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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-23
(54)【発明の名称】ユーザ装置、及びユーザ装置の方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/19 20180101AFI20240416BHJP
   H04W 48/10 20090101ALI20240416BHJP
   H04W 76/18 20180101ALI20240416BHJP
   H04W 28/04 20090101ALI20240416BHJP
   H04W 80/02 20090101ALI20240416BHJP
【FI】
H04W76/19
H04W48/10
H04W76/18
H04W28/04 110
H04W80/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023569604
(86)(22)【出願日】2021-05-10
(85)【翻訳文提出日】2024-01-09
(86)【国際出願番号】 CN2021092838
(87)【国際公開番号】W WO2022236600
(87)【国際公開日】2022-11-17
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ワン ダー
(72)【発明者】
【氏名】ワン ガン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067CC14
5K067EE02
5K067EE10
5K067HH21
5K067HH28
(57)【要約】
本開示の実施形態は、通信の方法、装置、及びコンピュータ可読媒体に関する。端末装置は、非アクティブ状態におけるデータ送信を有するように設定された無線ベアラについての無線リンク制御(RLC)エンティティ再確立が実行されるか否かを決定する。RLCエンティティ再確立が実行されると決定した場合、端末装置は、RLCエンティティを再確立する。その後、端末装置は、無線ベアラにて非アクティブ状態においてアップリンクデータを送信する。こうして、SDTを有するように設定された無線ベアラのためにRLCエンティティ再確立を処理することは、該SDTのために該RLCエンティティ再確立を実行する必要があると端末装置が決定した場合に可能であるため、SDTプロシージャのパフォーマンスが向上する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置において、非アクティブ状態におけるデータ送信を有するように設定された無線ベアラについての無線リンク制御(RLC)エンティティ再確立が実行されるか否かを決定することと、
前記RLCエンティティ再確立が実行されるとの決定に従って、RLCエンティティを再確立することと、
前記無線ベアラにて前記非アクティブ状態においてネットワーク装置にアップリンクデータを送信することと、
を含む、通信の方法。
【請求項2】
前記RLCエンティティ再確立が実行されるか否かを決定することは、
前記アップリンクデータの送信が前記非アクティブ状態において実行される場合、前記RLCエンティティ再確立が実行されると決定すること、又は
前記無線ベアラについての前記RLCエンティティ再確立に関する指示を含む無線リソース制御(RRC)解放メッセージが前記ネットワーク装置から受信された場合、前記RLCエンティティ再確立が実行されると決定すること、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記非アクティブ状態における前記データ送信を有するように設定されていない別の無線ベアラについての別のRLCエンティティ再確立のための指示を含むRRC再開メッセージを前記ネットワーク装置から受信したことに応じて、接続状態においてデータを送信するために前記別のRLCエンティティを再確立すること
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
非アクティブ状態における端末装置からアップリンクデータと無線リソース制御(RRC)再開要求メッセージとを受信したことに応じて、前記端末装置に、非アクティブ状態におけるデータ送信を有するように設定されていない無線ベアラについての無線リンク制御(RLC)エンティティ再確立のための指示を含むRRC再開メッセージを送信すること
を含む、通信の方法。
【請求項5】
非アクティブ状態におけるアップリンクデータの送信を実行する端末装置において、オンデマンド情報が利用可能か否かを決定することと、
前記オンデマンド情報が利用不可能であるとの決定に従って、
前記オンデマンド情報についての要求のネットワーク装置への送信をトリガすること、又は
前記オンデマンド情報についての前記要求の前記ネットワーク装置への送信を回避すること、のうちの少なくとも1つを実行することと、
を含む、通信の方法。
【請求項6】
前記オンデマンド情報は、オンデマンドシステム情報又はオンデマンド位置情報のうちの少なくとも1つを含む、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記要求の前記送信をトリガすることは、
アイドル状態に入ること、及び
前記オンデマンド情報を要求するためにシグナリング無線ベアラ0(SRB0)メッセージを送信すること、又は
ランダムアクセスプロシージャを開始すること、
のうちの少なくとも1つにより実行される動作を実行して前記オンデマンド情報を要求すること、
を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記要求の前記送信をトリガすることは、
前記非アクティブ状態における前記アップリンクデータの送信を中断すること、及び、
前記オンデマンド情報を要求するためにシグナリング無線ベアラ0(SRB0)メッセージを送信すること、又は
ランダムアクセスプロシージャを開始すること、
のうちの少なくとも1つにより実行される動作を実行して前記オンデマンド情報を要求すること、
を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記要求の前記送信をトリガすることは、
前記オンデマンド情報を要求するためにシグナリング無線ベアラ1(SRB1)メッセージ又はシグナリング無線ベアラ2(SRB2)メッセージを送信することを含む、
請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記要求の前記送信をトリガすることは、
最初のデータ送信フェーズの後に前記要求を送信すること、又は
前記最初のデータ送信フェーズ中にシグナリング無線ベアラ0(SRB0)メッセージを送信すること
のうちの少なくとも1つを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項11】
前記非アクティブ状態における前記アップリンクデータの送信のためのフェーズは、最初のデータ送信フェーズと後続のデータ送信フェーズとを含み、
前記方法は、
前記要求がシグナリング無線ベアラ0(SRB0)メッセージとともに送信されるとの決定に従って、
前記最初のデータ送信フェーズ中に、メディアアクセス制御プロトコルデータユニット(MAC PDU)内で、RRC再開要求メッセージ及び前記非アクティブ状態における前記アップリンクデータの送信とともに、前記SRB0メッセージを送信すること、又は
前記後続のデータ送信フェーズ中に、共通制御チャネル(CCCH)においてセル無線ネットワーク一時識別子(C-RNTI)又は設定されたスケジューリング無線ネットワーク一時識別子(CS-RNTI)を使用して、前記SRB0メッセージを送信すること、
のうちの少なくとも1つにより、前記SRB0メッセージを送信すること、をさらに含む、
請求項5に記載の方法。
【請求項12】
前記要求がSRB0メッセージとともに送信されると決定することと、
アップリンク許可が前記アップリンクデータを受け入れ、前記SRB0メッセージを追加として受け入れないとの決定に従って、
アイドル状態に入った後に前記要求を送信すること、又は
前記非アクティブ状態における前記アップリンクデータの送信を中断した後に前記要求を送信すること
のうちの少なくとも1つを実行することと、
をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項13】
前記オンデマンド情報が利用可能か否かを決定することは、
前記オンデマンド情報の有効なバージョンが存在せず、前記オンデマンド情報が前記ネットワーク装置によりブロードキャストされていないとの決定に従って、前記オンデマンド情報が利用不可能であると決定することと、
前記オンデマンド情報についての前記要求がRRC層において前記端末装置の上位層から受信され、前記オンデマンド情報が前記ネットワーク装置によりブロードキャストされていないとの決定に従って、前記オンデマンド情報が利用不可能であると決定することと、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項14】
端末装置において、非アクティブ状態におけるアップリンクデータの送信を、
ネットワーク装置から前記端末装置宛てのページングメッセージを受信したことと、
前記端末装置の無線リソース制御(RRC)層において非アクセスストラタム層から接続確立の中断を受信したことと、
前記非アクティブ状態における前記アップリンクデータの送信に関連する第1のタイマの満了と、
すでに無線リンク制御(RLC)再送信の最大回数に達したことと、
最初のアップリンクデータ送信が所定の回数で失敗したことと、又は
前記非アクティブ状態における前記アップリンクデータの送信をキャンセルする指示が前記端末装置のメディアアクセス制御(MAC)層から前記RRC層に提供されたことと、
のうちの少なくとも1つに応じて、中断すること
を含む、通信の方法。
【請求項15】
前記送信を中断することは、前記非アクティブ状態における前記アップリンクデータの送信に関連する前記タイマを停止することを含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
端末装置において、無線リソース制御(RRC)再開プロシージャに関連する第1の値に基づいて、前記RRC再開プロシージャのためのメッセージ認証コード整合性(MAC-I)のパラメータを決定することと、
前記RRC再開プロシージャを開始するために、前記パラメータを含むRRC再開要求メッセージを送信することと、を含み、
前記第1の値は、別のRRC再開プロシージャのMAC-Iを決定するための第2の値とは異なる、
通信の方法。
【請求項17】
前記第1の値は、
resumeMAC-Iを決定するためのカウントの入力ビットと、
前記resumeMAC-Iを決定するためのベアラの入力ビットと、
前記resumeMAC-Iを決定するための方向の入力ビットと、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記パラメータを決定することは、
非アクティブ状態における別のアップリンクデータの別の送信を中断した後に前記RRC再開プロシージャが開始されること、又は
前記RRC再開プロシージャが、前記非アクティブ状態における前記アップリンクデータの送信のためのものであること
のうちの少なくとも1つを決定したことに応じて、前記パラメータを決定することを含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記第2の値は、2進数1のシーケンスを含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項20】
端末装置において、パワーヘッドルーム報告(PHR)をトリガすることと、
アップリンクデータが非アクティブ状態において送信されるとの決定に従って、アップリンク許可が前記アップリンクデータを受け入れ、前記PHRを追加として受け入れないか否かを決定することと、
前記アップリンク許可が前記アップリンクデータを受け入れ、前記PHRを追加として受け入れないとの決定に従って、前記アップリンクデータにリソースを割り当てることと、
前記割り当てられたリソースを使用して、ネットワーク装置に前記アップリンクデータを送信することと、
を含む、通信の方法。
【請求項21】
前記アップリンク許可が前記PHRを追加として受け入れないとの決定に従って、リソースを前記PHRのメディアアクセス制御制御要素(MAC-CE)に割り当てることを回避すること
をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
請求項1~3のいずれか一項、又は請求項5~21のいずれか一項に記載の方法を実行するように設定された回路を備える、
端末装置。
【請求項23】
請求項4に記載の方法を実行するように設定された回路を備える、
ネットワーク装置。
【請求項24】
少なくとも一つのプロセッサ上で実行された場合、請求項1~3のいずれか一項又は請求項5~21のいずれか一項に記載の方法を前記少なくとも一つのプロセッサに実行させる命令を記憶している、
コンピュータ可読媒体。
【請求項25】
少なくとも一つのプロセッサ上で実行された場合、請求項4に記載の方法を前記少なくとも一つのプロセッサに実行させる命令を記憶している、
コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、全体として、電気通信の分野に関し、特に、端末装置の非アクティブ状態におけるデータ送信中の通信の方法、装置、及びコンピュータ記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、非アクティブ状態にある端末装置は、依然として、送信すべき少量で頻繁ではないデータトラフィックを有する場合がある。第3世代パートナシッププロジェクト(3GPP(登録商標))リリース16までは、非アクティブ状態は、データ送信をサポートしておらず、端末装置は、ダウンリンクデータとアップリンクデータのいずれについても接続を再開しなければならない(すなわち、接続状態に入らなければならない)。これは、不必要な電力消費とシグナリングオーバーヘッドを引き起こす。
【0003】
この場合、3GPPリリース17では、非アクティブ状態におけるスモールデータ送信(SDT)が承認されている。したがって、シグナリングオーバーヘッドを低減することができる。しかしながら、これまでのところ、SDT関連技術は未だ未整備であり、さらなる発展が待たれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
全体として、本開示の実施形態は、通信の方法、装置、及びコンピュータ記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様において、通信の方法が提供される。前記方法は、端末装置において、非アクティブ状態におけるデータ送信を有するように設定された無線ベアラについての無線リンク制御(RLC)エンティティ再確立が実行されるか否かを決定することと、前記RLCエンティティ再確立が実行されるとの決定に従って、RLCエンティティを再確立することと、前記無線ベアラにて前記非アクティブ状態においてネットワーク装置にアップリンクデータを送信することと、を含む。
【0006】
第2の態様において、通信の方法が提供される。前記方法は、非アクティブ状態における端末装置からアップリンクデータと無線リソース制御(RRC)再開要求メッセージとを受信したことに応じて、前記端末装置に、非アクティブ状態におけるデータ送信を有するように設定されていない無線ベアラについての無線リンク制御(RLC)エンティティ再確立のための指示を含むRRC再開メッセージを送信することを含む。
【0007】
第3の態様において、通信の方法が提供される。前記方法は、非アクティブ状態におけるアップリンクデータの送信を実行する端末装置において、オンデマンド情報が利用可能か否かを決定することと、前記オンデマンド情報が利用不可能であるとの決定に従って、前記オンデマンド情報についての要求のネットワーク装置への送信をトリガすること、又は、前記オンデマンド情報についての前記要求の前記ネットワーク装置への送信を回避すること、のうちの少なくとも1つを実行することと、を含む。
【0008】
第4の態様において、通信の方法が提供される。前記方法は、端末装置において、非アクティブ状態におけるアップリンクデータの送信を、前記ネットワーク装置から前記端末装置宛てのページングメッセージを受信したことと、前記端末装置の無線リソース制御(RRC)層において非アクセスストラタム層から接続確立の中断を受信したことと、前記非アクティブ状態における前記アップリンクデータの送信に関連する第1のタイマの満了と、すでに無線リンク制御(RLC)再送信の最大回数に達したことと、最初のアップリンクデータ送信が所定の回数で失敗したことと、前記非アクティブ状態における前記アップリンクデータの送信をキャンセルする指示が前記端末装置のメディアアクセス制御(MAC)層から前記RRC層に提供されたことと、のうちの少なくとも1つに応じて、中断することを含む。
【0009】
第5の態様において、通信の方法が提供される。前記方法は、端末装置において、RRC再開プロシージャに関連する第1の値に基づいて、前記RRC再開プロシージャのためのメッセージ認証コード整合性(MAC-I)のパラメータを決定することと、前記RRC再開プロシージャを開始するために、前記パラメータを含むRRC再開要求メッセージを送信することと、を含み、前記第1の値は、別のRRC再開プロシージャのMAC-Iを決定するための第2の値とは異なる。
【0010】
第6の態様において、通信の方法が提供される。前記方法は、端末装置において、パワーヘッドルーム報告(PHR)をトリガすることと、前記アップリンクデータが非アクティブ状態において送信されるとの決定に従って、アップリンク許可が前記アップリンクデータを受け入れ、前記PHRを追加として受け入れないか否かを決定することと、前記アップリンク許可が前記アップリンクデータを受け入れ、前記PHRを追加として受け入れないとの決定に従って、前記アップリンクデータにリソースを割り当てることと、前記割り当てられたリソースを使用して、ネットワーク装置に前記アップリンクデータを送信することと、を含む。
【0011】
第7の態様において、端末装置が提供される。前記端末装置は、プロセッサと、前記プロセッサに結合されたメモリとを備える。前記メモリは、前記プロセッサにより実行された場合、本開示の第1、第3、第4、第5、第6の態様に記載の方法を前記端末装置に実行させる命令を記憶している。
【0012】
第8の態様において、ネットワーク装置が提供される。前記ネットワーク装置は、プロセッサと、前記プロセッサに結合されたメモリとを備える。前記メモリは、前記プロセッサにより実行された場合、本開示の第2の態様に記載の方法を前記ネットワーク装置に実行させる命令を記憶する。
【0013】
第9の態様において、命令を記憶したコンピュータ可読媒体が提供される。前記命令は、少なくとも1つのプロセッサ上で実行された場合、本開示の前記第1、第3、第4、第5、第6の態様に記載の方法を前記少なくとも一つのプロセッサに実行させる。
【0014】
第10の態様において、命令を記憶したコンピュータ可読媒体が提供される。前記命令は、少なくとも1つのプロセッサ上で実行された場合、本開示の第2の態様に記載の方法を前記少なくとも1つのプロセッサに実行させる。
【0015】
本開示のその他の特徴は、以下の説明により容易に理解することができるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
添付図面において本開示のいくつかの実施形態をさらに詳細に説明することで、本開示の上述の及びその他の目的、特徴及び利点をさらに明らかにする。
【0017】
図1A】本開示のいくつかの実施形態を実施可能な例示的な通信ネットワークを示す図である。
図1B】本開示のいくつかの実施形態を実施可能なユーザプレーン(UP:user plane)プロトコルスタックを示す模式図である。
図1C】本開示のいくつかの実施形態を実施可能な制御プレーン(CP:control plane)プロトコルスタックを示す模式図である。
図2A】本開示のいくつかの実施形態を実施可能なSDTプロシージャを示す模式図である。
図2B】本開示のいくつかの実施形態を実施可能な、最初のデータ送信フェーズと後続のデータ送信フェーズとを含むSDTプロシージャを示す模式図である。
図3】本開示のいくつかの実施形態にかかる、SDTプロシージャのためのシグナリングフローを示す図である。
図4】本開示のいくつかの実施形態にかかる、SDTプロシージャのためのシグナリングフローを示す図である。
図5】本開示のいくつかの実施形態にかかる、SDTプロシージャのためのシグナリングフローを示す図である。
図6】本開示のいくつかの実施形態にかかる、SDTプロシージャのためのシグナリングフローを示す図である。
図7】本開示のいくつかの実施形態にかかる、SDTプロシージャのためのシグナリングフローを示す図である。
図8】本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末装置において実現される例示的な通信方法を示す図である。
図9】本開示のいくつかの実施形態にかかる、ネットワーク装置において実現される別の例示的な通信方法を示す図である。
図10】本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末装置において実現される別の例示的な通信方法を示す図である。
図11】本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末装置において実現される別の例示的な通信方法を示す図である。
図12】本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末装置において実現される別の例示的な通信方法を示す図である。
図13】本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末装置において実現される別の例示的な通信方法を示す図である。
図14】本開示の実施形態を実装するのに適した装置の概略ブロック図である。
【0018】
図中、同一又は類似の参照番号は、同一又は類似の要素を表す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
ここで、いくつかの実施形態を参照して、本開示の原理を説明する。これらの実施形態は、説明のためにのみ記載され、当業者が本開示を理解し、実施するのを助けるものであり、本開示の範囲に関するいかなる限定も示唆しないことを理解すべきである。本明細書で説明される開示内容は、以下で説明される方法とは異なる様々な方法で実施することができる。
【0020】
以下の説明及び特許請求の範囲において、別途定義されていない限り、本文で使用されるすべての技術的及び科学的用語は、本開示の当業者が一般に理解するものと同一の意味を有する。
【0021】
本文で使用されるように、用語「端末装置」は、無線又は有線の通信能力を有する任意の装置を意味する。端末装置の例としては、ユーザ装置(UE)、パーソナルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、携帯電話、セルラーホン、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ポータブルコンピュータ、タブレット、ウェアラブル装置、モノのインターネット(IoT)装置、あらゆるモノのインターネット(IoE)装置、マシンタイプ通信(MTC)装置、V2X通信のための車載装置などを含むが、これらに限定されず、V2Xの「X」は、歩行者、車両又はインフラストラクチャ/ネットワーク、あるいはデジタルカメラなどの画像取得装置、ゲーム装置、音楽保存及び再生装置、あるいは無線又は有線のインターネットアクセス及び閲覧を可能とするインターネット家電などを表す。「端末装置」という用語は、UE、移動局、加入者局、移動端末、ユーザ端末、又は無線装置と互換的に使用することができる。また、「ネットワーク装置」という用語は、端末装置が通信可能なセル又はカバレッジを提供又はホストすることのできる装置を意味する。ネットワーク装置の例としては、ノードB(NodeB又はNB)、進化型ノードB(eNodeB又はeNB)、次世代ノードB(gNB)、送受信ポイント(TRP)、リモートラジオユニット(RRU)、ラジオヘッド(RH)、リモートラジオヘッド(RRH)、フェムトノード、ピコノードなどの低電力ノードを含むが、これらに限定されない。
【0022】
一実施形態において、端末装置は、第1のネットワーク装置及び第2のネットワーク装置に接続することができる。第1のネットワーク装置と第2のネットワーク装置の一方をマスターノードとして、他方をセカンダリ―ノードとしてもよい。第1のネットワーク装置と第2のネットワーク装置は、異なる無線アクセス技術(RAT)を使用してもよい。一実施形態において、第1のネットワーク装置は、第1のRAT装置であってもよく、第2のネットワーク装置は、第2のRAT装置であってもよい。一実施形態において、第1のRAT装置は、eNBであり、第2のRAT装置は、gNBである。異なるRATに関する情報は、第1のネットワーク装置又は第2のネットワーク装置の少なくとも一方から端末装置に送信されてもよい。一実施形態において、第1の情報は、第1のネットワーク装置から端末装置に送信されてもよく、そして、第2の情報は、第2のネットワーク装置から直接又は第1のネットワーク装置を介して端末装置に送信されてもよい。一実施形態において、第2のネットワーク装置により設定された端末装置の設定に関する情報は、第2のネットワーク装置から第1のネットワーク装置を介して送信されてもよい。第2のネットワーク装置により設定された端末装置の再設定に関する情報は、第2のネットワーク装置から直接、又は第1のネットワーク装置を介して端末装置に送信されてもよい。
【0023】
本明細書で使用される単数形「1つ」、及び「前記」は、文脈に明示的に示されていない限り、複数形も含まれる。用語「含む」及びその変型は、「含むが、これらに限定されるものではない」を意味するオープンエンド用語として理解されるべきである。用語「に基づく」は、「に少なくとも部分的に基づく」と理解されるべきである。用語「一実施形態」及び「実施形態」は、「少なくとも1つの実施形態」と理解されるべきである。用語「別の実施形態」は、「少なくとも1つの他の実施形態」と理解されるべきである。「第1」、「第2」などの用語は、異なる又は同一の対象を指してもよい。以下では、その他の明示的及び暗黙的な定義を含む場合がある。
【0024】
いくつかの例において、値、プロシージャ、又は機器は、「最良」、「最低」、「最高」、「最小」、「最大」などと称される。このような説明は、多くの使用される機能的代替案の中から選択することができることを示すことを意図されており、そして、このような選択は、他の選択より良く、より小さく、より高い必要がなく、又はそのほかの点でより好ましい必要はないことを理解することができるはずである。
【0025】
通信環境の例
図1Aは、本開示のいくつかの実施形態を実施可能な例示的な通信システム100Aを示す図である。通信ネットワークの一部である通信システム100Aは、まとめて「端末装置110」と称することができる端末装置110-1と、端末装置110-2と、…、端末装置110-Nとを備える。数Nは、任意の適切な整数であってもよい。
【0026】
通信システム100Aは、ネットワーク装置120をさらに含む。いくつかの実施形態において、ネットワーク装置120は、gNBであってもよい。代替として、ネットワーク装置120はIABであってもよい。図示しないが、通信システム100A内には、2つ以上のネットワーク装置120が存在してもよい。
【0027】
通信システム100Aにおいて、ネットワーク装置120と端末装置110とが互いにデータと制御情報とを通信してもよい。図1に示される端末装置110及びネットワーク装置120の数は、説明のためのみに示されており、いかなる限定も示唆していない。
【0028】
図1Aに示すように、端末装置110は、無線通信チャネル等のチャネルを介してネットワーク装置120と通信してもよい。通信ネットワーク100Aにおける通信は、モバイル通信のためのグローバルシステム(GSM)、ロングタームエボリューション(LTE)、LTE-Evolution、LTE-Advanced(LTE-A)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA(登録商標))、符号分割多元接続(CDMA)、GSM EDGE無線アクセスネットワーク(GERAN)、マシンタイプ通信(MTC)などを含むが、これらに限定されない任意の適切な規格に準拠してもよい。さらに、通信は、現在知られている、又は将来開発される任意の世代の通信プロトコルに従って実行されてもよい。通信プロトコルの例は、第1世代(1G)、第2世代(2G)、2.5G、2.75G、第3世代(3G)、第4世代(4G)、4.5G、第5世代(5G)通信プロトコルを含むが、これらに限定されない。
【0029】
端末装置110からネットワーク装置120に向かう方向の通信は、UL通信と称され、ネットワーク装置120から端末装置110に向かう方向の通信は、DL通信と称される。端末装置110は、ネットワーク装置120、そして場合によっては、他のネットワーク装置のセルの間を移動することができる。UL通信において、端末装置110は、ULチャネルを介してULデータ(例えば、データ無線ベアラ(DRB:data radio bearer)を使用して送信されるデータ及び/又はシグナリング無線ベアラ(SRB:signaling radio bearer)を使用して送信されたデータ)をネットワーク装置120に送信してもよい。DL通信において、ネットワーク装置120は、DLチャネルを介して、DLデータを端末装置110に送信してもよい。
【0030】
通信ネットワーク100Aにおける通信は、UP及びCPプロトコルスタックに従って行われてもよい。一般に言うと、通信装置(例えば、端末装置110又はネットワーク装置)の場合、プロトコルスタック内の複数のネットワークプロトコル層の複数のエンティティが存在し、これらのエンティティは、通信装置から送信され、通信装置により受信されるデータ又はシグナリングに、対応するプロセスを実施するように設定されてもよい。図1Bは、本開示のいくつかの実施形態にかかる装置においてUPプロトコルスタックのために確立されてもよいネットワークプロトコル層エンティティを示す模式図100Bである。
【0031】
図1Bに示すように、UPにおいて、端末装置110及びネットワーク装置120のそれぞれは、L1層のエンティティ、つまり、物理(PHY)層のエンティティ(PHYエンティティとも称される)と、媒体アクセス制御(MAC)層のエンティティ(MACエンティティとも称される)、無線リンク制御(RLC)層のエンティティ(RLCエンティティとも称される)、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)層のエンティティ(PDCPエンティティとも称される)、及びサービスデータアプリケーションプロトコル(SDAP)層のエンティティ(SDAPエンティティとも称され、5G及びその後の世代のネットワークで確立される)を含む、上位層(L2層及びL3層、つまり上位層)の1つ又は複数のエンティティとを含んでもよい。場合によっては、PHY、MAC、RLC、PDCP、及びSDAPエンティティは、スタック構造になっている。
【0032】
図1Cは、本開示のいくつかの実施形態にかかる装置においてCPプロトコルスタックのために確立されてもよいネットワークプロトコル層エンティティを示す模式図100Cである。図1Cに示すように、CPにおいて、端末装置110及びネットワーク装置120のそれぞれは、L1層のエンティティ、つまり、PHY層のエンティティ(PHYエンティティとも称される)と、MAC層のエンティティ(MACエンティティとも称される)、RLC層のエンティティ(RLCエンティティとも称される)、PDCP層のエンティティ(PDCPエンティティとも称される)、及び無線リソース制御(RRC)層のエンティティ(RRCエンティティとも称される)を含む、上位層(L2層及びL3層)の1つ又は複数のエンティティを含んでもよい。RRC層は、さらにアクセスストラタム(AS:access stratum)層と称されてもよく、そのために、RRCエンティティは、さらにASエンティティと称されてもよい。図1Cに示すように、端末装置110は、さらに、非アクセスストラタム(NAS)層のエンティティ(NASエンティティとも称される)を含んでもよい。ネットワーク側のNAS層は、ネットワーク装置内ではなく、コアネットワーク(CN:core network、図示せず)内に配置される。いくつかのケースにおいては、これらのエンティティは、スタック構造になる。
【0033】
一般的には、通信チャネルは、論理チャネルと、送信チャネルと、物理チャネルとに分けられる。物理チャネルは、PHY層が実際に情報を送信するチャネルである。例えば、物理チャネルは、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH:physical uplink control channel)と、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH:physical uplink shared channel)と、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH:physical random-access channel)と、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH:physical downlink control channel)と、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH:physical downlink shared channel)と、物理ブロードキャストチャネル(PBCH:physical broadcast channel)とを含んでもよい。
【0034】
送信チャネルは、PHY層とMAC層との間のチャネルである。例えば、送信チャネルは、ブロードキャストチャネル(BCH:broadcast channel)と、ダウンリンク共有チャネル(DL-SCH:downlink shared channel)と、ページングチャネル(PCH:paging channel)と、アップリンク共有チャネル(UL-SCH:uplink shared channel)と、ランダムアクセスチャネル(RACH)とを含んでもよい。
【0035】
論理チャネルは、MAC層とRLC層との間のチャネルである。例えば、論理チャネルは、専用制御チャネル(DCCH:dedicated control channel)と、共通制御チャネル(CCCH:common control channel)と、ページング制御チャネル(PCCH:paging control channel)と、ブロードキャスト制御チャネル(BCCH:broadcast control channel)と、専用トラフィックチャネル(DTCH:dedicated traffic channel)とを含んでもよい。
【0036】
一般的には、RRC層とPDCP層との間、又はSDAP層とPDCP層との間のチャネルは、無線ベアラと称される。端末装置110は、データプレーンデータを運ぶための少なくとも1つのDRBと、制御プレーンデータを運搬するための少なくとも1つのSRBとを有するように設定されてもよい。本開示の背景では、DRBは、非アクティブ状態における送信をサポートする(すなわち、SDTをサポートする)ように設定されてもよい。もちろん、DRBは、非アクティブ状態における送信をサポートしないように設定されてもよい。SRBは、非アクティブ状態における送信をサポートするように設定されてもよい。もちろん、SRBは、非アクティブ状態における送信をサポートしないように設定されてもよい。
【0037】
RRC層においては、SRB0、SRB1及びSRB2の3種類のSRBが定義されている。SRB0は、RRC接続の確立又は再確立にCCCHを使用する。SRB1は、DCCHを使用し、RRC接続が確立されたときに確立される。SRB2は、DCCHを使用し、RRC再設定中及び最初のセキュリティアクティブ化の後に確立される。
【0038】
上述したように、3GPPリリース17では、非アクティブ状態におけるスモールデータ送信(SDT)が承認されている。少量且つ頻繁でないデータ交換を行うさまざまなアプリケーションが存在する。例えば、モバイル装置のいくつかのアプリケーションでは、SDTは、インスタントメッセージ(IM)サービスからのトラフィック、例えば、IM又は電子メールクライアント及び他のサービスからのハートビート又はキープアライブトラフィック、様々なアプリケーションにおけるプッシュ通知、ウェアラブル装置からのトラフィック(例えば、周期的な位置情報を含む)などを含んでもよい。非モバイル装置のいくつかのアプリケーションでは、SDTは、センサデータ(例えば、IoTネットワーク内で定期的に又はイベントトリガ方式で伝送される温度、圧力測定値)、スマートメーターから送信される計測及び警報情報などを含んでもよい。
【0039】
本開示の背景において、非アクティブ状態にある端末装置110は、ネットワーク装置120と通信してもよい。いくつかの実施形態において、例えば、端末装置110は、suspendConfigを有するRRC解放を受信すると、非アクティブ状態に入ってもよい。
【0040】
いくつかのシナリオにおいて、送信すべき非アクティブ状態における送信をサポートする無線ベアラからの小量で頻繁ではないデータトラフィックを端末装置110が有するときに、端末装置110は、SDTプロシージャを開始してもよい。1つの無線ベアラが非アクティブ状態における送信をサポートするか否かは、ネットワーク装置120又は他のネットワーク装置により設定される。
【0041】
図2Aは、本開示のいくつかの実施形態を実施可能な1回限りのSDTプロシージャを示す模式図である。図2Aに示すプロシージャは、最初のデータ送信フェーズのみを含む。図2Aに示すように、非アクティブ状態にある端末装置110は、RRC再開要求メッセージをデータトラフィックに関連付けられるULデータ(すなわち、アップリンクデータ、例えば、SDTを有するように設定されたSRB又はDRBを使用して送信されるデータ)とともにネットワーク装置120に送信してもよい(201)。例えば、端末装置110は、2ステップRACHプロシージャのMsg A又は4ステップRACHプロシージャのMsg3内で、RRC再開要求メッセージをULデータとともに送信してもよい。もちろん、端末装置110は、さらに、設定された許可(CG)リソースにおいてRRC再開要求メッセージをULデータとともに送信してもよい。RRC再開要求メッセージは、回復MAC-Iを含んでもよい。
【0042】
RRC再開要求メッセージ及びULデータを受信すると、ネットワーク装置120は、RRC解放メッセージをULデータに対応するDLデータとともに端末装置110に送信してもよい(202)。例えば、ネットワーク装置120は、2ステップRACHプロシージャのMsg B又は4ステップRACHプロシージャのMsg4内で、DLデータとともにRRC解放メッセージを送信してもよい。また、ネットワーク装置120は、CGリソースでの送信の応答として、DLデータとともにRRC解放メッセージを送信してもよい。そして、SDTプロシージャ200Aが終了する。
【0043】
図2Bは、本開示のいくつかの実施形態を実施可能な、最初のデータ送信フェーズとデータ後続のデータ送信フェーズとを含むSDTプロシージャ200Bを示す模式図である。図2に示すように、非アクティブ状態にある端末装置110は、RRC再開要求メッセージをULデータ及びバッファ状態報告(BSR:buffer status report)とともにネットワーク装置120に送信してもよい(211)。例えば、端末装置110は、2ステップRACHプロシージャのMsg A又は4ステップRACHプロシージャのMsg3内で、ULデータ及びBSRとともにRRC再開要求メッセージを送信してもよい。もちろん、端末装置110は、さらに、設定された許可(CG)リソースにおいて、ULデータとともにRRC再開要求メッセージを送信してもよい。RRC再開要求メッセージは、回復MAC-Iを含んでもよい。
【0044】
RRC再開要求メッセージをULデータ及びBSRとともに受信すると、ネットワーク装置120は、端末装置110に後続のデータ送信の指示を送信してもよい(212)。例えば、ネットワーク装置120は、後続のデータ送信を示す明示的なRRCメッセージを送信してもよい。別の例として、ネットワーク装置120は、別の送信についてのアップリンク許可(UL許可)を送信して、後続のデータ送信を暗黙的に示してもよい。いくつかの実施形態において、ネットワーク装置120は、また、指示とともにDLデータを端末装置110に送信してもよい。この時点で、最初のデータ送信が完了する。
【0045】
この指示に基づいて、端末装置110は、例えば、動的な許可又は設定された許可に基づいて、別のULデータ及びBSRをネットワーク装置120に送信してもよい(213)。そして、ネットワーク装置120は、動的な許可についてのUL許可を端末装置110に送信してもよい(214)。いくつかの実施形態において、ネットワーク装置120は、UL許可とともにDLデータを端末装置110に送信してもよい。
【0046】
ネットワーク装置120からのUL許可に基づいて、端末装置110は、残りのULデータをネットワーク装置120に送信してもよい(215)。したがって、ネットワーク装置120は、RRC解放メッセージを端末装置110に送信してもよい(216)。この時点で、後続のデータ送信が完了する。すなわち、SDTプロシージャ200Bが終了する。SDTプロシージャ200Bは、後続のデータ送信におけるより多くの又はより少ないステップを含んでもよく、本開示の保護範囲はこの点において限定されないことを理解すべきである。
【0047】
以上の部分では、図2A図2Bとを参照して可能なSDTプロシージャを例示した。以下の部分では、SDTに関連するいくつかの具体的なシナリオを紹介する。
【0048】
本開示全体を通して、用語「SDT中」は、「SDTのためのタイマが実行している」と互換的に使用されてもよいことを理解すべきである。例えば、タイマは、SDTの開始時に起動されてもよい。
【0049】
しかしながら、本開示の発明者らは、SDTのためのより堅牢で安全な解決策を提供するために、解決すべきいくつかの問題(例えば、SDTのためのRLC再確立の処理、SDT中のオンデマンドSI/PI、SDT中断、resumeMAC-I計算に関連するセキュリティ問題、パワーヘッドルーム報告(PHR:power headroom report)など)が、特定のシナリオにおいて依然として存在することに気づいた。これらの問題又は他の潜在的なシナリオにおける問題を解決するために、本開示の実施形態は、SDTプロシージャ中の問題を処理するための通信解決策を提供する。
【0050】
なお、各シナリオについて発見された上記の問題の詳細と、それらに対応する解決策とについては、それぞれ以下の部分で紹介する。以下、添付図面を参照して、本開示の原理及び実施態様について詳細に説明する。
【0051】
SDTのためのRLC再確立処理の実現例
上位層(例えば、RRC)がRLCエンティティ再確立を要求する場合、端末装置110は、すべてのRLCサービスデータユニット(SDU:service data unit)と、RLC SDUセグメントと、RLCプロトコルデータユニット(PDU:protocol data unit)と(もしあれば)を廃棄してもよい。また、RLCエンティティの再確立中、すべてのタイマが停止し、リセットされる。また、このプロセスでは、すべての状態変数がそれらの初期値にリセットされる。
【0052】
一例において、RLCエンティティ再確立の目的の1つは、バッファされたデータ(例えば、端末装置110が前のセルに位置していたときに送信されると想定されるデータ)が古い鍵を使用して暗号化されているため、バッファされたデータが後続のデータ送信において送信されることを回避するために使用されることである。端末装置110が新しいセルに移動するときに、バッファされたデータが端末装置110により送信される場合、エラーが発生することになる。したがって、バッファされたデータは、破棄されるべきであり、送信されることはない。
【0053】
reestablishRLCは、RLCは再確立される必要があることを示すために使用される。ネットワーク装置120は、少なくとも該RLCエンティティに関連付けられる無線ベアラに使用されるセキュリティ鍵が変わるたびに、これをtrueにセットする。SRB2及びDRBについても、RRC接続の再開中又は再確立後の最初の再設定時にtrueにセットされる。
【0054】
しかしながら、本開示の発明者らは、ネットワーク装置120が端末装置110にRLC再確立(すなわち、reestablishRLC)を設定する場合にのみRLCエンティティ再確立が実行されることに気づいた。しかしながら、SDTの場合、端末装置110は、RRC再開要求メッセージを図2A及び図2Bを参照して上述したように直接送信されるアップリンクデータ(例えば、SDTを有するように設定されたSRB又はDRBを使用して送信されるデータ)とともに送信することになり、この時点では、端末装置110は、ネットワーク装置120から設定(例えば、reestablishRLC)をまだ受信していない。言い換えれば、ネットワーク装置120は、SDTの初期化時に設定(例えば、reestablishRLC)することが不可能である。したがって、SDTのためにRLC再確立が実行されない場合、上述したような問題が発生する(例えば、バッファされた古いデータが送信されることになるが、これは望ましくないことである)。そのため、RLCエンティティ再確立は、SDTの開始前又は開始時に実行される必要がある。
【0055】
これに鑑みて、本願の実施形態は、SDTのためのRLCエンティティ再確立を処理する解決策を提供する。この解決策において、端末装置110は、まず、非アクティブ状態におけるデータ送信を有するように設定された無線ベアラについてのRLCエンティティ再確立が実行されるか否かを決定する。そして、RLCエンティティ再確立が実行されると決定した場合、端末装置110は、RLCエンティティを再確立する。その後、端末装置110は、ネットワーク装置120に、無線ベアラにて非アクティブ状態においてアップリンクデータを送信する。こうして、SDTを有するように設定された無線ベアラのためにRLCエンティティ再確立を処理することは、該SDTのために該RLCエンティティ再確立を実行する必要があると端末装置110が決定した場合に可能であるため、SDTプロシージャのパフォーマンスが向上する。
【0056】
ここで、図3を参照すると、図3は、本開示のいくつかの実施形態にかかるSDTプロシージャのためのシグナリングフロー300を示す。説明のために、図1Aを参照しつつシグナリングフロー300を説明する。シグナリングフロー300には、図1Aに示されるような端末装置110と、ネットワーク装置120とが関与する。
【0057】
図3に示すように、端末装置110は、無線ベアラのためのRLCエンティティ再確立が実行されるか否かを決定する(310)。無線ベアラは、非アクティブ状態におけるアップリンクデータの送信を有するように設定される(すなわち、SDTを有するように設定された無線ベアラ)。
【0058】
いくつかの実施形態において、端末装置110は、アップリンクデータの送信が非アクティブ状態において実行されるか否かを決定してもよい。アップリンクデータの送信が非アクティブ状態において実行される場合、端末装置110は、RLCエンティティ再確立が実行されるか否かを決定してもよい。こうして、SDTを有するように設定された無線ベアラについて、RLC再確立は、端末装置110において暗黙的に、すなわち、ネットワークへのRLC再確立の明示的な指示なしに実行されることができる。
【0059】
いくつかの他の実施形態において、RRC解放メッセージがネットワーク装置120から受信され、該RRC解放メッセージが、非アクティブ状態におけるアップリンクデータ送信を有するように設定された無線ベアラについてのRLCエンティティ再確立に関する指示を含む場合、端末装置110は、RLCエンティティ再確立が実行されると決定してもよい。こうして、ネットワーク装置120は、suspendConfigを使用してRRCRelease内でSDT無線ベアラについてreestablishRLCを設定してもよく、これにより、SDTを有するように設定された無線ベアラについてRLCエンティティ再確立を処理することができる。
【0060】
端末装置110は、また、RLCエンティティ再確立が別の方法で実行されることを決定してもよく、本開示の範囲がこの点において限定されないことを理解すべきである。
【0061】
RLCエンティティ再確立が実行されると決定した後に、端末装置110は、RLCエンティティを再確立してもよい(320)。いくつかの実施形態において、端末装置110の上位層(例えば、PDCP、RRC又はNAS)がRLCエンティティ再確立を要求するとき、端末装置110のRLC層は、すべてのRLC SDU、RLC SDUセグメント及びRLCプロトコルデータユニット(PDU)(もしあれば)を破棄してもよい。いくつかの他の実施形態において、RLCエンティティ再確立中に、端末装置110は、すべてのタイマを停止し、リセットしてもよい。代替として、端末装置110は、すべての状態変数をそれらの初期値にリセットしてもよい。端末装置110のRLCレイヤは、RLCエンティティを再確立するために他の動作を実行してもよく、本開示の範囲は、この点において限定されない。
【0062】
RLCエンティティが再確立されると、端末装置110は、ネットワーク装置120に、無線ベアラにて非アクティブ状態においてアップリンクデータを送信する(330)。いくつかの実施形態において、端末装置110は、図1及び図2を参照して紹介したRAに基づく又はCGに基づくSDTを使用して、非アクティブ状態においてアップリンクデータを送信してもよい。
【0063】
いくつかの例において、CGに基づくSDT基準が満たされている場合、端末装置110は、CGに基づくSDTを選択してもよい。そうでなければ、RAに基づくSDT基準が満たされている場合、端末装置110は、RAーSDTを選択してもよい。
【0064】
このような例において、以下の条件のうちの1つ又は複数が満たされている場合、CG-SDT基準が満たされているとみなしてもよい。1)利用可能なデータ量≦データ量閾値、2)参照信号受信電力(RSRP:reference signal received power)が設定閾値以上、又は3)CGに基づくSDTリソースが選択されたULキャリアにおいて設定され、且つ、有効である。一方、以下の条件のうちの1つ又は複数が満たされている場合、RAに基づくSDT基準が満たされているとみなしてもよい。1)利用可能データ量≦データ量閾値、2)RSRPが設定閾値以上、3)選択されたULキャリア上に4ステップRAに基づくSDTリソースが設定され、且つ、4ステップRAに基づくSDTを選択する基準が満たされている、又は選択されたULキャリア上に2ステップRAに基づくSDTリソースが設定され、且つ、2ステップRAに基づくSDTを選択する基準が満たされている。
【0065】
例えば、上述の解決策により、好ましくない、バッファされた古いデータは、SDT中に送信されることはない。より堅牢なSDT解決策を提供することができる。
【0066】
従来、ネットワーク装置120は、SDT中にRRC再開メッセージを端末装置110に送信して、端末装置110に非SDTモードへ移行するように示してもよい。従来の解決策によれば、ネットワーク装置120は、RRC接続を再開するとき、RLC再確立を示してもよい。しかしながら、SDT無線ベアラについて、ネットワーク装置120がRLC再確立を示す場合、バッファされたRLCパケットはクリーンアップされ、これによりパケット損失が引き起こされる。
【0067】
上記の問題を解決するために、いくつかの実施形態において、アップリンクデータと無線リソース制御(RRC)再開要求メッセージを非アクティブ状態にある端末装置110から受信したとき、ネットワーク装置120は、端末装置110に、RRC再開メッセージを送信してもよい。RRC再開メッセージは、非アクティブ状態におけるデータ送信を有するように設定されていない無線ベアラについてのRLCエンティティ再確立のための指示を含んでもよい。
【0068】
ネットワーク装置120からRRC再開メッセージを受信すると、端末装置110は、接続状態においてデータを送信するためにRLCエンティティを再確立してもよい。言い換えれば、ネットワーク装置120は、SDT中のRRC再開メッセージ内の非SDT無線ベアラについてのみreestablishRLCを設定する。結果として、SDT無線ベアラについて、バッファされたRLCパケットはクリーンアップされない。
【0069】
したがって、例えば、変更された3GPP仕様の関連内容は「reestablishRLCは、RLCが再確立されるべきであることを示す」になる。そして、ネットワーク装置120は、少なくとも該RLCエンティティに関連付けられる無線ベアラに使用されるセキュリティ鍵が変わるたびに、これをtrueにセットしてもよい。SRB2及びDRBについても、RRC接続の再開中又は再確立後の最初の再設定時にtrueにセットされる。これは、SDT中にRRC接続を再開する場合、SDTをサポートしない無線ベアラにのみ示される。
【0070】
この解決策(すなわち、ネットワーク装置120が、端末装置110に、非アクティブ状態におけるデータ送信を有するように設定されていない無線ベアラについてのRLCエンティティ再確立のための指示を含むRRC再開メッセージを送信する)は、上述したSDTのためのRLCエンティティ再確立を処理する解決策と独立して機能してもよく、共に機能してもよく、本開示の範囲がこの点において限定されないことを理解すべきである。
【0071】
オンデマンドシステム/位置情報要求の実現例
システム情報(SI)は、最小SIと他のSIとを含む。最小SIは、最初のアクセスに必要な基本情報と、任意の他のSIを取得するための情報とを含む。最小SIは、マスタ情報ブロック(MIB:master information block)とシステム情報ブロック1(SIB1:system information block 1)とを含む。
【0072】
いくつかの例において、他のSIは、最小SI内でブロードキャストされないすべてのSIBをカバーする。このような例において、例えば、これらのSIBは、DL-SCHにおいて周期的にブロードキャストされてもよい。別の例において、SIBは、また、DL-SCHにおいて必要に応じて(すなわち、RRC_IDLE、RRC_INACTIVE、又はRRC_CONNECTEDにおいて端末装置110からの要求に応じて)ブロードキャストされてもよい。代替として、これらのSIBは、DL-SCHにおいて専用の方法でRRC_CONNECTEDにあるUEへ送信されてもよい(すなわち、要求されると、RRC_CONNECTEDにあるUEからネットワークにより設定されている場合、又は設定された共通探索空間を有しないアクティブなBWPをUEが有する場合)。
【0073】
さらに、SIのほかにも、いくつかの例において、端末装置110は、位置情報(PI)を取得する必要もあるかもしれない。このような例において、PIは、端末装置110により要求されたときにネットワーク装置120によりブロードキャストされてもよい(すなわち、必要に応じてブロードキャストされてもよい)。したがって、端末装置110の位置は、ネットワーク装置120からブロードキャストされるPIに含まれるパラメータを介して取得されてもよい。
【0074】
しかしながら、本開示の発明者らは、SDT(すなわち、非アクティブ状態にある端末装置110によるアップリンク送信)中に、端末装置110がオンデマンドSI/PIを要求する必要があるかもしれないことに気づいた。したがって、一態様において、オンデマンドSI/PIについての要求は、最初のアップリンクSDT送信において、非アクティブ状態においてアップリンクデータ送信とともに送信されてもよい。すなわち、2つのCCCHメッセージ(RRC再開要求メッセージとRRC_System_Info_Requestメッセージは、両方ともCCCHメッセージを介して送信されるため)は、同時に送信される必要がある。しかしながら、従来の解決策では、UL許可のサイズは、少なくとも1つのCCCHメッセージのために設計され、CCCHメッセージのためのRLCのモードは、トランスペアレントモード(TM:transparent mode)であり、これは、CCCHメッセージを送信時にセグメント化すべきではないことを意味する。すなわち、UL許可のサイズが2つのCCCHメッセージを送信するのに不十分である場合、第2のCCCHメッセージを分離方式で送信することはできない(すなわち、CCCHメッセージの一部は、該UL許可内で送信され、CCCHメッセージの他の部分は、次のUL許可内で送信される)。したがって、2つのCCCHメッセージがUL許可内で送信され、該UL許可のサイズが2つのCCCHメッセージを保持するのに小さすぎる場合、2つのCCCHメッセージのうちの2番目のメッセージの送信の失敗を引き起こすかもしれない。
【0075】
別の態様において、本発明者らは、さらに、最初のアップリンクSDT送信の後に、非アクティブ状態における後続のアップリンクデータ送信が存在する場合、端末装置110が非アクティブ状態において送信を継続して実行してもよいことに気づいた。このとき、端末装置110がオンデマンドSI/PIを要求する必要がある場合、後続のデータ送信フェーズにおいて、該後続のSDT送信とともにオンデマンドSI/PIについての要求をどのように送信するかについての解決策はない。言い換えれば、非アクティブ状態にある端末装置110について、後続のアップリンクデータ送信フェーズ中にCCCHメッセージをどのように送信するかについての解決策はない。したがって、例えば、上述のようにCCCHメッセージをセグメント化することができないことを考慮すると、これは、後続のアップリンクデータ送信についてのUL許可のサイズがCCCHメッセージについて不十分である場合に問題となり得る。
【0076】
いくつかの他の態様において、オンデマンドSI/PIは、また、RACHプロシージャを介して取得されてもよく、非アクティブ状態におけるアップリンク送信(すなわち、SDT)についての最初のデータ送信フェーズは、上述したように、RAに基づくSDTを介して実行されることができる。結果として、2つの並行のRACHプロシージャ(すなわち、一方は、オンデマンドSI/PI用であり、他方は、非アクティブ状態におけるアップリンク送信についての最初のデータ送信フェーズ用である)がトリガされる可能性があるが、これは許可されないことである。しかしながら、端末装置110のMACエンティティは、1つのRACHプロシージャの実行しか許可しないため、結果として、2つの並行のRACHプロシージャをトリガすることも問題となる。
【0077】
要するに、上記のような問題のあるシナリオにどのように対処するかについての解決策はない。言い換えれば、SDT中にオンデマンドSI/PI情報要求がトリガされるシナリオについての解決策が必要とされる。
【0078】
上記問題のうちの少なくとも1つを解決するために、SDTの解決策が提供される。この解決策では、非アクティブ状態においてアップリンクデータ送信を行う端末装置110(すなわち、SDTを行う端末装置110)は、まず、オンデマンド情報が利用可能か否かを決定する。オンデマンド情報が利用不可能であると決定した場合、端末装置110は、以下の動作のうちの少なくとも1つの動作を実行する。まず、端末装置110は、オンデマンド情報についての要求のネットワーク装置120への送信をトリガする。代替として、端末装置110は、ネットワーク装置120へのオンデマンド情報についての要求の送信を回避する。言い換えれば、端末装置110は、オンデマンド情報についての要求をネットワーク装置120に送信しない。
【0079】
したがって、端末装置110は、SDT中にオンデマンド情報(例えば、オンデマンドSI/PI)についての要求を許可するか、又はSDT中にオンデマンド情報要求が送信されるのを回避することができる。こうして、SDT中にトリガされたオンデマンド情報要求を適切に処理することができるため(例えば、既存のSDTを中断することなく)、SDT解決策の堅牢性が向上する。
【0080】
ここで、図4を参照し、図4は本開示のいくつかの実施形態にかかるSDTプロシージャのためのシグナリングフロー400を示す。説明のために、図1Aを参照しつつシグナリングフロー400を説明する。シグナリングフロー300には、図1Aに示されるような端末装置110と、ネットワーク装置120とが関与する。
【0081】
図4に示すように、非アクティブ状態においてアップリンクデータの送信を実行する端末装置110は、オンデマンド情報が利用可能か否かを決定する(410)。一例において、オンデマンド情報はオンデマンドSIを含んでもよい。別の例において、オンデマンド情報は、また、オンデマンドPIを含んでもよい。オンデマンド情報は、他のタイプのオンデマンド情報を含んでもよく、本開示の範囲がこの点において限定されないことを理解すべきである。
【0082】
いくつかの実施形態において、端末装置110は、オンデマンド情報が利用可能か否かを決定してもよい。NOの場合、端末装置110は、非アクティブ状態におけるアップリンクデータ送信(すなわち、SDT)を実行しているか否かを決定してもよい。YESの場合、端末装置110は、オンデマンド情報についての要求のネットワーク装置120への送信をトリガするか、又はネットワーク装置120へのオンデマンド情報についての要求の送信を回避してもよい(すなわち送信しない)。
【0083】
いくつかの実施形態において、オンデマンド情報の有効なバージョンが存在せず、オンデマンド情報がネットワーク装置120によりブロードキャストされていないと決定された場合、端末装置110は、オンデマンド情報が利用不可能であると決定してもよい。このような実施形態において、例えば、オンデマンド情報の有効なバージョンが存在しないことは、端末装置110が有効なバージョンを記憶していないことであるかもしれない。別の例において、端末装置がオンデマンド情報のどんなバージョンも一切記憶していないことであるかもしれない。
【0084】
いくつかの他の実施形態において、オンデマンド情報についての要求がRRC層において端末装置110の上位層から受信され、該オンデマンド情報はネットワーク装置120によりブロードキャストされていないと決定された場合、端末装置110は、該オンデマンド情報が利用不可能であると決定してもよい。端末装置110は、オンデマンド情報が利用可能か否かを決定してもよく、本開示の範囲は、この点で限定されない。
【0085】
そして、オンデマンド情報が利用不可能であると決定した場合、端末装置110は、オンデマンド情報についての要求のネットワーク装置120への送信をトリガすることを決定する(420)。代替として、端末装置110は、ネットワーク装置120へのオンデマンド情報についての要求の送信を回避する。言い換えれば、端末装置110は、SDT中にオンデマンドSI又はオンデマンドPIを要求しない。このような場合、端末装置110は、要求をSDTプロシージャの後に延期させてもよい。いくつかの他の実施形態において、オンデマンド情報が利用不可能であると決定され、且つ、端末装置110がSDTを実行していない(すなわち、SDTのためのタイマが実行していない)場合、端末装置110はオンデマンドSI/PIを要求してもよい。
【0086】
端末装置110は、様々な方法でネットワーク装置120へのオンデマンド情報についての要求の送信をトリガしてもよい。以下の部分では、要求の送信をトリガする方法について詳しく紹介する。しかしながら、要求の送信をトリガする他の方法もあり、本開示の範囲がこの点において限定されないことを理解すべきである。
【0087】
いくつかの実施形態において、端末装置110は、非アクティブ状態からアイドル状態に入り、その後、オンデマンド情報についての要求をネットワーク装置120に送信してもよい。このような実施形態において、一例において、端末装置110の下位層(例えば、MAC層)は、TS 38.321に従って、端末装置110がセル内で動作するのに必要とするSIメッセージに対応するsi-RequestConfig内のPRACHプリアンブル及びPRACHリソースを使用して、通常のアップリンクにおいてランダムアクセス(RA)プロシージャを開始するようにトリガされ、また、この場合、si-BroadcastStatusは、notBroadcastingにセットされる。したがって、オンデマンド情報は、必要に応じてネットワーク装置120から取得されてもよい。
【0088】
別の例において、端末装置110は、既存の3GPP規格に従ってRRCSystemInfoRequestメッセージ(すなわち、CCCHを使用するSRB0メッセージ)の送信を開始して、INACTIVE状態又はIDLE状態にある端末装置110のためのオンデマンドSI/PIを要求してもよい。
【0089】
いくつかの他の実施形態において、端末装置110は、非アクティブ状態におけるアップリンクデータの送信を中断し、その後、オンデマンド情報についての要求をネットワーク装置120に送信してもよい。例えば、端末装置110は、本開示の以下の部分で説明される同じ中断プロシージャを使用することにより、非アクティブ状態におけるアップリンクデータの送信を中断してもよい。端末装置110は、また、他の中断プロシージャを利用して、非アクティブ状態におけるアップリンクデータの送信を中断してもよく、本開示の範囲は、この点において限定されない。
【0090】
このような実施形態において、一例において、端末装置110の下位層(例えば、PHY層)は、TS 38.321に従って、端末装置110がセル内で動作するのに必要とするSIメッセージに対応するsi-RequestConfig又はsi-RequestConfigSUL内のPRACHプリアンブル及びPRACHリソースを使用して、通常のアップリンク又は補助的なアップリンクにおいてRAプロシージャを開始するようにトリガされ、また、この場合、si-BroadcastStatusは、notBroadcastingにセットされる。したがって、オンデマンド情報は、必要に応じてネットワーク装置120から取得されてもよい。
【0091】
別の例において、端末装置110は、既存の3GPP規格に従ってRRCSystemInfoRequestメッセージ(すなわち、CCCHを使用するSRB0メッセージ)の送信を開始して、INACTIVE状態又はIDLE状態にある端末装置110のためのオンデマンドSI/PIを要求してもよい。
【0092】
代替として、端末装置110は、SRB1メッセージ又はSRB2メッセージを送信することにより、オンデマンドSI/PIについての要求の送信をトリガしてもよい。したがって、SRB1及びSRB2メッセージがRLC確認応答モード(AM)において送信されるので、このようなモードについて、セグメント化が許可される。結果として、DCCHを使用してオンデマンドSI/PIについての要求が送信されるので、UL許可がCCCHメッセージを収容するのに十分に大きいか否かの問題はない。
【0093】
このような実施形態において、例えば、既存のSRB1又はSRB2メッセージが使用されてもよい。この例において、オンデマンドSI/PIを送信するために、既存のDedicatedSIBRequestメッセージを使用してもよい。より多くのタイプのSIBのために、メッセージの内容は、DedicatedSIBRequestメッセージにより現在サポートされているSIB12、SIB13、SIB14以外にも他のSIB(例えば、SIB2~SIB11)を要求するように拡張されてもよい。
【0094】
このような実施形態において、別の例において、新しく設計されたメッセージは、SRB1又はSRB2を使用してオンデマンド情報を送信するために使用されてもよい。具体的には、新しいメッセージの内容は、RRCSystemInfoRquestと同一であってもよく、又は似ていてもよい。
【0095】
1つの例において、新しく設計されたメッセージは、以下の通りであってもよい:
NewMessage ::= SEQUENCE {
criticalExtensions CHOICE {
newMessage RRCSystemInfoRequest-IEs,
criticalExtensionsFuture-r16 CHOICE {
rrcPosSystemInfoRequest-r16
RRC-PosSystemInfoRequest-r16-IEs,
criticalExtensionsFuture SEQUENCE {}
}
}
}
RRCSystemInfoRequest-IEs ::= SEQUENCE {
requested-SI-List BIT STRING (SIZE (maxSI-Message)), --32bits
spare BIT STRING (SIZE (12))
}
RRC-PosSystemInfoRequest-r16-IEs ::= SEQUENCE {
requestedPosSI-List BIT STRING (SIZE (maxSI-Message)), --32bits
spare BIT STRING (SIZE (11))
}
【0096】
SRB1及びSRB2メッセージは、他のフォーマットで設計されてもよく、本開示の範囲がこの点において限定されないことを理解すべきである。
【0097】
いくつかの実施形態において、RAに基づくSDTが使用され、RAプロシージャに基づく要求がトリガされる場合、RAに基づくSDTの最初のSDTフェーズ中にRAに基づく要求を実行できないことを考慮して、端末装置110は、RAに基づく要求を延期させて、最初のSDT送信(すなわち、最初のデータ送信フェーズ)が完了した後に実行さいてもよい。代替として、このような場合、端末装置110は、また、RAに基づく要求を延期させる代わりに、最初のデータ送信フェーズ中にSRB0メッセージ(例えば、RRCSystemInfoRequestメッセージ)に基づく要求を送信してもよい。
【0098】
上記の解決策により、SDT中にオンデマンド情報が必要とされ、且つ、RAプロシージャに基づく要求がトリガされる場合、2つの並行のRACHプロシージャがトリガされるシナリオを回避することができる。
【0099】
いくつかの例において、オンデマンドSI/オンデマンドPIについてのRAプロシージャに基づく要求は、SDTの後続のデータ送信フェーズ中に実行されてもよい。いくつかの他の例において、RAプロシージャに基づく要求は、CGに基づくSDT中にオンデマンドSI/オンデマンドPIについて実行されてもよい。
【0100】
いくつかの実施形態において、図2A及び図2Bを参照して上述したように、非アクティブ状態におけるアップリンクデータの送信のためのフェーズは、場合によっては、最初のデータ送信フェーズと、追加の後続のデータ送信フェーズとを含んでもよい。したがって、このような実施形態において、例えば、端末装置110は、オンデマンドSI/PIについての要求がSRB0メッセージ(例えば、RRCSystemInfoRequestメッセージ)とともに送信されてもよく、最初のデータ送信フェーズ中に、SRB0メッセージが、媒体アクセス制御プロトコルデータユニット(MAC PDU:medium access control protocol data unit)内で、RRC再開要求メッセージ及び非アクティブ状態におけるアップリンクデータの送信とともに送信されてもよいことを決定してもよい。
【0101】
従来の解決策では、最初のデータ送信フェーズ内のRAプロシージャ中に、一時的セル無線ネットワーク一時識別子(TC-RNTI:temporary cell-radio network temporary identifier)が使用される。しかしながら、後続のデータ送信フェーズにおいて、動的許可又は設定された許可についてのアップリンク許可が使用される場合、セル無線ネットワーク一時識別子(C-RNTI:cell-radio network temporary identifier)と、設定されたスケジューリング無線ネットワーク一時識別子(CS-RNTI:configured scheduling-radio network temporary identifier)とがそれぞれ使用される。しかしながら、従来の解決策では、C-RNTIとCS-RNTIとの両方が、UL CCCHメッセージを送信することが許可されない。結果として、CCCHをセグメント化することができるとしても、CCCHメッセージを後続のデータ送信フェーズにおいて送信する場合、依然として問題となる。すなわち、C-RNTIとCS-RNTIとを使用して、SDTの後続のデータ送信フェーズ中に、オンデマンドSI/PIのためのUL CCCHメッセージを送信することが必要である。
【0102】
上述した問題を解決するために、別の例において、端末装置110は、C-RNTI又はCS-RNTIを使用してCCCHにおいて後続のデータ送信フェーズ中にSRB0メッセージを送信してもよい。例えば、修正された3GPP仕様の関連内容は、次の表1のようになる:
【0103】
表1 RNTIの用途
【表1】
【0104】
したがって、C-RNTIとCS-RNTIとを使用してUL CCCHメッセージを送信することにより、SDT中にオンデマンドシステム情報要求を開始することができるようにすることが可能である。
【0105】
いくつかの他の実施形態において、端末装置110は、オンデマンド情報についての要求がSRB0メッセージを使用して送信されることを決定してもよい。したがって、アップリンク許可がアップリンクデータを受け入れ、SRB0メッセージを追加として受け入れないと決定すると、端末装置110は、アイドル状態に入った後に要求を送信してもよい。代替として、端末装置110は、非アクティブ状態におけるアップリンクデータの送信を中断した後に要求を送信してもよい。一例において、端末装置110は、本開示の以下の部分で説明される同じ中断プロシージャを使用することにより、非アクティブ状態におけるアップリンクデータの送信を中断してもよい。端末装置110は、また、他の中断プロシージャを利用して、非アクティブ状態におけるアップリンクデータの送信を中断してもよく、本開示の範囲は、この点において限定されない。
【0106】
すなわち、UL許可がCCCHメッセージのデータを受け入れられない場合、MAC層は、RRC層に示すべきである。したがって、端末装置110のRRC層は、SDT中断プロシージャを実行するか、又はアイドルモードに入って、その後、オンデマンド情報についての要求を開始してもよい。このように、オンデマンド情報(例えば、SI/PI)は、SDTプロシージャ中にトリガされても、端末装置110により取得されることができる。
【0107】
SDTプロシージャの終了の実現例
本開示の発明者は、SDTプロシージャ中に、SDTプロシージャを継続して実行することができないいくつかのケースが存在する可能性があることに気づいた。そのように、SDTプロシージャを終了した方がいい。しかしながら、この場合、SDTプロシージャを終了するために端末装置110が何を実行すべきか否かは、依然として不明である。
【0108】
さらに、本開示の発明者は、いずれも発生した後に端末装置110が何をすべきかが不明である多数のシナリオを発見している。具体的には、1つのシナリオにおいて、例えば、端末装置110がRRC再開要求メッセージとアップリンクデータとを送信することにより最初のSDTを送信するだけであって、ネットワーク装置120がネットワークにおける遅延や障害によりこの最初のデータ送信を受信していない場合、このとき、端末装置110がページング要求を受信すれば(例えば着信呼がある場合)、SDTを継続して実行するよりもページング要求についての応答を提供する方がよい。これは、SDTが、例えば着信呼により引き起こされるページング要求よりも低い優先度を有するからである。このようなシナリオにおいて、端末装置110は、SDTプロシージャをどのように処理すればよいのであろうか。
【0109】
さらに、別のシナリオにおいて、端末装置110の上位層(例えば、NAS層)は、RRC再開プロシージャをRRC層へトリガしてもよく、SDTプロシージャは、例えば、RRC層により開始される。しかしながら、その後、上位層は、RRC再開プロシージャを放棄するように、すなわちRRC接続確立を中断するように、RRC層に示してもよい。このようなケースにおいて、端末装置110は、SDTプロシージャをどのように処理すればよいのであろうか。
【0110】
別のシナリオにおいて、タイマは、導入され、アップリンクデータの送信が失敗したか否かを決定するために使用される。例えば、該タイマは、SDTプロシージャがRRC層により開始されると、すぐに開始されるタイマであってもよい。代替として、該タイマは、後続のデータ送信フェーズ中に端末装置11においてアップリンクデータの送信が実行されたときに開始又はリセットされるタイマであってもよい。
【0111】
通常のシナリオにおいて、最大値でセットされたタイマは、SDTプロシージャ中に満了すべきではなく、該タイマが満了する前にネットワーク装置120から応答があるべきである。しかしながら、タイマが満了し、且つ、(例えば、ネットワーク遅延、ネットワーク障害等により)ネットワーク装置120からの応答がない場合、端末装置110は、アップリンクデータの送信が失敗したと決定してもよい。このようなシナリオにおいて、端末装置110は、SDTプロシージャをどのように処理すればよいのであろうか。
【0112】
別のシナリオにおいて、RLC送信が失敗したとき、RLC再送信が発生する。該RLC再送信が失敗した場合、別のRLC再送信があってもよい。このようなシナリオにおいて、RLC再送信の最大回数(例えば、2回又は4回のRLC再送信)が定義されてもよい。SDT中に、RLC再送信の最大回数に達した場合、これは、その時点でのチャネル状態が悪いことを意味するかもしれない。このようなシナリオにおいて、端末装置110は、SDTプロシージャをどのように処理すればよいのであろうか。
【0113】
追加として、RAに基づくSDTのMsg A又はMsg 3リソース内、又はCGに基づくSDTのCGリソース内の、最初のアップリンクデータ送信が所定の回数で失敗した場合、端末装置110によりどのようにSDTプロシージャをさらに実行すればよいのであろうか。
【0114】
別のシナリオにおいて、端末装置110のRRC層は、新しいデータを有するすべての無線ベアラがSDTをサポートするように設定され、データ量が閾値を下回っていると決定してもよく、そして、RRC層は、端末装置110のMAC層がRAに基づくSDT又はCGに基づくSDTを実行するかを選択するように、MAC層に示す。利用可能な、適切なRAに基づくSDTリソースも適切なCGに基づくSDTリソースもない場合、利用可能な、適切なSDTリソースがないため、MAC層は、SDTをキャンセルするよう端末装置110のRRC層に示すべきである。この時点で、端末装置110のRRC層は、上述したRLC再確立又は他のSDT関連処理をすでに完了しているかもしれない。しかしながら、端末装置110のMAC層が、SDTリソースが利用不可能であることをRRC層にすでに示しているので、端末装置110は、どのように実行すべきであろうか。
【0115】
上記問題のうちの少なくとも1つを解決するために、SDTを終了するための解決策が提供される。ここで、図5を参照すると、図5は、本開示のいくつかの実施形態にかかるSDTプロシージャのためのシグナリングフロー500を示す。説明のために、図1Aを参照しつつシグナリングフロー500を説明する。シグナリングフロー500には、図1Aに示されるような端末装置110と、ネットワーク装置120とが関与する。
【0116】
図5に示すように、例えば、端末装置110は、非アクティブ状態においてアップリンクデータをネットワーク装置120に送信しているかもしれない(510)。別の例において、端末装置110は、非アクティブ状態においてアップリンクデータをネットワーク装置120に送信しようとしているが、まだ送信していないかもしれない。次いで、端末装置110は、ネットワーク装置120から端末装置110宛てのページングメッセージを受信したことと、端末装置110のRRC層において非アクセスストラタム層から接続確立の中断を受信したことと、非アクティブ状態におけるアップリンクデータの送信に関連する第1のタイマの満了と、すでにRLC再送信の最大回数に達したことと、(MsgA/Msg3/CGリソースにおける)最初のアップリンクデータ送信が所定の回数で失敗したことと、端末装置110のMAC層からRRC層に非アクティブ状態におけるアップリンクデータの送信をキャンセルする指示が提供されたことと、のうちの1つに応じて、非アクティブ状態におけるアップリンクデータの送信(すなわち、SDTプロシージャ)を中断する(520)。
【0117】
いくつかの実施形態において、端末装置110は、送信を拒否するメッセージ(例えば、RRCRejectメッセージ)を受信したことに応じてSDTプロシージャを中断してもよい。いくつかの例において、端末装置110は、非アクティブ状態における送信をサポートしていない(すなわち、SDTをサポートしていない)少なくとも1つの無線ベアラから到着する別のアップリンクデータに応じて、SDTプロシージャを中断してもよい。いくつかの例において、端末装置110は、NAS層又はAS層がRRC Connected状態への遷移を要求したことに応じて、SDTプロシージャを中断してもよい。いくつかの実施形態において、端末装置110は、端末装置110のサービングセルの受信信号電力(例えば、RSRP)が閾値電力より低いことに応じて、SDTプロシージャを中断してもよい。いくつかの実施形態において、端末装置110は、第1のセルから第2のセルへのセル再選択が実行されたことに応じて、SDTプロシージャを中断してもよい。これらは単なる例であり、SDTプロシージャを中止するための任意の他の適切な条件も可能である。
【0118】
いくつかの実施形態において、端末装置110は、非アクティブ状態におけるアップリンクデータの送信に関連するタイマを停止することにより、SDTプロシージャを中断してもよい。したがって、いったんタイマが停止されると、タイマの満了は、トリガされないため、他の予期しない動作がトリガされることはない。
【0119】
いくつかの他の実施形態において、端末装置110は、また、現在のKgNB鍵、KRRCenc鍵、KRRCint鍵、KUPint鍵及びKUPenc鍵を廃棄すること、MACをリセットし、デフォルトMACセルグループ設定を解放すること、少なくとも、非アクティブ状態における送信をサポートする無線ベアラのRLCエンティティ(すなわち、すべての無線ベアラ又はSDTをサポートする無線ベアラのみ)を再確立すること、SRB1及び少なくとも、非アクティブ状態における送信をサポートする無線ベアラ(すなわち、すべての無線ベアラ又はSDTをサポートする無線ベアラのみ)を一時停止することのうちの少なくとも1つにより、SDTプロシージャを中断してもよい。SDTプロシージャを中断することに、より多くの動作又はより少ない動作が含まれてもよいことに注意すべきである。
【0120】
上記の解決策により、どのシナリオにおいて進行中のSDTプロシージャを終了すべきかは、明らかである。そして、端末装置110は、リストされたシナリオが発生した場合にSDTプロシージャを中断することにより、より堅牢なSDT解決策を提供することができる。
【0121】
いくつかの他の実施形態において、端末装置110は、また、ネットワーク装置120から端末装置110宛てのページングメッセージを受信したことと、端末装置110のRRC層において非アクセスストラタム層から接続確立の中断を受信したことと、非アクティブ状態におけるアップリンクデータの送信に関連する第1のタイマの満了と、すでにRLC再送信の最大回数に達したことと、(MsgA/Msg3/CGリソースにおける)最初のアップリンクデータ送信が所定の回数で失敗したことと、又は、端末装置110のMAC層からRRC層に非アクティブ状態におけるアップリンクデータの送信をキャンセルする指示が提供されたことと、のうちの1つに応じて、アイドル状態に入ってもよい。
【0122】
上記の解決策により、端末装置110は、また、リストされたシナリオが発生した場合にアイドル状態に入ることにより、SDTのためのより堅牢且つ完全な解決策を提供することができる。
【0123】
アイドル状態(すなわち、RRC_IDLE)に入ると、端末装置110は、既存の3GPP規格で定義されていることに従って実行してもよく、その詳細は、本明細書では規定されないことを理解すべきである。
【0124】
第2のRRC再開の実現例
いくつかの実施形態において、上述したように、SDT中断は、様々な理由により、SDTプロシージャが開始された後に実行されてもよい。また、SDT中断後、端末装置110は、非アクティブ状態に残ってもよい。非アクティブ状態にあるとき、端末装置110は、同じセル内で再びRRC再開プロシージャを開始してもよい。本開示の発明者は、このような場合に同じresumeMAC-Iを使用する場合にいくつかのセキュリティ上の懸念があることに気づいた。
【0125】
具体的には、ResumeMAC-Iは、端末装置110によりRRC再開要求メッセージ内でネットワーク装置120に送信されることにより、ネットワーク装置120がそれを用いて端末装置110が正当な端末装置110であるか否かを検証することができるようにする情報である。RRC再開要求メッセージは、RRCResumeRequest又はRRCResumeRequest1メッセージであってもよいことを理解すべきである。
【0126】
しかしながら、問題は、ResumeMAC-Iが、SDT中断プロシージャの前に発生するSDTプロシージャ内ですでに計算されていることである。しかしながら、(例えば、SDTのため、又は非SDTのための)RRC再開プロシージャは、同じセル内で再び同じUEコンテキストを使用して実行されるので、ResumeMAC-Iが再計算される可能性があり、これにより、2回目で計算されるResumeMAC-Iが、前のSDTプロシージャで既に計算されたものと同じであるかもしれない。結果として、別の装置(例えば、別の端末装置110)を持つ者が、傍受により、中断プロシージャの前のSDTプロシージャで計算されたresumeMAC-Iを取得した場合、該装置を持つ者は、端末装置110になりすまして、第2のRRC再開要求メッセージをネットワーク装置120に送信する可能性がある。
【0127】
以上のケースの発生を防ぐためには、すでに一度使用されたresumeMAC-Iを次のSDT/非SDTプロシージャにおいて次回から再利用しない方がいい。したがって、第2のRRC再開のための解決策が提供される。この解決策において、端末装置110は、RRC再開プロシージャに関連する第1の値に基づいて、RRC再開プロシージャのためのメッセージ認証コード整合性(MAC-I:message authentication code-integrity)のパラメータを決定する。そして、端末装置110は、RRC再開プロシージャを開始するために、当該パラメータを含むRRC再開要求メッセージを送信する。このような解決策において、第1の値は、別のRRC再開プロシージャ(例えば、SDT中断プロシージャの前に発生するRRC再開プロシージャ)を決定するために使用されるMAC-Iの値とは異なる。
【0128】
上記の解決策により、該第2のRRC再開プロシージャ中に、それぞれのシーンについてCOUNT及び/又はBEARER及び/又はDIRECTIONの異なる入力値を使用してMAC-Iのパラメータ(例えば、resumeMAC-I)を計算することにより、ネットワークのセキュリティを向上させることができる。
【0129】
ここで、図6を参照すると、図6は、本開示のいくつかの実施形態にかかるSDTプロシージャのためのシグナリングフロー600を示す。説明のために、図1Aを参照しつつシグナリングフロー600を説明する。シグナリングフロー300には、図1Aに示されるような端末装置110と、ネットワーク装置120とが関与する。
【0130】
図6に示すように、端末装置110は、RRC再開プロシージャに関連する値に基づいて、RRC再開プロシージャのためのMAC-Iのパラメータを決定する(610)。RRC再開プロシージャに関連する該値は、別のRRC再開プロシージャのMAC-Iを決定するための値とは異なる。いくつかの例において、MAC-Iのパラメータは、resumeMAC-Iであってもよい。
【0131】
いくつかの例において、別のRRC再開プロシージャのMAC-Iを決定するための値は、2進数1のシーケンスである所定の値であってもよい。例えば、16ビットのシーケンスである場合、該所定の値は、1111,1111,1111,1111であってもよい。いくつかの他の実施形態において、該所定の値は、11又は1111であってもよく、本開示の実施形態は、この点において限定されない。
【0132】
いくつかの実施形態において、RRC再開プロシージャに関連する値は、resumeMAC-Iを決定するためのカウントの入力ビットであってもよい。いくつかの他の実施形態において、この値は、resumeMAC-Iを決定するためのベアラの入力ビットであってもよい。代替として、この値は、resumeMAC-Iを決定するための方向の入力ビットであってもよい。他の実施形態において、この値は、カウント、ベアラ及び方向の入力ビット、又はそれらの任意の組み合わせであってもよい。
【0133】
いくつかの実施形態において、端末装置110は、非アクティブ状態における別のアップリンクデータの送信を中断した後にRRC再開プロシージャが開始されるとの決定に従って、該パラメータを決定してもよい。
【0134】
このような実施形態において、例えば、端末装置110が、後で、同じセル内で同じUEコンテキストを使用して(SDT又はレガシーデータ送信のための)第2のRRC再開プロシージャを実行する場合、端末装置110は、
2> 節8(すなわち、8ビットの倍数の)VarResumeMAC-Inputに従ってエンコードされるASN.1上で、
2> UE Inactive AS Context内のKRRCint鍵と、以前に設定された整合性保護アルゴリズムを使用して、及び
2> 全2進値1ではない所定の値にセットされるカウント及び/又はベアラ及び/又は方向のための入力ビットで、
RRCResumeRequest又はRRCResumeRequest1内のresumeMAC-Iを、全2進数1ではなく、カウント及び/又はベア及び/又は方向の予め定義された入力値(例えば、全2進数0、2進数1と0を含むシーケンスなど)で計算されるMAC-Iの最下位16ビットにセットする。
【0135】
上記の解決策により、端末装置110が同一セル内でRRC再開プロシージャを再び開始する際に、SDT中断後に異なるresumeMAC-Iを使用することが可能となるため、システムの安全性が向上する。
【0136】
いくつかの他の実施形態において、端末装置110は、また、RRC再開プロシージャが、非アクティブ状態におけるアップリンクデータの送信のためのものであるとの決定に従って、パラメータを決定してもよい。
【0137】
このような実施形態において、例えば、端末装置110がSDTのためのRRC再開プロシージャを開始する場合、端末装置110は、カウント及び/又はベアラ及び/又は方向のための入力ビットを、全2進数1ではない(例えば、全2進数0など)所定の値にセットして、resumeMAC-Iを計算してもよい。そうでない場合、端末装置110は、従来の解決策と同様に、すなわち、全2進数1にセットして、resumeMAC-Iを計算する。
【0138】
図6に戻り、RRC再開プロシージャのためのMAC-Iのパラメータを決定するとき、端末装置110は、RRC再開プロシージャを開始するために、該パラメータを含むRRC再開要求メッセージを送信する(620)。
【0139】
いくつかの例において、resumeMAC-Iを含むRRC再開要求は、端末装置110によりネットワーク装置120に以下のように送信されてもよい:
RRCResumeRequest ::= SEQUENCE {
rrcResumeRequest RRCResumeRequest-IEs
}

RRCResumeRequest-IEs ::= SEQUENCE {
resumeIdentity ShortI-RNTI-Value,
resumeMAC-I BIT STRING (SIZE (16)),
resumeCause ResumeCause,
spare BIT STRING (SIZE (1))
}
【0140】
また、状態変数TX_NEXTは、送信される次のPDCP SDUのカウント値を示す。いくつかの実施形態において、状態変数の初期値は、状態変数継続が設定されたSRBを除いて0である。いくつかの実施形態において、状態変数継続が設定されたターゲットSRBについて、初期値は、対応するソースSRBのPDCPエンティティに記憶された値である。状態変数継続が設定されたソースSRBについて、初期値は、対応するターゲットSRBのPDCPエンティティに記憶された値である。
【0141】
PDCPエンティティ一時停止プロシージャ中、TX_NEXTは、端末装置が非アクティブ状態に入ると現在実行されている初期値にセットされる。
【0142】
RRC再開プロシージャ中、PDCP再確立が行われ、ここで、非肯定応答モード(UM:unacknowledged mode)DRB及びSRBについての状態変数TX_NEXTは、初期値にセットされる。
【0143】
この場合、RRC再開プロシージャが、現在のUEコンテキストを使用して、以前のSDTプロシージャについてのセルと同じセルにおいてトリガされた場合、RRC再開プロシージャの間又は後に、SDT又はレガシーデータ送信により送信されるパケットは、以前に送信されたパケットと同じセキュリティ鍵とCOUNT値とを使用して暗号化される。しかしながら、RRC再開プロシージャの間又は後に送信されるパケットは、以前のSDTプロシージャにおいて以前に送信されたパケットとは異なってもよい。そのため、異なるパケットが同じセキュリティ鍵とCOUNT値とを使用して暗号化されることになり、安全の観点からは許されないことである。
【0144】
この点に鑑みて、本願の実施形態は、状態変数TX_NEXTをリセットしないようにセキュリティ問題に対処するための解決策を提供する。
【0145】
上述したように、いくつかのシナリオにおいて、SDTプロシージャが中断されてもよく、その後、端末装置は、SDTプロシージャが実行されたセルと同じセル内で別のRRC再開プロシージャをトリガしてもよい。この実施形態は、以下に詳細に説明される、これらのシナリオにおけるセキュリティを強化するための解決策を提供することを目的としている。
【0146】
このような実施形態において、端末装置110は、非アクティブ状態においてネアップリンクデータをットワーク装置120に送信する。すなわち、端末装置110は、SDTプロシージャを実行する。いくつかの実施形態において、端末装置110は、SDTプロシージャを中断してもよい。
【0147】
SDTプロシージャ中に、端末装置110は、ネットワーク装置120との接続の再開が、SDTプロシージャがすでに実行されたセルにおいて実行されるか否かを決定してもよい。接続の再開が該セルにおいて実行される場合、端末装置110は、以下に記載されるように、接続の再開を実行してもよい。
【0148】
例えば、端末装置110は、接続を回復するためのPDCP再確立において、非肯定応答モード(UM)DRB又はSRBのPDCPエンティティの状態変数(すなわち、TX_NEXT)を維持してもよい。すなわち、UM DRB又はSRBのPDCPエンティティのTX_NEXTは、RRC再開プロシージャにおいて初期値にセットされない。こうして、RRC再開プロシージャ時に送信される最初のパケットは、SDTプロシージャにおける以前の送信されたパケットとは異なるCOUNT値で暗号化されることができる。
【0149】
NAS層又はAS層がSDT又はレガシーデータ送信のためにRRC接続を再開するように端末装置110に要求するとき、端末装置110が現在のUEコンテキストを使用してSDTプロシージャを実行したセルである場合、端末装置110は、RRC再開プロシージャにおいて以下の行動を実行してもよい。例えば、レガシーデータ送信の場合、ネットワーク装置120は、RRC再開メッセージ内でDRB、SRB1及びSRB2についてのPDCP再確立を実行するように端末装置110を設定してもよい。SDTの場合、端末装置110のRRC層は、SDTを有するように設定されたDRB又はSRB(例えば、SRB1又はSRB2)についてのPDCP再確立を開始してもよい。RRC層が、SDTを有するように設定された無線ベアラのPDCPエンティティに再確立を実行するように示す場合、RRC層は、さらに、UM DRB及びSRBについての再確立中にTX_NEXTが初期化されないことをPDCPに示すべきである。
【0150】
いくつかの実施形態において、他のRRC再開プロシージャ(すなわち、第2のRRCプロセス)がレガシーデータ送信(すなわち、接続状態の間のデータ送信)のためのものである場合、非SDTベアラではなくSDTベアラについてのみセキュリティ問題が存在することを考慮して、ネットワーク装置120は、以下の方法のうちのいずれか1つでRRC再開メッセージ内に設定してもよい。
【0151】
例えば、RRC再開メッセージ内で、ネットワーク装置120は、SDTベアラ及び非SDTベアラのためにPDCP再確立を設定してもよく、端末装置110のRRC層は、PDCP再確立を実行するときに、SDTをサポートする無線ベアラについてのTX_NEXT継続をPDCP層に示してもよい。
【0152】
代替として、RRC再開メッセージ内で、ネットワーク装置120は、SDTをサポートしない無線ベアラについてPDCP再確立を設定してもよい。同時に、ネットワーク装置120は、SDTをサポートするDRBについてPDCPリカバリを設定し、SDTをサポートするSRB1及び/又はSRBについてPDCP SDU破棄を設定してもよい。PDCPリカバリにより、SDTをサポートする無線ベアラについても、TX_NEXTがリセットされることはない。
【0153】
いくつかの実施形態において、SDTプロシージャが実行されたセルとは異なるセルにおいて接続の再開が実行される場合、端末装置110は、PDCP再確立において状態変数を初期化することにより接続の再開を実行してもよい。例えば、端末装置110は、PDCP再確立の前に、DRBの下位層にPDCP一時停止を示し、TX_NEXTが初期化されていないことを示すことなく、PDCP再確立を実行してもよい。
【0154】
例えば、修正された3GPP仕様の関連内容は、次のようになる: 上位層がPDCPエンティティ再確立を要求するとき、送信するPDCPエンティティは、次のようにすべきである。 - UM DRB及びAM DRBについて、TS 38.331[3]にdrb-ContinueROHCが設定されていない場合、アップリンクについてROHCプロトコルをリセットし、Uモード(RFC 3095[8]及びRFC 4815[9]に定義されている)にてIR状態で開始し、
- UM DRB及びAM DRBについて、TS 38.331[3]にdrb-ContinueEHC-ULが設定されていない場合、アップリンクについてのEHCプロトコルをリセットし、
- 上位層がTX_NEXT値を維持するように示さなかった場合、UM DRB及びSRBについて、TX_NEXTを初期値にセットし、
- SRBについて、記憶されているPDCP SDU及びPDCP PDUをすべて破棄する。
【0155】
パワーヘッドルーム報告の実現例
従来では、PHRはアップリンクパワーの使用状況をネットワーク装置120に報告するために端末装置110により使用される。従来の解決策では、PHRは、SDT時に端末装置110のMAC層によりトリガされる。追加として、PHRは、データ(例えば、DRB及びSRBデータ)よりも高い優先度を有する。
【0156】
したがって、最初のデータ送信フェーズ中、RRC再開要求(すなわちCCCHメッセージ)が非アクティブ状態におけるアップリンクデータとともに送信される場合、そしてその時点でPHRを送信する必要もあれば、UL許可は、データ(UL CCCH、DCCH及びDTCHを含む)のみを受け入れられるが、PHR MAC CE及びそのヘッダ(3バイト)を受け入れられない可能性がある。結果として、アップリンクデータは、一度に送信されない可能性があり、端末装置110は、避けた方がよい後続のデータ送信を行わなければならないことになる。
【0157】
いくつかの例において、アップリンクデータを有するRRC再開要求メッセージのサイズが100ビットであれば、PHRのサイズが10ビット(すなわち、合計110ビット)になる。しかしながら、ネットワーク装置120が100ビットのみを割り当てる場合について説明する。上述したように、PHRの優先度は、データよりも高い。結果として、このアップリンク許可内で送信できず、後続のデータ送信フェーズ内で送信される必要がある10ビットのデータが存在する。しかしながら、PHRが、後続のデータ送信のために(例えば、後続のデータ送信のアップリンク送信パワーを調整するため)使用されるが、より高い優先度を有することを考慮すると、最初のデータ送信フェーズで一度に送信されることのできないデータが発生する。
【0158】
上記問題を解決するために、SDTのための解決策が提供される。ここで、図7を参照すると、図7は、本開示のいくつかの実施形態にかかるSDTプロシージャのためのシグナリングフロー700を示す。説明のために、図1Aを参照しつつシグナリングフロー700を説明する。シグナリングフロー700には、図1Aに示されるような端末装置110と、ネットワーク装置120とが関与する。
【0159】
図7に示すように、端末装置110は、PHRをトリガする(710)。そして、アップリンクデータが非アクティブ状態において送信されると決定された場合、端末装置110は、アップリンク許可がアップリンクデータを受け入れ、PHRを追加として受け入れないか否かを決定する(720)。アップリンク許可がアップリンクデータを受け入れ、PHRを追加として受け入れないと決定された場合、端末装置110は、アップリンクデータにリソースを割り当てる(730)。その後、端末装置110は、割り当てられたリソースを使用してアップリンクデータを送信する(740)。
【0160】
したがって、SDT中にPHRがトリガされた場合、ULグラントが、送信のために利用可能なすべての保留中のデータを受け入れることができるが、PHR MAC CE及びそのヘッダを追加として受け入れるには不十分であれば、リソース割当を実行する際に、MAC層は、リソースを選択してPHR MAC CEの論理チャネルに割り当てるべきではない。
【0161】
したがって、UL-grantがデータのみを受け入れられるが、PHRを受け入れられない場合、UEは、データのみを送信してもよい。SDTプロシージャを1回の送信で完了させることができる。
【0162】
いくつかの実施形態において、アップリンク許可がPHRを追加として受け入れないと決定された場合、端末装置110は、リソースをPHRのMAC-CEに割り当てることを回避してもよい。すなわち、端末装置110は、PHRのMAC-CEにリソースを割り当てない。いくつかの実施形態において、ULグラントがデータ及びPHRの両方を受け入れられる場合、端末装置110は、その両方を同時に送信してもよい。
【0163】
方法の実現例
本開示の実施形態は、端末装置とネットワーク装置において実現される通信方法を提供する。図8図13を参照して、以下にこれらの方法を説明する。
【0164】
図8は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末装置において実現される例示的な通信方法800を示す図である。例えば、方法800は、図1Aに示すような端末装置110において実行されてもよい。以下、説明のために、図1Aを参照しつつ方法800を説明する。方法800は、図示されていない追加のブロックを含んでもよく、且つ/又は図示されているいくつかのブロックを省略してもよく、本開示の範囲がこの点において限定されないことを理解すべきである。
【0165】
図8に示すように、ブロック810において、端末装置110は、無線ベアラのためのRLCエンティティ再確立が実行されるか否かを決定する。無線ベアラは、非アクティブ状態におけるデータの送信を有するように設定される。いくつかの実施形態において、RLCエンティティ再確立が実行されるか否かを決定することは、アップリンクデータの送信が非アクティブ状態において実行される場合、RLCエンティティ再確立が実行されると決定すること、又は、無線ベアラについてのRLCエンティティ再確立に関する指示を含む無線リソース制御(RRC)解放メッセージがネットワーク装置から受信された場合、RLCエンティティ再確立が実行されると決定すること、を含む。
【0166】
ブロック820において、RLCエンティティ再確立が実行されると決定した場合、端末装置110は、RLCエンティティを再確立する。その後、端末装置110は、ネットワーク装置に、無線ベアラにて非アクティブ状態においてアップリンクデータを送信する。
【0167】
いくつかの実施形態において、非アクティブ状態におけるデータ送信を有するように設定されていない別の無線ベアラについての別のRLCエンティティ再確立のための指示を含むRRC再開メッセージをネットワーク装置から受信したことに応じて、端末装置は、接続状態においてデータを送信するために該別のRLCエンティティを再確立してもよい。
【0168】
図9は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、ネットワーク装置において実現される別の例示的な通信方法900を示す図である。例えば、方法900は、図1Aに示すようなネットワーク装置120において実行されてもよい。以下、説明のために、図1Aを参照しつつ方法900を説明する。方法900は、図示されていない追加のブロックを含んでもよく、且つ/又は図示されているいくつかのブロックを省略してもよく、本開示の範囲がこの点において限定されないことを理解すべきである。
【0169】
図9に示すように、ブロック910において、ネットワーク装置120は、アップリンクデータとRRC再開要求メッセージが非アクティブ状態にある端末装置から受信されたか否かを決定する。YESの場合、ネットワーク装置120は、端末装置に、非アクティブ状態におけるデータ送信を有するように設定されていない無線ベアラについてのRLCエンティティ再確立のための指示を含むRRC再開メッセージを送信する。
【0170】
図10は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末装置において実現される別の例示的な通信方法1000を示す図である。例えば、方法1000は、図1Aに示すような端末装置110において実行されてもよい。以下、説明のために、図1Aを参照しつつ方法1000を説明する。方法1000は、図示されていない追加のブロックを含んでもよく、且つ/又は図示されているいくつかのブロックを省略してもよく、本開示の範囲がこの点において限定されないことを理解すべきである。
【0171】
図10に示すように、ブロック1010において、非アクティブ状態においてアップリンクデータの送信を実行する端末装置110は、オンデマンド情報が利用可能か否かを決定する。NOの場合、方法1000は、ブロック1020に進む。
【0172】
ブロック1020において、オンデマンド情報が利用不可能であると決定された場合、端末装置は、オンデマンド情報についての要求のネットワーク装置への送信をトリガすること、又は、オンデマンド情報についての要求のネットワーク装置への送信を回避すること、のうちの少なくとも1つを実行する。
【0173】
いくつかの実施形態において、オンデマンド情報は、オンデマンドSI又はオンデマンドPIのうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0174】
いくつかの実施形態において、要求の送信をトリガすることは、アイドル状態に入ること、及び、オンデマンド情報を要求するSRB0メッセージを送信すること、又は、RAプロシージャを開始することのうちの少なくとも1つにより実行される動作を実行してオンデマンド情報を要求すること、を含んでもよい。
【0175】
いくつかの実施形態において、要求の送信をトリガすることは、非アクティブ状態におけるアップリンクデータの送信を中断することと、オンデマンド情報を要求するSRB0メッセージを送信すること、又は、RAプロシージャを開始することのうちの少なくとも1つにより実行される動作を実行してオンデマンド情報を要求することと、を含んでもよい。
【0176】
いくつかの実施形態において、要求の送信をトリガすることは、オンデマンド情報を要求するSRB1メッセージ又はSRB2メッセージを送信することを含んでもよい。
【0177】
いくつかの実施形態において、要求の送信をトリガすることは、最初のデータ送信フェーズの後に要求を送信すること、又は、最初のデータ送信フェーズ中にSRB0メッセージを送信することのうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0178】
いくつかの実施形態において、非アクティブ状態におけるアップリンクデータの送信のためのフェーズは、最初のデータ送信フェーズと後続のデータ送信フェーズとを含み、方法は、要求がSRB0メッセージとともに送信されるとの決定に従って、最初のデータ送信フェーズ中に、メディアアクセス制御プロトコルデータユニット(MAC PDU)内で、RRC再開要求メッセージ及び非アクティブ状態におけるアップリンクデータの送信とともにSRB0メッセージを送信すること、又は、後続のデータ送信フェーズ中に、CCCHにおいてC-RNTI又はCS-RNTIを使用して、SRB0メッセージを送信することのうちの少なくとも1つにより、SRB0メッセージを送信することをさらに含む。
【0179】
いくつかの実施形態において、方法1000は、要求がSRB0メッセージとともに送信されると決定することと、アップリンク許可がアップリンクデータを受け入れ、SRB0メッセージを追加として受け入れないとの決定に従って、アイドル状態に入った後に要求を送信すること、又は、非アクティブ状態におけるアップリンクデータの送信を中断した後に要求を送信することのうちの少なくとも1つを実行することと、をさらに含んでもよい。
【0180】
いくつかの実施形態において、オンデマンド情報が利用可能か否かを決定することは、オンデマンド情報の有効なバージョンが存在せず、オンデマンド情報がネットワーク装置によりブロードキャストされていないとの決定に従って、オンデマンド情報が利用不可能であると決定することと、オンデマンド情報についての要求がRRC層において端末装置の上位層から受信され、オンデマンド情報がネットワーク装置によりブロードキャストされていないとの決定に従って、オンデマンド情報が利用不可能であると決定することと、のうちの少なくとも1つを含む。
【0181】
図11は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末装置において実現される別の例示的な通信方法1100を示す図である。例えば、方法1100は、図1Aに示すような端末装置110において実行することができる。以下、説明のために、図1Aを参照しつつ方法1100を説明する。方法1100は、図示されていない追加のブロックを含んでもよく、且つ/又は図示されているいくつかのブロックを省略してもよく、本開示の範囲がこの点において限定されないことを理解すべきである。
【0182】
図11に示すように、ブロック1110において、端末装置110は、非アクティブ状態においてアップリンクデータをネットワーク装置に送信してもよい。ブロック1120において、端末装置110は、ネットワーク装置から端末装置宛てのページングメッセージを受信したことと、端末装置の無線リソース制御(RRC)層において非アクセスストラタム層から接続確立の中断を受信したことと、非アクティブ状態におけるアップリンクデータの送信に関連する第1のタイマの満了と、すでにRLC再送信の最大回数に達したことと、最初のアップリンクデータ送信が所定の回数で失敗したことと、端末装置のメディアアクセス制御(MAC)層からRRC層に非アクティブ状態におけるアップリンクデータの送信をキャンセルする指示が提供されたことと、のうちの少なくとも1つに応じて、非アクティブ状態におけるアップリンクデータの送信を中断する。
【0183】
いくつかの実施形態において、送信を中断することは、非アクティブ状態におけるアップリンクデータの送信に関連するタイマを停止することを含んでもよい。
【0184】
図12は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末装置において実現される例示的な通信方法1200を示す図である。例えば、方法1200は、図1Aに示すような端末装置110において実行することができる。以下、説明のために、図1Aを参照しつつ方法1200を説明する。方法1200は、図示されていない追加のブロックを含んでもよく、且つ/又は図示されているいくつかのブロックを省略してもよく、本開示の範囲がこの点において限定されないことを理解すべきである。
【0185】
図12に示すように、ブロック1210において、端末装置110は、無線リソース制御(RRC)再開プロシージャに関連する第1の値に基づいて、RRC再開プロシージャのためのMAC-Iのパラメータを決定する。そして、ブロック1220において、端末装置110は、RRC再開プロシージャを開始するために、該パラメータを含むRRC再開要求メッセージを送信する。該第1の値は、別のRRC再開プロシージャのMAC-Iを決定するための第2の値とは異なる。
【0186】
いくつかの例において、第1の値は、resumeMAC-Iを決定するためのカウントの入力ビットと、resumeMAC-Iを決定するためのベアラの入力ビットと、resumeMAC-Iを決定するための方向の入力ビットと、のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0187】
いくつかの実施形態において、パラメータを決定することは、非アクティブ状態における別のアップリンクデータの別の送信を中断した後にRRC再開プロシージャが開始されること、又は、RRC再開プロシージャが非アクティブ状態におけるアップリンクデータの送信のためのものであることのうちの少なくとも1つを決定したことに応じて、パラメータを決定することを含んでもよい。
【0188】
いくつかの例において、第1の値は、resumeMAC-Iを決定するためのカウントの入力ビットと、resumeMAC-Iを決定するためのベアラの入力ビットと、resumeMAC-Iを決定するための方向の入力ビットと、のうちの1つ又は複数を含む。いくつかの実施形態において、所定の値は、2進数1のシーケンスを含む。
【0189】
図13は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末装置において実現される例示的な通信方法1300を示す図である。例えば、方法1300は、図1Aに示すような端末装置110において実行されてもよい。以下、説明のために、図1Aを参照しつつ方法1300を説明する。方法1300は、図示されていない追加のブロックを含んでもよく、且つ/又は図示されているいくつかのブロックを省略してもよく、本開示の範囲がこの点において限定されないことを理解すべきである。
【0190】
図13に示すように、ブロック1310において、端末装置110はPHRをトリガする。ブロック1320において、端末装置110は、アップリンクデータが非アクティブ状態において送信されるか否かを決定する。YESの場合、ブロック1330において、端末装置110は、アップリンク許可がアップリンクデータを受け入れ、且つ、PHRを追加として受け入れないか否かを決定する。YESの場合、方法1300は、ブロック1340に進む。ブロック1340において、端末装置110は、リソースをアップリンクデータに割り当てる。その後、ブロック1350において、端末装置110は、ネットワーク装置に、割り当てられたリソースを使用してアップリンクデータを送信する。
【0191】
いくつかの実施形態において、アップリンク許可がPHRを追加として受け入れないと決定された場合、端末装置110は、リソースをPHRのメディアアクセス制御制御要素(MAC-CE)に割り当てることを回避してもよい。
【0192】
装置の実現例
図14は、本開示の実施形態を実装するのに適した装置1400の概略ブロック図である。装置1400は、図1Aに示す端末装置110又はネットワーク装置120の別の例示的な実施態様として考えられてもよい。したがって、装置1400は、端末装置110又はネットワーク装置120において、或いはそれらの少なくとも一部として実現することができる。
【0193】
図示されるように、装置1400は、プロセッサ1410と、プロセッサ1410に結合されたメモリ1420と、プロセッサ1410に結合された適切な送信機(TX)及び受信機(RX)1440と、TX/RX 1440に結合された通信インターフェースとを備える。メモリ1410は、プログラム1430の少なくとも一部を記憶する。TX/RX 1440は、双方向通信に用いられる。TX/RX 1440は、通信を容易にするために少なくとも一つのアンテナを有するが、本明細書に言及されたアクセスノードは、実際には複数のアンテナを有してもよい。通信インターフェースは、eNB/gNB間の双方向通信のためのX2/Xnインターフェース、モビリティ管理エンティティ(MME:Mobility Management Entity)/アクセス及びモビリティ管理機能(AMF:Access and Mobility Management Function)/SGW/UPFとeNB/gNBとの間の通信のためのS1/NGインターフェース、eNB/gNBと中継ノード(RN:relay node)との間の通信のためのUnインターフェース、又はeNB/gNBと端末装置との間の通信のためのUuインターフェースなど、他のネットワーク要素との通信に必要な任意のインターフェースを表してもよい。
【0194】
プログラム1430は、図1図13を参照して本明細書で説明したように、関連付けられるプロセッサ1410により実行された場合、装置1400が本開示の実施形態に従って動作することを可能にするプログラム命令を含むと想定される。本明細書の各実施形態は、装置1400のプロセッサ1410により実行可能なコンピュータソフトウェア又はハードウェアにより、もしくは、ソフトウェアとハードウェアとの組合せにより実現されてもよい。プロセッサ1410は、本開示の様々な実施形態を実施するように設定されてもよい。さらに、プロセッサ1410とメモリ1420との組み合わせは、本開示の様々な実施形態を実現するのに適したプロセッシング手段1450を形成してもよい。
【0195】
メモリ1420は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプであってもよく、また、非限定的な例として、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体、半導体に基づくメモリ装置、磁気メモリ装置及びシステム、光学メモリ装置及びシステム、固定メモリ及びリムーバブルメモリなど、任意の適切なデータ記憶技術を使用して実現されてもよい。装置1400内には1つのメモリ1420のみが示されているが、装置1400内にはいくつかの物理的に異なるメモリモジュールが存在してもよい。プロセッサ1410は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプであってもよく、非限定的な例として、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、及びマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサのうちの一つ又は複数を含んでもよい。装置1400は、複数のプロセッサ、例えば、メインプロセッサを同期化するクロックに時間的に従属する特定用途向け集積回路チップを有してもよい。
【0196】
いくつかの実施形態において、端末装置(例えば、端末装置110)は、回路を備え、該回路は、非アクティブ状態におけるデータ送信を有するように設定された無線ベアラについての無線リンク制御(RLC)エンティティ再確立が実行されるか否かを決定し、RLCエンティティ再確立が実行されるとの決定に従って、RLCエンティティを再確立し、無線ベアラにて非アクティブ状態においてネットワーク装置にアップリンクデータを送信するように設定されている。
【0197】
いくつかの実施形態において、回路は、アップリンクデータの送信が非アクティブ状態において実行される場合、RLCエンティティ再確立が実行されると決定すること、又は、無線ベアラについてのRLCエンティティ再確立に関する指示を含む無線リソース制御(RRC)解放メッセージがネットワーク装置から受信された場合、RLCエンティティ再確立が実行されると決定することにより、RLCエンティティ再確立が実行されるか否かを決定するように設定されてもよい。
【0198】
いくつかの実施形態において、回路は、さらに、非アクティブ状態におけるデータ送信を有するように設定されていない別の無線ベアラについての別のRLCエンティティ再確立のための指示を含むRRC再開メッセージをネットワーク装置から受信したことに応じて、接続状態においてデータを送信するために別のRLCエンティティを再確立するように設定されている。
【0199】
いくつかの実施形態において、ネットワーク装置(例えば、ネットワーク装置120)は、回路を備え、該回路は、非アクティブ状態における端末装置からアップリンクデータと無線リソース制御(RRC)再開要求メッセージとを受信したことに応じて、端末装置に、非アクティブ状態におけるデータ送信を有するように設定されていない無線ベアラについての無線リンク制御(RLC)エンティティ再確立のための指示を含むRRC再開メッセージを送信するように設定されている。
【0200】
いくつかの実施形態において、端末装置は、回路を備え、該回路は、非アクティブ状態においてアップリンクデータの送信を実行する端末装置において、オンデマンド情報が利用可能か否かを決定し、オンデマンド情報が利用不可能であるとの決定に従って、オンデマンド情報についての要求のネットワーク装置への送信をトリガすること、又は、オンデマンド情報についての要求のネットワーク装置への送信を回避すること、のうちの少なくとも1つを実行するように設定されている。
【0201】
いくつかの実施形態において、オンデマンド情報は、オンデマンドシステム情報又はオンデマンド位置情報のうちの少なくとも1つを含む。
【0202】
いくつかの実施形態において、回路は、アイドル状態に入ること、及び、オンデマンド情報を要求するSRB0メッセージを送信すること、又は、ランダムアクセスプロシージャを開始することのうちの少なくとも1つにより実行される動作を実行してオンデマンド情報を要求することにより、要求の送信をトリガするように設定されてもよい。
【0203】
いくつかの実施形態において、回路は、非アクティブ状態におけるアップリンクデータの送信を中断することと、オンデマンド情報を要求するSRB0メッセージを送信すること、又は、ランダムアクセスプロシージャを開始することのうちの少なくとも1つにより実行される動作を実行してオンデマンド情報を要求することとにより、要求の送信をトリガするように設定されてもよい。
【0204】
いくつかの実施形態において、回路は、オンデマンド情報を要求するためにシグナリング無線ベアラ1(SRB1)メッセージ又はシグナリング無線ベアラ2(SRB2)メッセージを送信することにより、要求の送信をトリガするように設定されてもよい。
【0205】
いくつかの実施形態において、回路は、最初のデータ送信フェーズの後に要求を送信すること、又は、最初のデータ送信フェーズ中にシグナリング無線ベアラ0(SRB0)メッセージを送信することのうちの少なくとも1つにより、要求の送信をトリガするように設定されてもよい。
【0206】
いくつかの実施形態において、非アクティブ状態におけるアップリンクデータの送信のためのフェーズは、最初のデータ送信フェーズと後続のデータ送信フェーズとを含み、回路は、さらに、要求がSRB0メッセージとともに送信されるとの決定に従って、最初のデータ送信フェーズ中に、メディアアクセス制御プロトコルデータユニット(MAC PDU)内で、SRB0メッセージをRRC再開要求メッセージ及び非アクティブ状態におけるアップリンクデータの送信とともに送信すること、又は、SRB0メッセージを、後続のデータ送信フェーズ中に、共通制御チャネル(CCCH:common control channel)においてC-RNTI又はCS-RNTIを使用して送信することのうちの少なくとも1つにより、SRB0メッセージを送信するように設定されている。
【0207】
いくつかの実施形態において、回路は、さらに、要求がSRB0メッセージとともに送信されると決定し、アップリンク許可がアップリンクデータを受け入れ、SRB0メッセージを追加として受け入れないとの決定に従って、アイドル状態に入った後に要求を送信すること、又は、非アクティブ状態におけるアップリンクデータの送信を中断した後に要求を送信することのうちの少なくとも1つを実行するように設定されている。
【0208】
いくつかの実施形態において、回路は、オンデマンド情報の有効なバージョンが存在せず、オンデマンド情報がネットワーク装置によりブロードキャストされていないとの決定に従って、オンデマンド情報が利用不可能であると決定することと、オンデマンド情報についての要求がRRC層において端末装置の上位層から受信され、オンデマンド情報がネットワーク装置によりブロードキャストされていないとの決定に従って、オンデマンド情報が利用不可能であると決定することと、のうちの少なくとも1つにより、オンデマンド情報が利用可能か否かを決定するように設定されてもよい。
【0209】
いくつかの実施形態において、端末装置(例えば、端末装置110)は、回路を備え、該回路は、非アクティブ状態においてアップリンクデータをネットワーク装置に送信し、ネットワーク装置から端末装置宛てのページングメッセージを受信したことと、端末装置の無線リソース制御(RRC)層において非アクセスストラタム層から接続確立の中断を受信したことと、非アクティブ状態におけるアップリンクデータの送信に関連する第1のタイマの満了と、すでに無線リンク制御(RLC)再送信の最大回数に達したことと、最初のアップリンクデータ送信が所定の回数で失敗したことと、端末装置のメディアアクセス制御(MAC)層からRRC層に非アクティブ状態におけるアップリンクデータの送信をキャンセルする指示が提供されたことと、のうちの少なくとも1つに応じて、非アクティブ状態におけるアップリンクデータの送信を中断するように設定されている。
【0210】
いくつかの実施形態において、回路は、非アクティブ状態におけるアップリンクデータの送信に関連するタイマを停止することにより、送信を中断するように設定されている。
【0211】
いくつかの実施形態において、端末装置(例えば、端末装置110)は、回路を備え、該回路は、RRC再開プロシージャに関連する第1の値に基づいて、RRC再開プロシージャのためのMAC-Iのパラメータを決定し、RRC再開プロシージャを開始するためにパラメータを含むRRC再開要求メッセージを送信するように設定され、第1の値は、別のRRC再開プロシージャのMAC-Iを決定するための第2の値とは異なる。
【0212】
いくつかの実施形態において、第1の値は、resumeMAC-Iを決定するためのカウントの入力ビットと、resumeMAC-Iを決定するためのベアラの入力ビットと、resumeMAC-Iを決定するための方向の入力ビットと、のうちの少なくとも1つを含む。
【0213】
いくつかの実施形態において、回路は、非アクティブ状態における別のアップリンクデータの別の送信を中断した後にRRC再開プロシージャが開始されること、又は、RRC再開プロシージャが非アクティブ状態におけるアップリンクデータの送信のためのものであることのうちの少なくとも1つを決定したことに応じてパラメータを決定することにより、パラメータを決定するように設定されている。
【0214】
いくつかの実施形態において、所定の値は、2進数1のシーケンスを含んでもよい。
【0215】
いくつかの実施形態において、端末装置(例えば、端末装置110)は、回路を備え、該回路は、PHRをトリガし、アップリンクデータが非アクティブ状態において送信されるとの決定に従って、アップリンク許可がアップリンクデータを受け入れ、PHRを追加として受け入れないか否かを決定し、アップリンク許可がアップリンクデータを受け入れ、PHRを追加として受け入れないとの決定に従って、アップリンクデータにリソースを割り当て、ネットワーク装置に、割り当てられたリソースを使用してアップリンクデータを送信するように設定されている。
【0216】
回路は、さらに、アップリンク許可がPHRを追加として受け入れないとの決定に従って、リソースをPHRのMAC-CEに割り当てることを回避するように設定されている。
【0217】
全体として、本開示の様々な実施形態は、ハードウェア又は専用回路、ソフトウェア、論理、又はそれらの任意の組み合わせで実現されてもよい。いくつかの態様は、ハードウェアで実現されてもよく、他の態様は、コントローラ、マイクロプロセッサ、又は他のコンピューティング装置により実行することができるファームウェア又はソフトウェアで実現されてもよい。本開示の実施形態の様々な態様は、ブロック図、フローチャート又は他の何らかの絵画的表現を用いて図示及び説明されているが、本明細書に記載されたブロック、機器、システム、技術、又は方法は、非限定的な例として、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路又は論理、汎用ハードウェア又はコントローラ又は他のコンピューティング装置、又はそれらの何らかの組み合わせで実装されてもよいことを理解すべきである。
【0218】
本開示は、また、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体上に有形的に記憶された少なくとも一つのコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、図3から図13を参照して上述したプロセス又は方法を実行するために、対象の実プロセッサ又は仮想プロセッサ上の装置内で実行される、プログラムモジュールに含まれる命令などのコンピュータ実行可能な命令を含む。一般に、プログラムモジュールには、特定のタスクを実行するか、又は特定の抽象データタイプを実装するルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造などが含まれる。様々な実施形態において、プログラムモジュールの機能は、必要に応じて、プログラムモジュール間で結合又は分割されてもよい。プログラムモジュールのマシンが実行可能な命令は、ローカル又は分散型装置内で実行されてもよい。分散型装置において、プログラムモジュールは、ローカル記憶媒体及びリモート記憶媒体内の両方に配置されていてもよい。
【0219】
本開示の方法を実行するためのプログラムコードは、一つ又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されてもよい。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラマブルデータプロセッシング機器のプロセッサ又はコントローラに提供され、プロセッサ又はコントローラにより実行された場合、プログラムコードで、フローチャート及び/又はブロック図に指定された機能/動作を実現させる。プログラムコードは、完全にマシン上で、部分的にマシン上で、独立したソフトウェアパッケージとして、部分的にマシン上でかつ部分的にリモートマシン上で、又は完全にリモートマシン又はサーバ上で実行してもよい。
【0220】
上述のプログラムコードは、マシン可読媒体上で実装されてもよく、マシン可読媒体は、命令実行システム、機器、又は装置により利用されるか、又はそれらに関連するプログラムを含むか又は記憶することができる任意の有形媒体であってもよい。マシン可読媒体は、マシン可読信号媒体又はマシン可読記憶媒体であってもよい。マシン可読媒体は、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線若しくは半導体のシステム、機器若しくは装置、又は前述の媒体の任意の適切な組み合せを含むことができるが、これらに限定されない。マシン可読記憶媒体のより具体的な例は、一つ又は複数のワイヤを有する電気接続、ポータブルコンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、光学的記憶装置、磁気記憶装置、又は上述の任意の適切な組合せを含んでもよい。
【0221】
なお、動作について特定の順序で説明を行ったが、所望の結果を得るために、こうした動作を、示された特定の順序で実行するか若しくは連続した順序で実行し、又は、説明されたすべての動作を実行することが求められる、と理解されるべきではない。場合によっては、マルチタスクや並列処理が有利になることもある。同様に、いくつかの特定の実装の詳細が上記の議論に含まれているが、これらは、本開示の範囲に対する限定として解釈されるべきではなく、特定の実施形態に固有となり得る特徴の説明として解釈されるべきである。個々の実施形態の文脈で説明されたいくつかの特徴は、単一の実施形態において組み合わされて実現されてもよい。逆に、単一の実施形態の文脈で説明された様々な特徴は、複数の実施形態において別々に、又は任意の適切なサブコンビネーションで実装されてもよい。
【0222】
本開示は、構造的特徴及び/又は方法論的動作に特有の言語で説明されてきたが、添付の特許請求の範囲において定義された本開示は、必ずしも上記の特定の特徴又は動作に限定されないことを理解すべきである。むしろ、上述した特定の特徴及び動作は、特許請求の範囲を実施する例示的な形態として開示されている。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2024-01-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スモールデータ送信(SDT)プロシージャをサポートする手段と、
UEがシステム情報ブロック(SIB)の有効なバージョンを記憶しておらず、システム情報(SI)メッセージがブロードキャストされておらず、且つ前記SDTプロシージャが進行中ではない場合に、前記SIメッセージを取得するために、オンデマンドシステム情報についての要求をトリガする手段と、
を備える、ユーザ装置(UE)。
【請求項2】
前記SDTプロシージャが開始された場合に、前記SDTプロシージャに関連する第1のタイマを開始する手段と、
無線リソース制御(RRC)拒否メッセージを受信する手段と、
前記RRC拒否メッセージを受信すると、前記第1のタイマを停止する手段と、
をさらに備える、請求項1に記載のユーザ装置。
【請求項3】
すでに再送信の最大回数に達したことを無線リンク制御(RLC)が示すか、又は、前記SDTプロシージャに関連する第2のタイマが満了した場合に、前記第1のタイマを停止する手段
をさらに備える、請求項2に記載のユーザ装置。
【請求項4】
前記SDTプロシージャが開始された場合に、前記SDTプロシージャに関連する第1のタイマを開始する手段と、
すでに再送信の最大回数に達したことを無線リンク制御(RLC)が示すか、又は、前記SDTプロシージャに関連する第2のタイマが満了した場合に、前記第1のタイマを停止する手段と、
をさらに備える、請求項1に記載のユーザ装置。
【請求項5】
スモールデータ送信(SDT)プロシージャが開始された場合に、前記SDTプロシージャに関連する第1のタイマを開始する手段と、
無線リソース制御(RRC)拒否メッセージを受信する手段と、
前記RRC拒否メッセージを受信すると、前記第1のタイマを停止する手段と、
を備える、ユーザ装置(UE)。
【請求項6】
すでに再送信の最大回数に達したことを無線リンク制御(RLC)が示すか、又は、前記SDTプロシージャに関連する第2のタイマが満了した場合に、前記第1のタイマを停止する手段
をさらに備える、請求項5に記載のユーザ装置。
【請求項7】
スモールデータ送信(SDT)プロシージャが開始された場合に、前記SDTプロシージャに関連する第1のタイマを開始する手段と、
すでに再送信の最大回数に達したことを無線リンク制御(RLC)が示すか、又は、前記SDTプロシージャに関連する第2のタイマが満了した場合に、前記第1のタイマを停止する手段と、
を備える、ユーザ装置(UE)。
【請求項8】
ユーザ装置(UE)の方法であって、
スモールデータ送信(SDT)プロシージャをサポートすることと、
前記UEがシステム情報ブロック(SIB)の有効なバージョンを記憶しておらず、システム情報(SI)メッセージがブロードキャストされておらず、且つ、前記SDTプロシージャが進行中ではない場合に、前記SIメッセージを取得するために、オンデマンドシステム情報についての要求をトリガすることと、
を含む、方法。
【請求項9】
前記SDTプロシージャが開始された場合に、前記SDTプロシージャに関連する第1のタイマを開始することと、
無線リソース制御(RRC)拒否メッセージを受信することと、
前記RRC拒否メッセージを受信すると、前記第1のタイマを停止することと、
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
すでに再送信の最大回数に達したことを無線リンク制御(RLC)が示すか、又は、前記SDTプロシージャに関連する第2のタイマが満了した場合に、前記第1のタイマを停止すること
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記SDTプロシージャが開始された場合に、前記SDTプロシージャに関連する第1のタイマを開始することと、
すでに再送信の最大回数に達したことを無線リンク制御(RLC)が示すか、又は、前記SDTプロシージャに関連する第2のタイマが満了した場合に、前記第1のタイマを停止することと、
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
ユーザ装置(UE)の方法であって、
スモールデータ送信(SDT)プロシージャが開始された場合に、前記SDTプロシージャに関連する第1のタイマを開始することと、
無線リソース制御(RRC)拒否メッセージを受信することと、
前記RRC拒否メッセージを受信すると、前記第1のタイマを停止することと、
を含む、方法。
【請求項13】
すでに再送信の最大回数に達したことを無線リンク制御(RLC)が示すか、又は、前記SDTプロシージャに関連する第2のタイマが満了した場合に、前記第1のタイマを停止すること
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
ユーザ装置(UE)の方法であって、
スモールデータ送信(SDT)プロシージャが開始された場合に、前記SDTプロシージャに関連する第1のタイマを開始することと、
すでに再送信の最大回数に達したことを無線リンク制御(RLC)が示すか、又は、前記SDTプロシージャに関連する第2のタイマが満了した場合に、前記第1のタイマを停止することと、
を含む、方法。
【国際調査報告】