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特表2024-517955無線通信システムにおけるフロントホールリンク選択
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-23
(54)【発明の名称】無線通信システムにおけるフロントホールリンク選択
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/56 20230101AFI20240416BHJP
   H04W 72/512 20230101ALI20240416BHJP
   H04W 72/543 20230101ALI20240416BHJP
【FI】
H04W72/56
H04W72/512
H04W72/543
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023570137
(86)(22)【出願日】2022-07-12
(85)【翻訳文提出日】2023-11-13
(86)【国際出願番号】 US2022036813
(87)【国際公開番号】W WO2023022815
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】17/403,419
(32)【優先日】2021-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512299576
【氏名又は名称】アルティオスター ネットワークス, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Altiostar Networks, Inc.
【住所又は居所原語表記】200 Ames Pond Drive, Tewksbury, MA 01876, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100109380
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 恵
(74)【代理人】
【識別番号】100109036
【弁理士】
【氏名又は名称】永岡 重幸
(72)【発明者】
【氏名】レディ,エム,ラマナ
(72)【発明者】
【氏名】バスカラン,シュリダー
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA14
5K067EE02
5K067EE10
5K067JJ11
(57)【要約】
無線通信システムでフロントホールリンクを選択する方法、システム、およびコンピュータプログラム製品である。1つ以上のリンク遅延が決定される。リンク遅延は、第1の通信装置と第2の通信装置とを通信可能に接続する複数の通信リンクのうちのいずれか1つ以上の通信リンクに関連する。決定されたリンク遅延を使用して、1つ以上のデータパケットの送信のために通信リンクの通信リンク送信優先順位が決定される。優先順位付けされた通信リンクのリストが生成される。第1の通信装置と第2の通信装置との間でのデータパケットの送信のために、優先順位付けされた通信リンクの中で少なくとも1つの通信リンクが選択される。選択された通信リンクを使用して、第1の通信装置と第2の通信装置との間でデータパケットが送信される。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の通信装置と第2の通信装置とを通信可能に接続する複数の通信リンクのうちのいずれか1つ以上の通信リンクに関連する、1つ以上のリンク遅延を決定することと、
決定された1つ以上のリンク遅延を使用して、1つ以上のデータパケットの送信のために、前記1つ以上の通信リンクの通信リンク送信優先順位を決定することと、優先順位付けされた1つ以上の通信リンクのリストを生成することと、
前記第1の通信装置と前記第2の通信装置との間での1つ以上のデータパケットの送信のために、前記優先順位付けされた1つ以上の通信リンクの中で少なくとも1つの通信リンクを選択することと、
前記選択された少なくとも1つの通信リンクを使用して、前記第1の通信装置と前記第2の通信装置との間で前記1つ以上のデータパケットを送信することとを有する、
コンピュータで実施される方法。
【請求項2】
前記決定すること、前記通信リンク送信優先順位を前記決定すること、前記選択すること、および前記送信することのうちの少なくともいずれか1つが、基地局によって実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基地局が、以下の通信コンポーネント、すなわち、1つ以上の無線インターフェイスユニットおよび1つ以上の分散ユニットのうちの少なくともいずれか1つを有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記1つ以上の分散ユニットが、前記1つ以上のデータパケットの送信のために前記1つ以上の無線インターフェイスユニットと連係するように構成される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の通信装置が分散ユニットを有し、前記第2の通信装置が無線インターフェイスユニットを有する、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記1つ以上のリンク遅延が、前記分散ユニットから前記無線インターフェイスユニットへの1つ以上のデータパケットの送信に関連する少なくとも1つの第1のリンク遅延、前記無線インターフェイスユニットから前記分散ユニットへの1つ以上のデータパケットの送信に関連する少なくとも1つの第2のリンク遅延、およびそれらのいずれかの組み合わせのうちの少なくともいずれか1つを有する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
それぞれの使用可能なリンクのダウンリンク経路遅延が、前記分散ユニットによって測定され、
それぞれの使用可能なリンクのアップリンク経路遅延が、前記無線インターフェイスユニットによって測定され、前記測定されたアップリンク経路として前記アップリンク経路遅延を決定するために、アップリンク経路に関連する1つ以上のタイムスタンプが前記分散ユニットに提供される、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記1つ以上の通信リンク上での1つ以上のデータパケットの送信に関連する遅延感度を判断することをさらに有し、前記遅延感度が、少なくとも1つの所定の遅延閾値を超えない前記ダウンリンク経路およびアップリンク経路遅延のうちの少なくともいずれか1つに基づいて判断される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記通信リンク送信優先順位が、前記ダウンリンク経路およびアップリンク経路遅延のうちの少なくともいずれか1つと、前記判断された遅延感度とを使用して決定される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記通信リンク送信優先順位を前記決定することが、前記ダウンリンク経路およびアップリンク経路の遅延の各々と、前記判断された遅延感度とに、1つ以上の重み係数を割り当てることをさらに有し、前記生成することが、前記割り当てられた重み係数を使用して、優先順位付けされた1つ以上の通信リンクの重み付きリストを生成することを有する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第2の通信装置によって、前記選択された少なくとも1つの通信リンク上で前記第1の通信装置から制御プレーンメッセージを受信することと、
前記第2の通信装置によって、前記選択された少なくとも1つの通信リンク上で前記第1の通信装置へユーザプレーンメッセージを送信することとをさらに有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第2の通信装置によって、前記選択された少なくとも1つの通信リンク上で前記第1の通信装置から制御プレーンメッセージを受信することと、
前記第2の通信装置によって、前記第2の通信装置から前記第1の通信装置へのユーザプレーンメッセージの送信のために、前記複数の通信リンクのうちの少なくとも別の通信リンクから前記選択された少なくとも1つの通信リンクに切り替えることとをさらに有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記複数の通信リンクの各リンクが、前記第1の通信装置および前記第2の通信装置のうちの少なくともいずれか一方のイーサネットポートに関連付けられ、拡張アンテナキャリア識別子によって識別される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも1つのプログラマブルプロセッサと、
命令を保管する非一時的な機械可読媒体とを有するシステムであって、前記命令が、前記少なくとも1つのプログラマブルプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプログラマブルプロセッサに、
第1の通信装置と第2の通信装置とを通信可能に接続する複数の通信リンクのうちのいずれか1つ以上の通信リンクに関連する、1つ以上のリンク遅延を決定することと、
決定された1つ以上のリンク遅延を使用して、1つ以上のデータパケットの送信のために、前記1つ以上の通信リンクの通信リンク送信優先順位を決定することと、優先順位付けされた1つ以上の通信リンクのリストを生成することと、
前記第1の通信装置と前記第2の通信装置との間での1つ以上のデータパケットの送信のために、前記優先順位付けされた1つ以上の通信リンクの中で少なくとも1つの通信リンクを選択することと、
前記選択された少なくとも1つの通信リンクを使用して、前記第1の通信装置と前記第2の通信装置との間で前記1つ以上のデータパケットを送信することとを有する作業を実行させる、
システム。
【請求項15】
前記決定すること、前記通信リンク送信優先順位を前記決定すること、前記選択すること、および前記送信することのうちの少なくともいずれか1つが、基地局によって実行される、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記基地局が、以下の通信コンポーネント、すなわち、1つ以上の無線インターフェイスユニットおよび1つ以上の分散ユニットのうちの少なくともいずれか1つを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記1つ以上の分散ユニットが、前記1つ以上のデータパケットの送信のために前記1つ以上の無線インターフェイスユニットと連係するように構成される、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1の通信装置が分散ユニットを有し、前記第2の通信装置が無線インターフェイスユニットを有する、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記1つ以上のリンク遅延が、前記分散ユニットから前記無線インターフェイスユニットへの1つ以上のデータパケットの送信に関連する少なくとも1つの第1のリンク遅延、前記無線インターフェイスユニットから前記分散ユニットへの1つ以上のデータパケットの送信に関連する少なくとも1つの第2のリンク遅延、およびそれらのいずれかの組み合わせのうちの少なくともいずれか1つを有する、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
それぞれの使用可能なリンクのダウンリンク経路遅延が、前記分散ユニットによって測定され、
それぞれの使用可能なリンクのアップリンク経路遅延が、前記無線インターフェイスユニットによって測定され、前記測定されたアップリンク経路として前記アップリンク経路遅延を決定するために、アップリンク経路に関連する1つ以上のタイムスタンプが前記分散ユニットに提供される、
請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記作業が、前記1つ以上の通信リンク上での1つ以上のデータパケットの送信に関連する遅延感度を判断することをさらに有し、前記遅延感度が、少なくとも1つの所定の遅延閾値を超えない前記ダウンリンク経路およびアップリンク経路遅延のうちの少なくともいずれか1つに基づいて判断される、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記通信リンク送信優先順位が、前記ダウンリンク経路および前記アップリンク経路遅延のうちの少なくともいずれか1つと、前記判断された遅延感度とを使用して決定される、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記通信リンク送信優先順位を前記決定することが、前記ダウンリンク経路およびアップリンク経路の遅延の各々と、前記判断された遅延感度とに、1つ以上の重み係数を割り当てることをさらに有し、前記生成することが、前記割り当てられた重み係数を使用して、優先順位付けされた1つ以上の通信リンクの重み付きリストを生成することを有する、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記作業が、
前記第2の通信装置によって、前記選択された少なくとも1つの通信リンク上で前記第1の通信装置から制御プレーンメッセージを受信することと、
前記第2の通信装置によって、前記選択された少なくとも1つの通信リンク上で前記第1の通信装置へユーザプレーンメッセージを送信することとをさらに有する、請求項14に記載のシステム。
【請求項25】
前記作業が、
前記第2の通信装置によって、前記選択された少なくとも1つの通信リンク上で前記第1の通信装置から制御プレーンメッセージを受信することと、
前記第2の通信装置によって、前記第2の通信装置から前記第1の通信装置へのユーザプレーンメッセージの送信のために、前記複数の通信リンクのうちの少なくとも別の通信リンクから前記選択された少なくとも1つの通信リンクに切り替えることとをさらに有する、請求項14に記載のシステム。
【請求項26】
前記複数の通信リンクの各リンクが、前記第1の通信装置および前記第2の通信装置のうちの少なくともいずれか一方のイーサネットポートに関連付けられ、拡張アンテナキャリア識別子によって識別される、請求項14に記載のシステム。
【請求項27】
命令を保管する非一時的な機械可読媒体を含むコンピュータプログラム製品であって、前記命令が、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプログラマブルプロセッサに、
第1の通信装置と第2の通信装置とを通信可能に接続する複数の通信リンクのうちのいずれか1つ以上の通信リンクに関連する、1つ以上のリンク遅延を決定することと、
決定された1つ以上のリンク遅延を使用して、1つ以上のデータパケットの送信のために、前記1つ以上の通信リンクの通信リンク送信優先順位を決定することと、優先順位付けされた1つ以上の通信リンクのリストを生成することと、
前記第1の通信装置と前記第2の通信装置との間での1つ以上のデータパケットの送信のために、前記優先順位付けされた1つ以上の通信リンクの中で少なくとも1つの通信リンクを選択することと、前記選択された少なくとも1つの通信リンクを使用して、前記第1の通信装置と前記第2の通信装置との間で前記1つ以上のデータパケットを送信することとを有する作業を実行させる、
コンピュータプログラム製品。
【請求項28】
前記決定すること、前記通信リンク送信優先順位を前記決定すること、前記選択すること、および前記送信することのうちの少なくともいずれか1つが、基地局によって実行される、請求項27に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項29】
前記基地局が、以下の通信コンポーネント、すなわち、1つ以上の無線インターフェイスユニットおよび1つ以上の分散ユニットのうちの少なくともいずれか1つを含む、請求項28に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項30】
前記1つ以上の分散ユニットが、前記1つ以上のデータパケットの送信のために前記1つ以上の無線インターフェイスユニットと連係するように構成される、請求項29に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項31】
前記第1の通信装置が分散ユニットを有し、前記第2の通信装置が無線インターフェイスユニットを有する、請求項29に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項32】
前記1つ以上のリンク遅延が、前記分散ユニットから前記無線インターフェイスユニットへの1つ以上のデータパケットの送信に関連する少なくとも1つの第1のリンク遅延、前記無線インターフェイスユニットから前記分散ユニットへの1つ以上のデータパケットの送信に関連する少なくとも1つの第2のリンク遅延、およびそれらのいずれかの組み合わせのうちの少なくともいずれか1つを有する、請求項31に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項33】
それぞれの使用可能なリンクのダウンリンク経路遅延が、前記分散ユニットによって測定され、
それぞれの使用可能なリンクのアップリンク経路遅延が、前記無線インターフェイスユニットによって測定され、前記測定されたアップリンク経路として前記アップリンク経路遅延を決定するために、アップリンク経路に関連する1つ以上のタイムスタンプが前記分散ユニットに提供される、
請求項31に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項34】
前記作業が、前記1つ以上の通信リンク上での1つ以上のデータパケットの送信に関連する遅延感度を判断することをさらに有し、前記遅延感度が、少なくとも1つの所定の遅延閾値を超えない前記ダウンリンク経路およびアップリンク経路遅延のうちの少なくともいずれか1つに基づいて判断される、請求項33に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項35】
前記通信リンク送信優先順位が、前記ダウンリンク経路および前記アップリンク経路遅延のうちの少なくともいずれか1つと、前記判断された遅延感度とを使用して決定される、請求項34に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項36】
前記通信リンク送信優先順位を前記決定することが、前記ダウンリンク経路およびアップリンク経路の遅延の各々と、前記判断された遅延感度とに、1つ以上の重み係数を割り当てることをさらに有し、前記生成することが、前記割り当てられた重み係数を使用して、優先順位付けされた1つ以上の通信リンクの重み付きリストを生成することを有する、請求項35に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項37】
前記作業が、
前記第2の通信装置によって、前記選択された少なくとも1つの通信リンク上で前記第1の通信装置から制御プレーンメッセージを受信することと、
前記第2の通信装置によって、前記選択された少なくとも1つの通信リンク上で前記第1の通信装置へユーザプレーンメッセージを送信することとをさらに有する、請求項27に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項38】
前記作業が、
前記第2の通信装置によって、前記選択された少なくとも1つの通信リンク上で前記第1の通信装置から制御プレーンメッセージを受信することと、
前記第2の通信装置によって、前記第2の通信装置から前記第1の通信装置へのユーザプレーンメッセージの送信のために、前記複数の通信リンクのうちの少なくとも別の通信リンクから前記選択された少なくとも1つの通信リンクに切り替えることとをさらに有する、請求項27に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項39】
前記複数の通信リンクの各リンクが、前記第1の通信装置および前記第2の通信装置のうちの少なくともいずれか一方のイーサネットポートに関連付けられ、拡張アンテナキャリア識別子によって識別される、請求項27に記載のコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年8月16日に出願された「無線通信システムにおけるフロントホールリンク選択」と題するReddyらによる米国特許出願第17/403,419号の優先権を主張するものであり、その開示内容は、その全体が参照により本書に組み込まれる。
【0002】
いくつかの実装において、本主題は、遠隔通信システムに関し、特に、例えば5Gニューラジオ(「NR」)などの無線通信システムにおける無線チャネル遅延に敏感かどうかの認識と測定されたフロントホールリンク遅延とに基づくフロントホールリンクの選択に関する。
【背景技術】
【0003】
今日の世界では、セルラネットワークが個人と企業体にオンデマンド通信機能を提供している。通常、セルラネットワークは、セルと呼ばれる陸上領域にわたって分散され得る無線ネットワークである。そのような各セルは、セルサイトや基地局と呼ばれる少なくとも1つの固定位置トランシーバによって受け持たれる。各セルは、干渉を回避し、各セル内で改善されたサービスを提供するために、その近隣セルとは異なる1組の周波数を使用できる。セルが互いに協働すると、それらのセルは、広い地理的領域にわたって無線カバレッジを提供し、これにより、多数の携帯電話、および/または他の無線装置または可搬型トランシーバが互いに通信でき、またネットワーク内のどこかにある固定型トランシーバや電話機と通信できる。そのような通信は、基地局を通じて実行され、モバイルトランシーバが送信中に2つ以上のセルを通って移動している場合でも達成される。大手無線通信プロバイダがそのようなセルサイトを世界中に配備しているため、通信携帯電話やモバイルコンピューティング装置を公衆交換電話網や公衆インターネットに接続することが可能となっている。
【0004】
携帯電話は、電波を使用して携帯電話間で信号を転送することによって、セルサイトまたは送信塔を通じて電話および/またはデータ通信を受信できるおよび/または行うことができる、可搬型の電話機である。多数の携帯電話ユーザを考慮して、現在の携帯電話網は、限られた共用リソースを提供している。その点に関して、セルサイトとハンドセットは周波数を変更し、低電力送信機を使用して、干渉を減らして多数の発呼者によるネットワークの同時使用を可能にできる。セルサイトによるカバレッジは、特定の地理的位置および/またはネットワークを使用する可能性のあるユーザの数に左右され得る。例えば、都市では、セルサイトは最大約1/2マイルの範囲を有し得、田舎では、範囲が5マイルにもなり得、一部の地域では、ユーザが25マイル離れたセルサイトから信号を受信できる。
【0005】
以下は、通信プロバイダによって使用されているデジタルセルラ技術のいくつかの例である。モバイル通信用グローバルシステム(「GSM」)、汎用パケット無線サービス(「GPRS」)、cdmaOne、CDMA2000、エボリューションデータ最適化(「EV-DO」)、GSMエボリューション用改良データレート(「EDGE」)、ユニバーサル移動通信システム(「UMTS」)、デジタル改良コードレス通信(「DECT」)、デジタルAMPS(「IS-136/TDMA」)、および統合デジタル改良ネットワーク(「iDEN」)。ロングタームエボリューション、すなわち第3世代パートナーシッププロジェクト(「3GPP(登録商標)」)規格団体によって策定された4G LTEは、携帯電話とデータ端末のための高速データ無線通信規格である。現在は5G規格が策定され配備されている。LTEや5G NRのような3GPPセルラ技術は、GSM/EDGEおよびUMTS/HSPAデジタルセルラ技術のような初期世代の3GPP技術が進化したものであり、コアネットワークの改善と共に、異なる無線インターフェイスを使用することによって容量と速度の増大を可能にする。
【0006】
セルラネットワークは、無線アクセスネットワークとコアネットワークとに分割され得る。無線アクセスネットワーク(RAN)は、無線層通信処理を行えるネットワーク機能を含み得る。コアネットワークは、上位層通信、例えば、インターネットプロトコル(IP)、トランスポート層、およびアプリケーション層を処理できるネットワーク機能を含み得る。場合によっては、RAN機能は、ベースバンドユニット機能と無線ユニット機能とに分割され得、例えば、フロントホールネットワークを介してベースバンドユニットに接続された無線ユニットは、無線物理層の下位層処理を担当でき、ベースバンドユニットは、例えばMAC、RLCなどの上位層無線プロトコルを担当できる。
【0007】
フロントホールネットワークは、レイテンシとジッタに敏感であり得る。フロントホールネットワークに存在するスイッチによって導入されるレイテンシやジッタは、通信システムの機能に望ましくない影響を及ぼし得る。冗長フロントホールネットワークでは、それぞれの通信リンクが、データパケットの送信のありかたに応じて様々なレイテンシおよび/またはジッタを有する可能性があり、これは通信をさらに複雑化させる可能性がある。
【発明の概要】
【0008】
いくつかの実装において、本主題は、無線通信システムでフロントホールリンクを選択するコンピュータで実施される方法に関する。本方法は、1つ以上のリンク遅延を決定することを含み得る。リンク遅延は、第1の通信装置と第2の通信装置とを通信可能に接続する複数の通信リンクのうちのいずれか1つ以上の通信リンクに関連し得る。本方法は、決定された1つ以上のリンク遅延を使用して、1つ以上のデータパケットの送信のために通信リンクの通信リンク送信優先順位を決定することと、優先順位付けされた1つ以上の通信リンクのリストを生成することとをさらに含み得る。本方法はまた、第1の通信装置と第2の通信装置との間での1つ以上のデータパケットの送信のために、優先順位付けされた通信リンクの中で少なくとも1つの通信リンクを選択することと、選択された通信リンクを使用して、第1の通信装置と第2の通信装置との間でデータパケットを送信することとを含み得る。
【0009】
いくつかの実装において、本主題は、以下のオプションの特徴のうちのいずれか1つ以上を含み得る。決定すること、通信リンク送信優先順位を決定すること、選択すること、および送信することのうちの少なくともいずれか1つは、基地局によって実行され得る。基地局は、以下の通信コンポーネント、すなわち、無線インターフェイスユニットおよび分散ユニットのうちの少なくともいずれか1つを含み得る。分散ユニットは、データパケットの送信のために無線インターフェイスユニットと連係する(interface with)ように構成され得る。
【0010】
いくつかの実装において、第1の通信装置は分散ユニットを含み得、第2の通信装置は無線インターフェイスユニットを含み得る。リンク遅延は、分散ユニットから無線インターフェイスユニットへのデータパケットの送信に関連する少なくとも1つの第1のリンク遅延、無線インターフェイスユニットから分散ユニットへのデータパケットの送信に関連する少なくとも1つの第2のリンク遅延、およびそれらのいずれかの組み合わせのうちの少なくともいずれか1つを含み得る。それぞれの使用可能なリンクのダウンリンク経路遅延は、分散ユニットによって測定され得る。それぞれの使用可能なリンクのアップリンク経路遅延は、無線インターフェイスユニットによって測定され得る。測定されたアップリンク経路としてアップリンク経路遅延を決定するために、アップリンク経路に関連する1つ以上のタイムスタンプが分散ユニットに提供され得る。いくつかの実装において、本方法は、通信リンク上でのデータパケットの送信に関連する遅延感度を判断することを含み得る。遅延感度は、少なくとも1つの所定の遅延閾値を超えないダウンリンク経路およびアップリンク経路遅延のうちの少なくともいずれか1つに基づいて判断され得る。通信リンク送信優先順位は、ダウンリンク経路およびアップリンク経路遅延のうちの少なくともいずれか1つと、判断された遅延感度とを使用して決定され得る。
【0011】
いくつかの実装において、通信リンク送信優先順位を決定することは、ダウンリンク経路およびアップリンク経路遅延のうちの少なくともいずれか1つと、判断された遅延感度とに、1つ以上の重み係数を割り当てることを含み得る。リストを生成することは、割り当てられた重み係数を使用して、優先順位付けされた通信リンクの重み付きリストを生成することを含み得る。
【0012】
いくつかの実装において、本方法は、第2の通信装置によって、選択された通信リンク上で第1の通信装置から制御プレーンメッセージを受信することと、第2の通信装置によって、選択された通信リンク上で第1の通信装置へユーザプレーンメッセージを送信することとを含み得る。
【0013】
いくつかの実装において、本方法は、第2の通信装置によって、選択された通信リンク上で第1の通信装置から制御プレーンメッセージを受信することと、第2の通信装置によって、第2の通信装置から第1の通信装置へのユーザプレーンメッセージの送信のために、複数の通信リンクのうちの少なくとも別の通信リンクから選択された通信リンクに切り替えることとを含み得る。
【0014】
いくつかの実装において、複数の通信リンクの各リンクは、第1の通信装置および第2の通信装置のうちの少なくともいずれか一方のイーサネットポートに関連付けられ得、拡張アンテナキャリア識別子によって識別され得る。
【0015】
1つ以上のコンピューティングシステムの1つ以上のデータプロセッサによって実行されると、少なくとも1つのデータプロセッサに本明細書の作業を実行させる命令を保管する非一時的なコンピュータプログラム製品(すなわち、物理的に具現されたコンピュータプログラム製品)も説明される。同様に、1つ以上のデータプロセッサと、1つ以上のデータプロセッサに接続されたメモリとを含み得るコンピュータシステムも説明される。メモリは、本明細書で説明されている作業のうちのいずれか1つ以上を少なくとも1つのプロセッサに実行させる命令を、一時的に、または永続的に、保管できる。加えて、方法は、単一のコンピューティングシステムの中の、または2つ以上のコンピューティングシステムに分散された、1つ以上のデータプロセッサによって実施され得る。そのようなコンピューティングシステムは、ネットワーク(例えば、インターネット、無線ワイドエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、有線ネットワークなど)上の接続を含むがこれに限定されない1つ以上の接続によって、複数のコンピューティングシステムのうちのいずれか1つ以上の間の直接接続などによって、接続され得、データおよび/またはコマンドまたはその他の命令などを交換できる。
【0016】
本明細書で説明されている主題の1つ以上のバリエーションの詳細は、添付の図面と以下の説明に記載されている。本明細書で説明されている主題の他の特徴および利点は、説明および図面、ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0017】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本明細書で開示されている主題の特定の態様を示すものであり、説明と共に、開示されている実装に関連する原理のいくつかを説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1a】典型的な従来のロングタームエボリューション(「LTE」)通信システムを示す。
【0019】
図1b図1aに示されている典型的なLTEシステムのさらなる詳細を示す。
【0020】
図1c図1aに示されている典型的なLTEシステムの進化型パケットコアのさらなる詳細を示す。
【0021】
図1d図1aに示されている典型的なLTEシステムの典型的な進化型ノードBを示す。
【0022】
図2図1aから図1dに示されている進化型ノードBのさらなる詳細を示す。
【0023】
図3】本主題のいくつかの実装による、典型的な仮想無線アクセスネットワークを示す。
【0024】
図4】より高い周波数帯域の使用をユーザに提供するための典型的な3GPP分割アーキテクチャを示す。
【0025】
図5a】典型的な5G無線通信システムを示す。
【0026】
図5b】分割gNBの典型的な層アーキテクチャを示す。
【0027】
図5c図5aから図5bに示されているgNBアーキテクチャにおける典型的な機能分割を示す。
【0028】
図6a】フロントホールネットワークの詳細を示す典型的な無線通信システムを示す。
【0029】
図6b】冗長フロントホールネットワークを含む代替の無線通信システムを示す。
【0030】
図6c】(DUとRUとの間の)フロントホール通信リンク上で送信され得るメッセージのタイプを送信方向と合わせて示す表を示す。
【0031】
図7】典型的な冗長フロントホールリンクネットワークを示す。
【0032】
図8】典型的な一方向遅延測定コールフロー図を示す。
【0033】
図9a】本主題のいくつかの実装による、1つ以上のイーサネットポートへのeAxC IDの動的関連付けをサポートするRUの能力を判断する典型的なシステムを示す。
【0034】
図9b】本主題のいくつかの実装による、図9aに示されているシステムによって実行され得るRUの能力を判断する典型的なプロセスを示す。
【0035】
図10】本主題のいくつかの実装による、特定のeAxC IDに対応する制御/ユーザ(C/U)プレーントラフィックのために選択されたイーサネットリンクをDUによって伝達する典型的なプロセスを示す。
【0036】
図11】本主題のいくつかの実装による、典型的なシステムを示す。
【0037】
図12】本主題のいくつかの実装による、典型的な方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本主題は、無線通信システムの下位層分割アーキテクチャで実施され得るシステムおよび方法を提供できる。そのようなシステムは、5Gニューラジオ通信システムやロングタームエボリューション通信システムなどを含む様々な無線通信システムを含み得る。
【0039】
本主題の1つ以上の態様は、かかる通信システム内の基地局(例えば、gNodeB、eNodeBなど)の送信および/または受信コンポーネントに組み入れられ得る。以下は、ロングタームエボリューション通信システムと5Gニューラジオ通信システムの概説である。
【0040】
I.ロングタームエボリューション通信システム
図1aから図1cおよび図2は、典型的な従来のロングタームエボリューション(「LTE」)通信システム100をその様々なコンポーネントと合わせて示す。LTEシステムまたは4G LTEは、商業的に知られているように、携帯電話とデータ端末のための高速データ無線通信規格によって運営されている。この規格は、GSM/EDGE(「モバイル通信用グローバルシステム」/「GSMエボリューション用改良データレート」)ならびにUMTS/HSPA(「ユニバーサル移動通信システム」/「高速パケットアクセス」)ネットワーク技術に基づいている。この規格は、3GPP(「第3世代パートナーシッププロジェクト」)によって策定された。
【0041】
図1aに示されているように、システム100は、進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(「EUTRAN」)102と、進化型パケットコア(「EPC」)108と、パケットデータネットワーク(「PDN」)101を含み得、EUTRAN102とEPC108は、ユーザ機器104とPDN101との間の通信を提供する。EUTRAN102は、複数のユーザ機器104(a、b、c)に通信能力を提供する複数の進化型ノードB(「eNodeB」または「ENODEB」または「enodeb」または「eNB」)または基地局106(a、b、c)(図1bに図示)を含み得る。ユーザ機器104は、携帯電話、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント(「PDA」)、サーバ、データ端末、および/またはいずれかの他の種類のユーザ機器、および/またはそれらのいずれかの組み合わせであってよい。ユーザ機器104は、いずれかのeNodeB 106を通じてEPC108に接続でき、最終的にはPDN101に接続できる。通常、ユーザ機器104は距離の点で最も近いeNodeB 106に接続できる。LTEシステム100では、EUTRAN102とEPC108が協働して、ユーザ機器104にコネクティビティとモビリティとサービスを提供する。
【0042】
図1bは、図1aに示されているネットワーク100のさらなる詳細を示す。上述したように、EUTRAN102は、セルサイトとしても知られている複数のeNodeB 106を含む。eNodeB 106は、無線機能を提供し、エアリンクリソースのスケジューリングまたは無線リソース管理、アクティブモードモビリティまたはハンドオーバー、およびサービスのアドミッション制御を含む主要な制御機能を実行する。eNodeB 106は、ユーザ機器104を受け持つモビリティ管理エンティティ(図1cに図示されたMME)の選択と、ヘッダ圧縮や暗号化といったプロトコル機能を担当する。EUTRAN102を構成するeNodeB 106は、無線リソース管理とハンドオーバーのために互いに協働する。
【0043】
ユーザ機器104とeNodeB 106との通信は、エアインターフェイス122(「LTE-Uu」インターフェイスとしても知られる)を介して行われる。図1bに示されているように、エアインターフェイス122は、ユーザ機器104bとeNodeB 106aとの間の通信を提供する。エアインターフェイス122は、ダウンリンクとアップリンクで直交周波数分割多元接続(「OFDMA」)とOFDMAのバリエーションであるシングルキャリア周波数分割多元接続(「SC-FDMA」)とをそれぞれ使用する。OFDMAは、Multiple Input Multiple Output(「MIMO」)などの複数の既知のアンテナ技術の使用を可能にする。
【0044】
エアインターフェイス122は、ユーザ機器104とeNodeB 106との間のシグナリングのための無線リソース制御(「RRC」)やユーザ機器104とMME(図1cに図示)との間のシグナリングのための非アクセス層(「NAS」)を含む様々なプロトコルを使用する。シグナリングに加えて、ユーザ機器104とeNodeB 106との間ではユーザトラフィックが転送される。システム100内のシグナリングとトラフィックはいずれも、物理層(「PHY」)チャネルによって搬送される。
【0045】
複数のeNodeB 106は、X2インターフェイス130(a、b、c)を使用して互いに相互接続され得る。図1aに示されているように、X2インターフェイス130aは、eNodeB 106aとeNodeB 106bとの相互接続を提供し、X2インターフェイス130bは、eNodeB 106aとeNodeB 106cとの相互接続を提供し、X2インターフェイス130cは、eNodeB 106bとeNodeB 106cとの相互接続を提供する。ハンドオーバー関連の情報のみならず、負荷関連の情報や干渉関連の情報をも含み得る信号の交換を提供するため、2つのeNodeB間にX2インターフェイスが確立され得る。eNodeB 106は、S1インターフェイス124(a、b、c)を介して進化型パケットコア108と通信する。S1インターフェイス124は2つのインターフェイスに分割され得、2つのインターフェイスの一方は制御プレーンのためのものであり(図1cにて制御プレーンインターフェイス(S1-MMEインターフェイス)128として図示)、他方はユーザプレーンのためのものである(図1cにてユーザプレーンインターフェイス(S1-Uインターフェイス)125として図示)。
【0046】
EPC108は、ユーザサービスのサービス品質(「QoS」)を確立して実施し、ユーザ機器104が移動中に一貫したインターネットプロトコル(「IP」)アドレスを維持することを可能にする。ネットワーク100内の各ノードが独自のIPアドレスを有することに注意されたい。EPC108は、レガシー無線ネットワークと相互に作用するように設計されている。EPC108はまた、コアネットワークアーキテクチャにおいて制御プレーン(すなわちシグナリング)とユーザプレーン(すなわちトラフィック)を分離するように設計されており、これにより、実装のさらなる柔軟性と、制御機能とユーザデータ機能の独立したスケーラビリティが可能になる。
【0047】
EPC108のアーキテクチャは、パケットデータ専用であり、図1cにより詳細に示されている。EPC108は、サービングゲートウェイ(S-GW)110と、PDNゲートウェイ(P-GW)112と、モビリティ管理エンティティ(「MME」)114と、ホームサブスクライバサーバ(「HSS」)116(EPC108のサブスクライバデータベース)と、ポリシー制御・課金ルール機能(「PCRF」)118とを含む。これら(S-GW、P-GW、MME、HSSなど)のいくつかは、製造業者の実装に従ってノードに組み合わされることが多々ある。
【0048】
S-GW110は、IPパケットデータルータとして機能し、EPC108におけるユーザ機器のベアラ経路アンカーである。したがって、ユーザ機器が移動中にあるeNodeB 106から別のeNodeB 106に移動するときに、S-GW110は同じままであり、EUTRAN102に向かうベアラ経路は、ユーザ機器104を受け持つ新しいeNodeBと通信するように切り替えられる。ユーザ機器104が別のS-GW110のドメインに移動する場合は、MME114がユーザ機器のベアラ経路のすべてを新しいS-GWへ転送する。S-GW110は、1つ以上のP-GW112に至るユーザ機器のベアラ経路を確立する。アイドル状態のユーザ機器のためにダウンストリームデータが受信される場合は、S-GW110がダウンストリームパケットをバッファリングし、EUTRAN102に至ってEUTRAN102の中を通るベアラ経路を見つけて再確立することをMME114に要求する。
【0049】
P-GW112は、EPC108(ならびにユーザ機器104およびEUTRAN102)とPDN101(図1aに図示)との間のゲートウェイである。P-GW112は、ユーザトラフィックのためのルータとして機能すると共に、ユーザ機器に代わって機能を実行する。これらは、ユーザ機器のためのIPアドレス割り当て、適切なベアラ経路上に配置されることを保証するためのダウンストリームユーザトラフィックのパケットフィルタリング、データレートを含むダウンストリームQoSの実施を含む。サブスクライバが利用しているサービスに応じて、ユーザ機器104とP-GW112との間には複数のユーザデータベアラ経路が存在し得る。サブスクライバは、別々のP-GWが受け持つPDN上でサービスを利用でき、この場合、ユーザ機器は、それぞれのP-GW112に向けて確立された少なくとも1つのベアラ経路を有する。あるeNodeBから別のeNodeBへのユーザ機器のハンドオーバー中に、S-GW110も変わる場合は、P-GW112からのベアラ経路が新しいS-GWに切り替えられる。
【0050】
MME114は、EPC108の中でユーザ機器104を管理し、これは、サブスクライバ認証の管理、認証されたユーザ機器104のためのコンテキストの維持、ユーザトラフィックのためのネットワーク内でのデータベアラ経路の確立、およびネットワークから切り離されていないアイドル状態の移動体の位置追跡を含む。ダウンストリームデータを受信するためにアクセスネットワークに再接続される必要があるアイドル状態のユーザ機器104の場合、MME114は、ユーザ機器を見つけるためにページングを開始し、EUTRAN102に至ってEUTRAN102の中を通るベアラ経路を再確立する。eNodeB 106によって特定のユーザ機器104のためにMME114が選択され、当該ユーザ機器104はそこからシステムアクセスを開始する。負荷分散と冗長性の目的のため、MMEは通常、EPC108内の一群のMMEの一部である。ユーザのデータベアラ経路の確立において、MME114は、EPC108を通るデータ経路の末端を構成するP-GW112およびS-GW110を選択する役割を担う。
【0051】
PCRF118は、ポリシー制御の意思決定、ならびにP-GW110内に存在するポリシー制御実施機能(「PCEF」)でフローベースの課金機能を制御する役割を担う。PCRF118は、QoS認可(QoSクラス識別子(「QCI」)およびビットレート)を提供する。QoS認可は、PCEFで特定のデータフローがどのように扱われるかを決定し、これがユーザのサブスクリプションプロファイルに合致していることを保証する。
【0052】
上述したように、IPサービス119は、PDN101(図1aに図示)によって提供される。
【0053】
図1dは、eNodeB 106の典型的な構造を示す。eNodeB 106は、少なくとも1つのリモートラジオヘッド(「RRH」)132(通常は3つのRRH132が存在し得る)とベースバンドユニット(「BBU」)134とを含み得る。RRH132は、アンテナ136に接続され得る。RRH132とBBU134は、一般公衆無線インターフェイス(「CPRI」)142の規格仕様に準拠した光インターフェイスを用いて接続され得る。eNodeB 106の動作は、以下の標準パラメータ(および仕様)、すなわち、無線周波数帯域(バンド4、バンド9、バンド17など)、帯域幅(5、10、15、20MHz)、アクセス方式(ダウンリンク:OFDMA、アップリンク:SC-OFDMA)、アンテナ技術(ダウンリンク:2×2MIMO、アップリンク:1×2single input multiple output(「SIMO」))、セクタ数(最大6)、最大送信電力(60W)、最大送信レート(ダウンリンク:150Mb/s、アップリンク:50Mb/s)、S1/X2インターフェイス(1000Base-SX、1000Base-T)、およびモバイル環境(最大350km/h)を用いて特徴付けられ得る。BBU134は、デジタルベースバンド信号処理、S1回線の終端、X2回線の終端、呼処理、および監視制御処理を担当できる。EPC108(図1dに図示せず)から受信されるIPパケットは、デジタルベースバンド信号に変調され、RRH132へ送信され得る。逆に、RRH132から受信されるデジタルベースバンド信号は、EPC108への送信のためにIPパケットに復調され得る。
【0054】
RRH132は、アンテナ136を用いて無線信号を送受信できる。RRH132は、(変換器(「CONV」)140を使用して)BBU134からのデジタルベースバンド信号を無線周波数(「RF」)信号に変換し、(増幅器(「AMP」)138を使用して)それらをユーザ機器104(図1dに図示せず)への送信のために電力増幅することができる。逆に、ユーザ機器104から受信されるRF信号は、(AMP138を使用して)増幅され、(CONV140を使用して)BBU134への送信のためにデジタルベースバンド信号に変換される。
【0055】
図2は、典型的なeNodeB 106のさらなる詳細を示す。eNodeB 106は、複数の層、すなわち、LTE層1 202、LTE層2 204、およびLTE層3 206を含む。LTE層1は、物理層(「PHY」)を含む。LTE層2は、媒体アクセス制御(「MAC」)、無線リンク制御(「RLC」)、パケットデータコンバージェンスプロトコル(「PDCP」)を含む。LTE層3は、無線リソース制御(「RRC」)、動的リソース割り当て、eNodeB測定・構成・プロビジョニング、無線アドミッション制御、接続モビリティ制御、および無線リソース管理(「RRM」)を含む様々な機能およびプロトコルを含む。RLCプロトコルは、セルラエアインターフェイス全体で使用される自動再送要求(「ARQ」)フラグメンテーションプロトコルである。RRCプロトコルは、ユーザ機器とEUTRANとの間でLTE層3の制御プレーンシグナリングを処理する。RRCは、接続確立および解放、システム情報のブロードキャスト、無線ベアラ確立/再構成および解放、RRC接続モビリティ手順、ページング通知および解放、ならびにアウターループ電力制御のための機能を含む。PDCPは、IPヘッダの圧縮および解凍、ユーザデータの転送、および無線ベアラの連番の維持を実行する。図1dに示されているBBU134は、LTE層L1~L3を含み得る。
【0056】
eNodeB 106の主な機能の1つは無線リソース管理であり、これは、ユーザ機器104のためのアップリンクおよびダウンリンクエアインターフェイスリソースの両方のスケジューリング、ベアラリソースの制御、およびアドミッション制御を含む。eNodeB 106は、EPC108のエージェントとして、アイドル状態の移動体を見つけるために使用されるページングメッセージの転送を担当する。eNodeB 106はまた、無線で共通制御チャネル情報、ヘッダ圧縮、無線で送信されるユーザデータの暗号化および復号、ハンドオーバーレポートおよびトリガ基準の確立を伝達する。上述したように、eNodeB 106は、ハンドオーバーと干渉管理の目的のために、X2インターフェイス上で他のeNodeB 106と協働できる。eNodeB 106は、S1-MMEインターフェイスを介してEPCのMMEと通信し、S1-Uインターフェイスを用いてS-GWと通信する。さらに、eNodeB 106は、S1-Uインターフェイス上でS-GWとユーザデータを交換する。eNodeB 106とEPC108は、MMEとS-GWの間で負荷分散と冗長性をサポートするために多対多の関係を有する。eNodeB 106は、複数のMMEによって負荷を分散して輻輳を回避できるようにするために、一群のMMEから1つのMMEを選択する。
【0057】
II.5G NR無線通信ネットワーク
いくつかの実装において、本主題は、5Gニューラジオ(「NR」)通信システムに関する。5G NRは、4G/IMTアドバンスト規格を超える次の遠隔通信規格である。5Gネットワークは、現在の4Gより高い容量を提供し、1エリア単位当たりのモバイルブロードバンドユーザ数を増やすことを可能にし、1月および1ユーザ当たりのより多いおよび/または無制限のギガバイト単位でのデータ量の消費を可能にする。このためユーザは、Wi-Fiネットワークでなくても、モバイル装置を使用して1日に何時間も高精細メディアをストリーミングできる。5Gネットワークは、改善された装置間通信サポート、より低いコスト、4G機器より低いレイテンシ、より少ないバッテリ消費量などを有する。そのようなネットワークは、多数のユーザに対して数十メガビット/秒のデータレート、大都市圏に対して100Mb/sのデータレート、限られた区域(例えばオフィスフロア)内のユーザに対して同時に1Gb/s、無線センサネットワークの多数の同時接続、スペクトル効率の向上、カバレッジの向上、シグナリング効率の向上、1~10msのレイテンシ、既存のシステムと比べて低減されたレイテンシを有する。
【0058】
図3は、典型的な仮想無線アクセスネットワーク300を示す。ネットワーク300は、基地局(例えば、eNodeB、gNodeB)301、無線機器307、集中ユニット302、デジタルユニット304、および無線装置306を含む様々なコンポーネント間の通信を提供できる。システム300内のコンポーネントは、バックホールリンク305を使用してコアに通信可能に接続され得る。集中ユニット(「CU」)302は、ミッドホール接続308を使用して分散ユニット(「DU」)304に通信可能に接続され得る。無線周波数(「RU」)コンポーネント306は、フロントホール接続310を使用してDU304に通信可能に接続され得る。
【0059】
いくつかの実装において、CU302は、1つ以上のDUユニット308にインテリジェント通信能力を提供できる。ユニット302、304は、1つ以上の基地局、マクロ基地局、マイクロ基地局、リモートラジオヘッドなど、および/またはこれらのいずれかの組み合わせを含み得る。
【0060】
下位層分割アーキテクチャ環境では、NRのCPRI帯域幅要件は数百Gb/sになり得る。DUとRU(図3に図示)ではCPRI圧縮が実施され得る。5G通信システムでは、イーサネットフレーム上の圧縮されたCPRIがeCPRIと呼ばれ、推奨されるフロントホールネットワークである。このアーキテクチャは、フロントホール/ミッドホールの標準化を可能にでき、これは、上位層分割(例えば、オプション2またはオプション3-1(上位/下位RLC分割アーキテクチャ))とL1分割アーキテクチャを有するフロントホール(オプション7)とを含み得る。
【0061】
いくつかの実装において、下位層分割アーキテクチャ(例えば、オプション7)は、アップリンクにおける受信機、DL/ULの両方のための複数送信ポイント(TP)にわたる共同処理、ならびに配備を容易にするためのトランスポート帯域幅およびレイテンシ要件を含み得る。さらに、本主題の下位層分割アーキテクチャは、セルレベル処理とユーザレベル処理との分割を含み得、これは、リモートユニット(「RU」)におけるセルレベル処理とDUにおけるユーザレベル処理を含み得る。さらに、本主題の下位層分割アーキテクチャを使用して、イーサネットフロントホールを介して周波数領域サンプルが移送され得、フロントホール帯域幅の低減のために周波数領域サンプルは圧縮され得る。
【0062】
図4は、5G技術を実装でき、そのユーザにより高い(例えば、10GHzより大きい)周波数帯域の使用を提供できる典型的な通信システム400を示す。システム400は、マクロセル402とスモールセル404および406とを含み得る。
【0063】
モバイル装置408は、スモールセル404、406のうちのいずれか1つ以上と通信するように構成され得る。システム400は、マクロセル402とスモールセル404、406との間で制御プレーン(Cプレーン)とユーザプレーン(Uプレーン)の分割を可能にでき、ここで、CプレーンとUプレーンは異なる周波数帯域を利用している。特に、スモールセル402、404は、モバイル装置408と通信するときにより高い周波数帯域を利用するように構成され得る。マクロセル402は、Cプレーン通信のために既存のセルラ帯域を利用できる。モバイル装置408は、Uプレーン412を介して通信可能に接続され得、スモールセル(例えば、スモールセル406)は、より高いデータレートとより柔軟な/コスト/エネルギー効率の高い動作を提供できる。マクロセル402は、Cプレーン410を介して、良好なコネクティビティとモビリティを維持できる。さらに、場合によっては、LTE PUCCHとNR PUCCHが同じ周波数で送信され得る。
【0064】
図5aは、本主題のいくつかの実装による典型的な5G無線通信システム500を示す。システム500は、オプション7-2に従って下位層分割アーキテクチャを有するように構成され得る。システム500は、コアネットワーク502(例えば5Gコア)と1つ以上のgNodeB(またはgNB)を含み得、gNBは、集中ユニットgNB-CUを有し得る。gNB-CUは、制御プレーン部分(gNB-CU-CP)504と、1つ以上のユーザプレーン部分(gNB-CU-UP)506とに論理的に分割され得る。制御プレーン部分504とユーザプレーン部分506は、(3GPP規格で指定されているように)E1通信インターフェイス514を使用して通信可能に接続されるように構成され得る。制御プレーン部分504は、無線スタックのRRCプロトコルおよびPDCPプロトコルの実行を担当するように構成され得る。
【0065】
gNBの集中ユニットの制御プレーン部分およびユーザプレーン部分504、506は、下位層分割アーキテクチャに従って1つ以上の分散ユニット(DU)508、510に通信可能に接続されるように構成され得る。分散ユニット508、510は、RLC、MAC、および無線スタックのPHY層プロトコルの上位部分を実行するように構成され得る。制御プレーン部分504は、F1-C通信インターフェイス516を使用して分散ユニット508、510に通信可能に接続されるように構成され得、ユーザプレーン部分506は、F1-U通信インターフェイス518を使用して分散ユニット508、510に通信可能に接続されるように構成され得る。分散ユニット508、510は、フロントホールネットワーク520(1つ以上のスイッチ、リンクなどを含み得る)を介して1つ以上の遠隔無線ユニット(RU)512に接続され得、1つ以上の遠隔無線ユニット(RU)512は1つ以上のユーザ機器(図5aに図示せず)と通信する。遠隔無線ユニット512は、PHY層プロトコルの下位部分を実行し、(図1aから図2に関連する上記の説明と同様)ユーザ機器との通信のために遠隔ユニットにアンテナ能力を提供するように構成され得る。
【0066】
図5bは、分割gNBの典型的な層アーキテクチャ530を示す。アーキテクチャ530は、図5aに示されている通信システム500で実装され得、これは仮想化された分散型無線アクセスネットワーク(RAN)アーキテクチャとして構成され得、これにより、層L1、L2、L3と無線処理は、集中ユニット、分散ユニット、および無線ユニットで仮想化され分散され得る。図5bに示されているように、gNB-DU508は、gNB-CU-CP制御プレーン部分504(図5aにも図示)とgNB-CU-UPユーザプレーン部分506とに通信可能に接続され得る。コンポーネント504、506、508の各々は、1つ以上の層を含むように構成され得る。
【0067】
gNB-DU508は、RLC、MAC、およびPHY層、ならびに様々な通信副層を含み得る。これらは、F1アプリケーションプロトコル(F1-AP)副層、GPRSトンネリングプロトコル(GTPU)副層、ストリーム制御伝送プロトコル(SCTP)副層、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)副層、およびインターネットプロトコル(IP)副層を含み得る。上述したように、分散ユニット508は、集中ユニットの制御プレーン部分504に通信可能に接続され得、これはまた、F1-AP、SCTP、およびIP副層、ならびに無線リソース制御、およびPDCP制御(PDCP-C)副層を含み得る。さらに、分散ユニット508はまた、gNBの集中ユニットのユーザプレーン部分506に通信可能に接続され得る。ユーザプレーン部分506は、サービスデータ適応プロトコル(SDAP)、PDCPユーザ(PDCP-U)、GTPU、UDP、およびIP副層を含み得る。
【0068】
図5cは、図5aから図5bに示されているgNBアーキテクチャにおける典型的な機能分割を示す。図5cに示されているように、gNB-DU508は、F1-C通信インターフェイスを使用してgNB-CU-CP504およびGNB-CU-UP506に通信可能に接続され得る。gNB-CU-CP504とGNB-CU-UP506は、E1通信インターフェイスを使用して通信可能に接続され得る。PHY層(または第1層)の上位部分はgNB-DU508によって実行され得、一方、PHY層の下位部分はRU(図5cに図示せず)によって実行され得る。図5cに示されているように、RRC部分とPDCP-C部分は制御プレーン部分504によって実行され得、SDAP部分とPDCP-U部分はユーザプレーン部分506によって実行され得る。
【0069】
5G通信ネットワークにおけるPHY層の機能のいくつかは、トランスポートチャネル上でのエラー検出および上位層への指示、トランスポートチャネルのFEC符号化/復号、ハイブリッドARQソフト結合、符号化されたトランスポートチャネルの物理チャネルへのレートマッチング、符号化されたトランスポートチャネルの物理チャネルへのマッピング、物理チャネルの電力重み付け、物理チャネルの変調および復調、周波数および時間同期、無線特性測定および上位層への指示、MIMOアンテナ処理、デジタルおよびアナログビームフォーミング、RF処理、ならびに他の機能を含み得る。
【0070】
層2のMAC副層は、ビーム管理、ランダムアクセス手順、論理チャネルとトランスポートチャネルとのマッピング、1つの論理チャネルに属する複数のMACサービスデータユニット(SDU)のトランスポートブロック(TB)への連結、トランスポートチャネル上で物理層と受け渡しされるTBへの/からの論理チャネルに属するSDUの多重化/逆多重化、スケジューリング情報報告、HARQによるエラー訂正、1つのUEの論理チャネル間の優先順位処理、動的スケジューリングによるUE間の優先順位処理、トランスポートフォーマット選択、および他の機能を実行できる。RLC副層の機能は、上位層パケットデータユニット(PDU)の転送、ARQによるエラー訂正、データPDUの並べ替え、重複およびプロトコルエラー検出、再確立などを含み得る。PDCP副層は、ユーザデータの転送、再確立手順中の様々な機能、SDUの再送信、アップリンクにおけるSDU破棄、制御プレーンデータの転送、およびその他を担当できる。
【0071】
層3のRRC副層は、NASおよびASへのシステム情報のブロードキャスト、RRC接続の確立、維持、および解放、セキュリティ、ポイント・ポイント無線ベアラの確立、構成、維持、および解放、モビリティ機能、報告、および他の機能を実行できる。
【0072】
図6aは、典型的な無線通信システム600を示す。システム600は、1つ以上のイーサネットリンク606を使用して1つ以上のネットワークスイッチ/ルータ608を介して無線ユニット(RU)604に通信可能に接続された分散ユニット(DU)602を含み得る。システム600はまた、システム内のネットワークセグメントの各々に対して選択され得る1つ以上の同期マスタを含み得、ルートタイミングリファレンスはグランドマスタ、例えばタイミンググランドマスタ610と呼ばれる。グランドマスタは、そのネットワークセグメント上に存在するクロックへ同期情報を送信できるので、グランドマスタの選択時には、他のすべてのクロックがこれに直接同期することができる。(IEEE 1588-2002規格で元々規定された)精密時間プロトコル(PTP)を使用して、システム600全体でクロックを同期させることができる。PTPを使用すれば、マイクロ秒以下の範囲のクロック精度を達成できる。場合によっては、DU602とRU604の両方が、クロック同期の目的でPTPプロトコルを使用するように構成され得る。
【0073】
ネットワーク機能の操作および/または管理にはNETCONF/YANGプロトコル(またはアプリケーション層通信モード)が使用され得る。NETCONF/YANGは、RFC4741規格とRFC6241規格の下でインターネット・エンジニアリング・タスク・フォース(IETF)によって策定され規格化されたネットワーク管理プロトコルである。このプロトコルは、ネットワーク装置の構成をインストール、操作、および削除するためのメカニズムを提供する。
【0074】
図6bは、代替の無線通信システム620を示す。システム620において、無線ユニット622は、1つ以上のスイッチ626(例えば、スイッチ1)および628(例えば、スイッチ2)を介して分散ユニット624に通信可能に接続され得る。タイミンググランドマスタ630は、分散ユニット624と共に配置され得る。
【0075】
図6cは、(DUとRUとの間の)フロントホール通信リンクで送信され得るメッセージのタイプを送信方向と合わせて示す表640を示す。メッセージは、制御プレーン(Cプレーン)、ユーザプレーン(Uプレーン)、同期プレーン(Sプレーン)、および管理プレーン(Mプレーン)で送信され得る。制御プレーンは、アップリンクメッセージとダウンリンクメッセージ(いずれもDUからRU)とを含み得る。ユーザプレーンもまた、アップリンク(RUからDU)メッセージとダウンリンク(DUからRU)メッセージを含み得、ユーザ機器へ/からIQサンプルが送信され得る。同期プレーンと管理プレーンにおけるメッセージの送信にはアップリンク/ダウンリンク方向は当てはまらない。上述したように、同期プレーンは、タイミンググランドマスタに関連して、タイミング情報を運ぶメッセージを含む。管理プレーンは、構成(DUからRU)と通知/測定(RUからDU)に関連するメッセージを運ぶ。
【0076】
フロントホール上で回復機能のために冗長リンクが使用される場合は、様々な問題が発生する可能性がある。特に、フロントホールネットワークは、レイテンシとジッタに極めて敏感である。無線ユニットは通常、スロットごとに正確な時間ウィンドウにてCプレーンメッセージとUプレーンメッセージを期待する。特定のスロットおよび/またはシンボルでのRUおよびDUにおける最初と最後のメッセージの到着時間は、それぞれの受信ウィンドウパラメータ/設計にとりわけ左右される。したがって、フロントホールリンク内のスイッチ(例えば、図6aから図6bに示されているスイッチ608、626、628)によって導入されるレイテンシおよび/またはジッタは、RUおよび/またはDUの機能に悪影響を及ぼす可能性がある。冗長フロントホールネットワーク(例えば、図6aから図6bに示されているように複数のフロントホールリンクを有するネットワーク)では、それぞれのフロントホールリンクは、それぞれのリンクがフロントホールリンクネットワーク内で取る経路に応じて異なるレイテンシおよび/またはジッタを経験する可能性がある。DUとRUとの間に複数のリンクが配備されている場合は(図6aから図6bに図示)、上記の問題を回避するために、同じスイッチセットが使用されないことがある。
【0077】
図7は、典型的な冗長フロントホールリンクネットワーク700を示す。ネットワーク700は、RU702と、DU704と、ゲートウェイ706と、タイミンググランドマスタ708と、スイッチ710(スイッチ1)、712(スイッチ2)とを含み得る。RU702とDU704は、ゲートウェイ706を介してリンク714および716を使用して通信可能に接続され得る。リンク714および716は、イーサネットフロントホールリンクであってよい。リンク714は、リンク716とは異なるレイテンシおよび/またはジッタを経験する可能性がある。
【0078】
制御プレーンメッセージとユーザプレーンメッセージの送信のタイミングを調整するために、特定のフロントホールリンク上で経験されるレイテンシに基づいて、各リンク上にてDUとRUとの間で一方向レイテンシが決定され得る。図8は、典型的な一方向遅延測定コールフロー図800を示す。図8に示されているプロセスは、2つのノード、すなわちノード1 802とノード2 804との間で実行され得る。ノード802、804は、基地局の一部であってよく、例えば、それぞれDUおよびRUであってよい。
【0079】
具体的に述べると、DUからRUにかけて(図8で段階「I」と図示)、そしてRUからDUにかけて(図8で段階「II」と図示)、一方向レイテンシが測定され得る。RUからDUへの遅延は、1つ以上のeCPRIメッセージを使用してDUによって測定され得る。図8に示されているように、DUからRUへの遅延は、1つ以上の一方向遅延測定を使用して測定され得る。DUからRUへの遅延測定は、ID(例えば、拡張アンテナキャリアID)、要求データ、開始時間t、および開始時間と測定要求送出との差tcv1を含み得る。DUからの要求はRUによって受信され得、RUはその後間もなく、すなわち時間tにて、DUへ応答を送信でき、これは要求の受信のしばらく後、すなわちtcv2後であってよい。RUの応答は、ID、応答データ、ならびに時間tおよびtcv2を含み得る。総遅延時間tは、上記の時間の差として、すなわちt=(t-tcv2)-(t+tcv1)を使用して計算される。
【0080】
RUからDUへの遅延(段階II)も同様に決定され得る。この場合は、DUから送信され得、DUからのIDと遠隔要求データとを含み得る一方向遅延測定要求の結果として遅延測定が開始され得る。DUからの要求が受信されると、RUは、ID、要求データ、開始時間t、および開始時間と測定要求送信との差tcv1を含み得る一方向遅延測定要求をDUへ送信できる。次いで、DUは、ID、応答データ、ならびに時間tおよびtcv2でRUに応答できる。次いで、上記の時間の差として、すなわちt=(t-tcv2)-(t+tcv1)を使用して、総遅延時間tが再び計算され得、第1の時間(すなわち、tおよびtcv2)はRUに関連する時間に対応し、第2の時間(すなわち、tおよびtcv1)はDUに関連する時間に対応する。
【0081】
無線インターフェイスレベルでは、拡張アンテナキャリアID(eAxC ID)を使用して、RU内の異なるアンテナキャリアおよびチャネルポートを識別できる。例えば、アンテナポート(例えば、4つのポート)の各々は、それぞれ異なるチャネルに対して一意のeAxC IDを受信できる。eAxC IDは、4つのフィールドに、例えば、DUポートID、バンドセクタID、キャリアID、RUポートIDに、分割された16ビット値であってよい。各フィールドのビット幅は設定可能であり得る。表1は、典型的なeAxC IDの概要を示す。表1はまた、チャネルフォーマットの各々が遅延に敏感であるか否かを明らかにする。
【0082】
【表1】
【0083】
表1に示されているように、チャネルフォーマットは、PRACH(アップリンクランダムアクセス)と、PDxCH(ダウンリンク物理チャネル)と、PUxCH(アップリンク物理チャネル)と、サウンディング基準信号(SRS)とを含む。例えば、32ポートmassive MIMOの場合は、32のすべてのアンテナポートでSRSが送信され得、表1が、説明を簡単にして簡潔にするために4ポートシステムを示していることに注意されたい。PRACHとSRSはいずれも遅延に敏感ではなく、したがって、これらのチャネルフォーマットについては、送信ウィンドウおよび/または受信ウィンドウの厳格な境界は当てはまらない。しかしながら、遅延に敏感なダウンリンク物理チャネルとアップリンク物理チャネルの場合、送信ウィンドウは、通常、1~2シンボルの期間であり得る(1シンボルは、15KHz SCSでは71μsec、30KHz SCSでは36μsec)。
【0084】
様々な従来のシステムは、それぞれのeAxC IDを特定のRUイーサネットポート(例えば、MACアドレス)に関連付けるためのメカニズムを提供するので、アップリンクチャネルとダウンリンクチャネルはそれぞれ異なるフロントホールリンクを使用し、それぞれ異なる経路を通り抜けることができる。しかしながら、現在のところ、そのリンク上で決定/測定された一方向レイテンシに応じてeAxC IDをDUまたはRUの特定のイーサネットポートと動的に関連付けるメカニズムはない。例えば、アップリンクチャネルeAxC IDに特定のイーサネットポートを使用することをDUがRUに命令する場合、従来のシステムは、DUがRUに経路の切り替えを伝達することを提供しない。
【0085】
III.無線通信システムにおけるフロントホールリンク選択
いくつかの実装では、従来のシステムの上記の欠点に対処するために、本主題は、初期化時の静的関連付けの代わりに、特定のRUが、イーサネットポートへのeAxC IDの動的関連付けをサポートするかどうかを判断するように構成され得る。本主題はさらに、RU(そのような能力がサポートされていると仮定して)が特定のeAxC IDのトラフィックを(例えば、特定のイーサネットポートを使用する)特定のイーサネットリンクに切り替えることを可能にするように構成され得る。
【0086】
例えば、本主題は、イーサネットリンク上での一方向遅延/レイテンシ測定(図8に図示)を使用して、測定された遅延に従って、制御および/またはユーザプレーンメッセージのための1つ以上の送信ウィンドウを調整するように構成され得る。RU内のイーサネットポートへの物理チャネルのリンクは、推測的に設定され得る。例えば、RUとDUは、遅延に敏感なチャネルフォーマット(例えば、PDxCHとPUxCH)のために最小量の決定/測定された遅延を有するイーサネットリンクを選択するように構成および/または命令され得る。特に、これらのチャネルフォーマットのためのそのようなリンクの選択は、最も高い優先順位を有することができる。さらに、PRACHチャネルフォーマットは遅延に敏感ではないので、測定された遅延がPRACHチャネル処理について許容される所定の閾値を下回る限りは、アップリンクPRACH IQサンプル転送は使用可能などの経路でも取ることができる。
【0087】
加えて、RUとDUは、実施され得る特定のポリシー(例えば、事業者ポリシー)に基づいて特定のイーサネットリンクを選択するように命令され得る。例えば、ポリシーは、リンクの使用状況および/または他の何らかの判断材料に基づいて決定され得る。この場合は、特定の構成を通じてイーサネットリンクごとに異なる優先順位を割り当てることができ、かかるリンク上で測定されたリアルタイムレイテンシは同じ優先順位を有さない可能性がある(例えば、優先順位が最も高いリンクが常に最小のレイテンシを有するとは限らない)。そのようなポリシーに基づく優先順位の割り当ては、例えば、フロントホールトランスポートネットワークがトランスポートネットワーク事業者からリースされている場合に、例えば、サービスレベル合意(SLA)の理由に起因し得る。いくつかの実装において、本主題は、(例えば、DUで決定される)以下の判断材料、すなわち、最初の構成時に事業者によって割り当てられる優先順位、各リンク上で測定されるレイテンシ、および/またはそれらのいずれかの組み合わせのうちの少なくともいずれか1つに基づいて、(eAxC IDごとに)複数のリンクの各リンクについて優先順位をアルゴリズムで決定するように構成され得る。
【0088】
さらに、マルチオペレータ無線アクセスネットワーク(RAN)ネットワーク(MORAN)などの一部の無線通信ネットワークでは、それぞれの公衆陸上移動体ネットワーク(PLMN)が別個のDUインスタンスを含み得る。この場合、そのような各DUインスタンスはPTPグランドマスタとして機能でき、遠隔通信時間スレーブクロック(T-TSC)として機能する各RUは、同期の目的に使用できるPTPグランドマスタがどれかを決定できる。PLMNインスタンスのいずれか1つがDUで終了される(例えば、停止される)場合、(RUが同期された)DUでPLMNインスタンスを終了することは、そのDUホストからのSプレーントラフィック/クロック分配を停止する必要がないので、RUは、Sプレーントラフィックのために終了されるPLMNのDUインスタンスに接続されたリンクを使用しないように構成される必要があり得る。
【0089】
いくつかの実装において、本主題は、初期化時にeAxC IDを静的に関連付ける代わりに、イーサネットポートへのeAxC IDの動的関連付けをサポートできるRUを識別するように構成され得る。さらに、本主題は、特定のeAxC IDトラフィックを特定のイーサネットリンクに切り替えることを(この能力をサポートする)RUに通知するように構成され得る。さらに、RUとDUは、RU/DUに提供され得るリンクへのeAxC IDのマッピングに従って、1つ以上のフロントホールリンクを使用するように構成され得る。
【0090】
図9aは、本主題のいくつかの実装による、1つ以上のイーサネットポートへのeAxC IDの動的関連付けをサポートするRUの能力を判断する典型的なシステム900を示す。図9bは、本主題のいくつかの実装による、システム900によって実行され得るRUの能力を判断する典型的なプロセス910を示す。
【0091】
図9aに示されているように、システム900は、DU902とRU904とを含み得る。DU902は、図9bに示されているように、912にて、RUの能力を判断するためにRU904へ要求を送信するように構成され得る。特に、要求はRUの初期化中に送信され得、これにより、RU904はその能力を管理プレーンコントローラ(例えば、DU902またはEMS)と送受信できる。この送受信は、NETCONF能力送受信手順によって実施され得る。RU904は、図9bに示されているように、914にて、能力応答メッセージを生成してDU902へ送信することによって、DU902に応答できる。RU904は、ブール型形式および/または他の何らかの望ましい形式でそのメッセージを生成できる。例えば、以下のプロシージャを使用してRUの能力を判断できる。
leaf dynamic-eaxcid-eth-port-linking{
description「無線ユニットが、eAxCIdの制御プレーンコマンドが受信されるフロントホールイーサネットポートへのeAxCIdの動的リンキングをサポートすることを示す」;
type Boolean;
【0092】
図10は、本主題のいくつかの実装による、特定のeAxC IDに対応する制御/ユーザ(C/U)プレーントラフィックのために選択されたイーサネットリンクをDUによって伝達する典型的なプロセス1000を示す。プロセス1000は、図9に示されているシステム900によって実行され得る。1002において、DU902は、各eAxC ID(例えば、それぞれ異なるeAxC ID)に関連付けられた各イーサネットリンクについて、(図8に関して上述したように)RUからDUへの一方向遅延測定情報を受信および/または取得するように構成され得る。
【0093】
1004では、(図8に関して上述したように)DU902がDUからRUへの一方向遅延を測定できる。1006において、DUはまた、(対応するeAxC IDと共に)どの特定のチャネルイーサネットリンクが遅延に敏感であるかを伝える指示が提供され得る、またはこれを受信し得る。1008において、DUは、各eAxC IDについて、アップリンクおよび/またはダウンリンク方向でリンクに優先順位を付ける(および/またはランク付けする)ことができる。リンクは、以下のパラメータ、すなわち、(例えば、eAxC IDを使用する)特定の無線チャネルの遅延感度要件、(例えば、ダウンリンク上の)一方向測定DU-RU遅延、(例えば、アップリンク上の)一方向決定RU-DU遅延、モバイル事業者によって構成され得るリンク優先順位付けポリシー(例えば、これはオプションであり得る)、およびそれらのいずれかの組み合わせのうちの少なくともいずれか1つを使用して優先順位付けされ得る。表2は、(eAxC IDを使用する)イーサネットリンクの典型的なランキングを示す。
【0094】
【表2】
【0095】
表2に示されているように、PRACH(例えば、eAxC ID 1~4)、PDxCH(例えば、eAxC ID 5~8)、PUxCH(例えば、eAxC ID 9~12)、およびSRS(例えば、eAxC ID 13~16)で16個のアンテナeAxC IDが分割され得る。各々は、イーサネットポート0または1(例えば、Eth0およびEth1)の使用を有することができる。理解され得るように、いくつものポートやアンテナなどが存在し得、表2は、説明的で非限定的で例示的な目的のためにのみここに提供されている。表2に示されているように、遅延重み係数(例えば、0.1、0.8、0.3など)と対応する遅延リンク優先順位(例えば、1、2など)がリンクごとに割り当てられ得る。最小の遅延が測定されるイーサネットポートには、最も高い優先順位が割り当てられ得る。システムは、1からNまでのスケールを使用でき、Nは、使用可能なイーサネットポートの最大数とすることができる(表2は、もっぱら例示を目的として2つのみを示している)。さらに、ポリシーが実施される場合は、ポリシー重み係数(例えば、0.9、0.2、0.7)と対応するポリシー優先順位(例えば、1、2)もリンクごとに割り当てられ得る。重み係数の合計は1に等しくなり得、上記の遅延重み係数とポリシー重み係数を使用する重み付き優先順位方程式を使用してランクが決定される。
【0096】
いくつかの実装において、各リンクの重みおよび/または優先順位は、1つ以上のネットワークポリシーおよび/または構成に基づいて割り当てられ得る。これらは配備に特有のものであってもよい。特定の配備に基づいて、どのリンクがより高い重みを有することができるかをネットワーク事業者に通知できる。例えば、2つのリンクのうちの一方が帯域幅について一貫した保証を提供できるダークファイバリンクであり、他方のリンクがライトファイバリンクであると仮定すると、特定の構成を使用する事業者は、ダークファイバリンクがそのより大きい帯域幅および/または決定的レイテンシで知られているので、ダークファイバリンクに対してより大きい重みを割り当てることができる。
【0097】
表2に示されているように、特定のリンクの優先順位値が高いほど、通信中にリンクが高い優先順位で取り扱われることを意味し得る。表2を使用して、eAXc IDの各グループについて、イーサネットポートごとに、DU902は、重み付き優先順位を決定し、計算された重み付き優先順位を使用してイーサネットポートをランク付けすることができる。DU902は、より高い値を有する重み付き優先順位を有するリンクにより高いランクを割り当てることができ(すなわち、ランク欄の数値が低いほどランクが高いことを意味する)、その特定のeAxC IDに使用する(イーサネットポートに接続された)イーサネットリンクを選択できる。
【0098】
eAxC IDごとに優先リンクとデータ送信方向(例えば、アップリンク/ダウンリンク)を特定したDU902は、図10に示されているように、1010にて、そのeAxC IDの制御プレーンおよび/またはユーザプレーンメッセージの送信にそのリンクを使用できる。RU904は、いずれかのリンクおよび/またはポート上でeAxC IDごとにDU902から制御プレーンおよび/またはユーザプレーンメッセージを受信できる。RU904は、特定のイーサネットポート上で特定のeAxC IDの制御プレーンメッセージトラフィックを受信すると、同じイーサネットポート上でそのeAxC IDのダウンリンクユーザプレーントラフィックを受信することも期待できる。同様に、RU904は、そのeAxC IDのアップリンクユーザプレーントラフィックを、決定されたイーサネットポート(すなわち、DUが制御プレーンメッセージを送信したイーサネットポート)に切り替えることができる。
【0099】
いくつかの実装において、本主題は、図11に示されているように、システム1100に実装されるように構成され得る。システム1100は、プロセッサ1110、メモリ1120、記憶装置1130、および入出力装置1140のうちのいずれか1つ以上を含み得る。コンポーネント1110、1120、1130、および1140の各々は、システムバス1150を使用して相互接続され得る。プロセッサ1110は、システム600内で実行する命令を処理するように構成され得る。いくつかの実装において、プロセッサ1110はシングルスレッドプロセッサであってよい。代替の実装において、プロセッサ1110はマルチスレッドプロセッサであってよい。プロセッサ1110はさらに、メモリ1120または記憶装置1130に保管された命令を処理するように構成され得、これは、入出力装置1140を通じて情報を受信または送信することを含む。メモリ1120は、システム1100内に情報を保管できる。いくつかの実装において、メモリ1120はコンピュータ可読媒体であってよい。代替の実装において、メモリ1120は揮発性メモリユニットであってよい。さらにいくつかの実装において、メモリ1120は不揮発性メモリユニットであってよい。記憶装置1130は、システム1100に大容量記憶域を提供できる。いくつかの実装において、記憶装置1130はコンピュータ可読媒体であってよい。代替の実装において、記憶装置1130は、フロッピーディスク装置、ハードディスク装置、光ディスク装置、テープ装置、不揮発性ソリッドステートメモリ、またはいずれかの他の種類の記憶装置であってよい。入出力装置1140は、システム1100に入出力作業を提供するように構成され得る。いくつかの実装において、入出力装置1140は、キーボードおよび/またはポインティング装置を含み得る。代替の実装において、入出力装置1140は、グラフィカルユーザインターフェイスを表示するための表示ユニットを含み得る。
【0100】
図12は、本主題のいくつかの実装による、典型的な方法1200を示す。プロセス1200は、図9に示されているシステム900によって実行され得る。
【0101】
1202では、1つ以上のリンク遅延が決定され得る。リンク遅延は、第1の通信装置(例えば、分散ユニット(DU))と第2の通信装置(例えば、無線インターフェイスユニット(RU))とを通信可能に接続する複数の通信リンクのうちの1つ以上の通信リンクに関連し得る。1204では、1つ以上のデータパケットの送信の目的のために、決定されたリンク遅延を使用して、通信リンクの通信リンク送信優先順位が決定され得る。(例えば、上記の表2に示されているように)優先順位付けされた通信リンクのリストが生成され得る。
【0102】
1206では、第1の通信装置と第2の通信装置との間のデータパケットの送信のために、優先順位付けされた通信リンクのリストの中で少なくとも1つの通信リンクが選択され得る。1208では、選択された通信リンクを使用して、第1の通信装置と第2の通信装置との間でデータパケットが送信され得る。
【0103】
いくつかの実装において、本主題は、以下のオプションの特徴のうちのいずれか1つ以上を含み得る。決定すること、通信リンク送信優先順位を決定すること、選択すること、および送信することのうちの少なくともいずれか1つは、基地局によって実行され得る。基地局は、以下の通信コンポーネント、すなわち、無線インターフェイスユニットおよび分散ユニットのうちの少なくともいずれか1つを含み得る。分散ユニットは、データパケットの送信のために無線インターフェイスユニットと連係するように構成され得る。
【0104】
いくつかの実装において、第1の通信装置は分散ユニットを含み得、第2の通信装置は無線インターフェイスユニットを含み得る。リンク遅延は、分散ユニットから無線インターフェイスユニットへのデータパケットの送信に関連する少なくとも1つの第1のリンク遅延、無線インターフェイスユニットから分散ユニットへのデータパケットの送信に関連する少なくとも1つの第2のリンク遅延、およびそれらのいずれかの組み合わせのうちの少なくともいずれか1つを含み得る。それぞれの使用可能なリンクのダウンリンク経路遅延は、分散ユニットによって測定され得る。それぞれの使用可能なリンクのアップリンク経路遅延は、無線インターフェイスユニットによって測定され得る。測定されたアップリンク経路としてアップリンク経路遅延を決定するために、アップリンク経路に関連する1つ以上のタイムスタンプが分散ユニットに提供され得る。いくつかの実装において、本方法は、通信リンク上でのデータパケットの送信に関連する遅延感度を判断することを含み得る。遅延感度は、少なくとも1つの所定の遅延閾値を超えないダウンリンク経路およびアップリンク経路遅延のうちの少なくともいずれか1つに基づいて判断され得る。通信リンク送信優先順位は、ダウンリンク経路およびアップリンク経路遅延のうちの少なくともいずれか1つと、判断された遅延感度とを使用して決定され得る。
【0105】
いくつかの実装において、通信リンク送信優先順位を決定することは、(例えば、表2に示されているように)ダウンリンク経路およびアップリンク経路遅延のうちの少なくともいずれか1つと、判断された遅延感度とに、1つ以上の重み係数を割り当てることを含み得る。リストを生成することは、割り当てられた重み係数を使用して、優先順位付けされた通信リンクの重み付きリストを生成することを含み得る。
【0106】
いくつかの実装において、本方法は、第2の通信装置によって、選択された通信リンク上で第1の通信装置から制御プレーンメッセージを受信することと、第2の通信装置によって、選択された通信リンク上で第1の通信装置へユーザプレーンメッセージを送信することとを含み得る。
【0107】
いくつかの実装において、本方法は、第2の通信装置によって、選択された通信リンク上で第1の通信装置から制御プレーンメッセージを受信することと、第2の通信装置によって、第2の通信装置から第1の通信装置へのユーザプレーンメッセージの送信のために、複数の通信リンクのうちの少なくとも別の通信リンクから選択された通信リンクに切り替えることとを含み得る。
【0108】
いくつかの実装において、複数の通信リンクの各リンクは、第1の通信装置および第2の通信装置のうちの少なくともいずれか一方のイーサネットポートに関連付けられ得、拡張アンテナキャリア識別子によって識別され得る。
【0109】
本明細書で開示されているシステムおよび方法は、例えば、データベース、デジタル電子回路、ファームウェア、ソフトウェアをも含むコンピュータなどのデータプロセッサを含む様々な形態で、またはそれらの組み合わせで、具現され得る。さらに、上記の特徴ならびに開示されている実装の他の態様および原理は、様々な環境で実装され得る。そのような環境および関連アプリケーションは、開示されている実装に従って様々なプロセスや動作を実行するために特別に構築され得、またはそれらは、必要な機能を提供するためにコードによって選択的に起動または再構成される汎用コンピュータまたはコンピューティングプラットフォームを含み得る。本明細書で開示されているプロセスは、特定のコンピュータ、ネットワーク、アーキテクチャ、環境、または他の機器に本質的に関連しておらず、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアの適切な組み合わせによって実装され得る。例えば、開示されている実装の教示に従って記述されたプログラムと共に様々な汎用機械が使用され得、あるいは必要な方法および技術を実行するための専用の機器またはシステムを構築することがより簡便であり得る。
【0110】
本明細書で開示されているシステムおよび方法は、コンピュータプログラム製品として、すなわち、データ処理機器、例えば、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、または複数のコンピュータによって実行される、またはその動作を制御する、情報担体で、例えば機械可読記憶装置または伝搬信号で、有形的に具現されたコンピュータプログラムとして、実装され得る。コンピュータプログラムは、コンパイル言語またはインタプリタ言語を含むいずれかの形式のプログラミング言語で記述され得、スタンドアロンプログラムとして、またはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、もしくはコンピューティング環境での使用に適した他のユニットとして、いずれかの形式で配備され得る。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で、または一箇所にある複数のコンピュータ上で、もしくは複数箇所に分散され通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で、実行されるように配備され得る。
【0111】
本明細書で使用されている「ユーザ」という用語は、人またはコンピュータを含むいずれかの存在物を指し得る。
【0112】
第1、第2などの序数は、場合によっては順序に関連し得るが、本明細書で使用されている序数は、必ずしも順序を示唆するものではない。例えば、序数は、単にある項目を別の項目と区別するために使用されることがある。例えば、第1の事象を第2の事象と区別するためであり、必ずしも時系列順や一定の基準体系を示唆しない(このため、説明の1つの段落内の第1の事象は、説明の別の段落内の第1の事象と異なる場合がある)。
【0113】
前述の説明は、添付の特許請求の範囲によって定められる本発明の範囲を例示するためのものであり、限定するためのものではない。他の実装は、以下の特許請求の範囲内にある。
【0114】
プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、アプリケーション、コンポーネント、またはコードと呼ばれることもあるこれらのコンピュータプログラムは、プログラマブルプロセッサのための機械命令を含み、高水準の手続き型および/もしくはオブジェクト指向プログラミング言語、ならびに/またはアセンブリ/機械言語で実装され得る。本明細書で使用されている「機械可読媒体」という用語は、プログラマブルプロセッサに機械命令および/またはデータを提供するために使用される、例えば磁気ディスク、光ディスク、メモリ、およびプログラマブルロジックデバイス(PLD)などのいずれかのコンピュータプログラム製品、機器、および/または装置を指し、機械可読信号として機械命令を受信する機械可読媒体を含む。「機械可読信号」という用語は、プログラマブルプロセッサに機械命令および/またはデータを提供するために使用されるいずれかの信号を指す。機械可読媒体は、例えば、非一時的なソリッドステートメモリまたは磁気ハードドライブまたはいずれかの同等の記憶媒体のように、そのような機械命令を非一時的に保管できる。代わりに、または加えて、機械可読媒体は、例えば、1つ以上の物理的なプロセッサコアに関連するプロセッサキャッシュや他のランダムアクセスメモリのように、そのような機械命令を一時的に保管できる。
【0115】
ユーザとの相互作用を提供するために、本明細書で説明されている主題は、例えばユーザに情報を表示する陰極線管(CRT)または液晶ディスプレイ(LCD)モニタなどの表示装置と、ユーザがコンピュータに入力を提供できる、例えばマウスまたはトラックボールなどのキーボードおよびポインティング装置とを有するコンピュータ上で実装され得る。他の種類の装置を使用して、ユーザとの相互作用を提供することもできる。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、例えば視覚的なフィードバック、聴覚的なフィードバック、または触覚的なフィードバックなどのいずれかの形態の感覚フィードバックであってよく、ユーザからの入力は、音響、音声、または触覚入力を含むがこれらに限定されないいずれかの形態で受け取られ得る。
【0116】
本明細書で説明されている主題は、例えば1つ以上のデータサーバなどのバックエンドコンポーネントを含む、または例えば1つ以上のアプリケーションサーバなどのミドルウェアコンポーネントを含む、または例えばユーザが本明細書で説明されている主題の実装と相互作用できるグラフィカルユーザインターフェイスやウェブブラウザを有する1つ以上のクライアントコンピュータなどのフロントエンドコンポーネントを含む、コンピューティングシステムで、またはそのようなバックエンド、ミドルウェア、もしくはフロントエンドコンポーネントのいずれかの組み合わせで、実装され得る。システムのコンポーネントは、例えば通信ネットワークなどのいずれかの形態または媒体のデジタルデータ通信によって相互接続され得る。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)、およびインターネットを含むが、これらに限定されない。
【0117】
コンピューティングシステムは、クライアントとサーバとを含み得る。クライアントとサーバは、もっぱらではないが一般的に、互いに離れており、通常は、通信ネットワークを通じて相互に作用する。クライアントとサーバとの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行され、互いにクライアント・サーバ関係を有するコンピュータプログラムによって生起する。
【0118】
前述の説明に記載されている実装は、本明細書で説明されている主題と一致するすべての実装を表すものではない。代わりに、それらは、説明されている主題に関連する態様と一致するいくつかの例にすぎない。上記ではいくつかのバリエーションが詳細に説明されているが、他の修正または追加も可能である。特に、本明細書に記載されているものに加えて、さらなる特徴および/またはバリエーションが提供され得る。例えば、上記で説明されている実装は、開示されている特徴の様々な組み合わせおよびサブコンビネーション、ならびに/または上記で開示されているいくつかのさらなる特徴の組み合わせおよびサブコンビネーションを対象とし得る。加えて、添付の図面に示されている、および/または本明細書で説明されている、論理フローは、望ましい結果を達成するにあたって、示されている特定の順序を、または順番を、必ずしも必要としない。他の実装は、以下の特許請求の範囲内にあり得る。
図1a
図1b
図1c
図1d
図2
図3
図4
図5a
図5b
図5c
図6a
図6b
図6c
図7
図8
図9a
図9b
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2023-11-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の通信装置と第2の通信装置とを通信可能に接続する複数の通信リンクのうちのいずれか1つ以上の通信リンクに関連する、1つ以上のリンク遅延を決定することと、
決定された1つ以上のリンク遅延を使用して、1つ以上のデータパケットの送信のために、前記1つ以上の通信リンクの通信リンク送信優先順位を決定することと、優先順位付けされた1つ以上の通信リンクのリストを生成することと、
前記第1の通信装置と前記第2の通信装置との間での1つ以上のデータパケットの送信のために、前記優先順位付けされた1つ以上の通信リンクの中で少なくとも1つの通信リンクを選択することと、
前記選択された少なくとも1つの通信リンクを使用して、前記第1の通信装置と前記第2の通信装置との間で前記1つ以上のデータパケットを送信することとを有する、
コンピュータで実施される方法。
【請求項2】
前記リンク遅延を前記決定すること、前記通信リンク送信優先順位を前記決定すること、前記選択すること、および前記送信することのうちの少なくともいずれか1つが、基地局によって実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基地局が、以下の通信コンポーネント、すなわち、1つ以上の無線インターフェイスユニットおよび1つ以上の分散ユニットのうちの少なくともいずれか1つを有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記1つ以上の分散ユニットが、前記1つ以上のデータパケットの送信のために前記1つ以上の無線インターフェイスユニットと連係するように構成される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の通信装置が分散ユニットを有し、前記第2の通信装置が無線インターフェイスユニットを有する、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記1つ以上のリンク遅延が、前記分散ユニットから前記無線インターフェイスユニットへの1つ以上のデータパケットの送信に関連する少なくとも1つの第1のリンク遅延、前記無線インターフェイスユニットから前記分散ユニットへの1つ以上のデータパケットの送信に関連する少なくとも1つの第2のリンク遅延、およびそれらのいずれかの組み合わせのうちの少なくともいずれか1つを有する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
それぞれの使用可能なリンクのダウンリンク経路遅延が、前記分散ユニットによって測定され、
それぞれの使用可能なリンクのアップリンク経路遅延が、前記無線インターフェイスユニットによって測定され、前記測定されたアップリンク経路として前記アップリンク経路遅延を決定するために、アップリンク経路に関連する1つ以上のタイムスタンプが前記分散ユニットに提供される、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記1つ以上の通信リンク上での1つ以上のデータパケットの送信に関連する遅延感度を判断することをさらに有し、前記遅延感度が、少なくとも1つの所定の遅延閾値を超えない前記ダウンリンク経路およびアップリンク経路遅延のうちの少なくともいずれか1つに基づいて判断される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記通信リンク送信優先順位が、前記ダウンリンク経路およびアップリンク経路遅延のうちの少なくともいずれか1つと、前記判断された遅延感度とを使用して決定される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記通信リンク送信優先順位を前記決定することが、前記ダウンリンク経路およびアップリンク経路の遅延の各々と、前記判断された遅延感度とに、1つ以上の重み係数を割り当てることをさらに有し、前記生成することが、前記割り当てられた重み係数を使用して、優先順位付けされた1つ以上の通信リンクの重み付きリストを生成することを有する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第2の通信装置によって、前記選択された少なくとも1つの通信リンク上で前記第1の通信装置から制御プレーンメッセージを受信することと、
前記第2の通信装置によって、前記選択された少なくとも1つの通信リンク上で前記第1の通信装置へユーザプレーンメッセージを送信することとをさらに有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第2の通信装置によって、前記選択された少なくとも1つの通信リンク上で前記第1の通信装置から制御プレーンメッセージを受信することと、
前記第2の通信装置によって、前記第2の通信装置から前記第1の通信装置へのユーザプレーンメッセージの送信のために、前記複数の通信リンクのうちの少なくとも別の通信リンクから前記選択された少なくとも1つの通信リンクに切り替えることとをさらに有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記複数の通信リンクの各リンクが、前記第1の通信装置および前記第2の通信装置のうちの少なくともいずれか一方のイーサネットポートに関連付けられ、拡張アンテナキャリア識別子によって識別される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも1つのプログラマブルプロセッサと、
命令を保管する非一時的な機械可読媒体とを有するシステムであって、前記命令が、前記少なくとも1つのプログラマブルプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプログラマブルプロセッサに、
第1の通信装置と第2の通信装置とを通信可能に接続する複数の通信リンクのうちのいずれか1つ以上の通信リンクに関連する、1つ以上のリンク遅延を決定することと、
決定された1つ以上のリンク遅延を使用して、1つ以上のデータパケットの送信のために、前記1つ以上の通信リンクの通信リンク送信優先順位を決定することと、優先順位付けされた1つ以上の通信リンクのリストを生成することと、
前記第1の通信装置と前記第2の通信装置との間での1つ以上のデータパケットの送信のために、前記優先順位付けされた1つ以上の通信リンクの中で少なくとも1つの通信リンクを選択することと、
前記選択された少なくとも1つの通信リンクを使用して、前記第1の通信装置と前記第2の通信装置との間で前記1つ以上のデータパケットを送信することとを有する作業を実行させる、
システム。
【請求項15】
コンピュータプログラムであって、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプログラマブルプロセッサに、
第1の通信装置と第2の通信装置とを通信可能に接続する複数の通信リンクのうちのいずれか1つ以上の通信リンクに関連する、1つ以上のリンク遅延を決定することと、
決定された1つ以上のリンク遅延を使用して、1つ以上のデータパケットの送信のために、前記1つ以上の通信リンクの通信リンク送信優先順位を決定することと、優先順位付けされた1つ以上の通信リンクのリストを生成することと、
前記第1の通信装置と前記第2の通信装置との間での1つ以上のデータパケットの送信のために、前記優先順位付けされた1つ以上の通信リンクの中で少なくとも1つの通信リンクを選択することと、前記選択された少なくとも1つの通信リンクを使用して、前記第1の通信装置と前記第2の通信装置との間で前記1つ以上のデータパケットを送信することとを有する作業を実行させる、
コンピュータプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
いくつかの実装において、本主題は、以下のオプションの特徴のうちのいずれか1つ以上を含み得る。リンク遅延を決定すること、通信リンク送信優先順位を決定すること、選択すること、および送信することのうちの少なくともいずれか1つは、基地局によって実行され得る。基地局は、以下の通信コンポーネント、すなわち、無線インターフェイスユニットおよび分散ユニットのうちの少なくともいずれか1つを含み得る。分散ユニットは、データパケットの送信のために無線インターフェイスユニットと連係する(interface with)ように構成され得る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0103
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0103】
いくつかの実装において、本主題は、以下のオプションの特徴のうちのいずれか1つ以上を含み得る。リンク遅延を決定すること、通信リンク送信優先順位を決定すること、選択すること、および送信することのうちの少なくともいずれか1つは、基地局によって実行され得る。基地局は、以下の通信コンポーネント、すなわち、無線インターフェイスユニットおよび分散ユニットのうちの少なくともいずれか1つを含み得る。分散ユニットは、データパケットの送信のために無線インターフェイスユニットと連係するように構成され得る。
【国際調査報告】