(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-25
(54)【発明の名称】カテーテル組立体及び関連装置並びに方法
(51)【国際特許分類】
A61M 39/02 20060101AFI20240418BHJP
【FI】
A61M39/02 114
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023570342
(86)(22)【出願日】2022-05-13
(85)【翻訳文提出日】2024-01-11
(86)【国際出願番号】 US2022029149
(87)【国際公開番号】W WO2022241193
(87)【国際公開日】2022-11-17
(32)【優先日】2021-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ラッキー
(72)【発明者】
【氏名】メーガン シューリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン カール バークホルツ
(72)【発明者】
【氏名】ウェストン エフ.ハーディング
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ エル.ソンデレッガー
(72)【発明者】
【氏名】カーティス エイチ.ブランチャード
(72)【発明者】
【氏名】ハドレー ヘンドリック
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA07
4C066BB01
4C066CC02
4C066CC03
4C066QQ15
4C066QQ94
(57)【要約】
カテーテル組立体は、カテーテルアダプタを含んでよく、これは末端端部、基端端部、末端端部及び基端端部を通って延びて内腔を形成する内表面、及びカテーテルアダプタの側壁を通って内腔と流体連通する側部ポート通路を形成する側部ポートを含んでもよい。カテーテル組立体は、カテーテルアダプタの末端端部から末端に延びるカテーテルを含んでもよい。カテーテル組立体は、側部ポート通路に対して基端で内腔内に配置されたセプタムを含んでもよい。カテーテルに対して基端でセプタムに対して末端の内表面の一部は、テクスチャ加工表面、側部ポートから内腔内に流れる流体を方向付けるように構成されたチャネル、側部ポート通路と反対側の内腔内に内向きに延びる突出部、及び環状肩部のうちの1つ以上を含んでもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテル組立体が、
カテーテルアダプタであって、末端端部、基端端部、前記末端端部及び前記基端端部を通って延びて内腔を形成する内表面、及び前記カテーテルアダプタの側壁を通って前記内腔と流体連通する側部ポート通路を形成する側部ポート、
前記カテーテルアダプタの前記末端端部から末端に延びるカテーテル、
前記側部ポート通路に対して基端で前記内腔内に配置されたセプタムであって、前記カテーテルに対して基端で前記セプタムに対して末端の前記内表面の一部がテクスチャ加工表面を備える、セプタム、
を備える、カテーテル組立体。
【請求項2】
前記テクスチャ加工表面が粗い、請求項1に記載のカテーテル組立体。
【請求項3】
前記テクスチャ加工表面が複数の窪み又は突起を備える、請求項1に記載のカテーテル組立体。
【請求項4】
前記複数の窪み又は突起の各々がドーム形状である、請求項3に記載のカテーテル組立体。
【請求項5】
前記複数の窪み又は突起がパターンで配置されている、請求項4に記載のカテーテル組立体。
【請求項6】
前記テクスチャ加工表面が前記側部ポート通路内に延びている、請求項1に記載のカテーテル組立体。
【請求項7】
カテーテル組立体が、
カテーテルアダプタであって、末端端部、基端端部、前記末端端部及び前記基端端部を通って延びて内腔を形成する内表面、及び前記カテーテルアダプタの側壁を通って前記内腔と流体連通する側部ポート通路を形成する側部ポートを備える、カテーテルアダプタ、
前記カテーテルアダプタの前記末端端部から末端に延びるカテーテル、
前記側部ポート通路に対して基端で前記内腔内に配置されたセプタムであって、前記カテーテルに対して基端で前記セプタムに対して末端の前記内表面の一部が、前記側部ポートから前記内腔内に流れる流体を方向付けるように構成されたチャネルを備える、セプタム、
を備える、カテーテル組立体。
【請求項8】
前記内表面の前記一部がねじ付きコアピン内に成形され、前記チャネルがねじ部を備える、請求項7に記載のカテーテル組立体。
【請求項9】
前記チャネルが前記側部ポート通路と交差している、請求項8に記載のカテーテル組立体。
【請求項10】
前記チャネルが前記側部ポート通路に対して末端に配置され、前記側部ポートから前記内腔内に流れる流体が、前記チャネルの第1の端部に入って前記チャネルの第2の端部に向けて流れるように構成され、前記チャネルの前記第2の端部が、前記チャネルの前記第1の端部と比較して前記側部ポートに向かけて配置される、請求項7に記載のカテーテル組立体。
【請求項11】
カテーテル組立体が、
カテーテルアダプタであって、末端端部、基端端部、前記末端端部及び前記基端端部を通って延びて内腔を形成する内表面、及び前記カテーテルアダプタの側壁を通って前記内腔と流体連通する側部ポート通路を形成する側部ポートを備える、カテーテルアダプタ、
前記カテーテルアダプタの前記末端端部から末端に延びるカテーテル、
前記側部ポート通路に対して基端で前記内腔内に配置されたセプタムであって、前記カテーテルに対して基端で前記セプタムに対して末端の前記内表面の一部が、環状肩部を備える、セプタム、
を備える、カテーテル組立体。
【請求項12】
前記肩部が90度の角度で配置されている、請求項11に記載のカテーテル組立体。
【請求項13】
前記カテーテルアダプタの前記末端端部内に前記カテーテルを固定するくさびを更に備え、前記肩部が前記くさびの基端端部に近接している、請求項11に記載のカテーテル組立体。
【請求項14】
カテーテル組立体が、
カテーテルアダプタであって、本体と前記本体から外向きに延びる側部ポートとを備え、前記本体が、末端端部、基端端部、及び前記末端端部及び前記基端端部を通って延びて内腔を形成する内表面を備え、前記側部ポートが、前記側部ポートを通って延びて前記内腔と流体連通する側部ポート通路を備える、カテーテルアダプタ、
前記カテーテルアダプタの前記末端端部から末端に延びるカテーテル、
前記内腔内に配置されたセプタム、及び
前記カテーテルアダプタ内に配置された挿入部であって、前記挿入部が前記内腔を横切って延びて前記内腔を選択的にシールし、前記挿入部が前記側部ポート通路に対して末端に配置された二方弁を備える、挿入部
を備える、カテーテル組立体。
【請求項15】
前記挿入部がスリット又は弁葉を備える、請求項14に記載のカテーテル組立体。
【請求項16】
前記挿入部が、圧力差が所定の圧力差を超えない限り閉鎖されたままであるように構成される、請求項14に記載のカテーテル組立体。
【請求項17】
カテーテル組立体が
カテーテルアダプタであって、本体と前記本体から外向きに延びる側部ポートとを備え、前記本体が、末端端部、基端端部、及び前記末端端部及び前記基端端部を通って延びて内腔を形成する内表面を備え、前記側部ポートが、前記側部ポートを通って延びて前記内腔と流体連通する側部ポート通路を備える、カテーテルアダプタ、
前記カテーテルアダプタの前記末端端部から末端に伸びるカテーテル、及び
前記内腔内に配置されたセプタムであって、前記セプタムの末端端部が末端に延びて前記内表面に接触するアームを備え、前記アームが前記内腔の前記側部ポートと反対側にある、セプタム、
を備える、カテーテル組立体。
【請求項18】
前記アームの末端端部が内向きに延びる延長部を備える、請求項17に記載のカテーテル組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は、2021年5月14日に出願された「カテーテル組立体及び関連デバイス並びに方法」と題する米国仮出願シリアル番号第63/188,821号の優先権を主張し、その開示全体は参照によりその全体で本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
カテーテルは、患者の血管系内に流体を注入するために一般的に使用される。例えば、カテーテルは、通常の生理食塩水、種々の医薬品、又は全非経口栄養を注入するために使用されてもよい。カテーテルはまた、患者から血液を抜き取るために使用されてもよい。
【0003】
カテーテルには、オーバー・ザ・ニードル末梢静脈(「IV」)カテーテルが含まれることがある。この場合、カテーテルは、鋭利な末端先端を有する導入針の上に載置されてもよい。カテーテルと導入針は、導入針の末端先端がカテーテルの末端先端を越えて延び、針の斜面が患者の皮膚から離れる方向に向くように組み立てられてもよい。カテーテルと導入針は一般に、皮膚から患者の血管系内に浅い角度で挿入される。
【0004】
導入針及び/又はカテーテルが血管内に適切に配置されていることを確認するため、施術者は一般に、カテーテルを含むカテーテル組立体のフラッシュバックチャンバ内に血液の「フラッシュバック」があることを確認する。針の留置が確認された後、施術者は針を取り除き、将来の血液吸引又は流体注入のためにカテーテルを所定の位置に残すことがある。
【0005】
多くのカテーテル組立体は、延長管入口に対して基端にセプタムを有し、セプタムに対して末端に流体(血液又は輸液など)なしで洗浄することが困難な領域を形成する。セプタムに対して末端の領域内での流体の停滞は、カテーテル組立体内での細菌の蓄積につながることがあり、これは感染又は患者からのカテーテルの取り外しにつながることがある。
【0006】
ここで請求される主題は、あらゆる欠点を解決する実施形態に限定されるものではなく、上述のような環境でのみ動作するものでもない。むしろ、この背景は、ここに記載されるいくつかの実施態様が実施されてもよい一例の技術分野を説明するために提供されるに過ぎない。
【発明の概要】
【0007】
発明の概要
本開示は、一般に、脈管アクセス装置、システム、及び方法に関する。より詳細には、本開示は、カテーテル組立体だけでなく関連する装置及び方法にも関する。いくつかの実施形態では、カテーテル組立体は、カテーテル組立体内の流体の停滞を回避するために、カテーテル組立体の洗浄を促進してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、カテーテル組立体は、カテーテル組立体内の乱流を誘導するための1つ以上の特徴部を含んでもよい。別の例として、いくつかの実施形態では、カテーテル組立体は、そうでなければ洗浄が困難なことがあるカテーテル組立体内の領域の体積を減少させ、及び/又は形状を変更してもよい。
【0008】
いくつかの実施形態では、カテーテル組立体はカテーテルアダプタを含んでもよく、これは末端端部、基端端部、及び末端端部と基端端部を通って延びる内表面を含んでもよい。一部の実施形態では、カテーテルアダプタの内表面は内腔を形成してもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルアダプタは、カテーテルアダプタの側壁を通って内腔と流体連通する側部ポート通路を形成する側部ポートを含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテル組立体は、カテーテルアダプタの末端端部から末端に延びるカテーテルを含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテル組立体はセプタムを含んでもよく、これは側部ポート通路に対して基端の内腔内に配置されてもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、カテーテルに対して基端で内腔に対して末端の内表面の一部は、テクスチャ加工表面を含んでもよい。いくつかの実施形態では、テクスチャ加工表面は粗くてもよい。一部の実施形態では、テクスチャ加工表面は複数の窪み又は突起を含んでもよい。いくつかの実施形態において、窪み又は突起の各々は、ドーム形状であってもよい。いくつかの実施形態では、窪み又は突起は、パターンで配置されてもよい。幾つかの実施形態では、テクスチャ加工表面は、側部ポート通路内に延びていてもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、カテーテルに対して基端でセプタムに対して末端の内表面の部分は、側部ポートから内腔内に流れる流体を誘導するように構成されたチャネルを含んでもよい。一部の実施形態では、内表面の部分はねじ付きコアピン内に成形されてもよい。いくつかの実施形態において、チャネルは、ねじ部を含んでもよい。いくつかの実施形態において、チャネルは、側部ポート通路と交差する。いくつかの実施形態において、チャネルは、側部ポート通路に対して末端に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、側部ポートから内腔内に流れる流体は、チャネルの第1の端部に入り、チャネルの第2の端部に向けて流れるように構成される。いくつかの実施形態では、チャネルの第2の端部は、チャネルの第1の端部と比較して、側部ポートに向けて配置されてもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、カテーテルに対して基端でセプタムに対して末端の内表面の部分は、環状肩部を含んでもよい。いくつかの実施形態では、環状肩部は90度の角度で配置されてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテル組立体は、カテーテルアダプタの末端端部内にカテーテルを固定するくさびを含んでもよく、肩部はくさびの基端端部に近接していてもよい。いくつかの実施形態では、セプタムの末端端部は、側部ポート通路と整列されてもよく又は側部ポート通路に対して末端にあってもよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、カテーテル組立体は、カテーテルアダプタ内に配置された挿入部を含んでもよい。いくつかの実施形態では、挿入部は内腔を横切って延びて内腔を選択的にシールしてもよい。いくつかの実施形態では、挿入部は、側部ポート通路に対して末端に配置された二方弁を含んでもよい。いくつかの実施形態において、挿入部は、スリット又は弁葉を含んでもよい。いくつかの実施形態では、挿入部は、圧力差が所定の圧力差を超えない限り閉鎖されたままであるように構成されてもよい。
【0013】
いくつかの実施形態では、カテーテル組立体は、内腔内に配置されたセプタムを含んでもよく、セプタムの末端端部は、末端に延びて内表面に接触するアームを含んでもよい。一部の実施形態では、アームは内腔の側部ポートと反対側にあってもよい。いくつかの実施形態では、アームの末端端部は、内向きに延びる延長部を含んでもよい。
【0014】
前述の一般的な説明と以下の詳細な説明の両方は、例であり説明的なものであり、特許請求の範囲に記載された本発明を制限するものではないことを理解されたい。様々な実施形態は、図面に図示された配置及び器具に限定されないことを理解されたい。また、実施形態が組み合わされてもよく、又は他の実施形態が利用されてもよく、構造的な変更が、そのように主張されない限り、本発明の様々な実施形態の範囲から逸脱することなく行われてもよいことが理解されるべきである。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で捉えられるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
例示的な実施形態は、添付の図面の使用を通じて、更に具体的かつ詳細に詳述され説明されることになる。
【
図1】
図1は、先行技術のカテーテル組立体の断面図である。
【
図2A】
図2Aは、いくつかの実施形態による、例示的なテクスチャ加工表面を示す、例示的なカテーテル組立体の断面図である。
【
図2B】
図2Bは、いくつかの実施形態による、例示的な特徴部の断面図である。
【
図2C】
図2Cは、いくつかの実施形態による、別の例示的な特徴部の断面図である。
【
図3A】
図3Aは、いくつかの実施形態による、例示的なチャネルを示す、カテーテル組立体の断面図である。
【
図3B】
図3Bは、いくつかの実施形態による、チャネルを示す、カテーテル組立体の上方透視図である。
【
図4】
図4は、いくつかの実施形態による、別の例示的なチャネルを示す、カテーテル組立体の断面図である。
【
図5】
図5は、いくつかの実施形態による、例示的な肩部を示す、カテーテル組立体の断面図である。
【
図6】
図6は、いくつかの実施形態による、例示的な挿入部を示す、カテーテル組立体の断面図である。
【
図7】
図7は、いくつかの実施形態による、例示的なセプタムを示す、カテーテル組立体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
詳細な説明
本開示は、概して、血管アクセス装置、システム、及び方法に関する。より詳細には、本開示は、カテーテル組立体、並びに関連する装置及び方法に関する。ここで
図1を参照すると、先行技術のカテーテル組立体10が示されている。先行技術のカテーテル組立体10は、末端端部14、基端端部16、及び末端端部14と基端端部16を通って延びる内腔18を有するカテーテルアダプタ12を含む。先行技術のカテーテル組立体10は、側部ポート通路22に対して間隔をあけて基端にセプタム20を含む。カテーテル24は、末端端部14から末端に延びている。先行技術のカテーテル組立体は、側部ポート通路22を通った洗浄にもかかわらず流体が停滞することがある領域26を含む。領域26は、セプタム20の末端面とそれに隣接する内腔18内の領域を含む。領域26内の停滞した流体は、これは先行技術のカテーテル組立体10内に細菌を蓄積させることがあり、これは感染又は患者からのカテーテル24の取り外しにつながることがある。
【0017】
次に
図2A~2Cを参照すると、いくつかの実施形態によるカテーテル組立体30が示されている。いくつかの実施形態では、カテーテル組立体30は、末端端部34、基端端部36、及び末端端部34及び基端端部36を通って延びる内表面38を含むカテーテルアダプタ32を含んでもよい。一部の実施形態では、カテーテルアダプタ32の内表面は内腔40を形成してもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルアダプタ32は、カテーテルアダプタ32の側壁46を通って内腔40と流体連通する側部ポート通路44を形成する側部ポート42を含んでもよい。一部の実施形態では、側壁46は内表面38を含んでもよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、カテーテル組立体30は、カテーテルアダプタ32の末端端部34から末端に延びるカテーテル47を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテル47は末梢静脈カテーテル、末梢挿入型中心カテーテル、又は正中線カテーテルを含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテル組立体30は、側部ポート通路44に対して基端の内腔40内に配置されてもよいセプタム48を含んでもよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、カテーテル24に対して基端でセプタム48に対して末端の内表面38の一部は、テクスチャ加工された表面を含んでもよい。一部の実施形態では、テクスチャ加工された表面は粗いか凹凸があってもよく、これは乱流を促進するためにレイノルズ数(Re)を増加させてもよい。
図2に示されるように、いくつかの実施形態では、テクスチャ加工表面は複数の特徴部50を含んでもよく、これは例えば
図2Bに図示されるように、窪み又はへこみを含んでもよい。いくつかの実施形態では、特徴部50の各々は、ドーム形状であってもよい。いくつかの実施形態において、特徴部50はパターンで配置されてもよく、これは流体の流れを均一に乱すことを促進してもよい。例えば、特徴部50は、1つ又は複数の列に配置されてもよく、これは互いにずらされてもよい。いくつかの実施形態では、特徴部50は、カテーテル組立体30の洗浄を促進して、カテーテル組立体30内の流体の停滞を回避してもよい。更に詳細には、特徴部50は、カテーテル組立体30内の乱流を誘導してもよい。いくつかの実施形態では、特徴部50は、例えば
図2Cに示されているように、複数の突出部又はバンプを含んでもよく、これはパターン及び/又はドーム形状で配置されてもよい。
【0020】
いくつかの実施形態では、テクスチャ加工表面は、側部ポート通路44内に延びてもよい。いくつかの実施形態では、延長管52が側部ポート42に一体化されてもよい。いくつかの実施形態において、テクスチャ加工表面は、延長管52に近接していてもよく、これは流体が側部ポート通路44から内腔40に入る際に流体の乱流を増加させてもよい。いくつかの実施形態では、側部ポート通路44は、流体の注入及び/又は血液の収集に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、延長管52の基端端部は、血液収集デバイスに結合されてもよい。
【0021】
ここで
図3A~3Bを参照すると、カテーテル47に対して基端でセプタム48に対して末端の内表面38の部分は、側部ポート42から内腔40内に流れる流体を方向づけるように構成されたチャネルを含んでもよい。いくつかの実施形態では、チャネルはねじ部54を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ねじ部54は、全体としてシリンダ状であってもよい内表面38の周りをらせん状に巻いてもよい。これらの実施形態において、内表面38の部分は、ねじ部付きコアピン内に成形されてもよい。いくつかの実施形態において、ねじ部54は、側部ポート通路44と交差してもよく、これは側部ポート通路44からねじ部54内への流体の移送を促進してもよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、ねじ部54のピッチ、角度、及び形状のうちの1つ以上が、流体の流れを基端に方向づけるように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、ねじ部54は、例えば、
図3A~3Bに図示されるように、セプタム48に向けて角度を付けられてもよく、これが側部ポート42から内腔40に入る流体を、そうでなければ流体が停滞し又は捕捉されることがあるセプタム48の末端の領域に向けて方向づけてもよい。
【0023】
ここで
図4を参照すると、いくつかの実施形態では、チャネルは、溝56を含んでもよく、これは側部ポート通路44に対して末端に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、側部ポート42から内腔40内に流れる流体は、チャネルの第1の端部58に入ってチャネルの第2の端部60に向けて流れるように構成される。いくつかの実施形態において、チャネルの第2の端部60は、チャネルの第1の端部58と比較して、側部ポート42に向けて配置されてもよい。いくつかの実施形態において、溝56は、例えば、
図4に示されるように、基端方向に対して末端に角度を付けられてもよい。他の実施形態では、溝56は、末端方向に対して基端に角度を付けられてもよい。いくつかの実施形態では、溝56の角度は、カテーテル組立体30内の流体の乱流を増加させてもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、チャネルの第1の端部58及び/又はチャネルの第2の端部60は、プローブが沿って末端方向に移送してもよいカテーテル組立体30の長手方向軸線と整列されたチャネルの部分よりも深くてもよい。一部の実施形態では、側部ポート通路44から内腔40内に流れる流体は、内腔40の幅を横切って流れて第1の端部58からはじき出されてもよい。一部の実施形態では、溝56は、第1の端部58からはじき出された流体を、内腔40の幅を横切って第2の端部60に戻し、そこで流体が再びはじき出されてセプタム48に向かってもよいように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、溝56は、流体に不均衡な回転効果を生じさせてもよく、これはより大きな乱流及び洗浄を促進してもよい。いくつかの実施形態では、溝56は、プローブが溝56を捉え又は引っ掛けることがないように位置付けられてもよい。
【0025】
次に
図5を参照すると、いくつかの実施形態では、カテーテル47に対して基端でセプタム20に対して末端の内表面38の部分は、環状であってもよい肩部62を含んでもよい。いくつかの実施形態では、肩部62は約90度又は60度~90度で配置されてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテル組立体30はくさび64を含んでもよく、これはカテーテル47をカテーテルアダプタ32の末端端部34内に固定してもよく、肩部62はくさび64の基端端部66に近接又は接触してもよい。一部の実施形態では、流体が側部ポート通路44から内腔40内に流れてもよく、肩部62は流体をセプタム48に向けて基端に迂回させるように構成されてもよい。
【0026】
次に
図6を参照すると、挿入部68は、側部ポート通路44とセプタム48に対して末端に挿入されてもよい。いくつかの実施形態では、挿入部68は、カテーテル47をカテーテルアダプタ32内に固定するために使用されてもよいくさび64のカテーテル47及び/又は基端端部66に対して基端にあってもよい。一部の実施形態では、挿入部68は二方弁を含んでもよく、これは内腔40をまたいで流体シールを提供してもよい。一部の実施形態では、二方弁はスリット又は弁葉を含んでもよく、これは所定の圧力差での二方弁の開放を容易にしてもよい。いくつかの実施形態では、二方弁は、カテーテル組立体30を介した注入及び/又は血液吸引に応答して開放されてもよい。いくつかの実施形態では、二方弁は、所定の圧力差未満では閉鎖されたままであってもよく、所定の圧力差を超える圧力差に応答して開放してもよい。一部の実施形態では、カテーテル組立体30の洗浄は、二方弁が開放する前に、挿入部68に対して基端でセプタム48に対して末端にあるカテーテルアダプタ32内の空間のすべて又は実質的にすべてが流体で満たされることにより、改善されてもよい。いくつかの実施形態では、挿入部68はエラストマーであってもよい。
【0027】
次に
図7を参照すると、いくつかの実施形態では、カテーテル組立体30は長手方向軸70を含んでもよい。いくつかの実施形態では、セプタム48の末端端部72は、末端に延びて内表面38に接触するアーム78を含んでもよい。いくつかの実施形態では、セプタム48は末端面74を含んでもよく、これは全体として平面であってもよく又はこれは突出部76を含んでもよい。いくつかの実施形態において、アーム78は、末端面74から末端に延びてもよい。いくつかの実施形態において、アーム78は、側部ポート42を通る流体の流れを容易にするために、内腔40の側部ポート42と反対側にあってもよい。いくつかの実施形態において、アーム78は、そうでなければ流体が停滞し得る内腔40の体積を減少させてもよい。いくつかの実施形態において、アーム78は、側部ポート通路44に対して末端に延びてもよい。いくつかの実施形態では、アーム78はくさび64まで延びてもよい。
【0028】
いくつかの実施形態では、アーム78の末端端部は、内向きに延びる延長部80を含んでもよい。いくつかの実施形態では、延長部80は、長手方向軸70に向けて内向きに延びてもよい。いくつかの実施形態において、延長部80は、長手方向軸70に内向きに又は長手方向軸70を越えて延びてもよい。いくつかの実施形態において、アーム78及び/又は延長部80は、流体の流れを領域に方向付けるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、アーム78及び/又は延長部80は、血液を末端面74に向けて基端に方向付けるように構成されてもよく、これが洗浄を促進してもよい。
【0029】
ここ援用されるすべての例及び条件付き表現は、読者が本発明及び当技術を更に発展させるために本発明者によって貢献された概念を理解するのを助けるための教育的目的のために意図されたものであり、そのような具体的に援用された例及び条件に限定されないものと解釈される。本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換、及び改変をここで行い得ることを理解されたい。
【国際調査報告】