(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-25
(54)【発明の名称】ブプレノルフィンとナロキソンを含む胃内滞留システム
(51)【国際特許分類】
A61K 31/485 20060101AFI20240418BHJP
A61K 9/00 20060101ALI20240418BHJP
A61K 47/34 20170101ALI20240418BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20240418BHJP
A61P 25/36 20060101ALI20240418BHJP
A61P 25/04 20060101ALI20240418BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
A61K31/485
A61K9/00
A61K47/34
A61K47/32
A61P25/36
A61P25/04
A61P43/00 121
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568023
(86)(22)【出願日】2022-05-04
(85)【翻訳文提出日】2023-12-05
(86)【国際出願番号】 US2022072114
(87)【国際公開番号】W WO2022236288
(87)【国際公開日】2022-11-10
(32)【優先日】2021-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518137726
【氏名又は名称】リンドラ セラピューティクス, インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【氏名又は名称】池田 達則
(74)【代理人】
【識別番号】100134784
【氏名又は名称】中村 和美
(72)【発明者】
【氏名】ヌプラ ビーズ
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー カトストラ
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド アルトルーター
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA94
4C076AA99
4C076BB01
4C076CC01
4C076DD29
4C076DD29U
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4C076FF31
4C086AA01
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4C086CB23
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA34
4C086MA52
4C086NA06
4C086NA12
4C086ZA08
4C086ZC39
4C086ZC75
(57)【要約】
担体ポリマー、ブプレノルフィン又はその塩、及びナロキソン又はその塩を含む少なくとも1つの共押出薬物溶出成分と、前記少なくとも1つの共押出薬物溶出成分を被覆している速度調節放出膜とを含む、胃内滞留システムが提供される。少なくとも1つの薬物溶出成分を含む胃内滞留システムは、人体の胃内に少なくとも48時間維持されるように、そしてブプレノルフィンを少なくとも48時間放出するように構成されており、従って、前記速度調節放出膜を有する前記少なくとも1つの共押出薬物溶出成分は、胃内に滞留の最初の24時間後にブプレノルフィン又はその塩の少なくとも10%を放出し、胃内に滞留の最初の24時間後にナロキソン又はその塩の少なくとも10%を放出するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
担体ポリマー、ブプレノルフィン又はその塩、及びナロキソン又はその塩を含む少なくとも1つの共押出薬物溶出成分と、
前記少なくとも1つの共押出薬物溶出成分を被覆している速度調節放出膜とを含む、胃内滞留システムであって、
ここで、前記胃内滞留システムが、人体の胃内に少なくとも48時間維持されるように、及びブプレノルフィンを少なくとも48時間放出するように構成されており、そして、前記速度調節放出膜を有する前記少なくとも1つの共押出薬物溶出成分が、胃内に滞留の最初の24時間後にブプレノルフィン又はその塩の少なくとも10%を放出するように、及び胃内に滞留の最初の24時間後にナロキソン又はその塩の少なくとも10%を放出するように構成されている、上記システム。
【請求項2】
前記速度調節放出膜がポリカプロラクトンとコポビドンを含む、請求項1に記載の胃内滞留システム。
【請求項3】
前記速度調節放出膜が60~90重量%のポリカプロラクトンを含む、請求項2に記載の胃内滞留システム。
【請求項4】
前記速度調節放出膜が10~40重量%のコポビドンを含む、請求項2又は3に記載の胃内滞留システム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの共押出薬物溶出成分が、ナロキソンを含む第1の共押出部分と、ブプレノルフィンとナロキソンを含む第2の共押出部分とを含む、請求項1~4のいずれかに記載の胃内滞留システム。
【請求項6】
前記第1の共押出部分が前記第2の共押出部分に埋め込まれている、請求項5に記載の胃内滞留システム。
【請求項7】
前記第1の共押出部分が前記第2の共押出部分内に埋め込まれた1つ以上のストランドを含む、請求項5又は6に記載の胃内滞留システム。
【請求項8】
前記第1の共押出部分が前記第2の共押出部分の上に積層されている、請求項5に記載の胃内滞留システム。
【請求項9】
前記第1の共押出部分が前記第2の共押出部分に対して4:1の比で存在する、請求項5~8のいずれかに記載の胃内滞留システム。
【請求項10】
前記第1の共押出部分が35~50重量%のブプレノルフィンを含む、請求項5~9のいずれかに記載の胃内滞留システム。
【請求項11】
前記第1の共押出部分が2~7重量%のナロキソンを含む、請求項5~10のいずれかに記載の胃内滞留システム。
【請求項12】
前記第1の共押出部分が35~50重量%のポリカプロラクトンを含む、請求項5~11のいずれかに記載の胃内滞留システム。
【請求項13】
前記第1の共押出部分がポリエチレングリコールとポロキサマーを含む、請求項5~12のいずれかに記載の胃内滞留システム。
【請求項14】
前記第2の共押出部分が30~50重量%のナロキソンを含む、請求項5~13のいずれかに記載の胃内滞留システム。
【請求項15】
前記第2の共押出部分が50~60重量%のポリカプロラクトンを含む、請求項5~14のいずれかに記載の胃内滞留システム。
【請求項16】
前記第2の共押出部分がポロキサマーを含む、請求項5~15のいずれかに記載の胃内滞留システム。
【請求項17】
前記少なくとも1つの共押出薬物溶出成分が30mg~40mgのブプレノルフィン又はその塩を含む、請求項1~16のいずれかに記載の胃内滞留システム。
【請求項18】
前記少なくとも1つの共押出薬物溶出成分が8mg~15mgのナロキソン又はその塩を含む、請求項1~17のいずれかに記載の胃内滞留システム。
【請求項19】
請求項1~18のいずれかに記載の胃内滞留システムであって、ここで、前記胃内滞留システムが中央エラストマーと複数のアームを含み、前記複数のアームの各アームが近位端(前記中央エラストマーに固定されている)と遠位端を含み、ここで、前記複数のアームの各アームが中央エラストマーから放射状に延びており、及び前記複数のアームのうちの少なくとも1つのアームが前記少なくとも1つの共押出薬物溶出成分を含む、上記システム。
【請求項20】
前記複数のアームが6つのアームを含む、請求項19に記載の胃内滞留システム。
【請求項21】
前記複数のアームのうちの少なくとも2つのアームが、前記少なくとも1つの共押出薬物溶出成分の共押出薬物溶出成分を含む、請求項19又は20に記載の胃内滞留システム。
【請求項22】
前記複数のアームのうちの少なくとも3つのアームが、前記少なくとも1つの共押出薬物溶出成分の共押出薬物溶出成分を含む、請求項19又は20に記載の胃内滞留システム。
【請求項23】
前記複数のアームのうちの6つのアームが、前記少なくとも1つの共押出薬物溶出成分の共押出薬物溶出成分を含む、請求項19又は20に記載の胃内滞留システム。
【請求項24】
前記複数のアームの各アームが、前記中央エラストマーに付着したポリマーリンカーセグメントを含み、前記ポリマーリンカーセグメントがポリカプロラクトンを含む、請求項19~23のいずれかに記載の胃内滞留システム。
【請求項25】
前記複数のアームの各アームが、前記ポリマーリンカーセグメントに付着した第1の崩壊性マトリックスセグメントを含み、前記第1の崩壊性マトリックスセグメントが、ポリカプロラクトン、DL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)の酸性末端コポリマー、DL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)のコポリマー、及びポリエチレンオキシドを含む、請求項24に記載の胃内滞留システム。
【請求項26】
前記複数のアームの各アームが、前記第1の崩壊性マトリックスセグメントに付着した第1の不活性セグメントを含み、前記第1の不活性セグメントがポリカプロラクトンと(BiO)
2CO
3を含む、請求項25に記載の胃内滞留システム。
【請求項27】
前記複数のアームの各アームが、前記第1の不活性セグメントに付着した第2の崩壊性マトリックスセグメントを含み、前記第2の崩壊性マトリックスセグメントが、ポリカプロラクトン、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポロキサマーを含む、請求項26に記載の胃内滞留システム。
【請求項28】
前記複数のアームの各アームが、前記第2の崩壊性マトリックスセグメントに付着した第2の不活性セグメントを含み、前記第2の不活性セグメントがポリカプロラクトンと(BiO)
2CO
3を含む、請求項27に記載の胃内滞留システム。
【請求項29】
前記複数のアームのうちの第1のアームが、前記第2の不活性セグメントに付着した少なくとも1つの共押出薬物溶出成分の共押出薬物溶出成分を含む、請求項28に記載の胃内滞留システム。
【請求項30】
前記複数のアームのうちの第2のアームが、前記第2の不活性セグメントに付着した非有効セグメントを含み、前記非有効セグメントが、ポリカプロラクトン、コポビドン、及びポロキサマーを含む、請求項28に記載の胃内滞留システム。
【請求項31】
前記複数のアームの各アームが、前記共押出薬物溶出成分又は非有効セグメントのうちの1つに付着した第3の不活性セグメントを含み、前記第3の不活性セグメントがポリカプロラクトンと(BiO)
2CO
3を含む、請求項29又は30に記載の胃内滞留システム。
【請求項32】
前記複数のアームの各アームが、前記第3の不活性セグメントに付着した第3の崩壊性マトリックスセグメントを含み、前記第3の崩壊性マトリックスが、ポリカプロラクトン、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)、ステアリン酸、及びポリプロピレングリコールを含む、請求項31に記載の胃内滞留システム。
【請求項33】
各アームを円周方向に接続するフィラメントを含み、ここで、前記円周フィラメントが各アームの前記第3の崩壊性マトリックスセグメントに付着している、請求項32に記載の胃内滞留システム。
【請求項34】
請求項1~33のいずれか1項に記載の胃内滞留システムを個体に投与することを含む、個体におけるオピオイド乱用障害を治療する方法。
【請求項35】
請求項1~33のいずれか1項に記載の胃内滞留システムを個体に投与することを含む、個体における疼痛を治療する方法。
【請求項36】
担体ポリマー、ブプレノルフィン又はその塩、及びナロキソン又はその塩を含む少なくとも1つの薬物溶出成分と、
前記少なくとも1つの薬物溶出成分を被覆している速度調節放出膜とを含む、胃内滞留システムであって、
ここで、前記胃内滞留システムが、人体の胃内に少なくとも48時間維持されるように、及びブプレノルフィンを少なくとも48時間放出するように構成されており、そして、前記速度調節放出膜を有する前記少なくとも1つの薬物溶出成分が、胃内に滞留の最初の24時間後にブプレノルフィン又はその塩の少なくとも10%を放出するように、及び胃内に滞留の最初の24時間以内にナロキソン又はその塩の少なくとも10%を放出するように構成されている、上記システム。
【請求項37】
前記速度調節放出膜がポリカプロラクトンとコポビドンを含む、請求項36に記載の胃内滞留システム。
【請求項38】
前記速度調節放出膜が60~90重量%のポリカプロラクトンを含む、請求項37に記載の胃内滞留システム。
【請求項39】
前記速度調節放出膜が10~40重量%のコポビドンを含む、請求項36又は37に記載の胃内滞留システム。
【請求項40】
前記少なくとも1つの薬物溶出成分が35~50重量%のブプレノルフィンを含む、請求項36~39のいずれかに記載の胃内滞留システム。
【請求項41】
前記少なくとも1つの薬物溶出成分が2~7重量%のナロキソンを含む、請求項36~40のいずれかに記載の胃内滞留システム。
【請求項42】
前記少なくとも1つの薬物溶出成分が35~50重量%のポリカプロラクトンを含む、請求項36~41のいずれかに記載の胃内滞留システム。
【請求項43】
前記少なくとも1つの薬物溶出成分がポリエチレングリコールとポロキサマーを含む、請求項36~42のいずれかに記載の胃内滞留システム。
【請求項44】
前記少なくとも1つの薬物溶出成分が10mg~30mgのブプレノルフィン又はその塩を含む、請求項36~43のいずれかに記載の胃内滞留システム。
【請求項45】
前記少なくとも1つの薬物溶出成分が1mg~3mgのナロキソン又はその塩を含む、請求項36~44のいずれかに記載の胃内滞留システム。
【請求項46】
請求項36~45のいずれかに記載の胃内滞留システムであって、ここで、前記胃内滞留システムが中央エラストマーと複数のアームを含み、前記複数のアームの各アームが近位端(前記中央エラストマーに固定されている)と遠位端を含み、ここで、前記複数のアームの各アームが中央エラストマーから放射状に延びており、及び前記複数のアームのうちの少なくとも1つのアームが少なくとも1つの薬物溶出成分を含む、上記システム。
【請求項47】
前記複数のアームが6つのアームを含む、請求項46に記載の胃内滞留システム。
【請求項48】
前記複数のアームのうちの少なくとも2つのアームが、前記少なくとも1つの薬物溶出成分の薬物溶出成分を含む、請求項46又は47に記載の胃内滞留システム。
【請求項49】
前記複数のアームのうちの少なくとも3つのアームが、前記少なくとも1つの薬物溶出成分の薬物溶出成分を含む、請求項46又は47に記載の胃内滞留システム。
【請求項50】
前記複数のアームのうちの6つのアームが、前記少なくとも1つの薬物溶出成分の薬物溶出成分を含む、請求項46又は47に記載の胃内滞留システム。
【請求項51】
前記複数のアームの各アームが、中央エラストマーに付着したポリマーリンカーセグメントを含み、前記ポリマーリンカーセグメントがポリカプロラクトンを含む、請求項46~50のいずれかの胃内滞留システム。
【請求項52】
前記複数のアームの各アームが、ポリマーリンカーセグメントに付着した第1の崩壊性マトリックスセグメントを含み、前記第1の崩壊性マトリックスセグメントが、ポリカプロラクトン、DL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)の酸性末端コポリマー、DL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)のコポリマー、及びポリエチレンオキシドを含む、請求項51に記載の胃内滞留システム。
【請求項53】
前記複数のアームの各アームが、前記第1の崩壊性マトリックスセグメントに付着した第1の不活性セグメントを含み、前記第1の不活性セグメントがポリカプロラクトンと(BiO)
2CO
3を含む、請求項52に記載の胃内滞留システム。
【請求項54】
前記複数のアームの各アームが、前記第1の不活性セグメントに付着した第2の崩壊性マトリックスセグメントを含み、前記第2の崩壊性マトリックスセグメントが、ポリカプロラクトン、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポロキサマーを含む、請求項53に記載の胃内滞留システム。
【請求項55】
前記複数のアームの各アームが、第2の崩壊性マトリックスセグメントに付着した第2の不活性セグメントを含み、前記第2の不活性セグメントがポリカプロラクトンと(BiO)
2CO
3を含む、請求項54に記載の胃内滞留システム。
【請求項56】
前記複数のアームのうちの第1のアームが、前記第2の不活性セグメントに付着した前記少なくとも1つの薬物溶出成分の薬物溶出成分を含む、請求項55に記載の胃内滞留システム。
【請求項57】
前記複数のアームのうちの第2のアームが、前記第2の不活性セグメントに付着した非有効セグメントを含み、前記非有効セグメントが、ポリカプロラクトン、コポビドン、及びポロキサマーを含む、請求項55に記載の胃内滞留システム。
【請求項58】
前記複数のアームの各アームが、前記薬物溶出成分又は非有効セグメントのうちの1つに付着した第3の不活性セグメントを含み、前記第3の不活性セグメントがポリカプロラクトンと(BiO)
2CO
3を含む、請求項56又は57に記載の胃内滞留システム。
【請求項59】
前記複数のアームの各アームが、前記第3の不活性セグメントに付着した第3の崩壊性マトリックスセグメントを含み、前記第3の崩壊性マトリックスが、ポリカプロラクトン、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)、ステアリン酸、及びポリプロピレングリコールを含む、請求項58に記載の胃内滞留システム。
【請求項60】
各アームを円周方向に接続するフィラメントを含む、請求項59に記載の胃内滞留システムであって、ここで、前記円周フィラメントが各アームの前記第3の崩壊性マトリックスセグメントに付着している、上記システム。
【請求項61】
請求項36~60のいずれか1項に記載の胃内滞留システムを前記個体に投与することを含む、個体におけるオピオイド乱用障害を治療する方法。
【請求項62】
請求項36~60のいずれか1項に記載の胃内滞留システムを前記個体に投与することを含む、個体における疼痛を治療する方法。
【請求項63】
以下を含む胃内滞留システム:
少なくとも1つのアームが薬物溶出成分を含む、中央エラストマーに固定された複数のアーム;
近位端、遠位端、及びそれらの間の外面を含む各アーム;ここで、各アームの近位端はエラストマー成分に付着され、エラストマー成分から放射状に突出し、各アームはエラストマー成分に付着されておらず、かつエラストマー成分から近位端よりも長い半径距離に位置するその遠位端を有する;
ここで、薬物溶出成分を含む少なくとも1つのアームは以下を含む:
ポリマーリンカーセグメント;
前記ポリマーリンカーセグメントに付着した第1の崩壊性マトリックスセグメント;
前記第1の崩壊性マトリックスセグメントに付着した第1の不活性セグメント;
前記第1の不活性セグメントに付着した第2の崩壊性マトリックスセグメント;
前記第2の崩壊性マトリックスセグメントに付着した第2の不活性セグメント;
前記第2の不活性セグメントに付着した前記薬物溶出成分、ここで、前記薬物溶出成分は、担体ポリマー、ブプレノルフィン又はその塩、及びナロキソン又はその塩を含み、及びここで、前記薬物溶出成分はさらに、放出速度調節ポリマー膜を含む被膜を含む;
前記薬物溶出成分に付着した第3の不活性セグメント;
前記第3の不活性セグメントに付着した第3の崩壊性マトリックスセグメント;
並びに、
各アームを円周方向に接続するフィラメント。
【請求項64】
担体ポリマー、ブプレノルフィン又はその塩、及びナロキソン又はその塩を含む少なくとも1つの薬物溶出成分を共押出すること、及び、
速度調節放出膜を前記少なくとも1つの共押出薬物溶出成分に適用することとを含む、胃内滞留システムを作成する方法であって、
ここで、前記胃内滞留システムは、人体の胃内に少なくとも48時間維持されるように、及びブプレノルフィンを少なくとも48時間放出するように構成されており、そして、前記速度調節放出膜を有する前記少なくとも1つの共押出薬物溶出成分が、胃内に滞留の最初の24時間後にブプレノルフィン又はその塩の少なくとも10%を放出するように、及び胃内に滞留の最初の24時間後にナロキソン又はその塩の少なくとも10%を放出するように構成されている、上記方法。
【請求項65】
前記速度調節放出膜がポリカプロラクトンとコポビドンを含む、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記速度調節放出膜が60~90重量%のポリカプロラクトンを含む、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記速度調節放出膜が10~40重量%のコポビドンを含む、請求項65又は66に記載の方法。
【請求項68】
前記少なくとも1つの共押出薬物溶出成分が、ナロキソンを含む第1の共押出部分と、ブプレノルフィンとナロキソンを含む第2の共押出部分とを含む、請求項64~67のいずれかに記載の方法。
【請求項69】
前記少なくとも1つの薬物溶出成分を共押出することが、前記第2の共押出部分に埋め込まれた前記第1の共押出部分を共押出することを含む、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記少なくとも1つの薬物溶出成分を共押出することが、前記第2の共押出部分に埋め込まれた前記第1の共押出部分のストランドを共押出することを含む、請求項68又は69に記載の方法。
【請求項71】
前記少なくとも1つの薬物溶出成分を共押出することが、前記第2の共押出部分上に積層された前記第1の共押出部分を共押出することを含む、請求項68に記載の方法。
【請求項72】
前記第1の共押出部分が前記第2の共押出部分に対して4:1の比で存在する、請求項68~71のいずれかに記載の方法。
【請求項73】
前記第1の共押出部分が35~50重量%のブプレノルフィンを含む、請求項68~72のいずれかに記載の方法。
【請求項74】
前記第1の共押出部分が2~7重量%のナロキソンを含む、請求項68~73のいずれかに記載の方法。
【請求項75】
前記第1の共押出部分が35~50重量%のポリカプロラクトンを含む、請求項68~74のいずれかに記載の方法。
【請求項76】
前記第1の共押出部分がポリエチレングリコールとポロキサマーを含む、請求項68~75のいずれかに記載の方法。
【請求項77】
前記第2の共押出部分が30~50重量%のナロキソンを含む、請求項68~76のいずれかに記載の方法。
【請求項78】
前記第2の共押出部分が50~60重量%のポリカプロラクトンを含む、請求項68~77のいずれかに記載の方法。
【請求項79】
前記第2の共押出部分がポロキサマーを含む、請求項68~78のいずれかに記載の方法。
【請求項80】
前記少なくとも1つの共押出薬物溶出成分が30mg~40mgのブプレノルフィン又はその塩を含む、請求項64~79のいずれかに記載の方法。
【請求項81】
前記少なくとも1つの共押出薬物溶出成分が8mg~15mgのナロキソン又はその塩を含む、請求項64~80のいずれかに記載の方法。
【請求項82】
前記胃内滞留システムが中央エラストマーと複数のアームを含み、前記複数のアームの各アームが近位端(前記中央エラストマーに固定されている)と遠位端を含む、請求項64~81のいずれかに記載の方法であって、ここで、前記複数のアームの各アームが前記中央エラストマーから放射状に延び、及び前記複数のアームのうちの少なくとも1つのアームが少なくとも1つの共押出薬物溶出成分を含む、上記方法。
【請求項83】
前記複数のアームが6つのアームを含む、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記複数のアームのうちの少なくとも2つのアームが、前記少なくとも1つの共押出薬物溶出成分の共押出薬物溶出成分を含む、請求項82又は83に記載の方法。
【請求項85】
前記複数のアームのうちの少なくとも3つのアームが、前記少なくとも1つの共押出薬物溶出成分の共押出薬物溶出成分を含む、請求項82又は83に記載の方法。
【請求項86】
前記複数のアームのうちの6つのアームが、前記少なくとも1つの共押出薬物溶出成分の共押出薬物溶出成分を含む、請求項82又は83に記載の方法。
【請求項87】
前記複数のアームの各アームが、前記中央エラストマーに付着したポリマーリンカーセグメントを含み、前記ポリマーリンカーセグメントがポリカプロラクトンを含む、請求項82~86のいずれかに記載の方法。
【請求項88】
前記複数のアームの各アームが、前記ポリマーリンカーセグメントに付着した第1の崩壊性マトリックスセグメントを含み、前記第1の崩壊性マトリックスセグメントが、ポリカプロラクトン、DL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)の酸性末端コポリマー、DL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)のコポリマー、及びポリエチレンオキシドを含む、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記複数のアームの各アームが、前記第1の崩壊性マトリックスセグメントに付着した第1の不活性セグメントを含み、前記第1の不活性セグメントがポリカプロラクトンと(BiO)
2CO
3を含む、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記複数のアームの各アームが、前記第1の不活性セグメントに付着した第2の崩壊性マトリックスセグメントを含み、前記第2の崩壊性マトリックスセグメントが、ポリカプロラクトン、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポロキサマーを含む、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
前記複数のアームの各アームが、前記第2の崩壊性マトリックスセグメントに付着した第2の不活性セグメントを含み、前記第2の不活性セグメントがポリカプロラクトンと(BiO)
2CO
3を含む、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記複数のアームのうちの第1のアームが、前記第2の不活性セグメントに付着した少なくとも1つの共押出薬物溶出成分の共押出薬物溶出成分を含む、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
前記複数のアームのうちの第2のアームが、前記第2の不活性セグメントに付着した非有効セグメントを含み、前記非有効セグメントが、ポリカプロラクトン、コポビドン、及びポロキサマーを含む、請求項91に記載の方法。
【請求項94】
前記複数のアームの各アームが、前記共押出薬物溶出成分又は非有効セグメントのうちの1つに付着した第3の不活性セグメントを含み、前記第3の不活性セグメントがポリカプロラクトンと(BiO)
2CO
3を含む、請求項92又は93に記載の方法。
【請求項95】
前記複数のアームの各アームが、前記第3の不活性セグメントに付着した第3の崩壊性マトリックスセグメントを含み、前記第3の崩壊性マトリックスが、ポリカプロラクトン、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)、ステアリン酸、及びポリプロピレングリコールを含む、請求項94に記載の方法。
【請求項96】
各アームを円周方向に接続するフィラメントを含み、前記円周フィラメントが各アームの前記第3の崩壊性マトリックスセグメントに付着されている、請求項95に記載の方法。
【請求項97】
担体ポリマー、ブプレノルフィン又はその塩、及びナロキソン又はその塩を含む、少なくとも1つの薬物溶出成分を押出することと、
速度調節放出膜を前記少なくとも1つの薬物溶出成分に適用することとを含む、胃内滞留システムを作成する方法であって、
ここで、前記胃内滞留システムが、人体の胃内に少なくとも48時間維持されるように、及びブプレノルフィンを少なくとも48時間放出するように構成されており、そして、前記速度調節放出膜を有する前記少なくとも1つの薬物溶出成分が、胃内に滞留の最初の24時間後にブプレノルフィン又はその塩の少なくとも10%を放出するように、及び胃内に滞留の最初の24時間以内にナロキソン又はその塩の少なくとも10%を放出するように構成されている。上記方法。
【請求項98】
前記速度調節放出膜がポリカプロラクトンとコポビドンを含む、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
前記速度調節放出膜が60~90重量%のポリカプロラクトンを含む、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
前記速度調節放出膜が10~40重量%のコポビドンを含む、請求項98又は99に記載の方法。
【請求項101】
前記少なくとも1つの薬物溶出成分が35~50重量%のブプレノルフィンを含む、請求項97~100のいずれかに記載の方法。
【請求項102】
前記少なくとも1つの薬物溶出成分が2~7重量%のナロキソンを含む、請求項97~101のいずれかに記載の方法。
【請求項103】
前記少なくとも1つの薬物溶出成分が35~50重量%のポリカプロラクトンを含む、請求項97~102のいずれかに記載の方法。
【請求項104】
前記少なくとも1つの薬物溶出成分がポリエチレングリコールとポロキサマーを含む、請求項97~103のいずれかに記載の方法。
【請求項105】
前記少なくとも1つの薬物溶出成分が10mg~30mgのブプレノルフィン又はその塩を含む、請求項97~104のいずれかに記載の方法。
【請求項106】
前記少なくとも1つの薬物溶出成分が1mg~3mgのナロキソン又はその塩を含む、請求項97~105のいずれかに記載の方法。
【請求項107】
請求項97~106のいずれかに記載の方法であって、ここで、前記胃内滞留システムが中央エラストマーと複数のアームを含み、前記複数のアームの各アームが近位端(前記中央エラストマーに固定されている)と遠位端を含み、ここで、前記複数のアームの各アームが前記中央エラストマーから放射状に延びており、及び前記複数のアームのうちの少なくとも1つのアームが前記少なくとも1つの薬物溶出成分を含む、上記方法。
【請求項108】
前記複数のアームが6つのアームを含む、請求項107に記載の方法。
【請求項109】
前記複数のアームのうちの少なくとも2つのアームが、前記少なくとも1つの薬物溶出成分の薬物溶出成分を含む、請求項107又は108に記載の方法。
【請求項110】
前記複数のアームのうちの少なくとも3つのアームが、前記少なくとも1つの薬物溶出成分の薬物溶出成分を含む、請求項107又は108に記載の方法。
【請求項111】
前記複数のアームのうちの6つのアームが、前記少なくとも1つの薬物溶出成分の薬物溶出成分を含む、請求項107又は108に記載の方法。
【請求項112】
前記複数のアームの各アームが、前記中央エラストマーに付着したポリマーリンカーセグメントを含み、前記ポリマーリンカーセグメントがポリカプロラクトンを含む、請求項107~111のいずれかに記載の方法。
【請求項113】
前記複数のアームの各アームが、前記ポリマーリンカーセグメントに付着した第1の崩壊性マトリックスセグメントを含み、前記第1の崩壊性マトリックスセグメントが、ポリカプロラクトン、DL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)の酸性末端コポリマー、DL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)のコポリマー、及びポリエチレンオキシドを含む、請求項112に記載の方法。
【請求項114】
前記複数のアームの各アームが、前記第1の崩壊性マトリックスセグメントに付着した第1の不活性セグメントを含み、前記第1の不活性セグメントがポリカプロラクトンと(BiO)
2CO
3を含む、請求項113に記載の方法。
【請求項115】
前記複数のアームの各アームが、前記第1の不活性セグメントに付着した第2の崩壊性マトリックスセグメントを含み、前記第2の崩壊性マトリックスセグメントが、ポリカプロラクトン、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポロキサマーを含む、請求項114に記載の方法。
【請求項116】
前記複数のアームの各アームが、前記第2の崩壊性マトリックスセグメントに付着した第2の不活性セグメントを含み、前記第2の不活性セグメントがポリカプロラクトンと(BiO)
2CO
3を含む、請求項115に記載の方法。
【請求項117】
前記複数のアームのうちの第1のアームが、前記第2の不活性セグメントに付着した前記少なくとも1つの薬物溶出成分の薬物溶出成分を含む、請求項116に記載の方法。
【請求項118】
前記複数のアームのうちの第2のアームが、前記第2の不活性セグメントに付着した非有効セグメントを含み、前記非有効セグメントが、ポリカプロラクトン、コポビドン、及びポロキサマーを含む、請求項117に記載の方法。
【請求項119】
前記複数のアームの各アームが、前記薬物溶出成分又は前記非有効セグメントのうちの1つに付着した第3の不活性セグメントを含み、前記第3の不活性セグメントがポリカプロラクトンと(BiO)
2CO
3を含む、請求項117又は118に記載の方法。
【請求項120】
前記複数のアームの各アームが、前記第3の不活性セグメントに付着した第3の崩壊性マトリックスセグメントを含み、前記第3の崩壊性マトリックスがポリカプロラクトン、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)、ステアリン酸、及びポリプロピレングリコールを含む、請求項119に記載の方法。
【請求項121】
各アームを円周方向に接続するフィラメントを含み、前記円周フィラメントが各アームの前記第3の崩壊性マトリックスセグメントに付着している、請求項120に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年5月5日に出願された米国仮出願第63/184,734号の利益を主張する。その出願の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
連邦政府の援助による研究又は開発に関する声明
本発明は、国立衛生研究所(the National Institutes of Health)により授与された助成金第5UG3DA047709号に基づく政府の支援によりなされた。政府は発明に関して一定の権利を有する。
【0003】
分野
本開示は、胃内滞留システムに関し、より詳しくは、ブプレノルフィン(buprenorphine)とナロキソン(naloxone)とを含む胃内滞留システムに関する。
【背景技術】
【0004】
ブプレノルフィンは、オピオイド使用障害、急性疼痛、及び慢性疼痛の治療に使用されるオピオイド薬である。オピオイド使用障害の治療にブプレノルフィンを使用する場合、患者が禁断症状を経験し始めたときにブプレノルフィンを投与することができる。ただし、ブプレノルフィンには習慣性があるため、患者が誤用(すなわち過剰摂取)する可能性がある。
【0005】
従って、ブプレノルフィンは通常、ナロキソンと組み合わせて使用される。ナロキソンは、オピオイドの過剰摂取を迅速に逆転させるように設計されている。これはオピオイド受容体に結合するオピオイド拮抗薬であり、ブプレノルフィンなどのオピオイドの作用を逆転させてブロックすることができる。ブプレノルフィンとナロキソンを、これら2つが分離できないように組み合わせることで、ブプレノルフィンの誤用の可能性が大幅に減少する。ブプレノルフィンとナロキソンの組み合わせは通常、舌下投与される(例えばフィルム、錠剤)。
【発明の概要】
【0006】
開示内容の要約
本明細書では、ブプレノルフィンとナロキソンを含む胃内滞留システムが提供される。オピオイドの一種であるブプレノルフィンは、使用者に依存症を引き起こす可能性があり、治療ミス(例えば過剰摂取)の対象となりやすい。従って、ブプレノルフィンは通常、オピオイドの作用を阻害し、そしてオピオイドの過剰摂取の影響を逆転させるナロキソンと一緒に投与される。この併用医薬組成物(例えばブプレノルフィンとナロキソン)は、依存性や常用癖を引き起こし得る作用なしで、患者にブプレノルフィンの治療効果を提供することができる。従って、ブプレノルフィンをナロキソンとともに投与することにより、ブプレノルフィンへの依存及び/又は過剰摂取を発症するリスクが軽減される。
【0007】
しかし、ブプレノルフィン/ナロキソン併用剤形で生じる課題は、使用者又は患者が意図的に剤形からナロキソンを分離させて、ブプレノルフィンだけを摂取する可能性があることである(例えばオピオイド使用障害を患っている人)。そうすることで、ブプレノルフィンの作用を阻害するナロキソンが存在しなくなるため、使用者はブプレノルフィンの高揚感を得ることができる。従って、この可能性を阻止又は最小限に抑えるような方法で、ブプレノルフィンとナロキソンを含む剤形を設計することが重要である。
【0008】
従って、疼痛又はオピオイド使用障害を有する患者の治療に使用するための、ブプレノルフィンとナロキソンを含む胃内滞留システムが提供される。具体的には、本明細書に記載の胃内滞留システムは、乱用(すなわち、ブプレノルフィンのみを取り出して摂取すること)の可能性を考慮し、そして最小限に抑えるように配合されている。
【0009】
乱用の可能性を最小限に抑えるために、ブプレノルフィンとナロキソンは、本明細書に記載される胃内滞留システムの単一成分内で配合され得る。以下で説明されるように、胃内滞留システムには、それぞれ異なる機能を有するさまざまな成分を含むことができる。例えば、本明細書で提供される胃内滞留システムの成分は、中央エラストマー及び2つ以上の細長いアームを含むことができる。各細長いアームは、時間依存性崩壊性マトリックス及び/又は腸内崩壊性マトリックスを含むことができる。胃内滞留システムの1つ以上のアームは、薬物溶出成分を含み得る。本明細書に記載されるように、ブプレノルフィンとナロキソンの分離及びその後の治療ミス(すなわち、ブプレノルフィンのみの摂取)の可能性を最小限に抑えるために、ブプレノルフィンとナロキソンの両方が胃内滞留システムの同じ成分内に提供される。あるいは、ブプレノルフィンとナロキソンを別々に配合し、胃内滞留システムの別々の成分内に提供することもできる。しかし、ブプレノルフィンとナロキソンを胃内滞留システムの別個の成分内で提供すると、使用者は2つの成分を互いに分離するだけで2つの有効成分を分離でき、そしてナロキソンなしでブプレノルフィンを摂取できるようになる。従って、ブプレノルフィンとナロキソンを胃内滞留システムの単一成分(例えば薬物溶出セグメント)内に配合することにより、これらの2つの有効成分を物理的に互いに分離することがはるかに困難になる。
【0010】
いくつかの実施態様において、ブプレノルフィンとナロキソンは、患者の胃内で異なる速度で放出されるように設計される。例えば、ナロキソンはブプレノルフィンよりも速く放出される可能性がある。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィンとナロキソンは、患者の胃内で同様の速度で放出されるように設計される。例えば、使用者が体外の胃内滞留システムからナロキソンを溶出させることによって、胃内滞留システムのナロキソンからブプレノルフィンを分離しようとしても、使用者は、ブプレノルフィンとナロキソンが同様の放出プロフィールを有する胃内滞留システムと、ブプレノルフィンとナロキソンが異なる放出プロフィールを有する胃内滞留システムとの、両方の胃内滞留システムで、元のブプレノルフィンの量を回収することに成功しないであろう。ブプレノルフィンとナロキソンが同様の放出プロフィールを有する場合、ナロキソンが完全に溶出した後、ブプレノルフィンは、たとえあったとしてもほとんど残らないであろう。ナロキソンがブプレノルフィンよりも速く放出される場合、すべてのナロキソンが胃内滞留システムから溶出するのにかかる時間の間に、かなりの量のブプレノルフィンが溶出してしまっているであろう。従って、元のブプレノルフィン量のかなり少ない量しか残らないであろう。いずれの場合も、胃内滞留システムの単一成分中にブプレノルフィンとナロキソンを配合することで、使用者が胃内滞留システムのナロキソンからブプレノルフィンの全量を別に回収することが防止され、乱用のリスクが最小限に抑えられる。
【0011】
提供される胃内滞留システムは、圧縮された構成で患者によって飲み込まれ、患者の胃に到着すると、開いて圧縮されていない構成になるように設計されている。いったん患者の胃内で開くと、胃内滞留システムは、胃の胃液によって胃内滞留システムが破壊されて患者の消化管系の残りの部分を通過できるようになるまで、胃の中に残るであろう。胃内滞留システムは、胃内滞留システムの様々な成分を一緒に連結する1つ以上の連結成分(例えばリンカー)を含むことができる。連結成分は崩壊性マトリックスを含み、制御された方法で胃液の存在下で溶解又は分解するように設計されており、胃内滞留システムのさまざまな成分が解離して患者の消化管の残りの部分を通過できるようになる。いくつかの実施態様において、胃内滞留システムは、有効成分(すなわちブプレノルフィンとナロキソン)を放出し、解離し、そして患者が最初に胃内滞留システムを摂取してから制御された時間(例えば12時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、又は1か月)の後、患者から排出される。
【0012】
いくつかの実施態様において、胃内滞留システムは星形をしており、中央エラストマー、3つ以上のアーム、及び1つ以上の連結成分を含む。胃内滞留システムの中央エラストマーは、胃内滞留システムの中心成分であり、そこから3つ以上のアームが延びている。
【0013】
胃内滞留システムの3つ以上のアームは、胃内滞留システムの中央エラストマーから放射状に延びている。1つ以上のアームは、医薬品有効成分(すなわち、ブプレノルフィンとナロキソン)を含むことができる。有効アームの数(すなわち、医薬品有効成分を含む1つ以上のアーム)は、胃内滞留システムの投与量に依存し得る。いくつかの実施態様において、有効アームは単一のブプレノルフィン/ナロキソン配合物を含む。いくつかの実施態様において、有効アームは、共押出されて1つ以上の担体ポリマー-薬剤セグメント(すなわち、薬物溶出セグメント)を形成するブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物及びナロキソン単独配合物を含む。有効アームは、いったん胃内滞留システムが患者の胃に到達すると、ブプレノルフィン/ナロキソン配合物を放出するように構成されている。
【0014】
従って、本明細書では、疼痛又はオピオイド使用障害を有する患者の治療に使用するための、ブプレノルフィンとナロキソンを含む胃内滞留システムが提供される。記載されている胃内滞留システムは、乱用(つまり、ブプレノルフィンのみを取り出して摂取)の可能性を考慮し、最小限に抑えるように配合されている。
【0015】
いくつかの実施態様において、胃内滞留システムが提供され、この胃内滞留システムは、担体ポリマー、ブプレノルフィン又はその塩、及びナロキソン又はその塩を含む少なくとも1つの共押出薬物溶出成分と、少なくとも1つの共押出薬物溶出成分を被覆している速度調節放出膜とを含み、ここで、胃内滞留システムは、人体の胃内に少なくとも48時間維持されるように、及びブプレノルフィンを少なくとも48時間放出するように構成されており、そして、速度調節放出膜を有する少なくとも1つの共押出薬物溶出成分は、胃内に滞留の最初の24時間後にブプレノルフィン又はその塩の少なくとも10%を放出するように、及び胃内に滞留の最初の24時間後にナロキソン又はその塩の少なくとも10%を放出するように構成される。
【0016】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、速度調節放出膜はポリカプロラクトンとコポビドンを含む。
【0017】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、速度調節放出膜は60~90重量%のポリカプロラクトンを含む。
【0018】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、速度調節放出膜は10~40重量%のコポビドンを含む。
【0019】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、少なくとも1つの共押出薬物溶出成分は、ナロキソンを含む第1の共押出部分と、ブプレノルフィンとナロキソンを含む第2の共押出部分とを含む。
【0020】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、第1の共押出部分は第2の共押出部分に埋め込まれている。
【0021】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、第1の共押出部分は第2の共押出部分内に埋め込まれた1つ以上のストランドを含む。
【0022】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、第1の共押出部分は第2の共押出部分の上に積層されている。
【0023】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、第1の共押出部分は第2の共押出部分に対して4:1の比で存在する。
【0024】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、第1の共押出部分は35~50重量%のブプレノルフィンを含む。
【0025】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、第1の共押出部分は2~7重量%のナロキソンを含む。
【0026】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、第1の共押出部分は35~50重量%のポリカプロラクトンを含む。
【0027】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、第1の共押出部分はポリエチレングリコールとポロキサマーを含む。
【0028】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、第2の共押出部分は30~50重量%のナロキソンを含む。
【0029】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、第2の共押出部分は50~60重量%のポリカプロラクトンを含む。
【0030】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、第2の共押出部分はポロキサマーを含む。
【0031】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、少なくとも1つの共押出薬物溶出成分は30mg~40mgのブプレノルフィン又はその塩を含む。
【0032】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、少なくとも1つの共押出薬物溶出成分は8mg~15mgのナロキソン又はその塩を含む。
【0033】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、胃内滞留システムは中央エラストマーと複数のアームを含み、複数のアームの各アームは、近位端(中央エラストマーに固定されている)と遠位端を含み、ここで、複数のアームの各アームは、中央エラストマーから放射状に延びており、及び複数のアームのうちの少なくとも1つのアームは少なくとも1つの共押出薬物溶出成分を含む。
【0034】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、複数のアームは6つのアームを含む。
【0035】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、複数のアームのうちの少なくとも2つのアームは、少なくとも1つの共押出薬物溶出成分の共押出薬物溶出成分を含む。
【0036】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、複数のアームのうちの少なくとも3つのアームは、少なくとも1つの共押出薬物溶出成分の共押出薬物溶出成分を含む。
【0037】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、複数のアームのうちの6つのアームは、少なくとも1つの共押出薬物溶出成分の共押出薬物溶出成分を含む。
【0038】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、前記複数のアームの各アームは、中央エラストマーに付着したポリマーリンカーセグメントを含み、ポリマーリンカーセグメントはポリカプロラクトンを含む。
【0039】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、複数のアームの各アームは、ポリマーリンカーセグメントに付着した第1の崩壊性マトリックスセグメントを含み、第1の崩壊性マトリックスセグメントは、ポリカプロラクトン、DL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)の酸性末端コポリマー、DL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)のコポリマー、及びポリエチレンオキシドを含む。
【0040】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、複数のアームの各アームは、第1の崩壊性マトリックスセグメントに付着した第1の不活性セグメントを含み、第1の不活性セグメントは、ポリカプロラクトンと(BiO)2CO3を含む。
【0041】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、複数のアームの各アームは、第1の不活性セグメントに付着した第2の崩壊性マトリックスセグメントを含み、前記第2の崩壊性マトリックスセグメントは、ポリカプロラクトン、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポロキサマーを含む。
【0042】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、複数のアームの各アームは、第2の崩壊性マトリックスセグメントに付着した第2の不活性セグメントを含み、第2の不活性セグメントはポリカプロラクトンと(BiO)2CO3を含む。
【0043】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、複数のアームのうちの第1のアームは、第2の不活性セグメントに付着した少なくとも1つの共押出薬物溶出成分の共押出薬物溶出成分を含む。
【0044】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、複数のアームのうちの第2のアームは、第2の不活性セグメントに付着した非有効セグメントを含み、非有効セグメントは、ポリカプロラクトン、コポビドン、及びポロキサマーを含む。
【0045】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、複数のアームの各アームは、共押出薬物溶出成分又は非有効セグメントのうちの1つに付着した第3の不活性セグメントを含み、第3の不活性セグメントはポリカプロラクトンと(BiO)2CO3を含む。
【0046】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、複数のアームの各アームは、第3の不活性セグメントに付着した第3の崩壊性マトリックスセグメントを含み、第3の崩壊性マトリックスは、ポリカプロラクトン、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)、ステアリン酸、及びポリプロピレングリコールを含む。
【0047】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、胃内滞留システムは各アームを円周方向に接続するフィラメントを含み、ここで、円周フィラメントは各アームの第3の崩壊性マトリックスセグメントに付着している。
【0048】
いくつかの実施態様において、胃内滞留システムを個体に投与することを含む、個体におけるオピオイド乱用障害を治療する方法が提供される。
【0049】
いくつかの実施態様において、胃内滞留システムを個体に投与することを含む、個体における疼痛を治療する方法が提供される。
【0050】
いくつかの実施態様において、胃内滞留システムが提供され、前記胃内滞留システムは、担体ポリマー、ブプレノルフィン又はその塩、及びナロキソン又はその塩を含む少なくとも1つの薬物溶出成分と、少なくとも1つの薬物溶出成分を被覆している速度調節放出膜とを含み、ここで、前記胃内滞留システムは、人体の胃内に少なくとも48時間維持されるように、及びブプレノルフィンを少なくとも48時間放出するように構成されており、そして、前記速度調節放出膜を有する少なくとも1つの薬物溶出成分は、胃内に滞留の最初の24時間後にブプレノルフィン又はその塩の少なくとも10%を放出するように、及び胃内に滞留の最初の24時間以内にナロキソン又はその塩の少なくとも10%を放出するように構成されている。
【0051】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、速度調節放出膜はポリカプロラクトンとコポビドンとを含む。
【0052】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、速度調節放出膜は60~90重量%のポリカプロラクトンを含む。
【0053】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、速度調節放出膜は10~40重量%のコポビドンを含む。
【0054】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、少なくとも1つの薬物溶出成分は35~50重量%のブプレノルフィンを含む。
【0055】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、少なくとも1つの薬物溶出成分は2~7重量%のナロキソンを含む。
【0056】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、少なくとも1つの薬物溶出成分は35~50重量%のポリカプロラクトンを含む。
【0057】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、少なくとも1つの薬物溶出成分はポリエチレングリコールとポロキサマーを含む。
【0058】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、少なくとも1つの薬物溶出成分は10mg~30mgのブプレノルフィン又はその塩を含む。
【0059】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、少なくとも1つの薬物溶出成分は1mg~3mgのナロキソン又はその塩を含む。
【0060】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、胃内滞留システムは中央エラストマーと複数のアームを含み、複数のアームの各アームは、近位端(中央エラストマーに固定されている)と遠位端を含み、ここで、複数のアームの各アームは中央エラストマーから放射状に延びており、及び複数のアームのうちの少なくとも1つのアームは少なくとも1つの薬物溶出成分を含む。
【0061】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、複数のアームは6つのアームを含む。
【0062】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、複数のアームのうちの少なくとも2つのアームは、少なくとも1つの薬物溶出成分の薬物溶出成分を含む。
【0063】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、複数のアームのうちの少なくとも3つのアームは、少なくとも1つの薬物溶出成分の薬物溶出成分を含む。
【0064】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、複数のアームのうちの6つのアームは、少なくとも1つの薬物溶出成分の薬物溶出成分を含む。
【0065】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、複数のアームの各アームは、中央エラストマーに付着したポリマーリンカーセグメントを含み、ポリマーリンカーセグメントはポリカプロラクトンを含む。
【0066】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、複数のアームの各アームは、ポリマーリンカーセグメントに付着した第1の崩壊性マトリックスセグメントを含み、第1の崩壊性マトリックスセグメントは、ポリカプロラクトン、DL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)の酸性末端コポリマー、DL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)のコポリマー、及びポリエチレンオキシドを含む。
【0067】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、複数のアームの各アームは、第1の崩壊性マトリックスセグメントに付着した第1の不活性セグメントを含み、第1の不活性セグメントはポリカプロラクトンと(BiO)2CO3を含む。
【0068】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、複数のアームの各アームは、第1の不活性セグメントに付着した第2の崩壊性マトリックスセグメントを含み、第2の崩壊性マトリックスセグメントは、ポリカプロラクトン、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポロキサマーを含む。
【0069】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、複数のアームの各アームは、第2の崩壊性マトリックスセグメントに付着した第2の不活性セグメントを含み、第2の不活性セグメントはポリカプロラクトンと(BiO)2CO3を含む。
【0070】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、複数のアームのうちの第1のアームは、第2の不活性セグメントに付着した少なくとも1つの薬物溶出成分の薬物溶出成分を含む。
【0071】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、複数のアームのうちの第2のアームは、第2の不活性セグメントに付着した非有効セグメントを含み、非有効セグメントは、ポリカプロラクトン、コポビドン、及びポロキサマーを含む。
【0072】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、複数のアームの各アームは、薬物溶出成分又は非有効セグメントのうちの1つに付着した第3の不活性セグメントを含み、第3の不活性セグメントはポリカプロラクトンと(BiO)2CO3を含む。
【0073】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、複数のアームの各アームは、第3の不活性セグメントに付着した第3の崩壊性マトリックスセグメントを含み、第3の崩壊性マトリックスは、ポリカプロラクトン、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)、ステアリン酸、及びポリプロピレングリコールを含む。
【0074】
胃内滞留システムのいくつかの実施態様において、胃内滞留システムは、各アームを円周方向に接続するフィラメントを含み、円周フィラメントは各アームの第3の崩壊性マトリックスセグメントに付着している。
【0075】
いくつかの実施態様において、胃内滞留システムを個体に投与することを含む、個体におけるオピオイド乱用障害を治療する方法が提供される。
【0076】
いくつかの実施態様において、胃内滞留システムを個体に投与することを含む、個体における疼痛を治療する方法が提供される。
【0077】
いくつかの実施態様において、以下を含む胃内滞留システムが提供される:少なくとも1つのアームは薬物溶出成分を含む、中央エラストマーに固定された複数のアーム;近位端、遠位端、及びそれらの間の外面を含む各アーム;ここで、各アームの近位端はエラストマー成分に付着され、エラストマー成分から放射状に突出し、各アームは、エラストマー成分に付着されておらず、かつエラストマー成分から近位端よりも長い半径距離に位置するその遠位端を有する;ここで、薬物溶出成分を含む少なくとも1つのアームは以下を含む:ポリマーリンカーセグメント、ポリマーリンカーセグメントに付着した第1の崩壊性マトリックスセグメント、第1の崩壊性マトリックスセグメントに付着した第1の不活性セグメント、第1の不活性セグメントに付着した第2の崩壊性マトリックスセグメント、第2の崩壊性マトリックスセグメントに付着した第2の不活性セグメント、第2の不活性セグメントに付着した薬物溶出成分、ここで、薬物溶出成分は、担体ポリマー、ブプレノルフィン又はその塩、及びナロキソン又はその塩を含み、及びここで、薬物溶出成分はさらに、放出速度調節ポリマー膜を含む被膜を含む;薬物溶出成分に付着した第3の不活性セグメント;第3の不活性セグメントに付着した第3の崩壊性マトリックスセグメント;並びに、各アームを円周方向に接続するフィラメントを含む。
【0078】
いくつかの実施態様において、胃内滞留システムを作成する方法が提供され、この方法は、担体ポリマー、ブプレノルフィン又はその塩、及びナロキソン又はその塩を含む少なくとも1つの薬物溶出成分を共押出することと、速度調節放出膜を少なくとも1つの共押出薬物溶出成分に適用することとを含み、ここで、胃内滞留システムは、人体の胃内に少なくとも48時間維持されるように、及びブプレノルフィンを少なくとも48時間放出するように構成されており、そして、速度調節放出膜を有する少なくとも1つの共押出薬物溶出成分は、胃内に滞留の最初の24時間後にブプレノルフィン又はその塩の少なくとも10%を放出するように、及び胃内に滞留の最初の24時間後にナロキソン又はその塩の少なくとも10%を放出するように構成されている。
【0079】
本方法のいくつかの実施態様において、速度調節放出膜はポリカプロラクトンとコポビドンを含む。
【0080】
本方法のいくつかの実施態様において、速度調節放出膜は60~90重量%のポリカプロラクトンを含む。
【0081】
本方法のいくつかの実施態様において、速度調節放出膜は10~40重量%のコポビドンを含む。
【0082】
本方法のいくつかの実施態様において、少なくとも1つの共押出薬物溶出成分は、ナロキソンを含む第1の共押出部分と、ブプレノルフィン及びナロキソンを含む第2の共押出部分とを含む。
【0083】
本方法のいくつかの実施態様において、少なくとも1つの薬物溶出成分を共押出することは、第2の共押出部分に埋め込まれた第1の共押出部分を共押出することを含む。
【0084】
本方法のいくつかの実施態様において、少なくとも1つの薬物溶出成分を共押出することは、第2の共押出部分内に埋め込まれた第1の共押出部分のストランドを共押出することを含む。
【0085】
本方法のいくつかの実施態様において、少なくとも1つの薬物溶出成分を共押出することは、第2の共押出部分上に積層された第1の共押出部分を共押出することを含む。
【0086】
本方法のいくつかの実施態様において、第1の共押出部分は第2の共押出部分に対して4:1の比で存在する。
【0087】
本方法のいくつかの実施態様において、第1の共押出部分は35~50重量%のブプレノルフィンを含む。
【0088】
本方法のいくつかの実施態様において、第1の共押出部分は2~7重量%のナロキソンを含む。
【0089】
本方法のいくつかの実施態様において、第1の共押出部分は35~50重量%のポリカプロラクトンを含む。
【0090】
本方法のいくつかの実施態様において、第1の共押出部分は、ポリエチレングリコールとポロキサマーを含む。
【0091】
本方法のいくつかの実施態様において、第2の共押出部分は30~50重量%のナロキソンを含む。
【0092】
本方法のいくつかの実施態様において、第2の共押出部分は50~60重量%のポリカプロラクトンを含む。
【0093】
本方法のいくつかの実施態様において、第2の共押出部分はポロキサマーを含む。
【0094】
本方法のいくつかの実施態様において、少なくとも1つの共押出薬物溶出成分は30mg~40mgのブプレノルフィン又はその塩を含む。
【0095】
本方法のいくつかの実施態様において、少なくとも1つの共押出薬物溶出成分は8mg~15mgのナロキソン又はその塩を含む。
【0096】
本方法のいくつかの実施態様において、胃内滞留システムは、中央エラストマーと複数のアームを含み、複数のアームの各アームは、近位端(中央エラストマーに固定されている)と遠位端を含み、ここで、複数のアームの各アームは、中央エラストマーから放射状に延びており、及び複数のアームのうちの少なくとも1つのアームは少なくとも1つの共押出薬物溶出成分を含む。
【0097】
本方法のいくつかの実施態様において、複数のアームは6つのアームを含む。
【0098】
本方法のいくつかの実施態様において、複数のアームのうちの少なくとも2つのアームは、少なくとも1つの共押出薬物溶出成分の共押出薬物溶出成分を含む。
【0099】
本方法のいくつかの実施態様において、複数のアームのうちの少なくとも3つのアームは、少なくとも1つの共押出薬物溶出成分の共押出薬物溶出成分を含む。
【0100】
本方法のいくつかの実施態様において、複数のアームのうちの6つのアームは、少なくとも1つの共押出薬物溶出成分の共押出薬物溶出成分を含む。
【0101】
本方法のいくつかの実施態様において、複数のアームの各アームは、中央エラストマーに付着したポリマーリンカーセグメントを含み、ポリマーリンカーセグメントはポリカプロラクトンを含む。
【0102】
本方法のいくつかの実施態様において、複数のアームの各アームは、ポリマーリンカーセグメントに付着した第1の崩壊性マトリックスセグメントを含み、第1の崩壊性マトリックスセグメントは、ポリカプロラクトン、DL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)の酸性末端コポリマー、DL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)のコポリマー、及びポリエチレンオキシドを含む。
【0103】
本方法のいくつかの実施態様において、複数のアームの各アームは、第1の崩壊性マトリックスセグメントに付着した第1の不活性セグメントを含み、第1の不活性セグメントはポリカプロラクトンと(BiO)2CO3を含む。
【0104】
本方法のいくつかの実施態様において、複数のアームの各アームは、第1の不活性セグメントに付着した第2の崩壊性マトリックスセグメントを含み、第2の崩壊性マトリックスセグメントは、ポリカプロラクトン、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポロキサマーを含む。
【0105】
本方法のいくつかの実施態様において、複数のアームの各アームは、第2の崩壊性マトリックスセグメントに付着した第2の不活性セグメントを含み、第2の不活性セグメントはポリカプロラクトンと(BiO)2CO3を含む。
【0106】
本方法のいくつかの実施態様において、複数のアームのうちの第1のアームは、第2の不活性セグメントに付着した少なくとも1つの共押出薬物溶出成分の共押出薬物溶出成分を含む。
【0107】
本方法のいくつかの実施態様において、複数のアームのうちの第2のアームは、第2の不活性セグメントに付着した非有効セグメントを含み、非有効セグメントは、ポリカプロラクトン、コポビドン、及びポロキサマーを含む。
【0108】
本方法のいくつかの実施態様において、複数のアームの各アームは、共押出薬物溶出成分又は非有効セグメントのうちの1つに付着した第3の不活性セグメントを含み、第3の不活性セグメントはポリカプロラクトンと(BiO)2CO3を含む。
【0109】
本方法のいくつかの実施態様において、複数のアームの各アームは、第3の不活性セグメントに付着した第3の崩壊性マトリックスセグメントを含み、第3の崩壊性マトリックスは、ポリカプロラクトン、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)、ステアリン酸、及びポリプロピレングリコールを含む。
【0110】
本方法のいくつかの実施態様において、胃内滞留システムは各アームを円周方向に接続するフィラメントを含み、ここで、円周フィラメントは各アームの第3の崩壊性マトリックスセグメントに付着される。
【0111】
いくつかの実施態様において、胃内滞留システムを作成する方法が提供され、
この方法は、担体ポリマー、ブプレノルフィン又はその塩、及びナロキソン又はその塩を含む少なくとも1つの薬物溶出成分を共押出することと、速度調節放出膜を少なくとも1つの薬物溶出成分に適用することと、少なくとも1つの薬物溶出成分に速度調節放出膜を適用することとを含み、ここで、胃内滞留システムは、人体の胃内に少なくとも48時間維持されるように、及びブプレノルフィンを少なくとも48時間放出するように構成されており、そして、速度調節放出膜を有する少なくとも1つの共押出薬物溶出成分は、胃内に滞留の最初の24時間後にブプレノルフィン又はその塩の少なくとも10%を放出するように、及び胃内に滞留の最初の24時間以内にナロキソン又はその塩の少なくとも10%を放出するように構成されている。
【0112】
本方法のいくつかの実施態様において、速度調節放出膜はポリカプロラクトンとコポビドンを含む。
【0113】
本方法のいくつかの実施態様において、速度調節放出膜は60~90重量%のポリカプロラクトンを含む。
【0114】
本方法のいくつかの実施態様において、速度調節放出膜は10~40重量%のコポビドンを含む。
【0115】
本方法のいくつかの実施態様において、少なくとも1つの薬物溶出成分は35~50重量%のブプレノルフィンを含む。
【0116】
本方法のいくつかの実施態様において、少なくとも1つの薬物溶出成分は2~7重量%のナロキソンを含む。
【0117】
本方法のいくつかの実施態様において、少なくとも1つの薬物溶出成分は35~50重量%のポリカプロラクトンを含む。
【0118】
本方法のいくつかの実施態様において、少なくとも1つの薬物溶出成分はポリエチレングリコールとポロキサマーを含む。
【0119】
本方法のいくつかの実施態様において、少なくとも1つの薬物溶出成分は10mg~30mgのブプレノルフィン又はその塩を含む。
【0120】
本方法のいくつかの実施態様において、少なくとも1つの薬物溶出成分は、1mg~3mgのナロキソン又はその塩を含む。
【0121】
本方法のいくつかの実施態様において、胃内滞留システムは中央エラストマーと複数のアームを含み、複数のアームの各アームは近位端(中央エラストマーに固定されている)と遠位端を含み、ここで、複数のアームの各アームは中央エラストマーから放射状に延びており、及び複数のアームのうちの少なくとも1つのアームは少なくとも1つの薬物溶出成分を含む。
【0122】
本方法のいくつかの実施態様において、複数のアームは6つのアームを含む。
【0123】
本方法のいくつかの実施態様において、複数のアームのうちの少なくとも2つのアームは、少なくとも1つの薬物溶出成分の薬物溶出成分を含む。
【0124】
本方法のいくつかの実施態様において、複数のアームのうちの少なくとも3つのアームは、少なくとも1つの薬物溶出成分の薬物溶出成分を含む。
【0125】
本方法のいくつかの実施態様において、複数のアームのうちの6つのアームは、少なくとも1つの薬物溶出成分の薬物溶出成分を含む。
【0126】
本方法のいくつかの実施態様において、複数のアームの各アームは、中央エラストマーに付着したポリマーリンカーセグメントを含み、ポリマーリンカーセグメントはポリカプロラクトンを含む。
【0127】
本方法のいくつかの実施態様において、複数のアームの各アームは、ポリマーリンカーセグメントに付着した第1の崩壊性マトリックスセグメントを含み、第1の崩壊性マトリックスセグメントは、ポリカプロラクトン、DL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)の酸性末端コポリマー、DL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)のコポリマー、及びポリエチレンオキシドを含む。
【0128】
本方法のいくつかの実施態様において、複数のアームの各アームは、第1の崩壊性マトリックスセグメントに付着した第1の不活性セグメントを含み、第1の不活性セグメントはポリカプロラクトンと(BiO)2CO3を含む。
【0129】
本方法のいくつかの実施態様において、複数のアームの各アームは、第1の不活性セグメントに付着した第2の崩壊性マトリックスセグメントを含み、第2の崩壊性マトリックスセグメントは、ポリカプロラクトン、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポロキサマーを含む。
【0130】
本方法のいくつかの実施態様において、複数のアームの各アームは、第2の崩壊性マトリックスセグメントに付着した第2の不活性セグメントを含み、第2の不活性セグメントはポリカプロラクトンと(BiO)2CO3を含む。
【0131】
本方法のいくつかの実施態様において、複数のアームのうちの第1のアームは、第2の不活性セグメントに付着した少なくとも1つの薬物溶出成分の薬物溶出成分を含む。
【0132】
本方法のいくつかの実施態様において、複数のアームのうちの第2のアームは、第2の不活性セグメントに付着した非有効セグメントを含み、非有効セグメントはポリカプロラクトン、コポビドン、及びポロキサマーを含む。
【0133】
本方法のいくつかの実施態様において、複数のアームの各アームは、薬物溶出成分又は非有効セグメントのうちの1つに付着した第3の不活性セグメントを含み、第3の不活性セグメントはポリカプロラクトンと(BiO)2CO3を含む。
【0134】
本方法のいくつかの実施態様において、複数のアームの各アームは、第3の不活性セグメントに付着した第3の崩壊性マトリックスセグメントを含み、第3の崩壊性マトリックスは、ポリカプロラクトン、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)、ステアリン酸、及びポリプロピレングリコールを含む
【0135】
本方法のいくつかの実施態様において、胃内滞留システムは各アームを円周方向に接続するフィラメントを含み、ここで、円周フィラメントは、各アームの第3の崩壊性マトリックスセグメントに付着している。
【0136】
いくつかの実施態様において、任意の実施態様に関して上で論じた特徴、特性、又は要素のうちの任意の1つ以上は、上で言及したか又は本明細書の他の場所で説明した他の実施態様のいずれかに組み込むことができる。
【0137】
本出願には、カラーで示された少なくとも1つの図面が含まれている。カラー図面を含む本特許出願公報のコピーは、請求と必要な手数料の支払いに応じて、特許庁によって提供される。
【図面の簡単な説明】
【0138】
【
図1A】いくつかの実施態様による、星形構成を有する胃内滞留システムを示す。
【
図1B】いくつかの実施態様による、折り畳まれた構成の胃内滞留システムを示す。
【
図2A】いくつかの実施態様による、薬物溶出セグメントの共押出形状の一例を示す。
【
図2B】いくつかの実施態様による、薬物溶出セグメントの共押出形状の一例を示す。
【
図3A】いくつかの実施態様による、6つの有効アームを有する胃内滞留システムを示す。
【
図3B】いくつかの実施態様による、4つの有効アームを有する胃内滞留システムを示す。
【
図3C】いくつかの実施態様による、2つの有効アームを有する胃内滞留システムを示す。
【
図4A】BUP-NAL併用配合物を含む被覆された薬物溶出セグメント及び被覆されていない薬物溶出セグメントのBUP放出プロフィールを示す。
【
図4B】BUP-NAL併用配合物を含む被覆された薬物溶出セグメント及び被覆されていない薬物溶出セグメントのNAL放出プロフィールを示す。
【
図5A】いくつかの実施態様による、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む胃内滞留システムの放出プロフィールを示す。
【
図5B】いくつかの実施態様による、ナロキソン単独配合物を含む胃内滞留システムの放出プロフィールを示す。
【
図6A】いくつかの実施態様による、BUP-NAL併用配合物及びNAL単独配合物と共押出された薬物溶出セグメントを含む胃内滞留システムの放出プロフィールを示す。
【
図6B】いくつかの実施態様による、BUP-NAL併用配合物及びNAL単独配合物と共押出された薬物溶出セグメントを含む胃内滞留システムについて、投与時から7日間にわたるBUP:NAL質量比を示す。
【
図7A】BUPを舌下に投与した後のイヌ血漿中の平均血漿ブプレノルフィン濃度を示す。
【
図7B】BUP-NALを含む胃内滞留システムを投与した後のイヌ血漿中の平均血漿ブプレノルフィン濃度を示す。
【
図7C】BUP-NALを含む胃内滞留システムを投与した後のイヌ血漿中のノルブプレノルフィンの平均血漿濃度を示す。
【
図8A】BUPを静脈内投与した後のカニクイザルにおける平均ブプレノルフィン血漿濃度を示す。
【
図8B】BUP-NALを含む胃内滞留システムを投与した後のカニクイザルにおける平均ブプレノルフィン血漿濃度を示す。そして
【
図8C】BUP-NALを含む胃内滞留システムを投与した後のカニクイザルにおける平均ノルブプレノルフィン血漿濃度を示す。
【発明を実施するための形態】
【0139】
開示の詳細な説明
本明細書には、疼痛又はオピオイド使用障害を治療するためのブプレノルフィンとナロキソンを含む胃内滞留システムが記載される。具体的には、記載されている胃内滞留システムは、ブプレノルフィン乱用の可能性を最小限に抑えるように設計されている。これは、ブプレノルフィン及び/又はナロキソンの抽出が不可能でブプレノルフィンを個別に摂取できないブプレノルフィンとナロキソンを含む剤形を提供することによって、達成することができる。
【0140】
ブプレノルフィンとナロキソンと投与するための胃内滞留システムは、星形であってもよい。例えば、星形の胃内滞留システムは、中央エラストマー、3つ以上のアーム、及び複数の連結成分(すなわちリンカー)を含み得る。中央エラストマーは星形の中心に位置しており、3つ以上のアームが中央エラストマーから放射状に延びていてもよい。リンカーは、胃内滞留システムの2つ以上の成分を一緒に結合することができる。例えば、リンカーはアームを中央エラストマーに接続することができる。リンカーはまた、2本のアームを互いに接続することもある(例えばアームのひじ部分として機能する)。いくつかの実施態様において、医薬品有効成分(すなわち、ブプレノルフィンとナロキソン)は、星形のアーム(すなわち、有効アーム)内に提供され得る。有効アームは、単一のブプレノルフィン-ナロキソン配合物を含み得る。
【0141】
いくつかの実施態様において、有効アームは、一緒に共押出されて一緒になったブプレノルフィンとナロキソン配合物を形成する2つの別個の配合物(ブプレノルフィン-ナロキソン組合わせ配合物とナロキソン単独配合物)を含み得る。いずれの場合でも(すなわち、ブプレノルフィン-ナロキソン配合物、又はナロキソン単独配合物と共押出されたブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む一緒になった配合物)、使用者が剤形からナロキソンを取り出し、ブプレノルフィンのみを摂取できる可能性は小さい。
【0142】
以下に、ブプレノルフィンとナロキソンを患者に投与するための胃内滞留システムについて説明する。具体的には、この説明は以下を提供する:(1)定義、(2)胃内滞留システム薬物送達機構、(3)胃内滞留システムの構成と成分、(4)改善された保持能と薬剤放出のための機能、(5)BUP-NAL併用配合物を含む担体ポリマー-薬剤セグメント、(6)BUP-NAL配合物とNAL単独配合物の組合わせを共押出することによって形成された担体ポリマー-薬剤セグメント、(7)速度調節ポリマー膜、(8)胃内滞留時間、(9)BUPとNALとを含む胃内滞留システム、(10)実施例。
【0143】
定義
「担体ポリマー」は、滞留系で使用するために薬剤などの物質とブレンドするのに適したポリマーである。
【0144】
「薬剤」とは、患者、個体、又は被験者における治療、診断、又は栄養上の使用を目的とした任意の物質である。薬剤には、限定されるものではないが、薬物、栄養素、ビタミン、ミネラルが含まれる。
【0145】
「分散剤」は、薬剤の粒子サイズの最小化及び担体ポリマーマトリックス中の薬剤粒子の分散を助ける物質として定義される。すなわち、分散剤は、システムの製造中の粒子の集合又は凝集を最小限に抑えるか又は防止するのに役立つ。従って、分散剤は抗凝集活性と抗凝結活性を有し、担体ポリマーマトリックス中で薬剤粒子の均一な分布を維持するのに役立つ。
【0146】
「賦形剤」とは、薬剤の配合物に添加される、薬剤そのものではない任意の物質である。賦形剤には、限定されるものではないが、結合剤、被覆剤、希釈剤、崩壊剤、乳化剤、香味剤、流動促進剤、滑沢剤、及び保存剤が含まれる。分散剤の特定のカテゴリーは、賦形剤のより一般的なカテゴリーに分類される。
【0147】
「弾性ポリマー」又は「エラストマー」とは、加えられた力によって、一定期間元の形状から変形することができ、加えられた力が取り除かれると実質的に元の形状に戻るポリマーである。
【0148】
「患者」、「個体」、又は「被験体」は、哺乳動物、好ましくはヒト、又は犬若しくは猫などの家畜を指す。最も好適な実施態様において、患者、個人、又は被験体はヒトである。
【0149】
本明細書で使用される粒子の「直径」は、粒子の最長寸法を指す。
【0150】
「ポロキサマー」は、中心にポリプロピレンオキシドコアを有し、コアの両側にポリエチレンオキシドの隣接領域を有するブロックコポリマーである。
【0151】
本明細書に開示されるシステム及び方法を用いて疾患若しくは障害を「治療する」ことは、疾患若しくは障害のいずれか又は疾患若しくは障害の1つ以上の症状を軽減又は排除するために、又は疾患若しくは障害又は疾患若しくは障害の1つ以上の症状の進行を遅らせるために、あるいは疾患若しくは障害の重症度又は疾患若しくは障害の1つ以上の症状を軽減するために、追加の薬剤の有無にかかわらず、それを必要とする患者に、本明細書に開示のシステムのうちの1つ以上を投与することと定義される。本明細書に開示されるシステム及び方法を用いる疾患若しくは障害の「抑制」は、疾患若しくは障害の臨床症状を抑制するために、又は疾患又は疾患の有害な症状の発現を抑制するために、それを必要とする患者に、追加の薬剤の有無にかかわらず、本明細書に開示されるシステムの1つ以上を投与することと定義される。治療と抑制の違いは、治療は疾患若しくは障害の有害な症状が患者に現れた後に行われるのに対し、抑制は疾患若しくは障害の有害な症状が患者に現れる前に行われることである。抑制は、部分的、実質的に全体的、又は全体的であり得る。一部の疾患又は障害は遺伝するため、遺伝子スクリーニングを使用して疾患や障害のリスクのある患者を特定することができる。次に、本明細書に開示されるシステム及び方法は、あらゆる有害な症状の出現を抑制するために、疾患若しくは障害の臨床症状を発症するリスクのある無症候性患者を治療するために使用することができる。
【0152】
材料の「曲げ弾性率」は、3点曲げ試験によって測定される材料の曲げ変形における応力とひずみの比として計算される材料の固有の特性である。リンカーは本明細書では胃内滞留システムの成分として記載されているが、ポリマー材料の材料の曲げ弾性率は単独で測定することもできる。例えば、胃内滞留システムのポリマーリンカーは曲げ弾性率を測定するには短すぎる可能性があるが、同じ材料のより長い試料を使用して、曲げ弾性率を正確に測定することができる。曲げ弾性率の測定に使用されるより長い試料は、胃内滞留システムで使用されるポリマーリンカーと同じ断面寸法(形状及びサイズ)を有する必要がある。曲げ弾性率は、サポート間の距離を10mmとして、ASTM標準3点曲げ試験(ASTM D790)に従って3点曲げ試験を使用して測定され、非長方形断面の材料に対応できるようにさらに修正される。ポリマーリンカーの断面の最長の対称線を垂直に配置し、下向きに力を加えて曲げ弾性率を測定する必要がある。ポリマーリンカーの断面の最長の対称線が1つの平坦なエッジに対して垂直である場合、1つの平坦なエッジは上向きに配置される必要がある。ポリマーリンカーの断面が三角形の場合、三角形の頂点は下を向く必要がある。下向きに力を加えたときの力と変位を測定し、直線領域で傾きを求めて曲げ弾性率が算出される。
【0153】
本明細書で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、別段の指示がない限り、又は文脈上明らかに別段の指示がない限り、複数の参照を含む。
【0154】
本明細書において「約」という用語又は「およそ」という用語を使用して数値が表現される場合、指定された値と指定された値に合理的に近い値の両方が含まれることが理解される。例えば「約50℃」又は「およそ50℃」という記述には、50℃自体の開示と、50℃に近い値の両方が含まれる。従って「約X」又は「およそX」という語句には、値X自体の記載が含まれる。「およそ50℃~60℃」又は「約50℃~60℃」などの範囲が示されている場合、エンドポイントで指定された両方の値が含まれており、各エンドポイント又は両方のエンドポイントに近い値が各エンドポイント又は両方のエンドポイントに含まれることが理解される。すなわち「およそ50℃~60℃」(又は「約50℃~60℃」)は、「50℃~60℃」と「およそ50℃~約60℃」(又は「約50℃~60℃」)の両方を記載するのと同じである。
【0155】
本明細書で開示される数値範囲に関して、ある成分について任意の開示された上限は、その成分について任意の開示された下限と組み合わせて、ある範囲を提供することができる(ただし、上限はそれと組合わされる下限より大きい)。開示された上限及び下限のこれらの組み合わせのそれぞれは、本明細書において明示的に想定される。例えば、特定の成分の量の範囲が10%~30%、10%~12%、及び15%~20%として与えられている場合、10%~20%及び15%~30%の範囲も想定され、一方、15%の下限と12%の上限の組み合わせは不可能であるため、想定されない。
【0156】
他に明記されない限り、組成物中の成分のパーセンテージは重量パーセント又は重量/重量パーセントとして表される。組成物中の相対重量パーセンテージへの言及は、組成物中のすべての成分の組合わせ合計重量パーセンテージが100になることを仮定していることが理解される。さらに、1つ以上の成分の相対重量パーセンテージは、特定の成分の重量パーセントがその成分に指定された範囲の制限を超えない限り、組成物中の成分の重量パーセントが合計で100になることを意味するように、上下に調整できることも理解される。
【0157】
本明細書に記載のいくつかの実施態様は、様々な要素に関して「含む(comprising)」又は「含む(comprises)」として記載される。代替実施態様において、それらの要素は、それらの要素に適用される移行句「から本質的になる(consisting essentially of)」又は「から本質的になる(consists essentially of)」で記載することができる。さらなる代替実施態様において、それらの要素は、それらの要素に適用される移行句「からなる(consisting of)」又は「からなる(consists of)」で記載することができる。従って、例えば、組成物又は方法がA及びBを含むものとして本明細書に開示されている場合、その組成物又は方法の「A及びBから本質的になる」代替実施態様、及びその組成物又は方法の「A及びBからなる」代替実施態様も本明細書に開示されているものとみなされる。同様に、様々な要素に関して「から本質的になる」又は「からなる」と記載されている実施態様は、それらの要素に適用される場合には「含んでいる」と記載することもできる。最後に、様々な要素に関して「から本質的になる」と記載されている実施態様は、それらの要素に適用される「からなる」とも記載でき、また、それらの様々な要素に関して「からなる」と記載されている実施態様は、それらの要素に適用される「から本質的になる」と記載することもできる。
【0158】
組成物又はシステムが列挙された要素「から本質的になる」と記載されている場合、組成物又はシステムは明示的に列挙された要素を含み、治療される状態に重大な影響を与えない他の要素(状態を治療するための組成物の場合)、又は記載されたシステムの特性(システムを含む組成物について)を含むことができる。しかし、組成物又はシステムは、(治療システムの組成物について)明示的に列挙された要素以外に、治療される状態に重大な影響を及ぼす他の要素を含まないか、又は(システムを構成する組成物について)システムの特性に重大な影響を与える他の要素を含まないかのいずれか、又は、組成物又はシステムが、治療される状態又はシステムの特性に重大な影響を与える可能性がある列挙されているもの以外の追加の要素を含む場合、その組成物又はシステムは、治療される状態又はシステムの特性に重大な影響を与えるのに十分な濃度又は量の追加の要素を含まない。方法が、列挙された工程から「本質的になる」と記載されている場合、その方法は列挙された工程を含み、及びその方法によって治療される状態又はその方法によって生成されるシステムの特性に重大な影響を及ぼさない他の工程が含まれてもよいが、前記方法は、明示的に列挙された工程以外に、治療される状態又は製造されるシステムに重大な影響を与える他の工程は含まない。
【0159】
本開示は、いくつかの実施態様を提供する。任意の実施態様の任意の特徴を、可能な限り、他の任意の実施態様の任意の特徴と組み合わせることができることが企図される。このように、開示された特徴のハイブリッド構成は、本開示の範囲内に含まれる。
【0160】
ここで開示されている実施態様と方法に加えて、胃内滞留システムの追加実施態様、及びそのようなシステムの作成と使用方法は、国際特許出願番号WO2015/191920、WO2015/191925、WO2017/070612、WO2017/100367、及びPCT/US2017/034856に開示されており、これらの全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0161】
ポリマー及びその他の成分には次の略語が使用される:
【0162】
【0163】
PLURONIC(登録商標)は、ポリオキシアルキレンエーテルのBASF Corporationの登録商標である。商品名を使用して本明細書に記載されるいずれの製剤においても、商品名は一般名に置き換えることができる。例えば、50%のCorbion PC17及び50%のCorbion PC04を含むと記載された配合物は、粘度1.7dl/gの50%のポリカプロラクトン及び粘度0.4dl/gの50%のポリカプロラクトンを含む配合物を記載すると理解される。
【0164】
胃内滞留システムの薬物送達機構
胃内滞留剤形は、嚥下により、栄養チューブにより、胃管等により、患者の胃に投与するように設計することができる。いくつかの実施態様において、胃内滞留剤形は、圧縮された構成に折り畳まれ、カプセル内に固定される。胃内滞留剤形が胃内の適所に配置されると、圧縮形態が開いて非圧縮形態になり、所望の滞留時間(例えば3日、7日、2週間など)胃内に滞留することができる。胃内に適切に配置された胃内滞留剤形は、胃と小腸を隔てる幽門弁の通過に抵抗する。胃内滞留剤形は、制御放出により滞留期間にわたって治療薬(すなわち、API又は薬物)を放出することができる。胃内に存在する間、剤形は食物又は他の胃内容物の正常な通過を妨げることはできない。所望の滞留時間が経過すると、剤形は胃から出て(すなわち、幽門弁を通って)、患者から容易に排出される。
【0165】
胃内滞留システムを患者に投与するために、胃内滞留システムは、飲み込むか又は他の方法で投与することができるのに十分小さい形態に折り畳むことができる。いくつかの実施態様において、折り畳まれた胃内滞留システムは、患者が飲み込むことができるカプセル又は他の容器内に保持される。場合によっては、胃内滞留システムは、胃瘻チューブ、栄養チューブ、胃チューブ、又は胃への他の投与経路を介して患者に送達され得る。胃内滞留システムの具体例は、PCT/US2018/051816、WO2015/191920、WO2017/070612、WO2017/100367、WO2018/064630、WO2017/205844、WO2018/227147に見出すことができ、これらのそれぞれの全体は本明細書に組み込まれる。
【0166】
胃内滞留システムがいったん患者の胃に到達すると、これは開放構成をとることができる。開放胃内滞留システムの寸法は、変更しないままにしておくと、装置が胃内に滞留する予定の期間、装置が幽門弁を通過するのを防ぐのに適している。いくつかの実施態様において、折り畳まれた胃内滞留システムはまた、溶解可能な保持バンド又はスリーブによって固定することもでき、これは、カプセルが故障した場合に、胃内滞留システムの早期展開を防止することができる。
【0167】
胃の中にある間、胃内滞留システムは、胃又は消化管の消化及び他の正常な機能に適合する。胃内滞留システムは、消化粥(部分的に消化された食物)やその他の胃内容物が胃から幽門弁を通って十二指腸に排出されるのを干渉したり妨害したりしない。
【0168】
いったんカプセルから胃内に放出されると、胃内滞留システムの治療薬(例えばブプレノルフィン、ナロキソン)が効果を発揮し始める。いくつかの実施態様において、胃内滞留システムは、複数の担体ポリマー-薬剤成分を含む。担体ポリマー-薬剤成分は、担体ポリマー、細孔形成剤、及び治療薬(又はその塩)を含み得る。複数の担体ポリマー-薬剤成分は、1つ以上のカップリングポリマー成分によって一緒に結合される。治療薬は、システムの所望の滞留時間にわたって、担体ポリマー-薬剤成分から患者の胃液中に溶出することができる。治療薬の放出は、担体ポリマー-薬剤成分の配合における分散剤の使用によって、及び薬剤を担体ポリマー及び分散剤とブレンドする前に治療薬を所望のサイズの粒子に粉砕することによって、担体ポリマー-薬剤成分の適切な配合によって制御される。
【0169】
さらに、胃内滞留システムの外表面に被覆剤を適用することができる。被覆剤は、治療薬の放出又は胃内滞留システムの滞留期間に影響を与えることができる追加の1つ又は複数の治療薬を含むことができる。
【0170】
いったん所望の滞留時間が経過すると、胃内滞留システムは胃の外へ排出される。そうするために、胃送達システムのさまざまな成分が、弱くなり劣化するように設計されている。システムの具体的な寸法も考慮される。胃内滞留システムは、無傷で圧縮されていない開いた構成では、幽門弁中の通過に抵抗するように設計されている。ただし、胃内滞留システムのカップリングポリマー成分は、胃内の指定された滞留期間にわたって徐々に分解するように選択される。カップリングポリマー成分が分解によって十分に弱まると、胃内滞留システムは圧縮やサイズ縮小に対する重要な弾力性を失い、より小さな断片に分解する可能性がある。縮小サイズの剤形及びその他の小さな断片は、幽門弁を通過するように設計されている。その後、システムは腸を通過して患者から排出される。いくつかの実施態様において、胃内滞留システムは、滞留時間が経過すると多数の小さな断片に分解することなく、そのまま幽門弁を通過できるように、特定の位置で弱くなるように設計され得る。
【0171】
胃内滞留システムの構成と成分
胃内滞留システムはさまざまな構成で調製することができる。胃内滞留システムの「星形」構成は、「星」(又は「星印」)構成としても知られている。星形システム100の一例が
図1Aに概略的に示されている。複数のアーム(明確にするためにそのようなアームの1つである108のみがラベルされている)が、円盤状の中央エラストマー106に結合している。
図1Aに示されるアームは、リンカー領域として機能するカップリングポリマー又はリンカー領域104(ここでも明確にするために、これらの成分は一方のアームのみラベルされている)によって繋がれたセグメント102と103から構成される。この構成により、システムを中央エラストマーで折りたたむか又は圧縮することができる。
図1Bは、
図1Aの胃内滞留システムの折り畳まれた構成190を示す(明確にするために、
図1Bには2つのアームのみが示されている)。
図1Bのセグメント192と193、リンカー領域194、エラストマー196、及びアーム198は、それぞれ、
図1Aのセグメント102と103、リンカー領域104、エラストマー106、及びアーム108に対応する。折りたたむと、システムの全長はおよそ2分の1に短縮され、システムは、カプセルや経口投与に適したその他の容器などの容器に便利に配置できる。胃内滞留システムは、カプセル又は他の容器によって圧縮された状態(折りたたまれた状態)に拘束される。カプセルは胃に到達すると溶解し、胃内滞留システムが放出される。カプセル又は他の容器による拘束が解除されると、胃内滞留システムは非圧縮状態に展開され、所望の滞留期間、胃内に保持される。
【0172】
リンカー領域104は、
図1Aのセグメント102及び103より直径がわずかに大きく示されているが、これらは、セグメントと同じ直径でもよく、従ってアーム102-104-103の全体は滑らかな外面を有する。
【0173】
いくつかの実施態様において、星形システムは、リンカー領域によって中央エラストマーに付着されたただ1つのセグメントから構成されるアームを有してもよい。これは、セグメント103が省略された
図1Aに対応する。次に、セグメント102を含む単一セグメントアームは、リンカー104を介して中央エラストマー106に直接付着される。リンカーは、カップリングポリマー又は崩壊性マトリックスを含み得る。
【0174】
星形システムは、エラストマー成分と、エラストマー成分に付着した、担体ポリマー及び薬剤又はその塩を含む少なくとも1つの担体ポリマー-薬剤成分とを含む、患者の胃に投与するための胃内滞留システムとして説明することができ、ここで、複数の担体ポリマー-薬剤成分のそれぞれは、近位端、遠位端、及びそれらの外面を含むアームであり、ここで、各アームの近位端はエラストマー成分に付着されて、エラストマー成分から放射状に突出し、その遠位端を有する各アームはエラストマー成分に付着されておらず、エラストマー成分から近位端よりも長い半径距離に位置し、ここで、前記各アームは独立して1つ以上のセグメントを含み、各セグメントは近位端、遠位端、及びそれらの間の外面を含む。いくつかの実施態様において、アーム内に2つ以上のセグメントが存在する場合、各セグメントはリンカー領域を介して隣接するセグメントに付着される。いくつかの実施態様において、アーム内に2つ以上のセグメントが存在する場合、1つのセグメントは、リンカー領域を使用せずに、他のセグメントに直接付着される。リンカー領域は、カップリングポリマー又は崩壊性マトリックスでもよい。アームは、カップリングポリマー又は崩壊性マトリックスを介して中央エラストマーに付着することができ、界面ポリマーの介在部分を有することができる。複数の少なくとも3つのアーム、又は複数のアームの場合、アームの好ましい数は6であるが、3、4、5、7、8、9、又は10のアームを使用することもできる。アームは中央エラストマーの周囲に等間隔に配置されていなければならない。N個のアームがある場合、隣接するアーム間には約360/N度の角度が生じる。
【0175】
カップリングポリマー/リンカー領域
リンカー領域として機能する胃内滞留システムのカップリングポリマーは、胃内でのシステムの滞留期間中に、制御された方法で徐々に分解するように設計されている。胃内滞留システムが小腸への通過が早すぎて未変性のままである場合、そのシステムは腸閉塞を避けるためにより迅速に分解されるように設計されている。これは、カップリングポリマーとして腸溶性ポリマーを使用することにより容易に達成される。腸溶性ポリマーは、胃内で遭遇する酸性pHレベルには比較的耐性があるが、十二指腸で見られるより高いpHレベルでは溶解する。安全要素として腸溶性カップリングポリマーを使用すると、無傷の胃内滞留システムの小腸への望ましくない通過を防ぐことができる。
図1Aに示すシステムでは、少なくともカップリング104に使用されるカップリングポリマーは、そのような腸溶性ポリマーから作成される。
【0176】
追加の実施態様において、時間依存性カップリングポリマー又はリンカーを使用することができる。このような時間依存性のカップリングポリマー又はリンカーは、予測可能で時間依存的に分解する。いくつかの実施態様において、時間依存性カップリングポリマー又はリンカーの分解は、消化管系のpHの変化によって影響されない可能性がある。
【0177】
追加の実施態様において、異なるタイプのリンカーを胃内滞留システムで使用することができる。すなわち、腸溶性リンカー(又は腸溶性カップリングポリマー)と時間依存性リンカー(又は時間依存性カップリングポリマー)の両方を使用することができる。いくつかの実施態様において、星形システムの単一のマルチセグメントアームは、セグメント間の一部のリンカー領域での腸溶性リンカーと、セグメント間の他のリンカー領域での時間依存性リンカーの両方を使用することができる。
【0178】
リンカー領域は、通常、幅約100ミクロン~約2ミリメートル、例えば約200μm~約2000μm、約300μm~約2000μm、約400μm~約2000μm、約500μm~約2000μm、約600μm~約2000μm、約700μm~約2000μm、約800μm~約2000μm、約900μm~約2000μm、約1000μm~約2000μm、約1100μm~約2000μm、約1200μm~約2000μm、約1300μm~約2000μm、約1400μm~約2000μm、約1500μm~約2000μm、約1600μm~約2000μm、約1700μm~約2000μm、約1800μm~約2000μm、若しくは約1900μm~約2000μm、又は約100μm~約1900μm、約100μm~約1800μm、約100μm~約1700μm、約100μm~約1600μm、約100μm~約1500μm、約100μm~約1400μm、約100~約1300μm、約100μm~約1200μm、約100μm~約1100μm、約100μm~約1000μm、約100μm~約900μm、約100μm~約800μm、約100μm~約700μm、約100μm~約600μm、約100μm~約500μm、約100μm~約400μm、約100μm~約300μm、又は約100μm~約200μmである。リンカー領域は、幅は約100μm、約200μm、約300μm、約400μm、約500μm、約600μm、約700μm、約800μm、約900μm、約1000μm、約1100μm、約1200μm、約1300μm、約1400μm、約1500μm、約1600μm、約1700μm、約1800μm、約1900μm、又は約2000μmであり得、ここで、各値はプラス又はマイナス50μm(±50μm)であり得る。
【0179】
中央エラストマー
星形システムの中央エラストマーポリマーは通常、腸溶性ポリマーではない。しかし中央エラストマーポリマーはまた、望ましくかつ実際的な場合には、そのような腸溶性ポリマーから作成することもできる。
【0180】
中央エラストマーは、特定のデュロメーター硬さと圧縮永久ひずみを有する必要がある。デュロメーター硬さは、剤形の折り畳み力と、それが胃の中に留まるかどうかを決定するため、重要である。好ましい範囲は約60~約90Aである。圧縮永久ひずみは、カプセル内に圧縮された構成で保管されるときに胃内滞留システムが永久変形するのを避けるために、できる限り小さくすべきである。好ましい範囲は約10%~約20%の範囲である。液状シリコーンゴムは中央エラストマーとして有用な材料である。これらの要件を満たす材料の例としては、Dow Corningの液体シリコーンゴムのQP1シリーズがある。中央エラストマーを含む任意の実施態様において、QP1-270(デュロメーター硬さ70A)液体シリコーンゴムを使用することができる。いくつかの実施態様において、中央エラストマーは、50A又は60Aデュロメーター硬さの液体シリコーンゴム(信越化学工業)を含み得る。
【0181】
セグメント/アーム
胃内滞留システムのセグメント及びアームは、円形(この場合、セグメントは円筒形)、多角形(三角形の断面、長方形の断面、又は正方形の断面を有するセグメントなど)、又はパイ形の断面(この場合、セグメントは円筒形の断面である)の形状の断面を有することができる。多角形又はパイ形の断面を有するセグメント、及び胃組織と接触することになる円筒形のセクションの端部は、生体内での安全性を高めるために、鋭いエッジを丸くして丸い角及びエッジを提供することができる。すなわち、交差するエッジ又は平面間で急激な移動を行う代わりに、あるエッジ又は平面から別のエッジ又は平面への移動に円弧が使用される。従って「三角形の断面」には、角が丸い三角形などのほぼ三角形の形状を有する断面も含まれる。断面が三角形のアームには、角が丸くなっているアームや、先端の角が丸くなっているアームも含まれる。丸くなったコーナー及びエッジは、フィレットコーナー(fillet corners)、フィレッティッドコーナー(filleted corners)、フィレットエッジ(fillet edges)、又はフィレッティッドエッジ(filleted edges)とも呼ばれる。
【0182】
いくつかの実施態様において星形システムは、広げたとき(アームを伸ばしたとき)約30mm~約60mmである。いくつかの実施態様において星形システムは、広げたとき約41mm~約51mmである。いくつかの実施態様において星形システムは、広げたとき約45mm~約47mmである。いくつかの実施態様において星形システムは、広げたとき約46mmである。
【0183】
ブプレノルフィン/ナロキソン胃内滞留システムの保持力と薬剤放出を向上させる機能
所望の滞留期間にわたる胃内滞留システムの保持及び胃内滞留システムからの薬剤放出は本明細書に記載される特徴、例えば、胃内滞留システムの周囲に巻き付けられ、胃内滞留システムのアームを接続するフィラメント、胃内滞留システムのより正確な保持及び通過を可能にする時限リンカー及び腸溶性リンカーの使用、及び放出速度調節ポリマー膜で被覆されたアームを、使用することにより改善され、より一貫したものとなり得る。
【0184】
円周フィラメント
本明細書に記載のフィラメントを有する胃内滞留システムは、胃内滞留システムの胃内滞留を改善するのに役立ち得る。具体的には、フィラメントは、より一貫した胃内滞留時間及び/又はより長い胃内滞留時間を提供するのに役立ち得る。従って、フィラメントを含む本明細書で提供される胃内滞留システムは、より予測可能及び/又は制御可能な胃内滞留時間を提供することができる。予測可能及び/又は制御可能な胃内滞留時間を有する胃内滞留システムは、胃内滞留システムが早すぎる(例えば食道内で)展開をして閉塞を引き起こすリスクを最小限に抑えることができる。予測可能及び/又は制御可能な胃内滞留時間を有する胃内滞留システムはまた、胃内滞留システムが胃を通過した後に消化管(すなわち、腸)内で展開する可能性、又は全く展開せずに消化管を通過する可能性を最小限に抑えることができる。これらの考えられるシナリオのそれぞれにおいて、意図したように、胃内滞留剤形の治療薬は患者に送達されない。
【0185】
しかし、星形の胃内滞留システムは、患者の幽門を早期に通過することを可能にする形状に曲がることができることが証明されている。幽門を通過するのが早すぎる胃内滞留システムは、胃内滞留システムの治療薬を患者に送達することができない。さらに、早期に通過すると、ムラが生じ、信頼性が低下し、胃内滞留システムの有効性が損なわれる。
【0186】
円周フィラメントの特徴は、国際特許出願PCT/US2020/059541に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0187】
時間依存性リンカー(時限崩壊性マトリックス)及び腸溶性リンカー(腸内崩壊性マトリックス)
以下に、ポリマーリンカー(例えば時限リンカー及び/又は腸溶性リンカー)及び時間依存性リンカーを具体的に説明する。
【0188】
ポリマーリンカー
薬剤含有構造メンバーは、1つ以上のリンカーを介して第2の構造メンバー(例えば弾性中心メンバーであり得る中心メンバー)に付着される。ポリマーリンカーは、薬剤含有構造メンバーと直接接触してもよいし、又はカップリングメンバーを介して薬剤含有構造メンバーと接触してもよい。同様に、ポリマーリンカーは、第2の構造メンバーと直接接触してもよいし、カップリングメンバーを介して接触してもよい。薬剤含有構造メンバーが2つ以上のポリマーリンカーを介して第2の構造メンバーに接続される実施態様において、ポリマーリンカーは互いに直接接触してもよく、又はカップリングメンバーを介して接触してもよい。腸溶性リンカー及び時間依存性リンカーの一方又は両方を使用してもよく、又はポリマーリンカーが腸溶性リンカー及び時間依存性リンカーの両方として機能してもよい。
【0189】
ポリマーリンカーは、通常、幅約100ミクロン~約3ミリメートル、例えば約200μm~約3000μm、約300μm~約3000μm、約400μm~約3000μm、約500μm~約3000μm、約600μm~約3000μm、約700μm~約3000μm、約800μm~約3000μm、約900μm~約3000μm、約1000μm~約3000μm、約1100μm~約3000μm、約1200μm約~約3000μm、約1300μm~約3000μm、約1400μm~約3000μm、約1500μm~約3000μm、約1600μm~約3000μm、約1700μm~約3000μm、約1800μm~約3000μm、約1900μm~約3000μm、約2000μm~約3000μm、約2100μm~約3000μm、約2200μm~約3000μm、約2300μm~約3000μm、約2400μm~約3000μm、約2500μm~約3000μm、約2600μm~約3000μm、約2700μm~約3000μm、約2800μm~約3000μm、若しくは約2900μm~約3000μm、又は約100μm~約200μm、約200μm~約300μm、約300μm~約400μm、約400μm~約500μm、約500μm~約600μm、約600μm~約700μm、約700μm~約800μm、約800μm~約900μm、約900μm~約1000μm、約1000μm~約1100μm、約1100μm~約1200μm、約1200μm~約1300μm、約1300μm約~約1400μm、約1400μm~約1500μm、約1500μm~約1600μm、約1600μm~約1700μm、約1700μm~約1800μm、約1800μm~約1900μm、約1900μm~約2000μm、約2000μm~約2100μm、約2100μm~約2200μm、約2200μm~約2300μm、約2300μm~約2400μm、約2400μm~約2500μm、約2500μm~約2600μm、約2600μm~約2700μm、約2700μm~約2800μm、約2800μm~約2900μm、約2900μm~約3000μmである。ポリマーリンカーは、幅約100μm、約200μm、約300μm、約400μm、約500μm、約600μm、約700μm、約800μm、約900μm、約1000μm、約1100μm、約1200μm、約1300μm、約1400μm、約1500μm、約1600μm、約1700μm、約1800μm、約1900μm、約2000μm、約2100μm、約2200μm、約2300μm、約2400μm、幅は約2500μm、約2600μm、約2700μm、約2800μm、約2900μm、約3000μmであり得、ここで、前記各値はプラス又はマイナス50μm(±50μm)であり得る。
【0190】
ポリマーリンカーの断面は、丸形(すなわち、円形)、楕円形、三角形、正方形、長方形、五角形、六角形、又は任意の他のポリマー形状であり得る。いくつかの実施態様において、ポリマーリンカーの断面は、ポリマーリンカーに付着した薬剤含有構造メンバーの断面と同じ形状である。いくつかの実施態様において、ポリマーリンカーの断面は、薬剤含有構造メンバーの断面より大きい面積、薬剤含有構造メンバーの断面より小さい面積、又は付着した薬剤を含む構造メンバーの断面図とほぼ同じ面積を有する。
【0191】
いくつかの実施態様において、ポリマーリンカーは、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、又は別の適切なポリマーを含み得る。
【0192】
時間依存性崩壊性マトリックス(時間依存性リンカー)
時間依存性リンカーは、胃内滞留システムが個体の胃内で展開される場合などの、水性条件下で予測可能に時間依存的に分解する。時間依存性ポリマーリンカーは、胃の中の胃内滞留システムの滞留時間を制御する。時間依存性ポリマーリンカーは、時間の経過とともに徐々に分解、溶解、機械的弱体化、又は破壊するように設計されている。所望の滞留期間の後、時間依存性ポリマーリンカーは、胃内滞留システムが幽門弁を通過できる点まで分解、溶解、解離、又は機械的弱体化、又は破壊されて、胃内環境を出て小腸に入り、最終的に体外に排出される。
【0193】
時間依存性ポリマーリンカーは、好ましくは、水性条件下でpH非依存的に又はほぼpH非依存的に分解する、pH非依存性分解性ポリマーを含む。pH非依存性分解性ポリマーの例には、PLGA、PLA、PCL、ポリジオキサノン、セルロース、又はこれらのブレンド若しくはコポリマーが含まれる。
【0194】
時間依存性ポリマーリンカーには、ポリ(乳酸-グリコリド共重合体)(PLGA)が含まれ得る。
【0195】
いくつかの実施態様において、時間依存性ポリマーリンカーのPLGAは、約0.32dl/g~約0.48dl/g(例えば約0.4dl/g)の粘度中点を有するDL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)のコポリマー(例えば、Corbionから入手可能な、商品名Purasorb(登録商標)PDLG5004で販売されているPLGA)を含む。いくつかの実施態様において、時間依存性ポリマーリンカーのPLGAは、約0.32dl/g~約0.48dl/g(例えば約0.4dl/g))の粘度中点を有するDL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)の酸性末端コポリマー(例えば、Corbionから入手可能なPurasorb(登録商標)PDLG5004Aの商品名で販売されているPLGA)を含む。いくつかの実施態様において、時間依存性ポリマーリンカーのPLGAは、(a)ラクチドモノマーとグリコリドモノマーの比が約50:50であるポリ(D,L-乳酸-コ-グリコリド)の混合物(例えば、Purasorb(登録商標)PDLG5004の商品名で販売されているPLGA、Corbionから入手可能)、及び(b)ラクチドモノマーとグリコリドモノマーの比が約50:50である酸末端ポリ(D,L-乳酸-コ-グリコリド)(例えば、商品名Purasorb(登録商標)PDLG5004Aで販売されているPLGA、Corbionから入手可能)を含む。
【0196】
ポリマーリンカーに含まれる1つ以上の追加のリンカーポリマーは、PLGAと均一に混合され得る。いくつかの実施態様において、1つ以上の追加のリンカーポリマーはPLGAと混和性である。1つ以上の追加のリンカーポリマーは、非分解性ポリマー(すなわち、胃又は腸内環境で、すなわちpH1.6(胃内環境を表す)又はpH6.5(腸内環境を表す)の水溶液中で分解されない))であってもよく、及び任意選択的に、時間依存性ポリマーリンカーが胃内滞留期間中に破壊されないような量で、時間依存性ポリマーリンカー中に存在する。
【0197】
少なくとも1つのポリマーが、隣接するメンバーと時間依存性ポリマーリンカーの両方に共通である場合、直接隣接するメンバーへのポリマーリンカーの結合は改善され得る。いくつかの実施態様において、少なくとも1つの共通ポリマーはポリカプロラクトン(PCL)である。
【0198】
いくつかの実施態様において、1つ以上の追加のリンカーポリマーはPCLを含む。時間依存性ポリマーリンカーは、胃内滞留システムの別のメンバー(例えば、薬物及び担体ポリマーを含む構造メンバー、カップリングメンバー、腸溶性ポリマーリンカー、又は中央構造メンバー)に直接繋がっているか又は結合していてもよく、これはまた、PCLを含んでもよく、これは、時間依存性ポリマーリンカー中のものと同じPCLであっても、ポリマーリンカー中のものとは異なるPCLであってもよく、そして、これらは同じ濃度であっても異なる濃度であってもよい。時間依存性ポリマーリンカー中の異なるPCLと、時間依存性リンカーに直接繋がっているか又は結合している他のメンバーとは、例えば、PCLの重量平均分子量、PCLの固有粘度、又はPCLの割合(例えば2つ以上のPCLポリマーのブレンドが使用される場合)が異なっていてもよい。いくつかの実施態様において、時間依存性崩壊性マトリックスは、約40重量%~約50重量%のPCLを含む。いくつかの実施態様において、時間依存性崩壊性マトリックスは、約43重量%~約47重量%のPCLを含む。いくつかの実施態様において、時間依存性崩壊性マトリックスは約45重量%のPCLを含む。いくつかの実施態様において、時間依存性崩壊性マトリックスは約44.95重量%のPCLを含む。
【0199】
時間依存性ポリマーリンカーはさらに、ポリエチレングリコールなどの1つ以上の可塑剤を含むことができる。「ポリエチレングリコール」という用語は、本明細書では「ポリエチレンオキシド」及び「PEO」という用語と互換的に使用される。いくつかの実施態様において、ポリエチレングリコールの分子量は、約90K~約110K、例えば、100k(100K又は100kDaとも呼ばれる)である。いくつかの実施態様において、時間依存性崩壊性マトリックスは、分子量約100kのポリエチレングリコール(ポリエチレングリコール100k)を含む。いくつかの実施態様において、時間依存性崩壊性マトリックスは、約0.5重量%~約5重量%のポリエチレングリコール100kを含む。いくつかの実施態様において、時間依存性崩壊性マトリックスは、約1重量%~約3重量%のポリエチレングリコール100kを含む。いくつかの実施態様において、時間依存性崩壊性マトリックスは、約2重量%のポリエチレングリコール100kを含む。
【0200】
いくつかの実施態様において、時間依存性崩壊性マトリックスは色吸収染料(着色剤又は顔料とも呼ばれる)を含む。他の胃内滞留システム成分へのポリマーリンカーの結合又は付着を強化するために、色吸収染料を含めることができる。色吸収染料は、レーザー溶接、赤外線溶接、又はその他の熱誘発性の付着中に熱を吸収することができ、これが、得られる結合の引張強度を上昇させる。色吸収染料の例には、酸化鉄及びカーボンブラックが含まれる。時間依存性崩壊性マトリックスは、色吸収染料を最大約5%、例えば最大約4%、最大約3%、最大約2%、最大約1%、最大約0.5%、最大約0.3%、最大約0.2%、最大約0.1%、又は最大約0.05%の量で含み得る。いくつかの実施態様において、時間依存性崩壊性マトリックスは、約0.005重量%~約0.2重量%の色吸収染料を含む。いくつかの実施態様において、時間依存性崩壊性マトリックスは、約0.01重量%~約0.1重量%の色吸収染料を含む。いくつかの実施態様において、時間依存性崩壊性マトリックスは、約0.05重量%の色吸収染料を含む。いくつかの実施態様において、色吸収染料はE172である。
【0201】
時間依存性崩壊性マトリックスの一例では、時間依存性崩壊性マトリックスは、約40重量%~約50重量%のPCL、約0.4dl/gの粘度中点を有する、DL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)の約30重量%~約40重量%の酸性末端コポリマー、約0.4dl/gの粘度中点を有する、DL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)の約10重量%~約25重量%のコポリマー、約0.5重量%~約5重量%のポリエチレングリコール100k、及び約0.005重量%~約0.2重量%の色吸収染料E172を含む。
【0202】
時間依存性崩壊性マトリックスの別の例では、時間依存性崩壊性マトリックスは、約43重量%~約47重量%のPCL、約0.4dl/gの粘度中点を有する、DL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)の約33重量%~約37重量%の酸性末端コポリマー、約0.4dl/gの粘度中点を有する、DL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)の約15重量%~約20重量%のコポリマー、約1重量%~約3重量%のポリエチレングリコール100k、及び約0.01重量%~約0.1重量%の色吸収染料E172を含む。
【0203】
時間依存性崩壊性マトリックスの別の例では、時間依存性崩壊性マトリックスは、約44.95重量%のPCL、約0.4dl/gの粘度中点を有する、DL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)の約35重量%の酸性末端コポリマー、約0.4dl/gの粘度中点を有する、DL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)の約18重量%のコポリマー、約2重量%のポリエチレングリコール100k、及び約0.05重量%の色吸収染料E172を含む。
【0204】
いくつかの実施態様において、1つ以上の薬剤の投与のための剤形は胃内滞留システムを含み、ここで、胃内滞留システムは、約44.95重量%のポリカプロラクトン(PCL)、例えば、Corbion PC17などの約1.5dl/g~約2.1dl/gの粘度中点を有するPCLを含む時間依存性崩壊性マトリックスを含む。いくつかの実施態様において、胃内滞留システムは、約0.32dl/g~約0.48dl/g(例えば約0.4dl/g)の粘度中点を有する、DL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)の約35.0重量%の酸性末端コポリマー(例えばPDLG5004A)を含む時間依存性崩壊性マトリックスを含む。いくつかの実施態様において、胃内滞留システムは、約0.32dl/g~約0.48dl(例えば約0.4dl/g)の粘度中点を有する、DL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)の約18.0重量%のコポリマー(例えばPDLG5004)を含む時間依存性崩壊性マトリックスを含む。いくつかの実施態様において、胃内滞留システムは、約2.0重量%のポリエチレングリコール、例えば、平均分子量が100,000のポリエチレングリコール(例えばPEO100K)を含む時間依存性崩壊性マトリックスを含む。いくつかの実施態様において、胃内滞留システムは、約0.05重量%の酸化鉄(例えばE172)を含む時間依存性崩壊性マトリックスを含む。いくつかの実施態様において、1つ以上の薬剤の投与のための剤形は、胃内滞留システムを含み、ここで、胃内滞留システムは、約44.95重量%のCorbin PC17、約35.0重量%のPDLG5004A、及び約18.0重量%のPDLG5004、約2.0重量%のPEO100K、及び約0.05重量%のE172を含む時間依存性崩壊性マトリックスを含む。
【0205】
時間依存性崩壊性マトリックスの成分の量の例を以下の表に示す。範囲が提供される場合、合計が100%になるように量が選択されることを理解して、量はおおよその重量パーセントで示される。
【0206】
【0207】
腸内崩壊性マトリックス(腸溶性リンカー)
pH依存性崩壊性マトリックスは、胃内滞留システムに安全機構を提供する。システムが胃から出るのが早すぎる場合、すなわち時間依存性崩壊性マトリックスがすべて無傷のままである場合、pH依存性崩壊性マトリックスは、小腸の高pH環境で分解、溶解、解離、又は機械的に弱体化し、胃内滞留システムが小腸を通過することが容易になる。さらに、胃内滞留システムを通過後、胃内環境内でいったん時間依存性崩壊性マトリックスが分解、溶解、解離、又は機械的に弱体化すると、小腸の高pHへpH依存性崩壊性マトリックスの曝露は、システムのさらなる弱体化及び/又は破壊を提供し、小腸の通過が容易になる。
【0208】
もし胃内滞留システムが未変性の形で小腸を通過するのが早すぎるなら、腸閉塞を避けるために、システムをより早く分解されるように設計することができる。これは、追加のリンカーポリマー(例えば担体ポリマー)に加えて、腸内環境内で弱体化又は分解する腸溶性ポリマーを含む、腸溶性ポリマーリンカーを使用することによって達成される。腸溶性ポリマーは、胃内で遭遇する酸性pHレベルには比較的耐性があるが、十二指腸で見られるより高いpHレベルでは急速に溶解する。安全要素として腸溶性ポリマーリンカーを使用すると、小腸への無傷の胃内滞留システムの望ましくない通過を防ぐことができる。腸溶性ポリマーリンカーの使用は、計画された滞留時間の前に胃内滞留システムを除去する方法も提供する。システムを除去する必要がある場合、患者は重炭酸ナトリウム溶液などの弱アルカリ性溶液を飲むか、水酸化マグネシウム水和物(マグネシアミルク)や炭酸カルシウムなどの制酸剤を服用することができ、これは、胃内のpHレベルを上げ、腸溶性ポリマーリンカーの急速な分解を引き起こす。
【0209】
腸溶性ポリマーリンカーの弱体化又は分解は、所定の条件(例えば腸内条件又は胃内条件)下で、ポリマーリンカーの曲げ弾性率の損失又は破壊を参照して測定することができる。腸溶性リンカーは、腸内環境では比較的早く弱体化、分解、又は破壊されるが、胃内環境ではその曲げ弾性率の多くが保持される。胃内の状態は、FaSSGFなどの水溶液を使用してpH1.6及び37℃でシミュレートすることができ、腸内の状態はFaSSIFなどの水溶液を使用して、pH6.5、37℃でシミュレートすることができる。
【0210】
いくつかの実施態様において、腸内崩壊性マトリックスは、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)を含む。例えば、いくつかの実施態様において、腸内崩壊性マトリックスは、約60重量%~約70重量%のHPMCASを含む。いくつかの実施態様において、腸内崩壊性マトリックスは、約62重量%~約66重量%のHPMCASを含む。いくつかの実施態様において、腸内崩壊性マトリックスは、約63.95重量%のHPMCASを含む。
【0211】
腸溶性ポリマーは、腸溶性リンカー中で、好ましくは均一な混合物中で、1つ以上の追加のポリマー(例えば1つ以上の担体ポリマー)と組み合わされる。例えば、腸溶性ポリマー及び追加のリンカーポリマーは、混合物が押出成形される前に一緒に均一にブレンドされ得、押出された材料は、ポリマーリンカーにとって所望のサイズに切断される。いくつかの実施態様において、1つ以上の追加のリンカーポリマーは腸溶性ポリマーと混和性である。1つ以上の追加のリンカーポリマーは、非分解性ポリマー(すなわち、胃内又は腸内環境で、又はpH1.6(胃内環境を表す)又はpH6.5(腸内環境を表す)の水溶液中で分解されない)であってもよい。
【0212】
少なくとも1つのポリマーが、隣接するメンバーと腸溶性ポリマーリンカーの両方に共通である場合、直接隣接するメンバーへのポリマーリンカーの結合は改善することができる。すなわち、腸溶性リンカー中の1つ以上の追加のリンカーポリマーのうちの1つは、胃内滞留システムの直接隣接する成分(又は、任意選択的に両方の直接隣接する成分)中の少なくとも1つのポリマーと同じ(又は同じポリマータイプ)であり得る。例えば、腸溶性ポリマーリンカーが担体ポリマーを含む構造メンバーに直接結合している場合、いくつかの実施態様において、1つ以上の追加のリンカーポリマーはまた、同じ濃度又は異なる濃度の担体ポリマー(時間依存性ポリマーリンカー中のPLGAに加えて)も含む。担体ポリマーの例としては、限定されるものではないが、特に本明細書に記載されるものの中で、ポリ乳酸(PLA)及びポリカプロラクトン(PCL)が含まれる。
【0213】
いくつかの実施態様において、腸溶性リンカー中の1つ以上の追加のリンカーポリマーはPCLを含む。腸溶性ポリマーリンカーは、胃内滞留システムの別のメンバー(例えば薬物及び担体ポリマーを含む構造メンバー、カップリングメンバー、時間依存性ポリマーリンカー、又は中央構造メンバー)に直接繋がっているか又は結合していてもよく、これはまた、PCLを含んでよく、これは、腸溶性ポリマーリンカー中の同じPCLであっても、腸溶性ポリマーリンカー中のものとは異なるPCLであってもよく、同じ濃度であっても異なる濃度であってもよい。腸溶性ポリマーリンカー中の異なるPCLと、腸溶性リンカーに直接繋がっているか又は結合している他のメンバーとは、例えば、PCLの重量平均分子量、PCLの固有粘度、又はPCLの割合(例えば2つ以上のPCLポリマーのブレンドが使用される場合)が異なっていてもよい。いくつかの実施態様において、腸内崩壊性マトリックスは、約30重量%~約40重量%のPCLを含む。いくつかの実施態様において、腸内崩壊性マトリックスは、約32重量%~約37重量%のPCLを含む。いくつかの実施態様において、腸内崩壊性マトリックスは約34重量%のPCLを含む。いくつかの実施態様において、腸内崩壊性マトリックスは約33.95重量%のPCLを含む。
【0214】
腸内崩壊性マトリックスはさらに、1つ以上の可塑剤、例えばポロキサマー(例えばポロキサマー407、又は「P407」)を含み得る。いくつかの実施態様において、腸内崩壊性マトリックスは、約0.5重量%~約5重量%のポロキサマーを含む。いくつかの実施態様において、腸内崩壊性マトリックスは、約1重量%~約3重量%のポロキサマーを含む。いくつかの実施態様において、腸内崩壊性マトリックスは、約2重量%のポロキサマーを含む。
【0215】
いくつかの実施態様において、腸内崩壊性マトリックスは、色吸収染料(着色剤又は顔料とも呼ばれる)を含む。他の胃内滞留システム成分へのポリマーリンカーの結合又は付着を強化するために、色吸収染料を含めることができる。色吸収染料は、レーザー溶接、赤外線溶接、又はその他の熱誘発性の付着中に熱を吸収することがあり、結果として得られる接着の引張強度が増加する。色吸収染料の例には、酸化鉄及びカーボンブラックが含まれる。腸溶性ポリマーリンカーは、最大約5%、例えば、最大約4%、最大約3%、最大約2%、最大約1%、最大約0.5%、最大約0.3%、最大約0.2%、又は最大約0.1%の量の色吸収染料を含み得る。いくつかの実施態様において、腸内崩壊性マトリックスは、約0.01重量%~約0.2重量%の色吸収染料四三酸化鉄を含む。いくつかの実施態様において、腸内崩壊性マトリックスは、約0.05重量%~約0.15重量%の色吸収染料四三酸化鉄を含む。いくつかの実施態様において、腸内崩壊性マトリックスは、約0.1重量%の色吸収染料四三酸化鉄を含む。
【0216】
いくつかの実施態様において、腸内崩壊性マトリックスは、約59重量%~約69重量%のHPMCAS、約29重量%~約39重量%のPCL、及び約0.5重量%~約5重量%のポロキサマー(例えばP407)を含む。任意選択的に、腸内崩壊性マトリックスはさらに、酸化鉄、例えば約0.01重量%~約0.2重量%の酸化鉄(例えばE172)を含む。
【0217】
いくつかの実施態様において、腸内崩壊性マトリックスは、約62重量%~約66重量%のHPMCAS、約32重量%~約36重量%のPCL、及び約1重量%~約3重量%のポロキサマー(例えばP407)を含む。任意選択的に、腸内崩壊性マトリックスはさらに、酸化鉄、例えば約0.05重量%~約0.15重量%の酸化鉄(例えばE172)を含む。
【0218】
いくつかの実施態様において、腸内崩壊性マトリックスは、約63.95重量%のHPMCAS、約33.95重量%のPCL、及び約2重量%のポロキサマー(例えばP407)を含む。任意選択的に、腸内崩壊性マトリックスはさらに、酸化鉄、例えば約0.1重量%の酸化鉄(例えばE172)を含む。
【0219】
いくつかの実施態様において、1つ以上の薬剤の投与のための剤形は胃内滞留システムを含み、ここで、胃内滞留システムは、約33.95重量%のポリカプロラクトン(PCL)、例えば約1.5dl/g~約2.1dl/gの粘度中点を有するPCL、例えばCorbin PC17を含む、pH依存性崩壊性マトリックスを含む。いくつかの実施態様において、胃内滞留システムは、HPMCAS-MGなどの、約63.95重量%の酢酸コハク酸ヒプロメロースを含むpH依存性崩壊性マトリックスを含む。いくつかの実施態様において、胃内滞留システムは、約2.0重量%のポリ(エチレングリコール)-ブロック-ポリ(プロピレングリコール)-ブロック-ポリ(エチレングリコール)ポリマー、例えばH-(OCH2CH2)x-(O-CH(CH3)CH2)y-(OCH2CH2)z-OH(ここで、前記xとzは約101、及びyは約56である)、例えばポロキサマー407(P407、約4000のポリオキシプロピレン分子量及び約70%のポリオキシエチレン含有量を有するポリ(エチレングリコール)-ブロック-ポリ(プロピレングリコール)-ブロック-ポリ(エチレングリコール)ポリマーを含む。いくつかの実施態様において、胃内滞留システムは、約0.1重量%の酸化鉄(例えばE172)を含むpH依存性崩壊性マトリックスを含む。いくつかの実施態様において、1つ以上の薬剤の投与のための剤形は、胃内滞留システムを含み、ここで、胃内滞留システムは、約33.95重量%のCorbin PC17、約63.95重量%のHPMCAS-MG、約2.0重量%のP407、及び約0.1重量%のE172を含むpH依存性崩壊性マトリックスを含む。
【0220】
腸内崩壊性マトリックスの成分の量の例を以下の表に示す。範囲が提供される場合、合計が100%になるように量が選択されることを理解して、量はおおよその重量パーセントで示される。
【0221】
【0222】
アーム先端崩壊性マトリックス
いくつかの実施態様において、胃内滞留システムは、時間依存性崩壊性マトリックス及び腸内崩壊性マトリックスに加えて、第3の崩壊性マトリックスを含むアームを含む。いくつかの実施態様において、第3の崩壊性マトリックスは、フィラメント保持セグメント(すなわち、フィラメントが付着しているセグメント)である。いくつかの実施態様において、第3の崩壊性マトリックスは、滞留システムアームの遠位部分、すなわちアームの先端である。
【0223】
いくつかの実施態様において、第3の崩壊性マトリックスは、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)を含む。例えば、いくつかの実施態様において、第3の崩壊性マトリックスは、約60重量%~約70重量%のHPMCASを含む。いくつかの実施態様において、第3の崩壊性マトリックスは、約63重量%~約67重量%のHPMCASを含む。いくつかの実施態様において、第3の崩壊性マトリックスは、約64.9重量%のHPMCASを含む。
【0224】
いくつかの実施態様において、第3の崩壊性マトリックスは、胃内滞留システムアーム中の1つの又は他のセグメントと共通のポリマーを含む。いくつかの実施態様において、第3の崩壊性マトリックスはポリカプロラクトン(PCL)を含む。いくつかの実施態様において、第3の崩壊性マトリックスは、約25重量%~約35重量%のPCLを含む。いくつかの実施態様において、第3の崩壊性マトリックスは、約28重量%~約32重量%のPCLを含む。いくつかの実施態様において、第3の崩壊性マトリックスは約30重量%のPCLを含む。
【0225】
いくつかの実施態様において、第3の崩壊性マトリックスは、1つ以上の酸、例えばステアリン酸を含む。いくつかの実施態様において、第3の崩壊性マトリックスは、約1重量%~約5重量%のステアリン酸を含む。いくつかの実施態様において、第3の崩壊性マトリックスは、約2重量%~約3重量%のステアリン酸を含む。いくつかの実施態様において、第3の崩壊性マトリックスは約2.5重量%のステアリン酸を含む。
【0226】
いくつかの実施態様において、第3の崩壊性マトリックスはさらに、1つ以上の可塑剤、例えばプロピレングリコールを含むことができる。いくつかの実施態様において、第3の崩壊性マトリックスは、約1重量%~約5重量%のプロピレングリコールを含む。いくつかの実施態様において、第3の崩壊性マトリックスは、約2重量%~約3重量%のプロピレングリコールを含む。いくつかの実施態様において、第3の崩壊性マトリックスは、約2.5重量%のプロピレングリコールを含む。
【0227】
いくつかの実施態様において、第3の崩壊性マトリックスは、色吸収染料(着色剤又は顔料とも呼ばれる)を含む。他の胃内滞留システム成分へのポリマーリンカーの結合又は付着を強化するために、色吸収染料を含めることができる。色吸収染料は、レーザー溶接、赤外線溶接、又はその他の熱誘発性の付着中に熱を吸収することができ、これが、得られる結合の引張強度を上昇させる。色吸収染料の例には、酸化鉄及びカーボンブラックが含まれる。第3の崩壊性マトリックスは、色吸収染料を最大約5%、例えば、最大約4%、最大約3%、最大約2%、最大約1%、最大約0.5%、最大約0.3%、最大約0.2%、又は最大約0.1%の量で含み得る。いくつかの実施態様において、第3の崩壊性マトリックスは、約0.01重量%~約0.5重量%の色吸収染料を含む。いくつかの実施態様において、第3の崩壊性マトリックスは、約0.05重量%~約0.15重量%の色吸収染料を含む。いくつかの実施態様において、第3の崩壊性マトリックスは、約0.1重量%の色吸収染料を含む。いくつかの実施態様において、第3の崩壊性マトリックスは、約0.025%の四三酸化鉄及び約0.075%のFD&C Red40を含む。いくつかの実施態様において、第3の崩壊性マトリックスは、約0.025%の四三酸化鉄及び約0.075%のFD&C Red40を含む。
【0228】
いくつかの実施態様において、第3の崩壊性マトリックスは、約60重量%~約70重量%のHPMCAS、約25重量%~約35重量%のPCL、約1重量%~約5重量%のプロピレングリコール、及び約1重量%~約5重量%のステアリン酸を含む。任意選択的に、第3の崩壊性マトリックスはさらに、約0.01重量%~約0.5重量%の酸化鉄を含む。
【0229】
いくつかの実施態様において、第3の崩壊性マトリックスは、約63重量%~約67重量%のHPMCAS、約28重量%~約32重量%のPCL、約2重量%~約3重量%のプロピレングリコール、及び約2重量%~約3重量%を含む。任意選択的に、第3の崩壊性マトリックスはさらに、約0.05重量%~約0.15重量%の酸化鉄を含む。
【0230】
いくつかの実施態様において、第3の崩壊性マトリックスは、64.9重量%のHPMCAS、約30重量%のPCL、約2.5重量%のプロピレングリコール、及び約2.5重量%のステアリン酸を含む。任意選択的に、第3の崩壊性マトリックスはさらに、約0.1重量%の酸化鉄、例えば約0.025%の四三酸化鉄、及び約0.075%のFD&C Red40を含む。
【0231】
第3の崩壊性マトリックスの成分の量の例を以下の表に示す。範囲が提供される場合、合計が100%になるように量が選択されることを理解して、量はおおよその重量パーセントで示される。
【0232】
【0233】
不活性セグメント
いくつかの実施態様において、胃内滞留システムは、1つ以上の不活性セグメントを含む。いくつかの実施態様において、不活性セグメントは、1つ以上の放射線不透過性物質を含む。
【0234】
いくつかの実施態様において、不活性セグメントは、胃内滞留システム中の他のセグメントと共通のポリマーを含む。いくつかの実施態様において、不活性セグメントはポリカプロラクトン(PCL)を含む。いくつかの実施態様において、不活性セグメントは約61重量%~約71重量%のPCLを含む。いくつかの実施態様において、不活性セグメントは約64重量%~約69重量%のPCLを含む。いくつかの実施態様において、不活性セグメントは約66.5重量%のPCLを含む。いくつかの実施態様において、不活性セグメントは約66.45重量%のPCLを含む。
【0235】
いくつかの実施態様において、不活性セグメントは、質量比6:4のビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー(すなわちコポビドン、例えばKollidon VA64)を含む。いくつかの実施態様において、不活性セグメントは約27重量%~約37重量%のコポビドンを含む。いくつかの実施態様において、不活性セグメントは約30重量%~約34重量%のコポビドンを含む。いくつかの実施態様において、不活性セグメントは約32重量%のコポビドンを含む。
【0236】
不活性セグメントはさらに、ポロキサマー(例えばポロキサマー407、又は「P407」)などの1つ以上の可塑剤を含み得る。いくつかの実施態様において、不活性セグメントは、約0.2重量%~約4重量%のポロキサマーを含む。いくつかの実施態様において、不活性セグメントは、約0.5重量%~約2.5重量%のポロキサマーを含む。いくつかの実施態様において、不活性セグメントは約1.5重量%のポロキサマーを含む。
【0237】
いくつかの実施態様において、不活性セグメントは色吸収染料(着色剤又は顔料とも呼ばれる)を含む。不活性セグメントは、色吸収染料を最大約5%、例えば、最大約4%、最大約3%、最大約2%、最大約1%、最大約0.5%、最大約0.3%、最大約0.2%、最大約0.1%、又は最大約0.05%の量で含み得る。いくつかの実施態様において、不活性セグメントは、約0.005重量%~約0.2重量%の色吸収染料を含む。いくつかの実施態様において、不活性セグメントは、約0.01重量%~約0.1重量%の色吸収染料を含む。いくつかの実施態様において、不活性セグメントは約0.05重量%の色吸収染料を含む。いくつかの実施態様において、色吸収染料はFD&C Blue #1 Alum Lakeである。
【0238】
いくつかの実施態様において、不活性セグメントは、約61重量%~約71重量%のPCL、約27重量%~約37重量%のコポビドン、約0.2重量%~約4重量%のポロキサマーを含む。任意選択的に、不活性セグメントはさらに、色吸収染料、例えば約0.005重量%~約0.2重量%の色吸収染料FD&C Blue #1 Alum Lakeを含む。
【0239】
いくつかの実施態様において、不活性セグメントは、約64重量%~約69重量%のPCL、約30重量%~約34重量%のコポビドン、約0.5重量%~約2.5重量%のポロキサマーを含む。任意選択的に、不活性セグメントはさらに、色吸収染料、例えば約0.01重量%~約0.1重量%の色吸収染料FD&C Blue #1 Alum Lakeを含む。
【0240】
いくつかの実施態様において、不活性セグメントは、約66.45重量%のPCL、約32重量%のコポビドン、約1.5重量%のポロキサマーを含む。任意選択的に、不活性セグメントはさらに、色吸収染料、例えば約0.05重量%の色吸収染料FD&C Blue #1 Alum Lakeを含む。
【0241】
不活性セグメント(例えば非有効スペーサー)の1つの実施態様の成分の量の例を以下の表に示す。範囲が提供される場合、合計が100%になるように量が選択されることを理解して、量はおおよその重量パーセントで示される。
【0242】
【0243】
いくつかの実施態様において、胃内滞留システムは1つ以上の不活性セグメントを含み、ここで、不活性セグメントは1つ以上の放射線不透過性物質を含む。いくつかの実施態様において、胃内滞留システムは不活性セグメントを含み、ここで、不活性セグメントは放射線不透過性セグメントである。
【0244】
いくつかの実施態様において、不活性セグメントは、胃内滞留システム中の他のセグメントと共通のポリマーを含む。いくつかの実施態様において、不活性セグメントはポリカプロラクトン(PCL)を含む。いくつかの実施態様において、不活性セグメントは約65重量%~約75重量%のPCLを含む。いくつかの実施態様において、不活性セグメントは約68重量%~約72重量%のPCLを含む。いくつかの実施態様において、不活性セグメントは約70重量%のPCLを含む。
【0245】
いくつかの実施態様において、不活性セグメントは放射線不透過性物質を含む。いくつかの実施態様において、不活性セグメントは放射線不透過性物質を含み、ここで、放射線不透過性物質は(BiO)2CO3である。いくつかの実施態様において、不活性セグメントは、(BiO)2CO3を含む。いくつかの実施態様において、不活性セグメントは約25重量%~約35重量%の(BiO)2CO3を含む。いくつかの実施態様において、不活性セグメントは、約28重量%~約32重量%の(BiO)2CO3を含む。いくつかの実施態様において、不活性セグメントは約30重量%の(BiO)2CO3を含む。
【0246】
いくつかの実施態様において、不活性セグメントは、約65重量%~約75重量%のPCL、及び約25重量%~約35重量%の(BiO)2CO3を含む。いくつかの実施態様において、不活性セグメントは、約68重量%~約72重量%のPCL、及び約28重量%~約32重量%の(BiO)2CO3を含む。いくつかの実施態様において、不活性セグメントは、約70重量%のPCL及び約30重量%の(BiO)2CO3を含む。
【0247】
不活性セグメントの1つ(例えばrPCLセグメント)の実施態様の成分の量の例を以下の表に示す。範囲が提供される場合、合計が100%になるように量が選択されることを理解して、量はおおよその重量パーセントで示される。
【0248】
【0249】
ブプレノルフィンとナロキソンの併用配合物を含む担体ポリマー-薬剤セグメント(薬物溶出セグメント)
担体ポリマー-薬剤セグメント又は薬物溶出セグメントは、胃内滞留システムが胃内に滞留する期間中に、制御された方法で薬剤を放出する。担体ポリマーは薬剤と混合され、セグメントに形成され、これは次に、本明細書に記載の他の成分と組み立てられて胃内滞留システムが製造される。このような担体ポリマー-薬剤ブレンドの組成物は、ブプレノルフィンとナロキソンの組み合わせを含む配合物を含む、特定の薬物配合物について以下に提供される。
【0250】
ブプレノルフィンとナロキソンの両方の活性物質は、胃内滞留システムの単一のセグメント又は成分、つまり薬物溶出セグメントに配合される。これは、使用者が、ブプレノルフィンのみを摂取できるように胃内滞留システムを改竄してナロキソンを取り出すことが、簡単にできないように設計されている。あるいは、胃内滞留システムは、ブプレノルフィンとナロキソンが胃内滞留システムの別個の成分として提供されるように設計することもできる。しかしながら、これにより、使用者は2つの成分(すなわち、ブプレノルフィン成分とナロキソン成分)を物理的に分離してブプレノルフィン成分のみを摂取できるため、改竄が容易になるであろう。従って、記載された薬物溶出セグメント又は成分は、ブプレノルフィンとナロキソンの両方を含む。
【0251】
いくつかの実施態様において、薬物溶出セグメントのブプレノルフィンとナロキソンは、同様の速度で放出され得る。いくつかの実施態様において、薬物溶出セグメントのブプレノルフィンとナロキソンは、異なる速度で放出され得る。例えば、ナロキソンは薬物溶出セグメントから、ブプレノルフィンよりも早く放出される可能性がある。いずれの場合でも、ブプレノルフィンとナロキソンが胃内滞留システムの単一成分(すなわち、薬物溶出セグメント)に配合されているという事実により、使用者がナロキソンをブプレノルフィンから分離することが極めて最小限に抑えられる。例えば、使用者は、体外の胃内滞留システムからナロキソンを溶出させ、残りのブプレノルフィンを摂取しようとするかもしれない。しかしながら、ブプレノルフィンとナロキソンが同様の放出プロフィールを有する胃内滞留システムでは、ナロキソンが完全に溶出すると、ブプレノルフィンはたとえあったとしてもほとんど残らない。ナロキソンがブプレノルフィンよりも速く放出される胃内滞留システムの場合、ナロキソンが胃内滞留システムから完全に溶出するのにかかる時間内に、かなりの量のブプレノルフィンが溶出する。従って、使用者には、元々胃内滞留系に存在していたブプレノルフィンよりも大幅に少ない量のブプレノルフィンが残されることになる。いずれの場合も、胃内滞留システムの乱用は最小限に抑えられる。
【0252】
ブプレノルフィンとナロキソンの投与のための剤形は、約10mg~約150mgのブプレノルフィンを含む胃内滞留システムを含む。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィンとナロキソンの投与のための剤形は、約40mg~約115mgのブプレノルフィンを含む胃内滞留システムを含む。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィンとナロキソンの投与のための剤形は、約150、約140、約130、約120、約110、約100、約90、約80、約70、約60、約50、約40、約30、又は約20mg以下のブプレノルフィンを含む胃内滞留システムを含む。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィンとナロキソンの投与のための剤形は、約10、約20、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90、約100、約110、約120、約130、又は約140mg以上のブプレノルフィンを含む胃内滞留システムを含む。
【0253】
いくつかの実施態様において、ブプレノルフィンとナロキソンの投与のための剤形は、約1mg~約40mgのナロキソンを含む胃内滞留システムを含む。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィンとナロキソンの投与のための剤形は、約3.5mg~約10mgのナロキソンを含む胃内滞留システムを含む。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィンとナロキソンの投与のための剤形は、約40、約35、約30、約25、約20、約15、約10、又は約5mg以下のナロキソンを含む胃内滞留システムを含む。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィンとナロキソンの投与のための剤形は、約1、約5、約10、約15、約20、約25、約30、又は約35mg以上のナロキソンを含む胃内滞留システムを含む。
【0254】
いくつかの実施態様において、剤形は胃内滞留システムを含み、ここで、胃内滞留システムは1つ以上の薬物溶出セグメントを含み、1つ以上の薬物溶出セグメントのそれぞれは、約10mg~約30mgのブプレノルフィン及び約1mg~約5mgのナロキソンを含む。いくつかの実施態様において、各薬物溶出セグメントは、約30、25、20、又は15mg以下のブプレノルフィンを含む。いくつかの実施態様において、各薬物溶出セグメントは、約10、15、20、又は25mg以上のナロキソンを含む。
【0255】
いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物は、約30重量%~約55重量%のブプレノルフィンを含む。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物は、約55、約50、約45、約40、又は約35重量%以下のブプレノルフィンを含む。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物は、約30、約35、約40、約45、又は約50重量%以上のブプレノルフィンを含む。
【0256】
いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物は、約0.5重量%~約10重量%のナロキソンを含む。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物は、約10、約7.5、約5、約2.5、又は約1重量%以下のナロキソンを含む。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物は、約0.5、約1、約2.5、約5、又は約7.5重量%以上のナロキソンを含む。
【0257】
いくつかの実施態様において、ブプレノルフィンとナロキソンの併用配合物は、約1:1~約1:20のNAL:BUPの比のナロキソン(NAL)対ブプレノルフィン(BUP)を含み得る。いくつかの実施態様において、この比は、約1:1、約1:2、約1:3、約1:4、約1:5、約1:6、約1:7、約1:8、約1:9、約1:10、約1:11、約1:12、約1:13、約1:14、約1:15、約1:16、約1:17、約1:18、約1:19、又は約1:20のNAL:BUPであり得る。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィンとナロキソンの併用配合物中のブプレノルフィンの量は、ナロキソンの重量の約20、約18、約15、約12、約10、約8、約5、約4、約3、又は約2倍以下であり得る。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィンとナロキソンの併用配合物中のブプレノルフィンの量は、ナロキソンの重量の約1、約2、約3、約4、約5、約8、約10、約12、約15、又は約18倍以上であり得る。いくつかの実施態様において、NAL:BUPの比は、各有効成分の放出特性に依存し得る。
【0258】
ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物は、約30重量%~50重量%のポリカプロラクトン(PCL)、例えば約1.5dl/g~約2.1dl/gの粘度中点を有するPCL、例えばCorbin PC17を含む。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物は、約50、約45、約40、又は約35重量%以下のPCLを含む。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物は、約30、約35、約40、又は約45重量%以上のPCLを含む。
【0259】
いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物は、約1重量%~約15重量%のポリエチレンオキシド(PEO)(例えばPEO100K)を含む。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物は、約15、約12.5、約10、約7.5、約5、又は約2.5重量%以下のPEOを含む。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物は、約1、約2.5、約5、約7.5、約10、約12.5重量%以上のPEOを含む。
【0260】
いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物は、約1重量%~約5重量%のポリ(エチレングリコール)-ブロック-ポリ(プロピレングリコール)-ブロック-ポリ(エチレングリコール)ポリマー、例えばH-(OCH2CH2)x-(O-CH(CH3)CH2)y-(OCH2CH2)z-OH(式中、x及びzは約101であり、及びyは約56である)、例えばポロキサマー407を含む。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物は、約5、約4、約3、又は約2重量%以下のポリ(エチレングリコール)-ブロック-ポリ(プロピレングリコール)-ブロック-ポリ(エチレングリコール)ポリマー、例えばポロキサマー407を含む。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物は、約1、約2、約3、又は約4重量%以上のポリ(エチレングリコール)-ブロック-ポリ(プロピレングリコール)-ブロック-ポリ(エチレングリコール)ポリマー、例えばポロキサマー407を含む。
【0261】
いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物は、約0.1重量%~約5重量%のビタミンEコハク酸を含む。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物は、約5、約4、約3、約2、約1、約0.5、又は約0.1重量%以下のビタミンEコハク酸を含み得る。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物は、約0.01、約0.1、約0.5、約1、約2、約3、又は約4重量%以上のビタミンEコハク酸を含み得る。
【0262】
いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物は、約0.1重量%~約1重量%のコロイド状二酸化ケイ素(SiO2)を含む。
【0263】
ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物が約35重量%~約50重量%のブプレノルフィンを含むいくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物は、約1重量%~約7重量%のナロキソン、約35重量%~約58重量%のポリカプロラクトン(PCL)、例えば約1.5dl/g~約2.1dl/gの粘度中点を有するPCL、例えばCorbin PC17を含む。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物は、約1重量%~約15重量%のPEO、例えばPEO100Kを含む。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物は、約2重量%~約4重量%のポリ(エチレングリコール)-ブロック-ポリ(プロピレングリコール)-ブロック-ポリ(エチレングリコール)ポリマー、例えばH-(OCH2CH2)x-(O-CH(CH3)CH2)y-(OCH2CH2)z-OH(式中、x及びzは約101であり、及びyは約56である)、例えばポロキサマー407を含む。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物は、約0.2重量%~約0.8重量%のビタミンEコハク酸を含む。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物は、約0.2重量%~約0.8重量%のコロイド状二酸化ケイ素(SiO2)を含む。
【0264】
いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物は約42重量%のブプレノルフィンを含み、前記ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物は、約3.7重量%のナロキソン、43.3重量%のポリカプロラクトン(PCL)、例えば約1.5dl/g~約2.1dl/gの粘度中点を有するPCL、例えばCorbin PC17を含む。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物は、約7重量%のPEO、例えばPEO100Kを含む。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物は、約3.0重量%のポリ(エチレングリコール)-ブロック-ポリ(プロピレングリコール)-ブロック-ポリ(エチレングリコール)ポリマー、例えばH-(OCH2CH2)x-(O-CH(CH3)CH2)y-(OCH2CH2)z-OH(式中、x及びzは約101であり、及びyは約56である)、例えばポロキサマー407を含む。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物は、約0.5重量%のビタミンEコハク酸を含む。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物は、約0.5重量%のコロイド状二酸化ケイ素(SiO2)を含む。
【0265】
いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む薬物溶出セグメントは、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を押出成形することによって形成され得る。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を押出成形して、円形、三角形、又は正方形の断面を含む薬物溶出セグメント又は成分を形成することができる。
【0266】
ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物のいくつかの実施態様についての成分の量の例を以下の表に提供する。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物は、薬物溶出セグメントに使用され(追加の配合物は使用されない)、これらの量は薬物溶出セグメントの量に対応する。範囲が提供される場合、合計が100%になるように量が選択されることを理解して、量はおおよその重量パーセントで示される。「医薬的許容塩(Pharm. accept. salt)」は、その医薬的に許容し得る塩を示す。
【0267】
【0268】
いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む薬物溶出セグメントは、滞留の最初の24時間以内に、薬物溶出セグメントの総ブプレノルフィン含有量の約5~約90%を放出し得る。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む薬物溶出セグメントは、滞留の最初の24時間以内に、薬物溶出セグメントの総ブプレノルフィン含有量の約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、又は85%以上を放出し得る。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む薬物溶出セグメントは、滞留の最初の24時間以内に、薬物溶出セグメントの総ブプレノルフィン含有量の約90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、又は10%以下を放出し得る。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む薬物溶出セグメントは、滞留の最初の24時間後に、薬物溶出セグメントの総ブプレノルフィン含有量の約5~約90%を放出し得る。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む薬物溶出セグメントは、滞留の最初の24時間後に、薬物溶出セグメントの総ブプレノルフィン含有量の約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、又は85%以上を放出し得る。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む薬物溶出セグメントは、滞留の最初の24時間後に、薬物溶出セグメントの総ブプレノルフィン含有量の約90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、又は10%以下を放出し得る。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む薬物溶出セグメントは、滞留の最初の48時間後に、薬物溶出セグメントの総ブプレノルフィン含有量の約5~約70%を放出し得る。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む薬物溶出セグメントは、滞留の最初の48時間後に、薬物溶出セグメントの総ブプレノルフィン含有量の約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、又は65%以上を放出し得る。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む薬物溶出セグメントは、滞留の最初の48時間後に、薬物溶出セグメントの総ブプレノルフィン含有量の約70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、又は10%以下を放出し得る。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む薬物溶出セグメントは、滞留の最初の72時間後に、薬物溶出セグメントの総ブプレノルフィン含有量の約5~約50%を放出し得る。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む薬物溶出セグメントは、滞留の最初の72時間後に、薬物溶出セグメントの総ブプレノルフィン含有量の約5、10、15、20、25、30、35、40、又は45%以上を放出し得る。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む薬物溶出セグメントは、滞留の最初の72時間後に、薬物溶出セグメントの総ブプレノルフィン含有量の約50、45、40、35、30、25、20、15、又は10%以下を放出し得る。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む薬物溶出セグメントは、滞留の最初の96時間後に、薬物溶出セグメントの総ブプレノルフィン含有量の約5~約30%を放出し得る。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む薬物溶出セグメントは、滞留の最初の96時間後に、薬物溶出セグメントの総ブプレノルフィン含有量の約5、10、15、20、又は25%以上を放出し得る。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む薬物溶出セグメントは、滞留の最初の96時間後に、薬物溶出セグメントの総ブプレノルフィン含有量の約30、25、20、15、又は10%以下を放出し得る。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む薬物溶出セグメントは、滞留の最初の120時間後に、薬物溶出セグメントの総ブプレノルフィン含有量の約5~約20%を放出し得る。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む薬物溶出セグメントは、滞留の最初の120時間後に、薬物溶出セグメントの総ブプレノルフィン含有量の約5、10、又は15%以上を放出し得る。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む薬物溶出セグメントは、滞留の最初の120時間後に、薬物溶出セグメントの総ブプレノルフィン含有量の約20、15、又は10%以下を放出し得る。
【0269】
いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む薬物溶出セグメントは、滞留の最初の24時間以内に、薬物溶出セグメントの総ナロキソン含有量の約5~約100%を放出し得る。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む薬物溶出セグメントは、滞留の最初の24時間以内に、薬物溶出セグメントの総ナロキソン含有量の約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、又は95%以上を放出し得る。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む薬物溶出セグメントは、滞留の最初の24時間以内に、薬物溶出セグメントの総ナロキソン含有量の約100、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、又は10%以下を放出し得る。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む薬物溶出セグメントは、滞留の最初の24時間後に、薬物溶出セグメントの総ナロキソン含有量の約0~約50%を放出し得る。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む薬物溶出セグメントは、滞留の最初の24時間後に、薬物溶出セグメントの総ナロキソン含有量の約0、5、10、15、20、25、30、35、40、又は45%以上を放出し得る。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む薬物溶出セグメントは、滞留の最初の24時間後に、薬物溶出セグメントの総ナロキソン含有量の約50、45、40、35、30、25、20、15、10、又は5%以下を放出し得る。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む薬物溶出セグメントは、滞留の最初の48時間後に、薬物溶出セグメントの総ナロキソン含有量の約0~約50%を放出し得る。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む薬物溶出セグメントは、滞留の最初の48時間後に、薬物溶出セグメントの総ナロキソン含有量の約0、5、10、15、20、25、30、35、40、又は45%以上を放出し得る。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む薬物溶出セグメントは、滞留の最初の48時間後に、薬物溶出セグメントの総ナロキソン含有量の約50、45、40、35、30、25、20、15、10、又は5%以下を放出し得る。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む薬物溶出セグメントは、滞留の最初の72時間後に、薬物溶出セグメントの総ナロキソン含有量の約0~約50%を放出し得る。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む薬物溶出セグメントは、滞留の最初の72時間後に、薬物溶出セグメントの総ナロキソン含有量の約0、5、10、15、20、25、30、35、40、又は45%以上を放出し得る。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む薬物溶出セグメントは、滞留の最初の72時間後に、薬物溶出セグメントの総ナロキソン含有量の約50、45、40、35、30、25、20、15、10、又は5%以下を放出し得る。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む薬物溶出セグメントは、滞留の最初の96時間後に、薬物溶出セグメントの総ナロキソン含有量の約0~約50%を放出し得る。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む薬物溶出セグメントは、滞留の最初の96時間後に、薬物溶出セグメントの総ナロキソン含有量の約0、5、10、15、20、25、30、35、40、又は45%以上を放出し得る。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む薬物溶出セグメントは、滞留の最初の96時間後に、薬物溶出セグメントの総ナロキソン含有量の約50、45、40、35、30、25、20、15、10、又は5%以下を放出し得る。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む薬物溶出セグメントは、滞留の最初の120時間後に、薬物溶出セグメントの総ナロキソン含有量の約0~約50%を放出し得る。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む薬物溶出セグメントは、滞留の最初の120時間後に、薬物溶出セグメントの総ナロキソン含有量の約0、5、10、15、20、25、30、35、40、又は45%以上を放出し得る。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む薬物溶出セグメントは、滞留の最初の120時間後に、薬物溶出セグメントの総ナロキソン含有量の約50、45、40、35、30、25、20、15、10、又は5%以下を放出し得る。
【0270】
ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物をナロキソン単独配合物と共押出しして形成される担体ポリマー-薬剤セグメント(薬物溶出セグメント)
いくつかの実施態様において、上で説明したように、胃内滞留システムの担体ポリマー-薬剤セグメント(すなわち、薬物溶出セグメント)の製造中に、ナロキソン単独配合物を調製し、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物と共押出することもできる。ナロキソン単独配合物をブプレノルフィンとナロキソンの併用配合物とともに共押出することによって、ナロキソンの放出プロフィールをより良く制御できる可能性がある。胃内滞留剤形からのナロキソンの放出プロフィールを制御することは、治療ミス(すなわち、ナロキソンを溶出して残りのブプレノルフィンを摂取するだけ)の可能性を最小限に抑えるのに役立つ。従って、直前に記載したブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物と共押出することができる個々のナロキソン配合物を以下に記載する。
【0271】
本明細書で使用される用語「ナロキソン単独」は、配合物がブプレノルフィンを含まないことを意味する。しかしながら、「ナロキソン単独」配合物は、任意の数の他の成分を含み得る。
【0272】
ブプレノルフィンとナロキソンの両方の活性物質は、胃内滞留システムの単一のセグメント又は成分、つまり薬物溶出セグメントに配合される。これは、使用者が、ブプレノルフィンのみを摂取できるように胃内滞留システムを改竄してナロキソンを取り出すことが、簡単にできないように設計されている。あるいは、胃内滞留システムは、ブプレノルフィンとナロキソンが胃内滞留システムの別個の成分として提供されるように設計することもできる。しかしながら、これにより、使用者は2つの成分(すなわち、ブプレノルフィン成分とナロキソン成分)を物理的に分離してブプレノルフィン成分のみを摂取できるため、改竄が容易になるであろう。従って、記載された薬物溶出セグメント又は成分は、ブプレノルフィンとナロキソンの両方を含む。
【0273】
いくつかの実施態様において、薬物溶出セグメントのブプレノルフィンとナロキソンは、同様の速度で放出され得る。いくつかの実施態様において、薬物溶出セグメントのブプレノルフィンとナロキソンは、異なる速度で放出され得る。例えば、ナロキソンは薬物溶出セグメントから、ブプレノルフィンよりも早く放出される可能性がある。いずれの場合でも、ブプレノルフィンとナロキソンが胃内滞留システムの単一成分(すなわち、薬物溶出セグメント)に配合されているという事実により、使用者がナロキソンをブプレノルフィンから分離することが極めて最小限に抑えられる。例えば、使用者は、体外の胃内滞留システムからナロキソンを溶出させ、残りのブプレノルフィンを摂取しようとするかもしれない。しかしながら、ブプレノルフィンとナロキソンが同様の放出プロフィールを有する胃内滞留システムでは、ナロキソンが完全に溶出すると、ブプレノルフィンはたとえあったとしてもほとんど残らない。ナロキソンがブプレノルフィンよりも速く放出される胃内滞留システムの場合、ナロキソンが胃内滞留システムから完全に溶出するのにかかる時間内に、かなりの量のブプレノルフィンが溶出する。従って、使用者には、元々胃内滞留系に存在していたブプレノルフィンよりも大幅に少ない量のブプレノルフィンが残されることになる。いずれの場合も、胃内滞留システムの乱用は最小限に抑えられる。
【0274】
いくつかの実施態様において、胃内滞留システムは、1つ以上の共押出薬物溶出セグメントを含み、1つ以上の共押出薬物溶出セグメントのそれぞれは、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物と共押出されたナロキソン単独配合物を含む。いくつかの実施態様において、共押出薬物溶出セグメントは、約20~約50重量%のブプレノルフィンを含む。いくつかの実施態様において、共押出薬物溶出セグメントは、約5~約20重量%の総ナロキソンを含む(すなわち、ナロキソン単独配合物からのナロキソンとブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物からのナロキソン)。いくつかの実施態様において、共押出薬物溶出セグメントは、約50、45、40、35、30、又は25重量%以下のブプレノルフィンを含む。いくつかの実施態様において、共押出薬物溶出セグメントは、約20、25、30、35、40、又は45重量%以上のブプレノルフィンを含む。いくつかの実施態様において、共押出薬物溶出セグメントは、約20、15、又は10重量%以下の総ナロキソンを含む。いくつかの実施態様において、共押出薬物溶出セグメントは、約5、10、又は15重量%以上の総ナロキソンを含む。
【0275】
いくつかの実施態様において、共押出薬物溶出セグメントは、押出されたブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物のみを含む(ナロキソン単独配合物を含まない)薬物溶出セグメントを参照して、上記のようなブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を使用して調製され得る。例えば、共押出薬物溶出セグメントに使用されるブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物のいくつかの実施態様の成分の量の例が、以下の表に提供される。範囲が提供される場合、合計が100%になるように量が選択されることを理解して、量はおおよその重量パーセントで示される。「医薬的許容塩(Pharm. accept. salt)」は、その医薬的に許容し得る塩を示す。
【0276】
【0277】
ナロキソン単独配合物は、ナロキソン又はその塩(すなわち塩酸ナロキソン)を約5~60、10~55、20~50、又は30~50重量%ナロキソン又はその塩の量で含む。いくつかの実施態様において、ナロキソン単独配合物は、約60、約55、約50、約45、約40、約35、約30、約25、約20、約15、又は約10重量%以下のナロキソン又はその塩を含み得る。いくつかの実施態様において、ナロキソン単独配合物は、約5、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、又は約55重量%以上のナロキソンを含み得る。
【0278】
ナロキソン単独配合物は、約30重量%~70重量%の担体ポリマーを含む。例えば、担体ポリマーは、ポリカプロラクトン(PCL)、例えば約1.5dl/g~約2.1dl/gの粘度中点を有するPCL、例えばCorbin PC17を含み得る。いくつかの実施態様において、ナロキソン単独配合物は、約70、約65、約60、約55、約50、約45、約40、又は約35重量%以下の担体ポリマーを含む。いくつかの実施態様において、各薬物溶出セグメントは、約30、約35、約40、約45、約50、約55、約60、又は約65重量%以上の担体ポリマーを含む。
【0279】
いくつかの実施態様において、ナロキソン単独配合物は、1つ以上の賦形剤を含む。例えば、ナロキソン単独配合物は、1つ以上の可塑剤、例えばポロキサマー(例えばポロキサマー407、又は「P407」)を含むことができる。いくつかの実施態様において、ナロキソン単独配合物は、約0.5~約10重量%の可塑剤を含むことができる。いくつかの実施態様において、ナロキソン単独配合物は、約10、約9、約8、約7、約6、約5、約4、約3、約2、又は約1重量%以下の可塑剤を含むことができる。いくつかの実施態様において、ナロキソン単独配合物は、約0.5、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、又は約9重量%以上の可塑剤を含むことができる。
【0280】
いくつかの実施態様において、ナロキソン単独配合物は、約0.1重量%~約5重量%のビタミンEコハク酸を含む。いくつかの実施態様において、併用配合物は、約5、約4、約3、約2、約1、約0.5、又は約0.1重量%以下のビタミンEコハク酸を含み得る。いくつかの実施態様において、併用配合物は、約0.01、約0.1、約0.5、約1、約2、約3、又は約4重量%以上のビタミンEコハク酸を含み得る。
【0281】
いくつかの実施態様において、ナロキソン単独配合物は、約0.1重量%~約1重量%のコロイド状二酸化ケイ素(SiO2)を含む。
【0282】
共押出薬物溶出セグメントに使用されるナロキソン単独配合物のいくつかの実施態様についての成分の量の例が、以下の表に提供される。範囲が提供される場合、合計が100%になるように量が選択されることを理解して、量はおおよその重量パーセントで示される。「医薬的許容塩(Pharm. accept. salt)」は、その医薬的に許容し得る塩を示す。
【0283】
【0284】
上述のナロキソン単独配合物は、上述のブプレノルフィン-ナロキソン配合物と共押出されて、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物及びナロキソン単独配合物の両方を含む共押出薬物溶出セグメントを形成することができる。いくつかの実施態様において、共押出薬物溶出セグメントはブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物対ナロキソン単独配合物の比率(「BN:NAL」)が約1:1~約20:1のBN:NALで形成され得る。いくつかの実施態様において、この比は、約1:1、約2:1、約3:1、約4:1、約5:1、約6:1、約7:1、約8:1、約9:1、約10:1、約11:1、約12:1、約13:1、約14:1、約15:1、約16:1、約17:1、約18:1、約19:1、又は約20:1のBN:NALであり得る。
【0285】
ブプレノルフィン-ナロキソン配合物は、ナロキソン単独配合物と様々な構成で共押出成形され得る。いくつかの実施態様において、2つの配合物(又は「部分」)は、
図2Aに示されるように、一方の配合物(例えばナロキソン単独配合物)が第2の配合物(例えばブプレノルフィン-ナロキソン配合物)内に埋め込まれるように押出成形され得る。
図2Aは、第2の配合物全体に埋め込まれた1つの配合物を含む薬物溶出セグメントの断面を示す。第1の配合物は、第2の配合物内に埋め込まれた1つ以上のストランドを含み得る。いくつかの実施態様において、2つの配合物は、例えば
図2Bに示されるような多層薬物溶出セグメントとして共押出され得る。例えば多層薬物溶出セグメントは、ナロキソン単独配合物と交互になっているブプレノルフィン-ナロキソン配合物の複数の層を含み得る。いくつかの実施態様において、多層薬物溶出セグメントは、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10以上の層を含み得る。いくつかの実施態様において、多層薬物溶出セグメントは、12、10、9、8、7、6、5、4、又は3層以下を含み得る。
【0286】
ナロキソン単独配合物と共押出されたブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む薬物溶出セグメントのいくつかの実施態様の成分の量の例を、以下の表に提供する。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物及びナロキソン単独配合物は薬物溶出セグメントに使用され(追加の配合物は使用されない)、これらの量は薬物溶出セグメントの量に対応する。範囲が提供される場合、合計が100%になるように量が選択されることを理解して、量はおおよその重量パーセントで示される。「医薬的許容塩」は、その医薬的に許容し得る塩を示す。
【0287】
【0288】
いくつかの実施態様において、ナロキソン単独配合物と共押出されたブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む共押出薬物溶出セグメントは、滞留の最初の24時間以内に、共押出薬物溶出セグメントの総ブプレノルフィン含有量の約5~約90%を放出し得る。いくつかの実施態様において、ナロキソン単独配合物と共押出されたブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む共押出薬物溶出セグメントは、滞留の最初の24時間以内に、共押出薬物溶出セグメントの総ブプレノルフィン含有量の約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、又は85%以上を放出し得る。いくつかの実施態様において、ナロキソン単独配合物と共押出されたブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む共押出薬物溶出セグメントは、滞留の最初の24時間以内に、共押出薬物溶出セグメントの総ブプレノルフィン含有量の約90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、又は10%以下を放出し得る。いくつかの実施態様において、ナロキソン単独配合物と共押出されたブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む共押出薬物溶出セグメントは、滞留の最初の24時間後に、共押出薬物溶出セグメントの総ブプレノルフィン含有量の約5~約90%を放出し得る。いくつかの実施態様において、ナロキソン単独配合物と共押出されたブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む共押出薬物溶出セグメントは、滞留の最初の24時間後に、共押出薬物溶出セグメントの総ブプレノルフィン含有量の約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、又は85%以上を放出し得る。いくつかの実施態様において、ナロキソン単独配合物と共押出されたブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む共押出薬物溶出セグメントは、滞留の最初の24時間後に、共押出薬物溶出セグメントの総ブプレノルフィン含有量の約90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、又は10%以下を放出し得る。いくつかの実施態様において、ナロキソン単独配合物と共押出されたブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む共押出薬物溶出セグメントは、滞留の最初の48時間後に、共押出薬物溶出セグメントの総ブプレノルフィン含有量の約5~約70%を放出し得る。いくつかの実施態様において、ナロキソン単独配合物と共押出されたブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む共押出薬物溶出セグメントは、滞留の最初の48時間後に、共押出薬物溶出セグメントの総ブプレノルフィン含有量の約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、又は65%以上を放出し得る。いくつかの実施態様において、ナロキソン単独配合物と共押出されたブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む共押出薬物溶出セグメントは、滞留の最初の48時間後に、共押出薬物溶出セグメントの総ブプレノルフィン含有量の約70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、又は10%以下を放出し得る。いくつかの実施態様において、ナロキソン単独配合物と共押出されたブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む共押出薬物溶出セグメントは、滞留の最初の72時間後に、共押出薬物溶出セグメントの総ブプレノルフィン含有量の約5~約50%を放出し得る。いくつかの実施態様において、ナロキソン単独配合物と共押出されたブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む共押出薬物溶出セグメントは、滞留の最初の72時間後に、共押出薬物溶出セグメントの総ブプレノルフィン含有量の約5、10、15、20、25、30、35、40、又は45%以上を放出し得る。いくつかの実施態様において、ナロキソン単独配合物と共押出されたブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む共押出薬物溶出セグメントは、滞留の最初の72時間後に、共押出薬物溶出セグメントの総ブプレノルフィン含有量の約50、45、40、35、30、25、20、15、又は10%以下を放出し得る。いくつかの実施態様において、ナロキソン単独配合物と共押出されたブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む共押出薬物溶出セグメントは、滞留の最初の96時間後に、共押出薬物溶出セグメントの総ブプレノルフィン含有量の約5~約30%を放出し得る。いくつかの実施態様において、ナロキソン単独配合物と共押出されたブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む共押出薬物溶出セグメントは、滞留の最初の96時間後に、共押出薬物溶出セグメントの総ブプレノルフィン含有量の約5、10、15、20、又は25%以上を放出し得る。いくつかの実施態様において、ナロキソン単独配合物と共押出されたブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む共押出薬物溶出セグメントは、滞留の最初の96時間後に、共押出薬物溶出セグメントの総ブプレノルフィン含有量の約30、25、20、15、又は10%以下を放出し得る。いくつかの実施態様において、ナロキソン単独配合物と共押出されたブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む共押出薬物溶出セグメントは、滞留の最初の120時間後に、共押出薬物溶出セグメントの総ブプレノルフィン含有量の約5~約20%を放出し得る。いくつかの実施態様において、ナロキソン単独配合物と共押出されたブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む共押出薬物溶出セグメントは、滞留の最初の120時間後に、共押出薬物溶出セグメントの総ブプレノルフィン含有量の約5、10、又は15%以上を放出し得る。いくつかの実施態様において、ナロキソン単独配合物と共押出されたブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む共押出薬物溶出セグメントは、滞留の最初の120時間後に、共押出薬物溶出セグメントの総ブプレノルフィン含有量の約20、15、又は10%以下を放出し得る。
【0289】
いくつかの実施態様において、ナロキソン単独配合物と共押出されたブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む共押出薬物溶出セグメントは、滞留の最初の24時間以内に、共押出薬物溶出セグメントの総ナロキソン含有量の約5~約90%を放出し得る。いくつかの実施態様において、ナロキソン単独配合物と共押出されたブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む共押出薬物溶出セグメントは、滞留の最初の24時間以内に、共押出薬物溶出セグメントの総ナロキソン含有量の約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、又は85%以上を放出し得る。いくつかの実施態様において、ナロキソン単独配合物と共押出されたブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む共押出薬物溶出セグメントは、滞留の最初の24時間以内に、共押出薬物溶出セグメントの総ナロキソン含有量の約90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、又は10%以下を放出し得る。いくつかの実施態様において、ナロキソン単独配合物と共押出されたブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む共押出薬物溶出セグメントは、滞留の最初の24時間後に、共押出薬物溶出セグメントの総ナロキソン含有量の約5~約90%を放出し得る。いくつかの実施態様において、ナロキソン単独配合物と共押出されたブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む共押出薬物溶出セグメントは、滞留の最初の24時間後に、共押出薬物溶出セグメントの総ナロキソン含有量の約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、又は85%以上を放出し得る。いくつかの実施態様において、ナロキソン単独配合物と共押出されたブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む共押出薬物溶出セグメントは、滞留の最初の24時間後に、共押出薬物溶出セグメントの総ナロキソン含有量の約90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、又は10%以下を放出し得る。いくつかの実施態様において、ナロキソン単独配合物と共押出されたブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む共押出薬物溶出セグメントは、滞留の最初の48時間後に、共押出薬物溶出セグメントの総ナロキソン含有量の約5~約70%を放出し得る。いくつかの実施態様において、ナロキソン単独配合物と共押出されたブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む共押出薬物溶出セグメントは、滞留の最初の48時間後に、共押出薬物溶出セグメントの総ナロキソン含有量の約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、又は65%以上を放出し得る。いくつかの実施態様において、ナロキソン単独配合物と共押出されたブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む共押出薬物溶出セグメントは、滞留の最初の48時間後に、共押出薬物溶出セグメントの総ナロキソン含有量の約70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、又は10%以下を放出し得る。いくつかの実施態様において、ナロキソン単独配合物と共押出されたブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む共押出薬物溶出セグメントは、滞留の最初の72時間後に、共押出薬物溶出セグメントの総ナロキソン含有量の約5~約50%を放出し得る。いくつかの実施態様において、ナロキソン単独配合物と共押出されたブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む共押出薬物溶出セグメントは、滞留の最初の72時間後に、共押出薬物溶出セグメントの総ナロキソン含有量の約5、10、15、20、25、30、35、40、又は45%以上を放出し得る。いくつかの実施態様において、ナロキソン単独配合物と共押出されたブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む共押出薬物溶出セグメントは、滞留の最初の72時間後に、共押出薬物溶出セグメントの総ナロキソン含有量の約50、45、40、35、30、25、20、15、又は10%以下を放出し得る。いくつかの実施態様において、ナロキソン単独配合物と共押出されたブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む共押出薬物溶出セグメントは、滞留の最初の96時間後に、共押出薬物溶出セグメントの総ナロキソン含有量の約5~約30%を放出し得る。いくつかの実施態様において、ナロキソン単独配合物と共押出されたブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む共押出薬物溶出セグメントは、滞留の最初の96時間後に、共押出薬物溶出セグメントの総ナロキソン含有量の約5、10、15、20、又は25%以上を放出し得る。いくつかの実施態様において、ナロキソン単独配合物と共押出されたブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む共押出薬物溶出セグメントは、滞留の最初の96時間後に、共押出薬物溶出セグメントの総ナロキソン含有量の約30、25、20、15、又は10%以下を放出し得る。いくつかの実施態様において、ナロキソン単独配合物と共押出されたブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む共押出薬物溶出セグメントは、滞留の最初の120時間後に、共押出薬物溶出セグメントの総ナロキソン含有量の約5~約20%を放出し得る。いくつかの実施態様において、ナロキソン単独配合物と共押出されたブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む共押出薬物溶出セグメントは、滞留の最初の120時間後に、共押出薬物溶出セグメントの総ナロキソン含有量の約5、10、又は15%以上を放出し得る。いくつかの実施態様において、ナロキソン単独配合物と共押出されたブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む共押出薬物溶出セグメントは、滞留の最初の120時間後に、共押出薬物溶出セグメントの総ナロキソン含有量の約20、15、又は10%以下を放出し得る。
【0290】
速度調節ポリマー膜
放出速度調節ポリマー膜は、薬物などの薬剤を放出する胃内滞留システムの成分上に被覆することができる。いくつかの実施態様において、放出速度調節ポリマー膜は、薬物溶出セグメントの有効成分のバースト放出を制御し、有効成分の放出を直線化する。本明細書に開示される放出速度調節ポリマー膜で被覆された成分は、胃内滞留システムの熱支援組み立て中に起こる熱に曝露される前後で実質的に同じ放出速度特性を有する。放出速度調節ポリマー膜の組成、パラメータ、利点、特徴、用途、及び放出プロフィールは、国際特許出願PCT/US2020/059541に開示されており、その全体が本明細書に組み込まれる。いくつかの実施態様において、複合アーム(例えば、薬物溶出セグメントを含む複合アーム、又は薬物溶出セグメントを除く複合アーム)の1つ以上のセグメントは、放出速度調節膜で被覆される。いくつかの実施態様において、薬物溶出セグメントは、放出速度調節膜で被覆される。
【0291】
様々なポリマーを使用して、PCLを含む放出速度調節ポリマー膜を形成することができる。いくつかの実施態様において、放出速度調節ポリマー膜は、約70重量%~約80重量%のPCLを含む。いくつかの実施態様において、放出速度調節ポリマー膜は、約73重量%~約77重量%のPCLを含む。いくつかの実施態様において、放出速度調節ポリマー膜は約73.5重量%のPCLを含む。いくつかの実施態様において、放出速度調節ポリマー膜は、約80、79、78、77、76、75、74、73、72、又は71重量%以下のPCLを含む。いくつかの実施態様において、放出速度調節ポリマー膜は、70、71、72、73、74、75、76、77、78、又は79重量%以上のPCLを含む。
【0292】
他の賦形剤を担体ポリマーに添加して、コポビドン(VA64)などの薬剤の放出を調節することができる。いくつかの実施態様において、放出速度調節ポリマー膜は、約20重量%~約30重量%のVA64を含む。いくつかの実施態様において、放出速度調節ポリマー膜は、約23重量%~約27重量%のVA64を含む。いくつかの実施態様において、放出速度調節ポリマー膜は、約24.5重量%のVA64を含む。いくつかの実施態様において、放出速度調節ポリマー膜は、30、29、28、27、26、25、24、23、22、又は21重量%以下のVA64を含む。いくつかの実施態様において、放出速度調節ポリマー膜は、20、21、22、23、24、25、26、27、28、又は29重量%以上のVA64を含む。
【0293】
いくつかの実施態様において、放出速度調節ポリマー膜は、1~5重量%のステアリン酸マグネシウムを含む。いくつかの実施態様において、放出速度調節膜は、5、4、3、又は2重量%以下のステアリン酸マグネシウムを含む。いくつかの実施態様において、放出速度調節膜は、1、2、3、又は4重量%以上のステアリン酸マグネシウムを含む。
【0294】
胃内滞留時間
本システムの胃内滞留時間は、胃内滞留システムにおける時間依存性ポリマーリンカーの分解又は弱体化、又は破損の速度によって制御される。時間依存性ポリマーリンカーの分解又は弱体化又は破損がより速くなると、胃からのシステムの通過がより速くなる。胃内滞留システムの滞留時間は、胃へのシステムの投与と胃からのシステムの排出との間の時間として定義される。1つの実施態様において、胃内滞留システムは、約24時間、又は最大約24時間の滞留時間を有する。1つの実施態様において、胃内滞留システムは、約48時間、又は最大約48時間の滞留時間を有する。1つの実施態様において、胃内滞留システムは、約72時間、又は最大約72時間の滞留時間を有する。1つの実施態様において、胃内滞留システムは、約96時間、又は最大約96時間の滞留時間を有する。1つの実施態様において、胃内滞留システムは、約5日間、又は最大約5日間の滞留時間を有する。1つの実施態様において、胃内滞留システムは、約6日間、又は最大約6日間の滞留時間を有する。1つの実施態様において、胃内滞留システムは、約7日(約1週間)、又は最大約7日(約1週間)の滞留時間を有する。1つの実施態様において、胃内滞留システムは、約10日間、又は最大約10日間の滞留時間を有する。1つの実施態様において、胃内滞留システムは、約14日(約2週間)、又は最大約14日(約2週間)の滞留時間を有する。
【0295】
1つの実施態様において、胃内滞留システムは約24時間~約7日間の滞留時間を有する。1つの実施態様において、胃内滞留システムは約48時間~約7日間の滞留時間を有する。1つの実施態様において、胃内滞留システムは約72時間~約7日間の滞留時間を有する。1つの実施態様において、胃内滞留システムは約96時間~約7日間の滞留時間を有する。1つの実施態様において、胃内滞留システムは約5日間~約7日間の滞留時間を有する。1つの実施態様において、胃内滞留システムは約6日間~約7日間の滞留時間を有する。
【0296】
1つの実施態様において、胃内滞留システムは約24時間~約10日間の滞留時間を有する。1つの実施態様において、胃内滞留システムは約48時間~約10日間の滞留時間を有する。1つの実施態様において、胃内滞留システムは約72時間~約10日間の滞留時間を有する。1つの実施態様において、胃内滞留システムは約96時間~約10日間の滞留時間を有する。1つの実施態様において、胃内滞留システムは約5日間~約10日間の滞留時間を有する。1つの実施態様において、胃内滞留システムは約6日間~約10日間の滞留時間を有する。1つの実施態様において、胃内滞留システムは約7日間~約10日間の滞留時間を有する。
【0297】
1つの実施態様において、胃内滞留システムは約24時間~約14日間の滞留時間を有する。1つの実施態様において、胃内滞留システムは約48時間~約14日間の滞留時間を有する。1つの実施態様において、胃内滞留システムは約72時間~約14日間の滞留時間を有する。1つの実施態様において、胃内滞留システムは約96時間~約14日間の滞留時間を有する。1つの実施態様において、胃内滞留システムは約5日間~約14日間の滞留時間を有する。1つの実施態様において、胃内滞留システムは約6日間~約14日間の滞留時間を有する。1つの実施態様において、胃内滞留システムは約7日間~約14日間の滞留時間を有する。1つの実施態様において、胃内滞留システムは約10日間~約14日間の滞留時間を有する。
【0298】
胃内滞留システムは、システムが胃内に存在する滞留時間又は滞留期間の少なくとも一部の間、治療有効量の薬剤(又はその塩)を放出する。1つの実施態様において、システムは、滞留時間の少なくとも約25%の間、治療有効量の薬剤(又はその塩)を放出する。1つの実施態様において、システムは、滞留時間の少なくとも約50%の間、治療有効量の薬剤(又はその塩)を放出する。1つの実施態様において、システムは、滞留時間の少なくとも約60%の間、治療有効量の薬剤(又はその塩)を放出する。1つの実施態様において、システムは、滞留時間の少なくとも約70%の間、治療有効量の薬剤(又はその塩)を放出する。1つの実施態様において、システムは、滞留時間の少なくとも約75%の間、治療有効量の薬剤(又はその塩)を放出する。1つの実施態様において、システムは、滞留時間の少なくとも約80%の間、治療有効量の薬剤(又はその塩)を放出する。1つの実施態様において、システムは、滞留時間の少なくとも約85%の間、治療有効量の薬剤(又はその塩)を放出する。1つの実施態様において、システムは、滞留時間の少なくとも約90%の間、治療有効量の薬剤(又はその塩)を放出する。1つの実施態様において、システムは、滞留時間の少なくとも約95%の間、治療有効量の薬剤(又はその塩)を放出する。1つの実施態様において、システムは、滞留時間の少なくとも約98%の間、治療有効量の薬剤(又はその塩)を放出する。1つの実施態様において、システムは、滞留時間の少なくとも約99%の間、治療有効量の薬剤(又はその塩)を放出する。
【0299】
ブプレノルフィンとナロキソンを含む胃内滞留システム
いくつかの実施態様において、ブプレノルフィンとナロキソンを投与するための星形剤形はアームを含むことができ、次にこのアームは、1)担体ポリマー-薬剤アームセグメント、2)1つ以上の腸溶性リンカー、3)1つ以上の時間依存性リンカー、4)非有効セグメント、及び/又は5)その他の任意選択的なスペーサーを含む。アームは星形デバイス配置でエラストマーコアに接続されている。通常、星形剤形には6つのアームが使用される。いくつかの実施態様において、星形剤形に6つのアームが使用される場合、1、2、3、4、5、又は6つのアームのいずれか1つが担体ポリマー-薬剤アームセグメントを含む。星形剤形に6つのアームが使用されるいくつかの実施態様において、3つのアームが担体ポリマー-薬剤アームセグメントを含む。星形剤形に6つのアームが使用されるいくつかの実施態様において、6つのアームが担体ポリマー-薬剤アームセグメントを含む。星形剤形に6つのアームが使用されるいくつかの実施態様において、2つのアームが担体ポリマー-薬剤アームセグメントを含む。星形剤形に6つのアームが使用されるいくつかの実施態様において、4つのアームが担体ポリマー-薬剤アームセグメントを含む。
【0300】
ブプレノルフィンとナロキソン剤形の担体ポリマー-薬剤アームセグメントは、ブプレノルフィン(又はその医薬的に許容し得る塩)、ナロキソン(又はその医薬的に許容し得る塩)、ポリカプロラクトン、ポリエチレンオキシド(PEO100K)、ポロキサマー407(P407)、シリカ(SiO2)、及びビタミンEコハク酸(vitE)を含み得る。いくつかの実施態様において、通常、星形剤形に6つのアームが使用され、アームのうちの1、2、3、4、5、又は6つのいずれかが担体ポリマー-薬剤アームセグメントを含む。いくつかの実施態様において、アームのうちの3つが担体ポリマー-薬剤アームセグメントを含む。いくつかの実施態様において、アームのうちの6つが担体ポリマー-薬剤アームセグメントを含む。いくつかの実施態様において、アームのうちの2つが担体ポリマー-薬剤アームセグメントを含むことができる。いくつかの実施態様において、アームのうちの4つが担体ポリマー-薬剤アームセグメントを構成することができる。いくつかの実施態様において、担体薬剤-ポリマーセグメントを含まないアームは、代わりに非有効セグメントを含む。いくつかの実施態様において、剤形に含まれる薬剤の総量は、単一アームに含まれる薬剤の量の1、2、3、4、5、又は6倍である。いくつかの実施態様において、剤形に含まれる薬剤の総量は、単一アームに含まれる薬剤の量の3倍である。いくつかの実施態様において、剤形に含まれる薬剤の総量は、単一アームに含まれる薬剤の量の6倍である。いくつかの実施態様において、剤形に含まれる薬剤の総量は、単一アームに含まれる薬剤の量の4倍である。星形剤形中のブプレノルフィン、ブプレノルフィンの医薬的に許容し得る塩、又はブプレノルフィンの塩の総重量は、10mg~約150mgのブプレノルフィンの範囲であり得る。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィンとナロキソンの投与のための剤形は、約40mg~約115mgのブプレノルフィンを含む胃内滞留システムを含む。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィンとナロキソンの投与のための剤形は、約150、約140、約130、約120、約110、約100、約90、約80、約70以下、約60、約50、約40、約30、又は約20mg以下のブプレノルフィンを含む胃内滞留システムを含む。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィンとナロキソンの投与のための剤形は、約10、約20、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90、約100、約110、約120、約130、又は約140mg以上のブプレノルフィンを含む胃内滞留システムを含む。星形剤形中のナロキソン、ナロキソンの医薬的に許容し得る塩、又はナロキソンの塩の総重量は、約1mg~約60mgのナロキソンの範囲であり得る。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィンとナロキソンの投与のための剤形は、約3.5mg~約10mgのナロキソンを含む胃内滞留システムを含む。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィンとナロキソンの投与のための剤形は、約60、約55、約50、約45、約40、約35、約30、約25、約20、約15、約10、又は約5mg以下のナロキソンを含む胃内滞留システムを含む。いくつかの実施態様において、ブプレノルフィンとナロキソンの投与のための剤形は、約1、約5、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、又は約55mg以上のナロキソンを含む胃内滞留システムを含む。
【0301】
剤形の非有効アームセグメントは、ポリカプロラクトン(PCL)、放射線不透過性物質、及び任意選択的に着色剤を含むことができる。使用されるポリカプロラクトンは、約1.5dL/g~約1.9dL/g、例えば約1.7dL/gの粘度であり得る。放射線不透過性物質は、(BiO)2CO3であり得る。任意の医薬的に許容し得る着色剤を使用することができる。使用可能な着色剤の例としては、FD&C Blue#5が含まれる。
【0302】
剤形の腸内崩壊性マトリックスは、ポリカプロラクトン(PCL)、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)、ポロキサマー407(P407)、及び任意選択的に着色剤を含むことができる。使用されるポリカプロラクトンは、約1.5dL/g~約1.9dL/g、例えば約1.7dL/gの粘度であってもよい。使用されるHPMCASは、MGグレード(Mグレード:約7~11%のアセチル含有量、約10~14%のスクシノイル含有量、約21~25%のメトキシル含有量、約5~9%のヒドロキシプロポキシ含有量;Gグレード:粒状)であり得る。任意の医薬的に許容し得る着色剤を使用することができる。使用できる着色剤の例としては、四三酸化鉄が含まれる。
【0303】
ブプレノルフィン-ナロキソン剤形の時間依存性崩壊性マトリックスは、ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)(PLGA)、ポリエチレンオキシド(PEO)、及び任意選択的に着色剤を含むことができる。ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)は、約75:25のラクチド:グリコリドのモル比で約0.32~0.44dL/gの粘度範囲であり得る。使用されるポリエチレンオキシドは、約60,000MW~約125,000MW、例えば約90,000MW~110,000MW、又は約100,000MWであり得る。
【0304】
ブプレノルフィン-ナロキソン剤形の中央エラストマーは、約40A~約60Aのデュロメーター硬さ、例えば約45A~約55Aのデュロメーター硬さ、又は約50Aのデュロメーター硬さであり得る。中央エラストマーは液体シリコーンゴムから作ることができ、例えば、中央エラストマーは、硬化した液体シリコーンゴムを含むことができる。
【0305】
いくつかの実施態様において、ブプレノルフィン-ナロキソン胃内滞留剤形の組み立てられたアームは、ポリマーリンカーセグメントで中央エラストマーに付着され得る。ポリマーリンカーセグメントは、組み立てられたアームと中央エラストマーとの付着点として機能することができる。いくつかの実施態様において、ポリマーリンカーセグメントは、中央エラストマーをアームの時間依存性崩壊性マトリックスセグメントに付着させることができる。いくつかの実施態様において、ポリマーリンカーは、約1.5dl/g~約2.1dl/gの粘度中点を有するPCLなどのポリカプロラクトン、例えばCorbin PC17を含む。いくつかの実施態様において、ポリマーリンカーは中央エラストマーに隣接している。
【0306】
いくつかの実施態様において、胃内滞留システムはさらに、約73.5重量%のポリカプロラクトン(PCL)、例えば約1.5dl/g~約2.1dl/gの粘度中点を有するPCL、例えばCorbion PC17、を含む放出速度調節膜を含む。いくつかの実施態様において、放出速度調節膜はさらに、約24.5重量%のコポビドン、例えば、VA64を含む。いくつかの実施態様において、放出速度調節膜はさらに、約2.0重量%のステアリン酸マグネシウムを含む。
【0307】
剤形の様々な成分の量の例を以下の表に示す。範囲が提供される場合、合計が100%になるように量が選択されることを理解して、量はおおよその重量パーセントで示される。
【0308】
【0309】
【0310】
【0311】
【0312】
【0313】
組み立てられたアームは、1)ポリマーリンカーセグメント、2)第1の崩壊性マトリックスセグメント、3)第2の崩壊性マトリックスセグメント、4)担体ポリマー、ブプレノルフィン又はその塩、及びナロキソン又はその塩を含む薬物溶出セグメント、5)様々な順序で配置することができる第3の崩壊性マトリックスセグメント、を含む。そのような順序の1つは、中央エラストマーに付着されている近位端から始まり遠位端に進む:(ポリマーリンカーセグメント)(第1の崩壊性マトリックスセグメント)(第2の崩壊性マトリックスセグメント)(薬物溶出セグメント)(第3の崩壊性マトリックスセグメント)。
【0314】
いくつかの実施態様において、胃内滞留システムの1つ以上のアームは、薬物溶出セグメントを含まなくてもよい。例えば、薬物溶出セグメントなしで組み立てられたアームは、1)ポリマーリンカーセグメント、2)第1の崩壊性マトリックスセグメント、3)第2の崩壊性マトリックスセグメント。4)第1の非有効セグメント、及び5)第3の崩壊性マトリックスセグメントを含み、これらは、さまざまな順序で配置することができる。そのような順序の1つは、中央エラストマーに付着されている近位端から始まり遠位端に進む:(ポリマーリンカーセグメント)(第1の崩壊性マトリックスセグメント)(第2の崩壊性マトリックスセグメント)(第1の不活性セグメント))(第3の崩壊性マトリックスセグメント)。
【0315】
各アーム上のセグメントの長さのおおよその寸法を以下に示す。約0.2~2mm、例えば約0.5mm幅の任意選択的なrPCLスペーサー(不活性セグメント)は、以下の任意の2つの成分の間に挿入され得るか、又は組み立てられたアームの外側先端に、又は組み立てられたアームの内側先端とエラストマーコアの間に追加することができる。組み立てられたアームのこの実施態様は薬物溶出セグメントを欠いており、剤形に1つ以上の非薬剤溶出アームを使用することが望ましい場合に使用できることが理解されるであろう。
【0316】
【0317】
胃内滞留システムの例
以下の胃内滞留システムは、本明細書に記載のシステムの特定の実施態様をよりよく説明するための例である。これらの例は単なる例示であるため、本明細書に記載の胃内滞留システムを限定するものではない。当業者は、提供された開示を考慮して、胃内滞留システムの追加の構成を企図することができるであろう。
【0318】
いくつかの実施態様において、胃内滞留システムは、薬物溶出セグメントを含む少なくとも1つのアームを含み、ここで、前記アームは以下を含む:(a)上記実施態様のいずれかに記載のポリマーリンカーセグメント、(b)上記実施態様のいずれかに記載の時限崩壊性マトリックス、(c)上記不活性セグメントの実施態様のいずれかに記載の第1の不活性セグメント、(d)上記実施態様のいずれかに記載の腸内崩壊性マトリックス、(e)上記不活性セグメントの実施態様のいずれかに記載の第2の不活性セグメント、(f)上記実施態様のいずれかに記載の薬物溶出セグメント、(g)上記不活性セグメントの実施態様のいずれかに記載の第3の不活性セグメント、及び(h)上記実施態様のいずれかに記載の第3の崩壊性マトリックス。ポリマーリンカーセグメントは、中央エラストマーに付着することができる。
【0319】
いくつかの実施態様において、胃内滞留システムは、薬物溶出セグメントを含む少なくとも1つのアームを含み、ここで、アームは中央エラストマーに付着することができ、アームは、(a)ポリマーリンカーセグメント、(b)時限崩壊性マトリックス、(c)第1の不活性セグメント、(d)腸内崩壊性マトリックス、(e)第2の不活性セグメント、(f)薬物溶出セグメント、(g)第3の不活性セグメント、及び(h)第3の崩壊性マトリックスの1つ以上を含み、ここで、
中央エラストマーは、約40~約65デュロメーター硬さを有する液体シリコーンゴム(LSR)を含み、
(a)ポリマーリンカーセグメントは100重量%のPCLを含み、
(b)時限崩壊性マトリックスは、約40重量%~約50重量%のPCL、約0.4dl/gの粘度中点を有する、DL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)の約30重量%~約40重量%の酸性末端コポリマー、約0.4dl/gの粘度中点を有するDL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)の約10重量%~約25重量%のコポリマー、約0.5重量%~約5重量%のポリエチレングリコール100k、及び約0.005重量%~約0.2重量%の色吸収染料E172を含み、
(c)第1の不活性セグメントは、約65重量%~約75重量%のPCL、及び約25重量%~約35重量%の(BiO)2CO3を含み、
(d)腸内崩壊性マトリックスは、約60重量%~約70重量%のHPMCAS、約30重量%~約40重量%のPCL、及び約0.5重量%~約5重量%のポロキサマー(例えばP407)、並びに任意選択的に約0.01重量%~約0.5重量%の酸化鉄(例えばE172)を含み、
(e)第2の不活性セグメントは、約65重量%~約75重量%のPCL、及び約25重量%~約35重量%の(BiO)2CO3を含み、
(f)薬物溶出セグメントは、約35重量%~約50重量%のブプレノルフィン、約1重量%~約7重量%のナロキソン、約35重量%~約50重量%のPCL、約1重量%~約15重量%のPEO100K、約1重量%~約5重量%のP407、約0.1重量%~約1重量%のビタミンEコハク酸、及び約0.1重量%~約1重量%のSiO2含み、
(g)第3の不活性セグメントは、約65重量%~約75重量%のPCL及び約25重量%~約35重量%の(BiO)2CO3を含み、及び/又は
(h)第3の崩壊性マトリックスは、約60重量%~約70重量%のHPMCAS、約25重量%~約35重量%のPCL、約1重量%~約5重量%のプロピレングリコール、及び約1重量%~約5重量%のステアリン酸、並びに任意選択的に約0.01重量%~約0.5重量%の酸化鉄を含む。
【0320】
いくつかの実施態様において、胃内滞留システムは、薬物溶出セグメントを含む少なくとも1つのアームを含み、ここで、アームは中央エラストマーに付着することができ、及びアームは、(a)ポリマーリンカーセグメント、(b)時限崩壊性マトリックス、(c)第1の不活性セグメント、(d)腸内崩壊性マトリックス、(e)第2の不活性セグメント、(f)薬物溶出セグメント、(g)第3の不活性セグメント、及び(h)第3の崩壊性マトリックスの1つ以上を含み、ここで、
中央エラストマーは、約45~約55デュロメーター硬さを有する液体シリコーンゴム(LSR)を含み、
(a)ポリマーリンカーセグメントは100重量%のPCLを含み、
(b)時間依存性崩壊性マトリックスは、約43重量%~約47重量%のPCL、約0.4dl/gの粘度中点を有する、DL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)の約33重量%~約37重量%の酸性末端コポリマー、約0.4dl/gの粘度中点を有するDL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)の約15重量%~約20重量%のコポリマー、約1重量%~約3重量%のポリエチレングリコール100k、及び約0.01重量%~約0.1重量%の色吸収染料E172を含み、
(c)第1の不活性セグメントは、約68重量%~約72重量%のPCL、及び28重量%~約32重量%の(BiO)2CO3を含み、
(d)腸内崩壊性マトリックスは、約62重量%~約66重量%のHPMCAS、約32重量%~約37重量%のPCL、及び約1重量%~約3重量%のポロキサマー(例えばP407)、並びに任意選択的に約0.05重量%~約0.15重量%の酸化鉄(例えばE172)を含み、
(e)第2の不活性セグメントは、約68重量%~約72重量%のPCL、及び28重量%~約32重量%の(BiO)2CO3を含み、
(f)薬物溶出セグメントは、約40重量%~約45重量%のブプレノルフィン、約2重量%~約6重量%のナロキソン、約40重量%~約45重量%のPCL、約5重量%~約10重量%のPEO100K、約2重量%~約4重量%のP407、約0.2重量%~約0.8重量%のビタミンEコハク酸、及び約0.2重量%~約0.8重量%のSiO2を含み、
(g)第3の不活性セグメントは、約68重量%~約72重量%のPCL、及び28重量%~約32重量%の(BiO)2CO3を含み、及び/又は
(h)第3の崩壊性マトリックスは、約63重量%~約67重量%のHPMCAS、約28重量%~約32重量%のPCL、約2重量%~約3重量%のプロピレングリコール、及び約2重量%~約3重量%のステアリン酸を含む。
【0321】
いくつかの実施態様において、胃内滞留システムは、薬物溶出セグメントを含む少なくとも1つのアームを含み、ここで、アームは中央エラストマーに付着することができ、及びアームは、(a)ポリマーリンカーセグメント、(b)時限崩壊性マトリックス、(c)第1の不活性セグメント、(d)腸内崩壊性マトリックス、(e)第2の不活性セグメント、(f)薬物溶出セグメント、(g)第3の不活性セグメント、及び(h)第3の崩壊性マトリックスの1つ以上を含み、ここで、
中央エラストマーは、約50デュロメーター硬さを有する液体シリコーンゴム(LSR)を含み、
(a)ポリマーリンカーセグメントは100重量%のPCLを含み、
(b)時間依存性崩壊性マトリックスは、約44.95重量%のPCL、約0.4dl/gの粘度中点を有する、DL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)の約35重量%の酸性末端コポリマー、約0.4dl/gの粘度中点を有するDL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)の約18重量%のコポリマー、約2重量%のポリエチレングリコール100k、及び約0.05重量%の色吸収染料E172を含み、
(c)第1の不活性セグメントは、約70重量%のPCL及び約30重量%の(BiO)2CO3を含み、
(d)腸内崩壊性マトリックスは、約63.95重量%のHPMCAS、約33.95重量%のPCL、及び約2重量%のポロキサマー(例えばP407)、及び約0.1重量%の酸化鉄(例えばE172)を含み、
(e)第2の不活性セグメントは、約70重量%のPCL及び約30重量%の(BiO)2CO3を含み、
(f)薬物溶出セグメントは、約42重量%のブプレノルフィン、約3.7重量%のナロキソン、約7重量%のPEO100K、約43.3重量%のPCL、約3.0重量%のP407、約0.5重量%のビタミンEコハク酸、及び約0.5重量%のSiO2含み、
(g)第3の不活性セグメントは、約70重量%のPCL及び約30重量%の(BiO)2CO3を含み、及び/又は
(h)第3の崩壊性マトリックスは、64.9重量%のHPMCAS、約30重量%のPCL、約2.5重量%のプロピレングリコール、及び約2.5重量%のステアリン酸、並びに任意選択的に約0.1重量%の酸化鉄、例えば約0.025%の四三酸化鉄、及び0.075%のFD&C Red 40を含む。
【0322】
いくつかの実施態様において、胃内滞留システムは、薬物溶出セグメントを除く少なくとも1つのアームを含み、ここで、アームは中央エラストマーに付着することができ、及びアームは、(a)ポリマーリンカーセグメント、(b)時限崩壊性マトリックス、(c)第1の不活性セグメント、(d)腸内崩壊性マトリックス、(e)第2の不活性セグメント、(f)第3の不活性セグメント、(g)第3の不活性セグメント、及び(h)第3の崩壊性マトリックスの1つ以上を含み、ここで、
中央エラストマーは、約40~約65デュロメーター硬さを有する液体シリコーンゴム(LSR)を含み、
(a)ポリマーリンカーセグメントは100重量%のPCLを含み、
(b)時限崩壊性マトリックスは、約40重量%~約50重量%のPCL、約0.4dl/gの粘度中点を有する、DL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)の約40重量%の酸性末端コポリマー、約0.約4dl/g粘度中点を有するDL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)の約10重量%~約25重量%のコポリマー、約0.5重量%~約5重量%のポリエチレングリコール100k、及び約0.005重量%~約0.2重量%の色吸収染料E172を含み、
(c)第1の不活性セグメントは、約65重量%~約75重量%のPCL及び約25重量%~約35重量%の(BiO)2CO3を含み、
(d)腸内崩壊性マトリックスは、約60重量%~約70重量%のHPMCAS、約30重量%~約40重量%のPCL、及び約0.5重量%~約5重量%のポロキサマー(例えばP407)、並びに任意選択的に約0.01重量%~約0.5重量%の酸化鉄(例えばE172)を含み、
(e)第2の不活性セグメントは、約65重量%~約75重量%のPCL及び約25重量%~約35重量%の(BiO)2CO3を含み、
(f)第3の不活性セグメントは、約61重量%~約71重量%のPCL、約27重量%~約37重量%のVA64、約0.2重量%~約4重量%のP407、及び約0.005重量%~約0.2重量%の顔料又は着色剤を含み、
(g)第4の不活性セグメントは、約65重量%~約75重量%のPCL及び約25重量%~約35重量%の(BiO)2CO3を含み、及び/又は
(h)第3の崩壊性マトリックスは、約60重量%~約70重量%のHPMCAS、約25重量%~約35重量%のPCL、約1重量%~約5重量%のプロピレングリコール、及び約1重量%~約5重量%のステアリン酸、並びに任意選択的に約0.01重量%~約0.5重量%の酸化鉄を含む。
【0323】
いくつかの実施態様において、胃内滞留システムは、薬物溶出セグメントを除く少なくとも1つのアームを含み、ここで、アームは中央エラストマーに付着することができ、及びアームは、(a)ポリマーリンカーセグメント、(b)時限崩壊性マトリックス、(c)第1の不活性セグメント、(d)腸内崩壊性マトリックス、(e)第2の不活性セグメント、(f)第3の不活性セグメント、(g)第3の不活性セグメント、及び(h)第3の崩壊性マトリックスの1つ以上を含み、ここで、
中央エラストマーは、約45から約55デュロメーター硬さを有する液体シリコーンゴム(LSR)を含み、
(a)ポリマーリンカーセグメントは100重量%のPCLを含み、
(b)時間依存性崩壊性マトリックスは、約43重量%~約47重量%のPCL、約0.4dl/gの粘度中点を有する、DL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)の約33重量%~約37重量%の酸性末端コポリマー、約0.約4dl/gの粘度中点を有する、DL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)の約15重量%~約20重量%のコポリマー、約1重量%~約3重量%のポリエチレングリコール100k、及び約0.01重量%~約0.1重量%の色吸収染料E172を含み、
(c)第1の不活性セグメントは、約68重量%~約72重量%のPCL及び28重量%~約32重量%の(BiO)2CO3を含み、
(d)腸内崩壊性マトリックスは、約62重量%~約66重量%のHPMCAS、約32重量%~約37重量%のPCL、及び約1重量%~約3重量%のポロキサマー(例えばP407)、並びに任意選択的に約0.05重量%~約0.15重量%の酸化鉄(例えばE172)を含み、
(e)第2の不活性セグメントは、約68重量%~約72重量%のPCL及び28重量%~約32重量%の(BiO)2CO3を含み、
(f)第3の不活性セグメントは、約64重量%~約69重量%のPCL、約30重量%~約34重量%のVA64、約0.5重量%~約2.5重量%のP407、及び約0.01重量%~約0.1重量%の顔料又は着色剤を含み、
(g)第4の不活性セグメントは、約68重量%~約72重量%のPCL及び28重量%~約32重量%の(BiO)2CO3を含み、及び/又は
(h)第3の崩壊性マトリックスは、約63重量%~約67重量%のHPMCAS、約28重量%~約32重量%のPCL、約2重量%~約3重量%のプロピレングリコール、及び約2重量%~約3重量%のステアリン酸を含む。
【0324】
いくつかの実施態様において、胃内滞留システムは、薬物溶出セグメントを除く少なくとも1つのアームを含み、ここで、アームは中央エラストマーに付着することができ、及びアームは、(a)ポリマーセグメント、(b)時限崩壊性マトリックス、(c)第1の不活性セグメント、(d)腸内崩壊性マトリックス、(e)第2の不活性セグメント、(f)第3の不活性セグメント、(g)第3の不活性セグメント;(h)第3の崩壊性マトリックスの1つ以上を含み、ここで、
中央エラストマーは、約50デュロメーター硬さを有する液体シリコーンゴム(LSR)を含み、
(a)ポリマーリンカーセグメントは100重量%のPCLを含み、
(b)時間依存性崩壊性マトリックスは、約44.95重量%のPCL、約0.4dl/gの粘度中点を有する、DL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)の約35重量%の酸性末端コポリマー、約0.4dl/gの粘度中点を有する、DL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)の約18重量%のコポリマー、約2重量%のポリエチレングリコール100k、及び約0.05重量%の色吸収染料E172を含み、
(c)第1の不活性セグメントは、約70重量%のPCL及び約30重量%の(BiO)2CO3を含み、
(d)腸内崩壊性マトリックスは、約63.95重量%のHPMCAS、約33.95重量%のPCL、及び約2重量%のポロキサマー(例えばP407)、及び約0.1重量%の酸化鉄(例えばE172)を含み、
(e)第2の不活性セグメントは、約70重量%のPCL及び約30重量%の(BiO)2CO3を含み、
(f)第3の不活性セグメントは、約6.45重量%のPCL、約32重量%のVA64、約1.5重量%のP407、及び約0.05重量%の顔料又は着色剤を含み、
(g)第4の不活性セグメントは、約70重量%のPCL及び約30重量%の(BiO)2CO3を含み、及び/又は
(h)第3の崩壊性マトリックスは、64.9重量%のHPMCAS、約30重量%のPCL、約2.5重量%のプロピレングリコール、及び約2.5重量%のステアリン酸、並びに任意選択的に約0.1重量%の酸化鉄、例えば約0.025%の四三酸化鉄及び約0.075%のFD&C Red 40を含む。
【0325】
上述の実施態様のいずれにおいても、アームはポリマーリンカーセグメントにおいて中央エラストマーに付着され得る。すなわち、ポリマーリンカーセグメントはアームの近位端である。
【0326】
いくつかの実施態様において、ブプレノルフィンとナロキソンの投与のための剤形は胃内滞留システムを含み、ここで、胃内滞留システムは1~5個の非有効セグメント(例えば、非有効セグメントを含む、アーム当たり1つで合計1~5個のアーム)を含む。いくつかの実施態様において、胃内滞留システムは、約66.45重量%のポリカプロラクトン(PCL)、例えば約1.5dl/g~約2.1dl/gの粘度中点を有するPCL、例えばCorbin PC17を含む第1の非有効セグメントを含む。いくつかの実施態様において、胃内滞留システムは、約32.0重量%のコポビドン、例えばVA64を含む第1の非有効セグメントを含む。いくつかの実施態様において、胃内滞留システムは、約1.5重量%のポリ(エチレングリコール)-ブロック-ポリ(プロピレングリコール)-ブロック-ポリ(エチレングリコール)ポリマー、例えばH-(OCH2CH2)x-(O-CH(CH3)CH2)y-(OCH2CH2)z-OH(ここで、前記xとzは約101、及びyは約56である)、例えばポロキサマー407(P407を含む第1の非有効セグメントを含む。いくつかの実施態様において、胃内滞留システムは、約0.005重量%の酸化鉄(例えばE172)を含む第1の非有効セグメントを含む。
【0327】
いくつかの実施態様において、1つ以上の薬剤の投与のための胃内滞留システム剤形は、放射線不透過性セグメントを含むことができ、ここで、前記セグメントは、約70重量%のポリカプロラクトン(PCL)、例えばCorbin PC17などの約1.5dl/g~約2.1dl/gの粘度中点を有するPCLを含む。いくつかの実施態様において、胃内滞留システムは、約30重量%の(BiO)2CO3を含む放射線不透過性セグメントを含む。いくつかの実施態様において、胃内滞留システムは、約70重量%のCorbin PC17、及び30重量%の(BiO)2CO3を含む放射線不透過性セグメントを含む。
【0328】
いくつかの実施態様において、ブプレノルフィンとナロキソンの投与のための胃内滞留システム剤形は、中央エラストマーと、20mgのブプレノルフィンと約1.75mgのナロキソンを含む薬物溶出セグメントとを含む。いくつかの実施態様において、胃内滞留システムはさらに、約73.5重量%のポリカプロラクトン(PCL)、例えば約1.5dl/g~約2.1dl/gの粘度中点を有するPCL、例えば Corbion PC17を含む放出速度調節膜を含む。いくつかの実施態様において、放出速度調節膜はさらに、約24.5重量%のコポビドン、例えばVA64を含む。いくつかの実施態様において、放出速度調節膜はまた、約2重量%のステアリン酸マグネシウムも含む。いくつかの実施態様において、胃内滞留システムはさらに、約44.95重量%のポリカプロラクトン(PCL)、例えば約1.5dl/g~約2.1dl/gの粘度中点を有するPCL、例えばCorbion PC17を含む時間依存性崩壊性マトリックスを含む。いくつかの実施態様において、時間依存性崩壊性マトリックスはさらに、約0.32dl/g~約0.48dl/g(例えば約0.4dl/g)の粘度中点を有する、DL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)の約35.0重量%の酸性末端コポリマー、例えばPDLG5004Aを含む。いくつかの実施態様において、時間依存性崩壊性マトリックスはさらに、約0.32dl/g~約0.48dl/g(例えば約0.4dl/g)の粘度中点を有する、DL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)の約18.0重量%のコポリマー、例えばPDLG5004を含む。いくつかの実施態様において、時間依存性崩壊性マトリックスはさらに、平均分子量100,000のポリエチレングリコール、例えばPEO100Kなどの約2.0重量%のポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施態様において、時間依存性崩壊性マトリックスはさらに、約0.05重量%の酸化鉄、例えばE172を含む。いくつかの実施態様において、胃内滞留システムはさらに、約33.95重量%のポリカプロラクトン(PCL)、例えば約1.5dl/g~約2.1dl/gの粘度中点を有するPCL、例えばCorbion PC17を含む、pH依存性崩壊性マトリックスを含む。いくつかの実施態様において、pH依存性崩壊性マトリックスはさらに、約63.95重量%の酢酸コハク酸ヒプロメロース、例えばHPMCAS-MGを含む。いくつかの実施態様において、pH依存性崩壊性マトリックスはさらに、約2.0重量%のポリ(エチレングリコール)-ブロック-ポリ(プロピレングリコール)-ブロック-ポリ(エチレングリコール)ポリマー、例えばH-(OCH2CH2)x-(O-CH(CH3)CH2)y-(OCH2CH2)z-OH(ここでx及びzは約101、及びyは約56である)、例えばポロキサマー407(P407)を含む。いくつかの実施態様において、pH依存性崩壊性マトリックスはさらに、約0.1重量%の酸化鉄、例えばE172を含む。いくつかの実施態様において、胃内滞留システムはさらに1つ以上の非有効セグメントを含む。いくつかの実施態様において、胃内滞留システムはさらに、約70重量%ポリカプロラクトン(PCL)、例えば約1.5dl/g~約2.1dl/gの粘度中点を有するPCL、例えばCorbin PC17を含む放射線不透過性セグメントを含む。いくつかの実施態様において、放射線不透過性セグメントは、約30重量%の(BiO)2CO3を含む。いくつかの実施態様において、胃内滞留システムはさらに、約100重量%のポリカプロラクトン(PCL)を含む1つ以上のポリマーリンカーセグメントを含む。いくつかの実施態様において、ポリマーリンカーセグメントは、アームの近位端に位置し、中央エラストマーにすぐ隣接している。
【0329】
いくつかの実施態様において、胃内滞留システムは、薬物溶出セグメントを含む1つのアームと、薬物溶出セグメントを含まない5つのアームとを有する。いくつかの実施態様において、胃内滞留システムは、薬物溶出セグメントを含む2つのアームと、薬物溶出セグメントを含まない4つのアームとを有する。いくつかの実施態様において、胃内滞留システムは、薬物溶出セグメントを含む3つのアームと、薬物溶出セグメントを含まない3つのアームとを有する。いくつかの実施態様において、胃内滞留システムは、薬物溶出セグメントを含む4つのアームと、薬物溶出セグメントを含まない2つのアームとを有する。いくつかの実施態様において、胃内滞留システムは、薬物溶出セグメントを含む5つのアームと、薬物溶出セグメントを含まない1つのアームとを有する。いくつかの実施態様において、胃内滞留システムは、薬物溶出セグメントを含む6つのアームを有する。
【0330】
中央エラストマー
中央エラストマーは、圧縮形態に圧縮される能力を胃内滞留システムに提供し、これは、カプセルに、又は被験体への投与のための他の適切な収容構造内に配置することができる。
【0331】
いくつかの実施態様において、1つ以上の薬剤の投与のための剤形は胃内滞留システムを含み、ここで、胃内滞留システムは液体シリコーンゴム(LSR)を含む中央エラストマーを含む。いくつかの実施態様において、LSRは約45~約60デュロメーター硬さを有する。
【0332】
いくつかの実施態様において、1つ以上の薬剤の投与のための剤形は胃内滞留システムを含み、ここで、前記胃内滞留システムは液体シリコーンゴム(LSR)を含む中央エラストマーを含む。いくつかの実施態様において、LSRは約45~約55デュロメーター硬さを有する。
【0333】
いくつかの実施態様において、1つ以上の薬剤の投与のための剤形は胃内滞留システムを含み、ここで、前記胃内滞留システムは液体シリコーンゴム(LSR)を含む中央エラストマーを含む。いくつかの実施態様において、LSRは約50デュロメーター硬さを有する。
【実施例】
【0334】
本開示は、以下の非限定的な実施例によってさらに説明される。
【0335】
実施例1:ブプレノルフィン-ナロキソン剤形(徐放性胃内滞留システム)
本実施例では、本発明による剤形は胃内滞留システムを含み、前記胃内滞留システムはブプレノルフィンとナロキソンを含むように配合される。
【0336】
胃内滞留システムは、圧縮形態に圧縮される能力を胃内滞留システムに提供する中央エラストマーを含む。本実施例に例示される胃内滞留システムは、「星形」構成の別の異なる配置である。ブプレノルフィン-ナロキソン配合胃内滞留システムの一例では、星形体は、それぞれが薬物溶出セグメントを含む6つのアームを含む。
【0337】
図3Aは、この構成のさまざまな要素を示すためにラベル付けされている。システム300は、6つの短い枝を有する「星印」の形状である中央エラストマーコア310を含む。アームのセグメント380は、1つの短い星印の枝に付着されている。セグメント380の後には、セグメント360、第1のセグメント370、セグメント350、第2のセグメント370、セグメント340、及び第3のセグメント370が順に続く。各アームの遠位端にはセグメント320がある。
【0338】
胃内滞留システムの平均サイズは約46mmであり、各セグメントの長さは約0.5mm~約8.4mmの範囲である。以下の表は、胃内滞留システムにおける有効アーム(すなわち、薬物溶出セグメントを含むアーム)の各セグメントの長さのリストを提供する。以下の各範囲又は値は、示されている範囲又は値の「約」、又は示されている範囲又は値と正確に一致すると考えることができる。
【0339】
【0340】
中央エラストマーコア310は、50デュロメーター硬さを有する液体シリコーンゴム(LSR)を含む。
【0341】
この例では、ここで提供される剤形は、それぞれが薬物溶出セグメントを含む6つのアームを含み、ここで、前記剤形は、投与のために約115mgのブプレノルフィン及び約10mgのナロキソンを含む。ブプレノルフィンとナロキソンは、担体ポリマー-薬剤セグメント340(例えば薬物溶出セグメント)に含まれる。薬物溶出セグメントは、約45重量%のブプレノルフィン、約4.5重量%のナロキソン、約39.5重量%のCorbin PC17、約3.0重量%のP407、約7重量%のPEO100K、約0.5重量%のビタミンEコハク酸、約0.5重量%のSiO2を含む。本出願ではまた、より高用量の薬物、例えばブプレノルフィン及び/又はナロキソンを達成するために、薬物溶出セグメントの数及び/又は長さを増加させたこの剤形の変種も企図される。
【0342】
胃内滞留システムはさらに、セグメント360と呼ばれる時間依存性崩壊性マトリックス又はリンカー、並びにセグメント350と呼ばれるpH依存性崩壊性マトリックス又はリンカーを含む。さらに、胃内滞留システムは構造セグメント370及びポリマーリンカーセグメント380を含む。
【0343】
時間依存性崩壊性マトリックス(セグメント360)は、約44.95重量%のCorbin PC17、DL-ラクチドとグリコリドの約35重量%の酸性末端コポリマー(PDLG5004A)、DL-ラクチドとグリコリドの約18重量%のコポリマー(PDLG5004)、約2重量%のポリエチレングリコール100k、及び約0.05重量%の色吸収染料E172を含む。pH依存性崩壊性マトリックス(セグメント350)は、約63.95重量%のHPMCAS、約33.95重量%のCorbin PC17、約2重量%のP407、及び約0.1重量%の色吸収染料E172を含む。構造セグメント370は、約70重量%のPCL及び約30重量%の(BiO)2CO3を含む放射線不透過性PCLセグメントであり得る。
【0344】
各アームの遠位端にあるセグメント320は第3の崩壊性マトリックスであり、これにも任意にフィラメントが付着され、それによってフィラメントがアームを円周方向に接続する。第3の崩壊性マトリックス(セグメント320)は、約64.9重量%のHPMCAS、約30重量%のPCL、約2.5重量%のプロピレングリコール、約2.5重量%のステアリン酸、及び約0.1重量%の酸化鉄(例えば約0.025%の四三酸化鉄及び約0.075%のFD&C Red40))を含む。
【0345】
各アームの近位端にあるセグメント380は、約100重量%のPCLを含むポリマーリンカーセグメントである。
【0346】
いくつかの実施態様において、各薬物アームは放出速度調節膜によって被覆される。具体的には、被膜は、約73.5重量%のCorbin PC17、約24.5重量%のVA64、及び約2%のステアリン酸マグネシウムを含み、そして前記セグメントのプレ被膜重量の約1%の量で塗布される。
【0347】
胃内滞留システムは、国際特許出願PCT/US2020/059541の実施例1に記載されているように組み立てられ、次に適切なサイズのカプセル内に配置される。ここに記載される剤形は、以前に国際特許出願第PCT/US2020/059541号に記載された胃内滞留システム、及び以前にLYN-005として指定された他の胃内滞留システムとは異なる。
【0348】
ブプレノルフィン-ナロキソンが配合された胃内滞留システムの別の例では、星形物は、それぞれが薬物溶出セグメントを含む4つのアームと、薬物溶出セグメントを含まない2つのアームとを含む。本出願ではまた、そのうちの1、2、3、4、5、から6つのアームのいずれかが薬物溶出セグメントを含む6つのアームを含む他の胃内滞留システムも企図される。
【0349】
図3Bには、この構成のさまざまな要素を示すためにラベルが付けられている。システム400は、6つの短い枝を有する「星印」の形状である中央エラストマーコア410を含む。
【0350】
薬物溶出セグメントを含むアームの場合、アームのセグメント480は、1つの短い星印の枝に付着される。セグメント480の後には、セグメント460、第1のセグメント470、セグメント450、第2のセグメント470、セグメント440、及び第3のセグメント470が順に続く。各薬物含有アームの遠位端はセグメント420を有する。
【0351】
薬物溶出セグメントを含まないアームの場合、アームのセグメント480は、1つの短い星印の枝に付着される。セグメント480の後には、セグメント460、第1のセグメント470、セグメント450、第2のセグメント470、セグメント430、及び第3のセグメント470が続く。各薬物不含アームの遠位端はセグメント420を有する。
【0352】
胃内滞留システムの平均サイズは約46mmであり、各セグメントの長さは約0.5mm~約8.4mmの範囲である。以下の表は、胃内滞留システムにおける各セグメントの長さのリストを示す。以下の各範囲又は値は、示されている範囲又は値の「約」、又は示されている範囲又は値と正確に一致すると考えることができる。
【0353】
【0354】
中央エラストマーコア410は、50デュロメーター硬さを有する液体シリコーンゴム(LSR)を含む。
【0355】
本例において、ここで提供される剤形は、そのうちの4つが薬物溶出セグメントを含む6つのアームを含み、ここで、前記剤形は、投与用のために約80mgのブプレノルフィン及び約7mgのナロキソンを含む。ブプレノルフィンとナロキソンは、担体ポリマー-薬剤セグメント440(例えば薬物溶出セグメント)に含まれる。薬物溶出セグメントは、約45重量%のブプレノルフィン、約4.5mgのナロキソン、約39.5重量%のCorbin PC17、約7重量%のPEO100K、約3重量%のP407、約0.5重量%のビタミンEコハク酸、及び約0.5重量%のSiO2を含む。本出願ではまた、より高用量の薬物、例えばブプレノルフィン及び/又はナロキソンを達成するために、薬物溶出セグメントの数及び/又は長さを増加させたこの剤形の変種も企図される。
【0356】
薬物を含まない2つのアームは、非有効セグメント(セグメント430)を含む。非有効セグメント430はそれぞれ、約66.45重量%のCorbin PC17、約32.0重量%のVA64、約1.5重量%のP407、及び約0.05重量%のFD&C Blue 1 アルミニウムレーキを含む。
【0357】
胃内滞留システムはさらに、セグメント460と呼ばれる時間依存性崩壊性マトリックス又はリンカー、並びにセグメント450と呼ばれるpH依存性崩壊性マトリックス又はリンカーを含む。さらに、胃内滞留システムは構造セグメント470を含む。
【0358】
時間依存性崩壊性マトリックス(セグメント460)は、約44.95重量%のCorbin PC17、DL-ラクチドとグリコリドの約35重量%の酸性末端コポリマー(PDLG5004A)、DL-ラクチドとグリコリドの約18重量%のコポリマー(PDLG5004)、約2重量%のポリエチレングリコール100k、及び約0.05重量%の色吸収染料E172を含む。pH依存性崩壊性マトリックス(セグメント450)は、約63.95重量%のHPMCAS、約33.95重量%のCorbin PC17、約2重量%のP407、及び約0.1重量%の色吸収染料E172を含む。構造セグメント470は、約70重量%のPCL及び約30重量%の(BiO)2CO3を含む放射線不透過性PCLセグメントであり得る。
【0359】
各アームの遠位端にあるセグメント420は第3の崩壊性マトリックスであり、これにも任意選択的にフィラメントが付着され、それによってフィラメントがアームを円周方向に接続する。第3の崩壊性マトリックス(セグメント420)は、約64.9重量%のHPMCAS、約30重量%のPCL、約2.5重量%のプロピレングリコール、約2.5重量%のステアリン酸、及び約0.1重量%の酸化鉄(例えば約0.025%の四三酸化鉄及び約0.075%のFD&C Red40)を含む。
【0360】
各アームの近位端にあるセグメント480は、約100重量%のPCLを含むポリマーリンカーセグメントである。
【0361】
いくつかの実施態様において、各薬物アームは放出速度調節膜によって被覆される。具体的には、被膜は、約73.5重量%のCorbin PC17、約24.5重量%のVA64、及び約2%のステアリン酸マグネシウムを含み、そして前記セグメントの予備被膜重量の約1%の量で塗布される。
【0362】
胃内滞留システムは、国際特許出願PCT/US2020/059541の実施例1に記載されているように組み立てられ、次に適切なサイズのカプセル内に配置される。本明細書に記載される剤形は、以前に国際特許出願第PCT/US2020/059541号に記載された胃内滞留システム、及び以前にLYN-005として指定された他の胃内滞留システムとは異なる。
【0363】
ブプレノルフィン-ナロキソン配合胃内滞留システムの別の例では、星形物は、それぞれが薬物溶出セグメントを含む2つのアームと、薬物溶出セグメントを含まない4つのアームとを含む。本出願ではまた、そのうちの1、2、3、4、5、から6つのアームのいずれかが薬物溶出セグメントを含む6つのアームを含む他の胃内滞留システムも企図される。
【0364】
図3Cは、この構成のさまざまな要素を示すためにラベルが付けられている。システム500は、6つの短い枝を有する「星印」の形状である中央エラストマーコア510を含む。
【0365】
薬物溶出セグメントを含むアームの場合、アームのセグメント580は、1つの短い星印の枝に付着される。セグメント580の後には、セグメント560、第1のセグメント570、セグメント550、第2のセグメント570、セグメント540、及び第3のセグメント570が順に続く。各薬物含有アームの遠位端はセグメント520を有する。
【0366】
薬物溶出セグメントを含まないアームの場合、アームのセグメント580は、1つの短い星印の枝に付着される。セグメント580の後には、セグメント560、第1のセグメント570、セグメント550、第2のセグメント570、セグメント530、及び第3のセグメント570が続く。各薬物不含アームの遠位端はセグメント520を有する。
【0367】
胃内滞留システムの平均サイズは約46mmであり、各セグメントの長さは約0.5mm~約8.4mmの範囲である。以下の表は、胃内滞留システムにおける各セグメントの長さのリストを示す。以下の各範囲又は値は、示されている範囲又は値の「約」、又は示されている範囲又は値と正確に一致すると考えることができる。
【0368】
【0369】
中央エラストマーコア510は、50デュロメーター硬さを有する液体シリコーンゴム(LSR)を含む。
【0370】
本例において、ここで提供される剤形は、そのうちの2つが薬物溶出セグメントを含む6つのアームを含み、ここで、前記剤形は、投与用のために約40mgのブプレノルフィン及び約3.5mgのナロキソンを含む。ブプレノルフィンとナロキソンは、担体ポリマー-薬剤セグメント540(例えば薬物溶出セグメント)に含まれる。薬物溶出セグメントは、約45重量%のブプレノルフィン、約4.5mgのナロキソン、約39.5重量%のCorbin PC17、約7重量%のPEO100K、約3重量%のP407、約0.5重量%のビタミンEコハク酸、及び約0.5重量%のSiO2を含む。本出願ではまた、より高用量の薬物、例えばブプレノルフィン及び/又はナロキソンを達成するために、薬物溶出セグメントの数及び/又は長さを増加させたこの剤形の変種も企図される。
【0371】
薬物を含まない2つのアームは、非有効セグメント(セグメント530)を含む。非有効セグメント530はそれぞれ、約66.45重量%のCorbin PC17、約32.0重量%のVA64、約1.5重量%のP407、及び約0.05重量%のFD&C Blue 1 アルミニウムレーキを含む。
【0372】
胃内滞留システムはさらに、セグメント560と呼ばれる時間依存性崩壊性マトリックス又はリンカー、並びにセグメント550と呼ばれるpH依存性崩壊性マトリックス又はリンカーを含む。さらに、胃内滞留システムは構造セグメント570を含む。
【0373】
時間依存性崩壊性マトリックス(セグメント560)は、約44.95重量%のCorbin PC17、DL-ラクチドとグリコリドの約35重量%の酸性末端コポリマー(PDLG5004A)、DL-ラクチドとグリコリドの約18重量%のコポリマー(PDLG5004)、約2重量%のポリエチレングリコール100k、及び約0.05重量%の色吸収染料E172を含む。pH依存性崩壊性マトリックス(セグメント550)は、約63.95重量%のHPMCAS、約33.95重量%のCorbin PC17、約2重量%のP407、及び約0.1重量%の色吸収染料E172を含む。構造セグメント570は、約70重量%のPCL及び約30重量%の(BiO)2CO3を含む放射線不透過性PCLセグメントであり得る。
【0374】
各アームの遠位端にあるセグメント520は第3の崩壊性マトリックスであり、これにも任意選択的にフィラメントが付着され、それによってフィラメントがアームを円周方向に接続する。第3の崩壊性マトリックス(セグメント520)は、約64.9重量%のHPMCAS、約30重量%のPCL、約2.5重量%のプロピレングリコール、約2.5重量%のステアリン酸、及び約0.1重量%の酸化鉄(例えば約0.025%の四三酸化鉄及び約0.075%のFD&C Red40)を含む。
【0375】
各アームの近位端にあるセグメント580は、約100重量%のPCLを含むポリマーリンカーセグメントである。
【0376】
いくつかの実施態様において、各薬物アームは放出速度調節膜によって被覆される。具体的には、被膜は、約73.5重量%のCorbin PC17、約24.5重量%のVA64、及び約2%のステアリン酸マグネシウムを含み、そして前記セグメントの予備被膜重量の約1%の量で塗布される。
【0377】
胃内滞留システムは、国際特許出願PCT/US2020/059541の実施例1に記載されているように組み立てられ、次に適切なサイズのカプセル内に配置される。本明細書に記載される剤形は、以前に国際特許出願第PCT/US2020/059541号に記載された胃内滞留システム、及び以前にLYN-005として指定された他の胃内滞留システムとは異なる。
【0378】
実施例2:被覆剤形と非被覆剤形のBUP放出の評価
図4A及び4Bは、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物を含む薬物溶出セグメントを含む剤形についての、それぞれBUP放出プロフィールとNAL放出プロフィールを示す。具体的には、剤形に使用されるブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物は以下の通りである。
【0379】
【0380】
本試験に使用された胃内滞留剤形は6つのアームを含み、これらのそれぞれは薬物溶出セグメントを含んでいた。各剤形は170mgのBUPを含んでいた。剤形は、50Aシリコーンの中央エラストマーを含んでいた。各アームは、ポリマーリンカーセグメント、時間依存性崩壊性マトリックス、腸内崩壊性マトリックス、放射線不透過性ポリカプロラクトンセグメント、非有効セグメント、薬物溶出セグメント、及び放射線不透過性ポリカプロラクトンセグメントをこの順序で含んでいた(ここで、ポリマーリンカーセグメントは、中央エラストマーに結合されていた)。圧縮されていない剤形の合計直径は46mmであった。薬物溶出セグメントは、Haake mini-CTW円錐二軸スクリュー配合機を使用して製造され、圧縮成形された。
【0381】
剤形は、1%PCL:VA64 75:25コーティングで被覆された。
図3Aに示すように、被覆された剤形は、バースト放出を制御し、併用配合物からの薬物溶出セグメントのBUP放出を直線化することができる。
図3Bは、1日後に併用配合物からNALが完全に放出されることを示している。
【0382】
実施例3:ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物とナロキソン単独配合物の放出プロフィールの比較
図5A及び5Bは、ナロキソン単独配合物(
図5B)と比較した、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物(
図5A)の放出プロフィールを示す。示されるように、
図5Aは、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物から放出されるBUP及びNALの放出プロフィールを示す。NALはわずか1日後に完全に放出される。BUPは7日間で完全に放出される。
図5Bは、ナロキソン単独配合物からは、7日後にナロキソンがほぼ完全に放出されることを示している。ブプレノルフィン-ナロキソンの併用配合物とナロキソン単独配合物の配合は以下の通りである。
【0383】
【0384】
【0385】
実施例4:ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物及びナロキソン単独配合物を有する共押出薬物溶出セグメント
本明細書に記載されるように、いくつかの胃内滞留剤形は、ブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物及びナロキソン単独配合物と共押出された薬物溶出セグメントを含む。
図6A及び6Bは、共押出薬物溶出セグメントからのそれぞれBUP及びNALの放出プロフィール、及び摂取後の最初の7日間にわたって共押出された関連薬物溶出セグメントからの質量比を示す。
【0386】
具体的には、
図6Aは、4:1の比率で共押出されたブプレノルフィン-ナロキソン併用配合物とナロキソン単独配合物を含む、共押出薬物溶出セグメントの予測された放出プロフィールを示す。点線は、共押出薬物溶出セグメントからの予測されたナロキソン放出を表し、実線は、共押出薬物溶出セグメントからの予測されたブプレノルフィン放出を示す。ブプレンオルフィン-ナロキソン配合物及びナロキソン単独配合物は、上記の実施例3で提供されたものと同じである。示されているように、共押出薬物溶出セグメントは、7日間の滞留期間にわたって、ブプレノルフィンとナロキソンの両方について同様の放出プロフィールを達成する。
図6Bは、
図6Aに示されるように、共押出薬物溶出セグメントからのブプレノルフィンとナロキソンの予測された放出速度が、
図6Bに示されるブプレノルフィンとナロキソンの質量比を達成すると考えられることを示す。(市販の経口剤形(Suboxone)の場合、静脈内注射すると、最も強い離脱症状は、4:1のBUP:NAL質量比で観察された。)
【0387】
実施例5:ビーグル犬における薬物放出の試験
舌下投与した場合のBUPとNALの放出を、本明細書に記載の胃内滞留剤形を使用して投与した場合のBUPとNALの放出と比較した。結果は
図7A~7Cに提供される。
【0388】
試験施設のスポンサーが指定した動物の集団から、合計4匹のメスのビーグル犬(投与時約7~12kg)が選択された。投与1と投与2の両方の前に、すべての動物を一晩絶食させた。投与1の後に、麻酔から回復して少なくとも1時間後に動物に餌を戻した。投与2では、投与の約30(±5)分前に、動物に少量の犬用飼料を与え、投与の1時間後に動物に餌を戻した。最終的な試験計画を以下の表に示す。
【0389】
【0390】
1日目に、各動物をデクスメデトミジン(16.8mcg/kg、静脈内)で鎮静させた。鎮静後、各動物の頭部を配置し、10分間の暴露期間で、投与1(ブプレノルフィンHCL)を舌下腔に投与した。曝露期間後、投与1を洗い流して舌下腔から拭き取り、鎮静を解除するために各動物にアンチセダン(200mcg/kg、筋肉内)を投与した。投与2の試験品LYN-013は、即時使用形態でスポンサーから受け取った。LYN-013は、腸内崩壊性マトリックス(時間依存性崩壊性)を有する50A中央エラストマー、及び最終直径が約46mmの6×BUP/Nal薬物アームを含む(前述の
図3A及び以下の表に関して記載された剤形と一致する)。
【0391】
【0392】
16日目に各動物に、上の表に詳述した剤形を含むカプセル用量を用手的経口投与によって投与した。投与直後に、カプセルを飲み込みやすくするために、各動物に約1インチサイズのボールに緩く充填された少量の缶詰食品を与えた。
【0393】
すべての投与は問題なく完了した。動物の体重を含む用量投与データを以下の表に示す。
【0394】
【0395】
X線で胃と腸を示して、消化管系内の剤形の位置を決定した。カプセルの溶解を確認するために、16日目に用量投与の30分後に、X線写真撮影を行った。さらに、X線撮影は、8日目まで毎日、10日目、その後は週3回、又は必要に応じて行い、剤形全体が体内を通過したことが画像により確認されるまで行った。
【0396】
すべての血液試料は末梢静脈の静脈穿刺によって収集された。各時点で、1mLの全血を、K3EDTA抗凝固剤を含むチューブに収集した。K3EDTAを含む全血試料は、血漿用に処理する前に濡れた氷上に保管された。試料を5℃±3℃、2200×gで10分間遠心分離して、血漿を単離した。血漿試料を96ウェルプレート形式の個々のポリプロピレンチューブに移し、直ちにドライアイス上に置いて、出荷するまで公称-80℃で保管した。実際の採血時間は以下の通りである。
【0397】
【0398】
収集された試料は、同日配送便でCharles River Laboratories, Worcester, MAに発送された。LCMSによる適切な分析手順を使用して、血漿試料をブプレノルフィン、ノルブプレノルフィン、及びナロキソンの濃度について分析した(ブプレノルフィン-3-グルクロニド及びノルブプレノルフィン-3-グルクロニドを追跡した)。
【0399】
図7Aは、BUP-HCLを舌下投与した後の、イヌ血漿中のBUPの平均血漿濃度を示す。
図7Bは、胃内滞留剤形のBUP(LYN-013)を投与した後の、イヌ血漿中のBUPの平均血漿濃度を示す。
図7Cは、胃内滞留剤形のBUP(LYN-013)を投与した後の、ノルブプレノルフィン(ブプレノルフィンの主要な活性代謝物)の平均血漿濃度を示す。この試験は、単一の経口カプセルの投与後1週間以上にわたる、約1ng/mLを超える持続的なBUP血漿レベルを示す。
【0400】
実施例6:カニクイザルにおけるBUP/NAL放出試験
このレポートは、2つの単回投与薬物動態試験(LYN-190-BUP、LYN-213-BUP)を含む。
【0401】
各試験において、サルを投与前に一晩絶食させた。LYN-190-BUP試験では、ブプレノルフィンHCLの0.03mg/kg静脈内ボーラス用量が4匹のサルに投与され、投与後0.083、0.25、0.5、1、2、4、6、8、及び24時間目に血漿試料が収集された。LYN-213-BUP試験では、LYN-013の172/17.2mgのブプレノルフィン/ナロキソンカプセルが4匹のサルに経口投与され、投与前、投与後2、4、6、8、10、12、24、48、72、96、120、144及び216時間目に血漿試料が収集された。
【0402】
各試験において、試料抽出物を血漿からのタンパク質沈殿によって調製し、ブプレノルフィン、ノルブプレノルフィン(活性代謝物)、及びナロキソン(乱用抑止剤)の濃度をLC/MS/MSを使用して測定した。ブプレノルフィン及びノルブプレノルフィンの薬物動態パラメータ(可能な場合)は、非コンパートメント分析によって計算された。
【0403】
サルに0.03mg/kgのブプレノルフィンHCLを静脈内投与した後、外挿された初期血漿濃度(C0)は17.3ng/mLであった。時間ゼロから最後の試料の時間までの濃度-時間曲線下の面積(AUClast)は24.7hr*ng/mLであり、終末期の半減期(t1/2)は1.62時間であった。
【0404】
172/17.2mgのブプレノルフィン/ナロキソンを単回投与した後、LYN-013は投与後9日間測定可能な血漿ブプレノルフィン濃度を示したが、ノルブプレノルフィンのレベルは5日目まで測定可能であり、ナロキソンはすべての試料で定量限界以下であった(1つの試料を除く)。ブプレノルフィンの中央値Tmaxは72時間であり、Cmaxは4.85ng/mLであった。ブプレノルフィンのAUClastは350hr*ng/mLであり、t1/2は26.4時間であった。絶対経口バイオアベイラビリティ(F)は1.1%であった。ノルブプレノルフィンは、60時間でTmaxに達し、Cmax及びAUClastは低かった(それぞれ、2.72ng/mL及び151hr*ng/mL)。
【0405】
以下の表は、静脈内BUP-HCL及びLYN-013(ブプレノルフィンとノルブプレノルフィン)の個別及び平均血漿PKパラメータを示す。
【0406】
【0407】
図8A~8Cは、BUP-HCL(静脈内)(
図8A)及びLYN-013(
図8B及び8C)の単回経口投与の血漿濃度対時間を示す。
【0408】
実施態様
実施態様1. 担体ポリマー、ブプレノルフィン又はその塩、及びナロキソン又はその塩を含む少なくとも1つの共押出薬物溶出成分と、前記少なくとも1つの共押出薬物溶出成分を被覆している速度調節放出膜とを含む、胃内滞留システムであって、ここで、前記胃内滞留システムが、人体の胃内に少なくとも48時間維持されるように、及びブプレノルフィンを少なくとも48時間放出するように構成されており、そして、前記速度調節放出膜を有する少なくとも1つの共押出薬物溶出成分が、胃内に滞留の最初の24時間後にブプレノルフィン又はその塩の少なくとも10%を放出するように、及び胃内に滞留の最初の24時間後にナロキソン又はその塩の少なくとも10%を放出するように構成されている、上記システム。
【0409】
実施態様2. 前記速度調節放出膜がポリカプロラクトンとコポビドンを含む、実施態様1に記載の胃内滞留システム。
【0410】
実施態様3. 前記速度調節放出膜が60~90重量%のポリカプロラクトンを含む、実施態様2に記載の胃内滞留システム。
【0411】
実施態様4. 前記速度調節放出膜が10~40重量%のコポビドンを含む、実施態様2又は3に記載の胃内滞留システム。
【0412】
実施態様5. 前記少なくとも1つの共押出薬物溶出成分が、ナロキソンを含む第1の共押出部分と、ブプレノルフィンとナロキソンを含む第2の共押出部分とを含む、実施態様1~4のいずれかに記載の胃内滞留システム。
【0413】
実施態様6. 前記第1の共押出部分が前記第2の共押出部分に埋め込まれている、実施態様5に記載の胃内滞留システム。
【0414】
実施態様7. 前記第1の共押出部分が前記第2の共押出部分内に埋め込まれた1つ以上のストランドを含む、実施態様5又は6に記載の胃内滞留システム。
【0415】
実施態様8. 前記第1の共押出部分が前記第2の共押出部分の上に積層されている、実施態様5に記載の胃内滞留システム。
【0416】
実施態様9. 前記第1の共押出部分が前記第2の共押出部分に対して4:1の比で存在する、実施態様5~8のいずれかに記載の胃内滞留システム。
【0417】
実施態様10. 前記第1の共押出部分が35~50重量%のブプレノルフィンを含む、実施態様5~9のいずれかに記載の胃内滞留システム。
【0418】
実施態様11. 前記第1の共押出部分が2~7重量%のナロキソンを含む、実施態様5~10のいずれかに記載の胃内滞留システム。
【0419】
実施態様12. 前記第1の共押出部分が35~50重量%のポリカプロラクトンを含む、実施態様5~11のいずれかに記載の胃内滞留システム。
【0420】
実施態様13. 前記第1の共押出部分がポリエチレングリコールとポロキサマーを含む、実施態様5~12のいずれかに記載の胃内滞留システム。
【0421】
実施態様14. 前記第2の共押出部分が30~50重量%のナロキソンを含む、実施態様5~13のいずれかに記載の胃内滞留システム。
【0422】
実施態様15. 前記第2の共押出部分が50~60重量%のポリカプロラクトンを含む、実施態様5~14のいずれかに記載の胃内滞留システム。
【0423】
実施態様16. 前記第2の共押出部分がポロキサマーを含む、実施態様5~15のいずれかに記載の胃内滞留システム。
【0424】
実施態様17. 前記少なくとも1つの共押出薬物溶出成分が30mg~40mgのブプレノルフィン又はその塩を含む、実施態様1~16のいずれかに記載の胃内滞留システム。
【0425】
実施態様18. 前記少なくとも1つの共押出薬物溶出成分が8mg~15mgのナロキソン又はその塩を含む、実施態様1~17のいずれかに記載の胃内滞留システム。
【0426】
実施態様19. 実施態様1~18のいずれかに記載の胃内滞留システムであって、ここで、前記胃内滞留システムが中央エラストマーと複数のアームを含み、前記複数のアームの各アームが近位端(前記中央エラストマーに固定されている)と遠位端を含み、ここで、前記複数のアームの各アームが中央エラストマーから放射状に延びており、及び前記複数のアームのうちの少なくとも1つのアームが前記少なくとも1つの共押出薬物溶出成分を含む、上記システム。
【0427】
実施態様20. 前記複数のアームが6つのアームを含む、実施態様19に記載の胃内滞留システム。
【0428】
実施態様21. 前記複数のアームのうちの少なくとも2つのアームが、前記少なくとも1つの共押出薬物溶出成分の共押出薬物溶出成分を含む、実施態様19又は20に記載の胃内滞留システム。
【0429】
実施態様22. 前記複数のアームのうちの少なくとも3つのアームが、前記少なくとも1つの共押出薬物溶出成分の共押出薬物溶出成分を含む、実施態様19又は20に記載の胃内滞留システム。
【0430】
実施態様23. 前記複数のアームのうちの6つのアームが、前記少なくとも1つの共押出薬物溶出成分の共押出薬物溶出成分を含む、実施態様19又は20に記載の胃内滞留システム。
【0431】
実施態様24. 前記複数のアームの各アームが、前記中央エラストマーに付着したポリマーリンカーセグメントを含み、前記ポリマーリンカーセグメントがポリカプロラクトンを含む、実施態様19~23のいずれかに記載の胃内滞留システム。
【0432】
実施態様25. 前記複数のアームの各アームが、前記ポリマーリンカーセグメントに付着した第1の崩壊性マトリックスセグメントを含み、前記第1の崩壊性マトリックスセグメントが、ポリカプロラクトン、DL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)の酸性末端コポリマー、DL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)のコポリマー、及びポリエチレンオキシドを含む、実施態様24に記載の胃内滞留システム。
【0433】
実施態様26. 前記複数のアームの各アームが、前記第1の崩壊性マトリックスセグメントに付着した第1の不活性セグメントを含み、前記第1の不活性セグメントがポリカプロラクトンと(BiO)2CO3を含む、実施態様25に記載の胃内滞留システム。
【0434】
実施態様27. 前記複数のアームの各アームが、前記第1の不活性セグメントに付着した第2の崩壊性マトリックスセグメントを含み、前記第2の崩壊性マトリックスセグメントが、ポリカプロラクトン、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポロキサマーを含む、実施態様26に記載の胃内滞留システム。
【0435】
実施態様28. 前記複数のアームの各アームが、前記第2の崩壊性マトリックスセグメントに付着した第2の不活性セグメントを含み、前記第2の不活性セグメントがポリカプロラクトンと(BiO)2CO3を含む、実施態様27に記載の胃内滞留システム。
【0436】
実施態様29. 前記複数のアームのうちの第1のアームが、前記第2の不活性セグメントに付着した少なくとも1つの共押出薬物溶出成分の共押出薬物溶出成分を含む、実施態様28に記載の胃内滞留システム。
【0437】
実施態様30. 前記複数のアームのうちの第2のアームが、前記第2の不活性セグメントに付着した非有効セグメントを含み、前記非有効セグメントが、ポリカプロラクトン、コポビドン、及びポロキサマーを含む、実施態様28に記載の胃内滞留システム。
【0438】
実施態様31. 前記複数のアームの各アームが、前記共押出薬物溶出成分又は非有効セグメントのうちの1つに付着した第3の不活性セグメントを含み、前記第3の不活性セグメントがポリカプロラクトンと(BiO)2CO3を含む、実施態様29又は30に記載の胃内滞留システム。
【0439】
実施態様32. 前記複数のアームの各アームが、前記第3の不活性セグメントに付着した第3の崩壊性マトリックスセグメントを含み、前記第3の崩壊性マトリックスが、ポリカプロラクトン、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)、ステアリン酸、及びポリプロピレングリコールを含む、実施態様31に記載の胃内滞留システム。
【0440】
実施態様33. 各アームを円周方向に接続するフィラメントを含み、ここで、前記円周フィラメントが各アームの前記第3の崩壊性マトリックスセグメントに付着している、実施態様32に記載の胃内滞留システム。
【0441】
実施態様34. 実施態様1~33のいずれか1つに記載の胃内滞留システムを個体に投与することを含む、前記個体におけるオピオイド乱用障害を治療する方法。
【0442】
実施態様35.
実施態様1~33のいずれか1つに記載の胃内滞留システムを個体に投与することを含む、前記個体における疼痛を治療する方法。
【0443】
実施態様36. 担体ポリマー、ブプレノルフィン又はその塩、及びナロキソン又はその塩を含む少なくとも1つの薬物溶出成分と、前記少なくとも1つの薬物溶出成分を被覆している速度調節放出膜とを含む、胃内滞留システムであって、ここで、前記胃内滞留システムが、人体の胃内に少なくとも48時間維持されるように、及びブプレノルフィンを少なくとも48時間放出するように構成されており、そして、前記速度調節放出膜を有する前記少なくとも1つの薬物溶出成分が、胃内に滞留の最初の24時間後にブプレノルフィン又はその塩の少なくとも10%を放出するように、及び胃内に滞留の最初の24時間以内にナロキソン又はその塩の少なくとも10%を放出するように構成されている、上記システム。
【0444】
実施態様37. 前記速度調節放出膜がポリカプロラクトンとコポビドンを含む、実施態様36に記載の胃内滞留システム。
【0445】
実施態様38. 前記速度調節放出膜が60~90重量%のポリカプロラクトンを含む、実施態様37に記載の胃内滞留システム。
【0446】
実施態様39. 前記速度調節放出膜が10~40重量%のコポビドンを含む、実施態様36又は37に記載の胃内滞留システム。
【0447】
実施態様40. 前記少なくとも1つの薬物溶出成分が35~50重量%のブプレノルフィンを含む、実施態様36~39のいずれかに記載の胃内滞留システム。
【0448】
実施態様41. 前記少なくとも1つの薬物溶出成分が2~7重量%のナロキソンを含む、実施態様36~40のいずれかに記載の胃内滞留システム。
【0449】
実施態様42. 前記少なくとも1つの薬物溶出成分が35~50重量%のポリカプロラクトンを含む、実施態様36~41のいずれかに記載の胃内滞留システム。
【0450】
実施態様43. 前記少なくとも1つの薬物溶出成分がポリエチレングリコールとポロキサマーを含む、実施態様36~42のいずれかに記載の胃内滞留システム。
【0451】
実施態様44. 前記少なくとも1つの薬物溶出成分が10mg~30mgのブプレノルフィン又はその塩を含む、実施態様36~43のいずれかに記載の胃内滞留システム。
【0452】
実施態様45. 前記少なくとも1つの薬物溶出成分が1mg~3mgのナロキソン又はその塩を含む、実施態様36~44のいずれかに記載の胃内滞留システム。
【0453】
実施態様46.
実施態様36~45のいずれかに記載の胃内滞留システムであって、ここで、前記胃内滞留システムが中央エラストマーと複数のアームを含み、前記複数のアームの各アームが近位端(前記中央エラストマーに固定されている)と遠位端を含み、ここで、前記複数のアームの各アームが中央エラストマーから放射状に延びており、及び前記複数のアームのうちの少なくとも1つのアームが少なくとも1つの薬物溶出成分を含む、上記システム。
【0454】
実施態様47. 前記複数のアームが6つのアームを含む、実施態様46に記載の胃内滞留システム。
【0455】
実施態様48. 前記複数のアームのうちの少なくとも2つのアームが、前記少なくとも1つの薬物溶出成分の薬物溶出成分を含む、実施態様46又は47に記載の胃内滞留システム。
【0456】
実施態様49. 前記複数のアームのうちの少なくとも3つのアームが、前記少なくとも1つの薬物溶出成分の薬物溶出成分を含む、実施態様46又は47に記載の胃内滞留システム。
【0457】
実施態様50. 前記複数のアームのうちの6つのアームが、前記少なくとも1つの薬物溶出成分の薬物溶出成分を含む、実施態様46又は47に記載の胃内滞留システム。
【0458】
実施態様51. 前記複数のアームの各アームが、中央エラストマーに付着したポリマーリンカーセグメントを含み、前記ポリマーリンカーセグメントがポリカプロラクトンを含む、実施態様46~50のいずれかの胃内滞留システム。
【0459】
実施態様52. 前記複数のアームの各アームが、ポリマーリンカーセグメントに付着した第1の崩壊性マトリックスセグメントを含み、前記第1の崩壊性マトリックスセグメントが、ポリカプロラクトン、DL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)の酸性末端コポリマー、DL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)のコポリマー、及びポリエチレンオキシドを含む、実施態様51に記載の胃内滞留システム。
【0460】
実施態様53. 前記複数のアームの各アームが、前記第1の崩壊性マトリックスセグメントに付着した第1の不活性セグメントを含み、前記第1の不活性セグメントがポリカプロラクトンと(BiO)2CO3を含む、実施態様52に記載の胃内滞留システム。
【0461】
実施態様54. 前記複数のアームの各アームが、前記第1の不活性セグメントに付着した第2の崩壊性マトリックスセグメントを含み、前記第2の崩壊性マトリックスセグメントが、ポリカプロラクトン、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポロキサマーを含む、実施態様53に記載の胃内滞留システム。
【0462】
実施態様55. 前記複数のアームの各アームが、第2の崩壊性マトリックスセグメントに付着した第2の不活性セグメントを含み、前記第2の不活性セグメントがポリカプロラクトンと(BiO)2CO3を含む、実施態様54に記載の胃内滞留システム。
【0463】
実施態様56. 前記複数のアームのうちの第1のアームが、前記第2の不活性セグメントに付着した前記少なくとも1つの薬物溶出成分の薬物溶出成分を含む、実施態様55に記載の胃内滞留システム。
【0464】
実施態様57. 前記複数のアームのうちの第2のアームが、前記第2の不活性セグメントに付着した非有効セグメントを含み、前記非有効セグメントが、ポリカプロラクトン、コポビドン、及びポロキサマーを含む、実施態様55に記載の胃内滞留システム。
【0465】
実施態様58. 前記複数のアームの各アームが、前記薬物溶出成分又は非有効セグメントのうちの1つに付着した第3の不活性セグメントを含み、前記第3の不活性セグメントがポリカプロラクトンと(BiO)2CO3を含む、実施態様56又は57に記載の胃内滞留システム。
【0466】
実施態様59. 前記複数のアームの各アームが、前記第3の不活性セグメントに付着した第3の崩壊性マトリックスセグメントを含み、前記第3の崩壊性マトリックスが、ポリカプロラクトン、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)、ステアリン酸、及びポリプロピレングリコールを含む、実施態様58に記載の胃内滞留システム。
【0467】
実施態様60. 各アームを円周方向に接続するフィラメントを含む、実施態様59に記載の胃内滞留システムであって、ここで、前記円周フィラメントが各アームの前記第3の崩壊性マトリックスセグメントに付着している、上記システム。
【0468】
実施態様61. 実施態様36~60のいずれか1つに記載の胃内滞留システムを前記個体に投与することを含む、個体におけるオピオイド乱用障害を治療する方法。
【0469】
実施態様62. 実施態様36~60のいずれか1つに記載の胃内滞留システムを前記個体に投与することを含む、個体における疼痛を治療する方法。
【0470】
実施態様63. 以下を含む胃内滞留システム: 少なくとも1つのアームが薬物溶出成分を含む、中央エラストマーに固定された複数のアーム; 近位端、遠位端、及びそれらの間の外面を含む各アーム;ここで、各アームの近位端はエラストマー成分に付着され、エラストマー成分から放射状に突出し、各アームはエラストマー成分に付着されておらず、かつエラストマー成分から近位端よりも長い半径距離に位置するその遠位端を有する;ここで、薬物溶出成分を含む少なくとも1つのアームは以下を含む:ポリマーリンカーセグメント;ポリマーリンカーセグメントに付着した第1の崩壊性マトリックスセグメント;前記第1の崩壊性マトリックスセグメントに付着した第1の不活性セグメント;前記第1の不活性セグメントに付着した第2の崩壊性マトリックスセグメント;前記第2の崩壊性マトリックスセグメントに付着した第2の不活性セグメント;前記第2の不活性セグメントに付着した前記薬物溶出成分、ここで、前記薬物溶出成分は、担体ポリマー、ブプレノルフィン又はその塩、及びナロキソン又はその塩を含み、及びここで、前記薬物溶出成分はさらに、放出速度調節ポリマー膜を含む被膜を含む;前記薬物溶出成分に付着した第3の不活性セグメント;前記第3の不活性セグメントに付着した第3の崩壊性マトリックスセグメント;並びに、各アームを円周方向に接続するフィラメント。
【0471】
実施態様64. 担体ポリマー、ブプレノルフィン又はその塩、及びナロキソン又はその塩を含む少なくとも1つの薬物溶出成分を共押出すること、及び、速度調節放出膜を前記少なくとも1つの共押出薬物溶出成分に適用することとを含む、胃内滞留システムを作成する方法であって、ここで、前記胃内滞留システムは、人体の胃内に少なくとも48時間維持されるように、及びブプレノルフィンを少なくとも48時間放出するように構成されており、そして、前記速度調節放出膜を有する前記少なくとも1つの共押出薬物溶出成分が、胃内に滞留の最初の24時間後にブプレノルフィン又はその塩の少なくとも10%を放出するように、及び胃内に滞留の最初の24時間後にナロキソン又はその塩の少なくとも10%を放出するように構成されている、上記方法。
【0472】
実施態様65. 前記速度調節放出膜がポリカプロラクトンとコポビドンを含む、実施態様64に記載の方法。
【0473】
実施態様66. 前記速度調節放出膜が60~90重量%のポリカプロラクトンを含む、実施態様65に記載の方法。
【0474】
実施態様67. 前記速度調節放出膜が10~40重量%のコポビドンを含む、実施態様65又は66に記載の方法。
【0475】
実施態様68. 前記少なくとも1つの共押出薬物溶出成分が、ナロキソンを含む第1の共押出部分と、ブプレノルフィンとナロキソンを含む第2の共押出部分とを含む、実施態様64~67のいずれかに記載の方法。
【0476】
実施態様69. 前記少なくとも1つの薬物溶出成分を共押出することが、前記第2の共押出部分に埋め込まれた前記第1の共押出部分を共押出することを含む、実施態様68に記載の方法。
【0477】
実施態様70. 前記少なくとも1つの薬物溶出成分を共押出することが、前記第2の共押出部分に埋め込まれた前記第1の共押出部分のストランドを共押出することを含む、実施態様68又は69に記載の方法。
【0478】
実施態様71. 前記少なくとも1つの薬物溶出成分を共押出することが、前記第2の共押出部分上に積層された前記第1の共押出部分を共押出することを含む、実施態様68に記載の方法。
【0479】
実施態様72. 前記第1の共押出部分が前記第2の共押出部分に対して4:1の比で存在する、実施態様68~71のいずれかに記載の方法。
【0480】
実施態様73. 前記第1の共押出部分が35~50重量%のブプレノルフィンを含む、実施態様68~72のいずれかに記載の方法。
【0481】
実施態様74. 前記第1の共押出部分が2~7重量%のナロキソンを含む、実施態様68~73のいずれかに記載の方法。
【0482】
実施態様75. 前記第1の共押出部分が35~50重量%のポリカプロラクトンを含む、実施態様68~74のいずれかに記載の方法。
【0483】
実施態様76. 前記第1の共押出部分がポリエチレングリコールとポロキサマーを含む、実施態様68~75のいずれかに記載の方法。
【0484】
実施態様77. 前記第2の共押出部分が30~50重量%のナロキソンを含む、実施態様68~76のいずれかに記載の方法。
【0485】
実施態様78. 前記第2の共押出部分が50~60重量%のポリカプロラクトンを含む、実施態様68~77のいずれかに記載の方法。
【0486】
実施態様79. 前記第2の共押出部分がポロキサマーを含む、実施態様68~78のいずれかに記載の方法。
【0487】
実施態様80. 前記少なくとも1つの共押出薬物溶出成分が30mg~40mgのブプレノルフィン又はその塩を含む、実施態様64~79のいずれかに記載の方法。
【0488】
実施態様81. 前記少なくとも1つの共押出薬物溶出成分が8mg~15mgのナロキソン又はその塩を含む、実施態様64~80のいずれかに記載の方法。
【0489】
実施態様82. 前記胃内滞留システムが中央エラストマーと複数のアームを含み、前記複数のアームの各アームが近位端(前記中央エラストマーに固定されている)と遠位端を含む、実施態様64~81のいずれかに記載の方法であって、ここで、前記複数のアームの各アームが前記中央エラストマーから放射状に延び、前記複数のアームのうちの少なくとも1つのアームが少なくとも1つの共押出薬物溶出成分を含む、上記方法。
【0490】
実施態様83. 前記複数のアームが6つのアームを含む、実施態様82に記載の方法。
【0491】
実施態様84. 前記複数のアームのうちの少なくとも2つのアームが、前記少なくとも1つの共押出薬物溶出成分の共押出薬物溶出成分を含む、実施態様82又は83に記載の方法。
【0492】
実施態様85. 前記複数のアームのうちの少なくとも3つのアームが、前記少なくとも1つの共押出薬物溶出成分の共押出薬物溶出成分を含む、実施態様82又は83に記載の方法。
【0493】
実施態様86. 前記複数のアームのうちの6つのアームが、前記少なくとも1つの共押出薬物溶出成分の共押出薬物溶出成分を含む、実施態様82又は83に記載の方法。
【0494】
実施態様87. 前記複数のアームの各アームが、前記中央エラストマーに付着したポリマーリンカーセグメントを含み、前記ポリマーリンカーセグメントがポリカプロラクトンを含む、実施態様82~86のいずれかに記載の方法。
【0495】
実施態様88. 前記複数のアームの各アームが、前記ポリマーリンカーセグメントに付着した第1の崩壊性マトリックスセグメントを含み、前記第1の崩壊性マトリックスセグメントが、ポリカプロラクトン、DL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)の酸性末端コポリマー、DL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)のコポリマー、及びポリエチレンオキシドを含む、実施態様87に記載の方法。
【0496】
実施態様89. 前記複数のアームの各アームが、前記第1の崩壊性マトリックスセグメントに付着した第1の不活性セグメントを含み、前記第1の不活性セグメントがポリカプロラクトンと(BiO)2CO3を含む、実施態様88に記載の方法。
【0497】
実施態様90. 前記複数のアームの各アームが、前記第1の不活性セグメントに付着した第2の崩壊性マトリックスセグメントを含み、前記第2の崩壊性マトリックスセグメントが、ポリカプロラクトン、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポロキサマーを含む、実施態様89に記載の方法。
【0498】
実施態様91. 前記複数のアームの各アームが、前記第2の崩壊性マトリックスセグメントに付着した第2の不活性セグメントを含み、前記第2の不活性セグメントがポリカプロラクトンと(BiO)2CO3を含む、実施態様90に記載の方法。
【0499】
実施態様92. 前記複数のアームのうちの第1のアームが、前記第2の不活性セグメントに付着した少なくとも1つの共押出薬物溶出成分の共押出薬物溶出成分を含む、実施態様91に記載の方法。
【0500】
実施態様93. 前記複数のアームのうちの第2のアームが、前記第2の不活性セグメントに付着した非有効セグメントを含み、前記非有効セグメントが、ポリカプロラクトン、コポビドン、及びポロキサマーを含む、実施態様91に記載の方法。
【0501】
実施態様94. 前記複数のアームの各アームが、前記共押出薬物溶出成分又は非有効セグメントのうちの1つに付着した第3の不活性セグメントを含み、前記第3の不活性セグメントがポリカプロラクトンと(BiO)2CO3を含む、実施態様92又は93に記載の方法。
【0502】
実施態様95. 前記複数のアームの各アームが、前記第3の不活性セグメントに付着した第3の崩壊性マトリックスセグメントを含み、前記第3の崩壊性マトリックスが、ポリカプロラクトン、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)、ステアリン酸、及びポリプロピレングリコールを含む、実施態様94に記載の方法。
【0503】
実施態様96. 各アームを円周方向に接続するフィラメントを含み、前記円周フィラメントが各アームの前記第3の崩壊性マトリックスセグメントに付着される、実施態様95に記載の方法。
【0504】
実施態様97. 担体ポリマー、ブプレノルフィン又はその塩、及びナロキソン又はその塩を含む、少なくとも1つの薬物溶出成分を押出することと、速度調節放出膜を前記少なくとも1つの薬物溶出成分に適用することとを含む、胃内滞留システムを作成する方法であって、ここで、前記胃内滞留システムが、人体の胃内に少なくとも48時間維持されるように、及びブプレノルフィンを少なくとも48時間放出するように構成されており、そして、前記速度調節放出膜を有する前記少なくとも1つの薬物溶出成分が、胃内に滞留の最初の24時間後にブプレノルフィン又はその塩の少なくとも10%を放出するように、及び胃内に滞留の最初の24時間以内にナロキソン又はその塩の少なくとも10%を放出するように構成されている。上記方法。
【0505】
実施態様98. 前記速度調節放出膜がポリカプロラクトンとコポビドンを含む、実施態様97に記載の方法。
【0506】
実施態様99. 前記速度調節放出膜が60~90重量%のポリカプロラクトンを含む、実施態様98に記載の方法。
【0507】
実施態様100. 前記速度調節放出膜が10~40重量%のコポビドンを含む、実施態様98又は99に記載の方法。
【0508】
実施態様101. 前記少なくとも1つの薬物溶出成分が35~50重量%のブプレノルフィンを含む、実施態様97~100のいずれかに記載の方法。
【0509】
実施態様102. 前記少なくとも1つの薬物溶出成分が2~7重量%のナロキソンを含む、実施態様97~101のいずれかに記載の方法。
【0510】
実施態様103. 前記少なくとも1つの薬物溶出成分が35~50重量%のポリカプロラクトンを含む、実施態様97~102のいずれかに記載の方法。
【0511】
実施態様104. 前記少なくとも1つの薬物溶出成分がポリエチレングリコールとポロキサマーを含む、実施態様97~103のいずれかに記載の方法。
【0512】
実施態様105. 前記少なくとも1つの薬物溶出成分が10mg~30mgのブプレノルフィン又はその塩を含む、実施態様97~104のいずれかに記載の方法。
【0513】
実施態様106. 前記少なくとも1つの薬物溶出成分が1mg~3mgのナロキソン又はその塩を含む、実施態様97~105のいずれかに記載の方法。
【0514】
実施態様107. 実施態様97~106のいずれかに記載の方法であって、ここで、前記胃内滞留システムが中央エラストマーと複数のアームを含み、前記複数のアームの各アームが近位端(前記中央エラストマーに固定されている)と遠位端を含み、ここで、前記複数のアームの各アームが前記中央エラストマーから放射状に延びており、及び前記複数のアームのうちの少なくとも1つのアームが前記少なくとも1つの薬物溶出成分を含む、上記方法。
【0515】
実施態様108. 前記複数のアームが6つのアームを含む、実施態様107に記載の方法。
【0516】
実施態様109. 前記複数のアームのうちの少なくとも2つのアームが、前記少なくとも1つの薬物溶出成分の薬物溶出成分を含む、実施態様107又は108に記載の方法。
【0517】
実施態様110. 前記複数のアームのうちの少なくとも3つのアームが、前記少なくとも1つの薬物溶出成分の薬物溶出成分を含む、実施態様107又は108に記載の方法。
【0518】
実施態様111. 前記複数のアームのうちの6つのアームが、前記少なくとも1つの薬物溶出成分の薬物溶出成分を含む、実施態様107又は108に記載の方法。
【0519】
実施態様112. 前記複数のアームの各アームが、前記中央エラストマーに付着したポリマーリンカーセグメントを含み、前記ポリマーリンカーセグメントがポリカプロラクトンを含む、実施態様107~111のいずれかに記載の方法。
【0520】
実施態様113. 前記複数のアームの各アームが、前記ポリマーリンカーセグメントに付着した第1の崩壊性マトリックスセグメントを含み、前記第1の崩壊性マトリックスセグメントが、ポリカプロラクトン、DL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)の酸性末端コポリマー、DL-ラクチドとグリコリド(50/50のモル比)のコポリマー、及びポリエチレンオキシドを含む、実施態様112に記載の方法。
【0521】
実施態様114. 前記複数のアームの各アームが、前記第1の崩壊性マトリックスセグメントに付着した第1の不活性セグメントを含み、前記第1の不活性セグメントがポリカプロラクトンと(BiO)2CO3を含む、実施態様113に記載の方法。
【0522】
実施態様115. 前記複数のアームの各アームが、前記第1の不活性セグメントに付着した第2の崩壊性マトリックスセグメントを含み、前記第2の崩壊性マトリックスセグメントが、ポリカプロラクトン、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポロキサマーを含む、実施態様114に記載の方法。
【0523】
実施態様116. 前記複数のアームの各アームが、前記第2の崩壊性マトリックスセグメントに付着した第2の不活性セグメントを含み、前記第2の不活性セグメントがポリカプロラクトンと(BiO)2CO3を含む、実施態様115に記載の方法。
【0524】
実施態様117. 前記複数のアームのうちの第1のアームが、前記第2の不活性セグメントに付着した前記少なくとも1つの薬物溶出成分の薬物溶出成分を含む、実施態様116に記載の方法。
【0525】
実施態様118. 前記複数のアームのうちの第2のアームが、前記第2の不活性セグメントに付着した非有効セグメントを含み、前記非有効セグメントが、ポリカプロラクトン、コポビドン、及びポロキサマーを含む、実施態様117に記載の方法。
【0526】
実施態様119. 前記複数のアームの各アームが、前記薬物溶出成分又は前記非有効セグメントのうちの1つに付着した第3の不活性セグメントを含み、前記第3の不活性セグメントがポリカプロラクトンと(BiO)2CO3を含む、実施態様117又は118に記載の方法。
【0527】
実施態様120. 前記複数のアームの各アームが、前記第3の不活性セグメントに付着した第3の崩壊性マトリックスセグメントを含み、前記第3の崩壊性マトリックスがポリカプロラクトン、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)、ステアリン酸、及びポリプロピレングリコールを含む、実施態様119に記載の方法。
【0528】
実施態様121. 各アームを円周方向に接続するフィラメントを含み、前記円周フィラメントが各アームの前記第3の崩壊性マトリックスセグメントに付着している、実施態様120に記載の方法。
【0529】
前述の説明では、システム、方法、技術、パラメータなどの例を説明した。しかしながら、そのような説明は本開示の範囲を限定することを意図したものではなく、例示的な実施態様の説明として提供されているものであることを認識されたい。
【0530】
本明細書の説明では、様々な要素を説明するために第1、第2などの用語を使用するが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、ある要素を別の要素と区別するためにのみ使用されている。
【国際調査報告】