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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-01
(54)【発明の名称】表示パネル及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20240423BHJP
   G09F 9/302 20060101ALI20240423BHJP
   H10K 59/123 20230101ALI20240423BHJP
   H10K 59/122 20230101ALI20240423BHJP
   H10K 59/126 20230101ALI20240423BHJP
   H10K 50/86 20230101ALI20240423BHJP
   H10K 59/131 20230101ALI20240423BHJP
【FI】
G09F9/30 349C
G09F9/30 365
G09F9/302 Z
G09F9/30 338
H10K59/123
H10K59/122
H10K59/126
H10K50/86 865
H10K59/131
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023514107
(86)(22)【出願日】2022-04-25
(85)【翻訳文提出日】2023-02-28
(86)【国際出願番号】 CN2022088972
(87)【国際公開番号】W WO2023197373
(87)【国際公開日】2023-10-19
(31)【優先権主張番号】202210378472.5
(32)【優先日】2022-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517333336
【氏名又は名称】武漢華星光電半導体顕示技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】WUHAN CHINA STAR OPTOELECTRONICS SEMICONDUCTOR DISOLAY TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】305 Room,Building C5 Biolake of Optics Valley,No.666 Gaoxin Avenue,.Wuhan East Lake High-tech Development Zone Wuhan,Hubei 430079 China
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】周 坤
(72)【発明者】
【氏名】鐘 平
(72)【発明者】
【氏名】呉 紹静
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC33
3K107CC36
3K107CC43
3K107DD89
3K107EE03
3K107EE27
3K107FF15
3K107HH05
5C094AA03
5C094AA15
5C094BA03
5C094CA20
5C094DA14
5C094DB01
5C094DB02
5C094ED15
5C094FA01
5C094FA02
5C094HA08
5C094JA01
5C094JA08
(57)【要約】
本願は、表示パネル及び表示装置を開示し、表示パネルは、通常表示領域及びファンアウト表示領域を含み、ファンアウト表示領域は、第1の領域及び第2の領域を含み、表示パネルの画素駆動回路ユニットは、通常表示領域及び第1の領域に位置し、ファンアウトトレースは、第2の領域に位置し、画素定義層のベース基板から遠い側に遮蔽層を設け、遮蔽層の第2の開口を画素定義層の第1の開口に対応させて設けることで、視認性ムラ(mura)の改善に有利である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通常表示領域及びファンアウト表示領域を含む表示パネルであって、前記ファンアウト表示領域は、前記通常表示領域の一側に位置し、前記ファンアウト表示領域は、前記通常表示領域から前記ファンアウト表示領域に向かう方向に順に配列された第1の領域及び第2の領域を含み、前記表示パネルは、
ベース基板と、
前記ベース基板の一側に設けられ、複数の画素駆動回路ユニット及び複数のファンアウトトレースを含み、前記画素駆動回路ユニットは、前記通常表示領域及び前記第1の領域に位置し、前記ファンアウトトレースは、前記第2の領域に位置し、ここで、前記第1の領域に位置する前記画素駆動回路ユニットの密度は、前記通常表示領域に位置する前記画素駆動回路ユニットの密度よりも大きい駆動回路層と、
前記駆動回路層の前記ベース基板から遠い側に設けられ、各々が複数の接続トレースを含む少なくとも1つの接続トレース層と、
前記接続トレース層の前記ベース基板から遠い側に設けられ、前記画素駆動回路ユニットは、前記接続トレースを介して対応する陽極に電気的に接続される複数の陽極と、
前記接続トレース層の前記ベース基板から遠い側に設けられ、複数の第1の開口を含み、前記第1の開口は、前記陽極の少なくとも一部を露出させる画素定義層と、
前記第1の開口内に設けられる発光層と、を含み、
ここで、前記表示パネルは、遮蔽層をさらに含み、前記画素定義層と前記遮蔽層とは同種の遮光材料を用い、前記遮蔽層は、前記画素定義層の前記ベース基板から遠い側に設けられ、前記遮蔽層は、複数の第2の開口を含み、前記第2の開口は、前記第1の開口に対応して設けられる
表示パネル。
【請求項2】
前記第2の開口の前記ベース基板への正投影は、前記第1の開口の前記ベース基板への正投影を覆う
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記第2の開口の前記ベース基板への正投影面積と前記第1の開口の前記ベース基板への正投影面積との比は、1~1.5の範囲である
請求項2に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記第1の開口の前記ベース基板への正投影は、前記第2の開口の前記ベース基板への正投影を覆う
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記第2の開口の前記ベース基板への正投影面積と前記第1の開口の前記ベース基板への正投影面積との比は、0.8~1の範囲である
請求項4に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記発光層は、前記第2の開口の側壁及び底部を覆う
請求項5に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記遮蔽層の前記ベース基板に垂直な方向の厚みは、1μm~1.5μmである
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項8】
前記遮蔽層の材料はブラックマトリックスを含む
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項9】
前記表示パネルは、陰極をさらに含み、前記遮蔽層は、前記陰極と前記画素定義層との間に設けられる
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項10】
通常表示領域及びファンアウト表示領域を含む表示パネルであって、前記ファンアウト表示領域は、前記通常表示領域の一側に位置し、前記ファンアウト表示領域は、前記通常表示領域から前記ファンアウト表示領域に向かう方向に順に配列された第1の領域及び第2の領域を含み、前記表示パネルは、
ベース基板と、
前記ベース基板の一側に設けられ、複数の画素駆動回路ユニット及び複数のファンアウトトレースを含み、前記画素駆動回路ユニットは、前記通常表示領域及び前記第1の領域に位置し、前記ファンアウトトレースは、前記第2の領域に位置し、ここで、前記第1の領域に位置する前記画素駆動回路ユニットの密度は、前記通常表示領域に位置する前記画素駆動回路ユニットの密度よりも大きい駆動回路層と、
前記駆動回路層の前記ベース基板から遠い側に設けられ、各々が複数の接続トレースを含む少なくとも1つの接続トレース層と、
前記接続トレース層の前記ベース基板から遠い側に設けられ、前記画素駆動回路ユニットは、前記接続トレースを介して対応する陽極に電気的に接続される複数の陽極と、
前記接続トレース層の前記ベース基板から遠い側に設けられ、複数の第1の開口を含み、前記第1の開口は、前記陽極の少なくとも一部を露出させる画素定義層と、
前記第1の開口内に設けられる発光層と、を含み、
ここで、前記表示パネルは、遮蔽層をさらに含み、前記遮蔽層は、前記画素定義層の前記ベース基板から遠い側に設けられ、前記遮蔽層は、複数の第2の開口を含み、前記第2の開口は、前記第1の開口に対応して設けられる
表示パネル。
【請求項11】
前記第2の開口の前記ベース基板への正投影は、前記第1の開口の前記ベース基板への正投影を覆う
請求項10に記載の表示パネル。
【請求項12】
前記第2の開口の前記ベース基板への正投影面積と前記第1の開口の前記ベース基板への正投影面積との比は、1~1.5の範囲である
請求項11に記載の表示パネル。
【請求項13】
前記第1の開口の前記ベース基板への正投影は、前記第2の開口の前記ベース基板への正投影を覆う
請求項10に記載の表示パネル。
【請求項14】
前記第2の開口の前記ベース基板への正投影面積と前記第1の開口の前記ベース基板への正投影面積との比は、0.8~1の範囲である
請求項13に記載の表示パネル。
【請求項15】
前記発光層は、前記第2の開口の側壁及び底部を覆う
請求項14に記載の表示パネル。
【請求項16】
前記遮蔽層の前記ベース基板に垂直な方向の厚みは、1μm~1.5μmである
請求項10に記載の表示パネル。
【請求項17】
前記遮蔽層の材料はブラックマトリックスを含む
請求項10に記載の表示パネル。
【請求項18】
前記表示パネルは、陰極をさらに含み、前記遮蔽層は、前記陰極と前記画素定義層との間に設けられる
請求項10に記載の表示パネル。
【請求項19】
少なくとも1つの前記接続トレース層は、第1の接続トレース層及び第2の接続トレース層を含み、前記表示パネルは、前記ベース基板から離れる方向に順次積層された第1の平坦層、第2の平坦層及び第3の平坦層をさらに含み、
前記第1の平坦層は、前記駆動回路層の前記ベース基板から遠い側に覆われ、前記第1の接続トレース層は、前記第1の平坦層と前記第2の平坦層との間に設けられ、前記第2の接続トレース層は、前記第2の平坦層と前記第3の平坦層との間に設けられ、
前記駆動回路層は、前記第1の平坦層を貫通するビアホールを介して前記第1の接続トレース層における前記接続トレースと電気的に接続され、前記第1の接続トレース層は、前記第2の平坦層を貫通するビアホールを介して前記第2の接続トレース層における前記接続トレースと電気的に接続され、前記第2の接続トレース層は、前記第3の平坦層を貫通するビアホールを介して前記陽極と電気的に接続される
請求項10に記載の表示パネル。
【請求項20】
表示パネルを含む表示装置であって、前記表示パネルは、通常表示領域及びファンアウト表示領域を含み、前記ファンアウト表示領域は、前記通常表示領域の一側に位置し、前記ファンアウト表示領域は、前記通常表示領域から前記ファンアウト表示領域に向かう方向に順に配列された第1の領域及び第2の領域を含み、前記表示パネルは、
ベース基板と、
前記ベース基板の一側に設けられ、複数の画素駆動回路ユニット及び複数のファンアウトトレースを含み、前記画素駆動回路ユニットは、前記通常表示領域及び前記第1の領域に位置し、前記ファンアウトトレースは、前記第2の領域に位置し、ここで、前記第1の領域に位置する前記画素駆動回路ユニットの密度は、前記通常表示領域に位置する前記画素駆動回路ユニットの密度よりも大きい駆動回路層と、
前記駆動回路層の前記ベース基板から遠い側に設けられ、各々が複数の接続トレースを含む少なくとも1つの接続トレース層と、
前記接続トレース層の前記ベース基板から遠い側に設けられ、前記画素駆動回路ユニットは、前記接続トレースを介して対応する陽極に電気的に接続される複数の陽極と、
前記接続トレース層の前記ベース基板から遠い側に設けられ、複数の第1の開口を含み、前記第1の開口は、前記陽極の少なくとも一部を露出させる画素定義層と、
前記第1の開口内に設けられる発光層と、を含み、
ここで、前記表示パネルは、遮蔽層をさらに含み、前記遮蔽層は、前記画素定義層の前記ベース基板から遠い側に設けられ、前記遮蔽層は、複数の第2の開口を含み、前記第2の開口は、前記第1の開口に対応して設けられる
表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、表示技術分野に関し、特に表示パネル及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
OLEDパネル技術の発達に伴い、狭額縁技術はユーザーグループを引き付ける差別化技術となっている。新しいレイアウト(layout)方法として、FIAA(Fanout in AA、ファンアウトトレースが表示領域に配置される)技術は、パネルの下ベゼルを効果的に削減できる。FIAA技術では、多層接続トレース設計が導入され、ファンアウトトレースのための配線空間が絞り出されるが、接続トレースの配線過程において、配線空間の制限により、ファンアウト表示領域の金属トレース密度と通常表示領域の金属トレース密度に差が生じやすく、密度の違いにより金属トレースから反射する光の不均一が生じやすく、消灯状態や点灯状態において、ファンアウト表示領域と通常表示領域に視認性表示不均一(mura)現象が生じやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願の実施例は、従来の表示パネル及び表示装置において、ファンアウト表示領域の金属トレース密度と通常表示領域の金属トレース密度との差が生じ、ファンアウト表示領域及び通常表示領域に視認性表示ムラ(mura)現象が生じるという技術的問題を解決するための表示パネル及び表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の問題を解決するために、本願が提供する技術方案は以下の通りである。
【0005】
本願は、通常表示領域及びファンアウト表示領域を含む表示パネルであって、前記ファンアウト表示領域は、前記通常表示領域の一側に位置し、前記ファンアウト表示領域は、前記通常表示領域から前記ファンアウト表示領域に向かう方向に順に配列された第1の領域及び第2の領域を含み、前記表示パネルは、
ベース基板と、
前記ベース基板の一側に設けられ、複数の画素駆動回路ユニット及び複数のファンアウトトレースを含み、前記画素駆動回路ユニットは、前記通常表示領域及び前記第1の領域に位置し、前記ファンアウトトレースは、前記第2の領域に位置し、ここで、前記第1の領域に位置する前記画素駆動回路ユニットの密度は、前記通常表示領域に位置する前記画素駆動回路ユニットの密度よりも大きい駆動回路層と、
前記駆動回路層の前記ベース基板から遠い側に設けられ、各々が複数の接続トレースを含む少なくとも1つの接続トレース層と、
前記接続トレース層の前記ベース基板から遠い側に設けられ、前記画素駆動回路ユニットは、前記接続トレースを介して対応する陽極に電気的に接続される複数の陽極と、
前記接続トレース層の前記ベース基板から遠い側に設けられ、複数の第1の開口を含み、前記第1の開口は、前記陽極の少なくとも一部を露出させる画素定義層と、
前記第1の開口内に設けられる発光層と、を含み、
ここで、前記表示パネルは、遮蔽層をさらに含み、前記画素定義層と前記遮蔽層とは同種の遮光材料を用い、前記遮蔽層は、前記画素定義層の前記ベース基板から遠い側に設けられ、前記遮蔽層は、複数の第2の開口を含み、前記第2の開口は、前記第1の開口に対応して設けられる表示パネルを提供する。
【0006】
本願に提供される表示パネルによれば、前記第2の開口の前記ベース基板への正投影は、前記第1の開口の前記ベース基板への正投影を覆う。
【0007】
本願に提供される表示パネルによれば、前記第2の開口の前記ベース基板への正投影面積と前記第1の開口の前記ベース基板への正投影面積との比は、1~1.5の範囲である。
【0008】
本願に提供される表示パネルによれば、前記第1の開口の前記ベース基板への正投影は、前記第2の開口の前記ベース基板への正投影を覆う。
【0009】
本願に提供される表示パネルによれば、前記第2の開口の前記ベース基板への正投影面積と前記第1の開口の前記ベース基板への正投影面積との比は、0.8~1の範囲である。
【0010】
本願に提供される表示パネルによれば、前記発光層は、前記第2の開口の側壁及び底部を覆う。
【0011】
本願に提供される表示パネルによれば、前記遮蔽層の前記ベース基板に垂直な方向の厚みは、1μm~1.5μmである。
【0012】
本願に提供される表示パネルによれば、前記遮蔽層の材料はブラックマトリックスを含む。
【0013】
本願に提供される表示パネルによれば、前記表示パネルは、陰極をさらに含み、前記遮蔽層は、前記陰極と前記画素定義層との間に設けられる。
【0014】
本願は、通常表示領域及びファンアウト表示領域を含む表示パネルであって、前記ファンアウト表示領域は、前記通常表示領域の一側に位置し、前記ファンアウト表示領域は、前記通常表示領域から前記ファンアウト表示領域に向かう方向に順に配列された第1の領域及び第2の領域を含み、前記表示パネルは、
ベース基板と、
前記ベース基板の一側に設けられ、複数の画素駆動回路ユニット及び複数のファンアウトトレースを含み、前記画素駆動回路ユニットは、前記通常表示領域及び前記第1の領域に位置し、前記ファンアウトトレースは、前記第2の領域に位置し、ここで、前記第1の領域に位置する前記画素駆動回路ユニットの密度は、前記通常表示領域に位置する前記画素駆動回路ユニットの密度よりも大きい駆動回路層と、
前記駆動回路層の前記ベース基板から遠い側に設けられ、各々が複数の接続トレースを含む少なくとも1つの接続トレース層と、
前記接続トレース層の前記ベース基板から遠い側に設けられ、前記画素駆動回路ユニットは、前記接続トレースを介して対応する陽極に電気的に接続される複数の陽極と、
前記接続トレース層の前記ベース基板から遠い側に設けられ、複数の第1の開口を含み、前記第1の開口は、前記陽極の少なくとも一部を露出させる画素定義層と、
前記第1の開口内に設けられる発光層と、を含み、
ここで、前記表示パネルは、遮蔽層をさらに含み、前記遮蔽層は、前記画素定義層の前記ベース基板から遠い側に設けられ、前記遮蔽層は、複数の第2の開口を含み、前記第2の開口は、前記第1の開口に対応して設けられる表示パネルを提供する。
【0015】
本願に提供される表示パネルによれば、前記第2の開口の前記ベース基板への正投影は、前記第1の開口の前記ベース基板への正投影を覆う。
【0016】
本願に提供される表示パネルによれば、前記第2の開口の前記ベース基板への正投影面積と前記第1の開口の前記ベース基板への正投影面積との比は、1~1.5の範囲である。
【0017】
本願に提供される表示パネルによれば、前記第1の開口の前記ベース基板への正投影は、前記第2の開口の前記ベース基板への正投影を覆う。
【0018】
本願に提供される表示パネルによれば、前記第2の開口の前記ベース基板への正投影面積と前記第1の開口の前記ベース基板への正投影面積との比は、0.8~1の範囲である。
【0019】
本願に提供される表示パネルによれば、前記発光層は、前記第2の開口の側壁及び底部を覆う。
【0020】
本願に提供される表示パネルによれば、前記遮蔽層の前記ベース基板に垂直な方向の厚みは、1μm~1.5μmである。
【0021】
本願に提供される表示パネルによれば、前記遮蔽層の材料はブラックマトリックスを含む。
【0022】
本願に提供される表示パネルによれば、前記表示パネルは、陰極をさらに含み、前記遮蔽層は、前記陰極と前記画素定義層との間に設けられる。
【0023】
本願に提供される表示パネルによれば、少なくとも1つの前記接続トレース層は、第1の接続トレース層及び第2の接続トレース層を含み、前記表示パネルは、前記ベース基板から離れる方向に順次積層された第1の平坦層、第2の平坦層及び第3の平坦層をさらに含み、
前記第1の平坦層は、前記駆動回路層の前記ベース基板から遠い側に覆われ、前記第1の接続トレース層は、前記第1の平坦層と前記第2の平坦層との間に設けられ、前記第2の接続トレース層は、前記第2の平坦層と前記第3の平坦層との間に設けられ、
前記駆動回路層は、前記第1の平坦層を貫通するビアホールを介して前記第1の接続トレース層における前記接続トレースと電気的に接続され、前記第1の接続トレース層は、前記第2の平坦層を貫通するビアホールを介して前記第2の接続トレース層における前記接続トレースと電気的に接続され、前記第2の接続トレース層は、前記第3の平坦層を貫通するビアホールを介して前記陽極と電気的に接続される。
【0024】
本願は、表示パネルを含む表示装置であって、前記表示パネルは、通常表示領域及びファンアウト表示領域を含み、前記ファンアウト表示領域は、前記通常表示領域の一側に位置し、前記ファンアウト表示領域は、前記通常表示領域から前記ファンアウト表示領域に向かう方向に順に配列された第1の領域及び第2の領域を含み、前記表示パネルは、
ベース基板と、
前記ベース基板の一側に設けられ、複数の画素駆動回路ユニット及び複数のファンアウトトレースを含み、前記画素駆動回路ユニットは、前記通常表示領域及び前記第1の領域に位置し、前記ファンアウトトレースは、前記第2の領域に位置し、ここで、前記第1の領域に位置する前記画素駆動回路ユニットの密度は、前記通常表示領域に位置する前記画素駆動回路ユニットの密度よりも大きい駆動回路層と、
前記駆動回路層の前記ベース基板から遠い側に設けられ、各々が複数の接続トレースを含む少なくとも1つの接続トレース層と、
前記接続トレース層の前記ベース基板から遠い側に設けられ、前記画素駆動回路ユニットは、前記接続トレースを介して対応する陽極に電気的に接続される複数の陽極と、
前記接続トレース層の前記ベース基板から遠い側に設けられ、複数の第1の開口を含み、前記第1の開口は、前記陽極の少なくとも一部を露出させる画素定義層と、
前記第1の開口内に設けられる発光層と、を含み、
ここで、前記表示パネルは、遮蔽層をさらに含み、前記遮蔽層は、前記画素定義層の前記ベース基板から遠い側に設けられ、前記遮蔽層は、複数の第2の開口を含み、前記第2の開口は、前記第1の開口に対応して設けられる表示装置を提供する。
【発明の効果】
【0025】
本願の有益な効果は、以下の通りである。本願に提供される表示パネル及び表示装置は、画素定義層のベース基板から遠い側に遮蔽層を設け、遮蔽層の複数の第2の開口を画素定義層の第1の開口に対応させて設けることで、遮蔽層は、金属トレースで反射された光を遮蔽するために使用され、ファンアウト表示領域と通常表示領域の金属トレースで反射された光を均一にすることができ、消灯状態や点灯状態において、ファンアウト表示領域の金属トレース密度と通常表示領域の金属トレース密度の差によるファンアウト表示領域及び通常表示領域の視認性ムラ(mura)現象の改善に有利である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
実施例又は従来技術における技術方案をより明確に説明するために、以下に実施例又は従来技術の説明において使用する必要がある図面を簡単に説明し、以下に説明する図面は、出願のいくつかの実施例にすぎず、当業者にとっては、創造的な労働を伴わずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができることは明らかである。
【0027】
図1】本願の実施例に提供される表示パネルの平面構造の概略図である。
図2図1の表示パネルのA-Aに沿った第1の断面構造の概略図である。
図3図2の表示パネルにおける第1の開口及び第2の開口の部分平面構造の概略図である。
図4図1の表示パネルのA-Aに沿った第2の断面構造の概略図である。
図5図4の表示パネルにおける第1の開口及び第2の開口の部分平面構造の概略図である。
図6図1の表示パネルのA-Aに沿った第3の断面構造の概略図である。
図7図6の表示パネルにおける第1の開口及び第2の開口の部分平面構造の概略図である。
図8図1の表示パネルのA-Aに沿った第4の断面構造の概略図である。
図9図8の表示パネルにおける第1の開口及び第2の開口の部分平面構造の概略図である。
図10図1の表示パネルのA-Aに沿った第5の断面構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下は、本願の実施例における技術方案を、本願の実施例における図面と関連して明確かつ完全に説明するが、説明した実施例は、本願の一部の実施例にすぎず、全ての実施例ではないことは明らかである。本願の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行うことなく獲得したその他の実施例は、全て本願の保護範囲に属する。さらに、ここで記載された具体的な実施形態は、本願の説明及び解釈のためのものであり、本願を制限するためのものではないことが理解できるべきである。本願では、反対の説明がない限り、「上」及び「下」のような方位語は、通常、装置が実際に使用又は動作している状態における上下、具体的には図面上の図面方向を指し、「内」及び「外」は装置の輪郭を基準としたものである。
【0029】
図1及び図2を参照すると、図1は、本願の実施例に提供される表示パネルの平面構造の概略図であり、図2は、本願の実施例に提供される表示パネルの第1の断面構造の概略図である。本願の実施例に提供される表示パネルは、通常表示領域100a及びファンアウト表示領域100bを含み、前記ファンアウト表示領域100bは、前記通常表示領域100aの一側に設けられる。前記ファンアウト表示領域100bは、前記通常表示領域100aから前記ファンアウト表示領域100bに向かう方向に順に配列された第1の領域1001b及び第2の領域1002bを含み、前記表示パネルは、ベース基板101と、駆動回路層104と、接続トレース層と、複数の陽極110と、画素定義層111と、発光層113とを含む。
【0030】
前記ファンアウト表示領域100bは、前記通常表示領域100aに隣接して設けられ、前記ファンアウト表示領域100bは、前記表示パネルの端部に設けられてもよく、さらに、本願の実施例では、前記ファンアウト表示領域100bは、前記表示パネルの下端部に設けられる。
【0031】
前記駆動回路層104は、前記ベース基板101の一側に設けられ、前記駆動回路層104は、複数の画素駆動回路ユニット104a及び複数のファンアウトトレース104bを含み、前記画素駆動回路ユニット104aは、前記通常表示領域100a及び前記第1の領域1001bに位置し、前記ファンアウトトレース104bは、前記第2の領域1002bに位置する。前記接続トレース層の少なくとも1つは、前記駆動回路層104の前記ベース基板101から遠い側に設けられ、各層の前記接続トレース層は、複数の接続トレース1081を含む。複数の陽極110は、最上層に位置する前記接続トレース層の前記ベース基板101から遠い側に設けられ、前記画素駆動回路ユニット104aは、前記接続トレース1081を介して対応する前記陽極110と電気的に接続される。前記画素定義層111は、前記接続トレース層の前記ベース基板101から遠い側に設けられ、前記画素定義層111は、複数の第1の開口V1を含み、前記第1の開口V1は、前記陽極110の少なくとも一部を露出させる。前記発光層113は、前記第1の開口V1内に設けられる。
【0032】
ここで、前記表示パネルは、遮蔽層112をさらに含み、前記遮蔽層112は、前記画素定義層111の前記ベース基板101から遠い側に設けられ、前記遮蔽層112は、複数の第2の開口V2を含み、前記第2の開口V2は、前記第1の開口V1に対応して設けられる。
【0033】
従来技術の表示パネルの表示領域における隣接する2つの発光画素間の間隔は等しく、すなわち、表示領域の各所の画素密度は等しく、各発光画素は対応する画素駆動回路ユニット104aに対応して電気的に接続されているため、従来技術の表示パネルの表示領域における各所の前記画素駆動回路ユニット104aの密度は等しく、隣接する2つの画素駆動回路ユニット104a間の間隔は等しくなることが理解できる。
【0034】
本願の表示パネルは、通常表示領域100a及びファンアウト表示領域100bを含み、前記ファンアウト表示領域100bにおける各発光画素の位置及び隣接する2つの発光画素間の間隔は、前記通常表示領域100aと一致する、すなわち、前記ファンアウト表示領域100bの画素密度は、前記通常表示領域100aと同じである。一方、本願が従来技術と異なる点は、以下の通りである。本願の前記ファンアウト表示領域100bに位置する前記画素駆動回路ユニット104aは、前記接続トレース1081を介して対応する前記陽極110と電気的に接続され、前記ファンアウト表示領域100bに位置する対応する発光画素を発光駆動し、前記接続トレース層を設けることにより、前記ファンアウト表示領域100bにおける前記発光画素の本来の位置を変更することなく、前記ファンアウト表示領域100bにおける前記画素駆動回路ユニット104aの全てを前記ファンアウト表示領域100bの前記第1の領域1001bに集中させることができ、前記第2の領域1002bには前記画素駆動回路ユニット104aが設けられていないので、前記第2の領域1002bは、前記ファンアウトトレース104bを配置するのに使用でき、前記ファンアウトトレース104bが前記表示パネルの非表示領域に設けられる従来技術に比べて、本願の前記ファンアウトトレース104bは、前記表示領域の面積が増大し、前記非表示領域の面積が減少するように表示領域に配置することができるので、狭額縁化及び全面スクリーン技術のさらなる実現に有利である。
【0035】
具体的には、前記ファンアウト表示領域100bに位置する隣接する2つの前記画素駆動回路ユニット104a間の間隔を狭めることにより、又は前記ファンアウト表示領域100bに位置する前記画素駆動回路ユニット104aのサイズを小さくすることにより、前記ファンアウト表示領域100bに位置する全ての前記画素駆動回路ユニット104aが占める全体の空間を狭めることができ、これにより、前記駆動回路層104は、前記ファンアウト表示領域100bにおいて、前記ファンアウトトレース104bを配置するための一部の空間を絞り出すことができる。もちろん、他の方法を採用することもでき、本願はこれを限定しない。
【0036】
上記から分かるように、本願の前記ファンアウト表示領域100bにおける前記画素駆動回路ユニット104aは、前記ファンアウト表示領域100bの前記第1の領域1001bに全て集中しているため、前記第1の領域1001bに位置する前記画素駆動回路ユニット104aの密度は、前記通常表示領域100aに位置する前記画素駆動回路ユニット104aの密度よりも大きくなり、また、前記画素駆動回路ユニット104aは、複数の金属トレースを含むため、前記第1の領域1001bの金属トレース密度は、前記通常表示領域100aの金属トレース密度よりも大きい。
【0037】
さらに、第1に、前記ファンアウトトレース104bは、前記ファンアウト表示領域100bの前記第2の領域1002bに設けられるため、前記ファンアウトトレース104bは金属トレースであり、新たに前記ファンアウト表示領域100bに導入される金属トレースである。第2に、配置空間の制約により、前記ファンアウト表示領域100bにおける前記接続トレース1081の密度は、前記通常表示領域100aにおける前記接続トレース1081の密度よりも大きくなり、前記接続トレース1081は透明金属トレースである。このため、本願の前記ファンアウト表示領域100bの金属トレース密度は、前記通常表示領域100aの金属トレース密度よりも大きく、金属トレース密度の差により、前記ファンアウト表示領域100bと前記通常表示領域100aとの視認性ムラ(mura)現象が生じやすい。
【0038】
これに鑑み、本願は、前記画素定義層111の前記ベース基板101から遠い側に前記遮蔽層112を設け、前記遮蔽層112の複数の前記第2の開口V2を前記画素定義層111の前記第1の開口V1に対応させて設けることで、前記遮蔽層112は、前記金属トレースで反射された光を遮蔽するために使用され、前記ファンアウト表示領域100bと前記通常表示領域100aの前記金属トレースで反射された光を均一にすることができ、消灯状態や点灯状態において、前記ファンアウト表示領域100bの金属トレース密度と前記通常表示領域100aの金属トレース密度の差による前記ファンアウト表示領域100b及び前記通常表示領域100aの視認性ムラ(mura)現象の改善に有利である。
【0039】
本願の実施例では、前記表示パネルの表示領域は、前記通常表示領域100aと前記ファンアウト表示領域100bとで構成され、前記通常表示領域100aと前記ファンアウト表示領域100bは、いずれも表示機能を有し、前記ファンアウトトレース104bは、前記ファンアウト表示領域100bに設けられる。前記表示パネルは、非表示領域(図示せず)をさらに含み、前記ファンアウト表示領域100bは、前記通常表示領域100aの一側に設けられ、具体的には、前記ファンアウト表示領域100bは、前記通常表示領域100aと前記非表示領域との間に設けられる。
【0040】
さらに、表示パネルは、ドライバチップをさらに含み、前記ドライバチップは、前記ファンアウト表示領域100b内に設けられてもよく、この場合、前記表示領域を省略することができるので、前記表示パネルは、枠なし及び全面スクリーンを実現することができる。
【0041】
本願の実施例では、前記ベース基板101は柔軟性ベースであり、前記柔軟性ベースは、一般的にポリイミド、ポリエチレンテレフタレートなどの有機高分子材料である。
【0042】
本願の実施例では、前記ベース基板101と前記駆動回路層104との間には、前記ベース基板101から離れる方向に順次積層されたバリア層102及びバッファ層103がさらに設けられており、前記バリア層102は、水と酸素を遮断し、外部の水蒸気や酸素が前記表示パネルを侵食することを防止するために使用され、前記バリア層102に用いられる材料は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、アモルファスシリコンのうちの1つ又は2つ以上を含む。前記バッファ層103は、主に緩衝及び保護の役割を果たし、前記バッファ層103に用いられる材料は、窒化シリコン及び酸化シリコンのうちの1つ又は2つを含む。
【0043】
前記画素駆動回路ユニット104aは、複数の薄膜トランジスタを含み、本願の実施例では、前記薄膜トランジスタは、デュアルゲート構造の薄膜トランジスタであってもよく、具体的には、前記薄膜トランジスタは、前記ベース基板101から離れる方向に順に設けられた活性層1041と、第1のゲート絶縁層1042と、第1のゲート層1043と、第2のゲート絶縁層1044と、第2のゲート層1045と、第1の層間誘電体層1046と、第2の層間誘電体層1047と、第1のソースドレイン金属層1048とを含む。ここで、前記第1のソースドレイン金属層1048は、前記第2の層間誘電体層1047、前記第1の層間誘電体層1046、前記第2のゲート絶縁層1044及び前記第1のゲート絶縁層1042を貫通するビアホールを介して前記活性層1041と電気的に接続される。もちろん、いくつかの実施例では、前記薄膜トランジスタは、ゲート層を1層のみ含む薄膜トランジスタであってもよく、また、前記薄膜トランジスタは、トップゲート又はボトムゲート構造であってもよく、本願はこれを限定しない。
【0044】
本願の実施例では、前記陽極110は、ITO(Indium tin oxide、インジウムスズ酸化物)/Ag(銀)/ITOの積層構造を採用することができ、ここで、ITOは、遮水性に優れ、水蒸気や酸素が前記陽極110を介して前記発光層113に拡散することを防止でき、水蒸気や酸素によって前記発光層113が浸食されて前記表示パネルに黒点が発生することを防止でき、前記表示パネルの表示効果を向上させることができる。
【0045】
なお、前記画素定義層111は、複数の前記第1の開口V1を定義し、前記第1の開口V1は画素開口であり、本願の実施例では、前記第1の開口V1は、有効発光画素の開口であり、前記第1の開口V1の前記ベース基板101への正投影面積は、前記発光層113の前記ベース基板101への正投影面積である。
【0046】
本願の実施例では、少なくとも1層の接続トレース層は、2層の接続トレース層を含み、具体的には、第1の接続トレース層106及び第2の接続トレース層108を含み、前記表示パネルは、前記ベース基板101から離れる方向に順次積層された第1の平坦層105、第2の平坦層107及び第3の平坦層109をさらに含む。前記第1の平坦層105は、前記駆動回路層104の前記ベース基板101から遠い側に覆われ、前記第1の接続トレース層106は、前記第1の平坦層105と前記第2の平坦層107との間に設けられ、前記第2の接続トレース層108は、前記第2の平坦層107と前記第3の平坦層109との間に設けられる。前記駆動回路層104は、前記第1の平坦層105を貫通するビアホールを介して前記第1の接続トレース層106における前記接続トレース1081と電気的に接続され、前記第1の接続トレース層106は、前記第2の平坦層107を貫通するビアホールを介して前記第2の接続トレース層108における前記接続トレース1081と電気的に接続され、前記第2の接続トレース層108は、前記第3の平坦層109を貫通するビアホールを介して対応する前記陽極110と電気的に接続される。
【0047】
具体的には、前記接続トレース層は透明導電層であり、前記接続トレース1081は透明トレースであり、前記接続トレース1081の材料は透明導電材料であり、透明導電材料は、インジウムスズ酸化物、インジウム酸化物、インジウム亜鉛酸化物及び銀ナノワイヤーのいずれかを含む。
【0048】
もちろん、他の実施例では、前記接続トレース層は、さらに3層、4層、5層、さらにはそれ以上の層であってもよく、本願はこれを限定せず、それに応じて、前記表示パネルには、隣接する2層の前記接続トレース層の間に設けられる対応する数の平坦層がさらに必要である。具体的には、前記平坦層の材料は透明有機材料を含み、透明有機材料はポリイミド及びフォトレジスト材料を含む。
【0049】
さらに、前記薄膜トランジスタはまた、インピーダンスを低減するために2層のソースドレイン金属層設計を採用することができ、具体的には、前記薄膜トランジスタは、第2のソースドレイン金属層1050及び第4の平坦層1049をさらに含み、前記第4の平坦層1049は、前記第1のソースドレイン金属層1048の前記ベース基板101から遠い側に覆われ、前記第2のソースドレイン金属層1050は、前記第4の平坦層1049の前記ベース基板101から遠い側に設けられ、前記第1の平坦層105は、前記第2のソースドレイン金属層1050の前記ベース基板101から遠い側に覆われ、前記第1のソースドレイン金属層1048は、前記第4の平坦層1049を貫通するビアホールを介して前記第2のソースドレイン金属層1050と電気的に接続され、前記第2のソースドレイン金属層1050は、前記第1の平坦層105を貫通するビアホールを介して前記第1の接続トレース層106における前記接続トレース1081と電気的に接続される。
【0050】
本願の実施例では、前記ファンアウトトレース104bは、前記第1のゲート層1043又は前記第2のゲート層1045と同層に設けられ、前記ファンアウトトレース104bは、前記第1のゲート層1043又は前記第2のゲート層1045と同一のプロセスで製造される。
【0051】
本願の実施例では、前記遮蔽層112の前記ベース基板101に垂直な方向の厚みは、1μm~1.5μmであり、前記遮蔽層112の厚みは大きすぎたり小さすぎたりすることは望ましくなく、厚みが大きすぎたりすると前記表示パネル全体の厚みが増大し、現在のディスプレイの薄型化傾向に反し、厚みが小さすぎたりすると遮光効果が悪くなり、視認性ムラ(mura)現象の改善に不利となる。
【0052】
選択的に、前記遮蔽層112の前記ベース基板101に垂直な方向の厚みは、1μm、1.1μm、1.2μm、1.3μm、1.4μm、1.5μmであってもよく、本願の実施例では、前記遮蔽層112の前記ベース基板101に垂直な方向の厚みは、1.2μmである。
【0053】
本願の実施例では、前記遮蔽層112の材料はブラックマトリックスを含み、もちろん、いくつかの実施例では、前記遮蔽層112の材料は、他の遮光材料も選択することができ、本願はこれを限定しない。
【0054】
本願の実施例では、前記遮蔽層112は、プラズマ化学気相成長法(Plasma enhanced chemicalvapor deposition、PESCVD)により形成することができる。他のいくつかの実施例では、前記遮蔽層112は、化学気相成長又は原子層成長などの方法により形成されてもよい。
【0055】
一実施例では、図2から図5を参照すると、図3は、図2の表示パネルにおける第1の開口及び第2の開口の部分平面構造の概略図であり、図4は、本願の実施例に提供される表示パネルの第2の断面構造の概略図であり、図5は、図4の表示パネルにおける第1の開口及び第2の開口の部分平面構造の概略図である。
【0056】
本願の実施例では、前記第2の開口V2の前記ベース基板101への正投影は、前記第1の開口V1の前記ベース基板101への正投影を覆う。この実施例では、前記遮蔽層112は、下層金属トレースの一部を遮蔽することができ、前記遮蔽層112の前記ベース基板101への正投影と、前記発光層113の前記ベース基板101への正投影とが重ならないので、本実施例は、前記発光層113の発光効果に影響を与えることなく視認性ムラ(mura)現象を顕著に改善することができる。
【0057】
本願の実施例では、前記第2の開口V2の前記ベース基板101への正投影形状は、対応する前記第1の開口V1の前記ベース基板101への正投影形状と同一であり、すなわち、前記第2の開口V2の前記ベース基板101への正投影形状は、対応する前記発光層113の前記ベース基板101への正投影形状と同一である。各画素ユニット115がPeral(パール)型に配置されている場合を例に挙げて説明すると、各前記画素ユニット115は、2つの赤色発光画素、2つの青色発光画素、及び4つの緑色発光画素を含み、前記赤色発光画素及び前記青色発光画素の形状が八角形であり、前記緑色発光画素の形状が楕円形である場合、本願の実施例では、前記第2の開口V2の前記ベース基板101への正投影形状は、八角形又は楕円形である。
【0058】
もちろん、他の実施例では、前記画素ユニット115は、他の配置形態を採用することもでき、前記発光層113の前記ベース基板101への正投影形状は、矩形、円形又はその他の多角形などの他の形状であってもよく、前記第2の開口V2の形状は、前記第1の開口V1の形状と異なっていてもよく、本願はこれを限定せず、前記第2の開口V2は、前記第1の開口V1の配置形態及び形状に応じて設計することができる。
【0059】
具体的には、前記第2の開口V2の前記ベース基板101への正投影面積と前記第1の開口V1の前記ベース基板101への正投影面積との比は、1~1.5の範囲である。
【0060】
詳細には、この実施例は、2つのケースを含み、ここで、第1のケースは、図2及び図3を参照すると、前記第2の開口V2の前記ベース基板101への正投影エッジと前記第1の開口V1の前記ベース基板101への正投影エッジとの間に隙間が存在する、すなわち、前記第2の開口V2の前記ベース基板101への正投影面積は、前記第1の開口V1の前記ベース基板101への正投影面積よりも大きく、すなわち、前記第2の開口V2の前記ベース基板101への正投影面積と前記第1の開口V1の前記ベース基板101への正投影面積との比は、1より大きく1.5以下である。
【0061】
第2のケースは、図4及び図5を参照すると、図4図2と異なる点、及び図5図3と異なる点は、以下の通りである。前記第2の開口V2の前記ベース基板101への正投影エッジは、前記第1の開口V1の前記ベース基板101への正投影エッジと完全に重なる、すなわち、前記第2の開口V2の前記ベース基板101への正投影面積は、前記第1の開口V1の前記ベース基板101への正投影面積と等しい、すなわち、前記第2の開口V2の前記ベース基板101への正投影面積と前記第1の開口V1の前記ベース基板101への正投影面積との比は、1と等しい。第2のケースは、第1のケースと比較して、前記遮蔽層112が遮蔽する下層金属トレースの面積が大きく、視認性ムラ(mura)に対する改善効果が高いことが理解できる。
【0062】
一実施例では、図6及び図7を参照すると、図6は、本願の実施例に提供される表示パネルの第3の断面構造の概略図であり、図7は、図6の表示パネルにおける第1の開口及び第2の開口の部分平面構造の概略図であり、図6図2図7図3と異なる点は、以下の通りである。前記第1の開口V1の前記ベース基板101への正投影は、前記第2の開口V2の前記ベース基板101への正投影を覆い、この実施例では、前記遮蔽層112は、下層金属トレースのほぼ全てを遮蔽することができ、前記遮蔽層112の前記ベース基板101への正投影と前記発光層113の前記ベース基板101への正投影とが部分的に重なるため、前記発光層113の有効発光面積が小さくなり、したがって、本実施例は、図2及び図4に比べて視認性ムラ(mura)に対する改善効果はさらに増大するが、前記発光層113の発光効果は犠牲となる。
【0063】
具体的には、前記第2の開口V2の前記ベース基板101への正投影面積と前記第1の開口V1の前記ベース基板101への正投影面積との比は、0.8~1の範囲であり、前記第2の開口V2の前記ベース基板101への正投影面積が小さすぎてはならず、そうでなければ、前記ファンアウト表示領域100bの前記発光層113の発光効果が大幅に低下し、前記ファンアウト表示領域100bと前記通常表示領域100aとの表示効果の差が大きすぎて、表示の均一性が低下する。
【0064】
さらに、一実施例では、図8及び図9を参照すると、図8は、本願の実施例に提供される表示パネルの第4の断面構造の概略図であり、図9は、図8の表示パネルにおける第1の開口及び第2の開口の部分平面構造の概略図であり、図8図6図9図7と異なる点は、以下の通りである。本願の実施例における前記発光層113の発光効果の低下の弊害を改善するために、前記発光層113は、前記第2の開口V2の側壁及び底部を覆う、すなわち、前記遮蔽層112は、前記画素定義層111として機能し、前記第2の開口V2は、画素開口に相当し、好ましくは、前記発光層113は、前記第2の開口V2の側壁及び底部を完全に覆い、前記遮蔽層112の高さは、前記画素定義層111の高さよりも大きく、すなわち、前記第2の開口V2の高さは、前記第1の開口V1の高さよりも大きいため、本実施例において、前記発光層113を前記第2の開口V2内に設けることは、前記発光層113の有効発光面積を大きくすることに相当し、前記発光層113の発光効果を改善するのに有利であり、前記発光層113の発光効果に影響を与えることなく視認性ムラ(mura)の改善を図ることができる。
【0065】
一実施例では、図10を参照すると、図10は、本願の実施例に提供される表示パネルの第5の断面構造の概略図であり、図10図2と異なる点は、以下の通りである。前記画素定義層111と前記遮蔽層112とは、同じ種類の遮光材料を用いており、選択的に、前記画素定義層111の材料も同様にブラックマトリックスである。前記画素定義層111は、前記発光層113を規定するだけでなく、前記遮蔽層112と同様に機能するので、前記画素駆動回路ユニット104a、前記ファンアウトトレース104b、前記接続トレース1081の大部分を遮蔽することができ、視認性ムラ(mura)をさらに改善することができ、また、本実施例における前記遮蔽層112の厚みは、図2に比べて薄く設けることができ、さらには前記遮蔽層112を設けることなく、本願の技術的問題を解決することができ、前記表示パネルの薄型化に有利であることが理解できる。
【0066】
本願の実施例では、前記表示パネルは、陰極114をさらに含み、前記遮蔽層112は、前記陰極114と前記画素定義層111との間に設けられ、図2及び図10では、前記陰極114は、前記画素定義層111、前記遮蔽層112及び前記発光層113を覆い、図4図6及び図8では、前記陰極114は、前記遮蔽層112及び前記発光層113を覆う。
【0067】
本願の実施例では、前記表示パネルは、前記ベース基板101から離れる方向に順に設けられた電子注入層、電子輸送層、正孔輸送層及び正孔注入層をさらに含み、前記電子注入層、前記電子輸送層、前記正孔輸送層及び前記正孔注入層は、前記第1の開口V1内に設けられ、前記電子注入層及び前記電子輸送層は、前記発光層113と前記陽極110との間に設けられ、前記正孔輸送層及び前記正孔注入層は、前記発光層113と前記陰極114との間に設けられる。
【0068】
本願の実施例では、前記表示パネルは、封止層をさらに含み、前記封止層は、前記陰極114の前記ベース基板101から遠い側に覆われ、前記発光層113を封止するために使用され、外部環境における水蒸気や酸素が前記発光層113に侵入して破損することを防止する。前記封止層は、薄膜封止を採用することができ、前記封止層は、単層又は多層封止積層構造であってもよく、好ましくは、前記封止層は、無機/有機/無機の多層封止積層構造を採用することにより、封止効果の向上を図ることができる。
【0069】
本願の実施例では、前記表示パネルは、タッチ層をさらに含み、前記タッチ層は、前記封止層の前記ベース基板101から遠い側に設けられ、前記タッチ層のタッチタイプは、自己容量型であっても相互容量型であってもよい。前記タッチ層のタッチタイプは、実際の状況に応じて選択することができ、本願はこれを限定しない。
【0070】
本願の実施例では、表示パネルは、偏光板とカバープレートをさらに含み、前記偏光板と前記カバープレートとは、前記タッチ層の前記ベース基板101から遠い側に順次積層されて設けられ、前記偏光板は、前記タッチ層の前記ベース基板101から遠い側の面に光学接着剤により貼り付けられ、前記カバープレートは、前記偏光板の前記ベース基板101から遠い側の面に光学接着剤により貼り付けられる。
【0071】
本願の実施例は、表示装置をさらに提供し、前記表示装置は、上述した実施例における表示パネルを含み、前記表示装置は、テレビ、デスクトップなどの固定端末と、携帯電話、ノートパソコンなどのモバイル端末と、ブレスレット、VR(仮想現実)デバイス、AR(拡張現実)デバイスなどのウェアラブルデバイスとを含む。
【0072】
本願の実施例は、表示パネルの製造方法をさらに提供し、前記表示パネルは、通常表示領域100a及びファンアウト表示領域100bを含み、前記ファンアウト表示領域100bは、前記通常表示領域100aの一側に設けられ、前記ファンアウト表示領域100bは、前記通常表示領域100aから前記ファンアウト表示領域100bに向かう方向に順に配列された第1の領域1001b及び第2の領域1002bを含み、前記製造方法は、
ベース基板101を提供するステップと、
前記ベース基板101の一側に駆動回路層104を形成し、前記駆動回路層104は、複数の画素駆動回路ユニット104a及び複数のファンアウトトレース104bを含み、前記複数の画素駆動回路ユニット104aは、前記通常表示領域100a及び前記第1の領域1001bに設けられ、前記複数のファンアウトトレース104bは、前記第2の領域1002bに設けられ、前記第1の領域1001bに位置する前記画素駆動回路ユニット104aの密度は、前記通常表示領域100aに位置する前記画素駆動回路ユニット104aの密度よりも大きいステップと、
前記駆動回路層104の前記ベース基板101から遠い側に少なくとも1つの接続トレース層を形成し、各前記接続トレース層は、複数の接続トレースを含むステップと、
前記接続トレース層の前記ベース基板101から遠い側に陽極110を形成するステップと、
前記接続トレース層の前記ベース基板101から遠い側に画素定義層111を形成し、前記画素定義層111は、複数の第1の開口V1を含み、前記第1の開口V1は、前記陽極110の少なくとも一部を露出させるステップと、
前記画素定義層111の前記ベース基板101から遠い側に前記遮蔽層112を形成し、前記遮蔽層112は、複数の第2の開口V2を含み、前記第2の開口V2は、前記第1の開口V1に対応して設けられるステップと、
前記第1の開口V1内に発光層113を形成するステップと、を含む。
【0073】
有益な効果は、以下の通りである。本願の実施例に提供される表示パネル及び表示装置は、画素定義層のベース基板から遠い側に遮蔽層を設け、遮蔽層の複数の第2の開口を画素定義層の第1の開口に対応させて設けることで、遮蔽層は、金属トレースで反射された光を遮蔽するために使用され、ファンアウト表示領域と通常表示領域の金属トレースで反射された光を均一にすることができ、消灯状態や点灯状態において、ファンアウト表示領域の金属トレース密度と通常表示領域の金属トレース密度の差によるファンアウト表示領域及び通常表示領域の視認性ムラ(mura)現象の改善に有利である。
【0074】
以上説明したように、本願は、好ましい実施例によって開示されてきたが、上述した好ましい実施例は、本願を制限するものではなく、当業者は、本願の精神及び範囲を逸脱することなく、種々の変更及び修正を行うことができるので、本願の保護範囲は、特許請求の範囲に規定される範囲を基準とする。
【符号の説明】
【0075】
100a:通常表示領域、100b:ファンアウト表示領域、1001b:第1の領域、1002b:第2の領域、
101:ベース基板、102:バリア層、103:バッファ層、104:駆動回路層、105:第1の平坦層、106:第1の接続トレース層、107:第2の平坦層、108:第2の接続トレース層、1081:接続トレース、109:第3の平坦層、110:陽極、111:画素定義層、112:遮蔽層、113:発光層、114:陰極、115:画素ユニット、
104a:画素駆動回路ユニット、104b:ファンアウトトレース、活性層1041、1042:第1のゲート絶縁層、1043:第1のゲート層、1044:第2のゲート絶縁層、1045:第2のゲート層、1046:第1の層間誘電体層、1047:第2の層間誘電体層、1048:第1のソースドレイン金属層、1049:第4の平坦層、1050:第2のソースドレイン金属層、
V1:第1の開口、V2:第2の開口。
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【国際調査報告】