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特表2024-518178眼疾患の治療のための増殖因子の組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-25
(54)【発明の名称】眼疾患の治療のための増殖因子の組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/18 20060101AFI20240418BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20240418BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20240418BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20240418BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20240418BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20240418BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20240418BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20240418BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240418BHJP
   C07K 14/50 20060101ALI20240418BHJP
   C07K 14/475 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
A61K38/18
A61K9/08
A61P27/02
A61K48/00
A61K45/00
A61K47/26
A61K47/22
A61K47/12
A61P43/00 111
C07K14/50 ZNA
C07K14/475
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023570358
(86)(22)【出願日】2022-05-13
(85)【翻訳文提出日】2023-12-05
(86)【国際出願番号】 US2022072302
(87)【国際公開番号】W WO2022241465
(87)【国際公開日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】63/188,816
(32)【優先日】2021-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523428730
【氏名又は名称】クラリス・バイオセラピューティクス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Claris Biotherapeutics, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100138911
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻井 陽子
(72)【発明者】
【氏名】ブリラ,ピョートル
(72)【発明者】
【氏名】オー,スーザン シー
(72)【発明者】
【氏名】アットウェル,エイ クラーク
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4H045
【Fターム(参考)】
4C076AA12
4C076BB11
4C076BB24
4C076CC10
4C076DD38Q
4C076DD43Z
4C076DD67Q
4C076EE23F
4C076FF04
4C076FF14
4C076FF36
4C076FF43
4C076FF61
4C084AA02
4C084AA03
4C084AA13
4C084AA19
4C084BA01
4C084BA08
4C084BA22
4C084BA23
4C084BA44
4C084CA18
4C084CA53
4C084DB62
4C084MA05
4C084MA17
4C084MA58
4C084MA66
4C084NA03
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZA331
4C084ZA332
4C084ZC022
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA50
4H045CA40
4H045EA20
(57)【要約】
本開示は、増殖因子を含む薬学的組成物、ならびにその増殖因子及びその組成物を使用して眼疾患を治療または予防する方法に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
神経栄養性角膜炎の治療または予防を必要とする対象において神経栄養性角膜炎を治療または予防する方法であって、治療有効量の肝細胞増殖因子(HGF)または線維芽細胞増殖因子(FGF)を前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項2】
前記HGFまたはFGFが精製されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記HGFまたはFGFが、角膜実質透過性賦形剤と組み合わせて投与される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記HGFまたはFGFが、液体薬学的組成物中に製剤化されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記HGFまたはFGFが眼に投与される、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記HGFまたはFGFが眼に局所投与される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記HGFまたはFGFが、注射によって眼に投与される、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記HGFまたはFGFが、結膜下に投与される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記HGFまたはFGFが前房内に投与される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記液体薬学的組成物が、約0.01%(w/v)~約1.0%(w/v)の濃度のHGFまたはFGFを含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記液体薬学的組成物が、約0.08%(w/v)~約0.25%(w/v)の濃度のHGFまたはFGFを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記液体薬学的組成物が、約0.1%(w/v)の濃度のHGFまたはFGFを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記液体薬学的組成物が、約0.2%(w/v)の濃度のHGFまたはFGFを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記HGFまたはFGFが、さらなる治療剤と組み合わせて投与される、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記さらなる治療剤が、さらなる増殖因子である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記HGFが、配列番号1~27のいずれか1つを有するポリペプチド配列を含む、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記HGFが、配列番号1に対して95%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記HGFが、配列番号1を有するポリペプチド配列を含む、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
薬学的組成物であって、
約0.01%~約1.0%(w/v)のHGFと、
前記組成物のpHを約5.8~約6.2に維持することができる緩衝液と、
約100~約300mMのトレハロース、プロリン、ソルビトール、及びこれらの混合物から選択される安定剤と、
任意選択で、前記組成物のオスモル濃度を約250mOsm/kg HO~約500mOsm/kg HOにすることができる等張化剤と、
任意選択で、界面活性剤とを含む、前記薬学的組成物。
【請求項20】
約0.05%~約0.5%(w/v)のHGFを含む、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
約0.08%~約0.25%(w/v)のHGFを含む、請求項19に記載の組成物。
【請求項22】
約0.1%(w/v)のHGFを含む、請求項19に記載の組成物。
【請求項23】
約0.2%(w/v)のHGFを含む、請求項19に記載の組成物。
【請求項24】
前記組成物が、約6.0のpHを有する、請求項19~23のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項25】
約150~約250mMの安定剤を含む、請求項19~24のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項26】
約200mMの安定剤を含む、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
前記安定剤がトレハロースまたはプロリンである、請求項19~26のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項28】
前記安定剤がトレハロースである、請求項19~26のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項29】
前記安定剤がプロリンである、請求項19~26のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項30】
前記安定剤がソルビトールである、請求項19~26のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項31】
前記緩衝液がクエン酸緩衝液である、請求項19~30のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項32】
前記緩衝液がクエン酸ナトリウムである、請求項19~30のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項33】
約10~約50mMの緩衝液を含む、請求項19~30のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項34】
前記組成物の前記オスモル濃度が、約450mOsm/kg HOである、請求項19~33のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項35】
等張化剤を含まない、請求項19~33のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項36】
アルカリ金属塩である等張化剤を含む、請求項19~33のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項37】
塩化ナトリウムである等張化剤を含む、請求項19~33のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項38】
界面活性剤を含む、請求項19~37のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項39】
前記界面活性剤が、ポリソルベート80(PS80)、ポラキソマー188、及びポラキソマー407から選択される、請求項38に記載の組成物。
【請求項40】
前記界面活性剤が、ポリソルベート80(PS80)である、請求項38に記載の組成物。
【請求項41】
前記界面活性剤が、約0.01%~約0.1%(w/v)の量で存在する、請求項19~40のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項42】
前記界面活性剤が、約0.02%~約0.8%(w/v)の量で存在する、請求項19~40のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項43】
前記界面活性剤が、約0.05%(w/v)の量で存在する、請求項19~40のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項44】
水性薬学的組成物であって、
約0.1%(w/v)のHGFと、
約20mMのクエン酸ナトリウムと、
約200mMのトレハロース、プロリン、またはソルビトールと、
約0.05%(w/v)の界面活性剤とを含み、
前記組成物のpHが約6.0であり、前記組成物のオスモル濃度が約350mOsm/kg HOである、前記水性薬学的組成物。
【請求項45】
約0.1%(w/v)のHGFと、
約20mMのクエン酸ナトリウムと、
約200mMのトレハロースと、
約0.05%(w/v)のポリソルベート80(PS80)とを含み、
前記組成物のpHが約6.0であり、前記組成物のオスモル濃度が約350mOsm/kg HOである、請求項44に記載の水性薬学的組成物。
【請求項46】
約0.1%(w/v)のHGFと、
約20mMのクエン酸ナトリウムと、
約200mMのプロリンと、
約0.05%(w/v)のポリソルベート80(PS80)とを含み、
前記組成物のpHが約6.0であり、前記組成物のオスモル濃度が約350mOsm/kg HOである、請求項44に記載の水性薬学的組成物。
【請求項47】
約0.1%(w/v)のHGFと、
約20mMのクエン酸ナトリウムと、
約200mMのソルビトールと、
約0.05%(w/v)のポリソルベート80(PS80)とを含み、
前記組成物のpHが、約6.0であり、前記組成物のオスモル濃度が約350mOsm/kg HOである、請求項44に記載の水性薬学的組成物。
【請求項48】
水性薬学的組成物であって、
約0.2%(w/v)のHGFと、
約20mMのクエン酸ナトリウムと、
約200mMのトレハロース、プロリン、またはソルビトールと、
約0.05%(w/v)の界面活性剤とを含み、
前記組成物のpHが約6.0であり、前記組成物のオスモル濃度が約450mOsm/kg HOである、前記水性薬学的組成物。
【請求項49】
約0.2%(w/v)のHGFと、
約20mMのクエン酸ナトリウムと、
約200mMのトレハロースと、
約0.05%(w/v)のポリソルベート80(PS80)とを含み、
前記組成物のpHが約6.0であり、前記組成物のオスモル濃度が約450mOsm/kg HOである、請求項48に記載の水性薬学的組成物。
【請求項50】
約0.2%(w/v)のHGFと、
約20mMのクエン酸ナトリウムと、
約200mMのプロリンと、
約0.05%(w/v)のポリソルベート80(PS80)とを含み、
前記組成物のpHが約6.0であり、前記組成物のオスモル濃度が約450mOsm/kg HOである、請求項48に記載の水性薬学的組成物。
【請求項51】
約0.2%(w/v)のHGFと、
約20mMのクエン酸ナトリウムと、
約200mMのソルビトールと、
約0.05%(w/v)のポリソルベート80(PS80)とを含み、
前記組成物のpHが約6.0であり、前記組成物のオスモル濃度が約450mOsm/kg HOである、請求項49に記載の水性薬学的組成物。
【請求項52】
前記HGFが、配列番号1~27のいずれか1つのポリペプチド配列を含む、請求項19~51のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
【請求項53】
前記HGFが、配列番号1に対して95%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む、請求項19~51のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
【請求項54】
前記HGFが、配列番号1を有するポリペプチド配列を含む、請求項19~51のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
【請求項55】
眼疾患の治療または予防を必要とする対象において眼疾患を治療または予防する方法であって、治療有効量の請求項19~55のいずれか1項に記載の薬学的組成物を前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項56】
前記眼疾患が、神経栄養性角膜炎、持続性角膜欠損症、角膜潰瘍、ドライアイ疾患、微生物性角膜炎、細菌性角膜炎、ウイルス性角膜炎、真菌性角膜炎、化学熱傷、熱傷、機械的外傷、角膜擦過傷、傷つけられた内皮、水疱性角膜症、フックス角膜ジストロフィー、角膜瘢痕、シェーグレン症候群、または術後合併症から選択される角膜疾患である、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記眼疾患が角膜混濁または瘢痕化である、請求項55に記載の方法。
【請求項58】
前記眼疾患が神経栄養性角膜炎である、請求項55に記載の方法。
【請求項59】
前記組成物が、角膜実質透過性賦形剤と組み合わせて投与される、請求項55~58のいずれか1項に記載の方法。
【請求項60】
前記組成物が眼に投与される、請求項55~58のいずれか1項に記載の方法。
【請求項61】
前記組成物が眼に局所投与される、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記組成物が、注射によって眼に投与される、請求項60に記載の方法。
【請求項63】
前記組成物が結膜下に投与される、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記組成物が前房内に投与される、請求項62に記載の方法。
【請求項65】
前記HGFが活性化されたHGFである、先行請求項のいずれか1項に記載の組成物または方法。
【請求項66】
前記活性化されたHGFが、活性化されたdHGFである、請求項65に記載の組成物または方法。
【請求項67】
前記HGFが、
(a)配列番号2のアミノ酸32~494に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号2のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、前記第1のポリペプチド、及び配列番号2のアミノ酸495~728に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含むか、または、
(b)配列番号7のアミノ酸32~494に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号7のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、前記第1のポリペプチド、及び配列番号7のアミノ酸495~728に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含むか、または、
(c)配列番号8のアミノ酸32~494に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号8のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、前記第1のポリペプチド、及び配列番号8のアミノ酸495~728に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含むか、または、
(d)配列番号9のアミノ酸32~494に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号9のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、前記第1のポリペプチド、及び配列番号9のアミノ酸495~728に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含むか、または、
(e)配列番号10のアミノ酸32~494に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号10のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、前記第1のポリペプチド、及び配列番号10のアミノ酸495~728に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含むか、または、
(g)配列番号11のアミノ酸32~494に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号11のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、前記第1のポリペプチド、及び配列番号11のアミノ酸495~728に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含むか、または、
(h)配列番号12のアミノ酸32~494に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号12のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、前記第1のポリペプチド、及び配列番号12のアミノ酸495~728に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含むか、または、
(i)配列番号13のアミノ酸32~494に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号13のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、前記第1のポリペプチド、及び配列番号13のアミノ酸495~728に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含むか、または、
(j)配列番号14のアミノ酸32~494に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号14のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、前記第1のポリペプチド、及び配列番号14のアミノ酸495~728に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含むか、または、
(k)配列番号15のアミノ酸32~494に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号15のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、前記第1のポリペプチド、及び配列番号15のアミノ酸495~728に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含むか、または、
(l)配列番号16のアミノ酸32~494に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号16のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、前記第1のポリペプチド、及び配列番号16のアミノ酸495~728に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含むか、または、
(m)配列番号17のアミノ酸32~494に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号17のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、前記第1のポリペプチド、及び配列番号17のアミノ酸495~728に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含むか、または、
(n)配列番号18のアミノ酸32~494に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号18のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、前記第1のポリペプチド、及び配列番号18のアミノ酸495~728に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含むか、または、
(o)配列番号19のアミノ酸32~494に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号19のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、前記第1のポリペプチド、及び配列番号19のアミノ酸495~728に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含むか、または、
(p)配列番号20のアミノ酸32~494に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号20のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、前記第1のポリペプチド、及び配列番号20のアミノ酸495~728に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含むか、または、
(q)配列番号21のアミノ酸32~494に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号21のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、前記第1のポリペプチド、及び配列番号21のアミノ酸495~728に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含むか、または、
(r)配列番号22のアミノ酸32~494に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号22のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、前記第1のポリペプチド、及び配列番号22のアミノ酸495~728に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含むか、または、
(s)配列番号23のアミノ酸32~494に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号23のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、前記第1のポリペプチド、及び配列番号23のアミノ酸495~728に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含むか、または、
(t)配列番号24のアミノ酸32~494に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号24のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、前記第1のポリペプチド、及び配列番号24のアミノ酸495~728に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含むか、または
(u)配列番号25のアミノ酸32~494に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号25のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、前記第1のポリペプチド、及び配列番号25のアミノ酸495~728に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含むか、または、
(v)配列番号26のアミノ酸32~494に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号26のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、前記第1のポリペプチド、及び配列番号26のアミノ酸495~728に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含むか、または、
(w)配列番号27のアミノ酸32~494に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号27のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、前記第1のポリペプチド、及び配列番号27のアミノ酸495~728に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含む、先行請求項のいずれか1項に記載の組成物または方法。
【請求項68】
前記HGFが、
(a)配列番号2のアミノ酸32~494に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号2のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、前記第1のポリペプチド、及び配列番号2のアミノ酸495~728に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第2のポリペプチドを含むか、または、
(b)配列番号7のアミノ酸32~494に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号7のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、前記第1のポリペプチド、及び配列番号7のアミノ酸495~728に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第2のポリペプチドを含むか、または、
(c)配列番号8のアミノ酸32~494に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号8のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、前記第1のポリペプチド、及び配列番号8のアミノ酸495~728に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第2のポリペプチドを含むか、または、
(d)配列番号9のアミノ酸32~494に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号9のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、前記第1のポリペプチド、及び配列番号9のアミノ酸495~728に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第2のポリペプチドを含むか、または、
(e)配列番号10のアミノ酸32~494に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号10のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、前記第1のポリペプチド、及び配列番号10のアミノ酸495~728に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第2のポリペプチドを含むか、または、
(g)配列番号11のアミノ酸32~494に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号11のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、前記第1のポリペプチド、及び配列番号11のアミノ酸495~728に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第2のポリペプチドを含むか、または、
(h)配列番号12のアミノ酸32~494に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号12のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、前記第1のポリペプチド、及び配列番号12のアミノ酸495~728に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第2のポリペプチドを含むか、または、
(i)配列番号13のアミノ酸32~494に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号13のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、前記第1のポリペプチド、及び配列番号13のアミノ酸495~728に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第2のポリペプチドを含むか、または、
(j)配列番号14のアミノ酸32~494に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号14のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、前記第1のポリペプチド、及び配列番号14のアミノ酸495~728に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第2のポリペプチドを含むか、または、
(k)配列番号15のアミノ酸32~494に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号15のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、前記第1のポリペプチド、及び配列番号15のアミノ酸495~728に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第2のポリペプチドを含むか、または、
(l)配列番号16のアミノ酸32~494に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号16のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、前記第1のポリペプチド、及び配列番号16のアミノ酸495~728に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第2のポリペプチドを含むか、または、
(m)配列番号17のアミノ酸32~494に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号17のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、前記第1のポリペプチド、及び配列番号17のアミノ酸495~728に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第2のポリペプチドを含むか、または、
(n)配列番号18のアミノ酸32~494に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号18のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、前記第1のポリペプチド、及び配列番号18のアミノ酸495~728に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第2のポリペプチドを含むか、または、
(o)配列番号19のアミノ酸32~494に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号19のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、前記第1のポリペプチド、及び配列番号19のアミノ酸495~728に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第2のポリペプチドを含むか、または、
(p)配列番号20のアミノ酸32~494に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号20のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、前記第1のポリペプチド、及び配列番号20のアミノ酸495~728に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第2のポリペプチドを含むか、または、
(q)配列番号21のアミノ酸32~494に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号21のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、前記第1のポリペプチド、及び配列番号21のアミノ酸495~728に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第2のポリペプチドを含むか、または、
(r)配列番号22のアミノ酸32~494に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号22のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、前記第1のポリペプチド、及び配列番号22のアミノ酸495~728に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第2のポリペプチドを含むか、または、
(s)配列番号23のアミノ酸32~494に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号23のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、前記第1のポリペプチド、及び配列番号23のアミノ酸495~728に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第2のポリペプチドを含むか、または、
(t)配列番号24のアミノ酸32~494に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号24のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、前記第1のポリペプチド、及び配列番号24のアミノ酸495~728に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第2のポリペプチドを含むか、または、
(u)配列番号25のアミノ酸32~494に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号25のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、前記第1のポリペプチド、及び配列番号25のアミノ酸495~728に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第2のポリペプチドを含むか、または、
(v)配列番号26のアミノ酸32~494に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号26のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、前記第1のポリペプチド、及び配列番号26のアミノ酸495~728に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第2のポリペプチドを含むか、または、
(w)配列番号27のアミノ酸32~494に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号27のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、前記第1のポリペプチド、及び配列番号27のアミノ酸495~728に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第2のポリペプチドを含む、先行請求項のいずれか1項に記載の組成物または方法。
【請求項69】
前記第1のポリペプチドが、配列番号36のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、前記第2のポリペプチドが、配列番号37のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる、請求項66に記載の組成物または方法。
【請求項70】
前記第1のポリペプチドのN末端アミノ酸がピロリドンカルボン酸である、請求項66または請求項67に記載の組成物または方法。
【請求項71】
前記第1のポリペプチド及び前記第2のポリペプチドが、1つ以上のジスルフィド結合によって連結されている、請求項65~68のいずれか1項に記載の組成物または方法。
【請求項72】
前記HGFが、c-METに結合すること、及び/または上皮細胞におけるMAPK経路を活性化することが可能である、請求項65~69のいずれか1項に記載の組成物または方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、2021年5月14日に出願された米国仮特許出願第63/188,816号の利益を主張する。前述の全体の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
配列表
本出願は、「Sequence_Listing.txt」という名前のASCIIテキストファイルとして電子的に提出された配列表を含む。ASCIIテキストファイルは、2022年5月10日に作成され、サイズは171キロバイトである。ASCIIテキストファイル内の材料は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0003】
本開示は、増殖因子を含む薬学的組成物、ならびにその増殖因子及びその組成物を使用して眼疾患を治療または予防する方法に関する。
【背景技術】
【0004】
肝細胞増殖因子(HGF)は、瘢痕化の角膜混濁の治療のために研究されている。米国特許第10,449,234号を参照されたい。新しい治療法の恩恵を受ける可能性のある他の眼の損傷及び疾患が特定されている。例えば、神経栄養性角膜炎(神経栄養性角膜症(NK)または神経麻痺性角膜炎としても知られる)は、三叉神経またはその角膜への経路への損傷、または傷つけられた眼表面のいずれかから生じる角膜疾患であり、結果的に角膜感覚の低下または喪失をもたらす。NKは、1824年にMagendieによって最初に角膜障害として認識され(Okada et al.,2010,Histol Histopathol,25:771-780)、その後、1954年にSigelman and Friedenwald(Sigelman and Friedenwald,1954,Arch Ophthalmol,53:46-57)によって、その分子的基礎が動物モデルにおいて確立された。角膜は、眼の透明な「窓」であり、強膜とともに、眼球の外殻を形成する。角膜は血管供給を欠いているため、栄養素及び酸素は主に涙液及び輪部血管を介して前方に、後方に房水を介してこの組織に供給される。角膜組織は、上皮、ボーマン膜、実質、デセメ膜、及び内皮の5つの層に層別化され、上皮は下側の角膜実質を保護する主なバリアとして機能する。角膜は、体内で最も敏感な組織であり、様々な層及び緻密な神経末端にわたる広範な神経線維ネットワークによって神経支配されている。角膜の感覚神経支配は、上皮の生存に不可欠な増殖因子を分泌する三叉神経の眼分岐に由来する。三叉神経は、涙液フィルムの安定性を維持し、上皮によって分泌される様々な生理学的に活性な物質(例えば、サイトカイン、プロテアーゼ及び神経ペプチド)とともに、角膜上皮及び実質の活力をさらに確保する。三叉神経または上皮の障害は、最も一般的には、感染症(例えば、単純ヘルペスまたは帯状疱疹感染症)、眼科手術(例えば、白内障手術、角膜移植、屈折手術)、糖尿病、ハンセン病、眼窩腫瘍及び炎症などの他の全身疾患、または化学熱傷及び熱傷を含む身体外傷、ならびにコンタクトレンズの使用によって引き起こされる。
【0005】
したがって、NKなどの眼疾患に対する新しい治療法、ならびに眼に投与され得る新しい薬学的製剤に対する継続的なニーズが存在する。本明細書に記載の方法は、この目的に向けて開発されてきた。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、神経栄養性角膜炎の治療または予防を必要とする対象において神経栄養性角膜炎を治療または予防する方法を提供し、本方法は、肝細胞増殖因子(HGF)または線維芽細胞増殖因子(FGF)などの増殖因子を対象に投与することを含む。
【0007】
本発明はさらに、眼の疾患の治療のためのHGFまたはFGFを含む薬学的組成物を提供する。
【0008】
本明細書では、神経栄養性角膜炎の治療または予防を必要とする対象における神経栄養性角膜炎を治療または予防する方法が提供され、本方法は、例えば、本明細書に記載されるような、治療有効量の肝細胞増殖因子(HGF)または線維芽細胞増殖因子(FGF)を対象に投与することを含む。
【0009】
いくつかの実施形態において、HGFまたはFGFは精製されている。
【0010】
いくつかの実施形態において、HGFまたはFGFは、角膜実質透過性賦形剤と組み合わせて投与される。
【0011】
いくつかの実施形態において、HGFまたはFGFは液体薬学的組成物中に製剤化されている。
【0012】
いくつかの実施形態において、HGFまたはFGFは眼に投与される。いくつかの実施形態において、HGFまたはFGFは眼に局所投与される。いくつかの実施形態において、HGFまたはFGFは注射によって眼に投与される。いくつかの実施形態において、HGFまたはFGFは結膜下に投与される。いくつかの実施形態において、HGFまたはFGFは、前房内に投与される。
【0013】
いくつかの実施形態において、液体薬学的組成物は、約0.01%(w/v)~約1.0%(w/v)の濃度のHGFまたはFGFを含む。いくつかの実施形態において、液体薬学的組成物は、約0.08%(w/v)~約0.25%(w/v)の濃度のHGFまたはFGFを含む。いくつかの実施形態において、液体薬学的組成物は、約0.1%(w/v)の濃度のHGFまたはFGFを含む。いくつかの実施形態において、液体薬学的組成物は、約0.2%(w/v)の濃度のHGFまたはFGFを含む。
【0014】
いくつかの実施形態において、HGFまたはFGFは、さらなる治療剤と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態において、さらなる治療剤はさらなる増殖因子である。
【0015】
いくつかの実施形態において、HGFは、配列番号1~27のいずれか1つを有するポリペプチド配列を含む。いくつかの実施形態において、HGFは、配列番号1に対して95%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む。いくつかの実施形態において、HGFは、配列番号1を有するポリペプチド配列を含む。
【0016】
また、本明細書で提供される薬学的組成物は、約0.01%~約1.0%(w/v)のHGF、組成物のpHを約5.8~約6.2に維持することができる緩衝液、約100~約300mMのトレハロース、プロリン、ソルビトール、及びこれらの混合物から選択される安定剤、任意選択で、組成物のオスモル濃度を約250mOsm/kg HO~約500mOsm/kg HOにすることができる等張化剤、及び任意選択で、界面活性剤を含む。
【0017】
いくつかの実施形態において、薬学的組成物は約0.05%~約0.5%(w/v)のHGFを含む。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は約0.08%~約0.25%(w/v)のHGFを含む。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は約0.1%(w/v)のHGFを含む。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は約0.2%(w/v)のHGFを含む。
【0018】
いくつかの実施形態において、組成物は約6.0のpHを有する。
【0019】
いくつかの実施形態において、薬学的組成物は約150~約250mMの安定剤を含む。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は約200mMの安定剤を含む。いくつかの実施形態において、安定剤はトレハロースまたはプロリンである。いくつかの実施形態において、安定剤はトレハロースである。いくつかの実施形態において、安定剤はプロリンである。いくつかの実施形態において、安定剤はソルビトールである。
【0020】
いくつかの実施形態において、緩衝液はクエン酸緩衝液である。いくつかの実施形態において、緩衝液はクエン酸ナトリウムである。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は約10~約50mMの緩衝液を含む。
【0021】
いくつかの実施形態において、組成物のオスモル濃度は、約450mOsm/kg HOである。
【0022】
いくつかの実施形態において、薬学的組成物は等張化剤を含まない。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、アルカリ金属塩である等張化剤を含む。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、塩化ナトリウムである等張化剤を含む。
【0023】
いくつかの実施形態において、薬学的組成物は界面活性剤を含む。いくつかの実施形態において、界面活性剤は、ポリソルベート80(PS80)、ポラキソマー188、及びポラキソマー407から選択される。いくつかの実施形態において、界面活性剤は、ポリソルベート80(PS80)である。いくつかの実施形態において、界面活性剤は、約0.01%~約0.1%(w/v)の量で存在する。いくつかの実施形態において、界面活性剤は、約0.02%~約0.8%(w/v)の量で存在する。いくつかの実施形態において、界面活性剤は約0.05%(w/v)の量で存在する。
【0024】
また、約0.1%(w/v)のHGF、約20mMのクエン酸ナトリウム、約200mMのトレハロース、プロリン、またはソルビトール、約0.05%(w/v)の界面活性剤を含む水性薬学的組成物も本明細書に提供され、組成物のpHは約6.0であり、組成物のオスモル濃度は約350mOsm/kg HOである。
【0025】
いくつかの実施形態において、水性薬学的組成物は、約0.1%(w/v)のHGF、約20mMのクエン酸ナトリウム、約200mMのトレハロース、約0.05%(w/v)のポリソルベート80(PS80)を含み、組成物のpHは約6.0であり、組成物のオスモル濃度は約350mOsm/kg HOである。
【0026】
いくつかの実施形態において、水性薬学的組成物は、約0.1%(w/v)のHGF、約20mMのクエン酸ナトリウム、約200mMのプロリン、約0.05%(w/v)のポリソルベート80(PS80)を含み、組成物のpHは約6.0であり、組成物のオスモル濃度は約350mOsm/kg HOである。
【0027】
いくつかの実施形態において、水性薬学的組成物は、約0.1%(w/v)のHGF、約20mMのクエン酸ナトリウム、約200mMのソルビトール、約0.05%(w/v)のポリソルベート80(PS80)を含み、組成物のpHは約6.0であり、組成物のオスモル濃度は約350mOsm/kg HOである。
【0028】
いくつかの実施形態において、水性薬学的組成物は、約0.2%(w/v)のHGF、約20mMのクエン酸ナトリウム、約200mMのトレハロース、プロリン、またはソルビトール、
約0.05%(w/v)の界面活性剤を含み、組成物のpHは約6.0であり、組成物のオスモル濃度は約450mOsm/kg HOである。
【0029】
いくつかの実施形態において、水性薬学的組成物は、約0.2%(w/v)のHGF、約20mMのクエン酸ナトリウム、約200mMのトレハロース、約0.05%(w/v)のポリソルベート80(PS80)を含み、組成物のpHは約6.0であり、組成物のオスモル濃度は約450mOsm/kg HOである。
【0030】
いくつかの実施形態において、水性薬学的組成物は、約0.2%(w/v)のHGF、約20mMのクエン酸ナトリウム、約200mMのプロリン、約0.05%(w/v)のポリソルベート80(PS80)を含み、組成物のpHは約6.0であり、組成物のオスモル濃度は約450mOsm/kg HOである。
【0031】
いくつかの実施形態において、水性薬学的組成物は、約0.2%(w/v)のHGF、約20mMのクエン酸ナトリウム、約200mMのソルビトール、約0.05%(w/v)のポリソルベート80(PS80)を含み、組成物のpHは約6.0であり、組成物のオスモル濃度は約450mOsm/kg HOである。
【0032】
いくつかの実施形態において、HGFは、配列番号1~27のいずれか1つのポリペプチド配列を含む。いくつかの実施形態において、HGFは、配列番号1に対して95%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む。いくつかの実施形態において、HGFは配列番号1を有するポリペプチド配列を含む。
【0033】
眼疾患の治療または予防を必要とする対象において眼疾患を治療または予防する方法もまた本明細書に提供され、本方法は、治療有効量の本明細書に記載の薬学的組成物を対象に投与することを含む。
【0034】
いくつかの実施形態において、眼疾患は、神経栄養性角膜炎、持続性角膜欠損症、角膜潰瘍、ドライアイ疾患、微生物性角膜炎、細菌性角膜炎、ウイルス性角膜炎、真菌性角膜炎、化学熱傷、熱傷、機械的外傷、角膜擦過傷、傷つけられた内皮、水疱性角膜症、フックス角膜ジストロフィー、角膜瘢痕、シェーグレン症候群、または術後合併症から選択される角膜疾患である。いくつかの実施形態において、眼疾患は角膜混濁または瘢痕化である。いくつかの実施形態において、眼疾患は神経栄養性角膜炎である。いくつかの実施形態において、組成物は、角膜実質透過性賦形剤と組み合わせて投与される。
【0035】
いくつかの実施形態において、組成物は眼に投与される。いくつかの実施形態において、組成物は眼に局所投与される。いくつかの実施形態において、組成物は注射によって眼に投与される。いくつかの実施形態において、組成物は結膜下に投与される。いくつかの実施形態において、組成物は前房内に投与される。
【0036】
本明細書に記載の方法または組成物のいくつかの実施形態において、HGFは、活性化されたHGFである。いくつかの実施形態において、活性化されたHGFは、活性化されたdHGFである。
【0037】
本明細書に記載の方法または組成物のいくつかの実施形態において、HGFは、
(a)配列番号2のアミノ酸32~494に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号2のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、第1のポリペプチド、及び配列番号2のアミノ酸495~728に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含むか、または、
(b)配列番号7のアミノ酸32~494に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号7のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、第1のポリペプチド、及び配列番号7のアミノ酸495~728に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含むか、または、
(c)配列番号8のアミノ酸32~494に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号8のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、第1のポリペプチド、及び配列番号8のアミノ酸495~728に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含むか、または、
(d)配列番号9のアミノ酸32~494に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号9のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、第1のポリペプチド、及び配列番号9のアミノ酸495~728に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含むか、または、
(e)配列番号10のアミノ酸32~494に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号10のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、第1のポリペプチド、及び配列番号10のアミノ酸495~728に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含むか、または、
(g)配列番号11のアミノ酸32~494に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号11のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、第1のポリペプチド、及び配列番号11のアミノ酸495~728に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含むか、または、
(h)配列番号12のアミノ酸32~494に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号12のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、第1のポリペプチド、及び配列番号12のアミノ酸495~728に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含むか、または、
(i)配列番号13のアミノ酸32~494に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号13のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、第1のポリペプチド、及び配列番号13のアミノ酸495~728に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含むか、または、
(j)配列番号14のアミノ酸32~494に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号14のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、第1のポリペプチド、及び配列番号14のアミノ酸495~728に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含むか、または、
(k)配列番号15のアミノ酸32~494に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号15のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、第1のポリペプチド、及び配列番号15のアミノ酸495~728に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含むか、または、
(l)配列番号16のアミノ酸32~494に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号16のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、第1のポリペプチド、及び配列番号16のアミノ酸495~728に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含むか、または、
(m)配列番号17のアミノ酸32~494に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号17のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、第1のポリペプチド、及び配列番号17のアミノ酸495~728に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含むか、または、
(n)配列番号18のアミノ酸32~494に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号18のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、第1のポリペプチド、及び配列番号18のアミノ酸495~728に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含むか、または、
(o)配列番号19のアミノ酸32~494に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号19のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、第1のポリペプチド、及び配列番号19のアミノ酸495~728に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含むか、または、
(p)配列番号20のアミノ酸32~494に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号20のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、第1のポリペプチド、及び配列番号20のアミノ酸495~728に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含むか、または、
(q)配列番号21のアミノ酸32~494に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号21のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、第1のポリペプチド、及び配列番号21のアミノ酸495~728に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含むか、または、
(r)配列番号22のアミノ酸32~494に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号22のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、第1のポリペプチド、及び配列番号22のアミノ酸495~728に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含むか、または、
(s)配列番号23のアミノ酸32~494に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号23のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、第1のポリペプチド、及び配列番号23のアミノ酸495~728に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド、または、
(t)配列番号24のアミノ酸32~494に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号24のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、第1のポリペプチド、及び配列番号24のアミノ酸495~728に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含むか、または、
(u)配列番号25のアミノ酸32~494に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号25のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、第1のポリペプチド、及び配列番号25のアミノ酸495~728に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含むか、または、
(v)配列番号26のアミノ酸32~494に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号26のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、第1のポリペプチド、及び配列番号26のアミノ酸495~728に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含むか、または、
(w)配列番号27のアミノ酸32~494に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号27のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、第1のポリペプチド、及び配列番号27のアミノ酸495~728に対して少なくとも80%、好ましくは90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含む。
【0038】
本明細書に記載の方法または組成物のいくつかの実施形態において、HGFは、
(a)配列番号2のアミノ酸32~494に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号2のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、第1のポリペプチド、及び配列番号2のアミノ酸495~728に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第2のポリペプチドを含むか、または、
(b)配列番号7のアミノ酸32~494に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号7のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、第1のポリペプチド、及び配列番号7のアミノ酸495~728に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第2のポリペプチドを含むか、または、
(c)配列番号8のアミノ酸32~494に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号8のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、第1のポリペプチド、及び配列番号8のアミノ酸495~728に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第2のポリペプチドを含むか、または、
(d)配列番号9のアミノ酸32~494に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号9のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、第1のポリペプチド、及び配列番号9のアミノ酸495~728に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第2のポリペプチドを含むか、または、
(e)配列番号10のアミノ酸32~494に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号10のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、第1のポリペプチド、及び配列番号10のアミノ酸495~728に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第2のポリペプチドを含むか、または、
(g)配列番号11のアミノ酸32~494に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号11のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、第1のポリペプチド、及び配列番号11のアミノ酸495~728に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第2のポリペプチドを含むか、または、
(h)配列番号12のアミノ酸32~494に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号12のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、第1のポリペプチド、及び配列番号12のアミノ酸495~728に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第2のポリペプチドを含むか、または、
(i)配列番号13のアミノ酸32~494に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号13のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、第1のポリペプチド、及び配列番号13のアミノ酸495~728に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第2のポリペプチドを含むか、または、
(j)配列番号14のアミノ酸32~494に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号14のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、第1のポリペプチド、及び配列番号14のアミノ酸495~728に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第2のポリペプチドを含むか、または、
(k)配列番号15のアミノ酸32~494に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号15のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、第1のポリペプチド、及び配列番号15のアミノ酸495~728に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第2のポリペプチドを含むか、または、
(l)配列番号16のアミノ酸32~494に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号16のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、第1のポリペプチド、及び配列番号16のアミノ酸495~728に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第2のポリペプチドを含むか、または、
(m)配列番号17のアミノ酸32~494に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号17のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、第1のポリペプチド、及び配列番号17のアミノ酸495~728に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第2のポリペプチドを含むか、または、
(n)配列番号18のアミノ酸32~494に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号18のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、第1のポリペプチド、及び配列番号18のアミノ酸495~728に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第2のポリペプチドを含むか、または、
(o)配列番号19のアミノ酸32~494に対応するアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号19のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、第1のポリペプチド、及び配列番号19のアミノ酸495~728に対応するアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる第2のポリペプチドを含むか、または、
(p)配列番号20のアミノ酸32~494に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号20のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、第1のポリペプチド、及び配列番号20のアミノ酸495~728に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第2のポリペプチドを含むか、または、
(q)配列番号21のアミノ酸32~494に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号21のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、第1のポリペプチド、及び配列番号21のアミノ酸495~728に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第2のポリペプチドを含むか、または、
(r)配列番号22のアミノ酸32~494に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号22のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、第1のポリペプチド、及び配列番号22のアミノ酸495~728に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第2のポリペプチドを含むか、または、
(s)配列番号23のアミノ酸32~494に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号23のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、第1のポリペプチド、及び配列番号23のアミノ酸495~728に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第2のポリペプチドを含むか、または、
(t)配列番号24のアミノ酸32~494に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号24のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、第1のポリペプチド、及び配列番号24のアミノ酸495~728に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第2のポリペプチドを含むか、または、
(u)配列番号25のアミノ酸32~494に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号25のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、第1のポリペプチド、及び配列番号25のアミノ酸495~728に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第2のポリペプチドを含むか、または、
(v)配列番号26のアミノ酸32~494に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号26のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、第1のポリペプチド、及び配列番号26のアミノ酸495~728に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第2のポリペプチドを含むか、または、
(w)配列番号27のアミノ酸32~494に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第1のポリペプチドであって、任意選択で、配列番号27のアミノ酸161~165に対応するアミノ酸の欠失を含む、第1のポリペプチド、及び配列番号27のアミノ酸495~728に対応するアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる第2のポリペプチドを含む。
【0039】
本明細書に記載の方法または組成物のいくつかの実施形態において、第1のポリペプチドは、配列番号36のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、第2のポリペプチドは、配列番号37のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。
【0040】
本明細書に記載の方法または組成物のいくつかの実施形態において、第1のポリペプチドのN末端アミノ酸は、ピロリドンカルボン酸である。
【0041】
本明細書に記載の方法または組成物のいくつかの実施形態において、第1のポリペプチド及び第2のポリペプチドは、1つ以上のジスルフィド結合によって連結されている。
【0042】
本明細書に記載の方法または組成物のいくつかの実施形態において、HGFは、c-METに結合すること、及び/または上皮細胞におけるMAPK経路を活性化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】術後3日目の角膜神経支配を評価するためのマウス視神経の連続切片を含むスライドの蛍光顕微鏡画像。組織試料をTUJ-1(ベータIIIチューブリンとしても知られる、円形の領域)について染色して、角膜神経支配を評価した。対照(PBS)で処置した動物は、0.1% dHGF(配列番号1)を受けた眼と比較して、3日目に潜在的に低いTUJ-1染色(円形の領域)を示した。DAPIを、全ての核をハイライトするための対比染色として使用した。
図2】マウス角膜機械的損傷モデルにおける第1相研究における、PBS(ビヒクル対照)、0.1%または0.2% dHGF、0.1% mNGFまたは0.1% mHGFによる、手術及び日常処置後の動物のフルオレセイン染色角膜表面の閉鎖分析までの時間。
図3A】マウス角膜機械的損傷モデルにおける、術後7日目のPBS(対照)、0.1% dHGFまたは0.2% dHGFで処置した動物の角膜表面で測定された平均瘢痕面積(ピクセル単位)の明視野画像分析。
図3B】マウス角膜機械的損傷モデルにおける、術後7日目のPBS(対照)、0.1% mNGFまたは0.1% mHGFで処置した動物の角膜表面で測定された瘢痕面積(ピクセル単位)の平均減少の明視野画像分析。
図4】マウス角膜機械的損傷モデルにおける、PBS(対照)、dHGF(0.1%及び0.2%)、mHGF及びmNGFで処置された動物についての、8日目から21日目までの瘢痕減少の平均パーセント、測定の標準誤差(SEM)及び統計的比較。
図5】マウス角膜E.coli LPS誘発性角膜炎モデルにおける、PBS(対照)、dHGF(0.1%及び0.2%)、またはmNGFで処置された動物についての、9日目の瘢痕サイズのパーセント変化。
【発明を実施するための形態】
【0044】
いくつかの実施形態において、本発明は、とりわけ、神経栄養性角膜炎(NK)の治療または予防を必要とする対象において神経栄養性角膜炎(NK)を治療または予防する方法であって、肝細胞増殖因子(HGF)または線維芽細胞増殖因子(FGF)を対象に投与することを含む方法を提供する。
【0045】
神経栄養性角膜炎または代替的に、神経栄養性角膜症(NK)は、三叉神経またはその分岐、または傷つけられた眼表面への損傷から生じる角膜の変性状態であり、その結果、角膜感受性の低下または角膜感覚の完全な喪失をもたらす。本明細書で使用される場合、「疾患」、「状態」、または「障害」という用語は、互換的に使用され、罹患した組織または臓器の多数の病理学的状態のいずれかを指す。三叉神経またはその分岐の障害は、最も一般的には、感染症(例えば、単純ヘルペスまたは帯状疱疹感染症を含むウイルス感染症、細菌性潰瘍、後期アカントアメーバ潰瘍)、眼科手術(例えば、白内障手術、角膜移植、屈折手術、及び網膜手術)、糖尿病、ハンセン病、眼窩腫瘍及び炎症などの他の全身疾患、後方窩の三叉神経病変に起因する第5神経麻痺、動脈瘤、聴神経腫、髄膜腫、または化学熱傷及び熱傷による角膜層への他の物理的損傷によって引き起こされる。NKの他の原因には、遺伝性疾患(例えば、家族性角膜感覚低下症、ゴールデンハー-ゴーリン症候群、遺伝性感覚及び自律神経障害III型、IV型またはV型、角膜ジストロフィー及び多発性内分泌新生組織形成IIb)、特定の薬物の使用(例えば、局所ベータ遮断薬、局所非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、局所麻酔薬)、及びコンタクトレンズの使用(総説については、Okada et al.、前出)を参照されたい)が含まれる。
【0046】
NKは、肝細胞増殖因子(HGF)及び/または線維芽細胞増殖因子(FGF)の投与によって、本明細書に記載の方法に従って治療または予防することができる。
【0047】
HGF(例えば、UniProt ID No.P14210)は、とりわけ、チロシンキナーゼシグナル伝達経路を介して様々な器官における上皮細胞増殖、運動、形態形成、及び血管新生を刺激し、胚性器官の発達及び成人器官の再生ならびに創傷治癒において主要な役割を果たす、cMetキナーゼアゴニストである。HGFは、2つのサブユニット:69kDaの見かけの分子量のαサブユニット及び単一のジスルフィド結合によって連結された34kDaの見かけの分子量のβサブユニットを含む、約84kDaのタンパク質である。
【0048】
HGFは、間葉系間質細胞(例えば、線維芽細胞及びマクロファージ)によって728アミノ酸のプロHGF分子として産生され、最初の1~31アミノ酸残基は、分泌シグナル伝達配列に対応する(Matsumoto and Nakamura,in Encyclopedia of Endocrine Diseases,Elsevier,2004,436-442)。プロ-HGFの一次アミノ酸配列は、4つのクリングル(K)ドメインのドメイン構造に編成される(Sigurdardottir,et al.,2015,Chem.Sci.,6:6147-6157)。本明細書で使用される場合、「クリングル」ドメインは、三重ループのジスルフィド架橋ドメインに折り畳まれたポリペプチド線形配列を指す(Simonneau,et al.,2015,Chem.Sci.,6:2110-2121)。クリングルドメインは、アポリポタンパク質A、血液凝固第XII因子、プラスミノーゲン、及びHGFを含む様々なポリペプチドに存在する。「クリングル」という名前は、これらの構造が似ているスカンジナビアのペストリーに由来している。クリングルドメインは、タンパク質、膜、及びリン脂質間の結合相互作用を媒介すると考えられている。いくつかの実施形態において、本発明のポリペプチドは、少なくとも1つのクリングルドメインを含む。
【0049】
分泌シグナル伝達配列の切断時に、プロHGFの第4のクリングルとC末端セリン-タンパク質酵素相同性(SPH)ドメインとの間のトリプシン様部位(R494-V495)でのタンパク質分解切断は、成熟した活性化HGFをもたらす。トリプシン様切断部位は、正荷電アミノ酸(例えば、リシンまたはアルギニン)に続くペプチド結合である。活性化すると、HGFは、その受容体であるcMet(METチロシンキナーゼとしても知られる)に結合して活性化し、チロシンリン酸化をもたらし、様々な下流アダプタ分子の動員、及び侵襲的増殖プログラムとしてまとめて知られる様々な細胞内経路及び生物学的活性の調節にさらに影響を及ぼす(Nakamura,T.,1991,Prog.Growth Factor Res.,3:67-85、Bottaro,et al.,1991,Science 251:802-804)。HGF及びその受容体cMetは両方とも、角膜上皮、実質細胞、内皮及び涙腺で発現されるが、ヒト涙液中のHGFの量が約500pg/mLと推定される非常に低いレベルである(Wilson et al.,1993,Invest.Ophthalmol.Vis.Sci.,34:2544-2561、Li et al.,1996,Invest.Ophthalmol.Vis.Sci.,37:727-739)。
【0050】
HGF mRNA遺伝子転写物の選択的スプライシングから生じる6つの天然に存在するHGFのアイソフォームが文献中で知られており、そのうちの主要なアイソフォームは、アイソフォーム1(例えば、配列番号2)及び2(例えば、配列番号3)である(Bottaro,et al.,1991,Science,251:802-804、Chan et al.,1991,Science,254:1382-1385、Lokker and Godowski,1992,EMBO J.,11:2503-2510、Cioce,et al.,1996,J.Biol.Chem.,271:13110-13115)。本明細書で使用される場合、「アイソフォーム」という用語は、HGFをコードするプレmRNAの選択的スプライシングから生じるタンパク質を指す。アイソフォーム1 mRNA転写物は、728アミノ酸残基を含む最長のHGF遺伝子配列をコードする。第2の主要なHGFアイソフォームは、複数の3’エクソンを欠くが、アイソフォーム1の転写物に対して選択的3’エクソンを含むアイソフォーム2のmRNA転写物によってコードされる。アイソフォーム2 mRNA転写物によってコードされるHGFタンパク質は、290個のアミノ酸残基を含み、アイソフォーム1 HGFタンパク質と比較して、第2のクリングルドメインの後で切断される(Miyazawa,et al.,1991,Eur.J.Biochem.,197:15-22)。アイソフォーム3 mRNA転写物は、アイソフォーム1に存在するフレーム内コードセグメントを欠き、アイソフォーム1の第1のクリングルドメイン内の161~165位の配列「SFLPS」を欠く723個のアミノ酸残基(例えば、配列番号1)を含むHGFタンパク質をコードする(Rubin et al.,1991,Proc.Natl.Acad.Sci.,88:415-419)。アイソフォーム4 HGFタンパク質(例えば、配列番号4)は、残基1~296を含むより小さい分子であり、そのアミノ酸配列は、第2のクリングルドメインを通してのみ伸長する(Chan et al.,1991,Science,254:1382-1385)。アイソフォーム5 HGFタンパク質(例えば、配列番号5)は、アイソフォーム3 HGFと同様に、残基161~165(SFLPS)の追加の欠失を伴うアイソフォーム2 HGFタンパク質に類似する(Rubin et al.,1991,Proc.Natl.Acad.Sci.,88:415-419)。アイソフォーム6 HGFタンパク質(NK1としても知られる)(例えば、配列番号6)は、210個のアミノ酸のみを含む、全てのHGFアイソフォームの中で最小である(Cioce,et al.,1996,J.Bio.Chem.,271:13110-13115)。
【0051】
HGFの全長及び短縮型のアイソフォームの両方が、異なる効力及び細胞外マトリックスのヘパリン硫酸プロテオグリカンとの相互作用を有するにもかかわらず、cMetに結合することが示されており、これがインビボでのHGFの循環半減期を延長するのに役立つ(Masumoto and Yamamoto,1991,Biochem.Biophys.Res.Commun.,174:90-95、Montesano,et al.,1998,Cell Growth Differ.,9:355-365、Sakata et al.,1997,J.Biol.Chem.,272:9457-9463、Stahl et al.,1997,Biochem.J.,326:763-772)。アイソフォーム1及び3は、R494-V495でのタンパク質分解切断が生物学的に活性になることを必要とするが、短縮型アイソフォーム2、4、5、及び6は、R494-V495切断部位を有さず、したがって、この活性化ステップは、それらの生物学的活性のために必要ではない。しかしながら、切断型アイソフォーム2、4、5、及び6は、一般に、全長アイソフォーム1及び3の対応物よりも効力が低いことが知られている(Stahl et al.,1997、Montesano,et al.,1998、前出)。
【0052】
線維芽細胞増殖因子(FGF)は、発生を含む幅広い生物学的プロセスに関与する細胞シグナル伝達タンパク質のファミリーである。ヒトFGFファミリーには、22のメンバー、FGF1、FGF2、FGF3(INT2)、FGF4、FGF5、FGF6、FGF7(KGF)、FGF8(AIGF)、FGF9、FGF10、FGF11、FGF12、FGF13、FGF14、FGF16、FGF17、FGF18、FGF19、FGF20、FGF21、FGF22、及びFGF23が含まれている。
【0053】
FGFは、線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)を結合及び活性化することによって、その生物学的効果を発揮する。活性化FGFRは、受容体の細胞質部分でリン酸化チロシンに結合する特定の分子を動員することによってシグナル伝達を媒介し、特定の細胞応答につながるいくつかのシグナル伝達経路を誘発する。ヒトFGFRファミリーには、以下の4つのメンバー、FGFR1、FGFR2、FGFR3、及びFGFR4が含まれている。
【0054】
いくつかの実施形態において、HGFは、シグナル配列(すなわち、配列番号1のアミノ酸1~31に対応するアミノ酸)の有無にかかわらず、配列番号1~27のいずれか1つのアミノ酸配列を含むポリペプチドである。いくつかの実施形態において、HGFは、シグナル配列(すなわち、配列番号1または配列番号2のアミノ酸1~31に対応するアミノ酸)の有無にかかわらず、配列番号1または配列番号2のアミノ酸配列を含むポリペプチドである。いくつかの実施形態において、HGFは、シグナル配列(すなわち、配列番号1のアミノ酸1~31に対応するアミノ酸)の有無にかかわらず、配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチドである。いくつかの実施形態において、HGFは、シグナル配列(すなわち、配列番号2のアミノ酸1~31に対応するアミノ酸)の有無にかかわらず、配列番号2のアミノ酸配列を含むポリペプチドである。いくつかの実施形態において、HGFは、配列番号1または配列番号2のアミノ酸配列の活性化型を含むポリペプチドである。「活性化型」という用語は、とりわけ、シグナル配列(例えば、配列番号1または配列番号2のアミノ酸1~31)が切断され、配列番号1のR489とV490との間、または配列番号2のR494とV495との間で切断されて、ジスルフィド結合したHGFのアルファ鎖及びベータ鎖を形成するHGFポリペプチドを指す。いくつかの実施形態において、N末端アミノ酸(例えば、配列番号1または配列番号2のアミノ酸32)は、例えば、シグナル配列の切断から生じるピロリドンカルボン酸である。いくつかの実施形態において、本発明のポリペプチドは、配列番号1のR489とV490との間、または配列番号2のR494とV495との間のペプチド結合がインタクトであるHGF前駆体(プロ-HGF)型で存在する。いくつかの実施形態において、本発明のポリペプチドは、配列番号1のR489アミノ酸残基とV490アミノ酸残基との間、または配列番号2のR494アミノ酸残基とV495アミノ酸残基との間のプロ-HGFタンパク質のトリプシン様切断部位のインビボでのタンパク質分解切断によって、活性型に変換することができる。いくつかの実施形態において、本発明のポリペプチドは、配列番号1のR489アミノ酸残基とV490アミノ酸残基との間、または配列番号2のR494アミノ酸残基とV495アミノ酸残基との間のプロ-HGFタンパク質のトリプシン様切断部位のインビトロでのタンパク質分解切断によって、活性型に変換することができる。いくつかの実施形態において、HGFは、配列番号1のプロ-HGFタンパク質のアミノ酸32~723のアミノ酸配列を含むポリペプチドである。いくつかの実施形態において、HGFは、配列番号1の活性化タンパク質のアミノ酸32~723のアミノ酸配列を含むポリペプチドである。いくつかの実施形態において、HGFは、配列番号2のプロ-HGFタンパク質のアミノ酸32~728のアミノ酸配列を含むポリペプチドである。いくつかの実施形態において、HGFは、配列番号2の活性化タンパク質のアミノ酸32~728のアミノ酸配列を含むポリペプチドである。
【0055】
いくつかの実施形態において、HGFは、シグナル配列(例えば、配列番号3、4、5、または6のアミノ酸1~31に対応するアミノ酸)の有無にかかわらず、配列番号3、4、5、または6のアミノ酸配列を含むポリペプチドである。
【0056】
いくつかの実施形態において、HGFは、シグナル配列(例えば、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、または配列番号6のアミノ酸1~31に対応するアミノ酸)の有無にかかわらず、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、または配列番号6のポリペプチドバリアントである。本明細書で使用される場合、「バリアント」という用語は、ポリペプチドをコードする核酸の変異から生じる1つ以上のアミノ酸の置換、欠失、または挿入によって別のポリペプチドと異なるポリペプチドを示すことを意味する。いくつかの実施形態において、HGFは、シグナル配列(例えば、配列番号1、配列番号2、または配列番号6のアミノ酸1~31に対応するアミノ酸)の有無にかかわらず、配列番号1、配列番号2、または配列番号6に対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。いくつかの実施形態において、HGFは、シグナル配列(例えば、配列番号1、配列番号2、または配列番号6のアミノ酸1~31に対応するアミノ酸)の有無にかかわらず、配列番号1、配列番号2、または配列番号6に対して少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。いくつかの実施形態において、HGFは、シグナル配列(例えば、配列番号1、配列番号2、または配列番号6のアミノ酸1~31に対応するアミノ酸)の有無にかかわらず、配列番号1、配列番号2、または配列番号6に対して少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。いくつかの実施形態において、HGFは、シグナル配列(例えば、配列番号1、配列番号2、または配列番号6のアミノ酸1~31に対応するアミノ酸)の有無にかかわらず、配列番号1、配列番号2、または配列番号6に対して少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。いくつかの実施形態において、HGFバリアントは、(1)c-METに結合し、及び/または(2)上皮細胞(例えば、ヒト角膜上皮細胞)におけるMAPK経路を活性化することができる。
【0057】
いくつかの実施形態において、HGFは、62位、64位、77位、95位、125位、127位、130位、132位、137位、142位、148位、154位、170位、173位、及び193位のうちの1つ以上に、シグナル配列(例えば、配列番号2のアミノ酸1~31に対応するアミノ酸)の有無にかかわらず、野生型HGFアイソフォーム1のアミノ酸配列(例えば、配列番号2)の変異を含むポリペプチドである。いくつかの実施形態において、野生型HGFアイソフォーム3における類似の位置(例えば、配列番号1)が変異している。いくつかの実施形態において、HGFは、以下の表1及び表2に示されるアミノ酸配列の変異を含むポリペプチドである。表1及び表2に示される変異の任意の組み合わせは、本明細書に開示されるHGFポリペプチドに含まれてもよい。
【表1】
【表2】




【0058】
いくつかの実施形態において、HGFは、シグナル配列(例えば、配列番号7~27のアミノ酸1~31に対応するアミノ酸)の有無にかかわらず、配列番号7~27からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドである。いくつかの実施形態において、HGFは、シグナル配列(例えば、配列番号7~27のアミノ酸1~31に対応するアミノ酸)の有無にかかわらず、配列番号7~27からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるポリペプチドである。
【0059】
いくつかの実施形態において、FGFは、配列番号28のアミノ酸配列を含むポリペプチドである。いくつかの実施形態において、FGFは、配列番号28のポリペプチドバリアントである。いくつかの実施形態において、FGFは、配列番号28に対して、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。いくつかの実施形態において、FGFバリアントは野生型FGF1と比較して増加したタンパク質分解安定性を示す。
【0060】
いくつかの実施形態において、FGFは、28位、40位、47位、93位または131位のうちの1つ以上において、野生型FGFアイソフォーム1のアミノ酸配列(例えば、配列番号28)の変異を含むポリペプチドである。28位、40位、47位、93位、及び131位の変異の任意の組み合わせは、本明細書に開示されるFGFポリペプチドに含まれてもよい。
【0061】
いくつかの実施形態において、FGF1バリアントは、D28N、Q40P、S47I、H93G、L131R、及びL131Kからなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態において、FGF1バリアントはアミノ酸置換L131Rを含む。いくつかの実施形態において、FGF1バリアントはアミノ酸置換L131Kを含む。いくつかの実施形態において、バリアントはアミノ酸置換D28N及びL131R(例えば、配列番号29)を含む。いくつかの実施形態において、バリアントはアミノ酸置換D28N及びL131Kを含む。いくつかの実施形態において、バリアントは、アミノ酸置換Q40P、S47I、及びH93G(例えば、配列番号30)を含む。いくつかの実施形態において、バリアントは、アミノ酸置換Q40P、S47I、H93G、及びL131Rを含む。いくつかの実施形態において、バリアントは、アミノ酸置換Q40P、S47I、H93G、及びL131Kを含む。いくつかの実施形態において、バリアントは、アミノ酸置換D28N、Q40P、S47I、H93G、及びL131R(例えば、配列番号31)を含む。いくつかの実施形態において、バリアントは、アミノ酸置換D28N、Q40P、S47I、H93G、及びL131Kを含む。いくつかの実施形態において、FGF1バリアントはアミノ酸置換L131Aを含まない。
【0062】
いくつかの実施形態において、FGFは、配列番号29~33からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドである。いくつかの実施形態において、FGFは、配列番号29~33からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドである。
【0063】
本明細書に開示されるポリペプチド(例えば、HGFポリペプチド、FGFポリペプチド)は、単量体または二量体であり得る。いくつかの実施形態において、HGFは、配列番号1~27のいずれか1つのポリペプチドまたはそのポリペプチドバリアントの共有結合型二量体である(シグナル配列(例えば、配列番号1~27のアミノ酸1~31に対応するアミノ酸)の有無にかかわらず)。いくつかの実施形態において、FGFは、配列番号29~33のいずれか1つのポリペプチド、またはそのポリペプチドバリアントの共有結合型二量体である。HGFまたはFGFポリペプチドの共有結合型二量体は、好適な発現系(例えば、酵母またはE.coli)において配列番号1~27のHGFポリペプチド配列のうちのいずれか1つ、またはそのバリアントを発現することによって得ることができるが、一方、単一のアミノ酸残基、特に、N末端アミノ酸残基は、システイン残基で置き換えられる。発現された、及び例えば、シグナル配列が切断された、HGFポリペプチド単量体、または発現されたFGFポリペプチド単量体は、導入されたシステイン残基間のジスルフィド結合の形成を介して二量体化するように誘導され得る(例えば、Liu,et al.,2014,FEBS Letters,588:4831-4837、Jones II,et al.,2011,Proc.Natl.Acad.Sci.,108:13035-13040、及びUSSN 15/365,514を参照されたい)。
【0064】
ある場合には、本明細書に記載のHGFポリペプチドは、例えば、以下のうちの1つ以上を含む、1つ以上の翻訳後修飾を含む。



【0065】
本明細書に開示されるポリペプチド(例えば、HGFポリペプチド、FGFポリペプチド)は、ヒドロキシプロリン(Hyp)、ベータ-アラニン、シトルリン(Cit)、オルニチン(Orn)、ノルロイシン(Nle)、3-ニトロチロシン、ニトロアルギニン、及びピログルタミン酸(Pyr)を含むがこれらに限定されない、天然に存在するアミノ酸または天然に存在しないアミノ酸との置換を含むことができる。ある場合には、HGFポリペプチドは、例えば、上の表に示されるように、翻訳後に修飾される。
【0066】
本明細書で使用される場合、「配列同一性」という用語は、2つのポリペプチドまたは核酸配列間の同一の残基の割合を指す。当業者は、例えば、HGFまたはFGFのアミノ酸(または核酸)配列と、問題のポリペプチド(または核酸)とを入力することによって、https://blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgiにおいてオンラインで利用可能なBasic Local Alignment Search Tool(BLAST)を使用することにより、HGFまたはFGFのアミノ酸に対する配列同一性を容易に決定することができる。プログラムBLASTは、例えば、Tatiana A.Tatusova and Thomas L.Madden(1999)、「Blast 2 sequences-a new tool for comparing protein and nucleotide sequences」、FEMS Microbiol Lett.174:247-250によって記載されるように、2つの配列を整列させる(デフォルトパラメータで)ために使用することができる。アミノ酸またはヌクレオチド配列の整列を得るために使用され得る様々な他のアルゴリズム及びソフトウェアは、当該技術分野で周知である。これらには、限定されないが、ALIGN、Megalign、BestFit、GCG Wisconsin Package、及びそれらのバリアントが含まれる。いくつかの実施形態において、本発明のポリペプチドは、例えば、プログラムBLASTを使用して2つの配列を整列させること(デフォルトパラメータ)によって確認されるように、HGFと少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の相同性を有する。いくつかの場合において、配列は、比較される配列、例えば、(i)ヌクレオチド配列のコード領域または(ii)アミノ酸配列の全長にわたって実質的に同一である。
【0067】
いくつかの実施形態において、HGF及び/またはFGFは、羊膜または羊水、HGF及び/またはFGFを産生する細胞もしくは組織(例えば、間葉系間質細胞または肝細胞)、または涙液などの生物学的源から単離される。いくつかの実施形態において、HGFは、例えば、E.coli、Saccharomyces cerevisiae、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、ヒト胚性腎臓(HEK293)細胞、または昆虫細胞株(例えば、Sf9、Sf21またはS2)などの好適な宿主タンパク質発現系において発現される組換えタンパク質である。いくつかの実施形態において、HGFは精製されている。本明細書で使用される場合、「精製された」HGFは、他の望ましくない成分または汚染物質を除去するように処理されたポリペプチドを指す。いくつかの実施形態において、FGFは、例えば、E.coli、Saccharomyces cerevisiae、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、ヒト胚性腎臓(HEK293)細胞、または昆虫細胞株(例えば、Sf9、Sf21またはS2)などの好適な宿主タンパク質発現系において発現される組換えタンパク質である。いくつかの実施形態において、FGFは精製されている。本明細書で使用される場合、「精製された」FGFは、他の望ましくない成分または汚染物質を除去するように処理されたポリペプチドを指す。
【0068】
精製プロセス中に除去される望ましくない成分または汚染物質の例としては、HGF及び/またはFGFに関連しない細胞、組織、核酸、ポリペプチド(例えば、使用される発現系からの宿主細胞タンパク質、または、それが例えばアルブミン及び免疫グロブリンから単離される生体源からの豊富なタンパク質)、50%未満の配列相同性を有するHGF及び/またはFGFの小断片、金属、ならびに他の無機塩が挙げられる。当業者によって使用される精製プロセスの例としては、沈殿、凝集、接線流濾過(TFF)、限外濾過(UF)、ダイアフィルトレーション(DF)、透析、ゲル濾過クロマトグラフィー(GFC)、液体クロマトグラフィー(LC)、イオン交換クロマトグラフィー(IEX)、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)、及び電気泳動が挙げられる。いくつかの実施形態において、精製されたHGFの純度は、少なくとも約50%である。いくつかの実施形態において、精製されたHGFの純度は、少なくとも約60%である。いくつかの実施形態において、精製されたHGFの純度は約75%である。いくつかの実施形態において、精製されたHGFの純度は約80%である。いくつかの実施形態において、精製されたHGFの純度は約85%である。いくつかの実施形態において、精製されたHGFの純度は約90%である。いくつかの実施形態において、精製されたHGFの純度は約95%である。好ましい実施形態では、精製されたHGFの純度は約97%である。いくつかの実施形態において、精製されたFGFの純度は、少なくとも約50%である。いくつかの実施形態において、精製されたFGFの純度は、少なくとも約60%である。いくつかの実施形態において、精製されたFGFの純度は約75%である。いくつかの実施形態において、精製されたFGFの純度は約80%である。いくつかの実施形態において、精製されたFGFの純度は約85%である。いくつかの実施形態において、精製されたFGFの純度は約90%である。いくつかの実施形態において、精製されたFGFの純度は約95%である。好ましい実施形態では、精製されたFGFの純度は、約97%である。
【0069】
HGF及び/またはFGFの純度及び含有量の決定は、例えば、逆相高速液体クロマトグラフ(RP-HPLC)、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、イオン交換クロマトグラフィー(IEX)、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)、キャピラリーゲル電気泳動(CGE)及びウェスタンブロットによって、従来の分析アッセイ及び方法を使用して当業者によって容易に達成することができる。
【0070】
本明細書で使用される場合、「ポリペプチド」または「タンパク質」は、例えば、2~約1000以上のアミノ酸残基を有するアミノ酸のポリマーである。いくつかの実施形態において、「ポリペプチド」は、10~約130アミノ酸、10~約220アミノ酸、10~約500アミノ酸、または10~約730アミノ酸を有する。任意の天然に存在するアミノ酸または合成アミノ酸は、ポリペプチドを形成することができる。ポリペプチドは、グリコシル化及び他の部分などの修飾も含むことができる。いくつかの実施形態において、本発明のポリペプチドは、例えば、標的のアミノ酸配列、例えば、N末端またはC末端のアミノ酸配列に基づいて、標的ポリペプチドに選択的に結合する能力を有する。
【0071】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、その領域の、大体の、おおよその、またはその周りを意味するために使用される。「約」という用語が数値範囲とともに使用されるとき、これは、記載される数値の上下にその境界を拡張させることによって、その範囲を修飾する。一般的に、「約」という用語は、本明細書において、10%の変量で、明記される値を超え、及び下回る数値を修飾するために使用される。
【0072】
治療的及び予防的方法
本開示は、対象における眼疾患または眼障害を治療または予防する方法を特徴とする。いくつかの実施形態において、眼疾患または眼障害は角膜疾患である。角膜疾患の非限定的な例としては、神経栄養性角膜炎、持続性角膜欠損症、角膜潰瘍、ドライアイ疾患、微生物性角膜炎、細菌性角膜炎、ウイルス性角膜炎、真菌性角膜炎、化学熱傷、熱傷、機械的外傷、角膜擦過傷、傷つけられた内皮、水疱性角膜症、フックス角膜ジストロフィー、角膜瘢痕、シェーグレン症候群、及び術後合併症が挙げられる。いくつかの実施形態において、疾患または障害は、角膜混濁または瘢痕化を含む角膜損傷である。いくつかの実施形態において、疾患は神経因性角膜炎である。この方法は、治療有効量の本明細書に記載のHGF及び/またはFGFポリペプチドを対象に投与することを含む。本明細書で使用される場合、交換可能に使用される「対象」または「患者」は、ヒト、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、ブタ、及びヒツジ動物などの哺乳動物を含む。対象は、好ましくはヒトである。
【0073】
いくつかの実施形態において、対象は、三叉神経またはその分岐に障害があるNKを有する。ある特定の場合には、三叉神経またはその分岐への障害は、感染(例えば、細菌または単純ヘルペスまたは帯状疱疹感染などのウイルス感染)によって引き起こされる。ある特定の場合には、三叉神経またはその分岐への障害は、眼の手術(例えば、白内障手術、角膜移植、屈折手術)によって引き起こされる。ある特定の場合には、三叉神経またはその分岐への障害は、糖尿病、ハンセン病、眼窩腫瘍、及び炎症などの全身疾患によって引き起こされる。いくつかの場合には、三叉神経またはその分岐への障害は、化学熱傷及び熱傷を含む身体外傷によって引き起こされる。他の場合には、三叉神経またはその分岐への障害は、コンタクトレンズの使用によって引き起こされる。いくつかの実施形態において、対象は、三叉神経経路へのいかなる摂動にも関連しない上皮への損傷があるNKを有する。
【0074】
いくつかの実施形態において、HGF及び/またはFGFは、対象の眼に投与される。HGF及び/またはFGFの投与経路は、既知の方法に従って、例えば、点眼剤または包帯コンタクトレンズ、局所眼注射(例えば、結膜下、硝子体内、眼球後方、及び前房内)を介して局所的に、または以下に記載されるように徐放系によって行うことができる。いくつかの実施形態において、HGF及び/またはFGFは眼に局所投与される。「局所的に」という用語は、HGF及び/またはFGFを眼の表面(すなわち、角膜)に直接適用することを指す。いくつかの実施形態において、HGF及び/またはFGFは注射によって眼に投与される。いくつかの実施形態において、HGF及び/またはFGFは、結膜下に投与される。「結膜下」という用語は、眼球結膜(眼球上)の下または眼瞼の結膜ライニング(眼瞼下)の下のいずれかに注射することを指す(Stanley,R.,2008「Ocular Clinical Pharmacology」Small Animal Clinical Pharmacology (2nd Ed.))。いくつかの実施形態において、HGF及び/またはFGFは、硝子体内に投与される。「硝子体内」という用語は、眼の硝子体腔に直接注射することを指す。いくつかの実施形態において、HGF及び/またはFGFは、前房内に投与される。「前房内」という用語は、眼の前房に直接注射することを指す。注射用に意図される治療用ポリペプチド組成物は、一般に、適切なアクセスポート、例えば、皮下注射針によって貫通可能なストッパーを有するバイアルを有する滅菌容器に配置される。局所投与の場合、HGF及び/またはFGFを含む薬学的組成物は、絞り可能な点眼剤容器に配置することができる。いくつかの実施形態において、HGF及び/またはFGFを含む薬学的組成物は、眼科用絞りディスペンサー、例えばAptar Pharmaからのディスペンサーを使用して局所投与される。
【0075】
持続放出製剤の好適な例としては、成形品の形態の半透過性ポリマーマトリックス、例えば、フィルム、インプラント、またはマイクロカプセルが挙げられる。持続放出マトリックスとしては、ポリエステル、ヒドロゲル、ポリラクチド(米国特許第3,773,919号及びEP58,481)、L-グルタミン酸及びガンマエチル-L-グルタメートのコポリマー(Sidman et al.,1983,Biopolymers,22:547-556)、ポリ(2-ヒドロキシエチル-メタクリレート)(Langer et al.,1981,J.Biomed.Mater.Res.,15:267-277及びLanger,1982,Chem.Tech.,12:98-105)、エチレン酢酸ビニル(Langer et al.,前出)またはポリ-D-(-)-3-ヒドロキシ酪酸(EP133,988)が挙げられる。持続放出組成物はまた、リポソームに捕捉されたHGF、FGF、またはHGF及びFGFの両方も含む。HGF、FGF、またはHGF及びFGFの両方を含むリポソームは、それ自体既知の方法、DE3,218,121、Eppstein et al.,1985,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,82:3688-3692、Hwang et al.,1980,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,77:4030-4034、EP52,322、EP36,676、EP88,046、EP143,949、EP142,641、米国特許第4,485,045号及び同第4,544,545号、ならびにEP102,324によって調製することができる。通常、リポソームは、脂質含有量が約30モルパーセントのコレステロールよりも高い、小さな(約200~800オングストローム)単層型であり、選択された割合は、最も有効な療法のために調整される。
【0076】
治療的に用いられるHGFもしくはHGF含有組成物及び/またはFGFもしくはFGF含有組成物の「有効量」は、例えば、対象の治療目的、投与経路、及び状態に依存する。したがって、セラピストは、最適な治療効果を得るために、必要に応じて、投薬量を滴定し、投与経路を修正することが必要であり得る。典型的には、臨床医は、所望の効果を達成する投薬量に達するまでHGF及び/またはFGFを投与する。この療法の進行は、従来のアッセイ及び方法によって容易にモニターされる。
【0077】
角膜混濁または瘢痕化、ならびにNKなどの眼疾患及び眼障害の治療及び予防において、HGF及び/またはFGFを含む薬学的組成物は、良好な医療実務と一致する方法で製剤化、投薬、及び投与することができる。この文脈で考慮すべき要因としては、治療される特定の哺乳動物、個々の対象の臨床状態、障害の原因、投与の方法、投与のスケジュール、及び医師に既知である他の要因が挙げられる。投与されるHGF及び/またはFGFの「治療有効量」は、そのような考慮事項によって制御され得、眼疾患の症状を予防、改善、または治療するために必要な最小量である。そのような量は、好ましくは、毒性であるか、または宿主に著しい有害作用をもたらす量未満である。
【0078】
一般的な提案として、対象の眼に局所投与される薬学的組成物は、重量対体積(w/v)ベースで、約0.01%~約1.0%、約0.05%~約0.5%、約0.05%~約0.4%、約0.05%~約0.3%、または約0.08%~約0.25%の範囲の初期濃度でHGF及び/またはFGFを含む。いくつかの実施形態において、対象の眼に局所投与される薬学的組成物は、約0.1%(w/v)の濃度のHGFを含む。いくつかの実施形態において、対象の眼に局所投与される薬学的組成物は、約0.2%(w/v)の濃度のHGFを含む。いくつかの実施形態において、対象の眼に局所投与される薬学的組成物は、約0.1%(w/v)の濃度のFGFを含む。いくつかの実施形態において、対象の眼に局所投与される薬学的組成物は、約0.2%(w/v)の濃度のFGFを含む。いくつかの実施形態において、対象の眼に局所投与される薬学的組成物は、HGF及びFGFの両方をそれぞれ約0.1%(w/v)の濃度で含む。いくつかの実施形態において、対象の眼に局所投与される薬学的組成物は、HGF及びFGFの両方をそれぞれ約0.2%(w/v)の濃度で含む。いくつかの実施形態において、薬学的組成物はHGFを含み、FGFを実質的に含まない。いくつかの実施形態において、薬学的組成物はFGFを含み、HGFを実質的に含まない。
【0079】
本開示はまた、併用療法を特徴とする。例えば、対象(例えば、ヒト)は、本明細書に記載のHGFを第2の治療剤と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態において、対象は、第2の治療剤と同時にHGFポリペプチドを投与される。本明細書で使用される場合、「同時」という用語は、「同じ期間中に存在すること」を意味する。いくつかの実施形態において、HGFポリペプチド及び第2の治療剤は、同じ製剤中で製剤化される。いくつかの実施形態において、HGFポリペプチド及び第2の治療剤は、別々の製剤で製剤化される。いくつかの実施形態において、HGFポリペプチド及び第2の治療剤は、同時に投与される。いくつかの実施形態において、HGFポリペプチド及び第2の治療剤は、順次投与される。いくつかの実施形態において、HGFポリペプチドは、第2の治療剤が投与される前に投与される。いくつかの実施形態において、HGFポリペプチドは、第2の治療剤が投与された後に投与される。いくつかの実施形態において、HGFポリペプチド及び第2の治療剤は、1~60分間隔、5~30分間隔、または10~20分間隔で投与される。いくつかの実施形態において、HGFポリペプチド及び第2の治療剤は、5分間隔で投与される。いくつかの実施形態において、HGFポリペプチド及び第2の治療剤は、10分間隔で投与される。いくつかの実施形態において、HGFポリペプチド及び第2の治療剤は、15分間隔で投与される。いくつかの実施形態において、HGFポリペプチド及び第2の治療剤は、30分間隔で投与される。いくつかの実施形態において、HGFポリペプチド及び第2の治療剤は、1時間間隔で投与される。いくつかの実施形態において、FGFポリペプチドが第2の治療剤である。
【0080】
いくつかの実施形態において、第2の治療剤は、HGFと同じ生物学的及び生理学的効果、例えば、同様の細胞内経路の活性化を誘発し得る。いくつかの実施形態において、第2の治療剤は、HGFとして異なる生物学的及び生理学的効果を誘発し得る。いくつかの実施形態において、第2の治療剤は、HGFによって引き起こされる生物学的及び生理学的効果を増強する。いくつかの実施形態において、第2の治療剤は、HGFと同じクラスの分子である(すなわち、両方ともポリペプチドである)。いくつかの実施形態において、第2の治療剤は、異なるクラスの分子(例えば、小分子または核酸)である。第2の治療剤の非限定的な例としては、小分子、ペプチド、タンパク質、抗体及び抗原結合断片、核酸、細胞及び組織抽出物、ならびに羊水及び他の体液が挙げられる。第2の治療剤は、天然源からの単離を介して得られるか、合成的に産生されるか、または細胞培養によって得られ得る。本明細書で使用される場合、「小分子」という用語は、900ダルトン未満の低分子量有機化合物を指す。本明細書で使用される場合、「ペプチド」という用語は、2~約50サブユニットのアミノ酸、アミノ酸アナログ、またはペプチド模倣物の化合物を指す。サブユニットは、ペプチド結合によって連結することができる。本明細書で使用される場合、「アミノ酸」という用語は、グリシンならびにDもしくはL光学異性体と、アミノ酸アナログ及びペプチド模倣体との両方を含む、天然及び/または非天然もしくは合成アミノ酸のいずれかを指す。本明細書で使用される場合、「抗体」という用語は、ポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体ならびにその断片を含む。抗体には、マウス、ラット、ウサギ、ヒト、またはキメラ抗体などが含まれるが、これらに限定されない。「抗体」という用語はまた、全てのアイソタイプの抗体を含む。本明細書で使用される場合、「核酸」または「ポリヌクレオチド」は、任意の長さのヌクレオチドまたはそのアナログのポリマー型を指す。ポリヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、及び/またはそれらのアナログを含有することができる。ヌクレオチドは、任意の三次元構造を有し得、既知または未知の任意の機能を実行し得る。核酸分子は、さらに、アンチセンス分子、プローブ、プライマーなどのオリゴヌクレオチドを含む。オリゴヌクレオチドは、典型的には、約2~約100個、8~約30個、または10~約28個のヌクレオチドもしくはそのアナログを有する。
【0081】
いくつかの実施形態において、第2の治療剤は抗生物質である。抗生物質の非限定的な例としては、トリメトプリム、ポリミキシンB、アジスロマイシン、ゲンタマイシン、ベシフロキサシン、ガチフロキサシン、モキシフロキサシン、レボフロキサシン、シプロフロキサシン、オフロキサシン及びトブラマイシンが挙げられる。いくつかの実施形態において、第2の治療剤は非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)である。NSAIDの非限定的な例としては、アスピリン、サルサラート、セレコキシブ、ジクロフェナク、エトドラク、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラック、ナブメトン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピロキシカム、スリンダク、及びトルメチンが挙げられる。いくつかの実施形態において、第2の治療剤は眼科用ステロイドである。眼科用ステロイドの非限定的な例としては、デキサメタゾン眼科用(Maxidex(登録商標))、ジフルプレドナート眼科用(Durezol(登録商標))、フルオロメトロン眼科用(Flarex(登録商標)、FML(登録商標)、FML Liquifilm(登録商標)、FML Forte(登録商標))、Loteprednol エタボネート眼科用(Alrex(登録商標)、Lotemax(登録商標))、酢酸プレドニゾロン眼科用(Omnipred(登録商標)、Pred Forte(登録商標)、Pred Mild(登録商標))、プレドニソロンリン酸エステルナトリウム眼科用、及びリメキソロン眼科用(Vexol(登録商標))が挙げられる。いくつかの実施形態において、第2の治療剤は局所麻酔薬である。局所麻酔薬の非限定的な例としては、プリロカイン、エピネフリン、リドカイン、ブピバカイン、ロントカイン、ノボカイン、ロピバカイン、プロカイン、アメトカイン、シンコカイン、メピバカイン、及びエチドカインが挙げられる。いくつかの実施形態において、第2の治療剤はさらなる増殖因子である。増殖因子の非限定的な例としては、上皮増殖因子(EGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、インスリン様増殖因子(IGF-1)、血小板由来増殖因子(PDGF)、ケラチノサイト増殖因子(KGF)、形質転換増殖因子(TGF)、血管内皮増殖因子及び顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、ニューロトロフィン及び神経増殖因子(NGF)、腫瘍壊死因子-アルファ(TNF-α)、ならびにインターロイキンが挙げられる。
【0082】
薬学的組成物及び製剤
熱ストレスに対するポリペプチドの安定性を維持し、可視粒子及び可溶性凝集体の形成を最小限に抑えることは、ポリペプチド、特に、長期保存を必要とする本質的に水溶性の溶液を含む薬学的組成物の開発における重要な焦点である。HGF及び関連タンパク質が様々な安定化剤とともに製剤化される以下の参考文献を参照されたい。WO90/10651 WO00/72873(EP特許第1180368号)、JP-A9-25241(米国特許第7,173,008号)、WO2008/102849(米国特許第8461112号)、及び米国特許第10213485号。タンパク質凝集及び熱安定性の問題は、従来技術に記載されているような凍結乾燥HGF製剤を使用してある程度回避することができるが、これは、HGFを含む薬学的組成物の製造における凍結乾燥単位操作を必要とし、プロセスにおいてさらなる製造コスト及び複雑さを招く。さらに、凍結乾燥HGF製剤は、投薬及び投与前に再構成を必要とする。したがって、安定した溶液が有利である。
【0083】
本発明のいくつかの実施形態において、HGF(及び/またはFGF)は、液体薬学的組成物中に製剤化される。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は水性薬学的組成物である。本明細書で使用される場合、「水性薬学的製剤」は、水系液体を指す。いくつかの実施形態において、水性薬学的組成物は蒸留水を含む。いくつかの実施形態において、水性薬学的組成物は脱イオン水を含む。いくつかの実施形態において、水性薬学的組成物は滅菌水を含む。いくつかの実施形態において、水性薬学的組成物は注射用水(WFI)を含む。いくつかの実施形態において、液体薬学的組成物は点眼剤として製剤化される。いくつかの実施形態において、液体薬学的組成物は溶液として製剤化される。いくつかの実施形態において、液体薬学的組成物は懸濁液として製剤化される。いくつかの実施形態において、HGFは、液体薬学的組成物中のさらなる治療剤とともに製剤化される。いくつかの実施形態において、HGFはさらなる治療剤とともに点眼剤として製剤化される。いくつかの実施形態において、HGFは溶液としてさらなる治療剤とともに製剤化される。
【0084】
本発明のポリペプチドまたはその誘導体の薬学的製剤は、所望の純度を有するポリペプチドまたはその誘導体を、凍結乾燥ケーキまたは水溶液の形態で、任意選択の薬学的に許容される担体、賦形剤、等張化剤または安定剤と混合することによって、保管のために調製することができる(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Chapter43,14th Ed.,Mack Publishing Co.,Easton Pa.18042,USAを参照されたい)。許容される担体、賦形剤、等張化剤、または安定剤は、用いる投薬量及び濃度でレシピエントに対して非毒性であり、リン酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、及び他の有機酸などの緩衝液を含み、「緩衝液」という用語は、溶液のpHをほぼ一定に維持するために使用される弱酸及びその共益塩基物もしくはその逆、アスコルビン酸を含む抗酸化剤、低分子量(約10残基未満)のポリペプチド、血清アルブミン、ゼラチン、もしくは免疫グロブリンなどのタンパク質、ポリビニルピロリドン(PVP)及びポリエチレングリコール(PEG)などの親水性ポリマー、グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン、ヒスチジン、プロリン、もしくはリシンなどのアミノ酸、グルコース、マンノース、スクロース、トレハロース、もしくはデキストリンを含む単糖類、二糖類、及び他の炭水化物、EDTAなどのキレート剤、マンニトールもしくはソルビトールなどの糖アルコール、ナトリウムもしくはカリウムなどの塩形成対イオン、及び/または非イオン性界面活性剤もしくはポリソルベート及びポロキサマーなどの共溶媒、塩化ナトリウム、塩化カリウム、マンニトール、ブドウ糖、グリセリン及び塩化マグネシウムなどの等張化剤の混合物を指す。
【0085】
いくつかの実施形態において、本発明の製剤は、等張化剤を実質的に含まない。いくつかの実施形態において、本発明の製剤は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、及び塩化マグネシウムなどの塩化物塩を実質的に含まない。
【0086】
いくつかの実施形態において、HGF(及び/またはFGF)を含む薬学的製剤のpHは、約5.5~約7.5である。いくつかの実施形態において、薬学的製剤のpHは、約5.5~約6.0である。いくつかの実施形態において、薬学的製剤のpHは、約5.8~約6.2である。いくつかの実施形態において、薬学的製剤のpHは、約6.0~約6.5である。いくつかの実施形態において、薬学的製剤のpHは、約6.5~約7.0である。いくつかの実施形態において、薬学的製剤のpHは、約7.0~約7.5である。いくつかの実施形態において、薬学的製剤のpHは約6.0である。いくつかの実施形態において、薬学的製剤のpHは約6.5である。いくつかの実施形態において、薬学的製剤のpHは約7.0である。
【0087】
いくつかの実施形態において、本発明の薬学的製剤は緩衝液をさらに含む。いくつかの実施形態において、緩衝液は、酢酸塩、クエン酸塩、グルタミン酸塩、ヒスチジン、コハク酸塩、酒石酸塩、及びトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(Tris)から選択される。いくつかの実施形態において、緩衝液は、クエン酸ナトリウム(例えば、クエン酸ナトリウム二水和物)などのクエン酸緩衝液である。いくつかの実施形態において、緩衝液は酢酸塩緩衝液である。いくつかの実施形態において、緩衝液はコハク酸塩緩衝液である。いくつかの実施形態において、緩衝液は酒石酸塩緩衝液である。いくつかの実施形態において、緩衝液はグルタミン酸塩緩衝液である。いくつかの実施形態において、緩衝液はTrisである。いくつかの実施形態において、緩衝液は約10mM~約100mMで存在する。いくつかの実施形態において、緩衝液は約20mM~約50mMで存在する。いくつかの実施形態において、緩衝液は約20mMで存在する。
【0088】
いくつかの実施形態において、本発明の薬学的製剤は、任意選択で、等張化剤をさらに含む。いくつかの実施形態において、薬学的製剤は等張化剤を実質的に含まない。いくつかの実施形態において、等張化剤は、塩化ナトリウム(NaCl)または塩化カリウム(KCl)などのアルカリ金属塩である。いくつかの実施形態において、等張化剤は塩化カルシウム(CaCl)である。いくつかの実施形態において、等張化剤はマンニトールである。いくつかの実施形態において、等張化剤はトレハロース(例えば、トレハロース二水和物)である。いくつかの実施形態において、等張化剤は、約0.1~約1.0M、約0.2~約0.8M、約0.3M、約0.4M、約0.5M、約0.6M、約0.7M、または約0.75Mで存在する。いくつかの実施形態において、製剤のオスモル濃度は、約200~約500mOsm/kg HO、約200~約300mOsm/kg HO、約250~約350mOsm/kg HO、約350~約400mOsm/kg HO、約400~約450mOsm/kg HO、または約450mOsm/kg HO~約500mOsm/kg HOである。いくつかの実施形態において、製剤のオスモル濃度は、約300mOsm/kg HOである。いくつかの実施形態において、製剤のオスモル濃度は、約350mOsm/kg HOである。いくつかの実施形態において、製剤のオスモル濃度は、約400mOsm/kg HOである。いくつかの実施形態において、製剤のオスモル濃度は、約425mOsm/kg HOである。いくつかの実施形態において、製剤のオスモル濃度は、約450mOsm/kg HOである。いくつかの実施形態において、製剤のオスモル濃度は、約475mOsm/kg HOである。いくつかの実施形態において、製剤のオスモル濃度は、約500mOsm/kg HOである。
【0089】
いくつかの実施形態において、本発明の薬学的製剤は、1つ以上の安定剤をさらに含む。いくつかの実施形態において、1つ以上の安定剤は、ソルビトール、トレハロース、スクロース、アラニン、グリシン、プロリン、グルタミン酸、及びアルギニンから選択される。いくつかの実施形態において、1つ以上の安定剤は、ソルビタール、プロリン、及びトレハロースから選択される。いくつかの実施形態において、1つ以上の安定剤は、プロリン、アルギニン、及びトレハロースから選択される。いくつかの実施形態において、1つ以上の安定剤は、グルタミン酸、プロリン、及びトレハロースから選択される。いくつかの実施形態において、1つ以上の安定剤は、アルギニン、グルタミン酸、及びトレハロースから選択される。いくつかの実施形態において、1つ以上の安定剤は、アルギニン、プロリン、及びソルビトールから選択される。いくつかの実施形態において、1つ以上の安定剤は、グルタミン酸、プロリン、及びソルビトールから選択される。いくつかの実施形態において、1つ以上の安定剤は、アルギニン、グルタミン酸、及びソルビトールから選択される。いくつかの実施形態において、1つ以上の安定剤は、アルギニン及びトレハロースである。いくつかの実施形態において、1つ以上の安定剤は、ソルビタール及びトレハロースである。いくつかの実施形態において、1つ以上の安定剤は、プロリン及びトレハロースである。いくつかの実施形態において、1つ以上の安定剤は、アルギニン及びソルビトールである。いくつかの実施形態において、1つ以上の安定剤は、グルタミン酸及びソルビトールである。いくつかの実施形態において、1つ以上の安定剤は、プロリン及びソルビトールである。いくつかの実施形態において、安定剤はトレハロースである。いくつかの実施形態において、安定剤はプロリンである。いくつかの実施形態において、安定剤はアルギニンである。いくつかの実施形態において、安定剤はソルビトールである。
【0090】
いくつかの実施形態において、本発明の薬学的製剤は、スクロース、アラニン、及びグリシンを実質的に含まない。いくつかの実施形態において、薬学的製剤はスクロースを実質的に含まない。いくつかの実施形態において、薬学的製剤はアラニンを実質的に含まない。いくつかの実施形態において、薬学的製剤はグリシンを実質的に含まない。
【0091】
いくつかの実施形態において、安定剤は、製剤中に約100mM~約500mMの濃度で存在する。いくつかの実施形態において、安定剤は、約150mM~約250mMの濃度で存在する。いくつかの実施形態において、安定剤は、約200mMの濃度で存在する。
【0092】
いくつかの実施形態において、本発明の薬学的製剤は、任意選択で界面活性剤をさらに含む。いくつかの実施形態において、界面活性剤は、ポリソルベート80(PS80)、ポリソルベート20(PS20)、ポラキサマー188(P188)、及びポラキサマー407(P407)から選択される。いくつかの実施形態において、界面活性剤は、ポリソルベート80である。いくつかの実施形態において、界面活性剤は約0.02%~約0.07%(w/v)で存在する。いくつかの実施形態において、界面活性剤は約0.04%~約0.06%(w/v)で存在する。いくつかの実施形態において、界面活性剤は約0.05%(w/v)で存在する。
【0093】
いくつかの実施形態において、本発明の薬学的組成物は、
(i)約0.1%(w/v)~約1.0%(w/v)のHGFと、
(ii)組成物のpHを約5.8~約6.2に維持することができる緩衝液と、
(iii)約100~約300mMのトレハロース、プロリン、ソルビトール、またはそれらの混合物と、
(iv)任意選択で、組成物のオスモル濃度を約250mOsm/kg HO~約500mOsm/kg HOにすることができる等張化剤と、
(v)任意選択で、界面活性剤とを含む。
【0094】
いくつかの実施形態において、本発明の薬学的組成物は、
(i)約0.1%~約0.5%(w/v)のHGFと、
(ii)約5.8~約6.2の組成物のpHを維持することができる緩衝液と、
(iii)約100~約300mMのトレハロース、プロリン、ソルビトール、またはそれらの混合物と、
(iv)任意選択で、組成物のオスモル濃度を約250mOsm/kg HO~約500mOsm/kg HOにすることができる等張化剤と、
(v)任意選択で、界面活性剤とを含む。
【0095】
いくつかの実施形態において、本発明の薬学的組成物は、
(i)約0.1%(w/v)のHGFと、
(ii)約5.8~約6.2の組成物のpHを維持することができる緩衝液と、
(iii)約100~約300mMのトレハロース、プロリン、ソルビトール、またはそれらの混合物と、
(iv)任意選択で、組成物のオスモル濃度を約250mOsm/kg HO~約500mOsm/kg HOにすることができる等張化剤と、
(v)任意選択で、界面活性剤とを含む。
【0096】
いくつかの実施形態において、本発明の薬学的組成物は、
(i)約0.2%(w/v)のHGFと、
(ii)約5.8~約6.2の組成物のpHを維持することができる緩衝液と、
(iii)約100~約300mMのトレハロース、プロリン、ソルビトール、またはそれらの混合物と、
(iv)任意選択で、組成物のオスモル濃度を約250mOsm/kg HO~約500mOsm/kg HOにすることができる等張化剤と、
(v)任意選択で、界面活性剤とを含む。
【0097】
いくつかの実施形態において、本発明の薬学的組成物は、
約0.1%(w/v)のHGF、
約20mMのクエン酸ナトリウム、
約200mMのトレハロース、プロリン、またはソルビトール、
約0.05%(w/v)の界面活性剤を含み、
組成物のpHは約6.0である。
【0098】
いくつかの実施形態において、本発明の薬学的組成物は、
約0.1%(w/v)のHGF、
約20mMのクエン酸ナトリウム、
約200mMのトレハロース、
約0.05%(w/v)のポリソルベート80(PS80)を含み、
組成物のpHは約6.0である。
【0099】
いくつかの実施形態において、本発明の薬学的組成物は、
約0.1%(w/v)のHGF、
約20mMのクエン酸ナトリウム、
約200mMのプロリン、
約0.05%(w/v)のポリソルベート80(PS80)を含み、
組成物のpHは約6.0である。
【0100】
いくつかの実施形態において、本発明の薬学的組成物は、
約0.1%(w/v)のHGF、
約20mMのクエン酸ナトリウム、
約200mMのソルビトール、
約0.05%(w/v)のポリソルベート80(PS80)を含み、
組成物のpHは約6.0である。
【0101】
いくつかの実施形態において、本発明の薬学的組成物は、
約0.2%(w/v)のHGF、
約20mMのクエン酸ナトリウム、
約200mMのトレハロース、プロリン、またはソルビトール、
約0.05%(w/v)の界面活性剤を含み、
組成物のpHは約6.0である。
【0102】
いくつかの実施形態において、本発明の薬学的組成物は、
約0.2%(w/v)のHGF、
約20mMのクエン酸ナトリウム、
約200mMのトレハロース、
約0.05%(w/v)のポリソルベート80(PS80)を含み、
組成物のpHは約6.0である。
【0103】
いくつかの実施形態において、本発明の薬学的組成物は、
約0.2%(w/v)のHGF、
約20mMのクエン酸ナトリウム、
約200mMのプロリン、
約0.05%(w/v)のポリソルベート80(PS80)を含み、
組成物のpHは約6.0である。
【0104】
いくつかの実施形態において、本発明の薬学的組成物は、
約0.2%(w/v)のHGF、
約20mMのクエン酸ナトリウム、
約200mMのソルビトール、
約0.05%(w/v)のポリソルベート80(PS80)を含み、
組成物のpHは約6.0である。
【0105】
いくつかの実施形態において、本発明の薬学的組成物は、
約0.1%(w/v)のHGF、
約20mMのクエン酸ナトリウム、
約200mMのトレハロース、プロリン、またはソルビトール、
約0.05%(w/v)の界面活性剤を含み、
組成物のpHは約6.0であり、組成物のオスモル濃度は約350mOsm/kg HOである。
【0106】
いくつかの実施形態において、本発明の薬学的組成物は、
約0.1%(w/v)のHGF、
約20mMのクエン酸ナトリウム、
約200mMのトレハロース、
約0.05%(w/v)のポリソルベート80(PS80)を含み、
組成物のpHは約6.0であり、組成物のオスモル濃度は約350mOsm/kg HOである。
【0107】
いくつかの実施形態において、本発明の薬学的組成物は、
約0.1%(w/v)のHGF、
約20mMのクエン酸ナトリウム、
約200mMのプロリン、
約0.05%(w/v)のポリソルベート80(PS80)を含み、
組成物のpHは約6.0であり、組成物のオスモル濃度は約350mOsm/kg HOである。
【0108】
いくつかの実施形態において、本発明の薬学的組成物は、
約0.1%(w/v)のHGF、
約20mMのクエン酸ナトリウム、
約200mMのソルビトール、
約0.05%(w/v)のポリソルベート80(PS80)を含み、
組成物のpHは約6.0であり、組成物のオスモル濃度は約350mOsm/kg HOである。
【0109】
いくつかの実施形態において、本発明の薬学的組成物は、
約0.2%(w/v)のHGF、
約20mMのクエン酸ナトリウム、
約200mMのトレハロース、プロリン、またはソルビトール、
約0.05%(w/v)の界面活性剤を含み、
組成物のpHは約6.0であり、組成物のオスモル濃度は約450mOsm/kg HOである。
【0110】
いくつかの実施形態において、本発明の薬学的組成物は、
約0.2%(w/v)のHGF、
約20mMのクエン酸ナトリウム、
約200mMのトレハロース、
約0.05%(w/v)のポリソルベート80(PS80)を含み、
組成物のpHは約6.0であり、組成物のオスモル濃度は約450mOsm/kg HOである。
【0111】
いくつかの実施形態において、本発明の薬学的組成物は、
約0.2%(w/v)のHGF、
約20mMのクエン酸ナトリウム、
約200mMのプロリン、
約0.05%(w/v)のポリソルベート80(PS80)を含み、
組成物のpHは約6.0であり、組成物のオスモル濃度は約450mOsm/kg HOである。
【0112】
いくつかの実施形態において、本発明の薬学的組成物は、
約0.2%(w/v)のHGF、
約20mMのクエン酸ナトリウム、
約200mMのソルビトール、
約0.05%(w/v)のポリソルベート80(PS80)を含み、
組成物のpHは約6.0であり、組成物のオスモル濃度は約450mOsm/kg HOである。
【0113】
いくつかの実施形態において、HGFは、角膜実質透過性賦形剤と組み合わせて投与される。実質透過性賦形剤は、主に上皮を含む角膜層にわたる治療剤の送達を強化することができる化合物である(Moiseev et al.,2019,Pharmaceutics,11:321-354)。これらの化合物は、薬学的組成物に含まれ、眼に局所投与されると、涙液フィルム、粘液層または眼膜を修飾することができ、それによって治療剤の角膜透過性を増加させる。実質透過性賦形剤の非限定的な例としては、α-、β-及びγ-CDを含むシクロデキストリン(CD)、エチレンジアミン-N,N,N’,N’-四酢酸(EDTA)、エチレングリコール-ビス(ベータ-アミノエチル)-N,N,N’,N’-四酢酸(EGTA)、1,2-ビス(o-アミノフェノキシ)エタン-N,N,N’,N’-四酢酸(BAPTA)及びエチレンジアミン-N,N,N’,N’-ジスクシン酸(EDDS)などのキレート剤、クラウンエーテル、界面活性剤、胆汁酸及び胆汁塩、ならびに細胞透過性ペプチドが挙げられる。インビボ投与のためのHGFは無菌であることが好ましい。これは、滅菌濾過膜を介したHGFの水溶液の濾過によって容易に達成することができる。HGFまたはそのバリアントは、通常、凍結乾燥形態または溶液中で保存される。
【0114】
明確にするために、別個の実施形態の文脈において説明される本発明の特定の特徴もまた、単一の実施形態において組み合わせて提供され得ることが理解される。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈において説明される本発明の様々な特徴はまた、別個に、または任意の適切な下位の組み合わせで提供され得る。
【実施例
【0115】
実施例1:UniProtKB(uniprot.org/uniprot/P14210)で入手可能なヒトHGFアイソフォームのアミノ酸配列
配列番号1.Homo sapiens HGFアイソフォーム3のアミノ酸配列;(識別子:P14210-3、アクセッション番号NP_001010932.1)(dHGF)
MWVTKLLPALLLQHVLLHLLLLPIAIPYAEGQRKRRNTIHEFKKSAKTTLIKIDPALKIKTKKVNTADQCANRCTRNKGLPFTCKAFVFDKARKQCLWFPFNSMSSGVKKEFGHEFDLYENKDYIRNCIIGKGRSYKGTVSITKSGIKCQPWSSMIPHEHSYRGKDLQENYCRNPRGEEGGPWCFTSNPEVRYEVCDIPQCSEVECMTCNGESYRGLMDHTESGKICQRWDHQTPHRHKFLPERYPDKGFDDNYCRNPDGQPRPWCYTLDPHTRWEYCAIKTCADNTMNDTDVPLETTECIQGQGEGYRGTVNTIWNGIPCQRWDSQYPHEHDMTPENFKCKDLRENYCRNPDGSESPWCFTTDPNIRVGYCSQIPNCDMSHGQDCYRGNGKNYMGNLSQTRSGLTCSMWDKNMEDLHRHIFWEPDASKLNENYCRNPDDDAHGPWCYTGNPLIPWDYCPISRCEGDTTPTIVNLDHPVISCAKTKQLRVVNGIPTRTNIGWMVSLRYRNKHICGGSLIKESWVLTARQCFPSRDLKDYEAWLGIHDVHGRGDEKCKQVLNVSQLVYGPEGSDLVLMKLARPAVLDDFVSTIDLPNYGCTIPEKTSCSVYGWGYTGLINYDGLLRVAHLYIMGNEKCSQHHRGKVTLNESEICAGAEKIGSGPCEGDYGGPLVCEQHKMRMVLGVIVPGRGCAIPNRPGIFVRVAYYAKWIHKIILTYKVPQS
【0116】
配列番号2.Homo sapiens HGFアイソフォーム1のアミノ酸配列;(識別子:P14210-1、アクセッション番号:NP_000592.3)
MWVTKLLPALLLQHVLLHLLLLPIAIPYAEGQRKRRNTIHEFKKSAKTTLIKIDPALKIKTKKVNTADQCANRCTRNKGLPFTCKAFVFDKARKQCLWFPFNSMSSGVKKEFGHEFDLYENKDYIRNCIIGKGRSYKGTVSITKSGIKCQPWSSMIPHEHSFLPSSYRGKDLQENYCRNPRGEEGGPWCFTSNPEVRYEVCDIPQCSEVECMTCNGESYRGLMDHTESGKICQRWDHQTPHRHKFLPERYPDKGFDDNYCRNPDGQPRPWCYTLDPHTRWEYCAIKTCADNTMNDTDVPLETTECIQGQGEGYRGTVNTIWNGIPCQRWDSQYPHEHDMTPENFKCKDLRENYCRNPDGSESPWCFTTDPNIRVGYCSQIPNCDMSHGQDCYRGNGKNYMGNLSQTRSGLTCSMWDKNMEDLHRHIFWEPDASKLNENYCRNPDDDAHGPWCYTGNPLIPWDYCPISRCEGDTTPTIVNLDHPVISCAKTKQLRVVNGIPTRTNIGWMVSLRYRNKHICGGSLIKESWVLTARQCFPSRDLKDYEAWLGIHDVHGRGDEKCKQVLNVSQLVYGPEGSDLVLMKLARPAVLDDFVSTIDLPNYGCTIPEKTSCSVYGWGYTGLINYDGLLRVAHLYIMGNEKCSQHHRGKVTLNESEICAGAEKIGSGPCEGDYGGPLVCEQHKMRMVLGVIVPGRGCAIPNRPGIFVRVAYYAKWIHKIILTYKVPQS
【0117】
配列番号3.Homo sapiens HGFアイソフォーム2のアミノ酸配列(識別子:P14210-2、アクセッション番号:NP_001010931.1):
MWVTKLLPALLLQHVLLHLLLLPIAIPYAEGQRKRRNTIHEFKKSAKTTLIKIDPALKIKTKKVNTADQCANRCTRNKGLPFTCKAFVFDKARKQCLWFPFNSMSSGVKKEFGHEFDLYENKDYIRNCIIGKGRSYKGTVSITKSGIKCQPWSSMIPHEHSFLPSSYRGKDLQENYCRNPRGEEGGPWCFTSNPEVRYEVCDIPQCSEVECMTCNGESYRGLMDHTESGKICQRWDHQTPHRHKFLPERYPDKGFDDNYCRNPDGQPRPWCYTLDPHTRWEYCAIKTCET
【0118】
配列番号4.Homo sapiens HGFアイソフォーム4のアミノ酸配列(識別子:P14210-4):
MWVTKLLPALLLQHVLLHLLLLPIAIPYAEGQRKRRNTIHEFKKSAKTTLIKIDPALKIKTKKVNTADQCANRCTRNKGLPFTCKAFVFDKARKQCLWFPFNSMSSGVKKEFGHEFDLYENKDYIRNCIIGKGRSYKGTVSITKSGIKCQPWSSMIPHEHSFLPSSYRGKDLQENYCRNPRGEEGGPWCFTSNPEVRYEVCDIPQCSEVECMTCNGESYRGLMDHTESGKICQRWDHQTPHRHKFLPERYPDKGFDDNYCRNPDGQPRPWCYTLDPHTRWEYCAIKNMRDITWALN
【0119】
配列番号5.Homo sapiens HGFアイソフォーム5のアミノ酸配列(識別子:P14210-5、NP_001010933.1):
MWVTKLLPALLLQHVLLHLLLLPIAIPYAEGQRKRRNTIHEFKKSAKTTLIKIDPALKIKTKKVNTADQCANRCTRNKGLPFTCKAFVFDKARKQCLWFPFNSMSSGVKKEFGHEFDLYENKDYIRNCIIGKGRSYKGTVSITKSGIKCQPWSSMIPHEHSYRGKDLQENYCRNPRGEEGGPWCFTSNPEVRYEVCDIPQCSEVECMTCNGESYRGLMDHTESGKICQRWDHQTPHRHKFLPERYPDKGFDDNYCRNPDGQPRPWCYTLDPHTRWEYCAIKTCET
【0120】
配列番号6.Homo sapiens HGFアイソフォーム6のアミノ酸配列(識別子:P14210-6、NP_001010934.1):
MWVTKLLPALLLQHVLLHLLLLPIAIPYAEGQRKRRNTIHEFKKSAKTTLIKIDPALKIKTKKVNTADQCANRCTRNKGLPFTCKAFVFDKARKQCLWFPFNSMSSGVKKEFGHEFDLYENKDYIRNCIIGKGRSYKGTVSITKSGIKCQPWSSMIPHEHSFLPSSYRGKDLQENYCRNPRGEEGGPWCFTSNPEVRYEVCDIPQCSEGK
【0121】
配列番号7.HGFバリアント:
MWVTKLLPALLLQHVLLHLLLLPIAIPYAEGQRKRRNTIHEFKKSAKTTLIKIDPALEIK
TKKANTADQCANRCTRSKGLPFTCKAFVFDKARKRCLWFPFNSMSSGVKKEFGHEFDLYE
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LTYKVPQS
【0122】
配列番号8.HGFバリアント:
MWVTKLLPALLLQHVLLHLLLLPIAIPYAEGQRKRRNTIHEFKKSAKTTLIKIDPALKIK
TEKANTADQCANRCIRNKGLPFTCKAFVFDKARKRCLWFPVNSMSSGVKKEFGHEFDLYE
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LTYKVPQS
【0123】
配列番号9.HGFバリアント:
MWVTKLLPALLLQHVLLHLLLLPIAIPYAEGQRKRRNTIHEFKKSAKTTLIKIDPALKIK
TEKANTADQCANRCTRSKGLPFTCKAFVFDKARKRCLWFPFNSMSSGVKKEFGHEFDLYE
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【0124】
配列番号10.HGFバリアント:
MWVTKLLPALLLQHVLLHLLLLPIAIPYAKGQGKRRNTIHEFKKSAKTTLIKIDPALKIK
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【0125】
配列番号11.HGFバリアント:
MWVTKLLPALLLQHVLLHLLLLPIAIPYAEGQRKRRNAIHEFKKSAKATLIKIDPALKIK
TEKANTADQCANRCTRSKGLPFTCKAFVFDKARKRCLWFPFNSMSSGVKKEFGHEFDLYE
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LTYKVPQS
【0126】
配列番号12.HGFバリアント:
MWVTKLLPALLLQHVLLHLLLLPIAIPYAEGQRKRRNTIHEFKKSAKTTLIKIDPALKIK
TEKANTADQCANRCTRSKGLPFTCKAFVFDKARKRCLWFPFNSMSSGVKKEFGHEFDLYE
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【0127】
配列番号13.HGFバリアント:
MWVTKLLPALLLQHVLLHLLLLPIAIPYAEGQRKRRNTIHEFKKSAKTTLIKIDPALKIK
TKKVNTADQCANRCTRNKGLPFTCKAFVFDKARKQCLWFPFNSMSSGVKKEFGHEFDLYE
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【0128】
配列番号14.HGFバリアント:
MWVTKLLPALLLQHVLLHLLLLPIAIPYAEGQRKRRDAIHECKRSAKTTLIKIDPALKIK
TEKANTADQCANRCTRNKGLPSTCKAFVFDKARKRRLRFPFNSMSSGVKKEFGHEFDLYE
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【0129】
配列番号15.HGFバリアント:
MWVTKLLPALLLQHVLLHLLLLPIAIPYAEGQGKRRNTIHEFKKSAKTTLIKIDPALKIK
TEKVNTADQCANRCTRSKGLPFTCKAFVFDKARKRCLWFPFNSMSSGVKKEFGHEFDLYE
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【0130】
配列番号16.HGFバリアント:
MWVTKLLPALLLQHVLLHLLLLPIAIPHAEGQRKRRNTIHEFKKSAKTTLIKIDPALKIK
TEKANTADQCANRCTRSKGLPFTCKAFVFDKARKRCLWFPFNSMSSGVKKEFGHEFDLYE
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LTYKVPQS
【0131】
配列番号17.HGFバリアント:
MWVTKLLPALLLQHVLLHLLLLPIAIPYAEGQRKRRNTIHEFKKSAKTTLIKIDPALKIK
TEKANTADQCANRCTRSRGLPFTCKAFVFDKARKQCLWFPFNSMSSGVKKEFGHEFDLYE
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NYGCTIPEKTSCSVYGWGYTGLINYDGLLRVAHLYIMGNEKCSQHHRGKVTLNESEICAG
AEKIGSGPCEGDYGGPLVCEQHKMRMVLGVIVPGRGCAIPNRPGIFVRVAYYAKWIHKII
LTYKVPQS
【0132】
配列番号18.HGFバリアント:
MWVTKLLPALLLQHVLLHLLLLPIAIPYAEGQRKRRNTIHEFKKSAKTTLIKIDPALKIK
TEKANTADQCANRCTRNKGLPFTCKAFVFDKARKRCLWFPFNSMSSGVKKEFGHEFDLYE
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RGEEGGPWCYTSDPEVRYEVCDIPQCSEVECMTCNGESYRGLMDHTESGKICQRWDHQTP
HRHKFLPERYPDKGFDDNYCRNPDGQPRPWCYTLDPHTRWEYCAIKTCADNTMNDTDVPL
ETTECIQGQGEGYRGTVNTIWNGIPCQRWDSQYPHEHDMTPENFKCKDLRENYCRNPDGS
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AEKIGSGPCEGDYGGPLVCEQHKMRMVLGVIVPGRGCAIPNRPGIFVRVAYYAKWIHKII
LTYKVPQS
【0133】
配列番号19.HGFバリアント:
MWVTKLLPALLLQHVLLHLLLLPIAIPYAEGQRKRRNTIHEFKKSVKTTLIKIDPALKIK
TEKANTADQCANRCTRSKGLPFTCKAFVFDKARKRCLWFPVNSMSSGVKKESGHEFDLYE
NKDYIRDCIVGNGRSYRGTVSTTKSGIKCQPWSAMIPHEHSFLPSSYRGEDLRENYCRNP
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HRHKFLPERYPDKGFDDNYCRNPDGQPRPWCYTLDPHTRWEYCAIKTCADNTMNDTDVPL
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DLHRHIFWEPDASKLNENYCRNPDDDAHGPWCYTGNPLIPWDYCPISRCEGDTTPTIVNL
DHPVISCAKTKQLRVVNGIPTRTNIGWMVSLRYRNKHICGGSLIKESWVLTARQCFPSRD
LKDYEAWLGIHDVHGRGDEKCKQVLNVSQLVYGPEGSDLVLMKLARPAVLDDFVSTIDLP
NYGCTIPEKTSCSVYGWGYTGLINYDGLLRVAHLYIMGNEKCSQHHRGKVTLNESEICAG
AEKIGSGPCEGDYGGPLVCEQHKMRMVLGVIVPGRGCAIPNRPGIFVRVAYYAKWIHKII
LTYKVPQS
【0134】
配列番号20.HGFバリアント:
MWVTKLLPALLLQHVLLHLLLLPIAIPYAEGQRKRRNTIHEFKKSAKTTLIKIDPALKIK
TEKANTADQCANRCTRSKGLPFTCKAFVFDKARKRCLWFPFNSMSSGVKKEFGHEFDLYE
NKDYIRDCIVGNGRSYRGTVSITKSGIKCQPWSSMIPHEHSFLPSSYRGEDLRENYCRNP
WGEEGGPWCYTSDPEVRYEVCDIPQCSEVECMTCNGESYRGLMDHTESGKICQRWDHQTP
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ETTECIQGQGEGYRGTVNTIWNGIPCQRWDSQYPHEHDMTPENFKCKDLRENYCRNPDGS
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DLHRHIFWEPDASKLNENYCRNPDDDAHGPWCYTGNPLIPWDYCPISRCEGDTTPTIVNL
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LTYKVPQS
【0135】
配列番号21.HGFバリアント:
MWVTKLLPALLLQHVLLHLLLLPIAIPYAEGQRKRRNTIHEFKKSAKTTLIKIDPALRIK
TEKANTADQCANRCTRSRGLPFTCKAFVFDKARKRCLWFPFNSMSSGVKKEFGHEFDLYE
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HRHKFLPERYPDKGFDDNYCRNPDGQPRPWCYTLDPHTRWEYCAIKTCADNTMNDTDVPL
ETTECIQGQGEGYRGTVNTIWNGIPCQRWDSQYPHEHDMTPENFKCKDLRENYCRNPDGS
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DLHRHIFWEPDASKLNENYCRNPDDDAHGPWCYTGNPLIPWDYCPISRCEGDTTPTIVNL
DHPVISCAKTKQLRVVNGIPTRTNIGWMVSLRYRNKHICGGSLIKESWVLTARQCFPSRD
LKDYEAWLGIHDVHGRGDEKCKQVLNVSQLVYGPEGSDLVLMKLARPAVLDDFVSTIDLP
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AEKIGSGPCEGDYGGPLVCEQHKMRMVLGVIVPGRGCAIPNRPGIFVRVAYYAKWIHKII
LTYKVPQS
【0136】
配列番号22.HGFバリアント:
MWVTKLLPALLLQHVLLHLLLLPIAIPYAEGQRKRRNTIHEFKKSAKTTLIKIDPALKIK
TEKANTADQCANRCTRSRRLPFTCKAFVFDKARKRCLWFPFNSMSSGVKKEFGHEFDLYE
NKDYIRDCIIGKGRSYRGTVSVTKSGIECQPWSAMIPHEHSFLPSNYRGEDLRENYCRNP
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ETTECIQGQGEGYRGTVNTIWNGIPCQRWDSQYPHEHDMTPENFKCKDLRENYCRNPDGS
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DHPVISCAKTKQLRVVNGIPTRTNIGWMVSLRYRNKHICGGSLIKESWVLTARQCFPSRD
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LTYKVPQS
【0137】
配列番号23.HGFバリアント:
MWVTKLLPALLLQHVLLHLLLLPIAIPYAEGQRKRRNTIHEFKKSAKTTLIKIDPALKIK
TEKANTADQCANRCTRSKGLPFTCKAFVFDKARKRCLWFPFNSMSSGVKKEFGHEFDLYE
NKDYIRDCIVGNGRSYRGTVSITKSGIECQPWSAMIPHEHSFLPSSYRGEDLRENYCRNP
RGEEGGPWCYTSDPEVRYEVCDIPQCSEVECMTCNGESYRGLMDHTESGKICQRWDHQTP
HRHKFLPERYPDKGFDDNYCRNPDGQPRPWCYTLDPHTRWEYCAIKTCADNTMNDTDVPL
ETTECIQGQGEGYRGTVNTIWNGIPCQRWDSQYPHEHDMTPENFKCKDLRENYCRNPDGS
ESPWCFTTDPNIRVGYCSQIPNCDMSHGQDCYRGNGKNYMGNLSQTRSGLTCSMWDKNME
DLHRHIFWEPDASKLNENYCRNPDDDAHGPWCYTGNPLIPWDYCPISRCEGDTTPTIVNL
DHPVISCAKTKQLRVVNGIPTRTNIGWMVSLRYRNKHICGGSLIKESWVLTARQCFPSRD
LKDYEAWLGIHDVHGRGDEKCKQVLNVSQLVYGPEGSDLVLMKLARPAVLDDFVSTIDLP
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AEKIGSGPCEGDYGGPLVCEQHKMRMVLGVIVPGRGCAIPNRPGIFVRVAYYAKWIHKII
LTYKVPQS
【0138】
配列番号24.HGFバリアント:
MWVTKLLPALLLQHVLLHLLLLPIAIPYAEGQRKRRNTIHEFKKSAKTTLIKIDPALKIK
TKKVDTADQCANRCTRNKGLPFTCKAFVFDKARKRCLWFPFNSMSSGVKKEFGHEFDLYE
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DLHRHIFWEPDASKLNENYCRNPDDDAHGPWCYTGNPLIPWDYCPISRCEGDTTPTIVNL
DHPVISCAKTKQLRVVNGIPTRTNIGWMVSLRYRNKHICGGSLIKESWVLTARQCFPSRD
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LTYKVPQS
【0139】
配列番号25.HGFバリアント:
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NKAYIRDCIIGRGRNYRGTVSITKSGIKCQPWSAMIPHEHSFLPSSYRGEDLRENYCRNP
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AEKIGSGPCEGDYGGPLVCEQHKMRMVLGVIVPGRGCAIPNRPGIFVRVAYYAKWIHKII
LTYKVPQS
【0140】
配列番号26.HGFバリアント:
MWVTKLLPALLLQHVLLHLLLLPIAIPYAKGQRKRRNTIHEFKKSAKTTLIKIDPALEIK
TEKVNTADQCANRCIRNKGLPFTCKAFVFDKARKRCLWFPFNSMSSGVKKEFGHEFDLYE
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ETTECIQGQGEGYRGTVNTIWNGIPCQRWDSQYPHEHDMTPENFKCKDLRENYCRNPDGS
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DHPVISCAKTKQLRVVNGIPTRTNIGWMVSLRYRNKHICGGSLIKESWVLTARQCFPSRD
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LTYKVPQS
【0141】
配列番号27.HGFバリアント:
MWVTKLLPALLLQHVLLHLLLLPIAIPYAEGQGKRRNTIHEFKKSAKTTLIKIDPALKIK
TEKVNTADQCANRCTRSKGLPFTCKAFVFDKARKRCLWFPFNSMSSGVKKEFGHEFDLYE
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HRHKFLPERYPDKGFDDNYCRNPDGQPRPWCYTLDPHTRWEYCAIKTCADNTMNDTDVPL
ETTECIQGQGEGYRGTVNTIWNGIPCQRWDSQYPHEHDMTPENFKCKDLRENYCRNPDGS
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DLHRHIFWEPDASKLNENYCRNPDDDAHGPWCYTGNPLIPWDYCPISRCEGDTTPTIVNL
DHPVISCAKTKQLRVVNGIPTRTNIGWMVSLRYRNKHICGGSLIKESWVLTARQCFPSRD
LKDYEAWLGIHDVHGRGDEKCKQVLNVSQLVYGPEGSDLVLMKLARPAVLDDFVSTIDLP
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LTYKVPQS
【0142】
配列番号28.FGF1野生型:
FNLPPGNYKKPKLLYCSNGGHFLRILPDGTVDGTRDRSDQHIQLQLSAESVGEVYIKSTE
TGQYLAMDTDGLLYGSQTPNEECLFLERLEENHYNTYISKKHAEKNWFVGLKKNGSCKRG
PRTHYGQKAILFLPLPVSSD
【0143】
配列番号29.FGF1バリアント:
FNLPPGNYKKPKLLYCSNGGHFLRILPNGTVDGTRDRSDQHIQLQLSAESVGEVYIKSTE
TGQYLAMDTDGLLYGSQTPNEECLFLERLEENHYNTYISKKHAEKNWFVGLKKNGSCKRG
PRTHYGQKAIRFLPLPVSSD
【0144】
配列番号30.FGF1バリアント:
FNLPPGNYKKPKLLYCSNGGHFLRILPDGTVDGTRDRSDPHIQLQLIAESVGEVYIKSTE
TGQYLAMDTDGLLYGSQTPNEECLFLERLEENGYNTYISKKHAEKNWFVGLKKNGSCKRG
PRTHYGQKAILFLPLPVSSD
【0145】
配列番号31.FGF1バリアント:
FNLPPGNYKKPKLLYCSNGGHFLRILPNGTVDGTRDRSDPHIQLQLIAESVGEVYIKSTE
TGQYLAMDTDGLLYGSQTPNEECLFLERLEENGYNTYISKKHAEKNWFVGLKKNGSCKRG
PRTHYGQKAIRFLPLPVSSD
【0146】
配列番号32.FGF1バリアント:
FNLPPGNYKKPKLLYCSNGGHFLRILPDGTVDGTRDRSDQHIQLQLSAESVGEVYIKSTE
TGQYLAMDTDGLLYGSQTPNEECLFLERLEENHYNTYISKKHAEKNWFVGLKKNGSCKRG
PRTHYGQKAIRFLPLPVSSD
【0147】
配列番号33.FGF1バリアント:
FNLPPGNYKKPKLLYCSNGGHFLRILPDGTVDGTRDRSDQHIQLQLSAESVGEVYIKSTE
TGQYLAMDTDGLLYGSQTPNEECLFLERLEENHYNTYISKKHAEKNWFVGLKKNGSCKRG
PRTHYGQKAIKFLPLPVSSD
【0148】
配列番号34 配列番号1のシグナルペプチド
MWVTKLLPALLLQHVLLHLLLLPIAIPYAEG
【0149】
配列番号35 配列番号1の非切断アルファ及びベータ鎖ペプチド
QRKRRNTIHEFKKSAKTTLIKIDPALKIKTKKVNTADQCANRCTRNKGLPFTCKAFVFDKARKQCLWFPFNSMSSGVKKEFGHEFDLYENKDYIRNCIIGKGRSYKGTVSITKSGIKCQPWSSMIPHEHSYRGKDLQENYCRNPRGEEGGPWCFTSNPEVRYEVCDIPQCSEVECMTCNGESYRGLMDHTESGKICQRWDHQTPHRHKFLPERYPDKGFDDNYCRNPDGQPRPWCYTLDPHTRWEYCAIKTCADNTMNDTDVPLETTECIQGQGEGYRGTVNTIWNGIPCQRWDSQYPHEHDMTPENFKCKDLRENYCRNPDGSESPWCFTTDPNIRVGYCSQIPNCDMSHGQDCYRGNGKNYMGNLSQTRSGLTCSMWDKNMEDLHRHIFWEPDASKLNENYCRNPDDDAHGPWCYTGNPLIPWDYCPISRCEGDTTPTIVNLDHPVISCAKTKQLRVVNGIPTRTNIGWMVSLRYRNKHICGGSLIKESWVLTARQCFPSRDLKDYEAWLGIHDVHGRGDEKCKQVLNVSQLVYGPEGSDLVLMKLARPAVLDDFVSTIDLPNYGCTIPEKTSCSVYGWGYTGLINYDGLLRVAHLYIMGNEKCSQHHRGKVTLNESEICAGAEKIGSGPCEGDYGGPLVCEQHKMRMVLGVIVPGRGCAIPNRPGIFVRVAYYAKWIHKIILTYKVPQS
【0150】
配列番号36 配列番号1のアルファ鎖ペプチド
QRKRRNTIHEFKKSAKTTLIKIDPALKIKTKKVNTADQCANRCTRNKGLPFTCKAFVFDKARKQCLWFPFNSMSSGVKKEFGHEFDLYENKDYIRNCIIGKGRSYKGTVSITKSGIKCQPWSSMIPHEHSYRGKDLQENYCRNPRGEEGGPWCFTSNPEVRYEVCDIPQCSEVECMTCNGESYRGLMDHTESGKICQRWDHQTPHRHKFLPERYPDKGFDDNYCRNPDGQPRPWCYTLDPHTRWEYCAIKTCADNTMNDTDVPLETTECIQGQGEGYRGTVNTIWNGIPCQRWDSQYPHEHDMTPENFKCKDLRENYCRNPDGSESPWCFTTDPNIRVGYCSQIPNCDMSHGQDCYRGNGKNYMGNLSQTRSGLTCSMWDKNMEDLHRHIFWEPDASKLNENYCRNPDDDAHGPWCYTGNPLIPWDYCPISRCEGDTTPTIVNLDHPVISCAKTKQLR
【0151】
配列番号37 配列番号1のベータ鎖ペプチド
VVNGIPTRTNIGWMVSLRYRNKHICGGSLIKESWVLTARQCFPSRDLKDYEAWLGIHDVHGRGDEKCKQVLNVSQLVYGPEGSDLVLMKLARPAVLDDFVSTIDLPNYGCTIPEKTSCSVYGWGYTGLINYDGLLRVAHLYIMGNEKCSQHHRGKVTLNESEICAGAEKIGSGPCEGDYGGPLVCEQHKMRMVLGVIVPGRGCAIPNRPGIFVRVAYYAKWIHKIILTYKVPQS
【0152】
実施例2:製剤
実験設計(DoE)研究を実施して、溶液製剤中のHGFの凝集を防止し、最高の物理化学的安定性を維持することができる最適なpH、緩衝液及び安定剤を特定した。HGFタンパク質(配列番号1からの活性化dHGF)を、10mMのクエン酸塩、1M NaCl、0.075% PS80、pH6.0中、34.67mg/mLで製剤化し、アミコン-15濃縮器ユニット(10kDaのMWCO)を使用して、1mg/mLの濃度まで表3に列挙される製剤に緩衝液交換した。340μLの体積の34.67mg/mLの溶液を(適切な緩衝液を用いて)予め洗い流した濃縮器に加え、(界面活性剤を含まない)適切な製剤緩衝液中で15mLに希釈した。試料を、約5mLの体積が達成されるまで3200rcfで遠心分離し、次いで、適切な製剤緩衝液で約15mLの総体積まで再度希釈した。この緩衝液交換プロセスを約3610倍の総希釈で5サイクル繰り返した。最終遠心分離サイクルで試料量を約7mLまで減らした。最悪の場合の回収率を約60%と仮定すると、各試料の最終タンパク質濃度は約1mg/mLであり、PS80の推定残留濃度は約0.004%であった。
【0153】
消光係数1.890mL mg-1cm-1を使用して、緩衝液交換した試料をUV可視分光法によってタンパク質含有量について分析した。試料を、必要に応じて適切な製剤緩衝液を使用して標的1mg/mLに正規化し、HGF製剤中の10% PS80(w/v、USPグレードPS80、カタログ番号4117-04 J.T.Bakerまたは同等物から調製した)を0.05% PS80の標的濃度まで添加した。PS80の残留レベルは、スパイクPS80の量と比較して最小であったため、緩衝液交換プロセスの終了時の理論的残留PS80レベル(約0.004%)は考慮しなかった。
【0154】
タンパク質含有量及び界面活性剤濃度の正規化後、製剤を0.22μmの滅菌濃縮器(Millipore Ultrafree-CL GV、P/N UFC40GV0S)を使用して滅菌濾過した。各製剤を、6つの滅菌されたタイプ1のホウケイ酸ガラスバイアル(2mL、13mm、カタログ番号RTF8418、Afton)に、バイアルあたり1.0mLで滅菌濾過した。残りの試料量を1mLのLDPEチューブ(カタログ番号03-439-61W Fisher)に移し、分析試験のための初期時点対照(T0)として使用した。中心点製剤については、T0試験バイアルから200μLを1mLのLDPEチューブ(カタログ番号03-439-61W Fisher)に移し、以下に記載するように吸着研究のために使用した。試料移送手順及び滅菌濾過手順は、無菌技術を使用して滅菌されたバイオセーフティキャビネット内で行った。バイアルは、滅菌したFluorotecストッパーでふさぎ、ボタン付きの13FOアルミニウムキャップでキャップした。各製剤タイプの2つのバイアルを以下の保管条件、2~8℃で4週間、40℃で4週間にて保管した。試料の外観は、目視検査によって色、透明度、及び粒子について評価した。タンパク質の熱安定性をDSF/SLSによって評価した。さらに、340nm波長での吸収を測定することにより、UV可視分光法を使用して濁度測定を実施した。タンパク質のコンフォメーション安定性及び凝集安定性を、DLS及びSEC-HPLCによって、それぞれ決定した。試料を、還元及び非還元キャピラリーゲル電気泳動(CE-SDS)及び等電点(icIEF)ゲル電気泳動を使用してさらに分析した。粒子状物質の存在を、試料中の>2μm、≧5μm、≧10μm、及び≧25μmの平均粒子数を報告したHIAC粒子カウンタを使用して評価した。全てのDoE分析を無作為化された順序で行った。全てのDoE製剤のT0及び安定性時点からのデータを、Design Expert Stat Ease(登録商標)ソフトウェアを使用して評価して、統計的に有意な傾向を導出した。
【0155】
非特異的HGFタンパク質のLDPE容器表面への吸収を評価するための吸着研究
LDPEチューブ中の試料を2~8℃で少なくとも5日間保管した。280nmでのUV吸光度(A280)によって決定されるようなタンパク質含有量を、これらの試料について5日間の保管後に測定し、値をT0での対応する結果と比較して、タンパク質のLDPE容器材料への吸着があったかどうかを決定した。LDPE容器に保管するときに最小限のタンパク質吸着が観察され、5日後に測定されたHGF濃度の%差は、HGFタンパク質濃度の8%低下が観察されたスクロース及びアラニンを含む製剤を除き、試験した製剤の大部分において4%未満である(表3)。この研究からの結果は、HGF製剤のための実行可能な容器としてのLDPEチューブの使用を支持する。
【表3】
【0156】
結果
一般に、40℃または5℃で1ヶ月間保管すると、6.0~6.5のより高いpH範囲で製剤においてより低い濁度が観察された(表4)。200mM トレハロースを含む製剤は、5.0~6.5のpH範囲にわたって低い濁度(0.01未満)を示し、pH6.0で200mM トレハロースを含む製剤は、40℃で1ヶ月間保管すると最低の濁度を示した。
【表4】
【0157】
HIACを使用して検出されたように、5℃または40℃で1ヶ月間保管する際の粒子状物質の存在を、いくつかの製剤で観察した(表5)。pH5.0で200mM ソルビトール、200mM プロリンまたは200mM トレハロース、またはpH6.0で200mM トレハロースまたは0.08% グリシンを含む製剤は、最も低い粒子計数を示した。しかしながら、表4に示される濁度データを含む他の分析データは、pH6.0でのHGFタンパク質の全体的な安定性の向上を指摘し、200mM トレハロース及び0.08% グリシン製剤のみが保管時に低い粒子計数を示した。
【表5】
【0158】
還元キャピラリーゲル電気泳動(R-CE-SDS)を使用して、異なる製剤におけるHGFタンパク質の化学的安定性をさらに評価した。HGFは、ジスルフィド結合を介して連結されるα及びβ鎖を含むヘテロ二量体である。還元条件下では、2つのピークが電気泳動図に存在し(表6の%メインピーク1及び%メインピーク2)、「%その他」で標識されたカラムは、HGFタンパク質の潜在的な分解産物を表す。表6に示すように、pH6.0のHGF製剤は、一般に、40℃及び5℃の両方で長期保管中により良好な化学的安定性を示し、pH6.0で200mM トレハロースまたは200mM プロリンを含む製剤で最も高い%の総メインピークが観察された。粒子計数及び濁度に関して良好な安定性を示した0.08%グリシンを含むHGF製剤は、R-CE-SDSによって明らかにされたように、貧弱な化学的安定性を有することが判明した。
【表6】
【0159】
実施例3:相対効力を決定するためのバイオアッセイ
実施例2に記載の製剤開発実験で同定されたように最良の全体的な属性を示した製剤を、形質転換増殖因子ベータ(TGF-β)の存在下で、Mv.1.Lu細胞(アメリカミンク肺細胞株)を用いた細胞増殖促進活性効力アッセイを使用して相対効力についてさらに評価した。TGF-βは、Mv.1.Lu細胞における細胞増殖を阻害し、本明細書に記載のHGF製剤は、この増殖阻害を逆転させることができる。Mv.1.Lu細胞を解凍し、細胞ストックの生存能をトリパンブルー染色によって評価した。生存細胞密度の決定後、初回培養のために適切な数の細胞をフラスコに移した。細胞を連続的に増殖させ、試料分析のためにプレートする前に組織培養フラスコ中で拡大させた。
【0160】
各参照標準及び各試験試料をアッセイ培地で希釈し、8点希釈曲線を生成した。各試験試料の効力は、試験試料によって生成された希釈曲線の参照標準との比較によって決定した。
組織培養フラスコから培養した細胞をトリプシン処理し、アッセイ培地(250pg/mLのTGF-βを含有)中で約0.1×10細胞/mLに再懸濁した。50マイクロリットルの細胞懸濁液を96ウェルプレートの各ウェルにプレートした。培養細胞を含有する96ウェルプレートを37℃/5% COで1~4時間インキュベートした後、参照標準及び試験試料を添加した。試験試料及び参照標準を3連で別個のウェルに添加し、細胞を72時間インキュベートした。
【0161】
インキュベーション後、MTS増殖試薬(Promega,カタログ番号G3582)または同等物を各ウェルに添加し、96ウェルプレートを37℃/5% COで4時間インキュベートした。このインキュベーション後、プレートをUV-Visプレートリーダーに配置し、吸光度を490nmで測定した。各参照標準及び試験試料を3連で分析し、効力を平行線評価によって決定した。各試料を、4パラメータの制約適合によって参照標準と比較して、相対効力を決定した。
【0162】
試験試料(TS)合格基準:
1.TS独立4パラメータ曲線適合は、平均応答対logタンパク質濃度をプロットするときに用量依存関係を示さなければならない。
2.TS独立4パラメータ適合のR値は≧0.97でなければならない。
3.TSの全ての%CV値は≦20%でなければならない。
4.システム適合性試料の効力は、グローバルフィットモデルを使用して決定され、各TSのF確率は≧0.01でなければならない
5.上記の判断基準の全てに合格しない試験試料は、同じ条件下で再試験される。
6.上記の判断基準のいずれにも合格しないアッセイプレートは、同じ条件で1回再テストしなければならない。
7.標準試料(SS)の%RPは、50%~200%の範囲内でなければならない。
【0163】
選択された製剤のインビトロ相対効力バイオアッセイからの結果が、表7に要約される。pH6.0で200mM トレハロースを含むHGF溶液製剤は、HGFタンパク質に対しても優れた効力を維持すること(99%)が確認された。
【表7】
【0164】
実施例4:マウス角膜機械的損傷モデルにおける局所製剤の有効性
NKの治療における使用のためのHGFの局所製剤の有効性を、マウス角膜損傷モデルで試験した。有効性試験を、雄のC57BL/6マウスを使用して2相で実施した。第I相では、ピペットを介して3.5μLの体積の試験試料を使用して、75匹の動物のそれぞれにつき1つの眼に1日4回(QID)、0日目(損傷)の用量の間に2時間、及び研究の残りの用量(8日目)の間に3時間投与した。損傷に応答しなかった(すなわち、3日目に角膜混濁/不透明感がなかった)動物(約10~20%)を研究から除外した。第1相研究の実験設計を以下の表8に要約する。
【表8】



【表9】
【0165】
有効性研究の第2相では、85匹の動物を、1日4回(QID)、11日目(損傷)の用量の間に2時間、及び試験の残りの用量(20日目)の間に3時間、被験試料の3.5μL体積で、損傷した角膜に投与した。最初の処置適用時(11日目)に、角膜の不透明領域(1mm穿孔器でマークされている)にAlgerbrushの先端を穏やかに適用することによって、角膜上皮を除去した。角膜上皮を16日目で2回目に除去した。第2相の研究設計を以下の表10に要約する。
【表10】
【0166】
角膜損傷(第1相及び第2相):
モデル導入の前に、試験対象に、0.01~0.05mg/kgのブプレノルフィンを皮下投与した。動物にはまた、トロピカミド(1.0%)及びフェニレフリン(2.5%)のカクテルを局所的に投与して、眼を拡張及び突出化した。次いで、動物をケタミン/キシラジンカクテル、及び1滴の0.5%プロパラカインHClで外科的処置のために鎮静化した。動物の眼を突出化させるために鉗子(例えば、Dumont#4)を使用し、軽度の圧力を用いて、2mmの穿孔器を中心角膜の上に配置した。穿孔器を、穏やかな圧力で丸々3時間回転させて、欠陥領域を画定した。0.5mmバリを有するAlgerbrush II(Alger Company Inc.,Lago Vista,TX)を使用して、穿孔器領域内の角膜上皮及び前部実質を除去した。損傷した実質は、実質破片の出現によって特徴付けられた。平衡塩生理食塩水(BSS)で洗浄することによって、実質破片を除去した。動物を、光学コヒーレンス断層撮影(OCT)によって走査し、損傷した眼に第1の用量の処置を適用する前にフルオレセイン染色した。局所抗生物質(Ofloxacin)を15分後に適用し、動物を手術から正常に回復させた。動物は、術後約6~8時間皮下投与で0.01~0.05mg/kgのブプレノルフィンの2回目の用量を受け、術後2日間、6~8時間毎に1日2回投与した。
【0167】
角膜損傷(上皮除去、第2相のみ):
第2相の開始前に、第1相について上述したように、初期損傷後の上皮擦過の最適な回数を決定するためにパイロット研究を行った。所望のモデル導入には、2回の擦過で十分であった。第2相の開始時に、動物に、0.01~0.05mg/kgのブプレノルフィンを皮下投与した。動物にはまた、トロピカミド(1.0%)及びフェニルフェリン(2.5%)のカクテルを局所的に投与して、眼を拡張及び突出化した。次いで、動物をケタミン/キシラジンカクテルで外科的処置のために鎮静化し、1滴の0.5%プロパラカインHClを適用した。0日目に、動物は、第1相のための上記のような外科的処置を受けた。最初の損傷及び瘢痕形成の後の11日目及び16日目に、鉗子(例えば、Dumont#4)を使用して動物の眼を突出化させ、軽度の圧力を用いて、1mmの穿孔器を角膜の瘢痕領域の上に配置した。穿孔器を、穏やかな圧力で丸々3時間回転させて、欠陥領域を画定した。0.5mmバリを有するAlgerbrush II(Alger Company Inc.,Lago Vista,TX)を使用して、穿孔器領域内の角膜上皮を除去した。次いで、眼表面をBSSで洗浄した。動物を、損傷した眼に第1の用量の処置を適用する前に、光学コヒーレンス断層撮影(OCT)、フルオレセイン染色、及び写真撮影によって走査した。15分後に局所抗生物質(Ofloxacin)を塗布し、動物を手術から正常に回復させた。動物は、術後約6~8時間皮下投与で0.01~0.05mg/kgのブプレノルフィンを2用量投与し、術後2日間、6~8時間毎に1日2回(BID)投与した。
【0168】
モニタリングされたパラメータ:
(i)検査及び体重:
死亡率及び罹患率は、ケージ側の観察とともに1日2回観察し、両眼に特に注意を払った。投与及びイメージングのための本研究の第1相中のかなりの量の取り扱いのために、n=18匹の動物が死亡したか(群1:4匹のマウス、群2:3匹のマウス、群3:3匹のマウス、群4:3匹のマウス、群5:5匹のマウス)、または研究終了前に安楽死させられた。第2相のパイロット期間中、死亡したマウスはいなかった。第2相では、イメージングセッションの数が減少し、n=3匹のマウスのみが死亡した(グループ1:1マウス、グループ2:1マウス、グループ4:1マウス)。モデル導入前及び剖検時に体重を測定した。
【0169】
(ii)眼の検査及び明視野画像:
ベースライン眼表面形態は、登録前に、スリットランプ生体顕微鏡下で獣医眼科医によって評価された。研究設計に示されているように、ベースラインにおいて、及び日々の画像Jソフトウェアを使用して角膜不透明度の分析のために明視野画像を取得した。
【0170】
(iii)フルオレセイン染色:
実験設計表に示される時点で、動物はフルオレセイン眼表面染色を受けた。約1.5μlの2.5%フルオレセインナトリウムを角膜表面に30秒間塗布し、続いて1mlのシリンジを使用して1×PBSですすいだ。角膜染色は、三脚に取り付けられたニコンデジタルSLRカメラを使用して、コバルトブルー光の下で撮影された。カメラレンズを手動モードに配置し、レンズを1フィート離して設置した。動物の眼を表示窓の中央にフォーカスさせ、カメラレンズと動物の眼との間の一貫した距離を維持するために画像を収集した。各時点における各眼のフルオレセイン染色の面積(ピクセル単位)を、Image J Software(NIH)を使用して決定した。
【0171】
(iv)光学コヒーレンス断層撮影(OCT):
実験設計表によって示される日に、全ての動物は、眼の前部のOCTイメージング手順を受けた。動物を麻酔し、角膜をOCT検査の前にPBSで洗浄した。
【0172】
(v)組織学(第1相のみ):
3日目に、最終的な生存中の測定に続いて、動物のサブセットを、二酸化炭素窒息、続いて胸部切開によって人道的に安楽死させた。動物の外科的眼を10%中性緩衝ホルマリンに採取した。翌日、眼を70%エタノール中に配置し、パラフィンワックス中に包埋し、矢状に切断した。視神経を含む連続切片を含む3つのスライドを、形態分析のためにヘモトキシリン及びエオシン(H&E)で染色した。さらに、H&E後に残ったブロックをさらに切片化し、TUJ-1染色(ベータIIIチューブリンとしても知られる)のための免疫組織化学を行い、角膜神経支配を評価した。DAPI(青色)を対比染色として使用して、全ての核をハイライトした。スライドを獣医眼科医によって分析した。
【0173】
(vii)結果:
1)加速治癒(フルオレセイン染色)
0.1% dHGFで処置した動物からの術後3日目の組織試料において、PBSビヒクルで処置した動物と比較して、より多くのTUJ01染色が観察され(図1)、これは、0.1% dHGFで処置した動物における角膜神経支配を示す。上皮治癒時間は、PBS対照及び0.1% mNGFと比較して、0.1% dHGF(p=0.041)及び0.2% dHGFでより速かった(図2)。50%の眼が完全に治癒するまでの時間は、0.1% dHGF群では3日間であり、これはPBS群(6日、p=0.41)の半分の時間であった。0.2% dHGF群及び0.1% mHGF群の両方が、PBS群の3分の2の速度で治癒した(4日間対6日間)。さらに、0.1% mHGFは、mNGF(p=0.053)及びPBS(p=0.0018)よりも有意に速かった。0.1% dHGFを受容した動物は、より早く閉鎖を開始し、>75%が処置後4日目までに閉鎖に達し、0.1% mHGFについても同様の効果が見られた(図2)。これと比較して、PBS処置動物の50%のみが完全な創傷閉鎖に到達し、6日目まで到達しなかった。
【0174】
2)瘢痕予防(明視野画像分析)
手術、及びPBS(対照)、0.1%または0.2% dHGF、0.1% mNGFまたは0.1% mHGFによる日々の処置後、PBS対照を除く全ての被験試料は、7日目までに平均瘢痕サイズを効果的に減少させた(図3)。瘢痕形成に対する被験試料の効果の定量化は、0.1% mHGFが最大の効果を有し、0.1% dHGFが続いたことを明らかにした。dHGF群では、PBS対照よりも瘢痕が有意に小さかったが(それぞれ、0.1%群ではp=0.0439、0.2%群ではp=0.0126)、互いに有意差はなかった(p=0.7406)。0.1% mHGF群の瘢痕の平均面積は、対照群(p=0.0001)及び0.1% mNGF(p=0.0029)よりも7日目で有意に小さかった。対照群及び0.1% mNGF群における瘢痕の平均サイズは、互いに有意差はなかった(p=0.2481)。
【0175】
HGFによって駆動される効果サイズは、閉鎖までの時間分析に反映される(セクションvii.1を参照されたい)。0.1% mHGFによる瘢痕形成の減少は、対照群で観察されたものより約9倍大きかったが、0.1%及び0.2% dHGFによるパーセント減少は、対照より5倍以上大きかった。0.1% mNGFによるパーセント減少は、dHGF群の約半分であり、PBS対照群よりも数値的には瘢痕サイズの低下が大きかったが、統計的に有意ではなかった。
【0176】
3)傷跡反転(明視野画像分析)
角膜上皮及び前部実質を除去するための手術、ならびに上皮のみを除去するための2回の反復擦過の後、PBS処置動物は、0.1% dHGF、0.2% dHGFまたは0.1% mHGFを受けた動物は、角膜瘢痕サイズが減少したが、瘢痕サイズにほとんど変化がなかった。PBS対照群では、平均瘢痕サイズは、ベースライン(8日目)から21日目まで20%を超えて増加し続けた。対照的に、3つのHGF群の瘢痕のサイズは、ベースラインから21日目までに35%以上減少し、PBS群と比較して平均サイズの全体的な差は55%であった。図4に示されるように、PBS対照と比較して、0.1% dHGFと0.2% dHGFとの間の差異は、統計的に有意であった(それぞれ、p=0.0054及びp=0.0015)。0.1% mNGF群の平均瘢痕サイズは、8日目から21日目まで減少したが、PBS対照と有意差はなかった(p=0.0859)。0.1%または0.2% dHGFのいずれかを使用した処置からの結果は、有意差はなかった(p=0.7558)。
【0177】
この研究の結果に基づいて、単一の上皮及び前部実質除去(第1相)または複数の上皮擦過(第2相)に続く0.1% dHGF処置は、最初の外科的手順の日付(第1相)または11日目(第2相)から開始して1日に4回投与すると、より早い創傷閉鎖(第1相)及び瘢痕サイズのより大きな減少(第2相)をもたらした。
【0178】
第1相では、全ての動物は、2mmの領域内で角膜上皮及び前部実質を除去するために単一の外科的処置を受けた。全ての動物は、処置後に1日4回投与を受けた。PBS処置した動物(ビヒクル対照)の約50%は、術後7日目までに治癒したが、0.1% dHGFまたは0.1% mHGFを受けた動物の>75%は、7日目までに治癒した(図2及び図3)。さらに、より大きな割合のこれらの動物の角膜が、PBS処置した場合と比較して、術後3日目までに完全に治癒した(それぞれ>60%対30%)。免疫蛍光による3日目の角膜神経支配の分析は、0.1% dHGF処置動物におけるTUJ-1染色の増加を明らかにした(図1)。
【0179】
第2相では、動物は、第1相と同じ外科的手順を受けたが、その後、上皮のみを除去する2つの追加手順を受けた。この実験では、動物は、最初の上皮擦傷後に処置を受け始めた。これらの条件下で、HGF(0.1% dHGF、0.2% dHGFまたは0.1% mHGF)を受けた動物は、PBS処置眼と比較して瘢痕サイズの実質的な減少を示し、瘢痕サイズは、全てのHGF処置眼で>35%減少した(図4)。
【0180】
この研究からの結果は、角膜上皮損傷後のHGFの局所投与が、単一または複数の損傷モデルにおいてより速い治癒速度及び瘢痕サイズの減少をもたらしたことを示す。
【0181】
実施例5:マウス角膜細菌性LPS誘発角膜炎モデルにおける局所製剤の有効性
NKの治療における使用のためのHGFの局所製剤の有効性を、マウス角膜細菌性LPS誘発性角膜炎モデルにおいて試験した。有効性試験を、雄性C57BL/6マウスで実行した。ピペットを介して3.5μL体積の試験物品を使用して、40匹の動物のそれぞれにつき1つの眼に、傷傷後4~9日目の投与の間に3時間、1日4回(QID)投与した。損傷した眼は、実験設計に示されるように被験試料または対照を受けた(表11)。E.coli O111:B4(Invivogen)からのリポ多糖(LPS)のストック溶液を、製造業者のプロトコルに従って、1mLの滅菌水で希釈し、アリコートし、保管した。投与の当日、希釈したLPS溶液をさらにPBSで1:1(v/v)希釈し、約5μgのLPS材料を2.0μLの注射で送達した。


























【表11】
【0182】
E.coli由来のLPSを使用した角膜損傷O111:B4
モデル導入の前に、試験対象に、0.01~0.05mg/kgのブプレノルフィンを皮下投与した。動物にはまた、トロピカミド(1.0%)及びフェニレフリン(2.5%)のカクテルを局所的に投与して、眼を拡張及び突出化した。次いで、動物をケタミン/キシラジンカクテル、及び1滴の0.5%プロパラカインHClで外科的処置のために鎮静化した。動物の眼を突出化するために鉗子(例えば、Dumont#4)を使用し、2.5μLのシリンジに取り付けられた34Gの針を使用して、約5μgのLPS(E.coli O111:B4)を2.0μLの体積で注入した。LPS注射を0日目及び4日目に行った。治療の第1の用量を、LPSの4日目の注射の後に傷ついた眼に適用した。局所抗生物質(Ofloxacin)を15分後に適用し、動物を手術から正常に回復させた。動物は、術後約6~8時間皮下投与で0.01~0.05mg/kgのブプレノルフィンの2回目の投与を受け、術後2日間、6~8時間毎に1日2回投与した。
【0183】
モニタリングされたパラメータ
(i)検査及び体重:
死亡率及び罹患率は、ケージ側の観察とともに1日2回観察した。モデル導入前及び剖検時に体重を測定した。
【0184】
(ii)眼の検査及び明視野画像:
登録前に、眼表面形態は、スリットランプ生体顕微鏡下で獣医眼科医によって評価された。ベースラインにおいて、及び研究設計に示されている日に、Image J ソフトウェアを使用して、角膜不透明度の分析のために明視野画像を取得した。
【0185】
(iii)フルオレセイン染色:
実験設計表に示される時点で、動物はフルオレセイン眼表面染色を受けた。約1.5μlの2.5%フルオレセインナトリウムを角膜表面に30秒間塗布し、続いて1mlのシリンジを使用して1×PBSですすいだ。角膜染色は、三脚に取り付けられたニコンデジタルSLRカメラを使用して、コバルトブルー光の下で撮影された。カメラレンズを手動モードにし、レンズを1フィート離して設定した。動物の眼を表示窓の中央にフォーカスさせ、カメラレンズと動物の眼との間の一貫した距離を維持するように画像を収集した。各時点における各眼のフルオレセイン染色の面積(ピクセル単位)を、Image J Software(NIH)を使用して決定した。
【0186】
(iv)光学コヒーレンス断層撮影(OCT):
実験設計表に示される日に、全ての動物は、眼の前部のOCTイメージング手順を受けた。動物を麻酔し、角膜をOCT検査の前にPBSで洗浄した。
【0187】
(v)結果:
モデルの誘導、及びPBS(対照)、0.1%または0.2% dHGF、または0.1% mNGFによる1日4回の治療後に、群2及び3(それぞれ0.1%及び0.2% dHGF)は、9日目までに瘢痕サイズの最大の減少を示した。群1に正規化すると、群2及び3は、瘢痕サイズをほぼ60%減少させたが、群4の試験試料は、瘢痕サイズを約25%減少させた(図5)。平均瘢痕面積は、PBS対照と比較して、0.1% dHGF(p=0.0110)及び0.2% dHGF(p=0.0028)で有意に小さかった。瘢痕は、PBS対照では、0.1%及び0.2% HGF群と比較して約5倍大きく、PBSでは、0.1% mNGF群よりも約2.5倍大きかった(p=0.0417)。得られた2つのdHGF群における平均瘢痕サイズは、互いに有意差はなかった(p=0.6176)(図5)。
【0188】
要約すると、この研究からの結果は、E.coli LPSの実質投与によって誘発される角膜上皮損傷後のHGFによる損傷した眼の治療が、治癒率の改善につながったことを示唆している。
【0189】
本明細書に説明されるものに加え、本発明の種々の改変が、前述の説明から当業者に明らかとなるであろう。このような改変は、添付の特許請求の範囲内にあることも意図される。本出願において引用された、全ての特許、特許出願及び出版物を含む参照文献のそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
【配列表】
2024518178000001.app
【国際調査報告】