(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-25
(54)【発明の名称】マイクロバイオリアクタのための容器アセンブリ
(51)【国際特許分類】
C12M 1/00 20060101AFI20240418BHJP
【FI】
C12M1/00 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568516
(86)(22)【出願日】2022-05-06
(85)【翻訳文提出日】2023-12-27
(86)【国際出願番号】 US2022028207
(87)【国際公開番号】W WO2022236146
(87)【国際公開日】2022-11-10
(32)【優先日】2021-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510005889
【氏名又は名称】ベックマン コールター, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Beckman Coulter, Inc.
【住所又は居所原語表記】250 S. Kraemer Boulevard, Brea, CA 92821, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】フリッシェ, ニクラス
(72)【発明者】
【氏名】マイヤージーク, ダーフィト
(72)【発明者】
【氏名】ザトラー, ジーモン
(72)【発明者】
【氏名】クレマース, アレクサンダー
【テーマコード(参考)】
4B029
【Fターム(参考)】
4B029AA02
4B029BB02
4B029CC01
4B029DF01
4B029DF04
4B029GA03
4B029GB02
(57)【要約】
ガス補給蓋アセンブリは、ピペッタとも称される、分注/ピペット操作ロボットのピペット操作ユニットのための同時誘導アクセスとともに、一般に、いくつかの実施形態ではマイクロプレートとも称される、サンプル容器のガス密シールを可能にする。コンポーネントは、ガス密シールおよびピペット操作ロボットのための誘導アクセスの両方を可能にする。ガス補給蓋は、同時にいくつかの目的を果たし、非限定的方式において以下の利点、すなわち、ガス密シール、ガス補給蓋を伴わないロボット統合、ガス補給蓋を伴うロボット統合、シール機構、および嫌気性輸送を提供する。サンプル容器のリザーバの上方の体積(例えば、マイクロプレートのウェルの上方の体積)を低減させることは、これが酸素等の高濃度のガスの安全リスクを低減させる点において有利である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
リザーバを有するサンプル容器の上方に気密シールを生成するように構成されるマイクロ流体蓋アセンブリであって、前記マイクロ流体蓋アセンブリは、
ガイド要素と、
前記ガイド要素の下に整合するように構成される開口を伴う層と、
前記層の開口の下に整合するように構成される貫通孔を伴うマイクロ流体構造であって、前記マイクロ流体構造は、
1つまたはそれを上回る流体源と流体的に結合するように構成されるガス入口と、
前記ガス入口を前記サンプル容器のリザーバに流体的に結合するように構成されるマイクロ流体チャネルと
を備える、マイクロ流体構造と
を備える、マイクロ流体蓋アセンブリ
を備える、システム。
【請求項2】
前記マイクロ流体構造は、前記サンプル容器のリザーバのそれぞれを個々にシールするように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
各マイクロ流体チャネルは、制御されたガス濃度を前記複数のリザーバのうちの個々にシールされた1つに輸送するように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記マイクロ流体チャネルの第1のサブセットは、ガス状酸素、窒素、または二酸化炭素のうちの1つまたはそれを上回るものを前記リザーバに運搬するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記マイクロ流体チャネルの第2のサブセットは、液体試薬を前記リザーバに運搬するように構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記マイクロ流体構造はさらに、前記リザーバから離れるようにガスを運搬するように構成される付加的マイクロ流体チャネルを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記ガイド要素および前記層は、一体ユニットを形成する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記ガイド要素は、前記層に結合されるガイド構造上に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記マイクロ流体蓋アセンブリは、接着剤を用いて前記サンプル容器に接着されるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記開口は、前記層内のスリットを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記層は、弾力性ポリマー材料を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
サンプル容器アセンブリであって、
前記リザーバを備える前記サンプル容器と、
前記マイクロ流体構造であって、前記マイクロ流体構造の底面は、前記サンプル容器の上面に接着される、前記マイクロ流体構造と
を備える、サンプル容器アセンブリ
をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記マイクロ流体構造の上面は、前記層の底面に接着される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
バイオリアクタシステムであって、
前記サンプル容器アセンブリと、
所定の運動範囲内で前記サンプル容器アセンブリを移動させることによって、前記サンプル容器アセンブリを振盪させるように構成される振盪台であって、前記所定の運動範囲は、ガイド要素の上部端の内径以内である、振盪台と、
自動化ピペッタであって、前記自動化ピペッタは、前記サンプル容器アセンブリが振盪されている間、前記ガイド要素を介して前記サンプル容器の中に1つまたはそれを上回るピペット先端を挿入するように構成される1つまたはそれを上回るピペッタを備える、自動化ピペッタと
を備える、バイオリアクタシステム
をさらに備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記バイオリアクタシステムはさらに、
前記振盪台の上方に配置される上側チャンバと、
前記上側チャンバ内の予熱された空気を指向し、前記リザーバのそれぞれを均一に予熱するように構成されるカバーインレイと
を備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記カバーインレイは、前記リザーバと整合する通気孔を含み、前記通気孔は、前記予熱された空気を指向するように構成される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記バイオリアクタシステムはさらに、
前記振盪台の下方に配置される下側チャンバと、
前記下側チャンバの周囲に予熱された空気を循環させるように構成される1つまたはそれを上回るファンと
を備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記バイオリアクタシステムはさらに、
前記振盪台の上方に配置される上側チャンバと、
前記振盪台の下方に配置される下側チャンバと、
第1の標的温度において前記上側チャンバの空気を予熱するように構成される1つまたはそれを上回る第1の温度制御モジュールと、
第2の標的温度において前記下側チャンバの空気を予熱するように構成される1つまたはそれを上回る第2の温度制御モジュールと
を備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
前記第1の温度は、前記バイオリアクタシステムにおける凝縮を防止するために、前記第2の温度よりも高く設定される、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
自動的細胞培養システムであって、
タイタモジュールと、
前記バイオリアクタシステムであって、前記バイオリアクタシステムは、前記タイタモジュールと統合される細胞健全性および細胞培地測定能力を含む、前記バイオリアクタシステムと
を備える、自動的細胞培養システム
をさらに備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項21】
制御システムであって、
前記サンプル容器アセンブリと関連付けられる測定パラメータを入手するように構成されるセンサと、
少なくとも1つのガスを前記マイクロ流体構造に提供するように構成されるガス供給システムと、
コントローラであって、前記コントローラは、前記入手された測定パラメータを処理し、前記処理された測定パラメータに基づいて、前記ガス供給システムを制御するように構成される、コントローラと
を備える、制御システム
をさらに備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項22】
方法であって、
マイクロ流体構造をサンプル容器の上面に取り付けることと、
弾力性層を前記マイクロ流体構造の上面に取り付けることと、
少なくとも1つのガイド要素を前記弾力性層の上面に取り付けることと
を含む、方法。
【請求項23】
前記マイクロ流体構造を前記サンプル容器の上面に接着することをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記サンプル容器を振盪させることと、
ピペット先端を前記少なくとも1つのガイド要素の最も狭い領域に誘導するように、ロボットアームを作動させることと、
前記ピペット先端を前記少なくとも1つのガイド要素の最も狭い領域を通して前記サンプル容器の中に誘導することと
をさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記マイクロ流体構造が前記サンプル容器の上面に取り付けられた状態で前記サンプル容器を嫌気性環境内に設置することと、
前記サンプル容器が前記嫌気性環境内にある間、嫌気性細胞を備えるサンプルを前記サンプル容器の1つまたはそれを上回るリザーバの中に配置することと、
前記サンプル容器のリザーバにわたって蓋アセンブリを設置することによって、前記サンプル容器のリザーバの周囲に気密シールを生成することと、
細胞培養のために非嫌気性環境に前記シールされたサンプル容器を輸送することと
をさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記サンプル容器の上方にマイクロ流体蓋アセンブリを設置することであって、前記サンプル容器は、リザーバを含み、前記マイクロ流体蓋アセンブリは、前記マイクロ流体構造と、前記弾力性層と、前記少なくとも1つのガイド要素とを含み、前記マイクロ流体蓋アセンブリは、前記リザーバの上方のヘッドスペースを提供し、細胞培養の間のガス交換を可能にするように構成され、前記リザーバの上方の前記ヘッドスペースは、20mL~400mLである、ことと、
ガスを前記ヘッドスペースの中に流動させることと
をさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
嫌気性環境内に前記サンプル容器を設置することと、
前記サンプル容器が前記嫌気性環境内にある間、嫌気性細胞を備えるサンプルを前記サンプル容器の1つまたはそれを上回るリザーバの中に配置することと、
前記サンプル容器の上面に前記マイクロ流体蓋アセンブリを取り付けることによって、前記サンプル容器のリザーバの周囲に気密シールを生成することと、
細胞培養のために非嫌気性環境に前記シールされたサンプル容器を輸送することと
をさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記サンプル容器と、前記マイクロ流体構造とを備えるサンプル容器アセンブリと関連付けられる測定パラメータを感知することと、
前記感知された測定パラメータを処理することと、
前記処理された測定パラメータに基づいて、前記マイクロ流体構造への少なくとも1つのガスのガス供給源を制御することと
をさらに含む、請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、PCT国際特許出願として2022年5月6日に出願されており、その全開示が、その全体として参照することによって本明細書に組み込まれる、2021年5月7日に出願された米国仮特許出願第63/185,650号、2021年7月29日に出願された第63/227,210号、および2022年1月21日に出願された第63/301,982号の利益および優先権を主張する。
【0002】
生物学、薬理学、および医学の多くの分野において、生物系が、他の実施例の中でもとりわけ、好適な生物株、酵素、または好適な培養液培地および培養液条件の選択のためにスクリーニングされる。本文脈では、実験の並列化を介して達成され得る、高いサンプル処理能力に関する必要性が、存在する。
【0003】
マイクロプレートまたはマイクロタイタプレートは、小さい試験管として使用される複数のウェルを伴う平坦なプレートであり、多数の並列動作を達成するために利用され得るデバイスの一実施例である。例証的実施例として、個々のウェルはそれぞれ、培地で充填され、培地の中に細胞を導入するために播種され、振盪インキュベータを使用して特定の温度においてインキュベートされ得る。他のパラメータ値の中でもとりわけ、pH値、溶存酸素(DO)、溶存二酸化炭素、およびバイオマスの濃度等のプロセスパラメータが、成長プロセスの間に個々のウェル毎に連続的に測定され得る。
【0004】
微生物の工業的生産における小型化および並列化が、ここ数十年で経済的重要性を増している。微生物の培養における1つの課題は、生産されている細胞培養液のプロセスパラメータのリアルタイム監視である。栄養素およびpHの供給を制御し、バイオマス成長およびDOを監視することは、小型化されたバイオリアクタにおける細胞培養液の並列最適化を可能にし、活性物質、ビタミン、ペプチド、またはタンパク質の収率を最大限にする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一般用語において、本開示は、マイクロバイオリアクタのための容器アセンブリに関する。一構成では、容器アセンブリは、ピペット先端が、マイクロバイオリアクタの内側の攪拌の間にサンプル容器のウェルの中に挿入されることを可能にする、サンプル容器とガス補給蓋との間の改良されたシールを提供する。種々の側面が、本開示に説明され、これは、限定ではないが、以下の側面を含む。
【0006】
一側面は、サンプル容器のガス密シールを可能にするコンポーネントに関する。いくつかの実施例では、コンポーネントは、マイクロプレートのガス密シールを可能にする。
【0007】
いくつかのさらなる実施例では、サンプル容器のガス密シールを可能にすることに加えて、コンポーネントは、同時に、ピペット先端のための誘導アクセスを提供する。ガス密シールおよびピペット先端のための誘導アクセスの両方を可能にするコンポーネントは、時として、これから「ガス補給蓋」または「蓋筐体」または「蓋アセンブリ」と称される。ガス補給蓋は、同時にいくつかの目的を果たし、非限定的方式において以下の利点、すなわち、ガス密シール、ロボット統合、および嫌気性輸送を提供する。
【0008】
ガス補給蓋は、サンプル容器のウェル(例えば、マイクロプレートのウェル)の上方のヘッドスペース体積を有意に低減させることができる。本体積を低減させることは、これが酸素等の高濃度のガスの安全リスクを低減させる点において有利である。
【0009】
ガス補給蓋は、サンプル容器内のより高いO2濃度を安全に可能にする、サンプル容器内の低減されたヘッドスペース、サンプル容器を攪拌する間、ピペット先端の挿入を誘導することに役立つ、ガイド要素、ピペット先端が挿入されるときに開放し、ピペット先端が除去されるときに閉鎖するスリットを伴う、複数の弾力性層、サンプル容器およびガス補給蓋の縁の周囲に最適に圧力を分配し、パーティションを可能にする、シール面、およびサンプル容器が好気性作業空間における嫌気性培養のために単一のユニットとして輸送されることを可能にする、シールを含む、いくつかの利点を提供する。また、ガス補給蓋は、ガス補給蓋が、マイクロバイオリアクタ内にある間にサンプル容器の培養ウェルの中に酸素が進入しないように防止するため、マイクロバイオリアクタの内側の嫌気性培養を可能にする。
【0010】
いくつかの実施例では、少なくとも2つのタイプのガス補給蓋が、存在する。第1のタイプのガス補給蓋は、ウェルの第1のセット内に配置された液体試薬をウェルの第2のセット(培養のための細胞を有する)に結合する、ウェル底部におけるマイクロフルイディクスを有するマイクロ流体マイクロプレートと適合する。これらの蓋は、ウェルの2つのセットを分離するパーティションを含む。本開示は、ウェルを2つのセットに分離する単一のパーティションを有するものとして本第1のタイプのガス補給蓋を説明するが、任意の好適な数のパーティションによって分離される任意の好適な数のウェルのセットが、本開示によって想定される。
【0011】
第2のタイプのガス補給蓋は、非マイクロ流体マイクロプレート(または標準的マイクロプレート)と適合する。これらのマイクロプレートは、ウェルのためのマイクロフルイディクスを有していない。
【0012】
マイクロ流体および非マイクロ流体マイクロプレートは両方とも、例えば、5~50mL/分等の調節可能な流量を伴うサンプル容器の直接窒素(例えば、100%のN2)ガス補給の間に給送およびpH制御が同時に行われることを可能にする。
【0013】
別の側面は、マイクロプレートが好気性環境内にあるとき、嫌気性または微好気性培養、サンプリング、給送、およびpH制御を可能にすることに関する。
【0014】
一側面は、上部外面と、底部内面とを有する、蓋筐体であって、蓋筐体は、サンプル容器を被覆するように構成される、蓋筐体と、蓋筐体内に配置される、第1の弾力性層と、蓋筐体の底部内面から第1の弾力性層に向かって張出し、シール面が第1の弾力性層に対して押圧されるとき、気密シールを生成する、シール面とを備える、蓋アセンブリである。
【0015】
別の側面は、上部外面と、底部内面とを有する、蓋筐体であって、蓋筐体は、サンプル容器を被覆するように構成される、蓋筐体と、蓋筐体の上部外面から延在する、1つまたはそれを上回るガイド要素であって、各ガイド要素は、上部端から底部端まで延設される、中空内部部分を有し、中空内部部分は、底部端においてよりも上部端においてより大きい断面積を有し、各ガイド要素は、ピペット先端を受容および誘導するように構成される、1つまたはそれを上回るガイド要素と、蓋筐体内に配置される、第1の層であって、第1の層は、個別のガイド要素と整合される、1つまたはそれを上回る第1の開口を含み、各第1の開口は、ピペット先端がそれを通して押動されるときに開放し、ピペット先端が除去されるときに閉鎖するように構成される、第1の層とを備える、蓋アセンブリである。
【0016】
また別の側面は、上部外面と、底部内面とを伴う、蓋筐体であって、蓋筐体は、サンプル容器を被覆するように構成される、蓋筐体と、蓋筐体の上部外面から延在する、1つまたはそれを上回るガイド要素であって、各ガイド要素は、上部端から底部端まで延設される、中空内部部分を有し、中空内部部分は、底部端においてよりも上部端においてより大きい断面積を有し、各ガイド要素は、ピペット先端を受容および誘導するように構成される、1つまたはそれを上回るガイド要素と、蓋筐体内に配置される、第1の層であって、第1の層は、個別のガイド要素と整合される、1つまたはそれを上回る第1の開口を有し、各第1の開口は、ピペット先端がそれを通して押動されるときに開放し、ピペット先端が除去されるときに閉鎖するように構成される、第1の層とを備える、蓋アセンブリと、複数のウェルを備える、サンプル容器とを備える、容器アセンブリである。
【0017】
なおもさらなる側面は、上部外面と、底部内面とを有する、蓋筐体であって、蓋筐体は、サンプル容器を被覆するように構成される、蓋筐体と、蓋筐体の上部外面から延在する、1つまたはそれを上回るガイド要素であって、各ガイド要素は、上部端から底部端まで延設される、中空内部部分を有し、中空内部部分は、底部端においてよりも上部端においてより大きい断面積を有し、各ガイド要素は、ピペット先端を受容および誘導するように構成される、1つまたはそれを上回るガイド要素と、蓋筐体内に配置される、第1の層であって、第1の層は、個別のガイド要素と整合される、1つまたはそれを上回る第1の開口を有し、各第1の開口は、ピペット先端がそれを通して押動されるときに開放し、ピペット先端が除去されるときに閉鎖するように構成される、第1の層とを備える、蓋アセンブリと、複数のウェルを備える、サンプル容器とを備える、可逆的にシール可能なサンプル容器アセンブリと、所定の運動範囲内でサンプル容器アセンブリを移動させることによって、サンプル容器アセンブリを振盪させるように構成される、プラットフォームであって、所定の運動範囲は、ガイド要素のうちの1つまたはそれを上回るものの1つまたはそれを上回る上部端の1つまたはそれを上回る内径以内である、プラットフォームと、サンプル容器アセンブリが振盪されている間、1つまたはそれを上回るガイド要素を介したサンプル容器の中への挿入のために構成される、1つまたはそれを上回るピペット先端を有する、ピペット操作ロボットとを備える、バイオリアクタシステムである。
【0018】
別の側面は、サンプル容器の上に滅菌層を設置することと、滅菌層の上に弾力性層を設置することと、弾力性層の上に蓋筐体を押圧することと、蓋筐体をサンプル容器に解放可能に固着させることとを含む、サンプル容器をシールする方法である。
【0019】
また別の側面は、嫌気性細胞を培養する方法であり、本方法は、嫌気性環境内にサンプル容器を設置することと、サンプル容器が嫌気性環境内にある間、嫌気性細胞を備えるサンプルをサンプル容器の1つまたはそれを上回るウェルの中に配置することと、サンプル容器のウェルにわたって蓋アセンブリを設置することによって、サンプル容器のウェルの周囲に気密シールを生成することと、細胞培養のために非嫌気性環境にシールされたサンプル容器を輸送することとを含む。
【0020】
なおもさらなる側面は、バイオリアクタシステムが振盪されている間、サンプル容器の中にピペット先端を挿入する方法であり、本方法は、バイオリアクタシステムのサンプル容器の上方にガイド要素を設置することと、バイオリアクタシステムを振盪させることと、ガイド要素の最も狭い領域にピペット先端を誘導するように、ピペット操作ロボットを作動させることと、ピペット先端をガイド要素の最も狭い領域を通してサンプル容器の中に誘導することとを含む。
【0021】
別の側面は、マイクロプレートのための蓋アセンブリであり、マイクロプレートは、1つまたはそれを上回るウェルを含み、蓋アセンブリは、ウェルの上方のヘッドスペースを提供し、細胞培養の間のガス交換を可能にするように構成され、ウェルの上方のヘッドスペースは、20mL~400mlである。
【0022】
また別の側面は、マイクロプレートのウェルの上方のヘッドスペース内のガス濃度を制御する方法であり、本方法は、マイクロプレートの上方に蓋アセンブリを設置することであって、マイクロプレートは、1つまたはそれを上回るウェルを含み、蓋アセンブリは、ウェルの上方のヘッドスペースを提供し、細胞培養の間のガス交換を可能にするように構成され、リザーバの上方のヘッドスペースは、20mL~400mLである、ことと、ガスをヘッドスペースの中に流動させることとを含む。
【0023】
なおもさらなる側面は、ガス補給蓋を伴うサンプル容器アセンブリのための制御システムであり、制御システムは、サンプル容器アセンブリと関連付けられる測定パラメータを入手するように構成される、センサと、少なくとも1つのガスをガス補給蓋に提供する、ガス供給システムと、入手された測定パラメータを処理し、処理された測定パラメータに基づいて、ガス供給源を制御するように構成される、コントローラとを備える。
【0024】
別の側面は、ガス補給蓋を伴うサンプル容器アセンブリを制御する方法であり、本方法は、サンプル容器アセンブリと関連付けられる測定パラメータを感知することと、感知された測定パラメータを処理することと、処理された測定パラメータに基づいて、ガス補給蓋への少なくとも1つのガスのガス供給源を制御することとを含む。
【0025】
また別の側面は、コンピュータコントローラによって実行されると、コンピュータコントローラに、ガス補給蓋を有するサンプル容器アセンブリと関連付けられる測定パラメータを感知させ、感知された測定パラメータを処理させ、処理された測定パラメータに基づいて、ガス補給蓋への少なくとも1つのガスのガス供給源を制御させる、コンピュータプログラムコードを有形かつ非一過性様式において記憶する、コンピュータプログラム製品である。
【0026】
なおもさらなる側面は、サンプル容器の上方に気密シールを生成するためのマイクロ流体蓋アセンブリであり、蓋アセンブリは、サンプル容器の複数のリザーバにわたって配置され、サンプル容器の外周に沿ってシールを生成するように構成される、マイクロ流体構造を備え、マイクロ流体構造は、1つまたはそれを上回る流体源への1つまたはそれを上回る接続を受容するための1つまたはそれを上回るガス入口と、ガス入口を複数のリザーバのそれぞれに結合するように構成される、複数の第1のマイクロ流体チャネルとを備え、マイクロ流体構造は、リザーバのそれぞれを、複数のガイド要素およびサンプル容器のリザーバにわたって配置される開口を伴う層から分離する。
【0027】
さらなる実施形態では、マイクロ流体構造は、複数のリザーバのそれぞれを個々にシールするように構成される。別のさらなる実施形態では、複数の第1のマイクロ流体チャネルはそれぞれ、制御されたガス濃度を複数のリザーバのうちの個々にシールされた1つに輸送するように構成される。また別のさらなる実施形態では、複数の第1のマイクロ流体チャネルの少なくとも第1のサブセットは、ガス状酸素、窒素、または二酸化炭素のうちの1つまたはそれを上回るものをリザーバに運搬するように構成される。別のさらなる実施形態では、複数の第1のマイクロ流体チャネルの第2のサブセットは、液体試薬をリザーバに運搬するように構成される。また別のさらなる実施形態では、マイクロ流体構造はさらに、リザーバから離れるようにガスを運搬するように構成される、複数の第2のマイクロ流体チャネルを備える。別のさらなる実施形態では、複数のガイド要素および層は、一体ユニットを形成する。また別のさらなる実施形態では、複数のガイド要素は、層に結合される、ガイド構造上に配置される。別のさらなる実施形態では、マイクロ流体蓋アセンブリは、接着剤を用いてサンプル容器に接着されるように構成される。別のさらなる実施形態では、開口は、層内のスリットを備える。また別のさらなる実施形態では、層は、弾力性ポリマー材料を含む。
【0028】
別の側面は、複数のリザーバを備える、サンプル容器と、1つまたはそれを上回るガス入口と、複数のマイクロ流体チャネルとを備える、マイクロ流体構造とを備え、マイクロ流体構造の底面は、サンプル容器の上面に接着される、サンプル容器アセンブリである。さらなる実施形態では、複数のガイド要素は、層の上面に接着される、ガイド構造上に配置され、マイクロ流体構造の上面は、層の底面に接着される。
【0029】
また別の側面は、複数のリザーバを備える、サンプル容器と、1つまたはそれを上回るガス入口と、複数のマイクロ流体チャネルとを備える、マイクロ流体構造とを備え、マイクロ流体構造の底面は、サンプル容器の上面に接着される、サンプル容器アセンブリと、マイクロ流体構造の上方に位置付けられる、1つまたはそれを上回るガイド要素と、所定の運動範囲内でサンプル容器アセンブリを移動させることによって、サンプル容器アセンブリを振盪させるように構成される、振盪台であって、所定の運動範囲は、ガイド要素のうちの1つまたはそれを上回るものの1つまたはそれを上回る上部端の1つまたはそれを上回る内径以内である、振盪台と、サンプル容器アセンブリが振盪されている間、1つまたはそれを上回るガイド要素を介してサンプル容器の中に1つまたはそれを上回るピペット先端を挿入するように構成される、1つまたはそれを上回るピペッタを備える、自動化ピペッタとを備える、バイオリアクタシステムである。
【0030】
さらなる実施形態では、バイオリアクタシステムは、振盪台の上方に配置される、上側チャンバと、上側チャンバ内の予熱された空気を指向し、複数のリザーバのそれぞれを均一に予熱するように構成される、カバーインレイとを含む。別のさらなる実施形態では、カバーインレイは、複数のリザーバと整合する、通気孔を含み、通気孔は、予熱された空気を指向するように構成される。また別のさらなる実施形態では、バイオリアクタシステムは、振盪台の下方に配置される、下側チャンバと、下側チャンバの周囲に予熱された空気を循環させるように構成される、1つまたはそれを上回るファンとを含む。別の実施形態では、バイオリアクタシステムは、振盪台の上方に配置される、上側チャンバと、振盪台の下方に配置される、下側チャンバと、第1の標的温度において上側チャンバの空気を予熱するように構成される、1つまたはそれを上回る第1の温度制御モジュールと、第2の標的温度において下側チャンバの空気を予熱するように構成される、1つまたはそれを上回る第2の温度制御モジュールとを含む。さらなる実施形態では、第1の温度は、バイオリアクタシステムにおける凝縮を防止するために、第2の温度よりも高く設定される。
【0031】
なおもさらなる側面は、マイクロ流体構造をサンプル容器の上面に取り付けることと、弾力性層をマイクロ流体構造の上面に取り付けることと、少なくとも1つのガイド要素を弾力性層の上面に取り付けることとを含む、サンプル容器アセンブリを組み立てる方法である。さらなる実施形態では、本方法は、マイクロ流体構造をサンプル容器の上面に接着することを含む。
【0032】
別の側面は、バイオリアクタシステムが振盪されている間、サンプル容器の中にピペット先端を挿入する方法であり、本方法は、バイオリアクタシステムのサンプル容器に取り付けられるマイクロ流体蓋アセンブリの上方にガイド要素を設置することと、バイオリアクタシステムを振盪させることと、ピペット先端をガイド要素の最も狭い領域に誘導するように、ロボットアームを作動させることと、ピペット先端をガイド要素の最も狭い領域を通してサンプル容器の中に誘導することとを含む。
【0033】
また別の側面は、嫌気性細胞を培養する方法であり、本方法は、マイクロ流体構造がサンプル容器の上面に取り付けられた状態でサンプル容器を嫌気性環境内に設置することと、サンプル容器が嫌気性環境内にある間、嫌気性細胞を備えるサンプルをサンプル容器の1つまたはそれを上回るリザーバの中に配置することと、サンプル容器のリザーバにわたって蓋アセンブリを設置することによって、サンプル容器のリザーバの周囲に気密シールを生成することと、細胞培養のために非嫌気性環境にシールされたサンプル容器を輸送することとを含む。
【0034】
なおもさらなる側面は、マイクロタイタプレートのリザーバの上方のヘッドスペース内のガス濃度を制御する方法であり、本方法は、マイクロタイタプレートの上方にマイクロ流体蓋アセンブリを設置することであって、マイクロタイタプレートは、1つまたはそれを上回るリザーバを含み、マイクロ流体蓋アセンブリは、リザーバの上方のヘッドスペースを提供し、細胞培養の間のガス交換を可能にするように構成され、リザーバの上方のヘッドスペースは、20mL~400mLである、ことと、ガスをヘッドスペースの中に流動させることとを含む。
【0035】
別の側面は、嫌気性細胞を培養する方法であり、本方法は、嫌気性環境内にマイクロ流体蓋アセンブリを伴うサンプル容器を設置することと、サンプル容器が嫌気性環境内にある間、嫌気性細胞を備えるサンプルをサンプル容器の1つまたはそれを上回るリザーバの中に配置することと、サンプル容器のリザーバにわたって蓋アセンブリを設置することによって、サンプル容器のリザーバの周囲に気密シールを生成することと、細胞培養のために非嫌気性環境にシールされたサンプル容器を輸送することとを含む。
【0036】
また別の側面は、サンプル容器アセンブリと関連付けられる測定パラメータを入手するように構成される、センサと、少なくとも1つのガスをガス補給蓋に提供する、ガス供給システムと、入手された測定パラメータを処理し、処理された測定パラメータに基づいて、ガス供給源を制御するように構成される、コントローラとを備える、ガス補給蓋を伴うサンプル容器アセンブリのための制御システムである。
【0037】
なおもさらなる側面は、サンプル容器アセンブリと関連付けられる測定パラメータを感知することと、感知された測定パラメータを処理することと、処理された測定パラメータに基づいて、ガス補給蓋への少なくとも1つのガスのガス供給源を制御することとを含む、ガス補給蓋を伴うサンプル容器アセンブリを制御する方法である。
【0038】
別の側面は、コンピュータコントローラによって実行されると、コンピュータコントローラに、ガス補給蓋を有するサンプル容器アセンブリと関連付けられる測定パラメータを感知させ、感知された測定パラメータを処理させ、処理された測定パラメータに基づいて、ガス補給蓋への少なくとも1つのガスのガス供給源を制御させる、コンピュータプログラムコードを有形かつ非一過性様式において記憶する、コンピュータプログラム製品である。
【0039】
また別の側面は、タイタモジュールと、タイタモジュールと統合される、細胞健全性および細胞培地測定能力を含む、バイオリアクタモジュールとを備える、自動的細胞培養システムである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
本願の一部を形成する、以下の図面の図は、説明される技術の例証であり、いかようにも本開示の範囲を限定することを意味しない。
【0041】
【
図1】
図1は、マイクロバイオリアクタの等角図である。
【0042】
【
図2】
図2は、
図1のマイクロバイオリアクタの培養チャンバの内側に嵌合する、容器アセンブリの上面等角図である。
【0043】
【
図3】
図3は、容器アセンブリの底面等角図である。
【0044】
【
図4】
図4は、容器アセンブリの分解等角図である。
【0045】
【
図5】
図5は、容器アセンブリの分解正面立面図である。
【0046】
【0047】
【
図7】
図7は、容器アセンブリの弾力性層の詳細図である。
【0048】
【
図8】
図8は、サンプル容器が
図2の容器アセンブリのコンポーネントである、複数のウェルを含む、サンプル容器の実施例の上面図である。
【0049】
【
図9】
図9は、容器アセンブリの蓋筐体の第1の実施例の底面図である。
【0050】
【0051】
【
図11】
図11は、蓋筐体およびサンプル容器の底面等角図である。
【0052】
【0053】
【
図13】
図13は、蓋筐体のガイド要素を通して挿入されるピペット先端を示す、
図2の容器アセンブリの断面図である。
【0054】
【
図14】
図14は、ピペット先端が容器アセンブリから除去された後の
図2の容器アセンブリの断面図である。
【0055】
【
図15】
図15は、シール機構が開放位置において示される、容器アセンブリのシール機構の断面図である。
【0056】
【
図16】
図16は、シール機構が閉鎖位置において示される、
図15のシール機構の別の断面図である。
【0057】
【
図17】
図17は、
図2の容器アセンブリの蓋筐体とサンプル容器との間のシールを示す、断面図である。
【0058】
【0059】
【
図19】
図19は、
図1のマイクロバイオリアクタの基部の上に位置付けられる、容器アセンブリの実施例を示す、上面等角図である。
【0060】
【0061】
【0062】
【
図22】
図22は、
図1のマイクロバイオリアクタの基部の上に位置付けられる、容器アセンブリの別の実施例を示す、上面等角図である。
【0063】
【0064】
【0065】
【
図25】
図25は、
図1のマイクロバイオリアクタのコンピュータ制御システムの実施例を図式的に示す。
【0066】
【
図26】
図26は、
図2の容器アセンブリ下に光学センサを位置付けるための
図1のマイクロバイオリアクタの機械的システムの等角図である。
【0067】
【
図27】
図27は、
図1のマイクロバイオリアクタの培養チャンバを照明するために使用され得る、発光ダイオードアレイモジュール(LAM)の等角図である。
【0068】
【
図28】
図28は、
図1のマイクロバイオリアクタの下に搭載される、LAMの底面等角図である。
【0069】
【0070】
【0071】
【
図31】
図31は、サンプル容器を冷却するように適合される、蓋筐体の実施例の底面等角図である。
【0072】
【0073】
【0074】
【
図34】
図34は、容器アセンブリを使用して実施され得る、嫌気性培養の方法の実施例を図示する。
【0075】
【
図35】
図35は、容器アセンブリを使用して実施され得る、嫌気性培養の方法の別の実施例を図示する。
【0076】
【
図36】
図36は、容器アセンブリの内側での培養プロセスの間の培養時間にわたる溶存酸素、バイオマス利得、および添加された給送溶液を示す、グラフである。
【0077】
【
図37】
図37は、容器アセンブリの内側での培養プロセスの間の培養時間にわたるpHおよび添加されたNaOH体積を示す、グラフである。
【0078】
【
図38】
図38は、容器アセンブリの内側での培養プロセスの間の培養時間にわたるバイオマスを示す、グラフである。
【0079】
【
図39】
図39は、容器アセンブリの内側での培養プロセスの間の培養時間にわたる酸素濃度、pH信号、および添加されたNaOH体積を示す、グラフである。
【0080】
【
図40】
図40は、容器アセンブリの内側での培養プロセスの間の培養時間にわたるバイオマスおよび添加された給送体積を示す、グラフである。
【0081】
【
図41】
図41は、容器アセンブリの内側での培養プロセスの間の培養時間にわたるpH、酸素濃度、およびNaOHの添加された体積を示す、グラフである。
【0082】
【
図42】
図42は、例示的バイオリアクタシステムの断面図である。
【0083】
【
図43】
図43は、サンプル容器アセンブリの斜視分解図である。
【0084】
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】
【
図48A】
図48Aは、バイオリアクタシステムの上側チャンバに関連するコンポーネントの斜視図である。
【0089】
【
図48B】
図48Bは、バイオリアクタシステムの上側チャンバに関連するコンポーネントの別の斜視図である。
【0090】
【
図48C】
図48Cは、バイオリアクタシステムの上側チャンバに関連するコンポーネントの上面図である。
【0091】
【
図49A】
図49Aは、バイオリアクタシステムの下側チャンバに関連するコンポーネントの底面図である。
【0092】
【
図49B】
図49Bは、バイオリアクタシステムの下側チャンバに関連するコンポーネントの別の底面図である。
【0093】
【
図50】
図50は、自動的細胞培養プラットフォームのブロック図である。
【0094】
【
図51】
図51は、サンプル容器アセンブリを組み立てる方法の実施例を図示する。
【0095】
【
図52】
図52は、バイオリアクタシステムが振盪されている間にサンプル容器の中にピペット先端を挿入する方法の実施例を図示する。
【0096】
【
図53】
図53は、嫌気性細胞を培養する方法の実施例を図示する。
【0097】
【
図54】
図54は、嫌気性細胞を培養する方法の別の実施例を図示する。
【0098】
【
図55】
図55は、マイクロタイタプレートのリザーバの上方のヘッドスペース内のガス濃度を制御する方法の実施例を図示する。
【0099】
【
図56】
図56は、ガス補給蓋を伴うサンプル容器アセンブリを制御する方法の実施例を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0100】
詳細な説明
全ての図全体を通して、同一または対応する要素は、概して、同一の参照番号によって示され得る。これらの描写される実施形態は、本発明の例証として理解されるものであり、いかようにも限定として理解されるものではない。また、図が、必ずしも縮尺通りではなく、実施形態が、図形記号、想像線、図式的表現、および断片的な図によって図示され得ることを理解されたい。ある事例では、本発明の理解のために必要ではない、または他の詳細を知覚することを困難にする詳細は、省略されている場合がある。
【0101】
図1は、マイクロバイオリアクタ100の実施例の等角図である。
図1に示されるように、マイクロバイオリアクタ100は、培養チャンバ104を画定する、筐体102を含む。マイクロバイオリアクタ100は、培養チャンバ104の内側で培養を実行しながら、バイオマス、pH、溶存酸素(DO)、および蛍光等のパラメータをオンラインで測定する。加えて、マイクロバイオリアクタ100は、ユーザが培養チャンバ104の内側の振盪速度、温度、ガス濃度、ガス流量、および湿度を制御することを可能にする、タッチスクリーンディスプレイ106を含む。代替として、または加えて、マイクロバイオリアクタ100は、そのような制御を可能にし得る別個のコンピューティングデバイスに通信可能に結合されてもよい。
【0102】
いくつかの側面では、マイクロバイオリアクタ100は、2012年9月18日に発行された、「Method and Device for Recording Process Parameters of Reaction Fluids in Several Agitated Microreactors」と題された米国特許第8,268,632号、2014年9月9日に発行された、「Microreactor」と題された米国特許第8,828,337号、2015年1月13日に発行された、「Microreactor Array, Device Comprising a Microreactor Array, and Method for Using a Microreactor Array」と題された米国特許第8,932,544号、および2019年9月24日に発行された、「Microreactor System」と題された米国特許第10,421,071号(その全体は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるマイクロリアクタと類似するコンポーネント、特徴、および機能性を共有することができる。
【0103】
図2および3は、マイクロバイオリアクタ100の培養チャンバ104の内側に嵌合する、容器アセンブリ200の等角図である。容器アセンブリ200は、サンプル容器18に取り付けられる、または別様にそれに結合され得る、蓋筐体8を含む。いくつかの実施例では、サンプル容器18は、マイクロプレートまたはマイクロタイタプレートである。蓋筐体8は、ガス密様式においてサンプル容器18をシールする。蓋筐体8は、安全性が重要なガスが、任意の濃度において、かつ任意の流量においてサンプル容器18の中に給送され、それから排出されることを可能にする。
【0104】
容器アセンブリ200は、少なくともサンプル容器18のガス密シールを含む、利点を提供する。サンプル容器18のガス密シールは、ガスが培養チャンバ104およびマイクロバイオリアクタ100の他のコンポーネントの雰囲気と接触することなく、安全性が重要なガスの制御された導入および排出を可能にする。これは、サンプル容器18の上方のヘッドスペース内のガス濃度に対する高レベルの制御を可能にする。ヘッドスペースは、サンプル容器18と蓋筐体8の底部内面28との間の空間である。さらに、これは、培養の間に容器アセンブリ200内の危険である酸素または他のガス(例えば、可燃性、毒性、窒息させることが可能であるガス等)の高い濃度を維持し、火事または爆発等の安全リスクを低減させることを可能にする。例えば、容器アセンブリ200は、低減された安全リスク下でヘッドスペース内に最大100%の純酸素を維持することを可能にする。加えて、容器アセンブリ200はさらに、従来のシステムと比較して、サンプル容器18の上方のヘッドスペースを有意に低減させることができる。これはさらに、例えば、そのようなガスの全体的体積を低減させることによって、酸素のような高濃度の可燃性ガスによって課される安全リスクを低減させることに寄与する。また、培養チャンバ104のための材料の設計および選択は、重要なガスとの直接接触を考慮する必要性によってもはや制約されず、これは、マイクロバイオリアクタ100を構築するために要求される技術的労力を低減させる。
【0105】
ガスは、制御された様式においてサンプル容器18の中に給送され、それから排出されるため、N2およびCO2等の窒息の潜在性を伴うガスの流動は、必要に応じて増加されることができる。加えて、蓋筐体8は、マイクロバイオリアクタ100の培養チャンバ104の全体ではなく、サンプル容器18の上方のヘッドスペースのみが、加湿およびガス補給される必要性があるため、エネルギーおよびガス消費を低減させる。
【0106】
図4は、容器アセンブリ200の分解等角図である。
図5は、容器アセンブリ200の分解正面立面図である。
図6は、容器アセンブリ200の断面図である。ここで
図2-6を参照すると、サンプル容器18は、それぞれ、細胞培養液または試薬を別個に含有するように構成される、ウェル61の列を含む。サンプル容器18は、蓋筐体8によって完全に被覆されるが、依然として、1つまたはそれを上回るピペット先端(
図13に示されるピペット先端71参照)がウェル61の中に液体を給送するために、またはウェル61からプローブを取り出すためにアクセス可能である。したがって、蓋筐体8は、ガス雰囲気が容器アセンブリ200から逃散することを可能にすることなく、ピペット先端71が容器アセンブリ200に進入することを可能にするアセンブリを有する。蓋筐体8は、ピペット先端71が各ウェルにアクセスするために、ウェル61のそれぞれの上方に貫通孔23を有する。
【0107】
ガイド構造1が、蓋筐体8に解放可能かつ可逆的に結合される。ガイド構造1は、複数のガイド要素2を含む。ガイド構造1はさらに、蓋筐体8上の対応するスロット10に係合し、蓋筐体8上にガイド構造1を可撤式に取り付けるように構造化される、1つまたはそれを上回る取付機構3を含む。
【0108】
取付機構3は、蓋筐体8の外面に対して撓曲し、対応するスロット10の中にスナップ嵌合するように構造化される。取付機構3は、ユーザが、対応するスロット10から取付機構3を係脱させ、それによって、蓋筐体8からガイド構造1を解放することを可能にする、取っ手を含むことができる。代替実施例では、ガイド要素2は、蓋筐体8の一体部分を形成する。
【0109】
第1の弾力性層13が、蓋筐体8と滅菌層16との間に位置付けられる。第2の弾力性層4が、蓋筐体8とガイド構造1との間に位置付けられる。
【0110】
図7は、第2の弾力性層4の詳細図である。図は、同じものとして第1および第2の弾力性層13、4を示すが、いくつかの実施例では、それらは、同じではない。ここで
図4および7を参照すると、第1および第2の弾力性層13、4は、それぞれ、開口15、6を含む。開口15、6は、線形形状を有するスリットとして図示されるが、開口15、6に関する代替形状および構成も、可能性として考えられる。
【0111】
図4に示されるように、第2の弾力性層4の開口6は、貫通孔23と整合し、第1の弾力性層13の開口15は、貫通孔23と整合する。容器アセンブリ200のコンポーネントは、ピペット先端71が、ガイド要素2を通して、第2の弾力性層4の開口6を通して、蓋筐体8の貫通孔23を通して、かつ第1の弾力性層13の開口15を通して挿入され得、したがって、ピペット先端71が、滅菌層16を穿刺し、サンプル容器18のウェル61に到達し得るように配列される。いくつかの実施例では、ガイド要素2、第2の弾力性層4、蓋筐体8、および第1の弾力性層13は、容器アセンブリ200のためのガス補給蓋を形成する。
【0112】
少なくとも第2の弾力性層4は、蓋筐体8の上部外面上のピン21と整合する、孔22を含む。第2の弾力性層4上の孔22とピン21との間の協働は、第2の弾力性層4が蓋筐体8に対して固定されることを可能にする。
【0113】
いくつかの実施例では、ガイド構造1は、蓋筐体8の上部外面上のピン21と整合する、孔22を含む。ガイド構造1上の孔22とピン21との間の協働は、ガイド構造1が蓋筐体8に対して固定されることを可能にする。
【0114】
少なくとも第1の弾力性層13は、ガスが第1の弾力性層13を通して通過することを可能にする、孔14を含む。孔14は、開口15に隣接して位置付けられる。図に描写される実施例では、第2の弾力性層4はまた、開口6に隣接する、孔5を含む。明確化のために、孔5は、何の目的も果たさない。孔5は、第1の弾力性層13の孔14、蓋筐体8の貫通孔23、またはガイド構造1のガイド要素2と整合されず、孔5は、ガスが容器アセンブリ200から逃散することを可能にしない。故に、容器アセンブリ200は、気密である。孔5は、同一の部分が、第1および第2の弾力性層13、4の両方としての使用のために製造され得るように、第2の弾力性層4においてのみ存在する。故に、孔5は、随意である。したがって、代替実施例では、第2の弾力性層4は、孔5を含まない。
【0115】
第1および第2の弾力性層13、4は、シリコーン等の弾力性材料から作製される。第1および第2の弾力性層13、4の弾力性材料は、容器アセンブリ200の内側の汚染および蒸発を低減させ、容器アセンブリ200内で混合することを可能にしないことによって、ガス濃度を所望のレベルに維持することに役立つことができる。
【0116】
第1および第2の弾力性13、4は、それらが変形後にそれらのサイズおよび形状を復元することが可能である点において弾力性である。例えば、下記により詳細に議論されるであろうように、開口15、6は、ピペット先端71(
図13参照)がそれを通して挿入されるときに開放するように構成される自己回復開口であり、開口15、6は、ピペット先端71がそれから除去されるときに自己回復および閉鎖するように構成される。
【0117】
本明細書に説明される構成における少なくとも2つの弾力性層(すなわち、第1および第2の弾力性層13、4)を使用することが、有利であり得る。例えば、底部弾力性層(例えば、第1の弾力性層13)は、サンプル容器18内のウェル61が滅菌性のために被覆された状態を保ち、蒸発を防止することができる。上部弾力性層(例えば、第2の弾力性層4)は、付加的滅菌性を提供することができ、蓋筐体8のヘッドスペース20(
図6参照)内のガス濃度を調整することに役立つように、蓋筐体8の上部をシールする(ピペット先端によって穿刺されないときは常に貫通孔23を被覆する)。いくつかの実施例では、任意の数の付加的層が、追加される利益(例えば、増加された滅菌性および/またはシール)のために使用されてもよい。
【0118】
滅菌層16は、セルロース膜または生体適合性であり、滅菌性を維持することが可能である任意の他の好適な層等の滅菌材料から作製される。例えば、滅菌層16は、微生物および水蒸気に対して透過性ではないように十分に小さく、ガスに対して透過性であるように十分に大きい細孔サイズを有する織物から作製されることができる。
【0119】
接着剤が、サンプル容器18の周の周囲に滅菌層16を固着させるために使用されることができる。例証的実施例として、接着剤は、アプリケータまたは類似する手段を使用して、滅菌層16またはサンプル容器18のいずれかに適用されることができる。いくつかの実施例では、滅菌層16全体が、サンプル容器18上に直接適用され得る接着剤である。
【0120】
滅菌層16は、サンプル容器18とマイクロバイオリアクタ100の培養チャンバ104との間の滅菌境界を提供する。有利なこととして、培養チャンバ104は、サンプル容器18のウェル61の内側の細胞培養液の汚染を防止するために常に滅菌状態に保たれる必要性はない。加えて、滅菌層16は、O2、N2、CO2、空気、および同等物等のガスに対して透過性でもありながら、蒸発を低減させることができる。
【0121】
滅菌層16は、(特に、下記に説明されるようなピペット先端による最初の穿刺に先立って)サンプル容器18のウェル61内の細胞培養液の汚染を防止する、または少なくとも低減させる際に有用であり、また、サンプル容器18のウェル61から出ないように蒸発を防止する、または少なくとも低減させる際に有用である。下記にさらに説明されるであろうように、サンプル容器18のウェル61からサンプルを採取する、またはそれに懸濁剤を添加するとき、ピペット先端71は、容器アセンブリ200の滅菌層16を穿刺する。
【0122】
ピペット先端71が滅菌層16を穿刺する結果からもたらされる孔は、上記に言及される滅菌層16によって提供される効果の一部を低減させ得るが、有効性における低減は、ピペット先端71が滅菌層16を穿刺することから生成される孔が比較的に小さい点において、軽減される。加えて、1つまたはそれを上回る弾力性層(例えば、滅菌層16の上方の第1および第2の弾力性層13、4)は、サンプル容器18内のウェル61(例えば、サンプルリザーバ)の上方のヘッドスペース20をシールすることに役立つことができる。1つまたはそれを上回る弾力性層はまた、滅菌層16が穿刺された後に汚染を低減させ、さらに、蒸発を低減させることに役立つことができる。
【0123】
加えて、1つまたはそれを上回る弾力性層は、サンプル容器18内のウェル61の上方のヘッドスペース20内の必要なガス濃度を制御および維持することを可能にする、気密シールを提供する。蓋筐体8は、ウェル61の上方にヘッドスペース20を提供し、細胞培養の間のガス交換を可能にするように構成される。いくつかの実施例では、蓋筐体8によって提供されるヘッドスペース20は、20mL~400mLに及ぶことができる。いくつかのさらなる実施例では、蓋筐体8によって提供されるヘッドスペース20は、さらに説明されるであろうように、パーティションを有し、マイクロフルイディクスを有するプレートと協働するように構成される第1のタイプのガス補給蓋に関して60mL~90mLに及ぶことができる。いくつかのさらなる実施例では、蓋筐体8によって提供されるヘッドスペース20は、さらに説明されるであろうように、いかなるマイクロフルイディクスも有していないプレートと協働するように構成され、したがって、パーティション化されない第2のタイプのガス補給蓋に関して80~120mLに及ぶことができる。
【0124】
図4および5に示されるように、蓋筐体8は、ガスが、サンプル容器18内のウェル61の上方のヘッドスペース20に進入し、それから退出することを可能にする、ガスポート11、12を含むことができる。例えば、ガスポート11は、入口ポートであってもよく、ガスポート12は、出口ポートであってもよい(または逆もまた同様である)。いくつかの実施例では、ガス入口ポートは、ヘッドスペース20へのガス混合物への供給のための所望の濃度を有するガス混合物を達成するために、2つまたはそれを上回るガス(例えば、酸素、二酸化炭素、および窒素)を混合する、デバイスに結合されてもよい。ガス出口ポートは、所望の流量(例えば、いったん所望の圧力が達成されると、ガス入口の流量に合致する)においてヘッドスペース20からガスを排気するために使用される。図示されないが、いくつかの実施例では、蓋筐体は、異なるガスのための複数の入口を含むことができる。例えば、これは、酸素、二酸化炭素、および窒素のための別個の入口を含んでもよい。
【0125】
本開示は、簡潔さのためにガス入口/ポートおよびガス源に言及するが、これは、ガス源が、液体または部分的に液体の形態であり得、ガス入口の中に、対応するチャネル/パイプを通して流動する流体が、液体または部分的に液体の形態であり得ることを想定する。
【0126】
図4および5に描写される実施例は、2つのガスポート、すなわち、ガス入口ポートおよびガス出口ポートを含むものとして蓋筐体8を示す。そのような実施例では、蓋アセンブリ8は、非マイクロ流体用途のために使用されることができる。蓋筐体8がマイクロ流体用途のために適合されるとき等の代替実施例では、蓋筐体8は、下記にさらに説明されるであろうように、リザーバウェルから培養ウェルへの試薬の流体流動を制御するように、リザーバウェルの上方の空間(そのような空間は、培養ウェルの上方のヘッドスペースからパーティション化される)に/から加圧ガスを導入または除去するための付加的ガスポートを含むことができる。本開示は、ある数のガスポートを開示するが、任意の好適な数のガスポートが、想定される。例えば、酸素のための入口ポート、CO
2のための入口ポート、窒素のための入口ポート、および同等物等の付加的ガスポートが、異なるガスのために含まれてもよい。
【0127】
いくつかの実施例では、ガスポートは、容器アセンブリ200が、ヘッドスペース20内で広い範囲の酸素濃度を可能にすることによって、極端な嫌気性から好気性の生物からの全範囲の細胞を培養するために使用され得るように、サンプル容器18内のウェル61の上方のヘッドスペース20が0%~100%に及ぶ酸素濃度を有することを可能にする。いくつかの実施例では、ガスポートは、ヘッドスペース20内の酸素濃度を0%~5%、0%~10%、または0%~20%のレベルに調節するために使用されることができる。
【0128】
蓋筐体8はまた、蓋筐体8をサンプル容器18に固着させ、シールするために、偏心レバー7と、シール機構9とを含む。偏心レバー7およびシール機構9は、下記により詳細に議論されるであろう。
【0129】
図8は、サンプル容器18の上面図である。
図8に示されるように、サンプル容器18は、列において配列される、複数のウェル61を含む。
図8に示される実施例では、サンプル容器18は、ユーザが48回の並列培養を実施することを可能にする、合計48個のウェルを含む。サンプル容器18のための代替サイズが、可能性として考えられる。例えば、サンプル容器18は、6、12、24、96、384、または1,536個のウェルのうちのいずれか、およびそれらの間の任意の数のウェル、または任意の好適な数のウェルを含むように定寸されてもよい。
【0130】
図8にさらに示されるように、サンプル容器18は、ウェル61を囲繞する、シール面17を含む。シール面17は、ともに連結され、ウェル61の周の周囲で半円形形状である、複数の湾曲した縁を含む。
【0131】
図9は、マイクロフルイディクスを伴うマイクロプレートのためにパーティション化される、蓋筐体8の第1の実施例の底面図である。
図10は、マイクロフルイディクスを伴うマイクロプレートのためにパーティション化される、蓋筐体8の実施例の底面等角図である。
図11は、サンプル容器18に対してマイクロフルイディクスを伴うマイクロプレートのためにパーティション化される、蓋筐体8の底面等角図である。
図9-11に示されるように、シール面35が、蓋筐体8の底部内面28から張出する。シール面35は、第1の弾力性層13(
図6もまた参照)に接触し、その上に押下するように構成され、これは、したがって、サンプル容器18のシール面17に対して圧縮させられ、それによって、蓋筐体8の内周とサンプル容器18との間に気密シールを形成する。これは、第1の弾力性層13のまた別の利点を図示する。
【0132】
シール面35は、第1および第2の陥凹エリア32、34に対して上昇される。シール面35は、第1および第2の陥凹エリア32、34と容器アセンブリ200の外部との間の境界構造として作用することができる。
【0133】
シール面35は、サンプル容器18のシール面17の形状に共形化し、シール面17の縁に沿って均一な圧力を印加する。シール面35は、内向きの侵入を殆ど伴わずにウェル61の縁を囲繞するように構成される。
【0134】
閾値量の圧力が、シール面17、35の間に気密シールを生成するために、蓋筐体8とサンプル容器18との間に必要とされる。シール面17、35の間の接触の表面積を増加させることは、気密シールを生成するために必要とされる閾値量の圧力を増加させ、これは、サンプル容器18の構造的完全性を損ない得る。シール面17、35の形状は、接触エリアをウェル61を囲繞する最適な領域に低減させ、これは、蓋筐体8とサンプル容器18との間に気密シールを形成するために必要とされる閾値量の圧力を最小限にする。
【0135】
いくつかの実施例では、サンプル容器18は、マイクロ流体サンプル容器である。そのような実施例では、サンプル容器18(
図8参照)の列AおよびBは、マイクロ流体圧送プロセスを介して給送される培養のための細胞を有する他のウェルの中に給送し得る、リザーバウェル(例えば、培地、試薬、栄養素、pH調整液、または任意の他の好適な液体を含有するウェル)としての役割を果たすことができる。具体的性質を伴う雰囲気が、培養のために使用されるウェル61(本明細書では「培養ウェル」と称される)内に生産されるべきであるが、圧力が、圧送プロセスが実行され得るように、リザーバウェルに印加される必要があり得る。すなわち、加圧ガス(例えば、窒素)が、下記にさらに説明されるであろうように、リザーバウェルの上方の空間の中に導入され、圧力を増加させ、それによって、流体をマイクロ流体チャネルを介してリザーバウェルから培養ウェルの中に運搬させてもよい。培養ウェルの上方のヘッドスペース内の所望の圧力およびガス濃度を維持するために、サンプル容器18のこれらの領域は、分離される必要性がある。したがって、パーティション33が、
図9-11に示されるように、第1および第2の陥凹エリア32、34を分離するために使用される。
【0136】
図9-11に示されるように、パーティション33は、蓋筐体8の底部内面28上にあり、相互から密閉されるウェル61の別個の区分を生成する。いくつかの実施例では、シール面35およびパーティション33は、相互と連続的である。
【0137】
例証的実施例として、パーティション33は、培養ウェルのために指定される第1の陥凹エリア32(明確化のために、第1の陥凹エリア32は、培養ウェルの上方のヘッドスペース20を画定するものである)を画定することができ、さらに、リザーバウェルのために指定される第2の陥凹エリア34を画定する。
【0138】
2つの別個の陥凹エリアが、本実施例に示されるが、蓋筐体8は、ウェル61をさらに細分化するための付加的パーティションを含んでもよい。例えば、酸素等の第1の濃度のガスを必要とする培養のためのウェルの第1のセットが、第1の濃度と異なる第2の濃度のガス(例えば、酸素)を必要とする培養のためのウェルの第2のセットから別のパーティションによって細分化されてもよい。
【0139】
シール面35およびパーティション33は、第1の弾力性層13を圧縮し、それによって、所望のレベルのシールを提供するために、第1の弾力性層13に対して押圧され得る、リジッド材料から作製される。いくつかの実施例では、シール面35およびパーティション33は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等のリジッドポリマー材料から作製される。
【0140】
図9に提供される実施例に示されるように、蓋筐体8は、それぞれ、
図4および5に示されるガスポート11、12に個別に接続される、2つの開口部36、37を含む。これらの開口部のうちの一方は、ガスを給送するための入口であり、他方の開口部は、ガスを交換するための出口である。開口部36、37は、第1の陥凹エリア32内に提供され、したがって、サンプル容器18内の培養ウェルに制御された濃度の空気、酸素、窒素、またはCO
2を伴うガスを給送するために使用されることができる。いくつかの実施例では、本ガスは、所望のレベルまで加湿されてもよい。第3の開口部38が、第2の陥凹エリア34内に提供され、リザーバウェルの上方のヘッドスペースを加圧し、したがって、リザーバウェルからの液体をマイクロ流体チャネルを介して培養ウェルの中に移動させるように、サンプル容器18内のリザーバウェルに加圧ガスを給送するために、蓋筐体8上の第3のガスポート25(
図23参照)に接続されることができる。本実施例では、蓋アセンブリ8は、マイクロ流体用途のために構成される。
【0141】
蓋筐体8は、サンプル容器18を環境的にシールする。細胞培養のための所望の雰囲気を形成する混合ガスは、蓋筐体8の下に誘導され、ウェル61にわたって通過する。サンプル容器18がサンプル容器18内の培養ウェルに給送するためのリザーバウェルを含む場合では、リザーバウェルは、蓋筐体8のパーティション33を使用して、培養ウェルから密閉されることができる。
【0142】
パーティション33は、リザーバウェルの上に印加される圧力が、微生物培養液を培養するために使用されるウェルの上に印加される圧力と異なることを可能にする。パーティション33はまた、リザーバウェルにわたるガスと培養ウェル内の成分との混合を防止することを可能にし、したがって、培養ウェルの上方のヘッドスペース内のガスが調整されることを可能にする。
【0143】
依然として
図9-11を参照すると、蓋筐体8は、第1の弾力性層13が培養の間に規定された限界を超えて変形しないことを確実にするように、サンプル容器18を被覆する第1の弾力性層13上に押下する1つまたはそれを上回る支柱30を含むことができる。例えば、第1の弾力性層13は、これがある閾値を上回る熱およびガスに暴露されるとき、拡張し、したがって、外向き方向に変形しやすくあり得る(一時的または恒久的のいずれか)材料から作製されることができる。支柱30は、第1の陥凹エリア32内の底部内面28から張出し、これは、細胞培養のために構成されるウェル61を被覆する。支柱30は、ウェル61に向かって延在し、第1の弾力性層13が、培養の間にウェル61を含む全体としてのシステムから放出される熱、ガス、または他の力に起因して、上向きに(例えば、閾値量を超えて)変形および押動しないように防止することに役立つ。いくつかの実施例では、支柱30は、パーティション33またはシール面35と同程度に遠くまで延在せず、したがって、シールが形成されるとき、弾力性層13に触れない、またはそれに対して押動しない。むしろ、支柱30は、弾力性層13が閾値量を上回って変形するときにのみ触れ得る。
【0144】
図9-11は、蓋筐体8の底部内面28上の2つの支柱を示すが、代替実施例では、蓋筐体8は、1つのみの支柱を含んでもよい、または2つを上回る支柱を含んでもよい。したがって、
図9および10に示される支柱30の配列は、例証的実施例として提供され、蓋筐体8は、本特定の配列に限定されない。
【0145】
図12は、蓋筐体8の別の実施例の底面図である。本実施例では、蓋筐体8の底部内面は、蓋筐体8の底部内面上に単一の陥凹エリア42のみが存在するように、
図9-11に示されるパーティション33を含まない。シール面45が、陥凹エリア42を囲繞する。シール面45は、シール面35と実質的に類似する、または同一である。本実施例では、蓋筐体8の底部内面は、陥凹エリア42から張出する、4つの支柱40を含む。
【0146】
図12に図示される実施例では、蓋筐体8は、
図4および5に示されるガスポート11、12に接続される、2つの開口部36、37を含む。開口部36、37は、それぞれ、入口ガスポートおよび出口ガスポート(例えば、ガスポート11、12)のうちの一方に対応し、単一の陥凹エリア42内に提供される。開口部36、37は、制御された濃度の空気、酸素、窒素、またはCO
2を伴うガスを培養ウェルに給送し、ガスを排気するために使用されることができる。本実施例では、蓋アセンブリ8は、非マイクロ流体用途のために構成される。
【0147】
図13は、蓋筐体8のガイド要素2を通して挿入されるピペット先端71を示す、容器アセンブリ200の断面図である。本実施例では、ピペット操作ロボット70が、ピペット先端71の移動を制御する。
図14は、ピペット先端71が容器アセンブリ200から除去された後の容器アセンブリ200の断面図である。
【0148】
ピペット操作ロボット70は、ピペット先端71の移動を制御するために説明されるが、本明細書の開示は、サンプル容器18のウェル61から流体をサンプリングし、その中に流体を導入することもまた、手動で実施され得ることを想定する。例えば、ユーザは、1つまたはそれを上回るウェル61から流体をサンプリングする、または1つまたはそれを上回るウェル61の中に流体を導入するために、1つまたはそれを上回るウェル61の中に1つまたはそれを上回るピペット先端71を手動で挿入してもよい。
【0149】
図13および14に示されるように、ガイド要素2は、それぞれ、サンプル容器18内の具体的場所(例えば、ウェル61)に向かってピペット先端71を誘導することに役立ち得る、中空内部部分60を画定する。いくつかの実施例では、中空内部部分60は、容器アセンブリ200の種々の層およびコンポーネントを通してピペット先端71を誘導することに役立つために、円錐形または円錐台形形状を有する。これは、特に、培養および/または発酵の間に培養チャンバ104の内側にあるときにマイクロバイオリアクタ100による容器アセンブリ200の攪拌または振盪の間にピペット先端71が挿入および除去されるときに有利である。
【0150】
容器アセンブリ200の軌道振盪運動の間、ピペット先端71は、所望のウェルの上方のガイド要素2の中に挿入されてもよい。中空内部部分60の直径が、培養チャンバ104の内側の攪拌(例えば、振盪)直径よりも小さくなるとすぐに、ピペット先端71とガイド要素2との間の直接接触が、存在する。ピペット先端71およびピペット操作ロボット70への接続の可撓性に起因して、ピペット先端71は、ガイド要素2の最も狭い部分に、最終的に、ガイド要素2を通して誘導される。その後、ピペット先端71は、容器アセンブリ200の種々の層およびコンポーネントを通して押動され、サンプル容器18のウェル61に到達することができる。
【0151】
例えば、ピペット先端71は、これが滅菌層16に到達するまで、第2の弾力性層4の開口6、蓋筐体8の貫通孔23、および第1の弾力性層13の開口15を通して通過することができる。ピペット先端71は、滅菌層16内の孔を穿刺し、その後、サンプル容器18上のウェル61に到達するように十分にリジッドである。故に、ガイド要素2、蓋筐体8の貫通孔23、および種々の層は、サンプル容器18にわたる定常場所にピペット先端71の端部を正確に位置付ける役割を果たし得、孔のサイズは、孔がサンプル容器18の振盪に起因して拡大されないように、サンプル容器18が振盪される際にピペット先端71のサイズに限定されることができ、故に、ピペット先端71がそれを通して通過することから形成される孔のサイズは、最小限にされる。
【0152】
さらに、ガイド要素2によるピペット先端71の正確な位置付けは、滅菌層16が、ピペット先端71の複数の挿入の間に同一のウェルにわたる複数の場所において穿刺されないことを確実にする。これは、単一の実験が、単一のウェルにわたる数百回のピペット操作先端挿入を含み得、同一のウェルにわたる滅菌層16内の複数の孔が、汚染のリスクを増加させ得るため、有利な特徴である。
【0153】
マイクロバイオリアクタ100は、軌道方式において容器アセンブリ200を移動させるように構成される、アクチュエータシステムを含む。連続的振盪は、ウェル61の通気を改良し、ウェルの内側の沈降を防止する。したがって、ウェルの中への、またはウェルから外へのピペット操作の間に振盪を中断することは、望ましくない。第1および第2の弾力性層13、4の開口15、6が摩耗しないように防止するために、ピペット先端71は、開口15、6の側面を害することを回避するために、開口15、6の中間に衝突しなければならない。
【0154】
ピペット先端71を蓋筐体8内の貫通孔23および第1および第2の弾力性層13、4内の開口15、6の中間に誘導するために、ピペット先端71は、ガイド構造1のガイド要素2によって誘導される。ガイド要素2は、ピペット先端71を貫通孔23および開口15、6の中間に誘導し、ピペット先端71を容器アセンブリ200の攪拌の間に本場所に心合された状態に保つための漏斗のように作用する。ピペット先端71が開口15、6から除去された後、開口は、第1および第2の弾力性層13、4の弾性性質を通してそれらだけで閉鎖する。
【0155】
いくつかの実施例では、マイクロバイオリアクタ100のアクチュエータシステムは、600RPM~1,000RPMの範囲内であり、1~6mmの攪拌直径を伴う軌道方式において容器アセンブリ200を移動させるように構成される。いくつかのさらなる実施例では、マイクロバイオリアクタ100のアクチュエータシステムは、600RPM~800RPMの範囲内であり、1~5mmの攪拌直径を伴う軌道方式において容器アセンブリ200を移動させるように構成される。いくつかのさらなる実施例では、マイクロバイオリアクタ100のアクチュエータシステムは、100RPM~1,000RPMの範囲内であり、1~5mmの攪拌直径を伴う軌道方式において容器アセンブリ200を移動させるように構成される。いくつかのさらなる実施例では、マイクロバイオリアクタ100のアクチュエータシステムは、600RPM~800RPMの範囲内であり、3mmの攪拌直径を伴う軌道方式において容器アセンブリ200を移動させるように構成される。いくつかのさらなる実施例では、マイクロバイオリアクタ100のアクチュエータシステムは、100RPM~2,000RPMの範囲内であり、1~30mmの攪拌直径を伴う軌道方式において容器アセンブリ200を移動させるように構成される。いくつかのさらなる実施例では、マイクロバイオリアクタ100のアクチュエータシステムは、容器アセンブリ200を0RPM~2000RPMの範囲内で軌道方式において移動させるように構成されている。いくつかのさらなる実施例では、マイクロバイオリアクタ100のアクチュエータシステムは、容器アセンブリ200を100RPM~1500RPMの範囲内で軌道方式において移動させるように構成されている。いくつかの実施例において、撹拌直径は、1mm~6mmの間であり得る。
【0156】
滅菌層16がピペット先端71によって穿刺された後、第1の弾力性層13は、サンプル容器18のウェル61にわたってシールを維持する。例えば、第1の弾力性層13は、ウェル61のそれぞれにわたって開口15を含み、開口15は、それらがピペット先端71によって貫通されないときにそれら自体で自動的にシールし得る点において、「自己回復」する。
【0157】
第1および第2の弾力性層13、4は、任意の好適な弾力性および応従性材料から作製されることができる。いくつかの実施例では、第1および第2の弾力性層13、4は、好適な弾力性および応従性を提供する、シリコーンフィルムである。代替として、第1および第2の弾力性層13、4は、軟質ポリマーまたは軟化剤と配合される硬質ポリマーから作製されることができる。
【0158】
ピペット先端71は、上記に説明されるガイド要素2によって第1の弾力性層13の開口15の中に精密に誘導される。開口15はそれぞれ、該ピペット先端71が、滅菌層16を穿刺し、
図13に示されるようにウェル61の中に浸漬し得るように、ピペット先端71の圧力に起因して開放する。ピペット操作手順が終了した後、ピペット先端71は、ウェル61から引き抜かれる。ピペット先端71によって付与される圧力を伴わないと、第1の弾力性層13の開口15は、ガス密様式において自然に閉鎖し、したがって、損傷されるときに滅菌層16にわたってシールを提供する。
【0159】
図13および14は、第1および第2の弾力性層13、4の開口15の自己回復性質を示す。
図13では、開口15は、6は、ピペット先端71が挿入されるときに開放され、
図14では、開口15、6は、ピペット先端71が除去された後に閉鎖される。
【0160】
貫通孔23は、ガスを蓋筐体8のヘッドスペース20から漏出させ得る。したがって、第2の弾力性層4は、蓋筐体8の貫通孔23にわたって適用される。いくつかの実施例では、第2の弾力性層4は、少なくとも1つの側上で自己接着性である。
【0161】
第2の弾力性層4の開口6は、蓋筐体8の各個別の貫通孔23の上方に整合される。開口6は、開口15のように、それらが、ピペット先端71がそれを通して押動されるときに開放するように構成され、ピペット操作手順後、開口6が、ヘッドスペース20をシールするように自然に閉鎖するように、自己回復する。
【0162】
図15は、開放条件におけるシール機構9を示す、断面図である。
図16は、閉鎖条件におけるシール機構9を示す、断面図である。シール機構9は、サンプル容器18を損傷させることなく、蓋筐体8とサンプル容器18との間に気密シールを生成するために十分な量の圧力を伴ってサンプル容器18上に蓋筐体8を押圧するように構成される。
【0163】
シール機構9は、圧入接続によってシール機構9の内側に搭載される、押圧スリーブ82を含む。押圧スリーブ82は、シール機構9の内側のボールスリーブ81と垂直に整合される。ボールスリーブ81は、半径方向に誘導されるボール83に係合する肩部87において終端する。肩部87の垂直位置に基づいて、半径方向に誘導されるボール83は、蓋筐体8と基部支柱85(
図19参照)との間のシールを開放または閉鎖する。
【0164】
ボールスリーブ81は、開放位置に押下されるようにばね80によって付勢される。偏心レバー7が作動されると、肩部87は、引き上げられる。押圧スリーブ82の直径は、半径方向に誘導されるボール83が上向きに引動されるときに減少され、これは、半径方向に誘導されるボール83を軌道振盪プラットフォーム180(
図19および21参照)の基部支柱85の溝88に向かって半径方向に変位させる。これは、蓋筐体8と基部支柱85との間の形態嵌合を生産し、それによって、蓋筐体8を基部支柱85に取り付ける。
【0165】
加えて、シール機構9は、蓋筐体8をサンプル容器18上に押圧させ、サンプル容器18がマイクロバイオリアクタ100の培養チャンバ104の内側に保持されるとき、サンプル容器18の上方にシールされたガス雰囲気を生成する。発生されたトルクに起因して、偏心レバー7は、閉鎖位置において自己係止する。
【0166】
偏心レバー7が、閉鎖位置から開放位置に移動するように動作されると、半径方向に誘導されるボール83は、下向きに押動され、そこで、押圧スリーブ82の直径は、半径方向に誘導されるボール83が、溝88から離れるように半径方向に拡張し、基部支柱85から蓋筐体8を解放するように、増加される。したがって、シール機構9は、蓋筐体8を基部支柱85に取り付け、それから取り外し、かつサンプル容器18上に蓋筐体8を押圧し、それからこれを解放するための容易な方法を提供する。
【0167】
蓋筐体8が、サンプル容器18上に押圧されると、シールが、蓋筐体8の内側のシール面35およびパーティション33およびサンプル容器18上のシール面17の幾何学的に一意の上昇によって、蓋筐体8とサンプル容器18との間に生成される。シール面17、35の形状は、サンプル容器18上に蓋筐体8を押圧するために必要とされるシール機構9および偏心レバー7からの圧力を低減させ、蓋筐体8が、サンプル容器18を損傷させることなく、ガス密様式においてサンプル容器18をシールすることを可能にする。
【0168】
図17は、蓋筐体8およびサンプル容器18の断面図である。蓋筐体8はさらに、サンプル容器18の外部側壁に対して係合し、それ自体を圧縮し、蓋筐体8とサンプル容器18との間の別のシールを提供する、シール90を含むことができる。シール90は、サンプル容器がマイクロバイオリアクタ100の培養チャンバ104の中に挿入される前に、ガスがサンプル容器18に進入しない、またはそれから逃散しないように遮断する、嫌気性シールであり得る。例えば、いくつかの事例では、容器アセンブリ200が、嫌気性チャンバとしての使用のために構成されるように、サンプル容器18の内側の酸素のない雰囲気に関する必要性が、存在し得る。シール90は、酸素がサンプル容器18のウェル61に進入しないように防止することができる。
【0169】
前述を考慮して、サンプルが、嫌気性テント内でサンプル容器18に添加されることができ、サンプル容器18は、培養および/またはさらなる作業のために、容器アセンブリ200が、嫌気性テントの外側に位置し得る、マイクロバイオリアクタ100に持ち込まれる前に、蓋筐体8を用いてシールされることができる。これは、これが、ユーザが、特殊な機器を伴わずに自由に培養液を用いて作業することを可能にする点において有利であり、さらに、マイクロバイオリアクタが、嫌気性テント内に位置付けられることを必要とせず、それによって、よりアクセス可能であり得る点において有利である。故に、サンプル容器18と蓋筐体8との間の嫌気性シールは、開放空気環境における容器アセンブリ200の容易な輸送を可能にする。
【0170】
図18は、容器アセンブリ200の解放ピン19を示す、断面図である。
図18に示されるように、解放ピン19は、それぞれ、Oリング24によってシールされ、サンプル容器18から蓋筐体8を解放するために使用されることができる。例えば、サンプル容器18は、蓋筐体8を保持し、解放ピン19に対して圧力を付与し、蓋筐体8から外にサンプル容器18を押動または射出することによって、蓋筐体8から解放されることができる。
【0171】
図19-21は、非マイクロ流体用途のために構成される、容器アセンブリ200の実施例を示す。本実施例では、容器アセンブリ200は、2つの偏心レバー7を有する。
図19は、軌道振盪プラットフォーム180に搭載される、容器アセンブリ200を示し、
図20は、マイクロ流体ガスチャネル151への接続を伴わない軌道振盪プラットフォーム180に搭載される、容器アセンブリ200の断面図を示し、
図21は、容器アセンブリ200がそれに搭載されないときの軌道振盪プラットフォーム180を示す。
【0172】
図22-24は、マイクロ流体用途のための3つのガスポート11、12、25を含む、容器アセンブリ200’の実施例の図を示す。
図22は、軌道振盪プラットフォーム190に搭載される、容器アセンブリ200’を示し、
図23は、マイクロ流体ガスチャネル151への接続を伴う軌道振盪プラットフォーム190に搭載される、容器アセンブリ200’の断面図を示し、
図24は、容器アセンブリ200’がそれに搭載されないときの軌道振盪プラットフォーム190を示す。本実施例では、レバーが、側面上でオフセットされるため、3つの偏心レバー7が、容器アセンブリ200’上に提供される。第3のレバーを提供することによって、圧力が、アセンブリ全体の周囲に均一に分配されることができる。そうでなければ、オフセットされるレバーは、圧力を均一に分配しないであろう。
【0173】
マイクロ流体ガスチャネル151は、培養ウェルの中に給送されるリザーバウェル内の試薬の流動を制御する、マイクロ流体弁を動作させるために使用される。マイクロ流体ガスチャネル151は、マイクロ流体弁が、圧力がそれらに印加されるときに閉鎖され、いかなる圧力も印加されないときに開放されるように、マイクロ流体弁を加圧するために使用される。マイクロ流体弁が開放および閉鎖される具体的順序を通して、定義された体積の試薬が、培養ウェルの中に給送されることができる。いくつかの実施例では、マイクロ流体弁のそれぞれを個々に制御する、96個のマイクロ流体ガスチャネル151が、存在する。本技術は、2015年1月13日に発行され、「Microreactor Array, Device Comprising a Microreactor Array, and Method for Using a Microreactor Array」と題された米国特許第8,932,544号(その全体は、参照することによって本明細書に組み込まれる)により詳細に説明されている。
【0174】
図33は、加圧ガス3310が、リザーバウェル3302の上方のヘッドスペースを加圧し、リザーバウェル3302からの液体を流体ダクト3306の中に下に移動させる、マイクロ流体弁構成3300を図示する。マイクロ流体ガスチャネル151から加圧ガス3312を給送する制御されたシーケンスは、流体ダクト3306に沿ったマイクロ流体弁3308を開放および閉鎖させる。マイクロ流体弁3308の開放および閉鎖は、液体を、これが培養ウェル3304に到達するまで、流体ダクト3306を横断して移動させる。
【0175】
微生物培養液は、成長するためのガス雰囲気を要求する。殆どの細胞に関して、酸素は、雰囲気の重要な成分である。しかしながら、純酸素は、生物にとって毒性があり得、したがって、これは、多くの場合、様々な濃度の酸素を伴う空気のような雰囲気を生成するために、窒素で希釈される。雰囲気からのCO2は、pHを調節するために、または光合成を行う光栄養生物のための炭素源として使用されることができる。容器アセンブリ200は、空気、酸素、窒素、およびCO2の混合物を有する、ウェル61のための雰囲気を提供するために使用されることができる。
【0176】
上記に列挙されるガスは、実験の間に混合されることができる。いくつかの実施例では、ガスのうちの2つが、混合されることができる。例えば、雰囲気の酸素濃度を増加させるために、空気が、酸素と混合されることができる。雰囲気の酸素濃度を減少させるために、空気が、窒素と混合されることができる。雰囲気のCO2濃度を増加させるために、空気が、CO2と混合されることができる。いくつかの実施例では、2つのみのガスが、一度に混合される。代替実施例では、2つを上回るガスが、混合されることができる。
【0177】
上記の実施例では、混合物は、各弁が開放または閉鎖される時間の間の比を設定するために、パルス幅変調(PWM)信号を用いて制御される2つまたはそれを上回る弁によって生成される。ガスは、ガス入口ポート(例えば、例示的図におけるガスポート11、12のうちの1つ)を通して給送される。弁が開放される時間が長いほど、弁を通過し得るガスの濃度は、高くなる。ガスが混合された後、センサが、雰囲気中の酸素またはCO2レベルを測定することができる。制御フィードバックは、所定の値に到達するように、それに応じてPWM信号を調節し得るコントローラである。
【0178】
サンプル容器18内の液体の損失を回避するために、蓋筐体8を通して容器アセンブリ200の中に導入されたガスは、湿度で飽和されることができる。これは、細胞培養専用のウェル61内の培地の蒸発を防止する。したがって、ガスポート11、12、25のうちの1つまたはそれを上回るものを通して最終的に給送されるガス流は、ガス流を加湿するように、その流動に沿った好適な点において(例えば、ガスの源と入口ガスポートとの間のある点において)水(またはガス流を加湿するためのある他の好適な液体)で充填されたリザーバを通して導かれ得る。例えば、ガス入口ポート(例えば、ガスポート11、12のうちの1つ)の中に給送されるガス流は、1つまたはそれを上回るガス源(例えば、ガスキャニスタ)において生じ得、別のガスと混合されることができ、次いで、水リザーバを通して通過し、最終的に、ガス入口ポートの中に給送されることができる。いくつかの実施例では、管が、これが水を通して通過する必要性があるように、ガス流をリザーバの底部に誘導してもよい。リザーバ内の水の吸収を最大限にするために、これは、熱パッドによって、室温を十分に上回って設定された温度まで加熱される。いくつかの実施例では、付加的ガスポート25(リザーバウェルの上方の空間の中に加圧ガスを給送する)は、類似するプロセスによって加湿されてもよい。他の実施例では、付加的ガスポート25は、加湿されなくてもよい。
【0179】
図25は、マイクロバイオリアクタ100のコンピュータ制御システム2500の実施例を図式的に示す。
図25に示されるように、コンピュータ制御システム2500は、上記に説明されるように、マイクロバイオリアクタ100の動作を制御するために動作的に結合される、コンピュータコントローラ240を含む。コンピュータコントローラ240は、したがって、上記に説明される機能性を実行するために、ガス供給源、ガス弁、センサ、アクチュエータ、およびピペット操作ロボット(集合的に、242)に動作的に結合される。コンピュータコントローラ240はまた、コンピュータコントローラ240によって実行されると、コンピュータコントローラ240に、上記に言及される機能性を実行させる、コンピュータプログラム製品を有形かつ非一過性様式において記憶する、コンピュータ記憶媒体を備える。
【0180】
別の実施形態は、少なくとも1つの処理デバイス(コンピュータコントローラ240のプロセッサ等)によって実行されると、少なくとも1つの処理デバイスに、上記に言及される機能性のうちの1つまたはそれを上回るものを実行させる、データ命令を記憶する、少なくとも1つのコンピュータ可読媒体を含む。例えば、一実施形態は、少なくとも1つの処理デバイスによって実行されると、少なくとも1つの処理デバイスに、ガス補給蓋を有するサンプル容器アセンブリと関連付けられる測定パラメータを感知させ、感知された測定パラメータを処理させ、処理された測定パラメータに基づいて、ガス補給蓋への少なくとも1つのガスのガス供給源を制御させる、データ命令を記憶する、少なくとも1つのコンピュータ可読媒体を含む。
【0181】
図26は、マイクロバイオリアクタ100の機械的システム2600の実施例の等角図である。機械的システム2600は、容器アセンブリ200がマイクロバイオリアクタ100の培養チャンバ104の内側に保持されるとき、容器アセンブリ200の下に光学センサ2602を位置付けるために、マイクロバイオリアクタ100によって使用されてもよい。
【0182】
光学センサ2602は、各ウェル内の細胞培養液の測定値を取得するために、サンプル容器18の各ウェル61の下で、またはサンプル容器18のウェル61のサブセットの下で移動される。光学センサ2602の移動は、2つの垂直軸(例えば、XおよびY軸)に沿って機械的システム2600によって制御される。XおよびY軸に沿って光学センサ2602を移動させることは、光学センサ2602が、サンプル容器18の各ウェル61の下に位置付けられ、光で各ウェル61を照明し、ウェル61から戻るように返される散乱光を受光し、バイオマス、pH、溶存酸素(DO)、および蛍光等の1つまたはそれを上回るパラメータの測定値を取得することを可能にする。
【0183】
第1のモータ2604が、Y軸に平行なシャフト2608に沿って摺動するようにアクチュエータ2606に動力供給し、Y軸に沿った光学センサ2602の位置を制御する。アクチュエータ2606は、X軸に平行であり、光学センサ2602に接続される、シャフト2610を担持する。アクチュエータ2606は、シャフト2618に沿って光学センサ2602を移動させ、それによって、Y軸に沿った光学センサ2602の位置を制御するように構成される。
【0184】
第2のモータ2612が、X軸に平行なシャフト2616に沿って摺動するようにアクチュエータ2614に動力供給し、X軸に沿った光学センサ2602の位置を制御する。アクチュエータ2614は、シャフト2618を介して光学センサ2602に接続され、シャフト2610に沿って光学センサ2602を移動させ、それによって、X軸に沿った光学センサ2602の位置を制御する。
【0185】
いくつかの実施例では、第1および第2のモータ2604、2612は、ステップモータである。
図26に示される実施例では、第1および第2のモータ2604、2612は、それぞれ、ベルト2620、2622を引動し、垂直軸に沿ったアクチュエータ2606、2614の移動を制御する。各ウェル61の下に光学センサ2602を位置付けるために、垂直軸に沿って光学センサ2602を移動させるための代替実施例が、想定される。
【0186】
図27は、マイクロバイオリアクタ100の培養チャンバ104を照明するために使用され得る、発光ダイオードアレイモジュール(LAM)2700の等角図である。LAM2700は、アドオンモジュールであり得る。LAM2700からの照明は、明るい日光に類似する。光のスペクトル組成は、変動されることができる。LAM2700は、マイクロバイオリアクタ100内の光栄養微生物の高処理能力培養を可能にする。
【0187】
LAM2700は、筐体2702を含む。いくつかの実施例では、筐体2702は、アルミニウムから作製される。いくつかの実施例では、筐体2702は、約35cm×26cm×9.75cmの寸法である。筐体2702のための代替材料およびサイズ測定値も、可能性として考えられる。
【0188】
図28は、マイクロバイオリアクタ100の下に搭載される、LAM2700の底面等角図である。
図29は、LAM2700の概略図である。ここで
図28および29を参照すると、LAM2700は、マイクロバイオリアクタ100の培養チャンバ104の内側の軌道振盪プラットフォーム180、190(例えば、振盪器)上に設置される、サンプル容器18(例えば、マイクロプレートまたはマイクロタイタプレート)の底部を均質に照明するように構成される。
【0189】
LAM2700は、培養チャンバ104を照明するための光を放出する、発光ダイオード(LED)2710のアレイを含み、光を集束させるためのレンズ2712と、光がそれを通して通過することを可能にし、LED2710のアレイおよびレンズ2712を含む、LAM2700の内部コンポーネントを保護する、透明石英板2714とを含むことができる。
【0190】
LED2710は、経時的に相当な量の熱を発生させ得る。したがって、LAM2700は、LAM2700および/またはマイクロバイオリアクタ100の培養チャンバ104を冷却するために使用され得る、冷却プレート2716(
図30参照)を含む。
【0191】
図30は、冷却プレート2716の等角図である。ここで
図27および30を参照すると、冷却プレート2716は、出口2706を通して退出する前にLAM2700を冷却するために、コイル2718を通して流れる液体冷却剤(例えば、水)を受容する、入口2704を含む。コイル2718は、コイル2718の表面積を増加させ、それによって、これを通して流れる液体冷却剤の冷却効果を増加させるために、蛇行形状を有することができる。
【0192】
図31は、サンプル容器18(例えば、マイクロプレートまたはマイクロタイタプレート)を冷却するように適合される、蓋筐体8の実施例の底面等角図である。
図32は、蓋筐体8の上面等角図である。本実施例では、蓋筐体8(例えば、ガス補給蓋)は、一方の端部上でガイド要素2に接続し、サンプル容器18のウェル61の間の間隙62(
図8参照)の中に下向きに延在する、冷却ピン29を含む。冷却ピン29およびガイド要素2は、伝導性材料から作製されることができ、したがって、サンプル容器18から熱を奪い、これを容器アセンブリ200の外側の周囲空気に拡散させるための熱シンクとして作用することができる。いくつかの実施例では、熱をより迅速に放散させ、冷却ピン29とサンプル容器18との間の熱接触を改良するために、サンプル容器18のウェル61の間の間隙62は、脱塩水等の液体で充填されることができる。
【0193】
したがって、冷却ピン29は、サンプル容器18と培養チャンバ104の上側部分内の十分に予熱された空気との間の熱交換を生成することができると同時に、ピペット先端71のためのガイドとしての役割を果たす。冷却ピン29は、サンプル容器18の内側の温度を許容可能なレベルに維持することができ、それは、サンプル容器18内で均一に分配される。また、冷却ピン29は、培養チャンバ104の上側および下側部分の内側の温度を許容可能なレベルに維持することに役立つことができる。
【0194】
図34は、容器アセンブリ200を使用して実施され得る、嫌気性培養の方法3400の実施例を図示する。方法3400は、嫌気性環境内にある間、培養ウェルの上方のヘッドスペース内の酸素濃度を、閾値量を下回る所定の酸素範囲(例えば、0%~5%、0%~10%、その間の任意の範囲)に調節する動作3402を含む。次に、方法3400は、容器アセンブリ200をシールする動作3404を含む。上記に説明される実施例によると、容器アセンブリ200は、偏心レバー7を使用してシールされることができる。
【0195】
方法3400は、次に、容器アセンブリ200の種々の層およびコンポーネントを通して培養ウェルからサンプリングする動作3406を含む。例えば、ピペット先端71が、滅菌層16を穿刺し、サンプル容器18の培養ウェルからサンプルを取得し得るように、ピペット先端71が、ガイド要素2を通して、第2の弾力性層4の開口6を通して、蓋筐体8の貫通孔23を通して、かつ第1の弾力性層13の開口15を通して挿入されることができる。いくつかの実施例では、ピペット先端71は、ピペット操作ロボット70によって動作されることができる。代替として、ピペット先端71は、手で動作されることができる。動作3406は、容器アセンブリ200が、動作3402によって設定されるように、培養ウェルの上方のヘッドスペース内の嫌気性雰囲気を維持する間に実施されることができる。
【0196】
いくつかの実施例では、方法3400は、容器アセンブリ200の種々の層およびコンポーネントを通して培養ウェルに試薬、培地、またはpHを添加する動作3408を含むことができる。例えば、ピペット先端71が、培養ウェルに試薬、培地、またはpHを添加するために、動作3406に関して上記に提供される説明に従って挿入されることができる。動作3406は、容器アセンブリ200が培養ウェルの上方のヘッドスペース内の嫌気性雰囲気を維持する間に実施されることができる。
【0197】
いくつかの実施例では、方法3400は、統合されたマイクロフルイディクスを介してリザーバウェルから培養ウェルに試薬、培地、またはpH調節溶液等の液体を給送し、培養ウェルに給送する、または培養ウェル内のpHを調節する動作3410を含むことができる。動作3410は、サンプル容器18が軌道振盪プラットフォーム180、190等の上のマイクロフルイディクスと統合される実施例において実施されることができる。
【0198】
図35は、容器アセンブリ200を使用して実施され得る、嫌気性培養の方法3500の別の実施例を図示する。方法3500は、サンプル容器18(例えば、マイクロタイタプレートまたはマイクロプレート)のウェル61に嫌気性環境内で細胞および培地を装填する動作3502を含む。いくつかの実施例では、嫌気性環境は、非常に低い酸素濃度を有する嫌気性テントである。
【0199】
次に、方法3500は、シール90を使用してサンプル容器18上に蓋筐体8をシールする動作3504を含む。上記に説明されるように、シール90は、酸素がサンプル容器18のウェル61に進入しないように防止する。
【0200】
次に、方法3500は、容器アセンブリ200を嫌気性環境の外側の非嫌気性環境に持ち込む動作3506を含む。いくつかの実施例では、非嫌気性環境は、実験室の通常の環境等の嫌気性テントの外側にある環境を指す。いくつかの実施例では、非嫌気性環境は、マイクロバイオリアクタ100が位置する場所である。
【0201】
次に、方法3500は、マイクロバイオリアクタ100の培養チャンバ104の中に容器アセンブリ200を設置し、偏心レバー7とともにシール機構9を使用して容器アセンブリをシールする動作3508を含む。
【0202】
次に、方法3500は、培養チャンバ104の内側の容器アセンブリ200を連続的または半連続的に攪拌する動作3510を含む。例えば、容器アセンブリ200は、その上に容器アセンブリ200が着座する、または取り付けられる、軌道振盪プラットフォーム180、190の運動によって攪拌されることができる。
【0203】
次に、方法3500は、培養ウェル内の液体の一部を除去すること等によって、ピペット先端71を用いて容器アセンブリ200の内側の培養ウェルをサンプリングする動作3512を含むことができる。動作3512は、容器アセンブリ200が攪拌されている間に実施されることができる(動作3510参照)。いくつかの実施例では、ピペット先端71は、ピペット操作ロボット70によって動作される。代替として、ピペット先端71は、単独で、またはマルチピペットツールを使用してのいずれかで、手で動作されることができる。動作3512は、方法3400に関して上記に説明される動作3406に類似し得る。
【0204】
次に、方法3500は、ピペット先端71を用いて培養ウェルに試薬、栄養素、または培地を給送する動作3514を含むことができる。動作3514は、容器アセンブリ200が攪拌されている間に実施されることができる(動作3510参照)。いくつかの実施例では、ピペット先端71は、ピペット操作ロボット70によって動作される。代替として、ピペット先端71は、手で動作されることができる。動作3514は、上記に説明される動作3408に類似し得る。
【0205】
次に、方法3500は、統合されたマイクロフルイディクス(例えば、サンプル容器18の底部における説明される空気圧弁システム)を介して培養ウェルに試薬、栄養素、または培地を給送する動作3516を含むことができる。動作3516は、方法3400に関して上記に説明される動作3410に類似し得る。
【0206】
プロバイオティクスは、人体に対して健康増進利益および生物機能的効果を有する、生菌である。それらは、腸内の望ましい細菌の数を増加させ、例えば、抗生物質治療後に腸内フローラを再生するために一般的に使用される。それが、プロバイオティクスまたはプロバイオティクス栄養補助食品に関する市場が大幅に価値を増している1つの理由である。ヒト腸内マイクロバイオームおよびその健康増進利益の研究分野は、栄養産業にとって特に重要である。したがって、マイクロバイオーム様条件下のプロバイオティクスの培養等の嫌気性または微好気性培養技法に関する科学的研究が、不可欠である。プロバイオティクスは、ラクトバチルスまたはビフィズス菌等の全範囲の嫌気性細菌を含む。種々のプロバイオティクス細菌の中でも、ビフィズス菌属は、最も広く使用および研究されるプロバイオティクス細菌種のうちの1つである。それらは、好気性培養条件下で酸素呼吸および成長できないことに起因して、偏性嫌気菌として分類され、それらは、支配的なヒト消化管細菌叢の主要な構成要素である。それらは、乳酸および酢酸の放出を通してpHを制御する際に有意な役割を果たし、これは、多くの潜在的な病原性細菌の成長を制限する。母乳栄養児の腸管では、ビフィズス菌は、優勢な細胞種である。これは、腸内の微生物の80%を上回るものを占める。米国食品医薬品局(FDA)によって一般的に安全と認められている(GRAS)乳酸菌の中で最大かつ最も多様な属である、ラクトバチルスの200を上回る公知の種が、存在する。ラクトバチルス属は、それらの適用される健康潜在性に起因して、乳製品またはプロバイオティクスのための発酵スタータ培養液として広範に展開および研究されている。
【0207】
本願では、嫌気性培養実験が、ガス補給蓋と組み合わせたサンプル容器18を含む、容器アセンブリ200を使用して実施されることができる。容器アセンブリ200は、バイオマス、pH値、液相の酸素飽和度(DO)、および種々の蛍光発光分子またはタンパク質の蛍光強度等の最も一般的な培養パラメータのオンライン監視を可能にする、微生物培養の高処理能力スクリーニングのためのベンチトップデバイスである。高い処理能力を達成するために、培養は、容器アセンブリ200内の最大48個のバッチの同時工程を可能にする、それぞれ48個のウェルを伴うSBS/SLAS標準形式マイクロタイタプレート(例えば、サンプル容器18)内で実行される。さらに、プロバイオティクス細菌であるラクトバチルスカゼイ、ラクトバチルスプランタルム、およびビフィドバクテリウムビフィダムの嫌気性バッチおよびフェドバッチ培養を実施するために、ガス補給蓋を使用することの簡潔さがある。ガス補給蓋の主要な利点は、給送およびpH制御が、ここでは、5~50mL/分の調節可能な流量を伴うサンプル容器18の直接窒素(例えば、100%のN2)ガス補給の間に同時に行われ得ることである。
【0208】
ラクトバチルス株の嫌気性培養
ラクトバチルス属(ラクトバチルスカゼイ DSM 20011またはラクトバチルスプランタルム DSM 20174)の全ての培養は、37℃の周囲温度において、かつ嫌気性条件下でMRSブロス中で行われた。MRSブロスは、培地中の残留分子O
2を低減させることによって、酸化還元電位のための還元剤としての役割を果たす、0.5g/LのシステインHClを富化された。全ての前培養は、250mLの三角フラスコ内で実施された。本目的のために、20mLの調製されたMRSブロスが、1mLの凍結培養液を播種され、次いで、嫌気性条件下で少なくとも24時間にわたって培養された。主要な培養液は、次いで、MRSブロス中でOD
start=1に設定された。後続のマイクロバイオリアクタ培養は、pH制御バッチおよびフェドバッチ培養のためのマイクロ流体丸形ウェルプレート内で実施された。培養は、37℃、600rpm、および有効にされた湿度制御において行われた。培養ウェルの開始体積は、2,000μLに設定され、最大体積は、2,400μLに設定された。バイオマス(利得3)およびpH(LG1)および溶存酸素DO(RF)の測定値のオンライン監視が、マイクロバイオリアクタ100によって実施された。L.カゼイのフェドバッチ培養条件のより詳細な概観が、表1に示される。
【表1】
【0209】
マイクロバイオリアクタ内でのB.ビフィダムの嫌気性培養
ビフィドバクテリウムビフィダムの全ての培養は、37℃において、かつ嫌気性条件下でMRSブロス中で実施された。MRSブロスは、培地中の残留分子O2を低減させることによって、酸化還元電位のための還元剤としての役割を果たす、0.5g/LのシステインHClを富化された。前培養の培養は、250mLの三角フラスコ内で行われた。本目的のために、20mLのMRSブロスが、1つのカプセルの内容物を播種され、次いで、嫌気性条件下で37℃において少なくとも24時間にわたって培養された。主要な培養液は、MRSブロス中でODstart=1.0に設定された。
【0210】
容器アセンブリ200内の主要な培養液に関して、37℃、600rpm、有効にされた湿度制御におけるpH制御バッチおよびフェドバッチ培養、バイオマス(利得3)、pH(LG1)、およびDO(RF)のオンライン監視が、実施された。B.ビフィダムのフェドバッチ培養条件のより詳細な概観が、表2に列挙される。
【表2】
【0211】
サンプル容器18内のレイアウト設定
全てのフェドバッチ培養は、サンプル容器18(
図8)内で行われた。列Aは、1,900μLのグルコース給送溶液を含有し、列Bは、1,900μLのpH調節剤で充填された。ソフトウェアが、ポンプ体積を水性溶液(3MのNaOH)に関して0.30μLに調節し、より粘性の給送溶液(500g/Lのグルコース)に関して0.16μLに調節した。
【0212】
全てのフェドバッチ実験では、給送は、時間駆動され、給送プロファイルは、4μL/時間を伴う一定の給送に設定された。pH制御は、pH6.0に設定された。サンプル容器18内での全ての培養の間の嫌気性条件は、ガス補給蓋を使用することによって達成され、これは、これが調製され、ガス透過性滅菌シリコン箔(F-GPRSMF32-1)を用いてシールされた後にサンプル容器18に取り付けられた。
【0213】
結果
マイクロバイオリアクタ内でのラクトバチルスカゼイのフェドバッチ培養
図36および37では、MRSブロス中のラクトバチルスカゼイの培養プロセスが、示される。
図36では、バイオマスおよび溶存酸素(DO)信号のオンライン信号および添加された給送溶液(500g/Lのグルコース)の体積が、提示される。
図37では、pHのオンライン値およびNaOHの関連付けられる体積が、培養時間に対してプロットされる。
【0214】
ここでは、3つの異なるプロセス設定、すなわち、バッチ培養および2つのフェドバッチ培養が、適用された。一方は、7.5時間後の給送開始を伴い、他方は、10時間後の給送開始を伴う。30mL/分のN2の連続的流量を用いることで、DOは、着実に減少した。45分後、5%を下回るDOに到達し、さらに減少した。4.5時間後、DOは、0.5%を下回るものに到達し、0%に向かって降下し続けた。約6.7時間における培養液の固定相の開始により、指数関数的成長は、停止し、バイオマス信号は、この時点で全ての3つの培養液アプローチにおいて42任意単位であった。バッチ培養液は、9.5時間における最大44任意単位までさらに緩慢に成長し、次いで、これは、培養の終了時に38任意単位の最終バイオマス信号まで着実に減少する。バイオマス信号の増加は、給送溶液の添加と相関される。給送が開始されるとすぐに、バイオマス信号の増加が、可視である。7.5時間フェドバッチプロセスに関する最終バイオマス信号は、76.3任意単位であり、10時間フェドバッチプロセスに関して、これは、30時間後に65.5任意単位の最終バイオマス信号につながった。添加された塩基溶液に関する値は、成長に相関される。3MのNaOHの添加は、いかなるさらなる細菌の酸生産も、成長がないことに起因して行われなかったため、固定相の開始とともに停止された。一定の添加の給送溶液の場合では、酸生産は、継続し、したがって、塩基が、pH6.0のpH設定点値を維持するためにさらに必要とされた。
【0215】
本実験は、容器アセンブリ200が、ガス補給蓋および直接嫌気性ガス補給と同時のpH制御および給送の正常な適用に起因して、嫌気性培養のための好適なデバイスであることを示す。
【0216】
BioLector XTデバイスにおける嫌気性条件の技術的および生物学的検証
培養時間全体の間に嫌気性条件を維持することは、酸素感受性生物の培養の場合では重要な要件である。以下の実験では、外部酸素センサが、ガス補給蓋の技術的機能性を検証し、ガス補給蓋の気密性、したがって、嫌気性雰囲気を証明するために、容器アセンブリ200のガス出口において配設された。
図38および39では、ラクトバチルスプランタルム(L.プランタルム)のバッチ培養の実験データが、示される。
図38では、オンラインバイオマス信号(利得3)が、示される。
図39では、培養ブロス中の溶存酸素のオンライン信号および容器アセンブリ200のガス出口内の酸素濃度、オンラインpH信号、およびpH制御のための添加されたNaOH体積が、示される。
【0217】
2.86時間の遅延時間後、指数関数的成長が、開始された。最終バイオマス信号は、固定相が開始されたときから7.96時間後に155.865任意単位(OD600=9.01±0.07)であった。L.プランタルムの成長の間、乳酸生産が、行われた。その酸形成成長は、pH6を維持するための添加されたNaOH体積に相関される。30mL/分のN2の連続的流量を用いることで、DOは、着実に減少した。39分後、5%を下回るDOに到達し、さらに減少した。4時間後、DOは、0.5%を下回ってさらに降下し、0%に向かって降下し続けた。外部センサは、16時間の培養時間後に0.029%の最終酸素濃度を示した。
【0218】
本培養実施例では、技術的機能性は、検証されたが、ラクトバチルス属がまた、好気性条件下で成長し得、さらには酸素を代謝し得るという事実は、容器アセンブリ200内での嫌気性培養の生物学的検証のための十分な証拠ではない。したがって、偏性嫌気性ビフィドバクテリウムビフィダムが、培養された。本株の正常な培養は、容器アセンブリ200内での嫌気性培養に関する生物学的検証としての役割を果たす。
図40および41では、B.ビフィダムのバッチおよびフェドバッチ培養の実験データが、示される。
図40では、バイオマスのオンライン信号および添加された給送体積が、培養時間に対してプロットされる。
図41では、pHおよびDOのオンライン(オプトード)信号、および3MのNaOHの添付された体積および容器アセンブリ200のガス出口内の外部ガスセンサの酸素信号が、提示される。
【0219】
2.4時間の遅延時間後、指数関数的成長が、開始され、バッチ培養液に関して、バイオマス信号は、147.57任意単位(OD600=8.3±0.57)の最終値に到達した。バッチ培養液とは対照的に、長い指数関数的成長相が、観察可能である。本現象は、給送が6時間後にすでに開始されたため、培地中のより多い量のグルコースによって引き起こされる。23時間の培養後、227.3任意単位(OD600=15.93±0.69)の最大バイオマス値が、達成された。B.ビフィダムの成長の間、乳酸生産が、生じ、その成長は、相関され、これは、pHをpH6に維持するためのNaOHの添加の曲線において観察可能である。合計して、193.56μLの3MのNaOHが、培養液ブロスの中に圧送された。30mL/分のN2の連続的流量を用いることで、DOは、着実に減少した。
【0220】
L.プランタルム(前述で説明されるような)およびB.ビフィダムの培養以降の最初の16時間に関してすでに説明された外部酸素データは、同一の容器アセンブリ200の工程において同時に得られ、したがって、サンプル容器18、ガス補給蓋、および外部ガスセンサが、使用された。DO信号が18時間からわずかに増加することが、観察可能であり、これは、0%の酸素におけるドリフトが1日あたり0.5%のO2未満である酸素オプトードの技術的に調整された信号ドリフトによって解説され得る。外部酸素センサのデータは、23時間後の容器アセンブリ200のガス出口内の0.029%の酸素の値を示し、嫌気性培養条件が培養時間全体にわたって維持されたことを確認した。
【0221】
結論として、容器アセンブリ200内での嫌気性生物の正常に行われた培養実験が、示される。マイクロ流体チップ技術およびガス補給蓋を介した直接窒素ガス補給と組み合わせて、pH制御、給送、および直接窒素ガス補給の同時実施が、小規模培養において実施されることができる。
【0222】
まとめると、嫌気性ガス補給蓋と組み合わせた容器アセンブリ200内でのラクトバチルス属およびビフィドバクテリウムビフィダムのようなプロバイオティクスの培養の技術的および生物学的検証が、示される。ガス補給蓋を介したサンプル容器18の直接窒素ガス補給と組み合わせられるマイクロ流体チップ技術は、小規模培養システムにおけるpH制御、給送、および直接窒素ガス補給の同時実施を可能にする。これは、嫌気性細菌の培養のための好適なシステムである。
【0223】
図42は、個々のリザーバ(またはいくつかの実施形態では、リザーバのサブセット)の精密なガス制御および気密シールを可能にする、例示的バイオリアクタシステム4200の断面図である。バイオリアクタシステム4200は、外部刺激に対する細胞応答の分析を可能にする。特に、バイオリアクタシステム4200は、プロセス変数に対する高い制御度を伴う細胞培養のためのマイクロフルイディクスを使用する。また、下記により詳細に説明されるであろうように、バイオリアクタシステム4200は、各細胞培養液のヘッドスペース内のガス雰囲気(例えば、窒素、酸素、および二酸化炭素のある組み合わせ)のリザーバ特有調整を可能にする。これは、近隣のリザーバガスからの汚染を伴わずに、各リザーバ内のガス条件の精密な制御を可能にする。下記に説明される例示的実施形態は、個々のリザーバのガス制御およびシールに焦点を当てているが、本開示は、他の実施形態が、リザーバのサブセット(例えば、2つまたはそれを上回るリザーバのサブセット)のガス制御およびシールを有し得ることを想定する。
【0224】
バイオリアクタシステム4200は、1つまたはそれを上回るサンプル容器アセンブリ4210を含む。各サンプル容器アセンブリ4210は、マイクロ流体蓋アセンブリ4212と、サンプル容器4214とを含む。前述で説明されるものと同様に、サンプル容器4214は、それぞれ、細胞培養液または試薬を別個に含有するように構成される、リザーバ4216またはウェルの列を含む。加えて、同一の容器4214が、マイクロ流体蓋アセンブリ4212によって被覆されるが、これは、1つまたはそれを上回るピペット先端がリザーバ4216を探査するためにアクセス可能なままである。サンプル容器アセンブリ4210は、したがって、ガスが逃散しないように防止しながら、ピペット先端がサンプル容器4214に進入することを可能にする。
【0225】
サンプル容器4214の上方に気密シールを生成することに加えて、マイクロ流体蓋アセンブリ4212は、各リザーバ4216を密閉する。さらに、下記により詳細に説明されるであろうように、マイクロ流体蓋アセンブリ4212は、ガス管4230を介してガスを導入/除去することによって、各リザーバ4216のヘッドスペース内のガス濃度を個々に制御することを可能にする構造を含む。各リザーバヘッドスペースの中に導入される各ガスの量は、ガス管4230と結合される、弁アレイ4250によって制御される。弁アレイ4250は、振盪台4290の下方に配置される、バイオリアクタシステム4200の基部プレート4260に取り付けられてもよい。軌道振盪プラットフォーム180/190に関して前述で説明されるものと同様に、振盪台4290は、細胞培養実験のためにサンプル容器アセンブリ4210と結合し、および/またはそれを移動させるように構成される。故に、ガス管4230は、これに干渉することなく振盪運動に耐えるために、ガス管4230における屈曲を可能にするために、可撓性材料を含む、および/またはS形において配列されてもよい。
【0226】
図43は、サンプル容器アセンブリ4210の斜視分解図である。特に、
図43は、ガイド要素2がその上に配置される、ガイド構造1と、ガイド構造1の下に配置される、弾力性層4310と、弾力性層4310の下に配置される、マイクロ流体構造4330とを含む、マイクロ流体蓋アセンブリ4212のコンポーネントの例示的配列を示す。弾力性層4310は、ガイド構造1とマイクロ流体構造4330との間に据え付けられる、シリコーン層等の弾力性ポリマー材料のパネルを備えてもよい。
【0227】
いくつかの実施形態では、弾力性層4310の各側は、接着剤層4312/4314、接着剤コーティングまたは層、またはある他の好適な接着剤適用を具備してもよい。他の実施形態では、弾力性層を締結するいくつかの他の手段(例えば、ねじ、留め具、またはある他の締結具)が、使用されてもよい。故に、ガイド構造1および1つまたはそれを上回るガイド要素2は、弾力性層4310の上面に取り付けられ、それと結合し、またはそれと接着し、マイクロ流体構造4330は、弾力性層4310の底面に取り付けられる、それと結合する、またはそれと接着する。有利なこととして、ガイド構造1、ガイド要素2、弾力性層4310、および/またはマイクロ流体構造4330を含む、マイクロ流体蓋アセンブリ4212のコンポーネントは、使い捨てである(例えば、単回使用用途のため)一体ユニットの層を形成してもよい。
【0228】
マイクロ流体蓋アセンブリ4212が組み立てられ、および/またはサンプル容器4214の上に設置される状態で、マイクロ流体構造4330は、リザーバ4216にわたって配置され、サンプル容器4214の外周に沿ってシールを生成する。弾力性層4310は、(弾力性層13および4に関してより詳細に説明されるような)個別のリザーバ4216と整合する、スリット4311または開口を含む。同様に、下記により詳細に説明されるように、マイクロ流体構造4330は、スリット4311およびリザーバ4216との対応する整合を有する、貫通孔4331を含む。本配列は、有利なこととして、依然として、ピペット先端が対応するスリット4311および貫通孔4331を通して挿入され、リザーバ4216にアクセスすることを可能にしながら、各リザーバ4216をシールする。
【0229】
いくつかの実施形態では、マイクロ流体蓋アセンブリ4212は、接着剤4316を用いてサンプル容器4214に接着されるように構成される。一実施形態では、マイクロ流体蓋アセンブリ4212の底面(またはマイクロ流体構造4330の底面)は、サンプル容器4214の上面に接着される。いくつかの実施形態では、接着剤4316は、サンプル容器4214の外周の上側面をマイクロ流体蓋アセンブリ4212の底部面(またはマイクロ流体構造4330の底部面)に取り付ける、それと結合する、それと接着する、および/またはそれにシールするための紫外線硬化接着剤を備える。サンプル容器アセンブリ4210は、したがって、各リザーバ4216内の細胞培養を可能にする、単一のシールされたユニットを形成し得る。有利なこととして、サンプル容器アセンブリ4210は、これが、増加された滅菌性を可能にする、統合された使い捨てデバイスとして形成され得るため、哺乳類細胞培養等の高い滅菌性の要求を伴う用途のために好適である。サンプル容器アセンブリ4210はまた、これが、精密な個々のウェル制御(例えば、pHおよびガス)を可能にするため、哺乳類細胞培養のために好適である。
【0230】
マイクロ流体構造4330は、その底面上のガス入口(
図43に図示せず)を介してガス管4230からガスを受容するように構成される。マイクロ流体構造4330のガス受容部分または面積は、組み立てられた形態においてサンプル容器アセンブリ4210の構造本体の外側に(またはサンプル容器4214の周の外側に)延在する。いくつかの実施形態では、マイクロ流体構造4330の本面積において、底面は、それに滅菌フィルタ4390を取り付ける、結合する、または接着するための接着剤部材4370を具備する。滅菌フィルタ4390は、マイクロ流体構造4330に進入するガスを滅菌し、ガスの汚染を防止するように構成される。接着剤部材4370は、対応するガス管4230からマイクロ流体構造4330の中へのガスを可能にするためのガス開口部4372を含んでもよい。一実施形態では、滅菌層4390は、(例えば、200nmの細孔を介して)病原菌を濾過して除きながら、ガス分子がそれを通して通過することを可能にするように構成される、細孔を伴うガス透過性フィルム(例えば、プラスチックフィルム)を備える。
【0231】
マイクロ流体構造4330およびサンプル容器4214は、それらが気密シールを形成するように接着されてもよい。これらのコンポーネントは、それらがともに接着されるとき、それらがいかなる間隙も残さず、したがって、気密シールを形成するように製造されてもよい。このように、サンプル容器4214の各ウェルは、マイクロ流体構造4330によって個々にシールされてもよい。他の実施形態では、ガスケットまたは他のシール要素が、気密シールを形成するように、マイクロ流体構造4330とサンプル容器4214との間に設置されてもよい。
【0232】
図44は、マイクロ流体構造4330の断面図である。
図44は、マイクロ流体構造4330が、それぞれ、ガスをガス入口4412からガス出口4414に輸送するように構成される、マイクロ流体チャネル4410を含むことを示す。ガス入口4412は、マイクロ流体構造4330の底面内の開口部を備え、対応するガス管4230を介してガスを受容するように構成される。ガス出口4414は、マイクロ流体構造4330の底面内の開口部を備え、ガスを対応するリザーバ4216に提供するように構成される。マイクロ流体構造4330は、リザーバの上方に固定され、したがって、各リザーバ4216にマイクロ流体チャネル4410を介して精密な量の1つまたはそれを上回るガスを供給しながら、個々にリザーバ4216のそれぞれをシールするように構成される。
【0233】
例えば、マイクロ流体構造4330が、3つのガス(例えば、窒素、酸素、および二酸化炭素)の精密な組み合わせを合計24個のリザーバ4216のそれぞれに提供するように構成されると仮定する。マイクロ流体構造4330は、したがって、リザーバ4216のヘッドスペースと整合するための24個の貫通孔4331を含む。加えて、本実施例では、マイクロ流体構造4330は、貫通孔4331またはリザーバ4216毎に3つのマイクロ流体チャネル4410(例えば、窒素、酸素、および二酸化炭素毎に1つのチャネル)を含む。故に、マイクロ流体構造4330は、72個のマイクロ流体チャネル4410(対応するガス入口4412およびガス出口4414を伴う)を含み、窒素、酸素、および二酸化炭素の独立した制御を各リザーバ4216に提供するように構成される。しかしながら、リザーバ4216の異なる数および/またはリザーバ4216毎のガスの組み合わせに関する代替構成が、想定されることを理解されたい。
【0234】
マイクロ流体構造4330はまた、サンプル容器アセンブリ4210の他のコンポーネントとの整合を促進するために、1つまたはそれを上回るインデックス孔4460を含んでもよい。概して、マイクロ流体構造4330がサンプル容器4214と結合または整合される状態で、ガス入口4412は、サンプル容器4214の周の外側に配置され、ガス出口4414は、サンプル容器4214の周の内側に配置される。ガスを同一のリザーバ4216に輸送するマイクロ流体チャネル4410のサブグループが、マイクロ流体構造4330の平面内で相互と隣接して配置されてもよい。マイクロ流体チャネル4410のサブグループはまた、ガスの組み合わせをリザーバ4216に提供するために、ともに合体し、および/または貫通孔4331またはそれに近接して終端してもよい。
【0235】
一実施形態では、マイクロ流体構造4330は、ガス入口4412を複数のリザーバ4216のそれぞれに結合するように構成される、複数の第1のマイクロ流体チャネルを含む。いくつかの実施形態では、複数の第1のマイクロ流体チャネルの第1のサブセットは、ガス状酸素、窒素、または二酸化炭素のうちの1つまたはそれを上回るものをリザーバ4216に運搬するように構成され、複数の第1のマイクロ流体チャネルの第2のサブセットは、液体試薬をリザーバ4216に運搬するように構成される。さらなる実施形態では、マイクロ流体構造4330は、リザーバ4216から離れるようにガスを運搬するように構成される、複数の第2のマイクロ流体チャネルを含む。またさらなる実施形態では、マイクロ流体構造4330は、単回使用用途のためにサンプル容器4214に糊着される、射出成型プラスチックを含む。時として、ガス補給チップと称される、マイクロ流体構造4330は、平坦な上面および底面を伴う平面である本体を備えてもよい。
【0236】
図45は、弁アレイ4250の斜視図である。弁アレイ4250は、弁基部4530上に据え付けられる、弁4520のグリッドまたは列を含む。各弁4520は、弁4520と結合される対応するガス管4230を通して送達されるべき精密な量のガスを制御するように構成される。弁アレイ4250は、それぞれ、1つまたはそれを上回るガス源(図示せず)からガスを受容するように構成される、1つまたはそれを上回るガスポート4540を含む。前述で言及されるように、源における流体は、ガス状または液体形態であってもよい。上記の実施例を継続すると、弁アレイ4250は、窒素、酸素、および二酸化炭素毎に1つずつ、3つのガスポート4540を含んでもよい。また、各ガスポート4540は、24個の弁4520の列へのガスの供給を提供してもよい。弁アレイ4250(例えば、合計72個)の弁4520は、マイクロ流体構造4330のガス管4230およびマイクロ流体チャネル4410と対応し、それと流体的に結合してもよい。したがって、本実施例では、弁4520の各列またはサブグループ(例えば、3つの弁4520の列)は、24個のリザーバ4216毎に精密な量の窒素、酸素、および二酸化炭素を制御してもよい。
【0237】
図46は、バイオリアクタシステム4200の側面図である。ここで示されるように、バイオリアクタシステム4200は、ガス管4230を受容する、またはそれと結合するように構成される、管ポート4652を伴うコネクタ要素4650を含んでもよい。コネクタ要素4650は、ガス管4230をマイクロ流体構造4330のガス入口4412と流体的に結合するための内部通路(
図42参照)を伴う構造筐体を含む。コネクタ要素4650の底部部分は、振盪台4290に取り付けられ、またはそれと結合されてもよく、管ポート4652は、振盪台4290の下方に配置されてもよい。コネクタ要素4650の上部部分または上部端は、ガスをガス入口4412に提供するために、マイクロ流体構造4330と結合されてもよい。すなわち、サンプル容器4214およびコネクタ要素4650は、振盪台4290上に相互に隣接して据え付けられるとき、ガス入口4412を有するマイクロ流体構造4330の一部が、コネクタ要素4650の上面4654にわたって配置されるように、対応する高さを有してもよい。
【0238】
バイオリアクタシステム4200はまた、サンプル容器アセンブリ4210を固着させ、および/またはシールするために、1つまたはそれを上回る固定要素4670を含む。いくつかの実施形態では、シール4680または弾性部材が、コネクタ要素4650とマイクロ流体構造4330との間に提供される。代替として、または加えて、シール4680は、マイクロ流体構造4330とサンプル容器4214との間に提供される。固定要素4670は、サンプル容器アセンブリ4210および/またはコネクタ要素6450のコンポーネントの間の気密接続のために、シール4680を圧縮するための挟持機構を提供する。
【0239】
図47は、バイオリアクタシステム4200の斜視図である。特に、
図47は、細胞培養実験のための振盪台4290に結合される4つのサンプル容器アセンブリ4210を含む、バイオリアクタシステム4200の実施例を示す(2つのサンプル容器アセンブリが、前景に可視であり、2つの他のサンプル容器アセンブリの一部が、背景に可視である)。左の前景上のサンプル容器アセンブリは、定位置に挟持されているアセンブリを示し、右の前景上のサンプル容器アセンブリは、アセンブリの分解図を示す(純粋に例証目的のため)。各サンプル容器アセンブリ4210は、振盪台4290に取り付けられる、個別のコネクタ要素4650と結合する。コネクタ要素4650は、コネクタ要素4650の上面4654から上向きに延在する、1つまたはそれを上回る支柱4750を含む。支柱4750は、コネクタ要素4650の1つまたはそれを上回る支柱ガイド4782と結合する。
【0240】
コネクタ要素4650の上面4654はまた、マイクロ流体構造4330のガス入口4412と整合し、それと流体的に結合するように構成される、ガス経路4710を含む。コネクタ要素4650の上面4654とマイクロ流体構造4330の底面との間に据え付けられる、シール4680は、対応する整合されたガス経路を含んでもよい。マイクロ流体構造4330をコネクタ要素4650に対して整合させた後、固定要素4670は、マイクロ流体構造4330にわたって配設され、支柱ガイド4782を支柱4750と噛合させる。固定要素4670のレバー4784が、固定要素4670をコネクタ要素4650に挟持させるように作動され、したがって、ガス経路をマイクロ流体構造4330にシールする圧力を提供する。
【0241】
効率的な細胞培養を可能にするために、精密な温度制御を有することが、重要であり得る。これは、特に、哺乳類細胞の場合に当てはまり得る。下記により詳細に説明されるように、バイオリアクタシステム4200は、サンプル容器アセンブリ4210の上方および/または下方に1つまたはそれを上回るチャンバを含んでもよく、これらのチャンバ内の温度は、サンプル容器アセンブリ内の温度を調整するように制御されてもよい。
図48Aは、バイオリアクタシステム4200の上側チャンバ4802に関連するコンポーネントの斜視図である。
図48Bは、バイオリアクタシステム4200の上側チャンバ4802に関連するコンポーネントの別の斜視図である。
図48Cは、バイオリアクタシステム4200の上側チャンバ4802に関連するコンポーネントの上面図である。
【0242】
図48Aおよび
図48Cに示されるように、バイオリアクタシステム4200は、サンプル容器アセンブリ4210にわたって配置される、カバーインレイ4810を含んでもよい(カバーインレイ4810は、
図48Bに示されない)。バイオリアクタシステム4200は、1つまたはそれを上回るファン4820と、温度制御モジュール4830とを含む。下記により詳細に説明されるように、ファンおよび温度制御モジュール4830は、サンプル容器アセンブリ4210間で熱を均一かつ精密に分配するように、加熱された空気を上側チャンバの周囲で、最終的に、サンプル容器アセンブリ4210にわたって移動させる、空気流を生成するために使用されてもよい。
【0243】
図示される実施例では、カバーインレイ4810は、上側チャンバ4802またはサンプル容器アセンブリ4210が設置および振盪される環境の蓋を形成する。カバーインレイ4810は、サンプル容器アセンブリ4210の個別のリザーバ4216にわたって対応または整合する、1つまたはそれを上回る流入アレイ4812または通気孔4814のグリッドを含む。例えば、それぞれ、24個のリザーバ4216を有する、4つのサンプル容器アセンブリ4210の形式に関して、カバーインレイ4810は、それぞれ、24個の通気孔4814を有する、4つの流入アレイ4812を含んでもよい。
【0244】
ファン4820は、上側チャンバ4802から空気を引き込み、空気を温度制御モジュール4830に向かって押動するように構成される。ファン4820は、上側チャンバ4802の縁または角の側壁に配置される、半径方向ファンを備えてもよい。温度制御モジュール4830は、標的空気温度を維持するために、その表面温度を変化させることによって空気を加温または冷却するように構成される。例えば、温度制御モジュール4830は、熱シンクと結合されるペルチェモジュールを備えてもよく、上側チャンバ4802の温度を測定するための1つまたはそれを上回る温度センサ、培養液の温度を測定するための1つまたはそれを上回る光学センサ、および/または温度測定値に基づいてペルチェモジュールのパワーを調節するための温度コントローラを含む、またはそれと接続してもよい。温度制御モジュール4830は、ファン4820の間の上側チャンバ4802の一方の端部または側面に配置されてもよい。
【0245】
空気が温度制御モジュール4830を介して予熱された後、これは、予熱空気通路4840を通して、カバーインレイ4810にわたって押し上げられる(例えば、
図48Cの通気孔4814に向かって指し示す矢印参照)。本予熱された空気は、次いで、流入アレイ4812における通気孔4814のそれぞれを通して下向きに押動され、これは、サンプル容器アセンブリ4210のリザーバのそれぞれの上方に予熱された空気を送流する(例えば、
図48Bのガイド要素2に向かって下向きに指し示す矢印参照)。通気孔4814の流入アレイ4812は、指向される空気流が、サンプル容器アセンブリ4210の所望の位置に(例えば、各リザーバの上方に)衝突することを確実にする。本説明される構成は、説明される構成が均一な加熱を各リザーバに提供し得る点において、そのような指向される空気流を採用しない代替構成よりも有利である。
【0246】
いったん空気がサンプル容器アセンブリにわたって通過すると、これは、次いで、サンプル容器アセンブリから離れるように指向されてもよい。いくつかの実施形態では、
図48Cに図示されるように、空気は、バイオリアクタシステム4200の側壁に沿って流出口4890を介して温度制御モジュール4830に戻るように再循環されてもよい。本実施例では、ファン4820は、空気温度が再び予熱され得る(例えば、所望の温度まで加熱/冷却される)ように、これらの経路を介して空気を引き込み、温度制御モジュール4830にわたってそれらを再び通過させることによって、負圧を生成するように構成される。ファン4820からの継続される負圧は、次いで、本予熱された空気を再びカバーインレイ4810にわたって流動させ、再度、サンプル容器アセンブリ4210を加熱/冷却するように、通気孔4814を通して下向きに押動させ得る。
【0247】
いくつかの実施形態では、バイオリアクタシステム4200は、上側チャンバ4802の標的温度および/または培養ウェルの内側の温度を摂氏1度以内または0.5度以内に維持してもよい。
【0248】
いくつかの実施形態では、通気孔4814の直径は、上側チャンバ4802の所望の温度分布に従って変動される。例えば、上側チャンバ4802の異なる部分への可変長の距離を進行する空気によって通常引き起こされる温度不均質性は、通気孔4814の直径を変動させることによって相殺されてもよい。これは、上側チャンバ4802の異なる面積が、異なる強度を伴う予熱された空気の流れを供給されることを可能にする。加えて、
図48A-Cに示されないが、カバーインレイ4810にわたって配置されるカバーまたは摺動扉が、バイオリアクタシステム4200を封入するために提供され得ることを理解されたい。
【0249】
いくつかの実施形態では、バイオリアクタシステム4200は、代替として、または加えて、下側チャンバを含んでもよい。
図49Aは、サンプル容器アセンブリ4210の下のチャンバである、バイオリアクタシステム4200の下側チャンバ4902に関連するコンポーネントの底面図である。
図49Bは、バイオリアクタシステムの下側チャンバに関連するコンポーネントの別の底面図である。上側チャンバ4802を予熱することに加えて、またはその代替として、バイオリアクタシステム4200は、下側チャンバ4902または振盪台4290の下方の環境を予熱するように構成されてもよい。例えば、下側チャンバ4902は、振盪台4290の直下に配置されてもよく、サンプル容器アセンブリ4210は、振盪台4290の上に立設されてもよい。本実施例では、2つの温度制御モジュール4830が、下側チャンバ4902の反対の端部または側壁において提供される。加えて、各側壁は、温度制御モジュール4830の両側上にファン4820を含む。
【0250】
図49Aに示される実施例では、ファン4820は、下側チャンバ4902の中間部分から空気を引き込み、温度制御モジュール4830を横断して、またはそれを通して空気を通過させ、その側方側面に沿って下側チャンバ4902の中に戻るように予熱された空気を吹送するように構成される。これは、
図49Aの矢印によって示されるように、下側チャンバの両方の反対の側壁上で同期的に実施されてもよい。
図49Bに示される実施例では、ファン4820は、空気を下側チャンバ4902の周囲に流動または循環させるように構成される。例えば、加熱された空気が、下側チャンバ4902を横断し、途中で熱を損失するにつれて、冷却された空気が、引き込まれ、再加熱のために温度制御モジュール4830にわたって通過され、下側チャンバ4902内で再循環される(例えば、
図49Bに示される時計回り方向)。温度制御モジュール4830およびファン4820は、同様に下側チャンバ4902を冷却してもよい。有利なこととして、調整された空気流は、サンプル容器アセンブリ4210の下の下側側面または面積を加熱または冷却してもよい。
【0251】
一実施形態では、バイオリアクタシステム4200は、上側チャンバ4802および下側チャンバ4902の両方を予熱するように構成される。有利なこととして、バイオリアクタシステム4200の蒸発率は、上側チャンバ4802および下側チャンバ4902の温度を別個に調節することによって制御される。例えば、標的培養温度(例えば、摂氏約37度)を達成するために、上側チャンバ4802は、標的温度よりもわずかに高い第1の温度(例えば、摂氏約39度)に設定されてもよく、下側チャンバ4902は、標的温度よりもわずかに低い第2の温度(例えば、摂氏約36度)に設定され、バイオリアクタシステム4200のコンポーネント内に含有される水に起因する凝縮を防止してもよい。
【0252】
図50は、自動的細胞培養プラットフォーム5000のブロック図である。自動的細胞培養プラットフォーム5000は、バイオリアクタモジュール5010(例えば、バイオリアクタシステム4200)と、バイアビリティモジュール5020と、タイタモジュール5030と、自動化液体ハンドラ5040と、消耗品5050と、システムコントローラ5060とを含む。自動的細胞培養プラットフォーム5000は、したがって、統合された細胞健全性、タイタ、および細胞培地測定能力を含む。加えて、自動的細胞培養プラットフォーム5000は、哺乳類細胞株開発およびプロセス開発における実験の設計を小型化し、実験を迅速化し、作業時間を低減させるように構成される。
【0253】
前述で説明されるように、バイオリアクタモジュール5010(例えば、バイオリアクタシステム4200)は、単一のシステムにおいて増加された数のサンプルを支持するために、少なくとも反応リザーバ(例えば、5mLのリザーバ)を含んでもよい。例えば、それぞれ24個の5mLのウェルを伴う4つの使い捨てマイクロタイタプレートが、振盪プラットフォーム(例えば、200~800RPMにおける3mm直径の円形軌道)上に格納される。各ウェルは、pHおよびDO2を測定するための統合されたオプトードを含んでもよい。バイオリアクタモジュール5010はまた、各ウェルを測定するための光学測定システムを含んでもよい。例えば、バイオリアクタモジュール5010は、ガス補給蓋(例えば、マイクロ流体構造4330)を伴うサンプル容器アセンブリ4210のための制御システムを含む、またはそれと接続してもよい。制御システムは、サンプル容器アセンブリ4210と関連付けられる測定パラメータを入手するように構成される、センサと、少なくとも1つのガスをガス補給蓋に提供する、ガス供給システムと、入手された測定パラメータを処理し、処理された測定パラメータに基づいて、ガス供給源を制御するように構成される、コントローラとを含んでもよい。
【0254】
バイアビリティモジュール5020は、ウェルから採取された試料に関する細胞濃度およびバイアビリティの測定値を提供するように構成されてもよい。例えば、自動化液体ハンドラ5040は、バイオリアクタモジュール5010のリザーバからサンプルを吸引し、これをバイアビリティモジュール5020に導入してもよく、これは、サンプルのタンパク質濃度を測定してもよい。別の実施例として、サンプルは、自動的細胞培養プラットフォーム5000のデッキからの試薬管または試薬ウェルから吸引されてもよい(すなわち、サンプルは、バイオリアクタモジュール5010からのものである必要はない)。タイタモジュール5030は、タンパク質濃度(例えば、イムノグロブリンG(IgG)濃度)を測定するように構成されてもよい。例えば、自動化液体ハンドラ5040は、バイオリアクタモジュール5010のリザーバからサンプルを吸引し、これをタイタモジュール5030に導入してもよく、これは、サンプルのタンパク質濃度を測定してもよい。別の実施例として、サンプルは、自動的細胞培養プラットフォーム5000のデッキからの試薬管または試薬ウェルから吸引されてもよい(すなわち、サンプルは、バイオリアクタモジュール5010からのものである必要はない)。任意の好適なタイタ測定方法(例えば、サンプルの蛍光偏光測定)が、採用されてもよい。自動化液体ハンドラ5040は、(例えば、サンプル容器アセンブリ4210の)細胞培養リザーバをサンプリングする、または試薬を細胞培養リザーバに給送/添加するための1つまたはそれを上回る固定プローブおよび/または1つまたはそれを上回る使い捨てプローブを含んでもよい。消耗品5050は、ガス供給物(例えば、窒素、酸素、および二酸化炭素)、個々のガス補給を支援するために使い捨てであるバイオリアクタマイクロタイタプレート(例えば、サンプル容器アセンブリ4210)、タイタモジュール5030のための試薬、バイアビリティモジュール5020のための試薬、先端清浄化のための試薬、および/または他の細胞成長試薬(例えば、顧客供給細胞成長培地)のうちの1つまたはそれを上回るものを含んでもよい。
【0255】
システムコントローラ5060は、自動的細胞培養プラットフォーム5000の動作を制御するように動作的に結合される。システムコントローラ5060は、したがって、本明細書に説明される機能性を実行するために、バイオリアクタモジュール5010、バイアビリティモジュール5020、タイタモジュール5030、および/または自動化液体ハンドラ5040、および個別の基礎となるコンポーネントに動作的に結合されてもよい。システムコントローラ5060はまた、システムコントローラ5060によって実行されると、システムコントローラ5060のプロセッサに、本明細書に説明される機能性を実行させる、コンピュータプログラム製品を有形かつ非一過性様式において記憶する、コンピュータ記憶媒体を備えてもよい。加えて、システムコントローラ5060は、ユーザ入力を受信するためのコンピュータ相互作用要素(例えば、キーボード、マウス、タッチスクリーン、グラフィカルユーザインターフェース等)を含んでもよい。
【0256】
図51は、サンプル容器アセンブリ4210を組み立てる方法5100の実施例を図示する。方法5100は、マイクロ流体構造4330をサンプル容器4214の上面に取り付ける動作5102を含むことができる。動作5102は、マイクロ流体構造4330をサンプル容器4214の上面に接着することを含むことができる。次に、方法5100は、弾力性層(例えば、弾力性層4310)をマイクロ流体構造4330の上面に取り付ける動作5104を含むことができる。次に、方法5100は、少なくとも1つのガイド要素2を弾力性層の上面に取り付ける動作5106を含むことができる。
【0257】
図52は、バイオリアクタシステムが振盪されている間にサンプル容器の中にピペット先端を挿入する方法5200の実施例を図示する。方法5200は、バイオリアクタシステム4200のサンプル容器4214に取り付けられるマイクロ流体蓋アセンブリ4212の上方にガイド要素2を設置する動作5202を含むことができる。次に、方法5200は、バイオリアクタシステム4200を振盪させる動作5204を含むことができる。例えば、動作5204は、所定の運動範囲内でサンプル容器アセンブリ4210を移動させることによって、サンプル容器アセンブリ4210を振盪させるように振盪台4290を動作させることを含むことができる。一実施形態では、所定の運動範囲は、ガイド要素2のうちの1つまたはそれを上回るものの1つまたはそれを上回る上部端の1つまたはそれを上回る内径以内である。
【0258】
次に、方法5200は、ガイド要素2の最も狭い領域にピペット先端71を誘導するように、(例えば、ピペット操作ロボット70の)ロボットアームを作動させる動作5206を含むことができる。次に、方法5200は、ピペット先端71をガイド要素2の最も狭い領域を通してサンプル容器4214の中に誘導する動作5208を含むことができる。したがって、方法5200では、1つまたはそれを上回るピペッタを備える、自動化ピペッタは、サンプル容器アセンブリ4210が振盪されている間、1つまたはそれを上回るガイド要素2を介してサンプル容器4214の中に1つまたはそれを上回るピペット先端71を挿入するように構成される。
【0259】
図53は、嫌気性細胞を培養する方法5300の実施例を図示する。方法5300は、マイクロ流体構造4330がサンプル容器4214の上面に取り付けられた状態でサンプル容器4214を嫌気性環境内に設置する動作5302を含むことができる。次に、方法5300は、サンプル容器4214が嫌気性環境内にある間、嫌気性細胞を備えるサンプルをサンプル容器4214の1つまたはそれを上回るリザーバ4216の中に配置する動作5304を含むことができる。ガイド構造1およびガイド要素2は、まだ取り付けられていない場合があるため、動作5304は、大きいピペットを用いて実施されてもよい。
【0260】
次に、方法5300は、サンプル容器のリザーバ4216にわたって蓋アセンブリ(例えば、マイクロ流体蓋アセンブリ4212のコンポーネント)を設置することによって、サンプル容器4214のリザーバ4216の周囲に気密シールを生成する動作5306を含むことができる。次に、方法5300は、細胞培養のために非嫌気性環境にシールされたサンプル容器を輸送する動作5308を含むことができる。次に、方法5300は、細胞培養を完了した後、単回使用用途としてのシールされたサンプルを廃棄する動作5310を含むことができる。
【0261】
図54は、嫌気性細胞を培養する方法5400の別の実施例を図示する。方法5400は、嫌気性環境内にマイクロ流体蓋アセンブリ4212を伴うサンプル容器4214を設置する動作5402を含むことができる。次に、方法5400は、サンプル容器4214が嫌気性環境内にある間、嫌気性細胞を備えるサンプルをサンプル容器4214の1つまたはそれを上回るリザーバ4216の中に配置する動作5404を含むことができる。
【0262】
次に、方法5400は、サンプル容器のリザーバにわたって蓋アセンブリを設置することによって、サンプル容器のリザーバの周囲に気密シールを生成する動作5406を含むことができる。次に、方法5400は、細胞培養のために非嫌気性環境にシールされたサンプル容器を輸送する動作5408を含むことができる。
【0263】
図55は、マイクロタイタプレートのリザーバの上方のヘッドスペース内のガス濃度を制御する方法5500の実施例を図示する。方法5500は、マイクロタイタプレート(例えば、サンプル容器4214)の上方にマイクロ流体蓋アセンブリ4214を設置する動作であって、マイクロタイタプレートは、1つまたはそれを上回るリザーバ4216を含む、動作5502を含むことができる。一実施形態では、マイクロ流体蓋アセンブリ4214は、リザーバ4216の上方のヘッドスペースを提供し、細胞培養の間のガス交換を可能にするように構成される。さらなる実施形態では、リザーバの上方のヘッドスペースは、20mL~400mLである。次に、方法5500は、ガスをヘッドスペースの中に流動させる動作5404を含むことができる。
【0264】
図56は、ガス補給蓋(例えば、マイクロ流体構造4330)を伴うサンプル容器アセンブリを制御する方法5600の実施例を図示する。方法5600は、サンプル容器アセンブリ4210と関連付けられる測定パラメータを感知する動作5602を含むことができる。次に、方法5600は、感知された測定パラメータを処理する動作5604を含むことができる。次に、方法5600は、処理された測定パラメータに基づいて、ガス補給蓋への少なくとも1つのガスのガス供給源を制御する動作5606を含むことができる。
【0265】
本開示の付加的側面が、以下の付記に列挙される。
【0266】
付記1.蓋アセンブリであって、上部外面と、底部内面とを有する、蓋筐体であって、蓋筐体は、サンプル容器を被覆するように構成される、蓋筐体と、蓋筐体内に配置される、第1の弾力性層と、蓋筐体の底部内面から第1の弾力性層に向かって張出し、シール面が第1の弾力性層に対して押圧されるとき、気密シールを生成する、シール面とを備える、蓋アセンブリ。
【0267】
付記2.第1の弾力性層は、個別のガイド要素と整合される、1つまたはそれを上回る第1の開口を含み、各第1の開口は、ピペット先端がそれを通して押動されるときに開放し、ピペット先端が除去されるときに閉鎖するように構成される、請求項1に記載の蓋アセンブリ。
【0268】
付記3.蓋アセンブリであって、上部外面と、底部内面とを有する、蓋筐体であって、蓋筐体は、サンプル容器を被覆するように構成される、蓋筐体と、蓋筐体の上部外面から延在する、1つまたはそれを上回るガイド要素であって、各ガイド要素は、上部端から底部端まで延設される、中空内部部分を有し、中空内部部分は、底部端においてよりも上部端においてより大きい断面積を有し、各ガイド要素は、ピペット先端を受容および誘導するように構成される、1つまたはそれを上回るガイド要素と、蓋筐体内に配置される、第1の層であって、第1の層は、個別のガイド要素と整合される、1つまたはそれを上回る第1の開口を含み、各第1の開口は、ピペット先端がそれを通して押動されるときに開放し、ピペット先端が除去されるときに閉鎖するように構成される、第1の層とを備える、蓋アセンブリ。
【0269】
付記4.蓋筐体の底部内面から第1の層に向かって張出し、シール面が第1の層に対して押圧されるとき、気密シールを生成する、シール面をさらに備える、請求項3に記載の蓋アセンブリ。
【0270】
付記5.シール面は、蓋筐体の底部内面上の第1の陥凹エリアを蓋筐体の底部内面上の第2の陥凹エリアから仕切る、パーティションを含む、請求項4に記載の蓋アセンブリ。
【0271】
付記6.シール面およびパーティションは、相互と連続的である、請求項5に記載の蓋アセンブリ。
【0272】
付記7.蓋筐体の第1の陥凹エリアに接続され、加圧ガスを受容するように構成される、第1のガスポートをさらに備える、請求項5に記載の蓋アセンブリ。
【0273】
付記8.第2の陥凹エリアから1つまたはそれを上回るガスを受容または除去するように構成される、第2および第3のガスポートをさらに備える、請求項7に記載の蓋アセンブリ。
【0274】
付記9.蓋筐体の底部内面と第1の層との間の付加的陥凹エリアを分離するように構成される、1つまたはそれを上回る付加的パーティションをさらに備える、請求項5に記載の蓋アセンブリ。
【0275】
付記10.シール面は、リジッド材料から作製される、請求項4に記載の蓋アセンブリ。
【0276】
付記11.シール面は、PEEKから作製される、請求項4に記載の蓋アセンブリ。
【0277】
付記12.第1の層の底部側上に配置される、滅菌層をさらに備え、滅菌層は、ピペット先端によって穿刺されるように構成される、請求項3に記載の蓋アセンブリ。
【0278】
付記13.各ガイド要素の底部端と蓋筐体の上部外面との間に配置される、第2の層をさらに備え、第2の層は、個別のガイド要素および第1の開口と整合される、1つまたはそれを上回る第2の開口を有し、蓋筐体内の1つまたはそれを上回る貫通孔へのアクセスを提供し、各第2の開口は、ピペット先端が第2の開口を通して押動されるときに開放し、ピペット先端が除去されるときに閉鎖するように構成される、請求項3に記載の蓋アセンブリ。
【0279】
付記14.蓋筐体の底部内面から第1の層に向かって延在する、1つまたはそれを上回る支柱をさらに備える、請求項3に記載の蓋アセンブリ。
【0280】
付記15.1つまたはそれを上回るガイド要素は、蓋筐体の一体部分を形成する、請求項3に記載の蓋アセンブリ。
【0281】
付記16.1つまたはそれを上回るガイド要素は、蓋筐体の上部外面に可撤式に結合される、請求項15に記載の蓋アセンブリ。
【0282】
付記17.中空内部部分は、円錐形または円錐台形形状を有する、請求項15に記載の蓋アセンブリ。
【0283】
付記18.1つまたはそれを上回る第1の開口は、スリットである、請求項15に記載の蓋アセンブリ。
【0284】
付記19.スリットは、自己回復する、請求項18に記載の蓋アセンブリ。
【0285】
付記20.第1の層は、弾力性ポリマー材料である、請求項3に記載の蓋アセンブリ。
【0286】
付記21.第1の層は、シリコーンから作製される、請求項3に記載の蓋アセンブリ。
【0287】
付記22.容器アセンブリであって、蓋アセンブリであって、上部外面と、底部内面とを伴う、蓋筐体であって、蓋筐体は、サンプル容器を被覆するように構成される、蓋筐体と、蓋筐体の上部外面から延在する、1つまたはそれを上回るガイド要素であって、各ガイド要素は、上部端から底部端まで延設される、中空内部部分を有し、中空内部部分は、底部端においてよりも上部端においてより大きい断面積を有し、各ガイド要素は、ピペット先端を受容および誘導するように構成される、1つまたはそれを上回るガイド要素と、蓋筐体内に配置される、第1の層であって、第1の層は、個別のガイド要素と整合される、1つまたはそれを上回る第1の開口を有し、各第1の開口は、ピペット先端がそれを通して押動されるときに開放し、ピペット先端が除去されるときに閉鎖するように構成される、第1の層とを備える、蓋アセンブリと、複数のウェルを備える、サンプル容器とを備える、容器アセンブリ。
【0288】
付記23.サンプル容器の第1の部分は、1つまたはそれを上回る第1のウェルを備え、サンプル容器の第2の部分は、1つまたはそれを上回る第2のウェルを備え、1つまたはそれを上回る第1のウェルは、流体試薬を含有するように構成され、1つまたはそれを上回る第2のウェルは、1つまたはそれを上回る細胞を備える、流体サンプルを含有するように構成され、第1のウェルのうちの1つまたはそれを上回るものは、1つまたはそれを上回る流体チャネルを介して第2のウェルのうちの1つまたはそれを上回るものに流体的に結合され、蓋アセンブリは、蓋アセンブリがサンプル容器に対して圧縮させられるとき、サンプル容器の周囲に気密シールを提供する、請求項22に記載の容器アセンブリ。
【0289】
付記24.気密シールは、サンプル容器上の第1のシール面と、第1のシール面に対して押圧される、蓋アセンブリ上の第2のシール面とを有し、それによって、両方のシール面は、蓋筐体の底部内面に垂直に作用する、請求項23に記載の容器アセンブリ。
【0290】
付記25.偏心レバーと、半径方向に誘導されるボールを備えるボールスリーブとをさらに備える、請求項23に記載の容器アセンブリ。
【0291】
付記26.バイオリアクタシステムであって、可逆的にシール可能なサンプル容器アセンブリであって、蓋アセンブリであって、上部外面と、底部内面とを有する、蓋筐体であって、蓋筐体は、サンプル容器を被覆するように構成される、蓋筐体と、蓋筐体の上部外面から延在する、1つまたはそれを上回るガイド要素であって、各ガイド要素は、上部端から底部端まで延設される、中空内部部分を有し、中空内部部分は、底部端においてよりも上部端においてより大きい断面積を有し、各ガイド要素は、ピペット先端を受容および誘導するように構成される、1つまたはそれを上回るガイド要素と、蓋筐体内に配置される、第1の層であって、第1の層は、個別のガイド要素と整合される、1つまたはそれを上回る第1の開口を有し、各第1の開口は、ピペット先端がそれを通して押動されるときに開放し、ピペット先端が除去されるときに閉鎖するように構成される、第1の層とを備える、蓋アセンブリと、複数のウェルを備える、サンプル容器とを備える、可逆的にシール可能なサンプル容器アセンブリと、所定の運動範囲内でサンプル容器アセンブリを移動させることによって、サンプル容器アセンブリを振盪させるように構成される、プラットフォームであって、所定の運動範囲は、ガイド要素のうちの1つまたはそれを上回るものの1つまたはそれを上回る上部端の1つまたはそれを上回る内径以内である、プラットフォームと、サンプル容器アセンブリが振盪されている間、1つまたはそれを上回るガイド要素を介したサンプル容器の中への挿入のために構成される、1つまたはそれを上回るピペット先端を有する、ピペット操作ロボットとを備える、バイオリアクタシステム。
【0292】
付記27.プラットフォームは、軌道方式においてサンプル容器アセンブリを移動させるように構成される、請求項26に記載のバイオリアクタシステム。
【0293】
付記28.プラットフォームは、600RPM~1,000RPMの範囲内の軌道方式においてサンプル容器アセンブリを移動させるように構成される、請求項26に記載のバイオリアクタシステム。
【0294】
付記29.プラットフォームは、600RPM~800RPMの範囲内の軌道方式においてサンプル容器アセンブリを移動させるように構成される、請求項26に記載のバイオリアクタシステム。
【0295】
付記30.サンプル容器アセンブリの軌道移動の攪拌直径は、1mm~5mmの範囲内である、請求項26、28、または29に記載のバイオリアクタシステム。
【0296】
付記31.サンプル容器をシールする方法であって、サンプル容器の上に滅菌層を設置することと、滅菌層の上に弾力性層を設置することと、弾力性層の上に蓋筐体を押圧することと、蓋筐体をサンプル容器に解放可能に固着させることとを含む、方法。
【0297】
付記32.偏心レバーと、半径方向に誘導されるボールを備えるボールスリーブとを作動させることをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【0298】
付記33.蓋筐体からサンプル容器を解放するように、解放ピンを作動させることをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【0299】
付記34.嫌気性細胞を培養する方法であって、嫌気性環境内にサンプル容器を設置することと、サンプル容器が嫌気性環境内にある間、嫌気性細胞を備えるサンプルをサンプル容器の1つまたはそれを上回るウェルの中に配置することと、サンプル容器のウェルにわたって蓋アセンブリを設置することによって、サンプル容器のウェルの周囲に気密シールを生成することと、細胞培養のために非嫌気性環境にシールされたサンプル容器を輸送することとを含む、方法。
【0300】
付記35.シールされたサンプル容器は、非嫌気性環境内に配置される、マイクロバイオリアクタ内に設置される、請求項34に記載の方法。
【0301】
付記36.サンプル容器および蓋アセンブリは、1つまたはそれを上回るウェルの上方のヘッドスペースを画定し、本方法はさらに、ヘッドスペース内の酸素濃度を0%~5%に調節することを含む、請求項34に記載の方法。
【0302】
付記37.サンプル容器および蓋アセンブリは、1つまたはそれを上回るウェルの上方のヘッドスペースを画定し、本方法はさらに、ヘッドスペース内の酸素濃度を0%~10%に調節することを含む、請求項34に記載の方法。
【0303】
付記38.サンプル容器および蓋アセンブリは、1つまたはそれを上回るウェルの上方のヘッドスペースを画定し、本方法はさらに、ヘッドスペース内の酸素濃度を0%~20%に調節することを含む、請求項34に記載の方法。
【0304】
付記39.バイオリアクタシステムが振盪されている間、サンプル容器の中にピペット先端を挿入する方法であって、バイオリアクタシステムのサンプル容器の上方にガイド要素を設置することと、バイオリアクタシステムを振盪させることと、ガイド要素の最も狭い領域にピペット先端を誘導するように、ピペット操作ロボットを作動させることと、ピペット先端をガイド要素の最も狭い領域を通してサンプル容器の中に誘導することとを含む、方法。
【0305】
付記40.ピペット先端を介してサンプル容器からある体積の流体を除去することをさらに含む、請求項39に記載の方法。
【0306】
付記41.ピペット先端を介してサンプル容器にある体積の流体を添加することをさらに含む、請求項39に記載の方法。
【0307】
付記42.マイクロプレートのための蓋アセンブリであって、マイクロプレートは、1つまたはそれを上回るウェルを含み、蓋アセンブリは、ウェルの上方のヘッドスペースを提供し、細胞培養の間のガス交換を可能にするように構成され、ウェルの上方のヘッドスペースは、20mL~400mlである、蓋アセンブリ。
【0308】
付記43.ヘッドスペースは、60ml~90mlである、請求項42に記載の蓋アセンブリ。
【0309】
付記44.マイクロプレートのウェルの上方のヘッドスペース内のガス濃度を制御する方法であって、マイクロプレートの上方に蓋アセンブリを設置することであって、マイクロプレートは、1つまたはそれを上回るウェルを含み、蓋アセンブリは、ウェルの上方のヘッドスペースを提供し、細胞培養の間のガス交換を可能にするように構成され、リザーバの上方のヘッドスペースは、20mL~400mLである、ことと、ガスをヘッドスペースの中に流動させることとを含む、方法。
【0310】
付記45.ガスの濃度を測定することと、測定された濃度に基づいて、ガス流動を調節することとをさらに含む、請求項44に記載の方法。
【0311】
付記46.ガス補給蓋を伴うサンプル容器アセンブリのための制御システムであって、サンプル容器アセンブリと関連付けられる測定パラメータを入手するように構成される、センサと、少なくとも1つのガスをガス補給蓋に提供する、ガス供給システムと、入手された測定パラメータを処理し、処理された測定パラメータに基づいて、ガス供給源を制御するように構成される、コントローラとを備える、制御システム。
【0312】
付記47.ガス補給蓋を伴うサンプル容器アセンブリを制御する方法であって、サンプル容器アセンブリと関連付けられる測定パラメータを感知することと、感知された測定パラメータを処理することと、処理された測定パラメータに基づいて、ガス補給蓋への少なくとも1つのガスのガス供給源を制御することとを含む、方法。
【0313】
付記48.コンピュータプログラム製品であって、コンピュータコントローラによって実行されると、コンピュータコントローラに、ガス補給蓋を有するサンプル容器アセンブリと関連付けられる測定パラメータを感知させ、感知された測定パラメータを処理させ、処理された測定パラメータに基づいて、ガス補給蓋への少なくとも1つのガスのガス供給源を制御させる、コンピュータプログラムコードを有形かつ非一過性様式において記憶する、コンピュータプログラム製品。
【0314】
付記49.サンプル容器の上方に気密シールを生成するためのマイクロ流体蓋アセンブリであって、蓋アセンブリは、サンプル容器の複数のリザーバにわたって配置され、サンプル容器の外周に沿ってシールを生成するように構成される、マイクロ流体構造を備え、マイクロ流体構造は、1つまたはそれを上回る流体源への1つまたはそれを上回る接続を受容するための1つまたはそれを上回るガス入口と、ガス入口を複数のリザーバのそれぞれに結合するように構成される、複数の第1のマイクロ流体チャネルとを備え、マイクロ流体構造は、リザーバのそれぞれを、複数のガイド要素およびサンプル容器のリザーバにわたって配置される開口を伴う層から分離する、マイクロ流体蓋アセンブリ。
【0315】
付記50.マイクロ流体構造は、複数のリザーバのそれぞれを個々にシールするように構成される、請求項49に記載のマイクロ流体蓋アセンブリ。
【0316】
付記51.複数の第1のマイクロ流体チャネルはそれぞれ、制御されたガス濃度を複数のリザーバのうちの個々にシールされた1つに輸送するように構成される、請求項50に記載のマイクロ流体蓋アセンブリ。
【0317】
付記52.複数の第1のマイクロ流体チャネルの少なくとも第1のサブセットは、ガス状酸素、窒素、または二酸化炭素のうちの1つまたはそれを上回るものをリザーバに運搬するように構成される、請求項49に記載のマイクロ流体蓋アセンブリ。
【0318】
付記53.複数の第1のマイクロ流体チャネルの第2のサブセットは、液体試薬をリザーバに運搬するように構成される、請求項52に記載のマイクロ流体蓋アセンブリ。
【0319】
付記54.リザーバから離れるようにガスを運搬するように構成される、複数の第2のマイクロ流体チャネルをさらに備える、請求項49に記載のマイクロ流体蓋アセンブリ。
【0320】
付記55.複数のガイド要素および層は、一体ユニットを形成する、請求項49に記載のマイクロ流体蓋アセンブリ。
【0321】
付記56.複数のガイド要素は、層に結合される、ガイド構造上に配置される、請求項49に記載のマイクロ流体蓋アセンブリ。
【0322】
付記57.マイクロ流体蓋アセンブリは、接着剤を用いてサンプル容器に接着されるように構成される、請求項49に記載のマイクロ流体蓋アセンブリ。
【0323】
付記58.開口は、層内のスリットを備える、請求項49に記載のマイクロ流体蓋アセンブリ。
【0324】
付記59.層は、弾力性ポリマー材料を含む、請求項49に記載のマイクロ流体蓋アセンブリ。
【0325】
付記60.サンプル容器アセンブリであって、複数のリザーバを備える、サンプル容器と、1つまたはそれを上回るガス入口と、複数のマイクロ流体チャネルとを備える、マイクロ流体構造とを備え、マイクロ流体構造の底面は、サンプル容器の上面に接着される、サンプル容器アセンブリ。
【0326】
付記61.複数のガイド要素は、層の上面に接着される、ガイド構造上に配置され、マイクロ流体構造の上面は、層の底面に接着される、請求項60に記載のサンプル容器アセンブリ。
【0327】
付記62.バイオリアクタシステムであって、複数のリザーバを備える、サンプル容器と、1つまたはそれを上回るガス入口と、複数のマイクロ流体チャネルとを備える、マイクロ流体構造とを備え、マイクロ流体構造の底面は、サンプル容器の上面に接着される、サンプル容器アセンブリと、マイクロ流体構造の上方に位置付けられる、1つまたはそれを上回るガイド要素と、所定の運動範囲内でサンプル容器アセンブリを移動させることによって、サンプル容器アセンブリを振盪させるように構成される、振盪台であって、所定の運動範囲は、ガイド要素のうちの1つまたはそれを上回るものの1つまたはそれを上回る上部端の1つまたはそれを上回る内径以内である、振盪台と、サンプル容器アセンブリが振盪されている間、1つまたはそれを上回るガイド要素を介してサンプル容器の中に1つまたはそれを上回るピペット先端を挿入するように構成される、1つまたはそれを上回るピペッタを備える、自動化ピペッタとを備える、バイオリアクタシステム。
【0328】
付記63.振盪台の上方に配置される、上側チャンバと、上側チャンバ内の予熱された空気を指向し、複数のリザーバのそれぞれを均一に予熱するように構成される、カバーインレイとをさらに備える、請求項62に記載のバイオリアクタシステム。
【0329】
付記64.カバーインレイは、複数のリザーバと整合する、通気孔を含み、通気孔は、予熱された空気を指向するように構成される、請求項63に記載のバイオリアクタシステム。
【0330】
付記65.振盪台の下方に配置される、下側チャンバと、下側チャンバの周囲に予熱された空気を循環させるように構成される、1つまたはそれを上回るファンとをさらに備える、請求項62に記載のバイオリアクタシステム。
【0331】
付記66.振盪台の上方に配置される、上側チャンバと、振盪台の下方に配置される、下側チャンバと、第1の標的温度において上側チャンバの空気を予熱するように構成される、1つまたはそれを上回る第1の温度制御モジュールと、第2の標的温度において下側チャンバの空気を予熱するように構成される、1つまたはそれを上回る第2の温度制御モジュールとをさらに備える、請求項62に記載のバイオリアクタシステム。
【0332】
付記67.第1の温度は、バイオリアクタシステムにおける凝縮を防止するために、第2の温度よりも高く設定される、請求項66に記載のバイオリアクタシステム。
【0333】
付記68.サンプル容器アセンブリを組み立てる方法であって、マイクロ流体構造をサンプル容器の上面に取り付けることと、弾力性層をマイクロ流体構造の上面に取り付けることと、少なくとも1つのガイド要素を弾力性層の上面に取り付けることとを含む、方法。
【0334】
付記69.マイクロ流体構造をサンプル容器の上面に接着することをさらに含む、請求項68に記載の方法。
【0335】
付記70.バイオリアクタシステムが振盪されている間、サンプル容器の中にピペット先端を挿入する方法であって、バイオリアクタシステムのサンプル容器に取り付けられるマイクロ流体蓋アセンブリの上方にガイド要素を設置することと、バイオリアクタシステムを振盪させることと、ピペット先端をガイド要素の最も狭い領域に誘導するように、ロボットアームを作動させることと、ピペット先端をガイド要素の最も狭い領域を通してサンプル容器の中に誘導することとを含む、方法。
【0336】
付記71.嫌気性細胞を培養する方法であって、マイクロ流体構造がサンプル容器の上面に取り付けられた状態でサンプル容器を嫌気性環境内に設置することと、サンプル容器が嫌気性環境内にある間、嫌気性細胞を備えるサンプルをサンプル容器の1つまたはそれを上回るリザーバの中に配置することと、サンプル容器のリザーバにわたって蓋アセンブリを設置することによって、サンプル容器のリザーバの周囲に気密シールを生成することと、細胞培養のために非嫌気性環境にシールされたサンプル容器を輸送することとを含む、方法。
【0337】
付記72.マイクロタイタプレートのリザーバの上方のヘッドスペース内のガス濃度を制御する方法であって、マイクロタイタプレートの上方にマイクロ流体蓋アセンブリを設置することであって、マイクロタイタプレートは、1つまたはそれを上回るリザーバを含み、マイクロ流体蓋アセンブリは、リザーバの上方のヘッドスペースを提供し、細胞培養の間のガス交換を可能にするように構成され、リザーバの上方のヘッドスペースは、20mL~400mLである、ことと、ガスをヘッドスペースの中に流動させることとを含む、方法。
【0338】
付記73.嫌気性細胞を培養する方法であって、嫌気性環境内にマイクロ流体蓋アセンブリを伴うサンプル容器を設置することと、サンプル容器が嫌気性環境内にある間、嫌気性細胞を備えるサンプルをサンプル容器の1つまたはそれを上回るリザーバの中に配置することと、サンプル容器のリザーバにわたって蓋アセンブリを設置することによって、サンプル容器のリザーバの周囲に気密シールを生成することと、細胞培養のために非嫌気性環境にシールされたサンプル容器を輸送することとを含む、方法。
【0339】
付記74.ガス補給蓋を伴うサンプル容器アセンブリのための制御システムであって、サンプル容器アセンブリと関連付けられる測定パラメータを入手するように構成される、センサと、少なくとも1つのガスをガス補給蓋に提供する、ガス供給システムと、入手された測定パラメータを処理し、処理された測定パラメータに基づいて、ガス供給源を制御するように構成される、コントローラとを備える、制御システム。
【0340】
付記75.ガス補給蓋を伴うサンプル容器アセンブリを制御する方法であって、サンプル容器アセンブリと関連付けられる測定パラメータを感知することと、感知された測定パラメータを処理することと、処理された測定パラメータに基づいて、ガス補給蓋への少なくとも1つのガスのガス供給源を制御することとを含む、方法。
【0341】
付記76.コンピュータプログラム製品であって、コンピュータコントローラによって実行されると、コンピュータコントローラに、ガス補給蓋を有するサンプル容器アセンブリと関連付けられる測定パラメータを感知させ、感知された測定パラメータを処理させ、処理された測定パラメータに基づいて、ガス補給蓋への少なくとも1つのガスのガス供給源を制御させる、コンピュータプログラムコードを有形かつ非一過性様式において記憶する、コンピュータプログラム製品。
【0342】
付記77.自動的細胞培養システムであって、タイタモジュールと、タイタモジュールと統合される、細胞健全性および細胞培地測定能力を含む、バイオリアクタモジュールとを備える、自動的細胞培養システム。
【0343】
付記A1.システムであって、リザーバを有する、サンプル容器の上方に気密シールを生成するように構成される、マイクロ流体蓋アセンブリであって、マイクロ流体蓋アセンブリは、ガイド要素と、ガイド要素の下に整合するように構成される、開口を伴う層と、層の開口の下に整合するように構成される、貫通孔を伴うマイクロ流体構造であって、マイクロ流体構造は、1つまたはそれを上回る流体源と流体的に結合するように構成される、ガス入口と、ガス入口をサンプル容器のリザーバに流体的に結合するように構成される、マイクロ流体チャネルとを備える、マイクロ流体構造とを備える、マイクロ流体蓋アセンブリを備える、システム。
【0344】
付記A2.マイクロ流体構造は、サンプル容器のリザーバのそれぞれを個々にシールするように構成される、請求項A1に記載のシステム。
【0345】
付記A3.各マイクロ流体チャネルは、制御されたガス濃度を複数のリザーバのうちの個々にシールされた1つに輸送するように構成される、請求項A2に記載のシステム。
【0346】
付記A4.マイクロ流体チャネルの第1のサブセットは、ガス状酸素、窒素、または二酸化炭素のうちの1つまたはそれを上回るものをリザーバに運搬するように構成される、請求項A1に記載のシステム。
【0347】
付記A5.マイクロ流体チャネルの第2のサブセットは、液体試薬をリザーバに運搬するように構成される、請求項A4に記載のシステム。
【0348】
付記A6.マイクロ流体構造はさらに、リザーバから離れるようにガスを運搬するように構成される、付加的マイクロ流体チャネルを備える、請求項A1に記載のシステム。
【0349】
付記A7.ガイド要素および層は、一体ユニットを形成する、請求項A1に記載のシステム。
【0350】
付記A8.ガイド要素は、層に結合される、ガイド構造上に配置される、請求項A1に記載のシステム。
【0351】
付記A9.マイクロ流体蓋アセンブリは、接着剤を用いてサンプル容器に接着されるように構成される、請求項A1に記載のシステム。
【0352】
付記A10.開口は、層内のスリットを備える、請求項A1に記載のシステム。
【0353】
付記A11.層は、弾力性ポリマー材料を含む、請求項A1に記載のシステム。
【0354】
付記A12.サンプル容器アセンブリであって、リザーバを備える、サンプル容器と、マイクロ流体構造であって、マイクロ流体構造の底面は、サンプル容器の上面に接着される、マイクロ流体構造とを備える、サンプル容器アセンブリをさらに備える、請求項A1に記載のシステム。
【0355】
付記A13.マイクロ流体構造の上面は、層の底面に接着される、請求項A12に記載のシステム。
【0356】
付記A14.バイオリアクタシステムであって、サンプル容器アセンブリと、所定の運動範囲内でサンプル容器アセンブリを移動させることによって、サンプル容器アセンブリを振盪させるように構成される、振盪台であって、所定の運動範囲は、ガイド要素の上部端の内径以内である、振盪台と、サンプル容器アセンブリが振盪されている間、ガイド要素を介してサンプル容器の中に1つまたはそれを上回るピペット先端を挿入するように構成される、1つまたはそれを上回るピペッタを備える、自動化ピペッタとを備える、バイオリアクタシステムをさらに備える、請求項A12に記載のシステム。
【0357】
付記A15.バイオリアクタシステムはさらに、振盪台の上方に配置される、上側チャンバと、上側チャンバ内の予熱された空気を指向し、リザーバのそれぞれを均一に予熱するように構成される、カバーインレイとを備える、請求項A14に記載のシステム。
【0358】
付記A16.カバーインレイは、リザーバと整合する、通気孔を含み、通気孔は、予熱された空気を指向するように構成される、請求項A15に記載のシステム。
【0359】
付記A17.バイオリアクタシステムはさらに、振盪台の下方に配置される、下側チャンバと、下側チャンバの周囲に予熱された空気を循環させるように構成される、1つまたはそれを上回るファンとを備える、請求項14に記載のシステム。
【0360】
付記A18.バイオリアクタシステムはさらに、振盪台の上方に配置される、上側チャンバと、振盪台の下方に配置される、下側チャンバと、第1の標的温度において上側チャンバの空気を予熱するように構成される、1つまたはそれを上回る第1の温度制御モジュールと、第2の標的温度において下側チャンバの空気を予熱するように構成される、1つまたはそれを上回る第2の温度制御モジュールとを備える、請求項A14に記載のシステム。
【0361】
付記A19.第1の温度は、バイオリアクタシステムにおける凝縮を防止するために、第2の温度よりも高く設定される、請求項A18に記載のシステム。
【0362】
付記A20.自動的細胞培養システムであって、タイタモジュールと、バイオリアクタシステムであって、バイオリアクタシステムは、タイタモジュールと統合される、細胞健全性および細胞培地測定能力を含む、バイオリアクタシステムとを備える、自動的細胞培養システムをさらに備える、請求項A14に記載のシステム。
【0363】
付記A21.制御システムであって、サンプル容器アセンブリと関連付けられる測定パラメータを入手するように構成される、センサと、少なくとも1つのガスをマイクロ流体構造に提供するように構成される、ガス供給システムと、入手された測定パラメータを処理し、処理された測定パラメータに基づいて、ガス供給システムを制御するように構成される、コントローラとを備える、制御システムをさらに備える、請求項A12に記載のシステム。
【0364】
付記A22.方法であって、マイクロ流体構造をサンプル容器の上面に取り付けることと、弾力性層をマイクロ流体構造の上面に取り付けることと、少なくとも1つのガイド要素を弾力性層の上面に取り付けることとを含む、方法。
【0365】
付記A23.マイクロ流体構造をサンプル容器の上面に接着することをさらに含む、請求項A22に記載の方法。
【0366】
付記A24.サンプル容器を振盪させることと、ピペット先端を少なくとも1つのガイド要素の最も狭い領域に誘導するように、ロボットアームを作動させることと、ピペット先端を少なくとも1つのガイド要素の最も狭い領域を通してサンプル容器の中に誘導することとをさらに含む、請求項A22に記載の方法。
【0367】
付記A25.マイクロ流体構造がサンプル容器の上面に取り付けられた状態でサンプル容器を嫌気性環境内に設置することと、サンプル容器が嫌気性環境内にある間、嫌気性細胞を備えるサンプルをサンプル容器の1つまたはそれを上回るリザーバの中に配置することと、サンプル容器のリザーバにわたって蓋アセンブリを設置することによって、サンプル容器のリザーバの周囲に気密シールを生成することと、細胞培養のために非嫌気性環境にシールされたサンプル容器を輸送することとをさらに含む、請求項A22に記載の方法。
【0368】
付記A26.サンプル容器の上方にマイクロ流体蓋アセンブリを設置することであって、サンプル容器は、リザーバを含み、マイクロ流体蓋アセンブリは、マイクロ流体構造と、弾力性層と、少なくとも1つのガイド要素とを含み、マイクロ流体蓋アセンブリは、リザーバの上方のヘッドスペースを提供し、細胞培養の間のガス交換を可能にするように構成され、リザーバの上方のヘッドスペースは、20mL~400mLである、ことと、ガスをヘッドスペースの中に流動させることとをさらに含む、請求項A22に記載の方法。
【0369】
付記A27.嫌気性環境内にサンプル容器を設置することと、サンプル容器が嫌気性環境内にある間、嫌気性細胞を備えるサンプルをサンプル容器の1つまたはそれを上回るリザーバの中に配置することと、サンプル容器の上面にマイクロ流体蓋アセンブリを取り付けることによって、サンプル容器のリザーバの周囲に気密シールを生成することと、細胞培養のために非嫌気性環境にシールされたサンプル容器を輸送することとをさらに含む、請求項A26に記載の方法。
【0370】
付記A28.サンプル容器と、マイクロ流体構造とを備える、サンプル容器アセンブリと関連付けられる測定パラメータを感知することと、感知された測定パラメータを処理することと、処理された測定パラメータに基づいて、マイクロ流体構造への少なくとも1つのガスのガス供給源を制御することとをさらに含む、請求項A22に記載の方法。
【0371】
本発明は、詳細に示され、説明される本好ましい実施形態に関連して例証および説明されているが、種々の修正および構造的変更が、本発明の精神および範囲からいかようにも逸脱することなく行われ得るため、示される詳細に限定されることを意図していない。実施形態は、本発明の原理および実践的用途を解説し、それによって、当業者が、本発明および種々の実施形態を最良に利用し、特定の使用に適しているような種々の修正が想定されることを可能にするために選定および説明された。
【国際調査報告】