(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-23
(54)【発明の名称】VTOLビークルのためのラッチングシステム(Latching System)および方法
(51)【国際特許分類】
B64U 70/20 20230101AFI20240416BHJP
B64U 50/34 20230101ALI20240416BHJP
B64U 10/13 20230101ALI20240416BHJP
B64U 10/60 20230101ALI20240416BHJP
B64U 80/25 20230101ALI20240416BHJP
【FI】
B64U70/20
B64U50/34
B64U10/13
B64U10/60
B64U80/25
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023569799
(86)(22)【出願日】2022-05-09
(85)【翻訳文提出日】2024-01-09
(86)【国際出願番号】 IL2022050478
(87)【国際公開番号】W WO2022238995
(87)【国際公開日】2022-11-17
(32)【優先日】2021-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523423632
【氏名又は名称】ガドフィン リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147762
【氏名又は名称】藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】レゲヴ,エヤル
(57)【要約】
無人航空ビークル(UAV)をラッチするためのシステムは、ミッションを実施するための第1のUAVであって、ラッチ可能な構造体を備えて構成されている、第1のUAVと;ミッションを実施する際に第1のUAVを支援するためにラッチング機構に接続されている第2のUAVと;ミッションを実施する際に第1のUAVを支援するために、第2のUAVを第1のUAVに向けて派遣するための、および、空中でラッチング機構と第1のUAVのラッチ可能な構造体とのラッチングを命令するためのコントローラとを有している。UAV着陸方法では、ラッチング機構から延在するケーブルが着陸プラットフォームに移動可能に接続されている状態で、第2のUAVが、第1のUAVに向けて派遣され;ラッチング機構が、第1のUAVのラッチ可能な構造体にラッチされた状態になり;ラッチング機構から着陸プラットフォームへのケーブルの長さを低減させることによって、第1のUAVが、着陸プラットフォームに着陸させられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人航空ビークル(UAV)をラッチするためのシステムであって、ミッションを実施するように適合されている第1のUAVであって、ラッチ可能な構造体を備えて構成されている、第1のUAVと;前記ミッションを実施する際に前記第1のUAVを支援するように適合されている第2のUAVであって、ラッチング機構に除去不可能に接続されている、第2のUAVと;前記ミッションを実施する際に前記第1のUAVを支援するために、前記第2のUAVを前記第1のUAVに向けて派遣するように、および、空中で前記ラッチング機構と前記第1のUAVの前記ラッチ可能な構造体とのラッチングを命令するように動作可能なコントローラとを含む、システム。
【請求項2】
前記第2のUAVは、前記第1のUAVよりもかなり小さく、バッテリなしで給電される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
地上ステーションに移動可能に接続されているケーブルが、前記第2のUAVまで延在し、前記第2のUAVに給電する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ラッチング機構は、着陸プラットフォームの上に着陸する際に前記第1のUAVを支援するように適合されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記ケーブルは、前記着陸プラットフォームに装着されているスプールに巻き付けられており、着陸操縦の間に前記スプールから前記ラッチング機構への前記ケーブルの長さを低減させるために、前記スプールに動作可能に接続されているウィンチは、ラッチング動作に続いて活性化可能である、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記ラッチ可能な構造体は、前記第1のUAVの下表面から下向きに延在しており、前記ラッチ可能な構造体の少なくとも1つのバーが、前記下表面から下向きに離隔されるようになっている、請求項3に記載のシステム。
【請求項7】
前記ラッチング機構は、それとのラッチング動作を開始させるために、前記ラッチ可能な構造体によって接触されると降伏してその形状を変化させる要素を備えて構成されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記コントローラは、前記第1のUAVが前記地上ステーションから所定の距離未満で離れているときに、前記ラッチ可能な構造体の前記少なくとも1つのバーと前記ラッチング機構の前記降伏要素との間の強制的な接触を引き起こすように、前記第1のUAVの動作を命令するように動作可能である、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記ラッチング機構は、スプリング荷重式の内向きに枢動するラッチを提供されているフックと、前記フックから前記第2のUAVのハブへ下向きに延在しているポストとを含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記第2のUAVの前記ラッチング機構は、マルチリンクコネクタであり、前記マルチリンクコネクタは、ラッチされる前に上向き湾曲した配設で維持されており、ラッチされるときに前記ラッチ可能な構造体の前記少なくとも1つの下向きに離隔されたバーを包含するように構成されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項11】
前記ケーブルは、ホースをさらに含み、ラッチング動作に続いて前記第1のUAVの中へ注入可能な燃料が、前記ホースを通って流れることができる、請求項3に記載のシステム。
【請求項12】
UAV着陸方法であって、ラッチング機構に除去不可能に接続されている護衛UAVを着陸開始UAVに向けて派遣するステップであって、前記ラッチング機構から延在するケーブルが、着陸プラットフォームに移動可能に接続されている、ステップと;前記ラッチング機構を前記着陸開始UAVのラッチ可能な構造体にラッチさせるステップと;前記ラッチング機構から前記着陸プラットフォームへの前記ケーブルの長さを低減させることによって、前記着陸開始UAVを前記着陸プラットフォームに着陸させるステップとを含む、UAV着陸方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空ビークルの分野に関する。より詳細には、本発明は、VTOLビークルのためのラッチングシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
垂直方向の離陸および着陸(vertical take-off and landing、VTOL)操縦を受ける無人航空ビークル(unmannded aerial vehicles、UAV)など航空ビークルは、回転翼ビークルであっても、または、固定翼ビークルであっても、天候の乱れ、たとえば、航空機の制御に悪影響を与える可能性のある強風または降水の存在に起因して、所望の小面積の場所に正確に着陸することが困難であることが多い。これらの困難性は、トラックまたは船のものなど移動するプラットフォームの上に着陸することが望まれるときに悪化される。
【0003】
航空機を着陸プラットフォームにラッチ(latch)させ、ラッチされた航空機を着陸プラットフォームに引き寄せることによって、着陸操縦の間の天候の乱れの影響を軽減するために、いくつかの試みが行われてきた。しかし、そのようなラッチング動作を実施するために、専用のおよび高価な装置が必要とされる。このアプローチの他の不利益は、航空機に結び付けられているかまたはその他の方法で固定されている物体に対して、着陸プラットフォームに配備されているラッチング手段をターゲットにすることの困難性、および、この物体をラッチング手段に接続することの困難性に関係する。着陸プラットフォームが3次元の移動を受けるとき(たとえば、船上プラットフォーム)、そのようなラッチング動作は、実施するのがほとんど不可能であり、また、航空機の物体に結び付けられたケーブルが地上ステーションの固定具と絡まる場合には、航空機に対して安全上の問題を生じさせる。
【0004】
本発明の目的は、VTOLビークルの正確な着陸を保証するための改善されたシステムおよび方法を提供することである。
【0005】
本発明の別の目的は、着陸プラットフォームが運動中であるときでも、着陸の前にVTOLビークルの信頼性の高いラッチングを保証するためのシステムおよび方法を提供することである。
【0006】
本発明の別の目的は、VTOLビークルの安全な着陸を保証するためのシステムおよび方法を提供することである。
【0007】
本発明の他の目的および利点は、説明が進むにつれて明らかになろう。
【発明の概要】
【0008】
無人航空ビークル(UAV)をラッチするためのシステムは、ミッション(mission)を実施するように適合されている第1のUAVであって、ラッチ可能な構造体を備えて構成されている、第1のUAVと;ミッションを実施する際に第1のUAVを支援するように適合されている第2のUAVであって、ラッチング機構に除去不可能に接続されている、第2のUAVと;ミッションを実施する際に第1のUAVを支援するために、第2のUAVを第1のUAVに向けて派遣するように、および、空中でラッチング機構と第1のUAVのラッチ可能な構造体とのラッチングを命令するように動作可能なコントローラとを含む。
【0009】
第2のUAVは、第1のUAVよりもかなり小さく、バッテリなしで、たとえば、地上ステーションに移動可能に接続されているケーブルが、第2のUAVまで延在し、第2のUAVに給電するときなどに給電されるときに、効率的なラッチング動作が可能にされる。
【0010】
好ましくは、ラッチ可能な構造体は、好ましくは、第1のUAVの下表面から下向きに延在しており、ラッチ可能な構造体の少なくとも1つのバーが、下表面から下向きに離隔されるようになっており、ラッチング機構は、それとのラッチング動作を開始させるために、ラッチ可能な構造体によって接触されると降伏してその形状を変化させる要素を備えて構成されている。コントローラは、第1のUAVが地上ステーションから所定の距離未満で離れているときに、ラッチ可能な構造体の少なくとも1つのバーとラッチング機構の降伏要素との間の強制的な接触を引き起こすように、第1のUAVの動作を命令するように動作可能である。
【0011】
1つの態様では、ラッチング機構は、スプリング荷重式の内向きに枢動するラッチを提供されているフックと、フックから第2のUAVのハブへ下向きに延在しているポストとを含む。
【0012】
1つの態様では、第2のUAVのラッチング機構は、マルチリンクコネクタであり、マルチリンクコネクタは、ラッチされる前に上向き湾曲した配設で維持されており、ラッチされるときにラッチ可能な構造体の少なくとも1つの下向きに離隔されたバーを包含するように構成されている。
【0013】
1つの態様では、ラッチング機構は、着陸プラットフォームの上に着陸する際に第1のUAVを支援するように適合されており、それによって、ケーブルは、着陸プラットフォームに装着されているスプール(spool)に巻き付けられており、着陸操縦の間にスプールからラッチング機構へのケーブルの長さを低減させるために、スプールに動作可能に接続されているウィンチ(winch)は、ラッチング動作に続いて活性化可能である。
【0014】
1つの態様では、ケーブルは、ホースをさらに含み、ラッチング動作に続いて第1のUAVの中へ注入可能な燃料が、ホースを通って流れることができる。
【0015】
UAV着陸方法は、ラッチング機構に除去不可能に接続されている護衛UAVを着陸開始UAVに向けて派遣するステップであって、前記ラッチング機構から延在するケーブルが、着陸プラットフォームに移動可能に接続されている、ステップと;前記ラッチング機構を前記着陸開始UAVのラッチ可能な構造体にラッチさせるステップと;前記ラッチング機構から着陸プラットフォームへのケーブルの長さを低減させることによって、前記着陸開始UAVを着陸プラットフォームに着陸させるステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】UAVラッチングシステムの実施形態の概略図である。
【
図2】
図1のシステムとともに使用可能なラッチング機構の正面斜視図である。
【
図3】
図2のラッチング機構を装備している護衛UAVの上面斜視図である。
【
図4】
図3の護衛UAVによって着陸動作を実施するための方法である。
【
図6】空中バッテリ交換を実施するための方法である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
ラッチされたVTOL操縦による、移動するプラットフォームの上への航空ビークルの着陸は、移動するプラットフォームと無人航空ビークル(UAV)を整合およびラッチさせる必要性に起因して、困難である。風または波の方向の変化によって引き起こされるうねり運動、ロール運動、およびピッチ運動に応答して、着陸プラットフォームが2つ以上の方向への移動を行うとき(たとえば、船上プラットフォームなど)、信頼性高く着陸するための能力は、大幅に制限される。多くの場合、移動するプラットフォームの上に配備されているラッチング手段は、上手くターゲットにされることができず、UAVは、着陸を失敗し、たとえば、船と衝突したり、または、海に落下したりもする。
【0018】
移動する着陸プラットフォームの影響は、空中で着陸開始UAVとラッチされるように構成されている護衛UAVを用いることによって、軽減されるかまたは完全に排除されることが可能であることが現在では発見されている。着陸開始UAVが移動するプラットフォームと上手くラッチされないことになるリスクにさらされる代わりに、着陸開始UAVは、空中で護衛UAVと確実にラッチされることになり、次いで、着陸プラットフォームに引き寄せられることになる。
【0019】
護衛UAVの使用は、他のミッションに対しても有用性がある。
【0020】
図1は、1つの実施形態による、プラットフォーム1の上への着陸操縦の前にUAVをラッチさせるためのシステム10を図示しており、システム10は、自律的であることが可能である。ラッチングシステム10は、着陸開始UAV5およびより小さな護衛UAV15を含み、護衛UAV15は、着陸操縦の間に着陸開始UAV5を支援するように適合されている。
【0021】
護衛UAV15は、電気モータによって駆動される小さなサイズの航空機、たとえば、クワッドコプタであり、それは、ケーブル16によって地上ドッキングステーション11に恒久的に繋がれており、約1.5kgの最大離陸重量(MTOW)を有することが可能であり、一方では、最大で30ノットの横風に耐えることができる。護衛UAV15の推定運搬重量は、ケーブル16の最大で0.5kgであることが可能であり、ケーブル16は、一般的に、データおよび制御コマンドを移送するように適合されている光ファイバ通信ケーブルおよび電力ケーブルを含む。護衛UAV15のMTOWは、そのモータが電力ケーブルを通して給電される間に、機上にバッテリを装備していないことによって、そのような低い重量において維持されることが可能である。ケーブル16の典型的な長さは、最大で10mである。伸長可能なアームとは対照的にケーブル16によってドッキングステーション11に繋がれていることに起因して、護衛UAV15の空中安定性が、有利に維持されることが可能である。
【0022】
バッテリレスの護衛UAV15は、オートパイロットによってガイドされ、オートパイロットは、リアルタイムキネマティック(RTK)の正確なGPSベースのナビゲーションデバイスを装備しており、それは、着陸開始UAV5に対して1cmの精度で、それが相対的GPS(RGPS)能力を有することを可能にする。
【0023】
護衛UAV15の中央ハブは、ラッチング機構18に除去不可能に接続されている。ケーブル16は、ラッチング機構18から延在するように示されており、その第1の端部は、たとえばスプール19によって、ドッキングステーション11に移動可能に接続されており、スプール19は、着陸プラットフォームの中に形成されたアパーチャ9を介して、着陸プラットフォーム1の底面に装着されており、または、代替的にその上側面に装着されており、その周りにケーブルが巻き付けられる。スプール19に動作可能に接続されているウィンチWが、ケーブル16の伸長または後退を制御する。
【0024】
着陸開始UAV5は、頑丈な下向きに延在しているラッチ可能な構造体7を備えて構成されており、それは、2つの離隔されたバー2および3と、1つまたは2つの相互接続バー4とを備えて、U字形状であるように示されており、2つの離隔されたバー2および3は、下向きに延在しており、随意的には、UAV5の下表面8から斜めに延在しており、1つまたは2つの相互接続バー4は、バー2および3の端部から延在しており、互いに接続されており、図示されているU字形状の構成を形成するようになっているが、それは、同様に任意の他の適切なラッチ可能な形状をとることも可能である。
【0025】
飛行の間に、ドッキングステーション11は、着陸開始UAV5と通信し、したがって、そのリアルタイム場所、および、ドッキングステーションに着陸するその意図を知る。着陸開始UAV5がドッキングステーション11から所定の距離未満で離隔されており、着陸操縦が開始されるとき、護衛UAV15は、着陸開始UAV5に向けて派遣され、着陸開始UAV5は、一般的に、搭載GPSシステムによって決定されるように、最大で10mの(たとえば、3mの)着陸プラットフォーム1の上方の一定の高度においてホバリングしている。制御コマンドは、派遣動作の間に、ドッキングステーション11から護衛UAV15のオートパイロットにケーブル16を介して送信され、護衛UAVが、衝突を防止するためにU字形状のラッチ可能な構造体7に下方から接近することになるようになっており、その後に、ラッチング動作を実施することになるようになっており、それによって、ラッチング機構18は、構造体7と係合関係に設定される。UAV15は、着陸プラットフォーム1に繋がれた後に、プラットフォームに向けて引っ張られ、安全な着陸を保証する。
【0026】
着陸プラットフォーム1の付近に配備されているコントローラ20は、着陸開始UAV5および護衛UAV15の動作を調和させる。コントローラ20は、護衛UAV15に搭載されて装着されることも可能であり、そのさまざまなモータおよびコンポーネントの制御された活性化および非活性化を支配する。代替的に、コントローラ20は、静止していることが可能であり、着陸プラットフォーム1の上に装着されるか、または、着陸プラットフォームの上にもしくはドッキングステーションの上に構築された構造体の中に装着されることが可能であり、UAV15のモータおよびコンポーネントとワイヤレス通信をしていることが可能である。
【0027】
着陸開始UAV5の動作を支配するために、コントローラ20は、着陸開始UAV5がドッキングステーション11から所定の距離未満で離隔されると、ハンドシェイク信号の要求をワイヤレスで送信するように構成されることが可能である。ドッキングステーション11は、着陸開始UAV5のリアルタイム場所を追跡し、この情報によってコントローラ20を更新する。着陸開始UAV5からコントローラ20へのハンドシェイク信号の送信に続いて、それに応答して、コントローラは、UAV5のモータおよびコンポーネントを一時的に引き継ぎ、次いで、着陸開始UAV5に向けて護衛UAV15を派遣する。コントローラ20は、UAV15のラッチング機構18がUAV5の構造体7と係合した関係に設定されるまで、着陸開始UAV5および護衛UAV15の一方または両方の制御された変位を命令し、その後に、着陸開始UAV5のモータは、非活性化させられた状態になるように命令される。
【0028】
コントローラ20は、同様に、他の方式でも着陸開始UAV5の動作を支配することが可能であることを理解されたい。
【0029】
図2は、1つの実施形態によるラッチング機構38を図示している。この実施形態では、ラッチング機構38は、フック36であり、フック36は、スプリング荷重式の内向きに枢動するラッチ39を提供されており、それは、約20cmの長さを有することが可能であり、実質的に垂直方向に配向されることが可能である。ラッチ39は、ラッチ可能な構造体によって接触されるときに降伏するように適合されており、軸線32の周りにフック36の内部33の中へ内向きに枢動するように促される。ラッチ可能な構造体のバーが、それがラッチ39とフック36の内側表面との間に離隔されるように、フック内部33の中へ十分に導入されるとき、ラッチに印加された力は解放され、ラッチは、軸線32の周りに外向きに枢動され、その角度変位は、ラッチがその元の位置に戻るまで、リップ31によって制限される。
【0030】
ラッチ39は、概略的に図示されているRGPSセンサ29を備えて構成されることが可能であり、それは、コントローラ20(
図1)とデータ通信しており、また、着陸開始UAV5の上に装着されている(たとえば、ラッチ可能な構造体7のバーのうちの1つの中に収容されているなど)相手方のRGPSセンサとデータ通信しており、UAV5への相対的距離を検知する。
【0031】
ラッチ可能な構造体によって接触されると降伏してその形状を変化させる要素を備えて構成されている任意の他の適切なラッチング機構が、用いられることも可能であることを理解されたい。
【0032】
たとえば、ラッチング機構は、マルチリンクコネクタによって具現化されることが可能であり、マルチリンクコネクタは、ケーブルの第2の端部から延在しており、複数の直列に延在するリンク(たとえば、5つのリンク)を含み、その合計の長さは、40cmであり、コネクタのそれぞれのジョイントは、2つの隣接するリンクと相互接続されているが、任意の他の数のリンクも、本発明の範囲内にある。リンクは、護衛UAVの高さの上方に上向きに延在する上向き湾曲した配設にコネクタが常に維持されるように相互接続されており、護衛UAVが着陸開始UAVに向けて飛行している間に、そのコネクタが空中に浮いているように見える外観を提供するようになっている。末端リンクは、第1の磁石を提供されることが可能であり、ケーブル隣接リンクは、第2の磁石を提供されることが可能である。ラッチ可能な構造体とコネクタとの間の強制的な接触に続いて、さまざまなリンクは、第1および第2の磁石が一緒に連結されるまで、角度的に変位されるように促され、ラッチ可能な構造体の1つまたは2つの相互接続をコネクタに包含させる。電気機械的なロックは、ラッチング動作に続いて、末端リンクおよびケーブル隣接リンクを一緒にロックするように作動されることが可能である。
【0033】
図3は、ラッチング機構38を装備している例示的な護衛UAV45を図示している。たとえば約20cmの長さを有している短いポール42は、護衛UAV45のハブ41から、ハブ41の上方に位置特定されているラッチング機構38へ延在しており、そのプロペラ47との干渉なしにラッチング動作を促進させる。ケーブル16は、ポール42から(または、ハブ41から)下向きに延在しており、それぞれのプロペラを取り囲む垂直長手方向軸線を有する円筒形状のシールド49によって、着陸動作の間にプロペラ47のいずれかと絡み合うことを防止される。
【0034】
図4は、
図3の護衛UAV45によって着陸動作を実施するための方法の実施形態を図示している。
【0035】
ステップ52において、着陸開始UAVが所定の距離未満でドッキングステーションから分離されていることを、ドッキングステーションが決定した後に、コントローラは、ステップ54において、着陸プラットフォームから離昇した後に、RPGPSセンサの支援によって、着陸開始UAVに向けて派遣されるように、護衛UAVに命令する。コントローラが、ステップ56において、着陸開始UAVと護衛UAVとの間の所定の近接性(たとえば、最大で10m)を識別するとき、着陸開始UAVは、ステップ58において、ラッチング動作を開始させるために、ラッチ可能な構造体が
図3に示されているラッチング機構38のラッチ(または、任意の他の適切なラッチング機構の降伏要素)に強制的に接触するまで、加速するように命令される。コントローラは、ラッチ可能な構造体によって提供されるタッチセンサによって、および、着陸開始UAVとコントローラとの間の対応する信号の送信によって、ラッチ可能な構造体とラッチング機構のラッチとの間に強制的な接触が行われたことを決定し、ラッチング動作の完了時に、ステップ62において、その代わりに加速を停止するように着陸開始UAVに命令する。
【0036】
次の段階では、着陸動作が開始される。着陸開始UAVおよび護衛UAVが一緒にラッチされている間に、護衛UAVを着陸プラットフォームに接続しているケーブルは、ホバリングしている間に着陸開始UAVが一定の揚力を発生させるように命令されるときに、および、同時にウィンチが活性化させられるときに、ステップ64において、張力をかけられる。ケーブルは張力をかけられたままであるので、それは、ウィンチと絡み合う状態になることを防止される。スプールの適切な回転は、ステップ66において、スプールとラッチング機構との間のケーブル長さを低減させることによって、限られたパワーで着陸プラットフォームに向けて着陸開始UAVを引き寄せる。
【0037】
ケーブル長さが十分に低減されるとき、着陸開始UAVは、着陸プラットフォームに接近し、次いで、ステップ68において、着陸開始UAVの少なくとも一部分は、着陸プラットフォームの中に形成されたアパーチャを通過し、それは、前記部分を収容して支持するように構成されている。たとえば、アパーチャは、複数の領域を有しており、そのそれぞれは、着陸開始UAVの対応する回転翼、および、ラッチされた護衛UAVの回転翼の輪郭よりもわずかに大きい。代替的に、アパーチャは、回転翼のすべてを取り囲む単一の円錐形状のアパーチャであることも可能である。専用の用具が、その後に着陸プラットフォームにおいてラッチング機構のラッチに強制的に接触するとき、および、護衛UAVが、その後に、たとえば、特殊なリギング(rigging)または可動床表面などによって横方向に制御可能に移動されるときに、ラッチング機構は、ステップ70において、その後の離陸手順を予期して、ラッチ可能な構造体から解除される。
【0038】
他の実施形態において、護衛UAVは、一緒にラッチされた後に他のUAV(以降では「メインUAV」)が他の空中ミッションを実施するのを支援することができる。コントローラは、メインUAVおよび護衛UAVの動作を調和させるように動作可能であり、本明細書で説明されているそれぞれのミッションの信頼性の高い実施を保証する。
【0039】
以下の説明はUAVに関するものであるが、主な航空ビークルは、無人であるかまたは有人であるかにかかわらず、任意のVTOL航空機(たとえば、マルチ回転翼、ヘリコプタ、および、VTOL能力を備えた固定翼航空機など)であることが可能であることを理解されたい。
【0040】
本発明のラッチング動作によって可能となる1つの追加的なミッションは、
図5に図示されているように、空中給油においてメインUAVを支援することである。したがって、メインUAVがステップ72においてホバリングしている間に、護衛UAVは、ステップ74において、
図1のラッチ可能な構造体7によって、または、その後に空中給油動作を実施するためにインターフェース接続される必要のあるメインUAV領域に隣接するものなど任意の他の適切なラッチ可能な構造体によって、メインUAVとラッチされた状態になる。この実施形態では、ドッキングステーションに接続されているケーブルは、中空であり、外側ケーブル層に概して固定的に取り付けられている内側ホースを含み、それを通って、メインUAVによって必要とされる燃料が流れることができる。護衛UAVに給電するための電力ケーブル、ならびに、データおよび制御コマンドを護衛UAVに移送するように適合されている光ファイバ通信ケーブルは、たとえば、ケーブルおよび/またはホースが電気隔離材料から作製されているときなどに、ホースを通って流れる燃料から適切に隔離されながら、外側ケーブル層の中に埋め込まれることが可能である。代替的に、護衛UAVのモータは、搭載バッテリによって給電され、リモートワイヤレスコマンドによって制御されることが可能である。
【0041】
ラッチング機構がラッチング構造体の相互接続バーを囲み、ケーブルが相互接続バーの長さに沿って自由に変位されることが可能であるラッチング動作に続いて、追加的なラッチング動作が実施され、ケーブルを中心に置き、メインUAVによって提供される固定インターフェース要素とケーブルを連結する。この追加的なラッチング動作では、コントローラとデータ通信するアームが、たとえば、電磁アクチュエータによって、または、機械的な係合によって、ケーブルの末端端部をインターフェース要素に向けて再方向付けし、末端端部をインターフェース要素と連結させる。インターフェース要素は、突出要素であることが可能であり、突出要素は、メインUAVの本体部要素から突出しており、メインUAVの流体タンクに流体連通している他の見えない端部においてノズルを装備している。ホースのメス型端部は、突出要素を囲むようにアームによって再方向付けされると、たとえば、スプリング荷重式の解放可能な配置などによって、突出要素と機械的に係合されるようになる。代替的に、ホースの末端端部は、ノズルを提供されることが可能であり、流体タンクに流体連通しているメインUAVのインターフェースキャビティの中へ挿入されることをアームによって引き起こされることが可能である。
【0042】
U字形状のラッチ可能な構造体と組み合わせたラッチング動作を必要とすることなく、アーム支援ラッチング動作のみが実施されることが可能であることを理解されたい。
【0043】
複数の相互接続されたリンク、伸縮式本体部、および/または、枢動方向に接続されているエンドエフェクタを備えて構成され得るアームは、メインUAVケーシングに移動可能に接続されることが可能であり、タッチセンサ、RGPSセンサ、および画像処理センサなど適切なセンサを装備していることが可能であり、それは、コントローラとデータ通信しており、ステップ76において、ホースの末端端部を適切に位置特定するように適合されており、そうすると、アームは、ステップ78において、末端端部と係合されるようになり、または、それと力を伝達する関係になり、ステップ80において、それをインターフェースキャビティの中へ再方向付けし、次いで、ステップ82において、コントローラが、ホース、ノズル、および燃料タンクを通した燃料の注入を命令する。代替的に、アームは、護衛UAVケーシングまたはハブに移動可能に接続されることが可能である。
【0044】
本発明のラッチング動作によって可能にされる別のミッションは、空中再充電を実施するためにメインUAVを支援することである。この実施形態では、ドッキングステーションに装着された充電器に電気的に接続されている導体が、ケーブルの中に埋め込まれている。電気的接続は、ステップ80において、ホースの末端端部がインターフェース要素と連結されるときに、メインUAVバッテリによって行われることが可能であり、そうすると、充電器は、ステップ84において、メインUAVバッテリが十分に充電されるまで、選択的に動作される。護衛UAVに給電するための電力ケーブル、ならびに、データおよび制御コマンドを護衛UAVに移送するように適合されている光ファイバ通信ケーブルは、外側ケーブル層の中に埋め込まれることが可能であり、または、そうでなければ、充電器に接続された導体から分離されることが可能である。
【0045】
本発明のラッチング動作によって可能にされる別のミッションは、
図6に図示されているように、空中バッテリ交換においてメインUAVを支援することである。護衛UAVのペイロードが新しく充電されたバッテリを含み、メインUAVがステップ72においてホバリングしているときに、メインUAVバッテリにおける残りの充電量を動的に検出するように構成されている、メインUAVに搭載されたセンサが、ステップ86において、充電レベルが所定の閾値未満に降下したことでコントローラを更新するとき、護衛UAVが派遣される。このステップは、当然のことながら、空中再充電ミッションにも適用可能である。ステップ88におけるラッチング動作に続いて、コントローラとデータ通信する以前に説明されたアームは、ステップ90において、消耗したバッテリをメインUAVから取り外し、ステップ92において、護衛UAVのプラットフォームの上にそれを位置決めするように適合されている。次いで、アームは、ステップ94において、新しく充電されたバッテリを護衛UAVのペイロードからメインUAVのソケットへ移送し、そこで、それは、電気的に連結される。アームが、その後に、ステップ96において、消耗したバッテリをプラットフォームから護衛UAVのペイロードへ移送し、次いで、消耗したバッテリを連結する。バッテリは、移送動作を促進させるために可動アームがそれと力を伝達する関係にある適切なコンポーネントを備えて構成されることが可能である。
【0046】
ペイロードを地上ドッキングステーションから空中メインUAVへ移送することが望まれるときに、同様の装置が用いられることが可能である。
【0047】
空中ラッチング動作を実施することによって、上記に説明されているミッションのいずれかを実施するためにドッキングステーションに着陸しなければならないメインUAVの必要性を回避する点において、貴重な時間および資源が、有利に節約されることが可能である。
【0048】
本発明のいくつかの実施形態が図示として説明されてきたが、本発明は、特許請求の範囲を超えることなく、多くの修正例、変形例、および適合例とともに実施されることが可能であり、また、当業者の範囲内にある多数の均等物または代替的な解決策の使用とともに実施されることが可能であることが明らかになろう。
【符号の説明】
【0049】
1 プラットフォーム
2 バー
3 バー
4 相互接続バー
5 着陸開始UAV
7 ラッチ可能な構造体
8 下表面
9 アパーチャ
10 システム
11 地上ドッキングステーション
15 護衛UAV
16 ケーブル
18 ラッチング機構
19 スプール
20 コントローラ
29 RGPSセンサ
31 リップ
32 軸線
33 内部
36 フック
38 ラッチング機構
39 ラッチ
41 ハブ
42 ポール
45 護衛UAV
47 プロペラ
49 円筒形状のシールド
【国際調査報告】