IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 京東方科技集團股▲ふん▼有限公司の特許一覧 ▶ 京東方晶芯科技有限公司の特許一覧

特表2024-518008発光基板及びその製造方法、表示装置
<>
  • 特表-発光基板及びその製造方法、表示装置 図1A
  • 特表-発光基板及びその製造方法、表示装置 図1B
  • 特表-発光基板及びその製造方法、表示装置 図2
  • 特表-発光基板及びその製造方法、表示装置 図3
  • 特表-発光基板及びその製造方法、表示装置 図4
  • 特表-発光基板及びその製造方法、表示装置 図5
  • 特表-発光基板及びその製造方法、表示装置 図6A
  • 特表-発光基板及びその製造方法、表示装置 図6B
  • 特表-発光基板及びその製造方法、表示装置 図7
  • 特表-発光基板及びその製造方法、表示装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-24
(54)【発明の名称】発光基板及びその製造方法、表示装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20240417BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20240417BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240417BHJP
【FI】
F21S2/00 480
F21S2/00 484
F21V19/00 150
F21V19/00 170
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023525592
(86)(22)【出願日】2022-02-10
(85)【翻訳文提出日】2023-04-26
(86)【国際出願番号】 CN2022075920
(87)【国際公開番号】W WO2022242244
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】202110546151.7
(32)【優先日】2021-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】521555029
【氏名又は名称】京東方晶芯科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE MLED TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.8 Xihuanzhong RD.,BDA,Beijing 100176,China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】曹 ▲鵬▼▲軍▼
(72)【発明者】
【氏名】李 沛
(72)【発明者】
【氏名】李 金▲鵬▼
(72)【発明者】
【氏名】李 健
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲騰▼
(72)【発明者】
【氏名】常 康▲楽▼
(72)【発明者】
【氏名】李 召▲輝▼
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ 志富
【テーマコード(参考)】
3K013
3K244
【Fターム(参考)】
3K013AA01
3K013BA01
3K013CA05
3K013CA16
3K244AA01
3K244BA31
3K244BA48
3K244CA02
3K244DA01
3K244DA19
3K244FA13
3K244GA01
3K244GA02
3K244GA04
3K244HA01
3K244HA04
3K244LA07
(57)【要約】
発光基板であって、ベース基板、ベース基板上に設置される保持壁、及び複数の発光ダイオードを備える。保持壁はベース基板において複数の区画を区分し、少なくとも1つの区画には少なくとも1つの発光ダイオードが設置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光基板であって、ベース基板、前記ベース基板上に設置される保持壁、及び複数の発光ダイオードを備え、前記保持壁は前記ベース基板において複数の区画を区分し、少なくとも1つの区画には少なくとも1つの発光ダイオードが設置される、発光基板。
【請求項2】
前記保持壁の、前記ベース基板の所在する平面に平行する2つの断面のうち、前記ベース基板に近い断面の面積は前記ベース基板から離れる断面の面積より大きい、請求項1に記載の発光基板。
【請求項3】
前記保持壁の材料は光反射材料を含む、請求項1に記載の発光基板。
【請求項4】
前記保持壁の、前記ベース基板から離れる側の表面は円弧面である、請求項1に記載の発光基板。
【請求項5】
前記保持壁は、水平方向に沿って延出する複数の長尺状構造、垂直方向に沿って延出する複数の長尺状構造のうちの少なくと1つを含む、請求項1に記載の発光基板。
【請求項6】
前記保持壁の、隣接する発光ダイオードに近い側面は弧面又は斜面である、請求項1に記載の発光基板。
【請求項7】
前記保持壁はメッシュ構造であり、前記メッシュ構造は少なくとも1つのグリッドを含む、請求項1に記載の発光基板。
【請求項8】
各グリッドは少なくとも1つの発光ダイオードを囲む、請求項7に記載の発光基板。
【請求項9】
異なるグリッドに囲まれる発光ダイオードの数は異なる、請求項7に記載の発光基板。
【請求項10】
各グリッドはマトリックスのように設置される4つの発光ダイオードを取り囲む、請求項7に記載の発光基板。
【請求項11】
2つの隣接する発光ダイオードの発光面の中心線は第1平面内に位置し、且つ前記第1平面は前記ベース基板の所在する平面に垂直する、請求項1~10のいずれか1項に記載の発光基板。
【請求項12】
前記2つの隣接する発光ダイオードの間には単一方向に沿って延出する保持壁が設置される、請求項11に記載の発光基板。
【請求項13】
前記保持壁の前記第1平面での断面形状は半円形又は台形である、請求項11又は12に記載の発光基板。
【請求項14】
前記第1平面内において、前記保持壁の第1方向に沿う長さは前記ベース基板から、前記ベース基板から離れる側に向かって次第に小さくなり、前記第1方向は前記第1平面に平行し且つ前記発光ダイオードの発光面の中心線と交差する、請求項11又は12に記載の発光基板。
【請求項15】
前記第1平面内において、前記2つの隣接する発光ダイオードの第1方向での隣接するエッジの間の距離W3と、前記2つの隣接する発光ダイオードの間の保持壁の前記ベース基板での正投影の長さW1との比は約4.0~5.5であり、前記第1方向は第1平面に平行し且つ前記発光ダイオードの発光面の中心線と交差する、請求項12に記載の発光基板。
【請求項16】
前記第1平面内において、前記保持壁の第2方向での最大長さH1と、前記2つの隣接する発光ダイオードの間の保持壁の前記ベース基板での正投影の長さW1との比は約0.5~0.8であり、前記第2方向は前記第1平面に平行し且つ第1方向と交差し、前記第1方向は前記第1平面に平行し且つ前記発光ダイオードの発光面の中心線と交差する、請求項12に記載の発光基板。
【請求項17】
前記第1平面内において、前記2つの隣接する発光ダイオードの間の保持壁の前記ベース基板での正投影の長さW1は0.72mm~0.88mmであり、前記保持壁の前記第2方向に沿う最大長さH1は0.45mm~0.55mmである、請求項16に記載の発光基板。
【請求項18】
前記複数の発光ダイオードを覆う透光保護層を更に備える、請求項11~17のいずれか1項に記載の発光基板。
【請求項19】
前記透光保護層の各区画の幾何学的中心部分に対応する厚さは、前記透光保護層の他の領域に対応する厚さより大きい、請求項18に記載の発光基板。
【請求項20】
前記透光保護層は前記ベース基板から離れる第1表面を有し、前記第1表面は複数の凹面構造を有する、請求項18に記載の発光基板。
【請求項21】
前記複数の凹面構造は複数の発光ダイオードのうちのそれぞれに一対一に対応し、1つの凹面構造の前記ベース基板での正投影は1つの発光ダイオードの前記ベース基板での正投影を含む、請求項20に記載の発光基板。
【請求項22】
前記凹面構造の形状は半球形であり、前記発光ダイオードの発光面の中心は前記半球形の中軸線に位置する、請求項20に記載の発光基板。
【請求項23】
前記第1平面内において、前記凹面構造の前記ベース基板での正投影の長さW2は約0.72mm~0.88mmである、請求項20~22のいずれか1項に記載の発光基板。
【請求項24】
前記透光保護層の第1表面の前記凹面構造以外の平面と、前記発光ダイオードの前記ベース基板から離れる表面との距離H3は約0.144mm~0.176mmである、請求項20~22のいずれか1項に記載の発光基板。
【請求項25】
前記透光保護層の前記ベース基板での正投影と前記保持壁の前記ベース基板での正投影は部分的に重なる、請求項18~24のいずれか1項に記載の発光基板。
【請求項26】
前記透光保護層の最大厚さは前記保持壁の最大厚さ以下であり、厚さは前記ベース基板から離れる側の表面と前記ベース基板に近い側の表面との距離である、請求項18~24のいずれか1項に記載の発光基板。
【請求項27】
前記透光保護層の最大厚さは約0.36mm~0.44mmである、請求項26に記載の発光基板。
【請求項28】
前記ベース基板から離れる側に沿って前記透光保護層において順次に設置される拡散膜、色変換膜及び輝度向上膜を更に備える、請求項18~27のいずれか1項に記載の発光基板。
【請求項29】
前記ベース基板に設置されるパッドピン及び光反射層を更に備え、前記光反射層は前記保持壁の前記ベース基板に近い側に位置し、且つ前記光反射層は前記パッドピンの少なくとも一部を露出させ、前記パッドピンは前記発光ダイオードに接続される、請求項1~28のいずれか1項に記載の発光基板。
【請求項30】
前記光反射層の材料はホワイトインクを含む、請求項29に記載の発光基板。
【請求項31】
発光基板に垂直する平面内において、前記光反射層のエッジと、隣接する発光ダイオードのエッジとの間には間隔がある、請求項29又は30に記載の発光基板。
【請求項32】
駆動回路を更に備え、前記駆動回路はサイズがミクロンスケールのマイクロ集積回路であり、又は薄膜トランジスタを含む画素回路である、請求項1~31のいずれか1項に記載の発光基板。
【請求項33】
前記駆動回路は透光保護層により覆われる、請求項32に記載の発光基板。
【請求項34】
前記発光ダイオードのエッジと保持壁との最小距離は、前記光反射層の前記パッドピンに近い境界と保持壁との最小距離より大きい、請求項29に記載の発光基板。
【請求項35】
前記透光保護層の厚さが小さいサブ領域はパッドピンの所在する領域である、請求項26に記載の発光基板。
【請求項36】
請求項1~35のいずれか1項に記載の発光基板を備える表示装置。
【請求項37】
請求項1~35のいずれか1項に記載の発光基板の製造のための発光基板の製造方法であって、
ベース基板に複数の発光ダイオードを配列することと、
前記ベース基板において、複数の区画を区分する保持壁を形成し、少なくとも1つの区画に少なくとも1つの発光ダイオードが設置されることと、を含む発光基板の製造方法。
【請求項38】
前記複数の発光ダイオードを覆う透光保護層を形成し、前記透光保護層の前記ベース基板から離れる第1表面に複数の凹面構造を形成することを更に含む、請求項37に記載の製造方法。
【請求項39】
前記ベース基板にパッドピン及び光反射層を順次に形成することを更に含み、前記光反射層は前記保持壁の前記ベース基板に近い側に位置し、且つ前記光反射層は前記パッドピンの少なくとも一部を露出させ、前記パッドピンは前記発光ダイオードに接続される、請求項37に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2021年5月19日に中国特許庁に提出された、出願番号が202110546151.7であり、発明名称が「発光基板及びその製造方法、表示装置」である中国特許出願の優先権を要求し、その内容は引用の方式で本願に取り込まれるように理解されるべきである。
【0002】
本開示は表示技術に関するがそれに限らず、特に発光基板及びその製造方法、表示装置に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体発光ダイオード(Light Emitting Diode、LED)技術はほぼ30年発展してきて、最初の固体照明電源から表示領域のバックライト、更にLEDディスプレイまで、広い応用に確実な基礎を築いた。チップ製作及びパッケージング技術の発展に伴い、サブミリメータースケールひいてはミクロンスケールのマイクロLEDを採用するバックライトは広く応用される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
以下は本明細書において詳しく説明する主題の概説である。本概要は特許請求の範囲の保護範囲を限定するものではない。
【0005】
本開示の実施例は発光基板及びその製造方法、表示装置を提供する。
【0006】
一態様では、本開示の実施例は発光基板を提供し、ベース基板、前記ベース基板上に設置される保持壁、及び複数の発光ダイオードを備える。前記保持壁はベース基板において複数の区画を区分し、少なくとも1つの区画には少なくとも1つの発光ダイオードが設置される。
【0007】
幾つかの例示的な実施形態では、前記保持壁の、前記ベース基板の所在する平面に平行する2つの断面のうち、前記ベース基板に近い断面の面積は前記ベース基板から離れる断面の面積より大きい。
【0008】
幾つかの例示的な実施形態では、前記保持壁の材料は光反射材料を含む。
【0009】
幾つかの例示的な実施形態では、前記保持壁の、前記ベース基板から離れる側の表面は円弧面である。
【0010】
幾つかの例示的な実施形態では、前記保持壁は、水平方向に沿って延出する複数の長尺状構造、垂直方向に沿って延出する複数の長尺状構造のうちの少なくと1つを含む。
【0011】
幾つかの例示的な実施形態では、前記保持壁の、隣接する発光ダイオードに近い側面は弧面又は斜面である。
【0012】
幾つかの例示的な実施形態では、前記保持壁はメッシュ構造であり、前記メッシュ構造は少なくとも1つのグリッドを含む。
【0013】
幾つかの例示的な実施形態では、少なくとも1つのグリッドは少なくとも1つの発光ダイオードを取り囲む。
【0014】
幾つかの例示的な実施形態では、異なるグリッドに囲まれる発光ダイオードの数は異なる。
【0015】
幾つかの例示的な実施形態では、各グリッドはマトリックスのように設置される4つの発光ダイオードを取り囲む。
【0016】
幾つかの例示的な実施形態では、2つの隣接する発光ダイオードの発光面の中心線は第1平面内に位置し、且つ第1平面はベース基板の所在する平面に垂直する。
【0017】
幾つかの例示的な実施形態では、前記2つの隣接する発光ダイオードの間には単一方向に沿って延出する保持壁が設置される。
【0018】
幾つかの例示的な実施形態では、前記保持壁の前記第1平面での断面形状は半円形又は台形である。
【0019】
幾つかの例示的な実施形態では、第1平面内において、前記保持壁の第1方向に沿う長さは前記ベース基板から、前記ベース基板から離れる側に向かって次第に小さくなる。前記第1方向は第1平面に平行し且つ前記発光ダイオードの発光面の中心線と交差する。
【0020】
幾つかの例示的な実施形態では、第1平面内において、前記2つの隣接する発光ダイオードの第1方向での隣接するエッジの間の距離W3と、前記2つの隣接する発光ダイオードの間の保持壁の前記ベース基板での正投影の長さW1との比は約4.0~5.5である。前記第1方向は第1平面に平行し且つ前記発光ダイオードの発光面の中心線と交差する。
【0021】
幾つかの例示的な実施形態では、前記第1平面内において、前記保持壁の第2方向での最大長さH1と、前記2つの隣接する発光ダイオードの間の保持壁の前記ベース基板での正投影の長さW1との比は約0.5~0.8であり、前記第2方向は前記第1平面に平行し且つ第1方向と交差し、前記第1方向は第1平面に平行し且つ前記発光ダイオードの発光面の中心線と交差する。
【0022】
幾つかの例示的な実施形態では、前記第1平面内において、前記2つの隣接する発光ダイオードの間の保持壁の前記ベース基板での正投影の長さW1は0.72mm~0.88mmであり、前記保持壁の前記第2方向に沿う最大長さH1は0.45mm~0.55mmである。
【0023】
幾つかの例示的な実施形態では、前記発光基板は、前記複数の発光ダイオードを覆う透光保護層を更に備える。
【0024】
幾つかの例示的な実施形態では、前記透光保護層の各区画の幾何学的中心部分に対応する厚さは、前記透光保護層の他の領域に対応する厚さより大きい。
【0025】
幾つかの例示的な実施形態では、前記透光保護層は前記ベース基板から離れる第1表面を有し、前記第1表面は複数の凹面構造を有する。
【0026】
幾つかの例示的な実施形態では、前記複数の凹面構造は複数の発光ダイオードのうちのそれぞれに一対一に対応し、1つの凹面構造の前記ベース基板での正投影は1つの発光ダイオードの前記ベース基板での正投影を含む。
【0027】
幾つかの例示的な実施形態では、前記凹面構造の形状は半球形であり、前記発光ダイオードの発光面の中心は前記半球形の中軸線に位置する。
【0028】
幾つかの例示的な実施形態では、第1平面内において、前記凹面構造の前記ベース基板での正投影の長さW2は約0.72mm~0.88mmである。
【0029】
幾つかの例示的な実施形態では、前記透光保護層の第1表面の前記凹面構造以外の平面と、前記発光ダイオードの前記ベース基板から離れる表面との距離H3は約0.144mm~0.176mmである。
【0030】
幾つかの例示的な実施形態では、前記透光保護層の前記ベース基板での正投影と前記保持壁の前記ベース基板での正投影は部分的に重なる。
【0031】
幾つかの例示的な実施形態では、前記透光保護層の最大厚さは前記保持壁の最大厚さ以下であり、厚さは前記ベース基板から離れる側の表面と前記ベース基板に近い側の表面との距離である。
【0032】
幾つかの例示的な実施形態では、前記透光保護層の最大厚さは約0.36mm~0.44mmである。
【0033】
幾つかの例示的な実施形態では、前記発光基板は、前記ベース基板から離れる側に沿って前記透光保護層において順次に設置される拡散膜、色変換膜及び輝度向上膜を更に備える。
【0034】
幾つかの例示的な実施形態では、前記発光基板は、前記ベース基板に設置されるパッドピン及び光反射層を更に備え、前記光反射層は前記保持壁の前記ベース基板に近い側に位置し、且つ前記光反射層は前記パッドピンの少なくとも一部を露出させ、前記パッドピンは前記発光ダイオードに接続される。
【0035】
幾つかの例示的な実施形態では、前記光反射層の材料はホワイトインクを含む。
【0036】
幾つかの例示的な実施形態では、発光基板に垂直する平面内において、前記光反射層のエッジと、隣接する発光ダイオードのエッジとの間には間隔がある。
【0037】
幾つかの例示的な実施形態では、前記発光基板は駆動回路を更に備え、前記駆動回路はサイズがミクロンスケールのマイクロ集積回路であり、又は薄膜トランジスタを含む画素回路である。
【0038】
幾つかの例示的な実施形態では、前記駆動回路は透光保護層により覆われる。
【0039】
幾つかの例示的な実施形態では、前記発光ダイオードのエッジと保持壁との最小距離は、前記光反射層の前記パッドピンに近い境界と保持壁との最小距離より大きい。
【0040】
幾つかの例示的な実施形態では、前記透光保護層の厚さが小さいサブ領域は前記パッドピンの所在する領域である。
【0041】
他の態様では、本開示の実施例は表示装置を提供し、上記の発光基板を備える。
【0042】
他の態様では、本開示の実施例は上記の発光基板の製造のための発光基板の製造方法を提供し、該方法は、ベース基板に複数の発光ダイオードを配列することと、前記ベース基板において、複数の区画を区分する保持壁を形成し、少なくとも1つの区画に少なくとも1つの発光ダイオードが設置されることと、を含む。
【0043】
幾つかの例示的な実施形態では、前記製造方法は、前記複数の発光ダイオードを覆う透光保護層を形成し、前記透光保護層の前記ベース基板から離れる第1表面に複数の凹面構造を形成することを更に含む。
【0044】
幾つかの例示的な実施形態では、前記製造方法は、前記ベース基板にパッドピン及び光反射層を順次に形成することを更に含み、前記光反射層は前記保持壁の前記ベース基板に近い側に位置し、且つ前記光反射層は前記パッドピンの少なくとも一部を露出させ、前記パッドピンは前記発光ダイオードに接続される。
【0045】
図面及び詳細の説明を読んで理解した後、他の態様を把握できる。
【0046】
図面は本開示の技術案に対する理解を提供するためのものであって、明細書の一部となり、本開示の実施例とともに本開示の技術案を解釈するためのものであり、本開示の技術案を制限するためのものではない。図面における1つ又は複数の部品の形状とサイズは、実際の比例を反映せず、本開示の内容を模式的に説明するためのものである。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1A図1Aは本開示の少なくとも1つの実施例による発光基板の平面模式図である。
図1B図1Bは本開示の少なくとも1つの実施例による発光基板の平面模式図である。
図2図2は本開示の少なくとも1つの実施例による発光基板の局部断面模式図である。
図3図3は本開示の少なくとも1つの実施例による光線伝送模式図である。
図4図4は本開示の少なくとも1つの実施例による発光基板の製造過程模式図である。
図5図5は本開示の少なくとも1つの実施例による発光基板の局部断面模式図である。
図6A図6Aは発光基板の構造模式図である。
図6B図6B図6Aに示す発光基板の均一な光の効果のシミュレーション模式図である。
図7図7は本開示の少なくとも1つの実施例による発光基板の均一な光の効果のシミュレーション模式図である。
図8図8は本開示の少なくとも1つの実施例による表示装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、図面を参照しながら本開示の実施例を詳しく説明する。実施形態は多くの異なる形態により実施され得る。当業者が容易に理解できるように、方式と内容は本開示の要旨及び範囲を逸脱しない条件で1種又は複数種の形態に変換され得る。従って、本開示は下記実施形態の記載のみに限定されるものと解釈されるべきではない。衝突がない場合、本開示の実施例及び実施例の特徴を互いに組み合わせることができる。
【0049】
図面では、明確のために、1つ又は複数の構成要素のサイズ、層の厚さ又は領域を拡大して示す場合がある。従って、本開示の一形態は該サイズに限定されず、図面における1つ又は複数の部品の形状とサイズは実際の比例を反映しない。また、図面では理想的な例示を模式的に示し、本開示の一形態は図面に示す形状又は数値等に限定されない。
【0050】
本開示における「第1」、「第2」、「第3」等の序数詞は構成要素の混乱を避けるためのものであり、数量の面で限定するものではない。本開示における「複数」の用語は、2つ以上の数量を示す。
【0051】
本開示において、便利のために、「中部」、「上」、「下」、「前」、「後」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」等の方位又は位置関係を示す用語により、図面を参照して構成要素の位置を説明するが、これは本明細書を説明し及び説明を簡素化するためのものであり、説明された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成及び操作しなければならないことを指示又は示唆するためのものではない。従って、本開示を制限するためのものではない。構成要素の位置関係は構成要素を説明する方向に応じて適当に変更する。従って、明細書に説明する用語に限らず、場合によっては適当に変更できる。
【0052】
本開示において、明確な規定と限定がない限り、「取り付く」、「連結」、「接続」の用語は広義的に理解されるべきである。例えば、固定接続、又は取り外す可能な接続、又は一体化接続であってもよい。機械的接続、又は電気的接続であってもよい。直接接続、又はリンカーを介する間接接続、又は2つの素子の内部連通であってもよい。当業者は、具体的な状況に応じて上記用語の本開示での意味を理解することができる。「電気的接続」は構成要素が或る電気的作用を有する素子を介して接続される場合を含む。「或る電気的作用を有する素子」は特に制限されず、接続される構成要素間での電気信号の伝送を行えればよい。「或る電気的作用を有する素子」の例は、電極と配線だけでなく、トランジスタ等のスイッチ素子、抵抗器、インダクタ、コンデンサ、及び他の1種又は複数種の機能を備える素子等も含む。
【0053】
本開示では、「平行」とは2本の直線からなる角度が-10°以上10°以下である状態を指すため、該角度が-5°以上5°以下である状態を含み得る。また、「垂直」とは2本の直線からなる角度が80°以上100°以下である状態を指すため、85°以上95°以下の角度の状態を含み得る。
【0054】
本開示では、「膜」と「層」は互いに交換可能である。例えば、「導電層」は「導電膜」に変更され得る場合がある。同様に、「絶縁膜」は「絶縁層」に変更され得る場合もある。
【0055】
本開示における「約」、「ほぼ」とは境界を厳密に限定せず、プロセスと測定の誤差範囲内を許容する場合を指す。
【0056】
本開示の少なくと1つの実施例は発光基板を提供し、ベース基板、ベース基板上に設置される保持壁、及び複数の発光ダイオードを備える。保持壁はベース基板において複数の区画を区分し、少なくとも1つの区画には少なくとも1つの発光ダイオードが設置される。
【0057】
本実施例による発光基板は、保持壁によりベース基板上に複数の区画を区分し、複数の発光ダイオードを区分して隔離し、それにより区画間の光線クロストークを低減し、ハロー(Halo)現象を軽減し、好適な均一な光の効果を達成する。
【0058】
幾つかの例示的な実施形態では、発光ダイオードはマイクロ発光ダイオード(LED)であってもよい。マイクロLEDはマイクロ型発光ダイオード(Micro LED、Micro Light Emitting Diode)とミニ発光ダイオード(Mini LED、Mini Light Emitting Diode)を含み得る。ただし、本実施例はそれを限定しない。
【0059】
幾つかの例示的な実施形態では、本実施例による発光基板は表示装置のバックライトとしてもよい。発光ダイオードがマイクロLEDである場合を例として、マイクロLEDはサイズが小さく、輝度が高い等の利点を有するため、マイクロLEDバックライトを利用したディスプレイ製品の画面コントラスト比は、有機発光ダイオード(OLED、Organic Light-Emitting Diode)ディスプレイ製品のレベルに達することができ、製品に液晶ディスプレイ(LCD、Liquid Crystal Display)の技術的利点を維持させ、更に画面の表示効果を向上させ、より優れた視覚体験をユーザーに提供することができる。
【0060】
幾つかの例示的な実施形態では、保持壁の、ベース基板の所在する平面に平行する2つの断面のうち、ベース基板に近い断面の面積はベース基板から離れる断面の面積より大きい。本例示では、保持壁の、ベース基板の所在する平面に平行する断面の面積は、ベース基板から離れる方向に沿って次第に小さくなってもよい。ただし、本実施例はそれを限定しない。
【0061】
幾つかの例示的な実施形態では、保持壁の材料は光反射材料を含んでもよい。例えば、保持壁の材料は反射率が95%以上のホワイトグルーであってもよい。高反射率材料で保持壁を製造することにより、発光基板の光利用率を向上させることができる。ただし、本実施例はそれを限定しない。
【0062】
幾つかの例示的な実施形態では、保持壁は、水平方向に沿って延出する複数の長尺状構造、垂直方向に沿って延出する複数の長尺状構造のうちの少なくと1つを含み得る。幾つかの例示では、水平方向に沿って延出する複数の長尺状構造、及び垂直方向に沿って延出する複数の長尺状構造は一体化に接続されて、連続構造を形成してもよく、又は、異なる方向に沿って延出する長尺状構造は連続しなくてもよい。本実施例はそれを限定しない。
【0063】
幾つかの例示的な実施形態では、保持壁はメッシュ構造であり、メッシュ構造は少なくとも1つのグリッドを含む。少なくとも1つのグリッドは少なくとも1つの発光ダイオードを取り囲んでもよい。例えば、少なくとも1つのグリッドは複数の隣接する発光ダイオードを取り囲む。例えば、各グリッドはマトリックスのように設置される4つの発光ダイオードを取り囲んでもよい。又は、異なるグリッドに囲まれる発光ダイオードの数は異なってもよい。本例示では、1つのグリッドは1つの区画としてもよい。ただし、本実施例はそれを限定しない。例えば、保持壁は連続しない複数の長尺状構造を含み得る。
【0064】
幾つかの例示的な実施形態では、2つの隣接する発光ダイオードの発光面の中心線は第1平面内に位置し、且つ第1平面はベース基板の所在する平面に垂直するようにしてもよい。幾つかの例示では、前記2つの隣接する発光ダイオードの間には単一方向に沿って延出する保持壁が設置される。幾つかの例示では、1つの発光ダイオードの発光面は、該発光ダイオードの幾何学的中心及びベース基板の所在する平面の法線を通過する平面であってもよい。任意の発光ダイオードの発光面の中心線は、該発光ダイオードの幾何学的中心を通過し、且つベース基板の所在する平面に垂直する。第1平面に平行し且つ発光ダイオードの発光面の中心線と交差する方向は第1方向であってもよく、例えば、第1方向は第1平面内に位置し且つベース基板の所在する平面に平行する。第1平面に平行し且つ第1方向と交差する方向は第2方向であってもよく、例えば、第2方向は第1平面内に位置し且つ第1方向に垂直する。幾つかの例示では、第1方向と第2方向はいずれも第1平面内に位置し、第2方向は発光ダイオードの発光面の中心線に平行してもよく、第1方向は発光ダイオードの発光面の中心線に垂直する。ただし、本実施例はそれを限定しない。
【0065】
幾つかの例示的な実施形態では、第1平面内において、2つの隣接する発光ダイオードの第1方向での隣接するエッジの間の距離と、保持壁の第1方向での最大長さとの比は約4.0~5.5であり、例えば、約4.5であってもよい。本例示では、保持壁の第1方向での最大長さは、2つの隣接する発光ダイオードの間の、単一方向に沿って延出する保持壁の第1平面内におけるベース基板での正投影の長さである。第1平面はベース基板の所在する平面に垂直し、且つ2つの隣接する発光ダイオードの発光面の中心線を通過し、そして、前記2つの隣接する発光ダイオードの間には単一方向に沿って延出する保持壁が設置される。第1方向は第1平面に平行し且つ発光ダイオードの発光面の中心線と交差する。例えば、第1方向は発光ダイオードの発光面の中心線に垂直する。
【0066】
幾つかの例示的な実施形態では、第1平面内において、保持壁の第2方向での最大長さと、保持壁の第1方向での最大長さとの比は約0.5~0.8であり、例えば、約0.625である。第2方向は第1平面に平行し且つ第1方向と交差する。例えば、第2方向は第1方向に垂直する。
【0067】
幾つかの例示的な実施形態では、発光基板は透光保護層を更に備えてもよい。透光保護層は複数の発光ダイオードを覆う。本例示では、透光保護層で発光ダイオードを覆うことにより、発光ダイオードの保護とパッケージングを実現する。
【0068】
幾つかの例示的な実施形態では、透光保護層の各区画の幾何学的中心部分に対応する厚さは、前記透光保護層の他の領域に対応する厚さより大きい。例えば、保持壁により規定された複数の区画では、各区画において透明シリカゲルを滴下してから、レベリング硬化を行うことにより透光保護層を製作する。透明シリカゲルは有機材料であり、且つ滴下の方式を採用するため、通常、最終的に透光保護層の滴下位置(一般的には区画の幾何学的中心のところ)での厚さは他の位置よりやや大きい。
【0069】
幾つかの例示的な実施形態では、透光保護層はベース基板から離れる第1表面を有し、第1表面は複数の凹面構造を有する。本例示では、透光保護層の第1表面に複数の凹面構造を形成することにより、発光ダイオードからの光線経路を変更して、均一な光の効果を向上させることができる。
【0070】
幾つかの例示的な実施形態では、複数の凹面構造は複数の発光ダイオードのうちのそれぞれに一対一に対応し、1つの凹面構造のベース基板での正投影は1つの発光ダイオードのベース基板での正投影を含む。
【0071】
幾つかの例示的な実施形態では、凹面構造の形状は半球形であり、発光ダイオードの発光面の中心は半球形の中軸線に位置する。ただし、本実施例はそれを限定しない。例えば、発光ダイオードの発光面の中心と半球形の中軸線との間にはズレが存在してもよい。
【0072】
幾つかの例示的な実施形態では、透光保護層のベース基板での正投影と保持壁のベース基板での正投影は部分的に重なる。ただし、本実施例はそれを限定しない。
【0073】
幾つかの例示的な実施形態では、透光保護層の最大厚さは保持壁の最大厚さ以下であってもよく、厚さはベース基板から離れる側の表面とベース基板に近い側の表面との距離である。透光保護層の区画での最大厚さと保持壁の最大厚さとの間には高さの差が存在してもよい。
【0074】
幾つかの例示的な実施形態では、発光基板は、ベース基板から離れる側に沿って透光保護層において順次に設置される拡散膜、色変換膜及び輝度向上膜を更に備えてもよい。ただし、本実施例はそれを限定しない。
【0075】
幾つかの例示的な実施形態では、発光基板はベース基板に設置される光反射層及びパッドピンを更に備えてもよい。光反射層は保持壁のベース基板に近い側に位置し、且つ光反射層はパッドピンの少なくとも一部を露出させる。パッドピンは発光ダイオードに接続される。幾つかの例示では、光反射層はパッドピンの全体を露出させてもよく、又はパッドピンの一部を露出させてもよく、発光ダイオードとパッドピンとの電気的接続を実現できればよい。それにより、ベース基板に設置される駆動回路はパッドピンを介して発光ダイオードに電気的に接続されて、発光素子の発光の駆動を実現することができる。
【0076】
幾つかの例示では、光反射層の材料はホワイトインクを含み得ており、例えば、熱硬化性インクであってもよく、又は光硬化性インクであってもよい。ただし、本実施例はそれを限定しない。
【0077】
幾つかの例示的な実施形態では、発光基板に垂直する平面内において、光反射層のエッジと、隣接する発光ダイオードのエッジとの間には間隔がある。例えば、光反射層のエッジと、隣接する発光ダイオードのエッジとの距離は約150ミクロンであってもよい。
【0078】
以下、幾つかの例示により、例を挙げて本実施例の方案を説明する。
【0079】
図1A図1Bは本開示の少なくとも1つの実施例による発光基板の平面模式図である。図2は本開示の少なくとも1つの実施例による発光基板の局部断面模式図である。図2図1AにおけるP-P方向に沿う局部断面模式図である。図2には第1平面の断面模式図を示す。第1平面はベース基板10の所在する平面に垂直し、且つ2つの隣接する発光ダイオード11の発光面の中心線を通過する。本例示では、第1平面は発光ダイオードアレイの行方向に平行する。ただし、本実施例はそれを限定しない。例えば、第1平面は発光ダイオードアレイの列方向に平行してもよい。幾つかの例示では、発光ダイオード11は直方体であってもよく、発光ダイオード11の発光面の中心線はベース基板10の所在する平面に垂直する。発光ダイオード11の発光面は、該発光ダイオード11の幾何学的中心及びベース基板10の所在する平面の法線を通過する平面であってもよい。発光ダイオード11の発光面の中心線は、該発光ダイオード11の幾何学的中心を通過し、且つベース基板10の所在する平面の法線に平行してもよい(即ち、該発光ダイオード11の幾何学的中心を通過し、且つベース基板10の所在する平面に垂直する)。
【0080】
幾つかの例示的な実施形態では、図1A図1B及び図2に示すように、本実施例による発光基板は、ベース基板10、ベース基板10上に設置される保持壁12、及び複数の発光ダイオード11を備える。保持壁12及び複数の発光ダイオード11はベース基板10の同一側に位置する。図1A図1Bには若干の発光ダイオード11のみを示すが、本実施例では発光基板に含まれる発光ダイオード11の数を限定しない。
【0081】
幾つかの例示的な実施形態では、図1A図1Bに示すように、発光基板に平行する平面内において、ベース基板10は発光エリアA1とバインディングエリアA2を含み得る。バインディングエリアA2は発光エリアA1の一側に位置してもよい。ただし、本実施例はそれを限定しない。例えば、バインディングエリアA2は発光エリアA1の複数側に位置してもよい。ベース基板10の発光エリアA1は複数の駆動回路を含む。駆動回路は発光ダイオード11に接続され、発光ダイオード11の発光輝度を制御するように設定される。幾つかの例示では、駆動回路はサイズがミクロンスケールのマイクロ集積回路(micro IC、micro Integrated Circuit)であってもよく、又は薄膜トランジスタ(TFT、Thin film transistor)を含む画素回路であってもよい。バインディングエリアA2は複数本のリード32及びバインディングパッドエリア31を含み得る。少なくとも1本のリード32の一端は発光エリアA1の駆動回路に接続され、他端はバインディングパッドエリア31におけるバインディングパッドに接続される。例えば、バインディングパッドはフレキシブルプリント回路基板(FPC、Flexible Printed Circuit)を介して外部制御回路に接続されるように設定されてもよく、外部制御回路は発光ダイオード11への信号供給を制御して、発光ダイオード11の発光を実現する。幾つかの例示では、発光エリアA1の形状は需要に応じて設定されてもよく、例えば、発光エリアA1の輪郭は矩形であってもよい。ただし、本実施例はそれを限定しない。
【0082】
幾つかの例示的な実施形態では、ベース基板10はベース及び駆動回路層を含む。駆動回路層はベース基板10の発光エリアに位置する。ベースは硬質ベース(例えば、硝子、石英)又はフレキシブルベース(例えば、ポリイミド(PI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のフレキシブル材料)であってもよい。駆動回路層はアレイに配列される複数の駆動回路を含み得る。
【0083】
幾つかの例示的な実施形態では、ベース基板10はプリント回路基板であってもよい。ただし、本実施例はそれを限定しない。
【0084】
幾つかの例示的な実施形態では、発光基板に含まれる各発光ダイオード11の発光輝度は、ベース基板10における駆動回路により制御され得る。幾つかの例示では、発光基板はパッシブディスプレイパネルの光源として、発光基板を適用した表示装置のコントラスト比を向上させるようにしてもよい。
【0085】
幾つかの例示的な実施形態では、複数の発光ダイオード11はベース基板10の発光エリアA1に規則的に配列され得る。図1A図1Bに示すように、複数の発光ダイオード11はアレイのように発光エリアA1に配列される。図1A図1Bにおいて、水平方向Xは発光ダイオードアレイの行方向であってもよく、垂直方向Yは発光ダイオードアレイの列方向であってもよい。水平方向Xは垂直方向Yに垂直する。複数の発光ダイオード11はベース基板10における駆動回路に接続され得る。例えば、複数の発光ダイオード11は複数の駆動回路のうちのそれぞれに一対一に接続される。
【0086】
幾つかの例示的な実施形態では、図2に示すように、ベース基板10の表面には光反射層14が設置される。例示的に、光反射層14はホワイトインクの塗布により形成され得る。例えば、ホワイトインクは熱硬化性インクであってもよく、又は光硬化性インクであってもよい。光反射層14は発光ダイオード11の接続対象である駆動回路のパッドピンを露出させて、駆動回路と発光ダイオード11との電気的接続を実現するようにしてもよい。本例示では、光反射層14はベース基板10における、発光ダイオード11の接続対象である位置以外の領域を覆うことができる。光反射層14はベース基板10から離れる側に向かって光線を反射させて、光の利用率を向上させることができる。幾つかの例示では、発光基板に垂直する平面内において、光反射層14のエッジと、隣接する発光ダイオード11のエッジとの距離は約150ミクロンであってもよい。ただし、本実施例はそれを限定しない。
【0087】
幾つかの例示的な実施形態では、発光ダイオード11の発光方向はベース基板10から離れる側に向かう。例えば、発光ダイオード11は青色光を発光する無機発光ダイオードであってもよく、該無機発光ダイオードのサイズは500ミクロン(um)より小さくてもよく、例えば、サイズは80um~300umほどであってもよい。理解できるように、図面には区別して示さないが、発光ダイオード11は半導体材料積層からなる発光構造と電極ピンを含む。
【0088】
各発光ダイオード11は1つの点光源としてもよく、複数行と複数列に配列される発光ダイオード11は面光源を形成する。ただし、本実施例はそれを限定しない。例えば、発光ダイオード11の表面には発光側に設置される光変換材料層、例えば蛍光粉末層又は量子ドット膜層が更に含まれてもよい。蛍光粉末層における蛍光粉末材料、又は量子ドット膜層における量子ドット材料は青色光に励起されて、他の色の光(例えば、白色光)を発光することができる。
【0089】
幾つかの例示的な実施形態では、保持壁12は発光基板の発光エリアA1を複数の区画に区分し、各区画内に少なくとも1つの発光ダイオード11が設置されてもよい。図1Aに示すように、ベース基板10の発光エリアA1にはアレイに配列される複数の発光ダイオード11が設置され、保持壁12により区分された各区画内には2*2アレイに配列される4つの発光ダイオード11が設置され得る。図1Bに示すように、ベース基板10の発光エリアA1にはアレイに配列される複数の発光ダイオード11が設置され、保持壁12により区分された各区画内には1つの発光ダイオード11が設置され得る。本例示では、保持壁12により区分された複数の区画内には同一数の発光ダイオード11が配列される。ただし、本実施例はそれを限定しない。例えば、保持壁12により区分された複数の区画内に設置される発光ダイオード11の数は異なってもよい。又は、保持壁12により区分された複数の区画内に設置される発光ダイオードは非アレイに配列されてもよく、非アレイ配列は意図的な設置、又はプロセスのズレによるものであってもよい。
【0090】
幾つかの例示的な実施形態では、保持壁12の材料は光反射材料を含む。本例示による保持壁12は光線反射作用を有し、光の利用率を向上させるようにしてもよい。ただし、本実施例はそれを限定しない。
【0091】
幾つかの例示的な実施形態では、図1A図1Bに示すように、保持壁12はメッシュ構造であり、メッシュ構造は少なくとも1つのグリッドを含むようにしてもよい。本例示では、1つのグリッドは1つの区画である。各グリッドに囲まれる発光ダイオード11の数は限定されず、例えば、少なくとも1つのグリッドは隣接する4つの発光ダイオード11、又は1つの発光ダイオード11を取り囲む。幾つかの例示では、保持壁12は、水平方向Xに沿って延出する複数の長尺状構造を含んでもよく、又は、垂直方向Yに沿って延出する複数の長尺状構造を含んでもよい。
【0092】
幾つかの例示的な実施形態では、図1A図1Bに示すように、各区画における発光ダイオード11は保持壁12に囲まれる。ただし、本実施例はそれを限定しない。例えば、保持壁12は少なくとも1つの発光ダイオード11を部分的に囲んで区画を形成するようにしてもよい。
【0093】
各区画における発光ダイオードは規則的に配列され、又は、配列位置はプロセスのズレにより不規則的なものであってもよい。例えば、区画における複数の発光ダイオードは水平方向(又は垂直方向)において揃っていなく、幾つかのズレが存在する。幾つかの例示では、単一方向に沿って延出する保持壁(例えば、水平方向に沿って延出する長尺状構造又は垂直方向に沿って延出する長尺状構造)の両側にそれぞれ位置する最も隣接する2つの発光ダイオードの発光面を通過する中心線の所在する平面を第1平面として定義し、且つ該第1平面はベース基板の所在する平面に垂直するようにしてもよい。第1平面内において、該単一方向に沿って延出する長尺状構造のベース基板での正投影の長さは、上記の保持壁の第1方向に沿う最大長さである。単一方向に沿って延出する保持壁の両側にそれぞれ位置する最も隣接する2つの発光ダイオードとは、該2つの発光ダイオードの幾何学的中心を連結して得られる線分において、3つ目の発光ダイオードが存在せず、且つ該線分が上記の単一方向に沿って延出する長尺状構造のみと交差することを指す。幾つかの実現形態では、保持壁は塗布又はプリントの方式で製造され得る。例えば、まず水平方向に沿って延出し且つ互いに平行する複数本の長尺状構造を製造し、それから垂直方向に沿って延出し且つ互いに平行する複数本の長尺状構造を製造する。理解できるように、水平方向に沿って延出し且つ互いに平行する長尺状構造と、垂直方向に沿って延出し且つ互いに平行する複数本の長尺状構造とは、重なる領域が存在するため、製造過程において、プロセスの簡素化及び時間の短縮のために、水平方向に沿って延出する長尺状構造及び/又は垂直方向に沿って延出する長尺状構造の、重なる領域での形態及び重ならない領域での形態には差異が存在する。例えば、重なる領域のベース基板に垂直する方向での厚さは、重ならない領域のベース基板に垂直する方向での厚さよりやや大きく、重なる領域の第1方向での長さは、重ならない領域の第1方向での長さより大きい。
【0094】
幾つかの例示的な実施形態では、保持壁12の、ベース基板10の所在する平面に平行する2つの断面のうち、ベース基板10に近い断面の面積はベース基板10から離れる断面の面積より大きい。図2に示すように、第1平面内において、保持壁12の第1方向に沿う長さはベース基板10から、ベース基板10から離れる側に向かって次第に小さくなる。第1方向は第1平面に平行し且つ発光ダイオード11の発光面の中心線に垂直し、第1方向は保持壁12の延出方向に垂直してもよい。本例示では、第1方向は水平方向Xに平行する。例えば、第1平面内において、保持壁12のベース基板10から離れる側の表面は円弧面であってもよい。図2に示すように、保持壁12の第1平面での断面形状は半円形であってもよい。保持壁12の隣接する発光ダイオード11に近い側面は弧面であってもよい。ただし、本実施例はそれを限定しない。例えば、保持壁12の第1平面での断面形状は台形であってもよい。保持壁12の隣接する発光ダイオード11に近い側面は斜面であってもよい。
【0095】
幾つかの例示的な実施形態では、図2に示すように、第1平面内において、2つの隣接する発光ダイオード11の第1方向での隣接するエッジの間の距離はW3であり、保持壁12の第1方向での最大長さ(即ち、2つの隣接する発光ダイオード12の間に位置する長尺状構造の、第1平面内におけるベース基板10での正投影の長さ)はW1であり、保持壁12の第2方向Zでの最大長さはH1である。第2方向Zと第1方向は同一平面に位置し、且つ第1方向に垂直する。本例示では、第2方向Zはベース基板10に垂直する方向である。アレイに配列される複数の発光ダイオード11のうちの任意の2つの隣接する発光ダイオードの、第1方向での隣接するエッジの間の距離はいずれもほぼ同じである。ただし、本実施例はそれを限定しない。
【0096】
幾つかの例示では、W3とW1との比は約4.0~5.5、例えば約4.5であってもよく、H1とW1との比は約0.5~0.8、例えば約0.625であってもよい。本例示による発光基板の保持壁のサイズは好適な均一な光の効果を達成することができる。ただし、本実施例はそれを限定しない。
【0097】
幾つかの例示的な実施形態では、図2に示すように、第1平面内において、保持壁12の第1方向に沿う最大長さW1は約0.72mm~0.88mm、例えば約0.8mmであってもよい。保持壁12の第2方向Zに沿う最大長さH1は約0.45mm~0.55mm、例えば約0.5mmであってもよい。本例示による発光基板の保持壁のサイズは好適な均一な光の効果を達成することができる。ただし、本実施例はそれを限定しない。
【0098】
幾つかの例示的な実施形態では、図1A図1B及び図2に示すように、複数の発光ダイオード11上は透光保護層13により覆われる。幾つかの例示では、透光保護層13のベース基板10での正投影と保持壁12のベース基板10での正投影は部分的に重なる。例えば、透光保護層13は保持壁12により区分された区画内に位置して、区画内の少なくとも1つの発光ダイオード11(例えば、4つの発光ダイオード11)を覆うようにしてもよい。図2に示すように、第1平面内において、保持壁12の最大厚さは第2方向Zでの最大長さH1である。透光保護層13の最大厚さH2は保持壁12の最大厚さH1より小さい。本開示では、厚さはベース基板10から離れる側の表面とベース基板10に近い側の表面との距離である。他の例示では、透光保護層13の最大厚さH2は保持壁12の最大厚さH1に等しくてもよい。ただし、本実施例はそれを限定しない。
【0099】
幾つかの例示的な実施形態では、図2に示すように、透光保護層13はベース基板10から離れる第1表面130を有し、第1表面130は複数の凹面構造131を有する。図1A図1Bに示すように、複数の凹面構造131は複数の発光ダイオード11のうちのそれぞれに一対一に対応する。即ち、1つの凹面構造131は1つの発光ダイオード11に対応する。1つの凹面構造131のベース基板10での正投影は1つの発光ダイオード11のベース基板10での正投影を含む。幾つかの例示では、発光ダイオード11のベース基板10での正投影は矩形であってもよく、凹面構造131のベース基板10での正投影は円形であってもよい。ただし、本実施例はそれを限定しない。例えば、発光ダイオード11と凹面構造131とのベース基板10での正投影は同じ形状であってもよい。
【0100】
幾つかの例示的な実施形態では、図2に示すように、第1平面内において、凹面構造131の表面は円弧面であってもよい。例えば、凹面構造131の形状は半球形であってもよく、且つ発光ダイオード11の発光面の中心は半球形の中軸線に位置してもよい。ただし、本実施例はそれを限定しない。例えば、発光ダイオード11の発光面の中心と半球形の中軸線との間にはズレが存在してもよい。
【0101】
幾つかの例示的な実施形態では、図2に示すように、第1平面内において、凹面構造131の第1方向に沿う長さ(即ち、第1平面内の凹面構造131のベース基板での正投影の長さ)W2は約0.72mm~0.88mmであってもよく、例えば約0.8mmであってもよい。透光保護層13の最大厚さH2は約0.36mm~0.44mmであってもよく、例えば約0.4mmであってもよい。透光保護層13の第1表面130の凹面構造131以外の平面と、発光ダイオード11のベース基板10から離れる表面との距離H3は約0.144mm~0.176mm、例えば約0.16mmである。凹面構造131と発光ダイオード11との間には間隔がある。凹面構造131の第2方向Zでの底面と発光ダイオード11との間には間隔があり、直接に接触しない。本例示による発光基板の透光保護層は発光ダイオードを保護するとともに、好適な均一な光の効果を達成することができる。
【0102】
図3は本開示の少なくとも1つの実施例による光線伝送模式図である。幾つかの例示的な実施形態では、図3に示すように、発光ダイオード11からの光線の一部は透光保護層13の凹面構造131により屈折した後に続いて伝送する。一部の光線は透光保護層13を通過して保持壁12に伝送し、保持壁12により反射した後に透光保護層13から射出し、又は光反射層14により反射した後に続いて伝送する。図3に示すように、透光保護層13の凹面構造131により、発光ダイオード11からの光線経路を変更して(例えば、光線を拡散して伝送する)、より良い均一な光の効果を達成することができる。幾つかの例示では、透光保護層13の屈折率は約1.4~1.6であってもよく、例えば約1.5~1.53であってもよい。ただし、本実施例はそれを限定しない。
【0103】
幾つかの例示的な実施形態では、図2に示すように、発光基板は、透光保護層13のベース基板10から離れる側に位置し且つベース基板10から離れる方向に沿って順次に設置される拡散膜15、色変換膜16及び輝度向上膜17を更に備える。色変換膜16は拡散膜15と輝度向上膜17との間に位置する。本例示では、拡散膜15は均一な光の作用を果し、規則的に配列される発光ダイオード11によるライトスポットを遮断して、発光基板の表面の輝度を全体的に均一化することができる。色変換膜16は発光ダイオード11からの青色光を白色光に変換することができる。例えば、色変換膜は量子ドット(QD、Quantum Dots)膜であってもよい。輝度向上膜17は光の均一化後のバックライト輝度を向上させることができる。例えば、輝度向上膜17は、プリズム膜(BEF、Brightness Enhancement Film)及び反射型偏光輝度向上膜(DBEF、Dual Brightness Enhancement Film)のうちの少なくとも1つを含み得る。ただし、本実施例はそれを限定しない。幾つかの例示では、発光ダイオードが白色光を発光する場合、色変換膜は設置されなくてもよい。
【0104】
以下では発光基板の製造過程により例示的に説明する。本開示の例示的な実施例では、「Aの正投影がBの正投影を含む」こととは、Bの正投影の境界がAの正投影の境界範囲内にあること、又はAの正投影の境界がBの正投影の境界と重なることを指す。
【0105】
幾つかの例示的な実施形態では、図4図5に示すように、発光基板の製造過程は下記操作を含み得る。
【0106】
(1)ベース基板の製造
幾つかの例示的な実施形態では、ベース101を提供し、ベース101に駆動回路層102を形成し、それから駆動回路層101にホワイトインクを塗布して光反射層14を形成する。駆動回路層102は複数の駆動回路及び複数のパッドピン103を含み得る。駆動回路はパッドピン103を介して発光ダイオード11に電気的接続され得る。幾つかの例示では、ベース101は硬質ベース又はフレキシブルベースであってもよい。幾つかの例示では、塗布プロセスにより、隣接する2つの発光ダイオード11の間のベース基板10に光反射層14を形成して、発光ダイオード11の電極ピンの接続対象であるパッドピン103を露出させるようにしてもよい。幾つかの例示では、光反射層14はパッドピン103の全体を露出させてもよく、又はパッドピン103の少なくとも一部を露出させてもよい。本例示的な実施形態では、ベース基板10に光反射層14を形成することにより、発光ダイオード11の光利用率を向上させて、発光基板の輝度を高めることができる。また、輝度要求が一定である場合、低輝度の発光ダイオードを選択でき、発光基板の消費電力を低減できる。
【0107】
(2)複数の発光ダイオードのベース基板への転写印刷
幾つかの例示的な実施形態では、大量転送技術により、無機発光ダイオードをベース基板10に大量に転移することができる。幾つかの例示では、無機発光ダイオードの電極ピンは半田、シルバーグルー等の導電物質を介して、ベース基板10における光反射層14により露出したパッドピン103に結合することができる。
【0108】
幾つかの例示では、ベース基板10に設置される各発光ダイオード11は1つの点光源と見なされてもよい。ベース基板10に設置される複数行と複数列に配列される複数の発光ダイオード11は面光源を形成することができる。
【0109】
(3)保持壁の形成
幾つかの例示的な実施形態では、ディスペンシング又はプリントのプロセスにより、ベース基板10に保持壁12を形成することができる。幾つかの例示では、保持壁12の材料は高反射率(例えば、反射率が95%より大きい)のグルー材料、例えば有機シリカゲル、エポキシー及びアクリル酸類等を採用してもよい。ただし、本実施例はそれを限定しない。
【0110】
(4)透光保護層の形成
幾つかの例示的な実施形態では、ディスペンシング又は注ぎ込みのプロセスにより、保持壁12により区分された区画内に透光保護層13を形成する。透光保護層13は発光ダイオード11を覆って、発光ダイオード11を保護し、発光ダイオード11が擦られることを防止する。透光保護層13は駆動回路層102を覆ってもよい。透光保護層13の最大厚さは保持壁12の最大厚さより小さくてもよい。
【0111】
幾つかの例示では、保持壁12により規定された複数の区画では、各区画において透明シリカゲルを滴下して、レベリング硬化後に透光保護層13を得る。透明シリカゲルは有機材料であり、且つ滴下の方式を採用するため、透光保護層13の滴下位置(例えば、区画の幾何学的中心のところ)での厚さは他の位置での厚さよりやや大きい。
【0112】
幾つかの例示的な実施形態では、成形プレス、転写印刷、パンチプレス等により、透光保護層13のベース基板10から離れる第1表面130に複数の凹面構造131を形成することにより、発光ダイオード11からの光線経路を変更して、より良い均一な光の効果を達成するようにしてもよい。幾つかの例示では、凹面構造131の形状は半球形であってもよい。ただし、本実施例はそれを限定しない。
【0113】
幾つかの例示的な実施形態では、透光保護層13は有機シリカゲル、エポキシー及びアクリル酸類等の材料を採用してもよい。透光保護層13の透光率は99%に達することができる。
【0114】
(5)拡散膜、色変換膜及び輝度向上膜の順次設置
幾つかの例示的な実施形態では、透光保護層13のベース基板10から離れる側に拡散膜15、色変換膜16及び輝度向上膜17を順次に設置してもよい。拡散膜15、色変換膜16及び輝度向上膜17はベース基板10の発光エリアを覆うことができる。幾つかの例示では、拡散膜15は均一な光の機能を有する材料を採用して、発光ダイオード11によるライトスポットを遮断して、表面の輝度を全体的に均一化することができる。色変換膜16は発光ダイオード11からの青色光を白色光に変換することができる。輝度向上膜17は光の均一化後の輝度を向上させるためのプリズム膜であってもよい。
【0115】
本開示の例示的な実施例による発光基板の製造プロセスは、従来の製造プロセスと良く互換でき、プロセスの実現が簡単であり、実施し易く、生産効率が高く、生産コストが低く、良品率が高い。
【0116】
図6Aは関連技術における発光基板の構造模式図である。図6Aに示す発光基板は、ベース基板20、ベース基板20上に設置される複数の発光ダイオード21、複数の発光ダイオード21を覆う保護層23、保護層23のベース基板20から離れる側に順次に設置される拡散膜25、色変換膜26及び輝度向上膜27を備える。ベース基板20の表面には光反射層24が設置される。保護層23は突起した弧形表面構造を有する。図6Aに示す発光基板の発光ダイオード21は、凸面構造を有する保護層23により覆われ、且つベース基板10上には保持壁が設置されていない。図6B図6Aに示す発光基板の均一な光の効果のシミュレーション模式図である。図6Aに示す発光基板の輝度均一性は約72.5%である。
【0117】
図7は本開示の少なくとも1つの実施例による発光基板の均一な光の効果のシミュレーション模式図である。図7に示すように、本実施例による発光基板の輝度均一性は85.4%に達することができる。図6B図7を参照して分かるように、本実施例による発光基板の輝度均一性は明らかに向上し、均一な光の効果を改善できる。
【0118】
本開示の少なくとも1つの実施例は、上記実施例による発光基板を製造するための、発光基板の製造方法を更に提供する。本実施例による発光基板の製造方法は、ベース基板に複数の発光ダイオードを配列することと、ベース基板において、複数の区画を区分する保持壁を形成し、少なくとも1つの区画に少なくとも1つの発光ダイオードが設置されることと、を含む。
【0119】
幾つかの例示的な実施形態では、本実施例による製造方法は、発光ダイオードを覆う透光保護層を形成し、透光保護層のベース基板から離れる第1表面に複数の凹面構造を形成することを更に含み得る。
【0120】
幾つかの例示的な実施形態では、本実施例による製造方法は、ベース基板にパッドピン及び光反射層を順次に形成することを更に含み得る。光反射層は保持壁のベース基板に近い側に位置し、且つ光反射層はパッドピンの少なくとも一部を露出させ、パッドピンは発光ダイオードに接続される。
【0121】
本実施例による発光基板の製造方法は上記と同じであるため、ここで繰り返して説明しない。
【0122】
本開示の少なくとも1つの実施例は、上記例示的な実施例による発光基板を備える表示装置を更に提供する。
【0123】
図8は本開示の少なくとも1つの実施例による表示装置の模式図である。図8に示すように、本実施例による表示装置は発光基板1及び表示パネル2を備えてもよい。表示パネル2は発光基板1の発光側に位置する。本例示では、発光基板1は表示パネル2のダイレクトタイプバックライトとしてもよい。表示パネル2はLCD表示パネルであってもよい。
【0124】
本開示における図面は本開示に係る構造のみに関し、他の構造については通常設計を参考してもよい。衝突がない場合、本開示の実施例及び実施例の特徴を互いに組合わせて新しい実施例を取得することができる。
【0125】
当業者が理解できるように、本開示の技術方案の精神と範囲を逸脱せずに、本開示の技術方案に対して変更又は等同置換を行うことができる。それらの変更又は等同置換はいずれも本開示の請求項の範囲に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0126】
10 ベース基板
11 発光ダイオード
12 保持壁
13 透光保護層
14 光反射層
15 拡散膜
16 色変換膜
17 輝度向上膜
130 第1表面
131 凹面構造
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
【国際調査報告】