(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-26
(54)【発明の名称】エンティティ間の開始点を決定するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/26 20060101AFI20240419BHJP
【FI】
G01C21/26 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562341
(86)(22)【出願日】2022-03-30
(85)【翻訳文提出日】2023-11-15
(86)【国際出願番号】 EP2022058436
(87)【国際公開番号】W WO2022218709
(87)【国際公開日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】102021001926.1
(32)【優先日】2021-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】598051819
【氏名又は名称】メルセデス・ベンツ グループ アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Mercedes-Benz Group AG
【住所又は居所原語表記】Mercedesstrasse 120,70372 Stuttgart,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100101856
【氏名又は名称】赤澤 日出夫
(72)【発明者】
【氏名】エンゲル,ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ゲルバン,マーク
(72)【発明者】
【氏名】ランゲ,ベンヤミン
【テーマコード(参考)】
2F129
【Fターム(参考)】
2F129AA02
2F129BB03
2F129CC06
2F129CC23
2F129DD02
2F129DD20
2F129DD24
2F129DD29
2F129DD44
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2F129EE02
2F129EE29
2F129EE52
2F129FF12
2F129FF20
2F129HH12
(57)【要約】
発明は、エンティティ間(E)の開始点(M)を決定するための方法であって、エンティティ(E)がそれぞれ、自らの位置を測定し、通信インターフェースを介して通信するように設定されている、方法に関する。本発明は、エンティティ(E)の位置(A、A*)が地図資料(1)で特定され、すべてのエンティティ(E)を囲む円(2)が特定され、開始点(M)の最適な位置が反復的に決定され、開始点(M)が最初はエンティティ(E)を囲む円(2)の円中心(3)と一致し、各エンティティ(E)のための開始点(M)の最適な位置を見つけるために、それぞれのルート区間によって接続された少なくとも2つのルート点で構成されるルート(R)がそれぞれの所在位置(A)と開始点(M)との間で決定され、開始点(M)の位置を移動させるために、エンティティ(E)と開始点(M)との間のルート(R)のすべての時間的距離若しくは空間的距離の合計が、指定された最大距離を下回る、かつ/又は、最短ルート(R)と最長ルート(R)との間の時間的距離若しくは空間的距離の差が、指定された最大差を下回ることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンティティ(E)間の開始点(M)を決定するための方法であって、前記エンティティ(E)がそれぞれ、自らの所在位置(A,A*)を特定して、通信インターフェースを介して通信するように設定されている、方法において、
前記エンティティ(E)の前記所在位置(A)が地図資料(1)で特定され、すべてのエンティティ(E)を囲む円(2)が特定され、前記開始点(M)の最適な位置が反復的に決定され、前記開始点(M)が最初は前記エンティティ(E)を囲む前記円(2)の円中心(3)と一致し、各エンティティ(E)のための前記開始点(M)の最適な位置を見つけるために、それぞれのルート区間によって接続された少なくとも2つのルート点で構成されるルート(R)が前記それぞれの所在位置(A)と前記開始点(M)との間で特定され、前記開始点(M)の前記位置を移動させるために、エンティティ(E)と開始点(M)との間の前記ルート(R)のすべての時間的距離若しくは空間的距離の合計が、指定された最大距離を下回る、かつ/又は、最短ルート(R)と最長ルート(R)との間の時間的距離若しくは空間的距離の差が、指定された最大差を下回ることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記エンティティ(E)がそれぞれの自らの所在位置(A)から出発して前記開始点(M)で会合することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
配送エンティティ(LE)が前記開始点(M)から出発して前記エンティティ(E)の前記所在位置(A)まで移動することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記エンティティ(E)の前記所在位置(A)が少なくとも2つの地図プロバイダーによって提供された地図資料(1)で測定され、前記異なる地図資料
(1)で測定されたそれぞれのエンティティ(E)の前記所在位置(A)が互いに比較されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記所在位置(A)と前記開始点(M)との間の前記ルート(R)を計算する際に、現在の交通情報が考慮されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つのエンティティが以下の交通手段、
-徒歩、
-自転車、
-電動スクーター、
-公共交通機関、特にバス及び/若しくは鉄道、
-自動車、特に乗用車、トラック及び/若しくは輸送車、又は
-自律制御可能な輸送手段、特にドローン、好ましくは飛行ドローン、
のうちの1つで自らのルート(R)に沿って移動することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記開始点(M)を決定するために、前記それぞれのエンティティ(E)の平均移動速度が想定され、前記それぞれのエンティティ(E)の前記想定された平均移動族度が、前記それぞれのエンティティ(E)によって選択された交通手段に応じて学習されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記開始点(M)の位置を決定するためのアルゴリズム(9)が少なくとも以下の、
-すべてのエンティティ(E)が円(2)内及び/又は円周(U)上に位置するように、円(2)の円中心(3)の最適な位置及び同円(2)の最小の直径を決定するステップ、
-前記開始点(M)の位置を前記円(2)の前記円中心(3)の前記位置に置くステップ、
-各エンティティ(E)のために、各エンティティ(E)の前記所在位置(A)から前記開始点(M)までのルートを決定するステップ、
-エンティティ(E)と開始点(M)との間の前記ルート(R)のすべての時間的距離若しくは又は空間的距離の合計が、指定された最大距離を下回るように、かつ/又は、最短ルート(R)と最長ルート(R)との間の時間的距離若しくは空間的距離の差が、指定された最大差を下回るように、前記開始点(M)の位置を移動させるステップ、
を実行することを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記開始点(M)が、前記エンティティ(E)のうちの少なくとも1つの現在の所在位置(A*)を考慮して再計算されることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記開始点(M)の前記最適な位置を決定するために、以下の基準、
-公平性、
-少なくとも1つの交通手段をルート(R)に沿って移動させることによって生じる汚染物質の量、特にCO2の量、
-少なくとも1つの交通手段がルート(R)に沿って移動するのに要するエネルギーの量、及び/又は
-少なくとも1つの交通手段をルート(R)に沿って移動させるために生じるコスト、
のうちの少なくとも1つがさらに考慮されることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも3つのエンティティ(E)を含む、エンティティ(E)間の開始点(M)を決定するためのシステムであって、前記エンティティ(E)がそれぞれ、自らの所在位置を測定し、前記自らの所在位置を通信インターフェースを介して共有するように設定されている、システムにおいて、
前記少なくとも3つのエンティティ(E)が、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法を実行するように設定されていることを特徴とする、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルにおいて詳細に定義された様式にしたがった、エンティティ間の開始点を決定するための方法、及びその開始点を決定するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、人間などのエンティティは、コーヒーを飲んだり、散歩をしたりするために、ある場所に集まろうとすることがよくある。また、配送サービスの日々の業務では、物品をさまざまな場所に配達する。このために、配送サービスは、物品をある開始点からさまざまな配達場所に運ぶ輸送手段を稼働させる。
【0003】
ここで、人間がちょうどどこに集まれば、各人から会合場所までの道のりがほぼ同じになるか、又は、配達の開始点をどこに選べば、開始点から各配達場所に同じくらい速く到達できるかという問題が生じる。これによって、会合場所に可能な限り速く集まること、又は、物品を可能な限り速く配達することが可能になる。また、各人が時間的かつ/又は空間的に各人の所在位置の真ん中に位置する会合場所まで移動するということは、誰かの移動が別の誰かより著しく長くなるということがないため、特に公平である。
【0004】
以下では、エンティティとは、例えば、人間、スマートフォン、ラップトップ、タブレットコンピューター、ウェアラブルなどのモバイル端末のことと理解してよい。当該の人間又は演算処理装置を、輸送手段に割り当ててもよい。輸送手段としては、道路、鉄道、水上及び空中のあらゆる輸送機器が考えられる。そこでは、演算処理装置が輸送手段に組み込まれることもある。
【0005】
特許文献1により、会合点を見つけるための検索方法及び検索装置が知られている。この会合点とは、会合点で会合する2つのエンティティの間の中間点にあたる。エンティティ間のほぼ真ん中に位置する適切な会合点を特定するために、中間点の近くにあるPoint-Of-Interest(POI)が検索され、会合に適しているか調べられる。そこでは、地図資料で2つのエンティティの間の距離が求められ、この距離が中間点の特定のために半分にされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2010-0049859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、そのような多数のエンティティ間の開始点を決定するための改良された方法及びシステムを提供することであり、それによって、エンティティ間の開始点の位置をさまざまな開始状況において特に公平かつ正確に特定することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、本課題は、請求項1の特徴を持つ、エンティティ間の開始点を決定するための方法、及び請求項10の特徴を持つ、対応するシステムによって解決される。その従属請求項からは、有利な構成及び発展形態が得られる。
【0009】
エンティティ間の開始点を決定するための方法では、それらのエンティティは、自らの所在位置を特定し、それぞれ通信インターフェースを介して通信することができる。本発明によれば、地図資料で各エンティティの所在位置が特定され、すべてのエンティティを囲む円が特定され、開始点の最適な位置が反復的に決定され、開始点は、最初は各エンティティを囲む円の円中心と一致し、各エンティティのための開始点の最適な位置を見つけるために、それぞれのルート区間によって接続された少なくとも2つのルート点で構成されるルートが各エンティティの所在位置と開始点との間で特定され、開始点の位置を移動させるために、各エンティティと開始点との間のルートのすべての時間的距離若しくは空間的距離の合計が、指定された最大距離を下回る、かつ/又は、最短ルートと最長ルートとの間の時間的距離若しくは空間的距離の差が、指定された最大差を下回る。
【0010】
本発明による方法によって、エンティティ間の開始点は、特に公平に特定することができる。そのようにして、各エンティティは、開始点に到達するのに同じ道のりを移動する、かつ/又は、開始点に到達するのに同じ時間を要する。そこでは、それぞれのエンティティによって利用される交通機関が移動時間又はルートに与える影響が考慮される。例えば、第1のエンティティが自動車で移動し、第2のエンティティが自転車で移動する場合には、自動車は普通、自転車より速く移動するので、第1のエンティティが移動するルートは、第2のエンティティが移動するルートより道のりが長くなる可能性がある。そこでは、自動車が移動するルートと自転車が移動するルートは、それぞれの交通手段なら同じ時間で移動することができる。ここでは、同じ時間又は道のりとは、同じ時間又は道のり±指定された許容範囲と理解する。
【0011】
そこでは、少なくとも1つのエンティティが円周上に位置してもよい。そのようにして、円中心の最適な位置の第一次近似は、互いに最も離れた2つのエンティティが円周上に位置し、これらの2つのエンティティを結ぶ直線が円中心を通るように、円を作成することによって、求めることができる。
【0012】
各エンティティから開始点まで選ばれたそれぞれのルートのすべての時間的距離又は空間的距離の合計が、指定された最大距離を下回るように、開始点が各エンティティの所在位置の間に配置されると、すべてのエンティティが開始点に到達するのに必要な時間が短縮される。そこでは、時間的距離又は空間的距離の合計を可能な限り小さい値に最小化することもできる。空間的距離の合計が最も短ければ、それらのエンティティの燃料の消費は最も少なくなり、汚染物質の排出も最も少なくなり、目的地に特に安価に到達できる可能性もある。特別な一致により、開始点までの各エンティティのルートの空間的距離の合計が最小になるように、開始点を配置した場合に、同時に時間的距離の合計が最小になることもありうる。
【0013】
その一方で、時間的距離又は空間的距離の差が、指定された最大差を下回るように、開始点の位置を選ぶと、各エンティティは可能な限り同時に開始点に到達することができる。各エンティティの移動の長さがほぼ同じになるため、これは特に公平である。そこでは、開始点までの各エンティティの移動ルートの間の時間的距離又は空間的距離の差を最小にすることも可能である。時間的距離又は空間的距離の合計が、指定された最大距離を下回り、かつ、時間的距離又は空間的距離の差が、指定された最大差を下回る可能性もある。
【0014】
ただし、時間的距離若しくは空間的距離の合計が、指定された最大距離を下回る、又は、時間的距離若しくは空間的距離の差が、指定された最大差を下回るという基準のうちの少なくとも1つが満たせるように、開始点を各エンティティの間に配置できない可能性もある。この場合には、開始点の決定は終了する。その場合には、例えば、エンティティ間の任意の位置に配置される、各エンティティのための代わりの開始点を提案することができる。
【0015】
先行技術と同様に、開始点の位置を特定するために、ルートの近くにあるPoint-Of-Interest(POI)を考慮することができる。そのようにして、例えば、カフェ、図書館、公園など、各エンティティにとって興味深い目的地がある場合には、開始点を、例えば、1つのエンティティのほうへ近づけることもできる。
【0016】
エンティティの所在位置を特定するために、エンティティは、全地球航法衛星システムの受信機などの任意の位置測定装置を持つことができる。エンティティは、通信インターフェースを介して、自らの所在位置のほかに、さらなる情報を送信することもできる。そこでは、通信は、エンティティ間で直接行うこともできるし、(場合によって固定された)中央演算処理装置などの第3の演算処理装置を介して間接的に行うこともできる。通信技術としては、実績のある任意の通信技術が可能である。例えば、特に携帯電話通信、Wifi、Bluetooth、NFCなどによって、無線で通信することができる。
【0017】
ルートを計算し、各エンティティを囲む円内の開始点を見つける作業は、選択により、中央演算処理装置及び/又は少なくとも1つのエンティティで行われる。このために、各エンティティは、ぞれぞれの自らの所在位置を、通信インターフェースを介して中央演算処理装置及び/又は他のエンティティに送信する。
【0018】
決定された開始点が、あらかじめ定められた許容範囲内にある場合には、各エンティティが、開始点までの移動を開始する前に、決定された開始点の位置及び許容範囲の広さに同意しなければならないことが必要な場合がある。しかし、このようにして、開始点が不公平に1つのエンティティに近づきすぎることがなくなる。許容範囲があることによって、エンティティが、交通渋滞による遅延やスケジュールのズレのために、合意された時刻より遅い時刻に開始点に到達しても、埋め合わせることができる。許容範囲は、例えば、開始点を中心とするさらなる円の形を取り、そのさらなる円は、各エンティティを囲む円の直径より小さい直径を持つ。
【0019】
本発明の有利な発展形態では、各エンティティは、それぞれの自らの所在位置から出発して、開始点で会合する。すでに述べたように、開始点とは、例えば、カフェ、図書館、公園などであり、そこから各エンティティは共同の活動を開始する。この例では、開始点は集合点又は会合点と解釈することもできる。
【0020】
本方法のさらなる有利な構成によれば、配送者は、開始点から出発して、各エンティティの所在位置から開始点に延びるルートに沿って、それぞれのエンティティの所在位置まで移動する。そのようにして、本発明による方法は、配送サービスの輸送手段が顧客に到達するために移動するルート、又はそのために必要な時間を最適化するのにも、利用できる。そのようにして、配送サービスは配送用輸送手段を開始点に送ることができ、配送用輸送手段にはドローン、特に自律制御ドローンが含まれ、その後、ドローンはそれぞれのルートに沿って当該のエンティティの所在位置まで移動する。そのためには、ルートの移動に同じ時間が必要とされることが好ましいことから、ドローンが、配達する物品を顧客に引き渡した後、再び同時に配送用輸送手段に到着することが、特に確実に可能にされる。それによって、配送サービスの物品配送の効率を改善することができる。そこでは、人間が配送用輸送手段で移動し、その後、人間が開始点から、例えば、同じ又は異なる交通手段でそれぞれのエンティティの所在位置まで移動することも可能である。配送サービスとは、例えば、小包配送業者、食品配達サービスなどである。そこでは、地図資料から、配送用輸送手段の最適な停留位置などのPOIのほかに、無人ドローンの飛行禁止区域などの他の地図情報も読み取ることができる。
【0021】
また、本方法のさらなる有利な構成では、各エンティティの所在位置が少なくとも2つの地図プロバイダーによって提供された地図資料で特定され、異なる地図資料で測定されたそれぞれのエンティティの所在位置が互いに比較される。異なる地図プロバイダーによって提供された地図資料を利用することによって、さらに正確に、それぞれのエンティティの所在位置を特定すること、そして最終的に、各エンティティを囲む円内の開始点の位置を特定することもできる。異なるプロバイダーの地図データを比較することによって、位置のずれや不正確に特定されたエンティティの位置を発見し、修正することができる。異なる地図プロバイダーの地図資料には、異なるPOIや地図情報が含まれることもある。これによって、本発明による方法を実行するために使用される情報の量が増える。それによって、本方法はさらに信頼性高く利用することができる。
【0022】
本方法のさらなる有利な構成によれば、各エンティティの所在位置と開始点との間のルートを計算する際に、現在の交通情報が考慮される。例えば、あるエンティティが自動車で移動する場合には、そのエンティティが移動するルートで渋滞が発生している可能性がある。それによって、ルートを移動するのに必要な時間が長くなる。例えば、他のエンティティが地下鉄、路面電車、都市近郊鉄道、市バスなどの公共交通機関で移動すると、ここでも遅延が発生する可能性がある。渋滞の可能性や時刻表の変更に関する情報は、信頼できる第三者の情報源から得ることができる。これらの遅延は、開始点を決定する際に考慮するのが有利である。例えば、あるルートを移動するのに必要な時間がそのような遅延によって長くなった場合には、開始点は、各エンティティがそれでも同じ時刻±指定された許容しきい値に開始点に到達するように、又は、開始点から出発する配送者が同時に各エンティティ、すなわち顧客の所在位置に到達するように、移動される。これによって、現実的な交通状況でも、開始点の位置が特に公平かつ正確に特定されるようにする。
【0023】
また、本方法のさらなる有利な構成では、少なくとも1つのエンティティが、以下の交通手段
-徒歩、
-自転車、
-電動スクーター、
-公共交通機関、特にバス及び/若しくは鉄道、
-自動車、特に乗用車、トラック及び/若しくは輸送車、
-飛行機、又は
-自律制御可能な輸送手段、特にドローン、好ましくは飛行ドローン、
のうちの1つで、自らのルートに沿って移動する。
【0024】
そこでは、一般に、エンティティがルートに沿って移動している間に交通手段を変更することも考えられる。したがって、エンティティは、例えば、最初のルート区間は徒歩で移動し、その後自転車に変更して、最後のルート区間は、例えば、バスで移動することができる。エンティティは、例えば、電動スクーターを利用することもできる。これによって、本発明による方法をより幅広いさまざまな移動状況で用いることが可能になる。
【0025】
例えば、あるエンティティが鉄道で移動する場合には、そのエンティティのために、地図資料で当のエンティティの所在点のまわりの指定された半径を持つ円内にある駅が特定され、それぞれの駅から出る、開始点の近くの当の駅への接続(可能な乗り換えの選択肢を含めて)が特定され、それらの移動時間が調べられる。そこでは、あるエンティティの合計移動時間を求めるのに、例えば、当のエンティティが駅まで、例えば、徒歩で移動しなければならない距離及び/又は時間も考慮される。駅又は駅の近くのある点を開始点と特定することもできる。そこでは、異なるエンティティが異なる交通手段で移動することも考えられる。例えば、一部のエンティティは鉄道と電動スクーターで移動し、一部のエンティティは自動車と徒歩で移動し、一部のエンティティはもっぱら自転車で移動するという具合である。
【0026】
そこでは、開始点の最適な位置を特定するのに、それぞれのエンティティの平均移動速度が想定されるのが好ましい。また、それぞれのエンティティの移動速度は、それぞれのエンティティによって選択された交通手段に応じて学習することができる。そのようにして、特定のエンティティの移動行動を長期にわたって観察することができ、そこから、時間及び/又は距離に依存した移動速度が得られる。例えば、あるエンティティが地下鉄で特定の時間に特定のルートを移動する場合には、例えば、ラッシュアワーで大勢の人々が乗り降りするなどして、移動に必要な時間が長くなる可能性がある。例えば、別のエンティティが自転車で移動する場合には、そのエンティティが特定のルート区間を移動するのに必要な時間が短くなったり、長くなったりする可能性がある。例えば、そのエンティティが上り坂又は下り坂を移動しなければならない場合や、例えば、昼食後に満腹で移動するのが遅くなる場合などである。
【0027】
本方法のさらなる有利な構成によれば、各エンティティを囲む円内の開始点の位置を特定するためのアルゴリズムは、少なくとも以下の、
-すべてのエンティティが円内又は円周上に位置するように、円中心の最適な位置及び円の最小の直径を特定するステップ、
-開始点の位置を円中心の位置に置くステップ、
-各エンティティのために、各エンティティの所在位置から開始点までのルートを特定するステップ、
-各エンティティと開始点との間のルートのすべての時間的距離若しくは空間的距離の合計が、指定された最大距離を下回るように、かつ/又は、最短ルートと最長ルートとの間の時間的距離若しくは空間的距離の差が、指定された最大差を下回るように、開始点の位置を移動させるステップ、
を実行する。
【0028】
開始点を円中心に置くのは、エンティティ間の開始点の最適な位置を見つけるための第1近似であり、これによって、各エンティティが可能な限り速くかつ/又は公平に、開始点に同時に到達できるようになる。円の特定は、簡単かつ迅速に可能である。そのために、例示的な実施形態によれば、すべてのエンティティの中から、互いに最も離れた2つのエンティティが選ばれ、これらのエンティティが円周上に位置するように、円が広げられる。そして、円中心は、これらのエンティティを互いに結ぶ直線上に位置する。次いで、各エンティティと開始点との間のルートのすべての時間的距離若しくは空間的距離の合計が、指定された最大距離を下回るまで、かつ/又は、最短ルートと最長ルートとの間の時間的距離若しくは空間的距離の差が、指定された最大差を下回るまで、開始点が円中心から移動される。各エンティティを囲む円を広げるための他の手順も考えられる。
【0029】
また、本方法のさらなる有利な構成では、少なくとも1つのエンティティの現在の所在位置を考慮して、開始点が再計算される。例えば、少なくとも1つのエンティティがルートに沿って移動している時に遅延が発生すれば、各エンティティが開始点に同時に到達しなくなる。同様に、配送サービスの例では、物品が各エンティティ、すなわち顧客に同時に到着しなくなったり、物品を配達するドローンが配送用輸送手段に同時に戻らなくなったりする。しかしながら、ルートに沿って移動している間に、それぞれのエンティティの現在位置を監視することによって、各エンティティを囲む円内の開始点の位置を適応的に移動させることができる。これによって、各エンティティが開始点に同時に到達するように、又は、物品が各エンティティの元の所在位置に到着するようにすることができる。また、ドローンが配送用輸送手段に戻る時に、あるドローンが考えていたよりも時間を要する場合には、配送用輸送手段はそのドローンのほうへ移動することもできる。
【0030】
好ましくは、円内の開始点の位置を特定するために、以下の基準、
-公平性、
-少なくとも1つの交通手段をルートに沿って移動させることによって生じる汚染物質の量、特にCO2の量、
-少なくとも1つの交通手段がルートに沿って移動するのに要するエネルギーの量、及び/又は
-少なくとも1つの交通手段をルートに沿って移動させるために生じるコスト、
のうちの少なくとも1つがさらに考慮される。
【0031】
上記の基準のうちの少なくとも1つを考慮することによって、各エンティティを囲む円内の開始点の移動を顧客の好みに応じて調節することができる。例えば、第1のシナリオによれば、各エンティティが可能な限り短い時間後に開始点に到達するように、開始点を円内に配置することができる。例えば、あるエンティティは開始点まで乗用車で移動するが、別のエンティティは開始点に到達するために交通手段を何回も変えなければならない。これでは、その別のエンティティに大きな負担がかかることになる。公平性を考えれば、すべてのエンティティが開始点に到達するのに長い時間を要するように、円内の開始点を移動させることもできるが、各エンティティは開始点に到達するのに同じような負担を克服しなければならない。そこで、例えば、開始点を公共交通機関の停留場所にすることができ、そうすると、多数のエンティティが公共交通機関で開始点に移動する。そして、そのために、それぞれのエンティティは同じく頻繁に乗り換えなければならない。
【0032】
本発明による方法の実行は、環境を意識する人々が生じる汚染物質の量を考慮することによって、より受け入れられるようになる。
【0033】
同様に、ルートに沿って移動するのに必要なエネルギーの量、及び/又は、それとともに生じる円内の開始点の位置決定のためのコストも考慮することができる。
【0034】
特に、顧客は、開始点の位置を特定するために上記の基準のうちのどれがさらに考慮されるべきか、自分で決定することができる。これによって、本発明による方法を利用した時の快適度と満足度が特に高くなる。
【0035】
本発明によれば、エンティティ間の開始点を決定するためのシステムで、少なくとも3つのエンティティを含み、それらのエンティティがそれぞれ、自らの所在位置を特定し、その所在位置を通信インターフェースを介して共有するように設定されているシステムにおいて、それらの少なくとも3つのエンティティは、上記の方法を実行するように設定されている。
【0036】
エンティティとは、例えば、人間又は演算処理装置のことで、演算処理装置は、例えば、スマートフォン、タブレットコンピューター、ラップトップ、ウェアラブルなどのモバイル端末の形をしている。人間及び/又は演算処理装置は、自動車、トラック、輸送車、バス、鉄道、自転車、徒歩などの交通手段で移動することができる。さらに、エンティティが移動している間に交通手段を変えることも可能である。また、少なくとも1つのエンティティが、対応する交通手段に組み込まれることもある。したがって、例えば、エンティティが乗り物の演算処理装置によって形成されることもある。
【0037】
各エンティティは、中央演算処理装置を介して間接的に通信することもできる。中央演算処理装置は、各エンティティのための開始点を決定することもできる。そのために、中央演算装置は、各エンティティの所在位置を受信し、本発明による方法を用いて、会合のため又はドローンの出発のための開始点を決定する。
【0038】
本発明によるエンティティ間の開始点を決定するための方法のさらなる有利な構成は、以下に図面を参照しながら詳細に記述する実施例からも得られる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】デジタル道路地図上の開始点で会合することに同意した各エンティティの概略図である。
【
図2】デジタル道路地図上の開始点で会合することに同意した各エンティティの別の概略図である。
【
図3】本発明によるエンティティ間の開始点を決定するための方法のフローチャートの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1は地図資料1を示しており、ここではデジタル道路地図の形である。
図1の例では、デジタル道路地図は、大都市圏の一部、例えば、大都市を含んでいる。大都市で、複数のエンティティEがそれぞれの所在位置Aにある。現在の所在位置A*にあり、ルートRに沿って移動している1つのエンティティEだけが示されている。各エンティティEは、会合することに同意している。本発明による方法によって開始点Mが特定され、各エンティティEは開始点Mに同じ時間で、かつ/又は同じ道のりを移動して、到達することができる。そこでは、エンティティEは、自らのために決定されたルートRに沿って開始点Mまで移動する。そうすることによって、会合に関係するすべてのエンティティEが開始点Mに到達するまでの時間が最小化されること、及び/又は、それらのエンティティEの到着が、各エンティティEの移動の長さが同じになるために、特に公平になることが保証される。
【0041】
エンティティEとは、例えば、人間又は演算処理装置のことであり、演算処理装置は、例えば、スマートフォン、タブレットコンピューター、ラップトップ、ウェアラブルなどのモバイル端末の形をしている。そのような演算処理装置は、輸送手段に組み込まれることもある。その場合には、演算処理装置として、例えば、輸送手段の中央オンボードコンピューター、輸送手段のサブシステム制御装置、テレマティクスユニットなどが考えられる。
【0042】
各エンティティEは、それぞれ交通手段で大都市を移動する。各エンティティEは、例えば、徒歩、自転車、電動スクーター、地域の公共交通機関、乗用車、トラック、輸送車などの私的自動車、及び/又はドローンなどの自律運転輸送手段で移動する。そこでは、元の所在位置Aから開始点Mに移動している間に、交通手段を1回又は複数回変えることも可能である。例えば、人間であるあるエンティティEは、自分の住んでいる場所から電動スクーターで地域の公共交通機関の停留場所まで移動し、それから、例えば、バスで開始点Mの近くにある停留場所まで移動し、その停留場所から徒歩で開始点Mに到達することができる。
【0043】
本発明によれば、地図資料1上の開始点Mの位置は、各エンティティEの元の所在位置Aと開始点Mとの間のすべての時間的距離若しくは空間的距離の合計が、指定された最大距離を下回るように、かつ/又は、最短ルートRと最長ルートRとの間の時間的距離若しくは空間的距離の差が、指定された最大差を下回るように、特定される。開始点Mの位置を特定するために、選択された交通手段に応じた異なる移動速度が考慮される。
【0044】
開始点Mを特定するために、各エンティティEはそれぞれの自らの所在位置Aを測定し、次いで、各エンティティEは自らの位置を、少なくとも、開始点Mの位置を特定する演算処理装置に送信する。この演算処理装置は、少なくとも1つのエンティティE及び/又は
図3に示された中央演算処理装置8によって形成することができる。対応する演算処理装置は、会合に関係するすべてのエンティティEを囲む円2を特定する。例えば、円2は、互いに最も離れた2つのエンティティEを特定し、これらのエンティティEが円2の円周U上に位置するように円2を配置することによって、決定することができる。そこでは、これらの2つのエンティティEを結ぶ直線は、円2の円中心3を通ることができる。円2は、可能な限り小さい直径を持つことが好ましい。第1近似では、開始点Mは、円2の円中心3に置かれ、各エンティティEと開始点Mとの間のルートRのすべての時間的距離若しくは空間的距離の合計が、指定された最大距離を下回るまで、かつ/又は、最短ルートRと最長ルートRとの間の時間的距離若しくは空間的距離の差が、指定された最大差を下回るまで、円2内で反復的に移動される。
【0045】
そこでは、各エンティティEは、自らの現在の所在位置A*を記録することができる。本発明による方法の一実施形態によれば、それぞれの現在の所在位置A*は、開始点Mの適応的な移動のために使用することができる。例えば、1つのエンティティEが渋滞にはまっている場合には、開始点MをそのエンティティEに近づけることができる。これによって、少なくとも1つのエンティティEの時間遅延にもかかわらず、各エンティティEが計画通り開始点Mに同時に到達するようにする。
【0046】
また、1つ又は複数のPOI6が開始点Mの近くにあり、それらのPOI6のうちの1つ又はその近くに開始点Mを置くことも可能である。POI6とは、例えば、カフェ、図書館、公園などである。つまり、各エンティティEは、POI6のうちの1つで会合することを計画する。
【0047】
それぞれの所在位置A、A*の測定精度を上げるために、本発明による方法の一実施形態によれば、異なる地図プロバイダーによって提供された地図資料1を使用することができる。
【0048】
図1はさらに、円形の許容範囲4を示している。このようにして、上で定められた、各エンティティEが開始点Mに到達するための基準は、各エンティティが、指定された時点で許容範囲4内にある場合に、満たされているとみなされる。許容範囲4の半径は、例えば、わずか数メートルであってもよいし、数百メートル又はキロメートルであってもよい。会合に関係するエンティティEは、それぞれのルートRを移動し始める前に、許容範囲4の半径をどのくらい大きく選ぶか決定するのが有利である。これによって、開始点Mへの移動が各エンティティEにとって公平であるとみなされるようにする。
【0049】
ルートRの移動に必要な道のり及び/又は時間をより正確に求めるために、少なくとも1つのルートRをいくつかのルート区間に分けることもできる。そこでは、各ルート区間に、道のり、適用される速度制限、ルート区間を走る路線(例えば、地下鉄)、ルート区間の移動に必要な時間などの情報が関連づけられている。精度を上げるために、ルート区間を繰り返しさらに小さいルート区間に分けることもできる。
【0050】
本発明による方法の一実施形態によれば、
図3に示されている配送用輸送手段7が、開始点Mまで移動し、配送用輸送手段7から、配送エンティティLE、例えば、ドローンが各エンティティEの所在位置A又はA*まで移動することも可能である。ドローンは、例えば、物品を各エンティティEに配達することができる。物品とは、例えば、小包や食品などである。
【0051】
図2は、本発明による方法が特定の距離に限定されないことを明らかにしている。そのようにして、本発明による方法は、ある国5の両端にある複数のエンティティEのための開始点Mを特定するのにも、用いることができる。
【0052】
図3は、本発明による方法のフローチャート300を示している。オプションの方法ステップ301では、各エンティティEは、開始点Mを特定するのに追加の基準を考慮すべきか、決定することができる。追加の基準とは、例えば、公平性、少なくとも1つの交通手段をルートRに沿って移動させることによって生じる汚染物質の量(特に、CO2の形で)、少なくとも1つの交通手段がルートRに沿って移動するのに要するエネルギーの量及び/又はそのために生じるコストなどである。
【0053】
方法ステップ302では、各エンティティEは、開始点Mで会合することに同意する。方法ステップ303では、それぞれのエンティティEは、自らの元の所在位置Aを特定し、それをさらに方法ステップ304で送信する。
図3の例では、それぞれの所在位置Aが中央演算処理装置8、例えば、クラウドサーバー又はサービスプロバイダーのバックエンドに送信される。その後、開始点Mが中央演算処理装置8によって特定される。そのために、中央演算処理装置8でアルゴリズム9が実行される。アルゴリズム9には、5つのステップ901、902,903、904,905が含まれる。
【0054】
ステップ901では、地図資料1で、各エンティティEを囲む円2とその位置が決定される。ステップ902では、開始点Mが、第1近似として円2の円中心3に置かれる。ステップ903では、各エンティティEのために、それらの元の所在位置Aから開始点MまでのルートRが決定される。そして、ステップ904では、各エンティティEと開始点Mとの間のルートRのすべての時間的距離若しくは空間的距離の合計が、指定された最大距離を下回るまで、かつ/又は、最短ルートRと最長ルートRとの間の時間的距離若しくは空間的距離の差が、指定された最大差を下回るまで、円2内の開始点Mの位置が移動される。その際には、それに応じて、各エンティティEの新しいルートRが計算される。そのようにして、最後に、ステップ905では、円2内の開始点Mの最適な位置が見つけられる。その後、この位置は各エンティティEに返送され、それによって、各エンティティEは開始点Mまでの移動を開始できるようになる。
【0055】
また、開始点Mの位置及び/又はそれに関連した他の情報を、配送用輸送手段7に送信することも可能である。配送用輸送手段7には、配送エンティティLEが含まれる。これは、例えば、個人でもよいし、物品や食品などを各エンティティEに配達する自律型ドローン、例えば、飛行可能なドローンでもよい。配送エンティティLEが配送用輸送手段7から出発する時に、配送用輸送手段7が開始点Mにあると、配送者LEは各エンティティEに同時に到達することができ、好ましくは、配送用輸送手段7にまた同時に戻ることもできる。これによって、配送サービスは、特に効果的かつ効率的に物品を顧客に配達することができる。そこでは、例えば、ドローンが配達先のエンティティEに到達する前、又は配送用輸送手段7に戻る前に、ドローンの残りエネルギーがなくならないようにするために、配送エンティティLEの可能な到達範囲を考慮して、円2の半径又は直径を決定することもできる。
【0056】
一般に、各エンティティEが互いに自らの所在位置Aを送信し、中央演算処理装置8へのデータ送信をなくすことも可能である。そのようにして、例えば、アルゴリズム9を1つ又はすべてのエンティティEで実行することもできる。それにしたがって、1つのエンティティEが、同エンティティEによって特定された開始点Mを他のエンティティに返送する。
【国際調査報告】