(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-24
(54)【発明の名称】生体物質サンプルを採取するためのスワブおよび関連する製造方法
(51)【国際特許分類】
G01N 1/12 20060101AFI20240417BHJP
【FI】
G01N1/12 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568731
(86)(22)【出願日】2022-05-09
(85)【翻訳文提出日】2023-12-14
(86)【国際出願番号】 IB2022054284
(87)【国際公開番号】W WO2022238866
(87)【国際公開日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】102021000012248
(32)【優先日】2021-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511021077
【氏名又は名称】コパン イタリア エス.ピー.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】フマガッリ, ロレンツォ
(72)【発明者】
【氏名】マルテッロ, ジョルジオ
【テーマコード(参考)】
2G052
【Fターム(参考)】
2G052AA29
2G052AB23
2G052AD06
2G052AD26
2G052AD46
2G052BA19
2G052DA02
2G052DA12
2G052DA27
2G052GA29
(57)【要約】
生体物質サンプルを採取するためのスワブ(1)であって、略軸線方向に伸長した少なくとも一部分を有する細長い本体(2)と、前記細長い本体(2)に配置された、生体物質サンプルのための採取要素(3)であって、対象の口の中に導入されるように構成および予定され、かつ生体物質サンプル、特に前記対象の唾液を採取し、保持し、および/または保存するように構成される、採取要素(3)と、前記細長い本体(2)の所定の部分に対応して配置された係合要素(5)、特にストッパであって、使用時に前記対象によって把持され、かつ生体物質サンプルのための容器(7)と取り外し可能に係合するように構成される、係合要素(5)とを備え、前記係合要素(5)が芳香剤(102)を含み、かつ使用時に、前記対象の鼻の近くに持ってきたときに唾液の産生の刺激を引き起こすように構成される、スワブ(1)。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体物質サンプルを採取するためのスワブ(1)であって、
略軸線方向に伸長した少なくとも一部分を有する細長い本体(2)と、
前記細長い本体(2)に配置された、生体物質サンプルのための採取要素(3)であって、対象の口の中に導入されるように構成および予定され、かつ生体物質サンプル、特に前記対象の唾液を採取し、保持し、および/または保存するように構成される、採取要素(3)と、
前記細長い本体(2)の所定の部分に対応して配置された係合要素(5)、特にストッパであって、使用時に前記対象によって把持され、かつ生体物質サンプルのための容器(7)と取り外し可能に係合するように構成される、係合要素(5)と
を備え、
前記係合要素(5)が芳香剤(102)を含み、かつ使用時に、前記対象の鼻の近くに持ってきたときに唾液の産生の刺激を引き起こすように構成される、スワブ(1)。
【請求項2】
前記芳香剤(102)が、前記係合要素(5)の体積の少なくとも一部、好ましくは全体に分散され、特に、前記芳香剤(102)が、前記係合要素(5)の体積の前記少なくとも一部、好ましくは全体に均一に分散される、請求項1に記載のスワブ。
【請求項3】
前記係合要素(5)が、ポリマー材料の少なくともペレットおよび/または顆粒(100)と、少なくとも前記芳香剤(102)とを混合し、その後溶融することによって実現され、
および/または前記芳香剤(102)が前記係合要素(5)にのみ含まれる、請求項1または2に記載のスワブ。
【請求項4】
前記係合要素(5)が、重量もしくは体積単位で実質的に0.1%~10%の割合の芳香剤(102)、または重量もしくは体積単位で実質的に0.5%~7%の割合の芳香剤(102)、特に重量もしくは体積単位で実質的に1%~6%の割合の芳香剤(102)、より好ましくは重量もしくは体積単位で実質的に2%~5%の割合の芳香剤(102)を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のスワブ。
【請求項5】
少なくとも前記係合要素(5)が、前記係合要素(5)の体積の少なくとも一部、好ましくは全体に分散された色素(103)を含み、特に、前記色素(103)が、前記係合要素(5)の体積の前記少なくとも一部、好ましくは全体に均一に分散され、および/または前記係合要素(5)が、重量もしくは体積単位で実質的に0.2%~5%の割合の色素(103)、特に、重量もしくは体積単位で実質的に0.5%~4%の割合の色素(103)、より詳細には、重量もしくは体積単位で実質的に1%~3%の割合の色素(103)を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のスワブ。
【請求項6】
前記係合要素(5)が、ポリマー材料のペレットおよび/または顆粒(100)、ならびに少なくとも芳香剤(102)の成形、特に射出成形、圧縮成形もしくは射出圧縮成形によって、または共成形によって実現される、請求項1~5のいずれか一項に記載のスワブ。
【請求項7】
前記採取要素(3)が、使用時に、ある量の流体を保持するように構成および寸法決めされた吸収材料、特に吸収スポンジもしくは吸収ポリウレタンスポンジまたは吸収繊維要素もしくは植毛繊維吸収要素を備え、前記吸収材料が、使用時に、50μl~10ml、好ましくは100μl~5ml、より好ましくは200μl~2ml、さらにより好ましくは500μl~1mlの量の生体物質、特に唾液を保持するように構成され、任意選択的に、前記採取要素(3)がスポンジ要素であり、および/または保存物質を含まない、請求項1~6のいずれか一項に記載のスワブ。
【請求項8】
前記係合要素(5)が、コントラスト挿入によって、および/または生体物質サンプルのための容器(7)へのねじ込みによって、生体物質サンプルのための前記容器(7)と取り外し可能に係合するように構成される、請求項1~7のいずれか一項に記載のスワブ。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載のスワブ(1)と、生体物質サンプルのための容器(7)とを備えるキットであって、前記容器(7)が、前記スワブ(1)の少なくとも一部分、特に前記スワブ(1)の少なくとも前記採取要素(3)を収容するように構成されたキャビティを備える、キット。
【請求項10】
生体物質サンプルを採取するためのスワブ(1)の製造方法であって、
前記スワブ(1)の細長い本体(2)を製造するステップであって、前記細長い本体(2)が、軸線方向に伸長した少なくとも一部分を有し、かつ生体物質サンプル、特に対象の唾液の少なくとも1つの採取要素(3)を支持するように構成される、ステップと、
前記採取要素(3)を前記細長い本体(2)上に実現すること、および/またはその後に前記採取要素(3)を前記細長い本体(2)に組み付けることを含む、採取要素(3)を製造するステップと、
使用時に対象によって把持されるように構成され、かつ生体物質サンプルのための容器(7)と取り外し可能に係合されるように構成および予定される係合要素(5)、特にストッパを製造するステップであって、前記細長い本体(2)上に前記係合要素(5)を実現すること、および/またはその後に前記係合要素(5)を前記細長い本体(2)に組み付けることを含む、ステップと
を含み、前記係合要素(5)を製造する前記ステップが、使用時に、前記対象の鼻に前記係合要素(5)を近付けると唾液の産生の刺激を決定付けるように、芳香剤(102)の添加を含む、
方法。
【請求項11】
前記係合要素(5)を製造する前記ステップが、前記係合要素(5)の体積の少なくとも一部、好ましくは全体における前記芳香剤(102)の分散を含み、特に、前記係合要素(5)の体積の前記少なくとも一部、好ましくは全体における均一な分散を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記係合要素(5)を製造する前記ステップが、ポリマー材料の少なくともペレットおよび/または顆粒(100)、ならびに少なくとも前記芳香剤(102)の混合ならびにその後の溶融を含み、
前記芳香剤(102)の前記添加が、前記係合要素(5)内でのみ行われる、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記係合要素(5)を製造する前記ステップが、重量もしくは体積単位で実質的に0.1%~10%の割合の芳香剤(102)、または重量もしくは体積単位で実質的に0.5%~7%の割合の芳香剤(102)、特に重量もしくは体積単位で実質的に1%~6%の割合の芳香剤(102)、より好ましくは重量もしくは体積単位で実質的に2%~5%の割合の芳香剤(102)の前記添加を含む、請求項10~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記係合要素(5)を製造する前記ステップが、色素(103)の添加を含み、前記係合要素(5)の体積の少なくとも一部、好ましくは全体における前記色素(103)の分散を含み、特に、前記係合要素(5)の体積の前記少なくとも一部、好ましくは全体における前記色素(103)の均一な分散を含む、請求項10~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記係合要素(5)を製造する少なくとも前記ステップが、ポリマー材料の前記ペレットおよび/または顆粒(100)、ならびに少なくとも前記芳香剤(102)の成形、特に射出成形もしくは圧縮成形もしくは射出圧縮成形、または共成形を含む、請求項12に従属する場合の請求項10~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記芳香剤(102)の前記添加が、芳香剤(102)のペレットおよび/または顆粒および/または流体、特に前記芳香剤(102)の精油を含有するペレットおよび/または顆粒および/または流体の添加を含み、
前記成形、特に射出成形もしくは圧縮成形もしくは射出圧縮成形または共成形が、実質的に150℃~300℃、より好ましくは実質的に160℃~280℃、さらにより好ましくは220℃~275℃または240℃~260℃の温度で行われる、前記ペレットおよび/または顆粒、ならびに前記芳香剤(102)の溶融を含む、請求項12に従属する場合の請求項10~15のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物学的使用のための装置の分野に関し、詳細には、生体物質サンプルを採取するための、特に唾液を採取するためのスワブに関する。
【0002】
本発明はまた、生体物質サンプルを採取するためのスワブの製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
生体物質サンプルを採取するためのスワブは、従来、これらのサンプルを対象から直接採取するために使用されている。生体物質サンプルの公知のスワブは、ウイルス、例えばHIVまたはコロナウイルスの存在を識別することを可能にする。
【0004】
今日、生体物質サンプルを採取するためのスワブは、医療分野において、例えば日常的な検査もしくは緊急処置のために、または例えば犯罪活動の場所を調査するために法執行機関によって使用されている。
【0005】
特に、対象からの唾液の採取を可能にするように構成された、生体物質サンプルを採取するためのスワブが公知である。これらの装置は、典型的には、所定量の唾液を採取して保持するように構成されたサンプル採取要素を備える。
【0006】
ユーザから唾液を採取するためのスワブは、例えば、乱用物質に関する試験、特に抗薬物試験を実施するために使用される。
【0007】
唾液の採取を特に参照すると、生体物質サンプルを採取するためのスワブに関する既知の問題は、一時的に不十分な量の唾液しかユーザの口の中に存在しない口渇または唾液分泌不良の現象に関連して、ことに留意されたい。口渇または唾液分泌不良の現象は、感情的要因を含む複数の要因に起因する可能性があり、および/または特定の医薬品もしくは薬物の摂取に起因する可能性がある。
【0008】
唾液産生を増加させるように構成された物質が採取要素に含浸されている、生体物質サンプルを採取するためのスワブが公知である。これらの装置は、特定の欠点を特徴とする。
【0009】
特に、採取要素によって採取された唾液サンプルを保存するために、この採取要素は、異物がないように維持されるか、またはさらには無菌状態に維持されることが好ましい。採取要素内の唾液産生を増加させるように構成された物質の使用は、実際に生体適合性の問題を引き起こす可能性があり、または唾液サンプルを変化させ、サンプルに対して実行される後続の化学的および/もしくは生物学的分析を誤解させる可能性がある。
【発明の概要】
【0010】
したがって、本開示の目的は、上述の欠点を解決する、生体物質サンプルを採取するためのスワブを説明することである。
【0011】
さらに、本開示の目的は、上述の欠点を解決することを可能にする、生体物質サンプルを採取するためのスワブの製造方法を説明することである。
【0012】
本開示の目的は、その顕著な態様のいくつかで以下に説明され、それらは互いに、または説明および/または特許請求の範囲の一部分と組み合わせることができる。
【0013】
スワブ
本開示によれば、最初に、
略軸線方向に伸長した少なくとも一部分を有する細長い本体(2)と、
細長い本体(2)上に、好ましくは細長い本体(2)の一方の端部の近くに配置された、生体物質サンプルのための採取要素(3)であって、対象の口の中に導入されるように構成および予定され、かつ生体物質サンプル、特に対象の唾液を採取し、保持し、および/または保存するように構成される、採取要素(3)と、
細長い本体(2)の所定の部分に対応して配置された係合要素(5)であって、使用時に対象によって把持され、かつ生体物質サンプルのための容器(7)と取り外し可能に係合され、前記容器(7)を閉じるように構成される、係合要素(5)と
を備え、
係合要素(5)が芳香剤(102)を含み、かつ使用時に、対象の鼻の近くに持ってきたときに唾液の産生の刺激を引き起こすように構成される、生体物質サンプルを採取するためのスワブ(1)について説明する。
【0014】
さらなる非限定的な態様によれば、係合要素は、対象からの生体物質サンプルの採取中、特に唾液の採取中に、対象の口の外側、特に対象の鼻の近くに留まるように構成および予定される。
【0015】
さらなる非限定的な態様によれば、芳香剤(102)は、係合要素(5)の体積の少なくとも一部、好ましくは体積の全体に分散される。
【0016】
さらなる非限定的な態様によれば、芳香剤(102)は、係合要素(5)の体積の前記少なくとも一部、好ましくは体積の全体に均一に分散される。
【0017】
さらなる非限定的な態様によれば、係合要素(5)は、ポリマー材料の少なくともペレットおよび/または顆粒(100)と、少なくとも前記芳香剤(102)とを混合し、その後溶融することによって実現される。
【0018】
さらなる非限定的な態様によれば、前記芳香剤(102)は、前記係合要素(5)にのみ含まれ、スワブの残りの部分には存在しない。
【0019】
さらなる非限定的な態様によれば、係合要素(5)は、重量もしくは体積単位で実質的に0.1%~10%の割合の芳香剤(102)、または重量もしくは体積単位で実質的に0.5%~7%の割合の芳香剤(102)、特に重量もしくは体積単位で実質的に1%~6%の割合の芳香剤(102)、より好ましくは重量もしくは体積単位で実質的に2%~5%の割合の芳香剤(102)を含む。
【0020】
さらなる非限定的な態様によれば、少なくとも係合要素(5)は、係合要素(5)の体積の少なくとも一部、好ましくは全体に分散された色素(dye)(103)を含み、特に、色素(103)は、係合要素(5)の体積の前記少なくとも一部、好ましくは全体に均一に分散される。
【0021】
さらなる非限定的な態様によれば、係合要素(5)は、重量または体積単位で実質的に0.2%~5%の割合の色素(103)、特に重量または体積単位で実質的に0.5%~4%の割合の色素(103)、より具体的には重量または体積単位で実質的に1%~3%の割合の色素(103)を含む。
【0022】
さらなる非限定的な態様によれば、採取要素(3)は、使用時に所定量の流体を保持するように構成された吸収材料、特に吸収スポンジまたは吸収繊維要素または植毛繊維吸収要素を備える。
【0023】
さらなる非限定的な態様によれば、採取要素(3)は、以下のリストの材料のうちの少なくとも1つで実現される:スポンジ、ポリウレタンスポンジ、ウレタンポリエステルスポンジ、レーヨン、ポリエステル、炭素繊維、アルギネート、綿、絹。
【0024】
さらなる非限定的な態様によれば、吸収材料は、使用時に、50μl~10ml、好ましくは100μl~5ml、より好ましくは200μl~2ml、さらにより好ましくは500μl~1mlの量の生体物質、特に唾液を保持するように構成および寸法決めされる。
【0025】
さらなる非限定的な態様によれば、採取要素(3)はスポンジ要素である。
【0026】
さらなる非限定的な態様によれば、採取要素(3)は、保存物質および/または添加剤を含まない。
【0027】
さらなる非限定的な態様によれば、スワブ(1)は、人間からサンプルを採取するように構成および予定される。
【0028】
さらなる非限定的な態様によれば、スワブ(1)は、動物からサンプルを採取するように構成および予定され、かつ/または獣医学的使用のために構成および予定される。
【0029】
さらなる非限定的な態様によれば、係合要素(5)は、コントラスト挿入(contrast insertion)によって、および/または生体物質サンプルのための容器(7)へのねじ込みによって、生体物質サンプルのための前記容器(7)と取り外し可能に係合して、容器(7)を閉じるように構成される。
【0030】
さらなる非限定的な態様によれば、係合要素(5)は、ポリマー材料のペレットおよび/または顆粒(100)、ならびに少なくとも前記芳香剤(102)の成形、特に射出成形もしくは圧縮成形もしくは射出圧縮成形によって、または共成形によって実現される。
【0031】
さらなる非限定的な態様によれば、係合要素(5)は、実質的に150℃~300℃、より好ましくは実質的に160℃~280℃、さらにより好ましくは実質的に220℃~275℃または240℃~260℃の温度で成形することによって実現される。
【0032】
さらなる非限定的な態様によれば、芳香剤(102)は、芳香剤(102)のペレットおよび/または顆粒および/または流体、特に芳香剤(102)の精油を含有するペレットおよび/または顆粒および/または流体に由来する。
【0033】
さらなる非限定的な態様によれば、芳香剤(102)は、食品の芳香剤であり、および/または以下のリストのうちの1つ以上を含む:オレンジ、ダークまたはミルクチョコレート、イチゴ、ブルーベリー、肉、特にニワトリ。
【0034】
さらなる非限定的な態様によれば、係合要素(5)および/またはポリマー材料のペレットおよび/または顆粒は、以下のリストの材料のうちの少なくとも1つを含むか、またはそれによって構成される:ポリプロピレン、ポリエチレン、PVC、ポリエステル、ナイロン、ポリアミド、ポリスチレン。
【0035】
さらなる非限定的な態様によれば、前記ポリエチレンは、高密度ポリエチレンであり、ならびに/または酸化防止特性および/もしくは変換ステップ中の高い熱安定性を有するポリエチレンである。
【0036】
さらなる非限定的な態様によれば、ポリエチレンは、実質的に130℃~140℃の範囲の溶融温度を有するポリエチレンである。
【0037】
さらなる非限定的な態様によれば、ポリエチレンは、任意選択的にASTM D 746規格に従って測定して、-30℃未満、好ましくは-40℃未満、より好ましくは-50℃未満の脆化温度を有する。
【0038】
さらなる非限定的な態様によれば、係合要素(5)はねじ部を備え、前記ねじ部は、容器(7)に対応して、任意選択的に容器(7)のカラー(11)に対応して存在する相手ねじと結合するように構成される。
【0039】
さらなる非限定的な態様によれば、色素(103)は無機顔料(inorganic pigment)を含む。
【0040】
さらなる非限定的な態様によれば、色素(103)は、ポリマー材料のペレット、特にポリエチレンペレット、より具体的には高密度ポリエチレンペレットに由来する。
【0041】
さらなる非限定的な態様によれば、係合要素(5)は、その中に細長い本体(2)が少なくとも部分的に導入される孔を備える。
【0042】
さらなる非限定的な態様によれば、孔は、コントラスト挿入による細長い本体(2)の導入を可能にするように構成される。
【0043】
さらなる非限定的な態様によれば、係合要素(5)は、使用時に容器(7)の一部分と摺動摩擦を及ぼすように定められた係合面、特に側方係合面を備える。
【0044】
さらなる非限定的な態様によれば、係合要素(5)および細長い本体(2)は、一体であるか、または固定されて一体にされる。
【0045】
さらなる非限定的な態様によれば、色素(103)は、無機顔料を含むか、または有機顔料を含むか、または有機および無機顔料を含む。
【0046】
キット
本開示によると、本態様の1つ以上によるスワブ(1)と、生体物質サンプルのための容器(7)とを備えるキットが説明され、前記容器(7)は、前記スワブ(1)の少なくとも一部分、特にスワブ(1)の少なくとも採取要素(3)を収容するように構成されたキャビティを備える。
【0047】
さらなる非限定的な態様によれば、容器(7)は、前記芳香剤(102)を拡散させないように構成された、および/または前記芳香剤(102)を吸収しないように構成された材料で実現された本体を備える。
【0048】
さらなる非限定的な態様によれば、容器の材料は、プラスチック材料であり、および/または透明もしくは半透明の材料である。
【0049】
方法
本開示によれば、本明細書では、生体物質サンプルを採取するためのスワブ(1)の製造方法であって、
スワブ(1)の細長い本体(2)を製造するステップであって、細長い本体(2)が、略軸線方向に伸長した少なくとも一部分を有し、生体物質サンプル、特に対象の唾液の少なくとも1つの採取要素(3)を支持するように構成される、ステップと、
採取要素(3)を細長い本体(2)上に実現すること、および/またはその後に採取要素(3)を細長い本体(2)に組み付けることを含む、採取要素(3)を製造するステップと、
使用時に対象によって把持されるように構成され、かつ生体物質サンプルのための容器(7)と取り外し可能に係合されるように構成および予定される係合要素(5)、特にストッパを製造するステップであって、細長い本体(2)上に係合要素(5)を実現すること、および/またはその後に係合要素(5)を細長い本体(2)に組み付けることを含む、ステップと
を含み、係合要素(5)を製造するステップが、使用時に、対象の鼻に係合要素(5)を近付けると唾液の産生の刺激を決定付けるように、芳香剤(102)の添加を含む、
方法が説明される。
【0050】
さらなる非限定的な態様によれば、係合要素(5)を製造するステップは、係合要素(5)の体積の少なくとも一部、好ましくは全体における芳香剤(102)の分散を含み、特に、係合要素(5)の体積の前記少なくとも一部、好ましくは全体における均一な分散を含む。
【0051】
さらなる非限定的な態様によれば、係合要素(5)を製造するステップは、ポリマー材料の少なくともペレットおよび/または顆粒(100)、ならびに少なくとも前記芳香剤(102)の混合およびその後の溶融を含む。
【0052】
さらなる非限定的な態様によれば、芳香剤(102)の添加は、前記係合要素(5)でのみ行われ、スワブの残りの部分には存在しない。
【0053】
さらなる非限定的な態様によれば、係合要素(5)を製造するステップは、重量もしくは体積単位で実質的に0.1%~10%の割合の芳香剤(102)、または重量もしくは体積単位で実質的に0.5%~7%の割合の芳香剤(102)、特に重量もしくは体積単位で実質的に1%~6%の割合の芳香剤(102)、より好ましくは重量もしくは体積単位で実質的に2%~5%の割合の芳香剤(102)の添加を含む。
【0054】
さらなる非限定的な態様によれば、係合要素(5)を製造するステップは、色素(103)の添加を含み、係合要素(5)の体積の少なくとも一部、好ましくは全体における色素(103)の分散を含み、特に、係合要素(5)の体積の前記少なくとも一部、好ましくは全体における色素(103)の均一な分散を含む。
【0055】
さらなる非限定的な態様によれば、係合要素(5)を製造する少なくともステップは、ポリマー材料の前記ペレットおよび/または顆粒(100)、ならびに少なくとも前記芳香剤(102)の成形もしくは射出成形もしくは圧縮成形もしくは射出圧縮成形、または共成形を含む。
【0056】
さらなる非限定的な態様によれば、芳香剤(102)の添加は、芳香剤(102)のペレットおよび/または顆粒および/または流体、特に芳香剤(102)の精油を含有するペレットおよび/または顆粒および/または流体の添加を含む。
【0057】
さらなる非限定的な態様によれば、成形、特に射出成形もしくは圧縮成形もしくは射出圧縮成形、または共成形は、実質的に150℃~300℃、より好ましくは実質的に160℃~280℃、さらにより好ましくは実質的に220℃~275℃または240℃~260℃の温度で行われる前記ペレットおよび/または顆粒、ならびに前記芳香剤(102)の溶融を含む。
【0058】
さらなる非限定的な態様によれば、色素(103)の添加は、重量または体積単位で実質的に0.2%~5%の割合の色素(103)、特に重量または体積単位で実質的に0.5%~4%の割合の色素(103)、より具体的には重量または体積単位で実質的に1%~3%の割合の色素(103)の添加を含む。
【0059】
さらなる非限定的な態様によれば、採取要素(3)を製造するステップは、使用時に所定量の流体を保持するように構成された吸収材料、特に吸収スポンジまたは吸収繊維要素または植毛繊維吸収要素を実現することを含む。
【0060】
さらなる非限定的な態様によれば、採取要素(3)を製造するステップは、前記採取要素(3)をスポンジ状要素の形状で実現することを含む。
【0061】
さらなる非限定的な態様によれば、採取要素(3)を製造するステップは、保存物質および/または添加剤を含まない採取要素(3)を実現することを含む。
【0062】
さらなる非限定的な態様によれば、本方法は、前記係合要素(5)にねじ部を実現するステップを含み、前記ねじ部は、容器(7)に対応して、任意選択的に容器(7)のカラー(11)に対応して存在する相手ねじと結合するように構成される。
【0063】
さらなる非限定的な態様によれば、前記色素(103)の添加は、有機顔料、または無機顔料、または有機および無機顔料を含む色素(103)の添加を含む。
【0064】
さらなる非限定的な態様によれば、色素の添加は、ポリマー材料、特にポリエチレンペレット、より具体的には高密度ポリエチレンペレットへの色素ペレット(103)の添加を含む。
【0065】
さらなる非限定的な態様によれば、係合要素(5)を製造するステップは、係合要素(5)に孔を実現することを含み、方法は、前記孔内に細長い本体(2)を導入するステップを含む。
【0066】
さらなる非限定的な態様によれば、細長い本体(2)を孔内に導入するステップは、コントラスト挿入のステップである。
【0067】
さらなる非限定的な態様によれば、係合要素(5)を製造するステップは、係合要素(5)上に、使用時に容器(7)の一部分と摺動摩擦を及ぼすように定められた係合面、特に側方係合面を実現することを含む。
【0068】
さらなる非限定的な態様によれば、本方法は、係合要素(5)および細長い本体(2)を一体になるように実現するステップを含む。
【0069】
本開示の目的は、添付の図面を参照して、その好ましい非限定的な実施形態のいくつかにおいて本明細書に説明されている。図面の簡単な説明を以下に提供する。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【
図1】本開示による生体物質サンプルを採取するためのスワブの第1の実施形態の側面図を示す。
【
図2】本開示による生体物質サンプルを採取するためのスワブの少なくとも一部を収容するように予定された容器の部分断面図を示す。
【
図3】本開示による生体物質サンプルを採取するためのスワブの代替的な実施形態の側面図を示す。
【
図4】
図3の採取のためのスワブの採取要素の詳細断面図である。
【
図5】本開示による生体物質サンプルを採取するためのスワブの少なくとも一部を収容するように予定された容器の別の実施形態の部分断面図を示す。
【
図6】生体物質サンプルを採取するためのスワブの一部を形成するストッパの製造プロセスの概略図を示す。
【
図7】本開示のスワブの一部を形成するストッパの製造プロセスの具体的で非限定的な実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0071】
図1および
図2を参照すると、参照番号1は、生体物質サンプルを採取するためのスワブ1全体として示されている。
【0072】
スワブ1は、これに限定されないが、好ましくは円筒形の横断面ロッドを画定する細長い本体2を備える。
【0073】
添付の図面において、細長い本体2は、略軸線方向の延長部を有する。これは限定的な意味で意図されるべきではなく、一般に、前記細長い本体2の少なくとも一部分は軸線方向延長部を有することができ、一方、その残りの部分は曲線または他の形状の輪郭を有することができる。
【0074】
細長い本体は、細長い本体2の第1の端部を画定する第1の部分2cと、細長い本体2の第2の端部を画定する第2の部分2bとを備える。細長い本体は、実質的に2cm~20cm、または3cm~18cm、または6cm~16cmの長手方向延長部を示すことができる。細長い本体の横断面は、0.5mm~5mm、または1mm~3mm、または1.5mm~2.5mmの直径を有する円周に実質的に内接することができる。
【0075】
添付の図面を参照すると、第1の端部は上側部分であり、第2の端部は下側部分である。細長い本体の第2の端部は、参照番号2aによって識別される。
【0076】
スワブ1は、生体物質サンプルの採取要素3をさらに備える。この採取要素3は、生体物質サンプル、特に対象の唾液を採取し、保持し、および/または保存するように構成および予定され、したがって、採取要素3は、使用時に対象の口内に導入されるように構成される。このため、採取要素3は、用途に適合する材料、特に生体適合性の材料で実現される。採取要素3のさらなる構造の詳細を以下に説明する。
【0077】
採取要素3は、細長い本体2に配置され、特に細長い本体の第2の部分2bに対応して配置される。
図1に示す実施形態では、採取要素3は、細長い本体2の第2の端部2aに実質的に対応して配置される。
【0078】
特に、採取要素3は、細長い本体の第2の端部2aに接着剤によって接着することができる。したがって、
図2に詳細に示すように、採取要素3は、細長い本体2の第2の端部2aを取り囲むことができる。
【0079】
採取要素3は、吸収材料、特に吸収スポンジまたは吸収繊維または植毛繊維吸収要素を含み、この吸収材料は、使用時に所定量の流体、例えば50μl~10ml、好ましくは100μl~5ml、より好ましくは200μl~2ml、さらにより好ましくは500μl~1mlの量の生体物質、特に唾液を保持するように構成される。
【0080】
好ましくは、この吸収材料は、以下のリストの材料のうちの少なくとも1つを含むことができる:スポンジ、ポリウレタンスポンジ、ウレタンポリエステルスポンジ(特に、DegraPol(登録商標))、レーヨン、ポリエステル、炭素繊維、アルギネート、綿、絹。
【0081】
特定の非限定的な実施形態では、採取要素3は、植毛繊維吸収要素を介して実現される。
【0082】
特有の非限定的な実施形態では、採取要素3は、保存物質および/または添加剤を含まない。これは、好適には、採取された唾液サンプルの高レベルの純度を維持することを可能にする。
【0083】
採取要素3は、後者の分子試験および/または抗原試験および/または抗体検出試験および/またはホルモン評価試験および/または乱用物質に関する試験を実施するために、所定量の唾液を保持するように特に予定されている。例えば、これらに限定されないが、これらの乱用物質は、例えば、これらに限定されないが、アンフェタミン、ベンゾジアゼピン、コカイン、メタンフェタミン、MDMA、オピエート、特にモルヒネ、カンナビノイドを含む。
【0084】
図1、
図3および
図4に示す実施形態では、細長い本体の第2の端部2aは、実質的に均一な横断面、特に直径を有する。その結果、採取要素3も、実質的に均一な横断面を検出する。
【0085】
スワブ1は、係合要素、特にストッパ5をさらに備える。この詳細な説明の間、ストッパ5について具体的に言及するが、ストッパ5に関する任意の特徴は、一般に、任意の係合要素に存在するように意図されるものとする。係合要素は、使用時に対象によって把持され、生体物質サンプルのための容器7と取り外し可能に係合されるように構成される。
【0086】
詳細には、ストッパ5は、細長い本体2の所定の部分に対応して配置される。
図1、
図3および
図4に示す実施形態では、ストッパ5は、細長い本体2の第1の部分2cに実質的に対応して配置され、細長い本体2の第1の端部に実質的に対応して位置する。
【0087】
ストッパ5は、生体物質サンプルのための容器7と取り外し可能に係合するように構成される。ストッパ5はまた、ユーザが十分な横断面の表面上でスワブ1を把持して、ユーザの指とのしっかりとした係合を確保することを可能にするように構成された係合要素として機能するように構成される。
【0088】
図1に示される実施形態では、ストッパ5は、その中に細長い本体2が少なくとも部分的に導入される孔を備え、この孔の横断面は、細長い本体2、特に細長い本体2の第1の部分2cのコントラスト挿入を、この部分をストッパ5内に効果的に保持させるのに十分に決定付けるのに十分である。この特定の構造的構成は、限定的な意味で意図されるべきではなく、なぜならば、例えば、これに限定されないが、ストッパ5および細長い本体2が単一の製造プロセスによって実現され、および/または継ぎ目なく接合されるので、ストッパ5および細長い本体2が取り外し不可能な結合によって一体化されるか、または一体、すなわち、分離不可能に接続されているスワブ1のさらなる実施形態を本出願人が着想しているからである。
【0089】
ストッパ5は、容器7のカラー11と取り外し可能に係合するように構成された係合部分を備える。
図1および
図2に示す実施形態では、係合部分は、実質的に円筒形の横断面を有し、容器7内の軸線方向導入部によってカラー11と結合するように構成され、かつ具体的には予定され、使用時にカラーの内面との実質的な擦過摩擦力を実現する。任意選択的に、係合部分は、カラー11の結合または取り外しに必要な摩擦力の増加を引き起こすように予定されたローレットを有することができる。
【0090】
スワブ1の代替的な実施形態を
図3、
図4および
図5に示す。詳細には、この場合、ストッパ5はねじ部を備え、このねじ部は、容器7のカラー11に対応して存在する相手ねじと結合するように構成される。
【0091】
図3に示す特定の実施形態では、ストッパ5上に存在するねじは雄であり、カラー11上に存在するねじは雌の相手ねじであり、この場合、カラー11の内面に実質的に対応して配置される。代替的に、ストッパ5上に存在するねじは雌であり、カラー11上に存在する相手ねじは雄の相手ねじである。
【0092】
ストッパ5は、任意選択的に滑り止めローレットを設けることができ、および/またはユーザの指との摩擦を増加させるように予定された外面を備える。
【0093】
形状および機械的構造とは無関係に、スワブのストッパ5は芳香剤102を含み、使用時に唾液の産生の刺激を引き起こすように構成される。
【0094】
本出願人は、特にストッパ5がユーザまたはオペレータによって把持されているため、使用時にストッパ5が常にユーザの口の外側にあることを観察している。したがって、ストッパ5は、唾液、特に採取要素3に保持された、後続の分析が予定されている唾液の一部と接触していない。これにより、唾液を純粋に維持し、そうでなければその化学的または生物学的組成を変化させ得る前記芳香剤との直接接触を回避することが可能になる。さらに、これにより、そうでなければ芳香剤がスワブ1の他の部分に含まれる場合に実用目的のために取得する必要がある、芳香剤の生体適合性認証の問題を回避することができる。しかしながら、ストッパ5は、ユーザが芳香を感じることができ、したがって唾液の産生の所望の刺激効果を有することができるように、口および鼻の十分に近くに配置される。特に、芳香剤は、ストッパ5内にのみ存在する。
【0095】
一般に、唾液産生の刺激を可能にするように予定された任意の芳香剤を使用することができるが、好ましくは、この芳香剤は食品の芳香剤であるか、または以下のリストの芳香剤のうちの1つである:オレンジ、ダークもしくはミルクチョコレート、イチゴ、ブルーベリー、肉、特にニワトリ。
【0096】
芳香剤は、ストッパ5の体積の少なくとも一部に分散される。好ましくは、芳香剤は、ストッパ5の体積の全体に均一に分散される。これにより、芳香剤を多量に充填することができ、ストッパ5が外部環境から隔離されていなくても、唾液の産生を刺激する効果を長期間維持することができる。本出願人は、特定の保存条件下で、ストッパ5の体積中に存在する芳香剤は、少なくとも3ヶ月、または4ヶ月、または6ヶ月、または12ヶ月、または16ヶ月、または18ヶ月、またはそれ以上に等しい保管期間後でさえ、使用時に唾液産生に対して十分な刺激を引き起こすのに十分であることを観察している。特に、この保管期間は、例えば、これに限定されないが、可撓性容器などの適切な容器内のスワブ1の保管期間であり得る。好ましくは、これに限定されないが、この容器は、スワブ1に保護雰囲気を提供するように外部環境から隔離されるように構成された、任意選択的にシート状のプラスチック材料の容器である。任意選択的に、内部に、容器は不活性ガス、例えば窒素を収容する。一実施形態では、容器は、外部環境に向かって開くことを可能にするように、引き裂きによって開くように構成され、特に設計されている。例えば、プラスチック材料は、芳香剤の酸化を防止することができる、酸素に対するバリアを提供するように構成することができる。
【0097】
一実施形態では、ストッパ5は、芳香剤が添加された、または芳香剤を含むポリマー材料のペレットまたは顆粒から出発して実現される。これにより、芳香剤がストッパ5の体積の全体にわたって確実に分散されるだけでなく、この芳香剤がストッパ5の体積の全体に均一に分散されることも保証される。
【0098】
スワブ1は、非限定的な実施形態では実質的に試験用の管状で本質的に円筒形の本体を備える生体物質のための容器7内に少なくとも部分的に導入されるように構成される。
【0099】
変形例では、容器7は、装置の目的に適した保存用下地または他の物質を含むことができる。
【0100】
容器7は、その上部に対応して、閉鎖要素を収容することができるカラー11を有する。
【0101】
特に、容器7の閉鎖要素は、スワブ1のストッパ5である。
【0102】
図2には、容器7の第1の非限定的な実施形態が示されており、カラー11は、容器の本体の主要部分によって検出される横断面の面積に対してより低い面積の横断面を検出する。詳細には、この実施形態では、カラー11は、実質的に円筒形の横断面を有し、十分に弾性の材料で実現されて、摺動摩擦を決定付けるコントラスト挿入によりストッパ5との取り外し可能な結合を可能にする。この摺動摩擦は、係合面、特にストッパ5の側方係合面において決定付けられる。
【0103】
詳細には、容器7の本体の主要部分によって検出される横断面は、ストッパ5によって検出される横断面に等しいことが観察される。これにより、結合時に容器7-ストッパ5の組立ての触覚的および視覚的均一性を有することが可能になる。
【0104】
図1および
図2の実施形態では、ストッパ5の係合部分は、カラー11に導入するように構成されている。
図1および
図2の実施形態では、ストッパ5の係合部分は、カラー11の少なくとも一部を収容するように構成された環状凹部を備える。この環状凹部は、係合部の中央部分と係合部分の周壁との間に画定される。
【0105】
容器7は、所定の方向に沿って軸線方向に延在し、前記所定の方向に沿って軸線方向に徐々に移動する実質的に一定の面積の横断面を有する少なくとも一部を検出する側壁を備えた本体を有する。
【0106】
出願人は、任意選択的に、容器7は、スワブ1、特に採取要素3および細長い本体2にアクセス可能な横断面を局所的に縮小するように予定された本体の収縮部を有することができると述べている。この態様のおかげで、容器7内の採取要素3および細長い本体2のセンタリングを得ることが可能である。
【0107】
図5に示す実施形態は、ねじが設けられたカラー11を有する。ねじは、具体的には、カラー11の外壁に対応して配置される。
【0108】
また、この実施形態では、横断面は、容器の本体の主要部分によって検出される横断面の面積に対してより小さい面積を有し、これは、容器7の本体の主要部分によって検出される横断面がストッパ5によって検出される横断面に等しい場合、結合時に容器7-ストッパ5の組立ての触覚的および視覚的均一性を有することを可能にする。
【0109】
好ましいが非限定的な実施形態では、容器7は、プラスチック材料、特に前記芳香剤を拡散させないように構成された、および/または前記芳香剤を吸収しないように構成された材料で実現される。好ましくは、これに限定されないが、前記容器7は透明または半透明である。
【0110】
使用時に、容器の本体のプラスチック材料は採取要素3と接触する可能性があり、したがって、任意選択的に存在し得るゲルを介して直接的または間接的に唾液と接触する可能性もあるので、芳香剤を拡散させない、または前記芳香剤を吸収しないという技術的特徴は、使用時に、採取要素3および採取要素3で採取したサンプルを芳香剤自体から最適に隔離することを可能にする。
【0111】
本出願人は、長期間では容器材料内への芳香剤の拡散がより容易に起こり得るため、この特性が、ストッパ5が容器7に長期間にわたって取り付けられるか、または取り付けられたままである場合に特に有用であることを観察している。
【0112】
図6に示すように、スワブ1の製造方法は、ポリマー材料のペレットまたは顆粒100から出発するストッパ5を実現することを含む。参照番号101は、特にストッパ5の射出成形もしくは圧縮成形もしくは射出圧縮成形または共成形が予定された機械を示す。ストッパ5への芳香剤の添加は、使用時に、ストッパ5を対象の鼻、特に顔に近付けることによって唾液の産生の増加を決定付けるようなものである。本開示の目的に関して、「対象」は、人間または動物として意図されるべきである。出願人は、スワブ1が獣医学的用途にも使用され得ることを実際に観察している。
【0113】
参照番号102は、混合物に添加された芳香剤を示す。詳細には、芳香剤102の添加は、芳香剤のペレットおよび/または顆粒および/または流体、特に芳香剤の精油を含有するペレットおよび/または顆粒および/または流体の添加を含む。一実施形態では、芳香剤ペレットは、実質的に円筒形状を有する。ペレットは、例えば、実質的に0.2g/cm3~1g/cm3または0.5g/cm3~0.7g/cm3の密度を有することができる。
【0114】
芳香剤の正確な維持を可能にするために、芳香剤は好ましくは本質的に水に不溶性である。
【0115】
これは限定的な意味で意図されるべきではないが、芳香剤は食品用途に適合する芳香剤である。これにより、不用意にストッパ5が口に接触しても、スワブ1の使用の確実な安全性が確保される。
【0116】
スワブ1の製造方法は、特に、ポリマー材料のペレットまたは顆粒100を芳香剤と混合することを含む。特に、この混合は、芳香剤がペレットまたは顆粒100内に均一に分散されている、特に体積に関してその中に均一に分散されている均一な混合物の製造を引き起こすように予定されている。
【0117】
好ましいが非限定的な実施形態では、本明細書に記載される方法は、色素103の添加をさらに含むことができ、それにより、色素103をペレットまたは顆粒100と混合することを含む。色素103は、ポリマー材料のペレットまたは顆粒100および芳香剤に、実質的に同時にまたは代替的に、後で添加することができる。また、色素103に関して、混合は、均一な混合物の製造を引き起こすように予定されており、色素103は、ポリマー材料のペレットまたは顆粒100内に均一に分散されており、特に、体積に関してその中に均一に分散されている。明らかに、ポリマー材料のペレットまたは顆粒100が既に目的の色を有する場合、色素103は存在しなくてもよい。
【0118】
本出願人は、体積および/または重量単位で様々な割合の色素および/または芳香剤を添加することができる、本明細書に記載されている方法の様々な実施形態を着想している。これらの中で、いくつかの好ましい実施形態は、重量もしくは体積単位で実質的に0.1%~10%の割合の芳香剤102、または重量もしくは体積単位で実質的に0.5%~7%の割合の芳香剤、特に重量もしくは体積単位で実質的に1%~6%の割合の芳香剤、より好ましくは重量もしくは体積単位で実質的に2%~5%の割合の芳香剤の添加を含む。また、いくつかの実施形態は、重量または体積単位で実質的に0.2%~5%の割合の色素、特に重量または体積単位で実質的に0.5%~4%の割合の色素、さらに特に重量または体積単位で実質的に1%~3%の割合の色素の添加を提供する。前述の実施形態の中で、特定の非限定的な実施形態は、重量または体積単位で2%の色素と重量または体積単位で4%の芳香剤との混合を提供し、その結果、重量または体積単位で94%のポリマー材料のペレットまたは顆粒を提供する。
【0119】
本出願人は、ストッパ5を実現するために様々な材料が使用され得ることを強調する。ストッパ5を実現するために使用可能なポリマー材料の非網羅的なリストは、ポリプロピレン、ポリエチレン、PVC、ポリエステル、ポリアミド、ナイロン、ポリスチレンを含む。
【0120】
好ましくは、これらに限定されないが、このポリエチレンは、高密度ポリエチレンであり、および/または酸化防止特性を有するポリエチレンであり、および/または変換ステップ中の熱安定性が高いポリエチレンである。これは、本明細書に記載されている高密度ポリエチレンの温度に応じた体積変化が特に低減されることを意味し、これは、特に冷却された場合にストッパ5のかなりの寸法精度を得ることを可能にする。さらに、ストッパ5を実現するために好ましく選択可能なポリエチレンは、実質的に130℃~140℃の、より好ましくは実質的に135℃に等しい溶融温度を有する。出願人は、本明細書に記載されているスワブ1が冷蔵環境で長期間保存され得ることを観察している。このため、一実施形態では、本明細書に記載されているスワブ1は、高密度ポリエチレンを使用し、その脆化温度は、特にASTM D 746規格に従って測定して、-30℃未満、特に-40℃未満、より好ましくは-50℃未満である。これにより、ストッパ5を弱めたり破損したりするリスクなしに、スワブ1を冷蔵庫または冷凍庫内で保存することができる。
【0121】
ポリエチレンの具体的で明らかに非限定的な実施形態は、ENIのEraclene(登録商標)ML 70 Uである。
【0122】
非限定的な実施形態では、この色素103は、次いで、プラスチック材料のペレット、好ましくは、これに限定されないが、ポリマー材料のペレットおよび/または顆粒100が実現されるのと同じ材料のペレットで提供される。
【0123】
これは限定的な意味で意図されるべきではないが、好ましくは、色素は、無機顔料、または有機顔料、または有機顔料と無機顔料との組み合わせに基づく色素である。
【0124】
特に、一実施形態では、色素は、特に高密度のポリエチレンの着色ペレットで提供される。好ましいが非限定的な実施形態では、この高密度ポリエチレンは、Rifra(登録商標)Masterbatcheによって製造されたRifratene HDPEを含む。特に、これは緑色Rifratene KE/2791であり得る。
【0125】
使用されるポリマー材料の種類に応じて、機械101は、所定の温度で成形を動作させるように調整することができる。特に、好ましくは、しかし非限定的な範囲で、成形ステップは、実質的に150℃~300℃、より好ましくは実質的に160℃~280℃の温度の選択を提供することが観察される。上記の温度範囲の下限は、ポリマー材料のペレットまたは顆粒の溶融を可能にするのに適当かつ十分な熱を提供する必要性によって与えられ、一方、上記の温度範囲の上限は、芳香剤の添加をほとんど変化させないか、または少なくとも認識可能なほどに劣化させないという必要性によって与えられることが観察された。特に、上記の下限の温度より低い温度で成形を動作させると、プラスチック材料のペレットまたは顆粒の完全かつ均一な溶融の品質の悪化を決定付けるリスクがあること、逆に、上記の上限の温度よりも高い温度で成形を動作させると、芳香剤の有効性が損なわれるリスクがあることが観察されている。融点が135℃に実質的に等しいか、またはいずれの場合にも130℃~150℃の範囲のポリエチレンと共に150℃の最低温度を使用することにより、完全な溶融の適正な保証のための十分な温度マージンが確保される。
【0126】
図7は、スワブ1の製造方法の特定の実施形態を示し、以下に説明される。
【0127】
図7のブロック1000は、ストッパ5を実現するために使用される混合物にポリマー材料のペレットまたは顆粒100を添加するステップを識別する。
【0128】
図7のブロック1001は、ストッパ5を実現するために使用される混合物に芳香剤102を添加するステップを識別する。
【0129】
図7のブロック1002は、ストッパ5を実現するために使用される混合物に色素103を添加するステップを識別する。色素103の添加は本開示に記載の方法に必須ではないので、ブロック1002は点線で示されていることに留意することが重要である。
【0130】
図7のブロック1003は、ポリマー材料のペレットまたは顆粒100、芳香剤102、および存在する場合には色素103を混合して、これらの成分が均一に分散されている混合物を実現するステップを識別する。
【0131】
図7のブロック1004は、機械101を介して実施される成形ステップを識別する。
【0132】
特に、成形方法は、この孔内に細長い本体2を少なくとも部分的に導入することができるように、孔を有するストッパ5を実現することを可能にする。さらに、成形は、ストッパ5について前述した係合面またはねじを実現することを可能にする。代替的に、成形方法は、ストッパ5と細長い本体2とを一体に実現することを可能にする。
【0133】
出願人は、成形ステップに続く特定の製造方法によれば、細長い本体2をストッパ5に組み付けるステップがあり得ることを観察している。この組み付けステップは、非限定的に、先に実現された孔内に細長い本体の一部を軸線方向に導入するステップを提供することができる。
【0134】
図7のブロック図に詳細に説明されていないさらなるステップは、成形によって実現される中間製品または完成製品の冷却を含む。
【0135】
本発明は、添付の図面に示される実施形態に限定されない。このため、特許請求の範囲に記載の要素またはステップの後に現れる参照符号は、特許請求の範囲の明瞭性を高めることのみを目的として提供され、限定することを意図するものではない。
【0136】
当業者に自明な追加、修正、または変形は、添付の特許請求の範囲によって提供される範囲から外れることなく、本発明に適用することができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体物質サンプルを採取するためのスワブ(1)であって、
略軸線方向に伸長した少なくとも一部分を有する細長い本体(2)と、
前記細長い本体(2)に配置された、生体物質サンプルのための採取要素(3)であって、対象の口の中に導入されるように構成および予定され、かつ生体物質サンプル、特に前記対象の唾液を採取し、保持し、および/または保存するように構成される、採取要素(3)と、
前記細長い本体(2)の所定の部分に対応して配置された係合要素(5)、特にストッパであって、使用時に前記対象によって把持され、かつ生体物質サンプルのための容器(7)と取り外し可能に係合するように構成される、係合要素(5)と
を備え、
前記係合要素(5)が芳香剤(102)を含み、かつ使用時に、前記対象の鼻の近くに持ってきたときに唾液の産生の刺激を引き起こすように構成される、スワブ(1)。
【請求項2】
前記芳香剤(102)が、前記係合要素(5)の体積の少なくとも一部、好ましくは全体に分散され、特に、前記芳香剤(102)が、前記係合要素(5)の体積の前記少なくとも一部、好ましくは全体に均一に分散される、請求項1に記載のスワブ。
【請求項3】
前記係合要素(5)が、ポリマー材料の少なくともペレットおよび/または顆粒(100)と、少なくとも前記芳香剤(102)とを混合し、その後溶融することによって実現され、
および/または前記芳香剤(102)が前記係合要素(5)にのみ含まれる、請求項
1に記載のスワブ。
【請求項4】
前記係合要素(5)が、重量もしくは体積単位で実質的に0.1%~10%の割合の芳香剤(102)、または重量もしくは体積単位で実質的に0.5%~7%の割合の芳香剤(102)、特に重量もしくは体積単位で実質的に1%~6%の割合の芳香剤(102)、より好ましくは重量もしくは体積単位で実質的に2%~5%の割合の芳香剤(102)を含む、請求項
1に記載のスワブ。
【請求項5】
少なくとも前記係合要素(5)が、前記係合要素(5)の体積の少なくとも一部、好ましくは全体に分散された色素(103)を含み、特に、前記色素(103)が、前記係合要素(5)の体積の前記少なくとも一部、好ましくは全体に均一に分散され、および/または前記係合要素(5)が、重量もしくは体積単位で実質的に0.2%~5%の割合の色素(103)、特に、重量もしくは体積単位で実質的に0.5%~4%の割合の色素(103)、より詳細には、重量もしくは体積単位で実質的に1%~3%の割合の色素(103)を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のスワブ。
【請求項6】
前記係合要素(5)が、ポリマー材料のペレットおよび/または顆粒(100)、ならびに少なくとも芳香剤(102)の成形、特に射出成形、圧縮成形もしくは射出圧縮成形によって、または共成形によって実現される、請求項1~
4のいずれか一項に記載のスワブ。
【請求項7】
前記採取要素(3)が、使用時に、ある量の流体を保持するように構成および寸法決めされた吸収材料、特に吸収スポンジもしくは吸収ポリウレタンスポンジまたは吸収繊維要素もしくは植毛繊維吸収要素を備え、前記吸収材料が、使用時に、50μl~10ml、好ましくは100μl~5ml、より好ましくは200μl~2ml、さらにより好ましくは500μl~1mlの量の生体物質、特に唾液を保持するように構成され、任意選択的に、前記採取要素(3)がスポンジ要素であり、および/または保存物質を含まない、請求項1~
4のいずれか一項に記載のスワブ。
【請求項8】
前記係合要素(5)が、コントラスト挿入によって、および/または生体物質サンプルのための容器(7)へのねじ込みによって、生体物質サンプルのための前記容器(7)と取り外し可能に係合するように構成される、請求項1~
4のいずれか一項に記載のスワブ。
【請求項9】
請求項
1に記載のスワブ(1)と、生体物質サンプルのための容器(7)とを備えるキットであって、前記容器(7)が、前記スワブ(1)の少なくとも一部分、特に前記スワブ(1)の少なくとも前記採取要素(3)を収容するように構成されたキャビティを備える、キット。
【請求項10】
生体物質サンプルを採取するためのスワブ(1)の製造方法であって、
前記スワブ(1)の細長い本体(2)を製造するステップであって、前記細長い本体(2)が、軸線方向に伸長した少なくとも一部分を有し、かつ生体物質サンプル、特に対象の唾液の少なくとも1つの採取要素(3)を支持するように構成される、ステップと、
前記採取要素(3)を前記細長い本体(2)上に実現すること、および/またはその後に前記採取要素(3)を前記細長い本体(2)に組み付けることを含む、採取要素(3)を製造するステップと、
使用時に対象によって把持されるように構成され、かつ生体物質サンプルのための容器(7)と取り外し可能に係合されるように構成および予定される係合要素(5)、特にストッパを製造するステップであって、前記細長い本体(2)上に前記係合要素(5)を実現すること、および/またはその後に前記係合要素(5)を前記細長い本体(2)に組み付けることを含む、ステップと
を含み、前記係合要素(5)を製造する前記ステップが、使用時に、前記対象の鼻に前記係合要素(5)を近付けると唾液の産生の刺激を決定付けるように、芳香剤(102)の添加を含む、
方法。
【請求項11】
前記係合要素(5)を製造する前記ステップが、前記係合要素(5)の体積の少なくとも一部、好ましくは全体における前記芳香剤(102)の分散を含み、特に、前記係合要素(5)の体積の前記少なくとも一部、好ましくは全体における均一な分散を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記係合要素(5)を製造する前記ステップが、ポリマー材料の少なくともペレットおよび/または顆粒(100)、ならびに少なくとも前記芳香剤(102)の混合ならびにその後の溶融を含み、
前記芳香剤(102)の前記添加が、前記係合要素(5)内でのみ行われる、請求項1
0に記載の方法。
【請求項13】
前記係合要素(5)を製造する前記ステップが、重量もしくは体積単位で実質的に0.1%~10%の割合の芳香剤(102)、または重量もしくは体積単位で実質的に0.5%~7%の割合の芳香剤(102)、特に重量もしくは体積単位で実質的に1%~6%の割合の芳香剤(102)、より好ましくは重量もしくは体積単位で実質的に2%~5%の割合の芳香剤(102)の前記添加を含む、請求項10~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記係合要素(5)を製造する前記ステップが、色素(103)の添加を含み、前記係合要素(5)の体積の少なくとも一部、好ましくは全体における前記色素(103)の分散を含み、特に、前記係合要素(5)の体積の前記少なくとも一部、好ましくは全体における前記色素(103)の均一な分散を含む、請求項10~
12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記係合要素(5)を製造する少なくとも前記ステップが、ポリマー材料の前記ペレットおよび/または顆粒(100)、ならびに少なくとも前記芳香剤(102)の成形、特に射出成形もしくは圧縮成形もしくは射出圧縮成形、または共成形を含む、請求項1
2に記載の方法。
【請求項16】
前記芳香剤(102)の前記添加が、芳香剤(102)のペレットおよび/または顆粒および/または流体、特に前記芳香剤(102)の精油を含有するペレットおよび/または顆粒および/または流体の添加を含み、
前記成形、特に射出成形もしくは圧縮成形もしくは射出圧縮成形または共成形が、実質的に150℃~300℃、より好ましくは実質的に160℃~280℃、さらにより好ましくは220℃~275℃または240℃~260℃の温度で行われる、前記ペレットおよび/または顆粒、ならびに前記芳香剤(102)の溶融を含む、請求項1
2に記載の方法。
【国際調査報告】