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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-23
(54)【発明の名称】基板処理装置および基板処理方法
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/46 20060101AFI20240416BHJP
   C23C 14/54 20060101ALI20240416BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20240416BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
C23C16/46
C23C14/54 D
H01L21/205
H01L21/302 101G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568515
(86)(22)【出願日】2022-04-28
(85)【翻訳文提出日】2023-11-07
(86)【国際出願番号】 KR2022006093
(87)【国際公開番号】W WO2022235010
(87)【国際公開日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】10-2021-0059361
(32)【優先日】2021-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510149600
【氏名又は名称】ジュソン エンジニアリング カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョン タ ウン
(72)【発明者】
【氏名】パク イン ウ
(72)【発明者】
【氏名】チョン チン アン
【テーマコード(参考)】
4K029
4K030
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
4K029DA03
4K029DA08
4K029EA08
4K029JA02
4K030CA06
4K030EA03
4K030GA06
4K030HA17
4K030JA10
4K030KA23
4K030KA39
5F004BB25
5F004BB26
5F004CA04
5F004CB12
5F045DP03
5F045EF05
5F045EJ03
5F045EJ09
5F045EK07
5F045EM05
5F045GB05
(57)【要約】
チャンバ内の基板の温度をリアルタイムで測定することができる基板処理装置及び基板処理方法を提供する。本発明による基板処理装置及び基板処理方法は、基板の温度を測定するために基板上部に配置される第2測定部の数が、ヒータの温度を測定するためにヒータの下部に配置されるヒータ第1測定部の数よりも多い。少なく配置してプロセス状況でリアルタイムに基板の温度を算出することができ、これに基づいてヒータの温度を制御することにより基板全体の温度を均一にし、結果的に蒸着膜の厚さを均一にすることができ、蒸着工程の完成度を向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバー;
前記チャンバ内で基板を支持するサセプタ;
前記サセプタの下側に配置されたヒータ;
前記ヒータの温度を測定する少なくとも1つの第1測定部;及び
前記基板の温度を測定する少なくとも1つの第2測定部を含み、
前記第1測定部と前記第2測定部の数は異なる基板処理装置。
【請求項2】
前記第2測定部の数は、前記第1測定部の数より少ない請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記第2測定部は一定間隔で離隔されている請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項4】
第1領域の前記第1測定部及び前記第2測定部の測定値と、第3領域の前記第1測定部及び前記第2測定部の測定値とを用いて、前記第1領域前記第3領域の中間領域である第2領域の基板温度を算出する算出部を含む請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記算出部は、前記第1領域の前記第1測定部及び前記第2測定部の測定値と、前記第3領域の前記第1測定部及び前記第2測定部の測定値との差値および平均値の少なくとも1つの値を用いて第2領域の基板温度を算出する請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記算出部は、前記第2領域の第1測定部の測定値をさらに用いて第2領域の基板温度を算出する請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記サセプタは複数の基板を支持しながら回転可能であり、
前記第2測定部は、互いに異なる基板の上部に配置される請求項1~6のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項8】
第1の領域でヒータ温度と基板温度を測定する第1のステップ;
第3の領域でヒータ温度と基板温度を測定する第2のステップ; 及び
前記第1領域と第3領域の測定値を用いて、前記第1領域と第3領域の中間領域である第2領域の基板温度を算出する第3ステップを含む基板処理方法。
【請求項9】
前記第1領域及び第3領域のヒータ温度と基板温度との差値及び平均値の少なくとも一方の値を用いて、前記第2領域の基板温度を算出する請求項8に記載の基板処理方法。
【請求項10】
前記第2領域のヒータの温度を測定するステップをさらに含んで前記第2領域の基板温度を算出することを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
ヒーター温度を測定して保存する第1のステップ;
基板の温度を測定して保存する第2のステップ;
第1領域のヒータ温度測定値および基板温度測定値と、第3領域のヒータ測定値および基板温度測定値を用いて、前記第1領域と第3領域の中間領域である第2領域の基板温度を算出する第3ステップ;を含んでからなる基板処理方法。
【請求項12】
前記第1領域及び第3領域のヒータ温度と基板温度との差値及び平均値の少なくとも一方の値を用いて前記第2領域の基板温度を算出する請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第2領域のヒータ温度測定値をさらに用いて、前記第2領域の基板温度を算出する請求項11に記載の基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リアルタイムでチャンバ内の基板の温度を測定することができる基板処理装置及び処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体素子、表示装置及び薄膜太陽電池を製造するためには、基板に特定物質の薄膜を蒸着する薄膜蒸着工程、感光性物質を用いてこれらの薄膜のうち選択された領域を露出又は隠蔽するフォト工程、選択された領域の薄膜を除去してパターニングするエッチング工程などを経ることになる。これらの工程のうち薄膜蒸着工程及びエッチング工程等は真空状態に最適化された基板処理装置で進行する。
【0003】
真空状態に最適化された基板処理装置において、加熱手段を用いて基板を加熱し、チャンバの反応空間にプロセスガスを供給して薄膜蒸着工程またはエッチング工程を進行する。基板処理工程において、基板の温度が製品の品質に影響を与えるため、基板の温度を正確に測定しなければならない。基板全ての領域または基板の複数領域の温度を測定して基板の温度分布を測定することにより、工程の均一性を確保することがある。
【0004】
基板の全領域または複数の領域の温度を測定するためには、基板の測定対象領域に対応する位置に複数の温度測定装置を配置する必要がある。基板の上部空間に複数の温度測定装置を設置するための空間が必要であるため、空間的活用度を高めることができる基板処理装置及び基板処理方法に関する研究が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、チャンバ内の基板の温度をリアルタイムで測定することができる基板処理装置及び基板処理方法を提供することを目的とする。
【0006】
本発明の他の目的は、チャンバ内の基板の温度を均一にするための基板処理装置および基板処理方法を提供することである。
【0007】
本発明のもう一つの目的は、蒸着工程の完成度を高めることができる基板処理装置及び基板処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するための本発明による基板処理装置は、チャンバ; 前記チャンバ内で基板を支持するサセプタ;前記サセプタの下側に配置されたヒータ;前記ヒータの温度を測定する少なくとも1つの第1測定部;前記基板の温度を測定する少なくとも1つの第2測定部を含み、前記第1測定部と前記第2測定部の個数は異なり、第2測定部の個数が第1測定部の個数より少ないことが好ましい。
【0009】
本発明による基板処理装置は、前記第2測定部を一定間隔で離隔することがある。
【0010】
本発明に係る基板処理装置において、第1領域の前記第1測定部及び前記第2測定部の測定値と、第3領域の前記第1測定部及び前記第2測定部の測定値とを用いて、前記第1領域と前記第3領域との間の第2領域の基板温度を算出する算出部を含むことがある。
【0011】
本発明に係る基板処理装置において、前記算出部は、前記第1領域の前記第1測定部及び前記第2測定部の測定値と、第3領域の前記第1測定部及び前記第2測定部の測定値との差値および平均値のうちの少なくとも1つの値を用いて、前記第1領域と前記第3領域との間の第2領域の基板温度を算出することがある。
【0012】
本発明の他の実施形態による基板処理装置において、前記算出部は、前記第2領域の第1測定部の測定値をさらに用いることがある。
【0013】
本発明の他の実施形態による基板処理装置では、前記サセプタは複数の基板を支持しながら回転可能であり、前記第2測定部は互いに異なる基板の上部に配置されることがある。このとき、前記制御部は前記サセプタの回転速度を用いて前記第2測定部の動作を制御することが好ましい。
【0014】
本発明の一実施形態による基板処理方法は、第1領域でヒータ温度と基板温度を測定する第1ステップ;第3の領域でヒータ温度と基板温度を測定する第2のステップ;及び前記第1領域と第3領域との測定値を用いて、前記第1領域と第3領域の中間領域である第2領域の基板温度を算出する第3ステップを含むことがある。
【0015】
本発明の他の実施形態による基板処理方法は、ヒータ温度を測定して貯蔵する第1ステップ;基板の温度を測定して保存する第2のステップ;及び第1領域のヒータ温度測定値および基板温度測定値と、第3領域のヒータ測定値および基板温度測定値を用いて、第1領域と第3領域の中間領域である第2領域の基板温度と、算出する第3のステップを含むことがある。
【0016】
本発明に係る基板処理方法において、前記第1領域及び第3領域のヒータ温度と基板温度との差値及び平均値の少なくとも一方の値を用いて前記第2領域の基板温度を算出することがある。
【0017】
本発明の他の実施形態による基板処理方法は、ヒータ温度を測定して貯蔵する第1ステップ;基板の温度を測定して保存する第2ステップ;及び第1領域のヒータ温度測定値および基板温度測定値と、第3領域のヒータ測定値および基板温度測定値を用いて、前記第1領域と第3領域の中間領域である第2領域の基板温度と、算出する第3ステップ;を含むことがある。
【0018】
本発明による基板処理方法において、前記第2領域のヒータの温度測定値をさらに用いることもある。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る基板処理装置及び基板処理方法により、チャンバ内部の基板の温度をリアルタイムで測定することができ、測定された基板温度データを用いてヒータの温度を制御することにより、基板の温度均一性を向上させて蒸着工程の完成度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態に係る基板処理装置の一部構成をチャンバを中心に示す構成図である。
図2】本発明による基板処理装置の構成を概略的に示すブロック図である。
図3図1の構成による基板処理装置における第2測定部によって測定される基板の領域を示す例示図である。
図4】本発明の他の実施形態による基板処理装置の一部構成をチャンバを中心に示す構成図である。
図5図4の構成による基板処理装置における第2測定部によって測定される基板の領域を示す例示図である。
図6】本発明に係る基板処理装置における第1測定部と第2測定部の配置及び動作を説明するための例示図である。
図7】本発明の一実施形態による基板処理方法の進行過程を示すフローチャートである。
図8】本発明の他の実施形態による基板処理方法の進行過程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書に開示されている本発明の実施形態について、特定の構造的または機能的説明は本発明の実施形態を説明する目的のためにのみ例示されており、本発明の実施形態は様々な形態で実施することができ、本文に説明された実施形態に限定されることに解釈されるべきではない。
【0022】
本発明は、様々な変更を加えることができ、様々な形態を有することができるので、特定の実施形態を図面に例示し、本文に詳細に説明する。しかしながら、これは本発明を特定の開示形態に限定することを意図するものではなく、本発明の精神および技術の範囲に含まれるすべての変更、均等物から代替物を含むことを理解すべきである。
【0023】
第1、第2などの用語は様々な構成要素を説明するために使用することができるが、構成要素はその用語によって限定されない。用語は、ある構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用される。例えば、本発明の権利範囲から逸脱することなく、第1の構成要素を第2の構成要素と命名することがあり、同様に第2の構成要素も第1の構成要素と命名することがある。
【0024】
あるコンポーネントが他のコンポーネントに「接続されている」または「接続されている」と言及されている場合、他のコンポーネントに直接接続されているか、または接続されている可能性があるが、他のコンポーネントが中間に存在する可能性があることを理解すべきである。一方、ある構成要素が他の構成要素に「直接接続されている」または「直接接続されている」と言われる場合、中間に他の構成要素がないことを理解すべきである。構成要素間の関係を説明する他の表現、すなわち「~の間」と「すぐに~の間」または「~に隣接する」と「~に直接隣接する」なども同様に解釈されるべきである。
【0025】
本明細書で使用される用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに他に意味がない限り複数の表現を含む。本明細書において、「含む」または「有する」などの用語は、開示された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはそれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、1つまたは複数の他の特徴または数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはそれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性をあらかじめ排除しないものと理解されなければならない。
【0026】
別段の定義がない限り、技術的または科学的用語を含む本明細書で使用されるすべての用語は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般に理解されるのと同じ意味を表す。一般的に使用される辞書で定義されているような用語は、関連技術の文脈上の意味と一致する意味を表すものとして解釈されるべきであり、本出願で明確に定義されていない限り、理想的または過度に形式的な意味として解釈されるべきではない。
【0027】
以下、添付図面を参照して本発明による基板処理装置と処理方法について説明する。図1は本発明による基板処理装置の一部構成をチャンバを中心に示す構成図であり、図2は本発明による基板処理装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【0028】
本発明の一実施形態による基板処理装置100は、反応空間を備えたチャンバ110、チャンバ110内に設けられて基板10を支持するサセプタ120、前記サセプタ120の下部に配置されて前記サセプタ120を加熱するヒータ130、前記サセプタ120と対向するチャンバ110内の他方に設けられ、プロセスガスを噴射するガス噴射装置140、前記チャンバ110の外側に設けられて前記ガス噴射装置140にプロセスガスを供給するガス供給部150、チャンバ110の内部を排気するための排気部160とを含むことがある。
【0029】
チャンバ110は、チャンバ本体110bと前記チャンバ本体110bの上部に配置されたリード110aとの結合によって反応空間を提供する。前記チャンバ110は、基板10に蒸着工程のための空間が内部に形成される筒状に設けられることがある。このようなチャンバ110は、基板10の形状に応じて様々な形状で設けることがある。ここで、基板10としては、半導体製造用シリコン基板を用いることがあり、フラットパネルディスプレイ製造用ガラス基板を用いることもある。すなわち、シリコン基板など基板10が円形の場合、チャンバ110は断面が円形である円筒状に設けられことがあり、ガラス基板など基板10が正方形の場合、チャンバ110は断面が正方形の六面体である形状で設けることがある。
【0030】
サセプタ120とガス噴射装置140は、チャンバ110の内部で互いに対向するように設けられることがある。 例えば、サセプタ120がチャンバ110の下側に設けられ、ガス噴射装置140がチャンバ110の上側に設けられてもよい。また、チャンバ110の一側には、基板10が引き込するか引き出する基板出入口111が設けられる。また、チャンバ110には、チャンバ110の内部にプロセスガスを供給するガス供給部150に接続されたガス入口151が設けられる。
【0031】
また、チャンバ110にはチャンバ110の内部圧力を調整したり、プロセスガスその他チャンバ110内部の異物等を排気するために、チャンバ110の下部に設けられた排気口112に排気部160を接続することがある。
【0032】
例えば、基板出入口111は、チャンバ110の一側面に基板10が出入りできる程度の大きさで設けられるか、ガス入口151はチャンバ110の上壁を貫通して設けられるか、排気口112は、サセプタ120よりも低い位置のチャンバ110の下壁を貫通して設けられることがある。
【0033】
サセプタ120はチャンバ110の内部に設けられ、チャンバ100の内部に流入する少なくとも1つの基板10がその上に着座される。サセプタ120は、基板10が着座して支持されるように、例えば静電チャックなどが備えられ、基板10と静電気力により吸着を維持することもあり、真空吸着や機械的力により基板10を支持することもある。また、サセプタ120は、基板10の形状に対応する平面形状、例えば円形または四角形で設けることがあり、基板10よりも大きく作製することがある。
【0034】
サセプタ120の下部には、サセプタ120を上下に移動させる昇降装置121が設けられることがある。昇降装置121は、サセプタ120の少なくとも一つの領域、例えば中央部を支持するように設けられ、サセプタ120上に基板10が着座すると、サセプタ120をガス噴射装置140に近づくように動かす。
また、サセプタ120の下部または内部にヒータ130を取り付けることがある。ヒータ130は、所定の温度に発熱して基板10を加熱することにより、薄膜蒸着及び積層工程、エッチング工程等を基板10上で容易に実施するようにする。サセプタ120の内部には冷却水供給路(図示せず)が設けられ、冷却水が供給されて基板10の温度を下げることもある。
【0035】
ガス噴射装置140は、チャンバ110内の上側に設けられ、サセプタ120上に載置された基板10に向けてプロセスガスまたはパージガスを噴射する。このようなガス噴射装置140は、サセプタ120と同様に基板10の形状に対応する形状に作製することがあり、略円形または四角形に作製することがある。
【0036】
一方、本発明による基板処理装置100は、図2に示すようにチャンバ100の外部に配置された制御部180と算出部190とをさらに含むことがある。
【0037】
図1にも示すように、チャンバ110の内部には基板の下部に配置されて基板を加熱するヒータ130、ヒータ130の温度を測定するための第1測定部171が配置されることがある。チャンバ本体110bの上部に結合されたリード100aに第2測定部172を配置することがある。
【0038】
チャンバ110の外部には、制御部180及び算出部190が配置される。前記制御部180は、前記第1測定部171および第2測定部172を制御してそれぞれヒータ130および基板10の温度を測定することがある。前記制御部180は、前記第1測定部171および第2測定部172によって測定された温度データを記憶するためのメモリ181を含むことがある。これは一つの実施形態であり、前記メモリ181は制御部180の外部に配置されてもよい。
【0039】
算出部190は、前記メモリ181に記憶されたヒータ130及び基板10の温度測定値を用いて基板10の温度を算出することがある。
【0040】
前記第2測定部172は、基板の温度を測定するために、リードの上部に複数個が配置されることがある。前記第2測定部172は光学温度センサで構成することがある。代表的な例として赤外線温度計(Pyrometer)を使用することがある。前記第2測定部172は、基板の温度を測定できるように配置することがある。
【0041】
前記第1測定部171は、ヒータ130の下部に複数個が配置され、ヒータの複数領域の温度を測定することがある。
【0042】
本発明の実施形態において、前記第2測定部172の数は前記第1測定部171の数と異なり、好ましくは前記第2測定部172の数は第1測定部171の数より少なく配置することがある。
【0043】
図3は、図1の構成による基板処理装置において、第2測定部によって測定される基板の領域を示す例示図である。すなわち、サセプタ120上に配置された1つの基板10を使用するプロセスチャンバに適用した実施形態を示す。このとき、複数の第2測定部172によって測定される基板10の領域は、基板10の中心部172b及び前記中心部172bを中心に対称する基板の両側領域部172a、172cからなることがある。第1実施形態による第2測定部172は、リード110aの上部に配置されてもよい。
【0044】
図4は、本発明の他の実施形態による基板処理装置の構成のうちチャンバ内部の構成を示す例示図であり、図5図4の構成による基板処理装置において第2測定部によって測定される基板の領域を示す例示図である。
【0045】
本発明の他の実施形態は、サセプタ120の上部に複数の基板10を配置して工程を行う場合を示す。このとき、第2測定部172は、異なる基板の上部に配置されてもよい。すなわち、3つで構成された第2測定部172はそれぞれ互いに異なる基板の上部に配置することがある。このとき、図1の実施形態と同様に、1つの基板に対して3領域の温度を測定するために、一定間隔で一列に配置された実施形態とは異なり、本実施形態に係る第2測定部172はガス噴射装置140に形成された貫通孔(図示せず)を介してサセプタ120の上部に着座した複数の基板の温度を測定することがある。各第2測定部172は、互いに異なる基板10の上部に配置されて、互いに異なる領域における基板の温度を測定することがある。例えば、第2測定部172は、複数の領域172a、172b、172cの温度を測定することがある。このとき、制御部180は、同一基板の各領域の温度を測定するために、第2測定部172が基板10の回転周期に同期して動作するように制御することがある。すなわち、基板が回転しながら前記第2測定部172が配置された位置に再び到着する時点で第2測定部172が動作するように、制御部180で前記第2測定部172に動作印加信号を供給できる。
【0046】
一方、第2測定部172が常時動作してその下部に配置された基板10とサセプタ120の温度を測定し続ける方法も可能である。サセプタ120の温度は基板10の温度より比較的高い。これは、基板10がサセプタ120の上部に配置されて熱を伝達受けるからである。第2測定部172によって測定された複数の温度測定値は、基板10の温度測定値とサセプタ120の温度測定値に分類することがあり、そのうち基板10の温度測定値のみを使用することもある。
【0047】
図6は本発明に係る基板処理装置における第1測定部と第2測定部の配置及び動作を説明するための例示図である。以下の説明では、本発明の理解を容易にするためにサセプタ120の上部に1つの基板10が着座した実施形態について説明するが、その動作はサセプタ120の上部に複数の基板10が安着した場合と大同小異する。
【0048】
本実施形態では、図6に示すように、ヒータ130の温度を測定するための第1測定部171は、5個のセンサ171-1、171-2、171-3、171-4、171-5からなり、基板10の温度を測定するための第2測定部172は、3つのセンサ172-1、172-2、172-3からなるものを例示とする。しかしながら、上述したように、本発明はこの構成に限定されない。すなわち、第1測定部を構成する温度測定センサの個数と第2測定部を構成する温度測定センサの個数とが異なるように配置される条件を満足すればよく、本実施形態と同様に第2測定部を構成する温度測定センサの数が少ないことが好ましい。
【0049】
第1測定部171はヒータ130の下部に配置され、ヒータ130の5つの領域A1~A5の温度を測定し、第2測定部172は基板10の上部に配置され、基板10の3つの領域A1、A3、A5を測定することを例示とする。
【0050】
第1測定部171を構成する第1-1測定部171-1はヒータ130下部のA1領域の温度を測定し、第1-2測定部171-2はヒータ130下部のA2領域の温度を測定し、第1-3測定部171-3はヒータ130下部のA3領域の温度を測定し、第1-4測定部171-4はヒータ130下部のA4領域の温度を測定し、第1-5測定部171-5はヒータ130下部のA5領域の温度を測定することがある。
【0051】
一方、基板10上部の第2測定部172を構成する第2-1測定部172-1は、基板10上部のA1領域の温度を測定し、第2-2測定部172-2は基板10上部のA3領域の温度を測定し、第2-3測定部172-3は基板10上部のA5領域の温度を測定することがある。
【0052】
図7は本発明による基板処理方法の進行過程を示すフローチャートである。プロセスが実施されチャンバ内部の温度が所定温度に達して安定化すると、制御部180は第1測定部171及び第2測定部172を制御してそれぞれヒータ130及び基板10の温度を測定することがある。
【0053】
以下の説明において、「第1領域」は「A1領域またはA3領域」を、「第3領域」は「A3領域またはA5領域」を、「第2領域」は「A2領域またはA4領域」を表すことがある。すなわち、任意の「第2領域」は、「第1領域」と「第2領域」との間の領域で、ヒータ130の下部に第1測定部171が配置されているが、基板10の上部には、第2測定部172が配置されていない領域を意味する。したがって、図6の例示図において、「A1領域」を「第1領域」といい、「A3領域」を「第3領域」とするとき、「第2領域」は「A2領域」を表し、「A3領域」を「第1領域」といい、「A5領域」を「第3領域」とするとき、「第2領域」は「A4領域」となり得る。
【0054】
以下では、「A1領域」を「第1領域」と呼び、「A3領域」を「第3領域」と呼び、「A2領域」を「第2領域」と称して説明する。
【0055】
制御部180の制御動作により、第1-1測定部171-1及び第2-1測定部172-1は、それぞれ第1領域のヒータ温度及び第1領域の基板温度を測定する(S701)。
【0056】
第1-3測定部171-3及び第2-2測定部172-2は、それぞれ第3領域のヒータ温度及び第3領域の基板温度を測定することがある。各測定部171-1、171-3、172-1、172-2によって測定されたヒータ及び基板の温度測定値は、メモリ181に記憶される。一方、発明の理解を助けるために、第1領域と第3領域のヒータおよび基板の温度測定が順次動作するものとして説明したが、同時に行うことがある(S702)。
【0057】
算出部190は、メモリ181に記憶された値を用いて第2領域の基板温度を算出することがある。すなわち、第1領域の基板とヒータの温度測定値及び第3領域の基板とヒータの温度測定値とを用いて、第1領域と第3領域の中間領域である第2領域の基板の温度を算出することがある。算出部190は、前記第1領域の前記第1測定部及び前記第2測定部の測定値と、第3領域の前記第1測定部及び前記第2測定部の測定値との差値及び平均値のうち、少なくとも1つの値を使用することがある。
【0058】
まず、単に第2-1測定部172-1で測定された第1領域の基板温度値及び第2-2測定部172-2で測定された第2領域の基板温度値の平均値を第1領域と第3領域の中間領域である第2領域の基板温度値と推定して算出する方法が可能である。これは、第2領域のヒータ温度測定値が反映されていない値であるため、誤差の範囲が大きいと言える。
【0059】
別の方法で、算出部190が第1領域と第3領域の測定値の差値(offset)を用いる場合について説明する。このとき、第1測定部によって測定された第2領域のヒータの測定値をさらに用いることがある。例えば、第1領域及び第3領域における基板の温度をTA1S、TA3Sとし、ヒータの温度をTA1H、TA3Hとすると、第1領域及び第3領域における基板とヒータの温度差は、ΔA1、ΔA3として算出することがある。このとき、ΔA1とΔA3の平均値をΔA2とすると、第2領域の第1-2測定部171-2によって測定された値で、前記ΔA1とΔA3の平均値であるΔA2を減算すると、第2領域における基板の温度を算出することがある。
【0060】
上述の方法を用いて第2測定部が配置されていないA4領域における基板の温度を測定できることは言及の余地がないだろう(S703)。
【0061】
第1領域から第3領域の基板温度が他の領域の基板温度に比べて誤差範囲内の差を有する場合、基板の温度が均一になるように当該領域下部のヒータを制御することがある。ある領域の基板の温度が誤差範囲外の差を示す場合、当該領域の下部に配置されたヒータや測定部に問題が発生したと判断してユーザにアラームを表示することがある。
【0062】
一方、図8に示すように、本発明の他の実施形態による基板処理方法は、工程前に基板処理装置をセットアップ(set-up)する前処理過程で第1測定部を用いてヒータの温度を測定して保存し、工程過程で基板の温度を測定して基板の第2領域の温度を測定することもある。
【0063】
前処理過程すなわち第1段階で第1測定部171-1、171-2、171-3、171-4、171-5を用いてヒータの温度を測定してメモリ181に記憶する。プロセス装置の初期セットアップ(set-up)の段階で複数のサーモカップルからなる第1測定部を用いてヒータの5つの領域の温度測定値を予め記憶する(S801)。
【0064】
工程過程でリアルタイムに第2測定部172を用いて基板のA1、A3、A5領域の温度を測定してメモリ181に記憶する(S802)。
【0065】
制御部180は、メモリに記憶された第1領域のヒータ及び基板の温度測定値と、第3領域のヒータ及び基板の温度測定値とを用いて第2領域の基板温度値を算出することがある。このときの制御部180の動作は、図7のS703ステップについて説明したのと同じである(S803)。
【0066】
以上説明したように、本発明に係る基板処理装置及び基板処理方法は、ヒータの下部に配置される第1測定部の位置にそれぞれ第2測定部が配置されなくても、当該領域の基板の温度を算出することができ、これを基にリアルタイムで基板温度をモニタリングしてヒータの温度を制御することにより、基板全体の温度を均一にして、結果的に蒸着膜の厚さを均一にすることができ、蒸着工程の完成度を向上させることができる効果を示すことができる。
【0067】
以上、本発明の好ましい実施形態を参照して説明したが、当該技術分野の熟練した当業者は、以下の特許請求の範囲に記載された本発明の精神及び領域から逸脱しない範囲内で本発明を様々に修正及び変更させることがあることが理解できるだろう。
【産業上の利用可能性】
【0068】
前記実施形態による基板処理装置は、半導体素子の基板上に薄膜を蒸着する工程の他に、平面表示装置や薄膜太陽電池などを製造する工程などに用いることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】