(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-30
(54)【発明の名称】浮遊式ソーラーシステムを組み立てる方法及び対応するシステム
(51)【国際特許分類】
H02S 10/40 20140101AFI20240422BHJP
【FI】
H02S10/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571507
(86)(22)【出願日】2021-05-19
(85)【翻訳文提出日】2023-11-15
(86)【国際出願番号】 EP2021063394
(87)【国際公開番号】W WO2022242858
(87)【国際公開日】2022-11-24
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523433181
【氏名又は名称】ヘリオスライト
(71)【出願人】
【識別番号】523433192
【氏名又は名称】メナード,エチエンヌ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】メナード,エチエンヌ
【テーマコード(参考)】
5F251
【Fターム(参考)】
5F251BA11
5F251JA30
(57)【要約】
本発明は主に、水域上で浮遊式光起電力ソーラーシステムを製造し、組み立て、水上に進水するための分散型方法、及び対応するシステムを提案し、当該システムは、光起電力パネルと、フロートアセンブリの少なくとも1つのアレイとを備え、フロートアセンブリの各アレイは、少なくとも1つのフロートアセンブリを備え、各フロートアセンブリは、当該光起電力パネルを傾斜角度で支持するための少なくとも2つの浮遊管要素の少なくとも1つのグループを備える。浮遊管要素は、リボンの場合には螺旋管成形機を使用して、シートの場合にはロール成形機を使用して、薄い材料のコイルから得られたリボン又はシートから形成され、軽量フレームアセンブリのアレイによって互いに機械的に接合される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
岸及び水体を有する水域上で浮遊式光起電力ソーラーシステムを実現するための方法であって、前記システムは、機械的構造を各々有する光起電力パネルと、フロートアセンブリの少なくとも1つのアレイとを備え、フロートアセンブリの各アレイは、少なくとも1つのフロートアセンブリを備え、各フロートアセンブリは、前記光起電力パネルを支持するための少なくとも2つの浮遊管要素の少なくとも1つのグループを備え、前記方法は、
-薄い材料のコイルを前記水域で取得し、輸送するステップと、
-前記コイルから得られた少なくとも2つの細長いリボン又は少なくとも2つの拡張シートを、岸及び現場で加工して、前記リボンを変形させる、又は前記シートを少なくとも2つの対応する薄壁の細長い中空開放管要素に曲げるステップであって、前記開放管要素は、それぞれの主軸に沿って延在し、互いに対して位置するように配置されたそれぞれの接合されていない細長い縁部を有し、前記加工するステップは、リボンの場合は螺旋管成形機を、シートの場合はロール成形機を使用するステップを含む、ステップと、
-前記それぞれの浮遊管要素を形成するために、機械的圧着、締結、又は固定プロセスを使用して、前記リボン又は前記シートの前記細長い縁部を互いに機械的に接合するステップと、
-前記浮遊管要素の各々の各端部にエンドキャップを固定するステップと、
-前記フロートアセンブリの少なくとも1つのアレイを形成し、それに応じて前記浮遊式光起電力システムを形成するために、前記浮遊管要素のグループの各々の前記浮遊管要素をフレームアセンブリと接合し、前記光起電力パネルを前記フレームアセンブリ上に取り付けるか、又は前記光起電力パネルの機械的構造自体を前記浮遊管要素上に固定することによって、各グループの前記浮遊管要素を接合するステップと、
前記浮遊式光起電力システムを水中に進水させるステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記加工は、螺旋管成形機を使用して前記リボンを螺旋状に変形させ、前記リボンの接合されていない長手方向に隣接する細長い縁部を機械的に圧着して、前記それぞれの浮遊管要素を製造することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記処理は、ロール成形機を使用して前記シートを曲げて、それらの接合されていない細長い縁部を互いに依存させ、次いで、前記それぞれの浮遊管要素を形成するためのそのような機械的圧着、締結又は固定プロセスを使用して、それらを機械的に接合させることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記コイルは未加工の金属コイルであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記エンドキャップを固定する前に、前記浮遊管要素の内側に浮力要素を挿入するステップを更に含むことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記エンドキャップは、オーバーフローを可能にする中央又は実質的に中央の開口部を有し、前記方法は、進水後に、前記システムの安定性を高めるように、前記浮遊管要素が浸漬している間に、前記オーバーフロー開口部まで前記浮遊管要素の底部に水を漏出させるステップを含むことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記システムの前記進水は、一端が岸にあり、他端が前記水体に十分に浸漬された2つの細長いガイドレール要素を配置するステップと、少なくとも2つのフロートアセンブリを直列かつ一列に機械的に接続してフロートアセンブリの対応するアレイを形成するステップであって、前記アレイが接続されたフロートアセンブリの列を形成する一方で、前記ソーラーフロートアセンブリの列を前記水体に支持及び案内するための進水ランプを形成するように、前記2つの平行な細長いガイドレール要素上にそのようなアレイを配置し、前記浮遊管要素が前記レールに沿って摺動するように配置される、ステップと、そのような列を押す及び/又は引くことによって、そのような列を前記水体に完全に駆動するステップと、を含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
フロートアセンブリの複数の少なくとも2つのアレイを支持するために、前記進水ランプに10メートルを超える全長を提供し、各アレイは、少なくとも5つの光起電力ソーラーパネルを備えることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記細長いガイドレール要素を前記配置することは、支柱打ち込み機械を使用して地面に打ち込まれるか、又はコンクリートブロック又は地面ねじなどの他の基礎要素に取り付けられた、調節可能な長さの脚部を有する垂直支柱のアレイを提供して、そのようなレール要素を支持することを含むことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記方法は、前記水体の所定の表面上にフロートアセンブリの複数のアレイを配置するステップと、前記水面下少なくとも0.5mの深さに位置決めされた複数の水平ケーブルの直線状アレイを提供するステップと、前記フロートアセンブリのアレイを前記水平ケーブルに機械的に接続するために、短い垂直ケーブル又はチェーンを使用するステップと、前記水平ケーブルを、前記水体の岸及び/又は底部に設置された固定点のアレイに接続する固定ラインを提供するステップと、を更に含むことを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記方法は、フロートアセンブリの少なくとも1つのアレイ又はフロートアセンブリのアレイのグループの周りに、1対の対応する外部(又は周辺)横方向水平ケーブルと、前記1対の横方向水平ケーブルに垂直であり、複数の水平ケーブルの前記アレイに属する1対の対応する外部長手方向水平ケーブルとを配置し、そのようなアレイ又はアレイのグループを複数の固定基礎点に取り付けられた固定ケーブルで固定するステップを更に含むことを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ソーラーフロートシステムは、フロートアセンブリの少なくとも2つのアレイの平行な列に編成され、したがって、所定の値以上の広さを有する外部又は中間の平行な自由水面又は水路を生成し、前記設置方法は、フロートアセンブリのアレイの2つの隣接する列に沿って及び/又はその間で前記2つの平行な水路上に浮遊し、欠陥のあるソーラーモジュールを保守及び/又は交換するために前記フロートアセンブリの列の上及びその間をナビゲートする安定した双胴船型プラットフォームを生成するために、上位フレーム構造によって互いに接合された1対の浮力要素を備える保守プラットフォームを使用することによって、前記浮遊ソーラーシステム上で保守作業を実行するステップを含む保守方法を更に含むことを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
岸及び水体を有する水域上の浮遊式光起電力ソーラーシステムであって、前記システムは、光起電力パネルと、フロートアセンブリの少なくとも1つのアレイとを備え、フロートアセンブリの各アレイは、少なくとも1つのフロートアセンブリを備え、
各フロートアセンブリは、前記光起電力パネルを支持するための少なくとも2つの浮遊管要素の少なくとも1つのグループを備え、
前記浮遊管要素の各々は、主軸に沿って延在する薄い(すなわち≦1mm)細長い壁を有し、前記浮遊管要素は、螺旋管成形機又はロール成形機を使用して未加工の金属コイルから抽出された金属リボン又はシートを曲げて、隣接する長手方向縁部が互いに対向する開放円筒を得ることによって形成され、そのような開放円筒のそのような隣接する長手方向縁部を機械的圧着、締結、接着又は溶接による固定して、そのような浮遊管要素を長手方向に閉じる手段を有し、
前記浮遊管要素の各端部はエンドキャップによって閉じられ、
各フロートアセンブリは、前記浮遊式光起電力システムを形成するための前記フロートアセンブリの少なくとも1つのアレイを形成するために、前記光起電力パネルを支持するフレームアセンブリと、
前記浮遊式光起電力システムを形成する前記フロートアセンブリの少なくとも1つのアレイの前記水体への進水装置と、を備える、浮遊式光起電力ソーラーシステム。
【請求項14】
各フロートアセンブリは、前記光起電力パネルを支持するための3つの平行な浮遊管要素の少なくとも1つのグループを備えることを特徴とする、請求項13に記載の浮遊式光起電力ソーラーシステム。
【請求項15】
前記浮遊管要素は防水性ではなく、前記エンドキャップは、前記浮遊管要素が浸漬したときに水のオーバーフローを可能にする実質的に中央の開口部を有することを特徴とする、請求項13から14のいずれか一項に記載の浮遊式光起電力ソーラーシステム。
【請求項16】
各浮遊管要素は、内部に少なくとも1つの浮力要素を備えることを特徴とする、請求項13から15のいずれか一項に記載の浮遊式光起電力ソーラーシステム。
【請求項17】
前記システムは、前記フロートアセンブリのアレイに動作可能に接続された複数の係留ラインを備えることを特徴とする、請求項13から16のいずれか一項に記載の浮遊式光起電力ソーラーシステム。
【請求項18】
前記システムは、前記係留ラインを固定点のアレイに接続する固定ラインを備えることを特徴とする、請求項17に記載の浮遊式光起電力ソーラーシステム。
【請求項19】
各フロートアセンブリは、前記浮遊管要素の前記主軸に垂直な方向に沿って延在する少なくとも3つのフレーム要素を備えることを特徴とする、請求項13から18のいずれか一項に記載の浮遊式光起電力ソーラーシステム。
【請求項20】
前記システムは、接続されたフロートアセンブリの列を形成するフロートアセンブリの複数のアレイを備え、前記進水デバイスは、前記ソーラーフロートアセンブリの列を支持して前記水体に案内するように配置された2つの平行な細長いガイドレール要素を備えることを特徴とする、請求項13から19のいずれか一項に記載の浮遊式光起電力ソーラーシステム。
【請求項21】
前記システムは、前記フロートアセンブリのアレイに機械的に接続された複数の水平ケーブル及び短い垂直ケーブル又はチェーンと、前記水平ケーブルを岸及び/又は前記水体の底部に設置された固定点のアレイに接続する固定ラインとを備えることを特徴とする、請求項13から20のいずれか一項に記載の浮遊式光起電力ソーラーシステム。
【請求項22】
前記システムは、フロートアセンブリの少なくとも1つのアレイ又はフロートアセンブリのアレイのグループのために、1対の対応する外部(又は周辺)横方向水平ケーブルと、前記1対の横方向水平ケーブルに垂直であり、複数の水平ケーブルの前記アレイに属し、そのようなアレイ又はアレイのグループを複数の固定基礎点に取り付けられた固定ケーブルで固定する1対の対応する外部長手方向水平ケーブルと、を更に備えることを特徴とする、請求項21に記載の浮遊式光起電力ソーラーシステム。
【請求項23】
前記浮遊式光起電力ソーラーシステムは、双胴船型プラットフォームを形成するようにフレーム構造によって互いに接合された1対の浮力要素を備える保守プラットフォームを備えることを特徴とする、請求項13から22のいずれか一項に記載の浮遊式光起電力ソーラーシステム。
【請求項24】
水切りシステムを備え、前記水切りシステムは、固定クリップのアレイを使用して前記ソーラーパネルの上側に沿って取り付けられた少なくとも1つの有孔送水管と、前記リザーバから前記ソーラーパネルの前記上面上に淡水を圧送するための外部水ポンプと、を備えることを特徴とする、請求項13から23のいずれか一項に記載の浮遊式光起電力ソーラーシステム。
【請求項25】
前記水切りシステムは、第1の有孔送水管の前記出力入口を後続のフロートアセンブリの前記入力入口に接続することによって直列に接続された複数の有孔送水管を備えることを特徴とする、請求項24に記載の浮遊式光起電力ソーラーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電の一般的な分野に関する。
【0002】
より具体的には、本発明の特に重要な用途の1つは、非排他的ではあるが、浮遊式光起電力ソーラーシステムの分野である。
【背景技術】
【0003】
展開された浮遊式ソーラーシステムのほとんどは、固定された傾斜角でアレイ光起電力モジュールを支持する密集した「島」を形成するために互いに取り付けられたプラスチックフロータの使用に依存している。特許文献欧州特許第3083392(B1)号は、典型的にはブロー成形によって製造される標準的な中空プラスチックフロート設計の例を提示している。これらのプラスチックフロートは閉じた中空形状を有するので、梱包及び輸送に必要な容積が大きいため、関連する輸送コストは比較的高い。
【0004】
特許文献スペイン実用新案特許第1143535(U)号は、別個に梱包され、現場で一緒に組み立てられ得る下部及びカバー部を備える改良されたフロート設計を提示している。下部及びカバー部は積み重ね可能であるので、これらのプラスチック部を輸送するために必要とされる容積は減少される。
【0005】
しかしながら、これらのプラスチック部の製造には大量の原材料が必要とされるので、これらのフロートを製造するための二酸化炭素排出量及び全体コストは比較的高いままである。
【0006】
これらの部品を製造するために使用される成形プロセスは、典型的には≧3mmである最小壁厚を必要とするので、1MWの浮遊式ソーラープラントの製作に必要とされるプラスチック材料の質量は、典型的には40トンを超える。
【0007】
各フロートは、単一のPVモジュールのみを支持するように設計され、手動で組み立てられ、複数の金属又はプラスチック締結具を使用してともに接合される必要があるため、このタイプの浮遊式ソーラーシステムを組み立てるために必要とされる時間は、比較的長く、典型的には、設置される太陽光発電プラント電力の各メガワット(MW)に対して500工数を超える。
【0008】
更に、浮遊式ソーラープラントに対して保守作業を行うことを可能にするために、サービスレーンを作成するために各アイランドの内側に追加のフロートを追加する必要がある。
【0009】
特許文献日本特許公開第2011066200(A)号、特許文献米国特許公開第20120279557(A1)号及び特許文献米国特許第10411643号は、光起電力モジュールのアレイを支持する金属フレーム構造を担持するように設計された細長い管状の浮遊要素に依存する代替的なフロート設計を提示している。
【0010】
ここで、これらのフロートの管状の浮遊要素は、典型的には、押出成形プロセスを使用して製造される。したがって、押出中空形プロファイル(管など)の製造には、≧3mmの最小壁厚も通常必要とされる。
【0011】
この第2のクラスのフロート設計は、大量の原材料が、これらのフロートの管及びモジュール支持構造の製作のために依然として必要とされるので、標準的な個々のプラスチックフロートの材料使用問題に対処しない。
【0012】
更に、予め製造された管要素を輸送するためのコストは、これらの品目を梱包及び出荷するために大きな体積が必要とされるので、高いままである。加えて、光起電力モジュールのアレイを支持する金属フレーム構造は、これらの従来技術のシステムにおいて提示される金属フレーム構造が、複数の締結具を使用して現場で一緒に手動で接合されるように設計される多くの要素を備えるので、比較的重く、組み立てるのが複雑である。
【0013】
これらの2つのクラスの従来技術の浮遊式ソーラーシステムでは、それらの浮遊要素の全体的な浮力は、サービスレーン上を歩くオペレータの重量を支持するために過大な大きさである必要がある。
【0014】
この要件のコストへの影響を制限するために、ユーティリティ規模の浮遊式ソーラーシステムのほとんどは、かなり限られた数のサービスレーンを備える。
【0015】
そのような構成では、設置された光起電力モジュールの大部分がサービスレーンから直接アクセスできないため、光起電力モジュールの交換又は清掃などの単純な保守作業を実行することは非常に困難であり得る。
【0016】
保守作業員は、歩行可能なサービスレーンの隣に配置されていない光起電力モジュールを交換できるようにするために、いくつかのモジュールを取り外す、及び/又は上面を歩く必要がある。
【0017】
最後に、従来の浮遊式ソーラーシステムのほとんどすべてについて、システムが強風に曝されたときに持ち上がるリスクを回避するために、各「島」の周囲に追加の列の水バラストフロート要素を設置する必要がある。フロート要素のこの余分な境界列は、追加のコストを追加し、設置時間を更に増加させる。
【0018】
残念なことに、このタイプの設計手法は、プレス記事において広く報告されているように、外部境界列要素と係留ラインとの間の単一の接続点の破断が、浮遊式ソーラープラントの大部分の全体的な破壊につながる可能性があるので、破局的な故障も起こしやすい。
【0019】
また、太陽光追尾アセンブリ用の支持管も知られており(国際公開第2020/165272号)、この支持管は、強風で持ち上がるリスクを制限するが、例えば設置コストに関しては依然として改善されるべきである。
【0020】
これらの従来技術の解決策の主な制限に対処するために、本発明は、必要とされる原材料の質量の大幅な低減、輸送に必要とされる輸送量の大幅な低減、及びこの新しいクラスの浮遊式ソーラーシステムを組み立てて水上に進水するのに必要とされる時間の大幅な低減を可能にする特定の分散製造方法に依存する新規なフロート設計を提示する。
【0021】
また、本発明の別の目的は、破局的な故障の危険性を排除するために、フロートが強風に曝されたときのシステム全体の抵抗を改善するために、部分的に水で満たされるように設計された浮遊要素に依存するフロート設計を提供することである。
【0022】
本発明の更に別の目的は、水中係留ラインと、フロート要素の各列の間の遮られていない水サービスレーンとを備える特定のシステムレイアウトを提供することである。これらの遮られていない水サービスレーンは、より効率的かつ安全な方法で保守作業を行うための専用プラットフォームの使用を独自に可能にする。
【0023】
本発明の更なる目的は、クリーンで電気的に効率的な光起電力ソーラーシステム及びそれらの対応するデバイスを維持する、効率的で実行が容易な方法を提供することである。
【0024】
これらの目的によれば、本発明の1つの目的は、主に、岸及び水体を有する水域上で浮遊式光起電力ソーラーシステムを実現するための方法であって、当該システムは、機械的構造を各々有する光起電力パネルと、フロートアセンブリの少なくとも1つのアレイとを備え、フロートアセンブリの各アレイは、少なくとも1つのフロートアセンブリを備え、各フロートアセンブリは、当該光起電力パネルを支持するための少なくとも2つの浮遊管要素の少なくとも1つのグループを備え、方法は、
-薄い材料のコイルを水域で取得し、輸送するステップと、
-当該コイルから得られた少なくとも2つの細長いリボン又は少なくとも2つの拡張シートを、岸及び現場で加工して、当該リボンを変形させる、又は当該シートを少なくとも2つの対応する薄壁の細長い中空開放管要素に曲げるステップであって、当該開放管要素は、それぞれの主軸に沿って延在し、互いに対して位置するように配置されたそれぞれの接合されていない細長い縁部を有し、当該加工するステップは、リボンの場合は螺旋管成形機を、シートの場合はロール成形機を使用するステップを含む、ステップと、
-当該それぞれの浮遊管要素を形成するために、機械的圧着、締結、又は固定プロセスを使用して、当該リボン又は当該シートの細長い縁部を互いに機械的に接合するステップと、
-当該浮遊管要素の各々の各端部にエンドキャップを固定するステップと、
-当該フロートアセンブリの少なくとも1つのアレイを形成し、それに応じて当該浮遊式光起電力システムを形成するために、当該浮遊管要素のグループの各々の当該浮遊管要素をフレームアセンブリと接合し、当該光起電力パネルを当該フレームアセンブリ上に取り付けるか、又は光起電力パネルの機械的構造自体を当該浮遊管要素上に固定することによって、各グループの当該浮遊管要素を接合するステップと、当該浮遊式光起電力ソーラーシステムを水に進水するステップとを含む、方法を提案する。
【0025】
薄い材料とは、2mm又は2mm未満、好ましくは1mm又は1mm未満の厚さを有する材料であると理解されるべきである。
【0026】
機械的圧着、締結又は固定プロセスを使用して細長い縁部を機械的に接合することによって、ボルト、リベットなどの機械的締結具を使用する任意の接合、又はクリンチツール若しくは溶接プロセス若しくは構造用接着剤若しくは当技術分野で知られている代替的な締結方法に依存する冷間成形方法が理解されるべきである。
【0027】
コイルは、例えばアルミニウム製の未加工の金属コイルであることが有利であるが、薄い可撓性複合材料又はプラスチック材料の薄い可撓性シート若しくはリボンであってもよい。
【0028】
有利な実施形態では、加工は、より具体的には、螺旋管成形機を使用して当該リボンを螺旋状に変形させ、リボンの接合されていない長手方向に隣接する細長い縁部を機械的に圧着して、当該それぞれの浮遊管要素を製造する。
【0029】
別の有利な実施形態では、より具体的には、加工は、ロール成形機を使用して当該シートを曲げて、それらの接合されていない細長い縁部を互いに依存させ、次いで、当該それぞれの浮遊管要素を形成するためのそのような機械的圧着、締結又は固定プロセスを使用して、それらを機械的に接合させる。
【0030】
本発明の別の実施形態では、岸及び水体を有する水域上で浮遊式光起電力ソーラーシステムを実現するための方法が提供され、当該システムは、機械的構造を各々有する光起電力パネルと、フロートアセンブリの少なくとも1つのアレイとを備え、フロートアセンブリの各アレイは、少なくとも1つのフロートアセンブリを備え、各フロートアセンブリは、当該光起電力パネルを支持するための少なくとも2つの浮遊管要素の少なくとも1つのグループを備え、方法は、
-薄い材料のコイルを水域で取得し、輸送するステップと、
-当該コイルから得られた細長いリボンを、少なくとも2つの薄壁の細長い中空の開放管要素に変形させるために、岸及び現場で処理するステップであって、当該開放管要素は、それぞれの主軸に沿って延在し、当該処理は、当該開放管要素を形成するために螺旋管成形機を使用するステップを含む、ステップと、
-当該金属リボンの長縁部を互いに機械的に接合して、当該それぞれの浮遊管要素を製造するステップと、
-当該浮遊管要素の各々の各端部にエンドキャップを固定するステップと、
-当該フロートアセンブリの少なくともアレイを形成し、それに応じて当該浮遊式光起電力システムを形成するために、当該浮遊管要素のグループの各々の当該浮遊管要素をフレームアセンブリと接合し、当該光起電力パネルをフレームアセンブリ上に取り付けるか、又は当該光起電力パネルの機械的構造自体を当該浮遊管要素上に固定することによって、各グループの当該浮遊管要素を接合するステップと、を含む。
【0031】
加えて、本方法は、浮遊式光起電力システムを、1つずつのフロートアセンブリ、又は互いの間にすでに接続されているフロートアセンブリの各アレイを連続して水体中に進水するステップを更に含む。
【0032】
代替の実施形態では、岸及び水体を有する水域上で浮遊式光起電力ソーラーシステムを実現するための方法が再び、及び/又は更に提供され、当該システムは、機械的構造を各々有する光起電力パネルと、フロートアセンブリの少なくとも1つのアレイとを備え、フロートアセンブリの各アレイは、少なくとも1つのフロートアセンブリを備え、各フロートアセンブリは、当該光起電力パネルを支持するための少なくとも2つの浮遊管要素の少なくとも1つのグループを備え、方法は、
-薄い材料のコイルを水域で取得し、輸送するステップと、
-当該コイルから得られたシートを岸及び現場で加工して、互いに対して位置するそれぞれ接合されていない細長い縁部を有する少なくとも2つの薄壁の細長い中空開放管要素に曲げ、当該開放管要素はそれぞれの主軸に沿って延在し、当該加工は、ロール成形機を使用するステップと、
-溶接、機械的圧着、締結又は固定プロセスを使用して各それぞれの開放管要素の縁部を互いに機械的に接合して、当該それぞれの浮遊管要素を形成するステップと、
-当該浮遊式光起電力ソーラーシステムを更に水体に進水するか否かにかかわらず、エンドキャップを当該浮遊管要素の各々の各端部に固定して、当該フロートアセンブリの少なくともアレイを形成し、それに応じて当該浮遊式光起電力システムを形成するために、当該浮遊管要素のグループの各々の当該浮遊管要素をフレームアセンブリと接合し、当該光起電力パネルをフレームアセンブリ上に取り付けるか、又は当該光起電力パネルの構造自体を当該浮遊管要素上に固定することによって、各グループの当該浮遊管要素を接合するステップと、を含む。
【0033】
いくつかの有利な実施形態では、上記で説明した方法のいずれかに従って、水域上で浮遊式光起電力ソーラーシステムを実現するための方法であって、以下の特徴:
-コイルは未加工の金属コイルであり、
-方法は、エンドキャップを固定する前に、当該浮遊管要素の内側に浮力要素を挿入するステップを更に含む、のうちの1つ以上を更に含む方法もまた及び/又は更に提案される。
【0034】
これは、浮遊特性を維持しながら、防水性でない浮遊管要素を製造することを可能にする。したがって、各それぞれの開放管要素の縁部を互いに接合するステップ、及び端部キャップを固定するステップは、完全かつ気密に実行される必要はなく、漏れを許容することができ、
-エンドキャップは、オーバーフローを可能にする中央又は実質的に中央の開口部を有し、方法は、進水後に、システムの安定性を高めるように、当該浮遊管要素が浸漬している間に、オーバーフロー開口部まで浮遊管要素の底部に水を漏出させるステップを含む。これは、バラストの役割を果たす水が、強風の場合の転覆に対する抵抗を大幅に改善するためであり、
-システムの進水は、一端が岸にあり、他端が水体に十分に浸漬された2つの細長いガイドレール要素を配置するステップと、少なくとも2つのフロートアセンブリを直列かつ一列に機械的に接続してフロートアセンブリの対応するアレイを形成するステップであって、当該アレイが接続されたフロートアセンブリの列を形成する一方で、当該ソーラーフロートアセンブリの列を水体に支持及び案内するための進水ランプを形成するように、当該2つの平行な細長いガイドレール要素上にそのようなアレイを配置し、浮遊管要素がレールに沿って摺動するように配置される、ステップと、そのような列を押す及び/又は引くことによって、そのような列を水体に完全に駆動するステップと、
-フロートアセンブリの複数の少なくとも2つのアレイを支持するために、当該進水ランプに10メートルを超える全長を提供するステップであって、各アレイは、例えば、少なくとも2つ、有利には5つの光起電力ソーラーパネルを備える、ステップと、
-細長いガイドレール要素を配置することは、支柱打ち込み機械を使用して地面に打ち込まれるか、又はコンクリートブロック又は地面ねじなどの他の基礎要素に取り付けられた、調節可能な長さの脚部を有する垂直支柱のアレイを提供して、そのようなレール要素を支持することを含み、
-方法は、水体の所定の表面上にフロートアセンブリの複数のアレイを配置するステップと、水体表面下少なくとも0.5mの深さに位置決めされた複数の水平ケーブルの直線状アレイを提供するステップと、当該フロートアセンブリのアレイを水平ケーブルに機械的に接続するために、短い垂直ケーブル又はチェーンを使用するステップと、当該水平ケーブルを、水体の岸及び/又は底部に設置された固定点のアレイに接続する固定ラインを提供するステップと、を更に含み、
-方法は、フロートアセンブリの少なくとも1つのアレイ又はフロートアセンブリのアレイのグループの周りに、1対の対応する外部(又は周辺)横方向水平ケーブルと、当該1対の横方向水平ケーブルに垂直であり、複数の水平ケーブルの当該アレイに属する1対の対応する外部長手方向水平ケーブルとを配置し、そのようなアレイ又はアレイのグループを複数の固定基礎点に取り付けられた固定ケーブルで固定するステップを更に含み、
-ソーラーフロートシステムは、フロートアセンブリの少なくとも2つのアレイの平行な列に編成され、したがって、所定の値以上の広さを有する外部又は中間の平行な自由水面又は水路を生成し、設置方法は、フロートアセンブリのアレイの2つの隣接する列に沿って及び/又はその間で当該2つの平行な水路上に浮遊し、欠陥のあるソーラーパネル又はモジュールを保守及び/又は交換するために当該フロートアセンブリの列の上及びその間をナビゲートする安定した双胴船型プラットフォームを生成するために、上位フレーム構造によって互いに接合された1対の浮力要素を備える保守プラットフォームを使用することによって、当該浮遊式ソーラーシステム上で保守作業を実行するステップを含む保守方法を更に含む。
【0035】
双胴船プラットフォームが各特定の列の上を循環することを可能にする、フロートアセンブリの列の間の経路を作成することによって、保守が大幅に改善される。
【0036】
本発明は更に、上述の方法と共に使用される、水域上の浮遊式光起電力ソーラーシステムを提案する。
【0037】
また、岸及び水体を有する水域上の浮遊式光起電力ソーラーシステムであって、当該システムは、光起電力パネルと、フロートアセンブリの少なくとも1つのアレイとを備え、フロートアセンブリの各アレイは、少なくとも1つのフロートアセンブリを備え、
各フロートアセンブリは、当該光起電力パネルを支持するための少なくとも2つの浮遊管要素の少なくとも1つのグループを備え、
当該浮遊管要素の各々は、主軸に沿って延在する薄い(すなわち<1mm)細長い壁を有し、当該浮遊管要素は、螺旋管成形機又はロール成形機を使用して未加工の金属コイルから抽出された金属リボン又はシートを曲げて、隣接する長手方向縁部が互いに対向する開放円筒を得ることによって形成され、そのような開放円筒のそのような隣接する長手方向縁部を機械的圧着、締結、接着又は溶接による固定して、そのような浮遊管要素を長手方向に閉じる手段を有し、当該浮遊管要素の各端部はエンドキャップによって閉じられており、
各フロートアセンブリは、当該浮遊式光起電力システムを形成するための当該フロートアセンブリの少なくとも1つのアレイを形成するために、当該光起電力パネルを支持するフレームアセンブリと、
当該浮遊式光起電力システムを形成する当該フロートアセンブリの少なくとも1つのアレイの水体への進水装置と、を備える、浮遊式光起電力ソーラーシステムを提案する。
【0038】
いくつかの有利な実施形態では、以下の特徴:
各フロートアセンブリは、光起電力パネルを支持するための3つの平行な浮遊管要素の少なくとも1つのグループを備え、
-浮遊管要素は防水性ではなく、エンドキャップは、当該浮遊管要素が浸漬したときに水のオーバーフローを可能にする中央、又は実質的に中央の開口部を有し、
-各浮遊管要素は、内部に少なくとも1つの浮力要素を備え、
-システムは、フロートアセンブリの当該アレイに動作可能に接続された複数の係留ラインを備え、
-システムは、当該係留ラインを固定点のアレイに接続する固定ラインを備え、
-各浮遊管要素は5mを超える長さを有し、
-各フロートアセンブリは、当該浮遊管要素の当該主軸に垂直な方向に沿って延在する少なくとも3つのフレーム要素を備え、
-当該フレーム要素は、当該浮遊管要素に動作可能に接続されており、
-システムは、接続されたフロートアセンブリの列を形成するフロートアセンブリの複数のアレイを備え、進水デバイスは、当該ソーラーフロートアセンブリの列を支持して水体に案内するように配置された2つの平行な細長いガイドレール要素を備え、
-システムは、そのようなレール要素を支持するために、地面に打ち込まれるか、又はコンクリートブロック若しくは地面ねじなどの基礎要素に取り付けられる、調節可能な長さの脚部を有する垂直支柱のアレイを備え、
-システムは、当該フロートアセンブリのアレイに機械的に接続された複数の水平ケーブル及び短い垂直ケーブル又はチェーンと、当該水平ケーブルを岸及び/又は水体の底部に設置された固定点のアレイに接続する固定ラインとを備え、
-システムは、フロートアセンブリの少なくとも1つのアレイ又はフロートアセンブリのアレイのグループのために、1対の対応する外部(又は周辺)横方向水平ケーブルと、当該1対の横方向水平ケーブルに垂直であり、複数の水平ケーブルの当該アレイに属し、そのようなアレイ又はアレイのグループを複数の固定基礎点に取り付けられた固定ケーブルで固定する1対の対応する外部長手方向水平ケーブルと、を更に備え、
-本発明の一実施形態は、浮遊式光起電力ソーラーシステムに関し、双胴船型プラットフォームを形成するようにフレーム構造によって互いに接合された1対の浮力要素を備える保守プラットフォームを備え、
-本発明の一実施形態は、浮遊式光起電力ソーラーシステムに関し、水切りシステムを備え、当該水切りシステムは、固定クリップのアレイを使用してソーラーパネルの上側に沿って取り付けられた少なくとも1つの有孔送水管と、リザーバ及び/又は水体から当該ソーラーパネルの上面上に淡水を圧送するための外部水ポンプと、を備え、
-水切りシステムは、第1の有孔送水管の出力入口を後続のフロートアセンブリの入力入口に接続することによって直列に接続された複数の有孔送水管を備える、のうちの1つ以上を含む水域上の浮遊式光起電力ソーラーシステムがまた、及び/又は更に提案される。
【0039】
有利なことに、本発明の別の目的は、本明細書の上述した関連部分による保守プロセス及び装置を提案すること、及び/又は特定の浮遊式プラットフォームを使用して、設置されたシステムに対してより安全な方法で及び/又は上述した説明に従って保守作業を行うことを独自に可能にする浮遊式レイアウト設置構成を提供することである。
【0040】
本発明の別の目的は、上述したような浮遊式光起電力ソーラーシステムの光起電力パネルを洗浄するための、及び/又は、このようなシステムの光起電力パネル又はモジュールの上面に積雪が堆積するリスクを排除するための、及び/又は、上述し、以下で更に説明するような連続的かつ自動的な方法でそれらの上面を洗浄するための、水切りプロセス及び/又はシステムを提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
本発明の上記及び他の特徴及び利点は、添付の図面と併せて、かつ非限定的に解釈される以下の要約された詳細な説明を検討することによって明らかになるであろう。
【
図1】螺旋管成形機を使用して、本発明による浮遊式光起電力ソーラーシステムを実現する方法及び/又はシステムの一実施形態の異なるステップを示す概略全体斜視図を示す。
【
図2】ロール成形機を使用して浮遊管要素を形成するための本発明の処理ステップの別の実施形態の斜視図を示す。
【
図3A】5つのソーラーパネル又はモジュールのアレイを支持するために配置されたフロートアセンブリのある角度での斜視図を示しており、第1の実施形態(
図3A及び
図3B)によれば、そのようなパネルを支持するためのフレームアセンブリを有し、それぞれ、パネルを備えたもの(
図3A)及びそのようなパネルを備えていないもの(
図3B)であり、第2の実施形態(
図3C)によれば、フレームアセンブリは、浮遊管要素間の接合部が光起電力パネル自体の機械的構造又はフレームによって得られるので縮小される。
【
図3B】5つのソーラーパネル又はモジュールのアレイを支持するために配置されたフロートアセンブリのある角度での斜視図を示しており、第1の実施形態(
図3A及び
図3B)によれば、そのようなパネルを支持するためのフレームアセンブリを有し、それぞれ、パネルを備えたもの(
図3A)及びそのようなパネルを備えていないもの(
図3B)であり、第2の実施形態(
図3C)によれば、フレームアセンブリは、浮遊管要素間の接合部が光起電力パネル自体の機械的構造又はフレームによって得られるので縮小される。
【
図3C】5つのソーラーパネル又はモジュールのアレイを支持するために配置されたフロートアセンブリのある角度での斜視図を示しており、第1の実施形態(
図3A及び
図3B)によれば、そのようなパネルを支持するためのフレームアセンブリを有し、それぞれ、パネルを備えたもの(
図3A)及びそのようなパネルを備えていないもの(
図3B)であり、第2の実施形態(
図3C)によれば、フレームアセンブリは、浮遊管要素間の接合部が光起電力パネル自体の機械的構造又はフレームによって得られるので縮小される。
【
図4】本発明の別の実施形態によるフロートアセンブリのある角度での斜視図を示し、3つの平行浮遊管要素が、互いに実質的に隣接し、反対方向に傾斜したそれぞれの上部を有する2組の5つのパネルから形成されたアレイを支持するように配置されている。
【
図5】同じ方向に向けられたソーラーパネルのアレイを支持するために配置されたツリー浮遊管要素を有する、本発明のフロートアセンブリの別の実施形態の断面図を示す。
【
図6A】部分的に水で満たされるように配置された本発明と共に使用される細長い浮遊管要素(フロート要素とも呼ばれる)の3つの実施形態の断面図を示す。
【
図6B】部分的に水で満たされるように配置された本発明と共に使用される細長い浮遊管要素(フロート要素とも呼ばれる)の3つの実施形態の断面図を示す。
【
図6C】部分的に水で満たされるように配置された本発明と共に使用される細長い浮遊管要素(フロート要素とも呼ばれる)の3つの実施形態の断面図を示す。
【
図6D】本発明の一実施形態によるエンドキャップの正面図を示す。
【
図7】本明細書でより詳細に説明される本発明の実施形態による浮遊式光起電力ソーラーシステムの実現(製造及び組み立て)のための方法の第1のステップを示す流れ図である。
【
図8】本発明の一実施形態によるフロートアセンブリのアレイ(列)を備え、いくつかのフロートアセンブリを一列に組み立てて水中に進水するためのランプを備える、進水デバイスの3D図を示す。
【
図9】本発明の一実施形態による4つのフロートアセンブリのアレイを水体に固定するための解決策を示す、浮遊式光起電力ソーラーシステムの実施形態の側面図である。
【
図10】水体における本発明の実施形態によるフロートアセンブリの複数のアレイの相互接続及び固定を示す、レイアウトの実施例の上面図を示す。
【
図11A】本発明の一実施形態による、プラットフォームと、浮遊式光起電力ソーラーシステム上で保守作業を行うためのプラットフォームを備えるシステムと、の2つの斜視図をそれぞれ示す。
【
図11B】本発明の一実施形態による、プラットフォームと、浮遊式光起電力ソーラーシステム上で保守作業を行うためのプラットフォームを備えるシステムと、の2つの斜視図をそれぞれ示す。
【
図12】本発明の一実施形態による、水切りシステムを備えたフロートアセンブリのある角度での斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明は、本質的に、材料使用量を最小限に抑え、輸送体積を低減し、現場組み立てを単純化し、浮遊式ソーラープラントの競争力を向上させるために、専用保守プラットフォームを使用して保守作業を行うための遮られない水アクセス可能なサービスレーンを有する最適化されたシステムレイアウトを提供する、新規なクラスの浮遊式光起電力システムを製造及び組み立てるための分散型方法を提供する。
【0043】
以下では、同一又は類似の要素を示すために同一の参照番号が好ましくは使用される。
【0044】
図1は、薄い材料の少なくとも1つのコイル10、例えば、長さ5300m、幅140mm及び厚さ1mmを有する約2000kgの未加工アルミニウムのフィルムのコイルを取得して輸送する第1のステップ(参照番号2)を含む浮遊式光起電力ソーラーシステム1の実現の主要なステップを示す。
【0045】
コイル10は、それ自体知られているツールを用いてリボン11に展開され、それ自体知られている螺旋管成形機20によって漸進的に成形される螺旋16の2つの連続する周回14及び15を介して細長い縁部12、13を圧着することによって固定しながら、浮遊管要素101を作成するために、所定のオフセットでそれ自体に漸進的に巻き付けられる(ステップ3)。
【0046】
図1において(17で参照される拡大図を参照されたい)、それぞれの細長い縁部12及び13は、それ自体公知の圧着デバイスを用いて、
図1に示すように他方の縁部の折り目の内側でそれらのそれぞれの周囲をブロックすることによる機械的圧着プロセスを使用して、互いに機械的に接合される。
【0047】
螺旋管は、この実施形態のように完全に防水性でなくてもよく、要求される浮力を得るために、複数の容器115、例えばエアバッグが、管の中空部分18に導入され、例えば、長さ5m、直径30cmの管に対して130リットルの2つのエアバッグなど、管の内部容積の約3分の2を充填するように配置される。
【0048】
浮遊管要素101が完成すると、エンドキャップ120が管要素の両端に圧着又は任意の他の既知の固定手段によって固定され、エンドキャップは、例えば、水によるバラストを可能にするための中心孔123を有する。
【0049】
このプロセスの次のステップ(参考文献21参照)は、2つの浮遊管要素101、すなわち、所定の距離で平行に配置された第1の管要素及び第2の管要素と、フレームアセンブリ200との接合である。
【0050】
各フレームアセンブリは、例えば、アルミニウム製であり(管要素と同じ金属である)、フレームアセンブリの各々は、2つのそれぞれの固定カラー202にその端部で取り付けられた横方向の細長い部材201によって形成される。
【0051】
各カラーは、例えば、管に結合される1つの開放円203と、当該開放円に堅固に固定された1つの構造ビーム部材とを備え、一端が所定値の第1の高さのビーム部材204を介して第1の管に対応し、他端がより小さい所定値の第2の高さの第2のビーム部材205に第2の管に対応し、各々が一端で円203に固定され、他端で横方向の細長い部材201に固定され、したがって、パネル300の幅に対応するか又はそれよりわずかに小さい距離で互いに配置された2つの平行なフレームアセンブリに堅固に固定される光起電力パネル300に対して数度、例えば10°の傾斜を含む。
【0052】
次のステップ(ステップ参照番号22)は、5つのパネル300のフロートアセンブリ1000を形成するために、光起電力パネルをフレームアセンブリ上に互いに並べて取り付けることであり、パネルは、例えば、フランスのARaymond社の商標PowAR Snapで市販されているクリップなどの締結クリップ206でフレームアセンブリ上に固定される。
【0053】
本発明の好ましい実施形態によれば、フロートアセンブリは、1つのセクション801が岸2000上にあり、1つの端部802が水体3000に浸漬された状態で平行に配置された2つの細長いガイドレール要素810及び820を介して進水される。ガイドローラ840は、それ自体知られている方法で、レール上の浮遊管要素101の滑らかな変位を可能にする。最後に、フロートアセンブリ1000は、水体3000上に浮遊しており、その固定場所にナビゲートされる準備ができている。
図2は、より大きな幅、例えば95cmのコイル23からロール成形機22を使用して管要素102を成形する別の実施形態を示し、管要素の長さは、コイルを正しい距離で切断することによって決定される。
【0054】
開放管の縁部24及び25は、完成した浮遊タブ要素102を得るために、例えばリベット又はクリップ26で互いに接合され、及び/又は互いに接着若しくは溶接若しくは機械的に圧着される。
【0055】
システムを形成する以下のステップは、例えば、上述したものに対応する。
【0056】
図13A及び
図3Bは、5つの光起電力パネル又はモジュール300のアレイを支持するように構成された本発明の一実施形態によるフロートアセンブリ1000の3D図を示す。
【0057】
ソーラーフロートアセンブリ1000のこの実施形態は、2つの同一の中空管要素101を備え、これらは、ある距離で規則的に配置され、パネルを2つずつ支持するように配列された6つの連続フレームアセンブリ200と共に動作可能に接続される。
【0058】
本発明のこの好ましい実施形態では、5つの光起電力ソーラーモジュール300のアレイが、傾斜角度でソーラーモジュール300を支持するように設計された複数のモジュール支持ブラケット207を使用してフレームアセンブリ200に動作可能に接続される。北半球では、ソーラーモジュールは好ましくは南に向かって傾けられ、南半球では北に向かって傾けられる。両方の場合において、フロートアセンブリ1000及び中空管要素101は、北-南方向に沿って配向される主軸103を有する。
【0059】
図3Cは、2つのサブフレームに分割されたフレームアセンブリに依存する本発明の別の実施形態によるフロートアセンブリ1001の3D図を示す。
【0060】
サブフレームアセンブリ205の第1のセットは、第1の管要素101に動作可能に接続され、サブフレームアセンブリ204の第2のセットは、第2の管要素101に動作可能に接続される。本発明のこの実施形態では、2つのサブフレームアセンブリは、ソーラーモジュール又は光起電力パネル300の金属フレーム又は機械的構造を介して単に動作可能に互いに接続される。
【0061】
本発明のこの実施形態では、第2のサブフレームアセンブリ204は、好ましくは、フロートアセンブリ1000がソーラーモジュールのアレイを装備しているときにフロートアセンブリの全体的な機械抵抗を改善するために、1対の2つのモジュール支持ブラケット207を装備している。
【0062】
本発明の好ましい実施形態では、ソーラーモジュールの傾斜角は、風抗力係数を最小化するために20°未満である。
【0063】
本発明の代替的な実施形態において、フロートアセンブリは、異なる数(N)のソーラーモジュール300を備えてもよい。これらの代替実施形態では、N個の光起電力モジュール300を支持するために、N+1個のフレームアセンブリ200が使用される。
【0064】
本発明の好ましい実施形態では、中空浮遊管要素101は、円筒形状を有する。
【0065】
本発明の他の実施形態では、中空管は、正方形、長方形、六角形、又は任意の閉じた形状の多角形プロファイルなどの異なる断面形状を有してもよい。
【0066】
中空管要素101は、薄シート締結解決策を使用してフレームアセンブリ200に動作可能に接続される。モジュール支持ブラケット207は、薄シート締結解決策を使用して各フレームアセンブリ200に動作可能に接続される。
【0067】
本発明の別の実施形態では、フレームアセンブリは、
図4に示すように、東及び西に向かってある角度で傾斜した光起電力モジュール300の2つの列301及び302を支持するように構成することができる。本発明のこの実施形態では、サブフレームアセンブリ205の第1のセットは、1対の側管要素101に動作可能に接続され、中央サブフレームアセンブリ204の第2のセットは、中央の第3の管要素101に動作可能に接続される。本発明のこの実施形態では、サブフレームアセンブリは、ソーラーモジュール300の金属フレームを介して単に動作可能に互いに接続される。この設計構成の場合、フロートアセンブリ1000の浮遊管要素101は、好ましくは、南北軸に沿って配向される。
【0068】
図5は、水体3000の上に浮遊している2つの上部管要素101と、完全に水中に浸漬されている第3の下部管要素103とを備える、本発明のフロートアセンブリの別の実施形態を示す。本発明のこの実施形態では、制御システムは、このフロートアセンブリの傾斜角αを動的に調整するために、下部管要素103に空気を注入するように接続されてもよい。
【0069】
本発明のこの実施形態では、制御システムは、フロートアセンブリの管に空気を充填し、水を押し出すために、水ポンプの代わりに空気ポンプを備えてもよい。
【0070】
図5に示す例では、フロートアセンブリは、下部管要素103が空気で部分的に又は完全に充填されているときに下部管要素の浮力が増大するにつれて南方向に向かって回転する。本発明のそのような実施形態では、短い開放端管が、浮遊管要素の管エンドキャップの底部に位置する水線コネクタ122に接続されてもよい。これらの端部が開放された管は、制御システムが管の内部空洞内の空気の圧力を調整するときに、水が浮遊管要素に出入りすることを可能にする。
【0071】
より正確には、
図5は、光起電力ソーラーモジュール又はパネル300のアレイを支持するように配置されたフロートアセンブリの側面図を示す。それは、3つの中空浮遊管要素、すなわち、2つの上部管要素101(一般的な平面Pを形成する)と、1つの下部管要素103とを備える。管要素101及び103は、傾斜角α1を有する、例えば実質的に「V」角形状を有するソーラーモジュールを保持するために、(主軸に関して)非対称な形態を有するN+1個のフレームアセンブリ210によって互いに接続され、上部管は、例えば、一方(101)については「V」の第1の分岐の中間外部部分で、他方(101)については「V」の第2の分岐の末端部分で、当該分岐に固定される。中心点Mに関する非対称性に起因して、また、下部管が例えば空気で満たされている場合、力Fの圧力は、回転(図の矢印)を生成し、したがって、光起電力パネル300の傾きの変動を生成する。
【0072】
この実施形態の機能に関するより詳細な説明は、参照により本明細書に組み込まれる特許文献WO 2020/165272に見出すことができる。
【0073】
図6A、
図6B及び
図6Cは、水140で部分的に充填される内部空洞を備える、本発明のソーラーフロートアセンブリの実施形態の細長い円筒形状の管フロート要素の断面図を示す。水で満たされていない内部空洞113の残りの容積は空気で満たされている。本発明の一実施形態では、各管フロート要素は、外部表面110と、リング状コア111と、内部表面112とを備える。リング状コア111は、発泡ポリスチレン又はポリウレタン発泡体等の軽量材料を使用して加工されてもよい。
【0074】
本発明の別の実施形態では、空気を充填した円筒形の缶又は球114を使用して、リング状コア111を部分的又は完全に充填することができる。リング状コア111の外側表面110は、ゴム層、硬質プラスチックシェル又は薄い金属シートなどの耐擦傷性層で補強されてもよい。リング状コア111の内側表面112は、ゴム、プラスチックフィルム又は薄い金属シートなどの防水層で保護されていてもよい。
【0075】
図6Cは、複数の容器115、例えば、管要素の内部に存在する内部水140上に浮遊するエアバッグを含む内部空洞113を有する外部表面110を備えた浮遊円筒管要素の別の実施形態の断面図であり、エアバッグの各々は、例えば、管要素の断面の1/2~9/10の寸法の断面を有する。より正確には、浮遊容器115は、球形、長円の円筒形、又は同等の形状を有してもよい。
【0076】
本発明の好ましい実施形態では、20~30個の浮遊容器115が、浮遊容器115のうちのいくつかが穿孔された場合に最小浮力が保たれることを確実にするために、5メートルの長さを有する管要素の内側に挿入されてもよい。水140で満たされていない内部空洞113の残りの容積は、空気で満たされている。
【0077】
各フロート管の両端は、
図6Dに示されるエンドキャップ120によって閉鎖される。各エンドキャップ120は、エンドキャップ120の上部に位置する1つの通気孔121を備えてもよい。本発明のいくつかの実施形態では、通気孔は、管内部空洞113の内側に位置する空気の圧力を調節するために、空気ポンプ124又は代替の加圧空気源に接続されてもよい。
【0078】
エンドキャップの中央部123又は下部122に配置された追加の孔を追加して、水を入れ、管要素を部分的に水で満たしてもよい。水充填プロセスの完了後、孔122~123は、管内の水の体積を保持するためにキャップで閉じることができる。一時的に空にすることができる水リザーバに設置する場合、この解決策は、リザーバの床に安全に置くことができるフロート構造を安定させるために、各管要素の内側に大量の水を保持する手段を提供する。
【0079】
図7は、本発明による浮遊式ソーラーフロートを製造し組み立てるための例示的な分散型方法の流れ図を示す。
【0080】
第1のステップ2では、フロート主構造の要素及び未加工金属コイルが、浮遊式ソーラープラントの設置場所上に(又はその近くに)輸送される。
【0081】
第2のステップ3では、螺旋管成形機を使用して、未加工の金属コイルが加工され、管に変形される。本発明の代替実施形態では、未加工金属コイルは、ロール成形機を使用して管に変形されてもよい。
【0082】
本発明の好ましい実施形態では、金属ストリップの縁部は、機械的圧着プロセスを使用して互いに機械的に接合される。
【0083】
本発明の代替的な実施形態では、金属ストリップの側縁部を互いに接合するために、薄シート締結解決策を使用することができる。
【0084】
第3のステップ30では、浮力要素がフロート管の内側に挿入される。
【0085】
本発明の好ましい実施形態では、浮力要素は、空気が充填され、その後恒久的に密封される袋を備える。
【0086】
本発明の別の実施形態では、浮力要素は、
図6Bを参照して説明されるように、ポリスチレン又はポリウレタン発泡体等の低密度材料を備えてもよい。
【0087】
第4のステップ40において、2つのエンドキャップが各フロート管の端部に取り付けられる。エンドキャップは、薄いシートの機械的締結解決策又は当技術分野で知られている他の締結方法を使用してフロート管に取り付けることができる。
【0088】
並行して、フロートフレーム要素が組み立てられる(ステップ50)。
【0089】
第5のステップ21では、1対の完成した管要素が、本発明のフロート構造を形成するために、フレームアセンブリの直線状アレイと共に接合される。
【0090】
本発明の好ましい実施形態では、フレーム要素は、これらの要素を現場に輸送するのに必要な体積を低減するために、現場で一緒に組み立てられてフレームアセンブリを形成する。フレーム要素は、薄いシートの機械的締結解決策を使用してフレームアセンブリを形成するように一緒に組み立てられてもよい。
【0091】
最終ステップ22では、光起電力モジュールのアレイが、この要素を水中に進水する前に、各フロートアセンブリ上に搭載される。
【0092】
本発明の好ましい実施形態では、光起電力モジュールを装備したソーラーフロートは、
図8に示すような進水ランプを使用して水中に進水される。
【0093】
進水ランプは、1対の2つのレール要素810及び820を備えることができ、これらのレール要素は、ソーラーフロート1000の主管要素を支持及び案内するために、浮遊管要素101の外部表面の形状に対して相補的な曲率を有するのこぎり形状を有するローラ840を備えることができる。
【0094】
本発明の好ましい実施形態では、進水ランプは、複数のフロート要素を支持するために比較的長い全長を有するように構成される。レール要素810及び820は、垂直支柱830のアレイによって支持される。これらの垂直支柱は、調節可能な長さの脚部を有してもよく、又は支柱打ち込み機械を使用して地面に単に打ち込まれてもよく、又は水域付近の岸の土壌のタイプ及び質に応じて、コンクリートブロック又は地面ねじ等の他の基礎要素上に搭載されてもよい。
【0095】
図9及び10は、それぞれ、本発明によるソーラーフロートアセンブリ1000のアレイを水体に固定するための異なる解決策の例示的実施形態の側面図及び上面図を示す。
【0096】
図9は、フロートアセンブリ1000の4つのアレイ1003を側面図で示す。
【0097】
本発明のこの好ましい実施形態において、フロートアセンブリ1000は、水平ケーブル510の直線状アレイに機械的に接続される。本発明の有利な実施形態では、水平ケーブル510は、フロートアセンブリの列の間に明確なサービス経路を提供するために、水面下少なくとも0.5mの深さに配置される。フロートアセンブリ1000を水平ケーブル510に機械的に接続するために、短い垂直ケーブル又はチェーン511が使用される。
【0098】
図10は、各々が直列の4つのフロートアセンブリ1000の列を形成する6つのアレイ1003の2つのセットを備える水体3000上の浮遊式光起電力ソーラーシステムを示し、各フロートアセンブリは、パネルから電気を収集し、それを例えばそれ自体知られている方法で岸上のソーラーインバータ(図示せず)に提供するための主電気ケーブルに直列に接続された5つの光起電力パネル300を備える。
【0099】
そのような構成では、
図11A及び11Bを参照して以下で説明するように、狭いサービスボートを使用して、又は好ましくは専用の保守プラットフォームを使用して、保守チームによって、欠陥のあるソーラーモジュールの交換などの保守作業を容易に行うことができる。
【0100】
必要とされる水平ケーブルの数を減らすために(
図10参照)、1つ又は複数のフロートアセンブリが、南北方向に沿って直列に機械的に互いに接続されてもよく、それらの上端部及び下端部のみが水平ケーブル510に機械的に接続される。各水平ケーブル510の東側及び西側は、垂直ケーブル520に機械的に接続される。
【0101】
1対の水平ケーブル510及び垂直ケーブル520が、岸に設置された複数の固定基礎点のうちの1つに取り付けられた固定ケーブル540で固定されたトラッカフロートアセンブリ1000のブロックを形成しており(例えば、コンクリートパイル550)、又は、水体の底に設置されている(例えば、560)。
【0102】
土又は固体バラストブロックに打ち込まれるグラウンドアンカーは、固定基礎点として使用されてもよい。ブイ530は、水平ケーブル510及び垂直ケーブル520を基礎550に接続する固定ケーブル540によって誘発される垂直力を補償するために、水平ケーブル510の端部に追加されてもよい。
【0103】
固定ケーブル540は、水位変動に適応するために、テンショナデバイスを装備してもよい。
【0104】
図11A及び
図11Bは、それぞれ、本発明による浮遊式ソーラーシステム上で保守作業を行うための特定のプラットフォーム900の3D図及びレンダリング図を示す。
【0105】
本発明の好ましい実施形態では、保守プラットフォーム900は、フロートアセンブリ1000の列の間の水アクセスレーン960を使用することによって本発明の浮遊式ソーラープラントを通ってナビゲートすることができる安定した双胴船型プラットフォームを作り出すために、フレーム構造940によって互いに接合された1対の浮力要素910及び920を備える。
【0106】
この構成では、ソーラーフロートアセンブリ1000から欠陥のあるソーラーパネルを容易に持ち上げて交換するために、2人の保守要員を保守プラットフォームの各側に配置することができる。本発明の好ましい実施形態では、保守プラットフォーム900は、パネルの幅よりもわずかに小さくなるように配置された互いに所定の距離にある2つの平行なラック950を備え、除去及び/又は修理されるそのようなパネルを支持し、したがって新規及び欠陥ソーラーパネル300を保管する。
【0107】
浮力要素910及び920は、好ましくは、ソーラーフロートアセンブリ1000の管に沿って保守プラットフォーム900を案内するために、側部ローラ930を備える。
【0108】
相互接続されたプラスチックフロートの密に詰められたブロックを備える従来技術の浮遊式ソーラーシステムとは対照的に、本明細書に開示される保守プラットフォームは、保守作業がより安全な様式で行われることを独自に可能にする。本発明によるソーラーフロートアセンブリは、
図10に示されるような特定のレイアウトに従って独立した列に編成される。
【0109】
本明細書に開示される特定の保守プラットフォームを使用して、保守員は、欠陥のあるソーラーパネルを交換するために、比較的狭く不安定なフローティングアクセスレーン上の浮遊式ソーラープラントを横切って歩く必要がない。本明細書に開示される保守プラットフォームは、ソーラーパネルを洗浄するために使用することもできる。
【0110】
本発明の好ましい実施形態では、この保守プラットフォームは、ソーラーパネルの上面を半自動化された方法で洗浄するために、回転ブラシ及び/又はウォータージェットを備えることができる。
【0111】
頻繁な清掃作業を必要とする(埃の多い環境又は頻繁な鳥の落下に曝される)浮遊式ソーラー設備の特定の場合において、保守プラットフォームの移動は、電子制御システムによって完全に自動化された方法で制御されてもよい。
【0112】
本発明の別の実施形態では、本発明によるソーラーフロートは、特定の水切りシステム(図示せず)を備えることができる。
【0113】
図12は、固定クリップ804のアレイを使用してソーラーパネル300の上側に沿って取り付けられた有孔送水管800を備える水切りシステムの例示的な実施形態を示す。
【0114】
外部水ポンプ(図示せず)は、浮遊式ソーラーシステムが設置された水体又はリザーバから淡水を汲み上げるために使用される。
【0115】
複数のフロートアセンブリは、有孔送水管の出力入口802を後続のフロートアセンブリ1000の入力入口801に接続することによって、直列で接続されてもよい。送水管穿孔803の数及び開口直径は、選択された水ポンプの流量及び直列に接続されたフロートアセンブリ1000の数に応じて最適化されるべきである。
【0116】
この水切り解決策は、完全に自動化された方法でソーラーパネル300の上面を洗浄するための手段を提供する。
【0117】
約1mを超える深さで汲み上げられた水の温度は常に正であるため、この水切りシステムはまた、ソーラーパネルの表面上の雪の蓄積を防止するための解決策を提供する。
【0118】
大量の降雪に曝される場所に設置された浮遊式ソーラーシステムの特定の場合において、本明細書に開示される水切り解決策は、リザーバの深水に蓄えられたカロリーを使用して、ソーラーパネルの表面上に降るときに雪片を連続的に融解するための手段を提供する。
【0119】
外部環境条件(太陽放射照度、水温、気温、風速など)に応じて、水ポンプの流量を最適に停止又は調整するために、電子制御システムが追加されてもよい。
【0120】
非常に寒い温度に曝される場所の特定の場合において、送水管内の水が凍結しないことを確実にするために、外部空気温度が0℃未満に低下する前に、送水ポンプは常に始動されるべきである。これらの非常に寒い場所では、システム全体の効率を最大にし、送水管内で水が凍結する危険性を排除するために、水切りシステムのすべての送水管は好ましくは断熱されるべきである。
【0121】
光起電力パネルの容易な保守及び清掃の可能性により、大きな表面(1000平方メートル以上)をカバーするフロートアセンブリの大きな島、典型的には、例えば、互いに接続された5つの光起電力パネルの100個以上の個々のアセンブリのアレイを設置することが可能である。
【0122】
本発明は、種々の特定の好ましい実施形態及び方法を参照して記載されている。しかしながら、本発明の精神及び範囲内に留まりながら、変形及び修正がなされ得ることが理解されるべきである。
【0123】
本発明は、図面に示された、又は本明細書に例示された任意のものを含む、開示された実施形態によって限定されるものではなく、実施形態は、限定ではなく例又は説明として与えられている。
【0124】
本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ限定されるものとする。
【国際調査報告】