(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-23
(54)【発明の名称】車両間通信におけるUE間調整要求信号
(51)【国際特許分類】
H04W 72/25 20230101AFI20240416BHJP
H04W 92/18 20090101ALI20240416BHJP
H04W 28/04 20090101ALI20240416BHJP
H04W 72/0453 20230101ALI20240416BHJP
H04W 4/40 20180101ALN20240416BHJP
【FI】
H04W72/25
H04W92/18
H04W28/04 110
H04W72/0453
H04W4/40
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568002
(86)(22)【出願日】2022-04-22
(85)【翻訳文提出日】2023-12-19
(86)【国際出願番号】 US2022025877
(87)【国際公開番号】W WO2022235441
(87)【国際公開日】2022-11-10
(32)【優先日】2021-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】カルハン アミット
(72)【発明者】
【氏名】チャン ヘンリー
(72)【発明者】
【氏名】藤代 真人
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067EE02
5K067EE25
5K067EE61
5K067HH28
5K067JJ13
(57)【要約】
ここで説明される装置、システム、及び方法は、UE間調整(IUC)情報の要求を第2のUE装置に送信する第1のUE装置に関する。IUC情報の要求は、第2のUE装置に関連付けられた宛先レイヤ2識別子(宛先L2 ID)を示す制御情報を含む物理リソースのセット内で送信される。第2のUE装置は、IUC情報を第1のUE装置に送信する。第1のUE装置は、IUC情報に少なくとも部分的に基づいて、第2のUE装置との通信に使用される通信リソースを選択する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第2のUE(ユーザ機器)装置に関連付けられた宛先L2 ID(宛先レイヤ2識別子)を示す制御情報を含む物理リソースのセット内で送信されるIUC(UE間調整)情報の要求を、前記第2のUE装置に送信するように構成された送信部と、
前記第2のUE装置から前記IUC情報を受信するように構成されている受信部と、
前記IUC情報に少なくとも部分的に基づいて、前記第2のUE装置との通信に使用される通信リソースを選択するように構成されている制御部と、を備える第1のUE装置。
【請求項2】
前記IUC情報の要求は、1ビット信号を含む、請求項1に記載の第1のUE装置。
【請求項3】
前記IUC情報の要求は、複数のビットの信号を含む、請求項1に記載の第1のUE装置。
【請求項4】
前記送信部は、IUC情報の要求を送信する専用の通信リソースのセットを利用して、IUC情報の要求を送信するように更に構成される、請求項1に記載の第1のUE装置。
【請求項5】
前記送信部は、物理サイドリンクフィードバックチャネル(PSFCH:Physical Sidelink Feedback Channel)を介して前記IUC情報の要求を送信するように更に構成される、請求項1に記載の第1のUE装置。
【請求項6】
前記受信部は、1又は複数のUE装置に対する物理リソースブロック(PRB:Physical Resource Block)インデックス割当て情報を含むメッセージを受信するように更に構成される、請求項1に記載の第1のUE装置。
【請求項7】
前記受信部は、1又は複数のUE装置の宛先L2 IDを含むメッセージを受信するように更に構成されている、請求項1に記載の第1のUE装置。
【請求項8】
前記受信部は、調整メッセージリソースプールから選択される、次に利用可能な物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH:Physical Sidelink Control Channel)リソースで前記IUC情報を受信するように更に構成される、請求項1に記載の第1のUE装置。
【請求項9】
前記送信部は、前記第1のUE装置が前記第2のUE装置にデータ送信を行おうとする、少なくとも整数のスロット数前に、前記IUC情報の要求を送信するように更に構成される、請求項1に記載の第1のUE装置。
【請求項10】
前記受信部は、ネットワークから前記整数を受信するように更に構成される、請求項9に記載の第1のUE装置。
【請求項11】
前記送信部は、前記第2のUE装置に関連付けられた前記宛先L2 IDに関連付けられている物理リソースの要求を、基地局に送信するように更に構成される、請求項1に記載の第1のUE装置。
【請求項12】
第1のUE(ユーザ機器)装置に関連付けられた宛先L2 ID(宛先レイヤ2識別子)を示す制御情報を含む物理リソースのセット内で送信されるIUC(UE間調整)情報の要求を、第2のUE装置から受信するように構成された受信部と、
前記IUC情報を、前記第2のUE装置に送信するように構成された送信部と、を備え、前記IUC情報は、前記第2のUE装置で受信されると、前記第2のUE装置に、前記IUC情報に少なくとも部分的に基づいて、前記第1のUE装置との通信に使用される通信リソースを選択させる、第1のUE装置。
【請求項13】
前記IUC情報の要求は、1ビット信号を含む、請求項12に記載の第1のUE装置。
【請求項14】
前記IUC情報の要求は、複数ビットの信号を含む、請求項12に記載の第1のUE装置。
【請求項15】
前記受信部は、IUC情報の要求を送信する専用の通信リソースのセットを介して、IUC情報の要求を受信するように更に構成される、請求項12に記載の第1のUE装置。
【請求項16】
前記受信部は、物理サイドリンクフィードバックチャネル(PSFCH:Physical Sidelink Feedback Channel)を介してIUC情報の要求を受信するように更に構成される、請求項12に記載の第1のUE装置。
【請求項17】
前記送信部は、調整メッセージリソースプールから選択される、次に利用可能な物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH:Physical Sidelink Control Channel)リソースで前記IUC情報を送信するように更に構成される、請求項12に記載の第1のUE装置。
【発明の詳細な説明】
【優先権の主張】
【0001】
本出願は、2021年5月5日に出願され、整理番号TPRO-00360US、「車両間通信におけるUE間調整要求信号」と題する、米国仮出願第63/184,651号の優先権を主張する。当該米国仮出願は、本出願の譲受人に譲渡されており、その全体は参照により明示的に本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、一般に無線通信に関し、より詳細には、無線通信装置間でのユーザ機器間調整情報の交換に関する。
【背景技術】
【0003】
ユーザ機器(UE)装置間の情報の調整は、UE装置間の通信をより効率的にする。
【発明の概要】
【0004】
ここで述べられる装置、システム、及び方法は、第1のUE装置が、UE間調整(IUC:inter-UE coordination)情報の要求を第2のUE装置に送信することに関する。IUC情報の要求は、第2のUE装置に関連付けられた宛先レイヤ2識別子(Destination Layer 2 identifier(Destination L2 ID(宛先L2 ID)))を示す制御情報を含む物理リソースのセット内で送信される。第2のUE装置は、IUC情報を第1のUE装置に送信する。第1のUE装置は、IUC情報に少なくとも部分的に基づいて、第2のUE装置との通信に使用される通信リソースを選択する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】
図1は、第1のユーザ機器(UE)装置が、第2のUE装置にUE間調整(IUC)情報を要求するシステムの一例のブロック図であり、その要求は、第2のUE装置に関連付けられた宛先レイヤ2識別子(宛先L2 ID)を示す制御情報を含む物理リソースのセット内で送信される。
【0006】
【0007】
【0008】
【
図3】
図3は、第1のユーザ機器(UE)装置が、第2のUE装置のUE間調整(IUC)情報を要求する方法の一例のフローチャートである。ここで、その要求は、第2のUE装置に関連付けられた宛先レイヤ2識別子(宛先L2 ID)を示す制御情報を含む物理リソースのセット内で送信される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に説明する例は、一般に、車両から任意の物(entity)に対して、車両に影響を与える、又は車両が影響を与える可能性のある情報を渡すV2X(vehicle-to-everything)通信を対象としている。たとえば、V2Xは、車両間(V2V:vehicle-to-vehicle)、V2I(vehicle-to-infrastructure(車両とインフラ間))、V2N(vehicle-to-network(車両とネットワーク間))、V2P(vehicle-to-pedestrian(車両と歩行者間))、V2D(vehicle-to-device(車両と装置間))、V2G(vehicle-to-grid(車両とグリッド間))を含む、他のより特殊なタイプの通信を組み込んだ車両通信システムである。V2X通信テクノロジには、使用されている基盤テクノロジに応じて、米国電気電子学会(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11に基づくV2X、及びセルラーV2X(C-V2X)の2種類がある。V2Xプロトコルの例としては、LTE(Long-Term Evolution)(Rel-14)V2Xモード3及びモード4、並びに5G NR(New Radio)V2X モード1及びモード2がある。
【0010】
ここで説明される例のいくつかでは、無線通信デバイスは、データを交換するユーザ機器(UE)装置又は車両ユーザ機器(VUEs:vehicle user equipment devices)装置である。ここでデータは、(例えば、拡張センサを使用する例において)ローカルセンサ、又は車両、RSU(Road Side Unit)、歩行者の装置及びV2Xアプリケーションサーバー間のライブビデオデータを介して収集される。いくつかの例では、先進運転支援システム(ADAS:Advanced Driver Assistance System)を搭載した車両は、周辺環境や他の車両を感知するカメラ、レーダー及び/又はライダ(lidar)などのセンサを使用する。
【0011】
しかしながら、同じ通常領域内において信号を送信する複数の車両では、データ送信の衝突(collisions)が発生する可能性があり、信号送受信の失敗によりシステム性能が低下する可能性がある。更に、信号送信の遅延又は失敗により、その領域の車両や歩行者に安全上の問題も発生する可能性がある。したがって、モード2のリソース割当て性能を向上させるために、UE間調整(IUC:inter-UE coordination)メッセージングを実装することが有利であるかもしれない。なぜならば、UEに互いに干渉する可能性が低い通信リソースが割当てられるため、データ送信の衝突の可能性が低減されるからである。
【0012】
データ送信の衝突を考慮すると、2つの主なシナリオがある。1つ目のシナリオでは、既に2つのデータ送信間の衝突が発生しており、受信するUEは衝突を検出している場合である。2番目のシナリオは、2つのデータ送信は衝突する可能性があるが、実際のデータ送信はまだ行われていない場合である。2番目のシナリオは、送信している2つのUEがお互いを認識しておらず、両者がそれぞれの将来のデータ送信用にたまたま同じ送信リソースを予約している場合に発生する。1つ目と2つ目のシナリオは、それぞれ「衝突後(post-collision)」及び「潜在的衝突(potential-collision)」で参照される。
【0013】
NR V2Xでは、送信を行うUEは、初期送信を予約することができず、また半二重制約がある。これは、同時に信号の送受信できないことを意味する。結果として、「衝突後」シナリオでは、2つの送信UEが、送信において、同じリソース又はタイムスロットを誤って選択して、データ衝突が生じた可能性がある。同様に、互いにペアになっている送信UEと受信UEが、送信に同じリソース又はタイムスロットを誤って選択した可能性があり、その結果、データ受信が失敗となることとなる。
【0014】
「潜在的衝突」は、更に困難なシナリオとなる。潜在的な衝突を回避するには、送信UEは、データ送信を行う前に衝突を予測できなければならない。潜在的な衝突の主な原因は、2つの送信UEが隠れノード(hidden-node)の状況にある場合である。典型的な隠れノードの状況は、2つの送信UEの送信が相互に到達できないものの、依然として互いのそれぞれの受信UEに干渉を引き起こすような障害がある場合に発生する。
【0015】
隠れノードの状況に対する1つの解決策は、送信用の(非)優先リソースのリストを送信UEに通知するために、受信UEからのIUCメッセージングをサポートすることである。ただし、リスト自体の送信が、干渉を引き起こす可能性がある。更に、このタイプの調整は、隠れノード間の送信衝突がすでに発生して検出された後にのみ機能する。
【0016】
ここで議論される装置、システム及び方法は、UE間調整(IUC)情報の要求を第2のUE装置に送信する第1のUE装置を含む。IUC情報の要求は、第2のUE装置に関連付けられた宛先レイヤ2識別子(Destination Layer 2 identifier(Destination L2 ID(宛先L2 ID)))を示す制御情報を含む物理リソースのセット内で送信される。第2のUE装置は、IUC情報を第1のUE装置に送信する。第1のUE装置は、IUC情報に少なくとも部分的に基づいて、第2のUE装置との通信に使用される通信リソースを選択する。
【0017】
ここで述べられる異なる例は、個別に議論される場合があるが、いずれの例のいずれの特徴も、いずれの他の例に追加され、他の例から削除され、又は他の例に組み合わせることができる。同様に、いずれの例のいずれの特徴も、並行して実施されてもよく、又、ここでの記載若しくは示されたものとは異なる方法/順序で実施されてもよい。
【0018】
図1は、第1ユーザ機器(UE)装置が、第2のUE装置からUE間調整(IUC)情報を要求するシステム100の一例のブロック図であり、その要求は、第2のUE装置に関連付けられた宛先レイヤ2識別子(宛先L2 ID)を示す制御情報を含む物理リソースのセット内で送信される。第1のUE装置は、第2のUE装置からIUC情報を受信し、IUC情報に少なくとも部分的に基づいて、第2のUE装置との通信に使用される通信リソースを選択する。
【0019】
簡潔にするために、
図1は、第1のUE装置102及び第2のUE装置104のみを示している。しかしながら、他の例では任意の数のUE装置が用いられることができる。
図2Bに示されるように、ユーザ機器装置(UE)102は、制御部216、送信部218、受信部214、及びアンテナ212、並びに他の電子機器、ハードウェア、及びソフトウェアコードを備える。第1のUE装置102は、ここでは第1のUE又は第1無線通信装置(WCD:wireless communication device)としても参照され得る。UE102は、基地局106を介して無線アクセスネットワーク(不図示)に無線接続されており、基地局106は、UE102に様々な無線サービスを提供する。
図1に例示的に示されるように、UE102は、3GPP 5G NR(3rd Generation Partnership Project 5G New Radio)通信仕様の少なくとも1つの改訂に従って動作する。他の例では、UE102は、他の通信仕様に従って動作してもよい。
図1に例示的に示されるように、両方のUEは、
図2BのUE102と同じ構成、回路、及び構成を有する。しかしながら、他の例において、
図1のいずれかのUEは、UE102とは異なる構成、回路、及び構成を有してもよい。
【0020】
UE102は、ここで説明される機能を実行する任意の固定された、移動可能な、又は携帯可能な機器である。UE102を参照して述べられるブロックのさまざまな機能及び動作は、任意の数の装置、回路、又は要素で実装されていてもよい。2つ以上の機能ブロックが単一の装置に統合されていてもよく、任意の単一の装置で実行されるように述べられた機能は、複数の装置にわたって実装されていてもよい。
【0021】
制御部216は、ここで説明される機能を実行するためだけでなく、ユーザ機器装置のすべての機能をより効率的にするためのハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの任意の組み合わせを含む。適切な制御部216の例は、メモリに接続されたマイクロプロセッサ又はプロセッサ配列上で実行されるソフトウェアコードを含む。送信部218は、無線信号を送信するように構成された電子機器を含む。場合によっては、送信部218は複数の送信部を含んでもよい。受信部214は、無線信号を受信するように構成された電子機器を含む。場合によっては、受信部214は複数の受信部を含んでもよい。受信部214及び送信部218は、それぞれアンテナ212を介して信号を受信及び送信する。アンテナ212は、別個の送信アンテナと受信アンテナを含んでいてもよい。場合によっては、アンテナ212は複数の送信アンテナ及び受信アンテナを含んでいてもよい。
【0022】
図2Bの例における送信部218及び受信部214は、変調及び復調を含む無線周波数(RF:radio frequency)処理を実行する。したがって、受信部214は、低雑音増幅器(LNAs:low noise amplifiers)及びフィルタなどの構成を含むことができる。送信部218は、フィルタ及び増幅器を含むことができる。他の構成は、アイソレータ、整合回路、及び他のRF部品を含むことができる。これらの構成は、他の構成と組み合わせて、又は連携して、ユーザ機器装置の機能を実行する。必要な構成は、ユーザ機器装置により必要とされる特定の機能に依存してもよい。
【0023】
送信部218は変調器(不図示)を含み、受信部214は復調器(不図示)を含む。変調器は、送信部218によって送信される信号を変調するために、複数の変調次数のうちの任意の1つを適用することができる。復調器は、複数の変調次数のうちの1つに従って受信信号を復調する。
【0024】
明瞭かつ簡潔にするために、
図1には1つの基地局だけが示されている。しかしながら、他の例では、任意の適切な数の基地局を利用することができる。
図1の例では、基地局106は、カバーエリア108内のUEに無線サービスを提供する。明示的に示されていないが、カバーエリア108は複数のセルで構成されていてもよい。
図1に示す例では、次のようになる。
図1に例示的に示されるように、時にgNodeB又はgNBと参照される基地局106は、UE装置からアップリンクメッセージを受信することができ、UE装置にダウンリンクメッセージを送信することができる。
【0025】
基地局106は、既知の技術に従ってバックホール(不図示)を介してネットワークに接続される。
図2Aに示されるように、基地局106は、コントローラ204、送信部206、受信部208、及びアンテナ210、並びに他の電子機器、ハードウェア、及びコードを備える。基地局106は、ここで説明される機能を実行する任意の固定された、移動可能な、又は携帯可能な機器である。基地局106を参照して説明されるブロックの様々な機能及び動作は、任意の数のデバイス、回路又は要素で実装することができる。2つ以上の機能ブロックは、単一のデバイスに統合されてもよく、任意の単一のデバイスで実行されるように述べられた機能は、複数のデバイスにわたって実装されてもよい。
【0026】
図2Aに例示的に示されるように、基地局106は、システム展開時に、特定の場所に設置される固定装置又は機器であってもよい。このような機器の例には、固定基地局又は固定送受信局が含まれる。場合によっては、基地局106は、特定の場所に一時的に設置される移動可能機器であってもよい。このような機器のいくつかの例には、発電機、ソーラーパネル、及び/又はバッテリーなどの発電機器を含むことのできる移動送受信局が含まれる。このような機器の、より大きくてより重いバージョンは、トレーラーで輸送されるかもしれない。更に他の場合では、基地局106は、特定の場所に固定されていない持ち運び可能な装置であってもよい。したがって、基地局106は、場合によってはUE装置などの携帯型ユーザデバイスであってもよい。
【0027】
コントローラ204は、ここで述べられる機能を実行するためだけでなく、基地局106のすべての機能をより効率的にするためのハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの任意の組み合わせを含む。適切なコントローラ204の例は、メモリに接続されたマイクロプロセッサ又はプロセッサ配列上で実行されるソフトウェアコードを含む。送信部206は、無線信号を送信するように構成された電子機器を含む。場合によっては、送信部206は複数の送信部を含んでもよい。受信部208は、無線信号を受信するように構成された電子機器を含む。場合によっては、受信部208は複数の受信部を含んでもよい。受信部208及び送信部206は、それぞれアンテナ210を介して信号を受信及び送信する。アンテナ210は、別個の送信アンテナと受信アンテナを含んでいてもよい。場合によっては、アンテナ210は複数の送信アンテナ及び受信アンテナを含んでいてもよい。
【0028】
図2Aの例における送信部206及び受信部208は、変調及び復調を含む無線周波数(RF)処理を実行する。したがって、受信部208は、低雑音増幅器(LNAs)及びフィルタなどの構成を含むことができる。送信部206は、フィルタ及び増幅器を含むことができる。他の構成は、アイソレータ、整合回路、及び他のRF部品を含むことができる。これらの構成は、他の構成と組み合わせて、又は連携して、ユーザ機器装置の機能を実行する。必要な構成は、ユーザ機器装置により必要される特定の機能に依存してもよい。
【0029】
送信部206は変調器(不図示)を含み、受信部208は復調器(不図示)を含む。変調器は、送信される信号を変調し、複数の変調次数のうちの任意の1つを適用することができる。復調器は、複数の変調次数のうちの1つに従って、基地局106で受信された任意のアップリンク信号を復調する。
【0030】
図1に例示的に示されるように、基地局106は、カバーエリア108内のUE装置に信号110を報知することができる。いくつかの例では、ネットワークは、基地局106によって報知される信号110を介して、カバーエリア108内のUE装置を構成することができる。第1のUE装置102及び第2のUE装置104は、サイドリンク通信リンク112によって接続される。これは、両UEが直接チャネルを介して互いに直接通信することを許容する。他の例では、他の適切なタイプの通信リンクがシステム100で利用されてもよい。
【0031】
運用において、第1のUE装置102は、その送信部218及びアンテナ212を介して、UE間調整(IUC)情報の要求を第2のUE装置104に送信する。しかしながら、いくつかの例では、IUC情報の要求を送信する前に、第1のUE装置102は、そのgNB106から物理リソースを要求し、そのリソース要求は宛先レイヤ2識別子に関連付けられていることをgNB106に示す。第1のUE装置102は、gNB106に関して無線リソース制御接続(RRC CONNECTED)状態にあるとき、第1のUE装置102は、宛先レイヤ2識別子を含む、サイドリンクUE情報NR(SidelinkUEInformationNR)メッセージ又はUE支援情報(UEAssistancelnformation)メッセージを使用して、IUCリソース要求をgNB106に送信することができる。
【0032】
専用シグナリングの場合、第1のUE装置102は、無線リソース制御再構成(RRCReconfiguration)メッセージ内でgNB106からIUCリソース割当てを受信することになる。あるいは、第1のUE装置102がいずれかのRRC状態にあるとき、IUCリソースは、リソースのプールとしてSIB12に設定されてもよく、これにより、宛先レイヤ2識別子は、1サービス以上又は1ユーザ以上にマッピングできる宛先レイヤ2識別子の初期値として示されてもよい。これは、いずれのUE装置も、宛先レイヤ2識別子の初期値の範囲内にある宛先UE装置に、IUCを送信するためのリソースを使用できることを意味する。第1のUE装置102はカバーエリア外であるかもしれないため、IUCリソースは事前に構成されてもよい。
【0033】
いくつかの例では、第1のUE装置102は、第2のUE装置104に関連付けられた宛先レイヤ2識別子(宛先L2 ID)を示す制御情報を含む物理リソースのセット内で、IUC情報の要求を第2のUE装置104に送信する。例えば、いくつかの例では、IUC情報の要求は、第2のUE装置104に関連付けられた宛先L2 IDにマッピングされる物理リソースブロック(PRB:Physical Resource Block)内で送信されていてもよい。これらの例では、第1のUE装置102の受信部214は、更に、第2のUE装置104を含む1又は複数のUE装置のPRBインデックス割当て情報を含むメッセージを受信するように構成されていてもよい。同様に、いくつかの例では、第1のUE装置102の受信部214は、更に、第2のUE装置104を含む1又は複数のUE装置の宛先L2 IDを含むメッセージを受信するように構成されていてもよい。
【0034】
他の例では、第1のUE装置102は、上位層(例えば、アプリケーション層)メッセージ内に第2のUE装置104に関連付けられた宛先L2 IDを含む。したがって、いくつかの例では、宛先L2 IDは、サイドリンク制御情報(SCI:Sidelink Control Information)内で直接エンコードされないかもしれない。
【0035】
いくつかの例では、IUC情報の要求は1ビット信号を含む。他の例では、IUC情報の要求は、複数のビットを含む信号を含む。
【0036】
いくつかの例では、IUC情報の要求は、IUC情報の要求の送信専用の通信リソースのセットを利用して送信される。他の例では、IUC情報の要求は、物理サイドリンクフィードバックチャネル(PSFCH:Physical Sidelink Feedback Channel)を介して送信される。
【0037】
更なる例において、IUC情報の要求は、第1のUE装置102が第2のUE装置104にデータ送信を行おうとする、少なくとも整数のスロット数前に送信される。いくつかの例では、第1のUE装置102は、アンテナ212及び受信部214を介して、ネットワークから(例えば、基地局106から送信された信号110を介して)その整数を受信する。
【0038】
第2のUE装置104は、そのアンテナ212及び受信部214を介して、IUC情報の要求を受信する。この要求に応じて、第2のUE装置104は、IUC情報を準備する。いくつかの例では、準備されたIUC情報は、上述したように、以下のうちの1又は複数を含む:優先通信リソースのリスト、非優先通信リソースのリスト、第1のUE装置102のSCIにより示されるリソースにおける予想される/潜在的及び/又は検出されたリソース競合の指標、及び第1のUE装置102の潜在的な/検出された隠れノード状況。他の例では、準備されたIUC情報は、第1のUE装置102と第2のUE装置104との間の直接通信を効率的に行う任意の情報を含むことができる。
【0039】
IUC情報の具体的な内容にかかわらず、第2のUE装置104は、その送信部218及びアンテナ212を介して、IUC情報を第1のUE装置102に送信する。第1のUE装置102は、そのアンテナ212及び受信部214を介してIUC情報を受信する。いくつかの例では、第1のUE装置102は、次に利用可能な物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH:Physical Sidelink Control Channel)リソースでIUC情報を受信する。
【0040】
第1のUE装置102は、その制御部216を利用して、IUC情報に少なくとも部分的に基づいて、第2のUE装置104との通信に使用される通信リソースを選択する。第1のUE装置102と第2のUE装置104は、選択された通信リソースを用いて互いに通信する。
【0041】
図3は、第1ユーザ機器(UE)装置が、第2のUE装置からUE間調整(IUC)情報を要求する方法の一例のフローチャートである。ここで、この要求は、第2のUE装置に関連付けられた宛先レイヤ2識別子(宛先L2 ID)を示す制御情報を含む物理リソースのセット内で送信される。いくつかの例では、方法300は、ステップ301において、第1のUE装置102から基地局106に物理リソースの要求を送信することから始まる。物理リソースの要求は、物理リソースの要求が、第2のUE装置104に関連付けられた宛先L2 IDに関連付けられていることを基地局106に示す。方法300は、ステップ302において、第1のUE装置102から第2のUE装置104に、UE間調整(IUC)情報の要求を送信することに続く。IUC情報の要求は、第2のUE装置104に関連付けられた宛先レイヤ2識別子(宛先L2 ID)を示す制御情報を含む物理リソースのセット内で送信される。ステップ304において、第1のUE装置102は、第2のUE装置104から、IUC情報を受信する。ステップ306において、第1のUE装置102は、IUC情報に少なくとも部分的に基づいて、第2のUE装置104との通信に使用される通信リソースを選択する。他の例では、方法300のステップのうちの1つ以上が省略され、組み合せられ、並行して実行され、又はここで説明される若しくは
図3に示される以外の異なる順序で実行されてもよい。更に別の例において、
図3に示される例に関連する明示的に説明されていない追加のステップが方法300に追加されてもよい。
【0042】
明らかに、本発明の他の形態及び修正は、これらの教示を考慮すれば当業者には容易に想起されるであろう。上述の記載は、説明的なものであり、限定的なものではない。本発明は、上述の明細書及び添付の図面と併せて見たとき、すべてのそのような形態及び修正を含む特許請求の範囲によってのみ限定されるものである。したがって、本発明の範囲は、上記の説明を参照して決定されるべきではなく、その代わりに、添付の特許請求の範囲及びその均等物の全範囲を参照して決定されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のUE(ユーザ機器)装置であって、
IUC(UE間調整)情報の要求
を第2のUE装置に送信す
る送信部
であって、前記IUC情報の要求は、前記第2のUE装置に関連付けられた宛先L2 ID(宛先レイヤ2識別子)を示す制御情報を含む、送信部と、
前記第2のUE装置から前記IUC情報を受信す
る受信部と、
前記IUC情報に少なくとも部分的に基づいて、前記第2のUE装置との通信に使用される通信リソースを選択す
る制御部と、を備え
、
前記IUC情報の要求は、1ビット信号を含む
第1のUE装置。
【請求項2】
前記送信部は、IUC情報の要求を送信する専用の通信リソースのセットを利用して、
前記IUC情報の要求を送信す
る
請求項1に記載の第1のUE装置。
【請求項3】
前記送信部は、物理サイドリンクフィードバックチャネル(PSFCH:Physical Sidelink Feedback Channel)を介して前記IUC情報の要求を送信す
る
請求項1に記載の第1のUE装置。
【請求項4】
前記受信部は、1又は複数のUE装置に対する物理リソースブロック(PRB:Physical Resource Block)インデックス割当て情報を含むメッセージを受信す
る
請求項1に記載の第1のUE装置。
【請求項5】
前記受信部は、
さらに、1又は複数のUE装置の宛先L2 IDを含むメッセージを受信す
る
請求項1に記載の第1のUE装置。
【請求項6】
前記受信部は、調整メッセージリソースプールから選択される、次に利用可能な物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH:Physical Sidelink Control Channel)リソースで前記IUC情報を受信す
る
請求項1に記載の第1のUE装置。
【請求項7】
前記送信部は、前記第1のUE装置が前記第2のUE装置にデータ送信を行おうとする、少なくとも整数のスロット数前に、前記IUC情報の要求を送信す
る
請求項1に記載の第1のUE装置。
【請求項8】
前記受信部は、
さらに、ネットワークから前記整数を受信す
る
請求項
7に記載の第1のUE装置。
【請求項9】
前記送信部は、
さらに、前記第2のUE装置に関連付けられた前記宛先L2 IDに関連付けられている物理リソースの要求を、基地局に送信す
る
請求項1に記載の第1のUE装置。
【請求項10】
第1のUE(ユーザ機器)装置
であって、
IUC(UE間調整)情報の要求
を第2のUE装置から受信す
る受信部
であって、前記IUC情報の要求は、前記第1のUE装置に関連付けられた宛先L2 ID(宛先レイヤ2識別子)を示す制御情報を含む、受信部と、
前記IUC情報を、前記第2のUE装置に送信す
る送信部と、を備え、
前記IUC情報は、前記第2のUE装置で受信されると、前記第2のUE装置に、前記IUC情報に少なくとも部分的に基づいて、前記第1のUE装置との通信に使用される通信リソースを選択さ
せ、
前記IUC情報の要求は、1ビット信号を含む
第1のUE装置。
【請求項11】
前記受信部は、IUC情報の要求を送信する専用の通信リソースのセットを介して、
前記IUC情報の要求を受信す
る
請求項
10に記載の第1のUE装置。
【請求項12】
前記受信部は、物理サイドリンクフィードバックチャネル(PSFCH:Physical Sidelink Feedback Channel)を介して
前記IUC情報の要求を受信す
る
請求項
10に記載の第1のUE装置。
【請求項13】
前記送信部は、調整メッセージリソースプールから選択される、次に利用可能な物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH:Physical Sidelink Control Channel)リソースで前記IUC情報を送信す
る
請求項
10に記載の第1のUE装置。
【請求項14】
第1のUE(ユーザ機器)装置によって実行される方法であって、
IUC(UE間調整)情報の要求を第2のUE装置に送信するステップであって、前記IUC情報の要求は、前記第2のUE装置に関連付けられた宛先L2 ID(宛先レイヤ2識別子)を示す制御情報を含む、ステップと、
前記第2のUE装置から前記IUC情報を受信するステップと、
前記IUC情報に少なくとも部分的に基づいて、前記第2のUE装置との通信に使用される通信リソースを選択するステップと、を有し、
前記IUC情報の要求は、1ビット信号を含む
方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法をユーザ装置に実行させるプログラム。
【請求項16】
第1のUE(ユーザ機器)装置によって実行される方法であって、
IUC(UE間調整)情報の要求を第2のUE装置から受信するステップであって、前記IUC情報の要求は、前記第1のUE装置に関連付けられた宛先L2 ID(宛先レイヤ2識別子)を示す制御情報を含む、ステップと、
前記IUC情報を、前記第2のUE装置に送信するステップと、を有し、
前記IUC情報は、前記第2のUE装置で受信されると、前記第2のUE装置に、前記IUC情報に少なくとも部分的に基づいて、前記第1のUE装置との通信に使用される通信リソースを選択させ、
前記IUC情報の要求は、1ビット信号を含む
方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法をユーザ装置に実行させるプログラム。
【国際調査報告】