(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-23
(54)【発明の名称】軌道のバラスト道床を締め固めるつき固め機
(51)【国際特許分類】
E01B 27/04 20060101AFI20240416BHJP
【FI】
E01B27/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023569842
(86)(22)【出願日】2022-04-28
(85)【翻訳文提出日】2023-12-15
(86)【国際出願番号】 AT2022060146
(87)【国際公開番号】W WO2022236349
(87)【国際公開日】2022-11-17
(32)【優先日】2021-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517002409
【氏名又は名称】ハーペードライ・レアール・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】リヒトベルガー・ベルンハルト
【テーマコード(参考)】
2D057
【Fターム(参考)】
2D057CB04
(57)【要約】
軌道のバラスト道床を締め固めるつき固め機(1)であって、軌道(9)の下でつき固めを行うつき固めユニット(4)と、走行装置(8)の間に配置された、軌道及び分岐器(9)をこう上及び整正するこう上整正装置(2)と、高さ位置調整可能な少なくとも1つのこう上ローラ(6)と、こう上ローラ(6)から独立して高さ位置調整可能な少なくとも1つのこう上フック(7)と、を備え、こう上ローラ(6)及びこう上フック(7)は、共通のコンソール(31)に配置されていて、コンソール(31)は、アクチュエータ(17)によって、つき固め機長手軸線(L)に対して横方向に摺動可能に案内されている。有利な作業状況を提供するために、コンソール(31)は、ガイドキャリッジ(10)に配置されていて、ガイドキャリッジ(10)によって、コンソール(31)は、つき固め機長手軸線(L)に対して横方向に横方向ガイド(16)に沿って摺動可能であり、コンソール(31)は、旋回駆動装置(12)によって、つき固め機長手軸線に平行な旋回軸線(30)を中心に旋回位置調整可能にガイドキャリッジ(10)に支持されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軌道のバラスト道床を締め固めるつき固め機(1)であって、
軌道の下でつき固めを行うつき固めユニット(4)と、
複数の走行装置(8)の間に、作業方向(C)で好ましくはつき固めユニット(4)の下流側に配置された、軌道及び分岐器をこう上及び整正するこう上整正装置(2)と、
高さ位置調整可能な少なくとも1つのこう上ローラ(6)と、
前記こう上ローラ(6)から独立して高さ位置調整可能な少なくとも1つのこう上フック(7)と、を備え、
前記こう上ローラ(6)及び前記こう上フック(7)は、共通のコンソール(31)に配置されていて、前記コンソール(31)は、アクチュエータ(17)によって、つき固め機長手軸線(L)に対して横方向に摺動可能に案内されている、つき固め機(1)において、
前記コンソール(31)は、ガイドキャリッジ(10)に配置されていて、前記ガイドキャリッジ(10)によって、前記コンソール(31)は、つき固め機長手軸線(L)に対して横方向に横方向ガイド(16)に沿って摺動可能であり、前記コンソール(31)は、旋回駆動装置(12)によって、つき固め機長手軸線に平行な旋回軸線(30)を中心に旋回位置調整可能に前記ガイドキャリッジ(10)に支持されていることを特徴とする、つき固め機(1)。
【請求項2】
前記アクチュエータ(17)は、摺動距離センサ(22)を有する横方向摺動シリンダであり、前記こう上ローラ(6)は、行程距離センサ(20)を有する鉛直行程シリンダ(3)によって高さ位置調整可能であり、前記こう上フック(7)は、行程距離センサ(21)を有する鉛直行程シリンダ(13)によって高さ位置調整可能であることを特徴とする、請求項1に記載のつき固め機。
【請求項3】
前記旋回駆動装置(12)に回転角度センサが割り当てられている、及び/又は前記旋回駆動装置(12)の旋回シリンダに行程距離センサ(32)が割り当てられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のつき固め機。
【請求項4】
前記摺動シリンダ(17)の前記摺動距離センサ(22)と、前記こう上ローラ(6)用の前記鉛直行程シリンダ(3)の行程距離センサ(20)と、前記こう上フック(7)用の前記鉛直行程シリンダ(13)の前記行程距離センサ(21)と、前記旋回シリンダ(12)用の前記行程距離センサ(32)とが、それぞれ割り当てられたシリンダに組み込まれていることを特徴とする、請求項2又は項3のつき固め機。
【請求項5】
前記横方向ガイド(16)の横方向摺動距離(H)と前記旋回駆動装置(12)の旋回範囲とは、レール(9)が前記こう上ローラ(6)と場合によってはT字形状の脚部を備えるこう上フック(7)とによって軌道外側と軌道内側との両方から係合可能であるように、拡張されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のつき固め機。
【請求項6】
前記旋回駆動装置(12)に、過負荷を防止するために、旋回力制限装置が割り当てられていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のつき固め機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軌道のバラスト道床を締め固めるつき固め機であって、軌道の下でつき固めを行うつき固めユニットと、複数の走行装置の間に、作業方向で好ましくはつき固めユニットの下流側に配置された、軌道及び分岐器をこう上及び整正するこう上整正装置と、高さ位置調整可能な少なくとも1つのこう上ローラと、こう上ローラから独立して高さ位置調整可能な少なくとも1つのこう上フックと、を備え、こう上ローラ及びこう上フックは、共通のコンソールに配置されていて、コンソールは、アクチュエータによって、つき固め機長手軸線に対して横方向に摺動可能に案内されている、つき固め機に関する。
【背景技術】
【0002】
分岐器用スイッチつき固め機は、分岐器及び軌道の軌道位置を整正する機械である。軌道位置を確定するために、測定システムが使用される。測定システムは、作業中に軌道高さ実際位置と軌道方向実際位置と軌道のカント実際位置とを測定し、所定の目標値と比較する。軌道こう上兼軌道整正ユニットによって、軌きょうがこう上され、所定の目標位置と実際位置との間の差がゼロになるまで側方で整正される。この空間位置で、分岐器は、つき固めユニットを用いてまくらぎの下方でバラストを締め固めることによって位置固定される。軌きょうのこう上及び整正は、比例制御部又はサーボ制御部によって液圧式のこう上兼整正シリンダを介して行われる。分岐器は、その特異性として、連続する軌道と分岐する軌道とを有する。列車は、いわゆる転てつ器を介して支線に導かれる又は連続する基準線上で保持される。連続する軌道の線と分岐している線との交差点には、いわゆるクロッシングが位置する。クロッシングの領域では、列車の車輪は、連続する線のレールから分岐する線のレール上を案内しなければならない。中断領域では、車輪を、連続的な軌道のレールから分岐している軌道のレールへ案内しなければならない。中断領域で案内されない車輪を確実に支線又は連続する基準線に回転させるために、ガイドレールが設けられている。分岐器用つき固め機の作業ツールが分岐器用まくらぎの下を全ての箇所でつき固めできることを保証するために、つき固めユニットは、側方に摺動可能であり、斜めに位置する長尺まくらぎが存在するので、つき固めユニットは、回動可能である。つき固めピックは、付加的に少なくとも一部で旋回自在に構成されてよい。
【0003】
純粋な線路つき固め機では、レールが頭部でローラキャッチによって把持され、幾何学的目標位置へこう上される。分岐器では、ローラキャッチの使用は、レールが交差しているので、多くの場合クロッシングにおいて不可能である。これらの箇所も処理(整正)可能であるように、付加的に側方で外方へ移動可能でありかつ深さ位置調整可能で高さ位置調整可能なこう上フック又はこう上ローラが設けられている(国際公開第2016191776号)。独国特許出願公開第3738750号明細書に開示された、つき固め機のこう上フック及びこう上ローラは、それぞれの旋回軸線を中心に互いに独立して変位可能である。
【0004】
キャビンから、機械運転手は、つき固めユニットのポジションを制御し、状況及び裁量に応じて、ローラキャッチ又はこう上フック又はこう上フックのポジション及びレール頭部又はレール底部におけるこう上フックの係合点を選択する。こう上装置は、軌道長手方向にも摺動できる。このことは、こう上フックがレール底部に係合する(このことは中間域の領域でのみ起こり得る)又はインシュレータによって、例えばローラキャッチ又はこう上フックがレール頭部に係合できないときに必要である。
【0005】
回動式に閉じられるローラキャッチの通常の枢支式の配置は、多くの場合にこう上力によってキャッチが押圧されて裂開されるという欠点を有する。回動中心周りに閉じるローラキャッチのこの形態の別の欠点は、ローラが、相応に摩耗している又はレール頭部高さが一定しないときに手動で後調整しなければならず、そしてローラキャッチのポジションが軌道に対して横向きに固定されていることである。ローラキャッチの高さが状況に適合しないと、整正ローラは、存在する遊びの分だけレールから持ち上がってしまう。これにより、レール頭部にさらに上方へ望ましくない荷重を加えることになり、整正ローラが容易に滑落し、これに続いて脱線が生じてしまう。さらなる欠点は、回動式のローラキャッチは、多くの場合空間的状況によって、アプローチが困難である形でこう上整正ユニットに組み付けなければならないことである。これにより、保守作業又は修理作業に掛かる時間が増えてしまう。ローラを高さ方向に後調整するには、相応に多くの時間及び費用が掛かる。
【0006】
その上、ローラキャッチ及びこう上フックの作業方式が異なることが原因で、オペレータによる指令機器の操作が異なる。
【0007】
国際公開第2016/191776号によれば、こう上ローラ及びこう上フックは、鉛直及び水平に、すなわちつき固め機長手軸線に対して横向きに案内できる。こう上フック及びこう上ローラは、共通のコンソールに配置されていて、コンソールと共に横方向ガイドに沿って一緒に変位可能である。こう上ローラは、こう上フックと同様に、液圧式にシリンダを用いて鉛直に案内、降下又は上昇させられる。コンソールは、こう上ローラによってレール頭部を把持する又はこう上フックによってレールを把持するために、水平に軌道中心へ向けて内方へ移動させられる。これに続いて、こう上ローラは、レール頭部の下面に当接するまで上方へ移動させられる。これにより、ローラの摩耗又は異なるレール頭部高さの依存性が回避される。ローラの後調整はもはや不要である。操作は、この発明による形態によって、その経過においてこう上フックのときの経過と同様に行われる。こう上ローラとレール頭部と整正ローラとの間の形状に基づく接続によって、こう上ローラの押圧及び裂開が回避される。スイス国特許出願公開第705271号明細書から公知のつき固め機では、こう上ローラ及びこう上フックが同様に共通のコンソールに配置されていて、コンソールは、機械長手軸線に対して横方向に摺動自在に支持されている。こう上フックは、高さ位置の基本調整のために高さ位置調整可能に構成されていて、こう上ローラは、機械長手方向に延びる旋回軸線を中心に可動に案内されている。こう上ローラ及びこう上フックは、こう上整正装置と一緒に上昇可能である。
【0008】
この形態の欠点は、こう上ローラ及びこう上フックが鉛直及び水平にしか移動できないことである。本線をつき固めるときには速度が重要である。そのように案内されるローラが、高速で前進するときにレールに当接したままである場合、ローラは、場合によっては高い位置にあるレール締結手段、インシュレータ又はレール溶接ビードに衝突する。ローラの純粋な水平方向案内によって、ローラは、それほど迅速には押し上げられ得ず、これにより、ローラ、こう上整正ユニット又はレール締結具に損傷が生じ得る。したがって、金物が高い位置にあるとき、ローラは、前進前に、側方で、損傷を回避するのに十分に外方へ移動し、機械停止後に再び内方へ移動する。それには時間がかかる。金物が低く構成されているので金物と衝突しない場合、ローラキャッチは、前進前にレール頭部幅までしか外方へ移動させられず、停止時に再び閉じられる。これにも時間がかかり、とりわけ本線をつき固めるときに機械性能に不都合に働く。さらなる欠点は、調整距離を減らすために、場合によってはこう上ローラのこう上環部が、厚みを減らして構成されることである。これにより、こう上環部が破損しやすくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第2016/191776号
【特許文献2】独国特許出願公開第3738750号明細書
【特許文献3】スイス国特許出願公開第705271号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の基礎をなす課題は、急速で前進するときにこう上ローラを、ローラ、こう上整正ユニット又はレール締結具での損傷が回避される程度に素早く退避させることができる、こう上整正ユニットの一形態を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、コンソールが、ガイドキャリッジに配置されていて、ガイドキャリッジによって、コンソールは、つき固め機長手軸線に対して横方向に横方向ガイドに沿って摺動可能であり、コンソールは、旋回駆動装置によって、つき固め機長手軸線に平行な旋回軸線を中心に旋回位置調整可能にガイドキャリッジに支持されていることによって、この課題を解決する。本発明の有利な発展形態は、従属請求項に記載されている。
【0012】
こう上フック及びこう上ローラは、共通のコンソールに支持されていて、それぞれこう上駆動装置によって高さ位置調整可能である。本発明では、このコンソールがガイドキャリッジに対して回動自在に構成されること、すなわちつき固め機長手軸線に平行な旋回軸線を中心に旋回位置調整であることが重要である。これにより、こう上ローラ及びこう上フックの鉛直及び水平の位置決め性能の利点が維持される。これにより、コンソールは、分岐器に完璧に使用できる。迅速な本線つき固めのために、駆動装置は、こう上ツールコンソールを回動運動させるために浮動式に又は僅かな力を加える形で運転される。レール継目では又は溶接ビードが出現すると、こう上ローラは、容易に押し上げられ得る。ローラの傾斜姿勢によって、レール締結具との衝突も生じない。別の利点は、こう上ローラのこう上環部が、旋回性能に基づいてより厚く形成でき、したがってもはや破損しやすくはないことである。
【0013】
ガイドキャリッジは、つき固め機長手軸線に対して横方向に横方向ガイドに沿って移動可能である。特につき固め機長手軸線を中心に旋回位置調整可能にガイドキャリッジに支持されたコンソールには、2つの液圧シリンダのシリンダ又はピストンロッドが支持されている。比較的小さな行程を有する一方の液圧シリンダは、こう上ローラの鉛直の調整に用いられる。比較的長い行程を有する他方の液圧シリンダは、こう上フックに対して設けられている。比較的長い行程は、こう上フックがレール頭部とレール底部との両方に係合できるようにするために必要である。液圧シリンダは、こう上フック又はこう上ローラに接続されていて、こう上フック又はこう上ローラ自体は、鉛直ガイド(コンソール内)に沿って上下動可能である。こう上ローラ又はこう上フックを具備するコンソールを有するガイドキャリッジは、つき固め機長手軸線に対して横方向に位置し、こう上整正ユニットに支持された液圧シリンダを介して、それぞれのポジション(係合、こう上ローラ又はこう上フック)にもたらされる。コンソールは、旋回駆動装置を介して旋回できる。これにより、こう上ローラは、前進時に内方へ旋回したままにできる及び/又は旋回力を制限する過負荷防止手段として低減された圧力で閉じたままにできる。障害が生じるとき、こう上ローラは、設定された閉鎖圧力を超過すると障害によって容易に押し上げられ得る。分岐器で作業するとき、鉛直のゼロ位置から旋回されない純粋に鉛直のポジション又はは相応のより好ましい旋回されたコンソール姿勢を選択できる。これにより、フック又はローラは、省スペースに鉛直に上方から送ることができる。次いで、こう上ツールは、摺動コンソールと共に、こう上ツールがレールに接触するまで、内方へ摺動させられる。後続の工程で、こう上ツールは、こう上ツールとレールとの間に形状に基づく接続が生じるまで持ち上げられる。
【0014】
その際には、こう上整正装置にこう上力が加えられても、整正ローラは、軌道から持ち上げられない。というのも、こう上ツールとレールとの間に形状に基づく接続が存在するからである。
【0015】
本発明の有利な一形態は、アクチュエータが、摺動距離センサを有する横方向摺動シリンダであり、こう上ローラは、行程距離センサを有する鉛直行程シリンダによって高さ位置調整可能であり、こう上フックは、行程距離センサを有する鉛直行程シリンダによって高さ位置調整可能であると得られる。さらに、旋回駆動装置に回転角度センサが割り当てられてよい、及び/又は旋回駆動装置の旋回シリンダに行程距離センサが割り当てられてよい。
【0016】
これらのセンサによって、こう上ツールの閉鎖工程及び作業工程全体を自動化できる。そのために、必要な側方の摺動、鉛直の行程値及びねじれ調整が目標値として設定され、測定された実際値と比較される。これにより、オペレータの負担がさらに減らされる。摺動シリンダの摺動距離センサと、こう上ローラ用の鉛直行程シリンダの行程距離センサと、こう上フック用の鉛直行程シリンダの行程距離センサと、旋回シリンダ用の行程距離センサとが、それぞれ割り当てられたシリンダに組み込まれていると、特に堅牢で、故障しにくく、整然とした構造が得られる。
【0017】
レールに当接するこう上ローラについては、レールに対する明確な関連性が与えられている。こう上ローラはこう上整正装置に接続されているので、これによりレールに対するこう上ツールの運動についても明確な関連性が与えられている。
【0018】
距離センサを有する、本発明による形態の別の利点は、こう上ツールの明確な閉鎖及びこれに伴う形状に基づく接続を測定及び監視できることである。
【0019】
インシュレータ又は溶接継目が閉鎖を機械的に妨げるので、こう上フック又はこう上ローラを例えばレール頭部の下にもたらすことができない場合、このことは、対応する不十分な閉鎖距離を介して測定できる。この場合、レール頭部に係合するために、例えば自動でこう上フックをより深く降下できる。さらに、こう上ローラ又はこう上フックが再び明確に係合できるまで、こう上整正ユニットは、長手方向に軌道に対して平行に移動することが可能である。
【0020】
本発明によれば、共通のコンソールを使用し、こう上ローラ及びこう上フック用の横方向ガイド及び旋回駆動装置を共通して使用することによって、変化しない操作ステップを伴い、そして自動化できるシステムの単純化が得られる。
【0021】
こう上ローラの内方旋回が可能であることによって、本発明によれば、こう上ローラは、本線つき固めに際して閉じたまま維持でき、レールに当接できる。これにより、こう上ローラの作動時間が短縮され、つき固め機の作業速度が増加する。さらに、起こり得る損傷が回避される。
【0022】
本発明による形態によって、こう上装置は、良好にアクセス可能であり、保守及び修理が容易になる。こう上ツールの旋回によって、こう上ツールの検査が容易になる。
【0023】
本発明による形態では、こう上ローラが、水平移動、鉛直移動及び回動運動によって、レール頭部に、形状に基づく接続状態にされ、そして、このことは、こう上ローラの減り具合の程度又はレール頭部の高さにかかわらず生じるので、高さについてこう上ローラを後調整する必要がなくなる。
【0024】
本発明の対象を図面に例示する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】軌道走行式の軌道つき固め機を側面図で示す。
【
図4】レールの両側で係合するこう上ローラを示す。
【
図5】レール頭部における係合状況を示すために著しく単純化した旋回可能なこう上ローラを示す。
【
図6】本発明による、こう上フックを有するこう上ロールによって旋回位置調整可能なコンソールを示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
つき固め機1(
図1)は、つき固めユニット4と軌道こう上整正ユニット2とを備え、軌道こう上整正ユニット2は、こう上シリンダ5と、こう上ローラ6を具備するローラキャッチと、こう上フック7とを有する。こう上整正ユニットは、液圧シリンダ11を介して軌道長手方向に摺動できる。分岐器用つき固め機は、走行装置8を介して軌道上を走行可能である。つき固め機1の制御は、作業方向Cでつき固めユニット4の上流側に配置された作業キャビン28から行われる。側方の扉29を介して、作業キャビン28及び運転キャビンに進入できる。
【0027】
図2による、こう上整正ユニット2の公知の(SdT)形態の描画には、ローラキャッチ6、ローラキャッチ閉鎖シリンダ12、こう上力FHを有するこう上シリンダ5、レール9及びガイド整正輪14が示されている。
【0028】
図3は、こう上整正ユニット2の従来技術の一形態を示し、特に共通の支持コンソール10と、行程センサ20、21を具備し、行程運動Vを有するこう上ローラ3及びこう上フック13の鉛直ガイドシリンダと、共通の横方向ガイド16と、摺動距離Hを有し、摺動距離センサ22を具備する摺動シリンダ17と、ガイド整正輪14と、こう上ローラ6と、レール頭部における閉位置及びレール底部における閉位置19でこう上フック7と、レール9と、こう上力FHを有するこう上シリンダ5とを示す。
【0029】
図4による描画には、こう上ローラ6を有するローラキャッチが示されていて、この場合、横方向ガイド16の横方向摺動距離H及び旋回駆動装置12の旋回範囲が、レール9がこう上ローラ6によって軌道外側と軌道内側との両方から係合可能であるように拡張されている。コンソール31を有するガイドキャリッジ10の摺動が十分に大きいとき、こう上ローラ33は、レールの内側でもレール頭部に係合できる。整正輪14は、こう上整正装置をレール9上で案内する。
【0030】
図5は、1つが閉状態で1つが開状態15で著しく単純化したローラキャッチを示す。極めて高く形成されたレール締結具26の実施形態では、水平方向に送られるローラキャッチ23は衝突25するだろう。前進中に水平方向にスクイーズ運動させられるこのローラキャッチ23が閉じたままだと、ローラキャッチ23が締結手段26を損傷させるだろう。この場合、インシュレータ24が出現すると、閉じたローラキャッチ23が突発的に不意に押し上げられ、これにより、高い力が生じ、損傷が生じるだろう。
【0031】
図6は、横方向ガイドを有する、本発明に係るつき固め機のこう上整正ユニット2を示す。軌道のバラスト道床を締め固めるつき固め機の、軌道及び分岐器のこう上及び整正のためのこう上整正装置2には、高さ位置調整可能な少なくとも1つのこう上ローラ6と、こう上ローラ6とは独立して高さ位置調整可能な少なくとも1つのこう上フック7とが備え付けられていて、この場合、こう上げローラ6及びこう上フック7は、共通のコンソール31に配置されている。コンソール31は、アクチュエータ17によって、つき固め機長手軸線Lに対して横方向に摺動可能に案内されている。コンソール31は、ガイドキャリッジ10に配置されている。ガイドキャリッジ10によって、コンソール31は、つき固め機長手軸線Lに対して横方向に横方向ガイド16に沿って摺動可能である。さらに、コンソール31は、旋回駆動装置12、ここでは液圧シリンダによって、つき固め機長手軸線に平行な旋回軸線30を中心に旋回位置調整可能である。
【0032】
アクチュエータ17は、摺動距離センサ22を有する横方向摺動シリンダであり、こう上ローラ6は、行程距離センサ20を有する鉛直行程シリンダ3によって高さ位置調整可能であり、こう上フック7は、行程距離センサ21を有する鉛直行程シリンダ13によって高さ位置調整可能である。旋回駆動装置12、つまりここでは旋回シリンダに、行程距離センサ32が割り当てられている。
【0033】
コンソール31は、旋回駆動装置12によって、ガイドキャリッジ10に、つき固め機長手軸に平行な旋回軸線30を中心に旋回位置調整可能に支持されている。
【0034】
摺動シリンダ17の摺動距離センサ22と、こう上ローラ6用の鉛直行程シリンダ3の行程距離センサ20と、こう上フック7用の鉛直行程シリンダ13の行程距離センサ21と、旋回シリンダ12用の行程距離センサ32とは、それぞれ、割り当てられたシリンダ内に組み込まれている。
【国際調査報告】