(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-23
(54)【発明の名称】整列コンベヤ
(51)【国際特許分類】
B26D 3/26 20060101AFI20240416BHJP
B26D 7/06 20060101ALI20240416BHJP
B26D 5/34 20060101ALI20240416BHJP
B26D 5/36 20060101ALI20240416BHJP
A23L 19/00 20160101ALI20240416BHJP
【FI】
B26D3/26 601D
B26D7/06 D
B26D3/26 601E
B26D5/34 C
B26D5/36 C
A23L19/00 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024507064
(86)(22)【出願日】2022-04-19
(85)【翻訳文提出日】2023-11-27
(86)【国際出願番号】 EP2022060290
(87)【国際公開番号】W WO2022223546
(87)【国際公開日】2022-10-27
(32)【優先日】2021-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523393438
【氏名又は名称】ピー・アイ・ピー イノヴェイションズ ベー.フェー.
【氏名又は名称原語表記】PIP Innovations B.V.
【住所又は居所原語表記】Beukenlaan 62 A, 5409SX Odiliapeel, the Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】バート クルフ
【テーマコード(参考)】
3C021
4B016
【Fターム(参考)】
3C021DB06
4B016LG01
4B016LG05
4B016LG06
4B016LG08
4B016LP03
4B016LT10
(57)【要約】
細長い物体のために適した受動的な整列コンベヤであって、整列レーンとして、整列方向の凹部を備えた少なくとも一片の材料であって、整列レーンが、整列レーン内に整列方向に対して所定の角度で設けられた少なくとも1つのスロットを備えている、少なくとも一片の材料と、光学検出のための少なくとも1つの手段と、電子回路ベースの少なくとも1つの制御デバイスとを備えた整列コンベヤにおいて、整列方向で光学検出のための手段からずらされて組み付けられた少なくとも1つの可動のナイフが、整列方向に対して所定の角度で組み付けられていて、かつ整列レーン内に設けられたスロット内で運動することができるように組み付けられていることを特徴とする、整列コンベヤ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い物体のために適した受動的な整列コンベヤであって、
整列レーン(1/2)として、整列方向の凹部を備えた少なくとも一片の材料であって、
前記整列レーンが、前記整列レーン内に前記整列方向に対して所定の角度で設けられた少なくとも1つのスロットを備えている、少なくとも一片の材料と、
光学検出(19)のための少なくとも1つの手段と、
電子回路ベースの少なくとも1つの制御デバイスと
を備えた整列コンベヤにおいて、
前記整列方向で前記光学検出のための手段からずらされて組み付けられた少なくとも1つの可動のナイフ(3)が、前記整列方向に対して所定の角度で組み付けられていて、かつ前記整列レーン内に設けられた前記スロット内で運動することができるように組み付けられていることを特徴とする、整列コンベヤ。
【請求項2】
前記整列コンベヤが、少なくとも1つの整列レーンを振動させるための手段を備えている、請求項1記載の整列コンベヤ。
【請求項3】
前記細長い物体が、前記整列レーンを通して水流により搬送される、請求項1または2のいずれか1項または複数項記載の整列コンベヤ。
【請求項4】
前記スロットが、段部のように形成されている、請求項1から3までのいずれか1項または複数項記載の整列コンベヤ。
【請求項5】
前記整列レーンまたは前記整列レーンの一部が、その拡散反射と比べて無視できる程度の鏡面反射を示す材料、好適には透光性、半透明または透明な材料(1)から成っている、請求項1から4までのいずれか1項または複数項記載の整列コンベヤ。
【請求項6】
少なくとも1つの電磁放射線源を備える、請求項1から5までのいずれか1項または複数項記載の整列コンベヤ。
【請求項7】
前記可動のナイフ(3)が回転する、請求項1から6までのいずれか1項または複数項記載の整列コンベヤ。
【請求項8】
前記スロットが、前記整列方向と45°~90°の角度を形成する、請求項1から7までのいずれか1項または複数項記載の整列コンベヤ。
【請求項9】
前記モータが、電子回路駆動の制御デバイスによりオンオフを切り替えられる、請求項6記載の整列コンベヤ。
【請求項10】
前記可動のナイフと前記整列レーンとが、振動吸収材料を介して接続されている、請求項1から9までのいずれか1項または複数項記載の整列コンベヤ。
【請求項11】
前記少なくとも1つの整列レーンが傾斜している、請求項1から10までのいずれか1項または複数項記載の整列コンベヤ。
【請求項12】
前記少なくとも1つの光学検出デバイスが、前記電子回路ベースの制御デバイスに接続されている少なくとも1つのカメラ(19)である、請求項1から11までのいずれか1項または複数項記載の整列コンベヤ。
【請求項13】
前記少なくとも1つの整列レーンのうちの少なくとも一部が、U字形、V字形またはトラフ形であり、かつ/または個別のレーンの互いに異なる部分が、互いに異なる形状を有し、該互いに異なる形状間で対称的または非対称的の移行部を備えている、請求項1から12までのいずれか1項または複数項記載の整列コンベヤ。
【請求項14】
請求項1から11記載の整列コンベヤを使用して、細長い物体を1回または複数回選択的に切断するための方法。
【請求項15】
前記細長い物体が、フレンチフライ、ポテト、サツマイモ、ニンジン、キュウリ、ズッキーニ、バナナ、アスパラガス、バラモンジンまたは千切りにされたこれらの野菜または別の野菜の1つである、請求項12記載の方法。
【請求項16】
前記細長い物体を、前記整列レーン上のプロフィールにより360°だけ前記整列コンベヤ上で回転させる、請求項12または13のいずれか1項または複数項記載の方法。
【請求項17】
フレンチフライ、ニンジン、キュウリ、ズッキーニ、バナナ、豆類、アスパラガス、バラモンジンのような野菜または果実の全体、皮をむいたもの、または切断したものから欠陥を自動的に除去するか、またはこれらを切り刻むための、請求項1から11記載の整列コンベヤの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細長い物体を切断するために使用することができる整列コンベヤに関する。
【0002】
チップス、フレンチフライまたはフリーダムフライとして知られる、細長い棒状のフライドポテト細片は、20世紀に重要で便利な食べ物となった。それというのは特に、適切な設備を使用することで、大量のフライドポテト細片が数分のうちに冷凍された形態から加食の形態にされるからであり、このことはフライドポテトを理想的なストリートフードにした。
【0003】
フレンチフライの大きな需要により、フレンチフライ製造は、大規模な工場において毎時100トンにのぼる生産速度を有する産業部門となった。
【0004】
フレンチフライは、任意に皮をむかれ、その後にポテト細片を得るために格子状ナイフを押し付けることによって細片に切断されたポテトから作られる。フレンチフライへと加工する間に、ポテト細片は、予備揚げされ、凍結され、かつ包装される。
【0005】
産業上の加工においては、フレンチフライの品質に対する要求は高く、ポテトにおいて時々生じる黒点のようなフレンチフライの欠陥は全く望ましくない。
【0006】
欠陥のないフレンチフライを提供する最も簡単かつ最も直感的な方法は、欠陥を有するポテト細片を選別することである。しかし、この方法は、大量の廃棄物を生成する。この大量の廃棄物は、飼料として、またはアルコールを製造するために依然として使用することができるが、フレンチフライ生産の効率を著しく低下させ、食品の無駄による倫理的な問題にもつながり得る。
【0007】
フレンチフライ生産における廃棄物の量を減じるために、ポテト細片における欠陥を自動的に特定し、かつこのポテト細片を、欠陥が除去されて、欠陥を有しないより短い2本のポテト細片が得られるように選択的に切り分ける機械が開発された。このような機械の使用は、フレンチフライ生産中の廃棄量を著しく減少させる。しかしながら、今日、当技術分野において公知の機械は、技術的に高度に複雑であり、空間需要が大きいという幾つかの欠点を有している。
【0008】
国際公開第2004/034794号および国際公開第2004/106020号は、魚肉および肉片を搬送し、分割するための機械であって、コンベヤベルトの配列と、光学検査と、光学検査の結果を用いて制御される回転ナイフとを用いる機械を記載している。しかし、これらのデバイスは、比較的大きな物品を切断するために設計されており、高度な複雑性を引き起こす大量の可動の部材を含み、この高度な複雑性は、大量に加工しなければならないフレンチフライのような小さな物品を加工するためにこのようなデバイスを使用することを不経済なものとする。
【0009】
したがって本発明の課題は、ポテト細片から欠陥を自動的に除去するための機械を改良して、コンパクトかつ技術的に単純であり、かつさらに所望の処理量に応じてそのサイズが容易に適合され得るようにすることである。
【0010】
この問題は、意想外にも、細長い物体のために適した受動的な整列コンベヤであって、整列レーンとして、整列方向の凹部を備えた少なくとも一片の材料であって、整列レーンが、当該整列レーン内に整列方向に対して所定の角度で設けられた少なくとも1つのスロットを備えている、少なくとも一片の材料と、光学検出のための少なくとも1つの手段と、電子回路ベースの少なくとも1つの制御デバイスとを備えた整列コンベヤであって、整列方向で光学検出のための手段からずらされて組み付けられた少なくとも1つの可動のナイフが、整列方向に対して所定の角度で組み付けられていて、かつ整列レーン内に設けられたスロット内で運動することができるように組み付けられていることを特徴とする整列コンベヤにより解決される。
【0011】
本出願によれば、細長い物体とは、その最大直径の少なくとも3倍の長さを有する任意の物品である。本出願による細長い物体の長さは、実質的には無制限であるが、典型的な長さは、2~50センチメートルで変化する。本出願による整列コンベヤが適していることが望ましい、可能な細長い物体は、例えばフレンチフライ、または加工されてフレンチフライを形成することができるポテト細片あるいはニンジン、ズッキーニ、ナス、キュウリ、アスパラガス、ネギ、豆類、パースニップ、バナナまたはバラモンジンのような別の野菜または果物の細片、切ったものまたは全体である。
【0012】
本出願によるフレンチフライは、皮をむいたもの、またはむいていないもの、生であるもの、湯通しされたもの、調理されたもの、揚げられたもの、凍結されたもの、あるいはあらゆる別の加工状態にあるかにかかわらず、ポテトから切断された細長い物体である。
【0013】
本出願を通して、「ポテト」という用語は、概して、人間または動物の食べ物として使用されるデンプン含有の塊茎に対して使用される。特に、本出願によるポテトは、一般的なジャガイモ(Solanum tuberosum)の塊茎またはこの生物種の任意の品種である。しかし、「ポテト」という用語が、サツマイモ(Ipomoea batatas)または任意の別の植物の塊茎を意味する場合もある。
【0014】
本出願によれば、コンベヤは、このコンベヤ自体が並進運動を実施することなしに物品を搬送するデバイスである。したがって、本出願によるコンベヤは、「受動的なコンベヤ」と呼ぶことができる。本出願を通じて、「コンベヤ」および「受動的なコンベヤ」という用語は、同義的に使用される。したがって、本出願によるコンベヤまたは受動的なコンベヤは、コンベヤベルトの形態で最もよく知られている、それ自体の運動によって物品を搬送する能動的なコンベヤと区別する必要がある。
【0015】
特に言及されない限り、本出願を通して、「コンベヤ」という用語は、上述のような受動的なコンベヤを意味するが、常に「受動的」と称されることはない。
【0016】
したがって、受動的なコンベヤは、物品を、その物品自体を運動させることによって搬送する、振動(vibrating)または揺動(shaking)するデバイスであるか、または物品がその上を滑る平滑かつ平面状の斜面であるか、それらの任意の組合せであってよい。
【0017】
整列レーンに沿った細長い物体の運動は、整列レーン内の水流または加圧空気流によって誘発することもできる。
【0018】
水流を使用する場合、水は傾斜した整列レーンを通って流れ、この整列レーンに沿って細長い物体を搬送する。水流の速度は、整列レーンの勾配の角度、整列レーンを通って流れる水量および整列レーンを通って流れる水圧ならびにこれらの任意の組合せによって制御することができる。
【0019】
傾斜した整列レーンを通して細長い物体を搬送するために水が使用される場合、整列レーンは、上端部に、または上端部の近傍に設けられたタブまたはノズルのような水出口と、整列レーンの下端部に接続された排水部とを備えているべきである。この排水部は、細長い物体を水から分離するための選択ユニットを備えていてよい。
【0020】
整列レーンを通過した後に、水は、排水として排出されるか、または再利用され得る。後者の場合、整列レーンの上端部に水を戻すように圧送するために少なくとも1つの水ポンプが必要である。ポンプは、フィルタのような水を処理するための手段、または短時間の加熱、紫外線、X線もしくはガンマ線の照射によって、またはオゾン、二酸化塩素、別の任意の塩素化合物、過酸化水素のような過酸化または二炭酸ジメチルのような化学的な消毒剤を適用によって水を消毒するデバイスと組み合わせることができる。
【0021】
フレンチフライの加工において、水はデンプンを蓄える。デンプンは、フレンチフライから洗い流され、かつ水から分離することができ、任意の既知の目的のために使用され得る。
【0022】
フレンチフライの加工において、生のポテト片が変色しないようにすることを確実にするために、水が酸素を含まないか、または少なくとも酸素レベルを低く保つことが望ましいことがあり得る。このような場合、アルデヒド、ギ酸、チオ硫酸塩または亜硫酸塩のような有機または無機の還元剤が必要となり得る。
【0023】
整列コンベヤは、物品を予め規定された配向で搬送し、物品を、整列方向と呼ばれる予め規定された配向にもたらすこともできるコンベヤである。或る実施形態によれば、予め規定された配向とは、物品が搬送される方向に対して平行な配向である。
【0024】
物品を所定の配向にもたらすために、整列コンベヤは、整列レーンとして整列方向の凹部および/または表面起伏を備えた3次元の構造体を有している。整列レーンは、通路であってよく、この通路は、物品が単独の列として各ラインを通過しなければならないように形成されている。整列レーンは、上側が開いていてもよく、または上側に向かって覆われているか、または閉じられているように被覆部を有していてよい。したがって、整列レーンは、覆われた通路またはパイプであってもよい。或る実施形態では、パイプまたは被覆部は、光学検査を可能にするために透明であってもよい。或る実施形態では、整列レーンは、プロファイル加工された、整列レーンを形成する凹部を備えるシートメタル片または剛性材料のブロックであってよい。整列レーンは、プロファイル加工された1つ以上のシートメタル片を、凹部を有する、剛性材料の1つ以上のブロックに組み合わせることによって形成されていてもよい。物品を整列させるために、整列コンベヤは、シェーカーのような整列のための任意の手段、バー、漏斗状の入口またはこれらの組合せをさらに備えていてよい。これらは、整列レーンより前に設置され、物品が整列レーンに進入する前に、物品が適切な配向を有していることを確実にする。本発明による整列コンベヤに進入する前の細長い物体の大まかな整列のために、整列コンベヤは、インラインシェーカーと組み合わされてよい。インラインシェーカーは、堆積された細長い物体が運動方向に沿って整列するように揺動され得るコンベヤを備えたデバイスである。
【0025】
スロットは、整列レーンのどこにでも位置決めされていてよい。或る実施形態では、スロットは、整列レーンの側壁に位置決めされている。或る実施形態では、スロットは、整列レーンの底部に位置決めされている。
【0026】
スロットは、整列方向と90~10度の角度を形成してよい。スロットは、整列レーンの底部と90~10度の角度を形成してよい。スロットの正確な角度および位置決めの選択は、整列コンベヤの構成の問題に合わせられていてよい。
【0027】
或る実施形態では、スロットが、2つの要素の境界に形成されている。この2つの要素とは、凹部を備えた剛性材料の2つのブロック、プロファイル加工された2つのシートメタル片、またはこれらの組合せであってよい。
【0028】
整列レーンを通って細長い物体を搬送するために水流が使用される、整列コンベヤの複数の実施形態では、スロットが、段部のように形成されており、この段部は、水がスロットを通じて排出されないことを確実にするために、小川または河川により通過される堰のように水流によって通過される。段部にわたる水流の通過は、水の損失を回避するために水流に影響を与えることによって最適化されてもよい。水流は、段部にわたる整列レーンの幾何学形状によって調節されてよく、この幾何学形状は、均質かつコンパクトな流れの形成に寄与することができる。段部の角部の幾何学形状も、ティーポットまたはコーヒーポットの注ぎ口に類似した鋭いエッジまたは幾何学形状を形成することにより、滴下による水の損失を回避するために最適化され得る。最後に、水流は、段部の上側部分の表面特性によって最適化され得る。ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、シリコーン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンまたはポリプロピレンのようなポリオレフィンまたはポリカーボネートのような疎水性材料は、コンパクトかつ均質な流れの形成を可能にし、さらに流れは、材料から滑らか、かつ完全に分離する。バルク材料の選択とは別に、疎水性効果は疎水性コーティングによっても達成され得る。
【0029】
段部のように形成されているスロットの下側部分は、水流が単独で、または水流が細長い物体および/もしくは物体の一部と一緒にスロットの下側部分に衝突した場合に、水のしぶきが回避されるように、形成され、かつ/または処理されていてよい。しぶきは、例えば、親水性材料および/またはコーティングの使用によって、または水流がスロットの下側部分をかすめるように衝突することを保証するスロットの下側部分の傾斜の使用によって回避され得る。
【0030】
1つの整列レーンを流下する水流の速度は、少なくとも100リットル/時間(l/h)であってもよい。或る実施形態では、水流は、少なくとも200l/h、250l/h、300l/hまたは400l/hであってよい。
【0031】
1つの整列レーンを流下する水流の速度は、最大で150l/h、250l/h、300l/h、400l/hまたは500l/hであってもよい。しかし、水が再循環される場合、整列レーンを運転するために必要とされる水の量は、合計で20リットル、30リットル、40リットルまたは50リットルであってもよく、1時間あたり約10~20%に交換されなければならない。
【0032】
整列コンベヤが、少なくとも1つの整列レーンを振動させるための手段を備えていてよい。振動させるための手段は、磁気揺動デバイス、アンバランスなウェイトに接続されたモータまたは水平揺動器であってもよい。或る実施形態では、振動させるための手段は、水平方向または鉛直方向の両方の運動を可能にする。或る実施形態では、振動させるための手段によって誘発される振動の強度は、調節可能である。或る実施形態では、振動手段の最小振動数は10Hzである。或る実施形態では、最小振動数は20Hzである。或る実施形態では、最小振動数は30Hzである。
【0033】
最大振動数は、500Hzであってもよい。或る実施形態では、最大振動数は、150Hzであってよい。或る実施形態では、最大振動数は、100Hzであってよい。
【0034】
最大振幅は15mmである。或る実施形態では、最大振幅は10mmである。或る実施形態では、最大振幅は5mmである。或る実施形態では、最大振幅は3mmである。
【0035】
最小振幅は0.5mmである。或る実施形態では、最小振幅は0.7mmである。或る実施形態では、最小振幅は0.9mmである。振動は、整列方向に、整列方向に対して垂直に、または整列方向との間で任意の角度において実施することができる。振動は、複数の方向で実施され得る。
【0036】
整列レーンに沿った細長い物体の運動を誘発するために、振動を他の技術と組み合わせることができる。或る実施形態では、整列レーンの振動は、整列レーンを流下する水流と組み合わされてもよい。
【0037】
整列レーンは、剛性材料から作製されている。本願による剛性材料は、0.1GPa以上のヤング率を有する材料である。或る実施形態では、材料は、0.2GPa以上のヤング率を有する。或る実施形態では、材料は、0.3GPa以上のヤング率を有する。或る実施形態では、材料は、0.4GPa以上のヤング率を有する。或る実施形態では、材料は、0.5GPa以上のヤング率を有する。
【0038】
或る実施形態では、整列レーンが、非反射性の材料から形成されているか、または非反射性の材料によって覆われている。非反射の材料は、その拡散反射と比較して無視できる程度の鏡面反射を示す任意の材料である。
【0039】
或る実施形態では、整列レーンは、透光性、半透明または透明な材料から成っている。したがって、可能な材料は、有機ポリマー、例えば、ポリエチレンもしくはポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリアミド6、ポリアミド6.6、ポリアミド4.10、ポリアミド6.10のようなポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリ乳酸(PLA)のようなポリエステル、ポリウレタン、POM-HまたはPOM-Cのようなポリアセタール、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネートまたはポリイミド、あるいは上述のポリマーの2種以上のモノマーまたは上述のポリマーのブレンドを有するコポリマーである。上述の材料は、プロファイル加工されたシートとして、またはモノリシックなブロックとして提供されてよく、整列レーンがブロックの最初の形成によって、またはブロックの形成後に、あるいはカービング、切断、ミリング、研削またはこれらの任意の組合せのような研削技術によって形成される。
【0040】
整列レーンの互いに異なる部分が、互いに異なる材料から作製されていてよい。或る実施形態では、整列レーンの上部と呼ばれて得るスロットの上側部分は、透光性、半透明または透明なポリマー材料のようなポリマー材料から作製されていてよい一方で、下側部分と呼ぶことができるスロットの下側の整列レーンの部分は、ステンレス鋼から作製されていてよい。異なる材料の選択は、整列レーンの互いに異なる部分の互いに異なる機能によるものであってよい。それ故に、上側部分が透光性であるのに対し、ステンレス鋼の下側部分がより耐久性またはより清掃がより容易であり得ると、光学検査にとって有利であり得る。
【0041】
或る実施形態では、整列レーンの表面は、液膜を形成するために、表面に付着する濡れた物品のような物品の、表面に対する付着が阻止されるように、処理される。表面処理は、疎水性または親水性のような化学的特性、または平滑性や粗さのような巨視的な特性を示すコーティングによって実施することができる。コーティングは、ラッカーまたは樹脂層であってよい。表面処理は、整列レーンの材料または整列レーンを覆う任意の材料にカービングされるか、切削されるか、エッチングされるか、またはプレスされた巨視的なパターンまたはテクスチャであってよい。或る実施形態では、テクスチャまたはパターンは、直線または曲線のスプライン、突起または凹部、またはそれらの任意の組合せを有している。
【0042】
或る実施形態では、整列コンベヤは、照明のための少なくとも1つの手段を備えていてよい。照明のための手段は、電球、発光ダイオードまたは可視光、赤外光もしくは紫外光を放出する任意の別のデバイスであってよい。照明のための手段は、X線管、ガンマ線源またはマイクロ波もしくは電波の発生器のような任意の別の電磁放射線源であってもよい。本出願を通して、「照明」という用語は、一般的に「光」と称されるか否かにかかわらず、あらゆる種類の電磁放射線に対する事柄の説明を意味する。したがって、この意味における電磁放射線は、電波、マイクロ波、赤外線、可視光線および紫外線のような全ての電磁スペクトルならびにX線およびガンマ線を網羅する。照明のための手段は、整列コンベヤ上の任意の位置に設置されていてよい。或る実施形態では、照明のための手段は、整列レーンの下側または内部に位置決めされており、これにより、光は整列レーンを通過して、底部から整列レーンを通過して細長い物体を照明することができる。或る実施形態では、照明のための手段は、細長い物体を上から照らすように設置されていてよい。或る実施形態では、整列レーンは、複数の照明のための手段を備えており、これらの照明のための手段は、任意の方向から整列レーンを通過して細長い物体を照明し、整列レーン上での細長い物体の陰影の形成を阻止するように組み付けられている。
【0043】
少なくとも1つの可動のナイフが、揺動、回転または並進式に運動することができる。可動のナイフの運動平面は、常に、整列方向に対して実質的に垂直~10度の間の角度を形成する。ナイフは、任意の形状のナイフであってよく、かつ真っ直ぐなブレードまたは湾曲した形状のブレードを有していてよい。ナイフが回転可能である場合、ナイフは、モータの回転平面に対して垂直な軸線を備える軸上に組み付けられていてよい。
【0044】
ナイフは、1つ以上のブレードを有していてよい。或る実施形態では、ナイフは、互いに180°の角度で1つの回転平面において配向されていてよい2つのブレードを有している。或る実施形態では、ナイフは、互いに120°の角度で1つの回転平面において配向されていてよい3つのブレードを有している。或る実施形態では、ナイフは、互いに90°の角度で1つの回転平面において配向されていてよい4つのブレードを有している。上述の全ての実施形態において、ナイフは、それぞれ2枚、3枚または4枚のブレードを有するプロペラのように見える。ブレードの対称的な配置は、ナイフの高い回転速度にとって特に有利である。なぜならば、よりバランスの取れた回転を可能にして、モータおよび伝動装置における摩耗を低減するからである。
【0045】
或る実施形態では、ナイフは、モータによって駆動されていてよい。或る実施形態では、ナイフは、軸を介してモータに直接に組み付けられている。ナイフが軸を介してモータに直接に接続されている場合、モータは、ナイフの回転軸線に対して垂直に組み付けられている。或る実施形態では、ナイフは、歯車、少なくとも1つの軸またはそれらのあらゆる組合せを介してモータに接続されている。ナイフが、歯車および軸を介してモータに接続されている場合、モータは、ナイフの回転平面に対して垂直でなくてもよい。或る実施形態では、2つ以上のナイフがモータに接続されている。
【0046】
ナイフを駆動するモータは、サーボ制御モータであってよい。ナイフを駆動するモータは、リニアモータであってよい。ナイフは運動している物品を切断しなければならないので、モータは極めて高い回転速度を提供することが望ましい。或る実施形態では、モータは、5000回転/分(rpm)までの回転速度を有していてよい。或る実施形態では、モータは、2500rpmまでの回転速度を有していてよい。或る実施形態では、モータは減速装置を有していてよい。切断すべき細長い本体が整列コンベヤを通る運動速度は、モータの最大のスタート/ストップ周波数に依存する。或る実施形態では、モータは、1秒間に最大50回始動および停止され得る。或る実施形態では、モータは1秒間に最大で40回、1秒間に30回、1秒間に20回、1秒間に15回、1秒間に13回、1秒間に7回または1秒間に5回、始動および停止させることができる。始動と停止との間に、モータは1回360°の回転を実行することができる。始動と停止との間に、モータは180°、120°または90°だけ回転を実行することができる。
【0047】
或る実施形態では、モータは、電子回路ベースの制御デバイスによって制御され、始動および停止される。
【0048】
モータおよび軸は、整列方向に対して平行に、または所定の角度で組み付けられていてよい。或る実施形態では、モータおよび軸は、整列方向と最大で45°の角度を形成する。或る実施形態では、モータおよび軸は、整列方向と最大で30°の角度を形成する。或る実施形態では、モータおよび軸は、整列方向と最大で25°の角度を形成する。或る実施形態では、モータおよび軸は、整列方向と最大で20°の角度を形成する。或る実施形態では、モータおよび軸は、整列方向と最大で15°の角度を形成する。或る実施形態では、モータおよび軸は、整列方向と最大で10°の角度を形成する。
【0049】
整列方向に対するモータおよび軸の角度の選択は、整列コンベヤ内の空間要求に依存してよく、整列コンベヤでは、幾つかの整列レーンが、固有のモータおよび回転ナイフを有する各整列レーンに、その固有の空間要求で組み合わされてよい。整列方向に対して傾斜するモータおよび軸の組付けにより、例えば、小さな表面領域に複数のレーンを備えるコンパクトな整列コンベヤを可能にするために、幾つかのモータおよび幾つかのナイフの極めて近接した設置を可能にすることができる。
【0050】
或る実施形態では、モータおよびナイフは、整列レーンから振動絶縁されて組み付けられている。これは、あらゆる種類の振動吸収材料が整列レーンとモータとの間に配置されていることを意味する。或る実施形態では、整列レーンおよびモータは、独立した構造体に組み付けられている。このような場合、整列レーンとモータとの間の振動吸収材料は、地面における床材である。或る実施形態では、モータと整列レーンとは、ばねまたは発泡材などの嵩高い弾性材料を介して接続されている。
【0051】
或る実施形態では、整列レーンは、細長い物体が下方向に運動するように傾斜している。
【0052】
或る実施形態では、整列方向に対して垂直な整列レーンの横断面は、U字形、V字形またはトラフ形である。横断面の形状は、整列方向に沿って変化してもよい。横断面形状の移行部は、鋭い形状、例えば、V字形の横断面とU字形の横断面との間またはU字形の横断面とV字形の横断面との間の段部を形成してもよい。横断面形状の移行部は滑らかであってよい。横断面形状の移行部は、対称的であっても、非対称的であってもよい。V字形の横断面とU字形の横断面との間またはU字形の横断面とV字形の横断面の間の横断面形状の非対称の移行部は、螺旋セグメントまたは螺旋セグメントの形態のような特別な形状のプロフィールを有していてよく、したがって、整列レーンを通過する細長い物体の、全ての側からの光学検査を可能にするために、直方体状または角柱状の細長い物体を定義された方向に回転させることを可能にする。
【0053】
或る実施形態では、整列レーンは、入口を備えており、入口は、例えば欠陥のために細長い物体が整列レーンに進入することを阻止するために閉じられてよい。
【0054】
光学検出デバイスは、電磁放射のための少なくとも1つのカメラまたは任意の別の検出器であってよい。実際には、カメラまたは検出器の種類に制限はなく、したがって、カメラは、可視光、紫外光または赤外光のためのカメラであってよい。或る実施形態では、整列コンベヤは、整列レーンを通過する細長い物体の、全ての側からの光学検査を可能にするために、整列方向に沿った種々異なる位置および/または角度で組み付けられた、電磁放射のための2つ以上のカメラまたは検出器を有していてよい。
【0055】
或る実施形態では、電磁放射線のための少なくとも1つの検出器は、X線のための検出器である。
【0056】
或る実施形態では、電磁放射線のための少なくとも1つのカメラまたは検出器は、電子回路ベースの制御デバイスに接続されている。或る実施形態では、電子回路ベースの制御デバイスは、細長い本体の光学検査の結果に応じて回転ナイフを運動させるモータのオンオフを切り替える。
【0057】
本出願による整列コンベヤは、モジュール形式で構成することができる。整列レーンは、単独の要素であってもよいし、2つ以上の整列レーンが1つのビルディングブロックを形成してもよいが、各整列レーンが、スロットおよび可動ナイフを備えている。単独の整列レーンまたは整列レーンのビルディングブロックは、細長い本体の共通の供給部を備えたより大きなユニットに組み合わされていてよい。したがって、単独の整列レーンおよび/またはビルディングブロックを使用して、整列コンベヤは、ユーザの要求に応じて任意のサイズで構築されていてよい。したがって、モジュール形式の既存の整列コンベヤも、生産需要が増大した場合に、容易に拡張され得る。さらに、全ての整列レーンが別の整列レーンから独立して作動するので、単独の整列レーンは、例えばメンテナンスのために停止されてよく、特定の整列レーンにおける欠陥は、閉鎖可能な入口を使用して全ての整列レーンを別個に閉鎖することができる限り、整列コンベヤ全体を停止する必要はない。全ての整列レーンにおける切断プロセスは、別の整列レーンにおける切断プロセスから完全に独立しているので、互いに異なる整列レーンまたは互いに異なる整列レーンのグループは、必要な場合には、互いに異なる振動周波数および/または振幅で駆動され得る。
【0058】
本出願による1つの整列コンベヤにおける互いに異なる整列レーンは、特定のサイズの細長い物体を取り扱うことができるようにするために、形状および/またはサイズが異なっていてよい。整列レーンを通して細長い物体を搬送するために水流が使用される場合、1つの整列コンベヤにおける互いに異なる整列レーンは、互いに異なる速度および/または流量の水流を有していてよい。
【0059】
本出願は、本出願による整列コンベヤを使用して細長い物体を1回以上選択的に切断する方法にも関する。本出願による選択的な切断は、決められた基準を適用して選択された細長い物体の位置において切断が適用されることを意味し、この基準は、切断前に細長い物体の光学検査によって規定され得る。細長い物体の光学検査により、細長い物体における欠陥を識別することができ、したがって、細長い物体が少なくとも2回、すなわち欠陥の直前に1回、かつ欠陥の後に1回、選択的に切断されて、細長い物体が少なくとも3つの断片に切断されるように細長い物体を選択的に切り離す、可動のナイフの運動を引き起こし、この場合に、欠陥は、1つの断片または複数の断片に含まれている。或る実施形態では、欠陥を有する断片は、欠陥を有しない断片よりも著しく小さく、例えば、篩いまたは任意の別の選別デバイスを使用して整列コンベヤの通過後に選別され得る。欠陥を有する断片を選別のために、本出願による整列コンベヤは、篩いを含む選別シェーカーに組み合わされてよく、篩いにより、望ましくない断片の簡単な選別のために振られる。
【0060】
整列レーンに沿って運動する細長い物体の光学検査は、選択的な切断のための基準をもたらすだけでなく、細長い物体が運動する実際の速度を特定することもでき、これは、プロセスの制御に必須であり得る。本出願による整列コンベヤの特性により、細長い物体は、整列レーン上で任意の速度を有していてよい。互いに異なる整列レーン上の細長い物体の速度および同一の整列レーン上の互いに異なる細長い物体の均一な速度は、細長い物体の速度が個々に特定され、互いに異なる細長い物体の速度の同期、または細長い物体および可動のナイフの速度の同期の必要がないことなので、互いに異なっていてもよい。互いに異なる整列レーン上の細長い物体の速度も互いに異なっていてよい。概して、細長い物体は、コンベヤに対して所定の速度で整列レーンを通って運動する。これは、細長い物品がコンベヤベルトに対して所定の速度で運動しない、コンベヤベルト上での細長い物品の搬送とは異なる。
【0061】
或る実施形態では、細長い本体は、フレンチフライ、パースニップ、ナス、ニンジン、キュウリ、ズッキーニ、バナナ、アスパラガス、ネギ、豆類、バラモンジンまたはこれらのうちの任意の1つまたは別の野菜であり、千切りまたは任意の他の種類の断片に切断される。
【0062】
本出願はさらに、フレンチフライ、パースニップ、ナス、ニンジン、キュウリ、ズッキーニ、バナナ、アスパラガス、ネギ、豆類、サヤマメまたはバラモンジンのような野菜または果物の全体、皮をむいたもの、または切断したものから欠陥を自動的に除去するための、本出願による整列コンベヤの使用に関する。
【0063】
本出願はさらに、パースニップ、ナス、ニンジン、キュウリ、バナナ、アスパラガス、ネギ、豆類、サヤマメまたはバラモンジンのような細長い果実または野菜を切り刻むための、本出願による整列コンベヤの使用に関する。
【0064】
本出願によれば、「切り刻む(chopping)」とは、細長い物体が、例えば光学検査によって定義された基準に従わずに、ほぼ同じサイズの断片を得ることを目的として断片に切断することを意味する。
【0065】
以下の図面は、本出願の対象の選択された実施形態を示す。本出願は、図示された実施形態に限定されると考えられるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【
図1】加工すべきフレンチフライを搬送する送込みコンベヤ10を備えた、フレンチフライから自動的に欠陥を除去するための機械全体を示す概観図である。
【
図2】プラスチックから形成された上側部分1と、ステンレス鋼から形成された下側部分2と、上側部分1の上を滑るフレンチフライ18とを備えた、本出願による整列コンベヤの1つの整列レーンを示す詳細図である。
【
図3】整列コンベヤの整列レーンの別の詳細図である。
【
図4】本出願による整列レーンの別の実施形態を示す図である。
【0067】
図1は、加工すべきフレンチフライを搬送する送込みコンベヤ10を備えた、フレンチフライから自動的に欠陥を除去するための機械全体を示す概観図である。フレンチフライは、駆動フレーム12上に組み付けられたインラインシェーカー11上に置かれている。インラインシェーカーは、フレンチフライを、整列方向にほぼ平行である配向にもたらす。インラインシェーカーから、フレンチフライは、駆動フレーム9上に組み付けられた、本出願による整列コンベヤ20へと運動させられる。整列コンベヤの個別の整列レーンは、
図1の側面図では見えない。整列コンベヤ20の上側部分1は、ポリマー材料から作製されており、フレンチフライを回転させることができる特別な形状のプロフィール8を有してもよい。整列コンベヤ20上を滑りながら、フレンチフライはカメラシステム19により検査される。
【0068】
カメラシステム19の通過後に、フレンチフライは、モータ4に接続されているナイフ3を通過する。整列コンベヤ2の下側部分はステンレス鋼から作製されている。
【0069】
整列コンベヤを出た後、フレンチフライと、フレンチフライから切断された断片とは、選別シェーカー13へ放出される。選別シェーカー13は、駆動フレーム15上に組み付けられており、除去された欠陥の小さな断片14を選別する篩いを備えていてよい。この小さな断片14は、選別シェーカー13から放出され得る。選別シェーカー13からフレンチフライは製品コンベヤ16に放出される。
【0070】
図2は、プラスチックから成る上側部分1と、ステンレス鋼から成る下側部分2と、上側部分1の上を滑るフレンチフライ18とを備えた、本出願による整列コンベヤの1つの整列レーンを示す詳細図である。整列コンベヤの上側部分と下側部分との間で、ナイフ3がナイフ組付け部7に組み付けられており、駆動軸5によりモータ4に接続されている。モータは、センサ6によってトリガされる。
【0071】
図3は、整列コンベヤの整列レーンの別の詳細図を示しており、フレンチフライ18が整列レーンを滑り落ちている。フレンチフライ18は、その長手方向軸線を中心として回転させられて17、整列レーンを滑り落ちている。回転は、整列レーンの特別な形状のプロフィール8によって達成されている。
図3に示した整列レーンの横断面はV字形であるが、特別な形状のプロフィール8は、フレンチフライを所定の方向に回転させる、V字形からの非対称の逸脱をもたらす。
【0072】
図4は、本出願による整列レーンの別の実施形態を示す図である。整列レーンは、M字形プロフィール8に基づいていて、フレンチフライ18はこのプロフィールを滑り落ちている。整列レーンの前に、駆動軸5を備えたナイフ3が組み付けられている。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
国際公開第2004/034794号および国際公開第2004/106020号は、魚肉および肉片を搬送し、分割するための機械であって、コンベヤベルトの配列と、光学検査と、光学検査の結果を用いて制御される回転ナイフとを用いる機械を記載している。しかし、これらのデバイスは、比較的大きな物品を切断するために設計されており、高度な複雑性を引き起こす大量の可動の部材を含み、この高度な複雑性は、大量に加工しなければならないフレンチフライのような小さな物品を加工するためにこのようなデバイスを使用することを不経済なものとする。
国際公開第2016/083622号は、食品をより小さな物品に切断するためのナイフを備えたコンベヤシステムを開示している。この文書では、コンベヤベルトも可動の部材であり、したがって高度な複雑性を有しており、このことはこのようなデバイスを大量に加工すべきフレンチフライのような小さな物品を加工するためにこのようなデバイスを使用することを不経済なものとする。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い物体のために適した受動的な整列コンベヤであって、
整列レーン(1/2)として、整列方向の凹部を備えた少なくとも一片の材料であって、
前記整列レーンが、前記整列レーン内に前記整列方向に対して所定の角度で設けられた少なくとも1つのスロットを備えている
、少なくとも一片の材料と、
前記整列コンベヤ上の前記細長い物体の速度を特定するための、光学検出(19)のための少なくとも1つの手段と、
電子回路ベースの少なくとも1つの制御デバイスとを備え
、
前記整列方向で前記光学検出のための手段からずらされて組み付けられた少なくとも1つの可動のナイフ(3)が、前記整列方向に対して所定の角度で組み付けられていて、かつ前記整列レーン内に設けられた前記スロット内で運動することができるように組み付けられている
整列コンベヤにおいて、
前記少なくとも1つの整列レーンが傾斜していることを特徴とする、整列コンベヤ。
【請求項2】
前記整列コンベヤが、少なくとも1つの整列レーンを振動させるための手段を備えている、請求項1記載の整列コンベヤ。
【請求項3】
前記整列レーンは、該整列レーンの上端部に、または上端部の近傍に設けられた水出口と、整列レーンの下端部に接続された排水部とを、前記細長い物体
を前記整列レーンを通して水流により搬送
するために備えている、請求項1または2のいずれか1項または複数項記載の整列コンベヤ。
【請求項4】
前記スロットが、段部のように形成されている、請求項1から3までのいずれか1項または複数項記載の整列コンベヤ。
【請求項5】
前記整列レーンまたは前記整列レーンの一部が、その拡散反射と比べて無視できる程度の鏡面反射を示す材料、好適には透光性、半透明または透明な材料(1)から成っている、請求項1から4までのいずれか1項または複数項記載の整列コンベヤ。
【請求項6】
少なくとも1つの電磁放射線源を備える、請求項1から5までのいずれか1項または複数項記載の整列コンベヤ。
【請求項7】
前記可動のナイフ(3)が回転する、請求項1から6までのいずれか1項または複数項記載の整列コンベヤ。
【請求項8】
前記スロットが、前記整列方向と45°~90°の角度を形成する、請求項1から7までのいずれか1項または複数項記載の整列コンベヤ。
【請求項9】
前記モータが、電子回路駆動の制御デバイスによりオンオフを切り替えられる、請求項6記載の整列コンベヤ。
【請求項10】
前記可動のナイフと前記整列レーンとが、振動吸収材料を介して接続されている、請求項1から9までのいずれか1項または複数項記載の整列コンベヤ。
【請求項11】
前記少なくとも1つの光学検出デバイスが、前記電子回路ベースの制御デバイスに接続されている少なくとも1つのカメラ(19)である、請求項1から
10までのいずれか1項または複数項記載の整列コンベヤ。
【請求項12】
前記少なくとも1つの整列レーンのうちの少なくとも一部が、U字形、V字形またはトラフ形であり、かつ/または個別のレーンの互いに異なる部分が、互いに異なる形状を有し、該互いに異なる形状間で対称的または非対称的の移行部を備えている、請求項1から
11までのいずれか1項または複数項記載の整列コンベヤ。
【請求項13】
請求項1から11記載の整列コンベヤを使用して、細長い物体を1回または複数回選択的に切断するための方法。
【請求項14】
前記細長い物体が、フレンチフライ、ポテト、サツマイモ、ニンジン、キュウリ、ズッキーニ、バナナ、アスパラガス、バラモンジンまたは千切りにされたこれらの野菜または別の野菜の1つである、請求項
13記載の方法。
【請求項15】
前記細長い物体を、前記整列レーン上のプロフィールにより360°だけ前記整列コンベヤ上で回転させる、請求項
13または
14のいずれか1項または複数項記載の方法。
【請求項16】
光学検査により欠陥を識別することにより、フレンチフライ、ニンジン、キュウリ、ズッキーニ、バナナ、豆類、アスパラガス、バラモンジンのような野菜または果実の全体、皮をむいたもの、または切断したものから欠陥を自動的に除去するか、またはこれらを切り刻むための、請求項1から11記載の整列コンベヤの使用
であって、前記光学検出は、フレンチフライ、ニンジン、キュウリ、ズッキーニ、バナナ、豆類、アスパラガスまたはバラモンジンが欠陥の前で少なくとも1回、かつ前記欠陥の後で1回、選択的に切断されるように、フレンチフライ、ニンジン、キュウリ、ズッキーニ、バナナ、豆類、アスパラガスまたはバラモンジンを選択的に切断する可動のナイフの運動をもたらし、これによりフレンチフライ、ニンジン、キュウリ、ズッキーニ、バナナ、豆類、アスパラガスまたはバラモンジンが少なくとも3つの断片に切断され、この場合に、前記欠陥が1つの断片または幾つかの断片に含まれている、使用。
【国際調査報告】