(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-23
(54)【発明の名称】単一容器リンパ球拡大
(51)【国際特許分類】
C12N 5/0783 20100101AFI20240416BHJP
A61K 9/10 20060101ALI20240416BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20240416BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240416BHJP
A61K 35/17 20150101ALI20240416BHJP
【FI】
C12N5/0783 ZNA
A61K9/10
A61K47/02
A61P35/00
A61K35/17
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023567114
(86)(22)【出願日】2022-04-29
(85)【翻訳文提出日】2023-12-12
(86)【国際出願番号】 EP2022061639
(87)【国際公開番号】W WO2022229464
(87)【国際公開日】2022-11-03
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523411581
【氏名又は名称】ティゲン・ファーマ・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】TIGEN PHARMA SA
(71)【出願人】
【識別番号】519000261
【氏名又は名称】ルートヴィヒ インスティテュート フォー キャンサー リサーチ リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】512024266
【氏名又は名称】サントル オスピタリエ ウニヴェルシテール ヴォドア
【氏名又は名称原語表記】CENTRE HOSPITALIER UNIVERSITAIRE VAUDOIS
【住所又は居所原語表記】Rue du Bugnon 21,CH-1011 Lausanne,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コークス,ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】ハラリ,アレクサンドル
(72)【発明者】
【氏名】シュタイナー,ジモーネ
(72)【発明者】
【氏名】サルモン,フロランス
【テーマコード(参考)】
4B065
4C076
4C087
【Fターム(参考)】
4B065AA90X
4B065BB15
4B065BC02
4B065BC03
4B065BC13
4B065BC14
4B065BD39
4B065CA44
4C076AA22
4C076BB11
4C076CC27
4C076DD35
4C076DD35D
4C076FF11
4C087AA01
4C087AA02
4C087BB37
4C087BB64
4C087CA04
4C087MA05
4C087MA23
4C087MA66
4C087NA20
4C087ZB26
(57)【要約】
本発明は、少なくとも90%CD3+T細胞と5%未満B細胞とを含むリンパ球の集団であって、前記T細胞部分の少なくとも70%が、生存可能であり、少なくとも20%が、CD27/CD28ダブルポジティブであり、10%未満が、CD45RA、CD57およびKLRG1に対してトリプルポジティブである、リンパ球の集団に関し、ならびに単一の培養相を含む、1つまたは複数の抗原に対して特異的なリンパ球の集団を拡大する方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理されている単一の培養容器内で1つまたは複数の抗原に対して特異的なリンパ球の集団を拡大するための方法であって、
a)リンパ球を含有すると分かっているもしくは思われる試料である、対象からの組織もしくは血液試料を、前記1つもしくは複数の抗原の存在下で培養するステップ;または
b)対象からの組織もしくは血液試料から単離されるリンパ球であるリンパ球を、前記1つもしくは複数の抗原の存在下で培養するステップ
を含み、前記リンパ球が馴化培養培地で培養される、方法。
【請求項2】
前記馴化培養培地が、次のパラメーター:pH、溶存酸素(DO)濃度、グルコース濃度、乳酸濃度および/または温度のうちの少なくとも1つがモニターされ、必要に応じて調整される、培養培地である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記馴化培養培地が、pH、溶存酸素(DO)濃度、グルコース濃度、乳酸濃度および温度がモニターされ、必要に応じて調整される、培養培地である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
培養体積を前記リンパ球の拡大速度に合わせて調整するステップを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記培養体積が、前記リンパ球の前記拡大中に少なくとも2、3、4、5または6倍に増加する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記馴化培養培地を用いて前記リンパ球を動的培養するステップを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記組織試料が、腫瘍に由来し、特に、前記組織試料が、腫瘍試料である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記腫瘍が、少なくとも1つのネオ抗原を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記リンパ球が、腫瘍浸潤リンパ球を含み、特に、前記腫瘍浸潤リンパ球が、T細胞である、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
1つまたは複数の抗原が、ペプチドの形態で前記培養培地に添加される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記ペプチドが、前記培養培地に0.1~10μg/mlの濃度で添加される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記培養するステップが、前記リンパ球と抗原提示細胞(APC)を共培養するステップを含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記抗原提示細胞(APC)が、1つまたは複数の抗原を提示するように操作されている、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記抗原提示細胞(APC)が、B細胞を含む、またはB細胞である、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記B細胞が、アフェレーシスにより得られる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記B細胞が、前記リンパ球への添加の前に活性化される、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記B細胞が、IL-4および/またはCD40Lで活性化される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記抗原提示細胞(APC)が、1つまたは複数の導入遺伝子を発現するように遺伝子操作されている、請求項12から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記遺伝子操作されたAPCが、前記1つまたは複数の導入遺伝子をコードする核酸をAPCにトランスフェクトすることにより得られたものである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記1つまたは複数の導入遺伝子のうちの少なくとも1つが、免疫調節因子をコードする、請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
前記免疫調節因子が、OX40L、4-1BBL、CD80、CD86、CD83、CD70、CD40L、GITR-L、CD127L、CD30L(CD153)、LIGHT、BTLA、ICOS-L(CD275)、SLAM(CD150)、CD662L、インターロイキン-12、インターロイキン-7、インターロイキン-15、インターロイキン-17、インターロイキン-21、インターロイキン-4、Bcl6、BCLXL、BCL-2、MCL1、STAT-5、ならびに1つまたは複数のシグナル伝達経路(例えば、JAK/STAT経路、Akt/PKBシグナル伝達経路、BCRシグナル伝達経路、および/またはBAFF/BAFFRシグナル伝達経路)の活性化因子からなる群から選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記免疫調節因子が、OX40L、4-1BBおよび/もしくはインターロイキン12のうちの1つまたは複数である、請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
前記1つまたは複数の抗原のうちの少なくとも1つの存在が、前記培養するステップの前に、前記リンパ球を含む前記腫瘍試料において確認済みである、請求項7から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記1つまたは複数の抗原のうちの少なくとも1つが、ネオ抗原であり、前記ネオ抗原の存在が、前記培養するステップの前に、前記リンパ球を含む前記腫瘍試料において確認済みである、請求項7から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記腫瘍試料中の前記1つまたは複数の抗原のうちの少なくとも1つの存在を確認することが、前記腫瘍試料から得られたゲノムDNAをシークエンシングするステップを含む、請求項23または24に記載の方法。
【請求項26】
培養中に前記リンパ球を活性化するステップを含む、請求項1から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記活性化ステップが、前記培養培地へのCD3アゴニストの添加を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記CD3アゴニストが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12日後に前記培養培地に添加される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記培養培地にヒトAB血清および/またはIL-2が補充される、請求項1から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記培養するステップが、前記T細胞集団が少なくとも10
7細胞に達するまで継続される、請求項1から29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記培養するステップが、0℃より高い温度で行われる、請求項1から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記試料または前記リンパ球が、前記対象からの単離の後かつ前記培養の前に、0℃より高い温度で維持される、請求項1から31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
請求項1から32のいずれか一項に記載の方法により得ることができるリンパ球の集団。
【請求項34】
少なくとも90%CD3+T細胞と5%未満B細胞とを含むリンパ球の集団であって、前記T細胞部分の少なくとも70%が、生存可能であり、少なくとも20%が、CD27/CD28ダブルポジティブであり、10%未満が、CD45RA、CD57およびKLRG1に対してトリプルポジティブである、リンパ球の集団。
【請求項35】
前記T細胞が、1つまたは複数の抗原に対して特異的である、請求項34に記載のリンパ球の集団。
【請求項36】
前記T細胞部分の15%未満が、TNF-α、IL-4およびIL-5からなる群からの少なくとも1つのタンパク質を分泌する、請求項34または35に記載のリンパ球の集団。
【請求項37】
前記T細胞部分の中の前記T細胞の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%または少なくとも90%が、CD8
+T細胞である、請求項34から36のいずれか一項に記載のリンパ球の集団。
【請求項38】
前記T細胞部分の中の少なくとも2個のT細胞が、異なる抗原に向けられる、請求項34から38のいずれか一項に記載のリンパ球の集団。
【請求項39】
少なくとも1つの抗原が、ネオ抗原である、請求項38に記載のリンパ球の集団。
【請求項40】
前記T細胞部分が、少なくとも10
7個のT細胞を含む、請求項34から39のいずれか一項に記載のリンパ球の集団。
【請求項41】
請求項33から40のいずれか一項に記載のリンパ球の集団を含む、医薬組成物。
【請求項42】
前記リンパ球が、薬学的に許容される緩衝液に懸濁されている、請求項41に記載の医薬組成物。
【請求項43】
前記薬学的に許容される緩衝液が、約0.9%NaClを含み、必要に応じて15%以下DMSOを含む、請求項42に記載の医薬組成物。
【請求項44】
医薬としての使用のための、請求項33から40のいずれか一項に記載のリンパ球の集団または請求項41から43のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項45】
がん治療における使用のための、請求項33から40のいずれか一項に記載のリンパ球の集団または請求項41から43のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項46】
前記がん治療が、養子細胞療法である、請求項45に記載の使用のためのリンパ球の集団または医薬組成物。
【請求項47】
前記がん治療が、自己細胞療法である、請求項45または46に記載の使用のためのリンパ球の集団または医薬組成物。
【請求項48】
がんを処置する方法であって、
a)請求項33から40のいずれか一項に記載のリンパ球の集団または請求項41から43のいずれか一項に記載の医薬組成物を用意するステップ;および
b)がんに罹患している対象に前記リンパ球の集団または前記医薬組成物を注入するステップ
を含む、方法。
【請求項49】
対象におけるがんを処置する方法であって、
a)対象から腫瘍を外科的に摘出するまたは対象の腫瘍から生検物を採るステップ;
b)ステップ(a)で得られた腫瘍試料において少なくとも1つの腫瘍抗原を同定するステップ;
c)ステップ(a)で得られた前記腫瘍試料に含まれているリンパ球を、請求項1から32のいずれか一項に記載の方法で拡大するステップであって、前記腫瘍試料中に存在するとステップ(b)で同定された少なくとも1つの腫瘍抗原の存在下で前記リンパ球を拡大するステップ;
d)前記腫瘍試料を採取した前記対象に、ステップ(c)で得られた拡大されたリンパ球を注入するステップ
を含む方法。
【請求項50】
前記腫瘍抗原が、腫瘍関連抗原または腫瘍特異的抗原である、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記リンパ球が、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を含む、請求項48から50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記TILが、1つまたは複数の腫瘍抗原を特異的に認識する、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
少なくとも1つの腫瘍抗原が、ネオ抗原である、請求項52に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.背景
本発明は、養子T細胞療法などの標的腫瘍免疫療法における使用のためのリンパ球、ならびにそのような細胞を含む産生方法およびキットに関する。
【背景技術】
【0002】
リンパ球は、好ましくは、ヒトリンパ球、例えば、NK細胞またはT細胞であり、T細胞には、CD3+T細胞、CD8+T細胞、CD4+T細胞およびγδT細胞が含まれる。最も好ましくは、本発明の細胞は、初代ヒトT細胞である。本発明は、特異的なマーカープロファイル(すなわち、高CD27/CD28発現および低CD45RA/CD57/KLRG1発現)、および1つまたは複数の定義された抗原に対する特異性を示す、適切なリンパ球の集団を提供する。そのような抗原は、感染性疾患(例えば、ウイルスまたは細菌感染症)およびがんをはじめとする病状に特有の抗原であり得、ならびに/または公知のネオ抗原から選択された、もしくは対象、例えば、処置されることになる患者、から採取された試料において同定された、ネオ抗原であり得る。そのようなリンパ球を含む医薬組成物、特に、抗原またはネオ抗原発現を特徴とする疾患の処置方法における使用のための医薬組成物も、提供される。
【0003】
養子細胞療法(ACT)、例えばT細胞療法、の使用は、がんをはじめとする複数の疾患のための有効な処置として、実証されている。養子細胞療法は、天然に存在する抗原特異的リンパ球、例えばT細胞を使用する、または例えば、組換えT細胞受容体もしくはキメラ抗原受容体を発現させるために、遺伝子操作により抗原特異的にされたリンパ球を使用する、強力な処置アプローチである。しかし、そのような治療法のより幅広い開発および使用が直面する特定の問題は、細胞療法の開発および選択、すなわち、求められる量および質で所望の特異性を有する細胞の選択および拡大、に関連する複雑さおよび費用であった。
【0004】
養子細胞療法の一般的な欠点は、十分な細胞数(おおよそ109細胞)に達するには、通常、ex vivoで数週間、細胞を拡大する必要があり、および/または複数の培養相の使用を要し、これらの相間に通常は細胞が凍結されることである。結果として、細胞の大部分が凍結-融解の影響によって失われる可能性があり、加えて、長期培養に起因してT細胞がターミナルエフェクター細胞になり得、これらの細胞は、患者への注入直後、標的細胞、組織および/または臓器に達する前に死滅する可能性がある。したがって、凍結-融解サイクルを回避し、より若い、より適切なリンパ球集団、すなわち、最終分化していないおよび低い割合のターミナルエフェクターを含む抗原特異的T細胞の集団、が得られる、より短い拡大プロトコールが、当技術分野において必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
2.概要
本発明は、リンパ球、特に、抗原特異的リンパ球を、ex vivoで拡大するための改善された方法に関する。本発明の方法は、そのプロセスの間により大きい培養容器に細胞培養物を移す必要なく、管理されている単一の培養容器において患者試料から高細胞数(例えば、少なくともおおよそ107細胞)を獲得することができるという利点を有する。さらに、本発明の方法は、利用可能な方法と比べて細胞のより急速な拡大を提供する。結果として、ターミナルエフェクター細胞の小さな割合および好ましくは高い幹細胞性を特徴とする、より若い細胞集団を、得ることができる。これらの特徴によって、より若い細胞は、再注入後に効率的に増殖し、したがって、ターミナルエフェクター細胞に分化する前に標的細胞、組織または臓器に達することが可能になる。ターミナルエフェクター細胞は、がん細胞の即時攻撃に関与するが、より若い細胞は、持続的に応答すると予想される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の項目に関する:
A1. 少なくとも90%CD3+T細胞と5%未満B細胞とを含むリンパ球の集団であって、前記T細胞部分の少なくとも70%が、生存可能であり、少なくとも50%が、CD27/CD28ダブルポジティブであり、10%未満が、CD45RA、CD57およびKLRG1に対してトリプルポジティブである、リンパ球の集団。
A2. 前記T細胞が、フローサイトメトリーにより決定して、1つまたは複数のマーカーに対して特異的であり、KLRG1に対してポジティブでない、項目A1によるリンパ球の集団。
A3. 前記T細胞部分が、少なくとも5kb、6kb、7kb、8kb、9kbの平均テロメア長を有する、項目A1またはA2のいずれか1項目によるリンパ球の集団。
A4. 前記T細胞部分の10%未満が、IFN-γ、TNF-α、IL-4、IL-5、グランザイムBおよびパーフォリンからなる群からの少なくとも1つのタンパク質を分泌する、項目A1~A3のいずれか1項目によるリンパ球の集団。
A5. 前記T細胞部分の中のT細胞の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%または少なくとも90%が、CD8+T細胞である、項目A1~A4のいずれか1項目によるリンパ球の集団。
A6. 前記T細胞部分の中の少なくとも2個のT細胞が、異なる抗原に向けられる、項目A1~A5のいずれか1項目によるリンパ球の集団。
A7. 単一の培養相を含む、1つまたは複数の抗原に対して特異的なリンパ球の集団を拡大するための方法であって、前記単一の相が、
a)リンパ球を含有すると分かっているもしくは思われる試料である、対象からの組織もしくは血液試料を、前記1つもしくは複数の抗原の存在下で培養するステップ;または
b)対象からの組織もしくは血液試料から単離されるT細胞であるT細胞を、前記1つもしくは複数の抗原の存在下で培養するステップ
を含み、
前記培養するステップが、前記T細胞集団が少なくとも10×108細胞になるまで継続され、前記培養するステップが、前記単一の培養相の間、0℃より高い温度である、方法。
A8. 前記試料または前記T細胞が、前記対象からの単離の後かつ前記培養の前に、0℃より高い温度で維持される、項目A7(a)またはA7(b)による方法。
A9. 前記抗原が、前記対象または前記試料から単離または決定される、項目A7またはA8による方法。
A10. 前記1つまたは複数の抗原が、培養培地に0.1~10μg/mlの濃度で含まれる可溶性ペプチドである、項目A7~A9のいずれか1項目による方法。
A11. 前記培養するステップが、前記1つまたは複数の抗原を提示するように操作された抗原提示細胞(APC)との共培養を含む、項目A7~A10のいずれか1項目による方法。
A12. 前記APCが、B細胞を含む、項目A11による方法。
A13. 前記B細胞が、前記1つまたは複数の抗原を発現するように組換え操作されている、項目A12による方法。
A14. 項目A7~A13のいずれか1項目の方法により得ることができる、T細胞の集団。
A15. 医薬としての使用のための、項目A1~A6のいずれか1項目によるリンパ球の集団または項目A14によるT細胞の集団。
B1. 管理されている単一の培養容器内で1つまたは複数の抗原に対して特異的なリンパ球の集団を拡大するための方法であって、
a)リンパ球を含有すると分かっているもしくは思われる試料である、対象からの組織もしくは血液試料を、前記1つもしくは複数の抗原の存在下で培養するステップ;または
b)対象からの組織もしくは血液試料から単離されるリンパ球であるリンパ球を、前記1つもしくは複数の抗原の存在下で培養するステップ
を含み、リンパ球が馴化培養培地で培養される、方法。
B2. 馴化培養培地が、次のパラメーター:pH、溶存酸素(DO)濃度、グルコース濃度、乳酸濃度および/または温度のうちの少なくとも1つがモニターされ、必要に応じて調整される、培養培地である、項目B1による方法。
B3. 馴化培養培地が、pH、溶存酸素(DO)濃度、グルコース濃度、乳酸濃度および温度がモニターされ、必要に応じて調整される、培養培地である、項目B2による方法。
B4. 培養体積をリンパ球の拡大速度に合わせて調整するステップを含む、項目B1~B3のいずれか1項目による方法。
B5. 培養体積が、リンパ球の拡大中に少なくとも2、3、4、5または6倍に増加する、項目B4による方法。
B6. 馴化培養培地を用いてリンパ球培養物を動的培養するステップを含む、項目B1~B5のいずれか1項目による方法。
B7. 組織試料が、腫瘍に由来し、特に、組織試料が、腫瘍試料である、項目B1~B6のいずれか1項目による方法。
B8. 腫瘍が、少なくとも1つのネオ抗原を含む、項目B7による方法。
B9. リンパ球が、腫瘍浸潤リンパ球を含み、特に、腫瘍浸潤リンパ球が、T細胞である、項B1~B8のいずれか1項目による方法。
B10. 1つまたは複数の抗原が、ペプチドの形態で培養培地に添加される、項目B1~B9のいずれか1項目による方法。
B11. ペプチドが、培養培地に0.1~10μg/mlの濃度で添加される、項目B10による方法。
B12. 前記培養するステップが、リンパ球と抗原提示細胞(APC)を共培養するステップを含む、項目B1~B11のいずれか1項目による方法。
B13. 抗原提示細胞(APC)が、1つまたは複数の抗原を提示するように操作されている、項目B12による方法。
B14. 抗原提示細胞(APC)が、B細胞を含む、またはB細胞である、項目B12またはB13による方法。
B15. B細胞が、アフェレーシスにより得られる、項目B14による方法。
B16. B細胞が、リンパ球への添加の前に活性化される、項目B14またはB15による方法。
B17. B細胞が、IL-21、IL-4および/またはCD40Lで活性化される、項目B16による方法。
B18. 抗原提示細胞(APC)が、1つまたは複数の導入遺伝子を発現するように遺伝子操作されている、項目B12~B17のいずれか1項目による方法。
B19. 遺伝子操作されたAPCが、1つまたは複数の導入遺伝子をコードする核酸をAPCにトランスフェクトすることにより得られたものである、項目B18による方法。
B20. 1つまたは複数の導入遺伝子のうちの少なくとも1つが、免疫調節因子をコードする、項目B18またはB19による方法。
B21. 免疫調節因子が、OX40L、4-1BBL、CD80、CD86、CD83、CD70、CD40L、GITR-L、CD127L、CD30L(CD153)、LIGHT、BTLA、ICOS-L(CD275)、SLAM(CD150)、CD662L、インターロイキン-12、インターロイキン-7、インターロイキン-15、インターロイキン-17、インターロイキン-21、インターロイキン-4、Bcl6、Bcl-XL、BCL-2、MCL1、STAT-5、ならびに1つまたは複数のシグナル伝達経路(例えば、JAK/STAT経路、Akt/PKBシグナル伝達経路、BCRシグナル伝達経路、および/またはBAFF/BAFFRシグナル伝達経路)の活性化因子からなる群から選択される、項目B20による方法。
B22. 免疫調節因子が、OX40L、4-1BBLおよび/もしくはインターロイキン12のうちの1つまたは複数である、項目B20またはB21による方法。
B23. 1つまたは複数の抗原のうちの少なくとも1つの存在が、培養するステップの前に、リンパ球を含む腫瘍試料において確認済みである、項目B7~B22のいずれか1項目による方法。
B24. 1つまたは複数の抗原のうちの少なくとも1つが、ネオ抗原であり、前記ネオ抗原の存在が、培養するステップの前に、リンパ球を含む腫瘍試料において確認済みである、項目B7~B23のいずれか1項目による方法。
B25. 腫瘍試料中の1つまたは複数の抗原のうちの少なくとも1つの存在を確認することが、腫瘍試料から得られたゲノムDNAをシークエンシングするステップを含む、項目B23またはB24による方法。
B26. 培養中にリンパ球を活性化するステップを含む、項目B1~B25のいずれか1項目による方法。
B27. 活性化ステップが、培養培地へのCD3アゴニストの添加を含む、項目B26による方法。
B28. CD3アゴニストが、培養の開始から1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12日後に培養培地に添加される、項目B27による方法。
B29. 培養培地にヒトAB血清および/またはIL-2が補充される、項目B21~B28のいずれか1項目による方法。
B30. 前記培養するステップが、前記T細胞集団が少なくとも107細胞に達するまで継続される、項目B1~B29のいずれか1項目による方法。
B31. 前記培養するステップが、前記単一の培養相の間に0℃より高い温度で行われる、項目B1~B30のいずれか1項目による方法。
B32. 前記試料または前記リンパ球が、前記対象からの単離の後かつ前記培養の前に、0℃より高い温度で維持される、項目B1~B31のいずれか1項目による方法。
B33. 項目B1~B32のいずれか1項目の方法により得ることができる、リンパ球の集団。
B34. 少なくとも90%CD3+T細胞と5%未満B細胞とを含むリンパ球の集団であって、前記T細胞部分の少なくとも70%が、生存可能であり、少なくとも20%が、CD27/CD28ダブルポジティブであり、10%未満が、CD45RA、CD57およびKLRG1に対してトリプルポジティブである、リンパ球の集団。
B35. 前記T細胞が、1つまたは複数の抗原に対して特異的である、項目B34によるリンパ球の集団。
B36. 前記T細胞部分の15%未満が、TNF-α、IL-4およびIL-5からなる群からの少なくとも1つのタンパク質を分泌する、項目B34~B36のいずれか1項目によるリンパ球の集団。
B37. 前記T細胞部分の中のT細胞の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%または少なくとも90%が、CD8+T細胞である、項目B34~B36のいずれか1項目によるリンパ球の集団。
B38. 前記T細胞部分の中の少なくとも2個のT細胞が、異なる抗原に向けられる、項目B34~B37のいずれか1項目によるリンパ球の集団。
B39. 少なくとも1つの抗原が、ネオ抗原である、項目B38によるリンパ球の集団。
B40. 前記T細胞部分が、少なくとも107個のT細胞を含む、項目B34~B39のいずれか1項目によるリンパ球の集団。
B41. 項目B33~B40のいずれか1項目によるリンパ球の集団を含む、医薬組成物。
B42. リンパ球が、薬学的に許容される緩衝液に懸濁されている、項目B41による医薬組成物。
B43. 薬学的に許容される緩衝液が、約0.9%NaClを含み、必要に応じて15%以下DMSOを含む、項目B42による医薬組成物。
B44. 医薬としての使用のための、項目B33~B40のいずれか1項目によるリンパ球の集団または項目B41~B43のいずれか1項目による医薬組成物。
B45. がん治療における使用のための、項目B33~B40のいずれか1項目によるリンパ球の集団または項目B41~B43のいずれか1項目による医薬組成物。
B46. がん治療が、養子細胞療法である、項目B45による使用のためのリンパ球の集団または医薬組成物。
B47. がん治療が、自己細胞療法である、項目B45またはB46による使用のためのリンパ球の集団または医薬組成物。
B48. がんを処置する方法であって、
a)項目B33~B40のいずれか1項目によるリンパ球の集団または項目B41~B43のいずれか1項目による医薬組成物を用意するステップ;および
b)がんに罹患している対象にリンパ球の集団または医薬組成物を注入するステップ
を含む、方法。
B49. 対象におけるがんを処置する方法であって、
a)対象から腫瘍を外科的に摘出するまたは対象の腫瘍から生検物を採るステップ;
b)ステップ(a)で得られた腫瘍試料において少なくとも1つの腫瘍抗原を同定するステップ;
c)ステップ(a)で得られた腫瘍試料に含まれているリンパ球を、項目B1~B33のいずれか1項目による方法で拡大するステップであって、腫瘍試料中に存在するとステップ(b)で同定された少なくとも1つの腫瘍抗原の存在下でリンパ球を拡大するステップ;
d)腫瘍試料を採取した対象に、ステップ(c)で得られた拡大されたリンパ球を注入するステップ
を含む方法。
B50. 腫瘍抗原が、腫瘍関連抗原または腫瘍特異的抗原である、項目B49による方法。
B51. リンパ球が、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を含む、項目B48~B49のいずれか1項目による方法。
B52. TILが、1つまたは複数の腫瘍抗原を特異的に認識する、項目B51による方法。
B53. 少なくとも1つの腫瘍抗原が、ネオ抗原である、項目B52による方法。
【発明を実施するための形態】
【0007】
したがって、特定の実施形態では、本発明は、少なくとも90%CD3+T細胞と5%未満B細胞とを含むリンパ球の集団であって、前記T細胞部分の少なくとも70%が、生存可能であり、前記T細胞部分の少なくとも50%が、CD27および/またはCD28ポジティブである、リンパ球の集団に関する。
【0008】
つまり、ある特定の実施形態では、本発明は、少なくとも90%CD3+T細胞を含むリンパ球の集団に関する。用語「CD3+T細胞」は、本明細書で使用される場合、CD3マーカーを発現する細胞のタイプを指す。「CD3」は、本明細書で使用される場合、4本の別個の鎖で構成されているタンパク質複合体である、表面抗原分類3を指す。哺乳動物では、この複合体は、CD3γ鎖、CD3δ鎖、および2本のCD3ε鎖を含有する。これらの鎖は、T細胞受容体(TCR)として公知の分子、およびζ鎖と会合して、Tリンパ球において活性化シグナルを生成する。TCR、ζ鎖およびCD3分子が一緒にTCR複合体を構成する。
【0009】
ある特定の実施形態では、リンパ球の集団の中のリンパ球の少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%は、CD3+T細胞である。
【0010】
当業者は、細胞の集団の中のCD3+T細胞のパーセンテージを決定するための方法を承知している。例えば、細胞の集団の中のCD3+T細胞のパーセンテージを、CD3に対する抗体、および/または他の好適なT細胞特異的表面マーカーを使用して、フローサイトメトリーにより決定することができる。
【0011】
ある特定の実施形態では、リンパ球の集団の中のリンパ球の少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%は、フローサイトメトリーにより決定して、CD3+およびCD45+T細胞である。
【0012】
ある特定の実施形態では、リンパ球の集団は、10%以下の夾雑物を含み得る。
ある特定の実施形態では、リンパ球の集団は、リンパ球または単離されたリンパ球を含む患者試料を、B細胞、特に抗原提示B細胞、と接触させることにより得られる。したがって、ある特定の実施形態では、リンパ球の集団は、B細胞の集団を含み得る。ある特定の実施形態では、リンパ球の集団は、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満または1%未満B細胞を含む。
【0013】
あるいは、リンパ球の集団は、0.1%~5%の間のB細胞、0.1%~4%の間のB細胞、0.1%~3%の間のB細胞、0.1%~2%の間のB細胞、または0.1%~1%の間のB細胞を含み得る。
【0014】
リンパ球が最初にB細胞の存在下で培養されたとしても、リンパ球の最終集団がB細胞を含まないことがあることを理解されたい。それは、B細胞が、通常、T細胞特異的培地において長期間にわたって生存することができないからである。したがって、ある特定の実施形態では、__によるリンパ球の集団は、B細胞を実質的に含まない。つまり、集団の中のB細胞の数は、フローサイトメトリーによる定量限界未満であり得る。
【0015】
当業者は、細胞の集団の中のB細胞のパーセンテージを決定するための方法を承知している。例えば、B細胞を、B細胞特異的表面マーカー、例えばCD19またはCD20、に対する抗体を使用して、フローサイトメトリーにより同定することができる。
【0016】
用語「B細胞」は、本明細書で使用される場合、T細胞により支配される細胞媒介免疫応答とは対照的に、液性免疫応答において大きな役割を果たすリンパ球のタイプを指す。B細胞は、それらの外面に存在するB細胞受容体(BCR)を特徴とし、このBCRによってB細胞はその特異的抗原に結合することが可能になる。B細胞の主な機能は、(i)それが認識する特異的抗原に対する抗体を産生すること、(ii)抗原提示細胞(APC)の役割を果たすこと、および(iii)その同種抗原と相互作用による活性化後に最終的にメモリーB細胞になることである。B細胞は、適応免疫系の必須成分である。用語「B細胞」は、長寿命形質細胞およびメモリーB細胞を含む。用語「長寿命形質B細胞」は、本明細書で使用される場合、骨髄に主として存在し、抗体を継続的に分泌する、B細胞のサブタイプを指す。用語「メモリーB細胞」は、本明細書で使用される場合、初感染、およびその同種抗原との相互作用による活性化の後に形成され、主として末梢リンパ系組織に存在し、プライミング抗原と再遭遇すると抗体分泌細胞(ASC)に分化し、ひいては抗体応答を増幅する、B細胞のサブタイプを指す。ある特定の実施形態では、B細胞は、メモリーB細胞である。
【0017】
他の夾雑物は、リンパ球および/またはB細胞が起源である試料中に含まれていた細胞であり得る。例えば、ある特定の実施形態では、リンパ球は、腫瘍試料が起源である。そのような実施形態では、リンパ球の調製物は、腫瘍細胞の残存画分を含み得る。リンパ球の最終集団の中の腫瘍細胞の存在量を、フローサイトメトリーにより、例えば、リンパ球の集団の中のCD45ネガティブ細胞の存在量を決定することにより、決定することができる。代替的にまたは加えて、リンパ球の集団の中の残存腫瘍細胞を、当技術分野において公知のqPCRにより検出することができる。
【0018】
ある特定の実施形態では、リンパ球の集団は、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満または2%未満のB細胞(CD19+もしくはCD20+)および/または腫瘍細胞(CD45-)を含む。
【0019】
あるいは、リンパ球の集団は、0.1%~10%の間、0.1%~9%の間、0.1%~8%の間、0.1%~7%の間、0.1%~6%の間、0.1%~5%の間、0.1%~4%の間のB細胞、0.1%~3%の間、0.1%~2%の間、または0.1%~1%の間のB細胞(CD19+もしくはCD20+)および/または腫瘍細胞(CD45-)を含み得る。
【0020】
本発明によるリンパ球の集団は、さらに、NK細胞(CD3-、CD56+)および/またはNKT細胞(CD3+、CD56+)を含み得る。したがって、ある特定の実施形態では、リンパ球の集団は、0.1%~10%の間、0.1%~9%の間、0.1%~8%の間、0.1%~7%の間、0.1%~6%の間、0.1%~5%の間、0.1%~4%の間のB細胞、0.1%~3%の間、0.1%~2%の間、または0.1%~1%の間のB細胞(CD19+もしくはCD20+)および/または腫瘍細胞(CD45-)および/またはNK細胞(CD3-、CD56+)および/またはNKT細胞(CD3+、CD56+)を含み得る。
【0021】
本発明の中では、細胞の集団の中のCD3+T細胞の少なくとも70%は生存細胞であることが好ましい。T細胞の生存率を決定するための様々な方法が当技術分野において公知であり、市販されている。限定ではないが、リンパ球の集団の中のT細胞の生存率を、増殖アッセイで、または生細胞/死細胞分別染色により、決定することができる。
【0022】
ある特定の実施形態では、リンパ球の集団の中のCD3+T細胞の少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%は、生存CD3+T細胞である。
【0023】
ある特定の実施形態では、リンパ球の集団の中のCD3+T細胞の生存率を、フローサイトメトリーにより、細胞表面マーカーAnnexin V(AnnV)および核酸染色剤7-アミノ-アクチノマイシンD(7AAD)またはヨウ化プロピジウム(PI)を使用して決定することができる。生存細胞は、AnnVおよび7AAD/PIに対してダブルネガティブである。初期アポトーシス細胞は、AnnVに対してポジティブであり、7AAD/PIに対してネガティブである。後期アポトーシス細胞は、AnnVに対してポジティブであり、7AAD/PIに対してポジティブである。死細胞は、AnnVに対してネガティブであり、7AAD/PIに対してポジティブである。
【0024】
ある特定の実施形態では、リンパ球の集団の中のCD3+T細胞の少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%は、AnnVおよび7AAD/PIに対してダブルネガティブである。
【0025】
Annexin V(またはアネキシンV)は、アネキシン群の中の細胞タンパク質である。フローサイトメトリーにおいて、アネキシンVは、アポトーシスのマーカーであるホスファチジルセリンに、それが原形質膜の外葉上にあるときに結合するその能力により、アポトーシス細胞を検出するために一般に使用される。
【0026】
7-アミノアクチノマイシンD(7-AAD)は、DNAに対して強い親和性を有する蛍光化学物質である。それは、蛍光顕微鏡検査およびフローサイトメトリーにおいてDNAの蛍光マーカーとして使用される。それは、細胞膜の完全性が失われると細胞に取り込まれ、GCリッチ領域に対して高い親和性で二本鎖DNAに挿入されることから、染色体分染研究に有用である。
【0027】
ヨウ化プロピジウム(またはPI)は、細胞および核酸を染色するために使用され得る蛍光挿入剤である。PIは、ほとんどまたは全く配列の選好なく塩基間に挿入されることによりDNAに結合する。ヨウ化プロピジウムは、細胞周期解析で細胞生存率もしくはDNA含有量を評価するためにフローサイトメトリーにおいて、または核および他のDNA含有オルガネラを可視化するために顕微鏡検査において、DNA染色剤として使用される。ヨウ化プロピジウムは、膜透過性でないことから、膜の完全性に基づいて壊死細胞とアポトーシス細胞と健康な細胞を区別するのに有用である。
【0028】
生存率を、さらに、細胞計数器、例えば、限定ではないが、NucleoCounter NC-202を使用することにより決定することができる。つまり、ある特定の実施形態では、リンパ球の集団の中のCD3+T細胞の少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%は、細胞計数器で、特に、NucleoCounter NC-202で決定して、生存可能である。
【0029】
生存率を、さらに、当技術分野において公知のトリパンブルー細胞計数により決定することができる。つまり、ある特定の実施形態では、リンパ球の集団の中のCD3+T細胞の少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%は、トリパンブルー細胞計数により決定して生存可能である。
【0030】
生存率は、それが決定される方法に依存して、特に、AnnVなどの細胞マーカーの発現のばらつきに起因して、異なることになることを理解されたい。したがって、当技術分野において公知の少なくとも1つの好適な方法、好ましくは、本明細書で開示される方法のうちの1つで、リンパ球の集団の中のCD3+T細胞の少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%の生存率を得ることができれば、十分である。
【0031】
さらに、リンパ球の集団の中のCD3+T細胞の少なくとも50%は、CD27および/またはCD28ポジティブ細胞であることが、好ましい。ある特定の実施形態では、T細胞部分の少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%は、CD27および/またはCD28ポジティブである。T細胞部分の少なくとも75%はCD27および/またはCD28ポジティブであることが好ましい。
【0032】
あるいは、リンパ球の集団の中のCD3+T細胞の少なくとも20%は、CD27および/またはCD28ポジティブ細胞である。ある特定の実施形態では、T細胞部分の少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%または少なくとも50%は、CD27および/またはCD28ポジティブである。
【0033】
CD27は、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーのメンバーである。この受容体は、T細胞免疫の発生および長期維持に必要とされる。それは、リガンドCD70に結合し、B細胞活性化および免疫グロブリン合成を制御する上で重要な役割を果たす。CD27は、主として、ナイーブ、セントラルメモリー(CM)およびエフェクターメモリー(EM)T細胞に発現されるが、ターミナルエフェクター(TE)T細胞には発現されない。
【0034】
CD28は、T細胞活性化および生存に必要な共刺激シグナルを提供する、T細胞上に発現されるタンパク質の1つである。T細胞受容体(TCR)に加えてCD28によるT細胞刺激は、様々なインターロイキンの産生のための強力なシグナルを提供し得る。CD27と同様に、CD28は、主として、ナイーブ、セントラルメモリー(CM)およびエフェクターメモリー(EM)T細胞に発現されるが、ターミナルエフェクター(TE)T細胞には発現されない。
【0035】
上述の通り、リンパ球の集団の中のT細胞は、好ましくは、少数のターミナルエフェクターT細胞を含む。したがって、ある特定の実施形態では、リンパ球の集団の中のCD3+T細胞の少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%または少なくとも90%は、細胞表面マーカーCD27を発現する。他の実施形態では、リンパ球の集団の中のCD3+T細胞の少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%または少なくとも90%は、細胞表面マーカーCD28を発現する。他の実施形態では、リンパ球の集団の中のCD3+T細胞の少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%または少なくとも90%は、細胞表面マーカーCD27およびCD28を発現する。
【0036】
当業者は、細胞の集団の中のCD27および/またはCD28ポジティブ細胞のパーセンテージを決定するための方法を承知している。例えば、細胞の集団の中のCD27および/またはCD28ポジティブ細胞のパーセンテージを、フローサイトメトリーにより決定することができる。CD27およびCD28に対する抗体は、当技術分野において公知であり、市販されている。
【0037】
特定の実施形態では、本発明は、前記T細胞部分の10%未満が、CD45RA、CD57およびKLRG1からなる群からのマーカーのうちの少なくとも1つに対してポジティブである、本発明による方法に関する。
【0038】
つまり、リンパ球の集団の中のCD3+T細胞は、1つまたは複数の老化マーカーの非存在をさらに特徴とし得る。
【0039】
ある特定の実施形態では、リンパ球の集団の中のCD3+T細胞の10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満または5%未満は、細胞表面マーカーCD45RAに対してポジティブであることが、好ましい。
【0040】
用語「CD45RA」は、本明細書で使用される場合、表面抗原分類45のアイソフォームRA、またはプロテインチロシンホスファターゼ、受容体型、C(PTPRC)を指す。CD45RAは、好ましくはCD57およびKLRG1との組合せで、CD8+メモリーT細胞の最終分化のマーカーとして広く受け入れられている。リンパ球の集団の中のCD45RAポジティブ細胞のパーセンテージは、好ましくは、フローサイトメトリーによりCD45RAに対する抗体を使用して決定される。
【0041】
ある特定の実施形態では、リンパ球の集団の中のCD3+T細胞の10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満または5%未満は細胞表面マーカーCD57に対してポジティブであることが好ましい。
【0042】
CD57抗原(あるいはHNK-1、LEU-7、またはL2)は、増殖能の低下および機能的特性の変更を有する最終分化「老化」細胞を同定するために、日常的に使用されている。リンパ球の集団の中のCD57ポジティブ細胞のパーセンテージは、好ましくは、フローサイトメトリーによりCD57に対する抗体を使用して決定される。
【0043】
ある特定の実施形態では、リンパ球の集団の中のCD3+T細胞の10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満または5%未満は細胞表面マーカーKLRG1に対してポジティブであることが好ましい。
【0044】
キラー細胞レクチン様受容体サブファミリーGメンバー1(KLRG1)は、ヒトにおいてKLRG1遺伝子によりコードされるタンパク質である。KLRG1は、NK細胞および抗原を経験したT細胞上に発現されるものであり、老化のマーカーであると仮定されている。リンパ球の集団の中のKLRG1ポジティブ細胞のパーセンテージは、好ましくは、フローサイトメトリーによりKLRG1に対する抗体を使用して決定される。
【0045】
ある特定の実施形態では、リンパ球の集団の中のCD3+T細胞の10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満または5%未満は、細胞表面マーカーCD45RA、CD57および/またはKLRG1のうちの少なくとも1つに対してポジティブである。ある特定の実施形態では、リンパ球の集団の中のCD3+T細胞の10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満または5%未満は、細胞表面マーカーCD45RA、CD57および/またはKLRG1のうちの2つに対してポジティブである。ある特定の実施形態では、リンパ球の集団の中のCD3+T細胞の10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満または5%未満は、細胞表面マーカーCD45RA、CD57および/またはKLRG1の3つ全てに対してポジティブである。
【0046】
ある特定の実施形態では、リンパ球の集団の中のCD3+T細胞の10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満または5%未満は、細胞表面マーカーCD45RAおよび/またはCD57の少なくとも一方に対してポジティブである。ある特定の実施形態では、リンパ球の集団の中のCD3+T細胞の10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満または5%未満は、CD45RAおよびCD57に対してダブルポジティブである。
【0047】
ある特定の実施形態では、リンパ球の集団の中のCD3+T細胞の10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満または5%未満は、細胞表面マーカーKLRG1および/またはCD57の少なくとも一方に対してポジティブである。ある特定の実施形態では、リンパ球の集団の中のCD3+T細胞の10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満または5%未満は、KLRG1およびCD57に対してダブルポジティブである。
【0048】
ある特定の実施形態では、リンパ球の集団の中のCD3+T細胞の50%より多く、60%より多く、70%より多く、80%より多く、85%より多く、90%より多く、または95%より多くは、細胞表面マーカーCD45RA、CD57および/またはKLRG1のうちの少なくとも1つに対してネガティブである。ある特定の実施形態では、リンパ球の集団の中のCD3+T細胞の50%より多く、60%より多く、70%より多く、80%より多く、85%より多く、90%より多く、または95%より多くは、細胞表面マーカーCD45RA、CD57および/またはKLRG1のうちの2つに対してネガティブである。ある特定の実施形態では、リンパ球の集団の中のCD3+T細胞の80%より多く、85%より多く、90%より多く、または95%より多くは、CD57およびKLRG1に対してダブルネガティブである。ある特定の実施形態では、リンパ球の集団の中のCD3+T細胞の80%より多く、85%より多く、90%より多く、または95%より多くは、CD45RA、CD57およびKLRG1に対してトリプルネガティブである。
【0049】
特定の実施形態では、本発明は、少なくとも90%CD3+T細胞と5%未満B細胞とを含むリンパ球の集団であって、前記T細胞部分の少なくとも70%が、生存可能であり、少なくとも50%が、CD27/CD28ダブルポジティブであり、少なくとも80%が、CD57およびKLRG1に対してダブルネガティブである、リンパ球の集団に関する。
【0050】
特定の実施形態では、本発明は、前記T細胞部分が、少なくとも5kb、少なくとも6kb、少なくとも7kb、少なくとも8kb、少なくとも9kbの平均テロメア長を有する、本発明によるリンパ球の集団に関する。当業者は、平均テロメア長が出発材料に依存することを承知している。例えば、平均テロメア長は、出発材料が採取された患者の年齢に依存する。
【0051】
代替的に、または老化マーカーCD45RA、CD57およびKLRG1に加えて、本発明によるリンパ球の集団を、リンパ球の集団に含まれているCD3+T細胞の平均テロメア長に基づいて特徴付けることができる。複製老化の開始が、DNA複製サイクルごとに漸進的に短くなる染色体末端の特殊構造であるテロメアの長さにより制御されることは、当技術分野において公知である。臨界長を超えるテロメアの短縮は、p53媒介成長停止および老化を誘導する。
【0052】
細胞集団の細胞における平均テロメア長を決定するための方法は、当技術分野において公知であり、例えば、Huangら(Scientific Reports 第7巻、論文番号:6785(2017))により記載されている。
【0053】
ある特定の実施形態では、リンパ球の集団の中のCD3+T細胞を、少なくとも5kb、少なくとも6kb、少なくとも7kb、少なくとも8kb、少なくとも9kbまたは少なくとも10kbの平均テロメア長により特徴付けることができる。
【0054】
リンパ球の集団に含まれているCD3+T細胞の全てのテロメアの平均長に基づいてリンパ球を特徴付けるのではなく、CD3+T細胞を、テロメアの最短20%の平均長に基づいて特徴付けることもできる。つまり、特定の実施形態では、本発明は、前記T細胞部分におけるテロメアの最短20%が、少なくとも1kb、少なくとも1.5kb、少なくとも2kb、少なくとも2.5kb、少なくとも3kbの平均テロメア長を有する、本発明によるリンパ球の集団に関する。
【0055】
特定の実施形態では、本発明は、前記T細胞部分の10%未満が、TNF-α、IL-4、IL-5、グランザイムBおよびパーフォリンからなる群からの少なくとも1つのタンパク質を分泌する、本発明によるリンパ球の集団に関する。
【0056】
ある特定の実施形態では、本発明は、前記T細胞部分の15%未満が、TNF-α、IL-4およびIL-5からなる群からの少なくとも1つのタンパク質を分泌する、本発明によるリンパ球の集団に関する。
【0057】
ある特定の実施形態では、本発明は、前記T細胞部分の10%未満が、TNF-α、IL-4およびIL-5からなる群からの少なくとも1つのタンパク質を分泌する、本発明によるリンパ球の集団に関する。
【0058】
ある特定の実施形態では、本発明は、前記T細胞部分の15%未満が、TNF-αを分泌し、前記T細胞部分の10%未満が、IL-4およびIL-5からなる群からの少なくとも1つのタンパク質を分泌する、本発明によるリンパ球の集団に関する。
【0059】
代替的に、または老化マーカーCD45RA、CD57およびKLRG1に加えて、本発明によるリンパ球の集団を、リンパ球の集団に含まれているCD3+T細胞の分泌プロファイルに基づいて特徴付けることができる。ターミナルエフェクターT細胞が、分化度のより低いT細胞とは異なるタンパク質を分泌することは、当技術分野において公知である。したがって、細胞の集団の中の細胞の老化を、集団の中の細胞により分泌されるタンパク質に基づいて決定することができる。
【0060】
ある特定の実施形態では、リンパ球の集団の中のCD3+T細胞は、これらのCD3+T細胞の15%未満がTNF-αを分泌することを特徴とし得る。ある特定の実施形態では、リンパ球の集団の中のCD3+T細胞は、これらのCD3+T細胞の1%未満がTNF-αを分泌することを特徴とし得る。腫瘍壊死因子(TNF、カケキシン、またはカケクチン;多くの場合、腫瘍壊死因子アルファまたはTNF-αと呼ばれる)は、サイトカイン-免疫系により細胞シグナル伝達に使用される低分子タンパク質-である。TNF-αは、主としてターミナルエフェクターT細胞により分泌されるが、ナイーブT細胞およびセントラルメモリーT細胞により分泌されない。
【0061】
ある特定の実施形態では、リンパ球の集団の中のCD3+T細胞の15%未満、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満または5%未満は、TNF-αの検出可能な量を分泌する。
【0062】
ある特定の実施形態では、リンパ球の集団の中のCD3+T細胞は、これらのCD3+T細胞の15%未満がIL-4を分泌することを特徴とし得る。ある特定の実施形態では、リンパ球の集団の中のCD3+T細胞は、これらのCD3+T細胞の10%未満がIL-4を分泌することを特徴とし得る。インターロイキン(IL-4)には、活性化されたB細胞およびT細胞増殖の刺激、ならびにB細胞の形質細胞への分化をはじめとする、多くの生物学的役割がある。IL-4は、主としてターミナルエフェクターT細胞により分泌されるが、ナイーブT細胞およびセントラルメモリーT細胞により分泌されない。
【0063】
ある特定の実施形態では、リンパ球の集団の中のCD3+T細胞の15%未満、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満または5%未満は、IL-4の検出可能な量を分泌する。
【0064】
ある特定の実施形態では、リンパ球の集団の中のCD3+T細胞は、これらのCD3+T細胞の15%未満がIL-5を分泌することを特徴とし得る。ある特定の実施形態では、リンパ球の集団の中のCD3+T細胞は、これらのCD3+T細胞の10%未満がIL-5を分泌することを特徴とし得る。インターロイキン-5受容体への結合によって、インターロイキン5は、B細胞成長を刺激し、免疫グロブリン-主としてIgA-分泌を増加させる。それは、好酸球活性化における肝要な媒介因子でもある。IL-5は、主としてターミナルエフェクターT細胞により分泌されるが、ナイーブT細胞およびセントラルメモリーT細胞により分泌されない。
【0065】
ある特定の実施形態では、リンパ球の集団の中のCD3+T細胞の15%未満、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満または5%未満は、IL-5の検出可能な量を分泌する。
【0066】
ある特定の実施形態では、リンパ球の集団の中のCD3+T細胞は、これらのCD3+T細胞の10%未満がグランザイムBを分泌することを特徴とし得る。グランザイムB(GrB)は、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)および細胞傷害性T細胞の顆粒に最もよく見られるセリンプロテアーゼである。それは、これらの細胞により、細孔形成タンパク質パーフォリンと一緒に分泌されて、標的細胞におけるアポトーシスを媒介する。グランザイムBは、主としてターミナルエフェクターT細胞およびエフェクターメモリーT細胞により分泌されるが、ナイーブT細胞およびセントラルメモリーT細胞により分泌されない。
【0067】
ある特定の実施形態では、リンパ球の集団の中のCD3+T細胞の10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満または5%未満は、グランザイムBの検出可能な量を分泌する。
【0068】
ある特定の実施形態では、リンパ球の集団の中のCD3+T細胞は、これらのCD3+T細胞の10%未満がパーフォリンを分泌することを特徴とし得る。パーフォリンは、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)およびナチュラルキラー細胞(NK細胞)の顆粒に見られる細孔形成性の細胞傷害性タンパク質である。分解時に、パーフォリンは標的細胞の原形質膜に結合し、Ca2+依存的にオリゴマー化して標的細胞に細孔を形成する。形成された細孔によって、グランザイムとして公知のアポトーシス促進プロテアーゼのファミリーの標的細胞内への受動拡散が可能になる。パーフォリンは、主としてターミナルエフェクターT細胞により分泌されるが、ナイーブT細胞およびセントラルメモリーT細胞により分泌されない。
【0069】
ある特定の実施形態では、リンパ球の集団の中のCD3+T細胞の10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満または5%未満は、パーフォリンの検出可能な量を分泌する。
【0070】
ある特定の実施形態では、細胞集団の大部分は、グランザイムBおよび/またはパーフォリンを発現し得る。したがって、細胞の集団に含まれているT細胞部分の15%未満またはより好ましくは10%未満は、TNF-α、IL-4およびIL-5からなる群からの少なくとも1つのタンパク質、少なくとも2つのタンパク質または全てのタンパク質を分泌することが、本明細書では好ましい。
【0071】
ある特定の実施形態では、本発明は、前記T細胞部分の10%未満が、TNF-α、IL-4、IL-5、グランザイムBおよびパーフォリンからなる群からの少なくとも1つのタンパク質を分泌する、本発明によるリンパ球の集団に関する。ある特定の実施形態では、本発明は、前記T細胞部分の10%未満が、TNF-α、IL-4、IL-5、グランザイムBおよびパーフォリンからなる群からのタンパク質のうちの2つを分泌する、本発明によるリンパ球の集団に関する。ある特定の実施形態では、本発明は、前記T細胞部分の10%未満が、TNF-α、IL-4、IL-5、グランザイムBおよびパーフォリンからなる群からのタンパク質のうちの3つを分泌する、本発明によるリンパ球の集団に関する。ある特定の実施形態では、本発明は、前記T細胞部分の10%未満が、TNF-α、IL-4、IL-5、グランザイムBおよびパーフォリンからなる群からのタンパク質のうちの4つを分泌する、本発明によるリンパ球の集団に関する。ある特定の実施形態では、本発明は、前記T細胞部分の10%未満が、TNF-α、IL-4、IL-5、グランザイムBおよびパーフォリンからなる群からのタンパク質の全てを分泌する、本発明によるリンパ球の集団に関する。
【0072】
ある特定の実施形態では、本発明は、前記T細胞部分の10%未満が、TNF-α、IL-4およびIL-5からなる群からのタンパク質のうちの少なくとも1つを分泌する、本発明によるリンパ球の集団に関する。ある特定の実施形態では、本発明は、前記T細胞部分の10%未満が、TNF-α、IL-4およびIL-5からなる群からのタンパク質のうちの少なくとも2つを分泌する、本発明によるリンパ球の集団に関する。ある特定の実施形態では、本発明は、前記T細胞部分の10%未満が、TNF-α、IL-4およびIL-5からなる群からのタンパク質の全てを分泌する、本発明によるリンパ球の集団に関する。
【0073】
本発明の中では、細胞は、特定のタンパク質を、前記タンパク質の検出可能な量がELISpotアッセイで同定され得る場合、分泌すると判定される。酵素免疫スポット(ELISpot)アッセイは、単一細胞レベルでサイトカイン分泌細胞の頻度を測定する高感度免疫測定法である。このアッセイでは、細胞は、特異的捕捉抗体をコーティングした表面で、刺激の存在または非存在下で培養される。細胞により分泌されるタンパク質、例えば、サイトカインは、その表面の特異的抗体により捕捉されることになる。適切なインキュベーション時間の後、細胞が除去され、分泌された分子が、ELISAによって利用されるものと同様の手順で検出抗体を使用して検出される。検出抗体がビオチン化されており、その後にストレプトアビジン-酵素コンジュゲートが続くか、抗体が酵素に直接コンジュゲートされている。可溶性生成物ではなく沈殿する生成物を伴う基質を使用することにより、最終生成物は、表面で可視スポットになる。各スポットは、個々のサイトカイン分泌細胞に対応する。ELISpotアッセイは、受容体結合またはプロテアーゼ分解により歪められる測定とは大いに異なり、分泌直後にサイトカインの存在を捕捉する。このアッセイは、利用可能な最も感度の高い細胞アッセイの1つと考えられる。通常達成される検出限界は、100,000細胞中1細胞であり得る。このアッセイの高い感度のため、このアッセイは、特異的な免疫応答で見つけられる細胞の小集団の研究に特に有用である。IFN-γ、TNF-α、IL-4、IL-5、グランザイムBおよびパーフォリンを分泌する細胞のパーセンテージを決定するためのELISpotアッセイは、当技術分野において公知である。
【0074】
代替的にまたは加えて、これらのタンパク質の分泌をフローサイトメトリーにより概算することができる。このために、抗体をそれぞれのタンパク質の細胞内プールの定量化に使用することができるようにT細胞を固定および透過性化しなければならない。TNF-α、IL-4、IL-5、グランザイムBおよび/またはパーフォリンの細胞内プールを定量化するための方法は、当技術分野において公知である。
【0075】
特定の実施形態では、本発明は、前記T細胞部分の中のT細胞の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%または少なくとも90%が、CD8+T細胞である、本発明によるリンパ球の集団に関する。
【0076】
つまり、リンパ球の集団の中のT細胞の大部分はCD8+T細胞であることが好ましい。本明細書で使用される場合、「CD8+T細胞」は、当技術分野におけるその一般的な意味を有し、T細胞の、それらの表面にCD8を発現する、サブセットを指す。それらは、MHCクラスI拘束性であり、細胞傷害性T細胞として機能する。「CD8+T細胞」は、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)、Tキラー細胞、細胞溶解性T細胞、またはキラーT細胞とも呼ばれる。CD8抗原は、免疫グロブリンスーパー遺伝子ファミリーのメンバーであり、主要組織適合遺伝子複合体クラスI拘束性相互作用における会合性認識エレメントである。本明細書で使用される場合、用語「腫瘍浸潤CD8+T細胞」は、血流から離れて腫瘍に移動した、患者のCD8+T細胞のプールを指す。
【0077】
好ましくは、リンパ球の集団の中のT細胞の2番目に大きい部分は、CD4+T細胞である。本明細書で使用される場合、用語「CD4+T細胞」は、その表面に共受容体CD4を提示するT細胞を指す。CD4は、特定の抗原を認識することができる、T細胞受容体(TCR)の共受容体としての機能を果たす膜貫通糖タンパク質である。ある特定の実施形態では、CD4+T細胞は、Tヘルパー細胞である。Tヘルパー細胞(TH細胞)は、形質細胞およびメモリーB細胞へのB細胞の成熟、ならびに細胞傷害性T細胞およびマクロファージの活性化をはじめとする、免疫学的プロセスで他の白血球を支援する。ヘルパーT細胞は、それらが、抗原提示細胞(APC)の表面に発現されるMHCクラスII分子によってペプチド抗原とともに提示されると、活性化される。活性化されると、それらは急速に分裂し、能動免疫応答を制御または支援するサイトカインと呼ばれる低分子タンパク質を分泌する。これらの細胞は、いくつかのサブタイプのうちの1つに分化することができ、そのようなサブタイプには、TH1、TH2、TH3、TH17、TH9またはTFHが含まれ、これらは、異なるタイプの免疫応答を助長するために異なるサイトカインを分泌する。APCからのシグナル伝達は、T細胞を特定のサブタイプに方向付ける。ある特定の実施形態では、CD4+T細胞は、制御性T細胞である。制御性T細胞は、免疫応答の減弱に、自己免疫疾患の予防に、および経口免疫寛容に、欠くことのできない役割を果たす。
【0078】
ある特定の実施形態では、本発明は、前記T細胞部分の中のT細胞の50%以下、40%以下、30%以下、20%以下または10%以下が、CD4+T細胞である、本発明によるリンパ球の集団に関する。
【0079】
ある特定の実施形態では、本発明は、前記T細胞部分の中のCD8+T細胞とCD4+T細胞の比が、1:1~10:1の間である、本発明によるリンパ球の集団に関する。ある特定の実施形態では、本発明は、前記T細胞部分の中のCD8+T細胞とCD4+T細胞の比が、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1もしくは10:1であるかまたは10:1より大きい、本発明によるリンパ球の集団に関する。
【0080】
当業者は、リンパ球の集団の中のCD4+および/またはCD8+T細胞のパーセンテージを決定するための方法を承知している。例えば、リンパ球の集団の中のCD4+および/またはCD8+T細胞のパーセンテージを、フローサイトメトリーにより、CD4および/またはCD8に対する抗体をそれぞれ使用して決定することができる。
【0081】
特定の実施形態では、本発明は、前記T細胞部分の中の少なくとも2個のT細胞が、異なる抗原に向けられる、本発明によるリンパ球の集団に関する。
【0082】
つまり、リンパ球の集団に含まれているT細胞は、好ましくは、1つより多くの抗原を認識する。本発明によるリンパ球の集団を得ることは、これらのリンパ球を異なる抗原ペプチドのプールと接触させるステップを含む。したがって、主として、抗原のプールからの抗原を認識するT細胞を、拡大することが想定される。抗原ペプチドのプールは、50より多くの、100より多くの、200より多くの、300より多くの、400より多くの、500より多くの、または1000より多くの異なる抗原ペプチドを含み得る。したがって、ある特定の実施形態では、リンパ球の集団に含まれているT細胞部分は、少なくとも2個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも25個、少なくとも50個、少なくとも75個、少なくとも100個、少なくとも150個、少なくとも200個または少なくとも300個のT細胞を含むことがあり、各T細胞が異なる抗原に向けられる。リンパ球の集団に含まれているT細胞により認識され得る抗原の非限定的な例は、本明細書中で提供される。
【0083】
リンパ球の集団は、ヒトにおける養子細胞移入(ACT)療法での使用に好適である多数の細胞を含むことが好ましい。つまり、本発明によるリンパ球の集団は、少なくとも106個、107個、108個、109個、または1010個のCD3+T細胞を含む。好ましくは、本発明によるリンパ球の集団は、106~1010個の間のCD3+T細胞、好ましくは107~109個の間のT細胞を含む。ある特定の実施形態では、本発明によるリンパ球の集団は、少なくとも10×108個のT細胞を含む。
【0084】
特定の実施形態では、本発明は、ヒトにおける同種異系細胞移入のためのリンパ球の集団であって、少なくとも90%CD3+T細胞と5%未満B細胞とを含み、前記T細胞部分の少なくとも70%が、生存可能であり、少なくとも50%が、CD27/CD28ダブルポジティブであり、10%未満が、CD45RA、CD57およびKLRG1に対してトリプルポジティブである、リンパ球の集団に関する。
【0085】
特定の実施形態では、本発明は、ヒトにおける同種異系細胞移入のためのリンパ球の集団であって、少なくとも90%CD3+T細胞と5%未満B細胞とを含み、前記T細胞部分の少なくとも70%が、生存可能であり、少なくとも20%が、CD27/CD28ダブルポジティブであり、10%未満が、CD45RA、CD57およびKLRG1に対してトリプルポジティブである、リンパ球の集団に関する。
【0086】
特定の実施形態では、本発明は、ヒトにおける養子細胞移入療法のためのリンパ球の集団であって、少なくとも90%CD3+T細胞と5%未満B細胞とを含み、前記T細胞部分の少なくとも70%が、生存可能であり、少なくとも50%が、CD27/CD28ダブルポジティブであり、10%未満が、CD45RAおよびCD57に対してポジティブである、リンパ球の集団に関する。
【0087】
特定の実施形態では、本発明は、ヒトにおける養子細胞移入療法のためのリンパ球の集団であって、少なくとも90%CD3+T細胞と5%未満B細胞とを含み、前記T細胞部分の少なくとも70%が、生存可能であり、少なくとも20%が、CD27/CD28ダブルポジティブであり、10%未満が、CD45RAおよびCD57に対してポジティブである、リンパ球の集団に関する。
【0088】
特定の実施形態では、本発明は、ヒトにおける養子細胞移入療法のためのリンパ球の集団であって、少なくとも90%CD3+T細胞と5%未満B細胞とを含み、前記T細胞部分の少なくとも70%が、生存可能であり、少なくとも50%が、CD27/CD28ダブルポジティブであり、10%未満が、CD57およびKLRG1に対してポジティブである、リンパ球の集団に関する。
【0089】
特定の実施形態では、本発明は、ヒトにおける養子細胞移入療法のためのリンパ球の集団であって、少なくとも90%CD3+T細胞と5%未満B細胞とを含み、前記T細胞部分の少なくとも70%が、生存可能であり、少なくとも20%が、CD27/CD28ダブルポジティブであり、10%未満が、CD57およびKLRG1に対してポジティブである、リンパ球の集団に関する。
【0090】
特定の実施形態では、本発明は、ヒトにおける養子細胞移入療法のためのリンパ球の集団であって、少なくとも90%CD3+T細胞と5%未満B細胞とを含み、前記T細胞部分の少なくとも70%が、生存可能であり、少なくとも50%が、CD27/CD28ダブルポジティブであり、80%より多くが、CD57およびKLRG1に対してネガティブである、リンパ球の集団に関する。
【0091】
特定の実施形態では、本発明は、ヒトにおける養子細胞移入療法のためのリンパ球の集団であって、少なくとも90%CD3+T細胞と5%未満B細胞とを含み、前記T細胞部分の少なくとも70%が、生存可能であり、少なくとも20%が、CD27/CD28ダブルポジティブであり、80%より多くが、CD57およびKLRG1に対してネガティブである、リンパ球の集団に関する。
【0092】
好ましくは、本発明によるリンパ球の集団は、自己細胞療法における使用に好適である。自己細胞療法は、体外で培養され、拡大され、ドナーに再導入される、個体の細胞を使用する、治療介入である。そのようなアプローチの利点としては、個体からの非自己移植片または細胞に関連する全身性の免疫学的反応、生体非適合性および疾患伝播によるリスクの最小化が挙げられる。本発明によるリンパ球の集団に含まれている細胞は、個体のT細胞をex vivoで拡大することにより得られ、その後、同じ個体に注入して戻されることが、好ましい。
【0093】
したがって、特定の実施形態では、本発明は、ヒトにおける自己細胞療法のためのリンパ球の集団であって、少なくとも90%CD3+T細胞と5%未満B細胞とを含み、前記T細胞部分の少なくとも70%が、生存可能であり、少なくとも50%が、CD27/CD28ダブルポジティブであり、10%未満が、CD45RA、CD57およびKLRG1に対してトリプルポジティブである、リンパ球の集団に関する。
【0094】
したがって、特定の実施形態では、本発明は、ヒトにおける自己細胞療法のためのリンパ球の集団であって、少なくとも90%CD3+T細胞と5%未満B細胞とを含み、前記T細胞部分の少なくとも70%が、生存可能であり、少なくとも20%が、CD27/CD28ダブルポジティブであり、10%未満が、CD45RA、CD57およびKLRG1に対してトリプルポジティブである、リンパ球の集団に関する。
【0095】
特定の実施形態では、本発明は、ヒトにおける自己細胞療法のためのリンパ球の集団であって、少なくとも90%CD3+T細胞と5%未満B細胞とを含み、前記T細胞部分の少なくとも70%が、生存可能であり、少なくとも50%が、CD27/CD28ダブルポジティブであり、10%未満が、CD45RAおよびCD57に対してダブルポジティブである、リンパ球の集団に関する。
【0096】
特定の実施形態では、本発明は、ヒトにおける自己細胞療法のためのリンパ球の集団であって、少なくとも90%CD3+T細胞と5%未満B細胞とを含み、前記T細胞部分の少なくとも70%が、生存可能であり、少なくとも20%が、CD27/CD28ダブルポジティブであり、10%未満が、CD45RAおよびCD57に対してダブルポジティブである、リンパ球の集団に関する。
【0097】
特定の実施形態では、本発明は、ヒトにおける自己細胞療法のためのリンパ球の集団であって、少なくとも90%CD3+T細胞と5%未満B細胞とを含み、前記T細胞部分の少なくとも70%が、生存可能であり、少なくとも50%が、CD27/CD28ダブルポジティブであり、10%未満が、CD57およびKLRG1に対してダブルポジティブである、リンパ球の集団に関する。
【0098】
特定の実施形態では、本発明は、ヒトにおける自己細胞療法のためのリンパ球の集団であって、少なくとも90%CD3+T細胞と5%未満B細胞とを含み、前記T細胞部分の少なくとも70%が、生存可能であり、少なくとも20%が、CD27/CD28ダブルポジティブであり、10%未満が、CD57およびKLRG1に対してダブルポジティブである、リンパ球の集団に関する。
【0099】
特定の実施形態では、本発明は、ヒトにおける自己細胞療法のためのリンパ球の集団であって、少なくとも90%CD3+T細胞と5%未満B細胞とを含み、前記T細胞部分の少なくとも70%が、生存可能であり、少なくとも50%が、CD27/CD28ダブルポジティブであり、80%より多くが、KLRG1およびCD57に対してダブルネガティブである、リンパ球の集団に関する。
【0100】
特定の実施形態では、本発明は、ヒトにおける自己細胞療法のためのリンパ球の集団であって、少なくとも90%CD3+T細胞と5%未満B細胞とを含み、前記T細胞部分の少なくとも70%が、生存可能であり、少なくとも20%が、CD27/CD28ダブルポジティブであり、80%より多くが、KLRG1およびCD57に対してダブルネガティブである、リンパ球の集団に関する。
【0101】
本発明は、本明細書で定義される通りの1つまたは複数の抗原に対して特異的なリンパ球の集団を産生するための方法であって、単一の培養相を含み、前記単一の相が、(a)リンパ球を含有すると分かっているもしくは思われる試料である、対象からの組織もしくは血液試料を、前記1つもしくは複数の抗原の存在下で培養するステップ;または(b)対象からの組織もしくは血液試料から単離されるリンパ球であるリンパ球を、前記1つもしくは複数の抗原の存在下で培養するステップを含む、方法も提供する。
【0102】
ある特定の実施形態では、前記培養するステップは、少なくとも10×108細胞の前記T細胞集団が獲得されるまで継続される。常に、リンパ球、および/またはT細胞の集団は、前記単一の培養相の間、0℃より高い温度で維持される。
【0103】
ある特定の実施形態では、前記培養するステップは、少なくとも1×107細胞の前記T細胞集団が獲得されるまで継続される。常に、リンパ球、および/またはT細胞の集団は、前記単一の培養相の間、0℃より高い温度で維持される。
【0104】
ある特定の実施形態では、リンパ球および/またはT細胞の集団を含む試料は、対象からの単離の後かつ培養の前に、0℃より高い温度で維持される。しかし、凍結試料も本発明の方法で使用することができることを理解されたい。
【0105】
自己腫瘍浸潤リンパ球(TIL)についての以前の拡大プロトコールは、2相からなる。最初のプレREP相では、TILが、3~5週間、拡大される。後続のREP相では、プレREP相で得られたTILが、さらに2週間、急速に拡大される。プレREP相とREP相との間に、TILは、通常は凍結保存される。必要に応じた凍結保存ステップを含む、この長い培養期間の欠点は、最終産物中のリンパ球の大部分が、患者への注入後に急速に死滅するターミナルエフェクター細胞であることである。
【0106】
それ故、本発明の目的は、凍結保存ステップを必要とすることなく2~8週間で、好ましくは2~6週間で、より好ましくは2~4週間で高細胞数(107細胞およびそれより多く)に達することができる、リンパ球の拡大プロトコールを確立することである。したがって、好ましい実施形態では、リンパ球は、全培養プロセスを通して0℃より高い温度に保たれる。
【0107】
本発明の方法は、細胞が「馴化培養培地」で培養されることを特徴とする。つまり、培養培地のある特定のパラメーターは、全プロセスを通してモニターされ、必要に応じて、事前に定義された値に合わせて調整される。本発明の方法を通してモニターおよび/または調整される培養培地の好適なパラメーターは、本明細書の他の箇所で開示される。それを用いて、最適な成長条件を、全プロセスを通して維持することができる。
【0108】
本発明の方法は、「動的培養」のステップを含むことをさらに特徴とする。動的培養は、細胞を培養培地の連続流で培養することを必要とする。動的培養は、馴化培養培地が成長チャンバー内で循環される循環と、成長チャンバーからの培養培地が新鮮培養培地と交換される灌流との両方を含む。
【0109】
例えばリンパ球および/またはT細胞を含む、試料から、所望のT細胞集団を拡大する方法は、培養されることになる試料内のT細胞への1つまたは複数の抗原の提示を含む。1つまたは複数の抗原を特異的に認識するT細胞の拡大の誘導に好適な、当技術分野において公知のおよび/または本明細書に記載される任意の手段により、抗原を提示させることができる。例示的な非限定的な例として、1つまたは複数の可溶性抗原を、培養培地に、連続的に提供することができ(例えば、定常状態濃度もしくは所望の濃度範囲を維持するために)、または全培養相未満の1つもしくは複数の特定の期間に含めることができる。可溶性抗原を、培養相の1つまたは複数の個別の時点で導入することもできる。加えてまたは代替的に、可溶性抗原を、本明細書で開示されるように、培養中にリンパ球試料および/またはT細胞に抗原提示細胞(APC)により提示させることができる。APCはB細胞であることが好ましい。APCを、当技術分野において公知のまたは本明細書に記載される任意の手段により、1つまたは複数の所望の抗原を提示するように操作することができる。代替的にまたは加えて、APCを、当技術分野において公知のまたは本明細書に記載される任意の手段により、抗原ペプチドと接触させることができる。
【0110】
ある特定の実施形態では、培養するステップで添加される1つまたは複数の抗原は、腫瘍試料に含まれている。つまり、腫瘍試料自体が、同時に、リンパ球源としておよび抗原源として役立ち得る。そのような実施形態では、腫瘍試料は、抗原ペプチドの非存在下でAPCと共培養され得る。
【0111】
APCを、目的の1つまたは複数の抗原を一過性にまたは連続的に発現するように、組換え技術により操作することができる。組換え操作は、当技術分野において公知のまたは本明細書に記載される任意の手段により達成することができ、好ましくは、ウイルスベクターを使用する形質導入、またはプラスミドもしくはmRNAを使用するトランスフェクションにより達成される。
【0112】
しかし、APC、特にB細胞は、下記でより詳細に説明されるように、化学的に合成された抗原ペプチドと接触させることが好ましい。
【0113】
抗原は、疾患もしくはがんを特徴付ける1つもしくは複数の公知の抗原であることもあり、または患者を評価して1つもしくは複数のネオ抗原を決定することにより決定されることもある。そのために、患者細胞を生検により収集し、質量分析またはscRNAseqにより解析してネオ抗原を同定することができる。次いで、これらの方法から入手可能な配列を、有標アルゴリズムを使用して解析して、関連性のあるネオ抗原を同定および選択することができる。
【0114】
リンパ球の集団、単離されたリンパ球、ならびに/またはそれらの産生および使用のための方法は、疾患の処置のための(例えば、医薬としての使用のための、または医薬の開発および製造における)ツールとして提供されるばかりでなく、疾患治療を研究するためのモデル系としての適用性があることを理解もされたい。したがって、本明細書で開示の本発明のリンパ球は、好ましくはヒトリンパ球、より好ましくは初代ヒトリンパ球(例えば、NK細胞およびT細胞を含む)、最も好ましくは初代ヒトT細胞(CD3+T細胞、CD4+T細胞、CD8+T細胞、γδT細胞を含む)であるが、リンパ球細胞系(ヒト由来か非ヒト由来かを問わず)、ならびに非ヒト起源の初代細胞であるリンパ球、例えば、これらに限定されないが、初代リンパ球、ならびにマウス、ラット、サル、類人猿、ネコおよびイヌに由来するリンパ球も、提供される。
【0115】
より好ましい初代ヒトリンパ球から、最も好ましいのは初代ヒトT細胞である。それ故、本発明は、少なくとも90%CD3+T細胞および5%未満B細胞を特徴とする初代ヒトT細胞の集団であって、前記T細胞部分の少なくとも70%が、生存可能であり、少なくとも50%が、CD27/CD28ダブルポジティブであり、10%未満が、CD45RA、CD57およびKLRG1に対してトリプルポジティブである、初代ヒトT細胞の集団も提供する。
【0116】
あるいは、本発明は、少なくとも90%CD3+T細胞および5%未満B細胞を特徴とする初代ヒトT細胞の集団であって、前記T細胞部分の少なくとも70%が、生存可能であり、少なくとも20%が、CD27/CD28ダブルポジティブであり、10%未満が、CD45RA、CD57およびKLRG1に対してトリプルポジティブである、初代ヒトT細胞の集団も提供する。
【0117】
さらに、本発明は、少なくとも90%CD3+T細胞および5%未満B細胞を特徴とする初代ヒトT細胞の集団であって、前記T細胞部分の少なくとも70%が、生存可能であり、少なくとも50%が、CD27/CD28ダブルポジティブであり、80%より多くが、CD57およびKLRG1に対してダブルポジティブである、初代ヒトT細胞の集団も提供する。
【0118】
さらに、本発明は、少なくとも90%CD3+T細胞および5%未満B細胞を特徴とする初代ヒトT細胞の集団であって、前記T細胞部分の少なくとも70%が、生存可能であり、少なくとも20%が、CD27/CD28ダブルポジティブであり、80%より多くが、CD57およびKLRG1に対してダブルポジティブである、初代ヒトT細胞の集団も提供する。
【0119】
本明細書で提供されるリンパ球集団または本明細書で提供される方法に従って産生されるリンパ球集団は、ヒトのものであるか否かを問わず、および初代のものであるか否かを問わず、養子細胞療法に有用であることが公知のもしくは有用であると考えられている、および/またはin vitroもしくはin vivoモデル系において役立つことが公知のもしくは役立つと考えられている、当技術分野において公知のまたは本明細書に記載される任意のリンパ球クラスまたはサブクラスから構成され得る。本発明に包含されるリンパ球クラスの非限定的な例としては、T細胞(CD3+T細胞、CD4+T細胞、CD8+T細胞、γδT細胞、不変T細胞を含む)、ならびにB細胞、マクロファージおよびNK細胞、ならびにこれらの組合せを含む、リンパ球の集団が挙げられる。
【0120】
本明細書で提供される細胞のおよび/またはそれらの産生方法における使用のための細胞(例えば、APC、好ましくはB細胞)の集団は、遺伝子操作された細胞を含み、これらの細胞は、直接遺伝子操作された細胞、すなわち、遺伝子操作法に直接付された細胞であることもあり、またはそのような操作された細胞に由来する細胞、例えば、直接遺伝子操作された細胞の娘細胞もしくは子孫であることもある。リポフェクション、CRISPR/CAS、リン酸カルシウムトランスフェクション、スリーピングビューティートランスポゾン、PEG媒介トランスフェクション、およびウイルスベクター(例えば、レンチウイルスベクター)での形質導入を含むがこれらに限定されない、任意の好適な遺伝子操作法を使用することができる。外来性核酸分子を、線状分子として、および/または環式分子(例えば、プラスミド、ミニプラスミドもしくはmRNA)として、細胞に導入することができる。非限定的な実施形態では、本発明のリンパ球集団内のリンパ球の1つまたは複数を、1つまたは複数の免疫調節因子、例えば、OX40L、4-1BBL、CD80、CD86、CD83、CD70、CD40L、GITR-L、CD127L、CD30L(CD153)、LIGHT、BTLA、ICOS-L(CD275)、SLAM(CD150)、CD662L、インターロイキン-12、インターロイキン-7、インターロイキン-15、インターロイキン-17、インターロイキン-21、インターロイキン-4、Bcl6、Bcl-XL、BCL-2、MCL1、STAT-5、ならびに/または1つもしくは複数のシグナル伝達経路(例えば、JAK/STAT経路、Akt/PBKシグナル伝達経路、BCRシグナル伝達経路、および/またはBAFF/BAFFRシグナル伝達経路)の活性化因子を発現するように、操作することができる。同様に、本明細書で開示される方法に役立つ1つまたは複数のAPCを、1つもしくは複数の公知の抗原、または患者試料から決定された1つもしくは複数のネオ抗原を発現するように、操作することができる。
【0121】
APC、特にB細胞は、免疫調節因子OXO40L、4-1BBおよび/またはインターロイキン-12のうちの1つまたは複数を発現するように操作されることが好ましい。
【0122】
ある特定の実施形態では、APC、特にB細胞は、OXO40Lおよび4-1BBを発現するように操作される。
【0123】
ある特定の実施形態では、APC、特にB細胞は、OXO40Lおよびインターロイキン-12を発現するように操作される。
【0124】
ある特定の実施形態では、APC、特にB細胞は、4-1BBおよびインターロイキン-12を発現するように操作される。
【0125】
ある特定の実施形態では、APC、特にB細胞は、OXO40L、4-1BBおよびインターロイキン-12を発現するように操作される。
【0126】
上述の免疫調節因子をコードする核酸を、当技術分野において公知のおよび/または本明細書で開示される任意の方法により、APC、特にB細胞、に導入することができる。好ましくは、上述の免疫調節因子をコードするmRNAは、コードされたタンパク質を一過性に発現させるためにトランスフェクションによってAPC、特にB細胞、に導入される。
【0127】
本発明のリンパ球およびリンパ球の集団、好ましくは、ヒトリンパ球、より好ましくは、初代ヒトリンパ球、最も好ましくは、初代ヒトT細胞は、治療における使用が想定され、自己のものである(すなわち、細胞が由来するドナーとレシピエントが同じ対象である)こともあり、または同種異系のもの(すなわち、細胞が由来するドナーがレシピエントと異なる)こともある。自己のものである場合、固形腫瘍細胞(例えば、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)について)にせよ循環腫瘍細胞にせよ腫瘍環境;および末梢血(例えばPBMC)を含むがこれらに限定されない、当技術分野において公知のまたは本明細書に記載の任意の適切な供給源を使用することができる。好ましくは、リンパ球の集団の中のリンパ球は、ex vivoでTILを拡大することにより得られたものである。
【0128】
細胞が同種異系のものである場合、それらがアロ反応性でないようにそれらをさらに遺伝子操作または調製することができる。当技術分野において理解されているように、および本明細書で使用される場合、非アロ反応性(の)は、細胞が、同種異系細胞(外来細胞)と認識され得なくするように、または同種異系細胞(外来細胞)を認識できるようにするように、操作された(例えば、遺伝子操作された)ことを示す。同様に、本発明の遺伝子操作されたリンパ球を、加えてまたは代替的に、それら自体がレシピエントの免疫系により認識されないようにするように操作することができる。この態様における非限定的な例として、本発明のリンパ球は、内在性主要組織適合遺伝子複合体(MHC)の破壊または欠失を有し得る。そのような細胞は、内在性MHCの発現の減少または消失を有し、したがって、自己細胞に対するレシピエントの免疫系の活性化を防止することまたは減少させることができる。
【0129】
当技術分野において理解されているように、そのような非アロ反応性細胞は、外来宿主の細胞と反応する能力がない。したがって、第三者のドナーに由来する非アロ反応性細胞は、普遍的、すなわち、レシピエント非依存性になり得る。上で説明されたように、非アロ反応性細胞は、それらを、免疫応答を惹起できなくする、および/またはレシピエントの免疫系により認識され得なくする、したがって、それらが拒絶されることを防ぐ、追加の操作も含み得る。非アロ反応性である、および/または免疫応答を惹起することができない、もしくはレシピエントの免疫系により認識され得ない、そのような細胞は、当技術分野において公知であるように、「オフザシェルフ」細胞とも呼ばれ得る。リンパ球を、当技術分野において公知のまたは本明細書に記載される任意の手段により、非アロ反応性にすることができ、および/または免疫系を惹起できなくするもしくは免疫系により認識され得なくすることができる。非限定的な例では、T細胞に関して、非アロ反応性細胞は、非改変対照細胞と比較して内在性T細胞受容体(TCR)の発現の低減または消失を有し得る。そのような非アロ反応性T細胞は、自己認識に関与する遺伝子、例えば、これらに限定されないが、例えばアルファおよび/またはベータ鎖を含む、TCRの成分をコードするもの、の改変または欠失を含み得る。同様に、本明細書で開示される遺伝子操作されたリンパ球は、加えてまたは代替的に、非改変対照細胞と比較して内在性MHCの発現の低減または消失を有し得る。そのようなリンパ球は、抗原提示を最小限に抑えるまたは消失させるための、特に、レシピエントにおける免疫原性監視および消失を回避するための、当技術分野において公知のまたは本明細書に記載される任意の改変または遺伝子欠失を含み得る。既述の通り、免疫監視を必要に応じて回避する非アロ反応性細胞は、当技術分野において広範に「オフザシェルフ」細胞と呼ばれており、これらの用語は、本明細書では互換的に使用される。そのような非アロ反応性/オフザシェルフ白血球は、リポジトリから入手することができる。当技術分野において公知のまたは本明細書に記載の、アロ反応性を低減もしくは消失させるための(すなわち、細胞を非アロ反応性にするための)および/または自己抗原提示を低減もしくは消失させるための(すなわち、それらが免疫応答を惹起することもしくはレシピエントの免疫系により認識されることを防止するための)遺伝子改変を、本発明に関連して任意の他の遺伝子操作の前に、それと並行して、またはその後に行うことができる。
【0130】
本発明は、本明細書で開示される任意の方法により得ることができるリンパ球、好ましくはヒトリンパ球、の集団も包含する。
【0131】
本発明は、本明細書で開示の細胞または細胞の集団の使用を含む、疾患を処置するための免疫療法の方法を提供する。したがって、医薬としての使用のための、本明細書に記載のリンパ球(好ましくはヒトリンパ球、より優先的には初代ヒトリンパ球、最も優先的には初代ヒトT細胞)の集団が、提供される。本発明は、医薬組成物の形態での、薬学的に許容される担体中の本明細書で開示のリンパ球の集団も、提供する。本明細書で開示の医薬および医薬組成物は、特に、養子細胞療法に役立つ。
【0132】
本発明のリンパ球の集団、医薬および/または医薬組成物は、腫瘍型に関係なくがんの処置にはもちろん、ならびにウイルス性疾患、細菌性疾患、例えば結核(抗生物質耐性疾患を含む)、および寄生虫性疾患の処置にも役立つ。
【0133】
本発明のリンパ球の集団、医薬および/または医薬組成物を、抗新生物剤または免疫調節剤、例えば、これらに限定されないが、アザシチジン、カペシタビン、カルモフール、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、デシタビン、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、メルカプトプリン、ネララビン、ペントスタチン、テガフール、チオグアニン、メトトレキサート、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、ヒドロキシカルバミド、イリノテカン、トポテカン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトキサントロン、バルルビシン、エトポシド、テニポシド、カバジタキセル、ドセタキセル、パクリタキセル、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンフルニン、ビノレルビン、ベンダムスチン、ブスルファン、カルムスチン、クロラムブシル、クロロメチン、シクロホスファミド、ダカルバジン、ホテムスチン、イホスファミド、ロムスチン、メルファラン、ストレプトゾトシン、テモゾロミド、カルボプラチン、シスプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、アルトレタミン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ダクチノマイシン、エストラムスチン、イクサベピロン、マイトマイシン、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、デノスマブ、ゲムツズマブ、オゾガマイシン、イブリツモマブチウキセタン、イピリムマブ、ニボルマブ、オファツムマブ、パニツムマブ、ペムブロリズマブ、ペルツズマブ、リツキシマブ、トシツモマブ、トラツズマブ、アファチニブ、アフリベルセプト、アキシチニブ、ボスチニブ、クリゾチニブ、ダサチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、パゾパニブ、ポナチニブ、レゴラフェニブ、ルキソリチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、バンデタニブ、エベロリムス、テムシロリムス、アリトレチノイン、ベキサロテン、イソトレチノイン、タミバロテン、トレチノイン、レナリドミド、ポマリドミド、サリドマイド、パノビノスタット、ロミデプシン、バルプロ酸、ボリノスタット、アナグレリド、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、BCGワクチン、デニロイキンジフチトクス、ベムラフェニブ、ゴセレリン、トレミフェン、フルベストラント、ビカルタミド、エンザルタミド、アパルタミド、ダロルタミド、アナストロゾール、レトロゾール、デガレリクス、アビラテロン、フィルグラスチム、モルグラモスチン、ペグフィルグラスチム、リペグフィルグラスチム(lipecfilgrastim)、バルグラスチム、レバセチルメタドール、インターフェロンガンマ、インターフェロンアルファ-2b、インターフェロンアルファ-n1、インターフェロンベータ-1a、ペグインターフェロンアルファ-2b、ペグインターフェロンベータ-1a、ロペグインターフェロンアルファ-2v、タソネルミン、ヒスタミン二塩酸塩、ミファムルチド(mifarmurtide)、プレリキサホル、シプロイセル-T、ダシプロチムト-T、ムロモナブ-CD3、ミコフェノール酸、シロリムス、レフルノミド、エファリズマブ、ナタリズマブ、アバタセプト、エクスリズマブ、オファツムマブ、フィンゴリモド、エルトロンボパグ、トファシチニブ、テリフルノミド、アプレミラスト、ベドリズマブ、バリシチニブ、オザニモド(ozamimod)、ウパダシチニブ、フィルゴチニブ、エタネルセプト、インフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブペゴル、ゴリムマブ、バルデコキシブ、アナキンラ、リロナセプト、ウステキヌマブ、トシリズマブ、カナキヌマブ、セクキヌマブ、ロピナビル、リトナビル、ブロダルマブ、イキセキズマブ、サリルマブ、タクロリムス、ボクロスポリン、サリドマイド、メトトレキサート、レナリドミド、ピルフェニドン、ポマリドミド、フマル酸ジメチル、ダルバドストロセルと組み合わせて、使用することができる。本明細書で使用される場合、本発明のリンパ球の集団、医薬および/または医薬組成物と組み合わせることは、リンパ球療法および1つまたは複数の追加の医薬が、一緒に、例えば同じ輸液剤で、投与される必要があることを示さない。組み合わせることは、同時投与および任意の順序での逐次投与を含む。組み合わせることは、1つまたは複数の薬剤が、例えば数日、数週間または数ヶ月の、時間枠にわたって複数回投与され、他の薬剤(単数または複数)が、1回だけ、または異なる投薬スキームに従って投与される、投与スキームも含む。組み合わせることは、薬剤が、治療効果が少なくともある程度重なるように意図的に投与される、任意のスキームを含む。
【0134】
3.詳細な説明
3.1 免疫療法のためのリンパ球
本発明は、少なくとも90%CD3+T細胞および5%未満B細胞を特徴とするリンパ球(好ましくはヒトリンパ球、より好ましくは初代ヒトリンパ球、最も好ましくは初代ヒトT細胞)の集団であって、前記T細胞部分の少なくとも70%が、生存可能であり、少なくとも50%が、CD27/CD28ダブルポジティブであり、10%未満が、CD45RA、CD57およびKLRG1に対してトリプルポジティブである、リンパ球の集団に、特に関する。本明細書で使用される場合、細胞または細胞集団に関して、用語「初代(の)」および類似の用語は、当技術分野におけるそれらの一般に理解されている意味に対応し、すなわち、生きている組織(すなわち、腫瘍試料または血液試料などの生検物)から直接得られた細胞、または対象からの細胞であって、培養で継代されていない、もしくは培養で継代され維持されているが不死化されていない、細胞を指す。初代細胞は、初代ヒトリンパ球であることが好ましい。初代細胞は、経た集団倍加があったとしても非常に少ない。
【0135】
本発明によるリンパ球の集団は、使用に、特に、養子細胞療法における使用に、好適であると本明細書に記載の、または好適であることが当技術分野において公知の、任意のリンパ球クラス、サブクラスまたはそれらの混合物を含み得る。しかし、本発明の方法は、治療以外の使用にも、例えば、スクリーニング方法における使用、および/またはモデル系、例えば、in vitroアッセイもしくはin vivo動物モデルに役立つモデル系、における使用にも、適用可能でもあり得るはずである。リンパ球(初代リンパ球であることもあり、または細胞系に由来することもある)の非限定的な例としては、NK細胞、炎症性Tリンパ球、細胞傷害性Tリンパ球、ヘルパーTリンパ球、CD4+Tリンパ球、CD8+Tリンパ球、γδTリンパ球、インバリアントTリンパ球、NKリンパ球、Bリンパ球およびマクロファージが挙げられる。
【0136】
リンパ球の集団に含まれているCD3+T細胞の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%または少なくとも90%は、CD8+T細胞であることが、本明細書では好ましい。
【0137】
3.2 代謝的特徴付け
リンパ球(好ましくはヒトリンパ球、より好ましくは初代ヒトリンパ球、最も好ましくは初代ヒトT細胞)の集団を、拡大後に1つまたは複数の表現型マーカーの発現について解析することができる。一部の実施形態では、マーカーは、TCRab(すなわち、TCR.アルファ./.ベータ.)、CD57、CD28、CD4、CD27、CD56、CD8a、CD45RA、CD8a、CCR7、CD4、CD3、CD38、CD45RA、およびHLA-DRのうちの1つまたは複数から選択される。一部の実施形態では、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14のマーカーの発現が調査される。
【0138】
リンパ球(好ましくはヒトリンパ球、より好ましくは初代ヒトリンパ球、最も好ましくは初代ヒトT細胞)の集団を、1つまたは複数の制御性マーカーの発現について解析することができる。一部の実施形態では、制御性マーカーは、CD137、CD8a、Lag3、CD4、CD3、PD-1、TIM-3、CD69、CD8a、TIGIT、CD4、CD3、KLRG1およびCD154のうちの1つまたは複数から選択される。
【0139】
リンパ球(好ましくはヒトリンパ球、より好ましくは初代ヒトリンパ球、最も好ましくは初代ヒトT細胞)の集団を、1つまたは複数の表現型マーカーと1つまたは複数の制御性マーカーとの両方の発現について解析することが好ましい。したがって、リンパ球(好ましくはヒトリンパ球、より好ましくは初代ヒトリンパ球、最も好ましくは初代ヒトT細胞)の集団は、TCRab(すなわち、TCR.アルファ./.ベータ.)、CD57、CD28、CD4、CD27、CD56、CD8a、CD45RA、CD8a、CCR7、CD4、CD3、CD38、CD45RA、HLA-DR、CD137、CD8a、Lag3、CD4、CD3、PD-1、TIM-3、CD69、CD8a、TIGIT、CD4、CD3、KLRG1およびCD154のうちの1つまたは複数の発現について解析され得る。リンパ球の集団に含まれているCD3+T細胞の少なくとも50%は、CD27/CD28ダブルポジティブであり、リンパ球の集団に含まれているCD3+T細胞の10%未満は、CD45RA、CD57およびKLRG1に対してトリプルポジティブであることが好ましい。
【0140】
あるいは、リンパ球の集団に含まれているCD3+T細胞の少なくとも50%は、CD27/CD28ダブルポジティブであり、リンパ球の集団に含まれているCD3+T細胞の80%より多くは、CD57およびKLRG1に対してダブルネガティブであることが好ましい。
【0141】
好ましくは、リンパ球の集団に含まれているCD3+T細胞の細胞表面における上述のマーカーの存在は、フローサイトメトリーにより決定される。
【0142】
本明細書で使用される場合、用語「フローサイトメトリー」は、試料中の材料(例えば、特定のマーカーを含むリンパ球)の比率が、材料を(例えば、標識抗体を材料に結合させることにより)標識すること、材料を含有する流体流に一条の光線を通過するようにさせること、試料から放射される光を一連のフィルターおよび鏡により成分波長に分離すること、および光を検出することによって決定される、アッセイを指す。
【0143】
数多くのフローサイトメーターが市販されており、これらには、例えば、Becton Dickinson FACScanおよびFACScaliber(BD Biosciences、Mountain View、CA)のものが含まれる。FACS解析に使用され得る抗体は、幅広く市販されている。
【0144】
一部の実施形態では、リンパ球(好ましくはヒトリンパ球、より好ましくは初代ヒトリンパ球、最も好ましくは初代ヒトT細胞)の集団の生存率は、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%である。リンパ球の生存率は、当技術分野において公知の方法、例えば、本明細書において上で開示された方法のいずれか1つにより、決定することができる。
【0145】
リンパ球(好ましくはヒトリンパ球、より好ましくは初代ヒトリンパ球、最も好ましくは初代ヒトT細胞)の集団を、抗CD3抗体(例えば、OKT3)もしくは自己腫瘍消化物との共培養のどちらかでの刺激または抗原および/もしくはネオ抗原ペプチドでの刺激に応答してのインターフェロン-γ(IFN-γ)分泌について、評価することができる。当業者は、抗原および/またはネオ抗原ペプチドがMHC依存的に提示されるはずであることを承知している。
【0146】
一部の実施形態では、TILの健康は、IFN-ガンマ(IFN-γ)分泌により測定される。一部の実施形態では、IFN-γ分泌は、拡大された集団内の活性T細胞を示す。一部の実施形態では、IFN-γ産生についての効力アッセイが利用される。IFN-γ産生は、細胞傷害能のもう1つの尺度である。IFN-γ産生は、CD3、CD28、および/またはCD137/4-1BBに対する抗体での刺激の後に解析され得る、本明細書における方法に従って提供および産生されるリンパ球(好ましくはヒトリンパ球、より好ましくは初代ヒトリンパ球、最も好ましくは初代ヒトT細胞)の集団の培地中のサイトカインIFN-γのレベルを決定することにより、測定することができる。リンパ球(好ましくはヒトリンパ球、より好ましくは初代ヒトリンパ球、最も好ましくは初代ヒトT細胞)のこれらの刺激された集団からの培地中のIFN-γレベルを、IFN-γ放出を使用して/測定することにより、決定することができる。一部の実施形態では、IFN-γ分泌は、拡大の前の試料中の対応する細胞と比べて1倍、2倍、3倍、4倍、もしくは5倍またはそれより大きく増加される。
【0147】
一部の実施形態では、テロメア長を、細胞生存率および/または細胞機能の尺度として使用することができる。一部の実施形態では、テロメアは、本発明で提供されるもの以外の方法を使用して調製されるリンパ球集団と比較して、本発明により産生されるリンパ球集団では驚くほど同じ長さである。多様な方法が、ゲノムDNAおよび細胞標品におけるテロメアの長さを測定するために使用されている。テロメア制限断片(TRF)解析は、テロメア長を測定するための絶対的基準である。しかし、TRFの大きな制約は、大量のDNAを必要とすることである。テロメア長の測定に広く使用されている2つの技法、すなわち、蛍光in situハイブリダイゼーション(例えば、FISH;Agilent Technologies、Santa Clara、Calif.)および定量的PCRを、本発明とともに利用することができる。一部の実施形態では、試料の最初に採取したリンパ球(またはそれらの任意の亜集団、例えばT細胞)と、拡大の後のリンパ球および/またはT細胞の集団との間に、テロメア長の変化はない。
【0148】
3.3 リンパ球源
本明細書に記載される初代リンパ球は、血液試料から単離された末梢血単核細胞、骨髄、リンパ節組織、臍帯血、胸腺組織、感染部位からの組織、腹水、胸膜滲出液、脾臓組織、および/または腫瘍を含むがこれらに限定されない、多数の組織源から、当技術分野において公知のまたは本明細書に記載される任意の方法により、単離することおよび/または得ることができる。本発明の方法において、例えば、リンパ球(好ましくはヒトリンパ球、より好ましくは初代ヒトリンパ球、最も好ましくは初代ヒトT細胞)の集団を生成するために、使用される単離された細胞および/または試料は、固形か循環かを問わず腫瘍試料に由来する集団から(例えば、TILの単離のために)または感染組織(例えば、ウイルス、細菌もしくは寄生虫に感染している組織)に由来する集団から、得られるおよび/または単離されることが好ましい。患者からまたはドナーからリンパ球の特定の集団を単離する/得るための方法は、当技術分野において周知であり、第1のステップとして、例えば、そのような細胞を含有すると分かっているまたは予想されるドナーまたは患者試料を単離すること/得ることを含む。
【0149】
例えば、リンパ球(好ましくはヒトリンパ球、より好ましくは初代ヒトリンパ球、最も好ましくは初代ヒトT細胞(TILを含む))を患者腫瘍試料から得ることができ、そしてその後、より大きな集団へと拡大することができる。そのような拡大された細胞および/または集団は、拡大の後に、保管、および投与前の取扱いのために、必要に応じて凍結保存され得る。
【0150】
患者腫瘍試料は、当技術分野において公知の方法を使用して、一般には、外科的摘除、針生検、または腫瘍とリンパ球の混合物を含有する試料を得るための他の手段によって、得ることができる。一般に、腫瘍試料は、原発腫瘍、浸潤性腫瘍または転移性腫瘍を含む、任意の固形腫瘍からのものであり得る。腫瘍試料はまた、血液悪性疾患から得られる腫瘍などの、液性腫瘍であり得る。固形腫瘍は、乳房、膵臓、前立腺、結腸直腸、肺、脳、腎、胃および皮膚のものを含むがこれらに限定されない、任意のがん型(扁平上皮癌、基底細胞癌、およびメラノーマを含むがこれらに限定されない)のものであり得る。試料は、T細胞、特にTIL、を含有すると分かっているまたは思われるものであることが、最も好ましい。一部の実施形態では、有用なTILは、悪性メラノーマ腫瘍から得られる。これらは、特に高レベルのリンパ球、特にTIL、を有すると報告されているからである。
【0151】
用語「固形腫瘍」は、嚢胞も液体領域も通常は含有しない、組織の異常な塊を指す。固形腫瘍は、良性であることもあり、または悪性であることもある。用語「固形腫瘍がん」は、悪性、新生物性、またはがん性固形腫瘍を指す。固形腫瘍がんには、これらに限定されないが、肉腫、癌腫およびリンパ腫、例えば、肺がん、乳がん、トリプルネガティブ乳がん、前立腺がん、結腸がん、直腸がんおよび膀胱がんが含まれる。一部の実施形態では、がんは、子宮頸がん、頭頸部がん(例えば、頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)を含む)、神経膠芽腫、卵巣がん、肉腫、膵臓がん、膀胱がん、乳がん、トリプルネガティブ乳がん、および小細胞肺癌から選択される。固形腫瘍の組織構造は、実質細胞(がん細胞)と支持間質細胞とを含む相互依存性組織区画を含み、この区画にがん細胞が分散され、この区画が支持微小環境を提供し得る。
【0152】
試料を単離した/得た後、所望の細胞、例えば、ヒトリンパ球および/またはT細胞(例えば、TIL)を、所望の細胞クラス、サブクラスの、または所望の特異性を有する細胞の、優先的成長および拡大を可能にする条件下で、培養することができる。特に、この方法は、幹細胞性を維持する集団であって、ターミナルエフェクター細胞の低いパーセンテージを示す集団の単離/入手を可能にし、そのような集団は、増大した複製能力および/または高い細胞致死活性能力があることが当技術分野において公知である。そのような細胞は、本明細書の他の箇所で開示されるように、CD27およびCD28の高発現、CD45RA、CD57およびKLRG1の低発現、ならびにTNF-α、IL-4、IL-5ならびに必要に応じてグランザイムBおよびパーフォリンの低分泌を特徴とする。
【0153】
3.4 抗原特異性
本発明は、定義された特異性を有する、すなわち、特定の抗原を発現する細胞に方向付けられた標的化致死活性を有する、リンパ球(好ましくはヒトリンパ球、より好ましくは初代ヒトリンパ球、および最も好ましくは初代ヒトT細胞(TILなど))を生成するための方法を提供する。当技術分野において公知であるように、リンパ球応答、特にT細胞応答は、特に、MHC複合体との関連で、T細胞受容体によるペプチドの認識に依存する。したがって、本発明は、所望の応答が向けられることになるペプチドの存在下でのリンパ球集団の培養を提供する。例えば、ペプチドは、疾患に関連する公知抗原であり得、および/または処置されることになる対象において決定される抗原、例えば、腫瘍試料もしくは感染組織の試料の解析から決定されるようなネオ抗原であり得る。リンパ球および/またはリンパ球培養物を含む試料は、2~300の間のペプチドに(本明細書に記載されるように、可溶性ペプチドとしてであるか、抗原提示細胞(APC)により提示されているものであるかを問わず)曝露され得る。
【0154】
リンパ球を伴う培養物(またはリンパ球を含む試料)に含めることになるペプチドは、可溶性形態であり得る。可溶性ペプチドが使用される場合、それらは、0.1~10マイクロモル、0.5~5マイクロモル、または1~2マイクロモルの濃度でリンパ球とともに培養され得る。代替的にまたは加えて、培養物中のペプチドは、当技術分野において公知であるようにAPCにより提示され得る。
【0155】
抗原ペプチドは、それらがMHC依存的にB細胞によりリンパ球に提示され得るように、培養物に添加されることが好ましい。好ましくは、リンパ球に添加されるペプチドは、9~35アミノ酸の間、9~30アミノ酸の間、9~25アミノ酸の間の長さを有する。ある特定の実施形態では、リンパ球に添加される抗原ペプチドは、MHCクラスI分子により提示されるペプチドである。そのようなペプチドは、通常、9~12アミノ酸の長さを有する。ある特定の実施形態では、リンパ球に添加される抗原ペプチドは、MHCクラスII分子により提示されるペプチドである。そのようなペプチドは、通常、13~25アミノ酸の長さを有する。ある特定の実施形態では、リンパ球に添加される抗原ペプチドは、MHCクラスIまたはMHCクラスII分子により提示されるペプチドのミックスであり得る。そのようなペプチドは、9~25アミノ酸の長さを有し得る。しかし、培養物に添加されるペプチドは、より長いペプチドであることもあり、より長いペプチドは、APCにより取り込まれ、プロセシングされてより短いペプチドとなり、それがMHC依存的に提示され得る。
【0156】
本明細書における方法に役立つAPCの非限定的な例としては、B細胞が挙げられる。B細胞が、提示される抗原に応答性であるリンパ球、特にT細胞(TILを含む)、の特定の集団を刺激することは、公知である。APC、例えば、B細胞は、本明細書に記載されるように、同種異系源(1名もしくは複数のドナーからの1つもしくは複数のアフェレーシス品)からのものまたは自己のもののどちらかであり得る。当技術分野において公知の方法に従って、APCを、凍結されたまたは新鮮なアフェレーシス品から回収することができる。B細胞に関しては、それらを、LOVO(Fresenius Kabi)、Prodigy(Miltenyi biotec)、EKKO(Millipore、Sigma)機器または他の細胞分離技術を使用して選択することができる。APC、特にB細胞を、例えば、抗体CD40コーティングビーズ(Miltenyi Biotecおよび/またはAdipogen)を使用して、活性化することができる。自己または同種異系APCを、本明細書で開示の抗原を発現するようにmRNAで処理することができる。加えて、回収されたペプチドの配列を含有するヌクレオチド配列の存在下でAPCを培養することができ、同じ形質導入を培養中のTILまたはT細胞で行うことができるだろう。
【0157】
APC、例えば、B細胞を、当技術分野において公知のまたは本明細書に記載される任意の手段により、所望の抗原を提示するように操作することができ、例えば、細胞表面におけるMHCとの関連での提示のために、ペプチドでコーティングすることができ、または抗原を発現させ、プロセシングするように組換え技術により操作することができる。非限定的な例では、APCは、リンパ球を含有すると分かっているまたは考えられる試料との培養の前に、静置培養でまたはバイオリアクターにおいて、0~4日間インキュベートされ、拡大される、または直ちにトランスフェクトされる、および/または最大4日間まで拡大される、いずれかの可能性がある。APCの培養のためのバイオリアクターとしては、ADVA(ADVA Biotechから);WAVE Bioreactor(Cytiva)、GRex(Wilson Wolff)、Ori Bioreactor(Ori)、およびCocoon(Lonza)が挙げられるが、これらに限定されない。あるいは、APCをガス透過性培養バッグで培養することもできる。B細胞に関しては、CD20+細胞について試験することにより品質を評価することができる。特定の実施形態では、B細胞培養物の中の細胞の85%またはそれより多くが、CD20+である。
【0158】
ある特定の実施形態では、B細胞は、それらがリンパ球に添加される前に調製される。最初に、B細胞を、細胞選択によってPBMCから得ることができる。PBMCは、好ましくはアフェレーシスにより得られる。B細胞(または任意の他のタイプのAPC)が、自己細胞療法のためのリンパ球の集団の調製に使用される場合、B細胞はリンパ球と同じ患者から採取される必要がある。
【0159】
PBMCからB細胞を単離するためのキットは、当技術分野において公知であり、市販されている。単離されたB細胞は、好ましくは、それらをリンパ球に添加する前に活性化される。好ましくは、B細胞は、0~20日、0~15日、0~12日、0~10日、0~7日、0~5日または0~2日間、活性化される。ある特定の実施形態では、B細胞は、1~48時間、8~48時間または12~36時間、活性化され得る。例えば、B細胞の活性化は、B細胞をIL-4および/またはCD40Lと接触させることにより達成され得る。さらに、B細胞は、IL-21の存在下で活性化され得る。
【0160】
APCが、目的の抗原を発現するようにトランスフェクトされる場合、それを、電気穿孔、PEG、リポフェクションまたはCrispr Casを含むがこれらに限定されない、当技術分野において公知の任意の手段により行うことができる。代替的にまたは加えて、例えば、OX40L、4-1BBL、CD80、CD86、CD83、CD70、CD40L、GITR-L、CD127L、CD30L(CD153)、LIGHT、BTLA、ICOS-L(CD275)、SLAM(CD150)、CD662L、インターロイキン-12、インターロイキン-7、インターロイキン-15、インターロイキン-17、インターロイキン-21、インターロイキン-4、Bcl6、Bcl-XL、BCL-2、MCL1、またはSTAT-5などの免疫調節因子を発現するように、APCにトランスフェクトすることができる。代替的にまたは加えて、少なくとも1つのシグナル伝達経路、例えば、JAK/STAT経路、Akt/PBK AKTシグナル伝達経路、BCRシグナル伝達経路、またはBAFF/BAFFRシグナル伝達経路、の1つまたは複数の活性化因子を、APCにトランスフェクトすることができる。
【0161】
非限定的な例では、APCは、配列番号1:
MVSHRYPRIQSIKVQFTEYKKEKGFILTSQKEDEIMKVQNNSVIINCDGFYLISLKGYFSQEVNISLHYQKDEEPLFQLKKVRSVNSLMVASLTYKDKVYLNVTTDNTSLDDFHVNGGELILIHQNPGEFCVL;
で示されるヒトOX40L、または配列番号2:
ATGGTATCACATCGGTATCCTCGAATTCAAAGTATCAAAGTACAATTTACCGAATATAAGAAGGAGAAAGGTTTCATCCTCACTTCCCAAAAGGAGGATGAAATCATGAAGGTGCAGAACAACTCAGTCATCATCAACTGTGATGGGTTTTATCTCATCTCCCTGAAGGGCTACTTCTCCCAGGAAGTCAACATTAGCCTTCATTACCAGAAGGATGAGGAGCCCCTCTTCCAACTGAAGAAGGTCAGGTCTGTCAACTCCTTGATGGTGGCCTCTCTGACTTACAAAGACAAAGTCTACTTGAATGTGACCACTGACAATACCTCCCTGGATGACTTCCATGTGAATGGCGGAGAACTGATTCTTATCCATCAAAATCCTGGTGAATTCTGTGTCCTTTGA
で示されるDNA配列によりコードされるヒトOX40Lを発現し得る。
【0162】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号3:
MEGEGVQPLDENLENGSRPRFKWKKTLRLVVSGIKGAGMLLCFIYVCLQLSSSPAKDPPIQRLRGAVTRCEDGQLFISSYKNEYQTMEVQNNSVVIKCDGLYIIYLKGSFFQEVKIDHFREDHNPISIPMLNDGRRIVFTVVASLAFKDKVYLTVNAPDTLCEHLQINDGELIVVQLTPGYCAPEGSYHSTVNQVPL;
で示されるマウスOX40L、または配列番号4:
ATGGAAGGGGAAGGGGTTCAACCCCTGGATGAGAATCTGGAAAACGGATCAAGGCCAAGATTCAAGTGGAAGAAGACGCTAAGGCTGGTGGTCTCTGGGATCAAGGGAGCAGGGATGCTTCTGTGCTTCATCTATGTCTGCCTGCAACTCTCTTCCTCTCCGGCAAAGGACCCTCCAATCCAAAGACTCAGAGGAGCAGTTACCAGATGTGAGGATGGGCAACTATTCATCAGCTCATACAAGAATGAGTATCAAACTATGGAGGTGCAGAACAATTCGGTTGTCATCAAGTGCGATGGGCTTTATATCATCTACCTGAAGGGCTCCTTTTTCCAGGAGGTCAAGATTGACCTTCATTTCCGGGAGGATCATAATCCCATCTCTATTCCAATGCTGAACGATGGTCGAAGGATTGTCTTCACTGTGGTGGCCTCTTTGGCTTTCAAAGATAAAGTTTACCTGACTGTAAATGCTCCTGATACTCTCTGCGAACACCTCCAGATAAATGATGGGGAGCTGATTGTTGTCCAGCTAACGCCTGGATACTGTGCTCCTGAAGGATCTTACCACAGCACTGTGAACCAAGTACCACTGTGA
で示されるDNA配列によりコードされるマウスOX40Lを発現し得る。
【0163】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号5:
MEYASDASLDPEAPWPPAPRARACRVLPWALVAGLLLLLLLAAACAVFLACPWAVSGARASPGSAASPRLREGPELSPDDPAGLLDLRQGMFAQLVAQNVLLIDGPLSWYSDPGLAGVSLTGGLSYKEDTKELVVAKAGVYYVFFQLELRRVVAGEGSGSVSLALHLQPLRSAAGAAALALTVDLPPASSEARNSAFGFQGRLLHLSAGQRLGVHLHTEARARHAWQLTQGATVLGLFRVTPEIPAGLPSPRSE;
で示されるヒト4-1BBL、または配列番号6:
ATGGAATACGCCTCTGACGCTTCACTGGACCCCGAAGCCCCGTGGCCTCCCGCGCCCCGCGCTCGCGCCTGCCGCGTACTGCCTTGGGCCCTGGTCGCGGGGCTGCTGCTGCTGCTGCTGCTCGCTGCCGCCTGCGCCGTCTTCCTCGCCTGCCCCTGGGCCGTGTCCGGGGCTCGCGCCTCGCCCGGCTCCGCGGCCAGCCCGAGACTCCGCGAGGGTCCCGAGCTTTCGCCCGACGATCCCGCCGGCCTCTTGGACCTGCGGCAGGGCATGTTTGCGCAGCTGGTGGCCCAAAATGTTCTGCTGATCGATGGGCCCCTGAGCTGGTACAGTGACCCAGGCCTGGCAGGCGTGTCCCTGACGGGGGGCCTGAGCTACAAAGAGGACACGAAGGAGCTGGTGGTGGCCAAGGCTGGAGTCTACTATGTCTTCTTTCAACTAGAGCTGCGGCGCGTGGTGGCCGGCGAGGGCTCAGGCTCCGTTTCACTTGCGCTGCACCTGCAGCCACTGCGCTCTGCTGCTGGGGCCGCCGCCCTGGCTTTGACCGTGGACCTGCCACCCGCCTCCTCCGAGGCTCGGAACTCGGCCTTCGGTTTCCAGGGCCGCTTGCTGCACCTGAGTGCCGGCCAGCGCCTGGGCGTCCATCTTCACACTGAGGCCAGGGCACGCCATGCCTGGCAGCTTACCCAGGGCGCCACAGTCTTGGGACTCTTCCGGGTGACCCCCGAAATCCCAGCCGGACTCCCTTCACCGAGGTCGGAATAA
で示されるDNA配列によりコードされるヒト4-1BBLを発現し得る。
【0164】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号7:
MDQHTLDVEDTADARHPAGTSCPSDAALLRDTGLLADAALLSDTVRPTNAALPTDAAYPAVNVRDREAAWPPALNFCSRHPKLYGLVALVLLLLIAACVPIFTRTEPRPALTITTSPNLGTRENNADQVTPVSHIGCPNTTQQGSPVFAKLLAKNQASLCNTTLNWHSQDGAGSSYLSQGLRYEEDKKELVVDSPGLYYVFLELKLSPTFTNTGHKVQGWVSLVLQAKPQVDDFDNLALTVELFPCSMENKLVDRSWSQLLLLKAGHRLSVGLRAYLHGAQDAYRDWELSYPNTTSFGLFLVKPDNPWE;
で示されるマウス4-1BBL、または配列番号8:
ATGGACCAGCACACACTTGATGTGGAGGATACCGCGGATGCCAGACATCCAGCAGGTACTTCGTGCCCCTCGGATGCGGCGCTCCTCAGAGATACCGGGCTCCTCGCGGACGCTGCGCTCCTCTCAGATACTGTGCGCCCCACAAATGCCGCGCTCCCCACGGATGCTGCCTACCCTGCGGTTAATGTTCGGGATCGCGAGGCCGCGTGGCCGCCTGCACTGAACTTCTGTTCCCGCCACCCAAAGCTCTATGGCCTAGTCGCTTTGGTTTTGCTGCTTCTGATCGCCGCCTGTGTTCCTATCTTCACCCGCACCGAGCCTCGGCCAGCGCTCACAATCACCACCTCGCCCAACCTGGGTACCCGAGAGAATAATGCAGACCAGGTCACCCCTGTTTCCCACATTGGCTGCCCCAACACTACACAACAGGGCTCTCCTGTGTTCGCCAAGCTACTGGCTAAAAACCAAGCATCGTTGTGCAATACAACTCTGAACTGGCACAGCCAAGATGGAGCTGGGAGCTCATACCTATCTCAAGGTCTGAGGTACGAAGAAGACAAAAAGGAGTTGGTGGTAGACAGTCCCGGGCTCTACTACGTATTTTTGGAACTGAAGCTCAGTCCAACATTCACAAACACAGGCCACAAGGTGCAGGGCTGGGTCTCTCTTGTTTTGCAAGCAAAGCCTCAGGTAGATGACTTTGACAACTTGGCCCTGACAGTGGAACTGTTCCCTTGCTCCATGGAGAACAAGTTAGTGGACCGTTCCTGGAGTCAACTGTTGCTCCTGAAGGCTGGCCACCGCCTCAGTGTGGGTCTGAGGGCTTATCTGCATGGAGCCCAGGATGCATACAGAGACTGGGAGCTGTCTTATCCCAACACCACCAGCTTTGGACTCTTTCTTGTGAAACCCGACAACCCATGGGAATGA
で示されるDNA配列によりコードされるマウス4-1BBLを発現し得る。
【0165】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号9:
MEVPPPAPRSFLCRALCLFPRVFAAEAVTADSEVLEERQKRLPYVPEPYYPESGWDRLRELFGKDEQQRISKDLANICKTAATAGIIGWVYGGIPAFIHAKQQYIEQSQAEIYHNRFDAVQSAHRAATRGFIRYGWRWGWRTAVFVTIFNTVNTSLNVYRNKDALSHFVIAGAVTGSLFRINVGLRGLVAGGIIGALLGTPVGGLLMAFQKYSGETVQERKQKDRKALHELKLEEWKGRLQVTEHLPEKIESSLQEDEPENDAKKIEALLNLPRNPSVIDKQDKD;
で示されるヒトCD80、または配列番号10:
ATGGAGGTGCCGCCACCGGCACCGCGGAGCTTTCTCTGTAGAGCATTGTGCCTATTTCCCCGAGTCTTTGCTGCCGAAGCTGTGACTGCCGATTCGGAAGTCCTTGAGGAGCGTCAGAAGCGGCTTCCCTACGTCCCAGAGCCCTATTACCCGGAATCTGGATGGGACCGCCTCCGGGAGCTGTTTGGCAAAGATGAACAGCAGAGAATTTCAAAGGACCTTGCTAATATCTGTAAGACGGCAGCTACAGCAGGCATCATTGGCTGGGTGTATGGGGGAATACCAGCTTTTATTCATGCTAAACAACAATACATTGAGCAGAGCCAGGCAGAAATTTATCATAACCGGTTTGATGCTGTGCAATCTGCACATCGTGCTGCCACACGAGGCTTCATTCGTTATGGCTGGCGCTGGGGTTGGAGAACTGCAGTGTTTGTGACTATATTCAACACAGTGAACACTAGTCTGAATGTATACCGAAATAAAGATGCCTTAAGCCATTTTGTAATTGCAGGAGCTGTCACGGGAAGTCTTTTTAGGATAAACGTAGGCCTGCGTGGCCTGGTGGCTGGTGGCATAATTGGAGCCTTGCTGGGCACTCCTGTAGGAGGCCTGCTGATGGCATTTCAGAAGTACTCTGGTGAGACTGTTCAGGAAAGAAAACAGAAGGATCGAAAGGCACTCCATGAGCTAAAACTGGAAGAGTGGAAAGGCAGACTACAAGTTACTGAGCACCTCCCTGAGAAAATTGAAAGTAGTTTACAGGAAGATGAACCTGAGAATGATGCTAAGAAAATTGAAGCACTGCTAAACCTTCCTAGAAACCCTTCAGTAATAGATAAACAAGACAAGGACTGA
で示されるDNA配列によりコードされるヒトCD80を発現し得る。
【0166】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号11:
MACNCQLMQDTPLLKFPCPRLILLFVLLIRLSQVSSDVDEQLSKSVKDKVLLPCRYNSPHEDESEDRIYWQKHDKVVLSVIAGKLKVWPEYKNRTLYDNTTYSLIILGLVLSDRGTYSCVVQKKERGTYEVKHLALVKLSIKADFSTPNITESGNPSADTKRITCFASGGFPKPRFSWLENGRELPGINTTISQDPESELYTISSQLDFNTTRNHTIKCLIKYGDAHVSEDFTWEKPPEDPPDSKNTLVLFGAGFGAVITVVVIVVIIKCFCKHRSCFRRNEASRETNNSLTFGPEEALAEQTVFL;
で示されるマウスCD80、または配列番号12:
ATGGCTTGCAATTGTCAGTTGATGCAGGATACACCACTCCTCAAGTTTCCATGTCCAAGGCTCATTCTTCTCTTTGTGCTGCTGATTCGTCTTTCACAAGTGTCTTCAGATGTTGATGAACAACTGTCCAAGTCAGTGAAAGATAAGGTATTGCTGCCTTGCCGTTACAACTCTCCTCATGAAGATGAGTCTGAAGACCGAATCTACTGGCAAAAACATGACAAAGTGGTGCTGTCTGTCATTGCTGGGAAACTAAAAGTGTGGCCCGAGTATAAGAACCGGACTTTATATGACAACACTACCTACTCTCTTATCATCCTGGGCCTGGTCCTTTCAGACCGGGGCACATACAGCTGTGTCGTTCAAAAGAAGGAAAGAGGAACGTATGAAGTTAAACACTTGGCTTTAGTAAAGTTGTCCATCAAAGCTGACTTCTCTACCCCCAACATAACTGAGTCTGGAAACCCATCTGCAGACACTAAAAGGATTACCTGCTTTGCTTCCGGGGGTTTCCCAAAGCCTCGCTTCTCTTGGTTGGAAAATGGAAGAGAATTACCTGGCATCAATACGACAATTTCCCAGGATCCTGAATCTGAATTGTACACCATTAGTAGCCAACTAGATTTCAATACGACTCGCAACCACACCATTAAGTGTCTCATTAAATATGGAGATGCTCACGTGTCAGAGGACTTCACCTGGGAAAAACCCCCAGAAGACCCTCCTGATAGCAAGAACACACTTGTGCTCTTTGGGGCAGGATTCGGCGCAGTAATAACAGTCGTCGTCATCGTTGTCATCATCAAATGCTTCTGTAAGCACAGAAGCTGTTTCAGAAGAAATGAGGCAAGCAGAGAAACAAACAACAGCCTTACCTTCGGGCCTGAAGAAGCATTAGCTGAACAGACCGTCTTCCTT
で示されるDNA配列によりコードされるマウスCD80を発現し得る。
【0167】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号13:
MGRTSFDSDSWTLRLHNLQIKDKGLYQCIIHHKKPTGMIRIHQMNSELSVLANFSQPEIVPISNITENVYINLTCSSIHGYPEPKKMSVLLRTKNSTIEYDGVMQKSQDNVTELYDVSISLSVSFPDVTSNMTIFCILETDKTRLLSSPFSIELEDPQPPPDHIPWITAVLPTVIICVMVFCLILWKWKKKKRPRNSYKCGTNTMEREESEQTKKREKIHIPERSDEAQRVFKSSKTSSCDKSDTCF;
で示されるヒトCD86、または配列番号14:
ATGGGCCGCACAAGTTTTGATTCGGACAGTTGGACCCTGAGACTTCACAATCTTCAGATCAAGGACAAGGGCTTGTATCAATGTATCATCCATCACAAAAAGCCCACAGGAATGATTCGCATCCACCAGATGAATTCTGAACTGTCAGTGCTTGCTAACTTCAGTCAACCTGAAATAGTACCAATTTCTAATATAACAGAAAATGTGTACATAAATTTGACCTGCTCATCTATACACGGTTACCCAGAACCTAAGAAGATGAGTGTTTTGCTAAGAACCAAGAATTCAACTATCGAGTATGATGGTGTTATGCAGAAATCTCAAGATAATGTCACAGAACTGTACGACGTTTCCATCAGCTTGTCTGTTTCATTCCCTGATGTTACGAGCAATATGACCATCTTCTGTATTCTGGAAACTGACAAGACGCGGCTTTTATCTTCACCTTTCTCTATAGAGCTTGAGGACCCTCAGCCTCCCCCAGACCACATTCCTTGGATTACAGCTGTACTTCCAACAGTTATTATATGTGTGATGGTTTTCTGTCTAATTCTATGGAAATGGAAGAAGAAGAAGCGGCCTCGCAACTCTTATAAATGTGGAACCAACACAATGGAGAGGGAAGAGAGTGAACAGACCAAGAAAAGAGAAAAAATCCATATACCTGAAAGATCTGATGAAGCCCAGCGTGTTTTTAAAAGTTCGAAGACATCTTCATGCGACAAAAGTGATACATGTTTTTAA
で示されるDNA配列によりコードされるヒトCD86を発現し得る。
【0168】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号15:
MDPRCTMGLAILIFVTVLLISDAVSVETQAYFNGTAYLPCPFTKAQNISLSELVVFWQDQQKLVLYEHYLGTEKLDSVNAKYLGRTSFDRNNWTLRLHNVQIKDMGSYDCFIQKKPPTGSIILQQTLTELSVIANFSEPEIKLAQNVTGNSGINLTCTSKQGHPKPKKMYFLITNSTNEYGDNMQISQDNVTELFSISNSLSLSFPDGVWHMTVVCVLETESMKISSKPLNFTQEFPSPQTYWKEITASVTVALLLVMLLIIVCHKKPNQPSRPSNTASKLERDSNADRETINLKELEPQIASAKPNAE;
で示されるマウスCD86、または配列番号16:
ATGGACCCCAGATGCACCATGGGCTTGGCAATCCTTATCTTTGTGACAGTCTTGCTGATCTCAGATGCTGTTTCCGTGGAGACGCAAGCTTATTTCAATGGGACTGCATATCTGCCGTGCCCATTTACAAAGGCTCAAAACATAAGCCTGAGTGAGCTGGTAGTATTTTGGCAGGACCAGCAAAAGTTGGTTCTGTACGAGCACTATTTGGGCACAGAGAAACTTGATAGTGTGAATGCCAAGTACCTGGGCCGCACGAGCTTTGACAGGAACAACTGGACTCTACGACTTCACAATGTTCAGATCAAGGACATGGGCTCGTATGATTGTTTTATACAAAAAAAGCCACCCACAGGATCAATTATCCTCCAACAGACATTAACAGAACTGTCAGTGATCGCCAACTTCAGTGAACCTGAAATAAAACTGGCTCAGAATGTAACAGGAAATTCTGGCATAAATTTGACCTGCACGTCTAAGCAAGGTCACCCGAAACCTAAGAAGATGTATTTTCTGATAACTAATTCAACTAATGAGTATGGTGATAACATGCAGATATCACAAGATAATGTCACAGAACTGTTCAGTATCTCCAACAGCCTCTCTCTTTCATTCCCGGATGGTGTGTGGCATATGACCGTTGTGTGTGTTCTGGAAACGGAGTCAATGAAGATTTCCTCCAAACCTCTCAATTTCACTCAAGAGTTTCCATCTCCTCAAACGTATTGGAAGGAGATTACAGCTTCAGTTACTGTGGCCCTCCTCCTTGTGATGCTGCTCATCATTGTATGTCACAAGAAGCCGAATCAGCCTAGCAGGCCCAGCAACACAGCCTCTAAGTTAGAGCGGGATAGTAACGCTGACAGAGAGACTATCAACCTGAAGGAACTTGAACCCCAAATTGCTTCAGCAAAACCAAATGCAGAGTGA
で示されるDNA配列によりコードされるマウスCD86を発現し得る。
【0169】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号17:
METPQEDHLRGQHYHQKGQNGSFDAPNERPYSLKIRNTTSCNSGTYRCTLQDPDGQRNLSGKVILRVTGCPAQRKEETFKKYRAEIVLLLALVIFYLTLIIFTCKFARLQSIFPDFSKAGMERAFLPVTSPNKHLGLVTPHKTELV;
で示されるヒトCD83、または配列番号18:
ATGGAGACACCCCAGGAAGACCACCTCAGGGGACAGCACTATCATCAGAAGGGGCAAAATGGTTCTTTCGACGCCCCCAATGAAAGGCCCTATTCCCTGAAGATCCGAAACACTACCAGCTGCAACTCGGGGACATACAGGTGCACTCTGCAGGACCCGGATGGGCAGAGAAACCTAAGTGGCAAGGTGATCTTGAGAGTGACAGGATGCCCTGCACAGCGTAAAGAAGAGACTTTTAAGAAATACAGAGCGGAGATTGTCCTGCTGCTGGCTCTGGTTATTTTCTACTTAACACTCATCATTTTCACTTGTAAGTTTGCACGGCTACAGAGTATCTTCCCAGATTTTTCTAAAGCTGGCATGGAACGAGCTTTTCTCCCAGTTACCTCCCCAAATAAGCATTTAGGGCTAGTGACTCCTCACAAGACAGAACTGGTATGA
で示されるDNA配列によりコードされるヒトCD83を発現し得る。
【0170】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号19:
MSQGLQLLFLGCACSLAPAMAMREVTVACSETADLPCTAPWDPQLSYAVSWAKVSESGTESVELPESKQNSSFEAPRRRAYSLTIQNTTICSSGTYRCALQELGGQRNLSGTVVLKVTGCPKEATESTFRKYRAEAVLLFSLVVFYLTLIIFTCKFARLQSIFPDISKPGTEQAFLPVTSPSKHLGPVTLPKTETV;
で示されるマウスCD83、または配列番号20:
ATGTCGCAAGGCCTCCAGCTCCTGTTTCTAGGCTGCGCCTGCAGCCTGGCACCCGCGATGGCGATGCGGGAGGTGACGGTGGCTTGCTCCGAGACCGCCGACTTGCCTTGCACAGCGCCCTGGGACCCGCAGCTCTCCTATGCAGTGTCCTGGGCCAAGGTCTCCGAGAGTGGCACTGAGAGTGTGGAGCTCCCGGAGAGCAAGCAAAACAGCTCCTTCGAGGCCCCCAGGAGAAGGGCCTATTCCCTGACGATCCAAAACACTACCATCTGCAGCTCGGGCACCTACAGGTGTGCCCTGCAGGAGCTCGGAGGGCAGCGCAACTTGAGCGGCACCGTGGTTCTGAAGGTGACAGGATGCCCCAAGGAAGCTACAGAGTCAACTTTCAGGAAGTACAGGGCAGAAGCTGTGTTGCTCTTCTCTCTGGTTGTTTTCTACCTGACACTCATCATTTTCACCTGCAAATTTGCACGACTACAAAGCATTTTCCCAGATATTTCTAAACCTGGTACGGAACAAGCTTTTCTTCCAGTCACCTCCCCAAGCAAACATTTGGGGCCAGTGACCCTTCCTAAGACAGAAACGGTATGA
で示されるDNA配列によりコードされるマウスCD83を発現し得る。
【0171】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号21:
MPEEGSGCSVRRRPYGCVLRAALVPLVAGLVICLVVCIQRFAQAQQQLPLESLGWDVAELQLNHTGPQQDPRLYWQGGPALGRSFLHGPELDKGQLRIHRDGIYMVHIQVTLAICSSTTASRHHPTTLAVGICSPASRSISLLRLSFHQGLFGFWNWGLKVKCFLRHLIWTAHCFIPLTQLVFMQALQSWRNHHCSHFTDEENRGVNR;
で示されるヒトCD70、または配列番号22:
ATGCCGGAGGAGGGTTCGGGCTGCTCGGTGCGGCGCAGGCCCTATGGGTGCGTCCTGCGGGCTGCTTTGGTCCCATTGGTCGCGGGCTTGGTGATCTGCCTCGTGGTGTGCATCCAGCGCTTCGCACAGGCTCAGCAGCAGCTGCCGCTCGAGTCACTTGGGTGGGACGTAGCTGAGCTGCAGCTGAATCACACAGGACCTCAGCAGGACCCCAGGCTATACTGGCAGGGGGGCCCAGCACTGGGCCGCTCCTTCCTGCATGGACCAGAGCTGGACAAGGGGCAGCTACGTATCCATCGTGATGGCATCTACATGGTACACATCCAGGTGACGCTGGCCATCTGCTCCTCCACGACGGCCTCCAGGCACCACCCCACCACCCTGGCCGTGGGAATCTGCTCTCCCGCCTCCCGTAGCATCAGCCTGCTGCGTCTCAGCTTCCACCAAGGGCTTTTTGGATTTTGGAACTGGGGACTCAAAGTCAAGTGCTTCTTACGGCATTTAATATGGACTGCACACTGTTTTATCCCATTAACTCAGCTCGTGTTCATGCAAGCCCTACAAAGCTGGAGGAATCATCATTGTTCCCATTTCACAGATGAGGAAAACAGAGGCGTAAACCGTTGA
で示されるDNA配列によりコードされるヒトCD70を発現し得る。
【0172】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号23:
MPEEGRPCPWVRWSGTAFQRQWPWLLLVVFITVFCCWFHCSGLLSKQQQRLLEHPEPHTAELQLNLTVPRKDPTLRWGAGPALGRSFTHGPELEEGHLRIHQDGLYRLHIQVTLANCSSPGSTLQHRATLAVGICSPAAHGISLLRGRFGQDCTVALQRLTYLVHGDVLCTNLTLPLLPSRNADETFFGVQWICP;
で示されるマウスCD70、または配列番号24:
ATGCCGGAGGAAGGTCGCCCTTGCCCCTGGGTTCGCTGGAGCGGGACCGCGTTCCAGCGCCAATGGCCATGGCTGCTGCTGGTGGTGTTTATTACTGTGTTTTGCTGTTGGTTTCATTGTAGCGGACTACTCAGTAAGCAGCAACAGAGGCTGCTGGAGCACCCTGAGCCGCACACAGCTGAGTTACAGCTGAATCTCACAGTTCCTCGGAAGGACCCCACACTGCGCTGGGGAGCAGGCCCAGCCTTGGGAAGGTCCTTCACACACGGACCAGAGCTGGAGGAGGGCCATCTGCGTATCCATCAAGATGGCCTCTACAGGCTGCATATCCAGGTGACACTGGCCAACTGCTCTTCCCCAGGCAGCACCCTGCAGCACAGGGCCACCCTGGCTGTGGGCATCTGCTCCCCCGCTGCGCACGGCATCAGCTTGCTGCGTGGGCGCTTTGGACAGGACTGTACAGTGGCATTACAGCGCCTGACATACCTGGTCCACGGAGATGTCCTCTGTACCAACCTCACCCTGCCTCTGCTGCCGTCCCGCAACGCTGATGAGACCTTCTTTGGAGTTCAGTGGATATGCCCTTGA
で示されるDNA配列によりコードされるマウスCD70を発現し得る。
【0173】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号25:
MTILGTTFGMVFSLLQVVSGESGYAQNGDLEDAELDDYSFSCYSQLEVNGSQHSLTCAFEDPDVNITNLEFEICGALVEVKCLNFRKLQEIYFIETKKFLLIGKSNICVKVGEKSLTCKKIDLTTIVKPEAPFDLSVVYREGANDFVVTFNTSHLQKKYVKVLMHDVAYRQEKDENKWTHVNLSSTKLTLLQRKLQPAAMYEIKVRSIPDHYFKGFWSEWSPSYYFRTPEINNSSGLSLSYGPVSPIIRRLWNIFVRNQEK;
で示されるヒトIL7/CD127、または配列番号26:
ATGACAATTCTAGGTACAACTTTTGGCATGGTTTTTTCTTTACTTCAAGTCGTTTCTGGAGAAAGTGGCTATGCTCAAAATGGAGACTTGGAAGATGCAGAACTGGATGACTACTCATTCTCATGCTATAGCCAGTTGGAAGTGAATGGATCGCAGCACTCACTGACCTGTGCTTTTGAGGACCCAGATGTCAACATCACCAATCTGGAATTTGAAATATGTGGGGCCCTCGTGGAGGTAAAGTGCCTGAATTTCAGGAAACTACAAGAGATATATTTCATCGAGACAAAGAAATTCTTACTGATTGGAAAGAGCAATATATGTGTGAAGGTTGGAGAAAAGAGTCTAACCTGCAAAAAAATAGACCTAACCACTATAGTTAAACCTGAGGCTCCTTTTGACCTGAGTGTCGTCTATCGGGAAGGAGCCAATGACTTTGTGGTGACATTTAATACATCACACTTGCAAAAGAAGTATGTAAAAGTTTTAATGCACGATGTAGCTTACCGCCAGGAAAAGGATGAAAACAAATGGACGCATGTGAATTTATCCAGCACAAAGCTGACACTCCTGCAGAGAAAGCTCCAACCGGCAGCAATGTATGAGATTAAAGTTCGATCCATCCCTGATCACTATTTTAAAGGCTTCTGGAGTGAATGGAGTCCAAGTTATTACTTCAGAACTCCAGAGATCAATAATAGCTCAGGATTAAGCCTATCGTATGGCCCAGTCTCCCCGATCATAAGAAGACTCTGGAACATCTTTGTAAGAAACCAAGAAAAGTGA
で示されるDNA配列によりコードされるヒトIL7/CD127を発現し得る。
【0174】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号27:
MMALGRAFAIVFCLIQAVSGESGNAQDGDLEDADADDHSFWCHSQLEVDGSQHLLTCAFNDSDINTANLEFQICGALLRVKCLTLNKLQDIYFIKTSEFLLIGSSNICVKLGQKNLTCKNMAINTIVKAEAPSDLKVVYRKEANDFLVTFNAPHLKKKYLKKVKHDVAYRPARGESNWTHVSLFHTRTTIPQRKLRPKAMYEIKVRSIPHNDYFKGFWSEWSPSSTFETPEPKNQGGWDPVLPSVTILSLFSVFLLVILAHVLWKKRIKPVVWPSLPDHKKTLEQL;
で示されるマウスIL7/CD127、または配列番号28:
ATGATGGCTCTGGGTAGAGCTTTCGCTATAGTTTTCTGCTTAATTCAAGCTGTTTCTGGAGAAAGTGGAAATGCCCAGGATGGAGACCTAGAAGATGCAGACGCGGACGATCACTCCTTCTGGTGCCACAGCCAGTTGGAAGTGGATGGAAGTCAACATTTATTGACTTGTGCTTTTAATGACTCAGACATCAACACAGCTAATCTGGAATTTCAAATATGTGGGGCTCTTTTACGAGTGAAATGCCTAACTCTTAACAAGCTGCAAGATATATATTTTATAAAGACATCAGAATTCTTACTGATTGGTAGCAGCAATATATGTGTGAAGCTTGGACAAAAGAATTTAACTTGCAAAAATATGGCTATAAACACAATAGTTAAAGCCGAGGCTCCCTCTGACCTGAAAGTCGTTTATCGCAAAGAAGCAAATGATTTTTTGGTGACATTTAATGCACCTCACTTGAAAAAGAAATATTTAAAAAAAGTAAAGCATGATGTGGCCTACCGCCCAGCAAGGGGTGAAAGCAACTGGACGCATGTATCTTTATTCCACACAAGAACAACAATCCCACAGAGAAAACTACGACCAAAAGCAATGTATGAAATCAAAGTCCGATCCATTCCCCATAACGATTACTTCAAAGGCTTCTGGAGCGAGTGGAGTCCAAGTTCTACCTTCGAAACTCCAGAACCCAAGAATCAAGGAGGATGGGATCCTGTCTTGCCAAGTGTCACCATTCTGAGTTTGTTCTCTGTGTTTTTGTTGGTCATCTTAGCCCATGTGCTATGGAAAAAAAGGATTAAACCTGTCGTATGGCCTAGTCTCCCCGATCATAAGAAAACTCTGGAACAACTATAG
で示されるDNA配列によりコードされるマウスIL7/CD127を発現し得る。
【0175】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号29:
MDPGLQQALNGMAPPGDTAMHVPAGSVASHLGTTSRSYFYLTTATLALCLVFTVATIMVLVVQRTDSIPNSPDNVPLKGGNCSEDLLCILKRAPFKKSWAYLQVAKHLNKTKLSWNKDGILHGVRYQDGNLVIQFPDYCGMILHHSHSTLDSGKGHCCLETLQP;
で示されるヒトCD30L、または配列番号30:
ATGGACCCAGGGCTGCAGCAAGCACTCAACGGAATGGCCCCTCCTGGAGACACAGCCATGCATGTGCCGGCGGGCTCCGTGGCCAGCCACCTGGGGACCACGAGCCGCAGCTATTTCTATTTGACCACAGCCACTCTGGCTCTGTGCCTTGTCTTCACGGTGGCCACTATTATGGTGTTGGTCGTTCAGAGGACGGACTCCATTCCCAACTCACCTGACAACGTCCCCCTCAAAGGAGGAAATTGCTCAGAAGACCTCTTATGTATCCTGAAAAGGGCTCCATTCAAGAAGTCATGGGCCTACCTCCAAGTGGCAAAGCATCTAAACAAAACCAAGTTGTCTTGGAACAAAGATGGCATTCTCCATGGAGTCAGATATCAGGATGGGAATCTGGTGATCCAATTCCCTGATTACTGTGGCATGATCCTCCACCATTCACACTCTACCCTGGACTCTGGGAAGGGACACTGCTGCCTTGAAACTCTACAACCCTGA
で示されるDNA配列によりコードされるヒトCD30Lを発現し得る。
【0176】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号31:
MEPGLQQAGSCGAPSPDPAMQVQPGSVASPWRSTRPWRSTSRSYFYLSTTALVCLVVAVAIILVLVVQKKDSTPNTTEKAPLKGGNCSEDLFCTLKSTPSKKSWAYLQVSKHLNNTKLSWNEDGTIHGLIYQDGNLIVQFPGLYFIVCQLQFLVQCSNHSVDLTLQLLINSKIKKQTLVTVCESGVQSKNIYQNLSQFLLHYLQVNSTISVRVDNFQYVD;
で示されるマウスCD30L、または配列番号32:
ATGGAGCCAGGGCTGCAACAAGCAGGCAGCTGTGGGGCTCCTTCCCCTGACCCAGCCATGCAGGTGCAGCCCGGCTCGGTAGCCAGCCCCTGGAGAAGCACGAGGCCCTGGAGAAGCACAAGTCGCAGCTACTTCTACCTCAGCACCACCGCACTGGTGTGCCTTGTTGTGGCAGTGGCGATCATTCTGGTACTGGTAGTCCAGAAAAAGGACTCCACTCCAAATACAACTGAGAAGGCCCCCCTTAAAGGAGGAAATTGCTCAGAGGATCTCTTCTGTACCCTGAAAAGTACTCCATCCAAGAAGTCATGGGCCTACCTCCAAGTGTCAAAGCATCTCAACAATACCAAACTGTCATGGAACGAAGATGGCACCATCCACGGACTCATATACCAGGACGGGAACCTGATAGTCCAATTCCCTGGCTTGTACTTCATCGTTTGCCAACTGCAGTTCCTCGTGCAGTGCTCAAATCATTCTGTGGACCTGACATTGCAGCTCCTCATCAATTCCAAGATCAAAAAGCAGACGTTGGTAACAGTGTGTGAGTCTGGAGTTCAGAGTAAGAACATCTACCAGAATCTCTCTCAGTTTTTGCTGCATTACTTACAGGTCAACTCTACCATATCAGTCAGGGTGGATAATTTCCAGTATGTGGATACAAACACTTTCCCTCTTGATAATGTGCTATCCGTCTTCTTATATAGTAGCTCAGACTGA
で示されるDNA配列によりコードされるマウスCD30Lを発現し得る。
【0177】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号33:
MEPPGDWGPPPWRSTPKTDVLRLVLYLTFLGAPCYAPALPSCKEDEYPVGSECCPKCSPGYRVKEACGELTGTVCEPCPPGTYIAHLNGLSKCLQCQMCDPAMGLRASRNCSRTENAVCGCSPGHFCIVQDGDHCAACRAYATSSPGQRVQKGGTESQDTLCQNCPPGTFSPNGTLEECQHQTKCSWLVTKAGAGTSSSHWVWWFLSGSLVIVIVCSTVGLIICVKRRKPR;
で示されるヒトLIGHT、または配列番号34:
ATGGAGCCTCCTGGAGACTGGGGGCCTCCTCCCTGGAGATCCACCCCCAAAACCGACGTCTTGAGGCTGGTGCTGTATCTCACCTTCCTGGGAGCCCCCTGCTACGCCCCAGCTCTGCCGTCCTGCAAGGAGGACGAGTACCCAGTGGGCTCCGAGTGCTGCCCCAAGTGCAGTCCAGGTTATCGTGTGAAGGAGGCCTGCGGGGAGCTGACGGGCACAGTGTGTGAACCCTGCCCTCCAGGCACCTACATTGCCCACCTCAATGGCCTAAGCAAGTGTCTGCAGTGCCAAATGTGTGACCCAGCCATGGGCCTGCGCGCGAGCCGGAACTGCTCCAGGACAGAGAACGCCGTGTGTGGCTGCAGCCCAGGCCACTTCTGCATCGTCCAGGACGGGGACCACTGCGCCGCGTGCCGCGCTTACGCCACCTCCAGCCCGGGCCAGAGGGTGCAGAAGGGAGGCACCGAGAGTCAGGACACCCTGTGTCAGAACTGCCCCCCGGGGACCTTCTCTCCCAATGGGACCCTGGAGGAATGTCAGCACCAGACCAAGTGCAGCTGGCTGGTGACGAAGGCCGGAGCTGGGACCAGCAGCTCCCACTGGGTATGGTGGTTTCTCTCAGGGAGCCTCGTCATCGTCATTGTTTGCTCCACAGTTGGCCTAATCATATGTGTGAAAAGAAGAAAGCCAAGGG
で示されるDNA配列によりコードされるヒトLIGHTを発現し得る。
【0178】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号35:
MESVVQPSVFVVDGQTDIPFRRLEQNHRRRRCGTVQVSLALVLLLGAGLATQGWFLLRLHQRLGDIVAHLPDGGKGSWEKLIQDQRSHQANPAAHLTGANASLIGIGGPLLWETRLGLAFLRGLTYHDGALVTMEPGYYYVYSKVQLSGVGCPQGLANGLPITHGLYKRTSRYPKELELLVSRRSPCGRANSSRVWWDSSFLGGVVHLEAGEEVVVRVPGNRLVRPRDGTRSYFGAFMV;
で示されるマウスLIGHT、または配列番号36:
ATGGAGAGTGTGGTACAGCCTTCAGTGTTTGTGGTGGATGGACAGACGGACATCCCATTCAGGCGGCTGGAACAGAACCACCGGAGACGGCGCTGTGGCACTGTCCAGGTCAGCCTGGCCCTGGTGCTGCTGCTAGGTGCTGGGCTGGCCACTCAGGGCTGGTTTCTCCTGAGACTGCATCAACGTCTTGGAGACATAGTAGCTCATCTGCCAGATGGAGGCAAAGGCTCCTGGGAGAAGCTGATACAAGATCAACGATCTCACCAGGCCAACCCAGCAGCACATCTTACAGGAGCCAACGCCAGCTTGATAGGTATTGGTGGACCTCTGTTATGGGAGACACGACTTGGCCTGGCCTTCTTGAGGGGCTTGACGTATCATGATGGGGCCCTGGTGACCATGGAGCCCGGTTACTACTATGTGTACTCCAAAGTGCAGCTGAGCGGCGTGGGCTGCCCCCAGGGGCTGGCCAATGGCCTCCCCATCACCCATGGACTATACAAGCGCACATCCCGCTACCCGAAGGAGTTAGAACTGCTGGTCAGTCGGCGGTCACCCTGTGGCCGGGCCAACAGCTCCCGAGTCTGGTGGGACAGCAGCTTCCTGGGCGGCGTGGTACATCTGGAGGCTGGGGAAGAGGTGGTGGTCCGCGTGCCTGGAAACCGCCTGGTCAGACCACGTGACGGCACCAGGTCCTATTTCGGAGCTTTCATGGTCTGA
で示されるDNA配列によりコードされるマウスLIGHTを発現し得る。
【0179】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号37:
MKTLPAMLGTGKLFWVFFLIPYLDIWNIHGKESCDVQLYIKRQSEHSILAGDPFELECPVKYCANRPHVTWCKLNGTTCVKLEDRQTSWKEEKNISFFILHFEPVLPNDNGSYRCSANFQSNLIESHSTTLYVTDVKSASERPSKDEMASRPWLLYRLLPLGGLPLLITTCFCLFCCLRRHQGKQNELSDTAGREINLVDAHLKSEQTEASTRQNSQVLLSETGIYDNDPDLCFRMQEGSEVYSNPCLEENKPGIVYASLNHSVIGPNSRLARNVKEAPTEYASICVRS;
で示されるヒトBTLA、または配列番号38:
ATGAAGACATTGCCTGCCATGCTTGGAACTGGGAAATTATTTTGGGTCTTCTTCTTAATCCCATATCTGGACATCTGGAACATCCATGGGAAAGAATCATGTGATGTACAGCTTTATATAAAGAGACAATCTGAACACTCCATCTTAGCAGGAGATCCCTTTGAACTAGAATGCCCTGTGAAATACTGTGCTAACAGGCCTCATGTGACTTGGTGCAAGCTCAATGGAACAACATGTGTAAAACTTGAAGATAGACAAACAAGTTGGAAGGAAGAGAAGAACATTTCATTTTTCATTCTACATTTTGAACCAGTGCTTCCTAATGACAATGGGTCATACCGCTGTTCTGCAAATTTTCAGTCTAATCTCATTGAAAGCCACTCAACAACTCTTTATGTGACAGATGTAAAAAGTGCCTCAGAACGACCCTCCAAGGACGAAATGGCAAGCAGACCCTGGCTCCTGTATCGTTTACTTCCTTTGGGGGGATTGCCTCTACTCATCACTACCTGTTTCTGCCTGTTCTGCTGCCTGAGAAGGCACCAAGGAAAGCAAAATGAACTCTCTGACACAGCAGGAAGGGAAATTAACCTGGTTGATGCTCACCTTAAGAGTGAGCAAACAGAAGCAAGCACCAGGCAAAATTCCCAAGTACTGCTATCAGAAACTGGAATTTATGATAATGACCCTGACCTTTGTTTCAGGATGCAGGAAGGGTCTGAAGTTTATTCTAATCCATGCCTGGAAGAAAACAAACCAGGCATTGTTTATGCTTCCCTGAACCATTCTGTCATTGGACCGAACTCAAGACTGGCAAGAAATGTAAAAGAAGCACCAACAGAATATGCATCCATATGTGTGAGGAGTTAA
で示されるDNA配列によりコードされるヒトBTLAを発現し得る。
【0180】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号39:
MKTVPAMLGTPRLFREFFILHLGLWSILCEKATKRNDEECPVQLTITRNSKQSARTGELFKIQCPVKYCVHRPNVTWCKHNGTICVPLEVSPQLYTSWEENQSVPVFVLHFKPIHLSDNGSYSCSTNFNSQVINSHSVTIHVTERTQNSSEHPLIISDIPDATNASGPSTMEERPGRTWLLYTLLPLGALLLLLACVCLLCFLKRIQGKEKKPSDLAGRDTNLVDIPASSRTNHQALPSGTGIYDNDPWSSMQDESELTISLQSERNNQGIVYASLNHCVIGRNPRQENNMQEAPTEYASICVRS;
で示されるマウスBTLA、または配列番号40:
ATGAAGACAGTGCCTGCCATGCTTGGGACTCCTCGGTTATTTAGGGAATTCTTCATCCTCCATCTGGGCCTCTGGAGCATCCTTTGTGAGAAAGCTACTAAGAGGAATGATGAAGAGTGTCCAGTGCAACTTACTATTACGAGGAATTCCAAACAGTCTGCCAGGACAGGAGAGTTATTTAAAATTCAATGTCCTGTGAAATACTGTGTTCATAGACCTAATGTGACTTGGTGTAAGCACAATGGAACAATCTGTGTACCCCTTGAGGTTAGCCCTCAGCTATACACTAGTTGGGAAGAAAATCAATCAGTTCCGGTTTTTGTTCTCCACTTTAAACCAATACATCTCAGTGATAATGGGTCGTATAGCTGTTCTACAAACTTCAATTCTCAAGTTATTAATAGCCATTCAGTAACCATCCATGTGACAGAAAGGACTCAAAACTCTTCAGAACACCCACTAATAATATCTGACATCCCAGATGCCACCAATGCCTCAGGACCATCCACCATGGAAGAGAGGCCAGGCAGGACTTGGCTGCTTTACACCTTGCTTCCTTTGGGGGCATTGCTTCTGCTCCTTGCCTGTGTCTGCCTGCTCTGCTTTCTGAAAAGGATCCAAGGGAAAGAAAAGAAGCCTTCTGACTTGGCAGGAAGGGACACTAACCTGGTTGATATTCCAGCCAGTTCCAGGACAAATCACCAAGCACTGCCATCAGGAACTGGAATTTATGATAATGATCCCTGGTCTAGCATGCAGGATGAATCTGAATTGACAATTAGCTTGCAATCAGAGAGAAACAACCAGGGCATTGTTTATGCTTCTTTGAACCATTGTGTTATTGGAAGGAATCCAAGACAGGAAAACAACATGCAGGAGGCACCCACAGAATATGCATCCATTTGTGTGAGAAGTTAA
で示されるDNA配列によりコードされるマウスBTLAを発現し得る。
【0181】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号41:
MRLGSPGLLFLLFSSLRADTQEKEVRAMVGSDVELSCACPEGSRFDLNDVYVYWQTSESKTVVTYHIPQNSSLENVDSRYRNRALMSPAGMLRGDFSLRLFNVTPQDEQKFHCLVLSQSLGFQEVLSVEVTLHVAANFSVPVVSAPHSPSQDELTFTCTSINGYPRPNVYWINKTDNSLLDQALQNDTVFLNMRGLYDVVSVLRIARTPSVNIGCCIENVLLQQNLTVGSQTGNDIGERDKITENPVSTGEKNAATWSILAVLCLLVVVAVAIGWVCRDRCLQHSYAGAWAVSPETELTESWNLLLLLS;
で示されるヒトICOS-L、または配列番号42:
ATGCGGCTGGGCAGTCCTGGACTGCTCTTCCTGCTCTTCAGCAGCCTTCGAGCTGATACTCAGGAGAAGGAAGTCAGAGCGATGGTAGGCAGCGACGTGGAGCTCAGCTGCGCTTGCCCTGAAGGAAGCCGTTTTGATTTAAATGATGTTTACGTATATTGGCAAACCAGTGAGTCGAAAACCGTGGTGACCTACCACATCCCACAGAACAGCTCCTTGGAAAACGTGGACAGCCGCTACCGGAACCGAGCCCTGATGTCACCGGCCGGCATGCTGCGGGGCGACTTCTCCCTGCGCTTGTTCAACGTCACCCCCCAGGACGAGCAGAAGTTTCACTGCCTGGTGTTGAGCCAATCCCTGGGATTCCAGGAGGTTTTGAGCGTTGAGGTTACACTGCATGTGGCAGCAAACTTCAGCGTGCCCGTCGTCAGCGCCCCCCACAGCCCCTCCCAGGATGAGCTCACCTTCACGTGTACATCCATAAACGGCTACCCCAGGCCCAACGTGTACTGGATCAATAAGACGGACAACAGCCTGCTGGACCAGGCTCTGCAGAATGACACCGTCTTCTTGAACATGCGGGGCTTGTATGACGTGGTCAGCGTGCTGAGGATCGCACGGACCCCCAGCGTGAACATTGGCTGCTGCATAGAGAACGTGCTTCTGCAGCAGAACCTGACTGTCGGCAGCCAGACAGGAAATGACATCGGAGAGAGAGACAAGATCACAGAGAATCCAGTCAGTACCGGCGAGAAAAACGCGGCCACGTGGAGCATCCTGGCTGTCCTGTGCCTGCTTGTGGTCGTGGCGGTGGCCATAGGCTGGGTGTGCAGGGACCGATGCCTCCAACACAGCTATGCAGGTGCCTGGGCTGTGAGTCCGGAGACAGAGCTCACTGAATCCTGGAACCTGCTCCTTCTGCTCTCGTGA
で示されるDNA配列によりコードされるヒトICOS-Lを発現し得る。
【0182】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号43:
CPCFVSLGTRQPVWKKLHVSSGFFSGLGLFLLLLSSLCAASAETEVGAMVGSNVVLSCIDPHRRHFNLSGLYVYWQIENPEVSVTYYLPYKSPGINVDSSYKNRGHLSLDSMKQGNFSLYLKNVTPQDTQEFTCRVFMNTATELVKILEEVVRLRVAANFSTPVISTSDSSNPGQERTYTCMSKNGYPEPNLYWINTTDNSLIDTALQNNTVYLNKLGLYDVISTLRLPWTSRGDVLCCVENVALHQNITSISQAESFTGNNTKNPQETHNNELKVLVPVLAVLAAAAFVSFIIYRRTRPHRSYTGPKTVQLELTDTWAPVPYQDYLIPRYLMSPCLKTRGLP;
で示されるマウスICOS-L、または配列番号44:
GTGTCCCTGTTTTGTGTCCTTGGGAACCAGGCAGCCTGTTTGGAAGAAGCTCCATGTTTCTAGCGGGTTCTTTTCTGGTCTTGGTCTGTTCTTGCTGCTGTTGAGCAGCCTCTGTGCTGCCTCTGCAGAGACTGAAGTCGGTGCAATGGTGGGCAGCAATGTGGTGCTCAGCTGCATTGACCCCCACAGACGCCATTTCAACTTGAGTGGTCTGTATGTCTATTGGCAAATCGAAAACCCAGAAGTTTCGGTGACTTACTACCTGCCTTACAAGTCTCCAGGGATCAATGTGGACAGTTCCTACAAGAACAGGGGCCATCTGTCCCTGGACTCCATGAAGCAGGGTAACTTCTCTCTGTACCTGAAGAATGTCACCCCTCAGGATACCCAGGAGTTCACATGCCGGGTATTTATGAATACAGCCACAGAGTTAGTCAAGATCTTGGAAGAGGTGGTCAGGCTGCGTGTGGCAGCAAACTTCAGTACACCTGTCATCAGCACCTCTGATAGCTCCAACCCGGGCCAGGAACGTACCTACACCTGCATGTCCAAGAATGGCTACCCAGAGCCCAACCTGTATTGGATCAACACAACGGACAATAGCCTAATAGACACGGCTCTGCAGAATAACACTGTCTACTTGAACAAGTTGGGCCTGTATGATGTAATCAGCACATTAAGGCTCCCTTGGACATCTCGTGGGGATGTTCTGTGCTGCGTAGAGAATGTGGCTCTCCACCAGAACATCACTAGCATTAGCCAGGCAGAAAGTTTCACTGGAAATAACACAAAGAACCCACAGGAAACCCACAATAATGAGTTAAAAGTCCTTGTCCCCGTCCTTGCTGTACTGGCGGCAGCGGCATTCGTTTCCTTCATCATATACAGACGCACGCGTCCCCACCGAAGCTATACAGGACCCAAGACTGTACAGCTTGAACTTACAGACACTTGGGCTCCCGTCCCCTACCAGGACTATTTGATTCCAAGATATTTGATGTCTCCATGCCTCAAAACACGTGGTTTACCATAA
で示されるDNA配列によりコードされるマウスICOS-Lを発現し得る。
【0183】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号45:
MDPKGLLSLTFVLFLSLAFGASYGTGGRMMNCPKILRQLGSKVLLPLTYERINKSMNKSIHIVVTMAKSLENSVENKIVSLDPSEAGPPRYLGDRYKFYLENLTLGIRESRKEDEGWYLMTLEKNVSVQRFCLQLRLYEQVSTPEIKVLNKTQENGTCTLILGCTVEKGDHVAYSWSEKAGTHPLNPANSSHLLSLTLGPQHADNIYICTVSNPISNNSQTFSPWPGCRTDPSETKPWAVYAGLLGGVIMILIMVVILQLRRRGKTNHYQTTVEKKSLTIYAQVQKPGPLQKKLDSFPAQDPCTTIYVAATEPVPESVQETNSITVYASVTLPES;
で示されるヒトCD150、または配列番号46:
ATGGATCCCAAGGGGCTCCTCTCCTTGACCTTCGTGCTGTTTCTCTCCCTGGCTTTTGGGGCAAGCTACGGAACAGGTGGGCGCATGATGAACTGCCCAAAGATTCTCCGGCAGTTGGGAAGCAAAGTGCTGCTGCCCCTGACATATGAAAGGATAAATAAGAGCATGAACAAAAGCATCCACATTGTCGTCACAATGGCAAAATCACTGGAGAACAGTGTCGAGAACAAAATAGTGTCTCTTGATCCATCCGAAGCAGGCCCTCCACGTTATCTAGGAGATCGCTACAAGTTTTATCTGGAGAATCTCACCCTGGGGATACGGGAAAGCAGGAAGGAGGATGAGGGATGGTACCTTATGACCCTGGAGAAAAATGTTTCAGTTCAGCGCTTTTGCCTGCAGTTGAGGCTTTATGAGCAGGTCTCCACTCCAGAAATTAAAGTTTTAAACAAGACCCAGGAGAACGGGACCTGCACCTTGATACTGGGCTGCACAGTGGAGAAGGGGGACCATGTGGCTTACAGCTGGAGTGAAAAGGCGGGCACCCACCCACTGAACCCAGCCAACAGCTCCCACCTCCTGTCCCTCACCCTCGGCCCCCAGCATGCTGACAATATCTACATCTGCACCGTGAGCAACCCTATCAGCAACAATTCCCAGACCTTCAGCCCGTGGCCCGGATGCAGGACAGACCCCTCAGAAACAAAACCATGGGCAGTGTATGCTGGGCTGTTAGGGGGTGTCATCATGATTCTCATCATGGTGGTAATACTACAGTTGAGAAGAAGAGGTAAAACGAACCATTACCAGACAACAGTGGAAAAAAAAAGCCTTACGATCTATGCCCAAGTCCAGAAACCAGGTCCTCTTCAGAAGAAACTTGACTCCTTCCCAGCTCAGGACCCTTGCACCACCATATATGTTGCTGCCACAGAGCCTGTCCCAGAGTCTGTCCAGGAAACAAATTCCATCACAGTCTATGCTAGTGTGACACTTCCAGAGAGCTGA
で示されるDNA配列によりコードされるヒトCD150を発現し得る。
【0184】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号47:
MDPKGSLSWRILLFLSLAFELSYGTGGGVMDCPVILQKLGQDTWLPLTNEHQINKSVNKSVRILVTMATSPGSKSNKKIVSFDLSKGSYPDHLEDGYHFQSKNLSLKILGNRRESEGWYLVSVEENVSVQQFCKQLKLYEQVSPPEIKVLNKTQENENGTCSLLLACTVKKGDHVTYSWSDEAGTHLLSRANRSHLLHITLSNQHQDSIYNCTASNPVSSISRTFNLSSQACKQESSSESSPWMQYTLVPLGVVIIFILVFTAIIMMKRQGKSNHCQPPVEEKSLTIYAQVQKSGPQEKKLHDALTDQDPCTTIYVAATEPAPESVQEPNPTTVYASVTLPES;
で示されるマウスCD150、または配列番号48:
ATGGATCCCAAAGGATCCCTTTCCTGGAGAATACTTCTGTTTCTCTCCCTGGCTTTTGAGTTGAGCTACGGAACAGGTGGAGGTGTGATGGATTGCCCAGTGATTCTCCAGAAGCTGGGACAGGACACGTGGCTGCCCCTGACGAATGAACATCAGATAAATAAGAGCGTGAACAAAAGTGTCCGCATCCTCGTCACCATGGCGACGTCCCCAGGAAGCAAATCCAACAAGAAAATTGTGTCTTTTGATCTCTCTAAAGGGAGCTATCCAGATCACCTGGAGGATGGCTACCACTTTCAATCAAAAAACCTGAGCCTGAAGATCCTCGGGAACAGGCGGGAGAGTGAAGGATGGTACTTGGTGAGCGTGGAGGAGAACGTTTCTGTTCAGCAATTCTGCAAGCAGCTGAAGCTTTATGAACAGGTCTCCCCTCCAGAGATTAAAGTGCTAAACAAAACCCAGGAGAACGAGAATGGGACCTGCAGCTTGCTGTTGGCCTGCACAGTGAAGAAAGGGGACCATGTGACTTACAGCTGGAGTGATGAGGCAGGCACCCACCTGCTGAGCCGAGCCAACCGCTCCCACCTCCTGCACATCACTCTTAGCAACCAGCATCAAGACAGCATCTACAACTGCACCGCAAGCAACCCTGTCAGCAGTATCTCTAGGACCTTCAACCTATCATCGCAAGCATGCAAGCAGGAATCCTCCTCAGAATCGAGTCCATGGATGCAATATACTCTTGTACCACTGGGGGTCGTTATAATCTTCATCCTGGTTTTCACGGCAATAATAATGATGAAAAGACAAGGTAAATCAAATCACTGCCAGCCACCAGTGGAAGAAAAAAGCCTTACTATTTATGCCCAAGTACAGAAATCAGGGCCTCAAGAGAAGAAACTTCATGATGCCCTAACAGATCAGGACCCCTGCACAACCATTTATGTGGCTGCCACAGAGCCTGCCCCAGAGTCTGTCCAGGAACCAAACCCCACCACAGTTTATGCCAGTGTGACACTGCCAGAGAGCTGA
で示されるDNA配列によりコードされるマウスCD150を発現し得る。
【0185】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号49:
MWPPGSASQPPPSPAAATGLHPAARPVSLQCRLSMCPARSLLLVATLVLLDHLSLARNLPVATPDPGMFPCLHHSQNLLRAVSNMLQKNESCLNSRETSFITNGSCLASRKTSFMMALCLSSIYEDLKMYQVEFKTMNAKLLMDPKRQIFLDQNMLAVIDELMQALNFNSETVPQKSSLEEPDFYKTKIKLCILLHAFRIRAVTIDRVMSYLNAS;
で示されるヒトIL-12、または配列番号50:
ATGTGGCCCCCTGGGTCAGCCTCCCAGCCACCGCCCTCACCTGCCGCGGCCACAGGTCTGCATCCAGCGGCTCGCCCTGTGTCCCTGCAGTGCCGGCTCAGCATGTGTCCAGCGCGCAGCCTCCTCCTTGTGGCTACCCTGGTCCTCCTGGACCACCTCAGTTTGGCCAGAAACCTCCCCGTGGCCACTCCAGACCCAGGAATGTTCCCATGCCTTCACCACTCCCAAAACCTGCTGAGGGCCGTCAGCAACATGCTCCAGAAGAATGAGAGTTGCCTAAATTCCAGAGAGACCTCTTTCATAACTAATGGGAGTTGCCTGGCCTCCAGAAAGACCTCTTTTATGATGGCCCTGTGCCTTAGTAGTATTTATGAAGACTTGAAGATGTACCAGGTGGAGTTCAAGACCATGAATGCAAAGCTTCTGATGGATCCTAAGAGGCAGATCTTTCTAGATCAAAACATGCTGGCAGTTATTGATGAGCTGATGCAGGCCCTGAATTTCAACAGTGAGACTGTGCCACAAAAATCCTCCCTTGAAGAACCGGATTTTTATAAAACTAAAATCAAGCTCTGCATACTTCTTCATGCTTTCAGAATTCGGGCAGTGACTATTGATAGAGTGATGAGCTATCTGAATGCTTCCTAA
で示されるDNA配列によりコードされるヒトIL-12を発現し得る。
【0186】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号51:
MCPQKLTISWFAIVLLVSPLMAMWELEKDVYVVEVDWTPDAPGETVNLTCDTPEEDDITWTSDQRHGVIGSGKTLTITVKEFLDAGQYTCHKGGETLSHSHLLLHKKENGIWSTEILKNFKNKTFLKCEAPNYSGRFTCSWLVQRNMDLKFNIKSSSSSPDSRAVTCGMASLSAEKVTLDQRDYEKYSVSCQEDVTCPTAEETLPIELALEARQQNKYENYSTSFFIRDIIKPDPPKNLQMKPLKNSQVEVSWEYPDSWSTPHSYFSLKFFVRIQRKKEKMKETEEGCNQKGAFLVEKTSTEVQCKGGNVCVQAQDRYYNSSCSKWACVPCRVRS;
で示されるマウスIL-12、または配列番号52:
ATGTGTCCTCAGAAGCTAACCATCTCCTGGTTTGCCATCGTTTTGCTGGTGTCTCCACTCATGGCCATGTGGGAGCTGGAGAAAGACGTTTATGTTGTAGAGGTGGACTGGACTCCCGATGCCCCTGGAGAAACAGTGAACCTCACCTGTGACACGCCTGAAGAAGATGACATCACCTGGACCTCAGACCAGAGACATGGAGTCATAGGCTCTGGAAAGACCCTGACCATCACTGTCAAAGAGTTTCTAGATGCTGGCCAGTACACCTGCCACAAAGGAGGCGAGACTCTGAGCCACTCACATCTGCTGCTCCACAAGAAGGAAAATGGAATTTGGTCCACTGAAATTTTAAAAAATTTCAAAAACAAGACTTTCCTGAAGTGTGAAGCACCAAATTACTCCGGACGGTTCACGTGCTCATGGCTGGTGCAAAGAAACATGGACTTGAAGTTCAACATCAAGAGCAGTAGCAGTTCCCCTGACTCTCGGGCAGTGACATGTGGAATGGCGTCTCTGTCTGCAGAGAAGGTCACACTGGACCAAAGGGACTATGAGAAGTATTCAGTGTCCTGCCAGGAGGATGTCACCTGCCCAACTGCCGAGGAGACCCTGCCCATTGAACTGGCGTTGGAAGCACGGCAGCAGAATAAATATGAGAACTACAGCACCAGCTTCTTCATCAGGGACATCATCAAACCAGACCCGCCCAAGAACTTGCAGATGAAGCCTTTGAAGAACTCACAGGTGGAGGTCAGCTGGGAGTACCCTGACTCCTGGAGCACTCCCCATTCCTACTTCTCCCTCAAGTTCTTTGTTCGAATCCAGCGCAAGAAAGAAAAGATGAAGGAGACAGAGGAGGGGTGTAACCAGAAAGGTGCGTTCCTCGTAGAGAAGACATCTACCGAAGTCCAATGCAAAGGCGGGAATGTCTGCGTGCAAGCTCAGGATCGCTATTACAATTCCTCATGCAGCAAGTGGGCATGTGTTCCCTGCAGGGTCCGATCCTAG
で示されるDNA配列によりコードされるマウスIL-12を発現し得る。
【0187】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号53:
MFHVSFRYIFGLPPLILVLLPVASSDCDIEGKDGKQYESVLMVSIDQLLDSMKEIGSNCLNNEFNFFKRHICDANKVKGRKPAALGEAQPTKSLEENKSLKEQKKLNDLCFLKRLLQEIKTCWNKILMGTKEH;
で示されるヒトIL-7、または配列番号54:
ATGTTCCATGTTTCTTTTAGGTATATCTTTGGACTTCCTCCCCTGATCCTTGTTCTGTTGCCAGTAGCATCATCTGATTGTGATATTGAAGGTAAAGATGGCAAACAATATGAGAGTGTTCTAATGGTCAGCATCGATCAATTATTGGACAGCATGAAAGAAATTGGTAGCAATTGCCTGAATAATGAATTTAACTTTTTTAAAAGACATATCTGTGATGCTAATAAGGTTAAAGGAAGAAAACCAGCTGCCCTGGGTGAAGCCCAACCAACAAAGAGTTTGGAAGAAAATAAATCTTTAAAGGAACAGAAAAAACTGAATGACTTGTGTTTCCTAAAGAGACTATTACAAGAGATAAAAACTTGTTGGAATAAAATTTTGATGGGCACTAAAGAACACTG
で示されるDNA配列によりコードされるヒトIL-7を発現し得る。
【0188】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号55:
MFHVSFRYIFGIPPLILVLLPVTSSECHIKDKEGKAYESVLMISIDELDKMTGTDSNCPNNEPNFFRKHVCDDTKEAAFLNRAARKLKQFLKMNISEEFNVHLLTVSQGTQTLVNCTSKEEKNVKEQKKNDACFLKRLLREIKTCWNKILKGSI;
で示されるマウスIL-7、または配列番号56:
ATGTTCCATGTTTCTTTTAGATATATCTTTGGAATTCCTCCACTGATCCTTGTTCTGCTGCCTGTCACATCATCTGAGTGCCACATTAAAGACAAAGAAGGTAAAGCATATGAGAGTGTACTGATGATCAGCATCGATGAATTGGACAAAATGACAGGAACTGATAGTAATTGCCCGAATAATGAACCAAACTTTTTTAGAAAACATGTATGTGATGATACAAAGGAAGCTGCTTTTCTAAATCGTGCTGCTCGCAAGTTGAAGCAATTTCTTAAAATGAATATCAGTGAAGAATTCAATGTCCACTTACTAACAGTATCACAAGGCACACAAACACTGGTGAACTGCACAAGTAAGGAAGAAAAAAACGTAAAGGAACAGAAAAAGAATGATGCATGTTTCCTAAAGAGACTACTGAGAGAAATAAAAACTTGTTGGAATAAAATTTTGAAGGGCAGTATATAA
で示されるDNA配列によりコードされるマウスIL-7を発現し得る。
【0189】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号57:
MRISKPHLRSISIQCYLCLLLNSHFLTEAGIHVFILGCFSAGLPKTEANWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS;
で示されるヒトIL-15、または配列番号58:
ATGAGAATTTCGAAACCACATTTGAGAAGTATTTCCATCCAGTGCTACTTGTGTTTACTTCTAAACAGTCATTTTCTAACTGAAGCTGGCATTCATGTCTTCATTTTGGGCTGTTTCAGTGCAGGGCTTCCTAAAACAGAAGCCAACTGGGTGAATGTAATAAGTGATTTGAAAAAAATTGAAGATCTTATTCAATCTATGCATATTGATGCTACTTTATATACGGAAAGTGATGTTCACCCCAGTTGCAAAGTAACAGCAATGAAGTGCTTTCTCTTGGAGTTACAAGTTATTTCACTTGAGTCCGGAGATGCAAGTATTCATGATACAGTAGAAAATCTGATCATCCTAGCAAACAACAGTTTGTCTTCTAATGGGAATGTAACAGAATCTGGATGCAAAGAATGTGAGGAACTGGAGGAAAAAAATATTAAAGAATTTTTGCAGAGTTTTGTACATATTGTCCAAATGTTCATCAACACTTCTTGA
で示されるDNA配列によりコードされるヒトIL-15を発現し得る。
【0190】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号59:
MDWPHNLLFLLTISIFLGLGQPRSPKSKRKGQGRPGPLAPGPHQVPLDLVSRMKPYARMEEYERNIEEMVAQLRNSSELAQRKCEVNLQLWMSNKRSLSPWGYSINHDPSRIPVDLPEARCLCLGCVNPFTMQEDRSMVSVPVFSQVPVRRRLCPPPPRTGPCRQRAVMETIAVGCTCIF;
で示されるヒトIL-17、または配列番号60:
ATGGACTGGCCTCACAACCTGCTGTTTCTTCTTACCATTTCCATCTTCCTGGGGCTGGGCCAGCCCAGGAGCCCCAAAAGCAAGAGGAAGGGGCAAGGGCGGCCTGGGCCCCTGGCCCCTGGCCCTCACCAGGTGCCACTGGACCTGGTGTCACGGATGAAACCGTATGCCCGCATGGAGGAGTATGAGAGGAACATCGAGGAGATGGTGGCCCAGCTGAGGAACAGCTCAGAGCTGGCCCAGAGAAAGTGTGAGGTCAACTTGCAGCTGTGGATGTCCAACAAGAGGAGCCTGTCTCCCTGGGGCTACAGCATCAACCACGACCCCAGCCGTATCCCCGTGGACCTGCCGGAGGCACGGTGCCTGTGTCTGGGCTGTGTGAACCCCTTCACCATGCAGGAGGACCGCAGCATGGTGAGCGTGCCGGTGTTCAGCCAGGTTCCTGTGCGCCGCCGCCTCTGCCCGCCACCGCCCCGCACAGGGCCTTGCCGCCAGCGCGCAGTCATGGAGACCATCGCTGTGGGCTGCACCTGCATCTTCTGA
で示されるDNA配列によりコードされるヒトIL-17を発現し得る。
【0191】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号61:
MSPGRASSVSLMLLLLLSLAATVKAAAIIPQSSACPNTEAKDFLQNVKVNLKVFNSLGAKVSSRRPSDYLNRSTSPWTLHRNEDPDRYPSVIWEAQCRHQRCVNAEGKLDHHMNSVLIQQEILVLKREPESCPFTFRVEKMLVGVGCTCVASIVRQAA;
で示されるマウスIL-17、または配列番号62:
ATGAGTCCAGGGAGAGCTTCATCTGTGTCTCTGATGCTGTTGCTGCTGCTGAGCCTGGCGGCTACAGTGAAGGCAGCAGCGATCATCCCTCAAAGCTCAGCGTGTCCAAACACTGAGGCCAAGGACTTCCTCCAGAATGTGAAGGTCAACCTCAAAGTCTTTAACTCCCTTGGCGCAAAAGTGAGCTCCAGAAGGCCCTCAGACTACCTCAACCGTTCCACGTCACCCTGGACTCTCCACCGCAATGAAGACCCTGATAGATATCCCTCTGTGATCTGGGAAGCTCAGTGCCGCCACCAGCGCTGTGTCAATGCGGAGGGAAAGCTGGACCACCACATGAATTCTGTTCTCATCCAGCAAGAGATCCTGGTCCTGAAGAGGGAGCCTGAGAGCTGCCCCTTCACTTTCAGGGTCGAGAAGATGCTGGTGGGTGTGGGCTGCACCTGCGTGGCCTCGATTGTCCGCCAGGCAGCCTAA
で示されるDNA配列によりコードされるマウスIL-17を発現し得る。
【0192】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号63:
MRSSPGNMERIVICLMVIFLGTLVHKSSSQGQDRHMIRMRQLIDIVDQLKNYVNDLVPEFLPAPEDVETNCEWSAFSCFQKAQLKSANTGNNERIINVSIKKLKRKPPSTNAGRRQKHRLTCPSCDSYEKKPPKEFLERFKSLLQKMIHQHLSSRTHGSEDS;
で示されるヒトIL-21、または配列番号64:
ATGAGATCCAGTCCTGGCAACATGGAGAGGATTGTCATCTGTCTGATGGTCATCTTCTTGGGGACACTGGTCCACAAATCAAGCTCCCAAGGTCAAGATCGCCACATGATTAGAATGCGTCAACTTATAGATATTGTTGATCAGCTGAAAAATTATGTGAATGACTTGGTCCCTGAATTTCTGCCAGCTCCAGAAGATGTAGAGACAAACTGTGAGTGGTCAGCTTTTTCCTGCTTTCAGAAGGCCCAACTAAAGTCAGCAAATACAGGAAACAATGAAAGGATAATCAATGTATCAATTAAAAAGCTGAAGAGGAAACCACCTTCCACAAATGCAGGGAGAAGACAGAAACACAGACTAACATGCCCTTCATGTGATTCTTATGAGAAAAAACCACCCAAAGAATTCCTAGAAAGATTCAAATCACTTCTCCAAAAGATGATTCATCAGCATCTGTCCTCTAGAACACACGGAAGTGAAGATTCCTGA
で示されるDNA配列によりコードされるヒトIL-21を発現し得る。
【0193】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号65:
MERTLVCLVVIFLGTVAHKSSPQGPDRLLIRLRHLIDIVEQLKIYENDLDPELLSAPQDVKGHCEHAAFACFQKAKLKPSNPGNNKTFIIDLVAQLRRRLPARRGGKKQKHIAKCPSCDSYEKRTPKEFLERLKWLLQKMIHQHLS;
で示されるマウスIL-21、または配列番号66:
ATGGAGAGGACCCTTGTCTGTCTGGTAGTCATCTTCTTGGGGACAGTGGCCCATAAATCAAGCCCCCAAGGGCCAGATCGCCTCCTGATTAGACTTCGTCACCTTATTGACATTGTTGAACAGCTGAAAATCTATGAAAATGACTTGGATCCTGAACTTCTATCAGCTCCACAAGATGTAAAGGGGCACTGTGAGCATGCAGCTTTTGCCTGTTTTCAGAAGGCCAAACTCAAGCCATCAAACCCTGGAAACAATAAGACATTCATCATTGACCTCGTGGCCCAGCTCAGGAGGAGGCTGCCTGCCAGGAGGGGAGGAAAGAAACAGAAGCACATAGCTAAATGCCCTTCCTGTGATTCGTATGAGAAAAGGACACCCAAAGAATTCCTAGAAAGACTAAAATGGCTCCTTCAAAAGATGATTCATCAGCATCTCTCCTAG
で示されるDNA配列によりコードされるマウスIL-21を発現し得る。
【0194】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号67:
MKVLLRLICFIALLISSLEADKCKEREEKIILVSSANEIDVRPCPLNPNEHKGTITWYKDDSKTPVSTEQASRIHQHKEKLWFVPAKVEDSGHYYCVVRNSSYCLRIKISAKFVENEPNLCYNAQAIFKQKLPVAGDGGLVCPYMEFFKNENNELPKLQWYKDCKPLLLDNIHFSGVKDRLIVMNVAEKHRGNYTCHASYTYLGKQYPITRVIEFITLEENKPTRPVIVSPANETMEVDLGSQIQLICNVTGQLSDIAYWKWNGSVIDEDDPVLGEDYYSVENPANKRRSTLITVLNISEIESRFYKHPFTCFAKNTHGIDAAYIQLIYPVTNFQKHMIGICVTLTVIIVCSVFIYKIFKIDIVLWYRDSCYDFLPIKASDGKTYDAYILYPKTVGEGSTSDCDIFVFKVLPEVLEKQCGYKLFIYGRDDYVGEGMCVMEQSKGLLL;
で示されるヒトIL-1、または配列番号68:
ATGAAAGTGTTACTCAGACTTATTTGTTTCATAGCTCTACTGATTTCTTCTCTGGAGGCTGATAAATGCAAGGAACGTGAAGAAAAAATAATTTTAGTGTCATCTGCAAATGAAATTGATGTTCGTCCCTGTCCTCTTAACCCAAATGAACACAAAGGCACTATAACTTGGTATAAAGATGACAGCAAGACACCTGTATCTACAGAACAAGCCTCCAGGATTCATCAACACAAAGAGAAACTTTGGTTTGTTCCTGCTAAGGTGGAGGATTCAGGACATTACTATTGCGTGGTAAGAAATTCATCTTACTGCCTCAGAATTAAAATAAGTGCAAAATTTGTGGAGAATGAGCCTAACTTATGTTATAATGCACAAGCCATATTTAAGCAGAAACTACCCGTTGCAGGAGACGGAGGACTTGTGTGCCCTTATATGGAGTTTTTTAAAAATGAAAATAATGAGTTACCTAAATTACAGTGGTATAAGGATTGCAAACCTCTACTTCTTGACAATATACACTTTAGTGGAGTCAAAGATAGGCTCATCGTGATGAATGTGGCTGAAAAGCATAGAGGGAACTATACTTGTCATGCATCCTACACATACTTGGGCAAGCAATATCCTATTACCCGGGTAATAGAATTTATTACTCTAGAGGAAAACAAACCCACAAGGCCTGTGATTGTGAGCCCAGCTAATGAGACAATGGAAGTAGACTTGGGATCCCAGATACAATTGATCTGTAATGTCACCGGCCAGTTGAGTGACATTGCTTACTGGAAGTGGAATGGGTCAGTAATTGATGAAGATGACCCAGTGCTAGGGGAAGACTATTACAGTGTGGAAAATCCTGCAAACAAAAGAAGGAGTACCCTCATCACAGTGCTTAATATATCGGAAATTGAAAGTAGATTTTATAAACATCCATTTACCTGTTTTGCCAAGAATACACATGGTATAGATGCAGCATATATCCAGTTAATATATCCAGTCACTAATTTCCAGAAGCACATGATTGGTATATGTGTCACGTTGACAGTCATAATTGTGTGTTCTGTTTTCATCTATAAAATCTTCAAGATTGACATTGTGCTTTGGTACAGGGATTCCTGCTATGATTTTCTCCCAATAAAAGCTTCAGATGGAAAGACCTATGACGCATATATACTGTATCCAAAGACTGTTGGGGAAGGGTCTACCTCTGACTGTGATATTTTTGTGTTTAAAGTCTTGCCTGAGGTCTTGGAAAAACAGTGTGGATATAAGCTGTTCATTTATGGAAGGGATGACTACGTTGGGGAAGGTATGTGTGTAATGGAACAGAGTAAAGGCTTATTGTTGTAA
で示されるDNA配列によりコードされるヒトIL-1を発現し得る。
【0195】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号69:
MENMKVLLGLICLMVPLLSLEIDVCTEYPNQIVLFLSVNEIDIRKCPLTPNKMHGDTIIWYKNDSKTPISADRDSRIHQQNEHLWFVPAKVEDSGYYYCIVRNSTYCLKTKVTVTVLENDPGLCYSTQATFPQRLHIAGDGSLVCPYVSYFKDENNELPEVQWYKNCKPLLLDNVSFFGVKDKLLVRNVAEEHRGDYICRMSYTFRGKQYPVTRVIQFITIDENKRDRPVILSPRNETIEADPGSMIQLICNVTGQFSDLVYWKWNGSEIEWNDPFLAEDYQFVEHPSTKRKYTLITTLNISEVKSQFYRYPFICVVKNTNIFESAHVQLIYPVPDFKNYLIGGFIILTATIVCCVCIYKVFKVDIVLWYRDSCSGFLPSKASDGKTYDAYILYPKTLGEGSFSDLDTFVFKLLPEVLEGQFGYKLFIYGRDDYVGEDTIEVTNENVKKSRRLIIILVRDMGGFSWLGQSSEEQIAIYNALIQEGIKIVLLELEKIQDYEKMPDSIQFIKQKHGVICWSGDFQERPQSAKTRFWKNLRYQMPAQRRSPLSKHRLLTLDPVRDTKEKLPAATHLPLG;
で示されるマウスIL-1、または配列番号70:
ATGGAGAATATGAAAGTGCTACTGGGGCTCATTTGTCTCATGGTGCCTCTGCTGTCGCTGGAGATTGA GTATGTACAGAATATCCAAATCAGATCGTTTTGTTTTTATCTGTAAATGAAATTGATATTCGCAAGTGTCCTCTTACTCCAAATAAAATGCACGGCGACACCATAATTTGGTACAAGAATGACAGCAAGACCCCCATATCAGCGGACCGGGACTCCAGGATTCATCAGCAGAATGAACATCTTTGGTTTGTACCTGCCAAGGTGGAGGACTCAGGATATTACTATTGTATAGTAAGAAACTCAACTTACTGCCTCAAAACTAAAGTAACCGTAACTGTGTTAGAGAATGACCCTGGCTTGTGTTACAGCACACAGGCCACCTTCCCACAGCGGCTCCACATTGCCGGGGATGGAAGTCTTGTGTGCCCTTATGTGAGTTATTTTAAAGATGAAAATAATGAGTTACCCGAGGTCCAGTGGTATAAGAACTGTAAACCTCTGCTTCTTGACAACGTGAGCTTCTTCGGAGTAAAAGATAAACTGTTGGTGAGGAATGTGGCTGAAGAGCACAGAGGGGACTATATATGCCGTATGTCCTATACGTTCCGGGGGAAGCAATATCCGGTCACACGAGTAATACAATTTATCACAATAGATGAAAACAAGAGGGACAGACCTGTTATCCTGAGCCCTCGGAATGAGACGATCGAAGCTGACCCAGGATCAATGATACAACTGATCTGCAACGTCACGGGCCAGTTCTCAGACCTTGTCTACTGGAAGTGGAATGGATCAGAAATTGAATGGAATGATCCATTTCTAGCTGAAGACTATCAATTTGTGGAACATCCTTCAACCAAAAGAAAATACACACTCATTACAACACTTAACATTTCAGAAGTTAAAAGCCAGTTTTATCGCTATCCGTTTATCTGTGTTGTTAAGAACACAAATATTTTTGAGTCGGCGCATGTGCAGTTAATATACCCAGTCCCTGACTTCAAGAATTACCTCATCGGGGGCTTTATCATCCTCACGGCTACAATTGTATGCTGTGTGTGCATCTATAAAGTCTTCAAGGTTGACATAGTGCTTTGGTACAGGGACTCCTGCTCTGGTTTTCTTCCTTCAAAAGCTTCAGATGGAAAGACATACGATGCCTATATTCTTTATCCCAAGACCCTGGGAGAGGGGTCCTTCTCAGACTTAGATACTTTTGTTTTTAAACTGTTGCCTGAGGTCTTGGAGGGACAGTTTGGATACAAGCTGTTCATTTATGGAAGGGATGACTATGTTGGAGAAGATACCATCGAGGTTACTAATGAAAATGTAAAGAAAAGCAGGAGGCTGATTATCATTCTAGTGAGAGATATGGGAGGCTTCAGCTGGCTGGGCCAGTCATCTGAAGAGCAAATAGCCATATACAATGCTCTCATCCAGGAAGGAATTAAAATCGTCCTGCTTGAGTTGGAGAAAATCCAAGACTATGAGAAAATGCCAGATTCTATTCAGTTCATTAAGCAGAAACACGGAGTCATTTGCTGGTCAGGAGACTTTCAAGAAAGACCACAGTCTGCAAAGACCAGGTTCTGGAAAAACTTAAGATACCAGATGCCAGCCCAACGGAGATCACCATTGTCTAAACACCGCTTACTAACCCTGGATCCTGTGCGGGACACTAAGGAGAAACTGCCGGCAGCAACACACTTACCACTCGGCTAG
で示されるDNA配列によりコードされるマウスIL-1を発現し得る。
【0196】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号71:
MGSPAAPEGALGYVREFTRHSSDVLGNLNELRLRGILTDVTLLVGGQPLRAHKAVLIACSGFFYSIFRGRAGVGVDVLSLPGGPEARGFAPLLDFMYTSRLRLSPATAPAVLAAATYLQMEHVVQACHRFIQASYEPLGISLRPLEAEPPTPPTAPPPGSPRRSEGHPDPPTESRSCSQGPPSPASPDPKACNWKKYKYIVLNSQASQAGSLVGERSSGQPCPQARLPSGDEASSSSSSSSSSSEEGPIPGPQSRLSPTAATVQFKCGAPASTPYLLTSQAQDTSGSPSERARPLPGSEFFSCQNCEAVAGCSSGLDSLVPGDEDKPYKCQLCRSSFRYKGNLASHRTVHTGEKPYHCSICGARFNRPANLKTHSRIHSGEKPYKCETCGSRFVQVAHLRAHVLIHTGEKPYPCPTCGTRFRHLQTLKSHVRIHTGEKPYHCDPCGLHFRHKSQLRLHLRQKHGAATNTKVHYHILGGP;
で示されるヒトBCL-6、または配列番号72:
ATGGGTTCCCCCGCCGCCCCGGAGGGAGCGCTGGGCTACGTCCGCGAGTTCACTCGCCACTCCTCCGACGTGCTGGGCAACCTCAACGAGCTGCGCCTGCGCGGGATCCTCACTGACGTCACGCTGCTGGTTGGCGGGCAACCCCTCAGAGCACACAAGGCAGTTCTCATCGCCTGCAGTGGCTTCTTCTATTCAATTTTCCGGGGCCGTGCGGGAGTCGGGGTGGACGTGCTCTCTCTGCCCGGGGGTCCCGAAGCGAGAGGCTTCGCCCCTCTATTGGACTTCATGTACACTTCGCGCCTGCGCCTCTCTCCAGCCACTGCACCAGCAGTCCTAGCGGCCGCCACCTATTTGCAGATGGAGCACGTGGTCCAGGCATGCCACCGCTTCATCCAGGCCAGCTATGAACCTCTGGGCATCTCCCTGCGCCCCCTGGAAGCAGAACCCCCAACACCCCCAACGGCCCCTCCACCAGGTAGTCCCAGGCGCTCCGAAGGACACCCAGACCCACCTACTGAATCTCGAAGCTGCAGTCAAGGCCCCCCCAGTCCAGCCAGCCCTGACCCCAAGGCCTGCAACTGGAAAAAGTACAAGTACATCGTGCTAAACTCTCAGGCCTCCCAAGCAGGGAGCCTGGTCGGGGAGAGAAGTTCTGGTCAACCTTGCCCCCAAGCCAGGCTCCCCAGTGGAGACGAGGCCTCCAGCAGCAGCAGCAGCAGCAGCAGCAGCAGTGAAGAAGGACCCATTCCTGGTCCCCAGAGCAGGCTCTCTCCAACTGCTGCCACTGTGCAGTTCAAATGTGGGGCTCCAGCCAGTACCCCCTACCTCCTCACATCCCAGGCTCAAGACACCTCTGGATCACCCTCTGAACGGGCTCGTCCACTACCGGGAAGTGAATTTTTCAGCTGCCAGAACTGTGAGGCTGTGGCAGGGTGCTCATCGGGGCTGGACTCCTTGGTTCCTGGGGACGAAGACAAACCCTATAAGTGTCAGCTGTGCCGGTCTTCGTTCCGCTACAAGGGCAACCTTGCCAGTCATCGTACAGTGCACACAGGGGAAAAGCCTTACCACTGCTCAATCTGCGGAGCCCGTTTTAACCGGCCAGCAAACCTGAAAACGCACAGCCGCATCCATTCGGGAGAGAAGCCGTATAAGTGTGAGACGTGCGGCTCGCGCTTTGTACAGGTGGCACATCTGCGGGCGCACGTGCTGATCCACACCGGGGAGAAGCCCTACCCTTGCCCTACCTGCGGAACCCGCTTCCGCCACCTGCAGACCCTCAAGAGCCACGTTCGCATCCACACCGGAGAGAAGCCTTACCACTGCGACCCCTGTGGCCTGCATTTCCGGCACAAGAGTCAACTGCGGCTGCATCTGCGCCAGAAACACGGAGCTGCTACCAACACCAAAGTGCACTACCACATTCTCGGGGGGCCCTAG
で示されるDNA配列によりコードされるヒトBCL-6を発現し得る。
【0197】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号73:
MASPADSCIQFTRHASDVLLNLNRLRSRDILTDVVIVVSREQFRAHKTVLMACSGLFYSIFTDQLKCNLSVINLDPEISPEGFCILLDFMYTSRLNLREGNIMAVMTTAMYLQMEHVVDTCRKFIKASEAEMAPALKPPREEFLNSRMLMPHDIMAYRGREVVENNMPLRNTPGCESRAFAPPLYSGLSTPPASYPMYSHLPLSTFLFSDEELRDAPRMPVANPFPKERALPCDSARQVPNEYSRPAMEVSPSLCHSNIYSPKEAVPEEARSDIHYSVPEGPKPAVPSARNAPYFPCDKASKEEERPSSEDEIALHFEPPNAPLNRKGLVSPQSPQKSDCQPNSPTESCSSKNACILQASGSPPAKSPTDPKACNWKKYKFIVLNSLNQNAKPEGSEQAELGRLSPRAYPAPPACQPPMEPANLDLQSPTKLSASGEDSTIPQASRLNNLVNRSLAGSPRSSSESHSPLYMHPPKCTSCGSQSPQHTEMCLHTAGPTFPEEMGETQSEYSDSSCENGTFFCNECDCRFSEEASLKRHTLQTHSDKPYKCDRCQASFRYKGNLASHKTVHTGEKPYRCNICGAQFNRPANLKTHTRIHSGEKPYKCETCGARFVQVAHLRAHVLIHTGEKPYPCEICGTRFRHLQTLKSHLRIHTGEKPYHCEKCNLHFRHKSQLRLHLRQKHGAITNTKVQYRVSAADLPPELPKAC;
で示されるマウスBCL-6、または配列番号74:
ATGGCCTCCCCGGCTGACAGCTGTATCCAGTTTACCCGGCACGCTAGTGATGTTCTTCTCAACCTTAATCGCCTCCGGAGTCGGGACATCTTGACGGACGTTGTCATCGTGGTGAGCCGTGAGCAGTTTAGAGCCCATAAGACAGTGCTCATGGCCTGCAGCGGCCTGTTCTACAGTATCTTCACTGACCAGTTGAAATGCAACCTTAGTGTAATCAATCTAGATCCTGAAATCAGCCCTGAGGGGTTTTGCATCCTCCTGGACTTCATGTACACATCTAGGCTCAACCTGAGGGAAGGCAATATCATGGCGGTGATGACCACAGCCATGTACCTGCAGATGGAGCATGTTGTCGACACATGCAGGAAGTTCATCAAGGCCAGTGAAGCAGAAATGGCCCCTGCACTTAAACCTCCCCGTGAAGAGTTCCTGAACAGCCGGATGCTGATGCCCCATGACATCATGGCCTACCGAGGTCGTGAGGTCGTGGAGAACAATATGCCACTGAGAAATACTCCCGGGTGTGAGAGCAGAGCTTTTGCTCCTCCTCTGTACAGTGGCCTGTCAACACCACCAGCCTCTTATCCCATGTACAGCCATCTCCCGCTCAGCACCTTCCTCTTCTCTGATGAGGAGCTCCGAGATGCCCCCCGAATGCCTGTGGCCAACCCTTTTCCCAAGGAGCGTGCCCTCCCCTGCGACAGTGCCAGGCAAGTCCCTAATGAGTATAGCAGGCCAGCCATGGAGGTGTCCCCCAGTTTGTGTCACAGCAACATCTACTCGCCCAAGGAGGCAGTCCCAGAGGAGGCTCGGAGTGACATACACTACAGTGTGCCTGAGGGCCCCAAGCCTGCTGTCCCTTCTGCTCGGAATGCTCCATACTTCCCCTGTGACAAAGCCAGCAAAGAAGAAGAGAGACCTTCTTCGGAGGATGAGATTGCCCTGCATTTCGAGCCCCCCAATGCACCCTTGAACCGGAAGGGTCTGGTTAGTCCCCAGAGTCCCCAGAAATCCGACTGCCAGCCCAACTCACCCACAGAGTCCTGCAGCAGCAAGAACGCCTGCATCCTTCAGGCCTCTGGCTCTCCGCCAGCCAAGAGCCCCACTGACCCGAAAGCCTGCAACTGGAAGAAGTATAAGTTCATCGTTCTCAACAGCCTCAATCAGAATGCCAAACCCGAGGGCTCTGAGCAGGCAGAGCTGGGTCGCCTCTCCCCTCGAGCCTACCCTGCACCGCCCGCTTGCCAGCCGCCTATGGAGCCCGCGAACCTTGATCTCCAGTCCCCGACCAAGCTCAGTGCCAGTGGGGAGGACTCTACCATCCCCCAAGCCAGCCGGCTCAATAATCTCGTGAACAGGTCCCTGGCAGGCTCCCCCCGAAGCAGCAGTGAGAGTCACTCACCACTCTACATGCACCCCCCAAAGTGCACATCCTGCGGCTCTCAGTCCCCACAGCATACAGAGATGTGCCTCCATACTGCTGGGCCCACGTTCCCGGAGGAGATGGGGGAAACCCAGTCAGAGTATTCGGATTCTAGCTGTGAGAATGGGACCTTCTTCTGCAACGAATGTGACTGCCGTTTCTCTGAGGAGGCCTCGCTCAAGAGGCACACGCTGCAGACGCACAGTGACAAACCATACAAATGTGATCGCTGCCAGGCCTCCTTCCGCTACAAGGGCAACCTCGCCAGCCACAAGACTGTCCACACGGGTGAGAAACCCTATCGCTGTAACATTTGTGGAGCGCAGTTCAATCGGCCAGCCAACCTGAAGACCCACACTCGAATTCACTCTGGAGAAAAGCCCTACAAATGTGAAACCTGTGGGGCCAGGTTTGTTCAGGTGGCCCACCTCCGTGCCCACGTGCTCATCCACACTGGAGAGAAGCCGTACCCCTGTGAAATCTGTGGCACTCGCTTCCGGCACCTTCAGACTCTGAAGAGCCATCTGCGCATCCACACAGGAGAGAAACCTTACCATTGTGAGAAGTGTAACCTGCACTTTCGTCACAAAAGCCAACTGCGACTTCATTTGCGCCAGAAGCACGGCGCCATCACCAACACCAAGGTGCAATACCGCGTGTCGGCCGCTGACCTGCCTCCGGAGCTCCCCAAAGCCTGCTGA
で示されるDNA配列によりコードされるマウスBCL-6を発現し得る。
【0198】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号75:
MSQSNRELVVDFLSYKLSQKGYSWSQFSDVEENRTEAPEGTESEMETPSAINGNPSWHLADSPAVNGATGHSSSLDAREVIPMAAVKQALREAGDEFELRYRRAFSDLTSQLHITPGTAYQSFEQVVNELFRDGVNWGRIVAFFSFGGALCVESVDKEMQVLVSRIAAWMATYLNDHLEPWIQENGGWDTFVELYGNNAAAESRKGQERFNRWFLTGMTVAGVVLLGSLFSRK;
で示されるヒトBCLXL、または配列番号76:
ATGTCTCAGAGCAACCGGGAGCTGGTGGTTGACTTTCTCTCCTACAAGCTTTCCCAGAAAGGATACAGCTGGAGTCAGTTTAGTGATGTGGAAGAGAACAGGACTGAGGCCCCAGAAGGGACTGAATCGGAGATGGAGACCCCCAGTGCCATCAATGGCAACCCATCCTGGCACCTGGCAGACAGCCCCGCGGTGAATGGAGCCACTGGCCACAGCAGCAGTTTGGATGCCCGGGAGGTGATCCCCATGGCAGCAGTAAAGCAAGCGCTGAGGGAGGCAGGCGACGAGTTTGAACTGCGGTACCGGCGGGCATTCAGTGACCTGACATCCCAGCTCCACATCACCCCAGGGACAGCATATCAGAGCTTTGAACAGGTAGTGAATGAACTCTTCCGGGATGGGGTAAACTGGGGTCGCATTGTGGCCTTTTTCTCCTTCGGCGGGGCACTGTGCGTGGAAAGCGTAGACAAGGAGATGCAGGTATTGGTGAGTCGGATCGCAGCTTGGATGGCCACTTACCTGAATGACCACCTAGAGCCTTGGATCCAGGAGAACGGCGGCTGGGATACTTTTGTGGAACTCTATGGGAACAATGCAGCAGCCGAGAGCCGAAAGGGCCAGGAACGCTTCAACCGCTGGTTCCTGACGGGCATGACTGTGGCCGGCGTGGTTCTGCTGGGCTCACTCTTCAGTCGGAAATGA
で示されるDNA配列によりコードされるヒトBCLXLを発現し得る。
【0199】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号77:
MSQSNRELVVDFLSYKLSQKGYSWSQFSDVEENRTEAPEETEAERETPSAINGNPSWHLADSPAVNGATGHSSSLDAREVIPMAAVKQALREAGDEFELRYRRAFSDLTSQLHITPGTAYQSFEQVVNELFRDGVNWGRIVAFFSFGGALCVESVDKEMQVLVSRIASWMATYLNDHLEPWIQENGGWDTFVDLYGNNAAAESRKGQERFNRWFLTGMTVAGVVLLGSLFSRK;
で示されるマウスBCLXL、または配列番号78:
ATGTCTCAGAGCAACCGGGAGCTGGTGGTCGACTTTCTCTCCTACAAGCTTTCCCAGAAAGGATACAGCTGGAGTCAGTTTAGTGATGTCGAAGAGAATAGGACTGAGGCCCCAGAAGAAACTGAAGCAGAGAGGGAGACCCCCAGTGCCATCAATGGCAACCCATCCTGGCACCTGGCGGATAGCCCGGCCGTGAATGGAGCCACTGGCCACAGCAGCAGTTTGGATGCGCGGGAGGTGATTCCCATGGCAGCAGTGAAGCAAGCGCTGAGAGAGGCAGGCGATGAGTTTGAACTGCGGTACCGGAGAGCGTTCAGTGATCTAACATCCCAGCTTCACATAACCCCAGGGACCGCGTATCAGAGCTTTGAGCAGGTAGTGAATGAACTCTTTCGGGATGGAGTAAACTGGGGTCGCATCGTGGCCTTTTTCTCCTTTGGCGGGGCACTGTGCGTGGAAAGCGTAGACAAGGAGATGCAGGTATTGGTGAGTCGGATTGCAAGTTGGATGGCCACCTATCTGAATGACCACCTAGAGCCTTGGATCCAGGAGAACGGCGGCTGGGACACTTTTGTGGATCTCTACGGGAACAATGCAGCAGCCGAGAGCCGGAAAGGCCAGGAGCGCTTCAACCGCTGGTTCCTGACGGGCATGACTGTGGCTGGTGTGGTTCTGCTGGGCTCACTCTTCAGTCGGAAGTGA
で示されるDNA配列によりコードされるマウスBCLXLを発現し得る。
【0200】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号79:
MAHAGRTGYDNREIVMKYIHYKLSQRGYEWDAGDVGAAPPGAAPAPGIFSSQPGHTPHPAASRDPVARTSPLQTPAAPGAAAGPALSPVPPVVHLTLRQAGDDFSRRYRRDFAEMSSQLHLTPFTARGRFATVVEELFRDGVNWGRIVAFFEFGGVMCVESVNREMSPLVDNIALWMTEYLNRHLHTWIQDNGGWDAFVELYGPSMRPLFDFSWLSLKTLLSLA;
で示されるヒトBCL 2、または配列番号80:
ATGGCGCACGCTGGGAGAACAGGGTACGATAACCGGGAGATAGTGATGAAGTACATCCATTATAAGCTGTCGCAGAGGGGCTACGAGTGGGATGCGGGAGATGTGGGCGCCGCGCCCCCGGGGGCCGCCCCCGCACCGGGCATCTTCTCCTCCCAGCCCGGGCACACGCCCCATCCAGCCGCATCCCGGGACCCGGTCGCCAGGACCTCGCCGCTGCAGACCCCGGCTGCCCCCGGCGCCGCCGCGGGGCCTGCGCTCAGCCCGGTGCCACCTGTGGTCCACCTGACCCTCCGCCAGGCCGGCGACGACTTCTCCCGCCGCTACCGCCGCGACTTCGCCGAGATGTCCAGCCAGCTGCACCTGACGCCCTTCACCGCGCGGGGACGCTTTGCCACGGTGGTGGAGGAGCTCTTCAGGGACGGGGTGAACTGGGGGAGGATTGTGGCCTTCTTTGAGTTCGGTGGGGTCATGTGTGTGGAGAGCGTCAACCGGGAGATGTCGCCCCTGGTGGACAACATCGCCCTGTGGATGACTGAGTACCTGAACCGGCACCTGCACACCTGGATCCAGGATAACGGAGGCTGGGATGCCTTTGTGGAACTGTACGGCCCCAGCATGCGGCCTCTGTTTGATTTCTCCTGGCTGTCTCTGAAGACTCTGCTCAGTTTGGCCCTGGTGGGAGCTTGCATCACCCTGGGTGCCTATCTGGGCCACAAGTGA
で示されるDNA配列によりコードされるヒトBCL 2を発現し得る。
【0201】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号81:
MAQAGRTGYDNREIVMKYIHYKLSQRGYEWDAGDADAAPLGAAPTPGIFSFQPESNPMPAVHRDMAARTSPLRPLVATAGPALSPVPPVVHLTLRRAGDDFSRRYRRDFAEMSSQLHLTPFTARGRFATVVEELFRDGVNWGRIVAFFEFGGVMCVESVNREMSPLVDNIALWMTEYLNRHLHTWIQDNGGWDAFVELYGPSMRPLFDFSWLSLKTLL;
で示されるマウスBCL 2、または配列番号82:
ATGGCGCAAGCCGGGAGAACAGGGTATGATAACCGGGAGATCGTGATGAAGTACATACATTATAAGCTGTCACAGAGGGGCTACGAGTGGGATGCTGGAGATGCGGACGCGGCGCCCCTGGGGGCTGCCCCCACCCCTGGCATCTTCTCCTTCCAGCCTGAGAGCAACCCAATGCCCGCTGTGCACCGGGACATGGCTGCCAGGACGTCTCCTCTCAGGCCCCTCGTTGCCACCGCTGGGCCTGCGCTCAGCCCTGTGCCACCTGTGGTCCATCTGACCCTCCGCCGGGCTGGGGATGACTTCTCTCGTCGCTACCGTCGTGACTTCGCAGAGATGTCCAGTCAGCTGCACCTGACGCCCTTCACCGCGAGGGGACGCTTTGCCACGGTGGTGGAGGAACTCTTCAGGGATGGGGTGAACTGGGGGAGGATTGTGGCCTTCTTTGAGTTCGGTGGGGTCATGTGTGTGGAGAGCGTCAACAGGGAGATGTCACCCCTGGTGGACAACATCGCCCTGTGGATGACTGAGTACCTGAACCGGCATCTGCACACCTGGATCCAGGATAACGGAGGCTGGGATGCCTTTGTGGAACTATATGGCCCCAGCATGCGACCTCTGTTTGATTTCTCCTGGCTGTCTCTGAAGACCCTGCTCAGCCTGGCCCTGGTCGGGGCCTGCATCACTCTGGGTGCATACCTGGGCCACAAGTGA
で示されるDNA配列によりコードされるマウスBCL 2を発現し得る。
【0202】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号83:
MFGLKRNAVIGLNLYCGGAGLGAGSGGATRPGGRLLATEKEASARREIGGGEAGAVIGGSAGASPPSTLTPDSRRVARPPPIGAEVPDVTATPARLLFFAPTRRAAPLEEMEAPAADAIMSPEEELDGYEPEPLGKRPAVLPLLELVGESGNNTSTDGSLPSTPPPAEEEEDELYRQSLEIISRYLREQATGAKDTKPMGRSGATSRKALETLRRVGDGVQRNHETAFQGMLRKLDIKNEDDVKSLSRVMIHVFSDGVTNWGRIVTLISFGAFVAKHLKTINQESCIEPLAESITDVLVRTKRDWLVKQRGWDGFVEFFHVEDLEGGIRNVLLAFAGVAGVGAGLAYLIR;
で示されるヒトMCL 1、または配列番号84:
ATGTTTGGCCTCAAAAGAAACGCGGTAATCGGACTCAACCTCTACTGTGGGGGGGCCGGCTTGGGGGCCGGCAGCGGCGGCGCCACCCGCCCGGGAGGGCGACTTTTGGCTACGGAGAAGGAGGCCTCGGCCCGGCGAGAGATAGGGGGAGGGGAGGCCGGCGCGGTGATTGGCGGAAGCGCCGGCGCAAGCCCCCCGTCCACCCTCACGCCAGACTCCCGGAGGGTCGCGCGGCCGCCGCCCATTGGCGCCGAGGTCCCCGACGTCACCGCGACCCCCGCGAGGCTGCTTTTCTTCGCGCCCACCCGCCGCGCGGCGCCGCTTGAGGAGATGGAAGCCCCGGCCGCTGACGCCATCATGTCGCCCGAAGAGGAGCTGGACGGGTACGAGCCGGAGCCTCTCGGGAAGCGGCCGGCTGTCCTGCCGCTGCTGGAGTTGGTCGGGGAATCTGGTAATAACACCAGTACGGACGGGTCACTACCCTCGACGCCGCCGCCAGCAGAGGAGGAGGAGGACGAGTTGTACCGGCAGTCGCTGGAGATTATCTCTCGGTACCTTCGGGAGCAGGCCACCGGCGCCAAGGACACAAAGCCAATGGGCAGGTCTGGGGCCACCAGCAGGAAGGCGCTGGAGACCTTACGACGGGTTGGGGATGGCGTGCAGCGCAACCACGAGACGGCCTTCCAAGGCATGCTTCGGAAACTGGACATCAAAAACGAAGACGATGTGAAATCGTTGTCTCGAGTGATGATCCATGTTTTCAGCGACGGCGTAACAAACTGGGGCAGGATTGTGACTCTCATTTCTTTTGGTGCCTTTGTGGCTAAACACTTGAAGACCATAAACCAAGAAAGCTGCATCGAACCATTAGCAGAAAGTATCACAGACGTTCTCGTAAGGACAAAACGGGACTGGCTAGTTAAACAAAGAGGCTGGGATGGGTTTGTGGAGTTCTTCCATGTAGAGGACCTAGAAGGTGGCATCAGGAATGTGCTGCTGGCTTTTGCAGGTGTTGCTGGAGTAGGAGCTGGTTTGGCATATCTAATAAGATAG
で示されるDNA配列によりコードされるヒトMCL 1を発現し得る。
【0203】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号85:
MFGLRRNAVIGLNLYCGGASLGAGGGSPAGARLVAEEAKARREGGGEAALLPGARVVARPPPVGAEDPDVTASAERRLHKSPGLLAVPPEEMAASAAAAIVSPEEELDGCEPEAIGKRPAVLPLLERVSEAAKSSGADGSLPSTPPPPEEEEDDLYRQSLEIISRYLREQATGSKDSKPLGEAGAAGRRALETLRRVGDGVQRNHETAFQGMLRKLDIKNEGDVKSFSRVMVHVFKDGVTNWGRIVTLISFGAFVAKHLKSVNQESFIEPLAETITDVLVRTKRDWLVKQRGWDGFVEFFHVQDLEGGIRNVLLAFAGVAGVGAGLAYLIR;
で示されるマウスMCL 1、または配列番号86:
ATGTTTGGCCTGCGGAGAAACGCGGTCATCGGCTTGAACCTGTACTGCGGCGGCGCCAGCCTCGGCGCGGGCGGCGGTTCTCCGGCAGGGGCGCGCCTGGTGGCCGAGGAGGCCAAGGCGCGGCGCGAGGGGGGAGGGGAGGCCGCCCTGCTGCCCGGCGCGCGGGTGGTCGCCCGGCCGCCGCCCGTGGGCGCCGAGGACCCCGACGTCACCGCGTCGGCCGAAAGGCGGCTGCATAAGTCGCCCGGCCTCCTCGCCGTGCCGCCCGAGGAGATGGCCGCGTCGGCCGCCGCCGCCATCGTGTCTCCGGAGGAGGAACTGGACGGCTGCGAGCCGGAGGCCATCGGCAAGCGCCCGGCCGTGCTGCCCCTCCTGGAGCGCGTGAGCGAGGCGGCCAAGAGCTCCGGGGCCGACGGCTCTCTGCCCTCCACGCCGCCGCCGCCCGAGGAGGAAGAGGACGACCTATACCGCCAGTCGCTGGAGATCATCTCGCGCTACTTGCGGGAGCAGGCGACCGGCTCCAAGGACTCGAAGCCTCTGGGCGAGGCGGGCGCGGCGGGCCGGAGAGCGCTGGAGACCCTGCGGCGCGTGGGCGACGGCGTGCAGCGCAACCACGAGACGGCCTTCCAGGGCATGCTCCGGAAACTGGACATTAAAAACGAAGGCGATGTTAAATCTTTTTCTCGAGTAATGGTCCATGTTTTCAAAGATGGCGTAACAAACTGGGGCAGGATTGTGACTCTTATTTCTTTCGGTGCCTTTGTGGCCAAACACTTAAAGAGCGTAAACCAAGAAAGCTTCATCGAACCATTAGCAGAAACTATCACAGATGTTCTTGTAAGGACGAAACGGGACTGGCTTGTCAAACAAAGAGGCTGGGATGGGTTTGTGGAGTTCTTCCACGTACAGGACCTAGAAGGCGGCATCAGAAATGTGCTGCTGGCTTTTGCGGGTGTTGCTGGAGTAGGGGCTGGTCTGGCATATCTAATAAGATAG
で示されるDNA配列によりコードされるマウスMCL 1を発現し得る。
【0204】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号87:
MYRMQLLSCIALSLALVTNSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQSIISTLT;
で示されるヒトIL-2、または配列番号88:
ATGTACAGGATGCAACTCCTGTCTTGCATTGCACTAAGTCTTGCACTTGTCACAAACAGTGCACCTACTTCAAGTTCTACAAAGAAAACACAGCTACAACTGGAGCATTTACTGCTGGATTTACAGATGATTTTGAATGGAATTAATAATTACAAGAATCCCAAACTCACCAGGATGCTCACATTTAAGTTTTACATGCCCAAGAAGGCCACAGAACTGAAACATCTTCAGTGTCTAGAAGAAGAACTCAAACCTCTGGAGGAAGTGCTAAATTTAGCTCAAAGCAAAAACTTTCACTTAAGACCCAGGGACTTAATCAGCAATATCAACGTAATAGTTCTGGAACTAAAGGGATCTGAAACAACATTCATGTGTGAATATGCTGATGAGACAGCAACCATTGTAGAATTTCTGAACAGATGGATTACCTTTTGTCAAAGCATCATCTCAACACTGACTTGA
で示されるDNA配列によりコードされるヒトIL-2を発現し得る。
【0205】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号89:
MYSMQLASCVTLTLVLLVNSAPTSSSTSSSTAEAQQQQQQQQQQQQHLEQLLMDLQELLSRMENYRNLKLPRMLTFKFYLPKQATELKDLQCLEDELGPLRHVLDLTQSKSFQLEDAENFISNIRVTVVKLKGSDNTFECQFDDES;
で示されるマウスIL-2、または配列番号90:
ATGTACAGCATGCAGCTCGCATCCTGTGTCACATTGACACTTGTGCTCCTTGTCAACAGCGCACCCACTTCAAGCTCCACTTCAAGCTCTACAGCGGAAGCACAGCAGCAGCAGCAGCAGCAGCAGCAGCAGCAGCAGCACCTGGAGCAGCTGTTGATGGACCTACAGGAGCTCCTGAGCAGGATGGAGAATTACAGGAACCTGAAACTCCCCAGGATGCTCACCTTCAAATTTTACTTGCCCAAGCAGGCCACAGAATTGAAAGATCTTCAGTGCCTAGAAGATGAACTTGGACCTCTGCGGCATGTTCTGGATTTGACTCAAAGCAAAAGCTTTCAATTGGAAGATGCTGAGAATTTCATCAGCAATATCAGAGTAACTGTTGTAAAACTAAAGGGCTCTGACAACACATTTGAGTGCCAATTCGATGATGAGTCAGCAACTGTGGTGGACTTTCTGAGGAGATGGATAGCCTTCTGTCAAAGCATCATCTCAACAAGCCCTCAATAA
で示されるDNA配列によりコードされるマウスIL-2を発現し得る。
【0206】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号91:
MIETYNQTSPRSAATGLPISMKIFMYLLTVFLITQMIGSALFAVYLHRRLDKIEDERNLHEDFVFMKTIQRCNTGERSLSLLNCEEIKSQFEGFVKDIMLNKEETKKENSFEMQKGDQNPQIAAHVISEASSKTTSVLQWAEKGYYTMSNNLVTLENGKQLTVKRQGLYYIYAQVTFCSNREASSQAPFIASLCLKSPGRFERILLRAANTHSSAKPCGQQSIHLGGVFELQPGASVFVNVTDPSQVSHGTGFTSFGLLKL;
で示されるヒトCD40L、または配列番号92:
ATGATCGAAACATACAACCAAACTTCTCCCCGATCTGCGGCCACTGGACTGCCCATCAGCATGAAAATTTTTATGTATTTACTTACTGTTTTTCTTATCACCCAGATGATTGGGTCAGCACTTTTTGCTGTGTATCTTCATAGAAGGTTGGACAAGATAGAAGATGAAAGGAATCTTCATGAAGATTTTGTATTCATGAAAACGATACAGAGATGCAACACAGGAGAAAGATCCTTATCCTTACTGAACTGTGAGGAGATTAAAAGCCAGTTTGAAGGCTTTGTGAAGGATATAATGTTAAACAAAGAGGAGACGAAGAAAGAAAACAGCTTTGAAATGCAAAAAGGTGATCAGAATCCTCAAATTGCGGCACATGTCATAAGTGAGGCCAGCAGTAAAACAACATCTGTGTTACAGTGGGCTGAAAAAGGATACTACACCATGAGCAACAACTTGGTAACCCTGGAAAATGGGAAACAGCTGACCGTTAAAAGACAAGGACTCTATTATATCTATGCCCAAGTCACCTTCTGTTCCAATCGGGAAGCTTCGAGTCAAGCTCCATTTATAGCCAGCCTCTGCCTAAAGTCCCCCGGTAGATTCGAGAGAATCTTACTCAGAGCTGCAAATACCCACAGTTCCGCCAAACCTTGCGGGCAACAATCCATTCACTTGGGAGGAGTATTTGAATTGCAACCAGGTGCTTCGGTGTTTGTCAATGTGACTGATCCAAGCCAAGTGAGCCATGGCACTGGCTTCACGTCCTTTGGCTTACTCAAACTCTGA
で示されるDNA配列によりコードされるヒトCD40Lを発現し得る。
【0207】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号93:
MIETYSQPSPRSVATGLPASMKIFMYLLTVFLITQMIGSVLFAVYLHRRLDKVEEEVNLHEDFVFIKKLKRCNKGEGSLSLLNCEEMRRQFEDLVKDITLNKEEKKENSFEMQRGDEDPQIAAHVVSEANSNAASVLQWAKKGYYTMKSNLVMLENGKQLTVKREGLYYVYTQVTFCSNREPSSQRPFIVGLWLKPSSGSERILLKAANTHSSSQLCEQQSVHLGGVFELQAGASVFVNVTEASQVIHRVGFSSFGLLKL;
で示されるマウスCD40L、または配列番号94:
ATGATAGAAACATACAGCCAACCTTCCCCCAGATCCGTGGCAACTGGACTTCCAGCGAGCATGAAGATTTTTATGTATTTACTTACTGTTTTCCTTATCACCCAAATGATTGGATCTGTGCTTTTTGCTGTGTATCTTCATAGAAGATTGGATAAGGTCGAAGAGGAAGTAAACCTTCATGAAGATTTTGTATTCATAAAAAAGCTAAAGAGATGCAACAAAGGAGAAGGATCTTTATCCTTGCTGAACTGTGAGGAGATGAGAAGGCAATTTGAAGACCTTGTCAAGGATATAACGTTAAACAAAGAAGAGAAAAAAGAAAACAGCTTTGAAATGCAAAGAGGTGATGAGGATCCTCAAATTGCAGCACACGTTGTAAGCGAAGCCAACAGTAATGCAGCATCCGTTCTACAGTGGGCCAAGAAAGGATATTATACCATGAAAAGCAACTTGGTAATGCTTGAAAATGGGAAACAGCTGACGGTTAAAAGAGAAGGACTCTATTATGTCTACACTCAAGTCACCTTCTGCTCTAATCGGGAGCCTTCGAGTCAACGCCCATTCATCGTCGGCCTCTGGCTGAAGCCCAGCAGTGGATCTGAGAGAATCTTACTCAAGGCGGCAAATACCCACAGTTCCTCCCAGCTTTGCGAGCAGCAGTCTGTTCACTTGGGCGGAGTGTTTGAATTACAAGCTGGTGCTTCTGTGTTTGTCAACGTGACTGAAGCAAGCCAAGTGATCCACAGAGTTGGCTTCTCATCTTTTGGCTTACTCAAACTCTGA
で示されるDNA配列によりコードされるマウスCD40Lを発現し得る。
【0208】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号95:
MCLSHLENMPLSHSRTQGAQRSSWKLWLFCSIVMLLFLCSFSWLIFIFLQLETAKEPCMAKFGPLPSKWQMASSEPPCVNKVSDWKLEILQNGLYLIYGQVAPNANYNDVAPFEVRLYKNKDMIQTLTNKSKIQNVGGTYELHVGDTIDLI;
で示されるヒトGITR-L、または配列番号96:
ATGTGTTTGAGCCACTTGGAAAATATGCCTTTAAGCCATTCAAGAACTCAAGGAGCTCAGAGATCATCCTGGAAGCTGTGGCTCTTTTGCTCAATAGTTATGTTGCTATTTCTTTGCTCCTTCAGTTGGCTAATCTTTATTTTTCTCCAATTAGAGACTGCTAAGGAGCCCTGTATGGCTAAGTTTGGACCATTACCCTCAAAATGGCAAATGGCATCTTCTGAACCTCCTTGCGTGAATAAGGTGTCTGACTGGAAGCTGGAGATACTTCAGAATGGCTTATATTTAATTTATGGCCAAGTGGCTCCCAATGCAAACTACAATGATGTAGCTCCTTTTGAGGTGCGGCTGTATAAAAACAAAGACATGATACAAACTCTAACAAACAAATCTAAAATCCAAAATGTAGGAGGGACTTATGAATTGCATGTTGGGGACACCATAGACTTGATATTCAACTCTGAGCATCAGGTTCTAAAAAATAATACATACTGGGGTATCATTTTACTAGCAAATCCCCAATTCATCTCCTAG
で示されるDNA配列によりコードされるヒトGITR-Lを発現し得る。
【0209】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号97:
MEEMPLRESSPQRAERCKKSWLLCIVALLLMLLCSLGTLIYTSLKPTAIESCMVKFELSSSKWHMTSPKPHCVNTTSDGKLKILQSGTYLIYGQVIPVDKKYIKDNAPFVVQIYKKNDVLQTLMNDFQILPIGGVYELHAGDNIYLKFNSKDHIQKTNTYWGII;
で示されるマウスGITR-L、または配列番号98:
ATGGAGGAAATGCCTTTGAGAGAATCAAGTCCTCAAAGGGCAGAGAGGTGCAAGAAGTCATGGCTCTTGTGCATAGTGGCTCTGTTACTGATGTTGCTCTGTTCTTTGGGTACACTGATCTATACTTCACTCAAGCCAACTGCCATCGAGTCCTGCATGGTTAAGTTTGAACTATCATCCTCAAAATGGCACATGACATCTCCCAAACCTCACTGTGTGAATACGACATCTGATGGGAAGCTGAAGATACTGCAGAGTGGCACATATTTAATCTACGGCCAAGTGATTCCTGTGGATAAGAAATACATAAAAGACAATGCCCCCTTCGTAGTACAGATATATAAAAAGAATGATGTCCTACAAACTCTAATGAATGATTTTCAAATCTTGCCTATAGGAGGGGTTTATGAACTGCATGCTGGAGATAACATATATCTGAAGTTCAACTCTAAAGACCATATTCAGAAAACTAACACATACTGGGGGATCATCTTAATGCCTGATCTACCATTCATCTCTTAG
で示されるDNA配列によりコードされるマウスGITR-Lを発現し得る。
【0210】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号99:
MGHLSAPLHRVRVPWQGLLLTASLLTFWNPPTTAQLTTESMPFNVAEGKEVLLLVHNLPQQLFGYSWYKGERVDGNRQIVGYAIGTQQATPGPANSGRETIYPNASLLIQNVTQNDTGFYTLQVIKSDLVNEEATGQFHVYPELPKPSISSNNSNPVEDKDAVAFTCEPETQDTTYLWWINNQSLPVSPRLQLSNGNRTLTLLSVTRNDTGPYECEIQNPVSANRSDPVTLNVTYGPDTPTISPSDTYYRPGANLSLSCYAASNPPAQYSWLINGTFQQSTQELFIPNITVNNSGSYTCHANNSVTGCNRTTVKTIIVTELSPVVAKPQIKASKTTVTGDKDSVNLTCSTNDTGISIRWFFKNQSLPSSERMKLSQGNTTLSINPVKREDAGTYWCEVFNPISKNQSDPIMLNVNYNALPQENGLSPGAIAGIVIGVVALVALIAVALACFLHFGKTGSSGPLQ;
で示されるヒトCD66a、または配列番号100:
ATGGGGCACCTCTCAGCCCCACTTCACAGAGTGCGTGTACCCTGGCAGGGGCTTCTGCTCACAGCCTCACTTCTAACCTTCTGGAACCCGCCCACCACTGCCCAGCTCACTACTGAATCCATGCCATTCAATGTTGCAGAGGGGAAGGAGGTTCTTCTCCTTGTCCACAATCTGCCCCAGCAACTTTTTGGCTACAGCTGGTACAAAGGGGAAAGAGTGGATGGCAACCGTCAAATTGTAGGATATGCAATAGGAACTCAACAAGCTACCCCAGGGCCCGCAAACAGCGGTCGAGAGACAATATACCCCAATGCATCCCTGCTGATCCAGAACGTCACCCAGAATGACACAGGATTCTACACCCTACAAGTCATAAAGTCAGATCTTGTGAATGAAGAAGCAACTGGACAGTTCCATGTATACCCGGAGCTGCCCAAGCCCTCCATCTCCAGCAACAACTCCAACCCTGTGGAGGACAAGGATGCTGTGGCCTTCACCTGTGAACCTGAGACTCAGGACACAACCTACCTGTGGTGGATAAACAATCAGAGCCTCCCGGTCAGTCCCAGGCTGCAGCTGTCCAATGGCAACAGGACCCTCACTCTACTCAGTGTCACAAGGAATGACACAGGACCCTATGAGTGTGAAATACAGAACCCAGTGAGTGCGAACCGCAGTGACCCAGTCACCTTGAATGTCACCTATGGCCCGGACACCCCCACCATTTCCCCTTCAGACACCTATTACCGTCCAGGGGCAAACCTCAGCCTCTCCTGCTATGCAGCCTCTAACCCACCTGCACAGTACTCCTGGCTTATCAATGGAACATTCCAGCAAAGCACACAAGAGCTCTTTATCCCTAACATCACTGTGAATAATAGTGGATCCTATACCTGCCACGCCAATAACTCAGTCACTGGCTGCAACAGGACCACAGTCAAGACGATCATAGTCACTGAGCTAAGTCCAGTAGTAGCAAAGCCCCAAATCAAAGCCAGCAAGACCACAGTCACAGGAGATAAGGACTCTGTGAACCTGACCTGCTCCACAAATGACACTGGAATCTCCATCCGTTGGTTCTTCAAAAACCAGAGTCTCCCGTCCTCGGAGAGGATGAAGCTGTCCCAGGGCAACACCACCCTCAGCATAAACCCTGTCAAGAGGGAGGATGCTGGGACGTATTGGTGTGAGGTCTTCAACCCAATCAGTAAGAACCAAAGCGACCCCATCATGCTGAACGTAAACTATAATGCTCTACCACAAGAAAATGGCCTCTCACCTGGGGCCATTGCTGGCATTGTGATTGGAGTAGTGGCCCTGGTTGCTCTGATAGCAGTAGCCCTGGCATGTTTTCTGCATTTCGGGAAGACCGGCAGCTCAGGACCACTCCAATGA
で示されるDNA配列によりコードされるヒトCD66aを発現し得る。
【0211】
別の非限定的な例では、APCは、配列番号101:
MELASAHLHKGQVPWGGLLLTASLLASWSPATTAEVTIEAVPPQVAEDNNVLLLVHNLPLALGAFAWYKGNTTAIDKEIARFVPNSNMNFTGQAYSGREIIYSNGSLLFQMITMKDMGVYTLDMTDENYRRTQATVRFHVHPILLKPNITSNNSNPVEGDDSVSLTCDSYTDPDNINYLWSRNGESLSEGDRLKLSEGNRTLTLLNVTRNDTGPYVCETRNPVSVNRSDPFSLNIIYGPDTPIISPSDIYLHPGSNLNLSCHAASNPPAQYFWLINEKPHASSQELFIPNITTNNSGTYTCFVNNSVTGLSRTTVKNITVLEPVTQPFLQVTNTTVKELDSVTLTCLSNDIGANIQWLFNSQSLQLTERMTLSQNNSILRIDPIKREDAGEYQCEISNPVSVRRSNSIKLDIIFDPTQGGLSDGAIAGIVIGVVAGVALIAGLAYFLYSRKSGGSGSF;
で示されるマウスCD66a、または配列番号102:
ATGGAGCTGGCCTCAGCACATCTCCACAAAGGGCAGGTTCCCTGGGGAGGACTACTGCTCACAGCCTCACTTTTAGCCTCCTGGAGCCCTGCCACCACTGCTGAAGTCACCATTGAGGCTGTGCCGCCCCAGGTTGCTGAAGACAACAATGTTCTTCTACTTGTTCACAATCTGCCCCTGGCGCTTGGAGCCTTTGCCTGGTACAAGGGAAACACTACGGCTATAGACAAAGAAATTGCACGATTTGTACCAAATAGTAATATGAATTTCACGGGGCAAGCATACAGCGGCAGAGAGATAATATACAGCAATGGATCCCTGCTCTTCCAAATGATCACCATGAAGGATATGGGAGTCTACACACTAGATATGACAGATGAAAACTATCGTCGTACTCAGGCGACTGTGCGATTTCATGTACACCCCATATTATTAAAGCCCAACATCACAAGCAACAACTCCAATCCCGTGGAGGGTGACGACTCCGTATCATTAACCTGTGACTCTTACACTGACCCTGATAATATAAACTACCTGTGGAGCAGAAATGGTGAAAGCCTTTCAGAAGGTGACAGGCTGAAGCTGTCTGAGGGCAACAGGACTCTCACTTTACTCAATGTCACGAGGAATGACACAGGACCCTATGTGTGTGAAACCCGGAATCCAGTGAGTGTCAACCGAAGTGACCCATTCAGCCTGAACATTATCTATGGTCCGGACACCCCGATTATATCCCCCTCAGATATTTATTTGCATCCAGGGTCAAACCTCAACCTCTCCTGCCATGCAGCCTCTAACCCACCTGCACAGTACTTTTGGCTTATCAATGAGAAGCCCCATGCATCCTCCCAAGAGCTCTTTATCCCCAACATCACTACTAATAATAGCGGAACCTATACCTGCTTCGTCAATAACTCTGTCACTGGCCTCAGTAGGACCACAGTCAAGAACATTACAGTCCTTGAGCCAGTGACTCAGCCCTTCCTCCAAGTCACCAACACCACAGTCAAAGAACTAGACTCTGTGACCCTGACCTGCTTGTCGAATGACATTGGAGCCAACATCCAGTGGCTCTTCAATAGCCAGAGTCTTCAGCTCACAGAGAGAATGACACTCTCCCAGAACAACAGCATCCTCAGAATAGACCCTATTAAGAGGGAAGATGCCGGCGAGTATCAGTGTGAAATCTCGAATCCAGTCAGCGTCAGGAGGAGCAACTCAATCAAGCTGGACATAATATTTGACCCAACACAAGGAGGCCTCTCAGATGGCGCCATTGCTGGCATCGTGATTGGAGTTGTGGCTGGGGTGGCTCTAATAGCAGGGCTGGCATATTTCCTCTATTCCAGGAAGTCTGGCGGATCTGGCTCCTTCTGA
で示されるDNA配列によりコードされるマウスCD66aを発現し得る。
【0212】
特定の実施形態では、APC、特にB細胞は、OX40L(配列番号1)、4-1BB(配列番号5)および/またはIL-12(配列番号49)をコードする核酸を発現するように操作されている。特定の実施形態では、APC、特にB細胞は、OX40L(配列番号1)、4-1BB(配列番号5)および/またはIL-12(配列番号49)のうちの少なくとも2つをコードする核酸を発現するように操作されている。特定の実施形態では、APC、特にB細胞は、OX40L(配列番号1)、4-1BB(配列番号5)およびIL-12(配列番号49)をコードする核酸を発現するように操作されている。ある特定の実施形態では、OX40L(配列番号1)、4-1BB(配列番号5)および/またはIL-12(配列番号49)をコードする核酸は、リンパ球との接触の前に、拡大されたB細胞にトランスフェクトされたmRNAである。
【0213】
ある特定の実施形態では、APC培養物は、B細胞培養自体においてまたは白血球、例えばT細胞、との共培養中のどちらかでサイトカイン分泌が検出可能である、少なくとも50%B細胞であるべきである。
【0214】
3.5 拡大培養および培養培地
リンパ球培養は、拡大培養、すなわち、所望の抗原(例えば、腫瘍または感染組織の対象試料により発現される)に対して特異的なリンパ球(好ましくはヒトリンパ球、より好ましくは初代ヒトリンパ球、および最も好ましくは初代ヒトT細胞(TILを含む))の所望のクラスまたはサブクラスを選択的に拡大することである。拡大は、GREX(Wilson Wolff)、Cytiva Waveバイオリアクター、Ori(Ori Biotech)、Cocoon(Lonza)、およびADVA(ADVA Biotech)を含むがこれらに限定されない、当技術分野において公知のまたは本明細書に記載される任意の好適なバイオリアクターにおいて行うことができる。細胞を選択および収集するために、機器、例えば、ADVA(ADVA Biotech)、LOVO(Fresenius Kabi)、EKKO Millipore Sigma)、Sepia(Cytiva)、Elite、Miltenyi Prodigy、または同様の細胞選択機器を使用することもできる。
【0215】
本発明の方法は「管理されている単一の培養容器」で行われることが、本明細書では好ましい。つまり、最終細胞集団への患者由来の試料からの拡大プロトコール全体が、細胞培養物の体積が増加した時点でより大きい容器に培養物を移す必要なく、単一の培養容器内で好ましくは行われる。
【0216】
本発明の中では、単一の培養容器は、好ましくは、バイオリアクターの成長チャンバーである。成長チャンバーは、細胞培養の体積をそのプロセスを通して調整することを可能にする形状を有し得る。ある特定の実施形態では、成長チャンバーは、逆円錐形の形状、または成長チャンバーの底部に向かって細くなっている任意の他の形状を有する。そのような形状を有する成長チャンバーは、比較的小さな体積での初期培養を可能にする。同時に、そのような成長チャンバーは、初期培養体積を何倍も増加させる可能性を提供し、したがって、より大きな容器に切り替える必要なく初期細胞集団が大規模に拡大することを可能にする。
【0217】
単一の培養容器が「管理されている」ことが、本明細書では好ましい。培養容器は、培養容器の中の培養培地の少なくとも1つのパラメーターをモニターすることができ、必要に応じて調整することができる場合、管理されている。好ましくは、本明細書で開示される培養培地のパラメーターのうちの1つまたは複数を、本発明による管理されている単一の培養容器においてモニターすることができ、調整することができる。
【0218】
当技術分野において公知のまたは本明細書に記載される任意の好適な細胞培地を拡大に使用することができる。非限定的な例としては、市販の培地、例えば、PRIME-XV(Irvine Scientific)、X-Vivo(Lonza)、Excellerate(R&D Systems)、CTS Optimizer(Thermo Fisher)、LymphoOne T Cell Medium(Takara)、Stemline、ATCC Media(LGC Standards)、およびImmunoCult(商標)-XF T細胞拡大培地が挙げられる。拡大培地は、IL-2またはバリアントIL 2を含有し得、このバリアントバージョンは、非限定的な実施形態では、次の変異体のいずれかを単独でまたは組み合わせて含む:M1(Q22V、Q126A、I129D、S130G)、M2(L18N、Q126Y、S136R、M3 Q13Y、Q126Y、I129D、S1230R)、および/またはM4(L18N、Q22V、T123A、S130R)。加えて、IL-2バリアントは、参照により本明細書に完全に組み込まれる、WO2011/063770または米国特許第8,759,486号において開示されている、IL-2バリアントのいずれかであり得る。
【0219】
培地は、0.5g/l~20g/lのグルコース;MEMビタミンミックス、グルタミンを含む、追加のビタミン;Pluronic;ならびにフィトヘムアグルチニン(PHA)、コンカナバリンA(ConA)、ヤマゴボウマイトジェン(PWM)、メゼレイン(Mzn)および/またはテトラデカノイルホルボールアセテート(TPA)を含む、1つまたは複数のマイトジェンをさらに含み得る。
【0220】
好ましくは、リンパ球は、ADVAバイオリアクター、特に、ADVA X3バイオリアクターで培養される。
【0221】
培養培地は、腫瘍および他の細胞よりリンパ球(好ましくはヒトリンパ球、より好ましくは初代ヒトリンパ球、最も好ましくは初代ヒトT細胞((TIL)を含む))の成長に好都合である条件下でIL-2またはそのバリアントを含有し得る。一部の実施形態では、ILは、組換えヒトIL-2(rhIL-2)である。培養培地は、約5,000IU/mL~約9,000IU/mLのIL-2、約6,000IU/mL~約8,000IU/mLのIL-2、または約6,000IU/mL~約7,000IU/mLのIL-2を含み得る。培養培地は、約10,000IU/mLのIL-2、約9,000IU/mLのIL-2、約8,000IU/mLのIL-2、約7,000IU/mLのIL-2、約6000IU/mLのIL-2、約5,000IU/mLのIL-2、約4,000IU/mL、約3,000IU/mLのIL-2、または約1,000IU/mLのIL-2を含み得る。好ましくは、培地にIL-2またはその活性バリアントが培養プロセス全体を通して補充される。好ましくは、IL-2またはその活性バリアントは、約3000IU/mLの最終濃度まで培養培地に添加される。
【0222】
加えてまたは代替的に、培養培地は、ヒトAB血清(hAB)を含み得る。培養培地は、約1%~約20%のhAB、約4%~約18%のhAB、約6%~約15%のhAB、または約8%~約12%のhABを含み得る。培養培地は、約2.5%のhAB、約5%のhAB、約7.5%のhAB、約10%のhAB、約12.5%のhAB、約15%のhAB、約17.5のhAB、または約20%のhABを含み得る。hABの代わりに、hABの代替物、例えば、ヒト血清(huS)もしくは血小板溶解物(hPL)を使用することができ、または当技術分野において公知の任意の合成hABバリアントを使用することができる。
【0223】
加えてまたは代替的に、培養培地は、IL-15を含み得る。培養培地は、約100IU/mL~約500IU/mLのIL-15、約100IU/mL~約400IU/mLのIL-15、約100IU/mL~約300IU/mLのIL-15、または約100IU/ml~約200IU/mLのIL-15を含み得る。培養培地は、約500IU/mLのIL-15、約400IU/mLのIL-15、約300IU/mLのIL-15、約200IU/mLのIL-15、約180IU/mLのIL-15、約160IU/mLのIL-15、約140IU/mLのIL-15、約120IU/mLのIL-15、または約100IU/mLのIL-15を含み得る。
【0224】
加えてまたは代替的に、培養培地は、IL-21を含み得る。培養培地は、約0.5IU/mL~約20IU/mLのIL-21、約0.5IU/mL~約15IU/mLのIL-21、0.5IU/mL~約12IU/mLのIL-21、約0.5IU/mL~約10IU/mLのIL-21、約0.5IU/mL~約5IU/mLのIL-21、または約0.5IU/mL~約1IU/mLのIL-21を含み得る。培養培地は、約20IU/mL、約15IU/mL、約12IU/mL、約10IU/mL、約5IU/mL、約4IU/mL、約3IU/mL、約2IU/mL、約1IU/mL、または約0.5IU/mLのIL-21を含み得る。
【0225】
培地中のAPCは、IL-12を産生するように遺伝子操作されていることが、本明細書では好ましい。しかし、遺伝子操作されたAPCを使用するのではなく、IL-12を、リンパ球の拡大を支持するために任意の好適な濃度でサプリメントとして培養培地に添加することもできる。
【0226】
細胞培養培地は、1つまたは複数のTNFRSFアゴニストも含み得る。一部の実施形態では、TNFRSFアゴニストは、4-1BBアゴニストを含み、4-1BBアゴニストは、非限定的な例では、ウレルマブ、ウトミルマブ、EU-101、またはその融合タンパク質、断片、誘導体、バリアントもしくはバイオシミラーであり得、TNSFRアゴニストは、本明細書で列挙されるおよび/または当技術分野において公知のアゴニストの組合せも含み得る。TNFRSFアゴニストは、細胞培養培地中、0.1μg/mL~100μg/mLの間、または20μg/mL~40μg/mLの間の濃度を達成するために十分な濃度で添加され得る。
【0227】
本発明の方法は、以下のモードを含むことが好ましい:
a)回分モード:このステップ中、腫瘍試料は、回分モードでAPCと共培養される。この静的拡大ステップ中、リンパ球の拡大は、全くまたは非常に限定的にしか起こらない。好ましくは、拡大開始ステップ中にpHおよび溶存酸素(DO)濃度はモニターおよび管理され、必要に応じて調整される。
【0228】
b)流加モード:リンパ球がバッチ培養で拡大すると、培養培地の組成の変化が観察されることになる。特に、培養培地中のグルコースの濃度が降下することになり、乳酸が蓄積されることになる。グルコースおよび乳酸濃度を定義された範囲内で維持するために、新鮮培地(グルコースを含有し、乳酸を含まない)が成長チャンバーに供給されて、培養培地中のグルコース濃度を上昇させ、乳酸濃度を低下させる。流加モード中に、培養培地のpH、DO濃度、グルコース濃度および乳酸濃度がモニターされ、必要に応じて調整されることが好ましい。流加モード中の培養培地の添加に起因して、培養体積は増加することになる。流加モードは、好ましくは、バイオリアクターが定義された容積に達するまで継続される。
【0229】
c)循環モード:バイオリアクターの定義された容積に達すると、培養培地が成長チャンバー内で/から循環される。つまり、培養培地は、成長チャンバーから除去され、そしてその後、成長チャンバーに循環されて戻り得る。循環モード中に、培養培地のpH、DO濃度、グルコース濃度および乳酸濃度がモニターされることが好ましい。pHおよびDO濃度を、必要に応じて、定義された値に合うように調整することができる。循環モードは、好ましくは、グルコースおよび/または乳酸濃度が事前に定義された許容範囲外になるまで行われる。
【0230】
d)灌流モード:グルコースおよび/または乳酸濃度が、もはや事前に定義された許容範囲内でなくなると、バイオリアクターは、灌流モードに切り替わることになる。つまり、成長培地は、成長チャンバーから恒常的にまたは段階的に除去されて廃棄物となり、同時に、新鮮培養培地が添加される。灌流モード中に、培養培地のpH、DO濃度、グルコース濃度および乳酸濃度がモニターされることが好ましい。pHおよびDO濃度を、必要に応じて、定義された値に合うように調整することができる。灌流速度を調整することにより、グルコースおよび乳酸濃度を微調整することができる。
【0231】
第1のステップで、腫瘍試料は、回分モード中、バイオリアクターの成長チャンバー内で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12日間にわたって培養される。この間に、腫瘍試料に含まれているTILは、腫瘍試料から移動することになる。しかし、リンパ球は、例えばAPCによる活性化によって、少なくともある程度は回分モード中にも拡大し得ることを理解されたい。回分モードは、同じバイオリアクターの中で後続の拡大ステップの直ぐ前に行われることが、本明細書では好ましい。しかし、回分モードは、腫瘍試料がプロセシングされる場合/それがバイオリアクターに添加される前に、省略または短縮されることもある。例えば、腫瘍断片を酵素消化することができ、次いで、得られたTILを拡大ステップのためにバイオリアクターに移すことができる。
【0232】
回分モードは、好ましくは回分培養で行われ、つまり、新鮮培養培地はこのステップ中に添加されない。しかし、必要に応じてpHおよび溶存酸素レベルが回分モード中に調整され、モニターされ、事前に定義された範囲内で維持されることが好ましい。
【0233】
APCおよび/または少なくとも1つの抗原が回分モード中に腫瘍試料と一緒に成長チャンバーに添加されることが好ましい。しかし、APCおよび/または抗原を、より後の時点で、TILに添加することもできる。
【0234】
好ましくは、APCおよび抗原は、活性化抗CD3抗体の添加の前に、成長チャンバー内の腫瘍試料に添加される。好ましくは、APCおよび必要に応じて抗原は、活性化抗CD3抗体より少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9または10日前に腫瘍試料に添加される。
【0235】
好ましい実施形態では、リンパ球は、抗原提示細胞(APC)と、特にB細胞と、共培養される。リンパ球とAPCを、リンパ球によるMHC提示抗原ペプチドの十分な可用性を可能にする比で、混合することができる。
【0236】
さらに、APCおよび特にB細胞が、T細胞を活性化することができる、ひいてはT細胞拡大を誘発することができる、サイトカインを分泌することは、公知である。したがって、リンパ球とAPCを、リンパ球によるAPC分泌サイトカインの十分な可用性およびリンパ球への共刺激を可能にする比で、混合することができる。
【0237】
ある特定の実施形態では、B細胞は、リンパ球、特にTIL、を含有すると分かっているまたは思われる腫瘍断片とともに培養される。特に、1~3mm3のサイズを有する1つの腫瘍断片を約1×104、5×104、10×104、25×104、50×104、75×104、100×104、250×104、500×104、750×104または1000×104、2500×104、5000×104、7500×104、10000×104個のB細胞と接触させることが好ましい。特に好ましい実施形態では、1~3mm3のサイズを有する1つの腫瘍断片を約105~107個のB細胞と、より好ましくは、約106個のB細胞と接触させることが特に好ましい。
【0238】
ある特定の実施形態では、1~3mm3のサイズを有する10~1000の間の腫瘍断片が、培養物に添加される。ある特定の実施形態では、1~3mm3のサイズを有する25~500の間、好ましくは50~250の間、より好ましくは50~150の間、最も好ましくは50~100の間の腫瘍断片が、培養物に添加される。
【0239】
あるいは、B細胞は、単離されたリンパ球、特に、単離されたT細胞とともに、培養され得る。ある特定の実施形態では、T細胞は、当技術分野において公知の任意の方法により血液から単離することができる。ある特定の実施形態では、T細胞は、腫瘍試料から、例えば、腫瘍試料の酵素消化により、単離された腫瘍浸潤リンパ球であり得る。ある特定の実施形態では、培養物中のT細胞のB細胞に対する初期比は、約1:10000、1:9000、1:8000、1:7000、1:6000、1:5000、1:4000、1:3000、1:2000 1:1000、1:900、1:800、1:700、1:600、1:500、1:400、1:300、1:200、1:100、1:90、1:80、1:70、1:60、1:50、1:40、1:30、1:20、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2または1:1である。好ましくは、T細胞のB細胞に対する初期比は、1:10000~1:100の間、より好ましくは1:3000~1:300の間である。
【0240】
最初の遅延期の後、成長チャンバー内のリンパ球は、好適な抗原を提示する抗原提示細胞の存在下で拡大を開始する。リンパ球が拡大を開始したら、成長培地の組成および/または体積がリンパ球の拡大速度に基づいて調整されること(回分モードから流加モードへの移行)が、本明細書では好ましい。そのために、培養培地のある特定のパラメーターを継続的にモニターする必要がある。
【0241】
回分モードの後に流加モードが続き、流加モード中に、成長チャンバー内の培養培地の組成を調整および/または維持する目的で新鮮培養培地が成長チャンバーに添加される。そのために、成長チャンバー内の培養培地の1つまたは複数のパラメーターをモニターし、必要に応じて、事前に定義された範囲または値に合わせて調整する必要がある。パラメーターは、限定ではないが、pH、溶存酸素(DO)濃度、グルコース濃度、乳酸濃度、グルタミン濃度、グルタミン酸濃度、および温度を含む。グルコースおよび乳酸ならびに必要に応じてグルタミン酸および/またはグルタミンの濃度は、成長チャンバーに新鮮培養培地を添加することにより調整されることが好ましい。pHおよび/またはFOは、成長チャンバーの上部空隙内の酸素および/または二酸化炭素を調整することにより、調整することができる。培養培地の温度は、発熱体で調整することができる。
【0242】
新鮮培養培地が、流加モード中に成長チャンバーに添加される際、新鮮培養培地は、成長チャンバーに入る新鮮培地がリンパ球と直接接触することになるように、成長チャンバーの底部付近に添加されることが好ましい。好ましくは、リンパ球は、成長チャンバーの底部付近の流入口から膜または有孔バリアで隔てられている。
【0243】
流加モードは、最終的に、培養体積を増加させる結果となる。新鮮培養培地が成長チャンバーに添加される速度は、栄養素(すなわち、グルコース)の組成および/または代謝物(すなわち、乳酸)の産生に依存するので、流加モード中の細胞培養物の体積は、リンパ球の拡大速度と相関する。したがって、ある特定の実施形態では、本発明による方法は、成長チャンバー内のリンパ球の拡大速度に従って培養培地の体積を調整するステップを含む。
【0244】
ある特定の実施形態では、培養体積は、流加モード中に少なくとも2、3、4、5または6倍に増加することになる。好ましくは、流加モードは、成長チャンバーの最大容積または定義された容積に達するまで行われる。
【0245】
成長チャンバーにおいて、定義された細胞培養体積、例えば、成長チャンバーの最大容積に達すると、バイオリアクターは、循環モードに設定され得る。つまり、培養培地は、成長チャンバーから除去され、そしてその後、成長チャンバーに添加され直され得る。好ましくは、培養培地は、成長チャンバー内の培養培地の表面付近で除去され、成長チャンバーの底部に添加され直し、したがって、成長チャンバー内でリンパ球に沿って培養培地の流れが作られることになる。
【0246】
循環モード中に、流加モード中と同じパラメーターがモニターされることが好ましい。培養物がその最終体積に達した以降は、新鮮培地の形態でいかなる栄養素も添加することができない。しかし、循環モード中に(CO2によって)pH、(O2によって)DOおよび(発熱体によって)温度を調整することができる。
【0247】
循環は、新鮮培地の消費を低減させるために主として行われることに留意しなければならない。しかし、循環モードは省略されることがあり、その代わりに流加モードの直ぐ後に灌流モードが続くことがある。
【0248】
最後の灌流モード中に、培地は、成長チャンバーから恒常的にまたは段階的に除去され、新鮮培地と交換される。循環モードに関しては、使用される培地は、好ましくは、成長チャンバー内の培養培地の表面付近で除去され、新鮮培地が成長チャンバーの底部に添加され、したがって、それが成長チャンバー内でリンパ球と接触することになる。
【0249】
灌流モード中に、流加および循環モードについて上で論じたのと同じパラメーターがモニターされることが好ましい。灌流速度を、栄養素(すなわち、グルコース)の組成または代謝物(すなわち、乳酸)の形成に従って調整することができる。
【0250】
バイオリアクターは、成長チャンバーに少なくとも1つの流出口を介して接続されている条件付けチャンバーを含む。つまり、培養培地は、条件付けチャンバーから成長チャンバーへ添加され得る。好ましくは、条件付けチャンバーは、成長チャンバーからの培地を条件付けチャンバーにポンプで送り込むことができる少なくとも1つの流入口をさらに含む。少なくとも1つの流入口および少なくとも1つの流出口を介して成長チャンバーに接続されている条件付けチャンバーは、成長チャンバー内の培養培地を循環させるために使用され得る。
【0251】
条件付けチャンバーを使用して、培養培地の温度を、それが流加モード、循環モードおよび/または灌流モード中に成長チャンバーに添加される前に、調整することができる。さらに、培養培地に使用される1つまたは複数のパラメーターを、馴化培地が成長チャンバーに添加される前に、条件付けチャンバーで調整することができる。
【0252】
条件付けチャンバーおよび/または成長チャンバーは、好ましくは、培養培地の1つまたは複数のパラメーターのモニタリングを可能にする1つまたは複数のセンサーを含む。つまり、条件付けチャンバーは、pH、溶存酸素(DO)濃度、グルコース濃度、乳酸濃度、グルタミン濃度、グルタミン酸濃度および温度から選択される培養培地の少なくとも1つのパラメーターをモニターするためのセンサーを含み得る。しかし、バイオリアクターは、培養培地の1つまたは複数のパラメーターが決定される解析ユニットも含み得る。解析ユニットを成長チャンバーに接続することができ、したがって、培養培地を成長チャンバーから解析ユニットへ、恒常的に、または定義された間隔で、どちらかで移すことができる。ある特定の実施形態では、グルコースおよび乳酸濃度、ならびに必要に応じてグルタミン酸/グルタミン濃度が、解析ユニットにおいて、当技術分野において公知の任意の好適な方法で測定される。
【0253】
培養培地のパラメーターごとに、許容範囲を定義することができる。次いで、個々のパラメーターごとに、成長チャンバー内の培養培地が、前記パラメーターについての事前に定義された許容範囲内にあるかどうかがモニターされる。ある特定のパラメーター、例えば、pH、dOまたは温度は、恒常的にモニターされ得る。しかし、他のパラメーター、例えばグルコースまたは乳酸濃度の決定は、より時間がかかることがあり、それ故、ある特定の間隔で行われ得る。例えば、限定ではなく、ある特定のパラメーターは、毎分、5分ごとに、10分ごとに、15分ごとに、30分ごとに、または60分ごとに決定され得る。
【0254】
リンパ球の拡大は、培地成分(例えば、グルコース、グルタミン酸またはグルタミン)の消費、および培養培地中への代謝物(例えば、乳酸またはアンモニウム)の蓄積につながる。培養培地の組成のこれらの変化によって、1つまたは複数のパラメーターが、事前に定義された許容範囲内にもはや入らなくなるまたは事前に定義された閾値を超過する結果となることがある。この場合には、各パラメーターが再び許容範囲内になるように成長チャンバー内に培養培地が補充される。
【0255】
上記のプロセスのためのバイオリアクターは、新鮮培地の供給器および廃棄物コンテナーに接続されている成長チャンバーが少なくとも装備されており、新鮮培地を成長チャンバーに添加するためにおよび使用された培地を成長チャンバーから除去するために必要なポンプをさらに含むことを理解されたい。
【0256】
しかし、上記のプロセスのためのバイオリアクターは、条件付けチャンバーと、成長チャンバーと条件付けチャンバー間で培養培地を循環させるために必要なポンプとをさらに含むことが、本明細書では好ましい。さらなるポンプが、成長チャンバーおよび/または条件付けチャンバーを、新鮮培養培地の供給器におよび/または廃棄物コンテナーに接続するために必要になる。さらに、成長チャンバーおよび/または条件付けチャンバーには、プロセス全体にわたって培養培地のパラメーターをモニターするために好適なセンサーが装備され得る。上記のリンパ球の単一ステップ拡大に好適なデバイスは、当技術分野において公知であり、限定ではないが、ADVA X3バイオリアクターを含む。さらに、WO2021/148878において開示されているようなバイオリアクターを本発明による方法に使用することができる。WO2021/148878は、参照により本明細書に完全に組み込まれる。
【0257】
成長チャンバーは、リンパ球、特にT細胞の培養に好適であるチャンバーである。成長チャンバーは、循環および/または灌流モードによるリンパ球の培養に好適であること、すなわち、成長チャンバーは、新鮮または馴化培養培地を成長チャンバーに添加するための少なくとも1つの流入口、および培養培地を成長チャンバーから(廃棄物コンテナーまたは条件付けチャンバーのどちらかに)除去するための少なくとも1つの流出口を含むことが、本明細書では好ましい。
【0258】
好ましくは、新鮮または馴化培地を成長チャンバーに添加する流入口は、成長チャンバーの底部付近に位置し、流出口は、成長チャンバーの最上部部分に位置し、したがって、培養培地を成長チャンバー内の培養培地の表面付近から除去することができる。成長チャンバーの底部の培養培地を添加すること、および成長チャンバーの最上部からそれを除去することによって、リンパ球に栄養素を十分に与えるための培養培地の流れがリンパ球に沿って生成されることになる。
【0259】
ある特定の実施形態では、成長チャンバーは、成長チャンバーの最上部部分に複数の流出口を含み得、これらの流出口は、異なる高さに配列されている。異なる高さに複数の流出口を有することにより、成長チャンバー内の培養培地の表面付近で培養培地をなお除去することができつつ、成長チャンバーに異なる体積の培養培地を充填することができる。
【0260】
好ましくは、細胞は、有孔バリアにより成長チャンバーの底部で流入口から隔てられている。リンパ球の培養のための本発明の方法で使用され得る成長チャンバーは、参照により本明細書に完全に組み込まれるWO2018037402において開示されている。
【0261】
リンパ球が、再循環される循環培養培地で提供される場合、バイオリアクターは、培養培地の組成を事前に定義されたパラメーターに従って調整することができる条件付けチャンバーを含むことが好ましい。条件付けチャンバーは、好ましくは、条件付けチャンバーに培養培地を補充することができる1つまたは複数の流入口を含む。さらに、条件付けチャンバーは、条件付けチャンバー内の培養培地のパラメーターをモニターするための1つまたは複数のセンサーを含み得る。さらに、条件付けチャンバーは、条件付けチャンバー内の培養培地とサプリメントの混合を助長するための攪拌機を含み得る。培養培地を事前に定義された温度で維持するために、条件付けチャンバーは、発熱体をさらに含み得る。
【0262】
上述の通り、バイオリアクターは、培養培地におけるパラメーターをモニターするための複数のセンサーを含み得る。センサーは、好ましくは、成長チャンバーおよび/または条件付けチャンバー内に位置する。代替的にまたは加えて、1つまたは複数のセンサーが、成長チャンバーと条件付けチャンバーとの間の接続部に、ならびに/または成長チャンバーおよび/または条件付けチャンバーに接続されている解析ユニットに、位置することもあり得る。
【0263】
馴化培養培地は、リンパ球の培養に好適である任意の培養培地に基づき得る。特に、馴化成長培地は、T細胞の培養に好適である任意の培養培地に基づき得る。特に、馴化成長培地は、本明細書で開示される任意のT細胞培地に基づき得る。
【0264】
ある特定の実施形態では、馴化培養培地は、定義されたpH範囲で維持される。流体のpHを測定するためのセンサーは、当技術分野において周知であり、一般にバイオリアクターにおいて使用されている。本発明による馴化成長培地は、好ましくは、6~8、好ましくは6.5~7.5、より好ましくは7.0~7.4のpH範囲で維持される。培養培地におけるpHの維持は、培養培地を酸もしくは塩基で滴定することにより、またはより好ましくは、成長チャンバーおよび/もしくは条件付けチャンバー内のCO2濃度を調整することにより、達成することができる。
【0265】
ある特定の実施形態では、定義された溶存酸素(DO)濃度が馴化成長培地において維持される。流体中の溶存酸素濃度を測定するためのセンサーまたはプローブは、当技術分野において周知であり、一般にバイオリアクターにおいて使用されている。本発明による馴化成長培地は、好ましくは、10%~100%DO、好ましくは20%~90%DO、より好ましくは30%~80%DOの範囲のDO濃度で維持される。培養培地中のDO濃度の維持は、空気または酸素を培養培地に散布することにより達成することができる。
【0266】
ある特定の実施形態では、定義されたグルコース濃度が馴化成長培地において維持される。流体中のグルコース濃度を継続的に測定するためのセンサーまたは方法は、当技術分野において公知であり、一般にバイオリアクターにおいて使用されている。本発明による馴化成長培地は、好ましくは、0.5~10g/Lのグルコース、好ましくは1~8g/Lのグルコース、より好ましくは2~6g/Lのグルコースの範囲のグルコース濃度で維持される。培養培地中のグルコース濃度の維持は、濃縮グルコース溶液を培養培地に添加することにより達成することができる。しかし、本発明の中では、培養培地中のグルコース濃度は、培養培地に新鮮培養培地を補充することにより維持されることが好ましい。
【0267】
ある特定の実施形態では、定義されたグルタミン酸濃度が馴化成長培地において維持される。流体中のグルタミン酸濃度を継続的に測定するためのセンサーまたは方法は、当技術分野において公知であり、一般にバイオリアクターにおいて使用されている。培養培地中のグルタミン酸濃度の維持は、濃縮グルタミン酸溶液を培養培地に添加することにより達成することができる。しかし、本発明の中では、培養培地中のグルタミン酸濃度は、培養培地に新鮮培養培地を補充することにより維持されることが好ましい。
【0268】
ある特定の実施形態では、定義されたグルタミン濃度が馴化成長培地において維持される。流体中のグルタミン濃度を継続的に測定するためのセンサーまたは方法は、当技術分野において公知であり、一般にバイオリアクターにおいて使用されている。培養培地中のグルタミン濃度の維持は、濃縮グルタミン溶液を培養培地に添加することにより達成することができる。しかし、本発明の中では、培養培地中のグルタミン濃度は、培養培地に新鮮培養培地を補充することにより維持されることが好ましい。
【0269】
ある特定の実施形態では、定義された乳酸濃度が馴化成長培地において維持される。流体中の乳酸濃度を継続的に測定するためのセンサーまたは方法は、当技術分野において公知であり、一般にバイオリアクターにおいて使用されている。本発明による培養培地は、好ましくは、乳酸濃度が15mM g/L未満の乳酸、好ましくは10mM g/Lの乳酸、より好ましくは5mM g/Lの乳酸で維持されるように、条件付けされる。定義された閾値未満での培養培地中の乳酸濃度の維持は、培養培地を新鮮培養培地で希釈することにより達成することができる。
【0270】
ある特定の実施形態では、馴化成長培地は、定義された温度で維持される。流体中の温度を継続的に測定するためのセンサーは、当技術分野において公知であり、一般にバイオリアクターにおいて使用されている。本発明による培養培地は、好ましくは、35~39℃、好ましくは36~38℃、より好ましくは36.5~37.5℃の範囲の温度で維持される。定義された範囲内での培養培地の温度の維持は、バイオリアクター内に含まれている加熱手段により達成することができる。
【0271】
成長培地を成長チャンバーに補充することが可能である一方で、成長培地を条件付けチャンバーに補充して、リンパ球と高濃度のサプリメントとの直接接触を防止することが好ましい。しかし、DOおよびpHは、好ましくは、成長チャンバーでは、成長チャンバーの上部空隙におけるCO2およびO2の組成を調整することにより直接調整される。
【0272】
ある特定の実施形態では、馴化培養培地は、パラメーターpH、DO、グルコース濃度、乳酸濃度、グルタミン酸濃度、グルタミン濃度および/または温度のうちの少なくとも1つが、本明細書で開示の定義された範囲内で維持される、培地である。
【0273】
ある特定の実施形態では、馴化培養培地は、パラメーターpH、DO、グルコース濃度、乳酸濃度、グルタミン酸濃度、グルタミン濃度および/または温度のうちの少なくとも2つが、本明細書で開示の定義された範囲内で維持される、培地である。
【0274】
ある特定の実施形態では、馴化培養培地は、パラメーターpH、DO、グルコース濃度、乳酸濃度、グルタミン酸濃度、グルタミン濃度および/または温度のうちの少なくとも3つが、本明細書で開示の定義された範囲内で維持される、培地である。
【0275】
ある特定の実施形態では、馴化培養培地は、パラメーターpH、DO、グルコース濃度、乳酸濃度、グルタミン酸濃度、グルタミン濃度および/または温度のうちの少なくとも4つが、本明細書で開示の定義された範囲内で維持される、培地である。
【0276】
ある特定の実施形態では、馴化培養培地は、パラメーターpH、DO、グルコース濃度、乳酸濃度、グルタミン酸濃度、グルタミン濃度および/または温度のうちの少なくとも5つが、本明細書で開示の定義された範囲内で維持される、培地である。
【0277】
ある特定の実施形態では、馴化培養培地は、パラメーターpH、DO、グルコース濃度、乳酸濃度、グルタミン酸濃度、グルタミン濃度および/または温度のうちの少なくとも6つが、本明細書で開示の定義された範囲内で維持される、培地である。
【0278】
ある特定の実施形態では、馴化培養培地は、パラメーターpH、DO、グルコース濃度、乳酸濃度、グルタミン酸濃度、グルタミン濃度および温度の全てが、本明細書で開示の定義された範囲内で維持される、培地である。
【0279】
ある特定の実施形態では、馴化培養培地は、パラメーターpH、DO、グルコース濃度、乳酸濃度および温度の全てが、本明細書で開示の定義された範囲内で維持される、培地である。
【0280】
馴化成長培地におけるさらなるパラメーターが管理され得ることに留意されたい。さらなるパラメーター、および上述のパラメーターを決定するために好適なプローブ/方法は、参照により本明細書に完全に組み込まれる、Reyesら、Processes 2022、10巻、189号、https://doi.org/10.3390/pr10020189に要約されている。
【0281】
本願のバイオリアクターおよびバイオリアクターシステムを運転中に、液体、例えば、成長培地を、灌流(培地を入れて廃棄物を出す、恒常的な交換)により、循環(循環による培地の恒常的な交換)により、または流加(成長培地への特定の栄養素の添加)により供給することができることに留意されたい。
【0282】
拡大相の間、リンパ球に馴化培養培地を灌流することが、本明細書では好ましい。つまり、拡大相の間、馴化培養培地がリンパ球に供給されるが、同時に、成長培地がバイオリアクターから除去される。好ましくは、リンパ球の灌流は、参照により本明細書に完全に組み込まれるWO2018/037402において開示されているように行われる。
【0283】
リンパ球の拡大は、活性化シグナルの存在を必要とする。本発明の方法の中では、リンパ球は、リンパ球と共培養される抗原提示細胞(APC)の集団により最初に活性化されることが好ましい。リンパ球は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12日間にわたってAPCと共培養されることが、本明細書では好ましい。APCは、好ましくは、本明細書で開示される活性化されたB細胞である。
【0284】
大部分のAPCは、T細胞培地中で限られた日数の間しか生存しないことを理解されたい。したがって、追加の活性化因子がプロセスの間にリンパ球に添加されることが好ましい。
【0285】
ある特定の実施形態では、活性化因子は、抗CD3抗体である。リンパ球、特にT細胞、を活性化する可能性がある任意の抗CD3抗体を、本発明の方法で使用することができる。好ましくは、抗CD3抗体OKT-3が、培養中のリンパ球の活性化に使用される。
【0286】
細胞培養培地にOKT-3抗体成分が単独で補充されることもあり、または本明細書で開示されるサイトカインのうちの1つまたは複数と組み合わせて補充されることもある。培養培地は、約0.1ng/mL、約0.5ng/mL、約1ng/mL、約2.5ng/mL、約5ng/mL、約7.5ng/mL、約10ng/mL、約15ng/mL、約20ng/mL、約25ng/mL、約30ng/mL、約35ng/mL、約40ng/mL、約50ng/mL、約60ng/mL、約70ng/mL、約80ng/mL、約90ng/mL、約100ng/mL、約200ng/mL、約500ng/mL、または約1μg/mLの最終濃度のOKT-3抗体を含み得る。細胞培養培地は、0.1ng/mL~1ng/mLの間、1ng/mL~5ng/mLの間、5ng/mL~10ng/mLの間、10ng/mL~20ng/mLの間、20ng/mL~30ng/mLの間、30ng/mL~40ng/mLの間、40ng/mL~50ng/mLの間、または50ng/mL~100ng/mLの間のOKT-3抗体を含み得る。一部の実施形態では、細胞培養培地は、OKT-3抗体を含まない。好ましい実施形態では、OKT-3抗体は、約100ng/mLの最終濃度が得られるように培養培地に添加される。
【0287】
抗CD3抗体、特に、OKT-3抗体は、APCの添加後に細胞培養物に添加されることが、本明細書では好ましい。好ましくは、抗CD3抗体、特に、OKT-3抗体は、リンパ球がAPCの存在下で少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12日間培養された後に培養物に添加される。特に好ましい実施形態では、抗CD3抗体、特に、OKT-3抗体は、リンパ球がAPCの存在下で8~12日間、さらにより好ましくは9~11日間、最も好ましくは10日間、培養された後に、培養物に添加される。
【0288】
ある特定の実施形態では、リンパ球は、抗CD3抗体、特に、OKT-3抗体が、培養物に添加される前に、8~12日間、さらにより好ましくは9~11日間、最も好ましくは10日間、B細胞、およびペプチドのプールと一緒に、最初に培養される。
【0289】
ある特定の実施形態では、活性化因子、例えば、抗CD3抗体は、1回より多くリンパ球に添加され得る。つまり、ある特定の実施形態では、抗CD3抗体、例えば、OKT-3は、2回、リンパ球に添加されることがあり、この場合、抗体の第2の用量は、第1の日の1、2、3、4、5、6、7、8、9または10日後に与えられる。ある特定の実施形態では、抗CD3抗体、例えば、OKT-3は、複数回、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10日間隔で、リンパ球に添加され得る。
【0290】
拡大相は、5~35日、続き得る。拡大相は、5~30日、5~25日、5~20日、または5~15日であり得る。ある特定の実施形態では、拡大相は、わずか15日である。ある特定の実施形態では、拡大相は、25~50日、25~45日、25~40日、または25~35日であり得る。リンパ球および/またはT細胞を含む試料は、拡大の前に0℃より上で維持されており、拡大全体にわたって0℃より上で維持されることが、さらに好ましい。
【0291】
つまり、供給源から得られたら、拡大に付される細胞および/またはT細胞の試料は、所望の収量、好ましくは少なくとも1×107細胞に達するまで、いずれの時点においも凍結されないことが好ましい。拡大は、本明細書で説明されるような条件下で、少なくとも1×107、5×107、10×107、15×107、20×107、25×107、30×107、35×107、40×107、45×107、50×107、55×107、60×107、65×107、70×107、75×107、80×107、85×107、90×107、95×107、または少なくとも100×107個のT細胞が得られるまで、継続され得る。好ましくは、拡大は、本明細書で説明されるような条件下で、少なくとも10×108個のT細胞が得られるまで継続される。
【0292】
本明細書に記載される通り、培養物は、自己または同種異系細胞であり得る、当技術分野において公知のフィーダー細胞、例えば、B細胞、樹状細胞、T細胞、マクロファージおよび/またはPBMCも含み得る。フィーダー細胞の代わりに培地にサイトカインを用いることも可能である。フィーダー細胞を、培養の開始前にまたは拡大培養の任意の日に添加することができる。拡大の最終収量は、好ましくは、標的細胞(例えば、T細胞)1×107~1000×107個の間、より好ましくは10×107~1000×107個の間である。好ましい実施形態では、拡大後の集団は、少なくとも90%CD3+であり、所望の抗原、例えば、患者から回収された/患者において同定されたネオ抗原、と反応する細胞を少なくとも15%含み、CD8+細胞の大部分を含み、少なくとも70%の生存率を有する。ネオ抗原ペプチドによる刺激に応答するT細胞の少なくとも半分は、患者において持続的応答を生じさせることが、さらに好ましい。そのために、末梢リンパ球が患者から回収され、ELISpotアッセイにおいてネオ抗原の存在下で試験され得る。
【0293】
リンパ球の特定の集団を試料および/または培養物の他の成分から分離することができる。試料から所望の細胞の特定の集団を分離するための方法は公知であり、これらに限定されないが、例えば、患者からのまたはドナーからの末梢血試料からT細胞を得るための白血球アフェレーシス;FACSort装置を使用する試料からの特定の集団の単離/入手;および生きている白血球を含む新鮮な生検標本からの特定の集団の手作業によるまたはマイクロマニピュレーターを使用することによる選択を含む(例えば、Dudley、Immunother.26号(2003)、332-342;Robbins、Clin.Oncol.29号(20011)、917-924;Leisegang、J.Mol.Med.86号(2008)、573-58を参照されたい)。用語「新鮮な生検標本」は、手術によりまたは任意の他の公知の手段により対象から除去および/もしくは単離されたまたはされることになる組織試料(例えば、腫瘍組織、感染組織、または血液試料)を指す。
【0294】
当技術分野において周知であるように、例えば、最も好ましいT細胞のような、白血球の1つまたは複数の特定の亜集団を、単離/入手および培養/選択することも可能である。そのような方法には、これらに限定されないが、リンパ球の亜集団、例えば、CD3+、CD28+、CD4+、CD8+、およびγδサブクラスの単離および培養、ならびに他の初代リンパ球集団、例えば、NK T細胞、B細胞またはマクロファージの単離および培養が含まれる。そのような選択方法は、例えば、所望の亜集団を選択するために試料が抗体および/またはサイトカインの特定の組合せとともにインキュベートされる、ポジティブおよび/またはネガティブ選択技術を含み得る。当業者は、当技術分野において周知の方法を使用して、選択培地の成分ならびに/または選択の方法および長さを容易に調整することができる。より長いインキュベーション時間は、例えば、腫瘍組織からまたは免疫不全個体から腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を単離する際などの、他の細胞型と比較して所望の細胞のほうが少ないと予想される任意の状況で、所望の集団を単離するために使用され得る。当業者は、何ラウンドもの選択を本開示の方法において使用することができることも分かるであろう。
【0295】
所望の集団の富化は、例えば、ネガティブ選択される細胞に特有の表面マーカーに対する抗体の組合せを用いて達成される、ネガティブ選択によっても可能である。非限定的な例では、ネガティブ選択される細胞上に存在する細胞表面マーカーに対するモノクローナル抗体のカクテルを使用する、負の磁気免疫接着またはフローサイトメトリーによる、細胞選別および/または選択を使用することができる。例えば、ネガティブ選択によりCD4+細胞を富化するために、例えば、CD14、CD20、CD11b、CD16、HLA-DR、およびCD8に対して、特異的な抗体を通常は含むモノクローナル抗体カクテルが、使用され得る。本明細書で開示される方法は、拡大されることになるまたは培養物に別様に含まれている集団から制御性免疫細胞、例えばCD25+T細胞、を除去するステップも包含する。そのような方法は、抗CD25抗体もしくはその断片、またはCD25結合リガンド、例えばIL-2の使用を含む。
【0296】
同種異系または自己白血球で処置されることになる対象を含む、本明細書で開示の白血球および/または白血球の集団のドナーおよび/またはレシピエントは、免疫応答を惹起することができる任意の生きている生物(例えば、哺乳動物)であり得る。本明細書で使用される場合のドナーおよび/またはレシピエントの例は、ヒト、イヌ、ネコ、マウス、ラット、サルおよび類人猿、ならびにそれらのトランスジェニック種を含み、好ましくはヒトである。
【0297】
3.6 抗原およびネオ抗原
本発明の中では、リンパ球の集団に含まれているT細胞は、1つまたは複数の所定の抗原を特異的に認識することが好ましい。これを、培養プロセスの間に所定の抗原にリンパ球を曝露することにより達成することができ、この曝露によって、これらの抗原を特異的に認識するT細胞の拡大が促進されることになる。
【0298】
上でより詳細に開示されたように、抗原は、好ましくは、抗原提示細胞、特にB細胞、によりリンパ球に提示される。APCによる特定の抗原の提示を達成するための方法は、本明細書で開示され、APCの遺伝子操作、または合成されたペプチドのAPCへの添加を含む。あるいは、均質化された腫瘍試料がAPCに添加され得る。
【0299】
ネオ抗原は、腫瘍細胞の体細胞変異の結果として生じ、したがって、腫瘍細胞にのみ発現され、正常細胞には発現されない。正常細胞は、ネオ抗原を発現しないため、それらは、免疫系により非自己と見なされる。その結果として、標的とするネオ抗原は、自己免疫を容易に誘導しない。それ故、ネオ抗原は、治療用がんワクチンおよびT細胞ベースのがん免疫療法の理想的な標的である。ネオ抗原の免疫活性を活用することにより、合成ネオ抗原薬を、処置の効果が得られるように腫瘍細胞変異の状況に従って設計することができる。
【0300】
特定の実施形態では、提示された抗原は、処置されることになる患者の腫瘍もしくは末梢血細胞または他の可能性のある抗原源(例えば、腫瘍試料、もしくは感染組織の試料)のシークエンシングにより回収され、適切なアルゴリズムにより同定される。そのようなアルゴリズムは、当技術分野において周知であり、例えば、Neon(Neon Therapeutics)およびAchilles(Achilles Therapeutics)を含む。腫瘍試料中のネオ抗原の同定は、限定ではないが、WO2017/106638、WO2011/143656、WO2017/011660、WO2018/213803またはWO2021/116714において開示されており、これらの参考特許文献は、参照により本明細書に完全に組み込まれる。
【0301】
本発明による方法で使用され得るネオ抗原ペプチドは、参照により本明細書に完全に組み込まれるWO2016/187508において開示されている。
【0302】
本発明による方法の中では、リンパ球、好ましくはAPCを、化学的に合成されたペプチドのプールと接触させることが好ましい。
【0303】
化学的に合成されたペプチドのプールは、リンパ球の集団で処置されることになる対象のために特異的に設計され得る。例えば、ペプチドのプールは、対象が罹患しているがんの特定のタイプに関連することが公知である複数の抗原および/またはネオ抗原ペプチドを含み得る。
【0304】
あるいは、ペプチドのプールは、がんに罹患している対象用に個別化され得る。つまり、ペプチドのプールは、対象の腫瘍に存在すると同定された抗原および/またはネオ抗原ペプチドを含み得る。
【0305】
ペプチドのプールは、「公知の」抗原および/またはネオ抗原ペプチドと「個別化」抗原および/またはネオ抗原ペプチドとの混合物も含み得る。
【0306】
化学的に合成されたペプチドのプールは、ネオ抗原ペプチドからなるか、またはそれらを含むことが好ましい。化学的に合成されたペプチドのプールに含まれているネオ抗原ペプチドは、培養プロセスのためのリンパ球が採取された同じ対象の腫瘍試料において同定されたものであることが、さらに好ましい。
【0307】
同定されるネオ抗原は、長さに6~20アミノ酸の間または9~25アミノ酸の間の幅があり得る。あるいは、ネオ抗原ペプチドを担持している完全MHC複合体(最大サイズ45KDa)を細胞の集団と接触させることができる。ある特定の実施形態では、本発明は、末梢免疫細胞(T細胞、B細胞、NK細胞またはマクロファージを含む)を誘引し、回収するための、本明細書に記載の抗原(既知であるか、本発明の方法に従って同定されるかを問わず)の使用も包含する。
【0308】
ある特定の実施形態では、ネオ抗原は、個々に同定されず、むしろ、腫瘍または感染組織の試料、特にカプセル化試料、をリンパ球培養物に添加することにより提示される。
【0309】
3.7 遺伝子操作
本明細書で開示される方法に役立つ1つまたは複数の細胞、例えば、リンパ球(好ましくはヒトリンパ球、より好ましくは初代ヒトリンパ球、最も好ましくは初代ヒトT細胞((TIL)を含む)、フィード細胞および/またはAPC(例えば、B細胞)を、所望の抗原であって、その抗原に対して特異的なT細胞を刺激および/または活性化するのに好適な抗原を提示するように、遺伝子操作することができる。遺伝子操作されたリンパ球は、コードされたポリペプチドを一過性にまたは安定的に発現し得る。発現は、当技術分野において公知であるように、使用される系に依存して構成的であることもあり、体質的であることもある。コードする核酸は、操作された細胞のゲノムに安定的に組み込まれることもあり、または組み込まれないこともある。
【0310】
目的のポリペプチドを発現するように細胞(例えば、フィーダー細胞および/または1つもしくはAPC、例えばB細胞)を遺伝子操作するための方法は、当技術分野において公知であり、それら方法を、一般に、物理的方法、化学的方法および生物学的方法に分けることができる。所与の細胞型および意図された使用に適切な方法を、当業者は、普及している一般知識を使用して容易に決定することができる。目的のポリペプチドをコードする核酸分子/配列の(例えば、発現ベクターでの)導入により細胞を遺伝子操作するためのそのような方法には、これらに限定されないが、化学的方法および電気穿孔法、リン酸カルシウム法、カチオン性脂質法、ならびにリポソーム法が含まれる。形質導入されることになる核酸分子/配列は、市販のトランスフェクション試薬を使用することにより、および/または当技術分野において公知のもしくは本明細書に記載される任意の好適な方法により、従来通りにおよび高効率的に形質導入され得る。DNA配列を含むまたはそれらからなる核酸分子を用いて細胞を遺伝子操作する方法に加えて、本明細書で開示される方法を、mRNAトランスフェクションを用いて行うこともできる。「mRNAトランスフェクション」は、目的のタンパク質を一過性に発現させるための当業者に周知の方法を指す。
【0311】
宿主細胞にポリヌクレオチドを導入するための物理的方法には、リン酸カルシウム沈殿、リポフェクション、パーティクルボンバードメント、マイクロインジェクション、電気穿孔などが含まる;例えば、Sambrookら、2012、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、1~4巻、Cold Spring Harbor Press、NYを参照されたい。
【0312】
目的のポリヌクレオチドを宿主細胞に導入するための生物学的方法には、DNAおよびRNAベクターの使用が含まれる。ウイルスベクター、特に、レトロウイルスベクターは、遺伝子を哺乳動物細胞に挿入するために最も広く使用されている方法になっている。したがって、レトロウイルスベクターは、本明細書で開示される方法および細胞における使用に好ましい。ウイルスベクターは、レンチウイルス、ポックスウイルス、単純ヘルペスウイルスI型、アデノウイルスおよびアデノ随伴ウイルスを含むがこれらに限定されない、様々な異なるウイルスに由来し得る;例えば、米国特許第5,350,674号および同第5,585,362号を参照されたい。T細胞に形質導入するために好適なレトロウイルスベクターの非限定的な例としては、SAMEN CMV/SRa(Clayら、J.Immunol.163号(1999)、507-513)、LZRS-id3-IHRES(Heemskerkら、J.Exp.Med.186号(1997)、1597-1602)、FeLV(Neilら、Nature 308号(1984)、814-820)、SAX(Kantoffら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83号(1986)、6563-6567)、pDOL(Desiderio、J.Exp.Med.167号(1988)、372-388)、N2(Kasidら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87号(1990)、473-477)、LNL6(Tiberghienら、Blood 84号(1994)、1333-1341)、pZipNEO(Chenら、J.Immunol.153号(1994)、3630-3638)、LASN(Mullenら、Hum.Gene Ther.7号(1996)、1123-1129)、pG1XsNa(Taylorら、J.Exp.Med.184号(1996)、2031-2036)、LCNX(Sunら、Hum.Gene Ther.8号(1997)、1041-1048)、SFG(Gallardoら、Blood 90号(1997)、LXSN(Sunら、Hum.Gene Ther.8号(1997)、1041-1048)、SFG(Gallardoら、Blood 90号(1997)、952-957)、HMB-Hb-Hu(Vieillardら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94号(1997)、11595-11600)、pMV7(Cochloviusら、Cancer Immunol.Immunother.46号(1998)、61-66)、pSTITCH(Weitjensら、Gene Ther 5号(1998)、1195-1203)、pLZR(Yangら、Hum.Gene Ther.10号(1999)、123-132)、pBAG(Wuら、Hum.Gene Ther.10号(1999)、977-982)、rKat.43.267bn(Gilhamら、J.Immunother.25号(2002)、139-151)、pLGSN(Engelsら、Hum.Gene Ther.14号(2003)、1155-1168)、pMP71(Engelsら、Hum.Gene Ther.14号(2003)、1155-1168)、pGCSAM(Morganら、J.Immunol.171号(2003)、3287-3295)、pMSGV(Zhaoら、J.Immunol.174号(2005)、4415-4423)、またはpMX(de Witteら、J.Immunol.181号(2008)、5128-5136)が挙げられる。最も好ましいのは、レンチウイルスベクターである。T細胞に形質導入するための好適なレンチウイルスベクターの非限定的な例は、例えば、PL-SINレンチウイルスベクター(Hottaら、Nat Methods.6号(2009)、370-376)、p156RRL-sinPPT-CMV-GFP-PRE/NheI(Campeauら、PLoS One 4巻(2009)、e6529)、pCMVR8.74(Addgeneカタログ番号22036)、FUGW(Loisら、Science 295号(2002)、868-872、pLVX-EF1(Addgeneカタログ番号64368)、pLVE(Brungerら、Proc Natl Acad Sci U S A 111号(2014)、E798-806)、pCDH1-MCS1-EF1(Huら、Mol Cancer Res.7号(2009)、1756-1770)、pSLIK(Wangら、Nat Cell Biol.16号(2014)、345-356)、pLIM1(Solomonら、Nat Genet.45号(2013)、1428-30)、pLX302(Kangら、Sci Signal.6号(2013)、rs13)、pHR-IG(Xieら、J Cereb Blood Flow Metab.33号(2013)、1875-85)、pRRLSIN(Addgeneカタログ番号62053)、pLS(Miyoshiら、J Virol.72号(1998)、8150-8157)、pLL3.7(Lazebnikら、J Biol Chem.283号(2008)、11078-82)、FRIG(Raissiら、Mol Cell Neurosci.57号(2013)、23-32)、pWPT(Ritz-Laserら、Diabetologia.46号(2003)、810-821)、pBOB(Marrら、J Mol Neurosci.22号(2004)、5-11)、およびpLEX(Addgeneカタログ番号27976)である。
【0313】
宿主細胞にポリヌクレオチドを導入するための化学的手段には、コロイド分散系、例えば、巨大分子複合体、ナノカプセル、マイクロスフェア、ビーズ、および脂質に基づく系が含まれ、脂質に基づく系には、水中油型エマルジョン、ミセル、混合ミセル、およびリポソームが含まれる。in vitroおよびin vivoで送達ビヒクルとして使用するための例示的なコロイド系は、リポソーム(例えば、人工膜小胞)である。核酸の他の最先端標的送達法、例えば、標的化されたナノ粒子または他の好適なサブミクロンサイズの送達系でのポリヌクレオチドの送達が、利用可能である。
【0314】
宿主細胞(例えば、リンパ球(好ましくはヒトリンパ球、より好ましくは初代ヒトリンパ球、最も好ましくは初代ヒトT細胞((TIL)を含む)、フィーダー細胞および/またはAPC(例えば、B細胞))に外来性核酸を導入するために使用される方法に関わらず、標的細胞における組換えDNA配列の存在を確認するために(すなわち、細胞が本明細書で開示される方法に従って遺伝子操作されたことを確認するために)、様々なアッセイを行うことができる。そのようなアッセイとしては、例えば、当業者に周知の「分子生物学的」アッセイ、例えば、サザンおよびノーザンブロット法、RT-PCRならびにPCR;「生化学的」アッセイ、例えば、特定のポリペプチドの存在または非存在の、例えば、免疫学的手段(ELISAおよび/もしくはウェスタンブロット)による、または細胞が、操作されたポリペプチドに関連する性質もしくは活性を示すかどうかを同定するための本明細書に記載されるアッセイ、すなわち、リンパ球(より好ましくはヒト初代リンパ球、例えば、NK細胞もしくはT細胞)がCCR8活性を示すかどうかを評価するためのアッセイによる、検出が挙げられる。そのようなアッセイはまた、内因性に発現されたタンパク質の発現および/または内因性活性の試験に、例えば、内因性機能の評価および/またはそれに基づく集団の選別に、適用可能であると認識されている。
【0315】
本発明の細胞を、養子リンパ球療法に役立つと思われるまたは分かっている他のポリペプチドを発現するように、核酸分子を用いて、例えば、外来性T細胞受容体、目的の腫瘍に対して特異的なキメラ抗原受容体(CAR)、外来性サイトカイン受容体(その配列が、内在性/野生型配列と比べて改変されていることもあり、もしくは改変されていないこともある)、および/または野生型配列と比べて改変された配列を有する内在性サイトカイン受容体(すなわち、改変された内在性サイトカイン受容体)をコードする、核酸配列を用いて、操作することができる。代替的にまたは加えて、本発明の集団の中のT細胞のうちの1つまたは複数を、内在性T細胞受容体の発現を妨害するようにさらに遺伝子改変することができ、したがって、その受容体は、そのような改変のないT細胞と比較して発現されない、または低下したレベルで発現される。
【0316】
本明細書で使用される場合、「外来性T細胞受容体」または「外来性TCR」は、そのTCRを内因性に発現することができるまたはできないリンパ球(好ましくはヒトリンパ球、より好ましくは初代ヒトリンパ球、最も好ましくは初代ヒトT細胞((TIL)を含む)のゲノムにその配列が導入される、TCRを指す。免疫エフェクター細胞上での外来性TCRの発現は、特定のエピトープまたは抗原(例えば、がん細胞または他の疾患を引き起こす細胞の表面に優先的に存在するエピトープまたは抗原)に対する特異性を付与する。そのような外来性T細胞受容体は、アルファおよびベータ鎖を含むことができ、または代替的にガンマおよびデルタ鎖を含むこともある。本発明に有用な外来性TCRは、目的の任意の抗原またはエピトープへの特異性を有し得る。
【0317】
本発明のリンパ球(好ましくはヒトリンパ球、より好ましくは初代ヒトリンパ球、最も好ましくは初代ヒトT細胞((TIL)を含む)の集団を、当技術分野において公知のキメラ抗原受容体(「CAR」とも呼ばれる)を発現するようにさらに改変することができる。キメラ抗原受容体(CAR)は、当技術分野において周知であり、抗原に対する特異性をリンパ球(最も好ましくは、ヒト初代T細胞)に付与するまたはグラフトする、操作された受容体を指す。CARは、細胞外リガンド結合ドメインもしくは部分と、リンパ球(例えば、T細胞)活性化に必要なシグナルを伝達する1つまたは複数の刺激ドメインを含む細胞内ドメインとを通常は含む。一部の実施形態では、細胞外リガンド結合ドメインまたは部分は、特定のエピトープまたは抗原(例えば、がんに関連する、例えば、がん細胞または他の疾患を引き起こす細胞の表面に優先的に発現される、エピトープまたは抗原)に対する特異性を提供する、モノクローナル抗体に由来する一本鎖可変断片(scFv)の形態であり得る。細胞外リガンド結合ドメインは、目的の抗原またはエピトープに対して特異的であり得る。細胞内刺激ドメインは、TCRでないT細胞刺激/アゴニスト受容体の細胞内ドメインシグナル伝達ドメインを通常は含む。そのような細胞質シグナル伝達ドメインは、例えば、これらに限定されないが、CD3ζ、CD28、4-1BB、OX40またはこれらの組合せの細胞内シグナル伝達ドメインを含み得る。キメラ抗原受容体は、ヒンジまたはスペーサー配列を介して細胞外リガンド結合ドメインに結合されている膜貫通ドメインを含む、追加の構造エレメントをさらに含み得る。
【0318】
本発明のリンパ球(好ましくはヒトリンパ球、より好ましくは初代ヒトリンパ球、最も好ましくは初代ヒトT細胞((TIL)を含む)の集団の中の1つまたは複数のリンパ球を、1つもしくは複数のさらなる外来性サイトカイン受容体(これらは、野生型配列を有することもあり、もしくは内在性/野生型配列のものと比べて改変されているアミノ酸配列を有することもある)および/または内在性配列のものから改変された配列を有する1つもしくは複数の内在性サイトカイン受容体を発現するように、遺伝子改変することができる。本明細書で使用される場合、「外来性サイトカイン受容体」は、サイトカイン受容体であって、その受容体を内因性に発現しないリンパ球(好ましくはヒトリンパ球、より好ましくは初代ヒトリンパ球、および最も好ましくは初代ヒトT細胞((TIL)を含む)のゲノムにその配列が導入される、サイトカイン受容体を指す。同様に「内在性サイトカイン受容体」は、その受容体を内因性に発現するそのようなリンパ球のゲノムにその配列が導入される、受容体を指す。導入される外来性または内在性サイトカイン受容体を、その内在性環境において普通は示される受容体の機能を変更するように改変することができる。例えば、受容体のドミナントネガティブ変異体がリガンドに結合することは公知であるが、そのリガンド-受容体相互作用によって、そのような相互作用に普通は伴う内因性活性は惹起されない。外来性サイトカイン受容体(改変されたもしくはされていない)および/または改変された内在性受容体の発現は、リンパ球によって普通は示されないリガンド特異的活性を付与することができ、またはドミナントネガティブ改変の場合、サイトカインに結合してリガンド特異的活性を防止するおよび/もしくは減少させるためのリガンド・シンクとして作用することができる。
【0319】
3.8 非アロ反応性T細胞
本明細書に記載される方法により得ることができるリンパ球(好ましくはヒトリンパ球、より好ましくは初代ヒトリンパ球、最も好ましくは初代ヒトT細胞(例えば、TIL))の集団は、例えばがんの処置において、医薬として役立つ。それらは、およびそれらの使用に基づく処置は、自己免疫療法の一部または同種異系免疫療法処置の一部のどちらかであり得る。当技術分野において理解されているように、免疫治療方法の文脈での「自己(の)」は、処置に使用される集団の起源が、処置されることになる患者からのものであり、リンパ球のドナーと免疫療法(すなわち、細胞移入)のレシピエントとが同じである、状況を指す。免疫治療方法の文脈での「同種異系(の)」は、免疫療法に使用されるリンパ球またはリンパ球の集団の起源が、患者に対して遺伝的に明確に異なるドナーに由来する状況を指す。
【0320】
本発明の、および/または本明細書で開示される方法により得ることができる、リンパ球の集団は、それらを同種異系処置において使用することができるように、拡大の前、拡大中または拡大の後に遺伝子改変され得る。当技術分野において公知であるように、これは、適正な生着を促進するための取り組みであるばかりでなく、望ましくない移植片対宿主免疫反応を最小限に抑えるための取り組みでもある。本発明に関して、そのような非アロ反応性操作を本明細書における他の遺伝子操作方法と組み合わせて能動的に行うことができ、例えば、そのような非アロ反応性操作は、遺伝子操作方法(例えば、外来性T細胞受容体および/もしくはCARの発現のための)の前に、それと並行して、もしくはその後に、および/または拡大中もしくは拡大後の任意の時点で行われる。したがって、本発明の方法は、ドナーからのリンパ球(特に、T細胞(好ましくはTIL))を含むと分かっているまたは思われる試料を入手するステップ、および当技術分野において周知のMHC認識に関与するそれらの遺伝子を不活性化するステップを含み得る。そのような方法は、内在性TCRの破壊に一般に依存する。TCRは、アルファおよびベータという2つのペプチド鎖を含み、これらのペプチド鎖が集合してヘテロ二量体を形成し、このヘテロ二量体がさらにCD3形質導入サブユニットと会合して、細胞表面に存在するT細胞受容体複合体を形成する。TCRの各アルファおよびベータ鎖は、免疫グロブリン様N末端可変(V)および定常(C)領域、疎水性膜貫通ドメイン、ならびに短い細胞質領域からなる。免疫グロブリン分子に関しては、アルファおよびベータ鎖の可変領域は、V(D)J組換えにより生成され、それによって、T細胞の集団内に抗原特異性の大きな多様性が生じる。しかし、無傷抗原を認識する免疫グロブリンとは大いに異なり、T細胞は、MHC分子と会合しているプロセシングされたペプチド断片により活性化され、それによってT細胞による抗原認識に追加の次元が導入され、これは、MHC拘束性として公知である。T細胞受容体によるドナーとレシピエントとのMHCの認識の相違は、T細胞増殖、および重篤な場合には移植片対宿主病(GVHD)として現れ得る移植片対宿主免疫反応の潜在的発生の原因となる。TCRの正常な表面発現が、複合体の7つの成分全ての協調的な合成および集合に依存することは公知である。TCRアルファまたはTCRベータ遺伝子(およびひいては発現されるペプチド)の不活性化は、T細胞の表面からTCRを消失させる結果となり得、この消失によってアロ抗原(およびひいてはGVHD)の認識が防止され、それによって細胞は非同種異系になり得る。
【0321】
あるいは、非アロ反応性操作方法は、例えば、調製された細胞の寄託機関から購入で入手可能になり、その後、それらを本明細書で開示される方法に従って拡大することができるような、汎用の、患者非依存性の供給源または細胞を確立するためなどに、別途行われた可能性がある。したがって、本発明は、寄託機関から購入された、および/または本明細書で開示される1つもしくは複数の望ましいペプチドの発現のために既に操作されている、例えば、外来性TCRもしくはCARを発現するように操作されている、リンパ球(すなわち、オフザシェルフリンパ球)、好ましくは初代リンパ球、の使用も包含する。あるいは、本明細書で開示される方法は、非同種異系である初代リンパ球(好ましくはヒトリンパ球、より好ましくは初代ヒトリンパ球、および最も好ましくは初代ヒトT細胞((TIL)を含む)、すなわち、「オフザシェルフ」初代ヒトリンパ球、に適用可能である。
【0322】
同様に、本発明の、または本明細書で開示される方法により得ることができる、リンパ球の集団を、加えてまたは代替的に、免疫応答を惹起する能力を消失もしくは低下させるように、および/または宿主免疫系による認識を消失もしくは低減させるように、拡大の前に、それと並行して、またはその後にさらに操作することができる。これは、宿主対移植片免疫反応を最小限に抑えるまたは消失させるための取り組みである。非アロ反応性操作と同様に、宿主免疫系に対する感受性(および/または宿主免疫反応を惹起する能力)を低下または消失させるための細胞の操作を、本明細書で開示の任意の他の操作方法の前に、それと並行して、またはその後に行うことができる。非限定的な例示的な実施形態として、宿主免疫系に対する感受性(および/または宿主免疫反応を惹起する能力)を低下または消失させるための細胞の操作を、内在性主要組織適合遺伝子複合体の発現を低減または消失させることにより行うことができる。
【0323】
3.9 医薬組成物
特定の実施形態では、本発明は、本発明によるリンパ球の集団を含む医薬組成物に関する。
【0324】
本発明のリンパ球の集団は、ヒトにおける養子細胞移入(ACT)療法での使用を意図したものである。つまり、リンパ球の集団に含まれている細胞は、好ましくは、人体への注射に好適である液体に懸濁されている。リンパ球の集団に含まれている細胞を懸濁させるために好適な液体には、限定ではないが、薬学的に許容される緩衝液が含まれる。
【0325】
ある特定の実施形態では、薬学的に許容される緩衝液は、塩化ナトリウム緩衝液であり得る。ある特定の実施形態では、薬学的に許容される緩衝液は、0.9%NaCl緩衝液であり得る。ある特定の実施形態では、薬学的に許容される緩衝液には、リンパ球の集団の凍結を可能にするために少なくとも5%、10%、15%または20%DMSOが補充され得る。ある特定の実施形態では、薬学的に許容される緩衝液は、0~15%の間DMSOを含み得る。つまり、薬学的に許容される緩衝液は、0.9%NaClおよび0%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%または15%DMSOを含み得る。
【0326】
医薬組成物は、細菌夾雑物、特にマイコプラズマ、を実質的に含まないことが好ましい。細菌/マイコプラズマの非存在を、当技術分野において公知のデバイスまたはキット、例えば、限定ではないが、BacTecデバイスおよび/またはMycoSeqキットで、試験することができる。さらに、医薬組成物は、エンドトキシンを実質的に含まないことが好ましい。
【0327】
用語「医薬」は、用語「医薬組成物」と互換的に使用され、患者、好ましくはヒト患者への投与に好適な組成物に関する。したがって、本発明は、医薬として使用するためのリンパ球(好ましくはヒトリンパ球、より好ましくは初代ヒトリンパ球、最も好ましくは初代ヒトT細胞((TIL)を含む-これらは、1つまたは複数の所望のペプチドまたは受容体を発現するようにさらに遺伝子操作されていることもあり、操作されていないこともある)の集団、およびそのような使用のためのリンパ球のそのような集団を産生する方法を提供する。医薬/医薬組成物は、同種異系レシピエントに、すなわち、T細胞を供与する異なる個体であるレシピエントに投与されることがあり、または自己レシピエントに投与されることがあり、すなわち、この場合はレシピエント患者がT細胞を供与もする。あるいは、医薬/医薬組成物は、非同種異系リンパ球(当技術分野において公知の「オフザシェルフ」リンパ球)を含み得る。患者の種に関係なく、ドナーおよびレシピエント(患者)は、同じ種のものである。患者/レシピエントはヒトであることが好ましい。
【0328】
本発明による医薬製剤の製造において、リンパ球(好ましくはヒトリンパ球、より好ましくは初代ヒトリンパ球、最も好ましくは初代ヒトT細胞((TIL)を含む)の拡大された集団は、通常は、薬学的に許容される担体、賦形剤および/または希釈剤と混合され、結果として得られる組成物が対象に投与される。担体は、もちろん、製剤中の他の構成成分と相溶性であるという意味で許容されるものでなければならず、対象または操作された細胞に有害であってはならない。好適な医薬担体の例は、当技術分野において周知であり、リン酸緩衝生理食塩水、水、エマルジョン、例えば油/水型エマルジョン、様々なタイプの湿潤剤、滅菌溶液などを含む。担体は、レシピエントの血液と等張性である溶液であり得る。そのような担体を含む組成物を、周知の従来の方法により製剤化することができる。本発明の医薬組成物は、対象における疾患の処置に有用な1つまたは複数の追加の薬剤をさらに含み得る。本発明の医薬組成物は、in vivo細胞増殖および生着を促進するサイトカイン(例えば、IL-2、IL-7、IL-15、および/またはIL-21)を含むがこれらに限定されない、リンパ球の機能または活性に有利であることが公知の生体分子をさらに含み得る。本発明のリンパ球の集団を、1つもしくは複数の追加の薬剤もしくは生体分子と同じ組成物で投与することができ、または代替的に、別々の組成物と同時投与することができる。
【0329】
本明細書に記載される医薬組成物を、化学療法剤と組み合わせて使用することができる。例示的な化学療法剤としては、アントラサイクリン(例えば、ドキソルビシン(例えば、リポソームドキソルビシン)).ビンカアルカロイド(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン)、アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、ダカルバジン、メルファラン、イホスファミド、テモゾロミド)、免疫細胞抗体(例えば、アレムツズマブ(alemtuzamab)、ゲムツズマブ、リツキシマブ、オファツムマブ、トシツモマブ、ブレンツキシマブ)、代謝拮抗薬(例えば、葉酸アンタゴニスト、ピリミジンアナログ、プリンアナログおよびアデノシンデアミナーゼ阻害剤(例えば、フルダラビン)を含む)、mTOR阻害剤、TNFRグルココルチコイド誘導性TNFR関連タンパク質(GITR)アゴニスト、プロテアソーム阻害剤(例えば、アクラシノマイシンA、グリオトキシンまたはボルテゾミブ)、免疫調節薬、例えば、サリドマイドまたはサリドマイド誘導体(例えば、レナリドミド)が挙げられる。
【0330】
併用療法での使用が考えられる一般的な化学療法剤としては、アナストロゾール、ビカルタミド、ブレオマイシン硫酸塩、ブスルファン、カペシタビン、N4-ペントキシカルボニル-5-デオキシ-5-フルオロシチジン、カルボプラチン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、シクロホスファミド、シタラビン、シトシンアラビノシド、シタラビンリポソーム注射剤、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン塩酸塩、ダウノルビシンクエン酸塩リポソーム注射剤、デキサメタゾン、ドセタキセル、ドキソルビシン塩酸塩、エトポシド、フルダラビンリン酸塩、5-フルオロウラシル、フルタミド、テザシタビン、ゲムシタビン、ヒドロキシウレア(Hydrea(登録商標))、イダルビシン、イホスファミド、イリノテカン、L-アスパラギナーゼ、ロイコボリンカルシウム、メルファラン、6-メルカプトプリン、メトトレキサート、ミトキサントロン、マイロターグ、パクリタキセル、イットリウム90/MX-DTPA、ペントスタチン、タモキシフェンクエン酸塩、テニポシド、6-チオグアニン、チオテパ、チラパザミン、トポテカン塩酸塩、ビンブラスチン、ビンクリスチンおよびビノレルビンが挙げられる。
【0331】
本発明のリンパ球の集団と組み合わせて使用するための抗がん剤としては、アントラサイクリン;アルキル化剤;代謝拮抗薬;カルシウム依存性ホスファターゼであるカルシニューリンもしくはp70S6キナーゼであるFK506を阻害するか、p70S6キナーゼを阻害する薬物;mTOR阻害剤;免疫調節薬;アントラサイクリン;ビンカアルカロイド;プロテオソーム阻害剤;GITRアゴニスト;プロテインチロシンホスファターゼ阻害剤;CDK4キナーゼ阻害剤;BTK阻害剤;MKNキナーゼ阻害剤;DGKキナーゼ阻害剤;または腫瘍溶解性ウイルスが挙げられるが、これらに限定されない。
【0332】
例示的な代謝拮抗薬としては、限定ではないが、ピリミジンアナログ、プリンアナログおよびアデノシンデアミナーゼ阻害剤:メトトレキサート、5-フルオロウラシル、フロクスウリジン、シタラビン、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、フルダラビンリン酸塩、ペントスタチン、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、クラドリビン、クロファラビン、アザシチジン、デシタビンおよびゲムシタビンが挙げられる。
【0333】
例示的なアルキル化剤としては、限定ではないが、ナイトロジェンマスタード、ウラシルマスタード、エチレンイミン誘導体、アルキルスルホン酸エステル、ニトロソウレア、トリアゼン、クロルメチン、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、ピポブロマン、トリエチレンメラミン、トリエチレンチオホスホラミン、テモゾロミド、チオテパ、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、ダカルバジン、オキサリプラチン、テモゾロミド、ダクチノマイシン、メルファラン、アルトレタミン、カルムスチン、ベンダムスチン、ブスルファン、カルボプラチン、ロムスチン、シスプラチン、クロラムブシル、シクロホスファミド、ダカルバジン、アルトレタミン、イホスファミド、プレドニムスチン(prednumustine)、プロカルバジン、メクロレタミン、ストレプトゾシン、チオテパ、シクロホスファミド、およびベンダムスチンHClが挙げられる。
【0334】
3.10 治療への応用
本発明の、または本明細書で開示される方法により得ることができる、リンパ球の集団(好ましくは、ヒトリンパ球、より好ましくは初代ヒトリンパ球、および最も好ましくは初代ヒトT細胞((TIL)を含む、の集団)は、がんまたは前がん状態を含むがこれらに限定されない、疾患の処置における医薬としての使用のためのものとして想定されている。用語「がん」または「増殖性疾患」は、本明細書で使用される場合、当技術分野において公知である通りの無秩序な細胞成長または複製を特徴とする任意の疾患、状態、形質、遺伝子型または表現型を意味する。がん/増殖性疾患または前がん状態の特有の特徴は、本明細書で開示される方法には関係ないため、すなわち、リンパ球の集団は、所望の抗原、例えば特定のがんのネオ抗原に選択的であるように特異的に拡大されるため、本明細書で開示される方法に従っておよびリンパ球の集団で処置され得るがん/増殖性疾患は、あらゆるタイプの腫瘍、リンパ腫および癌腫を含む。
【0335】
そのようながんの非限定的な例としては、結腸直腸がん、脳がん、卵巣がん、前立腺がん、膵臓がん、乳がん、腎がん、上咽頭癌、肝細胞癌、メラノーマ、皮膚がん、口腔がん、頭頸部がん、食道がん、胃がん、子宮頸がん、膀胱がん、リンパ腫、慢性または急性白血病(例えば、B、Tおよび骨髄系由来)、肉腫、肺がんおよび多剤耐性がんが挙げられる。
【0336】
用語「処置」、「処置する(こと)」などは、所望の薬理学的および/または生理的効果を得ることを一般に意味するように本明細書では使用される。この効果は、疾患またはその症状を完全にまたは部分的に防ぐ点で予防的であることもあり、ならびに/あるいは疾患もしくは状態を、および/または疾患もしくは状態に起因する有害作用を、部分的にまたは完全に治癒させる点で治療的であることもある。用語「処置」は、本明細書で使用される場合、対象における疾患または状態の任意の処置を包含し、(a)増殖性疾患(好ましくはがん)を、その疾患の素因を有し得る対象において、発生しないようにすることおよび/もしくは改善すること;(b)疾患を抑えること、すなわち、その進展を抑止すること、例えば、がんの進行を抑えること;(c)疾患を緩和すること、すなわち、疾患の退行、例えばがんの抑制、をもたらすこと;ならびに/または(d)疾患もしくは状態に関連する任意の症状もしくは有害作用を防ぐこと、抑えること、もしくは緩和することを含む。好ましくは、用語「処置」は、本明細書で使用される場合、既に顕性の障害への医学的介入、例えば、診断されたがんの処置に関する。
【0337】
処置または治療(すなわち、本明細書で開示される、または本明細書で開示される方法により得ることができる、リンパ球の集団を含む医薬/医薬組成物の使用を含む)を、単独で投与することができ、または当技術分野において公知の特定の疾患もしくは状態のための適切な処置プロトコールと組み合わせて投与することができる。そのようなプロトコールの非限定的な例としては、鎮痛薬の投与、化学療法薬の投与、放射線治療、および疾患、状態またはその症状の外科的取扱いが挙げられるが、これらに限定されない。したがって、本明細書で開示される処置レジメンは、本明細書で開示されるような、または本明細書で開示される方法により得ることができるような、リンパ球の集団を、本明細書に記載のまたは当技術分野において公知の、どちらかの疾患、状態またはその症状の処置または予防に好適な処置プロトコールをいずれも伴わずに、1つのそのような処置プロトコールと一緒に、または1つより多くのそのような処置プロトコールと一緒に、投与することを包含する。他の公知の治療と「組み合わせて」投与することまたは「一緒に」使用することは、本明細書に記載されるまたは当技術分野において公知の併用療法のいずれかの前に、その途中に、その後に、またはそれと並行して、本発明の医薬/医薬組成物を投与することを包含する。本明細書で開示される医薬組成物/医薬を、疾患の活動期に、または疾患の寛解期もしくは低活動期に、単独で、または他の治療もしくは処置と組み合わせて投与することができる。
【0338】
組み合わせて投与される場合、本発明の、または本発明の方法で得ることができる、リンパ球の集団は、各治療または薬剤が個々に、例えば単独療法として、使用されることになる量または投薬量より多い、少ない、またはそれと同じである、量または用量で投与され得る。ある特定の実施形態では、リンパ球療法および/または少なくとも1つの追加の薬剤もしくは治療の投与量または投薬量は、個々に使用される対応する治療または薬剤の量または投薬量より少ない(例えば、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、または少なくとも50%)。
【0339】
本発明の、および/または本明細書で開示される方法により得ることができる、リンパ球の集団を、さらに、本明細書に記載のまたは当技術分野において公知の標準治療として使用される化学療法剤に対して耐性にすることができる。本発明のリンパ球の集団を操作してそのような耐性にすることは、化学療法または免疫抑制を経験する患者におけるin vivoでのそのような操作されたリンパ球の選択および拡大を助けると予想される。
【0340】
本発明の、および/または本明細書で開示される方法により得ることができる、リンパ球の集団は、患者への投与時にロバストなin vivo T細胞拡大を受けることができ、長期間にわたって、好ましくは1週間、より好ましくは2週間、よりいっそう好ましくは少なくとも1ヵ月間、体液中に留まること/体液中で存続することができる。本発明の、および/または本明細書で開示される方法により得ることができる、リンパ球の集団を、細胞療法の潜在的な管理を可能にする安全スイッチを用いてさらに操作することもできる。細胞療法に潜在的に役立つそのような安全スイッチは、当技術分野において公知であり、抗体除去を可能にする標的を発現するように細胞を操作すること(例えば、短縮化EGFR;Paszkiewiczら、J Clin Invest 126号(2016)、4262-4272)、小分子阻害剤の人工標的の導入(例えば、HSV-TK;Liangら、Nature 563号(2018)、701-704)および誘導性細胞死遺伝子の導入(例えば、icaspase;Minagawaら、Methods Mol Biol 1895号(2019)、57-73)を含む(しかしこれらに限定されない)。
【0341】
本発明によるリンパ球の集団の投与は、エアロゾル吸入、注射、経口摂取、輸注、留置または移植によるものを含む、任意の従来の方式で行うことができる。本明細書に記載される医薬および組成物を、皮下投与、皮内投与、腫瘍内投与、結節内投与、髄内投与、筋肉内投与、静脈内もしくはリンパ内注射により投与、または腹腔内投与することができる。本発明のリンパ球、医薬および/または組成物は、好ましくは、静脈内注射により投与される。
【0342】
投薬レジメンは、担当医および臨床学的因子により決定されることになる。医学技術分野において周知であるように、いずれの1患者のための投薬量も、患者のサイズ、体表面積、年齢、投与されることになる特定の化合物、性別、投与回数および経路、全体的な健康、および並行して投与される他の薬物をはじめとする、多くの因子に依存する。例えば、本発明の、および/または本明細書で開示される方法により得ることができる、リンパ球の集団は、対象に、104~1010T細胞/kg体重、好ましくは105~106T細胞/kg体重の用量で投与され得る。本発明に関して、リンパ球は、投与されることになるT細胞のアップスケーリングが、約105~106T細胞/kg体重の対象用量で開始して、その後、1010T細胞/kg体重の用量に増加させることにより行われるような方法で、投与され得る。細胞、または細胞の集団は、1用量または複数用量で投与され得る。
【0343】
特定の実施形態では、本発明は、がんを処置するための方法であって、
a)本発明によるリンパ球の集団または本発明による医薬組成物を用意するステップ;および
b)がんに罹患している対象にリンパ球の集団または医薬組成物を注入するステップ
を含む方法に関する。
【0344】
本発明によるリンパ球の集団または医薬組成物は、自己細胞療法で特にがんの処置に使用されることが、本明細書では好ましい。つまり、本発明によるリンパ球の集団または医薬組成物に含まれているリンパ球は、がんに罹患している対象から採取されたリンパ球の試料を拡大することにより得られることが、本明細書では好ましい。その後、リンパ球の集団、好ましくは、医薬組成物の形態のリンパ球の集団を、同じ対象に注入して戻すことができる。
【0345】
自己細胞療法において使用される場合、リンパ球の組成物の中のリンパ球は、対象の腫瘍を特異的に攻撃することが好ましい。そのために、リンパ球の集団の中のリンパ球の少なくとも一部は、対象の腫瘍に存在する抗原を認識する必要がある。リンパ球の集団の中のリンパ球の少なくとも一部が、対象の腫瘍に存在する抗原を認識することを確実にするために、リンパ球は、対象の腫瘍に存在すると事前に同定された抗原ペプチドの存在下で拡大されることが好ましい。
【0346】
つまり、特定の実施形態では、本発明は、対象におけるがんを処置するための方法であって、
a)対象から腫瘍を外科的に摘出するまたは対象の腫瘍から生検物を採るステップ;
b)ステップ(a)で得られた腫瘍試料において少なくとも1つの腫瘍抗原を同定するステップ;
c)ステップ(a)で得られた腫瘍試料におけるリンパ球を、本発明による方法で拡大するステップであって、腫瘍試料中に存在するとステップ(b)で同定された少なくとも抗原の存在下でリンパ球を拡大するステップ;
d)拡大されたリンパ球を、腫瘍試料を採取した対象に注入するステップ
を含む方法に関する。
【0347】
用語「腫瘍抗原」は、本明細書を通して使用される場合、正常または非新生物細胞と比較して、腫瘍細胞によって細胞内にであれ腫瘍細胞表面にであれ(好ましくは、腫瘍細胞表面に)独特にまたは差次的に発現される抗原を指す。例として、腫瘍抗原は、腫瘍細胞内または腫瘍細胞上に存在し得、通常は、正常細胞内にもこれらの細胞上にも、非新生物細胞内にもこれらの細胞上にも存在し得ない(例えば、限定された数の正常組織、例えば精巣および/または胎盤、によってしか発現され得ない)か、あるいは腫瘍抗原は、腫瘍細胞内または腫瘍細胞上に、正常もしくは非新生物細胞内またはこれらの細胞上より大量に存在し得るか、あるいは腫瘍抗原は、腫瘍細胞内または腫瘍細胞上に、正常もしくは非新生物細胞内またはこれらの細胞上に見られるものとは異なる形態で存在し得る。したがって、この用語は、腫瘍特異的膜抗原をはじめとする腫瘍特異的抗原(TSA)、腫瘍関連膜抗原をはじめとする腫瘍関連抗原(TAA)、腫瘍上の胚抗原、成長因子受容体、成長因子リガンドなどを含む。この用語は、がん/精巣(CT)抗原をさらに含む。
【0348】
腫瘍抗原の例としては、限定ではないが、β-ヒト絨毛性ゴナドトロピン(βΗCG)、糖タンパク質100(gp100/Pmel17)、癌胎児性抗原(CEA)、チロシナーゼ、チロシナーゼ関連タンパク質1(gp75/TRP-1)、チロシナーゼ関連タンパク質2(TRP-2)、NY-BR-1、NY-CO-58、NY-ESO-1、MN/gp250、イディオタイプ、テロメラーゼ、滑膜肉腫X切断点2(SSX2)、ムチン1(MUC1)、メラノーマ関連抗原(MAGE)ファミリーの抗原、高分子量メラノーマ関連抗原(HMW-MAA)、T細胞に認識されるメラノーマ抗原1(MART1)、ウィルムス腫瘍遺伝子1(WT1)、HER2/neu、メソテリン(MSLN)、アルファフェトプロテイン(AFP)、がん抗原125(CA-125)、およびrasまたはp53の異常型が挙げられる(WO2016187508A2も参照されたい)。腫瘍抗原はまた、対象特異的であり得る(例えば、対象特異的ネオ抗原;例えば、米国特許第9,115,402号、ならびに国際特許出願公開番号WO2016/100977、WO2014/168874、WO2015/085233およびWO2015/095811を参照されたい)。
【0349】
好ましい実施形態では、がんの処置における使用のためのリンパ球の集団は、ネオTILを含む。ネオTILは、ネオ抗原を特異的に認識する腫瘍浸潤リンパ球、好ましくはT細胞である。ネオTILは、腫瘍試料、または腫瘍試料から得られたT細胞を、本明細書でより詳細に説明されるようにネオ抗原ペプチドと接触させることにより、特異的に拡大され得る。ネオ抗原の存在が、ネオTILを含むリンパ球の集団を受ける患者において確認済みであることが好ましい。
【0350】
本発明の上述の詳細な説明において、多数の個々のエレメント、特徴付ける特徴、技術および/またはステップが開示されている。これらの各々が、個々に、単独で考慮または使用された場合にばかりでなく、互いに組み合わせて考慮または使用された場合にも、メリットがあることは、容易に分かる。したがって、甚だしく繰り返しの多い冗長なくだりを避けるために、本説明は、あらゆる可能な組合せおよび順列を何度も繰り返すことを控えている。とは言え、はっきりと述べていようと、いなかろうと、そのような組合せは、全面的に、今般開示される主題の範囲内である。
【0351】
本明細書で使用される専門および科学用語は、別段の定義がない限り、当業者により一般に理解されているのと同じ意味を有するように意図されている。本明細書で用いられる技術への言及は、当業者には明らかであろう技術のバリエーションまたは同等の技術の代用を含めて、当技術分野において一般に理解されているような技術を指すように意図されている。
【0352】
4.実施例
4.1 B細胞の調製
B細胞を凍結アフェレーシス試料から得る。解凍後、アフェレーシス試料を洗浄し、市販のB細胞単離キットを使用してB細胞を単離する。次いで、単離されたB細胞を、IL-4(最終濃度:200IU/ml)およびCD40L(最終濃度:1μg/ml)を添加することにより活性化する。
【0353】
活性化ステップの後、かつTリンパ球と接触させる前に、4-1BB、OX40LおよびIL-12をコードするmRNAをB細胞にトランスフェクトする。そのために、B細胞とmRNAを混合し、電気穿孔デバイスおよび好適な電気穿孔用緩衝液を使用して細胞にトランスフェクトする。
【0354】
電気穿孔されたB細胞を、200μg/mLのPen-Strepと10%ヒトAB血清(hABS)とを補充した培地に再懸濁させる。再懸濁したB細胞を保管するか、または抗原提示細胞(APC)としてTリンパ球の拡大に直接使用する。
【0355】
目的は、100×106個のB細胞を40mLの体積で調製することである。
【0356】
4.2 腫瘍試料の調製
腫瘍標本(新鮮なまたは凍結保存された)を小さな断片(1~3mm3)に切断する。目的は、50mLの補充済培地中の60個の腫瘍断片を調製することである。
【0357】
あるいは、腫瘍試料を市販のキットで解離させ(腫瘍試料の酵素消化のステップを含む)、得られたリンパ球を、補充済培地中で調製する。
【0358】
4.3 ペプチド溶液の調製
化学的に合成されたペプチド(9~25アミノ酸長を有する2~100の異なるペプチドを含むペプチドライブラリー)のストック溶液を調製する。目的とするペプチドストック濃度は、20%DMSOに溶解した100μg/mLである。
【0359】
4.4 Tリンパ球の拡大
60の腫瘍断片または同等のものおよび電気穿孔されたB細胞を、ADVAバイオリアクター(ADVA biotechnology)内への適切な培地内に播種する。
【0360】
- 200μg/mLのPen-Strepと10%ヒトAB血清(hABS)とを補充した40mLの培地中、100×106個のB細胞(セクション4.1を参照されたい)。
【0361】
- 200μg/mLのPen-Strepと10%hABSと6000iU/mLのIL-2とを補充した50mLの培地中、60個の腫瘍断片(1~2mm3)(セクション4.2を参照されたい)。
【0362】
B細胞および腫瘍断片をADVA X3バイオリアクターにおいて1日、回分モードで培養する。(pHおよびdOをモニターし、成長チャンバーの上部空隙におけるCO2/O2を必要に応じて調整する。24時間後、ペプチドをADVA X3バイオリアクターに添加する。
【0363】
pH、dO、グルコースおよび乳酸濃度をモニターしながら回分モードを継続する。新鮮培地を添加することにより培養体積を増加させて4つのパラメーターを範囲内に保つ。
【0364】
10日目:リンパ球を活性化する(+/-5日)
- 抗CD3抗体OKT3を含む15mLの活性化培地を、培養物中100ng/mLの最終OKT3濃度が得られるように添加する。
【0365】
その後、IL-2を3日ごとに添加してIL-2濃度を高く保つ。
pH、DO、グルコースおよび乳酸濃度に基づいて培養培地を増加させることを継続する。プロセスパラメーターに基づいて、流加モードから循環モードへ、最終的に灌流モードへ切り替える。
ADVA X3で細胞を収集し、培地を交換し、最終的な製剤化のために細胞を調製する。製剤化した細胞を分配/分取し、解析まで保管のために凍結する。
【配列表】
【国際調査報告】