(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-23
(54)【発明の名称】消費者物品のためのヒンジリッド容器およびヒンジリッド容器を形成する方法
(51)【国際特許分類】
B65D 85/10 20060101AFI20240416BHJP
【FI】
B65D85/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023567017
(86)(22)【出願日】2022-04-29
(85)【翻訳文提出日】2023-10-31
(86)【国際出願番号】 EP2022061613
(87)【国際公開番号】W WO2022233745
(87)【国際公開日】2022-11-10
(32)【優先日】2021-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】アンドロセンコ アレクサンダー
【テーマコード(参考)】
3E068
【Fターム(参考)】
3E068AA21
3E068AA40
3E068AC02
3E068CC04
3E068CD01
3E068CE02
3E068DD01
3E068DD04
3E068DE06
(57)【要約】
本発明は、消費者物品のためのヒンジリッド容器(10)に関し、容器(10)は、内表面および外表面を画定する。ヒンジリッド容器(10)は、消費者物品を収容するためのボックス(14)を備える。ヒンジリッド容器(10)はまた、ヒンジ(17)に沿ってボックスにヒンジ留めされ、ヒンジ(17)を中心として閉位置と動作位置との間で移動可能なリッド(16)を備える。ヒンジ(17)は、外表面上に実現される虚弱線(27)を含み、虚弱線(27)は、0.1ミリメートル~1ミリメートルの幅を有する。ヒンジリッド容器(10)はまた、外表面上に提供された導電性トレース(50)を備え、虚弱線(27)は、導電性トレース(50)を通過してこれを中断する。導電性トレース(50)は、リッド(16)が動作位置にある時に閉回路を形成し、また導電性トレース(50)は、リッド(16)が閉位置にある時に開回路を形成する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費者物品のためのヒンジリッド容器であって、前記容器が、内表面および外表面を画定し、
前記消費者物品を収容するためのボックスと、
ヒンジに沿って前記ボックスにヒンジ留めされ、前記ヒンジを中心として閉位置と動作位置との間で移動可能なリッドと、
前記ヒンジが、前記外表面上に実現される虚弱線を含み、前記虚弱線が、0.1ミリメートル~1ミリメートルの幅を有し、
前記外表面上に提供された導電性トレースであって、前記虚弱線が、前記導電性トレースを通過してこれを中断する、導電性トレースと、を備え、
前記導電性トレースが、前記リッドが前記動作位置にある時に閉回路を形成し、また前記導電性トレースが、前記リッドが前記閉位置にある時に開回路を形成する、ヒンジリッド容器。
【請求項2】
前記容器が、ブランクを折り畳むことによって少なくとも部分的に形成される、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記リッドおよび本体が、一つのブランクを折り畳むことによって形成される、請求項2に記載の容器。
【請求項4】
前記ブランクが、200マイクロメートル~400マイクロメートルから成る厚さを有する、請求項2または3に記載の容器。
【請求項5】
前記ブランクが、セルロース繊維系ブランクを含む、請求項2~4のいずれか1項に記載の容器。
【請求項6】
厚さを有する後部壁を備え、前記虚弱線が、前記後部壁内に形成され、前記虚弱線が、前記容器の前記後部壁の厚さの40パーセント未満の最小残厚を有する、請求項1~5の一つ以上に記載の容器。
【請求項7】
エネルギー源と、以下の負荷、
光源、
センサー、
アンテナ、
発熱体、および、
音響エミッタ、のうちの一つ以上と、を備え、
前記導電性トレースが、閉回路を形成する時に、前記エネルギー源を前記電気負荷に接続する、請求項1~6の一つ以上に記載の容器。
【請求項8】
前記導電性トレースが、1グラム/平方メートル~50グラム/平方メートルから成る坪量を有する、請求項1~7の一つ以上に記載の容器。
【請求項9】
前記導電性トレースが、0.1ミリメートル~25ミリメートルから成る幅を有する、請求項1~8の一つ以上に記載の容器。前記虚弱線によって中断される前記導電性トレースが、前記導電性トレースの先端縁部および前記導電性トレースの後端縁部によってギャップを画定し、前記ギャップの幅が、前記虚弱線の幅よりも小さい、請求項1~8の一つ以上に記載の容器。
【請求項10】
消費者物品のためのヒンジリッド容器を形成する方法であって、前記方法が、
外表面および内表面を画定する容器ブランクを提供する工程であって、前記容器ブランクが、ボックスを形成するためのボックス部分、およびリッドを形成するためのリッド部分を含む、提供する工程と、
外表面上に0.1ミリメートル~1ミリメートルの幅を有する虚弱線を形成する工程であって、前記虚弱線が、前記リッドが前記ボックス上で閉位置から動作位置へと移動可能であるように、前記リッドのためのヒンジを形成する、形成する工程と、
前記虚弱線を横切る前記導電性トレースを提供することを含む、導電性トレースを前記外表面上に提供する工程と、
前記ブランクを折り畳んで前記ヒンジリッド容器を形成する工程であって、前記導電性トレースが、前記リッドが前記動作位置にある時に閉回路を形成し、また前記導電性トレースが、前記リッドが前記閉位置にある時に開回路を形成する、折り畳む工程と、を含む、方法。
【請求項11】
前記外表面上に虚弱線を形成する前記工程が、前記外表面を切除することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記外表面を切除する前記工程が、
レーザによって前記外表面を切除すること、を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記閉回路を形成する時に負荷を通電する工程を含む、請求項10~12の一つ以上に記載の方法。
【請求項14】
前記容器にエネルギー源を提供する工程を含む、請求項10~13の一つ以上に記載の方法。
【請求項15】
前記リッドがリッド後部壁を含み、前記ボックスがボックス後部壁を含み、前記リッドが前記動作位置にある時に前記導電性トレースから閉回路を形成する工程が、
前記リッド後部壁と前記ボックス後部壁との間に165度未満の角度を形成することを含む、請求項10~14の一つ以上に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消費者物品のためのヒンジリッド容器に関する。本発明はまた、ヒンジリッド容器を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
消費者物品のための容器、例えばエアロゾル形成物品の容器に、センサーまたは電子構成要素を追加することができることは公知である。これらのセンサーまたは構成要素は、例えば、光源、音源、加熱源、通信要素、湿度センサー、温度センサーなどであり得る。これらのセンサーまたは構成要素は、容器の使用の特定の瞬間にのみ起動させる必要がある。例えば、光源または音源は、その中に収容された消費者物品を取り出すために容器を開いた時にのみ起動させる必要がある。さらに、センサーおよび構成要素は、エネルギー源に接続させる必要があり得る。公知の容器において、上記の要件を満たすためには、容器上に印刷された複雑な半導体、または特別なフォーマットのソリューションを必要とする場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
簡単に通電されるセンサーまたは電気または電子構成要素を有する、消費者物品のための容器を提供することが望ましい。最小限の修正で既存の高速技術および装置を使用して容易に製造することができる、消費者物品のための容器を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様によれば、本発明は、消費者物品のためのヒンジリッド容器に関し、容器は、内表面および外表面を画定する。ヒンジリッド容器は、消費者物品を収容するためのボックスを備えることが好ましい。ヒンジリッド容器は、ヒンジに沿ってボックスにヒンジ留めされ、ヒンジを中心として閉位置と動作位置との間で移動可能なリッドを備えることが好ましい。ヒンジは、外表面上に実現される虚弱線を含むことが好ましい。虚弱線は、0.1ミリメートル~1ミリメートルの幅を有することが好ましい。ヒンジリッド容器は、外表面上に提供された導電性トレースを備え、虚弱線は、導電性トレースを通過してこれを中断することが好ましい。好ましくは、導電性トレースは、リッドが動作位置にある時に閉回路を形成し、また導電性トレースは、リッドが閉位置にある時に開回路を形成する。
【0005】
別の態様によれば、本発明は、消費者物品のためのヒンジリッド容器に関し、容器は、内表面および外表面を画定する。ヒンジリッド容器は、消費者物品を収容するためのボックスを備える。ヒンジリッド容器はまた、ヒンジに沿ってボックスにヒンジ留めされ、ヒンジを中心として閉位置と動作位置との間で移動可能なリッドを備える。ヒンジは、外表面上に実現される虚弱線を含み、虚弱線は、0.1ミリメートル~1ミリメートルの幅を有する。ヒンジリッド容器はまた、外表面上に提供された導電性トレースを備え、虚弱線は、導電性トレースを通過してこれを中断する。導電性トレースは、リッドが動作位置にある時に閉回路を形成し、また導電性トレースは、リッドが閉位置にある時に開回路を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、一部の要素が取り除かれた、閉位置にある本発明による容器の簡略化された斜視図である。
【
図2】
図2は、一部の要素が取り除かれた、動作位置にある
図1の容器の簡略化された斜視図である。
【
図3】
図3は、閉位置におけるさらなる詳細を有する、
図1または2の容器の斜視図である。
【
図4】
図4は、
図1の位置における容器の一部分の第一の断面図を示す。
【
図5】
図5は、
図2の位置における容器の一部分の第二の断面図を示す。
【
図6】
図6は、異なる位置にある
図1~3の容器の側方図である。
【
図7】
図7は、異なる位置にある
図1~3の容器の側方図である。
【
図8】
図8は、異なる位置にある
図1~3の容器の側方図である。
【
図9】
図9は、
図1~3の容器を実現するための方法の工程の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
ヒンジリッド容器は、ボックスおよびリッドを備える。ボックスは、ボックス前部壁、ボックス後部壁、ボックス側壁、およびボックス基部壁を有することが好ましい。リッドは、リッド前部壁、リッド後部壁、リッド側壁、およびリッド上部壁を有することが好ましい。リッドは、閉位置から動作位置へと移動可能であり、またその逆も可能である。リッドが閉位置にあることは、リッドの後部壁およびボックスの後部壁が同一平面上にあることを意味する。したがって、この閉位置では、リッド後部壁およびボックス後部壁は、それらの間に180度に等しい角度を形成する。さらに、リッドが閉位置にある時、導電性トレースは開回路を形成する。
【0008】
容器は、物品に向かって位置付けられた内表面と、物品から離れる方向に面する外表面とを画定する。リッドもまた、内表面および外表面を画定し、リッドの外表面は、容器の外表面のうちリッドに属する部分である。ボックスもまた、内表面および外表面を画定し、ボックスの外表面は、容器の外表面のうちボックスに属する部分である。
【0009】
リッドは、ヒンジに沿ってボックスにヒンジ留めされ、ヒンジは、容器の後部壁を横切って延びるヒンジ線を画定する。それ故に、リッドはヒンジ線を中心に回転することができる。リッドが動作位置にあるとは、リッド後部壁およびボックス後部壁が同一平面上になく、180度とは異なる所与の角度がそれらの間に形成されることを意味する。さらに、リッドが動作位置にある時、導電性トレースは閉回路を形成する。動作位置に達するために、リッドは、導電性トレースが開回路を形成する閉位置から、ヒンジを中心に所与の角度だけ回転する。したがって、「動作位置」とは、リッドがヒンジを中心に所与の角度回転した複数の位置を意味する。複数の動作位置の各位置では、ボックス後部壁とリッド後部壁との間に、180度とは異なる角度が存在する。動作位置においてリッド後部壁とボックス後部壁との間に形成される角度は、165度よりも小さいことが好ましい。動作位置においてリッド後部壁とボックス後部壁との間に形成される角度は、150度よりも小さいことが好ましい。リッド後部壁とボックス後部壁との間に形成される角度は、135度よりも小さいことが好ましい。リッドを動作位置にするためにリッド後部壁とボックス後部壁との間に形成される角度は、0度~165度から成ることが好ましい。角度が0度に等しい時、リッド後部壁およびボックス後部壁は互いに面し、リッド後部壁の外表面は、ボックス後部壁の外表面と接触する。
【0010】
第一の動作角度は、導電性回路が閉回路を形成する、リッド後部壁とボックス後部壁との間に形成される最も広い角度として画定され得る。第一の動作角度は、好ましくは165度に等しく、より好ましくは150度に等しく、さらにより好ましくは135度に等しい。
【0011】
リッドはまた、ユーザーが容器内に収容された物品にアクセスし得る位置である「開位置」を画定し得る。リッド後部壁およびボックス後部壁が同一平面上にある閉位置から開始して、ヒンジ線を中心にリッドを回転させることにより、第一の動作角度において第一の動作位置に達することが好ましい。リッドを回転させ続けると、リッド後部壁とボックス後部壁との間の第二の角度において開位置に達し、第二の角度は第一の動作角度よりも小さい。
【0012】
ヒンジリッド容器は、複数のパネルを含むブランクから形成され得ることが好ましい。ヒンジリッド容器を組み立てるために、ブランクのパネルが容器の壁を形成することができるようにブランクを折り畳む。ブランクが折り畳まれる方法は、容器の所望の幾何学的形状次第である。リッド部分と呼ばれるブランクの一部分は、リッドが形成されるように折り畳まれることが好ましい。ボックス部分と呼ばれるブランクの別の一部分は、ボックスが形成されるように折り畳まれることが好ましい。例えば、典型的には、容器は平行六面体の形態を有する。ブランクは、リッドが閉位置にある時に容器が完全に閉じた内部容積を画定するように、折り畳まれることが好ましい。内部容積内に、消費者物品が保管されることが好ましい。
【0013】
容器は、ヒンジをさらに備える。ヒンジは、ヒンジ線を画定する。リッドは、ヒンジ線を中心に開位置から閉位置へと移動し、その逆も可能である。リッドが閉位置にある時、ヒンジ線を中心としたリッドの回転はない。リッドは、リッド後部壁の外表面がボックス後部壁の外表面と接触するまで、ヒンジ線を中心に回転し得る。
【0014】
本発明によれば、ヒンジ線は虚弱線を含む。虚弱線は、切除線またはスコアラインを含むことがより好ましい。虚弱線は、ヒンジ線と同じ長さであってもよい。ヒンジ線全体が、虚弱線の形態で作製されることが好ましい。本発明の一部の実施形態では、虚弱線は、特に、導電性トレースがヒンジ線を横切る位置において、ヒンジ線の一部分を覆ってもよく、その結果、虚弱線が導電性トレースを通過してこれを中断する。従って、虚弱線は、ヒンジ線よりも短くてもよい。例えば、ヒンジ線は、切除線を含む第一の部分と、筋付け線を含む第二の部分とを含み得る。
【0015】
虚弱線は、直線を含むことが好ましい。虚弱線は、ボックス基部壁と平行であることが好ましい。虚弱線は、リッド上部壁と平行であることが好ましい。
【0016】
虚弱線は、容器の外表面上に形成される。虚弱線は、容器の後部壁上に形成されることが好ましい。虚弱線は、容器のヒンジ線を画定する容器後部壁の一部分内の特定の位置から材料を除去することを伴い得る。
【0017】
例えば、虚弱線は、線形切除ツール(例えば、レーザまたはカッター)を用いて容器の後部壁から材料を正確に除去することによって製造されてもよい。虚弱線は、切除線であることが好ましい。切除は、レーザによって行われることが好ましい。レーザは、非侵襲的で改良された融通性のある設計をデジタル的にプログラムできるので、特に好ましい切除ツールである。特に、切除ツールとしてレーザを使用することで、レーザツールに必要とされる最小の調整で、幅広い種類の切除プロファイルおよび構成を可能にすることができる。切除ツールが後部壁の所与の部分上を繰り返し通過することで、より大きな割合で材料が除去され、それ故に残厚の減少がもたらされる。このように、製造プロセスを単純化することができる。レーザ切除は、任意の適切な器具、好ましくはDIAMONDから市販される1000ワットのCO2レーザ、例えばE-1000を使用して得られ得る。
【0018】
単一の虚弱線が形成されることが好ましい。しかしながら、二つ以上の虚弱線が、同じヒンジ線に沿って互いに所与の距離に形成されてもよい。
【0019】
虚弱線は、容器内の実質的にV字形状の溝として形成されることが好ましい。すなわち、虚弱線は、リッドが閉位置にある時に、後部壁に実質的にV字形状の断面プロファイルを有することが好ましい。V字形状は、後部壁の外表面に対して実質的に直角を成す容器の後部壁の断面に見ることができる。切除線の断面プロファイルは、MicroSpy(RTM)プロファイル(市販のFries Research&Technology GmbH、ベルギッシュ・グラートバッハ、(独国)から入手可能な)などの、2D表面非接触方式表面形状測定計によって生成される光学プロファイルを使用して決定することができる。
【0020】
さらに、虚弱線の幅は、0.1ミリメートル~1ミリメートルである。虚弱線の幅は、少なくとも0.15ミリメートルであることがより好ましい。加えて、または別の方法として、虚弱線の幅は、0.5ミリメートル未満であってもよい。虚弱線の幅は、0.3ミリメートル未満であることがより好ましい。一部の好ましい実施形態では、虚弱線の幅は、0.1ミリメートル~約0.3ミリメートルである。
【0021】
虚弱線は、容器の外表面上で一方が他方の前に位置する、第一の縁部および第二の縁部を画定する。虚弱線の幅は、容器の外表面上の第一の縁部と第二の縁部との間の距離として測定される。虚弱線の幅は、リッドが閉位置にある時に測定される。この位置において、虚弱線の幅は最大である。これは、虚弱線の幅が測定される位置である。虚弱線の幅は、MicroSpy(RTM)Profile(市販のFries Research&Technology GmbH、ベルギッシュ・グラートバッハ、(独国)から入手可能な)などの、2Dおよび3D表面非接触方式表面形状測定計を使用して決定することができる。第一の縁部と第二の縁部との間の幾つかの距離が、虚弱線の長さにわたって測定されることが好ましい。測定は、一つの虚弱線の長さにわたって均等にわたり、算術平均が計算される。したがって、虚弱線の幅は、虚弱線の長さに沿って測定された幾つかの距離の算術平均である。第一の縁部と第二の縁部との間に、虚弱線は、容器の後部壁の材料が除去された溝を画定する。
【0022】
虚弱線の幅は、ブランクを折り畳んで容器を形成する前、虚弱線がブランク上に形成される時に測定されることが好ましい。
【0023】
リッドが閉位置から動作位置へと移動すると、ヒンジを中心としたリッドの回転により虚弱線が徐々に閉じる。リッドの回転に起因して、虚弱線の幅は、第一の縁部が第二の縁部と接触するまで連続的に減少する。第一の縁部と第二の縁部との間の接触は、第一の動作角度において第一の動作角度よりも小さい角度で生じ得る。
【0024】
虚弱線は、容器の後部壁の厚さの約40パーセント未満の最小残厚を有することが好ましい。虚弱線は、容器を形成するブランクの厚さの約40パーセント未満の最小残厚を有することが好ましい。虚弱線は、容器の後部壁(またはブランク)の厚さの少なくとも約20パーセントの最小残厚を有することが好ましい。
【0025】
虚弱線の残厚は、MicroSpy(RTM)Profile(市販のFries Research&Technology GmbH、ベルギッシュ・グラートバッハ、(独国)から入手可能な)などの、2Dおよび3D表面非接触方式表面形状測定計を使用して決定することができる。虚弱線の長さにわたって幾つかの点の最小残厚を測定することが好ましいが、測定点は、一つの虚弱線の長さにわたって均等にわたり、算術平均が計算される。本発明による「最小残厚」を得るために、虚弱線の長さにわたって均等にわたる五つの測定を行い、その後、算術平均を計算することがさらにより好ましい。
【0026】
例えば、虚弱線の長さが80ミリメートルである場合、残厚は、虚弱線の両端において測定され、さらなる三つの点は、虚弱線の一方の端からそれぞれ20ミリメートル、40ミリメートル、および60ミリメートル距離を置いている。
【0027】
さらに、容器の後部壁上に、導電性トレースが形成される。導電性トレースは、リッド後部壁上およびボックス後部壁上に形成されることが好ましい。導電性トレースは、必要に応じて成形された回路を画定することが好ましい。導電性トレースは、容器の外表面上に形成される。単一の導電性トレースまたは二つ以上の導電性トレースが形成されてもよい。
【0028】
導電性トレースは、印刷された電子機器を製造する技法によって形成されることが好ましい。選択される技法は、容器上のパターンを画定するのに適した一般的な印刷装置を使用することが好ましい。容器上に印刷された導電性トレースによって生成されるパターンは、形成される所望のタイプの回路に依存する。容器上に導電性トレースを形成するための可能な技法は、例えば、スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、およびインクジェット印刷である。これらの印刷技法のいずれかにおいて、電気的に機能する電子インクまたは光学インクが容器の外表面上に堆積される。このようにして、導電性トレースが形成され得る。
【0029】
例えば、導電性トレースは、容器に対して機械的停止/開始シャッターを備えたプリントヘッドを移動させることによって形成される。
【0030】
導電性トレースの形成は、ブランクを折り畳んで容器を形成する前に、ブランク上で行われることが好ましい。
【0031】
導電性トレースは、虚弱線によって中断される。虚弱線は、導電性トレースを通過して、導電性トレースを二つの部分に分割する。導電性トレースの第一の部分は、リッド後部壁の外表面上に位置し、導電性トレースの第二の部分は、ボックス後部壁の外表面上に位置することが好ましい。リッドが閉位置にある時、虚弱線の幅はその最大にあり、中断に起因して、導電性トレースの第一の部分と導電性トレースの第二の部分との間に電流が流れることができない。導電性トレースによって形成される回路は開いている。従って、リッドが閉位置にある時、リッド後部壁およびボックス後部壁は実質的に同一平面上にあり、電流の流れは、虚弱線によって生じる中断に起因して導電性トレース内を循環することができない。
【0032】
しかしながら、リッドが閉位置から動作位置へと移動すると、虚弱線によって分離された導電性トレースの第一の部分および第二の部分が接触する。ヒンジ線を中心としたリッドの回転により、虚弱線が圧縮され、虚弱線の第一の縁部および虚弱線の第二の縁部が、二つの縁部が互いに接触する構成になる。虚弱線の幅は、実質的にゼロに等しくなる。リッドの動作位置では、虚弱線によって分割された導電性トレースの第一の部分と導電性トレースの第二の部分との間に接触があり、導電性トレースは、電流が流れることができるように閉回路を生成する。
【0033】
虚弱線の幅は、リッドを閉位置から動作位置へと、およびその逆に移動させる時に、導電性トレースの第一の部分と導電性トレースの第二の部分との間の確実な接触が可能であるように選択される。リッドの回転の作用は、「スイッチ」の作用と比較することができる。リッドが閉位置にある時、回路は開いている。リッドを回転させると、スイッチがオンになって回路が閉じられる。
【0034】
リッドが動作位置にある時の導電性トレースの第一の部分と導電性トレースの第二の部分との間の電気的連続性はまた、好ましくは容器の後部壁上に導電性材料の堆積が行われる方法によって強化される。堆積において、導電性トレースを形成する材料は、虚弱線の第一の縁部および第二の縁部を先端がはみ出し、距離が「減少」させて、接触面を増大させ、その結果、第一の部分と第二のポートとの間のより良好な接触が可能である。導電性トレースが形成される時、導電性トレースを形成する材料は、虚弱線によって画定されるV字形状の溝内部に「スピルアウト」する場合がある。虚弱線の第一の縁部および第二の縁部からV字形状の溝内への導電性トレースを形成する材料の限られた流れは、例えば導電性線が堆積された時に発生し得る。したがって、導電性トレースは、第一の縁部から、および第二の縁部からそれぞれ約1マイクロメートルまたは2マイクロメートルの長さに溝内に延びる。虚弱線によって画定される溝の縁部をはみ出した導電性トレースを形成する材料のこれらの部分は、リッドが動作位置にある時に、導電性トレースの第一の部分と導電性トレースの第二の部分との間の接触面を増大させる。したがって、導電性トレースの二つの部分間のより良好な接触が確保される。
【0035】
したがって、本発明による容器は、単にボックスに対してリッドを回転させることによって回路を開閉させることを可能にする。ヒンジを中心としたリッドの回転によって、導電性トレースによって形成された回路は、非常に単純かつ信頼性のある方法で、リッドが閉じている時の開構成から、リッドが動作位置にある時の閉構成へと移動する。
【0036】
さらに、回路は、同じ動作原理に基づいて、複数の目的のために使用することができる。
【0037】
本発明の容器は、当該産業で公知の容器の形成に使用される標準プロセスをわずかに修正するのみで形成することができる。したがって、既に使用されているブランクおよび機械の修正に、わずかな追加コストを必要とするのみである。
【0038】
別の態様によれば、本発明は、消費者物品のためのヒンジリッド容器を形成する方法に関する。方法は、外表面および内表面を画定する容器ブランクを提供する工程を含み、容器ブランクは、ボックスを形成するためのボックス部分、およびリッドを形成するためのリッド部分を含むことが好ましい。方法は、0.1ミリメートル~1ミリメートルの幅を有する外表面上に虚弱線を形成する工程を含み、虚弱線は、リッドがボックス上で閉位置から動作位置へと移動可能であるように、リッドのためのヒンジを形成することが好ましい。方法は、虚弱線を横切る導電性トレースを提供することを含む、導電性トレースを外表面上に提供する工程を含むことが好ましい。方法は、ブランクを折り畳んでヒンジリッド容器を形成する工程を含むことが好ましく、導電性トレースは、リッドが動作位置にある時に閉回路を形成し、また導電性トレースは、リッドが閉位置にある時に開回路を形成する。
【0039】
別の態様によれば、本発明は、消費者物品のためのヒンジリッド容器を形成する方法に関する。方法は、外表面および内表面を画定する容器ブランクを提供する工程を含み、容器ブランクは、ボックスを形成するためのボックス部分、およびリッドを形成するためのリッド部分を含む。方法はまた、0.1ミリメートル~1ミリメートルの幅を有する外表面上に虚弱線を形成する工程を含み、虚弱線は、リッドがボックス上で閉位置から動作位置へと移動可能であるように、リッドのためのヒンジを形成する。方法はまた、虚弱線を横切る導電性トレースを提供することを含む、導電性トレースを外表面上に提供する工程を含む。方法はまた、ブランクを折り畳んでヒンジリッド容器を形成する工程を含み、導電性トレースは、リッドが動作位置にある時に閉回路を形成し、また導電性トレースは、リッドが閉位置にある時に開回路を形成する。
【0040】
本方法の利点の多くは、本発明の容器を説明する際に既に概説されており、ここでは繰り返さない。
【0041】
本発明によれば、虚弱線は、容器ブランクと呼ばれるブランク上に、好ましくはブランクを折り畳む前に実現される。まず虚弱線が形成され、次いで導電性トレースが提供されることが好ましい。虚弱線および導電性トレースが形成された後に、容器を形成するようにブランクを折り畳むことが好ましい。導電性トレースは、虚弱線が形成された後に形成されるのが好ましいが、それは、このようにして、導電性トレースを形成する材料の余剰分が虚弱線の縁を超えて先端がはみ出るからである。この「はみ出し(tipping over)」は、虚弱線上に材料を堆積させる際の印刷プロセス中に実現され得る。導電性トレースを形成する材料のはみ出した余剰分は、それぞれ導電性トレースの第一の部分および導電性トレースの第二の部分において、それぞれ導電性トレースの先端縁部および導電性トレースの後端縁部を形成する。こうして、導電性トレースの第一の部分と第二の部分との間の確実な接触を得ることができる。第一の部分は先端縁部で終了し、第二の部分が後端縁部で開始する。
【0042】
さらに、虚弱線の幅は、導電性トレースを形成する材料が虚弱線に侵入しない、または部分的に侵入するのみとなるように選択される。このようにして、リッドが閉位置にある時、導電性トレースによって形成される回路は開いている。
【0043】
容器は、ブランクを折り畳むことによって少なくとも部分的に形成されることが好ましい。ブランクは、層状ブランクであることが好ましい。ブランクは、消費者物品のための容器の製造に使用される従来的なブランク、例えばヒンジリッド紙巻たばこパックを作製するための標準的なブランクであることが好ましい。本発明では特別な材料は必要ではなく、出発材料は当該技術分野の標準材料である。
【0044】
リッドおよび本体は、同じブランクを折り畳むことによって形成されることがより好ましい。ブランクは、互いに接続された本体部分およびリッド部分を有することが好ましい。これらの部分を折り畳むと、リッドおよびボックスを有する容器が形成される。ヒンジリッド容器内におけるブランクの折り畳みは、好ましいことに、当該技術分野で公知である。一部の好ましい実施形態では、ブランクは、ボックス前部壁、ボックス後部壁、およびボックス前部壁とボックス後部壁との間に延びるボックス側壁を有するボックス部分を備える容器の少なくとも一部を形成する。追加的に、または代替の実施形態では、ブランクは、リッド前部壁、リッド後部壁、およびリッド前部壁とリッド後部壁との間に延びるリッド側壁を有するリッド部分を備える容器の少なくとも一部を形成することが好ましい。
【0045】
ブランクの厚さは、200マイクロメートル~400マイクロメートルであることが好ましい。ブランクの厚さは、260マイクロメートル~340マイクロメートであることがより好ましい。ブランクの厚さは、280マイクロメートル~320マイクロメートルから成ることがより好ましい。ブランクの厚さは、ISO 534:201 1に沿って測定することができる。
【0046】
ブランクは、セルロース繊維系ブランクであることが好ましい。ブランクは、厚紙または板紙から形成されることが好ましい。セルロース繊維系材料は、好ましくは植物由来、より好ましくは木材由来である。ブランクは、ブランクの全繊維含有量に基づいて、少なくとも50重量パーセント、好ましくは少なくとも60重量パーセント、さらにより好ましくは少なくとも70重量パーセントのセルロース繊維を含有し得る。ブランクは、木材繊維の厚紙または板紙から形成されることが好ましい。あるいは、セルロース繊維系材料が、ポリマー繊維などの他の繊維も含有してもよい。ブランクは、被覆されても被覆されなくてもよく、両側が被覆されることが好ましい。
【0047】
容器は、随意に外側ラッパーを備えてもよく、これは、例えば、高密度ポリエチレンまたは低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、方向性ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、セルロースフィルム、またはその組み合わせなどの透明高分子フィルムであることが好ましく、また外側ラッパーは、従来的な方法で適用される。外側ラッパーは開封テープを含んでもよい。加えて、外側ラッパーには画像、消費者情報、またはその他のデータを印刷してもよい。
【0048】
ブランクは、約100グラム/平方メートル~約350グラム/平方メートルの坪量を有することが好ましい。一部の好ましい実施形態では、ブランクは、約160グラム/平方メートル~約240グラム/平方メートルの坪量を有する。これらの範囲は平均値を表し、ブランクの坪量はいくつかのバッチ間、例えば、プラス10パーセント~マイナス10パーセント、好ましくはプラス5パーセント~マイナス5パーセントで変動し得る。
【0049】
容器は、厚さを有する後部壁を備え、虚弱線は、後部壁内に形成され、また虚弱線は、後部壁の厚さの30パーセント~80パーセントから成る奥行きを有することが好ましい。虚弱線の奥行きは、容器の後部壁の厚さの40パーセント~70パーセントから成ることが好ましい。後部壁は、リッド後部壁およびボックス後部壁を含む。リッド後部壁およびボックス後部壁は、リッドが閉位置にある時に実質的に同一平面上にある。さらに、後部壁の厚さは、実質的にブランクの厚さである。虚弱線が深すぎる場合、ヒンジ線は脆弱になり、使用中に破損する場合がある。虚弱線が浅すぎる場合、基板が虚弱線の周りで屈曲される時に依然として存在する張力が、回路の適切な閉鎖を妨げる場合がある。
【0050】
容器は、エネルギー源を備えることが好ましい。容器は、電気負荷を備えることが好ましい。電気負荷は、光源を含むことが好ましい。電気負荷は、センサーを含むことが好ましい。電気負荷は、アンテナを含むことが好ましい。電気負荷は、発熱体を含むことが好ましい。電気負荷は、音響エミッタを含むことが好ましい。好ましくは、導電性トレースは、閉回路を形成する時に、エネルギー源を電気負荷に接続する。容器は、二つ以上の電気負荷を備えることが好ましい。容器は、二つ以上のエネルギー源を備えることが好ましい。容器に含まれる電源は、電池であることが好ましい。電池は、例えばUS2688649またはEP1485960に従って実現される印刷電池であってもよい。エネルギー源は、再充電可能または再充電不能であってもよい。電源は、ソーラーパネルを含み得る。エネルギー源は、充電コンデンサを含み得る。エネルギー源は、容器内部に位置してもよい。したがって、エネルギー源は、容器内部に存在する容積の一部を、例えば、消費者物品と共に使用する場合がある。エネルギー源は、容器の外側に位置してもよく、例えば容器の外表面に接続されてもよい。エネルギー源は、導電性トレースを形成するために使用されるのと同じ技法を使用して形成されてもよい。例えば、エネルギー源は、容器の外表面上に印刷されてもよい。エネルギー源は、電気負荷を通電するために使用されることが好ましい。電気負荷およびエネルギー源は、導電性トレースを介して接続される。導電性トレースは、エネルギー源を電気負荷に接続する回路を形成することが好ましい。
【0051】
例えば、エネルギー源は、容器のボックス部分上に位置してもよく、電気負荷は、容器のリッド部分上に位置してもよく、またはその逆も可能である。
【0052】
電気負荷は、容器内部に位置してもよい。従って、電気負荷は、例えば消費者物品と共に、容器内部に存在する容積の一部を使用し得る。電気負荷は、容器の外側に位置してもよく、例えば容器の外表面に接続されてもよい。電気負荷は、導電性トレースを形成するために使用されるのと同じ技法を使用して形成されてもよい。例えば、電気負荷は、容器の外表面上に印刷されてもよい。
【0053】
電気負荷は、例えば光源であってもよい。したがって、リッドが閉位置から動作位置へと移動する際、光源は電磁放射を放射し得る。光源は、LEDを含んでもよい。
【0054】
電気負荷は、例えばセンサーであってもよい。それ故に、リッドが閉位置から動作位置へと移動する際、センサーが容器の周囲の所定のパラメータを感知し得る。センサーは、温度センサーを含んでもよい。センサーは、湿度センサーを含んでもよい。
【0055】
電気負荷は、例えばアンテナであってもよい。それ故に、リッドが閉位置から動作位置へと移動する時に、アンテナは外部受信機に信号を送信してもよい。受信機は、容器の外部にあることが好ましい。信号は、センサーによって測定されたパラメータに対するものであってもよい。信号は、容器の状態に対するものであってもよい。アンテナは、マイクロストリップアンテナまたはプリントアンテナを含み得る。
【0056】
電気負荷は、例えば発熱体であってもよい。したがって、リッドが閉位置から動作位置へと移動する際に、発熱体が熱の生成を開始する。容器の加熱は、低温環境において有用であり得る。
【0057】
電気負荷は、例えば、音響エミッタであってもよい。したがって、リッドが閉位置から動作位置へと移動する際に、音響エミッタが音を発し得る。エミッタは、トリガ信号の結果として最初に起動され、起動後にのみ、リッドが開かれた時に音が発せられてもよい。所与の期間に使用される消費者物品の数がカウントされてもよい。
【0058】
導電性トレースは、1グラム/平方メートル~50グラム/平方メートルから成る坪量を有することが好ましい。導電性トレースは、1グラム/平方メートル~20グラム/平方メートルから成る坪量を有することが好ましい。導電性トレースは、0.1ミリメートル~25ミリメートルから成る幅を有することが好ましい。
【0059】
導電性トレースは、0.3ミリメートル~5ミリメートルから成る幅を有することが好ましい。導電性トレースの幅および坪量は、導電性トレースが乾燥している時に測定される。例えば、導電性トレースが印刷される場合、容器の外表面上に堆積されるインクは、最初は湿潤している。上述の測定は、インクが乾燥しているときに行われる。導電性トレースの幅は、虚弱線の幅を測定するのに使用されるのと同じ方法を使用して測定される。
【0060】
導電性トレースは、導電性インクを含むことが好ましい。導電性インクは、導電性炭素、カーボンナノチューブ、グラフェン、銀、銅、酸化インジウムスズ、導電性ポリマーのうちの一つ以上を含むことがより好ましい。導電性インクは、電気を伝導する印刷オブジェクトをもたらすインクである。導電性インクは、比較的経済的であり、厚紙、プラスチック、または何らかの可撓性材料などの材料において非常に良好に機能する。導電性インクは、可撓性材料上にも電気回路を生成することを可能にする。
【0061】
容器は、後部壁および上部壁を備え、導電性トレースは、後部壁上または後部壁および上部壁の両方上に印刷されることが好ましい。電気回路は、切除線が、リッドが動作位置と閉位置との間で交互になる時の「スイッチ」として作用し得るように、一部がリッド上に、および一部がボックス上に形成される。
【0062】
虚弱線は、0.1ミリメートルよりも長い長さを有することが好ましい。虚弱線の長さは、導電性トレースを完全に中断する必要があるため、導電性トレースの幅よりも長い。虚弱線の最大長さは、実質的に容器の幅であるヒンジの長さと等しい長さである。
【0063】
導電性トレースの第一の部分および導電性トレースの第二の部分それぞれ上の導電性トレースの先端縁部および導電性トレースの後端縁部は、ギャップを画定し、ギャップの幅は、虚弱線の幅よりも小さいことが好ましい。ブランク内に、まず虚弱線が形成されることが好ましい。次いで、導電性トレースが、虚弱線が生成されたブランク上に形成される。導電性トレースは、虚弱線の上部にも形成される。虚弱線の幅の寸法に起因して、導電性トレースを形成する材料は虚弱線に侵入せず、容器の外表面上にとどまる。しかしながら、導電性トレースを形成する材料は、虚弱線の第一の縁部から第二の縁部にかけて、虚弱線の第一の縁部と第二の縁部をわずかに越えるため、そのため、導電性トレースの第一の部分と導電性トレースの第二の部分のそれぞれに、導電性トレースの先端縁部と導電性トレースの後端縁部を形成する。虚弱線の一方の側上の導電性トレースを形成する材料の先端縁部と、虚弱線の他方の側上の導電性トレースの後端縁部との間の空間は、「ギャップ」と呼ばれる。このギャップの幅は、虚弱線の幅よりも小さい。ギャップの幅は、導電性トレースの第一の部分と第二の部分との間の距離と等しい。したがって、ギャップは虚弱線の幅よりも狭い。
【0064】
虚弱線を形成する工程は、容器の外表面を切除することを含むことが好ましい。容器の外表面を切除する工程は、レーザビームによって外表面を切除することを含むことがより好ましい。本発明のブランクは、有利なことに、線形切除ツール(例えば、レーザまたはカッター)でブランクから材料を正確に除去することにより製造され得る。レーザは、非侵襲的で改良された融通性のある設計をデジタル的にプログラムできるので、特に好ましい切除ツールである。
【0065】
方法は、閉回路を形成する時に負荷を通電する工程を含むことが好ましい。導電性トレースは回路を形成し、リッドは「スイッチ」の機能を有することが好ましく、動作位置にある時、リッドは回路を閉じ、閉位置にある時、リッドは回路を開く。回路は、電流を、任意の電気負荷であり得る負荷にもたらすために使用されることが好ましい。電気負荷の例は上記に示す。電気負荷および導電性トレースは、同じ技法を使用して形成されることが好ましい。電気負荷は、容器の外表面上に印刷されることが好ましい。
【0066】
本発明の方法は、閉回路を形成する時に、光源をオンにする工程を含むことが好ましい。本発明の方法は、閉回路を形成する時に、音を発する工程を含むことが好ましい。本発明の方法は、閉回路を形成する時に、通信信号を発する工程を含むことが好ましい。本発明の方法は、閉回路を形成する時に、容器を加熱する工程を含むことが好ましい。本発明の方法は、閉回路を形成する時に、パラメータを感知する工程を含むことが好ましい。方法は、閉回路を形成する時に、光源をオンにすること、閉回路を形成する時に、音を発すること、閉回路を形成する時に、通信信号を発すること、閉回路を形成する時に、容器を加熱すること、および閉回路を形成する時に、パラメータを感知すること、のうちの二つの工程を含み得ることが好ましい。方法は、上述の工程のうちの三つを含むことが好ましい。方法は、上記の工程のすべてを含むことが好ましい。
【0067】
方法は、容器にエネルギー源を提供する工程を含むことが好ましい。エネルギー源および導電性トレースは、同じ技法を使用して形成されることが好ましい。電気負荷および導電性トレースは、同じ技法を使用して形成されることが好ましい。エネルギー源は、容器の外表面上に印刷されることが好ましい。
【0068】
リッドが動作位置にある時に導電性トレースから閉回路を形成する工程は、リッド後部壁とボックス後部壁との間に165度よりも小さい角度を形成することを含むことが好ましい。容器の後部壁は、リッド後部壁およびボックス後部壁によって形成される。リッドが閉構成にある時、リッド後部壁およびボックス後部壁は実質的に同一平面上にあり、ボックス後部壁によって画定される平面とリッド後部壁によって画定される平面との間に形成される角度は、実質的に180度に等しい。リッドがヒンジを中心に回転する時、リッド後部壁によって画定される平面がボックス後部壁によって画定される平面に対して傾斜するため、この角度が減少する。リッドが完全に開いた構成にある時、ボックス後部壁はリッド後部壁に面し、上述の角度は実質的に0度に等しくなる。したがって、リッド後部壁およびボックス後部壁は、0度~180度の任意の角度を形成することができる。角度が165度よりも小さい場合、導電性トレースの第一の部分および第二の部分が接触して回路が閉じられる。角度は、150度よりも小さいことが好ましい。
【0069】
ブランクの「厚さ」は、ブランクが製造された後であるが、ブランクに切除線または筋付け線が形成される前の、ブランクの厚さである。すなわち、ブランクの厚さは、虚弱線または筋付け線を含有しないブランクの任意の領域における厚さである。
【0070】
本明細書で使用される場合、「残厚」という用語は、層状ブランクまたはブランクから形成された容器の壁の二つの対向する表面の間で測定した最小距離を指す。実際には、所与の位置の距離は、相反する面に対して局所的に直角を成す方向に沿って測定される。虚弱線の残厚は、虚弱線の幅にわたって変化し得る(例えば、V字形状、U字形状の溝)。
【0071】
「最小残厚」という用語は、本明細書で使用される場合、虚弱線において所与の位置で測定された「残厚」の最小値を指す。
【0072】
「セルロース繊維系ブランク」という用語は、本明細書で使用される場合、ブランクの全繊維含有量に基づいて、少なくとも50重量パーセントのセルロース繊維を含むブランクを指す。本発明のセルロース繊維系または木材繊維系ブランクには、ポリマー繊維などの他の種類の繊維が含まれ得る。
【0073】
本発明により実現された容器には、たばこを燃焼するのではなく、例えば電気熱源または炭素熱源によって加熱することに依存する細長いエアロゾル発生物品(例えば、紙巻たばこ、葉巻たばこ、シガリロまたはその他のエアロゾル発生器など)用の容器としての特定の用途がある。当然のことながら、その寸法を適切に選択することによって、本発明による容器は、異なる数の従来サイズ、キングサイズ、スーパーキングサイズ、スリムまたはスーパースリムのエアロゾル発生物品用に設計されてもよい。別の方法として、その他の消費者物品を容器内部に収容してもよい。
【0074】
本発明により形成される容器は、長軸方向の直角の縁および横断方向の直角の縁を有する直方体の形状であってもよい。別の方法として、容器は、一つ以上の長軸方向の丸み付きの縁、横断方向の丸み付きの縁、長軸方向の面取り付きの縁、または横断方向の面取り付きの縁、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。別の方法として、容器は、例えば、多角形(三角形または六角形など)、半楕円形、または半円形といった、非長方形の横断断面を有してもよい。
【0075】
典型的には、容器の外部寸法は容器内部に収容されるエアロゾル発生物品の束(複数可)の寸法よりも約0.5mm~約5mm大きい。
【0076】
本発明による容器の高さは約60ミリメートル~約150ミリメートルであることが好ましく、高さが約70ミリメートル~約125ミリメートルであることがより好ましいが、ここで高さは、容器の上部壁から底部壁までを測定したものである。本発明による容器の幅は約12ミリメートル~約150ミリメートルであることが好ましく、幅が約70ミリメートル~約125ミリメートルであることがより好ましいが、ここで幅は、容器の一方の側壁から他方の側壁までを測定したものである。
【0077】
本発明による容器の奥行きは、約6ミリメートル~約150ミリメートルであることが好ましく、奥行きが約12ミリメートル~約25ミリメートルであることがより好ましく、奥行きは、容器の前部壁から後部壁まで測定される(ボックスとリッドとの間のヒンジを含む)。
【0078】
容器の高さ対容器の奥行きの比は、約0.3対1~約10対1であることが好ましく、約2対1~約8対1であることがさらに好ましく、約3対1~5対1であることが最も好ましい。
【0079】
容器の幅に対する容器の奥行きの比は、約0.3対1~約10対1であることが好ましく、約2対1~約8対1であることがより好ましく、約2対1~3対1であることが最も好ましい。
【0080】
容器がエアロゾル発生物品を含む場合、容器は、廃棄物用(例えば、灰や吸い殻用)の区画、またはその他の消費財(例えば、マッチ、ライター、消火手段、口臭消臭剤もしくは電子部品など)をさらに備えてもよい。その他の消費財は、容器の外側に取り付けられてもよく、容器内にエアロゾル発生物品とともに容器の別の区画内に収容されてもよく、またはこれらの組み合わせであってもよい。
【0081】
「内表面」という用語は本明細書全体を通して、容器が閉位置にある時に、その容器の内部の方(例えば、消費財の方)を向いている、組み立てられた容器の構成要素の表面を指すために使用される。「外表面」という用語は本明細書全体を通して、容器の外部の方を向いている容器の構成要素の表面を指すために使用される。例えば、容器の前部壁は、容器および消費財の内側を向いている内表面と、消費財に背いている外表面とを有する。注目すべきは、内表面または外表面が容器の組立に使用されるブランクの一定の側に必ずしも相当しないことである。消費財の周りにブランクがどのように折り畳まれるかに依存して、ブランクの同一の側にある区域は、容器の内側を向く可能性も外側を向く可能性もある。
【0082】
本明細書で使用される「前部」、「後部」、「上側」、「下側」、「上部」、「底部」および「側部」という用語は、容器が直立の位置にあり、容器のアクセス開口部が容器の上部にある時の、本発明による容器の一部分とその構成要素の相対的な位置を指す。本発明による容器を記述する時、記述されている容器の向きに関係なく、これらの用語が使用される。外側ヒンジリッド・ハウジングの後部壁は、ヒンジ線を含む壁である。
【0083】
本発明による容器を説明する時、「長軸方向の」という用語は、下部から上部への方向、またはその逆の方向を意味し、一方「横断する」という用語は、長軸方向と直角を成す方向を意味する。例えば、「容器の長軸方向軸」は、下部から上部に、またはその逆で上部から下部に延びる軸である。
【0084】
「幅」という用語は、横断方向に測定した、ブランクのパネル、または容器の壁などの要素の寸法を説明するために使用される。
【0085】
「パネル」という用語は、組み立てられた容器の壁を形成するために使用されるブランクの一部分に言及するために本明細書を通して使用される。パネルは、一つ以上の折り目に沿って一つ以上の他のパネルに従属してもよい。
【0086】
組み立てられた容器では、「壁」は一つのまたは幾つかの重なり合うパネルで形成され得る。幾つかの重なり合うパネルがある場合、これらは、例えば接着剤によって互いに取り付けられうる。さらに、壁は二つ以上の隣接しているまたは重なっているパネルで形成されてもよい。
【0087】
本明細書で使用される「厚さ」という用語は、シート状ブランクまたはシートブランクの層の二つの対向する表面の間で測定した最小距離を指す。実際には、所与の位置の距離は、相反する面に対して局所的に直角を成す方向に沿って測定される。層の「厚さ」は一般に、層(平坦な断面)全体で実質的に一定である。ところが、シート状ブランクの部分が例えば、エンボス加工、デボス加工、虚弱化などが施されている場合には、局所的な変動があってもよい。
【0088】
「ヒンジ線」という用語は、ヒンジリッド・ハウジングを開封するために、それを中心にリッドが旋回し得る線を指す。ヒンジ線は、虚弱線である。ヒンジ線は、例えば容器の後部壁を形成するパネル内の折り目またはスコアラインであってもよい。
【0089】
「虚弱線」という用語は本明細書において、容器またはパッケージ(または容器またはパッケージを形成するブランク)の表面の一部分であって、それから容器またはパッケージ(またはブランク)が形成される材料の構造強度が、例えば虚弱線に沿った曲げ、折り畳み、または引き裂きに関して任意の適切な技法によって弱化されている部分を説明するために使用される。例えば、虚弱線は、スコアライン、筋付け線、切除線、または穿孔線として形成されてもよい。虚弱線は、材料を除去することによって、材料を変位させることによって、材料を圧縮することによって、材料を一緒に保持する力を局所的に低減することによって(例えば、繊維質材料内の繊維を破断することによって)、また上記すべての組み合わせによって作り出すことができる。虚弱線は、直線、曲線、断片的もしくは連続的な線、またはそれらの組み合わせであってもよい。数多くの例において、虚弱線は、ブランク内での折り目の位置付けを助けるために使用される。虚弱線はまた、例えば圧縮によって、虚弱線と直角を成す方向に材料を強化するためにも使用されうる。さらに、虚弱線は装飾用途に使用できる。
【0090】
「切除線」という用語は、本明細書で使用される場合、材料が切除された(例えば、レーザビームまたはカッターによって除去された)端部分の内表面に沿った線を指す。従って、切除された線の残厚は、層状ブランクの厚さより薄い。切除された線は、ブランク内の溝として提供されることが好ましい。これは、レーザまたはカッターなどの線形切除ツールを用いて形成されてもよい。「切除された」線は、材料の除去を含む場合、スコアラインもその意味に包含する。
【0091】
「スコアライン」という用語は、ブランクの材料に部分的に切り込みを入れることによって形成される線を説明するために使用される。スコアラインは、ブランクから材料を除去することによって形成されてもよい(その場合、スコアラインはブランク内の溝または谷を形成する)。
【0092】
「穿孔線」という用語は、ブランク内の個別の孔またはスロットの線または配列を説明するために使用される。穴は、ブランクを通して物体を押すことによって形成されてもよい。これは、例えばパンチングによってブランクから取り除かれている材料を結果的にもたらす場合がある。別の方法として、穴は材料を除去することなく、その代わりに単に物体を使用して穴の中心から外向きに材料を押すことによって作り出される可能性がある。別の代替の方法として、穴はレーザビームによって形成されてもよい。
【0093】
「折り目」という用語は、それを中心としてブランクが折り畳まれるブランクの任意の線を説明するために使用される。折り目は、折り畳み作用を支援するための虚弱線によって画定されてもよい。別の方法として、例えばブランク材料およびその他の材料の曲がりやすさの特徴に応じて、虚弱線の存在なしに折り畳みを形成することができる。
【0094】
本発明は特許請求の範囲に定義されている。しかしながら、以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供している。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様のうちのいずれか一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【実施例】
【0095】
実施例1:
消費者物品のためのヒンジリッド容器であって、容器が、内表面および外表面を画定し、
消費者物品を収容するためのボックスと、
ヒンジに沿ってボックスにヒンジ留めされ、ヒンジを中心として閉位置と動作位置との間で移動可能なリッドと、
ヒンジが、外表面上に実現される虚弱線を含み、虚弱線が、0.1ミリメートル~1ミリメートルの幅を有し、
外表面上に提供された導電性トレースであって、虚弱線が、導電性トレースを通過してこれを中断する、導電性トレースと、を備え、
導電性トレースが、リッドが動作位置にある時に閉回路を形成し、また導電性トレースが、リッドが閉位置にある時に開回路を形成する、ヒンジリッド容器。
実施例2:
容器が、一つのブランクを折り畳むことによって少なくとも部分的に形成される、実施例1による容器。
実施例3:
リッドおよび本体が、同じブランクを折り畳むことによって形成される、実施例2による容器。
実施例4:
ブランクが、200マイクロメートル~400マイクロメートルから成る厚さを有する、実施例2または実施例3による容器。
実施例5:
ブランクが、セルロース繊維系ブランクを含む、実施例2~4のいずれかによる容器。
実施例6:
厚さを有する後部壁を備え、虚弱線が、後部壁内に形成され、また虚弱線が、後部壁の20パーセント~80パーセントから成る奥行きを有する、実施例1~5の一つ以上による容器。
実施例7:
エネルギー源と、以下の負荷、
光源、
センサー、
アンテナ、
発熱体、および、
音響エミッタ、のうちの一つ以上と、を備え、
導電性トレースが、閉回路を形成する時に、エネルギー源を電気負荷に接続する、実施例1~6の一つ以上による容器。
実施例8:
導電性トレースが、1グラム/平方メートル~50グラム/平方メートルから成る坪量を有する、実施例1~7の一つ以上による容器。
実施例9:
導電性トレースが、0.1ミリメートル~25ミリメートルから成る幅を有する、実施例1~8の一つ以上による容器。
実施例10:
後部壁および上部壁を備え、導電性トレースが、後部壁上または後部壁および上部壁の両方上に印刷される、実施例1~9の一つ以上による容器。
実施例11:
虚弱線が、0.1ミリメートルよりも長い長さを有する、実施例1~10の一つ以上による容器。
実施例12:
虚弱線によって中断された導電性トレースが、導電性トレースの先端縁部および導電性トレースの後端縁部によってギャップを画定する、実施例1~11の一つ以上による容器。
実施例13:
ギャップの幅が、虚弱線の幅未満である、実施例12による容器。
実施例14:
消費者物品のためのヒンジリッド容器を形成する方法であって、方法が、以下の工程、
外表面および内表面を画定する容器ブランクを提供する工程であって、ブランクが、ボックスを形成するためのボックス部分、およびリッドを形成するためのリッド部分を含む、提供する工程と、
0.1ミリメートル~1ミリメートルの幅を有する外表面上に虚弱線を形成する工程であって、虚弱線が、リッドがボックス上で閉位置から動作位置へと移動可能であるように、リッドのためのヒンジを形成する、形成する工程と、
虚弱線を横切る導電性トレースを提供することを含む、導電性トレースを外表面上に提供する工程と、
ブランクを折り畳んでヒンジリッド容器を形成する工程であって、導電性トレースが、リッドが動作位置にある時に閉回路を形成し、また導電性トレースが、リッドが閉位置にある時に開回路を形成する、折り畳む工程と、を含む、方法。
実施例15:
虚弱線を形成する工程が、
外表面を切除することを含む、実施例14による方法。
実施例16:
外表面を切除する工程が、
レーザビームによって外表面を切除すること、を含む、実施例15による方法。
実施例17:
閉回路を形成する時に負荷を通電する工程を含む、実施例14~16のいずれかによる方法。
実施例18:
以下の工程、
閉回路を形成する時に、光源をオンにする工程、
閉回路を形成する時に、音を発する工程、
閉回路を形成する時に、通信信号を発する工程、
閉回路を形成する時に、容器を加熱する工程、および、
閉回路を形成する時に、パラメータを感知する工程、のうちの一つ以上を含む、実施例17による方法。
実施例19:
容器にエネルギー源を提供する工程を含む、実施例14~18の一つ以上による方法。
実施例20:
リッドが動作位置にある時に、導電性トレースから閉回路を形成する工程が、
リッド後部壁と本体のボックス後部壁との間に165度未満の角度を形成することを含む、実施例14~20の一つ以上による方法。
【0096】
ここで、図を参照して実施例がさらに説明される。
【0097】
【0098】
容器10は、直方体の形状を有し、ボックス14およびリッド16を含む。ボックスは、ヒンジ17をさらに備え、リッドがこれを中心に回転することを可能にする。容器10は、後部壁21、前部壁、左側壁、右側壁、底部壁25、および上部壁26を画定する。
【0099】
ボックス14は、ボックス前部壁31、ボックス後部壁32、ボックス基部壁(容器の底部壁25に対応する)、ボックス左側壁33、およびボックス右側壁34を含む。リッド16は、リッド前部壁41、リッド後部壁42、リッド上部壁(容器の上部壁26に対応)、リッド左側壁43、およびリッド右側壁44を含む。リッド後部壁42およびボックス後部壁32は、容器10の後部壁21を形成する。
図1および3の位置では、リッド16は、容器10のアクセス開口部を覆い、リッド16の壁が、ボックス14の対応する壁の延長を形成する。
【0100】
さらに、容器10は、例えば、エアロゾル発生物品(図面には示されていない)の群を収容する内部容積(図示せず)を画定する。パッケージ10が閉じている時、リッド16およびボックス18は、リッド部分とボックス部分との間の分離線である開封線19を画定する。開封線19は、ヒンジ線17の幾何学的連続である。開封線19は、左側壁、右側壁、および前部壁上に形成される。
【0101】
容器10は、
図9に示すシートブランク100から形成される。シートブランク100は、セルロース系材料を含むセルロース系層を含む。ブランク100は、容器10の後部壁21の厚さに対応することが好ましい、厚さ101(
図4および5に示す)を有する。
【0102】
容器10は、シートブランク100を適切に折り畳むことによって形成される。次いで、結果として生じる容器10はまた、エアロゾル発生物品として消費財(図示せず)を収容する最終製品(図示せず)を形成するために、外側ラッパーを使用して巻かれてもよい。
【0103】
図1~8を参照すると、ヒンジ線17は、後部壁21に実現される虚弱線27を含む。虚弱線27は、ヒンジ線の一部である。虚弱線27は、切除線であることが好ましい。虚弱線27は、直線であることが好ましい。虚弱線27が形成される後部壁21は、ブランク100の厚さ101の15パーセント~約40パーセントの最小残厚102(
図4に見える)、および0.1ミリメートル~1ミリメートルに等しい虚弱線の幅103を有するように設計される。虚弱線27の幅103は、容器10が閉じている時、すなわちリッドが
図1、3、4および6におけるように閉位置にある時に測定される。
【0104】
【0105】
リッド16は、容器10の後部壁21を横切って延びるヒンジ線17の周りにヒンジ留めされていて、閉位置(例えば
図1および3に示す)と動作位置(例えば
図2に示す)との間で旋回可能である。
図1および3の閉位置から
図2の動作位置へのその移動において、リッド16は、ヒンジ線17を中心に、またそれ故に虚弱線27を中心に回転する。
【0106】
閉構成では、
図6に示すように、リッド後部壁42およびボックス後部壁32は同一平面上にある。
図6の側面図に示すように、これは、リッド後部壁42とボックス後部壁32との間に180度に等しい角度61が形成されていることを意味する。
【0107】
容器10が
図2および5におけるように動作位置にある時、虚弱線27の幅は実質的にゼロに等しくなる。
【0108】
虚弱線27に加えて、導電性トレース50が容器10の後部壁21上に形成される。
図3に示すように、導電性トレース50は、電池などのエネルギー源51および電気負荷52を含む回路を形成する。
図3に示すように、導電性トレース50によって形成される電気回路は、虚弱線27によって中断される。虚弱線は、リッド16上に実現される部分55とボックス14上の部分56に電気回路を分離する。虚弱線27は、回路を二つの点で切断する。
【0109】
したがって、リッド16が
図1、3、4および6の閉位置にある時、虚弱線27は回路50内の任意の可能性のある電流の流れを中断する。これは、
図4の拡大図で明瞭に見え、回路の二つの部分55、56は、虚弱線27によって互いに分離されて示されている。
【0110】
ここでリッド16が回転すると、
図7に示すように、リッド後部壁42とボックス後部壁32との間に180度の角度とは異なる角度62が形成される。この角度が第一の動作角度と等しくなると、リッド16は
図2、5および7におけるように動作位置にあると言え、回路を形成する導電性トレース50の二つの部分55、56が接触し(特に
図5を参照)て回路50が閉じられ、負荷52がエネルギー源51によって通電され得る。
【0111】
部分55は、導電性トレース50の先端縁部57を画定し、部分56は、導電性トレースの後端縁部58を画定する。後端縁部および先端縁部57、58は、溝28上にはみ出した導電性トレース50の部分であり、同じ溝28内に部分的に入り込んでいる。
【0112】
図4の閉位置では、回路50の二つの部品55、56は、特に先端縁部および後端縁部57、58において、虚弱線の幅103よりも小さな幅105を有するギャップ104を形成する。
【0113】
リッド16が回転すると、虚弱線27が圧縮され、幅103の寸法が減少する。さらに、導電性トレース50の二つの部分55、56の間の距離105は、リッド16が動作位置にある
図5に示すように、幅103よりも狭い。先端縁部57および後端縁部58は、互いに接触してギャップ104を閉じる。回路の第一の部分55と第二の部分56との間の接触は、先端縁部57および後端縁部58の存在に起因して増大する。
【0114】
図8に示す通り、リッド16は、虚弱線を中心にさらに回転して開位置に達することができ、ユーザーが容器10内に収容された物品にアクセスすることができる。この開位置では、角度63がリッド後部壁42とボックス後部壁32との間に形成される。角度63は、第一の動作角度62よりも小さいことが好ましい。
【0115】
以下に、
図9~13を参照して、容器10を形成する方法を詳述する。ブランク100が提供される。ブランク100は、当該分野で公知であり、例えば、厚紙で作製される(
図9を参照)。また、レーザ65が提供される。レーザ65は、ブランク100上にレーザビーム66を放射する。レーザビーム66は、適切な寸法および奥行きを有する切除線27を形成するためにブランク100の上を移動する(
図10参照)。次いで、印刷ヘッド67が提供される。印刷ヘッド67は、ブランク上に導電性トレース50を印刷する。導電性トレース50の形状は、回路が形成されるようなものである(
図11および12を参照)。導電性トレース50は、切除線27上にも印刷される。導電性トレース50を形成するインクは、溝28の中に部分的にはみ出し得る(
図4を参照)。しかしながら、ブランクが平面であり、かつ折り畳まれていない時の溝28は、回路50を中断する。
【0116】
回路が印刷され、好ましくはエネルギー源51および負荷52も提供された(同じく
図12を参照)後に、ブランク100は、
図3の容器を形成するために当技術分野で公知のように適切に折り畳まれる(
図13の部分的な折り畳みを参照)。
【国際調査報告】