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特表2024-517940内蔵型RFIDタグを有する医薬品一次パッケージ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-23
(54)【発明の名称】内蔵型RFIDタグを有する医薬品一次パッケージ
(51)【国際特許分類】
   A61J 1/18 20230101AFI20240416BHJP
   A61M 5/50 20060101ALI20240416BHJP
   A61M 5/172 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
A61J1/18
A61M5/50
A61M5/172
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023569931
(86)(22)【出願日】2022-05-11
(85)【翻訳文提出日】2023-12-26
(86)【国際出願番号】 US2022028853
(87)【国際公開番号】W WO2022241048
(87)【国際公開日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】63/187,385
(32)【優先日】2021-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/215,879
(32)【優先日】2021-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512082716
【氏名又は名称】エスアイオーツー・メディカル・プロダクツ・インコーポレイテッド
【住所又は居所原語表記】2250 Riley Street,Auburn,Alabama 36832 U.S.A
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】エイブラムス,ロバート エス.
(72)【発明者】
【氏名】ステファン,イブ
【テーマコード(参考)】
4C047
4C066
【Fターム(参考)】
4C047AA01
4C047AA05
4C047AA27
4C047BB11
4C047BB13
4C047BB17
4C047CC04
4C047DD01
4C047DD06
4C047DD10
4C047DD22
4C047DD26
4C047DD30
4C047DD32
4C047DD35
4C047DD40
4C047GG23
4C066AA09
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD08
4C066DD11
4C066EE06
4C066EE12
4C066EE14
4C066GG01
4C066GG05
4C066GG17
4C066GG20
4C066LL21
4C066LL30
4C066NN01
4C066QQ42
4C066QQ48
4C066QQ55
4C066QQ72
4C066QQ77
4C066QQ78
4C066QQ82
(57)【要約】
本開示は、バイアル、予め充填されたシリンジおよびカートリッジなどのプラスチック医薬容器であって、その壁に埋め込まれ、その壁によって完全に封入されたRFIDタグなどの電子構成要素を有するプラスチック医薬容器を対象とする。電子構成要素は、構成要素がバイアルのネック部分またはシリンジバレルの針もしくはルアーハブなど、従来の閉鎖部によって隠されることを可能にする特定の部位に位置付けられてもよい。本開示はまた、その中に組み込まれる電子構成要素を有する医薬容器を調製および使用する方法を対象とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に取り付けられた電子構成要素を有し、前記充填されていない容器および前記容器の内腔を医薬溶液で充填し、次いで前記内腔を追跡される能力で密封することから生じる、医薬パッケージの両方を提供するように構成された、容器。
【請求項2】
前記容器がシリンジバレル、バイアル、またはカートリッジである、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
シリンジバレルに取り付けられた電子構成要素を有し、前記充填されていないシリンジバレルおよび前記シリンジバレルの内腔を医薬溶液で充填し、その後、前記内腔を追跡される能力で密封することから生じる、前記医薬パッケージの両方を提供するように構成された、シリンジバレル。
【請求項4】
バイアルに取り付けられた電子構成要素を有し、前記充填されていないバイアルおよび前記バイアルの内腔を医薬溶液で充填し、その後、前記内腔を追跡される能力で密封することから生じる、前記医薬パッケージの両方を提供するように構成された、バイアル。
【請求項5】
カートリッジに取り付けられた電子構成要素を有し、前記充填されていないカートリッジおよび前記カートリッジの内腔を医薬溶液で充填し、その後、前記内腔を追跡される能力で密封することから生じる、前記医薬パッケージの両方を提供するように構成された、カートリッジ。
【請求項6】
前記電子構成要素が、RFIDタグ、任意選択で、865~928MHzの範囲内の一つ以上の周波数を利用するRFIDタグ、任意選択で、約13.56MHzの周波数を利用するRFIDタグである、請求項1~5のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【請求項7】
前記電子構成要素が集積回路を備える、請求項1~6のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【請求項8】
前記電子構成要素が、データストレージを備える、請求項1~7のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【請求項9】
前記容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジが、熱可塑性材料で作製された少なくとも一つの壁を備える、請求項1~8のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【請求項10】
前記熱可塑性材料が、ポリプロピレン、ポリエチレン、COP、COC、またはCBCのうちの一つ以上を含む、請求項1~9のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【請求項11】
前記電子構成要素が、前記容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジの熱可塑性壁に埋め込まれる、請求項1~A10のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【請求項12】
前記電子構成要素が、前記容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジの壁にオーバーモールドされる、請求項1~11のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【請求項13】
前記容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジの少なくとも一部分を構成する前記熱可塑性材料が、前記電子構成要素を完全にまたは実質的に完全に囲む、請求項1~12のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【請求項14】
前記電子構成要素のいずれの部分も、前記容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジの外部表面上にない、請求項1~13のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【請求項15】
ラベルをさらに備え、前記電子構成要素が、前記ラベルによって視覚的に隠される前記容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジの一部分に埋め込まれる、請求項1~14のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【請求項16】
前記容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジが、前記電子構成要素が前記完成した医薬パッケージの一部分によって視覚的に隠されるように構成される、請求項1~15のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【請求項17】
前記電子構成要素が、空の状態の前記容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジの自動目視検査によって検出可能である、請求項1~16のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【請求項18】
前記電子構成要素が、外部ライタを使用して書き込まれるように構成される、請求項1~17のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【請求項19】
前記容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジが、前記電子構成要素が、滅菌、任意選択で電子ビームまたはガンマ照射による滅菌、任意選択でEtoまたはVHPガスによる滅菌に耐えることができるように構成される、請求項1~18のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【請求項20】
前記電子構成要素が温度センサを備え、任意選択で前記電子構成要素が受動的RFID温度センサである、請求項1~19のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【請求項21】
前記電子構成要素が圧力センサを備え、任意選択で前記電子構成要素が受動的RFID圧力センサである、請求項1~20のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【請求項22】
前記電子構成要素が、問い合わせ事象をデータベースに登録するように構成される、請求項1~21のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【請求項23】
前記電子構成要素が埋め込まれ、封入される前記壁の内表面、外表面、または両方が、前記電子構成要素なしで調製される同じ容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジの前記壁のものと同一または実質的に同一である、請求項1~22のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【請求項24】
前記電子構成要素が、前記構成要素上に直接格納される情報、任意選択で識別情報を含む、請求項1~23のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【請求項25】
前記電子構成要素が、クラウドコンピューティングネットワークなどのコンピューティングネットワークに接続することなく読み取り可能である、請求項1~24のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【請求項26】
前記電子構成要素が、クラウドコンピューティングネットワークなどのコンピューティングネットワークに接続することなく、書き込み可能である、請求項1~25のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年5月11日に出願された米国仮特許出願第63/187,385号、および2021年6月28日に出願された米国仮特許出願第63/215,879号に対する優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
医薬パッケージのトレーサビリティはますます重要になっている。理想的なシナリオでは、薬剤含有バイアル、カートリッジ、または予め充填されたシリンジなどの医薬パッケージは、(1)容器の製造、(2)容器に医薬品を充填すること、および(3)充填された医薬パッケージのサプライチェーンを含むタイムラインにわたって追跡可能である。個々のパッケージのトレーサビリティは、サプライチェーン全体にわたる医薬品のより良好な制御を可能にするための重要な特徴である。
【背景技術】
【0003】
今日まで、RFIDタグは、「フラグタグ」またはバイアル閉鎖部の金属圧着部に取り付けられるものなどの他の外部要素としてバイアルの外側表面に取り付けられてもよいことが提案されてきており、特別に設計されたバイアルの底面へのインサートとして、米国特許第9,589,226B2号明細書、米国特許出願公開第2011/0199187A1号明細書、またはバイアル蓋の一部として、米国特許出願公開第2019/0026616A1号明細書を参照されたい。同様に、RFIDタグは、シリンジに取り付けられる剛直な針シールドに組み込まれ得ることが提案されていて、米国特許出願公開第2019/0328485A1号明細書を参照されたい。特に、これらの選択肢のほとんどは、容器が充填および密封された後の医薬パッケージの追跡のみを可能にすることになる。これらの選択肢の多くはまた、特別に設計されたコンポーネントを必要とし、これは製造にコストがかかり、広く採用される可能性は低い。最後に、容器の外部に位置するRFIDタグは容易に損傷される場合がある。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、(1)容器の製造、(2)容器に医薬品を充填すること、および(3)充填された医薬パッケージのサプライチェーンを含む、完全な価値連鎖全体にわたってトレーサビリティを提供する電子構成要素を組み込む、バイアル、予め充填されたシリンジ、カートリッジ、およびその他の薬剤送達装置などの医薬パッケージに関する。電子構成要素は、充填および密封される容器に直接取り付けられて、一次医薬パッケージ、例えば、カートリッジのバイアル本体、シリンジバレル、または本体/バレルを作成してもよい。一部の実施形態では、電子構成要素は、電子構成要素が最終的な医薬パッケージに一体化され、任意選択でパッケージの外部、パッケージの内部、またはその両方に露出されないように、容器に埋め込まれてもよく、例えば、熱可塑性容器の壁に成形されてもよい。
【0005】
本開示の実施形態は、内腔を画定する容器、内腔内の医薬溶液、閉鎖部、および容器に取り付けられ、パッケージに追跡される能力を提供し、および/または一つ以上の保管条件の適合もしくは不適合を検出および/または記録し、ならびに/または一つ以上の投与パラメータに関する情報を提供するように構成された、電子構成要素を備える医薬パッケージを対象とする。
【0006】
容器が、シリンジバレル、カートリッジ、またはバイアルである、任意の実施形態の医薬パッケージ。
【0007】
電子構成要素が、RFIDタグ、任意選択で、865~928MHzの範囲内の一つ以上の周波数を利用するRFIDタグ、任意選択で、約13.56MHzの周波数を利用するRFIDタグである、任意の実施形態の医薬パッケージ。
【0008】
電子構成要素が集積回路を含む、任意の実施形態の医薬パッケージ。
【0009】
電子構成要素がデータストレージを含む、任意の実施形態の医薬パッケージ。
【0010】
容器が、熱可塑性材料で作製された少なくとも一つの壁を備える、任意の実施形態の医薬パッケージ。
【0011】
熱可塑性材料がポリプロピレン、ポリエチレン、COP、COC、またはCBCのうちの一つ以上を含む、任意の実施形態の医薬パッケージ。
【0012】
電子構成要素が、容器の熱可塑性壁に埋め込まれる、任意の実施形態の医薬パッケージ。
【0013】
電子構成要素が容器の壁にオーバーモールドされる、任意の実施形態の医薬パッケージ。
【0014】
容器の少なくとも一部分を構成する熱可塑性材料が、電子構成要素を完全にまたは実質的に完全に囲む、任意の実施形態の医薬パッケージ。
【0015】
電子構成要素のいずれの部分も容器の外部表面上にない、任意の実施形態の医薬パッケージ。
【0016】
パッケージが、予め充填されたシリンジであり、電子構成要素が、シリンジバレルのハブ部分に埋め込まれている、任意の実施形態の医薬パッケージ。
【0017】
パッケージが、予め充填されたシリンジであり、電子構成要素が、シリンジバレルの本体とシリンジバレルのハブ部分との間の移行領域に埋め込まれている、任意の実施形態の医薬パッケージ。
【0018】
ハブ部分が、針ハブまたはルアーハブである、任意の実施形態の医薬パッケージ。
【0019】
閉鎖部が剛直な針シールドまたはルアーキャップを備え、電子構成要素が閉鎖部によって視覚的に隠される、任意の実施形態の医薬パッケージ。
【0020】
パッケージが、予め充填されたシリンジであり、電子構成要素が、後部フランジに隣接するシリンジバレルの本体に埋め込まれている、任意の実施形態の医薬パッケージ。
【0021】
パッケージが充填されたバイアルであり、電子構成要素がバイアルのネック部分に、任意選択で厚くされたフランジ領域に埋め込まれる、任意の実施形態の医薬パッケージ。
【0022】
閉鎖部がストッパおよび圧着部を備え、電子構成要素が閉鎖部によって視覚的に隠されている、任意の実施形態の医薬パッケージ。
【0023】
パッケージが充填されたカートリッジであり、電子構成要素がカートリッジの針取り付け部分に埋め込まれる、任意の実施形態の医薬パッケージ。
【0024】
閉鎖部がキャップを備え、電子構成要素が閉鎖部によって視覚的に隠されている、任意の実施形態の医薬パッケージ。
【0025】
ラベルをさらに備え、電子構成要素が、ラベルによって視覚的に隠される容器の一部分に埋め込まれる、任意の実施形態の医薬パッケージ。
【0026】
パッケージが充填カートリッジであり、電子構成要素が送達装置、任意選択で自動注射器または注射ペンによって直接読み取られるように構成される、任意の実施形態の医薬パッケージ。
【0027】
電子構成要素が、パッケージの一部分によって視覚的に隠される、任意の実施形態の医薬パッケージ。
【0028】
パッケージが、内腔を医薬溶液で充填し、内腔を閉鎖部で封止する前に、容器も追跡され得るように構成されている、任意の実施形態の医薬パッケージ。
【0029】
電子構成要素が、空の状態の容器の自動目視検査によって検出可能である、任意の実施形態の医薬パッケージ。
【0030】
電子構成要素が、外部ライタを使用して書き込まれるように構成される、任意の実施形態の医薬パッケージ。
【0031】
医薬溶液が、注射可能な薬剤含有溶液である、任意の実施形態の医薬パッケージ。
【0032】
電子構成要素が、5mm以下、任意選択で4mm以下、任意選択で3mm以下、任意選択で2mm以下、任意選択で1mm以下の長さ、および5mm以下、任意選択で4mm以下、任意選択で3mm以下、任意選択で2mm以下、または任意選択で1mm以下の幅を有する、任意の実施形態の医薬パッケージ。
【0033】
電子構成要素が、500ミクロン以下、任意選択で400ミクロン以下、任意選択で300ミクロン以下、任意選択で200ミクロン以下、任意選択で100ミクロン以下、任意選択で50ミクロン以下の厚さを有する、任意の実施形態の医薬パッケージ。
【0034】
医薬パッケージが、滅菌、任意選択で照射による滅菌、任意選択でガスによる滅菌に供されている、任意の実施形態の医薬パッケージ。
【0035】
電子構成要素が、医薬パッケージの滅菌、任意選択で照射による滅菌、任意選択でガスによる滅菌に耐えるように構成される、任意の実施形態の医薬パッケージ。
【0036】
電子構成要素が温度センサを備え、任意選択で電子構成要素が受動的RFID温度センサである、任意の実施形態の医薬パッケージ。
【0037】
内腔内の医薬溶液が、定義された温度範囲内に維持されなければならず、電子構成要素が、その温度範囲からの偏差を検出および登録するように構成されている、任意の実施形態の医薬パッケージ。
【0038】
電子構成要素が圧力センサを備え、任意選択で電子構成要素が受動的RFID圧力センサである、任意の実施形態の医薬パッケージ。
【0039】
内腔内の医薬溶液が、定義された圧力範囲内に維持されなければならず、電子構成要素が、その圧力範囲からの偏差を検出および登録するように構成されている、任意の実施形態の医薬パッケージ。
【0040】
医薬溶液が、定義された分注速度で、または許容可能な分注速度の定義された範囲内で投与され、電子構成要素が、定義された分注速度または許容可能な分注速度の定義された範囲に関する情報を含む、任意の実施形態の医薬パッケージ。
【0041】
定義された分注速度または許容可能な分注速度の定義された範囲に関する情報が、送達装置、任意選択で自動注射器または注射ペンによって読み取られるように構成されている、任意の実施形態の医薬パッケージ。
【0042】
医薬溶液が、定義された針挿入深さまたは許容可能な針挿入深さの定義された範囲を使用して投与され、電子構成要素が、定義された針挿入深さまたは許容可能な針挿入深さの定義された範囲に関する情報を含む、任意の実施形態の医薬パッケージ。
【0043】
定義された針挿入深さまたは許容可能な針挿入深さの定義された範囲に関する情報が、送達装置、任意選択で自動注射器または注射ペンによって読み取られるように構成されている、任意の実施形態の医薬パッケージ。
【0044】
電子構成要素が、問い合わせ事象をデータベースに登録するように構成される、任意の実施形態の医薬パッケージ。
【0045】
自動注射器または注射ペンは、カートリッジまたはシリンジの電子構成要素を読み取るように構成されたリーダを備える、任意の実施形態のカートリッジまたはシリンジを備える自動注射器または注射ペン。
【0046】
自動注射器または注射ペンが、電子構成要素から取得された情報に応答して一つ以上の注射設定を調整するように構成されている、任意の実施形態の自動注射器または注射ペン。
【0047】
電子構成要素が埋め込まれる壁の内表面、外表面、または両方が、電子構成要素なしで調製された同じ容器の壁の内表面、外表面、または実質的に同一である、任意の実施形態の医薬パッケージ。
【0048】
電子構成要素が埋め込まれる壁の内表面、外表面、または両方が、電子構成要素の挿入によって引き起こされるものなどの表面の不規則性を含まない、任意の実施形態の医薬パッケージ。
【0049】
電子構成要素が、構成要素上に直接格納された情報、任意選択で識別情報を含む、任意の実施形態の医薬パッケージ。
【0050】
電子構成要素が、クラウドコンピューティングネットワークなどのコンピューティングネットワークへの接続なしに読み取り可能である、任意の実施形態の医薬パッケージ。
【0051】
電子構成要素が、クラウドコンピューティングネットワークなどのコンピューティングネットワークへの接続なしに書き込み可能である、任意の実施形態の医薬パッケージ。
【0052】
本開示の実施形態はまた、容器に取り付けられた電子構成要素を有し、充填されていない容器および容器の内腔を医薬溶液で充填し、次いで内腔を追跡される能力で密封することから生じる、医薬パッケージの両方を提供するように構成された、容器を対象とする。容器は、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジであってもよい。
【0053】
本開示の実施形態は、シリンジバレルに取り付けられた電子構成要素を有し、充填されていないシリンジバレルおよびシリンジバレルの内腔を医薬溶液で充填し、その後、内腔を追跡される能力で封止することから生じる、医薬パッケージの両方を提供するように構成される、シリンジバレルを対象とする。
【0054】
本開示の実施形態は、バイアルに取り付けられた電子構成要素を有し、充填されていないバイアルおよびバイアルの内腔を医薬溶液で充填し、次いで内腔を追跡される能力で封止することから生じる、医薬パッケージの両方を提供するように構成されたバイアルを対象とする。
【0055】
本開示の実施形態は、カートリッジに取り付けられた電子構成要素を有し、充填されていないカートリッジおよびカートリッジの内腔を医薬溶液で充填し、次いで、内腔を追跡される能力で封止することから生じる、医薬パッケージの両方を提供するように構成された、注射カートリッジを対象とする。
【0056】
電子構成要素がRFIDタグ、任意選択で865~928MHzの範囲内の一つ以上の周波数を利用するRFIDタグ、任意選択で約13.56MHzの周波数を利用するRFIDタグである、任意の実施形態の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【0057】
電子構成要素が集積回路を備える、任意の実施形態の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【0058】
電子構成要素が、データストレージを含む、任意の実施形態の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【0059】
容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジが、熱可塑性材料で作製された少なくとも一つの壁を備える、任意の実施形態の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【0060】
熱可塑性材料が、ポリプロピレン、ポリエチレン、COP、COC、またはCBCのうちの一つ以上を含む、任意の実施形態の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【0061】
電子構成要素が、容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジの熱可塑性壁に埋め込まれる、任意の実施形態の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【0062】
電子構成要素が、容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジの壁にオーバーモールドされる、任意の実施形態の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【0063】
容器、シリンジバレル、バイアルまたはカートリッジの少なくとも一部分を構成する熱可塑性材料が、電子構成要素を完全にまたは実質的に完全に囲む、任意の実施形態の容器、シリンジバレル、バイアルまたはカートリッジ。
【0064】
電子構成要素のいずれの部分も、容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジの外部表面上にない、任意の実施形態の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【0065】
電子構成要素がシリンジバレルのハブ部分に埋め込まれている、任意の実施形態のシリンジバレル。
【0066】
電子構成要素が、シリンジバレルの本体とシリンジバレルのハブ部分との間の移行領域に埋め込まれる、任意の実施形態のシリンジバレル。
【0067】
ハブ部分が針ハブまたはルアーハブである、任意の実施形態のシリンジバレル。
【0068】
シリンジバレルが、電子構成要素が剛直な針シールドまたはルアーキャップによって視覚的に隠されるように構成されている、任意の実施形態のシリンジバレル。
【0069】
電子構成要素が、後部フランジに隣接するシリンジバレルの本体に埋め込まれる、任意の実施形態のシリンジバレル。
【0070】
電子構成要素が、バイアルのネック部分に、任意選択で厚くされたフランジ領域に埋め込まれる、任意の実施形態のバイアル。
【0071】
バイアルが、電子構成要素がストッパおよび圧着閉鎖部によって視覚的に隠されるように構成されている、任意の実施形態のバイアル。
【0072】
電子構成要素が、カートリッジの針取り付け部分に埋め込まれる、任意の実施形態のカートリッジ。
【0073】
カートリッジが、電子構成要素が針取り付け部分上に配置されたキャップによって視覚的に隠されるように構成されている、任意の実施形態のカートリッジ。
【0074】
ラベルをさらに備え、電子構成要素が、ラベルによって視覚的に隠される容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジの一部分に埋め込まれる、任意の実施形態の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【0075】
カートリッジが、電子構成要素が送達装置、任意選択で自動注射器または注射ペンによって直接読み取り可能であるように構成されている、任意の実施形態のカートリッジ。
【0076】
容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジが、電子構成要素が完成した医薬パッケージの一部分によって視覚的に隠されるように構成される、任意の実施形態の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【0077】
電子構成要素が、空の状態の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジの自動目視検査によって検出可能である、任意の実施形態の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【0078】
電子構成要素が、外部ライタを使用して書き込まれるように構成される、任意の実施形態の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【0079】
電子構成要素が、5mm以下、任意選択で4mm以下、任意選択で3mm以下、任意選択で2mm以下、任意選択で1mm以下の長さ、および5mm以下、任意選択で4mm以下、任意選択で3mm以下、任意選択で2mm以下、任意選択で1mm以下の幅を有する、任意の実施形態の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【0080】
電子構成要素が、500ミクロン以下、任意選択で400ミクロン以下、任意選択で300ミクロン以下、任意選択で200ミクロン以下、任意選択で100ミクロン以下、任意選択で50ミクロン以下の厚さを有する、任意の実施形態の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【0081】
容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジが、電子構成要素が、滅菌、任意選択で電子ビームまたはガンマ照射による滅菌、任意選択でEtoまたはVHPガスによる滅菌に耐えることができるように構成される、任意の実施形態の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【0082】
電子構成要素が温度センサを備え、任意選択で電子構成要素が受動的RFID温度センサである、任意の実施形態の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【0083】
電子構成要素が圧力センサを備え、任意選択で電子構成要素が受動的RFID圧力センサである、任意の実施形態の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【0084】
電子構成要素が、定義された分注速度または許容可能な分注速度の定義された範囲に関する情報を含む、任意の実施形態の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【0085】
定義された分注速度または許容可能な分注速度の定義された範囲に関する情報が、送達装置、任意選択で自動注射器または注射ペンによって読み取られるように構成されている、任意の実施形態の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【0086】
電子構成要素が、定義された針挿入深さまたは許容可能な針挿入深さの定義された範囲に関する情報を含む、任意の実施形態の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【0087】
定義された針挿入深さまたは許容可能な針挿入深さの定義された範囲に関する情報が、送達装置、任意選択的に自動注射器または注射ペンによって読み取られるように構成される、任意の実施形態の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【0088】
電子構成要素が、問い合わせ事象をデータベースに登録するように構成される、任意の実施形態の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【0089】
電子構成要素が埋め込まれ、封入される壁の内表面、外表面、または両方が、電子構成要素なしで調製される同じ容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジの壁のものと同一であるか、または実質的に同一である、任意の実施形態の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【0090】
電子構成要素が埋め込まれ、封入される壁の内表面、外表面、または両方が、電子構成要素の挿入によって引き起こされるものなどの表面の不規則性を含まない、任意の実施形態の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【0091】
電子構成要素が、構成要素上に直接格納された情報、任意選択で識別情報を含む、任意の実施形態の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【0092】
電子構成要素が、クラウドコンピューティングネットワークなどのコンピューティングネットワークに接続することなく読み取り可能である、任意の実施形態の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【0093】
電子構成要素が、クラウドコンピューティングネットワークなどのコンピューティングネットワークに接続することなく、書き込み可能である、任意の実施形態の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【0094】
本開示の実施形態は、容器の少なくとも一部分を構成する熱可塑性材料に埋め込まれた電子構成要素を有する容器を調製する方法であって、方法が、電子構成要素を成形型に挿入することと、熱可塑性材料を成形型に注入して、容器または容器の少なくとも一部分を形成することと、を含み、熱可塑性材料が電子構成要素を囲む、または実質的に囲み、それによって、電子構成要素を容器の一部分内に埋め込む、方法を対象とする。一部の実施形態では、容器は、シリンジバレル、医療用カートリッジ、またはバイアルであってもよい。
【0095】
本開示の実施形態は、容器の少なくとも一部分を構成する熱可塑性材料に埋め込まれた電子構成要素を有する容器を調製する方法であって、方法が、その中に埋め込まれた電子構成要素を有するプレフォームを提供することを含み、任意選択で、電子構成要素が、容器のネックと一致するプレフォームの上部に埋め込まれ、容器を製造するために、プレフォームを射出ブロー成形または射出延伸ブロー成形する、方法を対象とする。一部の実施形態では、容器は、シリンジバレル、医療用カートリッジ、またはバイアルであってもよい。
【0096】
本開示の実施形態は、シリンジバレルの少なくとも一部分を構成する熱可塑性材料に埋め込まれた電子構成要素を有するシリンジバレルを調製する方法であって、方法が、電子構成要素を成形型に挿入することと、熱可塑性材料を成形型に注入して、シリンジバレルまたはシリンジバレルの少なくとも一部分を形成することと、を含み、熱可塑性材料が電子構成要素を囲む、または実質的に囲み、それによって、電子構成要素をシリンジバレルの一部分内に埋め込む、方法を対象とする。
【0097】
本開示の実施形態は、シリンジバレルの少なくとも一部分を構成する熱可塑性材料に埋め込まれた電子構成要素を有するシリンジバレルを調製する方法であって、方法が、第一のポリマー層を射出成形することと、第一のポリマー層を、例えば、そのガラス転移温度を下回る温度まで冷却することと、電子構成要素を第一のポリマー層の表面上に位置付けることと、第二のポリマー層が電子構成要素を覆うように第二のポリマー層を射出成形することと、を含む、方法を対象とする。
【0098】
本開示の実施形態は、バイアルの少なくとも一部分を構成する熱可塑性材料に埋め込まれた電子構成要素を有するバイアルを調製する方法であって、方法が、その中に埋め込まれた電子構成要素を有するプレフォームを提供することを含み、任意選択で、電子構成要素が、バイアルのネックに一致するプレフォームの上部に埋め込まれ、バイアルを製造するためプレフォームを射出ブロー成形または射出延伸ブロー成形する、方法を対象とする。
【0099】
容器、シリンジバレル、またはバイアルを検査して、電子構成要素の存在、位置付け、および/または機能を確実にすることをさらに含む、任意の実施形態の方法。
【0100】
検査することが、電子構成要素の存在を識別するため容器、シリンジバレル、またはバイアルの自動機械操作目視検査を含む、任意の実施形態の方法。
【0101】
機械操作目視検査が、電子構成要素が容器、シリンジバレル、またはバイアル内の許容可能な位置にあるかどうかも判定する、任意の実施形態の方法。
【0102】
検査することが、遠隔リーダを使用して電子構成要素が読み取り可能であることを確実にすることを含む、任意の実施形態の方法。
【0103】
電子構成要素がRFIDタグ、任意選択で865~928MHzの範囲内の一つ以上の周波数を利用するRFIDタグ、任意選択で約13.56MHzの周波数を利用するRFIDタグである、任意の実施形態の方法。
【0104】
電子構成要素が集積回路を備える、任意の実施形態の方法。
【0105】
電子構成要素がデータストレージを備える、任意の実施形態の方法。
【0106】
熱可塑性材料がポリプロピレン、ポリエチレン、COP、COC、またはCBCのうちの一つ以上を含む、任意の実施形態の方法。
【0107】
電子構成要素のいずれの部分も、容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジの外部表面上になく、任意選択的に、電子構成要素のいずれの部分も、容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジの内部表面上にない、任意の実施形態の方法。
【0108】
電子構成要素がシリンジバレルのハブ部分に埋め込まれる、任意の実施形態の方法。
【0109】
電子構成要素が、シリンジバレルの本体とシリンジバレルのハブ部分との間の移行領域に埋め込まれる、任意の実施形態の方法。
【0110】
ハブ部分が針ハブまたはルアーハブである、任意の実施形態の方法。
【0111】
シリンジバレルが、電子構成要素が剛直な針シールドまたはルアーキャップによって視覚的に隠されるように構成されている、任意の実施形態の方法。
【0112】
電子構成要素が、後部フランジに隣接するシリンジバレルの本体に埋め込まれる、任意の実施形態の方法。
【0113】
電子構成要素が、バイアルのネック部分、任意選択で厚くされたフランジ領域に埋め込まれる、任意の実施形態の方法。
【0114】
バイアルが、電子構成要素がストッパおよび圧着閉鎖部によって視覚的に隠されるように構成されている、任意の実施形態の方法。
【0115】
容器がカートリッジであり、電子構成要素がカートリッジの針取り付け部分に埋め込まれる、任意の実施形態の方法。
【0116】
カートリッジが、電子構成要素が針取り付け部分上に配置されたキャップによって視覚的に隠されるように構成されている、任意の実施形態の方法。
【0117】
容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジがラベルをさらに備え、電子構成要素が、ラベルによって視覚的に隠される容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジの一部分に埋め込まれる、任意の実施形態の方法。
【0118】
カートリッジが、電子構成要素が送達装置、任意選択で自動注射器または注射ペンによって直接読み取り可能であるように構成されている、任意の実施形態の方法。
【0119】
容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジが、電子構成要素が完成した医薬パッケージの一部分によって視覚的に隠されるように構成されている、任意の実施形態の方法。
【0120】
電子構成要素が、空の状態の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジの自動目視検査によって検出可能である、任意の実施形態の方法。
【0121】
電子構成要素が、外部ライタを使用して書き込まれるように構成される、任意の実施形態の方法。
【0122】
電子構成要素が、5mm以下、任意選択で4mm以下、任意選択で3mm以下、任意選択で2mm以下、任意選択で1mm以下の長さ、および5mm以下、任意選択で4mm以下、任意選択で3mm以下、任意選択で2mm以下、任意選択で1mm以下の幅を有する、任意の実施形態の方法。
【0123】
電子構成要素が、500ミクロン以下、任意選択で400ミクロン以下、任意選択で300ミクロン以下、任意選択で200ミクロン以下、任意選択で100ミクロン以下、任意選択で50ミクロン以下の厚さを有する、任意の実施形態の方法。
【0124】
容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジが、電子構成要素が、滅菌、任意選択で電子ビームまたはガンマ照射による滅菌、任意選択でEtoまたはVHPガスによる滅菌に耐えることができるように構成される、任意の実施形態の方法。
【0125】
電子構成要素が埋め込まれ、封入される容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジの壁の内表面、外表面、または両方が、電子構成要素なしで調製される同じ容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジの壁のものと同一または実質的に同一である、任意の実施形態の方法。
【0126】
電子構成要素が埋め込まれ、封入される容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジの壁の内表面、外表面、または両方が、電子構成要素の挿入によって引き起こされるものなどの表面の不規則性を含まない、任意の実施形態の方法。
【0127】
その中に埋め込まれた電子構成要素を有するプレフォームを提供する工程が、第一のポリマー層を射出成形することと、第一のポリマー層を、例えば、そのガラス転移温度を下回る温度に冷却することと、電子構成要素を第一のポリマー層の表面上に位置付けることと、第二のポリマー層が電子構成要素を覆うように第二のポリマー層を射出成形することと、を含む、任意の実施形態の方法。
【0128】
その中に埋め込まれた電子構成要素を有するプレフォームを提供する工程が、第一のポリマー層の冷却から生じるポリマー本体を第一の射出成形型から第二の射出成形型に搬送することと、第二のポリマー層を第二の射出成形型に射出成形することと、をさらに含む、任意の実施形態の方法。
【0129】
容器またはバイアルを製造するための射出ブロー成形または射出延伸ブロー成形の工程が、電子構成要素に実質的に応力を課さないように、電子構成要素がプレフォームの一部分に位置付けられる、任意の実施形態の方法。
【0130】
シリンジバレルの少なくとも一部分を構成する熱可塑性材料に埋め込まれた電子構成要素を有するシリンジバレルを調製する方法が、第一のポリマー層の冷却から生じるポリマー本体を第一の射出成形型から第二の射出成形型に搬送することと、第二のポリマー層を第二の射出成形型に射出成形することと、をさらに含む、任意の実施形態の方法。
【0131】
成形プロセスから生じるシリンジバレルが針を備え、その近位端が針ハブに埋め込まれる、任意の実施形態の方法。
【0132】
第一のポリマー層の射出成形、電子構成要素の位置付け、および第二のポリマー層の射出成形が、針またはモールドコアを互いに対して移動させることなく実施される、任意の実施形態の方法。
【0133】
針ハブを囲む射出成形型の一部分が開き、電子構成要素の位置付けを可能にする、任意の実施形態の方法。
【0134】
針が、第一のポリマー層の冷却から生じるポリマー本体をしっかりと埋め込まれる、任意の実施形態の方法。
【0135】
針が第二の射出成形型に挿入され、任意選択的に、針が第一の射出成形型内に存在しない、任意の実施形態の方法。
【0136】
電子構成要素が、構成要素上に直接格納された情報、任意選択で識別情報を含む、任意の実施形態の方法。
【0137】
電子構成要素が、クラウドコンピューティングネットワークなどのコンピューティングネットワークへの接続なしに読み取り可能である、任意の実施形態の方法。
【0138】
電子構成要素が、クラウドコンピューティングネットワークなどのコンピューティングネットワークへの接続なしに書き込み可能である、任意の実施形態の方法。
【0139】
本開示の実施形態は、任意の実施形態の医薬パッケージが、定義された保管条件内に維持されているかどうかを監視する方法であって、任意の実施形態による医薬パッケージを提供することと、温度センサ(該当する場合)、圧力センサ(該当する場合)、またはその両方によって検出された任意の不適合事象を登録することとを含む、方法を対象とする。
【0140】
本開示の実施形態は、任意の実施形態による、医薬パッケージの内腔内に含有される医薬溶液の投与を容易にする方法であって、投与前に電子構成要素に問い合わせすることと、それによって、温度センサ(該当する場合)、圧力センサ(該当する場合)、またはその両方によって検出された不適合事象があったかどうかに関する情報を取得することと、任意選択で不適合事象が検出された場合に医薬パッケージを拒否することと、を含む、方法を対象とする。
【0141】
問い合わせが、薬剤送達装置、任意選択で自動注射器または注射ペンによって実施される、任意の実施形態の方法。
【0142】
薬剤送達装置が、不適合事象が検出された場合に、医薬パッケージを拒否するように構成される、任意の実施形態の方法。
【0143】
本開示の実施形態は、任意の実施形態による医薬パッケージの内腔内に含まれる医薬溶液の適切な投与を容易にする方法であって、投与前に電子構成要素に問い合わせすること、それによって、一つ以上の投与パラメータに関する情報を取得することと、一つ以上の投与パラメータに従って医薬溶液を投与することと、を含む方法を対象とする。
【0144】
問い合わせおよび投与が、薬剤送達装置、任意選択で自動注射器または注射ペンによって実施される、任意の実施形態の方法。
【0145】
薬剤送達装置の一つ以上の設定を調整して、一つ以上の投与パラメータを遵守することをさらに含み、任意選択的に、調整が、薬剤送達装置によって自動的に実施される、任意の実施形態の方法。
【0146】
本開示の実施形態は、例えば、臨床試験の一部として、医薬パッケージの投与を監視する方法であって、任意の実施形態による医薬パッケージを提供することと、データベースに、電子構成要素の問い合わせの日付および時間、および/または温度センサ(該当する場合)、圧力センサ(該当する場合)、またはその両方によって検出された不適合事象とを登録することと、を含む方法を対象とする。
【0147】
本開示の実施形態は、医薬品に識別情報を提供する方法であって、先行クレームのいずれかによる容器、シリンジバレル、バイアルまたはカートリッジを取得することであって、任意選択で、電子構成要素が、容器、シリンジバレル、バイアルまたはカートリッジに関連する識別情報を含む、取得することと、容器を医薬製剤で充填することと、医薬製剤に関連する情報を電子構成要素に、任意選択で、クラウドコンピューティングネットワークなどのコンピューティングネットワークへの接続なしで書き込むことと、を含む方法を対象とする。
【0148】
容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジに関する識別情報が、電子構成要素から直接読み取り可能である、任意の実施形態の方法。
【図面の簡単な説明】
【0149】
図1図1Aは、シリンジバレルの針ハブ部分に埋め込まれ、それによって完全に封入された電子構成要素を有する、ステーク状針シリンジバレルの一実施形態の断面図である。 図1Bは、(a)シリンジバレルの針ハブ部分に埋め込まれ、それによって完全に封入され、および従来の剛直な針シールドによって隠された電子構成要素を有する予め充填されたシリンジの一実施形態、および(b)シリンジバレルのルアーハブ部分に埋め込まれ、それによって完全に封入され、および従来のルアーキャップによって隠された電子構成要素を有する予め充填されたシリンジの一実施形態の断面図である。
図2図2は、シリンジバレルの針ハブ部分に埋め込まれ、それによって完全に封入され、および従来の剛直な針シールドによって隠された電子構成要素を示す、予め充填されたステーク状針シリンジの一実施形態の部分断面図である。
図3図3は、本開示の実施形態による、自動目視検査が、シリンジバレルのハブ部分に埋め込まれ、それによって完全に封入された電子構成要素を検出することができることを示す画像の複製である。
図4A図4Aは、バイアルのネック部分、より具体的には、バイアルのネック部分の厚くされたフランジ領域に埋め込まれ、それによって完全に封入された電子構成要素を有する一実施形態の断面図である。
図4B図4Bは、バイアルのネック部分、より具体的にはネック部分の厚くされたフランジ領域に埋め込まれ、それによって完全に封入された、従来の閉鎖部アセンブリによって隠された電子構成要素を有する、医薬バイアルの一実施形態の断面図である。
図5図5は、本開示の一実施形態による、電子構成要素をバイアルに組み込む方法を示す概略図である。
図6図6は、本開示の実施形態による、バイアルのネック部分に埋め込まれ、それによって完全に封止された、従来の閉鎖部アセンブリによって隠された電子構成要素を有するバイアルのセットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0150】
ここで、本開示は、いくつかの実施形態を示す添付図面を参照しながらより完全に記述される。しかしながら、本発明は、数多くの異なる形態で具現化されてもよく、また本明細書に記載される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、特許請求の範囲の文言によって表示されるすべての範囲を有する本発明の実施例である。全体を通して同様の符号は、同様のまたは対応する要素を指す。以下の開示は、特定の実施形態に具体的に限定されない限り、すべての実施形態に関する。
【0151】
電子構成要素は、例えばRFIDタグまたは集積回路(IC)を含む既知の電子構成要素の中から選択することができる。RFID構成要素が利用される場合、一つ以上の送信周波数は、865~928MHzの範囲内、または902~928MHz、865.5~867.5MHz、もしくは約915MHzなどのその範囲のサブセット内に収まり得る。RFID構成要素が利用される他の実施形態では、送信周波数は約13.56MHzであってもよい。
【0152】
容器内に電子構成要素および結果として得られる医薬パッケージングを埋め込むことによって、構成要素は、無線インターフェースを通して読み取られ得る、任意選択で修正され得る情報を含み得る。これにより、製品の識別、ルーティング、追跡が改善され、在庫管理とセキュリティが強化されるようになる。電子構成要素は、容器自体の壁内に埋め込まれてもよい(かつ容器の外部表面上に位置しない)ため、電子構成要素は、損傷から保護されてもよく、別個に組み込まれてもよく、以前提案されたタグに対する大きな改善であるパッケージングから物理的に分離することができない。さらに、電子構成要素を容器の壁に直接成形することにより、著しい追加的な製造工程または特別に設計またはカスタマイズされた構成要素を必要としない損失コストおよび反復可能な製造が可能になる。一部の実施形態では、例えば、バイアル、シリンジ、カートリッジなどには、既存のバイアル、シリンジ、またはカートリッジ設計の材料および/または寸法を変更することなく、電子構成要素が備えられてもよい。一部の実施形態では、電子構成要素はまた、完全に自動化された方法で、例えば熱可塑性容器の一部分に成形されるなど、容器に取り付けられてもよく、または容器に組み込まれてもよい。バイアル、シリンジ、およびカートリッジの成形のための任意のプロセス条件が以下に開示されており、その各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。米国特許第9,381,687号、米国特許第10,639,421号、米国特許第9,475,225号、および国際出願第PCT/US2019/061293号(WO2020102434A2として公開)に開示されている。
【0153】
一部の実施形態では、電子構成要素は、電子構成要素が薬局および医療従事者などの下流ユーザに見えないように、容器/パッケージ上に位置付けられてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、電子構成要素は、バイアルのネック部分に埋め込まれてもよく、その後、閉鎖部、例えば、ストッパおよび金属圧着によって隠されてもよい。同様に、電子構成要素は、シリンジバレルの針ハブ部分、または一次バレル部分とシリンジバレルのハブ部分との間の移行領域に埋め込まれてもよく、その後、剛直な針シールド(またはルアーロックシリンジの場合、キャップ)によって隠されてもよい。電子構成要素は目に見えず、既存の容器設計に大幅な変更を必要としないため、製薬業界内および医薬パッケージのサプライチェーン全体で使用される既存のプロセスおよび品質チェックには影響しない。
【0154】
さらに、各容器は、充填および密封される前に電子構成要素の存在および/または機能を確認するために検査されてもよく、それによって、充填された容器が電子構成要素の問題に起因して、または充填後の電子構成要素の取り付けに起因して生じ得る廃棄される必要があることを防止する。検査は、全体的または部分的に、例えば、容器の品質管理のために既に日常的に使用されている種類の高解像度カメラを使用して、電子構成要素の存在および位置を検出するために、視覚的に実施されてもよい。シリンジバレルのハブ部分12に埋め込まれた電子構成要素1を識別することができる種類の自動機械ベースの目視検査からの例示的な画像を図3に示す。検査はまた、例えば、電子構成要素が適切なリーダによって検出され得ることを確実にすることによって、全体的または部分的に電子的に実施されてもよい。
【0155】
一部の実施形態において、電子構成要素は、接続された薬剤送達オプションを可能にするように構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、シリンジまたはカートリッジには、本明細書に記載されるように、電子構成要素、例えば、RFIDタグが備えられてもよく、自動注射器、ペン、または他の送達システムには、医薬パッケージが投与に好適であることを確実にするために、電子構成要素、例えば、RFIDタグを直接読み取るように構成されたリーダが備えられてもよい。他の実施形態では、バイアル、シリンジ、またはカートリッジなどの医薬パッケージには、本明細書に記載されるように、電子構成要素、例えば、RFIDタグが備えられてもよく、管理者は、例えば、独立したリーダまたはスマートフォンもしくはタブレットに関連付けられたものを含むリーダを使用して、医薬パッケージが投与に適していることを確実にするために、電子構成要素、例えば、RFIDタグを読み取ることができる。
【0156】
例えば、特定の薬剤が、定義された温度範囲内に維持されなければならない場合、電子構成要素、例えば、RFIDタグは、例えば、2011 IEEE Sensors Applications Symposium、2011年2月22~24日に公開され、以下、https://ieexplore.ieee.org/document/5739788より入手可能で、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Virtanen らによる Temperature Sensor Tag for Passive UHF RFID Systems に記載の受動的RFID温度センサなどの関連する温度センサを介して医薬パッケージの温度を監視することができ、パッケージおよび/または薬物製剤が投与前に定義された温度範囲内に維持されたことを確実にするために、電子構成要素に問い合わせするためにリーダを使用してもよい。同様に、特定の薬剤が、定義された圧力範囲内に維持されなければならない場合、電子構成要素、例えば、RFIDタグは、医薬パッケージの圧力を、例えば、VortexおよびCyclonという名称でFarsensによって製造された受動的RFID圧力センサなどの関連する圧力センサを介して監視してもよく、パッケージおよび/または薬物製剤が投与前に定義された圧力範囲内に維持されたことを確実にするために、電子構成要素に問い合わせするためにリーダを使用してもよい。
【0157】
一部の実施形態では、電子構成要素、例えばRFIDタグはまた、医薬パッケージ内に含まれる流体の適切な投与を容易におよび/または確実にするように構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、バイアル、シリンジ、またはカートリッジなどの医薬パッケージには、流体の適切な投与に関する情報、例えば、一つ以上の送達パラメータを含む、本明細書に記載の電子構成要素が備えられてもよい。その情報は、例えば、リーダによって、電子構成要素から取得されてもよく、送達パラメータに関するガイダンスが提供されたユーザ/管理者は、それによって、それらの送達パラメータが満たされていることを保証できる。さらに、一部の実施形態では、バイアル、シリンジ、またはカートリッジなどの医薬パッケージには、例えば、一つ以上の送達パラメータなどの流体の適切な投与に関する情報を含む電子構成要素が備えられてもよく、自動注射器、ペン、または他の送達システムには、例えば、RFIDタグなどの電子構成要素を読み取るように構成されたリーダが提供されてもよく、特定の送達パラメータを制御し、および/または電子構成要素から識別された特定の送達パラメータが満たされることを確実にする。
【0158】
一部の実施形態では、電子構成要素、例えばRFIDタグは、容器の内腔内に含まれる医薬製剤の強度に関連する情報を含み得る。複数の異なる強度(例えば、活性薬剤の濃度、活性薬剤の総量など)で提供され得る薬剤については、適切な用量が患者に投与されることを確実にすることが重要である。電子構成要素、例えば、RFIDタグ上の医薬製剤の強度に関連する情報を提供することによって、製剤の管理者は、電子構成要素を読み取ることによって医薬製剤の強度を得ることができる。一部の実施形態では、この情報へのアクセスは、例えば、データログに記録され、管理者が投与前に医薬品の強度の必要なチェック(またはラベル上に情報が提供され得るため、ダブルチェック)を確実に実施するために使用され得る。
【0159】
一部の薬物、特に癌治療および自己免疫疾患治療のための薬物、ならびにmRNA薬物などは、薬物製剤が、定義された分注速度または定義された範囲内の分注速度で、定義された針挿入深さまたは定義された範囲内の針挿入深さで(例えば、皮下、筋肉内などの特定の領域に)、それらの組み合わせで分注されることを必要とする。
【0160】
一部の実施形態では、電子構成要素、例えばRFIDタグは、定義された薬剤分注速度または許容可能な薬剤分注速度定義された範囲に関する情報を含み得る。送達システム、例えば、自動注射器、ペン、または他の送達システムは、電子構成要素を読み取り、薬物製剤の分注速度が、定義された速度を満たすか、または定義された許容可能な範囲内に収まることを確実にするために、薬物分注速度、例えば、プランジャに加えられる力の制御に関連する一つ以上の注射パラメータを自動的に設定するように構成され得る。他の実施形態では、管理者は、例えば、独立したリーダなどのリーダ、あるいはスマートフォン、タブレットコンピュータ、または他の装置と関連付けられ得るリーダによって、RFIDタグから情報を取得し、送達装置の一つ以上の注射パラメータを手動で設定するか、または分注速度を手動で制御して、定義された分注速度を満たすか、または定義された範囲内に収まることを確実にすることができる。
【0161】
さらに、一部の実施形態では、電子構成要素、例えばRFIDタグ、または送達システム、例えば自動注射器のいずれかは、プランジャが薬剤分注速度に対応するシリンジバレル内で前進する速度を検出するように構成され得る。送達システムは、定義された分注速度と相関しないか、または、定義された分注速度を満たすか、または定義された許容可能な範囲内に収まるように、必要に応じて、分注速度を上方または下方に調整するために、一つ以上の注射パラメータ、例えば、プランジャに加えられる力を自動的に調整することによって、電子構成要素、例えば、RFIDタグから取得された、許容可能な分注速度の定義された範囲外にある読み取り値に応答してもよい。別の方法として、送達システムは、分注速度が高すぎるまたは低すぎることを管理者に警告してもよく、これによって管理者は、定義された分注速度を満たすために、または定義された許容可能な範囲内に収まるように、必要に応じて、分注速度を上方または下方に手動で調整してもよい。一部の実施形態では、例えば、送達装置は、一つ以上のタコメータ、加速度計、それらの組み合わせ等を備えてもよい。
【0162】
いくつかの実施形態では、電子構成要素、例えば、RFIDタグは、定義された針挿入深さまたは許容可能な針挿入深さの範囲に関する情報を含み得る。送達システム、例えば、自動注射器、ペン、または他の送達システムは、電子構成要素を読み取り、針の挿入深さが定義された深さを満たすか、または定義された許容可能な範囲内に収まることを確実にするために、針挿入深さ、例えば、針挿入中にシリンジバレルに加えられる力の制御に関連付けられた一つ以上の注射パラメータを設定するように構成され得る。他の実施形態では、管理者は、例えば、独立したリーダなどのリーダ、あるいはスマートフォン、タブレットコンピュータ、または他の装置と関連付けられ得るリーダによって、RFIDタグから情報を取得し、送達装置の一つ以上の注射パラメータを手動で設定するか、または針挿入深さを手動で制御して、定義された深さを満たすか、または定義された範囲内に収まることを確実にすることができる。
【0163】
さらに、いくつかの実施形態では、電子構成要素、例えば、RFIDタグ、または送達装置のいずれかは、針挿入深さに一致する注射部位の近接を検出するように構成されてもよい。送達システムは、定義された針挿入深さと相関しないか、または定義された針挿入深さを満たすか、または定義された許容可能な範囲内に収まるように必要に応じて針挿入深さを調整するために、一つ以上のパラメータを自動的に調整することによって、電子構成要素、例えば、RFIDタグから取得された、許容可能な針挿入深さの定義された範囲外にある読み取り値に応答し得る。別の方法として、送達システムは、針挿入深さが高すぎるか低すぎることを管理者に警告してもよく、その結果、管理者は、定義された針挿入深さを満たすか、または定義された許容可能な範囲内に収まるように、必要に応じて針挿入深さを手動で調整し得る。いくつかの実施形態では、例えば、送達システムは、軸方向前方に(針と平行に)方向付けられ、針挿入中に針挿入深さに関連する注射部位の近接を測定するように構成された近接センサを備え得る。
【0164】
一部の実施形態では、電子構成要素、例えばRFIDタグは、記録収集を可能にするために管理者によって使用されてもよい。例えば、多くの薬剤は、自宅またはグループ自宅の環境で患者に投与する必要がある場合がある。多くの場合、医療従事者は、グループホームで、または多数の自宅にわたって複数の患者に薬剤を投与する必要があり、それらの投与の記録保持は複雑かつ時間がかかる場合がある。本開示の実施形態の内蔵型RFIDタグは、例えば、日/時間、位置、またはデータログ内のその情報の読み取りおよび格納の両方を記録することによる、単にこうした記録収集であってもよい。
【0165】
一部の実施形態では、電子構成要素は、記憶要素を含んでもよく、それ自体がデータ記憶に使用されてもよい。言い換えれば、容器自体は、クラウドではなく、データキャリアとして機能し得る。データはまた、容器から、すなわち、電子構成要素から、データクラウドに容易に転送されてもよい。電子構成要素は、外部リーダによって問い合わせられるように構成され、任意選択的に外部ライタを使用して書き込まれるように構成される。
【0166】
本明細書に記載されるように、医薬パッケージ、例えば、シリンジ、カートリッジ、およびバイアルの実施形態は、上記の能力の任意の組み合わせを提供し、それによって、特定の薬物製剤の送達ガイドラインへの患者または管理者の順守を改善し得る。
【0167】
さらに、一部の実施形態では、RFIDタグは、臨床試験の有効性および信頼性を高めるために、新興の薬剤の識別、保存条件、および/または投与パラメータに関連する特定の情報をロードされてもよい。多くの新興薬について、臨床試験の有効性は、例えば、薬剤の温度、注射の深さ、および/または患者への注射速度に関連する特定のプロトコルの維持に依存する。上述のように、医薬パッケージに関連付けられたRFIDタグの使用は、これらのパラメータの適切な遵守を確保するために使用され得る。本開示の実施形態は、例えば、臨床試験を実施する方法であって、その中に取り付けられた、または組み込まれたRFIDタグを有する医薬パッケージを提供することと、一つ以上のプロトコルが維持されたかどうかを判定する、および/または医薬製剤の投与前に、その中に含まれる医薬製剤の送達に関連する特定のプロトコルを決定するため医薬パッケージのRFIDタグに問い合わせるように促すか、またはそうでなければ問い合わせさせることと、を含む方法を対象とする。
【0168】
RFIDタグはまた、例えば、承認後研究のために、薬剤が臨床試験の制御されたプロトコルと一致する様式で投与されたことを実証するために使用されてもよい。一部の実施形態では、例えば、電子構成要素、例えば、RFIDタグは、中央データベース内の特定のデータ、例えば、薬剤貯蔵データ、薬剤投与データなどを記録するように構成されてもよい。例えば、本明細書に記述されるように、投与前にリーダによって問い合わせられた時、RFIDタグは、その問い合わせ(投与の日付/時間に一致する)を中央データログに登録してもよい。臨床試験で利用されるすべてのパッケージ、例えば、バイアル、シリンジ、またはカートリッジを同じデータログに登録することで、臨床試験中のすべての投与のレビュー可能な記録が生成される。RFIDタグはまた、臨床試験プロトコルと一致しない任意のデータ、例えば、定義された温度記憶プロトコルなどからの任意の偏差をデータログに登録するように構成されてもよい。そのような種類のモニタリングは、臨床試験のレビュー可能な記録を作成し、より大きな患者集団における承認後試験および薬物有効性の監視が適切に評価されることを確実にするのに役立ち得る。
【0169】
本開示の実施形態は、例えば、臨床試験を実施する方法であって、その中に取り付けられた、またはその中に組み込まれたRFIDタグを有する医薬パッケージを提供することと、任意選択的に、一つ以上のプロトコルが維持されたかどうかを判定する、および/または医薬製剤の投与前に、その中に含まれる医薬製剤の送達に関連する特定のプロトコルを決定するため医薬パッケージのRFIDタグに問い合わせるように促すか、またはそうでなければ問い合わせさせることと、任意選択でRFIDタグを使用してその問い合わせの位置、日付、および/または時間を記録することと、任意選択で、RFIDタグを使用して、臨床試験に関連するデータ、例えば、薬剤貯蔵データを、中央データログに記録することと、を含む方法を対象とする。
【0170】
いくつかの実施形態では、テレマティクスが使用され得る。テレマティクスは、遠隔物体を制御するために遠距離通信デバイスを使用して情報を送受信および格納する技術を伴う。本開示の文脈では、医薬パッケージが投与される場所、すなわち、電子構成要素が投与前に問い合わせされる場所を使用して、臨床試験からの関連情報にアクセスすることができる。例えば、医薬パッケージがアジアの特定の地域で投与されていた場合、その人口統計学的集団からの適切な臨床研究にアクセスすることができる。
【0171】
一部の実施形態では、本明細書に記載されるデータの任意の組み合わせは、クラウドコンピューティングネットワーク上ではなく、電子構成要素、例えばRFIDタグ自体上に格納されてもよい。データを電子構成要素に直接、したがって容器自体に直接書き込むことによって、本開示の実施形態は、データがクラウドに格納される実施形態よりも多くの利点を提供する。例えば、各容器は、医薬品のサプライチェーン全体を通して、電子構成要素、例えばRFIDタグ上に直接格納された識別情報によって追跡されてもよい。これにより、識別情報(例えば、固有の識別子、バッチ番号、医薬品材料番号など)を、複数の異なる事業者(例えば、容器製造業者、充填業者、二次包装プロバイダ、出荷業者など)のシステムを同じクラウドネットワークに接続する必要なく、一致させることができる。
【0172】
一部の実施形態では、例えばRFIDタグなどの電子構成要素上に直接データを格納することはまた、サプライチェーンにわたる複数の工程で、電子構成要素上に直接データを書き込むことを可能にする。例えば、容器製造業者は、容器識別情報を電子構成要素に書き込むことができ、充填業者は、容器の内腔内に充填される医薬組成物、例えば、医薬材料識別情報を電子構成要素に書き込むことができ、二次包装プロバイダは、任意選択的に、追加の識別情報を電子構成要素に書き込むことができる。特に、データがクラウドコンピューティングネットワーク内ではなく、直接格納される内蔵型RFIDタグを有する容器を提供することによって、サプライチェーンにわたる各異なる事業者は、複数の事業者が同じクラウドネットワークに接続される必要なしに、RFIDタグに情報を追加し得る。
【0173】
電子構成要素、例えば、RFIDタグから直接識別情報を読み取るおよび/または書き込むことを可能にすることによって、容器およびその医薬内容物は、複数の事業者を共通のクラウドに接続する必要なく、容器の製造点から医薬品の投与点まで追跡され得る。これにより、コスト削減の点で大きな利益がもたらされ、サプライチェーン管理が大幅に簡略化される。例えば、独立した事業体が、共有クラウドに接続するための機器を取得し、および/またはインフラストラクチャを構築して、共有クラウド(しばしば望ましくない)を介してデータを共有する必要はない。
【0174】
電子構成要素は、接着剤、機械的取り付け、またはオーバーモールドなどの様々な方法のいずれかを介して、容器および/または医薬パッケージに取り付けられてもよい。本明細書に記載されるように、電子構成要素が成形プロセス中にパッケージの一部となる成形技術、および好ましくは電子構成要素が容器の壁に埋め込まれ、容器の壁によって完全に封入される成形技術が望ましいが、これは、電子構成要素が他の方法よりも多くの利益を提供するからである。
【0175】
一部の実施形態では、例えば、電子構成要素は、モールドラベルによって熱可塑性容器の一部分に埋め込まれ得る。この技術を使用して、電子構成要素(インレーとも呼ばれる)はフィルム基材で積層されてもよい。フィルム基材は、医薬パッケージと適合性のあるプラスチックから作製されることが望ましい。モールドラベルプロセスでは、インレーは、プラスチック射出成形の前に成形型に挿入される。一部の実施形態では、例えば、インレーはラベル形式で成形型に提示されてもよい。容器成形プロセスの射出成形段階の間、インレーはオーバーモールドされ、インレーはパッケージの一体部分となる。
【0176】
医薬パッケージとして使用される熱可塑性容器を製造するために使用される材料の一部には、ポリプロピレン、ポリエチレン、環状オレフィンポリマー(COP)、環状オレフィンコポリマー(COC)、および環状ブロックコポリマー(CBC)が含まれるが、これらに限定されない。
【0177】
本開示の実施形態は、プラスチックで作製され、バイアルのプラスチック壁に組み込まれた電子インレー1を有する医薬バイアル20を対象とする。より具体的には、本開示の実施形態は、プラスチックで作製され、バイアルのプラスチック壁に埋め込まれ、それによって完全に封入された電子インレー1を有する、医薬バイアル20を対象とする。
【0178】
本開示のバイアル20は、底部壁21、底部壁から上方に延在する側壁22、底部壁と側壁23を接合する湾曲した下縁、側壁の上部に形成された半径方向内向きに延在するショルダ部24、およびショルダ部から上方に延在するネック25を含んでもよく、ネックは、その上部に開口部26を画定し、開口部はバイアル内部、すなわち内腔につながる。多くの実施形態において、ネックは、閉鎖部の一部を受けるように構成される外向きに延在するフランジ27を備えてもよい。こうしたバイアル20の例を図4Aに示す。
【0179】
医薬品、典型的には注射可能な医薬品で充填されると、バイアル20は密封される。典型的には、医薬バイアル20は、ゴムストッパ28と、圧着キャップ、West Pharmaceuticalなどによって製造される種類のFlip-Off(登録商標)Sealなどのキャップ29とを含む二部品閉鎖部で密封される。圧着キャップは、典型的にはアルミニウムなどの金属で作製され、バイアルのストッパ28およびネックフランジ27の上部にわたって圧着される。充填バイアル20、ストッパ28、およびキャップ29の組み合わせは、医薬バイアルまたはバイアルパッケージと称され得る。医薬バイアルパッケージの一例を図4Bに示す。
【0180】
一部の実施形態では、電子インレー1は、バイアルのネック25を構成するプラスチック、例えば上部フランジ27を構成する厚くされたプラスチック領域に埋め込まれ、それによって完全に封入されてもよい。
【0181】
上部フランジ27を含むネック25の上部は、市販のストッパ28およびキャップ29との均質な密封を確保するために、比較的低い寸法公差で調製されなければならない。したがって、フランジ27を含む、ネック部分25の内表面およびネック部分の外表面の両方は、均一な表面を有していなければならない。一部の実施形態では、上部フランジ27はまた、キャップ29の把持および/または固定を支援し得る、一つ以上の外部表面特徴を有し得る。
【0182】
プラスチックで作製された医薬バイアル20は、例えば、射出ブロー成形または射出延伸ブロー成形技術を使用するなど、ブロー成形によって調製される。射出延伸ブロー成形技術の一例を図4に示す。第一の工程41では、プレフォーム30は射出成形される。熱可塑性樹脂33、例えばCOPまたはCOC樹脂は溶融され、プレフォーム30の形状に形成される射出成形型に送達される。次いで、プレフォーム30は、射出延伸ブロー成形されてバイアル20を形成する。こうしたプロセスの第二の工程42では、プレフォーム30は、そのガラス転移温度を超えて加熱され、例えば、延伸ブロー成形機のマンドレル34またはコアロッドによって延伸される。こうしたプロセスの第三の工程43では、高圧空気がプレフォーム30内に吹き込まれ、それによって、プリフォームが成形型に接触し、それ故にバイアル20の形状を取るまでプレフォームが拡張される。延伸42は、図4に示すように、ブロー成形43の前に、またはブロー成形43の一部として、例えば、延伸ブロー成形機のコアロッドを通して実施されてもよい(その場合、プロセスは二段階プロセスとして見ることができる)。他の実施形態では、例えば、バイアル20が押出ブロー成形によって調製される場合、延伸工程42は完全に省略されてもよい。
【0183】
ブロー成形プロセス中、プレフォーム30のネック部分31は定位置に保持され、プレフォームの残りの部分とは異なり、変形を受けない。したがって、プレフォーム30のネック部分31は、結果として得られる医薬バイアル20のネック部分25の寸法および要素、例えば、フランジ27およびフランジの任意の表面特徴を有するように射出成形される。
【0184】
電子インレー1をバイアル20に組み込むために、インレーは、プレフォーム30を射出成形する工程、例えば工程41の間に組み込まれてもよい。特に、電子インレー1は、下流のブロー工程および任意の延伸工程によって寸法的に影響を受けないプレフォーム30の上部31(バイアルのネック領域25に一致する)に組み込まれてもよい。これにより、電子インレー1は、ブロー成形プロセス中にバイアルの側壁22または基部21に変換されたプレフォームの一部にインレーが位置付けられた場合に生じる応力を受けることを回避することができる。また、それにより、例えば図5に示すように、電子構成要素1が、その後充填バイアルに付与される閉鎖部アセンブリ28、29によって隠されることを可能にするという追加的な利点を有する。
【0185】
望ましくは、電子インレー1は、バイアル20のプラスチック壁によって埋め込まれ、完全に封入される。このようにして、バイアル20の内表面および外表面は、電子インレー1なしで調製されたバイアルのものと同一または実質的に同一であり得る(すなわち、同じポリマー材料で作製され、電子インレーの挿入から生じる任意の表面の不規則性を欠く)。一部の実施形態では、電子インレー1は、バイアルのネック部分25、より具体的には、厚くされたフランジ領域27を構成するプラスチックによって埋め込まれ、完全に封入される。
【0186】
望ましくは、電子インレー1は、表面の不規則性または変動性を引き起こさない様式で、バイアルのプラスチック壁によって埋め込まれ、完全に封入される。例えば、電子インレー1は、プレフォーム30を射出成形する工程41の間に、プレフォームのネック部分31内に導入されてもよい。こうしたプロセスでは、プレフォーム30の射出成形は、ツーショット成形プロセスまたはオーバーモールドプロセスと同様に、複数の工程で実施される。第一の工程では、第一の量の熱可塑性材料33、例えばCOPまたはCOC樹脂が溶融され、それがポリマーの第一の層を形成する射出成形型に送達される。次に、電子インレー1は、第一の層の表面上の所望の位置に位置付けられる。これは、特に第一の層の全厚が小さい場合に、電子インレー1をその表面上に定置する前に、ポリマーの第一の層の冷却を伴い得る。電子インレー1が第一の層の表面上に位置付けられた後、熱可塑性材料33の第二の射出が射出成形型に送達され、そこで熱可塑性材料33の第二の射出は第一の層の表面の上を流れ、電子インレーがその上に位置付けられる。成形されたプレフォーム30は次に冷却され、成形型から取り外される。このようにして、電子インレー1は、第一のポリマー層と第二のポリマー層との間に挟まれてもよく、その結果、電子インレーがその中に完全に埋め込まれ、封入されたプレフォーム壁となる。
【0187】
一部の実施形態では、射出成形工程41は、二つの射出成形型の使用を伴い得る。第一の工程では、第一の量の熱可塑性材料33、例えばCOPまたはCOC樹脂が溶融され、中間ポリマー体を形成する第一の射出成形型に送達される。次いで、中間ポリマー体を冷却し、第二の射出成形型に移す。電子インレー1は、任意選択的に中間ポリマー体が第二の射出成形型内に配置された後、または中間ポリマー体の第二の射出成形型への移送中に、中間ポリマー体の表面上の所望の位置に位置付けられる。第二の量の熱可塑性材料33、例えば、COPまたはCOC樹脂は溶融され、第二の射出成形型に送達され、そこで中間ポリマー体およびその上に位置付けられた電子インレー1の表面の上を流れて、最終成形されたプレフォーム30を形成する。次いで、最終成形されたプレフォーム30を冷却し、第二の射出成形型から取り外す。上述のように、結果は、電子インレーがその中に完全に埋め込まれ、封入されたプレフォーム壁である。
【0188】
プレフォーム30が、バイアルのネック25、および任意選択でネックの厚くされたフランジ部分27に一致するように射出成形されるプレフォームの上部分31に電子インレー1を含む場合、プレフォームは、上述のものなどの従来のブロー成形プロセスによってバイアル20に変換され得る。電子インレー1は、ブロー成形プロセス中に変形を受けないプレフォームの上部分31によって埋め込まれ、完全に封入されるため、電子インレーは、ブロー成形プロセス中に実際の応力を受けず、その存在はバイアル20のブロー成形および成形に干渉しない。
【0189】
さらに、このように電子インレー1をバイアル20に組み込むことによって、バイアルのネック25の寸法、および任意選択でネックの厚くされたフランジ部分27は、厳しい公差内で反復可能に製造され得る。さらに、電子インレー1は、ブロー成形プロセス中またはブロー成形プロセス後にプレフォーム30またはバイアル20に導入されないため、電子インレーが埋め込まれ、封入されるバイアル壁の外部表面および内部表面は均一であり得る。いくつかの実施形態では、例えば、バイアルネック25の内部表面およびバイアルネックの外部表面の両方は、電子インレー挿入によって引き起こされる表面の不規則性を含まなくてもよい。例えば、バイアルネック25の内部表面は滑らかであってもよく、外部表面は滑らかであってもよく、または例えば、図4Aおよび図4Bに示すものなど、一つ以上の従来的な表面特徴を含み得る。最後に、電子インレー1はバイアル20のポリマー壁によって完全に封入されるため、電子インレーのいかなる部分もバイアルの内部表面または外部表面のいずれにも露出されない。
【0190】
電子インレー1をバイアル20のネック部分25に組み込むことは、複数のバイアルのネック部分が均一な表面および厳しい寸法公差で製造されなければならない(閉鎖部アセンブリ28、29との効果的な密封を可能にするために)という事実によって複雑であるが、上述のプロセスは、こうした均一な表面および厳しい寸法公差を有するバイアルの製造を可能にする。
【0191】
本開示の実施形態は、プラスチックで作製され、シリンジバレルのプラスチック壁に組み込まれた電子インレー1を有する、予め充填されたシリンジ10を対象とする。より具体的には、本開示の実施形態は、プラスチックで作製され、針もしくはルアーロックハブ12、またはシリンジバレル11の一次部分と針もしくはルアーハブとの間の移行領域13に埋め込まれ、それによって完全に封入された電子インレー1を有するシリンジバレルと、こうしたシリンジバレルを利用する予め充填されたシリンジ10とを対象とする。他の実施形態では、シリンジバレルは、後部フランジ14の真上のシリンジバレル壁に埋め込まれ、それによって完全に封入された電子インレー1を有してもよい。
【0192】
予め充填されたシリンジは、典型的には、シリンジバレル、シリンジバレルの内腔内に含まれる注射可能な医薬組成物、シリンジバレルの後部開口部に挿入されて後部シールを提供するプランジャ17、およびシリンジがステーク状針シリンジまたはルアーロックシリンジであるかどうかに応じて、剛直な針シールド15またはルアーキャップ16のいずれかを含む。一部の実施形態では、プランジャロッドはまた、シリンジバレルの後部開口部に挿入され、プランジャ17と連通してもよい。予め充填されたシリンジ10の場合、電子インレー1は、望ましくは、例えば図1に示すように、針もしくはルアーロックハブ12内、またはシリンジバレル11の一次部分と針もしくはルアーハブとの間の移行領域13内に位置付けられてもよい。このように電子インレー1を位置付けることは、例えば、図1Bに示すように、その後予め充填されたシリンジに付与される剛直な針シールド15またはルアーキャップ16によって電子構成要素を隠すことを可能にする利点を有する。代替的な実施形態では、インレー1は、シリンジバレル11の壁の一次部分、例えば、後部フランジ14のすぐ上方に組み込まれてもよい。
【0193】
望ましくは、電子インレー1は、シリンジバレル11の壁、移行領域13、またはハブ部分12のいずれかを構成するプラスチックによって埋め込まれ、完全に封入される。このようにして、シリンジバレルの内表面および外表面、特に電子インレー1が埋め込まれるシリンジバレルの一部分は、電子インレー1なしで調製されたシリンジバレルのものと同一または実質的に同一(すなわち、同一のポリマー材料で作製)であってもよい。一部の実施形態では、電子インレー1は、シリンジバレルの針またはルアーハブ12を構成するプラスチックによって埋め込まれ、完全に封入される。
【0194】
望ましくは、電子インレー1は、表面の不規則性または変動性を引き起こさない様式で、バイアルのプラスチック壁によって埋め込まれ、完全に封入される。例えば、電子インレー1は、成形中の中間工程としてシリンジバレルの一部分に導入されてもよい。プラスチックシリンジバレルは、典型的には射出成形プロセスによって製造される。こうしたプロセスでは、熱可塑性材料33、例えばCOPまたはCOC樹脂は溶融され、シリンジバレルの形状を形成する射出成形型に送達される。ステーク状針シリンジの場合、針は射出成形プロセス中にモールドコアに対して保持され、熱可塑性材料は針の近位部分の側面の周りに流れ、それによってシリンジバレルの針ハブ部分12を形成する。針ハブ部分12を構成する熱可塑性材料が冷却すると、針の近位部分がシリンジバレルのハブ部分内に固定される。対照的に、ルアーロックシリンジについては、ハブ部分12を通って中央に延びる流路を形成するために、一つ以上の成形型要素が使用される。
【0195】
本開示の実施形態では、電子インレー1は、シリンジバレルの一部分、例えば、針またはルアーハブ12に埋め込まれ、それによって完全に封入されてもよい。こうした配置を得るために、シリンジバレルの射出成形は、ツーショット成形プロセスまたはオーバーモールドプロセスと同様に、複数の工程で実施されてもよい。第一の工程では、第一の量の熱可塑性材料33、例えばCOPまたはCOC樹脂が溶融され、それがポリマーの第一の層を形成する射出成形型に送達される。次いで、ポリマーの第一の層を冷却して、第一の層にある程度の剛性を提供し、次いで、電子インレー1を第一の層の表面上の所望の位置に位置付ける。電子インレー1が第一の層の表面上に位置付けられた後、熱可塑性材料33の第二の射出が射出成形型に送達され、そこで熱可塑性材料33の第二の射出は第一の層の表面の上を流れ、電子インレーがその上に位置付けられる。次に、成形シリンジバレルを冷却し、成形型から取り外す。このようにして、電子インレー1は、第一のポリマー層と第二のポリマー層との間に挟まれてもよく、その結果、電子インレーが壁の一部分、例えば、壁11、移行領域13、フランジ14、またはハブ部分12内に完全に埋め込まれ、封入されたシリンジバレルとなる。
【0196】
一部の実施形態では、射出成形は、二つの射出成形型の使用を伴い得る。第一の工程では、第一の量の熱可塑性材料33、例えばCOPまたはCOC樹脂が溶融され、中間ポリマー体を形成する第一の射出成形型に送達される。次いで、中間ポリマー体を冷却し、第二の射出成形型に移す。電子インレー1は、任意選択的に中間ポリマー体が第二の射出成形型内に配置された後、または中間ポリマー体の第二の射出成形型への移送中に、中間ポリマー体の表面上の所望の位置に位置付けられる。第二の量の熱可塑性材料33、例えば、COPまたはCOC樹脂が溶融され、第二の射出成形型に送達され、そこで中間ポリマー体の表面の上を流れ、その上に位置付けられた電子インレー1が成形シリンジバレルを形成する。次いで、最終成形シリンジバレルを冷却し、第二の射出成形型から取り外す。上述のように、結果は、壁の一部分、例えば、壁11、移行領域13、フランジ14、またはハブ部分12によって完全に埋め込まれ、封入された電子インレーを有するシリンジバレルである。
【0197】
このようにして電子インレー1をシリンジバレルに組み込むことによって、シリンジバレルの寸法、特にインレーが埋め込まれ、封入されるシリンジバレルの一部分は、厳しい公差内で、かつ高い均一性で反復可能に製造され得る。これは、内腔が0.25~10mL、任意選択で0.5~5mL、任意選択で0.5~1mL、任意選択で0.5mL、任意選択で1mL、任意選択で2.25mLの公称充填容積を有するものなど、少量のシリンジバレルに対処する場合に特に重要である。例えば、寸法及び表面均一性は、容器施栓系完全性(CCI)の維持に非常に重要である。
【0198】
さらに、電子インレー1はシリンジバレル11のポリマー壁によって完全に封入されているため、電子インレーのいかなる部分もシリンジバレルの内部表面または外部表面のいずれにも露出されない。また、ステーク状の針シリンジの場合、電子インレー1は針に接触しない。
【0199】
ステーク状針シリンジバレルのハブ部分12への電子インレー1の組み込みは、例えば、その中に針の近位部分を固定するという要件、および針ホルダーの端部が典型的には成形型の一部を形成するという事実を含む、その要素の特定の構造的配置によって複雑である。したがって、成形プロセスは、ステーク状針シリンジバレルのハブ部分12に電子インレー1を組み込むときに特に適合されなければならない。一部の実施形態では、例えば、射出成形型は、ハブ部分12の少なくとも一部を囲む独立して開放可能な要素を備えてもよく、これは、針ホルダーまたはモールドコアの移動なしに電子インレー1の配置を可能にするように開放されてもよい。いくつかの実施形態では、第一のポリマー層または中間ポリマー体の厚さは、冷却されると、針がその中に固定されるが、第二のポリマー層が電子インレー1を完全に覆い、封入するのに不十分であるように、ハブ部分12の全体的な厚さを過度に取り込むことないように、慎重に制御される。
【0200】
電子インレーは、既存のバイアル、シリンジ、カートリッジなどの寸法の著しい変化を必要としないように、比較的小さくてもよい。一部の実施形態では、例えば、電子インレーは、5mm以下、4mm以下、3mm以下、2mm以下、または1mm以下の長さ、および5mm以下、4mm以下、3mm以下、2mm以下、または1mm以下の幅を有してもよい。電子インレーの実施形態は、500ミクロン以下、400ミクロン以下、300ミクロン以下、200ミクロン以下、100ミクロン以下、または50ミクロン以下の厚さを有してもよい。
【0201】
電子インレーはまた、照射(例えば、電子ビームまたはガンマ)およびガス(例えば、エチレンオキシド(EtO)、気化過酸化水素(VHP)など)による滅菌などの医薬パッケージの滅菌に耐えるように構成されてもよい。
【0202】
電子インレーはまた、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、例えば、米国特許第9,554,968号であるTrilayer Coated Pharmaceutical Packaging、および米国特許第9,863,042号であるPECVD Lubricity Vessel Coating, Coating Process And Apparatus Providing Different Power Levels in Two Phasesに記載されるなどの、容器の壁の一つ以上の表面のPECVDコーティングに耐えるように構成されてもよい。これらのコーティングプロセスは、例えば、電界に供される電子インレーを伴い得る。
【0203】
いくつかの実施形態では、一体化されたステーク状針および埋め込まれた電子構成要素を有するシリンジバレルが調製されてもよい。本明細書に開示される技術の別の態様は、針の周りにバレルの少なくとも一部分を射出成形して、針を定位置に固定および密封することによって電子構成要素および一体化されたステーク状の針を有するシリンジを作製する方法である。針の少なくとも一部分は、プラスチックまたはその他の材料を射出して注射器本体を形成する前に、成形型に挿入される。プラスチックが成形型キャビティ内で冷却されると、プラスチックシリンジ本体は針に接合し、針とシリンジとの間に永久的取り付けを形成する。針とシリンジとの間の接合は、任意選択で、防湿性、液密性、滅菌性を維持するのに十分であり、真空を保持することができる。
【0204】
一部の実施形態では、埋め込まれた電子構成要素を有するバイアルが調製されてもよい。ボトルまたはバイアルは典型的に、ブロー成形を使用して形成されてもよい。ブロー成形は、中空プラスチック部品、例えば、ボトルまたはバイアル(比較的狭いネックおよび/または開口部を有する)が形成される製造プロセスである。一般に、ブロー成形には、(1)押出ブロー成形、(2)射出ブロー成形、および(3)射出延伸ブロー成形の三つのタイプがある。任意のタイプのブロー成形では、プロセスは、溶融プラスチックを提供し、それをパリソンまたはプレフォームに形成することから始まる。パリソンは、圧縮空気が通過できる一方の端部に開口部を有する、プラスチックの管様片である。パリソンは成形型内に締め付けられ、空気が中に吹き込まれる。空気圧は、プラスチックを押し出して(ほぼ風船を膨らますように)成形型の輪郭に合致させ、それによって、プラスチックが冷却されると完成部品を形成する。容器が冷却および硬化した後、成形型が開かれ、部品が排出される。
【0205】
押出ブロー成形は、実質的に前述した通りであるが、スピントリミングも必要とするプロセスであり、これは余分な材料を切り取ることを伴う追加的な工程である。押出ブロー成形部品は、低強度を有することが知られており、結果としてほとんどの容器にとって望ましくない。また、追加の処理工程は、凍結乾燥バイアルを作製するのに好ましくない押出ブロー成形を行うことを含んだ。
【0206】
標準的な射出ブロー成形(IBM)プロセスでは、ポリマーはコアピン上に射出成形され、次いでコアピンはブロー成形ステーションに回転されて膨張および冷却される。これは、三つのブロー成形プロセスの中で最も使用頻度が低く、典型的には、小さな医療ボトルおよび単回使用ボトルを作製するために使用される。プロセスは、射出、ブロー、排出の三つの工程に分けられる。射出ブロー成形機は、押出機バレルおよびポリマーを溶融するねじアセンブリに基づく。溶融ポリマーは、ホットランナーマニホールドに供給され、ノズルを通して加熱されたキャビティおよびコアピンに射出される。キャビティ金型は、容器の外部形状を形成し、プレフォームの内部形状を形成するコアロッドの周りに締め付けられる。プレフォームは、ポリマーの厚い管が取り付けられた完全に形成されたボトル/ジャーネックからなり、これはねじ付きネックを有する試験管と外観が類似して本体を形成する。こうしたプレフォームの例は、米国特許公開第2009/0220809号に見ることができる。プレフォーム成形型が開き、コアロッドが回転し、中空の冷却ブロー成形型内に締め付けられる。コアロッドの端部が開き、圧縮空気がプレフォーム内に入ることができ、プレフォームを完成品形状に膨張する。冷却期間の後、ブロー成形型が開き、コアロッドが排出位置に回転する。典型的には、射出ブロー成形は、ブロー中にベースセンタを制御することが困難であるため、小容量ボトルにのみ適する。さらに、材料が二軸延伸されないため、バリア強度の増加はない。従って、標準的な射出ブロー成形方法は、限られた使用または製品構成、バリア強度の制限、およびその他の製造上の不都合のために、ほとんどの容器(containers)および器(vessels)にとって望ましくない。
【0207】
従来の射出延伸ブロー成形(ISBM)は、典型的には、二つの異なる方法、すなわち、一段階および二段階のうちの一方を使用して実施される。
【0208】
二段階射出延伸ブロー成形プロセスでは、プラスチックは、射出成形プロセスを使用して最初にプレフォームに成形される。これらのプレフォームは、任意選択で一方の端部にねじ山を含むボトルのネックで製造される。これらのプレフォームは包装され、後で(冷却後に)再熱延伸ブロー成形機に供給される。ISBMプロセスでは、プレフォームは、そのガラス転移温度を超えて加熱され、その後、高圧空気を使用して金属ブロー成形型を使用してボトル内にブローされる。プレフォームはまた、プロセスの一部としてコアロッドまたはマンドレルで延伸されてもよい。
【0209】
図5は、開示された概念の一態様による、延伸ブロー成形に含まれる工程の概略図を示す。図5に示す最終バイアルは、単にプロセスを例示することを意図しており、バイアルの全ての構造的特徴を正確かつ複雑に描写するものではないことに留意されたい。工程41に示すように、プロセスは、プラスチック樹脂33(例えば、サイクリンオレフィンポリマー)を提供する工程と、樹脂を溶融し、溶融物を射出成形型に送達する工程と、樹脂からプレフォーム30を成形する工程と、の初期工程を伴い得る。次の工程42では、加熱されたプレフォーム30は、マンドレルを使用してブロー成形型内において任意選択で延伸される。ブロー成形型内にある時、プレフォームは底部を越えて延伸される(すなわち、ベース成形型は、成形型がブロー位置にないように、ブローする位置にまだない)。最後の工程43では、成形部品およびベース成形型が集合的にブロー位置にある間(すなわち、ベース成形型が延伸工程中にその以前の位置から押し上げられる)、ガスが延伸加熱されたプレフォームに吹き込まれて、バイアルの最終形状を形成する。ベース成形型を、延伸後、およびその後、ガスを吹き込んだ後、このように上昇させることは、特に角において、材料分布を最適化するのに役立つ。ブロー圧力は、工程42および43の間に調整および制御されてもよい。例えば、任意選択で低圧ブローを延伸工程42の間に利用して、プレフォームの材料を分散させるのを補助してもよい。ガスは、バイアルの所望の形状が部分的に形成された後、ベース成形型が所定位置にあるときに高圧で吹き込まれ得る。任意選択的に、プロセスを最適化し、材料分布の改善をもたらすのを助けるために、四つの構成要素射出成形型が使用される。
【0210】
延伸工程中、マンドレルは、空気式またはサーボによって制御されてもよい。サーボは、マンドレルの延伸速度および位置のより正確な制御を提供するため、好ましい場合がある。また、サーボは、任意選択で、プラスチック温度を監視し、速度プロファイルを調整して、熱効率に必要な望ましい寸法および公差を有するバイアルを達成するのを助けるために使用され得る。
【0211】
出願人は、他の形態のブロー成形と比較して、射出延伸ブロー成形を使用して生成されるより低い延伸比が、部品側壁の厚さ変化のより良い制御を可能にすることを見出した。結果として得られる部品の寸法の制御および公差は、容器(container)又は器(vessel)(例えば、バイアル)の熱効率を改善することができる。側壁厚さの変動を最小化することは、凍結乾燥(freeze drying)(凍結乾燥(lyophilization))サイクル中のより一貫した熱伝達を容易にする。特に、半径方向に測定される均質な側壁厚さ(すなわち、バイアルの中心軸の周りの360°)は、軸方向に測定される壁厚さ(すなわち、バイアルの上部の壁厚さに対する底部の近くの壁厚さ)の均質性よりも重要であると思われる。熱効率に関する利点に加えて、開示された概念の射出延伸ブロー成形方法に従って製造されたバイアルの側壁の厚さの一貫性は、光学特性の改善をもたらす。非経口容器におけるこうした特性は、任意の異物汚染について透明な容器を通した目視検査を可能にするために必要である。側壁の厚さの不一致は、光学歪みを生成する可能性があり、バイアルの内容物を視覚的に検査する人の能力を制限する。開示された概念の方法およびバイアルは、先行技術のこの問題を低減または排除する。
【0212】
さらに、上記のプロセスに従って作製されたポリマーバイアルの密度は、ガラスバイアルの密度よりもはるかに均質性があり、正確に制御されることが見出された。密度の変動は、凍結乾燥のサイクル時間に影響を与える可能性がある。したがって、開示された概念によるバイアルのより均質な密度は、凍結乾燥プロセスにおける改善された均質性を提供する。
【0213】
容器の製造中にその中に組み込まれる電子構成要素、例えばRFIDタグを有する容器を提供することによって、本開示の実施形態はまた、拒否された容器、例えば、バイアル、シリンジバレル、カートリッジなどを識別するためのより効率的なプロセスを可能にし得る。従来、例えば、一つ以上のプロセスパラメータが満たされていないことが見出されたため、一つ以上の空の容器または一つ以上の充填および密封された容器(すなわち、医薬品)を拒絶する必要があると識別された場合、いずれのバッチまたはバッチの一部分の個々の容器を拒絶する必要があるかを判定することは困難であり得る。これは、バッチ全体またはバッチの大部分が廃棄されることにつながり得る。各個別の容器に固有の識別子を有する電子構成要素、例えばRFIDタグを提供することによって、本開示の実施形態は、拒否のため個別の容器または医薬品の識別を可能にし、それによって廃棄される製品の量を制限する。
【0214】
例示的な実施形態
医薬パッケージ
1.医薬パッケージであって、
内腔を画定する容器と、
内腔内の医薬溶液と、
閉鎖部と、
容器に取り付けられ、
パッケージに追跡される能力を提供し、および/または
一つ以上の保管条件の適合または不適合を検出および/または記録し、ならびに/または
一つ以上の投与パラメータに関する情報を提供するように構成された電子構成要素と、を備える、医薬パッケージ。
2.容器が、シリンジバレル、カートリッジ、またはバイアルである、実施形態1に記載の医薬パッケージ。
3.電子構成要素が、RFIDタグ、任意選択で、865~928MHzの範囲内の一つ以上の周波数を利用するRFIDタグ、任意選択で、約13.56MHzの周波数を利用するRFIDタグである、実施形態1~2のいずれかに記載の医薬パッケージ。
4.電子構成要素が集積回路を備える、実施形態1~3のいずれかに記載の医薬パッケージ。
5.電子構成要素が、データストレージを備える、実施形態1~4のいずれかに記載の医薬パッケージ。
6.容器が、熱可塑性材料で作製された少なくとも一つの壁を備える、実施形態1~5のいずれかに記載の医薬パッケージ。
7.熱可塑性材料が、ポリプロピレン、ポリエチレン、COP、COC、またはCBCのうちの一つ以上を含む、実施形態1~6のいずれかに記載の医薬パッケージ。
8.電子構成要素が、容器の熱可塑性壁に埋め込まれている、実施形態1~7のいずれかに記載の医薬パッケージ。
9.電子構成要素が、容器の壁にオーバーモールドされる、実施形態1~8のいずれかに記載の医薬パッケージ。
10.容器の少なくとも一部分を構成する熱可塑性材料が、電子構成要素を完全にまたは実質的に完全に囲む、実施形態1~9のいずれかに記載の医薬パッケージ。
11.電子構成要素のいずれの部分も容器の外部表面上にない、実施形態1~10のいずれかに記載の医薬パッケージ。
12.パッケージが、予め充填されたシリンジであり、電子構成要素が、シリンジバレルのハブ部分に埋め込まれる、実施形態1~11のいずれかに記載の医薬パッケージ。
13.パッケージが、予め充填されたシリンジであり、電子構成要素が、シリンジバレルの本体とシリンジバレルのハブ部分との間の移行領域に埋め込まれている、実施形態1~12のいずれかに記載の医薬パッケージ。
14.ハブ部分が、針ハブまたはルアーハブである、実施形態1~13のいずれかに記載の医薬パッケージ。
15.閉鎖部が、剛直な針シールドまたはルアーキャップを備え、電子構成要素が、閉鎖部によって視覚的に隠される、実施形態1~14のいずれかに記載の医薬パッケージ。
16.パッケージが、予め充填されたシリンジであり、電子構成要素が、後部フランジに隣接するシリンジバレルの本体に埋め込まれている、実施形態1~15のいずれかに記載の医薬パッケージ。
17.パッケージが充填されたバイアルであり、電子構成要素がバイアルのネック部分に、任意選択で厚くされたフランジ領域に埋め込まれる、実施形態1~16のいずれかに記載の医薬パッケージ。
18.閉鎖部がストッパおよび圧着部を備え、電子構成要素が閉鎖部によって視覚的に隠されている、実施形態1~17のいずれかに記載の医薬パッケージ。
19.パッケージが充填されたカートリッジであり、電子構成要素がカートリッジの針取り付け部分に埋め込まれている、実施形態1~18のいずれかに記載の医薬パッケージ。
20.閉鎖部がキャップを備え、電子構成要素が閉鎖部によって視覚的に隠されている、実施形態1~19のいずれかに記載の医薬パッケージ。
21.ラベルをさらに備え、電子構成要素が、ラベルによって視覚的に隠される容器の一部分に埋め込まれる、実施形態1~20のいずれかに記載の医薬パッケージ。
22.パッケージが充填されたカートリッジであり、電子構成要素が送達装置、任意選択で自動注射器または注射ペンによって直接読み取られるように構成されている、実施形態1~21のいずれかに記載の医薬パッケージ。
23.電子構成要素が、パッケージの一部分によって視覚的に隠される、実施形態1~22のいずれかに記載の医薬パッケージ。
24.パッケージが、内腔を医薬溶液で充填し、内腔を閉鎖部で封止する前に、容器も追跡され得るように構成されている、実施形態1~23のいずれかに記載の医薬パッケージ。
25.電子構成要素が、空の状態の容器の自動目視検査によって検出可能である、実施形態1~24のいずれかに記載の医薬パッケージ。
26.電子構成要素が、外部ライタを使用して書き込まれるように構成される、実施形態1~25のいずれかに記載の医薬パッケージ。
27.医薬溶液が、注射可能な薬剤含有溶液である、実施形態1~26のいずれかに記載の医薬パッケージ。
28.電子構成要素が、5mm以下、任意選択で4mm以下、任意選択で3mm以下、任意選択で2mm以下、任意選択で1mm以下の長さ、および5mm以下、任意選択で4mm以下、任意選択で3mm以下、任意選択で2mm以下、任意選択で1mm以下の幅を有する、実施形態1~27のいずれかに記載の医薬パッケージ。
29.電子構成要素が、500ミクロン以下、任意選択で400ミクロン以下、任意選択で300ミクロン以下、任意選択で200ミクロン以下、任意選択で100ミクロン以下、任意選択で50ミクロン以下の厚さを有する、実施形態1~28のいずれかに記載の医薬パッケージ。
30.医薬パッケージが、滅菌、任意選択で照射による滅菌、任意選択でガスによる滅菌に供されている、実施形態1~29のいずれかに記載の医薬パッケージ。
31.電子構成要素が、医薬パッケージの滅菌、任意選択で照射による滅菌、任意選択でガスによる滅菌に耐えるように構成される、実施形態1~30のいずれかに記載の医薬パッケージ。
32.電子構成要素が温度センサを備え、任意選択で電子構成要素が受動的RFID温度センサである、実施形態1~31のいずれかに記載の医薬パッケージ。
33.内腔内の医薬溶液が、定義された温度範囲内に維持されなければならず、電子構成要素が、その温度範囲からの偏差を検出および登録するように構成されている、実施形態1~32のいずれかに記載の医薬パッケージ。
34.電子構成要素が圧力センサを備え、任意選択で電子構成要素が受動的RFID圧力センサである、実施形態1~33のいずれかに記載の医薬パッケージ。
35.内腔内の医薬溶液が、定義された圧力範囲内に維持されなければならず、電子構成要素が、その圧力範囲からの偏差を検出および登録するように構成されている、実施形態1~34のいずれかに記載の医薬パッケージ。
36.医薬溶液が、定義された分注速度で、または許容可能な分注速度の定義された範囲内で投与され、電子構成要素が、定義された分注速度または許容可能な分注速度の定義された範囲に関する情報を含む、実施形態1~35のいずれかに記載の医薬パッケージ。
37.定義された分注速度または許容可能な分注速度の定義された範囲に関する情報が、送達装置、任意選択で自動注射器または注射ペンによって読み取られるように構成されている、実施形態1~36のいずれかに記載の医薬パッケージ。
38.医薬溶液が、定義された針挿入深さまたは許容可能な針挿入深さの定義された範囲を使用して投与され、電子構成要素が、定義された針挿入深さまたは許容可能な針挿入深さの定義された範囲に関する情報を含む、実施形態1~37のいずれかに記載の医薬パッケージ。
39.定義された針挿入深さまたは許容可能な針挿入深さの定義された範囲に関する情報が、送達装置、任意選択で自動注射器または注射ペンによって読み取られるように構成されている、実施形態1~38のいずれかに記載の医薬パッケージ。
40.電子構成要素が、問い合わせ事象をデータベースに登録するように構成される、実施形態1~39のいずれかに記載の医薬パッケージ。
41.自動注射器または注射ペンは、カートリッジまたはシリンジの電子構成要素を読み取るように構成されたリーダを備える、実施形態1~40のいずれか一つに記載のカートリッジまたはシリンジを備える自動注射器または注射ペン。
42.自動注射器または注射ペンが、電子構成要素から取得された情報に応答して一つ以上の注射設定を調整するように構成されている、実施形態41に記載の自動注射器または注射ペン。
43.電子構成要素が埋め込まれている壁の内表面、外表面、または両方が、電子構成要素なしで調製された同じ容器の壁の内表面、外表面、または両方と同一または実質的に同一である、実施形態1~42のいずれかに記載の医薬パッケージ。
44.電子構成要素が埋め込まれている壁の内表面、外表面、または両方が、電子構成要素の挿入によって引き起こされるものなどの表面の不規則性を含まない、実施形態1~43のいずれかに記載の医薬パッケージ。
45.電子構成要素が、構成要素上に直接格納された情報、任意選択で識別情報を含む、実施形態1~44のいずれかに記載の医薬パッケージ。
46.電子構成要素が、クラウドコンピューティングネットワークなどのコンピューティングネットワークへの接続なしに読み取り可能である、実施形態1~45のいずれかに記載の医薬パッケージ。
47.電子構成要素が、クラウドコンピューティングネットワークなどのコンピューティングネットワークへの接続なしに書き込み可能である、実施形態1~46のいずれかに記載の医薬パッケージ。
【0215】
容器(充填前など)
A1.容器に取り付けられた電子構成要素を有し、充填されていない容器および容器の内腔を医薬溶液で充填し、次いで内腔を追跡される能力で密封することから生じる、医薬パッケージの両方を提供するように構成された、容器。
A2.容器がシリンジバレル、バイアル、またはカートリッジである、実施形態A1に記載の容器。
A3.シリンジバレルに取り付けられた電子構成要素を有し、充填されていないシリンジバレルおよびシリンジバレルの内腔を医薬溶液で充填し、その後、内腔を追跡される能力で密封することから生じる、医薬パッケージの両方を提供するように構成された、シリンジバレル。
A4.バイアルに取り付けられた電子構成要素を有し、充填されていないバイアルおよびバイアルの内腔を医薬溶液で充填し、その後、内腔を追跡される能力で密封することから生じる、医薬パッケージの両方を提供するように構成された、バイアル。
A5.カートリッジに取り付けられた電子構成要素を有し、充填されていないカートリッジおよびカートリッジの内腔を医薬溶液で充填し、その後、内腔を追跡される能力で密封することから生じる、医薬パッケージの両方を提供するように構成された、カートリッジ。
A6.電子構成要素が、RFIDタグ、任意選択で865~928MHzの範囲内の一つ以上の周波数を利用するRFIDタグ、任意選択で約13.56MHzの周波数を利用するRFIDタグである、実施形態A1~A5のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
A7.電子構成要素が集積回路を備える、実施形態A1~A6のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
A8.電子構成要素が、データストレージを備える、実施形態A1~A7のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
A9.容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジが、熱可塑性材料で作製された少なくとも一つの壁を備える、実施形態A1~A8のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
A10.熱可塑性材料が、ポリプロピレン、ポリエチレン、COP、COC、またはCBCのうちの一つ以上を含む、実施形態A1~A9のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
A11.電子構成要素が、容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジの熱可塑性壁に埋め込まれる、実施形態A1~A10のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
A12.電子構成要素が、容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジの壁にオーバーモールドされる、実施形態A1~A11のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
A13.容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジの少なくとも一部分を構成する熱可塑性材料が、電子構成要素を完全にまたは実質的に完全に囲む、実施形態A1~A12のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
A14.電子構成要素のいずれの部分も、容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジの外部表面上にない、実施形態A1~A13のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
A15.電子構成要素が、シリンジバレルのハブ部分に埋め込まれる、実施形態A1~A14のいずれかに記載のシリンジバレル。
A16.電子構成要素が、シリンジバレルの本体とシリンジバレルのハブ部分との間の移行領域に埋め込まれている、実施形態A1~A15のいずれかに記載のシリンジバレル。
A17.ハブ部分が、針ハブまたはルアーハブである、実施形態A1~A16のいずれかに記載のシリンジバレル。
A18.シリンジバレルが、電子構成要素が剛直な針シールドまたはルアーキャップによって視覚的に隠されるように構成されている、実施形態A1~A17のいずれかに記載のシリンジバレル。
A19.電子構成要素が、後部フランジに隣接するシリンジバレルの本体に埋め込まれている、実施形態A1~A18のいずれかに記載のシリンジバレル。
A20.電子構成要素が、バイアルのネック部分に、任意選択で厚くされたフランジ領域に埋め込まれる、実施形態A1~A19のいずれかに記載のバイアル。
A21.バイアルが、電子構成要素がストッパおよび圧着閉鎖部によって視覚的に隠されるように構成されている、実施形態A1~A20のいずれかに記載のバイアル。
A22.電子構成要素が、カートリッジの針取り付け部分に埋め込まれている、実施形態A1~A21のいずれかに記載のカートリッジ。
A23.カートリッジが、電子構成要素が針取り付け部分上に配置されたキャップによって視覚的に隠されるように構成されている、実施形態A1~A22のいずれかに記載のカートリッジ。
A24.ラベルをさらに備え、電子構成要素が、ラベルによって視覚的に隠される容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジの一部分に埋め込まれる、実施形態A1~A23のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
A25.カートリッジが、電子構成要素が送達装置、任意選択で自動注射器または注射ペンによって直接読み取り可能であるように構成されている、実施形態A1~A24のいずれかに記載のカートリッジ。
A26.容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジが、電子構成要素が完成した医薬パッケージの一部分によって視覚的に隠されるように構成される、実施形態A1~A25のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
A27.電子構成要素が、空の状態の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジの自動目視検査によって検出可能である、実施形態A1~A26のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
A28.電子構成要素が、外部ライタを使用して書き込まれるように構成される、実施形態A1~A27のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
A29.電子構成要素が、5mm以下、任意選択で4mm以下、任意選択で3mm以下、任意選択で2mm以下、任意選択で1mm以下の長さ、および5mm以下、任意選択で4mm以下、任意選択で3mm以下、任意選択で2mm以下、任意選択で1mm以下の幅を有する、実施形態A1~A28のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
A30.電子構成要素が、500ミクロン以下、任意選択で400ミクロン以下、任意選択で300ミクロン以下、任意選択で200ミクロン以下、任意選択で100ミクロン以下、任意選択で50ミクロン以下の厚さを有する、実施形態A1~A29のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
A31.容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジが、電子構成要素が、滅菌、任意選択で電子ビームまたはガンマ照射による滅菌、任意選択でEtoまたはVHPガスによる滅菌に耐えることができるように構成される、実施形態A1~A30のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
A32.電子構成要素が温度センサを備え、任意選択で電子構成要素が受動的RFID温度センサである、実施形態A1~A31のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
A33.電子構成要素が圧力センサを備え、任意選択で電子構成要素が受動的RFID圧力センサである、実施形態A1~A32のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
A34.電子構成要素が、定義された分注速度または許容可能な分注速度の定義された範囲に関する情報を含む、実施形態A1~A33のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
A35.定義された分注速度または許容可能な分注速度の定義された範囲に関する情報が、送達装置、任意選択で自動注射器または注射ペンによって読み取られるように構成されている、実施形態A1~A34のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
A36.電子構成要素が、定義された針挿入深さまたは許容可能な針挿入深さの定義された範囲に関する情報を含む、実施形態A1~A35のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
A37.定義された針挿入深さまたは許容可能な針挿入深さの定義された範囲に関する情報が、送達装置、任意選択で自動注射器または注射ペンによって読み取られるように構成される、実施形態A1~A36のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
A38.電子構成要素が、問い合わせ事象をデータベースに登録するように構成される、実施形態A1~A37のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
A39.電子構成要素が埋め込まれ、封入される壁の内表面、外表面、または両方が、電子構成要素なしで調製される同じ容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジの壁のものと同一であるか、または実質的に同一である、実施形態A1~A38のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
A40.電子構成要素が埋め込まれ、封入される壁の内表面、外表面、または両方が、電子構成要素の挿入によって引き起こされるものなどの表面の不規則性を含まない、実施形態A1~A39のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
A41.電子構成要素が、構成要素上に直接格納される情報、任意選択で識別情報を含む、実施形態A1~A40のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
A42.電子構成要素が、クラウドコンピューティングネットワークなどのコンピューティングネットワークに接続することなく読み取り可能である、実施形態A1~A41のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
A42.電子構成要素が、クラウドコンピューティングネットワークなどのコンピューティングネットワークに接続することなく、書き込み可能である、実施形態A1~A41のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジ。
【0216】
成形/検査プロセス
B1.容器の少なくとも一部分を構成する熱可塑性材料に埋め込まれた電子構成要素を有する容器を調製する方法であって、
-電子構成要素を成形型に挿入することと、
-容器または容器の少なくとも一部分を形成するために、熱可塑性材料を成形型に射出することと、を含み、
熱可塑性材料が電子構成要素を囲むかまたは実質的に囲み、それによって容器の一部分内に電子構成要素を埋め込む、方法。
B2.容器の少なくとも一部分を構成する熱可塑性材料に埋め込まれた電子構成要素を有する容器を調製する方法であって、
-その中に埋め込まれた電子構成要素を有するプレフォームを提供することであって、任意選択で、電子構成要素が容器のネックに対応するプレフォームの上部に埋め込まれる、提供することと、
-容器を製造するために、プレフォームを射出ブロー成形または射出延伸ブロー成形することと、を含む方法。
B3.容器が、シリンジバレル、医療用カートリッジ、またはバイアルである、実施形態B1~B2のいずれかに記載の方法。
B4.シリンジバレルの少なくとも一部分を構成する熱可塑性材料に埋め込まれた電子構成要素を有するシリンジバレルを調製する方法であって、
-電子構成要素を成形型に挿入することと、
-熱可塑性材料を成形型に射出して、シリンジバレルまたはシリンジバレルの少なくとも一部分を形成することと、を含み、
熱可塑性材料が電子構成要素を囲むかまたは実質的に囲み、それによって電子構成要素をシリンジバレルの一部分内に埋め込む、実施形態B1~B3のいずれかに記載の方法。
B4A.シリンジバレルの少なくとも一部分を構成する熱可塑性材料に埋め込まれた電子構成要素を有するシリンジバレルを調製する方法であって、
-第一のポリマー層を射出成形することと、
-第一のポリマー層を、例えば、そのガラス転移温度を下回る温度に冷却することと、
-電子構成要素を第一のポリマー層の表面上に位置付けることと、
-第二のポリマー層が電子構成要素を覆うように、第二のポリマー層を射出成形することと、を含む、方法。
B5.バイアルの少なくとも一部分を構成する熱可塑性材料に埋め込まれた電子構成要素を有するバイアルを調製する方法であって、
-その中に埋め込まれた電子構成要素を有するプレフォームを提供することであって、任意選択的に、電子構成要素がバイアルのネックに対応するプレフォームの上部に埋め込まれる、提供することと、
-バイアルを製造するためにプレフォームを射出ブロー成形または射出延伸ブロー成形することと、を含む、方法。
B6.容器、シリンジバレル、またはバイアルを検査して、電子構成要素の存在、位置付け、および/または機能を確実にすることをさらに含む、実施形態B1~B5のいずれかに記載の方法。
B7.検査することが、電子構成要素の存在を識別するため容器、シリンジバレル、またはバイアルの自動機械操作目視検査を含む、実施形態B1~B6のいずれかに記載の方法。
B8.機械操作目視検査が、電子構成要素が容器、シリンジバレル、またはバイアル内の許容可能な位置にあるかどうかも判定する、実施形態B1~B7のいずれかに記載の方法。
B9.検査することが、遠隔リーダを使用して、電子構成要素が読み取り可能であることを確実にすることを含む、実施形態B1~B8のいずれかに記載の方法。
B10.電子構成要素が、RFIDタグ、任意選択で、865~928MHzの範囲内の一つ以上の周波数を利用するRFIDタグ、任意選択で、約13.56MHzの周波数を利用するRFIDタグである、実施形態B1~B9のいずれかに記載の方法。
B11.電子構成要素が集積回路を備える、実施形態B1~B10のいずれかに記載の方法。
B12.電子構成要素が、データストレージを備える、実施形態B1~B11のいずれかに記載の方法。
B13.熱可塑性材料が、ポリプロピレン、ポリエチレン、COP、COC、またはCBCのうちの一つ以上を含む、実施形態B1~B12のいずれかに記載の方法。
B14.電子構成要素のいずれの部分も、容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジの外部表面上になく、任意選択的に、電子構成要素のいずれの部分も、容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジの内部表面上にない、実施形態B1~B13のいずれかに記載の方法。
B15.電子構成要素が、シリンジバレルのハブ部分に埋め込まれる、実施形態B1~B14のいずれかに記載の方法。
B16.電子構成要素が、シリンジバレルの本体とシリンジバレルのハブ部分との間の移行領域に埋め込まれる、実施形態B1~B15のいずれかに記載の方法。
B17.ハブ部分が、針ハブまたはルアーハブである、実施形態B1~B16のいずれかに記載の方法。
B18.シリンジバレルが、電子構成要素が剛直な針シールドまたはルアーキャップによって視覚的に隠されるように構成されている、実施形態B1~B17のいずれかに記載の方法。
B19.電子構成要素が、後部フランジに隣接するシリンジバレルの本体に埋め込まれる、実施形態B1~B18のいずれかに記載の方法。
B20.電子構成要素が、バイアルのネック部分、任意選択で、厚くされたフランジ領域に埋め込まれる、実施形態B1~B19のいずれかに記載の方法。
B21.バイアルが、電子構成要素がストッパおよび圧着閉鎖部によって視覚的に隠されるように構成されている、実施形態B1~B20のいずれかに記載の方法。
B22.容器がカートリッジであり、電子構成要素がカートリッジの針取り付け部分に埋め込まれている、実施形態B1~B21のいずれかに記載の方法。
B23.カートリッジが、電子構成要素が針取り付け部分上に配置されたキャップによって視覚的に隠されるように構成されている、実施形態B1~B22のいずれかに記載の方法。
B24.容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジが、ラベルをさらに備え、電子構成要素が、ラベルによって視覚的に隠される容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジの一部分に埋め込まれる、実施形態B1~B23のいずれかに記載の方法。
B25.カートリッジが、電子構成要素が送達装置、任意選択で自動注射器または注射ペンによって直接読み取り可能であるように構成されている、実施形態B1~B24のいずれかに記載の方法。
B26.容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジが、電子構成要素が完成した医薬パッケージの一部分によって視覚的に隠されるように構成されている、実施形態B1~B25のいずれかに記載の方法。
B27.電子構成要素が、空の状態の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジの自動目視検査によって検出可能である、実施形態B1~B26のいずれかに記載の方法。
B28.電子構成要素が、外部ライタを使用して書き込まれるように構成される、実施形態B1~B27のいずれかに記載の方法。
B29.電子構成要素が、5mm以下、任意選択で4mm以下、任意選択で3mm以下、任意選択で2mm以下、任意選択で1mm以下の長さ、および5mm以下、任意選択で4mm以下、任意選択で3mm以下、任意選択で2mm以下、任意選択で1mm以下の幅を有する、実施形態B1~B28のいずれかに記載の方法。
B30.電子構成要素が、500ミクロン以下、任意選択で400ミクロン以下、任意選択で300ミクロン以下、任意選択で200ミクロン以下、任意選択で100ミクロン以下、任意選択で50ミクロン以下の厚さを有する、実施形態B1~B29のいずれかに記載の方法。
B31.容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジが、電子構成要素が、滅菌、任意選択で電子ビームまたはガンマ照射による滅菌、任意選択でEtoまたはVHPガスによる滅菌に耐えることができるように構成される、実施形態B1~B30のいずれかに記載の方法。
B32.電子構成要素が埋め込まれ、封入される容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジの壁の内表面、外表面、または両方が、電子構成要素なしで調製される同じ容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジの壁のものと同一または実質的に同一である、実施形態B1~B31のいずれかに記載の方法。
B33.電子構成要素が埋め込まれ、封入される容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジの壁の内表面、外表面、または両方が、電子構成要素の挿入によって引き起こされるものなどの表面の不規則性を含まない、実施形態B1~B32のいずれかに記載の方法。
B34.その中に埋め込まれた電子構成要素を有するプレフォームを提供する工程が、
-第一のポリマー層を射出成形することと、
-第一のポリマー層を、例えば、そのガラス転移温度を下回る温度に冷却することと、
-電子構成要素を第一のポリマー層の表面上に位置付けることと、
-第二のポリマー層が電子構成要素を覆うように、第二のポリマー層を射出成形することと、を含む、実施形態B1~B33のいずれかに記載の方法。
B35.その中に埋め込まれた電子構成要素を有するプレフォームを提供する工程が、
-第一のポリマー層の冷却から生じるポリマー本体を第一の射出成形型から第二の射出成形型に搬送することと、
-第二のポリマー層を第二の射出成形型に射出成形することと、をさらに含む、実施形態B34に記載の方法。
B36.容器またはバイアルを製造するための射出ブロー成形または射出延伸ブロー成形の工程が、電子構成要素に実質的に応力を課さないように、電子構成要素がプレフォームの一部分に位置付けられる、実施形態B1~B35のいずれかに記載の方法。
B37.シリンジバレルの少なくとも一部分を構成する熱可塑性材料に埋め込まれた電子構成要素を有するシリンジバレルを調製する方法が、
-第一のポリマー層の冷却から生じるポリマー本体を第一の射出成形型から第二の射出成形型に搬送することと、
-第二のポリマー層を第二の射出成形型に射出成形することと、をさらに含む、実施形態B4Aに記載の方法。
B38.成形プロセスから生じるシリンジバレルが、針を備え、その近位端が、針ハブに埋め込まれる、実施形態B1~B37のいずれかに記載の方法。
B39.第一のポリマー層の射出成形、電子構成要素の位置付け、および第二のポリマー層の射出成形が、針またはモールドコアを互いに対して移動させることなく実施される、実施形態B1~B38のいずれかに記載の方法。
B40.針ハブを囲む射出成形型の一部分が開いて、電子構成要素の位置付けを可能にする、実施形態B1~B39のいずれかに記載の方法。
B41.針が、第一のポリマー層の冷却から生じるポリマー本体をしっかりと埋め込まれる、実施形態B1~B40のいずれかに記載の方法。
B42.針が第二の射出成形型に挿入され、任意選択的に、針が第一の射出成形型内に存在しない、実施形態B1~B41のいずれかに記載の方法。
B43.電子構成要素が、構成要素上に直接格納される情報、任意選択で識別情報を含む、実施形態B1~B42のいずれかに記載の方法。
B44.電子構成要素が、クラウドコンピューティングネットワークなどのコンピューティングネットワークへの接続なしに読み取り可能である、実施形態B1~B43のいずれかに記載の方法。
B45.電子構成要素が、クラウドコンピューティングネットワークなどのコンピューティングネットワークへの接続なしに書き込み可能である、実施形態B1~B44のいずれかに記載の方法。
【0217】
使用方法
C1.医薬パッケージが定義された保管条件内に維持されているかどうかを監視する方法であって、
実施形態1~47のいずれかに記載の医薬パッケージを提供することと、
温度センサ(該当する場合)、圧力センサ(該当する場合)、またはその両方によって検出された不適合イベントを登録することと、を含む、方法。
C1a.実施形態1~47のうちの一つに記載の医薬パッケージの内腔内に含有される医薬溶液の投与を容易にする方法であって、
投与前に電子構成要素に問い合わせすることであって、それによって、温度センサ(該当する場合)、圧力センサ(該当する場合)、またはその両方によって検出された不適合事象があったかどうかに関する情報を取得することと、
任意選択で、不適合事象が検出された場合に、医薬パッケージを拒否することと、を含む、方法。
C1b.問い合わせすることが、薬剤送達装置、任意選択で自動注射器または注射ペンによって実施される、実施形態C1aに記載の方法。
C1c.薬剤送達装置が、不適合事象が検出された場合に、医薬パッケージを拒否するように構成される、実施形態C1bに記載の方法。
C2.実施形態1~47のうちの一つに記載の医薬パッケージの内腔内に含有される医薬溶液の適切な投与を容易にする方法であって、
投与前に電子構成要素に問い合わせすることであって、それによって、一つ以上の投与パラメータに関する情報を取得することと、
一つ以上の投与パラメータに従って医薬溶液を投与することと、を含む、方法。
C3.問い合わせすることおよび投与することが、薬剤送達装置、任意選択で自動注射器または注射ペンによって実施される、実施形態C2に記載の方法。
C4.薬剤送達装置の一つ以上の設定を調整して、一つ以上の投与パラメータを遵守することをさらに含み、任意選択で、調整することが、薬剤送達装置によって自動的に実施される、実施形態C3に記載の方法。
C5.例えば、臨床試験の一部として、医薬パッケージの投与を監視する方法であって、
実施形態1~47のいずれかに記載の医薬パッケージを提供することと、
データベースに
電子構成要素の問い合わせの日時、および/または
温度センサ(該当する場合)、圧力センサ(該当する場合)、またはその両方によって検出された不適合事象を登録することと、を含む、方法。
C6.医薬品に識別情報を提供する方法であって、
実施形態A1~A42のいずれかに記載の容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジを取得することであって、任意選択で、電子構成要素が、容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジに関する識別情報を含む、取得することと、
容器を医薬製剤で充填することと、
医薬製剤に関連する情報を電子構成要素に書き込むことであって、任意選択で、クラウドコンピューティングネットワークなどのコンピューティングネットワークへの接続なしに、書き込むことと、を含む、方法。
C7.容器、シリンジバレル、バイアル、またはカートリッジに関する識別情報が、電子構成要素から直接読み取り可能である、実施形態C6に記載の方法。

図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
【国際調査報告】