(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-01
(54)【発明の名称】エアクリーナ装置及び関連するフィルタエレメント
(51)【国際特許分類】
B01D 46/00 20220101AFI20240423BHJP
F02M 35/024 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
B01D46/00 C
F02M35/024
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023559111
(86)(22)【出願日】2022-04-20
(85)【翻訳文提出日】2023-10-23
(86)【国際出願番号】 US2022025607
(87)【国際公開番号】W WO2022226098
(87)【国際公開日】2022-10-27
(32)【優先日】2021-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591163214
【氏名又は名称】ドナルドソン カンパニー,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルストラーテ, マティス
(72)【発明者】
【氏名】カトゥール, バート
(72)【発明者】
【氏名】デコスター, クリストフ
【テーマコード(参考)】
4D058
【Fターム(参考)】
4D058JA34
4D058KA01
4D058KC63
4D058KC64
4D058KC65
4D058KC81
4D058LA02
4D058LA05
4D058SA07
4D058TA01
4D058UA05
4D058UA25
(57)【要約】
ガス状流体を濾過するためのフィルタエレメントであって、長手方向軸を有する濾材パックと、濾材パックの側壁に密封式に結合された周方向シール支持構造体とを備え、シール支持構造体は第1のシール及び第2のシールをさらに備え、長手方向軸に垂直な平面上の長手方向軸に沿った第1及び第2のシールの軸方向の投影が、第1及び第2の閉鎖周縁部を画定し、第1及び第2の閉鎖周縁部に対応する領域が非重複領域を含む、フィルタエレメント、及び関連するフィルタアセンブリ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス状流体を濾過するためのフィルタエレメントであって、長手方向軸を有する濾材パックと、前記濾材パックの側壁に密封式に結合された周方向シール支持構造とを備え、前記シール支持構造は第1のシール及び第2のシールをさらに備え、
前記長手方向軸に垂直な平面上の前記長手方向軸に沿った前記第1及び前記第2のシールの軸方向の投影が、第1の閉鎖周縁部及び第2の閉鎖周縁部を定め、前記第1及び前記第2の閉鎖周縁部に対応する領域が非重複領域を含む、フィルタエレメント。
【請求項2】
前記閉鎖周縁部によって画定される領域が重複領域も含む、請求項1に記載のフィルタエレメント。
【請求項3】
前記非重複領域が、前記閉鎖周縁部によって画定される領域の最小面積の少なくとも10%を構成する表面を有する、請求項1又は2に記載のフィルタエレメント。
【請求項4】
前記非重複領域が回転対称性を有さない、請求項1~3のいずれか一項に記載のフィルタエレメント。
【請求項5】
前記非重複領域が、前記第1の周縁部及び/又は前記第2の周縁部に関して非対称に配置されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のフィルタエレメント。
【請求項6】
前記閉鎖周縁部によって画定される領域が、表面積において少なくとも10%異なる、請求項1~5のいずれか一項に記載のフィルタエレメント。
【請求項7】
前記第1の周縁部又は前記第2の周縁部の一方が、前記第1の周縁部又は前記第2の周縁部の他方を完全に包囲する、請求項1~6のいずれか一項に記載のフィルタエレメント。
【請求項8】
前記シール支持構造が、前記非重複領域に対応する前記シール支持構造の領域に、ガス状流体のための少なくとも1つの貫通開口部を備える、請求項1~7のいずれか一項に記載のフィルタエレメント。
【請求項9】
前記シール支持構造が、前記非重複領域に対応する前記シール支持構造の領域に1つ又は複数の電子デバイスを備える、請求項1~8のいずれか一項に記載のフィルタエレメント。
【請求項10】
前記第1のシール及び前記第2のシールが別個のシールである、請求項1~9のいずれか一項に記載のフィルタエレメント。
【請求項11】
前記第1のシール及び前記第2のシールのそれぞれが、単一の平面に、それぞれ第1の平面及び第2の平面に配置される、請求項1~10のいずれか一項に記載のフィルタエレメント。
【請求項12】
前記第1のシール及び前記第2のシールが、前記非重複領域に対応するそれぞれの部分を除いて、前記濾材パックの円周に沿って互いに追従する、請求項1~11のいずれか一項に記載のフィルタエレメント。
【請求項13】
前記濾材パックの断面が、凸曲線及び凹曲線を備える、請求項1~12のいずれか一項に記載のフィルタエレメント。
【請求項14】
前記シール支持構造が、前記濾材パックの側壁に密封式に結合された基部と、前記基部から半径方向に延びるフランジとを備え、前記フランジが外縁を有し、前記濾材パックの前記長手方向軸に関して前記フランジの第1の側及び反対の第2の側を定め、前記第1及び第2のシールが、前記フランジ上又は前記フランジに隣接して配置される、請求項1~13のいずれか一項に記載のフィルタエレメント。
【請求項15】
主ハウジング部分及び補完的ハウジング部分を備えるハウジングと、請求項1~14のいずれか一項に記載のフィルタエレメントとを備えるフィルタアセンブリであって、前記第1のシールは、前記フィルタエレメントと前記補完的ハウジング部分との間にシールを形成し、前記第2のシールは、前記フィルタエレメントと前記主ハウジング部分との間にシールを形成する、フィルタアセンブリ。
【請求項16】
前記第1の閉鎖周縁部及び前記第2の閉鎖周縁部が、前記平面上で前記長手方向軸に沿った前記濾材パックの投影を囲む、請求項1~14のいずれか一項に記載のフィルタエレメント。
【請求項17】
前記周縁部によって画定される領域が、異なる形状を有する、請求項1~14、16のいずれか一項に記載のフィルタエレメント。
【請求項18】
前記周縁部によって画定される領域が、同様の形状を有するが、異なるサイズを有する、請求項1~17のいずれか一項に記載のフィルタエレメント。
【請求項19】
前記周縁部が共通の重心を有する、請求項1~14、16~18のいずれか一項に記載のフィルタエレメント。
【請求項20】
前記周縁部が異なる重心を有する、請求項1~19のいずれか一項に記載のフィルタエレメント。
【請求項21】
前記第1及び前記第2のシールが、前記濾材パックの周囲に配置される、請求項1~14、16~20のいずれか一項に記載のフィルタエレメント。
【請求項22】
前記濾材パックがラップ及び/又はシェルを備える、請求項1~14、16~21のいずれか一項に記載のフィルタエレメント。
【請求項23】
前記第1のシール及び前記第2のシールがTPE材料を含む、請求項1~14、16~22のいずれか一項に記載のフィルタエレメント。
【請求項24】
前記第1の平面及び前記第2の平面がオフセットされている、請求項1~14、16~23のいずれか一項に記載のフィルタエレメント。
【請求項25】
前記第1又は前記第2のシールの一方が、前記濾材パックの前記側壁に追従する、請求項1~14、16~24のいずれか一項に記載のフィルタエレメント。
【請求項26】
前記第1のシール及び前記第2のシールの一方が、少なくとも180°であるが完全ではない角度範囲にわたって前記濾材パックに追従する、請求項1~14、16~25のいずれか一項に記載のフィルタエレメント。
【請求項27】
前記非重複領域が、前記第1又は第2のシールの一方が前記濾材パックに追従しない角度範囲に対応する、請求項26に記載のフィルタエレメント。
【請求項28】
前記濾材パックが、前記長手方向軸に沿った回転対称性を有さない、請求項1~14、16~27のいずれか一項に記載のフィルタエレメント。
【請求項29】
前記第1のシール及び前記第2のシールの少なくとも一方が、前記長手方向軸に沿った回転対称性を有さない、請求項1~28のいずれか一項に記載のフィルタ。
【請求項30】
前記フィルタエレメントが、第1の軸方向端部及び第2の軸方向端部を有し、前記周方向シール支持構造が、前記フィルタエレメントの前記軸方向端部の一方の近傍又は前記軸方向端部の一方に配置される、請求項1~14、16~29のいずれか一項に記載のフィルタエレメント。
【請求項31】
前記フィルタエレメントが第1の軸方向端部及び第2の軸方向端部を有し、前記周方向シール支持構造が、前記フィルタエレメントの前記第1の軸方向端部と前記第2の軸方向端部との間に、そしてそれらから離れて配置される、請求項1~29のいずれか一項に記載のフィルタエレメント。
【請求項32】
前記第1のシールが第1の位置に配置され、前記第2のシールが前記第1の位置とは異なる第2の位置に配置され、前記第1及び第2の位置のそれぞれが、前記フランジの第1の側上、前記フランジの第2の側上、前記外縁上、前記基部上、前記フランジの前記第1の側上、又は前記フランジの前記第2の側の前記基部上、のうちの1つである、請求項14に記載のフィルタエレメント。
【請求項33】
前記シールの少なくとも一方が前記フランジ上に配置される、請求項14又は32に記載のフィルタエレメント。
【請求項34】
前記第1及び第2のシールの両方が前記フランジ上に配置される、請求項14又は32に記載のフィルタエレメント。
【請求項35】
前記シールの少なくとも一方が前記フランジの前記外縁上に配置される、請求項33又は34に記載のフィルタエレメント。
【請求項36】
前記シールの少なくとも一方が前記基部上に配置される、請求項14に記載のフィルタエレメント。
【請求項37】
前記第1及び第2のシールの両方が前記基部上に配置される、請求項36に記載のフィルタエレメント。
【請求項38】
前記第1及び前記第2のシールが、半径方向にシールを形成するように適合される、請求項14及び32~37のいずれか一項に記載のフィルタエレメント。
【請求項39】
前記第1及び前記第2のシールが、軸方向にシールを形成するように適合される、請求項1~38のいずれか一項に記載のフィルタエレメント。
【請求項40】
前記第1のシールが半径方向にシールを形成するように適合され、前記第2のシールが軸方向にシールを形成するように適合される、請求項1~39のいずれか一項に記載のフィルタエレメント。
【請求項41】
前記補完的ハウジング部分が、プレクリーナデバイス又はハウジングカバーを備える、請求項15に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項42】
前記シール支持構造が前記非重複領域に対応する前記シール支持構造の領域にガス状流体のための少なくとも1つの貫通部を備えるフィルタエレメントを備え、前記シール支持構造の前記少なくとも1つの貫通部と接続されるプレクリーナ掃気管をさらに備える、請求項15又は41に記載のフィルタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、PCT国際特許出願として2022年4月20日に提出されたものであり、また、2021年4月20日に提出された欧州特許出願第21169534.1号の利益及び優先権を主張するものであり、その開示内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、典型的には内燃機関用の吸気などの空気の濾過に使用するための、フィルタ装置及びフィルタエレメントに関する。
【背景技術】
【0003】
空気ストリームは、ダスト及び液体粒子などの汚染物質を運ぶ可能性がある。多くの場合、空気ストリームから汚染物質の一部又は全部を濾過することが所望される。例えば、自動車用又は動力発生機器用のエンジンへの空気流ストリーム(例えば燃焼空気ストリーム)、ガスタービンシステムへのガスストリーム、及び様々な燃焼炉への空気ストリームは、濾過されるべき粒子状汚染物質を運ぶ。このようなシステムでは、選択された汚染物質が空気から除去される(又は空気中でそのレベルが低減される)ことが好ましい。汚染物質除去のために、様々なエアフィルタ装置が開発されてきた。
【0004】
産業界では、自動車又は大型車両に搭載される空気濾過システム及びフィルタエレメント(フィルタカートリッジとも呼ばれる)のサイズ及び重量を低減する必要性がある。これらの空気濾過システム(及びカートリッジ)はコンパクトである必要があり、コンパクトなスペースで車両の他の構成要素と一体化される必要がある。
【0005】
そのため、設計の自由度が高いシステムが必要とされる。
【0006】
また、例えば不適切なフィルタエレメントの取り付けを機械的に不可能にすることによって、フィルタエレメントがそれぞれのシステムに適していることをエンドユーザに保証する必要もある。実際、フィルタエレメントは通常、特定の種類の車両と、そのような車両の所定の作業条件及び周囲条件とに合わせて開発される。濾材の開発及び選択、流体流の特性の分析、ダスト除去能力、シミュレートされた及び実際の振動暴露下での挙動、その他について、多くの研究と開発が行われる。フィルタハウジング内に誤ったフィルタエレメントを位置決めすると、特定のシステムの濾過性能と、濾過された空気が供給されるエンジンの機能とに悪影響を及ぼす可能性がある。不適切なフィルタエレメントを長期間使用したためにエンジンが故障することもある。
【0007】
産業界には、改良された代替フィルタ装置に対する必要性が存在する。
【0008】
また、例えば、1つより多くのフィルタ装置における、すなわち、異なるタイプの車両に対する、例えば、異なるブランド/製造業者に対する、特定の構成要素の再使用/共通使用を可能にすることによって、濾過システムの製造コストを低減する必要性も存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本開示の目的は、請求項1によるフィルタエレメントを提供すること、及び第2の独立請求項による、関連するフィルタアセンブリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の第1の態様において、長手方向軸を有する濾材パックを備えるガス状流体の濾過のためのフィルタエレメントが開示される。これは、濾材パックの側壁に密封式に結合された周方向シール支持構造を備える。したがって、シール支持構造は、好ましくは、直接又は間接的に、恒久的に又は取外し可能に、濾材パックと気密式に接続される。シール支持構造は、第1のシール及び第2のシールをさらに備える。長手方向軸に垂直な平面上の長手方向軸に沿った第1のシール及び第2のシールの軸方向投影は、第1及び第2の閉鎖周縁部を画定する。第1及び第2の閉鎖周縁部に対応する領域は、非重複領域を含む。
【0011】
本開示の実施形態の利点は、フィルタエレメント及び関連するフィルタアセンブリに対してさらなる設計の自由度を提示することである。
【0012】
例えば、第1のシールは、主ハウジング部分の第1のシール面に対してシールを形成するために配置することができ、一方、第2のシールは、例えばハウジング端部カバー又はプレクリーナ配置のような補完的ハウジング部分に対してシールを形成するために配置することができる。投影において非重複部分を提示するシールを有することにより、ハウジング主要部分と補完的ハウジング部分との間の関係は、最先端のものとは異なるものとすることができる。
【0013】
さらに、補完的ハウジング部分と主ハウジング部分の形状をある程度切り離すことができる。
【0014】
また、フィルタエレメントが適切に設計されていれば、フィルタ主ハウジングを異なる補完的ハウジング部分と共に使用することができ、又は補完的ハウジング部分を異なるフィルタ主ハウジング部分と共に使用することができる。より多くの体積を形成することができ、構成要素を異なるエアクリーナシステムを横切って使用できるので、これは有利であり得る。
【0015】
非重複部分の存在は、ユーザが正しいフィルタエレメントを特定のハウジングに配置するのを助け、フィルタエレメントの正しい位置を特定するのに役立つという別の利点もある。
【0016】
実用的な理由から、本開示は、長手方向軸に垂直な平面上の長手方向軸に沿った第1のシール及び第2のシールの軸方向の投影の周縁に言及することによって特許請求されてきた。代替的に、したがって本開示の一部であると考えられるように、第1のシール及び第2のシールによって画定されるシール面の投影によって画定される周縁に言及することもできる。
【0017】
好ましくは、フィルタ、したがって濾材は、空気を濾過するのに適している。
【0018】
好ましい実施形態によれば、閉鎖周縁部によって画定された領域は、重複領域も含む。
【0019】
好ましくは、非重複領域は、閉鎖周縁部によって画定された領域の最小面積の少なくとも10%、又は少なくとも20%、又は少なくとも30%を構成する表面を有する。
【0020】
好ましい実施形態によれば、非重複領域は、5cm2より大きい、又は10cm2より大きい、又は25cm2より大きい表面積を有する。
【0021】
好ましい実施形態によれば、非重複領域は、長手方向軸に沿った回転対称性を有さない。これは、例えば、非重複領域が、2つの閉鎖周縁部の間の局所的な偏りに対応する単一の領域からなり、閉鎖周縁部が、それらの周縁部の他の補完的な部分について互いに追従する/互いに対応する場合であるが、これに限らない。これはまた、例えば、非重複領域が、シールの一方の投影の周縁部の凹状セクションとシールの他方の投影の橋渡しセクションとの間の領域として定義され、橋渡しセクションが凹状セクションの全部又は一部を橋渡ししている場合であり得るが、これに限らない。
【0022】
好ましい実施形態によれば、非重複領域は、第1又は第2の周縁部に関して非対称に配置される。
【0023】
好ましい実施形態によれば、非重複領域は、第1及び第2の周縁部に関して非対称に配置される。
【0024】
好ましい実施形態によれば、第1及び第2の閉鎖周縁部は、平面上で長手方向軸に沿った濾材パックの投影を囲む。
【0025】
濾材パックは、プリーツ付き濾材構成だけでなく、溝付き(Z型とも呼ばれる)濾材を含む、任意のタイプの濾材を備えることができる。溝付き濾材は、積層された濾材又は巻かれた濾材とすることができる。溝付き濾材を備える濾材パックは、その外面の周囲に円周方向に設けられたシェルのラップをさらに備えることができる。このようなラップ又はシェルはまた、典型的には、気密式に濾材と接続される。
【0026】
好ましい実施形態によれば、周縁部によって画定された領域は、異なる形状を有する。
【0027】
好ましい実施形態によれば、周縁部によって画定された領域は、同様の形状を有するが、異なるサイズを有する。
【0028】
好ましい実施形態によれば、周縁部は共通の重心を有する。
【0029】
これは、例えば、プレクリーナのハウジングカバーがフィルタエレメントの長手方向軸に実質的に対応する長手方向軸を有するエアクリーナ構成において、エレメントが比較的直線的なエアクリーナ構成で使用される場合に便利であり得る。
【0030】
好ましい実施形態によれば、周縁部は異なる重心を有する。
【0031】
これは、エレメントが、主フィルタハウジング部分及び補完的フィルタハウジング部分の一方又は両方が、フィルタエレメントの長手方向軸から実質的にオフセットされた長手方向軸を有するエアクリーナ構成で使用される場合に便利であり得る。
【0032】
好ましい実施形態によれば、閉鎖周縁部によって画定された領域は、表面積が少なくとも10%、又は少なくとも20%、又は少なくとも30%、又は少なくとも50%異なる。
【0033】
好ましい実施形態によれば、第1の周縁部又は第2の周縁部の一方は、他方を完全に包囲する。
【0034】
好ましい実施形態によれば、シール支持構造は、非重複領域に対応するシール支持構造の領域に、ガス状流体のための少なくとも1つの貫通開口部を備える。貫通開口部自体は、第3のシールを備え得るか、又は第3のシールによって画定され得る。
【0035】
好ましい実施形態によれば、シール支持構造は、非重複領域に対応するシール支持構造の領域に1つ又は複数の電子デバイスを備える。同じことが、主ハウジング部分にも適用され得る、すなわち、主ハウジング部分は、非重複領域に対応するシール支持構造の領域に1つ又は複数の電子デバイスを備え得る。
【0036】
第1のシールと第2のシールとの間の相対的な面内偏りに対応する投影における非重複領域が、機能的特徴を位置決めするための空間を提供し得ることは、本開示の実施形態の利点である。
【0037】
好ましい実施形態によれば、シール支持構造は、10cm未満、又は8cm未満、又は5cm未満の軸方向の延びを有する。
【0038】
代替的な好ましい実施形態によれば、シール支持構造は、少なくとも10cm、又は少なくとも20cm、又は少なくとも30cmの軸方向の延びを有する。そのような実施形態では、フィルタエレメント/濾材パックは、好ましくは、その外側輪郭にシェルを備え、シェルは好ましくはシール支持構造の少なくとも一部を構成する。
【0039】
好ましい実施形態によれば、第1及び第2のシールは濾材パックの周囲に配置される。このような構成では、第1及び第2のシールは、濾材パックの側壁に追従して、又は側壁の近くに、例えば、巻かれた溝付き濾材パックの側壁に追従して配置され、この側壁は、任意選択的にラップ又はシェルを備える。
【0040】
好ましい実施形態によれば、第1のシール及び第2のシールは、切り離された別個のシールである。好ましくは、第1及び第2のシール面は、別個のシールによって形成される。
【0041】
好ましい実施形態によれば、第1のシール及び第2のシールは、熱可塑性エラストマー(TPE)材料を含む。代替的に、一方又は両方のシールは、ポリウレタン(PU)シール材料、又は空気濾過システムの分野で当業者に知られている任意の他の材料を含むことができる。
【0042】
第1及び/又は第2のシールは、好ましくはTPEを含むリップシールとして具現化することができ、このリップシールは、弾力的に変形し、対応するシール面に密着させたときにシール面とのシールを形成する。代替的に、又はこれと組み合わせて、一方又は両方のシールは、例えばPUを含む圧縮性シールを含むことができる。
【0043】
好ましい実施形態によれば、第1及び第2のシールのそれぞれは単一の平面内に配置され、それぞれ第1の平面及び第2の平面に配置される。好ましくは、対応する第1及び第2のシール面は、単一平面内又は単一平面に沿って配置される。
【0044】
第1及び第2の平面は好ましくは平行である。好ましくは、第1及び第2の平面の一方又は両方は、フィルタエレメントの長手方向軸に対して垂直である。
【0045】
第1の平面及び第2の平面は、好ましくは同一ではなく、異なる軸方向高さでフィルタエレメントの長手方向軸を横切る。
【0046】
第1の平面と第2の平面との間の距離は、好ましくは、0.5cmより大きく、又は1cmより大きく、又は2cmより大きく、又は3cmより大きく、又は4cmより大きく、又は5cmより大きく、又は10cmより大きい。
【0047】
好ましい実施形態によれば、第1のシール又は第2のシールの一方は、濾材パックの側壁に追従する。
【0048】
好ましい実施形態によれば、第1のシール及び第2のシールの一方は、少なくとも180°、好ましくは少なくとも210°、好ましくは少なくとも240°、好ましくは少なくとも270°、好ましくは少なくとも300°であるが完全ではない(濾材パックの長手方向軸周りの)角度範囲にわたって濾材パックの側壁に追従する。
【0049】
「側壁に追従する」という表現は、それぞれのシールが、濾材パックの側壁に沿って互いに3cm以内、より好ましくは2cm以内、さらに好ましくは1cm以内、最も好ましくは0.5cm以内の距離に留まることを意味する。
【0050】
好ましい実施形態によれば、第1及び第2のシールは、少なくとも180°、好ましくは少なくとも210°、好ましくは少なくとも240°、好ましくは少なくとも270°、好ましくは少なくとも300°の(濾材パックの長手方向軸周りの)角度範囲にわたって互いに追従する。それぞれのシールは、好ましくはこれにより、投影において、3cm以内、より好ましくは2cm以内、さらに好ましくは1cm以内、最も好ましくは0.5cm以内の距離に留まる。好ましくは、両方のシールは、互いに追従するのと同じ範囲で濾材パックに追従する。
【0051】
好ましい実施形態によれば、第1及び第2のシールは、非重複領域に対応するそれぞれの部分を除いて、濾材パックの円周に沿って互いに追従する。
【0052】
好ましい実施形態によれば、非重複領域は、第1又は第2のシールの一方が濾材パックに追従しない角度範囲に対応する。
【0053】
好ましい実施形態によれば、非重複領域は、2つの閉鎖周縁部の間の局所的な偏りに対応する単一の領域からなり、閉鎖周縁部は、それらの周縁部の他の補完的な(非偏りの)部分について互いに追従する/互いに対応する。
【0054】
好ましくは、非重複領域は、シールの一方の投影の周縁部の凹状セクションと他方のシールの投影の橋渡しセクションとの間の領域として定義され、橋渡しセクションは、投影において、凹状セクションの全部又は一部を橋渡しする。
【0055】
好ましい実施形態によれば、濾材パックの断面は、凸曲線及び凹曲線を備える。
【0056】
好ましい実施形態によれば、濾材パックは、長手方向軸に沿った回転対称性を有さない。
【0057】
好ましい実施形態によれば、第1のシール及び第2のシールの少なくとも一方は、長手方向軸に沿った回転対称性を有さない。
【0058】
好ましい実施形態によれば、フィルタエレメントは、第1の軸方向端部及び第2の軸方向端部を有し、周方向シール支持構造は、フィルタエレメントの軸方向端部の一方の近傍に又は軸方向端部の一方に配置される。
【0059】
好ましい実施形態によれば、フィルタエレメントは第1及び第2の軸方向端部を有し、周方向シール支持構造は、フィルタエレメントの第1及び第2の軸方向端部の間に、それらからから離れて配置される。
【0060】
好ましい実施形態によれば、シール支持構造は、シール支持構造における任意選択の貫通開口部を除いて、密封式に、気密式に、第1及び第2のシール間の隙間を橋渡しする。
【0061】
好ましい実施形態によれば、シール支持構造は、濾材パックの側壁に密封式に結合された基部と、基部から半径方向に延びるフランジとを備え、フランジは外縁を有し、フランジは、濾材パックの長手方向軸線に対してそれぞれフランジの第1の側及び反対の第2の側を定め、第1及び第2のシールは、フランジ上又はフランジに隣接して配置される。
【0062】
好ましい実施形態によれば、第1及び第2のシールは、(フランジの第1の側上、フランジの第2の側上、外縁上、フランジの第1の側の基部上、フランジの第2の側の基部上)のセットから選択される異なる位置に配置される。
【0063】
好ましい実施形態によれば、シールの少なくとも1つがフランジ上に配置される。第1及び第2のシールの両方をフランジ上に配置することもできる。
【0064】
好ましい実施形態によれば、シールの少なくとも1つはフランジの外縁に配置される。
【0065】
特定の実施形態において、シールの少なくとも1つは基部上に配置される。第1及び第2のシールの両方を基部上に配置することができる。
【0066】
好ましい実施形態によれば、第1及び第2のシールは半径方向にシールを形成するように適合されている。
【0067】
好ましい実施形態によれば、第1及び第2のシールは、軸方向にシールを形成するように適合されている。
【0068】
好ましい実施形態によれば、第1のシールは半径方向にシールを形成するために適合され、第2のシールは軸方向にシールを形成するために適合される。
【0069】
本開示の第2の態様によれば、主ハウジング部分及び補完的ハウジング部分を備えるハウジングと、第1の態様の実施形態のいずれかによるフィルタエレメントとを備えるフィルタアセンブリが開示される。
【0070】
第1のシールは、フィルタエレメントと主ハウジング部分との間のシールを形成し、第2のシールは、フィルタエレメントと補完的ハウジング部分との間のシールを形成する。
【0071】
好ましい実施形態によれば、フィルタエレメントは、濾材パックの側壁に密封式に結合された基部と、基部から半径方向に延びるフランジとを備えるシール支持構造を備え、フランジは外縁を有し、フランジは、濾材パックの長手方向軸に関してフランジの第1の側及び反対の第2の側を定め、第1及び第2のシールは、フランジ上又はフランジに隣接して配置される。これにより、フランジは、2つのシール間の隙間を橋渡しし、両シール間、ひいては主ハウジング部分と補完的ハウジング部分との間に気密接続を形成する。
【0072】
特定の実施形態において、第1及び第2のシール間の隙間は、そうでなければフィルタハウジングのいかなる部分によっても橋渡しされないだろう。
【0073】
好ましい実施形態によれば、補完的ハウジング部分は、プレクリーナデバイス又はハウジングカバーを備える。このようなプレクリーナデバイスは、当該技術分野において公知であり、流入する空気流がフィルタエレメントに到達する前に、流入する空気流から大きな粒子及び他の成分を除去するために使用される。
【0074】
好ましい実施形態によれば、アセンブリは、シール支持構造が非重複領域に対応するシール支持構造の領域にガス状流体用の少なくとも1つの貫通部を備えるフィルタエレメントを備え、シール支持構造の少なくとも1つの貫通部と接続されるプレクリーナ掃気管をさらに備える。
【0075】
本開示の上記の態様の1つについて開示された特徴及び利点は、これによって、当業者が認識するように、変更すべきところは変更して、他の態様についても暗黙的に開示される。特に、フィルタアセンブリの態様の文脈でフィルタエレメントについて記載した態様は、フィルタエレメント又はカートリッジについても適用可能であり、開示されているとみなされ、その逆もまた同様である。
【0076】
本開示は、以下の記載及び添付図によってさらに解明される。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【
図1A】本開示のエアクリーナアセンブリの第1の好ましい実施形態の第1の斜視図を示す。
【
図1B】
図1Aのエアクリーナアセンブリの第2の斜視図を示す。
【
図1C】
図1Aのエアクリーナアセンブリの部分断面図を示す。
【
図2A】本開示のエアクリーナアセンブリの第2の好ましい実施形態の第1の斜視図を示す。
【
図2B】本開示のエアクリーナアセンブリの第3の好ましい実施形態の第1の斜視図を示す。
【
図3A】本開示のエアクリーナアセンブリの第4の好ましい実施形態の第1の斜視図を示す。
【
図3C】
図1Aのエアクリーナアセンブリの第2の斜視図を示す。
【
図4A】
図3Aのエアクリーナアセンブリのフィルタエレメントの第1の端面図を示す。
【
図5A】
図1Aのエアクリーナアセンブリのフィルタエレメントの第1の端面図を示す。
【
図6A】
図2Bのエアクリーナアセンブリのフィルタエレメントの第1の側面図を示す。
【
図7A】
図2Aのエアクリーナアセンブリのフィルタエレメントの第1の端面図を示す。
【
図8A】
図2Aのエアクリーナアセンブリに関連する非重複領域を概略的に示す。
【
図8B】
図2Bのエアクリーナアセンブリに関連する非重複領域を概略的に示す。
【
図8C】
図8Aに示されるものに対する代替的な非重複領域を概略的に示す。
【
図8D】
図3Aのエアクリーナアセンブリに関連する非重複領域を概略的に示す。
【
図8E】
図1Aのエアクリーナアセンブリに関連する非重複領域を概略的に示す。
【
図9A】本明細書に開示されるフィルタエレメントの実施形態で使用可能な基部及び半径方向に延びるフランジの位置が異なる本開示の実施形態を概略的に示す。
【
図9B】本明細書に開示されるフィルタエレメントの実施形態で使用可能な基部及び半径方向に延びるフランジの位置が異なる本開示の実施形態を概略的に示す。
【
図9C】本明細書に開示されるフィルタエレメントの実施形態で使用可能な基部及び半径方向に延びるフランジの位置が異なる本開示の実施形態を概略的に示す。
【
図9D】本明細書に開示されるフィルタエレメントの実施形態で使用可能な基部及び半径方向に延びるフランジの位置が異なる本開示の実施形態を概略的に示す。
【
図9E】本明細書に開示されるフィルタエレメントの実施形態で使用可能な基部及び半径方向に延びるフランジの位置が異なる本開示の実施形態を概略的に示す。
【
図9F】本明細書に開示されるフィルタエレメントの実施形態で使用可能な基部及び半径方向に延びるフランジの位置が異なる本開示の実施形態を概略的に示す。
【
図10A-1】本明細書に開示されるフィルタエレメントの実施形態で使用可能なシール支持構造上の第1及び第2のシールの位置が異なる本開示の実施形態を概略的に示す。
【
図10A-2】本明細書に開示されるフィルタエレメントの実施形態で使用可能なシール支持構造上の第1及び第2のシールの位置が異なる本開示の実施形態を概略的に示す。
【
図10B-1】本明細書に開示されるフィルタエレメントの実施形態で使用可能なシール支持構造上の第1及び第2のシールの位置が異なる本開示の実施形態を概略的に示す。
【
図10B-2】本明細書に開示されるフィルタエレメントの実施形態で使用可能なシール支持構造上の第1及び第2のシールの位置が異なる本開示の実施形態を概略的に示す。
【
図10C-1】本明細書に開示されるフィルタエレメントの実施形態で使用可能なシール支持構造上の第1及び第2のシールの位置が異なる本開示の実施形態を概略的に示す。
【
図10C-2】本明細書に開示されるフィルタエレメントの実施形態で使用可能なシール支持構造上の第1及び第2のシールの位置が異なる本開示の実施形態を概略的に示す。
【
図10D-1】本明細書に開示されるフィルタエレメントの実施形態で使用可能なシール支持構造上の第1及び第2のシールの位置が異なる本開示の実施形態を概略的に示す。
【
図10D-2】本明細書に開示されるフィルタエレメントの実施形態で使用可能なシール支持構造上の第1及び第2のシールの位置が異なる本開示の実施形態を概略的に示す。
【
図11A】本明細書に開示されるフィルタエレメントの実施形態で使用可能なシール支持構造上の第1及び第2のシールの位置が異なる本開示の実施形態を概略的に示す。
【
図11B】本明細書に開示されるフィルタエレメントの実施形態で使用可能なシール支持構造上の第1及び第2のシールの位置が異なる本開示の実施形態を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0078】
【0079】
本開示を特定の実施形態に関して、特定の図面を参照して記載するが、本開示はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。記載される図面は、概略的なものに過ぎず、非限定的である。図面において、いくつかの要素の大きさは、例示の目的で誇張され、縮尺通りに描かれていない場合がある。寸法及び相対的な寸法は、本開示の実施に対する実際の縮小に必ずしも対応しない。
【0080】
さらに、本明細書及び特許請求の範囲における第1、第2、第3及び同様の用語は、同様の要素を区別するために使用され、必ずしも連続的又は時系列的な順序を説明するために使用されるものではない。
【0081】
様々な実施形態は、「好ましい」と称されているが、本開示の範囲を限定するものではなく、本開示が実施され得る例として解釈されるべきである。
【0082】
図1A~
図1C及び
図5A~
図5Dは、本開示の第1の好ましい実施形態を示す。エアフィルタアセンブリ(1、2)は、ハウジング(1)と、ハウジング(1)内に配置された関連するフィルタエレメント(2)とを備える。ハウジング(1)は、主ハウジング部分(1b)と、補完的ハウジング部分(1a)とを備える。補完的ハウジング部分(1a)は、ここではプレクリーナデバイスとして具現化されているが、例えばフィルタハウジングカバーとすることができ、これは好ましくは1つ又は複数の空気入口開口部を備える。プレクリーナデバイス又はハウジングカバー(1a)は、好ましくは、フィルタエレメント(2)を整備するために取り外すことができるように、主ハウジング部分(1b)に取外し可能に接続される。フィルタエレメント(2)は、入口(11)から出口(12)までフィルタハウジング(1)を通って流れる空気の全部又は実質的に全部がフィルタエレメント(2)を通過しなければならないように、主ハウジング部分内に配置される。フィルタエレメント(2)は、典型的には、フィルタエレメント(2)をフィルタハウジング(1)の内壁に対してシールするための少なくとも1つのシールを備える。本開示では、フィルタエレメント(2)は、この一般的な機能及びそれ以上の機能を提供するために、少なくとも2つのシール(23、24)を備える。
【0083】
プレクリーナ配置(1a)は、吸気用の1つ又は複数の入口開口部(11)と、交換可能なフィルタエレメント(2)を必要とすることなく、流入空気ストリームから汚れの粗い慣性分離を提供する機構とを備える。プレクリーナは、例えば、空気を非常に高速で回転させ、それによりエアフィルタエレメント(2)に供給される前に空気流からダスト粒子及び汚れを排出する小型の羽根付きの管を備えることができる。プレクリーナデバイス(1a)はまた、例えば、プレクリーナデバイスからダストを除去するために配置され適合されたダスト排出弁を備えてもよく、好ましくはこの際ダスト排出弁を通して余分な周囲空気を取り入れない。
【0084】
フィルタエレメント(2)は、長手方向軸(A)を有する濾材パック(20)を備える。濾材パック(20)は、任意の公知のタイプの濾材、好ましくは溝付き濾材又はZ型濾材を備え得るが、例えば、溝付き媒体の構成に対して流れ方向を尊重する構成のプリーツ付き媒体を備えることができる。溝付き媒体は、好ましくは巻かれた溝付き媒体であるが、例えば、積層された溝付き媒体を備えることもできる。濾材パック(20)は、流入面(26)、流出面(27)及び側面(28)を備える。
【0085】
濾材パック(20)は、その外面(28)にラップ又はシェルをさらに備えることができる。
【0086】
フィルタエレメント(2)は、濾材パック(20)の側壁(28)に密封式に結合される周方向シール支持構造(25)を備える。シール支持構造(25)は、好ましくは、濾材パック(20)と、直接的又は間接的に、恒久的に又は取外し可能に、気密式に接続される。それは例えば濾材パック(20)に直接付着又は接着することができる。濾材パックが、例えば硬質プラスチック製の、外面(28)上の管状保護層の形態のシェルを備える場合、シール支持構造(25)とシェル構造は一体にすることができる。
【0087】
シール支持構造は、第1のシール(23)と第2のシール(24)とをさらに備える。長手方向軸(A)に垂直な平面上の長手方向軸(A)に沿った第1及び第2のシールの軸方向の投影は、第1の閉鎖周縁部(P1)及び第2の閉鎖周縁部(P2)を画定する。第1及び第2の閉鎖周縁部(P1、P2)に対応する領域は、非重複領域(N)を備える。これは例えば
図8A~
図8Eに概略的に示されており、
図8Eは第1の実施形態の構成と同様である。
【0088】
非重複領域は、第1のシール(23)と第2のシール(24)との間のシール支持構造(25)の橋渡しセクションに形成される実質的な量の余分な領域を提供するために、閉鎖周縁部によって画定される領域の最小面積の10%超を含む表面を有する。この特定の実施形態では、最小面積は、ハウジング主部(1a)とフィルタエレメント(2)との間をシールするために配置された、小さい方のシール(24)に対応する周縁P2によって画定された領域である。
【0089】
非重複領域(N)は回転対称性を有さず、非重複領域は(N)が第1の周縁部(P1)及び/又は第2の周縁部(P2)に対して非対称に配置されていることに留意されたい。
【0090】
シール(23)及び(24)の両方が濾材パック(20)を取り囲むので、第1及び第2の閉鎖周縁部(P1、P2)の両方が、長手方向軸(A)に垂直な平面上で、長手方向軸に沿った濾材パック(20)の投影を取り囲む。
【0091】
周縁部P1及びP2によって画定された領域は異なる形状を有し、第1の周縁部又は第2の周縁部は他方を完全に包囲する。
【0092】
周縁部は異なる重心を有する。
【0093】
閉鎖周縁部によって画定された領域は、表面積が10%超異なる。
【0094】
シール支持構造(25)は、非重複領域に対応するシール支持構造の領域に、ガス状流体のための少なくとも1つの貫通開口部(29)を備える。貫通開口部は、好ましくは、ガスケット/シールを備え、ガスケット/シールによって境界を定められ、ガスケット/シールはプレクリーナデバイス(1a)の出口スパッド(1a1)と気密式に結合することができる。
【0095】
当業者には理解されるように、これに代えて、又はこれと組み合わせて、非重複領域に対応するシール支持構造の領域は、例えば温度、圧力、湿度、又は他のセンサとして、1つ又は複数の電子デバイスを備えることもでき、これは有線又は無線で接続することができる。
【0096】
第1のシール(23)と第2のシール(24)とは別個のシールであり、例えばリップシールタイプのTPEシールとして形成される。
【0097】
第1及び第2のシール(23、24)のそれぞれは、単一の平面、それぞれ第1の平面及び第2の平面に配置され、第1の平面及び第2の平面は好ましくは平行であるが同一ではなく、換言すると第1の平面及び第2の平面はオフセットされている。
【0098】
第2のシール(24)は、濾材パック(20)の側壁(28)に完全に、すなわち角度軸(A)の周りに360°にわたって追従している。濾材パックの長手方向軸(A)に垂直な断面は、凸曲線と凹曲線を含む腎臓型の形状を示す。例えば、凹状セクション(30)が存在し、これは後述するように有利に使用される。したがって、第2のシール(24)は、濾材パック側壁(28)の凹状セクション(30)にも追従している。
【0099】
第1のシール(23)は、濾材パックの輪郭/側壁に大体追従するが、実際には、濾材パック側壁(28)の凹状セクション(30)に対応する領域以外のあらゆる場所で追従する。
【0100】
したがって、非重複領域の大部分は、第1又は第2のシールが濾材パック側壁(28)に追従しない角度範囲に対応する。
【0101】
第1及び第2のシールはまた、非重複領域に対応するそれぞれの部分を除いて、濾材パックの円周に沿って互いに追従する。
【0102】
濾材パックは、長手方向軸(A)に沿った回転対称性を有さず、第1のシール(23)及び第2のシール(24)のいずれも、長手方向軸に沿った回転対称性を有さないことに留意されたい。
【0103】
濾材パックは、第1の軸方向端部(流入面(26)の近傍)と第2の軸方向端部(流出面(27)の近傍)とを有し、周方向シール支持構造(25)は、濾材パック(20)の第1の軸方向端部の近傍に配置される。任意選択的に、濾材パック(20)の第2の軸方向端部又はその近傍に、第2の支持構造、例えば支持リング(31)を設けることができる。第2の支持構造は、例えば、1つ又は複数のテレスコーピング防止リブ(32)を備え得る。
【0104】
本実施形態では、シール支持構造は、濾材パック(20)の側壁(28)に密封式に結合された基部(22)と、基部(22)から半径方向に延びるフランジ(21)とを備え、フランジは、外縁(211)、上壁(212)及び下壁(213)を有し、濾材パックの長手方向軸に関してフランジの第1の側及び対向する第2の側を定め、第1のシール(23)は、第1の側で、フランジ(21)に、フランジ側壁(212)上に配置され、第2のシール(24)は、第2の側で基部(22)上に設けられる。
【0105】
第1のシール(23)は、軸方向にシールを提供するように配置され、構成されている。第2のシール(24)は、半径方向にシールを提供するように配置され、構成されている。
【0106】
フランジ(21)は概ね長手方向軸(A)に垂直な単一の平面に沿って延び、凹状セクションを有さない概ねオブラウンド型の形状を描く。
【0107】
本開示の実施形態は、主ハウジング部分(1b)及び補完的ハウジング部分(1a)の全体的な外壁の投影された周縁の間に1つ又は複数の隙間が存在することを可能にし、両ハウジング部分の設計の自由度を可能にすることが、当業者によって認識されるであろう。
【0108】
特定の視野において、フランジを備えるシール支持構造は、このようにして、第1及び第2のシール(23、24)間の隙間を(シール支持構造の任意選択の貫通部品開口部(29)を除いて)密封式に、気密式に橋渡しする機能を果たす。
【0109】
このような隙間の存在により、貫通部品又は電子デバイスなど、非重複領域の投影によって画定される容積に物体を配置することが可能になる。このような貫通部品は、例えば、長手方向軸(A)に平行な方向に沿ってプレクリーナデバイス/補完的ハウジング部分の内部空間から延びる管を含むことができる。
【0110】
図1Cにおいて、第1及び第2のシール(23、24)は、明瞭にする目的で、自然な非偏向状態で示されていることに留意されたい。しかしながら、実際の設置においては、第1及び第2のシール(23、24)は、それぞれハウジング部分(1a、1b)の内面に適合してシールを形成するように偏向され得ることが容易に理解され得る。
【0111】
図2A及び
図7A~
図7Dは、本開示の第2の実施形態を示す。この実施形態は、当業者には明らかであると考えられるように、第1の好ましい実施形態と非常に類似しており、ゆえにいくつかの特徴については詳細に記載しないが、第1の好ましい実施形態について記載したように適用可能である。
【0112】
第2の実施形態は、濾材パックが円筒形であるために長手方向軸(A)に垂直な断面が円形である点と、フランジ及び第1のシール(23)が異なる配置である点とが異なる。シール支持構造(25)は基部(22)と、半径方向に延びるフランジ(21)とを備える。フランジは、長手方向軸(A)に垂直な単一の平面に沿って概ね延び、長手方向軸(A)に沿って4回回転対称性を有する、角が丸められた概ね正方形の形状を示す。同じことが第1のシール(23)にも当てはまり、第1のシール(23)はフランジ(21)の外縁(211)に沿って、上壁(212)に、フランジ(21)の第1の側に位置決めされる。したがって、第1のシール(23)も、長手方向軸(A)に対して垂直な単一の平面内に延び、角が丸められた正方形の形状を有する。第2のシール(24)は、シール支持構造の基部(22)上に、第1のシール(23)に対してフランジ(21)の反対側に設けられている。これは、濾材パック(20)の側面(28)に追従しており、長手方向軸(A)に対して垂直な単一平面内に延びており、円形の形状を有している。第1のシール(23)は、軸方向にシールを提供するように配置され、構成されている。第2のシール(24)は、半径方向にシールを提供するように配置され、構成されている。
【0113】
第1の好ましい実施形態と同様に、第2の好ましい実施形態のフィルタエレメント(2)は、それらの長手方向に垂直な側壁断面が全体的に異なる主ハウジング部分(1b)(例えば丸みを帯びた断面を有する)と補完的ハウジング部分(1a)(例えば正方形の断面を有する)との間の隙間を橋渡しする可能性を提供する。ここでは、丸みを帯びた正方形のフランジ(21)がその機能を果たす。特定の視野において、主ハウジング部分(1b)と補完的ハウジング部分(a)との間の丸みを帯びた断面から正方形の断面へのアダプタは、フィルタエレメント自体によって提供される。
【0114】
フィルタエレメント(2)は、第1のシール(23)と同様に、4回回転対称性を有する。第1及び第2の周縁部は共通の重心を有する。
【0115】
この実施形態では、貫通開口部は任意選択の特徴であるため描かれていないが、そのような開口部は、例えば、非重複領域の角領域に、丸みを帯びた角の1つに近接して、丸みを帯びた第2のシール(24)と第1のシール(23)との間に設けることができる。この実施形態に関する非重複領域(及び重複領域)の概略図は、
図8(a)で見ることができる。
【0116】
また、第1及び第2のシールは、全体的に互いに追従せず、場合によってはいくつかの小さなセクションに限って追従する。第1のシール(23)は全体的に濾材パックの輪郭形状に追従しない。
【0117】
図2B及び
図6A~
図6Cは、本開示の第3の好ましい実施形態を示す。この実施形態は、当業者には明らかであると考えられるように、第2の好ましい実施形態と非常に類似しており、ゆえにいくつかの特徴については詳細に記載しないが、第1及び第2の好ましい実施形態について記載したように適用可能である。
【0118】
この実施形態は以下の点で第2の好ましい実施形態と異なる、すなわち、シール支持構造(25)が、長手方向(A)に垂直な単一平面内に概ね延びるフランジ(21)を備え、フランジ(21)は円形形状を有する点で異なる。第2のシール(24)は、フランジ(21)の第1の側において、シール支持構造(25)の基部(22)上で濾材パック(20)の円筒状側壁(25)に追従している。第1のシール(23)は、フランジの他方の側で、フランジ上壁(212)上に配置され、フランジ(21)の外縁(211)に追従している。第1のシール(23)は、好ましくは第2のシール(24)の平面に平行な単一平面内に延び、円形形状を有する。第2のシール(24)の半径は、第1のシール(23)の半径よりも小さく、その結果、環状のリング状の非重複領域が投影内に存在する。両周縁部P1及びP2は共通の重心を有する。その概略図は
図8Bで見ることができる。
【0119】
特定の視野において、主ハウジング部分(1b)と、円筒形であるが半径が異なる補完的ハウジング部分(a)との間のアダプタは、フィルタエレメント自体によって提供される。
【0120】
図3A~
図3C、
図4A~
図4Cは、本開示の第4の実施形態を示す。この実施形態は、当業者には明らかであると考えられるように、これまでの好ましい実施形態と非常に類似しており、ゆえにいくつかの特徴については再度詳細に記載しないが、他の好ましい実施形態について記載したように適用可能である。
【0121】
第4の好ましい実施形態は以下の点で第3の実施形態と異なる、すなわち、フィルタエレメント(2)が、主ハウジング部分(1b)と補完的ハウジング部分(1a)との間の異なる半径に適合するのに適しているだけでなく、主ハウジング部分(1b)の長手方向軸と補完的ハウジング部分(1a)の長手方向軸との間の軸方向のオフセット補正を可能にする点で異なる。
【0122】
シール支持構造(25)は、基部(22)と、基部(22)から半径方向に延びるフランジ(21)とを備える。フランジ(21)は円形の形状を有するが、その中心は濾材パック(20)の長手方向軸(A)からオフセットされている。第2のシール(24)が第3の好ましい実施形態と同様に配置され、第1のシール(23)も同様に(上壁212上に)、第2のシール(24)の側に関してフランジ(21)の反対側に配置され、一方で、第1のシール(23)は、フランジ(21)の外縁(211)に追従している。したがって、第1のシール(23)も円形であり、長手方向(A)に垂直な単一の平面内にあり、第2のシール(24)に対して同じくオフセットされている。周縁部P1及びP2によって画定される領域の間に非重複領域(N)が存在し、これは第1及び第2の閉鎖周縁部に対して非対称に配置される。両方の周縁部は異なる重心を持つ。非重複領域(N)は回転対称性を持たない。その概略図は
図8Dで見ることができる。
【0123】
図8A~
図8Eは、本開示の実施形態による異なる非重複領域を示す。
図8A、
図8B、
図8D及び
図8Eは、本開示の第1~第4の好ましい実施形態に関連し、
図8Cは、
図8Aに類似する別の例を示し、ここで第1の周縁部は概ね正方形(角が丸い)ではなく、概ね長方形(角が丸い)である。
【0124】
図9A~
図9Fは、基部(22)及び半径方向に延びるフランジ(21)の位置が異なる本開示の実施形態を概略的に示す。基部(22)とフランジ(21)との組み合わせは、概ねT字形又はL字形に対応する半径方向の断面を有することができる。基部(22)は、フランジ(21)の両側で軸方向に延びることができ(T字形)、又は基部(22)は、フランジ(21)の片側でのみ軸方向に延びることができる(L字形)。これは、本開示を限定するものではないことに留意されたい。実際、基部(22)とフランジ(21)の組み合わせは別の断面を有することもでき、又は断面はその輪郭に沿って変化することもできる。
【0125】
図9Aは、シール支持構造(25)がT型である実施形態を示す。基部(22)は、濾材パック(20)の端部に正確に構成され、端面(流入面26又は流出面27)に対応する平面に当接している。代替実施形態では、基部(22)は、それぞれの端面(26、27)に対応する平面から0~1cmの範囲内、又は0~5mmの範囲内の距離にあることができる。
【0126】
図9Fは、
図9Aによって示されたものと類似しているが、基部(22)が端面(26又は27)を越えて延びるように配置される、さらに他の実施形態を示す。例えば、端面(26又は27)から最も離れた基部(22)の端部は、それぞれの端面(26、27)に対応する平面から0~1cmの範囲内又は0~5mmの範囲内にあることができる。
【0127】
図9Bは、
図9Aによって示されたものと類似しているが、基部(22)が、流入端部及び流出端部(26、27)から離れた位置で濾材パック(20)の側壁(28)の周りに配置されている、さらに他の実施形態を示す。これらの実施形態においても、フランジは、両方の濾材パック端部(26、27)から離れており、例えば、両方の端部から少なくとも5cm離れているか、又は両方の端部から少なくとも10cm離れている。半径方向に延びるフランジ(21)は、例えば、濾材パック(20)の入口面と出口面(26、27)との間のほぼ中間に配置することができる。
【0128】
図9Dは、シール支持構造(25)がL型である、
図9Bに示されたものと同様の実施形態を示す。
【0129】
図9Eは、シール支持構造(25)がL型である、
図9Aに示されたものと同様の実施形態を示す。基部(22)から半径方向に延びるフランジ(21)は、濾材パック(20)の端面(26、27)に近接することができ、又はそれぞれの端面に当接することができる。フランジ(21)は、それぞれの端面(26、27)に対応する平面から0~1cmの範囲内又は0~5mmの範囲内の距離にあることができる。半径方向に延びるフランジ(21)は、基部(22)がそれぞれの端面を越えて軸方向に延びる場合に、端面(26又は27)を越えて軸方向に配置することもできる。例えば、フランジ(21)は、任意の端面から離れた平面(すなわち、その平面は濾材パックを横切らない)において延びることができる。例えば、フランジとそれぞれの端面との間の距離は、0~1cmの範囲内、又は0~5mmの範囲内であり得る。
【0130】
図9Cは、本開示によるフィルタエレメントの第5の実施形態を示す。フィルタエレメント(2)は、比較的薄い(例えば、10cm未満、又は5cm未満の厚さを有する)濾材パック(20)を備え、濾材パックの側壁(28)は、流出面(27)から流入面(26)をはるかに超えるまで、例えば、10cm超、20cm超、又は30cm超にわたって延びるシェルを備える。シェルの遠隔端部には、その外面にT型又はL型のシール支持構造を配置することができ、その一部はシェル自体の一部によって画定することができ、第1のシール(23)及び第2のシール(24)を備える。第1及び第2のシール(23、24)は、例えば、以下に記載するような任意の構成で配置することができる。
【0131】
図10A-1~
図10D-2及び
図9は、半径方向に延びるフランジ(21)を有するシール支持構造(25)を備える本開示の実施形態を概略的に示している。シール支持構造(25)上に第1及び第2のシール(23、24)を位置決めするための異なる選択肢が示されている。
図11は、シール支持構造が局所的には同様の形状(T字形断面)であるが、その輪郭に沿って形状が変化し、投影においてそれぞれのシールの非重複領域を生じさせる別の実施形態を示す。
【0132】
シールの位置とシール方向には強い相関関係がある。実際、シールがフランジ(21)の外縁(211)又は基部(22)上に、より一般的には長手方向軸(A)に平行な面上に配置されている場合。それは通常、半径方向のシールを提供するために適合されている。シールがフランジの側壁(フランジ(21)の上壁(212)又は下壁(213))上、より一般的には長手方向に垂直な面上に配置されている場合、シールは通常、軸方向にシールを提供するために適合されている。
【0133】
本開示の第1~第4の実施形態に関連するこれまでの図において、第1のシール(23)は、上壁(212)上に配置され、第2のシール(24)は、第1のシール(23)が存在する側から見てフランジ(21)の反対側で、基部(22)上に配置されているが、これらは、特許請求の範囲及び
図10(a)~(d)のさらなる例によって示されるように、例示的であり、非限定的である。
【0134】
図10A-1~
図10D-2は対になっており(例えば、x-1及びx-2;x=A、B、C、D)、長手方向軸(A)周りの異なる角度配向におけるシール支持構造(25)の断面を示している。見られるように、フランジ(21)の半径方向の延びは、その輪郭に沿って変化し得る(
図10C及び10D)。フランジ(21)の半径方向の延びは、その輪郭に沿った特定の位置でゼロになることさえある(
図10D-1参照)。
【0135】
すべての実施形態は、投影において第1及び第2のシールの非重複領域を含む、すなわち、長手方向に垂直な平面上のそれぞれの投影の周縁部が非重複領域を含む。
【0136】
図10Aでは、第1のシール(23)はフランジ(21)の上壁(212)に位置決めされる。フランジは半径方向に一定の広がりを持つが、上壁(212)上の第1のシール(23)の相対位置はフランジ(21)の輪郭に沿って変化する。第2のシール(24)は、第1のシール(23)の側に対してフランジ(21)の反対側で、基部(22)上に一定の軸方向高さで位置決めされる。
【0137】
図10Bでは、第1のシール(23)はフランジ(21)の上壁(212)上に位置決めされる。フランジは半径方向に一定の広がりを持ち、上壁(212)上の第1のシール(23)の相対位置は、フランジ(21)の輪郭に沿って一定である。第2のシール(24)はフランジ(21)の下壁(213)上に位置決めされ、下壁(213)上の第2のシール(24)の相対位置はフランジ(21)の輪郭に沿って変化する。
【0138】
図10Cでは、第1のシール(23)はフランジ(21)の外縁(211)上に位置決めされる。フランジは、その輪郭に沿って、半径方向の延びが変化する。第2のシール(24)は、基部(22)上に一定の軸方向高さで位置決めされる。
図10Dは
図10Cに類似しているが、輪郭に沿ったフランジ(21)の半径方向の延びは、輪郭に沿った特定の位置でゼロになる。
【0139】
図11は、シール支持構造(25)の形状がその輪郭に沿って変化する、本開示のさらなる実施形態を示す。
図11Aに示される第1の位置では、シール支持構造(25)の断面はT字型である。第1のシール(23)と第2のシール(24)の両方が、フランジ(21)の反対側で基部(22)上に配置され、半径方向のシールのために適合されている。
図11Bに描かれている、シール支持構造(25)の輪郭に沿った別の位置では、シール支持構造は別の断面形状を有し、この断面形状は、依然それぞれ第1のシール及び第2のシールを支持する表面を備える。例えば、「T」の「上の方の脚」は、
図11Aの初期位置から、
図11Bにおいて「T」の「基部」の端部に向かって徐々に移動する。このような構成はまた、投影における第1のシール及び第2のシールの非重複領域を含む。
【0140】
さらに他の実施形態では、シール支持構造の断面は、さらに他の形状、例えば、T字形又はL字形とは異なる形状を有することができる。
【0141】
本開示の第2の態様によれば、フィルタアセンブリ(1、2)であって、主ハウジング部分(1b)及び補完的ハウジング部分(1a)を備えるハウジング(1)と、第1の態様の実施形態のいずれかによるフィルタエレメント(2)とを備えるフィルタアセンブリ(1、2)が開示される。
【0142】
第1のシール(23)は、フィルタエレメント(2)と補完的ハウジング部分(1a)との間のシールを形成し、第2のシール(24)は、フィルタエレメント(2)と主ハウジング部分(1b)との間のシールを形成する。
【0143】
フィルタエレメント(2)のシール支持構造(25)が、非重複領域に対応するシール支持構造の領域にガス状流体用の少なくとも1つの貫通部(29)を備える場合、アセンブリは、好ましくは、シール支持構造(25)の少なくとも1つの貫通部(29)と接続されるプレクリーナ掃気管(1a1)をさらに備える。
【0144】
好ましい実施形態において、主ハウジング部分(1b)の側壁は、フィルタエレメント(2)又は濾材パック(20)の側壁(28)に追従しており、例えばフィルタエレメント(2)の凹状セクション(30)にも追従している。主フィルタハウジング部分(1b)の凹状セクション(130)によって形成される容積は、例えば、補完的ハウジング部分(1a)/プレクリーナデバイスからダストを掃気するための掃気管を位置決めするために使用することができる。このような掃気管は、例えば、当該技術分野で知られているように、吸引を生じさせるための排気システムの適切な位置に接続することができる。主フィルタハウジング部分(1b)の凹状セクション(130)によって形成された容積は、例えば、フィルタアセンブリ(1、2)を車両(図示せず)に取り付けるための固定手段又は構造体(111)を位置決めするために有利に使用することができる。
【0145】
好ましい実施形態によれば、フィルタエレメント(2)又はシール支持構造(25)は、主ハウジング部分(1b)と相補的ハウジング部分(1a)との間のアダプタとして、気密式に機能する。好ましい実施形態によれば、フィルタエレメント(2)又はシール支持構造(25)は、主ハウジング部分(1b)と補完的ハウジング部分(1a)との間の隙間を気密式に橋渡しする半径方向に延びるフランジ(21)を備える。
【0146】
例えば以下の項目を特許請求することができる。
【0147】
1.ガス状流体を濾過するためのフィルタエレメントであって、長手方向軸を有する濾材パックと、前記濾材パックの側壁に密封式に結合された周方向シール支持構造とを備え、前記シール支持構造は第1のシール及び第2のシールをさらに備え、
前記長手方向軸に垂直な平面上の前記長手方向軸に沿った前記第1のシール及び前記第2のシールの軸方向の投影が、第1及び第2の閉鎖周縁部を定め、前記第1及び前記第2の閉鎖周縁部に対応する領域が非重複領域を含む、フィルタエレメント。
【0148】
2.前記閉鎖周縁部によって画定される領域が重複領域も含む、項目1に記載のフィルタエレメント。
【0149】
3.前記非重複領域が、前記閉鎖周縁部によって画定される領域の最小面積の少なくとも10%を構成する表面を有する、先行する項目のいずれかに記載のフィルタエレメント。
【0150】
4.前記非重複領域が回転対称性を有さない、先行する項目のいずれかに記載のフィルタエレメント。
【0151】
5.前記非重複領域が、前記第1の周縁部及び/又は前記第2の周縁部に関して非対称に配置されている、先行する項目のいずれかに記載のフィルタエレメント。
【0152】
6.前記第1の閉鎖周縁部及び前記第2の閉鎖周縁部が、前記平面上で前記長手方向軸に沿った前記濾材パックの投影を囲む、先行する項目のいずれかに記載のフィルタエレメント。
【0153】
7.前記周縁部によって画定される領域が異なる形状を有する、先行する項目のいずれかに記載のフィルタエレメント。
【0154】
8.前記周縁部によって画定される領域が同様の形状を有するが、異なるサイズを有する、先行する項目1~6のいずれかに記載のフィルタエレメント。
【0155】
9.前記周縁部が共通の重心を有する、先行する項目のいずれかに記載のフィルタエレメント。
【0156】
10.前記周縁部が異なる重心を有する、先行する項目1~8のいずれかに記載のフィルタエレメント。
【0157】
11.前記閉鎖周縁部によって画定される領域が、表面積において少なくとも10%異なる、先行する項目のいずれかに記載のフィルタエレメント。
【0158】
12.前記第1の周縁部又は前記第2の周縁部の一方が、他方を完全に包囲する、先行する項目のいずれかに記載のフィルタエレメント。
【0159】
13.前記シール支持構造が、前記非重複領域に対応する前記シール支持構造の領域に、ガス状流体のための少なくとも1つの貫通開口部を備える、先行する項目のいずれかに記載のフィルタエレメント。
【0160】
14.前記シール支持構造が、前記非重複領域に対応する前記シール支持構造の領域に1つ又は複数の電子デバイスを備える、先行する項目のいずれかに記載のフィルタエレメント。
【0161】
15.前記第1のシール及び前記第2のシールが、前記濾材パックの周囲に配置される、先行する項目のいずれかに記載のフィルタエレメント。
【0162】
16.前記濾材パックがラップ及び/又はシェルを備える、先行する項目のいずれかに記載のフィルタエレメント。
【0163】
17.前記第1のシール及び前記第2のシールが別個のシールである、先行する項目のいずれかに記載のフィルタエレメント。
【0164】
18.前記第1のシール及び前記第2のシールがTPE材料を含む、先行する項目のいずれかに記載のフィルタエレメント。
【0165】
19.前記第1のシール及び前記第2のシールのそれぞれが、単一の平面に、それぞれ第1の平面及び第2の平面に配置される、先行する項目のいずれかに記載のフィルタエレメント。
【0166】
20.前記第1の平面及び前記第2の平面がオフセットされている、項目19に記載のフィルタエレメント。
【0167】
21.前記第1のシール又は前記第2のシールの一方が、前記濾材パックの前記側壁に追従する、先行する項目のいずれかに記載のフィルタエレメント。
【0168】
22.前記第1のシール及び前記第2のシールの一方が、少なくとも180°であるが完全ではない角度範囲にわたって前記濾材パックに追従する、先行する項目のいずれかに記載のフィルタエレメント。
【0169】
23.前記非重複領域が、前記第1又は第2のシールの一方が前記濾材パックに追従しない角度範囲に対応する、項目22に記載のフィルタエレメント。
【0170】
24.前記第1及び前記第2のシールが、前記非重複領域に対応するそれぞれの部分を除いて、前記濾材パックの円周に沿って互いに追従する、先行する項目のいずれかに記載のフィルタエレメント。
【0171】
25.前記濾材パックの断面が、凸曲線及び凹曲線を備える、先行する項目のいずれかに記載のフィルタエレメント。
【0172】
26.前記濾材パックが、前記長手方向軸に沿った回転対称性を有さない、先行する項目のいずれかに記載のフィルタ。
【0173】
27.前記第1のシール及び前記第2のシールの少なくとも一方が、前記長手方向軸に沿った回転対称性を有さない、先行する項目のいずれかに記載のフィルタ。
【0174】
28.前記フィルタエレメントが、第1の軸方向端部及び第2の軸方向端部を有し、前記周方向シール支持構造が、前記フィルタエレメントの前記軸方向端部の一方の近傍又は前記軸方向端部の一方に配置される、先行する項目のいずれかに記載のフィルタエレメント。
【0175】
29.前記フィルタエレメントが第1の軸方向端部及び第2の軸方向端部を有し、前記周方向シール支持構造が、前記フィルタエレメントの前記第1の軸方向端部と前記第2の軸方向端部との間に、それらから離れて配置される、先行する項目1~27のいずれかに記載のフィルタエレメント。
【0176】
30.前記シール支持構造が、前記濾材パックの側壁に密封式に結合された基部と、前記基部から半径方向に延びるフランジとを備え、前記フランジが外縁を有し、前記濾材パックの前記長手方向軸に関して前記フランジの第1の側及び反対の第2の側を定め、前記第1及び第2のシールが、前記フランジ上又は前記フランジに隣接して配置される、先行する項目のいずれかに記載のフィルタエレメント。
【0177】
31.前記第1及び第2のシールが、(前記フランジの第1の側上、前記フランジの第2の側上、前記外縁上、前記フランジの前記第1の側の前記基部上、前記フランジの前記第2の側の前記基部上)のセットから選択される異なる位置に配置される、項目30に記載のフィルタエレメント。
【0178】
32.前記シールの少なくとも一方が、前記フランジ上に配置される、項目30又は31に記載のフィルタエレメント。
【0179】
33.前記第1及び第2のシールの両方が、前記フランジ上に配置される、項目30又は31に記載のフィルタエレメント。
【0180】
34.前記シールの少なくとも一方が、前記フランジの前記外縁に配置される、項目32又は33に記載のフィルタエレメント。
【0181】
35.前記シールの少なくとも一方が、前記基部上に配置される、項目30に記載のフィルタエレメント。
【0182】
36.前記第1及び第2のシールの両方が、前記基部上に配置される、項目35に記載のフィルタエレメント。
【0183】
37.前記第1及び前記第2のシールが、半径方向にシールを形成するように適合される、先行する項目のいずれかに記載のフィルタエレメント。
【0184】
38.前記第1及び前記第2のシールが、軸方向にシールを形成するように適合される、先行する項目1~36のいずれかに記載のフィルタエレメント。
【0185】
39.前記第1のシールが半径方向にシールを形成するように適合され、前記第2のシールが軸方向にシールを形成するように適合される、先行する項目1~36のいずれかに記載のフィルタエレメント。
【0186】
40.主ハウジング部分及び補完的ハウジング部分を備えるハウジングと、項目1~39のいずれかに記載のフィルタエレメントとを備えるフィルタアセンブリであって、前記第1のシールは、前記フィルタエレメントと前記補完的ハウジング部分との間にシールを形成し、前記第2のシールは、前記フィルタエレメントと前記主ハウジング部分との間にシールを形成する、フィルタアセンブリ。
【0187】
41.前記補完的ハウジング部分が、プレクリーナデバイス又はハウジングカバーを備える、項目40に記載のフィルタアセンブリ。
【0188】
42.前記シール支持構造が前記非重複領域に対応する前記シール支持構造の領域にガス状流体のための少なくとも1つの貫通部を備えるフィルタエレメントを備え、前記シール支持構造の前記少なくとも1つの貫通部と接続されるプレクリーナ掃気管をさらに備える、項目40~41のいずれかに記載のフィルタアセンブリ。
【0189】
本明細書においてこれまで特定の実施形態を参照して本発明を記載してきたが、これは、本発明を明確にするためであって、限定するためではなく、その範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して決定される。特に、特定の実施形態の文脈でのみ記載した変形例及び要素は、同じ技術的効果を得るために他の実施形態の特徴と組み合わせることができる。
【国際調査報告】