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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-01
(54)【発明の名称】電池冷却プレート及び電池システム
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/651 20140101AFI20240423BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20240423BHJP
   H01M 10/6556 20140101ALI20240423BHJP
   H01M 10/617 20140101ALI20240423BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20240423BHJP
【FI】
H01M10/651
H01M10/613
H01M10/6556
H01M10/617
H01M10/625
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023559038
(86)(22)【出願日】2022-06-07
(85)【翻訳文提出日】2023-11-28
(86)【国際出願番号】 CN2022097400
(87)【国際公開番号】W WO2023273811
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】202110741232.2
(32)【優先日】2021-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】郭舒
(72)【発明者】
【氏名】彭青波
【テーマコード(参考)】
5H031
【Fターム(参考)】
5H031HH08
5H031KK08
(57)【要約】
本開示は、電池冷却プレート及び電池システムを提供する。電池システムは、電池及び電池冷却プレートを含む。電池冷却プレートは、2つの外部接続口、2本の合流管路及び複数本の分岐路を含み、2つの外部接続口がそれぞれ2本の合流管路の中間位置に連通することにより、合流管路内の冷却液体の流路が合流管路の長さの半分になり、合流管路内の流路に沿った流れ抵抗を低減し、複数本の分岐路が並んで設置され、各分岐路の両端がそれぞれ複数のオリフィスによって2本の合流管路に連通し、外部接続口に近接する分岐路内の複数のオリフィスの総横断面積が外部接続口から離れる分岐路内の複数のオリフィスの総横断面積よりも小さく、各サブ分岐路の横断面積が同じであることにより、各分岐路内の流れ抵抗のバランスを取り、各分岐路内の流れ抵抗が一致することを保証し、各分岐路内の冷却液体の流速のバランスを取り、さらに冷却プレートの各箇所の温度を均一にし、放熱のバランス及び効率を向上させることができ、システムのウォーターポンプに対する電力需要を低減し、さらにシステムのコストを低減することに役立つ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの外部接続口、2本の合流管路及び複数本の分岐路を含む電池冷却プレートであって、
各前記合流管路は、第1方向に沿って延設され、2つの前記外部接続口は、それぞれ2本の前記合流管路の前記第1方向における中間位置に連通し、
複数本の前記分岐路は、前記第1方向に沿って並んで設置され、第2方向において2本の前記合流管路の間に位置し、各前記分岐路の前記第2方向における両端は、それぞれ少なくとも1つのオリフィスによって2本の前記合流管路に連通し、前記第1方向及び前記第2方向は、互いに直交する2つの方向であり、前記外部接続口に近接する分岐路内のオリフィスの総横断面積は、前記外部接続口から離れる分岐路内のオリフィスの総横断面積よりも小さく、
前記分岐路内には、複数本のサブ分岐路が第1方向に沿って配列され、各前記サブ分岐路が第2方向に沿って延設され、同一の前記分岐路内の複数本のサブ分岐路の端部が連通し、全ての前記サブ分岐路の横断面積が同じであることを特徴とする、電池冷却プレート。
【請求項2】
前記外部接続口に近接する分岐路内のオリフィスの数は、前記外部接続口から離れる分岐路内のオリフィスの数よりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載の電池冷却プレート。
【請求項3】
前記外部接続口に近接する分岐路内のオリフィスの数は、前記外部接続口から離れる分岐路内のオリフィスの数に等しいことを特徴とする、請求項1に記載の電池冷却プレート。
【請求項4】
各前記オリフィスの横断面積は、同じであることを特徴とする、請求項2に記載の電池冷却プレート。
【請求項5】
前記外部接続口に近接する分岐路内のオリフィスの横断面積は、前記外部接続口から離れる分岐路内のオリフィスの横断面積よりも小さいことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の電池冷却プレート。
【請求項6】
前記外部接続口に近接する分岐路内のサブ分岐路の数は、前記外部接続口から離れる分岐路内のサブ分岐路の数よりも大きいことを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の電池冷却プレート。
【請求項7】
全ての分岐路内の全てのサブ分岐路の横断面積は、同じであることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の電池冷却プレート。
【請求項8】
2つの前記外部接続口は、それぞれ主入口と主出口であり、2本の前記合流管路は、それぞれ入口合流管路と出口合流管路であり、前記主入口、前記入口合流管路、複数本の前記分岐路、前記出口合流管路及び前記主出口は、順に連通し、前記分岐路と前記入口合流管路との間のオリフィスは、流入オリフィスであり、前記分岐路と前記出口合流管路との間のオリフィスは、流出オリフィスであることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の電池冷却プレート。
【請求項9】
同一の前記分岐路内の流入オリフィス及び流出オリフィスの数が同じであり、前記流出オリフィスの横断面積が前記流入オリフィスの横断面積以上であることを特徴とする、請求項8に記載の電池冷却プレート。
【請求項10】
前記主入口に近接する分岐路は、第1流入オリフィス及び第1流出オリフィスを含み、前記第1流入オリフィスと前記主入口との間の距離は、前記第1流出オリフィスと前記主出口との間の距離よりも小さいことを特徴とする、請求項8又は9に記載の電池冷却プレート。
【請求項11】
1本の前記分岐路において、前記分岐路は、前記第1方向において対向する第1側及び第2側を有し、複数本の前記サブ分岐路の端部と前記流入オリフィスとの間に流入合流キャビティが形成され、複数本の前記サブ分岐路の端部と前記流出オリフィスとの間に流出合流キャビティが形成され、
前記第1側から第2側への方向に沿って、前記流入合流キャビティの第2方向におけるサイズは、徐々に小さくなり、前記流出合流キャビティの第2方向におけるサイズは、徐々に大きくなり、
前記流入オリフィスは、前記流入合流キャビティの第2方向におけるサイズが大きい位置に位置し、
前記流出オリフィスは、前記流出合流キャビティの第2方向におけるサイズが大きい位置に位置することを特徴とする、請求項8~10のいずれか一項に記載の電池冷却プレート。
【請求項12】
主入口に入口キャビティが設置され、前記主入口は、前記入口キャビティによって前記入口合流管路に連通し、前記入口キャビティ内に複数の入口突起が設置され、前記複数の入口突起は、アレイ状に配列されることを特徴とする、請求項8~11のいずれか一項に記載の電池冷却プレート。
【請求項13】
主出口に出口キャビティが設置され、前記主出口は、前記出口キャビティによって前記出口合流管路に連通し、前記出口キャビティ内に複数の出口突起が設置され、前記複数の出口突起は、アレイ状に配列されることを特徴とする、請求項8~12のいずれか一項に記載の電池冷却プレート。
【請求項14】
前記入口合流管路内に複数の第1ガイドバーが設置され、前記複数の第1ガイドバーは、第1方向に沿って延びるとともに間隔を置いて配列されることを特徴とする、請求項8~13のいずれか一項に記載の電池冷却プレート。
【請求項15】
前記複数の第1ガイドバーは、第2方向に沿って1列又は複数列に配列されることを特徴とする、請求項14に記載の電池冷却プレート。
【請求項16】
2つの前記外部接続口の中心の位置を結ぶ線を中心軸線とし、前記中心軸線の両側の前記電池冷却プレートの構造が対称であることを特徴とする、請求項1~15のいずれか一項に記載の電池冷却プレート。
【請求項17】
前記電池冷却プレートは、第1冷却プレートと、第1冷却プレートに対向する第2冷却プレートとを含み、前記第1冷却プレートは、表面にキャビティ及び複数の凸リブが形成され、前記複数の凸リブは、前記キャビティに位置し、前記凸リブは、前記キャビティを分割して、前記2本の合流管路、前記複数本の分岐路及び前記複数本のサブ分岐路を形成し、前記第2冷却プレートには、複数の突き合わせ穴が設置され、前記複数の突き合わせ穴は、前記複数の凸リブに対応して設置され、第1冷却プレートと第2冷却プレートの位置決め接続を実現するように、前記複数の凸リブは、前記複数の突き合わせ穴内に当接することを特徴とする、請求項1~16のいずれか一項に記載の電池冷却プレート。
【請求項18】
前記複数の凸リブと前記複数の突き合わせ穴は、締まり嵌めされることを特徴とする、請求項17に記載の電池冷却プレート。
【請求項19】
前記突き合わせ穴は、貫通穴であることを特徴とする、請求項17又は18に記載の電池冷却プレート。
【請求項20】
電池と、請求項1~19のいずれか一項に記載の電池冷却プレートとを含み、前記電池冷却プレートは、前記電池に貼り付けられることを特徴とする、電池システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年6月30日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202110741232.2で、出願名称が「電池冷却プレート及び電池システム」である中国特許出願の優先権を主張するものであり、その全ての内容は参照により本願に組み込まれるものとする。
【0002】
本開示は、新エネルギー電池の放熱技術に関し、特に電池冷却プレート及び電池システムに関する。
【背景技術】
【0003】
現在、新エネルギー電池の放熱システムには、風冷、液冷、直冷などが設計されており、冷却方法が異なると、熱交換結果が異なる。液冷は、現在、一般的に使用されている冷却方法であり、液冷を設計することは、主に液冷プレートを設計することである。現在、冷却プレートの設計に対して、流路の設計がより注目されている。電池システムの電力需要がますます高くなり、航続距離がますます長くなるにつれて、電池パックのサイズがますます大きくなり、同様に、冷却プレートのサイズがますます大きくなり、放熱システムに必要な流量がますます大きくなり、現在の技術では、冷却プレートの内部の分岐路内の流れ抵抗が大きく異なるため、冷却プレートの各箇所の温度が不均一になり、放熱のバランスが悪くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、冷却プレートの各箇所の温度の均一性を向上させ、放熱のバランス及び効率を向上させることができる電池冷却プレート及び電池システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様によれば、本開示の実施例に係る電池冷却プレートは、2つの外部接続口、2本の合流管路及び複数本の分岐路を含み、
各前記合流管路は、第1方向に沿って延設され、2つの前記外部接続口は、それぞれ2本の前記合流管路の前記第1方向における中間位置に連通し、
複数本の前記分岐路は、前記第1方向に沿って並んで設置され、第2方向において2本の前記合流管路の間に位置し、各前記分岐路の前記第2方向における両端は、それぞれ少なくとも1つのオリフィスによって2本の前記合流管路に連通し、前記第1方向及び前記第2方向は、互いに直交する2つの方向であり、前記外部接続口に近接する分岐路内のオリフィスの総横断面積は、前記外部接続口から離れる分岐路内のオリフィスの総横断面積よりも小さく、
前記分岐路内には、複数本のサブ分岐路が第1方向に沿って配列され、各前記サブ分岐路が第2方向に沿って延設され、同一の前記分岐路内の複数本のサブ分岐路の端部が連通し、全ての前記サブ分岐路の横断面積が同じである。
【0006】
一実施例において、前記外部接続口に近接する分岐路内のオリフィスの数は、前記外部接続口から離れる分岐路内のオリフィスの数よりも小さい。
【0007】
一実施例において、前記外部接続口に近接する分岐路内のオリフィスの数は、前記外部接続口から離れる分岐路内のオリフィスの数に等しい。
【0008】
各前記オリフィスの横断面積は、同じである。
【0009】
前記外部接続口に近接する分岐路内のオリフィスの横断面積は、前記外部接続口から離れる分岐路内のオリフィスの横断面積よりも小さい。
【0010】
前記外部接続口に近接する分岐路内のサブ分岐路の数は、前記外部接続口から離れる分岐路内のサブ分岐路の数よりも大きい。
【0011】
一実施例において、全ての分岐路内の全てのサブ分岐路の横断面積は、同じである。
【0012】
一実施例において、2つの前記外部接続口は、それぞれ主入口と主出口であり、2本の前記合流管路は、それぞれ入口合流管路と出口合流管路であり、前記主入口、前記入口合流管路、複数本の前記分岐路、前記出口合流管路及び前記主出口は、順に連通し、前記分岐路と前記入口合流管路との間のオリフィスは、流入オリフィスであり、前記分岐路と前記出口合流管路との間のオリフィスは、流出オリフィスである。
【0013】
一実施例において、同一の前記分岐路内の流入オリフィス及び流出オリフィスの数が同じであり、前記流出オリフィスの横断面積が前記流入オリフィスの横断面積以上である。
【0014】
一実施例において、前記主入口に近接する分岐路は、第1流入オリフィス及び第1流出オリフィスを含み、前記第1流入オリフィスと前記主入口との間の距離は、前記第1流出オリフィスと前記主出口との間の距離よりも小さい。
【0015】
一実施例において、1本の前記分岐路において、前記分岐路は、前記第1方向において対向する第1側及び第2側を有し、複数本の前記サブ分岐路の端部と前記流入オリフィスとの間に流入合流キャビティが形成され、複数本の前記サブ分岐路の端部と前記流出オリフィスとの間に流出合流キャビティが形成され、
前記第1側から第2側への方向に沿って、前記流入合流キャビティの第2方向におけるサイズは、徐々に小さくなり、前記流出合流キャビティの第2方向におけるサイズは、徐々に大きくなり、
前記流入オリフィスは、前記流入合流キャビティの第2方向におけるサイズが大きい位置に位置し、
前記流出オリフィスは、前記流出合流キャビティの第2方向におけるサイズが大きい位置に位置する。
【0016】
一実施例において、主入口に入口キャビティが設置され、前記主入口は、前記入口キャビティによって前記入口合流管路に連通し、前記入口キャビティ内に複数の入口突起が設置され、前記複数の入口突起は、アレイ状に配列される。
【0017】
一実施例において、主出口に出口キャビティが設置され、前記主出口は、前記出口キャビティによって前記出口合流管路に連通し、前記出口キャビティ内に複数の出口突起が設置され、前記複数の出口突起は、アレイ状に配列される。
【0018】
一実施例において、前記入口合流管路内に複数の第1ガイドバーが設置され、前記複数の第1ガイドバーは、第1方向に沿って延びるとともに間隔を置いて配列される。
【0019】
一実施例において、前記複数の第1ガイドバーは、第2方向に沿って1列又は複数列に配列される。
【0020】
一実施例において、2つの前記外部接続口の中心の位置を結ぶ線を中心軸線とし、前記中心軸線の両側の前記電池冷却プレートの構造が対称である。
【0021】
一実施例において、前記電池冷却プレートは、第1冷却プレートと、第1冷却プレートに対向する第2冷却プレートとを含み、前記第1冷却プレートは、表面にキャビティ及び複数の凸リブが形成され、前記複数の凸リブは、前記キャビティに位置し、前記凸リブは、前記キャビティを分割して、前記2本の合流管路、前記複数本の分岐路及び前記複数本のサブ分岐路を形成し、前記第2冷却プレートには、複数の突き合わせ穴が設置され、前記複数の突き合わせ穴は、前記複数の凸リブに対応して設置され、第1冷却プレートと第2冷却プレートの位置決め接続を実現するように、前記複数の凸リブは、前記複数の突き合わせ穴内に当接する。
【0022】
一実施例において、前記複数の凸リブと前記複数の突き合わせ穴は、締まり嵌めされる。
【0023】
一実施例において、前記突き合わせ穴は、貫通穴である。
【0024】
別の態様によれば、本開示の実施例に係る電池システムは、電池と、前述の電池冷却プレートとを含み、前記電池冷却プレートは、前記電池に貼り付けられる。
【発明の効果】
【0025】
本開示の実施例に係る電池冷却プレート及び電池システムにおいて、2つの前記外部接続口がそれぞれ2本の前記合流管路の前記第1方向における中間位置に連通することにより、合流管路内の冷却液体の流路が合流管路の長さの半分になり、合流管路内の冷却液体の流路に沿った流れ抵抗を低減することができ、主出口から離れる分岐路の複数のオリフィスの総横断面積を徐々に大きくし、かつ全ての分岐路内のサブ分岐路の幅、即ち横断面積を同じにすることにより、各分岐路内の流れ抵抗のバランスを取り、各分岐路内の流れ抵抗が一致することを保証し、各分岐路内の冷却液体の流速のバランスを取り、さらに冷却プレートの各箇所の温度を均一にし、放熱のバランス及び効率を向上させることができ、システムのウォーターポンプに対する電力需要を低減し、さらにシステムのコストを低減することに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本開示の技術手段をより明確に説明するために、以下、実施形態に必要な図面を簡単に説明し、明らかに、以下に説明される図面は、本開示のいくつかの実施形態に過ぎず、当業者であれば、創造的な労働をしない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【0027】
図1】本開示の一実施例に係る電池冷却プレートの内部管路の概略構成図である。
図2図1の冷却液体が管路内を流れる場合の概略図である。
図3】本開示の一実施例に係る電池冷却プレートの第1冷却プレートの概略構成図である。
図4】本開示の一実施例に係る電池冷却プレートの第2冷却プレートの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本開示の実施形態における図面を参照して、本開示の実施形態における技術手段を明確かつ完全に説明する。
【0029】
本開示の上述した目的、特徴及び利点をより明確に理解するために、以下、図面及び具体的な実施形態を参照して本開示を詳細に説明する。なお、本開示の実施形態及び実施形態における特徴は、矛盾しない限り、互いに組み合わせることができる。
【0030】
以下の説明において、本開示を十分に理解するために多くの詳細を説明するが、説明された実施形態は、単に本開示の一部の実施形態であり、全ての実施形態ではない。本開示の実施形態に基づいて、当業者が創造的な労働をしない前提で取得した他の全ての実施形態は、いずれも本開示の保護範囲に属するものである。
【0031】
本開示は、電池冷却プレート及び電池システムを提供し、電池システムは、電池及び電池冷却プレートを含み、電池冷却プレートは、電池に貼り付けられ、電池を液冷で放熱することができる。
【0032】
以下の説明において、X軸が延びる第1方向を単に「第1方向X」と称し、Y軸が延びる第2方向を単に「第2方向Y」と称し、この2つの方向は、2つの互いに直交する方向であり、図1に示すように、電池冷却プレートは、全体として方形を呈し、第1方向Xは、電池冷却プレートの左右の長さ方向であり、第2方向Yは、電池冷却プレートの上下の幅方向である。もちろん、他の実施例において、第1方向Xが電池冷却プレートの幅方向であり、第2方向Yが電池冷却プレートの長さ方向であってもよい。
【0033】
図1及び図2に示すように、電池冷却プレートは、冷却液体の流れ方向に沿って、順に連通して設置された主入口10a、入口合流管路20a、複数本の分岐路31/32/33、出口合流管路20b及び主出口10bを含む。主入口10aと主出口10bは、電池冷却プレートの2つの外部接続口であり、それぞれ循環ポンプの2つの循環口に接続されてもよい。冷却液体は、主入口10aを通って電池冷却プレート内に流入し、入口合流管路20a、複数本の分岐路31/32/33、出口合流管路20bを順に流れた後、主出口10bから電池冷却プレート外に流出して、循環ポンプに戻る。
【0034】
入口合流管路20aと出口合流管路20bは、2本の合流管路であり、それぞれ主入口10aと主出口10bに設置される。入口合流管路20aと出口合流管路20bは、それぞれ第1方向Xに沿って延設される。主入口10aは、入口合流管路20aの第1方向Xにおける中間位置に連通し、冷却液体は、主入口10aを通って入口合流管路20aに入った後、第1方向Xに沿ってそれぞれ入口合流管路20aの両端へ流れることにより、入口合流管路20a内の冷却液体の流路は、入口合流管路20aの長さの半分になり、入口合流管路20a内の冷却液体の流路に沿った流れ抵抗を低減することができる。
【0035】
主入口10aには、入口キャビティ11aが設置され、主入口10aは、入口キャビティ11aによって入口合流管路20aに連通する。入口キャビティ11aは、方形であり、入口キャビティ11a内に複数の入口突起12aが設置され、複数の入口突起12aは、アレイ状に配列され、入口キャビティ11aに入った冷却液体を分流して、冷却液体が該位置に集中しすぎて流れ抵抗を増加させることを回避することもできる。
【0036】
入口合流管路20a内に複数の第1ガイドバー21aが設置され、複数の第1ガイドバー21aは、第1方向Xに沿って延びるとともに間隔を置いて配列される。複数の第1ガイドバー21aは、第1方向Xに沿って延び、第1ガイドバー21aによって、入口合流管路20aに入った冷却液体が第1ガイドバー21aに沿って流れ、即ち、第1方向Xに沿って流れることができ、それにより入口合流管路20a内の冷却液体の流れ抵抗を低減することができる。複数の第1ガイドバー21aは、第1方向Xに沿って間隔を置いて配列され、一部の冷却液体は、複数のガイドバーの間の隙間から分岐路へ流れることができる。
【0037】
本実施例において、複数の第1ガイドバー21aが第2方向Yに沿って2列に配列されることにより、ガイドして流れ抵抗を低減する効果をよりよく達成するとともに、より多くの冷却液体を主入口10aから離れる分岐路にガイドすることができる。他の実施例において、電池冷却プレートの第1方向Xにおける長さとガイド需要に応じて、複数の第1ガイドバー21aを1列、3列又はより多くの列に設定することができる。
【0038】
複数本の分岐路31/32/33は、第1方向Xに沿って並んで設置され、第2方向Yにおいて入口合流管路20aと出口合流管路20bとの間に位置する。各上記分岐路の上記第2方向Yにおける両端は、複数のオリフィスによって入口合流管路20a及び出口合流管路20bに連通する。
【0039】
各分岐路31/32/33内には、複数本のサブ分岐路が第1方向Xに沿って配列され、各サブ分岐路が第2方向Yに沿って延設され、同一の分岐路内の複数本のサブ分岐路の端部が連通することにより、分岐路内に入った冷却液体は、サブ分岐路の一端からサブ分岐路内に入って、サブ分岐路の他端からサブ分岐路外に流出する。
【0040】
本実施例において、分岐路の数は、6本であり、第1方向Xにおいて、主入口10aと主出口10bの中心の位置を結ぶ線を中心軸線とし、中心軸線の両側にそれぞれ3本の分岐路が設置され、中心軸線の両側の構造がほぼ同じであり、ここで、そのうちの一側を例として3本の分岐路の構造を説明する。説明の便宜上、3本の分岐路は、それぞれ第1分岐路31、第2分岐路32及び第3分岐路33である。第2分岐路32は、第1分岐路31と第3分岐路33との間に配列される。第1分岐路31は、第3分岐路33よりも主入口10a及び主出口10bに近接する。
【0041】
第1分岐路31は、一端が第1流入オリフィス31aによって入口合流管路20aに連通し、他端が第1流出オリフィス31bによって出口合流管路20bに連通する。第1分岐路31において、第1流入オリフィス31aは、1つであり、第1流出オリフィス31bは、1つである。第1分岐路31内には、複数本の第1サブ分岐路310が設置される。ここで、第1分岐路31内の第1サブ分岐路310の数に応じて、第1流入オリフィス31a及び第1流出オリフィス31bを決定することができ、第1サブ分岐路310の数が多い場合、冷却液体が全ての第1サブ分岐路310内に入るように、2つ以上の第1流入オリフィス31aを設置してもよく、冷却液体が第1分岐路31内から適時に流出して、第1分岐路31内の圧力が大きすぎることを回避するために、2つ以上の第1流出オリフィス31bを設置してもよく、このとき、各第1流出オリフィス31bと各第1流入オリフィス31aの横断面積が同じであるため、数の設定によって冷却液体の流量を調整することができ、もちろん、他の実施形態において、第1流出オリフィス31bと第1流入オリフィス31aがいずれも1つであり、横断面積の増加又は減少によって冷却液体の流量を調整することができる。
【0042】
第1流入オリフィス31aと主入口10aとの間の距離が第1流出オリフィス31bと主出口10bとの間の距離よりも小さいことにより、入口合流管路20aに入った冷却液体が短い距離流れて第1分岐路31内に入ることができ、冷却液体が第1分岐路31内に入りやすく、冷却液体が第1分岐路31に入るときの抵抗を低減することができる。本実施例において、加工成形を容易にするように、第1流出オリフィス31bの横断面積が第1流入オリフィス31aの横断面積に等しい。第1分岐路路31と出口合流管路20bとの間の流れ抵抗をさらに低減するために、第1流出オリフィス31bの横断面積を第1流入オリフィス31aの横断面積よりも大きくすることができる。
【0043】
第1分岐路31において、第1分岐路31は、第1方向Xにおいて対向する第1側311及び第2側312を有する。本実施例において、第1側311は、第2側312よりも主入口及び主出口に近接する。もちろん、他の実施形態において、第2側312は、第1側311よりも主入口及び主出口に近接してもよい。
【0044】
複数本の第1サブ分岐路310の端部と第1流入オリフィス31aとの間に流入合流キャビティ30aが形成され、第1側311から第2側312への方向に沿って、流入合流キャビティ30aの第2方向Yにおけるサイズが徐々に小さくなることにより、流入合流キャビティ30aが略三角形の楔形構造になる。第1流入オリフィス31aは、流入合流キャビティ30aの第2方向Yにおけるサイズが大きい位置に位置し、即ち、第1側311に近接する位置に位置し、流入合流キャビティ30aの第1流入オリフィス31aに近接する空間が大きいことにより、冷却液体が第1分岐路31内に入りやすく、第1分岐路31に入るときの流れ抵抗を低減する。
【0045】
複数本の第1サブ分岐路310の端部と第1流出オリフィス31bとの間に流出合流キャビティ30bが形成され、第1側311から第2側312への方向に沿って、流出合流キャビティ30bの第2方向Yにおけるサイズが徐々に大きくなることにより、流出合流キャビティ30bが略三角形の楔形構造になる。第1流出オリフィス31bは、流出合流キャビティ30bの第2方向Yにおけるサイズが大きい位置に位置し、即ち、第2側312に近接する位置に位置する。流出合流キャビティ30bの第1流出オリフィス31bに近接する空間が大きいことにより、冷却液体が流出合流キャビティ30bの第1流出オリフィス31bに近接する位置に集中しやすく、さらに、冷却液体が第1流出オリフィス31bから流出して出口合流管路20b内に入ることに役立ち、冷却液体が第1分岐路管路31から流出するときの流れ抵抗を低減する。
【0046】
第1側311から第2側312への方向に沿って、流入合流キャビティ30aの第2方向Yにおけるサイズが徐々に小さくなり、流出合流キャビティ30bの第2方向Yにおけるサイズが徐々に大きくなることにより、第1側311に近接する第1サブ分岐路310の入口を大きくし、出口を小さくし、第2側312に近接する第1サブ分岐路310の入口を小さくし、出口を大きくすることができ、異なる第1サブ分岐路310内の冷却液体の流速がほぼ同じであることを保証し、各第1サブ分岐路310内の冷却液体の流れのバランスを保証することができる。複数本の分岐路のうち、外部接続口に最も近接する位置の分岐路は、本実施例における第1分岐路であり、その中のサブ分岐路の数が最も多く、かつ該分岐路において、流入合流キャビティ及び流出合流キャビティがいずれも楔形であることにより、複数本のサブ分岐路のバランスを保証し、第2分岐路及び第3分岐路などの他の分岐路において、サブ分岐路の数が比較的少なく、流入合流キャビティ及び流出合流キャビティを方形に設定すればよい。
【0047】
第2分岐路32は、一端が2つの第2流入オリフィス32aによって入口合流管路20aに連通し、他端が2つの第2流出オリフィス32bによって出口合流管路20bに連通する。第2分岐路32内に複数本の第2サブ分岐路321が設置される。第3分岐路33は、一端が3つの第3流入オリフィス33aによって入口合流管路20aに連通し、他端が3つの第3流出オリフィス33bによって出口合流管路20bに連通する。第3分岐路33内に複数本の第3サブ分岐路331が設置される。
【0048】
本実施例において、第1流入オリフィス31a、第2流入オリフィス32a及び第3流入オリフィス33aの三者の孔径、即ち横断面積が同じであり、第1流入オリフィス31aが1つであり、第2流入オリフィス32aが2つであり、第3流入オリフィス33aが3つであるため、1つの第1流入オリフィス31aの総横断面積、2つの第2流入オリフィス32aの総横断面積、3つの第3流入オリフィス33aの総横断面積が順に大きくなり、即ち、主入口10aに近接する分岐路の複数のオリフィスの総横断面積が主入口10aから離れる分岐路の複数のオリフィスの総横断面積よりも小さく、主入口10aから離れる分岐路の複数のオリフィスの総横断面積を徐々に大きくすることにより、主入口10aから離れる分岐路に入るときの流れ抵抗を低減することができる。
【0049】
第1流入オリフィス31a、第2流入オリフィス32a及び第3流入オリフィス33aの三者の孔径、即ち横断面積が同じであるため、分岐路と主入口10aとの間の距離に応じてオリフィスの数を設計することにより、冷却液体が主入口10aから離れる分岐路に入るときの流れ抵抗を低減し、構造レイアウトの設計を容易にすることができる。
【0050】
ここで、他の実施例において、第2流入オリフィス32a及び第3流入オリフィス33aの数はいずれも1つであってもよく、このとき、第2流入オリフィス32aの孔径、即ち横断面積が第1流入オリフィス31aの横断面積よりも大きく、第3流入オリフィス33aの孔径、即ち横断面積が第2流入オリフィス32aの横断面積よりも大きい必要がある。
【0051】
また、第1流入オリフィス31a、第2流入オリフィス32a及び第3流入オリフィス33aの三者の数が徐々に増加するとともに、三者の横断面積も徐々に増加するように設定されることにより、第2分岐路及び第3分岐路に入るときの流れ抵抗をさらに低減することができる。
【0052】
本実施例において、第1流出オリフィス31b、第2流出オリフィス32b及び第3流出オリフィス33bの三者の孔径、即ち横断面積が同じであり、第1流出オリフィス31bが1つであり、第2流出オリフィス32bが2つであり、第3流出オリフィス33bが3つであるため、1つの第1流出オリフィス31bの総横断面積、2つの第2流出オリフィス32bの総横断面積、3つの第3流出オリフィス33bの総横断面積が順に大きくなり、即ち、主出口10bに近接する分岐路の複数のオリフィスの総横断面積が主出口10bから離れる分岐路の複数のオリフィスの総横断面積よりも小さく、主出口10bから離れる分岐路の複数のオリフィスの総横断面積を徐々に大きくすることにより、主出口10bから離れる分岐路から流出するときの流れ抵抗を低減することができる。
【0053】
第1流出オリフィス31b、第2流出オリフィス32b及び第3流出オリフィス33bの三者の孔径、即ち横断面積が同じであるため、分岐路と主出口10bとの間の距離に応じて流出オリフィスの数を設計することにより、冷却液体が主出口10bから離れる分岐路から流出するときの流れ抵抗を低減し、構造レイアウトの設計を容易にすることができる。
【0054】
ここで、他の実施例において、第2流出オリフィス32b及び第3流出オリフィス33bの数はいずれも1つであってもよく、このとき、第2流出オリフィス32bの孔径、即ち横断面積が第1流出オリフィス31bの横断面積よりも大きく、第3流出オリフィス33bの孔径、即ち横断面積が第2流出オリフィス32bの横断面積よりも大きい必要がある。
【0055】
また、第1流出オリフィス31b、第2流出オリフィス32b及び第3流出オリフィス33bの三者の数が徐々に増加するとともに、三者の横断面積も徐々に増加するように設定されることにより、第2分岐路及び第3分岐路から流出するときの流れ抵抗をさらに低減することができる。
【0056】
第1分岐路31内の第1サブ分岐路310の数は、第2分岐路32内の第2サブ分岐路321の数よりも大きく、第2分岐路32内の第2サブ分岐路321の数は、第3分岐路33内の第3サブ分岐路331の数と同じである。より具体的には、本実施例において、第1サブ分岐路310は、10本であり、第2サブ分岐路321は、4本であり、第3サブ分岐路331は、4本である。もちろん、第1サブ分岐路310、第2サブ分岐路321及び第3サブ分岐路331の数は、これらに限定されず、必要に応じて他の数を設定してもよい。
【0057】
主入口10aに近接する第1分岐路31の第1サブ分岐路310の数が多く、主入口10aから離れる第2サブ分岐路321及び第3サブ分岐路331の数が少ないことにより、冷却液体が第2分岐路32及び第3分岐路33に入るときの流れ抵抗を低減することができる。
【0058】
全ての分岐路内のサブ分岐路の幅、即ち横断面積が同じであり、即ち、複数本の第1サブ分岐路310、複数本の第2サブ分岐路321及び複数本の第3サブ分岐路331の横断面積が同じであることにより、各サブ分岐路内の冷却液体の流れ抵抗が同じであるとともに、複数本のサブ分岐路内の冷却液体の体積が同じであり、電池冷却プレートの各位置での放熱の均一性を保証することができる。前述の数量関係の説明から分かるように、第1方向Xにおいて、第1分岐路31のサイズは、第2分岐路32及び第3分岐路33のサイズよりも大きい。
【0059】
出口合流管路20b内に複数の第2ガイドバー21bが設置され、複数の第2ガイドバー21bは、第1方向Xに沿って延びるとともに間隔を置いて配列される。複数の第2ガイドバー21bは、第1方向Xに沿って延び、第2ガイドバー21bによって、入口合流管路20aに入った冷却液体が第2ガイドバー21bに沿って流れ、即ち、第1方向Xに沿って流れることができ、それにより入口合流管路20a内の冷却液体の流れ抵抗を低減することができる。複数の第2ガイドバー21bは、第1方向Xに沿って間隔を置いて配列され、一部の冷却液体は、複数のガイドバーの間の隙間から出口合流管路20bへ流れることができる。
【0060】
主出口10bには、出口キャビティ11bが設置され、主出口10bは、出口キャビティ11bによって出口合流管路20bに連通する。出口キャビティ11bは、方形であり、出口キャビティ11b内に複数の出口突起12bが設置され、複数の出口突起12bは、アレイ状に配列され、出口キャビティ11bから流出した冷却液体を分流して、冷却液体が該位置に集中しすぎて流れ抵抗を増加させることを回避することもできる。
【0061】
本実施例において、図3及び図4に示すように、電池冷却プレートは、平行に設置された第1冷却プレート100及び第2冷却プレート200を含み、第1冷却プレート100及び第2冷却プレート200は、熱伝導に役立つように、いずれも熱伝導性板材で製造される。第1冷却プレート100は、プレスにより冷却プレートの表面にキャビティ101及び複数の凸リブ102が形成され、複数の凸リブ102は、キャビティ101内に位置し、凸リブ102は、キャビティ101を分割して、冷却液体が流れる複数の管路を形成し、即ち、キャビティ101を2本の合流管路20a/20b、複数本の分岐路31/32/33及び分岐路内の複数本のサブ分岐路に分割することができる。第2冷却プレート200には、複数の突き合わせ穴202が設置され、複数の突き合わせ穴202は、複数の凸リブ102に対応して設置され、第1冷却プレート100と第2冷却プレート200の位置決め接続を実現するように、複数の凸リブ102は、複数の突き合わせ穴202内に当接する。凸リブ102と突き合わせ穴202は、緊密に接続されるように、締まり嵌めされてもよく、それにより複数本の分岐路31/32/33が互いに隔離されることを保証し、冷却液体が分岐路の間を流れることを回避する。突き合わせ穴202と凸リブ102との間には、二者の接続箇所が密封されることをさらに保証するように、熱伝導性シーラントが設置されてもよい。
【0062】
本実施形態において、プレスによる加工成形を容易にするように、突き合わせ穴202は、貫通穴であり、凸リブ102は、突き合わせ穴202内に接続され、突き合わせ穴202内に熱伝導性シーラントが充填されることにより、突き合わせ穴202が第2冷却プレート200の外表面と面一になり、電池との貼り合わせに役立つ。もちろん、他の実施形態において、突き合わせ穴202は、止まり穴であってもよい。他の実施形態として、第2冷却プレート200に突き合わせ穴202が設置されなくてもよい。
【0063】
また、本開示の実施例は、電池システムをさらに提供し、該電池システムは、電池及び上述した電池冷却プレートを含み、電池冷却プレートは、電池に貼り付けられ、電池を液冷で放熱することができる。
【0064】
本開示に係る電池冷却プレート及び電池システムにおいて、電池冷却プレートの主入口及び主出口は、冷却プレートの中間位置に配置され、冷却液体は、中間位置の主入口から冷却プレートに入った後、両側へ流れて、複数本の分岐路を流れた後、中間位置の主出口から冷却プレート外に流出することにより、電池冷却プレート内の冷却液体の流路は、略U字型構造である。合流管路は、合流管路内の流路に沿った流れ抵抗を低減するように、電池の配列に応じてできるだけ複数本が並列に接続され、即ち、複数列のガイドバーが設置される。分岐路の数は、合流長さと分岐路長さを合わせて決定される。単一の分流分岐路内の流量分配の均一性を保証するために、各分岐路において、オリフィスと主入口及び主出口との間の距離に応じてオリフィスを設計する。本開示の電池冷却プレートの流路構造の配列は、同じ流量及び同じ面積の電池冷却プレート内の流れ抵抗を最大限に低減することにより、システムのウォーターポンプに対する電力需要の低減に役立ち、さらにシステムのコストを低減するとともに、流れ抵抗の低い冷却プレート構造は、ウォーターポンプの電力が一定である場合、電池冷却プレートの流量をできるだけ大きくし、さらに出入口の温度差を小さくすることができる。
【0065】
本開示に係る電池冷却プレート及び電池システムにおいて、電池冷却プレートの外部接続口は、1つの出口及び1つの入口の構造を利用し、中間から入って中間から出るという出入口方式によって、合流管路内の流路の長さを半分にし、分流用分岐路を最大にする原則を利用し、並列に接続された分岐路が多いほど、並列に接続された主管路の流れ抵抗が小さくなり、さらに冷却プレート全体の流れ抵抗を最小に設計する。本開示の電池冷却プレート構造を利用することにより、大冷却プレートの大流量での流れ抵抗を最大限に低減することができ、オリフィスの孔径、即ち横断面積を最適化して、各分岐路の流量を均一に分配することにより、冷却プレート全体の熱交換性能を向上させ、流れ抵抗を低減するとともに、電池冷却プレートが大型の電池冷却プレートの構造に適用され、ウォーターポンプの電力を低減して、車両システムのコストを低減することができる。
【0066】
前述の実施例の説明において、理解できるように、第1ガイドバー21aと第2ガイドバー21bは、異なる合流管路内に設置されるときの名前であり、即ち、合流管路内に複数のガイドバーが設置されてもよく、複数のガイドバーは、第1方向Xに沿って延びるとともに間隔を置いて配列され、ガイドバーによって、合流管路に入った冷却液体がガイドバーに沿って流れ、即ち、第1方向Xに沿って流れることができ、それにより合流管路内の冷却液体の流れ抵抗を低減することができ、複数のガイドバーは、1列又は2列以上に設置されてもよい。
【0067】
前述の実施例の説明において、理解できるように、第1分岐路31、第2分岐路32及び第3分岐路33は、異なる位置の複数本の分岐路の名前であり、分岐路の異なる具体的な実現形態として理解できる。第1サブ分岐路、第2サブ分岐路及び第3サブ分岐路は、同様である。
【0068】
前述の実施例の説明において、理解できるように、第1流入オリフィス31a、第2流入オリフィス32a及び第3流入オリフィス33aは、異なる分岐路内の流入オリフィスの名前であり、流入オリフィスの異なる実現形態であり、それに応じて、第1流出オリフィス31b、第2流出オリフィス32b及び第3流出オリフィス33bは、異なる分岐路内の流出オリフィスの名前であり、流出オリフィスの異なる実現形態であり、ある分岐路において、特に外部接続口に近接する分岐路において、流入オリフィスと流出オリフィスの数がいずれも1つであり、このとき、流入オリフィスと主入口10aとの間の距離を流出オリフィスと主出口10bとの間の距離よりも小さくすることにより、入口合流管路20aに入った冷却液体が短い距離流れて分岐路内に入ることができ、冷却液体が分岐路内に入りやすいとともに、流入オリフィスと流出オリフィスがそれぞれ分岐路の対向する両側に近接して設置されることにより、該分岐路内に入った冷却液体が全てのサブ分岐路を流れることができる。同一の上記分岐路内の流入オリフィスと流出オリフィスの数は、同じであってもよく、流出オリフィスの横断面積は、分岐路と出口合流管路との間の流れ抵抗を低減するように、流入オリフィスの横断面積よりも大きく設定されてもよく、流入オリフィスの横断面積に等しくてもよい。
【0069】
また、流入オリフィスと流出オリフィスは、オリフィスの異なる実現形態である。流入オリフィスと流出オリフィスの数及び横断面積を設計することにより、分岐路内に入った冷却液体の流量及び流速を制御することができる。外部接続口に近接する分岐路内のオリフィスの数は、外部接続口から離れる分岐路内のオリフィスの数よりも小さいことにより、冷却液体は、外部接続口から離れる分岐路に入りやすい。加工成形を容易にするように、各オリフィスの横断面積が同じであってもよく、冷却液体が外部接続口から離れる分岐路に入りやすいために、外部接続口に近接する分岐路内のオリフィスの横断面積が外部接続口から離れる分岐路内のオリフィスの横断面積よりも小さくてもよい。
【0070】
前述の実施例の説明において、理解できるように、流入合流キャビティ30aと流出合流キャビティ30bは、異なる位置の合流キャビティの名前であり、流入合流キャビティ30aと流出合流キャビティ30bの異なる実現形態であり、合流キャビティの形状は、第1分岐路31に用いられてもよく、他の分岐路に用いられてもよく、分岐路内の流入オリフィス及び流出オリフィスがいずれも1つである場合に特に適用され、該分岐路において、複数本のサブ分岐路の端部とオリフィスとの間に合流キャビティが形成されてもよく、第1方向Xにおいて、オリフィスに近接する位置からオリフィスから離れる位置まで、合流キャビティの第2方向Yにおけるサイズが徐々に小さくなることにより、冷却液体が分岐路に出入りしやすく、分岐路に出入りするときの流れ抵抗を低減する。
【0071】
前述の実施例の説明において、理解できるように、入口キャビティ11aと出口キャビティ11bは、接続キャビティの異なる実現形態であり、外部接続口に接続キャビティが設置され、外部接続口が接続キャビティによって合流管路に連通してもよい。接続キャビティは、方形であり、入口キャビティ11a内に複数の突起が設置され、複数の突起は、アレイ状に配列され、接続キャビティに出入りした冷却液体を分流して、冷却液体が該位置に集中しすぎて流れ抵抗を増加させることを回避することもできる。
【0072】
前述の実施例において、第1方向Xにおける両端に位置する2本の分岐路内のサブ分岐路の数は、わずかに異なり、ここで、両端の流れ抵抗のバランスを保証するために、第1方向Xにおける両端に位置する2本の分岐路内のサブ分岐路の数を同じにすることができ、また、2つの上記外部接続口の中心の位置を結ぶ線を中心軸線とし、上記中心軸線の両側の上記電池冷却プレートの構造は、両側の流れ抵抗が一致することを保証するように、完全対称構造に設定されてもよい。
【0073】
前述の実施例において、分岐路の数は、6本であり、中間位置の両側は、それぞれ3本の分岐路であり、冷却液体は、中間位置の主入口から入り、入口合流管路に沿って両端へ流れて、分岐路を流れた後、両側から出口合流管路を流れて主出口に戻ることができる。なお、分岐路の数は、これに限定されず、空間位置が十分である条件下で、できるだけ多くの分岐路が分流し、分岐路の数は、電池セルの配列又は放熱需要に応じて設計することができ、流れ抵抗を低減する設計から、分岐路の数を決定するとき、電池冷却プレートの第1方向におけるサイズが電池冷却プレートの第2方向におけるサイズの2倍よりも大きければ、分岐路は、電池セルの放熱面の需要に応じて、複数本が並列に接続されるという設計を利用し、例えば、上記実施例に基づいて、第4、第5分岐路を追加し、即ち、分岐路の数を増加させ、電池冷却プレートの第1方向におけるサイズが電池冷却プレートの第2方向におけるサイズの2倍よりも小さければ、電池冷却プレートの長さの半分とサブ分岐路の幅に応じて分岐路を設計することができ、例えば、本実施例において、分岐路の数は、6本である。ここで、電池冷却プレートは、方形であり、その第1方向におけるサイズが第2方向におけるサイズよりも大きいため、第1方向におけるサイズが電池冷却プレートの長さであり、第2方向におけるサイズが電池冷却プレートの幅である。したがって、電池冷却プレートの半分の長さは、電池冷却プレートの第1方向におけるサイズの半分である。サブ分岐路が第2方向に沿って長尺状に設定されるため、理解できるように、サブ分岐路の長さがその第2方向におけるサイズであり、サブ分岐路の幅がその第1方向におけるサイズであり、このように冷却プレート全体の流れ抵抗のバランスをさらに取り、冷却放熱能力を向上させることができる。
【0074】
以上の説明は、本開示の実施形態であり、なお、当業者であれば、本開示の原理から逸脱しない前提でいくつかの改良と修飾を行うこともでき、これらの改良と修飾も本開示の保護範囲にあるものと見なすべきである。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-11-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの外部接続口、2本の合流管路及び複数本の分岐路を含む電池冷却プレートであって、
各前記合流管路は、第1方向に沿って延設され、2つの前記外部接続口は、それぞれ2本の前記合流管路の前記第1方向における中間位置に連通し、
複数本の前記分岐路は、前記第1方向に沿って並んで設置され、第2方向において2本の前記合流管路の間に位置し、各前記分岐路の前記第2方向における両端は、それぞれ少なくとも1つのオリフィスによって2本の前記合流管路に連通し、前記第1方向及び前記第2方向は、互いに直交する2つの方向であり、前記外部接続口に近接する分岐路内のオリフィスの総横断面積は、前記外部接続口から離れる分岐路内のオリフィスの総横断面積よりも小さく、
前記分岐路内には、複数本のサブ分岐路が第1方向に沿って配列され、各前記サブ分岐路が第2方向に沿って延設され、同一の前記分岐路内の複数本のサブ分岐路の端部が連通し、全ての前記サブ分岐路の横断面積が同じであることを特徴とする、電池冷却プレート。
【請求項2】
前記外部接続口に近接する分岐路内のオリフィスの数は、前記外部接続口から離れる分岐路内のオリフィスの数よりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載の電池冷却プレート。
【請求項3】
前記外部接続口に近接する分岐路内のオリフィスの数は、前記外部接続口から離れる分岐路内のオリフィスの数に等しいことを特徴とする、請求項1に記載の電池冷却プレート。
【請求項4】
各前記オリフィスの横断面積は、同じであることを特徴とする、請求項2に記載の電池冷却プレート。
【請求項5】
前記外部接続口に近接する分岐路内のオリフィスの横断面積は、前記外部接続口から離れる分岐路内のオリフィスの横断面積よりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載の電池冷却プレート。
【請求項6】
前記外部接続口に近接する分岐路内のサブ分岐路の数は、前記外部接続口から離れる分岐路内のサブ分岐路の数よりも大きいことを特徴とする、請求項1に記載の電池冷却プレート。
【請求項7】
全ての分岐路内の全てのサブ分岐路の横断面積は、同じであることを特徴とする、請求項1に記載の電池冷却プレート。
【請求項8】
2つの前記外部接続口は、それぞれ主入口と主出口であり、2本の前記合流管路は、それぞれ入口合流管路と出口合流管路であり、前記主入口、前記入口合流管路、複数本の前記分岐路、前記出口合流管路及び前記主出口は、順に連通し、前記分岐路と前記入口合流管路との間のオリフィスは、流入オリフィスであり、前記分岐路と前記出口合流管路との間のオリフィスは、流出オリフィスであることを特徴とする、請求項1に記載の電池冷却プレート。
【請求項9】
同一の前記分岐路内の流入オリフィス及び流出オリフィスの数が同じであり、前記流出オリフィスの横断面積が前記流入オリフィスの横断面積以上であることを特徴とする、請求項8に記載の電池冷却プレート。
【請求項10】
前記主入口に近接する分岐路は、第1流入オリフィス及び第1流出オリフィスを含み、前記第1流入オリフィスと前記主入口との間の距離は、前記第1流出オリフィスと前記主出口との間の距離よりも小さいことを特徴とする、請求項8に記載の電池冷却プレート。
【請求項11】
1本の前記分岐路において、前記分岐路は、前記第1方向において対向する第1側及び第2側を有し、複数本の前記サブ分岐路の端部と前記流入オリフィスとの間に流入合流キャビティが形成され、複数本の前記サブ分岐路の端部と前記流出オリフィスとの間に流出合流キャビティが形成され、
前記第1側から第2側への方向に沿って、前記流入合流キャビティの第2方向におけるサイズは、徐々に小さくなり、前記流出合流キャビティの第2方向におけるサイズは、徐々に大きくなり、
前記流入オリフィスは、前記流入合流キャビティの第2方向におけるサイズが大きい位置に位置し、
前記流出オリフィスは、前記流出合流キャビティの第2方向におけるサイズが大きい位置に位置することを特徴とする、請求項8に記載の電池冷却プレート。
【請求項12】
主入口に入口キャビティが設置され、前記主入口は、前記入口キャビティによって前記入口合流管路に連通し、前記入口キャビティ内に複数の入口突起が設置され、前記複数の入口突起は、アレイ状に配列されることを特徴とする、請求項8に記載の電池冷却プレート。
【請求項13】
主出口に出口キャビティが設置され、前記主出口は、前記出口キャビティによって前記出口合流管路に連通し、前記出口キャビティ内に複数の出口突起が設置され、前記複数の出口突起は、アレイ状に配列されることを特徴とする、請求項8に記載の電池冷却プレート。
【請求項14】
前記入口合流管路内に複数の第1ガイドバーが設置され、前記複数の第1ガイドバーは、第1方向に沿って延びるとともに間隔を置いて配列されることを特徴とする、請求項8に記載の電池冷却プレート。
【請求項15】
前記複数の第1ガイドバーは、第2方向に沿って1列又は複数列に配列されることを特徴とする、請求項14に記載の電池冷却プレート。
【請求項16】
2つの前記外部接続口の中心の位置を結ぶ線を中心軸線とし、前記中心軸線の両側の前記電池冷却プレートの構造が対称であることを特徴とする、請求項1に記載の電池冷却プレート。
【請求項17】
前記電池冷却プレートは、第1冷却プレートと、第1冷却プレートに対向する第2冷却プレートとを含み、前記第1冷却プレートは、表面にキャビティ及び複数の凸リブが形成され、前記複数の凸リブは、前記キャビティに位置し、前記凸リブは、前記キャビティを分割して、前記2本の合流管路、前記複数本の分岐路及び前記複数本のサブ分岐路を形成し、前記第2冷却プレートには、複数の突き合わせ穴が設置され、前記複数の突き合わせ穴は、前記複数の凸リブに対応して設置され、第1冷却プレートと第2冷却プレートの位置決め接続を実現するように、前記複数の凸リブは、前記複数の突き合わせ穴内に当接することを特徴とする、請求項1に記載の電池冷却プレート。
【請求項18】
前記複数の凸リブと前記複数の突き合わせ穴は、締まり嵌めされることを特徴とする、請求項17に記載の電池冷却プレート。
【請求項19】
前記突き合わせ穴は、貫通穴であることを特徴とする、請求項17に記載の電池冷却プレート。
【請求項20】
電池と、請求項1~19のいずれか一項に記載の電池冷却プレートとを含み、前記電池冷却プレートは、前記電池に貼り付けられることを特徴とする、電池システム。
【国際調査報告】