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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-24
(54)【発明の名称】飲料用天然清澄剤
(51)【国際特許分類】
   C12H 1/052 20060101AFI20240417BHJP
   A23L 2/70 20060101ALI20240417BHJP
【FI】
C12H1/052
A23L2/00 K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023569602
(86)(22)【出願日】2022-05-09
(85)【翻訳文提出日】2023-11-02
(86)【国際出願番号】 EP2022062488
(87)【国際公開番号】W WO2022238330
(87)【国際公開日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】63/186,417
(32)【優先日】2021-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/707,143
(32)【優先日】2022-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509262688
【氏名又は名称】ケリー・グループ・サービシーズ・インターナショナル・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】カダム,シェクハル ウマカントゥラオ
(72)【発明者】
【氏名】ゲオリス,ジャッケス
(72)【発明者】
【氏名】ラロア,オーエン
(72)【発明者】
【氏名】ドイル,ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】カスケリー,ダラー
【テーマコード(参考)】
4B117
4B128
【Fターム(参考)】
4B117LC09
4B117LK13
4B117LK23
4B117LP01
4B128AC12
4B128AG05
4B128AG09
4B128AP30
4B128AS10
4B128AS18
(57)【要約】
清澄製剤/剤は、ペクチン、特に低メトキシペクチンと、酵母抽出物と、を含有する。飲料、特にビール及びワインを清澄する方法であって、特に発酵飲料製造プロセス中に、清澄製剤/剤を飲料に添加することを含む、方法。
【選択図】図12

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料を清澄する方法であって、ペクチン及び酵母抽出物を含む清澄剤を前記飲料に添加することを含む、前記方法。
【請求項2】
前記ペクチンと前記酵母抽出物との総合計量が、総飲料体積の5~600ppmである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ペクチンと前記酵母抽出物との総合計量が、総飲料体積の25~500ppmである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ペクチンが、5%~50%未満のエステル化度(DE)を有する低メトキシペクチンである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ペクチンが、15%~35%のエステル化度(DE)を有する低メトキシペクチンである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ペクチンが、27%~32%のエステル化度(DE)を有する低メトキシペクチンである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ペクチンが、20%のアミド化度(DA)を有する低メトキシペクチンである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記酵母抽出物が、酵母の細胞壁材料、炭水化物プロファイル、及び/またはタンパク質が豊富な抽出物である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記酵母抽出物が、Saccharomyces種の細胞壁材料、炭水化物プロファイル、及び/またはタンパク質が豊富な抽出物である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記清澄剤が、5重量%~95重量%のペクチンと、5重量%~95重量%の酵母抽出物と、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記清澄剤が、10重量%~90重量%のペクチンと、10重量%~90重量%の酵母抽出物と、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記飲料が、発酵を含むプロセスによって得られ、前記清澄剤が、前記飲料の前記発酵の後、及び熟成の前、開始時、または熟成中のいずれかの期間に添加される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記ペクチン及び前記酵母抽出物を、水に別々に溶解させて別々の水溶液を提供し、前記別々の水溶液を、前記飲料に別々に添加する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ペクチン及び前記酵母抽出物が、粉末形態であり、水に溶解させて水溶液を提供し、前記水溶液が、前記飲料に添加される、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記飲料が、アルコール性または非アルコール性である発酵飲料である、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記発酵飲料が、ビール、ワイン、またはシードルである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
5重量%~95重量%のペクチンと、5重量%~95重量%の酵母抽出物と、を含む、清澄剤。
【請求項18】
10重量%~90重量%のペクチンと、10重量%~90重量%の酵母抽出物と、を含む、請求項17に記載の清澄剤。
【請求項19】
前記ペクチンが、5%~50%のエステル化度(DE)を有する低メトキシペクチンである、請求項17に記載の清澄剤。
【請求項20】
前記ペクチンが、15%~35%のエステル化度(DE)を有する低メトキシペクチンである、請求項17に記載の清澄剤。
【請求項21】
前記ペクチンが、27%~32%のエステル化度(DE)を有する低メトキシペクチンである、請求項17に記載の清澄剤。
【請求項22】
前記ペクチンが、20%のアミド化度(DA)を有する低メトキシペクチンである、請求項17に記載の清澄剤。
【請求項23】
前記酵母抽出物が、酵母の細胞壁材料、炭水化物プロファイル、またはタンパク質が豊富な抽出物である、請求項17に記載の清澄剤。
【請求項24】
前記酵母抽出物が、Saccharomyces種の細胞壁材料、炭水化物プロファイル、またはタンパク質が豊富な抽出物である、請求項17に記載の清澄剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、飲料製造プロセスのために、酵母を沈殿させ、生物学的及び化学的な曇りを引き起こす薬剤を分離及び濾過するのに有用であり得る、天然であり、かつ肉製品または動物性ではない生成物から得られる改善された清澄剤、天然清澄剤を使用して飲料を清澄する方法、ならびに開示の方法によって生成される飲料に関する。天然清澄剤は、ビール及びワインなどの、発酵によって生成される飲料を清澄するのに特に有用である。
【背景技術】
【0002】
ビール、ワイン、シードルなどの発酵させた穀物、マメ科植物、または果物系飲料は、多くの場合、原材料の処理から濾過ステップまでに濁るかまたは曇る。発酵飲料における曇りは、酵母細胞とともに、タンパク質、及びタンニン分子のようなポリフェノールの存在に起因し得る。この問題は、醸造業及びワイン製造業に特に関連する。多くの場合、飲料から不要な材料を除去し、外観、アロマ、及び/または味が改善された飲料を生成するために、飲料を透明化するか、または清澄するプロセスが必要とされる。
【0003】
清澄剤は、通常、醸造ワイン、ビール、及び様々なノンアルコールジュース飲料の処理の完了時またはほぼ完了時に添加される。それらは、酵母、ならびに生物学的及び化学的な曇りを引き起こす化合物を除去して、透明度を改善するか、または風味もしくはアロマを調整するかのいずれかのために使用されている。除去される化合物は、酵母、硫化物、タンパク質、ポリフェノール、ベンゼノイド、銅イオンなどであり得る。
【0004】
例えば、非凝集性酵母を含む発酵ビールは、一般に、熟成が行われる熟成容器に移動される。熟成後、ビールは、濾過され、その後、通常、瓶、缶、または樽へと包装される。
【0005】
醸造業で一般的に使用されている酵母凝集剤または清澄剤は、アイシングラスである。アイシングラスは、魚の浮き袋から得られるコラーゲン生成物である。アイシングラスは、有効な清澄剤及び酵母凝集剤であるが、ベジタリアン及びビーガンの消費者は、アイシングラスを含有する生成物を彼らの食事要件に好適であるとみなさない。ケイ酸塩または多糖類などの補助清澄剤が、アイシングラスと一緒に使用される場合がある。
【0006】
シリカ系清澄剤及びカラギーナンなどの清澄剤は、業界に応じて変動する結果を提供し、酵母残留物の不十分な密集及び汚染などの欠点を有し得る。
【0007】
WO2006032088A2は、ペクチンと、二酸化硫黄のドナーと、を含む、清澄製剤について開示している。
【0008】
WO95/04130A1は、ビールを磁性粒子と接触させることによって、発酵ビールから過剰な酵母、高分子量タンパク質、及び他の懸濁物質を除去する方法について開示している。
【0009】
WO97/06274は、3~6の範囲の等電点を有するタンパク質性材料を含む、酵母細胞から誘導される組成物について開示している。組成物は、酵母細胞からの選択的なpH抽出によって調製され、多様な産業用途、特にビールの透明化において凝集剤として有用である。
【0010】
米国公開特許公報第2016/0053212 A1号は、ホップに有機溶媒(アセトンまたはアルコールなど)抽出、水性溶媒抽出、または混合溶媒抽出を施すことによって調製され得る清澄剤について開示している。
【0011】
既存の清澄剤は、以下の欠点及び妨げを有することが見出されている:
1)アイシングラス(魚のコラーゲン)の使用-動物由来、アレルゲンの懸念の可能性、及び高い使用コスト、
2)シリカゾル及びPVPP(ポリビニルポリピロリドン)の使用-化学的性質及び高い使用コスト、
3)ペクチン-より低い清澄効率及びより高い沈殿物体積(プロセスに適さない)、
4)キトサン-より低い清澄効率、動物由来、及びより高い使用コスト、
5)植物性供給源のタンパク質-より低い清澄効率及びより高い使用コスト。
【発明の概要】
【0012】
本開示の目的は、酵母を沈殿させるための動物系(アイシングラスなど)及び化学系(シリカゾルなど)の清澄剤の代替物を開発し、飲料製造プロセスのための生物学的及び化学的な曇りを引き起こす薬剤を分離及び濾過することである。本開示の代替的な清澄剤は、経済的であり、生成が容易であり、かつ/または従来の清澄剤及び凝集剤のこれらの欠点を克服する。
【0013】
本発明者らは、広範な研究を行い、ペクチン及び酵母抽出物を含有する製剤が、飲料、特にビール、ワイン、シードルなどを清澄するのに効率的であることを発見した。さらに、ペクチンと酵母抽出物とを組み合わせて含有する、この非動物性及び非化学物質を供給源とする清澄剤は、アイシングラス及びシリカゾルと比較して、同様またはより良好な清澄効率を提供することが見出された。本開示による清澄製剤/剤は、ベジタリアンに好適であり、アレルゲン、及びシリカゾルのような過酷な化学物質を含まない。また、本開示による清澄製剤/剤は、既存の技術と比較して、より低い使用コストを提供することができる。本出願による清澄製剤/剤はまた、密集した沈殿物を提供し、飲料中の不要な材料をより容易に分離することができる。
【0014】
本開示は、飲料を清澄(透明化)するための、ペクチン及び酵母抽出物を含む清澄製剤/剤、清澄製剤/剤を使用して飲料を清澄する方法、及び開示の方法によって生成される飲料に関する。
【0015】
一実施形態では、本開示は、飲料にペクチン及び酵母抽出物を添加することを含む、飲料を清澄する方法を対象とする。
【0016】
一態様では、ペクチン及び酵母抽出物の総合計量は、添加時の総飲料体積の5~600ppm、好ましくは25~500ppmである。
【0017】
一態様では、ペクチンは、低メトキシペクチンである。例えば、ペクチンは、5%~50%、10%~45%、15%~40%、または好ましくは15%~35%のDEを有し得る。
【0018】
一態様では、清澄剤は、5重量%~95重量%のペクチンと5重量%~95重量%の酵母抽出物、好ましくは10重量%~90重量%のペクチンと10重量%~90重量%の酵母抽出物を含む。他の態様では、重量比は、15:85~85:15、または20:80~80:20、または25:75~75:25、または30:70~70:30、または35:65~65:35、または40:60~60:40、または45:55~55:45であり得る。
【0019】
一態様では、酵母抽出物は、酵母の細胞壁材料、炭水化物プロファイル、及び/またはタンパク質が豊富な抽出物である。酵母抽出物の例としては、限定されないが、噴霧乾燥させた酵母抽出物、パン酵母の選択された株から生成された乾燥させた自己分解酵母粉末、乾燥させた酵母細胞壁、マンノタンパク質が豊富な乾燥させたパン酵母細胞壁、細胞栄養目的で特別に成長させた酵母から作製されるパン酵母からの噴霧乾燥させた抽出物が挙げられる。酵母抽出物は、単独で、または別の酵母抽出物と組み合わせて使用され得る。酵母の一例としては、Saccharomyces cerevisiaeが挙げられる。酵母抽出物は、酵母抽出物の10重量%~90重量%、好ましくは20重量%~80重量%、または30重量%~70重量%の量でタンパク質を含有する。
【0020】
いくつかの態様では、酵母抽出物は、異なるSaccharomyces種、Candida種、Rhodotorula種、Torulopsis種、Cryptococcus種、Leucosporidium種、Trichosporon種、及びSchizosaccharomyces種に由来し得る。
【0021】
一態様では、ペクチン及び酵母抽出物は、脱気水、ビール、または他の媒体に別々に溶解され、醸造プロセスなどの飲料製造プロセスの熟成開始時または熟成中に、2つの別々のステップで個々に添加され得る。あるいは、ペクチン及び酵母抽出物は、1つの粉末形態へと製剤化され、脱気水に溶解させ、醸造プロセスなどの飲料製造プロセスの熟成開始時または熟成中に単一のステップで添加され得る。
【0022】
別の実施形態では、本開示は、上に定義される清澄剤を対象とする。
【0023】
一態様では、上に定義された清澄剤は、飲料メーカーへの個々の販売または配送のために、密封された(及び任意選択的に滅菌された)容器またはパッケージに収容される。
【0024】
一態様では、清澄剤は、粉末、またはエマルション、液体、もしくはペーストなどの他の形態にあり、粉末化清澄剤または他の形態の清澄剤は、上に定義される密封容器またはパッケージに収容され得る。
【0025】
別の実施形態では、本開示は、上に定義される清澄剤を含有する飲料を対象とする。
【0026】
一態様では、飲料は、熟成段階での清澄剤とビールとの組み合わせなどの、中間処理段階の飲料である。
【0027】
本特許または出願書類は、カラーで作成された少なくとも1つの図面を含む。カラー図面を含む本特許または特許出願公開の複写は、要請かつ必要な料金の支払により特許庁より提供される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】異なるグレードのペクチンの清澄効率を示す。
図2】異なる成分のビール清澄効率を示す。
図3】異なるグレードの酵母抽出物の清澄効率を示す。
図4】24時間にわたるビール清澄効率に対する、ペクチンと酵母抽出物との組み合わせの効果を示す。
図5】96時間にわたるビール清澄効率に対する、ペクチンと酵母抽出物との組み合わせの効果を示す。
図6】ラガー系ビールに対する清澄剤の効果を示す。
図7】レッドエール系ビールに対する清澄剤の効果を示す。
図8】IPA系ビールに対する清澄剤の効果を示す。
図9】100mlの沈殿コーンを使用するフィニング(finning)試験を示す。
図10】ビール清澄効率に対するカルシウムの効果を示す。
図11】ビール清澄効率に対するpHの効果を示す。
図12】3hLの醸造所のパイロットスケールでのビール清澄効率を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本開示の主題の実施形態の詳細は、以下の添付の記載に記載されている。本開示の主題の他の特徴、目的、及び利点は、明細書、図面、及び特許請求の範囲から明らかであろう。本明細書に記述の全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、参照によりそれらの全体が組み込まれる。
【0030】
本開示は、飲料を清澄するための、ペクチンと酵母抽出物とを含有する、清澄製剤/剤に関する。いくつかの態様では、清澄製剤は、ペクチン、及び任意選択的に粉末形態の酵母抽出物からなる。本開示はまた、清澄製剤を使用して飲料を清澄する方法、ならびに開示の方法によって調製された飲料に関する。
【0031】
本出願に好適な飲料としては、ビール及びワインなどのアルコール飲料、発酵飲料、ならびに果物飲料などが挙げられる。
【0032】
ペクチンは、ゲル化特性を有する多糖類である。最高濃度のペクチンは、細胞壁の中層に見出され、一次壁を通って細胞膜に向かって移動するにつれて徐々に減少する。ペクチンは、果物及び野菜に最も豊富に存在する。
【0033】
ペクチン分子は、基本的に、ガラクツロン酸単位の鎖である。規則的な構造は、メチルペントース、L-ラムノースの存在によって中断され、これは「ペクチン酸エルボー(pectic elbows)」と呼ばれる逸脱を引き起こす。L-ラムノースは、炭素1及び2によって連結される。ある特定の割合のこれらのガラクツロン酸は、メチルエステル形態にある。エステル化されるガラクツロン酸のパーセンテージは、エステル化度(DE)またはメトキシル化度(DM)と呼ばれる。高メトキシ(HM)ペクチンは、50%以上のDEを有するものとして定義されるが、低メトキシ(LM)ペクチンは、50%未満のDEを有する。アミド化度(DA)は、アミド形態にあるカルボキシル基のパーセンテージとして定義される。アミド化されたペクチンは、通常20%~45%のDE、及び通常5%~25%のDAを有する。
【0034】
本出願に好適なペクチンは、特に限定されない。本出願では、50%未満のDEを有する低メトキシペクチンが使用されることが好ましい。低メトキシペクチンは、5%~50%未満、好ましくは10%~45%、より好ましくは15%~35%のDEを有し得る。低メトキシペクチンは、5%~25%、好ましくは10%~25%、より好ましくは15%~20%のDAを有し得る。
【0035】
本開示の製剤及び方法で使用されるペクチンは、市販され得るか、または同様の構造もしくは属性を有する他の供給源からの、天然に存在するペクチン、例えば、リンゴ、柑橘類、マルメロ、プラム、すぐり類、オレンジ、もしくはペクチンなどの果物ペクチンの脱エステル化もしくはアミド化の従来のプロセスによって調製され得る。
【0036】
酵母抽出物は、従来、食品添加物もしくは風味付け料として、または細菌培養培地の栄養素として使用される。
【0037】
本出願に好適な酵母抽出物または他の種類の抽出物としては、細胞壁材料及びマンノタンパク質が豊富な抽出物が挙げられる。酵母抽出物の例としては、限定されないが、噴霧乾燥させた酵母抽出物、パン酵母の選択された株から生成された乾燥させた自己分解酵母粉末、乾燥させた酵母細胞壁、マンノタンパク質が豊富な乾燥させたパン酵母細胞壁、細胞栄養目的で特別に成長させた酵母から作製されるパン酵母からの噴霧乾燥させた抽出物が挙げられる。酵母抽出物は、単独で、または別の酵母抽出物と組み合わせて使用され得る。酵母の一例としては、Saccharomyces cerevisiaeが挙げられる。酵母抽出物は、酵母抽出物の10重量%~90重量%、好ましくは20重量%~80重量%、または30重量%~70重量%の量でタンパク質を含有する。
【0038】
本開示による清澄製剤/剤は、約5~99%(w/w)のペクチン、または10~90%(w/w)、15~85%(w/w)、20~80%(w/w)、25~75%(w/w)、30~70%(w/w)、35~65%(w/w)、または40~60%(w/w)のペクチンと、約5~95%(w/w)の酵母抽出物、または約10~90%(w/w)、15~85%(w/w)、20~80%(w/w)、25~75%(w/w)、30~70%(w/w)、35~65%(w/w)、または40~60%(w/w)の酵母抽出物と、を含有し得る。量は、固体製剤の組成、すなわち乾燥重量を指す。
【0039】
いくつかの態様では、清澄製剤は、上述のように、販売のためのパッケージまたは容器に密封され得る乾燥粉末の形態で提供される。いくつかの態様では、乾燥粉末の形態の清澄製剤は、不純物としての水(好ましくは1重量%未満)を含むペクチン及び酵母抽出物からなる。
【0040】
清澄製剤/剤はまた、水溶液として提供され得る。脱気水を含む水溶液中の好ましい清澄製剤は、0.1%~20%(w/v)のペクチン、または0.5%~19%(w/v)、1%~18%(w/v)、5%~15%(w/v)、または8%~12%(w/v)のペクチンと、0.1%~20%(w/v)の酵母抽出物、または0.5%~19%(w/v)、1%~18%(w/v)、5%~15%(w/v)、または8%~12%(w/v)の酵母抽出物と、を含む。
【0041】
本開示の清澄剤を添加する方法は、一般に清澄剤の使用が、特にビール及びワイン産業において従来既知であるので、特に限定されない。例えば、本開示によれば、飲料を清澄する方法は、標準的な清澄プロセスで実行されるように、飲料の発酵後及び/または熟成開始時もしくは熟成中などの飲料製造プロセス中に、本開示の清澄製剤/剤を飲料に添加するステップを含み得る。清澄剤は、発酵プロセスが完了し、飲料が熟成プロセスに入ると、ビールまたはワインなどの飲料の透明化を加速させる。飲料は、従来の濾過助剤、及び/またはクロスフロー濾過を含む膜濾過の使用などの濾過によって、熟成後に濾過され得る。清澄プロセスは、より効率的な濾過及びより容易な分離を促進する、密集したフロックを理想的に生成する。
【0042】
ペクチン及び酵母抽出物は、脱気水に別々に溶解され、醸造プロセスなどの飲料製造プロセスの熟成開始時または熟成中に、2つの別々のステップで添加され得る。それらは、任意の順序で、別々に連続して、または別々に継続して添加され得る。あるいは、ペクチン及び酵母抽出物は、1つの粉末形態へと製剤化され、脱気水に溶解させ、醸造プロセスなどの飲料製造プロセスの熟成開始時または熟成中に単一のステップで添加され得る。ペクチン及び酵母抽出物は、発酵及び冷却後に添加され得る。言い換えれば、熟成プロセスは、中温または冷温であり得る。熟成プロセスはまた、コンディショニング、熟成、凝集沈殿、デカンティングなどのパラメータを含む、一般飲料プロセスを含み得、酵母、または曇りを引き起こす複合体が、飲料の種類及びスタイルに基づいて分離される。
【0043】
本開示の清澄製剤/剤は、ビールまたはワインなどの発酵飲料を収容するタンクに添加され得る。あるいは、本開示の清澄製剤/剤は、ビールまたはワインストリームなどの飲料ストリームへと、液体ストリームとして添加され得る。清澄製剤/剤は、再循環ポンプ、ホモジナイザ、または他の適切な機械的デバイスなどによる良好な撹拌によって、飲料中に分散され得る。
【0044】
使用されるペクチンの濃度は、飲料の流体体積の少なくとも10ppm(百万分率)、好ましくは少なくとも590ppmの最終濃度である。使用される酵母抽出物の濃度は、飲料の流体体積の少なくとも10ppm(百万分率)、好ましくは少なくとも590ppmの最終濃度である。使用されるペクチン及び酵母抽出物の総濃度は、10~600ppm(百万分率)であり、すなわち、最終飲料中のペクチン及び酵母抽出物の量は、0.001~0.06%(w/v)である。好ましくは、使用されるペクチン及び酵母抽出物の総合計濃度は、飲料の流体体積の25、50、100、150、200、300、400、500、600ppmの最終濃度である。
【0045】
好ましくは、本開示の清澄する方法は、0.1%~20%のペクチン水溶液、及び0.1%~20%の酵母抽出物水溶液を作製することと、ビールまたはワインなどの分離後飲料に一定量の溶液を添加して、約10~600ppm、好ましくは50~250ppmの濃度のペクチン及び酵母抽出物を得ることと、飲料(ビールまたはワインなど)を処理して12~96時間清澄し、次いで濾過することと、を含む。良好な清澄剤は、アイシングラスと同等の濾過速度を有するであろう。
【0046】
酵母抽出物は、そのタンパク質の性質に起因して、より速い速度で沈殿する大きなサイズの複合体を形成し、良好な清澄効率を生じる。ペクチン及び酵母抽出物の両方が、清澄剤として組み合わせて使用される場合、それらが個々の容量で添加される場合と比較して、相乗効果作用を提供し、より良好な沈殿及びより透明なビールなどの飲料を達成することが見出された。
【0047】
飲料中の酵母細胞、タンパク質、ポリフェノール、金属イオン、及び炭水化物の初期濃度に基づいて、清澄物質効果(透明化の速度、及び最終生成物中の残留清澄構成成分の低減)を増加させることが可能であるいくつかの添加物が、清澄製剤に、または清澄プロセス中に添加され得る。例えば、タンニン酸、塩基性タンパク質、またはホップ抽出物が使用され得る。
【0048】
本開示は、主に、例えば、アルコール飲料、特にビール及びワインなどの発酵させたものの清澄における有用性を有する。
【0049】
「清澄剤」という用語は、凝集及び密集沈降(密集/コヒーレント沈降)を促進することによって、発酵物を透明化する(透明化)ために使用される任意の材料を指す。
【0050】
「清澄プロセス」という用語は、凝集及び密集沈降(密集/コヒーレント沈降)を促進することによって、発酵物を透明化する(透明化)清澄剤を使用する任意のプロセスを指す。
【0051】
透明化(または透明化すること)は、観察または測定によって、視覚的透明度の増加、光透過率の増加、濁度または光散乱の減少、粒子数の低減、制限された多孔度の膜に通した透明化された飲料の濾過性の改善の基準のうちの1つまたはいくつかまたは全てによって判断される、発酵物を透明化することを指す。
【0052】
例示的な清澄プロセスの記載
例示的な清澄プロセスでは、5~90%(w/w)のペクチンと約10~95%(w/w)の酵母抽出物とを含有する混合物を含む、乾燥清澄剤(混合物)が、乾燥ブレンドによって調製される。次いで、混合物は、固体が完全に可溶化されるまで、好ましくは連続的に混合しながら、室温で脱気水にゆっくりと添加される。このプロセスは、再循環ポンプ、ホモジナイザ、及び/または他の適切な機械的デバイスを使用して向上され得る。清澄溶液のペクチン濃度は、ペクチンの種類及び性質、ならびに温度に応じて、90~95%(w/v)程度に高い場合がある。清澄溶液の酵母抽出物濃度は、温度に応じて90~95%(w/v)程度に高い場合がある。乾燥清澄混合物は、気密容器内で1~4℃で数ヶ月間貯蔵され得る。液体清澄調製物は、微生物学的に安定であり、数週間清澄活性な状態にある。
【0053】
清澄剤は、酵母含有量を低減させるために、通常、遠心分離後にビールと混合されて、約10~600ppmのペクチン及び酵母抽出物、好ましくはほとんどの試験されるビールでは50~250ppmの合計濃度を得る。清澄効果を高めるために、タンニン酸、塩基性タンパク質、またはホップ抽出物などのいくつかの添加物は、この時点で添加され得る。これらの添加物の効果は、ビールの性質にある程度依存するであろう。ビールは、最終濾過前に、好ましくは約0~2℃で少なくとも12時間~72時間貯蔵される必要がある。
【0054】
有効な清澄活性は、ビール中のアイシングラスの清澄性能に匹敵する清澄活性として本明細書では定義される。
【0055】
ここで本開示について完全に記載してきたが、同じことが、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、過度の実験を伴わずに、広範囲の等価なパラメータ、濃度、及び条件内で実施することができることが当業者によって理解されるであろう。本開示は、その特定の実施形態に関連して記載されているが、さらなる修正が可能であることが理解されるであろう。本出願は、一般に、本開示の原理に従う本開示の任意の変形、使用、または適応を網羅することを意図し、本開示が属する技術分野内の既知のまたは慣習的な慣行の範囲内に入る本開示からのそのような逸脱を含み、本明細書に先述の本質的な特徴に適用され得る。
【0056】
ここで、本開示は、以下の非限定的な実施例及び図面を参照することによってのみ記載する。
【実施例
【0057】
実施例1
清澄に対する異なる成分の効果
1A. アイシングラスをシリカゾルと比較した異なるグレードのペクチン。
【0058】
ビール調製:1.045の元の重力(OG)を有する100%モルト抽出物を使用して、麦汁を調製した。沸騰の開始時に0.01%グリストw/wのホップペレットを添加して、調製した麦汁を45分間沸騰させた。カラギーナンを沸騰終了の5分前に添加した。麦汁を冷却した後、250g/HLでSafale K-97酵母を添加した。発酵を5日間行った。清澄物質投与用に、未処理のビールをデカントし、4℃未満の低温で貯蔵した。
【0059】
清澄物質投与:HMペクチン(68~76%のDE)、LMペクチン(27~32%のDE)、及び市販の醸造グレードのペクチンを含む異なるグレードのペクチンを、清澄効率についてアイシングラス及びシリカゾルと比較した。未処理のビールへの投与用に、水に溶解させることによって2~5%のストック溶液として清澄物質を作製した。完全に溶解するまで、清澄物質を、磁気撹拌器を使用して水中で激しく混合した。未処理のビール(250ml)を透明な瓶に注ぎ、清澄物質のストック溶液(未処理のビールの最終所望濃度に基づく体積)を未処理のビールに投与した。瓶を振盪させて、均一に混合させ、分析の要件に従って、0~4℃の温度で24~最大96時間貯蔵した。
【0060】
曇り測定:各ビール瓶の上部から10mlの試料をピペットすることによって、試料を試料キュベットに注いだ。曇りは、Hach濁度計2100AN ISを使用して測定した。
【0061】
試験した清澄物質:この実施例では、HMペクチン及びLMペクチンを5、25、50、及び100ppmの用量率でビールに添加し、標準ペクチンを100及び400ppmの用量率で添加した。清澄剤を含まない対照、50ppmのアイシングラスを含む対照、及び1000ppmのシリカゾルを含む対照で、清澄効率を比較した。
【0062】
図1に示されるように、27%~32%のDE、及び20%でのアミド化度を有するLMペクチンは、この実施例で試験した全てのペクチンの間で、清澄効率について最良の性能を有した。
【0063】
1B.タンパク質及びアラビノキシラン
ビール調製及び曇り測定は、実施例1Aのものと同様の様式で行った。
【0064】
試験した清澄物質:この実施例では、10、50、及び100ppmの用量率でのジャガイモタンパク質及び小麦アラビノキシランなどの典型的な植物性タンパク質を清澄効率について試験し、清澄効率を、清澄剤を含まない対照及び50ppmのアイシングラスを含む対照と比較した。
【0065】
図2に示されるように、24時間後の曇り結果は、陽性対照アイシングラス及びシリカゾルと比較して、ジャガイモタンパク質及びアラビノキシランで処理した両方の試料では、ビールの透明度に改善は存在しなかったことを示している。
【0066】
1C.酵母抽出物
ビール調製及び曇り測定は、実施例1Aのものと同様の様式で行った。
【0067】
試験した清澄物質:この実施例では、細胞壁及びマンノタンパク質が豊富であり、異なる供給源を有する異なる酵母抽出物を100ppmの用量率で添加し、清澄効率を、清澄剤を含まない対照及び50ppmのアイシングラスを含む対照と比較した。この実施例で使用した異なる酵母抽出物の詳細を、以下の表1に示す。


【表1】
【0068】
図3に示されるように、24時間後の曇り結果は、陽性対照アイシングラスと比較して、それら自体に対する全ての酵母抽出物で処理した試料では、ビールの透明度に改善は存在しなかったことを示している。
【0069】
実施例2
組み合わせ研究及び用量率組み合わせ
ビール調製及び曇り測定は、実施例1Aのものと同様の様式で行った。
【0070】
試験した清澄物質:この実施例では、25、50、75、及び100%のペクチンとその残りを異なる酵母抽出物、ならびに50、100、及び200ppmの用量率での各々の組み合わせである、LMペクチンと酵母抽出物との組み合わせとして、異なる製剤を試験した。清澄剤を含まない対照、及び陽性対照として50ppmのアイシングラスを含む対照で、清澄効率を比較した。
【0071】
図4及び図5に示されるように、試験した試料の間では、ペクチン及び酵母抽出物の両方を50%含む製剤、ならびに25%のペクチン及び75%の酵母抽出物を含む製剤は、24時間(図4)及び96時間(図5)の間、曇りが低減した透明なビールを送達するという点で最良の性能を有した。
【0072】
実施例3
異なる種類のビール及び沈殿品質(イムホフコーン)
ビール調製及び試験した清澄剤:ラガー、レッドエール、及びIPAを含む3つの異なるビール調製物を異なる酵母を使用して基礎ビールとして調製し、100ppmの用量率で50%の低メトキシペクチンと50%の酵母抽出物との清澄組み合わせについて試験した。
【0073】
曇り測定は、実施例1Aのものと同様の様式で行った。
【0074】
沈殿品質:4℃のビールを100mlマークまで沈殿コーンに注ぎ、4℃で貯蔵し、72時間の期間にわたって24時間ごとに沈殿を視覚的に測定した。
【0075】
図6図8に示されるように、ラガー(図6)、レッドエール(図7)、及びIPA(図8)の間には清澄効率に有意差は存在せず、この清澄剤が、幅広いレシピ及び酵母発酵で作製されたビールを透明にするために使用することができることを実証している。図9に示されるように、試験した全ての種類のビールに対して、アイシングラスと比較して、沈殿の質及び量に有意差は存在しなかった。
【0076】
実施例4
ビール清澄効率に対するカルシウム及びpHの影響
ビール調製及び試験した清澄剤:1つの調製物では、水中0.1Mの塩化カルシウム溶液を使用してカルシウムレベルを調節して、調製物に基づいて40~320ppmのカルシウム濃度を提供したことを除いて、ビール調製及び曇り測定は、実施例1Aのものと同様の様式で行った。別の調製物では、クエン酸などの有機酸を使用して、ビールのpHを3.2から5.4に変更した。
【0077】
結果清澄効率の結果は、清澄に対するカルシウム使用の影響は存在しないことを示唆している(図10を参照されたい)。ビールのpHを3.2~4.2に維持した開示の薬剤の清澄効率について、添加したカルシウムレベルは、清澄効率試験に影響を与えず、ビール中のカルシウムレベルに関係なく、醸造者が清澄剤を自由に使用することを可能にするであろう。しかしながら、pH4.6以上から、ビールの曇りが増加し、清澄剤を含まない対照ビールと同様のレベルに達した(図11)。したがって、最適な清澄効率のために、ビールのpHは、pH3.4~4.2に維持され得る。
【0078】
実施例5
3hLの醸造所のパイロットスケールでのビール清澄効率
ビール調製及び試験した清澄剤:450Lバッチの麦汁を生成し、1.5hLの発酵槽内で3つのバッチに分割した。醸造所の生産から発酵の終わりまで、醸造物を監視した。発酵後、醸造物を合わせ、完全に混合した。110Lの混合したビールを、3つの1.5hLの発酵槽に送り、冷却し、清澄剤を添加した。清澄プロセス中及び最終的な包装まで、醸造物を綿密に監視した。
【0079】
曇り測定は、実施例1Aのものと同様の様式で行った。
【0080】
結果パイロットスケール結果(図12)は、ペクチンと酵母抽出物との組み合わせを有する開示の薬剤の清澄効率が、アイシングラス由来清澄剤と同等であることを示した。さらに、結果は、24時間及び48時間の間一貫しており、清澄剤を含まない対照試料が、最高レベルの濁度または曇りを有していた。
【0081】
好ましい、及び例示的な実施形態に適用される本開示の、不可欠な新規の特徴を図示及び記載してきたが、本開示の精神を逸脱することなく、本開示の形態及び詳細の省略及び置換及び変化が、当業者によりなされることが可能であることが理解されよう。さらに、容易に明らかであるように、多数の修正及び変更は、当業者に容易に想定され得る。例えば、1つ以上の実施形態における任意の特徴(複数可)は、適用可能であり、1つ以上の他の実施形態と組み合わせられ得る。したがって、本開示を、示されかつ記載される厳密な構成及び操作に限定することは望まれず、したがって、全ての好適な修正等価物は、特許請求される本開示の範囲に収まるように復元され得る。言い換えれば、本開示の実施形態は、上の実施例を参照して記載されてきたが、修正及び変形が、本開示の趣旨及び範囲内に包含されることが理解されるであろう。したがって、本発明は、以下の特許請求の範囲によってのみ限定される。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】