IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ビーワイディー カンパニー リミテッドの特許一覧

<>
  • 特表-電池パック及び車両 図1
  • 特表-電池パック及び車両 図2
  • 特表-電池パック及び車両 図3
  • 特表-電池パック及び車両 図4
  • 特表-電池パック及び車両 図5
  • 特表-電池パック及び車両 図6
  • 特表-電池パック及び車両 図7
  • 特表-電池パック及び車両 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-24
(54)【発明の名称】電池パック及び車両
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/204 20210101AFI20240417BHJP
   H01M 50/284 20210101ALI20240417BHJP
   H01M 50/293 20210101ALI20240417BHJP
   H01M 50/224 20210101ALI20240417BHJP
   H01M 50/271 20210101ALI20240417BHJP
   H01M 50/244 20210101ALI20240417BHJP
   H01M 50/233 20210101ALI20240417BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20240417BHJP
   H01M 10/6567 20140101ALI20240417BHJP
   H01M 10/6556 20140101ALI20240417BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20240417BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20240417BHJP
【FI】
H01M50/204 101
H01M50/284
H01M50/293
H01M50/224
H01M50/271 B
H01M50/244 A
H01M50/233
H01M50/204 401H
H01M10/613
H01M10/6567
H01M10/6556
H01M50/249
H01M10/625
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555492
(86)(22)【出願日】2022-06-17
(85)【翻訳文提出日】2023-11-20
(86)【国際出願番号】 CN2022099542
(87)【国際公開番号】W WO2023273925
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】202110731924.9
(32)【優先日】2021-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】方成
(72)【発明者】
【氏名】鄂从吉
(72)【発明者】
【氏名】彭青波
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031KK08
5H040AA32
5H040AS04
5H040AT04
5H040AY04
5H040AY08
5H040CC12
5H040CC20
5H040CC35
5H040DD08
5H040JJ03
5H040LL01
5H040NN01
5H040NN03
(57)【要約】
電池パック(100)及び車両であり、電池パック(100)は、ケース(10)と、ケース(10)内に設けられたセルと、ケース(10)内に設けられた配電箱(30)とを含み、ケース(10)は、ハウジング(11)及びカバー(12)を含み、ハウジング(11)の側部は、セルを出し入れする出し入れ口(101)を有し、カバー(12)は、ハウジング(11)の側部に設けられて出し入れ口(101)を封止し、配電箱(30)は、ハウジング(11)内の出し入れ口(101)に近接する位置にあり、配電箱(30)の金属板(31)、ハウジング(11)及びカバー(12)は、セルを完全に被覆する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース(10)と、
前記ケース(10)内に設けられたセルと、
前記ケース(10)内に設けられた配電箱(30)とを含む電池パック(100)であって、
前記ケース(10)は、ハウジング(11)及びカバー(12)を含み、前記ハウジング(11)の側部は、前記セルを出し入れする出し入れ口(101)を有し、前記カバー(12)は、前記ハウジング(11)の側部に設けられて前記出し入れ口(101)を封止し、前記配電箱(30)は、前記ハウジング(11)内の前記出し入れ口(101)に近接する位置にあり、前記配電箱(30)の金属板(31)、前記ハウジング(11)及び前記カバー(12)は、前記セルを完全に被覆する、ことを特徴とする電池パック(100)。
【請求項2】
前記ハウジング(11)の頂部の表面積及び前記ハウジング(11)の底部の表面積はいずれも、前記ハウジング(11)の側部の表面積より大きい、ことを特徴とする請求項1に記載の電池パック(100)。
【請求項3】
前記ハウジング(11)内に前記出し入れ口(101)の延在方向に沿って配列する複数のチャンバーが画定され、各前記チャンバーの開口部(102)は、前記セルが前記チャンバーに押し引きによって配置されるように、前記出し入れ口(101)と連通する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電池パック(100)。
【請求項4】
前記セルと前記チャンバーの内表面とは、密着しており、及び/又は、前記セルと前記チャンバーの内表面との間の隙間に熱伝導性構造用接着剤が充填されている、ことを特徴とする請求項3に記載の電池パック(100)。
【請求項5】
前記ハウジング(11)は、1つのエンクロージャーを含むか、或いは、
前記ハウジング(11)は、複数のエンクロージャー(111)を含み、複数の前記エンクロージャー(111)は、前記出し入れ口(101)の延在方向に沿って配列し、
各前記エンクロージャー(111)内に複数の前記チャンバーが画定される、ことを特徴とする請求項3又は4に記載の電池パック(100)。
【請求項6】
前記エンクロージャー(111)は、アルミニウム合金、ステンレス鋼又はマグネシウムアルミニウム合金で製造され、複数の前記エンクロージャー(111)は、溶接で一体につなぎ合わせられている、ことを特徴とする請求項5に記載の電池パック(100)。
【請求項7】
前記チャンバーの開口部(102)において、前記エンクロージャー(111)の底壁は、前記エンクロージャー(111)の頂壁を超え、前記ハウジング(11)は、2つの遮断板(112)をさらに含み、
前記ハウジング(11)は、1つの前記エンクロージャー(111)を含み、2つの前記遮断板(112)は、前記エンクロージャー(111)の側部に対向して設けられ、前記遮断板(112)と前記エンクロージャー(111)とは、前記出し入れ口(101)を画定し、或いは、
前記ハウジング(11)は、複数の前記エンクロージャー(111)を含み、2つの前記遮断板(112)は、最外側に位置する2つの前記エンクロージャー(111)の側部に対向して設けられ、前記遮断板(112)と複数の前記エンクロージャー(111)とは、前記出し入れ口(101)を画定する、ことを特徴とする請求項5又は6に記載の電池パック(100)。
【請求項8】
前記出し入れ口(101)の縁部の延在長さは、L1であり、前記出し入れ口(101)の長さ方向に平行な鉛直平面により切断して得られた、前記ハウジング(11)の外輪郭線の長さは、L2であり、前記L1は、前記L2以上である、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の電池パック(100)。
【請求項9】
前記出し入れ口(101)は、その位置する平面が水平面に対して傾斜するように設けられる、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の電池パック(100)。
【請求項10】
前記出し入れ口(101)が位置する平面と前記水平面との角度は、35°~75°である、ことを特徴とする請求項9に記載の電池パック(100)。
【請求項11】
前記出し入れ口(101)の縁部には、第1接続孔(1112)が設けられ、前記カバー(12)の外周縁には、第2接続孔(1201)が設けられ、前記ハウジング(11)と前記カバー(12)は、前記第1接続孔(1112)及び前記第2接続孔(1201)に挿設された締付部材により接続される、ことを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の電池パック(100)。
【請求項12】
前記カバー(12)は、前記ハウジング(11)に溶接接続される、ことを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の電池パック(100)。
【請求項13】
前記ケース(10)の外部には、間隔をおいて配置された複数の取付ホルダ(13)が設けられる、ことを特徴とする請求項1~12のいずれか一項に記載の電池パック(100)。
【請求項14】
前記ケース(10)の外部には、接地部(14)が設けられる、ことを特徴とする請求項1~13のいずれか一項に記載の電池パック(100)。
【請求項15】
前記ケース(10)は、金属材料で製造される、ことを特徴とする請求項1~14のいずれか一項に記載の電池パック(100)。
【請求項16】
前記ケース(10)の厚さは、0.5mmより大きい、ことを特徴とする請求項15に記載の電池パック(100)。
【請求項17】
前記ケース(10)は、ケース本体を含み、前記ケース本体の表面には、金属層が設けられる、ことを特徴とする請求項1~14のいずれか一項に記載の電池パック(100)。
【請求項18】
前記ケース(10)の頂部及び/又は底部に設けられた熱交換部材(40)をさらに含む、ことを特徴とする請求項1~17のいずれか一項に記載の電池パック(100)。
【請求項19】
前記熱交換部材(40)は、板状部材として形成され、前記ケース(10)の頂部及び/又は底部に敷設されるとともに、前記ケース(10)の頂部及び/又は底部の表面に密着する、ことを特徴とする請求項18に記載の電池パック(100)。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか一項に記載の電池パック(100)を含む、ことを特徴とする車両。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、出願日が2021年6月30日で、出願番号が202110731924.9で、名称が「電池パック及び車両」である中国特許出願の優先権を主張するものである。
【0002】
本願は、電池の技術分野に関し、特に、電池パック及び車両に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術には電池パックが開示されており、電池パックのケースは、ベースと、ベースの上方に覆設されたカバーとを含み、カバーは、頂板と、頂板の周方向に沿って延在した側縁材とを含み、ベースが位置する平面でのカバーの投影の形状がベースの形状とがほぼ同じであり、カバーの構造寸法が大きいため、部材が取り付けにくく、カバーとベースとを一体に接続するには大量のボルトを使用する必要があり、また、カバーとベースとの間の合わせ面が大きいため、電池パックのシール性を保証することができない。
【発明の概要】
【0004】
本願は、従来技術における技術的課題の1つを少なくとも解決しようとする。このため、本願の1つの目的は、構造が簡単で、EMC干渉耐性がより高く、信号伝送性能に優れる電池パックを提供することである。
【0005】
本願は、上記電池パックを有する車両をさらに提供する。
【0006】
本願の第1態様の実施例に係る電池パックは、ケースと、前記ケース内に設けられたセルと、前記ケース内に設けられた配電箱と、を含み、前記ケースは、ハウジング及びカバーを含み、前記ハウジングの側部は、前記セルを出し入れする出し入れ口を有し、前記カバーは、前記ハウジングの側部に設けられて前記出し入れ口を封止し、前記配電箱は、前記ハウジング内の前記出し入れ口に近接する位置にあり、前記配電箱の金属板、前記ハウジング及び前記カバーは、前記セルを完全に被覆する。
【0007】
本願の実施例に係る電池パックは、関連技術における構造寸法が大きいカバーを使用する技術手段に比べて、ハウジングの側部に出し入れ口を設けることにより、表面積が小さいカバーを使用して出し入れ口を封止することができる。カバーの構造寸法が小さいため、部材の取り付けが容易になり、製造効率の向上に有利であるだけでなく、ハウジングとカバーとの間の締付部材の数を減少させ、取付工程を簡略化し、コストを低減することができ、また、同様にハウジングとカバーとの間の合わせ面を減少させ、ハウジングとカバーとの間のシール不良率を低下させることに有利である。
【0008】
本願のいくつかの実施例では、前記ハウジングの頂部の表面積と前記ハウジングの底部の表面積はいずれも、前記ハウジングの側部の表面積より大きい。
【0009】
本願のいくつかの実施例では、前記ハウジング内に前記出し入れ口の延在方向に沿って配列する複数のチャンバーが画定され、各前記チャンバーの開口部は、前記セルが前記チャンバーに押し引きによって配置されるように、前記出し入れ口と連通する。
【0010】
いくつかの実施例では、前記セルと前記チャンバーの内表面は密着し、及び/又は、前記セルと前記チャンバーの内表面との間の隙間に熱伝導性構造用接着剤が充填されている。
【0011】
いくつかの実施例では、前記ハウジングは、1つのエンクロージャー又は接続された複数のエンクロージャーを含み、複数の前記エンクロージャーは、前記出し入れ口の延在方向に沿って配列し、各前記エンクロージャー内に複数の前記チャンバーが画定される。
【0012】
いくつかの例では、前記エンクロージャーは、アルミニウム合金、ステンレス鋼又はマグネシウムアルミニウム合金で製造され、複数の前記エンクロージャーは、溶接で一体につなぎ合わせられる。
【0013】
いくつかの例では、前記チャンバーの開口部において、前記エンクロージャーの底壁は、前記エンクロージャーの頂壁を超え、前記ハウジングは、2つの遮断板をさらに含み、前記ハウジングは、1つの前記エンクロージャーを含み、2つの前記遮断板は、対向して前記エンクロージャーの側部に設けられ、前記遮断板と前記エンクロージャーとは、前記出し入れ口を画定し、或いは、前記ハウジングは、接続された複数の前記エンクロージャーを含み、2つの前記遮断板は、対向して、最外側に位置する2つの前記エンクロージャーの側部に設けられ、前記遮断板と複数の前記エンクロージャーとは、前記出し入れ口を画定する。
【0014】
本願のいくつかの実施例では、前記出し入れ口の縁部の延在長さは、L1であり、前記出し入れ口の長さ方向に平行な鉛直平面により切断して得られた、前記ハウジングの外輪郭線の長さは、L2であり、前記L1は、前記L2以上である。
【0015】
本願のいくつかの実施例では、前記出し入れ口は、その位置する平面が水平面に対して傾斜するように設けられる。
【0016】
いくつかの実施例では、前記出し入れ口が位置する平面と前記水平面との角度は、35°~75°である。
【0017】
本願のいくつかの実施例では、前記出し入れ口の縁部には、第1接続孔が設けられ、前記カバーの外周縁には、第2接続孔が設けられ、前記ハウジングと前記カバーは、前記第1接続孔及び前記第2接続孔に挿設した締付部材により接続される。
【0018】
本願の別のいくつかの実施例では、前記カバーは、前記ハウジングに溶接接続される。
【0019】
本願のいくつかの実施例では、前記ケースの外部には、間隔をおいて配置された複数の取付ホルダが設けられている。
【0020】
本願のいくつかの実施例では、前記ケースの外部には、接地部が設けられている。
【0021】
本願のいくつかの実施例では、前記ケースは、金属材料で製造される。
【0022】
いくつかの実施例では、前記ケースの厚さは、0.5mmより大きい。
【0023】
本願の別のいくつかの実施例では、前記ケースは、ハウジングを含み、前記ハウジングの表面には、金属層が設けられている。
【0024】
本願のいくつかの実施例では、電池パックは、前記ケースの頂部及び/又は底部に設けられた熱交換部材をさらに含む。
【0025】
いくつかの実施例では、前記熱交換部材は、板状部材として形成され、前記ケースの頂部及び/又は底部に敷設されるとともに、前記ケースの頂部及び/又は底部の表面に密着する。
【0026】
本願の第2態様の実施例に係る車両は、上記実施例に係る電池パックを含む。
【0027】
本願の追加的な態様及び利点は、一部が以下の説明において示され、一部が以下の説明から明らかになるか又は本願の実施により理解される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本願の上記及び/又は追加の様態及び利点は、以下の図面を参照した実施例の説明から、明らかになり、理解されやすくなる。
【0029】
図1】本願の実施例に係る電池パックを1つの視点から見た概略構成図である。
図2】本願の実施例に係る電池パックを別の視点から見た概略構成図である。
図3】本願の実施例に係る電池パックのカバーが開放状態にある場合の概略構成図である。
図4】本願の実施例に係る電池パックの上面図である。
図5】本願の実施例に係る電池パックのハウジングと熱交換部材とが組み合わせられた場合の概略構成図である。
図6図5に示す電池パックのハウジングの概略構成図である。
図7】本願の実施例に係る電池パックのハウジングと熱交換部材とが分離された場合の概略構成図である。
図8】本願の実施例に係る車両の構造ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本願の実施例を詳細に説明し、上記実施例の例は、図面に示され、全体を通して同一又は類似の符号は、同一又は類似の部品、或いは同一又は類似の機能を有する部品を示す。以下、図面を参照して説明される実施例は、例示的なものであり、本願を解釈するためのものに過ぎず、本願を限定するものであると理解すべきではない。
【0031】
以下、図1図7を参照して、本願の実施例に係る電池パック100を説明する。
【0032】
図1及び図2に示すように、本願の実施例に係る電池パック100は、ケース10、セル(図示せず)及び配電箱30を含み、セルは、ケース10内に設けられ、配電箱30は、ケース10内に設けられ、金属板31を含む。
【0033】
ケース10は、ハウジング11及びカバー12を含み、ハウジング11の側部は、セルを出し入れする出し入れ口101を有し、カバー12は、ハウジング11の側部に設けられて出し入れ口101を封止し、配電箱30は、ハウジング11内の出し入れ口101に近接する位置にあり、配電箱30の金属板31、ハウジング11及びカバー12は、セルを完全に被覆する。
【0034】
本願の実施例に係る電池パック100は、関連技術における構造寸法が大きいカバーを使用する技術手段に比べて、ハウジング11の側部に出し入れ口101を設けることにより、表面積が小さいカバー12を使用して出し入れ口101を封止することができる。カバー12の構造寸法が小さいため、部材の取り付けが容易になり、製造効率の向上に有利であるだけでなく、ハウジング11とカバー12との間の締付部材の数を減少させ、取付工程を簡略化し、コストを低減することができ、また、同様にハウジング11とカバー12との間の合わせ面を減少させ、ハウジング11とカバー12との間のシール不良率を低下させることに有利である。
【0035】
ハウジング11の頂部の表面積及びハウジング11の底部の表面積はいずれも、ハウジング11の側部の表面積より大きく、即ち、カバー12は、ハウジング11の表面積の相対的に小さい側に設けられる。関連技術における表面積が大きいシールカバーを使用する技術手段に比べて、本願のカバー12は、ハウジング11の側部に設けられ、その表面積が小さいため、シール不良率を低下させることに有利であるだけでなく、カバー12の寸法が小さいため、取り付けやすい。
【0036】
図4図7に示すように、本願のいくつかの実施例では、ハウジング11内において複数のチャンバーが画定され、複数のチャンバーは、出し入れ口101の延在方向に沿って配列し、各チャンバーは、セルを収容し、各チャンバーの開口部102は、複数のセルがそれぞれチャンバーに押し引きによって配置されるように、出し入れ口101と連通し、即ち、本願の電池パック100は、引き出し構造と類似し、各セルを出し入れしやすく、ブレード式パウチセルまでも配置することができ、取付工程を簡略化し、製造効率を向上させることに有利である。
【0037】
いくつかの実施例では、セルとチャンバーの内表面とは密着する。セルとチャンバーの内表面とを密着させることにより、各セルは、ケース10の表面と十分に接触し、ケース10の熱伝導性を利用して電池パック100の良好な温度均一性を保証して、電池パック100の耐用年数を延長することができるだけでなく、ケース10内の空間を十分に利用してケース10内の空間利用率を向上させることができる。また、セルとチャンバーの内表面とを密着させることにより、電池パック100全体の構造強度を向上させることもできる。
【0038】
別のいくつかの実施例では、セルとチャンバーの内表面との間の隙間に熱伝導性構造用接着剤が充填されているため、セルの取付安定性及び使用信頼性を保証することができるだけでなく、セルの熱量をケース10により均一に伝導し、非常に高い温度均一性を保証することができ、電池パック100全体の構造強度を向上させることもできる。
【0039】
なお、セルがチャンバーにスムーズに取り付けられることを保証するとともにセルのチャンバーからの脱出を防止するために、通常、セルとチャンバーの内表面とを締りばめにするとともに、接着剤注入の方式でチャンバー内に熱伝導性構造用接着剤を充填することにより、熱伝導性構造用接着剤をセルとチャンバーの内表面との間の隙間に充填する。電池パック100の構造強度を保証することができるだけでなく、空間利用率を向上させ、ケース10内の空間利用率を90%以上にすることができる。
【0040】
いくつかの実施例では、ハウジング11は、1つのエンクロージャー111又は接続された複数のエンクロージャー111を含み、複数のエンクロージャー111は、出し入れ口101の延在方向に沿って配列し、各エンクロージャー111内に複数のチャンバーが画定され、構造が簡単であり、加工及び成形が容易である。ハウジング11が1つのエンクロージャー111を含む実施例では、ハウジング12は、当該エンクロージャー111の側部に覆設され、ハウジング11が複数のエンクロージャー111を含む実施例では、ハウジング12は、一体のカバーとして複数のエンクロージャー111の側部に覆設される。
【0041】
各エンクロージャー111は、マルチチャンバー式アルミニウム合金材料部材で製造されてもよく、例えば、各エンクロージャー111に対してつや消し処理を行い、複数のエンクロージャー111は、溶接で一体につなぎ合わせられ、構造が簡単であり、操作しやすく、製造効率を向上させることに有利である。当然のことながら、エンクロージャー111は、ステンレス鋼で製造されてもよい。いくつかの実施例では、電池パック100の軽量化設計を実現し、ケース10の重量を低下させるために、エンクロージャー111は、マグネシウムアルミニウム合金で製造されてもよい。
【0042】
いくつかの例では、チャンバーの開口部102に、エンクロージャー111の底壁は、エンクロージャー111の頂壁を超え、ハウジング11は、対向してエンクロージャー111の側部に設けられた2つの遮断板112をさらに含み、遮断板112とエンクロージャー111とは、出し入れ口101を画定する。
【0043】
理解できるように、ハウジング11が1つのエンクロージャー111を含む実施例では、2つの遮断板112は、対向してエンクロージャー111の側部(図5に示すエンクロージャー111の左右両側)に設けられ、当該エンクロージャー111とで出し入れ口101を画定する。ハウジング11が、接続された複数のエンクロージャー111を含む実施例では、2つの遮断板112は、対向して、最外側に位置する2つのエンクロージャー111の側部(図5に示す、最左側に位置するエンクロージャー111の左側と最右側に位置するエンクロージャー111の右側)に設けられ、複数のエンクロージャー111とで出し入れ口101を画定する。
【0044】
これにより、この遮断板112を設け、出し入れ口101の位置する平面を鉛直面ではないようにすることにより、セル、配電箱30などの部材(例えば、フレキシブルプリント基板)を取り付ける場合、観察及び接続に便利であり、製造効率を向上させることに有利であり、また、エンクロージャー111の底壁及び遮断板112はいずれも、カバー12を支持することができるため、カバー12を取り付けやすく、製造効率をさらに向上させる。出し入れ口101の形状は、設計の需要に応じて調整することができる。
【0045】
具体的には、図3及び図5に示すように、本実施例では、ハウジング12は、3つのエンクロージャー111を含み、3つのエンクロージャー111は、左右方向に配列するとともに溶接接続され、各エンクロージャー111内に左右方向に沿って間隔をおいて配置された複数の仕切板1111が設けられることにより、エンクロージャー111内に左右方向に沿って配列する複数のチャンバーが画定され、1つの遮断板112は、最左側に位置するエンクロージャー111の左側に設けられ、別の遮断板112は、最右側に位置するエンクロージャー111の右側に設けられることにより、出し入れ口101が画定される。
【0046】
本願のいくつかの実施例では、出し入れ口101の縁部の延在長さは、L1であり、出し入れ口101の長さ方向(図5に示す左右方向)に平行な鉛直平面により切断して得られた、ハウジング11の外輪郭線の長さは、L2であり、L1は、L2以上である。ここでの出し入れ口101の縁部は、カバー12に合わせる必要があるシール面を形成し、出し入れ口101の縁部の延在長さを上記条件を満たすようにすることにより、ハウジング11とカバー12との嵌合シール性を向上させることができる。
【0047】
L1及びL2で示される位置が容易に理解され、かつ明確に見えるように、本願の発明者は、図5におけるハウジング12を図6において再度示す。
【0048】
具体的には、図6に示すように、出し入れ口101の縁部は、上縁部、下縁部、左縁部及び右縁部を含み、出し入れ口101の下縁部の延在長さは、L11であり、出し入れ口101の右縁部の延在長さは、L12であり、出し入れ口101の上縁部の延在長さは、L13であり、出し入れ口101の左縁部の延在長さは、L14であり、即ち、L1は、L11、L12、L13及びL14の総和に等しい。
【0049】
さらに、出し入れ口101の長さ方向(図6に示す左右方向)に平行な鉛直平面により切断して得られた、ハウジング11の外輪郭線は、上輪郭線、下輪郭線、左輪郭線及び右輪郭線を含み、下輪郭線の延在長さは、L21であり、右輪郭線の延在長さは、L22であり、上輪郭線の延在長さは、L23であり、左輪郭線の延在長さは、L24であり、即ち、L2は、L21、L22、L23及びL24の総和に等しい。
【0050】
つまり、出し入れ口101の縁部の延在長さは、L1であり、出し入れ口101の前後方向に垂直な鉛直平面での投影の延在長さは、L2である。L1がL2より大きいように限定し、即ち、出し入れ口101が位置する平面が鉛直平面ではないように限定することにより、ハウジング11とカバー12との嵌合シール性を向上させることができる。
【0051】
本願のいくつかの実施例では、出し入れ口101は、その位置する平面が水平面に対して傾斜するように設けられる。ここでの水平面とは、電池パック100を図5に示す方位で配置する場合にハウジング11の底壁が位置する平面を指し、即ち、出し入れ口101は、その位置する平面がハウジング11の底壁が位置する平面に対して傾斜するように設けられる。
【0052】
出し入れ口101をその位置する平面が水平面に対して傾斜するように設けることにより、ハウジング11とカバー12とのシール性を保証するとともに、セル、配電箱30などの部材(例えば、フレキシブルプリント基板)を取り付ける場合、観察及び接続に便利であり、製造効率を向上させることに有利であり、また、カバー12を取り付けやすく、製造効率をさらに向上させる。当然のことながら、出し入れ口101が位置する平面は、鉛直面であってもよい。
【0053】
いくつかの実施例では、出し入れ口101が位置する平面と水平面との角度αは、35°~75°である。例えば、出し入れ口101が位置する平面と水平面との角度αは、35°、45°、60°、75°などであってもよい。
【0054】
本願のいくつかの実施例では、出し入れ口101の縁部には、第1接続孔1112が設けられ、カバー12の外周縁には、第2接続孔1201が設けられ、ハウジング11とカバー12は、第1接続孔1112及び第2接続孔1201に挿設した締付部材により接続される。ハウジング11とカバー12とのシール性をさらに保証するために、ハウジング11とカバー12との間にシールリング15を設けてもよい。
【0055】
図3に示すように、各エンクロージャー111の頂壁及び側壁にそれぞれ、間隔をおいて配置された複数の第1接続孔1112が設けられ、遮断板112の側部(例えば、側表面又は側部フランジ1121)に間隔をおいて配置された複数の第1接続孔1112が設けられ、カバー12の周縁に間隔をおいて配置された複数の第2接続孔1201が設けられ、複数の締付部材は、複数の第1接続孔1112及び複数の第2接続孔1201に一々対応して挿設されて、ハウジング11とカバー12との接続信頼性及びシール性を保証する。
【0056】
取付時に、エンクロージャー111の底壁及び遮断板112の側部(例えば、側表面又は側部フランジ1121)はいずれも、カバー12を支持することができるため、カバー12を取り付けやすく、製造効率をさらに向上させることに有利である。
【0057】
いくつかの実施例では、カバー12とハウジング11とを溶接接続し、例えば、摩擦溶接又はレーザー溶接により接続することができる。
【0058】
締付部材により接続を行う技術手段に比べて、溶接方式を使用する溶接箇所の接触抵抗が小さいため、接地抵抗を低下させ、低圧信号の伝送の安定性を保証し、遮蔽効果を向上させることができる。また、溶接プロセスの自動化レベルがより高く、製造効率がより高く、溶接で接続することにより、部材の断面が弱められることがなく、材料が節約されるとともに、電池パック100は、構造がより簡単であり、溶接強度がより高い。
【0059】
本願のいくつかの実施例では、ケース10の外部に、間隔をおいて配置された複数の取付ホルダ13が設けられる。取付ホルダ13は、外部に絶縁構造が設けられた金属ホルダである場合、絶縁処理を行う必要があり、高い構造強度を保証するとともに、電池パック100に多点接地を実現させ、電池パック100の信号遮蔽効果をさらに向上させ、信号伝送性能を向上させることができる。
【0060】
具体的には、図4に示すように、ケース10の左右両側にそれぞれ、間隔をおいて配置された複数の取付ホルダ13が設けられ、各取付ホルダ13は、水平方向(図4に示す左右方向)に沿って外向きに延在し、各取付ホルダ13とケース10とは、締付部材により接続されてもよく、溶接などの方式により接続されてもよい。ケース10の外部に複数の取付ホルダ13を設けることにより、電池パック100は、取付対象位置に取り付けられやすく、電池パック100の取付後の安定性及び信頼性が保証される。
【0061】
電池パック100の重量を減少させるために、取付ホルダ13の中央部にチャンバーを画定し、チャンバー内に複数の接続リブを設けることにより、取付ホルダ13の構造強度が保証される。
【0062】
本願のいくつかの実施例では、ケース10の外部には、接地部14が設けられる。
【0063】
本願のいくつかの実施例では、ケース10は、金属材料で製造され、即ち、セルは、金属材料で完全に被覆され、本実施例では、セルに1層の遮蔽カバーを増設することに等価であり、電池パック100の信号の高周波保護及び遮蔽を保証し、EMC干渉を減少させ、信号伝送性能を向上させ、システムの安全性及び信頼性を向上させる。また、金属材料で製造されたケース10は、より高い構造強度、及びより高い安全性を有し、構造が簡単であり、加工及び成形プロセスがより容易であり、製造効率を向上させることに有利である。
【0064】
電池パック100の重量を減少させ、電池パック100の軽量化設計を実現するために、ケース10全体をアルミニウム合金で製造してもよい。当然のことながら、ハウジング11及びカバー12は、異なる金属材料で製造されてもよく、例えば、ハウジング11は、アルミニウム合金材料で製造され、カバー12は、アルミニウムマグネシウム合金材料で製造されてもよく、構造強度及び電磁両立保護を保証する場合で軽量化をできるだけ実現し、電池パック100のエネルギー密度を向上させる。
【0065】
いくつかの実施例では、ケース10の厚さは、0.5mmより大きい。例えば、ケース10の厚さは、0.6mm、0.8mmなどであってもよく、ケース10の構造強度をさらに向上させることができるだけでなく、1MHzの電磁波に対して良好な遮蔽作用を果たすことができる。
【0066】
本願の別のいくつかの実施例では、ケース10は、ハウジングを含み、ハウジングの表面には、金属層が設けられる。具体的には、ハウジングは、プラスチック材料で製造されてもよく、ハウジングの表面に導電性材料が吹き付けられて遮蔽層に接続され、電池パックの信号の高周波保護及び遮蔽を保証し、EMC干渉を減少させ、優れたEMC表現性能を達成し、信号伝送性能を向上させ、システムの安全性及び信頼性を向上させることができるだけでなく、電池パック100の軽量化設計を実現することに有利である。
【0067】
図1図2及び図7に示すように、本願のいくつかの実施例では、電池パック100は、ケース10の頂部及び/又は底部に設けられた熱交換部材40をさらに含む。熱交換部材40をケース10の表面積が大きい頂部及び/又は底部に設けることにより、セルに対して保護作用を果たすだけではなく、電池パック100の熱管理を容易に実現することができる。
【0068】
具体的には、熱交換部材40を利用してセルを放熱させることができ、電池パック100が位置する環境の温度が低く、正常に動作できない場合、熱交換部材40によりセルを加熱することもできる。
【0069】
いくつかの実施例では、熱交換部材40は、板状部材として形成され、ケース10の頂部及び/又は底部に敷設されるとともに、ケース10の頂部及び/又は底部の表面に密着し、このように、熱交換部材40とケース10との接触面積を増加させ、熱交換効率を効果的に向上させることができる。
【0070】
例えば、熱交換部材40は、液冷板であってもよく、即ち、熱交換部材40内の熱交換媒体は液体であり、液冷板は、ケース10の底部に設けられ、液冷板とケース10とは、ボルト又は熱伝導性構造用接着剤により一体に接続され、液冷板に接続口41が設けられて、他の部材との接続が容易になる。当然のことながら、熱交換部材40内の熱交換媒体は気体状態であってもよい。
【0071】
以下、図面を参照しながら、本願に係る電池パック100の1つの具体的な実施例を詳細に説明する。
【0072】
図1図7に示すように、電池パック100は、略直方体に形成され、長さ方向が図1に示す前後方向であり、幅方向が図1に示す左右方向であり、高さ方向が図1に示す上下方向である。
【0073】
電池パック100は、ケース10、複数のセル及び配電箱30を含む。
【0074】
ケース10は、ハウジング11及びカバー12を含み、ハウジング11は、その長さ方向における片側(図3に示す前側)に出し入れ口101を有し、ハウジング11内にその幅方向に沿って配列する複数のチャンバーが画定され、各チャンバーの開口部102は、複数のセルが複数のチャンバー内に押し引きによって配置されるように、出し入れ口101に向かうとともに、いずれも出し入れ口101と連通する。
【0075】
ハウジング11は、左右方向に沿って配列する複数のエンクロージャー111を含み、各エンクロージャー111の底壁が頂壁を超えるとともに、複数のエンクロージャー111の底壁の縁部が面一であり、複数のエンクロージャー111の頂壁の縁部が面一であり、各エンクロージャー111内に、左右方向に沿って間隔をおいて配置された複数の仕切板1111が設けられることにより、エンクロージャー111の内部チャンバーは、複数のチャンバーに仕切られ、最外側に位置する2つのエンクロージャー111の底壁において、チャンバーの開口部102の箇所にそれぞれ、形状が三角形の遮断板112が設けられ、各エンクロージャー111の頂壁及び底壁の、チャンバーの開口部102に近接する縁部にそれぞれ、間隔をおいて配置された複数の第1接続孔1112が設けられ、遮断板112の前側縁部に側部フランジ1121が設けられ、側部フランジ1121に間隔をおいて配置された複数の第1接続孔1112が設けられる。
【0076】
カバー12は、頂板121、第1側板122及び2つの第2側板123を含み、頂板121と第1側板122とは、互いに垂直に配置され、第1側板122の上端部は、頂板121の前側縁部に接続され、2つの第2側板123は、頂板121の左右両端に設けられ、各第2側板123は、直角三角形の板状部材として形成され、2つの第2側板123は、上縁部が頂板121の左右両端に接続され、前側縁部が第1側板122の左右両端に接続され、第1側板122の下端部に第1フランジ1221が設けられ、第2側板123の前側縁部に第2フランジ1231が設けられ、頂板121、第1側板122の第1フランジ1221及び第2側板123の第2フランジ1231にそれぞれ、間隔をおいて配置された複数の第2接続孔1201が設けられ、第1側板122は、その厚さ方向に沿って貫通する貫通口1202を有する。
【0077】
配電箱30は、金属板31、低圧コネクタ32及び高圧コネクタ33を含み、ハウジング11の出し入れ口101に近接する位置に設けられ、配電箱100が正確な位置に組み立てられた状態で、金属板31とカバー12の貫通口1202の縁部とは、締付部材により接続され、低圧コネクタ32と高圧コネクタ33はそれぞれ、貫通口1202から露出することにより、他の部材との接続が容易になる。
【0078】
本願の実施例に係る電池パック100は、直方体構造として設けられ、対応する遮蔽構造も直方体であり、周波数共振をできるだけ回避することができ、信号の入力及び出力過程において、電池パック100の信号の高周波保護及び遮蔽を保証し、EMC干渉を減少させ、信号伝送性能を向上させ、システムの安全性及び信頼性を向上させる。また、当該電池パック100は、構造が簡単であり、形状が規則的であり、体積が小さく、車両における空間配置が容易であり、適応性がより高い。
【0079】
図8に示すように、本願の実施例に係る車両500は、上記実施例に係る電池パック100を含む。
【0080】
本願の実施例に係る電池パック100が上記技術的効果を有するため、本願の実施例に係る車両500も上記技術的効果を有し、即ち、上記電池パック100を使用することで、EMC干渉を減少させ、信号伝送性能を向上させ、システムの安全性及び信頼性を向上させ、車両500の耐用年数を延長することに有利である。
【0081】
なお、本願の説明において、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などで示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本願を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は部品が特定の方位を有するとともに、特定の方位で構成され動作しなければならないことを指示するか又は示唆するものではないため、本願を限定するものであると理解すべきではない。
【0082】
本願の実施例に係る電池パック100及び車両500の他の構成及び操作は、当業者にとって既知であり、ここで詳細に説明しない。
【0083】
本明細書の説明において、「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例示的な実施例」、「例」、「具体的な例」又は「いくつかの例」などの語句を参照した説明は、該実施例又は例を参照して説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本願の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書では、上記語句に対する例示的な説明は、必ず同じ実施例又は例に限定されるわけではない。また、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性は、任意の1つ以上の実施例又は例において適切に組み合わせることができる。
【0084】
本願の実施例を示し説明したが、当業者であれば、本願の原理及び目的を逸脱することなく、これらの実施例に対して様々な変更、補正、置換及び変形を行うことができ、本願の範囲は特許請求の範囲及びその均等物によって限定されていることを理解することができる。
【符号の説明】
【0085】
100 電池パック
10 ケース
101 出し入れ口
102 開口部
11 ハウジング
111 エンクロージャー
1111 仕切板
1112 第1接続孔
112 遮断板
1121 側部フランジ
12 カバー
1201 第2接続孔
1202 貫通口
121 頂板
122 第1側板
1221 第1フランジ
123 第2側板
1231 第2フランジ
13 取付ホルダ
14 接地部
15 シールリング
30 配電箱
31 金属板
32 低圧コネクタ
33 高圧コネクタ
40 熱交換部材
41 接続口
500 車両


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-11-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース(10)と、
前記ケース(10)内に設けられたセルと、
前記ケース(10)内に設けられた配電箱(30)とを含む電池パック(100)であって、
前記ケース(10)は、ハウジング(11)及びカバー(12)を含み、前記ハウジング(11)の側部は、前記セルを出し入れする出し入れ口(101)を有し、前記カバー(12)は、前記ハウジング(11)の側部に設けられて前記出し入れ口(101)を封止し、前記配電箱(30)は、前記ハウジング(11)内の前記出し入れ口(101)に近接する位置にあり、前記配電箱(30)の金属板(31)、前記ハウジング(11)及び前記カバー(12)は、前記セルを完全に被覆する、ことを特徴とする電池パック(100)。
【請求項2】
前記ハウジング(11)の頂部の表面積及び前記ハウジング(11)の底部の表面積はいずれも、前記ハウジング(11)の側部の表面積より大きい、ことを特徴とする請求項1に記載の電池パック(100)。
【請求項3】
前記ハウジング(11)内に前記出し入れ口(101)の延在方向に沿って配列する複数のチャンバーが画定され、各前記チャンバーの開口部(102)は、前記セルが前記チャンバーに押し引きによって配置されるように、前記出し入れ口(101)と連通する、ことを特徴とする請求項に記載の電池パック(100)。
【請求項4】
前記セルと前記チャンバーの内表面とは、密着しており、及び/又は、前記セルと前記チャンバーの内表面との間の隙間に熱伝導性構造用接着剤が充填されている、ことを特徴とする請求項3に記載の電池パック(100)。
【請求項5】
前記ハウジング(11)は、1つのエンクロージャーを含むか、或いは、
前記ハウジング(11)は、複数のエンクロージャー(111)を含み、複数の前記エンクロージャー(111)は、前記出し入れ口(101)の延在方向に沿って配列し、
各前記エンクロージャー(111)内に複数の前記チャンバーが画定される、ことを特徴とする請求項に記載の電池パック(100)。
【請求項6】
前記エンクロージャー(111)は、アルミニウム合金、ステンレス鋼又はマグネシウムアルミニウム合金で製造され、複数の前記エンクロージャー(111)は、溶接で一体につなぎ合わせられている、ことを特徴とする請求項5に記載の電池パック(100)。
【請求項7】
前記チャンバーの開口部(102)において、前記エンクロージャー(111)の底壁は、前記エンクロージャー(111)の頂壁を超え、前記ハウジング(11)は、2つの遮断板(112)をさらに含み、
前記ハウジング(11)は、1つの前記エンクロージャー(111)を含み、2つの前記遮断板(112)は、前記エンクロージャー(111)の側部に対向して設けられ、前記遮断板(112)と前記エンクロージャー(111)とは、前記出し入れ口(101)を画定し、或いは、
前記ハウジング(11)は、複数の前記エンクロージャー(111)を含み、2つの前記遮断板(112)は、最外側に位置する2つの前記エンクロージャー(111)の側部に対向して設けられ、前記遮断板(112)と複数の前記エンクロージャー(111)とは、前記出し入れ口(101)を画定する、ことを特徴とする請求項に記載の電池パック(100)。
【請求項8】
前記出し入れ口(101)の縁部の延在長さは、L1であり、前記出し入れ口(101)の長さ方向に平行な鉛直平面により切断して得られた、前記ハウジング(11)の外輪郭線の長さは、L2であり、前記L1は、前記L2以上である、ことを特徴とする請求項に記載の電池パック(100)。
【請求項9】
前記出し入れ口(101)は、その位置する平面が水平面に対して傾斜するように設けられる、ことを特徴とする請求項に記載の電池パック(100)。
【請求項10】
前記出し入れ口(101)が位置する平面と前記水平面との角度は、35°~75°である、ことを特徴とする請求項9に記載の電池パック(100)。
【請求項11】
前記出し入れ口(101)の縁部には、第1接続孔(1112)が設けられ、前記カバー(12)の外周縁には、第2接続孔(1201)が設けられ、前記ハウジング(11)と前記カバー(12)は、前記第1接続孔(1112)及び前記第2接続孔(1201)に挿設された締付部材により接続される、ことを特徴とする請求項に記載の電池パック(100)。
【請求項12】
前記カバー(12)は、前記ハウジング(11)に溶接接続される、ことを特徴とする請求項に記載の電池パック(100)。
【請求項13】
前記ケース(10)の外部には、間隔をおいて配置された複数の取付ホルダ(13)が設けられる、ことを特徴とする請求項に記載の電池パック(100)。
【請求項14】
前記ケース(10)の外部には、接地部(14)が設けられる、ことを特徴とする請求項に記載の電池パック(100)。
【請求項15】
前記ケース(10)は、金属材料で製造される、ことを特徴とする請求項に記載の電池パック(100)。
【請求項16】
前記ケース(10)の厚さは、0.5mmより大きい、ことを特徴とする請求項15に記載の電池パック(100)。
【請求項17】
前記ケース(10)は、ケース本体を含み、前記ケース本体の表面には、金属層が設けられる、ことを特徴とする請求項に記載の電池パック(100)。
【請求項18】
前記ケース(10)の頂部及び/又は底部に設けられた熱交換部材(40)をさらに含む、ことを特徴とする請求項に記載の電池パック(100)。
【請求項19】
前記熱交換部材(40)は、板状部材として形成され、前記ケース(10)の頂部及び/又は底部に敷設されるとともに、前記ケース(10)の頂部及び/又は底部の表面に密着する、ことを特徴とする請求項18に記載の電池パック(100)。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか一項に記載の電池パック(100)を含む、ことを特徴とする車両。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0040】
いくつかの実施例では、ハウジング11は、1つのエンクロージャー111又は接続された複数のエンクロージャー111を含み、複数のエンクロージャー111は、出し入れ口101の延在方向に沿って配列し、各エンクロージャー111内に複数のチャンバーが画定され、構造が簡単であり、加工及び成形が容易である。ハウジング11が1つのエンクロージャー111を含む実施例では、カバー12は、当該エンクロージャー111の側部に覆設され、ハウジング11が複数のエンクロージャー111を含む実施例では、カバー12は、一体のカバーとして複数のエンクロージャー111の側部に覆設される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0045】
具体的には、図3及び図5に示すように、本実施例では、ハウジング11は、3つのエンクロージャー111を含み、3つのエンクロージャー111は、左右方向に配列するとともに溶接接続され、各エンクロージャー111内に左右方向に沿って間隔をおいて配置された複数の仕切板1111が設けられることにより、エンクロージャー111内に左右方向に沿って配列する複数のチャンバーが画定され、1つの遮断板112は、最左側に位置するエンクロージャー111の左側に設けられ、別の遮断板112は、最右側に位置するエンクロージャー111の右側に設けられることにより、出し入れ口101が画定される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0047】
L1及びL2で示される位置が容易に理解され、かつ明確に見えるように、本願の発明者は、図5におけるハウジング11図6において再度示す。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0077
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0077】
配電箱30は、金属板31、低圧コネクタ32及び高圧コネクタ33を含み、ハウジング11の出し入れ口101に近接する位置に設けられ、配電箱30が正確な位置に組み立てられた状態で、金属板31とカバー12の貫通口1202の縁部とは、締付部材により接続され、低圧コネクタ32と高圧コネクタ33はそれぞれ、貫通口1202から露出することにより、他の部材との接続が容易になる。
【国際調査報告】