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特表2024-518111少なくとも1つのバネ式クランプ接続部を備えた導体接続端子
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-24
(54)【発明の名称】少なくとも1つのバネ式クランプ接続部を備えた導体接続端子
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/48 20060101AFI20240417BHJP
【FI】
H01R4/48 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571147
(86)(22)【出願日】2022-05-17
(85)【翻訳文提出日】2024-01-09
(86)【国際出願番号】 EP2022063286
(87)【国際公開番号】W WO2022243292
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】102021112960.5
(32)【優先日】2021-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511051753
【氏名又は名称】ヴァーゴ・フェアヴァルトゥングスゲゼルシャフト・エムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100137039
【弁理士】
【氏名又は名称】田上 靖子
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー,ミヒャエル
(57)【要約】
本発明は、クランプバネ及びクランプバネに関連付けられたバスバー区域を有し、クランプバネとバスバー区域の間に電気導体をクランプするためのクランプ位置が形成される、バネ力によって電気導体を接続するための少なくとも1つのバネ式クランプ接続部と、バネ式クランプ接続部に関連付けられた、クランプバネを作動させるための旋回可能な作動レバーと、を備え、作動レバーが、少なくとも1つの支持要素を有し、支持要素がバスバー区域に向けられた支持面を有し、この支持面によって作動レバーがバスバー区域の支持領域に支持されている、導体接続端子に関する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バネ力によって電気導体を接続するための少なくとも1つのバネ式クランプ接続部を備える導体接続端子であって、前記バネ式クランプ接続部は、
クランプバネ(4)及び前記クランプバネ(4)に関連付けられたバスバー区域(37)を有し、前記クランプバネ(4)と前記バスバー区域(37)の間に前記電気導体を接続するためのクランプ位置が形成されており、
前記導体接続端子は、さらに、前記クランプバネ(4)を作動させるために前記バネ式クランプ接続部に関連付けられた、旋回可能な作動レバー(5)を備えており、前記作動レバー(5)は、少なくとも1つの支持要素(51)を有し、前記支持要素(51)は、前記バスバー区域(37)に向けられた支持面(54)を含み、前記支持面(54)を介して、前記作動レバー(5)が前記バスバー区域(37)の支持領域(36)で支持されており、前記バスバー区域(37)の前記支持領域(36)が、前記バスバー区域(37)の窪みとして形成されており、前記窪みが、前記バスバー区域(37)の隣接する平坦な領域(32)に対して樋形または溝形の窪みを形成する、導体接続端子(1)。
【請求項2】
前記バスバー区域(37)の前記窪みの深さが、前記バスバー区域(37)に形成された前記クランプ位置に対して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の導体接続端子。
【請求項3】
前記バスバー区域(37)の前記窪みが、前記バスバー区域の材料厚の少なくとも20%である深さを有することを特徴とする請求項1または2に記載の導体接続端子。
【請求項4】
前記導体接続端子(1)は、複数のバネ式クランプ接続部が互いに隣り合って配置される多極導体接続端子として形成されており、
前記バネ式クランプ接続部の各々が、クランプバネ(4)及び前記クランプバネ(4)に関連付けられたバスバー区域(37)を有し、作動レバー(5)が、各バネ式クランプ接続部に関連付けられており、前記バスバー区域(37)は、連続したバスバー(3)の部分であり、前記バスバー区域(37)の窪みとして形成された前記支持領域(36)は、作動レバー(5)の支持要素(51)から、少なくとも、直接隣接する作動レバー(5)の支持要素(51)まで連続して延在するか、または、複数のもしくはすべてのバネ式クランプ接続部の前記バスバー区域(37)にわたって連続して延在することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の導体接続端子。
【請求項5】
前記バスバー区域(37)の窪みとして形成された前記支持領域(36)が、少なくとも部分的に、少なくとも1つのクランプ位置において、別の輪郭部またはクランプ形状部(34)によって中断されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の導体接続端子。
【請求項6】
前記バスバー区域(37)の窪みとして形成された前記支持領域(36)において、前記作動レバー(5)が、関連付けられた前記バネ式クランプ接続部の導体差込方向(L)を横切る方向に延びる回転軸(D)を中心として、旋回可能であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の導体接続端子。
【請求項7】
前記バスバー区域(37)が、前記電気導体を接続するためのクランプ縁(35)を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の導体接続端子。
【請求項8】
前記バスバー区域(37)の前記クランプ縁(35)は、前記導体差込方向(L)において、前記バスバー区域(37)の窪みとして形成された前記支持領域(36)の隣または後ろ側に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の導体接続端子。
【請求項9】
前記バスバー区域(37)の前記クランプ縁(35)は、前記バスバー区域(37)に型押しされた窪み(34)の境界縁として形成されていることを特徴とする請求項7または8に記載の導体接続端子。
【請求項10】
前記バスバー区域(37)に型押しされた前記窪み(34)の長さは、前記導体差込方向(L)に見たとき、前記バスバー区域(37)の窪みとして形成された前記支持領域(36)の長さより小さいことを特徴とする請求項9に記載の導体接続端子。
【請求項11】
前記作動レバー(5)が、2つの互いから離隔して平行に配置された支持要素(51)を有し、前記支持要素(51)の各々が、前記バスバー区域(37)に向けられた支持面(54)を有し、前記支持面(54)を介して、前記作動レバー(5)が前記バスバー区域(37)の前記支持領域(36)で支持されていることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の導体接続端子。
【請求項12】
前記バスバー区域(37)の窪みとして形成された前記支持領域(36)が、作動レバー(5)の支持要素(51)から、少なくとも、直接隣接する作動レバー(5)の最も近い支持要素(51)まで、連続して延びていることを特徴とする請求項11に記載の導体接続端子。
【請求項13】
前記バネ式クランプ接続部に接続される前記電気導体を収容するための収容空間(58)が、作動レバー(5)の前記支持要素(51)の間に形成されることを特徴とする請求項11または12に記載の導体接続端子。
【請求項14】
前記クランプバネ(4)の少なくとも一部、または前記クランプバネ(4)のクランプ脚部(43)の主な部分が、作動レバー(5)の前記支持要素(51)間の領域に配置されていることを特徴とする請求項11から13のいずれか一項に記載の導体接続端子。
【請求項15】
前記作動レバー(5)が、2つの互いから離隔した側壁区域(52)を有し、前記側壁区域(52)は、少なくとも部分的に前記導体接続端子(1)のハウジング(2)内に進入しており、前記側壁区域(52)の各々は、横方向ウェブを介して前記支持要素(51)のうちの1つと接続されていることを特徴とする請求項11から14のいずれか一項に記載の導体接続端子。
【請求項16】
前記支持要素(51)が回転軸(D)を形成し、前記回転軸(D)を中心として前記作動レバー(5)が旋回可能に前記ハウジング(2)内で支持されており、
前記支持要素(51)が作動区域(53)を有し、
前記作動レバー(5)が、閉位置、すなわち、前記作動レバー(5)がその横方向ウェブ(59)と共にハウジング(2)の方向に旋回され、前記バネ式クランプ接続部により形成されるクランプ位置が電気導体を接続するように閉じられる閉位置から、開位置、すなわち、前記作動レバー(5)がその横方向ウェブ(59)と共に前記ハウジング(2)から離れる方向に旋回され、前記バネ式クランプ接続部により形成されるクランプ位置が電気導体を接続するために開かれる開位置まで旋回するときに、前記作動区域(53)の各々が、バネ式クランプ接続部の関連付けられたクランプバネ(4)に突き当たるように構成されていることを特徴とする請求項15に記載の導体接続端子。
【請求項17】
前記支持要素(51)の前記作動区域(53)は、互いから前記側壁区域(52)の間隔より小さい間隔をおいて配置されており、前記作動区域(53)は、少なくとも1つの案内スリットが作動区域とこれに関連付けられる直接隣接する側壁区域(52)との間に存在するように、前記側壁区域(52)に対して平行に延びておりかつ前記側壁区域(52)に一体的に形成されていることを特徴とする請求項16に記載の導体接続端子。
【請求項18】
旋回支持領域内の回転軸(D)を中心とした旋回運動の間に前記作動レバー(5)を案内するために、前記ハウジング(2)の案内ウェブが、これに関連付けられた案内スリット(57)内に進入することを特徴とする請求項17に記載の導体接続端子。
【請求項19】
前記作動区域(53)が、前記作動区域(53)の中心に向けて突出する肩部を形成する切抜部(56)を含む部分的に円形の外周を有し、前記少なくとも1つのバネ式クランプ接続部が、作動片を含むクランプバネ(4)を有し、前記クランプバネ(4)の前記作動片は、前記クランプ位置を開くために前記作動レバー(5)が旋回されたとき、前記肩部に支持されることを特徴とする請求項16から18のいずれか一項に記載の導体接続端子。
【請求項20】
前記バスバー区域(37)の前記支持領域(36)が、凹状に湾曲した形状を有することを特徴とする請求項1から19のいずれか一項に記載の導体接続端子。
【請求項21】
前記支持領域(36)の前記凹状に湾曲した形状は、その湾曲した輪郭に関し、前記支持面(54)の凸状に湾曲した形状の湾曲した輪郭に適合されていることを特徴とする請求項20に記載の導体接続端子。
【請求項22】
前記バスバー区域(37)の前記窪みが、少なくとも1つの側において、隣接する前記バスバー区域(37)の隆起した領域に、段状に移行し、かつ/または、少なくとも1つの側において、隣接する前記バスバー区域(37)の隆起した領域に、段差なく移行することを特徴とする請求項1から21のいずれか一項に記載の導体接続端子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バネ力によって電気導体を接続するための少なくとも1つのバネ式クランプ接続部を備える導体接続端子であって、クランプバネ及びクランプバネに関連付けられたバスバー区域を有し、クランプバネとバスバー区域の間に電気導体を接続するためのクランプ位置が形成されており、さらに、バネ式クランプ接続部に関連付けられた、クランプバネを作動させるための旋回可能な作動レバーを備え、作動レバーは少なくとも1つの支持要素を有し、支持要素がバスバー区域に向けられた支持面を含み、この支持面を介して作動レバーがバスバー区域の支持領域で支持されている、導体接続端子に関する。
【背景技術】
【0002】
このような導体接続端子は、例えばEP3111513B1から知られている。このような導体接続端子は、とりわけ複数のバネ式クランプ接続部で形成することができ、これらのバネ式クランプ接続部が、相互に電気接続されることでコネクタ端子を形成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の基礎となる課題は、このような導体接続端子をさらに改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、冒頭に挙げた種類の導体接続端子では、バスバー区域の支持領域が、凹状に湾曲した形状を有することによって解決される。電気導体を接続するためのクランプ位置が形成されているバスバー区域内に、支持領域が存在している。したがって支持領域は、バスバー区域のうち作動レバーの支持面に向き合う(換言すれば、面する)領域であり、この支持領域に沿って、作動レバーが旋回運動時に滑動し得る。支持領域は、バスバー区域のうちクランプ位置も存在する側、つまり電気導体が支持およびクランプされる側に存在する。本発明により、小さな導体断面のための、どのみち既に非常に小さな寸法を有する導体接続端子の場合にとりわけ、導体接続端子のさらなる小型化が可能である。支持領域の凹状に湾曲した形状により、導体接続端子の全体の設置高さが小さくなり得る。加えて作動レバーの支持が改善され、かつ旋回時に発生する摩耗が最小限に抑えられる。これに関し、支持要素が、バスバー区域に向けられた凸状に湾曲した形状を有する支持面を含む場合が有利である。
【0005】
バスバー区域またはバスバーは、支持領域に直接隣接する領域では主に平坦に形成され得る。バスバー区域の法線は、作動レバーの回転軸に主に垂直に延在し得る。バスバー区域は、支持領域と、クランプ位置またはクランプ位置を取り囲む導体案内部との間が連続してよく、すなわち、段差なく、つまりスリットおよび/または打抜き縁部なく連続であってよい。
【0006】
本発明のさらなる1つの態様では、冒頭で挙げた課題が、バスバー区域の支持領域がバスバー区域の窪みとして形成されており、この窪みが、バスバー区域の隣接する平坦な領域に対して樋形または溝形の窪みを形成することによって解決される。これによっても導体接続端子のさらなる小型化が可能である。これにより、導体接続端子の設置高さがさらに小さくなり得る。とりわけ、この窪みがバスバーの型押し部として形成され、この型押し部が、支持領域の反対側においてバスバーの突出部となっている場合、導体接続端子のハウジング内で、利用可能であるがこれまで未使用であった、バスバーより下の領域が利用され得る。加えて本発明は、撚り線導体の個々の撚り線が、作動要素の支持面とバスバー区域の支持領域との間でクランプされ得るおそれが少なくとも低減されるという利点を提供し、なぜなら撚り線は基本的に支持領域より高い支持面で支持されるからである。
【0007】
バスバー区域のうち上で言及した隣接する平坦な領域の1つとして、例えば導体接触領域が存在してよく、この導体接触領域にはクランプ位置で接続されるべき電気導体が配置されてバスバー区域の表面に載置される。このような導体接触領域を、平坦な表面によって形成し得る。導体接触領域は、例えば、窪みとして形成された2つの隣接する支持領域の間に配置でき、これらの支持領域はそれぞれ、樋形または溝形の窪みを形成する。
【0008】
本発明のこの両方の態様は、バスバー区域の窪みが、凹状に湾曲した形状を有するので、有利に相互に組み合わせることもできる。しかし、バスバー区域の窪みが、平坦なまたは凸状に湾曲した形状を有することも可能である。
【0009】
バスバー区域の窪みは、例えば、バスバー区域に形成されるクランプ位置に対して窪んでいることができる。その際、バスバー区域の窪みは、バスバー区域の材料厚の少なくとも20%の深さを有し得る。支持領域の間で、バスバーは、導体の幅全体にわたって窪みより高いことができ、つまり作動レバーの回転軸のより近くまで延在し得る。窪みの最大寸法(長さ)は、導体挿入方向に平行に延在し得る。例えばベアリングプレートの形態での、作動レバーの支持要素は、バスバーの窪みによって軸方向にも案内され得る。これに関しバスバー区域の窪みは、作動レバーの支持要素の、支持面の領域での曲率半径の少なくとも3%または少なくとも5%の深さを有し得る。バスバー区域の窪みは、作動レバーの支持要素の、支持面の領域での曲率半径の最大で15%または最大で20%の深さを有し得る。
【0010】
さらに本発明により、作動レバーの構成に応じて、とりわけ旋回時の、つまり開くまたは閉じる際の、作動レバーの支持部の負荷が軽減され得る。
本発明により、作動レバーはバスバー区域により良好に嵌まり、全体的によりバスバー区域の近くで変位され得る。
【0011】
全体として本発明は、空間距離および沿面距離が拡大された、平坦な構造のハウジングを備えた導体接続端子を可能にする。支持領域内の作動レバーの支持面が拡大され得る。作動レバーは、全体としてよりロバスト性を有し得る。本発明は、作動レバーによる、とりわけバスバーへのかなり大きな作動力の伝達または吸収を可能にする。
【0012】
本発明のさらなる1つの態様では、冒頭に挙げた課題が、ハウジングに挿入される探針で電気接触可能な少なくとも1つの検査片がバスバーに配置されることによって解決される。検査片は、導体挿入方向(L)に見て、例えば隣り合うバネ式クランプ接続部の間に配置でき、これによっても窪んだ支持領域の場合と同様に、平坦な構造形式が促進される。検査片は、角度の付いた検査片として形成され得る。ハウジングは、探針を挿入できる検査口を有し得る。ハウジングは検査路を有することができ、この検査路内に検査片が突き出ており、この場合、検査路に通して挿入した探針で検査片に電気接触可能である。
【0013】
検査片は、バスバーと一体的に成形でき、またはバスバーに固定された別の部品として形成できる。バスバーが例えば以下でさらに解説するような保持枠を有する場合、このような検査片は、例えば隣り合う保持枠の間に配置され得る。その際、検査片は、保持枠の間に直接配置する必要はなく、導体挿入方向にずらして保持枠の間に配置され得る。検査片は、バスバーの平坦な領域に対して角度の付いた区域を、クランプ位置が整列する方向に垂直に、例えば保持枠に主に平行に方向づけ得る。探針として、電機検査用の市販の探針が使用され得る。スクリュードライバーのブレードが検査手段として用いられてもよい。
【0014】
本発明の有利な一形態によれば、支持領域の凹状に湾曲した形状は、その湾曲輪郭に関し、支持面の凸状に湾曲した形状の湾曲輪郭に適合されていることが企図されている。これは、バスバー区域の支持領域に作動レバーが特に良好に嵌まることを可能にする。作動レバーの支持面は、例えばアーチ状の、凸状に湾曲した形状を有し得る。支持領域は、アーチ状の、凹状に湾曲した形状を有し得る。凹状に湾曲した形状の曲率半径は、湾曲輪郭全体にわたって一定であってよく、または異なっていてよい。有利な一形態では、支持領域の凹状に湾曲した形状の曲率半径は、あらゆる箇所で、支持面の凸状に湾曲した形状の曲率半径と少なくとも同じ大きさであり得る。例えば、凹状に湾曲した輪郭の曲率半径は、あらゆる箇所で、支持面の凸状に湾曲した形状の曲率半径より少なくとも10%または少なくとも20%大きいことができる。支持領域の凹状に湾曲した形状の、湾曲した輪郭にわたって平均した曲率半径も、支持面の凸状に湾曲した形状の、湾曲した輪郭にわたって平均した曲率半径より例えば少なくとも10%または少なくとも20%大きいことができる。
【0015】
これにより、旋回運動時の作動レバーに、凹状に湾曲した形状内でのある程度の遊びが可能になる。作動レバーの旋回運動の回転軸は、旋回運動中ずっと固定されている回転軸または少なくとも少し変化する回転軸であり得る。
【0016】
導体接続端子は、単極または多極の導体接続端子として形成され得る。導体接続端子は、差込コネクタとして、または電気差込コネクタの一部としても形成され得る。この場合には、差込コネクタが1つまたは複数の電気差込接点を有する。このときバネ式クランプ接続部は、少なくとも1つの差込接点と電気接続されている。
【0017】
本発明による導体接続端子では、1つの支持要素またはその支持面に、バスバー区域のうち対応する凹状に湾曲したおよび/または窪んだ1つの支持領域を関連付けることができ、支持領域はその幅に関し、支持面の領域での支持要素の幅に実質的に(公差を除いて)対応する。従って、支持領域内の凹状に湾曲した形状および/またはバスバー区域の窪みとして形成された支持領域は、それぞれバネ式クランプ接続部内への電気導体の導体差込方向に見た長さよりその幅が小さい比較的細長い溝として形成され得る。
【0018】
多極の導体接続端子では、これらのバネ式クランプ接続部の個々のバスバー区域が、連続したバスバーの部分であり得る。この連続したバスバーは、一体的に1つの金属部品から成形することができ、または複数の部分に分かれており、複数の金属部品から、例えば形状嵌合式、力嵌合式、および/もしくは一体接合式の接続によって組み立てられ得る。
【0019】
本発明の有利な一形態によれば、導体接続端子が多極の導体接続端子として形成されており、多極の導体接続端子では、複数のバネ式クランプ接続部が隣り合ってまたは向かい合っても配置されており、これらのバネ式クランプ接続部はそれぞれクランプバネとこのクランプバネに関連付けられたバスバー区域とを有し、各バネ式クランプ接続部に作動レバーが関連付けられており、バスバー区域は、連続したバスバーの部分であり、かつ支持領域の凹状に湾曲した形状および/またはバスバー区域の窪みとして形成された支持領域は、作動レバーの支持要素から、少なくとも、直接隣接する作動レバーの支持要素まで連続して延在するか、または複数のもしくはすべてのバネ式クランプ接続部のバスバー区域にわたって連続して延びている。これは、導入すべき凹状に湾曲した形状および/または窪みの総数が減少し、これらの幅が増すので、凹状に湾曲した形状および/または窪みを有するバスバーの製造が簡略化されるという利点を有する。例えば、支持領域の凹状に湾曲した形状および/またはバスバー区域の窪みとして形成された支持領域は、作動レバーの支持要素から、直接隣接する作動レバーの支持要素までのみ延びており、これを越えないように形成され得る。この場合、そのような凹状に湾曲した形状および/または窪みの間に間隙が生じ、この間隙が、他の機能を目的として、例えば電気導体のためのクランプ位置を形成するために相応に適合され得ることが有利である。
【0020】
本発明の有利な一形態によれば、連続して延びている、支持領域の凹状に湾曲した形状および/またはバスバー区域の窪みとして形成された支持領域が、少なくともクランプ位置において、別の輪郭部、とりわけクランプ形状部により、少なくとも部分的に中断されていることが企図されている。これは、凹状に湾曲した支持領域および/または窪みを有するバスバー区域の形態にかかわらず、クランプ位置が、電気導体の接続のために特に有利に形成され得るという利点を有する。
【0021】
本発明の有利な一形態によれば、凹状に湾曲した形状および/または窪みにおいて、作動レバーが、関連付けられたバネ式クランプ接続部の導体差込方向を横切る方向に延びる回転軸(D)を中心として、旋回可能であることが企図されている。この場合、凹状に湾曲した形状のアーチまたはこのアーチの中心軸は、導体差込方向を横切っておよび/または回転軸に平行に方向づけられている。
【0022】
本発明の有利な一形態によれば、バスバー区域が、電気導体を接続するためのクランプ縁を有することが企図されている。これは、バスバー区域への電気導体の特に確実な接続を可能にする。バスバー区域のクランプ縁は、接続される電気導体の材料にわずかに埋め込まれ得る比較的縁の鋭い箇所として形成され得る。
【0023】
バネ式クランプ接続部のクランプバネはクランプ脚部を有することができ、このクランプ脚部も自由端にクランプ縁を有し得る。これにより、クランプ脚部における電気導体のクランプもより信頼性が高くなる。
【0024】
本発明の有利な一形態によれば、バスバー区域のクランプ縁が、導体差込方向において、支持領域の凹アーチ状の形状および/またはバスバー区域の窪みとして形成された支持領域の隣または後ろ側に配置されていることが企図されている。こうすることで導体接続端子が、導体差込方向においても特にコンパクトな設計になり得る。
【0025】
バスバー区域のこのようなクランプ縁の存在とは別に、バスバー区域において電気導体を接続するためのクランプ位置が、導体差込方向において、支持領域の凹アーチ状の形状および/またはバスバー区域の窪みとして形成された支持領域の隣または後ろ側に配置されている場合が有利である。こうすることでも、導体接続端子が、導体差込方向に特にコンパクトな設計になり得る。
【0026】
本発明の有利な一形態によれば、クランプ縁が、バスバー区域に型押しされた窪みの境界縁として形成されている。こうすることでバスバー区域のクランプ縁が、製造技術的に簡単なやり方で、バスバー区域の材料を著しく弱めることなくまたは損傷することなく製造され得る。この窪みは、例えば屈曲した断面形状を有することができ、とりわけ支持領域のような湾曲した形状を有さなくてよい。
【0027】
本発明の有利な一形態によれば、導体差込方向に見て、バスバー区域に型押しされたこの窪みの長さは、支持領域の凹アーチ状の形状および/またはバスバー区域の窪みとして形成された支持領域の長さより小さいことが企図されている。
【0028】
本発明の有利な一形態によれば、作動レバーが、2つの互いから離隔して平行に配置された支持要素を有し、これらの支持要素の各々が、バスバー区域に向けられた、例えば凸状に湾曲した形状を有する支持面を含み、この支持面を介して、作動レバーがバスバー区域の支持領域で支持されている。これにより作動レバーはバスバー区域に確実に支持される。この作動レバーは、非常に小さな構造の導体接続端子でも、比較的ロバスト性を有し得ることで、高い作動力をクランプバネに伝達し得る。その代わりに、例えば作動レバーが、隣り合って配置された2つのクランプバネを同時に作動するために使用された場合、2つより多くの互いから離隔して平行に配置された支持要素も存在し得る。
【0029】
本発明の有利な一形態によれば、電気導体のクランプ位置が、および/またはバスバー区域のクランプ縁が存在する場合にはこのクランプ縁が、2つの互いから離隔して平行に配置された支持要素の間に生じた空間に配置されていることが企図されている。これにより、支持要素間の空間が電気導体の配置に利用され得る。これにより導体接続端子が特にコンパクトになり得る。
【0030】
本発明の有利な一形態によれば、支持領域の凹状に湾曲した形状および/またはバスバー区域の窪みとして形成された支持領域が、作動レバーの支持要素から、少なくとも、直接隣接する作動レバーの最も近い支持要素まで、連続して延びていることが企図されている。これは、凹状に湾曲した支持領域および/または窪みを有するバスバー区域の形態にかかわらず、クランプ位置が、電気導体の接続のために特に有利に形成され得るという利点を有する。つまり、凹状に湾曲した形状および/またはバスバー区域の窪みとして形成された支持領域は、例えば、作動要素の支持要素から、直接隣接する作動レバーの最も近い支持要素までのみ連続して延びていることができ、それを越えることはない。
【0031】
本発明の有利な一形態によれば、作動レバーの支持要素の間に、バネ式クランプ接続部に接続される電気導体を収容するための収容空間が形成されていることが企図されている。これも、導体接続端子の特にコンパクトで小さな構造の形態に有益である。こうして、作動レバーによって囲まれた空間が、電気導体の収容に有利に利用され得る。
【0032】
本発明の有利な一形態によれば、クランプバネの少なくとも一部、とりわけクランプバネのクランプ脚部の主な部分が、作動レバーの支持要素間の領域に配置されていることが企図されている。これは、作動レバーによる、クランプバネのクランプ脚部の機械的に好適な作動を可能にする。クランプ脚部は、例えば、クランプバネのバネアーチ部を起点として最初は比較的大きな幅を有することができ、その後、自由端に向かってより小さな幅へと先細りすることができる。比較的大きな幅をもつクランプ脚部の領域で、作動レバーの衝突区域がその作動力をクランプ脚部に伝達し得る。
【0033】
本発明の有利な一形態によれば、作動レバーが、2つの互いから離隔した側壁区域を有し、これらの側壁区域は、少なくとも部分的に導体接続端子のハウジング内に進入しており、それぞれ横方向ウェブを介して支持要素の1つと接続されていることが企図されている。こうすることで、導体接続端子のハウジング、とりわけ特定のハウジング壁と入れ子になったロバスト性の作動レバーが提供され得る。このようにして、小さな構造の導体接続端子において大きな空間距離および沿面距離が達成され得る。凹状に湾曲した形状および/または窪み内に支持要素を配置することにより、支持要素と側壁区域の間での作動レバーの移行部において、ロバスト性の設計のための追加の構造空間が提供され、つまり接続区域が、より多くの材料で、したがってよりロバスト性を有するように形成され得る。作動レバーは、例えば側壁区域、側壁区域と結合した横方向ウェブ、および横方向ウェブと結合した支持要素により、結果的にU字形形状を有し得る。この形状が2つ(クランプ位置の左右で)存在することにより、作動レバーは、これらの支持要素の領域での二重のU字形形状を有する。
【0034】
本発明の有利な一形態によれば、支持要素が回転軸(D)を形成し、この回転軸を中心として作動レバーが旋回可能にハウジング内で支持されており、支持要素は作動区域を有し、作動レバーが、閉位置、すなわち、作動レバーがその横方向ウェブと共にハウジングの方向に旋回され、バネ式クランプ接続部により形成されるクランプ位置が電気導体を接続するように閉じられる閉位置から、開位置、すなわち、作動レバーがその横方向ウェブと共にハウジングから離れる方向に旋回され、バネ式クランプ接続部により形成されるクランプ位置が電気導体を接続するために開かれる開位置まで旋回するときに、作動区域の各々が、バネ式クランプ接続部の関連付けられたクランプバネに突き当たるように構成されていることが企図されている。これは、作動レバーによるクランプバネの信頼できる作動を可能にすると同時に、作動レバーに対するバネ式クランプ接続部のコンパクトで小さな設計を可能にする。本発明の有利な一形態によれば、作動レバーは、開位置では開いた位置に留まっており、つまり自動的に閉位置に戻ることはない。例えば、作動レバーは開位置でロックでき、かつ/またはオーバーセンター位置にいることができる。
【0035】
本発明の有利な一形態によれば、これらの支持要素の作動区域は互いから、側壁区域の間隔より小さい間隔をあけて配置されており、この作動区域は、案内スリットが作動区域とこれに関連付けられる直接隣接する側壁区域との間に存在するように、側壁区域に平行に延びておりかつ側壁区域と一体的に形成されていることが企図されている。この場合、旋回支持領域の旋回軸を中心とした旋回運動時に作動レバーを案内するために、ハウジングの案内ウェブが、関連付けられたスリットに進入する。
【0036】
間にある案内スリットによってU字形のレバーアームの側壁区域から離隔された衝突区域を使用することにより、それぞれの案内スリットに進入するハウジングの案内ウェブによって、レバーアームが旋回可能で傾動不能に支持され得る。案内スリットおよびそれに係合する案内ウェブにより、バネ式クランプ接続部の実質的に横方向に隣接する、非常に安定した旋回支持部が、省スペースで実現できる。
【0037】
したがって作動レバーは、断面がほぼU字形に形成されており、かつバネ式クランプ接続部を、少なくとも部分的に、側壁区域によって側方が境界付けられた開放された空間に収容する。したがって旋回支持領域は、バネ式クランプ接続部の上方、下方、前面、または背面ではなく、バネ式クランプ接続部またはバネ式クランプ接続部のうちの作動されるべきクランプバネの側方に配置されている。
【0038】
これにより、ハウジング内でバネ式クランプ接続部の横隣りに配置された旋回支持領域を有する作動レバーが、位置的に安定し、ロバスト性を有して旋回可能にハウジング内で支持された、非常にコンパクトな導体接続端子が実現される。
【0039】
説明してきた手段を連携させることにより、少なくとも1つの旋回レバーに作用する作動力がハウジングに過度に負荷をかけることなく、旋回レバーが安定して絶縁体ハウジング内で旋回可能に支持された、極めてコンパクトな導体接続端子が実現される。
【0040】
本発明の有利な一形態によれば、ハウジングの案内ウェブがそれぞれ、旋回支持領域の回転軸(D)を中心とした旋回運動時に作動レバーを案内するために、関連付けられた案内スリットに進入することが企図されている。
【0041】
本発明の有利な一形態によれば、衝突区域が、衝突区域の中心に向けて突出する肩部を形成する切抜部を含む部分的に円形の外周を有し、少なくとも1つのバネ式クランプ接続部が、作動片を含むクランプバネを有し、このクランプバネの作動片は、クランプ位置を開くために作動レバーが旋回されたとき、肩部に支持されることが企図されている。上方に開放された空間が続く肩部の支援により、クランプバネの作動片のための安定した支持が提供され、これにより、肩部を介してクランプバネのクランプ片にバネ作動力が最適に伝達される。衝突区域の中心に向けて突出する肩部により、その上方に開放された空間が提供されるので、レバーアームによる影響なしに電気導体にバネクランプ力を加えるために、クランプバネを、レバーの作動なしに肩部から自由に持ち上げることができる。したがって前もって作動レバーを介してクランプ脚部を撓ませる必要なく、電気導体を直接挿入することもできることが企図され得る。
【0042】
導体接続端子の前述の構成により、導体接続端子自体が比較的大きい高さを有する必要なく、横方向ウェブを介する支持要素から側壁区域への移行部を拡大することができ、同時にバスバーからの空間距離を増大させ得る。これに加え、作動レバーとバスバー区域との間の接触領域は、凹アーチ状に湾曲した平鍋のように形成され得る。従来技術に比べてこの接触領域は、純粋な線接触からより強力な平面的な接触へと変わり得る。これにより、接触領域の負荷、および摩耗が軽減される。加えて作動レバーが旋回運動時により良好に案内される。
【0043】
本発明の有利な一形態によれば、バスバー区域の窪みは、少なくとも1つの側において、隣接するバスバー区域の隆起した領域に段状に移行し、かつ/または少なくとも1つの側において、隣接するバスバー区域の隆起した領域に段差なく移行することが企図されている。例えば、導体差込方向に平行に延びる、窪みの長手方向の一方または両方の側部は、隣接する隆起した領域に段状に移行し得、導体差込方向を横切る側部は段差なく移行し得る。段状の移行部は、例えば、工具によって形成された鋭い切断縁を有する移行部であり得る。段差のない移行部は、例えば斜面または丸みのある形状による滑らかな移行部、すなわち、切断せずに変形される連続した材料による移行部であり得る。
【0044】
本発明の意味において、不定の概念の「1つ」を数詞と理解してはならない。つまり、例えば1つの部品と言う場合、これは「少なくとも1つの部品」の意味で解釈されるべきである。角度表示が度でなされる場合には、この角度表示は360度(360°)の円の尺度に対してである。
【0045】
以下に、例示的実施形態に基づき、図面を使用して本発明をより詳しく解説する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】導体接続端子の斜視図である。
図2図1に基づく導体接続端子の長手断面図である。
図3】導体接続端子のバスバーの斜視図である。
図4】追加的な部品を備えた図3に基づくバスバーを示す図である。
図5図4に示したような追加的な部品を備えたバスバーの側面図である。
図6】バスバーのさらなる一実施形態の斜視図である。
図7】作動レバーの斜視図である。
図8図7に基づく作動レバーの長手断面図である。
図9】バスバーのさらなる一実施形態の斜視図である。
図10】作動レバーを備えた図9に基づくバスバーの斜視図である。
図11】作動レバーを備えた図9に基づくバスバーの図10とは異なる斜視図である。
図12】クランプバネおよび作動レバーが配置された図9に基づくバスバーを示す図である。
図13図12に基づくコンタクトインサートを備えて形成された導体接続端子の側断面図である。
図14】バスバーのさらなる一実施形態の斜視図である。
図15】作動レバーを備えた図14に基づくバスバーの斜視図である。
図16】作動レバーを備えた図14に基づくバスバーの図15とは異なる斜視図である。
図17】クランプバネおよび作動レバーが配置された図14に基づくバスバーの斜視図である。
図18図1に基づく導体接続端子の後面図である。
図19図1に基づく導体接続端子のさらなる長手断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図1は、ここでは例示的に3極で作製された導体接続端子1を示している。導体接続端子1はハウジング2を有し、ハウジング2内には3つのバネ式クランプ接続部が互いに隣り合って配置されている。各バネ式クランプ接続部に、ハウジング2の導体挿入口20が関連付けられている。この導体挿入口20を通って、電気導体がバネ式クランプ接続部のクランプ位置へと案内され得る。導体接続端子1はこれに加えて3つの作動レバー5を有する。各作動レバー5がバネ式クランプ接続部の1つに関連付けられている。それぞれの作動レバーにより、バネ式クランプ接続部のクランプバネを作動でき、それによりクランプ位置を必要に応じて開くまたは閉じることができる。
【0048】
図2の断面図では、それぞれのバネ式クランプ接続部が、クランプバネ4と、クランプバネ4に付属するバスバー区域37とを有することが認識できる。クランプバネ4は、接触脚部41と、接触脚部41に続くバネアーチ部42と、バネアーチ部42に続くクランプ脚部43とを有する。接触脚部は、端部側の保持要素40を介して保持枠30に取り付けられている。このようにしてクランプバネ4はその接触脚部41により、保持枠30に固定されている。
【0049】
クランプ脚部43は、図示した配置では、つまり作動レバー5が閉じており、かつ電気導体がクランプされていない場合、付属のバスバー区域37の接触区域31に当接している。電気導体がクランプされている場合、電気導体は、クランプ脚部43の自由端と接触区域31との間でクランプ(換言すれば、挟持)されている。保持枠30は接触区域31と結合しており、または図示した実施形態では接触区域31と一体的に形成されている。こうすることで、クランプバネ4が両側でバスバー3によって保持される、自己支持型バネ式クランプ接続部が形成される。
【0050】
作動レバー5は手動の作動区域50を有し、この作動区域50により作動レバー5を旋回のために手動で作動させ、このようにして旋回させることができる。手動の作動区域50は、導体挿入口20の上方で、少なくとも部分的にハウジング2から突き出ており、したがって比較的容易に把持できることが有利である。手動の作動区域50から、側壁区域52がハウジング2内へと延びている。側壁区域52は、以下でさらに詳しく説明するように、作動レバー5をバスバー3に支持させる支持要素51と結合している。支持要素51は衝突区域53を有し、衝突区域53は、作動レバー5の旋回時に、クランプ脚部43に機械的に突き当たりクランプ脚部43をたわませるように作用する。作動レバー5が開位置に(図示した配置に対してある程度の角度だけ時計回りに)旋回される場合、衝突区域53がクランプ脚部43と接触し、クランプ脚部43をバスバー区域37から持ち上げる。このようにしてクランプ位置が開く。これで電気導体が、導体挿入口20を通って導体差込方向Lに、クランプ脚部43とバスバー区域37の間のクランプ位置へと、力を使わずに挿入され得る。その後、作動レバー5が再び閉位置(図2に示したような)に旋回して戻されることにより、電気導体がそこでしっかりクランプされ得る。
【0051】
作動レバー5はその支持要素51で、より正確に言えばバスバー区域37に向けられた(換言すれば、面した)支持面54で、バスバー区域37に支持されている。図2の断面図で認識されるように、支持面54は、バスバー区域37の図示した断面の中へと延びており、これは、バスバー区域37にある窪んだ支持領域のせいであり、この支持領域は以下でさらに解説する。
【0052】
図3は、前述の導体接続端子1のバスバー3を部品として示している。バスバー3が、3つのバネ式クランプ接続部の各々のためにバスバー区域37を有することが認識できる。このようにして、接触区域31が3つのバスバー区域37に構造化されている。接触区域31は、バスバー3の1つの側において、バスバー区域37のそれぞれの保持枠30へと移行している。保持枠30には言及したようにクランプバネ4の保持要素40が取り付けられる。
【0053】
バスバー3は、接触区域31内に平坦な領域32を有する。この平坦な領域32に対し、支持領域36およびクランプ形状部34が、例えば型押し工具による型押しにより、窪んで形成されている。クランプ形状部34は、それぞれのバスバー区域37内で電気導体をクランプするために役立つ。クランプ形状部34の、導体差込方向Lでのそれぞれ後端では、それぞれのバスバー区域37のクランプ縁35が形成されている。
【0054】
支持領域36は、作動レバー5の支持要素51の収容および支持のために役立つ。支持領域36は、それぞれ凹状に湾曲した、例えばアーチ状に延びる形状部を有する。個々の支持領域36はそれぞれ、接続されるべき電気導体が配置される導体接触領域33によって中断されている。導体接触領域33は、例えば、平坦な領域32と同等の平坦な形状を有することができ、つまり平坦な表面によって形成され得る。加えて各導体接触領域33には、既に言及したクランプ形状部34の1つが配置され得る。
【0055】
図4は、右のバスバー区域37に取り付けられたクランプバネ4を備え、一番左のバスバー区域37では作動レバー5およびそこに取り付けられたクランプバネ4を備えた、図3に基づくバスバー3を示している。どのように作動レバー5が支持要素51の支持面54において、凹状に湾曲した支持領域36に良好に挿入されているか、かつ旋回運動時に支持領域36に沿って滑り得るかが認識される。
【0056】
図5は、支持面54の凹状に湾曲した形状のこの有利な適合と、支持領域36の、支持面54に適合された凸状に湾曲した形状とを側面図で示している。
図6は、支持領域36が、凸状に湾曲した形状を備え、バスバー3の幅全体にわたって連続して延びているバスバー3の一実施形態を示している。導体差込方向Lにおける後方の領域でのみ、凹状に湾曲した形状が部分的に、凸状に湾曲した形状に対して隆起したクランプ形状部34によって中断されている。ここでもまた、導体差込方向Lにおけるクランプ形状部34の後端に、それぞれのバスバー区域37のクランプ縁35が形成されている。
【0057】
図7は、作動レバー5の下側からの斜視図を認識させる。これに基づき、基本的に断面がU字形で、2つの互いから離隔した側壁区域52を有する形態が認識できるようになり、側壁区域52はその自由端で、側縁において横方向ウェブ59で相互に結合されている。側壁区域52が、旋回支持領域62から自由端に向かって細くなっていることが分かる。横方向ウェブ59の自由端に作動隆起部60があることが認識できる。横方向ウェブ59の作動隆起部60が、側壁区域52の自由端より前方へ突き出ており、横方向ウェブ59の内面が、自由端の縁で斜めに延びていることも分かる。これにより、作動レバー5によってレバー作動力を施す際の滑りが防止される。
【0058】
さらに、旋回支持領域62内の側壁区域52から案内スリット57によって離隔された円弧状の区域が配置されており、この区域が、それぞれの支持要素51を形成することが認識できる。支持要素51の間には、バネ式クランプ接続部にクランプされる電気導体を収容するための収容空間58が形成されている。さらに認識できるのは、支持要素51が、支持面54である円弧状に湾曲した外側端面を有し、この支持面54により作動レバー5が支持領域36に支持されており、仮想回転軸Dを中心として旋回可能にハウジング内に配置されていることである。回転軸Dは、支持面54によって生じる円弧の中心を通って延びている。
【0059】
支持要素51はそれぞれV字形切込部56を有する。V字形切込部56の領域ではそれぞれ衝突区域53が形成されており、衝突区域53は、関連付けられたクランプバネ4のクランプ脚部43にバネ作動力を加えるために働く。衝突区域53も、レバー旋回力がかけられる横方向ウェブ59も、側壁区域52の長手方向に見て回転軸Dに対して同じ側にあることが認識できる。これにより、作動区域50を介してかけられるバネ作動力が、回転軸Dに対し、旋回のために横方向ウェブ59に施されるレバー旋回力と同じ側に作用する。
【0060】
これに加え、横方向ウェブ59から、作動隆起部60とは反対の側で係合突起61が、ほぼ旋回支持領域62および支持要素51の方向に突き出ていることが分かる。係合突起61は、閉位置での作動レバー5とハウジング2の係合に役立つ。
【0061】
図8は、図7からの作動レバー5の側断面図を認識させる。ここではもう一度、作動レバー5の上面では側壁区域52がそれらを結合している横方向ウェブ59によって結合されていることが分かる。横方向ウェブ59は、側壁区域52の長さの部分領域にわたってしか延びておらず、これに関しては側壁区域52の長さの半分より多くを占めていることが好ましい。
【0062】
導体接続端子の前述の実施形態では、凹状に湾曲した形状を有する支持領域36をそれぞれ有するバスバー区域37が形成されていたのに対し、図9図17に基づく以下の例示的実施形態を用いては、支持領域36がそれぞれ、凹状に湾曲した形状を有することなく、バスバー区域37の窪みとして形成されている一実施形態が説明される。
【0063】
図9図17に基づく例示的実施形態は、導体挿入口がハウジングの片側だけでなく、向かい合う(換言すれば、互いに反対の)ハウジング側部に配置されている導体接続端子1の構成を出発点とする。それに応じてバスバー3も両側設計にされており、つまり、向かい合う側に配置されたそれぞれのバスバー区域37を有する。それぞれのバスバー区域37は、電気導体をクランプするためのクランプ形状部34を有し、クランプ形状部34は、導体挿入方向Lでの後端にクランプ縁35を有する。このバスバー3は、向かい合うクランプ形状部34の間に平坦な領域32を有する。作動レバー5を支持するための支持領域36が存在しており、この支持領域36は、この平坦な領域32に対して窪みとして形成されており、クランプ形状部34の左右にそれぞれ1つの支持領域36が形成されている。この支持領域36は、導体挿入方向Lにおいてクランプ縁35の手前の領域からクランプ縁35の後ろの領域まで延びている。
【0064】
このバスバー3は、クランプバネを保持するための前述の保持枠30なしで形成されている。その代わりに平坦な領域32に、つまり向かい合うクランプ形状部34の間に保持凹部38があり、この保持凹部38に、クランプバネ4が、保持要素40が配置される接触脚部41の延長領域を介して取り付けられ得る。
【0065】
図10は、支持面54を有する作動レバー5の、支持領域36上での配置を明らかにしている。図11は、作動レバー5の支持を図10のように、ただしとりわけ電気導体を収容するための収容空間58が認識できる別の視線方向で示している。図12は、図9に基づくバスバー3と、それに固定された2つのクランプバネ4と、それぞれのクランプバネ4を作動させるための作動レバー5とを備えた機構を示している。
【0066】
図13は、図12に基づく機構が組み込まれた導体接続端子1を示している。とりわけ、接触脚部41にそれぞれ存在する端部側の保持要素40によるクランプバネ4の固定が認識でき、この保持要素40は、バスバー3の平坦な領域32の保持凹部38に取り付けられている。クランプバネ4は、クランプ脚部43のそれぞれの作動面に力が加わることでたわむことができ、このために、それぞれの作動レバー5の旋回時に、衝突区域53が作動面と接触し、これによりそれぞれのクランプ脚部43をバスバー3から移動させる。
【0067】
図14図17は、図9図12の実施形態とは異なり、バスバー3の各側で複数(ここでは2つ)のバスバー区域37が互いに隣り合って配置された、バスバー3のさらなる一実施形態および導体接続端子のさらなる要素を示している。このバスバー3は、その他の点では図9図12の実施形態のように、とりわけバスバー3の平坦な領域32に保持凹部38を備えて形成されている。これに加え、バスバー3の1つの側に配置されたバスバー区域37では、中央の支持領域36が1つの共通の連続した窪みであることが認識され、つまりそこでは、個々の窪みが各バスバー区域37に対して形成されるのではなく、1つの共通の窪みが形成されている。例えば図15および図16に基づいて認識されるように、作動レバー5は、この中央の領域のために、窪んだ支持領域36の幅の少なくともほぼ全体に延びている1つの幅広い側壁区域52を有する。
【0068】
とりわけ図9図17に基づく例示的実施形態では、導体挿入口が、向かい合うハウジング側部それぞれに配置されることが必ずしも必要でない。導体挿入口はハウジング2の片側だけに設けられてもよい。1つのハウジング側部での異なるクランプ位置のために、1つだけの作動レバー5ではなく2つの別々の作動レバー5が設けられてもよい。これに加え、1つのハウジング側部に2つより多くの導体挿入口およびそれに応じたクランプ位置もあることも考えられる。図1図8に基づく例示的実施形態で、導体挿入口が、向かい合うハウジング側部それぞれに存在していてもよい。その場合はバスバー3が両側設計であり得る。
【0069】
本発明のさらなる独立した1つの態様は、バスバー3に少なくとも1つの検査片39が配置された、冒頭に挙げた種類の導体接続端子1に関する。この実施形態は、図3図4図5図6ならびに図18および図19に示されている。検査片39は、電気接触のために、したがって探針を使ってバスバーに電気測定を実施するために役立つ。図3で認識されるのは、検査片39が、2つの保持枠30の間に配置されており、この保持枠に対して導体挿入方向Lにおいて少し後ろにずれており、つまり導体挿入方向Lにおいて保持枠30の後ろに配置されていることである。図5もこれを明らかにしている。加えて検査片39が、バスバー3と一体的に成形されており、最初は平坦な領域32の延長線上で保持枠30の後ろまで延びており、そこで湾曲部を介して、平坦な領域32に実質的に垂直に延びる区域に移行していることが認識できる。
【0070】
図18は、ハウジング2を備えた導体接続端子1を、ハウジング後面22に向かって見た図で示している。図19は、導体接続端子1を、図2と同等の断面図で、ただし検査片39を通る切断面で示している。ハウジング後面22には検査口があり、検査口は検査路21に移行している。検査路21は検査片39に至る。したがって探針を、検査口および検査路21に通して検査片39へと案内して検査片39に電気接触させ得る。検査路21の長手方向は、クランプ位置が並んでいる方向に実質的に垂直に延びている。
【符号の説明】
【0071】
1 導体接続端子
2 ハウジング
3 バスバー
4 クランプバネ
5 作動レバー
7 作動隆起部
20 導体挿入口
21 検査路
22 ハウジング後面
30 保持枠
31 接触区域
32 平坦な領域
33 導体接触領域
34 クランプ形状部
35 クランプ縁
36 支持領域
37 バスバー区域
38 保持凹部
39 検査片
40 保持要素
41 接触脚部
42 バネアーチ部
43 クランプ脚部
50 手動の作動区域
51 支持要素
52 側壁区域
53 作動区域
54 支持面
56 V字形切込部
57 案内スリット
58 収容空間
59 横方向ウェブ
60 作動隆起部
61 係合突起
62 旋回支持領域
D 回転軸
L 導体差込方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【国際調査報告】