(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-25
(54)【発明の名称】マイクロフォン増幅回路設計方法及びマイクロフォン増幅回路
(51)【国際特許分類】
H03F 3/187 20060101AFI20240418BHJP
H03F 1/56 20060101ALI20240418BHJP
H03F 1/26 20060101ALI20240418BHJP
H04R 3/00 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
H03F3/187
H03F1/56
H03F1/26
H04R3/00 320
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022576216
(86)(22)【出願日】2022-04-21
(85)【翻訳文提出日】2022-12-09
(86)【国際出願番号】 CN2022088162
(87)【国際公開番号】W WO2023184625
(87)【国際公開日】2023-10-05
(31)【優先権主張番号】202210353358.7
(32)【優先日】2022-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511027518
【氏名又は名称】エーエーシーアコースティックテクノロジーズ(シンセン)カンパニーリミテッド
【氏名又は名称原語表記】AAC Acoustic Technologies(Shenzhen)Co.,Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100128347
【氏名又は名称】西内 盛二
(72)【発明者】
【氏名】▲韓▼ 冬
(72)【発明者】
【氏名】チュア,ティオンキー
【テーマコード(参考)】
5D220
5J500
【Fターム(参考)】
5D220BA30
5J500AA02
5J500AA45
5J500AC18
5J500AC44
5J500AC91
5J500AF07
5J500AF12
5J500AF16
5J500AH09
5J500AH25
5J500AH29
5J500AH30
5J500AK05
5J500AK12
5J500AK47
5J500AK64
5J500AM02
5J500AM03
5J500AM21
5J500AQ02
5J500AQ03
5J500AQ04
5J500AQ06
5J500AS05
5J500AT01
5J500AT07
5J500RU02
5J500WU07
(57)【要約】
【課題】本発明はマイクロフォン増幅回路の設計方法を提供する。
【解決手段】当該方法は集積回路の基板とパッドとの間に下地金属を1層設け、パッドと下地金属との間に第1寄生容量、下地金属と基板との間に第2寄生容量を形成することと、増幅回路において回路点を探し、回路点を所定の条件を満たさせることと、下地金属を回路点に接続し、パッドを入力端に接続することと、マイクロフォンを集積回路のパッドに溶接してマイクロフォン容量として機能させ、マイクロフォン容量の一端を高電圧のバイアス電圧に接続し、他端を入力端に接続し、第1寄生容量の一端を入力端に接続し、他端を出力端に接続し、第2寄生容量の一端を出力端に接続し、他端を接地させることとを含む。本発明はマイクロフォン増幅回路を更に提供する。関連技術に比べて、本発明のマイクロフォン増幅回路の設計方法及びマイクロフォン増幅回路は信号対雑音比がより高く、性能がより良い。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロフォンと増幅回路とに応用される、マイクロフォン増幅回路の設計方法であって、
前記増幅回路は、増幅器、バイアス抵抗、入力端及び出力端を含み、前記増幅器の入力は、前記入力端に接続され、且つ前記バイアス抵抗と直列接続されてからバイアス電圧に接続され、前記増幅器の出力は、前記出力端に接続され、
当該設計方法は、
集積回路の基板とパッドとの間に下地金属を1層設け、前記パッドと前記下地金属と前記基板とを互いに間隔を隔てて絶縁し、且つ前記パッドと前記下地金属との間に第1寄生容量を形成し、前記下地金属と前記基板との間に第2寄生容量を形成するステップと、
前記増幅回路において回路点を探し、且つ、前記回路点を、前記回路点が前記入力端と同位相であるという条件Aと、前記回路点の前記入力端に対する電圧ゲインが0.8以上であるという条件Bと、前記回路点が前記入力端から前記出力端までの信号通路内にあるという条件Cとを満たさせるステップと、
前記下地金属を前記回路点に接続し、前記パッドを前記入力端に接続するステップと、
マイクロフォンが接続されるように前記マイクロフォンを集積回路のパッドに溶接し、マイクロフォン容量として機能させ、且つ、前記マイクロフォン容量の一端を高電圧のバイアス電圧に接続し、前記マイクロフォン容量の他端を前記入力端に接続し、前記第1寄生容量の一端を前記入力端に接続し、前記第1寄生容量の他端を前記出力端に接続し、前記第2寄生容量の一端を前記出力端に接続し、前記第2寄生容量の他端を接地させるステップと、を含むことを特徴とするマイクロフォン増幅回路の設計方法。
【請求項2】
前記回路点は、前記出力端であることを特徴とする請求項1に記載のマイクロフォン増幅回路の設計方法。
【請求項3】
前記増幅器は、トランジスタであり、前記トランジスタのゲートは、前記入力端とされ、前記トランジスタのソースは、前記出力端とされ、前記トランジスタのドレインは、接地に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のマイクロフォン増幅回路の設計方法。
【請求項4】
前記増幅回路は、定電流源を更に含み、前記定電流源の一端は、電源電圧に接続され、前記定電流源の他端は、前記トランジスタのソースに接続され、前記トランジスタへバイアス電流を供給することを特徴とする請求項3に記載のマイクロフォン増幅回路の設計方法。
【請求項5】
前記マイクロフォン容量は、可変容量であることを特徴とする請求項1に記載のマイクロフォン増幅回路の設計方法。
【請求項6】
増幅器、バイアス抵抗、入力端、出力端、マイクロフォン容量、第1寄生容量及び第2寄生容量を含み、
前記増幅器の入力は、前記入力端に接続され、前記増幅器の出力は、前記出力端に接続され、
前記バイアス抵抗の一端は、バイアス電圧に接続され、前記バイアス抵抗の他端は、前記入力端に接続され、
前記マイクロフォン容量の一端は、高電圧のバイアス電圧に接続され、前記マイクロフォン容量の他端は、前記入力端に接続され、
前記第1寄生容量の一端は、前記入力端に接続され、前記第1寄生容量の他端は、前記出力端に接続され、前記第2寄生容量の一端は、前記出力端に接続され、前記第2寄生容量の他端は、接地され、
前記第1寄生容量及び前記第2寄生容量は、集積回路の基板と前記パッドとの間に下地金属を1層付加することで形成され、前記パッドと前記下地金属とは、互いに間隔を隔てて前記第1寄生容量を形成するとともに、前記パッドは、前記入力端に接続され、且つ、前記下地金属と前記基板とは、互いに間隔を隔てて前記第2寄生容量を形成するとともに、前記下地金属は、前記出力端に接続されていることを特徴とするマイクロフォン増幅回路。
【請求項7】
前記増幅器は、トランジスタであり、前記トランジスタのゲートは、前記入力端とされ、前記トランジスタのソースは、前記出力端とされ、前記トランジスタのドレインは、接地に接続されていることを特徴とする請求項6に記載のマイクロフォン増幅回路。
【請求項8】
前記増幅回路は、定電流源を更に含み、前記定電流源の一端は、電源電圧に接続され、前記定電流源の他端は、前記トランジスタのソースに接続され、前記トランジスタへバイアス電流を供給することを特徴とする請求項7に記載のマイクロフォン増幅回路。
【請求項9】
前記マイクロフォン容量は、可変容量であることを特徴とする請求項6に記載のマイクロフォン増幅回路。
【請求項10】
前記マイクロフォン増幅回路は、請求項1~5のいずれか一項に記載のマイクロフォン増幅回路の設計方法によって設計されて形成されることを特徴とする請求項6に記載のマイクロフォン増幅回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロフォン増幅回路の分野に関し、特に信号対雑音比に対するパッド寄生容量の影響を解消するマイクロフォン増幅回路の設計方法及びマイクロフォン増幅回路に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイル通信技術の発展に伴い、携帯電話、PAD、ノートパソコン等のモバイル端末は、徐々に生活に不可欠な電子製品となっている。これらの電子製品では、内蔵されたマイクロフォンが音声ピックアップユニットとしてピックアップした信号をマイクロフォン増幅回路を介して出力する時の信号対雑音比は、製品性能の重要な評価指標である。
【0003】
関連技術のマイクロフォン増幅回路において、
図1に示すように、マイクロフォンは、パッドによって集積回路のマイクロフォン増幅回路に溶接され、集積回路のパッドMT’と基板P-sub’との間には、パッド寄生容量C
PAD’が形成され、パッド寄生容量C
PAD’とマイクロフォンのマイクロフォン容量C
Mic’は、容量直列接続回路を構成し、電圧分圧によって入力端Vin’での信号振幅を低減する。増幅器M1’は、回路ノイズを有し、パッド寄生容量C
PAD’の分圧により入力信号が小さくなるため、マイクロフォン増幅回路の出力端V
Out’での信号対雑音比が小さくなる。特に、マイクロフォンのマイクロフォン容量C
Mic’が小さいとき、分圧がより顕著であり、信号対雑音比の低下がより顕著であるため、マイクロフォン増幅回路の性能が悪い。
【0004】
したがって、上記技術的課題を解決するために、新たなマイクロフォン増幅回路の設計方法及びマイクロフォン増幅回路を提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする技術課題は、信号対雑音比が高いマイクロフォン増幅回路の設計方法及びマイクロフォン増幅回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術課題を解決するために、本発明は、マイクロフォン増幅回路の設計方法を提供し、当該設計方法は、マイクロフォンと増幅回路とに応用され、前記増幅回路は、増幅器、バイアス抵抗、入力端及び出力端を含み、前記増幅器の入力は、前記入力端に接続され、且つ前記バイアス抵抗と直列接続されてからバイアス電圧に接続され、前記増幅器の出力は、前記出力端に接続され、当該方法は、
集積回路の基板とパッドとの間に下地金属を1層設け、前記パッドと前記下地金属と前記基板とを互いに間隔を隔てて絶縁し、且つ前記パッドと前記下地金属との間に第1寄生容量を形成し、前記下地金属と前記基板との間に第2寄生容量を形成するステップと、
前記増幅回路において回路点を探し、且つ、前記回路点を、前記回路点が前記入力端と同位相であるという条件Aと、前記回路点の前記入力端に対する電圧ゲインが0.8以上であるという条件Bと、前記回路点が前記入力端から前記出力端までの信号通路内にあるという条件Cとを満たさせるステップと、
前記下地金属を前記回路点に接続し、前記パッドを前記入力端に接続するステップと、
マイクロフォンが接続されるように前記マイクロフォンを集積回路のパッドに溶接し、マイクロフォン容量として機能させ、且つ、前記マイクロフォン容量の一端を高電圧のバイアス電圧に接続し、前記マイクロフォン容量の他端を前記入力端に接続し、前記第1寄生容量の一端を前記入力端に接続し、前記第1寄生容量の他端を前記出力端に接続し、前記第2寄生容量の一端を前記出力端に接続し、前記第2寄生容量の他端を接地させるステップと、を含む。
【0007】
好ましくは、前記回路点は、前記出力端である。
【0008】
好ましくは、前記増幅器は、トランジスタであり、前記トランジスタのゲートは、前記入力端とされ、前記トランジスタのソースは、前記出力端とされ、前記トランジスタのドレインは、接地に接続されている。
【0009】
好ましくは、前記増幅回路は、定電流源を更に含み、前記定電流源の一端は、電源電圧に接続され、前記定電流源の他端は、前記トランジスタのソースに接続され、前記トランジスタへバイアス電流を供給する。
【0010】
好ましくは、前記マイクロフォン容量は、可変容量である。
【0011】
本発明は、マイクロフォン増幅回路を提供し、当該マイクロフォン増幅回路は、増幅器、バイアス抵抗、入力端、出力端、マイクロフォン容量、第1寄生容量及び第2寄生容量を含み、
前記増幅器の入力は、前記入力端に接続され、前記増幅器の出力は、前記出力端に接続され、
前記バイアス抵抗の一端は、バイアス電圧に接続され、前記バイアス抵抗の他端は、前記入力端に接続され、
前記マイクロフォン容量の一端は、高電圧のバイアス電圧に接続され、前記マイクロフォン容量の他端は、前記入力端に接続され、
前記第1寄生容量の一端は、前記入力端に接続され、前記第1寄生容量の他端は、前記出力端に接続され、前記第2寄生容量の一端は、前記出力端に接続され、前記第2寄生容量の他端は、接地され、
前記第1寄生容量及び前記第2寄生容量は、集積回路の基板と前記パッドとの間に下地金属を1層付加することで形成され、前記パッドと前記下地金属ととは、互いに間隔を隔てて前記第1寄生容量を形成するとともに、前記パッドは、前記入力端に接続され、前記下地金属と前記基板とは、互いに間隔を隔てて前記第2寄生容量を形成するとともに、前記下地金属は、前記出力端に接続されている。
【0012】
好ましくは、前記増幅器は、トランジスタであり、前記トランジスタのゲートは、前記入力端とされ、前記トランジスタのソースは、前記出力端とされ、前記トランジスタのドレインは、接地に接続されている。
【0013】
好ましくは、前記増幅回路は、定電流源を更に含み、前記定電流源の一端は、電源電圧に接続され、前記定電流源の他端は、前記トランジスタのソースに接続され、前記トランジスタへバイアス電流を供給する。
【0014】
好ましくは、前記マイクロフォン容量は、可変容量である。
【0015】
好ましくは、前記マイクロフォン増幅回路は、本発明に関わる前記マイクロフォン増幅回路の設計方法によって設計して形成される。
【発明の効果】
【0016】
関連技術に比べて、本発明のマイクロフォン増幅回路の設計方法及びマイクロフォン増幅回路において、集積回路のパッドと基板との間に下地金属を1層設けることでパッド容量をシールドし、それにより新たな第1寄生容量及び第2寄生容量を形成し、増幅回路において条件を満たす回路点を探すことにより、下地金属を当該回路点に接続し、それにより第1寄生容量の両端の信号が同位相であり且つゲインが0.8以上であり、容量には、電荷変化がないか又は電荷変化が少なく、マイクロフォンは入力端に負荷効果がないか又は負荷効果が小さいため、分圧による入力信号の減少を引き起こすことがなく、第2寄生容量は、出力端の負荷として、出力端の駆動能力が十分に大きく、出力端での信号対雑音比に影響を与えず、それによりマイクロフォン増幅回路の信号対雑音比へのパッドの寄生容量の影響を大幅に低減しひいては解消し、回路性能を効果的に向上させる。
【0017】
本発明の実施例における技術案をより明確に説明するために、以下に実施例の説明に必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下に説明する図面は、本発明のいくつかの実施例だけであり、当業者にとって、創造的労働をしない前提で、更にこれらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】関連技術におけるマイクロフォン増幅回路の回路図である。
【
図2】本発明マイクロフォン増幅回路の設計方法のフローチャートである。
【
図3】本発明マイクロフォン増幅回路の回路図である。
【
図4】本発明マイクロフォン増幅回路の一つの実施形態の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下は本発明の実施例における図面を参照して、本発明の実施例における技術案を明確で、完全に説明し、明らかなように、記述される実施例は本発明の一部の実施例だけであり、全ての実施例ではない。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をせずに得ることができる全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に含まれる。
【0020】
同時に
図2~3に示すように、本発明は、マイクロフォン増幅回路の設計方法を提供し、当該設計方法は、マイクロフォンと増幅回路に応用される。増幅回路は、増幅器Amp、バイアス抵抗R
B、入力端V
in及び出力端V
outを含む。前記増幅器Ampの入力は、前記入力端V
inに接続され且つ前記バイアス抵抗R
Bと直列接続されてからバイアス電圧V
Bに接続され、前記増幅器Ampの出力は、前記出力端V
outに接続されている。当該方法は、下記のステップS1~S4を含む。
【0021】
ステップS1では、集積回路の基板P-subとパッドMTとの間に下地金属M1を1層設け、前記パッドMTと前記下地金属M1と前記基板P-subとを2つずつ互いに間隔を隔てて絶縁し、前記パッドMTと前記下地金属M1との間に第1寄生容量CPAD1を形成し、前記下地金属M1と前記基板P-subとの間に第2寄生容量CPAD2を形成する。
【0022】
下地金属M1の設置は、パッドMTのパッド容量をシールドするために用いられ、それにより新たな第1寄生容量CPAD1及び第2寄生容量CPAD2を形成する。
【0023】
ステップS2では、前記増幅回路において回路点Xを探し、前記回路点Xを下記の条件A~Cを満たさせる。
条件A、前記回路点Xは、前記入力端Vinと同位相である。
条件B、前記回路点Xの前記入力端Vinに対する電圧ゲインは、0.8以上であり、1であることが好ましい。当然のことながら、ここでのゲインは、1に近いことも可能であり、例えば0.9、又は0.8などである。
条件C、前記回路点Xは、前記増幅回路の前記入力端Vinから前記出力端Voutまでの信号通路内にある。
【0024】
上記3つの条件が同時に満たされる場合に増幅回路において決定回路点Xを探す。本実施形態において、前記増幅回路において、前記回路点Xは、前記出力端Voutと特定され、前記出力端Voutは、上記3つの条件を満たす。
【0025】
ステップS3では、前記下地金属M1を前記回路点Xに接続し、前記パッドMTを前記入力端Vinに接続する。
【0026】
ステップS4では、マイクロフォンが接続されるように前記マイクロフォンを集積回路のパッドMTに溶接し、マイクロフォン容量CMicとして機能させ、前記マイクロフォン容量CMicの一端を高電圧のバイアス電圧VCPに接続し、前記マイクロフォン容量CMicの他端を前記入力端Vinに接続し、前記第1寄生容量CPAD1の一端を前記入力端Vinに接続し、前記第1寄生容量CPAD1の他端を前記出力端Voutに接続し、前記第2寄生容量CPAD2の一端を前記出力端Voutに接続し、前記第2寄生容量CPAD2の他端を接地させる。
【0027】
本実施形態において、前記マイクロフォン容量CMicは、可変容量である。
【0028】
好ましくは、
図4に示すように、本発明は、別の実施例を更に提供し、すなわち
図3の実施例に加えて、前記増幅器Ampは、トランジスタMである。前記トランジスタMのゲートが前記入力端V
inとされ、又はトランジスタMのゲートが入力端V
inに接続される。前記トランジスタMのソースが前記出力端V
outとされ、又はトランジスタMのソースが出力端V
outに接続される。前記トランジスタMのドレインが接地に接続されている。
【0029】
好ましくは、前記増幅回路は、定電流源Iを更に含み、前記定電流源Iの一端は、電源電圧VDDに接続され、前記定電流源Iの他端は、前記トランジスタMのソースに接続され、前記トランジスタMへバイアス電流IBを供給する。
【0030】
本発明の上記方法で設計されたマイクロフォン増幅回路において、第1寄生容量CPAD1は、第1寄生容量CPAD1の両端の信号が同位相であり、且つゲインが1であるため、第1寄生容量CPAD1には電荷変化がなく、マイクロフォンは入力端Vinに負荷効果がなく、分圧による入力端Vinの入力信号の減少を引き起こすことがない。第2寄生容量CPAD2は、出力端Voutの負荷であり、出力端Voutの駆動能力が十分に大きく、出力端Voutでの信号対雑音比に影響を与えないため、下地金属M1の設置によって従来のマイクロフォンを溶接するためのパッドにおけるパッド寄生容量をシールドし、且つ新たな第1寄生容量及び第2寄生容量を形成することにより、元のパッド寄生容量の信号対雑音比への影響を効果的に低減しひいては解消し、更にマイクロフォン増幅回路の信号対雑音比を効果的に調整し、回路性能を改善する。
【0031】
図3に示すように、本発明の実施例は、マイクロフォン増幅回路100を更に提供し、当該マイクロフォン増幅回路100は、増幅器Amp、バイアス抵抗R
B、入力端V
inと出力端V
out、マイクロフォン容量C
Mic、第1寄生容量C
PAD1及び第2寄生容量C
PAD2を含む。
【0032】
前記増幅器Ampの入力は、前記入力端Vinに接続され、前記増幅器Ampの出力は、前記出力端Voutに接続されている。
【0033】
前記バイアス抵抗RBの一端は、バイアス電圧VBに接続され、前記バイアス抵抗RBの他端は、前記入力端Vinに接続されている。
【0034】
前記マイクロフォン容量CMicの一端は、高電圧のバイアス電圧VCPに接続され、前記マイクロフォン容量CMicの他端は、前記入力端Vinに接続されている。本実施形態において、前記マイクロフォン容量CMicは、可変容量である。
【0035】
前記第1寄生容量CPAD1の一端は、前記入力端Vinに接続され、前記第1寄生容量CPAD1の他端は、前記出力端Voutに接続され、前記第2寄生容量CPAD2の一端は、前記出力端Voutに接続され、前記第2寄生容量CPAD2の他端は、接地されている。
【0036】
ここで、前記マイクロフォン増幅回路100において、具体的には、前記マイクロフォン容量CMicは、マイクロフォンとして機能する。前記第1寄生容量CPAD1及び前記第2寄生容量CPAD2は、集積回路の基板P-subと前記パッドMTとの間に下地金属M1を1層付加することで形成され、前記パッドMTと前記下地金属M1との間に絶縁間隔を隔てて前記第1寄生容量CPAD1が形成され且つ前記パッドMTが前記入力端Vinに接続され、前記下地金属M1と前記基板P-subとの間に絶縁間隔を隔てて前記第2寄生容量CPAD2が形成され且つ前記下地金属M1が前記出力端Voutに接続されている。
【0037】
具体的には、
図4に示すように、前記マイクロフォン増幅回路100は、1つの具体的な実施形態を更に提供する。即ち、前記AmpがトランジスタMであり、前記トランジスタMのゲートが前記入力端V
inとされ、又はトランジスタMのゲートが入力端V
inに接続され、前記トランジスタMのソースが前記出力端V
outとされ、又はトランジスタMのソースが出力端V
outに接続され、前記トランジスタMのドレインが接地に接続されている。
【0038】
本発明の上記マイクロフォン増幅回路100において、第1寄生容量CPAD1は、第1寄生容量CPAD1の両端の信号が同位相であり、且つゲインが1であるため、第1寄生容量CPAD1には電荷変化がなく、マイクロフォンは入力端Vinに負荷効果がなく、分圧による入力端Vinの入力信号の減少を引き起こすことがない。第2寄生容量CPAD2は、出力端Voutの負荷であり、出力端Voutの駆動能力が十分に大きく、出力端Voutでの信号対雑音比に影響を与えないため、下地金属M1の設置によって従来のマイクロフォンを溶接するためのパッドにおけるパッド寄生容量をシールドし、且つ新たな第1寄生容量及び第2寄生容量を形成することにより、元のパッド寄生容量の信号対雑音比への影響を効果的に低減しひいては解消し、更にマイクロフォン増幅回路の信号対雑音比を効果的に調整し、回路性能を改善する。
【0039】
好ましくは、前記増幅回路は、定電流源Iを更に含み、前記定電流源Iの一端は、電源電圧VDDに接続され、前記定電流源Iの他端は、前記トランジスタMのソースに接続され、前記トランジスタMへバイアス電流IBを供給する。
【0040】
説明すべきことは、本発明の前記マイクロフォン増幅回路は、本発明に関わる上記マイクロフォン増幅回路の設計方法によって設計して形成される。
【0041】
関連技術に比べて、本発明のマイクロフォン増幅回路の設計方法及びマイクロフォン増幅回路において、集積回路のパッドと基板との間に下地金属を1層設けることでパッド容量をシールドし、それにより新たな第1寄生容量及び第2寄生容量を形成し、増幅回路において条件を満たす回路点を探すことにより、下地金属を当該回路点に接続し、それにより第1寄生容量の両端の信号が同位相であり且つゲインが0.8以上であり、容量には、電荷変化がないか又は電荷変化が少なく、マイクロフォンは入力端に負荷効果がないか又は負荷効果が小さいため、分圧による入力信号の減少を引き起こすことがなく、第2寄生容量は、出力端の負荷として、出力端の駆動能力が十分に大きく、出力端での信号対雑音比に影響を与えず、それによりマイクロフォン増幅回路の信号対雑音比へのパッドの寄生容量の影響を大幅に低減しひいては解消し、回路性能を効果的に向上させる。
【0042】
以上は本発明の実施例だけであり、本発明の特許範囲を限定するものではなく、本発明の明細書及び図面内容を利用して行われた等価構造又は等価フロー変換、又は他の関連する技術分野に直接的又は間接的に適用することは、いずれも同様に本発明の特許保護範囲内に含まれる。
【国際調査報告】