(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-23
(54)【発明の名称】術中内視鏡クリーニングシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 1/12 20060101AFI20240416BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
A61B1/12 531
A61B1/00 T
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568287
(86)(22)【出願日】2021-05-04
(85)【翻訳文提出日】2023-12-13
(86)【国際出願番号】 US2021030700
(87)【国際公開番号】W WO2022235262
(87)【国際公開日】2022-11-10
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523416139
【氏名又は名称】バイユー サージカル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100188433
【氏名又は名称】梅村 幸輔
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100214396
【氏名又は名称】塩田 真紀
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【氏名又は名称】川本 和弥
(74)【代理人】
【識別番号】100221741
【氏名又は名称】酒井 直子
(74)【代理人】
【識別番号】100114926
【氏名又は名称】枝松 義恵
(72)【発明者】
【氏名】アルル ラジタ
(72)【発明者】
【氏名】コーン ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】サラザール ジョルジェ
(72)【発明者】
【氏名】スロス スコット
(72)【発明者】
【氏名】ウマル アブドゥル
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161CC06
4C161DD01
4C161GG27
4C161HH03
4C161HH04
4C161HH55
4C161JJ11
4C161LL01
(57)【要約】
本開示は、クリーニングシステムを含むトロカールを使用して、スコープをクリーニングするための方法およびシステムに関する。1つの方法は、内視鏡を受けるためのキャビティを画定するメインボディと;メインボディ内に配され、かつ洗浄溶液のフローがキャビティ内に入るのを可能にするように構成された洗浄用オリフィスと、を含むトロカールを利用する段階を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含む、装置:
液体溶液またはガスのうち少なくとも1つを受けるように構成されたインレットポートを含む、ヘッド部分;
対向した第二の縁部より遠い距離まで該ヘッド部分から延在する第一の縁部を備えた対向縁部を含む、該ヘッド部分から延在するチューブ部分であって、以下:
器具のシャフトを受けるように構成された器具用管腔と、
該インレットポートに連結された、かつ該液体溶液または該ガスの該少なくとも1つを受けるように構成されたクリーニング用管腔であって、
クリーニング用チャネルが、
該チューブ部分の長さに沿って延在しており、かつ、
近位方向に方向付けされたクリーニング用オリフィスであって該チューブ部分の第二の縁部より遠位の該器具用管腔内に開口したクリーニング用オリフィス内で、終端しており、
該器具の一部分をクリーニングするために該シャフトが該器具用管腔内に受けられた時に、該クリーニング用管腔が、該液体溶液または該ガスの該少なくとも1つを該器具用管腔内に送達するように構成されている、
クリーニング用管腔と
を画定する、チューブ部分;および
該器具用管腔内での該器具の遠位端のポジションを検出するように構成された、該チューブ部分の遠位端の近くに配されたセンサーのセット。
【請求項2】
クリーニング用オリフィスを通って器具用管腔内に液体溶液またはガスを送達でき、続いて該液体溶液および該ガスのもう一方を送達できるよう、該液体溶液または該ガスを交互に受けるようにクリーニング用管腔が構成されている、請求項1記載の装置。
【請求項3】
インレットポートおよびクリーニング用管腔内に液体溶液を供給するように構成された、リザーバー
をさらに含む、請求項1~2のいずれか一項記載の装置。
【請求項4】
センサーのセットに機能的に連結された制御ユニットであって、液体溶液またはガスのうち少なくとも1つの、インレットポート内への送達を、該センサーのセットから受けたデータに基づいて制御するように構成された、制御ユニット
をさらに含む、請求項1~3のいずれか一項記載の装置。
【請求項5】
センサーのセットに機能的に連結された制御ユニットであって、該センサーのセットから受けたデータに基づいて視覚的または聴覚的なフィードバックを提供するように構成された、制御ユニット
をさらに含む、請求項1~3のいずれか一項記載の装置。
【請求項6】
前記チューブ部分が、
該チューブ部分の長さに沿って延在しており、かつ器具用管腔内に開口したガス用オリフィス内で終端している、ガスを受けるように構成されたガス用管腔
をさらに画定する、請求項1~5のいずれか一項記載の装置。
【請求項7】
器具用管腔内に液体溶液を送達するようにクリーニング用管腔が構成されており、かつ
該液体溶液を霧化するために、該器具用管腔内に該液体溶液が送達されている間に、該器具用管腔内にガスを送達するようにガス用管腔が構成されている、
請求項6記載の装置。
【請求項8】
器具用管腔内に液体溶液を送達するようにクリーニング用管腔が構成されており、かつ
器具の前記一部分を乾燥させるために、該器具用管腔内に該液体溶液が送達された後に、該器具用管腔内にガスを送達するようにガス用管腔が構成されている、
請求項7記載の装置。
【請求項9】
前記チューブ部分が、
器具用管腔内から水分を除去するように構成された、サクション用管腔
をさらに画定する、請求項1~8のいずれか一項記載の装置。
【請求項10】
第一の縁部を有するチューブ部分の側方に、クリーニング用オリフィスが配されている、請求項1記載の装置。
【請求項11】
クリーニング用オリフィスが、器具の遠位端に少なくとも部分的に面するように、クリーニング用管腔に対してある角度で近位方向に延在する、請求項1~10のいずれか一項記載の装置。
【請求項12】
クリーニング用オリフィスが、液体溶液またはガスのうち少なくとも1つを、クリーニング用管腔の縦軸に対して約90度より大きい出力角度で送達するように構成されている、請求項11記載の装置。
【請求項13】
チューブ部分の縦軸に沿った異なる位置に対する器具の遠位端のポジションを、センサーのセットが検出できるように、該センサーのセットの各センサーが、該異なる位置に配されている、請求項1~12のいずれか一項記載の装置。
【請求項14】
センサーのセットが、以下:
器具の遠位端が第一の距離だけ器具用管腔内に引き込まれたことを検出するように構成された、第一のセンサー;および
器具の遠位端が第一の距離より大きい第二の距離だけ器具用管腔内に引き込まれたことを検出するように構成された、第二のセンサー
を含む、請求項1~12のいずれか一項記載の装置。
【請求項15】
センサーのセットが、可撓性の回路基板上にマウントされている、請求項1~14のいずれか一項記載の装置。
【請求項16】
可撓性の回路基板が、チューブ部分の縦軸に沿って延在する、請求項15記載の装置。
【請求項17】
センサーのセットに連結された、レンズのセット
をさらに含む、請求項1~16のいずれか一項記載の装置。
【請求項18】
以下を含む、装置:
対向した第二の縁部より遠位方向に遠くまで延在する第一の縁部を備えた対向縁部を含む、チューブ部分であって、以下:
器具のシャフトを受けるように構成された器具用管腔と、
該チューブ部分の長さに沿って延在しており、かつ、
近位方向に方向付けされたオリフィスであって該チューブ部分の第二の縁部より遠位の該器具用管腔内に開口したオリフィス内で終端している、
クリーニング用管腔であって、
該器具をクリーニングするためのクリーニングプロセス中に、該オリフィスを通って該器具用管腔内に液体溶液またはガスのうち少なくとも1つを送達するように構成されている、クリーニング用管腔と
を画定する、チューブ部分;
該器具用管腔内での該器具の遠位端のポジションを検出するように構成された、該チューブ部分の遠位端の近くに配されたセンサーのセット;および
該センサーのセットから受けたデータに基づいてクリーニングプロセスを制御するように構成された、該センサーのセットに機能的に連結された制御ユニット。
【請求項19】
制御ユニットが、センサーのセットから受けたデータに基づいて視覚的または聴覚的なフィードバックを提供するようにさらに構成されている、請求項18記載の装置。
【請求項20】
クリーニングプロセスが、
ガスのバーストが器具用管腔内に噴出される、曇り取りのオペレーション;
ある体積の液体溶液がクリーニング用管腔内にロードされる、プライミングのオペレーション;
該液体溶液が該器具用管腔内に噴出される、洗浄オペレーション;および
該ガスが該器具用管腔内に噴出される、乾燥オペレーション
のうち少なくとも1つを含む、請求項18~19のいずれか一項記載の装置。
【請求項21】
クリーニングプロセスが、洗浄オペレーションとその後に続く乾燥オペレーションを含む、請求項20記載の装置。
【請求項22】
チューブ部分の遠位端から既定の距離だけ器具が引き込まれたことを示す信号を、センサーのセットのセンサーから受けたことに応答して、洗浄オペレーションを開始すること
によってクリーニングプロセスを制御するように制御ユニットが構成されている、請求項21記載の装置。
【請求項23】
クリーニングプロセスが、洗浄オペレーションの前にプライミングのオペレーションをさらに含む、請求項21記載の装置。
【請求項24】
制御ユニットが、
チューブ部分の遠位端から第一の距離を超えて器具が引き込まれたことを示す第一の信号を、センサーのセットの第一のセンサーから受けたことに応答して、プライミングのオペレーションを開始すること;および
該チューブ部分の該遠位端から該第一の距離より大きい第二の距離だけ該器具が引き込まれたことを示す第二の信号を、該センサーのセットの第二のセンサーから受けたことに応答して、洗浄オペレーションを開始すること
によってクリーニングプロセスを制御するように構成されている、請求項23記載の装置。
【請求項25】
クリーニングプロセスが、洗浄オペレーションの前に曇り取りのオペレーションをさらに含む、請求項21記載の装置。
【請求項26】
制御ユニットが、
センサーのセットの最遠位のセンサーから第一の信号を受けたことに応答して、曇り取りのオペレーションを開始すること;および
該センサーのセットの、該最遠位のセンサー以外のセンサーから第二の信号を受けたことに応答して、洗浄オペレーションを開始すること
によってクリーニングプロセスを制御するように構成されている、請求項25記載の装置。
【請求項27】
洗浄オペレーションおよび乾燥オペレーションの持続時間が、約5秒未満である、請求項21記載の装置。
【請求項28】
クリーニングプロセスが、曇り取りのオペレーションのみを含む、請求項20記載の装置。
【請求項29】
以下の段階を含む、方法:
トロカールの器具用管腔内に配された器具が該トロカールの遠位端から第一の距離だけ引き込まれたことを、センサーのセットの第一のセンサーを介して検出したことに応答して、該トロカールのクリーニング用管腔をある体積の液体溶液でプライミングする段階;
該器具が該トロカールの該遠位端から該第一の距離より大きい第二の距離だけ引き込まれたことを、該センサーのセットの第二のセンサーを介して検出したことに応答して、該体積の液体溶液の少なくとも一部分が該器具の表面に接触し、そしてこれをクリーニングするように、該器具用管腔内に該体積の該液体溶液を噴出する段階;および
ある体積の加圧ガスを該器具用管腔内に噴出する段階。
【請求項30】
クリーニング用管腔を前記体積の液体溶液でプライミングする段階の前に、器具の表面の曇りを取るために加圧ガスのバーストを器具用管腔内に噴出する段階
をさらに含む、請求項29記載の方法。
【請求項31】
噴出する段階が、センサーのセットの最遠位のセンサーを過ぎて器具が引き込まれたことを検出したことに応答して生じる、請求項30記載の方法。
【請求項32】
センサーのセットが、器具用管腔を画定するトロカールの一部分の中または上で該トロカールの遠位端の近くに配されている、請求項29~31のいずれか一項記載の方法。
【請求項33】
液体溶液の体積が、約5 μl~約50 μlである、請求項29~32のいずれか一項記載の方法。
【請求項34】
前記体積のガスを噴出する段階が、器具の表面を乾燥させるために、前記体積の液体溶液を噴出した後に前記体積のガスを噴出することを含む、請求項29~33のいずれか一項記載の方法。
【請求項35】
前記体積のガスを噴出する段階が、前記体積の液体溶液を霧化するために、前記体積の液体溶液を噴出している間に前記体積のガスを噴出することを含む、請求項29~33のいずれか一項記載の方法。
【請求項36】
前記体積のガスを噴出する段階が、約0.5秒間~約5秒間の既定の期間にわたる、請求項29~35のいずれか一項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して内視鏡に関し、とりわけ、手技中にクリーンな内視鏡を維持するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
内視鏡は、概して低侵襲手技と呼ばれる非外科的な様式で内臓を可視化することを必要とする医療手技のために利用される医療デバイスである。医師は、診断を行うために、および/または処置のために内臓へのアクセスを得るために、内視鏡を利用することがある。内視鏡は、自然孔を介して、または小さな外科切開部を通して、患者体内に導入され得る。
【0003】
内視鏡は概して3つのシステム、すなわち、内視鏡システム、撮像システム、および照明システムを含む。全体的かつクリアな像を医師にもたらすには、3つのシステムすべてが一緒にはたらかなければならない。より具体的には、最適な結果を実現するために、内視鏡の挿入から臓器部位への移動、そして全手技中において、医師がクリアな視界を有することができなければならない。これを行うには、デバイスを身体から取り出す必要なしに、スメア、残留物、デブリ、および結露などの妨害物がない状態に、内視鏡のレンズが維持されなければならない。Minimally Invasive Devices, Inc.は、レンズから結露、デブリ、および煙を取り除くために、二酸化炭素をスコープの先端のほうに方向付けるFloShield(商標)システムを開発した。CIPHER SURGICALは、ガス推進式の生理食塩水送達システムを利用して手技中にスコープレンズをクリーニングするOpClear(登録商標)デバイスを開発した。
【0004】
上述したデバイスは内視鏡をクリーニングする機能を行うが、追加のコンポーネントを必要とし、設計においてもその使用においてもかなり複雑である。例えばこれらのデバイスは、特定の内視鏡用にサイズ決定された追加のスリーブを含む。各内視鏡に対してスリーブが存在しており、よくあることとして医師が手技中に内視鏡を変えた場合は、新たなスリーブもまた利用する必要がある。加えて、これらのデバイスは完全に手動のデバイス/システムで、医師が追加的な段階を行うことを必要とし、ゆえに医師の注意を主たるタスクから逸らす。
【0005】
したがって、クリーンなスコープレンズおよび視野を維持するための、シンプルかつ効率的で利用しやすいシステムおよび方法に対するニーズが存在する。
【発明の概要】
【0006】
概要
術中内視鏡クリーニングシステムを本明細書に開示する。例示的な術中内視鏡クリーニングシステムは、制御ユニット、洗浄溶液リザーバー、制御ユニットに接続されたガス供給源、およびカメラポートまたはトロカールを含んでいてもよい。トロカールは制御ユニットおよび洗浄溶液リザーバーに接続されていてもよく、内視鏡を患者体内に通しやすくするために、かつ使用中に内視鏡をクリーニングするために、構成されてもよい。
【0007】
例示的なトロカールは、メインボディ、インレットポート、流体チャネル、クリーニング用オリフィス、および1つまたは複数のセンサーを含んでいてもよい。
【0008】
トロカールのメインボディは、ヘッド部分と、ヘッド部分から延在してメインボディの遠位端で終端している細長で中空のチューブ部分とを含んでいてもよく、ここでチューブ部分は、内視鏡を受けるように構成されたキャビティを画定する。
【0009】
コネクターポートが、メインボディのヘッド部分を通って配されてもよく、かつバルクヘッドコネクターを受けるように構成されていてもよい。チューブ部分の遠位端は、縁部を有する、形状付与された端部を含んでいてもよい。例えば、形状付与された端部は、第一の縁部と、第一の縁部に対向した第二の縁部とを含んでいてもよい。第一の縁部は、第二の縁部より遠くヘッド部分から延在していてもよい。
【0010】
インレットポートは、単一のインレットポートまたは複数のインレットポートを含んでいてもよい。インレットポートは、メインボディのヘッド部分を通って配されてもよく、かつ洗浄溶液、ガス、またはその両方を受けるように構成されていてもよい。洗浄溶液は、生体適合性の界面活性剤を含む緩衝溶液を含んでいてもよい。ガスは二酸化炭素または他のガスを含んでいてもよい。洗浄溶液およびガスは、選択的に受けられてもよく、または連続的に受けられてもよい。医療デバイスのクリーニングに好適な他の材料が使用されてもよい。
【0011】
流体チャネルは、単一の流体チャネルまたは複数の流体チャネルを含んでいてもよい。流体チャネルは、メインボディのチューブ部分の中または近傍に配されてもよく、かつインレットポートから洗浄溶液、ガス、またはその両方を受けるためにインレットポートと流体連絡して配されてもよい。
【0012】
クリーニング用オリフィスは、単一のクリーニング用オリフィスまたは複数のクリーニング用オリフィスを含んでいてもよい。クリーニング用オリフィスは、メインボディのチューブ部分の遠位端の近傍に配されてもよく、洗浄溶液、ガス、またはその両方を流体チャネルから受けるために、かつ洗浄溶液、ガス、またはその両方がキャビティに向かって流れることを可能にするために、流体チャネルと流体連絡して配されてもよい。クリーニング用オリフィスは第一の縁部の近傍に配されてもよい。クリーニング用オリフィスは、メインボディのチューブ部分の少なくとも一部を通って形成された角度付きポートを含んでいてもよい。クリーニング用オリフィスは壁薄であってもよい。クリーニング用オリフィスは、形状付与されたオリフィス設計(例えば円形、卵形、長方形など)を含んでいてもよい。
【0013】
1つまたは複数のセンサーが、クリーニング用オリフィスとメインボディのヘッド部分との間でメインボディのチューブ部分の上または中に配されてもよい。センサーは流体チャネルの近傍に配されてもよい。センサーは、キャビティ内での内視鏡のポジションを感知するように構成されてもよい。センサーは可撓性の回路基板を含んでいてもよい。センサーは自己較正式であってもよい。センサーは、
図8A~8Fに示すように、レンズと連結されていてもよい。センサーは制御ユニットと連絡していてもよく、すなわち制御ユニットに機能的に連結されていてもよい。制御ユニットは、センサーから受けたフィードバック(例えばデータ)に応答して、1つまたは複数のクリーニングプロセスを実行する(例えばガスまたは洗浄溶液の送達を制御する)ように構成されてもよい。前記1つまたは複数のクリーニング応答の実行は自動であってもよい。制御ユニットは、内視鏡のポジショニングを補助するためのユーザーへの視覚的および聴覚的なフィードバックなど、使いやすさの特徴を提供するように構成されてもよい。前記1つまたは複数のクリーニングプロセスは、曇り取りのオペレーション、プライミングのオペレーション、もしくは洗浄および乾燥のオペレーションであってもよく、またはこれらを含んでいてもよい。
【0014】
曇り取りのオペレーションは、クリーニング用オリフィスを通してガスのバーストを噴出する段階を含んでいてもよい。曇り取りのオペレーションは、内視鏡がチューブ部分内に引き込まれ、そして、例えば最遠位のセンサーなど、センサーのうち1つまたは複数を通り過ぎた際に、トリガーされてもよい。
【0015】
プライミングのオペレーションは、ある量の洗浄溶液を流体チャネル内にロードする段階を含んでいてもよい。プライミングのオペレーションは、内視鏡が閾値を超えてチューブ部分内に引き込まれた際にトリガーされてもよい。
【0016】
洗浄および乾燥のオペレーションは、クリーニング用オリフィスから洗浄溶液を噴出する段階を含んでいてもよい。洗浄および乾燥のオペレーションの後に、乾燥のためのガスが続いてもよい。洗浄および乾燥のオペレーションは2秒間またはそれ未満であってもよい。
【0017】
いくつかの態様において、例示的なトロカールは、以下を含んでいてもよい:
延在し遠位端で終端している細長で中空のチューブ部分を含む、メインボディであって、該チューブ部分が、内視鏡を受けるように構成されたキャビティを画定する、メインボディ;
メインボディのチューブ部分内に配され、かつ洗浄溶液がキャビティに向かって流れることを可能にするように構成された、洗浄用オリフィス;
洗浄用オリフィスとメインボディの遠位端との間でメインボディのチューブ部分内に配され、かつ加圧ガスがキャビティに向かって流れることを可能にするように構成された、第一のガス用オリフィス;および、
洗浄用オリフィスの近傍でメインボディのチューブ部分内に配され、そして、加圧ガスがキャビティに向かって流れることを可能にするように、かつ洗浄溶液の少なくとも一部分をキャビティ内で霧化するように構成された、第二のガス用オリフィス。
【0018】
いくつかの態様において、例示的なトロカールは、以下を含んでいてもよい:
延在し遠位端で終端している細長で中空のチューブ部分を含む、メインボディであって、該チューブ部分が、内視鏡を受けるように構成されたキャビティを画定する、メインボディ;
メインボディのチューブ部分内に配され、かつ洗浄溶液がキャビティに向かって流れることを可能にするように構成された、洗浄用オリフィス;
洗浄用オリフィスとメインボディの遠位端との間でメインボディのチューブ部分内に配され、かつ加圧ガスがキャビティに向かって流れることを可能にするように構成された、ガス用オリフィス;および、
洗浄用オリフィスの近傍でメインボディのチューブ部分内に配され、かつキャビティから流体を受けるように構成された、サクション用オリフィス。
【0019】
トロカールを利用して手技中に内視鏡をクリーニングする方法を本明細書に説明する。例示的な方法は、内視鏡の曇りを取る段階、キャビティをプライミングする段階、内視鏡を洗浄する段階、内視鏡を乾燥させる段階、またはそれらの組み合わせを含んでいてもよい。例示的な方法、または例示的な方法の特定部分は、自動的に実行されてもよい。
【0020】
いくつかの態様において、例示的な方法は、以下の段階を含んでいてもよい:
内視鏡を受けるためのキャビティを画定するメインボディと;メインボディ内に配され、かつ洗浄溶液のフローがキャビティ内に入るのを可能にするように構成された洗浄用オリフィスと;メインボディの遠位端と洗浄用オリフィスとの間に配され、ガスのフローがキャビティ内に入るのを可能にするように構成されたガス用オリフィスと、を含むトロカールを、利用する段階。本方法は、内視鏡を洗浄する段階;内視鏡を乾燥させる段階;および、内視鏡上もしくはキャビティ内、またはその両方の残留流体を管理する段階、を含んでいてもよい。
【0021】
例示的な内視鏡クリーニングシステムがUS 2019/0125176 A1に説明されている。本開示は、トロカール設計が実際向けに直され現実世界の用途に使用された時に生じる、さまざまな問題に対するソリューションを説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本開示の前述および他の特徴と利点とが、添付の図面に示すような本開示の諸態様の、以下のより具体的な説明から明らかになるであろう。
【0023】
【
図1】本開示による内視鏡クリーニングシステムの概略表現である。
【
図2C】本開示による、患者の体内に挿入されたトロカールの概略表現である。
【
図3A】
図3Dにおける線3A-3Aに沿ったセンサー構成を示している、トロカールの断面図である。
【
図3B】
図3Dにおける線3B-3Bに沿った管腔構成を示している、トロカールの断面図である。
【
図3C】
図3Dによるセンサーおよび管腔構成を示している、トロカールの断面図である。
【
図4】
図4A~4Eは、本開示によるトロカールの、壁薄のオリフィス設計の概略表現である。
【
図5】
図5Aは、トロカールの概略表現である。
図5Bは、線5B-5Bに沿った、
図5Aのトロカールの断面である。
【
図7】
図7A~7Bは、例示的なセンサー設定のプロットである。
【
図8】
図8A~8Fは、センサー構成の概略表現であり、
図8E~8Fはレンズを含んでいる。
【
図9】
図9A~9Iは、本開示による角度付き内視鏡の概略表現である。
【
図10】
図10A~10Bは、本開示によるスプレーオリフィス設計の概略表現である。
【
図11】
図11A~11Bは、本開示によるトロカール内部グラフィックスの概略表現である。
【
図12】本開示によるトロカール内部グラフィックスの概略表現を示す。
【
図13】本開示によるトロカール外部グラフィックスの概略表現である。
【
図14】本開示によるプロセスのフローチャートである。
【
図15】
図15A~15Cは、水分滞留を引き起こす特徴を伴った例示的な管腔を図示する。
図15D~15Fは、水分の滞留を最小にするために、丸みを帯びた縁部と、表面間の滑らかな移行とを伴った、例示的な管腔を図示する。
【
図16】
図16A~16Bは、洗浄溶液を霧化するためのガスポート(例えばガス用オリフィス)を含む、例示的なトロカールの図示である。
図16Cは、洗浄溶液を霧化するためのガスポート(例えばガス用オリフィス)を含む、例示的なトロカールの図示である。
図16Dは、洗浄溶液を霧化するための複数のガスポート(例えばガス用オリフィス)を含む、例示的なトロカールの図示である。
図16Eは、洗浄用オリフィスおよびガス用オリフィスの近傍に凹部を伴わない、例示的なトロカールの図示である。
【
図17】
図17A~17Bは、残留流体を示している例示的なトロカールを図示する。
図17C~17Dは、生理食塩水がポートを洗い流すことおよび乾燥中のミストの生成を防ぐために、高くされたガスポートを含む、例示的なトロカールを図示する。
【
図18】
図18A~18Cは、残留水分の問題の例と、結果として生じるスコープへの影響とを図示する。
【
図19】残留水分を軽減するための物理的シールを含む、例示的なトロカールを図示する。
【
図20】残留水分を軽減するためのサクションを含む、例示的なトロカールを図示する。
【
図21】
図21A~21Bは、残留水分を軽減するための後方ガス圧を含む、例示的なトロカールを図示する。
【
図22】残留水分を軽減するための後方ガスシールを含む、例示的なトロカールを図示する。
【
図23】
図23A~23Cは、残留水分を軽減するためのベントを含む、例示的なトロカールを図示する。
【
図24】
図24A~24Dは、残留水分を軽減するためのドレインおよびリブを含む、例示的なトロカールを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
詳細な説明
本開示は、インサイチューで内視鏡をクリーニングするための方法およびシステムを提供する。例示的なデバイスはトロカールに内蔵されてもよく、かつ半自動の洗浄プロセスを含んでいてもよい。本開示のシステムおよび方法は、従来式およびロボット式の両方の医療手技に好適である。
【0025】
いくつかの態様において、本開示は、クリーニングシステムを含むように改変されたトロカール(例えばカメラポート内にポジショニングされたトロカール)を用いてスコープをクリーニングするための方法およびシステムに関する。トロカールは、周囲組織(例えば
図1に描かれた周囲組織110)に接触することなく手術器具およびツールを体腔(例えば
図1に描かれた体腔112)内に迅速かつ容易に挿入できるように設計されたデバイスである。
【0026】
本開示は、手技中に内視鏡を効率的かつ効果的にクリーニングするために利用されてもよい機能および特徴を提供する。本開示のクリーニングシステムは、例えばユーザーに対する要求がごくわずかでありながら、ユーザーが手技中に内視鏡をクリーニングすることを可能にする、トロカールを利用する。
【0027】
本開示は、管腔とオリフィスとを伴うトロカールを利用する可能性がある。いくつかの態様において、管腔は単一または唯一の管腔であってもよい。本開示の管腔およびオリフィスは、内視鏡をクリーニングする目的のために、共通のインレットポートから、共通の管腔を通り、共通のスプレーオリフィスまで、洗浄溶液および加圧ガスをチャネル送達する方法を提供する。
【0028】
本開示は、洗浄溶液と加圧ガスとを含む内視鏡クリーニングシステムを利用する可能性がある。洗浄溶液および加圧ガスは、内視鏡をクリーニングする目的のために、小体積の洗浄溶液をスプレーオリフィスに送達し、その溶液を霧化して一過性のスプレーにし、続いてガスの連続流を流す方法において利用されてもよい。
【0029】
本開示は、レンズ上の残留水分を最少にしかつこれに対処するための方法を含む。より具体的には、本開示は、クリーニングサイクルの乾燥部分を損なう残留水分を防ぐために、共通の管腔内での残留水分の蓄積を最少にするための方法を利用する。洗浄溶液を伴わない加圧ガスが乾燥に利用されてもよい。
【0030】
本開示は、壁薄のデバイス内に逆のスプレー角度を作り出すための方法を含む。再方向付けの主な手段としてオリフィスの長さを用いた場合よりも大きな角度まで、スプレー方向を再方向付けすることを可能にする、スプレー角度を作り出すための方法を説明する。
【0031】
本開示は、内視鏡の放出光を用いて内視鏡を検出するための方法を含む。より具体的には、本開示は、クリーニングサイクルにおけるそれぞれの段階を自動的にトリガーする目的のために、内視鏡から放出された光を用いて内視鏡の存在およびポジションを検出する方法を利用する。このことは、ユーザーがプロセスを開始しなければならない必要性をなくす。
【0032】
本開示はまた、センサーを自動的に較正するための方法も含む。より具体的には、トロカール内への最初の内視鏡挿入中にセンサーを自動的に較正するための方法は、信頼可能かつ反復可能なクリーニングシステムを実現する目的のために、内視鏡のタイプ、内視鏡の角度、光源、および光の明るさによって引き起こされる、内視鏡照明のばらつきに対応することを可能にする。
【0033】
本開示はまた、クリーニングのためにスコープをポジショニングするうえでユーザーを補助する方法も含む。効果的なクリーニングサイクルのための最適なポジションに内視鏡をポジショニングするうえでユーザーを補助する目的のために、聴覚的および視覚的なフィードバックをユーザーに提供するための方法を説明する。
【0034】
本開示はまた、角度付き内視鏡に伴う課題に対処するための、制御されたスプレー幾何学形状も含む。異なる内視鏡角度に適したスプレーパターンを作り出す目的のために、クリーニング用オリフィスからのスプレー幾何学形状を制御するための方法および関連システムが利用される。
【0035】
本開示は、光のレベルおよびポジションに対する内視鏡のセンサーの感度を向上させるための方法をさらに含む。トロカールの壁内に作り出された異なるレンズ設計を利用する方法は、内視鏡の存在の検出について感度を向上させる可能性があり、かつ、内視鏡のポジションの検出について感度を向上させる可能性がある。
【0036】
本開示は、ユーザーフィードバック向上のためにセンサー間の内視鏡ポジションを補間するための方法をさらに含む。内視鏡センサーからのアナログ出力を用いてスコープポジションを推定する方法は、内視鏡ポジションについての向上したフィードバックをユーザーに提供する目的のために、センサー信号のみによって提供されるものよりも高い分解能をもたらす。
【0037】
術中内視鏡クリーニングシステムを本明細書に開示する。例示的な術中内視鏡クリーニングシステムは、制御ユニット、洗浄溶液リザーバー、制御ユニットに接続されたガス供給源、およびカメラポート(例えばトロカール)を含んでいてもよい。トロカールは制御ユニットおよび洗浄溶液リザーバーに接続されていてもよく、そして、内視鏡を患者体内に通しやすくするために、かつ使用中に内視鏡をクリーニングするために、構成されてもよい。
【0038】
例示的なトロカールは、メインボディ、インレットポート、流体チャネル、クリーニング用オリフィス、および1つまたは複数のセンサーを含んでいてもよい。
【0039】
トロカールのメインボディは、ヘッド部分と、ヘッド部分から延在してメインボディの遠位端で終端している細長で中空のチューブ部分とを含んでいてもよく、ここでチューブ部分は内視鏡を受けるように構成されたキャビティを画定する。
【0040】
コネクターポートが、メインボディのヘッド部分を通って配されてもよく、かつバルクヘッドコネクターを受けるように構成されていてもよい。チューブ部分の遠位端は、縁部を有する、形状付与された端部を含んでいてもよい。例えば、形状付与された端部は、第一の縁部と、第一の縁部に対向した第二の縁部とを含んでいてもよい。第一の縁部は、第二の縁部より遠くヘッド部分から延在していてもよい。
【0041】
インレットポートは、単一のインレットポートまたは複数のインレットポートを含んでいてもよい。インレットポートは、メインボディのヘッド部分を通って配されてもよく、かつ洗浄溶液、ガス、またはその両方を受けるように構成されていてもよい。洗浄溶液は、生体適合性の界面活性剤を含む緩衝溶液を含んでいてもよい。ガスは二酸化炭素または他のガスを含んでいてもよい。洗浄溶液およびガスは、選択的に受けられてもよく、または連続的に受けられてもよい。医療デバイスのクリーニングに好適な他の材料が使用されてもよい。
【0042】
流体チャネルは、単一の流体チャネルまたは複数の流体チャネルを含んでいてもよい。流体チャネルは、メインボディのチューブ部分の中または近傍に配されてもよく、かつインレットポートから洗浄溶液、ガス、またはその両方を受けるためにインレットポートと流体連絡して配されてもよい。
【0043】
クリーニング用オリフィスは、単一のクリーニング用オリフィスのみ、または複数のクリーニング用オリフィスを含んでいてもよい。クリーニング用オリフィスは、メインボディのチューブ部分の遠位端の近傍に配されてもよく、そして、洗浄溶液、ガス、またはその両方を流体チャネルから受けるために、かつ洗浄溶液、ガス、またはその両方がキャビティに向かって流れることを可能にするために、流体チャネルと流体連絡して配されてもよい。クリーニング用オリフィスは第一の縁部の近傍に配されてもよい。クリーニング用オリフィスは、メインボディのチューブ部分の少なくとも一部を通って形成された角度付きポートを含んでいてもよい。クリーニング用オリフィスは壁薄であってもよい。クリーニング用オリフィスは、形状付与されたオリフィス設計を含んでいてもよい。
【0044】
1つまたは複数のセンサーが、クリーニング用オリフィスとメインボディのヘッド部分との間でメインボディのチューブ部分の上または中に配されてもよい。センサーは流体チャネルの近傍に配されてもよい。センサーは、キャビティ内での内視鏡のポジションを感知するように構成されてもよい。センサーは可撓性の回路基板を含んでいてもよい。センサーは自己較正式であってもよい。センサーはレンズと連結されていてもよい。センサーは制御ユニットと連絡していてもよい。制御ユニットは、センサーから受けたフィードバックに応答して1つまたは複数のクリーニングプロセスを実行するように構成されてもよい。前記1つまたは複数のクリーニング応答の実行は自動であってもよい。制御ユニットは、内視鏡のポジショニングを補助するためのユーザーへの視覚的および聴覚的なフィードバックなど、使いやすさの特徴を提供するように構成されてもよい。前記1つまたは複数のクリーニングプロセスは、曇り取りのオペレーション、プライミングのオペレーション、もしくは洗浄および乾燥のオペレーションであってもよく、またはこれらを含んでいてもよい。
【0045】
曇り取りのオペレーションは、クリーニング用オリフィスを通してガスのバーストを噴出する段階を含んでいてもよい。曇り取りのオペレーションは、内視鏡がチューブ部分内に引き込まれ、そして、例えば最遠位のセンサーなど、センサーのうち1つまたは複数を通り過ぎた際に、トリガーされてもよい。
【0046】
プライミングのオペレーションは、ある量の洗浄溶液を流体チャネル内にロードする段階を含んでいてもよい。プライミングのオペレーションは、内視鏡が閾値を超えてチューブ部分内に引き込まれた際にトリガーされてもよい。
【0047】
洗浄および乾燥のオペレーションは、クリーニング用オリフィスから洗浄溶液を噴出する段階を含んでいてもよい。洗浄および乾燥のオペレーションの後に、乾燥のためのガスが続いてもよい。洗浄および乾燥のオペレーションは従来の方法より向上されていてもよい。洗浄および乾燥のオペレーションは、5秒間もしくはそれ未満、4秒間もしくはそれ未満、または3秒間もしくはそれ未満であってもよい。他の時間が実現されてもよい。
【0048】
トロカールを利用して手技中に内視鏡をクリーニングする方法を本明細書に説明する。例示的な方法は、内視鏡の曇りを取る段階、キャビティをプライミングする段階、内視鏡を洗浄する段階、内視鏡を乾燥させる段階、またはそれらの組み合わせを含んでいてもよい。例示的な方法、または例示的な方法の特定部分は、自動的に実行されてもよい。特定の手技が含まれるかまたは除外されてもよい。例えば、方法が、プライミングする段階または洗浄する段階を伴わずに、曇りを取る段階を含んでいてもよい。他の手技が使用されまたはカスタム化されてもよい。
【0049】
図1~5Bを参照すると、本開示のクリーニングシステム100、例えば内視鏡クリーニングシステムは、トロカール200、制御ユニット102、チュービングセット104、洗浄溶液リザーバー106、およびガス供給源108、例えば二酸化炭素(CO
2)供給源を含んでいてもよい。トロカール200は、ヘッド部分201と、スコープまたは器具用の管腔210など中空のチューブ部分とを有する、メインボディを含んでいてもよい。ヘッド部分201はスコープ管腔210に向かってテーパーしていてもよい。ヘッド部分201はキャップ203を受けるように構成されてもよい。ヘッド部分201は、他のデバイスをトロカール200に連結するための1つまたは複数のポート208、300を含んでいてもよい。他の構成が用いられてもよい。スコープ管腔210は内視鏡103などのデバイスまたは器具を受けるように構成されてもよい。トロカール200は、トロカール200(またはその一部分)の長さにわたっていてもよくかつその遠位端またはその近傍にあるオリフィス206を通って出る、クリーニング用管腔204(例えばチャネル)を含んでいてもよい。スコープ管腔210は、内視鏡103などのデバイスがトロカール200を通って体腔内まで動くことを可能にするために(
図2C)、身体組織を通過するように構成されてもよい。
【0050】
スコープポジションを検出し制御ユニット102にフィードバックを提供するために、感知システム300(例えば
図6に描かれた感知用ストリップ)がトロカール200内に配されるかまたは内蔵されていてもよい。感知システム300は、電気回路302、および1つまたは複数のセンサー304を含んでいてもよい。例証的な実施例として、センサー304はポジションまたは機能を示すように構成されてもよい。さらなる実施例として、センサー304Aは、内視鏡などキャビティ内のデバイスの存在を示す「スコープ存在」センサーとして構成されてもよい。センサー304Bは、洗浄溶液チャネルのプライミングをトリガーし得るスコープのポジションを示す「プライミング」センサーとして構成されてもよい。センサー304Cは、洗浄プロセスをトリガーし得るスコープのポジションを示す「洗浄」センサーとして構成されてもよい。他のポジションおよびトリガーが用いられてもよい。電気回路302は、可撓性の回路基板などの回路基板を含んでいてもよい。他の回路および電気経路が用いられてもよい。感知システム300は、バルクヘッドコネクターなどのコネクター306を含んでいてもよい。制御ユニット102は、1つまたは複数のスコープセンサー304をモニターしてもよく、そしてスコープ103を検出したら、例えば洗浄とそれに続く乾燥とを含む洗浄サイクルを起動してもよい。さらなる実施例として、これを実現するため、制御ユニット102は、定量の洗浄溶液で管腔204をプライミングし、それから乾燥を起動してもよい。ガスは推進剤として作用して、オリフィス206から出るごく短時間の高エネルギースプレー(
図3B)を作り出し、そして洗浄溶液が消費されたら、ガスはスコープ103を乾燥させるように作用する。このようにしてスコープ103は術中に(患者から取り出されることなく)クリーニングされ、オペレーターからの入力もごくわずかである。オペレーターは単にスコープ103をトロカール200に引き込むことを必要とするのみである。
【0051】
洗浄溶液は、例えば生理食塩水溶液など、任意の好適な生体適合性材料を含んでいてもよい。いくつかの態様において、洗浄溶液は緩衝溶液および界面活性剤を含む。二酸化炭素は、生体適合性、および身体が二酸化炭素を吸収できることなど、いくつかの理由により、利用が望ましいガスである可能性がある。ガスは専用のタンクから、または手術室の供給源から供給されてもよい。ガスは、1つの態様において約30 psiなど、約10~30 psiの範囲内の圧力で供給されてもよい。
【0052】
概して
図1に示されているように、制御ユニット102は電源101およびガス供給源108(例えば二酸化炭素)に接続される。制御ユニット102はまた、チュービング104によってトロカール200にも接続され、洗浄溶液供給リザーバー106にも接続される。さまざまな要素をトロカールに連結するために任意の数のチューブまたはコンジットが用いられてよい。カメラ105を備えた内視鏡103が、トロカール200内に挿入された状態で示されている。
【0053】
一実施例として、洗浄溶液106および加圧ガス108をトロカールの遠位端にあるオリフィスのほうに方向付けるために、単一の管腔204が使用されてもよい。従って、洗浄溶液106およびガス108は、例えば同じ単一の管腔204を交互に通るなど、管腔204を通って選択的に流されてもよく、または同時に流されてもよい。
【0054】
センサー304は、自動化された洗浄シーケンスをトリガーする、スコープの存在を検出するために使用されてもよい。洗浄シーケンスは、既定量または定量の溶液(例えば約5 μl~約50 μl)でシステムをプライミングする段階を含んでもよく、そしてセンサーがトリガーされた時に、既定のまたは固定された時間(例えば約0.5~約5秒間であり、約0.5~約1、約0.5~約2、約0.5~約3、約0.5~約4、約1~約2、または約1~約3秒間など、間のエンドポイントを含む)にわたって加圧ガスが起動されてもよい。ガスは1つまたは複数の目的に役立ってもよく、例えば、オリフィスから出る際に溶液を霧化して高エネルギースプレー(例えば、間のエンドポイントを含めて約0.1~約0.5秒間持続してもよい)にするための推進剤として、かつ/または、余分な溶液をスコープから除去するための乾燥システム(例えば、間のエンドポイントを含めて約0.5~約5秒間持続してもよい)として、作用してもよい。他のシーケンスが用いられてもよい。
【0055】
例証的な実施例として、
図3Bおよび3Cに示すように、クリーニング用オリフィス206がトロカールのメインボディのチューブ部分の遠位端の近傍に配されてもよく、そして、洗浄溶液、ガス、またはその両方を流体チャネルから受けるために、かつ洗浄溶液、ガス、またはその両方がキャビティに向かって流れることを可能にするために、流体チャネルと流体連絡して配されてもよい。いくつかの態様において、オリフィス206は唯一または単一のクリーニング用オリフィスであってもよい。キャビティ内での内視鏡103のポジションを感知するように構成された1つまたは複数のセンサー304が、クリーニング用オリフィス206とメインボディのヘッド部分との間でメインボディのチューブ部分の上または中に配されてもよい。さまざまなアレンジメントが用いられ得るが、センサー304はクリーニング用オリフィス206の上方または下方で一列にならんで配されてもよい(
図5A~5B)。他のアレンジメントとして、センサー304がクリーニング用オリフィス206と一列にならんで縦軸に沿ってアレンジされていることも含まれる。
【0056】
本システムは、オペレーターからのごくわずかな入力で使用でき、ゆえに、センサーを使用してスコープを自動的に検出し洗浄シーケンスを起動する。この設計の他の例示的態様では、センサーをスイッチに置き換え、そのスイッチは、洗浄を起動するためにオペレーターが作動させる。この設計は、オペレーターが弁を手動で作動させて溶液およびガスの供給源を制御し、ゆえに設計からコントローラーを取り除くことによって、さらに単純化できる。留意すべき重要な点として、上述の任意の組み合わせが本開示に基づいて利用され得る。
【0057】
一局面において、コントローラーは、ユニットのオペレーションおよび洗浄のレベルの両方をユーザーのニーズによって定義することを可能にしてもよい。複数のオペレーションモードがコントローラー内にプリプログラムされてもよく、そしてユーザーによって選択されてもよい。例えば、その手技タイプで曇りが高率で生じるならば、曇り取りのみのモードが選択されてもよく、または、例えばエネルギーデバイスの使用によってスコープ上のデブリ蓄積が大きくなっているならば、大量の洗浄溶液をスコープに送達するディープクリーンモードが起動されてもよい。
図14はこのプロセスをフローチャートの形式で説明または図示している。システムとの異なる相互作用のしかたに加えて、異なるタイプのクリーニングモードに対処するためのさまざまなオペレーションモードが想像される。例えば、一部のユーザーは、スコープを洗浄センサーのところにポジショニングし、コントローラーがプログラム済みのシーケンスを行っている間、スコープをこのポジションに保持することによって洗浄を行うほうが容易である、と見いだす可能性がある。別のユーザーは、例えば、スコープを洗浄センサーのところにポジショニングすることは乾燥のみのシーケンスをトリガーし、完全なクリーニングをトリガーするには、プライミング用センサーを起動するためにユーザーがスコープをトロカール内にさらに引き込み、それから完全なクリーニングを行うためにスコープを洗浄センサーまで伸ばさなければならない、など、洗浄の諸段階を制御することを好む可能性がある。
【0058】
システムの性能を向上させるための、トロカール設計の他の代替的な例示的態様も可能である。
【0059】
設計上の特定の考慮点の例を後述のセクションに説明する。
【0060】
水分の除去または低減
スプレーを用いるクリーニングシステムに伴う1つの重大な課題は、スプレーが終了した後にスコープ管腔内に残る残留水分の量をなくすこと、または最少にすることである。この残留水分は乾燥シーケンスを損なう潜在可能性があり、それは結果として不完全な乾燥(スコープレンズ上の水滴)をもたらし、ゆえにクリーニングを損なう。
【0061】
図18A~18Cに残留水分の例を示す。洗浄および乾燥の間、洗浄溶液604および/またはスコープを汚す他の流体、例えば血液が、スプレーが当たることおよび高圧の乾燥ガスによって押し運ばれて、スコープ602とトロカールの壁との間でトロカール600に沿って押し上げられる傾向がある。クリーニングサイクルが終了した(例えばCO
2ガスがオフにされた)時、洗浄溶液は重力の影響下にあり、そしてスコープが前方に傾けられると、溶液はスコープに沿って流れ落ちて、スコープ窓を濡らす可能性があり、それはクリーニングを損なう。するとスコープを乾燥させるために別のクリーニングサイクルが必要になる。
【0062】
管腔路の蛇行を最少化または低減する、溶液が集まる可能性があるエリアを除去する、といった管腔の設計は、残留水分の可能性を低減し得るが、完全に除去することは難しい。
【0063】
図15A~15Fを参照して説明するように、管腔を通して洗浄溶液が推進される際に水分をトラップしまたは滞留さる可能性がある、流体路中の縁部または段差を除去するように、管腔は設計および製造される。
図15A~15Cに示すように、典型的な管腔設計では、水分(*で示す)が管腔上のエリア内にトラップされる可能性がある。
図15D~15Fに示すように、2ピース設計が水分の滞留を最小化または低減する可能性がある。一例として、流体路から縁部が除去されてもよく、それは段差があるまたは硬い縁部設計と比較して水分の滞留または蓄積を最少化する可能性がある。そうした管腔は例えば射出成形を用いて作り出され得る。しかし他の方法が用いられてもよい。
【0064】
いくつかの態様において、本開示のトロカールの設計は、乾燥のみを行う目的のモードを含む。このモードにおいて、特定のセンサーがトリガーされた時に、システムはガス乾燥のみを行う。この乾燥のみのプロセスは極めて迅速である可能性があり、かつ、残留水分の液滴、結露、または血液の移行を含む、スコープフェース上の軽度な水分蓄積を除去するのに効果的である。
【0065】
残留水分に対処するために設計された、本開示のトロカールの別の例示的態様は、乾燥にのみ使用される、ガス用の第二の管腔の使用である。例えば洗浄中にスプレーの大部分が送達された直後など、洗浄後に主管腔から切り替えることによって、迅速かつ効果的な乾燥がもたらされ、さらにガス圧を低減できるという恩恵も伴う。
【0066】
残留水分に対処するための別のソリューションは、クリーニングプロセスを区画化するためにトロカール内部に物理的なシールを使用することを含む。
図19にそうしたシステムの一例を示す。
図19に示すように、洗浄溶液が、a)洗浄中に(例えば内視鏡703が洗浄ポジションにある間に)トロカール内まで進むこと、および、b)乾燥プロセス中に(例えば内視鏡703が乾燥ポジションにある間に)トロカールから流出することを防ぐために、洗浄ゾーン内に2つのシール702が用いられている。この構成は、残留水分の問題に対処するのに効果的である可能性があり、効果的な洗浄・乾燥サイクルを可能にする。リップシールは低い静摩擦で密封を提供することが見いだされた。例えば、リップシール702が、トロカール700の壁内に形成されたキャビティ701内に配されたボディ702Aを含んでいてもよい。ボディ702Aからリップ702Bが突出していてもよく、そして内視鏡に向かって延在していてもよい。シール角度、リップ形状、および材料のさまざまな設計が用いられてもよい。
【0067】
図20に、洗浄ポート804の近位側に位置するサクションポート816を用いて残留水分に対処するソリューションを示す。この態様において、クリーニングプロセスにおける洗浄段階中(例えば内視鏡803が洗浄ポジションにある間)および乾燥段階中(例えば内視鏡803が乾燥ポジションにある間)にサクションが起動され、そして、トロカール800内部の水分を抜き取り、残留水分801を除去することができる。このソリューションは、体腔内に入るガスフローの正味の効果がないように、サクション流量をガス流量にマッチさせることを可能にする。
【0068】
図21A~21Bに、洗浄ポート904の近位側に位置する追加的なガスポート902Bを用いて残留水分に対処するソリューションを示す。図に示すように、ガスチャネル912が、1つまたは複数のガスポート902A、902Bに加圧ガスを提供してもよい。流体チャネル910が洗浄ポート904に洗浄溶液を提供してもよい。この態様において、(例えばポート602Bを介した)後方ガスは、洗浄中(例えば内視鏡903が洗浄ポジションにある間)および乾燥中(例えば内視鏡903が乾燥ポジションにある間)に起動される。後方ガスはトロカール内部に背圧を作り出し、それはバリアーとして作用して、生理食塩水901がトロカール900に進入することを防ぐ。この態様において、後方ガスのフローをタイトに制御することが重要である可能性がある。例えば、低すぎると生理食塩水の進入を防ぐのにガスが無効となる可能性があり、高すぎるとガスが洗浄プロセスと争ってスプレーをスコープから吹き飛ばしてしまう可能性があり、それは洗浄の有効性を低減させる。この制御は複数の方式で実現でき、それにはオリフィス直径を制御することも含まれる。オリフィス直径を低減させると流量が低減し、逆もまたしかりである。代替的かつさらにフレキシブルなソリューションとして、ガス乾燥ポートとは独立にガス圧および流量を設定できるように、このオリフィスに供給する専用の管腔を用いてもよい。
【0069】
図22に1つの後方ガス圧設計を示す。図に示すように、1つまたは複数のガスチャネル1012、1018が1つまたは複数のガスポート1002、1016に加圧ガスを提供してもよい。流体チャネル1010が洗浄ポート1004に洗浄溶液を提供してもよい。この態様において、トロカール1000の内径の低減が作り出され、そして、この位置において近位側より遠位側でガスフローが高くなるように、後方ガスポート1016が溝の中に作り出される。この様式において、生理食塩水洗浄の有効性を生理食塩水が損ねることがないように、低いガス流量および低い圧力を用いて生理食塩水の進入を防ぐためのガスシールが作り出されてもよい。この態様において、(例えばポート716を介した)後方ガスは、洗浄中(例えば内視鏡703が洗浄ポジションにある間)および乾燥中(例えば内視鏡703が乾燥ポジションにある間)に起動されてもよい。
【0070】
図23A~23Cに、残留水分1101に対処するための追加的または代替的なアプローチを示す。図に示すように、ガスチャネル1112が1つまたは複数のガスポート1102に加圧ガスを提供してもよい。流体チャネル1110が洗浄ポート1104に洗浄溶液を提供してもよい。図に示すように、スコープ1103を超えて通り過ぎた洗浄溶液およびガスを体腔内にベントすることを可能にし、ゆえに乾燥段階の終わりに乾燥ガスがオフにされた時にトロカール内にとどまる水分がごくわずかになるように、トロカール1100内の近位側にベント1116が作り出されてもよい。
【0071】
図24A~24Dに、残留水分1201に対処するための追加的または代替的なアプローチを示す。図に示すように、ガスチャネル1212が1つまたは複数のガスポート1202に加圧ガスを提供してもよい。流体チャネル1210が洗浄ポート1204に洗浄溶液を提供してもよい。トロカール1200の遠位端にドレイン1216が作り出される。これらは、トロカール1200内の残留水分1201が、スコープ1203の長さに沿って進んでスコープレンズを濡らすのではなく、トロカール1200から外にドレインすることを可能にするように設計される。スコープ1203がトロカール1200の壁と接触することを防ぐことが有益である可能性がある。トロカール1200とスコープ1203との間で洗浄の吸い上げが生じる見込みが高くなるからである。これを防ぐために、スコープ1203をトロカール1200内の中心にポジショニングし、ゆえに残留水分1201をドレイン1216のほうに方向付けることができるチャネルを作り出すために、トロカール1200の内面において軸方向にリブ1218が作り出される。
【0072】
トロカールの外径の低減
大きな切開は疼痛の増大およびヘルニアのリスク上昇と関連することが公知であるので、患者における切開のサイズを最小化または低減するためにトロカールの外径を小さく保ちたいという要望がある。本開示のトロカール設計に伴う1つの課題は、トロカールの外径に対する影響がわずかである管腔およびオリフィスをどのように実施するかである。
【0073】
図4A~4Eに示すように、オリフィス206はスコープまたは他の器具に面するように角度付けされてもよく、例えばスコープまたは他の器具(例えばスコープのレンズ)の遠位端に少なくとも部分的に面するように、クリーニング用管腔に対してある角度で近位方向に延在していてもよい。一例として、オリフィスからの流体の出力角度が、オリフィスに接続している管腔204の縦軸に対して約90°より大きく(典型的に約110°~約170°に)なるように、管腔204および/または206の方向がアレンジされてもよい。
図4C~4Eに示すように、他の角度およびアレンジメントが用いられてもよい。そのような再配向を作り出すには、オリフィスの長さがオリフィスの直径より大きいかまたはこれに等しいことが必要となる可能性がある。
図4Aに示すように、特定のアレンジメントは、オリフィス206のそれぞれの外径より大きい厚さT1から恩恵を得る可能性がある。約1.0 mm~約1.6 mmの典型的なオリフィス直径について、このことはトロカールに厚さを加える。壁厚がオリフィスの長さより小さい場合は、再配向の範囲が大幅に低減される可能性がある。
【0074】
より薄いトロカール壁を実現するために、本開示の設計は2つの異なる技法を利用する。
図4C、4D、および4Eに示す第一の技法において、トロカールの円形の断面は維持され、スコープ管腔はトロカールの中心に対して偏心してポジショニングされる。クリーニング用管腔はトロカール壁の最厚部内に位置する。管腔204'は、トロカールの遠位端に近づくと、オリフィスを通って出る前に方向が逆になる。このアプローチを用いたオリフィス206'は、スプレーの再方向付けが約90°未満(典型的に約20°~約70°)であることを必要とし、それは、
図4Cに示すように壁厚がオリフィス直径より小さくてもよいことを意味する。ここでT2はオリフィスのそれぞれの外径より小さい。第二の技法において、スコープ管腔は外径と同心に保たれ、そしてトロカールの外径は、トロカールの長さに沿って走行するリブを作り出すために局所的に厚くされる。クリーニング用管腔およびセンサーストリップは、センサーストリップがトロカールの内壁とクリーニング用管腔との間にポジショニングされたスタック構成で、このリブ内にポジショニングされる。この分離は、スプレーを方向付けるためにオリフィスに必要とされる長さを自然に作り出す。
【0075】
スコープのポジショニング
本システム設計の一局面は、市販されている異なるタイプのスコープにおけるバリエーションの発生源に鑑み、トロカール内でのスコープのポジションを高い信頼性で検出できることである。例えばスコープは、異なる製造業者から入手可能であり、視角および光のパターン、ならびにハロゲンまたはLEDなど、異なる光源の使用といった仕様も異なる。
【0076】
一態様は、スコープからの放出光を検出するための受光センサーを使用する。受光センサーは、センサー上に入射した光のレベルに応答してアナログ出力を提供する。考慮される他のタイプのセンサーには、光反射センサー、透過ビームセンサー、および誘導型近接センサーが含まれる。受光センサーは、低パッケージサイズ、低コスト、および単純性という点で利点を提供する。
【0077】
センサーにおけるバリエーション、および異なるスコープに由来する異なるレベルの光(例えばパターンおよび明るさ)に対応するために、最初の使用時にシステムを較正することが有益である。これを実現するために、最初のスコープ挿入時に制御ユニットで入射光をモニターし、そしてセンサーから測定されたピークレベルに基づいて、センサー信号を正規化するために較正係数を適用してもよく、または、各センサーのトリガー電圧を設定するためにトリガー閾値を調整してもよい。それには例えば、次式:
閾値 = 80% x ピーク電圧
などによって与えられる、あらかじめ定義された式が用いられる。
【0078】
バリエーションに対応するために動的な閾値を用いることに加えて、特定の目的に適するようにセンサーの異なる移行を用いてもよい。例えば、スコープの存在を検出したい時は、スコープの存在について敏感な信号を提供する、低い閾値をセンサー信号に適用してもよい。しかし、センサーがあるポジションに達したことを検出したい場合は、「オフ」移行、すなわちいつスコープがセンサーを通り過ぎて光が遮断されたか、を用いてもよい。
【0079】
一態様において、センサーは、汚れとなる材料および洗浄溶液から隔離するためにトロカールの乾燥側(トロカールの内壁の後ろ)に位置し、ゆえにトロカール壁は例えばポリカーボネートまたはポリプロピレンなど透明な材料から製造される。すると、(放射方向および軸方向で)追加的な光をキャプチャーしてセンサーの感度を向上させるため、または、放射軸において優先的に光をキャプチャーすることによってセンサーのポジション的感度を向上させるための、いずれかを目的とするレンズを作り出すようにトロカールの壁に特徴付与することが可能となる。両方の技法がトロカール設計において有用である。例えば、「スコープ存在」センサーの目的はスコープを検出することであり、ゆえにより多くの光をキャプチャーするレンズから恩恵を受け、そして「洗浄」センサーの目的は精密な位置で洗浄をトリガーすることであり、ゆえに形状付与されたレンズから恩恵を受ける。
【0080】
本システム設計の一局面は、ユーザーがスコープをクリーニングのための正しいポジションにポジショニングすることを助けるために、ユーザーにフィードバックを提供することである。センサーは、洗浄サイクルが既定の時点でトリガーされることを確実にするが、スコープのポジショニングは手動であるので、ユーザーが最適ポジションの外でスコープを停止させる機会が存在する。この場合は洗浄の有効性が損なわれる可能性があり、例えばスコープが所定のポジションから外れて洗浄ポートを覆っていると、洗浄が生じない。ユーザーがこのポジションを高い信頼性でターゲティングすることを支援するために、ユーザーがおよそのポジションまで近づきそれから最適ポジションを探し当てることができるようにフィードバックを提供することが有益である。例えば、ユーザーがスコープを迅速に引き込むことを許容し、そして洗浄ポジションに近づいたことを注意喚起して、それにより停止に備えてスコープの動きを遅くすることを可能にしてもよい。
【0081】
これに対する1つのソリューションは、例えば制御ユニット上の点滅光、またはスコープディスプレイ上に重ね合わせされるポジションインジケーターなど、聴覚的フィードバックまたは視覚的フィードバックである。
【0082】
ポジションの粗いまたはおよその推定を与えるために現在のトロカールセンサーが用いられてもよい。例えば、洗浄ポジションに達しそうであることを注意喚起する警告センサーに続いて、ユーザーに停止するように注意喚起する洗浄ポジションセンサーが用いられてもよい。センサーのアナログの性質のゆえに、センサーの実際のポジションを補間することが可能であり、それはポジションのより精密な(例えばより高分解能の)推定を提供する。この情報は、向上したフィードバックをユーザーに提供するために使用できる。例えばこのポジション情報は、聴覚信号のトーンを変動させるかまたは(自動車における後進センサーのように)ビープ音のレートを変化させ、ゆえにターゲットポジションに達するまで連続可変フィードバックをユーザーに提供するために、用いられてもよい。
【0083】
有効なクリーニングサイクルについて、洗浄および乾燥に好適なポジションはトロカールの遠位端であることが見いだされている。このポジションにおいて、洗浄および乾燥プロセスに由来するデブリはトロカールから効果的に噴出され得る。このことは、きれいなスコープが再び汚れることを引き起こすトロカール内のデブリの蓄積を防ぎ、そして洗浄後に残っている洗浄溶液もわずかであるので、スコープ乾燥プロセスもより効率的になる。
【0084】
曇り取り
本開示のトロカールの一局面では、スコープをクリーニングするために、(例えば曇り取りモードにおいて)初期のガスのバーストを用いる。このガスのバーストは、結露、灌流溶液からのしぶき、血液など、汚れとなる材料がスコープ表面上にフィルムを残さない時には、スコープのクリーニングに非常に効果的であることが示されている。他のタイプの汚れについては、このガスのバーストは、汚れのかなりの量(例えば大半または大部分)をスコープから取り除くのに非常に効果的であり、それは以降の洗浄プロセスをより容易かつより効率的にする。
【0085】
本システム設計の一局面は、較正、スコープ挿入、またはクリーニングサイクルのプロセスのためにユーザーがボタンを押すことを必要としない、使用が容易なデバイスを提供する段階を含み得る。本システムのいくつかの態様において、トロカールは、スコープの初期挿入を検出する目的のための「存在」センサー(
図7A~7B)を含む。他のデバイスまたはシステムが用いられてもよい。
【0086】
制御ユニットは、センサー信号における変化率をモニターすることによって、スコープがトロカール内に挿入または除去されているかを決定してもよい。例えば、センサー信号が増大しているならばスコープが挿入されていると決定されてもよく、そしてセンサー信号が低減しているならばスコープが除去されていると決定されてもよい。
【0087】
システムは、このセンサーを用いることによって、スコープが最初にトロカール内に挿入された時に洗浄サイクルを使用不能にしてもよく、そして、例えば先に詳述した較正シーケンスなど、異なる機能を行ってもよい。逆に、システムはこのセンサー入力を用いて、例えば手技中によく生じることである、ユーザーがスコープタイプを変えている時など、スコープがトロカールから除去されている時に、洗浄サイクルを使用不能にしてもよい。
【0088】
スコープの異なる視角
いくつかの態様において、本システムは、異なる視角を備えたスコープとともに用いられてもよい(
図9A~9I)。クリーニング用オリフィスとクリーニングされるスコープフェースとの間の関係はかなり変化する可能性があるので、スコープ角度におけるバリエーションは、1つのクリーニング用オリフィスのみを使用している場合にシステムの設計に課題をもたらす可能性がある。
【0089】
この課題に対する1つのソリューションは、トロカール内で円周状にアレンジされた複数のオリフィスを用いて、スコープの回転にかかわらず効果的な洗浄を提供することである。しかし、これはトロカールの設計に複雑さを加え、洗浄溶液およびガスの消費を増大させる潜在可能性もある。したがって、効果的な洗浄を提供しながら単一オリフィストロカールの単純性を保持する設計を有することが望ましい。
【0090】
角度付きスコープに伴う課題は少なくとも2つある:1)クリーニングされるスコープフェースと固定されたオリフィスとの間の関係が変化すること、および、2)角度付きスコープは非対称であり、それは、スコープが回転されるとスコープフェースとオリフィスとの間の関係が変化することを意味すること、である。これらの課題を
図9A~9Iに説明する。
図9A~9Dに、市販されている典型的なスコープ角度の範囲を示す。
図9Eは、0°のスコープに対する最適な関係にオリフィスがポジショニングされていると、角度付きスコープに対してはポジショニングが損なわれることを説明している。
図9Fは、45°のスコープに適するようにオリフィスがポジショニングされており、0°のスコープに対する関係が損なわれているという、逆の状況を示している。
【0091】
角度付きスコープは、トロカール内で回転された際にオリフィスに対する(クリーニング対象の)スコープフェースの配向が変化するという点においても、追加的な課題をもたらす。
図9Gは、クリーニングに好適なようにオリフィスがまっすぐにスコープにアライメントされた状態のスコープを示しており、一方で
図9Hは1つの配向におけるスコープを示している。その配向において、この実施例ではオリフィスがスコープに向かっておらず、それはスコープのクリーニングを無効にする可能性がある。
図9Iは、スコープが回転されて角度が変化する際に予測される、クリーニング有効性の低下を視覚化することを助けるために、
図9Gおよび9Hに示した配向の間の暫定的なケースを示しており、ここでスコープは2つの配向の間で途中まで回転されている。
【0092】
これらの問題に対処するために、スプレーを大きな面積に広げてスコープ間の違いに対応するという形状付与スプレーを作り出すために、スプレーオリフィスの幾何学形状(
図10A~10B)が変更されるという特徴を、トロカールが含んでいてもよい。例えば、長方形または楕円形のオリフィスを用いることによって、スプレーパターンが円錐形から扇型へと平らにされてもよい。
【0093】
スコープの回転に対する1つのソリューションは、洗浄のためにスコープがトロカール内に引き込まれるのと同時に、洗浄に好適なポジションまでスコープをねじるかまたは回転させるようにユーザーに求めることである。このプロセスを支援するため、アライメントに対する視覚的キューをユーザーに与えるためにトロカールの外部上にグラフィックス212が印刷されてもよい(
図13を参照)。
【0094】
トロカールの内部(
図11A~12)は、ユーザーが充分な視認性を有するならば(または洗浄シーケンス中に視認性が向上したならば)このターゲットを見ることができ、それによりユーザーが最適なクリーニングのためにスコープのポジションを調整できるよう、ポジションの視覚的指標を提供するように特徴付与される。これらの特徴は、トロカールの表面上にエンボスもしくは印刷されたマーキング214であってもよく、または、視認性の高いターゲットを提供するために特徴216がスコープからの光を反射するようにトロカールのボディ内に組み込まれていてもよい。
【0095】
いくつかの態様において、角度付きフェースまたは特徴付与されたフェースを備えたスコープに有用な、多方向スプレーを作り出すための複数オリフィス設計;ならびに、角度付きまたは特徴付与されたスコープフェースを乾燥させるシステムの能力を向上させるために複数の乾燥ポートを提供するための、主管腔からの小さな分枝(フローを低減させる本来的な制約を有する)の使用。
【0096】
洗浄溶液のスプレーの確実化
いくつかの態様において、本開示は、スコープをクリーニングする際のスプレーの効率を向上させるための方法およびシステムに関する。既存のシステムにおいて、加圧された生理食塩水をオリフィスを通して送達することによってスプレーが作り出される可能性がある。生理食塩水の流量が低いと、スプレーエネルギーが大幅に低減して、生理食塩水がスプレーではなく流れとしてノズルから流出するようになる。これを克服して低流量の使用を可能にするために、生理食塩水の圧力を増大させることおよびオリフィス直径を低減させることが可能であるが、これはシステムの複雑性を高める。
【0097】
図16A~16Bに、術中内視鏡クリーニングシステム用の例示的なトロカール400を示す。図に示すように、トロカール400は、延在し遠位端で終端している細長で中空のチューブ部分を有するメインボディを含んでいてもよい。チューブ部分は内視鏡414を受けるように構成されたキャビティを画定する。ガスインレットポートがメインボディを通って配されてもよく、かつ加圧ガス(例えばCO
2)を選択的に受けるように構成されてもよい。流体インレットポートがメインボディを通って配されてもよく、かつ洗浄溶液を選択的に受けるように構成されてもよい。洗浄用オリフィス404がメインボディのチューブ部分内に配されてもよく、そして、洗浄溶液を受けるために、かつ洗浄溶液がキャビティに向かって流れることを可能にするために、流体インレットポートと流体連絡して配されてもよい。第一のガス用オリフィス402が洗浄用オリフィス404とメインボディの遠位端との間でメインボディのチューブ部分内に配されてもよく、そして、加圧を受けるため、かつ加圧ガスがキャビティに向かって流れることを可能にするために、ガスインレットポートと流体連絡して配されてもよい。第二のガス用オリフィス406が洗浄用オリフィス404の近傍でメインボディのチューブ部分内に配されてもよく、そして、加圧ガスを受けるため、かつ、加圧ガスがキャビティに向かって流れることおよび洗浄溶液の少なくとも一部分をキャビティ内で霧化することを可能にするために、ガスインレットポートと流体連絡して配されてもよい。流体インレットポートと洗浄用オリフィス404との間に流体連絡を提供するために、それらの間に流体チャネルまたは洗浄用チャネル410が連結されてもよい。ガスインレットポートと、第一のガス用オリフィス402もしくは第二のガス用オリフィス406のうち1つまたは複数との間に流体連絡を提供するために、それらの間に流体チャネルまたはガスチャネル412(例えばガス用管腔)が連結されてもよい。
【0098】
追加的または代替的に、そして洗浄用オリフィス404から第二のガス用オリフィス406までの洗浄溶液の送達を制御する目的の例として、両ポート404、406を接続する凹部またはチャネル408が存在してもよい。この方式において、洗浄用オリフィス404からの溶液は、霧化されてスプレーになるようにガス用オリフィス406に優先的にチャネル送達される。しかし
図16Eに示すように、トロカールは
図16Aに示した凹部408を含んでいなくてもよい。
【0099】
使用において、内視鏡414Aは洗浄ポジションにあってもよく、そして、ガスのフロー407によって少なくとも部分的に霧化されてもよい洗浄溶液のスプレー405に当てられてもよい。内視鏡414Bは乾燥ポジションにあってもよく、そして乾燥のためにガスのバースト403に当てられてもよい。
【0100】
図16Cに示すように、流体インレットポートと洗浄用オリフィス404との間に流体連絡を提供するために、それらの間に洗浄用チャネル410が連結されてもよく、かつ、ガスインレットポートと、第一のガス用オリフィス402もしくは第二のガス用オリフィス406のうち1つまたは複数との間に流体連絡を提供するために、それらの間にガスチャネル412(例えばガス用管腔)が連結されてもよく、ここでガスチャネル412の少なくとも一部分は洗浄用チャネル410の一部分に平行である。凹部408はさまざまな形状を有してもよく、そしてオリフィス404、406のうち1つまたは複数の、近傍または付近に形成されてもよい。
【0101】
代替的に、
図16Dに示すように、流体インレットポートと洗浄用オリフィス404との間に流体連絡を提供するために、それらの間に洗浄用チャネル410が連結されてもよく、かつ、ガスインレットポートと、第一のガス用オリフィス402'もしくは第二のガス用オリフィス406A、406B、406Cのうち1つまたは複数との間に流体連絡を提供するために、それらの間にガスチャネル412'が連結されてもよく、ここでガスチャネル412'の少なくとも一部分は洗浄用チャネル410の少なくとも一部分を囲むように形状付与される。複数のガス用オリフィス(ポート)406A、406B、406Cは洗浄用オリフィス404の近傍に配されてもよい。
【0102】
ガス用オリフィス406、406A、406B、406Cは、例えば加圧ガスのフローを受けるために、乾燥ガス用流体チャネル412、412'に接続されてもよい。ガス乾燥用ポート402が洗浄溶液(例えば生理食塩水、生体適合性の緩衝溶液など)のフローと同時に起動されるならば、追加のガスポート406、406A、406B、406Cは洗浄溶液を霧化して強力なスプレーにするうえで非常に効果的である可能性がある。このことは、低い圧力および流量の生理食塩水で強力なスプレーを作り出すための実際的なソリューションを提供する。この設計の別の態様では、既存のガスチャネル設計とは独立した専用のガスチャネルを用いる。これは、ガスを乾燥用ガスとは独立に起動でき、かつスプレーを向上させるための最適なガス圧および流量に構成できるので、複数の利点を有するが、システムの複雑性の増大を伴う可能性がある。
【0103】
洗浄スプレーがトロカール内部で合体する可能性があり、下部のガスポート上に流れる潜在可能性を有することが観察されている。これは洗浄サイクルの終わりに生じるのが典型的であり、ゆえに乾燥プロセス中にガス乾燥用ポート上に溶液が流れて、結果としてスプレーが生じる。本明細書に説明するいくつかの態様において、洗浄溶液がトロカール内部で合体して、乾燥中にガスポートを通り過ぎて流れる可能性がある。これはクリーニングの乾燥ステージを損ね得るスプレーを生じさせる。CO2ガスがスコープを効果的に乾燥させるまでには、すべての生理食塩水洗浄液を除去するためにガスが長時間流れなければならないからである。
【0104】
本開示において、トロカール内の生理食塩水が乾燥中に霧化されることを防ぐかまたは低減させる、その問題に対するソリューションを詳述する。
図17A~17Dに、術中内視鏡クリーニングシステム用の例示的なトロカール500を示す。図に示すように、トロカール500は、延在し遠位端で終端している細長で中空のチューブ部分を有するメインボディを含んでいてもよい。チューブ部分は内視鏡を受けるように構成されたキャビティを画定する。洗浄用オリフィス504がメインボディのチューブ部分内に配されてもよい。ガス用オリフィス502が洗浄用オリフィス504とメインボディの遠位端との間でメインボディのチューブ部分内に配されてもよい。流体インレットポートと洗浄用オリフィス504との間に流体連絡を提供するために、それらの間に流体チャネル510が連結されてもよい。ガスインレットポートと、ガス用オリフィス502のうち1つまたは複数との間に流体連絡を提供するために、それらの間に流体チャネル512が連結されてもよい。洗浄溶液などの残留流体501がガス用オリフィス502上まで洗浄することを防ぐために、ガス用オリフィス502は、キャビティを画定するメインボディの表面522に対して高くされた隆起524を有してもよい。代替的または追加的に、
図17Dに示すように、洗浄溶液をガス用オリフィス502から逸らすためにガス用オリフィス502の近傍にチャネル520が配されてもよい。追加的または代替的に、洗浄がガス用オリフィス502上およびガスインレットポート上まで吸い上げられることを防ぐためにガス用オリフィス502のエリアに疎水性コーティングが適用されてもよい。
【0105】
本発明のさらなる態様
本開示によって企図される他の対象事項を、以下の番号付きの態様において述べる。
【0106】
1.
術中内視鏡クリーニングシステム用のトロカールであって、以下を含む、トロカール:
メインボディであって、
ヘッド部分と、
内視鏡を受けるように構成されたキャビティを画定する、ヘッド部分から延在してメインボディの遠位端で終端している細長で中空のチューブ部分と
を含む、メインボディ;
メインボディのヘッド部分を通って配された、かつ洗浄溶液、ガス、またはその両方を選択的に受けるように構成された、単一のインレットポート;
メインボディのチューブ部分の中または近傍に配された、かつインレットポートから洗浄溶液、ガス、またはその両方を受けるためにインレットポートと流体連絡して配された、単一の流体チャネル;
メインボディのチューブ部分の遠位端の近傍に配された、そして、洗浄溶液、ガス、またはその両方を流体チャネルから受けるために、かつ洗浄溶液、ガス、またはその両方がキャビティに向かって流れることを可能にするために、流体チャネルと流体連絡して配された、単一のクリーニング用オリフィス;および
クリーニング用オリフィスとメインボディのヘッド部分との間でメインボディのチューブ部分の上または中に配された、キャビティ内での内視鏡のポジションを感知するように構成された、1つまたは複数のセンサー。
【0107】
2.
メインボディのチューブ部分の遠位端が、
第一の縁部と、第一の縁部に対向した第二の縁部とを有する、形状付与された端部
を含み、
第一の縁部は、第二の縁部より遠くヘッド部分から延在している、
態様1記載のトロカール。
【0108】
3.
クリーニング用オリフィスが第一の縁部の近傍に配されている、態様2記載のトロカール。
【0109】
4.
クリーニング用オリフィスが、メインボディのチューブ部分の少なくとも一部を通って形成された角度付きポートを含む、態様3記載のトロカール。
【0110】
5.
単一のクリーニング用オリフィスが、壁薄のオリフィスを含む、態様1記載のトロカール。
【0111】
6.
単一のクリーニング用オリフィスが、形状付与されたオリフィス設計を含む、態様1記載のトロカール。
【0112】
7.
クリーニング用オリフィスが、メインボディのチューブ部分の少なくとも一部を通って形成された角度付きポートを含む、態様1記載のトロカール。
【0113】
8.
前記1つまたは複数のセンサーが、流体チャネルの近傍に配された、態様1記載のトロカール。
【0114】
9.
前記1つまたは複数のセンサーが、可撓性の回路基板を含む、態様1記載のトロカール。
【0115】
10.
前記1つまたは複数のセンサーが、自己較正式である、態様1記載のトロカール。
【0116】
11.
前記1つまたは複数のセンサーと連結された1つまたは複数のレンズ
をさらに含む、態様1記載のトロカール。
【0117】
12.
メインボディのヘッド部分を通って配された、かつバルクヘッドコネクターを受けるように構成された、コネクターポート
をさらに含む、態様1記載のトロカール。
【0118】
13.
流体チャネルを画定する内壁が、滑らかで妨げられていない縁部を含む、態様1記載のトロカール。
【0119】
14.
術中内視鏡クリーニングシステム用のトロカールであって、以下を含む、トロカール:
メインボディであって、
ヘッド部分と、
内視鏡を受けるように構成されたキャビティを画定する、ヘッド部分から延在してメインボディの遠位端で終端している細長で中空のチューブ部分と
を含む、メインボディ;
メインボディのヘッド部分を通って配された、かつ洗浄溶液および乾燥用ガスを交互に受けるように構成された、インレットポート;
メインボディのチューブ部分の中または近傍に配された、かつインレットポートから洗浄溶液および乾燥用ガスを交互に受けるためにインレットポートと流体連絡して配された、流体チャネル;
メインボディのチューブ部分の遠位端の近傍に配された、そして、洗浄溶液および乾燥用ガスを交互に受けるために、かつ洗浄溶液および乾燥用ガスがキャビティに向かって流れることを可能にするために、流体チャネルと流体連絡して配された、クリーニング用オリフィス;ならびに
クリーニング用オリフィスとメインボディのヘッド部分との間でメインボディのチューブ部分の上または中に配された、キャビティ内での内視鏡のポジションを感知するように構成された、1つまたは複数のセンサー。
【0120】
15.
メインボディのチューブ部分の遠位端が、
第一の縁部と、第一の縁部に対向した第二の縁部とを有する、角度付きの端部
を含み、
第一の縁部は、第二の縁部より遠くヘッド部分から延在しており、
クリーニング用オリフィスは第一の縁部の近傍に配されている、
態様14記載のトロカール。
【0121】
16.
クリーニング用オリフィスが、メインボディのチューブ部分の少なくとも一部を通って形成された角度付きポートを含む、態様15記載のトロカール。
【0122】
17.
クリーニング用オリフィスが、壁薄のオリフィスを含む、態様14記載のトロカール。
【0123】
18.
クリーニング用オリフィスが、形状付与されたオリフィス設計を含む、態様14記載のトロカール。
【0124】
19.
クリーニング用オリフィスが、メインボディのチューブ部分の少なくとも一部を通って形成された角度付きポートを含む、態様14記載のトロカール。
【0125】
20.
前記1つまたは複数のセンサーが、流体チャネルの近傍に配された、態様14記載のトロカール。
【0126】
21.
前記1つまたは複数のセンサーが、可撓性の回路基板を含む、態様14記載のトロカール。
【0127】
22.
前記1つまたは複数のセンサーが、自己較正式である、態様14記載のトロカール。
【0128】
23.
前記1つまたは複数のセンサーと連結された1つまたは複数のレンズ
をさらに含む、態様14記載のトロカール。
【0129】
24.
メインボディのヘッド部分を通って配された、かつバルクヘッドコネクターを受けるように構成された、コネクターポート
をさらに含む、態様14記載のトロカール。
【0130】
25.
流体チャネルを画定する内壁が、滑らかで妨げられていない縁部を含む、態様14記載のトロカール。
【0131】
26.
術中内視鏡クリーニングシステムであって、以下を含む、術中内視鏡クリーニングシステム:
制御ユニット;
洗浄溶液リザーバー;
制御ユニットに接続されたガス供給源;ならびに
内視鏡を患者体内に通しやすくするためかつ使用中に内視鏡をクリーニングするために構成された、制御ユニットおよび洗浄溶液リザーバーに接続されたトロカールであって、以下:
メインボディであって、
ヘッド部分と、
内視鏡を受けるように構成されたキャビティを画定する、ヘッド部分から延在してメインボディの遠位端で終端している細長で中空のチューブ部分と
を含む、メインボディと、
メインボディのヘッド部分を通って配された、かつ洗浄溶液リザーバーからの洗浄溶液、ガス供給源からのガス、またはその両方を選択的に受けるように構成された、単一のインレットポートと、
メインボディのチューブ部分の中または近傍に配された、かつインレットポートから洗浄溶液、ガス、またはその両方を受けるためにインレットポートと流体連絡して配された、単一の流体チャネルと、
メインボディのチューブ部分の遠位端の近傍に配された、そして、洗浄溶液、ガス、またはその両方を流体チャネルから受けるために、かつ洗浄溶液、ガス、またはその両方がキャビティに向かって流れることを可能にするために、流体チャネルと流体連絡して配された、単一のクリーニング用オリフィスと、
クリーニング用オリフィスとメインボディのヘッド部分との間でメインボディのチューブ部分の上または中に配された、キャビティ内での内視鏡のポジションを感知するように構成された、1つまたは複数のセンサーと
をさらに含む、トロカール。
【0132】
27.
メインボディのチューブ部分の遠位端が、
第一の縁部と、第一の縁部に対向した第二の縁部とを有する、角度付きの端部
を含み、
第一の縁部は、第二の縁部より遠くヘッド部分から延在している、
態様26記載のシステム。
【0133】
28.
クリーニング用オリフィスが第一の縁部の近傍に配された、態様27記載のシステム。
【0134】
29.
クリーニング用オリフィスが、メインボディのチューブ部分の少なくとも一部を通って形成された角度付きポートを含む、態様28記載のシステム。
【0135】
30.
クリーニング用オリフィスが、壁薄のオリフィスを含む、態様26記載のシステム。
【0136】
31.
クリーニング用オリフィスが、形状付与されたオリフィス設計を含む、態様26記載のシステム。
【0137】
32.
クリーニング用オリフィスが、メインボディのチューブ部分の少なくとも一部を通って形成された角度付きポートを含む、態様26記載のシステム。
【0138】
33.
前記1つまたは複数のセンサーが、流体チャネルの近傍に配された、態様26記載のシステム。
【0139】
34.
前記1つまたは複数のセンサーが、可撓性の回路基板を含む、態様26記載のシステム。
【0140】
35.
前記1つまたは複数のセンサーが、自己較正式である、態様26記載のトロカール。
【0141】
36.
前記1つまたは複数のセンサーと連結された1つまたは複数のレンズ
をさらに含む、態様26記載のトロカール。
【0142】
37.
メインボディのヘッド部分を通って配された、かつバルクヘッドコネクターを受けるように構成された、コネクターポート
をさらに含む、態様26記載のシステム。
【0143】
38.
ガスが、二酸化炭素を含む、態様26記載のシステム。
【0144】
39.
洗浄溶液が、生体適合性の界面活性剤を含む緩衝溶液を含む、態様26記載のシステム。
【0145】
40.
前記1つまたは複数のセンサーが制御ユニットと連絡しており、かつ制御ユニットが、前記1つまたは複数のセンサーから受けたフィードバックに応答して1つまたは複数のクリーニングプロセスを実行するように構成されている、態様26記載のシステム。
【0146】
41.
制御ユニットが、内視鏡のポジションに関して視覚的または聴覚的なフィードバックを提供するようにさらに構成されている、態様40記載のシステム。
【0147】
42.
前記1つまたは複数のクリーニングプロセスが、曇り取りのオペレーションを含む、態様40記載のシステム。
【0148】
43.
曇り取りのオペレーションが、クリーニング用オリフィスを通してガスのバーストを噴出する段階を含む、態様42記載のシステム。
【0149】
44.
内視鏡がチューブ部分内に引き込まれかつ前記1つまたは複数のセンサーのうち最遠位のセンサーを通り過ぎた際に、曇り取りのオペレーションがトリガーされる、態様43記載のシステム。
【0150】
45.
前記1つまたは複数のクリーニングプロセスが、プライミングのオペレーションを含む、態様40記載のシステム。
【0151】
46.
プライミングのオペレーションが、ある量の洗浄溶液を流体チャネル内にロードする段階を含む、態様45記載のシステム。
【0152】
47.
内視鏡が閾値を超えてチューブ部分内に引き込まれた際に、プライミングのオペレーションがトリガーされる、態様45記載のシステム。
【0153】
48.
前記1つまたは複数のクリーニングプロセスが、洗浄および乾燥のオペレーションを含む、態様40記載のシステム。
【0154】
49.
洗浄および乾燥のオペレーションが、クリーニング用オリフィスから洗浄溶液を噴出し、続いて乾燥のためにガスを噴出する段階を含む、態様48記載のシステム。
【0155】
50.
洗浄および乾燥のオペレーションが、5秒未満である、態様49記載のシステム。
【0156】
51.
前記1つまたは複数のセンサーが制御ユニットと連絡しており、かつ制御ユニットが、前記1つまたは複数のセンサーから受けたフィードバックに応答して1つまたは複数のクリーニングプロセスを自動的に実行するように構成されている、態様26記載のシステム。
【0157】
52.
制御ユニットが、内視鏡のポジションに関して視覚的または聴覚的なフィードバックを提供するようにさらに構成されている、態様51記載のシステム。
【0158】
53.
手技中に内視鏡をクリーニングするための方法であって、
該方法が、以下の段階:
トロカールを利用する段階であって、該トロカールが、
内視鏡を受けるためのキャビティを画定するメインボディと、
メインボディの遠位端の近傍に配された、かつ流体チャネルから洗浄溶液、乾燥用ガス、またはその両方を受けるために流体チャネルと流体連絡して配された、単一のクリーニング用オリフィスと、
内視鏡のポジションを感知するためにメインの上または中に配された、1つまたは複数のセンサーと
を含む、段階
を含み、
該方法が、以下の段階:
キャビティをプライミングする段階;
内視鏡を洗浄する段階;および
内視鏡を乾燥させる段階
を含む、方法。
【0159】
54.
内視鏡の曇りを取る段階をさらに含み、
曇りを取る段階が、クリーニング用オリフィスを通してガスのバーストを噴出することを含む、
態様53記載の方法。
【0160】
55.
内視鏡がメインボディ内に引き込まれかつ前記1つまたは複数のセンサーのうち最遠位のセンサーを通り過ぎた際に、曇りを取る段階がトリガーされる、態様54記載の方法。
【0161】
56.
前記1つまたは複数のセンサーが、自己較正式である、態様53記載の方法。
【0162】
57.
前記1つまたは複数のセンサーと連結された1つまたは複数のレンズ
をさらに含む、態様53記載の方法。
【0163】
58.
プライミングする段階が、クリーニング用オリフィスを通してある量の洗浄溶液を噴出することを含む、態様53記載の方法。
【0164】
59.
内視鏡が閾値を超えてメインボディ内に引き込まれた際に、プライミングする段階がトリガーされる、態様53記載の方法。
【0165】
60.
曇りを取る段階、プライミングする段階、洗浄する段階、および乾燥させる段階のうち、1つまたは複数が自動的に実行される、態様53記載の方法。
【0166】
61.
トロカールを利用して内視鏡の曇りを取る段階を含む、手技中に内視鏡をクリーニングするための方法であって、
該トロカールが、
内視鏡を受けるためのキャビティを画定するメインボディと、
メインボディの遠位端の近傍に配された、かつ流体チャネルから洗浄溶液、乾燥用ガス、またはその両方を受けるために流体チャネルと流体連絡して配された、単一のクリーニング用オリフィスと、
内視鏡のポジションを感知するためにメインの上または中に配された、1つまたは複数のセンサーと
を含む、方法。
【0167】
62.
曇りを取る段階が、クリーニング用オリフィスを通してガスのバーストを噴出することを含む、態様61記載の方法。
【0168】
63.
内視鏡がメインボディ内に引き込まれかつ前記1つまたは複数のセンサーのうち最遠位のセンサーを通り過ぎた際に、曇りを取る段階がトリガーされる、態様62記載の方法。
【0169】
64.
前記1つまたは複数のセンサーが、自己較正式である、態様61記載の方法。
【0170】
65.
前記1つまたは複数のセンサーと連結された1つまたは複数のレンズ
をさらに含む、態様61記載の方法。
【0171】
66.
術中内視鏡クリーニングシステム用のトロカールであって、以下を含む、トロカール:
内視鏡を受けるように構成されたキャビティを画定する、延在し遠位端で終端している細長で中空のチューブ部分
を含む、メインボディ;
メインボディのチューブ部分内に配された、かつ洗浄溶液がキャビティに向かって流れることを可能にするように構成された、洗浄用オリフィス;
洗浄用オリフィスとメインボディの遠位端との間でメインボディのチューブ部分内に配された、かつ加圧ガスがキャビティに向かって流れることを可能にするように構成された、第一のガス用オリフィス;および
洗浄用オリフィスの近傍でメインボディのチューブ部分内に配された、そして、加圧ガスがキャビティに向かって流れることを可能にするように、かつ洗浄溶液の少なくとも一部分をキャビティ内で霧化するように構成された、第二のガス用オリフィス。
【0172】
67.
流体インレットポートと洗浄用オリフィスとの間に流体連絡を提供するために、それらの間に連結された流体チャネル
をさらに含む、態様66記載のトロカール。
【0173】
68.
ガスインレットポートと、第一のガス用オリフィスもしくは第二のガス用オリフィスのうち1つまたは複数との間に流体連絡を提供するために、それらの間に連結された流体チャネル
をさらに含む、態様66記載のトロカール。
【0174】
69.
流体インレットポートと洗浄用オリフィスとの間に流体連絡を提供するために、それらの間に連結された洗浄用チャネル;および
ガスインレットポートと、第一のガス用オリフィスもしくは第二のガス用オリフィスのうち1つまたは複数との間に流体連絡を提供するために、それらの間に連結されたガスチャネル
をさらに含み、
ガスチャネルの少なくとも一部分が、洗浄用チャネルの一部分に平行である、
態様66記載のトロカール。
【0175】
70.
流体インレットポートと洗浄用オリフィスとの間に流体連絡を提供するために、それらの間に連結された洗浄用チャネル;および
ガスインレットポートと、第一のガス用オリフィスもしくは第二のガス用オリフィスのうち1つまたは複数との間に流体連絡を提供するために、それらの間に連結されたガスチャネル
をさらに含み、
ガスチャネルの少なくとも一部分が、洗浄用チャネルの少なくとも一部分を囲むように形状付与されている、
態様66記載のトロカール。
【0176】
71.
ガスチャネルと連絡して配された、1つまたは複数の第三のガス用オリフィス
をさらに含む、態様70記載のトロカール。
【0177】
72.
第一のガス用オリフィスが、メインボディの壁の近傍部分に対して高くされた隆起を含む、態様66記載のトロカール。
【0178】
73.
第一のガス用オリフィスの近傍に形成された、流体を第一のガス用オリフィスから遠ざけて方向付けるように構成された、チャネル
をさらに含む、態様66記載のトロカール。
【0179】
74.
メインボディのチューブ部分の遠位端が、
第一の縁部と、第一の縁部に対向した第二の縁部とを有する、形状付与された端部
を含み、
第一の縁部は、第二の縁部より遠くヘッド部分から延在している、
態様66記載のトロカール。
【0180】
75.
洗浄用オリフィスが、メインボディのチューブ部分の少なくとも一部を通って形成された角度付きポートを含む、態様66記載のトロカール。
【0181】
76.
第一のガス用オリフィスもしくは第二のガス用オリフィスのうち1つまたは複数が、メインボディのチューブ部分の少なくとも一部を通って形成された角度付きポートを含む、態様66記載のトロカール。
【0182】
77.
キャビティの近傍に配された、内視鏡がキャビティ内に配されている間に内視鏡の一部分に対してシールするように構成された、1つまたは複数のシール
をさらに含む、態様66記載のトロカール。
【0183】
78.
前記1つまたは複数のシールが、リップシールを含む、態様77記載のトロカール。
【0184】
79.
前記1つまたは複数のシールが、第一のガス用オリフィスと洗浄用オリフィスとの間に配された、態様77記載のトロカール。
【0185】
80.
前記1つまたは複数のシールが、洗浄用オリフィスの近傍に、かつ第一のガス用オリフィスから間隔を空けて配された、態様77記載のトロカール。
【0186】
81.
第二のガス用オリフィスが、近位側より遠位側で高くなるガスフローを引き起こすように構成された、態様66記載のトロカール。
【0187】
82.
メインボディを通って形成された、1つまたは複数のベントアパーチャー
をさらに含む、態様66記載のトロカール。
【0188】
83.
前記1つまたは複数のベントアパーチャーの近傍に配された、メインボディ上に形成されキャビティ内に内向きに延在する突起
をさらに含む、態様82記載のトロカール。
【0189】
84.
術中内視鏡クリーニングシステムであって、以下:
態様66のトロカール;
トロカールへの流体のフローを制御するように構成された、制御ユニット;
洗浄用オリフィスと流体連絡した、洗浄溶液リザーバー;および
第一のガス用オリフィスもしくは第二のガス用オリフィスのうち1つまたは複数と流体連絡した、ガス供給源
を含む、システム。
【0190】
85.
術中内視鏡クリーニングシステム用のトロカールであって、以下を含む、トロカール:
内視鏡を受けるように構成されたキャビティを画定する、延在し遠位端で終端している細長で中空のチューブ部分
を含む、メインボディ;
メインボディのチューブ部分内に配された、かつ洗浄溶液がキャビティに向かって流れることを可能にするように構成された、洗浄用オリフィス;
洗浄用オリフィスとメインボディの遠位端との間でメインボディのチューブ部分内に配された、かつ加圧ガスがキャビティに向かって流れることを可能にするように構成された、ガス用オリフィス;および、
洗浄用オリフィスの近傍でメインボディのチューブ部分内に配された、かつキャビティから流体を受けるように構成された、サクション用オリフィス。
【0191】
86.
流体インレットポートと洗浄用オリフィスとの間に流体連絡を提供するために、それらの間に連結された流体チャネル
をさらに含む、態様85記載のトロカール。
【0192】
87.
ガスインレットポートと第一のガス用オリフィスとの間に流体連絡を提供するために、それらの間に連結された流体チャネル
をさらに含む、態様85記載のトロカール。
【0193】
88.
流体インレットポートと洗浄用オリフィスとの間に流体連絡を提供するために、それらの間に連結された洗浄用チャネル、および
ガスインレットポートとガスとの間に流体連絡を提供するために、それらの間に連結されたガスチャネル
をさらに含み、
ガスチャネルの少なくとも一部分が、洗浄用チャネルの一部分に平行である、
態様85記載のトロカール。
【0194】
89.
ガス用オリフィスが、メインボディの壁の近傍部分に対して高くされた隆起を含む、態様85記載のトロカール。
【0195】
90.
第一のガス用オリフィスの近傍に形成された、流体をガス用オリフィスから遠ざけて方向付けるように構成された、チャネル
をさらに含む、態様85記載のトロカール。
【0196】
91.
メインボディのチューブ部分の遠位端が、
第一の縁部と、第一の縁部に対向した第二の縁部とを有する、形状付与された端部
を含み、
第一の縁部は、第二の縁部より遠くヘッド部分から延在している、
態様85記載のトロカール。
【0197】
92.
洗浄用オリフィスが、メインボディのチューブ部分の少なくとも一部を通って形成された角度付きポートを含む、態様85記載のトロカール。
【0198】
93.
第一のガス用オリフィスが、メインボディのチューブ部分の少なくとも一部を通って形成された角度付きポートを含む、態様85記載のトロカール。
【0199】
94.
キャビティの近傍に配された、内視鏡がキャビティ内に配されている間に内視鏡の一部分に対してシールするように構成された、1つまたは複数のシール
をさらに含む、態様85記載のトロカール。
【0200】
95.
前記1つまたは複数のシールが、リップシールを含む、態様94記載のトロカール。
【0201】
96.
前記1つまたは複数のシールが、ガス用オリフィスと洗浄用オリフィスとの間に配された、態様94記載のトロカール。
【0202】
97.
前記1つまたは複数のシールが、洗浄用オリフィスの近傍に、かつガス用オリフィスから間隔を空けて配された、態様94記載のトロカール。
【0203】
98.
メインボディを通って形成された、1つまたは複数のベントアパーチャー
をさらに含む、態様85記載のトロカール。
【0204】
99.
前記1つまたは複数のベントアパーチャーの近傍に配された、メインボディ上に形成されキャビティ内に内向きに延在する突起
をさらに含む、態様98記載のトロカール。
【0205】
100.
術中内視鏡クリーニングシステムであって、以下:
態様20のトロカール;
トロカールへの流体のフローを制御するように構成された、制御ユニット;
洗浄用オリフィスと流体連絡した、洗浄溶液リザーバー;および
第一のガス用オリフィスもしくは第二のガス用オリフィスのうち1つまたは複数と流体連絡した、ガス供給源
を含む、システム。
【0206】
101.
手技中に内視鏡をクリーニングするための方法であって、
該方法が、以下の段階:
トロカールを利用する段階であって、該トロカールが、
内視鏡を受けるためのキャビティを画定するメインボディと、
メインボディ内に配された、かつ洗浄溶液のフローがキャビティ内に入るのを可能にするように構成された、洗浄用オリフィスと
メインボディの遠位端と洗浄用オリフィスとの間に配された、ガスのフローがキャビティ内に入るのを可能にするように構成された、ガス用オリフィスと
を含む、段階
を含み、
該方法が、以下の段階:
内視鏡を洗浄する段階;
内視鏡を乾燥させる段階;および
内視鏡上もしくはキャビティ内、またはその両方の残留流体を管理する段階
を含む、方法。
【0207】
102.
残留流体を管理する段階が、方法の洗浄および乾燥フェーズ中に洗浄溶液を区画化するために物理的なシールを使用することを含む、態様101記載の方法。
【0208】
103.
残留流体を管理する段階が、方法の洗浄および乾燥フェーズ中にトロカールに進入する残留洗浄溶液を抜き取るためにサクションを使用することを含む、態様101記載の方法。
【0209】
104.
残留流体を管理する段階が、方法の洗浄および乾燥フェーズ中に洗浄溶液の進入を防ぐために後方ガス圧を使用することを含む、態様101記載の方法。
【0210】
105.
残留流体を管理する段階が、方法の洗浄および乾燥フェーズ中に洗浄溶液の進入を防ぐために後方ガスシールを使用することを含む、態様101記載の方法。
【0211】
106.
残留流体を管理する段階が、方法の洗浄および乾燥フェーズ中に洗浄溶液がトロカールを通過して出ることを受動的に可能にするためにベントを使用することを含む、態様101記載の方法。
【0212】
107.
残留流体を管理する段階が、方法の洗浄および乾燥フェーズ中に洗浄溶液がトロカールを通過して出ることを受動的に可能にするためにドレインおよびリブを使用することを含む、態様101記載の方法。
【0213】
例示的態様について図示および説明したが、説明および図示した具体的な設計および方法からの逸脱も当業者に示唆されること、そして本開示の精神および範囲から逸脱することなく用いられ得ることが明らかである。本開示は、説明および例証した特定の構築様式に制限されるわけではなく、添付の特許請求の範囲内に入り得るすべての改変と整合するように構築されるべきである。これも留意される点として、より効果的なソリューションを提供するために1つより多いソリューションが同時に用いられてもよいように、上述のソリューションの多くは相補的である。
【0214】
本明細書において用いる「約(about)」および/または「およそ(approximately)」という用語が、数値および/または範囲とともに用いられる時は、概して、具陳された数値および/または範囲に近い、数値および/または範囲を指す。いくつかの場合において、「約」および「およそ」という用語は、具陳された値の±10%以内を意味する可能性がある。例えばいくつかの場合において、「約100[単位]」は、100の±10%以内(例えば90~110)を意味する可能性がある。「約」および「およそ」という用語は、交換可能なものとして用いられ得る。
【0215】
そしてまた、開示されるさまざまな概念が、以上にその例を提供した1つまたは複数の方法として具現化されてもよい。方法の一部として行われる行為が任意の好適な方式で順序づけされてもよい。したがって、例証したものと異なる順序で行為が行われる態様が構築されてもよく、それには、例証的態様において逐次的な行為として示されたものであってもいくつかの行為を同時に行うことも含まれ得る。
【国際調査報告】