IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ デピュイ・アイルランド・アンリミテッド・カンパニーの特許一覧

特表2024-517944解剖学的構造に対して動作軸を含む外科用ツールを誘導するためのシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-23
(54)【発明の名称】解剖学的構造に対して動作軸を含む外科用ツールを誘導するためのシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/20 20160101AFI20240416BHJP
【FI】
A61B34/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023569943
(86)(22)【出願日】2022-05-11
(85)【翻訳文提出日】2023-12-26
(86)【国際出願番号】 EP2022062720
(87)【国際公開番号】W WO2022238454
(87)【国際公開日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】21305611.2
(32)【優先日】2021-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】516312682
【氏名又は名称】デピュイ・アイルランド・アンリミテッド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】DEPUY IRELAND UNLIMITED COMPANY
【住所又は居所原語表記】Loughbeg Industrial Estate, Ringaskiddy, County Cork, Ireland
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ジラード-モントー・ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】デマンジェット・ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】ハント・クリストファー
(57)【要約】
本開示は、目標軸(T)によって画定される計画された軌道に従って、解剖学的構造に対して動作軸を含む外科用ツール(1)を誘導するためのシステムに関し、
-ロボットデバイス(100)であって、
o外科用ツールを含むか、又は外科用ツールに結合されるように構成されたエンドエフェクタ(10)と、
o少なくとも3つの電動自由度を含む作動ユニット(11)と、
oエンドエフェクタ(10)を作動ユニット(11)に結合する平面関節部(12)であって、平面関節部が、外科用ツールの動作軸(R)の動きを単一平面内に制約するように構成されている、平面関節部(12)と、を含む、ロボットデバイス(100)と、
-解剖学的構造の座標系に対する動作軸(R)の位置及び向きをリアルタイムで決定するように構成された位置特定デバイス(200)と、
-ユーザインターフェース(300)と、
-位置特定デバイス(200)、作動ユニット(11)、及びユーザインターフェース(300)に結合された制御ユニット(400)と、を備え、
制御ユニット(400)が、
-計画された軌道及び位置特定デバイスからの位置特定データに基づいて、目標軸(T)を含む平面に対する動作軸(R)の位置及び向きを決定することと、
-ユーザがエンドエフェクタ(10)を目標軸(T)に近づける間、動作軸(R)を、目標軸(T)を含む平面内に制約するように作動ユニットを制御することと、
-ユーザインターフェース(300)によって、目標軸(T)に対する動作軸(R)の位置及び向きに関連する少なくとも1つの信号を生成することと、を行うように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
目標軸(T)によって画定される計画された軌道に従って、解剖学的構造に対して動作軸を含む外科用ツール(1)を誘導するためのシステムであって、
-ロボットデバイス(100)であって、
o前記外科用ツールを含むか、又は前記外科用ツールに結合されるように構成されたエンドエフェクタ(10)と、
o少なくとも3つの電動自由度を含む作動ユニット(11)と、
o前記エンドエフェクタ(10)を前記作動ユニット(11)に結合する平面関節部(12)であって、前記平面関節部が、前記外科用ツールの前記動作軸(R)の動きを単一平面内に制約するように構成されている、平面関節部(12)と、を含む、ロボットデバイス(100)と、
-前記解剖学的構造の座標系に対する前記動作軸(R)の位置及び向きをリアルタイムで決定するように構成された位置特定デバイス(200)と、
-ユーザインターフェース(300)と、
-前記位置特定デバイス(200)、前記作動ユニット(11)、及び前記ユーザインターフェース(300)に結合された制御ユニット(400)と、を備え、
前記制御ユニット(400)が、
-前記計画された軌道及び前記位置特定デバイスからの位置特定データに基づいて、前記目標軸(T)を含む平面に対する前記動作軸(R)の位置及び向きを決定することと、
-ユーザが前記エンドエフェクタ(10)を前記目標軸(T)に近づける間、前記動作軸(R)を、前記目標軸(T)を含む前記平面内に拘束するように前記作動ユニットを制御することと、
-前記ユーザインターフェース(300)によって、前記目標軸(T)に対する前記動作軸(R)の前記位置及び向きに関連する少なくとも1つの信号を生成することと、を行うように構成されている、システム。
【請求項2】
目標軸(T)によって画定される計画された軌道に従って、解剖学的構造に対して動作軸(R)を含む外科用ツール(1)を誘導するためのシステムであって、
-ロボットデバイス(100)であって、
o前記外科用ツールを含むか、又は前記外科用ツールに結合されるように構成されたエンドエフェクタ(10)と、
o少なくとも3つの電動自由度を含む作動ユニット(11)と、
o前記エンドエフェクタを前記作動ユニットに結合する平面関節部(12)であって、前記平面関節部が、回転切削ツールの前記動作軸の動きを単一平面に対して垂直になるように制約するように構成されている、平面関節部(12)と、を含む、ロボットデバイス(100)と、
-前記解剖学的構造の座標系に対する前記動作軸の位置及び向きをリアルタイムで決定するように構成された位置特定デバイス(200)と、
-ユーザインターフェース(300)と、
-前記位置特定デバイス、前記作動ユニット、及び前記ユーザインターフェースに結合された制御ユニット(400)と、を備え、
前記制御ユニットが、
-前記計画された軌道及び前記位置特定デバイスからの位置特定データに基づいて、前記目標軸に対する前記平面関節部の向きを決定することと、
-ユーザが前記エンドエフェクタを前記目標軸に近づける間、前記平面関節部の前記平面を前記目標軸に対して垂直になるように制約するように前記作動ユニットを制御することと、
-前記ユーザインターフェースによって、前記目標軸に対する前記動作軸の前記位置に関連する少なくとも1つの信号を生成することと、を行うように構成されている、システム。
【請求項3】
前記作動ユニット(11)が、少なくとも4つの電動自由度を含み、前記制御ユニットが、前記ユーザが前記エンドエフェクタを前記目標軸に近づける間、前記作動ユニットを制御して、前記動作軸を前記目標軸と平行になるように制約するように構成されている、請求項1又は請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記計画された軌道が、目標点又は領域(E)によって更に画定され、前記制御ユニットが、前記ユーザインターフェースによって、前記目標点又は領域に対する前記外科用ツールの前記動作軸(R)の前記位置に関連する信号を生成するように構成されている、請求項1又は請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記位置特定デバイスからの位置特定データに基づいて、前記制御ユニットが、前記目標点又は領域に対する前記外科用ツールの遠位先端の位置を決定するように構成されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記ユーザインターフェースが、前記目標点又は領域に対する前記外科用ツールの前記遠位先端の前記位置に関連する信号を生成するように構成されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記外科用ツールが、電動ツールであり、前記目標点が、前記外科用ツールの前記軌道の端部を画定し、前記制御ユニットが、前記外科用ツールの前記遠位先端が前記目標点に到達したときに、前記外科用ツールのスイッチを切るように構成されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項8】
前記システムが、前記エンドエフェクタ又は前記外科用ツールに堅固に取り付けられるように構成された第1のトラッカー(21、23)と、前記解剖学的構造に堅固に取り付けられるように構成された第2のトラッカー(20)と、を備える、請求項1又は請求項2に記載のシステム。
【請求項9】
前記制御ユニットが、前記動作軸が前記目標軸と位置合わせされていると判定するように構成されている、請求項1又は請求項2に記載のシステム。
【請求項10】
前記制御ユニットが、前記切削ツールの前記動作軸と前記目標軸との間の角度が1°未満であるときに、前記動作軸が前記目標軸と位置合わせされていると判定するように構成されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記作動ユニット(11)を支持するロック可能な保持アーム(700)を更に備える、請求項1又は請求項2に記載のシステム。
【請求項12】
前記外科用ツールが、電動ツールであり、前記制御ユニットが、前記動作軸が前記目標軸と位置合わせされていない限り、前記回転切削ツールのスイッチを入れることを妨げるように構成されている、請求項1又は請求項2に記載のシステム。
【請求項13】
前記外科用ツールが、ドリル、リーマ、バー、ねじ、Kワイヤ、又はピンを含む、請求項1又は請求項2に記載のシステム。
【請求項14】
前記外科用ツールが、インパクタである、請求項1又は請求項2に記載のシステム。
【請求項15】
前記エンドエフェクタ(10)が、前記外科用ツールとして前記ドリル、前記リーマ、又は前記バーと、インパクタを交互に誘導するように適合されたガイドチューブ(10a)を含む、請求項13に記載の外科用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、目標軸によって画定される計画された軌道に従って、解剖学的構造に対して動作軸を含む外科用ツールを誘導するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの外科的介入は、患者の解剖学的構造から骨材料を除去するために、回転切削ツールを用いて実行され得る。
【0003】
そのために、所望の骨材料除去を達成するように意図された回転切削ツールの軌道を計画することができる。当該計画された軌道は、解剖学的構造を切削するために切削ツールの回転軸が位置合わせされなければならない目標軸によって画定され得る。
【0004】
このような線形軌道は、少なくとも5つの電動自由度(motorized degree of freedom)を有する外科用ロボットデバイスによって誘導され得る。
【0005】
しかしながら、外科用ロボットデバイスが5つ未満の電動自由度を含む場合、外科用ツールの軌道の完全な誘導は、もはや不可能である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、少なくとも3つの電動自由度を含む外科用ロボットデバイスを用いて、線形軌道に従って外科用ツールを誘導するためのシステムに関する。
【0007】
いくつかの実施形態は、目標軸によって画定される計画された軌道に従って、解剖学的構造に対して動作軸を含む外科用ツールを誘導するためのシステムに関し、システムは、
-ロボットデバイスであって、
o外科用ツールを含むか、又は外科用ツールに結合されるように構成されたエンドエフェクタと、
o少なくとも3つの電動自由度を含む作動ユニットと、
oエンドエフェクタを作動ユニットに結合する平面関節部であって、当該平面関節部が、外科用ツールの動作軸の動きを単一平面内に制約するように構成されている、平面関節部と、を含む、ロボットデバイスと、
-解剖学的構造の座標系に対する動作軸の位置及び向きをリアルタイムで決定するように構成された位置特定デバイスと、
-ユーザインターフェースと、
-位置特定デバイス、作動ユニット、及びユーザインターフェースに結合された制御ユニットと、を備え、
制御ユニットは、
-計画された軌道及び位置特定デバイスからの位置特定データに基づいて、目標軸を含む平面に対する動作軸の位置及び向きを決定することと、
-ユーザがエンドエフェクタを目標軸に近づける間、動作軸を、目標軸を含む平面内に制約するように作動ユニットを制御することと、
-ユーザインターフェースによって、目標軸に対する動作軸の位置及び向きに関連する少なくとも1つの信号を生成することと、を行うように構成されている。
【0008】
他の実施形態は、目標軸によって画定される計画された軌道に従って、解剖学的構造に対して動作軸を含む外科用ツールを誘導するためのシステムに関し、システムは、
-ロボットデバイスであって、
o外科用ツールに結合されるように構成された外科用ツールを含むエンドエフェクタと、
o少なくとも3つの電動自由度を含む作動ユニットと、
oエンドエフェクタを作動ユニットに結合する平面関節部であって、当該平面関節部が、回転切削ツールの動作軸の動きを単一平面に対して垂直になるように制約するように構成されている、平面関節部と、を含む、ロボットデバイスと、
-解剖学的構造の座標系に対する動作軸の位置及び向きをリアルタイムで決定するように構成された位置特定デバイスと、
-ユーザインターフェースと、
-位置特定デバイス、作動ユニット、及びユーザインターフェースに結合された制御ユニットと、を備え、
制御ユニットは、
-計画された軌道及び位置特定デバイスからの位置特定データに基づいて、目標軸に対する平面関節部の向きを決定することと、
-ユーザがエンドエフェクタを目標軸に近づける間、平面関節部の平面を目標軸に対して垂直になるように制約するように作動ユニットを制御することと、
-ユーザインターフェースによって、目標軸に対する動作軸の位置に関連する少なくとも1つの信号を生成することと、を行うように構成されている。
【0009】
「動作軸」とは、本明細書では、ツールの動作方向を画定するツールの軸を意味する。
【0010】
外科用ツールは、ドリル、バー、又はリーマなどの電動ツールであってもよい。このような電動ツールは、シャフトを、当該シャフトの長手方向軸の周りで回転させるように構成されたモータに結合されたシャフトと、モータとは反対側のシャフトの遠位端にある切削先端と、を含み、ツールの動作軸は、シャフトの回転軸である。あるいは、外科用ツールは、インパクタなどの手動ツールであってもよい。このような手動ツールは、シャフトと、シャフトの近位端に配置されたハンドルと、ハンドルの反対側の遠位端と、を含み、ツールの動作軸は、シャフトの長手方向軸である。
【0011】
いくつかの実施形態では、作動ユニットは、少なくとも4つの電動自由度を含み、制御ユニットは、ユーザがエンドエフェクタを目標軸に移動させるときに、作動ユニットを制御して、動作軸を目標軸と平行になるように制約するように構成されている。
【0012】
いくつかの実施形態では、計画された軌道は、目標点又は領域によって更に画定され、制御ユニットは、ユーザインターフェースによって、目標点又は領域に対する外科用ツールの動作軸の位置に関連する少なくとも1つの信号を生成するように構成されている。
【0013】
位置特定デバイスからの位置特定データに基づいて、制御ユニットは、目標点又は領域に対する外科用ツールの遠位先端の位置を決定するように構成され得る。
【0014】
ユーザインターフェースは、目標点又は領域に対する外科用ツールの遠位先端の位置に関連する信号を生成するように構成され得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、外科用ツールは、電動ツールであり、目標点は、外科用ツールの軌道の端部を画定し、制御ユニットは、外科用ツールの遠位先端が目標点に到達したときに、外科用ツールのスイッチを切るように構成されている。
【0016】
システムは、エンドエフェクタ又は外科用ツールに堅固に取り付けられるように構成された第1のトラッカと、解剖学的構造に堅固に取り付けられるように構成された第2のトラッカと、を備え得る。
【0017】
制御ユニットは、動作軸が目標軸と位置合わせされていると判定するように構成され得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、動作軸が目標軸から1mm未満の距離にある場合、かつ/又は動作軸が目標軸から1°未満だけ傾斜している場合、動作軸は、目標軸と位置合わせされているとみなされ得る。
【0019】
制御ユニットは、切削ツールの動作軸と目標軸との間の角度が1°未満であるときに、動作軸が目標軸と位置合わせされていると判定するように構成され得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、システムは、作動ユニットを支持するロック可能な保持アームを更に備える。
【0021】
いくつかの実施形態では、外科用ツールは、電動ツールであり、制御ユニットは、動作軸が目標軸と位置合わせされていない限り、回転切削ツールのスイッチを入れることを妨げるように構成されている。
【0022】
いくつかの実施形態では、外科用ツールは、ドリル、リーマ、バー、ねじ、Kワイヤ、又はピンである。
【0023】
いくつかの実施形態では、外科用ツールは、インパクタである。
【0024】
エンドエフェクタは、有利なことに、ドリル、リーマ、又はバーと、インパクタとを交互に誘導するように適合されたガイドチューブを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】外科用システムの全体図である。
図2】平面関節部の平面と平行な回転軸を有する回転切削ツールを保持するロボットデバイスの一実施形態の斜視図である。
図3A図2の実施形態において回転切削ツールを誘導することを可能にするユーザインターフェースの第1の実施形態の概略図である。
図3B図2の実施形態において回転切削ツールを誘導することを可能にするユーザインターフェースの第1の実施形態の概略図である。
図3C図2の実施形態において回転切削ツールを誘導することを可能にするユーザインターフェースの第1の実施形態の概略図である。
図3D図2の実施形態において回転切削ツールを誘導することを可能にするユーザインターフェースの第1の実施形態の概略図である。
図4A図2の実施形態において回転切削ツールを誘導することを可能にするユーザインターフェースの第2の実施形態の概略図である。
図4B図2の実施形態において回転切削ツールを誘導することを可能にするユーザインターフェースの第2の実施形態の概略図である。
図4C図2の実施形態において回転切削ツールを誘導することを可能にするユーザインターフェースの第2の実施形態の概略図である。
図4D図2の実施形態において回転切削ツールを誘導することを可能にするユーザインターフェースの第2の実施形態の概略図である。
図5A図2の実施形態において回転切削ツールを誘導することを可能にするユーザインターフェースの第3の実施形態の概略図である。
図5B図2の実施形態において回転切削ツールを誘導することを可能にするユーザインターフェースの第3の実施形態の概略図である。
図5C図2の実施形態において回転切削ツールを誘導することを可能にするユーザインターフェースの第3の実施形態の概略図である。
図5D図2の実施形態において回転切削ツールを誘導することを可能にするユーザインターフェースの第3の実施形態の概略図である。
図6A図2の実施形態において回転切削ツールを誘導することを可能にするユーザインターフェースの第4の実施形態の概略図である。
図6B図2の実施形態において回転切削ツールを誘導することを可能にするユーザインターフェースの第4の実施形態の概略図である。
図6C図2の実施形態において回転切削ツールを誘導することを可能にするユーザインターフェースの第4の実施形態の概略図である。
図6D図2の実施形態において回転切削ツールを誘導することを可能にするユーザインターフェースの第4の実施形態の概略図である。
図7】平面関節部の平面に対して垂直な回転軸を有する回転切削ツールを誘導するためのガイドチューブを保持するロボットデバイスの一実施形態の斜視図である。
図8A図7の実施形態において回転切削ツールを誘導することを可能にするユーザインターフェースの一実施形態の概略図である。
図8B図7の実施形態において回転切削ツールを誘導することを可能にするユーザインターフェースの一実施形態の概略図である。
図8C図7の実施形態において回転切削ツールを誘導することを可能にするユーザインターフェースの一実施形態の概略図である。
図9A図7の実施形態において回転切削ツールを誘導することを可能にするユーザインターフェースの第2の実施形態の概略図である。
図9B図7の実施形態において回転切削ツールを誘導することを可能にするユーザインターフェースの第2の実施形態の概略図である。
図9C図7の実施形態において回転切削ツールを誘導することを可能にするユーザインターフェースの第2の実施形態の概略図である。
図10A】股関節外科手術の状況におけるロボットデバイスの一実施形態の斜視図である。
図10B】股関節外科手術の状況におけるロボットデバイスの一実施形態の斜視図である。
図11A】肩外科手術の状況におけるロボットデバイスの一実施形態の斜視図である。
図11B】肩外科手術の状況におけるロボットデバイスの一実施形態の斜視図である。
図12A】平面関節部の様々な実施形態の概略図である。
図12B】平面関節部の様々な実施形態の概略図である。
図12C】平面関節部の様々な実施形態の概略図である。
図12D】平面関節部の様々な実施形態の概略図である。
図13】回転切削ツールと解剖学的構造との相対的な動きの補償を可能にする制御ループを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示は、解剖学的構造、例えば、骨が、目標軸によって画定される計画された軌道に従って、外科用ツールによって治療される、切削される、嵌入される、又は操作される外科的介入を対象とする。
【0027】
外科用ツールは、動作軸を有する。動作軸は、特にツールが回転切削ツールである場合、外科用ツールの回転軸であってもよい。あるいは、動作軸は、ツールのロッドの軸であってもよく、ツールの動作方向、例えば、ツールがインパクタである場合には嵌入の方向を画定する。
【0028】
目標軸の計画は、患者の術前画像(例えば、CT画像、MRI画像、超音波画像、統計的形状モデル、PETなどと組み合わせた2D、若しくは3DのX線)、又は術中3Dデータ(例えば、術中CT若しくは術中CBCT、術中MRI、超音波画像、2D若しくは3Dの術中X線画像、システムの位置を特定し、3D点、3D点の集合体、3D点の集合体によって再構成される表面などを提供することによって提供される幾何学的データ)、又はこれらの両方を使用して実行され得る。
【0029】
複数のコンピュータ支援外科手術方法は、外科手術中に収集された画像又は幾何学的患者データを使用して、切削される解剖学的構造に付与された座標系に目標軸を登録するために存在する。
【0030】
典型的には、術中画像又はデータは、解剖学的構造に付与された固有の座標系に術前画像を登録するために使用され、通常、コンピュータ支援外科手術技術のうちのいずれかを使用可能なトラッカ(反射マーカで作製された光学トラッカ、能動的LEDで作製された光学トラッカ、コイルで作製された電磁トラッカ、慣性センサ、超音波センサ、RFIDセンサの組み合わせなど)である。
【0031】
これらの従来のコンピュータ支援外科手術方法のうちのいずれかを使用すると、目標軸は、切削される解剖学的構造に付与された座標系で既知の幾何学的表現を有し、以下に詳述するように、その動きは追跡ユニットによってリアルタイムで追跡される。
【0032】
システムの一般的な全体図
図1は、本発明による外科用システムの全体図を示す。
【0033】
患者は、例えば、股関節外科手術の観点から、手術台600に横たわっている。
【0034】
そのために、いくつかの実施形態では、少なくとも1つの目標軸に沿って解剖学的構造を切削する、穿孔する、削る、又はリーミングするように意図される、外科用ツールガイド10a(図7参照)を含むか、又は外科用ツール1(図2参照)を保持するエンドエフェクタ10が、外科医などのユーザによって使用される。
【0035】
いくつかの実施形態では、切削ツール1は、嵌入ツール(図示せず)と交換されてもよい。嵌入ツールは、同じ目標軸又は異なる目標軸に沿って解剖学的構造内にインプラントコンポーネントを嵌入するために使用され得る。
【0036】
以下の説明及び添付の図面において、外科用ツール1は、外科用ツールの動作軸である回転軸Rを有する回転切削ツールであると考えられる。しかしながら、これは、例示のために過ぎず、本開示をこの実施形態に限定することを何ら意図するものではない。
【0037】
エンドエフェクタ10は、好ましくは、3つ又は4つの電動自由度を含む作動ユニット11を含むロボットデバイス100によって保持されている。しかしながら、作動ユニットは、3より大きい任意の数の自由度を含むことができる。
【0038】
エンドエフェクタは、図面全体を通じて参照符号12で指定された平面関節部によって作動ユニットに結合されており、この平面関節部は、エンドエフェクタの動きを単一平面内に制約するように構成されている。
【0039】
いくつかの実施形態では、図2に示すように、回転切削ツールの回転軸Rは、平面関節部12の平面P内、又は当該平面と平行な平面内に含まれ得る。他の実施形態では、図7に示すように、回転切削ツールの回転軸Rは、平面関節部12の平面Pに対して垂直であり得る。
【0040】
3つ又は4つの電動自由度のみを有する実施形態では、作動ユニットが切削ツールの回転軸を目標軸と位置合わせするのに十分な自由度がない場合がある。
【0041】
しかしながら、以下でより詳細に説明されるように、作動ユニットが3つの電動自由度を含む場合、ロボットデバイス及び平面関節部は、目標軸を含む平面内に回転切削ツールの回転軸を制約することを可能にする。作動ユニットが4つの自由度を含む場合、回転軸は、目標軸と平行になるように制約されてもよい。どちらの場合も、エンドエフェクタを操作するユーザは、制御ユニットによって計算され、視覚信号、音響信号、又は触覚信号の形態でユーザインターフェースによってユーザに提供される情報に基づいて、切削ツールの回転軸の位置及び向きを目標軸に合わせて調整することができる。このようにして、ユーザは、切削ツールの回転軸Rを所望の軌道と位置合わせさせるために、切削ツールを平面内で手動で移動させるだけでよい。この操作は、6つの自由度でツール位置を手動で完全に制御するよりも簡単である。
【0042】
ロボットデバイス100は、作動ユニットを制御する制御ユニット400に接続されている。
【0043】
当該制御ユニットは、典型的には、電源、AC/DCコンバータ、作動ユニットのモータに電力を供給する運動コントローラ、ヒューズ、リアルタイム制御システムインターフェース回路を備える。
【0044】
システムは、デバイス及び切断対象の解剖学的構造の相対的姿勢が、リアルタイムで追跡され、リアルタイム制御ユニットと計画システムとの間で共有されるように、追跡ユニット200を更に備える。
【0045】
少なくとも1つの座標系20が解剖学的構造に取り付けられており、少なくとも1つの座標系21、22がエンドエフェクタ及び/又はロボットデバイスに取り付けられている。いくつかの実施形態では、座標系23が外科用ツールに取り付けられ得る。
【0046】
追跡ユニットは、座標系間の相対運動をリアルタイムで測定する。リアルタイムとは、短待ち時間、理想的には5ミリ秒未満で、20ヘルツ超、好ましくは100~500ヘルツの範囲の高周波数を意味する。
【0047】
追跡ユニットによって取得されたデータは、ワイヤ又は無線による任意の好適な接続を介して、短待ち時間で制御ユニット400に転送される。
【0048】
リアルタイム制御ユニットは、提案されたリアルタイム制御アルゴリズムを、追加の短待ち時間で、妥当な高頻度で実行することができる。
【0049】
リアルタイム制御ユニットは、当該測定された姿勢に応じて、目標軸を含む平面に対するエンドエフェクタの位置をリアルタイムで計算する。
【0050】
制御ユニット400及び追跡ユニット200は、手術室内を移動することができるカート500内に配置されてもよい。これらのユニットはまた、別個のカート、関節式保持アーム、照明システムに装着されてもよく、又は追跡ユニットは、解剖学的構造若しくはロボットデバイスに取り付けられたいくつかの部分に直接装着されてもよい。例えば、電磁センサが解剖学的構造に取り付けられ得る一方、エンドエフェクタは電磁エミッタを堅固に支持することができる。
【0051】
また、システムは、フィードバック情報をユーザに表示するように意図された視覚的ユーザインターフェース300を更に備え得る。フィードバック情報は、解剖学的構造が切削される前に、回転切削ツールの回転軸と目標軸との間の偏差(距離及び/又は角度)に関する指示を含み得る。
【0052】
当該ユーザインターフェース300は、有利なことに、画面を含み、画面は、手術室内のカート、例えば、制御ユニット及び追跡ユニットと同じカート500若しくは別個のカートに配置されてもよく、又は手術室の壁又は天井に取り付けられてもよい。
【0053】
当該画面に加えて又は画面の代わりに、ユーザインターフェースは、ユーザに情報を提供するためにロボットデバイス自体に配置されたインジケータを含んでもよい。当該インジケータは、矢印、数字、又は文字を示すように配置されたLED、又は小型ディスプレイで作製することができる。
【0054】
あるいは、又は上述の実施形態に加えて、ユーザインターフェースは、例えば、回転切削ツールの回転軸と目標軸との間の偏差(距離及び/又は角度)に応じた可変音レベル又は可変周波数を介して、ユーザに誘導を提供するように構成された音響信号又は触覚信号を生成するように構成され得る。
【0055】
制御ユニット、追跡ユニット、及び/又はユーザインターフェースがロボットデバイス自体に埋め込まれている外科用システムは、埋め込まれたユニットが十分に強力な電源又は電池から給電され、サイズ及び重量がユーザによるロボットデバイスの操作を妨げない限り、代替の実施形態になり得る。例えば、マイクロカメラを作動ユニットの基部に取り付けることができ、マーカを解剖学的構造及びエンドエフェクタに取り付けることができる。
【0056】
外科用ツール
好ましい実施形態では、外科用ツールは、回転切削ツールであってもよい。
【0057】
回転切削ツールは、少なくとも1つのモータを含むハンドピースと、動力が供給されたときに少なくとも1つのモータによって回転軸(ツールの動作軸である)を中心に回転するように構成された器具と、を含む。器具は、例えば、バー、ドリル、リーマ、ねじ、Kワイヤ、又はピンであってもよい。
【0058】
ハンドピースは、少なくとも1つのモータに電力を提供するために、又は少なくとも1つのモータへの給電を停止するために、エネルギー源に接続された少なくとも1つの電源スイッチを含み得る。当該少なくとも1つの電源スイッチは、回転軸が目標軸と位置合わせされていない限り、モータへの給電を妨げるように、制御ユニットに接続され得る。
【0059】
他の実施形態では、外科用ツールは、インパクタなどの手動ツールであってもよい。
【0060】
1回の外科的介入において、いくつかの外科用ツールが順番に使用され得ることに留意されたい。例えば、第1の段階では、回転切削ツールを使用して、目標軸の周りにプロテーゼの窩を作製することができ、第2の段階では、同じ目標軸又は別の目標軸に沿ってインパクタによってプロテーゼを窩に嵌め込む。
【0061】
作動ユニット
好ましい実施形態では、作動ユニットは、3つ又は4つの電動自由度を含むが、作動ユニットは、他の数の自由度を有してもよい。
【0062】
作動ユニットは、シリアルアーキテクチャ、パラレルアーキテクチャ、又はシリアル及びパラレルの混合アーキテクチャを有することができる。
【0063】
一実施形態によれば、作動ユニット11は、3つ~4つの電動自由度を含む複数の可動セグメントで作製されたシリアルアーキテクチャを有し、これらの電動自由度のうちの少なくとも2つは、互いに対して直交する回転自由度である。本明細書において、用語「軸」は、当該自由度に対応する幾何学的回転軸又は並進軸を表す。更に、軸及びセグメントは、基部(すなわち、ロボットデバイスの作動中、静止したままのロボットデバイスの部分)から始まり、エンドエフェクタに接続された末端部に向かって、増加する番号で番号付けされており、この種の番号付けは、シリアルロボットアーキテクチャにとって伝統的な番号付けである。
【0064】
いくつかの実施形態では、作動ユニットは、3つの電動回転自由度を有してもよい。
【0065】
他の実施形態では、作動ユニットは、2つの電動回転自由度及び1つ又は2つの電動並進自由度を有する。
【0066】
別の実施形態によれば、作動ユニットは、基部と、基部に対して選択的に配向可能なプラットフォームと、を含むパラレルアーキテクチャを提示する。そのために、プラットフォームは、複数のリンクによって基部に連結され、各リンクは、回転の自由度を提供し、適切であれば、並進の自由度も提供する。ヘキサポッド、ヘイワードリスト(Hayward wrist)、アグラワルリスト(Agrawal wrist)、ゴセリンのアジャイルアイ(Gosselin’s agile eyes)、テサールリスト(Tesar wrist)、チェンリスト(Cheng wrist)などのようなパラレルアーキテクチャの様々な実施形態が存在する。
【0067】
作動ユニットのアーキテクチャに応じて、作動ユニットのコンポーネントは、ロボットデバイスが、平面関節部及びエンドエフェクタを保持することができるのに十分な強度を維持し、同様にユーザがエンドエフェクタを操作するときにユーザが加える標準的な圧力に抵抗しながら、可能な限りコンパクトで軽量なままであるような最適な方法で一体化され得る。
【0068】
少なくとも6つの自由度を含むこのような外科用ロボットと比較して、コンパクトな作動ユニットは、特に第1の軸に従って、より低い慣性を提示し、したがって、特にリアルタイムで骨運動を補償するために必要とされるより高い応答性を示す。
【0069】
保持アーム
ロボットデバイスは、特にロボットデバイスがコンパクトで軽量である場合、その自由度の数にかかわらず、保持アーム700によって保持され得る。保持アームは、ロボットデバイスの重量を完全に支持しながら、患者に対するいかなる侵襲的動作も必要としない。
【0070】
このような保持アームは、作動ユニットを支持し、手術台、脚部ホルダなどの機械的支持体に接続するか、又は車輪を固定することができる可動カートに装着するのに適している。脚部ホルダは、患者が手術台に横たわっているとき、脚部を所定の屈曲位置に維持するように構成された調節可能な機構である。
【0071】
保持アームは、玉継手、回転継手、及び/又は並進継手を使用する、いくつかの関節接合セグメントで作製される。
【0072】
保持アームは、手動でノブ(機械的ロックシステム)によって、又はロックシステムの専用アクチュエータによって能動的にロック可能である。ロックシステムは、電気システム、圧電システム、油圧システム、空気圧システム、又はこのようなシステムの組み合わせ(例えば、電気モータによって駆動される油圧シリンダ)であってもよい。例えば、SMITH&NEPHEW社は、SPIDER(商標)の名称で、能動的にロック可能な受動的保持アームを販売している。アクチュエータは、ボタン、フットスイッチ、遠隔ボタンなどであり得る。ロボットデバイスを操作するために、ユーザは、ロボットデバイスの所望の姿勢が達成されるまでアクチュエータを作動させ続けなければならない。
【0073】
保持アームは、ロボットデバイスの重量を支え、治療される解剖学的構造に対するロボットデバイスの大まかな位置決めを維持する。保持アームは、デバイスを操作するときのユーザの動きを制限し、有利な実施形態では、ユーザ及び/又は患者の動き、エンドエフェクタの振動、及び作動ユニットの動きによって引き起こされる反動力も減衰させる。
【0074】
一実施形態によれば、保持アームは受動的である。
【0075】
有利なことに、保持アームは、ロボットデバイスと、患者に固定されたトラッカに対するロボットデバイスの目標位置との間の距離に応じて漸進的に制動されてもよい。例えば、制動力は、ロボットデバイスの目標位置までの距離に反比例してもよい。あるいは、1つ又は複数の同心体積(例えば、立方体又は球体)が、ロボットデバイスの目標位置の周囲に画定されてもよい。制動力は、上記体積のうちの1つにおけるロボットデバイスの存在に応じて調節することができる。よって、ロボットデバイスが目標位置に近接しているとき、保持アームは制動され、ユーザは力フィードバック情報を受け取ることができる。あるいは、フィードバック情報は、光信号、触覚信号、又は音響信号の形態で提供されてもよい。例えば、光信号の可変フラッシュ周波数及び/又は強度は、ロボットデバイスと目標位置との間の距離を示すことができる。同様に、音響信号の可変周波数、反復速度、及び/又は振幅が、上記距離を示すことができる。いずれの場合も、制動は完全ではないため、ユーザは常に、最終的な所望の位置までロボットデバイスを常操作することができる。次に、保持アームは、ユーザからの動作(例えば、アクチュエータの操作、ボタンの解放又は押圧)に応じて係止される。ロボットデバイスを再び移動させることを望む場合、ユーザはおそらくは上述の制動力で、再度アクチュエータを操作して保持アームを解放しなければならない。ロボットデバイスの新たな目標位置が規定される場合、新たな制動量が規定され、上記新たな量に基づいて制動が調節される。
【0076】
一実施形態では、保持アームは、例えば、術野において顕微鏡の搬送及び配置のため一般的に使用されるように、制御ユニットの重量を相殺する重りが搭載されている。
【0077】
一実施形態では、保持アームは、システム全体の重量を補償するバネ機構により垂直並進し、次いで、3つの平行軸及び垂直軸からなる大きな平面構造のシリアルアーキテクチャを有する。各軸は、ロックシステムを備える。
【0078】
好ましくは、レバーアームの効果を最小限に抑えるために、保持アームと作動ユニットとの間の接続部を、作動ユニットの第1のセグメント又はロボットデバイスの重心に可能な限り近づける。保持アームに取り付けられた作動ユニットの一部は、ロボットデバイスの基部と呼ばれる。
【0079】
作動ユニットがシリアルアーキテクチャを有する場合、作動ユニットの第1のセグメントは、保持アームに対して固定されてもよい。このような場合、作動ユニットの第2のセグメントは、必然的に第1のセグメントに対して移動可能である。このアーキテクチャは、作動ユニットの動いているコンポーネントの重量を最小限に抑えるという点で有利である。その結果、ロボットデバイスは、応答性が高くなることができ、ツールの回転軸のリアルタイム制御に好都合である。あるいは、作動ユニットの第1のセグメントは、保持アームに対して移動可能であってもよい。このような場合、第1のセグメント及び第2のセグメントは、好ましくは単一のハウジングに埋め込まれる。
【0080】
作動ユニットがパラレルアーキテクチャを有する場合、作動ユニットの基部は、保持アームに対して固定されてもよい。
【0081】
以下でより詳細に説明するように、作動ユニット11は、制御ユニット400によって制御される。制御ユニットは、ロボットデバイス内に一体化されてもよく、又はロボットデバイスから分離されてもよい。
【0082】
平面関節部
平面関節部を実装するために、いくつかの異なるアーキテクチャが存在する。例えば、平面関節部は、1つの回転軸と、エンドエフェクタを長手方向に沿って搬送する1つの並進軸とだけで作製することができる。そうでなければ、平面関節部は、2つ又は3つ以上の回転軸で作製することができる。あるいは、平面関節部は、2つの直交する並進軸と回転軸とで作製することができる。別の実施形態によれば、平面関節部は、回転軸と、エンドエフェクタを搬送する並進軸とを含むアーチの形態のスライダとすることができる。
【0083】
図12A図12Dは、平面関節部の様々な非限定的な実施形態を示す。作動ユニットは、シリアルアーキテクチャで表され、エンドエフェクタは、鋸として表されるが、本発明は、任意の他のタイプの作動ユニット又はエンドエフェクタで実装され得る。矢印は、各実施形態における平面関節部の自由度を示している。
【0084】
図12Aは、セグメントに直交する2つの回転軸13a、13bの周りに関節接合された3つの直線セグメント12a、12b、12cを含む平面関節部12を示す。第1のセグメント12aは、作動ユニット11に堅固に結合され、第3のセグメントは、エンドエフェクタ10に堅固に結合されている。
【0085】
図12Bは、5つの直線セグメント12a~12eを含む平面関節部12を示している。第1及び第2のセグメント12a、12bは、互いに対して摺動係合しており、第3及び第4のセグメント12c、12dも同様である。第2及び第3のセグメント12b、12cは、互いに堅固に結合されており、単一部品を形成することができる。第4及び第5のセグメント12d、12eは、これらのセグメントに直交する回転軸13aの周りに関節接合されている。第1のセグメント12aは、作動ユニット11に堅固に結合され、第5のセグメント12eは、エンドエフェクタ10に堅固に結合されている。
【0086】
図12Cは、5つの直線セグメント12a~12eを含む平面関節部12を示している。第1のセグメント12aは、作動ユニット11に堅固に結合されている。2対のセグメント(それぞれ12b~12c及び12d~12e)が接続されて平行四辺形を形成している。セグメント12b、12dは、セグメントに直交する回転軸13aによって第1のセグメント12aに関節接合されている。セグメント12c、12eは、回転軸13bによってエンドエフェクタ10に結合されている。各対12b~12c及び12d~12eのセグメントは、当該セグメントに直交するそれぞれの軸の周りに関節接合されている。
【0087】
図12Dは、湾曲したスロット120を含む第1のセグメント12aと、セグメントに直交する軸13aを介して第1のセグメント12aに結合された第2の直線セグメント12bと、を含む平面関節部12を示す。軸13aは、湾曲したスロット120内で摺動することができ、第2のセグメント12bは、軸13aに対して回転可能である。第3の直線セグメント12cは、第2のセグメントと摺動係合しており、エンドエフェクタを担持する第4の直線セグメント12dに堅固に接続されている。第3の直線セグメント12cと第4の直線セグメント12dとは、単一部品を形成してもよい。
【0088】
有利なことに、エンドエフェクタは、平面関節部に可逆的に結合することができる。好ましくは、特にエンドエフェクタがトラッカを受容することを意図しない場合、エンドエフェクタの取り付け手段は、再現可能な固定を提供する。
【0089】
好ましい実施形態では、平面関節部は受動的である、すなわち、この関節部は電動化されておらず、ユーザが自由に操作することができる。このような受動的関節部の1つの利点は、切削ツール又は他のデバイスを骨において操作するときにユーザの全ての知覚が維持されることである。平面関節部により、ユーザは、平面関節部の平面内でエンドエフェクタを動かす自由を維持し、それによって、外科的な動作を行うときにユーザの通常の感覚を享受することができる。これはまた、切削を実行するためにユーザの介入が常に必要とされるので、ロボットデバイスの使用の大きな安全性を提供する。例えば、外科医は、ドリル又はリーマを自由に操作し、その器具が骨の所望の深さに達したときを検出することに慣れており、この知覚は、関節において非常に低い摩擦を有する受動的平面関節部に完全に維持される。この点において、平面関節部には、有利なことに、様々な自由度に対してこのような低摩擦を提供するベアリングが設けられている。
【0090】
平面関節部は、有利なことに、その嵩高さを制限し、したがって、エンドエフェクタを患者に対して任意の所望の姿勢で配置することを可能にするように、軽量かつコンパクトなコンポーネントで作製され得る。以下でより詳細に説明するように、このような軽量構造が剛性を欠く場合であっても、本発明は、エンドエフェクタの実際の姿勢とその理論上の姿勢(すなわち、平面関節部が完全に剛性であり、エンドエフェクタを意図された平面内に常に維持すると仮定する姿勢)との間の任意のオフセットを補償することを可能にする制御ループを実装するように構成された制御ユニットを提供する。制御ループは、エンドエフェクタの連続追跡を使用する。
【0091】
加えて、平面関節部は、所望の構成が達成されると、その自由度の各々をロックするためのロックシステムを含み得る。
【0092】
平面関節部のロックシステムの代替として、ロボットデバイスは、有利なことに、ロボットデバイスが新しい位置に移動しなければならないときに、エンドエフェクタを作動ユニットに対して固定位置にロックするためのロックシステム含み得る。
【0093】
様々なロックシステム(機械式、磁気式など)を使用してもよい。
【0094】
平面関節部又はエンドエフェクタのこのようなロックシステムの1つの潜在的利点は、ロボットデバイスが移動させられているとき、エンドエフェクタが作動ユニットの末端コンポーネントに対して固定されて維持されることであり、これにより、エンドエフェクタが患者、ユーザ、又は手術室の要素にぶつかり得る、この移動中のエンドエフェクタの任意の望ましくない動きが回避される。加えて、エンドエフェクタのロックシステムにより、作動ユニット及びエンドエフェクタは、新しい所望の位置への移動がより容易であるコンパクトなアセンブリを形成する。
【0095】
ロックユニットには、エンドエフェクタが静止位置にロックされているかどうかを検出することを可能にする検出器が設けられ得る。
【0096】
制御ユニットは、このような静止位置へのロックが検出された場合にのみ、作動ユニットの移動を可能にするように構成され得る。
【0097】
エンドエフェクタにはトラッカが装備されているので、制御ユニットは、追跡データが、エンドエフェクタが患者から十分に離れていることを示す場合にのみ、作動ユニットの移動を可能にして、当該移動中に患者にぶつかることを回避することに留意されたい。
【0098】
作動ユニット及び平面関節部の滅菌コンポーネントは、各介入前に滅菌することが可能である。しかしながら、好適な実施形態では、ケーブル及び平面関節部を装備した作動ユニットは、使い捨て滅菌ドレープによって覆われている。システムの追加コンポーネントも、滅菌ドレープ下で保護され得る。これは、製造及び設計を容易化し、そのコストを低減するだけでなく、デバイスの再滅菌を必要とせずに複数回の連続する外科手術に使用しやすいという利点を有する。エンドエフェクタ自体は、任意の従来の外科用ツールと同様に滅菌されている。典型的には、オートクレーブを使用して各介入前に滅菌される。滅菌ドレープとエンドエフェクタとの間に様々なタイプの機械的アダプタを設けることができる。このようなアダプタは、鋸が追跡要素(以下でより詳述する)を含む場合、非常に精密な再現可能な固定を必要としないため、システム全体の精度が高まる。滅菌ドレープは、平面関節部を覆って、デバイスの設計及び製造を容易にする。例えば、この設計は、オートクレーブが困難であるボールベアリング機構の使用を可能にする。
【0099】
システムの動作の全体図
解剖学的構造の切断前に、ユーザは、術前及び/又は術中の医用画像及びデータに基づいて、計画システムで介入を計画する。
【0100】
この計画工程により、解剖学的構造の切削(又は他の動作)を実行するのに適した少なくとも1つの目標軸を決定することができる。計画は、典型的には、股関節、肩などの各用途に固有である。
【0101】
いくつかの実施形態では、計画工程はまた、解剖学的構造上の目標点又は領域を決定することを可能にする。例えば、目標点は、解剖学的構造の外面に位置してもよく、目標軸上に位置してもよく、したがって、このような目標点は、回転切削ツールのための入口点とみなされ得る。他の状況では、目標領域は、解剖学的構造(例えば、骨盤の寛骨臼)の窩の開口部として画定され得る。目標点又は領域は、制御ユニットによって非常に正確に決定される必要がない場合があり、ユーザによって視認可能である場合、ユーザは、回転切削ツールの先端を目標点又は目標領域の中心に視覚的に位置決めしてもよい。
【0102】
いくつかの実施形態では、計画工程はまた、回転切削ツールが停止されなければならない目標軸に沿った位置に対応する切削深さを決定することを可能にし得、計画された切削が達成される。そうでなければ、ユーザは、切削深さが達成されたかどうかを視覚的に判定することもできる。
【0103】
当該目標軸、及び、もしあれば、入口点又は領域、及び切削深さは、解剖学的構造の座標系において既知である。エンドエフェクタ及び解剖学的構造の座標系は、位置特定ユニットによってリアルタイムで追跡されるので、制御ユニットは、目標軸、及び、もしあれば、入口点又は領域に対するツールの回転軸の位置及び向きをリアルタイムで決定することができる。
【0104】
更に、制御ユニットは、ロボットデバイスに対する解剖学的構造の潜在的な相対的な動きを補償しながら、目標軸と平行な(作動ユニットが4つの電動自由度を含む場合)、又は当該目標軸を含む平面と平行な(作動ユニットが3つの自由度のみを含む場合)平面関節部を維持するように作動ユニットを作動させるように構成されている。当該相対的な動きは、ユーザによって、外科用ツールによって、又は患者によって引き起こされ得る。
【0105】
いくつかの実施形態では、平面関節部は、回転切削ツールの回転軸Rの動きを、平面関節部の運動平面又は当該運動平面と平行な平面である単一平面P(図2を参照)内に制約するように構成されている。エンドエフェクタは、外科用ツールに直接結合されてもよく、又はユーザが保持する外科用ツールの並進を誘導することを可能にするガイドチューブに結合されてもよい。
【0106】
他の実施形態では、平面関節部は、平面関節部の運動平面である単一平面P(図7を参照)に対して垂直な回転切削ツールの回転軸Rの動きを制約するように構成されている。エンドエフェクタは、外科用ツールに直接結合されてもよく、又はユーザが保持する外科用ツールの並進を誘導することを可能にするガイドチューブ10aに結合されてもよい。このようなガイドチューブは、作動ユニットが、外科用ツールを解剖学的構造に向かって又は解剖学的構造から離れるように移動させることを可能にする自由度を含まない場合に、特に必要であり得る。このような場合、ガイドチューブは、ユーザが外科用ツールを解剖学的構造に向かって又は解剖学的構造から離れるように手動で並進させることを可能にする。
【0107】
目標軸を含む複数の平面が存在するので、当該複数の平面の中から任意の平面を選択する必要がある。いくつかの実施形態では、当該任意の平面は、解剖学的視点に関連するものとして選択されてもよく、これは、ユーザが、ユーザインターフェースによって表示される情報をより良好に解釈し、計画を考慮して介入の実行をより良好に制御することを可能にし得る。したがって、例えば、ユーザは、解剖学的状況の観察に基づいて、回転角度を調整する自由を維持することができる。他の実施形態では、任意の平面は、可能な限り水平であるように選択され得る。水平度は、垂直方向の検出を可能にする重力センサによって決定されてもよい。例えば、光学位置特定ユニットにおいて、ステレオカメラは、法線が垂直方向に最も近く、目標軌道を含む平面を計算することを可能にする、このようなセンサを有してもよい。実際には、単純なベクトル積によって、この平面の向きを決定することができる。このような「最も水平な可能性のある」平面の利点は、ロボットデバイスが回転切削ツールの重量の大部分を担持するので、ユーザの労力を最小限に抑えることである。任意の平面は、時間と共に変化し得る。
【0108】
制御ユニットから受信される計画及び位置特定情報に基づいて、ユーザインターフェースは、少なくとも、目標軸の表現及び切削ツールの回転軸の表現を表示してもよい。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェースはまた、解剖学的構造の表現(例えば、より詳細なモデル又はより詳細でないモデル)及び/又は画像を表示し得る。例えば、当該画像は、切削(例えば、リーミング/穿孔/削り)深さを適切に管理するために複数の向きで視認するCTスライスであってもよい。回転軸と目標軸との間の角度はまた、ユーザをより良好に誘導するために(特に、ユーザが計画された位置及び向きから逸脱したい場合)、ユーザインターフェースによって表示することができる。当該CTスライスは、ツールの向きに従うように自動的に調整されてもよい。例えば、ユーザインターフェースは、回転切削ツールの回転軸を含む2つの垂直なスライス(2つの写真)を表示してもよい。
【0109】
いくつかの実施形態では、ユーザインターフェースは、カラースケールモードでリーミング/穿孔/削り深さデルタを表示してもよい(例えば、深さが増加するにつれて、解剖学的構造のモデルに暗い色が割り当てられる)。
【0110】
ユーザインターフェースによって表示される情報は、図3A図7Bに非限定的に示されるように、回転軸が平面関節部の運動平面と平行な平面内に制約される構成において、様々な形態をとり得る。
【0111】
図3A図3Dは、第1の実施形態における回転切削ツールの位置決めの様々な工程においてユーザインターフェースによって表示される情報を示す。解剖学的構造は、目標点Eを用いて、概略的に表される(図示されていないが、CTスライスもまた使用され得る)。図3Aに示すように、第1の工程において、切削ツールの先端(十字線の中心によって表される)は、目標点Eから特定の距離にあり、目標軸は、点Eを通過し、図面の平面に垂直である。図3Bに示すように、第2の工程において、切削ツールの先端は、目標点Eからゼロ距離にある。図3Aに既に存在する十字線は、依然として切削ツールの先端を表しており、追加の十字線は、切削ツールの反対側の端部(例えば、ハンドピースとの接続部又はハンドピースの後部)を表す。したがって、十字線の中心を結ぶ線は、切削ツールの回転軸を表す。したがって、この位置では、回転軸は、目標軸と位置合わせされていない。図3Cに示すように、第3の工程において、十字線は同軸であり、これは、回転軸が目標軸と位置合わせされていることを示す。この段階において、ユーザは、回転切削ツールのスイッチを入れて、ツールを回転させ、解剖学的構造の切削を開始することができる。図3Dに示すように、第4の工程において、計画された切削深さが達成されており、これは、ユーザによる目視観察によって、又は制御ユニットによって切削ツールの先端をナビゲートすることによって検出されてもよい。この段階において、ユーザは、回転切削ツールのスイッチを切ることができる(又は制御ユニットが自動的にスイッチを切ってもよい)。
【0112】
図4A図4Dは、第2の実施形態における回転切削ツールの位置決めの様々な工程においてユーザインターフェースによって表示される情報を示す。解剖学的構造は、目標点Eを用いて、概略的に表される(図示されていないが、CTスライスもまた使用され得る)。図4Aに示すように、第1の工程において、切削ツールの先端(円の中心によって表される)は、目標点Eから特定の距離にあり、目標軸は、点Eを通過し、図面の平面に垂直である。図4Bに示すように、第2の工程において、切削ツールの先端は、目標点Eからゼロ距離にある。図4Aに既に存在する円は、依然として切削ツールの先端を表しており、追加の十字線は、切削ツールの反対側の端部(例えば、ハンドピースとの接続部又はハンドピースの後部)を表す。したがって、十字線の中心と円の中心とを結ぶ線は、切削ツールの回転軸を表す。したがって、この位置では、回転軸は、目標軸と位置合わせされていない。図4Cに示すように、第3の工程において、十字線及び円は、同軸であり、これは、回転軸が目標軸と位置合わせされていることを示す。この段階において、ユーザは、回転切削ツールのスイッチを入れて、ツールを回転させ、解剖学的構造の切削を開始することができる。図4Dに示すように、第4の工程において、計画された切削深さが達成されており、これは、ユーザによる目視観察によって、又は制御ユニットによって切削ツールの先端をナビゲートすることによって検出されてもよい。この段階において、ユーザは、回転切削ツールのスイッチを切ることができる(又は制御ユニットが自動的にスイッチを切ってもよい)。
【0113】
図5A図5Dは、第3の実施形態における、回転切削ツールの位置決めの様々な工程においてユーザインターフェースによって表示される情報を示す。解剖学的構造は、目標点Eを用いて、概略的に表される(図示されていないが、CTスライスもまた使用され得る)。図5Aに示すように、第1の工程において、切削ツールの先端(円の中心によって表される)は、目標点Eから特定の距離(例えば、16mm)にある。図5Bに示すように、第2の工程において、切削ツールの先端は、目標点Eからゼロ距離にある。回転軸(円から延在する平坦線によって表される)は、目標軸(点Eを通過する点線によって表される)と位置合わせされていない。外科用ツールが尖った先端を有する場合、ユーザは、その先端を解剖学的構造に固定するために、尖った先端で解剖学的構造の表面をわずかに凹ませ、次いで、回転軸を目標軸と位置合わせさせるまで、外科用ツールを先端の周りで回転させてもよい。図5Cに示すように、第3の工程において、平坦線及び点線が一致しており、これは、回転軸が目標軸と位置合わせされていることを示す。計画されたリーミング深さ(例えば、5mm)までの距離が表示されてもよい。この段階において、ユーザは、回転切削ツールのスイッチを入れて、ツールを回転させ、第2の円によって特定された終点に向かって解剖学的構造の切削を開始することができる。図5Dに示すように、第4の工程において、計画された切削深さが達成されており(計画されたリーミング深さまでの距離はゼロである)、切削ツールの先端を表す円は、当該第2の円と一致する。この段階において、ユーザは、回転切削ツールのスイッチを切ることができる(又は制御ユニットが自動的にスイッチを切ってもよい)。
【0114】
図6A図6Dは、第4の実施形態における、回転切削ツールの位置決めの様々な工程においてユーザインターフェースによって表示される情報を示す。解剖学的構造は、概略的に表され(図示されていないが、CTスライスもまた使用され得る)、目標点Eは、点線によって表される目標軸に沿って、窩の底部に画定されている。図6Aに示すように、第1の工程において、切削ツールの先端(矢印の先端によって表される)は、目標点から特定の距離(例えば、16mm)にある。図6Bに示すように、第2の工程において、切削ツールの先端は、目標点Eからゼロ距離にある。回転軸(円から延在する平坦線によって表される)は、目標軸と位置合わせされていない。外科用ツールが尖った先端を有する場合、ユーザは、その先端を解剖学的構造に固定するために、尖った先端で解剖学的構造の表面をわずかに凹ませ、次いで、回転軸を目標軸と位置合わせさせるまで、外科用ツールを先端の周りで回転させてもよい。図6Cに示すように、第3の工程において、平坦線及び点線が一致しており、これは、回転軸が目標軸と位置合わせされていることを示す。この段階において、ユーザは、回転切削ツールのスイッチを入れて、ツールを回転させ、異なる色によって表されるゾーン内の解剖学的構造の切削を開始することができる。図6Dに示すように、第4の工程において、計画された切削深さが達成されており(計画されたリーミング深さまでの距離はゼロである)、切削ツールの先端を表す矢印の先端は、切削ゾーンの限界に達している。この段階において、ユーザは、回転切削ツールのスイッチを切ることができる(又は制御ユニットが自動的にスイッチを切ってもよい)。
【0115】
回転軸が平面関節部の運動平面に垂直な平面内に制約される構成では、ユーザが回転軸を目標軸と位置合わせすることがより容易である。ユーザインターフェースによって表示される情報は、図8A図9Cに非限定的に示すように、様々な形態をとることができる。
【0116】
図8A図8Cは、第1の実施形態における、回転切削ツールの位置決めの様々な工程においてユーザインターフェースによって表示される情報を示す。解剖学的構造は、目標点Eを用いて、概略的に表される(図示されていないが、CTスライスもまた使用され得る)。図8Aに示すように、第1の工程において、切削ツールの先端(十字線の中心によって表される)は、目標点Eから特定の距離(例えば、16mm)にあり、目標軸は、点Eを通過する。回転軸及び目標軸の両方は、図面の平面に垂直である。図8Bに示すように、第2の工程において、切削ツールの先端は、目標点Eからゼロ距離にあり、十字線の中心は、目標点Eと一致している。したがって、依然として両方とも図面の平面に垂直である回転軸と目標軸とは、位置合わせされている。計画されたリーミング深さ(例えば、5mm)までの距離が表示されてもよい。この段階において、ユーザは、回転切削ツールのスイッチを入れて、ツールを回転させ、解剖学的構造の切削を開始することができる。図8Cに示すように、第3の工程において、計画された切削深さが達成されている(計画されたリーミング深さまでの距離はゼロである)。この段階において、ユーザは、回転切削ツールのスイッチを切ることができる(又は制御ユニットが自動的にスイッチを切ってもよい)。
【0117】
図9A図9Cは、第2の実施形態における、回転切削ツールの位置決めの様々な工程においてユーザインターフェースによって表示される情報を示す。この第2の実施形態は、目標点が表される方法(十字の代わりに小さなディスクによって)、及び回転軸が表される方法(クロスヘッドの代わりに直径方向に対向する2対のセグメントを有する円によって)のみが、第1の実施形態とは異なる。ユーザインターフェースによって提供される誘導は、図8A図8Cを参照して説明したものと同様である。
【0118】
ユーザは、計画された動作が達成されるまで、動作軸を目標軸と位置合わせされた状態に維持しなければならず、作動ユニットは、目標軸を含む平面内に維持するように動作軸を制約する。制御ユニットが目標軸からの動作軸の逸脱を検出した場合、制御ユニットは、ユーザインターフェースに警告信号を生成させるか、又は切削ツールの電力を低減させてもよい。
【0119】
計画された切削深さの達成は、制御ユニットを用いて外科用ツールの先端をナビゲートすることによって検出され得る。したがって、現在の切削深さの表示が、ユーザインターフェースによって提供されてもよい。あるいは、ユーザは、手術場面の目視観察によって、計画された切削深さが達成されたことを検出することができ得る。
【0120】
上述したように、ユーザインターフェースの図示された実施形態は、画面上に表示される情報に関するが、ユーザインターフェースは、画面を含まなくてもよく、任意の他の信号発信手段で構成されてもよい。例えば、ユーザインターフェースは、ロボットデバイス上に配置され、目標軸及び/又はもしあれば、目標点に対する動作軸の距離に応じて、可変色及び/又は点滅周波数を提示するように適合されている、1つ又は2つ以上のLEDを含んでもよい。あるいは、ユーザインターフェースは、動作軸と目標軸との間の距離に応じて可変レベル及び/又は周波数を有する音を生成するように適合された音発信手段、又は触覚フィードバック手段を含み得る。
【0121】
図13は、運動補償を可能にする制御ループを説明するフローチャートである。
【0122】
工程S1で、ロボットデバイス、エンドエフェクタ、及び解剖学的構造の新たな姿勢が、トラッカによって提供される位置決め情報を使用して決定される。
【0123】
工程S2では、ツールの回転軸を含み、平面関節部の運動平面と平行な平面と、目標軸を含む任意の平面との間の偏差dが計算される。
【0124】
偏差dが閾値thr未満である場合、エンドエフェクタを動作させることができ、ロボットデバイス及び解剖学的構造の新たな姿勢が決定される(工程S1)。
【0125】
偏差dが閾値thr以上である場合、工程S3において、回転軸を含む平面及び目標軸を含む任意の平面が、ロボットデバイスの座標系に投影される。
【0126】
工程S4では、平面関節部の運動平面とツールの回転軸を含む平面との間の剛性変換に対応する補正行列Terrが計算される。
【0127】
工程S5では、目標軸を含む任意の平面をTerrで更新する。
【0128】
工程S6では、目標軸を含む任意の平面に到達するように、ロボットデバイスの新たな姿勢が計算される。この計算は、作動ユニットのモータによって加えられる動きを判定する。
【0129】
工程S7では、作動ユニットのモータが、工程S’6に従って作動する。
【0130】
次いで、ロボットデバイス及び解剖学的構造の新たな位置が判定される(工程S1)。
【0131】
この基本アルゴリズムは、以下のロボットデバイスの挙動を更に改善させることが証明されている:
-各種要素の位置の空間的フィルタリング(例えば、カルマンフィルタ又はその等価物による);
-例えば、四元数平均化手法による、所与の時間枠におけるTerrの推定の平均化。このため、変換推定と機械的リンクのより複雑な実体との間の小さい不一致に起因する潜在的振動を低減することができる。
【0132】
補正行列Terrは、平面関節部の現在の延在に応じて変化する場合があり、したがって一定ではない。また、補正行列は、平面関節部の機械的バックラッシュ及び屈曲、ロボットデバイスの位置、及びその他の要因にも依存する。補正行列は、ユーザによるツールの妥当な運動を考慮に入れて、2つの計算の間の偏差Terrが顕著でなくなるようにリアルタイムで計算される。この補正方法は、モデルにおける機械的欠陥、バックラッシュ、及び誤差を補正するうえで極めて正確かつ効率的である。
【0133】
この補償ループはまた、作動ユニットのバックラッシュ及び屈曲を少なくとも部分的に補償することを可能にすることに留意されたい。
【0134】
実施例1:股関節外科手術
股関節外科手術は、寛骨臼内へのカップインプラントの位置決めを含み得る。そのために、寛骨臼は、カップを受け入れるように適合された容積を生成するために、リーマによって好適な形状及び寸法にリーミングされなければならない。リーマは、カップサイズに実質的に対応する半球形を有し、リーマの回転によって寛骨臼から骨材料が除去されるように、その外面に配置された複数の切削歯を含む。
【0135】
寛骨臼窩及びリーマの実質的な半球形状により、リーマは、寛骨臼窩内に自らを位置決めすることができ得る。したがって、外科医は、リーマの向き及びリーミング深さを制御するだけでよい。
【0136】
介入中、患者は、図10A図10Bに示すように、手術台600上で仰臥位又は側臥位になってもよい。
【0137】
ロボットデバイス100は、患者の隣に位置決めされる。いくつかの実施形態では、ロボットデバイスは、ロック可能な保持アーム700の端部に固定され、その反対側の端部は、手術台又は手術室内の別の固定要素に取り付けられる。
【0138】
リーマ1は、平面関節部12に取り付けられてもよく、あるいは、ガイドチューブが平面関節部に取り付けられ、リーマがガイドチューブに挿入されてもよい。トラッカ20、21は、少なくとも患者の寛骨臼及びリーマ(又は、もしあればガイドチューブ)に取り付けられる。
【0139】
リーマ軌道は、介入前の任意の時に、又はロボットデバイスを作動させる前の介入中に計画され得る。当該軌道は、寛骨臼窩に配置されるカップの軸に対応する目標軸によって画定される。軌道は、リーマ先端の最終位置である目標点の位置によって更に画定され得る。
【0140】
当該計画された軌道は、制御ユニットによって生成されてもよく、又は別のシステムによって生成されてもよく、次いで、任意の好適な通信手段によって制御ユニットに転送され得る。
【0141】
位置特定デバイスは、リーマ及び寛骨臼窩の回転軸の位置及び向きをリアルタイムで決定することができる。
【0142】
当該計画された軌道及び位置特定デバイスからの位置特定データに基づいて、制御ユニットは、目標軸を含む平面に対する回転軸の位置及び向きを決定することができる。
【0143】
ユーザがリーミングを開始する準備ができたとき、ユーザは、リーマの回転軸が目標軸を含む任意の平面と平行になるような方法で、作動ユニットにリーマを配向させるようにロボットデバイスのスイッチを入れる。
【0144】
ロボットデバイスは、保持アームによって保持されるので、ユーザは、平面関節部により平面内で自由に移動可能なリーマを操作するだけでよい。しかしながら、ユーザが生成した当該動きに沿って、作動ユニットは、目標軸を含む任意の平面と平行のままであるように回転軸を制約する。加えて、患者が動く場合、作動ユニットは、目標軸を含む平面と平行な回転軸を維持するように、平面関節部を動かす。
【0145】
リーマの回転軸を目標軸と位置合わせするために、ユーザは、目標軸に対する回転軸の位置及び向きを表示するユーザインターフェースを使用してもよい。したがって、ユーザは、リーマに与えられた動きの効果をユーザインターフェース上で直接見ることができる。
【0146】
リーマの回転軸が目標軸と位置合わせされ、リーマが寛骨臼窩の開口部に位置されていることがユーザに分かると、ユーザは、リーマのスイッチを入れて寛骨臼から骨材料を除去することができる。いくつかの実施形態では、リーマの回転軸が目標軸と位置合わせされていない場合、当該スイッチを入れることは、制御ユニットによって妨げられてもよい。
【0147】
計画された切削深さが達成されると、ユーザは、リーマのスイッチを切ることができる。そうでなければ、リーマは、リーマが有線であるか、又はBluetooth/Wifiなどの、制御ユニットへの無線接続手段を有する場合、制御ユニットによって自動的にスイッチを切ることができる。
【0148】
次いで、寛骨臼カップをリーミングされた窩内に配置することができる。
【0149】
外科用ロボットシステムはまた、有利なことに、寛骨臼カップを嵌入するようにインパクタを誘導するために使用されてもよい。そのために、ユーザは、リーマをガイドチューブから取り外し、インパクタをガイドチューブに挿入することができる。ガイドチューブの位置及び向きは、上記と同様の方法で目標軸と位置合わせされ得る。当該目標軸は、リーミング工程のために計画された目標軸と同一であってもよく、又は異なっていてもよい。
【0150】
実施例2:肩外科手術
肩外科手術は、関節窩内への関節窩インプラントの位置決めを含み得る。そのために、関節窩は、関節窩インプラントを受け入れるように適合された容積を生成するために、リーマによって好適な形状及び寸法にリーミングされなければならない。リーマは、関節窩インプラントのサイズに実質的に対応する半球形状を有し、リーマの回転によって寛骨臼から骨材料が除去されるように、その外面に配置された複数の切削歯を含む。
【0151】
介入中、患者は、図11A図11Bに示すように、手術台600上でビーチチェア位置にあってもよい。
【0152】
ロボットデバイス100は、患者の隣に位置決めされる。いくつかの実施形態では、ロボットデバイスは、ロック可能な保持アーム700の端部に固定され、その反対側の端部は、手術台又は手術室内の別の固定要素に取り付けられる。
【0153】
リーマ1は、平面関節部12に取り付けられてもよく、あるいは、ガイドチューブが平面関節部に取り付けられ、リーマがガイドチューブに挿入されてもよい。トラッカ20、21は、少なくとも患者の寛骨臼及びリーマ(又は、もしあればガイドチューブ)に取り付けられる。
【0154】
リーマ軌道は、介入前の任意の時に、又はロボットデバイスを作動させる前の介入中に計画され得る。当該軌道は、目標軸と、リーマが関節窩に入らなければならない関節窩の表面上の点である入口点とによって画定される。
【0155】
当該計画された軌道は、制御ユニットによって生成されてもよく、又は別のシステムによって生成されてもよく、次いで、任意の好適な通信手段によって制御ユニットに転送され得る。
【0156】
位置特定デバイスは、目標軸及び目標点に対するリーマの回転軸の位置及び向きをリアルタイムで決定することができる。
【0157】
当該計画された軌道及び位置特定デバイスからの位置特定データに基づいて、制御ユニットは、目標軸を含む平面に対する回転軸の位置及び向きを決定することができる。
【0158】
ユーザがリーミングを開始する準備ができたとき、ユーザは、リーマの回転軸が目標軸を含む任意の平面と平行になるような方法で、作動ユニットにリーマを配向させるようにロボットデバイスのスイッチを入れる。
【0159】
ロボットデバイスは、保持アームによって保持されるので、ユーザは、平面関節部により平面内で自由に移動可能なリーマを操作するだけでよい。しかしながら、ユーザが生成した当該動きに沿って、作動ユニットは、目標軸を含む任意の平面と平行のままであるように回転軸を制約する。加えて、患者が動く場合、作動ユニットは、目標軸を含む平面と平行な回転軸を維持するように、平面関節部を動かす。
【0160】
リーマの回転軸を目標軸と位置合わせするために、ユーザは、目標軸及び目標点に対する回転軸の位置及び向きを表示するユーザインターフェースを使用してもよい。したがって、ユーザは、リーマに与えられた動きの効果をユーザインターフェース上で直接見ることができる。上述したように、リーマの先端が目標点と接触しているとき、ユーザは、先端で関節窩の表面をわずかに凹ませ、それを固定旋回点として使用して、回転軸を目標軸と位置合わせすることができる。
【0161】
リーマの回転軸が目標軸と位置合わせされ、リーマ先端が目標点上にあることがユーザに分かると、ユーザは、リーマのスイッチを入れて寛骨臼から骨材料を除去することができる。いくつかの実施形態では、リーマの回転軸が目標軸と位置合わせされていない場合、当該スイッチを入れることは、制御ユニットによって妨げられてもよい。
【0162】
計画された切削深さが達成されると、ユーザは、リーマのスイッチを切ることができる。そうでなければ、リーマは、リーマが有線であるか、又はBluetooth/Wifiなどの、制御ユニットへの無線接続手段を有する場合、制御ユニットによって自動的にスイッチを切ることができる。
【0163】
本開示は、上記で提供された例に限定されず、例えば、外傷手術における釘及びねじの位置決め、脊椎外科手術におけるねじの配置という用途を含む、外科用ツールの軌道を誘導することを必要とする整形外科における全ての介入に適用されてもよい。
【0164】
〔実施の態様〕
(1) 目標軸(T)によって画定される計画された軌道に従って、解剖学的構造に対して動作軸を含む外科用ツール(1)を誘導するためのシステムであって、
-ロボットデバイス(100)であって、
o前記外科用ツールを含むか、又は前記外科用ツールに結合されるように構成されたエンドエフェクタ(10)と、
o少なくとも3つの電動自由度を含む作動ユニット(11)と、
o前記エンドエフェクタ(10)を前記作動ユニット(11)に結合する平面関節部(12)であって、前記平面関節部が、前記外科用ツールの前記動作軸(R)の動きを単一平面内に制約するように構成されている、平面関節部(12)と、を含む、ロボットデバイス(100)と、
-前記解剖学的構造の座標系に対する前記動作軸(R)の位置及び向きをリアルタイムで決定するように構成された位置特定デバイス(200)と、
-ユーザインターフェース(300)と、
-前記位置特定デバイス(200)、前記作動ユニット(11)、及び前記ユーザインターフェース(300)に結合された制御ユニット(400)と、を備え、
前記制御ユニット(400)が、
-前記計画された軌道及び前記位置特定デバイスからの位置特定データに基づいて、前記目標軸(T)を含む平面に対する前記動作軸(R)の位置及び向きを決定することと、
-ユーザが前記エンドエフェクタ(10)を前記目標軸(T)に近づける間、前記動作軸(R)を、前記目標軸(T)を含む前記平面内に拘束するように前記作動ユニットを制御することと、
-前記ユーザインターフェース(300)によって、前記目標軸(T)に対する前記動作軸(R)の前記位置及び向きに関連する少なくとも1つの信号を生成することと、を行うように構成されている、システム。
(2) 目標軸(T)によって画定される計画された軌道に従って、解剖学的構造に対して動作軸(R)を含む外科用ツール(1)を誘導するためのシステムであって、
-ロボットデバイス(100)であって、
o前記外科用ツールを含むか、又は前記外科用ツールに結合されるように構成されたエンドエフェクタ(10)と、
o少なくとも3つの電動自由度を含む作動ユニット(11)と、
o前記エンドエフェクタを前記作動ユニットに結合する平面関節部(12)であって、前記平面関節部が、回転切削ツールの前記動作軸の動きを単一平面に対して垂直になるように制約するように構成されている、平面関節部(12)と、を含む、ロボットデバイス(100)と、
-前記解剖学的構造の座標系に対する前記動作軸の位置及び向きをリアルタイムで決定するように構成された位置特定デバイス(200)と、
-ユーザインターフェース(300)と、
-前記位置特定デバイス、前記作動ユニット、及び前記ユーザインターフェースに結合された制御ユニット(400)と、を備え、
前記制御ユニットが、
-前記計画された軌道及び前記位置特定デバイスからの位置特定データに基づいて、前記目標軸に対する前記平面関節部の向きを決定することと、
-ユーザが前記エンドエフェクタを前記目標軸に近づける間、前記平面関節部の前記平面を前記目標軸に対して垂直になるように制約するように前記作動ユニットを制御することと、
-前記ユーザインターフェースによって、前記目標軸に対する前記動作軸の前記位置に関連する少なくとも1つの信号を生成することと、を行うように構成されている、システム。
(3) 前記作動ユニット(11)が、少なくとも4つの電動自由度を含み、前記制御ユニットが、前記ユーザが前記エンドエフェクタを前記目標軸に近づける間、前記作動ユニットを制御して、前記動作軸を前記目標軸と平行になるように制約するように構成されている、実施態様1又は実施態様2に記載のシステム。
(4) 前記計画された軌道が、目標点又は領域(E)によって更に画定され、前記制御ユニットが、前記ユーザインターフェースによって、前記目標点又は領域に対する前記外科用ツールの前記動作軸(R)の前記位置に関連する信号を生成するように構成されている、実施態様1又は実施態様2に記載のシステム。
(5) 前記位置特定デバイスからの位置特定データに基づいて、前記制御ユニットが、前記目標点又は領域に対する前記外科用ツールの遠位先端の位置を決定するように構成されている、実施態様4に記載のシステム。
【0165】
(6) 前記ユーザインターフェースが、前記目標点又は領域に対する前記外科用ツールの前記遠位先端の前記位置に関連する信号を生成するように構成されている、実施態様5に記載のシステム。
(7) 前記外科用ツールが、電動ツールであり、前記目標点が、前記外科用ツールの前記軌道の端部を画定し、前記制御ユニットが、前記外科用ツールの前記遠位先端が前記目標点に到達したときに、前記外科用ツールのスイッチを切るように構成されている、実施態様4に記載のシステム。
(8) 前記システムが、前記エンドエフェクタ又は前記外科用ツールに堅固に取り付けられるように構成された第1のトラッカー(21、23)と、前記解剖学的構造に堅固に取り付けられるように構成された第2のトラッカー(20)と、を備える、実施態様1又は実施態様2に記載のシステム。
(9) 前記制御ユニットが、前記動作軸が前記目標軸と位置合わせされていると判定するように構成されている、実施態様1又は実施態様2に記載のシステム。
(10) 前記制御ユニットが、前記切削ツールの前記動作軸と前記目標軸との間の角度が1°未満であるときに、前記動作軸が前記目標軸と位置合わせされていると判定するように構成されている、実施態様9に記載のシステム。
【0166】
(11) 前記作動ユニット(11)を支持するロック可能な保持アーム(700)を更に備える、実施態様1又は実施態様2に記載のシステム。
(12) 前記外科用ツールが、電動ツールであり、前記制御ユニットが、前記動作軸が前記目標軸と位置合わせされていない限り、前記回転切削ツールのスイッチを入れることを妨げるように構成されている、実施態様1又は実施態様2に記載のシステム。
(13) 前記外科用ツールが、ドリル、リーマ、バー、ねじ、Kワイヤ、又はピンを含む、実施態様1又は実施態様2に記載のシステム。
(14) 前記外科用ツールが、インパクタである、実施態様1又は実施態様2に記載のシステム。
(15) 前記エンドエフェクタ(10)が、前記外科用ツールとして前記ドリル、前記リーマ、又は前記バーと、インパクタを交互に誘導するように適合されたガイドチューブ(10a)を含む、実施態様13に記載の外科用システム。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C
図12D
図13
【国際調査報告】