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特表2024-518122回転手持ち式溶接ガン及び溶接ガン用の電力カップリング
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-24
(54)【発明の名称】回転手持ち式溶接ガン及び溶接ガン用の電力カップリング
(51)【国際特許分類】
   B23K 9/29 20060101AFI20240417BHJP
   B23K 10/00 20060101ALI20240417BHJP
【FI】
B23K9/29 E
B23K10/00 504
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571598
(86)(22)【出願日】2022-05-17
(85)【翻訳文提出日】2024-01-10
(86)【国際出願番号】 CA2022050774
(87)【国際公開番号】W WO2022241547
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】63/189,520
(32)【優先日】2021-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517004919
【氏名又は名称】ナサーク テクノロジーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クテイリー ナシーム
(72)【発明者】
【氏名】バシット ノーマン
【テーマコード(参考)】
4E001
【Fターム(参考)】
4E001LH02
4E001LH08
4E001LH12
4E001MA03
4E001MA06
4E001MB05
4E001ME04
4E001ME06
4E001ME11
(57)【要約】
本開示は、溶接ガン、及び溶接ガン用の電力カップリングであって、溶接ガンによって使用されるケーブルアセンブリに対するハンドルの回転運動を可能にする電力カップリングを提供する。一態様では、溶接ガンは、ハンドルと、ハンドルの前部から固定延長する供給管アセンブリと、電力を供給するように構成されたケーブルアセンブリと、供給管アセンブリとケーブルアセンブリとの間に回転可能に結合された回転電力コネクタとを含み、ケーブルアセンブリはハンドルに対して回転電力コネクタを介して回転可能であり、回転電力コネクタは、電力を、ケーブルアセンブリから供給管アセンブリに伝送するように構成され、また溶接ガンは、ケーブルアセンブリの制御ワイヤに電気的に結合されたアクチュエータスイッチアセンブリを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドルと、
前記ハンドルの前部から固定延長する供給管アセンブリと、
電力を供給するように構成されたケーブルアセンブリと、
前記供給管アセンブリと前記ケーブルアセンブリとの間に回転可能に結合された回転電力コネクタであって、前記ケーブルアセンブリは前記ハンドルに対して前記回転電力コネクタを介して回転可能であり、ここで前記回転電力コネクタは、電力を、前記ケーブルアセンブリから前記供給管アセンブリに伝送するように構成される、回転電力コネクタと、
前記ケーブルアセンブリの制御ワイヤに電気的に結合されたアクチュエータスイッチアセンブリと、
を備える、溶接ガン。
【請求項2】
前記回転電力コネクタは、前記ハンドル内、又は前記ハンドルの後部に配置される、請求項1に記載の溶接ガン。
【請求項3】
前記アクチュエータスイッチアセンブリを前記ケーブルアセンブリの前記制御ワイヤに電気的に結合する回転可能な電気信号接続を更に備える、請求項1又は請求項2に記載の溶接ガン。
【請求項4】
前記回転可能な電気信号接続は、前記ケーブルアセンブリに対して回転可能である、請求項3に記載の溶接ガン。
【請求項5】
前記ハンドルは、前記回転電力コネクタ及び前記回転可能な電気信号接続を取り囲む、請求項3又は請求項4に記載の溶接ガン。
【請求項6】
前記アクチュエータスイッチアセンブリは、前記ハンドルの側面に配置される、請求項1~5のうちのいずれか一項に記載の溶接ガン。
【請求項7】
前記回転電力コネクタは、前記供給管アセンブリに接続するためのハウジングと、前記ケーブルアセンブリに接続するためのシャフトとを含み、ここで、
前記シャフトは前記ハウジング内に配置され、
前記ハウジングは前記シャフトに対して回転可能であり、そして、
前記シャフトは電力を前記ハウジングに伝送するように構成される、
請求項1~6のうちのいずれか一項に記載の溶接ガン。
【請求項8】
前記シャフトは、前記電力を前記ハウジングに伝送するための少なくとも1つのテーパを含む、請求項7に記載の溶接ガン。
【請求項9】
前記電力は、前記シャフトから前記ハウジングへ、ロータ接点と接触する前記少なくとも1つのテーパを介して伝送される、請求項8に記載の溶接ガン。
【請求項10】
前記ケーブルアセンブリに固定された伝熱管アセンブリであって、前記ケーブルアセンブリから熱を伝達するように構成される、伝熱管アセンブリを更に備える、請求項1~9のうちのいずれか一項に記載の溶接ガン。
【請求項11】
前記回転電力コネクタは、前記回転電力コネクタの前部から後部まで延びる開口部を含む、請求項1~10のうちのいずれか一項に記載の溶接ガン。
【請求項12】
前記ケーブルアセンブリは、シールドガス用のホースを含み、前記シールドガスは、前記回転電力コネクタの前記開口部を介して前記供給管アセンブリに流れる、請求項11に記載の溶接ガン。
【請求項13】
前記ケーブルアセンブリは、溶接ワイヤ用の導管を含み、前記溶接ワイヤ用の導管は、前記回転電力コネクタの前記開口部を介して前記供給管アセンブリを通る、請求項11又は請求項12に記載の溶接ガン。
【請求項14】
前記ケーブルアセンブリは、作動ガス用のホースを含み、前記作動ガスは前記回転電力コネクタの前記開口部を介して前記供給管アセンブリに流れる、請求項11に記載の溶接ガン。
【請求項15】
ソリッドワイヤを用いたガスメタルアーク溶接(GMAW)、メタルコアワイヤを用いたガスメタルアーク溶接(GMAW-C)、ガス遮断されたフラックスコアードアーク溶接(FCAW-G)、又は遮断されたフラックスコアードアーク溶接(FCAW-S)用に使用される、請求項1~13のうちのいずれか一項に記載の溶接ガン。
【請求項16】
プラズマ溶接又はプラズマ切断に使用される、請求項1~12のうちのいずれか一項、又は請求項14に記載の溶接ガン。
【請求項17】
半自動手持ち式溶接ガンである、請求項1~16のうちのいずれか一項に記載の溶接ガン。
【請求項18】
溶接ガン用の電力カップリングであって、
供給管アセンブリとケーブルアセンブリとの間を回転可能に結合するための回転電力コネクタを含み、ここで前記回転電力コネクタは、前記溶接ガンのハンドルに対する前記ケーブルアセンブリの回転を可能にし、ここで前記ケーブルアセンブリは、電力を供給するように構成され、また前記回転電力コネクタは、電力を、前記ケーブルアセンブリから前記供給管アセンブリへ伝送するように構成され、ここで前記供給管アセンブリは前記ハンドルの前部から固定延長する、
電力カップリング。
【請求項19】
回転可能な電気信号接続を更に備え、前記溶接ガンのアクチュエータスイッチアセンブリを前記ケーブルアセンブリの制御ワイヤに電気的に結合する、請求項18に記載の電力カップリング。
【請求項20】
前記回転可能な電気信号接続は、前記ケーブルアセンブリに対して回転可能である、請求項19に記載の電力カップリング。
【請求項21】
前記回転電力コネクタは、前記供給管アセンブリに接続するためのハウジングと、前記ケーブルアセンブリに接続するためのシャフトとを含み、ここで、
前記シャフトは前記ハウジング内に配置され、
前記ハウジングは前記シャフトに対して回転可能であり、そして、
前記シャフトは電力を前記ハウジングに伝送するように構成される、
請求項18~20のうちのいずれか一項に記載の電力カップリング。
【請求項22】
前記シャフトは、前記電力を前記ハウジングに伝送するための少なくとも1つのテーパを含む、請求項21に記載の電力カップリング。
【請求項23】
前記電力は、前記シャフトから前記ハウジングへ、ロータ接点と接触する前記少なくとも1つのテーパを介して伝送される、請求項22に記載の電力カップリング。
【請求項24】
前記回転電力コネクタは、前記回転電力コネクタの前部から後部まで延びる開口部を含む、請求項18~23のうちのいずれか一項に記載の電力カップリング。
【請求項25】
溶接ガンであって、
ハンドルと、
前記ハンドルの前部から固定延長する供給管アセンブリと、
電力を供給するように構成されたケーブルアセンブリと、
前記供給管アセンブリと前記ケーブルアセンブリとの間に回転可能に結合された回転電力コネクタであって、前記ケーブルアセンブリは前記ハンドルに対して前記回転電力コネクタを介して回転可能であり、ここで前記回転電力コネクタは、電力を、前記ケーブルアセンブリから前記供給管アセンブリに伝送するように構成される、回転電力コネクタと、
前記ハンドルの側面に配置され、前記ケーブルアセンブリの制御ワイヤに電気的に結合されるアクチュエータスイッチアセンブリと、
前記ケーブルアセンブリに対して回転可能であり、かつ前記アクチュエータスイッチアセンブリを前記ケーブルアセンブリの前記制御ワイヤに電気的に結合する回転可能な電気信号接続と、を備え、
ここで前記アクチュエータスイッチアセンブリの作動により、信号が、前記溶接ガンによる溶接パラメータを制御する前記ケーブルアセンブリの前記制御ワイヤを介して送られ、
前記ハンドルは前記回転電力コネクタ及び前記回転可能な電気信号接続を取り囲む、
溶接ガン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年5月17日に出願された米国仮特許出願第63/189,520号に対する優先権を主張し、その全内容はあらゆる目的のために参照によって本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、溶接装置に関し、特に手持ち式溶接ガン用の電力カップリングに関する。
【背景技術】
【0003】
手持ち式溶接ガンは、手持ち式部分及び供給管アセンブリ部分を有し得て、ケーブル束に接続される。手持ち式部分は、ユーザが把持し、それを用いて溶接するような形状にされ、溶接ガンはケーブル束に堅固に取り付けられる。このような取り付けでは、手持ち式溶接ガンを容易に動かすことができない。
【0004】
代わりに、良好な溶接結果を得るため、ユーザは溶接ガンを安定した方法で把持し、溶接領域に対する正確な位置、及び一貫性のための一定速度を維持する必要がある。これは、ユーザの手首及び腕に負担をもたらす場合がある。堅固な取り付けはまた、その領域の溶接をより困難にする可能性がある。加えて、溶接ケーブルで発生した熱は、手持ち式部分を介してユーザに伝わり、長時間の溶接を困難にする。
【0005】
したがって、溶接用の、追加の、代替の、及び/又は改良された手持ち式溶接ガンが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2020/093151号
【特許文献2】米国特許第7854615号明細書
【特許文献3】国際公開第2008/097703号
【特許文献4】米国特許第3529128号明細書
【特許文献5】独国特許出願公開第4325289号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様によれば、溶接ガンが開示され、溶接ガンは、ハンドルと、ハンドルの前部から固定延長する供給管アセンブリと、電力を供給するように構成されたケーブルアセンブリと、供給管アセンブリとケーブルアセンブリとの間に回転可能に結合された回転電力コネクタとを含み、ケーブルアセンブリはハンドルに対して回転電力コネクタを介して回転可能であり、回転電力コネクタは、電力を、ケーブルアセンブリから供給管アセンブリに伝送するように構成され、また溶接ガンは、ケーブルアセンブリの制御ワイヤに電気的に結合されたアクチュエータスイッチアセンブリを含む。
【0008】
いくつかの態様では、回転電力コネクタは、ハンドル内又はハンドルの後部に配置される。
【0009】
いくつかの態様では、溶接ガンは、アクチュエータスイッチアセンブリをケーブルアセンブリの制御ワイヤに電気的に結合している回転可能な電気信号接続を更に含む。
【0010】
いくつかの態様では、回転可能な電気信号接続は、ケーブルアセンブリに対して回転可能である。
【0011】
いくつかの態様では、ハンドルは、回転電力コネクタ及び回転可能な電気信号接続を取り囲む。
【0012】
いくつかの態様では、アクチュエータスイッチアセンブリは、ハンドルの側面に配置される。
【0013】
いくつかの態様では、回転電力コネクタは、供給管アセンブリに接続するためのハウジングと、ケーブルアセンブリに接続するためのシャフトとを含み、ここで、シャフトはハウジング内に配置され、ハウジングはシャフトに対して回転可能であり、シャフトは電力をハウジングに伝送するように構成される。
【0014】
いくつかの態様では、シャフトは、電力をハウジングに伝送するための少なくとも1つのテーパを含む。
【0015】
いくつかの態様では、電力は、シャフトからハウジングへ、ロータ接点と接触する少なくとも1つのテーパを介して伝送される。
【0016】
いくつかの態様では、溶接ガンは、ケーブルアセンブリに固定された伝熱管アセンブリを更に含み、伝熱管アセンブリはケーブルアセンブリから熱を伝達するように構成される。
【0017】
いくつかの態様では、回転電力コネクタは、回転電力コネクタの前部から後部まで延びる開口部を含む。
【0018】
いくつかの態様では、ケーブルアセンブリは、シールドガス用のホースを含み、シールドガスは、回転電力コネクタの開口部を介して供給管アセンブリに流れる。
【0019】
いくつかの態様では、ケーブルアセンブリは、溶接ワイヤ用の導管を含み、溶接ワイヤ用の導管は、回転電力コネクタの開口部を介して供給管アセンブリを通る。
【0020】
いくつかの態様では、ケーブルアセンブリは、作動ガス用のホースを含み、作動ガスは回転電力コネクタの開口部を介して供給管アセンブリに流れる。
【0021】
いくつかの態様では、溶接ガンは、ソリッドワイヤを用いたガスメタルアーク溶接(GMAW)、メタルコアワイヤを用いたガスメタルアーク溶接(GMAW-C)、ガス遮断されたフラックスコアードアーク溶接(FCAW-G)、又は遮断されたフラックスコアードアーク溶接(FCAW-S)に使用される。
【0022】
いくつかの態様では、溶接ガンは、プラズマ溶接又はプラズマ切断に使用される。
【0023】
いくつかの態様では、溶接ガンは、半自動手持ち式溶接ガンである。
【0024】
本開示の別の態様によれば、溶接ガン用の電力カップリングが開示され、電力カップリングは、供給管アセンブリとケーブルアセンブリとの間を回転可能に結合するための回転電力コネクタを含み、ここで回転電力コネクタは、溶接ガンのハンドルに対するケーブルアセンブリの回転を可能にし、ケーブルアセンブリは、電力を供給するように構成され、回転電力コネクタは、電力を、ケーブルアセンブリから供給管アセンブリへ伝送するように構成され、供給管アセンブリはハンドルの前部から固定延長する。
【0025】
いくつかの態様では、電力カップリングは、回転可能な電気信号接続を更に含み、溶接ガンのアクチュエータスイッチアセンブリをケーブルアセンブリの制御ワイヤに電気的に結合する。
【0026】
いくつかの態様では、回転可能な電気信号接続は、ケーブルアセンブリに対して回転可能である。
【0027】
いくつかの態様では、回転電力コネクタは、供給管アセンブリに接続するためのハウジングと、ケーブルアセンブリに接続するためのシャフトとを含み、ここで、シャフトはハウジング内に配置され、ハウジングはシャフトに対して回転可能であり、シャフトは電力をハウジングに伝送するように構成される。
【0028】
いくつかの態様では、シャフトは、電力をハウジングに伝送するための少なくとも1つのテーパを含む。
【0029】
いくつかの態様では、電力は、シャフトからハウジングへ、ロータ接点と接触する少なくとも1つのテーパを介して伝送される。
【0030】
いくつかの態様では、回転電力コネクタは、回転電力コネクタの前部から後部まで延びる開口部を含む。
【0031】
本開示の別の態様によれば、溶接ガンが開示され、溶接ガンは、ハンドルと、ハンドルの前部から固定延長する供給管アセンブリと、電力を供給するように構成されたケーブルアセンブリと、供給管アセンブリとケーブルアセンブリとの間に回転可能に結合された回転電力コネクタであって、ケーブルアセンブリが回転電力コネクタを介してハンドルに対して回転可能であり、回転電力コネクタが電力をケーブルアセンブリから供給管アセンブリへ伝送するように構成される、回転電力コネクタと、ハンドルの側面に配置され、ケーブルアセンブリの制御ワイヤに電気的に結合されるアクチュエータスイッチアセンブリと、ケーブルアセンブリに対して回転可能であり、かつアクチュエータスイッチアセンブリをケーブルアセンブリの制御ワイヤに電気的に結合する回転可能な電気信号接続と、を含み、ここでアクチュエータスイッチアセンブリの作動により、信号が、溶接ガンによる溶接パラメータを制御するケーブルアセンブリの制御ワイヤを介して送られ、ハンドルは回転電力コネクタ及び回転可能な電気信号接続を取り囲む。
【0032】
本開示の更なる特徴及び利点は、添付図面と組み合わせた以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1A】手持ち式溶接ガンの一実施形態の斜視図を示す。
図1B】手持ち式溶接ガンの実施形態の正面図を示す。
図1C】手持ち式溶接ガンの実施形態の側面図を示す。
図2A図1Bに示す手持ち式溶接ガンのA?A線に沿った断面図を示す。
図2B】手持ち式溶接ガンの一実施形態の断面図を示す。
図3】供給管アセンブリとRPCとの接続の実施形態を示す。
図4A】伝熱管アセンブリの一実施形態を示す。
図4B】伝熱管アセンブリの断面図を示す。
図4C】回転可能な電気信号接続を備えて組み立てられた伝熱管アセンブリを示す。
図4D】回転可能な電気信号接続を備えて組み立てられた伝熱管アセンブリを示す。
図5A】回転可能な電気信号接続の一実施形態を示す。
図5B】回転可能な電気信号接続の一実施形態を示す。
図6】手持ち式溶接ガンの一実施形態のレンダリングを示す。
図7】手持ち式溶接ガンの一実施形態の分解図を示す。
図8A】手持ち式溶接ガンに適した回転電力コネクタ(RPC)の一例の分解図である。
図8B】RPCの背面図である。
図8C】RPCの断面図である。
図9A】手持ち式溶接ガンの別の実施形態の斜視図を示す。
図9B】手持ち式溶接ガンの実施形態の正面図を示す。
図9C】手持ち式溶接ガンの実施形態の側面図を示す。
図10A図9A図9Cに示す手持ち式溶接ガンの断面図を示す。
図10B】手持ち式溶接ガンの一実施形態の断面図を示す。
図11】手持ち式溶接ガンの一実施形態のレンダリングを示す。
図12】手持ち式溶接ガンの一実施形態の分解図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
手持ち式溶接ガン及び電力カップリングの実施形態が本明細書に開示される。いくつかの態様では、溶接ガンは、ハンドル、ハンドルの前部から固定延長する供給管アセンブリ、電力を供給するように構成されたケーブルアセンブリ、供給管アセンブリとケーブルアセンブリとの間に回転可能に結合された回転電力コネクタを含み、ケーブルアセンブリはハンドルに対して回転電力コネクタを介して回転可能であり、回転電力コネクタは、電力を、ケーブルアセンブリから供給管アセンブリに伝送するように構成され、また溶接ガンは、ケーブルアセンブリの制御ワイヤに電気的に結合されたアクチュエータスイッチアセンブリを含む。溶接ガンは、回転可能な電気信号接続を更に含んでもよく、それは、アクチュエータスイッチアセンブリをケーブルアセンブリの制御ワイヤに電気的に結合し、回転可能な電気信号接続は、ケーブルアセンブリに対して回転可能である。有利には、溶接ガン、特に回転電力コネクタ及び回転可能な電気信号接続の構成により、ハンドル及び供給管アセンブリをケーブルアセンブリに対して回転させることができ、これによって、溶接ガンを操作しているユーザにとって、溶接を行うのがより容易になる。
【0035】
回転電力コネクタと、更には入力ケーブルアセンブリに対する回転を可能にする回転可能な電気信号接続とを含む電力カップリングは、限定するものではないが、ソリッドワイヤを用いたガスメタルアーク溶接(GMAW)、メタルコアワイヤを用いたガスメタルアーク溶接(GMAW-C)、ガス遮断されたフラックスコアードアーク溶接(FCAW-G)、又は遮断されたフラックスコアードアーク溶接(FCAW-S)に使用される溶接ガン、あるいはプラズマ溶接又はプラズマ切断用の溶接ガンを含んだ、溶接用途の範囲内で使用され得ることが理解されるであろう。
【0036】
図1A図1Cは、本開示による手持ち式溶接ガン100の一実施形態を示す。手持ち式溶接ガン100は、ハンドル102と、ハンドル102から溶接点まで延びるネック、グースネック、又は供給管アセンブリ104とを含む。ハンドル102は、ユーザの手と手首に対して快適な形状にされた人間工学的ハンドルである。ハンドル102用のアクチュエータスイッチアセンブリ106は、溶接電流、ワイヤ送給、及びシールドガスを作動させるために使用され、ケーブルアセンブリ108は手持ち式溶接ガン100の後部に接続される。アクチュエータスイッチアセンブリ106は、図1Cに示すようにハンドル102上に配置されたスイッチであってもよい。図1Cは、アクチュエータスイッチアセンブリ106をトリガとして示しているが、代わりにボタン又は他のタッチセンサを含んでもよい。更に、アクチュエータスイッチアセンブリは、ハンドルに結合される別個のスイッチング手段、例えば、フットペダル又はBluetooth(登録商標)スイッチング構成などを含み得ることが理解されるであろう。ケーブルアセンブリ108は、電流を流すための電力ケーブル、シールドガス用のホース、溶接ワイヤ用の導管、ならびに溶接ガンへの電源及びワイヤ送給を作動するための制御ワイヤを担持し得る。
【0037】
手持ち式溶接ガン100のハンドル102は、図1A図1Cに示すように、真っ直ぐであり、人間工学的形状を有し得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、ハンドル102は、他の形状/設計を有してもよく、代わりに湾曲し、人間工学的形状を有してもよいことが理解されるであろう。ハンドル102は、ハンドル102の他の表面とは異なる材料を有する隆起部又は表面を更に含み、ユーザにより良いグリップを提供し得る。ハンドル102の人間工学的形状はまた、ユーザが溶接中により良いグリップを得ることを可能にし、使用中に手又は手首の不快感又は痛みを防止する。
【0038】
図2A及び図2Bは、手持ち式溶接ガン100の断面図を示す。図示のように、ハンドル102は、接続手段202で供給管アセンブリ104に結合され得る。接続手段202は、ねじ接続などの取り外し可能な接続であり得る。手持ち式溶接ガン100は、ケーブルアセンブリ108と供給管アセンブリ104との間に回転可能に接続された回転電力コネクタ(RPC)204を更に含む。RPC204は、ケーブルアセンブリ108から供給管アセンブリ104に電力を供給するように構成される。RPC204は、ハンドル102内に、部分的にハンドル102内に、又はハンドル102の後方に配置され得る。図2Aでは、RPC204はハンドル102内に位置する。ケーブル束108は、RPC204の後部に導電性カプラ211を介して結合され得て、それはケーブルアセンブリからの電力ケーブルの接続を可能にし、そして供給管アセンブリ104は、RPC204の前部に直接接続され得る。特に、RPC204は、ケーブルアセンブリ108の回転を可能にするように結合され得るが、供給管アセンブリ104の回転は許可しない場合がある。したがって、供給管アセンブリ104は、ハンドル102に対して固定され、その結果、ハンドル102が回転すると、供給管アセンブリ104がハンドル102とともに回転する。しかしながら、供給管アセンブリ104は、ハンドル102から取り外され、回転され、その後、新たな固定位置に再設置されてもよいことが理解されるであろう。RPC204は、RPC204の長さに延在する開口部又は貫通穴206を含む。開口部206は、ケーブルアセンブリ108からのシールドガスが、RPC204の後部から前部に流れるのを可能にし、溶接ワイヤ用の導管がRPC204の中心を通って供給管アセンブリ104まで通過することを可能にする。
【0039】
図3は、供給管アセンブリ104とRPC204との接続の実施形態を示す。供給管アセンブリ104は、インデックス特徴302を有する、テーパ状のグースネックであってもよい。インデックス特徴302は、特定の形状を備える雄型コネクタであってもよく、その形状は、RPC204上の対応する雌型コネクタ304に嵌合する。これにより、RPC204と供給管アセンブリ104との間の確実な接続が可能になる。
【0040】
図2A図2Bに戻って参照すると、手持ち式溶接ガン100は、ケーブルアセンブリ108に固定されてハンドル102の後部に挿入された伝熱管アセンブリ210を更に含み得る。図4Aは、伝熱管アセンブリ210を示し、図4Bは、伝熱管アセンブリ210の断面図を示し、図4C及び図4Dは、回転可能な電気信号接続208を備えて組み立てられた伝熱管アセンブリ210を示す。図示されるように、伝熱管アセンブリは、ケーブルアセンブリ108に直接接続するための第1の部分402と、ハンドル102とともに第1の部分402に対して回転可能な第2の部分(ロータ404)とを含む。伝熱管アセンブリ210は、例えば、伝導及び放射を通じてケーブルアセンブリ108から熱を吸収し、それを、例えばフィン403からの対流及び放射を通じて周囲に移動させることができ、熱がハンドル102及びユーザの手に伝わることがない。これにより、ユーザはより長時間の溶接を行うことが可能になり得る。
【0041】
手持ち式溶接ガン100は、例えばスリップリングアセンブリを介した回転可能な電気信号接続208を更に含み得る。回転可能な電気信号接続208は、アクチュエータスイッチアセンブリ106をケーブルアセンブリ108の制御ワイヤに結合し、そして、回転可能な電気信号接続208は、ケーブルアセンブリ108に対して回転可能であり、供給管アセンブリ104及びハンドル102がケーブルアセンブリ108に対して自由に回転することを可能にする。回転可能な電気信号接続208は、溶接ガン100の様々な位置に配置されて、アクチュエータスイッチアセンブリ106をケーブルアセンブリ108の制御ワイヤに結合し得る。図2A図2Bに示されるように、回転可能な電気信号接続208は、RPC204の後方又は後部に配置される。他の実施形態では、回転可能な電気信号接続208はRPC204の一部であってもよい。
【0042】
図5A及び図5Bは、回転可能な電気信号接続208の実施形態を示す。各信号転送回路について、複数の導電性ばね付勢接触器502は放射状に配置されて、複数の電流経路を生成し、ケーブル108に対するハンドル102の振動及び回転によって発生するノイズを除去する。これらのばね付勢接触器502は、弾性放射状導体504に放射状に接続され、弾性放射状導体504は、金属ばね又は導電性エラストマであり得る。複数の信号用に、ばね付勢接触器502はPCB506上に直線状に配置される。ばね付勢接触器502の上部は、ばね付勢ピン部分を含んで、PCB506の上に突出し、底部はPCB506の下に延びる。底部に延びる円形の突起は、弾性放射状導体504を接線方向に押圧する。ばね付勢接触器502は、ロータ404の内側に絶縁層が積層された導電性リング508に均等かつ一定の圧力を加え、ロータ404はハンドル102に固定される。PCB506上のばね付勢接触器502は、ケーブル108に対して固定される。ケーブル108からの信号は、この環状のコンパクトな空間を通ってハンドル102に効果的に転送される。スリップリングアセンブリが説明され図示されているが、回転可能な電気信号接続208は、ハンドル102とケーブル束108との間の回転及び電気接続を可能にする別のアセンブリ又は要素を含む場合があることが理解されるであろう。
【0043】
ケーブルアセンブリ108に対してハンドル102を回転できるということは、ユーザが、自分の手首又は手を動かして、最小のねじり抵抗でケーブルアセンブリ108の周りを回転するハンドル102を介して任意の溶接位置に合わせ得ることを意味する。これにより、溶接ガン100のユーザの手首にかかる負担を軽減することが可能であり、ケーブル束108内の応力が解放され、それによってシステムの寿命を延ばし得る。RPC204、及びハンドル102とケーブルアセンブリ108との間の回転可能な電気信号接続208は、時計回りと反時計回りの両方向への無限回転が可能であってもよい。いくつかの実施形態では、RPC204及び回転可能な電気信号接続208は、いずれの方向へも無限回転が可能であってもよく、又はその代わりに、いずれの方向への完全な回転が可能でなくてもよい。RPC204及び/又は回転可能な電気信号接続208は、いずれの方向へも10°~360°の間の角度の部分回転を可能にし得ることが理解されよう。
【0044】
図6は、ハンドル102、供給管アセンブリ104、アクチュエータスイッチアセンブリ106、及びケーブルアセンブリ108を含む、手持ち式溶接ガンの一実施形態のレンダリングを示す。
【0045】
図7は、手持ち式溶接ガン100の一実施形態の分解図を示す。ハンドル102は、1つの固体部品として形成されてもよく、又は接続される2つ以上の要素から形成されてもよい。要素は、アクチュエータスイッチアセンブリ106がハンドル102の側面に配置され、RPC204がハンドル102内に配置され、伝熱管アセンブリ210がケーブルアセンブリ108の周囲に配置されてハンドル102の後部に結合されるように組み立てられ得る。上述したように、ケーブルアセンブリ108は、シールドガス用のホース及び溶接ワイヤ用の導管702と、回転可能な電気信号接続208に接続するリード線とを含み得る。ケーブルアセンブリ108は、ばね704、又はシステム上の歪軽減の他の手段を更に含み得る。
【0046】
図8Aは、手持ち式溶接ガン100のRPC204の一例の分解図である。図8Bは、RPC204の背面図である。図8Cは、RPC204の断面図である。
【0047】
RPC204は、供給管アセンブリ104に接続する外側ハウジング802、ロータ接点804、ロータブッシング806、シャフト808、ブッシングナット810、ばね812、圧力板814、及びOリング816、818を含む。図示のように、ロータ接点804は4つの接点を有してもよいことが理解されるであろう。(ケーブル束108からの)電力ケーブルは、シャフト808に繋がる。上述のように、RPC204は、供給管アセンブリ104及びケーブル束108の一部との直接インタフェースを有し得る。RPC204は、以下に説明され、図8Cの破線の矢印で表されるように、電力が、シャフト808から、3つの主要な電流経路(1)、(2)、及び(3)を通って外側ハウジング802に伝送されるように設計され得る。
【0048】
(1)主経路は、シャフト808の内側テーパから、外側ハウジング802に放射状に接続する4つの(4)ロータ接点804までである。ロータ接点804は、ばね812からテーパ状ロータブッシング804を介して一定の圧力を受けている。シャフト808、ロータ接点804、及びロータブッシング806のテーパ状面は、シャフト808及び外側ハウジング802に対するロータ接点804の自己センタリングと同心回転を保証する。
【0049】
(2)第2の電流経路は、シャフト808の外側テーパから外側ハウジング802の嵌合内側テーパ状面までである。シャフト808のテーパ状面はまた、外側ハウジング802に対するシャフト808の同心性を維持し、接点の寿命を延ばすためにすべての嵌合面の均一な摩耗を保証する。このテーパ状インタフェースは、滑らかな回転のためにシャフト808を自動的に中心に置く。テーパ状インタフェースにより、Oリング818に安定した圧力が確実にかかり、Oリング818は、グリースとシールドガスを密閉し、その寿命を延ばす。
【0050】
(3)第3の電流経路は、ブッシングナット810から外側ハウジング802までである。シャフト808に接続される電力ケーブルは、重力又は電力ケーブル内の応力により、いくつかの点で常にシャフト808を回転軸から遠ざけているため、シャフト808とブッシング806との間の隙間は、これによって、その瞬間に排除され、電流はシャフト808から外側ハウジング802に直接流れることができる。
【0051】
一定の圧力下で接触面を通る複数の経路によって形成される電気接続は、変動又はアーク発生を最小限に抑えた状態で、シャフト808から外側ハウジング802に400アンペアを超える電流を伝送し得る。材料は、最大限の伝導率と、熱及び摩擦に耐える能力とを確保するように、すべての部品に対して選択され得る。
【0052】
RPC204は、上述したように、電流が、シャフト808から外側ハウジング802に、3つの主要な電流経路(1)、(2)、及び(3)を介して伝送されるように設計されてもよく、又は、電流経路(1)、(2)、及び(3)の1つ以上を介して、若しくはシステム内の異なる電流経路を介して伝送するように設計されてもよいことが理解されるであろう。
【0053】
図2A及び図2Bに戻って参照すると、アクチュエータスイッチアセンブリ106は、ハンドル102の側面に接続され得て、ケーブルアセンブリ108のリード線405(図4C及び図4Dに示す)に電気的に接続し得る。アクチュエータスイッチアセンブリ106は、溶接を制御する(例えば、オン/オフ信号)ために、ケーブルアセンブリ108の少なくとも2本のリード線に電気的に接続し得ることが理解されるであろう。アクチュエータスイッチアセンブリ106は、回転可能な電気信号接続208を介してリード線405に電気的に接続される。上述したように、リード線405は、回転可能な電気信号接続208に接続し、それはアクチュエータスイッチアセンブリ106に電気的に接続する。この電気的かつ回転可能な接続により、ケーブル束108とアクチュエータスイッチアセンブリ106との間の無限回転が可能になり得る。
【0054】
アクチュエータスイッチアセンブリ106は、回転可能な電気信号接続208に電気リード線を介して電気的に接続され得る。電気リード線は、ケーブル束108に対するアクチュエータスイッチアセンブリ106の回転を可能にする長いリード線であってもよい。電気リード線は、ケーブル束108に対するアクチュエータスイッチアセンブリ106の完全な回転を可能にしてもよく、又は部分回転のみを可能にしてもよい。長い電気リード線の代わりに、アクチュエータスイッチアセンブリ106は、回転可能な接続208に電気的に接続するための異なる手段又はモードを含み得て、例えば、電気接続は、アクチュエータスイッチアセンブリ106の少なくとも一部と回転可能な電気信号接続208との間の接点を介してもよいことが理解されるであろう。
【0055】
図示されるように、回転可能な電気信号接続208のスリップリングアセンブリは、ハンドル内に配置され得て、その結果、スリップリングアセンブリ及びRPC204に結合されたケーブル束108が、ハンドル102及び供給管アセンブリ104に対して回転する。回転可能な電気信号接続208のスリップリングアセンブリは、RPC204の後方に、又はハンドル102内の別の位置に配置され得ることが理解されるであろう。
【0056】
手持ち式溶接ガン100は、上述のように手持ち式半自動溶接ガンとして使用され得る。例えば、手持ち式溶接ガン100は、限定するものではないが、ソリッドワイヤを用いたガスメタルアーク溶接(GMAW)、メタルコアワイヤを用いたガスメタルアーク溶接(GMAW-C)、ガス遮断されたフラックスコアードアーク溶接(FCAW-G)、又は自己遮断されたフラックスコアードアーク溶接(FCAW-S)を含む、多くの溶接プロセスのうちの1つに使用され得る。
【0057】
本開示の別の実施形態によれば、プラズマ溶接又はプラズマ切断に使用され得る溶接ガン1100が開示される。
【0058】
プラズマアーク溶接は、電流が流れることによってガスをイオン化し、電極とワークピースとの間にプラズマアークを生成する、アーク溶接プロセスである。プラズマは、その後、アークを抑制するノズルに通され、またプラズマは、シールドガスが周囲にある状態で、高速かつ高温でオリフィスから排出される。プラズマ溶接ガンは、溶接又は切断用であり得る。作動ガスは、プラズマを生成すること、及び溶接/切断ゾーンを遮蔽することの2つの目的に役立つ。
【0059】
図9Aは、プラズマ溶接又は切断用の手持ち式溶接ガン1100の別の実施形態の斜視図を示す。図9Bは、手持ち式溶接ガン1100の実施形態の正面図を示す。図9Cは、手持ち式溶接ガン1100の実施形態の側面図を示す。溶接ガン100と同様に、溶接ガン1100は、ハンドル1102と、ハンドル1102の前部から延びる供給管アセンブリ1104と、アクチュエータスイッチアセンブリ1106と、ハンドル1102の後部にあるケーブルアセンブリ1108とを含む。プラズマトーチでは、ケーブルアセンブリ1108は、電流及び作動ガスを供給し、これらは供給管アセンブリ1104で溶接ガン1100の作業端に伝送される。
【0060】
図10Aは、図9A図9Cに示される手持ち式溶接ガン1100の断面図を示す。図10Bは、手持ち式溶接ガン1100の一実施形態の断面図を示す。図10A及び図10Bに見られるように、溶接ガン100と同様に、溶接ガン1100は、ケーブルアセンブリ1108と供給管アセンブリ1104との間に回転可能に接続された回転電力コネクタ(RPC)1204を更に含む。溶接ガン1100はまた、アクチュエータスイッチアセンブリ1106をケーブルアセンブリ1108の制御ワイヤに結合する回転可能な電気信号接続1208を含む。RPC1204及び回転可能な電気信号接続1208の構成は、溶接ガン100を参照して説明したものと実質的に同じである。
【0061】
図11は、ハンドル1102、供給管アセンブリ1104、アクチュエータスイッチアセンブリ1106、及びケーブルアセンブリ1108を含む、手持ち式溶接ガン1100の実施形態のレンダリングを示す。
【0062】
図12は、手持ち式溶接ガン1100の一実施形態の分解図を示す。ケーブルアセンブリ1108は、電流及び作動ガスをRPC1204に供給し、そこからそれらは供給管アセンブリ1104に伝送される。供給管アセンブリ1104において、作動ガスは2つの経路に分離され、ここで、ガスの大部分はシールドガスであり、ガスの残りはプラズマガスである。
【0063】
プラズマガスは、渦輪1252を通って電極1250の周りの中央環状領域に入り、そこで特別に設計された入口穴を通して回転エネルギーを得る。プラズマガスは電極の周りで渦を巻き、そこでイオン化され、電流が流れると更にプラズマに変換される。次に、プラズマは、アークを抑制するノズル1254に通され、高速(音速に近づく)及び28,000℃(50,000°F)以上に近づく温度でオリフィスから出る。
【0064】
シールドガスは、電極1250及びノズル1254を外側からバイパスして、シールドキャップ1258に到達し、そこで小さな開口部を通って出て、使用中の溶接/切断ゾーンの周囲にシールドを形成する。シールドキャップ1258は、保持キャップ1256によって保持され、保持キャップ1256はまた、ノズル1254及び渦輪1252を所定の位置に保持する。
【0065】
多くの変形及び修正が本発明の範囲から逸脱することなく行われ得ることは、当業者には明らかであろう。特定の実施形態が本明細書に記載されているが、本教示の範囲から逸脱することなく実施形態に修正を加え得ることが理解されるであろう。図を簡単かつ明確にするために、図面内の要素は必ずしも縮尺どおりではなく、概略的なものにすぎず、要素の構造を限定するものではない。多くの変形及び修正が、本明細書に記載した本発明の範囲から逸脱することなく行われ得ることは、当業者には明らかであろう。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図11
図12
【国際調査報告】