94から97のいずれか1つに記載の使用のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンおよびSARS-CoV-2に対するmRNAワクチン。
【0640】
187.肺炎球菌コンジュゲートワクチンとSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの同時投与の、SARS-CoV-2に対する任意のmRNAワクチンのブースター用量としての使用。
【0641】
188.肺炎球菌コンジュゲートワクチンとSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの同時投与の、SARS-CoV-2に対する前記mRNAワクチンのブースター用量としての使用。
【0642】
189.肺炎球菌コンジュゲートワクチンとSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの同時投与の、SARS-CoV-2に対する任意のmRNAワクチンをブーストするための使用。
【0643】
190.肺炎球菌コンジュゲートワクチンとSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの同時投与の、SARS-CoV-2に対する前記mRNAワクチンをブーストするための使用。
【0644】
191.肺炎球菌コンジュゲートワクチンとSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの、SARS-CoV-2に対する任意のmRNAワクチンのブースター用量として使用するための、同時投与。
【0645】
192.肺炎球菌コンジュゲートワクチンとSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの、SARS-CoV-2に対する前記mRNAワクチンのブースター用量として使用するための、同時投与。
【0646】
193.肺炎球菌コンジュゲートワクチンとSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの、SARS-CoV-2に対する任意のmRNAワクチンをブーストする方法における使用のための、同時投与。
【0647】
194.肺炎球菌コンジュゲートワクチンとSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの、SARS-CoV-2に対する前記mRNAワクチンをブーストする方法における使用のための、同時投与。
【0648】
195.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンが、13価肺炎球菌ワクチンである、実施形態1から194のいずれか1つの方法。
【0649】
196.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンが、14価肺炎球菌ワクチンである、実施形態1から194のいずれか1つの方法。
【0650】
197.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンが、15価肺炎球菌ワクチンである、実施形態1から194のいずれか1つの方法。
【0651】
198.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンが、16価肺炎球菌ワクチンである、実施形態1から194のいずれか1つの方法。
【0652】
199.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンが、20価肺炎球菌ワクチンである、実施形態1から194のいずれか1つの方法。
【0653】
200.肺炎球菌(S.pneumoniae)由来の糖コンジュゲートが、全て個別にCRM197とコンジュゲートしたものである、実施形態1から199のいずれか1つの方法。
【0654】
201.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンが、血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、23F、22Fおよび33Fからなる群から選択される肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)血清型由来の13種の糖コンジュゲートを含む、実施形態1から194のいずれか1つの方法。
【0655】
202.前記糖コンジュゲートが、全て個別にCRM197とコンジュゲートしたものである、実施形態201の方法。
【0656】
203.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンが、13価肺炎球菌コンジュゲートワクチンであり、前記13種のコンジュゲートが、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23F由来の糖コンジュゲートからなる、実施形態1から194のいずれか1つの方法。
【0657】
204.前記糖コンジュゲートが、全て個別にCRM197とコンジュゲートしたものである、実施形態203の方法。
【0658】
205.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンが、15価肺炎球菌コンジュゲートワクチンであり、前記15種のコンジュゲートが、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23F、22Fおよび33F由来の糖コンジュゲートからなる、実施形態1から194のいずれか1つの方法。
【0659】
206.前記糖コンジュゲートが、全て個別にCRM197とコンジュゲートしたものである、実施形態205の方法。
【0660】
207.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンが、20価肺炎球菌コンジュゲートワクチンであり、前記20種のコンジュゲートが、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、23F、22Fおよび33F由来の糖コンジュゲートからなる、実施形態1から194のいずれか1つの方法。
【0661】
208.前記糖コンジュゲートが、全て個別にCRM197とコンジュゲートしたものである、実施形態207の方法。
209.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンが、PREVNAR13(登録商標)である、実施形態1から194のいずれか1つの方法。
【0662】
210.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンが、V114である、実施形態1から194のいずれか1つの方法。
【0663】
211.前記肺炎球菌コンジュゲートワクチンが、20vPnCである、実施形態1から194のいずれか1つの方法。
【0664】
212.SARS-CoV-2に対する前記mRNAワクチンが、ヌクレオシド修飾mRNAを含む、実施形態1から211のいずれか1つの方法。
【0665】
213.前記mRNAワクチンが、BNT162b2(Comirnaty(登録商標))である、実施形態1から211のいずれか1つの方法。
【0666】
214.SARS-CoV-2に対する前記mRNAワクチンが、配列番号1の残基1~102および配列番号1の残基103~4284を有する配列を含み、配列番号1のSARS-CoV-2抗原の配列が、バリアント株のSARS-CoV-2抗原で置き換えられている、実施形態1から212のいずれか1つの方法。
【0667】
215.前記mRNAワクチンが、ワクチン「mRNA-1273」である、実施形態1から212のいずれか1つの方法。
【0668】
216.SARS-CoV-2に対する前記mRNAワクチンが、SARS-CoV-2抗原(例えば、Sタンパク質)をコードする連結ヌクレオシドの第1の領域、第1の領域の5’末端に位置する第1の隣接領域(例えば、5’UTR)、第1の領域の3’末端に位置する第2の隣接領域(例えば、3’UTR)、少なくとも1つの5’キャップ領域、および3’安定化領域を含むmRNAを含む、実施形態1から212のいずれか1つの方法。
【0669】
217.SARS-CoV-2に対する前記mRNAワクチンが、SARS-CoV-2の変異型ウイルススパイク(S)糖タンパク質をコードする連結ヌクレオシドの第1の領域、第1の領域の5’末端に位置する第1の隣接領域(例えば、5’UTR)、第1の領域の3’末端に位置する第2の隣接領域(例えば、3’UTR)、少なくとも1つの5’キャップ領域、および3’安定化領域を含むmRNAを含む、実施形態1から212のいずれか1つの方法。
【0670】
実施形態の続き
1.ヒト対象における感染性疾患を引き起こす細菌およびベータコロナウイルスに対する免疫応答を引き出すための方法であって、ヒト対象に、細菌に由来する抗原を含む第1の免疫原性組成物と、ベータコロナウイルスに由来する抗原をコードするmRNAを含む免疫原性組成物とを、有効用量で同時投与するステップを含む方法。
【0671】
2.第1の免疫原性組成物の用量とmRNAを含む免疫原性組成物の用量を並行して投与する、項目1による方法。
【0672】
3.第1の免疫原性組成物の用量とmRNAを含む免疫原性組成物の用量を付随的に投与する、項目1~2のいずれか一項による方法。
【0673】
4.第1の免疫原性組成物の用量とmRNAを含む免疫原性組成物の用量をそれぞれの各用量の24時間以内に投与する、項目1~3のいずれか一項による方法。
【0674】
5.第1の免疫原性組成物の用量とmRNAを含む免疫原性組成物の用量をそれぞれの各用量の48時間以内に投与する、項目1~4のいずれか一項による方法。
【0675】
6.第1の免疫原性組成物の1回目の用量と第1の免疫原性組成物の2回目の用量の間に約2週間~約12カ月の間隔をおく、項目1~5のいずれか一項による方法。
【0676】
7.mRNAを含む免疫原性組成物の1回目の用量とmRNAを含む免疫原性組成物の2回目の用量の間に約2週間~約12カ月の間隔をおく、項目1~6のいずれか一項による方法。
【0677】
8.細菌が、肺炎球菌(S.pneumoniae)である、項目1による方法。
【0678】
9.細菌が、髄膜炎菌(N.meningitidis)である、項目1による方法。
【0679】
10.細菌が、クロストリディオイデス・ディフィシル(C.difficile)である、項目1による方法。
【0680】
11.細菌が、大腸菌(E.coli)である、項目1による方法。
【0681】
12.ベータコロナウイルスが、SARS-CoV-2である、項目1による方法。
【0682】
13.ヒト対象が、前記同時投与の前に、ベータコロナウイルスに対するmRNAを含む免疫原性組成物の少なくとも1回の用量をすでに受けている、項目1~12のいずれか一項による方法。
【0683】
14.ベータコロナウイルスに対するmRNAを含む免疫原性組成物の前記少なくとも1回の用量が、前記同時投与の少なくとも約3週間前に投与されている、項目1~13のいずれか一項による方法。
【0684】
15.ベータコロナウイルスに対するmRNAを含む免疫原性組成物の前記少なくとも1回の用量が、前記同時投与の少なくとも約2カ月前に投与されている、項目1~13のいずれか一項による方法。
【0685】
16.ベータコロナウイルスに対するmRNAを含む免疫原性組成物の前記少なくとも1回の用量が、前記同時投与の少なくとも約6カ月前に投与されている、項目1~13のいずれか一項による方法。
【0686】
17.ベータコロナウイルスに対するmRNAを含む免疫原性組成物の前記少なくとも1回の用量が、前記同時投与の少なくとも約1年前に投与されている、項目1~13のいずれか一項による方法。
【0687】
18.ベータコロナウイルスに対するmRNAを含む免疫原性組成物の前記少なくとも1回の用量が、前記同時投与の少なくとも約2年前に投与されている、項目1~13のいずれか一項による方法。
【0688】
19.前記ヒト対象が、前記同時投与の前に、ベータコロナウイルスに対するmRNAを含む免疫原性組成物の少なくとも2回の用量をすでに受けている。項目1~18のいずれか一項による方法。
【0689】
20.ベータコロナウイルスに対するmRNAを含む免疫原性組成物の前記少なくとも2回の用量の最後の用量が、前記同時投与の少なくとも約3週間前に投与されている、項目1~19のいずれか一項による方法。
【0690】
21.ベータコロナウイルスに対するmRNAを含む免疫原性組成物の前記少なくとも2回の用量の最後の用量が、前記同時投与の少なくとも約2カ月前に投与されている、項目1~20のいずれか一項による方法。
【0691】
22.ベータコロナウイルスに対するmRNAを含む免疫原性組成物の前記少なくとも2回の用量の最後の用量が、前記同時投与の少なくとも約6カ月前に投与されている、項目1~21のいずれか一項による方法。
【0692】
23.ベータコロナウイルスに対するmRNAを含む免疫原性組成物の前記少なくとも2回の用量の最後の用量が、前記同時投与の少なくとも約1年前に投与されている、項目1~22のいずれか一項による方法。
【0693】
24.ベータコロナウイルスに対するmRNAを含む免疫原性組成物の前記少なくとも2回の用量の最後の用量が、前記同時投与の少なくとも約2年前に投与されている、項目1~23のいずれか一項による方法。
【0694】
25.前記ヒト対象が、前記同時投与の前に、ベータコロナウイルスに対するmRNAを含む免疫原性組成物の2回の用量をすでに受けている、項目1~24のいずれか一項による方法。
【0695】
26.第1の組成物が、13価肺炎球菌ワクチンである、項目8による方法。
【0696】
27.第1の組成物が、14価肺炎球菌ワクチンである、項目8による方法。
【0697】
28.第1の組成物が、15価肺炎球菌ワクチンである、項目8による方法。
【0698】
29.第1の組成物が、16価肺炎球菌ワクチンである、項目8による方法。
【0699】
30.第1の組成物が、20価肺炎球菌ワクチンである、項目8による方法。
【0700】
31.第1の組成物が、肺炎球菌(S.pneumoniae)由来の糖コンジュゲートを含み、前記糖コンジュゲートが、全て個別にCRM197とコンジュゲートしたものである、項目8による方法。
【0701】
32.第1の組成物が、血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、23F、22Fおよび33Fからなる群から選択される肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)血清型由来の13種の糖コンジュゲートを含む、項目8による方法。
【0702】
33.前記糖コンジュゲートが、全て個別にCRM197とコンジュゲートしたものである、項目32による方法。
【0703】
34.第1の組成物が、13価肺炎球菌コンジュゲートワクチンであり、前記13種のコンジュゲートが、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23F由来の糖コンジュゲートからなる、項目8による方法。
【0704】
35.項目34による方法、前記糖コンジュゲートが、全て個別にCRM197とコンジュゲートしたものである、項目34による方法。
【0705】
36.第1の組成物が、15価肺炎球菌コンジュゲートワクチンであり、前記15種のコンジュゲートが、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23F、22Fおよび33F由来の糖コンジュゲートからなる、項目8による方法。
【0706】
37.前記糖コンジュゲートが、全て個別にCRM197とコンジュゲートしたものである、項目36による方法。
【0707】
38.第1の組成物が、20価肺炎球菌コンジュゲートワクチンであり、前記20種のコンジュゲートが、肺炎球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、23F、22Fおよび33F由来の糖コンジュゲートからなる、項目8による方法。
【0708】
39.前記糖コンジュゲートが、全て個別にCRM197とコンジュゲートしたものである、項目38による方法。
40.第1の組成物が、PREVNAR13(登録商標)である、項目8による方法。
【0709】
41.第1の組成物が、V114である、項目8による方法。
【0710】
42.第1の組成物が、20vPnCである、項目8による方法。
【0711】
43.第1の組成物が、配列番号1に記載のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む、項目9による方法。
【0712】
44.ポリペプチドが、脂質付加されている、項目43による方法。
【0713】
45.ポリペプチドが、脂質付加されていない、項目43による方法。
【0714】
46.ポリペプチドが、免疫原性である、項目43による方法。
【0715】
47.第1の組成物が、アジュバントをさらに含む、項目43による方法。
【0716】
48.第1の組成物が、a)配列番号1に記載のアミノ酸配列を含む第1の脂質付加されたポリペプチドと、b)配列番号2に記載のアミノ酸配列を含む第2の脂質付加されたポリペプチドとを含む、項目9による方法。
【0717】
49.第1の組成物が、ポリソルベート-80、アルミニウム、ヒスチジン、および塩化ナトリウムをさらに含む、項目43による方法。
【0718】
50.第1の組成物が、ポリソルベート-80、アルミニウム、ヒスチジン、および塩化ナトリウムをさらに含む、項目48による方法。
【0719】
51.第1の組成物が、TRUMENBA(登録商標)を含む、項目9による方法。
【0720】
52.第1の組成物が、fHBP抗原を含む、項目9による方法。
【0721】
53.第1の組成物が、髄膜炎菌(N.meningitidis)に由来する多糖を含む、項目9による方法。
【0722】
54.第1の組成物が、a)(i)配列番号1に記載のアミノ酸配列を含む第1の脂質付加されたポリペプチド、および(ii)配列番号2に記載のアミノ酸配列を含む第2の脂質付加されたポリペプチドおよびアルミニウムを含む液体組成物と、b)i)破傷風トキソイド(TT)とカルボジイミド化学によってコンジュゲートしたアジピン酸ジヒドラジド(ADH)リンカーと、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロボレートによってコンジュゲートした髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群A(MenA)莢膜糖(MenAAH-TTコンジュゲート)、ii)破傷風トキソイド(TT)とカルボジイミド化学によってコンジュゲートしたADHリンカーと、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロボレートによってコンジュゲートした髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群C(MenC)莢膜糖(MenCAH-TTコンジュゲート)、iii)破傷風トキソイド(TT)と、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロボレートによってリンカーの非存在下で直接コンジュゲートした髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群W135(MenW)莢膜糖(MenW-TTコンジュゲート)、およびiv)破傷風トキソイド(TT)と、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロボレートによってリンカーの非存在下で直接コンジュゲートした髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群Y(MenY)莢膜糖(MenY-TTコンジュゲート)を含む凍結乾燥組成物とを含み、凍結乾燥組成物が、液体組成物を用いて復元される、項目9による方法。
【0723】
55.アルミニウムが、リン酸アルミニウムを含む、項目54による方法。
【0724】
56.第1の組成物が、ポリソルベート-80をさらに含む、項目54による方法。
【0725】
57.第1の組成物が、Tris-HCl;塩化ナトリウム;ショ糖;ヒスチジン;ポリソルベート80;およびリン酸アルミニウムをさらに含む、項目54による方法。
【0726】
58.第1の組成物を、10~25歳のヒトに投与する、項目9による方法。
【0727】
59.第1の組成物を、10~26歳のヒトに投与する、項目9による方法。
【0728】
60.第1の組成物が、トキソイドを含む、項目10による方法。
【0729】
61.第1の組成物が、融合ポリペプチドを含む、項目10による方法。
【0730】
62.第1の組成物が、凍結乾燥されたものである、項目10による方法。
【0731】
63.第1の組成物が、凍結保護物質を含む、項目10による方法。
【0732】
64.第1の組成物が、ショ糖を含む、項目10による方法。
【0733】
65.第1の組成物が、トレハロースを含む、項目10による方法。
【0734】
66.第1の組成物が、ホルムアルデヒドをさらに含むものではない、項目10による方法。
【0735】
67.第1の組成物が、野生型クロストリディオイデス・ディフィシル(C.difficile)毒素AのC末端ドメインを含むポリペプチドを含む、項目10による方法。
【0736】
68.第1の組成物が、野生型クロストリディオイデス・ディフィシル(C.difficile)毒素BのC末端ドメインを含むポリペプチドを含む、項目10による方法。
【0737】
69.第1の組成物が、配列番号4に記載のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含み、ポリペプチドのリシン残基の側鎖が、ベータアラニン部分と架橋結合している、項目10による方法。
【0738】
70.第1の組成物が、配列番号6に記載のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含み、ポリペプチドのリシン残基の側鎖が、ベータアラニン部分と架橋結合している、項目10による方法。
【0739】
71.第1の組成物を、55歳以上のヒトに投与する、項目10による方法。
【0740】
72.mRNAを含む前記免疫原性組成物が、ヌクレオシド修飾mRNAを含む、項目12による方法。
【0741】
73.mRNAを含む前記免疫原性組成物が、BNT162b2(Comirnaty(登録商標))である、項目12による方法。
【0742】
74.mRNAを含む前記免疫原性組成物が、配列番号1の残基1~102および配列番号1の残基103~4284を有する配列を含み、配列番号1のSARS-CoV-2抗原の配列が、バリアント株のSARS-CoV-2抗原で置き換えられている、項目73による方法。
【0743】
75.mRNAを含む前記免疫原性組成物が、ワクチン「mRNA-1273」である、項目12による方法。
【0744】
76.mRNAを含む前記免疫原性組成物が、SARS-CoV-2抗原(例えば、Sタンパク質)をコードする連結ヌクレオシドの第1の領域、第1の領域の5’末端に位置する第1の隣接領域(例えば、5’UTR)、第1の領域の3’末端に位置する第2の隣接領域(例えば、3’UTR)、少なくとも1つの5’キャップ領域、および3’安定化領域を含むmRNAを含む、項目74による方法。
【0745】
77.mRNAを含む前記免疫原性組成物が、SARS-CoV-2の変異型ウイルススパイク(S)糖タンパク質をコードする連結ヌクレオシドの第1の領域、第1の領域の5’末端に位置する第1の隣接領域(例えば、5’UTR)、第1の領域の3’末端に位置する第2の隣接領域(例えば、3’UTR)、少なくとも1つの5’キャップ領域、および3’安定化領域を含むmRNAを含む、項目74による方法。
【配列表】
【国際調査報告】