(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-24
(54)【発明の名称】仮想現実環境及び複合現実環境用の多層デジタルアセットアーキテクチャ
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/40 20120101AFI20240417BHJP
A63F 13/61 20140101ALI20240417BHJP
G06T 19/00 20110101ALI20240417BHJP
【FI】
G06Q20/40 300
A63F13/61
G06T19/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557816
(86)(22)【出願日】2022-03-22
(85)【翻訳文提出日】2023-09-20
(86)【国際出願番号】 US2022021347
(87)【国際公開番号】W WO2022204147
(87)【国際公開日】2022-09-29
(32)【優先日】2021-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514144250
【氏名又は名称】ナイキ イノベイト シーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】アンドン,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ファム,ヒアン トミー
(72)【発明者】
【氏名】ネイ,デイヴィッド エス.
【テーマコード(参考)】
5B050
【Fターム(参考)】
5B050AA10
5B050BA13
5B050BA15
5B050CA07
5B050EA09
5B050FA02
5B050FA05
(57)【要約】
デジタル環境に多層デジタルアセットを表示又は提供する方法は、デジタルブロックチェーン台帳から、第1プライマリ非代替性暗号トークン(NFT)に関連付けられたデータを取得することを含む。データは、プライマリデジタルアセットを表す第1デジタルグラフィックスファイルの第1取得位置を識別する第1ポインタを含み、さらに第2サブアセットNFTへのリファレンスを含む。サブアセットNFTには、第2デジタルグラフィックスファイルを識別する第2ポインタが含まれる。この方法は、さらに、第1デジタルグラフィックスファイルと第2デジタルグラフィックスファイルを取得することと、第2デジタルグラフィックスファイルからの画像をプライマリデジタルアセット上に重ねて多層デジタルアセットを形成することと、及び多層デジタルアセットをデジタル環境で表示することとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル環境で多層デジタルアセットを表示する方法であって、
第1プライマリ非代替性暗号トークン(NFT)に関連付けられたデータをデジタルブロックチェーン台帳から取得するステップであり、
プライマリデジタルアセットを表す第1デジタルグラフィックスファイルの第1取得位置を識別する第1ポインタと、
第2デジタルグラフィックスファイルの第2取得位置を識別する第2ポインタを含む、第2サブアセットNFTへのリファレンスと、
を含む、ステップと、
前記第1取得位置を介して、前記第1デジタルグラフィックスファイルを取得するステップと、
前記第2ポインタを含む、前記第2サブアセットNFTに関連付けられたデータを、前記デジタルブロックチェーン台帳から取得するステップと、
前記第2取得位置を介して、前記第2デジタルグラフィックスファイルを取得するステップと、
前記第2デジタルグラフィックスファイルからの画像を、前記プライマリデジタルアセット上に重ねて、前記多層デジタルアセットを形成するステップと、
デジタル環境で前記多層デジタルアセットを表示するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記第2サブアセットNFTが広告アセットであり、
前記第2デジタルグラフィックスファイルからの前記画像が、広告ロゴ又は標識を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2取得位置は、複数の広告ロゴ又は標識を有する市場を含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記多層デジタルアセットを表示するステップは、キャラクターアバターと組み合わせて、前記多層デジタルアセットを表示することを含み、
前記キャラクターアバターは、前記デジタル環境内でユーザによって制御される、
請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第2サブアセットNFTは、さらに、自己実行型コントラクトを含み、
前記自己実行型コントラクトは、
実行されると、前記デジタル環境における前記多層デジタルアセットの前記表示に続いて、ある金額を前記ユーザに関連付けられたアカウントに自動的に転送する、
デジタルソフトウェアコードを含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記金額は、前記自己実行型コントラクトの前記デジタルソフトウェアコード内で定義される、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記キャラクターアバターは、複数の属性を含み、
前記金額は、部分的には、前記複数の属性のうちの少なくとも1つの属性の関数である、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記金額は、第1金額であり、
前記第1NFTのコアアセット情報は、さらに、前記プライマリデジタルアセットの作成者の識別情報を含み、
前記デジタルソフトウェアコードは、実行されると、第2金額を、前記プライマリデジタルアセットの前記作成者に関連付けられたアカウントに自動的に転送する、
請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記金額は、第1金額であり、
前記デジタルソフトウェアコードは、実行されると、第2金額を、前記デジタル環境の作成者に関連付けられたアカウントに自動的に転送する、
請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記プライマリデジタルアセットは、前記キャラクターアバターが着用するように動作するアパレル又は履物製品である、
請求項4に記載の方法。
【請求項11】
前記プライマリデジタルアセットは、スポーツジャージである、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第2デジタルグラフィックスファイルからの前記画像を前記プライマリデジタルアセット上に重ねるステップは、
前記プライマリデジタルアセットの色を変更するために前記プライマリデジタルアセットの一部を完全にマスクすること、を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第2サブアセットNFTが、特徴アセットであり、前記第2デジタルグラフィックスファイルからの前記画像が、部分的に透明なオーバーレイを含み、
前記第2デジタルグラフィックスファイルからの前記画像を前記プライマリデジタルアセット上に重ねるステップは、
前記プライマリデジタルアセットが前記オーバーレイを通して少なくとも部分的に見えるように、前記部分的に透明なオーバーレイで前記プライマリデジタルアセットをオーバーレイすること、を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記部分的に透明なオーバーレイが、炎、電力、又は、塵雲のうちの少なくとも1つを含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記多層デジタルアセットを表示するステップは、前記多層デジタルアセットをキャラクターアバターと組み合わせて表示することを含み、
前記キャラクターアバターは、前記デジタル環境内でユーザによって制御され、
前記キャラクターアバターは、さらに、前記デジタル環境内で前記キャラクターアバターがどのように動作又は実行するかに影響を与えるように動作する、複数のキャラクター属性を含み、
前記第2サブアセットNFTは、特徴アセットであり、少なくとも1つの性能属性を含むデータ、を含み、
前記方法は、さらに、前記第2サブアセットNFTの少なくとも1つの性能属性に従って、前記複数のキャラクター属性のうちの少なくとも1つを変更するステップを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記複数のキャラクター属性のうちの少なくとも1つを変更するステップは、前記デジタル環境内での前記第2サブアセットNFTの時間又は使用量の関数として減少させることである、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第2サブアセットNFTは、第3デジタルグラフィックスファイルの第3取得位置を識別する第3ポインタを含み、
前記方法は、さらに、
前記第3デジタルグラフィックスファイルを前記第3取得位置から取得するステップと、
前記デジタル環境内で前記第3デジタルグラフィックスファイルからの画像を表示するステップと、を含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第3デジタルグラフィックスファイルからの前記画像は、トレーディングカード又は特許の画像を含む、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記方法は、さらに、
外部ソースから、イベントが発生したという指示を受信するステップを含み、
前記多層デジタルアセットの表示は、前記イベントが発生したという前記指示を受信した後にのみ行われる、
請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記イベントは、前記デジタル環境の外部で発生するイベント又は出来事である、
請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記イベントは、現実世界のイベント又は出来事である、
請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記外部ソースは、ブロックチェーンオラクルである、
請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記イベントは、ユーザがジオフェンス境界を越えることである、
請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記第2サブアセットNFTが、第1デジタルウォレット又はアカウントに保持され、
前記方法は、さらに、
前記第2サブアセットNFTを第2デジタルウォレット又はアカウントに転送するリクエストを転送するか又は作るステップと、
前記第1NFTの前記データに前記第2サブアセットNFTの前記転送の指示を追加するリクエストを追加するか又は作るステップと、
前記多層デジタルアセットから前記画像を削除するステップと、を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記デジタル環境は、拡張現実又は複合現実環境である、
請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に、ユーザが仮想現実環境又は複合現実環境内でデジタルアセットの外観及び/又は動作を動的に変更できるようにするアーキテクチャ及び方法に関する。
【0002】
関連出願の相互参照
本開示は、2021年3月22日に出願された米国仮特許第63/164,271号の優先権の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
非代替性トークン(NFT)は、デジタル式に記憶され、異なる市場参加者間で販売又は取引できる、交換不可能な(つまり、代替不可能な)レコードである。多くの場合、NFTは、対応するデジタル又は物理的なアイテムの真正性のデジタル証明書又は所有権の証明として機能する。NFTを構成するレコードは、多くの場合、ブロックチェーン形式の台帳などの変更不能なデジタル台帳内/上に記憶され、多くの異なるノード又は台帳を維持する参加者に分割できる。このようなブロックチェーン台帳は、何らかの暗号化手段を使用してレコードの内容の少なくとも一部をエンコードすると同時に、(ブロックのチェーン内の)前のブロックを参照して連続性を提供する。
【0004】
NFTには、通常、ブロックチェーンに直接記憶されるメタデータと呼ばれるレジデントデータが含まれる。トランザクション検証プロセスを通じて大量のデータをプッシュすることに伴うコストの複雑さのため、メタデータには、オンチェーンに記憶するには法外なコストがかかる写真、グラフィックス、ビデオ、及び/又は、オーディオなどのオフチェーンデータ/デジタルファイルへのポインタ又はリファレンスが含まれることがよくある。ユーザのソーシャルメディアアカウント又はユーザのデジタルウォレットなどにNFTが表示されると、関連するソフトウェアプログラムがメタデータを確認し、参照ファイルリポジトリから関連する写真をデジタル式に取得して表示することができる。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、第1非代替性暗号(NFT)トークンの第2NFTトークンへの入れ子リファレンスを介して形成される、ブロックチェーンで保護された多層デジタルアセットを企図する。あるNFTを別のNFTに重ねるか又は入れ子にすることにより、個別の特徴、広告、色、機能、外観、アクセサリなどがトークン化され、サブアセットを組み込んだよりプライマリなアセットとは別に移転可能である。この技術はビデオゲーム内で特に使用される可能性があるが、アート、デジタル収集品、拡張現実/複合現実/仮想現実環境などの他の分野にも適用できる可能性がある。
【0006】
本開示の一実施形態では、デジタル環境に多層デジタルアセットを表示又は提供する方法は、デジタルブロックチェーン台帳から、第1プライマリ非代替性暗号トークン(NFT)に関連付けられたデータを取得することを含む。データは、第1デジタルグラフィックスファイルの第1取得位置を識別する第1ポインタと、第2サブアセットNFTへのリファレンスとを含むコアアセット情報を含む。第1デジタルグラフィックスファイルは、プライマリデジタルアセットを表し、第2サブアセットNFTは、第2デジタルグラフィックスファイルの第2取得位置を識別する第2ポインタを含む。次に、この方法は、第1取得位置を介して第1デジタルグラフィックスファイルを取得することと、デジタルブロックチェーン台帳から、第2ポインタを含む、第2サブアセットNFTに関連付けられたデータを取得することと、第2取得位置を介して第2デジタルグラフィックスファイルを取得することとを含む。次に、第2デジタルグラフィックスファイルからの画像がプライマリデジタルアセット上に重ねられて、多層デジタルアセットを形成し、それは、次にデジタル環境で表示される。
【0007】
いくつかの実施形態では、第2サブアセットNFTは広告アセットであってもよく、第2デジタルグラフィックスファイルからの画像は、プライマリデジタルアセット上にオーバーレイできる広告ロゴ又は標識を含み得る。この広告ロゴ又は標識は、ユーザが操作可能に選択できる複数の広告ロゴ又は標識を含む市場から入手され得る。いくつかの構成では、多層デジタルアセットは、デジタル環境内でユーザによって制御されるキャラクターアバターと組み合わせて表示され得る。
【0008】
広告のコンテキストでは、第2NFTは、実行されると、デジタル環境における多層デジタルアセットの表示に続いて、ある金額をユーザに関連付けられたアカウントに自動的に転送するデジタルソフトウェアコードを備える自己実行型コントラクトをさらに含み得る。事実上、このスマートな自己実行型コントラクトは、選択された広告ロゴ又は標識の表示に対してユーザに補償を与えることができる。したがって、金額は自己実行型コントラクトのデジタルソフトウェアコード内で定義され得る。いくつかの構成では、定義された金額は、少なくとも部分的に、キャラクターアバターの少なくとも1つの属性の関数であり得る。この属性は、例えば、影響範囲、ゲーマーの評価、ライブイベント又はトーナメントへの参加などであり得る。一部の構成では、スマートコントラクトは、第2金額を、第1NFTのコアアセット情報内で識別され得るプライマリデジタルアセットの作成者に関連付けられたアカウントに自動的に転送し得る。さらに、一部の構成では、金額は、デジタル環境の作成者に関連付けられたアカウントに、送金又は自動的に転送され得る。一例では、プライマリデジタルアセットは、キャラクターアバターが着用するように動作するアパレル又は履物製品であり得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、サブアセットNFTは、例えば、プライマリデジタルアセットの一部を完全にマスクしてプライマリデジタルアセットの色を変更することによって、プライマリデジタルアセットの色又は外観を変更するように動作し得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、第2サブアセットNFTは、特徴アセットであってもよい。このような構成では、第2デジタルグラフィックスファイルからの画像は、部分的に透明なオーバーレイであってもよく、第2デジタルグラフィックスファイルからの画像をプライマリデジタルアセット上に重ねることは、プライマリデジタルアセットがオーバーレイを通して少なくとも部分的に見えるように、部分的に透明なオーバーレイでプライマリデジタルアセットをオーバーレイすることを含み得る。このタイプの部分的に透明なオーバーレイの例としては、炎、電力、又は塵雲などが挙げられる。
【0011】
第2サブアセットNFTは、キャラクター又はプライマリデジタルアセットがデジタル環境内で変更された方法で動作するように、キャラクター属性又はプライマリデジタルアセット属性のうちの少なくとも1つを変更するために動作する少なくとも1つの性能属性をさらに含み得る。変更された属性の例としては、パワーアップ、性能能力の向上、スピード、強さ、跳躍能力、精度、健康などが挙げられる。いくつかの実施形態では、サブアセットNFTによって提供される変更は、時間の関数として、又はデジタル世界内でのサブアセットの使用又はキャラクターアバターに関連したサブアセットの使用に応じて劣化又は減少し得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、多層デジタルアセットの表示は、何らかの外部イベントの発生を条件とし得る。「外部」とは、イベントがプライマリNFT又はセカンダリNFTにのみ固有のものではなく、むしろ、NFT自体によって厳密に管理されない何らかの出来事を伴うことが考えられる。このような場合、方法は、外部ソースからイベントが発生したという指示を受信することと、イベントが発生したという指示を受信した後にのみ多層デジタルアセットを表示することを含み得る。このような例では、プライマリデジタルアセットは、イベントの発生前に表示され続ける可能性がある。いくつかの実施形態では、イベントは、デジタル環境の外部で発生するイベント又は出来事である。例えば、別のデジタルイベント、出来事、セール、ニュースなどであり得る。又は、それは現実世界のイベント又は出来事であり得る。いくつかの構成では、イベントの発生の指示は、例えば、CHAINLINKブロックチェーンプロトコルを通じて実装され得るようなブロックチェーンオラクルから受信され得る。
【0013】
前述したように、第2サブアセットNFTは、プライマリデジタルアセットとは別に、完全に譲渡可能である可能性がある。例えば、この方法は、第2NFTを第2デジタルウォレット又はアカウントに移転するリクエストを転送するか又は作ることと、第1NFTのデータに第2NFTの移転の指示を追加するリクエストを追加するか又は作ることと、多層デジタルアセットから画像を削除することとを含み得る。同様に、第2NFTを第2デジタルウォレットの所有者にリースし得る。その場合、所有権はファーストパーティに残りながら、サブアセットの使用を管理するリーストークンを渡し得る。
【0014】
本開示の追加の特徴は、以下の説明及び図で提供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】仮想現実環境及び複合現実環境用の多層デジタルアセットアーキテクチャの概略システム図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示は、一般的に、ユーザが仮想現実環境又は複合現実環境内でデジタルアセットの外観及び/又は動作を動的に変更できるようにするアーキテクチャ及び方法に関する。このアーキテクチャでは、特定の個別の特徴、機能、デジタルオブジェクト、及び/又は視覚的変更を、それぞれ購入、販売、取引、又はリースできる別個のサブアセットとしてみなす。一般的に、この技術は、プライマリアセットに対するセカンダリ機能の市場を生み出す可能性がある。
【0017】
一般的な意味で、本技術は、デジタルアセットの構築に階層化アプローチを利用し、それによって、プライマリデジタルアセットが1つ以上の補助的なデジタルサブアセットによって変更又は影響され得る。1つの構成では、各アセット及びサブアセットは、データベース又は分散型ブロックチェーン台帳に登録され、特定のユーザのアカウントに関連付けられる非代替性トークンによって表され得る。各アセット及びサブアセットは完全に譲渡可能であり(存在する可能性のあるコントラクト上の制限の対象となる)、アセット生産者、消費者、及び/又は1つ以上の市場ファシリテーターの間で移転、販売、又はリースされ得る。米国特許公開第2020/0184041号及び第2020/0273048号は、本開示がプライマリデジタルアセットと見なすことができるものの、さまざまな実施形態を説明し、その全体及び開示内容すべてが参照により(直接的に、及び/又は他の米国特許又は特許公開への参照により)組み込まれる。
【0018】
図1は、バスケットボールビデオゲーム12のコンテキストにおける本アーキテクチャ10の一実施形態を概略的に示す。この技術は、ビデオゲームのコンテキストで最もよく説明され得るが、拡張現実体験、仮想現実体験、デジタルランドとメタバース、デジタル製品の広告、デジタルアートワーク又は収集品などの他のコンテキストでも使用され得る。
【0019】
図1に全体的に示されるように、バスケットボールビデオゲーム12のコンテキスト内で、ユーザは、接続されたゲームコンソール、モバイルコンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン又はタブレット)、又はコンピュータ(図示せず)を介して、プレイヤー/キャラクターアバター14を制御し得る。市場、イベント、景品、接続された小売販売などを通じて、ユーザは、プレイヤー14がゲームプレイ中に着用できる特定のジャージ16を入手し得る。この例では、ジャージ16を「プライマリデジタルアセット」とみなすことができる。これは、ユーザによって所有され、ユーザに関連付けられたアカウント又はデジタルウォレットに登録された非代替性暗号トークン(NFT)18によって表され得る。ジャージを表すNFTは、1つ以上の関連グラフィックスファイルの場所へのポインタ又はリファレンス22、関連性能情報24、作成者のアイデンティティ又はデジタルウォレットアドレス26、及び/又は、以前の暗号ブロックのハッシュ28などの特定のコアアセット情報20を含み得る。性能情報24は、一般的に、アセットが環境内でどのように作用するか、及び/又は、それが着用時にユーザのプレイヤー/アバター14の特性(例えば、速度、ジャンプ能力、又は持久力の増加)にどのように影響するか又は変えるかを識別し得る。
【0020】
コアアセット情報20に加えて、NFT18は、いくつかの実施形態では、それぞれ別々にトークン化され、分散型ブロックチェーン台帳に記録され得る、1つ又は複数のサブアセット30を含むか、又は参照することができる。
図1に全体的に示されるように、トークン化され、プライマリアセットとともに使用され得るサブアセット30の例には、広告アセット32、特徴アセット34、及び/又は条件付きアセット36が含まれ得る。これらのアセットのそれぞれについて、プライマリデジタルアセットは、サブアセット30が動作又は表示されるキャンバス又はベース層として機能し得る。別の言い方をすると、この例では、変更又は装飾するためのプライマリデジタルアセットがなければ、これらのサブアセットは、機能的有用性がほとんど又はまったくない可能性がある。さらに、後述するように、NFT18は、プライマリデジタルアセットの使用権を限られた期間でサードパーティ40に移転するときに利用され得るリーストークン/サブアセット38を含むこともできる。
【0021】
したがって、簡単に要約すると、プライマリデジタルアセットは、ビデオゲーム環境又は仮想世界内の任意のアイテム、アバター、アバターの「スキン」、アパレル製品、履物製品、武器、スポーツ用品、又はその他のデジタル表示されたアセットである(
図1で、プライマリデジタルアセットはバスケットボールジャージ16である)。プライマリデジタルアセットは仮想世界内に存在し得るが、その固有の存在はNFT18の形式で分散型ブロックチェーン台帳に個別に保護され得る。このNFT18は、その後、アセットの所有者に属するか、又はアセットの所有者によってアクセス可能なデジタルウォレットに関連付けることができる。
【0022】
プライマリデジタルアセットのライフコース中又は存在中に、該アセットは、機能のアップグレード、外観の変更、動的オーバーレイ、広告の標識など、さまざまな「アップグレード」を受けることができる。各「アップグレード」は、独自の個別のアセットとして個別に表すことができ、NFTとして分散型ブロックチェーン台帳に保護することもできる。いくつかの実施形態では、これらのトークン化されたアップグレードがプライマリデジタルアセットに「適用」されるとき、サブアセット/アップグレードのNFTは、(例えば、サブアセットNFTへのポインタを介して、プライマリデジタルアセットのNFT内で参照され得る。そうすることで、プライマリデジタルアセットがビデオゲーム/仮想世界にインポートされるとき、インポート操作により、関連するすべてのサブアセットも同様に取得され得る。この方法でアーキテクチャを構築することにより、各サブアセット又はアップグレードは、基礎となるプライマリデジタルアセット自体を永久に変更することなく、プライマリデジタルアセットに読み込むことができる独自の特性を持ち得る。同様に、アップグレードは独自の所有権に拘束され、プライマリデジタルアセットとは別に譲渡/移転し得る。
【0023】
図1に示されるアーキテクチャ10を再び参照すると、バスケットボールビデオゲームのコンテキストでは、NFT裏地付きジャージに適用され得る「アップグレード」には、例えば、ジャージ上に積層され得る広告ロゴ/標識(広告アセット32)、ジャージ及び/又は基礎となるアバターの外観、感触、及び/又は性能を変える装飾、付属品、視覚効果、性能強化(特徴アセット34)、外部イベントの発生又は確率的結果のいずれかに基づいて視覚的又は性能の変化を引き起こす条件付き特徴(条件付きアセット36)が含まれ得る。
【0024】
引き続き、
図1に示されるバスケットボールジャージの例を参照すると、この実施形態では、広告アセット32は、ジャージ16の外側の視覚表面(すなわち、ゲーム12内)に貼り付けられるロゴ50を含み得る。一実施形態では、ジャージ16にあるロゴ50の位置及びサイズは、(すなわち、最終物品の外観及び感触に対する何らかの制御を維持するために)ジャージの作成者26によって指定され得る、プライマリアセットNFT18で指定されてよい。例えば、NFT18は、ジャージ16の中央に大きな形状で表示されるプライマリロゴを表す第1広告トークンコンテナと、袖、肩、又はその他の目立たない場所に比較的小さい形状で表示されるセカンダリロゴを表す第2広告トークンコンテナとを含み得る。各コンテナは、コンテナによって規定された広告を表示するコントラクト上の権利を表す、対応する広告トークンを受け取るように動作し得る。この実施形態では、広告トークンは、グラフィックスファイル(又は広告ロゴを動的に割り当て得る広告サーバ)へのポインタを含み得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、ロゴ50は、単に、広告トークン/アセット32によって表され得る、より広範な広告/スポンサーコントラクトのコンポーネントであってもよい。より具体的には、広告アセット32の所持/所有権は、より伝統的なスポーツスポンサーのコントラクト上の権利及び義務を表し得る。条件と範囲に同意すると、トークンの所有権がユーザのウォレット又はアカウントに渡され、プライマリNFT18によって参照又は含まれ得る。いくつかの実施形態では、このような条項には、ロゴの表示(及び/又は自動移転を容易にするメカニズム)に対してユーザに負う金額の表示及び/又はコントラクトの指定条項が含まれ得る。さらに、いくつかの実施形態では、トークンは、プライマリデジタルアセット作成者及び/又はゲームホストにコントラクト金額の一部を自動的に送金するメカニズムを含み得る。この意味において、広告アセット32は、一定レベルのエクスポージャー又はインプレッション数に続いて、広告主又は広告市場51からユーザのアカウントに支払金を自動的に送金するスマートコントラクトを含み得る。オープンな仮想世界又はゲーマーのプレイのオンラインストリーミングのコンテキストでは、以前の時代では一般的であったように、インプレッション数はnの1を超え得る。コントラクト締結後、トークンはペナルティなしで期限切れ、焼き付け、破壊、又はその他の方法で非アクティブ化することができる。
【0026】
バスケットボールジャージの例を続けると、いくつかの実施形態では、特徴アセット34は、ジャージがどのように見えるか、どのように現れるか、又はアバター/プレイヤー14の行動に影響を与えるかを増強する視覚的オーバーレイ又は機能変更であってもよい。ジャージアセットと共に利用され得る特徴の例には、一時的な配色、火災オーバーレイ52、電力オーバーレイ、オーバーレイドチェーン、特定の光輝又は輝き、及び/又は塵雲、コウモリ、オオスズメバチなどの様々な周囲の特徴が含まれる。さらにいくつかの実施形態では、特徴アセット34は、ジェットパック(登録商標)、ロケット、装甲などの補助特徴、又は性能に影響を与える性質(例えば、より高いジャンプ、より速い走行、敵手との接触を開始するときのより大きな力)を有し得る他の特徴を含み得る。この可能な特徴のリストは例示であり、厳密に限定されるべきではないことを理解すべきである。
【0027】
一実施形態では、特徴アセット34は、ユーザによって所有される場合及び/又はプライマリアセットNFTによって参照される場合に、プライマリデジタルアセット、アバター、さらには環境内の他の人が認識する周囲の仮想環境の機能又は性能を変更し得る、別個のトークン化されたデジタル収集品を含んでよい。例えば、一実施形態では、特徴アセット34は、バスケットボールシューズなどの特定の消費者製品に関連して発行された米国特許のトークン化された視覚的表現を含み得る。ユーザがこのトークンを所有すると、ユーザのプレイヤー/アバターが着用したときに、同様の靴に独自の能力、スキン、配色、及び/又は性能特性が提供され得る。同様に、例えばデジタル広告及び/又は仮想環境アーキテクチャ(例えば本出願など)に関連するNFT特許画像を所有すると、所有者/持ち主に、限られた期間又は事前に定義された期間、独自の能力又は環境の制御を与える権利が与えられ得る。
【0028】
一実施形態では、技術の創作者に動機を提供する方法は、特許の発明者の名前で、発行された特許を代表するNFTデジタル収集品を作ることを含み得る。このNFTデジタル特許証明書には、該NFTデジタル特許証明書によって表される特許番号が(直接又は仮想的に)マーク付けされる(つまり、35 USC 287の意味内でマーク付けされる)現実の物理世界に対応する製品を有するメタバース内のあらゆる製品の特徴アセット32として、特定の仮想現実又はメタバース属性が含まれ得る。このNFTデジタル特許証明書は、元の所有者/発明者に著作権のパーセンテージを移転するメカニズムを備えた、その後の価値移転(販売又はリース)で完全に譲渡可能である。
【0029】
NFT特許画像は、保有者に独自の力(例えば、パワーアップ、無敵、無制限の弾薬/武器/強さ/速度など)を提供できる素晴らしいコレクターアイテムの一実施形態であるが、他の実施形態では、同様の機能上の利点は、収集品のNFTトレーディングカードでも得られる可能性がある(例えば、ユーザがコンソールベースのデジタルピックルボールゲームでスター選手としてプレイしている場合、該ピックルボール選手のNFTはパワーアップを提供し得る)。デジタル収集品を特徴アセット34として使用すると、NFT収集品に新しいメタバースレベルのユーティリティを提供し得る。そうでなければ、該NFT収集品は、この上ない美しさ、希少性、又はオリジンのためだけに収集される。
【0030】
特徴アセット34は明確にトークン化され譲渡可能であるため、いくつかの実施形態では、特徴アセットはデジタル市場で再販売され得る。特徴アセットを表すトークンには、例えば、グラフィックスファイルのソースの場所を識別するためのポインタ、特徴自体のタイミング属性又は動的機能の表示、及び/又は特徴がアバターの行動又は能力メトリクスにどのような影響を与え得るかの表示が含まれ得る。いくつかの実施形態では、トークンは、時間又は使用に基づいた性能劣化をさらに有し得る。それにより、プライマリアセット/アバターに与えられた能力は、時間の経過又は使用とともに劣化又は減少し得る。そのため、ユーザが特徴アセットをリースすることで収益化しようとするモデルでは、ユーザは、アセットの寿命又は性能の低下を理解し、得られる利益とのバランスをとることが求められ得る(つまり、レンタカーと同様に、新車のほうが、磨耗が顕著で12年の走行距離の長い車よりも高いレンタル料金がかかり得る)。このように性能が低下すると、時間の経過とともに利用可能な在庫を減少させることにより、コレクター市場がさらに強化され得る。
【0031】
上で述べたように、条件付きアセット36は、特徴アセット34と類似し得るが、外部の出来事又は確率によってトリガー又はアクティブ化される何らかの要素を有し得る(ここでは条件付きアセットと呼ばれるが、それは「条件付き及び/又は確率的な」アセットと見なす方がより適切であることに注意する)。条件付きアセット36の例には、現実世界の特定のバスケットボールプレイヤーがリーグ戦で一定の得点を獲得したとき、オールスターに選ばれたとき、リーグ優勝したとき、又は殿堂入りを果たしたとき、ジャージ16の色を変えるアクセサリーパックが含まれ得る。別の例では、ユーザが複数のゲーム/プラットフォームにわたって特定の数のゲーマーポイントを達成した場合、又は特定の地域、国内、又は世界的なプレイヤーランクを達成した場合、ジャージは、皮を剥がされ、又は特定の標識が付けられ得る。いずれの場合も、トリガーは直接のゲーム環境12の外部のソースから発生する。例えば、一実施形態では、自動実行スマートコントラクト又は条件評価ロジック60は、データリポジトリ、インターネット検索、信頼できるソース、ブロックチェーンオラクル62、ゲーム12、及び/又は何らかの他のサードパーティリファレンスから入力を受信し得る。スマートコントラクト/ロジック60は、1つ又は複数の所定の条件を評価することができ、適切な条件が満たされる場合、コントラクト/ロジック60は、視覚的又は性能の変更を反映するために、サブアセットトークン(又はその視覚的表現)の変更を開始し得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、条件付きイベントには、(現実世界又は仮想世界内で)特定のジオフェンス境界を越えるユーザが含まれ得る。例えば、ユーザのプライマリデジタルアセットは、拡張現実感メガネ/デバイスを使用して見たときに、ユーザの身体上で知覚できるTシャツであり得る。コンサートチケットを購入すると、ユーザは、Tシャツに適用できるデジタル照明効果を含む条件付きアセット特徴パックを受信し得る。ただし、照明効果の条件として、ユーザは物理的にコンサート会場内にいる必要がある(つまり、所定の時間内にジオフェンス境界を越えて有効化ゾーンに入っていなければならない)。このゾーンを出ると、効果が無効になり得る。この例では、上記参照により組み込まれる米国特許出願公開第2020/0184041号に記載されているのと同様に、特徴アセットは、検証された小売取引の後に受信され得ることに注意する。
【0033】
場合によっては、条件付きアセット34は、外部イベントのバイナリの発生のみに依存するのではなく、確率的チャンスの何らかの要素を含み得る。より具体的には、そのような確率的アセットには、購入された/受け取ったときに、さまざまな形式を有する確率的なチャンスがある(例えば、第1フォーム/色の確率が60%、第2フォーム/色の確率が30%、第3フォーム/色の確率が9%、第4フォーム/色の確率が1%である)が、視覚的な外観又は機能上の利点が不確かなアセットが含まれ得る。何らかのトリガーイベントが発生すると、乱数発生器又は他の確率的選択ルーチンがサブアセットの結果の形式を決定し得る。イベントをトリガーする例は、条件付き外部イベント、ゲーム関連イベント、ユーザによるトークンの受信、又はユーザ(又はユーザのアバター)が事前に定義されたジオフェンス境界を越えること、などを含み得る。コンサートTシャツの例を続けると、会場に入ると、一部のユーザは一時的な照明効果を受け取る可能性があるが、他のユーザはコンサート後又はジオフェンスの外でも持続するコンサートTシャツのスキン/アップリケを受け取ることができる。いくつかの実施形態では、フォームが選択されると、永続性を達成するためにそれをトークンに書き込むことができる。
【0034】
米国特許出願公開第2020/0184041号は、デジタルアセットに対する遺伝的修飾子の使用について論じているが、現在開示されている特徴サブアセット及び条件付きサブアセットは、非遺伝的修飾子と見なされ得る。これらのサブアセットは、プライマリアセット自体にコア又は永続的な変更を加えることなく、プライマリアセットの上に効果的に重なり得る。追加されたレイヤーがプライマリアセットの一部を完全にマスクする場合でも(例えば、新しい配色をプライマリアセットにオーバーレイ又はオーバースキンすることによって)、特徴サブアセット/トークンを破棄すると、単純にマスクが削除され、プライマリアセットの外観が元の状態に戻る。
【0035】
図1に示すアーキテクチャ10は、仮想現実又は複合現実環境内でデジタルアセットを最大限に活用する方法について、より優れた制御と柔軟性をユーザに提供し得る。各サブアセットは完全に譲渡可能であるため、現在の技術は、未使用及び/又は中古のサブアセットの市場を作成又は拡張することもできる。いくつかの実施形態では、上で述べたように、各トークンは、合意された期間の間、第三者に貸し出すことができる。このような特徴により、ユーザは未使用のアセット又はサブアセットをデジタル市場でリースすることで収益源を生み出し得る。未使用のアセットの例には、(例えば、ユーザがジャージ用に3つの別々のジェットパック(登録商標)を有し、それぞれが異なる外観と機能上の利点を有する場合に)アパレル又は履物製品の特定の配色及び/又は冗長な特徴が含まれ得る。さらに、このリース機能により、ジェットパック(登録商標)のレンタル企業(すなわち、企業が複数のジェットパック(登録商標)特徴アセット34を取得し、飛行中の仮想世界を周遊するために、所定の期間、それらをエンドユーザにレンタル/リースする)など、仮想世界内で新しい企業が生まれ得る。
【0036】
特徴のデジタル市場と同様に、いくつかの実施形態では、本アーキテクチャは、広告のデジタル市場64を含み得る。そうすることで、ロゴ50を有する企業は、それぞれが特定のロゴファイルへのリファレンスを含む複数のNFTを生成する。いくつかの実施形態では、単にロゴを提供することに加えて、企業は、いくら支払う意思があるのかを示したり、使用に対する制約(地理的、ターゲット層、ゲームなど)を提供したりすることもある。市場に公開されると、ユーザは市場に入り、所定の時間又はインプレッションの間、プライマリアセットにロゴを着用することに同意する特定の「スポンサー」に同意することができる。ロゴが選択されると、生成されたトークンがユーザに渡され、ユーザはロゴ50を表示するための金額の受け取りを開始し得る。さらに、いくつかの実施形態では、プライマリアセットの作成者は、ロゴをサポートする車両を提供したことに対してコミッションを受け取り得る。同様に、ゲームホストは、ロゴが見える環境を提供したことに対してコミッションを受け取り得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、この広告モデルは、ゲーム内でスポーツマーケティングゲームを作成し得る。より具体的には、ユーザは、最大の収益の可能性を提供するロゴを市場から選択することで、潜在的な収入源を最大化したいと考える。1つの構成では、市場は、企業によって設定された制約、各企業のターゲット市場、利用可能な広告の総供給量、広告の総需要、及びユーザの影響範囲に基づいて価格を動的に調整し得る。例えば、企業は、ターゲットの人口統計/視聴者/地域(物理世界)内の個人への掲載には、そのターゲットの人口統計/視聴者/地域外の個人への掲載よりも高い料金を喜んで支払うだろう。つまり、地方のレストランチェーンは、遠い国での広告宣伝に、地元の市場で行うほどの費用はかからない可能性が高くなる。
【0038】
いくつかの実施形態では、ユーザには、市場内の広告コストに影響を与える可能性のある影響範囲の評価が割り当てられ得る。より具体的には、より大きな影響範囲を有するユーザは、比較的小さな影響範囲を有するユーザよりも高い広告料金を要求し得る。影響範囲の評価は、ゲーム内の影響/可視性とゲーム外の影響/可視性の一方又は両方を反映し得る。ゲーム内で考慮される要因としては、例えば、ゲームランキング、ゲームポイント、トーナメントランキング、チーム又はクラスランキングなどが挙げられる。同様に、ゲーム外の要因には、複数のゲーム又はプラットフォームにわたる性能又はランキング、1つ以上のソーシャルメディアアカウントのフォロワー数、最近作成/ストリーミングされたコンテンツ(及び関連するビュー/賛意)の量が含まれ得る。このように、プロのスポーツ選手と同じように、ゲーマーがゲームで成功したり、ゲーム外のフォロワーを引き付けたりするほど、広告主はその個人に関連付けられたロゴを表示するためにより多くの費用を払うことになる。
【0039】
前述の開示はバスケットボールビデオゲームのコンテキスト内で行われたが、仮想現実又は複合現実デジタル環境内の環境広告にも同様に適用できる。より具体的には、プライマリアセットはバスケットボールジャージではなく、広告板又はその他のデジタルサイネージであってもよい。バスケットボール選手の影響範囲に基づいて広告の価格を設定するのと同様に、広告板上の広告も、広告板の影響範囲に基づいて価格を設定され得る。これは、例えば、広告が所定の期間にわたって受信すると予想されるインプレッション数又はビュー数の観点から測定され得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、広告がホストされる仮想環境は、任意のトークン化アセットが所定の近傍内の他のトークン化アセットの量及び性質をポーリングできるようにするアプリケーション層を含み得る。いくつかの実施形態では、1つの可能な条件付き特徴は、特定の価値又は希少性のトークン化されたアセットが、プライマリアセットの所定の近傍内にある場合の視覚的変更又はビデオ表示を含み得る。プライマリアセットが広告板の広告である一実施形態では、特定のトークン化アセット、又は少なくとも何らかの所定の希少性スコアを有するトークン化アセットの近くは、表示された広告を無効にする仮想店頭又は仮想体験のロックを解除し得る。
【0041】
さらに別の例では、本技術はデジタルアートワーク又は収集品に関連して使用され得る。例えば、デジタル収集品には、外部イベントの発生に基づいて静的又は動的な外観を変更する条件付きサブアセットトークンが含まれ得る。例えば、グリーンスケープのNFTベースの画像には、既知の死体花が現実に咲くたびに、咲く死体花の動的な画像を挿入する条件付きサブアセットが含まれ得る(つまり、現実の死体花が咲くことはまれであり、多くの場合文書化されたイベントであることを理解する)。この例では、条件付き死体花サブアセットは、その作成者によってトークン化され、所定の量で生成され得る。その後、プライマリアート所有者は死体花のサブアセットを取得し、すでに所有しているアートに組み込むことができる。同様に、作成者は、月に向かって飛行したり、月を過ぎたりする宇宙船のサブアセットを作り、該サブアセットは、他のデジタル収集品に挿入され得る。例えば、特別な関心のある企業株の価格が所定の金額又はパーセンテージを超えて上昇した場合にトリガーされ得る。
【0042】
上述の技術は様々な形式で実装できることを理解すべきである。NFT技術は一貫して参照されるが、この技術は1つ以上のパブリックブロックチェーン、プライベートブロックチェーンを通じて実装され、かつ/あるいは、1つ以上のサイドチェーン、スマートコントラクト、データベースなどを組み込み得る。
【0043】
本開示の態様は、いくつかの実施形態では、本明細書で説明されるコントローラ又はコントローラのバリエーションのいずれかによって実行されるソフトウェアアプリケーション又はアプリケーションプログラムと一般的に呼ばれる、プログラムモジュールなどのコンピュータ実行可能命令プログラムを通じて実装され得る。ソフトウェアには、非限定的な例として、特定のタスクを実行する、又は特定のデータ型を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、及びデータ構造が含まれ得る。ソフトウェアは、コンピュータが入力ソースに従って反応できるようにするインタフェースを形成し得る。ソフトウェアは、受信データのソースと併せて受信したデータに応答して、他のコードセグメントと連携してさまざまなタスクを開始することもできる。ソフトウェアは、CD-ROM、磁気ディスク、バブルメモリ、及び半導体メモリ(例えば、様々な種類のRAM又はROM)などの様々なメモリ媒体のいずれかに記憶され得る。
【0044】
さらに、本開示の態様は、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベース又はプログラマブル家電、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータなどを含む、様々なコンピュータシステム及びコンピュータネットワーク構成で実施され得る。本開示は、また、タスクが、例えば、通信ネットワークを介してリンクされた遠隔処理装置によって実行される分散コンピューティング環境において実施され得る。分散コンピューティング環境では、プログラムモジュールは、メモリストレージデバイスを含むローカル及びリモートのコンピュータ記憶媒体の両方に配置できる。したがって、本開示の態様は、コンピュータシステム又は他の処理システムにおけるさまざまなハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせと関連して実装され得る。
【0045】
本明細書に記載される方法のいずれも、(a)プロセッサ、(b)コントローラ、及び/又は(c)任意の他の適切な処理デバイスによって実行される機械可読命令を含み得る。本明細書に開示される任意のアルゴリズム、ソフトウェア、制御ロジック、プロトコル又は方法は、例えば、フラッシュメモリ、CD-ROM、フロッピーディスク、ハードドライブ、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、又は他のメモリデバイスなどの有形媒体に記憶されたソフトウェアとして具体化され得る。又は、アルゴリズム全体、制御ロジック、プロトコル、方法、及び/又はその一部は、コントローラ以外のデバイスによって実行され、かつ/あるいは、利用可能な方法でファームウェア又は専用ハードウェアに具体化される(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルロジックデバイス(FPLD)、ディスクリートロジックなどによって実装される)。さらに、本明細書に示すフローチャートを参照して特定のアルゴリズムを説明するが、例示的な機械可読命令を実装する他の多くの方法を代わりに使用することもできる。
【0046】
本開示の態様を、図示の実施形態を参照して詳細に説明する。しかしながら、当業者であれば、本開示の範囲から逸脱することなく多くの修正を加えることができることを認識するであろう。本開示は、本明細書に開示される厳密な構造及び組成に限定されない。前述の説明から明らかなあらゆる修正、変更、及び変形は、添付の特許請求の範囲によって定義される開示の範囲内にある。さらに、本発明の概念には、前述の要素及び特徴の任意の、及び全ての組み合わせ及びサブ組み合わせが明示的に含まれる。
【0047】
本技術のさらなる態様は、以下の条項で提供され、前述の開示を考慮して読む必要がある。
【0048】
条項1
デジタル環境で多層デジタルアセットを表示する方法であって、プライマリデジタルアセットを表す第1デジタルグラフィックスファイルの第1取得位置を識別する第1ポインタと、第2デジタルグラフィックスファイルの第2取得位置を識別する第2ポインタを含む第2サブアセットNFTへのリファレンスと、を含むコアアセット情報を含む、第1プライマリ非代替性暗号トークン(NFT)に関連付けられたデータをデジタルブロックチェーン台帳から取得することと、前記第1取得位置を介して前記第1デジタルグラフィックスファイルを取得することと、前記第2ポインタを含む、前記第2サブアセットNFTに関連付けられたデータを前記デジタルブロックチェーン台帳から取得することと、前記第2取得位置を介して前記第2デジタルグラフィックスファイルを取得することと、前記第2デジタルグラフィックスファイルからの画像を前記プライマリデジタルアセット上に重ねて前記多層デジタルアセットを形成することと、デジタル環境で前記多層デジタルアセットを表示することとを含む、方法。
【0049】
条項2
前記第2サブアセットNFTが広告アセットであり、前記第2デジタルグラフィックスファイルからの前記画像が広告ロゴ又は標識を含む、条項1に記載の方法。
【0050】
条項3
前記第2取得位置は、複数の広告ロゴ又は標識を有する市場を含む、条項2に記載の方法。
【0051】
条項4
前記多層デジタルアセットを表示することは、キャラクターアバターと組み合わせて前記多層デジタルアセットを表示することを含み、前記キャラクターアバターは、前記デジタル環境内でユーザによって制御される、条項2~3のいずれかに記載の方法。
【0052】
条項5
前記第2NFTは、自己実行型コントラクトをさらに含み、前記自己実行型コントラクトは、実行されると、前記デジタル環境における前記多層デジタルアセットの前記表示に続いて、ある金額を前記ユーザに関連付けられたアカウントに自動的に転送するデジタルソフトウェアコードを含む、条項4に記載の方法。
【0053】
条項6
前記金額は、前記自己実行型コントラクトの前記デジタルソフトウェアコード内で定義される、条項5に記載の方法。
【0054】
条項7
前記キャラクターアバターは、複数の属性を含み、前記金額は、部分的には、前記複数の属性のうちの少なくとも1つの属性の関数である、条項6に記載の方法。
【0055】
条項8
前記金額は、第1金額であり、前記第1NFTの前記コアアセット情報は、前記プライマリデジタルアセットの作成者の識別情報をさらに含み、前記デジタルソフトウェアコードは、実行されると、第2金額を、前記プライマリデジタルアセットの前記作成者に関連付けられたアカウントに自動的に転送する、条項5~7のいずれかに記載の方法。
【0056】
条項9
前記金額は、第1金額であり、前記デジタルソフトウェアコードは、実行されると、第2金額を、前記デジタル環境の作成者に関連付けられたアカウントに自動的に転送する、条項5~7のいずれかに記載の方法。
【0057】
条項10
前記プライマリデジタルアセットは、前記キャラクターアバターが着用するように動作するアパレル又は履物製品である、条項4~9のいずれかに記載の方法。
【0058】
条項11
前記プライマリデジタルアセットは、スポーツジャージである、条項10に記載の方法。
【0059】
条項12
前記第2デジタルグラフィックスファイルからの前記画像を前記プライマリデジタルアセット上に重ねることは、前記プライマリデジタルアセットの色を変更するために前記プライマリデジタルアセットの一部を完全にマスクすることを含む、条項1~11のいずれかに記載の方法。
【0060】
条項13
前記第2サブアセットNFTが特徴アセットであり、前記第2デジタルグラフィックスファイルからの前記画像が部分的に透明なオーバーレイを含み、
前記第2デジタルグラフィックスファイルからの前記画像を前記プライマリデジタルアセット上に重ねることは、前記プライマリデジタルアセットが前記オーバーレイを通して少なくとも部分的に見えるように、前記部分的に透明なオーバーレイで前記プライマリデジタルアセットをオーバーレイすることを含む、条項1~12のいずれかに記載の方法。
【0061】
条項14
前記部分的に透明なオーバーレイが、炎、電力、又は、塵雲のうちの少なくとも1つを含む、条項13に記載の方法。
【0062】
条項15
前記多層デジタルアセットを表示することは、前記多層デジタルアセットをキャラクターアバターと組み合わせて表示することを含み、前記キャラクターアバターは、前記デジタル環境内でユーザによって制御され、前記キャラクターアバターは、前記デジタル環境内で前記キャラクターアバターがどのように動作又は実行するかに影響を与えるように動作する複数のキャラクター属性をさらに含み、前記第2サブアセットNFTは、特徴アセットであり、少なくとも1つの性能属性を含むデータを含み、前記方法は、前記第2サブアセットNFTの少なくとも1つの性能属性に従って、前記複数のキャラクター属性のうちの少なくとも1つを変更することをさらに含む、条項1~14のいずれかに記載の方法。
【0063】
条項16
前述した、前記複数のキャラクター属性のうちの少なくとも1つを変更することは、前記デジタル環境内での前記第2サブアセットNFTの時間又は使用量の関数として減少させることである、条項15に記載の方法。
【0064】
条項17
前記第2サブアセットNFTは、第3デジタルグラフィックスファイルの第3取得位置を識別する第3ポインタを含み、前記方法は、さらに、前記第3デジタルグラフィックスファイルを前記第3取得位置から取得することと、前記デジタル環境内で前記第3デジタルグラフィックスファイルからの画像を表示することとを含む、条項15~16のいずれかに記載の方法。
【0065】
条項18
前記第3デジタルグラフィックスファイルからの前記画像は、トレーディングカード又は特許の画像を含む、条項17に記載の方法。
【0066】
条項19
外部ソースから、イベントが発生したという指示を受信することをさらに含み、前記多層デジタルアセットの表示は、前記イベントが発生したという前記指示を受信した後にのみ行われる、条項1~18のいずれかに記載の方法。
【0067】
条項20
前記イベントは、前記デジタル環境の外部で発生するイベント又は出来事である、条項19に記載の方法。
【0068】
条項21
前記イベントは、現実世界のイベント又は出来事である、条項20に記載の方法。
【0069】
条項22
前記外部ソースは、ブロックチェーンオラクルである、条項21に記載の方法。
【0070】
条項23
前記イベントは、ユーザがジオフェンス境界を越えることである、条項19~22のいずれかに記載の方法。
【0071】
条項24
前記第2NFTが、第1デジタルウォレット又はアカウントに保持され、前記方法は、さらに、前記第2NFTを第2デジタルウォレット又はアカウントに転送するリクエストを転送するか又は作ることと、前記第1NFTの前記データに前記第2NFTの前記転送の指示を追加するリクエストを追加するか又は作ることと、前記多層デジタルアセットから前記画像を削除することとを含む、条項1~23のいずれかに記載の方法。
【0072】
条項25
前記デジタル環境は、拡張現実又は複合現実環境である、条項1~24のいずれかに記載の方法。
【国際調査報告】