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特表2024-518165外科用クリップをラッチ外しする器具および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-25
(54)【発明の名称】外科用クリップをラッチ外しする器具および方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/128 20060101AFI20240418BHJP
【FI】
A61B17/128
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568500
(86)(22)【出願日】2022-05-06
(85)【翻訳文提出日】2024-01-09
(86)【国際出願番号】 US2022072162
(87)【国際公開番号】W WO2022236318
(87)【国際公開日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】63/185,920
(32)【優先日】2021-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515257519
【氏名又は名称】テレフレックス メディカル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】TELEFLEX MEDICAL INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【弁理士】
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】ボイヤーズ ジェシカ
(72)【発明者】
【氏名】デルガド ジェシー
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC03
4C160CC07
4C160CC12
4C160CC18
4C160MM32
4C160MM33
(57)【要約】
本発明は、クリップをラッチ外しする方法および器具に関する。クリップは、第1および第2のレッグ部材を有するのがよく、第1のレッグ部材は、フック部材を有し、第2のレッグ部材は、フック部材によってラッチ止め形態に拘束される先端部材を有する。本方法は、クリップを器具の第1および第2のジョー部材相互間に納めるステップおよび第1のレッグ部材のフック部材を第2のジョー部材の壁に係合させるステップを含むのがよい。本方法は、第1のレッグ部材の外面を第1のジョー部材で押してフック部材を開き、そしてクリップをラッチ止め形態から解放するステップおよびフック部材による拘束状態から解放されて先端部材がフック部材から間隔を置いて位置した後、先端部材を第2のジョー部材のチャネル内に納めるステップをさらに含むのがよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリップをラッチ止め形態からラッチ外しする器具であって、前記クリップは、第1および第2のレッグ部材を有し、前記第1のレッグ部材は、フック部材を有し、前記第2のレッグ部材は、前記ラッチ止め形態では前記フック部材によって拘束される先端部材を有し、前記器具は、
前記第1のレッグ部材の外面を押して前記クリップを前記ラッチ止め形態から解放するよう構成された第1のジョー部材と、
前記フック部材に係合するよう構成された壁および前記フック部材による拘束状態から解放されたときに前記先端部材を受け入れるよう構成されたチャネルを備える第2のジョー部材とを有する、器具。
【請求項2】
前記第1のジョー部材は、前記第2のジョー部材の長さよりも短い長さを有する、請求項1記載の器具。
【請求項3】
前記チャネルの少なくとも一部分は、両横方向側部が開いている、請求項1または2記載の器具。
【請求項4】
前記壁は、前記フック部材を受け入れるよう構成された溝を有し、前記溝は、前記フック部材を偏向させるよう構成された遠位勾配を有する、請求項1~3のうちいずれか一に記載の器具。
【請求項5】
前記第1のジョー部材は、前記第1のレッグ部材の前記外面を受け入れるよう構成されたチャネルを有する、請求項1~4のうちいずれか一に記載の器具。
【請求項6】
前記第1のジョー部材は、前記第1のレッグ部材の前記外面に係合するよう構成された少なくとも1つの歯を有する、請求項1~5のうちいずれか一に記載の器具。
【請求項7】
前記第2のジョー部材の前記チャネルは、遠位勾配を備えた遠位部分を有する、請求項1~6のうちいずれか一に記載の器具。
【請求項8】
前記第2のジョー部材の前記チャネルは、近位勾配を備えた近位部分を有する、請求項1~7のうちいずれか一に記載の器具。
【請求項9】
前記第2のジョー部材の前記チャネルは、第1の幅を備えた遠位部分および第2の幅を備えた近位部分を有し、前記第1の幅は、前記第2の幅よりも広い、請求項1~8のうちいずれか一に記載の器具。
【請求項10】
前記第1のジョー部材および前記第2のジョー部材のうち少なくとも一方は、前記クリップの可視化を可能にする孔を有する、請求項1~9のうちいずれか一に記載の器具。
【請求項11】
前記第1のジョー部材は、ラッチ外し後に摘出可能に前記クリップを前記器具に固定するよう構成された少なくとも1つの係合部材を有する、請求項1~10のうちいずれか一に記載の器具。
【請求項12】
前記少なくとも1つの係合部材は、前記クリップの一部分を間に受け入れるよう構成された第1の係合部材と第2の係合部材を含む、請求項11記載の器具。
【請求項13】
前記第1および前記第2の係合部材は、互いに向かって内方に延びる第1のフック部材と第2のフック部材を有する、請求項12記載の器具。
【請求項14】
前記器具は、前記第1のジョー部材と前記第2のジョー部材との間に形成されていて、前記クリップのヒンジ部材を受け入れるよう構成された近位凹部を有する、請求項1~13のうちいずれか一に記載の器具。
【請求項15】
クリップをラッチ止め形態からラッチ外しする器具であって、前記クリップは、第1および第2のレッグ部材を有し、前記第1のレッグ部材は、フック部材を有し、前記第2のレッグ部材は、前記ラッチ止め形態では前記フック部材によって拘束される先端部材を有し、前記器具は、
前記第1のレッグ部材の外面を押して前記クリップを前記ラッチ止め形態から解放するよう構成された第1のジョー部材と、
前記フック部材に係合するよう構成された第2のジョー部材とを有し、
前記第1のジョー部材は、ラッチ外し後に摘出可能に前記クリップを前記器具に固定するよう構成された少なくとも1つの係合部材を有する、器具。
【請求項16】
クリップをラッチ止め形態からラッチ外しする方法であって、前記クリップは、前記ラッチ止め形態では互いに係合している遠位部分を備えた第1および第2のレッグ部材を有し、前記方法は、
前記クリップを器具の第1のジョー部材と第2のジョー部材との間に納めるステップと、
前記第1のレッグ部材の外面を前記第1のジョー部材により押して前記クリップを前記ラッチ止め形態から解放するステップと、
前記第1のレッグ部材による拘束状態から解放された後に前記第2のレッグ部材の前記遠位部分を前記第2のジョー部材のチャネル内に納めるステップとを含む、方法。
【請求項17】
前記第1のジョー部材は、前記第2のジョー部材の長さよりも短い長さを有する、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記第1のレッグ部材の前記遠位部分は、フック部材を有し、前記第2のレッグ部材の前記遠位部分は、前記フック部材によって前記ラッチ止め形態に拘束される先端部材を有し、前記第1のレッグ部材は、押されて前記クリップを前記ラッチ止め形態から解放したときに偏向され、前記先端部材は、前記第2のジョー部材の前記チャネル内に受け入れられると前記フック部材から間隔を置いて位置する、請求項16または17記載の方法。
【請求項19】
前記第1のレッグ部材の前記遠位部分を前記第2のジョー部材の壁に係合させるステップをさらに含む、請求項16~18のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のレッグ部材の前記遠位部分を係合させる前記ステップは、前記第1のレッグ部材の前記遠位部分を前記壁に設けられた溝内に納めるステップを含む、請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記溝は、前記第1のレッグ部材の前記遠位部分を開くための遠位勾配を有する、請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記第1のレッグ部材の前記外面を押す前記ステップは、前記第1のレッグ部材の前記外面の中間部分を前記第1のジョー部材で押すステップを含む、請求項16~21のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項23】
前記第1のレッグ部材の外面を前記第1のジョー部材のチャネル内に納めるステップをさらに含む、請求項16~22のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項24】
前記クリップのヒンジ部分を前記第1のジョー部材と前記第2のジョー部材との間に形成された前記器具の近位凹部内に納めるステップをさらに含む、請求項16~23のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項25】
前記第1のレッグ部材の一部分を前記第1のジョー部材の第1の係合部材と第2の係合部材との間に納めるステップをさらに含む、請求項16~24のうちいずれか一に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示(本発明)は、一般に、クリップをラッチ外しするとともに/あるいは摘出(または抜去)する器具および方法に関し、特に、外科用クリップを組織からラッチ外しするとともに/あるいは摘出する器具および方法に関する。
【0002】
〔関連出願の引照〕
本願は、2021年5月7日に出願された米国特許仮出願第63/185,920号の優先権主張出願であり、この米国特許仮出願を参照により引用し、その開示内容全体を本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0003】
組織(例えば、血管、リンパ節、神経、ファロピウス管、または心組織)の結紮は、多くの外科的処置のありふれた手技である。組織の結紮は、血管を外科用クリップで閉じることによりまたは血管を外科用糸で縫合することによって実施される場合がある。結紮のために縫合糸を用いることにより、血管を固定するのに必要な結び目を作るために針および縫合糸の複雑な操作が必要である。かかる複雑な操作は、特にスペースおよび視認性が制限されることを特徴とする内視鏡外科的処置の際、時間がかかり、しかも実施するのが困難である。これとは対照的に、外科用クリップは、一時的または永続的な仕方で迅速に止めることができる。したがって、内視鏡ならびに開放外科的処置の際に外科用クリップを用いることが飛躍的に増大している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者は、外科用クリップをラッチ外しするとともに/あるいは摘出する現行の器具の非効率性を解決するための技術改良が必要であることを認識している。現行の器具は、クリップのある特定の設計例をラッチ外しするよう特別に設計されている場合が多く、多くの場合、湾曲したレッグ(脚)部材を備えたクリップおよび/または曲率半径の大きなクリップには役立たない。現行のラッチ外し器具はまた、クリップを圧迫してその閉じ形態に戻し、そして組織に再ラッチ止めすることなく体内植え込み部位からクリップを抜去しまたは摘出するのが困難な場合がある。さらに、現行のラッチ外し器具は、外科用クリップを抜去しまたは摘出するための追加の器具を必要とする。
【0005】
本発明の一観点は、クリップをラッチ止め形態からラッチ外しする器具に関し、クリップは、第1および第2のレッグ部材を有し、第1のレッグ部材は、フック部材を有し、第2のレッグ部材は、ラッチ止め形態ではフック部材によって拘束される先端部材を有する。本器具は、第1のレッグ部材の外面を押してクリップをラッチ止め形態から解放するよう構成された第1のジョー部材と、フック部材に係合するよう構成された壁およびフック部材による拘束状態から解放されたときに先端部材を受け入れるよう構成されたチャネルを備える第2のジョー部材とを有する。
【0006】
幾つかの実施形態では、第1のジョー部材は、第2のジョー部材の長さよりも短い長さを有する。幾つかの実施形態では、チャネルの少なくとも一部分は、両横方向側部が開いている。幾つかの実施形態では、壁は、フック部材を受け入れるよう構成された溝を有し、溝は、フック部材を偏向させるよう構成された遠位勾配を有する。幾つかの実施形態では、第1のジョー部材は、第1のレッグ部材の外面を受け入れるよう構成されたチャネルを有する。幾つかの実施形態では、第1のジョー部材は、第1のレッグ部材の外面に係合するよう構成された少なくとも1つの歯を有する。幾つかの実施形態では、第2のジョー部材のチャネルは、遠位勾配を備えた遠位部分を有する。幾つかの実施形態では、第2のジョー部材のチャネルは、近位勾配を備えた近位部分を有する。幾つかの実施形態では、第2のジョー部材のチャネルは、第1の幅を備えた遠位部分および第2の幅を備えた近位部分を有し、第1の幅は、第2の幅よりも広い。幾つかの実施形態では、第1のジョー部材および第2のジョー部材のうち少なくとも一方は、外科用クリップの可視化を可能にする孔を有する。幾つかの実施形態では、第1のジョー部材は、ラッチ外し後に摘出可能にクリップを器具に固定するよう構成された少なくとも1つの係合部材を有する。幾つかの実施形態では、少なくとも1つの係合部材は、クリップの一部分を間に受け入れるよう構成された第1の係合部材と第2の係合部材を含む。幾つかの実施形態では、第1および第2の係合部材は、互いに向かって内方に延びる第1のフック部材と第2のフック部材を有する。幾つかの実施形態では、本器具は、第1のジョー部材と第2のジョー部材との間に形成されていて、外科用クリップのヒンジ部材を受け入れるよう構成された近位凹部を有する。
【0007】
本発明のもう1つの観点は、クリップをラッチ止め形態からラッチ外しする器具に関する。本器具は、第1のレッグ部材の外面を押してクリップをラッチ止め形態から解放するよう構成された第1のジョー部材と、フック部材に係合するよう構成された第2のジョー部材とを有するのがよく、第1のジョー部材は、ラッチ外し後に摘出可能にクリップを器具に固定するよう構成された少なくとも1つの係合部材を有する。
【0008】
幾つかの実施形態では、少なくとも1つの係合部材は、クリップの一部分を間に受け入れるよう構成された第1の係合部材と第2の係合部材を含む。幾つかの実施形態では、第1および第2の係合部材は、互いに向かって内方に延びる第1のフック部材と第2のフック部材を有する。幾つかの実施形態では、少なくとも1つの係合部材は、外科用クリップの第1および第2のウイング部材に係合するよう構成されている。幾つかの実施形態では、第1および第2のウイング部材は、外科用クリップの内面から間隔を置いて位置する内面および/または外科用クリップの外面から間隔を置いて位置する外面を有する。幾つかの実施形態では、第1および第2の係合部材は、実質的に平坦な内側の側面を有する。幾つかの実施形態では、少なくとも1つの係合部材は、外科用クリップの挿入を容易にするよう角度がつけられ、面取りが施され、かつ/あるいは傾斜がつけられた下面を有する。
【0009】
本発明のさらにもう1つの観点は、クリップをラッチ止め形態からラッチ外しする方法に関し、クリップは、ラッチ止め形態では互いに係合している遠位部分を備えた第1および第2のレッグ部材を有する。本方法は、クリップを器具の第1のジョー部材と第2のジョー部材との間に納めるステップと、第1のレッグ部材の外面を第1のジョー部材により押してクリップをラッチ止め形態から解放するステップと、第1のレッグ部材による拘束状態から解放された後に第2のレッグ部材の遠位部分を第2のジョー部材のチャネル内に納めるステップとを含むのがよい。
【0010】
幾つかの実施形態では、第1のジョー部材は、第2のジョー部材の長さよりも短い長さを有する。幾つかの実施形態では、第1のレッグ部材の遠位部分は、フック部材を有し、第2のレッグ部材の遠位部分は、フック部材によってラッチ止め形態に拘束される先端部材を有し、フック部材は、ラッチ止め形態からクリップを解放するために押されると偏向し(反り)先端部材は、第2のジョー部材のチャネル内に受け入れられるとフック部材から間隔を置いて位置する。幾つかの実施形態では、チャネルの少なくとも一部分は、両横方向側部が開いている。幾つかの実施形態では、本方法は、第1のレッグ部材の遠位部分を第2のジョー部材の壁に係合させるステップをさらに含む。幾つかの実施形態では、第1のレッグ部材の遠位部分を係合させるステップは、第1のレッグ部材の遠位部分を壁に設けられた溝内に納めるステップを含む。幾つかの実施形態では、溝は、第1のレッグ部材の遠位部分においてフック部材を開くための遠位勾配を有する。幾つかの実施形態では、第1のレッグ部材の外面を押すステップは、第1のレッグ部材の外面の中間部分を第1のジョー部材で押すステップを含む。幾つかの実施形態では、本方法は、第1のレッグ部材の外面を第1のジョー部材のチャネル内に納めるステップを含む。幾つかの実施形態では、第1のジョー部材は、第1のレッグ部材に係合するよう構成された少なくとも1つの歯を有する。幾つかの実施形態では、第1および第2のレッグ部材は、湾曲しており、第1のレッグ部材の外面は、凸状であり、第1のレッグ部材の外面を押すステップは、第1のレッグ部材を真っ直ぐにするステップを含む。幾つかの実施形態では、本方法は、第1のレッグ部材を押して第1のレッグ部材を真っ直ぐにされた形態を通り越して偏向させる(反らす)ステップをさらに含む。幾つかの実施形態では、第2のレッグ部材の少なくとも一部分を第2のジョー部材のチャネル内に納めるステップは、第2のレッグ部材の遠位部分を遠位勾配を備えたチャネルの遠位部分内に納めるステップを含む。幾つかの実施形態では、第2のレッグ部材の少なくとも一部分を第2のジョー部材のチャネル内に納めるステップは、第2のレッグ部材の近位部分を近位勾配を備えたチャネルの近位部分内に納めるステップを含む。幾つかの実施形態では、第2のジョー部材のチャネルの遠位部分は、第2のジョー部材のチャネルの近位部分の幅よりも広い幅を有する。幾つかの実施形態では、本方法は、クリップを第1のジョー部材および第2のジョー部材のうちの少なくとも一方の孔越しに可視化するステップを含む。幾つかの実施形態では、本方法は、クリップを器具により植え込み部位から摘出するステップをさらに含む。幾つかの実施形態では、本方法は、クリップのヒンジ部材を第1のジョー部材と第2のジョー部材との間に形成された器具の近位凹部内に納めるステップをさらに含む。幾つかの実施形態では、本方法は、第1のレッグ部材の一部分を第1のジョー部材の少なくとも1つの係合部材相互間に納めるステップをさらに含む。幾つかの実施形態では、少なくとも1つの係合部材は、第1および第2の係合部材を含む。幾つかの実施形態では、本方法は、第1のレッグ部材の側面から伸長したウイング部材を第1の係合部材と第2の係合部材との間に納めるステップをさらに含む。
【0011】
かくして、幾つかの実施形態では、クリップをラッチ止め形態からラッチ外しする方法に関する場合があり、クリップは、第1および第2のレッグ部材を有し、第1のレッグ部材は、フック部材を有し、第2のレッグ部材は、フック部材によってラッチ止め形態に拘束される先端部材を有し、第1および第2のレッグ部材は、湾曲している。本方法は、クリップを器具の第1のジョー部材と第2のジョー部材との間に納めるステップ、第1のレッグ部材のフック部材を第2のジョー部材の壁に係合させるステップ、第1のレッグ部材の凸状外面を第1のジョー部材で押して第1のレッグ部材を真っ直ぐにし、それによりフック部材を偏向させるとともに、クリップをラッチ止め形態から解放するステップ、および、先端部材をフック部材による拘束状態から解放されて先端部材がフック部材から間隔を置いて位置した後、先端部材を第2のジョー部材のチャネル内に納めるステップを含む。さらに、第1のジョー部材は、第2のジョー部材の長さよりも短い長さを有するのがよい。
【0012】
本発明を容易に理解することができるようにするため、添付の図面を参照して本発明の諸観点について例示的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に従って外科用クリップをラッチ外しする例示の器具の側面図である。
図2図1の器具のジョー機構体の第1の実施形態の側面図であり、ジョー機構体が例示の外科用クリップに係合している状態を示す図である。
図3図1および図2の器具の等角図である。
図4図2の例示の外科用クリップの側面図である。
図5図2および図3のジョー機構体の第1のジョー部材の等角図である。
図6図2および図3のジョー機構体の第2のジョー部材の等角図である。
図7図1図3図5および図6の器具を用いて図2および図4の外科用クリップをラッチ外しする方法を示す図である。
図8図1図3図5および図6の器具を用いて図2および図4の外科用クリップをラッチ外しする方法を示す図である。
図9図1図3図5および図6の器具を用いて図2および図4の外科用クリップをラッチ外しする方法を示す図である。
図10図1の器具のジョー機構体の第2の実施形態の等角図である。
図11】例示の外科用クリップに係合した図10のジョー機構体の側面図である。
図12図11の例示の外科用クリップに係合した図10および図11のジョー機構体の等角図である。
図13図10図12のジョー機構体の第1のジョー部材の等角図である。
図14図10図12のジョー機構体の第2のジョー部材の等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、図を参照して本発明について説明するが、図中、同一の参照符号は、図全体を通じて同一の部分を示している。本明細書で用いる従来の慣行に従って、別段の指定がなければ、「近位」側という用語は、用いられようとしている器具を取り扱いまたは操作するユーザまたは医療スタッフの全体的に近くに位置する器具またはコンポーネントの相対的位置決め状態を指し、「遠位」側は、用いられようとしている器具を取り扱いまたは操作するユーザまたは医療スタッフから遠くに位置する器具またはコンポーネントの相対的位置決め状態を指している。「垂直方向」という用語は、両方のジョー部材を均等に貫通しまたは同様に当該コンポーネントまで延びる平面に平行なまたはこれに沿う器具の相対方向を指している。「長手方向」という用語は、器具またはコンポーネントの長軸または長さに沿う相対方向を指している。「横方向」という用語は、第1のジョー部材と第2のジョー部材との間で垂直に延びまたは同様に当該コンポーネントまで延びる平面に平行なまたはこれに沿う相対方向を指している。
【0015】
本発明は、外科用クリップを体内の植え込み部位からラッチ外しするとともに/あるいは摘出する器具に関する。外科用クリップは、実質的に合致する曲率を備えた第1および第2のレッグ部材を有するのがよく、第1のレッグ部材は、凸状の外面および遠位部分のところにフック部材を有する。第2のレッグ部材は、外科用クリップがラッチ止め形態にあるときにフック部材により拘束される先端部材を有するのがよい。器具は、第1および第2のジョー部材を含むジョー機構体を有するのがよく、第1のジョー部材は、第2のジョー部材よりも短いのがよい。第1のジョー部材と第2のジョー部材のうちの一方またはこれら両方は、外科用クリップを位置合わせし、固定し、その横揺れを阻止し、ラッチ外しするとともに/あるいは摘出するよう構成されたチャネル、溝、および/または歯を有するのがよい。第1のジョー部材の長さを短くすることにより、遠位端部分で第1のレッグ部材の凸状外面の中間部分または頂点を押すことができる。第2のジョー部材は、フック部材の下面に係合するよう構成された壁を有するのがよい。壁は、内面を備えた溝を有するのがよく、この内面は、フック部材を偏向させまたは開いて先端部材上の拘束部を取り去るのを助けるよう器具の長手方向軸線から遠位側に遠ざかって延びる勾配を備えている。第2のジョー部材は、ラッチ外し時に先端部材を受け入れて先端部材をフック部材から分離し、それにより外科用クリップを即座に再びラッチ止めするのを阻止するための壁の下にまたはこれから引っ込んで設けられたチャネルおよび/または壁の溝をさらに有するのがよい。さらに、第2のジョー部材のチャネルにより提供される凹凸(relief)により、器具は、外科用クリップを偏向させてレッグ部材が実質的に真っ直ぐにされた形態で互いに実質的に平行であるとともに/あるいは平行を超えて反る(例えば、レッグ部材のうちの一方または両方の曲率が逆になる)ようになることができる。ジョー機構体は、横方向において第1のジョー部材と第2のジョー部材との間に形成されていて、外科用クリップの近位部分を受け入れて、当初、外科用クリップを第1のジョー部材と第2のジョー部材との間で位置合わせするように構成された近位凹部を含むのがよい。第2のジョー部材のチャネルは、湾曲した第2のレッグ部材の少なくとも一部を受け入れるよう互いに反対側の方向に傾斜した近位および遠位部分を有するのがよい。ジョー機構体は、追加のツールを必要としないで、外科用クリップを1回の流れるような動作で体内の植え込み部位から摘出することができるようにするためにラッチ外しの前、ラッチ外しの際、および/またはラッチ外しの直後に外科用クリップを器具に固定する少なくとも1つの係合部材をさらに含むのがよい。
【0016】
図1は、本発明の諸実施形態に従って外科用クリップをラッチ外しする器具100の側面図である。図示のように、器具100は、ハンドル機構体110、ハンドル機構体110から遠位側へ延びる細長いシャフト120、および細長いシャフト120から遠位側へ延びるジョー機構体140を有するのがよい。ハンドル機構体110は、ジョー機構体140を作動させるよう互いに可動的に結合された第1のハンドル部材112と第2のハンドル部材114を含むのがよい。例えば、第1のハンドル部材112および第2のハンドル部材114は、回動可能に取り付けられるのがよい。非限定的な図示の実施例では、第1のハンドル部材112は、細長いシャフト120に対して長手方向に固定されるのがよく、第2のハンドル部材114は、細長いシャフト120のルーメンを貫通したアクチュエーターロッド122に対して長手方向に固定されるのがよい(図3に示すように)。幾つかの実施形態では、アクチュエーターロッド122の近位部分は、米国特許第6,733,514号明細書にさらに開示されているように、第2のハンドル部材114のソケット(図示せず)内に受け入れられるボールを有するのがよく、この米国特許を参照により引用し、その開示内容全体を本明細書の一部とする。第2のハンドル部材114を第1のハンドル部材112に対して回動させることにより、アクチュエーターロッド122は、細長いシャフト120を長手方向に並進する(例えば、引っ込むとともに/あるいは前進する)ことができ、それによりジョー機構体140を開き形態(例えば図9)と閉じ形態(例えば図8)との間で作動させまたは回動させることができる。第1のハンドル部材112と第2のハンドル部材114との間に設けられたばね(図示せず)がジョー機構体140を閉じ形態から開き、または部分開き形態に付勢することができる。
【0017】
図2および図3にさらに示すように、ジョー機構体140は、第1のジョー部材150および第2のジョー部材170を含むのがよく、これらジョー部材は、これらの間に外科用クリップ200を受け入れるよう構成されている。細長いシャフト120は、第1および第2のジョー部材150,170のオーバーラップした近位部分を受け入れるよう構成されたスロット126だけ隔てられた第1と第2の遠位アーム124を有するのがよい。第1および第2のジョー部材150,170は、遠位アーム124の各々に設けられたピボット穴130を貫通したピボットピン128に回動可能に結合されるのがよい。アクチュエーターロッド122の遠位端部は、第1および第2のジョー部材150,170のオーバーラップした近位部分相互間に受け入れられるのがよい。アクチュエーターロッド122の遠位端部は、アクチュエーターロッド122の遠位端部から延びる1つ以上の駆動ボス134を有するのがよく、第1の駆動ボス134は、第1のジョー部材150の駆動チャネル152を通って第1の側から延びるのがよく(図5に示すように)、第2の駆動ボス134が第2のジョー部材170の駆動チャネル172を通って第2の側から延びるのがよい(図6に示すよう)。駆動チャネル152,172の各々は、アクチュエーターロッド122が長手方向に並進しているときに第1および第2のジョー部材150,170を開き形態と閉じ形態の間で回動させるようそれぞれのジョー部材150,170の長手方向軸線に対して角度をなして延びるのがよい。遠位アーム124は各々、細長いシャフト120の長手方向軸線に沿って細長くまたは実質的に長円形の駆動チャネル132をさらに有するのがよく、その結果、駆動ボス134は、アクチュエーターロッド122が細長いシャフト120を通って長手方向に並進しているときに駆動チャネル132を通って動くことができるようになっている。かくして、ジョー部材150,170は、駆動ボス134が駆動チャネル132の遠位側の位置にあるとき(例えば、図8に示すように)開き形態に配向するのがよく、ジョー部材150,170は、駆動ボス134が駆動チャネル132の近位側の位置にあるとき(例えば、図9に示すように)、閉じ形態に配向するのがよい。しかしながら、器具100は、ジョー部材150,170の鋏のような運動を生じさせるための他の作動機構体、例えば国際公開第2021/062170号パンフレットに開示された作動機構体を具体化してもよく、この国際公開を参照により引用し、その開示内容全体を本明細書の一部とする。
【0018】
図4は、例示の実施形態としての外科用クリップ200の側面図である。外科用クリップ200は、第1のレッグ部材202および第2のレッグ部材204を有するのがよく、これらレッグ部材は、ヒンジ部材206のところで回動可能に結合された近位端部分を有する。外科用クリップ200は、1つ以上のラッチ止め機構体を有するのがよい。例えば、第1のレッグ部材202は、フック部材208を備えた遠位端部分を備えるのがよく、第2のレッグ部材204は、先端部材210を備えた遠位端部分を備えるのがよい。第1のレッグ部材202および/または第2のレッグ部材204は、ヒンジ部材206を介して開き形態と閉じラッチ止め形態との間で互いに対して回動するよう構成されているのがよい。フック部材208は、凸状遠位表面および凹状近位表面を備えたC字形であるのがよい。先端部材210は、遠位端部のところに溝を有するのがよい。外科用クリップ200は、クリップアプライヤ(図示せず)とインターフェースをなす1つ以上の係合部分をさらに有するのがよい。例えば、第1のレッグ部材202は、フック部材208の近位側で遠位端部分に設けられた1つ以上のボス214を有するのがよい。1つ以上のボス212を有するのがよく、第2のレッグ部材204は、先端部材210のところの遠位端部分に設けられた1つ以上のボス212,214は、外科用クリップ200を組織に取り付ける際にクリップアプライヤ(図示せず)に固定可能である。1つ以上のボス212,214は、第1および第2のレッグ部材202,204の互いに反対側から横方向に延びるのがよい。例えば、第1のレッグ部材202は、フック部材208の互いに反対側から横方向に延びかつフック部材208の幅に延びるブリッジ部材によって連結されたボス212を有するのがよい。第2のレッグ部材204は、先端部材210の互いに反対側から横方向に延びかつ先端部材210に設けられた溝だけ隔てられたボス214を有するのがよい。
【0019】
第1および第2のレッグ部材202,204は各々、それぞれの近位端部分と遠位端部分との間で実質的にその長さ全体にわたって延びる曲率部を有するのがよい。第1のレッグ部材202は、凸状の外面220および凹状の内面222を有するのがよく、第2のレッグ部材204は、凹状の外面224および凸状の内面226を有するのがよい。ヒンジ部材206は、内面222,226を接合した凹状の内面および外面220,224を接合した凸状の外面を有するのがよい。クリップアプライヤ(図示せず)は、第1のレッグ部材202と第2のレッグ部材204を互いに圧接させるようボス212,214との係合を介して外科用クリップ200に係合するのがよい。この場合、フック部材208の凸状外面は、先端部材210のところに設けられたカム作用斜切面に係合するのがよく、レッグ部材202,204のうちの一方またはこれら両方は、レッグ部材202,204が引き続き互いに圧接されているときに偏向するのがよい。第1のレッグ部材202は、伸長しまたは真っ直ぐになるのがよく、かつ/あるいは第2のレッグ部材204は、フック部材208が先端部材210の周りに偏向するとともに/あるいは伸長するのに合わせて縮むのがよい。レッグ部材202,204は、外科用クリップ200の自然な状態における弾性に起因して、ラッチ止め形態の際の曲率に逆戻りするのがよい。かくして、フック部材208は、図2および図7に示すように、ラッチ止め形態では先端部材210を凹状の近位表面内に受け入れることができる。第1のレッグ部材202の表面220,222および第2のレッグ部材204の表面224,226の曲率半径は、クランプされた組織(例えば、結紮された血管)の幅全体にわたって加えられる圧迫力の比較的均等な分布を提供するよう実質的に互いに一致するのがよい。ラッチ止め機構体の安全性は、クランプされた組織が外科用クリップ200の閉じに抗して反力を及ぼす際に保証され、それにより、レッグ部材202,204が偏向するとともに伸長して先端部材210をフック部材208中にさらに動かす。外科用クリップ200の例示の特徴および例示の実施形態は、米国特許第4,834,096号明細書および同第5,100,416号明細書にさらに開示されており、これら米国特許を参照により引用し、これらの開示内容全体を本明細書の一部とする。
【0020】
図11および図12にさらに示すように(図4には示されていない)、外科用クリップ200は、第1のレッグ部材202の各側面に設けられたウイング部材230を有するのがよい。ウイング部材230は、安定性を第1のレッグ部材202にもたらして外科用クリップ200が取り付けの際および/または結紮の際、ねじれるのを阻止することができる。ウイング部材230は、第1のレッグ部材202の長さの少なくとも約半分にわたって延びるのがよい。ウイング部材230の遠位端部は、クリップアプライヤ(図示せず)のインターフェースとの干渉を避けるようボス212の近位側に位置するのがよい。ウイング部材230の近位端部は、ヒンジ部材206の遠位側に位置するのがよい。ウイング部材230は、追加の器具を何ら用いないで外科用クリップ200の摘出を容易にするようラッチ外し器具100とのインターフェースをさらに提供することができ、これについては本明細書においてさらに説明する。図示のように、ウイング部材230は、第1のレッグ部材202の曲率に一致した長手方向曲率を有するのがよい。ウイング部材230は、第1のレッグ部材202の内面222から間隔を置いて位置しかつ/あるいはこの平面内に位置していない内面232を有するのがよい。ウイング部材230は、第1のレッグ部材202の外面220から間隔を置いて位置しかつ/あるいはこの平面内に位置していない外面234をさらに有するのがよい。内面232および/または外面234が互いに間隔を置くとともに/あるいは同一平面内に位置していない形態を取ることにより、体内植え込み部位からの抜去および/または摘出を可能にするようウイング部材230をラッチ外し器具100に容易に固定することができる。例えば、内面232が外科用クリップ200の内面222から間隔を置くとともに/あるいは同一平面内に位置していない形態を取ることにより、結紮された組織の干渉または挟み付けなく、ウイング部材230の真下で把持するために結紮状態の組織から十分な隙間を提供することができる。内面232は、器具100と合致するとともに/あるいはインターフェースするよう実質的に平坦なまたは凹状の内面であるのがよい。ウイング部材230および外科用クリップ200の例示の実施形態および追加の特徴が米国特許出願公開第2021/0186511号明細書および同第2021/0267603号明細書のうちの1つ以上に開示されており、これら米国特許出願を参照により引用し、これらの開示内容全体を本明細書の一部とする。また、本開示は、器具100および外科用クリップ200を含むシステムを提供することが計画されている。
【0021】
図2および図3にさらに示すように、ジョー部材150,170は、外科用クリップ200に係合し、ラッチ外しし、かつ/あるいは外科用クリップ200を体内植え込み部位から摘出するよう寸法決めされているのがよい。第1のジョー部材150は、第2のジョー部材170よりも短いのがよく、かつ/あるいは第1のジョー部材150は、第2のジョー部材170の長さよりも短い長さを有するのがよい。例えば、第1のジョー部材150の遠位部分の長さは、第2のジョー部材170の遠位部分よりも短いのがよい。もう1つ実施例では、ピボット穴154から第1のジョー部材150の遠位端までの長さは、ピボット穴174から第2のジョー部材170の遠位端までの長さよりも短いのがよい。第1のジョー部材150の短い長さは、図7および図8に示すように第1のジョー部材150の遠位端が外面220の中間部分を押して(例えば、外面220の頂点のところまたはその近位側のところで)第1のレッグ部材202を真っ直ぐにするとともに/あるいは伸長させることができるよう寸法決めされているのがよい。また、第1のジョー部材150の長さが短いことにより、大きな曲率半径(小さな曲率)を有する外科用クリップ200を容易にラッチ外しすることができる。第2のジョー部材170の遠位部分の長さは、第2のレッグ部材204の反対側でフック部材208の下面216に係合する(図2および図7に示すように)とともに/あるいは第2のレッグ部材204をラッチ外しされた後にチャネル182内に捕捉する(図8および図9に示すように)ために、外科用クリップ200(ラッチ止めかつ/あるいは真っ直ぐにされた形態における)の長さ以上であるよう設定されているのがよい。
【0022】
図5は、第1のジョー部材150の等角図であり、図6は、第2のジョー部材170の等角図である。図示のように、第1のジョー部材150は、駆動ボス134のうちの1つを受け入れるよう構成された駆動チャネル152およびピボットピン128を受け入れるピボット穴154を含む近位部分を有するのがよい。同様に、第2のジョー部材170は、駆動ボス134のうちの1つを受け入れる駆動チャネル172およびピボットピン128を受け入れるピボット穴174を含む近位部分を有するのがよい。ジョー部材150,170の近位部分は、重ね合わされたときに細長いシャフト120の遠位アーム124相互間に受け入れられるよう寸法決めされた幅を有するのがよい。ジョー部材150,170のうちの少なくとも一方またはこれら両方の近位部分は、切欠き156,176を有するのがよく、これら切欠きは、図2および図3に示すように、これら相互間にアクチュエーターロッド122の遠位端部を受け入れる。
【0023】
ジョー部材150,170は各々、外科用クリップ200に係合するよう構成された遠位部分を有するのがよく、各ジョー部材の遠位部分は、それぞれの近位部分よりも広い幅を有する。ジョー部材150,170の各々の遠位部分は、外科用クリップ200を位置合わせし、固定し、その横揺れを阻止し、ラッチ外しするとともに/あるいは摘出するよう構成された1つ以上のチャネルおよび/または溝を備えた内面158,178を有するのがよい。例えば、第1のジョー部材150は、第1のレッグ部材202の凸状外面220を受け入れるよう構成された内側チャネル160を有するのがよい。チャネル160は、第1のジョー部材150の遠位部分の実質的に長さ全体にわたって長手方向に延び、そして第1のジョー部材150の遠位表面を貫通してチャネル160の開いた遠位端を形成するのがよい。チャネル160の開いた遠位端により、第1のジョー部材150は、第1のレッグ部材202の外面220にその長さの一部分だけに沿って係合することができ、その結果、第1のレッグ部材202は、チャネル160を貫通し、そしてこれから延び出、そして第1のジョー部材150の遠位側へ延びるようになっている。また、チャネル160の開いた遠位端により、第1のジョー部材150の遠位端は、第1のレッグ部材202の外面220の中間部分に圧接することができる。チャネル160は、外面220と嵌まり合って第1のレッグ部材202を安定化するための近位表面および側面で包囲された状態で内面158内に引っ込められているのがよい。第1のジョー部材150は、第1のジョー部材150越しに外科用クリップ200が見えるようにするために外面を貫通しかつチャネル160と連絡状態にある孔162を有するのがよく、かくして、外科用クリップ200が正しく装填されるとともに/あるいはラッチ外しされているという視覚的確認をユーザにもたらすことができる。第1のジョー部材150は、オプションとして、チャネル160内に設けられていて、外面220に係合して外科用クリップ200の長手方向かつ/あるいは回転運動を減少させる少なくとも1つの歯164を有するのがよい。例えば、少なくとも1つの歯164は、複数の歯164を含むのがよい。
【0024】
第2のジョー部材170の内面178は、遠位端部に設けられていて、フック部材208の凸状外面(例えば、下面216)を受け入れるよう構成された溝180を有するのがよい。溝180は、フック部材208の凸状外面を受け入れるよう全体として凹状であるのがよく、しかも、フック部材208の偏向または解放を容易にするために傾斜部(ランプ)を保持するのを助けるとともに/あるいはこの傾斜部を提供するために少なくとも閉じ形態の器具100の長手方向軸線から遠ざかって遠位側に角度をなしてかつ第2のジョー部材170の外面に向かって延びる勾配を有するのがよい。内面178は、溝180の近位側に設けられていて、外科用クリップ200のラッチ外し時に第2のレッグ部材204を受け入れるよう構成されたチャネル182をさらに有するのがよい。溝180の内面は、チャネル182の内面の上方に持ち上げられているのがよく、しかもチャネル182と長手方向に整列しているのがよい。かくして、チャネル182は、ラッチ外しの際にフック部材208と先端部材210の分離を可能にし、それにより、ラッチ外し後の再ラッチ止めを阻止し、その後において組織からの外科用クリップ200の摘出を可能にする凹凸(relief)を提供するのがよい。例えば、溝180は、ラッチ外し後に第2のレッグ部材204を受け入れるようチャネル182上の壁188に設けられるのがよい。チャネル182の少なくとも一部分は、外科用クリップ200を第1のジョー部材150と第2のジョー部材170との間に挿入しやすくするとともに/あるいは第1のジョー部材150と第2のジョー部材170との間に位置したときに外科用クリップ200が見えやすくなるよう両横方向側部が開いているのがよい(図7図9に示すように)。チャネル182は、互いに連通するとともに長手方向に整列した遠位引っ込み部分184と近位引っ込み部分186を有するのがよく、各引っ込み部分は、内面178のリム内に引っ込んだ状態で設けられている(例えば、横方向側部が包囲されている)。遠位引っ込み部分184は、近位引っ込み部分186の幅よりも広い幅を有するのがよく、遠位引っ込み部分184は、第2のレッグ部材204のボス214の拡大幅部を受け入れるよう寸法決めされている。遠位引っ込み部分184は、ボス214の全体として四角の断面を受け入れるよう構成された全体として直角のコーナー部を有するのがよく、かつ/あるいは近位引っ込み部分186は、第2のレッグ部材204の外面224の丸い断面を受け入れるよう全体として凹状であるのがよい。遠位引っ込み部分184は、近位側に、第2のジョー部材の外面に向かって、かつ器具100(閉じ形態にある)の長手方向軸線から遠ざかるように延びる勾配を有するのがよい。近位引っ込み部分186は、第2のレッグ部材204およびヒンジ部材206の曲率をチャネル182内に受け入れるよう器具100(閉じ形態にある)の長手方向軸線から近位側に遠ざかって延びるとともに第2のジョー部材の外面に向かって延びる勾配を有するのがよい。引っ込み部分184,186の対向した勾配はまた、外科用クリップ200の伸長およびラッチ外しを容易にすることができる。例えば、ヒンジ部材206は、外科用クリップ200を伸長させるよう近位引っ込み部分186の中に載るのがよい。かくして、図3および図6に示すように、チャネル182は、第2のジョー部材170の遠位部分のところに設けられた溝180を有する壁188から引っ込んでいるのがよい。チャネル182は、壁188と第2のジョー部材170および/またはシャフト120の近位部分との間に長手方向に延びるのがよい。壁188は、第2のジョー部材170の遠位端のところにフック形またはL字形を形成するノーズを具体化したものであるのがよく、このノーズは、第2のジョー部材170のすぐ近位側の長さよりも大きな高さを備えている。かくして、図3に示すように、チャネル182は、第2のジョー部材170の近位端に向かって壁188の近位側へ延びる横方向に開いた切欠きを有するのがよい。しかしながら、壁188は、チャネル182の横方向側部を包囲するチャネル182周りに実質的に高くなった状態で延びるのがよいこともまた想定される(図示せず)。いずれの場合においても、溝180、遠位引っ込み部分184、および/または近位引っ込み部分186の表面は、外科用クリップ200のラッチ外しおよび/または摘出を容易にするために互いに平面内に位置しておらずかつ連続した状態ではないのがよい。
【0025】
図7図9は、器具100を用いて外科用クリップ200をラッチ外しするとともに/あるいは摘出する方法を示している。この方法を実施すると、外科用クリップ200を外科手術形態、例えば、止血または閉塞が起きた後に血管の結紮端にラッチ止めされた状態からラッチ外しするとともに/あるいは摘出することができる。使用の際、外科用クリップ200が体内植え込み部位から摘出されようとしているとき、ユーザは、ラッチ止め形態にある外科用クリップ200を露出させる適当な外科的処置によりかかる部位に接近することができる。
【0026】
図7に示すように、ユーザは、次に、外科用クリップ200を第1のジョー部材150と第2のジョー部材170との間に納めるのがよく、そして外科用クリップ200を器具100に係合させるのがよい。ユーザは、外科用クリップ200をラッチ止め形態で開き形態の器具100中に納めるのがよく、その結果、ジョー部材150,170は、互いに十分に間隔を置いて位置するようになる(例えば、駆動ボス134が駆動チャネル132の遠位側の位置の近くに位置しまたはこの遠位側の位置にあるとき)。次に、器具100は、外科用クリップ200をジョー部材150,170に整列させるのがよく、これは、ジョー部材150,170の内面158,178のチャネルおよび/または溝によって可能である。例えば、フック部材208の下面216を壁188の溝180内に納め、ヒンジ部材206を近位引っ込み部分186内に納め、かつ/あるいは第1のレッグ部材202の外面220を第1のジョー部材150のチャネル160内に納めることによって、外科用クリップ200を当初、器具100に整列させるのがよい。次に、ユーザは、第1のジョー部材150を部分的に閉じて第1のレッグ部材202に係合させるとともに/あるいは外面220をチャネル160内に納めるのがよい。器具100により加えられる圧力により、外科用クリップ200を溝180およびチャネル160内にさらに嵌め込むことができ、それによりラッチ外し中、外科用クリップ200の横揺れをさらに阻止することができる。少なくとも1つの歯164を外面220に係合させることにより、安全性をいっそう高めることができ、しかも、ラッチ外し中、外科用クリップ200の長手方向運動(例えば、滑り抜け)を阻止することができる。孔162により、ユーザは、外科用クリップ200を第1のジョー部材150越しに目で見ることができ、そして外科用クリップ200とジョー部材150,170の整列を保証することができる。第2のレッグ部材204の少なくとも一部(例えば、遠位部分および/または先端部材210)は、ラッチ止め形態に拘束されたときにチャネル182の外部に位置するのがよい。
【0027】
図8に示すように、器具100は、外面220を押して第1のレッグ部材202をその自然な状態における曲率から真っ直ぐにすることによって外科用クリップ200をラッチ外しすることができる。第1のジョー部材150の長さが短いので、第1のジョー部材150の遠位端部によって外面220の中間部分に十分な圧力を加えることができ、それによりフック部材208を後へ曲げる動作で偏向させまたは開いて第2のレッグ部材204の先端部材210を解放することができる。フック部材208を開くことは、溝180の遠位勾配によって実施可能であり、それにより、第1のジョー部材150の圧縮状態をフック部材208の下面216に加わる遠位側の力に移す。第2のレッグ部材204がフック部材208によっていったんもはや拘束されない状態になると、外科用クリップ200の本来の付勢力により、第2のレッグ部材204は、くるりと回ってフック部材208から出、またはフック部材208からパッと飛び出すことができ、第2のレッグ部材の少なくとも一部(例えば、先端部材210)は、第2のジョー部材170のチャネル182内に受け入れられる。第2のレッグ部材204の少なくとも一部は、さらにくるりと回ってチャネル182の引っ込み部分184,186中に入り込むことができる。例えば、先端部材210およびボス214は、遠位引っ込み部分184内に受け入れられるのがよく、残りの第2のレッグ部材204の少なくとも一部分は、近位引っ込み部分186内に受け入れられるのがよい。チャネル182により提供される凹凸により、第1のジョー部材150は、レッグ部材202,204偏向させて実質的に真っ直ぐにされた形態では平行にするとともに/あるいは平行を超えて反るようになることができる(例えば、その結果、少なくとも外面220が凹状になることができるようになっている)。撓みのこの増大により、フック部材208は、偏向してより完全に開くことができ、それにより第2のレッグ部材204がフック部材208によって非拘束状態になるようにする。また、チャネル182によって提供される凹凸により、第1および第2のジョー部材150,170が互いに閉じられてフック部材208が摘出に先立つ外科用クリップ200の再ラッチ止めを阻止するようその非偏向形状を再び取ったときに、先端部材210をフック部材208から間隔を置く仕方で分離することが可能である。
【0028】
図9にさらに示すように、第1のジョー部材150は、さらに開いて第1のレッグ部材202に加える圧力を逃がす完全開き形態になることができ、その結果、外科用クリップ200の本来の付勢力により第1のレッグ部材202は、くるりと回って開き、レッグ部材202,204は、これらの自然な状態における曲率を回復し、そしてフック部材208は、そのC字形を回復するようになっている。さらに、外科用クリップ200をチャネル160,182に(引っ込み部分184,186および少なくとも1つの歯164を含む)内に嵌め込むことにより、追加の器具を何ら用いないで、体内植え込み部位からの摘出を可能にするために開き形態において外科用クリップ200の十分な把持を器具100に提供する。例えば、壁188の近位表面は、先端部材210に係合して外科用クリップがジョー部材150,170から遠位側に滑り出るのを阻止することができる。さらに、第1のジョー部材150の僅かな圧縮により、外科用クリップの相対的回転(例えば、壁188の支点を中心とする)を阻止することができ、少なくとも1つの歯164は、追加の長手方向の安全性を提供することができる。第1のジョー部材150は、摘出のために外科用クリップ200に対してさらなる安全性を提供するために少なくとも1つの係合部材166′を有するのがよく、これについては図10図14に図示するとともにこれらの図を参照して説明する。
【0029】
図10図14は、器具100の第2の実施形態としてのジョー機構体140′を示している。ジョー機構体140′は、ジョー機構体140の特徴の全てを含むのがよく(ジョー部材140についての開示を説明が煩雑になるのを避けるためにその全体がここに明示的に記載されているものとする)、ジョー組立体140′は、同一の参照符号およびプライム記号(′)を付けて説明する場合がある。例えば(さらに上述したように)、ジョー機構体140′は、第1のジョー部材150′および第2のジョー部材170′を含むのがよく、これらジョー部材は、これらジョー部材相互間に外科用クリップ200を受け入れるよう構成されている。上述したように、第1のジョー部材150′は、第2のジョー部材170′よりも短いのがよく、かつ/あるいは第1のジョー部材150′は、第2のジョー部材170′よりも短い長さを有するのがよい。第2のジョー部材170′は、遠位端に設けられていて、外科用クリップのフック部材208の凸状外面(例えば、下面216)を受け入れるよう構成された溝180′を備える内面178′を有するのがよい。溝180′は、第2のジョー部材170の長手方向軸線から遠ざかって遠位側にかつ第2のジョー部材170の外面に向かって延びる勾配を有するのがよく、このことは、保持を助け、フック部材208を開きやすくする傾斜部(ランプ)を提供する。内面178′は、溝180′の近位側に設けられていて、外科用クリップ200のラッチ外し時に第2のレッグ部材204を受け入れるよう構成されたチャネル182′をさらに有するのがよい。溝180′の内面は、チャネル182′の内面の上方に持ち上げられているのがよい。かくして、チャネル182′は、ラッチ外しの際にフック部材208と先端部材210の分離を可能にし、それにより、ラッチ外し後の再ラッチ止めを阻止し、その後において体内植え込み部位からの外科用クリップ200の摘出を可能にする凹凸を提供するのがよい。例えば、溝180′は、ラッチ外し後にチャネル182′が第2のレッグ部材204を受け入れるようにするためにチャネル182′の上方の壁188′に設けられるのがよいが、チャネル182′の少なくとも一部分は、図示のように、両横方向側部で開いているのがよい。
【0030】
図10図14にさらに示すように、ジョー機構体140′は、図7図9の方法において示したように、係合、ラッチ外しおよび/または摘出の際に外科用クリップ200を横方向に安定化するために外科用クリップ200の近位部分(例えば、ヒンジ部材206)を受け入れるよう構成された近位凹部142′をさらに含むのがよい。近位凹部142′は、第1のジョー部材150′、第2のジョー部材170′、および/またはシャフト120のうちの少なくとも1つの間に横方向に形成されるのがよい。例えば、図13および図14にさらに示すように、近位凹部142′は、第1のジョー部材150′の第1の切欠き面165′と第2のジョー部材170′の第2の切欠き面185′との間に形成されるのがよい。第1の切欠き面165′および第2の切欠き面185′の各々は、凹状でありかつ/あるいは角度が付けられているのがよく、各切欠き面は、外科用クリップ200の近位部分(例えば、ヒンジ部材206)の横方向互いに反対側の側部に設けられて係合、ラッチ外しおよび/または摘出の際に横方向安定性を外科用クリップ200にもたらすよう構成されている。
【0031】
さらに示すように、ジョー機構体140′は、ラッチ外し後における摘出のために外科用クリップ200の追加の安全性を器具100に提供するよう構成された少なくとも1つの係合部材166′を含むのがよい。例えば、少なくとも1つの係合部材166′は、外科用クリップ200のラッチ外し前、中、および/または直後に外科用クリップ200の部分(例えば、ウイング部材230)と締まり嵌め関係を生じさせるよう構成されているのがよい。少なくとも1つの係合部材166′は、第1のジョー部材150′の遠位部分、例えば、第1のジョー部材150′の遠位部分の遠位側の半分または遠位側の三分の一のところに設けられるのがよい。幾つかの実施形態では(図示したように)、少なくとも1つの係合部材166′は、内面158′に凹んだ状態で設けられたチャネル160′の互いに反対側で第1のジョー部材150′の内面158′から延びる第1および第2の係合部材166′を含むのがよい。第1および第2の係合部材166′は、第1のレッグ部材202のウイング部材230をこれら係合部材相互間に受け入れて係合し、それにより第1のレッグ部材202がチャネル160′内に受け入れられたときに第1のレッグ部材202を第1のジョー部材150′に固定するよう構成されているのがよい。第1のジョー部材150′が、第1のレッグ部材202を押しているとき、第1および第2の係合部材166′は、ウイング部材230が係合部材166′の下面169′(図13)に接触しているときに互いに遠ざかるよう偏向するよう構成されているのがよく、第1および第2の係合部材166′は、互いに向かって押し戻されて第1のレッグ部材202を締まり嵌めかつ/あるいはラッチ止め嵌合状態に固定するのがよい。外科用クリップ200は、追加的にまたは代替的に、第1のレッグ部材202が係合部材166′相互間に締まり嵌め状態でかつ/あるいはラッチ止め嵌合状態で受け入れられているときに圧縮されるのがよい。
【0032】
図12および図13にさらに示すように、第1および第2の係合部材166′の各々は、第1のジョー部材150′の内面158′から片持ち形態で第2のジョー部材170′に向かって下方に延びる第1の部分167′を有するのがよい。幾つかの実施形態では、第1および第2の係合部材166′は、ラッチ止めを行うよう構成されているのがよく、これら係合部材は、外科用クリップ200および互いに反対側に位置する係合部材166′の中央長手方向垂直平面に向かって横方向内方に延びてフックまたはキャッチ構造体を形成する第2の部分168′を有するのがよい。フック構造体の第2の部分168′は、係合部材166′の挿入および/または偏向を容易にするよう角度が付けられ、面取りが行われ、かつ/あるいは傾斜が付けられるのがよい下面169′を有するのがよい。第2の部分168′は、外科用クリップ200のウイング部材230の下に確実なラッチ止め嵌合状態および/または締まり嵌め状態で嵌まるよう構成されているのがよい。上述したように、ウイング部材の内面232は、第1のレッグ部材202の内面222から十分に間隔を置いて位置するとともに/あるいはこの内面222の平面内には位置していないのがよく、それにより外科用クリップ200によって結紮された組織の干渉または挟み込みを回避するのに十分な部分を第2の隙間168′のために提供することができる。
【0033】
しかしながら、幾つかの実施形態(図示せず)では、係合部材166′は、ラッチ止めを行うように構成されてはいないのがよくまたは非フック形であるのがよい(第2の部分168′を省く)。例えば、非フック形係合部材166′の部分167′は、第1のレッグ部材202を第1のジョー部材150′に固定するために締まり嵌め、摩擦力、締め付け力、および/またはクランプ力をクリップの部分(例えば、ウイング部材230)に及ぼすよう構成された実質的に平坦なまたは文字通り平坦な内側側面(図示せず)を有するのがよい。非フック形係合部材166′は、係合部材166′の挿入および/または偏向を容易にするよう角度が付けられ、面取りが行われ、かつ/あるいは傾斜が付けられるのがよい下面169′を依然として有するのがよい。
【0034】
いずれの場合においても、第1および第2の係合部材166′は、外科用クリップ200をジョー機構体140′に固定しまたはロックするのがよく、それにより追加の器具を何らか用いないで、結紮組織からのラッチ外し後に植え込み部位からの外科用クリップ200の摘出のために追加の安全性を提供することができる。次に、ユーザは、外科用クリップ200を第1および第2の係合部材166′から取り出すのがよく、それにより外科用クリップ200を器具100から取り出すことができる(例えば、ジョー機構体140′が体内植え込み部位からいったん取り外されると)。
【0035】
さらに示すように、第1のジョー部材150′は、外面を貫通していて、かつ第1のジョー部材150′越しに外科用クリップ200が見えるようにするためにチャネル160′と連絡状態にある孔162′を有するのがよく、かくして、外科用クリップ200が正しく装填されるとともに/あるいはラッチ外しされているという視覚的確認をユーザにもたらすことができる。第2のジョー部材170′は、外面を貫通して設けられていて、かつ第2のジョー部材170′越しに外科用クリップ200が見えるようにするためにチャネル182′と連絡状態にある外側孔189′を有するのがよく、かくして、外科用クリップ200が正しく装填されるとともに/あるいはラッチ外しされているという視覚的確認をユーザにもたらすことができる。第2のジョー部材170′は、壁188′を貫通して設けられていてかつ第1のジョー部材150′越しに外科用クリップ200の可視化を可能にするようチャネル182′と連絡状態にある遠位孔190′をさらに有するのがよい。例えば、先端部材210および/またはボス214は、外科用クリップ200のラッチ外しを確認できるよう遠位孔190′越しに見えるのがよい。
【0036】
本発明の多くの特徴および多くの利点は、詳細な説明から明らかであり、かくして、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の精神および範囲に属する本発明のかかる全ての特徴および利点を含むものである。さらに、多くの改造および変形が当業者には容易に想到されるので、本発明を図示すると共に説明した構成および作用そのものに限定することは望ましくなく、したがって、本発明の範囲に属する全ての適当な改造例および均等例を採用することができる。
図1
図2
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図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】