(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-24
(54)【発明の名称】検査室自動化システムを動作させるための方法、検査室自動化システム、および検査室インビトロ診断システム
(51)【国際特許分類】
G01N 35/00 20060101AFI20240417BHJP
G01N 35/02 20060101ALI20240417BHJP
【FI】
G01N35/00 A
G01N35/02 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023570052
(86)(22)【出願日】2022-04-28
(85)【翻訳文提出日】2023-11-10
(86)【国際出願番号】 EP2022061347
(87)【国際公開番号】W WO2022238133
(87)【国際公開日】2022-11-17
(32)【優先日】2021-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501205108
【氏名又は名称】エフ ホフマン-ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファルナンデス、ジョセップ
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058CB00
2G058CB15
2G058GB10
2G058GD07
(57)【要約】
本開示は、複数の装置(401)と、搬送システム(404)と、複数の移送装置(402)と、携帯装置と、複数のデータ通信モジュールとを備える検査室自動化システム(407)を動作させるための方法に関する。本方法は、携帯装置において複数の装置(401)についての装置情報を受信することであって、装置情報が、装置識別を示す、装置情報を受信することと、携帯装置において第1のユーザ入力を受け取ることであって、ユーザ入力が、複数の装置(401)からの第1の装置(401)の選択を示す、第1のユーザ入力を受け取ることと、第1のユーザ入力の受け取りに応答して、サンプル前分析およびサンプル分析のうちの少なくとも一方のための第1の装置(401)の動作中のデータ通信のために、第1の装置(401)を搬送システム(404)とペアリングすることと、携帯装置において第1のペアリング情報を提供することであって、第1のペアリング情報が、第1の装置(401)と分配システムとが正常にペアリングされたことを示す、第1のペアリング情報を提供することと、を含む。さらに、検査室自動化システム(407)および検査室インビトロ診断システムが提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査室自動化システム(407)を動作させるための方法であって、前記検査室自動化システム(407)が、
サンプル前分析およびサンプル分析のうちの少なくとも一方のために構成された、検査室エリアに設けられた複数の装置(401)と、
1つまたは複数のサンプル容器を搬送するように構成された複数のキャリアを有し、前記複数の装置(401)に前記複数のキャリアを搬送するように構成された搬送システム(404)と、
それぞれが前記複数の装置(401)のうちの少なくとも1つに割り当てられ、前記搬送システム(404)と少なくとも1つの装置(401)との間で、前記複数のキャリアからのキャリアおよび前記少なくとも1つのキャリアに受け入れられたサンプル容器のうちの少なくとも一方を移送するように構成された複数の移送装置(402)と、
1つまたは複数のデータプロセッサと、画像データを出力するように構成されたディスプレイ(508)およびユーザ入力を受け取るように構成された入力装置を備えるユーザインターフェースとを有する携帯装置(502)と、
無線データ通信用に構成された複数のデータ通信モジュール(506)であって、前記複数のデータ通信モジュール(506)のそれぞれが、前記複数の装置(401)からの装置(401)、前記搬送システム(404)、前記複数の移送装置(402)からの移送装置(402)、および前記携帯装置(502)のうちの少なくとも1つに割り当てられる、複数のデータ通信モジュールと
を備え、
前記方法が、
前記携帯装置(502)において前記複数の装置(401)についての装置情報を受信することであって、前記装置情報(701)が、装置識別を示す、装置情報を受信することと、
前記携帯装置(502)において第1のユーザ入力を受け取ることであって、前記ユーザ入力が、前記複数の装置(401)からの第1の装置(401)の選択を示す、第1のユーザ入力を受け取ることと、
前記第1のユーザ入力の受け取りに応答して、サンプル前分析およびサンプル分析のうちの少なくとも一方のための前記第1の装置(401)の動作中のデータ通信のために、前記第1の装置(401)を前記搬送システム(404)とペアリングすることと、
前記携帯装置(502)において第1のペアリング情報を提供することであって、前記第1のペアリング情報が、前記第1の装置(401)と分配システムとが正常にペアリングされたことを示す、第1のペアリング情報を提供することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記ペアリングすることが、サンプル前分析およびサンプル分析のうちの少なくとも一方のための前記第1の装置(401)の動作中のデータ通信のために、前記第1の装置(401)に割り当てられた第1の移送装置(402)を前記搬送システム(404)とペアリングすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ペアリングすることが、前記第1の装置(401)を前記搬送システム(404)の第1の搬送システムインターフェース(403)とペアリングし、それにより、前記第1の搬送システムインターフェース(403)を前記第1の装置(401)に割り当てることを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ペアリングすることが、サンプル前分析およびサンプル分析のうちの少なくとも一方のための前記第1の装置(401)の動作中のデータ通信のために、前記第1の移送装置(402)を前記第1の搬送システムインターフェース(403)とペアリングすることを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
第1のインターフェース識別を前記第1の搬送システムインターフェース(403)に割り当てることをさらに含み、前記第1のペアリング情報が、前記第1の装置(401)に割り当てられた第1の装置識別および前記第1のインターフェース識別を示す、請求項1から4のうちの少なくとも一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のインターフェース識別を前記第1の搬送システムインターフェース(403)に割り当て、第1の移送装置識別を前記第1の移送装置(401)に割り当てることをさらに含み、前記第1のペアリング情報が、前記第1のインターフェース識別および前記第1の移送装置識別を示す、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記装置情報を受信することが、前記検査室エリア内の装置場所を示す装置情報を受信することを含む、請求項1から6のうちの少なくとも一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のユーザ入力を受け取ることが、
前記検査室エリア内の前記携帯装置(502)のローカル位置を決定することと、
前記複数の装置(401)からの1つまたは複数の装置(401)を示す装置選択メニュー(302、304)を提供することであって、前記1つまたは複数の装置(401)が前記携帯装置(502)の前記ローカル位置の近傍に位置する、装置選択メニュー(302、304)を提供することと、
前記ディスプレイ(508)を介して前記装置選択メニュー(302、304)を出力することと、
前記携帯装置(502)において、前記装置選択メニュー(302、304)に設けられた前記1つまたは複数の装置(401)からの前記第1の装置(401)の選択を示す第1のユーザ入力を受け取ることと
を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のユーザ入力を受け取ることが、
前記装置選択メニュー(302、304)からの前記1つまたは複数の装置(401)とペアリングするために利用可能な1つまたは複数の搬送システムインターフェース(403)を示すインターフェース選択メニューを提供することと、
前記ディスプレイ(508)を介して前記インターフェース選択メニューを出力することと、
前記携帯装置(502)において、前記インターフェース選択メニューに設けられた前記1つまたは複数の搬送システムインターフェース(403)からの前記第1の搬送システムインターフェース(403)の選択を示す第1のインターフェースユーザ入力を受け取ることと
を含む、請求項3を引用する限りにおいて、請求項1から8のうちの少なくとも一項に記載の方法。
【請求項10】
前記装置情報を受信することは、前記携帯装置(502)が前記検査室エリアを移動している間に、装置情報を示し、かつ前記複数の装置(401)によってブロードキャストされた装置信号(507)を受信することを含む、請求項1から9のうちの少なくとも一項に記載の方法。
【請求項11】
前記ディスプレイ(508)を介して検査室レイアウト(504)を出力することであって、前記検査室レイアウト(504)が、前記検査室エリア内の前記複数の装置(401)および前記搬送システム(404)の配置を示す、検査室レイアウト(504)を出力することをさらに含む、請求項1から10のうちの少なくとも一項に記載の方法。
【請求項12】
前記出力することが、前記複数の装置(401)からの1つまたは複数のペアリングされた装置(401)が前記搬送システム(404)と正常にペアリングされたことを示す第1のマーキング情報(601、602)を有する前記検査室レイアウト(504)を出力することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記携帯装置(502)においてプロトコル情報を提供することであって、前記プロトコル情報が1つまたは複数のペアリングされた装置(401)を示す、プロトコル情報を提供することと、
前記携帯装置(502)において受け取られたユーザ確認入力に応答して、前記プロトコル情報を中央バックエンド装置に送信することと
をさらに含む、請求項1から12のうちの少なくとも一項に記載の方法。
【請求項14】
検査室自動化システム(407)であって、
サンプル前分析およびサンプル分析のうちの少なくとも一方のために構成された、検査室エリアに設けられた複数の装置(401)と、
1つまたは複数のサンプル容器を搬送するように構成された複数のキャリアを有し、前記複数の装置(401)に前記複数のキャリアを搬送するように構成された搬送システム(404)と、
それぞれが前記複数の装置(401)のうちの少なくとも1つに割り当てられ、前記搬送システム(404)と少なくとも1つの装置との間で、前記複数のキャリアからのキャリアおよび前記少なくとも1つのキャリアに受け入れられたサンプル容器のうちの少なくとも一方を移送するように構成された複数の移送装置(402)と、
1つまたは複数のデータプロセッサと、画像データを出力するように構成されたディスプレイ(508)およびユーザ入力を受け取るように構成された入力装置を備えるユーザインターフェースとを有する携帯装置(502)と、
無線データ通信用に構成された複数のデータ通信モジュール(506)であって、前記複数のデータ通信モジュール(506)のそれぞれが、前記複数の装置(401)からの装置(401)、前記搬送システム(404)、前記複数の移送装置(402)からの移送装置(402)、および前記携帯装置(502)のうちの少なくとも1つに割り当てられる、複数のデータ通信モジュールと
を備え、
前記検査室自動化システム(407)が、
前記携帯装置(502)において前記複数の装置(401)についての装置情報を受信することであって、前記装置情報(701)が、装置識別を示す、装置情報を受信することと、
前記携帯装置(502)において第1のユーザ入力を受け取ることであって、前記ユーザ入力が、前記複数の装置(401)からの第1の装置(401)の選択を示す、受け取ることと、
前記第1のユーザ入力の受け取りに応答して、サンプル前分析およびサンプル分析のうちの少なくとも一方のための前記第1の装置(401)の動作中のデータ通信のために、前記第1の装置(401)を前記搬送システム(404)とペアリングすることと、
前記携帯装置(502)において第1のペアリング情報を提供することであって、前記第1のペアリング情報が、前記第1の装置(401)と分配システムとが正常にペアリングされたことを示す、第1のペアリング情報を提供することと
を行うように構成されている、検査室自動化システム。
【請求項15】
請求項14に記載の検査室自動化システム(407)を備える、検査室インビトロ診断システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、検査室自動化システムを動作させるための方法に関する。さらに、本開示は、検査室自動化システムおよび検査室インビトロ診断システムに関する。
【背景技術】
【0002】
検査室自動化システムは、特に、サンプル、例えば体液のサンプルを本質的に自動的に決定するために適用される。サンプルは、典型的には、検査室自動化システムを介して処理されるサンプル容器または容器に受け入れられる。
【0003】
そのような検査室自動化システムは、いくつかのユニットを備え得る。検査室自動化システムは、通常、例えば、前分析、分析および/または後分析ステーションなどのいくつかの検査室ステーションを備える。典型的には、容器は、サンプル分配システムを介してシステムの異なるステーション間で搬送される。サンプル容器は、処理のための処理ラインに沿って移動され得、サンプル容器および/またはサンプル容器キャリアは、1つまたは複数のアクチュエータおよびアクチュエータ駆動装置またはアクチュエータを駆動するための駆動装置を有する搬送装置によって移動される。例えば、サンプル容器は、システム内の処理ラインに設けられた第1の作業ステーションから第2の作業ステーションに移動または再配置され得る。作業ステーションはまた、作業場所と称されることがある。
【0004】
例えば、国際公開第2011/138448号の文献は、容器が容器キャリアに収容される、異なるステーション間で容器を搬送するためのシステムに関する。システムは、容器キャリアの搬送を制御する制御ユニットと、サブ表面に細分され、その上に容器キャリアが移動可能に配置され得る搬送面と、駆動手段とを備え、駆動手段は、制御ユニットによって作動され、各場合に1つの駆動手段が各場合に1つのサブ表面に割り当てられ、各場合の駆動手段は、関連する容器キャリアに駆動力を提供するように設計される。
【0005】
検査室自動化システムはまた、サンプル品目を移送するための少なくとも1つの移送装置を含み得、サンプル品目は、搬送平面と検査室ステーションとの間の容器キャリア、サンプル容器、サンプルの一部および/または完全なサンプルであり得る。
【0006】
新たな検査室システムを設置する場合、搬送管理システムとシステムのいくつかのユニットとの間のセキュアな接続が必要とされる。新たな検査室システムが組み立てられた後、搬送管理システムには、システムの複数のユニットとの信頼された接続が提供され得る。しかしながら、搬送管理システムは、ユニット間の相互関係を認識していない場合がある。したがって、例えば、システムの装置は、例えばユーザによって、移送システムおよび/または搬送システムインターフェースにリンクされるべきである。いくつかのユニット間の適切なリンクを確立するために、各ユニットの識別が必要である。通常、これは、手動で、または各ユニットの写真(識別)を撮ることによって行われ、これは、効率的でもユーザフレンドリでもなく、またエラーが発生しやすく、誤った識別および検査室の設置の遅延により深刻な構成問題を引き起こすことがある。
【0007】
米国特許出願公開第2016/0321421号明細書は、ポイントオブケア(POC)分析装置の構成管理のためのワークフローソリューションを提供するPOC検査システムおよびPOC検査システムの構成方法を開示している。POCシステムおよび方法は、POC分析装置の効率的な交換を可能にし、例えば病院内でのPOC分析装置の追跡可能な再配置を可能にする便利な支援されたワークフローを提供する。
【0008】
国際公開第2019/115465号には、医療装置のシステムが開示されている。本システムは、医療装置データ管理システムと、医療装置データ管理システムに通信可能に接続された複数の医療装置と、各医療装置が、生体物質の1つまたは複数のサンプルを分析し、医療装置の動作状態に関する情報を医療装置データ管理システムに通信するように動作可能である、複数の医療装置と、複数の携帯電子装置であって、それぞれがオペレータによって携帯されるように動作可能であり、それぞれが医療装置データ管理システムに通信可能に接続可能であり、それぞれの医療装置の動作状態を示す情報を医療装置データ管理システムから受信し、医療装置のうちの1つまたは複数の選択されたものに関して受信した情報を表示するように構成された複数の携帯電子装置と、を備える。
【0009】
米国特許出願公開第2012/233679号明細書は、無線分析装置とターゲットネットワーク(例えば、LISおよび/またはHISに接続された病院ネットワーク)との間のセキュアな無線通信を開始および維持するためのシステムおよび方法について言及している。この文献の開示は、オペレータまたはユーザが無線分析装置上で、または無線分析装置を介して手動開始ステップに関与する必要なしに、Wi-Fiネットワークを用いて無線分析装置をセキュアにネットワーク接続するためのプロセスおよびシステムを提供する。
【0010】
米国特許出願公開第2021/0123935号明細書の文献は、自動分析システムを開示している。自動分析システムにおいて、タブレット端末は、端末情報管理ユニットと端末表示ユニットとを有する。端末情報管理ユニットは、装置の状ステータスを示す装置情報を自動分析装置から取得し、自動分析装置の装置ステータスを示すステータス確認画面を生成する。端末表示ユニットは、ステータス確認画面を表示する。ステータス確認画面には、1つの自動分析装置の装置ステータスを示すステータス情報画面と、他の自動分析装置に対応するステータス情報画面に切り替えるための装置切替ボタンとが設けられている。端末情報管理ユニットは、切替ボタンが選択されると、選択された切替ボタンに対応する自動分析装置のステータス確認画面を生成し、表示ユニットに表示する。
【0011】
国際公開第2014/189706号は、場所への近接度に基づいてモバイルワークスペースのコンテキストを使用してコンピューティング装置を構成するための方法およびシステムについて言及している。モバイルコンピューティング装置は、装置が、ある場所、別の装置、または企業システムに関連付けられた個人に近接していることを決定する。次いで、モバイルコンピューティング装置は、1つまたは複数の特定の無線ネットワーク、企業アプリケーション、および/または文書など、場所、装置、または個人に関連付けられたモバイルワークスペースのコンテキストを受信し、受信したモバイルワークスペースのコンテキストに基づいて装置を構成し得る。複数の装置間で装置能力のセットを送信および受信し、通信セッションを確立し、装置間で様々な能力を共有するための追加の方法およびシステムが記載される。
【0012】
米国特許出願公開第2013/232425号明細書には、分析装置の機能へのアクセス制御を提供するためのコンピュータ実装方法が開示されている。ユーザのログインデータは、第1のデータ入力端末から受信される。第1のデータ入力端末の位置を記述する情報が取得される。第1のデータ入力端末の位置が分析装置の物理的動作(PO)エリア内にあるかどうかが決定される。第1のデータ入力端末の位置がPOエリア内にあると決定された場合、ユーザ起動可能位置検知(PS)GUI要素が第1のデータ入力端末上に表示される。起動可能PS GUI要素は、起動時に機能の実行をトリガする。機能の実行は、分析装置による物理的動作の実行を含む。そうでなければ、ユーザ起動可能PS GUI要素の表示は、禁止されるか、または機能を示す起動不可能PS GUI要素が表示される。
【発明の概要】
【0013】
本開示の目的は、検査室自動化システムを動作させるための改善された技術を提供することである。特に、本開示の目的は、検査室自動化システムを効率的且つ柔軟に設置するための改善された技術を提供することである。
【0014】
この問題を解決するために、独立請求項1に記載の検査室自動化システムを動作させるための方法が提供される。さらに、独立請求項14に記載の検査室自動化システムが提供される。さらに、独立請求項15に記載の検査室インビトロ診断システムが提供される。さらなる実施形態は、従属請求項に開示されている。
【0015】
一態様によれば、検査室自動化システムを動作させるための方法が提供される。検査室自動化システムは、サンプル前分析およびサンプル分析のうちの少なくとも一方のために構成された、検査室エリアに設けられた複数の装置と、1つまたは複数のサンプル容器を搬送するように構成された複数のキャリアを有し、複数の装置に複数のキャリアを搬送するように構成された搬送システムと、それぞれが複数の装置のうちの少なくとも1つに割り当てられ、搬送システムと少なくとも1つの装置との間で、複数のキャリアからのキャリアおよび少なくとも1つのキャリアに受け入れられたサンプル容器のうちの少なくとも一方を移送するように構成された複数の移送装置と、1つまたは複数のデータプロセッサと、画像データを出力するように構成されたディスプレイおよびユーザ入力を受け入れるように構成された入力装置を備えるユーザインターフェースとを有する携帯装置と、無線データ通信用に構成された複数のデータ通信モジュールであって、複数のデータ通信モジュールのそれぞれが、複数の装置からの装置、搬送システム、複数の移送装置からの移送装置、および携帯装置のうちの少なくとも1つに割り当てられる、複数のデータ通信モジュールと、を備える。本方法は、携帯装置において複数の装置についての装置情報を受信することであって、装置情報が装置識別を示す、装置情報を受信することと、携帯装置において第1のユーザ入力を受け取ることであって、ユーザ入力が、複数の装置からの第1の装置の選択を示す、第1のユーザ入力を受け取ることと、第1のユーザ入力の受け取りに応答して、サンプル前分析およびサンプル分析のうちの少なくとも一方のための第1の装置の動作中のデータ通信のために、第1の装置を搬送システムとペアリングすることと、携帯装置において第1のペアリング情報を提供することであって、第1のペアリング情報が、第1の装置と分配システムとが正常にペアリングされたことを示す、第1のペアリング情報を提供することと、を含む。
【0016】
別の態様によれば、サンプル前分析およびサンプル分析のうちの少なくとも一方のために構成された、検査室エリアに設けられた複数の装置と、1つまたは複数のサンプル容器を搬送するように構成された複数のキャリアを有し、複数の装置に複数のキャリアを搬送するように構成された搬送システムと、それぞれが複数の装置のうちの少なくとも1つに割り当てられ、搬送システムと少なくとも1つの装置との間で、複数のキャリアからのキャリアおよび少なくとも1つのキャリアに受け入れられたサンプル容器のうちの少なくとも一方を移送するように構成された複数の移送装置と、1つまたは複数のデータプロセッサと、画像データを出力するように構成されたディスプレイおよびユーザ入力を受け入れるように構成された入力装置を備えるユーザインターフェースとを有する携帯装置と、無線データ通信用に構成された複数のデータ通信モジュールであって、複数のデータ通信モジュールのそれぞれが、複数の装置からの装置、搬送システム、複数の移送装置からの移送装置、および携帯装置のうちの少なくとも1つに割り当てられる、複数のデータ通信モジュールと、を備える、検査室自動化システムが提供される。検査室自動化システムは、携帯装置において複数の装置についての装置情報を受信することであって、装置情報が装置識別を示す、装置情報を受信することと、携帯装置において第1のユーザ入力を受け取ることであって、ユーザ入力が、複数の装置からの第1の装置の選択を示す、第1のユーザ入力を受け取ることと、第1のユーザ入力の受け取りに応答して、サンプル前分析およびサンプル分析のうちの少なくとも一方のための第1の装置の動作中のデータ通信のために、第1の装置を搬送システムとペアリングすることと、携帯装置において第1のペアリング情報を提供することであって、第1のペアリング情報が、第1の装置と分配システムとが正常にペアリングされたことを示す、第1のペアリング情報を提供することと、を行うように構成される。
【0017】
さらに別の態様によれば、この検査室自動化システムを備える検査室インビトロ診断システムが提供される。
【0018】
搬送システムには、それぞれがモジュール搬送面を有する複数の搬送モジュールが設けられ得る。駆動装置は、(モジュール)搬送面上で(サンプル容器)キャリアを移動させるように構成され得る。搬送面は、搬送モジュールの配置の搬送モジュールのモジュール搬送面によって形成され得る。制御装置は、駆動装置の動作を制御するように構成され得る。各搬送モジュールには、モジュールIDが割り当てられ得る。搬送システムは、搬送管理システムによって管理され得る。
【0019】
携帯装置のディスプレイには、出力装置が設けられ得る。出力装置は、画面、特にタッチスクリーンをさらに含み得る。画面は、ディスプレイであり得る。代替的または追加的に、出力装置は、スピーカを備えてもよい。入力装置は、タッチスクリーン、キーボード、マイクロフォン(音声認識付き)、ジョイスティック、ボタン、および/または調整ホイールを含み得る。携帯装置は、ポータブルコンピュータであってもよい。特に、携帯装置は、タブレットまたはスマートフォンであってもよい。第1のペアリング情報は、ユーザ情報に対して出力され得る。第1のペアリング情報は、出力装置を介して出力され得る。
【0020】
装置のペアリングは、データ通信のために装置またはモジュールをリンクまたは接続するための情報登録の形態である。したがって、装置のペアリングは、「データ通信のための割り当て」と呼ばれることもある。装置間で装置情報(ペアリング)を登録することにより、装置またはモジュールは、無線および有線データ通信のうちの少なくとも1つを使用してデータ通信のために接続し得る。
【0021】
そのような機能的または動作的割り当てによって、複数の装置のうちの少なくとも1つに割り当てられたまたは関連付けられた移送装置は、搬送システムと少なくとも1つの装置との間で、複数のキャリアからのキャリアおよび少なくとも1つのキャリア内に受け入れられたサンプル容器のうちの少なくとも一方を移送することを提供する。
【0022】
携帯装置は、ユーザまたはロボットによって携帯されてもよい。携帯装置は、遠隔操作されてもよい。
【0023】
ペアリングすることは、ペアリングすることが、サンプル前分析およびサンプル分析のうちの少なくとも一方のための第1の装置の動作中のデータ通信のために、第1の装置に割り当てられたまたは第1の装置を備える第1の移送装置を搬送システムとペアリングすることを含み得る。そのようなペアリングによって、第1の移送装置には、搬送システムの第1の場所が割り当てられ得る(「場所の割り当て」)。搬送システムの第1の場所は、第1の移送装置/第1の装置の反対側に配置されてもよい。搬送システムの第1の場所は、搬送システム内の第1の搬送モジュールの場所であってもよい。第1の搬送モジュールは、第1のモジュールIDを有してもよく、または第1のモジュールIDが割り当てられてもよい。第1のペアリング情報は、第1の移送装置識別(移送-装置ID)および第1の搬送モジュール識別(モジュールID)を示し得る。第1のペアリング情報は、第1の装置識別(装置ID)および第1の搬送モジュール識別(モジュールID)を示し得る。
【0024】
複数の装置からの第1の装置は、第1の移送装置を備えてもよい。第1の移送装置は、第1の装置の固有の構成要素であってもよい。この場合、第1の移送装置識別(移送装置ID)と第1の装置識別(装置ID)とは、互いに等しいか、または互いに導出可能であってもよい。第1の装置および第1の移送装置は、互いに本質的に割り当てられてもよい。
【0025】
ペアリングすることは、第1の装置を搬送システムの第1の搬送システムインターフェースとペアリングし、それにより、第1の搬送システムインターフェースを第1の装置に割り当てることを含み得る。
【0026】
ペアリングすることは、サンプル前分析およびサンプル分析のうちの少なくとも一方のための第1の装置の動作中のデータ通信のために、第1の移送装置を第1の搬送システムインターフェースとペアリングすることを含み得る。
【0027】
ペアリングすることは、第1の搬送システムインターフェースを搬送システムとペアリングし、それにより、例えば、第1の搬送システムインターフェースを搬送システムの第1の場所に割り当てることをさらに含み得る。
【0028】
本方法は、第1のインターフェース識別を第1の搬送システムインターフェースに割り当てることをさらに含み得、第1のペアリング情報が、第1の装置に割り当てられた第1の装置識別および第1のインターフェース識別を示す。そのような割り当てによって、第1の装置識別は、検査室自動化システム内の第1の装置を識別するために提供される。また、第1のインターフェース識別を第1の搬送システムインターフェースに割り当てることによって、第1の搬送システムインターフェースが検査室自動化システムにおいて識別され得る。そのような実施形態または代替の実施形態に関して、1つまたは複数の識別を示す識別データは、検査室自動化システムのメモリに記憶されてもよい。
【0029】
本方法は、第1のインターフェース識別を第1の搬送システムインターフェースに割り当て、第1の移送装置識別を第1の移送装置に割り当てることをさらに含み得、第1のペアリング情報は、第1のインターフェース識別および第1の移送装置識別を示す。
【0030】
一般に、検査室自動化システムは、複数のシステムユニットまたはシステム要素を備える。ユニットまたは要素は、例えば、装置、移送装置、搬送システムインターフェース、および搬送システム(のセクション/モジュール)のうちの少なくとも1つであってもよい。各ユニットには個別のIDが割り当てられていてもよく、それにより、少なくとも検査室自動化システムにおいてユニットまたは要素についての固有の識別子を提供する。ペアリングすることは、第1のユニットと第2のユニットとの間の通信リンクを確立するために、第1のユニットを第1のユニットとは異なる第2のユニットとペアリングすることを含み得る。
【0031】
ペアリングすることは、データ通信のために、第1のユニットを第2のユニットに割り当てるように第1のユニットを第1のユニットとは異なる第2のユニットとペアリングすることを含み得る。第1のユニットおよび第2のユニットは、第1の操作ユニットに対応し得る。第1の操作ユニットは、第1の装置、第1の移送装置、第1の搬送システムインターフェース、第1の搬送モジュール、および/または搬送システムの第1のセクションを含み得る。搬送システムの第1のセクションは、第1の装置、第1の移送装置、および/または第1の搬送システムインターフェースの反対側に配置された搬送システムまたは搬送システムの一部であり得る。
【0032】
装置情報を受信することは、検査室エリア内の装置場所を示す装置情報を受信することを含み得る。例えば、第1の装置情報は、検査室システム内の第1の装置の第1の場所を示し得る。例えば、検査室自動化システムには、座標系が割り当てられ得る。装置場所は、座標系の座標によって決定され得る。
【0033】
検査室自動化システムの装置またはいくつかの他のユニット/要素は、それ自体でその位置を決定し得、その位置を示す場所情報をブロードキャストし得る。あるいは、検査室自動化システムの装置または他のユニット/要素は、所定の信号を送信してもよい。所定の信号および三辺測量法を介して、装置の位置は、外部で決定されてもよく、携帯装置に提供されてもよい。計算は、搬送管理システムによって実行されてもよい。三辺測量法の場合、所定の信号の3つの受信機が設けられ得る。受信機を介して、少なくとも1つのユニットと受信機との間の距離が決定され得る。しかしながら、3つよりも多くの受信機が設けられてもよい。
【0034】
第1のユーザ入力を受け取ることは、検査室エリア内の携帯装置のローカル位置を決定することと、複数の装置からの1つまたは複数の装置を示す装置選択メニューを提供することであって、1つまたは複数の装置が携帯装置のローカル位置の近傍に位置する、装置選択メニューを提供することと、ディスプレイを介して装置選択メニューを出力することと、携帯装置において、装置選択メニューに設けられた1つまたは複数の装置からの第1の装置の選択を示す第1のユーザ入力を受け取ることと、を含み得る。
【0035】
携帯装置のローカル位置は、三辺測量(例えば、GPSを介して)および/または三角測量によって決定され得る。代替的または追加的に、第1のユーザ入力を受け取ることは、複数の装置からブロードキャストされた(予め定義された)信号を決定することと、複数の装置からの1つまたは複数の装置を示す装置選択メニューを提供することであって、1つまたは複数の装置が閾値Aよりも大きい決定された信号強度を有する、装置選択メニューを提供することと、ディスプレイを介して装置選択メニューを出力することと、携帯装置において、装置選択メニューに設けられた1つまたは複数の装置からの第1の装置の選択を示す第1のユーザ入力を受け取ることと、を含み得る。
【0036】
装置選択メニューは、複数の装置からの単一の装置のみを含み得る。単一の装置は、携帯装置に最も近い装置であってもよい。単一の装置は、複数の装置からブロードキャストされた複数の信号から最も強い決定された信号に対応してもよい。単一の装置は、携帯装置の場所までの距離が最も小さい、すなわち、装置位置と携帯装置位置との差の絶対値が最も小さい、複数の装置からの装置であってもよい。
【0037】
携帯装置のローカル位置の近傍に位置する1つまたは複数の装置は、携帯装置のローカル位置の周囲の限定されたエリア、例えば、携帯装置が位置する中心の半径によって画定される円/球内に位置する装置であってもよい。
【0038】
装置選択メニューは、装置を(例えば、装置IDの形態で)順序付けられた方法で、例えば表で提供され得る。順序は、装置の携帯装置までの距離(昇順または降順)、および携帯装置において受信されたブロードキャストされた信号の信号強度のうちの1つに対応し得る。既にリンクされている/ペアリングされている装置は、装置選択メニューにマークされるか、または表示するのが防止され得る。
【0039】
検査室エリア内の携帯装置のローカル位置は、複数回決定されてもよい。検査室エリア内の携帯装置のローカル位置は、定期的に、例えば定期的な(時間)間隔で決定されてもよい。このようにして、携帯装置が検査室エリア内を移動している間に、携帯装置のローカル位置が追跡され得る。
【0040】
第1のユーザ入力を受け取ることは、装置選択メニューからの1つまたは複数の装置とペアリングするために利用可能な1つまたは複数の搬送システムインターフェースを示すインターフェース選択メニューを提供することと、ディスプレイを介してインターフェース選択メニューを出力することと、携帯装置において、インターフェース選択メニューに設けられた1つまたは複数の搬送システムインターフェースから第1の搬送システムインターフェースの選択を示す第1のインターフェースユーザ入力を受け取ることと、を含み得る。
【0041】
代替的または追加的に、第1のユーザ入力を受け取ることは、検査室エリア内の携帯装置のローカル位置を決定することと、複数の搬送システムインターフェースからの1つまたは複数の搬送システムインターフェースを示すインターフェース選択メニューを提供することであって、1つまたは複数の搬送システムインターフェースが、携帯装置のローカル位置の近傍に配置される、インターフェース選択メニューを提供することと、ディスプレイを介してインターフェース選択メニューを出力することと、携帯装置において、インターフェース選択メニューに設けられた1つまたは複数の搬送システムインターフェースからの第1の搬送システムインターフェースの選択を示す第1のユーザ入力を受け取ることと、を含んでもよい。
【0042】
別の例では、第1のユーザ入力を受け取ることは、複数の搬送システムインターフェースからブロードキャストされた信号を決定することと、複数の搬送システムインターフェースからの1つまたは複数の搬送システムインターフェースを示すインターフェース選択メニューを提供することであって、1つまたは複数の搬送システムインターフェースが、閾値Bよりも大きい決定された信号強度を有する、インターフェース選択メニューを提供することと、ディスプレイを介してインターフェース選択メニューを出力することと、携帯装置において、インターフェース選択メニューに設けられた1つまたは複数の搬送システムインターフェースからの第1の搬送システムインターフェースの選択を示す第1のユーザ入力を受け取ることと、を含んでもよい。
【0043】
インターフェース選択メニューは、例では、1つまたは複数の装置に最も近いと決定された搬送システムインターフェースであり得る単一の搬送システムインターフェースのみを含むかまたは示し得る。単一の搬送システムインターフェースは、複数の搬送システムインターフェースからブロードキャストされた複数の信号から最も強い決定された信号に対応してもよい。単一の搬送システムインターフェースは、携帯装置の場所までの距離が最も小さい、すなわち、搬送システムインターフェース位置と携帯装置位置との間の差の絶対値が最も小さい、複数の搬送システムインターフェースからの搬送システムインターフェースであってもよい。単一の搬送システムインターフェースは、装置選択メニューを介して選択された装置に割り当てられた搬送システムインターフェースであってもよい。
【0044】
携帯装置のローカル位置の近傍に配置された1つまたは複数の搬送システムインターフェースは、携帯装置のローカル位置の周囲の限定されたエリアに配置された搬送システムインターフェースであってもよい。
【0045】
インターフェース選択メニューは、1つまたは複数の搬送システムインターフェースを順序付けられた方法で、例えば表で提供され得る。順序は、1つまたは複数の搬送システムインターフェースの携帯装置までの距離(昇順または降順)に対応し得る。既にリンクされている/ペアリングされている搬送システムインターフェースは、インターフェース選択メニューにマークされるか、または表示されなくてもよい。
【0046】
第1のユーザ入力を受け取ることは、装置選択メニューからの1つまたは複数の装置および/またはインターフェース選択メニューからの1つまたは複数の搬送システムインターフェースとのペアリングに利用可能な1つまたは複数の移送装置を示す移送装置選択メニューを提供することと、ディスプレイを介して移送装置選択メニューを出力することと、携帯装置において、移送装置選択メニューに設けられた1つまたは複数の移送装置からの第1の移送装置の選択を示す第1の移送装置ユーザ入力を受け取ることと、を含み得る。
【0047】
代替的または追加的に、第1のユーザ入力を受け取ることは、検査室エリア内の携帯装置のローカル位置を決定することと、複数の移送装置からの1つまたは複数の移送装置を示す移送装置選択メニューを提供することであって、1つまたは複数の移送装置が携帯装置のローカル位置の近傍に配置されている、移送装置選択メニューを提供することと、ディスプレイを介して移送装置選択メニューを出力することと、携帯装置において、移送装置選択メニューに設けられた1つまたは複数の移送装置から、第1の移送装置の選択を示す第1のユーザ入力を受け取ることと、を含んでもよい。
【0048】
代替的または追加的に、第1のユーザ入力を受け取ることは、複数の移送装置からブロードキャストされた信号を決定することと、複数の移送装置からの1つまたは複数の移送装置を示す移送装置選択メニューを提供することであって、1つまたは複数の移送装置が閾値Cよりも大きい決定された信号強度を有する、移送装置選択メニューを提供することと、ディスプレイを介して移送装置選択メニューを出力することと、携帯装置において、移送装置選択メニューに設けられた1つまたは複数の移送装置からの第1の移送装置の選択を示す第1のユーザ入力を受け取ることと、を含んでもよい。
【0049】
移送装置選択メニューは、単一の移送装置のみを含み得る。単一の移送装置は、最も近い移送装置であってもよい。単一の移送装置は、複数の移送装置からブロードキャストされた複数の信号から最も強い決定された信号に対応してもよい。単一の移送装置は、携帯装置の場所までの距離が最も小さい、すなわち、移送装置位置と携帯装置位置との間の差の絶対値が最も小さい複数の移送装置からの移送装置であってもよい。単一の移送装置は、装置選択メニューを介して選択された装置および/またはインターフェース選択メニューを介して選択された搬送システムインターフェースに割り当てられた移送装置であってもよい。
【0050】
携帯装置のローカル位置の近傍に配置された1つまたは複数の移送装置は、携帯装置のローカル位置の周囲の限定されたエリアに配置された移送装置であってもよい。
【0051】
移送装置選択メニューは、1つまたは複数の移送装置を順序付けられた方法で、例えば表で提供され得る。順序は、1つまたは複数の移送装置の携帯装置までの距離(昇順または降順)に対応し得る。既にリンクされている/ペアリングされている移送装置は、移送装置選択メニューにマークされるか、または表示されなくてもよい。
【0052】
グローバル選択メニューは、装置選択メニュー、インターフェース選択メニュー、および移送装置選択メニューのうちの少なくとも1つを含み得る。選択メニューのうちの少なくとも1つは、ユーザがペアリングすべき少なくとも2つのユニットを選択し得るように提供され得る。
【0053】
ペアリング情報は、このように選択された第1の装置、第1の移送装置、および/または第1の搬送システムインターフェースを示し得る。
【0054】
装置情報を受信することは、携帯装置が検査室エリアを移動している間に、装置情報を示し、かつ複数の装置によってブロードキャストされた装置信号を受信することを含み得る。装置情報を受信することは、移送装置信号および/または搬送システムインターフェース信号を受信することを含み得る。
【0055】
システムユニットまたは装置などの要素によってブロードキャストされた信号は、範囲が制限され得る。携帯装置を検査室エリア内で移動させることにより、装置情報などのシステムユニット情報が、(対応する個々の信号が受信され得るか否かに応じて)段階的に受信され得る。
【0056】
本方法は、ディスプレイを介して検査室レイアウトを出力することであって、検査室レイアウトが、検査室エリア内の複数の装置および搬送システムの配置を示す、検査室レイアウトを出力することをさらに含み得る。検査室レイアウトは、検査室のマップに対応し得る。検査室レイアウトは、検査室エリア内の複数のユニットの配置を示し得る。
【0057】
選択メニューのうちの少なくとも1つは、検査室レイアウトと結合され得る。選択メニューのうちの少なくとも1つおよび検査室レイアウトは、ディスプレイに同時に表示されてもよい。少なくとも1つのユニットIDは、例えば対応するユニットの位置において、検査室レイアウトに(視覚的に)提示されてもよい。ユーザは、(例えば、ユニットIDをタップすることによって)ディスプレイに提示された少なくとも1つのユニットIDを(視覚的に)選択し得る。(例えば、タップすることによって)2つの異なるユニットを選択することにより、ユーザは、これら2つのユニットをペアリングすることを選択し得る。
【0058】
出力することは、複数の装置からの1つまたは複数のペアリングされていないユニット(例えば、装置)を示す第2のマーキング情報を有する検査室レイアウトを出力することを含み得る。第2のマーキング情報は、検査室レイアウト上のディスプレイ上に視覚的にオーバーレイされてもよい。第2のマーキング情報は、1つまたは複数の第2のマーカーを含み得る。1つまたは複数の第2のマーカーの各第2のマーカーは、1つのペアリングされていないユニット、例えば、1つのペアリングされていない装置などの対応するメニューのペアリングされていないユニットのうちの1つに対応し得る。特定の第2のマーカーは、特定のペアリングされていないシステムユニットまたは要素(例えば、装置)に対応し得る。特定の第2のマーカーは、出力検査室レイアウト内の対応する特定のペアリングされていないシステムユニットまたは要素(例えば、装置)の位置に配置されてもよい。第2のマーカーは、矢印であってもよい。第2のマーカーは、二次元形態であってもよい。第2のマーカーの形態は、出力検査室レイアウトにおける対応するペアリングされていないユニット(例えば、装置)の形態に対応し得る。特に、第2のマーカーの形態は、出力検査室レイアウト内の対応するペアリングされていないユニット(例えば、装置)の形態と等しくてもよい。第2のマーカーは、着色されていてもよい。第2のマーカーは、半透明であってもよい。第2のマーカーは、記号および/またはピクトグラム、特にレ点を含み得る。第2のマーカーは、対応するペアリングされていないシステムユニットまたは要素(例えば、装置)のユニットIDを含み得る。第2のマーカーの色は、ユニットタイプ(装置、移送装置、搬送システムインターフェース、搬送モジュール、搬送システム)を示し得る。特に、選択されたシステムユニットまたは要素(例えば、メニューのうちの少なくとも1つのペアリングされていないユニット)の第2のマーカーは、記号および/またはピクトグラム、特にレ点を含み得る。
【0059】
出力することは、複数の装置からの1つまたは複数のペアリングされた装置が搬送システムと正常にペアリングされたことを示す第1のマーキング情報を有する検査室レイアウトを出力することを含み得る。
【0060】
正常にペアリングされたシステムユニットまたは要素のIDは、その出力が行われなくてもよい(例えば、ディスプレイに表示されなくてもよい)。1つまたは複数のペアリングされた装置の装置IDは、出力されなくてもよい(例えば、ディスプレイに表示されなくてもよい)。第1のマーキング情報は、検査室レイアウト上のディスプレイ上に視覚的にオーバーレイされてもよい。第1のマーキング情報は、1つまたは複数の第1のマーカーを含んでもよい。1つまたは複数の第1のマーカーの各第1のマーカーは、1つのペアリングされたユニット、特に1つのペアリングされた装置に対応し得る。特定の第1のマーカーは、特定のペアリングされたユニット(例えば、装置)に対応し得る。特定の第1のマーカーは、出力検査室レイアウト内の対応する特定のペアリングされたユニット(例えば、装置)の位置に配置されてもよい。第1のマーカーは、矢印であってもよい。第1のマーカーは、二次元形態であってもよい。第1のマーカーの形態は、出力検査室レイアウトにおける対応するペアリングされたユニット(例えば、装置)の形態に対応し得る。特に、第1のマーカーの形態は、出力検査室レイアウト内の対応するペアリングされたユニット(例えば、装置)の形態と等しくてもよい。第1のマーカーは、着色されていてもよい。第1のマーカーは、半透明であってもよい。第1のマーカーは、記号および/またはピクトグラム、特にレ点を含み得る。隣接する第1のマーカーは、組み合わされた第1のマーカーに組み合わされてもよい。全てまたは少なくとも2つの第1のマーカーが同じ色を有してもよい。
【0061】
マーカーは、何が既に行われている(ペアリングされている)のか、および何が(進捗バーと同様に)まだ行われる必要があるのかをユーザが知るのを助けることができる。
【0062】
本方法は、(i)1つまたは複数のペアリングされた装置を示すプロトコル情報を携帯装置に提供することと、(ii)携帯装置において受け取られたユーザ確認入力に応答して、中央バックエンド装置においてプロトコル情報を送信することと、をさらに含み得る。
【0063】
中央バックエンド装置は、搬送管理システムを備えてもよく、または搬送管理システムに対応してもよい。送信することは、全ての装置がペアリングされている場合にのみ許可され得る。あるいは、送信することは、特に新たな装置がペアリングされたときにいつでも許可されてもよい。送信することは、自動的に、またはユーザ入力に応答して実行されてもよい。プロトコル情報は、装置識別(装置ID)、インターフェース識別(インターフェースID)、移送装置識別(移送装置ID)、および/または搬送モジュール識別(モジュールID)を示し得る。プロトコル情報は、どのユニットが互いにペアリング/リンクされているか、および/またはどのユニットが互いに割り当てられているかを示し得る。プロトコル情報は、装置識別(装置ID)、インターフェース識別(インターフェースID)、移送装置識別(移送装置ID)、および/または搬送モジュール識別(モジュールID)を含むグループを示し得る。1つのグループのIDは、互いにペアリングされた/リンクされた/割り当てられたユニットに対応し得る。各グループは、1つの装置に対応し得る。プロトコル情報は、ペアリングされたユニットの総数と比較した、既にペアリングされたユニットのパーセンテージを示し得る(%での進捗)。
【0064】
本方法は、携帯装置上のソフトウェアを介して実行され得る。ソフトウェアソリューションは、アプリ、ウェブインターフェース、および/または任意の他のタイプのソフトウェアソリューションの形態であり得る。携帯装置は、ナビゲーションツールを含み得る。ユーザは、携帯装置によって検査室内をナビゲートし得る。ナビゲーションは、ナビゲーションツールおよび検査室レイアウトに基づいてもよい。第1の装置を搬送システムとペアリングすることは、キャリアがどこに送達されるべきかを示す情報を、例えば搬送装置または搬送管理システムに提供することを含み得る。携帯装置を介して、検査室レイアウトの変更が実行され得る。
【0065】
したがって、検査室自動化システムを動作させるための方法に関して上述した実施形態は、検査室自動化システムおよび/または検査室インビトロ診断システムのために提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0066】
以下において、実施形態は、例として、図を参照して説明される。
【0067】
【
図1】検査室システムを動作させるための方法の一例のフローチャートである。
【
図2】検査室システムを事前設置するための例示的な手順についてのフローチャートである。
【
図3】いくつかのユニットを選択するための例示的なメニューのグラフィカル表現である。
【
図4a】検査室システムのグラフィカル表現である。
【
図4b】第1の搬送システムインターフェースを第1の移送装置とペアリングするグラフィカル表現である。
【
図5a】携帯装置のディスプレイ上に示された検査室レイアウトのグラフィカル表現である。
【
図5b】対応する信号をブロードキャストする1つの装置のグラフィカル表現である。
【
図6】マーキング情報を有する携帯装置のディスプレイ上に示された検査室レイアウトのグラフィカル表現である。
【
図7】携帯装置を検査室エリア内で移動させることによる、受信装置情報の段階的なグラフィカル表現である。
【
図8】ペアリングのために2つのユニットを選択するための例示的な手順についてのフローチャートである。
【
図9a】マーキング情報の第1のグラフィカル表現である。
【
図9b】マーキング情報の第2のグラフィカル表現である。
【
図10】残りのユニットをペアリングするための例示的な手順である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
図1から
図5を参照して、検査室自動化システム407(
図4を参照)を動作させるための方法の一例のフローチャートが
図1に示されている。
【0069】
この例によれば、ステップ101において、例えば技術者などのユーザ501(
図5を参照)は、検査室自動化システム407に到着し得る。ユーザ501は、携帯装置502を携帯し得る。検査室自動化システム407に到着すると、ユーザ501は、ステップ102において、携帯装置上でアプリケーションを開始し得る。それに応答して、携帯装置502上で、検査室/検査室レイアウト504のマップが携帯装置502のディスプレイ508上に示され得る。ステップ103において、携帯装置502のアプリケーションは、検査室自動化システム407内の携帯装置502の位置を特定し得、例えば位置マーカー503によって、ディスプレイ508上の検査室504のマップ上にこの位置を提示し得る。装置の位置が決定されるたびに、マップ504および/または位置マーカー503の場所が更新され得る。第4のステップ104において、ユーザ501は、検査室自動化システム407内の物理的に接続されたユニット、特に搬送システム404に接続された装置401を識別し得る。これらのユニットは、設置されなくてもよく、すなわちペアリングされなくてもよい。携帯装置は、複数のユニット、特に複数の装置401の情報を受信し得る。それに応答して、ユーザ501は、第1のユニット、特に第1の装置401を識別し得る。第1のユニットは、(システムと)ペアリングされるべきユニットであってもよい。第1のユニットは、まだ設置されていないユニットであってもよい。選択は、携帯装置502のアプリケーションのタッチスクリーン508上のユーザ入力を介して行われ得る。
【0070】
それに応答して、ステップ105において、ペアリングパートナーが選択され得る。したがって、搬送システム404は、(自動的に)選択され得る。別のユニット、例えば、第1の移送装置402、第1の搬送システムインターフェース403、および/または第1のモジュール405が選択されてもよい。ペアリングパートナーは、既に設置されていてもよく、既に(システムと)ペアリングされていてもよい。第6のステップ106において、選択されたペアリングパートナーがペアリングされ得る。ステップ107において、ペアリング情報は、携帯装置502において提供されてもよく、任意に中央バックエンド装置および/または搬送管理システム406に送信されてもよい。
【0071】
検査室自動化システム407を動作させるための方法が実行され得る前に、検査室自動化システム407を予め設置することが必要な場合がある。
【0072】
図2は、検査室自動化システム407を予め設置するための例示的な手順についてのフローチャートを示している。事前設置ステップ201において、搬送システム404の搬送モジュール405が物理的に設置され得る。事前設置ステップ202において、移送装置402および装置401が物理的に設置され得る。その後、例えば事前構成サーバによって提供される検査室レイアウトにしたがって、検査室自動化システム407が物理的に設置され得る。第3の事前設置ステップ203において、搬送管理システム406サーバが物理的に設置され得る。さらなる事前設置ステップ204から206は、搬送管理システム406の設置に関し得る。
【0073】
事前設置ステップ204において、搬送管理システム406が構成され得る。事前設置ステップ205において、搬送管理システム406には、例えば事前構成サーバから検査室レイアウトをダウンロードすることによって、検査室レイアウト504が設けられ得る。事前設置ステップ206において、搬送管理システム406は、ロードされた検査室レイアウト504の搬送システム404の全て(の場所)の搬送システムインターフェース403を決定し得る。搬送システムインターフェース403は、搬送システム404の固有の部分であってもよいため、搬送システムインターフェース403は、搬送システム404に本質的にリンクされてもよい。
【0074】
事前設置ステップ207において、検査室自動化システム407に電力が供給される。事前設置ステップ208において、検査室自動化システム407がサービスモードにされ得る。
【0075】
事前設置ステップ209において、ネットワークノード構成がユーザによって選択され得る。それに応答して、事前設置ステップ210において、ユーザには、接続されているネットワークノードのリストが提供され、搬送管理システム406へのセキュアな接続を確立しようと試み得る。ネットワークノードは、検査室自動化システム407のユニットに対応し得る。次に、ユーザは、事前設置ステップ211において、例えばノードに対応するシリアル番号に基づいて、自身が信頼するネットワークノードを選択し得る。事前設置ステップ212において、信頼されたノード、すなわち信頼されたユニットが示され得る。しかしながら、搬送管理システム406は、システム407に設けられた全てのユニットを知っていることもあるが、搬送管理システム406は、事前設置後、ユニット間の関係を知らなくてもよい。特に、搬送管理システム406は、どのユニットが互いに割り当てられ/ペアリングされるべきかを知らなくてもよい。
【0076】
図3は、いくつかのユニットを選択するための例示的なメニューのグラフィカル表現を示している。示されたメニューは、組み合わされた/グローバル選択メニュー301であり得る。組み合わされたメニューは、装置選択メニュー302、304および移送装置選択メニュー306を含み得る。装置選択メニュー302、304は、装置ID選択メニュー304および装置名選択メニュー302を含み得る。携帯装置502のディスプレイ508には、少なくとも1つのメニューが示されてもよい。ユニットを互いに割り当てるために、少なくとも1つのメニューが設けられてもよい。各メニューは、表の列を含み得る/表の列であり得る。
【0077】
装置名選択メニュー302、例えば表の第1の列では、信頼された装置401の全ての名称303が提供され得る。あるいは、携帯装置502の近傍にある装置401のみが提供されてもよい。例えば、携帯装置502から4m(2m、5m、6m、10m)以下離れている装置401が提供されてもよい。装置401は、(例えば、携帯装置502までの距離に応じて)順番に提供されてもよい。装置名選択メニュー302の最上位に最も近い装置が提供されてもよい。最も近い装置の直後に、2番目に近い装置がメニュー装置名選択メニュー302に提供されてもよい(以下同様)。
【0078】
装置ID選択メニュー304、例えば表の第2の列では、信頼された装置401の全てのID305が提供され得る。あるいは、携帯装置502の近傍にある装置401の装置IDのみが提供されてもよい。装置IDは、装置名と同様に、順番に提供されてもよい。装置IDは、対応する装置401に本質的に割り当てられてもよい。特に、各装置401は、その名称および装置IDを示す信号507をブロードキャストしてもよい。装置名および装置IDは、携帯装置502によって受信された装置情報に含まれてもよい。したがって、装置名選択メニュー302における各提供された装置401は、対応する装置IDに自動的にリンクされてもよい。装置選択メニュー302、304では、対応する装置IDおよび装置名が互いに隣接して提供されてもよく、例えば、表の同じ行に提供されてもよい。あるいは、装置IDおよび装置名は、互いに固有に割り当てられなくてもよい。この場合、ユーザは、装置選択メニュー302、304において、装置名ごとに、対応する装置IDを選択してもよい。装置ID選択メニュー304は、ドロップダウンメニューを含んでもよい。装置名選択メニュー302内の各装置401には、装置ID選択メニュー304内のドロップダウンメニューが設けられてもよい。ドロップダウンメニューは、対応する装置名に割り当てられ得る装置IDを提供してもよい。
【0079】
移送装置選択メニュー306、例えば表の第3の列では、全ての信頼された移送装置402が提供され得る。あるいは、携帯装置502の近傍にある移送装置402のみが提供されてもよい。例えば、携帯装置502から4m(2m、5m、6m、10m)以下離れている移送装置402が提供されてもよい。装置名と同様に、移送装置402は、順番に提供されてもよい。ユーザは、移送装置選択メニュー306において、移送装置402を選択し得る。これにより、ユーザは、この選択された移送装置402を、選択された装置401(装置IDおよび/または装置名)にリンクし得る。移送装置選択メニュー306は、ドロップダウンメニューを含み得る。装置名選択メニュー302内の各装置401には、移送装置選択メニュー306内のドロップダウンメニューが設けられてもよい。ドロップダウンメニューには、対応する装置名に割り当てられ得る移送装置(移送装置ID307)が設けられ得る。
【0080】
ユニットのIDは、対応するユニットの写真を撮ることによって、または対応するユニットに印刷されたIDを手動で取得することによって決定され得る。写真は、対応するユニットに印刷されたIDを含み得る。
【0081】
図4aは、検査室自動化システム407のグラフィカル表現を示している。検査室システム407は、サンプル前分析およびサンプル分析のうちの少なくとも一方のために構成された複数の装置401を備える。さらに、検査室自動化システム407は、搬送システム404を備える。搬送システム404は、1つ以上のサンプル容器を搬送するように構成された複数のキャリアを有し、複数の装置401に複数のキャリアを搬送するように構成される。搬送システム404は、搬送システムインターフェース403をさらに含み得、それらのそれぞれは、異なる装置401に対応し得る。搬送システム404は、複数の搬送モジュール405を備えてもよく、またはそれらによって形成されてもよい。搬送システム404から装置401にサンプルを送達するために、移送装置402が設けられ得る。
図4は、第1の操作ユニット408の例をさらに示している。
図4の第1の操作ユニット408は、第1の装置401と、第1の移送装置402と、第1の搬送システムインターフェース403と、搬送システム404の第1のセクションと、第1の搬送モジュール405とを備える。ペアリングすることは、第1の操作ユニット408の任意の2つの異なる装置をペアリングすることを含み得る。
【0082】
図4bは、第1の搬送システムインターフェース403を第1の移送装置402とペアリングすることのグラフィカル表現を示している。ペアリングすることは、携帯装置502を介してユーザ501によって実行され得る。第1の装置401と第1の移送装置402とは(例えば、事前のペアリングによって)既にリンク/割り当てされ得る。したがって、第1の搬送システムインターフェース403を第1の移送装置402とペアリングすることは、第1の搬送システムインターフェース403を第1の装置401とペアリングすることとして理解され得る。さらに、第1の搬送システムインターフェース403は、(例えば、事前のペアリングによって)搬送システム404に本質的にリンク/割り当てされ得る。したがって、第1の搬送システムインターフェース403を第1の移送装置402とペアリングすることは、搬送システム404を第1の装置401とペアリングすることとして理解され得る。
図4bに示すペアリングステップは、第1の搬送システムインターフェース403を第1の移送装置402に割り当てることに対応し得る。携帯装置502は、このペアリングステップに対応する情報を搬送管理システム406に送信し得る。搬送管理システム406は、このようにペアリングされたユニット間の相互関係を記憶し得る。このペアリングの後、搬送システム404および搬送管理システム406は、それぞれ、キャリアをどこに送達するかを認識し得る。
【0083】
図5aは、携帯装置502のディスプレイ508上に示された検査室レイアウト504のグラフィカル表現を示している。検査室自動化システム407におけるユーザ501の配向について、ディスプレイ508は、検査室自動化システム407のマップ504を示し得る。ディスプレイ508は、検査室自動化システム407のセクションのマップ504を示し得る。携帯装置502は、検査室自動化システム407内のその位置を特定し得る。位置は、例えば位置マーカー503によって、ディスプレイ508上の検査室504のマップ上に示され得る。装置の位置が決定されるたびに、マップ504および/または位置マーカー503の場所が更新され得る。したがって、検査室レイアウト504は、検査室自動化システム407を介したナビゲーションに役立ち得る。
【0084】
図5bは、対応する信号507をブロードキャストする1つの装置401のグラフィカル表現を示している。装置は、送信機506を含み得る。送信機506は、装置の通信モジュール506であり得る。信号507は、1つの装置401に関連付けられた情報をブロードキャストし得る。情報は、装置の名称、装置ID、装置の位置、および/または装置が既にペアリングされているかどうかを示す情報を含み得る。信号507は、所定の振幅を有する所定の信号を含み得る。1つの装置401の位置は、少なくとも3つの信号受信機を介して所定の信号を受信することによって決定され得る。受信信号強度に応じて、受信機のそれぞれと装置401との間の距離が決定され得る。それに応答して、1つの装置401の位置が決定され得る。上記の手順は逆も同様に機能し、受信機は送信機であり、送信機は受信機である。さらなるユニットおよび/または携帯装置502の位置も同様に決定され得る。
【0085】
図6は、マーキング情報を有する携帯装置502のディスプレイ508に示される検査室レイアウト504のグラフィカル表現を示している。
図6では、検査室レイアウト504はまた、選択メニュー301を含む。メニュー301は、携帯装置502の最も近くに位置する移送装置402および搬送システムインターフェース403を示す情報を含む。具体的には、
図6のメニュー301は、携帯装置502の最も近くに位置する移送装置402および搬送システムインターフェース403に対応する移送装置IDおよびインターフェースIDを含む。携帯装置の場所は、位置マーカー503によって示される。
図6はまた、マーカー付きマーキング情報601、602も示している。マーカー603および604は、メニュー301に含まれるユニットを示すメニュー情報を含み得る。表示された検査室レイアウト504では、各マーカーは、対応するユニットの近傍に位置してもよい。追加的または代替的に、携帯装置502の近傍のユニットは、強調マーカー605、606で強調表示されてもよい。最も近い移送装置402および搬送システムインターフェース403は、強調表示マーカー605、606によって強調表示され得る。第1の強調表示マーカー605は、移送装置402の形状を有し得る。第2の強調表示マーカー606は、搬送システムインターフェース403の形状を有し得る。第1の強調表示マーカー605および第2の強調表示マーカー606は、異なる色を有してもよい。同じユニットに対応するマーカーは、同じ色を有してもよい。強調表示マーカー605、606は、半透明であってもよい。
【0086】
図7は、携帯装置502を検査室エリア内で移動させることによる、受信装置情報701の段階的なグラフィカル表現を示している。
図7は、複数の装置401を示している。ユーザ501は、第1の装置401の最も近くに位置し得る。したがって、ユーザ501/携帯装置502は、第1の装置401の送信機506によってブロードキャストされた信号507を単に受信し得る。したがって、携帯装置502は、単に第1の装置401から情報701を受信し得る。他の装置からの信号は、ユーザ501/携帯装置502のこの位置では、携帯装置502によって受信されない場合がある。しかしながら、携帯装置502を携帯するユーザ501が装置401から装置401に移動すると、携帯装置502はまた、さらなる装置401から情報701を受信し得る。したがって、携帯装置502を検査エリア内で移動させることによって、いくつかの装置502の装置情報701は、携帯装置502によって段階的に受信され得る。
【0087】
図8は、ペアリングする2つのユニットを選択する手順の例についてのフローチャートを示している。第1の選択ステップ801において、ユーザは、第1のユニットを選択し得る。選択は、選択メニュー301を介して行われ得る。選択は、システム504の表示されたマップとオーバーレイされた選択メニュー301を介して実行され得る。この例では、最も近いユニット、特に最も近い移送装置402および搬送システムインターフェース403を示す情報は、システム504のマップとオーバーレイされ得る。具体的には、携帯装置502に最も近くに位置する移送装置402および搬送システムインターフェース403に対応する移送装置IDおよびインターフェースIDは、システム504のマップとオーバーレイされ得る。マップ504内のこれらのIDの位置は、検査室自動化システム407内の対応するユニットの位置に対応し得る。ディスプレイ508上のマップ504に示されるIDは、マーカーに含まれ得る。ユーザは、例えばディスプレイ上の第1のユニットに対応する第1のマーカーをタップすることによって、第1のユニットを選択し得る。タップに応答して、タップの位置およびタップがキャプチャされたことを示すために、タップ記号805がディスプレイに瞬間的に示され得る。選択が成功した場合、第2の選択ステップ802において、対応するユニットの(第1の)マーカーが変化し得る。例えば、記号またはピクトグラム、特にレ点806がこのマーカーに追加され得る。第3の選択ステップ803において、ユーザ501は、第1の選択ステップ801において第1のユニットが選択された方法と類似の方法で第2のユニットを選択し得る。第2の選択が成功した場合、第4の選択ステップ804において、対応するユニットの(第2の)マーカーが変化し得る。例えば、記号またはピクトグラム、特にレ点806がこのマーカーに追加され得る。例えば第1の移送装置402および第1の搬送システムインターフェース403などの2つの異なるユニットの選択に応答して、これら2つのユニットがペアリングされてもよい。
【0088】
図9aおよび
図9bは、マーキング情報のグラフィカル表現を示している。マーキング情報は、第1のラベル901を含み得る。
図9では、第1のユニットは、(携帯装置502のディスプレイ508上に示されるマップ504上に)第1のラベル901とオーバーレイされている。第1のラベル901は、マーカーに含まれ得る。正常にペアリングされたユニットのみが、そのような第1のラベル901とオーバーレイされ得る。第1のラベル901は、ペアリングされたユニットを示す情報を含み得る。第1のラベル901は、ペアリングが成功したか否かを示す情報を含み得る。第1のラベル901は、ペアリングされる/ペアリングされるべきユニットのIDを含み得る。ラベル901は、(表示されたマップ504内の)対応するユニットに位置し得る。対応するユニットは、第1のユニットであってもよい。第1のラベル901は、単に第1のユニットをオーバーレイしてもよい。
【0089】
図9bは、組み合わされた第1のマーカー902を示している。組み合わされた第1のマーカー902は、ペアリングされた第1のユニット、特に第1の移送装置402と第1の搬送システムインターフェース403とが正常にペアリングされたことを示し得る。第1のマーカー902は、特定の色(例えば、緑色または青色)を有し得る。組み合わされた第1のマーカー902の形態は、対応するユニットに対応し得る。組み合わされた第1のマーカー902の形態は、(正常にペアリングされた)対応するユニットに等しくてもよい。組み合わされた第1のマーカー902の位置は、対応するユニットの位置に対応してもよく/対応するユニットの位置であってもよい。組み合わされた第1のマーカー902は、記号またはピクトグラム、特にレ点を含み得る。追加的または代替的に、ペアリングリスト903が提供されてもよい。ペアリングリスト903は、正常にペアリングされたユニットを示し得る。リストは、ペアリングされたユニットを示す情報を含み得る。リストは、ペアリングされたユニットをグループ化してもよく、例えば、第1のユニットは、第1のグループ904に含まれてもよい。一般にリンクされているが互いにリンクされていない2つのユニットは、同じグループに含まれ得ない。第1のグループは、第1のユニットを示す情報を含み得る。第1のグループは、第1の装置401、第1の移送装置402、第1の搬送システムインターフェース403、搬送システム404の第1のセクション、および/または第1の搬送モジュール405を示す情報を含み得る。第1のグループは、第1の装置401の名称、第1の装置401の装置ID、第1の移送装置402の移送装置ID、第1の搬送システムインターフェース403のインターフェースID、搬送システム404の第1のセクションのセクションID、および/または第1の搬送モジュール405のモジュールIDを含み得る。
【0090】
図10は、残りのユニット1001をペアリングするための例示的な手順を示している。
図10の第1のステップにおいて表示されたマップ504によれば、1つを除く全てのユニットが正常にペアリングされている。ペアリングされたユニットは、第1のマーカーによってマークされる。ペアリングされたユニットには、レ点によってマークされる。
図10の例示的な実施形態では、全てのユニットがペアリングされている場合にのみ、ペアリング情報が中央バックエンド装置および/または搬送管理システム406に送信され得る。したがって、
図10の第1のステップでは、ペアリング情報は、中央バックエンド装置および/または搬送管理システム406に送信され得ない。
図10の第1のステップに示される場合、ユーザ501は、残りのユニット1001をペアリングすることができない。これは、ユーザ501がペアリングされていないユニット1001から離れすぎた第1の場所503.1にいるためである。したがって、ペアリングされていないユニット1001は、選択メニューに含まれない。ユーザがペアリングされていないユニット1001から離れすぎているため、表示されたマップ504上では、ペアリングされていないユニット1001が選択され得ない。
図10に示される第2のステップによれば、携帯装置502を有するユーザ501は、残りのペアリングされていないユニット1001の近傍の第2の場所503.2に移動する。それに応答して、ユーザ501は、携帯装置502を介して残りのユニット1001をペアリングし得る。これは、携帯装置502が残りのユニット1001の近傍にあるため、ペアリングされていないユニット1001が選択メニューに含まれ得るためである。ペアリングされていないユニット1001は、携帯装置502が残りのユニット1001の近傍にあるため、表示されたマップ504上で選択され得る。ペアリングされていないユニット1001の選択に応答して、ペアリングされていないユニット1001がペアリングされ得る。残りのユニット1001がペアリングされた後(にのみ)、ペアリング情報は、中央バックエンド装置および/または搬送管理システム406に送信され得る。
【国際調査報告】