(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-01
(54)【発明の名称】水処理のための、当該水の窒素の含有量(NGL)の低減を目的とする、炭素源および通気の必要量の低減を伴う、通気された生物学的濾過方法
(51)【国際特許分類】
C02F 3/34 20230101AFI20240423BHJP
【FI】
C02F3/34 101A
C02F3/34 Z
C02F3/34 101D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555799
(86)(22)【出願日】2022-03-25
(85)【翻訳文提出日】2023-09-12
(86)【国際出願番号】 EP2022058000
(87)【国際公開番号】W WO2022200607
(87)【国際公開日】2022-09-29
(32)【優先日】2021-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503289595
【氏名又は名称】ヴェオリア・ウォーター・ソリューションズ・アンド・テクノロジーズ・サポート
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ルメール,ロマン
(72)【発明者】
【氏名】モントゥリマール,ジャック
(72)【発明者】
【氏名】アンベール,ユグ
(72)【発明者】
【氏名】ホルツ,セリーヌ
【テーマコード(参考)】
4D040
【Fターム(参考)】
4D040BB02
4D040BB15
4D040BB42
4D040BB52
4D040BB54
4D040BB63
4D040BB82
4D040BB91
4D040BB93
4D040DD03
4D040DD14
(57)【要約】
本発明は、窒素汚染物質が負荷された水に対する、前記水の全窒素の含有量を低減するための生物学的濾過方法であって、第1の通気された生物学的反応器において実行される亜硝酸化および濾過の第1のステップと、第2の通気されていない生物学的反応器において実行される、脱アンモニア、脱硝および濾過の第2のステップと、第1の反応器の出口における水のアンモニア性窒素の含有量に対する亜硝酸塩の含有量の比を評価するステップとを含むことを特徴とする、生物学的濾過方法に関する。この比が所定の化学量論値よりも大きい場合、本発明に係る方法は、第2の反応器の入口において、亜硝酸塩の含有量のアンモニア性窒素の含有量に対する比が、アナモックス反応の化学量論比に近い混合物を得るために、第1の反応器に由来する水に処理される水を添加するステップを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
窒素汚染物質が負荷された水に対する、前記水の全窒素の含有量(NGL)を低減させるための、生物学的濾過方法であって:
-濾過媒体の床を有し、主にAOBからなる独立栄養バイオマスを含む、第1の通気された生物学的反応器に、処理される水を通過させることからなる、亜硝酸化および濾過の第1のステップであって、前記処理される水中に含まれるアンモニア性窒素(NH4
+)の一部が亜硝酸塩(NO
2
-)に変換されることにより、前記第1のステップは、前記第1の反応器の出口において、亜硝酸塩に富み、硝酸塩(NO
3
-)に乏しい濾過水を得ることを可能にする、第1のステップ;
-上昇流に従って、前記第1の反応器に由来する、亜硝酸塩に富み、硝酸塩に乏しい前記水を、
i)主にアナモックス細菌および従属栄養細菌からなる、細菌バイオマスを受容する移動媒体を含む第1のステージと、
ii)濾過媒体の床を含む第2のステージと、
を有する、第2の通気されていない生物学的反応器に通過させることからなる、脱アンモニア、脱硝および濾過の第2のステップであって、
その間に、前記アンモニア性窒素の別の部分は、前記第1の反応器に由来する前記亜硝酸塩および前記従属栄養細菌によって生成される前記亜硝酸塩が、アナモックス細菌によって主に分子状窒素に変換され、少量が硝酸塩に変換され(脱アンモニア)、
その間に、前記第1の反応器に由来する前記硝酸塩および前記アナモックス細菌によって生成される少量の前記硝酸塩が、前記従属栄養細菌によって亜硝酸塩に変換され(脱硝);
その間に、前記第1のステージに由来する前記水が、前記第2のステージにおいて再び濾過される、第2のステップ;
-前記第1の反応器を出る際の前記水の、前記亜硝酸塩の含有量の前記アンモニア性窒素の含有量に対する比を評価するステップ;
-前記比が所定の化学量論値よりも大きい場合、前記第2の反応器の入口で、アナモックス反応の化学量論比に近い、前記亜硝酸塩の含有量の前記アンモニア性窒素の含有量に対する比を有する混合物を得るために、前記第1の反応器に由来する前記水に処理される水を添加するステップであって、前記第1の反応器に由来する前記水に処理される水を添加するステップは、前記硝酸塩を処理するための前記第2の反応器に存在する前記従属栄養細菌の適切な活性に必要な有機炭素の量を供給することに加えて、前記方法を、炭素源の外来の供給が削減されているか、またはゼロに等しくして実施することを可能にする、ステップ、
を含むことを特徴とする、生物学的濾過方法。
【請求項2】
前記所定の化学量論値が、1~2.5、好ましくは1.1~2、より好ましくは1.2~1.5であることを特徴とする、請求項1に記載の生物学的濾過方法。
【請求項3】
前記第1の反応器を出る際の前記水の前記亜硝酸塩の含有量が、前記第1の反応器の出口に配置されたプローブを使用して測定されることを特徴とする、先行する請求項のいずれか一項に記載の生物学的濾過方法。
【請求項4】
前記第1の反応器を出る際の前記水の前記アンモニア性窒素の含有量が、前記第1の反応器の出口に配置されたプローブを使用して測定されることを特徴とする、先行する請求項のいずれか一項に記載の生物学的濾過方法。
【請求項5】
前記第1の反応器の上流に位置するプローブを使用して、前記処理される水のアンモニア性窒素の含有量を測定することをさらに含むことを特徴とする、先行する請求項のいずれか一項に記載の生物学的濾過方法。
【請求項6】
前記第1の反応器中の前記独立栄養バイオマスが、前記濾過媒体上に固定されていることを特徴とする、先行する請求項のいずれか一項に記載の生物学的濾過方法。
【請求項7】
前記第1の反応器が、i)移動媒体を含む第1のステージと、ii)前記濾過媒体の床を含む第2のステージとを含むことを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の生物学的濾過方法。
【請求項8】
前記第1の反応器および/または前記第2の反応器の前記濾過媒体が、2~6mmの粒径および15~100kg/m3の嵩密度の粒子の固定床であることを特徴とする、先行する請求項のいずれか一項に記載の生物学的濾過方法。
【請求項9】
前記粒子がポリスチレン製であることを特徴とする、請求項8に記載の生物学的濾過方法。
【請求項10】
前記第2の反応器の前記移動媒体、および/または、該当する場合、前記第1の反応器の前記移動媒体は、900~1200kg/m
3、好ましくは920~980kg/m
3の密度を有し、他の移動媒体の表面との衝突から保護された表面を含むことを特徴とする、先行する請求項のいずれか一項に記載の生物学的濾過方法。
【請求項11】
前記処理される水が、前記水を前記第1の反応器に導入する前に、沈殿器に入ることを特徴とする、先行する請求項のいずれか一項に記載の生物学的濾過方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔発明の分野〕
本発明は、水、特に廃水、特に工業廃水および都市廃水の生物学的処理の技術分野に属する。より詳細には、本発明は、処理される水をアナモックス反応が行われる反応器に投入する前に、処理される水の一部がこの反応の化学量論を調整するために使用される、窒素が負荷された水のための生物学的濾過方法に関する。
【0002】
〔従来技術〕
生物学的廃水処理方法は、現在、窒素汚染含有量を低減するために実施されている。
【0003】
これらの方法は、窒素生成物と処理反応器中に存在する細菌集団との様々な反応機構に基づく。
【0004】
例えば、硝化反応-脱硝方法は、同じ反応器内で、またはそれぞれ別個の反応器内で実行される、通気相および無酸素相の実施に基づく。通気相中の酸素の供給は、アンモニア性窒素(NH4
+)を亜硝酸塩(NO2
-)に変換することができるAOB(アンモニア酸化細菌)と、亜硝酸塩を硝酸塩(NO3
-)に変換することができるNOB(亜硝酸酸化細菌)とからなる独立栄養性硝化細菌バイオマスの発達を促進する。無酸素相は無通気下で、廃水中に含まれるか、またはメタノールなどの外部の有機炭素源に由来する有機炭素によって、硝酸塩を亜硝酸塩に、次いで分子状気体窒素(二窒素、N2)に還元することができる脱硝バイオマスの発達を促進する。
【0005】
この方法は、特に効果的であるが、大量の酸素および場合によっては外来の有機炭素源の供給を必要とするため、高価である。
【0006】
亜硝酸化(「硝酸シャント」とも呼ばれる)方法も存在し、実行条件は、NOBを損なうAOBバイオマスの発達を促進するように調節される。この方法は、硝化-脱硝方法に対して酸素消費を低減することを可能にする。
【0007】
最後に、脱アンモニアの間、無通気下で、アナモックス(Anammox、嫌気性アンモニア酸化(ANaerobic AMMonia OXidation)より)として既知の特定の細菌集団が関与する、亜硝酸化-脱アンモニア方法が存在する。アナモックス細菌は独立栄養性であり、亜硝酸塩およびアンモニア性窒素をガス状窒素(N2)および少量の硝酸塩(約11%)に変換することができ、有機炭素源を反応器に添加する必要がない。したがって、この方法は、有機炭素の供給、ひいては水処理コストを低減することを可能にする。
【0008】
文献US2018257966A1は、生物学的濾過槽、亜硝酸化槽およびアナモックス槽を含む廃水処理を開示している。生物学的濾過槽は、流入廃水の前処理方法として生物学的濾過を実行し、固形物および有機物を除去する。亜硝酸化槽は、生物学的濾過槽に由来する廃水に対して亜硝酸化方法を実行し、一部の廃水を生物学的濾過槽に戻すことにより、生物学的濾過槽内の有機物を除去するために必要な電子受容体を供給する。アナモックス槽は、生物学的濾過槽および亜硝酸化槽に由来する濾過廃水の嫌気性アンモニウム酸化方法を実行する。しかしながら、実際の条件では、亜硝酸化槽が亜硝酸塩を生成するだけでなく、硝酸塩をも生成し得る。これらの硝酸塩は次のステップで処理されないので、処理方法の終了時に、水には硝酸塩も含まれている。
【0009】
文献WO2018/009348A1は、電子供与体を使用することによる脱硝を含む廃水の処理方法を開示している。電子供与体、特に外来の炭素源は、従属栄養バイオマスおよびアナモックス細菌を含有する、脱アンモニア専用の反応器に添加される。供給される電子供与体の量は、この反応器の出口で測定された酸化窒素の量に従って調節される。したがって、水中の窒素生成物を測定する瞬間と、期待値との偏差を検出する瞬間と、電子供与体を添加した後の反応器内の妥当な脱アンモニア条件を回復する瞬間との間に、調整時間が必要とされる。
【0010】
したがって、炭素の外来の供給を必要としないか、または既存の解決策と比較して必要量を減らす技術が必要とされている。実際、これらの炭素の外来の供給は、廃水処理における高コストの項目を代表する。
【0011】
また、処理水の生成が、多かれ少なかれ長い調整時間の間に健康および/または規制要件を満たすことができないことを防止するために、脱アンモニアの低下した遂行を予測することを可能にする技術が必要とされている。
【0012】
〔発明の目的〕
本発明の1つの目的は、先行技術において既知の解決策に対して、酸素および/または炭素源の消費量がさらに低減される、窒素が負荷された水を処理するための方法を提案することである。
【0013】
別の目的は、脱アンモニア条件の最適化が直ちに実行される、窒素が負荷された水を処理する方法を提案することである。
【0014】
したがって、本発明の目的は、より経済的で、少なくとも従来技術から既知の方法と同程度に効果的な、窒素が負荷された水を処理する方法を提案することである。
【0015】
〔発明の概要〕
これらの目的、ならびに以下で明らかになる他の目的は、本発明によって達成される。
【0016】
本発明は、炭素源の外来の供給を、全くまたはほとんど必要としない、窒素汚染物質が負荷された水に対する、当該水の全窒素の含有量(NGL)を低減させるための生物学的濾過方法を提案する。さらに、本発明に係る方法は、本発明に係る方法の終了時に測定される酸化窒素またはアンモニア性窒素の値とは無関係に、脱アンモニア方法を最適化することを可能にする。
【0017】
本発明に係る方法は、亜硝酸化および濾過の第1のステップ、ならびに脱アンモニア、脱硝および濾過の第2のステップを含む。
【0018】
亜硝酸化および濾過の第1のステップは、濾過媒体の床を有し、主にAOBからなる独立栄養バイオマスを含む、第1の通気された生物学的反応器に、処理される水を通過させることからなり、当該処理される水中に含まれるアンモニア性窒素(NH4
+)の一部が、亜硝酸塩(NO2
-)に変換されることによる。この第1のステップにより、第1の反応器の出口において、亜硝酸塩に富み、硝酸塩(NO3
-)に乏しい濾過水を得ることができる。
【0019】
脱アンモニア、脱硝および濾過の第2のステップは、上昇流に従って、第1の反応器に由来する、亜硝酸塩に富み、硝酸塩に乏しい水を第2の通気されていない生物学的反応器に通過させることからなる。この通気されていない生物学的反応器は、主にアナモックス細菌および従属栄養細菌からなる細菌バイオマスを受容する移動媒体を含有する第1のステージと、濾過媒体の床を含有する第2のステージとを有する。
【0020】
第2のステップの間、アンモニア性窒素の別の部分、第1の反応器に由来する亜硝酸塩、および従属栄養細菌によって生成される亜硝酸塩は主に、アナモックス細菌によって分子状窒素に、および少量の硝酸塩に変換される(脱アンモニア)。
【0021】
さらに、この第2のステップの間に、第1の反応器に由来する硝酸塩およびアナモックス細菌によって生成された少量の硝酸塩は、従属栄養細菌によって亜硝酸塩に変換される(脱硝)。
【0022】
さらに、第2のステップの間、第1のステージに由来する水は、第2のステージで再び濾過される。
【0023】
本発明に係る方法はまた、前記第1の反応器を出る際に、水のアンモニア性窒素の含有量に対する亜硝酸塩の含有量の比を評価するステップを含む。
【0024】
本発明に係る方法は、前記第1の反応器を出る際の水のアンモニア性窒素の含有量に対する亜硝酸塩の含有量の比が所定の化学量論値よりも大きい場合、第2の反応器の入口で、アナモックス反応の化学量論比に近い、亜硝酸塩のアンモニア性窒素の含有量に対する比を有する混合物を得るために、第1の反応器に由来する水に処理される水を添加するステップをさらに含む。
【0025】
本発明に係る方法は、炭素源の外来の供給が削減されているか、またはゼロに等しくして実施される。
【0026】
第1の反応器から来る水にアンモニア性窒素を含有する処理される水を供給することによって、第2の反応器の入口において、亜硝酸塩の含有量とアンモニア性窒素の含有量との比を、アナモックス反応の化学量論比に近くなるか、または等しくなるように回復させることが可能である。それにより、条件は、アナモックス細菌の脱アンモニアの活性に最適である。
【0027】
炭素源を含む処理される水を、第1の反応器から来る水に添加することにより、懸濁粒子および可溶性有機物の存在により、硝酸塩を処理するための第2の反応器中に存在する従属栄養細菌の適切な活性に必要な量の有機炭素を供給することが可能である。懸濁粒子は、第2の反応器中で濾過され、可溶性有機物は第2の反応器中に存在する従属栄養細菌によって消費され、第2の反応器を出る際には、処理された水中にはもはや存在しない。したがって、本発明に係る方法は、炭素の外来の供給を必要とすることなく、または当該炭素の可能な限り低減された供給のみを必要とする、従属栄養細菌の活性にとって好ましい条件を作り出すことを巧みに可能にする。したがって、本発明に係る方法は、より経済的であり、少なくとも従来技術から既知の方法と同程度に効果的である。
【0028】
特定の実施形態によれば、所定の化学量論値は、1~2.5、好ましくは1.1~2、より好ましくは1.2~1.5である。
【0029】
したがって、処理される水からのアンモニア性窒素の供給は、亜硝酸塩に有利な不均衡のために、化学量論値がアナモックス反応の化学量論比から離れるとすぐに実行される。所定の化学量論値は、アナモックス細菌の適切な活性のために許容されるように保たれ、第2の反応器における脱アンモニアの適切な遂行に悪影響を及ぼさないように、アンモニア性窒素の含有量の変動を許容することを可能にする。
【0030】
一実施形態によれば、前記第1の反応器を出る際の水の亜硝酸塩の含有量は、第1の反応器の出口に配置されたプローブを使用して測定される。
【0031】
一実施形態によれば、前記第1の反応器を出る際の水のアンモニア性窒素の含有量は、第1の反応器の出口に配置されたプローブを使用して測定される。
【0032】
これらのプローブは、第1の反応器の出口に配置されるので、第2の反応器に入ることが意図される水中の窒素生成物の含有量を迅速に評価することを可能にする。これらのプローブが提供する情報は、第2の反応器に入る水中のアンモニア性窒素の含有量に対する亜硝酸塩の含有量を再び平衡にするために、処理される水を添加する決定を迅速に、すなわちほぼ瞬時に行うことを可能にする。
【0033】
一実施形態によれば、本発明に係る方法は、第1の反応器の上流に位置するプローブを使用して、処理される水のアンモニア性窒素の含有量を測定することをさらに含む。
【0034】
そのようなプローブはまた、処理される水中のアンモニア性窒素の含有量を迅速に読み取ることを可能にし、第1の反応器から来る水に添加される処理される水の量をより良好に調整することを可能にする。
【0035】
一実施形態によれば、第1の反応器中の独立栄養バイオマスは、濾過媒体上に固定されている。
【0036】
これらの条件において、硝化反応および濾過は、濾過媒体および当該媒体上に存在する細菌によって同時に起こる。
【0037】
別の実施形態によれば、第1の反応器は、移動媒体を含む第1のステージと、濾過媒体の床を含む第2のステージとを含む。
【0038】
これらの条件において、硝化反応は主に第1のステージで起こる。もちろん、独立栄養バイオマスは第2ステージの濾過媒体上にも発生することができ、硝化反応は第2のステージで継続されてもよい。第2のステージの濾過媒体は、細菌バイオマスがその表面上に発生するか否かにかかわらず、第1の反応器中の水を濾過することを可能にする。この解決策は、硝化反応の有効性を向上させることも可能にし、2段直列の2つの反応器を含む既存の設備で容易に実装することができるので、有利である。
【0039】
特定の実施形態によれば、第1の反応器および/または第2の反応器の濾過媒体は、2~6mmの粒径および15~100kg/m3の嵩密度の粒子の固定床である。
【0040】
そのような粒度は、バイオマスを貯蔵し、粒子汚染を保持することを可能にする。その結果、第1の反応器から来る水に処理される水が添加されたときに、第1の反応器内を通過中に処理される水中に存在する、浮遊粒子および関連する粒子状有機物質、ならびに第2の反応器内に含まれる水中に存在する浮遊粒子および関連する粒子状有機物質を効果的に濾過することが可能である。媒体(固定床)のそのような粒子は、水の密度よりも低い密度を有する。したがって、そのような粒子は、浮遊によって、反応器の上部に自発的に位置し、これはまた、重力洗浄によって反応器を洗浄することを可能にする。
【0041】
この実施形態の好ましい代替形態によれば、媒体(固定床)の粒子は、ポリスチレン製である。
【0042】
この材料は、経済的で耐性があるので有利である。
【0043】
一実施形態によれば、第2の反応器の移動媒体、および/または、該当する場合、第1の反応器の移動媒体は、900~1200kg/m3、好ましくは920~980kg/m3の間の密度を有し、他の移動媒体の表面との衝突から保護された表面を含む。
【0044】
そのような媒体は、亜硝酸塩に富み、硝酸塩に乏しい水の上昇流によって引き起こされる動きにもかかわらず、アナモックス細菌バイオマスおよび従属栄養細菌バイオマスが発達することを可能にする。そのような動きは、実際、媒体間の衝突を引き起こす可能性があり、衝突から保護された表面の外側に位置するバイオマスの一部を分離する。
【0045】
一実施形態によれば、処理される水は、当該水を第1の反応器に導入する前に、沈殿器に入る。
【0046】
この実施形態は、沈殿器の底部に沈殿してもよい、処理される水中に含まれる懸濁粒子および関連する粒子状有機物の一部を除去することを可能にする。
【0047】
〔定義〕
本発明の文脈において、「アナモックス反応」は、アンモニア性窒素の存在下で、亜硝酸塩がアナモックス細菌によってガス状窒素および少量の硝酸塩に変換される脱アンモニア反応を意味する。材料評価(Strous et al.1999)に基づいて、この反応の詳細な化学量論は以下のように記載してもよい:
NH4
++1.32NO2
-+0.066HCO3
-+0.13H+⇒1.02N2+0.26NO3
-+0.066CH2O0.5N0.15+2.03H2O(式1)
したがって、本発明の趣旨の範囲内で、「アナモックス反応の化学量論比」は、上記の式1と一致する、亜硝酸塩の含有量のアンモニア性窒素の含有量に対するモル比を意味し、約1.3である。この比はまた、亜硝酸塩の窒素の、アンモニア性窒素に対する質量比(1.3mg N-NO2/1mg N-NH4)に対応する。
【0048】
特に明記しない限り、「化学量論量」は、アンモニア性窒素の含有量に対する亜硝酸塩の含有量のモル比を意味する。
【0049】
本発明に係る方法は、化学量論値が亜硝酸塩に有利な化学量論数の不均衡を反映するとき、第1の反応器から来る水にアンモニア性窒素を供給することを可能にする。したがって、本発明に係る「所定の化学量論値」は、第2の反応器の入口における最大の許容可能な化学量論値に対応する。上記の式1の結果は、最適な化学量論値が約1.3であることである。したがって、一実施形態によれば、本発明に係る所定の化学量論値は1.3に等しい。
【0050】
しかしながら、所定の化学量論値は、第2の反応器中に存在するアナモックス細菌の活性に著しく影響を及ぼすことなく、亜硝酸塩および/またはアンモニア性窒素の含有量の許容可能な変動をカバーするために、この値から離れてもよい。したがって、所定の化学量論値は、1~2.5、好ましくは1.1~2、より好ましくは1.2~1.5であってもよい。特に、所定の化学量論値は、約1、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、約2.0、約2.1、約2.2、約2.3、約2.4、または約2.5であってもよい。
【0051】
本発明の趣旨の範囲内で、「炭素の外来の供給」は、処理される水に直接的に由来しないが、従属栄養細菌の活性を促進するために一般的に添加される、メタノールなどの有機化合物の添加を意味する。
【0052】
本発明の趣旨の範囲内で、「窒素汚染物質」は、廃水中に存在する窒素の誘導体を意味する。
【0053】
〔図面の簡単な説明〕
[
図1]
図1は、本発明に係る方法を実施するのに適した設備の図を示す。
【0054】
[
図2]
図2は、本発明に係る方法を実施するのに適した別の設備の図を示す。
【0055】
[
図3]
図3は、本発明に係る方法を概略的に示す。
【0056】
〔発明の詳細な説明〕
本発明者らは、窒素汚染物質が負荷された水を処理するための既存の方法を改善すること、特にそれらをより経済的にすることが可能であったことを強調する。実際に、本発明者らは窒素汚染物質が負荷された水(処理される水)を使用して、アナモックス反応が行われる反応器に入る前に、アナモックス反応の亜硝酸塩およびアンモニア性窒素の化学量論を調整することが可能であることを巧みに示した。加えて、窒素汚染物質が負荷された水は、炭素源の外来の供給を制限しながら、または炭素源の外来の供給を防止されたとしても、脱硝に関与する従属栄養細菌の活性を促進することを有利に可能にする炭素源を含有する。したがって、本発明に係る方法によって、酸素消費量を55%まで低減することができ、外来の炭素源の消費量を、現在実施されている方法に対して100%まで低減することができる。
【0057】
本発明に係る方法は、窒素汚染物質が負荷された水の生物学的濾過のための、当該水の全窒素の含有量(NGL、N Globalより)を低減させるための、方法である。
【0058】
本発明の方法は、例示する目的のみのための図面を参照することによってより詳細に説明され、これらの参照の目的は、本発明の範囲を限定するものではない。
【0059】
〔第1の反応器〕
本発明に係る方法は、濾過媒体の床12を有する、第1の通気された生物学的反応器10内で起こる、硝化反応101および濾過102の第1のステップを含む。このような反応器は、第1の反応器の下部に配置されたランプなどの、酸素、特に空気を注入するための既知の手段を含んでもよい。
【0060】
処理される水100は、パイプ1によって、第1の反応器10の入口13に運ばれる(100a)。
【0061】
例えば、
図1に概略的に示される一実施形態によれば、水は、上昇流に従って第1の反応器10に入り、濾過媒体の床12上に固定された、主にAOBからなる独立栄養バイオマスを含む濾過および硝化反応の領域を通過する。
【0062】
この構成では、硝化反応101および濾過102が反応器内で同じレベルで起こり、同時に起こる。
図3を参照すると、処理される水100は、第1の反応器10の入口に導かれ(100a)、硝化反応101および濾過102のステップは同時に実行され、第1の反応器の一方のステージから他方のステージに導かれること(101a)は必要ではない。
【0063】
例えば、
図2に概略的に示される別の実施形態によれば、水は、上昇流に従って第1の反応器10に入り、移動媒体11を含む第1のステージを通過し、その上に、硝化反応101を実行することができるAOBから主になる独立栄養バイオマスが固定されている。続いて、水は、濾過媒体の床12を含む第2のステージに導かれて(101a)、水を濾過すること(102)が可能になる。独立栄養バイオマスはまた、この第2のステージで濾過媒体の床上に発生してもよい。この場合、濾過102は硝化反応活性を伴う。
【0064】
一般に、第1の反応器10は、NOBなどの他の独立栄養細菌を含んでもよい。しかしながら、pH、通気、加えられた負荷、および/または温度などの第1の反応器内の条件は、先行技術の既知の技術に従って、独立栄養バイオマス内のAOBの発達を優位に促進するように適合される。NOB型細菌の密度を低く維持することは、「硝酸塩シャント」の原理に従って、亜硝酸塩の硝酸塩への変換を制限する。したがって、第1のステップの間、処理される水中に含有されるアンモニア性窒素の一部は、AOBによって主に亜硝酸塩に変換される。第1の反応器10の出口14で得られた水は、第1のステップの終了時に、亜硝酸塩に富み、硝酸塩に乏しい。
【0065】
また、第1の反応器10は、処理される水中に含まれる溶存有機炭素の大部分の還元(溶存有機炭素のCO2への酸化)に寄与する従属栄養細菌バイオマスを含んでもよい。
【0066】
従属栄養細菌および独立栄養細菌は、第1の反応器内で、濾過媒体の床12上に、および、該当する場合、移動媒体11上に発生してもよいことに留意されたい。
【0067】
フィルタ粒子の固定床12は、本発明に係る方法の第1のステップの間、水中に存在する有機物および懸濁粒子を保持することを可能にする。
【0068】
亜硝酸塩に富み、硝酸塩に乏しい水は、第1の反応器10の出口14に到達する(102a)。次いで、第1の反応器10を出る(14)際の、水のアンモニア性窒素の含有量に対する亜硝酸塩の含有量の比を評価する(103)。
【0069】
〔第2の反応器〕
水は、パイプ2によって、第2の通気していない生物学的反応器20の入口23に向かって導かれる(103a)。本発明に係る方法の、脱アンモニア、脱硝および濾過の第2のステップは、第2の反応器20内で行われる。第2の反応器20の入口23にある水は、上昇流に従って第2の反応器20を通過する。それは、アナモックス細菌および従属栄養細菌からなる細菌バイオマスを受容する移動媒体を含む、第1のステージ21を通過する。この第1のステージ21では、脱アンモニアおよび脱硝が、炭素源の存在によって一緒に起こる(104)。アンモニア性窒素の別の部分、第1の反応器に由来する亜硝酸塩、および従属栄養細菌によって生成される亜硝酸塩は、アナモックス細菌によって、主に分子状窒素に、および少量の硝酸塩に変換される(脱アンモニア)。同時に、第1のステージ21では、第1の反応器に由来する硝酸塩と、アナモックス細菌によって生成された少量の硝酸塩とが、従属栄養細菌によって亜硝酸塩に変換される(脱硝)。次いで、これらの亜硝酸塩は、アナモックス細菌によって使用される。
【0070】
したがって、第1のステージ21の出口の水は、主に分子状窒素を含む。次いで、水は、濾過媒体の床を含む、第2のステージ22に進み(104a)、そこで濾過のステップ105を受ける。細菌バイオマスはまた、第2のステージのフィルタ床上に発生してもよく、脱アンモニアおよび脱硝を、第2のステージにおける濾過と同時に継続することを可能にすることに留意されたい。
【0071】
〔媒体〕
好ましくは、第1および/または第2の反応器の移動媒体は、900~1200kg/m3、好ましくは920~980kg/m3の密度を有し、他の移動媒体の表面との衝突から保護された表面を含む。このような移動媒体は、例えば、WO2012/136654号公報に公開された特許出願に記載された移動媒体である。
【0072】
好ましい実施形態によれば、第1および/または第2の反応器の濾過媒体は、2~6mmの粒径および15~100kg/m3の嵩密度の粒子の固定床からなる。そのような粒子は、粒子汚染を保持することを可能にする。加えて、それらの密度は、水の密度よりも低く、重力下で粒子を洗浄することを可能にする。好ましくは、これらの粒子はポリスチレン製である。一変形例によれば、これらの粒子は、発泡ポリスチレン製である。
【0073】
〔処理された水〕
第2の反応器20を出る(105a)水は、処理された水106である。この処理された水は、パイプ3によって、第2の反応器20の出口24から導かれる。この処理された水は、その使用を考慮して、貯蔵領域、追加の処理領域、または分配領域に運ばれてもよい。
【0074】
〔バイパス〕
第1の反応器10の出口14で評価された(103)、水のアンモニア性窒素の含有量に対する亜硝酸塩の含有量の比が、所定の化学量論値よりも大きい場合(103b)、いわゆるバイパスパイプ4によって、処理される水100が、当該第1の反応器10に由来する当該水に添加される(103c)。これにより、第2の反応器20の入口23において、亜硝酸塩の含有量のアンモニア性窒素の含有量に対する比が、アナモックス反応の化学量論比に近い混合物を得ることが可能になる。
【0075】
一実施形態によれば、バイパス4は、処理される水100を第1の反応器10に導くためのパイプ1と、第1の反応器10から第2の反応器20に導くためのパイプ2とを接続するパイプである。バイパス4は、パイプ1において処理される水の進入を制御するためのバルブ(図示せず)、および/またはパイプ2において処理される水の流出を制御するためのバルブ(図示せず)を備えてもよい。
【0076】
したがって、本発明に係る方法では、第1の反応器10の出口14の水は、第2の反応器20の入口23の水と異なっていてもよい。
【0077】
第1の反応器10内の条件は、既知の手段に従って調整され、バイオマスによる、アンモニア性窒素の、主に亜硝酸塩への効果的な変換を可能にする。これらの既知の手段は、例えば、アンモニア性窒素通気および第1の反応器10内で加えられた負荷である。第1の反応器10内の条件の調整は、水の亜硝酸塩の含有量がアンモニア性窒素の含有量に対して低すぎる場合、特に亜硝酸塩の含有量のアンモニア性窒素の含有量に対する比が、所定の化学量論値より著しく低くなる場合に必要である。
【0078】
前述のように、所定の化学量論値は、1~2.5、好ましくは1.1~2、より好ましくは1.2~1.5であってもよい。特に、所定の化学量論値は、約1、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、約2.0、約2.1、約2.2、約2.3、約2.4、または約2.5であってもよい。
【0079】
処理される水100は炭素源を含むため、処理される水の第1の反応器10から来る水への添加(103c)はまた、第2の反応器20の第1のステージ21の従属栄養細菌の活性に必要な炭素源を供給することを可能にする。したがって、本発明に係る方法は、炭素源の外来の供給が、可能な限り低減されるか、またはゼロに等しくして実施される。実施例に示されるように、炭素消費量は、本発明の方法によって、既知の方法に対して著しく低減される。本発明に係る方法の別の有利な結果は、炭素源の外来の供給によって形成されるスラッジの量も低減されることである。しかしながら、例えば、処理される水が、従属栄養細菌の満足な活性を可能にするのに十分な量の当該炭素源を含まない場合、外来の炭素源を供給することが望ましい場合がある。この供給を可能にするために、第2の反応器20は、有利には炭素源を第1のステージ21に運ぶパイプを備えることができる。炭素源は、メタノールなどの容易に生分解できる炭素基質を意味する。
【0080】
亜硝酸塩の含有量のアンモニア性窒素の含有量に対する比の評価(103)は、硝酸塩および亜硝酸塩の含有量の測定値から実行される。この評価は、例えばコンピュータによって実施される計算ツールなどの既知の計算装置によって実行されてもよい。このようなコンピュータは、バイパス4を装備することができるバルブ(複数可)が存在する場合、そのバルブの開閉を有利に制御できる。
【0081】
亜硝酸塩の含有量の測定は、任意の既知の手段によって実行されてもよい。一実施形態によれば、亜硝酸塩の含有量の測定は、プローブ31によって実行される。プローブ31の使用は、水中の亜硝酸塩の含有量の測定を連続的に行うことを可能にするので、有利である。このようなプローブは例えば、Triosによって販売されている「OPUS」亜硝酸塩プローブなどが市販されている。
【0082】
アンモニア性窒素の含有量の測定は、任意の既知の手段によって実行してもよい。一実施形態によれば、アンモニア性窒素の含有量の測定は、プローブ32によって実行される。プローブの使用は、水中のアンモニア性窒素の含有量の測定を連続的に行うことを可能にするので、有利である。本発明に係るアンモニア性窒素の含有量を測定するのに適したプローブの例は、HachによってAMTAXブランドで販売されているアンモニウム分析器である。
【0083】
一実施形態によれば、本発明に係る方法は、処理される水100のアンモニア性窒素の含有量を測定することをさらに含む。この測定は、任意の既知の手段によって実行してもよい。特定の実施形態では、この測定は、第1の反応器10の上流に、例えば、パイプ1上に配置されたプローブ33を使用して実行される。本発明に係るアンモニア性窒素の含有量を測定するのに適したプローブの例は、HachによってAMTAXブランドで販売されているアンモニウム分析器である。
【0084】
特定の実施形態によれば、本発明に係る方法はまた、第1の反応器10の出口における水中の硝酸塩の含有量を測定することを含む。この測定は、任意の既知の手段によって、特に、第1の反応器の出口、例えば、パイプ2上に配置されたプローブ(図示せず)によって実行してもよい。この測定は、硝酸塩を迅速に検出し、それにより、NOBタイプの細菌バイオマスの発達を制限するために、第1の反応器内の空気の供給を低減させることを可能にする。
【0085】
処理される水を、第1の反応器10に導入する前に、1つ以上の予備処理にかけることが可能である。特に、第1の反応器に入る前に、処理される水中の懸濁粒子の量を低減させるために、本発明に係る方法は、処理される水を沈殿器に通過させる予備ステップを含んでもよい。
【0086】
〔実施例〕
本発明の他の特徴および利点は、例示的かつ非限定的な目的のために与えられる、以下の実施例からより明らかになるのであろう。
【0087】
水処理プラントは、本発明に係る方法を実施するために配置される。特に、第1の通気された生物学的反応器、続いて、第2の通気されていない生物学的反応器が設置され、亜硝酸塩およびアンモニア性窒素の含有量を測定するためのプローブを備えたパイプによって接続されている。処理される水を第1の反応器に運ぶパイプは、バイパスパイプとも連通するように改変されている。バイパスパイプは、第2の反応器への入口の上流で2つの反応器を一緒に接続するパイプを接合する。
【0088】
第1の通気された生物学的反応器10は、濾過媒体12上に固定されたAOBから主になる独立栄養バイオマスを含有する。それはまた、溶解した有機炭素を低減させることを可能にする従属栄養バイオマスを含有する。第2の通気されていない生物学的反応器20は、アナモックス細菌および従属栄養細菌からなる細菌バイオマスを受容する移動媒体21を含有する第1のステージと、濾過媒体の床22を含有し、その上で細菌バイオマスも固定されていてもよい第2のステージとを有する。
【0089】
窒素汚染物質100が負荷された水を第1の反応器10に入れ(100a)、窒素通気および負荷条件は、アンモニア性窒素の硝化反応を促進するように構成される。第1の反応器の出口14において、水は亜硝酸塩に富み、硝酸塩に乏しい。第1の反応器の出口における水の亜硝酸塩およびアンモニア性窒素の含有量は、プローブ31、32によって測定される。亜硝酸塩の含有量のアンモニア性窒素の含有量に対するモル比を測定し、この比の値が1.7より大きいとき、処理される水100がバイパス4に注入される(103c)。処理される水は、第2の反応器20の入口23の上流の第1の反応器10から来る水と混合され、その結果、混合物は、亜硝酸塩の含有量のアンモニア性窒素の含有量に対する比がアナモックス反応の化学量論比に近づくようになる。
【0090】
酸素の消費量および炭素源の消費量を測定し、処理された窒素の量と相関させ、従来の方法によって得られた値と比較する。
【0091】
〔参考文献〕
Strous M,Kuenen JG,Jetten MS.Key physiology of anaerobic ammonium oxidation. Appl Environ Microbiol. 1999 Jul;65(7):3248-50.doi:10.1128/AEM.65.7.3248-3250.1999.PMID:10388731;PMCID:PMC91484.
【図面の簡単な説明】
【0092】
【
図1】本発明に係る方法を実施するのに適した設備の図を示す。
【
図2】本発明に係る方法を実施するのに適した別の設備の図を示す。
【国際調査報告】