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特表2024-518219直交性誤差を低減するために基板上に配置された垂直ホール素子を有する電子回路
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-01
(54)【発明の名称】直交性誤差を低減するために基板上に配置された垂直ホール素子を有する電子回路
(51)【国際特許分類】
   G01R 33/07 20060101AFI20240423BHJP
   H10N 52/80 20230101ALI20240423BHJP
【FI】
G01R33/07
H10N52/80 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023551766
(86)(22)【出願日】2022-03-14
(85)【翻訳文提出日】2023-10-24
(86)【国際出願番号】 US2022020107
(87)【国際公開番号】W WO2022225623
(87)【国際公開日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】17/238,543
(32)【優先日】2021-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501105602
【氏名又は名称】アレグロ・マイクロシステムズ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100138759
【弁理士】
【氏名又は名称】大房 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100201743
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 和真
(72)【発明者】
【氏名】ロメロ,エルナン・デー
(72)【発明者】
【氏名】モンレアル,ヘラルド・アー
【テーマコード(参考)】
2G017
5F092
【Fターム(参考)】
2G017AA02
2G017AA03
2G017AB05
2G017AB07
2G017AD53
2G017AD66
2G017BA05
2G017BA12
5F092AB01
5F092AC02
5F092BA03
5F092BA12
5F092BA21
5F092BA25
5F092BA37
5F092DA07
5F092GA01
(57)【要約】
電子回路は、複数の結晶ユニットセルを有する基板上に全て配設された、第1の複数の垂直ホール素子および第2の複数の垂直ホール素子を有することができ、第1の複数の垂直ホール素子は、結晶ユニットセルのエッジに平行に5度以内に配設された長手方向軸を有し、第2の複数の垂直ホール素子は、第1の複数の垂直ホール素子の長手方向軸に対して85度と95度との間に配設された長手方向軸を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子回路であって、
主表面を有する基板であって、複数のユニット結晶セルを備え、前記複数のユニット結晶セルは、前記複数のユニット結晶セルのうちの1つのユニット結晶セルのエッジに平行で、かつ、前記基板の前記主表面に平行な結晶軸を有する、基板と、
第1の平行配置で結合された第1の複数の垂直ホール素子であって、前記第1の複数の垂直ホール素子の各垂直ホール素子は、第1の軸に平行な、それぞれの最長寸法およびそれぞれの最短寸法を有し、前記第1の軸は、前記基板の前記主表面に平行であり、前記第1の軸は、前記結晶軸に対してプラス5度とマイナス5度との間の方向に配設され、前記第1の複数の垂直ホール素子は、総合すれば、前記基板の前記主表面上に第1の幾何中心を有する、第1の複数の垂直ホール素子と、
第2の平行配置で結合された第2の複数の垂直ホール素子であって、前記第2の複数の垂直ホール素子の各垂直ホール素子は、第2の軸に平行な、それぞれの最長寸法およびそれぞれの最短寸法を有し、前記第2の軸は、前記基板の前記主表面に平行であり、前記第1の軸と前記第2の軸との間の角度は、85度と95度との間であり、前記第2の複数の垂直ホール素子は、総合すれば、前記基板の前記主表面上に第2の幾何中心を有し、前記第1の中心および前記第2の中心は、前記第1の複数の垂直ホール素子または前記第2の複数の垂直ホール素子のうちの任意の垂直ホール素子の前記最長寸法の半分プラス前記最短寸法の2倍の寸法より短い、前記基板の前記主表面上の分離を有する、第2の複数の垂直ホール素子と
を備える、電子回路。
【請求項2】
前記第1の軸の前記方向および前記第2の軸の前記方向は、前記第1の複数の垂直ホール素子および前記第2の複数の垂直ホール素子に関連する直交性誤差低減をもたらすように選択される、請求項1に記載の電子回路。
【請求項3】
前記第1の複数の垂直ホール素子は、第1の2つの垂直ホール素子を備え、前記第2の複数の垂直ホール素子は、第2の2つの垂直ホール素子を備える、請求項1に記載の電子回路。
【請求項4】
前記第1の複数の垂直ホール素子は、第1の4つの垂直ホール素子を備え、前記第2の複数の垂直ホール素子は、第2の4つの垂直ホール素子を備える、請求項1に記載の電子回路。
【請求項5】
前記第1および第2の中心は、前記基板の前記主表面上の同じポイントにある、請求項1に記載の電子回路。
【請求項6】
前記第1の複数の垂直ホール素子は、第1の4つの垂直ホール素子を備え、前記第2の複数の垂直ホール素子は、第2の4つの垂直ホール素子を備える、請求項5に記載の電子回路。
【請求項7】
前記第1および第2の複数の垂直ホール素子は、前記第1の複数の垂直ホール素子のうちの複数の垂直ホール素子が前記第2の複数の垂直ホール素子のうちの複数の垂直ホール素子の間に配設されるように櫛歯状配置で配設される、請求項1に記載の電子回路。
【請求項8】
前記第1の複数の垂直ホール素子は、第1の4つの垂直ホール素子を備え、前記第2の複数の垂直ホール素子は、第2の4つの垂直ホール素子を備える、請求項7に記載の電子回路。
【請求項9】
前記基板の前記主表面上に配設された平面ホール素子であって、前記平面ホール素子は、第3の幾何中心を有する、平面ホール素子
をさらに備える、請求項1に記載の電子回路。
【請求項10】
前記第1の複数の垂直ホール素子および前記第2の複数の垂直ホール素子は、前記平面ホール素子に近接し、かつ、前記平面ホール素子を囲み、前記第1、第2、および第3の中心は、前記基板の前記主表面上の同じポイントにある、請求項9に記載の電子回路。
【請求項11】
前記第1の複数の垂直ホール素子は、第1の4つの垂直ホール素子を備え、前記第2の複数の垂直ホール素子は、第2の4つの垂直ホール素子を備える、請求項10に記載の電子回路。
【請求項12】
前記第1の複数の垂直ホール素子および前記第2の複数の垂直ホール素子は、前記平面ホール素子を囲み、前記第1および第2の複数の垂直ホール素子は、前記第1の複数の垂直ホール素子のうちの複数の垂直ホール素子が前記第2の複数の垂直ホール素子のうちの複数の垂直ホール素子の間に配設されるように櫛歯状配置で配設される、請求項9に記載の電子回路。
【請求項13】
前記第1の複数の垂直ホール素子は、第1の4つの垂直ホール素子を備え、前記第2の複数の垂直ホール素子は、第2の4つの垂直ホール素子を備える、請求項12に記載の電子回路。
【請求項14】
前記基板の前記主表面に平行に結合され、かつ、前記基板の前記主表面上に配設された複数の平面ホール素子であって、前記複数の平面ホール素子は、総合すれば、第3の幾何中心を有する、複数の平面ホール素子
をさらに備える、請求項1に記載の電子回路。
【請求項15】
前記複数の平面ホール素子は、4つの平面ホール素子を備える、請求項14に記載の電子回路。
【請求項16】
前記第1の複数の垂直ホール素子は、第1の4つの垂直ホール素子を備え、前記第2の複数の垂直ホール素子は、第2の4つの垂直ホール素子を備える、請求項15に記載の電子回路。
【請求項17】
前記第1、第2、および第3の中心は、前記基板の前記主表面上の同じポイントにある、請求項16に記載の電子回路。
【請求項18】
前記第1の複数の垂直ホール素子および前記第2の複数の垂直ホール素子は、前記複数の平面ホール素子のうちの複数の平面ホール素子の間に配設される、請求項17に記載の電子回路。
【請求項19】
前記第1の複数の垂直ホール素子の各垂直ホール素子は、任意の特定の時間に異なるそれぞれの位相で電気結合され、前記第2の複数の垂直ホール素子の各垂直ホール素子は、任意の特定の時間に異なるそれぞれの位相で電気結合される、請求項17に記載の電子回路。
【請求項20】
前記複数の平面ホール素子の各平面ホール素子は、任意の特定の時間に異なるそれぞれの位相で電気結合される、請求項19に記載の電子回路。
【請求項21】
前記第1および第2の複数の垂直ホール素子は、前記第1の複数の垂直ホール素子のうちの複数の垂直ホール素子が前記第2の複数の垂直ホール素子のうちの複数の垂直ホール素子の間に配設されるように櫛歯状配置で配設される、請求項16に記載の電子回路。
【請求項22】
前記第1の複数の垂直ホール素子および前記第2の複数の垂直ホール素子は、前記複数の平面ホール素子のうちの複数の平面ホール素子の間に配設される、請求項19に記載の電子回路。
【請求項23】
前記第1の複数の垂直ホール素子の各垂直ホール素子は、任意の特定の時間に異なるそれぞれの位相で電気結合され、前記第2の複数の垂直ホール素子の各垂直ホール素子は、任意の特定の時間に異なるそれぞれの位相で電気結合される、請求項21に記載の電子回路。
【請求項24】
前記複数の平面ホール素子の各平面ホール素子は、任意の特定の時間に異なるそれぞれの位相で電気結合される、請求項23に記載の電子回路。
【請求項25】
前記第1の複数の垂直ホール素子の各垂直ホール素子は、任意の特定の時間に異なるそれぞれの位相で電気結合され、前記第2の複数の垂直ホール素子の各垂直ホール素子は、任意の特定の時間に異なるそれぞれの位相で電気結合される、請求項16に記載の電子回路。
【請求項26】
前記複数の平面ホール素子の各平面ホール素子は、任意の特定の時間に異なるそれぞれの位相で電気結合される、請求項25に記載の電子回路。
【請求項27】
前記第1の複数の垂直ホール素子の各垂直ホール素子のそれぞれの中心と、前記第1の複数の垂直ホール素子の前記中心のうちの他の中心との間の各分離は、前記第1の複数の垂直ホール素子のうちの任意の垂直ホール素子の最長寸法の半分より長く、前記第2の複数の垂直ホール素子の各垂直ホール素子のそれぞれの中心と、前記第2の複数の垂直ホール素子の前記中心のうちの他の中心との間の各分離は、前記第2の複数の垂直ホール素子のうちの任意の垂直ホール素子の最長寸法の半分より長い、請求項1に記載の電子回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、電子回路に関し、より詳細には、基板上に配置された垂直ホール素子を有する電子回路であって、その配置が、直交性誤差を低減するためのものである、電子回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のシリコン基板は、複数の結晶ユニットセルを有する結晶構造を有することが知られている。ユニットセルは、基板の表面に平行なエッジを有する。
【0003】
従来の垂直ホール素子は、垂直ホール素子の最大寸法の軸の方向が、シリコン基板のユニットセルのエッジに対して45度に方向付けされるように、シリコン基板上に配置される。
【0004】
垂直ホール素子は、典型的には、垂直ホール素子の最大寸法の軸から90度離れた方向において、かつ、基板の表面に平行に最大感度軸を有する。そのため、2つの垂直ホール素子が、互いに対して90度で、すなわち、最大寸法の軸がデカルト座標のx軸およびy軸に平行な状態で配置されると、2つの垂直ホール素子のうちの一方の垂直ホール素子は、磁界のx成分を検知するために使用され得、2つの垂直ホール素子のうちの他方の垂直ホール素子は、磁界のy成分を検知するために使用され得る。
【0005】
幾つかのタイプの誤差は、上記xおよびy成分の測定の精度に影響を及ぼす。
【0006】
第1のタイプの誤差は、上記で説明したように配置された2つの垂直ホール素子の感度不整合に起因する。さらに、感度誤差は、垂直ホール素子の時間および/または温度と共に変化することが知られている。しかしながら、感度不整合タイプの誤差は、2つの垂直ホール素子に関連する電子部品によって、例えば、2つの垂直ホール素子に関連する電子自動利得制御電子部品または他の利得較正技法によって低減され得る。
【0007】
第2のタイプの誤差は、上記で説明したように配置された2つの垂直ホール素子のDCオフセット不整合に起因する。さらに、オフセット誤差は、垂直ホール素子の時間および/または温度と共に変化することが知られている。しかしながら、オフセット不整合タイプの誤差は、2つの垂直ホール素子に関連する電子部品によって、例えば、以下でより完全に説明するチョッパー安定化技法によっても低減され得る。
【0008】
第3のタイプの誤差は、2つの垂直ホール素子が90度離れて物理的に設置されないような物理的設置誤差に起因する。設置精度タイプの誤差は、静的であり、時間および/または温度と共に変化しない。そのため、このタイプの誤差は、固定較正によって低減され得る。
【0009】
第4のタイプの誤差は、いわゆる直交性誤差に起因し、直交性誤差は、静的でなく、温度、基板またはパッケージ応力、および同様なものと共に変化する。本明細書で使用されるように、用語「直交性(orthogonality)」は、上記で説明した2つの直交設置された磁界検知素子(例えば、垂直ホール素子)によって生成される信号間の(回転磁界の存在下での)第1の高調波の位相差を説明するために使用される。本明細書で使用されるように、用語「直交性誤差(orthogonality error)」(OG誤差)は、これらの2つの信号間の理想的な位相差(OG誤差がゼロに等しいとき、理想的に90度)からの偏差として規定される。
【0010】
上記で説明した第4のタイプの誤差に起因する直交性誤差は、2つの直交垂直ホール素子の時間および/または温度および/または応力と共に変化することが知られている。この第4のタイプの直交性誤差の影響を低減するための較正は難しかった。
【0011】
上記で説明した物理的設置誤差、すなわち、第3のタイプの誤差は、上記で説明したように、或る程度の直交性誤差をもたらす可能性があるが、物理的設置誤差は、静的であり、固定較正によって低減または排除され得る。
【0012】
直交性誤差が低減される直交配置で設置された垂直ホール素子を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、直交性誤差が低減される直交配置で設置された垂直ホール素子を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の態様を理解するのに有用な例によれば、電子回路は、主表面を有する基板を含むことができ、基板は、複数のユニット結晶セルを備え、複数のユニット結晶セルは、複数のユニット結晶セルのうちの1つのユニット結晶セルのエッジに平行で、かつ、基板の主表面に平行な結晶軸を有する。電子回路は、第1の平行配置で結合された第1の複数の垂直ホール素子も含むことができ、第1の複数の垂直ホール素子の各垂直ホール素子は、第1の軸に平行な、それぞれの最長寸法およびそれぞれの最短寸法を有し、第1の軸は、基板の主表面に平行であり、第1の軸は、結晶軸に対してプラス5度とマイナス5度との間の方向に配設され、第1の複数の垂直ホール素子は、総合すれば、基板の主表面上に第1の幾何中心を有する。電子回路は、第2の平行配置で結合された第2の複数の垂直ホール素子も含むことができ、第2の複数の垂直ホール素子の各垂直ホール素子は、第2の軸に平行な、それぞれの最長寸法およびそれぞれの最短寸法を有し、第2の軸は、基板の主表面に平行であり、第1の軸と第2の軸との間の角度は、85度と95度との間であり、第2の複数の垂直ホール素子は、総合すれば、基板の主表面上に第2の幾何中心を有する。第1および第2の中心は、第1の複数の垂直ホール素子または第2の複数の垂直ホール素子のうちの任意の垂直ホール素子の最長寸法の半分プラス最短寸法の2倍の寸法より短い、基板の主表面上の分離を有する。
【0015】
特徴は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を、個々にまたは他の特徴と組み合わせて含むことができる。ターゲットは伝導性材料を含むことができる。第1の軸および第2の軸の方向は、第1の複数の垂直ホール素子および第2の複数の垂直ホール素子に関連する直交性誤差低減をもたらすように選択され得る。第1の複数の垂直ホール素子は、第1の2つの垂直ホール素子を含むことができ、第2の複数の垂直ホール素子は、第2の2つの垂直ホール素子を含むことができる。第1の複数の垂直ホール素子は、第1の4つの垂直ホール素子を含むことができ、第2の複数の垂直ホール素子は。第2の4つの垂直ホール素子を含むことができる。第1および第2の中心は、基板の主表面上の同じポイントにあるものとすることができる。第1および第2の複数の垂直ホール素子は、第1の複数の垂直ホール素子のうちの複数の垂直ホール素子が第2の複数の垂直ホール素子のうちの複数の垂直ホール素子の間に配設されるように櫛歯状配置で配設され得る。
【0016】
電子回路は、基板の主表面上に配設された平面ホール素子をさらに含むことができ、平面ホール素子は、第3の幾何中心を有する。第1の複数の垂直ホール素子および第2の複数の垂直ホール素子は、平面ホール素子に近接し、かつ、平面ホール素子を囲むことができ、第1、第2、および第3の中心は、基板の主表面上の同じポイントにあるものとすることができる。第1の複数の垂直ホール素子および第2の複数の垂直ホール素子は、平面ホール素子を囲むことができる。
【0017】
電子回路は、基板の主表面に平行に結合され、かつ、基板の主表面上に配設された複数の平面ホール素子をさらに含むことができ、複数の平面ホール素子は、総合すれば、第3の幾何中心を有する。複数の平面ホール素子は、4つの平面ホール素子を含むことができる。第1、第2、および第3の中心は、基板の主表面上の同じポイントにあるものとすることができる。第1の複数の垂直ホール素子および第2の複数の垂直ホール素子は、複数の平面ホール素子のうちの複数の平面ホール素子の間に配設され得る。
【0018】
第1の複数の垂直ホール素子の各垂直ホール素子は、任意の特定の時間に異なるそれぞれの位相で電気結合され得、第2の複数の垂直ホール素子の各垂直ホール素子は、任意の特定の時間に異なるそれぞれの位相で電気結合され得る。複数の平面ホール素子の各平面ホール素子は、任意の特定の時間に異なるそれぞれの位相で電気結合される。第1および第2の複数の垂直ホール素子は、第1の複数の垂直ホール素子のうちの複数の垂直ホール素子が第2の複数の垂直ホール素子のうちの複数の垂直ホール素子の間に配設されるように櫛歯状配置で配設され得る。複数の平面ホール素子の各平面ホール素子は、任意の特定の時間に異なるそれぞれの位相で電気結合され得る。第1の複数の垂直ホール素子の各垂直ホール素子のそれぞれの中心と、第1の複数の垂直ホール素子の中心の他の中心との間の分離は、第1の複数の垂直ホール素子のうちの任意の垂直ホール素子の最長寸法の半分より長くすることができ、第2の複数の垂直ホール素子の各垂直ホール素子のそれぞれの中心と、第2の複数の垂直ホール素子の中心の他の中心との間の分離は、第2の複数の垂直ホール素子のうちの任意の垂直ホール素子の最長寸法の半分より長くすることができる。
【0019】
本発明の上記特徴ならびに本発明自体は、図面の以下の詳細な説明からより完全に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】シリコンウェハおよび基板の結晶ユニットセルを示す図である。
図2】シリコンウェア内の結晶ユニットセルを示し、本明細書で基板とも呼ばれるシリコンウェハのチップまたは基板部分を示すブロック図である。
図3】シリコン基板、シリコン基板上に配設された平面ホール素子、シリコン基板上に配設された2つの垂直ホール素子、シリコン基板上に配設された電子回路部分を有する従来技術の電子回路のブロック図である。
図4】垂直ホール素子の断面図である。
図5】シリコン基板、および、基板内のユニットセルの或る位置に対して4つの異なる角度でシリコン基板上に配設された4つの垂直ホール素子を有する電子回路のブロック図である。
図6】シリコン基板、シリコン基板上に配設された電子回路部分、および、基板内のユニットセルの或る位置に対して2つの異なる角度でシリコン基板上に配設された4つの垂直ホール素子を有する別の電子回路のブロック図である。
図7】シリコン基板、シリコン基板上に配設された電子回路部分、および、基板内のユニットセルの或る位置に対して2つの異なる角度でシリコン基板上に配設された4つの垂直ホール素子を有する別の回路のブロック図である。
図8】シリコン基板、シリコン基板上に配設された電子回路部分、シリコン基板上に配設された平面ホール素子、および、基板内のユニットセルの或る位置に対して2つの異なる角度でシリコン基板上に配設された4つの垂直ホール素子を有する別の電子回路のブロック図である。
図9】シリコン基板、シリコン基板上に配設された電子回路部分、シリコン基板上に配設された4つの平面ホール素子、および、基板内のユニットセルの或る位置に対して2つの異なる角度でシリコン基板上に配設された8つの垂直ホール素子を有する別の電子回路のブロック図である。
図10】シリコン基板、シリコン基板上に配設された電子回路部分、シリコン基板上に配設された4つの平面ホール素子、および、基板内のユニットセルの或る位置に対して2つの異なる角度でシリコン基板上に配設された8つの垂直ホール素子を有する別の電子回路のブロック図である。
図11】シリコン基板、シリコン基板上に配設された電子回路部分、シリコン基板上に配設された4つの平面ホール素子、および、基板内のユニットセルの或る位置に対して2つの異なる角度でシリコン基板上に配設された8つの垂直ホール素子を有する別の電子回路のブロック図である。
図12】異なるバイアス電流位相で結合された垂直ホール素子の側面図である。
図12A】異なるバイアス電流位相で結合された垂直ホール素子の側面図である。
図12B】異なるバイアス電流位相で結合された垂直ホール素子の側面図である。
図12C】異なるバイアス電流位相で結合された垂直ホール素子の側面図である。
図13】上記電子回路のうちの任意の電子回路の第1の部分と同様の電子回路部分に結合された8つの垂直ホール素子を示すブロック図である。
図14】上記電子回路のうちの任意の電子回路の第2の部分と同様の電子回路部分に結合された4つの平面ホール素子を示すブロック図である。
図15図13および図14の電子回路部分の第1および第2の部分のさらなる詳細を示し、出力フォーマットモジュールを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明を説明する前に、幾つかの導入概念および用語が説明される。
【0022】
本明細書で使用されるように、用語「磁界検知素子(magnetic field sensing element)」は、磁界を検知することができる種々の電子素子を説明するために使用される。磁界検知素子は、ホール効果素子、磁気抵抗素子、または磁気トランジスタとすることができるが、それに限定されない。知られているように、異なるタイプのホール効果素子、例えば、平面ホール素子および垂直ホール素子が存在する。同様に知られているように、異なるタイプの磁気抵抗素子、例えば、アンチモン化インジウム(InSb)等の半導体磁気抵抗素子、巨大磁気抵抗(GMR:giant magnetoresistance)素子、例えばスピンバルブ、異方性磁気抵抗素子(AMR:anisotropic magnetoresistance element)、トンネル磁気抵抗(TMR:tunneling magnetoresistance)素子、および磁気トンネル接合(MTJ:magnetic tunnel junction)が存在する。磁界検知素子は、単一素子とすることができる、または代替的に、種々の構成、例えば、ハーフブリッジまたはフル(ウィートストーン)ブリッジで配置された2つ以上の磁界検知素子を含むことができる。デバイスタイプおよび他のアプリケーション要件に応じて、磁界検知素子は、シリコン(Si)またはゲルマニウム(Ge)等のIV族半導体材料、あるいは、ガリウムヒ素(GaAs)またはインジウム化合物、例えばアンチモン化インジウム(InSb)のようなIII-V族半導体材料で作られたデバイスとすることができる。
【0023】
知られているように、上記で説明した磁界検知素子の一部は、磁界検知素子を支持する基板に平行な最大感度軸を有する傾向があり、上記で説明した磁界検知素子の他のものは、磁界検知素子を支持する基板に垂直な最大感度軸を有する傾向がある。特に平面ホール素子は、基板に垂直な感度軸を有する傾向があり、一方、金属ベースまたは金属磁気抵抗素子(例えば、GMR、TMR、AMR)および垂直ホール素子は、基板に平行な感度軸を有する傾向がある。
【0024】
本明細書で使用されるように、用語「磁界センサ(magnetic field sensor)」は、全てが共通基板、例えば半導体基板上に配設された、1つまたは複数の磁界検知素子(電子回路の一部)を、別の電子回路部分と結合して使用するアセンブリを説明するために使用される。磁界センサは、磁界の方向の角度を検知する角度センサを含むが、それに限定されない、種々のアプリケーションで使用される。
【0025】
本明細書で使用されるように、用語「磁界信号(magnetic field signal)」は、磁界検知素子によって受けられた磁界に起因する任意の回路信号を説明するために使用される。
【0026】
用語「平行な(parallel)」および「垂直な(perpendicular)」は、本明細書の種々の文脈で使用される。用語、平行な、および、垂直な、が、厳密な垂直性または厳密な平行性を必要とするのではなく、代わりに、通常の製造公差であって、用語がそこで使用される文脈に依存する、通常の製造公差が当てはまることが意図されることが理解されるべきである。幾つかの事例において、用語「実質的に(substantially)」は、用語「平行な」または「垂直な」を修正するために使用される。一般に、用語「実質的に」の使用は、例えば、+/-10度以内または+/-5度以内の製造公差を超える角度を反映する。
【0027】
本明細書で使用されるように、用語「プロセッサ(processor)」は、機能、動作、または動作のシーケンスを実施する電子回路を説明するために使用される。機能、動作、または動作のシーケンスは、電子回路にハードコード化され得るまたは、メモリデバイスに保持された命令によってソフトコード化され得る。「プロセッサ」は、デジタル値を使用してまたはアナログ信号を使用して機能、動作、または動作のシーケンスを実施し得る。
【0028】
幾つかの実施形態において、「プロセッサ」は、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)で具現化され得、ASICは、アナログASICまたはデジタルASICとすることができる。幾つかの実施形態において、「プロセッサ」は、関連するプログラムメモリを有するマイクロプロセッサで具現化され得る。幾つかの実施形態において、「プロセッサ」は、ディスクリート電子回路で具現化され得、ディスクリート電子回路は、アナログまたはデジタルとすることができる。
【0029】
本明細書で使用されるように、用語「モジュール(module)」は、「プロセッサ」を説明するために使用される。しかしながら、用語「モジュール」は、入力信号を、入力信号と異なる出力信号に変換することができる任意の回路を説明するためにより一般的に使用される。
【0030】
プロセッサは、プロセッサの機能、動作、または動作のシーケンスの部分を実施する内部プロセッサまたは内部モジュールを含むことができる。同様に、モジュールは、モジュールの機能、動作、または動作のシーケンスの所定の部分を実施する内部プロセッサまたは内部モジュールを含むことができる。
【0031】
本明細書で使用されるように、用語「変調器(modulator)」は、第2の信号による第1の信号の時間領域乗算を実施して、第1の信号の周波数成分に対応する周波数成分を有するが、周波数がシフトした出力信号をもたらすことができる回路またはプロセッサを説明するために使用される。
【0032】
本明細書の図に示す電子回路は、アナログブロックまたはデジタルブロック(例えば、プロセッサまたはモジュール)の形で示され得るが、アナログブロックが、同じまたは同様の機能を実施するデジタルブロック(例えば、プロセッサまたはモジュール)によって置換され得、デジタルブロックが、同じまたは同様の機能を実施するアナログブロックによって置換され得ることが理解されるであろう。アナログ-デジタルまたはデジタル-アナログ変換は、図に明示的に示され得るのではなく、理解されるべきである。
【0033】
本明細書で使用されるように、用語「予め決定された(predetermined)」は、値または信号を参照するとき、製造時に工場で、または、その後、外部手段、例えば、プログラミングによって、設定または固定される値または信号を指すために使用される。本明細書で使用されるように、用語「決定された(determined)」は、値または信号を参照するとき、製造後に、動作中に回路によって特定される値または信号を指すために使用される。
【0034】
本明細書で使用されるように、用語「増幅器(amplifier)」は、1より大きい、1より小さい、または1に等しい利得を有する回路素子を説明するために使用される。
【0035】
本明細書で使用されるように、用語「ライン(line)」および「リニア(linear)」は、直線または曲線を説明するために使用される。ラインは、無限未満の任意の次数を有する関数によって記述され得る。
【0036】
上記で説明したように、直交性誤差は、互いに対して90度で物理的に配置された垂直ホール素子に関連する。直交性誤差の結果として、直交設置された垂直ホール素子は、直交性があるかのごとく、実際に振る舞い、したがって、直交性誤差が存在する。
【0037】
図5に関連して以下で示すように、直交設置された垂直ホール素子の直交性誤差は、個々の垂直ホール素子の挙動に起因するとすることができる。
【0038】
図1を参照すると、シリコン基板内のユニットセルとすることができる結晶の長方形ユニットセル100は、8つの原子を含むことができ、ここでは、実線長方形形状に配置された円として示される。x軸、y軸、およびz軸は、いわゆるミラー指数[100]、[010]、および[001]によって、同様に記述され得る。
【0039】
4つのエッジ100a、100b、100c、100dは、ユニットセルの上部表面100eを規定する。ミラーの命名法を使用して、指定(100)は、上部表面100eの平面を示すために認識されるであろう。
【0040】
知られているように、一般に、ユニットセルは、結晶内で反復する最小結晶部分である。しかしながら、ユニットセル100に近接する他の原子、例えば、面心原子、例えば、表面100fの面内に配設された面心原子102および同様にユニットセルの本体内の原子、例えば原子104が存在する可能性がある。
【0041】
同様の参照指定を有する図1の同様の素子が示される図2をここで参照すると、シリコンウェハ200は、複数の結晶ユニットセル、例えば、結晶ユニットセル100を含むことができ、本明細書に示されるのは、結晶のユニットセル100の表面の平面を記述する結晶表面(100)および同様にシリコン基板200の全体の最大表面を有する上面図である。
【0042】
表面(100)上に、xおよびy軸が、やはり図1の場合と同様に示され、[100]および[010]ミラー指数として同様に示される。xおよびy軸([100]および[010])は、ユニットセル100のエッジに平行である。[-110]および[110]として指定される他の軸も示され、-1は、オーバーバーを有する数値1として従来どおり指定される。他の軸は、ユニットセル100のエッジに対して45度の角度を有する。
【0043】
ウェハ200の配向、すなわち、結晶ユニットセル、例えば、100の配向は、[110]方向におけるウェハ200a内のフラット200aによって、または、他の手段によって、例えばノッチによって、任意選択で特定され得る。しかしながら、ユニットセル、例えば、ユニットセル100の配向に対するフラットまたはノッチの位置は、任意であり、基板製造業者によって決定される他の方向にある可能性がある。
【0044】
基板202は、ウェハ200の下位区分を示し、その各下位区分は、電子回路、例えば、複数の垂直ホール素子、または、複数の垂直ホール素子を含むことができる磁界センサを含むことができる。チップ202は、ダイ202またはチップ202とも呼ばれ得る。
【0045】
ユニットセル100および基板202が、ウェハ200に対して一定比例尺で示されるのではなく、単に明確にするために両者が通常より大きく示されることが理解されるであろう。
【0046】
示す座標軸、ユニットセル100、基板202、および/またはフラット200aが、単独であれ、組み合わせであれ、90度の任意の増分だけ回転され得、以下で説明する直交性誤差に関する結果が同じであることになることも理解されるであろう。
【0047】
同様の参照指定を有する図1および図2の同様の素子が示される図3をここで参照すると、電子回路300は、図2の基板202のようにすることができる基板300aを含むことができる。ユニットセル302は、図1および図2のユニットセル100のようにすることができる。第1のユニットセル軸302aは、ユニットセル302の2つのエッジに平行とすることができる。第2のユニットセル軸302bは、ユニットセル302の別の2つのエッジに平行とすることができる。第1および第2のユニットセル軸302a、302bは、90度離れているとすることができる。
【0048】
基板300a上に、それぞれ、第1および第2の垂直ホール素子310、312と共に平面ホール素子304が配設され得る。第1および第2の垂直ホール素子310、312は、第1および第2の垂直ホール素子310、312が互いに対して90度で設置されるように、それぞれ第1および第2の軸310a、312aに平行なそれぞれの最長寸法を有することができる。
【0049】
平面ホール素子は、4つの接触部304a、304b、304c、304dを有することができる。バイアス電流306、308は、接触部の対304a、304cまたは304b、304dの間に流れることができる。バイアス電流は、静的とすることができる、または、接触部の異なる対304a、304cまたは304b、304d間で、かつ、異なる方向に、いわゆるバイアス電流配置で回転することができる。バイアス電流配置が順次変化するとき、平面ホール素子は、電流スピニングを受ける。
【0050】
従来どおり、平面ホール素子304ならびに第1および第2の垂直ホール素子は、示すように、ユニットセル302に対して配設される。すなわち、平面ホール素子304内のバイアス電流方向306、308は、ユニットセル軸302a、302bに平行であるように位置合わせされる。さらに、第1および第2の垂直ホール素子310、312の第1および第2の軸310a、312aはそれぞれ、ユニットセル軸302aに対して45度の角度、すなわち、第1および第2のユニットセル軸302a、302bに対して45度の角度である。
【0051】
垂直ホール素子310、312のこの従来配置が有利でないことが以下で説明される。以下の他の図と併せて説明するように、第1および第2の垂直ホール素子310、312内のバイアス電流は、軸310a、312aに或る程度平行な方向に流れる傾向がある。しかしながら、以下でより完全に説明するように、電流方向は位置ずれする可能性がある。
【0052】
動作時、第1および第2の垂直ホール素子310は、磁界の2つの直交空間成分、すなわち、[110]および[-110]方向であるが、以下でより完全に説明する誤差を有する成分を検知するために使用され得る。平面ホール素子304は、磁界の第3の空間成分を検知するために使用され得る。そのため、3つのホール素子は、3次元であるが誤差を有する磁界の大きさおよび方向を検知するために使用され得る。
【0053】
ここで図4を参照すると、側面図において、垂直ホール素子400は、図2の基板202のようであるまたは本明細書で説明する基板のうちの任意の基板のようにすることができるP型基板内に形成され得る。N型ウェル領域400bは、基板400aに注入され拡散され得る。5個のN+型接触部Cont.#1、Cont.#2、Cont.#3、Cont.#4、Cont.#5は、N型ウェル領域400bに注入され拡散され得る。
【0054】
1つの特定のバイアス電流配置において、バイアス電流は、第3の接触部Cont.#3に注入され得、外側接触部Cont.#1、Cont.#5は、電流を受け取るために結合され得る、例えば、グラウンド電圧に結合され得る。接触部Cont.#2とCont.#4との間の電圧が、生じ、磁界402に応答する、またはより詳細には、ページから出る軸上への磁界の投影に応答する。そのため、垂直ホール素子400は、ページに入りまた出る軸に沿って方向付けられた磁界に最も敏感であり、ページに入りまた出る方向に垂直な磁界に最も敏感でない。
【0055】
本明細書で位相と呼ばれる他のバイアス電流配置は、図12図12Cと併せて以下で説明される。
【0056】
同様の参照指定を有する図1および図2の同様の素子が示される図5をここで参照すると、電子回路500は基板500aを含むことができる。基板500aは、複数のユニットセル、例えば502で構成され得、それぞれは、ユニットセルのそれぞれのエッジに平行なそれぞれのユニットセル軸502a、502bを有する。ユニットセル502は、図1および図2のユニットセル100のようにすることができる。
【0057】
基板500a上に、互いに対して90度で配置された第1の対の垂直ホール素子504、506が配設され得る。第1の対の垂直ホール素子504、506は、それぞれの長手方向軸がユニットセル軸502a、502bに平行であるのではなく、代わりに、ユニットセル軸502a、502bに対して45度であるように配置される。
【0058】
基板500a上に、互いに対して90度で配置された第2の対の垂直ホール素子508、510が配設され得る。第2の対の垂直ホール素子504、506は、それぞれの長手方向軸がユニットセル軸502a、502bに平行であるように配置される。
【0059】
図4と併せて上記で説明した第1のバイアス配置または位相において、バイアス電流部分504a、504bは、垂直ホール素子504の中央接触部から垂直ホール素子504の外側接触部まで流れる。バイアス電流部分506a、506bは、垂直ホール素子506の中央接触部から垂直ホール素子506の外側接触部まで流れる。バイアス電流部分508a、508bは、垂直ホール素子508の中央接触部から垂直ホール素子508の外側接触部まで流れる。バイアス電流部分510a、510bは、垂直ホール素子510の中央接触部から垂直ホール素子510の外側接触部まで流れる。
【0060】
第1の対の垂直ホール素子504、506が結晶ユニットセル502に対して示すように配置されると、バイアス電流部分504a、504b、506a、506bが、それぞれ、垂直ホール素子504、506の長手方向軸に平行でないことが特定された。さらに、バイアス電流部分504a、504b、506a、506bが、垂直ホール素子504、506の長手方向軸から角度がそれだけ異なる量は、例えば温度変化によって引き起こされるように基板内の応力と共に変化する傾向がある。
【0061】
バイアス電流部分504a、504b、506a、506bが、垂直ホール素子504、506の長手方向軸の90度設置に平行でない結果として、第1の対の垂直ホール素子504、506は、上記で説明した直交性誤差を受ける(suffer)。直交性誤差は、大きい、例えば、90度から離れて5~10度とすることができる。
【0062】
第2の対の垂直ホール素子508、510が結晶ユニットセル502に対して示すように配置されると、バイアス電流部分508a、508b、510a、510bが、それぞれ、垂直ホール素子508、510の長手方向軸に実質的に平行であることも特定された。さらに、バイアス電流部分508a、508b、510a、510bが、垂直ホール素子508、510の長手方向軸から角度がそれだけ異なる量は、例えば温度変化によって引き起こされるように基板内の応力と共にほとんど変化しない傾向がある。
【0063】
バイアス電流部分508a、508b、510a、510bが、垂直ホール素子508、510の長手方向軸の90度設置に実質的に平行である結果として、第2の対の垂直ホール素子508、510は、上記で説明した直交性誤差をほとんど受けない。ユニットセル軸502a、502bに対する第2の対の垂直ホール素子508、510のこの配置によって、直交性誤差は、小さい、例えば、90度から離れて約+/-0.5度以下、または、90度から離れて約+/-0.2度以下とすることができる。
【0064】
同様の参照指定を有する図1および図2の同様の素子が示される図6をここで参照すると、電子回路600は、図2の基板202のようにすることができる基板600aを含むことができる。ユニットセル602は、図1および図2のユニットセル100のようにすることができる。第1のユニットセル軸602aは、ユニットセル602の2つのエッジに平行とすることができる。第2のユニットセル軸602bは、ユニットセル602の別の2つのエッジに平行とすることができる。第1および第2のユニットセル軸602a、602bは、90度離れているとすることができる。
【0065】
基板600a上に、基板600a上に同様に配設された電子回路部分616によって第1の平行配置で結合された第1の複数の垂直ホール素子604、606が配設され得る。第1の複数の垂直ホール素子604、606の各垂直ホール素子は、第1の軸604aまたは606aに平行な、それぞれの最長寸法、例えば606b、および、それぞれの最短寸法、例えば606cを有することができる。第1の軸604aまたは606aは、基板600aの主表面に平行とすることができる。第1の軸604aまたは606aは、結晶軸602aに対して+5度と-5度との間の方向に配設される。好ましくは、第1の軸604aまたは606aは、結晶軸602aに平行な方向に配設される。第1の複数の垂直ホール素子604、606は、総合すれば、基板600aの主表面上に第1の幾何中心612を有する。
【0066】
基板600a上に、電子回路部分616によって第2の平行配置で結合された第2の複数の垂直ホール素子608、610も配設され得る。第2の複数の垂直ホール素子608、610の各垂直ホール素子は、第2の軸608aまたは610aに平行な、それぞれの最長寸法およびそれぞれの最短寸法、を有することができる。第2の軸608aまたは610aは、基板600aの主表面に平行とすることができる。第1の軸604aまたは606aと第2の軸608aまたは610aとの間の角度は、85度と95度との間とすることができる。好ましくは、第1の軸604aまたは606aと第2の軸608aまたは610aとの間の角度は90度である。
【0067】
第2の複数の垂直ホール素子608、610は、総合すれば、基板の主表面上に第2の幾何中心614を有する。第1および第2の中心612、614は、第1の複数の垂直ホール素子604、606または第2の複数の垂直ホール素子608、610のうちの任意の垂直ホール素子の最長寸法の半分プラス最短寸法の2倍の寸法より短い、基板600aの主表面上の分離を有することができる。幾つかの実施形態において、第1および第2の中心612、614は、第1の複数の垂直ホール素子604、606または第2の複数の垂直ホール素子608、610のうちの任意の垂直ホール素子の最長寸法の半分より短い、基板600aの主表面上の分離を有することができる。幾つかの実施形態において、第1および第2の中心612、614は一致する。
【0068】
動作時、電子回路部分616によって、第1の複数の垂直ホール素子604、606および第2の複数の垂直ホール素子608、610は、磁界の2つの直交空間成分、すなわち、[100]および[010]方向の成分を検知するために使用され得る。小さい直交性誤差のみおよび応力による直交性誤差の小さい変化は、図5と併せて上記で説明した理由で、示した配置に起因する。
【0069】
電子回路600および電子回路部分616のさらなる動作は、以下の図13図15と併せて説明される。しかしながら、第1の複数の垂直ホール素子604、606を結合するときおよび第2の複数の垂直ホール素子608、610を結合するとき、第1の複数の垂直ホール素子604、606が、結合の任意の時間に、電流スピニングを使用することができ、また、異なる電流スピニング位相(本明細書でバイアス電流位相とも呼ばれる)を有することができ、第2の複数の垂直ホール素子608、610が、結合の任意の時間に、電流スピニングを使用することもでき、また、異なる電流スピニング位相を有することができることが理解されるべきである。幾つかの他の実施形態において、異なる電流スピニング位相は、図12図12A図12B、および図12Cの位相命名指定を使用して、180度離れているとすることができる。幾つかの実施形態において、異なる電流スピニング位相は、図12図12A図12B、および図12Cの位相命名指定を使用して、90度離れているとすることができる。幾つかの他の実施形態において、電流スピニングは使用されないが、やはり、上記異なる位相が、静的バイアス電流位相配置で使用され得る。
【0070】
異なる位相を使用する結合は、電流スピニング配置で使用されても、電流スピニングがない静的配置で使用されても、結合された垂直ホール素子のより低いオフセット電圧をもたらすことができる。しかしながら、幾つかの他の実施形態において、位相は、第1の複数の垂直ホール素子604、606においておよび第2の複数の垂直ホール素子608、610において同じであり、配置は、静的であり電流スピニングがない。
【0071】
第1の複数の垂直ホール素子604、606は2つの垂直ホール素子を含み、第2の複数の垂直ホール素子608、610は2つの垂直ホール素子を含むが、以下で説明する他の配置において、それぞれの複数の垂直ホール素子は3つ以上の垂直ホール素子を含むことができる。
【0072】
同様の参照指定を有する図1および図2の同様の素子が示される図7をここで参照すると、電子回路700は、図2の基板202のようにすることができる基板700aを含むことができる。ユニットセル702は、図1および図2のユニットセル100のようにすることができる。第1のユニットセル軸702aは、ユニットセル702の2つのエッジに平行とすることができる。第2のユニットセル軸702bは、ユニットセル702の別の2つのエッジに平行とすることができる。第1および第2のユニットセル軸702a、702bは、90度離れているとすることができる。
【0073】
基板700a上に、基板700a上に同様に配設された電子回路部分716によって第1の平行配置で結合された第1の複数の垂直ホール素子704、706が配設され得る。第1の複数の垂直ホール素子704、706の各垂直ホール素子は、第1の軸704aまたは706aに平行な、それぞれの最長寸法およびそれぞれの最短寸法を有することができる。第1の軸704aまたは706aは、基板700aの主表面に平行とすることができる。第1の軸704aまたは706aは、結晶軸702aに対して+5度と-5度との間の方向に配設される。好ましくは、第1の軸704aまたは706aは、結晶軸702aに平行な方向に配設される。第1の複数の垂直ホール素子704、706は、総合すれば、基板700aの主表面上に第1の幾何中心712を有する。
【0074】
基板700a上に、電子回路部分716によって第2の平行配置で結合された第2の複数の垂直ホール素子708、710も配設され得る。第2の複数の垂直ホール素子708、710の各垂直ホール素子は、第2の軸708aまたは710aに平行な、それぞれの最長寸法およびそれぞれの最短寸法を有することができる。第2の軸708aまたは710aは、基板700aの主表面に平行とすることができる。第1の軸704aまたは706aと第2の軸708aまたは710aとの間の角度は、85度と95度との間である。好ましくは、第1の軸704aまたは706aと第2の軸708aまたは710aとの間の角度は90度である。
【0075】
第2の複数の垂直ホール素子708、710は、総合すれば、基板の主表面上に第2の幾何中心714を有する。第1および第2の中心712、714は、第1の複数の垂直ホール素子704、706または第2の複数の垂直ホール素子708、710のうちの任意の垂直ホール素子の最長寸法の半分プラス最短寸法の2倍の寸法より短い、基板700aの主表面上の分離を有することができる。幾つかの実施形態において、第1および第2の中心712、714は、第1の複数の垂直ホール素子704、706または第2の複数の垂直ホール素子708、710のうちの任意の垂直ホール素子の最長寸法の半分より短い、基板700aの主表面上の分離を有することができる。幾つかの実施形態において、第1および第2の中心712、714は一致する。
【0076】
動作時、電子回路部分716によって、第1の複数の垂直ホール素子704、706および第2の複数の垂直ホール素子708、710は、磁界の2つの直交空間成分、すなわち、[100]および[010]方向の成分を検知するために使用され得る。小さい直交性誤差のみおよび応力による直交性誤差の小さい変化は、図5と併せて上記で説明した理由で、示した配置に起因する。
【0077】
電子回路700および電子回路部分714のさらなる動作は、以下の図13図15と併せて説明される。しかしながら、第1の複数の垂直ホール素子704、706を結合するときおよび第2の複数の垂直ホール素子708、710を結合するとき、第1の複数の垂直ホール素子704、706が、結合の任意の時間に、電流スピニングを使用することができ、また、異なる電流スピニング位相を有することができ、第2の複数の垂直ホール素子708、710が、結合の任意の時間に、電流スピニングを使用することができ、また、異なる電流スピニング位相を有することもできることが理解されるべきである。幾つかの実施形態において、異なる電流スピニング位相は、図12図12A図12B、および図12Cの位相命名指定を使用して、180度離れているとすることができる。幾つかの他の実施形態において、異なる電流スピニング位相は、図12図12A図12B、および図12Cの位相命名指定を使用して、90度離れているとすることができる。幾つかの他の実施形態において、電流スピニングは使用されないが、やはり、上記異なる位相が、静的位相配置で使用され得る。
【0078】
異なる位相を使用する結合は、電流スピニング配置で使用されても、電流スピニングがない静的配置で使用されても、結合された垂直ホール素子のより低いオフセット電圧をもたらすことができる。しかしながら、幾つかの他の実施形態において、位相は、第1の複数の垂直ホール素子704、706においておよび第2の複数の垂直ホール素子708、710において同じであり、配置は、静的であり電流スピニングがないとすることができる。
【0079】
第1の複数の垂直ホール素子704、706は2つの垂直ホール素子を含み、第2の複数の垂直ホール素子708、710は2つの垂直ホール素子を含むが、以下で説明する他の配置において、それぞれの複数の垂直ホール素子は3つ以上の垂直ホール素子を含むことができる。
【0080】
同様の参照指定を有する図1および図2の同様の素子が示される図8をここで参照すると、電子回路800は、基板800a上に配設され得る。
【0081】
それぞれ軸804a、806aを有する第1の複数の垂直ホール素子804、806およびそれぞれ軸808a、810aを有する第2の複数の垂直ホール素子808、810は、基板800a上に配設され得、図6の軸604a、606aを有する第1の複数の垂直ホール素子604、606および軸6081、610aを有する第2の複数の垂直ホール素子608、610と同じまたは同様とすることができるので、ここではこれ以上論じない。
【0082】
中心812、814は、図6の中心612、614と同じかまたは同様とすることができる。
【0083】
平面ホール素子816は、基板800a上に同様に配設され得る。
【0084】
第1の複数の垂直ホール素子804、806は、それぞれ軸804a、806aに垂直な方向に最も敏感である。第2の複数の垂直ホール素子808、810は、それぞれ軸808a、810aに垂直な方向に最も敏感である。
【0085】
動作時、電子回路部分818によって、第1の複数の垂直ホール素子804、806および第2の複数の垂直ホール素子808、810は、磁界の2つの直交空間成分、すなわち、[100]および[010]方向の成分を検知するために使用され得、誤差は図3の誤差から大幅に低減される。平面ホール素子816は、磁界の第3の空間成分を検知するために使用され得る。そのため、3つのホール素子は、誤差が低減された状態で、3次元で磁界の大きさおよび方向を検知するために使用され得る。
【0086】
他の実施形態において、平面ホール素子816は、仮想線で特定される結晶ユニットセル802に対して異なる回転でそして平面ホール素子816’として配設され得る。この回転は従来的でない。以下の図は、それぞれが平面ホール素子816の回転位置を有する種々の平面ホール素子を示す。以下の図において示され説明される平面ホール素子のうちの任意の平面ホール素子が、他の実施形態において、ホール素子816’のような回転で配設され得ることが認識されるべきである。
【0087】
同様の参照指定を有する図1および図2の同様の素子が示される図9をここで参照すると、電子回路900は、図2の基板202のようにすることができる基板900aを含むことができる。ユニットセル902は、図1および図2のユニットセル100のようにすることができる。第1のユニットセル軸902aは、ユニットセル902の2つのエッジに平行とすることができる。第2のユニットセル軸902bは、ユニットセル902の別の2つのエッジに平行とすることができる。第1および第2のユニットセル軸902a、902bは、90度離れているとすることができる。
【0088】
基板900a上に、基板900a上に同様に配設された電子回路部分912によって第1の平行配置で結合された第1の複数の垂直ホール素子A1~A4が配設される。第1の複数の垂直ホール素子A1~A4の各垂直ホール素子は、第1の軸904に平行な、それぞれの最長寸法およびそれぞれの最短寸法を有することができ、第1の軸904は、基板900aの主表面にも平行である。第1の軸904は、結晶軸902aに対して+5度と-5度との間の方向に配設される。好ましくは、第1の軸904は、結晶軸902aに平行な方向に配設される。第1の複数の垂直ホール素子A1~A4は、総合すれば、基板900aの主表面上に第1の幾何中心908を有する。
【0089】
基板900a上に、電子回路部分912によって第2の平行配置で結合された第2の複数の垂直ホール素子B1~B4も配設され得る。第2の複数の垂直ホール素子B1~B4の各垂直ホール素子は、第2の軸906に平行な、それぞれの最長寸法およびそれぞれの最短寸法を有することができ、第2の軸906は、基板900aの主表面にも平行である。第1の軸904と第2の軸906との間の角度は、85度と95度との間である。好ましくは、第1の軸904と第2の軸906との間の角度は90度である。
【0090】
第2の複数の垂直ホール素子B1~B4は、総合すれば、基板の主表面上に第2の幾何中心910を有する。第1および第2の中心908、910は、第1の複数の垂直ホール素子A1~A4または第2の複数の垂直ホール素子B1~B4のうちの任意の垂直ホール素子の最長寸法の半分プラス最短寸法の2倍の寸法より短い、基板900aの主表面上の分離を有することができる。幾つかの実施形態において、第1および第2の中心908、910は、第1の複数の垂直ホール素子A1~A4または第2の複数の垂直ホール素子B1~B4のうちの任意の垂直ホール素子の最長寸法の半分より短い、基板900aの主表面上の分離を有することができる。幾つかの実施形態において、第1および第2の中心908、910は一致する。
【0091】
基板900a上に、基板900a上に同様に配設された電子回路部分912によって第1の平行配置で結合された複数の平面ホール素子C1~C4も配設され得る。複数の平面ホール素子C1~C4は、総合すれば、基板900aの主表面上に第3の幾何中心(示さず)を有する。第3の中心は、第1の中心908に一致することができ、第2の中心910に一致することができ、または、第1の中心908と第2の中心910とが互いに一致するときには、両方に一致することができる。
【0092】
動作時、電子回路部分912によって、第1の複数の垂直ホール素子A1~A4および第2の複数の垂直ホール素子B1~B4は、磁界の2つの直交空間成分、すなわち、[100]および[010]方向の成分を検知するために使用され得る。小さい直交性誤差のみおよび応力による直交性誤差の小さい変化は、図5と併せて上記で説明した理由で、示した配置に起因する。
【0093】
動作時、電子回路部分912によって、複数の平面ホール素子C1~C4は、他の2つの空間成分に直交する、磁界の第3の空間成分、すなわち、[001]方向の成分を検知するために使用され得る。そのため、電子回路900は、磁界の振幅および方向を3次元で検知するために使用され得る。しかしながら、他の実施形態において、複数の平面ホール素子C1~C4は、省略され、電子回路900は、基板900aの表面に平行な2次元のみで磁界の振幅および方向を検知するために使用される。
【0094】
電子回路部分912と同様の電子回路部分の例は、図13図15と併せて以下で示される。
【0095】
他の実施形態において、第1の複数の垂直ホール素子は、2つの垂直ホール素子のみからなることができる、3つの垂直ホール素子のみからなることができる、または、5つ以上の垂直ホール素子を含むことができる。同様に、第2の複数の垂直ホール素子は、2つの垂直ホール素子のみからなることができる、3つの垂直ホール素子のみからなることができる、または、5つ以上の垂直ホール素子を含むことができる。他の実施形態において、5つ以上の平面ホール素子のうちの1つ、2つ、3つが存在することができる。
【0096】
電子回路900および電子回路部分914のさらなる動作は、以下の図13図15と併せて説明される。しかしながら、第1の複数の垂直ホール素子A1~A4を結合するときおよび第2の複数の垂直ホール素子B1~B4を結合するとき、第1の複数の垂直ホール素子A1~A4が、任意の時間に、電流スピニングを使用することができ、また、異なる電流スピニング位相を有することができ、第2の複数の垂直ホール素子B1~B4が、任意の時間に、電流スピニングを使用することもでき、また、異なる電流スピニング位相を有することができることが理解されるべきである。幾つかの実施形態において、異なる電流スピニング位相は、図12図12A図12B、および図12Cの位相命名指定を使用して、90度離れているとすることができる。幾つかの他の実施形態において、電流スピニングは使用されないが、やはり、上記異なる位相が、静的位相配置で使用され得る。
【0097】
異なる位相を使用する結合は、電流スピニング配置で使用されても、電流スピニングがない静的配置で使用されても、結合された垂直ホール素子のより低いオフセット電圧をもたらすことができる。幾つかの他の実施形態において、位相は、第1の複数の垂直ホール素子A1~A4においておよび第2の複数の垂直ホール素子B1~B4において同じであり、配置は、静的であり電流スピニングがないとすることができる。複数の平面ホール素子C1~C4は、理解されるように、位相および/または電流スピニングの同様の結合を有することができる。
【0098】
電子回路900の要素が、一定比例尺に従って示されるのではなく、明確さに応じてサイズ決定されることが理解されるべきである。
【0099】
同様の参照指定を有する図1および図2の同様の素子が示される図10をここで参照すると、電子回路1000は、図2の基板202のようにすることができる基板1000aを含むことができる。ユニットセル1002は、図1および図2のユニットセル100のようにすることができる。第1のユニットセル軸1002aは、ユニットセル1002の2つのエッジに平行とすることができる。第2のユニットセル軸1002bは、ユニットセル1002の別の2つのエッジに平行とすることができる。第1および第2のユニットセル軸1002a、1002bは、90度離れているとすることができる。
【0100】
基板1000a上に、基板1000a上に同様に配設された電子回路部分1012によって第1の平行配置で結合された第1の複数の垂直ホール素子A1~A4が配設される。第1の複数の垂直ホール素子A1~A4の各垂直ホール素子は、第1の軸1004に平行な、それぞれの最長寸法およびそれぞれの最短寸法を有することができ、第1の軸1004は基板1000aの主表面にも平行である。第1の軸1004は、結晶軸1002aに対して+5度と-5度との間の方向に配設される。好ましくは、第1の軸1004は、結晶軸1002aに平行な方向に配設される。第1の複数の垂直ホール素子A1~A4は、総合すれば、基板1000aの主表面上に第1の幾何中心1008を有する。
【0101】
基板1000a上に、電子回路部分1012によって第2の平行配置で結合された第2の複数の垂直ホール素子B1~B4も配設され得る。第2の複数の垂直ホール素子B1~B4の各垂直ホール素子は、第2の軸1006に平行な、それぞれの最長寸法およびそれぞれの最短寸法を有することができ、第2の軸1006は、基板1000aの主表面にも平行である。第1の軸1004と第2の軸1006との間の角度は、85度と95度との間である。好ましくは、第1の軸1004と第2の軸1006との間の角度は90度である。
【0102】
第2の複数の垂直ホール素子B1~B4は、総合すれば、基板の主表面上に第2の幾何中心1010を有する。第1および第2の中心1008、1010は、第1の複数の垂直ホール素子A1~A4または第2の複数の垂直ホール素子B1~B4のうちの任意の垂直ホール素子の最長寸法の半分プラス最短寸法の2倍の寸法より短い、基板1000aの主表面上の分離を有することができる。第1および第2の中心1008、1010は、第1の複数の垂直ホール素子A1~A4または第2の複数の垂直ホール素子B1~B4のうちの任意の垂直ホール素子の最長寸法の半分より短い、基板1000aの主表面上の分離を有することができる。幾つかの実施形態において、第1および第2の中心1008、1010は一致する。
【0103】
基板1000a上に、基板1000a上に同様に配設された電子回路部分1012によって第1の平行配置で結合された複数の平面ホール素子C1~C4も配設され得る。複数の平面ホール素子C1~C4は、総合すれば、基板1000aの主表面上に第3の幾何中心(示さず)を有する。第3の中心は、第1の中心1008に一致することができ、第2の中心1010に一致することができ、または、第1の中心1008と第2の中心1010とが互いに一致するときには、両方に一致することができる。
【0104】
動作時、電子回路部分1012によって、第1の複数の垂直ホール素子A1~A4および第2の複数の垂直ホール素子B1~B4は、磁界の2つの直交空間成分、すなわち、[100]および[010]方向の成分を検知するために使用され得る。小さい直交性誤差のみおよび応力による直交性誤差の小さい変化は、図5と併せて上記で説明した理由で、示した配置に起因する。
【0105】
動作時には、電子回路部分1012によって、複数の平面ホール素子C1~C4は、他の2つの空間成分に直交する、磁界の第3の空間成分、すなわち、[001]方向の成分を検知するために使用され得る。そのため、電子回路1000は、磁界の振幅および方向を3次元で検知するために使用され得る。しかしながら、他の実施形態において、複数の平面ホール素子C1~C4は、省略され、電子回路1000は、基板1000aの表面に平行な2次元のみで磁界の振幅および方向を検知するために使用される。
【0106】
電子回路部分1012と同様の電子回路部分の例は、図13図15と併せて以下で示される。
【0107】
他の実施形態において、第1の複数の垂直ホール素子は、2つの垂直ホール素子のみからなることができる、3つの垂直ホール素子のみからなることができる、または、5つ以上の垂直ホール素子を含むことができる。同様に、第2の複数の垂直ホール素子は、2つの垂直ホール素子のみからなることができる、3つの垂直ホール素子のみからなることができる、または、5つ以上の垂直ホール素子を含むことができる。他の実施形態において、5つ以上の平面ホール素子のうちの1つ、2つ、3つが存在することができる。
【0108】
電子回路1000および電子回路部分1014のさらなる動作は、以下の図13図15と併せて説明される。しかしながら、第1の複数の垂直ホール素子A1~A4を結合するときおよび第2の複数の垂直ホール素子B1~B4を結合するとき、第1の複数の垂直ホール素子A1~A4が、任意の時間に、電流スピニングを使用することもでき、また、異なる電流スピニング位相を有することができ、第2の複数の垂直ホール素子B1~B4が、任意の時間に、電流スピニングを使用することもでき、また、異なる電流スピニング位相を有することができることが理解されるべきである。幾つかの実施形態において、異なる電流スピニング位相は、図12図12A図12B、および図12Cの位相命名指定を使用して、90度離れているとすることができる。幾つかの他の実施形態において、電流スピニングは使用されないが、やはり、上記異なる位相が、静的位相配置で使用され得る。
【0109】
異なる位相を使用する結合は、電流スピニング配置で使用されても、電流スピニングがない静的配置で使用されても、結合された垂直ホール素子のより低いオフセット電圧をもたらすことができる。幾つかの他の実施形態において、位相は、第1の複数の垂直ホール素子A1~A4においておよび第2の複数の垂直ホール素子B1~B4において同じであり、配置は、静的であり電流スピニングがないとすることができる。複数の平面ホール素子C1~C4は、理解されるように、位相および/または電流スピニングの同様の結合を有することができる。
【0110】
電子回路1000の要素が、一定比例尺に従って示されるのではなく、明確さに応じてサイズ決定されることが理解されるべきである。
【0111】
第1の複数の垂直ホール素子A1~A4および第2の複数の垂直ホール素子B1~B4は、垂直ホール素子が、A1、B1、A2、B2、...等を有するラインで配置されるように、本質的に櫛歯状である。
【0112】
同様の参照指定を有する図1および図2の同様の素子が示される図11をここで参照すると、電子回路1100は、図2の基板202のようにすることができる基板1100aを含むことができる。ユニットセル1102は、図1および図2のユニットセル110のようにすることができる。第1のユニットセル軸1102aは、ユニットセル1102の2つのエッジに平行とすることができる。第2のユニットセル軸1102bは、ユニットセル1102の別の2つのエッジに平行とすることができる。第1および第2のユニットセル軸1102a、1102bは、90度離れているとすることができる。
【0113】
基板1100a上に、基板1100a上に同様に配設された電子回路部分1112によって第1の平行配置で結合された第1の複数の垂直ホール素子A1~A4が配設される。第1の複数の垂直ホール素子A1~A4の各垂直ホール素子は、第1の軸1104に平行な、それぞれの最長寸法およびそれぞれの最短寸法を有することができ、第1の軸1104は基板1100aの主表面にも平行である。第1の軸1104は、結晶軸1102aに対して+5度と-5度との間の方向に配設される。好ましくは、第1の軸1104は、結晶軸1102aに平行な方向に配設される。第1の複数の垂直ホール素子A1~A4は、総合すれば、基板1100aの主表面上に第1の幾何中心1108を有する。
【0114】
基板1100a上に、電子回路部分1112によって第2の平行配置で結合された第2の複数の垂直ホール素子B1~B4も配設され得る。第2の複数の垂直ホール素子B1~B4の各垂直ホール素子は、第2の軸1106に平行な、それぞれの最長寸法およびそれぞれの最短寸法を有することができ、第2の軸1106は、基板1100aの主表面にも平行である。第1の軸1104と第2の軸1106との間の角度は、85度と95度との間である。好ましくは、第1の軸1104と第2の軸1106との間の角度は90度である。
【0115】
第2の複数の垂直ホール素子B1~B4は、総合すれば、基板の主表面上に第2の幾何中心1110を有する。第1および第2の中心1108、1010は、第1の複数の垂直ホール素子A1~A4または第2の複数の垂直ホール素子B1~B4のうちの任意の垂直ホール素子の最長寸法の半分プラス最短寸法の2倍の寸法より短い、基板1100aの主表面上の分離を有することができる。幾つかの実施形態において、第1および第2の中心1108、1010は、第1の複数の垂直ホール素子A1~A4または第2の複数の垂直ホール素子B1~B4のうちの任意の垂直ホール素子の最長寸法の半分より短い、基板1100aの主表面上の分離を有することができる。幾つかの実施形態において、第1および第2の中心1108、1010は一致する。
【0116】
基板1100a上に、基板1100a上に同様に配設された電子回路部分1112によって第1の平行配置で結合された複数の平面ホール素子C1~C4も配設され得る。複数の平面ホール素子C1~C4は、総合すれば、基板1100aの主表面上に第3の幾何中心(示さず)を有する。第3の中心は、第1の中心1108に一致することができ、第2の中心1110に一致することができ、または、第1の中心1108と第2の中心1110とが互いに一致するときには、両方に一致することができる。
【0117】
動作時、電子回路部分1112によって、第1の複数の垂直ホール素子A1~A4および第2の複数の垂直ホール素子B1~B4は、磁界の2つの直交空間成分、すなわち、[100]および[010]方向の成分を検知するために使用され得る。小さい直交性誤差のみおよび応力による直交性誤差の小さい変化は、図5と併せて上記で説明した理由で、示した配置に起因する。
【0118】
動作時、電子回路部分1112によって、複数の平面ホール素子C1~C4は、他の2つの空間成分に直交する、磁界の第3の空間成分、すなわち、[001]方向の成分を検知するために使用され得る。そのため、電子回路1100は、磁界の振幅および方向を3次元で検知するために使用され得る。しかしながら、他の実施形態において、複数の平面ホール素子C1~C4は、省略され、電子回路1100は、基板1100aの表面に平行な2次元のみで磁界の振幅および方向を検知するために使用される。
【0119】
電子回路部分1112と同様の電子回路部分の例は、図13図15と併せて以下で示される。
【0120】
他の実施形態において、第1の複数の垂直ホール素子は、2つの垂直ホール素子のみからなることができる、3つの垂直ホール素子のみからなることができる、または、5つ以上の垂直ホール素子を含むことができる。同様に、第2の複数の垂直ホール素子は、2つの垂直ホール素子のみからなることができる、3つの垂直ホール素子のみからなることができる、または、5つ以上の垂直ホール素子を含むことができる。他の実施形態において、5つ以上の平面ホール素子のうちの1つ、2つ、3つが存在することができる。
【0121】
電子回路1100および電子回路部分1114のさらなる動作は、以下の図13図15と併せて説明される。しかしながら、第1の複数の垂直ホール素子A1~A4を結合するときおよび第2の複数の垂直ホール素子B1~B4を結合するとき、第1の複数の垂直ホール素子A1~A4が、任意の時間に、電流スピニングを使用することができ、また、異なる電流スピニング位相を有することができ、第2の複数の垂直ホール素子B1~B4が、任意の時間に、電流スピニングを使用することもでき、また、異なる電流スピニング位相を有することができることが理解されるべきである。幾つかの実施形態において、異なる電流スピニング位相は、図12図12A図12B、および図12Cの位相命名指定を使用して、90度離れているとすることができる。幾つかの他の実施形態において、電流スピニングは使用されないが、やはり、上記異なる位相が、静的位相配置で使用され得る。
【0122】
異なる位相を使用する結合は、電流スピニング配置で使用されても、電流スピニングがない静的配置で使用されても、結合された垂直ホール素子のより低いオフセット電圧をもたらすことができる。幾つかの他の実施形態において、位相は、第1の複数の垂直ホール素子A1~A4においておよび第2の複数の垂直ホール素子B1~B4において同じであり、配置は、静的であり電流スピニングがないとすることができる。複数の平面ホール素子C1~C4は、理解されるように、位相および/または電流スピニングの同様の結合を有することができる。
【0123】
電子回路1100の要素が、一定比例尺に従って示されるのではなく、明確さに応じてサイズ決定されることが理解されるべきである。
【0124】
第1の複数の垂直ホール素子A1~A4および第2の複数の垂直ホール素子B1~B4は、垂直ホール素子が、A1、B1、A2、B2、...等を有するラインで配置されるように、本質的に櫛歯状である。
【0125】
ここで図12図12Cを参照すると、図は、5つの接触部を有する垂直ホール素子のために使用され得る4つの位相電流スピニング(バイアス電流位相)を示す。代替的に、図は、静的バイアス電流位相を示すことができ、各位相は、複数の垂直ホール素子のうちの異なる垂直ホール素子に適用可能である。
【0126】
電流スピニングは、図6図11と併せて説明したように、本明細書で説明する実施形態において使用されるかまたは使用されない場合がある。異なる静的垂直ホール素子位相は、図9図11と併せて上記でも説明したように、本明細書で使用されるかまたは使用されない場合がある。図12図12Cと併せて示す異なる位相は、電流スピニングまたは静的位相配置を可能にするために、電流スピニング位相ではなくバイアス電流位相として本明細書で説明される。
【0127】
本明細書で説明する全ての実施形態は、5つの接触部を有する垂直ホール素子を使用するが、他の実施形態において、垂直ホール素子は、任意の奇数の接触部を有する。本明細書で使用されるように、用語「中央接触部(central contact)」は、奇数の接触部の中央の接触部を指す。
【0128】
0、90、180、および270度位相に関して以下で説明した命名規則が或る程度任意であることが理解されるであろう。それでも、図12図12A図12B、および図12Cは、本明細書で、それぞれ、0、90、180、および270度位相として言及される。
【0129】
ここで図12を参照すると、垂直ホール素子1200は、5つの垂直ホール素子接触部、すなわち、それぞれ、第1、第2、第3、第4、および第5の垂直ホール素子接触部1202a、1202b、1202c、1202d、1202eで構成され得る。第1のバイアス電流位相(0度位相)において、電流源1208は、共に結合される第1および第5の垂直ホール素子接触部1202a、1202eそれぞれに結合され得、Iの総電流を提供し得、電流の半分I/2は、第1の垂直ホール素子接触部1202aに流れ、電流の半分I/2は、第5の垂直ホール素子接触部1202eに流れる。第3の垂直ホール素子接触部1202cは電圧基準1210、例えばグラウンドに結合される。電流源1208からの電流は、第1および第5の垂直ホール素子接触部1202a、1202eから、それぞれ、CVH検知素子1200の基板1206を通り(例えば、基板上のエピタキシャル層を通り)、破線で示すように第3の垂直ホール素子接触部1202cに流れる。
【0130】
外部磁界に応答する信号Vは、それぞれ、第2の垂直ホール素子接触部1202bと第4の垂直ホール素子接触部1202dとの間に生じる。
【0131】
同様の参照指定を有する図12の同様の素子が示される図12Aをここで参照すると、同じ垂直ホール素子1200(同じ5つの垂直ホール素子接触部の第2のバイアス電流位相(180度位相)において、電流源1208は、第3の垂直ホール素子接触部1202cに結合され、第1および第5の垂直ホール素子接触部1202a、1202eはそれぞれ、共にかつ基準電圧1210に結合される。そのため、電流は、図12に示す方向と反対方向に基板1206を通して流れる。
【0132】
図12の場合と同様に、外部磁界に応答する信号Vは、それぞれ、第2の垂直ホール素子接触部1202bと第4の垂直ホール素子接触部1202dとの間に生じる。図12Aの信号Vは、図12の信号Vのようである。しかしながら、信号内のオフセット電圧は、異なる、例えば、符号が異なり、大きさが或る程度異なるとすることができる。
【0133】
同様の参照指定を有する図12および12Aの同様の素子が示される図12Bをここで参照すると、同じ垂直ホール素子1200(同じ5つの垂直ホール素子接触部)に対する第3のバイアス電流位相(90度位相)において、電流源1208は、第2の垂直ホール素子接触部1202bに結合され、第4の垂直ホール素子接触部1202dは基準電圧1210に結合される。そのため、電流は、第2の垂直ホール素子接触部1202bから基板1206を通り第4の垂直ホール素子接触部1202dに流れる。
【0134】
第1および第5の垂直ホール素子接触部1202a、1202eはそれぞれ、共に結合される。一部の電流は、第2の垂直ホール素子接触部1202bから基板1206を通り第1の垂直ホール素子接触部1202aにまた相互結合を通り第5の垂直ホール素子接触部1202eにも流れる。一部の電流は、第5の垂直ホール素子接触部1202eから基板1206を通り第4の垂直ホール素子接触部1202dにも流れる。
【0135】
外部磁界に応答する信号Vは、第1の垂直ホール素子接触部1202a第1(および第5の垂直ホール素子接触部1202e)と、第3の垂直ホール素子接触部1202cとの間に生じる。図12Bの信号Vは、図12および図12Aの信号Vのようである。しかしながら、信号内のオフセット電圧は、異なる、例えば、符号が異なり、大きさが或る程度異なるとすることができる。
【0136】
同様の参照指定を有する図12~12Bの同様の素子が示される図12Cをここで参照すると、CVH検知素子102の同じ垂直ホール素子1200(同じ5つの垂直ホール素子接触部)に対する第4のバイアス電流位相(270度位相)において、電流は、図12Bに示す電流から反転される。電流源1208は、第4の垂直ホール素子接触部1202dに結合され、第2の垂直ホール素子接触部1202bは基準電圧1210に結合される。そのため、電流は、第4の垂直ホール素子接触部1202dから基板1206を通り第2の垂直ホール素子接触部1202bに流れる。
【0137】
第1および第5の垂直ホール素子接触部1202a、1202eはそれぞれ、共に結合される。一部の電流は、第4の垂直ホール素子接触部1202dから基板1206を通り第5の垂直ホール素子接触部1202eに、相互結合を通り第1の垂直ホール素子接触部1202aにも流れる。一部の電流は、第1の垂直ホール素子接触部1202aから基板1206を通り第2の垂直ホール素子接触部1202bにも流れる。
【0138】
外部磁界に応答する信号Vは、第1の垂直ホール素子接触部1202a(および第5の垂直ホール素子接触部1202e)と、第3の垂直ホール素子接触部1202cとの間に生じる。図12Cの信号Vは、図12図12Bの信号Vのようである。しかしながら、信号内のオフセット電圧は、異なる、例えば、符号が異なり、大きさが或る程度異なるとすることができる。
【0139】
図12図12Cの4つのバイアス電流位相によって提供される信号Vは、外部磁界に応答する。
【0140】
バイアス電流位相のシーケンスが、電流スピニング動作中に任意の順序とすることができ、バイアス電流位相が、任意の静的結合で複数の垂直ホール素子に適用され得ることが理解されるべきである。
【0141】
同様の参照指定を有する図9図11の同様の素子が示される図13をここで参照すると、電子回路の部分1300は、上記電子回路900、1000、または1100のうちの任意の電子回路に含まれ得る。
【0142】
第1の複数の垂直ホール素子A1~A4は、並列に結合され得、上記電子回路912、1012、または1112のうちの任意の電子回路に含まれ得る電子回路1302の第1の部分1302aに第1の並列信号1304を提供することができる。第1の並列信号1304は差分信号とすることができる。
【0143】
第2の複数の垂直ホール素子B1~B4は、並列に結合され得、電子回路1302の第2の部分1302bに第2の並列信号1306を提供することができる。第2の並列信号1306は差分信号とすることができる。
【0144】
電子回路1302の第1の部分1302aは、第1の複数の垂直ホール素子A1~A4に関連する信号1302aaを生成するために動作可能とすることができ、その信号1302aaは、図15と併せて以下でより完全に説明される。
【0145】
電子回路1302の第2の部分1302aは、第2の複数の垂直ホール素子B1~B4に関連する信号1302baを生成するために動作可能とすることができ、その信号1302baは、図15と併せて以下でより完全に説明される。
【0146】
電子回路1300について、そして、上記また以下で説明する電子回路について、第1および第2の中心が分離する場合、第1の中心と第2の中心との間のポイント、例えば、図6の612と614との間のポイント、好ましくは第1の中心と第2の中心との間の中心にあるポイントで、または、第1および第2の中心が一致する場合、第1および第2の中心に一致するポイントで、基板に交差する回転軸を、検知された回転磁界が有する場合に、並列信号1304、1306の最小歪みが生じることができることが認識されるべきである。
【0147】
同様の参照指定を有する図9~11の同様の素子が示される図14をここで参照すると、電子回路の部分1400は、上記電子回路900、1000、または1100のうちの任意の電子回路にも含まれ得る。
【0148】
第1の複数の平面ホール素子C1~C4は、並列に結合され得、上記電子回路912、1012、または1112のうちの任意の電子回路に含まれ得る電子回路1402に第3の並列信号を提供することができる。
【0149】
電子回路1402は、複数の平面ホール素子C1~C4に関連する信号1402aを生成するために動作可能とすることができ、その信号1402aは、図15と併せて以下でより完全に説明される。
【0150】
同様の参照指定を有する図13および図14の同様の素子が示される図15をここで参照すると、電子回路の部分1500は、上記電子回路900、1000、または1100のうちの任意の電子回路にも含まれ得る。
【0151】
部分1500は、電子回路1502を含むことができる。電子回路1502は、それぞれ、3つの回路チャネル1504、1512、1514内の、図13および図14の信号1302aa、1302ba、1402aに結合され得る。
【0152】
回路チャネル1504、1512、1514は、同様であり、したがって、回路チャネル1504のみがここで説明される。回路チャネル1504、1512、1514が、x、y、およびz方向の検知された磁界を示す信号をそれぞれ生成することができることが理解されるであろう。
【0153】
回路チャネル1504は、チョッパー安定化増幅器を形成することができ、チョッパー安定化増幅器において、変調器1506は信号1302aaに結合され、変調器1506は、差分変調信号1506aを生成するために動作可能であり、差分変調信号1506aは、信号1302aaの或るバージョンであるが、変調器1506のスイッチング周波数に従って高周波数にシフトされた周波数成分を有する。
【0154】
増幅器1508は、変調信号1506aに結合され得、増幅信号1508aを生成することができる。別の変調器1510は、増幅信号1508aに結合され得、変調器1510は、差分復調信号1510aを生成するために動作可能であり、差分復調信号1510aは、増幅信号1508aの或るバージョンであるが、変調器1510のスイッチング周波数に従って低周波数にシフトされた周波数成分を有する。2つの変調器1506、1510の結果として、差分復調信号1510aは、信号1302aa内の周波数成分と同じ周波数の周波数成分を有する。
【0155】
回路チャネル1504のチョッパー安定化増幅器の2重変調は、信号1302aa内のDC誤差成分および同様に増幅器1508によって生成されるDC誤差成分を低減することが認識されるであろう。
【0156】
復調信号1512aは、回路チャネル1512によって生成され得、その復調信号1512aは信号1302baに関連することができる。
【0157】
復調信号1514aは、回路チャネル1514によって生成され得、その復調信号1514aは信号1402に関連することができる。
【0158】
差分復調信号1510a、1512a、1514aは、出力フォーマットモジュール1516に結合され得る。出力フォーマットモジュール1516は、信号1302aa、1302ba、1402baの各信号に関する情報を有するフォーマットされた信号1516aを生成するために動作可能とすることができる。幾つかの実施形態において、フォーマットされた信号1516aは、SENTフォーマット、CANフォーマット、あるいは、任意の他のフォーマット、デジタル、アナログ、直列、または並列を有することができる。
【0159】
本明細書で引用される全ての参考文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0160】
本特許の主題である、種々の概念、構造、および技法を示すのに役立つ好ましい実施形態を説明して、これらの概念、構造、および技法を組み込む他の実施形態が使用され得ることがここで明らかになるであろう。したがって、特許の範囲が、説明する実施形態に限定されるべきであるのではなく、むしろ、以下の特許請求の範囲の趣旨および範囲によってのみ限定されるべきであることが提示される。
【0161】
本明細書で説明する実施形態の要素は、上記で特に述べられない他の実施形態を形成するために組み合わされ得る。単一実施形態の文脈で説明される種々の要素は、別々にまたは任意の適切なサブ組み合わせでも提供され得る。本明細書で特に説明されない他の実施形態も、以下の特許請求の範囲の範囲内にある。
図1
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【国際調査報告】