(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-23
(54)【発明の名称】NLRP3阻害剤
(51)【国際特許分類】
C07D 401/12 20060101AFI20240416BHJP
A61K 31/53 20060101ALI20240416BHJP
C07D 451/02 20060101ALI20240416BHJP
C07D 471/04 20060101ALI20240416BHJP
C07D 253/06 20060101ALI20240416BHJP
C07D 405/04 20060101ALI20240416BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240416BHJP
A61P 11/06 20060101ALI20240416BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
C07D401/12 CSP
A61K31/53
C07D451/02
C07D471/04 102
C07D253/06
C07D405/04
A61P43/00 111
A61P11/06
A61P11/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023569634
(86)(22)【出願日】2022-05-10
(85)【翻訳文提出日】2023-11-09
(86)【国際出願番号】 EP2022062525
(87)【国際公開番号】W WO2022238347
(87)【国際公開日】2022-11-17
(32)【優先日】2021-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2021-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2021-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ. ホフマン-ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN-LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】ブッシュ,レア・オレリー
(72)【発明者】
【氏名】グーバ,ヴォルフガング
(72)【発明者】
【氏名】ヤーシュケ,ゲオルク
(72)【発明者】
【氏名】メッシュ,ステファニー・カタリナ
(72)【発明者】
【氏名】トストルフ,アンドレアス・ミヒャル
【テーマコード(参考)】
4C063
4C065
4C086
【Fターム(参考)】
4C063AA01
4C063AA03
4C063BB01
4C063BB09
4C063CC44
4C063CC76
4C063DD10
4C063DD17
4C063DD44
4C063EE01
4C065AA03
4C065BB04
4C065CC01
4C065DD01
4C065EE02
4C065HH01
4C065JJ01
4C065JJ07
4C065KK01
4C065LL01
4C065PP11
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086AA04
4C086BC64
4C086CB05
4C086GA02
4C086GA07
4C086GA08
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA59
4C086ZA61
4C086ZC41
(57)【要約】
本発明は、一般式Ib
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、及びZは、ここに記載されるとおりである)
を有する新規な化合物、該化合物を含む組成物、及び該化合物を使用する方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Ib
【化1】
(式中、
R
1が、H、アセチル、SF
5、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ若しくはニトリルであり;
R
5が、Hであるか;
又は、R
1及びR
5並びにそれらが結合している原子が、ハロ若しくはアルキルから独立して選択される1つ若しくは2つの置換基で任意に置換された単一のOヘテロ原子を含む4~6員複素環を形成するか、又はR
1及びR
5並びにそれらが結合している原子が、ハロ若しくはアルキルから独立して選択される1~2個の置換基で任意に置換された3~6員シクロアルキル環を形成し;
R
2が、H、ハロ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル又はシクロアルキルアルキルであり、シクロアルキル又はシクロアルキルアルキルが、ハロで任意に置換されており;
R
3が、H、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル又はシクロアルキルアルキルであり、シクロアルキル又はシクロアルキルアルキルが、ハロで任意に置換されており;
Zが、-O-又は-NH-であり;
R
4が、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、-OH、オキソ、-CO
2H、シクロアルキルアルキル、若しくはハロで任意に置換されたシクロアルキルから独立して選択される1~3個の置換基で任意に置換された複素環であるか;又は
R
4が、アルキル、ハロ、ハロアルキル及び-OHから独立して選択される1~3個の置換基で任意に置換されたシクロアルキルであるか;又は
R
4が、アリールアルキル若しくはヘテロアリールアルキルであり、アリールアルキル若しくはヘテロアリールアルキルが、アルキル、ハロ、ハロアルキル及び-OHから独立して選択される1~3個の置換基を有する)
の化合物、及び薬学的に許容され得る塩。
【請求項2】
R
5がHであるか、又は、R
1及びR
5並びにそれらが結合している原子が、単一のOヘテロ原子を含む4~6員複素環を形成するか、又はR
1及びR
5並びにそれらが結合している原子が、3~6員シクロアルキル環を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R
5がHであるか、又は、R
1及びR
5並びにそれらが結合している原子が、単一のO原子を含む5員複素環を形成する、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
R
5がHである、請求項1~3のいずれかに記載の化合物。
【請求項5】
R
1が、アセチル、SF
5、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ又はニトリルである、請求項1~4に記載の化合物。
【請求項6】
R
1が、ハロ、ハロアルキル又はハロアルコキシである、請求項1~5に記載の化合物。
【請求項7】
R
1がハロアルコキシである、請求項1~6に記載の化合物。
【請求項8】
R
2が、H又はアルキルである、請求項1~7に記載の化合物。
【請求項9】
R
2がHである、請求項1~8に記載の化合物。
【請求項10】
R
3が、H、アルキル又はシクロアルキルである、請求項1~9に記載の化合物。
【請求項11】
R
3がアルキルである、請求項1~10に記載の化合物。
【請求項12】
R
4が、ハロ、アルキル、シクロアルキル若しくはシクロアルキルアルキルから独立して選択される1~3個の置換基で任意に置換された複素環であるか;又は
R
4が、アルキル、及び-OHから独立して選択される2個の置換基で任意に置換されたシクロアルキルであるか;又は
R
4が、OHで置換されたアリールアルキルである、請求項1~11に記載の化合物。
【請求項13】
R
4が、アルキルで任意に置換されたピペリジル環である、請求項1~12に記載の化合物。
【請求項14】
R
4がエチルピペリジンである、請求項1~13に記載の化合物。
【請求項15】
Zが-NH-である、請求項1~14に記載の化合物。
【請求項16】
R
1が、アセチル、SF
5、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ若しくはニトリルであり;
R
5が、Hであるか;
又は、R
1及びR
5並びにそれらが結合している原子が、単一のOヘテロ原子を含む4~6員複素環を形成するか、又はR
1及びR
5並びにそれらが結合している原子が、3~6員シクロアルキル環を形成し、
R
2が、H又はアルキルであり;
R
3が、H、アルキル又はシクロアルキルであり;
Zが、-NH-であり;
R
4が、ハロ、アルキル、シクロアルキル若しくはシクロアルキルアルキルから独立して選択される1~3個の置換基で任意に置換された複素環であるか;又は
R
4が、アルキル、及び-OHから独立して選択される2個の置換基で任意に置換されたシクロアルキルであるか;又は
R
4が、OHで置換されたアリールアルキルである、請求項1に記載の化合物、及び薬学的に許容され得る塩。
【請求項17】
R
1が、アセチル、SF
5、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ若しくはニトリルであり;
R
5が、Hであるか;
又は、R
1及びR
5並びにそれらが結合している原子が、単一のOを含む5員複素環を形成し、
R
2が、H又はアルキルであり;
R
3が、H、アルキル又はシクロアルキルであり;
Zが、-NH-であり;
R
4が、ハロ、アルキル、シクロアルキル若しくはシクロアルキルアルキルから独立して選択される1~3個の置換基で任意に置換された複素環であるか;又は
R
4が、アルキル、及び-OHから独立して選択される2個の置換基で任意に置換されたシクロアルキルであるか;又は
R
4が、OHで置換されたアリールアルキルである、請求項1又は16に記載の化合物、及び薬学的に許容され得る塩。
【請求項18】
R
1が、ハロ、ハロアルキル又はハロアルコキシであり;
R
5が、Hであるか;
又は、R
1及びR
5並びにそれらが結合している原子が、単一のOを含む5員複素環を形成し、
R
2が、Hであり;
R
3が、アルキルであり;
Zが、-NH-であり;
R
4が、アルキルで任意に置換されたピペリジル環である、請求項1、16又は17に記載の化合物、及び薬学的に許容され得る塩。
【請求項19】
R
1が、ハロアルコキシであり;
R
5が、Hであり;
R
2が、Hであり;
R
3が、アルキルであり;
Zが、-NH-であり;
R
4が、アルキルで任意に置換されたピペリジル環である、請求項1、16、17又は18に記載の化合物、及び薬学的に許容され得る塩。
【請求項20】
前記化合物が、
6-((1-エチルピペリジン-3-イル)アミノ)-3-(2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン;
6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-(4-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-6-[[(3R)-3-ピペリジル]アミノ]-1,2,4-トリアジン-5-オン;
3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-6-[(8-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-2-イル)アミノ]-1,2,4-トリアジン-5-オン;
(R)-6-((1-(シクロプロピルメチル)ピペリジン-3-イル)アミノ)-3-(2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン;
(R)-3-(2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-6-((1-メチルピペリジン-3-イル)アミノ)-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン;
6-(1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロインドリジン-8-イルアミノ)-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-6-[[(3R)-1-プロピル-3-ピペリジル]アミノ]-1,2,4-トリアジン-5-オン;
3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-6-[(1,5,5-トリメチル-3-ピペリジル)アミノ]-1,2,4-トリアジン-5-オン;
(R)-6-((1-シクロプロピルピペリジン-3-イル)アミノ)-3-(2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン;
6-(((1S,3S)-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)アミノ)-3-(2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン;
6-[(1-tert-ブチル-3-ピペリジル)アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
6-(2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イルアミノ)-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
6-[[(3R,5S)-1-エチル-5-メチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
6-[[(3R,5R)-1-エチル-5-メチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
6-[[(5S)-5-フルオロ-1-メチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
6-[[(3R)-6,6-ジメチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
6-[(3-ヒドロキシフェニル)メチルアミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
4-シクロプロピル-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-5-オン;
6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-(4-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
4-エチル-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-5-オン;
3-[4-(ジフルオロメトキシ)-2-ヒドロキシ-フェニル]-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
3-[4-(1,1-ジフルオロエチル)-2-ヒドロキシ-フェニル]-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
3-(4-アセチル-2-ヒドロキシ-フェニル)-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-6-[[(3R)-1-メチル-3-ピペリジル]アミノ]-1,2,4-トリアジン-5-オン;
6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-6-メチル-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
(M又はP)-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-6-メチル-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
(P又はM)-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-6-メチル-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(ペンタフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
4-[6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-4-メチル-5-オキソ-1,2,4-トリアジン-3-イル]-3-ヒドロキシ-ベンゾニトリル;
3-(4-クロロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-4-メチル-6-[[(3R)-1-メチル-3-ピペリジル]アミノ]-1,2,4-トリアジン-5-オン;
6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4H-1,2,4-トリアジン-5-オン;
6-[[(3R,5S)-1-エチル-5-フルオロ-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4H-1,2,4-トリアジン-5-オン
から選択される、請求項1~19のいずれか一項に記載の化合物及びその薬学的に許容され得る塩。
【請求項21】
前記化合物が、
6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-(4-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
(R)-3-(2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-6-((1-メチルピペリジン-3-イル)アミノ)-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン;
6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
3-[4-(ジフルオロメトキシ)-2-ヒドロキシ-フェニル]-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
3-(4-クロロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-4-メチル-6-[[(3R)-1-メチル-3-ピペリジル]アミノ]-1,2,4-トリアジン-5-オン
から選択される、請求項1~20のいずれか一項に記載の化合物、及びその薬学的に許容され得る塩。
【請求項22】
前記化合物が、6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン及びその薬学的に許容され得る塩である、請求項1~21のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項23】
式XIの化合物と式XIIの化合物との反応
【化2】
(式中、R
3及びR
4は上に記載したとおりである)
を含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の化合物を調製する方法。
【請求項24】
治療的活性物質として使用するための、請求項1~22のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項25】
疾患、障害又は症状の処置又は予防において使用するための請求項1~22のいずれか一項に記載の化合物であって、前記疾患、障害又は症状がNLRP3阻害に反応性である、化合物。
【請求項26】
請求項1~22のいずれか一項に記載の化合物と、治療的不活性担体とを含む、医薬組成物。
【請求項27】
疾患、障害又は症状の処置又は防止のための請求項1~22のいずれか一項に記載の化合物の使用であって、前記疾患、障害又は症状がNLRP3阻害に反応性である、使用。
【請求項28】
喘息又はCOPDから選択される疾患、障害又は症状の処置又は防止である、請求項1~22のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項29】
喘息又はCOPDから選択される疾患、障害又は症状の処置又は防止における、請求項1~22のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項30】
喘息又はCOPDから選択される疾患、障害又は症状の処置又は防止のための医薬を調製するための、請求項1~22のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項31】
NLRP3を阻害する方法であって、NLRP3を阻害するために有効量の請求項1~22のいずれか一項に記載の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項32】
疾患、障害又は症状の処置又は防止のための方法であって、有効量の請求項1~22のいずれか一項に記載の化合物を投与することを含み、前記疾患、障害又は症状が、喘息又はCOPDから選択される、方法。
【請求項33】
請求項23に記載の方法に従って製造された場合の、請求項1~22のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項34】
先に記載されるとおりの発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、哺乳動物における治療及び/又は防止に有用な有機化合物、特にNLRP3阻害を調節する化合物に関する。
【0002】
本発明は、式Ib
【化1】
(式中、
R
1が、H、アセチル、SF
5、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ若しくはニトリルであり;
R
5が、Hであるか;
又は、R
1及びR
5並びにそれらが結合している原子が、ハロ若しくはアルキルから独立して選択される1つ若しくは2つの置換基で任意に置換された単一のOヘテロ原子を含む4~6員複素環を形成するか、又はR
1及びR
5並びにそれらが結合している原子が、ハロ若しくはアルキルから独立して選択される1~2個の置換基で任意に置換された3~6員シクロアルキル環を形成し;
R
2が、H、ハロ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル又はシクロアルキルアルキルであり、シクロアルキル又はシクロアルキルアルキルが、ハロで任意に置換されており;
R
3が、H、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル又はシクロアルキルアルキルであり、シクロアルキル又はシクロアルキルアルキルが、ハロで任意に置換されており;
Zが、-O-又は-NH-であり;
R
4が、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、-OH、オキソ、-CO
2H、シクロアルキルアルキル、若しくはハロで任意に置換されたシクロアルキルから独立して選択される1~3個の置換基で任意に置換された複素環であるか;又は
R
4が、アルキル、ハロ、ハロアルキル及び-OHから独立して選択される1~3個の置換基で任意に置換されたシクロアルキルであるか;又は
R
4が、アリールアルキル若しくはヘテロアリールアルキルであり、アリールアルキル若しくはヘテロアリールアルキルが、アルキル、ハロ、ハロアルキル及び-OHから独立して選択される1~3個の置換基を有する)
の新規の化合物、及び薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0003】
さらに、本発明は、すべてのラセミ混合物、すべてのそれらの対応するエナンチオマー及び/又は光学異性体を含む。
【背景技術】
【0004】
発明の背景
NOD様受容体(NLR)ファミリーのピリンドメイン含有タンパク質3(NLRP3)インフラマソームは炎症プロセスの構成要素であり、その異常な活性はクリオピリン関連周期性症候群(CAPS)などの遺伝性障害、多発性硬化症、2型糖尿病、アルツハイマー病、アテローム性動脈硬化症などの複合病において病原性である。
【0005】
NLRP3は、多くの病原体由来因子、環境因子及び宿主由来因子を感知する細胞内シグナル伝達分子である。活性化されると、NLRP3はカスパーゼ活性化及びリクルートドメイン(ASC)を含むアポトーシス関連の斑点状タンパク質に結合する。次いで、ASCは重合して、ASCスペックとして知られる大きな凝集体を形成する。次いで、重合したASCはシステインプロテアーゼカスパーゼ-1と相互作用してインフラマソームと呼ばれる複合体を形成する。これはカスパーゼ-1の活性化をもたらし、これは炎症促進性サイトカインIL-1β及びIL-18(それぞれpro-IL-1β及びpro-IL-18と呼ばれる)の前駆体形態を切断し、それによってこれらのサイトカインを活性化する。カスパーゼ-1はまた、パイロトーシスとして公知のタイプの炎症性細胞死を媒介する。ASCスペックは、カスパーゼ-8をリクルートして活性化することもでき、これはプロIL-1β及びプロIL-18をプロセシングしてアポトーシス細胞死を引き起こすことができる。
【0006】
カスパーゼ-1はpro-IL-1βとpro-IL-18を切断して活性型に変換し、細胞から分泌される。活性型カスパーゼ-1はまた、ガスデルミン-Dを切断してパイロトーシスを引き起こす。そのパイロト-シス細胞死経路の制御を通して、カスパーゼ-1はまた、IL-33及び高移動度グル-プボックス1タンパク質(HMGB1)などのアラーミン分子の放出を媒介する。カスパーゼ-1はまた、細胞内IL-1R2を切断し、その分解をもたらし、IL-1αが遊離することを可能にする。ヒト細胞において、カスパーゼ-1はまた、IL-37のプロセシング及び分泌を制御し得る。細胞骨格及び解糖経路の成分のような他の多くのカスパーゼ-1基質は、カスパーゼ-1依存性の炎症に寄与し得る。
【0007】
NLRP3依存性ASCスペックは細胞外環境に放出され、そこでカスパーゼ-1を活性化し、カスパーゼ-1基質のプロセシングを誘導し、炎症を伝播することができる。
【0008】
NLRP3インフラマソーム活性化に由来する活性サイトカインは、炎症の重要な駆動因子であり、他のサイトカイン経路と相互作用して、感染や傷害に対する免疫応答を形成する。例えば、IL-1βシグナル伝達は、炎症誘発性サイトカインIL-6及びTNFの分泌を誘導する。IL-1β及びIL-18はIL-23と相乗作用して、メモリーCD4 Th17細胞及びT細胞受容体結合の非存在下でのγδT細胞によるIL-17産生を誘導する。IL-18及びIL-12はまた、相乗的に作用して、メモリーT細胞及びTh1応答を駆動するNK細胞からのIFN-γ産生を誘導する。
【0009】
遺伝性CAPS疾患である、マックル-ウェルズ症候群(MWS)、家族性感冒自己炎症性症候群(FCAS)、及び新生児期発症多臓器性炎症性疾患(NOMID)は、NLRP3の機能獲得型変異によって引き起こされるため、NLRP3は炎症プロセスの重要な構成要素として定義される。NLRP3はまた、特に2型糖尿病、アテロ-ム性動脈硬化症、肥満及び痛風などの代謝疾患を含む、多くの複合病の病因にも関与している。
【0010】
パーキンソン病、アルツハイマー病及び筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの疾患について、中枢神経系の疾患におけるNLRP3の役割が浮上している。肺疾患はまた、NLRP3の影響を受けることが示されている。さらに、NLRP3は、肝臓病、腎臓病及び老化の発症において役割を果たす。これらの関連性の多くは、Nlrp3-/-マウスを用いて定義されたが、これらの疾患におけるNLRP3の特異的活性化についての洞察も存在している。2型糖尿病(T2D)において、膵臓における膵島アミロイドポリペプチドの沈着は、NLRP3及びIL-1βシグナル伝達を活性化し、細胞死及び炎症をもたらす。
【0011】
いくつかの小分子がNLRP3インフラマソームを阻害することが示されている。グリブリドは、NLRP3の活性化に応答してマイクロモル濃度でIL-1β産生を阻害するが、NLRC4又はNLRP1の活性化には応答しない。以前に特徴付けられた他の弱いNLRP3阻害剤には、パルテノリド、3,4-メチレンジオキシ-β-ニトロスチレン及びジメチルスルホキシド(DMSO)が含まれるが、これらの薬剤は効力が限定的であり、非特異的である。
【0012】
NLRP3関連疾患の現在の処置には、IL-1を標的とする生物学的薬剤が含まれる。これらは、組換えIL-1受容体拮抗薬アナキンラ、中和IL-1β抗体カナキヌマブ及び可溶性デコイIL-1受容体リロナセプトである。これらのアプローチは、CAPSの処置において成功していることが証明されており、これらの生物学的薬剤は、他のIL-1β関連疾患の臨床試験において使用されている。
【0013】
薬理学的及び/又は生理学的及び/又は物理化学的特性が向上した化合物、及び/又は公知の化合物の有用な代替となる化合物を提供する必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】hERG試験における電圧パターンを示す図である。
【発明の概要】
【0015】
本発明は、式Ib
【化2】
(式中、
R
1が、H、アセチル、SF
5、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ若しくはニトリルであり;
R
5が、Hであるか;
又は、R
1及びR
5並びにそれらが結合している原子が、ハロ若しくはアルキルから独立して選択される1つ若しくは2つの置換基で任意に置換された単一のOヘテロ原子を含む4~6員複素環を形成するか、又はR
1及びR
5並びにそれらが結合している原子が、ハロ若しくはアルキルから独立して選択される1~2個の置換基で任意に置換された3~6員シクロアルキル環を形成し;
R
2が、H、ハロ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル又はシクロアルキルアルキルであり、シクロアルキル又はシクロアルキルアルキルが、ハロで任意に置換されており;
R
3が、H、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル又はシクロアルキルアルキルであり、シクロアルキル又はシクロアルキルアルキルが、ハロで任意に置換されており;
Zが、-O-又は-NH-であり;
R
4が、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、-OH、オキソ、-CO
2H、シクロアルキルアルキル、若しくはハロで任意に置換されたシクロアルキルから独立して選択される1~3個の置換基で任意に置換された複素環であるか;又は
R
4が、アルキル、ハロ、ハロアルキル及び-OHから独立して選択される1~3個の置換基で任意に置換されたシクロアルキルであるか;又は
R
4が、アリールアルキル若しくはヘテロアリールアルキルであり、アリールアルキル若しくはヘテロアリールアルキルが、アルキル、ハロ、ハロアルキル及び-OHから独立して選択される1~3個の置換基を有する)
の新規の化合物、及び薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0016】
「アルキル」という用語は、1~6個の炭素原子の一価の直鎖又は分岐飽和炭化水素基を表す。いくつかの実施形態では、別様に記載されていない場合、アルキルは、1~6個の炭素原子(C1-6-アルキル)又は1~4個の炭素原子(C1-4-アルキル)を含む。C1-6-アルキルの例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、iso-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル及びペンチルが挙げられる。特定のアルキル基には、メチル、エチル、プロピル及びブチルが含まれる。特定の数の炭素を有するアルキル残基が命名される場合、その数の炭素を有するすべての幾何異性体が包含され得る。したがって、例えば、「ブチル」には、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル及びt-ブチルが含まれ得、「プロピル」には、n-プロピル及びイソプロピルが含まれ得る。
【0017】
「アルコキシ」という用語は、R’がC1-6-アルキル基である、式-O-R’の基を表す。C1-6-アルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ及びtert-ブトキシが挙げられる。特定の例は、メトキシ及びエトキシである。
【0018】
「アセチル」という用語は、式-C(=O)-R’の基(式中、R’はアルキル基である)を表す。アセチルの例としては、-C(=O)CH3が挙げられる。
【0019】
「アリール」という用語は、単独で、又は他の基と組み合わせて、単環式又は二環式芳香環からなる一価の環状芳香族炭化水素部分を表す。好ましいアリールはフェニルである。アリールは、本明細書に記載されるように非置換であっても置換されていてもよい。
【0020】
用語「アリールアルキル」は、アルキル基の水素原子の1つがアリール基によって置き換えられているアルキル基を表す。アリールアルキル基の例は、フェニルアルキル、具体的にはフェニルメチルである。
【0021】
「シクロアルキル」という用語は、単環式又は多環式の飽和又は部分不飽和の非芳香族炭化水素を表す。いくつかの実施形態では、別様に記載されていない限り、シクロアルキルは、3~8個の炭素原子、3~6個の炭素原子又は3~5個の炭素原子を含む。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは、飽和の単環式又は多環式炭化水素である。他の実施形態では、シクロアルキルは、1つ又は複数の二重結合(例えば、アリール若しくはヘテロアリール環に縮合したシクロアルキル、又は1つ若しくは2つの二重結合を含む非芳香族単環式炭化水素)を含む。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、オクタヒドロペンタレニル、スピロ[3.3]ヘプタニルなどが挙げられる。二環式とは、共有した2個の炭素原子を有する2つの飽和炭素環からなる環系を意味する。単環式シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブタニル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチルである。特定の例は、シクロプロピル及びシクロブチルである。
【0022】
「シクロアルキルアルキル」という用語は、アルキル基の少なくとも1個の水素原子がシクロアルキル基によって置き換えられているアルキル基を表す。シクロアルキルアルキルの例としては、シクロプロピルメチル、シクロプロピルエチル、シクロプロピルブチル、シクロブチルプロピル、2-シクロプロピルブチル、シクロペンチルブチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル及びヒドロキシシクロプロピルメチルが挙げられる。特定の例はシクロプロイルメチルである。
【0023】
「ハロゲン」、「ハライド」及び「ハロ」という用語は、本明細書では互換的に使用され、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードを表す。特定のハロゲンはフルオロ及びクロロである。
【0024】
「ハロアルキル」という用語は、C1-6-アルキル基の少なくとも1個の水素原子が同じ又は異なるハロゲン原子によって置き換えられているC1-6-アルキル基を表す。特定の例は、フルオロメチル、ジフルオロメチル及びトリフルオロメチルである。
【0025】
「ハロアルコキシ」という用語は、C1-6-アルコキシ基の少なくとも1個の水素原子が同じ又は異なるハロゲン原子によって置き換えられているC1-6-アルコキシ基を表す。ハロアルコキシの例は、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロエトキシ及びトリフルオロエトキシである。特定の例は、ジフルオロメトキシ及びトリフルオロメトキシである。好ましい例はトリフルオロメトキシである。
【0026】
「ヘテロアリール」という用語は、単独で又は他の基と組み合わせて、N、O、又はSから選択される1~4個の環ヘテロ原子を含み、残りの環原子はCである一価芳香族を指す。好ましくは、単環式ヘテロアリールは、1個又は2個のヘテロ原子を有する。5員又は6員ヘテロアリールが好ましい。ヘテロアリール部分の例としては、ピリジル、ピラジニル及びチエニルが挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロアリールは、本明細書に記載されるように非置換であっても置換されていてもよい。
【0027】
「ヘテロアリールアルキル」という用語は、アルキル基の水素原子の1つがヘテロアリール基によって置換されているアルキル基を表す。ヘテロアリールアルキル基の例としては、ピリジニルアルキルが挙げられる。
【0028】
用語「複素環」とは、N、O、及びSから選択される1、2、又は3個の環ヘテロ原子を含み、残りの環原子が炭素である、3~10個の環原子、又は3~8個の環原子の一価の飽和又は部分的に不飽和の単環式又は二環式環系を意味する。単環式飽和複素環の例は、オキセタニル、アゼチジニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル又はピペラジニルである。部分不飽和複素環の例は、ジヒドロフリル、イミダゾリニル、ジヒドロ-オキサゾリル、テトラヒドロ-ピリジニル、又はジヒドロピラニルである。複素環の特定の例は、オクタヒドロインドリジニル、アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イル、アザビシクロ[3.2.1]オクタン-2-イル、ピペリジニル又はフラニルである。好ましい例は、フルニル及びピペリジニルである。
【0029】
「ヒドロキシ」という用語は、-OH基を表す。
【0030】
「ヒドロキシアルキル」という用語は、アルキル基の少なくとも1個の水素原子がヒドロキシ基によって置き換えられているアルキル基を表す。ヒドロキシアルキルの例としては、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシメチルプロピル及びジヒドロキシプロピルが挙げられる。
【0031】
用語「ニトリル」又は「シアノ」は、-C≡N基を表す。
【0032】
「薬学的に許容され得る塩」という用語は、生物学的に又は別様に望ましくないものではない、遊離塩基又は遊離酸の生物学的有効性及び特性を保持するそれらの塩を指す。塩は、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、特に塩酸、及び、有機酸、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、N-アセチルシステインを用いて形成される。加えて、これらの塩は、無機塩基又は有機塩基の遊離酸への添加から調製され得る。無機塩基から誘導される塩には、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウムの塩が含まれるがこれらに限定されない。有機塩基から誘導される塩には、第一級、第二級、及び第三級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環式アミン及び塩基性イオン交換樹脂、例えばイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、リジン、アルギニン、N-エチルピペリジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂の塩が含まれるが、これらに限定されない。式Ibの化合物は、双性イオンの形態でも存在し得る。式Ibの化合物の特に好ましい薬学的に許容され得る塩は、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸を用いて形成される塩、及び塩酸塩、二塩酸塩又は三塩酸塩を生じる、塩酸を用いて形成される塩である。
【0033】
略語のuMはマイクロモルを意味し、記号μMと同等である。
【0034】
略語のuLはマイクロリットルを意味し、記号μLと同等である。
【0035】
略語のugはマイクログラムを意味し、記号のμgと同等である。
【0036】
式Ibの化合物は、いくつかの不斉中心を含み得、光学的に純粋なエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、例えば、ラセミ体など、光学的に純粋なジアステレオ異性体、ジアステレオ異性体の混合物、ジアステレオ異性のラセミ体又はジアステレオ異性のラセミ体の混合物の形態で存在し得る。
【0037】
Cahn-Ingold-Prelog則によれば、不斉炭素原子は、「R」又は「S」立体配置のものであり得る。
【0038】
また、本発明の一実施形態は、本明細書に記載されている式Iによる化合物及びその薬学的に許容され得る塩又はエステル、特に本明細書に記載されている式Ibによる化合物及びその薬学的に許容され得る塩、より具体的には、本明細書に記載されている式Ibによる化合物を提供する。
【0039】
本発明の一実施形態は、R1が、アセチル、SF5、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ又はニトリルである、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0040】
本発明の一実施形態は、R1が、ハロ、ハロアルキル又はハロアルコキシである、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0041】
本発明の一実施形態は、R1が、ハロアルコキシである、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0042】
本発明の一実施形態は、R1が、H、ハロ、アルキル、ハロアルキル、又はハロアルコキシである、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0043】
本発明の一実施形態は、R1が、Cl、OCF3、CF3、又はCH3である、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0044】
本発明の一実施形態は、R1が、Cl又はCF3である、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0045】
本発明の一実施形態は、R1が、CF3である、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0046】
本発明の一実施形態は、R2が、H、ハロ、アルキル、ハロアルキル、又はシクロアルキルであり、シクロアルキルが、ハロで任意に置換されている、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0047】
本発明の一実施形態は、R2が、H、ハロ、アルキル又はハロアルキルである、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0048】
本発明の一実施形態は、R2が、H又はアルキルである、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0049】
本発明の一実施形態は、R2がHである、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0050】
本発明の一実施形態は、R3が、H、アルキル、ハロアルキル、又はシクロアルキルであり、シクロアルキルが、ハロで任意に置換されている、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0051】
本発明の一実施形態は、R3が、H、アルキル又はハロアルキルである、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0052】
本発明の一実施形態は、R3がアルキルである、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0053】
本発明の一実施形態は、R4が、ハロ、アルキル、シクロアルキル若しくはシクロアルキルアルキルから独立して選択される1~3個の置換基で任意に置換された複素環であるか;又はR4が、アルキル、及び-OHから独立して選択される2個の置換基で任意に置換されたシクロアルキルであるか;又はR4は、OHで置換されたアリールアルキルである、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0054】
本発明の一実施形態は、R4が、アルキルで任意に置換された複素環である、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0055】
本発明の一実施形態は、R4がアルキルで置換されたピロリジン、フラン、ピペリジン、又はピラン環である、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0056】
本発明の一実施形態は、R4がアルキルで置換されたピロリジン又はピペリジン環である、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0057】
本発明の一実施形態は、R4がアルキルで置換されたピペリジン環である、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0058】
本発明の一実施形態は、R4がtert-ブチルピペリジンである、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0059】
本発明の一実施形態は、R4がエチルピペリジンである、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0060】
本発明の一実施形態は、Zが-NH-である、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0061】
本発明の一実施形態は、R5がHであるか、又は、R1及びR5並びにそれらが結合している原子が、単一のOヘテロ原子を含む4~6員複素環を形成するか、又はR1及びR5並びにそれらが結合している原子が、3~6員シクロアルキル環を形成する、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0062】
本発明の一実施形態は、R5がHであるか、又は、R1及びR5並びにそれらが結合している原子が、単一のO原子を含む5員複素環を形成する、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0063】
本発明の一実施形態は、R5がHである、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0064】
本発明の一実施形態は、R1及びR5並びにそれらが結合している原子が、ハロ若しくはアルキルから独立して選択される1つ若しくは2つの置換基で任意に置換された単一のOヘテロ原子を含む4~6員複素環を形成するか、又はR1及びR5並びにそれらが結合している原子が、ハロ若しくはアルキルから独立して選択される1個又は2個の置換基で任意に置換された3~6員シクロアルキル環を形成する、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0065】
本発明の一実施形態は、R1及びR5並びにそれらが結合している原子が、単一のOヘテロ原子を含む4~6員複素環を形成するか、又はR1及びR5並びにそれらが結合している原子が、3~6員シクロアルキル環を形成する、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0066】
本発明の一実施形態は、R1及びR5並びにそれらが結合している原子が、単一のOヘテロ原子を含む5員複素環を形成する、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0067】
本発明の一実施形態は、
R1が、アセチル、SF5、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ若しくはニトリルであり;
R5が、Hであるか;
又は、R1及びR5並びにそれらが結合している原子が、単一のOヘテロ原子を含む4~6員複素環を形成するか、又はR1及びR5並びにそれらが結合している原子が、3~6員シクロアルキル環を形成し、
R2が、H又はアルキルであり;
R3が、H、アルキル又はシクロアルキルであり;
Zが、-NH-であり;
R4が、ハロ、アルキル、シクロアルキル若しくはシクロアルキルアルキルから独立して選択される1~3個の置換基で任意に置換された複素環であるか;又は
R4が、アルキル及び-OHから独立して選択される2個の置換基で任意に置換されたシクロアルキルであるか;又は
R4が、OHで置換されたアリールアルキルである;
本明細書に記載の式Ibによる化合物、及び薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0068】
本発明の一実施形態は、
R1が、アセチル、SF5、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ若しくはニトリルであり;
R5が、Hであるか;
又は、R1及びR5並びにそれらが結合している原子が、単一のOを含む5員複素環を形成し、
R2が、H又はアルキルであり;
R3が、H、アルキル又はシクロアルキルであり;
Zが、-NH-であり;
R4が、ハロ、アルキル、シクロアルキル若しくはシクロアルキルアルキルから独立して選択される1~3個の置換基で任意に置換された複素環であるか;又は
R4が、アルキル及び-OHから独立して選択される2個の置換基で任意に置換されたシクロアルキルであるか;又は
R4が、OHで置換されたアリールアルキルである;
本明細書に記載の式Ibによる化合物、及び薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0069】
本発明の一実施形態は、
R1が、ハロ、ハロアルキル又はハロアルコキシであり;
R5が、Hであるか;
又は、R1及びR5並びにそれらが結合している原子が、単一のOを含む5員複素環を形成し、
R2が、Hであるか;
R3が、アルキルであり;
Zが、-NH-であり;
R4が、アルキルで任意に置換されたピペリジル環である;
本明細書に記載の式Ibによる化合物、及び薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0070】
本発明の一実施形態は、
R1が、ハロアルコキシであり;
R5が、Hであるか;
R2が、Hであるか;
R3が、アルキルであり;
Zが、-NH-であり;
R4が、アルキルで任意に置換されたピペリジル環である;
本明細書に記載の式Ibによる化合物、及び薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0071】
本発明の一実施形態は、
R1が、H、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ若しくはニトリルであり;
R5が、Hであるか;
又は、R1及びR5並びにそれらが結合している原子が、ハロ若しくはアルキルから独立して選択される1つ若しくは2つの置換基で任意に置換された単一のOヘテロ原子を含む4~6員複素環を形成するか、又はR1及びR5並びにそれらが結合している原子が、ハロ若しくはアルキルから独立して選択される1個又は2個の置換基を有する3~6員シクロアルキル環を形成し;
R2が、H、ハロ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル又はシクロアルキルアルキルであり、シクロアルキル又はシクロアルキルアルキルが、ハロで任意に置換されており;
R3が、H、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル又はシクロアルキルアルキルであり、シクロアルキル又はシクロアルキルアルキルが、ハロで任意に置換されており;
Zが、-O-又は-NH-であり;
R4が、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、-OH、オキソ、-CO2H、若しくはハロで任意に置換されたシクロアルキルから独立して選択される1~2個の置換基で任意に置換された複素環であるか;又は
R4が、アルキル、ハロ、ハロアルキル及び-OHから独立して選択される1~3個の置換基で任意に置換されたシクロアルキルであるか;又は
R4が、アリールアルキル若しくはヘテロアリールアルキルであり、アリールアルキル若しくはヘテロアリールアルキルが、アルキル、ハロ、ハロアルキル及び-OHから独立して選択される3個までの置換基を有していてもよい;
本明細書に記載の式Ibによる化合物、及びその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0072】
本発明の一実施形態は、
R1及びR5並びにそれらが結合している原子が、ハロ若しくはアルキルから独立して選択される1つ若しくは2つの置換基で任意に置換された単一のOヘテロ原子を含む4~6員複素環を形成するか、又はR1及びR5並びにそれらが結合している原子が、ハロ若しくはアルキルから独立して選択される1個又は2個の置換基で任意に置換された3~6員シクロアルキルを形成し;
R2が、Hであり;
R3が、メチルであり;
Zが、-NH-であり;
R4が、アルキルで置換されたピペリジン環である;
本明細書に記載の式Ibによる化合物、及びその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0073】
本発明の一実施形態は、
R1及びR5並びにそれらが結合している原子が、単一のOヘテロ原子を含む4~6員複素環を形成するか、又はR1及びR5並びにそれらが結合している原子が、4~6員シクロアルキル環を形成し:
R2が、Hであり;
R3が、メチルであり;
Zが、-NH-であり;
R4が、アルキルで置換されたピペリジン環である;
本明細書に記載の式Ibによる化合物、及びその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0074】
本明細書に記載される式Ibの化合物の特定の例は、
6-((1-エチルピペリジン-3-イル)アミノ)-3-(2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン;
6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-(4-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-6-[[(3R)-3-ピペリジル]アミノ]-1,2,4-トリアジン-5-オン;
3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-6-[(8-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-2-イル)アミノ]-1,2,4-トリアジン-5-オン;
(R)-6-((1-(シクロプロピルメチル)ピペリジン-3-イル)アミノ)-3-(2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン;
(R)-3-(2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-6-((1-メチルピペリジン-3-イル)アミノ)-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン;
6-(1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロインドリジン-8-イルアミノ)-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-6-[[(3R)-1-プロピル-3-ピペリジル]アミノ]-1,2,4-トリアジン-5-オン;
3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-6-[(1,5,5-トリメチル-3-ピペリジル)アミノ]-1,2,4-トリアジン-5-オン;
(R)-6-((1-シクロプロピルピペリジン-3-イル)アミノ)-3-(2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン;
6-(((1S,3S)-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)アミノ)-3-(2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン;
6-[(1-tert-ブチル-3-ピペリジル)アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
6-(2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イルアミノ)-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
6-[[(3R,5S)-1-エチル-5-メチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
6-[[(3R,5R)-1-エチル-5-メチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
6-[[(5S)-5-フルオロ-1-メチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
6-[[(3R)-6,6-ジメチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
6-[(3-ヒドロキシフェニル)メチルアミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
4-シクロプロピル-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-5-オン;
6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-(4-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
4-エチル-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-5-オン;
3-[4-(ジフルオロメトキシ)-2-ヒドロキシ-フェニル]-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
3-[4-(1,1-ジフルオロエチル)-2-ヒドロキシ-フェニル]-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
3-(4-アセチル-2-ヒドロキシ-フェニル)-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-6-[[(3R)-1-メチル-3-ピペリジル]アミノ]-1,2,4-トリアジン-5-オン;
6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-6-メチル-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
(M又はP)-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-6-メチル-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
(P又はM)-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-6-メチル-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(ペンタフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
4-[6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-4-メチル-5-オキソ-1,2,4-トリアジン-3-イル]-3-ヒドロキシ-ベンゾニトリル;
3-(4-クロロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-4-メチル-6-[[(3R)-1-メチル-3-ピペリジル]アミノ]-1,2,4-トリアジン-5-オン;
6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4H-1,2,4-トリアジン-5-オン;
6-[[(3R,5S)-1-エチル-5-フルオロ-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4H-1,2,4-トリアジン-5-オン;
及びその薬学的に許容され得る塩から選択される。
【0075】
本明細書に記載される式Ibの化合物の好ましい例は、
6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-(4-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
(R)-3-(2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-6-((1-メチルピペリジン-3-イル)アミノ)-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン;
6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
3-[4-(ジフルオロメトキシ)-2-ヒドロキシ-フェニル]-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
3-(4-クロロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-4-メチル-6-[[(3R)-1-メチル-3-ピペリジル]アミノ]-1,2,4-トリアジン-5-オン;
及びその薬学的に許容され得る塩から選択される。
【0076】
本明細書に記載される式Ibの化合物の最も好ましい例は、6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン及びその薬学的に許容され得る塩である。
【0077】
本明細書に記載される式Ibの他の例としては、6-((1-エチルピペリジン-3-イル)アミノ)-3-(2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン若しくは6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-(4-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン、又はそれらの薬学的に許容され得る塩のいずれかが挙げられる。
【0078】
本発明の実施形態は、式Iの化合物が式Ibの化合物である式Iによる化合物を提供する。
【化3】
【0079】
また、本発明の一実施形態は、
R1が、H、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、又はニトリルであり;
R2が、H、ハロ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル又はシクロアルキルアルキルであり、シクロアルキル又はシクロアルキルアルキルが、ハロで任意に置換されており;
R3が、H、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル又はシクロアルキルアルキルであり、シクロアルキル又はシクロアルキルアルキルが、ハロで任意に置換されており;
Zが、-O-又は-NH-であり;
R4が、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、-OH、オキソ、-CO2H、若しくはハロで任意に置換されたシクロアルキルから独立して選択される1~2個の置換基で任意に置換された複素環であるか;又は
R4が、アルキル、ハロ、ハロアルキル及び-OHから独立して選択される1~3個の置換基で任意に置換されたシクロアルキルであるか;又は
R4が、アリールアルキル若しくはヘテロアリールアルキルであり、アリールアルキル若しくはヘテロアリールアルキルが、アルキル、ハロ、ハロアルキル及び-OHから独立して選択される3個までの置換基を有していてもよい;
式Iの化合物、及び薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0080】
本発明の一実施形態は、
R1が、H、ハロ、アルキル、ハロアルキル、又はハロアルコキシであり;
R2が、H、ハロ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル又はシクロアルキルアルキルであり、シクロアルキル又はシクロアルキルアルキルが、ハロで任意に置換されており;
R3が、H、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル又はシクロアルキルアルキルであり、シクロアルキル又はシクロアルキルアルキルが、ハロで任意に置換されており;
Zが、-O-又は-NH-であり;
R4が、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、-OH、オキソ、-CO2H、若しくはハロで任意に置換されたシクロアルキルから独立して選択される1~2個の置換基で任意に置換された複素環であるか;又は
R4が、アルキル、ハロ、ハロアルキル及び-OHから独立して選択される1~3個の置換基で任意に置換されたシクロアルキルであるか;又は
R4が、アリールアルキル若しくはヘテロアリールアルキルであり、アリールアルキル若しくはヘテロアリールアルキルが、アルキル、ハロ、ハロアルキル及び-OHから独立して選択される3個までの置換基を有していてもよい;
式Iの化合物、及び薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0081】
式Iの化合物は、いくつかの不斉中心を含み得、光学的に純粋なエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、例えば、ラセミ体など、光学的に純粋なジアステレオ異性体、ジアステレオ異性体の混合物、ジアステレオ異性のラセミ体又はジアステレオ異性のラセミ体の混合物の形態で存在し得る。
【0082】
また、本発明の実施形態は、本明細書に記載されている式Iによる化合物及びその薬学的に許容され得る塩又はエステル、特に本明細書に記載されている式Iによる化合物及びその薬学的に許容され得る塩、より具体的には、本明細書に記載されている式Iによる化合物を提供する。
【0083】
本発明の一実施形態は、R1が、H、ハロ、アルキル、ハロアルキル、又はハロアルコキシである、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0084】
本発明の一実施形態は、R1が、Cl、OCF3、CF3、又はCH3である、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0085】
本発明の一実施形態は、R1が、Cl又はCF3である、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0086】
本発明の一実施形態は、R1が、CF3である、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0087】
本発明の一実施形態は、R2が、H、ハロ、アルキル、ハロアルキル、又はシクロアルキルであり、シクロアルキルが、ハロで任意に置換されている、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0088】
本発明の一実施形態は、R2が、H、ハロ、アルキル又はハロアルキルである、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0089】
本発明の一実施形態は、R2がHである、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0090】
本発明の一実施形態は、R3が、H、アルキル、ハロアルキル、又はシクロアルキルであり、シクロアルキルが、ハロで任意に置換されている、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0091】
本発明の一実施形態は、R3が、H、アルキル又はハロアルキルである、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0092】
本発明の一実施形態は、R3がアルキルである、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0093】
本発明の一実施形態は、R4が、アルキルで任意に置換された複素環である、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0094】
本発明の一実施形態は、R4がアルキルで置換されたピロリジン、フラン、ピペリジン、又はピラン環である、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0095】
本発明の一実施形態は、R4がアルキルで置換されたピロリジン又はピペリジン環である、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0096】
本発明の一実施形態は、R4がアルキルで置換されたピペリジン環である、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0097】
本発明の一実施形態は、R4がtert-ブチルピペリジンである、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0098】
本発明の一実施形態は、R4がエチルピペリジンである、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0099】
本発明の一実施形態は、Zが-NH-である、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0100】
本発明の一実施形態は、
R1が、Cl、OCF3、アルキル又はハロアルキルであり;
R2が、H、ハロ、アルキル、ハロアルキル又はシクロアルキル(Fで任意に置換されている)であり;
R3が、H、アルキル、ハロアルキル、又はシクロアルキル(Fで任意に置換されている)であり;
Zが、-O-又は-NH-であり;
R4が、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、-OH、オキソ、-CO2H、若しくはハロで任意に置換されたシクロアルキルから独立して選択される1~2個の置換基で任意に置換された複素環であるか;又は
R4が、アルキル、ハロ、ハロアルキル及び-OHから独立して選択される1~3個の置換基で任意に置換されたシクロアルキルである、
本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0101】
本発明の一実施形態は、
R1が、Cl、CH3、OCF3、又はCF3であり;
R2が、H、ハロ、アルキル又はハロアルキルであり;
R3が、H、アルキル又はハロアルキルであり;
Zが、-O-又は-NH-であり;
R4が、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、-OH、オキソ、-CO2H、若しくはハロで任意に置換されたシクロアルキルから独立して選択される1~2個の置換基で任意に置換された1個のヘテロ原子を含む複素環であるか;又は
R4が、アルキル、ハロ、ハロアルキル及び-OHから独立して選択される1~3個の置換基で任意に置換されたシクロアルキルである、
本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0102】
本発明の一実施形態は、
R1が、Cl、CH3、OCF3、又はCF3であり;
R2が、H、ハロ、アルキル又はハロアルキルであり;
R3が、H、アルキル又はハロアルキルであり;
Zが、-O-又は-NH-であり;
R4が、ハロ、アルキル又はハロアルキルから独立して選択される1~2個の置換基で任意に置換された1個のヘテロ原子を含む複素環である、
本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0103】
本発明の一実施形態は、
R1が、Cl又はCF3であり;
R2が、H、ハロ、アルキル又はハロアルキルであり;
R3が、H、アルキル又はハロアルキルであり;
Zが、-NH-であり;
R4が、ハロ、アルキル又はハロアルキルから独立して選択される1~2個の置換基で任意に置換された1個のヘテロ原子を含む複素環である、
本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0104】
本発明の一実施形態は、
R1が、Cl又はCF3であり;
R2が、Hであり;
R3が、CH3であり;
Zが、-NH-であり;
R4が、アルキルで置換されたピペリジン環である、
本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0105】
本発明の一実施形態は、
R1が、CF3であり;
R2が、Hであり;
R3が、CH3であり;
Zが、-NH-であり;
R4が、アルキルで置換されたピペリジン環である、
本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0106】
本明細書に記載される式Iの化合物の特定の例は、6-((1-エチルピペリジン-3-イル)アミノ)-3-(2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン、又はその薬学的に許容され得る塩である。
【0107】
本明細書に記載されている式Iの化合物の製造のための方法は、本発明の対象物である。式Iの化合物の合成は、例えば、スキーム1に従って達成し得る。
【0108】
本発明はまた、本発明の方法に従って製造される場合の本発明による化合物に関する。
【0109】
トリアジノン化合物の一般的な合成スキーム:
式Iの化合物は、上記の方法の変形及び以下のスキーム1に従って調製され得る。出発物質は市販されているか、又は公知の方法に従って調製され得る。
【0110】
【0111】
一般式Iの化合物、例えば実施例1は、スキーム1に概説される合成経路に従って合成することができる。1-ブロモ-2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(CAS:402-07-3)などの市販のアリールブロミドIIから出発して、乾燥THF中のn-BuLiの存在下でメチルイソチオシアネートと反応させた後、一般式IIIの化合物を得た。その後、水酸化カリウムなどの塩基の存在下でヨウ化メチル、臭化メチル又は他の適切なアルキル化試薬を使用してアルキル化すると、IVが得られた。その後のヒドラジン水和物との反応により、一般式Vの中間体が得られ、続いてエチルチオオキサメート及び塩基、例えばトリエチルアミンで環化して、対応するトリアジノンVIを得た。その後、亜硝酸tert-ブチルを用い、Cu(I)Clの存在下でSandmeyer反応によりVIIを得た。ジアゾ化は、ジアゾニウム中間体を形成する亜硝酸ナトリウム又は同等の試薬を使用し、続いて塩化銅を添加して行うこともできる。続いて、溶媒中、DMSO、DMF又はエーテル、例えばTHF中、高温で、一般式6aによるアミン及び塩基、好ましくはN,N-ジイソプロピルエチルアミン又はトリエチルアミンを用いた求核芳香族置換によりVIIIを得た。最終工程において、アリールメチルエーテル基をジクロロメタン中の周知の三臭化ホウ素(BBr3)で切断して、一般式Iの化合物、例えば実施例1を得た。最終的な脱保護は、高温でNMPとして溶媒中のベンゼンチオール、炭酸カリウム又は関連塩基を使用することによっても達成することができる。
【0112】
【0113】
あるいは、式I又はIbの化合物は、スキーム2に示される代替合成経路に従って合成することもできる。例えば6-ブロモ-4-メチル-2H-1,2,4-トリアジン-3,5-ジオン(IX;CAS:15870-75-4)から出発して、DMF中、塩基、例えばアルカリカーボネート又はアルカリホスフェート、好ましくは炭酸カリウムの存在下での4-メトキシベンジルクロリドの反応によってPMB保護を行った。あるいは、THF又はDMSOなどの溶媒中、炭酸セシウム、DIPEA又はトリエチルアミンなどの他の塩基の存在下で、臭化物、メシレート、トシレートなどの他のアルキル化試薬を実施するか、又は当業者に公知の任意の他の標準的な手順を実施して、一般式Xの中間体を得ることができる。続いて、例えば炭酸セシウムを塩基として使用してBINAP Pd G3などの触媒の存在下で、好ましくは(3R)-1-エチルピペリジン-3-アミン、(3R)-1-メチルピペリジン-3-アミン又は請求項に記載の任意のアミンを有する臭化ヘタリールを使用するBuchwaldなどのパラジウム触媒アミノ化反応。溶媒としてDMSOを使用したが、反応をDMF、THF又は他の溶媒中で行って、一般式XIの中間体を得ることもできる。あるいは、XIは、当業者に公知の求核芳香族置換反応によって得ることができる。その後、室温でのDCM中、トリフルオロメタンスルホン酸の添加によってPMB脱保護を達成した。PMB脱保護はまた、メタノール又はエタノールなどの溶媒中、Pd/Cなどの市販のパラジウム炭素触媒の存在下での水素化を使用して達成することができる。POCl3の添加及び反応の加熱による塩素化により、一般式XIIの中間体を得た。最後に、当業者に周知の標準条件に従って、XPhos Pd G3としてのパラジウム触媒及びボロン酸又はボロン酸ピナコールエステル7aの存在下で、当業者に周知の鈴木-宮浦クロスカップリングによって左側を導入した。アリールメチルエーテルの場合、ジクロロメタン中、三臭化ホウ素(BBr3)を添加して一般式I又はIbの化合物を得ることによって最終生成物を得、SEMの場合、TFAとの反応後に最終化合物を得た。一般に、当業者に公知の他のフェノール保護基修飾を適用することができる。以下、例示した各化合物の具体例をより詳細に説明する。
【0114】
したがって、本発明は、本発明の方法に従って製造された場合の、本発明による化合物に関する。
【0115】
本発明の別の実施形態は、本発明の化合物及び治療的不活性担体、希釈剤又は賦形剤を含有する医薬組成物又は医薬、並びにこのような組成物及び医薬を調製するための、本発明の化合物を使用する方法を提供する。一例では、式Ibの化合物は、周囲温度、適切なpHで、及び所望の程度の純度で、生理学的に許容され得る担体、すなわち、用いられる投与量及び濃度でレシピエントに対して非毒性である担体と混合することによって、ガレヌス投与形態に配合され得る。製剤のpHは、特定の用途及び化合物の濃度に主に依存するが、好ましくは約3~約8の範囲である。一例では、式Ibの化合物は、pH5の酢酸緩衝液で製剤化される。別の実施形態では、式Ibの化合物は無菌である。化合物は、例えば、固体若しくは非晶質組成物として、凍結乾燥製剤として、又は水溶液として保管され得る。
【0116】
組成物は、良好な医療行為と一致した様式で製剤化、投薬、及び投与される。これに関連して考慮すべき要因としては、処置される特定の障害、処置される特定の哺乳動物、個々の患者の臨床症状、障害の原因、薬剤の送達部位、投与方法、投与スケジュール、及び医療従事者に既知である他の要因が挙げられる。
【0117】
本発明の化合物は、経口、局所(頬側及び舌下を含む)、直腸、膣、経皮、非経口、皮下、腹腔内、肺内、皮内、クモ膜下腔内、並びに硬膜外及び鼻腔内、並びに局所処置で所望される場合、病変内投与を含む、任意の好適な手段によって投与され得る。非経口注入としては、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内、又は皮下投与が挙げられる。
【0118】
本発明の化合物は、任意の便利な投与形態、例えば錠剤、粉末、カプセル、溶液、分散液、懸濁液、シロップ剤、スプレー、座薬、ゲル、エマルション、貼付剤などで、投与され得る。そのような組成物は、薬学的調製物において慣用的な成分、例えば、希釈剤、担体、pH調整剤、甘味料、増量剤及びさらなる活性剤を含有し得る。
【0119】
典型的な製剤は、本発明の化合物と担体又は賦形剤とを混合することによって調製される。適切な担体及び賦形剤は当業者に周知であり、例えば、Ansel,Howard C.,et al.,Ansel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems.Philadelphia:Lippincott,Williams&Wilkins,2004;Gennaro,Alfonso R.,et al.Remington:The Science and Practice of Pharmacy.Philadelphia:Lippincott,Williams&Wilkins,2000;及びRowe,Raymond C.Handbook of Pharmaceutical Excipients.Chicago,Pharmaceutical Press,2005に詳細に記載されている。製剤はまた、薬物(すなわち、本発明の化合物又はその医薬組成物)の的確な提示を提供する、又は医薬品(すなわち、医薬)の製造を補助するために、1種以上の緩衝剤、安定化剤、界面活性剤、湿潤剤、潤滑剤、乳化剤、懸濁化剤、防腐剤、抗酸化剤、乳白剤(opaquing agent)、流動促進剤、加工助剤、着色剤、甘味剤、芳香剤、香味剤、希釈剤及び他の既知の添加剤も含み得る。
【0120】
式Ibの化合物及びそれらの薬学的に許容され得る塩は、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬質ゼラチンカプセル剤、注射溶液又は局所製剤の生産のための薬学的に不活性な、無機又は有機アジュバントと共に処理することができる。ラクトース、コーンスターチ又はその誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩などは、例えば、錠剤、糖衣錠及び硬質ゼラチンカプセル剤のためのそのようなアジュバントとして、使用され得る。
【0121】
式Iの化合物及びそれらの薬学的に許容され得る塩は、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬質ゼラチンカプセル剤、注射溶液又は局所製剤の生産のための薬学的に不活性な、無機又は有機アジュバントと共に処理することができる。ラクトース、コーンスターチ又はその誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩などは、例えば、錠剤、糖衣錠及び硬質ゼラチンカプセル剤のためのそのようなアジュバントとして、使用され得る。
【0122】
軟質ゼラチンカプセル剤に適したアジュバントは、例えば、植物油、ワックス、脂肪、半固形物質、及び液状ポリオールなどである。
【0123】
溶液及びシロップ剤の製造に適したアジュバントは、例として、水、ポリオール、サッカロース、転化糖、グルコース等である。
【0124】
注射溶液のための適切なアジュバントは、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセロール、植物油等である。
【0125】
坐剤のための適切なアジュバントは、例として、天然又は硬化した油、ワックス、油脂、半固体又は液体ポリオール等である。
【0126】
局所眼用製剤に適したアジュバントは、例えば、シクロデキストリン、マンニトール又は当技術分野で公知の多くの他の担体及び賦形剤である。
【0127】
さらに、医薬製剤は、防腐剤、可溶化剤、粘度増加物質、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味剤、着色剤、着香剤、浸透圧を変化させるための塩、緩衝剤、マスキング剤、又は酸化防止剤を含有することができる。本発明の医薬製剤は更に、他の治療上価値のある物質を含むことができる。
【0128】
投薬量は広範に変化させることができ、当然、各特定の場合における個々の要件に適合させる。一般に、経口投与の場合、体重1kgあたり約0.1mg~20mg、好ましくは体重1kgあたり約0.5mg~4mg(例えば、1人あたり約300mg)の1日投与量は、好ましくは1~3回の個別投与に分けられ、これは、適切であれば、例えば、同量からなり得る。局所投与の場合、製剤は、0.001重量%~15重量%の医薬を含み得、0.1及び25mgの間であり得る必要な投与は、1日あたり又は1週間あたりの単回投与によって、1日あたりの複数回投与(2~4回)によって、又は1週間あたりの複数回投与によってのいずれかで投与され得る。しかしながら、これが示されていると示されている場合には、本明細書に与えられている上限又は下限を超え得ることは明らかであろう。
【0129】
本発明の一実施形態は、治療的活性物質として使用するための、本明細書に記載される式Ibによる化合物である。
【0130】
本発明の一実施形態は、疾患、障害又は症状の処置又は予防において使用するための本明細書に記載の式Ibによる化合物であり、疾患、障害又は症状はNLRP3阻害に反応性である。
【0131】
本発明の一実施形態は、疾患、障害又は症状の処置又は防止のための本明細書に記載の式Ibによる化合物であり、障害又は症状はNLRP3阻害に反応性である。
【0132】
本発明の一実施形態は、治療的活性物質として使用するための、本明細書に記載される式Iによる化合物である。
【0133】
本発明の一実施形態は、疾患、障害又は症状の処置又は予防において使用するための本明細書に記載の式Iによる化合物であり、疾患、障害又は症状はNLRP3阻害に反応性である。
【0134】
本発明の一実施形態は、疾患、障害又は症状の処置又は防止のための本明細書に記載の式Iによる化合物であり、障害又は症状はNLRP3阻害に反応性である。
【0135】
本明細書で使用される場合、「NLRP3阻害」という用語は、NLRP3の活性レベルの完全又は部分的な減少を指し、例えば、活性NLRP3の阻害及び/又はNLRP3の活性化の阻害を含む。
【0136】
多数の異なる障害に関連して、又はその結果として生じる炎症応答におけるNLRP3誘導性IL-1及びIL-18の役割についての証拠がある(Menu et al.,Clinical and Experimental Immunology,166:1-15,2011;Strowig et al.,Nature,481:278-286,2012)。
【0137】
一実施形態では、疾患、障害又は症状は、
(i)炎症;
(ii)自己免疫疾患;
(iii)癌;
(iv)感染症;
(v)中枢神経系疾患;
(vi)代謝性疾患;
(vii)心血管疾患;
(viii)呼吸器疾患;
(ix)肝疾患;
(x)腎疾患;
(xi)眼疾患;
(xii)皮膚疾患;
(xiii)リンパ症状;
(xiv)心理学的障害;
(xv)移植片対宿主病;
(xvi)異痛症;
(xvii)糖尿病に関連する症状;及び
(xviii)個体がNLRP3において生殖系列又は体細胞非サイレント変異を有すると判定された任意の疾患
から選択される。
【0138】
別の実施形態では、疾患、障害又は症状は、
(i)癌;
(ii)感染症;
(iii)中枢神経系疾患;
(iv)心血管疾患;
(v)肝疾患;
(vi)眼疾患;又は
(vii)皮膚疾患
から選択される。
【0139】
本発明のさらなる典型的な実施形態では、疾患、障害又は症状は炎症である。処置又は予防され得る炎症の例としては、
(i)接触過敏症、水疱性類天疱瘡、日焼け、乾癬、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、脂漏性皮膚炎、扁平苔癬、強皮症、天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、紅斑、又は脱毛症などの皮膚症状;
(ii)変形性関節症、全身性若年性特発性関節炎、成人発症スティル病、再発性多発性軟骨炎、関節リウマチ、若年性慢性関節炎、痛風、又は血清反応陰性脊椎関節症(例えば、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎又はライター病)などの関節症状;
(iii)多発性筋炎又は重症筋無力症などの筋肉症状;
(iv)炎症性腸疾患(クローン病及び潰瘍性大腸炎を含む)、大腸炎、胃潰瘍、セリアック病、直腸炎、膵炎、好酸球性胃腸炎、肥満細胞症、抗リン脂質症候群、又は腸から離れた影響を及ぼし得る食品関連アレルギー(例えば、片頭痛、鼻炎又は湿疹)などの胃腸管の症状;
(v)慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息(好酸球性、気管支性、アレルギー性、内因性、外因性又は粉塵性喘息、特に慢性又は難治性喘息、例えば後期喘息及び気道過敏性を含む)、気管支炎、鼻炎(急性鼻炎、アレルギー性鼻炎、萎縮性鼻炎、慢性鼻炎、乾酪性鼻炎、肥厚性鼻炎、化膿性鼻炎(rhinitis pumlenta)、乾性鼻炎、薬物性鼻炎、膜性鼻炎、季節性鼻炎、例えば、花粉症及び血管運動性鼻炎を含む)、副鼻腔炎、特発性肺線維症(IPF)、サルコイドーシス、農夫肺、ケイ肺症、石綿症、火山灰誘発性炎症、成人呼吸窮迫症候群、過敏性肺臓炎、又は特発性間質性肺炎などの呼吸器系症状;
(vi)アテローム性動脈硬化症、ベーチェット病、血管炎、又はウェゲナー肉芽腫症などの血管症状;
(vii)全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、全身性硬化症、橋本甲状腺炎、I型糖尿病、特発性血小板減少性紫斑病、又はグレーブス病などの自己免疫症状;
(viii)ブドウ膜炎、アレルギー性結膜炎又は春期結膜炎などの眼の症状;
(ix)多発性硬化症又は脳脊髄炎などの神経症状;
(x)感染症又は感染症関連症状、例えば後天性免疫不全症候群(AIDS)、急性又は慢性細菌感染症、急性又は慢性寄生虫感染症、急性又は慢性ウイルス感染症、急性又は慢性真菌感染症、髄膜炎、肝炎(A、B若しくはC、又は他のウイルス性肝炎)、腹膜炎、肺炎、喉頭蓋炎、マラリア、出血性デング熱、リーシュマニア症、連鎖球菌性筋炎、結核菌(結核菌及びHIVの同時感染を含む)、マイコバクテリウム・アビウム・イントラセルラーレ、ニューモシスチス・カリニ肺炎、精巣炎/精巣上体炎、レジオネラ、ライム病、インフルエンザA、エプスタイン-バーウイルス感染症、ウイルス性脳炎/無菌性髄膜炎、又は骨盤内炎症性疾患;
(xi)メサンギウム増殖性糸球体腎炎、腎症候群、腎炎、糸球体腎炎、肥満関連糸球体症、急性腎不全、急性腎障害、尿毒症、腎炎症候群、慢性結晶性腎症を含む腎線維症、又は腎性高血圧などの腎症状;
(xii)キャッスルマン病などのリンパ症状;
(xiii)免疫系の、又はそれに関与する症状、例えば、高IgE症候群、肝芽腫性ハンセン病、家族性血球貪食性リンパ組織球増加症、又は移植片対宿主病など;
(xiv)慢性活動性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、アルコール誘発性肝炎、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、アルコール性脂肪性肝疾患(AFLD)、アルコール性脂肪性肝炎(ASH)、原発性胆汁性肝硬変、劇症肝炎、肝線維症、又は肝不全などの肝臓症状;
(xv)上記の癌を含む癌;
(xvi)熱傷、創傷、外傷、出血又は脳卒中;
(xvii)放射線暴露;
(xviii)2型糖尿病(T2D)、アテローム性動脈硬化症、肥満、痛風又は偽痛風などの代謝性疾患;及び/又は
(xix)炎症性痛覚過敏、骨盤痛、異痛症、神経障害性疼痛、又は癌誘発性骨痛などの疼痛
に関連して、又はその結果として生じる炎症反応が挙げられる。
【0140】
本発明の一実施形態は、
(i)炎症;
(ii)自己免疫疾患;
(iii)癌;
(iv)感染症;
(v)中枢神経系疾患;
(vi)代謝性疾患;
(vii)心血管疾患;
(viii)呼吸器疾患;
(ix)肝疾患;
(x)腎疾患;
(xi)眼疾患;
(xii)皮膚疾患;
(xiii)リンパ症状;
(xiv)心理学的障害;
(xv)移植片対宿主病;
(xvi)異痛症;
(xvii)糖尿病に関連する症状;及び
(xviii)個体がNLRP3において生殖系列又は体細胞非サイレント変異を有すると判定された任意の疾患
から選択される疾患、障害又は症状の処置又は防止のための本明細書に記載の式Ibによる化合物である。
【0141】
本発明の一実施形態は、アルツハイマー病及びパーキンソン病から選択される疾患、障害又は症状の処置又は防止における本明細書に記載の式Ibによる化合物の使用である。
【0142】
本発明の一実施形態は、喘息又はCOPDから選択される疾患、障害又は症状の処置又は防止において使用するための本明細書に記載の式Ibによる化合物の使用である。
【0143】
本発明の一実施形態は、炎症性腸疾患(クローン病及び潰瘍性大腸炎を含む)から選択される疾患、障害又は症状の処置又は防止において使用するための本明細書に記載の式Ibによる化合物の使用である。
【0144】
本発明の一実施形態は、アルツハイマー病及びパーキンソン病から選択される疾患、障害又は症状の処置又は防止のための本明細書に記載の式Ibによる化合物である。
【0145】
本発明の一実施形態は、喘息又はCOPDから選択される疾患、障害又は症状の処置又は防止のための本明細書に記載の式Ibによる化合物である。
【0146】
本発明の一実施形態は、炎症性腸疾患(クローン病及び潰瘍性大腸炎を含む)から選択される疾患、障害又は症状の処置又は防止のための本明細書に記載の式Ibによる化合物である。
【0147】
本発明の一実施形態は、アルツハイマー病及びパーキンソン病から選択される疾患、障害又は症状の処置又は防止のための医薬を調製するための本明細書に記載の式Ibによる化合物の使用である。
【0148】
本発明の一実施形態は、喘息又はCOPDから選択される疾患、障害又は症状の処置又は防止のための医薬を調製するための本明細書に記載の式Ibによる化合物の使用である。
【0149】
本発明の一実施形態は、炎症性腸疾患(クローン病及び潰瘍性大腸炎を含む)から選択される疾患、障害又は症状の処置又は防止のための医薬を調製するための本明細書に記載の式Ibによる化合物の使用である。
【0150】
本発明の一実施形態は、アルツハイマー病及びパーキンソン病から選択される疾患、障害又は症状の処置又は防止の方法であって、有効量の本明細書に記載の式Ibによる化合物を投与することを含む方法である。
【0151】
本発明の一実施形態は、喘息又はCOPDから選択される疾患、障害又は症状の処置又は防止の方法であって、有効量の本明細書に記載の式Ibによる化合物を投与することを含む方法である。
【0152】
本発明の一実施形態は、炎症性腸疾患(クローン病及び潰瘍性大腸炎を含む)から選択される疾患、障害又は症状の処置又は防止の方法であって、有効量の本明細書に記載の式Ibによる化合物を投与することを含む方法である。
【0153】
本発明の一実施形態は、有効量の本明細書に記載の式Ibによる化合物を投与することを含む、NLRP3を阻害する方法に関する。
【0154】
また、本発明の一実施形態は、記載されるプロセスのいずれか1つに従って製造された場合の、本明細書に記載の式Ibの化合物である。
【0155】
本発明の一実施形態は、本明細書に記載されている式Ibによる化合物、及び治療的不活性担体を含む医薬組成物である。
【0156】
本発明の一実施形態は、
(i)炎症;
(ii)自己免疫疾患;
(iii)癌;
(iv)感染症;
(v)中枢神経系疾患;
(vi)代謝性疾患;
(vii)心血管疾患;
(viii)呼吸器疾患;
(ix)肝疾患;
(x)腎疾患;
(xi)眼疾患;
(xii)皮膚疾患;
(xiii)リンパ症状;
(xiv)心理学的障害;
(xv)移植片対宿主病;
(xvi)異痛症;
(xvii)糖尿病に関連する症状;及び
(xviii)個体がNLRP3において生殖系列又は体細胞非サイレント変異を有すると判定された任意の疾患
から選択される疾患、障害又は症状の処置又は防止のための本明細書に記載の式Iによる化合物である。
【0157】
本発明の一実施形態は、アルツハイマー病及びパーキンソン病から選択される疾患、障害又は症状の処置又は防止における本明細書に記載の式Iによる化合物の使用である。
【0158】
本発明の一実施形態は、喘息又はCOPDから選択される疾患、障害又は症状の処置又は防止において使用するための本明細書に記載の式Iによる化合物の使用である。
【0159】
本発明の一実施形態は、アルツハイマー病及びパーキンソン病から選択される疾患、障害又は症状の処置又は防止のための本明細書に記載の式Iによる化合物である。
【0160】
本発明の一実施形態は、喘息又はCOPDから選択される疾患、障害又は症状の処置又は防止のための本明細書に記載の式Iによる化合物である。
【0161】
本発明の一実施形態は、アルツハイマー病及びパーキンソン病から選択される疾患、障害又は症状の処置又は防止のための医薬を調製するための本明細書に記載の式Iによる化合物の使用である。
【0162】
本発明の一実施形態は、喘息又はCOPDから選択される疾患、障害又は症状の処置又は防止のための医薬を調製するための本明細書に記載の式Iによる化合物の使用である。
【0163】
本発明の一実施形態は、アルツハイマー病及びパーキンソン病から選択される疾患、障害又は症状の処置又は防止の方法であって、有効量の本明細書に記載の式Iによる化合物を投与することを含む方法である。
【0164】
本発明の一実施形態は、喘息又はCOPDから選択される疾患、障害又は症状の処置又は防止の方法であって、有効量の本明細書に記載の式Iによる化合物を投与することを含む方法である。
【0165】
本発明の一実施形態は、有効量の本明細書に記載の式Iによる化合物を投与することを含む、NLRP3を阻害する方法に関する。
【0166】
また、本発明の一実施形態は、記載されるプロセスのいずれか1つに従って製造された場合の、本明細書に記載の式Iの化合物である。
【0167】
本発明の一実施形態は、本明細書に記載されている式Iによる化合物、及び治療的不活性担体を含む医薬組成物である。
【0168】
アッセイ手順
NLRP3及びパイロトーシス
NLRP3の活性化が細胞パイロトーシスをもたらし、この特徴が臨床疾患の発現において重要な役割を果たすことは十分に確立されている(Yan-gang Liu et al.,Cell Death&Disease,2017,8(2),e2579;Alexander Wree et al.,Hepatology,2014,59(3),898-910;Alex Baldwin et al.,Journal of Medicinal Chemistry,2016,59(5),1691-1710;Ema Ozaki et al.,Journal of Inflammation Research,2015,8,15-27;Zhen Xie&Gang Zhao,Neuroimmunology Neuroinflammation,2014,1(2),60-65;Mattia Cocco et al.,Journal of Medicinal Chemistry,2014,57(24),10366-10382;T.Satoh et al.,Cell Death&Disease,2013,4,e644)。したがって、NLRP3の阻害剤は、パイロトーシス、並びに細胞からの炎症促進性サイトカイン(例えばIL-1β)の放出を遮断することが予想される。
【0169】
THP-1細胞:培養及び調製
THP-1細胞(ATCC#TIB-202)を、10%ウシ胎児血清(FBS)(Sigma#F0804)中、1mMピルビン酸ナトリウム(Sigma#S8636)及びペニシリン(100単位/ml)/ストレプトマイシン(0.1mg/ml)(Sigma#P4333)を補充したL-グルタミン(Gibco#11835)を含有するRPMI中で増殖させた。細胞を定期的に継代し、コンフルエント(約106細胞/ml)まで増殖させた。実験の当日に、THP-1細胞を回収し、RPMI培地(FBSなし)に再懸濁した。次いで、細胞を計数し、生存率(>90%)をトリパンブルー(Sigma#T8154)によって確認した。適切な希釈を行い、625,000細胞/mlの濃度を得た。この希釈細胞溶液にLPS(Sigma#L4524)を添加して、1μg/mlの最終アッセイ濃度(FAC)を得た。40μlの最終調製物を96ウェルプレートの各ウェルに分注した。このようにして作製したプレートを化合物スクリーニングに用いた。
【0170】
THP-1細胞パイロトーシスアッセイ
化合物スクリーニングについては、以下の方法の段階的アッセイに従った。
【0171】
1. ポリ-D-リジンで被覆された96ウェル黒色壁透明底細胞培養プレート(VWR#734-0317)中の40μlのRPMI培地(FBSなし)中に1.0μg/mlのLPSを含有するTHP-1細胞(25,000細胞/ウェル)を播種する。
【0172】
2. 5μlの化合物(10μMの最高用量を用いた8ポイントの半対数希釈)又はビヒクル(DMSO 0.1% FAC)を適切なウェルに添加する。
【0173】
3. 37℃、5% CO2で3時間インキュベートする
【0174】
4. 5μlのニゲリシン(Sigma # N7143)(FAC 5μM)をすべてのウェルに添加する。
【0175】
5. 37℃、5% CO2で1時間インキュベートする
【0176】
6. インキュベーション期間の終わりに、プレートを300xgで3分間回転させ、上清を除去する。
【0177】
7. 次いで、50μlのレサズリン(Sigma#R7017)(FBSを含まないRPMI培地中FAC 100μMレサズリン)を添加し、プレートを37℃及び5% CO2でさらに1~2時間インキュベートする。
【0178】
8. プレートをEnvisionリーダーでEx 560nm及びEm 590nmで読み取った。
【0179】
9. IC50データを非線形回帰方程式に当てはめる(対数阻害剤対応答変数勾配4パラメータ)
【0180】
パイロトーシスアッセイの結果を、THP IC50として以下の表1に要約する。
【0181】
ヒト全血IL-1β放出アッセイ
【0182】
全身送達のためには、化合物が血流内に存在する場合にNLRP3を阻害する能力が非常に重要である。このため、以下のプロトコールに従って、ヒト全血中の多数の化合物のNLRP3阻害活性を調べた。
【0183】
Li-ヘパリン管中のヒト全血を、ボランティアドナーパネルから健康なドナーから得た。
【0184】
1. 96ウェル透明底細胞培養プレート(Corning#3585)中に1μg/mlのLPSを含有する80μlの全血をプレートアウトする
【0185】
2. 10μlの化合物(10μMの最高用量を用いた8ポイントの半対数希釈)又はビヒクル(DMSO 0.1% FAC)を適切なウェルに添加する。
【0186】
3. 37℃、5% CO2で3時間インキュベートする
【0187】
4. 10μlのニゲリシン(Sigma # N7143)(10μM FAC)をすべてのウェルに添加する。
【0188】
5. 37℃、5% CO2で1時間インキュベートする
【0189】
6. インキュベーション期間の終わりに、プレートを300×gで5分間回転させて細胞をペレット化し、20μlの上清を除去し、IL-1β分析のために96ウェルv底プレートに添加する(注:上清を含むこれらのプレートは、後の日に分析するために-80℃で保存することができる)。
【0190】
7. IL-1βは、製造業者のプロトコル(Perkin Elmer-AlphaLisa IL-1 Kit AL220F-5000)に従って測定した。
【0191】
8. IC50データを非線形回帰方程式に当てはめる(対数阻害剤対応答変数勾配4パラメータ)
【0192】
ヒト全血アッセイの結果を、HWB IC50として以下の表1に要約する。
【0193】
hERGスクリーニングアッセイ
細胞
CHOクレロックスhERG細胞株(ATCC参照Nr.PTA-6812、雌チャイニーズハムスター細胞)を作製し、Rocheで検証した。すぐに使用可能な凍結即時CHO-hERG細胞をEvotec(ドイツ)で凍結保存し、実験に直接使用した。
【0194】
実験溶液
細胞外溶液は、以下を含有する(mM単位):NaCl 150;KCl 4;CaCl2 1;MgCl2 1;HEPES 10;NaOHでpH7.2~7.4、重量オスモル濃度290~330 mOsm。内部溶液は、以下を含有する(mM単位):KCl,10;KF,100;NaCl,10;HEPES,10;EGTA,20;KOHでpH=7.0~7.4、重量オスモル濃度260~300 mOsm。
【0195】
電気生理学
hERG K+電流パラメータに対する化合物の効果を、少なくとも4つの細胞において2つの濃度で評価することになる。
【0196】
hERG試験は、自動パッチクランプシステムSynchroPatch(登録商標)384(Nanion Technologies GmbH、ドイツ)を用いて行う。K+電流は、35~37℃で全細胞構成でパッチボルテージクランプ技術を用いて測定される。
【0197】
細胞を-80 mVの静止電圧に保持し、
図1に示す電圧パターンで刺激して、0.1Hz(6bpm)の刺激周波数で、hERGチャネルを活性化し、外向きにIKhERG電流を伝導させた。
【0198】
データ分析
IKhERGの振幅を各薬物濃度で記録し、ビヒクル対照値(100%とする)と比較して分画ブロックを定義した。濃度-応答データを以下の関係で適合させた:
【数1】
式中、Cは濃度であり、
IC
50は50%ブロックを生成する濃度であり、
hは、ヒル係数である。
【0199】
濃度-応答曲線を、EworkBook suite(ID Business Solutions Ltd,UK)を使用した非線形回帰分析によって当てはめた。データ適合は、4パラメータロジスティックモデル(適合=(A+(B/(1+((x/C)^D))))、式中A=0及びB=100)を用いて行った。
【表1】
【表2】
【0200】
これより、本発明を、限定的な特徴を有しない以下の実施例によって説明する。
【0201】
調製例がエナンチオマーの混合物として得られる場合、純粋なエナンチオマーは、本明細書に記載されている方法によって、又は当技術分野の当業者に公知の方法、例えばキラルクロマトグラフィー又は結晶化によって得られ得る。
【0202】
【0203】
分析方法
NMRスペクトルは、TopSpinプログラム制御下で、ICON-NMRを使用してBruker 400 MHz分光計で実行した。スペクトルは、特に明記しない限り、298Kで測定し、溶媒の共鳴を基準にした。
【0204】
LC-MS法:
方法1:Using SHIMADZU LCMS-2020、Agilent 1200 LC/G1956A MSD及びAgilent 1200\G6110A、Agilent 1200 LC&Agilent 6110 MSDを使用する。移動相:A:水中0.038% TFA(v/v);B:アセトニトリル中0.019% TFA(v/v)。カラム:Kinetex EVO C18 2.1×30mm、5μm。
【0205】
方法2:Using SHIMADZU LCMS-2020、Agilent 1200 LC/G1956A MSD及びAgilent 1200\G6110A、Agilent 1200 LC&Agilent 6110 MSDを使用する。移動相:A:水中0.025% NH3・H2O(v/v);B:アセトニトリル。カラム:Kinetex EVO C18 2.1X30 mm、5um。
【0206】
精製方法(実施例1;工程I)
自動逆相カラムクロマトグラフィーは、Gilson-322ポンプモジュール、Gilson-156 UV光度計検出ユニット及びGilson-281フラクションコレクタによって駆動されるGilson GX-281システムを使用して行った。
Phenomenex Gemini:150mm*25mm*5um
pH(水(10mM NH4HCO3)-ACN):7~8
平均粒径:5μm
【0207】
使用前に100% MeCN(2分間)でカラムをコンディショニングし、次いで1% MeCN(0.8分間)にした。流量=28mL/分。
【0208】
【0209】
検出波長:220及び254nm。新しい各実行の前に、コンディショニング方法を用いてカートリッジを洗浄した。
【実施例】
【0210】
別様に指定のない場合、すべての実施例及び中間体は、窒素雰囲気下で調製された。
【0211】
実施例1:6-((1-エチルピペリジン-3-イル)アミノ)-3-(2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン
【化6】
【0212】
工程A:2-メトキシ-N-メチル-4-(トリフルオロメチル)ベンゾチオアミド
【化7】
【0213】
1-ブロモ-2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(5.0g、19.6mmol、1当量)の混合物に、N2下、-70℃でTHF中n-BuLi(10.2mL、25.5mmol、1.3当量)を滴下し、10分間撹拌し、次いで、メチルイソチオシアネート(2150mg、29.4mmol、1.5当量)を添加し、25℃で1時間撹拌した。TLC(PE/EtOAc=3:1)は、反応が完了したことを示した。混合物を水(10ml)でクエンチし、水層をEtOAc(100mL)で2回抽出した。合わせた有機層を水50mLの水溶液で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(PE:EtOAc=100:1~5:1までの勾配)によって精製すると、標記化合物(1g、収率20.5%)が黒色油状物として得られた。
LCMS:m/z 249.9(M+H)+(ES+).
【0214】
工程B:メチル2-メトキシ-N-メチル-4-(トリフルオロメチル)ベンゼンカルボキシイミドチオエート
【化8】
【0215】
その後、MeCN(20mL)中の2-メトキシ-N-メチル-4-(トリフルオロメチル)ベンゼンカルボチオアミド(3.3g、11.3mmol、1当量)に、KOH(694mg、12.4mmol、1.1当量)及びMeI(1.6g、11.3mmol、1当量)を添加し、反応物を50℃で2時間撹拌した。混合物を氷水(w/w=1/1)(10mL)に注ぎ、1分間撹拌した。水相をEtOAc(100mL*3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、フィルタにかけ、減圧中で濃縮した。粗生成物を分取TLC(SiO2、PE/EtOAc=3:1)によって精製して、標記化合物(1.7g、収率40%)を黒色油状物として得た。
LCMS:m/z 263.8(M+H)+(ES+).
【0216】
工程C:N-アミノ-2-メトキシ-N’-メチル-4-(トリフルオロメチル)ベンズアミジン
【化9】
【0217】
EtOH(2mL)中のヒドラジン水和物(1.4g、26.6mmol、10当量)の混合物に、EtOH(1mL)中のメチル2-メトキシ-N-メチル-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン-カルボキシイミドチオエート(700mg、2.7mmol、1当量)の溶液をN2下、70℃で滴下し、70℃で2時間撹拌した。混合物を氷水(w/w=1/1)(10mL)に注ぎ、5分間撹拌した。水相をEtOAc(50mL*2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(10mL*2)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、フィルタにかけ、減圧中で濃縮した。粗生成物を逆相フラッシュクロマトグラフィー(0.1% TFA条件)によって精製すると、標記化合物(340mg、収率45%)が白色固体として得られた。
LCMS:m/z 248.1(M+H)+(ES+).
【0218】
工程D:6-アミノ-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン
【化10】
【0219】
EtOH(5mL)中、N-アミノ-2-メトキシ-N’-メチル-4-(トリフルオロメチル)ベンズアミジン(290mg、1.2mmol、1当量)、TEA(237mg、2.4mmol、2当量)及びエチルチオオキサメート(234mg、1.8mmol、1.5当量)の混合物を80℃で2時間撹拌した。混合物をフィルタにかけ、濾液を真空中で濃縮した。粗生成物を逆相フラッシュクロマトグラフィー(0.1% TFA条件)によって精製すると、標記化合物(160mg、収率43%)が淡黄色固体として得られた。
LCMS:m/z 300.9(M+H)+(ES+).
【0220】
工程E:6-クロロ-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン
【化11】
【0221】
ACN(3mL)中、6-アミノ-3-[2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン(100mg、0.33mmol、1当量)、亜硝酸tert-ブチル(69mg、0.67mmol、2当量)、CuCl(66mg、0.67mmol、2当量)の混合物を、N2雰囲気下、70℃で1時間撹拌した。混合物を氷水(w/w=1/1)(5mL)に注ぎ、5分間撹拌した。水相を酢酸エチル(20mL*3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(10mL*2)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、フィルタにかけ、減圧中で濃縮した。残渣を分取TLC(SiO2、PE/EtOAc=1/1)によって精製して、標記化合物(40mg、収率38%)を黄色の固体として得た。
LCMS:m/z 320.0(M+H)+(ES+).
【0222】
工程F:tert-ブチル3-[[3-[2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-5-オキソ-1,2,4-トリアジン-6-イル]アミノ]ピペリジン-1-カルボキシレート
【化12】
【0223】
6-クロロ-3-[2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン(40mg、0.11mmol、1当量)及びtert-ブチル3-アミノピペリジン-1-カルボキシレート(214mg、1.1mmol、10当量)の混合物に、DMSO(1mL)中のDIEA(276mg、2.14mmol、20当量)を加え、反応を60℃で16時間撹拌した。その後、混合物を真空中で濃縮した。粗生成物を逆相HPLC(0.1% TFA条件)によって精製して、標記化合物(40mg、収率73%)を白色固体として得た。
LCMS:m/z 484.1(M+H)+(ES+).
【0224】
工程G:3-[2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-6-(3-ピペリジルアミノ)-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン
【化13】
【0225】
tert-ブチル3-[[3-[2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-5-オキソ-1,2,4-トリアジン-6-イル]アミノ]ピペリジン-1-カルボキシレート(40mg、0.08mmol、1当量)及びHCl/ジオキサン(1.0mL、4mmol、48当量)の混合物を25℃で1時間撹拌した。その後、混合物を真空中で濃縮した。粗生成物を逆相HPLC(0.1% HCl条件)によって精製して、標記化合物を黄色固体として得た(HCl塩、30mg、収率72%)。
LCMS:m/z 384.0(M+H)+(ES+).
【0226】
工程H:6-[(1-エチル-3-ピペリジル)アミノ]-3-[2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
【化14】
【0227】
3-[2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-6-(3-ピペリジルアミノ)-1,2,4-トリアジン-5-オン;塩酸塩(30mg、0.07mmol、1当量)及びアセトアルデヒド(0.05mL、0.36mmol、5当量)、NaOAc(29mg、0.36mmol、5当量)の1,2-ジクロロエタン(1mL)中の混合物を25℃で1時間攪拌した後、NaBH3CN(23mg、0.36mmol、5当量)を加え、25℃で1時間攪拌した。
【0228】
混合物をフィルタにかけ、濾液を真空中で濃縮した。粗生成物を逆相フラッシュ(0.1% TFA条件)によって精製して、標記化合物を黄色固体として得た(TFA塩、30mg、収率72%)。
LCMS:m/z 412.0(M+H)+(ES+).
【0229】
工程I:6-[(1-エチル-3-ピペリジル)アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン
【化15】
【0230】
三臭化ホウ素(143mg、0.57mmol、10当量)及び6-[(1-エチル-3-ピペリジル)アミノ]-3-[2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;2,2,2-トリフルオロ酢酸(30.0mg、0.06mmol、1当量)のDCM(3mL)中の混合物を-70℃で2時間撹拌した。その後、NH3H2Oの添加によってpHを約pH8に調整し、次いでフィルタにかけ、濾液を真空中で濃縮した。粗生成物を分取HPLC(カラムWaters Xbridge 150*25mm*5um、水(10mM NH4HCO3)-ACN、B%:32%-62%、10分)によって精製して、標記化合物(10mg、0.03mmol、収率43%)を白色固体として得た。
LCMS:m/z 398.1(M+H)+(ES+).
【0231】
実施例2:6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-(4-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン
【化16】
【0232】
工程A:6-ブロモ-2-[(4-メトキシフェニル)メチル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-3,5-ジオン
【0233】
6-ブロモ-4-メチル-2H-1,2,4-トリアジン-3,5-ジオン(13.8g、63.1mmol、1.0当量)及び炭酸カリウム(4.84g、31.5mmol、0.50当量)を乾燥DMF(125mL)に懸濁し、4-メトキシベンジルクロリド(10.3mL、75.7mmol、1.2当量)を添加した。反応混合物を室温で24時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(50mL)で希釈し、10重量%LiCl水溶液(2×30mL)で洗浄し、相分離器を用いて乾燥させ、真空中で濃縮した。得られた残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィー(330gカラム、0~50%EtOAc/イソヘキサン)によって精製して、標記化合物(15.9g、収率77%)を白色固体として得た。1H NMR(500 MHz,DMSO-d6)δ7.33-7.25(m,2H),6.97-6.89(m,2H),5.00(s,2H),3.74(s,3H),3.20(s,3H).
【0234】
工程B:6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-2-[(4-メトキシフェニル)メチル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-3,5-ジオン
【0235】
(3R)-1-エチルピペリジン-3-アミン(6.0g、46.9mmol、1.53当量)及び6-ブロモ-2-[(4-メトキシフェニル)メチル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-3,5-ジオン(10g、30.7mmol、1.0当量)及び炭酸セシウム(20g、61.3mmol、2.0当量)をDMSO(125mL)に溶解し、混合物を5分間脱気した(N2)。反応容器を排気し、N2を再充填し(3x)、次いで、(rac)-BINAP Pd G3(1g、1.01mmol、0.030当量)を添加し、反応混合物をN2下に置き、次いで、95℃で24時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(500mL)と水(500mL)に分配した。有機相を単離し、ブライン(3×300mL)で洗浄し、相分離器を用いて乾燥させ、真空中で濃縮した。得られた残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィー(220gカラム、DCM中0~7%(MeOH中0.7Nアンモニア))によって精製することにより、標記化合物(10.4g、収率86%)を橙色油状物として得た。LCMS m/z 374.2[M+H]+,ESI pos.
【0236】
工程C:6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-4-メチル-2H-1,2,4-トリアジン-3,5-ジオン;トリフルオロメタンスルホン酸塩
【0237】
6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-2-[(4-メトキシフェニル)メチル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-3,5-ジオン(10.4g、25.1mmol、1.0当量)をDCM(75mL)に溶解した。トリフルオロメタンスルホン酸(3.33mL、37.7mmol、1.5当量)を反応物に添加した。得られた溶液を室温で24時間撹拌した。さらなる分のトリフルオロメタンスルホン酸(3.33mL、37.7mmol、1.5当量)を添加し、反応混合物をさらに3時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、得られた残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィー(220gカラム、0~10%(MeOH/DCM中0.7Nアンモニア)によって精製して、標記化合物(17.04g、収率84%)を黄色油状物として得た。LCMS m/z 254.5[M+H]+,ESI pos.
【0238】
工程D:3-クロロ-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン
【0239】
6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-4-メチル-2H-1,2,4-トリアジン-3,5-ジオン;トリフルオロメタンスルホン酸塩(17.04g、21.1mmol、1当量)をオキシ塩化リン(75.0mL、804.6mmol、38.1当量)に溶解した。反応物を120℃で72時間撹拌した。
【0240】
反応混合物の15mLアリコートを真空中で濃縮し、得られた残渣をEtOAc(200mL)で希釈し、1:1ブライン:飽和NaHCO3水溶液(200mL)で洗浄した。有機相を単離し、水相をEtOAc(200mL)で逆抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO4)、真空中で濃縮すると、標記化合物(1.03g、収率17%)が褐色油状物として得られた。残りの反応混合物を同じ後処理条件に供し、比例的にスケーリングし、標記化合物(5.06g、収率79%)を茶色油状物として得た。LCMS m/z 274.4([37Cl]M+H)+,ESI pos.
【0241】
工程A`:5-ブロモ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-オール
【0242】
2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-オール(CAS#144822-82-2、2.00g、14.7mmol、1当量)のメタノール(40mL)中の溶液に、ピリジントリブロミド(4.70g、14.7mmol、1当量)を-40℃で添加した。得られた混合物を-40℃で0.5時間撹拌した後、20℃に加温し、16時間撹拌した。反応完了後、反応混合物をEtOAc(100mL)に溶解した。有機層を1N塩酸(100mL×2)、引き続いてブライン(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フィルタにかけ、濾液を減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、PE:EtOAc=15:1~10:1)によって精製して、標記化合物(1.90g、収率60%)を黄色固体として得た。LCMS:m/z 212.8[M-H]-,ESI neg.
【0243】
工程B`:2-[(5-ブロモ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)オキシメトキシ]エチル-トリメチルシラン
【0244】
ACN(20mL)中の5-ブロモ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-オール(実施例7、工程A)(1.00g、4.65mmol、1.0当量)の溶液に、K2CO3(1.29g、9.3mmol、2.0当量)を加えた。混合物を20℃で0.5時間撹拌し、2-(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド(0.99mL、5.58mmol、1.2当量)を混合物に滴加した。混合物を20℃で2時間撹拌した。TLC(PE:EtOAc=10:1)は、出発物質が消費され、別の主スポットが形成されたことを示した。混合物を水(100mL)でクエンチし、EtOAc(100mL×3)で抽出した。有機相をブライン(150mL)で洗浄し、無水劉さんナトリウムで乾燥させ、フィルタにかけ、濾液を減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、PE:EtOAc=20:1~15:1)によって精製すると、標記化合物(1.30g、収率81%)が黄色油状物として得られた。1H NMR(400 MHz,DMSO-d6)δ=7.30(d,1H),6.49(d,1H),5.19(s,2H),4.54(t,2H),3.87-3.74(m,2H),3.32-3.26(m,2H),0.94-0.86(m,2H),-0.01--0.05(m,9H).
【0245】
工程C`:トリメチル-[2-[[5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル]オキシメトキシ]エチル]シラン
【0246】
2-[(5-ブロモ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)オキシメトキシ]エチル-トリメチルシラン(1.20g、3.48mmol、1.0当量)の酢酸イソプロピル(20mL)中の溶液に、ビス(ピナコラト)ジボロン(1.06g、4.17mmol、1.2当量)、無水AcOK(0.75g、7.65mmol、2.2当量)、Xphos(166mg、0.350mmol、0.100当量)及びXPhos Pd G3(295mg、0.350mmol、0.100当量)を添加した。混合物をN2で3回脱気し、N2下、80℃で12時間撹拌した。TLC(PE:EtOAc=20:1)は、出発物質が消費され、1つの新たなスポットが検出されたことを示した。混合物を水(30mL)でクエンチし、EtOAc(30mL×3)で抽出した。有機相をブライン(30mLx2)で洗浄し、無水劉さんナトリウムで乾燥させ、フィルタにかけ、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を最初にカラムクロマトグラフィー(SiO2、PE:EtOAc=80:1~50:1)、引き続いて逆相フラッシュ(CombiFlash 0.1% NH3.H2O水性ACN)によって精製し、凍結乾燥を追跡すると、標記化合物(288.3mg、収率20%)が無色油状物として得られた。LCMS:m/z 393.1[M+H]+,ESI pos.
【0247】
工程E:6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-(4-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン
【0248】
3-クロロ-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン(160mg、0.530mmol、1.0当量)(実施例2、工程D)、トリメチル-[2-[[5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル]オキシメトキシ]エチル]シラン(208mg、0.530mmol、1.0当量)(実施例2、工程C’)及び飽和Na2CO3水溶液(0.75mL)を1,4-ジオキサン(4mL)に懸濁し、反応混合物にN2をスパージし、次いで、排気し、N2を再充填した(3x)。XPhos Pd G3(45mg、0.050mmol、0.10当量)を添加し、反応混合物をN2下に置き、次いで、80℃で24時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(50mL)で希釈し、1:1水:ブライン(50mL)で洗浄した。有機相をCelite(登録商標)を通してフィルタにかけ、真空中で濃縮した。得られた残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィー(24gカラム、0~10%(MeOH中0.7N NH3)/DCM)によって精製し、SEM保護生成物を得た。これをDCM(6mL)及びTFA(3mL)に溶解し、室温で3時間撹拌した後、真空中で濃縮した。得られた残渣をMeOH(4mL)に溶解し、エチレンジアミン(1mL)を添加した。混合物を2時間撹拌し、次いで、真空中で濃縮した。得られた残渣を5mLのDMSOに溶解し、フィルタにかけ、Waters X-Select CSH C18 ODB分取カラム、130Å、5μm、30mm×100mm、流速40mL-1で、PDA並びにQDA及びELS検出器を用いてすべての波長にわたってUVを使用して水-MeCN勾配中0.1%ギ酸で12.5分にわたって溶出する逆相分取HPLC(Waters 2767 Sample Manager,Waters 2545 Binary Gradient Module,Waters Systems Fluidics Organiser,Waters 515 ACD pump,Waters 515 Makeup pump,Waters 2998 Photodiode Array Detector,Waters QDa)によって精製した。アットカラム希釈ポンプは、方法全体にわたって2mL分-1のメタノールを与え、これは以下のMeCNパーセンテージに含まれる。勾配情報:0.0~0.5分、5% MeCN;0.5~10.5分、5% MeCNから15% MeCNに傾斜;10.5~10.6分、15% MeCNから100% MeCNに傾斜;10.6~12.5分、100% MeCNで保持。これにより、標記化合物(47mg、収率23%)を淡褐色固体として得た。LCMS m/z 372.2[M+H]+,ESI pos.
【0249】
実施例3:3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-6-[[(3R)-3-ピペリジル]アミノ]-1,2,4-トリアジン-5-オン;2,2,2-トリフルオロ酢酸
【化17】
【0250】
工程A:tert-ブチル-(R)-3-((3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-6-イル)アミノ)ピペリジン-1-カルボキシレート
【0251】
6-クロロ-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン(実施例1、工程E)(50.0mg、0.16mmol、1.0当量)のNMP(0.5mL)中溶液に、DIEA(2.03g、1.56mmol、10.0当量)及びtert-ブチル(R)-3-アミノピペリジン-1-カルボキシレート(1.57g、0.78mmol、5.0当量)を添加し、次いで、反応混合物をマイクロ波中100℃で2時間撹拌した。上記反応混合物をDMF(2mL)で希釈した後、逆相カラムクロマトグラフィー(C18、水中0.1% TFA/MeCN)で精製した。最後に、溶離液を凍結乾燥させて、標記化合物(50mg、収率65%)を黄色固体として得た。LC-MS(方法1):m/z 484.0[M+H]+,ESI pos.
【0252】
工程B:3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-6-[[(3R)-3-ピペリジル]アミノ]-1,2,4-トリアジン-5-オン;2,2,2-トリフルオロ酢酸
【0253】
tert-ブチル(R)-3-((3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-6-イル)アミノ)ピペリジン-1-カルボキシレート(実施例3、工程A)(40.0mg、0.08mmol、1.0当量)のDCM(1mL)中の溶液に、BBr3(0.2mL)を-40℃で添加し、次いで、反応混合物を20℃で1時間、窒素雰囲気下で撹拌した。上記反応混合物を水(0.5mL)でクエンチし、NH3・H2Oを用いてpHを8に調整し、次いで、減圧下で濃縮した。残渣をMeOH(2mL)に溶解し、次いで、逆相カラムクロマトグラフィー(C18、水中0.1% TFA/MeCN)によって精製した。溶離液を凍結乾燥させて、標記化合物(38.1mg、収率94%)を黄色固体として得た。LC-MS(方法1):m/z 370.1[M+H]+,ESI pos.
【0254】
実施例4:3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-6-[(8-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-2-イル)アミノ]-1,2,4-トリアジン-5-オン;2,2,2-トリフルオロ酢酸
【化18】
【0255】
工程A:tert-ブチル-(1R,2R,5R)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレート
【0256】
トルエン(54mL)中のベンジルアルコール(1.91g、17.6mmol、5.0当量)の溶液に、TEA(7.12g、7.05mmol、2.0当量)及びDPPA(1.07g、3.88mmol、1.1当量)を加えた。得られた反応混合物を80℃で4時間撹拌した後、市販の8-(1,1-ジメチルエチル)8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-2,8-ジカルボキシレート(CAS#1366053-52-2、900mg、3.53mmol、1.0当量)を加え、窒素雰囲気下、70℃で12時間撹拌した。上記反応溶液を水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(100mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、フィルタにかけ、濾液を減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル:酢酸エチル=1:0~5:1)によって精製して、所望の標記化合物(900mg、収率71%)を黄色油状物として得た。LC-MS(方法1):m/z 359.2[M-H]-,ESI neg.
【0257】
工程B:ベンジル((1R,2R,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-2-イル)カルバメート
【0258】
前述のtert-ブチル-(1R,2R,5R)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレート(実施例4、工程A)(800mg、2.22mmol、1.0当量)のDCM(8mL)中溶液に、TFA(16.0mL、208mmol、93.6当量)を添加した。得られた反応混合物を20℃で1時間撹拌し、次いで、これを減圧下で濃縮すると、標記生成物(800mg、収率96%)が黄色ゴムとして得られた。LC-MS(方法1):m/z 261.1[M+H]+,ESI pos.
【0259】
工程C:ベンジル((1R,2R,5R)-8-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-2-イル)カルバメート
【0260】
上述のベンジル((1R,2R,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-2-イル)カルバメート(実施例4、工程B)(800.0mg、2.14mmol、1.0当量)のMeOH(16mL)中溶液に、TEA(0.6mL、4.27mmol、2.0当量)、酢酸(513.3mg、8.55mmol、4.0当量)、4Åモレキュラーシーブ(400mg)及びホルムアルデヒド(1734.50mg、水中37% w/w、21.4mmol、10当量)を添加した。反応混合物を20℃で0.5時間撹拌し、次いで、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(402.9mg、6.41mmol、3.0当量)を添加した。反応混合物を20℃で1時間撹拌し、次いで、水(0.2mL)でクエンチし、MeOH(5mL)で希釈し、フィルタにかけ、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を逆相カラムクロマトグラフィー(C18、水中0.1% NH3・H2O/MeCN)によって精製し、次いで、溶離液を凍結乾燥させて、標記化合物(400mg、収率63%)を黄色固体として得た。LC-MS(方法1):m/z 275.1[M+H]+,ESI pos.)
【0261】
工程D:(1R,2R,5R)-8-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-2-アミン
【0262】
上記ベンジル(8-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-2-イル)カルバメート(実施例4、工程C)(200mg、0.73mmol、1.0当量)のMeOH(2mL)中溶液にPd/C(40.0mg)を加え、次いで、反応混合物を脱気し、水素で3回パージし、水素雰囲気下(760mmHg)、20℃で2時間撹拌した。反応混合物をフィルタにかけ、濾液を減圧下で濃縮して、標記化合物(100mg、収率98%)を黄色固体として得た。LC-MS(方法1):m/z 141.2[M+H]+,ESI pos.
【0263】
工程E:3-[2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-6-[[(8-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-2-イル]アミノ]-1,2,4-トリアジン-5-オン
【0264】
前述の6-クロロ-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン(実施例1、工程E)(50.0mg、0.16mmol、1.0当量)のNMP(0.1mL)中溶液に、DIEA(100.0mg、0.77mmol、4.92当量)及び前述の8-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-2-アミン(実施例4、工程C)(50.0mg、0.36mmol、2.28当量)を添加した。混合物をマイクロ波条件下にて130℃で2時間撹拌した。反応物をDMF(2mL)で希釈し、フィルタにかけ、濾液を逆相カラムクロマトグラフィー(C18、水-MeCN中0.1%TFA)によって精製し、次いで、溶離液を凍結乾燥させて、標記化合物(5mg、収率7%)を黄色固体として得た。LC-MS(方法1):m/z 424.1[M+H]+,ESI pos.
【0265】
工程F:3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-6-[[(2R)-8-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-2-イル]アミノ]-1,2,4-トリアジン-5-オン;2,2,2-トリフルオロ酢酸
【0266】
6-((8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-2-イル)アミノ)-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン(実施例4、工程E)(5.0mg、0.01mmol、1.0当量)のDCM(1mL)中溶液に、BBr3(50.0mg、0.2mmol、16.94当量)を-40℃で少しずつ添加し、次いで、混合物を20℃で1時間撹拌した。混合物を水(0.5mL)でクエンチし、次いで、NH3・H2OでpHを8に調整し、MeOH(1mL)で溶解し、次いで、逆相カラムクロマトグラフィー(C18、水中0.1% TFA/MeCN)によって精製した。溶離液を凍結乾燥させて、標記化合物(1.21mg、収率18%)を黄色油状物として得た。LC-MS(方法1):m/z 410.2[M+H]+,ESI pos.
【0267】
実施例5:(R)-6-((1-(シクロプロピルメチル)ピペリジン-3-イル)アミノ)-3-(2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン;2,2,2-トリフルオロ酢酸
【化19】
【0268】
工程A:tert-ブチル(R)-(1-(シクロプロピルメチル)ピペリジン-3-イル)カルバメート
【0269】
市販のtert-ブチル(R)-ピペリジン-3-イルカルバメート(CAS#309956-78-3、1.0g、4.99mmol、1.0当量)、(ブロモメチル)シクロプロパン(0.48mL、4.99mmol、1.0当量)のMeCN(10mL)中の混合物に、K2CO3(7.58g、5.49mmol、1.1当量)を25℃で添加し、反応混合物をN2下で2時間撹拌した。LC-MSは、所望の質量が検出されたことを示した。混合物を水(20mL)に注ぎ、酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、フィルタにかけ、濾液を減圧下で濃縮した。粗生成物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18、水中0.1% TFA/MeCN条件)によって精製した。溶離液を凍結乾燥させて、標記化合物(300mg、収率24%)をオフホワイトの固体として得た。LC-MS(方法2):m/z 255.6[M+H]+,ESI pos.
【0270】
工程B:(R)-1-(シクロプロピルメチル)ピペリジン-3-アミン
【0271】
前述のtert-ブチルN-[(3R)-1-(シクロプロピルメチル)-3-ピペリジル]カルバメート(実施例5、工程A)(150mg、0.59mmol、1.0当量)のEtOAc(2mL)中混合物に、EtOAc中HClの別の溶液(2.0mL、8.0mmol、4M、13.6当量)を25℃で添加し、反応混合物を25℃で2時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮して粗生成物を得て、次いで、水(5mL)に溶解し、飽和Na2CO3溶液によってpH約8に調整した。溶液を凍結乾燥させ、次いで、DCM(30mL)を用いて研和し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮すると、標記化合物(70.0mg、収率77%)が黄色油状物として得られた。1H NMR(400 MHz,CD3OD):δ 3.22-3.20(m,1H),3.08-2.95(m,1H),2.85-2.90(m,1H),2.33-2.31(m,2H),2.24-2.22(m,1H),2.02-1.98(m,1H),1.78-1.88(m,1H),1.75-1.73(m,1H),1.66-1.54(m,1H),1.27-1.24(m,1H),0.90-0.80(m,1H),0.57-0.50(m,2H),0.15-0.14(m,2H).
【0272】
工程C:(R)-6-((1-(シクロプロピルメチル)ピペリジン-3-イル)アミノ)-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン
【0273】
前述の6-クロロ-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン(実施例1、工程E)(30.0mg、0.09mmol、1.0当量)及び(R)-1-(シクロプロピルメチル)ピペリジン-3-アミン(実施例5、工程B)(70.0mg、0.45mmol、4.84当量)のNMP(1mL)中混合物に、DIEA(60.6mg、0.47mmol、5.0当量)を添加した。混合物を窒素雰囲気下にて90℃で2時間撹拌した。LC-MSは、所望の質量が検出されたことを示した。混合物を真空中で濃縮した。得られる残渣を逆相カラムクロマトグラフィー(C18、水中0.1%TFA/MeCN条件)によって精製し、溶離液を凍結乾燥させて、標記化合物(30.0mg、収率73%)を黄色固体として得た。LC-MS(方法2):m/z 438.0[M+H]+,ESI pos.
【0274】
工程D:(R)-6-((1-(シクロプロピルメチル)ピペリジン-3-イル)アミノ)-3-(2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン;2,2,2-トリフルオロ酢酸
【0275】
DCM(2mL)中の前述の(R)-6-((1-(シクロプロピルメチル)ピペリジン-3-イル)アミノ)-3-(2-メトキシ-4(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン(実施例5、工程C)(30.0mg、0.07mmol、1.0当量)の混合物に三臭化ホウ素(687.2mg、2.74mmol、40.0当量)を少しずつ加え、反応混合物を-60℃で10分間撹拌し、次いで25℃で50分間撹拌し、LC-MSは所望の質量が検出されたことを示した。混合物をNH3
.H2OによってpH約7に調整し、次いでフィルタにかけ、濾液を真空中で濃縮した。粗生成物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18、水中0.1%TFA/MeCN条件)によって精製し、溶離液を凍結乾燥させて、標記化合物(5.67mg、収率13%)を黄色固体として得た。LC-MS(方法2):m/z 423.9[M+H]+,ESI pos.
【0276】
実施例6:(R)-3-(2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-6-((1-メチルピペリジン-3-イル)アミノ)-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン;2,2,2-トリフルオロ酢酸
【化20】
【0277】
工程A:(R)-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-6-((1-メチルピペリジン-3-イル)アミノ)-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン
【0278】
6-クロロ-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン(実施例1、工程E)(40.0mg、0.13mmol、1.0当量)及び((R)-1-メチルピペリジン-3-アミン(71.4mg、0.63mmol、5当量)のNMP(1mL)中混合物に、DIEA(80.86mg、0.63mmol、5.0当量)を添加した。反応混合物を90℃で2時間撹拌した。混合物を真空中で濃縮した。残渣を逆相カラムクロマトグラフィー(C18、水中0.1%TFA/MeCN条件)によって精製し、次いで、画分を凍結乾燥させて、標記化合物(30.0mg、収率60%)を白色固体として得た。LC-MS(方法2):m/z 398.2[M+H]+,ESI pos.
【0279】
工程B:(R)-3-(2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-6-((1-メチルピペリジン-3-イル)アミノ)-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン;2,2,2-トリフルオロ酢酸
【0280】
DCM(1mL)中の前述の(R)-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-6-((1-メチルピペリジン-3-イル)アミノ)-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン(実施例6、工程A)(30.0mg、0.08mmol、1.0当量)及び三臭化ホウ素(189.12mg、0.75mmol、10.0当量)の混合物を-60℃で10分間撹拌し、次いで、25℃で50分間撹拌した。混合物をNH3・H2OによってpH約7に調整し、次いで、フィルタにかけ、濾液を真空中で濃縮した。粗生成物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18、水中0.1%TFA/MeCN条件)によって精製し、次いで、溶離液を凍結乾燥させて、標記生成物(5.48mg、収率14%)を黄色固体として得た。LC-MS(方法2):m/z 384.1[M+H]+,ESI pos.
【0281】
実施例7:6-(1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロインドリジン-8-イルアミノ)-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;2,2,2-トリフルオロ酢酸
【化21】
【0282】
工程A:6,7-ジヒドロインドリジン-8(5H)-オンオキシム
【0283】
市販の6,7-ジヒドロインドリジン-8(5H)-オン(CAS番号54906-44-4、400.0mg、2.96mmol、1.0当量)のエタノール(6mL)及び水(2mL)中溶液に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(617mg、8.88mmol、3.0当量)及びNaOAc・3H2O(1.21g、8.88mmol、3.0当量)を添加し、次いで、100℃で4時間撹拌した。上記反応溶液を室温に冷却し、多くの固体が形成し、次いでフィルタにかけ、固体を減圧下で乾燥させると、標記化合物(300mg、収率67%)が黄色固体として得られた。LC-MS(方法1):m/z 151.1[M+H]+,ESI pos.
【0284】
工程B:オクタヒドロインドリジン-8-アミン
【0285】
上述の6,7-ジヒドロインドリジン-8(5H)-オンオキシム(実施例7、工程A)(300mg、2.0mmol、1.0当量)のMeOH(10mL)中溶液に、Pd/C(100.0mg)及び濃HCl(1.97g、2.0mmol、1.0当量)を添加した。反応混合物を脱気し、水素で3回パージし、次いで、水素雰囲気(760mmHg)下、20℃で12時間撹拌した。上記反応混合物をフィルタにかけ、濾液を減圧下で濃縮した。残渣をMeOH(20mL)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液でpHを8に調整し、次いで、溶液を凍結乾燥させて黄色固体を得、これをDCM(20mL)とMeOH(2mL)の混合物で研和し、最後にフィルタにかけた。濾液を減圧下で濃縮して、標記化合物(200mg、収率71%)を黒色油状物として得た。1H NMR(400 MHz,MeOH-d4)δ 3.79-3.51(m,3H),3.46-3.36(m,1H),3.26-3.01(m,2H),2.57-2.41(m,1H),2.37-2.28(m,1H),2.25-2.09(m,3H),2.08-1.93(m,2H),1.90-1.70(m,1H).
【0286】
工程C:3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-6-((オクタヒドロインドリジン-8-イル)アミノ)-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン
【0287】
前述の6-クロロ-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン(実施例1、工程E)(100mg、0.31mmol、1.0当量)及び前述のオクタヒドロインドリジン-8-アミン(実施例7、工程B)(132mg、0.94mmol、3.0当量)のNMP(0.5mL)中溶液に、DIEA(406.7mg、3.13mmol、10.0当量)を添加した。混合物をマイクロ波条件下にて100℃で2時間撹拌した。上記反応物をDMF(2mL)で希釈し、フィルタにかけ、濾液を逆相フラッシュ(水-MeCN中0.1%TFA)によって精製し、次いで、溶離液を凍結乾燥させて、標記化合物(60mg、収率44.4%)を黄色固体として得た。LC-MS(方法1):m/z 424.1[M+H]+,ESI pos.
【0288】
工程D:6-(1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロインドリジン-8-イルアミノ)-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;2,2,2-トリフルオロ酢酸
【0289】
上述の3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-6-((オクタヒドロインドリジン-8-イル)アミノ)-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン(実施例7、工程C)(30.0mg、0.07mmol、1.0当量)のDCM(1mL)中溶液に、BBr3(88.7mg、0.35mmol、5.0当量)を-40℃で滴下し、次いで、20℃で1時間撹拌した。上記反応混合物を水(0.5mL)でクエンチした。pHをNH3・H2Oを用いて8に調整し、MeOH(1mL)に溶解し、次いで、逆相カラムクロマトグラフィー(C18、水中0.1% TFA/MeCN)によって精製した。その後、溶離液を凍結乾燥させて、標記化合物(8.74mg、収率22%)を黄色油状物として得た。LC-MS(方法1):m/z 410.0[M+H]+,ESI pos.
【0290】
実施例8:3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-6-[[(3R)-1-プロピル-3-ピペリジル]アミノ]-1,2,4-トリアジン-5-オン;2,2,2-トリフルオロ酢酸
【化22】
【0291】
(R)-3-(2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-6-(ピペリジン-3-イルアミノ)-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン(実施例3、工程B)(15.0mg、0.03mmol、1.0当量)のエタノール(1mL)溶液に、DIEA(8.01mg、0.06mmol、2.0当量)を加えた後、1-ブロモプロパン(38.2mg、0.31mmol、10.0当量)を0℃で滴下し、混合物を窒素雰囲気下、50℃で4時間撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮して黄色油状物を得て、これを分取HPLC(カラムPhenomenex Synergi Polar-RP 100*25mm*4μm;条件:水(TFA)-MeCN))によって精製し、次いで、溶離液を凍結乾燥させて、標記化合物(3.96mg、収率23%)を黄色油状物として得た。LC-MS(方法1):m/z 411.9[M+H]+,ESI pos.
【0292】
実施例9:3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-6-[(1,5,5-トリメチル-3-ピペリジル)アミノ]-1,2,4-トリアジン-5-オン;2,2,2-トリフルオロ酢酸
【化23】
【0293】
工程A:tert-ブチル5-((3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-6-イル)アミノ)-3,3-ジメチルピペリジン-1-カルボキシレート
【0294】
前述の6-クロロ-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン(実施例1、工程E)(100mg、0.31mmol、1.0当量)及び市販のtert-ブチル5-アミノ-3,3-ジメチルピペリジン-1-カルボキシレート(CAS#1896921-12-2、100mg、0.44mmol、1.4当量)の1,4-ジオキサン(2mL)中溶液に、Cs2CO3(255mg、0.78mmol、2.5当量)及びBinapPdG3(62.1mg、0.06mmol、0.2当量)を添加した。混合物をN2下、80℃で2時間撹拌した。上記反応溶液を水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、フィルタにかけ、濾液を減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=1:0~2:1)によって精製して、標記化合物(70mg、収率39%)を黄色固体として得た。LC-MS(方法1):m/z 512.0[M+H]+,ESI pos.
【0295】
工程B:6-((5,5-ジメチルピペリジン-3-イル)アミノ)-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン
【0296】
tert-ブチル5-((3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-6-イル)アミノ)-3,3-ジメチルピペリジン-1-カルボキシレート(実施例9、工程A)(60.0mg、0.12mmol、1.0当量)のDCM(1mL)中溶液に、TFA(6.0mL、77.9mmol、664当量)を添加し、次いで、反応混合物を20℃で1時間撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮すると、標記化合物(60mg、収率97%)が黄色油状物として得られた。LC-MS(方法1):m/z 411.9[M+H]+,ESI pos.
【0297】
工程C:3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-6-((1,5,5-トリメチルピペリジン-3-イル)アミノ)-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン
【0298】
上述の6-((5,5-ジメチルピペリジン-3-イル)アミノ)-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン(実施例9、工程B)(60.0mg、0.11mmol、1.0当量)のエタノール(2mL)中溶液に、DIEA(73.7mg、0.57mmol、5.0当量)及びヨードメタン(16.2mg、0.11mmol、1.0当量)を滴加し、次いで、反応混合物を20℃で2時間撹拌した。反応混合物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18、水中0.1% NH3・H2O/MeCN)によって直接精製し、次いで、溶離液を凍結乾燥させて、標記化合物(25mg、収率51%)を黄色固体として得た。LC-MS(方法1):m/z 426.0[M+H]+,ESI pos.
【0299】
工程D:3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-6-[(1,5,5-トリメチル-3-ピペリジル)アミノ]-1,2,4-トリアジン-5-オン;2,2,2-トリフルオロ酢酸
【0300】
前述の3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-6-((1,5,5-トリメチルピペリジン-3-イル)アミノ)-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン(実施例9、工程C)(20.0mg、0.05mmol、1.0当量)のDCM(1mL)中溶液に、BBr3(0.5mL)を-40℃で添加し、次いで、N2下、20℃で1時間撹拌した。反応混合物を0℃で水(0.5mL)でクエンチし、MeOH(1mL)で希釈し、次いで、水酸化アンモニウムでpHを7に調整し、逆相カラムクロマトグラフィー(C18、水中0.1% TFA/MeCN)によって精製した。溶離液を凍結乾燥させて、標記化合物(10.4mg、収率40%)を黄色固体として得た。LC-MS(方法1):m/z 411.9[M+H]+,ESI pos.
【0301】
実施例10:(R)-6-((1-シクロプロピルピペリジン-3-イル)アミノ)-3-(2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン
【化24】
【0302】
工程A:tert-ブチル(R)-(1-シクロプロピルピペリジン-3-イル)カルバメート
【0303】
市販のtert-ブチル(R)-ピペリジン-3-イルカルバメート(CAS#184637-48-7、1.0g、4.99mmol、1.0当量)のMeOH(40mL)及び酢酸(5mL)中の溶液に、NaBH3CN(1.57g、24.9mmol、5.0当量)及び(1-エトキシシクロプロポキシ)トリメチルシラン(1.74g、9.99mmol、2.0当量)を0℃で添加した。次いで、混合物を65℃で12時間撹拌した。反応物を20℃に冷却し、水(200mL)で希釈し、DCM(40mL×3)で抽出した。有機層を飽和Na2CO3水溶液(60 mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、フィルタにかけ、濾液を真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE:EtOAc=10:1~2:1)によって精製して、標記化合物(700mg、収率58%)を白色固体として得た。1H NMR(400 MHz,CDCl3)δ 5.23-4.75(m,1H),3.80-3.60(m,1H),2.80-2.10(m,4H),1.75-1.25(m,13H),0.75-0.25(m,4H).
【0304】
工程B:(1R)-1-シクロプロピルピペリジン-3-アミン;2,2,2-トリフルオロ酢酸
【0305】
DCM(5mL)中の上述のtert-ブチル(R)-(1-シクロプロピルピペリジン-3-イル)カルバメート(実施例10、工程A)(600mg、2.5mmol、1.0当量)の溶液に、2,2,2-トリフルオロ酢酸(2.0mL)を加えた。混合物を20℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮すると、標記化合物(919mg、収率100%)が無色油状物として得られ、これをさらに精製することなく次の工程に直接使用した。LC-MS(方法2):m/z 141.2 9[M+H]+,ESI pos.
【0306】
工程C:(R)-6-((1-シクロプロピルピペリジン-3-イル)アミノ)-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン
【0307】
前述の(R)-1-シクロプロピルピペリジン-3-アミン;2,2,2-トリフルオロ酢酸(実施例10、工程B)(273mg、0.74mmol、3.0当量)の1-ブタノール(2mL)中溶液に、DIEA(319.4mg、2.47mmol、10.0当量)及び前述の6-クロロ-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン(実施例1、工程E)(79.0mg、0.25mmol、1.0当量)を添加した。混合物を110℃で3時間撹拌した。反応溶液をフィルタにかけ、濾液を逆相カラムクロマトグラフィー(C18、TFA/MeCN中0.1%)によって精製し、溶離液を凍結乾燥させて、標記化合物(90mg、収率68%)を黄色ゴムとして得た。LC-MS(方法2):m/z 424.1[M+H]+,ESI pos.
【0308】
工程D:(R)-6-((1-シクロプロピルピペリジン-3-イル)アミノ)-3-(2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン
【0309】
上述の(R)-6-((1-シクロプロピルピペリジン-3-イル)アミノ)-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン(実施例10、工程C)(90.0mg、0.17mmol、1.0当量)のDCM(2mL)中溶液に、BBr3(210mg、0.84mmol、5.0当量)を-60℃で添加した。混合物を20℃に加温し、1時間撹拌した。反応物を水(1mL)でクエンチし、NH3・H2Oで約pH 8に調整し、減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLC(カラム:waters Xbridge 150*25mm*5μm;条件:水(NH4HCO3)/MeCN)によって精製した。溶離液を凍結乾燥させて、標記化合物(15.7mg、収率22%)を白色固体として得た。LC-MS(方法2):m/z 410.2 9[M+H]+,ESI pos.
【0310】
実施例11:6-(((1S,3S)-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)アミノ)-3-(2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン
【化25】
【0311】
工程A:6-(((1S,3S)-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)アミノ)-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン
【0312】
6-クロロ-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン(実施例1、工程E)(200.0mg、0.45mmol、1.0当量)及び市販の(1S,3S)-3-アミノ-1-メチルシクロブタン-1-オール塩酸塩(CAS番号1523606-23-6、125mg、0.90mmol、2当量)のNMP(3mL)中混合物に、DIEA(175.3mg、1.36mmol、3.0当量)を添加した。混合物を95℃で2時間撹拌した。LC-MSは、所望の質量が検出されたことを示した。混合物を真空中で濃縮した。残渣を逆相カラムクロマトグラフィー(C18、水中0.1%NH3・H2O/MeCN条件)によって精製し、溶離液を凍結乾燥させて、標記化合物(70.0mg、収率37%)を白色固体として得た。LC-MS(方法2):m/z 385.1[M+H]+,ESI pos.
【0313】
工程B:6-(((1S,3S)-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)アミノ)-3-(2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン
【0314】
DCM(2mL)中の上述の6-(((1S,3S)-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)アミノ)-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン(実施例11、工程A)(70.0mg、0.18mmol、1.0当量)の混合物に、三臭化ホウ素(456.3mg、1.82mmol、10.0当量)を加えた。反応混合物を-60℃で10分間撹拌した後、25℃で50分間撹拌した。LC-MSは、所望の質量が検出されたことを示した。混合物をNH3・H2OによってpH約7に調整し、次いで、フィルタにかけ、濾液を真空中で濃縮した。粗生成物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18、水中0.1% NH3・H2O/MeCN条件)によって精製し、溶離液を凍結乾燥させて、標記化合物(3.94mg、収率6%)を淡黄色固体として得た。LC-MS(方法2):m/z 371.0[M+H]+,ESI pos.
【0315】
実施例12:6-[(1-tert-ブチル-3-ピペリジル)アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;2,2,2-トリフルオロ酢酸
【化26】
【0316】
工程A:6-[(1-tert-ブチル-3-ピペリジル)アミノ]-3-[2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;
【0317】
6-クロロ-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン(実施例1、工程E)(100.0mg、0.23mmol、1.0当量)及び1-tert-ブチルピペリジン-3-アミン;塩酸塩(131mg、0.68mmol、3.0当量)のNMP(1mL)中混合物に、DIEA(87.7mg、0.68mmol、3.0当量)を加えた。反応混合物をN2下、95℃で2時間撹拌した。LC-MSは、所望の質量が検出されたことを示した。混合物を真空中で濃縮して粗生成物を得て、これを逆相カラムクロマトグラフィー(C18,0.1水中TFA/MeCN条件)によって精製し、溶離液を凍結乾燥させて、標記化合物(45.0mg、収率44%)を白色固体として得た。LC-MS(方法2):m/z 440.1[M+H]+,ESI pos.
【0318】
工程B:6-[(1-tert-ブチル-3-ピペリジル)アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;2,2,2-トリフルオロ酢酸
【0319】
6-[(1-tert-ブチル-3-ピペリジル)アミノ]-3-[2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン(45.0mg、0.1mmol、1.0当量)のDCM(2mL)中混合物に、三臭化ホウ素(128mg、0.51mmol、5.0当量)を添加し、反応混合物を-60℃で10分間撹拌し、次いで、N2下、25℃で50分間撹拌した。LC-MSは、所望の質量が検出されたことを示した。混合物をNH3・H2OによってpH約7に調整し、次いで、フィルタにかけ、濾液を真空中で濃縮した。残渣を逆相カラムクロマトグラフィー(C18、水中1% TFA/MeCN条件)によって精製し、溶離液を凍結乾燥させて、標記化合物(24.6mg、収率43%)を淡黄色固体として得た。LC-MS(方法2):m/z 426.2[M+H]+,ESI pos.
【0320】
実施例13:6-(2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イルアミノ)-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;2,2,2-トリフルオロ酢酸
【化27】
【0321】
工程A:tert-ブチル6-((3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-6-イル)アミノ)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボキシレート
【0322】
前述の6-クロロ-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン(実施例1、工程E)(48.2mg、0.15mmol、0.2当量)のNMP(0.5mL)中混合物に、DIEA(195mg、1.51mmol、2.0当量)及び市販のtert-ブチル6-アミノ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボキシレート(CAS#1005077-74-6、160mg、0.75mmol、1.0当量)をマイクロ波管内で添加した。次いで、混合物をマイクロ波雰囲気下にて130℃で2時間撹拌した。反応混合物を水(5mL)の添加によってクエンチした。残渣を逆相カラムクロマトグラフィー(C18、水中0.1% TFA/MeCN条件)によって精製して、標記化合物(30.0mg、収率8%)を黄色油状物として得た。LC-MS(方法2):m/z 496.2[M+H]+,ESI pos.
【0323】
工程B:6-(2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イルアミノ)-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;2,2,2-トリフルオロ酢酸
【0324】
上述のtert-ブチル6-[[3-[2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-5-オキソ-1,2,4-トリアジン-6-イル]アミノ]-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボキシレート(実施例13、工程A)(30.0mg、0.06mmol、1.0当量)のDCM(1mL)中の混合物に、BBr3(1.51mg、0.61mmol、10.0当量)をN2下、-60℃で添加し、混合物を-60℃で10分間撹拌し、次いで、25℃で1時間撹拌した。反応混合物を氷水(2mL)の添加によってクエンチし、NH3・H2O溶液でpH約7に調整した。混合物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18、水中0.1% TFA/MeCN条件)によって精製すると、標記化合物(10.7mg、収率43%)が黄色固体として得られた。LC-MS(方法2):m/z 382.1[M+H]+,ESI pos.
【0325】
実施例14:6-[[(3R,5S)-1-エチル-5-メチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;2,2,2-トリフルオロ酢酸
【化28】
【0326】
工程A:tert-ブチル((3R,5S)-1-エチル-5-メチルピペリジン-3-イル)カルバメート
【0327】
MeCN(2.5mL)中の市販のtert-ブチル((3R,5S)-5-メチルピペリジン-3-イル)カルバメート(CAS#1187055-56-6、250mg、1.17mmol、1.0当量)の溶液にK2CO3(323mg、2.33mmol、2.0当量)及び臭化エチル(0.1mL、1.28mmol、1.1当量)を加えた。反応混合物をN2下、25℃で12時間攪拌した。次いで、反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=10:1、Rf=0.2)によって精製して、標記化合物(85.0mg、収率31%)を白色固体として得た。1H NMR(400 MHz,MeOD-d4)δ 3.81-3.55(m,1H),3.10-3.07(m,1H),2.88-2.84(m,1H),2.51-2.42(m,2H),1.91(d,1H),1.77-1.69(m,1H),1.61(t,1H),1.51(t,1H),1.43(s,9H),1.10(t,3H),0.92(d,3H),0.82(q,1H).
【0328】
工程B:(3R,5S)-1-エチル-5-メチルピペリジン-3-アミン;2,2,2-トリフルオロ酢酸
【0329】
DCM(5mL)中のtert-ブチル((3R,5S)-1-エチル-5-メチルピペリジン-3-イル)カルバメート(実施例14、工程A)(265mg、1.09mmol、1.0当量)の混合物に、0℃でTFA(2.0mL、2.19mmol、2.0当量)を加え、次いで、混合物を25℃で1時間撹拌した。次いで、反応混合物を減圧下で濃縮して、標記化合物(160mg、収率57%)を黄色油状物として得た。LC-MS(方法2):m/z 143.1[M+H]+,ESI pos.
【0330】
工程C:6-(((3R,5S)-1-エチル-5-メチルピペリジン-3-イル)アミノ)-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン
【0331】
6-クロロ-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン(実施例1、工程E)(35.9mg、0.11mmol、0.2当量)のNMP(0.5mL)中混合物に、(3R,5S)-1-エチル-5-メチルピペリジン-3-アミン;2,2,2-トリフルオロ酢酸(実施例14、工程B)(80.0mg、0.56mmol、1.0当量)をマイクロ波管で添加し、次いで、混合物をマイクロ波条件下130℃で2時間攪拌した。反応混合物を水(5mL)の添加によってクエンチした。残渣を逆相カラムクロマトグラフィー(C18、水中0.1% TFA/MeCN)によって精製した。溶出液を凍結乾燥によって乾燥させて、標記化合物(20.0mg、収率8%)を黄色油状物として得た。LC-MS(方法2):m/z 426.2[M+H]+,ESI pos.
【0332】
工程D:6-[[(3R,5S)-1-エチル-5-メチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;2,2,2-トリフルオロ酢酸
【0333】
6-[[(3R,5S)-1-エチル-5-メチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;2,2,2-トリフルオロ酢酸(実施例14、工程C)(20.0mg、0.04mmol、1.0当量)のDCM(1mL)中混合物に、BBr3(92.9mg、0.37mmol、10.0当量)を-60℃で滴下した。混合物を-60℃で10分間撹拌し、次いで、混合物をN2下、25℃で1時間撹拌した。反応混合物を氷水(2mL)の添加によってクエンチし、NH3・H2O溶液でpH約7に調整した。混合物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18、水中0.1% TFA/MeCN条件)によって精製し、次いで、分取HPLC(カラム:3_Phenomenex Luna C18 75*30mm*3μm、条件水(TFA)-MeCN)によって精製すると、標記化合物(1.83mg、収率7%)が白色固体として得られた。LC-MS(方法2):m/z 412.1[M+H]+,ESI pos.
【0334】
実施例15:6-[[(3R,5R)-1-エチル-5-メチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;2,2,2-トリフルオロ酢酸
【化29】
【0335】
工程A:tert-ブチル(3R,5R)-3-((3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-6-イル)アミノ)-5-メチルピペリジン-1-カルボキシレート
【0336】
NMP(0.4mL)中のtert-ブチル(3R,5R)-3-アミノ-5-メチル-ピペリジン-1-カルボキシレート(50.3mg、0.23mmol、1.0当量)の混合物に、前述の6-クロロ-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン(実施例1、工程E)(150.0mg、0.47mmol、2.0当量)をマイクロ波管内で添加し、次いで、混合物をマイクロ波反応器下にて130℃で2時間撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物を水(5mL)の添加によってクエンチした。残渣を逆相カラムクロマトグラフィー(C18、水中0.1% TFA/MeCN条件)によって精製すると、標記化合物(30.0mg、収率13%)が黄色固体として得られた。LC-MS(方法2):m/z 498.2[M+H]+,ESI pos.
【0337】
工程B:3-[2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-6-[[(3R,5R)-5-メチル-3-ピペリジル]アミノ]-1,2,4-トリアジン-5-オン;2,2,2-トリフルオロ酢酸
【0338】
tert-ブチル(3R,5R)-3-[[3-[2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-5-オキソ-1,2,4-トリアジン-6-イル]アミノ]-5-メチル-ピペリジン-1-カルボキシレート(30.0mg、0.06mmol、1.0当量)のDCM(1mL)中混合物に、0℃でTFA(20.6mg、0.18mmol、3.0当量)を添加し、次いで、混合物を25℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、標記化合物(50.0mg、>99%収率)を黄色油状物として得た。LC-MS(方法2):m/z 398.1[M+H]+,ESI pos.
【0339】
工程C:6-[[(3R,5R)-1-エチル-5-メチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;2,2,2-トリフルオロ酢酸
【0340】
3-[2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-6-[[(3R,5R)-5-メチル-3-ピペリジル]アミノ]-1,2,4-トリアジン-5-オン;2,2,2-トリフルオロ酢酸(50.0mg、0.1mmol、1.0当量)のDMF(0.5mL)中混合物に、DIEA(25.2mg、0.2mmol、2.0当量)及びヨードエタン(0.01mL、0.11mmol、1.1当量)を添加した。次いで、混合物を25℃で2時間撹拌した。反応混合物を水(10mL)の添加によってクエンチし、次いで、EtOAc(50mL×3)で抽出し、ブライン(30mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、フィルタにかけ、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を逆相カラムクロマトグラフィー(C18、水中0.1% TFA/MeCN条件)によって精製すると、標記化合物(10.0mg、収率19%)が黄色固体として得られた。LC-MS(方法2):m/z 426.2[M+H]+,ESI pos.
【0341】
工程D:6-[[(3R,5R)-1-エチル-5-メチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;2,2,2-トリフルオロ酢酸
【0342】
6-[[(3R,5R)-1-エチル-5-メチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;2,2,2-トリフルオロ酢酸(10.0mg、0.02mmol、1.0当量)のDCM(0.5mL)中の混合物に、BBr3(46.4mg、0.19mmol、10.0当量)をN2下、-60℃で添加し、混合物を-60℃で10分間撹拌し、次いで、混合物を25℃に加温し、1時間撹拌した。反応混合物を2mLの氷水でクエンチし、NH3・H2O溶液でpH約7に調整した。混合物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18、0.1% TFA水/MeCN条件)によって精製すると、標記化合物(1.76mg、収率12%)が白色固体として得られた。LC-MS(方法2):m/z 412.1[M+H]+,ESI pos.
【0343】
実施例16:6-[[(5S)-5-フルオロ-1-メチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;2,2,2-トリフルオロ酢酸
【化30】
【0344】
工程A:tert-ブチル(3S,5R)-3-フルオロ-5-((3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-6-イル)アミノ)ピペリジン-1-カルボキシレート
【0345】
6-クロロ-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン(実施例1、工程E)(100.0mg、0.31mmol、1.0当量)のNMP(1.0mL)中溶液に、DIEA(0.11mL、0.63mmol、2.0当量)及びtert-ブチル(3R,5S)-3-アミノ-5-フルオロピペリジン-1-カルボキシレート(CAS#1271810-13-9、136.6mg、0.63mmol、2.0当量)を添加した。混合物を90℃で12時間撹拌した。混合物を20℃に冷却し、逆相カラムクロマトグラフィー(C18、水中0.1% TFA/MeCN)によって精製した。溶離液を凍結乾燥させて、標記化合物(100.0mg、収率64%)を黄色個体として得た。LC-MS(方法2):m/z 502.0[M+H]+,ESI pos.
【0346】
工程B:6-[[(3R,5S)-5-フルオロ-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン
【0347】
上述のtert-ブチル(3S,5R)-3-フルオロ-5-((3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-6-イル)アミノ)ピペリジン-1-カルボキシレート(実施例16、工程A)(100.0mg、0.20mmol、1.0当量)のDCM(2mL)中溶液に、TFA(2.0mL)を添加した。混合物を25℃にて1時間撹拌した。上記反応混合物を真空中で濃縮すると、標記化合物(2.04mg、収率4%)が黄色油状物として得られた。LC-MS(方法2):m/z 401.9[M+H]+,ESI pos.
【0348】
工程C:6-(((3R,5S)-5-フルオロ-1-メチルピペリジン-3-イル)アミノ)-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン
【0349】
エタノール(2mL)中の上述の6-(((3R,5S)-5-フルオロピペリジン-3-イル)アミノ)-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン(実施例16、工程B)(80.0mg、0.2mmol、1.0当量)の溶液に、DIEA(0.07mL、0.4mmol、2.0当量)及びヨードメタン(28.3mg、0.2mmol、1.0当量)を加えた。混合物を20℃で2時間撹拌した。次いで、混合物を水(3mL)でクエンチした。1MのHCl 水溶液の添加によってpHを約7に調整し、次いで、混合物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18、水中0.1% TFA/MeCN)で精製した。溶離液を凍結乾燥させて、標記化合物(60.0mg、収率72%)を黄色固体として得た。LC-MS(方法2):m/z 416.1[M+H]+,ESI pos.
【0350】
工程D:6-(((3R,5S)-5-フルオロ-1-メチルピペリジン-3-イル)アミノ)-3-(2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン
【0351】
6-(((3R,5S)-5-フルオロ-1-メチルピペリジン-3-イル)アミノ)-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン(実施例16、工程C)(50.0mg、0.12mmol、1.0当量)及びK2CO3(166.1mg、1.2mmol、10.0当量)のNMP(2mL)中混合物に、N 2下でベンゼンチオール(186μL、1.82mmol、15.1当量)を添加した。その後、混合物を、マイクロ波条件下、190℃で15分間攪拌した。反応混合物を20℃に冷却し、逆相カラムクロマトグラフィー(C18、水中0.1% TFA/MeCN)によって精製した。溶離液を凍結乾燥させて粗生成物を得、これを分取HPLC(カラム:Phenomenex Synergi Polar-RP 100*25 mm*4μm;条件水(0.1% TFA)-MeCN)によって精製した。溶離液を凍結乾燥させて、標記化合物(1.7mg、収率3%)を白色固体として得た。注:高温での脱保護中にラセミ化が起こったと思われる。1H NMR(400 MHz,MeOD-d4)δ 7.55(d,1H),7.31-7.28(m,1H),7.24(s,1H),5.40-5.30(m,1H),4.20-4.07(m,1H),4.00-3.79(m,2H),3.78-3.45(m,2H),3.64(s,3H),2.95(s,3H),2.48-2.40(m,1H),2.28-2.20(m,1H).LC-MS(方法2):m/z 402.2[M+H]+,ESI pos.
【0352】
実施例17:6-[[(3R)-6,6-ジメチル-3-ピペリジル)アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;2,2,2-トリフルオロ酢酸
【化31】
【0353】
工程A:tert-ブチル(R)-(6,6-ジメチルピペリジン-3-イル)カルバメート
【0354】
市販のtert-ブチル(R)-(6-オキソピペリジン-3-イル)カルバメート(CAS#1228566-94-6、450.0mg、2.1mmol、1.0当量)の2-メチルテトラヒドロフラン(20mL)中混合物に、ZrCl4(2.94g、12.6mmol、6.0当量)を-10℃で添加し、この温度で0.5時間撹拌し、次いで、臭化メチルマグネシウム(14.0mL、42.0mmol、20.0当量)を添加し、混合物を20℃で12時間撹拌した。上記反応混合物を冷水(100mL)でクエンチし、フィルタにかけ、濾液を酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、フィルタにかけ、濾液を減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム(石油エーテル:酢酸エチル=5:1~0:1)によって精製して、標記化合物(130mg、収率27%)を黄色油状物として得た。1H NMR(400 MHz,MeOD-d4)δ 3.42-3.32(m,1H),2.93-2.81(m,1H),2.63-2.50(m,1H),1.83-1.73(m,1H),1.62-1.52(m,2H),1.48-1.41(m,10H),1.14-1.09(m,6H).
【0355】
工程B:(R)-6,6-ジメチルピペリジン-3-アミン;2,2,2-トリフルオロ酢酸
【0356】
DCM(1mL)中のtert-ブチル(R)-(6,6-ジメチルピペリジン-3-イル)カルバメート(130.0mg、0.57mmol、1.0当量)の溶液にTFA(1.0mL)を滴下し、次いで混合物を20℃で2時間撹拌した。上記反応溶液を減圧下で濃縮して黄色固体を得て、これを酢酸エチル(2mL)で研和し、フィルタにかけ、ケークを回収し、減圧下で乾燥させると、標記化合物(100mg、収率73%)が白色固体として得られた。1H NMR(400 MHz,MeOD-d4)δ 3.56-3.43(m,2H),3.27-3.16(m,1H),2.16-2.06(m,1H),1.96-1.74(m,3H),1.50-1.33(m,6H).
【0357】
工程C:(R)-6-((6,6-ジメチルピペリジン-3-イル)アミノ)-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン
【0358】
(R)-6,6-ジメチルピペリジン-3-アミン;2,2,2-トリフルオロ酢酸(43.29mg、0.18mmol、1.0当量)の1,4-ジオキサン(1mL)中溶液にCs2CO3(145.57mg、0.45mmol、2.5当量)、6-クロロ-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン(実施例1、工程E)(60.0mg、0.18mmol、1.0当量)及びBrettPhos PdG3(32.4mg、0.04mmol、0.2当量)を添加し、次いで、窒素雰囲気下、80℃で2時間撹拌した。上記反応混合物をアセトニトリル(2mL)で希釈し、フィルタにかけ、濾液を減圧下で濃縮した。粗生成物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18、水中0.1% TFA/MeCN)によって精製し、次いで、溶離液を凍結乾燥させて、標記化合物(5.0mg、収率5%)を白色固体として得た。LC-MS(方法1):m/z 412.2[M+H]+,ESI pos.
【0359】
工程D:6-[[(3R)-6,6-ジメチル-3-ピペリジル)アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;2,2,2-トリフルオロ酢酸
【0360】
(R)-6-((6,6-ジメチルピペリジン-3-イル)アミノ)-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン(実施例17、工程C)(10.0mg、0.02mmol、1.0 e.)のDCM(1mL)中溶液に、BBr3(0.1mL)を-40℃で滴加し、次いで、反応混合物を20℃で1時間撹拌した。上記反応混合物を0℃で水(0.5mL)でクエンチし、MeOH(1mL)で希釈し、次いで、水酸化アンモニウムでpHを約7に調整し、次いで、逆相カラムクロマトグラフィー(C18、水中0.1% TFA-ACN)によって精製した。溶離液を凍結乾燥させて黄色固体を得て、これを分取HPLC(カラム3_Phenomenex Luna C18 75*30mm*3μm;条件:水(TFA)-CH3CN)によってさらに精製し、次いで、溶離液を凍結乾燥させて、標記化合物(1.21mg、収率18%)を白色固体として得た。LC-MS(方法1):m/z 398.0[M+H]+,ESI pos.
【0361】
実施例18:6-[(3-ヒドロキシフェニル)メチルアミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;2,2,2-トリフルオロ酢酸
【化32】
【0362】
工程A:6-((3-ヒドロキシベンジル)アミノ)-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン
【0363】
上述の6-クロロ-3-[2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン(実施例1、工程E)(30.0mg、0.09mmol、1.0当量)及び市販の3-(アミノメチル)フェノール(CAS#73604-31-6、57.9mg、0.47mmol、5.0当量)のNMP(1mL)中の混合物に、DIEA(6.64mg、0.47mmol、5.0当量)を添加し、反応混合物をN2下、95℃で2時間撹拌した。LC-MSは、所望の質量が検出されたことを示した。混合物を減圧下で濃縮して粗生成物を得、これを逆相カラムクロマトグラフィー(C18、水中0.1% TFA/MeCN条件)によって精製し、次いで、溶離液を凍結乾燥させて、標記化合物(20.0mg、収率52%)を黄色固体として得た。LC-MS(方法2):m/z 406.9[M+H]+,ESI pos.
【0364】
工程B:6-[(3-ヒドロキシフェニル)メチルアミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;2,2,2-トリフルオロ酢酸
【0365】
DCM(1mL)中の上述の6-((3-ヒドロキシベンジル)アミノ)-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン(実施例18、工程A)(20.0mg、0.05mmol、1.0当量)及び三臭化ホウ素(493.2mg、1.97mmol、40.0当量)の混合物を-60℃で10分間撹拌し、次いで、25℃で50分間撹拌した。LC-MSは、所望の質量が検出されたことを示した。NH3・H2Oの添加により混合物をpH約7に調整し、次いで、フィルタにかけ、濾液を真空中で濃縮して粗生成物を得、これを逆相カラムクロマトグラフィー(C18、水中0.1% TFA/MeCN条件)によって精製し、次いで、溶離液を凍結乾燥させて、標記化合物(2.95mg、収率12%)を黄色固体として得た。LC-MS(方法2):m/z 393.2[M+H]+,ESI pos.
【0366】
実施例19:6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;2,2,2-トリフルオロ酢酸
【化33】
【0367】
工程A:(R)-6-((1-エチルピペリジン-3-イル)アミノ)-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン
【0368】
上述の6-クロロ-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン(実施例1、工程E)(180.0mg、0.41mmol、1.0当量)及び(R)-1-エチルピペリジン-3-アミン(156.6mg、1.22mmol、3.0当量)のNMP(3mL)中混合物に、DIEA(157.8mg、1.22mmol、3.0当量)を添加し、反応混合物を95℃で2時間撹拌した。LC-MSは、所望の質量が検出されたことを示した。混合物を真空中で濃縮して粗生成物を得、これを逆相カラムクロマトグラフィー(C18、水中0.1% TFA/MeCN条件)によって精製した。溶離液を凍結乾燥させて、標記化合物(75.0mg、収率61%)を白色固体として得た。LC-MS(方法2):m/z 412.2[M+H]+,ESI pos.
【0369】
工程B:6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;2,2,2-トリフルオロ酢酸
【0370】
DCM(2mL)中の上述の(R)-6-((1-エチルピペリジン-3-イル)アミノ)-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン(実施例19、工程A)(75.0mg、0.19mmol、1.0当量)及び三臭化ホウ素(243.6mg、0.97mmol、5.0当量)の混合物を-60℃で10分間撹拌し、次いで、25℃で50分間撹拌した。LC-MSは、所望の質量が検出されたことを示した。混合物をNH3・H2OによってpH約7に調整し、次いで、フィルタにかけ、濾液を真空中で濃縮した。粗生成物を逆相カラムクロマトグラフィー(C18、水中0.1% TFA/MeCN条件)によって精製し、次いで、溶離液を凍結乾燥させて、標記化合物(35mg、収率32%)を白色固体として得た。LC-MS(方法2):m/z 398.0[M+H]+,ESI pos.
【0371】
実施例19も、遊離塩基としてこの方法に従って合成した。
6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン
【0372】
3-クロロ-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン(実施例2、工程D)(750.0mg、2.76mmol、1.0当量)、飽和炭酸ナトリウム水溶液(2.50mL、0.59mmol、0.21当量)及び2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)-フェニルボロン酸(CAS#312936-89-3、667.7mg、3.04mmol、1.1当量)を1,4-ジオキサン(16mL)に懸濁し、反応混合物にN2をスパージし、次いで、排気し、N2を充填した(3x)。Xphos Pd G3(233.89mg、0.28mmol、0.1当量)を添加し、反応混合物をN2下に置き、次いで、80℃で24時間撹拌した。反応混合物をフィルタにかけ、シリカゲルに乾式装填し、シリカゲル上のクロマトグラフィー(24gカラム、0~10%(MeOH中0.7N NH3)/DCM)によって精製して中間生成物を得て、次いでこれをDCM(30mL)に溶解し、BBr3(DCM中1M)(13.8mL、13.8mmol、5.0当量)を0℃でゆっくり添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌し、次いで、真空中で濃縮した。得られた残渣をMeOH(40mL)に溶解し、固体NaHCO3(5g)を添加した。混合物を室温で30分間撹拌し、次いでフィルタにかけ、濾液を真空中で濃縮した。得られた残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィー(24gカラム、0~10%(MeOH中0.7 N NH3)/DCM)によって精製し、次いで、Waters XBridge BEH C18 ODB分取カラム、130Å、5μm、30mm×100mm、流速40mL/分-1を使用して水-MeCN勾配中0.3%アンモニアで12.5にわたって溶出する逆相分取HPLC(Waters 2767 Sample Manager,Waters 2545 Binary Gradient Module,Waters Systems Fluidics Organiser,Waters 515 ACD pump,Waters 515 Makeup pump,Waters 2998 Photodiode Array Detector,Waters QDa)によって精製した。アットカラム希釈ポンプは、方法全体にわたって2mL分-1のMeCNを与え、これは以下のMeCNパーセンテージに含まれる。勾配情報:0.0~0.5分、5% MeCN;0.5~10.5分、5% MeCNから30% MeCNに傾斜;10.5~10.6分、30% MeCNから100% MeCNに傾斜;10.6~12.5分、100% MeCNで保持。清浄な分画をGenevacで蒸発させると、標記化合物(196.0mg、収率18%)が白色固体として得られた。LC-MS m/z 398.4[M+H]+,ESI pos.
【0373】
実施例20:4-シクロプロピル-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-5-オン;2,2,2-トリフルオロ酢酸
【化34】
【0374】
工程A:N-シクロプロピル-2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)ベンゾチオアミド
【0375】
市販の1-ブロモ-2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(CAS#402-07-3、5.00g、19.6mmol、1.0当量)のTHF(50mL)中溶液に、n-BuLi(11.8mL、29.4mmol、1.5当量)を窒素雰囲気下-60℃で滴加し、この温度で0.5時間撹拌し、次いで、イソチオシアナトシクロプロパン(2.53g、25.5mmol、1.3当量)のTHF(3mL)中溶液を添加し、反応混合物を-60℃で10分間撹拌し、次いで、25℃に加温し、窒素雰囲気下でさらに50分間撹拌した。反応混合物を飽和NH4Cl(30mL)水溶液でクエンチし、EtOAc(100mL×3)で抽出し、ブライン(30mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、PE~PE:EA=30/1~10/1)によって精製して、標記化合物(1.60g、収率30%)を黄色油状物として得た。LC-MS(方法1):m/z 276.1[M+H]+,ESI pos.
【0376】
工程B:メチルN-シクロプロピル-2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)ベンズイミドチオエート
【0377】
N-シクロプロピル-2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)ベンゾチオアミド(実施例20、工程A)(1.60g、5.81mmol、1.0当量)のDMF(10mL)中溶液に、DIEA(0.82g、6.33mmol、1.1当量)を20℃で添加し、10分間撹拌し、引き続いてMeI(1.0g、7.08mmol、1.22当量)を添加した。混合物を20℃で3時間撹拌した。混合物を水(100mL)に注ぎ、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、フィルタにかけ、濾液を減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=10/1~3/1)によって精製して、標記化合物(1.30g、収率76%)を黄色油状物として得た。LC-MS(方法1):m/z 290.0[M+H]+,ESI pos.
【0378】
工程C:N”-シクロプロピル-2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)ベンズイミドヒドラジド
【0379】
メチルN-シクロプロピル-2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)ベンズイミドチオエート(実施例20、工程B)(1.30g、4.49mmol、1.0当量)のエタノール(15mL)中溶液に、ヒドラジン水和物(2.28g、45.5mmol、10.1当量)を添加した。混合物を窒素雰囲気下にて70℃で24時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、次いで、逆相カラムクロマトグラフィー(C18、水中0.1% TFA/MeCN条件)によって精製した。溶離液を凍結乾燥させて、標記化合物(900.0mg、収率50%)を黄色固体として得た。LC-MS(方法1):m/z 274.1[M+H]+,ESI pos.
【0380】
工程D:6-アミノ-4-シクロプロピル-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン
【0381】
エタノール(8mL)中のN”-シクロプロピル-2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)ベンズイミドヒドラジド(実施例20、工程C)(390.0mg、1.43mmol、1.0当量)、TEA(288.9mg、2.85mmol、2.0当量)及びエチル2-アミノ-2-チオキソアセテート(285.1mg、2.14mmol、1.5当量)の混合物を窒素雰囲気下にて85℃で4時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却し、減圧下で濃縮し、次いで、逆相カラムクロマトグラフィー(C18、水中0.1% TFA/MeCN)によって精製した。溶離液を凍結乾燥させて、標記化合物(220mg、収率44%)を黄色固体として得た。LC-MS(方法1):m/z 327.0[M+H]+,ESI pos.
【0382】
工程E:6-クロロ-4-シクロプロピル-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン
【0383】
6-アミノ-4-シクロプロピル-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン(実施例20、工程D)(200.0mg、0.61mmol、1.0当量)、CuCl(182.1mg、1.84mmol、3.0当量)、LiCl(51.97mg、1.23mmol、2.0当量)、ベンジル(トリエチル)アザニウム;塩化物(530.56mg、2.33mmol、3.8当量)のMeCN(5mL)中の混合物に、亜硝酸tert-ブチル(316.1mg、3.06mmol、5.0当量)を25℃で添加し、次いで、反応混合物を窒素雰囲気下にて70℃で1時間撹拌した。混合物をフィルタにかけ、濾液を真空中で濃縮し、次いで、逆相カラムクロマトグラフィー(C18、水中0.1% TFA/MeCN)によって精製し、次いで、凍結乾燥させて、標記化合物(70.0mg、収率30%)を黄色固体として得た。LC-MS(方法1):m/z 345.9[M+H]+,ESI pos.
【0384】
工程F:(R)-4-シクロプロピル-6-((1-エチルピペリジン-3-イル)アミノ)-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン
【0385】
6-クロロ-4-シクロプロピル-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン(実施例20、工程E)(70.0mg、0.2mmol、1.0当量)及び(R)-1-エチルピペリジン-3-アミン(77.9mg、0.61mmol、3.0当量)のNMP(1mL)中混合物に、DIEA(78.5mg、0.61mmol、3.0当量)を添加し、次いで、窒素雰囲気下、95℃で2時間撹拌した。混合物を真空中で濃縮し、次いで、逆相カラムクロマトグラフィー(C18、水中0.1% TFA/MeCN)によって精製し、溶離液を凍結乾燥させて、標記化合物(40.0mg、収率45%)を黄色固体として得た。LC-MS(方法1):m/z 437.9[M+H]+,ESI pos.
【0386】
工程G:4-シクロプロピル-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-5-オン;2,2,2-トリフルオロ酢酸
【0387】
(R)-4-シクロプロピル-6-((1-エチルピペリジン-3-イル)アミノ)-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン(実施例20、工程F)(40.0mg、0.09mmol、1.0当量)のDCM(4mL)中溶液に、BBr3(229mg、0.91mmol、10.0当量)を-40℃で添加し、次いで、20℃で1時間撹拌した。反応混合物を水(0.5mL)でクエンチし、次いで、水酸化アンモニウムでpHを8に調整し、次いで、減圧下で濃縮した。残渣をMeOH(2mL)に溶解し、次いで、分取HPLC(カラム:3_Phenomenex Luna C18 75*30 mm*3μm;条件:水(TFA)-MeCN)によって精製した。最後に、溶離液を凍結乾燥させて、標記化合物(12.7mg、収率25%)を黄色油状物として得た。LC-MS(方法1):m/z 423.9[M+H]+,ESI pos.
【0388】
実施例21:6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-(4-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン
【化35】
【0389】
3-クロロ-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン(実施例2、工程D)(100mg,0.330mmol,1.0 eq)飽和Na2CO3水溶液(0.5mL)、市販の(4-フルオロ-2-ヒドロキシ)フェニルボロン酸(CAS#850568-00-2、56.8mg,0.36mmol、1.1当量)を、1,4-ジオキサン(3.5mL)に懸濁し、反応混合物にN2をスパージし、次いで排気してN2で逆充填し(3x)、Xphos Pd G3(28.1mg、0.03mmol、0.1当量)を加え、反応混合物をN2下に置き、次いで80℃で18時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮した。得られた残渣を2mLのDMSOに溶解し、フィルタにかけ、Waters XBridge BEH C18 ODB分取カラム、130Å、5μm、30mm×100mm、流速40mL-1で、PDA並びにQDA及びELS検出器を用いてすべての波長にわたってUVを使用して水-MeCN勾配中0.1%アンモニアで17.5分にわたって溶出する逆相分取HPLC(Waters 2767 Sample Manager,Waters 2545 Binary Gradient Module,Waters Systems Fluidics Organiser,Waters 515 ACD pump,Waters 515 Makeup pump,Waters 2998 Photodiode Array Detector,Waters QDa)によって精製した。アットカラム希釈ポンプは、方法全体にわたって2mL分-1のMeCNを与え、これは以下のMeCNパーセンテージに含まれる。勾配情報:0.0~0.5分、5% MeCN;0.5~15.5分、5% MeCNから35% MeCNに傾斜;15.5~15.6分、35% MeCNから100% MeCNに傾斜;15.6~17.5分、100% MeCNで保持。これにより、標記化合物(12.02mg、収率10%)を淡褐色固体として得た。LC-MS m/z 348.3[M+H]+,ESI pos.
【0390】
実施例22:4-エチル-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-5-オン
【化36】
【0391】
工程A:6-ブロモ-4-エチル-2H-1,2,4-トリアジン-3,5-ジオン
【0392】
水素化ナトリウム(鉱油中60%)(7.86g、19.7mmol、1.1当量)を窒素下でDMF(10mL)に入れ、市販の2-アセチル-6-ブロモ-1,2,4-トリアジン-3,5-ジオン(CAS#20028-51-7、4.18g、17.9mmol、1.0当量)のDMF(30mL)中の溶液を滴加した。反応混合物を室温で45分間撹拌し、次いで、ヨードエタン(1.57mL、19.7mmol、1.1当量)を滴加し、反応混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、10重量%LiCl水溶液(2×100mL)で洗浄し、相分離器を用いて乾燥させ、真空中で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(120gカラム、0~5%DCM/MeOH)によって精製して、黄色油状物を得た。黄色油状物をEtOH(30mL)に溶解し、p-トルエンスルホン酸一水和物(169.9mg、0.89mmol、0.05当量)を添加した。反応混合物を還流で16時間攪拌し、次いで、真空中で濃縮し、得られた残渣を水(200mL)とEtOAc(200mL)に分配した。有機相を単離し、水性(aq.)をEtOAc(2x200mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を相分離器を使用して乾燥させ、真空中で濃縮すると、標記化合物(2.85g、収率60%)が淡黄色固体として得られた。LC-MS m/z 217.8([37Cl]M+H)+,ESI pos.
【0393】
工程B:6-ブロモ-4-エチル-2-[(4-メトキシフェニル)メチル]-1,2,4-トリアジン-3,5-ジオン
【0394】
6-ブロモ-4-エチル-2H-1,2,4-トリアジン-3,5-ジオン(実施例22、工程A)(2.85g、12.95mmol、1.0当量)及び炭酸二カリウム(8.95g、6.48mmol、0.5当量)を乾燥DMF(30mL)に懸濁し、4-メトキシベンジルクロリド(2.11mL、15.5mmol、1.2当量)を添加した。反応混合物を室温で24時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(50mL)で希釈し、10重量%LiCl水溶液(2×30mL)で洗浄し、相分離器を用いて乾燥させ、真空中で濃縮した。得られた残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィー(24gカラム、0~50%EtOAc/イソヘキサン)によって精製して、標記化合物(3.91g、収率80%)を白色固体として得た。1H NMR(500 MHz,DMSO-d6)δ 7.30-7.25(m,2H),6.93-6.88(m,2H),5.00(s,2H),3.83(q,2H),3.74(s,3H),1.12(t,3H).
【0395】
工程C:4-エチル-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-2-[(4-メトキシフェニル)メチル]-1,2,4-トリアジン-3,5-ジオン
【0396】
炭酸セシウム(4.85mg、14.9mmol、4.5当量)及び6-ブロモ-4-エチル-2-[(4-メトキシフェニル)メチル]-1,2,4-トリアジン-3,5-ジオン(実施例22、工程B)(1.25g、3.31mmol、1.0当量)及び(3R)-1-エチルピペリジン-3-アミン(6.36mg、4.96mmol、1.5当量)をDMSO(16mL)に溶解し、混合物を5分間脱気した(N2)。反応容器を排気し、N2を再充填し(3x)、次いで、Pd-176(CAS#879689-47-1、133mg、0.17mmol、0.05当量)を添加し、反応混合物をN2下に置き、次いで、95℃で24時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(50mL)と水(50mL)に分配した。有機相を単離し、ブライン(2x30mL)で洗浄し、相分離器を用いて乾燥させ、真空中で濃縮した。得られた残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィー(24gカラム、DCM中0~10%(MeOH中0.7Nアンモニア))によって精製することにより、標記化合物(996mg、収率71%)を淡褐色油状物として得た。LC-MS m/z 388.4(M+H)+,ESI pos.
【0397】
工程D:4-エチル-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-2H-1,2,4-トリアジン-3,5-ジオン;トリフルオロメタンスルホン酸
【0398】
4-Ethyl-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-2-[(4-メトキシフェニル)メチル]-1,2,4-トリアジン-3,5-ジオン(996.0mg、2.34mmol、1.0当量)をDCM(9mL)に溶解し、トリフルオロメタンスルホン酸(0.31mL、3.51mmol、1.5当量)を反応物に添加した。得られた溶液を室温で24時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、得られた残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィー(24gカラム、0~10%(MeOH/DCM中0.7Nアンモニア)によって精製して、標記化合物(950 mg、収率88%)を黄色油状物として得た。LC-MS m/z 268.4[M+H]+,ESI pos.
【0399】
工程E:3-クロロ-4-エチル-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-1,2,4-トリアジン-5-オン
【0400】
4-エチル-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-2H-1,2,4-トリアジン-3,5ジオン;トリフルオロメタンスルホン酸(950mg、2.28mmol、1.0当量)をオキシ塩化リン(6.29mL、67.5mmol、29.6当量)に溶解した。反応物を90℃で16時間撹拌し、次いで、真空中で濃縮した。得られた残渣を氷浴で冷却し、MeOH中0.7N NH3でゆっくりクエンチし、次いで、シリカ上に乾燥状態でロードした後、シリカゲル上のクロマトグラフィー(40gカラム、0~10%(MeOH中0.7Nアンモニア)/DCM)によって精製すると、標記化合物(768mg、収率89%)が黄色ゴムとして得られた。LC-MS m/z 285.9([37Cl]M+H)+,ESI pos.
【0401】
工程F:この工程を、上に概説したものと類似の方法によって合成した(実施例21参照):
【表5】
【0402】
実施例23:3-[4-(ジフルオロメトキシ)-2-ヒドロキシ-フェニル]-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;ギ酸
【化37】
【0403】
工程A:3-[4-(ジフルオロメトキシ)-2-メトキシ-フェニル]-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン
【0404】
飽和Na2CO3水溶液(0.5mL、0.91mmol、1.0当量)及び1,4-ジオキサン(5mL)中の、3-クロロ-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン(実施例2、工程D)(260.0mg、0.91mmol、1.0当量)、市販の2-[4-(ジフルオロメトキシ)-2-メトキシフェニル]-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(CAS#2121514-61-0、430.0mg、1.07mmol、1.18当量)をスパージした(N2で10分間バブリングし、超音波処理した)。XPhos Pd G3(52.0mg、0.06mmol、0.07当量)を添加し、反応混合物を90℃で18時間加熱した。粗混合物をcelite(登録商標)のプラグに通し、EtOAc(50mL)ですすぎ、反応混合物を真空中で濃縮した。反応物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、24g、10~20%MeOH(0.7M NH3を含む)、次いで逆相カラムクロマトグラフィー(C18、26g、10~60%アセトニトリル:水(10mM重炭酸アンモニウム)によって精製すると、標記化合物(99.0mg、収率26%)が淡褐色固体として得られた。LC-MS m/z 410.4[M+H]+,ESI pos.
【0405】
工程B:3-[4-(ジフルオロメトキシ)-2-ヒドロキシ-フェニル]-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン;ギ酸
【0406】
MWバイアル中の3-[4-(ジフルオロメトキシ)-2-メトキシ-フェニル]-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン(50.0mg、0.12mmol、1.0当量)及び炭酸カリウム(50.0mg、0.36mmol、2.96当量)のNMP(1mL)中懸濁液を2分間超音波処理し、次いで、ベンゼンチオール(0.02mL、0.2mmol、1.61当量)を添加し、得られた混合物を150℃に30分間照射した。反応物を室温に冷却し、NMP(2.4mL)で希釈し、フィルタにかけ、Waters X-Select CSH C18 ODB分取カラム、130Å、5μm、30mm×100mm、流速40mL-1で、PDA並びにQDA及びELS検出器を用いてすべての波長にわたってUVを使用して水-MeCN勾配中0.1%ギ酸で12.5分にわたって溶出する逆相分取HPLC(Waters 2767 Sample Manager,Waters 2545 Binary Gradient Module,Waters Systems Fluidics Organiser,Waters 515 ACD pump,Waters 515 Makeup pump,Waters 2998 Photodiode Array Detector,Waters QDa)によって精製した。アットカラム希釈ポンプは、方法全体にわたって2mL分-1のMeOHを与え、これは以下のMeCNパーセンテージに含まれる。勾配情報:0.0~0.5分、5% MeCN;0.5~10.5分、5% MeCNから25% MeCNに傾斜;10.5~10.6分、25% MeCNから100% MeCNに傾斜;10.6~12.5分、100% MeCNで保持。清浄な分画をGenevacで蒸発させると、標記化合物(24.0mg、収率43%)がオフホワイトの固体として得られた。LC-MS m/z 396.3[M+H]+,ESI pos.
【0407】
実施例24:3-[4-(1,1-ジフルオロエチル)-2-ヒドロキシ-フェニル]-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン
【化38】
【0408】
工程A:1-ブロモ-4-(1,1-ジフルオロエチル)-2-メトキシベンゼン
【0409】
ジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(6.0mL、45.4mmol、10.4当量)を、1-(4-ブロモ-3-メトキシ-フェニル)エテノン(CAS番号50870-44-5、1.0g、4.37mmol、1.0当量)のDCM(8mL)中溶液に0℃でテフロン(登録商標)フラスコ中に滴下し、反応混合物を加温し、16時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、ジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(3.0mL、22.7mmol、5.2当量)を添加し、反応物を4日間撹拌したままにした。反応混合物を0℃に冷却し、ジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(3.0mL、22.7mmol、5.2当量)を添加し、反応物を18時間撹拌したままにした。反応混合物を0℃に冷却し、氷冷2M NaOH(250mL)を含有する激しく撹拌しているプラスチックビーカーに滴下することによって注意深く添加し、反応混合物を分液漏斗に移し、DCM(75mL)ですすいだ。分離した水層をさらにDCM(2×50mL)で抽出し、合わせた有機層を合わせ、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮した。粗反応混合物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、40g、0~30%EtOAc:イソヘキサン)、次いで逆相カラムクロマトグラフィー(C18、40g、10~80%アセトニトリル(0.1%ギ酸):水(0.1%ギ酸)によって精製すると、標記化合物(363.0mg、収率33%)が淡黄色油状物として得られた。1H NMR(500 MHz,CDCl3)δ 7.58(d,1H),7.03(s,1H),6.96(d,1H),3.93(s,3H),1.91(t,3H).
【0410】
工程B:3-[4-(1,1-ジフルオロエチル)-2-メトキシ-フェニル]-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン
【0411】
酢酸イソプロピル(3mL)中、1-ブロモ-4-(1,1-ジフルオロエチル)-2-メトキシ-ベンゼン(実施例24、工程A)(210.0mg、0.84mmol、1.0当量)、ビス(ピナコラト)ジボロン(263.0mg、1.04mmol、1.24当量)及び酢酸カリウム(338.0mg、3.44mmol、4.12当量)をスパージした(超音波処理しながら窒素を10分間バブリングした)。XPhos Pd G3(35.0mg、0.04mmol、0.05当量)及びXPhos(9.0mg、0.02mmol、0.02当量)を添加し、反応混合物を90℃で3時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、酢酸イソプロピル(2mL)に溶解した上述の3-クロロ-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン(実施例2、工程D)(227.0mg、0.84mmol、1.0当量)を反応物に添加し、引き続いて炭酸カリウム(288.0mg、2.08mmol、2.49当量)及び水(1mL)を添加した。反応混合物を、撹拌しながら窒素を10分間バブリングして脱気し、次いで、XPhos Pd G3(21.0mg、0.02mmol、0.03当量)及びXPhos(4.0mg、0.01mmol、0.01当量)を添加し、反応混合物を90℃で16時間撹拌した。粗反応混合物をcelite(登録商標)プラグを通してフィルタにかけ、EtOAc(約50mL)ですすいだ。濾液を減圧下で濃縮し、次いで、DCM(5mL)に溶解し、次いで、これをNa2SO4を充填したピペットに通した。得られた透明な黄色溶液を濃縮すると、標記化合物(588.0mg、収率52%)が淡黄色油状物として得られた。LC-MS m/z 408.4[M+H]+,ESI pos.
【0412】
工程C:3-[4-(1,1-ジフルオロエチル)-2-ヒドロキシ-フェニル]-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン
【0413】
ベンゼンチオール(3.0μL、0.03mmol、1.0当量)及び炭酸カリウム(8.0mg、0.06mmol、1.97当量)を、NMP(1mL)中の3-[4-(1,1-ジフルオロエチル)-2-メトキシフェニル]-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン(12.0mg、0.03mmol、1.0当量)(実施例5、工程A)を含有するマイクロ波バイアルに加えた。反応物を150℃に15分間照射し、次いで、真空中で濃縮した。得られた残渣をDMSO(1.3mL)に溶解し、フィルタにかけ、Waters XBridge BEH C18 ODB分取カラム、130Å、5μm、30mm×100mm、流速40mL-1で、PDA並びにQDA及びELS検出器を用いてすべての波長にわたってUVを使用して水-MeCN勾配中0.3%アンモニアで12.5分にわたって溶出する逆相分取HPLC(Waters 2767 Sample Manager,Waters 2545 Binary Gradient Module,Waters Systems Fluidics Organiser,Waters 515 ACD pump,Waters 515 Makeup pump,Waters 2998 Photodiode Array Detector,Waters QDa)によって精製した。アットカラム希釈ポンプは、方法全体にわたって2mL分-1のMeOHを与え、これは以下のMeCNパーセンテージに含まれる。勾配情報:0.0~0.5分、5% MeCN;0.5~10.5分、5% MeCNから35% MeCNに傾斜;10.5~10.6分、35% MeCNから100% MeCNに傾斜;10.6~12.5分、100% MeCNで保持。清浄な分画をGenevacで蒸発させると、標記化合物(4.0mg、収率33%)が白色固体として得られた。LC-MS m/z 394.0[M+H]+,ESI pos.
【0414】
実施例25:3-(4-アセチル-2-ヒドロキシ-フェニル)-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン
【化39】
【0415】
3-[4-(1,1-ジフルオロエチル)-2-メトキシフェニル]-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン(588.0mg、0.58mmol、1.0当量)(実施例24、工程B)のDCM(5mL)中溶液を三臭化ホウ素(DCM中1M)(3.5mL、3.50mmol、6.06当量)で0℃で滴下処理した。30分後、混合物を加温させ、室温で1時間撹拌した。反応物を再冷却し、反応混合物をMeOH(約15mL)中0.7M NH3でクエンチし、30分間撹拌したままにした。反応混合物を濃縮し、次いで、DMSO/水(1:1、3.5mL)に溶解し、フィルタにかけ、Waters X-Select CSH C18 ODB分取カラム、130Å、5μm、30mm×100mm、流速40mL-1で、PDA並びにQDA及びELS検出器を用いてすべての波長にわたってUVを使用して水-MeCN勾配中0.1%ギ酸で12.5分にわたって溶出する逆相分取HPLC(Waters 2767 Sample Manager,Waters 2545 Binary Gradient Module,Waters Systems Fluidics Organiser,Waters 515 ACD pump,Waters 515 Makeup pump,Waters 2998 Photodiode Array Detector,Waters QDa)によって精製した。アットカラム希釈ポンプは、方法全体にわたって2mL分-1のMeOHを与え、これは以下のMeCNパーセンテージに含まれる。勾配情報:0.0~0.5分、5% MeCN;0.5~10.5分、5% MeCNから22.5% MeCNに傾斜;10.5~10.6分、22.5% MeCNから100% MeCNに傾斜;10.6~12.5分、100% MeCNで保持。清浄な分画をGenevacで蒸発させると、標記化合物(15.8mg、収率7%)が淡黄色固体として得られた。LC-MS m/z 371.9[M+H]+,ESI pos.
【0416】
実施例26:3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-6-[[(3R)-1-メチル-3-ピペリジル]アミノ]-1,2,4-トリアジン-5-オン
【化40】
【0417】
工程A:6-[[(3R)-1-ベンジル-3-ピペリジル]アミノ]-2-[(4-メトキシフェニル)メチル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-3,5-ジオン
【0418】
6-ブロモ-2-[(4-メトキシフェニル)メチル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-3,5-ジオン(実施例2、工程A)(1.50g、4.60mmol、1.0当量)及び炭酸セシウム(2.997g、9.2mmol、2.0当量)及び(R)-3-アミノ-1-ベンジルピペリジン(1.00g、5.26mmol、1.14当量)をDMSO(20mL)に溶解し、混合物を5分間脱気した(N2)。反応容器を排気し、N2を再充填し(3x)、次いで、(rac)-BINAP Pd G3(228.2mg、0.23mmol、0.05当量)を添加し、反応混合物をN2下に置き、次いで、95℃で24時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(250mL)と水(250mL)に分配した。有機相を単離し、ブライン(3x200mL)で洗浄し、相分離器を用いて乾燥させ、真空中で濃縮した。得られた残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィー(40gカラム、DCM中0~7%(MeOH中0.7Nアンモニア))によって精製することにより、標記化合物(1.98g、収率87%)を黄色油状物として得た。LC-MS m/z 436.4[M+H]+,ESI pos.
【0419】
工程B:6-[[(3R)-1-1-ベンジル-3-ピペリジル]アミノ]-4-メチル-2H-1,2,4-トリアジン-3,5-ジオン
【0420】
6-[[(3R)-1-ベンジル-3-ピペリジル]アミノ]-2-[(4-メトキシフェニル)メチル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-3,5-ジオン(実施例26、工程A)(1.98g、4.0mmol、1.0当量)をDCM(18mL)に溶解した。トリフルオロメタンスルホン酸(0.71mL、8.0mmol、2.0当量)を反応物に添加した。得られた溶液を室温で18時間撹拌し、次いで、さらなるトリフルオロメタンスルホン酸(0.71mL、8.0mmol、2.0当量)を添加し、反応混合物をさらに1時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、シリカゲル上のクロマトグラフィー(40gカラム、0~10%(MeOH/DCM中0.7Nアンモニア)によって精製して、標記化合物(1.56g、3.35mmol、収率67%)を淡褐色固体として得た。LC-MS m/z 316.3[M+H]+,ESI pos.
【0421】
工程C:6-[[(3R)-1-ベンジル-3-ピペリジル]アミノ]-3-クロロ-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン
【0422】
6-[[(3R)-1-1-ベンジル-3-ピペリジル]アミノ]-4-メチル-2H-1,2,4-トリアジン-3,5-ジオン(実施例26、工程B)(0.25g、0.79mmol、1.0当量)をオキシ塩化リン(4.86mL、52.1mmol、65.7当量)に溶解した。反応物を100℃で24時間、次いで、120℃でさらに24時間攪拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、次いで、EtOAc(100mL)で希釈した。混合物を激しく撹拌し、飽和NaHCO3水溶液をゆっくり添加してpH>8にした。有機相を分離し、水相をEtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を相分離器を使用して乾燥させ、真空中で濃縮すると、標記化合物(208mg、収率72%)が淡褐色油状物として得られた。LC-MS m/z 334.3[M+H]+,ESI pos.
【0423】
工程D:6-[[(3R)-1-ベンジル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン
【0424】
6-[[(3R)-1-ベンジル-3-ピペリジル]アミノ]-3-クロロ-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン(実施例26、工程C)(209.0mg,0.58mmol,1.0当量)、2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)-フェニルボロン酸(CAS#312936-89-3、139.36mg、0.63mmol,1.1当量)及び飽和Na2CO3水溶液(0.5mL)を1,4-ジオキサン(4mL)に懸濁し、反応混合物にN2をスパージし、次いで、排気し、N2を再充填した(3x)。Xphos Pd G3(48.8mg、0.06mmol、0.1当量)を添加し、反応混合物をN2下に置き、次いで、80℃で24時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(50mL)とブライン(50mL)に分配した。有機相を単離し、相分離器を使用して乾燥させ、真空中で濃縮すると、標記化合物(310.0mg、0.65mmol、収率81%)が褐色固体として得られた。LC-MS m/z 474.3[M+H]+,ESI pos.
【0425】
工程E:3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-6-[[(3R)-1-メチル-3-ピペリジル]アミノ]-1,2,4-トリアジン-5-オン
【0426】
6-[[(3R)-1-ベンジル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-メトキシ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン(実施例26、工程D)(186.1mg、0.38mmol、1.0当量)をMeOH(8mL)に溶解し、20重量%水酸化パラジウム担持炭素(H2O中50%)(80.1mg、0.060mmol、0.150当量)を添加し、引き続いてホルムアルデヒド(H2O中37重量%)(0.28mL、3.8mmol、10当量)を添加した。反応混合物を3バールのH2下で72時間攪拌した。次いで、さらなる20重量%水酸化パラジウム担持炭素(水中50%)(91.9mg、0.07mmol、0.1当量)を添加し、反応混合物を5バールのH2下で24時間攪拌した。反応混合物をcelite(登録商標)のパッドを通してフィルタにかけ、濾液を真空中で濃縮した。得られた残渣をDCM(10mL)に溶解し、三臭化ホウ素(DCM中1M)(3.27mL、3.27mmol、5.0当量)をゆっくり添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、真空中で濃縮した。得られた残渣をMeOH(20mL)に溶解し、Na2CO3(5g)を添加した。反応混合物を室温で45分間撹拌し、次いでフィルタにかけ、濾液を真空中で濃縮した。得られた残渣を7.5mLのDMSOに溶解し、フィルタにかけ、Waters XBridge BEH C18 ODB分取カラム、130Å、5μm、30mm×100mm、流速40mL-1で、PDA並びにQDA及びELS検出器を用いてすべての波長にわたってUVを使用して水-MeCN勾配中0.3%アンモニアで12.5分にわたって溶出する逆相分取HPLC(Waters 2767 Sample Manager,Waters 2545 Binary Gradient Module,Waters Systems Fluidics Organiser,Waters 515 ACD pump,Waters 515 Makeup pump,Waters 2998 Photodiode Array Detector,Waters QDa)によって精製した。アットカラム希釈ポンプは、方法全体にわたって2mL分-1のMeOHを与え、これは以下のMeCNパーセンテージに含まれる。勾配情報:0.0~0.5分、5% MeCN;0.5~10.5分、5% MeCNから30% MeCNに傾斜;10.5~10.6分、30% MeCNから100% MeCNに傾斜;10.6~12.5分、100% MeCNで保持。清浄な分画をGenevacで蒸発させると、標記化合物(23.9mg、収率9%)が白色固体として得られた。LC-MS m/z 384.3[M+H]+,ESI pos.
【0427】
以下の実施例「Ex.」を、上に概説したものと類似の方法によって合成した。
【表6】
【0428】
実施例29:(M又はP)-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-6-メチル-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン及び実施例30:(P又はM)-6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-6-メチル-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン
【0429】
3-クロロ-6-[[(3R-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン(実施例2、工程D)(350mg、1.29mmol、1.0当量)、飽和炭酸ナトリウム水溶液(1.5mL、5.50mmol、4.27当量)及び3-メチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)フェノール(389.1mg、1.29mmol、1.0当量)を1,4-ジオキサン(10mL)に懸濁し、反応混合物にN2をスパージし、次いで、排気し、N2を再充填した(3x)。Xphos Pd G3(54.57mg、0.06mmol、0.05当量)を添加し、反応混合物をN2下に置き、次いで、80℃で18時間撹拌した。反応混合物をMeOHで希釈し、次いでシリカゲルに乾式装填した後、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(12gカラム、0~10%(MeOH中0.7N NH3)/DCM)及びWaters分取液15でのキラルSFCによって精製し、210~400nm、40℃、120バールでDADによりUV検出した。カラムは、IH 10x 250 mm、5μM、流速15mL/分、10% MeOH(0.03%アンモニア)、90% CO2であった。これにより、2つのアトロプ異性体:
【0430】
Atrop 1:実施例29(36.5mg、収率6%)を黄色固体として得た。LC-MS m/z 412.4[M+H]+,ESI pos.1H NMR(500 MHz,DMSO-d6)δ 7.07(s,1H),7.17(s,1H),6.83(d,1H),4.07-3.97(m,1H),3.11(s,3H),2.79-2.70(m,1H),2.57-2.50(m,1H),2.41-2.32(m,2H),2.26-2.11(m,5H),1.76-1.62(m,2H),1.61-1.44(m,2H),1.00(t,3H).注:フェノールOHは観察されなかった。
【0431】
Atrop 2:実施例30(49.5mg、収率9%)を黄色固体として得た。LC-MS m/z 412.4[M+H]+,ESI pos.1H NMR(500 MHz,DMSO-d6)δ 10.65(bs,1H),7.18(s,1H),7.13-6.78(m,2H),4.12-3.99(m,1H),3.11(s,3H),2.96-2.79(m,1H),2.72-2.54(m,1H),2.45-1.96(m,6H),1.84-1.41(m,4H),1.12-0.95(m,3H).注:1×N-CHシグナルは水ピークによって不明瞭であり、したがって観察されない。
【0432】
注:Ar-Ar二重結合周辺のジアステレオマーアトロプ異性体(立体化学は任意に割り当てられた)。
【0433】
実施例31:6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(ペンタフルオロ-λ
6-スルファニル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン
【化41】
【0434】
工程A:2-ヨード-5-(ペンタフルオロ-λ6-スルファニル)フェノール
【0435】
p-トルエンスルホン酸(0.09g、0.52mmol、0.13当量)及び3-(ペンタフルオロチオ)フェノール(900.0mg、4.09mmol、1.0当量)のMeOH(18mL)中溶液を室温で15分間撹拌し、次いで、フラスコをスズ箔で覆い、N-ヨードスクシンイミド(3.0g、13.3mmol、3.26当量)のMeOH(18mL)中溶液を10分間にわたって滴加した。反応混合物を室温で18時間撹拌したままにした。溶媒を減圧下で除去し、EtOAc(20mL)に再溶解し、飽和チオ硫酸ナトリウム溶液(50mL)で洗浄した。有機層を回収し、濃縮乾固した。残渣をクロマトグラフィークロマトグラフィー(SiO2、24gカートリッジ、0~30%DCM:イソヘキサン)によって精製して、標記化合物(1.45g、収率99%)を無色固体として得た。LC-MS:m/z 345.0[M-H]-,ESI neg.
【0436】
工程B:ペンタフルオロ-(4-ヨード-3-メトキシフェニル)-λ6-スルファン
【0437】
ヨードメタン(0.3mL、4.82mmol、1.15当量)を、2-ヨード-5-(ペンタフルオロ-λ6-スルファニル)フェノール(1.49g、4.19mmol、1.0当量)、炭酸カリウム(1.50g、10.9mmol、2.59当量)の撹拌混合物に添加した。次いで、混合物を56℃に3時間加熱し、次いで、室温で3日間加熱した。反応混合物をフィルタにかけ、次いで、濃縮乾固した。得られた残渣を水(20mL)とEtOAc(40mL)に分配した。有機層を回収し、水層をEtOAc(2×15mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥させ(MgSO4)、フィルタにかけ、濃縮して乾燥させ、橙色油状物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、40gカートリッジ、均一濃度イソヘキサン)によって精製すると、標記化合物(1.36g、収率87%)が無色油状物として得られた。1H NMR(400 MHz,CDCl3)δ 7.87(dt,1H),7.16-7.06(m,2H),3.94(s,3H).
【0438】
工程C:[2-メトキシ-4-(ペンタフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル]ボロン酸
【0439】
イソプロピルマグネシウムクロリド(THF中2M、2.4mL、4.8mmol、1.44当量)を、0℃に冷却したTHF(36mL)中のペンタフルオロ-(4-ヨード-3-メトキシ-フェニル)-λ6-スルファン(1.2g、3.33mmol、1.0当量)の攪拌溶液に添加した。混合物を0℃で30分間撹拌したままにした。次いで、ホウ酸トリメチル(0.84mL、7.53mmol、2.26当量)を添加し、混合物を室温で3時間撹拌したままにした。混合物を濃縮し、次いで、DCM(20mL)に再溶解し、10% KH2PO3水溶液(3x10mL)で洗浄し、引き続いてブライン(20mL)で洗浄した。有機層を乾燥させ(MgSO4)、フィルタにかけ、濃縮乾固した。得られた黄色残渣をDCM(36mL)に再溶解し、酢酸(0.6mL)を添加した。混合物を室温で30分間撹拌し、次いで、水(0.36mL)、引き続いてTHF(1.2mL)を添加した。混合物を室温で18時間撹拌したままにした。反応混合物を10% w/v KH2PO4水溶液(25mL)で洗浄し、有機層を乾燥させ(MgSO4)、フィルタにかけ、濃縮した。得られた固体をイソヘキサン(30mL)を用いて研和すると、標記化合物(576.0mg、収率62%)が白色粉末として得られた。LC-MS:m/z 277.0[M-H]-,ESI neg.
【0440】
工程D:6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(ペンタフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン
【0441】
この工程を、上に概説したものと類似の方法によって合成した(実施例27参照)。
【表7】
【0442】
実施例34:3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-4-メチル-6-[[(3R)-1-メチル-3-ピペリジル]アミノ]-1,2,4-トリアジン-5-オン
【化42】
【0443】
工程A:6-[[(3R)-1-ベンジル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-メトキシ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン
【0444】
6-[[(3R)-1-ベンジル-3-ピペリジル]アミノ]-3-クロロ-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン(実施例26、工程C)(250.0mg、0.71mmol、1.0当量)、2-メトキシ-4-(トリフルオロメトキシ)-フェニルボロン酸(184.7mg、0.78mmol、1.1当量)及び飽和Na2CO3水溶液(0.3mL)を1,4-ジオキサン(4mL)に懸濁し、反応混合物にN2をスパージし、次いで、排気し、N2を再充填した(3x)。Xphos Pd G3(60.3mg、0.07mmol、0.1当量)を添加し、反応混合物をN2下に置き、次いで、80℃で24時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(50mL)とブライン(50mL)に分配した。有機相を単離し、相分離器を用いて乾燥させ、真空中で濃縮した。得られた残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィー(24gカラム、0~10%(MeOH中0.7N NH3)/DCM)によって精製することにより、標記化合物(180.0mg、収率47%)を淡黄色固体として得た。LC-MS m/z 490.4[M+H]+,ESI pos.
【0445】
工程B:6-[[(3R)-1-ベンジル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-メトキシ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン
【0446】
6-[[(3R)-1-ベンジル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-メトキシ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5-オン(実施例35、工程A)(186.1mg、0.38mmol、1.0当量)をMeOH(8mL)に溶解し、20重量%水酸化パラジウム担持炭素(H2O中50%)(80.08mg、0.06mmol、0.15当量)を添加し、引き続いてホルムアルデヒド(H2O中37重量%)(0.28mL、3.80mmol、10.0当量)を添加した。反応混合物を5バールのH2下で24時間攪拌した。さらに20重量%水酸化パラジウム担持炭素(H2O中50%)(91.9mg、0.070mmol、0.100当量)を添加し、反応混合物を5バールのH2下で24時間攪拌した。反応混合物をcelite(登録商標)のパッドを通してフィルタにかけ、濾液を真空中で濃縮した。得られた残渣をDCM(10mL)に溶解し、三臭化ホウ素(DCM中1M)(1.9mL、1.90mmol、5.0当量)をゆっくり添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、真空中で濃縮した。得られた残渣をMeOH(20mL)に溶解し、Na2CO3(5g)を添加した。反応混合物を室温で45分間撹拌し、次いでフィルタにかけ、濾液を真空中で濃縮した。得られた残渣を11mLのDMSOに溶解し、フィルタにかけ、Waters XBridge BEH C18 ODB分取カラム、130Å、5μm、30mm×100mm、流速40mL-1で、PDA並びにQDA及びELS検出器を用いてすべての波長にわたってUVを使用して水-MeCN勾配中0.3%アンモニアで12.5分にわたって溶出する逆相分取HPLC(Waters 2767 Sample Manager,Waters 2545 Binary Gradient Module,Waters Systems Fluidics Organiser,Waters 515 ACD pump,Waters 515 Makeup pump,Waters 2998 Photodiode Array Detector,Waters QDa)によって精製した。アットカラム希釈ポンプは、方法全体にわたって2mL分-1のMeOHを与え、これは以下のMeCNパーセンテージに含まれる。勾配情報:0.0~0.5分、5% MeCN;0.5~10.5分、5% MeCNから30% MeCNに傾斜;10.5~10.6分、30% MeCNから100% MeCNに傾斜;10.6~12.5分、100% MeCNで保持。清浄な分画をGenevacで蒸発させると、標記化合物(70.4mg、収率46%)が白色固体として得られた。LC-MS m/z 400.3[M+H]+,ESI pos.
【0447】
実施例35:6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4H-1,2,4-トリアジン-5-オン;2,2,2-トリフルオロ酢酸
【化43】
【0448】
工程A:N-(シクロプロピルメチル)-2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【0449】
市販の2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)安息香酸(CAS#448-36-2、2.00g、9.08mmol、1.0当量)及び市販のシクロプロピルメタンアミン(CAS#2516-47-4、0.95mL、10.9mmol、1.2当量)のDCM(20mL)中の溶液に、DIPEA(2952.5mg、22.7mmol、2.5当量)、EDCI(2.09g、10.9mmol、1.2当量)及びHOBt(1.60g、11.8mmol、1.3当量)を添加した。得られた反応混合物を40℃で2時間攪拌した。反応完了後、水(50mL)を添加し、溶液をEtOAc(20mL×3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(100ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル:酢酸エチル=1:0~3:1)によって精製して、標記化合物(2.10g、収率85%)を黄色油状物として得た。LC-MS(方法2):m/z 273.8[M+H]+,ESI pos.
【0450】
工程B:N-(シクロプロピルメチル)-2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)ベンゾチオアミド
【0451】
THF(40mL)中の上述のN-(シクロプロピルメチル)-2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド(実施例35、工程A)(2.10g、7.69mmol、1.0当量)の溶液に、ローソン試薬(2.312g、4.61mmol、0.6当量)を加えた。混合物を70℃で2時間撹拌し、完了後、室温に冷却した。上記反応溶液を水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、フィルタにかけ、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーカラム(石油エーテル:酢酸エチル=1:0~10:1)によって精製して、標記化合物(2.20g、収率93%)を黄色油状物として得た。LC-MS(方法2):m/z 290[M+H]+,ESI pos.
【0452】
工程C:メチルN-(シクロプロピルメチル)-2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)ベンズイミドチオエート
【0453】
上記のN-(シクロプロピルメチル)-2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)ベンゾチオアミド(実施例35、工程B)(2.00g、6.91mmol、1.0当量)のDMF(40mL)中の溶液に、DIEA(2.68g、20.74mmol、3.0当量)を20℃で添加し、10分間撹拌した。次いで、MeI(1.67g、11.8mmol、1.7当量)を混合物に添加した。混合物を40℃で2時間撹拌した。混合物を水(100mL)に注ぎ、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、無水劉さんナトリウムで乾燥させ、フィルタにかけ、濾液を減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(C18、120g、水中0.1% TFA/MeCN)によって精製し、次いで、所望の画分を合わせ、凍結乾燥させて、標記化合物(1.0g、収率48%)を黄色油状物として得た。LC-MS(方法2):m/z 303.9[M+H]+,ESI pos.
【0454】
工程D:N”-(シクロプロピルメチル)-2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)ベンズイミドヒドラジド
メチルN-(シクロプロピルメチル)-2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)ベンズイミドチオエート(実施例35、工程C)(500.0mg、1.65mmol、1.0当量)のエタノール(15mL)中溶液に、ヒドラジン水和物(835mg、16.7mmol、10.1当量)を加えた。混合物を70℃で6時間撹拌した。上記反応溶液を室温まで冷却した後、減圧下で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(C18、20g、水中0.1% NH3・H2O/MeCN)によって精製し、次いで、所望の画分を合わせ、凍結乾燥させると、標記化合物(200mg、収率41%)が黄色固体として得られた。LC-MS(方法2):m/z 288.1[M+H]+,ESI pos.
【0455】
工程E:6-アミノ-4-(シクロプロピルメチル)-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン
【0456】
エタノール(3mL)中の上述のN”-(シクロプロピルメチル)-2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)ベンズイミドヒドラジド(実施例35、工程D)(150mg、0.52mmol、1.0当量)、TEA(106mg、1.04mmol、2.0当量)及びエチルチオオキサメート(104mg、0.78mmol、1.5当量)の混合物を85℃で1時間撹拌した。反応溶液を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(C18、20g、水中0.1% TFA/MeCN)によって精製し、次いで、所望の画分を合わせ、凍結乾燥させると、標記化合物(70.0mg、収率37%)が黄色固体として得られた。LC-MS(方法2):m/z 341.1[M+H]+,ESI pos.
【0457】
工程F:6-クロロ-4-(シクロプロピルメチル)-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン
【0458】
6-アミノ-4-(シクロプロピルメチル)-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン(実施例35、工程E)(70.0mg、0.21mmol、1.0当量)、CuCl(61.09mg、0.62mmol、3.0当量)、LiCl(17.4mg、0.41mmol、2.0当量)、ベンジル(トリエチル)アザニウム;塩化物(178mg、0.78mmol、3.8当量)のMeCN(2.5mL)中混合物に、25℃で亜硝酸tert-ブチル(106.1mg、1.03mmol、5.0当量)に添加し、次いで、N2雰囲気下、70℃で1時間撹拌した。反応完了後、溶液を室温に冷却し、混合物をフィルタにかけ、濾液を真空中で濃縮した。粗生成物を逆相フラッシュ(水中0.1% TFA/MeCN)によって精製し、引き続いて凍結乾燥すると、標記化合物(30.0mg、収率38%)が黄色固体として得られた。LC-MS(方法2):m/z 360.0[M+H]+,ESI pos.
【0459】
工程G:(R)-4-(シクロプロピルメチル)-6-((1--エチルピペリジン-3-イル)アミノ)-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン
【0460】
上述の6-クロロ-4-(シクロプロピルメチル)-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン(実施例35、工程E)(30.0mg、0.08mmol、1.0当量)及び(3R)-1-エチルピペリジン-3-アミン(53.5mg、0.42mmol、5.0当量)のNMP(0.5mL)中混合物に、DIEA(32.3mg、0.25mmol、3.0当量)を添加し、次いで、N2雰囲気下、90℃で2時間撹拌した。反応混合物をフィルタにかけ、濾液を減圧下で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(C18、20g、水中0.1% TFA/MeCN)によって精製し、次いで、所望の画分を合わせ、凍結乾燥させると、標記化合物(30.0mg、収率75%)が黄色固体として得られた。LCMS(方法2):m/z 452.2[M+H]+,ESI pos.
【0461】
工程H:6-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4H-1,2,4-トリアジン-5-オン;2,2,2-トリフルオロ酢酸
【0462】
前述の(R)-4-(シクロプロピルメチル)-6-((1-エチルピペリジン-3-イル)アミノ)-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン(実施例35、工程F)(10.0mg、0.02mmol、1.0当量)のDCM(1mL)中溶液に、BBr3(55.4mg、0.22mmol、10.0当量)を-40℃で添加し、次いで、20℃で1時間撹拌した。上記反応混合物を水(0.5mL)でクエンチし、次いで、NH3.H2OでpHを約8に調整し、次いで、減圧下で濃縮し、残渣をメタノール(2mL)に溶解し、次いで、分取HPLC(カラム3_Phenomenex Luna C18 75×30mm×3μm;条件水(TFA)-MeOH;開始B 23;端部B 43;勾配時間(分)7;100% B;保持時間(分)2;流速(mL/分)25)によって精製し、次いで、溶媒を凍結乾燥によって除去すると、標記化合物(0.82mg、収率7%)が白色固体として得られた。LCMS(方法2):m/z 384.1[M+H]+,ESI pos.
【0463】
実施例36:6-[[(3R,5S)-1-メチル-5-フルオロ-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4H-1,2,4-トリアジン-5-オン;2,2,2-トリフルオロ酢酸
【化44】
【0464】
工程A:6-[[(3R,5S)-1-メチル-5-フルオロ-3-ピペリジル]アミノ]-3-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4H-1,2,4-トリアジン-5-オン;2,2,2-トリフルオロ酢酸
【0465】
6-(((3R,5S)-5-フルオロピペリジン-3-イル)アミノ)-3-(2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-メチル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン(実施例16、工程B)(20.0mg、0.05mmol、1.0当量)及びK2CO3(66.4mg、0.48mmol、10.0当量)のNMP(1mL)中混合物に、N2下でベンゼンチオール(49μL、0.48mmol、10.0当量)を添加し、次いで、マイクロ波条件下190℃で30分間撹拌した。反応混合物を20℃に冷却し、カラムクロマトグラフィー(C18、水中0.1% TFA/MeCN)によって精製した。溶離液を凍結乾燥させて生成物を得、これを分取HPLC(カラム:3_Phenomenex Luna C18 75×30mm×3μm、条件:水(0.1% TFA)-MeCN、開始B:15;終了B:45、勾配時間(分):7;100% B保持時間(分):2;流速(mL/分):25)によって2回目に精製した。所望の画分を合わせ、凍結乾燥させて、標記化合物(4.14mg、収率16%)を黄色固体として得た。LCMS(方法2):m/z 387.9[M+H]+,ESI pos.
【0466】
参考例RE-A:2-[6-[(1-エチル-3-ピペリジル)アミノ]-4-メチル-ピリダジン-3-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール
【0467】
RE-Aは、WO20200234715に記載されているのと同様に合成した。
【0468】
実施例A’
式Ibの化合物は、以下の組成の錠剤を生産するために、有効成分として、それ自体公知の様式で使用され得る:
錠剤あたり
有効成分 200mg
微結晶セルロース 155mg
コーンスターチ 25mg
タルク 25mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 20mg
425mg
【0469】
実施例B’
式Ibの化合物は、以下の組成のカプセル剤を生産するために、有効成分として、それ自体公知の様式で使用され得る:
カプセルあたり
有効成分 100.0mg
コーンスターチ 20.0mg
ラクトース 95.0mg
タルク 4.5mg
ステアリン酸マグネシウム 0.5mg
220.0mg
【0470】
実施例A
式Iの化合物は、以下の組成の錠剤を生産するために、有効成分として、それ自体公知の様式で使用され得る:
錠剤あたり
有効成分 200mg
微結晶セルロース 155mg
コーンスターチ 25mg
タルク 25mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 20mg
425mg
【0471】
実施例B
式Iの化合物は、以下の組成のカプセル剤を生産するために、有効成分として、それ自体公知の様式で使用され得る:
カプセルあたり
有効成分 100.0mg
コーンスターチ 20.0mg
ラクトース 95.0mg
タルク 4.5mg
ステアリン酸マグネシウム 0.5mg
220.0mg
【国際調査報告】