(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-23
(54)【発明の名称】大モード面積ファイバレーザのカウンタポンプ
(51)【国際特許分類】
H01S 3/067 20060101AFI20240416BHJP
【FI】
H01S3/067
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568276
(86)(22)【出願日】2022-03-30
(85)【翻訳文提出日】2023-12-13
(86)【国際出願番号】 US2022022613
(87)【国際公開番号】W WO2022235355
(87)【国際公開日】2022-11-10
(32)【優先日】2021-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523415992
【氏名又は名称】オプティカル エンジンズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サイプス ドナルド リー ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】タフォジャ ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】シュルツ ブライアン マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ルフォール ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】シュルツ ダニエル スコット
【テーマコード(参考)】
5F172
【Fターム(参考)】
5F172AF01
5F172AM08
5F172EE16
5F172NQ34
5F172NQ44
(57)【要約】
ファイバ支持アセンブリは、第1のガラス管であって、第1のガラス管がマイクロレンズまたはマイクロレンズの小型レンズまたは小型レンズアレイに取り付けられている、第1のガラス管と、第1のガラス管の内部に少なくとも部分的に配置された第2のガラス管と、第2のガラス管の内部に配置された利得ファイバであって、利得ファイバが第1のテーパ付きエンドキャップを有し、第1のテーパ付きエンドキャップを有する利得ファイバが、第1のガラス管に取り付けられたマイクロレンズまたは小型レンズに位置合わせされる、利得ファイバとを含む。ファイバ支持アセンブリは、第2のガラス管の内部に配置されたポンプファイバであって、ポンプファイバが第2のテーパ付きエンドキャップを有するポンプファイバと、ポンプファイバからカウンタポンプ光を受け取り、カウンタポンプ光を利得ファイバの第1のテーパ付きエンドキャップに誘導するように構成された反射器とをさらに含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のガラス管であって、前記第1のガラス管がマイクロレンズまたはマイクロレンズの小型レンズまたは小型レンズアレイに取り付けられている、第1のガラス管と、
前記第1のガラス管の内部に少なくとも部分的に配置された第2のガラス管と、
前記第2のガラス管の内部に配置された利得ファイバであって、前記利得ファイバが第1のテーパ付きエンドキャップを有し、前記第1のテーパ付きエンドキャップを有する前記利得ファイバが、前記第1のガラス管に取り付けられた前記マイクロレンズまたは小型レンズに位置合わせされる、利得ファイバと、を備える、ファイバ支持アセンブリ。
【請求項2】
前記第1のガラス管と前記第2のガラス管との間に配置された第3のガラス管をさらに含む、請求項1に記載のファイバ支持アセンブリ。
【請求項3】
前記第2のガラス管の内部に配置されたポンプファイバであって、前記ポンプファイバが第2のテーパ付きエンドキャップを有するポンプファイバと、
前記ポンプファイバからカウンタポンプ光を受け取り、前記カウンタポンプ光を前記利得ファイバの前記第1のテーパ付きエンドキャップに誘導するように構成された反射器と、をさらに備える、請求項1に記載のファイバ支持アセンブリ。
【請求項4】
前記反射器がダイクロイックミラーである、請求項3に記載のファイバ支持アセンブリ。
【請求項5】
前記利得ファイバは、前記第1のガラス管に対する前記第2のガラス管の動きに基づいて位置合わせのために調整可能である、請求項1に記載のファイバ支持アセンブリ。
【請求項6】
前記利得ファイバが、カメラを備えた位置合わせステーションを使用して前記マイクロレンズまたは小型レンズに位置合わせされるように構成される、請求項5に記載のファイバ支持アセンブリ。
【請求項7】
マイクロレンズまたは小型レンズアレイと、
複数のファイバ支持アセンブリと、を備え、
前記複数のファイバ支持アセンブリの各ファイバ支持アセンブリが、
第1のガラス管であって、前記第1のガラス管が前記マイクロレンズまたは小型レンズアレイのそれぞれのマイクロレンズまたは小型レンズに取り付けられている、第1のガラス管と、
前記外側ガラスキャピラリ管の内部に少なくとも部分的に配置された第2のガラス管と、
前記第2のガラス管の内部に配置された利得ファイバであって、前記利得ファイバが第1のテーパ付きエンドキャップを有し、前記第1のテーパ付きエンドキャップを有する前記利得ファイバが、前記第1のガラス管に取り付けられた前記それぞれのマイクロレンズまたは小型レンズに位置合わせされる、利得ファイバと、を備える、システム。
【請求項8】
前記複数のファイバ支持アセンブリの各ファイバ支持アセンブリが、
前記第2のガラス管の内部に配置されたポンプファイバであって、前記ポンプファイバが第2のテーパ付きエンドキャップを有するポンプファイバと、
前記ポンプファイバからカウンタポンプ光を受け取り、前記カウンタポンプ光を前記利得ファイバの前記第1のテーパ付きエンドキャップに誘導するように構成された反射器と、をさらに備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
それぞれのシードまたはソースと、それぞれの増幅器フロントエンドと、それぞれの利得ファイバに接続された1つまたは複数のそれぞれのモードアダプタとをさらに含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
それぞれのポンプファイバに接続されたそれぞれのカウンタポンプソースをさらに含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
前記複数のファイバ支持アセンブリが、三角形のアレイに配置されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項12】
ファイバ支持アセンブリの前記三角形のアレイを保持するように構成されたv字溝支持構造をさらに含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記複数のファイバ支持アセンブリは、六角形のアレイまたは正方形のアレイに配置される、請求項7に記載のシステム。
【請求項14】
前記複数のファイバ支持アセンブリは互いに積み重ねられて、ファイバ支持アセンブリの位置合わせしたアレイを形成する、請求項7に記載のシステム。
【請求項15】
位置合わせしたファイバ支持アセンブリを形成するための方法であって、
第1のガラス管をマイクロレンズまたはマイクロレンズの小型レンズまたは小型レンズアレイに取り付けて、レンズ/管アセンブリを形成することと、
前記第1のガラス管の内部に少なくとも部分的に配置された第2のガラス管を設けることと、
位置合わせステーションおよびカメラを使用して、テーパ付きエンドキャップを有する利得ファイバから出力されたビームを前記マイクロレンズまたは小型レンズに位置合わせすることであって、前記テーパ付きエンドキャップを有する前記利得ファイバは、前記第2のガラス管内部に配置される、位置合わせすることと、
前記第2のガラス管に対して前記利得ファイバを、および/または前記レンズ/管アセンブリに対して前記第2のガラス管を固定することと、を含む、方法。
【請求項16】
前記第1のガラス管を前記マイクロレンズまたは小型レンズに取り付けることが、
前記第1のガラス管に対して前記マイクロレンズまたは小型レンズをセンタリングすることを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記テーパ付きエンドキャップを有する前記利得ファイバから出力された前記ビームを前記マイクロレンズまたは小型レンズに位置合わせすることは、
前記レンズ/管アセンブリを前記位置合わせステーションのv字溝マウント内に配置することであって、前記位置合わせステーションの前記v字溝マウントは、前記カメラに位置合わせされる、配置することと、
前記テーパ付きエンドキャップを有する前記利得ファイバの位置および/または前記第2のガラス管の位置を調整することと、を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第1および第2のガラス管の間に第3のガラス管を設けることをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記第2のガラス管の内部に配置されるポンプファイバであって、
前記ポンプファイバが第2のテーパ付きエンドキャップを有するポンプファイバと、前記ポンプファイバからカウンタポンプ光を受け取り、前記カウンタポンプ光を前記利得ファイバの前記第1のテーパ付きエンドキャップに誘導するように構成された反射器とを設けることをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[連邦政府による資金提供を受けた研究開発に関する陳述]
本発明は、エネルギー省によって授与された契約SBIRフェーズ2契約SC0015905の下で政府の支援を受けてなされた。政府は、本発明に一定の権利を有する。
【背景技術】
【0002】
ファイバレーザは、その高い効率、堅牢で信頼性の高い構造、および比較的低いシステムサイズおよび重量のために、産業、科学、医療、および防衛用途にますます展開されている。超高速ファイバレーザなどのパルスファイバレーザが関心対象となっている。さらに、パルスファイバレーザは、小型で頑丈で信頼性の高いパッケージでフェムト秒(fs)レベルのパルスを生成することができる。誘導ブリルアン散乱(SBS)、ラマン散乱、および自己位相変調(SPM)などのファイバ非線形性は、より高いピーク出力およびひと際短いパルス幅を実現するための障害として作用する。
【発明の概要】
【0003】
例示的な実施形態では、本開示は、光ファイバアセンブリを提供する。光ファイバアセンブリは、信号光を出力するように構成された利得ファイバ;利得ファイバに対応する第1のテーパであって、利得ファイバが出力する信号光を拡大するように構成された第1のテーパ;およびカウンタポンプ光を受け取り、カウンタポンプ光を第1のテーパ内に誘導するように構成された反射器を含む。第1のテーパは、カウンタポンプ光を受け取り、カウンタポンプ光が利得ファイバに向かって伝搬するときにカウンタポンプ光を集束させるようにさらに構成される。
【0004】
さらなる例示的な実施形態では、反射器は、反射器が第1のテーパから出力される拡張信号光を妨げないように、第1のテーパに対して配置される。
【0005】
さらなる例示的な実施形態では、光ファイバアセンブリは、ポンプファイバと、カウンタポンプ光を反射器に搬送するためのポンプファイバに対応する第2のテーパとをさらに含む。
【0006】
さらなる例示的な実施形態では、光ファイバアセンブリは、利得ファイバおよび第1のテーパを保持するための第1の溝またはチャネルと、反射器を保持するための第2の溝またはチャネルとを有する支持構造をさらに含む。
【0007】
さらなる例示的な実施形態では、反射器は、ダイクロイックビームスプリッタアセンブリの一部であり、カウンタポンプ光を反射し、信号光を通過させるためのダイクロイックコーティングを備える。
【0008】
さらなる例示的な実施形態では、利得ファイバは第1のテーパにスプライシングされる。
【0009】
さらなる例示的な実施形態では、第1のテーパは、テーパ付きファイバまたはテーパ付きガラスロッドである。
【0010】
さらなる例示的な実施形態では、利得ファイバと接続する第1のテーパの第1の端部は、利得ファイバのクラッド直径に対応する第1の直径を有し、反射器と接続する第1のテーパの第2の端部は、第1の直径よりも大きい第2の直径を有する。
【0011】
さらなる例示的な実施形態では、第1のテーパは、第1のセクションの長さにわたって第1の値から第2の値に増加する直径を有する第1のセクションと、一定の直径を有する第2のセクションとを含む。
【0012】
さらなる例示的な実施形態では、光ファイバアセンブリは、第1のテーパと反射器との間の界面に反射防止コーティングをさらに含む。
【0013】
さらなる例示的な実施形態では、利得ファイバは、大モード面積(LMA)ファイバまたはフォトニック結晶ファイバ(PCF)である。
【0014】
さらなる例示的な実施形態では、利得ファイバは、フォトニック結晶ファイバ(PCF)と、PCFファイバをLMAファイバに接続するモードアダプタを有する大モード面積(LMA)ファイバとを含む複合ファイバである。
【0015】
別の例示的な実施形態では、本開示はファイバ増幅器システムを提供する。ファイバ増幅器システムは、シードソースからの光を事前増幅し、事前増幅された光を利得ファイバの第1のセクションに出力するように構成された増幅器フロントエンド;利得ファイバの第1のセクションを利得ファイバの第2のセクションに接続するように構成された第1のモードアダプタ;ポンプファイバを介してカウンタポンプ光を提供するためのレーザダイオードポンプ;およびポンプファイバからのカウンタポンプ光を利得ファイバの第1および第2のセクションに誘導するための反射器アセンブリを含む。
【0016】
さらなる例示的な実施形態では、反射器アセンブリは、第1のテーパ、反射器、および第2のテーパを含む。
【0017】
さらなる例示的な実施形態では、利得ファイバの第2のセクションはフォトニック結晶ファイバ(PCF)を含む。
【0018】
さらなる例示的な実施形態では、ファイバ増幅器システムは、利得ファイバの第2のセクションを利得ファイバの第3のセクションに接続するように構成された第2のモードアダプタをさらに含み、利得ファイバの第3のセクションはフォトニック結晶ファイバ(PCF)を含む。
【0019】
さらなる例示的な実施形態では、ファイバ増幅器システムは、利得ファイバの第3のセクションを利得ファイバの第4のセクションに接続するように構成された第3のモードアダプタをさらに含む。
【0020】
さらに別の例示的な実施形態では、本開示はファイバ増幅器アレイを提供する。ファイバ増幅器アレイは、複数のスリーブであって、各スリーブが、利得ファイバおよび第1のテーパを含む、複数のスリーブ;複数のスリーブのそれぞれのスリーブの間に配置された複数の中間部の間隙;および複数の反射器であって、各反射器は、少なくともそれぞれの1つの中間部の間隙から少なくとも1つのそれぞれの第1のテーパにカウンタポンプ光を誘導するように構成される複数の反射器を含む。
【0021】
さらなる例示的な実施形態では、複数のスリーブは、1Dのアレイ、2Dの正方形のアレイ、または2Dの六角形のアレイを形成するように配置される。
【0022】
さらなる例示的な実施形態では、複数の反射器のうちの少なくとも1つの反射器は、複数の中間部の間隙から複数の第1のテーパにカウンタポンプ光を導くように構成される。
【0023】
さらに別の例示的な実施形態では、本開示は、ファイバ支持アセンブリを提供する。ファイバ支持アセンブリは、第1のガラス管であって、第1のガラス管がマイクロレンズまたはマイクロレンズの小型レンズまたは小型レンズアレイに取り付けられている、第1のガラス管;第1のガラス管の内部に少なくとも部分的に配置された第2のガラス管;および第2のガラス管の内部に配置された利得ファイバであって、利得ファイバが第1のテーパ付きエンドキャップを有し、第1のテーパ付きエンドキャップを有する利得ファイバが、第1のガラス管に取り付けられたマイクロレンズまたは小型レンズに位置合わせされる利得ファイバを含む。
【0024】
さらなる例示的な実施形態では、ファイバ支持アセンブリは、第1のガラス管と第2のガラス管との間に配置された第3のガラス管をさらに含む。
【0025】
さらなる例示的な実施形態では、ファイバ支持アセンブリは、第2のガラス管の内部に配置されたポンプファイバであって、ポンプファイバが第2のテーパ付きエンドキャップを有するポンプファイバと、ポンプファイバからカウンタポンプ光を受け取り、カウンタポンプ光を利得ファイバの第1のテーパ付きエンドキャップに誘導するように構成された反射器とをさらに含む。
【0026】
さらなる例示的な実施形態では、反射器はダイクロイックミラーである。
【0027】
さらなる例示的な実施形態では、利得ファイバは、第1のガラス管に対する第2のガラス管の動きに基づいて位置合わせのために調整可能である。
【0028】
さらなる例示的な実施形態では、利得ファイバが、カメラを備えた位置合わせステーションを使用してマイクロレンズまたは小型レンズに位置合わせされるように構成される。
【0029】
さらに別の例示的な実施形態では、本開示はシステムを提供する。システムは、マイクロレンズまたは小型レンズアレイと、複数のファイバ支持アセンブリであって、複数のファイバ支持アセンブリの各ファイバ支持アセンブリが、第1のガラス管であって、第1のガラス管がマイクロレンズまたは小型レンズアレイのそれぞれのマイクロレンズまたは小型レンズに取り付けられている、第1のガラス管、外側ガラスキャピラリ管の内部に少なくとも部分的に配置された第2のガラス管、および第2のガラス管の内部に配置された利得ファイバであって、利得ファイバが第1のテーパ付きエンドキャップを有し、第1のテーパ付きエンドキャップを有する利得ファイバが、第1のガラス管に取り付けられたそれぞれのマイクロレンズまたは小型レンズに位置合わせされる、利得ファイバ、を備える複数のファイバ支持アセンブリと、を含む。
【0030】
さらなる例示的な実施形態では、複数のファイバ支持アセンブリの各ファイバ支持アセンブリが、第2のガラス管の内部に配置されたポンプファイバであって、ポンプファイバが第2のテーパ付きエンドキャップを有する、ポンプファイバと、およびポンプファイバからカウンタポンプ光を受け取り、カウンタポンプ光を利得ファイバの第1のテーパ付きエンドキャップに誘導するように構成された反射器とをさらに備える。
【0031】
さらなる例示的な実施形態で、システムは、それぞれのシードまたはソースと、それぞれの増幅器フロントエンドと、それぞれの利得ファイバに接続された1つまたは複数のそれぞれのモードアダプタとをさらに含む。
【0032】
さらなる例示的な実施形態では、システムは、それぞれのポンプファイバに接続されたそれぞれのカウンタポンプソースをさらに含む。
【0033】
さらなる例示的な実施形態では、複数のファイバ支持アセンブリは、三角形のアレイに配置される。
【0034】
さらなる例示的な実施形態では、システムは、ファイバ支持アセンブリの三角形のアレイを保持するように構成されたv字溝支持構造をさらに含む。
【0035】
さらなる例示的な実施形態では、複数のファイバ支持アセンブリは、六角形のアレイまたは正方形のアレイに配置される。
【0036】
さらなる例示的な実施形態では、複数のファイバ支持アセンブリは互いに積み重ねられて、ファイバ支持アセンブリの位置合わせしたアレイを形成する。
【0037】
さらに別の例示的な実施形態では、本開示は、位置合わせしたファイバ支持アセンブリを形成するための方法を提供する。方法は、第1のガラス管をマイクロレンズまたはマイクロレンズの小型レンズまたは小型レンズアレイに取り付けて、レンズ/管アセンブリを形成することと、第1のガラス管の内部に少なくとも部分的に配置された第2のガラス管を設けることと、位置合わせステーションおよびカメラを使用して、テーパ付きエンドキャップを有する利得ファイバから出力されたビームをマイクロレンズまたは小型レンズに位置合わせすることであって、テーパ付きエンドキャップを有する利得ファイバは、第2のガラス管内部に配置される、位置合わせすることと、第2のガラス管に対して利得ファイバ、をおよび/またはレンズ/管アセンブリに対して第2のガラス管を固定することと、を含む。
【0038】
さらなる例示的な実施形態では、第1のガラス管をマイクロレンズまたは小型レンズに取り付けることが、第1のガラス管に対してマイクロレンズまたは小型レンズをセンタリングすることを含む。
【0039】
さらなる例示的な実施形態では、テーパ付きエンドキャップを有する利得ファイバから出力されたビームをマイクロレンズまたは小型レンズに位置合わせすることは、レンズ/管アセンブリを位置合わせステーションのv字溝マウント内に配置することであって、位置合わせステーションのv字溝マウントは、カメラに位置合わせされる、配置することと、テーパ付きエンドキャップを有する利得ファイバの位置および/または第2のガラス管の位置を調整することと、を含む。
【0040】
さらなる例示的な実施形態では、方法は、第1および第2のガラス管との間に第3のガラス管を設けることをさらに含む。
【0041】
さらなる例示的な実施形態では、方法は、第2のガラス管の内部に配置されるポンプファイバであって、ポンプファイバが第2のテーパ付きエンドキャップを有するポンプファイバと、ポンプファイバからカウンタポンプ光を受け取り、カウンタポンプ光を利得ファイバの第1のテーパ付きエンドキャップに誘導するように構成された反射器とを設けることをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態による、カウンタポンプ用の光ファイバアセンブリを示す。
【
図2】
図2は、本開示の実施形態による、カウンタポンプを組み込んだ増幅器を示す。
【
図3】
図3は、本開示の実施形態による、カウンタポンプを組み込んだ別の増幅器を示す。
【
図4A】
図4Aは、本開示の実施形態による、カウンタポンプを組み込んださらに別の増幅器を示す。
【
図4B】
図4Bは、本開示の実施形態による、カウンタポンプを組み込んださらに別の増幅器を示す。
【
図5】
図5は、本開示の実施形態によるファイバ増幅器のアレイの端面図を示す。
【
図6】
図6は、本開示の実施形態によるカウンタポンプ用の光ファイバアセンブリを示す。
【
図8A】
図8Aは、本開示の実施形態によるカウンタポンプ用の光ファイバアセンブリを示す。
【
図9】
図9は、本開示の実施形態によるカウンタポンプ用の光ファイバアセンブリを示す。
【
図10】
図10A-10Bは、本開示の実施形態によるカウンタポンプ用の光ファイバアセンブリを示す。
【
図11】
図11は、本開示の実施形態による、ダブルコアキャピラリおよびファイバ支持スペーサを有するカウンタポンプ用の光ファイバアセンブリを示す。
【
図12】
図12は、本開示の実施形態によるカウンタポンプ用の光ファイバアセンブリを示す。
【
図13】
図13Aは、ガラスキャピラリの例を示す。
図13Bは、マイクロレンズまたは小型レンズアレイの例を示す。
【
図14A】
図14Aは、例示的な実施形態におけるコリメートレンズを有する単一チャネルファイバ支持体を示す。
【
図14B】
図14Bは、コリメートレンズを有する単一チャネルファイバ支持体の例示的な実施態様を示す概略図である。
【
図14C】
図14Cは、コリメートレンズを有する単一チャネルファイバ支持体の例示的な実施態様を示す概略図である。
【
図15】
図15A-15Bは、例示的な実施形態におけるコリメートレンズを有する単一チャネルファイバ支持体の概略図である。
【
図16A】
図16Aは、例示的な実施形態における単一チャネルファイバ支持体の位置合わせに使用可能な位置合わせステーションのブロック図を示す。
【
図17A】
図17Aは、単一チャネルファイバ支持体の位置合わせおよびアセンブリのための例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【
図17B】
図17Bは、単一チャネルファイバ支持体の位置合わせおよびアセンブリのための例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【
図18A】
図18Aは、例示的な実施形態における単一チャネルCPTECアセンブリの正面図を示す。
【
図18B】
図18Bは、v字溝の3つのCPTECアセンブリの例示的な三角形のアレイを示す。
【
図18C】
図18Cは、v字溝の3つのCPTECアセンブリの例示的な三角形のアレイを示す。
【
図18D】
図18Dは、v字溝の3つのCPTECアセンブリの例示的な三角形のアレイを示す。
【
図19A】
図19Aは、例示的な実施形態における六角形のアレイの例を示す概略図である。
【
図19B】
図19Bは、例示的な実施形態における六角形のアレイの例を示す概略図である。
【
図20A】
図20Aは、例示的な実施形態における正方形のアレイの例を示す概略図である。
【
図20B】
図20Bは、例示的な実施形態における正方形のアレイの例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
SBS、ラマン散乱、およびSPMの効果を改善することは、一般に、光が誘導および増幅される、大モード面積(LMA)ファイバコアを有する希土類ドープの利得ファイバを利用することを含む。これらの超高速ファイバレーザシステムは、ファイバレーザの出力に唯一の自由空間ビームが存在する全ファイバアーキテクチャを使用することが望ましい場合がある。また、超高速ファイバレーザおよびファイバレーザは、一般に、ポンプ光が信号伝播とは反対の方向に伝播するとき(「カウンタポンプ」と呼ばれる)、より効率的に、より高い非線形閾値で機能する。
【0044】
超高速ファイバレーザはSPMに敏感である。この作用は、通常、信号パルスがファイバレーザの出力端で最も高い強度にあるときに生じる。モノリシックまたは全ファイバ共同ポンプ構成および自由空間カウンタポンプ構成では、増幅利得ファイバを通過するファイバの量は非常に短く、例えば10mm未満であり得る。利得ファイバの後に少量のファイバを有することが有利であるが、共同ポンプ増幅器は、カウンタポンプ増幅器と比較して効率が低く、非線形性閾値が低いことに苛まれる。カウンタポンプ構成は、共同ポンプ構成と比較して、非線形性の開始前に3dB以上の平均電力出力または強度を達成することができる。
【0045】
従来のカウンタポンプ型超高速増幅器は、大きなファイバポンプ結合光学系および取り付けハードウェアを有し、ポンプファイバを保持し、ポンプ光をファイバ増幅器の端部に導くために、大きく、安定し、重い光学ベンチを必要とする。あるいは、モノリシックカウンタポンプファイバレーザは、ファイバポンプコンバイナの利得ファイバ、出力ファイバ、および任意の他の移行ファイバを超えて最大20cmのファイバを有することができる。パルスレーザを特徴付けるために一般的に使用される指標は、強度×非線形指数の積分に対応する「B積分」である。20cmの非利得ファイバを有することにより、増幅の観点からいかなる値も加算することなくB積分が加算される。したがって、このように設計されたモノリシックカウンタポンプファイバレーザは、パルス幅が増大するという欠点を有する。
【0046】
本開示の実施形態は、モノリシック設計のコンパクトさおよび信頼性を有するカウンタポンプ増幅器アーキテクチャを提供する。本開示の実施形態はまた、多数の超高速ファイバ増幅器がそれらの出力を密集した2Dアレイに収容されるアーキテクチャにおいてカウンタポンプを達成する。本開示の実施形態は、自由空間を有することを回避し、したがって、構成要素を一緒に保持するための重い光学ベンチの必要性を回避する。
【0047】
図1は、本開示の実施形態によるカウンタポンプ用の光ファイバアセンブリ100を示す。光ファイバアセンブリ100は、ファイバレーザ(例えば、発振器を生成するために、利得ファイバの両端にファイバブラッググレーティング(FBG)ミラーを有すること)またはファイバ増幅器用途(例えば、入力に信号を有する)で使用することができる。実施形態では、光ファイバアセンブリ100は、増幅器のダブルクラッド利得ファイバ101を備える。利得ファイバ101は、コア109、ポンプクラッド108(「内側クラッド」とも呼ばれる)、およびバッファ107(「外側クラッド」とも呼ばれる)を有するLMAファイバとすることができる。利得ファイバ101のコア109は希土類ドープされ得る。バッファ107は、ガラスまたはポリマーで作製されてもよく、またはバッファ107は除去されてもよく、または基本的に空気であってもよい(典型的には、バッファ107は汚染に関する懸念のために数cmしか実現可能でないので、実際の目的では空気である)。利得ファイバ101のコア109の直径は、シングルモードファイバ(SMF)に見られる6μm~9μmのコア直径よりも直径が大幅に大きい場合、LMAと分類することができる。大幅に大きなLMA直径は、いくつかの方法、例えば、ファイバのコア(例えば、コア109)とクラッド(例えば、ポンプクラッド108)との間の屈折する比率(屈折率)の正確な制御によって、またはフォトニック結晶ファイバ(PCF)、フォトニックバンドギャップファイバ(PBG)などの微細構造ファイバによって、またはキラリティが結合されたコア(3C)ファイバなどの他の方法によって達成することができる。LMA型ファイバを達成するこれらの前述のモードは、ファイバの最低次数または基本伝搬モードに有利なファイバの大きな伝搬モードを可能にする。
図1の光ファイバアセンブリ100は、第1のテーパ102(例えば、テーパ付きファイバまたはテーパ付きガラスロッド)をさらに含む。第1のテーパ102は、利得ファイバ101のポンプクラッド108の直径と一致するその小さい方の端部の直径を有する。
【0048】
図1に示すように、第1のテーパ102のテーパ設計は、利得ファイバ101の開口数(NA)によって決定されるように、利得ファイバ101のコア109からの増幅された信号光が自然に広がることを可能にする。利得ファイバ101からの出力ビーム103は、コア109を出て、第1のテーパ102の内部で成長し、第1のテーパ102を出る。第1のテーパ102は、その右から入射するポンプ光が第1のテーパ102によって利得ファイバ101のポンプクラッド108に導かれるように、熱でのテーパまたは酸でのエッチングのいずれかによってテーパを付けることができる。ポンプクラッド108およびバッファ107の両方は、利得ファイバ101に対するポンプ光のためのガイド構造を形成することができる。
【0049】
ポンプ光は、ポンプファイバ106を介してポンプダイオードからカウンタポンプ構成で利得ファイバ101に送達される。第2のテーパ105は、輝度保存の法則に従って、ポンプファイバ106のコアの直径を増加させ、NAを減少させる。第2のテーパ105は、テーパ付きファイバまたはテーパ付きガラスロッドであってもよい。第2のテーパ105からの拡大されたポンプ光は、ポンプ光を第1のテーパ102を通って利得ファイバ101のポンプクラッド108内へ誘導するために反転プリズム104を通って誘導される。反転プリズム104は、ポンプ光を反転およびオフセットするために全内部反射を利用する市販のマイクロプリズムであってもよい。第2のテーパ105、第1のテーパ102、および反転プリズム104のサイズおよび向きは、出力ビーム103が反転プリズム104によって妨げられないように構成される。
【0050】
図1の光ファイバアセンブリ100は、ポンプ光をポンプファイバ106から利得ファイバ101内に誘導する。上述したように、利得ファイバ101はダブルクラッドであり、信号が伝搬する希土類ドープコアと、ポンプ光を収容および伝搬するポンプクラッド108とを含むことができる。ポンプ光は、ポンプクラッド108で内部反射および分布し、希土類ドープコア109を周期的に通過して吸収される。ほとんどのダブルクラッドファイバは、1から10dB/mの間のいずこかにクラッド吸収を有する。
【0051】
フォトニック結晶ファイバなどの高度な大モード面積利得ファイバを有するパルスレーザを含む従来の方法では、ポンプ光は2つのレンズを使用して利得ファイバに結合される。一方のレンズは、ポンプ光をコリメートするためにポンプファイバの後に配置され、他方のレンズは、ポンプ光を利得ファイバに集束させるために利得ファイバの近くに配置される。輝度保存の法則により、ファイバの光がテーパ状で直径が大きくなるとき、開口数(NA)が減少する。
図1の実施形態では、第1および第2のテーパ102、105は、光をコリメートおよび集束させるための非結像レンズとして機能する。このように、従来のレンズを第1および第2のテーパ102、105で置き換えることは、レンズが光を結像する一方で、テーパ付きファイバまたはテーパ付きガラスロッドが集光するため、大きな違いをもたらす。
【0052】
例示的な実施態様では、第2のテーパ105は、市販の400/440μm.22NAマルチモードファイバから始まり、次いで105μmのコア直径までテーパ付きにされ、ポンプダイオードから105/125μm.15NAポンプファイバにスプライシングされる。ダイオードからのポンプ光は105μmで.15NAである。第2のテーパ105は、これを400μmおよび0.05NAに変更する。第1のテーパ102は、これを200μm、.55NAにする。第1のテーパ102は、200μmにテーパされる1.5mm/1.6mmのファイバである。
【0053】
拡大および集束プロセスは、光のエテンデュによって支配され、これは、伝播軸を中心に円筒状に対称である光学系の直径のNA倍に対応する。例示的な実施態様では、ポンプ光は、0.15のNAで105μmのファイバ径で進む。エテンデュは、半径×発光の立体角として定義されるが、円筒対称形状では、エテンデュは直径×NAとして決定することができる。0.15NAの105μmのファイバでのポンプ直径とNAの積は、15.75である。直径200μm、NA0.55のダブルクラッド利得ファイバは、110の積をもたらす。15.75は110未満であるため、ポンプ光は、100%の効率で利得ファイバポンプクラッドに集束され得るはずである。テーパは、ポンプ直径とNAの積を保ちながらNAの直径を交換するのに役立つ。実施形態では、第2のテーパ105は、ポンプファイバ106からの105μm/0.15NAのポンプ光を400μm/0.04NAに取り込み、第1のテーパ102は、利得ファイバ101からの200μm/0.55NAの信号光を1.6mm/0.07NAに取り込む。したがって、第2のテーパ105の出力を第1のテーパ102に当接させることができ、すべてのポンプ光が利得ファイバ101のポンプクラッド108に入射する。反転プリズム104は、2つのファイバを互いに平行に配置する簡便性をもたらす。
【0054】
従来のレンズ実施態様に対してもたらされる利点は、レンズが正確に位置決めされなければならず、動きの影響を受けやすいことであるが、テーパ付きファイバまたはテーパ付きガラスロッドであってもよいテーパの幾何学的形状を使用することによって、本開示の実施形態は、ポンプ光を非常に正確かつ安定して利得ファイバ内に導くことができる。
図1の光ファイバアセンブリ100は、ポンプ光が完全にまたはほとんどファイバを離れず、すべてのファイバが互いにスプライシングされるモノリシック構造に適している。厳密にモノリシックではないが、本開示の実施形態は、モノリシック構造に関連する特性を有する。
【0055】
本開示のいくつかの実施形態によれば、
図1の光ファイバアセンブリ100は、いくつかの利点を提供する。例えば、利得ファイバ101の後に配置された第1のテーパ102は、非常に短く、例えば約5mm~10mmになるように設計することができる。非常に短いガラスの長さは、経験されるSPMの量を最小限に抑えることができ、非線形性閾値を増加させることができる。非線形性閾値は、ファイバによってガイドされる光と比較して、第1のテーパ102に入射する光が利得ファイバ101の構造によって封じ込められる代わりに回折によって拡大するために増加する。別の例を挙げると、本開示の実施形態は、コヒーレントまたは波長結合のためにファイバ増幅器を密集した2Dアレイに配置するのに適したコンパクトな設計を提供する。さらに、本開示の実施形態は、導光特性を有さない出力テーパ、例えば第1のテーパ102を利用する。このように、光ファイバアセンブリ100は、特殊整合ファイバを作成する必要なく、いくつかの異なるファイバで動作することができる。
【0056】
図1は、単一のファイバによるカウンタポンプを示しているが、
図1の光ファイバアセンブリ100は、複数のファイバポンプおよび中央ビームを取り囲む反転プリズムを収容するように適合させ得ることが理解されよう。例えば、別の例示的な実施形態では、追加のポンプファイバ、テーパ、および反転プリズム(
図1の要素106、105および104と同様であり、出力ビーム103の下方にある)を、出力ビーム103の上方および/または側面に追加することができる。
【0057】
実施形態では、反転プリズム104を省略することができ、ポンプレーザを第1のテーパ102の出力端に直接向けることができる。
図1に関して、反転プリズム104を取り外すことができ、第2のテーパ105およびポンプファイバ106は180度回転され、第1のテーパ102の底部に配置される。
【0058】
別の例示的な実施形態では、利用可能なポンプ動力を2倍にするために、第1のものに対向する第2のポンプ回転プリズムを追加することができる。
【0059】
複数の方法を採用して、後方反射を低減または排除することができる。例えば、
図1で識別された要素を光学的に接触させることにより、後方反射を排除することができる。別の例では、要素は、光ファイバ接合機または同等の装置において要素を加熱することによって互いに融着され得る。光は、第2のテーパ105と反転プリズム104(ミクロン程度離れていてもよい)との間、および反転プリズム104と第1のテーパ102との間の「自由空間」にある。したがって、これらの2つの界面での後方反射を低減するための方法は、これらの表面に反射防止(AR)コーティングを配置すること、またはそれらを光学的に接触させる(基本的に互いに接触させる)ことを含むことができる。利得ファイバ101と第1のテーパ102との間および第2のテーパ105とポンプファイバ106との間の接続はスプライシングされており、後方反射を排除する必要はない。
【0060】
実施形態では、利得ファイバ101は、85μmのコア直径および250μmのポンプクラッド直径を有する偏波維持特性を有するPCFロッドファイバである。第1のテーパ102は、250μmにテーパが付けられ、PCFロッドファイバにスプライシングされた1.5mm~2mmの溶融シリカロッドである。第1のテーパ102の断熱テーパまたはほぼ断熱テーパは、250μm.55NAのポンプクラッドから1.5mm0.09NAクラッドに変換する。ポンプファイバ106は、ポンプファイバ106の105μm0.15NAコア直径から400μm0.04NA出力まで増加する第2のテーパ105にスプライシングされる。反転プリズム104は、その長面に反射防止(AR)コーティングを有し、ポンプファイバ106からの光が高効率で利得ファイバ101に入るように位置合わせされる。
【0061】
図2は、本開示の実施形態による、カウンタポンプを組み込んだ増幅器を示す。増幅器では、シードソースからの光は、ファイバ、例えばシングルモードのファイバを介して増幅器フロントエンド205で予備増幅される。モードアダプタ203は、より大きなコアPCFファイバ201と一致するようにコア光を変換する。より大きなコアのPCFファイバ201は、例えば、40μmのYbドープ偏光ファイバとすることができる。コア光は、より大きなコアPCFファイバ201を通って、次いで反射器アセンブリ202(例えば、反転プリズムアセンブリ)を備えたテーパ付きエンドキャップから出る。反射器アセンブリ202は、
図1で前述したように、第1のテーパ、反射器(例えば、反転プリズム)、および第2のテーパを含む。レーザポンプ光は、ドライバおよび制御装置を有するレーザダイオードポンプ204によって反対方向に伝播するようにポンピングされる。二種類のファイバを整合させるためのモードアダプタの例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願第15/192,389号に見出すことができる。
【0062】
PCF型ファイバは、一般に、通常の大モード面積利得ファイバよりもコストが5倍~10倍高い。
図2の増幅器を構築するコストを低減するために、
図3に示すような複合型ファイバを作成することができる。
図3では、PCFファイバ201の長さは、例えば1.5mから約30cmに大幅に短縮されている。LMAファイバ301、例えば20μmのコア125μmのダブルクラッドYbドープファイバは、短縮されたPCFファイバ201に対する事前の増幅器として機能する。
【0063】
より高価なPCFファイバ201は、
図4Aに示すように第3のファイバを追加することによってさらに短くすることができる。
図4Aを
図3と比較すると、増幅器の出力端は、ひと際大きなコアファイバ401を有する。コアファイバ401は、カウンタポンプのポンプ光が最初に最大のコアファイバ401をポンピングすることを可能にするために、ダブルモードアダプタ203を使用して追加される。吸収されないポンプ光は、その後、ダブルモードアダプタ203を通過し、PCFファイバ201をポンピングする。この段階で吸収されなかったポンプ光は、次にLMAファイバ301をポンピングする。
【0064】
コア信号光の強度が入力から出力まで増大するにつれて、コア直径は、増幅器が見る非線形性の量が低く保たれ、システムのコストが大幅に低減されるように、信号と共に段階的に増大する。
図4Aは、例えばPCFファイバおよびLMAファイバなどの様々なファイバのタイプについて説明されているが、301、201、および401によって識別されるファイバは、連続的にテーパ状であり、同じ効果を達成するために入力から出力まで断熱的に成長するファイバに置き換えることができる。
【0065】
図4Bは、本開示の実施形態による、カウンタポンプを組み込んださらに別の増幅器を示す。
図4Bに示す構造は、増幅器ファイバあたり約4000ドル以下の価格で、1kWの平均的な光パワーに対して100kHzで1nsで1mJ超を達成することを可能にし得る。この例では、シードセクションからの入力は、ダブルエンドポンピングのための任意選択のコンバイナに供給される。コンバイナは、1mの35/250YbのPM利得ファイバ、続いて0.7mのテーパセクション、続いて0.7mの56/400Yb利得ファイバに接続される。0.7mの56/400Yb利得ファイバは、テーパ付きエンドキャップコンバイナに接続され、これは、200/220μmの0.22NAポンプファイバを介して1~2kWの976nm波長安定化高輝度ポンプからカウンタポンプ光を受ける。
【0066】
より小さいコアファイバはより安価であり、所与のポンプ電力に対してより高い利得を有するが、それらは所与の電力レベルに対してより高い非線形性を示す。一方、より大きなコアファイバは反対である。いくつかの実施形態では、増幅器をより小さいコア利得ファイバで開始し、増幅器をより大きいコア利得ファイバで終了することが有利である。ポンプ電力は、入力端(共同ポンプ構成)ではなく、増幅器の出力端(カウンタポンプ構成)で注入されるときによりよく利用される。自己位相変調などの非線形性のいくつかは、光の強度×非線形屈折率であるB積分によって決定され、この積はファイバの長さにわたって積分される。非線形係数は定数であるため、調整する変数は強度である。したがって、本開示の実施形態は、信号出力光の強度が増幅器の出力においてすぐに増大することを有する。
【0067】
本開示の実施形態によるテーパ付エンドキャップでのカウンタポンプは、ファイバ増幅器の正確なアレイの配置を可能にするコンパクトな構成に適している。
図5は、本開示の実施形態によるファイバ増幅器のそのようなアレイの端面図である。
図5の円は、電気通信産業で使用されるものなどの溶融ジルコニア製スリーブを表すことができる。ジルコニアスリーブは、外径3.2mmおよび内径2.5mmとすることができる。これらのスリーブは、非常に大量の成形および融着プロセスによって製造することができ、高価になる可能性がある。適切な公差を有するスリーブを選択することによって、外径および内径の両方に対して高い公差を選択することができる。したがって、+/-0.1μmの内径公差および+/-0.5μmの外径公差を有するスリーブが容易に利用可能となる。スリーブ内には、2.5mmの外径および信号利得ファイバの外径と整合する内径を有する溶融ジルコニア製フェルールが設けられており、したがって、ファイバのコアの正確な配置公差をもたらす。
【0068】
図5はまた、アレイの各ファイバ増幅器の出力コアを非常に高い精度で位置合わせさせることができるように、1Dのアレイ、2Dの正方形または2Dの六角形のアレイを得るためにこれらの正確なスリーブをどのように積層することができるかを示している。
【0069】
図5に示されている図示の六角形のアレイの正確な位置合わせにより、
図1のポンピング構成は、反転プリズム104として機能するようにファイバのアレイに沿って長いコーナー反射器502を配置することによって実施することができる。
図1のポンプファイバ106および第2のテーパ105は、これらのファイバをアレイの中間部の間隙に通すことによって正確に位置決めすることができ、ポンプファイバ106および第2のテーパ105を反転プリズム104および第1のテーパ102に対して正確に位置決めする。
【0070】
図6は、本開示の実施形態によるカウンタポンプ用の光ファイバアセンブリを示す。光ファイバアセンブリは、0.045の実効出力NAを有するテーパ400/440μmにスプライシングされた105/125μmファイバを含むスプライシングされたポンプファイバユニット602と、反転プリズム608と、200/40μmのPCF606と、0.200mm~1.6mmの範囲の15mmのテーパ604とを含む。
図6および
図7A~
図7Bでは、描写を容易にするために、ポンプファイバのテーパは示されていないが、それにもかかわらず、ポンプファイバは上述のようにテーパ状であってもよいことが理解されよう。
【0071】
図7Aは、
図6の光ファイバアセンブリにおけるビームパターンを示す。要素704はポンプからのビームに対応し、要素702は出力ビームに対応する。
図7Bは、ビーム704および出力ビーム702を示す、
図7Aの一部を拡大した図である。ビーム704は、反転プリズム608によってテーパ604を通ってPCF606にガイドされるスプライシングされたポンプファイバユニット602からのポンプ光に対応する。出力ビーム702は、テーパ604を通って広がるPCF606から出力された信号に対応する。
【0072】
図8Aは、本開示の実施形態によるカウンタポンプ用の光ファイバアセンブリを示す。
図8Bは、
図8Aの一部を拡大した図である。これらの図から分かるように、非常に正確な光学的位置合わせを保持する2つの単純な「V字」溝を用いて、単純で安定した支持構造を作成することができる。例では、第1の「V字」溝は、底部のスプライシングされたポンプファイバユニット602を保持し、頂部にPCF606およびテーパ604を保持する。第2の「V字」溝は、反転プリズム608を保持する。
【0073】
図9は、本開示の実施形態によるカウンタポンプ用の光ファイバアセンブリを示す。
図9の光ファイバアセンブリは、ドープされたファイバ増幅器利得ファイバ902と、受動的または能動的であり得るテーパ付きエンドキャップアセンブリ904と、ポンプ光および信号光両方のための反射防止コーティング906と、ダイクロイックビームスプリッタアセンブリ908と、信号光のための反射防止コーティング910と、ポンプ光を反射するが信号光911を通過させるための二色性コーティング912と、ポンプ方向転換プリズム914と、テーパ付き状ポンプファイバ916と、ポンプファイバ918とを含む。
【0074】
図1では、ポンプ反転プリズム104は、第1のテーパ102を出る信号光と交差しないように配置される。この配置は、信号が交差する表面がより少ないために損失をより低くすることができるが、より高い輝度という要件が、ポンプアセンブリに割り当てられる。対照的に、
図9は、ダイクロイックビーム分割/ポンプ方向転換アセンブリ(ダイクロイックビームスプリッタアセンブリ908)を使用して、側方にオフセットされる代わりに、ポンプ光をファイバ軸の真下に向ける。
図9の光ファイバアセンブリは、ポンプの輝度の要件を低減し、より高いポンプ電力を利用することを可能にする。さらに、
図9の光ファイバアセンブリは、テーパ付きエンドキャップアセンブリ904として活性イオンドープのテーパ付きエンドキャップアセンブリの使用を可能にする。活性イオンドープのテーパ付きエンドキャップアセンブリは、レーザアセンブリ全体に追加の増幅エネルギーを設けることができる。
【0075】
本開示の例示的な実施形態を試験し、高効率性を達成することを実証した。
図10Aに示す例示的な実施態様で、105/125μm.15NAポンプファイバが、0.05までNAを減少させて、400μmのコアファイバにアップテーパされた。ポンプテーパ1006の長さは、断熱条件(すなわち、テーパが短い/急峻でありすぎ、断熱条件を満たさない場合に発生する可能性がある光の漏れを回避するのに十分緩やかなファイバの膨張にする)を満たすのに十分な長さに構成される。ポンプテーパ1006は、例えば、長さが約20mmであってもよく、ポンプテーパ1006はクラッドを有さない。利得ファイバ1001は、200μm/0.55NAコアを有するPCFファイバとすることができ、利得ファイバ1001に対応するテーパ付きエンドキャップ1002は、195μmコアから1000μmコアへのアップテーパを含むことができ、クラッドは含まない(アップテーパの小さい方の端部は、位置合わせという目的のためにある程度の公差を設けるために、PCFファイバの直径よりもわずかに小さくすることができる)。テーパ付きエンドキャップのテーパの長さは、断熱条件を満たすのに十分な長さであるが、長すぎないように構成される(長すぎると信号ビームのクリッピングを引き起こす)、例えば、この例示的な実施態様では15mmである。2つの傾斜面(例えば、互いに対して90度の角度で)を有する1000nmのダイクロイックミラー1004などのミラーは、ポンプテーパ1006から出たカウンタポンプ光を利得ファイバ1001に向かって反射する。
【0076】
テーパの構成は、非常に高い効率を生み出す受入NAをもたらした。例えば、低出力(ポンプテーパ1006に0.15NAで入力1W)で試験した場合、ポンプテーパ1006の出力カウンタポンプ光も0.05NAで1W(100%の効率)であり、利得ファイバ1001に入るテーパ付きエンドキャップ1002によって出力されるカウンタポンプ光は.55NAで.9996W(約100%)であった。また、利得ファイバ1001の他端(利得ファイバ1001をトラバースした後)で検出されるカウンタポンプ光の出力は.55NAで.9968W(約100%)であった。
【0077】
図10Aに示す構成が257mWで製造および試験された別の例示的な実施態様では、テーパ付きエンドキャップ1002の出力におけるカウンタポンプ光に対応する効率は約96%であり、結合、ファイバへのARコーティング、および効率をさらに高めるために実施可能な位置決めに関してさらに最適化されている。
【0078】
本開示の特定の例示的な実施形態は、反射器としての反転プリズムまたはダイクロイックビームスプリッタアセンブリの使用を示し、ダイクロイックミラーなどの他のタイプの反射器を使用して同様の結果を達成することができることが理解されよう。ダイクロイックミラー1004は、例えば、単一の屈曲ダイクロイックミラー1004(例えば、90度の曲がりを有する)として、または互いに接合された2つのダイクロイックミラー1004として実装され得る。ダイクロイックミラー1004はカウンタポンプ光を反射して信号光を通過させるために内面にダイクロイックコーティングを有し、信号光の反射を回避するために外面にARコーティングを有してもよい。
【0079】
図10Bは、利得ファイバ1001を出て、テーパ付きエンドキャップ1002を通って伝播するにつれて拡大する信号光1003を示す。テーパ付きエンドキャップ1002の信号光1003の断熱膨張により、出力信号ビームに有害な影響が生じる可能性がある。したがって、テーパ付きエンドキャップ1002の端部において、後方反射を最小限に抑えるために平坦な表面を使用することができる。
【0080】
図11は、テーパが構築され、PCF1利得ファイバにスプライシングされ、光ファイバアセンブリがガラスキャピラリに取り付けられた、例示的な実際的な実施態様を示す。本例示的実施形態では、利得ファイバ1101およびポンプファイバ1107は、ガラスキャピラリ管の第1の面の各々の開口部からガラスキャピラリ管(ダブルコアキャピラリ1110)の各チャンネルに挿入されている。2つの「コア」(または「チャネル」)のコア直径は、例えば、直径1mmであってもよい。ファイバ支持スペーサ1111(これは、例えば、ガラス製であってもよく、ファイバが挿入されるより小さいキャピラリを含んでもよい)は、各ファイバを定位置に保持し、互いに対して、およびダイクロイック回転ミラー1104(これは、例えば、直角ミラーであってもよい)に対して正確な位置合わせを達成するために使用される。利得ファイバ1101(例えば、1μmの波長を有してもよい)からの信号光は、テーパ付きエンドキャップ1106を伝搬し、ダイクロイック折り返しミラー1104を通過する。ポンプファイバ1107(これは、例えば、976nmの波長を有することができる)からのカウンタポンプ光は、ポンプテーパ1102を通って伝播し、ダイクロイック回転ミラー1104によってテーパ付きエンドキャップ1106に反射される。
【0081】
上記で開示された実施形態は、有利にコンパクトなダブル背面構成(利得ファイバおよびポンプファイバがほぼ平行であり、カウンタポンプ光が180度反射されて利得ファイバにその前の伝播方向に対して逆方向に入る)を示しているが、本開示の例示的な実施形態はまた、そのような光ファイバアセンブリの他の配置を含むことが理解されよう。例えば、
図12では、利得ファイバ1201およびポンプファイバ1207は垂直の配置で配置されている。利得ファイバ1201とポンプファイバ1207との間の他の配置および他の相対的な角度も使用され得ることが理解されよう。
【0082】
図12に示す例示的な実施形態の例示的な実施態様では、利得ファイバ1201は、0.03コアNAおよび.055クラッドNAを有する40/200PCFのファイバまたは85/250PCFのロッドである。テーパ付きエンドキャップ1202は、800μmの最大直径を有し、約25mmの長さであり、0.14NAを有する。反射器1204は、1030nmパス/976nm反射のダイクロイックミラーである。ポンプファイバ1207は、200Wを超える105/125μmの0.15NAポンプファイバである。ポンプテーパ1206は、0.05NAを有する400/440μmのアップテーパである。
【0083】
ポンプファイバから増幅器への「ジャンプ」を5mm未満の距離にわたって調整するために、ファイバのテーパがポンプファイバの直径を増減させるために利用されることが理解されよう。例えば、高輝度の105/125μmの0.15NAポンプファイバは、400/440μmのファイバまでアップテーパになり、0.05NA未満のNA減少をもたらすことができる。この低発散のポンプビームは、5mm未満のギャップを、増幅器利得ファイバの約1mmから200から250μmのコア直径まで広がるテーパに「ジャンプ」する。信号側では、増幅された出力信号は、出力に誘導されずに断熱的に成長する。さらに、ダイクロイックミラーを使用して2つのビームを分離することができる。
【0084】
上述した様々な実施形態において言及されている「テーパ付きエンドキャップ」および「ポンプテーパ」は両方ともテーパであることが理解されよう。ポンプテーパは、ポンプファイバにスプライシングされ、(実際のレンズを必要とせずに)カウンタポンプ光を拡大し、NAを低減するコリメートレンズとして作用する。テーパ付きエンドキャップは利得ファイバにスプライシングされ、反射器(例えば、反転プリズムまたはダイクロイックミラー)によって反射されたカウンタポンプ光を受け取り、カウンタポンプ光を集束させてNAを増加させる集束レンズとして機能する(やはり実際のレンズを必要としない)。テーパ付きエンドキャップはまた、信号光ビームがテーパ付きエンドキャップを通って伝搬するときに信号光ビームを拡大し、したがって信号光ビームのコリメートレンズとしても作用する。
【0085】
テーパ付きエンドキャップを利得ファイバに取り付け、ポンプテーパをポンプファイバに取り付けるためには、通常、スプライシングが好ましいが、代替の実施形態では、ファイバを互いに直接隣接して単純に配置すること、またはテーパおよび利得ファイバを単一の元のファイバからモノリシックに形成することが可能であり得る。
【0086】
また、本明細書の特定の図は、テーパ付きエンドキャップおよびポンプテーパを、一定直径部分を含むものとして示していることも理解されよう。例示的な実施態様では、テーパが形成されて切断される方法のために、製造を容易にするために、そのような一定の直径の部分を含めることができる。しかしながら、一定直径部分を含む必要はなく、本明細書に示される特定の例示的な実施形態は、テーパ要素の一定直径部分を省略する。
【0087】
前述の説明を考慮して、本開示の実施形態は、(例えば、レーザベースのレーダ、科学材料処理、および特定の医療機器に関して)パルスベースおよび超高速用途に有用であり得る、ファイバテーパ(テーパ付きエンドキャップとも称される)を使用してPCFまたは他のLMAパルスファイバ増幅器をカウンタポンプするための光ファイバアセンブリを設けることが理解されよう。これらのアーキテクチャは、自由空間カウンタポンプで必要とされるような、レンズ使用の必要性、精密な取り付け、および長距離という欠点なしに、また余分なファイバの長さを追加するカウンタポンプ用のコンバイナを使用せずに、自由空間カウンタポンプの利点を達成する方法をもたらす。代わりに、本明細書に開示されるアーキテクチャは、ファイバテーパおよびコンパクトな取り付け距離を利用する。
【0088】
本開示の実施形態によって達成される例示的な利点には、以下が含まれるが、これらに限定されない。
・増幅器で利用される利得ファイバ寸法のタイプに関して完全に無関係であるため、新しいカウンタポンプコンバイナ移行ファイバを開発して製造する必要はない。
・ファイバ増幅器のコア信号出力は断熱的であり、誘導されずに拡大するので、信号出力ビームの効率または質に影響を及ぼす中間ガイドセクションはない。
・ポンプ輝度を利得ファイバ輝度と一致させることにより、95%を超える効率のポンプ結合が可能になる。
・結合されたテーパは、非常に位置合わせに影響されにくいアーキテクチャを作り出し、かなり小さくかなり頑丈な取り付けを可能にする。
・テーパ付きエンドキャップは、超高速システムに特に有利であるB積分に実質的に寄与しないように、約15mmの長さであってもよい。
・ポンプ入力およびレーザ出力の両方をARコーティングすることができ、テーパ付きエンドキャップの長さは後方結合光をほとんど生成しない。
【0089】
上述した本開示の特定の実施形態では、ファイバレーザシステムの能力は、それぞれのファイバソースエンドキャップがそれぞれのレンズにどの程度良好に位置合わせされるかによって影響を受ける可能性があり、位置合わせは、以下のシステムの3つの独立した要素によって影響を受ける:(1)エンドキャップを有するソースファイバ;(2)エンドキャップを保持するためのマウント;および(3)エンドキャップを有するそれぞれのソースファイバに対応するレンズ。理想的には、これらの要素はサブミクロンの精度で位置合わせされるべきであるが、これらのそれぞれにおける寸法の公差の累積は、非線形性(ビームすべてが同じ方向を向いてはいない)をもたらす誤差をもたらす可能性がある。これらの累積誤差の原因には、以下が含まれる(ただし、これらに限定されない):
【0090】
1.ファイバの外径に対するファイバのコアの同心性誤差。ファイバに対するエンドキャップの外形の寸法の位置合わせ。
【0091】
2.ファイバ/エンドキャップアセンブリが取り付けられる表面の次元的な中心間精度。
【0092】
3.多くの場合、コリメートレンズは、マイクロレンズまたは小型レンズアレイからのものである。マイクロレンズまたは小型レンズアレイを使用して、ファイバアレイ全体を1つのデバイスでコリメートすることができる。マイクロレンズまたは小型レンズアレイの個々のレンズの配置はフォトリソグラフィーのプロセスによって規定されるため、各レンズの中心は、サブミクロンの精度に規定される。しかしながら、ファイバアレイが等しく正確でない場合、マイクロレンズまたは小型レンズアレイの前の光路に存在する変換での誤差は、マイクロレンズまたは小型レンズアレイの後の角度位置合わせでの誤差に変わる。言い換えれば、これらの小型レンズアレイ素子の典型的な短い焦点距離に起因して、1番および2番の位置の誤差は、出力での大きな角度の誤差に変換される。結果として、1ミクロンまたは2ミクロン程度の小さな誤差であっても、レーザアレイの合成出力の大幅な低下に変換される可能性がある。
【0093】
本開示のさらなる例示的な実施形態では、高い精度で作ることができ、本質的に正確であることが知られているものであるガラスキャピラリを使用することに基づいて、ファイバレーザアレイの出力を位置合わせさせる、より簡単でより正確な方法が、提供される。特に、ファイバーレーザアレイシステムの位置合わせは、各ファイバ/エンドキャップアセンブリをそれぞれのキャピラリ管に位置合わせされた方式で個別に取り付けることによって改善することができ、これは次にマイクロレンズまたは小型レンズアレイのそれぞれのレンズに取り付けられ、個別に位置合わせされ、各それぞれのファイバは、マイクロレンズまたは小型レンズアレイの対応するレンズに個別に位置合わせされる。各エンドキャップと管とレンズの組み合わせの個々の位置合わせは、離れたカメラを使用して実行され、それにより、対応するレンズへのそれぞれのファイバの位置合わせを達成するために、複数のファイバ/エンドキャップアセンブリの互いに対する位置合わせのためのファイバアセンブリマウントに依存する必要性を回避する。
【0094】
さらに、複数のレーザからの出力を組み合わせる場合、ファイバの長さは非常に正確に(波長の一部まで)調整される必要があり、これは従来、非常に高価なプロセスである。本開示の実施形態では、それぞれのエンドキャップのそれぞれの管への位置合わせ(エンドキャップが管に良好に嵌合する)は、エンドキャップと管とを互いに対して電気機械的に摺動させることによるファイバの長さの1次元の位置合わせを含む(摺動作用は、トロムボーンの摺動作用に類似していると考えることができる)。したがって、本開示の実施形態は、ファイバの全長を効率的かつ費用効果的に制御し、複数のレーザからの出力を長さに関して互いに位置合わせさせることができる。
【0095】
さらに、本開示の例示的な実施形態は、比較的高出力のレーザを構築することに関して様々な利点をもたらすことが理解されよう。従来のシステムでは、単一のレーザの問題は、それが大きくなる(および高出力になる)につれて、熱的および非線形性の問題に対処することがより困難になることである。複数の小さなレーザビームから1つの大きなレーザビームを合成することは、これらの問題を克服するのに役立つが、小さなレーザビームをどのように組み合わせるかに関して新たな問題を引き起こす(例えば、ビームが、例えば20μRad未満の公差内でそれぞれに平行に出ることを確実にすること、したがって、小型レーザを互いに対して非常に正確に定位置に保持することに関して)。本開示の例示的な実施形態は、空間の制約を満たしながら、十分に精密に位置合わせされたアレイを作成する安価な方法を提供する。有利には、本明細書で説明するカウンタポンプされたテーパ付きエンドキャップ(CPTEC)アーキテクチャのそれぞれの個々のチャネルのカウンタポンプを利用することにより、本開示の実施形態は、小型レーザが組み合わされたシステムに関連する空間制約にも準拠しながら、効率およびピーク電力出力(例えば、2倍または3dBの改善)の大幅な改善をもたらす。高い平均的な電力出力も達成される。
【0096】
ガラスキャピラリ(ガラス管とも呼ばれる)の例を
図13Aに示す。ガラスキャピラリは、標準的な水平または垂直ファイバ延伸設備でより大きなガラス母材から延伸される。延伸プロセスは能動的に制御されるので、外径をミクロンレベルに制御することができる。延伸は連続したプロセスで行われるため、管の長さ(例えば、長さ約25~50mm)にわたる変動は極めて小さい。実際、ガラス管は、約0.1μmの精度で長さ1kmまで延伸することができる。管対管の直径(管の集合体の中の管の直径の公差に対応する)は、3μm未満に制御することができ、管を測定してビニングすることによってさらに小さくすることができる。ガラス管は非常に安価であるため、ガラス管を使用すると非常に低コストで高精度が得られる。良好に設計され、正確に製造されたv字溝構造では、ガラス管は、六角形または正方形の構造で非常に緊密に、非常に正確に積層することができる。
【0097】
ファイバx-y配置(ファイバアレイの出力平面に垂直)は、高い公差を有する。ファイバx-y配置の高い公差を駆動する1つの要因は、ファイバアレイがガラスマイクロレンズまたは小型レンズアレイによってコリメートされるという事実である。そのようなアレイを
図13Bに示す。上述したように、マイクロレンズまたは小型レンズアレイを使用して、ファイバアレイ全体を1つのデバイスでコリメートすることができる。マイクロレンズまたは小型レンズアレイの個々のレンズの配置はフォトリソグラフィーのプロセスによって規定されるため、各レンズの中心は、サブミクロンの精度に規定される。
【0098】
例示的な実施態様では、延伸され、後処理され、1μm未満の振れで5μm未満の直径公差に選択された5mmの薄壁ガラスキャピラリを使用することができる。
【0099】
図14Aは、例示的な実施形態におけるコリメートレンズを有する単一チャネルファイバ支持体を示す。高精度ガラス(典型的には、吸収の低い純粋な形態の溶融シリカ)管は、管の外径縁に融合されたコリメートレンズ(マイクロレンズまたは小型レンズアレイの複数のレンズのうちの個々のレンズである)を有する。標準的な手順を使用して、レンズの焦点の中心が管の中心軸に確実に位置合わせされるようにすることができる(例えば、点源顕微鏡を使用する)。エンドキャップファイバは、保護ガラス管に挿入され、保護ガラス管は内側ガラスキャピラリ支持体に挿入される。内側ガラスキャピラリ支持体は、その外径(OD)が外側ガラスキャピラリ管の内径(ID)よりわずかに小さく、そのIDがエンドキャップの周りの保護ガラス管のODよりわずかに大きい短い管である。例示的な実施形態では、外側ガラスキャピラリ管のODは直径4.5mmである(これは積層時のアレイのピッチを設定する)。IDは、コリメート光が外側ガラスキャピラリ管の外側をクリッピングしないように、直径が約0.5mm小さい。任意選択的に、
図7に示すように、外側ガラスキャピラリ管は、同じ効果のために傾斜した内部を有する(すなわち、クリッピングを回避するために)。内側ガラスキャピラリ支持体は、エンドキャップの周りの外側ガラスキャピラリ管と保護ガラス管との間の距離を橋渡しするように示されている。エンドキャップは、典型的には直径約2.5mmおよび長さ15mmであり、バッファを含むファイバ径は約600μmである。
図14Aには、3つの入れ子式ガラス管、すなわち外側ガラスキャピラリ管、内側ガラスキャピラリ支持体、および保護ガラス管が示されていることが理解されよう。
【0100】
図14B~
図14Cは、コリメートレンズを有する単一チャネルファイバ支持体の別の例示的な実施態様を示す概略図であり、テーパ付きエンドキャップを有する信号ファイバ、テーパ付きエンドキャップを有するカウンタポンプファイバ、および反射器について詳細が示されている。様々な実施形態では、信号ファイバ、カウンタポンプファイバ、および反射器は、例えば、
図1~
図4B、
図6~
図7B、および
図9~
図11に関して上述した例示的な実施形態に従って配置され得る。さらに、
図14B~
図14Cに示すように、構成要素(テーパ付きエンドキャップを有する信号ファイバ、テーパ付きエンドキャップを有するカウンタポンプファイバ、2つのファイバが配置された二重ボア管、および反射器)のこの組み合わせは、カウンタポンプテーパ付きエンドキャップ(CPTEC)アセンブリと呼ぶことができる。CPTECアセンブリは、コリメートレンズ(マイクロレンズまたは小型レンズアレイのそれぞれのコリメートレンズであってもよい)に取り付けられた外側ガラスキャピラリ管(傾斜した内部を有してもよい)内に配置され、調整/位置合わせされる。
図14B~
図14Cに示す全体的なアセンブリは、様々な増幅器システム(例えば、
図2~
図4Bに示すように)内で使用することができる。
【0101】
図14Bに示すように、CPTECアセンブリは、外側ガラスキャピラリ管に対して(
図17Bに関連して以下で説明するように)調整されて、100μRad未満の精度でコリメーションおよび共線性をもたらすことができる。各アセンブリのコリメートレンズは、充填率を最大にするように選択することができ、外側ガラスキャピラリ管に対してセンタリングすることができる。さらに、上述のように、管の直径は、公差5μm未満に加工することができる。
【0102】
さらに、
図14Cは、
図14Bに示すCPTECアセンブリの側面図を提示する。例では、外側ガラスキャピラリ管は直径0.8mmおよび長さ41.9mmを有し、内側管は直径0.6mmおよび長さ20mmを有する。内側管と外側ガラスキャピラリ管との重なりは15mmであり、内側管は5mmの重ならない部分を有し、外側ガラスキャピラリ管は26.9mmの重ならない部分を有する。
【0103】
図15A~
図15Bは、例示的な実施形態におけるコリメートレンズを有する単一チャネルファイバ支持体の概略図である。
図15A~
図15Bに見られるように、入力ファイバ、ファイバ支持管(本明細書では保護ガラス管とも呼ばれる)、エンドキャップ支持管(本明細書では内側ガラスキャピラリ支持管とも呼ばれる)、エンドキャップ、アレイ基準キャピラリ(本明細書では外側ガラスキャピラリ管とも呼ばれる)、およびコリメートレンズを含む、
図14Aに示されるのと同様の要素が示されている。
【0104】
図14A~
図14Cおよび
図15A~
図15Bに示すように、コリメートされたアセンブリを有するそれぞれの単一チャネルファイバ支持体を形成するために、コリメートされた出力ビームの方向が高精度で平行であることを保証するために、位置合わせプロセスが実行される。正確な位置合わせに基づいて、コリメートされたガラス管アセンブリが一緒に積み重ねられると(例えば、正方形または六角形のアセンブリ)、ビームのすべてが互いに平行(または実質的に平行)になり、それによって正確なコヒーレントビーム結合が提供される。互いに正確に平行ではないビームの許容可能な誤差および関連する許容範囲は、例えば、Goodno et al.,“Perturbative analysis of coherent combining efficiency with mismatched lasers,” Optics Express,vol.18 no.24,p.25403(22 November 2010)に記載されている。その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0105】
図16Aは、例示的な実施形態におけるコリメートレンズによる単一チャネルファイバ支持体の正確な位置合わせに使用可能な位置合わせステーションのブロック図を示す。位置合わせステーションによってもたらされる測定精度のレベルは、カメラと外側ガラスキャピラリ管が取り付けられるv字溝マウントとの間の距離を調整することに基づいて所望の測定精度レベルに構成されてもよく、v字溝マウントはカメラに位置合わせされる。カメラとv字溝マウントの両方は、カメラとv字溝マウントとの間の位置合わせを維持する同じ構造の一部であるか、または同じ構造に取り付けられてもよい。
【0106】
図16B~
図16Gは、
図16Aの位置合わせステーションの例示的な実施態様の概略図を示す。
図16B~
図16Gでは、以下の番号は以下の要素に対応する:1.ファイバ位置合わせステージ;2.ゴニオメータステージ;3.Vブロック、二重ボア管アセンブリホルダ;4.二重ボア管アセンブリ;5.コリメーション管アセンブリ;6.Vブロック、コリメーション管アセンブリホルダ;7運動ベースのミラーアセンブリ、せん断干渉計;8.コリメーションインジケータ(せん断干渉計);9.望遠鏡アセンブリ;10.位置検出部(4分割フォトダイオード);11.位置合わせビームファイバ入力;12.位置合わせビームコリメータ;13.ビームスプリッタ;14.ミラーアセンブリ、位置合わせビーム;15.ビームターゲット(グランドガラスディフューザ)。
【0107】
図17A~
図17Bは、単一チャネルファイバ支持体の位置合わせのための例示的なプロセスを示すフローチャートである。
図17Aは、コリメートされたアセンブリとの単一チャネルファイバ支持体の位置合わせのためのプロセスを示し、例えば、
図14Aおよび
図15A~
図15Bに示すような構造の位置合わせおよびアセンブリに適用可能である。
【0108】
段階1701で、外側ガラスキャピラリ管(「アレイ基準キャピラリ」とも呼ばれる)をコリメートレンズに取り付けて、レンズ/管アセンブリ(例えば、マイクロレンズまたはマイクロレンズの小型レンズまたは小型レンズアレイ)を形成する。キャピラリ管は、2um未満の公差までの外径(OD)寸法を有するように作製される。これは、アレイ内のレーザ出力の数に等しい管の一致したセットを達成するために、キャピラリ管延伸、研削、エッチングおよび測定プラス選択などの確立された技術を使用して達成することができる。コリメートレンズは、十分に確立されたパラメータに選択され、出力ビーム直径(典型的には1/e2出力点から測定される)は、ビームおよびキャピラリ管の内縁との相互作用によって引き起こされるビームに対する回折効果によって引き起こされる最小のビームの歪みで最大直径を達成するように選択される。ビームとガラスキャピラリ管の中心との低誤差共線性を達成するために、レンズの曲率中心によって定義される線とガラスキャピラリ管の中心によって定義される線との重なりによって定義されるように、ガラスキャピラリ管に対してレンズを「センタリング」することが有用である。このセンタリング機能を達成するために多くの方法を使用することができる。一例では、低次の振れのターンテーブルおよび点源顕微鏡または位置合わせ望遠鏡が使用される。位置合わせ望遠鏡は、レンズからの反射を見て、この反射(典型的には、クロス画像または光の点)は、レンズ/管アセンブリが回転されると歳差運動し、レンズは管に対して平行移動し、反射像が歳差運動を停止すると、レンズは管に接着される。言い換えれば、外側ガラスキャピラリ管をコリメートレンズに取り付けるために、レンズセンタリング技術を使用することができる。取り付けは、例えば、位置合わせ望遠鏡および空気軸受回転ステージを使用することによって達成することができる。管は、空気軸受ステージのチャックに配置され、その後、管がその回転においていかなるずれもなく回転することを確実にするために引っ張られる(これは、レンズから反射する光を送ることを含むことができ、焦点が合っているとき、光がレンズと一致することをスポットが示し、それによってレンズを回転させるとスポットが歳差運動し、レンズがセンタリングされるときに停止する)。位置合わせ望遠鏡は、回転管の中心に位置合わせされる。小さな真空が引っ張られて、レンズが管に保持される。そして、位置合わせ望遠鏡の焦点をレンズの焦点と一致させる。次いで、レンズ/管アセンブリを回転させ、レンズを移動させて、位置合わせ望遠鏡の反射が移動しないようにする。次いで、レンズを接着剤を介して管に取り付ける。
【0109】
図17Aの段階1703aにおいて、ファイバ/エンドキャップピグテールアセンブリを形成するために、例えば能動的位置合わせプロセスを使用することによって、ファイバがエンドキャップ(例えば、テーパ付きエンドキャップ)にスプライシングされ、ファイバ/エンドキャップピグテールアセンブリは保護ガラス管(「ファイバ支持管」とも呼ばれる)に取り付けられる。このようなスプライスの初期精度は、例えば、約3μmであってもよい。レーザ送達ファイバは、ファイバがエンドキャップ内に十分にセンタリングされるようにエンドキャップにスプライシングされる。このスプライスは壊れやすい可能性があるため、保護ガラスキャピラリ管が配置され、ファイバおよびエンドキャップに結合される。複数の管のアセンブリのすべての管は、同様のガラス組成、例えば、いずれかの散乱光の吸収が低く、その後のアセンブリ加熱があり、熱膨張係数がアレイ全体にわたって低く均一であるように、溶融シリカで構成されることが望ましい。
【0110】
段階1705において、段階1701において形成されたレンズ/管アセンブリは、カメラに位置合わせされた位置合わせステーション(例えば、
図16A~
図16Gに示すように)のv字溝マウント内に配置される。言い換えれば、レンズ/管アセンブリは、位置測定光学検出器と位置合わせされた精密なv字ブロック内に配置される。この位置測定は、例えば、レーザビームの重心位置に対する数を出力するカメラまたはクワッドセルであってもよい。位置測定光検出器の位置が較正され、レンズ/管アセンブリのラインの中心が位置測定光検出器でセンタリングされる。
【0111】
段階1707aで、内側ガラスキャピラリ支持体(「エンドキャップ支持管」とも呼ばれる)が外側ガラスキャピラリ管(例えば、
図14Aおよび
図15A~
図15Bに示すように)に取り付けられる(例えば、接着される)。100~300um程度の接着剤結合ラインを達成するために、所望の結合ラインが市販のガラス管と一致するように、一連のガラスキャピラリを互いに入れ子にすることができる。
【0112】
段階1709aにおいて、保護ガラス管を有するファイバ/エンドキャップピグテールアセンブリは、内側ガラスキャピラリ支持体内に配置され、位置合わせステーション(例えば、
図16Aに示すように)のカメラを使用して位置合わせされる。カメラは、衝突ビームの中心を0.1μmの精度で測定できるようにビーム重心測定ソフトウェアを有する。1mの距離で0.1μmの精度は、0.1μradの角度精度である。コリメートされたアセンブリとカメラとの間の距離は、所望の角度精度を達成するように設定され得る。カメラを使用して、保護ガラス管を有するファイバ/エンドキャップピグテールアセンブリは、カメラ画面読み出し(すなわち、コリメーション)で適切なビーム直径を達成するためにz方向に調整され、カメラ画面読み出しで計算された中心が正しい場所に位置合わせするように、xおよびy方向にさらに調整される。x方向、y方向およびz方向の調整は、手動で、比較的正確な調整を可能にする取り付け構造を使用して手動で、および/または取り付け構造の電子制御によって電子的に実行することができる。保護ガラス管を有するファイバ/エンドキャップピグテールアセンブリのx方向、y方向およびz方向の調整は、ファイバ/エンドキャップピグテールアセンブリが取り付けられた保護ガラス管を(手でまたは取り付け構造を介して)つかむことに基づいて行われる。
【0113】
位置決めおよび位置合わせプロセスの間、それ自体の保護ガラスキャピラリを有するファイバ/エンドキャップピグテールアセンブリは、ファイバを通ってエンドキャップから外に伝搬する光を有する。アセンブリは、6軸でアセンブリを調整することができるヘキサポッドなどの非常に正確な多軸ポジショナ上に配置される。ファイバ/エンドキャップピグテールアセンブリからの光は、「照準点」が生成されるように較正された位置決め測定光検出器に向けられ、ファイバ/エンドキャップピグテールアセンブリは、結果として生じるビームがx、y、およびzで移動して、位置測定光検出器上にレーザビームの所望の配置が達成されるように位置合わせされる。
【0114】
段階1711aにおいて、保護ガラス管を有する位置合わせしたファイバ/エンドキャップアセンブリピグテールは、内側ガラスキャピラリ支持体に対して適所に接着されて、熱的に安定したマウントを確実にする。言い換えれば、保護ガラス管を有する位置合わせしたファイバ/エンドキャップアセンブリは、内側キャピラリ支持体/ガラス管/レンズアセンブリに接着されて、ビームがガラスキャピラリ管の軸と高度に同一直線上にあるコリメートされたレーザビームアセンブリを形成する。ファイバ/エンドキャップアセンブリピグテールを保護ガラス管で所定の位置に接着するために、例えば接着剤の使用を含むいくつかの方法を利用することができる。
【0115】
図17Bは、コリメートされたアセンブリとの単一チャネルファイバ支持体の位置合わせのための別のプロセスを示し、例えば、
図11および
図14B~
図14Cに示すような構造の位置合わせおよびアセンブリに適用可能である。
【0116】
【0117】
段階1703bにおいて、ファイバはテーパ付きエンドキャップにスプライシングされ、テーパ付きエンドキャップを有するファイバは管の中心にセンタリングされる(例えば、内側ガラスキャピラリ支持体として機能するダブルコアキャピラリ管)。ポンプ光は、ポンプファイバ、ポンプテーパ(それによってポンプテーパはポンプビームの直径を増加させ、それに応じてポンプビームのNAを減少させる)、および管内の反射器(例えば、ダイクロイックフォールドミラー)も設けることに基づいて、テーパ付きエンドキャップを有するファイバの端部に誘導される。テーパ付きエンドキャップを有するファイバ、ポンプテーパを有するポンプファイバ、および反射器が、カウンタポンプのテーパ付きエンドキャップアセンブリを形成する。固定具は、折り畳まれたミラーを設け、それを2つのファイバに対して位置決めするために使用される。次いで、構成要素は互いに対して固定され、テーパ付きエンドキャップを有するファイバ、ポンプテーパを有するポンプファイバ、および反射器によって、カウンタポンプ管アセンブリ(本明細書ではCPTECとも呼ばれる)が形成される。
【0118】
【0119】
段階1709bでは、レンズ/管アセンブリが位置合わせステーションにある間に、カウンタポンプ管アセンブリがレンズ/管アセンブリ内部に配置され、ファイバから出力された光とテーパ付きエンドキャップとの位置合わせは、
図17Aの段階1709aに関連して上述したのと同様の方法で実行される。
【0120】
段階1711bにおいて、位置合わせされると、カウンタポンプ管アセンブリは、レンズ/管アセンブリ内の所定の位置に接着される。
【0121】
マスタ基準アセンブリを作成して、他のすべての将来のアセンブリが位置合わせされる「カメラの照準スポット」を作成することができる。マスタアセンブリは、基準番号を記録するためにセットアップに配置され、次いで、他のアセンブリは、マスタアセンブリによって設けられる基準を使用して位置合わせされる。
【0122】
上述した特定のステップは、互いに独立して行われてもよい(したがって、任意の順序でまたは同時に実行され得る)ことが理解されよう。例えば、段階1703aにおけるエンドキャップへのファイバのスプライシングは、段階1701におけるコリメートレンズへの外側ガラスキャピラリ管の取り付けとは独立して実行され得る。同様に、段階1701におけるコリメートレンズへの外側ガラスキャピラリ管の取り付けは、段階1707aにおける外側ガラスキャピラリ管への内側ガラスキャピラリ支持体の取り付けとは独立して実行され得る。
【0123】
各それぞれの実施形態で使用される同心管の数は変化し得ることが理解されよう。例えば、
図14Aおよび
図15A~
図15Bに示す実施形態は、3つの同心ガラス管を利用するが、他の実施形態は、3つ未満または3つを超える管を(例えば、レーザチャネルの所望の外周および管間のどの程度の空間が接着剤で充填されるかに応じて)利用してもよい。別の例を提示するために、
図11および
図14B~
図14Cに示す実施形態は、2つのガラス管(第1のガラス管は外側ガラスキャピラリ管であり、第2のガラス管は2つの孔を有するガラスロッドである)を利用するが、他の実施形態で3つ以上のガラス管を使用し得る。
【0124】
複数の管は、すべての管の外径が実質的に同じになるように製造され得る(例えば、例示的な実施態様では、外径の寸法の公差は5μm未満であり得る)。各管について、上述した位置合わせのプロセスに従って、それぞれのレンズを管においてセンタリングすることができ、それぞれのファイバを位置合わせし(x方向、y方向およびz方向に)、管に対応するコリメートされたビームが管の軸と高精度で(例えば、μradの精度まで)同一直線上にあるように管内に固定することができる。外側ガラスキャピラリ管の各々は高精度の直径で製造することができ、各ファイバは管の中心線と同一直線上になるように位置合わせされるので、管は容易に互いに積み重ねられて、タイリングまたは回折光学素子(DOE)コヒーレントビーム結合のいずれかのためのアレイ(V字溝アレイ、正方形のアレイ、または六角形のアレイなど)を形成することができる。例えば、例示的な実施態様では、管を精密なV字溝固定具に単純に積み重ねて位置合わせしたアレイを作成できるように、0.1mrad未満の公差を達成することができる。他の実施形態では、例えば正方形または六角形のアレイを含む他のアレイ形状を作成することができる。線形のアレイはまた、例えば、ビームが波長によって結合される用途のために使用され得る。
【0125】
図18Aは、例示的な実施形態におけるファイバ支持アセンブリ内部の単一チャネルCPTECアセンブリの正面図を示す。この例では、中心ファイバ(すなわち、信号ファイバ)は、ガラスを通るビームの並進のためにわずかに偏心しているが、中心ファイバによって出力されるビームはセンタリングされている。
【0126】
多くの状況におけるファイバレーザは、堅牢で小さいエンクロージャにおいて高い平均電力をもたらすことができるが、これらは、性能を著しく低下させる可能性があるファイバ非線形性に起因して、利用可能なピーク電力に関して制限される。これを克服するために、複数のファイバレーザをスペクトルまたはコヒーレントにアレイに組み合わせることができる。
図18B~
図18Dは、V字溝のそれぞれのファイバ支持アセンブリ内部の3つのCPTECアセンブリの例示的な三角形のアレイを示し、
図19A~
図19Bは、六角形のアレイ(ビーム「タイリング」では、六角形のアレイがしばしば好ましい)の例を示す概略図であり、
図20A~
図20Bは、正方形のアレイ(干渉合成のために、正方形のアレイがしばしば好ましい)の例を示す概略図である。
図18B~
図18D、
図19A~
図19B、および
図20A~
図20Bに示すアセンブリは、カウンタポンプレーザを生成し、個々の調整なしにこれらのレーザを密集したアレイに入れる堅牢な方法を提示する。これは、各ファイバレーザがそれ自体の精密調整可能マウント(これは、費用がかかり、かさばり、位置合わせから外れる傾向がある)に配置されるレーザアレイを形成する従来の方法よりも有利である。
【0127】
さらなる例示的な実施形態では、アレイのファイバ支持アセンブリを個別に回転させて、それぞれのファイバ支持アセンブリごとの直線偏光回転に対する個別の独立した制御をもたらすことができる。一例では、ロッド軸受(例えば、テフロン(登録商標)製)をそれぞれのファイバ支持アセンブリの間に配置して、回転を可能にすることができる。別の例では、外側ガラスキャピラリ管は、管の回転を可能にするようにコーティング(例えば、CVDダイヤモンドコーティングで)され得る。さらに別の例では、機械的屈曲部を背面において延伸して回転をもたらすことができる。さらに別の例では、各ファイバ支持アセンブリに対して半波長板を設けることができ、半波長板は、半波長板の回転をもたらすためにシャフトおよび/またはギヤに配置される。
【0128】
本明細書で引用される刊行物、特許出願、および特許を含むすべての参考文献は、各参考文献が個別にかつ具体的に参照により組み込まれることが示され、その全体が本明細書に記載されているのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0129】
本発明を説明する文脈(特に以下の特許請求の範囲の文脈)における「a」および「an」および「the」および「at least one(少なくとも1つ)」という用語および同様の指示対象の使用は、本明細書で特に指示されない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、単数および複数の両方を包含すると解釈されるべきである。1つまたは複数の項目のリスト(例えば、「AおよびBの少なくとも一方」)が続く用語「少なくとも1つ」の使用は、本明細書で特に指示されない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、列挙された項目(AまたはB)または列挙された項目の2つ以上の任意の組み合わせ(AおよびB)から選択される1つの項目を意味すると解釈されるべきである。「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、および「含有する(containing)」という用語は、特に明記しない限り、非限定的な用語(すなわち、「限定されないが、」を意味する)として解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書に別段の指示がない限り、範囲内に含まれる各別個の値を個別に参照する簡略方法として役立つことを意図しているにすぎず、各別個の値は、本明細書に個別に列挙されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載のすべての方法は、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行することができる。本明細書で提供されるありとあらゆる例または例示的な言語(例えば、「など」)の使用は、単に本発明をよりよく明らかにすることを意図しており、特に請求されない限り、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書におけるいかなる言語も、特許請求されていない要素を本発明の実施に必須であると示すと解釈されるべきではない。
【0130】
本発明を実施するための本発明者らに知られている最良の形態を含む、本発明の好ましい実施形態を本明細書に記載する。これらの好ましい実施形態の変形形態は、前述の説明を読めば当業者には明らかになるであろう。本発明者らは、当業者がそのような変形を適切に使用することを期待しており、本発明者らは、本発明が本明細書に具体的に記載されている以外の方法で実施されることを意図している。したがって、本発明は、適用法によって許容されるように、添付の特許請求の範囲に列挙された主題のすべての修正および均等物を含む。さらに、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、そのすべての可能な変形における上述の要素の任意の組み合わせが本発明に包含される。
【国際調査報告】