IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニーの特許一覧

特表2024-518106界面活性剤を含む天然ポリマー系繊維要素及びその作製方法
<>
  • 特表-界面活性剤を含む天然ポリマー系繊維要素及びその作製方法 図1
  • 特表-界面活性剤を含む天然ポリマー系繊維要素及びその作製方法 図2
  • 特表-界面活性剤を含む天然ポリマー系繊維要素及びその作製方法 図3
  • 特表-界面活性剤を含む天然ポリマー系繊維要素及びその作製方法 図4
  • 特表-界面活性剤を含む天然ポリマー系繊維要素及びその作製方法 図5
  • 特表-界面活性剤を含む天然ポリマー系繊維要素及びその作製方法 図6
  • 特表-界面活性剤を含む天然ポリマー系繊維要素及びその作製方法 図7
  • 特表-界面活性剤を含む天然ポリマー系繊維要素及びその作製方法 図8
  • 特表-界面活性剤を含む天然ポリマー系繊維要素及びその作製方法 図9
  • 特表-界面活性剤を含む天然ポリマー系繊維要素及びその作製方法 図10A
  • 特表-界面活性剤を含む天然ポリマー系繊維要素及びその作製方法 図10B
  • 特表-界面活性剤を含む天然ポリマー系繊維要素及びその作製方法 図11
  • 特表-界面活性剤を含む天然ポリマー系繊維要素及びその作製方法 図12
  • 特表-界面活性剤を含む天然ポリマー系繊維要素及びその作製方法 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-24
(54)【発明の名称】界面活性剤を含む天然ポリマー系繊維要素及びその作製方法
(51)【国際特許分類】
   D06M 13/332 20060101AFI20240417BHJP
   D04H 1/413 20120101ALI20240417BHJP
   D04H 3/00 20120101ALI20240417BHJP
   D06M 15/03 20060101ALI20240417BHJP
   D06M 15/11 20060101ALI20240417BHJP
   D06M 13/256 20060101ALI20240417BHJP
【FI】
D06M13/332
D04H1/413
D04H3/00
D06M15/03
D06M15/11
D06M13/256
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023570341
(86)(22)【出願日】2022-05-25
(85)【翻訳文提出日】2023-11-14
(86)【国際出願番号】 US2022072548
(87)【国際公開番号】W WO2022251838
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】63/194,335
(32)【優先日】2021-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マーク ウィリアム ハマースキー
(72)【発明者】
【氏名】マーク ロバート シヴィック
(72)【発明者】
【氏名】ジョン デイビッド サドラー
(72)【発明者】
【氏名】ルーク アンドリュー ザノーニ
【テーマコード(参考)】
4L033
4L047
【Fターム(参考)】
4L033AB07
4L033AC07
4L033AC15
4L033BA28
4L033BA45
4L047AA29
4L047AB03
(57)【要約】
天然ポリマーに由来する変性ポリマー及び界面活性剤を含む天然ポリマー系繊維要素、そのような天然ポリマー系繊維要素の作製方法、並びにそのような繊維構造体の作製方法が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の繊維要素を含む繊維構造体であって、前記複数の繊維要素が、1つ以上の繊維要素形成材料であって、そのうちの少なくとも1つが変性多糖を含む、1つ以上の繊維要素形成材料と、1つ以上の活性剤であって、そのうちの少なくとも1つが界面活性剤を含む、1つ以上の活性剤と、を含み、前記界面活性剤及び前記変性多糖が、0.15:1~6:1の重量比で前記複数の繊維要素内に存在する、繊維構造体。
【請求項2】
前記複数の繊維要素が、複数のフィラメントを含む、請求項1に記載の繊維構造体。
【請求項3】
前記変性多糖が、Fedors法に従って測定したときに、14.00超~16.25未満、好ましくは14.50超~16.25未満、より好ましくは14.50超~16.00未満、更により好ましくは15.00超~15.50未満の溶解度パラメータを有する、請求項1又は2に記載の繊維構造体。
【請求項4】
前記変性多糖が、重量平均分子量試験方法に従って測定したときに、50,000g/モル超~40,000,000g/モル未満、好ましくは50,000g/モル超~20,000,000g/モル未満、より好ましくは50,000g/モル超~10,000,000g/モル未満、更により好ましくは50,000g/モル超~5,000,000g/モル未満、更により好ましくは50,000g/モル超~1,000,000g/モル未満、更により好ましくは100,000g/モル超~750,000g/モル未満、更により好ましくは125,000g/モル超~600,000g/モル未満、最も好ましくは150,000~400,000g/モルの重量平均分子量を呈する、請求項1~3のいずれかに記載の繊維構造体。
【請求項5】
前記変性多糖が、アセチル置換多糖であり、好ましくは前記アセチル置換多糖が少なくとも0.3~1.0の置換度(DS)を呈し、より好ましくは前記アセチル置換多糖が少なくとも0.3~0.7のDSを呈し、更により好ましくは前記アセチル置換多糖が少なくとも0.4~0.6のDSを呈し、最も好ましくは前記アセチル置換多糖が0.5のDSを呈する、請求項1~4のいずれかに記載の繊維構造体。
【請求項6】
前記変性多糖が、デンプンに由来し、好ましくは、前記変性多糖が、酸減粘デンプン、酵素分解デンプン、ワキシーデンプン、及び/又はアミオカデンプンに由来する、請求項1~5のいずれかに記載の繊維構造体。
【請求項7】
前記複数の繊維要素が、前記乾燥繊維要素の80重量%未満の総濃度の前記変性多糖と、前記乾燥繊維要素の20重量%超の総濃度の前記界面活性剤とを含み、好ましくは、前記複数の繊維要素が、前記乾燥繊維要素の70重量%未満の総濃度の前記変性多糖と、前記乾燥繊維要素の30重量%超の総濃度の前記界面活性剤とを含み、より好ましくは、前記複数の繊維要素が、前記乾燥繊維要素の60重量%未満の総濃度の前記変性多糖と、前記乾燥繊維要素の40重量%超の総濃度の前記界面活性剤とを含み、更により好ましくは、前記複数の繊維要素が、前記乾燥繊維要素の50重量%の総濃度の前記変性多糖と、前記乾燥繊維要素の50重量%の総濃度の前記界面活性剤とを含み、更により好ましくは、前記複数の繊維要素が、前記乾燥繊維要素の40重量%未満の総濃度の前記変性多糖と、前記乾燥繊維要素の60重量%超の総濃度の前記界面活性剤とを含み、更により好ましくは、前記複数の繊維要素が、前記乾燥繊維要素の30重量%未満の総濃度の前記変性多糖と、前記乾燥繊維要素の70重量%超の総濃度の前記界面活性剤とを含む、請求項1に記載の繊維構造体。
【請求項8】
前記変性多糖及び前記界面活性剤が、1以下の変性多糖対界面活性剤の重量比で前記乾燥繊維要素中に存在する、請求項1~7のいずれかに記載の繊維構造体。
【請求項9】
前記界面活性剤が、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは、前記界面活性剤が、アニオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは、前記界面活性剤が、アニオン性界面活性剤及びこれらの混合物からなる群から選択され、更により好ましくは、前記アニオン性界面活性剤が、サルフェート含有アニオン性界面活性剤、サルフェート非含有アニオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択され、更により好ましくは、前記アニオン性界面活性剤が、直鎖アルキルベンゼンスルホネート、アルキルサルフェート、及びこれらの混合物からなる群から選択され、更により好ましくは、前記アルキルサルフェートが、ラウリル硫酸ナトリウムを含む、請求項1~8のいずれかに記載の繊維構造体。
【請求項10】
前記1つ以上の活性剤が、スキンケア活性剤、薬剤、ローション、布地ケア活性剤、食器洗浄活性剤、カーペットケア活性剤、表面ケア活性剤、ヘアケア活性剤、空気ケア活性剤、歯ケア活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの追加の非界面活性剤活性剤を更に含む、請求項1~9のいずれかに記載の繊維構造体。
【請求項11】
前記変性多糖が、極性溶媒可溶性材料を含み、好ましくは、前記極性溶媒可溶性材料が、水溶性材料を含む、請求項1~10のいずれかに記載の繊維構造体。
【請求項12】
前記複数の繊維構造体が、直径試験法に従って測定したときに50μm未満の平均直径を呈する、請求項1~11のいずれかに記載の繊維構造体。
【請求項13】
前記複数の繊維要素が、0.3~0.7の置換度(DS)、50,000~250,000g/モルの重量平均分子量を有するアセチル化デンプンを含む繊維要素形成材料を含み、前記複数の繊維要素が、直鎖アルキルベンゼンスルホネート及びアルキルサルフェートを含む界面活性剤混合物を更に含み、水性組成物が、前記界面活性剤混合物及び前記アセチル化デンプンを0.5:1~2:1の重量比で含み、前記水性組成物が、55重量%~85重量%の水を更に含む、請求項1~12のいずれかに記載の繊維構造体。
【請求項14】
請求項1~13のいずれかに記載の繊維構造体の1つ以上を含むパッケージ。
【請求項15】
請求項1~14のいずれかに記載の繊維構造体を作製する方法であって、
a.変性多糖及び1つ以上の活性剤を含む1つ以上の繊維要素形成材料を含む繊維要素形成組成物を提供する工程であって、前記活性剤のうちの少なくとも1つが界面活性剤を含み、前記界面活性剤及び前記変性多糖が、0.15:1~6:1の重量比で前記繊維要素形成組成物内に存在する、工程と、
b.前記繊維要素形成組成物を、前記変性多糖及び前記界面活性剤を含む複数の繊維要素に紡糸する工程と、
c.前記複数の繊維要素を収集して繊維構造体を形成する工程と、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天然ポリマー由来の変性ポリマーと界面活性剤とを含む天然ポリマー系繊維要素、より具体的には、変性多糖、例えばアセチル化多糖、例えばアセチル化デンプンと、界面活性剤、例えばアニオン性界面活性剤とを含む天然ポリマー系繊維要素、そのような天然ポリマー系繊維要素の作製方法、そのような天然ポリマー系繊維要素から作製された繊維構造体、及びそのような繊維構造体の作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリビニルアルコール(「polyvinyl alcohol、PVOH」)は、ポリ酢酸ビニルから生成される合成ポリマーであり、特に不織布(繊維構造体)の作製プロセスにおいて、繊維要素、例えばフィラメント及び/又は繊維を作製するための主力のフィラメント形成材料(例えば、構造化剤)である。PVOHは、広範囲の重量平均分子量で入手可能である。PVOHは、押出加工(例えば、連続押出加工)及び/又はバッチ加工によって容易に加工される。PVOHは、強度が高いが、Tgが約80~85℃であることから可撓性である。また、広範囲の界面活性剤にわたって優れた混和性を呈する。PVOHグレードの多くは生分解性である。
【0003】
現在天然の材料及び製品に関心が集まっていることから、配合者は、天然ポリマー、例えば多糖、例えばデンプンによるPVOHの代替が可能であるか模索している。しかしながら、デンプン等の現行の多糖は、PVOHよりも界面活性剤、例えば高濃度の界面活性剤との混和性が低い。更に、デンプン等の多糖をよりPVOHと同様に機能させるためには、界面活性剤、特に高濃度の界面活性剤との混和性がより良好であり、水素結合がより少なく、Tgがより低く、及び/又は多糖、特にデンプンの疎水性がより高いことが必要となる。
【0004】
デンプンの誘導体は、PVOHにより類似した特性を有するデンプンを提供することができる。例えば、アセチル化デンプンは、有望なデンプン誘導体の1つである。アセチル化デンプンは、当該技術分野において既知である。このような既知のアセチル化デンプンは、0.1~3の範囲の様々な置換度(DS)で作製されている。更に、食品医薬品局(Food & Drug Administration)は、現在、例えば食品に使用されるアセチル化デンプンが有するアセチル基が2.5%未満である(DSが0.1未満である)ことを求めている。
【0005】
例えばTg、疎水性、より少ない水素結合、及び/又は界面活性剤、特に例えばPVOHの代替として使用することができる現在達成可能なものよりも高濃度の界面活性剤とのより良好な混和性等の特性を呈する天然ポリマー系材料、例えば多糖系材料、例えばデンプン系材料、例えばデンプン誘導体、例えば変性多糖及び/又は変性デンプン、このような天然ポリマー系材料から作製された繊維要素、例えば水溶性繊維要素、このような天然ポリマー系繊維要素から作製された繊維構造体、並びに天然ポリマー系材料、天然ポリマー系繊維要素、及び繊維構造体の作製方法が必要とされている。
【0006】
繊維要素、すなわち架橋された水不溶性繊維要素、及びこのような繊維要素を含む繊維構造体は、デンプン及び/又はデンプン誘導体、例えばエトキシ化デンプンを使用して作製されてきたが、このような繊維要素及び繊維構造体は、低い界面活性剤濃度(界面活性剤対デンプンの重量比が1:1未満)に制限されてきた。更に、水性繊維要素形成組成物のポリビニルアルコールは高濃度の界面活性剤及び高固形分濃度(例えば、15重量%超、及び/又は20重量%超、及び/又は少なくとも25重量%)と混和性であるので、高界面活性剤含有(界面活性剤対ポリビニルアルコールの重量比が1:1超)水性繊維要素形成組成物が作製され、次いで水溶性繊維要素に紡糸されるポリビニルアルコール、特に特定の加水分解度(約84~87%加水分解)を有するポリビニルアルコールとは異なり、デンプンでは今日まで成功していない。実際、同様に高い界面活性剤濃度(例えば、界面活性剤対デンプンの重量比が0.15:1超、及び/又は0.20:1超、及び/又は0.25:1超、及び/又は0.5:1超、及び/又は1:1超)及び高い固形分濃度(15重量%超、及び/又は20重量%超、及び/又は少なくとも25重量%)で未変性デンプン(アミロース対アミロペクチン比に関係なく)を利用する場合、非混和性水性繊維要素形成組成物が生じるので、繊維要素、例えば水溶性繊維要素への変換は、不可能ではないにしても困難になる。
【0007】
未変性多糖、すなわち未変性デンプンでは成功しなかったので、デンプン誘導体が模索されてきた。配合者は、食品用途のために市販されているデンプン誘導体、例えば最大2.5%のアセチル基(0.1未満のDS)を有するアセチル化デンプンを試してきたが、それらもまた、高濃度の界面活性剤(例えば、界面活性剤対アセチル化デンプンの重量比が0.15:1超、及び/又は0.20:1超、及び/又は0.25:1超、及び/又は0.5:1超、及び/又は1:1超)と混和しないので、界面活性剤とアセチル化デンプンとの相分離が生じ、これにより、繊維要素の紡糸が失敗する又は満足のいかないものになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記を考慮すると、高濃度の界面活性剤と組み合わせて、紡糸天然ポリマー系繊維要素、例えば、界面活性剤対天然ポリマー系材料の重量比が0.15:1超、及び/又は0.20:1超、及び/又は0.25:1超、及び/又は0.5:1超、及び/又は1:1超である「メルトブローン」紡糸天然ポリマー系繊維要素を生成するのに好適な天然ポリマー系材料、例えば変性多糖、例えばデンプン誘導体、このような天然ポリマー系繊維要素から作製される繊維構造体、並びにその作製方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、界面活性剤対天然ポリマー系材料、例えば変性多糖、例えばデンプン誘導体、例えばアセチル化デンプンの重量比が0.15:1超、及び/又は0.20:1超、及び/又は0.25:1超、及び/又は0.5:1超、及び/又は1:1超、及び/又は約以下約6:1以下、又は約5.5:1以下、又は約5:1以下である紡糸天然ポリマー系繊維要素、例えば「メルトブローン」紡糸天然ポリマー系繊維要素を生成するために高濃度の界面活性剤と組み合わせるのに好適な天然ポリマー系材料、このような天然ポリマー系繊維要素から作製される繊維構造体、その作製方法、本発明の天然ポリマー系繊維要素に紡糸することができる天然ポリマー系繊維要素形成材料、例えば変性多糖、例えばデンプン誘導体、例えばアセチル化デンプンと界面活性剤とを含む繊維要素形成組成物を提供することによって、上述の必要性を満たす。
【0010】
この問題を解決するためには、天然ポリマーを天然ポリマー系繊維要素形成材料として使用することができるように、天然ポリマー、例えば多糖、例えばデンプンを化学修飾することが必要である。このような天然ポリマー系繊維要素形成材料、例えば変性多糖、例えばデンプン誘導体、例えばアセチル化デンプンは、界面活性剤、例えば高濃度の界面活性剤と組み合わせて、本発明による天然ポリマー系繊維要素を紡糸するのに好適な水性天然ポリマー系繊維要素形成組成物を形成することができる。具体的な天然ポリマー、例えば多糖、例えばデンプンの化学修飾の種類及び修飾レベルは、Robert F.Fedors’A Method for Estimating Both the Solubility Parameters and Molar Volumes of Liquids.POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE,FEBRUARY,1974,Vol.14,No.2,147に記載されているような「Fedors法」(以下、本明細書に記載の「Fedors法」と称する)を使用して溶解度パラメータを計算することによって概算することができ、その関連部分には、高界面活性剤及び高固形分濃度の混和性フィラメント形成材料/界面活性剤水性製剤が存在する場合、PVOH(溶解度パラメータ数14~16)等の他のフィラメント形成材料の溶解度パラメータと一致していることが記載されている。更に、天然ポリマー、例えば多糖、例えばデンプンの重量平均分子量は、高界面活性剤/高固形分製剤における混和性に影響を与える。したがって、本発明の天然ポリマー、例えば多糖、例えばデンプンの特徴、重量平均分子量、化学修飾のレベル、及び化学修飾の種類によって、天然ポリマー系繊維要素形成材料を本発明による天然ポリマー系繊維要素に紡糸可能であるように、高界面活性剤及び高固形分濃度で界面活性剤と混和性水性製剤を形成する天然ポリマー系繊維要素形成材料が得られる。例えば、未変性デンプン、例えば未変性アミオカデンプンは17.2の溶解度パラメータ数を呈するが、0.3のDSを有するアセチル化デンプンは16.2の溶解度パラメータ数を呈し、0.7のDSを有するアセチル化デンプンは14.7の溶解度パラメータ数を呈する。
【0011】
本発明の一実施例では、変性多糖、例えば変性デンプン、例えばアセチル化デンプンを含む1つ以上の繊維要素形成材料、例えば1つ以上の天然ポリマー系繊維要素形成材料、例えば1つ以上の水溶性天然ポリマー系繊維要素形成材料と、1つ以上の活性剤であって、当該活性剤のうちの少なくとも1つが界面活性剤を含む、活性剤と、を含む繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素、例えば水溶性天然ポリマー系繊維要素であって、当該界面活性剤及び当該1つ以上の天然ポリマー系繊維要素形成材料、例えば変性多糖が、約0.15:1~約6:1、及び/又は約0.20:1~約5.5:1、及び/又は約0.25:1~約5:1の重量比で当該天然ポリマー系繊維要素中に存在する、繊維要素が提供される。
【0012】
本発明の別の実施例では、複数の繊維要素、例えば互いに絡み合っていてもよい複数の天然ポリマー系繊維要素、例えば複数の水溶性天然ポリマー系繊維要素を含む繊維構造体、例えば水溶性繊維構造体であって、当該複数の繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素が、1つ以上の繊維要素形成材料、例えば1つ以上の天然ポリマー系繊維要素形成材料、例えば1つ以上の水溶性天然ポリマー系繊維要素形成材料を含み、当該1つ以上の繊維要素形成材料のうちの少なくとも1つが、変性多糖、例えば変性デンプン、例えばアセチル化デンプンを含む繊維要素形成材料と、例えば当該複数の繊維要素中に存在し、当該複数の繊維要素から放出可能な1つ以上の活性剤であって、当該活性剤の少なくとも1つが、界面活性剤を含む活性剤とを含み、当該界面活性剤及び当該1つ以上の繊維要素形成材料、例えば天然ポリマー系繊維要素形成材料、例えば変性多糖が、約0.15:1~約6:1、及び/又は約0.20:1~約5.5:1、及び/又は約0.25:1~約5:1の重量比で当該複数の繊維要素と共に存在する、繊維構造体が提供される。
【0013】
本発明の別の実施例では、本発明の繊維構造体の1つ以上を含むパッケージが提供される。
【0014】
本発明の更に別の実施例では、1つ以上の繊維要素、例えば1つ以上の天然ポリマー系繊維要素、例えば1つ以上の水溶性天然ポリマー系繊維要素を作製する方法であって、
a.変性多糖、例えば変性デンプン、例えばアセチル化デンプンを含む繊維要素形成材料、例えば天然ポリマー系繊維要素形成材料、例えば水溶性天然ポリマー系繊維要素形成材料と、少なくとも1つの界面活性剤を含む1つ以上の活性剤とを含む繊維要素形成組成物、例えば水性繊維要素形成組成物を提供する工程であって、当該界面活性剤及び当該1つ以上の天然ポリマー系繊維要素形成材料、例えば変性多糖が、当該複数の繊維要素と共に、約0.15:1~約6:1、及び/又は約0.20:1~約5.5:1、及び/又は約0.25:1~約5:1の重量比で存在する、工程と、
b.当該繊維要素形成組成物を1つ以上の天然ポリマー系繊維要素、例えば、1つ以上の水溶性天然ポリマー系繊維要素に紡糸する工程と、を含む、方法が提供される。
【0015】
本発明の更に別の実施例では、繊維構造体、例えば、水溶性繊維構造体を作製する方法であって、
a.変性多糖、例えば変性デンプン、例えばアセチル化デンプンを含む1つ以上の繊維要素形成材料、例えば1つ以上の天然ポリマー系繊維要素形成材料、例えば1つ以上の水溶性天然ポリマー系繊維要素形成材料と、1つ以上の活性剤であって、当該活性剤のうちの少なくとも1つが界面活性剤を含む、活性剤と、を含む繊維要素形成組成物、例えば水性繊維要素形成組成物を提供する工程であって、当該界面活性剤及び当該1つ以上の天然ポリマー系繊維要素形成材料、例えば変性多糖が、約0.15:1~約6:1、及び/又は約0.20:1~約5.5:1、及び/又は約0.25:1~約5:1の重量比で当該繊維要素形成組成物中に存在する、工程と、
b.当該繊維要素形成組成物を、当該天然ポリマー系繊維要素形成材料及び当該界面活性剤を含む複数の繊維要素、例えば複数の天然ポリマー系繊維要素、例えば複数の水溶性天然ポリマー系繊維要素に紡糸する工程と、
c.任意選択で、複数の粒子、例えば水溶性及び/又は水不溶性粒子、例えば水溶性及び/又は水不溶性活性剤含有粒子を、当該複数の繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素と混合する工程と、
d.工程(b)からの互いに絡み合っていてもよい複数の繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素、及び/又は任意選択の工程(c)からの粒子と天然ポリマー系繊維要素との混合物を収集して、繊維構造体、例えば水溶性繊維構造体を形成する工程と、を含む方法、が提供される。
【0016】
更に別の実施例では、極性溶媒と、変性多糖、例えば変性デンプン、例えばアセチル化デンプンを含む1つ以上の繊維要素形成材料、例えば1つ以上の天然ポリマー系繊維要素形成材料、例えば1つ以上の水溶性天然ポリマー系繊維要素形成材料と、1つ以上の活性剤であって、当該活性剤のうちの少なくとも1つが界面活性剤を含む、活性剤と、を含む繊維要素形成組成物であって、当該界面活性剤及び当該1つ以上の天然ポリマー系繊維要素形成材料が、約0.15:1~約6:1、及び/又は約0.20:1~約5.5:1、及び/又は約0.25:1~約5:1の重量比で当該繊維要素形成組成物内に存在する、繊維要素形成組成物、が提供される。
【0017】
本発明の更に別の実施例では、繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素、例えば水溶性天然ポリマー系繊維要素であって、約0.1~約1.0、及び/又は約0.2~約0.9、及び/又は約0.2~約0.8、及び/又は約0.3~約0.7、及び/又は約0.3~約0.5の置換度(DS)、並びに本明細書に記載の重量平均分子量試験方法に従って測定したときに約25,000~約450,000g/モル、及び/又は約35,000~約400,000g/モル、及び/又は約50,000~約400,000g/モル、及び/又は約60,000~約400,000g/モル、及び/又は約65,000~約350,000g/モル、及び/又は約70,000~約300,000g/モル、及び/又は約90,000~約300,000g/モル、及び/又は約120,000~約250,000g/モル、及び/又は約130,000~約250,000g/モル、及び/又は約150,000~約250,000g/モルの重量平均分子量(Mw)を有する1つ以上の繊維要素形成材料、例えば1つ以上の天然ポリマー系繊維要素形成材料、例えば1つ以上の水溶性天然ポリマー系繊維要素形成材料、例えば変性多糖、例えば変性デンプン、例えばアセチル化デンプンを含み、更に、1つ以上の活性剤、例えば1つ以上の界面活性剤、例えば直鎖アルキルベンゼンスルホネート及びアルキルサルフェートを含む界面活性剤混合物を含み、本明細書に記載の回転式レオメータ試験法に従って測定したときに約0.01Pa・s~約1.2Pa・s及び/又は約0.02Pa・s~約1.0Pa・sの粘度を呈する繊維要素形成組成物、例えば水性繊維要素形成組成物に由来し、当該繊維要素形成組成物が、当該界面活性剤混合物と、当該1つ以上の繊維要素形成材料、例えば1つ以上の天然ポリマー系繊維要素形成材料、例えば変性多糖、例えば変性デンプン、例えばアセチル化デンプンとを、約0.15:1~約6:1、及び/又は約0.20:1~約5.5:1、及び/又は約0.25:1~約5:1、及び/又は約0.5:1~約2:1の重量比で含み、当該繊維要素形成組成物が、約55重量%~約85重量%の水を更に含む、繊維要素、が提供される。
【0018】
本発明の更に別の実施例では、複数の繊維要素、例えば複数の天然ポリマー系繊維要素、例えば複数の水溶性天然ポリマー系繊維要素を含む繊維構造体、例えば、水溶性繊維構造体であって、当該複数の繊維要素が、約0.1~約1.0、及び/又は約0.2~約0.9、及び/又は約0.2~約0.8、及び/又は約0.3~約0.7、及び/又は約0.3~約0.5のDS、並びに本明細書に記載の重量平均分子量試験方法に従って測定したときに約25,000~約450,000g/モル、及び/又は約35,000~約400,000g/モル、及び/又は約50,000~約400,000g/モル、及び/又は約60,000~約400,000g/モル、及び/又は約65,000~約350,000g/モル、及び/又は約70,000~約300,000g/モル、及び/又は約90,000~約300,000g/モル、及び/又は約120,000~約250,000g/モル、及び/又は約130,000~約250,000g/モル、及び/又は約150,000~約250,000g/モルの重量平均分子量(Mw)を有する1つ以上の繊維要素形成材料、例えば1つ以上の天然ポリマー系繊維要素形成材料、例えば1つ以上の水溶性天然ポリマー系繊維要素形成材料、例えば変性多糖、例えば変性デンプン、例えばアセチル化デンプンを含み、当該複数の繊維要素が、更に、1つ以上の活性剤、例えば1つ以上の界面活性剤、例えば直鎖アルキルベンゼンスルホネート及びアルキルサルフェートを含む界面活性剤混合物を含み、当該複数の繊維要素が、本明細書に記載の回転式レオメータ試験法に従って測定したときに約0.01Pa・s~約1.2Pa・s及び/又は約0.02Pa・s~約1.0Pa・sの粘度を呈する繊維要素形成組成物、例えば水性繊維要素形成組成物に由来し、当該繊維要素形成組成物が、当該界面活性剤混合物と、当該1つ以上の天然ポリマー系繊維要素形成材料、例えば変性多糖、例えば変性デンプン、例えばアセチル化デンプンとを、約0.15:1~約6:1、及び/又は約0.20:1~約5.5:1、及び/又は約0.25:1~約5:1、及び/又は約0.5:1~約2:1の重量比で含み、当該繊維要素形成組成物が、約55重量%~約85重量%の水を更に含む、繊維構造体、が提供される。
【0019】
本発明の更に別の実施例では、天然ポリマー系繊維要素形成組成物が、本明細書に記載の回転式レオメータ試験法に従って測定したときに約0.01Pa・s~約1.2Pa・s及び/又は約0.02Pa・s~約1.0Pa・sの粘度を呈するように、極性溶媒と、1つ以上の繊維要素形成材料、例えば1つ以上の天然ポリマー系繊維要素形成材料、例えば変性多糖、例えば変性デンプン、例えばアセチル化デンプンと、1つ以上の活性剤、例えば1つ以上の界面活性剤、例えば直鎖アルキルベンゼンスルホネート及びアルキルサルフェートを含む界面活性剤混合物とを含む繊維要素形成組成物、例えば水性繊維要素形成組成物、例えば天然ポリマー系繊維要素形成組成物が提供される。
【0020】
本発明の更に別の実施例では、繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素、例えば水溶性天然ポリマー系繊維要素を作製する方法であって、
a.1つ以上の繊維要素形成材料、例えば1つ以上の天然ポリマー系繊維要素形成材料、例えば変性多糖、例えば変性デンプン、例えばアセチル化デンプンと、界面活性剤混合物、例えば直鎖アルキルベンゼンスルホネート及びアルキルサルフェートを含む界面活性剤混合物と、を含む繊維要素形成組成物、例えば水溶性繊維要素形成組成物を提供する工程であって、当該繊維要素形成組成物が、当該界面活性剤混合物及び当該1つ以上の天然ポリマー系繊維要素形成材料を、約0.15:1~約6:1、及び/又は約0.20:1~約5.5:1、及び/又は約0.25:1~約5:1、及び/又は約0.5:1~約2:1の重量比で含む、工程と、
b.当該繊維要素形成組成物を、1つ以上の繊維要素形成材料、例えば1つ以上の天然ポリマー系繊維要素形成材料と当該界面活性剤混合物とを含む1つ以上の繊維要素、例えば1つ以上の天然ポリマー系繊維要素に紡糸する工程と、を含む方法、を提供する。
【0021】
本発明の更に別の実施例では、約0.3~約0.7の置換度(DS)、約50,000~約250,000g/モルの重量平均分子量を有するアセチル化デンプンを含む1つ以上の繊維要素形成材料を含む繊維要素であって、直鎖アルキルベンゼンスルホネート及びアルキルサルフェートを含む界面活性剤混合物を更に含み、水性組成物が当該界面活性剤混合物及び当該アセチル化デンプンを約0.5:1~約2:1の重量比で含み、当該水性組成物が約55重量%~約85重量%の水を更に含む、繊維要素、が提供される。
【0022】
本発明の更に別の実施例では、本発明による複数の繊維性要素を含む繊維構造体であって、界面活性剤混合物及びアセチル化デンプンを約0.5:1~約2:1の重量比で含む、繊維構造体。
【0023】
本発明の更に別の実施例では、繊維要素を作製する方法であって、
a.アセチル化デンプンと、直鎖アルキルベンゼンスルホネート及びアルキルサルフェートを含む界面活性剤混合物とを含む1つ以上の繊維要素形成材料を含む繊維要素形成組成物であって、当該界面活性剤混合物及び当該アセチル化デンプンを約0.5:1~約2:1の重量比で含む、繊維要素形成組成物を提供する工程と、
b.当該繊維要素形成組成物を紡糸して、当該アセチル化デンプン及び当該界面活性剤混合物を含む1つ以上の繊維要素にする工程と、を含む方法、が提供される。
【0024】
本発明の更に別の実施例では、繊維要素形成組成物が回転式レオメータ試験法に従って測定したときに約0.01Pa・s~約1.2Pa・sの粘度を呈するように、極性溶媒と、アセチル化デンプンを含む1つ以上の繊維要素形成材料と、直鎖アルキルベンゼンスルホネート及びアルキルサルフェートを含む界面活性剤混合物とを含む繊維要素形成組成物が提供される。
【0025】
本発明は、天然ポリマー系繊維要素、複数の天然ポリマー系繊維要素を含む繊維構造体、天然ポリマー系繊維要素形成材料を含む繊維要素形成組成物、天然ポリマー系繊維要素形成材料、及びこれらの作製方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明による、繊維構造体の一実施例の断面図の走査型電子顕微鏡写真である。
図2】本発明による、繊維構造体の別の実施例の断面図の概略図である。
図3】本発明による、繊維構造体の別の実施例の断面図の概略図である。
図4】本発明による、繊維構造体の別の実施例の断面図の走査型電子顕微鏡写真である。
図5】本発明の繊維要素を製造するためのプロセスの一例の概略図である。
図6図5のプロセスにおいて使用される、拡大図を含む、ダイの一例の概略図である。
図7】本発明による、繊維構造体を製造するためのプロセスの一実施例の概略図である。
図8】本発明による、繊維構造体を製造するためのプロセスの別の実施例の概略図である。
図9】本発明による、繊維構造体を製造するためのプロセスの別の実施例の概略図である。
図10A】本発明による発泡性繊維構造体製品の実施例の概略図である。
図10B図10Aの10B-10B線に沿った断面図である。
図11】本発明による、溶解性の測定において使用される機器の構成の実施例の概略図である。
図12】溶解試験の実施中の図11の概略図である。
図13図12の上面図の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
定義
「繊維構造体」は、本明細書で使用するとき、1つ以上の繊維要素、及び任意に1つ以上の粒子を含む構造体を意味する。一実施例では、本発明による繊維構造体は、機能を発揮することが可能な、繊維要素と、任意選択で、一体型構造体等の構造体を共に形成する粒子との結合体を意味する。複数の繊維要素は、互いに絡み合っていてもよい。
【0028】
本発明の繊維構造体は、均質であってもよく、又は層状であってもよい。層状である場合、繊維構造体は、少なくとも2つ、及び/又は少なくとも3つ、及び/又は少なくとも4つ、及び/又は少なくとも5つの層、例えば1つ以上の繊維要素層、存在する場合1つ以上の粒子層、及び/又は粒子が存在する場合1つ以上の繊維要素/粒子混合層を含み得る。
【0029】
一実施例では、繊維構造体は、本明細書に記載される坪量試験法に従って測定したときに5000g/m未満の坪量を呈する多プライ繊維構造体である。
【0030】
一実施例では、本発明の繊維構造体は、「一体型繊維構造体」である。
【0031】
本明細書で使用するとき、「一体型繊維構造体」は、互いに絡み合って又は別の方法で互いに結合して繊維構造体を形成する複数の繊維要素を含む配置である。単一繊維構造体は、複数の繊維要素に加えて、当該複数の繊維要素と結合した1つ以上の及び/又は複数の粒子を更に含んでいてもよい。本発明の一体型繊維構造体は、多プライ繊維構造体内の1つ以上のプライであり得る。一実施例では、本発明の一体型繊維構造体は、3つ以上の異なる繊維要素を含み得る。別の実施例では、本発明の一体型繊維構造体は、2つの異なる繊維要素、例えば共形成された繊維構造体を含んでもよく、上部に異なる繊維要素が堆積されて、3つ以上の異なる繊維要素を含む繊維構造体を形成する。
【0032】
本明細書で使用するとき、「繊維要素」は、その平均直径を大きく上回る長さを有する、すなわち、長さ対平均直径の比率が少なくとも約10である、細長い粒子を意味する。繊維要素は、フィラメント又は繊維であり得る。一実施例では、繊維要素は、複数の繊維要素を含む糸ではなく、単一の繊維要素である。
【0033】
本発明の繊維要素は、好適な紡糸方法操作、例えば、メルトブロー、スパンボンディング、エレクトロスピニング、及び/又は回転紡糸を介して、繊維要素形成組成物とも称されるフィラメント形成組成物から紡糸され得る。
【0034】
本発明の繊維要素は、1成分型及び/又は多成分型であってもよい。例えば、繊維要素は、2成分繊維及び/又はフィラメントを含んでもよい。2成分繊維及び/又はフィラメントは、サイドバイサイド(side-by-side)型、芯鞘型、海島型などの任意の形態であり得る。
【0035】
本明細書で使用するとき、「フィラメント」は、5.08cm(2インチ)以上、及び/又は7.62cm(3インチ)以上、及び/又は10.16cm(4インチ)以上、及び/又は15.24cm(6インチ)以上の長さを示す上記のような細長い粒子を意味する。
【0036】
フィラメントは、典型的には、本質的に連続的であるか又は実質的に連続的であるとみなされる。フィラメントは、繊維よりも相対的に長い。フィラメントの非限定的な例としては、メルトブローンフィラメント及び/又はスパンボンドフィラメントが挙げられる。フィラメントに紡糸することができるポリマーの非限定的な例としては、例えば、デンプン、デンプン誘導体、セルロース(例えば、レーヨン及び/又はリヨセル)、セルロース誘導体、ヘミセルロース、及びヘミセルロース誘導体などの天然ポリマー、並びに熱可塑性ポリマーフィラメント、例えば、ポリエステル、ナイロン、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレンフィラメント、及びポリエチレンフィラメント)、並びに生分解性熱可塑性繊維、例えば、ポリ乳酸フィラメント、ポリヒドロキシアルカノエートフィラメント、ポリエステルアミドフィラメント、及びポリカプロラクトンフィラメントが挙げられるが、これらに限定されない合成ポリマーが挙げられる。
【0037】
本明細書で使用するとき、「繊維」は、5.08cm(2インチ)未満、及び/又は3.81cm(1.5インチ)未満、及び/又は2.54cm(1インチ)未満の長さを示す上記のような細長い粒子を意味する。
【0038】
典型的には、繊維は、本質的に不連続とみなされる。繊維の非限定的な例としては、本発明のフィラメント又はフィラメントトウを紡糸し、その後フィラメント又はフィラメントトウを5.08cm(2インチ)未満の断片に切断して繊維を製造することにより製造された短繊維が挙げられる。
【0039】
一実施例では、フィラメントがより短い長さ(5.08cm未満の長さなど)に切断された場合などに、本発明のフィラメントから1つ以上の繊維を形成することができる。したがって、一実施例では、本発明はまた、1つ以上のフィラメント形成材料及び1つ以上の添加剤(活性剤など)を含む繊維などの、本発明のフィラメントから製造される繊維も含む。したがって、本明細書における本発明のフィラメントへの言及は、特に指定しない限り、このようなフィラメントから作製された繊維も含む。繊維は、典型的には、本質的に連続的であるとみなされるフィラメントに対して、本質的に不連続であるとみなされる。
【0040】
本明細書で使用するとき、「フィラメント形成組成物」及び/又は「繊維要素形成組成物」は、例えばメルトブローイング及び/又はスパンボンディングにより、例えば多列キャピラリーメルトブローダイから繊維要素を紡糸することにより、本発明の1つ以上の繊維要素を作製するために好適な組成物を意味する。フィラメント形成組成物は、それを繊維要素に紡糸するのに好適なものにする特性を呈する1つ以上の繊維要素形成材料、例えば、フィラメント形成材料を含む。一実施例では、繊維要素形成材料は、ポリマーを含む。1つ以上の繊維要素形成材料に加えて、繊維要素形成組成物は、1つ以上の添加剤、例えば1つ以上の活性剤を含んでいてもよい。更に、繊維要素形成組成物は、1つ以上の極性溶媒、例えば水を含み得、繊維要素、例えば繊維要素形成組成物に由来するフィラメントを紡糸する前に、この極性溶媒中に、1つ以上の、例えば全ての繊維要素形成材料及び/又は1つ以上の、例えば全ての活性剤を溶解及び/又は分散させる。
【0041】
一実施例では、本発明の繊維要素形成組成物から作製される本発明の繊維要素、例えばフィラメントは、1つ以上の添加剤、例えば1つ以上の活性剤が、繊維要素、例えば1つ以上の活性剤を含むコーティング組成物上ではなく繊維要素中に存在し得るようなものである。このようなコーティング組成物内の1つ以上の活性剤は、存在する場合、繊維要素及び/又は活性剤含有粒子中の活性剤と同じであっても異なっていてもよい。繊維要素形成組成物中に存在する繊維要素形成材料の総濃度及び活性剤の総濃度は、本発明の繊維要素がそれから製造される限り、任意の好適な量であってもよい。
【0042】
一実施例では、活性剤などの1つ以上の添加剤は、繊維要素中に存在してもよく、活性剤などの1つ以上の追加の添加剤は、繊維要素の表面上に存在してもよい。別の実施例では、本発明の繊維要素は、元々作製時には繊維要素中に存在しているが、繊維要素の意図される使用条件に曝される前及び/若しくは曝されたときに繊維要素の表面にブルームを形成する(bloom)、並びに/又は例えば溶解時に意図される使用条件に曝されたときに繊維要素から放出される、活性剤等の1つ以上の添加剤を含んでいてもよい。
【0043】
本明細書で使用するとき、「繊維要素形成材料」及び/又は「フィラメント形成材料」及び/又は「繊維形成材料」は、繊維要素を作製するのに好適な特性を呈する材料、例えばポリマー、又はポリマーを生成することができるモノマーを意味する。一実施例では、繊維要素形成材料は、アニオン性、カチオン性、双性イオン性、及び/又は非イオン性のポリマー等の、1つ以上の天然ポリマー系ポリマーを含む。別の実施例では、ポリマーは、ヒドロキシルポリマー、例えば変性多糖、例えば変性デンプン、例えばアセチル化デンプンを含んでいてもよい。更に別の実施例では、天然ポリマー系繊維要素形成材料、例えば変性多糖は、極性溶媒可溶性、例えば水溶性の天然ポリマー系材料である。
【0044】
本明細書で使用するとき、「混合」及び/又は「混合する」は、粒子が繊維要素、例えば、フィラメントと混合される状態又は形態を意味する。繊維要素、例えばフィラメントと、粒子、例えば活性剤含有粒子との混合物は、複合構造体の中及び/若しくは全体に、又は複合構造体の平面若しくは領域内に存在することができる。一実施例では、混繊(commingled)繊維要素、例えばフィラメント及び粒子は、複合構造体の少なくとも表面を形成し得る。一実施例では、粒子は、複合構造体の中及び/若しくは全体に、並びに/又は複合構造体の平面及び/若しくは領域に均一に分散し得る。一実施例では、粒子は、複合構造体の中及び/若しくは全体に均一に分布してもよく、これにより、複合構造体内の粒子の複合構造体内の他の領域への垂れ(sag)及び/又は自由移動及び/又は移入が回避及び/又は防止されるので、複合構造体内の粒子の濃度がより高いゾーン及び粒子の濃度がより低いゾーン又は濃度がゼロのゾーンが生じる。一実施例では、複合構造体のμCT断面は、粒子が複合構造体の中及び/又は全体に均一に分布しているかどうかを示すことができる。
【0045】
本明細書で使用するとき、「添加剤」は、繊維要素形成材料ではない、本発明の繊維要素内に存在する任意の材料を意味する。一実施例では、添加剤は、活性剤を含む。別の実施例では、添加剤は、加工助剤を含む。更に別の実施例では、添加剤は、充填剤を含む。一実施例では、添加剤は、繊維要素中に存在する任意の材料であって、その材料が繊維要素に存在しなくとも、繊維要素の繊維要素構造は損なわれない(言い換えれば、その材料が存在しなくとも、繊維要素の固体形態は損なわれない)材料を含む。別の実施例では、添加剤、例えば、活性剤は、非ポリマー材料を含む。
【0046】
他の実施例では、添加剤は繊維要素のための可塑剤を含んでもよい。本発明のための好適な可塑剤の非限定的な例としては、ポリオール、コポリオール、ポリカルボン酸、ポリエステル、及びジメチコンコポリオールが挙げられる。有用なポリオールの例としては、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ヘキサンジオール、2,2,4-トリメチルペンタン-1,3-ジオール、ポリエチレングリコール(200~600)、ペンタエリスリトール、糖アルコール、例えばソルビトール、マニトール、ラクチトール、並びに他の一価及び多価低分子量アルコール(例えば、C2~C8アルコール);単糖、二糖、及びオリゴ糖、例えば、フルクトース、グルコース、スクロース、マルトース、ラクトース、高フルクトースコーンシロップ固体、及びデキストリン、並びにアスコルビン酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0047】
一実施例では、可塑剤としては、グリセリン、及び/又はプロピレングリコール、及び/又はプロポキシル化グリセロールなどのグリセロール誘導体が挙げられる。更に別の実施例では、可塑剤は、グリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリシドール、尿素、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、糖、エチレンビスホルムアミド、アミノ酸、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0048】
他の実施例では、添加剤は、剪断力変性剤及び/又は伸長変性剤などのレオロジー変性剤を含み得る。レオロジー変性剤の非限定的な例としては、本発明の繊維要素に使用することができるポリアクリルアミド、ポリウレタン、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルカプロラクタム、ポリビニルイミダゾール、高分子量多糖、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。レオロジー変性剤の非限定的な例は、Dow Chemical Company(Midland,MI)から市販されている。
【0049】
更に他の例において、添加剤には、繊維要素を目的とされる使用条件に曝した際に、及び/又は活性剤が繊維要素から放出された際に、及び/又は繊維要素の形態が変化した際に、視覚的な信号を提供するために、本発明の繊維要素内に組み込まれる1つ以上の色及び/又は染料が含まれてもよい。
【0050】
更に他の実施例では、添加剤には1つ以上の剥離剤及び/又は潤滑剤が含まれてもよい。好適な剥離剤及び/又は潤滑剤の非限定的な例としては、脂肪酸、脂肪酸塩、脂肪族アルコール、脂肪族エステル、スルホン化脂肪酸エステル、脂肪族アミンアセテート、脂肪アミド、シリコーン、アミノシリコーン、フルオロポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。一実施例では、剥離剤及び/又は潤滑剤は繊維要素に適用されてもよく、換言すれば、繊維要素形成後に適用されてもよい。一実施例では、1種以上の剥離剤/潤滑剤は、回収装置で繊維要素を回収して繊維構造体を形成する前に、繊維要素に適用されてよい。別の実施例では、1種以上の剥離剤/潤滑剤は、繊維構造体の積層体などにおけるように繊維構造体の1つ以上を接触させる前に、本発明の繊維要素から形成された繊維構造体に適用されてよい。更に別の実施例では、繊維要素及び/若しくは繊維構造体の剥離を促進するために、並びに/又は本発明の繊維要素及び/若しくは繊維構造体のプライが互いにくっつくのを、更には意図せずにくっつくのを避けるために、繊維要素及び/又は繊維構造体が表面(例えば、加工システムにおいて使用される装置の表面)と接触する前に、本発明の繊維要素及び/又は繊維要素を含む繊維構造体に、1つ以上の剥離剤/潤滑剤を適用してよい。一実施例では、剥離剤/潤滑剤は、粒子を含む。
【0051】
更に他の実施例では、添加剤は1つ以上のブロッキング防止剤及び/又は粘着性除去剤を含み得る。好適なブロッキング防止剤及び/又は粘着性除去剤の非限定的な例としては、デンプン、デンプン誘導体、架橋ポリビニルピロリドン、架橋セルロース、微結晶セルロース、シリカ、金属酸化物、炭酸カルシウム、タルク、雲母、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0052】
一実施例では、予想外にも、本発明の繊維構造体にシリカを含めると、シリカを含まない場合よりも高い泡の高さを有する安定した泡が得られることが見出された。
【0053】
本明細書で使用するとき、「意図される使用条件」は、本発明の繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維構造体をその設計用途の1つ以上のために使用するときにさらされる温度条件、物理的条件、化学的条件、及び/又は機械的条件を意味する。例えば、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維要素を含む繊維構造体が、洗濯物ケアの目的で洗濯機において使用されるように設計されている場合、意図される使用条件は、洗濯洗浄操作中の、任意の洗浄水を含む、洗濯機内に存在する温度条件、化学的条件、物理的条件、及び/又は機械的条件を含む。別の実施例では、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維要素を含む繊維構造体が、ヘアケア目的のためにシャンプーとしてヒトによって使用されるように設計されている場合、目的とする使用条件は、ヒトの毛髪のシャンプー中に存在する温度条件、化学的条件、物理的条件、及び/又は機械的条件を含む。同様に、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維要素を含む繊維構造体が、手又は食器洗浄機による食器洗浄操作において使用されるように設計されている場合、意図される使用条件は、食器洗浄操作中の食器洗浄水及び/又は食器洗浄機中に存在する、温度条件、化学的条件、物理的条件、及び/又は機械的条件を含む。
【0054】
本明細書で使用するとき、「活性剤」は、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は本発明の繊維要素を含む繊維構造体の外部の環境において、例えば、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維構造体が、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維要素を含む繊維構造体の意図される使用条件に曝される場合に、意図した効果を生じさせる添加剤を意味する。一実施例では、活性剤は、表面、例えば、硬質表面(すなわち、キッチンのカウンター、バスタブ、トイレ、便器、シンク、床、壁、歯、車、窓、鏡、皿)及び/又は軟質表面(すなわち、布地、毛髪、皮膚、カーペット、作物、植物)を処理する添加剤を含む。別の実施例では、活性剤は、化学反応(すなわち、起泡、発泡、着色、加温、冷却、泡立ち、消毒及び/又は浄化及び/又は塩素消毒(水の浄化、及び/又は水の消毒、及び/又は水の塩素消毒など))を生じさせる添加剤を含む。更に別の実施例では、活性剤は、環境を処理する(すなわち、空気を脱臭する、浄化する、芳香を付する)添加剤を含む。一実施例では、活性剤は、活性剤を含有する繊維要素及び/又は粒子の形成中などで、その場で形成され、例えば繊維要素及び/又は粒子は、水溶性ポリマー(例えばデンプン)及び界面活性剤(例えばアニオン性界面活性剤)を含んでもよい。水溶性ポリマー及び界面活性剤は、布地の表面を処理するのに使用される活性剤として機能する高分子錯体、又はコアセルベートを作り出すことができる。
【0055】
「処理する」は、表面の処理に関して本明細書で使用するとき、活性剤が、表面又は環境に利益をもたらすことを意味する。処理としては、表面又は環境の外観、清浄度、におい、純度、及び/又は感触の調節及び/又は速やかな改善が挙げられる。一実施例では、ケラチン性組織(例えば、皮膚及び/又は毛髪)表面の処理に関する処理とは、ケラチン性組織の美容上の外観及び/又は感触の調節及び/又は速やかな改善を意味する。例えば、「皮膚、毛髪、又は爪(ケラチン性組織)の条件の調節」としては、皮膚、毛髪、又は爪の萎縮を低減するための、皮膚、毛髪、又は爪の肥厚化(例えば、皮膚の表皮及び/又は真皮及び/又は皮下(例えば、皮下脂肪又は筋肉)層の構築、並びに適用可能である場合、爪及び毛幹の角質層の構築)、真皮-表皮の境界(乳頭間隆起としても既知)の回旋の増加、弾性線維症、たるみ、皮膚又は毛髪の変形からの回復の喪失などの、皮膚又は毛髪の弾性の喪失(機能的皮膚エラスチンの喪失、損傷、及び/又は不活性化)の防止、目の下のくま、染み(例えば、酒さなどによる、例えば、不均一な赤味)(以下、「赤斑」と称される)、血色の悪さ(青白い色)、毛細血管拡張症又はクモ状血管によって引き起こされる変色、及び白髪などの、皮膚、毛髪、又は爪の色のメラニン性変化又は非メラニン性変化の防止が挙げられる。
【0056】
別の実施例では、処理は、布地物品(例えば、衣類、タオル、リネン)及び/又は硬質表面(例えば、カウンター及び/又は深鍋及び平鍋などの食器)から染み及び/又はにおいを除去することを意味する。
【0057】
本明細書で使用するとき、「布地ケア活性剤」は、布地に適用したときに、その布地に利益及び/又は改善をもたらす活性剤を意味する。布地に対する利益及び/又は改善の非限定的な例としては、洗浄(例えば、界面活性剤によって)、染み除去、染み低減、しわ除去、色回復、静電気制御、しわ耐性、パーマネントプレス、磨耗減少、磨耗耐性、毛玉取り、毛玉耐性、汚れ除去、汚れ耐性(汚れ放出を含む)、形状保持、縮み低減、柔軟性、芳香、抗菌、抗ウイルス、防臭、及びにおい除去が挙げられる。
【0058】
本明細書で使用するとき、「食器洗浄用活性剤」は、食器、ガラス製品、深鍋、平鍋、台所用具、及び/又はクッキングシートに適用したときに、食器、ガラス製品、プラスチック物品、深鍋、平鍋、及び/又はクッキングシートに、利益及び/又は改善をもたらす活性剤を意味する。食卓用食器、ガラス製品、プラスチック物品、深鍋、平鍋、台所用具、及び/又はクッキングシートに対する利益及び/又は改善の非限定的な例としては、食物及び/又は汚れ除去、洗浄(例えば界面活性剤による)染み除去、染み低減、油脂除去、水染み除去及び/又は水染み防止、ガラス及び金属ケア、衛生化、輝き、並びに研磨が挙げられる。
【0059】
本明細書で使用するとき、「硬質表面用活性剤」は、床、カウンター、シンク、窓、鏡、シャワー、風呂、及び/又はトイレに適用したときに、床、カウンター、シンク、窓、鏡、シャワー、風呂、及び/又はトイレに利益及び/又は改善をもたらす活性剤を意味する。床、カウンター、シンク、窓、鏡、シャワー、風呂、及び/又はトイレに対する利益及び/又は改善の非限定的な例としては、食品及び/又は汚れ除去、洗浄(例えば、界面活性剤による)、染み除去、染み低減、油脂除去、水染み除去及び/又は水染み防止、石鹸かすの除去、消毒、光沢、研磨、及びフレッシュニングが挙げられる。
【0060】
本明細書で使用するとき、「粒子」、例えば活性剤含有粒子は、粉末、顆粒、及び/又は凝集体を意味する。粒子の形状は、球状、棒状、皿状、管状、四角形、矩形、円盤状、星状、繊維状であり得、規則的な又は不規則なランダム形状を有し得る。本発明の粒子、少なくとも44μmの少なくともそれらの粒子は、本明細書に記載の粒径分布試験方法によって測定することができる。44μm未満の粒子については、異なる試験方法、例えば、光散乱法を使用して、44μm未満の粒径、例えば、典型的には約15μm~約44μm及び/又は約25μmのサイズの範囲の香料マイクロカプセルを決定することができる。
【0061】
一態様では、粒子は、再循環繊維構造材料を含んでもよく、具体的には、当該繊維材料は、繊維を微粉化固体に粉砕し、当該微粉化固体を凝集体、顆粒、又は他の粒子形態に再び組み込むことによって再循環される。別の態様では、粒子は、再循環繊維構造材料を含んでもよく、具体的には、当該繊維性材料は、流体ペースト、懸濁液、又は溶液に組み込まれ、次いで、加工されて、凝集体、顆粒、又は他の粒子形態を形成する。別の態様では、再生繊維材料を含む当該流体ペースト、懸濁液、又は溶液は、新たな繊維物品を作製するプロセスにおいて繊維層に直接適用されてもよい。
【0062】
一実施例では、粒子は、本明細書に記載の粒径分布試験方法に従って測定したときに500μm未満、及び/又は450μm未満、及び/又は400μm未満、及び/又は350μm未満から約100μmまで、又は約150μmまで、又は約200μmまでのD50を呈する。
【0063】
一実施例では、離散粒子及び/又は集塊物(互いに結合した離散粒子)であってもよい粒子は、本明細書に記載の粒径分布試験方法に従って測定したときに約100μm~約5000μm、及び/又は約100μm~約2000μm、及び/又は約250μm~約1200μm、及び/又は約250μm~約850μmのD50粒径を呈し得る。
【0064】
一実施例では、離散粒子及び/又は集塊物(互いに結合した離散粒子)であってもよい粒子は、本明細書に記載の粒径分布試験方法に従って測定したときに250μmのD10を呈し得る。
【0065】
別の実施例では、粒子及び/又は集塊物(互いに結合した離散粒子)は、本明細書に記載の粒径分布試験方法に従って測定したときに1200μm及び/又は850μmのD90を呈し得る。
【0066】
一実施例では、粒子及び/又は集塊物(互いに結合した離散粒子)は、本明細書に記載の粒径分布試験方法に従って測定したときに44μm超、及び/又は90μm超、及び/又は150μm超、及び/又は212μm超、及び/又は300μm超のD10を呈し得る。
【0067】
一実施例では、粒子及び/又は集塊物(互いに結合した離散粒子)は、本明細書に記載の粒径分布試験方法に従って測定したときに1400μm未満、及び/又は1180μm未満、及び/又は850μm未満、及び/又は600μm未満、及び/又は425μm未満のD90を呈し得る。
【0068】
一実施例では、粒子及び/又は集塊物(互いに結合した離散粒子)は、存在する場合にD50が、存在する場合にD10よりも大きく、存在する場合にD90が、存在する場合にD10及びD50よりも大きい限り、上記で特定されたD10、D50、及び/又はD90の任意の組み合わせを呈し得る。
【0069】
一実施例では、粒子及び/又は集塊物(互いに結合した離散粒子)粒子は、D90がD10よりも大きい限り、上記で特定されたD10及びD90の任意の組み合わせを呈し得る。
【0070】
一実施例では、粒子及び/又は集塊物(互いに結合した離散粒子)は、本明細書に記載の粒径分布試験方法に従って測定したときに212μm超のD10及び1180μm未満のD90を示し得る。
【0071】
一実施例では、粒子及び/又は集塊物(互いに結合した離散粒子)は、本明細書に記載の粒径分布試験方法に従って測定したときに90μm超のD10及び425μm未満のD90を示し得る。
【0072】
本明細書で使用される「発泡系」は、1つ以上の発泡性酸及び/又は発泡性酸粒子と、1つ以上の発泡性塩及び/又は発泡性塩粒子との混合物を意味する。一実施例では、特定の発泡性酸、例えば発泡性酸粒子、及び/又は発泡性塩、例えば発泡性塩粒子、並びにそれらの割合の選択は、少なくとも部分的に、ガスの量、例えばCO放出の要件に依存する。一実施例では、発泡性酸、例えばクエン酸などの発泡性酸粒子は、発泡系の重量基準で約10重量%から約60重量%の量で添加されてもよく、発泡性塩、例えばアルカリ金属塩、例えば重炭酸ナトリウムなどの発泡性塩粒子はまた、発泡性成分の重量基準で約10重量%から60重量%の量で添加されてもよい。
【0073】
本明細書で使用される「発泡性酸」又は「発泡性酸粒子」は、発泡性塩又は発泡性塩粒子と組み合わせたときに発泡、例えばCOなどのガスを生成する酸及び/又は酸粒子を意味する。本発明の発泡性組成物に使用するのに適した発泡性酸及び/又は発泡性酸粒子の非限定的な例としては、酒石酸、クエン酸、フマル酸、アジピン酸、リンゴ酸、シュウ酸、スルファミン酸、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。一実施例では、発泡性酸及び/又は発泡性酸粒子は、クエン酸、又はクエン酸と酒石酸との混合物を含む。発泡性酸及び/又は発泡性酸粒子は無水物であってもよい。
【0074】
本明細書で使用される「発泡性塩」又は「発泡性塩粒子」は、発泡性酸及び/又は発泡性酸粒子と組み合わせたときに発泡、例えばCOなどのガスを生成する塩及び/又は塩粒子を意味する。好適な発泡性塩及び/又は発泡性塩粒子の非限定的な例としては、アルカリ金属塩及び/又は炭酸塩及び/又は重炭酸塩、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸アンモニウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カルシウム、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。発泡性塩及び/又は発泡性塩粒子は、無水物であってもよい。
【0075】
本明細書で使用するとき、「重量比」は、乾燥基準での2つの材料間の比率を意味する。例えば、繊維要素及び/又は複数の繊維要素内の繊維要素形成材料対活性剤の重量比とは、繊維要素及び/又は複数の繊維要素中の乾燥重量基準での繊維要素形成材料の重量(g又は%)の、繊維要素及び/又は複数の繊維要素中の乾燥重量基準での添加剤、例えば活性剤の重量(g又は%、繊維要素形成材料の重量と同じ単位)に対する比である。別の実施例では、繊維構造体中の粒子対繊維要素の重量比とは、繊維構造体中の乾燥重量基準での粒子の重量(g又は%)の、繊維構造体中の乾燥重量基準での繊維要素の重量(g又は%(粒子の重量と同じ単位))に対する比である。
【0076】
本明細書で使用するとき、「水溶性材料」及び/又は「水溶性繊維構造体」及び/又は「水溶性繊維要素形成材料」及び/又は「水溶性粒子」は、水に混和性である材料を意味する。言い換えれば、周囲条件で、水と、安定した(均質な液を形成した後、5分超にわたって分離しない)均質な溶液を形成することが可能な材料である。
【0077】
本明細書で使用するとき、「周囲条件」とは、約23℃±1.0℃及び相対湿度50%±2%を意味する。
【0078】
「重量平均分子量」とは、本明細書に記載の重量平均分子量試験法に従って求められた重量平均分子量を意味する。
【0079】
繊維要素に関して本明細書で使用するとき、「長さ」は、一方の末端から他方の末端までの繊維要素の最長軸に沿った長さを意味する。繊維要素が内部にねじれ、丸まり、又は曲がりを有する場合、長さは一方の末端から他方の末端までの繊維要素の全経路に沿った長さである。
【0080】
繊維要素に関して本明細書で使用するとき、「直径」は、本明細書に記載の直径試験法に従って測定される。一実施例では、本発明の繊維要素は、100μm未満、及び/又は75μm未満、及び/又は50μm未満、及び/又は25μm未満、及び/又は20μm未満、及び/又は15μm未満、及び/又は10μm未満、及び/又は6μm未満、及び/又は1μm超、及び/又は3μm超の直径を示す。
【0081】
本明細書で使用するとき、「誘発条件」とは、一実施例では、刺激として機能し、本発明の繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維構造体において変化(例えば、繊維要素の物理的構造及び/若しくは繊維構造体の物理的構造の喪失若しくは変化、並びに/又は活性剤などの添加剤の放出)を開始させる又は引き起こす作用又は事象としてのあらゆるものを意味する。別の実施例では、誘発条件は、本発明の繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維構造体を水に添加したときに、環境(例えば水など)中に存在していてもよい。言い換えれば、本発明の繊維要素及び/又は繊維構造体が水に添加されたという事実を除いて、水中で変化は生じない。
【0082】
繊維要素の形態変化及び/又は粒子の形態変化に関して本明細書で使用される場合、「形態変化」は、繊維要素が、その物理的構造の変化を経験することを意味する。本発明の繊維要素及び/又は粒子の形態変化の非限定的な例としては、溶解、溶融、膨張、収縮、粉砕、破裂、延長、短縮、及びそれらの組み合わせが挙げられる。本発明の繊維要素及び/又は粒子は、意図される使用条件に曝される場合に、その繊維要素及び/又は粒子の物理的構造を完全に又は実質的に失ってもよく、又はその形態が変化してもよく、又はその繊維要素又は粒子の物理的構造を保持するか、又は実質的に保持してもよい。
【0083】
「乾燥繊維要素基準での重量」、及び/又は「乾燥粒子基準での重量」、及び/又は「乾燥繊維構造体基準での重量」とは、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維構造体がそれぞれ、温度23℃±1.0℃及び相対湿度50%±10%に調整された室内で2時間調整された直後にそれぞれ測定された繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維構造体の重量を意味する。一実施例では、乾燥繊維要素基準、及び/又は乾燥粒子基準、及び/又は乾燥繊維構造体基準での重量とは、本明細書に記載の含水率試験法に従って測定したときに、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維構造体が、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維構造体の乾燥重量に基づいて、20重量%未満、及び/又は15重量%未満、及び/又は10重量%未満、及び/又は7重量%未満、及び/又は5重量%未満、及び/又は3重量%未満から約0重量%又は0重量%超の水分、例えば水、例えば遊離水を含むことを意味する。
【0084】
本明細書で使用するとき、例えば、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維構造体内に存在する1つ以上の活性剤の総濃度に関して本明細書で使用するとき、「総濃度」は、被験材料(例えば、活性剤)の全ての重量又は重量%の合計を意味する。換言すれば、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維構造体は、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維構造体中に存在する活性剤の総濃度が、乾燥繊維要素基準、及び/又は乾燥粒子基準、及び/又は乾燥繊維構造体基準で50重量%超、すなわち55重量%になるように、乾燥繊維要素基準、及び/又は乾燥粒子基準、及び/又は乾燥繊維構造体基準で25重量%のアニオン性界面活性剤と、乾燥繊維要素基準、及び/又は乾燥粒子基準、及び/又は乾燥繊維構造体基準で15重量%の非イオン性界面活性剤と、乾燥繊維要素基準、及び/又は乾燥粒子基準、及び/又は乾燥繊維構造体基準で10重量%のキレート剤と、乾燥繊維要素基準、及び/又は乾燥粒子基準、及び/又は乾燥繊維構造体基準で5重量%の香料と、を含み得る。
【0085】
「固形分」又は「全固形分」は、蒸発しない処方中の水又は溶媒以外の任意の成分を指す。本明細書で使用するとき、「高固形分」は、15重量%超、及び/又は20重量%超、及び/又は少なくとも25重量%、及び/又は少なくとも35重量%、及び/又は少なくとも40重量%、及び/又は少なくとも50重量%から約100重量%まで、又は約90重量%まで、又は約80重量%まで、又は約70重量%まで、又は約60重量%まで、及びこれらの値の間の全ての範囲の濃度で存在する固形分及び/又は全固形分を指す。
【0086】
「高界面活性剤濃度」等の「高界面活性剤」は、本発明の繊維要素形成組成物及び/又は繊維要素中の繊維要素形成材料、例えば天然ポリマー系繊維要素形成材料、例えば変性多糖、例えば変性デンプン(デンプン誘導体)、例えばアセチル化デンプン(酢酸デンプン)に対する界面活性剤の比を指す。繊維要素形成組成物及び/又は繊維要素中に存在するこのような界面活性剤は、本発明の繊維構造体及び/又は製品中に存在する活性剤含有粒子等の粒子中に存在し得る任意の界面活性剤とは異なり、独立している。一実施例では、界面活性剤対繊維要素形成材料の重量比範囲は、約1:2~約5:1、及び/又は約1:1~約4:1、及び/又は約2:1~約3:1、及び/又は約2:1である。
【0087】
本明細書で使用するとき、「繊維構造体製品」は、複数の繊維要素及び複数の粒子を含む固体形態、例えば、時にシート、この場合は本発明の繊維構造体の1つ以上と称される矩形の固体を意味する。繊維構造体製品は、繊維構造体及び/又は繊維構造体製品の繊維要素及び/又は粒子中に存在する1つ以上の活性剤、例えば発泡剤、布地ケア活性剤、食器洗浄活性剤、硬質表面活性剤、及びこれらの混合物を含む。一実施例では、本発明の繊維構造体製品は、1種以上の界面活性剤、1種以上の酵素(小粒酵素の形態など)、1種以上の香料、及び/又は1種以上の抑泡剤を含む。別の実施例では、本発明の繊維構造体製品は、ビルダー及び/又はキレート剤を含む。別の実施例では、本発明の繊維構造体製品は、漂白剤(カプセル化された漂白剤など)を含む。
【0088】
本明細書で使用するとき、「異なる形態」又は「異なる」とは、材料、例えば繊維要素全体、及び/又は繊維要素内の繊維要素形成材料、及び/又は繊維要素内の活性剤に関して、1つの材料、例えば繊維要素、及び/又は繊維要素形成材料、及び/又は活性剤が、化学的、物理的、及び/又は構造的に別の材料、例えば繊維要素、及び/又は繊維要素形成材料、及び/又は活性剤と異なることを意味する。例えば、フィラメントの形態の繊維要素形成材料は、繊維の形態の同じ繊維要素形成材料とは異なる。同様に、デンプンポリマーは、セルロースポリマーとは異なる。しかし、分子量の異なるデンプンなど、異なる分子量の同じ物質は、本発明の目的において、互いに異なる物質ではない。
【0089】
本明細書で使用するとき、「ポリマーのランダム混合物」は、繊維要素を形成するために2つ以上の異なる繊維要素形成材料がランダムに組み合わされることを意味する。その結果、シースコア型2成分繊維要素等の規則的に組み合わさって繊維要素を形成する2つ以上の異なる繊維要素形成材料は、本発明の目的において、異なる繊維要素形成材料のランダム混合物ではない。
【0090】
繊維要素及び/又は粒子に関して本明細書で使用するとき、「結合する(Associate)」、「結合される(Associated)」、「結合体(Association)」、及び/又は「結合している(Associating)」は、繊維構造体が形成されるように、繊維要素及び/又は粒子を直接接触又は間接接触によって組み合わせることを意味する。一実施例では、結合される繊維要素及び/又は粒子は、例えば、接着剤及び/又は熱接着によって互いに接着され得る。別の実施例では、繊維要素及び/又は粒子は、同一の繊維構造体製造用ベルト及び/又はパターン付きベルト上に付着させることによって互いに結合され得る。
【0091】
本明細書で使用するとき、「開口」は、周囲の繊維構造とは異なる、繊維構造体における開口部又は空隙又は窪みを意味する。一実施例では、開口は、繊維構造が局所的に破壊された任意の特徴部を含んでいてもよい。一実施例では、開口は、繊維構造の坪量、厚さ、又はキャリパーの局所的な窪み又は局所的な破壊を含んでいてもよい。別の実施例では、開口は、繊維構造体の概ね平坦な表面の両方を通って、繊維構造体の概ね平坦な表面の一方を通って、又は更には繊維構造体のいずれの平坦な表面も通らずに実質的に又は完全に貫通している、繊維構造体における開口部であってもよい。別の実施例では、開口は、完全開口部が存在するか、部分的開口部が存在するか、又は更には明らかな開口部が存在しない、繊維構造体における開口部であってもよい。更に別の実施例では、開口は、繊維構造体においてエンボス加工の特徴部を含んでいてもよい。更に別の実施例では、開口は、繊維構造体及び/又は多プライ繊維構造体の内部特徴部であり、例えば、当該開口の特徴部は、多プライ繊維構造体の内部プライ上に存在し得る。更に別の実施例では、開口は、収集装置上の繊維要素の集合体及び絡み合いに起因する繊維構造体の繊維要素間に存在するランダムな孔ではなく、非ランダムな及び/又は設計された及び/又は作製された開口部、空隙、又は窪みである、繊維構造体における開口部又は空隙又は窪みを含む。
【0092】
本明細書で使用するとき、「機械方向」又は「MD」は、繊維構造体製造装置及び/又は繊維構造体製品製造機を通って繊維構造体が流れる方向と平行な方向を意味する。
【0093】
本明細書で使用するとき、「機械横断方向」又は「CD」は、繊維構造体及び/又は繊維構造体を含む繊維構造体製品の同一平面上で、機械方向と垂直である方向を意味する。
【0094】
本明細書で使用するとき、「プライ」又は「多プライ」は、他のプライと実質的に連続の向かい合わせの関係に任意選択的に配置され、多プライ繊維構造体を形成する、個々の繊維構造体を意味する。単一繊維構造体は、例えばそれ自体の上に折り畳むことによって、2「プライ」又は多「プライ」を有効に形成できることも意図される。
【0095】
本明細書で使用される場合、例えば、「アニオン性界面活性剤(an anionic surfactant)」又は「繊維(a fiber)」などのように本明細書で使用される場合の冠詞「a」及び「an」は、特許請求又は記載される1つ以上の材料を意味すると理解される。
【0096】
全ての百分率及び比率は、別途示されない限り、重量基準で計算される。全ての百分率及び比率は、別途示されない限り、全組成に基づいて計算される。
【0097】
特に記載のない限り、全ての成分又は組成物の濃度は、その成分又は組成物の活性濃度に関するものであり、市販の供給源中に存在し得る不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0098】
繊維構造体
本発明の繊維構造体は、複数の天然ポリマー系繊維要素、例えば複数の天然ポリマー系フィラメントと、任意選択で、1つ以上の粒子、例えば1つ以上の活性剤含有粒子、例えば水溶性の活性剤含有粒子と、を含む。
【0099】
一実施例では、繊維要素体及び/又は粒子は、繊維構造体内に配置されて、異なる活性剤を含む2つ以上の領域を繊維構造体に提供し得る。例えば、繊維構造体のある領域は、漂白剤及び/又は界面活性剤を含んでもよく、繊維構造体の別の領域は、柔軟剤を含んでもよい。
【0100】
本発明による様々な繊維構造体及び/又は繊維構造体製品の非限定的な例について以下で論じる。以下に記載される非限定的な例は、繊維構造体及び/又は繊維構造体製品の一部である粒子を例示しているが、繊維構造体及び/又は繊維構造体製品は、このような粒子を含まず、繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素のみを含有していてもよい。
【0101】
図1に示すように、本発明による繊維構造体10の例は、複数の繊維要素14、例えば天然ポリマー系繊維要素、この場合はフィラメント、例えば天然ポリマー系フィラメントを含む第1の層12と、複数の繊維要素14、例えば天然ポリマー系繊維要素、この場合はフィラメント、例えば天然ポリマー系フィラメントを含む第2の層16と、第1の層12と第2の層16との間に位置する複数の粒子18、例えば活性剤含有粒子とを含む。複数の繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素を含む繊維構造体の第1のプライの表面上に複数の粒子、例えば活性剤含有粒子を堆積させ、次いで、粒子が第1のプライと第2のプライとの間に位置するように、複数の繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素を含む繊維構造体、例えば、本発明による繊維構造体の第2のプライを結合させることによって、同様の繊維構造体を形成することができる。
【0102】
図2に示すように、本発明の繊維構造体10の別の例は、複数の繊維要素14、例えば天然ポリマー系繊維要素、この場合はフィラメント、例えば天然ポリマー系フィラメントを含む第1の層12を含み、当該第1の層12は、非ランダムな繰り返しパターンであってよい1つ以上のポケット20(凹部とも呼ばれる)を含む。ポケット20のうちの1つ以上は、1つ以上の粒子18、例えば、活性剤含有粒子を含有していてよい。繊維構造体10は、粒子18、例えば活性剤含有粒子がポケット20に捕捉されるように、第1の層12と結合させた第2の層16を更に含む。上記と同様に、複数の繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素を含む繊維構造体の第1のプライのポケットに複数の粒子、例えば活性剤含有粒子を堆積させ、次いで、粒子、例えば活性剤含有粒子が第1のプライのポケット内に捕捉されるように、複数の繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素を含む繊維構造体、例えば、本発明による繊維構造体の第2のプライを結合させることによって、同様の繊維構造体を形成することができる。一例では、ポケットが繊維構造体から分離されて、別個のポケットを生成してもよい。
【0103】
図3に示すように、本発明の多プライ繊維構造体22の例は、上記の図2による繊維構造体の第1のプライ24と、第1のプライ24に例えば縁部シーム(図示しない)により結合された繊維構造体、例えば本発明による繊維構造体の第2のプライ26と、を含み、当該第2のプライ26は、複数の繊維要素14、例えば天然ポリマー系繊維要素、この場合はフィラメント、例えば天然ポリマー系フィラメントと、一方若しくは両方のプライにわたって及び/又は多プライ繊維構造体全体にわたってx軸、y軸、及びz軸方向に、この場合はランダムに分散している複数の粒子18、例えば活性剤含有粒子と、を含む。換言すれば、粒子、例えば活性剤含有粒子、例えば水溶性活性剤含有粒子は、一方又は両方の繊維構造体プライの繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素と混繊される。
【0104】
図4に示すように、本発明の繊維構造体10の例は、複数の繊維要素14、例えば天然ポリマー系繊維要素、この場合はフィラメント、例えば天然ポリマー系フィラメントと、繊維構造体10全体にわたってx軸、y軸、及びz軸方向にこの場合はランダムに分散している複数の粒子18、例えば活性剤含有粒子と、を含む。
【0105】
本発明の繊維要素及び/又は繊維構造体が固体形態である場合であっても、本発明の繊維要素を作製するために使用されるフィラメント形成組成物は液体形態であってよい。
【0106】
一実施例では、繊維構造体は、本発明による複数の(組成の観点から)同一又は実質的に同一の繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素、及び/又は粒子、例えば活性剤含有粒子を含む。別の実施例では、繊維構造体は、本発明による2つ以上の異なる繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素、及び/又は粒子、例えば活性剤含有粒子を含んでいてもよい。繊維要素及び/又は粒子の相違点の非限定的な例は、直径、長さ、質感、形状、剛性、弾性の違いなどの物理的な違い;架橋レベル、溶解度、融点、Tg、活性剤、フィラメント形成材料、色、活性剤の濃度、坪量、密度、フィラメント形成材料の濃度、繊維要素上の任意コーティングの存在、生分解性であるか否か、疎水性であるか否か、接触角などの化学的な違い;意図される使用条件に繊維要素及び/又は粒子が曝されたときに、繊維要素及び/又は粒子がその物理的構造を失うかどうかの違い;意図される使用条件に繊維要素及び/又は粒子が曝されたときに、繊維要素及び/又は粒子の形態が変化するかどうかの違い;並びに、意図される使用条件に繊維要素及び/又は粒子が曝されたときに、繊維要素及び/又は粒子がその活性剤のうちの1つ以上を放出する速度の違いであり得る。一実施例では、繊維構造体内の2つ以上の繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素、及び/又は粒子、例えば活性剤含有粒子は、異なる活性剤を含んでいてもよい。これは、異なる活性剤、例えばアニオン性界面活性剤(例えば、シャンプー活性剤)及びカチオン性界面活性剤(例えば、ヘアコンディショナー活性剤)が互いに相溶性ではない場合に該当し得る。
【0107】
別の実施例では、繊維構造体は、異なる領域、例えば、坪量、密度、及び/又は厚さの異なる領域を呈し得る。更に別の実施例では、繊維構造体は、その表面のうちの1つ以上に質感を含み得る。繊維構造体の表面は、非ランダムな反復パターン等のパターンを含んでもよい。繊維構造体は、エンボスパターンでエンボス加工されてもよい。別の実施例では、繊維構造体は、開口を含んでもよい。開口は、非ランダムな反復パターンで配置されてもよい。
【0108】
本発明の別の実施例では、繊維構造体は、1つ以上の開口を含むので、有孔繊維構造体である。一実施例では、繊維構造体は、複数の開口を含む。開口は、パターン、例えば、非ランダム反復パターンなどの反復パターン、及び/又は非反復パターンで配置されてもよい。
【0109】
本発明の有孔繊維構造体内の開口は、実質的に任意の形状及びサイズであってよい。一実施例では、有孔繊維構造体内の開口は、規則的なパターンの、概ね円形又は楕円形の離間した開口部である。一実施例では、繊維構造体は、約0.2mm~約100mm及び/又は約0.5mm~約10mmの距離で互いに離間している2つ以上の開口を含む。
【0110】
繊維構造体、例えば可溶性繊維構造体、例えば水溶性繊維構造体の穿孔は、任意の数の技術によって達成することができる。例えば、開口は、米国特許第3,949,127号及び同第5,873,868号に記載されているものなどの、結合及び延伸を伴う様々なプロセスによって達成することができる。一実施例では、開口は、いずれも参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,628,097号及び同第5,916,661号に記載されているように、複数の離間した溶融安定化領域を形成し、次いでウェブをリング圧延してウェブを延伸し、溶融安定化領域内に開口を形成することによって形成してよい。別の実施例では、開口は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,830,800号、同第6,863,960号、同第8,241,543号、及び同第10,792,229号に記載の方法によって、多層繊維構造体の構成中に形成してよい。本発明の繊維構造体に開口を付与するためのプロセスの非限定的な例としては、エンボス加工、ロッジング、回転ナイフ穿孔、ピンニング、ダイカット、ダイパンチング、ニードルパンチング、ローレット切り、クラッシュ切断、シャー切断、空圧成形、液圧成形、レーザ切断、及びタフティングが挙げられる。一実施例では、本発明の繊維構造体は、ピンニングによって付与された開口を含む。別の実施例では、本発明の繊維構造体は、ロッジングによって付与された開口を含む。別の実施例では、本発明の繊維構造体は、回転ナイフ穿孔によって付与された開口を含む。更に別の実施例では、本発明の繊維構造体は、異なる種類の穿孔プロセスによって繊維構造体に付与された開口を含んでいてもよい。
【0111】
一実施例では、形成中に繊維要素が収集装置に接触すると繊維構造体に開口を付与する特徴部、例えば凹部及び/又は突出部を有する、パターン付きベルト等の収集装置上で繊維構造体を形成している間に、繊維構造体に開口を付与することができる。
【0112】
一実施例では、繊維構造体は、繊維構造体の他の部分とは異なる、繊維要素の分離した領域を含み得る。
【0113】
本発明の繊維構造体の用途の非限定的な例としては、洗濯乾燥機の基材、洗濯機の基材、浴用タオル、硬質表面洗浄及び/又は研磨基材、床洗浄及び/又は研磨基材、バッテリー内の要素として、乳児用ワイプ、成人用ワイプ、婦人衛生用ワイプ、トイレットペーパーワイプ、窓洗浄基材、油封じ込め及び/又は掃除用基材、防虫基材、スイミングプール用化学基材、食品、口臭清涼剤、防臭剤、ごみ処理バック、梱包フィルム及び/又はラップ、創傷包帯、医薬品送達、建物用断熱材、作物及び/又は植物用カバー及び/又は苗床、糊基材、スキンケア基材、ヘアケア基材、空気ケア剤、水処理基材及び/又はフィルタ、便器洗浄基材、キャンディ基材、ペットフード、家畜用敷料、歯のホワイトニング基材、カーペット洗浄基材、並びに本発明の活性剤の他の好適な用途が挙げられるが、これらに限定されない。
【0114】
本発明の繊維構造体は、そのまま使用されてもよく、又は1種以上の活性剤でコーティングされてもよい。
【0115】
一実施例では、物品、例えば、本発明の繊維構造体は、本明細書に記載の溶解試験法に従って測定されるとき、360秒未満、及び/又は200秒未満、及び/又は100秒未満、及び/又は60秒未満、及び/又は30秒未満、及び/又は10秒未満、及び/又は5秒未満、及び/又は2.0秒未満、及び/又は1.5秒未満、及び/又は約0秒、及び/又は0秒超の平均崩壊時間を示し得る。
【0116】
一実施例では、物品、例えば、本発明の繊維構造体は、本明細書に記載の溶解試験法に従って測定されるとき、3600秒(未満、及び/又は3000秒未満、及び/又は2400秒未満、及び/又は1800秒未満、及び/又は1200秒未満、及び/又は600秒未満、及び/又は400秒未満、及び/又は300秒未満、及び/又は200秒未満、及び/又は175秒未満、及び/又は100秒未満、及び/又は50秒未満、及び/又は1秒超の平均溶解時間を示し得る。
【0117】
別の実施例では、物品、例えば、本発明の繊維構造体は、本明細書に記載の溶解試験法に従って測定されるとき、24時間未満、及び/又は12時間未満、及び/又は6時間未満、及び/又は1時間(3600秒)未満、及び/又は30分未満、及び/又は25分未満、及び/又は20分未満、及び/又は15分未満、及び/又は10分未満、及び/又は5分未満、及び/又は1秒超、及び/又は5秒超、及び/又は10秒超、及び/又は30秒超、及び/又は1分超の平均溶解時間を示す。
【0118】
一実施例では、物品、例えば、本発明の繊維構造体は、本明細書に記載の溶解試験法に従って測定されるとき、約1.0秒/gsm(s/gsm)以下、及び/又は約0.5s/gsm以下、及び/又は約0.2s/gsm以下、及び/又は約0.1s/gsm以下、及び/又は約0.05s/gsm以下、及び/又は約0.03s/gsm以下の試料1gsm当たりの平均崩壊時間を示し得る。
【0119】
一実施例では、物品、例えば、本発明の繊維構造体は、本明細書に記載の溶解試験法に従って測定されるとき、約10秒/gsm(s/gsm)以下、及び/又は約5.0s/gsm以下、及び/又は約3.0s/gsm以下、及び/又は約2.0s/gsm以下、及び/又は約1.8s/gsm以下、及び/又は約1.5s/gsm以下の試料1gsm当たりの平均溶解時間を示し得る。
【0120】
一実施例では、本発明の繊維構造体は、本明細書に記載の厚さ試験法に従って測定したときに、0.01mm超、及び/又は0.05mm超、及び/又は0.1mm超から約100mmまで、又は約50mmまで、又は約20mmまで、又は約10mmまで、又は約5mmまで、又は約2mmまで、又は0.5mmまで、又は約0.3mmまでの厚さを呈する。
【0121】
一実施例では、本発明の繊維構造体は、乾燥繊維要素の80重量%未満の総濃度の1つ以上の繊維要素形成材料、例えば天然ポリマー系繊維要素形成材料と、乾燥繊維要素の20重量%超の総濃度の界面活性剤又は界面活性剤混合物及び任意選択で追加の非界面活性剤活性剤を含む1つ以上の活性剤と、を含む複数の繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素を含む。
【0122】
一実施例では、本発明の繊維構造体は、乾燥繊維要素の70重量%未満の総濃度の1つ以上の繊維要素形成材料、例えば天然ポリマー系繊維要素形成材料と、乾燥繊維要素の30重量%超の総濃度の界面活性剤又は界面活性剤混合物及び任意選択で追加の非界面活性剤活性剤を含む1つ以上の活性剤と、を含む複数の繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素を含む。
【0123】
一実施例では、本発明の繊維構造体は、乾燥繊維要素の60重量%未満の総濃度の1つ以上の繊維要素形成材料、例えば天然ポリマー系繊維要素形成材料と、乾燥繊維要素の40重量%超の総濃度の界面活性剤又は界面活性剤混合物及び任意選択で追加の非界面活性剤活性剤を含む1つ以上の活性剤と、を含む複数の繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素を含む。
【0124】
一実施例では、本発明の繊維構造体は、乾燥繊維要素の約50重量%の総濃度の1つ以上の繊維要素形成材料、例えば天然ポリマー系繊維要素形成材料と、乾燥繊維要素の約50重量%の総濃度の界面活性剤又は界面活性剤混合物及び任意選択で追加の非界面活性剤活性剤を含む1つ以上の活性剤と、を含む複数の繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素を含む。
【0125】
一実施例では、本発明の繊維構造体は、乾燥繊維要素の40重量%未満の総濃度の1つ以上の繊維要素形成材料、例えば天然ポリマー系繊維要素形成材料と、乾燥繊維要素の60重量%超の総濃度の界面活性剤又は界面活性剤混合物及び任意選択で追加の非界面活性剤活性剤を含む1つ以上の活性剤と、を含む複数の繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素を含む。
【0126】
一実施例では、本発明の繊維構造体は、乾燥繊維要素の30重量%未満の総濃度の1つ以上の繊維要素形成材料、天然ポリマー系繊維要素形成材料と、乾燥繊維要素の70重量%超の総濃度の界面活性剤又は界面活性剤混合物及び任意選択で追加の非界面活性剤活性剤を含む1つ以上の活性剤と、を含む複数の繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素を含む。
【0127】
一実施例では、本発明の繊維構造体は、繊維要素形成材料、例えば天然ポリマー系繊維要素形成材料、例えば変性多糖、例えば変性デンプン、例えばアセチル化デンプンを含む複数の繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素と、界面活性剤又は界面活性剤混合物、例えば直鎖アルキルベンゼンスルホネート及びアルキルサルフェートを含む1つ以上の活性剤とを含む複数の繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素を含み、当該界面活性剤又は界面活性剤混合物及び当該繊維要素形成材料、例えば当該天然ポリマー系材料、例えばアセチル化デンプンは、約0.15:1~約6:1、及び/又は約0.20:1~約5.5:1、及び/又は約0.25:1~約5:1、及び/又は約0.5:1~約2:1の界面活性剤又は界面活性剤混合物対天然ポリマー系繊維要素形成材料、例えばアセチル化デンプンの重量比で繊維構造体中に存在する。
【0128】
一実施例では、本発明の繊維構造体及び/又は繊維要素及び/又は粒子中に存在する界面活性剤及び/又は界面活性剤混合物は、ハンドウォッシュ、洗顔料、ボディウォッシュ、シャンプー、並びに他の毛髪洗浄及び/又はコンディショニング用途等の美容ケア及び/又はパーソナルケア用途に好適な界面活性剤を含んでいてもよい。美容ケア及び/又はパーソナルケア用途に好適な界面活性剤の非限定的な例としては、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエチルアミン、ラウレス硫酸トリエチルアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリルモノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ココイル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。一実施例では、界面活性剤及び/又は界面活性剤混合物は、1つ以上のサルフェートフリー界面活性剤及び/又は100%サルフェートフリー界面活性剤を含む。
【0129】
一実施例では、本発明の複数の繊維要素を含む繊維構造体及び/又は繊維要素及び/又は粒子は、コーティング組成物、例えば、繊維構造体及び/又は繊維要素及び/又は粒子の外部表面上に存在する、1つ以上の活性剤を含むコーティング組成物を更に含む。
【0130】
一実施例では、本発明の繊維構造体及び/又は繊維要素及び/又は粒子は、天然ポリマー系材料、例えば変性多糖、例えば変性デンプン、例えばアセチル化デンプンと、2つ以上の異なる活性剤であって、そのうちの少なくとも1つが界面活性剤又は界面活性剤混合物である活性剤とを含む。
【0131】
一実施例では、本発明の繊維構造体及び/又は繊維要素及び/又は粒子は、含水量試験法に従って測定したときに0%~約20%及び/又は0%超~15%未満の含水量を呈する。
【0132】
本発明の繊維構造体、繊維要素、及び繊維要素形成組成物は、伸張助剤を含んでいてもよく、又は含んでいなくてもよい。換言すれば、一実施例では、本発明の繊維要素は、伸長助剤を必要とすることなく、繊維要素形成組成物から紡糸することができる。
【0133】
繊維要素
繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素は、水溶性であっても水不溶性であってもよい。一実施例では、繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素は、1つ以上のフィラメント形成材料、例えば天然ポリマー系繊維要素形成材料を含む。別の実施例では、繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素は、1つ以上の活性剤を含む。更に別の実施例では、繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素は、1つ以上のフィラメント形成材料、例えば天然ポリマー系繊維要素形成材料と、1つ以上の活性剤とを含む。別の実施例では、繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素は、水溶性天然ポリマー系繊維要素である。
【0134】
本発明の繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素、例えばフィラメント及び/又は繊維、例えば天然ポリマー系フィラメント及び/又は天然ポリマー系繊維は、1つ以上のフィラメント形成材料、例えば天然ポリマー系繊維要素形成材料を含む。フィラメント形成材料に加えて、繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素は、繊維要素及び/又は繊維要素を含む繊維構造体が意図とする使用条件に曝されたとき等に繊維要素から放出可能な1つ以上の活性剤を更に含んでいてよい。一実施例では、繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素、及び/又は複数の繊維要素中に存在する1つ以上のフィラメント形成材料、例えば天然ポリマー系繊維要素形成材料の総濃度は、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維構造体基準で80重量%未満であり、繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素及び/又は複数の繊維要素中に存在する1つ以上の活性剤の総濃度は、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維構造体基準で20重量%超である。
【0135】
一実施例では、本発明の繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素、及び/又は複数の繊維要素は、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維構造体基準で約100重量%、及び/又は95重量%超、及び/又は90重量%超、及び/又は85重量%超、及び/又は75重量%超、及び/又は50重量%超の1つ以上のフィラメント形成材料、例えば天然ポリマー系繊維要素形成材料、例えば変性多糖、例えば変性デンプン、例えばアセチル化デンプを含む。
【0136】
別の実施例では、本発明の繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素、及び/又は複数の繊維要素は、1つ以上のフィラメント形成材料、例えば天然ポリマー系繊維要素形成材料、例えば変性多糖、例えば変性デンプン、例えばアセチル化デンプンと、1つ以上の活性剤とを含み、当該活性剤のうちの少なくとも1つは、界面活性剤、例えば直鎖アルキルベンゼンスルホネート及びアルキルサルフェート等の2つ以上の界面活性剤を含む界面活性剤混合物を含み、当該繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素、及び/又は複数の繊維要素中に存在するフィラメント形成材料、例えば天然ポリマー系繊維要素形成材料の総濃度は、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維構造体基準で約5重量%~80重量%未満であり、当該繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素、及び/又は複数の繊維要素中に存在する界面活性剤又は界面活性剤混合物及び任意選択で1つ以上の追加の非界面活性剤活性剤を含む活性剤の総濃度は、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維構造体基準で20重量%超~約95重量%である。
【0137】
一実施例では、本発明の繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素、及び/又は複数の繊維要素は、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維構造体基準で少なくとも10重量%、及び/又は少なくとも15重量%、及び/又は少なくとも20重量%、及び/又は80重量%未満未満、及び/又は75重量%未満、及び/又は65重量%未満、及び/又は60重量%未満、及び/又は55重量%未満、及び/又は50重量%未満、及び/又は45重量%未満、及び/又は40重量%未満のフィラメント形成材料、例えば天然ポリマー系繊維要素形成材料と、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維構造体基準で20重量%超、及び/又は少なくとも35重量%、及び/又は少なくとも40重量%、及び/又は少なくとも45重量%、及び/又は少なくとも50重量%、及び/又は少なくとも60重量%、及び/又は95重量%未満、及び/又は90重量%未満、及び/又は85重量%未満、及び/又は80重量%未満、及び/又は75重量%未満の、界面活性剤又は界面活性剤混合物及び任意選択で1つ以上の追加の非界面活性剤活性剤を含む活性剤とを含む。
【0138】
一実施例では、本発明の繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素、及び/又は複数の繊維要素は、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維構造体基準で少なくとも5重量%、及び/又は少なくとも10重量%、及び/又は少なくとも15重量%、及び/又は少なくとも20重量%、及び/又は50重量%未満、及び/又は45重量%未満、及び/又は40重量%未満、及び/又は35重量%未満、及び/又は30重量%未満、及び/又は25重量%未満のフィラメント形成材料、例えば天然ポリマー系繊維要素形成材料と、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維構造体基準で50重量%超、及び/又は少なくとも55重量%、及び/又は少なくとも60重量%、及び/又は少なくとも65重量%、及び/又は少なくとも70重量%、及び/又は95重量%未満、及び/又は90重量%未満、及び/又は85重量%未満、及び/又は80重量%未満、及び/又は75重量%未満の、界面活性剤又は界面活性剤混合物及び任意選択で1つ以上の追加の非界面活性剤活性剤を含む活性剤とを含む。一実施例では、本発明の繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素、及び/又は複数の繊維要素は、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維構造体基準で80重量%超の、界面活性剤又は界面活性剤混合物及び任意選択で1つ以上の追加の非界面活性剤活性剤を含む活性剤を含む。
【0139】
一実施例では、本発明の繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素及び/又は複数の繊維要素は、乾燥繊維要素の80重量%未満の総濃度の変性多糖と、乾燥繊維要素の20重量%超の総濃度の界面活性剤とを含む。
【0140】
一実施例では、本発明の繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素及び/又は複数の繊維要素は、乾燥繊維要素の70重量%未満の総濃度の変性多糖と、乾燥繊維要素の30重量%超の総濃度の界面活性剤とを含む。
【0141】
一実施例では、本発明の繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素及び/又は複数の繊維要素は、乾燥繊維要素の60重量%未満の総濃度の変性多糖と、乾燥繊維要素の40重量%超の総濃度の界面活性剤とを含む。
【0142】
一実施例では、本発明の繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素及び/又は複数の繊維要素は、乾燥繊維要素の約50重量%の総濃度の変性多糖と、乾燥繊維要素の約50重量%の総濃度の界面活性剤とを含む。
【0143】
一実施例では、本発明の繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素及び/又は複数の繊維要素は、乾燥繊維要素の40重量%未満の総濃度の変性多糖と、乾燥繊維要素の60重量%超の総濃度の界面活性剤とを含む。
【0144】
一実施例では、繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素及び/又は複数の繊維要素は、乾燥繊維要素の30重量%未満の総濃度の変性多糖と、乾燥繊維要素の70重量%超の総濃度の界面活性剤とを含む。
【0145】
一実施例では、本発明の繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素及び/又は複数の繊維要素は、変性多糖対界面活性剤の重量比が1以下で乾燥繊維要素中に存在する変性多糖と界面活性剤又は界面活性剤混合物とを含む。界面活性剤系及び/又は界面活性剤混合物は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の界面活性剤を含んでいてよい。
【0146】
一実施例では、本発明の繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素及び/又は複数の繊維要素は、変性多糖対界面活性剤の重量比が1以下で乾燥繊維要素中に存在する変性多糖と、界面活性剤又は界面活性剤混合物及び任意選択で非界面活性剤活性剤を含む1つ以上の活性剤とを含む。界面活性剤及び/又は界面活性剤混合物は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の界面活性剤を含んでいてよく、非界面活性剤活性剤は、スキンケア活性剤、薬剤、ローション、布地ケア活性剤、食器洗浄活性剤、カーペットケア活性剤、表面ケア活性剤、ヘアケア活性剤、空気ケア活性剤、歯ケア活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択してよい。
【0147】
別の実施例では、1つ以上のフィラメント形成材料、例えば天然ポリマー系繊維要素形成材料と、界面活性剤又は界面活性剤混合物及び任意選択で1つ以上の追加の非界面活性剤活性剤を含む活性剤とは、フィラメント形成材料、例えば天然ポリマー系繊維要素形成材料対活性剤と、活性剤、例えば界面活性剤又は界面活性剤混合物との総濃度の重量比が、4.0以下、及び/又は3.5以下、及び/又は3.0以下、及び/又は2.5以下、及び/又は2.0以下、及び/又は1.85以下、及び/又は1.7未満、及び/又は1.6未満、及び/又は1.5未満、及び/又は1.3未満、及び/又は1.2未満、及び/又は1未満、及び/又は0.7未満、及び/又は0.5未満、及び/又は0.4未満、及び/又は0.3未満、及び/又は0.1超、及び/又は0.15超、及び/又は0.2超で、繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素、及び/又は複数の繊維要素中に存在する。
【0148】
一実施例では、本発明の繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素、及び/又は複数の繊維要素は、繊維要素形成材料対活性剤の重量比が1以下で、1つ以上の繊維要素形成材料、例えば天然ポリマー系繊維要素形成材料と、界面活性剤又は界面活性剤混合物を含む1つ以上の活性剤とを含む。
【0149】
更に別の実施例では、本発明の繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素、及び/又は複数の繊維要素は、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維構造体基準で約10重量%及び/又は約15重量%~80重量%未満のフィラメント形成材料、例えば天然ポリマー系繊維要素形成材料、例えば変性多糖、例えば変性デンプン、例えばアセチル化デンプンと、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維構造体基準で20重量%超から約90重量%まで又は約85重量%までの活性剤、例えば界面活性剤又は界面活性剤混合物とを含む。繊維要素は、可塑剤(例えば、グリセリン)及び/又はpH調整剤(例えば、クエン酸)を更に含んでよい。
【0150】
更に別の実施例では、本発明の繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素及び/又は複数の繊維要素は、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維構造体基準で約10重量%から、及び/又は約15重量%から80重量%未満までのフィラメント形成材料、例えば、天然ポリマー系フィラメント形成材料、例えば、変性多糖、例えば変性デンプン、例えばアセチル化デンプンと、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維構造体基準で20重量%超から約90重量%まで、及び/又は約85重量%までの活性剤とを含み、当該フィラメント形成材料対活性剤、例えば界面活性剤又は界面活性剤混合物の重量比は、4.0以下である。繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素、及び/又は複数の繊維要素は、グリセリン等の可塑剤及び/又はクエン酸等のpH調整剤を更に含んでいてもよい。
【0151】
本発明の更に別の実施例では、繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素、及び/又は複数の繊維要素は、1つ以上のフィラメント形成材料、例えば天然ポリマー系繊維要素形成材料と、繊維要素及び/又は繊維要素を含む繊維構造体が意図とする使用条件に曝されたときに放出可能である及び/又は放出される、酵素、漂白剤、ビルダー、キレート剤、感覚剤、分散剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の活性剤と、を含む。一実施例では、繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素、及び/又は複数の繊維要素は、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維構造体基準で95重量%未満、及び/又は90重量%未満、及び/又は80重量%未満、及び/又は50重量%未満、及び/又は35重量%未満から約5重量%まで、又は約10重量%まで、又は約20重量%までの総濃度のフィラメント形成材料、例えば天然ポリマー系繊維要素形成材料と、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維構造体基準で5重量%超、及び/又は10重量%超、及び/又は20重量%超、及び/又は35重量%超、及び/又は50重量%超、及び/又は65重量%超から約95重量%まで、又は約90重量%まで、又は約80重量%までの総濃度の、界面活性剤又は界面活性剤混合物及び任意選択で酵素、漂白剤、ビルダー、キレート剤、香料、抗微生物剤、抗細菌剤、抗真菌剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の追加の活性剤と、を含む。一実施例では、活性剤は、1つ以上の酵素を含む。別の実施例では、活性剤は、1つ以上の漂白剤を含む。更に別の実施例では、活性剤は、1つ以上のビルダーを含む。更に別の実施例では、活性剤は、1つ以上のキレート剤を含む。更に別の実施例では、活性剤は、1つ以上の香料を含む。更に別の実施例では、活性剤は、1つ以上種の抗菌剤、抗菌薬、及び/又は抗真菌剤を含む。
【0152】
本発明の更に別の実施例では、本発明の繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素は、空中に飛散した場合に、普通であれば健康及び/又は安全上の懸念が生じる恐れのあるはずの活性剤を安全に含むことができる。例えば、繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素は、繊維要素内の酵素が空中に飛散するのを阻害するために使用され得る。
【0153】
一実施例では、本発明の繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素は、メルトブローン繊維要素であってよい。別の実施例では、本発明の繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素は、スパンボンド繊維要素であってもよい。別の実施例では、繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素は、1つ以上のその活性剤が放出される前及び/又は放出された後に中空の繊維要素であってよい。
【0154】
本発明の繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素は、親水性であっても疎水性であってもよい。繊維要素の固有の親水性又は疎水性を変化させるために、繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素を表面処理及び/又は内部処理してもよい。
【0155】
一実施例では、本発明の繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素及び/又は複数の繊維要素は、本明細書に記載の直径試験法に従って測定したときに100μm未満、及び/又は75μm未満、及び/又は50μm未満、及び/又は25μm未満、及び/又は10μm未満、及び/又は5μm未満、及び/又は1μm未満の直径を呈する。別の実施例では、本発明の繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素及び/又は複数の繊維要素は、本明細書に記載の直径試験法に従って測定したときに1μm超の直径を呈する。本発明の繊維要素の直径は、繊維要素中に存在する1つ以上の活性剤の放出速度、並びに/又は繊維要素の物理的構造の損失及び/若しくは変化の速度を制御するために使用され得る。
【0156】
繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素は、界面活性剤又は界面活性剤混合物及び任意選択で追加の非界面活性剤活性剤を含む、2つ以上の異なる活性剤を含んでいてもよい。一実施例では、繊維要素は、2つ以上の異なる活性剤を含み、その2つ以上の異なる活性剤は、互いに相溶性である。別の実施例では、繊維要素は、2つ以上の異なる活性剤を含み、その2つ以上の異なる活性剤は、互いに非相溶性である。
【0157】
一実施例では、繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素は、繊維要素内の界面活性剤又は界面活性剤混合物を含む活性剤と、繊維要素上の活性剤コーティング等の繊維要素の外面上の活性剤と、を含んでいてもよい。繊維要素の外面上の活性剤は、繊維要素内に存在する活性剤と同じであってもよく、又はこれと異なっていてもよい。異なる場合、活性剤は互いに相溶性又は非相溶性であってもよい。
【0158】
一実施例では、界面活性剤又は界面活性剤混合物及び任意選択で追加の非界面活性剤活性剤を含む1つ以上の活性剤は、繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素全体に均一に分布していてもよく、又は実質的に均一に分布していてもよい。別の実施例では、界面活性剤又は界面活性剤混合物及び任意選択で追加の非界面活性剤活性剤を含む1つ以上の活性剤は、繊維要素内の別個の領域として分布していてもよい。更に別の実施例では、界面活性剤又は界面活性剤混合物及び任意選択で追加の非界面活性剤活性剤を含む少なくとも1つの活性剤は、繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素全体に均一に又は実質的に均一に分布し、少なくとも1つの他の活性剤は、繊維要素内の1つ以上の別個の領域として分布する。更に別の実施例では、界面活性剤又は界面活性剤混合物及び任意選択で追加の非界面活性剤活性剤を含む少なくとも1つの活性剤は、繊維要素内に1つ以上の別個の領域として分布し、少なくとも1つの他の活性剤は、繊維要素内に第1の別個の領域とは異なる1つ以上の別個の領域として分布する。
【0159】
一実施例では、本発明の繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素及び/又は複数の繊維要素は、約0.1~約1.0、及び/又は約0.2~約0.9、及び/又は約0.2~約0.8、及び/又は約0.3~約0.7のDS、約25,000~約450,000g/モル、及び/又は約35,000~約400,000g/モル、及び/又は約35,000~約350,000g/モル、及び/又は約45,000~約300,000g/モル、及び/又は約50,000~約300,000g/モル、及び/又は約50,000~約250,000g/モルの重量平均分子量を有する1つ以上の繊維要素形成材料、例えば1つ以上の天然ポリマー系繊維要素形成材料、例えば変性多糖、例えば変性デンプン、例えばアセチル化デンプンを含み、当該繊維要素は、直鎖アルキルベンゼンスルホネート及びアルキルサルフェートを含む界面活性剤の混合物又はブレンドを更に含み、当該繊維要素は、回転式レオメータ試験法に従って測定したときに約0.01Pa・s~約1.2Pa・s及び/又は約0.02Pa・s~約1.0Pa・sの粘度を呈する繊維要素形成組成物に由来し、当該繊維要素形成組成物は、約0.15:1~約6:1、及び/又は約0.20:1~約5.5:1、及び/又は約0.25:1~約5:1、及び/又は約0.5:1~約2:1、例えば2:1の重量比で当該界面活性剤混合物と、アセチル化デンプン等の1つ以上の天然ポリマー系繊維要素形成材料とを含み、水性組成物は、約55重量%~約85重量%、例えば約55重量%の水を更に含む。
【0160】
一実施例では、本発明の繊維要素中に存在する界面活性剤及び/又は界面活性剤混合物は、ハンドウォッシュ、洗顔料、ボディウォッシュ、シャンプー、並びに他の毛髪洗浄及び/又はコンディショニング用途等の美容ケア及び/又はパーソナルケア用途に好適な界面活性剤を含んでいてもよい。美容ケア及び/又はパーソナルケア用途に好適な界面活性剤の非限定的な例としては、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエチルアミン、ラウレス硫酸トリエチルアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリルモノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ココイル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。一実施例では、界面活性剤及び/又は界面活性剤混合物は、1つ以上のサルフェートフリー界面活性剤及び/又は100%サルフェートフリー界面活性剤を含む。
【0161】
一実施例では、本発明の複数の繊維要素は、直径試験法に従って測定したときに50μm未満の平均直径を呈する。
【0162】
一実施例では複数の繊維要素は、2つ以上の異なる繊維要素形成材料、例えば天然ポリマー系繊維要素形成材料を含む。
【0163】
一実施例では、本発明の複数の繊維要素は、2つ以上の異なる活性剤を含み、そのうちの少なくとも1つは、界面活性剤又は界面活性剤混合物である。
【0164】
一実施例では、本発明の複数の繊維要素は、コーティング組成物、例えば、複数の繊維要素の外面上に存在する、1つ以上の活性剤を含むコーティング組成物を更に含む。
【0165】
一実施例では、本発明の複数の繊維要素は、含水率試験法に従って測定したときに約0%~約20%及び/又は約0%超~約15%未満の含水量を呈する。
【0166】
本発明の繊維要素は、1つ以上の繊維要素形成材料、例えば天然ポリマー系繊維要素形成材料と、界面活性剤又は界面活性剤混合物及び任意選択で追加の非界面活性剤活性剤を含む1つ以上の活性剤と、任意選択で当該繊維要素形成材料及び当該活性剤を可溶化する水等の極性溶媒と、を含む繊維要素形成組成物、例えばフィラメント形成組成物から作製される。一実施例では、繊維要素形成組成物は、極性溶媒、例えば水と、1つ以上の繊維要素形成材料であって、そのうちの少なくとも1つが変性多糖である1つ以上の繊維要素形成材料と、1つ以上の活性剤とを含み、当該活性剤のうちの少なくとも1つは界面活性剤を含み、当該界面活性剤及び当該変性多糖は、約0.25:1~約5:1の重量比で繊維要素形成組成物内に存在する。
【0167】
一実施例では、本発明の繊維要素形成組成物中に存在する界面活性剤及び/又は界面活性剤混合物は、ハンドウォッシュ、洗顔料、ボディウォッシュ、シャンプー、並びに他の毛髪洗浄及び/又はコンディショニング用途等の美容ケア及び/又はパーソナルケア用途に好適な界面活性剤を含んでいてもよい。美容ケア及び/又はパーソナルケア用途に好適な界面活性剤の非限定的な例としては、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエチルアミン、ラウレス硫酸トリエチルアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリルモノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ココイル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。一実施例では、界面活性剤及び/又は界面活性剤混合物は、1つ以上のサルフェートフリー界面活性剤及び/又は100%サルフェートフリー界面活性剤を含む。
【0168】
一実施例では、本発明の繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素及び/又は複数の繊維要素を作製する方法は、
a.1つ以上の繊維要素形成材料、例えば天然ポリマー系繊維要素形成材料、例えば変性多糖、例えば変性デンプン、例えばアセチル化デンプンと、界面活性剤又は直鎖アルキルベンゼンスルホネート及びアルキルサルフェートを含む界面活性剤混合物を含む1つ以上の活性剤と、を含む繊維要素形成組成物であって、当該界面活性剤又は界面活性剤混合物対当該天然ポリマー系繊維要素形成材料の重量比が約0.5:1~約2:1で当該界面活性剤又は界面活性剤混合物と当該天然ポリマー系繊維要素形成材料、例えばアセチル化デンプンとを含む、繊維要素形成組成物を提供する工程と、
b.当該繊維要素形成組成物を、例えば多列キャピラリーダイから、アセチル化デンプン等の天然ポリマー系繊維要素形成材料と界面活性剤又は界面活性剤混合物とを含む1つ以上の繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素及び/又は複数の繊維要素に紡糸する工程と、を含む。
【0169】
一実施例では、繊維要素形成組成物は、水等の極性溶媒と、アセチル化デンプンを含む1つ以上の繊維要素形成材料、例えば天然ポリマー系繊維要素形成材料と、界面活性剤又は直鎖アルキルベンゼンスルホネート及びアルキルサルフェートを含む界面活性剤混合物とを含む。繊維要素形成組成物は、回転式レオメータ試験法に従って測定したときに約0.01Pa・s~約1.2Pa・s及び/又は約0.02Pa・s~約1.0Pa・sの粘度を呈し得る。
【0170】
繊維要素形成材料
繊維要素形成材料は、繊維要素、例えば天然ポリマー系繊維要素、例えばフィラメント、例えば天然ポリマー系フィラメントを紡糸プロセス等によって作製するのに好適な特性を呈する変性天然ポリマーを生成することができる任意の好適な天然ポリマー系材料、例えば変性天然ポリマー又はモノマーである。
【0171】
一実施例では、繊維要素形成材料は、アルコール可溶性天然ポリマー系材料及び/又は水溶性天然ポリマー系材料等の、極性溶媒可溶性天然ポリマー系材料を含み得る。
【0172】
別の実施例では、繊維要素形成材料は、非極性溶媒可溶性天然ポリマー系材料を含んでいてもよい。
【0173】
更に別の実施例では、繊維要素形成材料は、水溶性天然ポリマー系材料を含んでいてよく、水不溶性材料を含んでいなくてよい(乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維構造体基準で5重量%未満、及び/又は3重量%未満、及び/又は1重量%未満、及び/又は0重量%)。
【0174】
更に別の実施例では、繊維要素形成材料は、フィルム形成天然ポリマー系材料であってもよい。更に別の実施例では、繊維要素形成材料は、化学的、酵素的、及び/又は物理的に変性されてもよい。
【0175】
天然ポリマー系繊維要素形成材料の非限定的な例は、少なくとも10,000g/モル、及び/又は少なくとも20,000g/モル、及び/又は少なくとも40,000g/モル、及び/又は少なくとも80,000g/モル、及び/又は少なくとも100,000g/モル、及び/又は少なくとも1,000,000g/モル、及び/又は少なくとも3,000,000g/モル、及び/又は少なくとも10,000,000g/モル、及び/又は少なくとも20,000,000g/モルから約40,000,000g/モルまで、又は約30,000,000g/モルまでの重量平均分子量を呈し得る。
【0176】
一実施例では、本発明の天然ポリマー系繊維要素形成材料は、多糖、例えば変性多糖、例えば変性デンプン、例えばアセチル化デンプンを含む。
【0177】
本明細書で使用するとき、「多糖類」は、天然多糖類、及び多糖誘導体、及び/又は修飾多糖類を意味する。好適な水溶性多糖類としては、デンプン、デンプン誘導体、キトサン、キトサン誘導体、セルロース誘導体、ヘミセルロース、ヘミセルロース誘導体、ゴム、アラビナン、ガラクタン、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。水溶性多糖類は、約10,000g/モル~約40,000,000g/モル、及び/又は100,000g/モル超、及び/又は1,000,000g/モル超、及び/又は3,000,000g/モル超、及び/又は約3,000,000g/モル超~約40,000,000g/モルの重量平均分子量を示してよい。
【0178】
多糖は、非セルロース、及び/又は非セルロース誘導体、及び/又は非セルロースコポリマー水溶性多糖を含んでいてもよい。このような非セルロース水溶性多糖は、デンプン、デンプン誘導体、キトサン、キトサン誘導体、ヘミセルロース、ヘミセルロース誘導体、ゴム、アラビナン、ガラクタン、デキストラン、及びこれらの混合物からなる群から選択してもよい。
【0179】
天然起源のデンプンは、一般に、Dグルコース単位の直鎖アミロースと分岐アミロペクチンポリマーとの混合物である。アミロースは、(1,4)-α-D結合によって結合されているD-グルコース単位の実質的に直鎖状のポリマーである。アミロペクチンは、分岐点において(1,4)-α-D結合及び(1,6)-α-D結合によって結合されているD-グルコース単位の高度に分岐したポリマーである。天然起源のデンプン、例えば、コーンスターチ(64~80%アミロペクチン)、ワキシートウモロコシ(waxy maize)(93~100%アミロペクチン)、コメ(83~84%アミロペクチン)、ジャガイモ(約78%アミロペクチン)、及びコムギ(73~83%アミロペクチン)は、典型的には、比較的高濃度のアミロペクチンを含有する。一実施例では、本発明の天然に存在するデンプンは、農業供給源に由来する高アミロペクチン天然デンプン及び/又は高アミロース天然デンプンである。このような農業供給源は、他の供給源に由来するデンプンと比較して、豊富に供給され、容易に補充可能であり、比較的安価であるという利点を提供する。
【0180】
本明細書で使用するとき、「デンプン」は、任意の天然起源の非修飾デンプン、修飾デンプン、合成デンプン及びそれらの混合物、並びにアミロース又はアミロペクチン画分の混合物を含み、デンプンは、物理的、化学的、若しくは生物学的プロセス、又はそれらの組み合わせによって修飾されてもよい。本発明についての非修飾又は修飾デンプンの選択は、所望の最終製品に依存し得る。本発明の一実施例では、本発明において有用なデンプン又はデンプン混合物は、デンプン又はその混合物の約20重量%~約100重量%、より典型的には約40重量%~約90重量%、更により典型的には約60重量%~約85重量%のアミロペクチン含量を有する。本発明の別の実施例では、本発明において有用なデンプン又はデンプン混合物は、デンプン又はその混合物の約90重量%~約100重量%、及び/又は約95重量%~約99重量%のアミロペクチン含量を有する。
【0181】
好適な天然起源のデンプンとしては、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、サツマイモデンプン、コムギデンプン、サゴヤシデンプン、タピオカデンプン、コメデンプン、大豆タンパク質、アロールートデンプン、アミオカデンプン(amioca starch)、ワラビデンプン、ハスデンプン、ワキシートウモロコシデンプン、及び高アミローストウモロコシデンプンを挙げることができるが、これらに限定されない。天然起源のデンプン、特にトウモロコシデンプン及びコムギデンプンは、経済性及び入手可能性の点で好ましいデンプンポリマーである。
【0182】
一実施例では、上記に加えて、存在する場合、天然ポリマー系材料は、本明細書に記載のFedors法によって求めたときに14.00超~16.25未満、及び/又は14.50超~16.25未満、及び/又は14.50超~16.00未満、及び/又は15.00超~15.50未満の溶解度パラメータを有する変性多糖を含む。
【0183】
一実施例では上記に加えて、存在する場合、天然ポリマー系材料は、重量平均分子量試験法に従って測定したときに、50,000g/モル超~40,000,000g/モル未満、及び/又は50,000g/モル超~20,000,000g/モル未満、及び/又は50,000g/モル超~10,000,000g/モル未満、及び/又は50,000g/モル超~5,000,000g/モル未満、及び/又は50,000g/モル超~1,000,000g/モル未満、及び/又は100,000g/モル超~750,000g/モル未満、及び/又は125,000g/モル超~600,000g/モル未満、及び/又は約150,000~約400,000g/モルの重量平均分子量を呈する変性多糖を含む。
【0184】
一実施例では、上記に加えて、存在する場合、天然ポリマー系材料は、電荷密度試験法によって測定したときに-0.1~+0.1meq/g及び/又は約0meq/gの電荷密度を呈する変性多糖を含む。
【0185】
一実施例では、上記に加えて、存在する場合、天然ポリマー系材料は、非イオン性変性多糖、アセチル置換多糖、及びこれらの混合物からなる群から選択される変性多糖を含む。一実施例では、変性多糖は、非イオン性変性多糖を含む。一実施例では、変性多糖は、アセチル化デンプン等のアセチル置換多糖を含む。
【0186】
一実施例では、変性多糖は、少なくとも0.3~1.0、及び/又は少なくとも0.3~0.7、及び/又は少なくとも0.4~0.6、及び/又は約0.5のDSを呈する、アセチル化デンプン等のアセチル置換多糖である。
【0187】
一実施例では、変性多糖は、デンプン、例えば、酸減粘デンプン、及び/又は酵素分解デンプン、及び/又はワキシーデンプン、例えばワキシートウモロコシデンプン、及び/又はアミオカデンプンに由来する。
【0188】
一実施例では、天然ポリマー系材料は、OECD 301B易生分解性CO発生試験法によって求めたときに、試験期間の28日目において少なくとも5%、及び/又は少なくとも10%、及び/又は少なくとも15%、及び/又は少なくとも20%、及び/又は少なくとも25%、及び/又は少なくとも30%、及び/又は少なくとも35%、及び/又は少なくとも40%、及び/又は少なくとも45%、及び/又は少なくとも50%、及び/又は少なくとも55%、及び/又は少なくとも60%、及び/又は少なくとも75%、及び/又は少なくとも80%から約100%まで、若しくは約90%まで、及び/又は少なくとも5%から約100%まで、及び/又は少なくとも40%から約90%までの生分解性を呈する変性多糖、例えば変性デンプン、例えばアセチル化デンプン(酢酸デンプン)、例えば約0.3~約0.7のDSを有するアセチル化デンプンを含む。
【0189】
一実施例では、天然ポリマー系材料は、OECD 301B易生分解性CO発生試験法によって求めたときに、試験期間の60日目において少なくとも5%、及び/又は少なくとも10%、及び/又は少なくとも15%、及び/又は少なくとも20%、及び/又は少なくとも25%、及び/又は少なくとも30%、及び/又は少なくとも35%、及び/又は少なくとも40%、及び/又は少なくとも45%、及び/又は少なくとも50%、及び/又は少なくとも55%、及び/又は少なくとも60%から約100%まで、又は約90%まで、及び/又は少なくとも5%から約100%まで、及び/又は少なくとも30$%~約90%までの生分解性を呈する変性多糖、例えば変性デンプン、例えばアセチル化デンプン(酢酸デンプン)を含む。
【0190】
一実施例では、天然ポリマー系材料は、OECD 301B易生分解性CO発生試験法によって求めたときに、試験期間の90日目において少なくとも5%、及び/又は少なくとも10%、及び/又は少なくとも15%、及び/又は少なくとも20%、及び/又は少なくとも25%、及び/又は少なくとも30%、及び/又は少なくとも35%、及び/又は少なくとも40%、及び/又は少なくとも45%、及び/又は少なくとも50%、及び/又は少なくとも55%、及び/又は少なくとも60%、及び/又は少なくとも65%、及び/又は少なくとも70%、及び/又は少なくとも75%、及び/又は少なくとも80%から約100%まで、若しくは約90%まで、及び/又は少なくとも5%から約100%まで、及び/又は少なくとも約50%から約90%までの生分解性を呈する変性多糖、例えば変性デンプン、例えばアセチル化デンプン(酢酸デンプン)を含む。
【0191】
繊維要素形成材料の非限定的な例
繊維要素形成材料、例えば天然ポリマー系繊維要素形成材料、例えば変性多糖、例えば変性デンプン、この場合はアセチル化デンプン(これらのうちの一部は本発明における使用に好適であり、その他は好適ではない)を、以下のように作製した。
【0192】
非限定的な実施例1~7
まず、Ingredionから市販されているアミオカデンプン(出発重量平均分子量(Mw)が10,000,000(「10」)g/モル~1,000,000,000(「10」)g/モルの範囲及び平均100,000,000(「10」)g/モルである)を、以下のように酸減粘(acid thinning)によって分解する。
【0193】
a.デンプンのMw分解(酸減粘)
実施例1~7を調製するために、20Lのジャケット付きBuchi-glas反応器内で1kgのMw分解アミオカデンプンを調製する。0.5M硫酸溶液にアミオカデンプンを添加して、約23℃の20重量%分散液を得た。次いで、分散液の温度を70℃に上げ、得られた懸濁液を70℃で105分間撹拌した。次いで、懸濁液を35℃に冷却した。35℃に冷却した後、NaOHを懸濁液に添加してpHを7.5±0.5に調整した。得られたMw分解デンプンを遠心分離し、Mw分解デンプンがNaSOを本質的に含まなくなるまで、70%エタノール/脱イオン水混合物で洗浄した。最後に、Mw分解デンプンを減圧下40℃のオーブンで乾燥させた。各Mw分解デンプンのMwを、GPCを使用して測定した。各Mw分解デンプンのMwを以下の表1に記載する。
【0194】
【表1】
【0195】
b.デンプンのアセチル化
次いで、各Mw分解デンプン(試料1~7)をアセチル化反応によってアセチル化して、アセチル化デンプン(酢酸デンプン)を生成した。アセチル化反応の条件を以下の表2に示す。
【0196】
【表2】
【0197】
個々の試料のそれぞれについて、120g(0.63モル、84.9%乾燥含量)のMw分解デンプンを160g(1.57モル)の無水酢酸(AcO)に添加し、約23℃で30分間撹拌した。次に、22.6g(0.28モル、50%水溶液)の水酸化ナトリウム(NaOH)を滴下した。混合物の温度を125℃(試料1~3)及び80℃(試料4~7)まで上昇させた。混合物をそれぞれの高温で180分間(試料1~4及び7)及び300分間(試料5~6)撹拌した。次いで、混合物を冷却した。得られたアセチル化デンプン(酢酸デンプン)をエタノール中で沈殿させ、洗浄液のpHが中性になるまで水/エタノール=1/9の混合物で洗浄した。次いで、アセチル化デンプンを最終的に減圧下40℃で乾燥させた。
【0198】
得られたアセチル化デンプン(酢酸デンプン)(試料1~7)は、以下の表3に示すように特徴付けられる。硫黄含有量は、MAS200Rオートサンプラーを備えたThermo Scientific製のFlashEA 1112 CHNS/O Automatic Elemental Analyzerを使用して求められる。ナトリウム含有量は、マイクロ波による硝酸消化後にICP-OES(誘導結合プラズマ発光分光分析、Perkin Elmer)によって求めた。塩含量:硫酸ナトリウムの量は、硫黄含量から算出した。次に、どれだけのナトリウムが硫酸ナトリウムに結合しているかをコンピュータで計算した。過剰のナトリウムを酢酸ナトリウムの量に割り当てた。
【0199】
表3における酢酸デンプンの置換度(Degree of Substitution、DS)は、既知量の酢酸デンプン(150~200mg)を10mLのアセトン/脱イオン水混合物(体積で1:1)に約23℃で24時間かけて添加することによって求められる。次いで、エタノール中1N NaOHを5mL添加し、混合物を約23℃で更に24時間撹拌する。過剰のアルカリを0.1N HCl水溶液YmLで電位差滴定により当量点まで滴定する。置換度(DS)及び置換基の重量パーセントは、以下の式によって算出することができる。含水量パーセントは、Mettler Toledo HR-83又はHR-83P Moisture Balanceを使用し、1mg/50秒のスイッチオフ基準で標準乾燥プログラムによって160℃に加熱されたおよそ3.5gの試料を使用して求められる。置換度の式はポリグルコシドに関連する。他のポリマーについては、162g/モルを対応するモノマー分子量で置き換える。
活性%=100%-含水量%
【0200】
【数1】
【0201】
【表3】
S含有量から算出したNaSO;Na含有量から算出したNaOAc(酢酸ナトリウム)-NaSO
【0202】
c.繊維要素形成材料の好適性の判定
一実施例では、繊維要素形成材料、例えば天然ポリマー系繊維要素形成材料、例えば変性多糖、例えば変性デンプン、例えばアセチル化デンプン(酢酸デンプン)が、例えば繊維要素及び/又は繊維要素形成組成物中の界面活性剤の存在下で、本発明において繊維要素形成材料として使用するのに好適であるためには、繊維要素形成材料は、本明細書に記載の繊維要素形成材料混和性試験法によって判定したときに混和性を呈しなければならない。
【0203】
酢酸デンプン(試料1~7)について、本明細書に記載の繊維要素形成材料混和性試験法を実行した。酢酸デンプンの結果を以下の表4に記載する。表4に示すように、酢酸デンプン試料1~3及び7は、本明細書に記載の繊維要素形成材料混和性試験法に合格したので、本発明の繊維要素及び/又は本発明の繊維要素形成組成物を形成するのに好適である。また、表4に示すように、酢酸デンプン試料4~6は、本明細書に記載の繊維要素形成材料混和性試験法に合格しなかったので、本発明の繊維要素及び/又は本発明の繊維要素形成組成物を形成するのに好適ではない。
【0204】
DS及びMwに加えて並びに/又は代えて、高い塩含量濃度は、酢酸デンプンの混和性に悪影響を及ぼし得る。
【0205】
【表4】
【0206】
非限定的な実施例8
まず、Ingredionから市販されているアミオカデンプン(出発重量平均分子量(Mw)が10,000,000(「10」)g/モル~1,000,000,000(「10」)g/モルの範囲及び平均100,000,000(「10」)g/モルである)を、以下のように酸減粘によって分解する。
【0207】
a.デンプンのMw分解(酸減粘)
8kgのMw分解アミオカデンプンを調製するために、30Lのジャケット付きBuchi-glas反応器を使用する。0.27M硫酸溶液にアミオカデンプンを添加して、約23℃の40重量%分散液を得る。次いで、分散液の温度を50℃に上昇させ、得られた懸濁液を50℃で36時間撹拌する。次いで、懸濁液を25℃に冷却する。25℃に冷却した後、NaOHを懸濁液に添加してpHを7.5±0.5に調整する。得られたMw分解デンプンを濾過し、減圧下(60mbar)、50℃のオーブンで乾燥させる。
【0208】
b.デンプンのアセチル化
次いで、Mw分解デンプンをアセチル化反応によってアセチル化して、アセチル化デンプン(酢酸デンプン)を生成する。
【0209】
30Lのジャケット付きBuchi-glas反応器に、9リットルの脱イオン水及び2.5kgの工程aからのMw分解デンプンを添加する。10℃に冷却し、得られたスラリーを撹拌して分散させる。NaOHを使用してpH9に調整する。1時間にわたって、1.88kgの無水酢酸(AcO)及び3.6kgの25%NaOH溶液をポンプ注入する。添加中、pH8~9を維持する。添加終了後、温度を25℃に設定する。4時間撹拌する。アセチル化反応が継続するにつれて、pHは徐々に低下する。NaOHを定期的に添加してpH8~9を維持する。6リットルのエタノールを加えて、アセチル化デンプン(酢酸デンプン)を沈殿させる。一晩静置する。上清液を吸引し、6リットルのエタノールを添加する。撹拌して分散させ、濾過する。酢酸デンプンを減圧下(60mbar)、50℃で乾燥させる。
【0210】
活性剤
活性剤は、繊維要素及び/又は粒子及び/又は繊維構造体自体以外の何かに効果をもたらすように、例えば、繊維要素及び/又は粒子及び/又は繊維構造体の外部の環境に効果をもたらすように設計及び意図される添加剤の部類である。活性剤は、繊維要素の意図した使用条件下で、意図した効果を生じさせる任意の好適な添加剤であってよい。例えば、活性剤は、以下からなる群から選択してよい:パーソナルクレンジング及び/又はコンディショニング剤、例えば、ヘアケア剤(例えば、シャンプー剤及び/又は染毛剤)、ヘアコンディショニング剤、スキンケア剤、日焼け止め剤、及びスキンコンディショニング剤;洗濯物ケア及び/又はコンディショニング剤、例えば、布地ケア剤、布地コンディショニング剤、布地柔軟剤、布地しわ防止剤、布地ケア静電気防止剤、布地ケア染み除去剤、汚れ放出剤、分散剤、発泡抑制剤、発泡促進剤、消泡剤、及び布地リフレッシング剤;液体及び/又は粉末食器洗浄剤(食器手洗い及び/又は自動食器洗浄機用途用)、硬質表面ケア剤、及び/又はコンディショニング剤及び/又は研磨剤;他の洗浄及び/又はコンディショニング剤、例えば、抗微生物剤、抗細菌剤、抗真菌剤、布地色相剤、香料、漂白剤(例えば、酸素漂白剤、過酸化水素、過炭酸塩漂白剤、過ホウ酸塩漂白剤、塩素漂白剤)、漂白活性化剤、キレート剤、ビルダー、ローション、増白剤、空気ケア剤、カーペットケア剤、移染防止剤、粘土汚れ除去剤、再付着防止剤、ポリマー汚れ放出剤、ポリマー分散剤、アルコキシ化ポリアミンポリマー、アルコキシ化ポリカルボキシレートポリマー、両親媒性グラフトコポリマー、溶解助剤、緩衝系、水軟化剤、水硬化剤、pH調整剤、酵素、凝集剤、発泡剤、防腐剤、化粧剤、メークアップ除去剤、起泡剤、付着助剤、コアセルベート形成剤、粘土、増粘剤、ラテックス、シリカ、乾燥剤、臭気制御剤、制汗剤、冷却剤、加温剤、吸収性ゲル剤、抗炎症剤、染料、顔料、酸、及び塩基;液体処理活性剤;農業用活性剤;工業用活性剤;摂取可能な活性剤、例えば、医薬剤、口腔ケア剤、例えば歯のホワイトニング剤、歯ケア剤、洗口剤、及び歯周歯肉ケア剤、可食性剤、食用剤、ビタミン、ミネラル;水処理剤、例えば、水清澄剤及び/又は水消毒剤、並びにこれらの混合物。
【0211】
好適な化粧剤、スキンケア剤、スキンコンディショニング剤、ヘアケア剤、及びヘアコンディショニング剤の非限定的な例は、CTFA Cosmetic Ingredient Handbook,Second Edition,The Cosmetic,Toiletries,and Fragrance Association,Inc.1988,1992に記載されている。
【0212】
1つ以上の部類の化学物質が、上に列挙した1つ以上の活性剤に有用であり得る。例えば、界面活性剤は、任意の数の上記活性剤のために使用してよい。同様に、漂白剤は、布地ケア、硬質表面洗浄、食器洗浄、及び更には歯科用ホワイトニングのために使用してよい。したがって、当業者は、活性剤が、繊維要素及び/若しくは粒子並びに/又はこれらから作製される繊維構造体の所望の目的とする用途に基づいて選択されることを理解するであろう。
【0213】
例えば、繊維要素及び/若しくは粒子並びに/又はこれらから作製される繊維構造体をヘアケア及び/又はコンディショニングに使用する場合、繊維要素及び/若しくは粒子、並びに/又は繊維要素及び/若しくは粒子が組み込まれる繊維構造体が目的とする使用条件に曝露されたときに消費者に所望の利益をもたらすように、1つ以上種の好適な界面活性剤、例えば、発泡性界面活性剤を選択することができる。
【0214】
1つの実施例では、繊維要素及び/若しくは粒子並びに/又はこれらから作製される繊維構造体が、洗濯操作において衣類の洗濯に使用するように設計又は意図されている場合、繊維要素及び/若しくは粒子、並びに/又は繊維要素及び/若しくは粒子が組み込まれる繊維構造体が目的とする使用条件に曝露されたときに消費者に所望の利益をもたらすように、1つ以上好適な界面活性剤、及び/又は酵素、及び/又はビルダー、及び/又は香料、及び/又は発泡抑制剤、及び/又は漂白剤を選択することができる。別の実施例では、繊維要素及び/若しくは粒子並びに/又はこれらから作製される繊維構造体が、洗濯操作における衣類の洗濯及び/又は食器洗浄操作における食器の洗浄に使用するように設計又は意図されている場合、繊維要素及び/又は粒子及び/又は繊維構造体は、洗濯洗剤組成物若しくは食器洗浄洗剤組成物又はこのような組成物で使用される活性剤を含んでよい。
【0215】
一実施例では、活性剤は非香料系活性剤を含む。別の実施例では、活性剤は、非界面活性剤活性剤、例えばスキンケア活性剤、薬剤、ローション、布地ケア活性剤、食器洗浄活性剤、カーペットケア活性剤、表面ケア活性剤、ヘアケア活性剤、空気ケア活性剤、歯ケア活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の非界面活性剤活性剤を含む。更に別の実施例では、活性剤には、非摂取可能な活性剤を含み、つまり摂取可能な活性剤以外の活性剤を含む。
【0216】
界面活性剤
好適な界面活性剤の非限定的な例としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双性界面活性剤、両性界面活性剤、及びこれらの混合物が挙げられる。補助界面活性剤もまた、繊維要素及び/又は粒子に含まれていてもよい。洗濯用洗剤及び/又は食器洗浄用洗剤として使用するために設計された繊維要素及び/又は粒子に関して、界面活性剤の総濃度は、染み及び/又はにおい除去を含む洗浄を提供するのに十分でなければならず、一般的に約0.5%~約95%の範囲である。更に、洗濯用洗剤及び/又は食器洗浄用洗剤のための繊維要素及び/又は粒子で使用するために設計された2つ以上の界面活性剤を含む界面活性剤系は、全アニオン性界面活性剤系、アニオン性-非イオン性界面活性剤の混合物若しくは非イオン性-カチオン性界面活性剤の混合物を含む混合型界面活性剤系、又は低発泡性非イオン性界面活性剤を含んでいてよい。
【0217】
本明細書に記載の界面活性剤は、直鎖又は分岐鎖であってもよい。一実施例では、好適な直鎖界面活性剤としては、例えばココヤシ油、パーム核油、大豆油、又は他の植物系油などの農業化学油由来のものが挙げられる。
【0218】
一実施例では、繊維要素形成組成物、それから作製される繊維要素、粒子、及び/又は繊維構造体中に存在する、例えばヘアケア活性剤として使用するための界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、直鎖アルキルベンゼンスルホネート、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、例えばHamposyl L-30、ラウロイルグリシン酸ナトリウム、ラウリルベタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン、ラウリルイセチオン酸ナトリウム、コカミドモノエタノールアミン、デシルグルコシド、ココイルグルタミン酸二ナトリウム(disodium cocoyl glutamate、DSCG)、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0219】
a.アニオン性界面活性剤
本発明において活性剤として使用するためのアニオン性界面活性剤は、一般式(I):
【0220】
【化1】
(式中、Rは、5~20個の炭素原子及び/又は7~17個の炭素原子及び/又は9~13個の炭素原子を有する飽和又は不飽和の直鎖又は分枝鎖のアルキル鎖又はアルケニル鎖であり、Mは、独立して、H、アンモニウム、トリエタノールアンモニウム(triethanolammonium、TEA)、ナトリウム、又はカリウム、及びこれらの混合物であるである)による少なくとも1つのグルタメート界面活性剤を含んでいてよい。
【0221】
一実施例では、繊維要素及び/若しくは粒子並びに/又はそれらから作製される繊維構造体がグルタメート界面活性剤を含む場合、繊維要素及び/若しくは粒子並びに/又はそれらから作製される繊維構造体は、アルキルサルフェート系及びアルキルエーテルサルフェート系界面活性剤を実質的に含まない(5重量%未満、又は3重量%未満、又は1重量%未満、又は0.5重量%未満、又は0.1重量%未満)か、又は含まない(0重量%)。
【0222】
グルタメート界面活性剤は、ココイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸二ナトリウム、ココイルグルタミン酸カリウム、ココイルグルタミン酸二カリウム、ココイルグルタミン酸アンモニウム、ココイルグルタミン酸二アンモニウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸二ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸カリウム、ラウロイルグルタミン酸二カリウム、カプリロイルグルタミン酸ナトリウム、カプリロイルグルタミン酸二ナトリウム、カプリロイルグルタミン酸カリウム、カプリロイルグルタミン酸二カリウム、ウンデシレノイルグルタミン酸ナトリウム、ウンデシレノイルグルタミン酸二ナトリウム、ウンデシレノイルグルタミン酸カリウム、ウンデシレノイルグルタミン酸二カリウム、水添タロウオイルグルタミン酸二ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸二ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸カリウム、ステアロイルグルタミン酸二カリウム、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸二ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸カリウム、ミリストイルグルタミン酸二カリウム、ココイル/水添タロウオイルグルタミン酸ナトリウム、ココイル/パルモイル/サンフラワロイルグルタミン酸ナトリウム、水添タロウオイルグルタミン酸ナトリウム、オリボイルグルタミン酸ナトリウム、オリボイルグルタミン酸二ナトリウム、パルモイルグルタミン酸ナトリウム、パルモイルグルタミン酸二ナトリウム、ココイルグルタミン酸TEA、水添タロウオイルグルタミン酸TEA、ラウロイルグルタミン酸TEA、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0223】
繊維要素及び/若しくは粒子並びに/又はそれらから作製される繊維構造体は、ココイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸二ナトリウム、ココイルグルタミン酸カリウム、ココイルグルタミン酸二カリウム、ココイルグルタミン酸アンモニウム、ココイルグルタミン酸二アンモニウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸二ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸カリウム、ラウロイルグルタミン酸二カリウム、カプリロイルグルタミン酸ナトリウム、カプリロイルグルタミン酸二ナトリウム、カプリロイルグルタミン酸カリウム、カプリロイルグルタミン酸二カリウム、ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸二ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸カリウム、ステアロイルグルタミン酸二カリウム、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸二ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸カリウム、ミリストイルグルタミン酸二カリウム、ココイルグルタミン酸TEA、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つのグルタメート界面活性剤を含み得る。
【0224】
繊維要素及び/若しくは粒子並びに/又はそれらから作製される繊維構造体は、ココイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸二ナトリウム、ココイルグルタミン酸カリウム、ココイルグルタミン酸二カリウム、ココイルグルタミン酸アンモニウム、ココイルグルタミン酸二アンモニウム、ココイルグルタミン酸TEA、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つのグルタメート界面活性剤を含み得る。
【0225】
一実施例では、例えばヘアケア活性剤として使用するための界面活性剤の非限定的な例は、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエチルアミン、ラウレス硫酸トリエチルアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリルモノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ココイル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0226】
繊維要素形成組成物、繊維要素及び/若しくは粒子、並びに/又はそれらから作製される繊維構造体中に存在する1つ以上のグルタメート界面活性剤の総濃度は、繊維要素形成組成物又は繊維要素及び/若しくは粒子及び/若しくは繊維構造体基準の約20重量%~約95重量%、及び/又は約25重量%~約90重量%、及び/又は約30重量%~約70重量%であってよい。
【0227】
1つ以上の活性剤の1つ以上の界面活性剤はまた、繊維要素形成組成物の重量での補助界面活性剤を含んでもよく、当該補助界面活性剤は、非グルタメートアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0228】
繊維要素形成組成物、繊維要素及び/若しくは粒子、並びに/又はそれらから作製される繊維構造体中に存在する場合、1つ以上の補助界面活性剤の総濃度は、繊維要素形成組成物、繊維要素及び/若しくは粒子、並びに/又は繊維構造体基準の約2重量%~約30重量%、及び/又は約5重量%~約25重量%、及び/又は約7重量%~約20重量%であってよい。
【0229】
単独で又はグルタメート界面活性剤若しくは他の界面活性剤と組み合わせて存在する非グルタメートアニオン性界面活性剤の非限定的な例は、イセチオネート界面活性剤、サルコシネート界面活性剤、グリシネート界面活性剤、アラニテート界面活性剤、スルホサクシネート界面活性剤、スルホネート界面活性剤、スルホアセテート界面活性剤、グルコースカルボキシレート界面活性剤、アルキルエーテルカルボキシレート界面活性剤、タウレート界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択されるアニオン性界面活性剤を含み得る。上記に列挙した各アニオン性界面活性剤については、以下でより詳細に説明する。
【0230】
単独で又は1つ以上のグルタメート界面活性剤若しくは他の界面活性剤と組み合わせて存在する非グルタメートアニオン性界面活性剤の非限定的な例としては、ラクテート界面活性剤、ラクチレート界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択されるアニオン性界面活性剤を挙げることができる。ラクテート界面活性剤の非限定的な例としては、乳酸ナトリウムが挙げられる。ラクチレート界面活性剤の非限定的な例としては、ラウロイル乳酸ナトリウム、ココイル乳酸ナトリウム、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0231】
1つ以上の活性剤は、一般式(II):
【0232】
【化2】
(式中、Rは、6~30個の炭素原子、8~22個の炭素原子、及び/又は9~18個の炭素原子を有する飽和又は不飽和の、直鎖又は分枝鎖のアルキル又はアルケニル鎖であり、R及びRは、それぞれ独立して、H又は(C~C)アルキル、例えばメチル、及びそれらの混合物であり、Mは、アルカリ金属、例えばリチウム、ナトリウム、カリウムであるか、又はMは、アルカリ土類金属、例えばマグネシウムであるか、又はMは、アンモニウム若しくは置換アンモニウムカチオンである)による少なくとも1つのイセチオネート界面活性剤を含む1つ以上の界面活性剤も含み得る。
【0233】
イセチオネート界面活性剤は、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム、オレオイルイセチオン酸ナトリウム、オレオイルメチルイセチオン酸ナトリウム、ステアロイルイセチオン酸ナトリウム、ステアロイルメチルイセチオン酸ナトリウム、ミリストイルイセチオン酸ナトリウム、ミリストイルメチルイセチオン酸ナトリウム、パルミトイルイセチオン酸ナトリウム、パルミトイルメチルイセチオン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ココイルメチルイセチオン酸ナトリウム、ステアリン酸とココイルイセチオン酸ナトリウムとのブレンド、ココイルイセチオン酸アンモニウム、ココイルメチルイセチオン酸アンモニウム、及びそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0234】
イセチオネート界面活性剤は、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム、オレオイルイセチオン酸ナトリウム、ステアロイルイセチオン酸ナトリウム、ミリストイルイセチオン酸ナトリウム、パルミトイルイセチオン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸アンモニウム、及びそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0235】
イセチオネート界面活性剤は、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム、ステアロイルイセチオン酸ナトリウム、ミリストイルイセチオン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸アンモニウム、及びそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0236】
イセチオネート界面活性剤は、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸アンモニウム、及びそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0237】
対応する市販製品は、例えば、Innospecという会社から「Iselux(登録商標)」という商品名で、Clariant又はUniquemaから「Hostapon(登録商標)」又は「Arlatone(登録商標)」という商品名で入手可能である。使用され得る他の市販の脂肪族アシルイセチオネートの例は、ココイルイセチオン酸ナトリウムなどについては、Hostapon(登録商標)SCI-85C、Hostapon(登録商標)SCI-78C、又はステアリン酸とココイルイセチオン酸ナトリウムとのブレンド、Hostapon(登録商標)SCI-65Cなどの、ClariantからのHostapon(登録商標)界面活性剤であり得る。使用され得る他の市販の脂肪族アシルイセチオネートの例は、Jordapon(登録商標)CIプリル又はJordapon(登録商標)CI65などの、BASFからの「Jordapon(登録商標)」界面活性剤、及びYA-SCI-85(登録商標)又はYA-SCI-65(登録商標)などの、Yongan Daily Chemical Co.からのココイルイセチオン酸ナトリウムであり得る。
【0238】
サルコシネート界面活性剤は、以下の一般式(III):
【0239】
【化3】
(式中、Rは、飽和又は不飽和の、直鎖又は分枝鎖のアルキル又はアルケニル、例えば7~17個及び/又は9~13個の炭素原子を有するアルキル鎖であり、Mは、-COOHを形成するためのHであるか、又はMは、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、若しくはトリエタノールアンモニウムカチオンである)を有してもよい。
【0240】
1つ以上の活性剤は、サルコシネート界面活性剤を含み得る。サルコシネート界面活性剤は、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ココイルサルコシン酸ナトリウム、ミリストイルサルコシン酸ナトリウム、ココイルサルコシン酸TEA、ココイルサルコシン酸アンモニウム、ラウロイルサルコシン酸アンモニウム、ジリノレイルビス-ラウロイルグルタミン酸/ラウロイルサルコシン酸ダイマー、ラウロアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸、ラウロイルサルコシン酸イソプロピル、ココイルサルコシン酸カリウム、ラウロイルサルコシン酸カリウム、ココイルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ミリストイルサルコシン酸ナトリウム、オレオイルサルコシン酸ナトリウム、パルミトイルサルコシン酸ナトリウム、ココイルサルコシン酸TEA、ラウロイルサルコシン酸TEA、オレオイルサルコシン酸TEA、パーム核サルコシン酸TEA、及びそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0241】
サルコシネート界面活性剤は、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ミリストイルサルコシン酸ナトリウム、ココイルサルコシン酸ナトリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0242】
1つ以上の活性剤は、グリシネート界面活性剤を含んでいてもよい。グリシネート界面活性剤は、ココイルグリシン酸ナトリウム、ラウロイルグリシン酸ナトリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0243】
1つ以上の活性剤は、アラニネート界面活性剤を含んでいてもよい。アラニネート界面活性剤は、ココイルアラニン酸ナトリウム、ラウロイルアラニン酸ナトリウム、N-ドデカンノイル-1-アラニン酸ナトリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0244】
1つ以上の活性剤は、スルホサクシネート界面活性剤を含んでいてもよい。スルホサクシネート界面活性剤は、N-オクタデシルスルホコハク酸二ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸二ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸二アンモニウム、ラウリルスルホコハク酸ナトリウム、ラウレススルホコハク酸二ナトリウム、N-(1,2-ジカルボキシエチル)-N-オクタデシルスルホコハク酸四ナトリウム、スルホコハク酸ナトリウムのジアミルエステル、スルホコハク酸ナトリウムのジヘキシルエステル、スルホコハク酸ナトリウムのジオクチルエステル、及びそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0245】
1つ以上の活性剤は、スルホネート界面活性剤を含んでいてもよい。スルホネート界面活性剤は、アルファ-オレフィンスルホネート、直鎖アルキルベンゼンスルホネート、ラウリルグルコシドヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0246】
1つ以上の界面活性剤は、スルホアセテート界面活性剤を含んでいてもよい。スルホアセテート界面活性剤は、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸アンモニウム、及びそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0247】
1つ以上の活性剤は、グルコースカルボキシレート界面活性剤を含んでいてもよい。グルコースカルボキシレート界面活性剤は、ラウリルグルコシドカルボン酸ナトリウム、ココイルグルコシドカルボン酸ナトリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0248】
1つ以上の活性剤は、アルキルエーテルカルボキシレート界面活性剤を含んでいてもよい。アキルエーテルカルボキシレート界面活性剤は、ラウレス-4カルボン酸ナトリウム、ラウレス-5カルボキシレート、ラウレス-13カルボキシレート、C12~13パレス-8カルボン酸ナトリウム、C12~15パレス-8カルボン酸ナトリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0249】
1つ以上の活性剤は、タウレート界面活性剤を含んでいてもよい。タウレート界面活性剤は、メチルココイルタウリン酸ナトリウム、メチルラウロイルタウリン酸ナトリウム、メチルオレノイルタウリン酸ナトリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0250】
繊維要素形成組成物、繊維要素、粒子、及び/又はそれらから作製される繊維構造体中に存在する非グルタメートアニオン性界面活性剤(non-glutamate anionic surfactant)の総濃度は、繊維要素形成組成物、繊維要素及び/若しくは粒子、並びに/又はそれから作製される繊維構造体の約0.5重量%~約20重量%、及び/又は約0.5重量%~約15重量%、及び/又は約1重量%~約10重量%であってよい。
【0251】
好適なアニオン性界面活性剤の非限定的な例としては、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、分枝状アルキルサルフェート、分枝状アルキルアルコキシレート、分枝状アルコキシレートサルフェート、中鎖分枝状アルキルアリルスルホネート、硫酸化モノグリセリド、スルホン化オレフィン、アルキルアリルスルホネート、一級又は二級アルカンスルホネート、アルキルスルホスクシネート、アシルタウレート、アシルイセチオネート、アルキルグリセリルエーテルスルホネート、スルホン化メチルエステル、スルホン化脂肪酸、アルキルホスフェート、アシルグルタメート、アシルサルコシネート、アルキルスルホアセテート、アシル化ペプチド、アルキルエーテルカルボキシレート、アシルラクチレート、アニオン性フルオロ界面活性剤、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0252】
本明細書において使用するのに好適なアルキルサルフェート及びアルキルエーテルサルフェートとしては、対応する式ROSOM及びRO(CO)SOM(式中、Rは約8~約24個の炭素原子のアルキル又はアルケニルであり、xは1~10であり、Mは水溶性カチオン、例えばアンモニウム、ナトリウム、カリウム、及びトリエタノールアミンである)を有する物質が挙げられる。他の好適なアニオン性界面活性剤は、McCutcheon’s Detergents and Emulsifiers,North American Edition(1986),Allured Publishing Corp.及びMcCutcheon’s,Functional Materials,North American Edition(1992),Allured Publishing Corp.に記載されている。
【0253】
一実施例では、本発明の繊維要素及び/又は粒子で有用なアニオン性界面活性剤としては、C~C15アルキルベンゼンスルホネート(LAS)、C~C20アルキルエーテルサルフェート、例えばアルキルポリ(エトキシ)サルフェート、C~C20アルキルサルフェート、及びこれらの混合物が挙げられる。他のアニオン性界面活性剤としては、メチルエステルスルホネート(methyl ester sulfonate、MES)、二級アルカンスルホネート、メチルエステルエトキシレート(methyl ester ethoxylate、MEE)、スルホン化エストリド、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0254】
別の実施例では、アニオン性界面活性剤は、C11~C18アルキルベンゼンスルホネート(「LAS」)及び一級分枝鎖及びランダムC10~C20アルキルサルフェート(「AS」)、式CH(CH(CHOSO )CH及びCH(CH(CHOSO )CHCH(式中、x及び(y+1)は、少なくとも約7、好ましくは少なくとも約9の整数であり、Mは水溶性カチオン、特に、オレイルサルフェートなどの不飽和硫酸塩である)のC10~C18二級(2,3)アルキルサルフェート、C10~C18α-スルホン化脂肪酸エステル、C10~C18硫酸化アルキルポリグリコシド、C10~C18アルキルアルコキシサルフェート(「AES」)(式中、xは1~30である)、並びにC10~C18アルキルアルコキシカルボキシレート、例えば、米国特許第6,020,303号及び同第6,060,443号に記載のとおりの1~5個のエトキシ単位を含む、中鎖分岐アルキルサルフェート;米国特許第6,008,181号及び同第6,020,303号に記載のとおりの中鎖分岐アルキルアルコキシサルフェート;国際公開第99/05243号、同第99/05242号、及び同第99/05244号に記載のとおりの修飾アルキルベンゼンスルホネート(MLAS);メチルエステルスルホネート(MES)、並びにα-オレフィンスルホネート(AOS)からなる群から選択される。
【0255】
一実施例では、アニオン性界面活性剤は、サルフェート含有アニオン性界面活性剤、及びサルフェート非含有アニオン性界面活性剤、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。
【0256】
b.カチオン性界面活性剤
好適なカチオン性界面活性剤の非限定的な例としては、以下の式(I):
【0257】
【化4】
[式中、R、R、R、及びRはそれぞれ独立して、(a)1~26個の炭素原子の脂肪族基、又は(b)最高22個までの炭素原子を含有する芳香族、アルコキシ、ポリオキシアルキレン、アルキルカルボキシ、アルキルアミド、ヒドロキシアルキル、アリール若しくはアルキルアリール基、から選択され、Xは塩生成アニオンであって、例えばハロゲンラジカル(例えば塩化物、臭化物)、アセテートラジカル、シトレートラジカル、ラクテートラジカル、グリコレートラジカル、ホスフェートラジカル、ニトレートラジカル、サルフェートラジカル、及びアルキルサルフェートラジカルから選択されるものである]を有するものが挙げられる。一実施例では、アルキルサルフェートラジカルは、メトサルフェート及び/又はエトサルフェートである。
【0258】
一般式(I)の好適な四級アンモニウムカチオン性界面活性剤としては、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド(BTAC)、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、オクチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、デシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ジドデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、タロートリメチルアンモニウムクロリド、ココトリメチルアンモニウムクロリド、2-エチルヘキシルステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジパルミトイルエチルジメチルアンモニウムクロリド、ジタローオイルエチルジメチルアンモニウムクロリド、ジステアロイルジメチルアンモニウムメトサルフェート、PEG-2オレイルアンモニウムクロリド、及びこれらの塩を挙げることができ、ここで、クロリドはハロゲン(例えば臭素)、アセテート、シトレート、ラクテート、グリコレート、ホスフェートニトレート、サルフェート、又はアルキルサルフェートによって置換される。
【0259】
好適なカチオン性界面活性剤の非限定的な例は、Akzo Nobel Surfactants(Chicago,IL)から商標名ARQUAD(登録商標)で市販されている。
【0260】
一実施例では、好適なカチオン性界面活性剤には、例えば、最大で26個の炭素原子を有する四級アンモニウム界面活性剤が挙げられ:米国特許第6,136,769号に記載されているようなアルコキシレート四級アンモニウム(alkoxylate quaternary ammonium、AQA)界面活性剤;米国特許第6,004,922号に記載されているようなジメチルヒドロキシエチル四級アンモニウム;ジメチルヒドロキシエチルラウリルアンモニウムクロリド;国際公開第98/35002号、同第98/35003号、同第98/35004号、同第98/35005号、及び同第98/35006号で議論されているようなポリアミンカチオン性界面活性剤;米国特許第4,228,042号、同第4,239,660号、同第4,260,529号、及び同第6,022,844号に記載されているカチオン性エステル界面活性剤;並びに米国特許第6,221,825号及び国際公開第00/47708号に記載されているようなアミノ界面活性剤、例えば、アミドプロピルジメチルアミン(amido propyldimethyl amine、APA)が挙げられる。
【0261】
一実施例では、カチオン性エステル界面活性剤は、洗濯洗浄の条件下で加水分解性である。
【0262】
c.非イオン性界面活性剤
1つ以上の活性剤は、非イオン性界面活性剤を含み得る。非イオン性界面活性剤は、アルキルポリグルコシド(アルキルグリコシドとも称される)、アシルグルカミド、及びそれらの混合物からなる群から選択され得る。非イオン性界面活性剤に関して、「アルキル」は、6~30個及び/又は8~22個及び/又は9~18個の炭素原子を有する飽和又は不飽和の、直鎖又は分枝アルキル鎖として定義され、「アシル」は、式R-C(O)-(式中、Rは、飽和又は不飽和の、直鎖又は分枝鎖のアルキル又はアルケニル、例えば、6~30個及び/又は8~22個及び/又は9~18個の炭素原子を有するアルキル基である)として定義される。
【0263】
アルキルポリグルコシドの非限定的な例としては、デシルグルコシド、ココイルグルコシド、ラウロイルグルコシド、及びそれらの混合物からなる群から選択されるアルキルポリグルコシドが挙げられる。
【0264】
アシルグルカミドの非限定的な例としては、ラウロイル/ミリストイルメチルグルカミド、カプリロイル/カプリロイルメチルグルカミド、ココイルメチルグルカミド、及びこれらの混合物からなる群から選択されるアシルグルカミドが挙げられる。
【0265】
非イオン性界面活性剤の非限定的な例としては、ココアミドモノエタノールアミン、ラウロアミドモノエタノールアミン、ココイルグルコシド、ラウロイルグルコシド、デシルグルコシド、及びそれらの混合物からなる群から選択される非イオン性界面活性剤が挙げられる。
【0266】
繊維要素形成組成物、繊維要素、粒子、及び/又はそれらから作製される繊維構造体中に存在する非イオン性界面活性剤の総濃度は、繊維要素形成組成物、繊維要素、粒子、及び/又はそれらから作製される繊維構造体中に存在する繊維要素形成組成物の約0.1重量%~約10重量%、及び/又は約0.1重量%~約5重量%、及び/又は約0.5重量%~約3重量%であってよい。
【0267】
好適な非イオン性界面活性剤の非限定的な例としては、アルコキシル化アルコール(alkoxylated alcohol、AE)及びアルキルフェノール、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド(polyhydroxy fatty acid amide、PFAA)、アルキルポリグリコシド(alkyl polyglycoside、APG)、C10~C18グリセロールエーテルなどが挙げられる。
【0268】
一実施例では、本発明で有用な非イオン性界面活性剤の非限定的な例としては、C12~C18アルキルエトキシレート、例えばShell製のNEODOL(登録商標)非イオン性界面活性剤;C~C12アルキルフェノールアルコキシレート(ここで、アルコキシレート単位はエチレンオキシ単位とプロピレンオキシ単位との混合である);エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックアルキルポリアミンエトキシレートとのC12~C18アルコール縮合物及びC~C12縮合物(PLURONIC(登録商標)(BASF)など);米国特許第6,150,322号において議論されているようなC14~C22中鎖分枝状アルコール(BA);米国特許第6,153,577号、同第6,020,303号及び同第6,093,856号において議論されているようなC14~C22中鎖分枝状アルキルアルコキシレート、BAE(ここで、xは1~30である);1986年1月26日に発行された米国特許第4,565,647号(Llenado)に記載のアルキル多糖類;特に、米国特許第4,483,780号及び同第4,483,779号に記載のアルキルポリグリコシド;同第5,332,528号に記載のポリヒドロキシ洗剤酸アミド;並びに米国特許第6,482,994号及び国際公開第01/42408号に記載のエーテル末端保護ポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤が挙げられる。
【0269】
本発明に好適な市販の非イオン性界面活性剤の例としては、Tergitol(登録商標)15-S-9(C11~C15直鎖アルコールと9モルのエチレンオキシドとの縮合生成物)及びTergitol(登録商標)24-L-6NMW(分子量分布の狭い6モルのエチレンオキシドとC12~C14一級アルコールの縮合生成物)(双方ともDow Chemical Companyより販売);Neodol(登録商標)45-9(C14~C15直鎖アルコールと9モルのエチレンオキシドとの縮合生成物)、Neodol(登録商標)23-3(C12~C13直鎖アルコールと3モルのエチレンオキシドとの縮合生成物)、Neodol(登録商標)45-7(C14~C15直鎖アルコールと7モルのエチレンオキシドとの縮合生成物)、Neodol(登録商標)45-5(C14~C15直鎖アルコールと5モルのエチレンオキシドとの縮合生成物)(Shell Chemical Companyより販売);Kyro(登録商標)EOB(C13~C15アルコールと9モルのエチレンオキシドとの縮合生成物)(The Procter & Gamble Companyより販売);及びGenapol LA O3O又はO5O(C12~C14アルコールと3又は5モルのエチレンオキシドとの縮合生成物)(Clariantより販売)が挙げられる。非イオン性界面活性剤は約8~約17、及び/又は約8~約14の範囲のHLBを呈し得る。プロピレンオキシド及び/又はブチレンオキシドとの縮合物もまた使用されてもよい。
【0270】
アルキルフェノールのポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリブチレンオキシド縮合物もまた、本発明において非イオン性界面活性剤としての使用に好適である。これらの化合物としては、アルキレンオキシドを含む直鎖構成又は分枝鎖構成のいずれかにある、約6~約14個の炭素原子を含有するアルキル基を有するアルキルフェノールの縮合生成物が挙げられる。このタイプの市販の非イオン性界面活性剤としては、Igepal(登録商標)CO-630(Solvay-Rhodiaから販売)、並びにTriton(登録商標)X-45、X-114、X-100及びX-102(全てDow Chemical Companyから販売)が挙げられる。
【0271】
一実施例では、例えばヘアケア活性剤として使用するための界面活性剤の非限定的な例としては、構造化水性洗浄相で使用するのに好適な非イオン性界面活性剤を挙げることができ、アルキレンオキシド基(本質的に親水性)と、本質的に脂肪族又はアルキル芳香族であり得る有機疎水性化合物との縮合生成物を含む。
【0272】
自動食器洗浄用途では、低発泡性非イオン性界面活性剤が使用され得る。好適な低発泡性非イオン性界面活性剤は、米国特許第7,271,138号の第7欄10行目~第7欄60行目に開示されている。
【0273】
他の好適な非イオン性界面活性剤の例は、市販のPluronic(登録商標)界面活性剤(BASFにより販売)、市販のTetronic(登録商標)化合物(BASFにより販売)、及び市販のPlurafac(登録商標)界面活性剤(BASFにより販売)である。
【0274】
d.双極性イオン界面活性剤
双性イオン性界面活性剤の非限定的な例としては、以下が挙げられる:脂肪族第四級アンモニウム、第四級ホスホニウム、又は第三級スルホニウム化合物の誘導体。双性イオン性界面活性剤類の例に関しては、米国特許第3,929,678号の第19欄38行目~第22欄48行目を参照されたい。アルキルジメチルベタイン及びココジメチルアミドプロピルベタインを含むベタイン、C~C18(例えば、C10~C18又はC12~C18)アミンオキシド、並びにN-アルキル-N,N-ジメチルアミノ-1-プロパンスルホネート等のスルホ及びヒドロキシベタイン(式中、アルキル基は、C~C18、特定の実施形態ではC10~C14であってよい)。
【0275】
単独で又は補助界面活性剤として使用するに好適な双性イオン性界面活性剤としては、脂肪族ラジカルが直鎖又は分枝鎖であり得、脂肪族置換基のうちの1つが8~18個の炭素原子を含有し得、1つが、アニオン性基、例えばカルボキシ、スルホネート、ホスフェート、又はホスホネートを含有し得る、脂肪族四級アンモニウム、ホスホニウム、及びスルホニウム化合物の誘導体として広く記載されているものを挙げることができる。
【0276】
双性イオン性界面活性剤は、ベタイン双性イオン性界面活性剤を含んでいてもよい。ベタイン双性イオン性界面活性剤の非限定的な例は、ココジメチルカルボキシメチルベタイン、ココアミドプロピルベタイン(CAPB)、ココ-ベタイン、ラウリルアミドプロピルベタイン(LAPB)、オレイルベタイン、ラウリルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルアルファ-カルボキシエチルベタイン、セチルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルビス-(2-ヒドロキシエチル)カルボキシメチルベタイン、ステアリルビス-(2-ヒドロキシプロピル)カルボキシメチルベタイン、オレイルジメチルガンマ-カルボキシプロピルベタイン、ラウリルビス-(2-ヒドロキシプロピル)アルファ-カルボキシエチルベタイン、及びそれらの混合物からなる群から選択され得る。スルホベタインの例としては、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルジメチルスルホエチルベタイン、ラウリルビス-(2-ヒドロキシエチル)スルホプロピルベタイン、及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0277】
一実施例では、例えばヘアケア活性剤として使用するための界面活性剤の非限定的な例は、ココジメチルカルボキシメチルベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ココベタイン、ラウリルアミドプロピルベタイン、オレイルベタイン、ラウリルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルアルファカルボキシエチルベタイン、セチルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルビス-(2-ヒドロキシエチル)カルボキシルメチルベタイン、ステアリルビス-(2-ヒドロキシプロピル)カルボキシメチルベタイン、オレイルジメチルガンマカルボキシプロピルベタイン、及びラウリルビス-(2-ヒドロキシプロピル)アルファ-カルボキシエチルベタイン等の高級アルキルベタインを含むベタイン;スルホベタイン、例えば、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルジメチルスルホエチルベタイン、ラウリルビス-(2-ヒドロキシエチル)スルホプロピルベタイン、アミドベタイン、及びアミドスルホベタイン、例えば、アミドベタイン及びアミドスルホベタインにおけるRCONH(CHラジカルがベタインの窒素原子に結合しているもの;並びにそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0278】
e.両性界面活性剤
両性界面活性剤の非限定的な例としては、二級若しくは三級アミンの脂肪族誘導体、又は脂肪族ラジカルが直鎖若しくは分枝鎖であり得る、複素環式二級及び三級アミンの脂肪族誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられる。その脂肪族置換基の1つは、少なくとも約8個の炭素原子、例えば約8~約18個の炭素原子を含んでよく、少なくとも1つは、アニオン性水可溶化基、例えばカルボキシ、スルホネート、サルフェートを含む。両性界面活性剤の好適な例については、米国特許第3,929,678号、第19欄18~35行目を参照のこと。
【0279】
両性界面活性剤としては、脂肪族ラジカルが直鎖又は分岐鎖であり得、脂肪族置換基が、1個の炭素原子がアニオン性水溶性基、例えば、カルボキシ、スルホネート、ホスフェート、又はホスホネートを含有し得るように、8~18個の炭素原子を含有し得る、脂肪族二級及び三級アミンの誘導体として広く記載され得るものが挙げられ得る。この定義に当てはまる化合物の例としては、3-ドデシルアミノプロピオン酸ナトリウム、3-ドデシルアミノプロパンスルホン酸ナトリウム、米国特許第2,658,072号の教示に従ってドデシルアミンをイセチオン酸ナトリウムと反応させることによって調製されるものなどのN-アルキルタウリン、米国特許第2,438,091号の教示に従って生成されるものなどのN-高級アルキルアスパラギン酸、及び米国特許第2,528,378号に記載されている生成物であり得る。
【0280】
本明細書に記載の両性界面活性剤は、好ましくは、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、ラウロアンホ二酢酸二ナトリウム、ココジアンホ酢酸二ナトリウム、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0281】
好適な両性又は双極性界面活性剤としては、米国特許第5,104,646号及び米国特許第5,106,609号に記載されているものが挙げられ得る。
【0282】
したがって、1つ以上の活性剤の1つ以上の界面活性剤は、コカミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ココベタイン、ラウリルベタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、ココヒドロキシスルタイン、ココスルタイン、ラウリルスルタイン、ココアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ラウロアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウラミンオキシド、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも両性又は双性イオン性界面活性剤を含んでいてもよい。
【0283】
一実施例では、例えばヘアケア活性剤として使用するための界面活性剤の非限定的な例は、ココアンホアセテート、ココアンホジアセテート、ラウロアンホアセテート、ラウロアンホジアセテート、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0284】
一実施例では、例えばヘアケア活性剤として使用するための界面活性剤の非限定的な例は、アンホアセテート及びジアンホアセテートからなる群から選択され得る。好適なアンホアセテート及びジアンホアセテートの非限定的な例としては、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、ラウロアンホ酢酸二ナトリウム、及びココジアンホ酢酸二ナトリウム、並びにそれらの混合物が挙げられ得る。
【0285】
香料
1つ以上の香料及び/又は香料原材料、例えばアコード及び/又はノートを、本発明の繊維要素及び/又は粒子のうちの1つ以上に組み込んでよい。香料は、アルデヒド香料成分、ケトン香料成分、及びこれらの混合物からなる群から選択される香料成分を含んでもよい。
【0286】
1つ以上の香料及び/又は香料成分は、本発明の繊維要素及び/又は粒子に含まれてよい。香料及び/又は香料成分として有用な広範な天然及び合成化学成分としては、アルデヒド、ケトン、エステル、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。また、オレンジ油、レモン油、バラ抽出物、ラベンダー、ムスク、パチョリ、バルサムエキス、サンダルウッド油、パイン油、シーダーなどの成分の複雑な混合物を含んでもよい、様々な天然の抽出物及びエキスも挙げられる。最終的な香料は、そのような成分の非常に複雑な混合物を含むことができる。一実施例では、完成した香料は、典型的には、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥粒子基準及び/又は乾燥繊維構造体基準で、約0.01重量%~約2重量%を構成する。
【0287】
抗菌剤、抗菌薬、及び抗真菌剤
一実施例では、ピリジンチオン粒子は、本発明で使用するのに好適な抗菌活性剤である。別の実施例では、抗菌活性剤は、1-ヒドロキシ-2-ピリジンチオン塩であり、粒子形態である。別の実施例では、ピリジンチオン粒子の濃度は、本発明の乾燥繊維要素及び/又は乾燥粒子及び/又は乾燥繊維構造体の約0.01重量%~約5重量%、又は約0.1重量%~約3重量%、又は約0.1重量%~約2重量%の範囲である。別の実施例では、ピリジンチオン塩は、亜鉛、スズ、カドミウム、マグネシウム、アルミニウム、及びジルコニウム等の重金属、一般的には亜鉛から形成されるものであり、典型的には、1-ヒドロキシ-2-ピリジンチオンの亜鉛塩(「亜鉛ピリジンチオン」又は「zinc pyridinethione、ZPT」として知られている)、通常、小板粒子形態の1-ヒドロキシ-2-ピリジンチオン塩である。別の実施例では、小板粒子形態の1-ヒドロキシ-2-ピリジンチオン塩は、本明細書に記載の粒径分布試験方法に従って測定したときに約20マイクロメートル以下、又は約5マイクロメートル以下、又は約2.5マイクロメートル以下の平均粒径を有する。他のカチオン(例えば、ナトリウム)から形成される塩もまた好適であり得る。ピリジンチオン活性物質は、例えば、米国特許第2,809,971号、同第3,236,733号、同第3,753,196号、同第3,761,418号、同第4,345,080号、同第4,323,683号、同第4,379,753号、及び同第4,470,982号に記載されている。
【0288】
別の実施例では、抗菌剤は、トリクロサン、トリクロカルバン、クロロヘキシジン、メトロニトゾール、及びこれらの混合物から選択される。
【0289】
別の実施例では、ピリチオンの多価金属塩から選択される抗微生物活性物質に加えて、組成物は、1つ以上の抗真菌及び/又は抗微生物活性物質を更に含んでいてもよい。別の実施例では、抗微生物活性物質は、コールタール、硫黄、アゾール、硫化セレン、硫黄粒子、角質溶解剤、炭、ホイットフィールド軟膏、カステラーニ塗布剤、塩化アルミニウム、ゲンチアナバイオレット、オクトピロックス(ピロクトンオラミン)、シクロピロックスオラミン、ウンデシレン酸及びその金属塩、過マンガン酸カリウム、硫化セレン、チオ硫酸ナトリウム、プロピレングリコール、橙皮油、尿素調製物、グリセオフルビン、8-ヒドロキシキノリンシロキノール、チオベンダゾール、チオカルバメート、ハロプロジン、ポリエン、ヒドロキシピリドン、モルホリン、ベンジルアミン、アリルアミン(テルビナフィン等)、ティーツリー油、クローブリーフ油、コリアンダー、パルマローザ、ベルベリン、タイムレッド、桂皮油、ケイ皮アルデヒド、シトロネル酸、ヒノキトール、イヒチオールペール、Sensiva SC-50、Elestab HP-100、アゼライン酸、lyticase、ヨードプロピニルブチルカルバメート(IPBC)、オクチルイソチアザリノン等のイソチアザリノン、及びアゾール、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。
【0290】
漂白剤
本発明の繊維要素及び/又は粒子は、1つ以上の漂白剤を含んでもよい。好適な漂白剤の非限定的な例としては、ペルオキシ酸(例えば、フタルイミドペルオキシヘキサン酸(PAP))、過ホウ酸塩、過炭酸塩、塩素系漂白剤、酸素系漂白剤、次亜ハロゲン酸系漂白剤、漂白剤前駆体、漂白活性剤、漂白触媒、過酸化水素、漂白促進剤、光漂白剤、漂白性酵素、フリーラジカル開始剤、過酸素系漂白剤、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0291】
本発明の繊維要素及び/又は粒子に含まれ得る1つ以上の漂白剤は、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥粒子基準及び/又は乾燥繊維構造体基準で約0.05重量%~約30重量%及び/又は約1重量%~約20重量%の濃度で含まれ得る。存在する場合、漂白活性剤は、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥粒子基準及び/又は乾燥繊維構造体基準で約0.1重量%~約60重量%及び/又は約0.5重量%~約40重量%の濃度で本発明の繊維要素及び/又は粒子中に存在し得る。
【0292】
漂白剤の非限定的な例としては、酸素系漂白剤、過ホウ酸塩系漂白剤、過カルボン酸系漂白剤及びそれらの塩、過酸素系漂白剤、過硫酸塩系漂白剤、過炭酸塩系漂白剤、及びこれらの混合物が挙げられる。更に、漂白剤の非限定的な例は、米国特許第4,483,781号、米国特許出願第740,446号、欧州特許出願第0133354号、米国特許第4,412,934号、及び米国特許第4,634,551号に開示されている。
【0293】
漂白活性剤の非限定的な例(例えば、アシルラクタム活性剤)は、米国特許第4,915,854号、同第4,412,934号、同第4,634,551号、及び同第4,966,723号に開示されている。
【0294】
一実施例では、漂白剤は遷移金属漂白触媒を含んでもよく、これは封入されてもよい。遷移金属漂白触媒は、典型的には、例えばMn(II)、Mn(III)、Mn(IV)、Mn(V)、Fe(II)、Fe(III)、Fe(IV)、Co(I)、Co(II)、Co(III)、Ni(I)、Ni(II)、Ni(III)、Cu(I)、Cu(II)、Cu(III)、Cr(II)、Cr(III)、Cr(IV)、Cr(V)、Cr(VI)、V(III)、V(IV)、V(V)、Mo(IV)、Mo(V)、Mo(VI)、W(IV)、W(V)、W(VI)、Pd(II)、Ru(II)、Ru(III)、及びRu(IV)からなる群から選択される遷移金属からの遷移金属イオンを含む。一実施例では、遷移金属はMn(II)、Mn(III)、Mn(IV)、Fe(II)、Fe(III)、Cr(II)、Cr(III)、Cr(IV)、Cr(V)、及びCr(VI)からなる群から選択される。遷移金属漂白触媒は、典型的には配位子を含み、例えば架橋マクロ多環状配位子などのマクロ多環状配位子を含む。遷移金属イオンは配位子に配位され得る。更に、配位子は、少なくとも4つの供与原子を含んでもよく、そのうちの少なくとも2つは、橋頭供与原子である。好適な遷移金属漂白触媒の非限定的な例は、米国特許第5,580,485号、同第4,430,243号、同第4,728,455号、同第5,246,621号、同第5,244,594号、同第5,284,944号、同第5,194,416号、同第5,246,612号、同第5,256,779号、同第5,280,117号、同第5,274,147号、同第5,153,161号、同第5,227,084号、同第5,114,606号、同第5,114,611号、欧州特許第549,271(A1)号;欧州特許第544,490(A1)号、同第549,272(A1)号、及び同第544,440(A2)号に記載されている。一実施例では、好適な遷移金属漂白触媒は、例えば米国特許第5,576,282号に開示されているマンガン系触媒を含む。別の実施例では、好適なコバルト漂白触媒は、米国特許第5,597,936号及び同第5,595,967号に記載されている。このようなコバルト触媒は、例えば、米国特許第5,597,936号及び同第5,595,967号に教示されているとおり、公知の手順によって容易に作製される。更に別では、好適な遷移金属漂白触媒は、国際公開第05/042532(A1)号に記載のビスピドンなど配位子の遷移金属錯体を含む。
【0295】
漂白触媒の非限定的な例としては、規定された漂白触媒活性の、銅、鉄、チタニウム、ルテニウム、タングステン、モリブデン、又はマンガンカチオンなどの遷移金属カチオン、亜鉛又はアルミニウムカチオンなどの漂白触媒活性をわずかに有する、又は全く有さない補助的な金属カチオン、並びに触媒及び補助的な金属カチオンに対して規定された安定度定数を有する金属イオン封鎖剤、特にエチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)及びそれらの水溶性塩を含む触媒系が挙げられる。かかる触媒は、米国特許第4,430,243号に記載されている。他の種の漂白触媒としては、米国特許第5,246,621号及び同第5,244,594号に開示されているマンガン系錯体が挙げられる。これら触媒の好ましい例としては、MnIV (u-O)(1,4,7-トリメチル-1,4,7-トリアザシクロノナン)-(PF(「MnTACN」)、MnIII (u-O)(u-OAc)(1,4,7-トリメチル-1,4,7-トリアザシクロノナン)-(ClO、MnIV (u-O)(1,4,7-トリアザシクロノナン)-(ClO、MnIIIMnIV (u-O)(u-OAc)-(1,4,7-トリメチル-1,4,7-トリアザシクロノナン)-(ClO、及びこれらの混合物が挙げられる。欧州特許出願公開第549,272号も参照されたい。本明細書での使用に好適な他の配位子としては、1,5,9-トリメチル-1,5,9-トリアザシクロドデカン、2-メチル-1,4,7-トリアザシクロノナン、2-メチル-1,4,7-トリアザシクロノナン、及びこれらの混合物が挙げられる。自動食器洗浄組成物及び濃縮粉末洗剤組成物で有用な漂白触媒は、本発明のために適宜選択され得る。好適な漂白触媒の例としては、米国特許第4,246,612号及び同第5,227,084号を参照されたい。Mn(1,4,7-トリメチル-1,4,7-トリアザシクロノナン(OCH(PF)等の単核マンガン(IV)錯体について教示している米国特許第5,194,416号も参照されたい。米国特許第5,114,606号に開示されているような更に別の種の漂白触媒は、少なくとも3つの連続するC-OH基を有する非カルボキシレートポリヒドロキシ化合物である配位子を有するマンガン(II)、(III)、及び/又は(UV)の水溶性錯体である。好ましい配位子としては、ソルビトール、イジトール、ズルシトール、マンニトール、キシリトール、アラビトール、アドニトール、メソエリスリトール、メソイノシトール、ラクトース、及びこれらの混合物が挙げられる。米国特許第5,114,611号は、非-(マクロ)-環状配位子を有するMn、Co、Fe、又はCuなど遷移金属の錯体を含む漂白触媒を教示している。配位子の非限定的な例としては、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、イミダゾール、ピラゾール、及びトリアゾールの環が挙げられる。一実施例では、配位子は2,2’-ビスピリジルアミンである。一実施例では、漂白触媒としては、Co(2,2’-ビスピリジルアミン)Cl、ジ(イソチオシアナト)ビスピリジルアミン-コバルト(II)、トリスピリジルアミン-コバルト(II)過塩素酸塩、Co(2,2-ビスピリジルアミン)ClO、ビス-(2,2’-ビスピリジルアミン)銅(II)過塩素酸塩、トリス(ジ-2-ピリジルアミン)鉄(II)過塩素酸塩、及びこれらの混合物などのCo、Cu、Mn、Fe、-ビスピリジルメタン及びビスピリジルアミン錯体が挙げられる。漂白触媒の他の例としては、Mnグルコネート、Mn(CFSO、Co(NHCl、並びにNMn(III)(u-O)Mn(IV)N及び[BipyMn(III)(u-O)Mn(IV)bipy]-(ClOを含む、N四座及びN二座の配位子と錯体を形成した二核Mnが挙げられる。
【0296】
また、漂白触媒は、水溶性リガンドを水溶性マンガン塩と水性媒体中で合わせ、得られた混合物を蒸発により濃縮することによって調製することもできる。本明細書では、マンガンの任意の便利な水溶性塩を使用することができる。マンガン(II)、(III)、(IV)及び/又は(V)は、商業規模で容易に入手可能である。場合によっては、十分なマンガンが洗浄液中に存在してもよいが、一般に、触媒として有効な量で確実に存在するようにするために、組成物中に洗剤組成物のMnカチオンが存在することが好ましい。したがって、配位子及びMnSO、Mn(ClO、又はMnCl(望ましくない)からなる群から選択されるメンバーのナトリウム塩は、中性又はわずかにアルカリ性のpHにおいて約1:4~4:1の範囲の配位子:Mnのモル比で水中に溶解する。水は、最初に沸騰により脱酸素され、窒素を噴霧することで冷却されてよい。得られた溶液を蒸発させ(所望であればN下で)、得られた固体を更に精製することなく本明細書の漂白及び洗剤組成物に使用する。
【0297】
代替モードでは、MnSO等の水溶性マンガン源を、漂白剤/洗浄組成物に、又は配位子を含む水性漂白/洗浄浴に添加する。いくつかの種の錯体が明らかにその場で形成され、改善された漂白性能が確保される。かかるその場プロセスでは、マンガンよりも相当にモル過剰量の配位子を使用することが好都合であり、配位子:Mnのモル比は、典型的には3:1~15:1である。追加の配位子も、鉄及び銅のような不安定な金属イオンを掃去し、これによって漂白剤を分解から保護するのにも利用できる。1つの可能なかかる系は、欧州特許出願公開第549,271号に記載されている。
【0298】
本発明で有用な漂白触媒性マンガン錯体の構造は解明されていないが、それらは、配位子のカルボキシル原子及び窒素原子とマンガンカチオンとの相互作用から生じるキレート又は他の水和配位錯体を含むと推定され得る。同様に、触媒プロセス中のマンガンカチオンの酸化状態は確実には知られておらず、(+II)、(+III)、(+IV)又は(+V)原子価状態であってよい。マンガンカチオンに結合する配位子の可能な6個の点により、多核種及び/又は「ケージ」構造が水性漂白媒体中に存在し得ることが合理的に推測され得る。実際に存在する活性Mn配位子種の形態がいかなるものであっても、茶、ケッチアップ、コーヒー、ワイン、ジュース等の頑固な染みに対して改善された漂白性能を提供するように、明らかに触媒的に機能する。
【0299】
他の漂白触媒は、例えば、欧州特許出願公開第408,131号(コバルト錯体触媒)、同第384,503号及び同第306,089号(メタロポルフィリン触媒)、米国特許第4,728,455号(マンガン/多座配位子触媒)、米国特許第4,711,748号及び欧州特許出願公開第224,952号(アルミノシリケート触媒にマンガンを吸収させた)、米国特許第4,601,845号(マンガン及び亜鉛又はマグネシウム塩を含むアルミノケイ酸塩担体)、米国特許第4,626,373号(マンガン/配位子触媒)、米国特許第4,119,557号(第二鉄錯体触媒)、独国特許第2,054,019号(コバルトキレート触媒)、加国特許第866,191号(遷移金属含有塩)、米国特許第4,430,243号(マンガンカチオン及び非触媒金属カチオンを有するキレート剤)、並びに米国特許第4,728,455号(マンガングルコネート触媒)に記載されている。
【0300】
一実施例では、漂白触媒は、式[Co(NHCl]Y、特に[Co(NHCl]CIを有するコバルトペンタアミンクロリド塩を含む。本明細書で有用な他のコバルト漂白触媒は、例えば、M.L.Tobe,「Base Hydrolysis of Transition-Metal Complexes」,Adv.Inorg.Bioinorg.Mech.,(1983),2,pages1-94に、その塩基加水分解速度と共に記載されている。例えば、17頁の表1は、シュウ酸塩、ギ酸塩、及び酢酸塩と錯体化したコバルトペンタアミン触媒についての塩基加水分解速度(表中ではkOHと呼ばれる)を提供する。本明細書で有用なコバルト触媒の非限定的な例は、式[Co(NHOAc]Tを有するコバルトペンタアミン酢酸塩であり、式中、OAcはアセテート部分、特にコバルトペンタアミンアセテートクロリド、[Co(NHOAc]Cl;並びに[Co(NHOAc](OAc);[Co(NHOAc](PF;[Co(NHOAc](SO);[Co(NHOAc](BF;及び[Co(NHOAc](NOを表す。
【0301】
これらの漂白触媒は、例えば、Tobe論文及びそこに引用されている米国特許第4,810,410号の参考文献である、Diakun et al,issued Mar.7,1989,J.Chem.Ed.(1989),66(12),1043-45;The Synthesis and Characterization of Inorganic Compounds,W.L.Jolly(Prentice-Hall;1970),pp.461-3;Inorg.Chem.,18,1497-1502(1979);Inorg.Chem.,21,2881-2885(1982);Inorg.Chem.,18,2023-2025(1979);Inorg.Synthesis,173-176(1960);及びJournal of Physical Chemistry 56,22-25(1952)に教示されている既知の手順によって容易に調製することができる。これらの漂白触媒はまた、製品の審美性のために所望される場合には色の影響を低減するために補助材料と共処理されてもよく、又は以下に例示されるような酵素含有粒子に含まれてもよく、又は組成物は、触媒「スペックル」を含有するように製造されてよい。
【0302】
酸素系漂白剤以外の漂白剤もまた当該技術分野において既知であり、本明細書において使用することができる(例えば、スルホン化亜鉛及び/又はアルミニウムフタロシアニンのような光活性化漂白剤(参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,033,718号)、及び/又は予備形成有機過酸、例えばペルオキシカルボン酸若しくはその塩、及び/又はペルオキシスルホン酸若しくはその塩。一実施例では、好適な有機過酸は、フタロイルイミドペルオキシカプロン酸又はその塩を含む。存在する場合には、光活性化による漂白開始剤(例えばスルホン化亜鉛フタロシアニン)は、乾燥繊維要素基準、及び/又は乾燥粒子基準、及び/又は乾燥繊維構造体基準で、約0.025重量%~約1.25重量%の濃度で本発明の繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維構造体に存在してよい。
【0303】
漂白活性剤の非限定的な例は、テトラアセチルエチレンジアミン(tetraacetyl ethylene diamine、TAED)、ベンゾイルカプロラクタム(benzoylcaprolactam、BzCL)、4-ニトロベンゾイルカプロラクタム、3-クロロベンゾイルカプロラクタム、ベンゾイルオキシベンゼンスルホネート(benzoyloxybenzenesulphonate、BOBS)、ノナノイルオキシベンゼンスルホネート(nonanoyloxybenzene-sulphonate、NOBS)、フェニルベンゾエート(PhBz)、デカノイルオキシベンゼンスルホネート(C.sub.10-OBS)、ベンゾイルバレロラクタム(benzoylvalerolactam、BZVL)、オクタノイルオキシベンゼンスルホネート(C.sub.8-OBS)、過加水分解可能な(perhydrolyzable)エステル、及びこれらの混合物からなる群から選択され、最も好ましくはベンゾイルカプロラクタム及びベンゾイルバレロラクタムである。約8~約9.5のpH範囲にある、特に好ましい漂白活性剤はOBS又はVL脱離基を有するものから選択される。四級置換漂白活性剤(四級置換漂白活性剤(quaternary substituted bleach activator、QSBA)又は四級置換過酸(quaternary substituted peracid、QSP))も含まれてもよい。
【0304】
有機過酸化物の非限定例、例えばジアシルペルオキシドは、Kirk Othmer,Encyclopedia of Chemical Technology,Vol.17,John Wiley and Sons,1982の27~90頁、特に63~72頁に広範に説明されており、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。ジアシルペルオキシドを使用する場合、これはスポッティング/フィルミングへの悪影響を最小限に抑えるものであり得る。
【0305】
移染防止剤
本発明の繊維要素及び/又は粒子は、1つ以上の移染防止剤を含んでよい。好適なポリマー移染防止剤としては、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN-オキシドポリマー、N-ビニルピロリドン及びN-ビニルイミダゾールのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドン、並びにポリビニルイミダゾール、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。移染防止剤は、乾燥繊維要素基準、及び/又は乾燥粒子基準、及び/又は乾燥繊維構造体基準で、約0.0001%~約10%、約0.01%~約5%、又は更には約0.1%~約3重量%の濃度で、本発明の繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維構造体製品に存在してもよい。
【0306】
光沢剤
本発明の繊維要素及び/又は粒子は、光沢剤、例えば蛍光光沢剤などの活性剤を含有し得る。かかる光沢剤は、洗浄される物品に薄い色を付けてもよい。
【0307】
繊維要素及び/又は粒子は、C.I.蛍光光沢剤260を、以下の構造を有するα-結晶質形態で、含み得る。
【0308】
【化5】
【0309】
一態様において、光沢剤は、α-結晶質形態のC.I.蛍光光沢剤260など冷水可溶性光沢剤である。
【0310】
一態様では、光沢剤は、主にα-結晶質形態にあり、これは、典型的には少なくとも50重量%、少なくとも75重量%、少なくとも90重量%、少なくとも99重量%、又は更には実質的に全てのC.I.蛍光光沢剤260がα-結晶質形態にあることを意味する。
【0311】
光沢剤は、典型的には、粒径分布試験方法に従って測定されるとき、3~30μm、3~20μm、又は3~10μmの重量平均一次粒径を有する、微粉化粒子形態であってよい。
【0312】
組成物は、β-結晶質形態のC.I.蛍光光沢剤260を含んでもよく、(i)α-結晶質形態のC.I.蛍光光沢剤260対(ii)β-結晶質形態のC.I.蛍光光沢剤260の重量比は少なくとも0.1、又は少なくとも0.6であってよい。
【0313】
ベルギー王国特許第680847号は、α-結晶質形態のC.I.蛍光光沢剤260の製造プロセスに関する。
【0314】
本発明において有用であり得る市販の蛍光光沢剤は、サブグループに分類でき、そのグループとしては、スチルベン、ピラゾリン、クマリン、カルボン酸、メチンシアニン、ジベンゾチオフェン-5,5-ジオキシド、アゾール、5員及び6員の複素環、及びその他の様々な作用剤の誘導体が挙げられるが、必ずしもこれらに限るわけではない。かかる光沢剤の例は、「The Production and Application of Fluorescent Brightening Agents」,M.Zahradnik,Published by John Wiley & Sons,New York)(1982))に開示されている。本組成物において有用である蛍光光沢剤の具体的な非限定例は、米国特許第4,790,856号及び同第3,646,015号に特定されているものである。
【0315】
更に好適な光沢剤は、以下の構造を有する。
【0316】
【化6】
【0317】
好適な蛍光光沢剤濃度としては、約0.01、約0.05、約0.1又は更には約0.2重量%の下限から、0.5又は更には0.75重量%の上限までが挙げられる。
【0318】
一態様では、光沢剤を粘土に装填して粒子を形成してもよい。
【0319】
色相剤
組成物は、色相剤を含んでもよい。好適な色相剤としては、染料、染料粘土複合体、及び顔料が挙げられる。好適な染料としては、小分子染料及び高分子染料が挙げられる。好適な小分子染料としては、ダイレクトブルー、ダイレクトレッド、ダイレクトバイオレット、アシッドブルー、アシッドレッド、アシッドバイオレット、ベーシックブルー、ベーシックバイオレット、及びベーシックレッド、又はこれらの混合物のカラーインデックス(C.I.)分類に区分される染料からなる群から選択される小分子染料が挙げられる。
【0320】
別の態様では、好適な小分子染料としては、カラーインデックス(Society of Dyers and Colourists(Bradford,UK))番号で、ダイレクトバイオレット9、ダイレクトバイオレット35、ダイレクトバイオレット48、ダイレクトバイオレット51、ダイレクトバイオレット66、ダイレクトバイオレット99、ダイレクトブルー1、ダイレクトブルー71、ダイレクトブルー80、ダイレクトブルー279、アシッドレッド17、アシッドレッド73、アシッドレッド88、アシッドレッド150、アシッドバイオレット15、アシッドバイオレット17、アシッドバイオレット24、アシッドバイオレット43、アシッドレッド52、アシッドバイオレット49、アシッドバイオレット50、アシッドブルー15、アシッドブルー17、アシッドブルー25、アシッドブルー29、アシッドブルー40、アシッドブルー45、アシッドブルー75、アシッドブルー80、アシッドブルー83、アシッドブルー90、及びアシッドブルー113、アシッドブラック1、ベーシックバイオレット1、ベーシックバイオレット3、ベーシックバイオレット4、ベーシックバイオレット10、ベーシックバイオレット35、ベーシックブルー3、ベーシックブルー16、ベーシックブルー22、ベーシックブルー47、ベーシックブルー66、ベーシックブルー75、ベーシックブルー159、並びにこれらの混合物からなる群から選択される小分子染料が挙げられる。別の態様では、好適な小分子染料としては、カラーインデックス(Society of Dyers and Colourists(Bradford,UK))番号で、アシッドバイオレット17、アシッドバイオレット43、アシッドレッド52、アシッドレッド73、アシッドレッド88、アシッドレッド150、アシッドブルー25、アシッドブルー29、アシッドブルー45、アシッドブルー113、アシッドブラック1、ダイレクトブルー1、ダイレクトブルー71、ダイレクトバイオレット51、及びこれらの混合物からなる群から選択される小分子染料が挙げられる。別の態様では、好適な小分子染料としては、カラーインデックス(Society of Dyers and Colourists(Bradford,UK))番号で、アシッドバイオレット17、ダイレクトブルー71、ダイレクトバイオレット51、ダイレクトブルー1、アシッドレッド88、アシッドレッド150、アシッドブルー29、アシッドブルー113、又はこれらの混合物からなる群から選択される小分子染料が挙げられる。
【0321】
好適な高分子染料としては、共役色原体を含むポリマー(染料-ポリマー共役体)、ポリマーの骨格に共重合した色原体を有するポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される高分子染料が挙げられる。
【0322】
別の態様では、好適な高分子染料としては、Liquitint(登録商標)(Milliken,Spartanburg,South Carolina,USA)の名称で販売されている表面直接着色剤;少なくとも1つの反応染料と、ヒドロキシル部分、第一級アミン部分、第二級アミン部分、チオール部分、及びこれらの混合物からなる群から選択される部分を含むポリマーからなる群から選択されるポリマーと、から形成される染料-ポリマー共役体からなる群から選択される高分子染料が挙げられる。更に別の態様では、好適な高分子染料としては、Liquitint(登録商標)(Milliken,Spartanburg(South Carolina,USA))バイオレットCT;リアクティブブルー、リアクティブバイオレット、又はリアクティブレッド染料と共役しているカルボキシメチルセルロース(CMC)、例えば、Megazyme(Wicklow,Ireland)によって商品名AZO-CM-CELLULOSE、製品コードS-ACMCで販売されているC.I.リアクティブブルー19と共役しているCMC;アルコキシル化トリフェニール-メタン高分子着色剤;アルコキシル化チオフェン高分子着色剤;及びこれらの混合物からなる群から選択される高分子染料が挙げられる。
【0323】
好ましい色相染料として、国際公開第08/87497(A1)号に見出される光沢剤が挙げられる。これらの光沢剤は以下の構造(I)によって特徴付けられてよい。
【0324】
【化7】
【0325】
式(I)中、R及びRは、独立して以下のa)~d)から選択されてよい。
a)[(CHCR’HO)(CHCR’’HO)H]
[式中、R’は、H、CH、CHO(CHCHO)H、及びこれらの混合物からなる群から選択され、R’’は、H、CHO(CHCHO)H、及びこれらの混合物からなる群から選択され、x+y≦5であり、y≧1であり、z=0~5である]、
b)R=アルキル、アリール又はアリールアルキル、及びR=[(CHCR’HO)(CHCR’’HO)H]
[式中、R’は、H、CH、CHO(CHCHO)H、及びこれらの混合物からなる群から選択され、R’’は、H、CHO(CHCHO)H、及びこれらの混合物からなる群から選択され、x+y≦10であり、y≧1であり、z=0~5である]、
c)R=[CHCH(OR)CHOR]及びR=[CHCH(OR)CHOR
[式中、Rは、H、(CHCHO)H、及びこれらの混合物からなる群から選択され、z=0~10であり、
は、(C~C16)アルキル基、アリール基、及びこれらの混合物からなる群から選択される]、及び
d)R1及びR2は、スチレンオキシド、グリシジルメチルエーテル、イソブチルグリシジルエーテル、イソプロピルグリシジルエーテル、t-ブチルグリシジルエーテル、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、及びグリシジルヘキサデシルエーテルの、アミノ付加生成物に1~10個のアルキレンオキシド単位を付加したものから独立して選択することができる。
【0326】
本発明の好ましい光沢剤は以下の構造(II):
【0327】
【化8】
[式中、R’は、H、CH、CHO(CHCHO)H、及びこれらの混合物からなる群から選択され、R’’は、H、CHO(CHCHO)H、及びこれらの混合物からなる群から選択され、x+y≦5であり、y≧1であり、z=0~5である]によって特徴付けられてよい。
【0328】
本発明の更に好ましい光沢剤は、以下の構造(III):
【0329】
【化9】
によって特徴付けられてよい。
【0330】
この光沢剤は一般に「Violet DD」と呼ばれている。Violet DDは典型的に合計5個のEO基を有する混合物である。この構造は、上記の「パートa」に示される以下のペンダント基の構造Iにおける以下の選択によって達成される。
【0331】
【表5】
【0332】
更なる光沢剤としては、米国特許出願公開第2008/34511(A1)号(Unilever)に記載されているものが挙げられる。好ましい薬剤は、「Violet 13」である。
【0333】
好適な染料粘土複合体としては、少なくとも1つのカチオン性/塩基性染料及びスメクタイト粘土、並びにこれらの混合物を含む群から選択される染料粘土複合体が挙げられる。別の態様では、好適な染料粘土複合体としては、C.I.ベーシックイエロー1~108、C.I.ベーシックオレンジ1~69、C.I.ベーシックレッド1~118、C.I.ベーシックバイオレット1~51、C.I.ベーシックブルー1~164、C.I.ベーシックグリーン1~14、C.I.ベーシックブラウン1~23、CIベーシックブラック1~11からなる群から選択される1つのカチオン性/塩基性染料と、モンモリロナイト粘土、ヘクトライト粘土、サポナイト粘土、及びこれらの混合物からなる群から選択される粘土とからなる群から選択される染料粘土複合体が挙げられる。更に別の態様では、好適な染料-粘土複合体としては、モンモリロナイトベーシックブルーB7 C.I.42595複合体、モンモリロナイトベーシックブルーB9 C.I.52015複合体、モンモリロナイトベーシックバイオレットV3 C.I.42555複合体、モンモリロナイトベーシックグリーンG1 C.I.42040複合体、モンモリロナイトベーシックレッドR1 C.I.45160複合体、モンモリロナイトC.I.ベーシックブラック2複合体、ヘクトライトベーシックブルーB7 C.I.42595複合体、ヘクトライトベーシックブルーB9 C.I.52015複合体、ヘクトライトベーシックバイオレットV3 C.I.42555複合体、ヘクトライトベーシックグリーンG1 C.I.42040複合体、ヘクトライトベーシックレッドR1 C.I.45160複合体、ヘクトライトC.I.ベーシックブラック2複合体、サポナイトベーシックブルーB7 C.I.42595複合体、サポナイトベーシックブルーB9 C.I.52015複合体、サポナイトベーシックバイオレットV3 C.I.42555複合体、サポナイトベーシックグリーンG1 C.I.42040複合体、サポナイトベーシックレッドR1 C.I.45160複合体、サポナイトC.I.ベーシックブラック2複合体、及びこれらの混合物からなる群から選択される染料粘土複合体が挙げられる。
【0334】
好適な顔料としては、フラバントロン、インダントロン、1~4個の塩素原子を含有する塩素化インダントロン、ピラントロン、ジクロロピラントロン、モノブロモジクロロピラントロン、ジブロモジクロロピラントロン、テトラブロモピラントロン、ペリレン-3,4,9,10-テトラカルボン酸ジイミド(イミド基は、非置換であっても、C1~C3-アルキル又はフェニル若しくは複素環式ラジカルによって置換されていてもよく、当該フェニル及び複素環式ラジカルは、水溶性を付与しない置換基を更に有していてもよい)、アントラピリミジンカルボン酸アミド、ビオラントロン、イソビオラントロン、ジオキサジン顔料、1分子あたり最大2個の塩素原子を含有し得る銅フタロシアニン、1分子あたり最大14個の臭素原子を含有するポリクロロ-銅フタロシアニン又はポリブロモクロロ-銅フタロシアニン、並びにこれらの混合物からなる群から選択される顔料が挙げられる。
【0335】
別の態様では、好適な顔料としては、ウルトラマリンブルー(C.I.ピグメントブルー29)、ウルトラマリンバイオレット(C.I.ピグメントバイオレット15)、及びこれらの混合物からなる群から選択される顔料が挙げられる。
【0336】
前述の布地色相剤は、組み合わせて使用されてもよい(布地色相剤の任意の混合物が使用されてもよい)。適切な布地色相剤は、Aldrich,Milwaukee,Wisconsin,USA;CibaSpecialtyChemicals,Basel,Switzerland;BASF,Ludwigshafen,Germany;DaygloColorCorporation,Mumbai,India;OrganicDyestuFosCorp.,EastProvidence,RhodeIsland、USA;Dystar,Frankfurt,Germany;Lanxess,Leverkusen,Germany;Megazyme,Wicklow,Ireland;Clariant,Muttenz,Switzerland;Avecia,Manchester,UKから購入することができ、かつ/又は本明細書に含まれる実施例に従って作製することができる。好適な色相剤は、米国特許第7,208,459(B2)号により詳細に記載されている。
【0337】
酵素
1つ以上の酵素が本発明の繊維要素及び/又は粒子中に存在していてよい。好適な酵素の非限定的な例としては、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ及びエンドグルカナーゼを含むカルボヒドラーゼ、ペクチナーゼ、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、キシラナーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ケラタナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ(penosanase)、マラナーゼ、グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0338】
酵素は、基材からのタンパク質系、炭水化物系、若しくはトリグリセリド系の染みの除去、布地の洗濯の際に遊離する染料による移染の防止、及び布地の修復が挙げられるがこれらに限定されない種々多様な目的のために、本発明の繊維要素及び/又は粒子内に含有させることができる。一実施例では、本発明の繊維要素及び/又は粒子には、植物起源、動物起源、細菌起源、真菌起源、及び酵母起源などの任意の好適な起源由来のプロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、ペルオキシダーゼ、及びこれらの混合物が含まれ得る。使用される酵素の選択は、pH活性及び/又は安定性最適条件、熱安定性、及び繊維要素及び/又は粒子中に存在する活性剤のような他の添加剤(例えばビルダー)に対する安定性などの要因によって影響を受ける。一実施例では、酵素は細菌酵素(例えば、細菌アミラーゼ及び/又は細菌プロテアーゼ)、真菌酵素(例えば、真菌セルラーゼ)、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0339】
本発明の繊維要素及び/又は粒子中に存在する場合、酵素は「洗浄に有効な量」を提供するのに十分な濃度で存在し得る。「洗浄に有効な量」という用語は、基材、例えば布地、食器類、床材、陶磁器、金属表面などに対して、洗浄、染み除去、汚れ除去、増白、脱臭、又は洗いたて感の改善効果を生じさせることが可能な任意の量を指す。現在の市販製剤に関する実際の問題として、活性酵素の典型的な量は、本発明の繊維要素及び/又は粒子1グラム当たり、重量で最高約5mgまで、更に典型的には、0.01mg~3mgである。特に指定した場合、本発明の繊維要素及び/又は粒子は、典型的には、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥粒子基準及び/又は乾燥繊維構造体基準で約0.001重量%~約5重量%、及び/又は約0.01重量%~約3重量%、及び/又は約0.01重量%~約1重量%を構成する。
【0340】
繊維要素及び/又は粒子が製造された後、1つ以上の酵素が繊維要素及び/又は粒子に適用されてもよい。
【0341】
酵素物質の範囲、及び本開示のフィラメント形成組成物(これは合成洗剤組成物でもあり得る)に酵素物質を組み込む手段は、国際公開第9307263(A)号、同第9307260(A)号、同第8908694(A)号、米国特許第3,553,139号、同第4,101,457号、及び同第4,507,219号に開示されている。
【0342】
酵素安定化系
酵素が本発明の繊維要素及び/又は粒子中に存在するとき、繊維要素及び/又は粒子中に酵素安定化系も含まれていてよい。酵素は、様々な技術によって安定化させることができる。酵素安定化技法の非限定的な例は、米国特許第3,600,319号及び同第3,519,570号;欧州特許第199,405号、同第200,586号;及び国際公開第9401532(A)号に開示され、例示されている。
【0343】
一実施例では、酵素安定化系はカルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオンを含んでよい。
【0344】
酵素安定化系は、乾燥繊維要素基準、及び/又は乾燥粒子基準、及び/又は乾燥繊維構造体基準で約0.001重量%~約10重量%、及び/又は約0.005重量%~約8重量%、及び/又は約0.01重量%~約6重量%の濃度で本発明の繊維要素及び/又は粒子に含まれてよい。この酵素安定化系は、繊維要素及び/又は粒子中に存在する酵素と適合性である任意の安定系であり得る。このような酵素安定化系は、他の配合活性物質により固有に提供されてよく、又は、例えば、酵素の配合者若しくは製造者によって別個に添加されてよい。このような酵素安定系は、例えば、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、ホウ酸、プロピレングリコール、短鎖カルボン酸、ボロン酸、及びこれらの混合物を含んでもよく、異なる安定化問題に対処するように設計される。
【0345】
熱形成剤
本発明の繊維要素及び/又は粒子は、熱形成剤を含有し得る。熱形成剤は、水及び/又は酸素(例えば、空気中の酸素など)の存在下で熱を発生させ、それによって、水及び/又は酸素の存在下で繊維構造体の分解速度を加速させ、かつ/又は繊維要素中の活性物質のうちの1つ以上の有効性を増大させるために配合される。更に又はあるいは、熱形成剤は、繊維構造体からの1つ以上の活性物質の放出速度を加速するために使用され得る。熱形成剤は、酸素に曝されるとき(すなわち、空気中の酸素、水中の酸素など)、発熱反応が起きるように配合される。多くの異なる材料及び材料の組み合わせが、熱形成剤として使用され得る。繊維構造体に使用することができる非限定的な熱形成剤としては、電解質塩(例えば、塩化アルミニウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、塩化第二銅、塩化第一銅、硫酸鉄、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化マンガン、硫酸マンガン、塩化カリウム、硫酸カリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸カリウム等)、グリコール(例えば、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等)、石灰(例えば、生石灰、消石灰等)、金属(例えば、クロム、銅、鉄、マグネシウム、マンガン等)、金属酸化物(例えば、酸化アルミニウム、酸化鉄等)、ポリアルキレンアミン、ポリアルキレンイミン、ポリビニルアミン、ゼオライト、グリセリン、1,3,プロパンジオール、ポリソルベートエステル(例えば、Tweens20、60、85、80)、及び/又はポリグリセロールエステル(例えば、Stepan製のNoobe、Drewpol、及びDrewmulze)が挙げられる。熱形成剤は、1つ以上の材料から形成され得る。例えば、硫酸マグネシウムは、単独で熱形成剤を形成し得る。別の非限定的な実施例では、約2~25重量%の活性炭、約30~70重量%の鉄粉末及び約1~10重量%の金属塩の組み合わせで、熱形成剤を形成し得る。理解されるように、他の又は追加の材料を単独で又は他の材料と共に使用して、熱形成剤を形成することができる。繊維構造体に使用される熱形成剤を形成するのに使用され得る材料の非限定的な例は、米国特許第5,674,270号及び同第6,020,040号、並びに米国特許出願公開第2008/0132438号及び同第2011/0301070号に開示されている。
【0346】
分解促進剤
本発明の繊維要素及び/又は粒子は、水及び/又は酸素の存在下で繊維構造が分解する速度を加速させるために使用される分解促進剤を含有し得る。使用される場合、分解促進剤は、一般的に、水及び/又は酸素に曝露されたときにガスを放出するように設計され、当該ガスは、次に、繊維構造体周辺の区域を撹拌して、繊維構造体の担体フィルムの分解を加速させる。更に又はあるいは、分解促進剤は、使用される場合、繊維構造体からの1つ以上の活性物質の放出速度を加速させるために使用されてもよい。ただし、これは必須ではない。更に又はあるいは、分解促進剤は、使用される場合、繊維構造体における活性物質のうちの1つ以上の有効性を増大させるために使用することもできる。ただし、これは必須ではない。分解促進剤は、アルカリ金属炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)、アルカリ金属炭酸水素塩(例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等)、炭酸アンモニウム等であるがこれらに限定されない1つ以上の材料を含み得る。水溶性ストリップは、任意選択で、繊維構造中の1つ以上の分解促進剤を活性化する又はその活性化速度を増加させるために使用される1つ以上の活性化剤を含んでいてもよい。理解され得るように、1つ以上の活性化剤は、繊維構造体中に分解促進剤が存在しない場合であっても、繊維構造体に含まれていてよい。ただし、これは必須ではない。例えば、活性化剤は、酸性化合物又は塩基性化合物を含んでいてよく、このような酸性化合物又は塩基性化合物は、分解促進剤が繊維構造体中に含まれている場合に又は含まれていない場合に、繊維構造体において1つ以上の活性物質に対する補助剤として使用され得る。使用されるとき、繊維構造体に含まれ得る活性化剤の非限定的な例としては、有機酸(例えば、ヒドロキシ-カルボン酸[クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、グルコン酸など]、飽和脂肪族カルボン酸[酢酸、コハク酸など]、不飽和脂肪族カルボン酸[例えば、フマル酸など]を挙げることができる。繊維構造体に使用される分解促進剤及び活性剤を形成するのに使用され得る材料の非限定的な例は、米国特許出願公開第2011/0301070号に開示されている。
【0347】
活性剤の放出
繊維要素及び/又は粒子及び/又は繊維構造体が誘発条件に曝露されたとき、繊維要素及び/又は粒子及び/又は繊維構造体から1つ以上の活性剤が放出され得る。一実施例では、繊維要素及び/又は粒子及び/又は繊維構造体、あるいはこれらの一部が、そのアイデンティティを失ったとき、言い換えれば、その物理的構造を失ったときに、繊維要素及び/又は粒子及び/又は繊維構造体、あるいはこれらの一部から1つ以上の活性剤が放出され得る。例えば、フィラメント形成材料が溶解したとき、融解したとき、又はその構造が失われるような何らかの他の変形工程を経たときに、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維構造体は、その物理的構造を失う。一実施例では、繊維要素の形態及び/又は粒子の形態及び/又は繊維構造体の形態が変化したとき、繊維要素及び/又は粒子及び/又は繊維構造体から1つ以上の活性剤が放出される。
【0348】
別の実施例では、繊維要素及び/又は粒子及び/又は繊維構造体、あるいはこれらの一部のアイデンティティが変化したとき、言い換えれば、その物理的構造を失うのではなく、その物理的構造が変化したときに、繊維要素及び/又は粒子及び/又は繊維構造体、あるいはこれらの一部から1つ以上の活性剤が放出され得る。例えば、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維構造体は、フィラメント形成材料が膨張したとき、収縮したとき、延びたとき、及び/又は短くなったときに、その物理的構造を変えるが、そのフィラメント形成特性は保持する。
【0349】
別の実施例では、その形態が変化することなく(その物理的構造を失うことも変化することもなく)、繊維要素及び/又は粒子及び/又は繊維構造体から1つ以上の活性剤が放出され得る。
【0350】
一実施例では、例えば、上述のとおり繊維要素及び/又は粒子及び/又は繊維構造体のアイデンティティを失わせるか又は変化させることによって、繊維要素及び/又は粒子及び/又は繊維構造体が活性剤を放出させる誘発条件に曝露された際に、繊維要素及び/又は粒子及び/又は繊維構造体は、活性剤を放出し得る。誘発条件の非限定的な例としては、溶媒、極性溶媒(アルコール及び/若しくは水など)、並びに/又は非極性溶媒に繊維要素、並びに/又は粒子、及び/又は繊維構造体を曝露すること(これは、フィラメント形成材料が、極性溶媒可溶性材料及び/若しくは非極性溶媒可溶性材料を含むかどうかに依存して、逐次行ってもよい);例えば75°F超、及び/又は100°F超、及び/又は150°F超、及び/又は200°F超、及び/又は212°F超の温度までの熱に、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維構造体を曝露すること;例えば40°F未満、及び/又は32°F未満、及び/又は0°F未満の温度までの冷温に、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維構造体を曝露すること;繊維要素及び/又は粒子及び/又は繊維構造体を力、例えば、繊維要素及び/又は粒子及び/又は繊維構造体を用いる消費者によって印加される延伸力に曝露すること;及び/又は繊維要素及び/又は粒子及び/又は繊維構造体を化学反応に曝露すること;繊維要素及び/又は粒子及び/又は繊維構造体を、相変化を引き起こす条件に曝露すること;繊維要素及び/又は粒子及び/又は繊維構造体を、pH変化及び/又は圧力変化及び/又は温度変化に曝露すること;繊維要素及び/又は粒子及び/又は繊維構造体を、その活性剤のうちの1つ以上を放出する繊維要素及び/又は粒子及び/又は繊維構造体が得られる1つ以上の化学物質に曝露すること;繊維要素及び/又は粒子及び/又は繊維構造体を超音波に曝露すること;繊維要素及び/又は粒子及び/又は繊維構造体を光及び/又は特定の波長に曝露すること;繊維要素及び/又は粒子及び/又は繊維構造体を様々なイオン強度に曝すこと;及び/又は繊維要素及び/又は粒子及び/又は繊維構造体を、別の繊維要素及び/又は粒子及び/又は繊維構造体から放出される活性剤に曝露することが挙げられる。
【0351】
一実施例では、繊維要素及び/又は粒子を含む繊維構造体製品が、以下からなる群から選択される誘発工程に曝されたときに、本発明の繊維要素及び/又は粒子から1種以上の活性剤が放出され得る:繊維構造体製品で布地物品上の染みを前処理すること;繊維構造体製品を水と接触させることによって洗浄液を形成すること;乾燥機内で繊維構造体製品を回転させること;乾燥機内で繊維構造体製品を加熱すること;及びこれらの組み合わせ。
【0352】
繊維要素形成組成物
本発明の繊維要素は、繊維要素形成組成物、例えばフィラメント形成組成物から作製される。繊維要素形成組成物は、極性溶媒系組成物である。一実施例では、繊維要素形成組成物は、1つ以上の繊維要素形成材料及び1つ以上の活性剤を含む水溶性組成物である。
【0353】
本発明の繊維要素形成組成物は、本明細書に記載の剪断粘度試験法に従って測定したときに、3,000秒-1の剪断速度及び加工温度(50℃~100℃)において、約1Pa・s~約25Pa・s、及び/又は約2Pa・s~約20Pa・s、及び/又は約3Pa・s~約10Pa・sの剪断粘度を有していてよい。
【0354】
本発明の繊維要素形成組成物は、本明細書に記載の回転式レオメータ試験法に従って測定したときに約0.01Pa・s~約1.2Pa・s及び/又は約0.02Pa・s~約1.0Pa・sの粘度(回転式レオメータ粘度)を呈し得る。
【0355】
繊維要素形成組成物は、繊維要素形成組成物から繊維要素を作製するとき、約50℃~約100℃、及び/又は約65℃~約95℃、及び/又は約70℃~約90℃の温度で加工してもよい。
【0356】
一実施例では、繊維要素形成組成物は、少なくとも20重量%、及び/又は少なくとも30重量%、及び/又は少なくとも40重量%、及び/又は少なくとも45重量%、及び/又は少なくとも50重量%から約90重量%まで、又は約85重量%まで、又は約80重量%まで、又は約75重量%までの1つ以上の繊維要素形成材料、1つ以上の活性剤、及びこれらの混合物を含み得る。繊維要素形成組成物は、約10重量%~約80重量%の極性溶媒、例えば水を含んでいてもよい。
【0357】
一実施例では、繊維要素形成組成物の不揮発性成分は、繊維要素形成組成物の総重量に基づいて約20重量%から、及び/又は約30重量%から、及び/又は40重量%から、及び/又は45重量%から、及び/又は50重量%から約75重量%まで、及び/又は80重量%まで、及び/又は85重量%まで、及び/又は90重量%までを構成し得る。不揮発性成分は、主鎖ポリマー、活性剤、及びこれらの組み合わせ等の繊維要素形成組成物で構成され得る。繊維要素形成組成物の不揮発性成分は、残りの百分率を構成し得、繊維要素形成組成物の総重量に基づいて10重量%~80重量%の範囲である。
【0358】
繊維要素の紡糸プロセスでは、繊維要素は、紡糸用ダイを出るときに初期安定性を有する必要がある。キャピラリー数は、この初期安定性基準を特徴付けるために使用される。ダイ条件において、キャピラリー数は、少なくとも1、及び/又は少なくとも3、及び/又は少なくとも4、及び/又は少なくとも5であるべきである。
【0359】
一実施例では、繊維要素形成組成物は、繊維要素形成組成物が繊維要素に有効にポリマー加工され得るように、少なくとも1から約50まで、及び/又は少なくとも3から約50まで、及び/又は少なくとも5から約30までのキャピラリー数を呈する。
【0360】
本明細書で使用するとき、「ポリマー加工」は、加工された繊維要素形成材料を含む繊維要素が繊維要素形成組成物から形成される、任意の紡糸操作及び/又は紡糸プロセスを意味する。紡糸操作及び/又はプロセスは、スパンボンド、メルトブローン、エレクトロスピニング、回転紡糸、連続フィラメント製造、及び/又はトウ繊維製造操作/プロセスを含んでよい。本明細書で使用されるとき、「加工された繊維要素形成材料」は、溶融加工作業及びその後のポリマー加工作業を受けて繊維要素となった、任意の繊維要素形成材料を意味する。
【0361】
キャピラリー数は、この液滴の破断の可能性を特徴付けるために使用される無次元数である。大きいキャピラリー数は、ダイを出る際の流体安定性がより大きいことを示す。キャピラリー数は以下のように定義される。
【0362】
【数2】
Vは、ダイ出口における流体速度(時間当たりの長さの単位)であり、
ηは、ダイの条件における流体粘度(長さ×時間当たりの質量の単位)であり、
σは、流体の表面張力(時間の二乗当たりの質量の単位)である。速度、粘度、及び表面張力が一連の一貫した単位で表されるとき、得られるキャピラリー数は、それ自体の単位を有しないことになる。個別単位を無効にすることになる。
【0363】
キャピラリー数はダイの出口での状態に対して定義される。流体速度は、ダイの孔を通過する流体の平均速度である。平均速度は、以下のとおり定義され:
【0364】
【数3】
Vol’=体積流量(時間当たりの長さの三乗の単位)であり、
Area=ダイ出口の断面積(長さの二乗の単位)である。
【0365】
ダイの孔が円形の穴である場合、流体速度は、以下のとおり定義することができ:
【0366】
【数4】
Rは、円形の穴の半径(長さの単位)である。
【0367】
流体粘度は、温度に依存し、剪断速度に依存し得る。ずり減粘流体の定義は、剪断速度に対する依存を含む。表面張力は、流体の構成及び流体の温度に依存する。
【0368】
一実施例では、繊維要素形成組成物は、1つ以上の剥離剤及び/又は潤滑剤を含み得る。好適な剥離剤及び/又は潤滑剤の非限定的な例としては、脂肪酸、脂肪酸塩、脂肪族アルコール、脂肪族エステル、スルホン化脂肪酸エステル、脂肪族アミンアセテート、及び脂肪酸アミド、シリコーン、アミノシリコーン、フルオロポリマー、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0369】
一実施例では、繊維要素形成組成物は、1つ以上のブロッキング防止剤及び/又は粘着性除去剤を含み得る。好適なブロッキング防止剤及び/又は粘着性除去剤の非限定例としては、デンプン、加工デンプン、架橋ポリビニルピロリドン、架橋セルロース、微結晶セルロース、シリカ、金属酸化物、炭酸カルシウム、タルク及び雲母が挙げられる。
【0370】
本発明の活性剤は、繊維要素形成前に及び/若しくは繊維要素形成中に繊維要素形成組成物に添加してもよい、並びに/又は繊維要素形成後に繊維要素に添加してもよい。例えば、本発明による繊維要素及び/又は繊維構造体を形成した後に、香料活性剤を、繊維要素及び/又は繊維要素を含む繊維構造体に適用してもよい。別の実施例では、本発明による繊維要素及び/又は繊維構造体を形成した後に、酵素活性剤を、繊維要素及び/又は繊維要素を含む繊維構造体に適用してもよい。更に別の実施例では、本発明による繊維要素及び/又は繊維構造体を形成した後に、(繊維要素を作製するための紡糸プロセスを通過するのに好適でなくともよい)1つ以上の粒子を、繊維要素及び/又は繊維要素を含む繊維構造体に適用してもよい。
【0371】
伸長助剤
一実施例では、繊維要素は、伸長助剤を含む。伸長助剤の非限定的な例としては、ポリマー、他の伸長助剤、及びそれらの組み合わせが挙げられ得る。
【0372】
一実施例では、伸長助剤は、少なくとも約500,000Daの重量平均分子量を有する。別の実施例では、伸長助剤の重量平均分子量は、約500,000~約25,000,000、別の実施例では、約800,000~約22,000,000、更に別の実施例では、約1,000,000~約20,000,000、別の実施例では、約2,000,000~約15,000,000である。高分子量の伸長助剤は、伸長融解粘度を増加させ、かつ融解破壊を低減する能力のために、本発明のいくつかの実施例では好ましい。
【0373】
伸長助剤は、メルトブロープロセスにおいて使用する場合、紡糸プロセス中の繊維の融解破壊及び毛管破壊を明らかに低減するのに有効な量で本発明の組成物に添加され、比較的一貫した直径を有する実質的に連続的な繊維を融解紡糸することができるようにする。繊維要素及び/又は粒子を製造するのに使用されるプロセスにかかわらず、伸長助剤は、使用される場合、一実施例では、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥粒子基準及び/又は乾燥繊維構造体基準で約0.001重量%~約10重量%、別の実施例では、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥粒子基準及び/又は乾燥繊維構造体基準で約0.005重量%~約5重量%、更に別の実施例では、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥粒子基準及び/又は乾燥繊維構造体基準で約0.01重量%~約1重量%、別の実施例では、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥粒子基準及び/又は乾燥繊維構造体基準で約0.05重量%~約0.5重量%で存在し得る。
【0374】
伸長助剤として使用することができるポリマーの非限定的な例としては、アルギネート、カラギーナン、ペクチン、キチン、グアーガム、キサンタンガム、アガー、アラビアガム、カラヤゴム、トラガカントガム、ローカストビーンガム、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、及びそれらの混合物が挙げられ得る。
【0375】
他の伸長助剤の非限定的な例としては、修飾及び非修飾ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリエチレンイミン、ポリアミド、ポリアルキレンオキシド(ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンプロピレンオキシドを含む)、及びそれらの混合物が挙げられ得る。
【0376】
繊維要素を製造するための方法
本発明の繊維要素は、任意の好適なプロセスによって作製されてもよい。本発明の繊維要素を作製するための好適なプロセスの非限定的な例を以下に記載する。
【0377】
一実施例では、図5及び図6に示すように、本発明による繊維要素14、例えば天然ポリマー系繊維要素を作製する方法28は、
a.1つ以上の繊維要素形成材料、例えば1つ以上の天然ポリマー系繊維要素形成材料、例えば変性多糖、例えば変性デンプン、例えばアセチル化デンプンを含む1つ以上の天然ポリマー系繊維要素形成材料、及び任意選択で1つ以上の活性剤を含む繊維要素形成組成物30を提供する工程と、
b.紡糸ダイ32、例えば多列キャピラリーダイ、例えば多列メルトブローキャピラリーダイを介して繊維要素形成組成物30を紡糸して、1つ以上の繊維要素形成材料及び任意選択で1つ以上の活性剤を含む1つ以上の繊維要素14、例えば本発明による天然ポリマー系繊維要素、例えばフィラメントにする工程と、を含む。1つ以上の活性剤は、意図する使用条件に曝されたときに、繊維要素から放出可能であり得る。繊維要素14及び/又は複数の繊維要素14、例えば繊維構造体における複数の繊維要素中に存在する1つ以上の繊維要素形成材料の総濃度は、活性剤がその中に存在する場合、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維構造体基準で、80重量%未満、及び/又は70重量%未満、及び/又は65重量%未満、及び/又は60重量%未満、及び/又は50重量%以下であり得、1つ以上の活性剤の総濃度は、繊維要素14及び/又は複数の繊維要素14、例えば繊維構造体における複数の繊維要素中に存在する場合、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維構造体基準で、20重量%超、及び/又は30重量%超、及び/又は35重量%超、及び/又は40重量%超、及び/又は50重量%以上、及び/又は65重量%以上、及び/又は80重量%以上であり得る。
【0378】
図6に示されるように、紡糸用ダイ32は、繊維要素形成穴34を出るときにその中を空気などの流体が通過して、フィラメント形成組成物30が繊維要素14に細径化するのを容易にする同心の細径化流体用穴38に囲まれた融解キャピラリー36を含む複数の繊維要素形成穴34を含んでもよい。
【0379】
一実施例では、紡糸工程中に、フィラメント形成組成物30中に存在する任意の揮発性溶媒、例えば水は、繊維要素14が形成される際に乾燥等によって除去される。一実施例では、繊維要素形成組成物の揮発性溶媒、例えば水のうちの30重量%超、及び/又は40重量%超、及び/又は50重量%超は、紡糸工程中に、例えば生成される繊維要素を乾燥させることによって除去される。
【0380】
繊維要素形成組成物から生成される繊維要素が、繊維要素及び/又は複数の繊維要素、例えば繊維構造体における複数の繊維要素中に、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥粒子基準及び/又は乾燥繊維構造体基準で約5重量%~50重量%以下の総濃度の繊維要素形成材料と、繊維要素及び/又は複数の繊維要素、例えば繊維構造体における複数の繊維要素中に、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥粒子基準及び/又は乾燥繊維構造体基準で50重量%~約95重量%の総濃度の活性剤と、を含む限り、繊維要素形成組成物は、任意の好適な総濃度の繊維要素形成材料と、任意の好適な濃度の活性剤と、を含んでいてよい。
【0381】
一実施例では、繊維要素形成組成物から生成される繊維要素が、繊維要素及び/又は粒子中に、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥粒子基準及び/又は乾燥繊維構造体基準で約5重量%~50重量%以下の総濃度の繊維要素形成材料と、繊維要素及び/又は粒子中に、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥粒子基準及び/又は乾燥繊維構造体基準で50重量%~約95重量%の総濃度の活性剤と、を含む限り、繊維要素形成組成物は、任意の好適な総濃度の繊維要素形成材料と、任意の好適な濃度の活性剤と、を含んでいてよく、繊維要素形成材料対活性剤の総濃度の重量比は1以下である。
【0382】
一実施例では、繊維要素形成組成物は、繊維要素形成組成物の約1重量%から、及び/又は約5重量%から、及び/又は約10重量%から約50重量%まで、又は約40重量%まで、又は約30重量%まで、又は約20重量%までの繊維要素形成材料と、繊維要素形成組成物の約1重量%から、及び/又は約5重量%から、及び/又は約10重量%から約50重量%まで、又は約40重量%まで、又は約30重量%まで、又は約20重量%までの活性剤と、繊維要素形成組成物の約20重量%から、及び/又は約25重量%から、及び/又は約30重量%から、及び/又は約40重量%から約80重量%まで、又は約70重量%まで、又は約60重量%まで、及び/又は約50重量%までの揮発性溶媒、例えば水と、を含む。繊維要素形成組成物は、少量の他の活性剤、例えば繊維要素形成組成物の10重量%未満、及び/又は5重量%未満、及び/又は3重量%未満、及び/又は1重量%未満の可塑剤、pH調整剤、及び他の活性剤を含んでいてもよい。
【0383】
繊維要素形成組成物は、メルトブロー、スパンボンディング、エレクトロスピニング、及び/又は回転紡糸等の任意の好適な紡糸プロセスによって、1つ以上の繊維要素及び/又は粒子に紡糸される。一実施例では、繊維要素形成組成物は、メルトブローによって複数の繊維要素及び/又は粒子に紡糸される。例えば、繊維要素形成組成物は、タンクからメルトブロー紡糸口金にポンプ移送され得る。紡糸口金内の繊維要素形成穴のうちの1つ以上を出ると、繊維要素形成組成物は空気によって細径化されて、1つ以上の繊維要素及び/又は粒子を形成する。次いで、繊維要素及び/又は粒子を乾燥させて、紡糸のために使用される任意の残留溶媒(例えば、水)を除去してもよい。
【0384】
本発明の繊維要素及び/又は粒子を、ベルト(例えばパターン付きベルト)上に回収して、繊維要素及び/又は粒子を含む繊維構造体を形成してもよい。
【0385】
繊維要素を作製するための繊維要素形成組成物の非限定的な例
本発明の繊維要素及び/又は最終的に繊維構造体を作製するのに好適な、本発明の繊維要素形成組成物の2つの非限定的な例(試料A及びB)を以下の表5に示す。
【0386】
【表6】
本明細書に記載の回転式レオメータ粘度試験法に従って測定した回転式レオメータ粘度
【0387】
粒子
粒子は、水溶性又は非水溶性であってもよい。一実施例では、ある粒子群は水溶性であってもよく、別の粒子群は非水溶性であってもよい。別の実施例では、粒子は、1つ以上の活性剤を含み得る(換言すれば、粒子は活性剤含有粒子を含み得る)。更に別の実施例では、粒子は、1つ以上の活性剤から本質的になり、かつ/又は1つ以上の活性剤からなる(換言すれば、粒子は、乾燥粒子基準で100重量%、又は約100重量%の1つ以上の活性剤を含み得る)。更に別の実施例では、粒子は水溶性粒子を含んでもよい。更に別の実施例では、粒子は、水溶性の活性剤含有粒子を含んでもよい。
【0388】
一実施例では、粒子は、異なる材料、例えば1つ以上の発泡性塩粒子、例えば重炭酸ナトリウム、1つ以上の発泡性酸粒子、例えばクエン酸、ゼオライトなどの1つ以上のビルダー粒子などの異なるサブ粒子の凝集体を含み、粒子は、界面活性剤、例えばDSCGなどの硫酸塩フリーの界面活性剤、及び任意選択的に1つ以上のポリマー、例えばポリビニルピロリドンなどの気泡安定化剤でコーティングされてもよい。
【0389】
一実施例では、本発明の繊維構造体及び/又は繊維構造体製品は、複数の粒子と複数の繊維要素、例えばフィラメントとを、約3:1~約20:1、及び/又は約5:1~約15:1、及び/又は約5:1~約12:1、及び/又は約7:1~約12:1の粒子対繊維要素の重量比で含む。
【0390】
繊維構造体の作製方法
図7に示す本発明の一実施例では、図5及び図6に示すように、紡糸ダイ32から繊維要素形成組成物30を紡糸して複数の繊維要素14、例えば複数の天然ポリマー系繊維要素、例えばフィラメントを形成し、次いで、粒子供給源40、例えばシフター又はエアレイド成形ヘッドによって供給される1つ以上の粒子18を結合させることによって、本発明の繊維構造体10を作製することができる。粒子18は、繊維要素14内に分散し得る。三次元テクスチャ等のテクスチャを繊維構造体10の少なくとも1つの表面に付与する、パターン付き収集ベルト等の収集ベルト42上で、粒子18と繊維要素14との混合物を収集してよい。
【0391】
図8は、図2による繊維構造体10を作製するための方法の別の例を示している。この方法は、第1の層12の表面にポケット20が形成されるように、複数の繊維要素14の第1の層12を形成する工程を含む。粒子供給源40からポケット20内に1つ以上の粒子18を堆積させる。次いで、粒子18がポケット20に封入されるように、紡糸ダイ32から生成された複数の繊維要素14を含む第2の層16が第1の層12の表面上に形成される。
【0392】
図9は、図1による繊維構造体10を作製するための方法の更に別の例を示している。この方法は、複数の繊維要素14の第1の層12を形成する工程を含む。粒子供給源40から第1の層12の表面上に1つ以上の粒子18を堆積させる。次いで、粒子18が第1の層12と第2の層16との間に位置するように、紡糸ダイ32から生成された複数の繊維要素14を含む第2の層16が粒子18上に形成される。
【0393】
繊維構造体を作製するための非限定的な例
粒子の添加は、初期繊維の形成中、又はパターン付きベルト上への初期繊維の回収後に達成され得る。粒子の添加により当該粒子が構造体中に捕捉される、3つの方法が開示される。
【0394】
図5及び図6に示されるように、本発明の繊維要素14は、以下のように製造され得る。繊維要素14は、小規模装置によって形成され得、その概略図が図5及び図6に示される。バッチ作業に好適な加圧タンク44に、紡糸に好適な繊維要素形成組成物30を充填する。Parker Hannifin CorporationのZenith Pumps部門(Sanford,N.C.,USA)により製造され、1回転当たり5.0立方センチメートル(cc/rev)の容量を有するZenith(登録商標)PEP II型等のポンプ46を使用して、繊維要素形成組成物の紡糸ダイ32への輸送を容易にすることができる。加圧タンク44から紡糸ダイ32への繊維要素形成材料、例えば繊維要素形成を含む繊維要素形成組成物30の流量は、ポンプ46の1分当たりの回転数(revolutions per minute、rpm)を調整することによって制御され得る。加圧タンク44、ポンプ46、及び紡糸ダイ32を接続するためにパイプ48を使用してもよい。
【0395】
図6に示される紡糸ダイ32は、約1.524ミリメートル(約0.060インチ)のピッチPで互いに離間された円形押し出しノズル(繊維要素形成穴34)のいくつかの列を有する。ノズルは、約0.305ミリメートル(約0.012インチ)の個々の内径、及び約0.813ミリメートル(約0.032インチ)の個々の外径を有する。各個々のノズルは、細径化空気を各個々の融解キャピラリー36(「多列キャピラリーダイ」)に供給するために、環状かつ分岐したフレア状オリフィス(同心の細径化流体用穴38)によって囲まれている。ノズルを通して押し出されたフィラメント形成組成物30は、オリフィスを通して供給される概ね円筒形の湿った空気流によって囲まれ、細径化される。
【0396】
細径化空気は、供給源からの圧縮空気を電気抵抗ヒータ、例えば、Chromalox,Division of Emerson Electric(Pittsburgh,Pa.,USA)によって製造されたヒータによって加熱することによって提供され得る。電気的に加熱され、サーモスタットで制御された送出パイプ中の条件において、加熱された空気を飽和又はほとんど飽和させるために、適切な量の蒸気を添加した。凝縮水を、電気的に加熱されサーモスタット制御される分離器中で除去した。
【0397】
初期繊維要素は、乾燥空気流によって乾燥されるが、この乾燥空気流は、電気抵抗加熱器(図示せず)により約149℃。(約300°F)~約315℃。(約600°F)の温度を有し、乾燥ノズルを通して供給され、押し出される非熱可塑性初期繊維の全体的な向きに対して約90度の角度で放出される。乾燥した初期繊維要素は、収集装置(例えば、小孔のある可動ベルト又はパターン付き収集ベルトなど)上で収集される。形成域の真下に真空源を追加して、繊維の回収を補助するために使用してもよい。
【0398】
粒子18の流れを供給するのに好適な粒子源40、例えば、フィーダーは、図7に示されるように、繊維要素14の乾燥領域の真上に配置され得る。この場合、Retsch(登録商標)(Haan,Germany)製の振動フィーダーが使用される。横断方向における粒子の一貫した分布を補助するために、粒子は、フィーダーの幅から開始して、紡糸ダイ面と同じ幅で終端したトレイに供給され、粒子が繊維要素の形成の全ての領域に送達されたことを確実にする。トレイは、粒子供給の破壊を最小化するために、出口を除いて完全に囲い込まれる。
【0399】
初期繊維要素が形成されている間、フィーダーのスイッチが入れられ、粒子が繊維要素の流れに導入される。この場合、Genencor International(登録商標)(Leiden,The Netherlands)製のGreen Zero(Green Speckle Granules)を粒子として使用する。繊維要素と結合及び/又は混合される粒子は、回収ベルト上で一緒に回収される。
【0400】
前駆体繊維構造体が形成されると、前駆体繊維構造体を穿孔プロセス、すなわち、1つ以上の開口を繊維構造体に付与して開口繊維構造体を生成するプロセスに供してよい。このような開口プロセスの非限定的な例としては、エンボス加工、ロッジング、回転ナイフによる穿孔、ピンニング、ダイカット、ダイパンチング、ニードルパンチング、ローレット加工、空圧成形、液圧成形、レーザ切断、及びタフティングが挙げられる。
【0401】
一実施例では、前駆体繊維構造体を、米国特許第8,679,391号に概要が記載されているような回転ナイフによる穿孔操作に供する。別の実施例では、前駆体繊維構造体を、以下に記載するようなピンニング操作に供する。一実施例では、前駆体繊維構造体を、1つのローラのピンがニップ内の対向するローラ上のピン間の空間を通過するように噛み合う構成で配置された2つの対向するピンローラの間に形成されるニップに通す。典型的な構成は、同じピン設計及び配置を有する2つのローラを用いてもよい。しかしながら、対向するローラは、異なるピン設計及び配置であってもよく、代わりにピンではなく他の繊維構造体支持部材を有してもよく、又はピン付ローラのピンと柔軟な表面との間の干渉を許容する柔軟な材料で構成された固体表面であってもよい。ピンの先端によって表現される仮想の円筒間の干渉の程度は、絡み合い深さとして記載される。繊維構造体が対向するローラ間に形成されるニップを通過すると、各ピン付きローラのピンは繊維構造体と噛み合い、ローラ間の絡み合いの深さ及び繊維構造体の公称厚さによって大まかに決定される深さまで繊維構造体を貫通する。
【0402】
繊維構造体製品50、例えば消費者がその意図された目的のために使用する使用可能なユニットの例を図10A及び図10Bに示す。図10A及び図10Bに示すように、一実施例では、繊維構造体製品50は、1つ以上の、この場合は2つのプライの繊維構造体10(第1の繊維構造体プライ52及び第2の繊維構造体プライ54)を含む多プライ繊維構造体を含み、それら自体が繊維構造体であってもなくてもよいが、多プライ繊維構造体を形成するために互いに結合している繊維構造体製品50の構成要素である。図10Bに示す一実施例では、繊維構造体10は、繊維要素14内に存在する、変性多糖等の天然ポリマー系繊維要素形成材料と、界面活性剤又は界面活性剤混合物を含む活性剤とを含む複数の繊維要素14を含む。複数の粒子18、例えば界面活性剤を含む、例えば凝集体等の水溶性活性剤含有粒子は、2つの繊維構造体10の間に配置される(挟まれる)。繊維構造体10の2つのプライ(第1の繊維構造体プライ52及び第2の繊維構造体プライ54は)は、それらの縁部において縁部継目56によって結合されてもよく、それらは、多プライ繊維構造体又は繊維構造体10のプライのうちの1つ以上の少なくとも部分的な溶解が使用中に生じるまで、それらの縁部に沿って繊維構造10の2つのプライを一緒に圧縮して粒子18を含むパウチを形成することによって形成されてもよい。
【0403】
一実施例では、繊維構造体は、独立して任意の好適な坪量、例えば、約100gsm~約5000gsm、及び/又は約250gsm~約3000gsm、及び/又は約500gsm~約2000gsmを示し得る。一実施例では、繊維構造体内の繊維要素は、任意の適切な坪量、例えば、約10~約1000gsm及び/又は約10gsm~約500gsm及び/又は約20gsm~約400gsm及び/又は約100gsm~約300gsmで繊維構造体内に独立して存在してもよい。一実施例では、粒子は、繊維構造体内に存在する場合、任意の適切な坪量、例えば、約100gsm~約4000gsm及び/又は約250gsm~約3000gsm及び/又は約500gsm~約2000gsmで繊維構造体内に独立して存在してもよい。
【0404】
一実施例では、他の活性剤を含む他の粒子を、繊維構造体に及び/又は繊維構造体の間に添加してもよい。例えば、繊維構造体を互いに結合させる前に2つの繊維構造体の間に香料を配置してよい。一実施例では、本発明の繊維構造体は、発泡抑制剤、並びに泡の生成を防止及び/又は抑制する類似の活性剤を含まないか又は実質的に含まない(繊維構造体による泡の生成に悪影響を及ぼさない)。
【0405】
一実施例では、本発明の繊維構造体を作製する方法は、
a.1つ以上の繊維要素形成材料、例えば変性多糖を含む天然ポリマー系繊維要素形成材料及び1つ以上の活性剤を含む繊維要素形成組成物を提供する工程であって、当該活性剤のうちの少なくとも1つが界面活性剤又は界面活性剤混合物を含み、当該界面活性剤又は界面活性剤混合物及び当該変性多糖が、約0.25:1~約5:1の重量比で当該繊維要素形成組成物内に存在する、工程と、
b.当該繊維要素形成組成物を紡糸して、当該変性多糖及び当該界面活性剤又は界面活性剤混合物を含む複数の繊維要素にする工程と、
c.当該複数の繊維要素を収集して、例えばベルト等の収集装置上に繊維構造体を形成する工程と、を含む。
【0406】
一実施例では、本発明の繊維構造体を作製する方法は、繊維構造体から1つ以上の製品を切断する工程、例えば繊維構造体から1つ以上の製品をダイカットする工程を更に含む。
【0407】
一実施例では、本発明の繊維構造体を作製する方法は、1つ以上の製品をパッケージに包装する工程を更に含む。
【0408】
一実施例では、パッケージは、本発明の繊維構造体の1つ以上を含む。
【0409】
一実施例では、パッケージは、本発明の製品の1つ以上を含む。
【0410】
一実施例では、本発明の包装材料は、実質的に天然である、並びに/又は天然由来である、並びに/又は生物起源である、並びに/又はリサイクル可能である、並びに/又はOECD 301B易生分解性CO発生試験法によって求めたときに、試験期間の60日目において少なくとも5%、及び/若しくは少なくとも10%、及び/若しくは少なくとも15%、及び/若しくは少なくとも20%、及び/若しくは少なくとも25%、及び/若しくは少なくとも30%、及び/若しくは少なくとも35%、及び/若しくは少なくとも40%、及び/若しくは少なくとも45%、及び/若しくは少なくとも50%、及び/若しくは少なくとも55%、及び/若しくは約60%、及び/若しくは少なくとも5%~約60%の生分解性を呈する、並びに/又はOECD 301B易生分解性CO発生試験法によって求めたときに、試験期間の90日目において少なくとも5%、及び/若しくは少なくとも10%、及び/若しくは少なくとも15%、及び/若しくは少なくとも20%、及び/若しくは少なくとも25%、及び/若しくは少なくとも30%、及び/若しくは少なくとも35%、及び/若しくは少なくとも40%、及び/若しくは少なくとも45%、及び/若しくは少なくとも50%、及び/若しくは少なくとも55%、及び/若しくは少なくとも60%、及び/若しくは少なくとも65%、及び/若しくは少なくとも70%、及び/若しくは少なくとも75%、及び/若しくは約80%、及び/若しくは少なくとも5%~約80%の生分解性を呈する。
【0411】
試験方法
特に規定がない限り、定義の節に記載されたものを含む本明細書に記載の全ての試験及び次の試験法は、23℃±1.0℃の温度、及び50±2%の相対湿度に調節された部屋で、試験に先立つ最低2時間にわたって調整された試料に対して行われる。試験した試料は、「使用可能ユニット」である。本明細書で使用するとき、「使用可能ユニット」とは、意図される目的のために消費者によって使用される、例えば単位用量物品/製品を意味する。全ての試験は、同一環境条件下及びこのように調整した室内で実施する。しわ、破れ等の欠陥を有する試料は試験しない。本明細書に記載のとおりに調整された試料は、試験目的に関し、乾燥試料(例えば「乾燥フィラメント」)であるとみなされる。全ての計器は、製造業者の仕様書に従って較正される。
【0412】
坪量試験方法
坪量は、試験される試料のg/m2の重量として定義される。これは、適切な天秤を使用して、調整された試料の既知の面積を正確に秤量し、試験した試料の重量及び面積を記録し、適切な変換係数を適用し、最後に試料のg/m2の坪量を計算することによって決定される。
【0413】
坪量は、単一のウェブ、ウェブの積層体、又は他の適切な堆積された若しくは消費者販売可能ユニットから試料を切断し、±0.001gの分解能を有する上皿分析天秤を使用して試料を秤量することによって測定される。試料は、試料を切断する前に最低2時間、73°±2°F(23°±1℃)の温度及び50%(±2%)の相対湿度で平衡化しなければならない。秤量中、天秤は、ドラフトシールドを用いて、気流及び他の擾乱から保護される。1.625×1.625インチ(41.275×41.275mm)と測定された精密切断ダイを使用して、全ての試料を調製する。清潔で、穴、裂け目、しわ及び他の欠陥を含まない使用可能な試料領域を選択する。
【0414】
各試料について、試料を切断するために上に記載のダイカッターを使用して、試料の質量を秤量し、質量結果を0.001g単位で記録する。
【0415】
以下のとおりに坪量をg/mで計算する:
坪量=(試料の質量)/(試料の面積)。
【0416】
又は具体的には、
坪量(g/m)=(試料の質量(g))/(0.001704m)。
【0417】
結果を0.1g/m単位で報告する。試料寸法は、上述のように同様の精密カッターを使用して変更する又は変化させることができる。試料寸法が減少した場合、いくつかの試料を測定するべきであり、平均値はその坪量として報告されるべきである。
【0418】
含水率試験方法
繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維構造体内に存在する含水(水分)率を、以下の含水率試験法を使用して測定する。事前に切断されたシートの形態である繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維構造体、又はそれらの一部(「試料」)を、23℃±1.0℃の温度、及び50%±2%の相対湿度に調整された室内に試験前の少なくとも24時間置く。各繊維構造体試料は、少なくとも4平方インチの面積を有するが、天秤の計量皿上に適切に適合するのに十分小さい寸法である。上述の温度及び湿度の条件下で、少なくとも小数第4位まで測定できる天秤を用いて、試料の重量を、10分の間に前の(測定した)重量からの変化が0.5%未満になるまで、5分ごとに記録する。最終重量を、「平衡重量」として記録する。10分以内に、乾燥させるために、70℃±2℃、相対湿度4%±2%で24時間、試料を強制空気オーブン内のホイル上に置く。24時間の乾燥後、試料を取り除き、15秒以内にその重量を測定する。この重量は、試料の「乾燥重量」と呼ばれる。
【0419】
試料の含水(水分)率を以下のように計算する。
【0420】
【数5】
【0421】
3つの複製物についての試料中の含水(水分)%を平均して、試料中の含水(水分)%として報告する。結果は、小数点第1位(0.1%)まで報告する。
【0422】
直径試験法
走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)又は光学顕微鏡、及び画像解析ソフトウェアを使用して、離散繊維要素又は繊維構造体内の繊維要素の直径を測定する。繊維要素を測定のために適切に拡大するように、200~10,000倍の倍率を選択する。SEMを使用する場合には、電子ビーム中での繊維要素の帯電及び振動を避けるために、試料に金又はパラジウム化合物をスパッタリングする。SEM又は光学顕微鏡を用いて得られた画像(モニタースクリーン上)から繊維要素の直径を測定するのに手作業を用いる。マウス及びカーソルツールを使用して、ランダムに選択された繊維要素の縁部を探し、その後、その幅にわたって(すなわち、その点における繊維要素の方向に対して垂直に)繊維要素の他方の縁部まで測定する。目盛り付きの較正された画像解析ツールにより、μm単位で実際の読取値を取得するための目盛りが提供される。繊維構造体内の繊維要素については、SEM又は光学顕微鏡を用いて、繊維構造体の試料全体からいくつかの繊維要素をランダムに選択する。繊維構造体の少なくとも2つの部分を切り取り、この方法で試験する。統計解析のために、このような測定を全部で少なくとも100回実施し、次いで、全てのデータを記録する。記録したデータを用いて、繊維要素の直径の平均値(平均)、繊維要素の直径の標準偏差、及び繊維要素の直径の中央値を計算する。
【0423】
別の有用な統計は、特定の上限よりも小さい繊維要素集団の量の算出である。この統計値を決定するために、繊維要素の直径の結果のうち上限よりも小さいものの個数をカウントするようにソフトウェアをプログラムし、そのカウント(データの合計数で除し、100%を掛ける)を、上限よりも小さいパーセント(例えば直径が1マイクロメートル未満のパーセント又はサブミクロン%)として、パーセントで記録する。本発明者らは、個々の円形繊維要素に関し測定された直径(μm)をdiとして表す。
【0424】
繊維要素が非円形断面を有する場合、繊維要素の直径の測定値は、水力直径として求められ、水力直径と等しいものと設定される。水力直径とは繊維要素の断面積を4倍して、繊維要素の断面の周囲長さ(中空の繊維要素の場合は外周囲長さ)で除したものである。数-平均直径、あるいは平均直径は、以下のとおりに計算する。
【0425】
【数6】
【0426】
重量平均分子量
材料、例えば繊維要素形成材料、例えば変性多糖、例えば変性デンプン、例えば酢酸デンプンのMw及びMw分布は、GPC-MALS(多角度光散乱と組み合わせたゲル浸透クロマトグラフィー、Gel Permeation Chromatography combined Multi Angle Light Scattering)によって分析される。繊維要素形成材料試料の分析は、0.1%LiBrを含むDMSOに繊維要素形成材料を溶解させることによって行われる。次いで、繊維要素形成材料溶液を分離し、Waters Corporation製の3本のStyraGel HTカラムのセットにおいて、Waters Corporation製の分離モジュール2695e又は等価物を、Wyatt Technology製のレーザ光度計DAWN HELEOS、658nm又は等価物及びWaters Corporation製の屈折率検出器2414又は等価物と併用して分析する。酢酸デンプン試料の場合、当該試料を40℃の1N NaOH溶液で鹸化した。次いで、試料をMeOH中で沈殿させ、洗浄し、穏やかに乾燥させた。Mwはg/モルとして報告される。
【0427】
繊維要素形成材料混和性試験法
繊維要素形成材料、例えば天然ポリマー系繊維要素形成材料、例えば変性多糖、例えば変性デンプン、例えばアセチル化デンプン(酢酸デンプン)を95℃の脱イオン水中で加熱し、80℃に冷却して、繊維要素形成材料溶液を形成する。界面活性剤ペースト(固形分30%の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(sodium linear alkylbenzene sulfonate、NaLAS))を、界面活性剤対繊維要素形成材料の重量比2:1で繊維要素形成材料溶液に添加する。次いで、界面活性剤/繊維要素形成材料溶液を15分間撹拌し、その後、溶液を80℃のオーブン内に一晩入れる。次いで、溶液を15mLバイアルに入れ、目視検査を実施して、溶液が単一相(1相又は透明/相分離なし)を示し、この試験法に合格する(十分な混和性=好適)か、又は相分離が生じて(2相)、この試験法に合格しない(不十分な混和性=好適でない)かを判定する。
【0428】
溶解試験法
装置及び材料(図11図13も参照のこと):
600mLビーカー58
磁気撹拌器60(Labline型番1250又は等価物)
磁気撹拌ロッド62(5cm)
温度計(1~100℃+/-1℃)
打抜型--寸法3.8cm×3.2cmのステンレス鋼打抜型
タイマー(0~3,600秒又は1時間)、秒単位の精度。使用するタイマーは、試料が3,600秒を超える溶解時間を示す場合にも十分な合計時間測定範囲を有していなければならない。しかし、タイマーは、秒単位の精度を必要とする。
Polaroid 35mmのスライド台64(Polaroid Corporationから市販、又は等価物)-)
35mmのスライド台ホルダー66(又は等価物)
以下の特性を有するCincinnati市水道水又は等価物:合計硬度=155mg/L(CaCOとして);カルシウム含量=33.2mg/L;マグネシウム含量=17.5mg/L;ホスフェート含量=0.0462。
【0429】
試験プロトコル
23℃±1.0℃及び50%RH±2%の一定の温度及び湿度環境で少なくとも2時間、試料を平衡化する。本明細書に定義される坪量試験法を用いて、測定を行う繊維構造体試料の坪量を測定する。24×36mmの開口面積寸法を有する35mmのスライド台64内に収まるように、打抜ダイを使用して繊維構造体試料から3つの溶解試験の試験片を切り抜く(3.8cm×3.2cm)。各試験片を別々の35mmスライド台64に固定する。磁気撹拌ロッド62を600mLビーカー58に入れる。蛇口をひねって水道水(又は等価物)を出し、温度計で水温を測定し、必要に応じて、試験温度に維持するように温水又は冷水で調整する。試験温度は、15℃±1℃の水である。試験温度に到達したら、ビーカー58に15℃±1℃の水道水500mL±5mLを充填する。充填されたビーカー58を磁気撹拌器60上に置き、撹拌器62のスイッチを入れ、渦が発生し、かつ渦の底部がビーカー58の400mLの印に達するまで、撹拌速度を調整する。スライド台64の長端部70が水面と平行になるように、35mmスライド台64を35mmスライド台ホルダー66のワニクランプ68に固定する。ワニクランプ68が、スライド台64の長端部70の中央に位置していなければならない。ホルダー66の深さ調節器72は、深さ調節器72の底部とワニクランプ68の底部との間の距離が約11+/-0.125インチになるように設定しなければならない。この設置により、試料表面が水の流れと垂直に配置される。1回の動作で、固定されたスライド及びクランプを水中に下ろし、タイマーを起動させる。試料がビーカーの中心になるように試料を下ろす。不織布構造体が分断されると、崩壊が生じる。これを崩壊時間として記録する。目に見える不織布構造体が全てスライド台から離れたら、溶解していない不織布構造体の断片について溶液のモニタリングを続けながら、スライドを水から引き上げる。不織布構造体の断片が全てもはや水中に見えなくなったら、溶解が生じている。これを溶解時間として記録する。
【0430】
各試料の3つの複製物を試験し、平均崩壊時間及び平均溶解時間を記録する。平均崩壊時間及び平均溶解時間は、秒単位である。
【0431】
それぞれを、本明細書で定義する坪量法によって決定した試料坪量で除することによって、平均崩壊時間及び平均溶解時間を坪量で正規化する。坪量で正規化された崩壊時間及び溶解時間は、秒/試料のgsm(s/(g/m))の単位である。
【0432】
厚さ方法
各切断された試料がVIR Electronic Thickness Tester Model II(Thwing- Albert Instrument Company(Philadelphia,PA)から入手可能)のロードフット搭載面よりも大きなサイズになるように、繊維構造体試料から5つの試料を切り取ることによって、繊維構造体の厚さを測定する。典型的には、ロードフット搭載面は、約3.14平方インチの円形表面積を有する。試料を水平な平面とロードフット搭載面との間に固定する。ロードフット搭載面は、15.5g/cmの拘束圧を試料に加える。各試料の厚さは、平面とロードフット搭載面との間に生じるギャップである。厚さは、5つの試料の平均の厚さとして計算される。結果をミリメートル(mm)で報告する。
【0433】
剪断粘度試験方法
本発明のフィラメント形成組成物の剪断粘度は、キャピラリーレオメータである、Goettfert USA(Rock Hill SC,USA)で製造されたGoettfert Rheograph6000を使用して測定する。測定は、1.0mmの直径D及び30mmの長さL(すなわちL/D=30)を有するキャピラリーダイを使用して行う。レオメータの20mmのバレルの下端にダイを取り付け、75℃のダイ試験温度に保持する。ダイ試験温度に予め熱しておいたフィラメント形成組成物の60gの試料を、レオメータのバレル領域にロードする。試料から、閉じ込められた空気を全て取り除く。一連の選択された速度1,000~10,000秒-1で、試料をバレルからキャピラリーダイを通して押し出す。見かけの剪断粘度は、試料がバレルからキャピラリーダイを通って進むときに試料に生じる圧力低下及びキャピラリーダイを通る試料の流量から、レオメータのソフトウェアを用いて計算することができる。log(見かけの剪断粘度)をlog(剪断速度)に対してプロットすることができ、このプロットを式η=Kγn-1(式中、Kは材料の粘度定数であり、nは材料の減粘性指数であり、γは剪断速度である)に従って、指数法則で当てはめることができる。本明細書におけるフィラメント形成組成物の見かけの剪断粘度の報告値は、指数法則関係を用いて剪断速度3,000秒-1に対する補間から計算される。
【0434】
回転式レオメータ試験法
TA Instrumentsから市販されているAR-G2回転式レオメータ又は同様の装置を使用して、組成物の剪断粘度を測定する。直径40mm、角度2.007°、切頭ギャップ57mmのコーンプレート形状を、温度制御のためにペルチェプレートと共に使用した。25℃で10秒の滞留時間で0.1/s~100/sの段階流剪断速度を適用する。10/sでの剪断粘度を報告する。
【0435】
繊維要素組成試験方法
繊維要素組成測定用に繊維要素を調製するために、繊維要素の外面上に存在する任意の除去可能であるコーティング組成物及び/又は材料を除去することによって、繊維要素を調整する。それを実行する方法の例としては、繊維要素を変化させずに外部のコーティングを除去する好適な溶媒で、繊維要素を3回洗浄することである。その後、繊維要素の水分が10%未満となるまで、繊維要素を、温度23℃±1.0℃で空気乾燥させる。次に、調整した繊維要素の化学分析が、フィラメント形成材料及び活性剤に関する繊維要素の組成構成、並びに繊維要素中に存在するフィラメント形成材料及び活性剤のレベルを決定するよう実施される。
【0436】
繊維要素形成材料及び活性剤に関する組成構成はまた、TOF-SIMS又はSEMを使用して、断面解析を完了することによって決定されてもよい。繊維要素の組成構成を決定するための更に他の方法は、マーカーとして蛍光染料を使用する。更に、常として、繊維要素の製造者は自分達の繊維要素の組成を知っていなくてはならない。
【0437】
粒径分布試験方法
粒径分布試験は、粒子の特徴的なサイズを求めるために行われ、粒子は、別個の粒子であり得、気泡安定化剤被覆発泡性酸粒子又は気泡安定化剤被覆発泡性塩粒子、及び/又は、凝集体(例えば気泡安定化剤によって互いに結合された別個の粒子)であり得る。これは、分析に使用される篩サイズ及び篩時間のための更なる規格と共に、1989年5月26日に承認されたASTM D 502-89「Standard Test Method for Particle Size of Soaps and Other Detergents」を使用して実施される。第7節「Procedure using machine-sieving method」に従って、本明細書で言及される粒径の範囲を網羅するために、米国標準(ASTM E 11)篩#4(4.75mm)、#6(3.35mm)、#8(2.36mm)、#12(1.7mm)、#16(1.18mm)、#20(850マイクロメートル)、#30(600マイクロメートル)、#40(425マイクロメートル)、#50(300マイクロメートル)、#70(212マイクロメートル)、#100(150マイクロメートル)、#170(90マイクロメートル)、#325(44マイクロメートル)及びパンを含む清潔な乾燥した篩の入れ子を必要とする。規定された機械篩い法が、上記の入れ子状の篩と共に使用される。好適な篩振盪機は、W.S.Tyler Company(Ohio、U.S.A.)から入手することができる。篩振盪試験試料は約100グラムであり、5分間振盪される。
【0438】
データは、対数横座標にプロットされた各篩のマイクロメートルサイズ開口部を有する片対数プロット上にプロットされ、より細かい累積質量パーセント(cumulative mass percent finer、CMPF)は、線形縦座標にプロットされる。上記データ表現の例は、ISO 9276-1:1998、「Representation of results of particle size analysis-Part 1:Graphical Representation」の図A.4に記載されている。特徴的な粒径(Dx、x=10、50、90)は、この発明の目的のために、累積質量パーセントがxパーセントと等しい点における横座標値として定義され、次式:
Dx=10^[Log(Da)-(Log(Da)-Log(Db))×(Qa-x%)/(Qa-Qb)]
[式中、Logは、10を底とする対数であり、Qa及びQbは、それぞれx百分位数の直上及び直下の測定データの累積質量百分位数の値であり、Da及びDbは、これらデータに対応するマイクロメートル篩サイズの値である]を使用してx値の直上(a)及び直下(b)のデータ点間の直線補間によって計算される。
【0439】
例のデータ及び計算:
【0440】
【表7】
【0441】
D10(x=10)の場合、CMPFが10%の直上であるマイクロメートルスクリーンサイズ(Da)は300マイクロメートルであり、直下のスクリーンサイズ(Db)は212マイクロメートルである。10%の直上の累積質量(Qa)は15.2%であり、直下(Qb)は6.8%である。D10=10^[Log(300)-(Log(300)-Log(212))×(15.2%-10%)/(15.2%-6.8%)]=242マイクロメートル。
【0442】
D90(x=90)の場合、CMPFが90%の直上であるマイクロメートルスクリーンサイズ(Da)は1180マイクロメートルであり、直下のスクリーン(Db)は850マイクロメートルである。90%の直上の累積質量(Qa)は99.3%であり、直下(Qb)は89.0%である。D90=10^[Log(1180)-(Log(1180)-Log(850))×(99.3%-90%)/(99.3%-89.0%)]=878マイクロメートル。
【0443】
D50(x=50)の場合、CMPFが50%の直上であるマイクロメートルスクリーンサイズ(Da)は600マイクロメートルであり、直下のスクリーン(Db)は425マイクロメートルである。50%の直上の累積質量(Qa)は60.3%であり、直下(Qb)は32.4%である。D50=10^[Log(600)-(Log(600)-Log(425))×(60.3%-50%)/(60.3%-32.4%)]=528マイクロメートル。
【0444】
Fedors法
天然ポリマー系繊維要素形成材料、例えば変性多糖、例えば変性デンプン、例えば酢酸デンプンの溶解度パラメータ数は、Fedors法を使用して算出される。
【0445】
以下は、様々な繊維要素形成材料の溶解度パラメータ数の計算の例である。
【0446】
溶解度パラメータは、Fedors法における式1から算出することができる(ここでは式1として繰り返す)。
(Fedors式1)式1:
【0447】
【数7】
ΔE及びVの値は、ここではそれぞれ式2及び式3として繰り返されるFedors法における式24及び式25を使用して算出することができる。
(Fedors式24)式2:
ΔE=ΣΔe
(Fedors式25)式3:
V=ΣΔv
以下の値を使用する。
Δe
及び
Δv
Fedors法の表5から、原子及び基の寄与は、ポリマー末端基を無視して所望のポリマー(例えば、変性多糖)のホモポリマー繰り返し単位構造を使用して合計される。これらのポリマーは全て25℃を超えるガラス転移温度を有するので、主鎖骨格原子の数(n)を数えることによるモル体積の補正が必要である(Fedors法の式26を参照)。次に、n<3の場合、Δv=4nへの補正を使用する。変性多糖については、6原子環式環構造は、モル体積補正(Δv=2nを使用、n≧3であるので)及び5個以上の原子についての閉環調整(Fedors法の表5を参照されたい)の両方を必要とする。
【0448】
ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、デンプン、及び酢酸デンプン(DS=1)について、この計算の例を示す。
【0449】
【表8】
【0450】
【表9】
【0451】
【表10】
【0452】
【表11】
【0453】
コポリマー溶解度パラメータは、式4に示すように、モル分率加重ホモポリマー溶解度パラメータを合計することによって算出される。
式4:
δコポリマー=Xδ+Xδ
(式中、X及びδは、それぞれホモポリマーAのモル分率及びホモポリマー溶解度パラメータであり、X及びδは、モル分率の合計が1に等しくなるように、それぞれホモポリマーBのモル分率及びホモポリマー溶解度パラメータである)。追加のターモノマーが添加された場合、全てのモル分率の合計が1に等しくなるように、モル分率及びホモポリマー溶解度パラメータについての追加の項が式に加えられる。
【0454】
【表12】
【0455】
電荷密度試験方法
繊維要素中の繊維要素形成材料、例えば天然ポリマー系繊維要素形成材料が同定されているか又は既知である場合、繊維要素形成材料の電荷密度は、BTGから入手可能なMutek PCD-04粒子電荷検出器又は同等の機器を使用することによって求めることができる。BTGによって提供される以下のガイドラインを使用する。明らかに、繊維要素形成材料を含む繊維要素の製造者は、どの繊維要素形成材料がその繊維要素に含まれているかを理解している。したがって、このような繊維要素の製造者は、繊維要素形成材料の電荷密度を求めることができる。
【0456】
1.0.1%溶液(0.1gの繊維要素形成材料+99.9gの脱イオン水)から開始する。滴定剤の消費量に応じて、繊維要素形成材料の含有量を増加又は減少させる。多くの添加剤の電荷密度が溶液pHに依存するため、溶液pHは、最終希釈前に調整される。ここでは4.5のpHを使用する。
2.20mLの試料をPCD測定セルに入れ、ピストンを挿入する。
3.測定セルをピストンで押してPCD内にサンプリングし、電極は裏面に面している。裏面に触れるまで、ガイドに沿ってセルをスライドさせる。
4.ピストンを上方に引き、反時計方向に回転させて、ピストンを定位置にロックする。
5.モータのスイッチをオンにする。ストリーミング電位は、タッチパネル上に示される。信号が安定するまで2分待つ。
6.逆に帯電した滴定剤を使用する(例えば、正のストリーミング電位を有するカチオン性試料について:アニオン性滴定剤を使用する)。滴定剤は、BTGから入手可能で、0.001N PVSK又は0.001N PolyDADMACからなる。
7.BTGから入手可能な自動滴定装置を利用する。適切な滴定剤を選択した後、滴定装置を設定し、10mLを分配することによって管をすすぎ、全ての気泡がパージされたことを確実にする(insuring)。
8.試料の表面の下に管先端を配置し、滴定を開始する。電位が0mVに達したときに自動的に停止するように、自動滴定装置を設定する。
9.滴定剤の消費量を記録する。理想的には、滴定剤の消費量は、0.2mL~10mLであるべきであり、そうでなければ、繊維要素形成材料の含有量を減少又は増加させる。
10.繊維要素形成材料試料の第2の20mLアリコートの滴定を繰り返す。
11.電荷要求量(溶液)又は電荷要求量(固体)を算出する;
【0457】
【数8】
【0458】
繊維要素形成材料の電荷密度(電荷要求量)は、meq/g単位で報告される。
【0459】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示されない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0460】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することが明言されない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いずれの文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいずれの発明に対する先行技術であるとみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないずれの発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語のいずれの意味又は定義も、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0461】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2023-11-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の繊維要素と、1種または複数種の活性剤とを含む繊維構造体であって、
前記複数の繊維要素が、1種または複数種の繊維要素形成材料を含み、
前記1種または複数種の繊維要素形成材料の少なくとも1種は、変性多糖を含み、
前記1種または複数種の活性剤は、界面活性剤を含み、
前記界面活性剤および前記変性多糖は、0.15:1~6:1の重量比で前記複数の繊維要素内に存在する
ことを特徴とする繊維構造体。
【請求項2】
前記複数の繊維要素が、複数のフィラメントを含むことを特徴とする、請求項1に記載の繊維構造体。
【請求項3】
前記変性多糖が、Fedors法に従って測定したときに、14.00超~16.25未満の溶解度パラメータを有することを特徴とする、請求項1に記載の繊維構造体。
【請求項4】
前記変性多糖が、重量平均分子量試験方法に従って測定したときに、50,000g/モル超~40,000,000g/モル未満の重量平均分子量を呈することを特徴とする、請求項1に記載の繊維構造体。
【請求項5】
前記変性多糖が、非イオン性変性多糖であることを特徴とする請求項1に記載の繊維構造体。
【請求項6】
前記変性多糖が、アセチル置換多糖であることを特徴とする請求項1に記載の繊維構造体。
【請求項7】
前記アセチル置換多糖が少なくとも0.3~1.0の置換度(DS)を呈することを特徴とする、請求項6に記載の繊維構造体。
【請求項8】
前記変性多糖が、デンプンに由来することを特徴とする、請求項1に記載の繊維構造体。
【請求項9】
前記複数の繊維要素が、乾燥繊維要素の80重量%未満の総濃度の前記変性多糖と、乾燥繊維要素の20重量%超の総濃度の前記界面活性剤とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の繊維構造体。
【請求項10】
前記変性多糖および前記界面活性剤が、1以下の変性多糖対界面活性剤の重量比で前記乾燥繊維要素中に存在することを特徴とする、請求項1に記載の繊維構造体。
【請求項11】
前記1種または複数種の活性剤が、スキンケア活性剤、薬剤、ローション、布地ケア活性剤、食器洗浄活性剤、カーペットケア活性剤、表面ケア活性剤、ヘアケア活性剤、空気ケア活性剤、歯ケア活性剤、およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの追加の非界面活性の活性剤をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の繊維構造体。
【請求項12】
前記変性多糖は、OECD 301B易生分解性CO発生試験法によって求められる際に、試験期間の28日目において少なくとも5%の生分解性を呈することを特徴とする、請求項1に記載の繊維構造体。
【請求項13】
請求項1に記載の1つまたは複数の繊維構造体を含むことを特徴とするパッケージ。
【請求項14】
請求項1に記載の繊維構造体を作製する方法であって、
a.変性多糖と、1種または複数種の活性剤を含む、1種または複数種の繊維要素形成材料を含む繊維要素形成組成物を提供する工程であって、前記活性剤の少なくとも1種は界面活性剤を含み、前記界面活性剤および前記変性多糖が、0.15:1~6:1の重量比で前記繊維要素形成組成物内に存在する、工程と、
b.前記繊維要素形成組成物を、前記変性多糖及び前記界面活性剤を含む複数の繊維要素に紡糸する工程と、
c.前記複数の繊維要素を収集して繊維構造体を形成する工程と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
極性溶媒と、1種または複数種の繊維要素形成材料とを含む繊維要素形成組成物であって、
前記1種または複数種の繊維要素形成材料の少なくとも1種は、変性多糖と、1種または複数種の活性剤とを含み、
前記1種または複数種の活性剤は、界面活性剤を含み、
前記界面活性剤および前記変性多糖は、0.15:1~6:1の重量比で繊維要素形成組成物内に存在する
ことを特徴とする繊維要素形成組成物。
【請求項16】
前記極性溶媒は水であることを特徴とする請求項15に記載の繊維要素形成組成物。
【請求項17】
前記変性多糖は、変性デンプンを含むことを特徴とする請求項16に記載の繊維要素形成組成物。
【請求項18】
前記変性デンプンは、アセチル化デンプンを含むことを特徴とする請求項17に記載の繊維要素形成組成物。
【請求項19】
前記1種または複数種の活性剤は、追加の非界面活性の活性剤をさらに含み、前記追加の活性剤は、スキンケア活性剤、薬剤、ローション、布地ケア活性剤、食器洗浄活性剤、カーペットケア活性剤、表面ケア活性剤、ヘアケア活性剤、空気ケア活性剤、歯ケア活性剤、およびこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項15に記載の繊維要素形成組成物。
【請求項20】
1種または複数種の繊維要素形成材料を含む繊維要素であって、
前記繊維要素形成材料は、0.3~1.0の置換度(DS)、および約50,000g/モル~250,000g/モルの重量平均分子量を有するアセチル化デンプンを含み、
前記繊維要素は、直鎖アルキルベンゾエートおよび硫酸アルキルサルフェートを含む界面活性剤混合物を含み、
水性組成物は、約0.5:1~約2:1の重量比で、前記界面活性剤混合物および前記アセチル化デンプンを含み、
水性組成物は、約55重量%から約85重量%の水をさらに含む
ことを特徴とする繊維要素。
【国際調査報告】