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特表2024-518061アップリンク直交周波数分割多元接続(UL-OFDMA)を使用するWi-Fiセンシングのためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-24
(54)【発明の名称】アップリンク直交周波数分割多元接続(UL-OFDMA)を使用するWi-Fiセンシングのためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 4/38 20180101AFI20240417BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20240417BHJP
   H04W 72/04 20230101ALI20240417BHJP
【FI】
H04W4/38
H04W84/12
H04W72/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568686
(86)(22)【出願日】2022-05-13
(85)【翻訳文提出日】2023-11-08
(86)【国際出願番号】 IB2022054498
(87)【国際公開番号】W WO2022238975
(87)【国際公開日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】63/188,826
(32)【優先日】2021-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
2.WCDMA
(71)【出願人】
【識別番号】318010214
【氏名又は名称】コグニティヴ システムズ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ベグ,クリス
(72)【発明者】
【氏名】オマル,モハマド
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067BB27
5K067CC02
5K067DD17
5K067DD43
5K067EE02
5K067EE10
5K067JJ11
(57)【要約】
UL-OFDMAを使用するWi-Fiセンシングのためのシステム及び方法が提供される。Wi-Fiセンシングシステムは、センシングデバイスと、無線周波数信号を介して通信するように構成されたセンシング伝送機と、を含む。最初に、第1のチャネルリソースが、センシング伝送機からの第1の予想される伝送に割り振られ、センシング伝送機からの第1の一連のセンシング伝送をトリガするための第1のセンシングトリガメッセージが伝送される。更に、第1の一連のセンシング伝送が受信され、第1の一連のセンシング測定値が生成される。その後、関心特徴の識別情報が取得され、センシング伝送機の選択が決定される。第2のチャネルリソースが、センシング伝送機の選択からの第2の予想される伝送に割り振られる。センシング伝送機の選択からの第2の一連のセンシング伝送をトリガするための第2のセンシングトリガメッセージが提供される。一連のセンシング伝送が受信され、第2の一連のセンシング伝送に基づいて第2の一連のセンシング測定値が生成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝送アンテナと、受信アンテナと、命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、を含むセンシング受信機によって実行されるWi-Fiセンシングのための方法であって、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、第1のチャネルリソースを第1の複数のセンシング伝送機からの第1の予想される伝送に割り振ることであって、前記第1の複数のセンシング伝送機の各々は、前記第1のチャネルリソースの第1のそれぞれの部分を割り振られる、割り振ることと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、一連のセンシング伝送に基づいて一連のセンシング測定値を生成することと、
前記一連のセンシング測定値に従って関心特徴の識別情報を取得することと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記関心特徴の前記識別情報に従って、第2のチャネルリソースを第2の複数のセンシング伝送機に割り振ることと、を含み、
前記第2の複数のセンシング伝送機の各々は、前記第2のチャネルリソースの第2のそれぞれの部分を割り振られ、
前記第2の複数のセンシング伝送機は、前記第1の複数のセンシング伝送機のサブセットであり、
前記第2のチャネルリソースの少なくとも1つの第2のそれぞれの部分は、前記第1のチャネルリソースの対応する第1のそれぞれの部分よりも大きい、方法。
【請求項2】
前記伝送アンテナを介して、前記第1の複数のセンシング伝送機からの前記一連のセンシング伝送をトリガするように構成されたセンシングサウンディングトリガフレームを伝送することと、
前記受信アンテナを介して、前記センシングサウンディングトリガフレームに応答して伝送された前記一連のセンシング伝送を受信することと、を更に含み、
前記センシングサウンディングトリガフレームは、要求された伝送構成及びスキャンモードに対応するリソース割り振りサブフィールドを含むスキャンタイプトリガフレームである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のチャネルリソースは、第1の伝送機会内に含まれ、
前記一連のセンシング伝送は、スキャンモードに対応する第1の一連のセンシング伝送であり、
前記第1のチャネルリソースは、前記スキャンモードに従って前記第1の複数のセンシング伝送機に割り振られ、
前記第2のチャネルリソースは、第2の伝送機会内に含まれ、
前記第2のチャネルリソースは、検出モードに従って前記第2の複数のセンシング伝送機に割り振られる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のチャネルリソース及び前記第2のチャネルリソースは、同じ伝送機会内に含まれ、
前記一連のセンシング伝送は、スキャンモードに対応する第1の一連のセンシング伝送であり、
前記第1のチャネルリソースは、前記スキャンモードに従って前記第1の複数のセンシング伝送機に割り振られ、
前記第2のチャネルリソースは、検出モードに従って前記第2の複数のセンシング伝送機に割り振られる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のチャネルリソースを割り振ることは、伝送機会内の時間及び帯域幅を前記第1の複数のセンシング伝送機に割り振ることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記関心特徴の前記識別情報を取得することは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記一連のセンシング測定値に応答して、前記関心特徴を識別することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記関心特徴の前記識別情報を取得することは、
前記一連のセンシング測定値をセンシングアルゴリズムデバイスに伝送することと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記センシングアルゴリズムデバイスから、前記関心特徴の前記識別情報を受信することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第2のチャネルリソースを割り振ることは、前記関心特徴への近接度に基づいて前記第2の複数のセンシング伝送機を選択することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記一連のセンシング測定値は、第1の一連のセンシング測定値であり、前記一連のセンシング伝送は、第1の一連のセンシング伝送であり、前記方法は、
第2の一連のセンシング伝送に基づいて、前記第1の一連のセンシング測定値よりも高い分解能の第2の一連のセンシング測定値を生成することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記関心特徴は、第1の関心特徴と第2の関心特徴とを含み、
前記関心特徴の前記識別情報に基づいて前記第2のチャネルリソースを割り振ることは、
前記第1の関心特徴の識別情報に従って、センシング伝送機の第1の選択を決定することと、
前記第2の関心特徴の識別情報に従って、センシング伝送機の第2の選択を決定することと、を含み、
前記センシング伝送機の前記第1の選択及び前記センシング伝送機の前記第2の選択は、前記第2の複数のセンシング伝送機を構成する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のチャネルリソースは、第1の伝送機会内に含まれ、
前記一連のセンシング伝送は、スキャンモードに対応する第1の一連のセンシング伝送であり、
前記第2のチャネルリソースは、第2の伝送機会内に含まれ、
第2のセンシングサウンディングトリガフレームは、ハイブリッドタイプトリガフレームを含み、前記ハイブリッドタイプトリガフレームは、センシング伝送機の第1のグループから、前記スキャンモードに対応する第1の第2の一連のセンシング伝送をトリガし、センシング伝送機の第2のグループから、ハイブリッドモードに対応する第2の第2の一連のセンシング伝送をトリガするように構成され、
前記第2のチャネルリソースの第1の部分は、前記ハイブリッドタイプトリガフレームに応答して受信された前記第1の第2の一連のセンシング伝送のうちのセンシング伝送に割り振られ、
前記第2のチャネルリソースの第2の部分は、前記ハイブリッドタイプトリガフレームに応答して受信された前記第2の第2の一連のセンシング伝送のうちのセンシング伝送に割り振られる、請求項2に記載の方法。
【請求項12】
前記センシングサウンディングトリガフレームは、第1のセンシングサウンディングトリガフレームであり、前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記第2の複数のセンシング伝送機からのセンシング伝送機の第1のグループからの第2のセンシング伝送の第1のグループをトリガし、前記第2の複数のセンシング伝送機からのセンシング伝送機の第2のグループからのセンシング伝送の第2のグループをトリガするように構成された第2のセンシングサウンディングトリガフレームを伝送するために更に構成されている、請求項2に記載の方法。
【請求項13】
前記伝送アンテナを介して、前記第1の複数のセンシング伝送機からの前記一連のセンシング伝送をトリガするように構成されたセンシングサウンディングトリガフレームを伝送することと、
前記受信アンテナを介して、前記センシングサウンディングトリガフレームに応答して伝送された前記一連のセンシング伝送を受信することと、を更に含み、
前記センシングサウンディングトリガフレームを伝送することは、前記第1の複数のセンシング伝送機からのセンシング伝送機の第1のグループからのセンシング伝送の第1のグループをトリガし、前記第1の複数のセンシング伝送機からのセンシング伝送機の第2のグループからのセンシング伝送の第2のグループをトリガするように構成された前記センシングサウンディングトリガフレームを伝送することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
システムであって、
伝送アンテナと、受信アンテナと、少なくとも1つのプロセッサと、を含むセンシング受信機を備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、第1のチャネルリソースを第1の複数のセンシング伝送機からの第1の予想される伝送に割り振ることであって、前記第1の複数のセンシング伝送機の各々は、前記第1のチャネルリソースの第1のそれぞれの部分を割り振られる、割り振ることと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、一連のセンシング伝送に基づいて一連のセンシング測定値を生成することと、
前記一連のセンシング測定値に従って関心特徴の識別情報を取得することと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記関心特徴の前記識別情報に従って、第2のチャネルリソースを第2の複数のセンシング伝送機に割り振ることと、を行うための命令を実行するように構成されており、
前記第2の複数のセンシング伝送機の各々は、前記第2のチャネルリソースの第2のそれぞれの部分を割り振られ、
前記第2の複数のセンシング伝送機は、前記第1の複数のセンシング伝送機のサブセットであり、
前記第2のチャネルリソースの少なくとも1つの第2のそれぞれの部分は、前記第1のチャネルリソースの対応する第1のそれぞれの部分よりも大きい、システム。
【請求項15】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記伝送アンテナを介して、前記第1の複数のセンシング伝送機からの前記一連のセンシング伝送をトリガするように構成されたセンシングサウンディングトリガフレームを伝送することと、
前記受信アンテナを介して、前記センシングサウンディングトリガフレームに応答して伝送された前記一連のセンシング伝送を受信することと、を行うために更に構成されており、
前記センシングサウンディングトリガフレームは、要求された伝送構成及びスキャンモードに対応するリソース割り振りサブフィールドを含むスキャンタイプトリガフレームである、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1のチャネルリソースは、第1の伝送機会内に含まれ、
前記一連のセンシング伝送は、スキャンモードに対応する第1の一連のセンシング伝送であり、
前記第1のチャネルリソースは、前記スキャンモードに従って前記第1の複数のセンシング伝送機に割り振られ、
前記第2のチャネルリソースは、第2の伝送機会内に含まれ、
前記第2のチャネルリソースは、検出モードに従って前記第2の複数のセンシング伝送機に割り振られる、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1のチャネルリソース及び前記第2のチャネルリソースは、同じ伝送機会内に含まれ、
前記一連のセンシング伝送は、スキャンモードに対応する第1の一連のセンシング伝送であり、
前記第1のチャネルリソースは、前記スキャンモードに従って前記第1の複数のセンシング伝送機に割り振られ、
前記第2のチャネルリソースは、検出モードに従って前記第2の複数のセンシング伝送機に割り振られる、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1のチャネルリソースを割り振ることは、伝送機会内の時間及び帯域幅を前記第1の複数のセンシング伝送機に割り振ることを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
前記関心特徴の前記識別情報を取得することは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記一連のセンシング測定値に応答して、前記関心特徴を識別することを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項20】
前記関心特徴の前記識別情報を取得することは、
前記一連のセンシング測定値をセンシングアルゴリズムデバイスに伝送することと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記センシングアルゴリズムデバイスから、前記関心特徴の前記識別情報を受信することと、を含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項21】
前記第2のチャネルリソースを割り振ることは、前記関心特徴への近接度に基づいて前記第2の複数のセンシング伝送機を選択することを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項22】
前記一連のセンシング測定値は、第1の一連のセンシング測定値であり、前記一連のセンシング伝送は、第1の一連のセンシング伝送であり、前記少なくとも1つのプロセッサは、
第2の一連のセンシング伝送に基づいて、前記第1の一連のセンシング測定値よりも高い分解能の第2の一連のセンシング測定値を生成するために更に構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項23】
前記関心特徴は、第1の関心特徴と第2の関心特徴とを含み、
前記関心特徴の前記識別情報に基づいて前記第2のチャネルリソースを割り振ることは、
前記第1の関心特徴の識別情報に従って、センシング伝送機の第1の選択を決定することと、
前記第2の関心特徴の識別情報に従って、センシング伝送機の第2の選択を決定することと、を含み、
前記センシング伝送機の前記第1の選択及び前記センシング伝送機の前記第2の選択は、前記第2の複数のセンシング伝送機を構成する、請求項14に記載のシステム。
【請求項24】
前記第1のチャネルリソースは、第1の伝送機会内に含まれ、
前記一連のセンシング伝送は、スキャンモードに対応する第1の一連のセンシング伝送であり、
前記第2のチャネルリソースは、第2の伝送機会内に含まれ、
第2のセンシングサウンディングトリガフレームは、ハイブリッドタイプトリガフレームを含み、前記ハイブリッドタイプトリガフレームは、センシング伝送機の第1のグループから、前記スキャンモードに対応する第1の第2の一連のセンシング伝送をトリガし、センシング伝送機の第2のグループから、ハイブリッドモードに対応する第2の第2の一連のセンシング伝送をトリガするように構成されており、
前記第2のチャネルリソースの第1の部分は、前記ハイブリッドタイプトリガフレームに応答して受信された前記第1の第2の一連のセンシング伝送のうちのセンシング伝送に割り振られ、
前記第2のチャネルリソースの第2の部分は、前記ハイブリッドタイプトリガフレームに応答して受信された前記第2の第2の一連のセンシング伝送のうちのセンシング伝送に割り振られる、請求項15に記載のシステム。
【請求項25】
前記センシングサウンディングトリガフレームは、第1のセンシングサウンディングトリガフレームであり、前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記第2の複数のセンシング伝送機からのセンシング伝送機の第1のグループからの第2のセンシング伝送の第1のグループをトリガし、前記第2の複数のセンシング伝送機からのセンシング伝送機の第2のグループからのセンシング伝送の第2のグループをトリガするように構成された第2のセンシングサウンディングトリガフレームを伝送するために更に構成されている、請求項15に記載のシステム。
【請求項26】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記伝送アンテナを介して、前記第1の複数のセンシング伝送機からの前記一連のセンシング伝送をトリガするように構成されたセンシングサウンディングトリガフレームを伝送することと、
前記受信アンテナを介して、前記センシングサウンディングトリガフレームに応答して伝送された前記一連のセンシング伝送を受信することと、を行うために更に構成されており、
前記センシングサウンディングトリガフレームを伝送することは、前記第1の複数のセンシング伝送機からのセンシング伝送機の第1のグループからのセンシング伝送の第1のグループをトリガし、前記第1の複数のセンシング伝送機からのセンシング伝送機の第2のグループからのセンシング伝送の第2のグループをトリガするように構成された前記センシングサウンディングトリガフレームを伝送することを含む、請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、Wi-Fiセンシングのためのシステム及び方法に関する。具体的には、本開示は、アップリンク直交周波数分割多元接続(UL-OFDMA)を使用してWi-Fiセンシングを実施するようにWi-Fiシステムを構成することに関する。
【背景技術】
【0002】
動き検出システムは、例えば、部屋又は屋外エリア内の物体の移動を検出するために使用されている。一部の例示的な動き検出システムでは、赤外線センサ又は光学センサが、センサの視野内の物体の移動を検出するために使用される。動き検出システムは、セキュリティシステム、自動制御システム、及び他のタイプのシステムにおいて使用されている。Wi-Fiセンシングシステムは、動き検出システムに最近追加されたものの1つである。Wi-Fiセンシングシステムは、IEEE802.11ネットワークの一部であり得るWi-Fi対応デバイスのネットワークであり得る。一例では、Wi-Fiセンシングシステムは、センシング空間内の関心特徴を検出するように構成することができる。センシング空間は、居住地、仕事場、ショッピングモール、スポーツホール若しくはスポーツスタジアム、庭、又は任意の他の物理空間などの、Wi-Fiセンシングシステムが動作し得る任意の物理空間を指すことがある。関心特徴として、物体の動き及び動き追跡、存在検出、侵入検出、ジェスチャ認識、転倒検出、呼吸数検出、及び他のアプリケーションが挙げられる。本明細書で提示される実施形態の態様は、Wi-Fiセンシングシステムを改善することを提供する。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、概して、Wi-Fiセンシングのためのシステム及び方法に関する。特に、本開示は、アップリンク直交周波数分割多元接続(UL-OFDMA)を使用してWi-Fiセンシングを実施するようにWi-Fiシステムを構成することに関する。
【0004】
Wi-Fiセンシングのためのシステム及び方法が提供される。例示的な実施形態では、Wi-Fiセンシングのための方法が説明される。本方法は、伝送アンテナと、受信アンテナと、命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサとを備えるセンシング受信機によって実行される。本方法は、少なくとも1つのプロセッサによって、第1のチャネルリソースを第1の複数のセンシング伝送機からの第1の予想される伝送に割り振ることであって、第1の複数のセンシング伝送機の各々は、第1のチャネルリソースの第1のそれぞれの部分を割り振られる、割り振ることと、少なくとも1つのプロセッサによって、一連のセンシング伝送に基づいて一連のセンシング測定値を生成することと、一連のセンシング測定値に従って関心特徴の識別情報を取得することと、少なくとも1つのプロセッサによって、関心特徴の識別情報に従って、第2のチャネルリソースを第2の複数のセンシング伝送機に割り振ることと、を含み、第2の複数のセンシング伝送機の各々は、第2のチャネルリソースの第2のそれぞれの部分を割り振られ、第2の複数のセンシング伝送機は、第1の複数のセンシング伝送機のサブセットであり、第2のチャネルリソースの少なくとも1つの第2のそれぞれの部分は、第1のチャネルリソースの対応する第1のそれぞれの部分よりも大きい。
【0005】
一部の実装形態では、本方法は、伝送アンテナを介して、第1の複数のセンシング伝送機からの一連のセンシング伝送をトリガするように構成されたセンシングサウンディングトリガフレームを伝送することと、受信アンテナを介して、センシングサウンディングトリガフレームに応答して伝送された一連のセンシング伝送を受信することと、を更に含み、センシングサウンディングトリガフレームは、要求された伝送構成及びスキャンモードに対応するリソース割り振りサブフィールドを含むスキャンタイプトリガフレームである。
【0006】
一部の実装形態では、第1のチャネルリソースは、第1の伝送機会内に含まれ、一連のセンシング伝送は、スキャンモードに対応する第1の一連のセンシング伝送であり、第1のチャネルリソースは、スキャンモードに従って第1の複数のセンシング伝送機に割り振られ、第2のチャネルリソースは、第2の伝送機会内に含まれ、第2のチャネルリソースは、検出モードに従って第2の複数のセンシング伝送機に割り振られる。
【0007】
一部の実装形態では、第1のチャネルリソース及び第2のチャネルリソースは、同じ伝送機会内に含まれ、一連のセンシング伝送は、スキャンモードに対応する第1の一連のセンシング伝送であり、第1のチャネルリソースは、スキャンモードに従って第1の複数のセンシング伝送機に割り振られ、第2のチャネルリソースは、検出モードに従って第2の複数のセンシング伝送機に割り振られる。
【0008】
一部の実装形態では、第1のチャネルリソースを割り振ることは、伝送機会内の時間及び帯域幅を第1の複数のセンシング伝送機に割り振ることを含む。
【0009】
一部の実装形態では、関心特徴の識別情報を取得することは、少なくとも1つのプロセッサによって、一連のセンシング測定値に応答して、関心特徴を識別することを含む。
【0010】
一部の実装形態では、関心特徴の識別情報を取得することは、一連のセンシング測定値をセンシングアルゴリズムデバイスに伝送することと、少なくとも1つのプロセッサによって、センシングアルゴリズムデバイスから、関心特徴の識別情報を受信することと、を含む。
【0011】
一部の実装形態では、第2のチャネルリソースを割り振ることは、関心特徴への近接度に基づいて、第2の複数のセンシング伝送機を選択することを含む。
【0012】
一部の実装形態では、一連のセンシング測定値は、第1の一連のセンシング測定値であり、一連のセンシング伝送は、第1の一連のセンシング伝送であり、本方法は、第2の一連のセンシング伝送に基づいて、第1の一連のセンシング測定値よりも高い分解能の第2の一連のセンシング測定値を生成することを更に含む。
【0013】
一部の実装形態では、関心特徴は、第1の関心特徴と第2の関心特徴とを含み、関心特徴の識別情報に基づいて第2のチャネルリソースを割り振ることは、第1の関心特徴の識別情報に従って、センシング伝送機の第1の選択を決定することと、第2の関心特徴の識別情報に従って、センシング伝送機の第2の選択を決定することと、を含み、センシング伝送機の第1の選択及びセンシング伝送機の第2の選択は、第2の複数のセンシング伝送機を構成する。
【0014】
一部の実装形態では、第1のチャネルリソースは、第1の伝送機会内に含まれ、一連のセンシング伝送は、スキャンモードに対応する第1の一連のセンシング伝送であり、第2のチャネルリソースは、第2の伝送機会内に含まれ、第2のセンシングサウンディングトリガフレームは、ハイブリッドタイプトリガフレームを含み、ハイブリッドタイプトリガフレームは、センシング伝送機の第1のグループから、スキャンモードに対応する第1の第2の一連のセンシング伝送をトリガし、センシング伝送機の第2のグループから、ハイブリッドモードに対応する第2の第2の一連のセンシング伝送をトリガするように構成され、第2のチャネルリソースの第1の部分は、ハイブリッドタイプトリガフレームに応答して受信された第1の第2の一連のセンシング伝送のうちのセンシング伝送に割り振られ、第2のチャネルリソースの第2の部分は、ハイブリッドタイプトリガフレームに応答して受信された第2の第2の一連のセンシング伝送のうちのセンシング伝送に割り振られる。
【0015】
一部の実装形態では、センシングサウンディングトリガフレームは、第1のセンシングサウンディングトリガフレームであり、少なくとも1つのプロセッサは、第2の複数のセンシング伝送機からのセンシング伝送機の第1のグループからの第2のセンシング伝送の第1のグループをトリガし、第2の複数のセンシング伝送機からのセンシング伝送機の第2のグループからのセンシング伝送の第2のグループをトリガするように構成された第2のセンシングサウンディングトリガフレームを伝送するために更に構成される。
【0016】
一部の実装形態では、本方法は、伝送アンテナを介して、第1の複数のセンシング伝送機からの一連のセンシング伝送をトリガするように構成されたセンシングサウンディングトリガフレームを伝送することと、受信アンテナを介して、センシングサウンディングトリガフレームに応答して伝送された一連のセンシング伝送を受信することと、を更に含み、センシングサウンディングトリガフレームを伝送することは、第1の複数のセンシング伝送機からのセンシング伝送機の第1のグループからのセンシング伝送の第1のグループをトリガし、第1の複数のセンシング伝送機からのセンシング伝送機の第2のグループからのセンシング伝送の第2のグループをトリガするように構成されたセンシングサウンディングトリガフレームを伝送することを含む。
【0017】
更なる実装形態では、Wi-Fiセンシングのために構成されたシステムが提供される。システムは、伝送アンテナと、受信アンテナと、少なくとも1つのプロセッサと、を含むセンシング受信機を備え、少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つのプロセッサによって、第1のチャネルリソースを第1の複数のセンシング伝送機からの第1の予想される伝送に割り振ることであって、第1の複数のセンシング伝送機の各々は、第1のチャネルリソースの第1のそれぞれの部分を割り振られる、割り振ることと、少なくとも1つのプロセッサによって、一連のセンシング伝送に基づいて一連のセンシング測定値を生成することと、一連のセンシング測定値に従って関心特徴の識別情報を取得することと、少なくとも1つのプロセッサによって、関心特徴の識別情報に従って、第2のチャネルリソースを第2の複数のセンシング伝送機に割り振ることと、を行うための命令を実行するように構成され、第2の複数のセンシング伝送機の各々は、第2のチャネルリソースの第2のそれぞれの部分を割り振られ、第2の複数のセンシング伝送機は、第1の複数のセンシング伝送機のサブセットであり、第2のチャネルリソースの少なくとも1つの第2のそれぞれの部分は、第1のチャネルリソースの対応する第1のそれぞれの部分よりも大きい。
【0018】
本開示の他の態様及び利点は、本開示の原理を例として示す添付の図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本開示の上記及び他の目的、態様、特徴、及び利点は、添付の図面と併せて以下の説明を参照することによって、より明らかになり、よりよく理解されるであろう。
【0020】
図1】例示的なワイヤレス通信システムを示す図である。
図2A-2B】ワイヤレス通信デバイス間で通信される例示的なワイヤレス信号を示す図である。
図3A-3B】図2A及び図2Bのワイヤレス通信デバイス間で通信されたワイヤレス信号から計算されたチャネル応答の例を示すプロットである。
図4A-4B】空間の別個の領域における物体の動きに関連付けられた例示的なチャネル応答を示す図である。
図4C-4D】空間内で動きが発生していないことに関連付けられた例示的なチャネル応答上にオーバーレイされた図4A及び図4Bの例示的なチャネル応答を示すプロットである。
図5】一部の実施形態による、Wi-Fiセンシングのためのシステムの実装形態のアーキテクチャのうちの一部の実装形態を描示する。
図6】一部の実施形態による、アップリンク直交周波数分割多元接続(OFDMA)伝送手順及びトリガフレームのフォーマットを描示する。
図7A-7G】一部の実施形態によるトリガフレーム内のフィールドの階層を描示する。
図8】一部の実施形態による、20MHzチャネルにおけるリソースユニット(RU)の許容可能な割り振りの表現を描示する。
図9】一部の実施形態による、40MHzチャネルにおけるRUの許容可能な割り振りの表現を描示する。
図10】一部の実施形態による、80MHzチャネルにおけるRUの許容可能な割り振りの表現を描示する。
図11】一部の実施形態による、センシングデバイスの状態遷移図を描示する。
図12A-12H】一部の実施形態による、UL-OFDMAセンシングトリガメッセージ内のフィールドの階層を描示する。
図13】一部の実施形態による、例示的なUL-OFDMAベースのセンシング伝送トランザクションを描示する。
図14】一部の実施形態による、例示的なマルチユーザ(MU)カスケードシーケンスセンシング伝送トランザクションを描示する。
図15】一部の実施形態による、大規模ネットワークをスキャンするための例示的なMUカスケードシーケンスセンシング伝送トランザクションを描示する。
図16】一部の実施形態による、複数の関心特徴を検出するための例示的なMUカスケードシーケンスセンシング伝送トランザクションを描示する。
図17】一部の実施形態による、フルネットワークスキャンを維持しながら関心特徴を検出するために使用される例示的なMUカスケードシーケンスセンシング伝送トランザクションを描示する。
図18】一部の実施形態による、大帯域幅センシング伝送を用いて関心特徴を検出するための例示的なMUカスケードシーケンスセンシング伝送トランザクションを描示する。
図19A-19C】一部の実施形態による、関心特徴に基づいてセンシング測定値を生成するためのフローチャートを描示する。
図20A-20D】一部の実施形態による、複数の関心特徴に基づいてセンシング測定値を生成するためのフローチャートを描示する。
図21】一部の実施形態による、関心特徴を識別するためのフローチャートを描示する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
Wi-Fiセンシングシステム(ワイヤレスセンシングシステムとも称される)は、信号をリモートデバイスに伝送し、リモートデバイスから受信された応答を分析することによって、環境を測定することができる。Wi-Fiセンシングシステムは、環境及びその変化を分析するために繰り返し測定を実施することができる。Wi-Fiセンシングシステムは、既存の通信構成要素とともに動作することができ、定義されたプロトコルに基づいて複数のデバイス間のエアタイムリソース使用状況を調整するために使用され得る媒体アクセス制御(MAC)層エンティティを有することから利益を得ている。
【0022】
Wi-Fiセンシングシステムの関連する標準化目標のうちの1つは、802.11ネットワーク上にWi-Fiセンシング能力をオーバーレイすることがネットワークの通信機能を損なわないように、既存のWi-Fiネットワーク上の追加のオーバーヘッドを低減することである。現在、Wi-Fiセンシングシステムにおけるセンシングのために特に定義された既知のMACプロトコルは存在しない。Wi-Fiセンシングシステムにおけるセンシングの一態様は、リモートデバイスからのセンシング伝送の要請である。Wi-Fiセンシングエージェントが存在、ロケーション及び動きを検出することを可能にするように最適化される特性を有するリモートデバイスからのセンシング伝送の要請を可能にするためのMAC層に対する改善は、既存のシステム性能に大きな影響を及ぼす可能性がある。特に、センシングのために最適化されたリモートデバイス伝送(又はセンシング伝送)の要求又は要請は、リモートデバイスのアップリンクスケジューラに影響を及ぼす可能性がある。センシング伝送を伝送するようにリモートデバイスに要求又は要請するための既存のメカニズムが存在している。しかしながら、かかるメカニズムは、異なる目的のために設計されていた。その結果、これらのメカニズムは、効率的ではなく、制御にフレキシビリティを提供せず、異なるベンダの実装間で普遍的に一貫していない。更に、チャネルサウンディングプロトコルが、Wi-Fiセンシングをサポートするために考慮される場合がある。しかしながら、チャネルサウンディングプロトコルは現在、フレキシビルでないため、Wi-Fiセンシングをサポートするかかる機能は不可能である。
【0023】
Wi-Fiシステムのためのプロトコルは、センシング要件に対してデータ転送メカニズムに基づいて行われる決定を用いて設計される。その結果、Wi-Fiセンシングの態様は、一般的なWi-Fiシステム内では開発されないことが多い。Wi-Fiシステムにおけるアンテナビーム形成に関して、デジタル信号処理は、最適なデータ転送目的のために伝送機又は受信機の方向に高いアンテナ利得のビームを向けるが、その結果、アンテナパターンは、センシング要件をサポート又は強化しない可能性がある。
【0024】
本明細書で説明するものの一部の態様では、ワイヤレスセンシングシステムは、ワイヤレス通信デバイス間の空間を通して伝送されたワイヤレス信号(例えば、無線周波数信号)を処理することによって、種々のワイヤレスセンシングアプリケーションのために使用され得る。例示的なワイヤレスセンシングアプリケーションは、動き検出を含み、動き検出は、空間内の物体の動きの検出、動き追跡、呼吸検出、呼吸監視、存在検出、ジェスチャ検出、ジェスチャ認識、人間の検出(動いている人間の検出及び静止している人間の検出)、人間追跡、転倒検出、速度推定、侵入検出、歩行検出、歩数カウント、呼吸数検出、無呼吸推定、姿勢変化検出、活動認識、歩行率分類、ジェスチャ復号、手話認識、手の追跡、心拍数推定、呼吸数推定、部屋占有検出、人間ダイナミクス監視、及び他のタイプの動き検出アプリケーションを含み得る。ワイヤレスセンシングアプリケーションの他の例は、物体認識、発話認識、キーストローク検出及び認識、改竄検出、タッチ検出、攻撃検出、ユーザ認証、運転者疲労検出、交通監視、喫煙検出、学校暴力検出、人間計数、人間認識、自転車位置特定、人間キュー推定、Wi-Fiイメージング、及び他のタイプのワイヤレスセンシングアプリケーションを含む。例えば、ワイヤレスセンシングシステムは、Wi-Fi信号又は他のタイプのワイヤレス信号に基づいて動きの存在及びロケーションを検出するための動き検出システムとして動作してもよい。以下でより詳細に説明されるように、ワイヤレスセンシングシステムは、例えば、システム動作を改善するために、又は他の技術的利点を達成するために、測定レート、ワイヤレス接続及びデバイス参加を制御するように構成され得る。ワイヤレスセンシングシステムが動き検出のために使用されるときに達成されるシステム改善及び技術的利点は、ワイヤレスセンシングシステムが別のタイプのワイヤレスセンシングアプリケーションのために使用される例においても達成される。
【0025】
一部の例示的なワイヤレスセンシングシステムでは、ワイヤレス信号は、ワイヤレスデバイスがチャネル応答又は他のチャネル情報を推定するために使用され得る構成要素(例えば、Wi-Fi PHYフレーム中の同期プリアンブル、又は別のタイプの構成要素)を含み、ワイヤレスセンシングシステムは、経時的に収集されたチャネル情報の変化を分析することによって動き(又はワイヤレスセンシングアプリケーションに応じて別の特性)を検出することができる。一部の例では、ワイヤレスセンシングシステムは、Wi-Fiアクセスポイント(AP)が受信機の役割を担い、APに接続された各Wi-Fiデバイス(ステーション又はノード又はピア)が伝送機の役割を担う、バイスタティックレーダーシステムのように動作することができる。ワイヤレスセンシングシステムは、伝送を生成し、受信機デバイスにおいてチャネル応答測定値を生成するように、接続されたデバイスをトリガすることができる。このトリガプロセスは、一連の時変測定値を取得するために周期的に繰り返すことができる。ワイヤレスセンシングアルゴリズムは、次いで、(例えば、Wi-Fi受信機によって計算された)生成されたチャネル応答測定値の時系列を入力として受信することができ、次いで、相関又はフィルタ処理プロセスを通して、決定を行うことができる(例えば、例えば、チャネル推定における変化若しくはパターンに基づいて、チャネル応答によって表される環境内に動きがあるか、又は動きがないかを決定する)。ワイヤレスセンシングシステムが動きを検出する例では、複数のワイヤレスデバイスの間の動き検出結果に基づいて、環境内の動きのロケーションを識別することも可能であり得る。
【0026】
したがって、ワイヤレス通信ネットワーク中のワイヤレス通信デバイスの各々において受信されたワイヤレス信号は、ネットワーク中の(ワイヤレス通信デバイスのそれぞれのペア間の)様々な通信リンクについてのチャネル情報を決定するために分析され得る。チャネル情報は、空間を横断するワイヤレス信号に伝達関数を適用する物理媒体を表すことができる。一部の事例では、チャネル情報はチャネル応答を含む。チャネル応答は、物理的通信経路を特徴付けることができ、例えば、伝送機と受信機との間の空間内の散乱、フェーディング、及び電力減衰の組み合わされた影響を表す。一部の事例では、チャネル情報は、ビームフォーミングシステムによって提供されるビームフォーミング状態情報(例えば、フィードバック行列、ステアリング行列、チャネル状態情報(CSI)など)を含む。ビームフォーミングは、指向性信号伝送又は受信のためのマルチアンテナ(多入力/多出力(MIMO))無線システムにおいてしばしば使用される信号処理技術である。ビームフォーミングは、特定の角度における信号が強め合う干渉を経験し、他の信号が弱め合う干渉を経験するように、アンテナアレイ中の要素を動作させることによって達成され得る。
【0027】
通信リンクの各々についてのチャネル情報は、(例えば、ワイヤレス通信ネットワーク中のハブデバイス若しくは他のデバイス、又はネットワークに通信可能に結合されたリモートデバイスによって)分析されて、例えば、動きが空間内で発生したかどうかを検出するか、検出された動きの相対的なロケーションを決定するか、又はその両方を行うことができる。一部の態様では、通信リンクの各々についてのチャネル情報は、例えば、空間内で動きが検出されない場合、物体が存在するか不在であるかを検出するために分析され得る。
【0028】
場合によっては、ワイヤレスセンシングシステムは、ノード測定レートを制御することができる。例えば、Wi-Fi動きシステムは、現在のワイヤレスセンシングアプリケーション(例えば、動き検出)によって提供される基準に基づいて、可変測定レート(例えば、チャネル推定/環境測定/サンプリングレート)を構成してもよい。一部の実装形態では、例えば、ある時間期間にわたって動きが存在しないか又は検出されない場合、ワイヤレスセンシングシステムは、接続されたデバイスがあまり頻繁にトリガされないように、環境が測定されるレートを低減することができる。一部の実装形態では、例えば、動きが存在するとき、ワイヤレスセンシングシステムは、より細かい時間分解能を有する測定値の時系列を生成するために、トリガレートを増加させることができる。可変測定レートを制御することは、(デバイスのトリガリングを通して)エネルギー節約を可能にし、処理を低減し(相関又はフィルタリングするためのより少ないデータ)、規定された時間中の分解能を改善することができる。
【0029】
場合によっては、ワイヤレスセンシングシステムは、ワイヤレスネットワーク全体にわたってノードの帯域ステアリング又はクライアントステアリングを実施することができ、例えば、Wi-FiマルチAP又は拡張サービスセット(ESS)トポロジでは、複数の協調ワイヤレスアクセスポイント(AP)は各々、異なる周波数帯域を占有し、デバイスが1つの参加APから別の参加AP(例えば、メッシュ)に透過的に移動することを可能にし得る基本サービスセット(BSS)を提供する。例えば、ホームメッシュネットワーク内で、Wi-Fiデバイスは、APのいずれかに接続することができるが、典型的には、良好な信号強度を有するものを選択する。メッシュAPのカバレージフットプリントは概して重複しており、しばしば、各デバイスを通信範囲又は2つ以上のAP内に置く。APがマルチバンド(例えば、2.4GHz及び5GHz)をサポートする場合、ワイヤレスセンシングシステムは、デバイスを同じ物理APに接続されたままにするが、ワイヤレスセンシングアルゴリズム(例えば、動き検出アルゴリズム)の精度又は結果を改善するのを助けるために、より多様な情報を取得するために異なる周波数帯域を使用するように命令することができる。一部の実装形態では、ワイヤレスセンシングシステムは、デバイスを1つのメッシュAPに接続されている状態から別のメッシュAPに接続されている状態に変更することができる。かかるデバイスのステアリングは、検出カバレージを改善するために、又はエリア内の動きをより良く局所化するために、特定のエリアにおいて検出された基準に基づいて、例えば、ワイヤレスセンシング(例えば、動き検出)中に実施することができる。
【0030】
場合によっては、ビームフォーミングは、(例えば、受信機によって生成されたフィードバックプロパティを通して)通信チャネルの何らかの知識に基づいてワイヤレス通信デバイス間で実施することができ、これを使用して、特定の1つ以上の方向に伝送ビーム/信号を成形するために伝送機デバイスによって適用される1つ以上のステアリングプロパティ(例えば、ステアリング行列)を生成することができる。したがって、ビーム形成プロセスで使用されるステアリング特性又はフィードバックプロパティの変化は、ワイヤレス通信システムによってアクセスされる空間内の、移動物体によって引き起こされ得る変化を示す。例えば、動きは、ある時間期間にわたる、例えば、チャネル応答、又はステアリング若しくはフィードバックプロパティ、あるいはそれらの任意の組み合わせによって示されるような、通信チャネルの実質的な変化によって検出されてもよい。
【0031】
一部の実装形態では、例えば、ステアリング行列は、チャネルサウンディングに基づいて受信機デバイス(ビームフォーミー)によって提供されたフィードバック行列に基づいて伝送機デバイス(ビームフォーマ)において生成され得る。ステアリング行列及びフィードバック行列は、チャネルの伝搬特性に関連するため、これらの行列は、物体がチャネル内で移動するにつれて変化する。したがって、チャネル特性の変化は、これらの行列に反映され、行列を分析することによって、動きを検出することができ、検出された動きの異なる特性を決定することができる。一部の実装形態では、空間マップは、1つ以上のビームフォーミング行列に基づいて生成され得る。空間マップは、ワイヤレス通信デバイスに対する空間内の物体の一般的な方向を示すことができる。場合によっては、ワイヤレス通信デバイスに対して物体が位置し得る多数の方向を表すために、多くのビームフォーミング行列(例えば、フィードバック行列又はステアリング行列)が生成され得る。これらの多くのビーム形成行列を使用して、空間マップを生成することができる。空間マップを使用して、空間内の動きの存在を検出し、又は検出された動きのロケーションを検出することができる。
【0032】
一部の事例では、動き検出システムは、動き検出プロセスにおいて可変デバイス測定レートを制御することができる。例えば、マルチノードワイヤレス動き検出システムのためのフィードバック制御システムは、環境条件に基づいてサンプルレートを適応的に変更してもよい。場合によっては、かかる制御は、動き検出システムの動作を改善するか、又は他の技術的利点を提供することができる。例えば、測定レートは、広範囲の異なる環境及び異なる動き検出アプリケーションに好適なエアタイム使用量対検出能力を最適化するか、又は別様で改善する様式で制御されてもよい。測定レートは、処理される冗長な測定データを低減し、それによってプロセッサ負荷/電力要件を低減する様式で制御され得る。場合によっては、測定レートは、適応的である様式で制御され、例えば、適応サンプルは、各参加デバイスについて個々に制御され得る。適応サンプルレートは、異なる使用事例又はデバイス特性のためのチューニング制御ループとともに使用され得る。
【0033】
場合によっては、ワイヤレスセンシングシステムは、デバイスが、それらのワイヤレスセンシング能力又はワイヤレスセンシング意思をワイヤレスセンシングシステムに動的に示し、通信することを可能にし得る。例えば、APがチャネル測定値を生成することを可能にするワイヤレス信号を伝送するために、デバイスが周期的に中断又はトリガされることを望まない場合があり得る。例えば、デバイスがスリープしている場合、ワイヤレスセンシング信号を伝送又は受信するためにデバイスを頻繁に起動することは、リソースを消費する可能性がある(例えば、携帯電話バッテリをより速く放電させる)。これら及び他のイベントによって、デバイスがワイヤレスセンシングシステムの動作に参加する意思を持ったり持たなかったりする可能性がある。場合によっては、そのバッテリで動作している携帯電話は、参加することを望まない場合があるが、携帯電話が充電器にプラグ接続されているときには、参加する意思がある場合がある。したがって、携帯電話がプラグを抜かれている場合、携帯電話を参加から除外するようにワイヤレスセンシングシステムに示すことができ、一方、携帯電話がプラグを差し込まれている場合、携帯電話をワイヤレスセンシングシステムの動作に含めるようにワイヤレスセンシングシステムに示すことができる。場合によっては、デバイスが負荷を受けている(例えば、オーディオ又はビデオをストリーミングしているデバイス)か、又は一次機能を実施している最中である場合、デバイスは参加することを望まないことがあり、同じデバイスの負荷が低減され、参加することが一次機能に干渉しない場合、デバイスは、それが参加する意思があることをワイヤレスセンシングシステムに示すことができる。
【0034】
例示的なワイヤレスセンシングシステムは、動き検出(空間内の物体の動きの検出、動き追跡、呼吸検出、呼吸監視、存在検出、ジェスチャ検出、ジェスチャ認識、人間の検出(動いている人間の検出及び静止している人間の検出)、人間追跡、転倒検出、速度推定、侵入検出、歩行検出、歩数カウント、呼吸数検出、無呼吸推定、姿勢変化検出、活動認識、歩行率分類、ジェスチャ復号、手話認識、手の追跡、心拍数推定、呼吸数推定、部屋占有検出、人間ダイナミクス監視、及び他のタイプの動き検出アプリケーション)の文脈において以下に説明される。しかしながら、ワイヤレスセンシングシステムが動き検出システムとして動作しているときに達成される動作、システム改善、及び技術的利点は、ワイヤレスセンシングシステムが別のタイプのワイヤレスセンシングアプリケーションのために使用される例においても適用可能である。
【0035】
本明細書の実施形態で開示されるように、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)センシングプロシージャにより、ステーション(STA)は、WLANセンシングを実施することができる。WLANセンシングは、WLANセンシングセッションを含み得る。例えば、WLANセンシングプロシージャ、WLANセンシング、及びWLANセンシングセッションは、ワイヤレスセンシングプロシージャ、ワイヤレスセンシング、及びワイヤレスセンシングセッション、Wi-Fiセンシングプロシージャ、Wi-Fiセンシング、及びWi-Fiセンシングセッション、又はセンシングプロシージャ、センシング、及びセンシングセッションと称されることがある。
【0036】
WLANセンシングは、STAが、2つ以上のSTA間のチャネル、及び/又はSTA若しくはアクセスポイント(AP)の受信アンテナと伝送アンテナとの間のチャネルのセンシング測定値を取得することを可能にするサービスである。WLANセンシングプロシージャは、センシングセッションセットアップ、センシング測定セットアップ、センシング測定インスタンス、センシング測定セットアップ終了、及びセンシングセッション終了のうちの1つ以上から構成され得る。
【0037】
本明細書で開示する例では、センシングセッションセットアップ及びセンシング測定セットアップは、センシング構成と称されることがあり、センシング構成メッセージによって達成され得、センシング構成応答メッセージによって確認され得る。センシング測定インスタンスは、個々のセンシング測定であり得、センシング伝送から導出することができる。例えば、センシング構成メッセージは、センシング測定セットアップ要求と称されることがあり、センシング構成応答メッセージは、センシング測定セットアップ応答と称されることがある。
【0038】
WLANセンシングプロシージャは、複数のセンシング測定インスタンスを含み得る。例えば、複数のセンシング測定インスタンスは、測定キャンペーンと称されることがある。
【0039】
センシングイニシエータは、WLANセンシングプロシージャを開始するSTA又はAPを指すことがある。センシングレスポンダは、センシングイニシエータによって開始されたWLANセンシングプロシージャに参加するSTA又はAPを指すことがある。センシング伝送機は、WLANセンシングプロシージャにおいてセンシング測定のために使用される物理層プロトコルデータユニット(PPDU)を伝送するSTA又はAPを指すことがある。センシング受信機は、センシング伝送機によって送信されたPPDUを受信し、WLANセンシングプロシージャにおいてセンシング測定を実施するSTA又はAPを指すことがある。
【0040】
例えば、センシング測定のために使用されるPPDUは、センシング伝送と称されることがある。
【0041】
センシングイニシエータとして機能するSTAは、センシング伝送機、センシング受信機、センシング伝送機及びセンシング受信機の両方、又はセンシング伝送機でもセンシング受信機でもないものとして、センシング測定インスタンスに参加することができる。センシングレスポンダとして機能するSTAは、センシング伝送機、センシング受信機、並びにセンシング伝送機及びセンシング受信機の両方としてセンシング測定インスタンスに参加することができる。
【0042】
一例では、センシングイニシエータは、WLANセンシングプロシージャ又は測定キャンペーンを制御するとみなすことができる。センシングイニシエータの役割は、センシングデバイス、リモートデバイス、又はセンシングアルゴリズム(例えば、センシングアルゴリズムマネージャ)を含む別個のデバイスによって引き継がれてもよい。
【0043】
例えば、センシング伝送機は、リモートデバイスと称されることがあり、センシング受信機は、センシングデバイスと称されることがある。他の例では、センシングイニシエータは、センシングデバイス又はリモートデバイスの機能であってもよく、センシングレスポンダは、センシングデバイス又はリモートデバイスの機能であっておよい。
【0044】
IEEE P802.11-REVmd/D5.0は、STAを、規格によって定義された特徴をサポートすることが可能な物理(PHY)及び媒体アクセスコントローラ(MAC)エンティティであるとみなす。STAを含むデバイスは、Wi-Fiデバイスと称されることがある。(IEEE P802.11-REVmd/D5.0によって定義されるような)基本サービスセット(BSS)を管理するWi-Fiデバイスは、AP STAと称されることがある。BSS内のクライアントノードであるWi-Fiデバイスは、非AP STAと称されることがある。一部の例では、AP STAはAPと称されることがあり、非AP STAはSTAと称されることがある。
【0045】
本開示の様々な実施形態では、本明細書で使用される1つ以上の用語の非限定的な定義を以下に提供する。
【0046】
「測定キャンペーン」という用語は、一連のセンシング測定値が計算されることを可能にする、(ワイヤレスアクセスポイント、Wi-Fiアクセスポイント、アクセスポイント、センシングイニシエータ、又はセンシング受信機として概して知られている)センシングデバイスと(Wi-Fiデバイス、センシングレスポンダ、又はセンシング伝送機として概して知られている)1つ以上のリモートデバイスとの間の双方向の一連のセンシング伝送を指すことがある。
【0047】
「チャネル状態情報(CSI)」という用語は、チャネル推定の技術によって既知又は測定される通信チャネルの特性を指すことがある。
【0048】
「訓練フィールド」という用語は、リモートデバイスによって知られており、含有PHY層プロトコルデータユニット(PPDU)のデータ部分の復調以外の目的でチャネルを測定するために受信時に使用される、センシングデバイスによって伝送されたビットのシーケンスを指すことがある。一例では、訓練フィールドは、伝送されたPPDUのプリアンブル内に含まれる。一部の例では、将来の訓練フィールドは、プリアンブル構造(レガシーサポートを有するカスケーディング訓練フィールド)内で定義され得るか、又は既存の訓練フィールド(非レガシーサポート)を置き換え得る。
【0049】
「アップリンク直交周波数分割多元接続(UL-OFDMA)センシングトリガメッセージ」という用語は、UL-OFDMAを使用して単一の伝送機会(TXOP)においてセンシング伝送を生成するための、センシングデバイスから1つ以上のリモートデバイスへのメッセージを指すことがある。UL-OFMDAセンシングトリガメッセージは、UL-OFMDAセンシングトリガメッセージに応答してどのようにセンシング伝送を形成するかを1つ以上のリモートデバイスに命令するデータを含む。
【0050】
「マルチユーザ(MU)カスケードシーケンス」は、センシングデバイスが単一のTXOP内で1つ以上のリモートデバイスからの複数の伝送をトリガする、センシングデバイスと1つ以上のリモートデバイスとの間で交換されるフレームのシーケンスを指すことがある。
【0051】
「伝送機会(TXOP)」という用語は、センシングデバイス又は1つ以上のリモートデバイスがワイヤレス媒体上へのフレーム交換を開始する権利を有し得る、ネゴシエートされた時間間隔を指すことがある。TXOPは、TXOPの持続時間の間、チャネルへの無競合アクセスを可能にするIEEE802.11ネットワークの特徴である。場合によっては、TXOPを割り振られているデバイスは、TXOPが割り振られた制約に従ってTXOP中に適応され得るだけの数のフレームを伝送することができる。TXOPは、チャネルが利用可能であり、TXOPを収容することができることを決定する定義されたプロセスによってネゴシエートされ、割り振られる。IEEE802.11の更なる特徴は、UL-OFDMAを使用して、アップリンク方向(例えば、1つ以上のリモートデバイスからセンシングデバイスへ)において複数のデバイス間でTXOPが共有されることを可能にする。
【0052】
「クオリティオブサービス(QoS)アクセスカテゴリ」という用語は、フレームが必要とする伝送の優先度を分類するフレームの識別子を指すことがある。一例では、4つのQoSアクセスカテゴリ、すなわちAC_VI:ビデオ、AC_VO:音声、AC_BE:ベストエフォート及びAC_BK:バックグラウンドが定義される。更に、各QoSアクセスカテゴリは、そのために定義された異なる伝送機会パラメータを有し得る。
【0053】
「リソースユニット(RU)」という用語は、変調された信号を搬送するために使用され得る直交周波数分割多重(OFDM)チャネルの割り振りを指すことがある。RUは、モデムのモードに応じて可変数のキャリアを含み得る。
【0054】
「伝送パラメータ」という用語は、特定のPHYに対応する伝送ベクトル(TXVECTOR)の一部として定義され、各PPDU伝送のために構成可能である、IEEE802.11PHY伝送機構成パラメータのセットを指すことがある。
【0055】
「要求された伝送構成」という用語は、センシング伝送を送信するときに使用されるリモートデバイスの要求された伝送パラメータを指すことがある。一例では、要求された伝送構成は、IEEE802.11Elements(IEEE802.11md/D5.0、§9.4.2)などの1つ以上の構成要素を含み得る。
【0056】
「センシング構成メッセージ」という用語は、例えば、測定キャンペーンのために、リモートデバイスからセンシングデバイスへのセンシング伝送を事前構成するために使用され得る構成メッセージを指すことがある。
【0057】
「センシング構成応答メッセージ」という用語は、どの構成オプションがリモートデバイスによってサポートされるか、例えば、リモートデバイスの伝送能力を示す、センシング構成メッセージに対する応答メッセージを指すことがある。一例では、センシング構成応答メッセージは、センシング構成メッセージに応答してリモートデバイスからセンシングデバイスに伝送され得る。
【0058】
「配信された伝送構成」という用語は、リモートデバイスによってセンシング伝送に適用される伝送パラメータを指すことがある。一例では、配信された伝送構成は、リモートデバイスによってサポートされる伝送パラメータを含み得る。
【0059】
「関心特徴」は、センシングアルゴリズムによって積極的に検出及び/又は識別されるアイテム又はアイテムの状態を指すことがある。
【0060】
「測定時間ジッタ」という用語は、センシング測定の測定時間が不正確であるとき、又は測定時間が利用可能でないときのいずれかに導入される不正確さを指すことがある。
【0061】
「センシングトリガメッセージ」という用語は、センシング測定を実施するために使用され得る1つ以上のセンシング伝送をトリガするためにセンシングデバイスからリモートデバイスに送信されるメッセージを指すことがある。例では、センシングトリガメッセージという用語は、センシングサウンディングトリガメッセージ又はセンシングサウンディングトリガフレームと称されることがある。
【0062】
「センシング伝送」という用語は、センシング測定を行うために使用され得る、リモートデバイスからセンシングデバイスに行われる任意の伝送を指すことがある。一例では、センシング伝送は、ワイヤレスセンシング信号又はワイヤレス信号と称されることもある。一例では、センシング伝送は、センシング測定を行うために使用される1つ以上の訓練フィールドを含むセンシング応答メッセージ又はセンシング応答NDPのいずれかであり得る。
【0063】
「センシング応答メッセージ」という用語は、リモートデバイスからセンシングデバイスへのセンシング伝送内に含まれるメッセージを指すことがある。一例では、センシング応答メッセージを含むセンシング伝送は、センシング測定を実施するために使用され得る。
【0064】
「センシング測定」という用語は、チャネルの状態の測定、例えば、センシング伝送から導出されるリモートデバイスとセンシングデバイスとの間のCSI測定を指すことがある。一例では、センシング測定は、チャネル応答測定と称されることもある。
【0065】
「センシングアルゴリズム」という用語は、センシング目標を達成する計算アルゴリズムを指すことがある。センシングアルゴリズムは、Wi-Fiセンシングエージェントによって実行され得、センシングデバイス又はWi-Fiセンシングシステム内の任意の他のデバイス上で実行され得る。一例では、センシングアルゴリズムは、特定の時間にセンシング目標を満たすためにセンシング測定値に対して計算(又は一連の計算)を実施することを必要とされ得る。
【0066】
「センシング目標」という用語は、ある時点でのセンシング活動の目標を指すことがある。センシング目標は静的ではなく、いつでも変化する可能性がある。センシング目標は、Wi-Fiセンシングエージェントによって決定される。一例では、センシング目標は、特定のタイプ、特定のフォーマット、又は特定の精度、分解能、若しくは正確度のセンシング測定値がセンシングアルゴリズムに利用可能であることを必要とする場合がある。
【0067】
「センシング空間」という用語は、Wi-Fiセンシングシステムが動作し得る任意の物理空間を指すことがある。
【0068】
「ステアリング行列構成」という用語は、各伝送信号について無線周波数(RF)伝送信号チェーンのアンテナを事前調整するために必要とされる実位相及び複素位相を表す複素値の行列を指すことがある。(例えば、空間マッパによる)ステアリング行列構成のアプリケーションは、ビームフォーミング及びビームステアリングを可能にする。
【0069】
「ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)センシングセッション」という用語は、物理空間内の物体が探査され、検出され、及び/又は特徴付けられ得る期間を指すことがある。一例では、WLANセンシングセッション中に、複数のデバイスが参加し、それによってセンシング測定値の生成に寄与する。
【0070】
以下の様々な実施形態の説明を読むために、本明細書のセクション及びそれらのそれぞれの内容の以下の説明が有用であり得る。
【0071】
セクションAでは、本明細書で説明する実施形態を実施するのに有用であり得るワイヤレス通信システム、ワイヤレス伝送、及びセンシング測定について説明する。
【0072】
セクションBでは、Wi-Fiセンシングのためのシステム及び方法の実施形態を説明する。特に、セクションBは、アップリンク直交周波数分割多元接続(UL-OFDMA)を使用してWi-Fiセンシングを実施するためのWi-Fiシステムについて説明する。
【0073】
A.ワイヤレス通信システム、ワイヤレス伝送、及びセンシング測定
図1は、ワイヤレス通信システム100を示している。ワイヤレス通信システム100は、3つのワイヤレス通信デバイス、すなわち、第1のワイヤレス通信デバイス102Aと、第2のワイヤレス通信デバイス102Bと、第3のワイヤレス通信デバイス102Cとを含む。ワイヤレス通信システム100は、追加のワイヤレス通信デバイス及び他の構成要素(例えば、追加のワイヤレス通信デバイス、1つ以上のネットワークサーバ、ネットワークルータ、ネットワークスイッチ、ケーブル、又は他の通信リンクなど)を含み得る。
【0074】
ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cは、例えば、ワイヤレスネットワーク通信プロトコル又は別のタイプのワイヤレス規格に従って、ワイヤレスネットワークにおいて動作することができる。例えば、ワイヤレスネットワークは、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、又は別のタイプのワイヤレスネットワークとして動作するように構成され得る。WLANの例は、IEEEによって開発された規格の802.11ファミリのうちの1つ以上に従って動作するように構成されたネットワーク(例えば、Wi-Fiネットワーク)などを含む。PANの例は、短距離通信規格(例えば、Bluetooth(登録商標)、近距離無線通信(NFC)、ZigBee)、ミリメートル波通信、及び他に従って動作するネットワークを含む。
【0075】
一部の実装形態では、ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cは、例えば、携帯通信網規格に従って、携帯通信網で通信するように構成され得る。携帯通信網の例として、Global System for Mobile(GSM)及びEnhanced Data rate for GSM Evolution(EDGE)又はEGPRSなどの2G規格、符号分割多元接続(CDMA)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)、時分割同期符号分割多元接続(TD-SCDMA)などの3G規格、Long-Term Evolution(LTE)及びLTE-Advanced(LTE-A)などの4G規格、5G規格、及び他に従って構成されたネットワークを含む。
【0076】
図1に示す例では、ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cは、標準的なワイヤレスネットワーク構成要素であり得るか、又はそれらを含み得る。例えば、ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cは、WAPのモデム上に命令(例えば、ソフトウェア又はファームウェア)として埋め込まれる、本明細書で説明する1つ以上の動作を実施する市販のWi-Fiアクセスポイント又は別のタイプのワイヤレスアクセスポイント(WAP)であり得る。場合によっては、ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cは、例えば、市販のメッシュネットワークシステム(例えば、Plume Wi-Fi、Google Wi-Fi、Qualcomm Wi-Fi SoNなど)などの、ワイヤレスメッシュネットワークのノードであり得る。場合によっては、別のタイプの標準又は従来のWi-Fi伝送機デバイスが使用され得る。一部の事例では、ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cのうちの1つ以上は、メッシュネットワーク中のWAPとして実装され得るが、他のワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cは、WAPのうちの1つを通してメッシュネットワークにアクセスするリーフデバイス(例えば、モバイルデバイス、スマートデバイスなど)として実装される。場合によっては、ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cのうちの1つ以上は、モバイルデバイス(例えば、スマートフォン、スマートウォッチ、タブレット、ラップトップコンピュータなど)、ワイヤレス対応デバイス(例えば、スマートサーモスタット、Wi-Fi対応カメラ、スマートTV)、又はワイヤレスネットワーク中で通信する別のタイプのデバイスである。
【0077】
ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cは、Wi-Fi構成要素なしに実装することができ、例えば、他のタイプの標準又は非標準ワイヤレス通信が動き検出のために使用され得る。場合によっては、ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cは、専用動き検出システムであり得るか、又はその一部であり得る。例えば、専用動き検出システムは、ハブデバイス及び1つ以上のビーコンデバイス(リモートセンサデバイスとして)を含むことができ、ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cは、動き検出システム内のハブデバイス又はビーコンデバイスのいずれかであり得る。
【0078】
図1に示すように、ワイヤレス通信デバイス102Cは、モデム112と、プロセッサ114と、メモリ116と、電力ユニット118とを含み、ワイヤレス通信システム100中のワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cのいずれも、同じ構成要素、追加の構成要素、又は異なる構成要素を含むことができ、構成要素は、図1に示すように又は別の様式で動作するように構成され得る。一部の実装形態では、ワイヤレス通信デバイスのモデム112、プロセッサ114、メモリ116、及び電力ユニット118は、共通のハウジング又は他のアセンブリ内に一緒に収容される。一部の実装形態では、ワイヤレス通信デバイスの構成要素のうちの1つ以上は、例えば、別個のハウジング又は他のアセンブリ内に別個に収容され得る。
【0079】
モデム112は、ワイヤレス信号を通信(受信、伝送、又は両方)することができる。例えば、モデム112は、ワイヤレス通信規格(例えば、Wi-Fi又はBluetooth)に従ってフォーマットされた無線周波数(RF)信号を通信するように構成され得る。モデム112は、図1に示されている例示的なワイヤレスネットワークモデム112として実装され得るか、又は別の様式で、例えば、他のタイプの構成要素若しくはサブシステムを用いて実装され得る。一部の実装形態では、モデム112は、無線サブシステムとベースバンドサブシステムとを含む。場合によっては、ベースバンドサブシステム及び無線サブシステムは、共通のチップ又はチップセット上に実装され得るか、あるいはそれらは、カード又は別のタイプの組み立てられたデバイス中に実装され得る。ベースバンドサブシステムは、例えば、リード、ピン、ワイヤ、又は他のタイプの接続によって、無線サブシステムに結合され得る。
【0080】
場合によっては、モデム112中の無線サブシステムは、1つ以上のアンテナと無線周波数回路とを含み得る。無線周波数回路は、例えば、アナログ信号をフィルタリング、増幅、又は他の方法で調整する回路、ベースバンド信号をRF信号にアップコンバートする回路、RF信号をベースバンド信号にダウンコンバートする回路などを含み得る。かかる回路は、例えば、フィルタ、増幅器、ミキサ、局部発振器などを含み得る。無線サブシステムは、ワイヤレス通信チャネル上で無線周波数無線信号を通信するように構成され得る。一例として、無線サブシステムは、無線チップと、RFフロントエンドと、1つ以上のアンテナとを含み得る。無線サブシステムは、追加の構成要素又は異なる構成要素を含み得る。一部の実装形態では、無線サブシステムは、従来のモデムからの、例えば、Wi-Fiモデム、ピコ基地局モデムなどからの無線電子機器(例えば、RFフロントエンド、無線チップ、又は類似の構成要素)であるか、又はそれを含み得る。一部の実装形態では、アンテナは複数のアンテナを含む。
【0081】
場合によっては、モデム112内のベースバンドサブシステムは、例えば、デジタルベースバンドデータを処理するように構成されたデジタル電子機器を含み得る。一例として、ベースバンドサブシステムは、ベースバンドチップを含み得る。ベースバンドサブシステムは、追加の又は異なる構成要素を含み得る。場合によっては、ベースバンドサブシステムは、デジタル信号プロセッサ(DSP)デバイス又は別のタイプのプロセッサデバイスを含み得る。場合によっては、ベースバンドシステムは、無線サブシステムを動作させ、無線サブシステムを介してワイヤレスネットワークトラフィックを通信し、無線サブシステムを介して受信された動き検出信号に基づいて動きを検出し、又は他のタイプのプロセスを実施するためのデジタル処理論理を含む。例えば、ベースバンドサブシステムは、信号を符号化し、符号化された信号を伝送のために無線サブシステムに配信するか、又は(例えば、ワイヤレス通信規格に従って信号を復号することによって、動き検出プロセスに従って信号を処理することによって、又は他の方法で)無線サブシステムからの信号中の符号化されたデータを識別し、分析するように構成された1つ以上のチップ、チップセット、又は他のタイプのデバイスを含んでもよい。
【0082】
一部の事例では、モデム112中の無線サブシステムは、ベースバンドサブシステムからベースバンド信号を受信し、ベースバンド信号を周波数(無線周波数(RF)信号にアップコンバートし、(例えば、アンテナを通して)無線周波数信号をワイヤレス伝送する。一部の事例では、モデム112中の無線サブシステムは、(例えば、アンテナを通して)無線周波数信号をワイヤレスに受信し、無線周波数信号をベースバンド信号にダウンコンバートし、ベースバンド信号をベースバンドサブシステムに送信する。無線サブシステムとベースバンドサブシステムとの間で交換される信号は、デジタル信号又はアナログ信号であり得る。一部の例では、ベースバンドサブシステムは、変換回路(例えば、デジタル-アナログ変換器、アナログ-デジタル変換器)を含み、無線サブシステムとアナログ信号を交換する。一部の例では、無線サブシステムは、変換回路(例えば、デジタル/アナログ変換器、アナログ/デジタル変換器)を含み、ベースバンドサブシステムとデジタル信号を交換する。
【0083】
場合によっては、モデム112のベースバンドサブシステムは、1つ以上のネットワークトラフィックチャネル上で無線サブシステムを通してワイヤレス通信ネットワーク中でワイヤレスネットワークトラフィック(例えば、データパケット)を通信することができる。モデム112のベースバンドサブシステムはまた、専用ワイヤレス通信チャネル上で無線サブシステムを通して信号(例えば、動き探査信号又は動き検出信号)を伝送又は受信(又は両方)することができる。一部の事例では、ベースバンドサブシステムは、例えば、動きのための空間を探査するために、伝送のための動き探査信号を生成する。一部の事例では、ベースバンドサブシステムは、例えば、空間内の物体の動きを検出するために、受信された動き検出信号(空間を通して伝送された動き探査信号に基づく信号)を処理する。
【0084】
プロセッサ114は、例えば、データ入力に基づいて出力データを生成するための命令を実行することができる。命令は、メモリに記憶されたプログラム、コード、スクリプト、又は他のタイプのデータを含み得る。追加的又は代替的に、命令は、予めプログラムされた若しくは再プログラム可能な論理回路、論理ゲート、又は他のタイプのハードウェア若しくはファームウェア構成要素として符号化され得る。プロセッサ114は、専用コプロセッサ又は別のタイプのデータ処理装置としての汎用マイクロプロセッサであってもよく、又はそれを含んでもよい。場合によっては、プロセッサ114は、ワイヤレス通信デバイス102Cの高レベル動作を実施する。例えば、プロセッサ114は、メモリ116に記憶されたソフトウェア、スクリプト、プログラム、関数、実行可能ファイル、又は他の命令を実行又は解釈するように構成されてもよい。一部の実装形態では、プロセッサ114はモデム112中に含まれ得る。
【0085】
メモリ116は、コンピュータ可読記憶媒体、例えば、揮発性メモリデバイス、非揮発性メモリデバイス、又はその両方を含み得る。メモリ116は、1つ以上の読取り専用メモリデバイス、ランダムアクセスメモリデバイス、バッファメモリデバイス、又はこれら及び他のタイプのメモリデバイスの組み合わせを含み得る。一部の事例では、メモリの1つ以上の構成要素は、ワイヤレス通信デバイス102Cの別の構成要素と統合されるか、又は別様で関連付けられ得る。メモリ116は、プロセッサ114によって実行可能な命令を記憶することができる。例えば、命令は、図11図19A図19B図19C図20A図20B図20C図20D、及び図21のいずれかで説明した例示的なプロセスの動作のうちの1つ以上などを通して、干渉バッファと動き検出バッファとを使用して信号を時間整合させるための命令を含んでもよい。
【0086】
電源ユニット118は、ワイヤレス通信デバイス102Cの他の構成要素に電力を供給する。例えば、他の構成要素は、電圧バス又は他の接続を通して電力ユニット118によって提供される電力に基づいて動作してもよい。一部の実装形態では、電力ユニット118は、バッテリ又はバッテリシステム、例えば、再充電可能バッテリを含む。一部の実装形態では、電力ユニット118は、(外部ソースから)外部電力信号を受信し、外部電力信号をワイヤレス通信デバイス102Cの構成要素のために調整された内部電力信号に変換するアダプタ(例えば、ACアダプタ)を含む。電源ユニット118は、他の構成要素を含んでもよく、又は別の様式で動作してもよい。
【0087】
図1に示す例では、ワイヤレス通信デバイス102A、102Bは、(例えば、ワイヤレスネットワーク規格、動き検出プロトコル、又は他の方法に従って)ワイヤレス信号を伝送する。例えば、ワイヤレス通信デバイス102A、102Bは、ワイヤレス動き探査信号(例えば、基準信号、ビーコン信号、ステータス信号など)をブロードキャストしてもよく、又は、他のデバイス(例えば、ユーザ機器、クライアントデバイス、サーバなど)に宛てられたワイヤレス信号を送信し得、他のデバイス(図示せず)並びにワイヤレス通信デバイス102Cは、ワイヤレス通信デバイス102A、102Bによって伝送されたワイヤレス信号を受信してもよい。場合によっては、ワイヤレス通信デバイス102A、102Bによって伝送されるワイヤレス信号は、例えば、ワイヤレス通信規格に従って又は他の方法で、周期的に繰り返される。
【0088】
図示の例では、ワイヤレス通信デバイス102Cは、ワイヤレス通信デバイス102A、102Bからのワイヤレス信号を処理して、ワイヤレス信号によってアクセスされる空間内の物体の動きを検出するか、検出された動きのロケーションを決定するか、又はその両方を行う。例えば、ワイヤレス通信デバイス102Cは、図11図19A図19B図19C図20A図20B図20C図20D、及び図21のいずれかに関して以下で説明する例示的なプロセスの1つ以上の動作、あるいは動きを検出するか又は検出された動きのロケーションを決定するための別のタイプのプロセスを実施してもよい。ワイヤレス信号によってアクセスされる空間は、例えば、1つ以上の完全に又は部分的に囲まれたエリア、囲いのないオープンエリアなどを含み得る屋内又は屋外空間であり得る。空間は、部屋、複数の部屋、建物などの内部であり得るか、又はそれを含み得る。場合によっては、ワイヤレス通信システム100は、例えば、ワイヤレス通信デバイス102Cがワイヤレス信号を伝送することができ、ワイヤレス通信デバイス102A、102Bがワイヤレス通信デバイス102Cからのワイヤレス信号を処理して、動きを検出するか、又は検出された動きのロケーションを決定することができるように修正することができる。
【0089】
動き検出のために使用されるワイヤレス信号は、例えば、ビーコン信号(例えば、Bluetoothビーコン、Wi-Fiビーコン、他のワイヤレスビーコン信号)、ワイヤレスネットワーク規格に従って他の目的のために生成された別の規格信号、又は動き検出若しくは他の目的のために生成された非規格信号(例えば、ランダム信号、基準信号など)を含み得る。例えば、動き検出は、ワイヤレス信号によって搬送される1つ以上の訓練フィールドを分析することによって、又は信号によって搬送される他のデータを分析することによって実施されてもよい。一部の例では、データは、動き検出の明示的な目的のために追加されるか、又は使用されるデータは、名目上、別の目的のためのものであり、動き検出のために再使用又は別の目的のために使用される。一部の例では、ワイヤレス信号は、移動物体と相互作用する前又は後に物体(例えば、壁)を通って伝搬し、これにより、移動物体と伝送又は受信ハードウェアとの間の光学的な見通し線がなくても、移動物体の移動を検出することができる。受信信号に基づいて、ワイヤレス通信デバイス102Cは、動き検出データを生成することができる。一部の事例では、ワイヤレス通信デバイス102Cは、部屋、建物、屋外エリアなどの空間内の移動を監視するための制御センターを含み得るセキュリティシステムなどの別のデバイス又はシステムに動き検出データを通信することができる。
【0090】
一部の実装形態では、ワイヤレス通信デバイス102A、102Bは、ワイヤレスネットワークトラフィック信号とは別個のワイヤレス通信チャネル(例えば、周波数チャネル又はコード化チャネル)上で(例えば、基準信号、ビーコン信号、又は動きについて空間を探査するために使用される別の信号を含み得る)動き探査信号を伝送するように修正することができる。例えば、動き探査信号のペイロードに適用される変調及びペイロード中のデータ又はデータ構造のタイプは、ワイヤレス通信デバイス102Cによって知られている場合があり、これにより、ワイヤレス通信デバイス102Cが動きセンシングのために実施する処理の量を低減することができる。ヘッダは、例えば、動きが通信システム100中の別のデバイスによって検出されたかどうかの指示、変調タイプの指示、信号を伝送するデバイスの識別情報など、追加の情報を含み得る。
【0091】
図1に示す例では、ワイヤレス通信システム100は、ワイヤレス通信デバイス102の各々の間にワイヤレス通信リンクを有するワイヤレスメッシュネットワークである。図示の例では、ワイヤレス通信デバイス102Cとワイヤレス通信デバイス102Aとの間のワイヤレス通信リンクは、動き検出フィールド110Aを探査するために使用され得、ワイヤレス通信デバイス102Cとワイヤレス通信デバイス102Bとの間のワイヤレス通信リンクは、動き検出フィールド110Bを探査するために使用され得、ワイヤレス通信デバイス102Aとワイヤレス通信デバイス102Bとの間のワイヤレス通信リンクは、動き検出フィールド110Cを探査するために使用され得る。一部の事例では、各ワイヤレス通信デバイス102は、動き検出フィールド110を通してワイヤレス通信デバイス102によって伝送されたワイヤレス信号に基づく受信信号を処理することによって、そのデバイスによってアクセスされた動き検出フィールド110中の動きを検出する。例えば、図1に示す人物106が動き検出フィールド110A及び動き検出フィールド110C中で移動する場合、ワイヤレス通信デバイス102は、それぞれの動き検出フィールド110を通して伝送されたワイヤレス信号に基づく、それらが受信した信号に基づいて動きを検出することができる。例えば、ワイヤレス通信デバイス102Aは、動き検出フィールド110A、110C中の人物106の動きを検出することができ、ワイヤレス通信デバイス102Bは、動き検出フィールド110C中の人物106の動きを検出することができ、ワイヤレス通信デバイス102Cは、動き検出フィールド110A中の人物106の動きを検出することができる。
【0092】
一部の事例では、動き検出フィールド110は、例えば、ワイヤレス電磁信号が伝搬し得る空気、固体材料、液体、又は別の媒体を含み得る。図1に示す例では、動き検出フィールド110Aは、ワイヤレス通信デバイス102Aとワイヤレス通信デバイス102Cとの間のワイヤレス通信チャネルを提供し、動き検出フィールド110Bは、ワイヤレス通信デバイス102Bとワイヤレス通信デバイス102Cとの間のワイヤレス通信チャネルを提供し、動き検出フィールド110Cは、ワイヤレス通信デバイス102Aとワイヤレス通信デバイス102Bとの間のワイヤレス通信チャネルを提供する。動作の一部の態様では、(ネットワークトラフィックのためのワイヤレス通信チャネルとは別個の又はそれと共有される)ワイヤレス通信チャネル上で伝送されるワイヤレス信号が、空間内の物体の移動を検出するために使用される。物体は、任意のタイプの静止物体又は可動物体であってもよく、生物又は無生物であってもよい。例えば、物体は、人間(例えば、図1に示される人物106)、動物、無機物体、又は別のデバイス、装置、若しくはアセンブリ)、空間の境界の全て又は一部を画定する物体(例えば、壁、ドア、窓など)、又は別のタイプの物体であってもよい。一部の実装形態では、ワイヤレス通信デバイスからの動き情報は、検出された動きのロケーションを決定するために分析され得る。例えば、以下で更に説明するように、ワイヤレス通信デバイス102のうちの1つ(又はワイヤレス通信デバイス102に通信可能に結合された別のデバイス)は、検出された動きが特定のワイヤレス通信デバイスの近くにあると決定してもよい。
【0093】
図2A及び図2Bは、ワイヤレス通信デバイス204A、204B、204Cの間で通信される例示的なワイヤレス信号を示す図である。ワイヤレス通信デバイス204A、204B、204Cは、例えば、図1に示されているワイヤレス通信デバイス102A、102B、102C、又は他のタイプのワイヤレス通信デバイスであり得る。ワイヤレス通信デバイス204A、204B、204Cは、空間200を介してワイヤレス信号を伝送する。空間200は、1つ以上の境界で完全に又は部分的に囲まれるか、又は開放され得る。一例では、空間200はセンシング空間であり得る。空間200は、1つの部屋、複数の部屋、建物、屋内エリア、屋外エリアなどの内部であり得、又はそれらを含み得る。第1の壁202A、第2の壁202B、及び第3の壁202Cは、図示の例では、空間200を少なくとも部分的に囲む。
【0094】
図2A及び図2Bに示す例では、ワイヤレス通信デバイス204Aは、ワイヤレス信号を繰り返し(例えば、周期的に、間欠的に、スケジュールされた間隔、スケジュールされていない間隔、又はランダムな間隔などで)伝送するように動作可能である。ワイヤレス通信デバイス204B、204Cは、ワイヤレス通信デバイス204Aによって伝送された信号に基づいて信号を受信するように動作可能である。ワイヤレス通信デバイス204B、204Cは各々、空間200中の物体の動きを検出するために受信信号を処理するように構成されたモデム(例えば、図1に示されているモデム112)を有する。
【0095】
図示のように、物体は、図2Aの第1の位置214Aにあり、物体は、図2Bの第2の位置214Bに移動している。図2A及び図2Bでは、空間200内の移動物体は人間として表されているが、移動物体は別のタイプの物体であってもよい。例えば、移動物体は、動物、無機物体(例えば、システム、デバイス、装置、又はアセンブリ)、空間200の境界の全て又は一部を画定する物体(例えば、壁、ドア、窓など)、又は別のタイプの物体であり得る。
【0096】
図2A及び図2Bに示すように、ワイヤレス通信デバイス204Aから伝送されたワイヤレス信号の複数の例示的な経路が破線によって示されている。第1の信号経路216に沿って、ワイヤレス信号は、ワイヤレス通信デバイス204Aから伝送され、第1の壁202Aからワイヤレス通信デバイス204Bに向かって反射される。第2の信号経路218に沿って、ワイヤレス信号は、ワイヤレス通信デバイス204Aから伝送され、第2の壁202B及び第1の壁202Aからワイヤレス通信デバイス204Cに向かって反射される。第3の信号経路220に沿って、ワイヤレス信号は、ワイヤレス通信デバイス204Aから伝送され、第2の壁202Bからワイヤレス通信デバイス204Cに向かって反射される。第4の信号経路222に沿って、ワイヤレス信号は、ワイヤレス通信デバイス204Aから伝送され、第3の壁202Cからワイヤレス通信デバイス204Bに向かって反射される。
【0097】
図2Aでは、第5の信号経路224Aに沿って、ワイヤレス信号は、ワイヤレス通信デバイス204Aから伝送され、第1の位置214Aにある物体からワイヤレス通信デバイス204Cに向かって反射される。図2A図2Bとの間で、物体の表面は、空間200内の第1の位置214Aから第2の位置214Bに(例えば、第1の位置214Aからある距離だけ離れて)移動する。図2Bでは、第6の信号経路224Bに沿って、ワイヤレス信号は、ワイヤレス通信デバイス204Aから伝送され、第2の位置214Bにある物体からワイヤレス通信デバイス204Cに向かって反射される。図2Bに描示される第6の信号経路224Bは、第1の位置214Aから第2の位置214Bへの物体の移動のために、図2Aに描示される第5の信号経路224Aよりも長い。一部の例では、信号経路は、空間内の物体の移動に起因して、追加、除去、又は別様に修正することができる。
【0098】
図2A及び図2Bに示される例示的なワイヤレス信号は、それぞれの経路を通じて減衰、周波数シフト、位相シフト、又は他の影響を受けることがあり、例えば、第1の壁202A、第2の壁202B、及び第3の壁202Cを通じて別の方向に伝搬する部分を有することがある。一部の例では、ワイヤレス信号は無線周波数(RF)信号である。ワイヤレス信号は、他のタイプの信号を含み得る。
【0099】
図2A及び図2Bに示す例では、ワイヤレス通信デバイス204Aは、ワイヤレス信号を繰り返し伝送することができる。特に、図2Aは、第1の時間にワイヤレス通信デバイス204Aから伝送されているワイヤレス信号を示し、図2Bは、第2の、後の時間にワイヤレス通信デバイス204Aから伝送されている同じワイヤレス信号を示している。伝送信号は、連続的に、周期的に、ランダム又は断続的な時間などで、又はそれらの組み合わせで伝送され得る。伝送信号は、周波数帯域幅内に複数の周波数成分を有することができる。伝送信号は、ワイヤレス通信デバイス204Aから、無指向性で、指向性で、又は別様で伝送され得る。図示の例では、ワイヤレス信号は、空間200中の複数のそれぞれの経路を横断し、各経路に沿った信号は、経路損失、散乱、反射などにより減衰され得、位相又は周波数オフセットを有し得る。
【0100】
図2A及び図2Bに示すように、第1~第6の経路216、218、220、222、224A、及び224Bからの信号は、ワイヤレス通信デバイス204C及びワイヤレス通信デバイス204Bにおいて合成されて、受信信号を形成する。伝送信号に対する空間200中の複数の経路の影響のために、空間200は、伝送信号が入力され、受信信号が出力される伝達関数(例えば、フィルタ)として表され得る。物体が空間200内を移動すると、信号経路内の信号に影響を及ぼす減衰又は位相オフセットが変化する可能性があり、したがって、空間200の伝達関数が変化する可能性がある。同じワイヤレス信号がワイヤレス通信デバイス204Aから伝送されると仮定すると、空間200の伝達関数が変化する場合、その伝達関数の出力(受信信号)も変化することになる。受信信号の変化を使用して、物体の移動を検出することができる。
【0101】
数学的に、第1のワイヤレス通信デバイス204Aから伝送された伝送信号f(t)は、式(1)に従って記述され得る。
【数1】
【0102】
式中、ωは伝送信号のn番目の周波数成分の周波数を表し、cはn番目の周波数成分の複素係数を表し、tは時間を表す。第1のワイヤレス通信デバイス204Aから伝送されている伝送信号f(t)を用いて、経路kからの出力信号r(t)は、式(2)に従って記述され得る。
【数2】
【0103】
式中、αn,kは、経路kに沿ったn番目の周波数成分に対する減衰率(又は、例えば、散乱、反射、及び経路損失によるチャネル応答)を表し、φn,kは、経路kに沿ったn番目の周波数成分に対する信号の位相を表す。次いで、ワイヤレス通信デバイスにおける受信信号Rは、式(3)に示される、ワイヤレス通信デバイスへの全ての経路からの全ての出力信号r(t)の和として記述され得る。
【数3】
【0104】
式(2)を式(3)に代入すると、以下の式(4)が得られる。
【数4】
【0105】
次いで、ワイヤレス通信デバイスにおける受信信号Rが分析され得る。ワイヤレス通信デバイスにおける受信信号Rは、例えば、高速フーリエ変換(FFT)又は別のタイプのアルゴリズムを使用して、周波数領域に変換され得る。変換された信号は、(n個の周波数ωにおける)それぞれの周波数成分の各々について1つずつ、一連のn個の複素値として受信信号Rを表すことができる。周波数ωにおける周波数成分に対して、複素値Hは、式(5)において次のように表され得る。
【数5】
【0106】
所与の周波数成分ωに対する複素値Hは、その周波数成分ωにおける受信信号の相対的な大きさ及び位相オフセットを示す。物体が空間を移動すると、空間のチャネル応答αn,kが変化することにより、複素値Hが変化する。したがって、チャネル応答において検出された変化は、通信チャネル内の物体の移動を示すことができる。一部の事例では、雑音、干渉、又は他の現象が、受信機によって検出されるチャネル応答に影響を及ぼす可能性があり、動き検出システムは、かかる影響を低減又は分離して、動き検出能力の精度及び品質を改善することができる。一部の実装形態では、全体的なチャネル応答は、式(6)において次のように表され得る。
【数6】
【0107】
一部の事例では、空間に対するチャネル応答hchは、例えば、数学的な推定理論に基づいて決定することができる。例えば、基準信号Refは、候補チャネル応答(hch)を用いて修正することができ、その後、受信信号(Rcvd)に対して最良の一致を提供する候補チャネルを選択するために、最尤アプローチを使用することができる。場合によっては、推定受信信号
【数7】

は、基準信号(Ref)と候補チャネル応答(hch)との畳み込みから取得され、次いで、チャネル応答(hch)のチャネル係数は、推定受信信号
【数8】

の二乗誤差を最小にするように変更される。これは、以下の式(7)のように数学的に示すことができる。
【数9】
【0108】
最適化基準は
【数10】

を有する。
【0109】
最小化又は最適化プロセスは、最小平均二乗(LMS)、再帰的最小二乗(RLS)、バッチ最小二乗(BLS)などの適応フィルタリング技術を利用することができる。チャネル応答は、有限インパルス応答(FIR)フィルタ、無限インパルス応答(IIR)フィルタなどであり得る。上記の式に示すように、受信信号は、基準信号とチャネル応答との畳み込みとみなすことができる。畳み込み演算は、チャネル係数が基準信号の遅延されたレプリカの各々とある程度の相関を有することを意味する。したがって、上記の式に示される畳み込み演算は、受信信号が異なる遅延点に現れ、各遅延レプリカがチャネル係数によって重み付けされることを示す。
【0110】
図3A及び図3Bは、図2A及び図2Bにおけるワイヤレス通信デバイス204A、204B、204C間で通信されるワイヤレス信号から計算されたチャネル応答360及びチャネル応答370の例を示すプロットである。図3A及び図3Bはまた、ワイヤレス通信デバイス204Aによって伝送された初期ワイヤレス信号の周波数領域表現350を示している。図示の例では、図3A中のチャネル応答360は、空間200中に動きがない場合にワイヤレス通信デバイス204Bによって受信された信号を表し、図3B中のチャネル応答370は、物体が空間200中で移動した後に図2B中のワイヤレス通信デバイス204Bによって受信された信号を表す。
【0111】
図3A及び図3Bに示す例では、説明のために、ワイヤレス通信デバイス204Aは、周波数領域表現350に示すように、平坦な周波数プロファイル(各周波数成分f、f、及びfの大きさは同じである)を有する信号を伝送する。信号と空間200(及びその中の物体)との相互作用により、ワイヤレス通信デバイス204Aから送信された信号に基づくワイヤレス通信デバイス204Bにおいて受信された信号は、伝送信号とは異なる。伝送信号が平坦な周波数プロファイルを有するこの例では、受信信号は、空間200のチャネル応答を表す。図3A及び図3Bに示すように、チャネル応答360チャネル応答370は、伝送信号の周波数領域表現350とは異なる。空間200内で動きが発生すると、チャネル応答の変動も発生する。例えば、図3Bに示すように、空間200内の物体の動きに関連付けられたチャネル応答370は、空間200内の動きがないことに関連付けられたチャネル応答360とは異なる。
【0112】
更に、物体が空間200内で移動するにつれて、チャネル応答はチャネル応答370から変動する可能性がある。場合によっては、空間200は、別個の領域に分割され得、各領域に関連付けられたチャネル応答は、以下で説明するように、1つ以上の特性(例えば、形状)を共有することができる。したがって、異なる別個の領域内の物体の動きを区別することができ、チャネル応答の分析に基づいて、検出された動きのロケーションを決定することができる。
【0113】
図4A及び図4Bは、空間400の別個の領域、第1の領域408及び第3の領域412における物体406の動きに関連付けられた例示的なチャネル応答401及びチャネル応答403を示す図である。図示の例では、空間400は建物であり、空間400は、複数の別個の領域、すなわち第1の領域408、第2の領域410、第3の領域412、第4の領域414、及び第5の領域416に分割される。空間400は、一部の事例では、追加の又はより少ない領域を含み得る。図4A及び図4Bに示されるように、空間400内の領域は、部屋間の壁によって画定され得る。加えて、領域は、建物のフロア間の天井によって画定され得る。例えば、空間400は、追加の部屋を有する追加のフロアを含んでもよい。加えて、一部の事例では、空間の複数の領域は、高層建築物内の複数のフロア、建築物内の複数の部屋、若しくは建築物の特定のフロアの複数の部屋であるか、又はそれを含み得る。図4Aに示される例では、第1の領域408に位置する物体は人物406として表されるが、移動物体は、動物又は無機物体などの別のタイプの物体であってもよい。
【0114】
図示の例では、ワイヤレス通信デバイス402Aは、空間400の第4の領域414に位置し、ワイヤレス通信デバイス402Bは、空間400の第2の領域410に位置し、ワイヤレス通信デバイス402Cは、空間400の第5の領域416に位置する。ワイヤレス通信デバイス402は、図1のワイヤレス通信デバイス102と同じ又は同様の様式で動作することができる。例えば、ワイヤレス通信デバイス402は、ワイヤレス信号を伝送及び受信し、受信信号に基づいて空間400中で動きが発生したかどうかを検出するように構成されてもよい。一例として、ワイヤレス通信デバイス402は、空間400を通して動き探査信号を周期的に又は繰り返し伝送し、動き探査信号に基づいて信号を受信することができる。ワイヤレス通信デバイス402は、例えば、受信信号に基づいて空間400に関連付けられたチャネル応答を分析することなどによって、物体が空間400内で移動したかどうかを検出するために、受信信号を分析することができる。加えて、一部の実装形態では、ワイヤレス通信デバイス402は、空間400内の検出された動きのロケーションを識別するために、受信信号を分析することができる。例えば、ワイヤレス通信デバイス402は、チャネル応答の特性を分析して、チャネル応答が、空間400の第1~第5の領域408、410、412、414、416に関連付けられていることが知られているチャネル応答と同じ又は類似の特性を共有するかどうかを決定することができる。
【0115】
図示の例では、ワイヤレス通信デバイス402のうちの1つ(又は複数)は、空間400を通して動き探査信号(例えば、基準信号)を繰り返し伝送する。動き探査信号は、一部の事例では、平坦な周波数プロファイルを有してもよく、f、f、及びfの大きさは、同一又はほぼ同一である。例えば、動き探査信号は、図3A図3Bに示す周波数領域表現350と同様の周波数応答を有してもよい。動き探査信号は、一部の事例では異なる周波数プロファイルを有し得る。基準信号と空間400(及びその中の物体)との相互作用により、他のワイヤレス通信デバイス402から伝送された動き探査信号に基づく別のワイヤレス通信デバイス402において受信された信号は、伝送された基準信号とは異なる。
【0116】
受信信号に基づいて、ワイヤレス通信デバイス402は、空間400についてのチャネル応答を決定することができる。動きが空間内の別個の領域で発生するとき、チャネル応答において別個の特性が見られる場合がある。例えば、チャネル応答は、空間400の同じ領域内の動きについてわずかに異なり得るが、別個の領域中の動きに関連付けられたチャネル応答は、概して、同じ形状又は他の特性を共有する場合がある。例えば、図4Aのチャネル応答401は、空間400の第1の領域408中の物体406の動きに関連付けられた例示的なチャネル応答を表し、図4Bのチャネル応答403は、空間400の第3の領域412中の物体406の動きに関連付けられた例示的なチャネル応答を表す。チャネル応答401及びチャネル応答403は、空間400中の同じワイヤレス通信デバイス402によって受信された信号に関連付けられている。
【0117】
図4C及び図4Dは、図4A及び図4Bのチャネル応答401及びチャネル応答403を、空間400内で動きが発生していないことに関連付けられたチャネル応答460に重ね合わせて示すプロットである。図示の例では、ワイヤレス通信デバイス402は、周波数領域表現450に示されるような平坦な周波数プロファイルを有する動き探査信号を伝送する。空間400内で動きが発生すると、動きのないことに関連付けられたチャネル応答460に対してチャネル応答の変動が発生し、したがって、チャネル応答の変動を分析することによって、空間400内の物体の動きを検出することができる。加えて、空間400内の検出された動きの相対的なロケーションを識別することができる。例えば、動きに関連付けられたチャネル応答の形状を、(例えば、訓練されたAIモデルを使用して)参照情報と比較して、動きを空間400の別個の領域内で発生したものとして分類することができる。
【0118】
空間400中に動きがない場合(例えば、物体406が存在しない場合)、ワイヤレス通信デバイス402は、動きがないことに関連付けられたチャネル応答460を計算することができる。複数の要因により、チャネル応答にわずかな変動が生じ得るが、異なる時間期間に関連付けられた複数のチャネル応答460は、1つ以上の特性を共有することができる。図示の例では、動きがないことに関連付けられたチャネル応答460は、減少する周波数プロファイルを有する(各周波数成分f、f、及びfの大きさは、前の周波数成分よりも小さい)。チャネル応答460のプロファイルは、(例えば、ワイヤレス通信デバイス402の異なる部屋レイアウト又は配置に基づいて)一部の事例では異なり得る。
【0119】
空間400内で動きが発生すると、チャネル応答の変動が発生する。例えば、図4C及び図4Dに示す例では、第1の領域408中の物体406の動きに関連付けられたチャネル応答401は、動きがないことに関連付けられたチャネル応答460とは異なり、第3の領域412中の物体406の動きに関連付けられたチャネル応答403は、動きがないことに関連付けられたチャネル応答460とは異なる。チャネル応答401は、凹型放物線周波数プロファイルを有し(中間周波数成分fの大きさは、外側周波数成分f及びfよりも小さい)、チャネル応答403は、凸型漸近周波数プロファイルを有する(中間周波数成分fの大きさは、外側周波数成分f及びfよりも大きい)。チャネル応答401、403のプロファイルは、一部の事例では(例えば、ワイヤレス通信デバイス402の異なる部屋レイアウト又は配置に基づいて)異なり得る。
【0120】
チャネル応答を分析することは、デジタルフィルタを分析することと同様であるとみなすことができる。チャネル応答は、空間内の物体の反射、並びに動いている又は静止している人間によって生じた反射を通して形成され得る。反射体(例えば、人間)が移動すると、チャネル応答が変化する。これは、極及びゼロを有するとみなされ得るデジタルフィルタの等価タップの変化に変換され得る(極は、チャネル応答の周波数成分を増幅し、応答中のピーク又は高い点として現れるが、ゼロは、チャネル応答の周波数成分を減衰させ、応答中のトラフ、低い点又はヌルとして現れる)。変化するデジタルフィルタは、そのピーク及びトラフのロケーションによって特徴付けることができ、チャネル応答も同様に、そのピーク及びトラフによって特徴付けることができる。例えば、一部の実装形態では、(例えば、周波数軸上のそれらのロケーションとそれらの大きさとをマークすることによって)チャネル応答の周波数成分中のヌルとピークとを分析して、動きを検出することができる。
【0121】
一部の実装形態では、時系列集約を使用して、動きを検出することができる。時系列集約は、移動ウィンドウにわたってチャネル応答の特徴を観測し、統計的尺度(例えば、平均、分散、主成分など)を使用することによってウィンドウ処理された結果を集約することによって実施することができる。動きのインスタンス中、特徴的なデジタルフィルタ特徴は、散乱シーンの連続的な変化に起因して、一部の値の間で、ロケーション及びフリップフロップの点で変位される。すなわち、等価デジタルフィルタは、(動きによる)そのピーク及びヌルの値の範囲を示す。この値の範囲を見ることによって、空間内の別個の領域について一意のプロファイル(例えば、プロファイルはシグネチャと称されることもある)を識別することができる。
【0122】
一部の実装形態では、人工知能(AI)モデルを使用して、データを処理することができる。AIモデルは、種々のタイプのもの、例えば、線形回帰モデル、ロジスティック回帰モデル、線形判別分析モデル、決定木モデル、単純ベイズモデル、K最近傍モデル、学習ベクトル量子化モデル、サポートベクターマシン、バギング及びランダムフォレストモデル、並びにディープニューラルネットワークであり得る。概して、全てのAIモデルは、入力値と出力値との間の最も正確な相関を提供する関数を学習することを目的とし、相関することが知られている入力及び出力の履歴セットを使用して訓練される。例えば、人口知能は、機械学習と称されることもある。
【0123】
一部の実装形態では、空間400の別個の領域における動きに関連付けられたチャネル応答のプロファイルが学習され得る。例えば、機械学習を使用して、空間の別個の領域内の物体の動きを用いてチャネル応答特性をカテゴリ分類することができる。場合によっては、ワイヤレス通信デバイス402に関連付けられたユーザ(例えば、空間400の所有者又は他の占有者)が学習プロセスを支援することができる。例えば、図4A及び図4Bに示される例を参照すると、ユーザは、学習段階中に第1~第5の領域408、410、412、414、416の各々の中で移動することができ、ユーザが空間400内の特定の領域のうちの1つの中で移動していることを(例えば、モバイルコンピューティングデバイス上のユーザインターフェースを通して)示すことができる。例えば、ユーザが(例えば、図4Aに示されるように)第1の領域408を通って移動している間、ユーザは、自身が第1の領域408内にいることをモバイルコンピューティングデバイス上で示すことができる(また、必要に応じて、領域を「寝室」、「リビングルーム」、「キッチン」、又は建物の別のタイプの部屋と名付けることができる)。チャネル応答は、ユーザが領域を通って移動するにつれて取得され得、チャネル応答は、ユーザの示されたロケーション(領域)で「タグ付け」され得る。ユーザは、空間400の他の領域について同じプロセスを繰り返すことができる。本明細書で使用される「タグ付け」されたという用語は、ユーザの示されたロケーション又は任意の他の情報を用いてチャネル応答をマークし、識別することを指すことがある。
【0124】
タグ付けされたチャネル応答は、次いで、(例えば、機械学習ソフトウェアによって)処理されて、別個の領域内の動きに関連付けられたチャネル応答の一意の特性を識別することができる。識別されると、識別された一意の特性を使用して、新たに計算されたチャネル応答について検出された動きのロケーションを決定することができる。例えば、AIモデルは、タグ付けされたチャネル応答を使用して訓練され得、訓練されると、新たに計算されたチャネル応答がAIモデルに入力され得、AIモデルは、検出された動きのロケーションを出力することができる。例えば、場合によっては、平均値、範囲、及び絶対値がAIモデルに入力される。一部の事例では、複素チャネル応答自体の大きさ及び位相も入力され得る。これらの値は、AIモデルが任意のフロントエンドフィルタを設計して、空間の異なる領域における動きに関して正確な予測を行うことに最も関連する特徴をピックアップすることを可能にする。一部の実装形態では、AIモデルは、確率的勾配降下を実施することによって訓練される。例えば、特定のゾーン中に最もアクティブであるチャネル応答変動が訓練中に監視されてもよく、(それらの形状、傾向などと相関するように第1の層中の重みを訓練し、適応させることによって)特定のチャネル変動が重く重み付けされてもよい。重み付けされたチャネル変動を使用して、ユーザが特定の領域内に存在するときにアクティブ化するメトリックを作成することができる。
【0125】
チャネル応答ヌル及びピークのような抽出された特徴について、(ヌル/ピークの)時系列は、移動ウィンドウ内の集約を使用し、過去及び現在の一部の特徴のスナップショットをとり、その集約された値をネットワークへの入力として使用して、作成することができる。したがって、ネットワークは、その重みを適応させながら、それらをクラスタ化するために、特定の領域内の値を集約しようとし、これは、ロジスティック分類器ベースの決定表面を作成することによって行うことができる。決定表面は、異なるクラスタを分割し、後続の層は、単一のクラスタ又はクラスタの組み合わせに基づいてカテゴリを形成することができる。
【0126】
一部の実装形態では、AIモデルは、推論の2つ以上の層を含む。第1の層は、異なる濃度の値を別個のクラスタに分割することができるロジスティック分類器として働き、第2の層は、これらのクラスタのうちの一部を一緒に組み合わせて、別個の領域のカテゴリを作成する。追加の後続の層は、クラスタの2つを超えるカテゴリにわたって別個の領域を拡張するのに役立ち得る。例えば、完全に接続された入力層モデルは、追跡された特徴の数に対応するAIと、(選択間の反復を通して)有効なクラスタの数に対応する中間層と、異なる領域に対応する最終層とを含み得る。完全なチャネル応答情報がAIモデルに入力される場合、第1の層は、特定の形状を相関させることができる形状フィルタとして機能し得る。したがって、第1の層は、特定の形状にロックすることができ、第2の層は、それらの形状において発生する変動の尺度を生成することができ、第3の層及び後続の層は、それらの変動の組み合わせを作成し、空間内の異なる領域にマッピングすることができる。異なる層の出力は、次いで、融合層を通して組み合わせることができる。
【0127】
アップリンク直交周波数分割多元接続(UL-OFDMA)を使用するWi-Fiセンシングのためのシステム及び方法
本開示は、概して、Wi-Fiセンシングのためのシステム及び方法に関する。特に、本開示は、アップリンク直交周波数分割多元接続(UL-OFDMA)を使用してWi-Fiセンシングを実施するようにWi-Fiシステムを構成することに関する。
【0128】
本開示のシステム及び方法は、測定キャンペーンを制御するように構成され得るセンシングデバイスを活用する。一実装形態では、システム及び方法はまた、1つ以上のリモートデバイスを活用する。1つ以上のリモートデバイスは、センシング伝送を行うように構成され得、センシングデバイスは、センシング伝送に基づいてセンシング測定値を計算するように構成され得る。一実装形態では、センシング測定値は、測定キャンペーンの目的を達成するために更に処理することができる。一実装形態によれば、センシングデバイスは、システムが展開されるセンシング空間を探査するために異なる方式でチャネルリソースを使用し得るセンシングエージェントを提供することができる。異なる方式は、センシングエージェントの異なる動作モードとみなすことができ、動作モードの選択は、特定の時間におけるセンシングエージェントの要件に基づいて行われる。動作の各モードは、利用可能なチャネルリソースの効率的な使用を伴って、適切なセンシング測定を配信する。
【0129】
一実装形態によれば、センシングデバイスは、WLANセンシングセッションを開始することができ、1つ以上のリモートデバイスは、センシングデバイスによって開始されたWLANセッションに参加することができる。一部の実装形態では、1つ以上のリモートデバイスは、WLANセンシングセッションにおいてセンシング測定のために使用されるPPDUを伝送することができる。一実装形態では、センシングデバイスは、WLANセンシングセッションにおいてPPDUを受信し、PPDUをセンシング測定値へと処理することができる。
【0130】
図5は、一部の実施形態による、Wi-Fiセンシングのためのシステム500の実装形態のアーキテクチャの一部を描示する。
【0131】
システム500(代替的に、Wi-Fiセンシングシステム500と称される)は、センシングデバイス502、複数のリモートデバイス504-(1-N)、センシングアルゴリズムデバイス506、及び情報交換のためにシステム構成要素間の通信を可能にするネットワーク560を含むことができる。システム500は、ワイヤレス通信システム100の例又はインスタンスであり得、ネットワーク560は、ワイヤレスネットワーク又は携帯通信網接続の例又はインスタンスであり得、それらの詳細は、図1及びそれに付随する説明を参照して提供される。
【0132】
一部の実施形態によれば、センシングデバイス502は、センシング伝送を受信し、Wi-Fiセンシングに有用な1つ以上の測定(例えば、CSI)を実施するように構成され得る。これらの測定値は、センシング測定値として知られ得る。センシング測定値は、システム500のセンシング目標を達成するために処理され得る。一実施形態では、センシングデバイス502はアクセスポイント(AP)であり得る。一部の実施形態では、センシングデバイス502は、例えば、メッシュネットワークシナリオにおけるステーション(STA)であってもよい。一実装形態によれば、センシングデバイス502は、図1に示されたワイヤレス通信デバイス102などのデバイスによって実装され得る。一部の実装形態では、センシングデバイス502は、図2A及び図2Bに示すワイヤレス通信デバイス204などのデバイスによって実装され得る。更に、センシングデバイス502は、図4A及び図4Bに示されるワイヤレス通信デバイス402などのデバイスによって実装され得る。一実装形態では、センシングデバイス502は、複数のリモートデバイス504-(1-N)間の通信を調整及び制御することができる。一実装形態によれば、センシングデバイス502は、必要なセンシング伝送が必要な時間に行われることを保証し、センシング測定の正確な決定を保証するために、測定キャンペーンを制御することができる。一部の実施形態では、センシングデバイス502は、システム500のセンシング目標を達成するためにセンシング測定値を処理することができる。一部の実施形態では、センシングデバイス502は、センシング測定値をセンシングアルゴリズムデバイス506に伝送するように構成され得、センシングアルゴリズムデバイス506は、センシング測定値を処理し、システム500のセンシング目標を達成するように構成され得る。
【0133】
再び図5を参照すると、一部の実施形態では、リモートデバイス504-1は、センシング伝送をセンシングデバイス502に送信するように構成され得、それに基づいて、1つ以上のセンシング測定(例えば、CSI)がWi-Fiセンシングのために実施され得る。一実施形態では、リモートデバイス504-1はSTAであり得る。一部の実施形態では、リモートデバイス504-1は、例えば、センシングデバイス502がSTAとして動作するシナリオにおいて、Wi-FiセンシングのためのAPであってもよい。一実装形態によれば、リモートデバイス504-1は、図1に示すワイヤレス通信デバイス102などのデバイスによって実装され得る。一部の実装形態では、リモートデバイス504-1は、図2A及び図2Bに示すワイヤレス通信デバイス204などのデバイスによって実装され得る。更に、リモートデバイス504-1は、図4A及び図4Bに示されているワイヤレス通信デバイス402などのデバイスによって実装され得る。一部の実装形態では、センシングデバイス502とリモートデバイス504-1との間の通信は、ステーション管理エンティティ(SME)及びMAC層管理エンティティ(MLME)プロトコルを介して制御され得る。一実施形態によれば、複数のリモートデバイス504-(1-N)の各々は、センシングデバイス502にセンシング伝送を送信するように構成され得る。
【0134】
一部の実施形態では、センシングアルゴリズムデバイス506は、センシングデバイス502からセンシング測定値を受信し、センシング測定値を処理するように構成され得る。一例では、センシングアルゴリズムデバイス506は、1つ以上の関心特徴を識別するために、センシング測定値を処理及び分析することができる。一部の実装形態によれば、センシングアルゴリズムデバイス506は、センシングアルゴリズムを含む/実行することができる。一実施形態では、センシングアルゴリズムデバイス506は、STAであり得る。一部の実施形態では、センシングアルゴリズムデバイス506は、APであり得る。一実装形態によれば、センシングアルゴリズムデバイス506は、図1に示すワイヤレス通信デバイス102などのデバイスによって実装され得る。一部の実装形態では、センシングアルゴリズムデバイス506は、図2A及び図2Bに示すワイヤレス通信デバイス204などのデバイスによって実装され得る。更に、センシングアルゴリズムデバイス506は、図4A及び図4Bに示されるワイヤレス通信デバイス402などのデバイスによって実装され得る。一部の実施形態では、センシングアルゴリズムデバイス506は、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、タブレットコンピュータ、モバイルデバイス、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、又は任意の他のコンピューティングデバイスなどの任意のコンピューティングデバイスであり得る。実施形態では、センシングアルゴリズムデバイス506は、センシングアルゴリズムが測定キャンペーン及び測定キャンペーンを満たすために要求されるセンシング測定値を決定する、センシングイニシエータの役割を果たすことができる。センシングアルゴリズムデバイス506は、複数のリモートデバイス504-(1-N)の間の通信を調整及び制御するために、測定キャンペーンを満たすために要求されるセンシング測定値をセンシングデバイス502に通信することができる。
【0135】
図5をより詳細に参照すると、センシングデバイス502は、プロセッサ508及びメモリ510を含み得る。例えば、センシングデバイス502のプロセッサ508及びメモリ510は、図1に示すように、それぞれプロセッサ114及びメモリ116であってもよい。一実施形態では、センシングデバイス502は、伝送アンテナ512、受信アンテナ514、及びセンシングエージェント516を更に含み得る。一部の実施形態では、アンテナを使用して、半二重フォーマットで信号を伝送及び受信の両方を行うことができる。アンテナが伝送を行っているとき、該アンテナは伝送アンテナ512と称されることがあり、アンテナが受信を行っているとき、該アンテナは受信アンテナ514と称されることがある、同じアンテナが、一部の事例では伝送アンテナ512であり、他の事例では受信アンテナ514であり得ることが、当業者によって理解される。アンテナアレイの場合、1つ以上のアンテナ要素が、例えば、ビームフォーミング環境において、信号を伝送又は受信するために使用され得る。一部の例では、複合信号を伝送するために使用されるアンテナ要素のグループは伝送アンテナ512と称されることがあり、複合信号を受信するために使用されるアンテナ要素のグループは受信アンテナ514と称されることがある。一部の例では、各アンテナは、それ自体の伝送経路及び受信経路を備え、それらは、アンテナが伝送アンテナ512として動作しているか、又は受信アンテナ514として動作しているかに応じて、アンテナに接続するように交互に切り替えられ得る。
【0136】
一実装形態では、センシングエージェント516は、センシング目標を満たすために、センシング伝送及び関連する伝送パラメータを受信することと、センシング測定値を計算することと、センシング測定値を処理することとを担当し得る。一部の実装形態では、センシング伝送及び関連する伝送パラメータを受信することと、センシング測定値を計算することとは、センシングデバイス502の媒体アクセス制御(MAC)層中で動作するアルゴリズムによって実行され得、センシング目標を満たすためにセンシング測定値を処理することは、センシングデバイス502のアプリケーション層中で動作するアルゴリズムによって実行され得る。例えば、センシングデバイス502のアプリケーション層で実行されるアルゴリズムは、Wi-Fiセンシングエージェント、センシングアプリケーション、又はセンシングアルゴリズムとして知られている。一部の実装形態では、センシングデバイス502のMAC層内で起動するアルゴリズム及びセンシングデバイス502のアプリケーション層内で起動するアルゴリズムは、プロセッサ508上で別個に起動してもよい。一実装形態では、センシングエージェント516は、物理層パラメータ(例えば、CSIなど)をセンシングデバイス502のMAC層からセンシングデバイス502のアプリケーション層にパスすることができ、物理層パラメータを使用して、1つ以上の関心特徴を検出することができる。一例では、アプリケーション層は、物理層パラメータ上で動作し、エンドユーザに提示され得るサービス又は特徴を形成し得る。一実装形態によれば、センシングデバイス502のMAC層と他の層又は構成要素との間の通信は、MLMEインターフェース及びデータインターフェースなどの通信インターフェースに基づいて行われ得る。一部の実装形態によれば、センシングエージェント516は、センシングアルゴリズムを含む/実行することができる。一実装形態では、センシングエージェント516は、センシングアルゴリズムを使用してセンシング測定値を処理及び分析し、1つ以上の関心特徴を識別することができる。更に、センシングエージェント516は、Wi-Fiセンシングの目的で、センシング伝送及びセンシング測定値の数及びタイミングを決定するように構成され得る。一部の実装形態では、センシングエージェント516は、更なる処理のためにセンシング測定値をセンシングアルゴリズムデバイス506に伝送するように構成され得る。
【0137】
一実装形態では、センシングエージェント516は、伝送アンテナ512のうちの少なくとも1つの伝送アンテナにメッセージをリモートデバイス504-1に伝送させるように構成され得る。更に、センシングエージェント516は、受信アンテナ514のうちの少なくとも1つの受信アンテナを介して、リモートデバイス504-1からメッセージを受信するように構成され得る。一例では、センシングエージェント516は、リモートデバイス504-1から受信されたセンシング伝送に基づいてセンシング測定を行うように構成され得る。一実装形態によれば、センシングエージェント516は、センシング測定値を処理及び分析して、1つ以上の関心特徴を識別するように構成され得る。一部の実施形態では、センシングエージェント516は、関連する関心特徴を検出するようにセンシング空間を監視するときに実行する、複数の動作モード又は状態を有してもよい。
【0138】
一部の実施形態では、センシングデバイス502は、センシングトリガメッセージストレージ518と、リソースユニットストレージ520と、センシング測定値ストレージ522とを含み得る。一実装形態では、センシングトリガメッセージストレージ518は、センシングデバイス502によって複数のリモートデバイス504-(1-N)に伝送されたセンシングトリガメッセージを記憶することができる。一実装形態によれば、リソースユニットストレージ520は、複数のリモートデバイス504-(1-N)に割り振られるリソースユニット(RU)を記憶することができる。一実装形態では、センシング測定値ストレージ522は、センシング伝送に基づいてセンシングデバイス502によって計算されたセンシング測定値を記憶することができる。センシングトリガメッセージストレージ518に記憶されたセンシングトリガメッセージに関する情報、リソースユニットストレージ520に記憶された複数のリモートデバイス504-(1-N)に割り振られるRUに関する情報、及びセンシング測定値ストレージ522に記憶されたセンシング測定値に関する情報は、必要に応じて周期的に又は動的に更新され得る。一実装形態では、センシングトリガメッセージストレージ518、リソースユニットストレージ520、及びセンシング測定値ストレージ522は、データベース若しくはファイルシステムなどの、又はメモリ510に結合された、任意のタイプ又は形態のストレージを含み得る。
【0139】
再び図5を参照すると、リモートデバイス504-1は、プロセッサ528-1及びメモリ530-1を含み得る。例えば、リモートデバイス504-1のプロセッサ528-1及びメモリ530-1は、図1に示すように、それぞれプロセッサ114及びメモリ116であってもよい。一実施形態では、リモートデバイス504-1は、伝送アンテナ532-1と、受信アンテナ534-1と、センシングエージェント536-1とを更に含み得る。一実装形態では、センシングエージェント536-1は、リモートデバイス504-1のMACとの間で物理層パラメータをアプリケーション層プログラムに渡すブロックであり得る。センシングエージェント536-1は、伝送アンテナ532-1のうちの少なくとも1つの伝送アンテナ及び受信アンテナ534-1のうちの少なくとも1つの受信アンテナに、センシングデバイス502とメッセージを交換させるように構成され得る。一部の実施形態では、アンテナを使用して、半二重フォーマットで伝送及び受信の両方を行うことができる。アンテナが伝送を行っているとき、該アンテナは伝送アンテナ532-1と称されることがあり、アンテナが受信を行っているとき、該アンテナは受信アンテナ534-1と称されることがある。同じアンテナが、一部の事例では伝送アンテナ532-1であり、他の事例では受信アンテナ534-1であり得ることが、当業者によって理解される。アンテナアレイの場合、1つ以上のアンテナ要素が、例えば、ビームフォーミング環境において、信号を伝送又は受信するために使用され得る。一部の例では、複合信号を伝送するために使用されるアンテナ要素のグループは伝送アンテナ532-1と称されることがあり、複合信号を受信するために使用されるアンテナ要素のグループは受信アンテナ534-1と称されることがある。一部の例では、各アンテナは、それ自体の伝送経路及び受信経路を備え、それらは、アンテナが伝送アンテナ532-1として動作しているか、又は受信アンテナ534-1として動作しているかに応じて、アンテナに接続するように交互に切り替えられ得る。
【0140】
一部の実施形態では、リモートデバイス504-1は、伝送構成ストレージ540-1及びステアリング行列構成ストレージ542-1を含み得る。伝送構成ストレージ540-1は、センシングデバイス502によってリモートデバイス504-1に配信される要求された伝送構成、又はリモートデバイス504-1によってセンシングデバイス502に配信される配信された伝送構成を記憶することができる。更に、ステアリング行列構成ストレージ542-1は、1つ以上の事前定義されたステアリング行列構成を記憶することができる。伝送構成ストレージ540-1に記憶された伝送構成に関する情報、及びステアリング行列構成ストレージ542-1に記憶された1つ以上の事前定義されたステアリング行列構成に関する情報は、必要に応じて周期的又は動的に更新され得る。一実装形態では、伝送構成ストレージ540-1及びステアリング行列構成ストレージ542-1は、データベース又はファイルシステムなどの任意のタイプ又は形態のストレージを含むか、又はメモリ530-1に結合され得る。
【0141】
1つ以上の実装形態によれば、ネットワーク560における通信は、IEEEによって開発された規格の802.11ファミリのうちの1つ以上によって管理され得る。一部の例示的なIEEE標準は、IEEE P802.11-REVmd/D5.0、IEEE P802.11ax/D7.0、及びIEEE P802.11be/D0.1を含み得る。一部の実装形態では、通信は、他の規格(他の若しくは追加のIEEE規格又は他のタイプの規格)によって管理され得る。一部の実施形態では、システム500が802.11ファミリの標準のうちの1つ以上によって管理されることを必要としないネットワーク560の部分は、ワイヤレスネットワーク又は携帯通信網を含む任意のタイプのネットワークのインスタンスによって実装され得る。
【0142】
更に、IEEE802.11axは、センシングデバイス502が、単一のTXOPを使用して、複数のリモートデバイス504-(1-N)などの全ての参加デバイスにデータを同時に伝送することを可能にするOFDMAを採用しており、その逆も可能である。OFDMAの効率は、センシングデバイス502が複数のリモートデバイス504-(1-N)の間でチャネルリソース(リソースユニット(RU)と交換可能に称される)をどのようにスケジュールし、伝送パラメータをどのように構成するかに依存する。IEEE802.11axのアップリンクOFDMA伝送手順及びトリガフレームフォーマットが図6に描示されている。IEEE802.11axによれば、全てのアップリンクマルチユーザ伝送は、図6に描示されるフォーマットのトリガフレーム610に続く。図6に見られるように、センシング伝送(すなわち、センシング応答メッセージ)は、1つのSIFSの後にトリガフレームに続く。一例では、SIFSの持続期間は10μsである。トリガフレームの主な目的は、複数のリモートデバイス504-(1-N)からのマルチユーザPPDUの即時応答を求めることである。一例によれば、トリガフレームは、各リモートデバイスのためのRUへのマップとともに、TXOPのための複数のリモートデバイス504-(1-N)への共通同期パラメータを指定することができる。このマップは、OFDMAが干渉なしに機能することを可能にする。トリガフレームによって制御されるメッセージは、概して、図6に示すような時間-周波数メッセージパターンに従う。トリガフレームは、共通情報フィールド、ユーザ情報リストフィールド、及び様々な他のフィールドを含む。
【0143】
一実装形態によれば、トリガフレーム710内のフィールドの階層が図7A図7Gに示されている。
【0144】
図7A及び図7Dで説明されるように、階層のトップレベルは、制御フィールド及びフレームアドレッシングフィールドを含むMACヘッダを含む。図7Aはまた、トリガされた要求に共通の情報(例えば、トリガされた要求に参加しているリモートデバイスに関する情報)を含む、共通情報フィールドを示し、図7Dは、トリガされた要求に参加しているリモートデバイスの連続リストの中から、各個々のリモートデバイスに特有の情報を含むユーザ情報リストを示している。
【0145】
図7Bで説明されるように、共通情報フィールドの最初の4ビット(B0~B3)は、トリガタイプを定義し、図7Cで説明されるように、ビットB18及びB19は、以下に提供される表1によって説明される符号化を用いて、結果として生じる組み合わせられた応答のアップリンク(UL)帯域幅(BW)を定義する。組み合わされた応答の帯域幅は、リモートデバイスの伝送を含むTXOPの帯域幅を指す。
【表1】
【0146】
説明されるように、トリガフレーム710のユーザ情報リストは、トリガされた応答に参加しているリモートデバイスに固有のデータを含む。図7Eで説明されるように、ユーザ情報リストの最初の12ビット(B0~B11)は、ユーザ情報がターゲットにしているリモートデバイス(AID12)を定義し、図7F及び図7Gで説明されるように、ビットB12~B19は、リソース割り振りサブフィールドを構成し、(以下に提供される)表2並びに図8図9図10A、及び図10Bに従ってRUの割り振りを定義する。
【表2-1】

【表2-2】
【0147】
一例では、UL BWサブフィールドが80+80MHz又は160MHzを示す場合、記述は、RU割り振りサブフィールドのB0によって示されるような1次80MHzチャネル又は2次80MHzチャネルのためのRUインデックスを示す。一実装形態では、IEEE802.11規格の進化とともに、各センシングデバイス-リモートデバイス接続に利用可能なチャネルの帯域幅は、現在の最大160MHzまで増加している。IEEE802.11ax HE PHY修正は、複数のリモートデバイス504-(1-N)からセンシングデバイス502へのアップリンク伝送においてOFDMAを使用して、複数のリモートデバイス504-(1-N)に対してより高いフレキシビリティ及び詳細を伴ってチャネルが割り振られることを可能にしている。図8は、20MHzチャネルにおけるRUの許容可能な割り振りの表現810を描示し、図9は、40MHzチャネルにおけるRUの許容可能な割り振りの表現910を描示し、図10A及び図10Bは、80MHzチャネルにおけるRUの許容可能な割り振りの表現1010を描示している。
【0148】
IEEE802.11の将来の拡張では、チャネルの最大帯域幅並びにRUの数及びフォーマットを拡張することができる。表1及び表2、並びに図7F及び図7G、並びに図12F及び図12Gに与えられた説明は、現在のレベルの規格に基づく例であり、IEEE802.11をサポートするために行われる説明されたフィールドへのいかなる拡張も限定すべきではない。
【0149】
1つ以上の実装形態によれば、センシングエージェント516は、システム500が展開されるセンシング空間を探査するために、異なる方式でチャネルリソースを使用することができる。異なる方式は、センシングエージェント516の異なる動作モードとみなすことができる。センシングエージェント516の異なる動作モードの例は、スキャンモード、検出モード、及びハイブリッドモードを含む。一例では、動作モードの選択は、特定の時間におけるセンシングエージェント516の要件に基づき得る。各動作モードは、利用可能なチャネルリソースの効率的な使用を伴って、適切なセンシング測定値を配信することができる。
【0150】
例示的な実装形態では、スキャンモードは、低分解能で測定値をセンシングすることを可能にし得る。センシング測定の分解能は、センシング伝送の伝送の帯域幅の関数であり得、特定のRUをセンシング伝送に割り振ることによってより低い帯域幅のセンシング伝送を要求するセンシングエージェント516によって調整され得る。一例では、センシング目標は、スキャンが迅速かつ効率的に実施され、最短時間でセンシング空間内の最大エリアを調査することが必要とされ得ることであり得る。スキャンモードをサポートしているリモートデバイスは、TXOP中に少量の伝送帯域幅を割り振られ得る。一例では、センシングエージェント516は、スキャンモードに参加する各リモートデバイスに固定の伝送帯域幅を割り振ることができ、この例では、伝送帯域幅を割り振られ得るセンシング目標の一部と同数のリモートデバイスをサポートすることが可能であり得る。スキャンモードでは、センシングエージェント516は、リモートデバイスごとのセンシング測定値を計算する目的で、センシングアルゴリズムの一部としてリモートデバイスごとの割り振られた伝送帯域幅を追跡することができる。一実装形態では、センシングエージェント516は、センシング空間内の関心特徴をスキャンする間、スキャンモードで動作することができる。
【0151】
例示的な実装形態によれば、検出モードは、センシング空間内の1つ以上の関心特徴を検出又は分析するために、高分解能で測定値をセンシングすることを可能にし得る。検出モードは、リモートデバイスごとにより大きい伝送帯域幅を消費し得る。一例では、検出モードをサポートしているリモートデバイスは、TXOPにおいて大量の伝送帯域幅を割り振られ得る。一例では、センシングエージェント516は、検出モードに参加する各リモートデバイスに固定の伝送帯域幅を割り振ることができ、この例では、伝送帯域幅を割り振られ得るセンシング目標の一部と同数のリモートデバイスをサポートすることが可能であり得る。
【0152】
例では、並行して分析され得る複数の関心特徴があり得る。センシングエージェント516が識別する複数の関心特徴がある場合、センシングエージェント516は、低減されたレベルの分解能が使用され得ることを判定してもよく、利用可能伝送帯域幅は、関心特徴間で共有されてもよい。一実装形態によれば、1つ以上の関心特徴が識別されている(又は潜在的に識別された)とき、1つ以上の関心特徴の周りの利用可能なリモートデバイスのサブセットから導出された、高分解能センシング測定値が必要とされ得る。高分解能センシングは、利用可能な帯域幅のより大きい割合がリモートデバイスのサブセットに割り振られるように、より大きい数のRUを割り振ることによって達成され得る。
【0153】
例示的な実装形態では、検出が関心特徴に対して行われ、スキャンがネットワークの残りの部分に対して継続されるため、スキャン動作と検出動作の両方のために利用可能なリソースを低減するハイブリッドモードが採用され得る。ハイブリッドモードでは、センシング伝送のための伝送帯域幅は、任意の様式でリモートデバイスに割り振られ得る。ハイブリッドモードの使用の一例は、ネットワーク内のリモートデバイスの残りをスキャンしながら、リモートデバイスのネットワークの一部に(例えば、家の中の単一の部屋の中をセンシングし得る全てのリモートデバイスに)詳細に焦点を当てることであり得る。一例では、ハイブリッドモードにおいて、センシングエージェント516は、正しいセンシング測定値が計算されることと、センシングアルゴリズムがスキャン動作及び検出動作を正しく実行することとを保証するために、リモートデバイスごとの割り振られた伝送帯域幅の記録を維持することができる。更なる例では、センシングエージェント516は、固定伝送帯域幅をハイブリッドモードの一部としてスキャン動作に関与する各リモートデバイスに割り振り、固定伝送帯域幅をハイブリッドモードの一部として検出動作に関与する各リモートデバイスに割り振ってもよい。
【0154】
一実装形態によれば、センシングエージェント516は、(センシングエージェント516によって決定される)検出モードにおけるセンシング目標が全ての利用可能な帯域幅の使用を必要としないシナリオでは、ハイブリッドモードで動作することができる。かかるシナリオでは、センシングエージェント516は、予備帯域幅が連続的な低分解能スキャンに割り振られることを可能にし得る。一例では、連続スキャンのための分解能は低減されないが、チャネルは、ネットワーク中の全てのリモートデバイスに適応するために連続スキャンセンシング測定の周波数が低減されるように、時間的に多重化される。
【0155】
1つ以上の実施形態では、センシングエージェント516は、その動作中に動作モード間を遷移することができる。センシングエージェント516の状態遷移図1110の例を図11に描示する。一実装形態では、複数のリモートデバイス504-(1-N)の各々は、センシングエージェント516によって定義されたフォーマットでセンシング伝送を与えることによって、センシングエージェント516の動作モードをサポートすることができる。センシングエージェント516は、センシング伝送からセンシング測定値を計算することを可能にするために、センシング伝送のフォーマットの記録を維持することができる。図11に示すように、センシングエージェント516は、1つ以上の関心特徴が識別されるまで、スキャンモードで動作することができる(開始状態)。スキャンモードから1つ以上の関心特徴が識別されると、センシングエージェント516は、高分解能センシング測定が実行され得る検出モードに遷移することができる。一部のシナリオでは、センシングエージェント516は、検出動作モードに関連するアクションを実行している間に、センシングエージェント516が低分解能スキャン動作モードを継続するためのアクションを実施することもできるように、ハイブリッドモードで動作することができる。
【0156】
一実装形態によれば、検出モードでは、センシングエージェント516は、リモートデバイスの低減されたセットを決定し、低減されたセットの各リモートデバイスに帯域幅の一定の割合を割り振ることができる。一例では、センシングエージェント516は、シグナリングがサポートすることができるリモートデバイスに利用可能なチャネル帯域幅のできるだけ多くを割り振ることができる。更に、ハイブリッドモードでは、センシングエージェント516は、センシング目標を決定し、次いで、スキャン動作及び検出動作に割り振られ得る帯域幅の量、したがって、センシング目標がこれらの動作によって満たされ得るかどうかを判定することができる。センシングエージェント516が、ハイブリッドモードが不適切である(例えば、ハイブリッドモード動作を維持し、依然として、センシングデバイス502が検出モードでセンシング測定を行うであろう伝送をセンシングするリモートデバイスに十分な伝送帯域幅を提供することが可能ではない)と判定した場合、センシングエージェント516は、検出モードに遷移することができる。
【0157】
一実装形態では、センシングエージェント516が、検出センシング目標に必要とされる(すなわち、検出モードで行われる)全てのセンシング測定が行われていると判定した場合、センシングエージェント516は、スキャンモードに戻ることができる。一例では、センシングエージェント516は、センシング空間の部分についてスキャンを再開することを可能にするが、関心特徴の検出に対する最終的な変更が発生せず、見逃されないようにするために、ハイブリッドモードを介して検出モードからスキャンモードに遷移することができる。スリープ状態は、センシングエージェント516が、ゼロ又は低いシステムリソース利用の状態をサポートすることを可能にする。一部の例では、タイマーがセンシングエージェント516を周期的に起動し、センシングエージェント516はスキャンモードに遷移することができる。後続のスキャンの結果に応じて、センシングエージェント516は、検出モード又はハイブリッドモードに進むことができ、あるいはスリープ状態に戻ることができる。
【0158】
再び図5を参照すると、1つ以上の実装形態によれば、センシングデバイス502は、測定キャンペーンを開始することができる。別の実装形態では、センシングアルゴリズムデバイス506は、測定キャンペーンを開始してもよい。測定キャンペーンでは、センシングデバイス502と複数のリモートデバイス504-(1-N)との間の伝送の交換が行われ得る。一例では、これらの伝送の制御は、IEEE802.11スタックのMAC(媒体アクセス制御)層によるものであり得る。一実装形態によれば、センシングデバイス502は、選択されたリモートデバイスによるセンシング伝送にセンシングデバイスによって割り振られ得るTXOPをセキュアにすることができる。一例では、選択されたリモートデバイスは、複数のリモートデバイス504-(1-N)を含み得る。一部の例では、選択されたリモートデバイスは、複数のリモートデバイス504-(1-N)のサブセットを含み得る。説明及び理解を容易にするために、以下の説明は、複数のリモートデバイス504-(1-N)を含む選択されたリモートデバイスを参照して提供されるが、この説明は、複数のリモートデバイス504-(1-N)のサブセットの場合にも等しく適用可能である。一実装形態によれば、センシングエージェント516は、第1のチャネルリソースを複数のリモートデバイス504-(1-N)からの第1の予想される伝送に割り振ることができ、第1のチャネルリソースは第1のTXOP内に含まれ得る。一例では、センシングエージェント516は、第1のTXOP内の時間及び帯域幅を複数のリモートデバイス504-(1-N)に割り振ることによって、第1のチャネルリソースを複数のリモートデバイス504-(1-N)に割り振ることができる。一実装形態では、センシングデバイス502は、センシングエージェント516の動作モード、センシング目標、及び複数のリモートデバイス504-(1-N)の各々についての要件のうちの1つ以上に基づいて、複数のリモートデバイス504-(1-N)の各々に割り振られる帯域幅を決定することができる。
【0159】
一例では、スキャンモードのセンシング目標は、利用可能な総帯域幅内でリモートデバイスを組み合わせることであり得る。したがって、リモートデバイスごとの割り振られた帯域幅は、利用可能な総帯域幅のサブセットであり得る。一例では、割り振りは、帯域幅の事前定義されたブロックサイズであり得る。一部の例では、帯域幅割り振りは、各個々のRUの帯域幅によって制限され得る。一実装形態では、TXOP内の等しい帯域幅が各リモートデバイスに割り振られ得る。一実装形態によれば、非均等な帯域幅割り振りにおいて応答する必要があるリモートデバイスが決定され得る。
【0160】
一例によれば、検出モードのセンシング目標は、センシング測定値の分解能を高めることであり得る。したがって、リモートデバイスごとの割り振られた帯域幅は、センシングモードと比較してより大きくなり得る。一例では、全ての利用可能な帯域幅が単一のリモートデバイスに割り振られ得る。一部の例では、固定帯域幅が、センシング目標に参加している各リモートデバイスに割り振られ得る。更に、一部の例では、センシング測定の異なる分解能がリモートデバイスから必要とされるとセンシング目標が決定した場合、異なる帯域幅がリモートデバイスに割り振られ得る。
【0161】
一例では、ハイブリッドモードのセンシング目標は、リモートデバイスのサブセットを用いて検出動作を実行し、スキャン動作のために予備帯域幅(すなわち、検出動作に参加しているリモートデバイスに必要とされない帯域幅)を使用することであり得る。検出動作におけるリモートデバイスのニーズを満たすための帯域幅が、TXOPにおいて利用可能な全ての帯域幅を必要としない場合、予備帯域幅は、検出動作の一部ではない全てのリモートデバイス(すなわち、スキャン動作に参加している全てのリモートデバイス)の間で割り振られ得る。一例では、予備帯域幅は、スキャン動作に参加しているリモートデバイスのサブセット間に割り振ることができ、リモートデバイスのサブセットは、後続のTXOPにおいて変更され得る。
【0162】
一実装形態によれば、センシングエージェント516は、スキャンモードに従って第1のチャネルリソースを複数のリモートデバイス504-(1-N)に割り振ることができる。第1のチャネルリソースが複数のリモートデバイス504-(1-N)からの第1の予想される伝送に割り振られた後、センシングエージェント516は、複数のリモートデバイス504-(1-N)からの第1の一連のセンシング伝送をトリガするように構成された第1のセンシングトリガメッセージを生成することができる。第1の一連のセンシング伝送は、複数のリモートデバイス504-(1-N)の各々からのセンシング伝送を含み得る。一例では、第1のセンシングトリガメッセージは、UL-OFDMAを使用してセンシング伝送を行うように複数のリモートデバイス504-(1-N)に命令し得るUL-OFDMAセンシングトリガメッセージであり得る。更に、第1のセンシングトリガメッセージは、スキャンタイプトリガメッセージであり得る。スキャンタイプトリガメッセージは、スキャンモードで使用され、スキャンモードの要件を満たす異なるタイプの応答を記述するトリガメッセージであり得る。一例では、第1のセンシングトリガメッセージは、要求された伝送構成と、スキャンモードに対応するリソース割り振りサブフィールドとを含み得る。
【0163】
一例によれば、第1の一連のセンシング伝送はまた、スキャンモードに対応することができる。一例では、第1のセンシングトリガメッセージは、複数のリモートデバイス504-(1-N)に、第1のTXOPにおいて使用するためのアップリンク帯域幅内のRUのそれらの割り振りを通知することができる。一部の例では、第1のセンシングトリガメッセージは、要求された伝送構成を使用して結果として生じるセンシング伝送のための更なる構成項目について複数のリモートデバイス504-(1-N)に命令し得るパラメータを含み得る。一実装形態では、センシングエージェント516は、ステアリング行列構成の仕様が含まれた第1のセンシングトリガメッセージを生成することができる。一例では、第1のセンシングトリガメッセージは、要求された伝送構成内のステアリング行列構成を含み得る。一実装形態では、センシングエージェント516は、伝送アンテナ512を介して、複数のリモートデバイス504-(1-N)からの第1の一連のセンシング伝送をトリガするように構成された第1のセンシングトリガメッセージを伝送することができる。
【0164】
UL-OFDMAセンシングトリガメッセージ1210内のフィールドの階層を図12A図12Hに示し、UL-OFDMAベースのセンシング伝送トランザクション1310の一例を図13に示している。
【0165】
図12A及び図12Dで説明されるように、階層のトップレベルは、制御フィールド及びフレームアドレッシングフィールドを含むMACヘッダを含む。図12Aはまた、トリガされた要求に共通の情報(例えば、トリガされた要求に参加しているリモートデバイスに関する情報)を含む、共通情報フィールドを示し、図12Dは、トリガされた要求に参加しているリモートデバイスの連続リストの中から、各個々のリモートデバイスに特有の情報を含むユーザ情報リストを示している。
【0166】
図12Bで説明されるように、共通情報フィールドの第1の4ビット(B0~B3)は、トリガタイプを定義する。一例では、トリガタイプは、UL-OFDMAセンシングトリガを表す8のサブフィールド値を有する。UL-OFDMAセンシングトリガは、トリガフレームフォーマットを複数のセンシングトリガメッセージ(例えば、センシング伝送を行うようにトリガされているリモートデバイスごとに1つのセンシングトリガメッセージ)と組み合わせる。
【0167】
再び図12Dを参照すると、一例では、UL-OFDMAセンシングトリガメッセージ1210において、フィールド「トリガ依存ユーザ情報」は、センシングトリガメッセージデータを含む。
【0168】
図12Cで説明されるように、ビットB18及びB19は、結果として生じる組み合わされた応答のアップリンク(UL)帯域幅(BW)を定義することができる。一例では、B18及びB19の符号化は、既に提供された表1によって説明され得る。組み合わされた応答の帯域幅は、リモートデバイスの伝送を含むTXOPの帯域幅を指すことがある。
【0169】
図12Eで説明されるように、UL-OFDMAセンシングトリガメッセージ1210のユーザ情報リストは、トリガされた応答に参加しているリモートデバイスに固有のデータを含み得る。図12Eで説明されるように、ユーザ情報リストの最初の12ビット(B0~B11)は、ユーザ情報がターゲットにしているリモートデバイス(AID12)を定義することができ、図12F及び図12Gで説明されるように、ビットB12~B19は、リソース割り振りサブフィールドとRUの割り振りとを定義することができる。例では、B12~B19は、表2、並びに図8図9図10A、及び図10Bに従ってRUの割り振りを定義することができる。
【0170】
図13に示す例では、センシングデバイス502は、リモートデバイス504-(1-4)からのセンシング伝送をトリガするために、単一のUL-OFDMAセンシングトリガメッセージを伝送する。UL-OFDMAセンシングトリガメッセージに応答して、リモートデバイス504-1、リモートデバイス504-2、リモートデバイス504-3、及びリモートデバイス504-4の各々は、センシング伝送(すなわち、センシング応答メッセージ)を伝送する。
【0171】
再び図5を参照すると、第1のセンシングトリガメッセージを受信したことに応答して、複数のリモートデバイス504-(1-N)の各々はセンシング伝送を生成することができる。一例では、第1のセンシングトリガメッセージが複数のリモートデバイス504-(1-N)の各々からトリガするセンシング伝送は、センシング応答メッセージであり得る。一実装形態では、複数のリモートデバイス504-(1-N)の各々は、要求された伝送構成と第1のセンシングトリガメッセージによって定義されたステアリング行列構成とを使用してセンシング伝送を生成することができる。ステアリング行列構成が第1のセンシングトリガメッセージによって指定されないシナリオでは、複数のリモートデバイス504-(1-N)の各々は、センシング伝送を行うために、事前構成されたデフォルトステアリング行列構成を使用することができる。一実装形態では、複数のリモートデバイス504-(1-N)は、単一のTXOP、すなわち第1のTXOPにおいて、第1の一連のセンシング伝送を行うことができる。したがって、センシングモードのセンシング目標をサービスするために利用可能な十分なアップリンクチャネル帯域幅が存在する。一実装形態によれば、複数のリモートデバイス504-(1-N)は、第1の一連のセンシング伝送をセンシングデバイス502に伝送することができる。
【0172】
一実装形態では、センシングデバイス502は、受信アンテナ514を介して、第1のセンシングトリガメッセージに応答して伝送された第1の一連のセンシング伝送を受信することができる。第1のセンシングトリガメッセージを受信すると、センシングエージェント516は、第1の一連のセンシング伝送に基づいて第1の一連のセンシング測定値を生成することができる。一実装形態では、センシングエージェント516は、第1の一連のセンシング測定値を生成するために、複数のリモートデバイス504-(1-N)の各々から受信されたセンシング伝送を処理することができる。一部の例によれば、それぞれのセンシング伝送を行うために複数のリモートデバイス504-(1-N)の各々によって適用されているステアリング行列構成は、センシングデバイス502へのデータの成功した転送をサポートしない場合がある。したがって、センシングエージェント516は、センシング伝送によって搬送されるデータを復号することができない場合がある(例では、センシング伝送によって搬送されるデータは、配信された伝送構成である)。しかしながら、センシング伝送は、第1のセンシングトリガメッセージに応答して行われるため、センシングエージェント516は、センシング伝送が行われていると仮定することができる。一例では、センシングエージェント516は、要求された伝送構成がセンシング伝送に適用されていると仮定することができ、センシングエージェント516は、この仮定に基づいて第1の一連のセンシング測定値を生成することができる。
【0173】
一実装形態によれば、第1の一連のセンシング伝送に基づいて第1の一連のセンシング測定値を生成した後、センシングエージェント516は、第1の一連のセンシング測定値に従って関心特徴の識別情報を取得することができる。一実装形態では、センシングエージェント516は、第1の一連のセンシング測定値に従って、関心特徴を識別することができる。一部の実装形態では、センシングエージェント516は、第1の一連のセンシング測定値をセンシングアルゴリズムデバイス506に伝送することができる。第1の一連のセンシング測定値を受信すると、センシングアルゴリズムデバイス506は、センシングアルゴリズムを実行して、関心特徴を識別することができる。更に、センシングアルゴリズムデバイス506は、関心特徴の識別情報をセンシングデバイス502に伝送することができる。一実装形態では、センシングエージェント516は、センシングアルゴリズムデバイス506から関心特徴の識別情報を受信することができる。
【0174】
1つ以上の実施形態によれば、センシングエージェント516は、関心特徴が識別されるまでスキャンモードで動作することができる。関心特徴がスキャンモードで識別されると、センシングエージェント516は、検出モード又はハイブリッドモードに遷移することができる。一実装形態では、センシングアルゴリズムは、関心特徴の識別情報が完了したという通知を受信することができる。センシングアルゴリズムは、次いで、センシングエージェント516に、スキャンモードから検出モード又はハイブリッドモードに遷移するように命令することができる。
【0175】
一実装形態では、センシングエージェント516は、関心特徴に従ってリモートデバイスの選択を決定することができる。一例では、リモートデバイスの選択は、複数のリモートデバイス504-(1-N)のサブセットであり得る。一実装形態によれば、センシングエージェント516は、関心特徴の近傍にあるリモートデバイスを選択することができる。一実装形態では、センシングエージェント516は、リモートデバイスの選択からの第2の予想される伝送に第2のチャネルリソースを割り振ることができる。第2のチャネルリソースは、検出モードに従ってリモートデバイスの選択に割り振られ得、第2のTXOP内に含まれ得る。一部の実施形態では、センシングエージェント516は、第1のチャネルリソースのために使用されたのと同じTXOP内に第2のチャネルリソースを含み得る。
【0176】
一実装形態では、センシングエージェント516は、伝送アンテナ512を介して、リモートデバイスの選択からの第2の一連のセンシング伝送をトリガするように構成された第2のセンシングトリガメッセージを伝送することができる。一例では、第2のセンシングトリガメッセージは、UL-OFDMAを使用してセンシング伝送を行うように選択されたリモートデバイスに命令し得るUL-OFDMAセンシングトリガメッセージであり得る。一例では、第2のセンシングトリガメッセージは、検出タイプトリガメッセージであり得る。検出タイプトリガメッセージは、検出モードで使用され、検出モードの要件を満たす異なるタイプの応答を記述するトリガメッセージであり得る。一例では、第2のセンシングトリガメッセージは、要求された伝送構成と、検出モードに対応するリソース割り振りサブフィールドとを含み得る。一例では、第2のセンシングトリガメッセージは、検出モードに対応するステアリング行列構成を含み得る。一実装形態によれば、第2のセンシングトリガメッセージを受信したことに応答して、選択されたリモートデバイスは、第2の一連のセンシング伝送を生成し、第2の一連のセンシング伝送をセンシングデバイス502に伝送することができる。一実装形態では、センシングエージェント516は、受信アンテナ514を介して、第2のセンシングトリガメッセージに応答して伝送された第2の一連のセンシング伝送を受信することができる。一例では、第2の一連のセンシング伝送は検出モードに対応することができる。第2の一連のセンシング伝送を受信すると、センシングエージェント516は、第2の一連のセンシング伝送に基づいて第2の一連のセンシング測定値を生成することができる。一実装形態では、第2の一連のセンシング測定値は、第1の一連のセンシング測定値よりも高い分解能を有し得る。一実装形態によれば、センシングエージェント516は、移動及び/又は動きを検出することなどのセンシング目標を達成するために、第2の一連のセンシング測定値を処理及び分析するように構成され得る。したがって、センシングエージェント516は、センシングアルゴリズムの要件に適合する可変分解能のセンシング伝送を要求し、それらを最も効率的な方法で取得する能力から利益を得ることができる。また、TXOP及びUL-OFDMAは、センシングデバイス502が、多くのリモートデバイス(最大でBSS内の複数のリモートデバイス504-(1-N)の全て)が同時に、センシング目標を効率的に達成するように制御され得るパラメータを用いて、最小の測定時間ジッタ及び最小のオーバーヘッドでセンシング伝送を伝送する機会を確保することを可能にし得る。
【0177】
一部の実施形態によれば、第2のセンシングトリガメッセージは、ハイブリッドタイプトリガメッセージを含み得る。ハイブリッドタイプトリガメッセージは、ハイブリッドモードで使用され、ハイブリッドモードの要件を満たす異なるタイプの応答を記述するトリガメッセージであり得る。一例では、ハイブリッドタイプトリガメッセージは、要求された伝送構成と、ハイブリッドモードに対応するリソース割り振りサブフィールドとを含み得る。一例では、第2のセンシングトリガメッセージは、ハイブリッドモードに対応するステアリング行列構成を含み得る。一例では、ハイブリッドタイプトリガメッセージは、リモートデバイスの第1のグループから、スキャンモードに対応する第1の第2の一連のセンシング伝送をトリガし、リモートデバイスの第2のグループから、検出モードに対応する第2の第2の一連のセンシング伝送をトリガするように構成され得る。一実装形態では、センシングエージェント516は、第2のチャネルリソースの第1の部分を、ハイブリッドタイプトリガメッセージに応答して受信された第1の第2の一連のセンシング伝送のうちのセンシング伝送に割り振り、第2のチャネルリソースの第2の部分を、ハイブリッドタイプトリガメッセージに応答して受信された第2の第2の一連のセンシング伝送のうちのセンシング伝送に割り振ることができる。
【0178】
1つ以上の実施形態によれば、センシングエージェント516の要件が、第2のTXOPの利用可能なアップリンク帯域幅を集合的に超える複数のリモートデバイス504-(1-N)からのセンシング伝送を必要とするシナリオでは、MUカスケードシーケンスが使用され得る。一例では、センシング伝送要件が利用可能なアップリンク帯域幅を超え得る状況は、センシングエージェント516が並列にセンシング伝送を提供するために多数のリモートデバイスを必要とし得るときに起こる可能性がある。かかる状況は、センシングエージェント516がセンシング目標を達成するために複数のリモートデバイス504-(1-N)からの広帯域幅センシング伝送を必要とするとき、又は複数のリモートデバイス504-(1-N)の量が非常に大きいときに、より起こる可能性が高い。一実装形態では、MUカスケードシーケンスは、同じTXOP内での複数のリモートデバイス504-(1-N)からセンシングデバイス502へのセンシング伝送のより複雑なブロックの伝送を可能にし得る。事実上、MUカスケードシーケンスは、時分割多元接続と周波数分割多元接続の両方を可能にし得る。
【0179】
一実装形態によれば、MUカスケードシーケンスは、複数のUL-OFMDAセンシングトリガ及びセンシング伝送が単一のTXOPにおいて行われることを可能にし得る。一例では、2つ以上のトリガ伝送ペアが、TXOPの持続時間中に適応され得る。一実装形態では、MUカスケードシーケンスは、センシングエージェント516が、それらのセンシング伝送の総アグリゲート帯域幅がアップリンクチャネル帯域幅を超える場合でも、単一のTXOPにおいて複数のリモートデバイスからのセンシング伝送を請求することを可能にし得る。一実装形態では、MUカスケードシーケンスにおいて、TXOPのACは、UL-OFDMAセンシングトリガの生成より前にネゴシエートされる。一部の例では、AC_VO又はAC_VIは、これらが(TXOPの持続時間まで)同じTXOPにおける複数のフレームの伝送を可能にするため、MUカスケードシーケンスのために選択される。AC_VO及びAC_VIのためのTXOPの持続時間は、IEEE802.11システムによって決定され、例では、センシングエージェント516は、ネゴシエーションの時間におけるセンシングエージェント516の要件に応じて、そのTXOPのACを決定することができる。一実装形態では、センシングエージェント516は、トリガされたセンシング伝送のより長いシーケンスが必要とされるとき、(そのACを介して)より長いTXOPを要求することができる。
【0180】
一部の実施形態によれば、センシング目標は、全てのセンシング伝送の合計に対する伝送帯域幅が大きく、全てのセンシング伝送を並行して行うために割り振られたチャネルにおいて利用可能な帯域幅が不十分であり得ることを必要とし得る。かかるシナリオでは、チャネル使用は、センシング伝送の第1のセットを行うためにリモートデバイスの第1のセットにチャネル帯域幅全体を割り振り、次いで、センシング伝送の第2のセットを行うためにリモートデバイスの第2のセットに同じチャネル帯域幅を再割り振りすることによって最大化され得る。一例では、チャネル帯域幅の再割り振りは、全てのリモートデバイスがセンシング伝送を行うまで繰り返すことができる。一部の実施形態では、センシング目標は、複数のセンシング伝送が同じリモートデバイスからであるが、異なる伝送パラメータを有するべきであることを必要とし得る。したがって、同じリモートデバイスは、複数のUL-OFDMAセンシングトリガを用いて同じTXOPにおいて複数回トリガされ得る。図14は、例示的なMUカスケードシーケンスセンシング伝送トランザクション1410を描示している。
【0181】
1つ以上の実施形態によれば、MUカスケードシーケンスは、スキャンモード、検出モード、及びハイブリッドモードでセンシング伝送をトリガするために使用され得る。例では、MUカスケードシーケンスは、大きいネットワークをスキャンするために、複数の関心特徴を検出するために、フルネットワークスキャンを維持しながら関心特徴を検出するために、かつ大きい帯域幅センシング伝送で関心特徴を検出するために使用され得る。
【0182】
一例では、リモートデバイスのネットワークが非常に大きい場合、TXOPにおいて利用可能な帯域幅でネットワークをスキャンすることは不可能であり得る。例えば、この状況は、TXOP中の利用可能な帯域幅が制限される場合に生じる場合がある。一例では、20MHzチャネルのみが利用可能であり得る。したがって、RUの数は制限され得る。一部の例では、スキャン動作のために選択された帯域幅は、利用可能な帯域幅と比較して高い場合がある。かかるシナリオでは、MUカスケードシーケンスは、シーケンシャルブロックを使用してネットワークをスキャンするために使用され得、各ブロックは、各リモートデバイスに割り振られたスキャン動作のための帯域幅で可能な最大数のリモートデバイスを収容する。図15は、大規模ネットワークをスキャンするのための例示的なMUカスケードシーケンスセンシング伝送トランザクション1510を描示している。図15に示すように、ネットワークには合計でb個のリモートデバイスがあり、b個のリモートデバイスは2つのブロックで順次スキャンされる。
【0183】
一部の例では、複数の関心特徴が識別されている場合がある。各関心特徴の分析をサポートするリモートデバイスのサブセットが識別され得、リモートデバイスの各サブセットからのセンシング伝送がトリガされ得る。一例では、リモートデバイスの各サブセットは、独立していてもよく、相互に排他的であってもよく、又は任意の数のリモートデバイスを共有してもよい。一部の例では、各関心特徴は、等しい帯域幅のセンシング伝送によって分析され得、他の例では、異なる帯域幅のセンシング伝送が使用され得る。一例では、使用されるセンシング伝送の帯域幅は、ネットワークをスキャンするために使用される帯域幅よりも大きくてもよい。
【0184】
一部の実施形態によれば、識別された関心特徴は、第1の関心特徴及び第2の関心特徴を含み得る。かかるシナリオでは、センシングエージェント516は、第1の関心特徴に従ってリモートデバイスの第1の選択を決定し、第2の関心特徴に従ってリモートデバイスの第2の選択を決定することができる。更に、センシングエージェント516は、第2のチャネルリソースの第1の部分をリモートデバイスの第1の選択に割り振り、第2のチャネルリソースの第2の部分をリモートデバイスの第2の選択に割り振ることができる。
【0185】
図16は、複数の関心特徴を検出するための例示的なMUカスケードシーケンスセンシング伝送トランザクション1610を描示している。一実装形態では、識別されている可能性がある2つの関心特徴、すなわち、第1の関心特徴及び第2の関心特徴があり得る。一例では、第1の関心特徴に関連付けられたc個のリモートデバイスが存在し得、第2の関心特徴に関連付けられたd個のリモートデバイスが存在し得る。一例では、c個のリモートデバイスは、d個のリモートデバイスよりも数が多いことがある。この例では、TXOPの全ての利用可能な帯域幅が第1の検出のために使用される。しかしながら、c個のリモートデバイスはd個のリモートデバイスよりも数が多いため、第2の検出では未割り振りの帯域幅がある。
【0186】
一例では、関心特徴が識別されており、詳細に分析され得る。加えて、フルネットワークスキャンは、第2のトリガで継続してもよく、これは、MUカスケードシーケンスを使用するハイブリッドモードの例である。一例では、関心特徴を検出するために使用されるセンシング伝送の帯域幅は、ネットワークをスキャンするために使用される帯域幅よりも大きくてもよい。図17は、フルネットワークスキャンを維持しながら関心特徴を検出するための例示的なMUカスケードシーケンスセンシング伝送トランザクション1710を描示している。一例では、ネットワーク内にf個のリモートデバイスが存在し得る。加えて、e個のリモートデバイスのサブセットは、f個のリモートデバイスのセット内に含まれ得る。e個のリモートデバイスは、関心特徴に関連付けられ得る。一例では、TXOPの全ての利用可能な帯域幅が、最初に検出のために使用され、次いでスキャンのために使用される。
【0187】
一例では、関心特徴が識別されている場合がある。更に、大きい帯域幅のセンシング伝送が必要とされること、及びTXOPにおける利用可能な帯域幅が全てのセンシング伝送を並列に収容するのに十分ではないことが決定されている可能性がある。かかるシナリオでは、センシング伝送は、最も速い様式でセンシング伝送を配信するアルゴリズムに基づいてブロックでトリガされ得る。図18は、大きな帯域幅センシング伝送を用いて関心特徴を検出するための例示的なMUカスケードシーケンスセンシング伝送トランザクション1810を描示している。図18に示すように、関心特徴に関連付けられた4つのリモートデバイス(すなわち、リモートデバイス1、リモートデバイス2、リモートデバイス3、及びリモートデバイス4)があり得る。これらの4つのリモートデバイスへのセンシング伝送は、2つの連続ブロックにおいてトリガされ得る。
【0188】
上記で説明されるように、本開示の一部の実施形態は、Wi-Fiセンシングのための2つのセンシングメッセージタイプ、すなわち、UL-OFDMAセンシングトリガメッセージ及びセンシング応答メッセージを定義する。一例では、メッセージタイプは、新しく定義されたIEEE802.11管理フレーム中で搬送される。一部の例では、メッセージタイプは、新たに定義されたIEEE802.11制御フレーム中で搬送される。一部の例では、これらのセンシングメッセージタイプを実現するために、管理フレームと制御フレームの組み合わせが使用され得る。一部の例では、タイミング構成、伝送構成、及びステアリング行列構成は、UL-OFDMAセンシングトリガメッセージ及びセンシング応答メッセージによって搬送され得る。一例では、タイミング構成、伝送構成、及びステアリング行列構成は、IEEE802.11要素として実装され得る。別の例では、UL-OFDMAセンシングトリガメッセージ又はセンシング応答メッセージによって搬送されるタイミング構成、伝送構成、及びステアリング行列構成は、その全体がセンシング測定パラメータ要素と称されることがある。
【0189】
1つ以上の実施形態では、一部の実施形態によれば、センシングメッセージタイプは、メッセージタイプフィールドによって識別することができ、各センシングメッセージタイプは、他の識別された要素を搬送してもしなくてもよい。センシングメッセージタイプ及び構成要素の例を表3に示す。
【表3-1】

【表3-2】

【表3-3】
【0190】
センシング伝送のための例示的な伝送構成要素(例えば、必要とされる伝送構成又は配信された伝送構成)が表4に提供される。
【表4-1】

【表4-2】

【表5】

【表6】

【表7】
【0191】
表4は、センシング伝送のための伝送構成要素(要求された伝送構成又は配信された伝送構成)を説明する。一例では、これらのデータは、センシングデバイス502と複数のリモートデバイス504-(1-N)との間、又はその逆の間のセンシングメッセージに含めるための要素に符号化される。複数のリモートデバイスを含む測定キャンペーンでは、これらのパラメータは、全てのリモートデバイスに対して(すなわち、リモートデバイスごとに)定義され得る。センシングデバイスからリモートデバイスに伝送されるとき、これらのパラメータは、リモートデバイスセンシング伝送を構成することができ、リモートデバイスからセンシングデバイスに伝送されるとき、これらのパラメータは、センシング伝送のためにリモートデバイスによって使用される構成を報告することができる。
【0192】
一部の実装形態によれば、ステアリング行列構成要素の詳細が表8に記載される。
【表8-1】

【表8-2】
【0193】
一例では、表8に提供されるデータは、センシングデバイス502と複数のリモートデバイス504-(1-N)との間のメッセージに含めるための要素に符号化され得る。複数のリモートデバイスを含む測定キャンペーンでは、これらのパラメータは、全てのデバイスについて定義され得る。センシングデバイス502から複数のリモートデバイス504-(1-N)に伝送されると、ステアリング行列構成は、ルックアップテーブル(後にインデックスを介してアクセスすることができる)を埋める。
【0194】
図19A図19Cは、一部の実施形態による、関心特徴に基づいてセンシング測定値を生成するためのフローチャート1900を描示している。
【0195】
フローチャート1900の一実装形態を要約すると、ステップ1902において、第1のチャネルリソースが、複数のリモートデバイスからの第1の予想される伝送に割り振られる。ステップ1904において、複数のリモートデバイスからの第1の一連のセンシング伝送をトリガするように構成された第1のセンシングトリガメッセージが伝送される。ステップ1906において、第1のセンシングトリガメッセージに応答して伝送された第1の一連のセンシング伝送が受信される。ステップ1908において、第1の一連のセンシング測定値が、第1の一連のセンシング伝送に基づいて生成される。ステップ1910において、第1の一連のセンシング測定値に従って、関心特徴の識別情報が取得される。ステップ1912において、リモートデバイスの選択が、関心特徴に従って決定される。ステップ1914において、第2のチャネルリソースが、リモートデバイスの選択からの第2の予想される伝送に割り振られる。ステップ1916において、リモートデバイスの選択からの第2の一連のセンシング伝送をトリガするように構成された第2のセンシングトリガメッセージが伝送される。ステップ1918において、第2のセンシングトリガメッセージに応答して伝送された第2の一連のセンシング伝送が受信される。ステップ1920において、第2の一連のセンシング測定値が、第2の一連のセンシング伝送に基づいて生成される。
【0196】
ステップ1902は、複数のリモートデバイスからの第1の予想される伝送に第1のチャネルリソースを割り振ることを含む。一実装形態では、センシングエージェント516は、第1のチャネルリソースを複数のリモートデバイス504-(1-N)からの第1の予想される伝送に割り振るように構成され得る。一実装形態では、センシングエージェント516は、第1のTXOP内に第1のチャネルリソースを含め、スキャンモードに従って第1のチャネルリソースを複数のリモートデバイス504-(1-N)に割り振ることができる。一例では、センシングエージェント516は、第1のTXOP内の時間及び帯域幅を複数のリモートデバイス504-(1-N)に割り振ることによって、第1のチャネルリソースを割り振ることができる。
【0197】
ステップ1904は、複数のリモートデバイスからの第1の一連のセンシング伝送をトリガするように構成された第1のセンシングトリガメッセージを伝送することを含む。一実装形態によれば、センシングエージェント516は、複数のリモートデバイス504-(1-N)からの第1の一連のセンシング伝送をトリガするように構成された第1のセンシングトリガメッセージを伝送することができる。一例では、第1のセンシングトリガメッセージは、要求された伝送構成とスキャンモードに対応するリソース割り振りサブフィールドとを含むスキャンタイプトリガメッセージであり得る。
【0198】
ステップ1906は、第1のセンシングトリガメッセージに応答して伝送された第1の一連のセンシング伝送を受信することを含む。一実装形態では、センシングエージェント516は、第1のセンシングトリガメッセージに応答して伝送された第1の一連のセンシング伝送を受信することができる。一例では、第1の一連のセンシング伝送はスキャンモードに対応することができる。
【0199】
ステップ1908は、第1の一連のセンシング伝送に基づいて第1の一連のセンシング測定値を生成することを含む。一実装形態では、センシングエージェント516は、第1の一連のセンシング伝送に基づいて第1の一連のセンシング測定値を生成することができる。一実装形態によれば、センシングエージェント516は、第1の一連のセンシング測定値を生成するために、第1の一連のセンシング伝送を処理することができる。
【0200】
ステップ1910は、第1の一連のセンシング測定値に従って関心特徴の識別情報を取得することを含む。一実装形態では、関心特徴の識別情報を取得することは、第1の一連のセンシング測定値に基づいて関心特徴を識別することを含み得る。一実装形態では、第1の一連のセンシング測定値に応答して、センシングエージェント516は、関心特徴を識別することができる。
【0201】
ステップ1912は、関心特徴に従ってリモートデバイスの選択を決定することを含み、リモートデバイスの選択は、複数のリモートデバイスのサブセットである。一例では、リモートデバイスの選択を決定することは、リモートデバイスの選択に含めるために、関心特徴の近傍にある複数のリモートデバイス504-(1-N)からリモートデバイスを選択することを含む。一実装形態では、センシングエージェント516は、関心特徴に従ってリモートデバイスの選択を決定することができる。
【0202】
ステップ1914は、リモートデバイスの選択からの第2の予想される伝送に第2のチャネルリソースを割り振ることを含む。一実装形態では、センシングエージェント516は、検出モードに従って、リモートデバイスの選択からの第2の予想される伝送に第2のチャネルリソースを割り振ることができる。一実装形態によれば、センシングエージェント516は、第2のTXOP内に第2のチャネルリソースを含み得る。一部の例では、センシングエージェント516は、第1のチャネルリソースを割り振るために使用された同じTXOPを有する第2のチャネルリソースを含み得る。
【0203】
ステップ1916は、リモートデバイスの選択からの第2の一連のセンシング伝送をトリガするように構成された第2のセンシングトリガメッセージを伝送することを含む。一実装形態によれば、センシングエージェント516は、リモートデバイスの選択からの第2の一連のセンシング伝送をトリガするように構成された第2のセンシングトリガメッセージを伝送することができる。一例では、第2のセンシングトリガメッセージは、要求された伝送構成と検出モードに対応するリソース割り振りサブフィールドとを含む検出タイプトリガメッセージであり得る。一部の例では、第2のセンシングトリガメッセージは、ハイブリッドタイプトリガメッセージを含み得る。ハイブリッドタイプトリガメッセージは、リモートデバイスの第1のグループから、スキャンモードに対応する第1の第2の一連のセンシング伝送をトリガし、リモートデバイスの第2のグループから、検出モードに対応する第2の第2の一連のセンシング伝送をトリガするように構成され得る。
【0204】
ステップ1918は、第2のセンシングトリガメッセージに応答して伝送された第2の一連のセンシング伝送を受信することを含む。一実装形態によれば、センシングエージェント516は、第2のセンシングトリガメッセージに応答して伝送された第2の一連のセンシング伝送を受信することができる。一例では、第2の一連のセンシング伝送は検出モードに対応することができる。一例では、第2の一連のセンシング伝送はハイブリッドモードに対応することができる。
【0205】
ステップ1920は、第2の一連のセンシング伝送に基づいて第2の一連のセンシング測定値を生成することを含む。一実装形態では、センシングエージェント516は、第2の一連のセンシング伝送に基づいて第2の一連のセンシング測定値を生成することができる。一実装形態によれば、センシングエージェント516は、センシングアルゴリズムを実行して、第2の一連のセンシング伝送を処理して、第2の一連のセンシング測定値を生成することができる。一例では、第2の一連のセンシング測定値は、第1の一連のセンシング測定値よりも高い分解能のものである。
【0206】
図20A図20Dは、一部の実施形態による、複数の関心特徴に基づいてセンシング測定値を生成するためのフローチャート2000を描示している。
【0207】
フローチャート2000の一実装形態を要約すると、ステップ2002において、第1のチャネルリソースが、複数のリモートデバイスからの第1の予想される伝送に割り振られる。ステップ2004において、複数のリモートデバイスからの第1の一連のセンシング伝送をトリガするように構成された第1のセンシングトリガメッセージが伝送される。ステップ2006において、第1のセンシングトリガメッセージに応答して伝送された第1の一連のセンシング伝送が受信される。ステップ2008において、第1の一連のセンシング測定値が、第1の一連のセンシング伝送に基づいて生成される。ステップ2010において、関心特徴の識別情報が、第1の一連のセンシング測定値に従って取得される。関心特徴は、第1の関心特徴と第2の関心特徴とを含む。ステップ2012において、リモートデバイスの第1の選択が、第1の関心特徴に従って決定される。ステップ2014において、リモートデバイスの第2の選択が、第2の関心特徴に従って取得される。ステップ2016において、第2のチャネルリソースの第1の部分が、リモートデバイスの第1の選択に割り振られる。ステップ2018において、第2のチャネルリソースの第2の部分が、リモートデバイスの第2の選択に割り振られる。ステップ2020において、リモートデバイスの第1の選択及びリモートデバイスの第2の選択からの第2の一連のセンシング伝送をトリガするために、第2のセンシングトリガメッセージが伝送される。ステップ2022において、第2のセンシングトリガメッセージに応答して伝送された第2の一連のセンシング伝送が受信される。ステップ2024において、第2の一連のセンシング測定値が、第2の一連のセンシング伝送に基づいて生成される。
【0208】
ステップ2002は、複数のリモートデバイスからの第1の予想される伝送に第1のチャネルリソースを割り振ることを含む。一実装形態では、センシングエージェント516は、第1のチャネルリソースを複数のリモートデバイス504-(1-N)からの第1の予想される伝送に割り振るように構成され得る。一実装形態では、センシングエージェント516は、第1のTXOP内に第1のチャネルリソースを含め、スキャンモードに従って第1のチャネルリソースを複数のリモートデバイス504-(1-N)に割り振ることができる。一例では、センシングエージェント516は、第1のTXOP内の時間及び帯域幅を複数のリモートデバイス504-(1-N)に割り振ることによって、第1のチャネルリソースを割り振ることができる。
【0209】
ステップ2004は、複数のリモートデバイスからの第1の一連のセンシング伝送をトリガするように構成された第1のセンシングトリガメッセージを伝送することを含む。一実装形態によれば、センシングエージェント516は、複数のリモートデバイス504-(1-N)からの第1の一連のセンシング伝送をトリガするように構成された第1のセンシングトリガメッセージを伝送することができる。一例では、第1のセンシングトリガメッセージは、要求された伝送構成とスキャンモードに対応するリソース割り振りサブフィールドとを含むスキャンタイプトリガメッセージであり得る。
【0210】
ステップ2006は、第1のセンシングトリガメッセージに応答して伝送された第1の一連のセンシング伝送を受信することを含む。一実装形態では、センシングエージェント516は、第1のセンシングトリガメッセージに応答して伝送された第1の一連のセンシング伝送を受信することができる。一例では、第1の一連のセンシング伝送はスキャンモードに対応することができる。
【0211】
ステップ2008は、第1の一連のセンシング伝送に基づいて第1の一連のセンシング測定値を生成することを含む。一実装形態では、センシングエージェント516は、第1の一連のセンシング伝送に基づいて第1の一連のセンシング測定値を生成することができる。
【0212】
ステップ2010は、第1の一連のセンシング測定値に従って関心特徴の識別情報を取得することを含む。一例では、関心特徴は、第1の関心特徴及び第2の関心特徴を含み得る。一実装形態では、センシングエージェント516は、第1の一連のセンシング測定値に基づいて関心特徴を識別することができる。
【0213】
ステップ2012は、第1の関心特徴に従ってリモートデバイスの第1の選択を決定することを含む。一例では、リモートデバイスの第1の選択は、複数のリモートデバイス504-(1-N)のサブセットであり得る。一実装形態では、センシングエージェント516は、第1の関心特徴に従ってリモートデバイスの第1の選択を決定することができる。
【0214】
ステップ2014は、第2の関心特徴に従ってリモートデバイスの第2の選択を決定することを含む。一例では、リモートデバイスの第2の選択は、複数のリモートデバイス504-(1-N)のサブセットであり得る。一実装形態では、センシングエージェント516は、第2の関心特徴に従ってリモートデバイスの第2の選択を決定することができる。
【0215】
ステップ2016は、第2のチャネルリソースの第1の部分をリモートデバイスの第1の選択に割り振ることを含む。一実装形態では、センシングエージェント516は、第2のチャネルリソースの第1の部分をリモートデバイスの第1の選択に割り振ることができる。
【0216】
ステップ2018は、第2のチャネルリソースの第2の部分をリモートデバイスの第2の選択に割り振ることを含む。一実装形態では、センシングエージェント516は、第2のチャネルリソースの第2の部分をリモートデバイスの第2の選択に割り振ることができる。
【0217】
ステップ2020は、リモートデバイスの第1の選択及びリモートデバイスの第2の選択からの第2の一連のセンシング伝送をトリガするように構成された第2のセンシングトリガメッセージを伝送することを含む。一実装形態によれば、センシングエージェント516は、リモートデバイスの第1の選択及びリモートデバイスの第2の選択からの第2の一連のセンシング伝送をトリガするように構成された第2のセンシングトリガメッセージを伝送することができる。一例では、第2のセンシングトリガメッセージは、要求された伝送構成と検出モードに対応するリソース割り振りサブフィールドとを含む検出タイプトリガメッセージであり得る。一部の例では、第2のセンシングトリガメッセージは、要求された伝送構成とハイブリッドモードに対応するリソース割り振りサブフィールドとを含むハイブリッドタイプトリガメッセージであり得る。
【0218】
ステップ2022は、第2のセンシングトリガメッセージに応答して伝送された第2の一連のセンシング伝送を受信することを含む。一実装形態によれば、センシングエージェント516は、第2のセンシングトリガメッセージに応答して伝送された第2の一連のセンシング伝送を受信することができる。一例では、第2の一連のセンシング伝送は検出モードに対応することができる。別の例では、第2の一連のセンシング伝送はハイブリッドモードに対応することができる。
【0219】
ステップ2024は、第2の一連のセンシング伝送に基づいて第2の一連のセンシング測定値を生成することを含む。一実装形態では、センシングエージェント516は、第2の一連のセンシング伝送に基づいて第2の一連のセンシング測定値を生成することができる。一例では、第2の一連のセンシング測定値は、第1の一連のセンシング測定値よりも高い分解能のものである。
【0220】
図21は、一部の実施形態による、関心特徴を識別するためのフローチャート2100を描示している。
【0221】
フローチャート2100の一実装形態を要約すると、ステップ2102において、第1の一連のセンシング測定値がセンシングデバイスから受信される。ステップ2104において、第1の一連のセンシング測定値に応答して、1つ以上の関心特徴が識別される。ステップ2106において、1つ以上の関心特徴の識別情報がセンシングデバイスに伝送される。
【0222】
ステップ2102は、センシングデバイスから第1の一連のセンシング測定値を受信することを含む。一実施態様によれば、センシングアルゴリズムデバイス506は、センシングデバイス502から第1の一連のセンシング測定値を受信することができる。
【0223】
ステップ2104は、第1の一連のセンシング測定値に応答して、1つ以上の関心特徴を識別することを含む。一実装形態では、センシングアルゴリズムデバイス506は、第1の一連のセンシング測定値に基づいて、1つ以上の関心特徴を識別することができる。一実装形態によれば、センシングアルゴリズムデバイス506は、センシングアルゴリズムを実行して、1つ以上の関心特徴を識別することができる。
【0224】
ステップ2106は、1つ以上の関心特徴の識別情報をセンシングデバイスに伝送することを含む。一実装形態によれば、センシングアルゴリズムデバイス506は、1つ以上の関心特徴の識別情報をセンシングデバイス502に伝送することができる。
【0225】
特定の実施形態として、以下が挙げられる。
実施形態1は、伝送アンテナと、受信アンテナと、少なくとも1つのプロセッサと、を含むセンシング受信機を備えるシステムであり、少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つのプロセッサによって、複数のセンシング伝送機からの第1の予想される伝送に第1のチャネルリソースを割り振ることと、伝送アンテナを介して、複数のセンシング伝送機からの第1の一連のセンシング伝送をトリガするように構成された第1のセンシングサウンディングトリガフレームを伝送することと、受信アンテナを介して、第1のセンシングサウンディングトリガフレームに応答して伝送された第1の一連のセンシング伝送を受信することと、少なくとも1つのプロセッサによって、第1の一連のセンシング伝送に基づいて第1の一連のセンシング測定値を生成することと、第1の一連のセンシング測定値に従って関心特徴の識別を取得することと、少なくとも1つのプロセッサによって、関心特徴に従ってセンシング伝送機の選択を決定することであって、センシング伝送機の選択は、複数のセンシング伝送機のサブセットである、決定することと、少なくとも1つのプロセッサによって、センシング伝送機の選択からの第2の予想される伝送に第2のチャネルリソースを割り振ることと、伝送アンテナを介して、センシング伝送機の選択からの第2の一連のセンシング伝送をトリガするように構成された第2のセンシングサウンディングトリガフレームを伝送することと、受信アンテナを介して、第2のセンシングサウンディングトリガフレームに応答して伝送される第2の一連のセンシング伝送を受信することと、少なくとも1つのプロセッサによって、第2の一連のセンシング伝送に基づいて第2の一連のセンシング測定値を生成することと、を行うための命令を実行するように構成されている。
【0226】
実施形態2は、第1のセンシングサウンディングトリガフレームが、要求された伝送構成と、スキャンモードに対応するリソース割り振りサブフィールドと、を含む、スキャンタイプトリガメッセージであり、第2のセンシングサウンディングトリガフレームが、要求された伝送構成と、検出モードに対応するリソース割り振りサブフィールドと、を含む、検出タイプトリガメッセージである、実施形態1のシステムである。
【0227】
実施形態3は、第1のチャネルリソースが、第1の伝送機会内に含まれ、第1の一連のセンシング伝送が、スキャンモードに対応し、第1のチャネルリソースが、スキャンモードに従って複数のセンシング伝送機に割り振られ、第2のチャネルリソースが、第2の伝送機会内に含まれ、第2の一連のセンシング伝送が、検出モードに対応し、第2のチャネルリソースが、検出モードに従ってセンシング伝送機の選択に割り振られる、実施形態1又は実施形態2のシステムである。
【0228】
実施形態4は、第1のチャネルリソース及び第2のチャネルリソースが、同じ伝送機会内に含まれ、第1の一連のセンシング伝送が、スキャンモードに対応し、第1のチャネルリソースが、スキャンモードに従って複数のセンシング伝送機に割り振られ、第2の一連のセンシング伝送が、検出モードに対応し、第2のチャネルリソースが、検出モードに従ってセンシング伝送機の選択に割り振られる、実施形態1~実施形態3のシステムである。
【0229】
実施形態5は、第1のチャネルリソースが、第1の伝送機会内に含まれ、第1の一連のセンシング伝送が、スキャンモードに対応し、第2のチャネルリソースが、第2の伝送機会内に含まれ、第2のセンシングサウンディングトリガフレームが、ハイブリッドタイプトリガメッセージを含み、ハイブリッドタイプトリガメッセージが、センシング伝送機の第1のグループから、スキャンモードに対応する第1の第2の一連のセンシング伝送をトリガし、センシング伝送機の第2のグループから、検出モードに対応する第2の第2の一連のセンシング伝送をトリガするように構成され、第2のチャネルリソースの第1の部分が、ハイブリッドタイプトリガメッセージに応答して受信された第1の第2の一連のセンシング伝送のうちのセンシング伝送に割り振られ、第2のチャネルリソースの第2の部分が、ハイブリッドタイプトリガメッセージに応答して受信された第2の第2の一連のセンシング伝送のうちのセンシング伝送に割り振られる、実施形態1~実施形態4のシステムである。
【0230】
実施形態6は、プロセッサが、伝送機会内の時間及び帯域幅を複数のセンシング伝送機に割り振ることを含む、第1のチャネルリソースを割り振るための命令を実行するように更に構成される、実施形態1~実施形態5のシステムである。
【0231】
実施形態7は、プロセッサが、少なくとも1つのプロセッサによって、第1の一連のセンシング測定値に応答して、関心特徴を識別することによって、関心特徴の識別情報を取得するための命令を実行するように更に構成されている、実施形態1~実施形態6のシステムである。
【0232】
実施形態8は、プロセッサが、第1の一連のセンシング測定値をセンシングアルゴリズムデバイスに伝送し、少なくとも1つのプロセッサによって、センシングアルゴリズムデバイスから、関心特徴の識別情報を受信することによって、関心特徴の識別情報を取得するための命令を実行するように更に構成されている、実施形態1~実施形態7のシステムである。
【0233】
実施形態9は、プロセッサが、センシング伝送機の選択からのセンシング伝送機の第1のグループからのセンシング伝送の第1のグループをトリガし、センシング伝送機の選択からのセンシング伝送機の第2のグループからのセンシング伝送の第2のグループをトリガするように構成されたセンシングサウンディングトリガフレームを伝送することによって、第2のセンシングサウンディングトリガフレームを伝送する命令を実行するように更に構成されている、実施形態1~実施形態8のシステムである。
【0234】
実施形態10は、プロセッサが、複数のセンシング伝送機からのセンシング伝送機の第1のグループからのセンシング伝送の第1のグループをトリガし、複数のセンシング伝送機からのセンシング伝送機の第2のグループからのセンシング伝送の第2のグループをトリガするように構成された第1のセンシングサウンディングトリガフレームを伝送する命令を実行するように更に構成されている、実施形態1~実施形態9のシステムである。
【0235】
実施形態11は、プロセッサが、センシング伝送機の選択に含めるために、関心特徴の近傍にある複数のセンシング伝送機からセンシング伝送機を選択することによって、センシング伝送機の選択を決定する命令を実行するように更に構成されている、実施形態1~実施形態10のシステムである。
【0236】
実施形態12は、第2の一連のセンシング測定値が、第1の一連のセンシング測定値よりも高い分解能のものである、実施形態1~実施形態11のシステムである。
【0237】
実施形態13は、関心特徴が、第1の関心特徴及び第2の関心特徴を含み、プロセッサが、第1の関心特徴に従ってセンシング伝送機の第1の選択を決定し、第2の関心特徴に従ってセンシング伝送機の第2の選択を決定することによって、関心特徴に従ってセンシング伝送機の選択を決定するための命令を実行するように更に構成され、プロセッサが、第2のチャネルリソースの第1の部分をセンシング伝送機の第1の選択に割り振り、第2のチャネルリソースの第2の部分をセンシング伝送機の第2の選択に割り振ることによって、センシング伝送機の選択からの第2の予想される伝送に第2のチャネルリソースを割り振るための命令を実行するように更に構成されている、実施形態1~実施形態12のシステムである。
【0238】
実施形態14は、伝送アンテナと、受信アンテナと、少なくとも1つのプロセッサと、を含むセンシング受信機を備えるシステムであり、少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つのプロセッサによって、第1のチャネルリソースを第1の複数のセンシング伝送機からの第1の予想される伝送に割り振ることであって、第1の複数のセンシング伝送機の各々は、第1のチャネルリソースの第1のそれぞれの部分を割り振られる、割り振ることと、少なくとも1つのプロセッサによって、一連のセンシング伝送に基づいて一連のセンシング測定値を生成することと、一連のセンシング測定値に従って関心特徴の識別情報を取得することと、少なくとも1つのプロセッサによって、関心特徴の識別情報に従って、第2のチャネルリソースを第2の複数のセンシング伝送機に割り振ることと、を行うための命令を実行するように構成され、第2の複数のセンシング伝送機の各々は、第2のチャネルリソースの第2のそれぞれの部分を割り振られ、第2の複数のセンシング伝送機は、第1の複数のセンシング伝送機のサブセットであり、第2のチャネルリソースの少なくとも1つの第2のそれぞれの部分は、第1のチャネルリソースの対応する第1のそれぞれの部分よりも大きい。
【0239】
実施形態15は、少なくとも1つのプロセッサが、伝送アンテナを介して、第1の複数のセンシング伝送機からの一連のセンシング伝送をトリガするように構成されたセンシングサウンディングトリガフレームを伝送し、受信アンテナを介して、センシングサウンディングトリガフレームに応答して伝送された一連のセンシング伝送を受信するように更に構成され、センシングサウンディングトリガフレームが、要求された伝送構成及びスキャンモードに対応するリソース割り振りサブフィールドを含むスキャンタイプトリガフレームである、実施形態14のシステムである。
【0240】
実施形態16は、第1のチャネルリソースが、第1の伝送機会内に含まれ、一連のセンシング伝送が、スキャンモードに対応する第1の一連のセンシング伝送であり、第1のチャネルリソースが、スキャンモードに従って第1の複数のセンシング伝送機に割り振られ、第2のチャネルリソースが、第2の伝送機会内に含まれ、第2のチャネルリソースが、検出モードに従って第2の複数のセンシング伝送機に割り振られる、実施形態14又は実施形態15のシステムである。
【0241】
実施形態17は、第1のチャネルリソース及び第2のチャネルリソースが、同じ伝送機会内に含まれ、一連のセンシング伝送が、スキャンモードに対応する第1の一連のセンシング伝送であり、第1のチャネルリソースが、スキャンモードに従って第1の複数のセンシング伝送機に割り振られ、第2のチャネルリソースが、検出モードに従って第2の複数のセンシング伝送機に割り振られる、実施形態14又は実施形態15のシステムである。
【0242】
実施形態18は、第1のチャネルリソースを割り振ることが、伝送機会内の時間及び帯域幅を第1の複数のセンシング伝送機に割り振ることを含む、実施形態14~実施形態17のシステムである。
【0243】
実施形態19は、関心特徴の識別情報を取得することが、少なくとも1つのプロセッサによって、一連のセンシング測定値に応答して、関心特徴を識別することを含む、実施形態14~実施形態18のシステムである。
【0244】
実施形態20は、関心特徴の識別情報を取得することが、一連のセンシング測定値をセンシングアルゴリズムデバイスに伝送することと、少なくとも1つのプロセッサによって、センシングアルゴリズムデバイスから、関心特徴の識別情報を受信することと、を含む、実施形態14~実施形態19のシステムである。
【0245】
実施形態21は、第2のチャネルリソースを割り振ることが、関心特徴への近接度に基づいて、第2の複数のセンシング伝送機を選択することを含む、実施形態14~実施形態20のシステムである。
【0246】
実施形態22は、一連のセンシング測定値が第1の一連のセンシング測定値であり、一連のセンシング伝送が第1の一連のセンシング伝送であり、少なくとも1つのプロセッサが、第2の一連のセンシング伝送に基づいて、第1の一連のセンシング測定値よりも高い分解能の第2の一連のセンシング測定値を生成するように更に構成されている、実施形態14~実施形態21のシステムである。
【0247】
実施形態23は、関心特徴が、第1の関心特徴と第2の関心特徴とを含み、関心特徴の識別情報に基づいて第2のチャネルリソースを割り振ることが、第1の関心特徴の識別情報に従って、センシング伝送機の第1の選択を決定することと、第2の関心特徴の識別情報に従って、センシング伝送機の第2の選択を決定することと、を含み、センシング伝送機の第1の選択及びセンシング伝送機の第2の選択が、第2の複数のセンシング伝送機を構成する、実施形態14~実施形態22のシステムである。
【0248】
実施形態24は、第1のチャネルリソースが、第1の伝送機会内に含まれ、一連のセンシング伝送が、スキャンモードに対応する第1の一連のセンシング伝送であり、第2のチャネルリソースが、第2の伝送機会内に含まれ、第2のセンシングサウンディングトリガフレームが、ハイブリッドタイプトリガフレームを含み、ハイブリッドタイプトリガフレームが、センシング伝送機の第1のグループから、スキャンモードに対応する第1の第2の一連のセンシング伝送をトリガし、センシング伝送機の第2のグループから、ハイブリッドモードに対応する第2の第2の一連のセンシング伝送をトリガするように構成され、第2のチャネルリソースの第1の部分が、ハイブリッドタイプトリガフレームに応答して受信された第1の第2の一連のセンシング伝送のうちのセンシング伝送に割り振られ、第2のチャネルリソースの第2の部分が、ハイブリッドタイプトリガフレームに応答して受信された第2の第2の一連のセンシング伝送のうちのセンシング伝送に割り振られる、実施形態15~実施形態23のシステムである。
【0249】
実施形態25は、センシングサウンディングトリガフレームが、第1のセンシングサウンディングトリガフレームであり、少なくとも1つのプロセッサが、第2の複数のセンシング伝送機からのセンシング伝送機の第1のグループからの第2のセンシング伝送の第1のグループをトリガし、第2の複数のセンシング伝送機からのセンシング伝送機の第2のグループからのセンシング伝送の第2のグループをトリガするように構成された第2のセンシングサウンディングトリガフレームを伝送するために更に構成されている、実施形態15~実施形態24のシステムである。
【0250】
実施形態26は、少なくとも1つのプロセッサが、伝送アンテナを介して、第1の複数のセンシング伝送機からの一連のセンシング伝送をトリガするように構成されたセンシングサウンディングトリガフレームを伝送し、受信アンテナを介して、センシングサウンディングトリガフレームに応答して伝送された一連のセンシング伝送を受信するように更に構成され、センシングサウンディングトリガフレームを伝送することが、第1の複数のセンシング伝送機からのセンシング伝送機の第1のグループからのセンシング伝送の第1のグループをトリガし、第1の複数のセンシング伝送機からのセンシング伝送機の第2のグループからのセンシング伝送の第2のグループをトリガするように構成されたセンシングサウンディングトリガフレームを伝送することを含む、実施形態14~実施形態25のシステムである。
【0251】
方法及びシステムの様々な実施形態について説明してきたが、これらの実施形態は例示的なものであり、説明した方法又はシステムの範囲を決して限定するものではない。当業者は、記載された方法及びシステムの最も広い範囲から逸脱することなく、記載された方法及びシステムの形態及び詳細に変更を加えることができる。したがって、本明細書で説明される方法及びシステムの範囲は、例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物に従って定義されるべきである。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図12F
図12G
図12H
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19A
図19B
図19C
図20A
図20B
図20C
図20D
図21
【国際調査報告】