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特表2024-518062薬剤送達装置およびそれを使用する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-24
(54)【発明の名称】薬剤送達装置およびそれを使用する方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/14 20060101AFI20240417BHJP
   A61M 5/142 20060101ALI20240417BHJP
【FI】
A61M5/14 582
A61M5/142
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568702
(86)(22)【出願日】2022-05-09
(85)【翻訳文提出日】2023-12-20
(86)【国際出願番号】 US2022072199
(87)【国際公開番号】W WO2022241394
(87)【国際公開日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】63/186,551
(32)【優先日】2021-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ピック、アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】コンドン、ダニエル
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA02
4C066AA05
4C066DD02
4C066EE18
4C066FF02
(57)【要約】
医療装置は、第1の物質および第2の物質を格納するように構成された本体と、本体から遠位に延在して遠位端を有するシャフトと、第1の物質、第2の物質、およびシャフトと流体連通する圧力源とを含む。圧力源からの加圧媒体は、シャフトを通じて第1の物質を遠位端から送出し、シャフトを通じて第2の物質を第1の物質とは別個に遠位端から送出し、シャフトを通じて加圧媒体が第1の物質および第2の物質とは別個に遠位端から送出されるように構成されている。加圧媒体は、第1および第2の物質が遠位端から出る際にシャフトの外部で第1の物質と第2の物質とを混合する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療装置であって、
第1の物質および第2の物質を格納するように構成された本体と、
前記本体から遠位に延在して遠位端を有するシャフトと、
前記第1の物質、前記第2の物質、および前記シャフトと流体連通する圧力源と、
を備え、前記圧力源からの加圧媒体は、
(i)前記シャフトを通じて前記第1の物質を前記遠位端から送出し、
(ii)前記シャフトを通じて前記第2の物質を前記第1の物質とは別個に前記遠位端から送出し、
(iii)前記第1の物質および前記第2の物質が前記遠位端から出る際に前記加圧媒体が前記シャフトの外部で前記第1の物質と前記第2の物質とを混合するように、前記加圧媒体が前記シャフトを通じて前記第1の物質および前記第2の物質とは別個に前記遠位端から送出される
ように構成されている、医療装置。
【請求項2】
前記第1の物質および前記第2の物質が複数の液滴の形態で前記シャフトの前記遠位端から出る、請求項1に記載の医療装置。
【請求項3】
前記加圧媒体は、所定の速度で前記シャフトの前記遠位端から出て前記第1の物質および前記第2の物質の各々の前記複数の液滴のポリマー鎖を分解するように構成されている、請求項2に記載の医療装置。
【請求項4】
前記加圧媒体は、前記シャフトの前記遠位端に対して遠位の位置で前記第1の物質および前記第2の物質の前記複数の液滴を霧化するように構成されている、請求項2または3に記載の医療装置。
【請求項5】
前記加圧媒体は、前記シャフトの前記遠位端から噴霧されるストリームを生成するように構成されている、請求項2~4のうちのいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項6】
前記加圧媒体は、前記シャフトの前記遠位端から噴霧されるミストを生成するように構成されている、請求項2~5のうちのいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項7】
前記シャフトは、前記第1の物質を受け入れるための第1のチャネルと、前記第2の物質を受け入れるための第2のチャネルと、前記加圧媒体を受け入れるための第3のチャネルとを含む、請求項1~6のうちのいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項8】
前記本体は、前記第1の物質および前記第2の物質が前記本体内で互いに隔離されるように、前記第1の物質を格納するための第1の容器と、前記第2の物質を格納するための第2の容器とを含む、請求項7に記載の医療装置。
【請求項9】
前記第1の容器は、前記圧力源および前記シャフトの前記第1のチャネルと流体連通しており、前記第2の容器は、前記圧力源および前記シャフトの前記第2のチャネルと流体連通している、請求項8に記載の医療装置。
【請求項10】
前記第1の容器は、前記第1の容器のキャビティ内に延在する第1の吸入管を含み、前記第1の吸入管は、前記キャビティ内の前記第1の物質の表面レベルよりも下方に配置される開口部を有する、請求項8または9に記載の医療装置。
【請求項11】
前記加圧媒体は、前記第1の容器に入り、前記キャビティ内に圧力を発生させて、前記開口部を通じて前記第1の物質を前記第1の吸入管まで移送するように構成されている、請求項10に記載の医療装置。
【請求項12】
前記圧力源は、前記第1の容器、前記第2の容器、および前記シャフトの第3の管腔に前記加圧媒体を同時に送達するように構成されている、請求項8~11のうちのいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項13】
前記圧力源は前記本体内に配置されており、ガスキャニスタを含む、請求項1~12のうちのいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項14】
前記加圧媒体は、約850psiの超臨界または液体形態で前記ガスキャニスタ内に格納された圧縮ガスを含む、請求項13に記載の医療装置。
【請求項15】
前記第1の物質および前記第2の物質は各々、1センチポアズよりも大きい粘度を有する、請求項1~14のうちのいずれか一項に記載の医療装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の様々な態様は、概して、医療用送達システム、装置、および関連する方法に関する。例えば、本開示は、対象の標的治療部位に流体混合物を送達するためのシステム、装置、および関連する方法を含む。本出願は、2021年5月10日に出願された米国仮出願第63/186,551号の優先権の利益を主張するものであり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
外科的処置(例えば、切開、切除など)を受ける組織は、穿孔、創傷、挫傷などのさまざまな損傷を受けやすい。このような損傷は、患者に対して、遅延漏出、感染、病変、または他の処置後合併症を含むさまざまな健康課題を引き起こし得る。組織を予防、治療、または保護することができる医療装置は限られており、特に、患者の胃腸管内で傷害を受けやすい可能性がある組織の領域上に保護被膜を送達する内視鏡装置に限られる。物質の適用中に標的治療部位で保護被膜を形成する複数の物質を別個に送達するための装置および方法がさらに限定され得る。
【発明の概要】
【0003】
本開示の態様は、とりわけ、標的治療部位において保護被膜を作成するための複数の物質を供給する送達装置を使用して標的治療部位を治療するためのシステム、装置、および方法に関する。例えば、装置は、標的治療部位への送達中に互いに隔離して分離される第1の物質および第2の物質を含み得る。これらは、対象(例えば、患者)内で保護被膜の溶液混合物を形成するために標的治療部位に同時に適用され得る。本開示の態様は、混合のためおよび標的治療部位への適用のために、3つ以上の物質および/または薬剤部分を含む装置にまで及び得る。本明細書で開示される態様の各々は、他の開示される態様のいずれかに関連して説明される特徴のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0004】
一例によれば、医療装置は、第1の物質および第2の物質を格納するように構成された本体と、前記本体から遠位に延在して遠位端を有するシャフトと、前記第1の物質、前記第2の物質、および前記シャフトと流体連通する圧力源とを含み、前記圧力源からの加圧媒体は、(i)前記シャフトを通じて前記第1の物質を前記遠位端から送出し、(ii)前記シャフトを通じて前記第2の物質を前記第1の物質とは別個に前記遠位端から送出し、(iii)前記第1および第2の物質が前記遠位端から出る際に前記加圧媒体が前記シャフトの外部で前記第1の物質と前記第2の物質とを混合するように、前記加圧媒体が前記シャフトを通じて前記第1の物質および前記第2の物質とは別個に前記遠位端から送出されるように構成されている。
【0005】
本明細書で説明される医療装置のいずれかは、以下の特徴のいずれかを含み得る。前記第1の物質および前記第2の物質は、複数の液滴の形態で前記シャフトの前記遠位端から出る。前記加圧媒体は、所定の速度で前記シャフトの前記遠位端から出て、前記第1の物質および前記第2の物質の各々の前記複数の液滴のポリマー鎖を分解するように構成されている。前記加圧媒体は、前記シャフトの前記遠位端に対して遠位の位置で前記第1の物質および前記第2の物質の前記複数の液滴を霧化するように構成されている。前記加圧媒体は、前記シャフトの前記遠位端から噴霧されるストリームを生成するように構成されている。前記加圧媒体は、前記シャフトの前記遠位端から噴霧されるミストを生成するように構成されている。前記シャフトは、前記第1の物質を受け入れるための第1のチャネルと、前記第2の物質を受け入れるための第2のチャネルと、前記加圧媒体を受け入れるための第3のチャネルとを含む。前記本体は、前記第1の物質および前記第2の物質が前記本体内で互いに隔離されるように、前記第1の物質を格納するための第1の容器と、前記第2の物質を格納するための第2の容器とを含む。前記第1の容器は、前記圧力源および前記シャフトの前記第1のチャネルと流体連通しており、前記第2の容器は、前記圧力源および前記シャフトの第2のチャネルと流体連通している。前記第1の容器は、前記第1の容器のキャビティ内に延在する第1の吸入管を含み、前記第1の吸入管は、前記キャビティ内の前記第1の物質の表面レベルよりも下方に配置される開口部を有する。前記加圧媒体は、前記第1の容器に入り、前記キャビティ内に圧力を発生させて、前記第1の物質を前記開口部を通じて前記第1の吸入管まで移送するように構成されている。前記圧力源は、前記第1の容器、前記第2の容器、および前記シャフトの第3の管腔に前記加圧媒体を同時に送達するように構成されている。前記圧力源は前記本体内に配置されており、ガスキャニスタを含み、前記加圧媒体は、約850psi(約5.86MPa)の超臨界または液体形態で前記キャニスタ内に格納された圧縮ガスを含む。前記第1の物質および前記第2の物質は各々、1センチポアズよりも大きい粘度を有する。
【0006】
別の例によれば、医療装置は、本体と、前記本体内に配置され、第1の物質を格納するように構成された第1の容器と、前記本体内に配置され、第2の物質を格納するように構成された第2の容器と、前記本体内に配置されるとともに加圧媒体を格納し、前記第1の容器および前記第2の容器と流体連通している圧力源とを含み、前記加圧媒体の第1の部分および第2の部分がそれぞれ前記第1の容器および前記第2の容器内に送達されて、前記第1の物質の少なくとも一部および前記第2の物質の少なくとも一部をそれぞれ第1の速度および第2の速度で当該装置から排出し、前記加圧媒体の第3の部分が前記第1の速度および前記第2の速度よりも速い第3の速度で当該装置から排出されて、前記第1の物質と前記第2の物質とを当該装置の外部で混合する。
【0007】
本明細書で説明される医療装置のいずれかは、以下の特徴のいずれかを含み得る。前記第1の物質の少なくとも一部および前記第2の物質の少なくとも一部は、当該装置から排出される際に複数の液滴を形成し、前記加圧媒体は、当該装置の外側の位置で前記第1の物質の前記複数の液滴および前記第2の物質の前記複数の液滴を霧化する。前記加圧媒体は、当該装置から前記第1の物質および前記第2の物質のストリームまたはミストを噴霧する。前記第1の容器は、前記第1の容器のキャビティ内に延在する第1の吸入管を含み、前記第1の吸入管は、前記キャビティ内の前記第1の物質内に浸水している開口部を含む。前記加圧媒体は、前記第1の容器に入り、前記キャビティ内の圧力を増加させて、前記開口部を介して前記第1の物質を前記第1の吸入管の上方に移送する。
【0008】
さらなる例によれば、対象を治療する方法は、対象の標的組織に医療装置を配置することを含む。前記医療装置は、第1の物質を格納する第1の容器と、第2の物質を格納する第2の容器と、加圧媒体を格納し、前記第1の容器および前記第2の容器と流体連通する圧力源とを備える。当該方法は、前記加圧媒体の第1および第2の部分を前記圧力源から前記第1の容器および前記第2の容器にそれぞれ移送して、前記第1の物質の少なくとも一部および前記第2の物質の少なくとも一部を前記医療装置から送出すること、前記加圧媒体の第3の部分を前記圧力源から前記医療装置から送出して、前記第1の物質と前記第2の物質とを前記医療装置の外部で混合することを含む。
【0009】
上記した概略説明および以下の詳細な説明はともに、例示的かつ説明的なものにすぎず、請求項の発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本開示の態様による、第1の流体容器および第2の流体容器を含む例示的な医療装置の側面図である。
図2図2は、本開示の態様による、第1の流体容器および第2の流体容器が圧力源に結合された図1の医療装置の部分の概略図である。
図3図3は、本開示の態様による、図1の医療装置の流体容器の1つの部分側面図である。
図4図4は、本開示の態様による、図1の医療装置の遠位端の部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示の例示的な態様を示し、説明とともに本開示の原理を説明する役割を果たす。
複数の物質(例えば、2つ以上)の混合および標的治療部位への適用を促進するための特徴を備える医療用送達装置が本明細書に含まれる。保護被膜を受けるための標的治療部位は、食道または患者の胃腸系の他の部分などの組織壁を含み得る。本明細書の装置は、複数の物質を標的治療部位に送達し、適用中に標的治療部位および装置外部で物質を混合して保護被膜を形成するための特徴を含み得る。
【0012】
本開示の実施例は、対象(例えば、患者)内の標的治療部位に物質を送達するためのシステム、装置、および方法を含む。複数の例において、患者の食道にアクセスすることは、標的治療部位への医療装置の管腔内配置を含む。医療装置の配置は、カテーテル、スコープ(内視鏡、気管支鏡、結腸鏡、胃鏡など)、チューブ、またはシースを介してもよく、自然開口部を介してまたは腹腔鏡検査法を介して解剖学的通路に挿入される。開口部は、例えば、鼻、口、または肛門とすることができる。配置は、食道、胃、十二指腸、大腸、または小腸を含むGI管の任意の部分とすることができる。また、配置は、腹腔鏡検査法を用いることを含む、GI管、他の身体管腔、または身体内の開口部を介して到達可能な他の器官または他の身体空間内とすることができる。本開示は、体内のいかなる特定の医療処置または治療部位にも限定されない。
【0013】
以下、本開示の態様について詳細に参照する。本開示の態様の例は、添付の図面に例示されている。可能な限り、同一または類似の部分を参照するために、図面を通じて同一または類似の参照番号が使用される。「遠位」という用語は、装置を患者に導入するときにユーザから最も遠い部分を指す。対照的に、「近位」という用語は、装置を対象内に配置するときにユーザに最も近い部分を指す。本明細書で使用される「備える」、「備えている」という用語、またはそれらの任意の他の変形語は、要素のリストを含むプロセス、方法、物品、または装置が、必ずしもそれらの要素のみを含むわけではなく、明示的に列挙されていない他の要素、またはそのようなプロセス、方法、物品、または装置に固有の他の要素を含み得るように、非排他的な包含をカバーすることが意図されている。「例示的」という用語は、「理想的」ではなく「例」の意味で使用される。本明細書で使用される「約」、「実質的に」、および「およそ」という用語は、述べられた値の+/-5%以内の値の範囲を示す。
【0014】
本開示の実施例は、大腸(結腸)、小腸、盲腸、食道、胃腸管の任意の他の部分、および/または任意の他の適切な患者の解剖学的構造の部分(本明細書ではまとめて「標的治療部位」と呼ぶ)の様々な医療処置および/または治療を実施するための装置および方法に関する。上述したように、本開示は、任意の特定の医療装置または方法に限定されず、本開示の態様は、身体内の任意の適切な部位において、任意の適切な医療ツールおよび/または医療方法と関連して使用され得る。本明細書で説明される様々な例は、一回の使用または使い捨ての医療装置を含む。
【0015】
図1は、本開示の1つまたは複数の例による例示的な医療装置100を示す。医療装置100は、近位部分104および遠位部分106によって画定される本体102を含み得る。この例では、本体102は、例えばスプレーガンなどの手持ち式装置の形態のサイズおよび形状を有し得る。この場合、近位部分104は、本体102のハンドルを画定し得る。遠位部分106は、本体102のバレルを画定し得る。医療装置100は、近位部分104に隣接して本体102に移動可能に結合されるアクチュエータ108を含み得る。アクチュエータ108は、本体102内に配置された加圧媒体源130(図2参照)に動作可能に結合され得るとともに、本体102に対するアクチュエータ108の作動(例えば、近位移動)に応答して加圧媒体源130を作動させるように構成され得る。
【0016】
医療装置100は、遠位部分106に隣接して本体102に結合されるキャニスタ110をさらに含み得る。この例では、キャニスタ110は、遠位部分106の底面に沿って本体102内に少なくとも部分的に受容され得る。いくつかの実施形態において、キャニスタ110は、キャニスタ110が本体102から選択的に取り外され得るように、本体102に取り外し可能に結合され得る。この例では、医療装置100は、キャニスタ110を本体102から切り離すための取り外し機構107を含み得る。取り外し機構107は、例えば、押下可能ボタンなどの種々の好適なアクチュエータを含み得る。別の例では、キャニスタ110を本体102から分離するためにキャニスタ110に下向きの引張力を加えることによってキャニスタ110が本体102から分離され得る。この場合、取り外し機構107は完全に省略され得る。他の実施形態では、キャニスタ110は、本体102から取り外し不可となるように遠位部分106に堅固に固定され得る。
【0017】
本明細書でさらに図示および説明するように、キャニスタ110は、これに限定されるものではないが、少なくとも第1の流体容器120Aおよび第2の流体容器120Bを含む複数の流体容器を収容するための筐体を画定し得る。他の実施形態では、キャニスタ110は、複数の流体容器の代わりに1つまたは複数の仕切りを含み得る。この場合、1つまたは複数の仕切りは、複数の流体物質を格納するために、キャニスタ110内に複数(例えば、少なくとも2つ)の流体室を画定し得る。いくつかの実施形態において、キャニスタ110は、第1の流体容器120Aおよび第2の流体容器120Bが医療装置100の外部から見えないように不透明な外装を含み得る。他の実施形態では、キャニスタ110は、一対の流体容器120A,120B、具体的には各流体容器120A,120B内の内容物の量が医療装置100の外部から見えるように透明な外装を含み得る。
【0018】
引き続き図1を参照すると、医療装置100はさらに、遠位部分106から遠位に延在するノズル109と、ノズル109から遠位に延在するシャフト112とを含み得る。ノズル109は、遠位部分106において本体102に回転可能に結合され得るとともに、シャフト112に対して固定され得る。したがって、本体102に対するノズル109の回転により、本体102に対するシャフト112の対応する回転を提供することができる。以下でさらに詳細に説明するように、ノズル109は、シャフト112からの医療装置100の噴霧ストリームを少なくとも部分的に制御するように構成され得る。
【0019】
シャフト112は、近位端114と遠位端116との間に画定される長手方向長さを有し得る。シャフト112は、近位端114および遠位端116が互いにかつ本体102に対して移動する(例えば、曲がる、ねじれる、回転する、偏向するなどの)ように構成され得るように可撓性構造を有し得る。シャフト112は、例えば、加圧媒体源130および一対の流体容器120A,120B(図2参照)などの医療装置100の1つまたは複数の構成要素からの複数の出口ライン(例えば、可撓性チューブ)を受容するようにサイズ設定および成形される管腔を画定し得る。シャフト112はさらに、図4に最もよく見られるように、遠位端116に開口部118を含み得る。
【0020】
ここで、図2を参照すると、医療装置100の流体システムの概略図が示されている。医療装置100は、例えば空気圧式ガスキャニスタなどの(本体102内に配置される)加圧媒体源130を含み得る。加圧媒体源130は、それぞれの入口ライン132A,132B(例えば、可撓性チューブ)を介して流体容器120A,120Bの各々と流体連通し得る。この例では、医療装置100は、キャニスタ110内に配置された少なくとも第1の流体容器120Aおよび第2の流体容器120Bを含み得る。一例において、流体容器120A,120Bは、種々のサイズ、形状、および/または構造にフレキシブルに変形可能なコイル状管を含み得る。第1の流体容器120Aは、第1の入口ライン132Aを介して加圧媒体源130に流体結合され得る。第2の流体容器120Bは、第2の入口ライン132Bを介して加圧媒体源130に流体結合され得る。さらなる実施形態では、加圧媒体源130は本体102の外側に配置され得るとともに、例えばポートなどのコネクタを介して医療装置100に流体結合され得る。
【0021】
加圧媒体源130は、加圧媒体を格納するように構成され得る。一実施形態において、加圧媒体は、約850PSI(約5.86MPa)などの超臨界または液体形態で格納される圧縮ガス(例えば、二酸化炭素)を含み得る。加圧媒体源130の容量は、加圧媒体源130が格納可能な加圧媒体の量(重量)を画定し得る。さらに、加圧媒体源130内に格納された加圧媒体の利用可能な重量は、医療装置100が処置中に送達可能とし得る流体の所定の用量に対応し得る。例として、加圧媒体源130は、例えば16グラムなどの約10グラム~20グラムの二酸化炭素を格納し得る。この例では、医療装置100は、16グラムの加圧媒体を格納することにより、医療装置100の流体システムを介して約5リットルの加圧媒体を出力して所定の用量を送達することに対応し得るように構成され得る。
【0022】
引き続き図2を参照すると、一対の流体容器120A,120Bの各々は、加圧媒体源130からそれぞれの入口ライン132A,132Bを受容する入口ポート122A,122Bを含み得る。この例では、第1の入口ライン132Aおよび第2の入口ライン132Bは、例えば0.375インチなどの約0.25インチ~0.5インチの範囲の内径を有し得る。一対の流体容器120A,120Bの各々は、それぞれの出口ライン134A,134B(例えば、可撓性チューブ)を受容する出口ポート124A,124Bをさらに含み得る。第1の出口ライン134Aは、第1の流体容器120Aをシャフト112と流体結合し得る。第2の出口ライン134Bは、第2の流体容器120Bをシャフト112と流体結合し得る。
【0023】
この例では、第1の出口ライン134Aおよび第2の出口ライン134Bは、例えば0.0016平方インチなどの約0.0005平方インチ~0.0032平方インチの範囲の面積を有し得る。第1の出口ライン134Aおよび第2の出口ライン134Bの各々は、ノズル109を通ってシャフト112の管腔内に延在し得る。本明細書にさらに説明および図示されるように、一対の出口ライン134A,134Cの各々は、シャフト112の遠位端116における開口部118で終端し得る(図4参照)。
【0024】
医療装置100はさらに、加圧媒体源130とシャフト112との間の流体連通を提供する流体ライン132Cを含み得る。加圧媒体源130は、流体ライン132Cを介して加圧媒体をシャフト112に直接送達するように構成され得る。流体ライン132Cは、遠位端116の開口部118において一対の出口ライン134A,134Bに隣接して終端し得る(図4参照)。したがって、シャフト112の管腔は、例えば、第1の出力ライン134A、第2の出口ライン134B、および流体ライン132Cなどの複数の管および/またはラインを受容するようにサイズ設定、成形、および構成され得る。シャフト112は、例えば0.04インチなどの約0.02インチ~0.08インチの範囲の直径を有し得る。他の実施形態では、シャフト112は、ライン132C,134A,134Bの各々が少なくとも1つのチャネルに流体結合されるように、管腔内に形成される複数のチャネルを画定し得る。この場合、第1の出力ライン134A、第2の出口ライン134B、および流体ライン132Cは、近位端114においてシャフト112のそれぞれのチャネルに結合されることにより、シャフト112を通じて延在しない。
【0025】
図3は、上述した第1の流体容器120Aおよび第2の流体容器120Bを代表し得る流体容器120を示す。流体容器120は、流体容器120の上壁に沿って入口ポート122および出口ポート124を含み得る。他の実施形態では、入口ポート122および/または出口ポート124のうちの1つ以上は、流体容器120の複数の側壁のうちの1つ以上などの流体容器120の種々の他の壁に沿って配置され得る。流体容器120はさらに、少なくとも1つの流体物質10を格納するための内部キャビティ121を含み得る。一例では、第1の流体容器120Aは第1の流体物質を格納し得る。第2の流体容器120Bは、第1の流体物質とは異なる第2の流体物質を格納し得る。各流体物質10は、概して、例えば約1センチポアズ(0.001Pa・s(パスカル秒))よりも大きな粘度、例えば30センチポアズ~11,000センチポアズの範囲などの高粘度を有し得る。以下でさらに詳細に説明されるように、第1および第2の流体物質は、標的部位(例えば、組織)の治療に際して使用のために互いに組み合わせられるときに、溶液混合物を形成し得る。溶液混合物は、組織の穿孔または他の損傷を受けやすい領域上に保護バリアを提供することが可能な接着剤を含み得る。他の実施形態では、得られる溶液は、2つ以上の物質の混合物に応答して形成される種々の他の薬剤を含み得る。
【0026】
流体容器120はさらに、内部キャビティ121内に配置された吸入管126を含み得る。吸入管126は、出口ポート124に流体結合され、内部キャビティ121に格納された流体物質10に少なくとも部分的に浸漬され得る。吸気管126は、出口ポート124に結合された第1の(上)端部と、内部キャビティ121内に配置された第2の(下)端部127との間に延びる長手方向長さを有し得る。吸入管126の長手方向長さは、第2の端部127が内部キャビティ121内に格納された流体物質10の表面レベルよりも下方に配置されるような長さとすることができる。言い換えれば、第2の端部127は、吸入管126が第2の端部127の開口部を介して流体物質10と流体連通し得るように、流体物質10内に浸漬され得る。この実施形態では、吸気管126は、出口ライン134A,134Bの直径以上の直径を有するようにサイズ設定され得る。
【0027】
引き続き図3を参照すると、流体容器120に格納される流体物質10の所定の用量は、内部キャビティ121内の流体物質10の体積に少なくとも部分的に基づき得る。特に、所定の用量は、内部キャビティ121内の流体物質10の表面高さと内部キャビティ121に対する第2の端部127の位置との間の距離に基づき得る。以下で詳細に説明されるように、流体容器120は、入口ライン132から(入口ポート122を介して)内部キャビティ121内に加圧媒体を受け取ることに応答して、流体物質10を内部キャビティ121から出口ライン134に(出口ポート124を介して)迂回させるように構成され得る。この場合、内部キャビティ121内の圧力が上昇すると、流体物質10の少なくとも一部が、第2の端部127を介して吸入管126内に移動し、出口ライン134内に受け入れられるように出口ポート124に向かって移動する。
【0028】
いくつかの実施形態では、内部キャビティ121の直径は、流体容器120内で生成される入口圧力を少なくとも部分的に決定し得る。例えば、内部キャビティ121の直径を減少させることで、加圧媒体が流体容器120内に受容されたときに、圧力の増加が生じ得る。流体容器120内に格納された流体物質10に加えられる力は、内部キャビティ121の断面寸法を減少させることによって増大させることができ、それによって、流体容器120からシャフト112への流体物質10の送達性を向上させることができる。
【0029】
流体容器120はさらに、出口ポート124と出口ライン134との間に結合された回転可能ジョイント128を含み得る。回転可能ジョイント128は、例えば、本体102に対するシャフト112の回転に応答して、出口ポート124に対する出口ライン134の回転を促進するように構成され得る。したがって、流体容器120は、シャフト112(およびその中に配置された出口ライン134)の回転中に、出口ライン134と出口ポート124との間の流体連通を維持するように構成され得る。
【0030】
ここで、図4を参照すると、シャフト112の遠位端116が、遠位端116の開口部118に隣接して配置された、流体ライン132C、第1の出口ライン134A、および第2の出口ライン134Bの各々の遠位開口部とともに示されている。なお、ライン132C、134A,134Bは、図示されたもの以外にも、互いに様々な適切な配向および/または位置に配置され得る。上記で簡潔に説明したように、シャフト112は、シャフト112を通じて延在する流体ライン132C、第1の出口ライン134A、および第2の出口ライン134Bの代わりに、ライン132C、134A,134Bの各々に結合された1つまたは複数のチャネルを含み得る。この場合、第1の流体物質10、第1の流体物質10とは異なる容器内の第2の流体物質10、および加圧媒体は、シャフト112のそれぞれのチャネル内に直接受容され得る。したがって、第1の流体物質10、第2の流体物質10、および加圧媒体は、シャフト112内で互いに分離されたままである。
【0031】
医療装置100の例示的な使用において、シャフト112は、まず、例えば医療器具(例えば、内視鏡、胃鏡など)の作業チャネルなどを通じて、対象内の標的治療部位に隣接して配置され得る。上記で簡潔に説明したように、標的治療部位は、穿孔、縫合などに起因したものなど、損傷または遅延漏出を受けやすい可能性がある対象(例えば、患者)内の領域(例えば、組織)を含み得る。図1に戻って参照すると、遠位端116が標的治療部位に面し、本体102が対象の外部に配置された状態で、医療装置100は、アクチュエータ108に近位方向の力を加えることによって、標的治療部位への2つの流体物質10の適用を開始するように作動され得る。
【0032】
ここで、図2を参照すると、アクチュエータ108の作動は、加圧媒体源130内に格納された加圧媒体の、第1の入口ライン132A、第2の入口ライン132B、および流体ライン132Cの各々への放出を制御し得る。加圧媒体源130は、加圧媒体(例えば、圧縮ガス)の一部を、第1の流体容器120Aおよび第2の流体容器120Bの各々に、例えば40PSI~60PSIなどの約0.10PSI~80PSIの送達速度で移送するように構成され得る。具体的には、加圧媒体の第1の部分は第1の入口ライン132Aを通じて第1の流体容器120Aに向けられ、加圧媒体の第2の部分は第2の入口ライン132Bを通じて第2の流体容器120Bに向けられ、加圧媒体の第3の部分は流体ライン132Cを通じてシャフト112に向けられ得る。
【0033】
入口ライン132A,132Bを通じて移動する加圧媒体の部分は、入口ポート122A,122Bを介してそれぞれの流体容器120A,120B内に入り得る。いくつかの実施形態では、第1の入口ライン132A、第2の入口ライン132B、および流体ライン132Cの各々を通じて流れる加圧媒体の部分は、互いに変動し得る。例えば、媒体の加圧放出は、それぞれの流体容器120A,120Bの各々に格納された第1の流体物質10および/または第2の流体物質10の固有の粘度に基づいて選択的に調整され得る。
【0034】
ここで、図3を参照すると、加圧媒体が流体容器120A,120B内に入ると、加圧媒体は、内部キャビティ121の雰囲気内で圧力の増加を生じさせ、その増加した圧力によって、第1および第2の流体物質10が内部キャビティ121に対して下方に(例えば、入口ポート122から離れる方向に)押される。第1および第2の流体物質10の少なくとも一部は、第2の端部127の開口部を介してそれぞれの吸入管126を通じて分流され得る。この場合、流体物質10の各々の部分は、流体物質10が流体容器120A,120Bから外向きに、かつ対応する出口ライン134A,134B内に誘導されるまで、吸気管126を通じてそれぞれの出口ポート124に向けて付勢され得る。本明細書でより詳細に説明されるように、医療装置100は、加圧媒体源130から放出されて流体容器120A,120Bに送達される加圧媒体が同様な圧力または変動圧力(例えば、1平方インチ当たりの重量ポンド)とされ得るように、また、第1および第2の流体物質10が互いに同様な速度または変動速度で対応する出口ライン134A,134Bに送達され得るように、構成され得る。
【0035】
第1の流体物質10および第2の流体物質10は、それぞれの流体容器120A,120Bからシャフト112内に互いに別々に送達され得るため、流体物質10は、医療装置100内のいかなる箇所でも互いに相互作用または混合しない。言い換えれば、流体物質10の混合が本体102、キャニスタ110、およびシャフト112の外部でのみ起こり得るように、第1の流体物質10は、医療装置100の流体システムによって画定される移動経路の全体にわたって第2の流体物質10から隔離されている。
【0036】
いくつかの実施形態では、流体容器120A,120Bのうちの1つ以上は、対応する出口ライン134A,134Bに送られる流体物質10の結果として得られる送達速度および/または体積を制御するための入口弁および/または出口弁(または他の適切な機構)を含み得る。この場合、医療装置100のユーザは、弁の作動に応じて、1つまたは複数の流体物質10の送達を選択的に制御し得る。他の実施形態では、それぞれの流体物質10の細胞内組成は、各流体容器120A,120Bが加圧媒体源130から同様の圧力の媒体を受け取るにもかかわらず、出口ライン134A,134Bに送達される流体物質10の送達速度および/または体積を少なくとも部分的に決定し得る。
【0037】
図4に戻って参照すると、第1の流体物質10は遠位端116において第1の出口ライン134Aの外に出され、第2の流体物質10は遠位端116において第2の出口ライン134Bの外に出され得る。また、加圧媒体源130から放出された加圧媒体は、流体ライン132Cを介して遠位端116において医療装置100の外に出され得る。第1および第2の流体物質10の一般的に高い粘度に起因して、流体物質10は、複数の液滴の形態でそれぞれの出口ライン134A,134Bの外にゆっくりと出ることができる。第1の流体物質10および第2の流体物質10の各々は、それら一対の流体物質10が遠位端116から出ると同時に(流体ライン132Cを介して)遠位端116から出る加圧媒体の流れに遭遇し得る。第1および第2の流体物質10は、第1の速度で遠位端116から噴出され得るとともに、加圧媒体は、第1の速度よりも速い第2の速度で遠位端116から噴出され得る。いくつかの実施形態では、第1の流体物質10が第2の流体物質10とは異なる粘度を有することで、それら一対の流体物質10が異なる速度で遠位端116から落下し得る。
【0038】
医療装置100は、加圧媒体を第1および第2の流体物質10の複数の液滴と接触させるように構成され得る。例えば、流体ライン132Cから放出される加圧媒体のストリームと整列するように一対の流体物質10の液滴を重力により落下させてもよい。この場合、加圧媒体は、第1の流体物質10を第2の流体物質10とシャフト112の外部の場所(例えば、遠位端116から遠位の位置)で混合し得る。
【0039】
さらに、加圧媒体は、第1の流体物質10および第2の流体物質10の各々の複数の液滴のポリマー鎖を分解可能な所定の速度で遠位端116から外に出るように設定され得る。言い換えれば、流体ライン132Cからの媒体のストリームは、第1の流体物質10および第2の流体物質10の複数の液滴に加えられた圧力がそれら液滴の化学結合を分解させ得るように、比較的高い速度で放出され得る。所定の速度は、例えば0.1PSI~約80PSIなどの約0PSI~約100PSIの範囲とされ得る加圧媒体源130からの媒体の放出圧力に少なくとも部分的に基づいて決定され得る。
【0040】
したがって、加圧媒体は、シャフト112の遠位の位置で第1の流体物質10および第2の流体物質10の複数の液滴を霧化するように構成され得る。言い換えれば、加圧媒体は、第1および第2の流体物質10を互いに混合し、その結果として生じる溶液混合物を標的治療部位上に噴霧することによって、霧化効果を生み出し得る。例えば、第1および第2の流体物質10は、互いに1:1の割合で混合され得る。上述したように、第1および第2の流体物質10は、これらに限定されないが、加圧媒体源130から各流体容器120A,120Bに受容される媒体の変動する圧力、入口弁または出口弁の選択的な制御、各流体容器120A,120Bに格納されるそれぞれの流体物質10の変動する細胞内組成などを含む様々なパラメータに基づいて、様々な他の割合で混合することができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、加圧媒体源130から放出される加圧媒体は、遠位端116から外向きに噴霧される溶液混合物の標的ストリームを生成するように構成され得る。この場合、医療装置100は、シャフト112からの溶液混合物の送達の方向を、例えば重力に対抗する向きに制御するように構成され得る。あるいは、加圧媒体は、第1および第2の流体物質10の液滴を破壊して、溶液混合物の標的ミストを生成し得る。溶液混合物のストリームおよび/またはミストの指向性を有した送達は、ノズル109の作動(例えば、回転)に応答してシャフト112の対応する回転を引き起こすようにさらに制御されてもよい。第1および第2の流体物質10の混合物から生じる溶液は、標的治療部位に保護バリアを提供することが可能な接着剤組成物(例えば、糊)を形成し得る。
【0042】
上述したシステム、装置、アセンブリ、および方法の各々は、標的組織への適用中に複数の異なる物質を送達および混合するために使用され得る。標的組織への適用中に複数の物質を互いに隔離された状態で送達可能な医療装置を提供することによって、個々の物質の不正確な割合での化合物を送達することを最小限に抑えることができ、それによって標的部位を治療する際の有効性を高めることができる。この場合、ユーザは、全体的な処置時間を短縮し、処置の効率を向上させ、および/または物質の不正確な初期適用量に起因して追加の物質を標的部位に送達するといった後続の処置によって引き起こされる対象の身体への不必要な害を回避することができる。
【0043】
本開示の範囲から逸脱することなく、開示された装置および方法において様々な変更および変形を行うことができることが当業者には明らかである。本開示の他の態様は、本明細書の考察および本明細書に開示される特徴の実施から当業者には明らかである。本明細書および実施例は単に例示的なものとみなされることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】