(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-25
(54)【発明の名称】サイドポート経路を有するカテーテルアセンブリおよび関連する方法
(51)【国際特許分類】
A61M 25/06 20060101AFI20240418BHJP
【FI】
A61M25/06 500
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023570343
(86)(22)【出願日】2022-05-13
(85)【翻訳文提出日】2024-01-15
(86)【国際出願番号】 US2022029141
(87)【国際公開番号】W WO2022241189
(87)【国際公開日】2022-11-17
(32)【優先日】2021-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ラッキー
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン カール バークホルツ
(72)【発明者】
【氏名】イーピン マー
(72)【発明者】
【氏名】ブレアナ ラッキー
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ エル.ソンデレッガー
(72)【発明者】
【氏名】ネイサン ミッチェル
(72)【発明者】
【氏名】メーガン シューリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】カーティス エイチ.ブランチャード
(72)【発明者】
【氏名】アダム ジェイ.ボウド
(72)【発明者】
【氏名】テイラー イリー
(72)【発明者】
【氏名】ショーン ラウアー
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA24
4C267BB04
4C267BB08
4C267BB11
4C267BB24
4C267CC08
(57)【要約】
カテーテルアダプタは、遠位端、近位端、および前記遠位端と前記近位端を通って延在し、管腔を形成する内面と、前記カテーテルアダプタの側壁を通って前記管腔と流体連通するサイドポート経路を形成するサイドポートと、を備える。カテーテルアセンブリは、カテーテルアダプタの遠位端から遠位方向に延びるカテーテルを含み得る。カテーテルアセンブリは、サイドポート経路の近位の管腔内に配置された隔壁を含み得る。カテーテルアセンブリは、カテーテルアセンブリのフラッシングを容易にするための1つまたは複数の手段を含み得、サイドポートの直径は、遠位方向に増加し得、カテーテルの近接および隔壁の遠位の内面の一部は、複数の溝を含み得、サイドポート経路は、非円筒形部分、インサート、回転要素、およびピボット要素を含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルアセンブリであって、
カテーテルアダプタであって、遠位端、近位端、および前記遠位端と前記近位端を通って延在し、管腔を形成する内面と、前記カテーテルアダプタの側壁を通って前記管腔と流体連通するサイドポート経路を形成するサイドポートと、を備える、前記カテーテルアダプタと、
前記サイドポート内に統合された延長チューブであって、前記サイドポート経路の直径が遠位方向に増加する、前記延長チューブと、
前記カテーテルアダプタの前記遠位端から遠位方向に延びるカテーテルと、
前記サイドポート経路の近位の前記管腔内に配置された隔壁と、
を備える、カテーテルアセンブリ。
【請求項2】
前記サイドポート経路は、第1の側部および前記第1の側部の反対側の第2の側部を含み、前記第1の側部は直線状であり、前記第2の側部の近位端は直線状であり、前記第2の側部の遠位端は、前記第2の側部の前記近位端に対して近位側に角度を付けられ、前記第1の側部は、前記第2の側部に対して遠位側にある、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項3】
前記第2の側部の前記遠位端が前記隔壁に接触する、請求項2に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項4】
前記隔壁は、キャニスタに囲まれたエラストマー本体を備える、請求項3に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項5】
カテーテルアセンブリであって、
カテーテルアダプタであって、遠位端、近位端、および前記遠位端と前記近位端を通って延在し、管腔を形成する内面と、前記カテーテルアダプタの側壁を通って前記管腔と流体連通するサイドポート経路を形成するサイドポートと、を備える、前記カテーテルアダプタと、
前記カテーテルアダプタの前記遠位端から遠位方向に延びるカテーテルと、
前記サイドポート経路の近位の前記管腔内に配置された隔壁であって、前記サイドポート経路が非円筒形部分を含む、前記隔壁と、
を備える、カテーテルアセンブリ。
【請求項6】
前記非円筒形部分がらせん状溝を備える、請求項5に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項7】
前記らせん状溝の遠位端が前記隔壁に近接している、請求項6に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項8】
前記隔壁は、キャニスタに囲まれたエラストマー本体を備える、請求項7に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項9】
前記カテーテルアセンブリは、前記サイドポートと統合された延長チューブを含み、前記らせん状溝の近位端は、前記延長チューブに近接している、請求項6に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項10】
前記非円筒形部分は、前記サイドポート経路の中心軸に対して概ね垂直な複数の隆起を備える、請求項5に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項11】
前記複数の隆起が均等間隔に離間されている、請求項10に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項12】
前記複数の隆起のそれぞれが環状である、請求項10に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項13】
前記非円筒形部分が、狭い直径部分を含む、請求項5に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項14】
前記狭い直径部分は、第1の直径を含み、前記サイドポート経路は、前記第1の直径の遠位側の第2の直径および前記第1の直径の近位側の第3の直径を含み、前記第2の直径および前記第3の直径は、前記第1の直径よりも大きい、請求項13に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項15】
前記非円筒形部分は、前記サイドポート経路の中心軸に対して概ね平行に伸びる複数の隆起または複数の溝を備える、請求項5に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項16】
前記複数の溝が、前記サイドポートの内周の周りに均等間隔に離間される、請求項15に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項17】
前記カテーテルアセンブリは、前記サイドポートと統合された延長チューブを含み、前記複数の溝のそれぞれは、前記延長チューブに近接する近位端を備える、請求項5に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項18】
前記複数の溝のそれぞれが、前記管腔に近接する遠位端を備える、請求項7に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項19】
カテーテルアセンブリであって、
カテーテルアダプタであって、遠位端、近位端、および前記遠位端と前記近位端を通って延在し、管腔を形成する内面と、前記カテーテルアダプタの側壁を通って前記管腔と流体連通するサイドポート経路を形成するサイドポートと、を備える、前記カテーテルアダプタと、
前記カテーテルアダプタの前記遠位端から遠位方向に延びるカテーテルと、
前記サイドポート経路の近位の前記管腔内に配置された隔壁と、
前記サイドポート経路内に少なくとも部分的に配置され、流体の流れを迂回させるように構成されたインサートと、
を備える、カテーテルアセンブリ。
【請求項20】
前記インサートが、前記サイドポート経路から前記管腔内に延在し、複数の穴を備える、請求項19に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項21】
前記インサートは、前記サイドポート経路を通って前記管腔内に延びる延長チューブの遠位端によって形成される、請求項20に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項22】
前記インサートの遠位端が、コルク栓抜き形状を備える、請求項19に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項23】
前記インサートは、前記インサートの長手方向軸に沿って延びる溝を備える、請求項19に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項24】
前記インサートは、前記内面上の突起を含み、前記突起は、前記サイドポート経路を、遠位方向に延びる第1の流体経路および近位方向に延びる第2の流体経路に分割する、請求項19に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項25】
カテーテルアセンブリであって、
カテーテルアダプタであって、遠位端、近位端、および前記遠位端と前記近位端を通って延在し、管腔を形成する内面と、前記カテーテルアダプタの側壁を通って前記管腔と流体連通するサイドポート経路を形成するサイドポートと、を備える、前記カテーテルアダプタと、
前記カテーテルアダプタの前記遠位端から遠位方向に延びるカテーテルと、
前記サイドポート経路の近位の前記管腔内に配置された隔壁と、
を備え、
前記隔壁と前記カテーテルとの間に配置され、前記サイドポート経路と整列した流体分流器であって、
回転要素であって、それを通って延びる直線経路を備え、シリンダまたは球体をさらに備え、前記サイドポート経路から前記管腔への流体の注入に応答して回転するように構成される前記回転要素と、
前記内面に結合され、枢動するように構成された枢動要素と、
を有する、前記流体分流器と、
を含む、カテーテルアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年5月14日に出願された「サイドポート経路および関連方法を有するカテーテルアセンブリ」と題された米国仮出願シリアル番号63/188,834の優先権を主張し、その開示全体は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
カテーテルは、患者の血管系に流体を注入するために一般的に使用される。例えば、カテーテルは、生理食塩水、種々の薬剤、または全非経口栄養を注入するために使用され得る。カテーテルはまた、患者から血液を引き出すために使用されてもよい。
【0003】
カテーテルは、オーバーザニードル末梢静脈内(「IV」)カテーテルを含み得る。この場合、カテーテルは、鋭い遠位先端を有する導入針の上に取り付けられ得る。カテーテルおよび導入針は、導入針の遠位先端が、針の斜面が患者の皮膚から反対側を向く状態でカテーテルの遠位先端を越えて延伸するように、組み立てられることができる。カテーテルと導入針は、一般的に、皮膚を通して患者の血管系へと浅い角度で挿入される。
【0004】
血管内の導入針および/またはカテーテルの適切な配置を検証すべく、臨床医は、一般的に、カテーテルを含むカテーテルアセンブリのフラッシュバックチャンバー内に血液の「フラッシュバック」があることを確認する。針の配置が確認された後、臨床医は針を取り外し、将来の採血または輸液のためにカテーテルを所定の位置に残すことができる。
【0005】
多くのカテーテルアセンブリは、延長チューブ入口の近位に隔壁を有し、隔壁の遠位に流体(血液または注入液など)を流すことが困難な領域を作成する。隔壁(septum)の遠位の領域内の停滞した流体は、カテーテルアセンブリ内の細菌の蓄積をもたらし得、これは、感染または患者からのカテーテルの除去をもたらし得る。
【0006】
本明細書で特許請求される主題は、任意の不利益を解決する実施形態、または上記で説明されるもののような所定の環境でのみ動作する実施形態に限定されない。むしろ、この背景技術は、本明細書で記載された具体化したもののいくつかを実施し得る技術領域の一例を示すために適用されるにすぎない。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、一般に、血管アクセスデバイス、システムおよび方法に関する。より具体的には、本開示は、サイドポート経路を有するカテーテルアセンブリ、ならびに関連するデバイスおよび方法に関する。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリはまた、遠位端、近位端、および遠位端と近位端とを通って延びる内面を含み得るカテーテルアダプタを含んでよい。いくつかの実施形態では、カテーテルアダプタの内面は、管腔(lumen)を形成し得る。いくつかの実施形態では、カテーテルアダプタは、カテーテルアダプタの側壁を通って管腔と流体連通するサイドポート経路を形成するサイドポートを含み得る。
【0008】
いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリは、カテーテルアセンブリ内の流体の停滞を回避するために、カテーテルアセンブリのフラッシングを容易にし得る。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリのサイドポート経路は、流体の流れを誘導し、カテーテルアセンブリ内の乱流を誘導する1つまたは複数の特徴を含み得、これは、フラッシュを容易にし得る。いくつかの実施形態では、サイドポート経路の特徴は、そうでなければ流体(血液または注入液など)を除去するフラッシュが困難であり得るカテーテルアセンブリ内の領域のフラッシュを容易にし得る。いくつかの実施形態では、領域は、隔壁の遠位に配置されてもよい。隔壁(septum)の遠位の領域内の停滞した流体は、カテーテルアセンブリ内の細菌の蓄積をもたらし得、これは、感染または患者からのカテーテルの除去をもたらし得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリは、サイドポート内に統合された延長チューブを含み得る。いくつかの実施形態では、サイドポート経路の直径は、遠位方向に増加し得る。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリは、カテーテルアダプタの遠位端から遠位に延びるテーテルを含み得る。いくつかの実施形態では、カテーテルは、末梢静脈(peripheral intravenous)カテーテル、末梢挿入型中心カテーテル、または正中線カテーテルを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリは、サイドポート経路の近位の管腔内に配置された隔壁を含み得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、サイドポート経路は、第1の側部および第1の側部の反対側の第2の側部を含み得る。いくつかの実施形態では、第1の側部は、直線であってもよい。いくつかの実施形態では、第2の側部の近位端は直線であってもよく、第2の側部の遠位端は、第2の側部の近位端に対して近位方向に角度を付けられてもよい。いくつかの実施形態では、第1の側部は、第2の側部の遠位にあり得る。いくつかの実施形態では、第2の側部の遠位端は、隔壁に接触してもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、隔壁は、キャニスタに囲まれたエラストマー本体を含み得る。いくつかの実施形態では、隔壁およびカテーテルアセンブリは、キャニスタを含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、隔壁は、ワンピース隔壁、ツーピース隔壁、または別の適切な隔壁を含み得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、サイドポート経路は、非円筒形部分を含み得る。いくつかの実施形態では、非円筒形部分は、サイドポート経路の中心軸に概して平行な複数の溝またはリブを含み得る。いくつかの実施形態では、溝またはリブは、カテーテルアダプタの内周の周りに均等間隔に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリは、サイドポートと統合された延長チューブを含み得る。いくつかの実施形態では、溝またはリブのそれぞれは、延長チューブに近接する近位端を含み得る。いくつかの実施形態では、溝またはリブのそれぞれは、管腔に近接する遠位端を含み得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、非円筒形部分は、らせん状の溝を含み得る。いくつかの実施形態では、らせん状溝の遠位端は、隔壁に近接していてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリは、サイドポートと一体化された延長チューブを含み得、らせん状溝の近位端は、延長チューブに近接している。
【0014】
いくつかの実施形態では、非円筒形部分は、サイドポート経路の中心軸に概して垂直であり得る複数の隆起を含み得る。いくつかの実施形態では、隆起(ridges)は、均等に離間されてもよい。いくつかの実施形態では、隆起は環状であってもよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、非円筒形部分は、狭い直径部分を含み得る。いくつかの実施形態では、狭い直径部分は、第1の直径を含み得る。いくつかの実施形態では、サイドポート経路は、第1の直径の遠位の第2の直径および第1の直径の近位の第3の直径を含み得る。いくつかの実施形態では、第2の直径および第3の直径は、第1の直径よりも大きくてもよい。いくつかの実施形態では、非円筒形部分は、延長チューブ内に配置されてもよく、延長チューブは、サイドポート経路内に配置されてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、非円筒形部分は、このようにしてサイドポート経路内に配置され得る。いくつかの実施形態では、延長チューブは、サイドポート経路内に、またはサイドポート経路を通って延在してもよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリは、少なくとも部分的にサイドポート経路内に配置され、流体の流れを迂回させるように構成されたインサートを含み得る。いくつかの実施形態では、インサートは、サイドポート経路から管腔内に延在してもよく、1つまたは複数の穴を含んでもよい。いくつかの実施形態では、インサートの遠位端は、コルク栓抜き(corkscrew)形状を含み得る。いくつかの実施形態では、インサートは、インサートの長手方向軸に沿って延びる溝を含み得る。いくつかの実施形態では、インサートは、延長チューブの遠位端によって形成されてもよく、延長チューブは、サイドポート経路内またはサイドポート経路を通って延びてもよく、流体の流れを迂回させてもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、インサートは、カテーテルアダプタの内面上の突起を含み得る。いくつかの実施形態では、突起は、サイドポート経路を、遠位方向に延びる第1の流体経路と、近位方向に延びる第2の流体経路とに分割し得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリは、隔壁とカテーテルとの間に配置され、サイドポート経路と整列された流体分流器(fluid diverter)を含み得る。いくつかの実施形態では、流体分流器は、それを通って延びる直線経路を含み得る回転要素を含み得る。いくつかの実施形態では、回転要素は、円筒または球体であってもよい。いくつかの実施形態では、回転要素は、サイドポート経路から管腔への流体の注入に応答して回転するように構成され得る。いくつかの実施形態では、流体分流器は、内面に結合され、サイドポート経路から管腔への流体の注入に応答して枢動(pivot)するように構成された枢動要素を含み得る。
【0019】
上述の概略の説明、および、以下の詳細な説明の両方は、例示であり、また、説明のためのものであり、特許請求された発明を限定するものではないことが理解されるべきである。さまざまな実施形態は、図に示されている配置(arrangements)および手段(instrumentality)に限定されないことが理解されるべきである。また、実施形態は、組み合わされてよいこと、または、他の実施形態が用いられてよいこと、および、そのように特許請求されていない限り、本発明の様々な実施形態の範囲から逸脱することなく構造変更がなされてよいことが理解されるべきである。従って、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
例示的な実施形態が、添付の図面を用いて、追加の特性および詳細とともに記載され、説明される。
【
図1】
図1は、従来技術のカテーテルアセンブリの断面図である。
【
図2】
図2は、いくつかの実施形態による、遠位方向に増加する例示的なサイドポート経路の直径を示す、例示的なカテーテルアセンブリの断面図である。
【
図3】
図3は、いくつかの実施形態による、回転流を誘導するための例示的な分岐特徴(diverging feature)を示す、カテーテルアセンブリの断面図である。
【
図4A】
図4Aは、いくつかの実施形態による、例示的な溝を示す、カテーテルアセンブリの断面図である。
【
図4B】
図4Bは、いくつかの実施形態による、溝を通るカテーテルアセンブリの横断面図である。
【
図5】
図5は、いくつかの実施形態による、例示的ならせん状溝を示す、カテーテルアセンブリの断面図である。
【
図6】
図6は、いくつかの実施形態による、例示的な隆起を示す、カテーテルアセンブリの断面図である。
【
図7】
図7は、いくつかの実施形態による、例示的な狭径部分を示す、カテーテルアセンブリの断面図である。
【
図8A】
図8Aは、いくつかの実施形態による、例示的なインサートを示す、カテーテルアセンブリの断面図である。
【
図8B】
図8Bは、いくつかの実施形態による、
図8Aのインサートを示す、カテーテルアセンブリの部分切断図である。
【
図9A】
図9Aは、いくつかの実施形態による、別の例示的なインサートを示す、カテーテルアセンブリの部分切断図である。
【
図9B】
図9Bは、いくつかの実施形態による、
図9Aのインサートに近接する例示的なサイドポート経路を通るカテーテルアセンブリの断面図である。
【
図10A】
図10Aは、いくつかの実施形態による、別の例示的なインサートを示す、カテーテルアセンブリの断面図である。
【
図11A】
図11Aは、いくつかの実施形態による、別の例示的なインサートを示す、カテーテルアセンブリの断面図である。
【
図12A】
図12Aは、いくつかの実施形態による、別の例示的なインサートを示す、カテーテルアセンブリの部分斜視図である。
【
図12B】
図12Bは、いくつかの実施形態による、例示的なサイドポート経路および
図12Aのインサートを通るカテーテルアセンブリの断面図である。
【
図13】
図13は、いくつかの実施形態による、別の例示的なインサートを示す、カテーテルアセンブリの断面図である。
【
図14A】
図14Aは、いくつかの実施形態による、例示的な回転要素を示す、カテーテルアセンブリの断面図である。
【
図14C】
図14Cは、いくつかの実施形態による、別の例示的な回転要素を示す、カテーテルアセンブリの断面図である。
【
図14D】
図14Dは、いくつかの実施形態による、他の回転要素を示す、カテーテルアセンブリの部分切断図である。
【
図15A】
図15Aは、いくつかの実施形態による、例示的な枢動(pivot)要素を示す、カテーテルアセンブリの断面図である。
【
図15B】
図15Bは、いくつかの実施形態による、別の例示的な枢動要素を示す、カテーテルアセンブリの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示は、一般に、血管アクセスデバイス、システムおよび方法に関する。より具体的には、本開示は、カテーテルアセンブリ、ならびに関連するデバイスおよび方法に関する。ここで
図1を参照すると、従来技術のカテーテルアセンブリ10が示されている。従来技術のカテーテルアセンブリ10は、遠位端14、近位端16、および遠位端14と近位端16とを通って延びる管腔18を有するカテーテルアダプタ12を含む。従来技術のカテーテルアセンブリ10は、間隔を置いてサイドポート経路22に近位に配置された隔壁20を含む。カテーテル24は、遠位端14から遠位に延びる。従来技術のカテーテルアセンブリは、サイドポート経路22を通ってフラッシュするにもかかわらず、流体が停滞し得る領域26を含む。領域26は、隔壁20の遠位面と、それに隣接する管腔18内の領域とを含む。領域26内の停滞した流体は、従来技術のカテーテルアセンブリ10内の細菌の蓄積をもたらし得、これは、感染症または患者からのカテーテル24の除去をもたらし得る。
【0022】
ここで
図2を参照すると、いくつかの実施形態による、カテーテルアセンブリ30が示されている。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ30は、遠位端34、近位端36、および遠位端34と近位端36とを通って延びる内面38を含み得るカテーテルアダプタ32を含み得る。いくつかの実施形態では、カテーテルアダプタ32の内面は、管腔(lumen)40を形成し得る。いくつかの実施形態では、カテーテルアダプタ32は、カテーテルアダプタ32の側壁46を通って管腔40と流体連通するサイドポート経路44を形成するサイドポート42を含み得る。いくつかの実施形態では、側壁46は、内面38を含み得る。いくつかの実施形態では、サイドポート経路44は、管腔40からサイドポート42の外側開口部まで延在してもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ30は、カテーテルアダプタ32の遠位端34から遠位に延びるカテーテル47を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテル47は、末梢静脈(peripheral intravenous)カテーテル、末梢挿入型中心カテーテル、または正中線カテーテルを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ30は、カテーテル47をカテーテルアダプタ32の遠位端34内に固定し得るくさび(wedge)50を含み得る。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ30は、サイドポート経路44の近位側の隔壁48内に配置された管腔40を含み得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ30は、カテーテルアセンブリ30内の流体の停滞を回避するために、カテーテルアセンブリ30のフラッシングを容易にし得る。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ30のサイドポート経路44は、流体の流れを誘導し、カテーテルアセンブリ30内の乱流を誘導する1つまたは複数の特徴を含み得、これは、フラッシュを容易にし得る。いくつかの実施形態では、サイドポート経路44の特徴は、カテーテルアセンブリ30内の流体(血液または注入液など)を除去するフラッシュが困難であり得る領域のフラッシュを容易にし得る。いくつかの実施形態では、領域は、隔壁48の遠位および/または近位に配置されてもよい。隔壁(septum)48の遠位側の領域内の停滞した流体は、カテーテルアセンブリ30内の細菌の蓄積をもたらし得、これは、感染または患者からのカテーテルの除去をもたらし得る。しかしながら、サイドポート経路44の特徴は、領域内の流体乱流を促進し得、細菌の蓄積の可能性を減少させる。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ30は、内面38上の血液の蓄積を低減し、および/または互換性のない流体の相互作用を低減し得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリは、サイドポート42内に統合された延長チューブ52を含み得る。いくつかの実施形態では、サイドポート経路44は、流体注入および/または採血のために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、延長チューブ52の近位端は、採血デバイスに結合され得る。
【0026】
いくつかの実施形態では、サイドポート経路44の直径は、遠位方向に増加し得る。例えば、サイドポート経路44の近位部分は、第1の直径54を含んでもよく、サイドポート経路44の遠位部分は、第1の直径54よりも大きくてもよい第2の直径56を含んでもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、サイドポート経路44は、第1の側部58および第1の側部58の反対側の第2の側部60を含み得る。いくつかの実施形態では、第1の側部58は、例えば、
図2に示されるように、直線状であってよく、または直線状の断面を有してもよい。いくつかの実施形態では、第2の側部60の近位端62は直線状であってもよく、第2の側部60の遠位端64は、第2の側部60の近位端62に対して近位側に角度を付けられてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、第2の側部60は分岐してもよく、これは、そうでなければ流体を含まないフラッシュが困難であり得る隔壁48の前方または遠位の領域のフラッシュを容易にし得る。いくつかの実施形態では、第1の側部58は、第2の側部60に対して遠位であってもよい。いくつかの実施形態では、第2の側部60の遠位端64は、第2の側部60の近位端62に対して0°から90°の間で角度を付けられてもよい。いくつかの実施形態では、第2の側部60の遠位端64は、第2の側部60の近位端62に対して、20°から60°の間で角度を付けられてもよい。いくつかの実施形態では、第2の側部60の遠位端64は、隔壁48に接触してもよい。いくつかの実施形態では、第1の側部58の遠位端は、第1の側部58の近位端に対して遠位方向に発散し(diverging)、角度を付けられてもよく、これは、領域のフラッシュ性を高めさせ得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、隔壁48は、キャニスタ66に囲まれたエラストマー本体を含み得る。いくつかの実施形態では、隔壁48およびカテーテルアセンブリ30は、キャニスタ66を含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、隔壁48は、ワンピース隔壁、ツーピース隔壁、または別の適切な隔壁を含み得る。
【0029】
ここで
図3を参照すると、いくつかの実施形態では、サイドポート経路の壁は、分岐する特徴を含み得、これは、サイドポート経路44から管腔40に流れる流体の回転流を誘導し得、隔壁48の前面または遠位の領域のフラッシングを容易にし得る。いくつかの実施形態では、分岐特徴(diverging feature)は、サイドポート経路44と管腔40との交差部に配置された突起を含み得る。いくつかの実施形態では、突起は、サイドポート経路44の幅にわたって延在し得る段差状の表面または壁67を含み得る。
【0030】
ここで
図4A~4Bを参照すると、いくつかの実施形態では、サイドポート経路44は、非円筒形部分を含み得る。いくつかの実施形態では、非円筒形部分は、複数の溝68を含み得る。いくつかの実施形態では、溝68は、カテーテルアセンブリ30の長手方向軸70と交差し得るサイドポート経路44の中心軸に概ね平行であり得る。いくつかの実施形態では、溝68は、サイドポート42の内周の周りに均等に間隔を置いてもよい。いくつかの実施形態では、溝68のそれぞれは、管腔40および/または隔壁48の遠位端に近接または隣接する遠位端を含み得る。いくつかの実施形態では、溝68のそれぞれは、延長チューブ52に近接または隣接する近位端を含み得る。いくつかの実施形態では、溝68は、リブで置き換えられてもよい。いくつかの実施形態では、溝68またはリブは、隔壁48の遠位領域のフラッシングを容易にするために流体の流れを誘導し得る。いくつかの実施形態では、溝68は、フィン付きコアピンを使用して成形されてもよい。
【0031】
ここで
図5を参照すると、いくつかの実施形態では、サイドポート経路44は、非円筒形部分を含み得る。いくつかの実施形態では、非円筒形部分は、らせん状の溝74を含み得る。いくつかの実施形態では、らせん状の溝74は、概して円筒形であり得る内面38の周りをらせん状に巻くことができる。いくつかの実施形態では、らせん状溝74の遠位端76は、隔壁48に近接していてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ30は、サイドポート42と一体化された延長チューブ52を含んでもよく、らせん状溝74の近位端78は、延長チューブ52に近接してもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、らせん状溝74は、流体交換を増加させるより乱流の流れを誘発することによって、フラッシュ性を促進し得る。いくつかの実施形態では、らせん状溝74は、隔壁48のちょうど遠位に終端してもよく、フラッシュが困難な領域への流体経路を作成する。いくつかの実施形態では、サイドポート42は、ねじ付きコアピンで成形されてもよい。いくつかの実施形態では、ねじ付きコアピンが成形中にねじ込まれるか、または緩められることに応答して、らせん状の溝74が作成されてもよい。
【0033】
ここで
図6を参照すると、いくつかの実施形態では、非円筒形部分は、サイドポート経路44の中心軸に概して垂直であり得る複数の隆起80を含み得る。いくつかの実施形態では、隆起(ridges)80は、均等に離間されてもよい。いくつかの実施形態では、隆起80は環状であってもよい。いくつかの実施形態では、隆起80は、圧力を増加させ、流れを制限し、脈動またはより乱流の流れをもたらし得る。
【0034】
ここで
図7を参照すると、いくつかの実施形態では、非円筒形部分は、狭い直径部分82を含み得る。いくつかの実施形態では、狭い直径部分82は、入口ノズルとして機能し得る。いくつかの実施形態では、狭い直径部分82の遠位では、サイドポート経路44は、狭い直径部分82に向かって近位方向に収束し得、狭い直径部分82の近位では、サイドポート経路44は、狭い直径部分82から離れて近位方向に発散(diverge)し得る。いくつかの実施形態では、狭い直径部分82は、第1の直径84を含み得る。いくつかの実施形態では、サイドポート経路44は、第1の直径84の遠位の第2の直径86と、第1の直径84の近位の第3の直径88とを含み得る。いくつかの実施形態では、第2の直径86および第3の直径88は、第1の直径84よりも大きくてもよい。いくつかの実施形態では、狭い直径部分82は、環状であってもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、狭い直径部分82は、管腔38に近接していてもよい。いくつかの実施形態では、狭い直径部分82は、非対称であってもよい。例えば、狭い直径部分82は、サイドポート経路44の遠位側だけに突起を含み得る。これらおよび他の実施形態では、狭い直径部分82は、乱流および回転流および隔壁48に向かう偏向する可能性がある。
【0036】
いくつかの実施形態では、非円筒形部分は、延長チューブ52内に配置されてもよく、延長チューブ52は、サイドポート経路44内に配置されてもよく、および/または管腔40まで延在してもよい。したがって、いくつかの実施形態では、狭い直径部分82は、延長チューブ52内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、延長チューブ52は、管腔40内に延在していなくてもよい。
【0037】
ここで
図8A~8Bを参照すると、いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ30は、サイドポート経路44内に固定され、流体の流れを迂回させるように構成されたインサート90を含み得る。いくつかの実施形態では、インサート90は、それを通ってサイドポート経路44および管腔40と流体連通する流体経路を含み得る。いくつかの実施形態では、インサート90は、サイドポート経路44から管腔40内に延在してもよく、1つまたは複数の穿孔または穴92を含んでもよい。いくつかの実施形態では、穴92は、流体の流れを隔壁48に向かって、フラッシュが困難な領域に流すように構成され得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、管腔40内に配置されたインサート90の遠位端は、穴92を含み得る。いくつかの実施形態では、インサート90の近位端96は、延長チューブ52に隣接および/または接触してもよい。いくつかの実施形態では、インサート90は、管状または円錐形であってもよい。いくつかの実施形態では、インサート90は、流体のかなりの部分が遠位方向に継続するように、サイドポート経路44の中心軸と整列した、および/または穴92よりも大きい開口部94を含み得る。いくつかの実施形態では、「インサート」という用語は、カテーテルアダプタ32内に挿入され、単一のユニットとしてカテーテルアダプタと一体的に形成されない要素を指し得る。いくつかの実施形態では、インサート90は、延長チューブ52の遠位端によって形成されてもよく、延長チューブ52は、サイドポート経路44内またはサイドポート経路44を通って延びて、流体の流れを迂回させてもよい。
【0039】
ここで
図9A~9Bを参照すると、いくつかの実施形態では、インサート95は、サイドポート経路44と整列した1つまたは複数の穴97を含み得るリングを含み得る。いくつかの実施形態では、穴97は、隔壁48に向かって流れる流体の流れを迂回させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、リングは、導入針(図示せず)がリングおよびカテーテル47を通って延在し得るように、それを通るチャネルを含み得る。いくつかの実施形態では、チャネルは、カテーテルアセンブリ30の長手方向軸70(例えば、
図4Aを参照)と整列され得る。いくつかの実施形態では、リングの内面は、溝または隆起99を含み得、これらは、サイドポート42、穴97の特定の1つを通って、カテーテル47内および/またはカテーテル47を通って挿入された器具を誘導し得る。いくつかの実施形態では、器具は、プローブ、閉塞器(obturator)、導入器(introducer,)、カテーテル、または別の適切な器具を含み得る。
【0040】
ここで
図10A~10Bを参照すると、いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ30は、サイドポート経路44内に固定され、流体の流れを迂回させるように構成されたインサート90を含み得る。いくつかの実施形態では、インサート98は、それを通ってサイドポート経路44および管腔40と流体連通する流体経路を含み得る。いくつかの実施形態では、インサート98は、サイドポート経路44から管腔40内に延在してもよい。いくつかの実施形態では、インサート98は、カテーテルアセンブリ30の長手方向軸70(例えば、
図4Aを参照)に対して概ね垂直な遠位端を含み得るカニューレを含み得る。いくつかの実施形態では、インサート98の遠位端は、開口部100を含んでもよく、流体を遠位に導くように構成されてもよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、カニューレは、第1の側孔102および第2の側孔104を含み得る。いくつかの実施形態では、第1の側孔102は、開口部100と整列されてもよく、第1の側孔102および開口部100は、そこを通って導入針を受け入れるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の側孔104は、流体をサイドポート42から隔壁48およびフラッシュが困難な領域に向かって近位方向に導くように構成され得る。いくつかの実施形態では、第2の側孔104は、第1の側孔102の近位にあり得る。いくつかの実施形態では、インサート98の近位端105は、延長チューブ52に隣接し、および/または接触してもよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、インサート90は、延長チューブ52の遠位端によって形成されてもよく、延長チューブ52は、サイドポート経路44内またはサイドポート経路44を通って延びて、流体の流れを迂回させてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、インサート98および延長チューブ52は、単一のユニットとして一体的(monolithically)に形成され得る。
【0043】
ここで
図11A~11Bを参照すると、いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ30は、サイドポート経路44内に固定されたインサート106を含み得る。いくつかの実施形態では、インサート106の遠位端110は、らせん状であってもよいコルク栓抜き(corkscrew)形状108を含んでもよい。いくつかの実施形態では、コルク栓抜き形状108は、管腔40内に配置されてもよく、サイドポート42を通って挿入された器具のためのガイドを提供することができる複数のコイルを含んでもよい。いくつかの実施形態では、コルク栓抜き形状108は、サイドポート経路44から流体の流れを迂回させ得、領域のフラッシングを容易にし得る。いくつかの実施形態では、インサート106は、そこを通ってサイドポート経路44および管腔40と流体連通する流体経路を含み得る。いくつかの実施形態では、インサート106は、サイドポート経路44から管腔40内に延在してもよい。いくつかの実施形態では、インサート106は、カニューレを含んでもよく、コルク栓抜き形状108は、カニューレの遠位端から延在してもよい。いくつかの実施形態では、カニューレの遠位端は、開口部を含んでもよく、流体を遠位方向に導くように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、インサート106の近位端112は、延長チューブ52に隣接および/または接触してもよい。
【0044】
ここで
図12A~12Bを参照すると、いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ30は、インサート114を含んでもよく、これは、インサート114の長手方向軸に沿って延びる溝を含んでもよい。いくつかの実施形態では、溝は、半円形であってもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、インサート114は、フラッシングの直前に、サイドポート42を通ってカテーテル47内に前進されてもよい。いくつかの実施形態では、フラッシング中に、溝は、流体の流れを隔壁48およびそうでなければフラッシングするのが困難な領域に向かって誘導し得る。いくつかの実施形態では、フラッシングが完了した後、インサート114は、注入または吸引を妨げないように、カテーテルアセンブリ30から取り外されてもよい。
【0046】
ここで
図13を参照すると、いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリは、内面38に結合され得るインサート118を含み得る。いくつかの実施形態では、インサート118は、概して三角形の形状を含み得る突起(protrusion)を含み得る。いくつかの実施形態では、突起は、管腔40に挿入される代わりに、内面38を単一のユニットとしてモノリシックに形成され得る。いくつかの実施形態では、突起は、サイドポート経路44を、遠位方向に延びる第1の流体経路120と、隔壁48に向かって近位方向に延びる第2の流体経路122とに分割し得る。
【0047】
ここで
図14A~14Dを参照すると、いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ30は、隔壁48とカテーテル47との間に配置され、サイドポート経路44と整列された流体分流器(fluid diverter)124を含み得る。いくつかの実施形態では、流体分流器124は、それを通って延びる直線経路126を含み得る回転要素を含み得る。いくつかの実施形態では、導入針は、直線経路126を通って延在してもよく、これは、回転要素の回転を制限してもよい。いくつかの実施形態では、回転要素は、例えば、
図14C~14Dに示されるようなシリンダ、または例えば、
図14A~14Bに示されるような球体であり得る。いくつかの実施形態では、導入針がカテーテルアセンブリ30から取り外されることに応答して、回転要素は、サイドポート経路44から管腔40への流体の注入に応答して自由に回転またはスピンし、流体を方向転換(redirecting)し、フラッシュ性を改善するように構成され得る。いくつかの実施形態では、回転要素は、管腔40内の流体内に浮遊するように構成され得る。いくつかの実施形態では、回転要素は、カテーテルアダプタ32に結合されていなくてもよく、固定されていなくてもよい。いくつかの実施形態では、回転要素は、カテーテルアダプタ32内の細菌の増殖を防止するために、抗菌コーティングでコーティングされてもよい。
【0048】
ここで
図15A~16Bを参照すると、いくつかの実施形態では、流体分流器は、内面38に結合され、枢動(pivot)するように構成された枢動要素128を含み得る。いくつかの実施形態では、枢動要素128は、ピボット要素128を内面38に結合し得るピン130の周りで枢動(pivot)してもよい。いくつかの実施形態では、ピボット要素128は、例えば、
図15A~
図15Bに示されるように、概して三角形であり得る。
図16A~16Bに示されるように、ピボット要素128は、ピボット要素128の本体から外向きに延びる細長いタブ132を含み得る。いくつかの実施形態では、ピボット要素128は、器具などの別個のデバイスが通過することを可能にするためのドアまたは開口部を含み得る。いくつかの実施形態では、ピボット要素128は、サイドポート42を通して器具または他のデバイスの遠位側への挿入に応答して揺動(pivot)するように構成され得る。
【0049】
本明細書で記載されるすべての例示および条件付き文言は、本技術を促進するために、読者が本発明および本発明者によって提供される概念を理解することの助けとなるような教育的目的を意図しており、その具体的に列挙されている例示および条件に限定されないものとして解釈されるべきである。本発明の実施形態について詳細に説明されているけれども、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、さまざまな変更、置換、および改変が本明細書にされ得ることを理解されたい。
【国際調査報告】