(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-24
(54)【発明の名称】動物又は昆虫用の遠隔監視装置
(51)【国際特許分類】
A01M 1/00 20060101AFI20240417BHJP
A01M 1/02 20060101ALI20240417BHJP
A01M 29/00 20110101ALI20240417BHJP
【FI】
A01M1/00 Q
A01M1/02 A
A01M29/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571594
(86)(22)【出願日】2022-05-24
(85)【翻訳文提出日】2024-01-11
(86)【国際出願番号】 AU2022050500
(87)【国際公開番号】W WO2022246508
(87)【国際公開日】2022-12-01
(32)【優先日】2021-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523433974
【氏名又は名称】ペストラック モニタリング システムズ オーストラリア プロプライエタリー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワイノフ、ジェフリー
【テーマコード(参考)】
2B121
【Fターム(参考)】
2B121AA03
2B121AA16
2B121CC06
2B121DA33
2B121DA51
2B121FA13
2B121FA20
(57)【要約】
本開示は、動物又は昆虫用の遠隔監視装置に関する。例示的な遠隔監視装置は、監視対象の荷重を受容するためのレセプタクル又はプラットフォームであって、監視対象の荷重を測定するための1つ又は複数のロード・セルを備えて構成されたレセプタクル又はプラットフォームと、送信機と、プロセッサを備えて構成されたマイクロコントローラとを備え、プロセッサは、1つ又は複数のロード・セルを用いて、監視対象の荷重の初期質量を測定し、1つ又は複数のロード・セルを用いて、監視対象の荷重の現在質量を定期的に測定し、初期質量と現在質量との間の所定の質量差に達すると、送信機を用いて、通知信号を送信するようにプログラムされる。動物又は昆虫の遠隔監視のための例示的な方法も開示されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象の荷重を受容するためのレセプタクル又はプラットフォームであって、前記監視対象の荷重を測定するための1つ又は複数のロード・セルを備えて構成される、レセプタクル又はプラットフォームと、
送信機と、
プロセッサを備えて構成されるマイクロコントローラと
を備える、1匹若しくは複数の動物又は昆虫用の遠隔監視装置であって、
前記プロセッサは、
前記1つ又は複数のロード・セルを用いて、前記監視対象の荷重の初期質量を測定し、
前記1つ又は複数のロード・セルを用いて、前記監視対象の荷重の現在質量を定期的に測定し、
前記初期質量と前記現在質量との間の所定の質量差に達すると、前記送信機を用いて、通知信号を送信する
ようにプログラムされる、遠隔監視装置。
【請求項2】
前記1つ又は複数のロード・セルを有効又は無効にするように構成されるスイッチをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記スイッチが、手動で作動されるスイッチとしてさらに構成される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記スイッチが、センサと通信しており、前記スイッチが、前記センサからの入力に基づいて前記1つ又は複数のロード・セルを有効又は無効にするようにさらに構成される、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
監視対象の荷重を受容するためのレセプタクル又はプラットフォームであって、前記監視対象の荷重を測定するための1つ又は複数のロード・セルを備えて構成される、レセプタクル又はプラットフォームと、
センサと通信し、前記1つ又は複数のロード・セルを有効又は無効にするように構成されるスイッチと、
送信機と、
プロセッサを備えて構成されるマイクロコントローラと
を備える、1匹若しくは複数の動物又は昆虫用の遠隔監視装置であって、
前記プロセッサは、
前記スイッチがセンサからの入力を受信するとき、前記スイッチを用いて前記1つ又は複数のロード・セルを作動させ、
前記1つ又は複数のロード・セルを用いて、前記監視対象の荷重の初期質量を測定し、
前記スイッチが前記センサからの別の入力を受信するとき、前記スイッチを用いて前記1つ又は複数のロード・セルを停止させ、
前記1つ又は複数のロード・セルを用いて、前記監視対象の荷重の現在質量を測定し、
前記送信機を用いて、前記初期質量と前記現在質量との間の質量差を含む通知信号を送信する
ようにプログラムされる、遠隔監視装置。
【請求項6】
前記センサが、音声、動作、光学、熱、振動、又はビデオ・センサである、請求項4又は5に記載の装置。
【請求項7】
前記センサが、前記1匹又は複数の動物を支持するための別の傾斜台又はプラットフォームに組み込まれたひずみゲージ又は別のロード・セルである、請求項4又は5に記載の装置。
【請求項8】
前記測定可能な荷重は、食用物質である、請求項1から7までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記測定可能な荷重は、前記1匹又は複数の昆虫である、請求項1から6までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記レセプタクル又はプラットフォームは、前記1匹又は複数の昆虫を罠で捕らえるための接着面を備えて構成される、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記レセプタクル又はプラットフォーム用のハウジングをさらに備え、前記ハウジングが、前記1匹若しくは複数の動物又は昆虫用の前記レセプタクル又はプラットフォームへのアクセスを可能にするための少なくとも1つの開口部を備える、請求項1から10までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つの開口部の各々が、前記開口部をふさぐための展開可能なバリアを有する、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
各展開可能なバリアは、トリガ・センサからの入力を受信すると展開され得る、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記展開可能なバリアは、前記プロセッサが前記通知信号を送信するときに展開され得る、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記1匹若しくは複数の動物又は昆虫を撃退するための忌避物質をさらに含み、前記忌避物質は、前記プロセッサが前記通知信号を送信するときに活性化するように構成される、請求項1から14までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
監視対象の荷重を測定するために、1つ又は複数のロード・セルを備えて構成されるレセプタクル又はプラットフォームに、1匹若しくは複数の動物又は昆虫を引き付けるステップと、
前記1つ又は複数のロード・セルを用いて、前記監視対象の荷重の初期質量を測定するステップと、
前記1つ又は複数のロード・セルを用いて、前記監視対象の荷重の現在質量を定期的に測定するステップと、
前記初期質量と前記現在質量との間の所定の質量差に達すると、送信機を用いて、通知信号を送信するステップと
を含む、動物又は昆虫を遠隔監視する方法。
【請求項17】
忌避物質を用いて、前記レセプタクル又はプラットフォームから前記1匹若しくは複数の動物又は昆虫を撃退するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
監視対象の荷重を測定するために、1つ又は複数のロード・セルと、前記1つ又は複数のロード・セルを作動又は停止させるための前記1つ又は複数のロード・セルと通信するスイッチとを備えて構成されるレセプタクル又はプラットフォームに、1匹若しくは複数の動物又は昆虫を引き付けるステップと、
スイッチを用いて、前記1つ又は複数のロード・セルを作動させるステップと、
前記1つ又は複数のロード・セルを用いて、前記監視対象の荷重の初期質量を測定するステップと、
前記監視対象の荷重の現在質量を測定後に、前記スイッチを用いて、前記1つ又は複数のロード・セルを停止させるステップと、
送信機を用いて、前記初期質量と前記現在質量との間の重量差を含む通知信号を送信するステップと
を含む、動物又は昆虫を遠隔監視する方法。
【請求項19】
センサと通信している前記スイッチは、前記センサをトリガする前記1匹若しくは複数の動物又は昆虫によって作動される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
監視対象の荷重を測定するために、1つ又は複数のロード・セルを備えて構成されるレセプタクル又はプラットフォームに、1匹若しくは複数の動物又は昆虫を引き付けるステップであって、前記レセプタクル又はプラットフォームは、1つ又は複数の開口部を有するハウジング内に配置され、各開口部は、展開可能なバリアを有する、ステップと、
前記1つ又は複数のロード・セルを用いて、前記監視対象の荷重の初期質量を測定するステップと、
前記1つ又は複数のロード・セルを用いて、前記監視対象の荷重の現在質量を定期的に測定するステップと、
前記初期質量と前記現在質量との間の所定の質量差に達すると、送信機を用いて、通知信号を送信するステップと、
前記1つ又は複数の開口部を覆うための各展開可能なバリアを展開するステップと
を含む、動物又は昆虫を遠隔監視する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物又は昆虫用の遠隔監視装置に関する。特に、一般的な福祉を維持するか、又は個体群のサイズを制御するために、動物又は昆虫の遠隔監視のための遠隔監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
動物又は昆虫の食物消費の遠隔操作により、観察者/エンド・ユーザは、動物又は昆虫のローカル環境、及び、全身状態の様々な特徴を判定することができる。この情報は、観察者/エンド・ユーザが有益な動物又は昆虫の一般的な福祉を管理し、有害な害獣又は害虫の個体群のサイズを制御するために使用することができる。
【0003】
食物消費の遠隔監視の現在の方法は、動物又は昆虫の特定の品種/種に餌を提供する技術及び方法の使用を含む。通常、これは、動物又は昆虫の摂食パターンを監視するために、RFIDチップでタグ付けされた動物又は昆虫を監視することを含む。この設計により、それらの摂食行動が、最初に対象とされた動物又は昆虫と実質的に異なる可能性があるため、これらの技術及び方法を他の動物又は昆虫に適合させることは難しく、時間がかかる。
【0004】
有害生物の遠隔監視の現在の方法は、有害生物を捕獲し、殺すために配置される罠と毒餌とに限定される。これらの有害生物餌ステーションは、典型的に、有害生物を餌ステーションに引き付けて、有害生物のために用意された餌を食べるように設計されたハウジングを有する。これらの有害生物は、その後、毒殺されるか、罠で捕らえられるか、又はその両方が行われる。これらの有害生物餌ステーションは、その後、観察者/エンド・ユーザが有害生物を回収又は処分するように信号を送信する前に、有害生物が罠で捕らえられたか、又は、死んだ有害生物が十分な数蓄積されたかどうかを実質的に監視することができる。さらに、観察者/エンド・ユーザが各有害生物餌ステーション内の餌のレベルを監視することは、手動でそれらを検査するために、彼らが有害生物の餌ステーションに物理的に存在しなければならないため、難しく時間がかかる。さらに、観察者/エンド・ユーザは、環境要因と有害生物の全身状態とを判定するために不可欠な餌消費データを回収することはできない。
【0005】
本明細書に含まれる文書、行為、材料、装置、物品などのいかなる議論も、これらの事項の一部又はすべてが先行技術の一部を形成すること、又は、添付の請求項の各々の優先日よりも前に存在したために、本開示の関連する分野において、共通の一般知識であったことを認めるものとしてみなされるべきではない。
【発明の概要】
【0006】
動物又は昆虫の摂食パターンの遠隔監視のための監視装置が提供される。特に、家畜、ペット及び有害生物の摂食パターンである。これにより、確実に、家畜及びペットを監視して、それらの食物摂取量及び福祉を管理することができる一方、有害生物を監視して、それらの蔓延レベルを制御し、それらの捕獲/処分に注意を払うことができる。
【0007】
第1の態様によれば、
監視対象の荷重を受容するためのレセプタクル又はプラットフォームであって、監視対象の荷重を測定するための1つ又は複数のロード・セルを備えて構成される、レセプタクル又はプラットフォームと、
送信機と、
プロセッサを備えて構成されるマイクロコントローラと
を備える、1匹若しくは複数の動物又は昆虫用の遠隔監視装置が提供され、
当該プロセッサは、
1つ又は複数のロード・セルを用いて、監視対象の荷重の初期質量を測定し、
1つ又は複数のロード・セルを用いて、監視対象の荷重の現在質量を定期的に測定し、
初期質量と現在質量との間の所定の質量差に達すると、送信機を用いて、通知信号を送信する
ようにプログラムされる。
【0008】
一実施例では、装置は、1つ又は複数のロード・セルを有効又は無効にするように構成されるスイッチをさらに備える。
【0009】
一実施例では、スイッチは、手動で作動されるスイッチとしてさらに構成される。
【0010】
一実施例では、スイッチは、センサと通信しており、スイッチは、センサからの入力に基づいて1つ又は複数のロード・セルを有効又は無効にするようにさらに構成される。
【0011】
第2の態様によれば、
監視対象の荷重を受容するためのレセプタクル又はプラットフォームであって、監視対象の荷重を測定するための1つ又は複数のロード・セルを備えて構成される、レセプタクル又はプラットフォームと、
センサと通信し、1つ又は複数のロード・セルを有効又は無効にするように構成されるスイッチと、
送信機と、
プロセッサを備えて構成されるマイクロコントローラと
を備える、1匹若しくは複数の動物又は昆虫用の遠隔監視装置が提供され、
プロセッサは、
スイッチがセンサから第1の信号を受信するとき、スイッチを用いて1つ又は複数のロード・セルを作動させ、
1つ又は複数のロード・セルを用いて、監視対象の荷重の初期質量を測定し、
スイッチがセンサから第2の信号を受信するとき、スイッチを用いて1つ又は複数のロード・セルを停止させ、
1つ又は複数のロード・セルを用いて、監視対象の荷重の現在質量を測定し、
送信機を用いて、初期質量と現在質量との間の質量差を含む通知信号を送信する
ようにプログラムされる。
【0012】
一実施例では、センサは、音声、動作、光学、熱、振動、又はビデオ・センサである。
【0013】
一実施例では、センサは、1匹又は複数の動物を支持するための傾斜台又はプラットフォームに組み込まれたひずみゲージ又は別のロード・セルである。
【0014】
一実施例では、測定可能な荷重は、食用物質である。
【0015】
一実施例では、測定可能な荷重は、1匹若しくは複数の動物又は昆虫である。
【0016】
一実施例では、レセプタクル又はプラットフォームは、1匹若しくは複数の昆虫及び/又は動物を罠で捕らえるための接着面を備えて構成される。
【0017】
一実施例では、装置は、レセプタクル又はプラットフォーム用のハウジングをさらに備え、ハウジングは、1匹若しくは複数の動物又は昆虫用のレセプタクル又はプラットフォームへのアクセスを可能にするための少なくとも1つの開口部を備える。
【0018】
一実施例では、少なくとも1つの開口部の各々は、開口部をふさぐための展開可能なバリアを有する。
【0019】
一実施例では、各展開可能なバリアは、トリガ・センサからの入力を受信すると展開される。
【0020】
一実施例では、各展開可能なバリアは、プロセッサが通知信号を送信するときに展開される。
【0021】
一実施例では、装置は、1匹若しくは複数の動物又は昆虫を撃退するための忌避物質をさらに含み、忌避物質は、プロセッサが通知信号を送信するときに活性化するように構成される。
【0022】
第3の態様によれば、
監視対象の荷重を測定するために、1つ又は複数のロード・セルを備えて構成されるレセプタクル又はプラットフォームに、1匹若しくは複数の動物又は昆虫を引き付けるステップと、
1つ又は複数のロード・セルを用いて、監視対象の荷重の初期質量を測定するステップと、
1つ又は複数のロード・セルを用いて、監視対象の荷重の現在質量を定期的に測定するステップと、
初期質量と現在質量との間の所定の質量差に達すると、送信機を用いて、通知信号を送信するステップと
を含む、動物又は昆虫を遠隔監視する方法が提供される。
【0023】
一実施例では、この方法は、忌避物質を用いて、レセプタクル又はプラットフォームから1匹若しくは複数の動物又は昆虫を撃退するステップをさらに含む。
【0024】
第4の態様によれば、
監視対象の荷重を測定するために、1つ又は複数のロード・セルと、ロード・セルを作動又は停止させるための1つ又は複数のロード・セルと通信するスイッチとを備えて構成されるレセプタクル又はプラットフォームに、1匹若しくは複数の動物又は昆虫を引き付けるステップと、
スイッチを用いて、1つ又は複数のロード・セルを作動させるステップと、
1つ又は複数のロード・セルを用いて、監視対象の荷重の初期質量を測定するステップと、
監視対象の荷重の現在質量を測定後に、スイッチを用いて、1つ又は複数のロード・セルを停止させるステップと、
送信機を用いて、初期質量と現在質量との間の質量差を含む通知信号を送信する
ステップと
を含む、動物又は昆虫を遠隔監視する方法が提供される。
【0025】
一実施例では、センサと通信しているスイッチは、センサをトリガする1匹若しくは複数の動物又は昆虫によって作動される。
【0026】
第5の態様によれば、
監視対象の荷重を測定するために、1つ又は複数のロード・セルを備えて構成されるレセプタクル又はプラットフォームに、1匹若しくは複数の動物又は昆虫を引き付けるステップであって、レセプタクル又はプラットフォームは、1つ又は複数の開口部を有するハウジング内に配置され、各開口部は、展開可能なバリアを有する、ステップと、
1つ又は複数のロード・セルを用いて、監視対象の荷重の初期質量を測定するステップと、
1つ又は複数のロード・セルを用いて、監視対象の荷重の現在質量を定期的に測定するステップと、
初期質量と現在質量との間の所定の質量差に達すると、送信機を用いて、通知信号を送信するステップと、
1つ又は複数の開口部を覆うための各展開可能なバリアを展開するステップと
を含む、動物又は昆虫を遠隔監視する方法が提供される。
【0027】
非限定的な実例は、以下の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図11】動物又は昆虫の遠隔監視用の第1の方法のフロー図を示す。
【
図12】動物又は昆虫の遠隔監視用の第2の方法のフロー図を示す。
【
図13】動物又は昆虫の遠隔監視用の第3の方法のフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
一般用語
本明細書全体を通じて、「備える(comprise)」という単語、又は「備える(comprises)」若しくは「備えている(comprising)」などの変形は、記載された要素、整数若しくはステップ、又は、要素、整数若しくはステップのグループの包含を示唆するが、あらゆる他の要素、整数若しくはグループ、又は、要素、整数若しくはステップのグループの除外を示唆しないものとして理解されるであろう。
【0030】
監視装置
本開示は、
図1~
図8のいくつかの実施例に示すような、動物又は昆虫用の遠隔監視装置を含む。
【0031】
本開示の遠隔監視装置10は、マイクロコントローラ12と、送信機14と、監視対象の荷重を収容するプラットフォーム16a又は監視対象の荷重を担持するためのプラットフォーム16bとから構成される。レセプタクル/プラットフォーム16a、16bは、1つ又はロード・セル18を備えて、好ましくは、ひずみゲージ・ロード・セルの形態で、マイクロコントローラ12によって監視対象の荷重の質量の正確な測定を可能にするように構成される。マイクロコントローラ12は、監視対象の荷重の初期質量と、監視対象の荷重の現在質量とを測定するようにプログラムされる。さらに、マイクロコントローラ12は、監視対象の荷重の初期質量と現在質量との間の質量差を計算するようにプログラムされる。さらに、マイクロコントローラ12は、所定の事象が発生すると、送信機14を使用して、通知信号と質量差値とを外部の装置に送信するようにプログラムされる。外部装置は、クラウド・サーバなどの遠隔サーバ、又は他の遠隔コンピュータ装置であってもよい。通知信号及び質量差値が外部装置によって送信されると、外部装置は、観察者によって所有/操作されるスマート・デバイスに通知を送信して、観察者に遠隔監視装置10の状態を知らせることができる。観察者は、その後、この通知に従って行動し、遠隔監視装置10内で見られる消耗品の補充、又は遠隔監視装置10の回収など、遠隔監視装置10と対話(interact)することができる。外部装置は、動物又は昆虫の摂食行動及び一般的な福祉、並びに、個体群レベル及び食料の入手可能性などの環境特徴に関するデータ分析用の質量差値を保存することができる。
【0032】
マイクロコントローラ12によって測定される監視対象の荷重は、対象の動物又は昆虫に依存する。好ましい実施例では、動物を対象とする遠隔監視装置10用の監視対象の荷重は、飼料又は毒餌などの食用物質である。この実施例では、監視対象の荷重の初期質量は、動物によって食べられる前の食用物質の質量である。続いて、監視対象の荷重の現在質量は、動物が摂食を開始した後、ロード・セル18によって測定されるような食用物質の質量である。別の好ましい実施例では、有害生物を対象とする遠隔監視装置10用の監視対象の荷重は、有害生物自体である。この実施例では、レセプタクル/プラットフォーム16a、16bは、一貫した質量値を保証するために、1匹若しくは複数の動物又は昆虫を罠で捕らえるための接着面を備えて構成される。食材が微量であるか、ルアーが動物又は昆虫をレセプタクル/プラットフォーム16a、16bに引き付けるために使用されるため、監視対象の荷重の初期質量は取るに足りない。続いて、監視対象の荷重の現在質量は、レセプタクル/プラットフォーム16a、16b上に収集された有害生物の質量である。
【0033】
当業者であれば、レセプタクル16a又はプラットフォーム16bのいずれかの使用が、監視対象の荷重が構成されているものに基づくことが理解されよう。例えば、レセプタクル16aは、食用物質が、キブル(kibble)、干し草、粒状餌、及びペースト/液体などの遊離した物質である場合に使用され、一方、プラットフォームは、食用物質が、給餌ポールでプラットフォームに固定された固体ブロック、又は有害生物を罠で捕らえるための粘着ストリップ内に含浸された餌である場合に使用されるであろう。
【0034】
マイクロコントローラ12は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータ・メモリと、データ記憶装置とを備える。マイクロコントローラ12は、さらに、インターネット、Bluetooth(登録商標)、又はWLANなどの通信ネットワークを通じて、外部入力を受信するためのセンサ、及び、送信機14などの信号を送信及び/又は受信するための通信モジュールなどの補助装置と通信するための通信インターフェースを備える。マイクロコントローラ12の少なくとも1つのプロセッサは、コンピュータ・メモリに記憶されたプログラム・コードを実行するように構成され、方法で説明されるような一連の命令に従って遠隔監視装置を機能させる。
【0035】
1つ又は複数のロード・セル18は、1つ又は複数のロード・セルを作動又は停止させるためのスイッチ(図示せず)と通信するように適合され得る。一実施例では、スイッチは、観察者/エンド・ユーザによって意図的に操作されなければならない押しボタン式スイッチ又はトグル・スイッチなどの手動スイッチの形態であってもよい。好ましい一実施例では、スイッチは、信号の受信に基づいてトリガされるリレー・スイッチの形態であってもよい。信号は、所定の事象が発生したときのマイクロコントローラ12からのものであってもよく、又は、動物若しくは昆虫がいつレセプタクル/プラットフォーム16a、16bにアクセスしたかを示す音声、動作、光学、熱、振動、若しくはビデオ・センサなどの補助センサからであってもよい。
【0036】
被監視装置10は、1匹若しくは複数の動物又は昆虫を撃退するための忌避物質を備えて構成され得る。忌避物質は、マイクロコントローラ12からの活性化信号を受信すると活性化するように構成される。活性化信号は、所定の質量差値が達成されるとき、又は送信機が通知信号を送信したときなど、所定の事象の発生に基づいていてもよい。忌避物質は、対象となる動物又は昆虫に適した、いかなる種類のものであってもよい。一実例では、忌避物質は、動物又は昆虫を追い払うために使用される明るい光又は大きな音であり得る。別の実例では、忌避物質は、動物又は昆虫の恐怖又は嫌悪感を誘発するために使用される香り、フェロモン、又は振動であってもよい。これにより、有利には、飼料又は餌などの食用物質の過剰摂取が制限される。さらに、それにより、毒餌を過剰摂取した動物又は昆虫を摂取する捕食者から生じる二次中毒の可能性が低くなる。
【0037】
被監視装置10は、さらに、レセプタクル/プラットフォーム16a、16bを実質的に封入するハウジング20を備えて構成され得る。ハウジング20は、動物又は昆虫用のレセプタクル/プラットフォーム16a、16bへのアクセスを可能にするための少なくとも1つの開口部22を備えることができる。さらに、ハウジング20は、レセプタクル/プラットフォーム16a、16bに加えて動物又は昆虫を封入するのに十分な大きさであってもよい。
【0038】
開口部22は、開口部22をふさぐための展開可能なバリア24を備えて構成することができ、これにより、有利には、レセプタクル/プラットフォーム16a、16b上に見られる食用物質へのアクセスを制限するか、又はハウジング20内に動物若しくは昆虫を罠で捕らえることができる。一実施例では、展開可能なバリアは、モータ又は解放式ばねを使用して揺動して閉じられるドアの形態である。別の実施例では、展開可能なバリアは、レセプタクル16aの開口部を覆うために使用されるローラ・シャッターでもよく、動物用の監視対象の荷重へのアクセスを与えない。
【0039】
被監視装置10は、さらに、RFIDタグ及びBluetooth(登録商標)対応装置などの無線識別の読取りを可能にするために、送信機14の代わりにトランシーバを備えて構成され得る。マイクロプロセッサ12は、有効な無線識別を提供する装置から命令を受信し、初期質量、現在質量、及び質量差値などのマイクロプロセッサ12からの情報の検索を可能にするようにプログラムすることができる。さらに、マイクロプロセッサ12は、有効な無線識別を受信すると、展開可能なバリアを展開するか、又はしまい込むようにプログラムすることができる。これにより、有利には、RFIDチップによって使用可能な首輪又はタグを有することができるペット及び家畜などの動物が、遠隔被監視装置10のレセプタクル/プラットフォーム16a、16bへのアクセスを提供できるようになる。さらに、それにより、特定の動物の遠隔監視が可能になり、その結果、動物の食物消費率を監視し、動物の一般的な福祉を判定することになる。
【0040】
実例 - 齧歯動物の遠隔監視装置
図1及び
図2は、齧歯動物のために適合された遠隔監視装置10の一実例を示す。遠隔監視装置10は、齧歯動物がプラットフォーム16bにアクセスするのを可能にするための開口部22を備えて構成されたハウジング20を有する。プラットフォーム16bは、ロード・セル18と、マイクロプロセッサ12と、送信アンテナの形態の送信機とを収容するエンクロージャの上に配置される。プラットフォーム16bは、さらに、監視対象の荷重とみなされる毒餌26を保持するための給餌ポール24を備えて構成される。スイッチは、ロード・セル18を作動又は停止させるためにロード・セル18と通信する。ひずみゲージ又は追加のロード・セル30を備えて構成される傾斜台28の形態のセンサは、スイッチと通信して、毒餌の監視対象の荷重を食べる可能性がある、プラットフォーム16bに近接した齧歯動物の存在を検出する。
【0041】
齧歯動物はハウジング20に進入するとき、毒餌の監視対象の荷重に到達するために傾斜台24を昇るであろう。齧歯動物がその質量を傾斜台に載せると、ひずみゲージ又は追加のロード・セルが荷重の変化を記録し、それにより、スイッチがロード・セル14を作動させる。ロード・セル14が作動すると、マイクロプロセッサ12は、ロード・セル14に監視対象の荷重の初期質量を測定するように命令する。齧歯動物が、監視対象の荷重を十分食べ尽くすと、齧歯動物は傾斜台から離れ、ひずみゲージ又は追加のロード・セルがリセットされる。これにより、スイッチは、ロード・セル14を停止させるために非活性化信号を送信する。ロード・セル14を停止させる前に、マイクロプロセッサ12は、ロード・セル14に監視対象の荷重の現在質量を測定するように命令する。その後、マイクロプロセッサ12は、観察者に通知するために、送信機14を介してクラウド・サーバに送信するための通知信号を準備する。
【0042】
一実施例では、遠隔監視装置10は、高いルーメンの光又は甲高いサイレンの形態の忌避物質を備えて構成され得る。所定の質量差に達すると、この忌避物質は、マイクロプロセッサ12によって活性化され得る。
【0043】
実例 - シロアリの遠隔監視装置
図3及び
図4は、シロアリ用に適合された遠隔監視装置10の一実例を示す。遠隔監視装置10は、監視対象の荷重とみなされる木材のブロック32を収容するための穴のあいたケージの形態でレセプタクル16aを封入するように構成されたハウジング20を有する。レセプタクル16aは、一対のロード・セル18と、マイクロプロセッサ12と、送信アンテナの形態の送信機14とを収容するエンクロージャの下に配置される。
【0044】
シロアリが、監視対象の荷重を食べ尽くすためにレセプタクル16aを進入するとき、マイクロプロセッサ12は、一対のロード・セル18に、監視対象の荷重の初期質量を測定するように命令する。続いて、マイクロプロセッサ12は、一対のロード・セル18を使用して、所定のタイム・スケジュールに従って、現在の荷重を測定する。各測定時に、マイクロプロセッサ12は、質量差値を判定するために、初期質量と現在質量とを比較する。質量差値が所定の質量差値と同じか又はそれを超える場合、マイクロプロセッサ12は、観察者/エンド・ユーザに知らせるために、送信機14を介して、クラウド・サーバに通知信号を準備して送信する。さらに、それはまた、測定された質量の記録と、データ分析用の関連するタイム・スタンプとを送信することができる。
【0045】
一実施例では、ハウジング20は、シロアリがレセプタクル16aに近づくときに、シロアリの存在を検出するための熱センサを含むことができる。この熱センサは、一対のロード・セル18を作動又は停止させるためのスイッチとともに使用することができる。
【0046】
実例 - 飛翔昆虫の遠隔監視装置
図5及び
図6は、飛翔昆虫用に適合された遠隔監視装置10の一実例を示す。遠隔監視装置10は、テーパ状の側壁を有するレセプタクル16aに飛翔昆虫を通すように構成されたハウジング20を有する。レセプタクル16aは、昆虫を引き付けてレセプタクル16a内に留めるための餌を含浸させた複数の粘着ストリップで覆われている。ハウジング20はまた、昆虫をレセプタクル16aに引き付けて撃退するためのライト34を備えて構成される。レセプタクル16aは、ロード・セル18と、マイクロプロセッサ12と、送信アンテナの形態の送信機14とを収容する細長いエンクロージャの上に配置されている。
【0047】
昆虫を引き付けるためのライト34が点灯するとき、昆虫は、レセプタクル16aに引き寄せられ、マイクロプロセッサ12は、空っぽのレセプタクル16aの初期質量を測定する。昆虫がレセプタクル16aに引き寄せられ着地すると、昆虫は、粘着ストリップにくっつき、監視対象の荷重として機能する。レセプタクル16a内にくっついた昆虫の数が増加すると、現在質量も増加する。質量差値が所定の質量差値と同じか又はそれを超えているとマイクロプロセッサ12が判定すると、ライト34は消灯され、徘徊する昆虫がレセプタクル16aから撃退される。さらに、マイクロプロセッサ12は、観察者に知らせるために、送信機を介して、クラウド・サーバに通知信号を準備して送信する。
【0048】
一実施例では、ハウジング22は、昆虫の存在を判定するための光学センサ又はビデオ・センサを含むことができる。光学センサ又はビデオ・センサは、セル18を作動又は停止させるためのスイッチとともに使用することができる。
【0049】
実例 - 野生動物の遠隔監視装置
図7及び
図8は、野生動物の捕獲用に適合した遠隔監視装置10の一実例を示す。遠隔監視装置10は、レセプタクル16aと動物とを封入するように構成されたハウジング20を有する。ハウジング20は、さらに、動物を罠で捕らえるためのドアの形態の展開可能なバリア36を備える開口部22を有する。展開可能なバリア36は、モータ38を使用して展開される。レセプタクル16aは、一対のロード・セル18と、マイクロプロセッサ12と、送信アンテナの形態の送信機14とを収容するエンクロージャの上に配置される。さらに、ハウジング20は、観察者/エンド・ユーザが罠にかかった動物を見るためののぞき窓40を備えて構成され、防護ドア42は展開可能なドア36に重なり、動物が閉じ込めから逃れる可能性を減らすための強化材を提供する。
【0050】
遠隔監視装置10が最初に展開されるとき、開口部22は、展開可能なバリア36によってふさがれていない。監視対象の荷重とみなされる魅力的な餌は、レセプタクル16a上に配置され、野生動物が餌を食べることができるように、野生動物をハウジング20内に引き寄せるために使用される。野生動物が餌を食べる前に、マイクロプロセッサ12は、監視対象の荷重の初期質量を測定するように一対のロード・セル18に命令する。野生動物が餌を食べるとき、マイクロプロセッサ12は、監視対象の質量の現在質量を定期的に記録し、質量差値を計算する。質量差値が所定の質量差値と同じか又はそれを超えるとき、マイクロプロセッサ12は、展開可能なバリア36を閉じさせ、ハウジング20内に野生動物を確実に捕捉する。続いて、マイクロプロセッサ12は、観察者/エンド・ユーザに知らせるために、送信機14を介して、クラウド・サーバに通知信号を準備して送信する。これは、観察者/エンド・ユーザが野生動物の摂食習慣を監視すること、及び、捕獲した野生動物を回収すべきときを知ることを可能にするため、有利である。
【0051】
実例 - ゴキブリの遠隔監視装置
図9及び
図10は、ゴキブリ用に適合された遠隔監視装置10の一実例を示す。遠隔監視装置10は、レセプタクル16aと、1匹若しくは複数のゴキブリとを封入するように構成されたハウジング20を有する。レセプタクル16aは、餌又はルアーを含浸させて粘着ライニング44の層を有するように構成されている。ハウジング20は、ハウジング20内でゴキブリを罠で捕らえやすくするために、円形の開口部22に構成されている。レセプタクル16aは、ロード・セル18と、マイクロプロセッサ12と、送信アンテナの形態の送信機14とを収容するエンクロージャの上に配置される。さらに、ハウジング20は、ゴキブリの存在を検出するための光学センサ46を備えて構成される。光学センサ46は、ロード・セル18を作動又は停止させるスイッチと通信している。
【0052】
光学センサ46が動きを検出するとき、マイクロプロセッサ12は、ロード・セル18を作動させ、空っぽのレセプタクル16aの初期質量を測定するようにロード・セル18に命令する。ゴキブリが開口部22を通ってレセプタクル16a内に潜り込むとき、ゴキブリは粘着ライニング44にくっつき、監視対象の荷重として機能する。レセプタクル16a内のゴキブリの数が増加すると、現在質量も増加する。マイクロプロセッサ12は、質量差値が所定の質量差値と同じか又はそれを超えているとマイクロプロセッサ12が判定すると、マイクロプロセッサ12は、観察者/エンド・ユーザに知らせるために、送信機14を介して、クラウド・サーバに通知信号を準備して送信する。これは、観察者/エンド・ユーザが、いつ粘着ライニングを回収及び補充し、ゴキブリの死骸を処分すべきか知ることができるので、有利である。
【0053】
一実施例では、マイクロプロセッサ12は、初期質量に関連付けられたタイム・スタンプと、質量差値が所定の質量差値に達したときに現在質量に関連付けられたタイム・スタンプと、光学センサ46からの画像のセットとを送信する。これにより、観察者/エンド・ユーザは、ゴキブリのコロニーの個体群のサイズと成熟度とを判定することができる。
【0054】
動物又は昆虫の監視方法
図11は、動物又は昆虫を監視するための方法のフロー図を示す。この方法は、
図1~
図10に示す監視装置によって実施することができる。
【0055】
動物又は昆虫を監視するための方法は、最初に、ステップ48において、1匹若しくは複数の動物又は昆虫を、被監視装置10に、特に監視対象の荷重を収容するためのレセプタクル12a、又は監視対象の荷重を担持するためのプラットフォーム12bに引き寄せるステップを含む。レセプタクル/プラットフォーム12a、12bは、監視対象の荷重の測定を可能にするために、1つ又は複数のロード・セル18を備えて構成される。
【0056】
ステップ50において、マイクロコントローラ12は、1つ又は複数のロード・セル18を使用して、監視対象の荷重の初期質量を測定する。これにより、その後の測定の正確な記録のための基準点が確立された。ステップ52において、マイクロコントローラ12は、1つ又は複数のロード・セル18を使用して、監視対象の荷重の現在質量を測定する。続いて、マイクロコントローラ12は、初期質量と現在質量とを比較して、質量差値を判定する。
【0057】
判定点54において、マイクロコントローラ12は、質量差値が所定の質量差値と同じではなく、超えてもいないと判定する場合、マイクロコントローラ12は、所定の期間に従って別の現在質量を測定することになる。この測定期間は、例として、30分ごと、12時間ごと、又は24時間ごとなどの任意の周期的な時間値であってもよい。
【0058】
マイクロコントローラ12が、質量差値が所定の質量差値と同じか又はそれを超えていると判定するとき、ステップ56において、マイクロコントローラ12は、外部装置への送信のための通知信号を準備する。通知信号は、その後、送信機14によって送信される。当業者には、記録された質量差及びこれらの記録に関連するタイム・スタンプなどの追加データが通知信号とともに送信され得ることが理解されよう。
【0059】
ステップ58において、マイクロコントローラは、動物又は昆虫を遠隔監視装置10から撃退するために忌避物質を活性化させることができる。これにより、有利には、観察者は、いつ遠隔監視装置10が消耗品を使い果たしたか、又は、罠で捕らえられた昆虫で満たされて、補充又は空にする必要があるかを、及び、他の動物又は昆虫がさらなる飼料/餌を食べ尽くさないように追い払われるであろうことを知ることができる。
【0060】
図12は、動物又は昆虫を監視するための別の方法のフロー図を示す。この方法は、
図1~
図10に示す監視装置によって実施することができる。
【0061】
動物又は昆虫の遠隔監視のためのこの方法は、ステップ60において、1匹若しくは複数の動物又は昆虫を遠隔被監視装置10に、特にレセプタクル/プラットフォーム16a、16bに引き寄せるステップを含む。レセプタクル/プラットフォーム16a、16bは、質量を測定するための1つ又は複数のロード・セル18、及び、1つ又は複数のロード・セル18を作動/停止させるためのスイッチを備えて構成される。スイッチは、動物/昆虫の存在を感知するためのセンサと通信している。
【0062】
判定点62において、センサが動物/昆虫の存在を記録する場合、ステップ64において、スイッチが1つ又は複数のロード・セル18を作動させ、ステップ66において、マイクロプロセッサ12は、監視対象の荷重の初期質量の測定を開始する。さもなければ、スイッチは、休眠状態になる。
【0063】
判定点68において、センサが動物/昆虫がいないことを記録するとき、マイクロプロセッサ12は、ステップ72においてスイッチが1つ又は複数のロード・セル18を停止させることが可能になる前に、ステップ70において、監視対象の荷重の現在質量を測定する。続いて、マイクロコントローラ12は、ステップ74において、送信機を使用して外部装置に送信するための通知信号を準備する。これにより、有利には、観察者は、いつ動物/昆虫が遠隔監視装置10に顔を出したかを知ることができ、動物/昆虫の摂食行動のデータを収集して、動物/昆虫の一般的な福祉と、動物/昆虫の行動/福祉に貢献するローカル環境要因を判定/監視できる。
【0064】
図13は、動物又は昆虫を監視するための最終的な方法のフロー図を示す。この方法は、
図1、
図2、
図7及び
図8に示す監視装置によって実施することができる。
【0065】
動物又は昆虫を監視するためのこの最終的な方法は、
図11に示す方法と同様である。ステップ76において、動物又は昆虫は、それぞれ展開可能なバリアを有する1つ又は複数の開口部22を有するハウジング20を備え、レセプタクル/プラットフォーム16a、16bと相互作用するように構成される被監視装置10に引き寄せられる。動物又は昆虫は、レセプタクル/プラットフォーム16a、16bにアクセスするために、1つ又は複数の開口部22を通ってハウジング20の内部にアクセスすることができる。
【0066】
ステップ78において、マイクロコントローラ12は、1つ又は複数のロード・セル18を使用して、監視対象の荷重の初期質量を測定する。所定の期間が経過した後、マイクロコントローラ12は、ステップ80において、監視対象の荷重の現在質量を測定する。続いて、マイクロコントローラ12は、初期質量と現在質量とを比較することによって、質量差値を判定する。
【0067】
判定点82において、マイクロコントローラ12は、質量差値が所定の質量差値よりも小さいと判定した場合、マイクロコントローラは、ステップ80にループ・バックする。マイクロコントローラ12は、質量差が所定の質量差値と同じか又はそれよりも大きいと判定した場合、ステップ84において、送信機14を介して外部装置に送信するための通知信号を準備する。
【0068】
通知信号が送信されると、マイクロコントローラ12は、ステップ86において、1つ又は複数の開口部22を覆うために各展開可能なバリアの展開をトリガするための信号を送信する。これにより、好ましくは、観察者は、いつ遠隔監視装置10がレセプタクル/プラットフォーム16a、16bへのアクセスを拒否するためにバリアを展開するようにトリガしたか、又は、回収のためにいつ1匹若しくは複数の動物又は昆虫を捕獲したかを知ることができる。
【0069】
当業者であれば、本開示の広範な一般的範囲から逸脱することなく、上述の実施例に対して多くの変形及び/又は修正を行うことができることが理解されよう。したがって、本実施例は、あらゆる点で例示的であり、限定的なものではないと考えられるべきである。
【国際調査報告】