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特表2024-517922ディスカバリ送信タイプに基づくディスカバリリソースの選択
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-23
(54)【発明の名称】ディスカバリ送信タイプに基づくディスカバリリソースの選択
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/02 20090101AFI20240416BHJP
   H04W 92/18 20090101ALI20240416BHJP
   H04W 72/25 20230101ALI20240416BHJP
   H04W 72/04 20230101ALI20240416BHJP
【FI】
H04W72/02
H04W92/18
H04W72/25
H04W72/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023569766
(86)(22)【出願日】2022-05-06
(85)【翻訳文提出日】2023-12-25
(86)【国際出願番号】 US2022028105
(87)【国際公開番号】W WO2022240684
(87)【国際公開日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】63/186,556
(32)【優先日】2021-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】チャン ヘンリー
(72)【発明者】
【氏名】藤代 真人
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067DD34
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE25
(57)【要約】
ここで説明される装置、システム、及び方法は、第1のディスカバリリソースプールが第1のタイプのディスカバリ送信に関連付けられ、第2のディスカバリリソースプールが第2のタイプのディスカバリ送信に関連付けられていることを示すディスカバリリソースプール構成情報を、基地局から受信する第1のユーザ機器(UE)装置を含む。第1のUE装置は、第1のタイプのディスカバリ送信を介した通信のために第1のディスカバリリソースプールを選択し、第2のタイプのディスカバリ送信を介した通信のために第2のディスカバリリソースプールを選択する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のディスカバリリソースプールが第1のタイプのディスカバリ送信に関連付けられ、第2のディスカバリリソースプールが第2のタイプのディスカバリ送信に関連付けられることを示すディスカバリリソースプール構成情報を基地局から受信するように構成された受信部と、
前記第1のタイプのディスカバリ送信を介した通信のために前記第1のディスカバリリソースプールを選択し、前記第2のタイプのディスカバリ送信を介した通信のために前記第2のディスカバリリソースプールを選択するように構成された制御部と、を備える第1のユーザ機器(UE)装置。
【請求項2】
前記受信部は、システム情報ブロック(SIB:System Information Block)メッセージングを介して、前記ディスカバリリソースプール構成情報を受信するように更に構成される、請求項1に記載の第1のUE装置。
【請求項3】
前記第1のディスカバリリソースプールは、データリソースプールとは別のディスカバリリソースプールである、請求項1に記載の第1のUE装置。
【請求項4】
前記第1のディスカバリリソースプールは、共有ディスカバリ及びデータリソースプールである、請求項1に記載の第1のUE装置。
【請求項5】
前記第1のタイプのディスカバリ送信は、要請されていないディスカバリ送信である、請求項1に記載の第1のUE装置。
【請求項6】
前記第1のタイプのディスカバリ送信は、要請されたディスカバリ送信である、請求項1に記載の第1のUE装置。
【請求項7】
前記受信部は、ディスカバリ応答のための前記第1のディスカバリリソースプールを監視するように更に構成される、請求項6に記載の第1のUE装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記ディスカバリリソースプール構成情報が、共有ディスカバリ及びデータリソースプールが特定のタイプのディスカバリ送信に関連付けられることを示しているかどうかに関わらず、第2のUE装置が、前記第1のUE装置により使用されるディスカバリ送信電力の情報を有するかどうかに基づいて、データリソースプールとは別のディスカバリリソースプールを選択するように更に構成される、請求項1に記載の第1のUE装置。
【請求項9】
前記第1のUE装置が前記基地局のカバレッジ内にあり、前記第2のUE装置は前記基地局のカバレッジ外にある、請求項8に記載の第1のUE装置。
【請求項10】
前記制御部により選択されたディスカバリリソースプールを用いてディスカバリ送信を行うように構成された送信部を更に備える、請求項1に記載の第1のUE装置。
【請求項11】
第1のユーザ機器(UE)装置であって、
第1のディスカバリリソースプールが第1のタイプのディスカバリ送信に関連付けられ、第2のディスカバリリソースプールが第2のタイプのディスカバリ送信に関連付けられることを示すディスカバリリソースプール構成情報を、基地局から受信し、前記第1のUE装置が第2のUE装置を介して前記基地局に接続しようとしているときに、前記第1のディスカバリリソースプールを監視するように構成された受信部と、
前記第1のタイプのディスカバリ送信に従って前記第1のディスカバリリソースプールを介して送信された少なくとも1つのディスカバリ送信を受信すると、1又は複数の候補中継UE装置のリストを作成し、前記リストから中継UE装置を選択する制御部と、
前記第1のUE装置が、前記第1のディスカバリリソースプールを介して少なくとも1つのディスカバリ送信を受信しない場合、前記第2のタイプのディスカバリ送信に従ってディスカバリ送信を行うように構成された送信部と、を備える第1のUE装置。
【請求項12】
前記受信部は、システム情報ブロック(SIB:System Information Block)メッセージングを介して前記ディスカバリリソースプール構成情報を受信するように更に構成される、請求項11に記載の第1のUE装置。
【請求項13】
前記第1のディスカバリリソースプールは、データリソースプールとは別のディスカバリリソースプールである、請求項11に記載の第1のUE装置。
【請求項14】
前記第1のディスカバリリソースプールは、共有ディスカバリ及びデータリソースプールである、請求項11に記載の第1のUE装置。
【請求項15】
前記第1のタイプのディスカバリ送信は、要請されていないディスカバリ送信である、請求項11に記載の第1のUE装置。
【請求項16】
前記第1のタイプのディスカバリ送信は、要請されたディスカバリ送信である、請求項11に記載の第1のUE装置。
【請求項17】
前記送信部は更に、前記要請されたディスカバリ送信が行われたのと同じディスカバリリソースプールを介してディスカバリ応答を送信するように構成される、請求項16に記載の第1のUE装置。
【請求項18】
前記第1のUE装置は前記基地局のカバレッジ外にあり、前記第2のUE装置は前記基地局のカバレッジ内にある、請求項11に記載の第1のUE装置。
【発明の詳細な説明】
【優先権の主張】
【0001】
本出願は、2021年5月10日に出願され、整理番号をTPRO 00361 USとし、「複数のディスカバリリソースタイプの共存処理」と題する、米国仮出願第63/186,556号の優先権を主張する。当該米国仮出願は、本出願の譲受人に譲渡されており、その全体は参照により明示的に本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、一般に無線通信に関し、より詳細には、無線通信装置間のディスカバリ送信に使用するディスカバリリソースの選択に関する。
【背景技術】
【0003】
サイドリンク中継機能は、カバレッジ外(OoC:out-of-coverage)にある遠隔ユーザ機器(UE:user equipment)装置が中継UE装置を介してgNB又は基地局に接続することを可能にする。
【発明の概要】
【0004】
ここで説明される装置、システム、及び方法は、第1のディスカバリリソースプールが第1のタイプのディスカバリ送信に関連付けられ、第2のディスカバリリソースプールが第2のタイプのディスカバリ送信に関連付けられていることを示すディスカバリリソースプール構成情報を、基地局から受信する第1のユーザ機器(UE)装置を有している。第1のUE装置は、第1のタイプのディスカバリ送信を介した通信のために第1のディスカバリリソースプールを選択し、第2のタイプのディスカバリ送信を介した通信のために第2のディスカバリリソースプールを選択する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1図1は、中継ユーザ機器(UE)装置が基地局と遠隔UE装置の間の中継器として機能するシステムの一例のブロック図である。
【0006】
図2A図2Aは、図1に示される基地局の一例のブロック図である。
【0007】
図2B図2Bは、図1に示されるユーザ機器装置の一例のブロック図である。
【0008】
図3図3は、遠隔UE装置がディスカバリ送信タイプに基づいて中継UE装置の選択/再選択を実行する一例の処理フロー図である。
【0009】
図4図4は、第1のUE装置が、第1のディスカバリリソースプールが第1のタイプのディスカバリ送信に関連付けられ、第2のディスカバリリソースが第2のタイプのディスカバリ送信に関連付けられていることを示すディスカバリリソースプール構成情報を基地局から受信する方法の一例のフローチャートである。プールは、第2のタイプのディスカバリ送信に関連付けられている。第1のUE装置は、第1のタイプのディスカバリ送信を介した通信のために第1のディスカバリリソースプールを選択し、第2のタイプのディスカバリ送信を介した通信のために第2のディスカバリリソースプールを選択する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
サイドリンク中継には、UE対ネットワーク(U2N:UE-to-Network)中継とUE対UE(U2U:UE-to-UE)中継という2つのタイプがある。U2N中継の場合、中継UEと遠隔UEの両方が基地局(例えばgNB)によって提供されるセルのカバレッジ内にある場合もあるが、他の場合には、図1の例に示されるように、中継UEがカバレッジ内にあり、遠隔UEがカバレッジ外(OoC)にある場合がある。したがって、U2N中継の場合、中継UEはセルのカバレッジ内にあり、セル内で無線サービスを提供するgNBに接続されている必要がある。U2U中継においてはそのような制限はない。したがって、U2U中継の場合、中継UEはセルのカバレッジ内又はOoCにあってもよい。
【0011】
U2N中継のコンテキストでは、両UEは、モデルA又はモデルBのいずれかのディスカバリ手順を使用して、中継選択及び再選択手順の一環として互いをディスカバリできる。モデルAディスカバリ手順では、遠隔UE又は中継UEのいずれかが、「私はここにいます」という送信で自分の存在をアナウンスできるが、応答は期待できない。モデルAディスカバリ手順中に送信されるディスカバリ送信は、ここでは「要請されてないディスカバリ送信」として参照される。
【0012】
モデルBディスカバリでは、UEの1つが「そこにいますか?」というリクエストを送信する。受信UEは、その存在をアナウンスすることで要求に応答することができる。モデルBディスカバリ手順中に送信されるディスカバリ送信は、ここでは「要請されたディスカバリ送信」として参照される。
【0013】
ディスカバリ手順における重要な要素の1つは、どのディスカバリリソースがディスカバリ送信に使用されるかを決定することである。一般に、UE装置がセルのカバレッジ内にある場合、ディスカバリリソースはセル内で無線サービスを提供するgNBによって制御されるべきである。UE装置がOoCである場合、UE装置は、事前設定されたディスカバリリソースを使用することができる。
【0014】
gNBがディスカバリリソースを提供する方法の1つは、ディスカバリリソースプールの使用である。ディスカバリリソースプールは、UEがディスカバリ送信に使用するために割り当てられた通信リソースのプールである。遠隔UEと中継UEの両方が、指定されたディスカバリリソースプールからの通信リソースを使用することができる。gNBは通常、システム情報ブロック(SIB:System Information Block)(例えば、SIB12)メッセージングを介してディスカバリリソースプール情報をUEに提供する。いくつかの例では、UEはセンシングを用いて、UEがディスカバリリソースプール内の同じリソースをすべて使用することを防止することができる。
【0015】
一般に、UEに提供され得るディスカバリリソースプールには2つのタイプがある。例えば、第1のタイプのディスカバリリソースプールは、共有ディスカバリ及びデータリソースプールであってもよく、その場合、通信リソースはディスカバリ送信とデータ送信の両方のために使用されることができる。第2のタイプのディスカバリリソースプールは、データリソースプール(例えば、データ送信のためのみに使用されるリソースを含むもの)とは分離された個別ディスカバリリソースプール(例えば、ディスカバリ送信のためのみに使用されるリソースを含むもの)である。いくつかの例では、ネットワークは、ディスカバリに1つタイプのリソースプールのみを使用することを決定することができる。しかしながら、他の例では、ネットワークは、各タイプのディスカバリリソースプールが独自の潜在的な利点があるため、共有ディスカバリリソースプールと個別ディスカバリリソースプールを同時に展開することが有利であると判断してもよい。
【0016】
例えば、共有ディスカバリ及びデータリソースプールを使用すると、ネットワークは、ディスカバリとデータ送信の両方に適用可能な1つのリソースプールを管理するだけでよい。より具体的には、単一のリソースプールを利用するネットワークは、(1)個別ディスカバリリソースプールとデータリソースプールを持つことによって生じる可能性のあるリソースの無駄を削減することができ、(2)個別ディスカバリプール及びデータリソースプールと同様に、共有ディスカバリ及びデータリソースプールを扱うための複雑さを軽減できるという利点がある。
【0017】
個別ディスカバリリソースプールとデータリソースプールを利用するネットワークには、以下のようなさまざまな利点があるかもしれない:データとディスカバリの送信間の衝突が減少する;データとディスカバリには異なる機能性(例えば、送信周期)があるため、別個の省電力スキームを有することにより消費電力を削減する;共有ディスカバリリソースプールが使用されるときに必要な複雑な電力制御なしで、固定のディスカバリ送信電力を使用できる;また、ディスカバリとデータ送信の間の優先順位の導入も、送信がディスカバリ用かデータ用かを識別する必要もない。
【0018】
しかしながら、両方のタイプのディスカバリリソースプールがネットワーク内に展開される場合、UEは、2つのタイプのリソースプールの間でどのように選択するかを理解する必要がある。どのディスカバリリソースプールを使用するかを選択する際にUEを導くための異なる解決策があるが、ここで説明される例は、一般に、UEがディスカバリのために使用するディスカバリ送信のタイプに基づいて、UEがディスカバリリソースプールを選択することに基づいている。
【0019】
ここで説明される装置、システム、及び方法は、第1のディスカバリリソースプールが第1のタイプのディスカバリ送信に関連付けられ、第2のディスカバリリソースプールが第2のタイプのディスカバリ送信に関連付けられていることを示すディスカバリリソースプール構成情報を、基地局から受信する第1のユーザ機器(UE)装置を含む。第1のUE装置は、第1のタイプのディスカバリ送信を介した通信のために第1のディスカバリリソースプールを選択し、第2のタイプのディスカバリ送信を介した通信のために第2のディスカバリリソースプールを選択する。いくつかの例では、カバレッジ外の第1のユーザ機器(UE)装置は、事前に構成された第1のディスカバリリソースプール及び第2のリソースプールに関連付けられたディスカバリリソースプールを使用することとしてもよい。
【0020】
ここで述べられる異なる例は、個別に議論される場合があるが、いずれの例のいずれの特徴も、いずれの他の例に追加され、他の例から削除され、又は他の例に組み合わせることができる。同様に、いずれの例のいずれの特徴も、並行して実施されてもよく、又、ここでの記載若しくは示されたものとは異なる方法/順序で実施されてもよい。
【0021】
図1は、中継ユーザ機器(UE)装置が、基地局と遠隔UE装置との間の中継器として機能するシステム100の一例のブロック図である。簡潔にするために、図1は、1つの中継UE装置102及び1つの遠隔UE装置104のみを示している。しかしながら、他の例では、任意の数の中継UE装置及び遠隔UE装置が使用されてもよい。図2Bに示されるように、ユーザ機器装置(UE)102は、制御部216、送信部218、受信部214、及びアンテナ212、並びに他の電子機器、ハードウェア、及びソフトウェアコードを備える。中継UE装置102は、ここでは中継UE又は中継無線通信装置(WCD:wireless communication device)とも参照される場合がある。UE102は、基地局106を介して無線アクセスネットワーク(不図示)に無線接続され、基地局106は、UE102に様々な無線サービスを提供する。図1に例示的に示すように、UE102は、3GPP 5G NR(3rd Generation Partnership Project 5G New Radio)通信仕様の少なくとも1つの改訂に従って動作する。他の例では、UE102は、他の通信仕様に従って動作してもよい。図1に例示的に示されるように、両方のUEは、図2BのUE102と同じ構成、回路、及び構成を有する。しかしながら、他の例において、図1のいずれかのUEは、UE102とは異なる構成、回路、及び構成を有してもよい。
【0022】
UE102は、ここで説明される機能を実行する任意の固定された、移動可能な、又は携帯可能な機器である。UE102を参照して述べられるブロックのさまざまな機能及び動作は、任意の数の装置、回路、又は要素で実装されていてもよい。2つ以上の機能ブロックが単一の装置に統合されていてもよく、任意の単一の装置で実行されるように述べられた機能は、複数の装置にわたって実装されていてもよい。
【0023】
制御部216は、ここで説明される機能を実行するためだけでなく、ユーザ機器装置のすべての機能をより効率的にするためのハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの任意の組み合わせを含む。適切な制御部216の例は、メモリに接続されたマイクロプロセッサ又はプロセッサ配列上で実行されるソフトウェアコードを含む。送信部218は、無線信号を送信するように構成された電子機器を含む。場合によっては、送信部218は複数の送信部を含んでもよい。受信部214は、無線信号を受信するように構成された電子機器を含む。場合によっては、受信部214は複数の受信部を含んでもよい。受信部214及び送信部218は、それぞれアンテナ212を介して信号を受信及び送信する。アンテナ212は、別個の送信アンテナと受信アンテナを含んでいてもよい。場合によっては、アンテナ212は複数の送信アンテナ及び受信アンテナを含んでいてもよい。
【0024】
図2Bの例における送信部218及び受信部214は、変調及び復調を含む無線周波数(RF:radio frequency)処理を実行する。したがって、受信部214は、低雑音増幅器(LNAs:low noise amplifiers)及びフィルタなどの構成を含むことができる。送信部218は、フィルタ及び増幅器を含むことができる。他の構成は、アイソレータ、整合回路、及び他のRF部品を含むことができる。これらの構成は、他の構成と組み合わせて、又は連携して、ユーザ機器装置の機能を実行する。必要な構成は、ユーザ機器装置により必要とされる特定の機能に依存してもよい。
【0025】
送信部218は変調器(不図示)を含み、受信部214は復調器(不図示)を含む。変調器は、送信部218によって送信される信号を変調するために、複数の変調次数のうちの任意の1つを適用することができる。復調器は、複数の変調次数のうちの1つに従って受信信号を復調する。
【0026】
明瞭かつ簡潔にするために、図1には1つの基地局だけが示されている。しかしながら、他の例では、任意の適切な数の基地局を利用することができる。図1の例では、基地局106は、カバーエリア108内のUEに無線サービスを提供する。明示的に示されていないが、カバーエリア108は複数のセルで構成されていてもよい。図1に示す例では、次のようになる。図1に例示的に示されるように、時にgNodeB又はgNBと参照される基地局106は、UE装置からアップリンクメッセージを受信することができ、UE装置にダウンリンクメッセージを送信することができる。
【0027】
基地局106は、既知の技術に従ってバックホール(不図示)を介してネットワークに接続される。図2Aに示されるように、基地局106は、制御部204、送信部206、受信部208、及びアンテナ210、並びに他の電子機器、ハードウェア、及びコードを備える。基地局106は、ここで説明される機能を実行する任意の固定された、移動可能な、又は携帯可能な機器である。基地局106を参照して説明されるブロックの様々な機能及び動作は、任意の数のデバイス、回路又は要素で実装することができる。2つ以上の機能ブロックは、単一のデバイスに統合されてもよく、任意の単一のデバイスで実行されるように述べられた機能は、複数のデバイスにわたって実装されてもよい。
【0028】
図2Aに例示的に示されるように、基地局106は、システム展開時に、特定の場所に設置される固定装置又は機器であってもよい。このような機器の例には、固定基地局又は固定送受信局が含まれる。場合によっては、基地局106は、特定の場所に一時的に設置される移動可能機器であってもよい。このような機器のいくつかの例には、発電機、ソーラーパネル、及び/又はバッテリーなどの発電機器を含むことのできる移動送受信局が含まれる。このような機器の、より大きくてより重いバージョンは、トレーラーで輸送されるかもしれない。更に他の場合では、基地局106は、特定の場所に固定されていない持ち運び可能な装置であってもよい。したがって、基地局106は、場合によってはUE装置などの携帯型ユーザデバイスであってもよい。
【0029】
制御部204は、ここで述べられる機能を実行するためだけでなく、基地局106のすべての機能をより効率的にするためのハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの任意の組み合わせを含む。適切な制御部204の例は、メモリに接続されたマイクロプロセッサ又はプロセッサ配列上で実行されるソフトウェアコードを含む。送信部206は、無線信号を送信するように構成された電子機器を含む。場合によっては、送信部206は複数の送信部を含んでもよい。受信部208は、無線信号を受信するように構成された電子機器を含む。場合によっては、受信部208は複数の受信部を含んでもよい。受信部208及び送信部206は、それぞれアンテナ210を介して信号を受信及び送信する。アンテナ210は、別個の送信アンテナと受信アンテナを含んでいてもよい。場合によっては、アンテナ210は複数の送信アンテナ及び受信アンテナを含んでいてもよい。
【0030】
図2Aの例における送信部206及び受信部208は、変調及び復調を含む無線周波数(RF)処理を実行する。したがって、受信部208は、低雑音増幅器(LNAs)及びフィルタなどの構成を含むことができる。送信部206は、フィルタ及び増幅器を含むことができる。他の構成は、アイソレータ、整合回路、及び他のRF部品を含むことができる。これらの構成は、他の構成と組み合わせて、又は連携して、ユーザ機器装置の機能を実行する。必要な構成は、ユーザ機器装置により必要される特定の機能に依存してもよい。
【0031】
送信部206は変調器(不図示)を含み、受信部208は復調器(不図示)を含む。変調器は、送信される信号を変調し、複数の変調次数のうちの任意の1つを適用することができる。復調器は、複数の変調次数のうちの1つに従って、基地局106で受信された任意のアップリンク信号を復調する。
【0032】
図1に例示的に示されるように、基地局106と中継UE装置102は、基地局とUE装置との間の無線インターフェースであるUuリンク110によって接続される。中継UE装置102及び遠隔UE装置104は、PC5リンク112によって接続される。PC5リンク112は、両UEが直接チャネルを介して互いに直接通信することを許容するインターフェースである。他の例では、他の適切なタイプの通信リンクがシステム100で利用されてもよい。
【0033】
運用中、中継UE装置102は、第1のディスカバリリソースプールが第1のタイプのディスカバリ送信に関連付けられ、第2のディスカバリリソースプールが第2のタイプのディスカバリ送信に関連付けられていることを示すディスカバリリソースプール構成情報を、そのアンテナ212及び受信部214を介して、基地局106から受信する。いくつかの例では、第1のディスカバリリソースプールは、データリソースプールとは別のディスカバリリソースプールである。他の例では、第1のディスカバリリソースプールは、共有のディスカバリ及びデータリソースプールである。どのディスカバリリソースプールが優先されるかにかかわらず、いくつかの例では、中継UE装置102は、システム情報ブロック(SIB)メッセージングを介して構成情報を受信する。
【0034】
中継UE装置102は、その制御部216を利用して、第1のタイプのディスカバリ送信を介した通信のために第1のディスカバリリソースプールを選択する。制御部216は、第2のタイプのディスカバリ送信を介した通信のために第2のディスカバリリソースプールを選択する。中継UE装置102は、複数のディスカバリリソースプールからディスカバリリソースプールを選択する。複数のディスカバリリソースプールのうちの少なくとも1つは、データリソースプールとは別のディスカバリリソースプールであり、複数のディスカバリリソースプールのうちの少なくとも1つは、共有ディスカバリ及びデータリソースプールである。
【0035】
いくつかの例では、ディスカバリリソースプール構成情報が、共有ディスカバリ及びデータリソースプールが特定のタイプのディスカバリ送信に関連付けられていることを示しているかどうかに関係なく、中継UE102の制御部216は、遠隔UE104が中継によって使用されるディスカバリ送信電力の情報を有するかどうかに基づいて、データリソースプールとは別のディスカバリリソースプールを選択するように更に構成される。例えば、場合によっては、共有ディスカバリ及びデータリソースプールが、ディスカバリ送信に使用されるように選択されてもよいが、中継UE102は、遠隔UE104が中継UE102によって使用されるディスカバリ送信電力を意識していないことを識別している(例えば、中継UE102が遠隔UE104にディスカバリ送信電力を通知していない場合、又は送信電力が固定されていない場合)。これらの場合、中継UE102が共有ディスカバリ及びデータリソースプールを事前に選択している可能性があるという事実にもかかわらず、中継UE102は、固定送信電力を有すべき個別ディスカバリリソースプールを使用することを許容されてもよい。いくつかの例では、遠隔UE104は、1又は複数の中継UEから受信したディスカバリ送信の信号強度に基づいて、どの中継UEをネットワークへの中継として選択するかを判断することができるため、この許容は重要である。
【0036】
中継UE102の制御部216がディスカバリリソースプールを選択すると、中継UE102はその送信部218及びアンテナ212を利用して、選択されたディスカバリリソースプールを利用してディスカバリ送信を行う。いくつかの例では、ディスカバリ送信は、要請されていないディスカバリ送信である。他の例では、ディスカバリ送信は、要請されたディスカバリ送信である。
【0037】
ディスカバリ送信が、第1のディスカバリリソースプールを介して送信される要請されたディスカバリ送信であるいくつかの例では、中継UE102の受信部214は、ディスカバリ応答のための第1のディスカバリリソースプールを監視するように構成される。したがって、これらの例では、ディスカバリ応答で、要請されたディスカバリ送信に応答するUEは、要請されたディスカバリ送信(例えば、ディスカバリクエリ)が送信された同じディスカバリリソースプールを使用するように構成されてもよい。このような構成の潜在的な利点の1つは、中継UE102が、ディスカバリ応答もまたディスカバリクエリが送信された同じディスカバリリソースプールタイプで送信されることを識別している場合、(例えば、電力を節約するために)1つのディスカバリリソースプールを監視するだけでよいことである。
【0038】
前述の例は、モデルA(例えば、非要請型)又はモデルB(例えば、要請型)ディスカバリが使用されるかどうかに基づいて、ディスカバリリソースプールがどのように分離され得るかを示している。例えば、いくつかの例では、モデルAは個別ディスカバリリソースプールを使用し、モデルBは共有ディスカバリリソースプールを使用できる。通常、モデルAディスカバリでは、中継UEは電力消費に対しての感度がより低いため、中継UEによって送信される定期的なアナウンスを使用する。逆に、モデルBディスカバリは、主に、遠隔UEによって使用され、遠隔UEはディスカバリ要請メッセージ(たとえば、ディスカバリクエリ)で中継関連情報を要求する。図3を用いて以下で更に詳しく説明されるように、もし遠隔UEがモデルBに従ってディスカバリ要請メッセージを送信していない場合、遠隔UEは、候補中継UEからディスカバリ送信を受信したい場合に備えて、モデルAディスカバリ受信用に別のディスカバリプールを監視する必要があるだけである。いくつかの例では、ディスカバリリソースプールは、それらが適用されるカテゴリ(例えば、モデルA/B、中継UE、又は遠隔UE)に構成され又は関連付けられていてもよい。
【0039】
図3は、遠隔UE装置がディスカバリ送信タイプに基づいて中継UE装置の選択/再選択を行う一例の処理フロー図である。処理300は、基地局106のカバレッジ外(OoC)にある遠隔UE104での302で開始する。304において、遠隔UE104は、遠隔UE104の上位層が遠隔UE104に基地局106に接続するように指示したかどうかを判定する。基地局106に接続する指示をしていない旨が受信された場合、処理300は302で継続する。遠隔UE104が接続する指示をした旨を受信し、中継UEを介して基地局106に接続しようとしている場合、処理300は306に進む。
【0040】
306において、遠隔UE104は、モデルAディスカバリのための個別ディスカバリリソースプールを監視する。308において、遠隔UE104により、1又は複数の中継UEからモデルAディスカバリ送信が受信された場合、遠隔UE104は、310において、遠隔UE104がモデルAディスカバリ送信を受信した1又は複数の候補中継UEのリストを作成する。いくつかの例では、リストは、受信されたモデルAディスカバリ送信ごとに遠隔UE104によって測定されたサイドリンクディスカバリ参照信号受信電力(SD RSRP:Sidelink Discovery Reference Signal Received Power)に基づいて順序付けされる。312で、遠隔UE104はリストから最良の候補中継UEを選択し、選択された中継UEに接続することになる。
【0041】
308においてモデルAディスカバリ送信が受信されない場合、遠隔UE104は、314において、共有ディスカバリリソースプールを介してモデルBディスカバリ送信(例えば、ディスカバリクエリ)を送信する。316において、遠隔UE104が1又は複数の中継UEからディスカバリ応答を受信した場合、遠隔UE104は、310において、候補中継UEのリストを作成し、312において、最良の候補中継UEに接続する。316において、ディスカバリ応答を受信しない場合、処理300は、306において、遠隔UE104がモデルAディスカバリ送信のための個別ディスカバリリソースを監視することを続ける。
【0042】
図4は、第1のUE装置が、第1のディスカバリリソースプールが第1のタイプのディスカバリ送信に関連付けられ、第2のディスカバリリソースが第2のタイプのディスカバリ送信に関連付けられていることを示すディスカバリリソースプール構成情報を基地局から受信する方法の一例のフローチャートである。第1のUE装置は、第1のタイプのディスカバリ送信を介した通信のために第1のディスカバリリソースプールを選択し、第2のタイプのディスカバリ送信を介した通信のために第2のディスカバリリソースプールを選択する。方法400は、ステップ402において、第1のUE装置が、第1のディスカバリリソースプールが第1のタイプのディスカバリ送信に関連付けられ、第2のディスカバリリソースプールが第2のタイプのディスカバリ送信に関連付けられていることを示すディスカバリリソースプール構成情報を、基地局から受信することから始まる。ステップ404において、第1のUE装置は、第1のタイプのディスカバリ送信を介した通信のために第1のディスカバリリソースプールを選択する。ステップ406で、第1のUE装置は、第2のタイプのディスカバリ送信を介した通信のために第2のディスカバリリソースプールを選択する。ステップ408で、第1のUE装置は、第1のUE装置によって選択されたディスカバリリソースプールを用いてディスカバリ送信を行う。他の例では、方法400のステップのうちの1つ以上が省略され、組み合せられ、並行して実行され、又はここで説明される若しくは図4に示される以外の異なる順序で実行されてもよい。更に別の例において、図4に示される例に関連する明示的に説明されていない追加のステップが方法400に追加されてもよい。
【0043】
明らかに、本発明の他の形態及び修正は、これらの教示を考慮すれば当業者には容易に想起されるであろう。上述の記載は、説明的なものであり、限定的なものではない。本発明は、上述の明細書及び添付の図面と併せて見たとき、すべてのそのような形態及び修正を含む特許請求の範囲によってのみ限定されるものである。したがって、本発明の範囲は、上記の説明を参照して決定されるべきではなく、その代わりに、添付の特許請求の範囲及びその均等物の全範囲を参照して決定されるべきである。
図1
図2A
図2B
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-12-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のユーザ機器(UE)装置であって、
個別ディスカバリリソースプールと共有ディスカバリリソースプールとを示すディスカバリリソースプール設定情報を含むシステム情報ブロック(SIB)メッセージを基地局から受信する受信部であって、前記個別ディスカバリリソースプールは、サイドリンクディスカバリ送信専用であり、前記共有ディスカバリリソースプールは、サイドリンクディスカバリ送信及びサイドリンクコミュニケーション送信の両方に共有される、受信部と、
前記サイドリンクディスカバリ送信のために前記個別ディスカバリリソースプールを選択する制御部と、を備える
第1のUE装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記個別ディスカバリリソースプールをモニタし、
前記個別ディスカバリリソースプールのモニタ結果が利用不能の場合、前記サイドリンクディスカバリ送信のために前記共有ディスカバリリソースプールを選択する
請求項1に記載の第1のUE装置。
【請求項3】
前記個別ディスカバリリソースプールは、第1のタイプのディスカバリ送信に関連付けられ、
前記共有ディスカバリリソースプールは、第2のタイプのディスカバリ送信に関連付けられ、
前記制御部は、
前記第1のタイプのディスカバリ送信を介する通信のために前記個別ディスカバリリソースプールを選択し、
前記第2のタイプのディスカバリ送信を介する通信のために前記共有ディスカバリリソースプールを選択する
請求項1に記載の第1のUE装置。
【請求項4】
前記個別ディスカバリリソースプールは、第1のタイプのディスカバリ送信に関連付けられ、
前記共有ディスカバリリソースプールは、第2のタイプのディスカバリ送信に関連付けられ、
前記受信部は、前記第1のUE装置が第2のUE装置を介して前記基地局に接続しようとしているときに、前記個別ディスカバリリソースプールをモニタし、
前記制御部は、
前記第1のタイプのディスカバリ送信に従って前記個別ディスカバリリソースプールを介して送信された少なくとも1つのディスカバリ送信を受信すると、1又は複数の候補中継UE装置のリストを作成し、
前記リストから中継UE装置を選択し、
前記第1のUE装置は、前記第1のUE装置が、前記個別ディスカバリリソースプールを介して少なくとも1つのディスカバリ送信を受信しない場合、前記第2のタイプのディスカバリ送信に従ってディスカバリ送信を行う送信部をさらに備える
請求項1に記載の第1のUE装置。
【請求項5】
前記第1のタイプのディスカバリ送信は、要請されていないディスカバリ送信である
請求項3に記載の第1のUE装置。
【請求項6】
前記第1のタイプのディスカバリ送信は、要請されたディスカバリ送信である
請求項3に記載の第1のUE装置。
【請求項7】
前記制御部は、第2のUE装置が、前記第1のUE装置により使用されるディスカバリ送信電力の情報を有するかどうかに基づいて、前記個別ディスカバリリソースプールを選択する
請求項3に記載の第1のUE装置。
【請求項8】
前記第1のUE装置が前記基地局のカバレッジ内にあり、
前記第2のUE装置は前記基地局のカバレッジ外にある
請求項7に記載の第1のUE装置。
【請求項9】
前記制御部により選択されたディスカバリリソースプールを用いてディスカバリ送信を行う送信部をさらに備える
請求項3に記載の第1のUE装置。
【請求項10】
前記第1のタイプのディスカバリ送信は、要請されていないディスカバリ送信である
請求項4に記載の第1のUE装置。
【請求項11】
前記第1のタイプのディスカバリ送信は、要請されたディスカバリ送信である
請求項4に記載の第1のUE装置。
【請求項12】
前記送信部は、前記要請されたディスカバリ送信が行われたのと同じディスカバリリソースプールを介してディスカバリ応答を送信する
請求項11に記載の第1のUE装置。
【請求項13】
前記第1のUE装置が前記基地局のカバレッジ外にあり、
前記第2のUE装置は前記基地局のカバレッジ内にある
請求項4に記載の第1のUE装置。
【国際調査報告】