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特表2024-518085BMP-2を運搬する骨伝導性インプラント材料
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-24
(54)【発明の名称】BMP-2を運搬する骨伝導性インプラント材料
(51)【国際特許分類】
   A61L 27/12 20060101AFI20240417BHJP
   A61L 27/18 20060101ALI20240417BHJP
   A61L 27/58 20060101ALI20240417BHJP
   A61L 27/20 20060101ALI20240417BHJP
   A61L 27/50 20060101ALI20240417BHJP
   A61L 27/54 20060101ALI20240417BHJP
【FI】
A61L27/12
A61L27/18
A61L27/58
A61L27/20
A61L27/50
A61L27/54
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023570143
(86)(22)【出願日】2022-05-13
(85)【翻訳文提出日】2023-12-28
(86)【国際出願番号】 GB2022051221
(87)【国際公開番号】W WO2022238718
(87)【国際公開日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】2106973.7
(32)【優先日】2021-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523427799
【氏名又は名称】ロケート バイオ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】コックス,ヘレン
(72)【発明者】
【氏名】ケビン,シェイクシェフ
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ,マシューズ
【テーマコード(参考)】
4C081
【Fターム(参考)】
4C081AB02
4C081AB04
4C081BA12
4C081BA13
4C081BA16
4C081BB06
4C081CA17
4C081CA18
4C081CD03
4C081CF01
4C081CF02
4C081DA01
4C081DA12
4C081DA14
4C081DC11
4C081EA13
(57)【要約】
本発明は、(A)リン酸カルシウムペレット及び/又はリン酸カルシウム封入ペレットであって、該リン酸カルシウム封入ペレットが、L:G比が75~95:5~25である40~60%w/wのPLGA、及びPLGA内に封入されている40~60%w/wのリン酸カルシウムを含むか、又はそれらからなる、リン酸カルシウムペレット及び/又はリン酸カルシウム封入ペレット;(B)L:G比が45~55:55~45である60~90%w/wのPLGA、10~30%w/wの2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、5~15%w/wのポロクサマー407、及びPLGA内に封入されているBMP-2を含むか、又はそれらからなるBMP-2封入ペレット;並びに(C)ポロクサマー407を任意に含むか、又はそれからなる粘度調整剤;並びに任意に(D)水性担体を含むか、又はそれらからなる骨伝導性インプラント材料組成物に関する。本発明はさらに、関連する方法、治療、及びキットに関する。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)リン酸カルシウムペレット及び/又はリン酸カルシウム封入ペレットであって、前記リン酸カルシウム封入ペレットが、
-L:G比が75~95:5~25である40~60%w/wのPLGA、及び
-前記PLGA内に封入されている40~60%w/wのリン酸カルシウム
を含むか、又はそれらからなる、リン酸カルシウムペレット及び/又はリン酸カルシウム封入ペレット;
(B)-L:G比が45~55:55~45である60~90%w/wのPLGA、
-10~30%w/wの2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、
-5~15%w/wのポロクサマー407、及び
-前記PLGA内に封入されているBMP-2
を含むか、又はそれらからなるBMP-2封入ペレット;
並びに
(C)ポロクサマー407を任意に含むか又はそれからなる粘度調整剤;並びに任意に
(D)水性担体
を含むか、又はそれらからなる骨伝導性インプラント材料組成物。
【請求項2】
前記リン酸カルシウムがβ-リン酸三カルシウム(β-TCP)を含むか、又はそれからなる、請求項1に記載の骨伝導性インプラント材料組成物。
【請求項3】
前記リン酸カルシウムが、約0.5μm~約20μmのサイズのリン酸カルシウム封入ペレット中に粒子形態で提供されるか、又は
ペレット成分(A)が、約0.5mm~約2.5mmのサイズのリン酸カルシウムペレットからなる、請求項1又は2に記載の骨伝導性インプラント材料組成物。
【請求項4】
前記BMP-2が、前記BMP-2封入ペレット(ペレットB)中に約0.01%~約1%w/wの量で提供される、請求項1~3のいずれか一項に記載の骨伝導性インプラント材料組成物。
【請求項5】
前記BMP-2封入ペレット(ペレットB)のポリマーが、PDLLGA50:50を含むか、又はそれからなり、前記リン酸カルシウム封入ペレット(ペレットA)のポリマーが、PDLLGA95:5を含むか、又はそれからなる、請求項1~4のいずれか一項に記載の骨伝導性インプラント材料組成物。
【請求項6】
前記BMP-2封入ペレット(ペレットB)が約75.5%(w/w)のPLGAを含むか、又はそれからなり、前記リン酸カルシウム封入ペレット(ペレットA)が約50%(w/w)のPLGAを含むか、又はそれからなる、請求項1~5のいずれか一項に記載の骨伝導性インプラント材料組成物。
【請求項7】
前記BMP-2封入ペレット(ペレットB)及び/又は前記リン酸カルシウム封入ペレット(ペレットA)が、中空の円筒状ペレットとして形成される、請求項1~6のいずれか一項に記載の骨伝導性インプラント材料組成物。
【請求項8】
前記BMP-2封入ペレット(ペレットB)及び/又はリン酸カルシウム封入ペレット(ペレットA)の長さが、600μm~1300μmである、請求項1~7のいずれか一項に記載の骨伝導性インプラント材料組成物。
【請求項9】
前記組成物の成分(A)、(B)、(C)及び任意に(D)が、一緒に混合されて、パテの形態の単一組成物になる、請求項1~8のいずれか一項に記載の骨伝導性インプラント材料組成物。
【請求項10】
前記BMP-2封入ペレット(B)が、前記組成物の約10%~約30%w/wの量で提供される、請求項1~9のいずれか一項に記載の骨伝導性インプラント材料組成物。
【請求項11】
前記リン酸カルシウム封入ペレット(A)が、前記組成物の約25%~約50%w/wの量で提供される、請求項1~10のいずれか一項に記載の骨伝導性インプラント材料組成物。
【請求項12】
前記リン酸カルシウムペレット(A)が、前記組成物の約25%~約50%w/wの量で提供される、請求項1~11のいずれか一項に記載の骨伝導性インプラント材料組成物。
【請求項13】
前記ポロクサマー407が、前記組成物の約25%~約50%w/wの量で提供される、請求項1~12のいずれか一項に記載の骨伝導性インプラント材料組成物。
【請求項14】
前記水性担体(成分D)が、リン酸カルシウムペレット及び/又はリン酸カルシウム封入ペレット(A)、BMP-2封入ペレット(B)及び粘度調整剤(C)の粉末混合物(v/w)1部に対して0.3~約0.8部の割合で提供される、請求項1~13のいずれか一項に記載の骨伝導性インプラント材料組成物。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の骨伝導性インプラント材料を含む前腰椎ケージなどの腰椎ケージ。
【請求項16】
例えば、椎間板変性疾患を有する患者の脊椎固定の方法であって、請求項1~14のいずれか一項に記載の骨伝導性インプラント材料で腰椎ケージを充填し、前記腰椎ケージを前記患者に埋め込む工程を含む方法。
【請求項17】
骨修復、骨融合、骨移植において使用するため、又は前頚椎椎間板切除術と固定術(ACDF)、経椎間孔腰椎椎体間固定術(TLIF)、極端な側方椎体間固定術(XLIF)、前腰椎椎体間固定術(ALIF)、斜め側方椎体間固定術(OLIF)、後部腰椎固定術(PLF)、後頭頚椎固定術(OCF)、もしくは後頚部固定術から選択される処置などの骨移植処置における骨空隙充填剤として使用するための、請求項1~14のいずれか一項に記載の骨伝導性インプラント材料。
【請求項18】
脊椎固定のため、又はスクリューもしくはロッドを骨に固定するため、又はプレートを骨上に固定するための腰椎ケージにおける請求項1~14のいずれか一項に記載の骨伝導性インプラント材料組成物の使用。
【請求項19】
前記BMP-2を封入しているポリマーのホットメルト押出のプロセスにおいて、BMP-2を熱による変性から保護するための2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンの使用。
【請求項20】
骨伝導性インプラント材料を形成するためのキットであって、
(A)リン酸カルシウムペレット又はリン酸カルシウム封入ペレットであって、前記リン酸カルシウム封入ペレットが、
-L:G比が75~95:5~25である40~60%w/wのPLGA、及び
-前記PLGA内に封入されている40~60%w/wのリン酸カルシウム
を含むか、又はそれらからなる、リン酸カルシウムペレット又はリン酸カルシウム封入ペレット;
(B)-L:G比が45~55:55~45である60~90%w/wのPLGA、
-10~30%w/wの2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、
-5~15%w/wのポロクサマー407、及び
-前記PLGA内に封入されているBMP-2
を含むか、又はそれらからなるBMP-2封入ペレット;
並びに
(C)ポロクサマー407を任意に含むか、又はそれからなる粘度調整剤;並びに任意に
(D)水性担体
を含むキット。
【請求項21】
前記キットが脱酸素剤及び/又は乾燥剤をさらに含む、請求項20に記載のキット。
【請求項22】
前記キットが、
(A)前記リン酸カルシウム封入ペレットが、
-PLGA95:5(50%w/w)、及び
-PDLLGA95:5に封入されているリン酸カルシウム(50%w/w)
を含むか、又はそれらからなる、40%w/wのリン酸カルシウムペレット又はリン酸カルシウム封入ペレット:
(B)-PLGA50:50(ポリ(DL-乳酸-コ-グリコール酸)(75.5%w/w)、
-2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン(14.30%w/w)、
-ポロクサマー407(微粒子化)(10%w/w)、及び
-PDLLGA50:50内に封入されているrhBMP-2(0.19%w/w)及び賦形剤
を含むか、又はそれらからなる20%w/wのrhBMP-2封入ペレット;
並びに
(C)粘度調整剤としての約40%w/wのポロクサマー407(粉末);並びに任意に
(D)水性担体
を含む、請求項20又は21に記載のキット。
【請求項23】
前記キットが、
(A)35%w/wのリン酸カルシウムペレット;
(B)-PLGA50:50(ポリ(DL-乳酸-コ-グリコール酸)(75.5%w/w)、
-2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン(14.30%w/w)、
-ポロクサマー407(微粒子化)(10%w/w)、及び
-PDLLGA50:50内に封入されているrhBMP-2(0.19%w/w)及び賦形剤
を含むか、又はそれらからなる23%w/wのrhBMP-2封入ペレット;
並びに
(C)粘度調整剤としての42%w/wのポロクサマー407(粉末);並びに任意に
(D)水性担体
を含む、請求項20~22のいずれか一項に記載のキット。
【請求項24】
(A)リン酸カルシウムペレット又はリン酸カルシウム封入ペレットであって、前記リン酸カルシウム封入ペレットが、
-L:G比が75~95:5~25である40~60%w/wのPLGA、及び
-前記PLGA内に封入されている40~60%w/wのリン酸カルシウム
を含むか、又はそれらからなる、リン酸カルシウムペレット又はリン酸カルシウム封入ペレット;
(B)-L:G比が45~55:55~45である60~90%w/wのPLGA、
-10~30%w/wの2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、
-5~15%w/wのポロクサマー407、及び
-前記PLGA内に封入されているBMP-2
を含むか、又はそれらからなるBMP-2封入ペレット;
並びに
(C)ポロクサマー407を任意に含むか、又はそれからなる粘度調整剤と
(D)水性担体
の混合物を含む骨伝導性インプラント材料を形成する方法。
【請求項25】
成分(A)、(B)及び(C)が、(D)前記水性担体と混合する前に乾燥混合物として提供される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
成分(A)、(B)及び(C)、及び任意に(D)が、任意に(D)前記水性担体と混合する前に照射により滅菌される、請求項24又は25に記載の方法。
【請求項27】
前記混合物が、一貫性のあるパテに加工される、請求項24~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
骨伝導性インプラント材料の製造プロセスであって、
(A)リン酸カルシウムペレット又はリン酸カルシウム封入ペレットであって、前記リン酸カルシウム封入ペレットが、
-L:G比が75~95:5~25である40~60%w/wのPLGA、及び
-前記PLGA内に封入されている40~60%w/wのリン酸カルシウム
を含むか、又はそれらからなる、リン酸カルシウムペレット又はリン酸カルシウム封入ペレット;
(B)-L:G比が45~55:55~45である60~90%w/wのPLGA、
-10~30%w/wの2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、
-5~15%w/wのポロクサマー407、及び
-前記PLGA内に封入されているBMP-2
を含むか、又はそれらからなるBMP-2封入ペレット;
(C)ポロクサマー407を任意に含むか、又はそれからなる粘度調整剤;並びに
(D)水性担体
を提供し;かつ
任意に成分(A)、(B)及び(C)を混合し、さらに任意に(D)と混合することを含む、プロセス。
【請求項29】
成分(A)、(B)、(C)及び(D)のうちの1以上又は全部が、脱酸素剤及び/又は乾燥剤を含む密封包装に提供される、請求項28に記載のプロセス。
【請求項30】
前記密封包装が窒素環境下で密封される、請求項28又は29に記載のプロセス。
【請求項31】
前記BMP-2封入ペレット(B)が、ホットメルト押出(HME)によって形成される、請求項24~27のいずれかに記載の方法又は請求項28~30のいずれかに記載のプロセス。
【請求項32】
前記BMP-2封入ペレット(B)が、
-L:G比が45~55:55~45である60~90%w/wのPLGA、
-10~30%w/wの2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、
-5~15%w/wのポロクサマー407、及び
-0.01~0.1%w/wのBMP-2
を組み合わせて、混合物を形成し、ホットメルト押出プロセスで前記混合物を押出すことによって形成される、請求項24~27のいずれかに記載の方法又は請求項28~30のいずれかに記載のプロセス。
【請求項33】
前記リン酸カルシウム封入ペレット(A)が、ホットメルト押出(HME)によって形成される、請求項24~27、31~32のいずれかに記載の方法又は請求項28~32のいずれかに記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマーペレットから形成された骨伝導性インプラント材料、及び骨修復におけるそのような材料の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
再生医療の分野では、組織の修復を刺激し、サポートする新しい臨床処置の機会が数多くある。臨床機会の例としては、梗塞後の心筋の再生、脊椎固定術における骨成長の誘導、糖尿病性足潰瘍の治癒、及び脳卒中による損傷の制限、又はおそらく回復が挙げられる。治療によって治癒が促進され得る組織の例としては、脳組織、肝臓組織及び膵臓組織などが挙げられる。
【0003】
組織の治癒が重要である1つの領域は、例えば、骨障害のある人々のための骨の治癒である。骨の治癒は、外傷、感染、外科的介入又は疾患の後に、体が骨の修復を促進する生理学的プロセスである。生理学的治癒の過程は非常に長い期間を必要とし得、多くの場合、元の骨の性質を再確立することはできない。このため、骨の治癒を加速及び改善する治療法が非常に重要である。通常、これらの治療法は、骨伝導性、骨誘導性、及び骨形成性のアプローチを提示する。骨伝導性アプローチの大部分では、金、ステンレス鋼、チタン、天然/合成ポリマー及びセラミックスのような様々な代替品が試されてきた。骨再建のためのこれらの材料の使用に関する主な懸念は、血管新生する能力、統合する能力、及びリモデリングを受ける能力が低いことであった。これにより、ストレスシールドに見られるように、負荷がかかった状態でのインプラントの構造的欠陥又は周囲の骨における病理学的変化が生じる可能性がある。他の問題は、炎症瘢痕、隣接組織における新たな増殖反応、及び感染である。高い骨誘導能とリモデリング特性のため、生理活性のある代替品が使用されており、結果は有望である。これにより、骨障害を治療するための組織工学技術(生物学的に強化された同種移植片、細胞ベースの治療法、及び遺伝子ベースの治療法)が進化した。組織工学は、生体材料、細胞、及び因子を単独で又は組み合わせて使用する生体組織の設計、構築、変更、及び成長への科学的原理の応用として定義されている。これには、骨形成細胞集団及び骨誘導性生理活性因子と共に、骨伝導性生体材料足場の使用を伴う。これらのアプローチは全て、現在有効な治療が存在しない疾患を治療する能力を大幅に向上させる可能性を有する。
【0004】
骨伝導性インプラントは、血管新生と組織形成に適切な機械的環境、構造及び表面化学を提供することができる。成長因子などの再生物質の局在化も、骨伝導性インプラントを使用して達成することができる。薬物又は細胞送達システムとしてのインプラントの使用は、大きな可能性を秘めているが、成長因子又は細胞として機能するタンパク質などの薬剤の適切な放出速度を達成しながら、インプラントの多孔性、強度及び分解速度を組織型に合わせて調整する必要があるため、非常に困難でもある。
【0005】
大まかに言えば、骨伝導性インプラントは、通常、大きな相互につながった細孔を有する、事前に形成された水不溶性マトリックスであるか、又はハイドロゲルのいずれかである。このような材料は、生体内での組織の修復及び/又は再生を増強するために患者に移植される。移植に関しては、事前に形成された水不溶性マトリックスは、体内の空洞を満たすように成形されなければならず、空洞の寸法に関する知識が必要であり、充填できる空洞の形状が制限される。対照的に、注射器を介して体内に直接送達できる多くのハイドロゲル材料が設計されている。ゲルは、トリガーシグナル、例えば、温度変化又は紫外線照射に従って体内で形成される。このようなシステムには、空洞の寸法に関する予備知識がなくても、あらゆる形状の空洞を充填できるという利点を有する。しかし、このようなハイドロゲルは、相互につながる大きな多孔性ネットワークを欠いており、それゆえ、ゲルからの薬剤の放出は、不十分な拡散特性によって制限される。
【0006】
吸収性パテ又は吸収性ペーストは有望なアプローチである。この分野は学術的にも工業的にも広く研究されており、C-Graft Putty(商標)、Grafton(登録商標)などのいくつかの製品がすでに商品化されている。このようなアプローチの成功における主な障害は、必要な作用部位への材料の送達及び保持を成功させること、並びに手術前のそれらの可鍛性である。他の重要な障害には、追加の生理活性治療薬を送達する能力、調整された吸収率を有する能力、及び高レベルの多孔性とマクロ細孔を有する構造を形成する能力が含まれる。
【0007】
WO2008093094及びWO2004084968(いずれも参照により本明細書に組み込まれる)は、PLGA及びPLGA/PEGポリマーブレンドなどのポリマーペレットから組織足場を形成するための組成物及び方法を説明している。このような足場は、組織修復部位にその場で設置する前に、成形又は注入できるように開発されている。多孔質構造は、ペレット間に隙間を残し、任意に多孔質ポリマーペレットをさらに提供することによって達成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
腰椎ケージは、脊椎固定、例えば、椎間板変性疾患患者の脊椎固定術の補助として使用することを意図する椎体間固定装置である。これらのインプラントは、通常、骨の内部成長及び生物固定用に設計されており、固定用の新しい骨を成長させるために骨移植代替材料と共に使用される。しかし、理想的な骨移植の代替材料は、外科医が腰椎ケージに挿入するために十分に可鍛性があり、材料が脱落するほど緩くなく、また骨伝導性でもあり、細胞の内部成長を支持し、BMP-2の制御放出を提供する能力を有する必要がある。このような材料特性を提供することは困難であり得る。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、組織修復に使用するための、例えば、腰椎ケージにおいて使用され得る骨伝導性インプラント材料を形成するための改良された組成物、方法及びプロセスを提供することである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の第1の態様によれば、
(A)リン酸カルシウムペレット又はリン酸カルシウム封入ペレットであって、リン酸カルシウム封入ペレットが、
-ポリマー、及び
-ポリマー内に封入されているリン酸カルシウム
を含むか、又はそれらからなる、リン酸カルシウムペレット又はリン酸カルシウム封入ペレット;
(B)-ポリマー、
-2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、
-ポロクサマー407、及び
-ポリマー内に封入されているBMP-2
を含むか、又はそれらからなるBMP-2封入ペレット;並びに
(C)ポロクサマー407を含む粘度調整剤;並びに任意に
(D)水性担体
を含む骨伝導性インプラント材料組成物が提供される。
【0011】
有利には、骨伝導性インプラント材料組成物は、水性担体と混合されるか、又は水性担体を含む場合に、例えば、脱落することなく、インプラント用の腰椎ケージに加工することができる可鍛性パテに形成することができる。加えて、この材料は、細胞の内部成長のために多孔質の状態でありながら、電導率を高めるのに有益なBMP-2制御放出を提供する。骨伝導性インプラント材料はまた、生体内での移植及び分解に対して生体適合性及び生分解性である。
【0012】
リン酸カルシウム及びリン酸カルシウム封入ペレット
リン酸カルシウムは骨伝導性であり得る。好ましい実施形態において、リン酸カルシウムは、β-リン酸三カルシウム(β-TCP)を含むか、又はそれからなる。
【0013】
β-TCPなどのリン酸カルシウムは、ホットメルト押出プロセスによってポリマー内に封入され得る。一実施形態において、β-TCPなどのリン酸カルシウムは、リン酸カルシウム封入ペレット(ペレット(A))中に約40%~約60%w/wの量で提供され得る。別の実施形態において、β-TCPなどのリン酸カルシウムは、リン酸カルシウム封入ペレット(ペレット(A))中に約40%~約55%w/wの量で提供され得る。あるいは、β-TCPなどのリン酸カルシウムは、リン酸カルシウム封入ペレット(ペレット(A))中に約45%~約55%w/wの量で提供され得る。あるいは、β-TCPなどのリン酸カルシウムは、リン酸カルシウム封入ペレット(ペレット(A))中に約40%~約50%w/wの量で提供され得る。好ましい実施形態において、β-TCPなどのリン酸カルシウムは、リン酸カルシウム封入ペレット(ペレット(A))中に約50%w/wの量で提供され得る。
【0014】
有利には、β-TCPなどの封入されたリン酸カルシウムの量は、その治療効果、特に、骨伝導性を高めるのに十分なレベルに最適化されるが、ペレットを形成するためにホットメルト押出プロセスで適切に封入できるレベルでも提供される。
【0015】
β-TCPなどのリン酸カルシウムは、サイズが約0.5μm~約20μmの粒子形態で提供され得る。一実施形態において、β-TCPなどのリン酸カルシウムは、サイズが10μm未満の粒子形態で提供される。別の実施形態において、β-TCPなどのリン酸カルシウムは、サイズが約1μm~約4μmの粒子形態で提供される。好ましい実施形態において、β-TCPなどのリン酸カルシウムは、サイズが約2μmの粒子形態で提供される。粒径への言及は、粒子の集団における最大直径の平均サイズであることが理解される。
【0016】
有利には、β-TCPなどの封入されたリン酸カルシウムのサイズは、材料からの不用意な放出により、生体内での免疫応答が引き起こされることを十分に回避又は低減し、かつ押出も可能になるように最適化されている。
【0017】
一実施形態において、リン酸カルシウムペレットは、成分A(すなわち、ポリマーによって封入されていないリン酸カルシウム)として提供される。ペレットを含むそのようなリン酸カルシウムは、β-TCPを含むか、又はそれからなり得る。β-TCPペレットなどのリン酸カルシウムペレットは、サイズが約0.5mm~約2.5mmであり得る。好ましい実施形態において、β-TCPペレットなどのリン酸カルシウムペレットは、サイズが約1mm~約2mmである。サイズは、ペレットの最大直径を指す場合があり、ペレットの集団における平均サイズであると理解される。「リン酸カルシウムペレット」は、本明細書では「リン酸カルシウム顆粒」とも呼ばれることがある。
【0018】
有利には、β-TCPペレットなどのリン酸カルシウムペレットのサイズは、材料中にマクロ多孔性を提供するのに十分に大きいが、可鍛性のために十分に小さく、他の成分と混合されたときに許容可能なパテを形成するように最適化されている。
【0019】
β-TCPペレットなどのリン酸カルシウムペレットは、マクロ多孔性(100μm超のサイズの細孔を有する)及び/又はミクロ多孔性(10μm未満のサイズの細孔を有する)を有し得る。好ましい実施形態において、β-TCPペレットなどのリン酸カルシウムペレットは、相互につながる多孔性(例えば、それを通して流体を吸い上げることが可能)を有し得る。
【0020】
BMP-2
BMP-2は、組換えBMP-2(rBMP-2)を含んでもよい。BMP-2は、ヒトBMP-2(hBMP-2)を含んでもよい。好ましい実施形態において、BMP-2は、組換えヒトBMP-2(rhBMP-2)を含むか、又はそれからなる。
【0021】
一実施形態において、BMP-2は、BMP-2封入ペレット(ペレットB)中に、約0.01%~約1%w/wの量で提供される。別の実施形態において、BMP-2は、BMP-2封入ペレット(ペレットB)中に、約0.01%~約0.5%w/wの量で提供される。別の実施形態において、BMP-2封入ペレット(ペレットB)中に、BMP-2は、約0.1%~約0.5%w/wの量で提供される。BMP-2は、BMP-2封入ペレット(ペレットB)中に、0.19%w/wの量で提供され得る。好ましい実施形態において、BMP-2は、BMP-2封入ペレット(ペレットB)中に、約0.2%w/wの量で提供され得る。
【0022】
ポロクサマー407
BMP-2封入ペレット(ペレットB)は、約5%~約15%のポロクサマー407を含むか、又はそれからなり得る。別の実施形態において、BMP-2封入ペレット(ペレットB)は、約8%~約12%のポロクサマー407を含むか、又はそれからなり得る。好ましい実施形態において、BMP-2封入ペレット(ペレットB)は、約10%のポロクサマー407を含むか、又はそれからなる。
【0023】
一実施形態において、ポロクサマー407は、例えば、水性担体の任意の添加に先立って、粉末形態で提供される。ポロクサマー407は、微粉化粉末であり得る。一実施形態において、ポロクサマーは、サイズが105μm未満である。ポロクサマー407粒子の少なくとも85%は、サイズが60μm未満、好ましくはサイズが53μm未満であり得る。
【0024】
ポロクサマー407は、BMP-2封入ペレット(ペレットB)に封入され得る。
【0025】
有利には、ポロクサマー407は、ペレットからのBMP-2の制御放出を助け、PEG400などのいくつかの可塑剤添加剤とは対照的に、pHを著しく低下させない。ポロクサマーのレベルは、BMP-2の放出速度を増加させるのに十分な量に最適化されているが、ホットメルト押出プロセスを妨げるのに十分な量ではない。さらに有利には、ポロクサマー407は当技術分野において可塑剤として分類することができるが、PLGAなどのポリマーのTgを低下させないことが実証されている。
【0026】
ポリマー
BMP-2封入ペレット(ペレットB)のポリマー
一実施形態において、BMP-2封入ペレット(ペレットB)のポリマーは、ポリ(ラクチド-コ-グリコリド)であるPLGAを含むか、又はそれからなる。BMP-2封入ペレット(ペレットB)のPLGAは、PLGA45:50~55:45を含むか、又はそれからなり得る。好ましい実施形態において、PLGAはPLGA50:50である。BMP-2封入ペレットのPLGAは、PLGA50:50Aなどの酸末端PLGAであり得る。
【0027】
一実施形態において、BMP-2封入ペレットのPLGAは、PDLLGAであり得る。あるいは、PLGAは、L型の乳酸のみを含み得る。
【0028】
L:G(ラクチド:グリコリド)の比率は、適切なBMP-2放出プロファイルを提供するために有利に最適化されている。
【0029】
BMP-2封入ペレット(ペレットB)は、60%~約90%(w/w)のPLGA50:50などのPLGAを含むか、又はそれからなり得る。別の実施形態において、BMP-2封入ペレット(ペレットB)は、70%~約80%(w/w)のPLGA50:50などのPLGAを含むか、又はそれからなる。BMP-2封入ペレット(ペレットB)は、75%~約76%(w/w)のPLGA50:50などのPLGAを含むか、又はそれからなり得る。好ましい実施形態において、BMP-2封入ペレット(ペレットB)は、約75.5%(w/w)のPLGA50:50などのPLGAを含むか、又はそれからなる。
【0030】
有利には、60~90%などのPLGAポリマーの量は、例えば、シクロデキストリンなどの他の成分の存在下で、ホットメルト押出によって処理される能力について最適化されている。
【0031】
BMP-2封入ペレット(ペレットB)のPLGAは、約40kDa~約80kDaMWtの分子量を有し得る。別の実施形態において、BMP-2封入ペレット(ペレットB)のPLGAは、約60kDa~約70KDa MWtの分子量を有し得る。
【0032】
有利には、PLGAの分子量は、所望のBMP-2放出プロファイルを提供するために所望の速度で分解するように最適化されている。
【0033】
リン酸カルシウム封入ペレット(ペレットA)のポリマー
一実施形態において、リン酸カルシウム封入ペレット(ペレットA)のポリマーは、ポリ(ラクチド-コ-グリコリド)であるPLGAを含むか、又はそれからなる。PLGAは、PLGA75:25からPLGA95:5(75~95:5~25)を含むか、又はそれからなり得る。リン酸カルシウム封入ペレット(ペレットA)のポリマーは、PLGA75:25~PLGA95:5を含むか、又はそれからなり得る。別の実施形態において、リン酸カルシウム封入ペレット(ペレットA)のポリマーは、PLGA93~97:7~3を含むか、又はそれからなり得る。好ましい実施形態において、リン酸カルシウム封入ペレット(ペレットA)のポリマーは、PLGA95:5を含むか、又はそれからなる。リン酸カルシウム封入ペレット(ペレットA)のポリマーは、PLGA95:5Aなどのエステル末端PLGAを含むか、又はそれからなり得る。
【0034】
一実施形態において、リン酸カルシウム封入ペレットのPLGAは、PDLLGAであり得る。あるいは、PLGAは、L型の乳酸のみを含み得る。
【0035】
L:G(ラクチド:グリコリド)の比率は、分解生成物の酸性度による生体適合性の問題を引き起こす可能性のある急激な分解を防ぐように有利に最適化されている。
【0036】
リン酸カルシウム封入ペレット(ペレットA)は、PLGA95:5などの約40%~約60%(w/w)のPLGAを含むか、又はそれからなり得る。別の実施形態において、リン酸カルシウム封入ペレット(ペレットA)は、約45%~約55%(w/w)のPLGA95:5などのPLGAを含むか、又はそれからなる。リン酸カルシウム封入ペレット(ペレットA)は、約49%~約51%(w/w)のPLGA95:5などのPLGAを含むか、又はそれからなり得る。好ましい実施形態において、リン酸カルシウム封入ペレット(ペレットA)は、約50%(w/w)のPLGA95:5などのPLGAを含むか、又はそれからなる。
【0037】
有利には、40~60%などのPLGA95:5ポリマーの量は、骨による十分なレベルの分解及び置換、並びにホットメルト押出によって処理される能力について最適化されている。
【0038】
リン酸カルシウム封入ペレット(ペレットA)のPLGAは、約50kDa~約90kDaのMWtの分子量を有し得る。
【0039】
有利には、PLGAの分子量は、インビボで所望の速度で分解するように最適化されている。
【0040】
好ましい実施形態において、BMP-2封入ペレット(ペレットB)のポリマーは、PDLLGA50:50を含むか、又はそれからなり、リン酸カルシウム封入ペレット(ペレットA)のポリマーは、PDLLGA95:5を含むか、又はそれからなる。
【0041】
さらに好ましい実施形態において、BMP-2封入ペレット(ペレットB)は、約75.5%(w/w)のPLGA50:50などのPLGAを含むか、又はそれからなり、リン酸カルシウム封入ペレット(ペレットA)は、約50%(w/w)のPLGA95:5などのPLGAを含むか、又はそれからなる。
【0042】
粘度調整剤
BMP-2封入ペレット(ペレットB)は、約5%~約15%w/wの粘度調整剤を含み得る。粘度調整剤は、ポロクサマー407を含むか、又はそれからなり得る。したがって、一実施形態において、BMP-2封入ペレット(ペレットB)は、約5%~約15%w/wのポロクサマー407を含み得る。別の実施形態において、BMP-2封入ペレット(ペレットB)は、約8%~約12%w/wのポロクサマー407などの粘度調整剤を含む。好ましい実施形態において、BMP-2封入ペレット(ペレットB)は、約10%w/wのポロクサマー407などの粘度調整剤を含む。
【0043】
有利には、粘度調整剤は、BMP-2の放出速度を高めるために提供及び最適化される一方でまた、ホットメルト押出プロセスを著しく妨げない。
【0044】
BMP-2封入ペレット(ペレットB)は、可塑剤を含まなくてもよい。一実施形態において、ポロクサマー407は、可塑剤ではなく、かつ可塑剤として作用しない(例えば、ポロクサマー407は、ペレットのガラス転移温度(Tg)を著しく低下させず、かつ低下させることを意図しない)。
【0045】
一実施形態において、ポロクサマー407は、例えば、水性担体の任意の添加に先立って、粉末形態で提供される。ポロクサマー407は、微粉化粉末であり得る。一実施形態において、ポロクサマーは、サイズが105μm未満である。ポロクサマー407粒子の少なくとも85%は、サイズが60μm未満、好ましくはサイズが53μm未満であり得る。
【0046】
2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン
BMP-2封入ペレット(ペレットB)は、約10%~約30%w/wの2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含むか、又はそれからなり得る。一実施形態において、BMP-2封入ペレット(ペレットB)は、約10%~約20%w/wの2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含むか、又はそれからなる。別の実施形態において、BMP-2封入ペレット(ペレットB)は、約12%~約15%w/wの2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含むか、又はそれからなる。好ましい実施形態において、BMP-2封入ペレット(ペレットB)は、約14%、より好ましくは14.3%w/wの2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含むか、又はそれからなる。
【0047】
有利には、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンは、ホットメルト押出プロセス中のBMP-2の保護用であり、BMP-2を十分に保護し、ホットメット押出プロセスを著しく妨げないように最適化することができる。2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンは、その高い溶解性のためにBMP-2の放出を有利に助け、細孔を開き、水の浸入を可能にし得る。
【0048】
BMP-2封入ペレット(ペレットA)及びβ-TCP封入ペレット(ペレットB)の他の特徴
一実施形態において、BMP-2封入ペレット(ペレットB)及び/又はリン酸カルシウム封入ペレット(ペレットA)は、国際特許出願公開WO2018150166A1(これは参照により本明細書に組み込まれる)に記載のものに従って、ペレットを貫通する開放中空を有するような中空ペレットとして成形される。BMP-2封入ペレット(ペレットB)及び/又はリン酸カルシウム封入ペレット(ペレットA)は、中空円筒状ペレットとして成形され得る。
【0049】
中空ペレットは、開放中空を含んでもよい。例えば、少なくとも一端又は側面が開口している構造内の中空、すなわち、ペレットの構造内に完全に封入されている中空ではない。例えば、中空ペレットは、中空がそこを通って延びる管状構造を有してもよい。中空管は、ペレット構造の一端で開口しているか、又はより好ましくは両端で開口していてもよい。中空ペレットは、断面が実質的にO型であり得る。本発明はまた、ペレット構造を通って流れるチャネルの形態の中空を想定しており、それによって、チャネルは、その長さに沿って、すなわち、一般的にO型の中空断面を有する中空管構造の代替物として実質的に開口していてもよく、中空ペレットは、中空チャネルがその長さに沿って実質的に開口するように、C型又はU型の断面を含んでもよい。一実施形態において、中空ペレットは、構造が管状であり、両端が開口している。中空ペレットは、(例えば、チューブの反対側の壁が一般に互いに平行であるという意味で)実質的に平行な壁を含んでもよい。中空ペレットは球状ではない場合がある。中空ペレットは、中空の微小球(例えば、実質的に中空コアを有する実質的に球状の粒子)を含まなくても、又はそれからなっていなくてもよい。
【0050】
中空ペレットは管状であり得る。一実施形態において、中空ペレットは、実質的に円形の断面を有する管状である。あるいは、中空ペレットは、円形、三角形、正方形、半円形、五角形、六角形、七角形、八角形などの任意の適切な形状の断面であり得る。中空ペレットが管状である一実施形態において、中空ペレットの外面は断面が実質的に円形であってもよく、中空ペレットの内面は断面が実質的に円形であり得る。別の実施形態において、外面の断面形状は、内面の断面形状と異なっていてもよい。例えば、外面は断面が円形であってもよく、内面は断面が正方形であってもよく、又はその逆でもよい。中空ペレットを押出により形成する例では、チューブ様構造体の内面及び外面の断面形状は、押出ダイスの形状によって決定され得る。
【0051】
中空ペレットは、それらの直径と同等又はそれ以上の長さを有してもよい。一実施形態において、長さは直径よりも大きい。中空ペレットは、直径に対する長さが少なくとも0.5:1、1:1、1:1.5、1:2又は1:3のアスペクト比を有し得る。中空ペレットは、直径に対する長さが1:5、1:4、1:3又は1:2以下のアスペクト比を有し得る。中空ペレットは、直径に対する長さが約0.5:1~約1:5のアスペクト比を有し得る。中空ペレットは、直径に対する長さが約1:1~約1:5のアスペクト比を有し得る。中空ペレットは、直径に対する長さが約0.5:1~約1:5のアスペクト比を有し得る。
【0052】
中空ペレットの長さは、中空ポリマーペレットの組成物中で均一であり得るか、又は組成物中の中空ポリマーペレットの集団は、互いの長さが不規則であり得る。
【0053】
中空ペレットは、最長寸法が約300μm~約1300μmのサイズを有し得る。別の実施形態において、中空ペレットは、最長寸法が約300μm~約1000μmのサイズを有し得る。別の実施形態において、中空ペレットは、最長寸法が約300μm~約900μmのサイズを有し得る。中空ペレットは、最長寸法が約600μm~約1300μmのサイズを有し得る。
【0054】
中空ペレットの外径(すなわち、対向する外面間の距離(例えば、チューブの外(external)径/外(outer)径)は、約300μm~約900μmであり得る。別の実施形態において、中空ペレットの外径(すなわち、対向する外面間の距離(例えば、チューブの外(external)径/外(outer)径)は、約600μm~約900μmであり得る。別の実施形態において、中空ペレットの外径(すなわち、対向する外面間の距離(例えば、チューブの外(external)径/外(outer)径)は、約300μm~約700μmであり得る。
【0055】
中空ペレットの壁の厚さは、約100~200μmであり得る。好ましい実施形態において、中空ペレットの壁の厚さは、約120μm~170μmであり得る。
【0056】
中空ポリマーペレットの内径(すなわち、対向する内面間の距離(例えば、チューブの内径))は、約100~約300μmであり得る。別の実施形態において、中空ポリマーペレットの内径(すなわち、対向する内面間の距離(例えば、チューブの内径))は、約10~約300μmであり得る。別の実施形態において、中空ポリマーペレットの内径(すなわち、対向する内面間の距離(例えば、チューブの内径))は、約20~約300μmであり得る。別の実施形態において、中空ポリマーペレットの内径(すなわち、対向する内面間の距離(例えば、チューブの内径))は、約10~約200μmであり得る。別の実施形態において、中空ポリマーペレットの内径(すなわち、対向する内面間の距離(例えば、チューブの内径))は、約20~約200μmであり得る。別の実施形態において、中空ポリマーペレットの内径(すなわち、対向する内面間の距離(例えば、チューブの内径))は、約10~約100μmであり得る。別の実施形態において、中空ポリマーペレットの内径(すなわち、対向する内面間の距離(例えば、チューブの内径))は、約20~約100μmであり得る。別の実施形態において、中空ポリマーペレットの内径(すなわち、対向する内面間の距離(例えば、チューブの内径))は、約20~約50μmであり得る。別の実施形態において、中空ポリマーペレットの内径は、約200μmであり得る。別の実施形態において、中空ポリマーペレットの内径(すなわち、対向する内面間の距離(例えば、チューブの内径))は、少なくとも約20μmであり得る。別の実施形態において、中空ポリマーペレットの内径(すなわち、対向する内面間の距離(例えば、チューブの内径))は、少なくとも約40μmであり得る。別の実施形態において、中空ポリマーペレットの内径(すなわち、対向する内面間の距離(例えば、チューブの内径))は、少なくとも約50μmであり得る。別の実施形態において、中空ポリマーペレットの内径(すなわち、対向する内面間の距離(例えば、チューブの内径))は、少なくとも約800μmであり得る。別の実施形態において、中空ポリマーペレットの内径(すなわち、対向する内面間の距離(例えば、チューブの内径))は、少なくとも約100μmであり得る。別の実施形態において、中空ポリマーペレットの内径(すなわち、対向する内面間の距離(例えば、チューブの内径))は、少なくとも約150μmであり得る。別の実施形態において、中空ポリマーペレットの内径(すなわち、対向する内面間の距離(例えば、チューブの内径))は、少なくとも約200μmであり得る。そのような中空/内腔のサイズは、中空ポリマーペレットへの有利な細胞浸潤を可能にする。
【0057】
一実施形態において、所望のサイズの中空ポリマーペレットは、約400μmの細孔径を有する篩又はフィルターを通過することができない可能性があるが、約500μmの細孔径を有する篩又はフィルターを通過するだろう。別の実施形態において、所望のサイズの中空ポリマーペレットは、約400μmの細孔径を有する篩又はフィルターを通過することができない可能性があるが、約600μmの細孔径を有する篩又はフィルターを通過するだろう。別の実施形態において、所望のサイズの中空ポリマーペレットは、約400μmの細孔径を有する篩又はフィルターを通過することができない可能性があるが、約800μmの細孔径を有する篩又はフィルターを通過するだろう。一実施形態において、所望のサイズの中空ポリマーペレットは、約300μmの細孔径を有する篩又はフィルターを通過することができない可能性があるが、約500μmの細孔径を有する篩又はフィルターを通過するだろう。別の実施形態において、所望のサイズの中空ポリマーペレットは、約300μmの細孔径を有する篩又はフィルターを通過することができない可能性があるが、約600μmの細孔径を有する篩又はフィルターを通過するだろう。別の実施形態において、所望のサイズの中空ポリマーペレットは、約300μmの細孔径を有する篩又はフィルターを通過することができない可能性があるが、約800μmの細孔径を有する篩又はフィルターを通過するだろう。
【0058】
一実施形態において、中空ポリマーペレットの中空(又はそうでなければ「内腔」)は、中空ポリマーペレットの体積の少なくとも10%であり得る。別の実施形態において、中空ポリマーペレットの中空は、中空ポリマーペレットの体積の少なくとも20%であり得る。別の実施形態において、中空ポリマーペレットの中空は、中空ポリマーペレットの体積の少なくとも30%であり得る。別の実施形態において、中空ポリマーペレットの中空は、中空ポリマーペレットの体積の少なくとも40%であり得る。別の実施形態において、中空ポリマーペレットの中空は、中空ポリマーペレットの体積の少なくとも50%であり得る。そのような中空/内腔の体積は、中空ポリマーペレットへの有利な細胞浸潤を可能にする。
【0059】
中空ポリマーペレットは固体であり得(中空自体を除いて)、すなわち、中空ポリマーペレットの材料は、多孔質構造を有さずに固体であり得る。あるいは、中空ポリマーペレットは、中空ポリマーペレット構造の壁が多孔質であるように、多孔質材料で構成され得る。
【0060】
BMP-2封入ペレット(ペレットB)及び/又はリン酸カルシウム封入ペレット(ペレットA)の長さは、600μm~1300μmであり得る。
【0061】
BMP-2封入ペレット(ペレットB)の外径は、600μm~900μmであり得る。リン酸カルシウム封入ペレット(ペレットA)の外径は、300μm~700μmであり得る。好ましい実施形態において、BMP-2封入ペレット(ペレットB)の外径は、600μm~900μmであり得、リン酸カルシウム封入ペレット(ペレットA)の外径は、300μm~700μmであり得る。
【0062】
BMP-2封入ペレット(ペレットB)及び/又はリン酸カルシウム封入ペレット(ペレットA)の長さは、600μm~1300μmであり得、BMP-2封入ペレット(ペレットB)の外径は、600μm~900μmであり得る。
【0063】
BMP-2封入ペレット(ペレットB)及び/又はリン酸カルシウム封入ペレット(ペレットA)の長さは600μm~1300μmであり得、リン酸カルシウム封入ペレット(ペレットA)の外径は300μm~700μmであり得る。
【0064】
好ましい実施形態において、BMP-2封入ペレット(ペレットB)及び/又はリン酸カルシウム封入ペレット(ペレットA)は、長さが600μm~1300μmであり得、かつ、
BMP-2封入ペレット(ペレットB)の外径は、600μm~900μmであり得、かつ、
リン酸カルシウム封入ペレット(ペレットA)の外径は、300μm~700μmであり得る。
【0065】
BMP-2封入ペレット(ペレットB)及び/又はリン酸カルシウム封入ペレット(ペレットA)の長さは、600μm~1300μmであり得、かつ中空ペレット(ペレットA及びペレットB)の壁の厚さは、約120μm~170μmであり得る。
【0066】
BMP-2封入ペレット(ペレットB)の外径は、600μm~900μmであり得る。リン酸カルシウム封入ペレット(ペレットA)の外径は、300μm~700μmであり得る。好ましい実施形態において、BMP-2封入ペレット(ペレットB)の外径は、600μm~900μmであり得、リン酸カルシウム封入ペレット(ペレットA)の外径は、300μm~700μmであり得る。中空ペレット(ペレットA及びペレットB)の壁の厚さは、約120μm~170μmであり得る。
【0067】
BMP-2封入ペレット(ペレットB)及び/又はリン酸カルシウム封入ペレット(ペレットA)の長さは、600μm~1300μmであり得;BMP-2封入ペレット(ペレットB)の外径は、600μm~900μmであり得;かつ中空ペレット(ペレットA及びペレットB)の壁の厚さは、約120μm~170μmであり得る。
【0068】
BMP-2封入ペレット(ペレットB)及び/又はリン酸カルシウム封入ペレット(ペレットA)の長さは、600μm~1300μmであり得;リン酸カルシウム封入ペレット(ペレットA)の外径は、300μm~700μmであり得;かつ中空ペレット(ペレットA及びペレットB)の壁の厚さは、約120μm~170μmであり得る。
【0069】
好ましい実施形態において、BMP-2封入ペレット(ペレットB)及び/又はリン酸カルシウム封入ペレット(ペレットA)の長さは、600μm~1300μmであり得、かつ、
BMP-2封入ペレット(ペレットB)の外径は600μm~900μmであり得、壁の厚さは約120μm~170μmであり得;かつ
リン酸カルシウム封入ペレット(ペレットA)の外径は、300μm~700μmであり得、壁Oの厚さは、約120μm~170μmであり得る。
【0070】
中空ポリマーペレットのサイズ、長さ、直径、体積もしくは厚さ、又はそれらの特徴は、中空ポリマーペレットの集団の平均サイズを指し得る。一実施形態において、中空ポリマーペレットのサイズ、長さ、直径、体積もしくは厚さ、又はその特徴は、中空ポリマーペレットの最大サイズ、長さ、直径、体積又は厚さを指し得る。中空ポリマーペレットのサイズは、意図する用途又は必要な骨伝導性インプラント材料の種類について、当業者によって有利に選択され得る。例えば、より大きなサイズの中空ポリマーペレットの使用は、多孔性を高めるためであってもよく、中空ポリマーペレット間のギャップは、より小さな中空ポリマーペレットの使用に対してより大きくてもよい。そのようなサイズの制御は、薬剤の放出速度を制御することができ、それによって、より大きな中空ポリマーペレットの選択によって、より速い放出速度が提供され得る。例えば、中空ポリマーペレット材料を押出す場合、中空ポリマーペレットを引っ張って、より細い直径にして、引き出し率を変えることができる。さらに、形態は、温度の変化、ひいては冷却時間の変化によって影響され得る。
【0071】
有利には、ペレットA及び/又はBの形態並びに寸法は、結果として生じる材料の十分な多孔性を許容するのに十分大きく、扱いやすいパテを生成し、材料からのペレットの脱落を回避するのに十分小さくなるように最適化される。
【0072】
水性担体
水性担体は、例えば、体液に対して等張であり得る。一実施形態において、水性担体は、生理食塩水を含むか、又はそれからなる。好ましい実施形態において、水性担体は、生理食塩水を含むか、又はそれからなる。
【0073】
生理食塩水は、約0.9%w/vのNaClを含むか、又はそれからなり得る。
【0074】
水性担体は、無菌であり/滅菌され得る。
【0075】
一実施形態において、水性担体は可塑剤を含まない。
【0076】
組成物
骨伝導性インプラント材料組成物は、骨伝導性足場を生成するための組成物であり得る。
【0077】
該組成物の成分(A)、(B)、(C)及び任意に(D)は、一緒に混合されて単一組成物にされ得る。一実施形態において、該組成物は、(D)水性担体をさらに含む。水性担体を有する実施形態において、該組成物はパテの形態であり得る。
【0078】
BMP-2封入ペレット(B)は、(水性担体(D)の非存在下で)該組成物の約10%~約45%w/wの量で提供され得る。別の実施形態において、BMP-2封入ペレット(B)は、(水性担体(D)の非存在下で)該組成物の約10%~約30%w/wの量で提供され得る。一実施形態において、BMP-2封入ペレット(B)は、(水性担体(D)の非存在下で)該組成物の約20%~約30%w/wの量で提供される。好ましい実施形態において、BMP-2封入ペレット(B)は、(水性担体(D)の非存在下で)該組成物の約20%w/wの量で提供される。例えば、リン酸カルシウムペレットが成分(A)として提供される一実施形態において、BMP-2封入ペレット(B)は、(水性担体(D)の非存在下で)該組成物の約23%w/wの量で提供され得る。
【0079】
有利には、BMP-2封入ペレット(B)の割合は、PLGAの酸分解に対して、BMP-2の十分な投薬プロファイル及び放出プロファイルのために最適化される。
【0080】
リン酸カルシウム封入ペレット(A)は、(水性担体(D)の非存在下で)該組成物の約10%~約52%w/wの量で提供され得る。別の実施形態において、リン酸カルシウム封入ペレット(A)は、(水性担体(D)の非存在下で)該組成物の約25%~約50%w/wの量で提供され得る。別の実施形態において、リン酸カルシウム封入ペレット(A)は、(水性担体(D)の非存在下で)該組成物の約35%~約45%w/wの量で提供される。好ましい実施形態において、リン酸カルシウム封入ペレット(A)は、(水性担体(D)の非存在下で)該組成物の約40%w/wの量で提供される。
【0081】
リン酸カルシウムペレット(A)は、(水性担体(D)の非存在下で)該組成物の約25%~約50%w/wの量で提供され得る。別の実施形態において、リン酸カルシウムペレット(A)は、(水性担体(D)の非存在下で)該組成物の約30%~約40%w/wの量で提供される。好ましい実施形態において、リン酸カルシウムペレット(A)は、(水性担体(D)の非存在下で)該組成物の約35%w/wの量で提供される。
【0082】
有利には、リン酸カルシウムペレット又はリン酸カルシウム封入ペレット(A)の相対的な割合は、十分に扱いやすい特性を有するパテを提供するように最適化される。
【0083】
一実施形態において、リン酸カルシウムペレットとリン酸カルシウム封入ペレットの混合物は、成分(A)として提供される。
【0084】
粘度調整剤(C)(例えば、ポロクサマー407)は、(水性担体(D)の非存在下で)該組成物の約25%~約50%w/wの量で提供され得る。別の実施形態において、粘度調整剤(C)は、(水性担体(D)の非存在下で)該組成物の約35%~約45%w/wの量で提供される。好ましい実施形態において、粘度調整剤(C)は、(水性担体(D)の非存在下で)該組成物の約40%w/wの量で提供される。例えば、リン酸カルシウムペレットが成分(A)として提供される一実施形態において、粘度調整剤(C)は、(水性担体(D)の非存在下で)該組成物の約42%w/wの量で提供され得る。例えば、リン酸カルシウムペレットが成分(A)として提供される好ましい実施形態において、粘度調整剤(C)は、(水性担体(D)の非存在下で)該組成物の約40.5%w/wの量で提供され得る。
【0085】
有利には、粘度調整剤の相対的な割合は、室温(例えば、約24℃)でゲル化して、可溶性になるレベルでもパテを形成するように最適化される。
【0086】
好ましくは、該組成物は、水性担体(D)と混合されたときに、対象に骨伝導性インプラント材料を形成するのに適している。
【0087】
該組成物は、水性担体(D)と混合されると、パテを形成し得る。
【0088】
水性担体(例えば、生理食塩水)(成分D)は、リン酸カルシウムペレット及び/又はリン酸カルシウム封入ペレット(A)、BMP-2封入ペレット(B)及び粘度調整剤(C)の粉末混合物(v/w)1部に対して、0.3~約0.8部の割合で提供され得る。一実施形態において、水性担体(例えば、生理食塩水)(成分D)は、リン酸カルシウムペレット及び/又はリン酸カルシウム封入ペレット(A)、BMP-2封入ペレット(B)及び粘度調整剤(C)の粉末混合物(v/w)1部に対して、0.5~0.6部の割合で提供され得る。一実施形態において、水性担体(例えば、生理食塩水)(成分D)は、リン酸カルシウムペレット及び/又はリン酸カルシウム封入ペレット(A)、BMP-2封入ペレット(B)及び粘度調整剤(C)の粉末混合物(v/w)1部に対して、0.6部の割合で提供され得る。別の実施形態において、水性担体(例えば、生理食塩水)(成分D)は、リン酸カルシウムペレット及び/又はリン酸カルシウム封入ペレット(A)、BMP-2封入ペレット(B)及び粘度調整剤(C)の粉末混合物(v/w)1部に対して、0.4部の割合で提供され得る。
【0089】
有利には、乾燥粉末成分に対する水性担体の相対的な割合は、該組成物を完全に湿らせてパテを形成するように最適化されるが、粘度が低すぎること及び扱いにくい特性を避けるように最適化される。
【0090】
該組成物は、無菌であり/滅菌され得る。
【0091】
該組成物は、固体の非可鍛性足場に設置されても、又は設置されなくてもよい。
【0092】
該組成物がパテ形態、又は固化形態である実施形態において、該組成物は、前腰椎ケージなどのケージ内に充填され得る。前腰椎ケージは、El Capitanの前腰椎椎体間固定術(ALIF)システム、又は経椎間孔腰椎椎体間固定術(TLIF)システムを備えてもよい。該組成物は、任意の脊椎固定術、例えば、前頚椎椎間板切除術と固定術(ACDF)、経椎間孔腰椎椎体間固定術(TLIF)、極端な側方椎体間固定術(XLIF)、前腰椎椎体間固定術(ALIF)、斜め側方椎体間固定術(OLIF)、後部腰椎固定術(PLF)、後頭頚椎固定術(OCF)、又は後頚部固定術に使用され得る。
【0093】
一実施形態において、該組成物は、
(A)リン酸カルシウムペレット又はリン酸カルシウム封入ペレットであって、リン酸カルシウム封入ペレットが、
-L:G比が75~95:5~25である40~60%w/wのPLGA、及び
-PLGA内に封入されている40~60%w/wのリン酸カルシウム
を含むか、又はそれらからなる、リン酸カルシウムペレット又はリン酸カルシウム封入ペレット;
(B)-L:G比が45~55:55~45である60~90%w/wのPLGA、
-10~30%w/wの2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、
-5~15%w/wのポロクサマー407、及び
-PLGA内に封入されている0.01~0.1%w/wのBMP-2
を含むか、又はそれらからなるBMP-2封入ペレット;
並びに
(C)ポロクサマー407を含む粘度調整剤;並びに任意に
(D)水性担体
を含むか、又はそれらからなる。
【0094】
一実施形態において、該組成物は、
(A)リン酸カルシウムペレット;
(B)-L:G比が45~55:55~45である60~90%w/wのPLGA、
-10~30%w/wの2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、
-5~15%w/wのポロクサマー407、及び
-PLGA内に封入されている0.01~0.1%w/wのBMP-2
を含むか、又はそれらからなるBMP-2封入ペレット;
並びに
(C)ポロクサマー407を含む粘度調整剤;並びに任意に
(D)水性担体
を含むか、又はそれらからなる。
【0095】
別の実施形態において、該組成物は、
(A)-PLGA95:5(50%w/w)、及び
-PDLLGA95:5に封入されているリン酸カルシウム(50%w/w)
を含むか、又はそれらからなる40%w/wのリン酸カルシウム封入ペレット:
(B)-PLGA50:50(ポリ(DL-乳酸-コ-グリコール酸)(75.5%w/w)、
-2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン(14.30%w/w)、
-ポロクサマー407(微粒子化)(10%w/w)、及び
-PDLLGA50:50内に封入されているrhBMP-2(0.19%w/w)及び賦形剤
を含むか、又はそれらからなる20%w/wのrhBMP-2封入ペレット;
並びに
(C)40%w/wのポロクサマー407(粉末)を含む粘度調整剤;並びに任意に
(D)水性担体
を含むか、又はそれらからなる。
【0096】
別の実施形態において、該組成物は、
(A)35%w/wのリン酸カルシウムペレット;
(B)-PLGA50:50(ポリ(DL-乳酸-コ-グリコール酸)(75.5%w/w)、
-2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン(14.30%w/w)、
-ポロクサマー407(微粒子化)(10%w/w)、及び
-PDLLGA50:50内に封入されているrhBMP-2(0.19%w/w)及び賦形剤
を含むか、又はそれらからなる23%w/wのrhBMP-2封入ペレット;
並びに
(C)42%w/wのポロクサマー407(粉末)を含む粘度調整剤;並びに任意に
(D)水性担体
を含むか、又はそれらからなる。
【0097】
別の実施形態において、該組成物は、
(A)37%w/wのリン酸カルシウムペレット;
(B)-PLGA50:50(ポリ(DL-乳酸-コ-グリコール酸)(75.5%w/w)、
-2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン(14.30%w/w)、
-ポロクサマー407(微粒子化)(10%w/w)、及び
-PDLLGA50:50内に封入されているrhBMP-2(0.19%w/w)及び賦形剤
を含むか、又はそれらからなる22%w/wのrhBMP-2封入ペレット;
並びに
(C)41%w/wのポロクサマー407(粉末)を含む粘度調整剤;並びに任意に
(D)水性担体
を含むか、又はそれらからなる。
【0098】
他の態様
本発明の別の態様によれば、本明細書の本発明による骨伝導性インプラント材料を含む前腰椎ケージが提供される。
【0099】
本発明の別の態様によれば、例えば、椎間板変性疾患を有する患者の脊椎固定の方法であって、本明細書の本発明による骨伝導性インプラント材料で腰椎ケージを充填し、腰椎ケージを患者に埋め込む工程を含む方法が提供される。
【0100】
腰椎ケージは、患者の2つの隣接する椎骨の間に埋め込まれ得る。治療における方法又は使用は、前腰椎椎体間(ALIF)固定術を含み得る。治療における方法又は使用は、前頚椎椎間板切除術と固定術(ACDF)、経椎間孔腰椎椎体間固定術(TLIF)、極端な側方椎体間固定術(XLIF)、前腰椎椎体間固定術(ALIF)、斜め側方椎体間固定術(OLIF)、後部腰椎固定術(PLF)、後頭頚椎固定術(OCF)、又は後頚部固定術などの任意の脊椎固定術を含み得る。本方法又は使用は、L4-S1からの1つのレベルでの椎間板変性疾患(DDD)を有する成人患者における脊椎固定術におけるものであり得る。
【0101】
本発明の別の態様によれば、骨修復又は前腰椎椎体間(ALIF)固定術において使用するために、本明細書の本発明による骨伝導性インプラント材料が提供される。
【0102】
本発明の骨伝導性インプラント材料は、スクリュー又はロッドを骨の中に固定するため、又はプレートを骨上に固定するために使用され得る。
【0103】
本発明の別の態様によれば、骨移植に用いるための本明細書の本発明による骨伝導性インプラント材料が提供される。
【0104】
骨移植又は修復における使用は、対象又はドナーからの天然骨の移植を増強することであり得る。別の実施形態において、骨移植は、損傷した骨などの対象の骨における空隙を本発明の材料で充填することであり得る。本発明は、任意の骨移植固定術で使用され得る。
【0105】
本発明の別の態様によれば、経椎間孔腰椎椎体間固定術(TLIF)などの脊椎固定において使用するための本明細書の本発明による骨伝導性インプラント材料が提供される。
【0106】
本発明の別の態様によれば、前腰椎椎体間(ALIF)固定術などにおける骨空洞充填剤として使用するための本明細書の本発明による骨伝導性インプラント材料が提供される。
【0107】
本発明の別の態様によれば、脊椎固定用の腰椎ケージにおける本明細書の本発明による骨伝導性インプラント材料の使用が提供される。
【0108】
本発明は、特発性側弯症、神経筋側弯症、椎間板変性疾患、脊椎症、脊椎すべり症、又は骨修復、骨移植、もしくは骨置換術によって治療され得る任意の他の状態の治療に使用され得る。
【0109】
本発明の別の態様によれば、BMP-2を封入しているポリマーのホットメルト押出のプロセスにおいて、BMP-2を熱による変性から保護するための2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンの使用が提供される。
【0110】
2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンは、ポリマー中のBMP-2と共に封入され得る。
【0111】
本発明の別の態様によれば、骨伝導性インプラント材料を形成するためのキットであって、
(A)リン酸カルシウムペレット又はリン酸カルシウム封入ペレットであって、リン酸カルシウム封入ペレットが、
-ポリマー、及び
-ポリマー内に封入されているβ-TCP
を含むか、又はそれらからなる、リン酸カルシウムペレット又はリン酸カルシウム封入ペレット;
(B)-ポリマー
-2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン、
-ポロクサマー407、及び
-ポリマー内に封入されているBMP-2
を含むか、又はそれらからなるBMP-2封入ペレット;
並びに
(C)ポロクサマー407を含む粘度調整剤;並びに
(D)水性担体
を含むキットが提供される。
【0112】
成分(A)、(B)及び(C)は、小袋などの別々のパケット内に保持され得る。成分(A)、(B)及び(C)の2つ又は全部は、小袋などの同じパケット内に保持され得る。水性担体(D)は、成分と混合するために使用されるまで、例えば、小袋又はボトル内で別々にしておいてもよい。
【0113】
該キットは、脱酸素剤及び/又は乾燥剤を含んでもよい。当業者は、実質的に無酸素環境を維持するのに十分な適切な脱酸素剤に精通しているだろう。脱酸素剤は、25±2℃で7日以内に少なくとも20ml以上の酸素を吸収し得る。あるいは、脱酸素剤は、25±2℃下で7日以内に少なくとも40ml以上の酸素を吸収し得る。例となる脱酸素剤は、ケイ化物、炭化水素化合物、樹脂粉末、活性炭、シリカゲル、及び無機添加剤の1以上又は全部を含んでもよい。
【0114】
当業者は、低含水率を維持するのに十分である適切な乾燥剤に精通しているだろう。乾燥剤は、25℃、相対湿度80%で少なくとも16.5%以上の吸着能力を有し得る。乾燥剤材料はモレキュラーシーブを含んでもよい。
【0115】
該キットは、
(A)リン酸カルシウムペレット又はリン酸カルシウム封入ペレットであって、リン酸カルシウム封入ペレットが、
-L:G比が75~95:5~25である40~60%w/wのPLGA、及び
-PLGA内に封入されている40~60%w/wのリン酸カルシウム
を含むか、又はそれらからなる、リン酸カルシウムペレット又はリン酸カルシウム封入ペレット;
(B)-L:G比が45~55:55~45である60~90%w/wのPLGA、
-10~30%w/wの2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、
-5~15%w/wのポロクサマー407、及び
-PLGA内に封入されている0.01~0.1%w/wのBMP-2
を含むか、又はそれらからなるBMP-2封入ペレット;
並びに
(C)ポロクサマー407を含む粘度調整剤;並びに任意に
(D)水性担体
を含むか、又はそれらからなり得る。
【0116】
別の実施形態において、該キットは、
(A)40%w/wのリン酸カルシウムペレット又はリン酸カルシウム封入ペレットであって、リン酸カルシウム封入ペレットが、
-PLGA95:5(50%w/w)、及び
-PDLLGA95:5に封入されているリン酸カルシウム(50%w/w)
を含むか、又はそれらからなる40%w/wのリン酸カルシウムペレット又はリン酸カルシウム封入ペレット:
(B)-PLGA50:50(ポリ(DL-乳酸-コ-グリコール酸)(75.5%w/w)、
-2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン(14.30%w/w)、
-ポロクサマー407(微粒子化)(10%w/w)、及び
-PDLLGA50:50内に封入されているrhBMP-2(0.19%w/w)及び賦形剤
を含むか、又はそれらからなる20%w/wのrhBMP-2封入ペレット;
並びに
(C)40%w/wのポロクサマー407(粉末)を含む粘度調整剤;並びに任意に
(D)水性担体
を含むか、又はそれらからなり得る。
【0117】
別の実施形態において、該キットは、
(A)35%w/wのリン酸カルシウムペレット;
(B)-PLGA50:50(ポリ(DL-乳酸-コ-グリコール酸)(75.5%w/w)、
-2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン(14.30%w/w)、
-ポロクサマー407(微粒子化)(10%w/w)、及び
-PDLLGA50:50内に封入されているrhBMP-2(0.19%w/w)及び賦形剤
を含むか、又はそれらからなる23%w/wのrhBMP-2封入ペレット;
並びに
(C)42%w/wのポロクサマー407(粉末)を含む粘度調整剤;並びに任意に
(D)水性担体
を含むか、又はそれらからなり得る。
【0118】
本発明の別の態様によれば、
(A)リン酸カルシウムペレット又はリン酸カルシウム封入ペレットであって、リン酸カルシウム封入ペレットが、
-L:G比が75~95:5~25である40~60%w/wのPLGA、及び
-PLGA内に封入されている40~60%w/wのリン酸カルシウム
を含むか、又はそれらからなる、リン酸カルシウムペレット又はリン酸カルシウム封入ペレット;
(B)-L:G比が45~55:55~45である60~90%w/wのPLGA、
-10~30%w/wの2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、
-5~15%w/wのポロクサマー407、及び
-PLGA内に封入されている0.01~0.1%w/wのBMP-2
を含むか、又はそれらからなるBMP-2封入ペレット;並びに
(C)ポロクサマー407を含む粘度調整剤と;
(D)水性担体
の混合物を含む骨伝導性インプラント材料を形成する方法が提供される。
【0119】
成分(A)、(B)及び(C)は、(D)の水性担体と混合される前に乾燥混合物として提供され得る。成分(A)、(B)及び(C)は、(D)の水性担体と混合する前に滅菌され得る。該混合物は、一貫性のあるパテに加工され得る。
【0120】
本発明の別の態様によれば、本明細書の本発明による骨伝導性インプラント材料の製造プロセスが提供され、本方法は、成分(A)、(B)及び(C)、並びに任意に(D)の提供及び混合を含む。
【0121】
成分(A)、(B)及び(C)は、(D)の水性担体と混合する前に滅菌され得る。
【0122】
滅菌は、放射線照射によって行われ得る。一実施形態において、滅菌は、成分(A)、(B)、(C)及び(D)の1以上、又は全てを含む密封包装の照射によって行われる。好ましくは、密封包装はガス不透過性である。密封包装は、好ましくは脱酸素剤及び/又は乾燥剤を含む。脱酸素剤及び/又は乾燥剤は、多孔質ポリエチレンなどの1以上のガス透過性包装で提供されてもよく、これらは、成分(A)、(B)、(C)及び(D)の1以上又は全てと共にガス不透過性包装内に密封され得る。好ましくは、少なくともBMP-2封入ペレットは、そのような包装による照射中に酸素及び/又はフリーラジカルから保護される。
【0123】
密封包装は、窒素環境などの低酸素又はゼロ酸素環境で密封され得る。密封包装は酸素を含んでいなくてもよい。密封包装は(空気の代わりに)窒素ガスを含み得る。密封包装は、例えば、約2mbarの圧力で引かれる真空パッキングにより密封され得る。一実施形態において、密封包装は、脱酸素剤及び/又は乾燥剤を含む。
【0124】
BMP-2封入ペレット(B)は、ホットメルト押出(HME)によって形成され得る。
【0125】
一実施形態において、BMP-2封入ペレット(B)は、
-L:G比が45~55:55~45である60~90%w/wのPLGA、
-10~30%w/wの2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、
-5~15%w/wのポロクサマー407、及び
-0.01~0.1%w/wのBMP-2
を組み合わせて混合物を形成し、
ホットメルト押出プロセスで混合物を押出すことによって形成される。
【0126】
βBMP-2封入ペレットのホットメルト押出プロセスは、1~4%の供給率を有し得る。BMP-2封入ペレットの供給率は約2%であり得る。好ましい実施形態において、BMP-2封入ペレットの供給率は約2.2%である。当業者は、供給率、スクリュー速度及びペレタイザー設定などの、ホットメルト押出及びペレット化のパラメータが、本明細書の本発明に従って必要なペレットの一貫性及びサイズを提供するために調整され得ることを認識するだろう。
【0127】
BMP-2封入ペレットのホットメルト押出プロセスは、10~30rpmのスクリュー速度を有し得る。好ましい実施形態において、BMP-2封入ペレットのスクリュー速度は、約20rpmである。
【0128】
BMP-2封入ペレットのホットメルト押出プロセスは、1~4%の供給率及び10~30rpmのスクリュー速度を有し得る。BMP-2封入ペレットの供給率は約2%であり得、スクリュー速度は、10~30rpm、又はより好ましくは約20rpmであり得る。好ましい実施形態において、供給率は約2.2%であり、スクリュー速度は約20rpmである。
【0129】
BMP-2封入ペレットのホットメルト押出プロセスは、1~6m/分で0.1~2mm、より好ましくは3m/分で0.6mmの設定でのペレタイザーの使用を含み得る。
【0130】
BMP-2封入ペレットのホットメルト押出プロセスは、1~4%の供給率及び10~30rpmのスクリュー速度を有し、ペレタイザーの設定は、1~6m/分で0.1~2mm、より好ましくは3m/分で0.6mmであり得る。BMP-2封入ペレットの供給率は、約2%であり、スクリュー速度は、10~30rpm、又はより好ましくは約20rpmであり、ペレタイザーの設定は、1~6m/分で0.1~2mm、より好ましくは3m/分で0.6mmであり得る。好ましい実施形態において、BMP-2封入ペレットの供給率は約1.8%であり、スクリュー速度は約20rpmであり、ペレタイザーの設定は1~6m/分で0.1~2mm、より好ましくは3m/分で0.6mmである。
【0131】
BMP-2封入ペレットのためのホットメルト押出プロセスは、任意に、合計時間が10分以下で、約50~90℃、70~110℃、70~110℃、70~110℃(各温度は、材料が通過する際の押出機の異なる工程/セクションを表す)の温度工程を経て、組成物を加熱及び押出すことを含み得る。一実施形態において、ホットメルト押出プロセスは、任意に、合計時間が10分以下で、約60℃、80℃、80℃、80℃(各温度は、材料が通過する際の押出機の異なる工程/セクションを表す)の温度工程を経て、組成物を加熱及び押出すことを含み得る。ホットメルト押出プロセスは、110℃を超えてはならず、かつ/又は10分を超えてはならない。
【0132】
ホットメルト押出プロセスは、有利に、BMP-2への著しい熱損傷を回避しながら、材料の押出が十分な温度で可能である条件を提供する。
【0133】
リン酸カルシウム封入ペレット(A)は、ホットメルト押出(HME)によって形成され得る。一実施形態において、リン酸カルシウム封入ペレット(A)は、L:G比が75~95:5~25である40~60%w/wのPLGAと40~60%w/wのリン酸カルシウムを組み合わせて混合物を形成し、ホットメルト押出プロセスにおいて混合物を押出すことによって形成され得る。
【0134】
リン酸カルシウム封入ペレットのホットメルト押出プロセスは、1~3%の供給率を有し得る。供給率は約2%であり得る。好ましい実施形態において、リン酸カルシウム封入ペレットの供給率は約1.8%である。
【0135】
リン酸カルシウム封入ペレットのホットメルト押出プロセスは、10~20rpmのスクリュー速度を有し得る。好ましい実施形態において、β-TCP封入ペレットのスクリュー速度は約15rpmである。
【0136】
リン酸カルシウム封入ペレットのホットメルト押出プロセスは、1~3%の供給率及び10~20rpmのスクリュー速度を有し得る。リン酸カルシウム封入ペレットの供給率は約2%であり得、スクリュー速度は、10~20rpm、又はより好ましくは約15rpmであり得る。好ましい実施形態において、供給率は約1.8%であり、スクリュー速度は約15rpmである。
【0137】
リン酸カルシウム封入ペレットのホットメルト押出プロセスは、0.5~5m/分で0.2~2mm、より好ましくは1.4m/分で1.3mmの設定でのペレタイザーの使用を含み得る。
【0138】
リン酸カルシウム封入ペレットのホットメルト押出プロセスは、0.5~5m/分で0.2~2mm、より好ましくは1.4m/分で1.3mmのペレタイザー設定で、1~3%の供給率及び10~20rpmのスクリュー速度を有し得る。リン酸カルシウム封入ペレットの供給率は約2%であり、スクリュー速度は、10~20rpm、又はより好ましくは約15rpmであり得、ペレタイザーの設定は、0.5~5m/分で0.2~2mm、より好ましくは1.4m/分で1.3mmであり得る。好ましい実施形態において、リン酸カルシウム封入ペレットの供給率は約1.8%であり、スクリュー速度は約15rpmであり、ペレタイザーの設定は、0.5~5m/分で0.2~2mm、より好ましくは1.4m/分で1.3mmである。
【0139】
リン酸カルシウム封入ペレットのホットメルト押出プロセスは、約70~100℃、100~150℃、100~150℃、100~150℃(各温度は、材料が通過する際の押出機の異なる工程/セクションを表す)の温度工程を経て、組成物を加熱及び押出すことを含み得る。一実施形態において、リン酸カルシウム封入ペレットのホットメルト押出プロセスは、約80℃、120℃、120℃、120℃(各温度は、材料が通過する際の押出機の異なる工程/セクションを表す)の温度工程を経て、組成物を加熱及び押出すことを含み得る。
【0140】
押出プロセスは、有利には、β-TCPなどのリン酸カルシウムを含むポリマー材料を押出すのに十分な温度を提供するが、ポリマー材料が損傷するような温度ではない。
【0141】
本方法は、骨伝導性インプラント材料の腰椎ケージへの挿入をさらに含み得る。
【0142】
一実施形態において、パテなどの本発明の骨伝導性インプラント材料は、使用前に自家骨片と混合され得る。例えば、自家骨片を本発明の骨伝導性インプラント材料と混合し、腰椎ケージの外側に配置してもよい。
【0143】
したがって、一実施形態において、本発明の骨伝導性インプラント材料は、治療される予定の対象由来の自家骨片をさらに含み得る。
【0144】
定義
「自家骨」は、治療される予定の患者/対象から採取され、同じ患者/対象の別の部位に再移植されるドナー骨と見なされる。
【0145】
ポロクサマー407は、ポロクサマーとして知られるより一般的なクラスのコポリマーの親水性非イオン性界面活性剤である。ポロクサマー407は、中央のポリプロピレングリコールの疎水性ブロックにポリエチレングリコール(PEG)の2つの親水性ブロックが隣接しているトリブロックコポリマーである。
【0146】
シクロデキストリンは、α-1,4グリコシド結合によって結合されたグルコースサブユニットの大環状環からなる環状オリゴ糖のファミリーである。シクロデキストリンは、酵素変換によってデンプンから生成される。典型的なシクロデキストリンは、6~8個のグルコピラノシド単位で構成されている。これらのサブユニットは、1,4グリコシド結合によって連結されている。シクロデキストリンはトロイダル形状をしており、トロイドの大きい開口部と小さな開口部は、それぞれ溶媒の第二級及び第一級ヒドロキシル基に露出している。β(ベータ)-シクロデキストリンは7つのグルコースサブユニットを有する。
【0147】
BMP-2(骨形成タンパク質2)は、他の骨形成タンパク質と同様に、骨及び軟骨の発達に重要な役割を果たしている。ヘッジホッグ経路、TGFベータシグナル伝達経路、及びサイトカイン-サイトカイン受容体相互作用に関与している。また、心臓細胞の分化及び上皮から間葉への移行にも関与している。
【0148】
「パテ」は、粘土又は練り粉生地に似た質感で、可塑性の高い固体材料であると理解されている。パテは、可鍛性の固体材料、例えば、手による影響を受けやすい。パテは、保持される形状に加工され得る。
【0149】
「室温」という用語は、約15℃~約25℃、例えば、約20℃~約25℃の温度を指すと意図される。
【0150】
「封入される」、「封入している」又は「~内に封入される」という用語は、本明細書に記載のポリマーなどの別の物質の材料内及び材料全体に実質的に混合されている1つの物質(BMP-2又はリン酸カルシウムなど)を指すと意図される。封入は、押出、好ましくはホットメルト押出によるものであり得る。封入は、ポリマーなどの他の物質に表面添加された物質/薬剤を表すものではない。ポリマーなどの多孔質物質の細孔内の及び細孔を通る薬剤/物質の添加も、その物質内への封入とはみなされない。特に、封入された物質は、封入物質と同じ材料の一部を形成する。
【0151】
当業者は、所与の組成物において2以上の百分率範囲の成分が提供される場合、提供される1つの成分の百分率は他の成分(複数可)の百分率によってバランスがとられ、その結果、それらが組み合わさって100%以下になることを理解するだろう。
【0152】
当業者は、本発明の1つの実施形態又は態様の任意の特徴が、必要に応じて、本発明の他の実施形態又は態様に適用可能であり得ることを理解するだろう。
【0153】
本発明の実施形態をこれから添付の図面を参照して、単なる例としてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0154】
図1図1.LDGraftを含む3つの成分の図解要約。
図2図2.脊椎固定術用の使用時点でのLDGraftの調製の図解要約。
図3図3.ホットメルト押出により製造された[A]50%w/wのβ-TCP含有量及び[B]60%w/w含有量のβ-TCP構造ペレットの形態。
図4図4.[A]互いに密接に結合している中空ペレットの形態。[B]ペレット内腔によって引き起こされる相互につながる多孔性の実証。注-このデモンストレーションにはポロクサマー407は存在しない。
図5図5.インビトロ分解研究でPLGA5050とPLGA955の分解速度の違いを実証するためのpH測定。
図6図6.PLGA5050、PLGA5050+PEG400及びPLGA5050+PEG400+P407についての、温度に対する[A]位相シフト角及び[B]損失弾性率を示すレオロジートレース。振動レオロジー試験0.1%ひずみ/1Hz。
図7図7.LDGraftの製造プロセスを模倣する凍結乾燥及び加熱後のBMP-2の構造に対するシクロデキストリンHPBの影響。
図8図8.BMP-2構造を保護するための賦形剤として[A]100mMのシクロデキストリンHPB及び[B]50mMのシクロデキストリンを含む、HMEによって製造されたBMP-2構造ペレット。
図9図9.C2C12細胞におけるALP発現によって測定されるBMP-2の活性。[A]は、原料によって放出された活性BMP-2から得られたデータであり、[B]は、BMP-2足場ペレットから放出された活性BMP-2から得られたデータである。
図10図10.不適切な製造パラメータによって生じる最適ではないペレット。[A]PLGA5050ベースの材料で構成されている細いストランドの不完全な切断。[B]PLGA955/β-TCPベースの材料で構成されている粉砕ペレット。[C]PLGA5050ベースの材料で構成されている開裂ペレット。
図11図11.[A]BMP-2足場ペレット及び[B]β-TCP足場ペレットの最適なペレット形態。
図12図12.LDGraftのペレット製造法の概要。
図13図13.LDGraftの包装の概要。
図14図14.x線による処理中にBMP-2タンパク質を保護し、最終的に滅菌するための3つの包装構成。20200202YFは、供給されたBMP-2タンパク質である。LOCBAT0115は、ホットメルト押出後のバッチから抽出されたBMP-2である。現状のまま(As is):このBMP-2試料は、保護剤なしで滅菌処理した。LC1~3は、包装の主要構成である。
図15図15.β-TCP顆粒。マクロ多孔性及びミクロ多孔性のデモンストレーション。A:β-TCP顆粒;B:β-TCP顆粒:10倍;C:β-TCP顆粒 100倍;D:β-TCP顆粒 2000倍の光学顕微鏡と走査型電子顕微鏡の画像(表面形態を示す)。
【発明を実施するための形態】
【0155】
実施例
1.骨伝導性インプラント材料「LDGraft」の組成、製造及びパラメータの試験
表1a-β-TCP足場ペレット組成物の例
【表1】
【0156】
表1b.代替成分A
【表2】
【0157】
表2-β-TCP足場ペレット組成物の形成
【表3】
【0158】
表3-BMP-2足場ペレット組成物の組成
【表4】
【0159】
表4-BMP-2足場ペレットの形成
【表5】
【0160】
表5 粘度調整剤の組成
【表6】
【0161】
表6 液体担体の組成
【表7】
【0162】
表7 LDGraft生成物の成分A、B、C及びDの組み合わせ
【表8】
【0163】
当業者なら、混合物に提供される成分の割合が、水性担体(例えば、成分D)に添加する前の乾燥混合物(例えば、成分A、B及びC)中の量に対するものであることを認識するだろう。
【0164】
形態と多孔性
図3は、[A]50%w/wのβ-TCP含有量及び[B]60%w/wの含有量を有する、ホットメルト押出法によって製造されたβ-TCP構造ペレットの形態を示す。ペレットの外観に明らかな違いがあり、β-TCP含有量が高いと、ペレット化プロセス中にペレットが崩れ、材料の小さな破片及び粗く切断されたペレットになり、小さな破片が開いた細孔を塞ぎ、多孔性が低下するので、最終生成物には満足のいくものではない。50%w/wのβ-TCPで製造されたペレット[図3A]は崩れず、多孔性を最大限にする内腔を有する。
【0165】
図4は、LDGraftパテ内のように、ペレットが互いに密接に結合している場合の材料の多孔性をさらに示している。LDGraftが椎体間脊椎固定ケージに詰められ、ポロクサマー407が部位から浸出し、残りのペレットが良好な多孔性を提供し、図4Aに示されるものと同様の構造を有するだろう。この材料は、相互に結びついている開いた細孔から流体を容易に吸い上げる[図4B]。
【0166】
PLGAの分解によって引き起こされるpHの低下(PLGA5050対PLGA955)
この研究では、PLGA50:50ベースの材料とPLGA95:5ベースの材料から製造された密接に結合しているペレットを、ガラス転移温度よりもわずかに高い温度で焼結させることにより、事前に形成する足場を準備した。各足場について、200mgの滅菌ペレットを140μlの水性担体(1%w/vのF127 0.9%w/vの生理食塩水中0.5%w/v)とオープンボアシリンジ内で混合して、ペーストを作製した。
【0167】
欠損が直径6mmで、深さ10mmと測定された個々の穴あけ済みオープンセルSawbone(商標)にペーストを注入した。全ての材料を、湿気の多い環境で一晩(50℃-チェック)焼結させた。欠損を埋めたSawbone試料を20mlの滅菌リン酸緩衝生理食塩水(PBS)に移し、pH値を測定した。毎週、pHを再測定し、PBSを新鮮なものに置き換えた。
【0168】
PLGAが密閉環境で分解されると、酸分解生成物が蓄積し、pHが低下する。図5は、BMP-2構造ペレットを含むPLGA(PLGA5050)が、β-TCP構造ペレットを含むPLGA(PLGA955)よりもはるかに速い速度で分解することを明確に示している。これにより、活性型BMP-2が足場全体の分解よりも速い速度で放出されることが確実になる。
【0169】
ガラス転移温度に対するポロクサマー407の効果
図6は、[A]温度に対する位相シフト角及び[B]温度に対する損失弾性率である2つのレオロジープロットを示す。試験は、ひずみ0.1%、速度1Hzの振動試験であった。温度上昇は、30秒間隔で10~80℃に設定した。
【0170】
データは、P407がPEG400の効果よりもPLGA5050のガラス転移温度(Tg)にほとんど影響を与えないことを示している。単一の可塑剤として、PEG400はTgの低下に大きく影響を与える。
【0171】
Tgはいくつかの方法で示され、ピーク損失弾性率は単一の値を与えるのに対し、ピーク位相シフト角は過大評価される傾向があるため、ピークへの位相シフトの開始は以下の表8で引用されている。PLGA5050の分析証明書に記載されているTgは48℃であり、得られたデータに信頼性を与える。
【0172】
表8.損失弾性率と位相シフト角によるガラス転移温度の測定
【表9】
【0173】
HMEプロセスとBMP-2保護に必要なシクロデキストリンの濃度
活性BMP-2は、熱、湿気及び酸素ラジカルに感受性のあるタンパク質であり、したがって、配合、製造プロセス及び包装でできるだけ多くの保護を与えられなければならない。図7は、材料が凍結乾燥(ホットメルト押出前の製造プロセスの一部)及び熱(ホットメルト押出中)に共されたBMP-2分子の構造に対する配合物中の異なる濃度のシクロデキストリンの影響を示す。BMP-2を、1%v/vの酢酸±0~100mMのヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンで可溶化した。1つの試料を液体窒素で急速凍結させ、72時間凍結乾燥させ、次いで、90℃まで10分間加熱して、HME条件をシミュレートした。対照試料は加熱又は凍結乾燥しなかった。試料を、非還元SDS-PAGE及び銀染色で染色するゲル用に調製した。
【0174】
1mMのシクロデキストリンHPBはBMP-2分子をある程度保護するが、最大の保護が(約35kDaのバンドの不在によって示されるように)50mMで達成され、100mMで維持されることが図7に示されている。
【0175】
分子の保護のためにシクロデキストリンHPBを100mMで使用することが考えられ得るが、このレベルの賦形剤は、LDGraftの製造プロセスに干渉し、最終生成物に適さないペレットの形成不良及び破損を生じさせる。(図8)。
【0176】
BMP-2放出データ
BMP-2はELISA法で検出できるが、この方法は分子が活性状態であるかどうかを決定しないため、C2C12細胞におけるアルカリホスファターゼ発現を介して活性を決定する研究を行った。
【0177】
HME用の凍結乾燥原料の一部は保持され、これを、製造したBMP-2足場ペレットと共にBMP-2放出について試験した。いずれの場合も、100mgの原料又はペレットの試料をトランズウェル(transwell)に入れ、C2C12細胞を含む培養ウェル内で懸濁した。一定の間隔で、試験試料を含むトランズウェルを新鮮なC2C12細胞に移した。次いで、該細胞に対してALPアッセイを実施し、活性を測定した。
【0178】
図9のデータは、各時点で決定した活性を、標準量のBMP-2(0.2μg/ml)のALP活性に対して正規化したものである。原料中のBMP-2の活性は11日後に低下したが、PLGA材料からのBMP-2放出活性は培養中最大74日間検出できた。これは、BMP-2のPLGAへの封入が、原料内のBMP-2の捕捉を上回る放出と活性の延長において果たす役割を示している。
【0179】
製造パラメータについてのデータ
ホットメルト押出は連続プロセスであり、最適なペレット形状とサイズを実現するために「プロセス中」にパラメータ/設定を変更した。
【0180】
LDGraftペレットを生成するための全てのパラメータは相互に関連しており、互いに影響し合う可能性がある。これらの相互関係の一部を以下の表9に示す。図10は、製造パラメータが最適でなかったペレット形態の例を示す。
【0181】
図11は、β-TCP足場ペレット形態とBMP-2足場ペレット形態の最適なペレット形態を示す。
【0182】
表9 ホットメルト押出時のパラメータの相互依存性
【表10】
【0183】
製造の概要
図12に、LDGraftペレットの製造プロセスの概要を示し、図13に包装プロセスの概要を示す。
【0184】
脱酸素剤と乾燥剤を包装に加えると、X線を使用して実行される滅菌プロセス中に材料をさらに保護することが示された。
BMP-2タンパク質は、最終滅菌を含む製造プロセス全体を通して保護される必要がある。シクロデキストリンの添加は、特に、製造プロセス中の保護を提供するが、乾燥剤と脱酸素剤を組み込む包装構成は、最終滅菌に必要な照射の影響に対しても有利であることが判明した。
【0185】
図14に示す3つの主要構成(LC)を用いて、いくつかの異なる構成を試した。これらについて以下に簡単に説明する:
LC1:LDGraft材料を、タイベックパウチのどちらかの側に2つの脱酸素剤パウチと共に多孔質ポリエチレン(HPDE)パウチ(Tyvek(登録商標)パウチ)に包装する。乾燥剤パウチを含め、4つの成分全てを、窒素下でラミネート加工ホイルパウチにさらに包装する。
LC2:これは、LC1と同じ包装構成であるが、LDGraftと脱酸素剤は、X線による滅菌の直前に、乾燥剤を含めずに、窒素下で新しいホイルパウチに再包装する。
LC3:この構成は、同じ4つの成分を有するが、乾燥剤はLDGraft材料と分けている。再び、それを窒素下でホイルパウチに包装する。
【0186】
使用した脱酸素剤は、ケイ化物、炭化水素化合物、樹脂粉末、活性炭、シリカゲル、及び無機添加剤を含むPharmaKeep KD-20(商標)(Mitsubishi Gas Chemical Company社)であった。各1パケットは、25±2℃で7日以内に20ml超の酸素を吸収する。
【0187】
使用した乾燥剤は、MOLSIEVEPHARMA 32G G2 68X100 1K/D(Airnov Healthcare Packaging)であった。材料には、モレキュラーシーブ、不織布ポリエステル及びポリオレフィンインクが含まれる。吸着能力は、25℃、相対湿度80%で16.5%以上である。
【0188】
図16:この図は、以下の試料の非還元SDS-PAGEの結果を示す:
20200202YFは、供給された状態のBMP-2タンパク質である。
LOCBAT0115は、ホットメルト押出後にバッチから抽出されたBMP-2である(すなわち、シクロデキストリンが、HMEプロセスの熱からの保護を提供している)。
現状のまま(As is):この試料は、脱酸素剤又は乾燥剤を含めずに滅菌プロセスを受けた。データは、3つの包装構成全てがタンパク質の保護に有利であることを示す。
【0189】
骨伝導性インプラント材料の使用
本発明は、以下の表に提供される以下の疾患/病態、方法又は形態のいずれにも治療のために用いることができる。
【表11】
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】